環境省独立行政法人評価委員会第30回環境再生保全機構部会会議録

日時

平成26年3月18日(月)9:56~10:40

場所

航空会館 501・502会議室

議題

  1. (1)独立行政法人環境再生保全機構の第3期中期目標(案)について
  2. (2)独立行政法人環境再生保全機構業務方法書の変更について。
  3. (3)その他

配付資料

  1. 資料1 独立行政法人環境再生保全機構の第3期中期計画(案)
  2. 資料2 独立行政法人環境再生保全機構の第3期中期目標と計画(案)の対比表
  3. 資料3 独立行政法人環境再生保全機構の第3期中期計画(案)新旧対照表
  4. 資料4 独立行政法人環境再生保全機構の第3期中期計画(案)の前回部会からの変更点について
  5. 資料5 独立行政法人環境再生保全機構の第3期中期計画予算の概要について
  6. 資料6 独立行政法人環境再生保全機構の業務方法書の変更について
  7. 参考資料1 独立行政法人環境再生保全機構の第3期中期目標の指示について
  8. 参考資料2 独立行政法人環境再生保全機構の第3期中期目標の変更点について
  9. 参考資料3 独立行政法人環境再生保全機構の主要な事務及び事業の改廃に関する勧告の方向性について
  10. 参考資料4 独立行政法人改革等に関する基本的な方針(抜粋)
  11. 参考資料5 事務連絡「独立行政法人の中期目標認可の協議について」
  12. 参考資料6 関連法規等

出席者

委員

西間三馨部会長、花木啓祐委員、大久保規子委員、有田芳子臨時委員、萩原なつ子臨時委員

環境省

大臣官房 鎌形審議官

総合環境政策局 上田総務課長、坂口調査官、林総務課課長補佐

環境保健部 宮島調査官

環境再生保全機構

福井理事長、武川理事、今井理事、栗山理事、岩田上席審議役、大庭総務部長

議事録

【西間部会長】 ただいまから今年度最後の環境省独立行政法人評価委員会第30回環境再生保全機構部会を開催いたします。

 本日は、委員7名のうち5名の委員に出席していただきましたので、環境省独立行政法人評価委員会令第6条第1項の規定により、既に定足数を満たしております。

 それでは、議事に入ります前に、事務局から事務的な内容について説明をお願いします。どうぞ。

【鎌形審議官】 それでは、会議に先立ちまして、一言ご挨拶申し上げます。

 本日はご多忙の中ご出席いただき、ありがとうございます。

 今日の議題といたしましては、独立行政法人環境再生保全機構の次期中期計画につきまして、前回もご議論いただきましたけれども、その中期計画について引き続きご議論いただくのと、本日新たに、業務方法書の一部変更-PCBの関係でございますけれども-につきまして、ご審議いただくということでございます。

 委員の皆様方、全てこの部会の親委員会にもご所属いただいているということで、本年度、数えてまいりますと、この環境再生保全機構関係では、昨年の夏から5回ご審議をいただいております。中期計画の改定年次に当たるということでございまして、見直し案から中期目標、そして中期計画と、こういうふうにご審議を賜わってきているところでございます。

 先月の部会で、いわゆる中期目標につきましては取りまとめいただきましたので、この2月28日付で、環境大臣から機構に中期目標を指示するということでやらせていただいているところでございます。

 本日、それに基づきます中期計画ということでございますので、具体的な中身も取りそろえた内容となってございますので、本日、お取りまとめいただければというふうに考えてございます。

 お取りまとめいただきましたならば、今月中に計画の認可、そして新年度からの新しい計画のもとの業務ということになってまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 簡単ではございますが、以上をもちまして私からのご挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

【坂口調査官】 続きまして、お配りしています資料について、確認をお願いしたいと思います。

 議事次第をめくっていただきますと、資料1としまして、第3期中期計画(案)でございます。資料2については中期目標と中期計画を対比した資料でございます。資料3については、中期計画の第2期と第3期を比較したものでございます。それから資料4につきましては、前回ご説明させていただいたものから、変更された点をまとめた資料になっております。今日はこの資料4で説明させていただきたいと思っております。資料5については、第3期中期計画予算の概要案でございます。資料6については、環境再生保全機構の業務方法書の変更について、特にPCB助成対象の拡充に向けた経緯等と、具体的な内容について説明した資料でございます。参考資料としましては、中期目標の指示資料でございます。参考資料2については、第3期中期目標(案)でございます。参考資料3は、業務改廃の勧告の方向性として、いつもつけさせていただいている資料でございます。参考資料4としましては、独法の改革の基本的な方針に関する資料。参考資料5が、中期目標認可の協議についての資料でございます。参考資料6が、関係法規等をまとめた資料でございます。

 以上でございます。

【西間部会長】 資料はそろっておりますでしょうか。よろしいですか。

 それでは、議事に入ります。

 最初の議題は、独立行政法人環境再生保全機構の第3期中期計画(案)についてです。

 これについては、独立行政法人通則法に基づき、主務大臣は独立行政法人が作成した中期目標を達成するための計画、いわゆる中期計画を認可しようとするときは、あらかじめ評価委員会の意見を聞かなければならないとされており、本日は前回の部会での審議を踏まえた修正案等についてご審議いただき、部会として取りまとめたいと考えております。

 それでは、事務局から説明をお願いします。

【坂口調査官】 資料につきましては、参考資料1と参考資料2で説明させていただきたいと思います。

 参考資料2のほうが、中期目標案で修正された内容がわかるもの、それから参考資料1が中期目標の指示に関する資料でございます。

 中期目標につきましては、前回の取りまとめ案から総務省の政独委、それから財務省と協議をしまして資料をまとめさせていただいております。

 参考資料2をめくっていただきますと、冒頭のページは、数字を、少しフォーマットを直したものでございます。具体的な中身の変更については、3ページ、機構が所掌する事務事業を取り巻く現状等の部分が修正になっておりまして、政独委からのコメントとして、前段と後段がつながりをわかりやすく書いてほしいということから、所要の変更を少しさせていただいております。

 4ページは法律案とか文言の修正だけでございます。

 5ページについても法律案の修正の部分のみになっています。

 6、7も同様の修正でございまして、それ以外の修正については、14ページの一般管理費等の削減目標の数字でございますけれども、これは財務省等の所要の協議を経まして、平成26年度比で6.5%を上回る削減を行うことという形でまとまってございます。

 これが中期目標のほうでございます。

 次に、中期計画のほうに行かせていただきたいと思います。

 中期計画のほうは、資料4で説明させていただきたいと思います。

 資料4のほうを見ていただきますと、前回ご説明させていただいたところから修正があります。

 1ページを見ていただきますと、4月のとか1日とか、数字の表現の適正化のみでございます。

 それからページをめくっていただきますと、2ページ、公害健康被害補償業務について、冒頭の部分については、「等」という文言を入れていますけれども、これは公健法上の表現と合わせて「等」を入れさせていただいております。それ以外は数字の適正化でございます。

 それから、3ページですけれども、2.都道府県に関する納付金の納付の部分について、以下、納付申請等という、ここの部分については既にタイトルで書かれていますので、これは必要ないということで削ってございます。

 3ページはそのくらいでございまして、4ページに行きますと、調査研究の部分の(2)の部分が修正されております。ここについて、総合点が5段階評価で下から2段階以下の部分は消させていただきます。これは前回コメントをいただきましたところで、2段階以下のみに限るものではないという、そういった趣旨から必要ないのではないかということで、修正させていただいております。

 その後段のところについては、情報提供を行う場合に当たっては、ホームページ等でわかりやすく広報していく必要があるということから、ちょっと表現を追加させていただいております。

5ページについても、基本的には表現の適正化のところでございまして、6.の助成事業のところ、第2期中期計画のところは、ちょっと表現が間違っておりまして、第2期中期目標に正しく直させていただいてございます。

 6ページ、地球環境基金業務のところについて、いわゆる環境改善という言葉について、前回、議論になりましたけれども、やはり言葉のくくりとして環境保全のほうが広くて正しいだろうということで、環境保全という形に統一させていただいてございます。

 それ以外については、基本的に表現の適正化でございますが、6ページの最後の部分、処理期間の短縮の部分につきましては、ここは中期目標の記載に合わせて、必要な部分を修正させていただいて、タイトルの部分を修正してございます。

 次の7ページ、振興事業に係る事業のところにつきましては、まずタイトルの書き方を、「調査事業、研修事業」ということで、中期目標に合わせた修正をさせていただいております。

 (1)の内容については、次の8ページの部分の(2)及び(3)の必要な部分を、特に重点化の趣旨で書かれた部分については(2)、(3)の一部を、(1)のほうに移動させて、まとめさせていただいております。基本的に内容が変わったということではなくて、位置を変えたという形になってございます。

 8ページに行きますと、その減らした部分、特に(3)はそういった趣旨で修正になってございます。

 次に地球環境基金の運用等につきましては、表現の適正化もありますけれども、特に前回の部会において、新たな募金の仕組みも検討すべきであるというコメントをいただきましたので、それを踏まえまして文章を追加させていただいてございます。

 PCBの部分につきましては、基本的には文章の適正化のみでございます。

 維持管理積立金の部分も同様でございます。

 ページをめくらせていただいて、10ページの部分です。組織運営のところにかかりますけれども、ここは先ほどの説明と同じで、第3期中期目標期間中ということで、きちんと特定した書き方になってございます。

 11ページの業務運営の効率化の部分、一般管理費につきましては、中期目標の表現と同じで、平成26年度、6.5%を上回る削減という形で、それぞれ合わせた書き方になってございます。

 業務経費の部分につきましても、文章の適正化と、第三期中期目標期間ということで、きちんと表現を適正に直すということをしてございます。

 12ページ、随意契約等の見直しの部分でございますけれども、ここは前回、部会で議論になりまして、環境教育等による環境保全の取組の促進に関する法律の趣旨を踏まえた、競争性、透明性が十分に確保された方法により実施するという形で、コメントに対応した書きぶりにさせていただいてございます。

 13ページの部分は、基本的に表現の適正化になってございますし、以降の部分は全て第3期中期目標期間中というふうに合わせる、そういった修正になってございます。

 資料5のほうが、これは中期目標期間中の予算の概要でございます。

 ページをめくっていただきますと、数字が並んだ資料でございますが、これは第2期の中期目標期間中の予算ベースの実績と、右側に第3期計画の中期目標期間の見通しをまとめた資料になってございます。

 これの概要をまとめた部分が、最初の1ページ目のカラー刷りになった予算でございまして、それぞれ左側が第3期期間中の予算、特に計画する支出予算と、右側が収入の予算の概要というふうになってございます。中身はそれぞれ円グラフになっていますので、割合がこういうふうに分かれるというふうになりまして、左側でありますと、公害健康被害予防補償業務、石綿、地球環境基金、債権管理、借入金償還、一般管理費等に分かれるということでございますし、収入でありますと、業務収入があるのと、運用収入のほか、運営費交付金だとか国庫補助金等で収入が入ってくるということになっています。

 2.の部分については、中期計画との予算の比較でございますけれども、支出、収入ともそれぞれ三角が立ってございます。

 これは具体的にどういう三角が立つのかというのが、次のページのA3の紙を見ていただくとわかりやすいかと思います。この資料の右側の部分、B-Aというところがあると思うんですけれども、ここが第2期と第3期の比較で数字が立っているところでございます。一番収入の減になるところについては業務収入のところでございまして、これは具体的には債権の回収等に伴う事業資産譲渡収入の減及び公害健康被害補償業務等における給付対象者の減少見込みによる付加金の減があって、いわゆる三角が立つということになってございます。

 長期借入金等も、借入金償還等の減等があって、マイナスが立っているということ。環境再生保全機構債券につきましては、債券発行を行わない見込みになっていますので、丸々マイナスが立つと。

 それからもう一つ、政府交付金につきましては、石綿健康被害交付金に係る一般拠出金が変更になってございます。これは前一度ご説明したと思いますけれども、これと公害健康被害補償業務における補償給付金が減少することに伴う交付金等の減がございまして、これもやはり三角が立つということで、こういった形の計画になってございます。

 それから、3番目の運営費交付金の算定等につきましては、それぞれ原則を立てておりまして、一つ目は、一般管理費は平成26年度比で6.5%を上回る削減を図るという前提で計算しています。事業費等については、平成26年度で4%を上回る削減を図る。人件費は平成26年度と同額とする一方、退職手当は、定年分、中途退職分を各年度積み上げで計上していくといった形で予算を組ませていただいております。

 次のページ、4.その他(各勘定の算定)の部分で、主立ったところにつきましては、国庫補助金については、平成26年度予算と同額を計上してございます。具体的には福祉事業費補助金、自立支援型公害健康被害予防事業費補助金でございます。

 ②としまして、政府交付金及び業務収入、汚染負荷量賦課金につきましては、給付対象者の将来推計から補償給付費等を見積もって、所要額を積算してございます。

 予防基金運用収入につきましては、現有資産分と償還後の再運用、それから10年国債に利息を計上させていただいております。

 (2)石綿健康被害救済業務勘定については、給付費については平成26年度予算額と同額を計上してございます。業務収入については、地方公共団体及び事業者から、特別拠出金の見込額を計上しています。運用収入については、平成26年と同額でございます。

 (3)の基金勘定について、国庫補助金及び都道府県補助金については、PCB廃棄物処理に係る26年度予算と同額を計上しています。それから、②のPCB廃棄物処理助成事業についても、平成26年と同額。寄付金等収入については、過去の実績を踏まえて、毎年度1,000万円。基金運用収入については、平成26算定時に使用した額を、便宜上計上させていただいて、同じ額を計上しています。保有預託金等の運用については、10年国債を各満期5日後から利率0.7%で計上。

 (4)については、承継勘定については、債権管理回収業務補助金については計上しない。債券は発行しない。借入金等の利息については償還計画に基づき計上。業務収入については、割賦譲渡元金及び貸付金の回収見込額を計上。

 こういった考えで、第3期の見通しをつくらせていただいております。

 これについては、基本的には見込みでございますので、計画目標の算定の前提になった数字ということで考えていただければというふうに思っております。

 中期計画の資料につきましては以上でございます。

【西間部会長】 それでは、ただいまの説明にご質問とかご意見ございますでしょうか。

【大久保委員】 適切に修正いただきまして、ありがとうございます。内容に関しては全く異存ないんですけれども、適正表現関係だけ、念のため確認ですが、大変細かいことで恐縮ですけれども、資料4の地球環境基金業務の1ページ目、民間団体NGO、NPOという言葉が出てきていますが、これはほかのところは、PCBも全部、半角を全角に適正表現化で直しておられるので、これも全角ではないかと。それから、その下のところの数字の並びなんですけれども、(1)(2)(4)(3)となっていますが、これは順番を入れ替えるということでいいんですね。

以上です。

【西間部会長】 ほかにいかがでしょうか。この資料4が基本だと思いますけれども、主な変更点は、もう一回確認しますと、4ページの(2)の下のはこれでよろしいですね。委員の方、こういう書きぶりでよろしいですか。

(はい)

【西間部会長】 それと、同じく8ページの募金のところですけれども、これも新たな募金方法等の検討を行うなど、募金等の活動を強化すると、こういう書き方になっております。これもよろしいですか。

(はい)

【西間部会長】 それから、12ページのところの、競争性・透明性のところですけれども、ここに法律名を書いて、その趣旨を踏まえつつという書き方になっていると。随意契約のところですね。これもこの書き方でよろしいですか。

 大きな変化というか確認をしておきたいというのはこの辺でしょうか。あとは字句の変更くらいですから。よろしいですか。

(はい)

【西間部会長】 それでは、これで承認をしていただきました。当部会としては、この案のとおりに確定したいと思います。

 それでは、次の議題に移らせていただきますが、本日は機構の皆様方にも出席いただいておりますので、理事長より一言、よろしくお願いします。

【福井理事長】 環境再生保全機構の福井でございます。本日はどうもありがとうございました。

 先月の2月の5日と本日と、2回にわたりまして、第3期中期計画(案)につきましてご審議いただきました。また、大変建設的なご意見、ご指摘をいただきまして、誠にありがとうございました。いただきましたご指摘を十分踏まえまして、4月から第3期中期計画に基づき、機構職員全員一丸となりまして、より一層、効率的な業務運営に努めますとともに、国民の皆様によりすばらしいサービスを提供していきたいと思っておりますので、今後ともよろしくご指導、ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。

 なお、この後、当機構の業務方法書の変更につきまして、引き続きご議論いただくということでございます。よろしくどうぞお願いいたします。

【西間部会長】 ありがとうございました。

 それでは次の議題です。独立行政法人環境再生保全機構の業務方法書の変更についてです。

 では事務局より、資料6について説明をお願いします。

【坂口調査官】 資料6が業務方法書の変更についてになってございます。

 PCBの処理につきましては、事業者等が持っているPCBが含まれるトランスとかコンデンサー等を、日本環境安全事業株式会社というところへ持っていって処理しているわけなんですけれども、その処理に当たりましては、独立行政法人環境再生保全機構がPCB廃棄物処理基金というのを造成しておりまして、当該基金により、特に中小企業者等の処理費用を3割に軽減するという措置を講じてきてございます。

 対象となる法人につきましては、中小企業支援法に規定する中小事業者のほか、常時使用する従業員の数が100名以下の学校法人、宗教法人、医療法人、社会福祉法人と、過去に事業を廃止した後に個人が持っている、そういった事情を抱えている方を対象として処理の軽減を図るという形にしておりましたけれども、現在、PCB処理の基本計画等の変更と、処理年限の変更等もありまして、今後きちんと抜本的に処理をしていかなければいけないということもございまして、業務方法書等の変更をしていきたいというふうに考えてございます。

 現在の状況でございますけれども、この業務方法書を変更するためのパブリックコメントを、2月18日から3月19日にかけて、今現在行っておりまして、来年度冒頭から、この業務方法書を変更した形で運用を図っていきたいというふうに思っております。

 そのため、パブリックコメント中ではございますけれども、ここでご意見をいただいて、必要なコメントがあれば修正していきたいとは思っています。また、具体的にはパブリックコメント等が終わった後、正式な協議をしなければいけませんので、それはそれぞれ書面で案内させていただきたいと思っております。

 資料6で、少し内容を説明したいと思いますけれども、一番わかりやすいのが、最後から2番目の資料、ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基金による支援の拡充案についてでございます。 背景の部分が、先ほど説明した、現状の対象者でございます。中小企業者のほか、従業員100名以下の学校法人、宗教法人、医療法人、社会福祉法人である。それから、その他の法人においても、廃棄物を保管している個人の事業者がいるということですが、こういった人以外にも持っている方がおられて、そういう支援しなければいけない人たちを対象にしようということで、具体的な内容としまして、中小保管事業者や個人への支援として、丸を書いていますけれども、先ほども申しました学校法人、宗教法人、医療法人、社会福祉法人、中小企業者のほか、その他の法人についても軽減の対象と広げたいというふうに思っています。それから、先ほどの事業者をやめた個人だけではない個人についても、持っている可能性があるということで、支援対象を広げたいというふうに考えてございます。

 これが具体的な拡充案の内容になってございまして、今まで決まったていた対象者から、きちんと拾えない可能性があるところにも対象を広げた形で支援を拡充したいという回答になってございます。

  資料6の中の頭から3枚目をめくっていただきますと、新旧対照表がございます。現行案と改正案をまとめたものがありますけれども、現行案が、先ほど言いましたような、学校法人、宗教法人、医療法人、もしくは社会福祉法人、ここの部分を削って、こういった対象以外の人たちも含めるようにしたいというふうな内容になっているのと、次のページの2のところで、中小企業者の解散等により個人が保管することとなったもの、こういったものを、個人が保管している費用という形に、ちょっと簡略化した上で対象を少し広げた形で支援していきたいというふうに考えてございます。

 内容については、以上でございます。

【西間部会長】 これを読んでいて感じたのですけれども、言うは易しで、実際、どのようにこれを周知して、そして追跡するかということは、既に事業所もないというところで、どういう作業を行うのですか。向こうから言ってきたときに、今までの枠から外れていてもそれは対象とする、それはわかるのですけれども、しかし、現実的にはかなりの部分が漏れるのではないかと。その追跡作業というのは、何か考えているのですか、具体的に。

【林課長補佐】ちょっと廃リ部が遅れていまして、かわりに回答させていただきますが、まず、PCBのこの基金に関しましては、保管義務者が報告を義務づけられております。その報告を受け、自治体がその報告を受けておりますので、その過程で、自治体からその報告をされている方々にはご連絡できる形になっているものと思われます。

 また、今回、1カ月に及ぶパブリックコメントをかけておりますので、こうしたことでも周知をさせていただきながら、実際、4月1日の交付を目指しているんですけれども、その後、1週間後くらいに施行ということで、その後も随時その自治体、届け出先の自治体のほうから、恐らく保管義務者に対してそういう周知はなされるのではないかなと思っております。

 ただ、その報告をしていない、本当にごく少ない数ではあると思いますけれども、どうもそういったところも問題であるというのは、前々から指摘されているようでございます。その辺は、最終的な平成39年3月までの処理期限までの間に、きちんと周知しながら行っていこうということで、実は、PCBの処理基本計画というのは、これは環境大臣が定めるものがございまして、政令が一昨年の12月に変わりまして、28年7月という期限から、39年3月に延長したんですけれども、その延長を受けて、さらにそのPCBの処理の仕方に関して、今、5事業所あるんですけれども、この5事業所の中で、得意なところとそうでないところとありまして、そこをうまく事業所間で融通しながら処理ができるような計画の改定も、今、廃棄物リサイクル対策部のほうで進めております。そういった中でも、事業者への周知というのもきちんと行っておこうというようなことも盛り込んだ処理基本計画の改定作業が現在進められておりますので、そうしたところで担保しながら処理を進めていくものと思っております。

【坂口調査官】 追加の説明になりますけれども、処理基本計画の改定の中の議論でも、やはり、今はまだ報告がないんだけれども、持っている方がいるんじゃないか、そういった人の掘り起こしが必要になるんじゃないかというのは、やはり大きな議題になっております。自治体等が過去事業をやっていた方、あるいはそういった方から情報を得て、掘り起こしをするための調査等もこれからするというふうになっておりますので、そういった中で出てきた対象者をこの中の支援の対象に広げていくと、そういった形の仕事の進め方になるのかなというふうに考えてございます。

【西間部会長】 問題はきちんと認識して、分析しているということですね。ありがとうございました。

 どうぞ。

【花木委員】 こうやって助成の対象を拡大するということについては、反対するものでは全くありません。だけど一方で、こうやった場合に、その基金関係の支出が増える、その金額の見通し、それから、先ほどから話題に出ている掘り起こしという作業に伴う人件費、それが通常の業務の中で賄えるのか、あるいはエクストラな費用が生じるのか、そのあたりのおおよその見通しはどんなふうに考えておられますでしょうか。

【林課長補佐】 廃棄物の担当が来ておりますので、かわらせていただきます。

【中﨑】 廃棄物リサイクル対策部産業廃棄物課の中﨑と申します。ご質問にありました、まずエクストラの費用が発生するのではないかということなんですけれども、機構のほうで調べたところの基金、PCB廃棄物処理基金の運用益が、現在、15億ほどあると。そちらを使って、特にエクストラな負担はなく処理できるというふうに考えております。

 あと、掘り起こし調査についてなんですが、こちら、PCB廃棄物特別措置法のほうで届け出の義務がありまして、基本的に自治体、都道府県、もしくは政令市のほうに事業者が届け出をされているんですけれども、掘り起こし調査についても、自治体のほうでやることになっていますので、環境再生保全機構さんのほうでお手間を煩わせることはございません。

【西間部会長】 ほかにどうですか。

【大久保委員】 関連なんですけれども、その掘り起こしの部分は大変重要なテーマで、それは自治体が担当ということなんですが、こういうことが出てきたということは、現在、届け出がなされているものの中で、対象となっていない者がどの程度あるのかということについても教えていただければ。

【中﨑】 現在、今回の制度の拡充に当たって、当課だとJESCOのほうで試算したところによりますと、現行制度で基金の対象になっていない法人のうちで、処理が終わっていないと考えられるものが、全国で521事業者あるというふうに考えています。これは登録されているものです。

【有田委員】 そもそもで言えば、対象になっていたところで、途中いろいろ問題があってストップしていたりしたじゃないですか。それで言えば、28年度までに、本来であれば対象であったところはどれくらいの割合で処理が進捗したかという数字はどうなんですか。

 中小の企業でも、自分のところできちっと保管をしているところを、何カ所か見に行ったことがあるんですが、そういうところはちゃんと届け出はしていると思うんです。テレビの報道などで、全く所有者がわからないままドラム缶に入れて、放置されているというようなPCBがあるというように聞いたこともあるんですが、そういうのはもちろん自治体は把握ができているということですよね。ある程度はもう把握ができていて、なおかつもっと対象を広げていくというんですよね。それが10年延ばしたところで、その処理についてはどういう状況なんでしょうか。

【林課長補佐】 今、ご質問は、PCBの処理全体の進捗に関して、期限を延長することによってどう進捗していくかということかと思うんですけれども、現状、平成24年度末現在では、およそトランスコンデンサーという大物に関しては、半分程度処理が終えられています。

 実は、政令改正の時点で、28年7月の期限、これが決められていましたが、そこまでにおよそ7割まで進捗するだろうと。残り3割を片づけないといけないということで、39年3月まで延長させていただきました。

 もともと処理期限は16年の4月からスタートしていまして、もともとの期限の28年でいきますと12年間。この28年7月から、今回、10年間増やしたんですね。ですから7割くらいまでいって、残り3割を10年間、7割を、もともとの当初のこの7割を最初の12年間でやって、最後の3割を10年間くらいで完全になくそうと。

 実は、PCBの検討会の中で、ストックホルム条約の期限が平成40年の12月ということで、ただ、ここの40年とぎりぎりに期限を設定してしまうと、先ほど来話のありました不存在のものとか、もしくは意図的に出さない方々とか、そういった方々への対処が最終的にできなくなってしまう可能性があるということで、ストックホルム条約からおよそ2年前倒しで期限を定めて、そこで処理を進めたほうがいいだろうという話もあって、一昨年の12月に処理期限を2年間前倒しする形で、39年3月とさせていただきました。

 また、今、処理基本計画の改定作業を廃リ部のほうでしておりますけれども、この39年3月も安全率を見込んでいまして、この処理を行っているJESCO、日本環境安全事業株式会社の操業期間は、それよりも1年前倒しで計画に今盛り込もうとしているようでして、ですから、不存在のそういったものへの対処については、十分時間的な余裕を持ちながら、計画のほうを改定していくと。

 実は、残り3割を10年間というと、大分余裕があるという感じに受け取られるかもしれないんですけれども、実はこれから、今、PCBの廃棄物に関しては、どの世界でもそうだと思うんですけど、まず簡単なものから、量が多かったので、どんどん処理をしていた。ただ、これから大型のPCB廃棄物機器を処理していかないといけないとかですね、PCBの入っているその機器に関しては千差万別のようでして、非常に難易度の高いものがこれからどんどん残っていくだろうということで、処理に要する期間もお金もこれからかかってくるということで、比較的多めの時間、期間を設けて、十分な体制で処理を行っていくという、そういうことでよろしいですか。

【西間部会長】 今のを何かポンチ絵のような形ででも示してくれますか。つまり、最初にそもそもPCBを処理しようとしたときの計画と達成度ですね。そして、どれくらい行った、どれくらい行っていないと。途中で手を入れていったわけでしょう。今回こういう形で延ばして、でも最終的には何%くらいが残っているという、そういう何か作業工程表というか、ある程度いろいろな起こり得ることを入れ込んだ、そういうものがあると、我々は非常に理解しやすいですよね。次々と延ばしていって、それから広げて、本当にどこまでそれが解決できるのか。エンドレスにやっぱり漏れていくということはないのかとか、それについてはどうかと。これについては、今度は書面決議をやるわけでしょう。だからそれまでにある程度長期的なものを用意してもらっておくとわかりやすいですね。

【林課長補佐】 そうですね、PCBの検討会の場でそうした資料を既に取りまとめさせていただいていますので、その先ほど部会長のお話にありました、書面決議の際の参考資料として、そうした資料を、現在、どこまで行ってきた、あとどのくらいがあるのかという、そういったところのわかりやすい資料を添付させていただきますので、そういった形で、書面決議のほうのまた協議をさせていただければと思います。

【花木委員】 そのとき、さっき口頭でおっしゃった、約500あるとか、その辺のおよその量の感じも、その資料の中に入れていただければ、ありがたいと思います。

【西間部会長】 ではよろしいですか。これにつきましては、最初に事務局のほうから言われましたように、今、パブリックコメントを収集している最中でありまして、これのコメント後に予定されている、機構省令の改正後に書面決議を行いたいと考えております。

 その書面決議は、環境省独立行政法人評価委員会の運営方針について、-平成13年度委員会決定-に基づいておりますが。以上、いろいろ意見を述べましたけれども、この意見を聴取するということで、この後パブリックコメント後に書面決議を行うということになりますが、委員の方々、あとまだご意見等ありましたら、今のうちに出しておいてもらいたいのですが。大体よろしいでしょうか。 それでは、この件についてはこれで終了いたしたいと思います。

 次の議題、事務局より説明をお願いします。

【坂口調査官】 今日の議題はこれでほぼ終了でございますけど、今後の流れについて、少しご説明させていただきます。

 今日ご議論いただきました中期計画については、若干の修正ございますけれども、修正をした後、財務大臣の協議を経まして、3月末までに認可をするということを進めていきたいと思っております。

 それから、前回の会議で、独立行政法人通則法の改正予定があるという話をご説明させていただきましたけれども、これにつきまして、今国会に一応改正案が提出される方向で、今、作業が進んでおります。

 具体的な内容につきましては、前回少しご説明しましたように、法人種を3種に分けると。中期目標管理法人、現在の独立行政法人と基本的には同じ考え方のもの。それから、国立研究開発法人として、研究開発に特化した部分を対象とした法人。環境省であれば国環研なんかも対象になります。それから行政執行法人ということで、単年度管理をしたほうがいい法人、そういったものに分けると。それから、組織のガバナンスの強化をするということで、例えば、主務大臣から業務改善命令が出せるようにするだとかいうことをしますし、評価については、こういった独立行政法人の評価委員会ではなくて、主務大臣のもとで行う評価を行うと。そういった枠組みの変更等を行う改正案が準備されようとしていまして、今国会で議論されれば、来年の4月1日、27年の4月1日に施行する方向で作業が進むのではないかなというふうに、今のところ考えられています。

 今評価委員会の今後の動きですけれども、今年度これが最終回になりますけれども、来年度につきまして、いわゆる第2期中期目標全体の評価というのが必要になってきます。それは来年の6月までに再生機構さんのほうから提出がされます。それとあわせて、例年の年度評価もありますので、またそれについてはまた夏以降評価していくことになると、そういった形になります。新しい評価の体制については、独法通則法の改正を経て、27年からまた新しい形でリニューアルすると、そういった感じになろうかというふうに考えております。

【西間部会長】  では、これで議事は終了いたします。どうもありがとうございました。