第15回環境省独立行政法人評価委員会 環境再生保全機構部会 会議録

日時

平成20年8月27日(水)9:58~11:38

場所

合同庁舎5号館共用第8会議室

議題

(1)独立行政法人環境再生保全機構の平成19事業年度に係る業務実績評価等について
(2)その他

配付資料

資料1平成20年度定期監査計画及び平成20年度定期監事監査の結果について
資料2平成19年度独立行政法人環境再生保全機構業務実績に係る各委員の評価結果一覧
資料3平成19年度独立行政法人環境再生保全機構業務実績の評価書(案)
資料4平成19年度独立行政法人環境再生保全機構業務実績評価表(案)
参考1担当者会議資料
参考2独立行政法人環境再生保全機構の業務実績評価に係る基本方針
参考3平成19年度業務実績報告書(追加資料を含む)
参考4平成19年度業務実績報告書(資料編)
参考5平成19事業年度財務諸表等
参考6平成19事業年度事業報告書
参考7環境省独立行政法人評価委員会環境再生保全機構部会委員名簿
参考8独立行政法人環境再生保全機構関連法規

出席者

委員: 佐野角夫部会長、高木勇三委員、有田芳子委員桑野園子委員、萩原なつ子委員
環境省: 大臣官房 小林審議官
総合環境政策局 梶原総務課長
吉井調査官
種瀬課長補佐
環境保健部 上野調査官
泉石綿健康被害対策室長
環境再生保全機構: 湊理事長
冨岡理事
諏訪理事
田勢理事
伊藤監事
鏑木上席審議役
中野総務部長

議事

【吉井調査官】 おはようございます。よろしゅうございましょうか。定刻より少し前ではありますが、ただいまから、環境省独立行政法人評価委員会第15回環境再生保全機構部会を開催したいと存じます。
 環境再生保全機構で人事異動がありました。
 上席審議役の鏑木でございます。
 それでは、議事に入らせていただきます。
 定刻より前ではございますが、本日は、委員8名のうち5名が出席になっておられますので、環境省独立行政法人評価委員会令第6条第1項の規定により、定足数を満たしておりますことを御報告申し上げます。
 これ以降の議事進行については、佐野部会長にお願いいたします。

【佐野部会長】 皆さん、おはようございます。
 それでは、議事に入ります。
 最初の議題は、環境再生保全機構の平成19事業年度の業務実績評価等についてであります。機構の業務実績評価の取りまとめ状況の説明に入る前に、総務省から独法の随意契約の適正化に向けての取組状況の評価ということで、監事によるチェック状況、入札・契約の執行状況について、各府省の評価委員会の評価を行ったかどうか。その結果を総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会において厳正に評価するとのことについて、各府省の評価委員会事務局の担当職員を集め、改めて周知がされたとのことですので、この経緯について事務局からまず説明をお願いします。

【吉井調査官】 この件につきましては、随意契約等の入札・契約の適正な実施について、昨年11月15日付で、総務省より、各省の独立行政法人評価委員会での所管独立行政法人における入札・契約事務に係る事務の執行状況や府省の要請に基づく監事による入札・契約の適正な実施について、チェック状況を厳正に評価するよう求めるとの取組依頼が文書で配付されているところでございます。参考資料1でございます。抜き刷りをつくらせていただいています。
 さらに、先般8月8日に、総務省において各府省の独立行政法人の評価に係る担当者の会議が開かれまして、平成19年度独立行政法人の業務実績評価にあたっては、これらの取組について改めて厳正に評価するように周知がなされたところであります。昨年の通知に基づき、当事務局、機構側において、前回の部会で適正に対処すべきところでございましたが、8月8日の総務省の会議で改めて昨年来こういうご指摘があったということを認識することになり、結果的に手続は落ちていたということでございまして、事務局からこの関係についてはおわび申し上げる次第でございます。
 また、この件に関しましては、機構から資料1、今度は参考資料ではなくて、資料1、この監査報告でございますが、8月20日付で監事の監査結果報告書が提出されたということでございまして、今回の評価結果(案)への反映について、事務局から部会長とも御相談させていただき、部会長が案として後ほど示させていただくということにして、評価書を確定していただく上で各委員からの御意見を賜りたいということでございます。

【佐野部会長】 それでは、ただいまの事務局からの説明について、委員から何か御質問がありましたら、よろしくお願いします。

【高木委員】 確認させていただきたいというか、よくわからないのでお聞きしたいのですが。何が抜けているのかよくわからないということなのですが。結局、あれですか、監事による会計監査による対応が不適切であったということなのですか。

【吉井調査官】 機構から聞いておる事実関係だけちょっと御紹介しますと、業務監査の一環として、後でご説明があると思いますけれども、随意契約についての実施状況について、業務監査は行っていたということでありましたが、監事の監査結果報告書が業務実績報告書の提出に間に合っていなかったということでございます。それは後で御議論いただくことになりますが、私ども事務局といたしましても非常に残念なことでありました。今後直していかなければならないことであると考えております。

【小林審議官】 ちょっと補足して申しますと、この前の部会で全般的にチェックをいただきましたが、時系列的には、その後で総務省招集の会議がございまして、特に随意契約のところについてよくチェックをして出すようにというような指示がありました。それで、各省ともそういう意味では新たな指示だったので、ややばたばた対応したというような事実がございます。そういう意味で、その中身というのは、随意契約について各独法の監事がチェックをしたものを評価委員会でも評価をいただいて、総務省の方に報告をする、こういう内容であります。そういうことではあるのですが、よくよく確認をいたしますと、実は昨年に少しふわっとした部分もございますが、随意契約についてはよくよくチェックをするようにという文書の指示はありましたので、そこについてはやや我々の認識が足りなかったということを今御説明したところでございます。追加的に今出てきておりますので、前回見ていただけませんでしたが、きょうチェックをいただければと、こういうことでございます。

【有田委員】 昨年だったと思いますが、外部監査もそうですけれども、役員会というか、理事会の中の監査をする方の関係も含めて、この評価の監査に印鑑が押してなかったのですね。それで、そういう、途中で提出するものなのでという回答はいただいたのですけれども。監査をしましたという承認をした印鑑が押されていないものをここに出されても、それはいかがなものでしょうかという意見を私は出したことがあるのです。そういう経過で言うと、過去すべてそうだったということなのでしょうか。つまり評価を完全にしていないのか、それとはまた別の問題なのですか。

【佐野部会長】 機構からお願いします。
 あと、この点については私も後でいろいろ質問しますので、回答の方はごく簡単にお願いします。

【中野部長】 総務部長の中野でございます。監査報告につきましては、これまで機構におきましては、3月に1年を通した報告というものを出していただいておりました。6月期におきましては、理事会等で監事から中間的な報告として口頭等でいただいておりました。今回出させていただいているものには、当然判こをついたものを理事長に対して報告いただいたものでございます。

【佐野部会長】 今までの経過等についてはここで打ち切りまして、先へ進めます。
 それでは、環境再生保全機構にお願いしたいと思いますが、本日、私から機構の監事にこの部会への出席を要請し、出席をしていただいておりますので、提出された監事による監査結果報告書について皆様から質問をお願いしたいと思います。まず、監事から報告書を説明してください。

【伊藤監事】 環境再生保全機構の監事を務めております伊藤と申します。よろしくお願いします。
 それでは、資料1について説明をさせていただきます。全体としまして、私の認識としまして監査にあたり、ガバナンスチェック、それから中期計画達成に向けての進捗状況のチェック、それからアーリーウォーニング型のリスク管理という形で理事会等の主要会合に出席し、またできるだけ現場にも行き、日々の監査に努めております。
 まず、定期監査計画、これは4月に作成しておりますけれども、20年5月と6月の期間に行うとして、監査日としまして、6月17日~19日を本部、5月14日から15日にかけて支部を行うと。決算に係る監査につきましては、本部は6月20日に行うということで、計画しました。
 対象年度は、19事業年度であります。
 監査項目は、監査規程に書かれている事項でございますけれども、そのほかにいろいろなことを勘案しまして、監査重点事項を毎回決めております。平成19年度計画の達成状況。それから、入札・契約に係る競争性・透明性・妥当性を今年は私どもはあえてあげて行いました。それから、法令等で定められた情報提供の実施のほかに、機構が国民に対して提供した情報について経費を含めた当該実績とその効果ということでございます。あとは、補助者として、企画課職員にお願いしてやっております。
 次のページでございますけれども、8月20日に、理事長に対しまして、監事2名の名でございますけれども、監査結果について通知しております。
 その裏を開いていただきたいと思います。これは、平成20年度定期監事監査結果報告書でございます。
 監査日程としましては、計画どおりにやっております。
 調査対象期間が、19事業年度。
 調査方法としましては、各担当部長より、概要聴取と原本確認等を行っております。
 監査重点項目につきましては、先ほど掲げたものでございますけれども、これに対して監査結果を付しておりまして、平成19年度の業務について適正に遂行されているということです。
 きょう御質問のありました、入札・契約に係る競争性・透明性・妥当性につきましては、まず平成18年度に比べまして競争的契約は50から70%に伸びている事実、それから平成18年10月より100万円以上の随意契約につきましては、ホームページで公表しております。一般競争も今年の1月分より公表しております。ということで、一応透明性も確保されていると。それからまた、前提としまして、内部統制としまして、100万円以上の随意契約は、経理部との合議をしなければならないとなっておりまして、そういうことでは一応内部統制として体制はつくっております。私どもとしましては、あえて80万円以上の随意契約につきましても資料の提出を求めまして、説明とそれから質疑を行いました。その結果、入札・契約に係る競争性・透明性・妥当性については、競争的契約を約7割にするとともに、随意契約及び1月からは競争入札も含めてホームページで公表するなど透明性の確保に努めており、また随意契約については妥当と思われる処理がなされているという監査結果を出しました。
 以上でございます。

【佐野部会長】 ただいまの説明につきまして、質問がありましたらよろしくお願いします。

【桑野委員】 今、御説明いただきました入札のことについて教えていただきたいのですけれども。競争性・透明性を確保する、妥当性は具体的にどのような観点からチェックなさったのでしょうか。

【伊藤監事】 私どもの関係で、一応環境NGOの育成というようなことがございましたりして、こういう政策的な目的があるものもありますし、それから喘息児童関連ですとか、安全性等に配慮しなければいけないようなイベントもございますので、そこら辺につきましては妥当かどうかという判断をしました。それから、低公害車フェア等では実行委員会形式をとっていまして、地方自治体が主催する、これはある程度競争入札になじみませんものですから、そこら辺をチェックさせていただきました。

【佐野部会長】 ほかに御質問。
 では、私の方からちょっと質問しますが。まず第1点は、なぜ8月20日付の報告書になったかと。本来、この報告書は業務監査の一環として財務諸表に添付すべき書類。

【伊藤監事】 それは別に出しております、既に、6月に。財務諸表の意見は出しております。

【佐野部会長】 いやいや、財務諸表と同時にこの内容の中に反映すべきものだと、私は思うのですよ。財務諸表の監査というのは、業務監査があって初めて成立するものなので、本来はここにある財務諸表の監査報告に関する意見書とありますけれども、これの中に一体として入れるべき監査報告書だと思うのですね。それに基づいて我々評価委員は業務の状況をチェックすると、評価するということなのに、なぜ8月20日になって出したのですか。

【伊藤監事】 財務諸表の数値につきまして適正にされているということは、6月28日に出しておりますが、私どもは監査の意見ということで、毎年、いろんな業務をした上で、それをフォローした上で意見として出しております。それを今回中間的に出したものが8月20日の時点ということで、御理解いただきたいと思うのですけれども。

【佐野部会長】 中間的というのは、どういうことですか。これ、年度の事業報告に対する監査報告ですよ。

【伊藤監事】 監事監査意見というものは従来より毎年1月か2月に出しているのですけれども。

【佐野部会長】 いや、私が言っているのは、事業年度に対する財務諸表が出て、その中に監査、計算書に意見書があり、通常はその業務の執行状況を監査した結果として、20日付で出たものがこの中に含まれるのですよ。今の企業、それから政府関係機関なり、特殊法人を含めてすべてそういう結果なのですよ。内部統制というのは、企業経営、特殊法人の件で最も重要で根幹をなす点ということはあなたも認識があると思いますよ。なぜ8月20日になったのですか。

【伊藤監事】 正式書類は6月28日に出したものでございます。

【佐野部会長】 我々評価委員は見ておりません。

【伊藤監事】 財務諸表……。

【佐野部会長】 それは財務諸表の意見書で、それに当然業務監査的なこういうものも包含して出すべきだと私は思うのですよ。それで財務諸表は適正だという形態が、今のいろんな特殊法人もごらんになってくださいよ、全部そういうことやっています。

【佐野部会長】 理事長、あなたは民間から来られたので、特に金融庁の監督もあるし、内部統制については非常に認識が深いと思う。今のことについてはどんなふうに感じましたか。

【湊理事長】 本件については、私も19年度の監査でございますので、6月の時点で合わせて財務諸表と、同じような形で時期として出てくるというふうなことだと思っています、認識しております。私自身、その後の報告について、こういう形で求めなかったということについて、私自身の反省もあります。ただ、6月の理事会の時点で、財務諸表の結果とあわせて、本件の監査については口頭では報告もございますし、私自身はそれについては聞いたのですが、今のような文書の形では出してなかったということについては部会長がおっしゃるとおりというふうに、私自身も思っています。

【佐野部会長】 それと、もう既に我々の評価は終わっていますので、その後で出たので、私自身もこの機構の評価をどうすべきか、個人的には非常に悩みました。各現業の部分は非常によくなっているというのは委員の、後で出てきますけれども、御意見でありました。しかし、一方、管理部門のこういう体制が非常に管理されていないという印象があったので、だからそういう点は、特に理事長の責任においてしっかりしていただきたいと思います。
 時間がないので、あと続けます。もう一つ、いろいろ監事の報酬、勤務形態を調べさせてもらって、非常勤監事の報酬体系が日給制なのですね。1日で3万7,000円という日給制、合計で600万円強。これは付属明細書等に出ております。
 それから、勤務形態も非常勤といいながら、火水木、160日間出勤しているのですね。これで非常勤と言えるかどうか。この点についての機構側の、特に理事長、あるいは監事でもいいのですが、お考えありますか。役員が日給制なんていうのはこの世の中にあり得ないですよ。どんな法人であれ。これは一体どういうことか、私は非常に不審に思いますね。それから、これは常勤ですよね、160日も出勤しているということは。しかも、そんなに監査に時間がかかるかと、この機構は。それほど複雑怪奇な組織ですかという思いも持ちました。この点について、もし今回答できるのなら、お答えください。これは環境省としてもぜひ重く受けとめていただきたいと思っております。

【湊理事長】 本件については、私自身日給制の問題については、規定という形であったということで、本件について問題意識をそんなに持っていなかったのも事実ですので、これについては、本日コメントという形はちょっと差し控えさせてもらいたいと思います。私自身も、今部会長から初めて問題意識を受けたということでございます。

【佐野部会長】 だから、勤務形態も含めて、よくその辺は理事長の責任で、機構としてあるべき姿を構築して、今後に備えていただきたいと思っております。
 もう20分経過しまして、ほかに御質問はないですか。
 では、引き続き監事においては、会社法の改正等の流れを受け、独法通則法の改正も見込まれ、監事の責務がますます重くなっていることを御認識いただいた上で、機構の適正かつ効率的な業務遂行のため、なお一層の御尽力をされるよう、よろしくお願い申し上げます。
 それでは、続きまして、各委員から評価シートを事務局へ提出いただきました。その中のコメントの記載の中で質問といいましょうか、部会の議事の中で回答しておくべき内容があったということですので、この点について機構からの説明をお願いしたいと思います。
 事務局から説明をお願いします。

【吉井調査官】 資料2をごらんください。これは、先日、各委員よりご提出いただきました評価シート一覧表の形でまとめさせていただいたものです。この資料2につきましては、仮に転記等による誤謬がございますれば修正したいと思いますので、後ほど御確認いただきまして、必要があれば事務局において訂正等をしたいと思っています。最終的に一覧として確定させていただきたいというふうに思っております。最終のA4版でアルファベットの部分だけを取りまとめた紙を用意させていただきたいております。
 一覧のうち、先の評価の理由・根拠等のところに、各委員からコメントとして記載のあったもののうち、部会の議事の中でも回答しておくことが適切ではないかと考えまして、部会長にも相談いたしまして、事前に質問事項として機構側にも伝えて答えを準備させておいたというものがございます。
 具体的には、高木委員から御質問が寄せられていると承知していますが、まず2ページの後段のオンラインの申告率が低調な理由をどう把握するかであります。それから、下段の方にある、オンライン申告の率が低調な理由を把握されているだろうかということでございます。
 それから、3ページの上段でありますが、実績報告書の一般管理費の額が計算書類と相違している理由でございます。
 それから、中段でございますが、事業費の概念が不明確ではないのか。それから、15年度の事業費の額がどうなっているのでしょうかということであります。それから、その下の債権回収委託費が、基準年である16年度の数値が書いていないですということと、それから、15ページ中段の、正常債権から貸倒懸念債権への振替額等々について、業務実績報告書への記載の追加をするべきではないのかというような御質問でございます。
 以上でございます。

【佐野部会長】 それでは、ただいまの各項目について、機構の方から説明をお願いします。

【田勢理事】 それでは、御説明させていただきます。まず、汚染負荷量賦課金のオンライン申告率が低いのではないかという御質問でございますが、数字を若干御紹介をしながらお話をさせていただきますと。全体で8,400件余りの申告がございますが、トータルといたしまして、そのうちの51%、4,300件弱が用紙で提出をされております。ですから、紙と電子的なものが半分半分と、こういうふうになります。その半分半分のうちのフロッピー・ディスクとオンラインの比率でございますが、フロッピー・ディスクが33%、オンラインが16%余りということになっております。恐らく御質問の趣旨は、大企業もあまりオンラインで出してない、これは不思議だという御質問の趣旨もあろうかと思いますが。大企業、いわゆる資本金額3億円以上でちょっと統計を昨年度の分でとってみますと、フロッピー・ディスクが全体の51%弱でございます。したがいまして、全体で比べますと電子的なものでお出しになるところが多うございますが、オンラインが14.4、トータルで電子的に出すのが65%と、こういうことになっております。特に大きいところを中心に、オンライン用紙に申告をしない理由は何ですかということを数10社に聞いておるのでございます。こんな答えがございました。過去にオンラインでデータを、これは民と民の話だと思いますが、送ったのだけれども、相手方に到達していなかったという事例が過去にあって、そういう経験があると。非常に重要なデータなので、御自分のところの生産状況等に関連するデータなので、間違ったところに送信されるというようなことが万が一にもあった場合には非常に困るので、やっていない。
 国等に公文書の書類を提出する場合には、必要な印鑑を押すという社内的なルールがあって、表紙をつけて、それで出すと。オンラインでは表紙をつけることは当然できないものですから、フロッピー・ディスクを添付して、表紙を1枚つけて出すと。
 それから、紙申告を以前からしているので非常に手なれているから、今この状況を動かしたくないといったようなお答えがまいりました。私どもはこれを聞いたときには、当然のことながら、何とかオンラインにしていただけないかということで問いかけをいたしまして、その実情もお聞きをいたしたわけでございまして。これまでもPRをずっとしてきておりますので、また来年の説明会等におきましては、より積極的にオンラインの活用をお願いしていくと、こういう考え方でおります。
 以上でございます。

【諏訪理事】 引き続いて、よろしゅうございますか。
 それでは、お答え申し上げます。まず3ページ上段の一般管理費に関する件でございます。財務諸表におきましては、独法会計基準に基づきまして、人件費等を一般管理費と個別の業務にそれぞれ配慮して計上しております。一方、業務実績報告書の方では、かつての特殊法人時代の予算要求の関係から、人件費を一般管理費に含めて計上していたことを引きずった結果、独法移行後もこれを一般管理費として記載してきたという経緯がございます。同じ一般管理費という名称を使いながら、その範囲が異なるのは好ましくないので、現行の中期計画の期間中は、もう1期でございますけれども、継続性の点もあるので注などで対応することにいたしまして、次期中期計画策定の際にカバレッジの統一化を図りたいというふうに考えております。
 次に、事業費に関することでございますが、この事業費の範囲は、御指摘のように、大変広いものでございます。例えば、補償給付などのように法律の定めにより支払うこととされております事業費などは、業務実績報告書で対象としております削減の対象となる事業費には含まれないことになります。削減の対象となる事業費として、実績報告書では運営費交付金を充当する事業費という表現を用いております。
 それから、予防事業につきましては、これは自前の運用収入で事業を行っていることから、削減の対象となる事業に含めることは適当でなく、効率化の対象というふうに表現しております。
 それから、平成15年度の運営費交付金を充当する事業費は、報告書に記載のとおり、15億8,300万円でございます。
 次に、その下の債権回収委託費に関する件でございます。これは中期目標期間の最終年度において、平成16年度比で3割を上回る削減を達成するとされておりまして、今回の実績報告書ではまだ最終年度を迎えていないことから、過去2回の実績報告書と同様に直近の2カ年分の実績を掲げたものでございます。
 それから、削減の基準となる平成16年度の数値が記載されていないのではないかというご指摘の点でございますが、これは中期計画が作成された時点では、平成16年度予算の数値しかございませんので、3億円でございます。中期計画期間中のこれまでの通過年度ごとの実績につきましては、いずれも計画を上回って削減してきておりました。この点はその都度御報告をしてきたところでございます。
 最後に、少し飛びまして、15ページ中段の承継業務に係る、貸倒償却等に関する件でございます。実績報告書では、中期計画及び年度計画に沿いまして、貸倒償却の実績、正常債権以外の債権からの回収額などを中心に報告しております。貸倒償却につきましては、期末時点で個別債務者の財務状況、これまでの弁済状況など個別に審査いたしまして、いわゆる償却適状になったものを償却処理してございます。これ以外の個別債務者についても、それぞれの財務状況などを個別に検討いたしまして、破産更生債権、貸倒懸念債権、一般債権に区分して、それぞれ引当て率を乗じて貸倒引当金を算出しているところでございます。
 それから、財務諸表の付属明細書の95ページには、貸倒引当金について、債権区分ごとの増減状況については表記してございますけれども、その表現が回収によるものなのか、債務者区分の移動によるものなのか、こういった記載はございませんので、次回からは実績報告書の参考資料としてこの点を御報告したいというふうに考えております。
 以上でございます。

【佐野部会長】 ただいまの説明で、一応評価をするということですが、何かありましたらどうぞ。

【高木委員】 すみません、一言、二言ぐらいですけれども。今、お答えいただいた部分というのは、私の方から、こちらの方に記載した意図というのは大体読み取っていただけたのではないかなと思うのですが。要は、記載が親切ではないのではないかと、不親切ではないのではないかと。記載が親切でないと、読み手が理解できるような記載というものをもっと心がけていただかないと、ちょっと評価というのは難しいですね、ということを問題提起というような形で投げかけたのがほとんどということです。
 ただ、その中でも1点、3ページの一番下のところですね。これ、基準年度の16年度の数字が記載されていないというのは、少々、余りよろしくなかったなと。と言いますのは、18年度の実績報告書、17年度の実績報告書のところにおいては既におわかりになっていますから、当然御承知のように16年度の基準数値が書かれているにもかかわらず、今回の19年度になるとその記載が外れていると。というのは、非常に作成の姿勢というところに関して疑問を覚えるようなつくられ方だというふうに言えますので、こういうようなことがあると極めて心象を悪くしますので。
 それからあと、オンラインの話なのですけれども、政府関係の申告、オンラインといいますか、ITによる申告のところの一つの大きな問題というのは、e-Taxのところで一つ大きく浮かび上がってきて、比較的その部分で共有化されているというふうに思っているのですか。それはどういった話かというと、結局、今までの紙ベースでの施行令等をそのままITの世界の中に置きかえたというふうなことで、全然利便性が生じないという事態が一つあったわけです。すなわち、具体的に言えば、添付資料の問題なんかがその具体的な例の一つなのですけれども。これ、環境再生保全機構の汚染負荷量賦課金の話ということに関しては、添付資料を別途提出するとか、そういったことというのは必要とされていないのですか。もう単純にオンラインの申告なら、オンライン申告だけですべてが終了してしまうというような作業ということですか。ちょっとその点だけひとつお願いします。

【田勢理事】 お答えをしますが。オンラインで申告をすれば、大半は別途紙の資料を添付する必要はございませんので、これで終わっております。それから、本システム自体、フロッピー・ディスクやオンライン化でございますと、例えば前年度申告をベースとした形でチェックできますし、さらには入力項目も非常に少なくて済みまして、自動計算機能、入力チェック機能といったようなさまざまな利便性を付加しておりますので、企業側にとっても、私どもは圧倒的にこのシステムをお使いいただいた方が簡単なのではないかというふうに思っております。ですから、多くの、特に大企業につきましては、そのメリットも享受でき、フロッピー・ディスクが半分、50%を超えておりまして、加えてオンラインが14.4%と。ですから、相当電子化は進んでいると。ただ、なぜかオンラインにしてくださらないものですから、フロッピー・ディスクを送ってくると、こういう形なものですから。そこももう少し改善できないだろうかということで、このアドバンテージを企業の方に十分にまた詳しく御説明をさせていただく機会を設けようと、こう思っております。

【佐野部会長】 それでは、これから評価書の審議に入りますので、機構側は退席していただきますが、特に質問がありましたらこの場でお願いします。

【有田委員】 質問ではありません。私は、監事の方は、先ほどおっしゃったように、四半期ごとにその年度の報告というか、計画を評価されると思うのですけれども、先ほどおっしゃったように、8月20日にして、その前に評価をしているその財務諸表にちゃんと評価した監査結果を載せたと言われましても、そこに印鑑などがなければ、最終的に責任をまだ持つことができない、その段階で出したというようにしか受け取れない感じがしたのですね。ちょっと、別の違うことを申し上げているように聞こえるかもしれないのですけれども、内部監査の委員会の監事さんのお話だったと思うのです。以前の回答としては、例えば監査法人の方にも、6月23日にこの財務諸表にちゃんと印鑑をいただいていますけれども、この印刷に間に合いませんでしたという回答はいただいたのです。それが間に合ったか間に合わないかではなくて、間に合うような形で評価をしていただければいいということだけです。

【佐野部会長】 わかりました。
 それでは、御退席をお願いします。
 後ほどまた、理事長以下出席をお願いします。

(退席)

【佐野部会長】 いいですか。
 それでは、平成19年度の機構の評価について審議したいと思います。環境再生保全機構は退席しておりますので、皆さん、意見をどんどん出して、お願いしたいと思います。
 まず、各委員からの評価シートをまとめまして、評価書として第一案を作成しました。これについて各委員からの御意見を伺いたいと思います。
 評価書については、事務局からまず説明をお願いします。

【吉井調査官】 それでは、評価書(案)について御説明申し上げます。独立行政法人環境再生保全機構の業務実績評価結果につきましては、各委員から御提出いただきました評価シートを踏まえまして、佐野部会長より部会長(案)を作成し、平成19年度独立行政法人環境再生保全機構業務実績評価書(案)として、資料3で用意させていただいております。資料4につきましては、これを資料3と同じ内容、一番右の後方、コメント欄というところに記載させていただいておりまして、それを中期目標、中期計画、19年度業務実績と対比するような形に、ちょっと事務局の方でさせていただきました。
 資料2につきましては、既に御説明したとおりでございますが、この資料2につきましては、この後、審議の過程におきまして適宜御参照いただきたいというふうに思います。
 それでは、この資料3の本体の評価書(案)に戻りまして、これをこの後御審議いただきたいというわけでございますが、これについて御説明申し上げます。
 資料3の1ページから4ページは、これは総合的な評価ということでございますので、まず5ページ以降の事項別の各論を読み上げる形で御説明して、その後御審議をいただくという形でお願いしたいと思います。
 それでは、引き続きまして、評価書(案)の中身について御説明をさせていただこうかと思っております。6ページをあけていただければと思います。業務運営の効率化に関する事項というのがI.で書いてあります。読み上げさせていただきます。
 業務運営の効率化に関する事項。
 以下に示すとおり、組織運営の効率化、業務運営の効率化、経費の効率化・削減及び業務における環境配慮について、概ね適切に成果をあげているが、内部統制体制の確立などを早期に実施し、業務運営の適正化に努める必要があると判断し、B評価とする。
 1. 組織運営の効率化(評価:B)
 職員の削減を行うとともに、新人事評価に基づき、各部門の目標と個々の職員の業務計画を作成し、職員の意識の向上を図り、評価結果を賞与に反映させることにより、組織運営の効率化を進めている。しかしながら、ガバナンスを強化することによる業務運営の適正化は、今後の独立行政法人のあり方として強く求められるところであり、役員全体の責務であるとの認識の下、内部統制の確立を通じた業務運営の適正化を早期に実現することを望む。また、新人事評価制度の実施にあたり、適正な評価制度の運用に留意するとともに、更に、各管理職の責任と権限、役割の一層の明確化を図ること等を通じ人事管理制度の更なる改善に取り組むとともに、現行の管理部門等の縮減を進め、これらを踏まえた組織全体の見直しについて、中期的に検討する必要がある。
 2. 業務運営の効率化(評価:A)
 業務の自己点検・自己評価の実施結果と機構の内部業務点検・助言委員会の意見・助言を業務運営に反映させ効率化を進めている。随意契約の見直しについては、随意契約見直し計画の達成に向けた取組の推進による競争的契約の増加や契約に係る情報公開が適切に行われていると評価できる。しかしながら、役員全体の責務としての内部統制体制の確立が強く求められ、こうした観点から監事による合規性のチェックのプロセスを評価することは極めて重要であり、決算に関する監事意見のみではなく、監事において実施した監査内容について、当初より、業務実績報告書等において明確にするべきである。また、情報共有化システムの活用による情報・知識の共有化、サービサーなどのアウトソーシングの有効利用、オンライン申請等の業務のシステム化により、業務運営の効率化が図られていると評価できる。今後、業務運営の効率化を推進していく上で、オンライン申請を強力に推進するとともに、サービサーによる債権回収の更なる活用の検討などにより、一層の効率化を図る必要がある。また、内部業務点検・助言委員会の意見や提案とそれへの対応状況についても、本評価委員会評価の対象として、業務実績報告書において明らかにすべきであることを付記する。
 3. 経費の効率化・削減(評価:B)
 一般管理費、事業費及び運営費交付金を充当する事業費のいずれも計画目標を上回る実績を上げているが、一般管理費、運営費交付金を充当する事業費及びサービサーへの委託費は、いずれも前年度の実績より増加している状況である。今後は、効率化・削減の具体的な内容を示しつつ、前年度との実績の比較においても極力抑制に努め、やむを得ず増加する場合には、十全な説明責任を果たすことを期待する。
 4. 業務における環境配慮(評価:A)
 「環境配慮に関する基本方針」を策定し、あらゆる業務について環境配慮が進められた。また、「環境物品等の調達の推進を図るための方針」を策定し、内部での周知徹底を図り、特定調達品目等の購入について目標を達成するとともに、「環境配慮のための実行計画」に基づく用紙類の使用量節減及び電気使用量の削減について、目標を上回る成果を上げることができた。さらに、環境報告書を作成し公表するなど、業務における環境配慮が推進された。
 以上でございます。
 それで最後、ちょっと冒頭読み上げましたが、事項別評価というのは、トータルを見ましてBということでございます。最初ローマ数字のI.の評価から読み上げてしまいましたが、以上の個別のアラビア数字の評価を踏まえまして、ローマ数字の評価をBとするものでございます。

【佐野部会長】 それでは、本日の冒頭に説明のあった随意契約と入札・契約の適正な実施に関する説明、特に監事への質疑の状況を踏まえ、この項で評価することとしまして、評価書への記載は、私の案ということで記載をさせていただいております。これを含め、Iの業務運営の効率化に関する事項について、委員の皆さんからの御意見がありましたらよろしくお願いします。

(なし)

【佐野部会長】 Iの項については、特に御意見はないということでよろしいですか。ただいまいろいろ質疑もありましたので。
 それでは、これで確定とさせていただきます。
 では、引き続きまして事務局からお願いします。

【吉井調査官】 次に、II.国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項についてですが、一通り通して読み上げさせていただきます。資料の7ページをあけていただければと思います。また各論編から入りますので、8ページにまいりまして、公害健康被害の補償及び予防に関する業務から入らせていただこうと思います。
 1.汚染負荷量賦課金の徴収でございます。本部及び大阪支部それぞれにおいて、全国156の商工会議所と連携を強化し、納付義務者への効果的な説明会を開催するとともに、問い合わせへの的確な対応に努め、徴収率・収納率ともに適切に目標を達成している。また、説明会資料やホームページの改善を行い、ホームページのアクセス件数を大幅に増加する等、納付義務者へのサービス向上にも努めていることが評価できるということで、評価はAということでございます。
 2.都道府県等に対する納付金の納付でございますが、フロッピー・ディスクによる申請の普及促進及び内部処理システムの改良に努め、事務処理日数は中期目標期間の削減目標である25%減を昨年度において達成し、引き続きこれを維持することができた。今後は、これをさらに効率化を図る観点からオンライン申請の利用を強力に促進する必要があるということで、評価はAということでございます。
 それから、公害健康被害予防事業でございますが、公害健康被害予防基金の運用については、安全かつ可能な限り有利に運用され、運用収入の減少見込みに対して、助成事業の重点化・効率化が適切に推進されている。また、前年度実施の事業参加者アンケートに基づき、満足度やニーズを把握して事業内容に反映させるなどの事業の改善が進められている。調査研究課題の重点化を推進し、研究費総額は平成15年度比で20%以上削減するとの目標が達成・維持されている。ホームページへのアクセス件数、研修事業の受講者アンケートの調査結果、事務処理削減日数については、いずれも中期目標を達成し、優れた成果を上げている。今後とも、引き続き運用収入の減少見込みに対して重点化・効率化に努力することを期待するということで、評価をAといたしました。
 以上で、公害健康被害の補償及び予防業務の評価は、Aとしております。
 それから、次、地球環境基金業務にまいりまして。
 1.助成事業に係る事項でございます。
 助成事業の継続年数について、3年を限度とすることにより事業の固定化を回避するとともに、対象分野及び対象地域の重点化が適切に推進されている。第三者委員会による評価専門委員会において、平成18年度の事後評価結果をとりまとめ、評価対象団体に伝えるとともに、ホームページで公表し、平成19年度の事後評価を適切に実施するとともに、平成20年度募集から、過去に地球環境基金の助成を受けたことのない団体を対象とした「発展助成」を新設したこと等は評価できる。また、処理期間の短縮及び募集期間の早期化、並びにホームページの拡充等助成対象事業者の利便性向上に向けた取組が推進されている。今後とも、助成対象分野及び対象地域の重点化を図り、あわせて事後評価結果を活用した助成対象事業の成果報告を期待するとともに、引き続き事務処理の効率化を図り、助成対象事業者の利便性向上が図られることを期待するということで、助成事業に関する評価をAといたしております。
 それから、次、振興事業に関する評価でございます。
 重点施策等国の政策目標に沿った調査研究事業の重点化が図られている。研修事業については、研修ニーズの把握に努め、質の向上を図り、アンケート調査の結果高い評価を得ている。今後は、アンケート調査を踏まえた研修内容に一層の充実を期待するということで、評価をAとしました。
 地球環境基金の運用等についてであります。
 地球環境基金については、中期計画に基づき適切な規模の業務が実施されているが、基金の運用状況等を踏まえれば、民間寄付金の受入れの努力は重要である。民間寄付金の受入れについては、募金活動を積極的に実施したことにより、基金創設以降最大であった平成18年度の実績を上回る寄付金額となり、中期計画に定められた金額も大きく上回り、特に優れた成果が上ったものと評価できる。引き続き、この基金の役割の理解を得るため、更なる努力を期待するということで、評価をAといたしました。
 地球環境基金業務の評価は、全体をAといたしております。
 それから、次でございますが、ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基金による助成業務であります。
 助成業務を円滑に遂行し、業務の実施状況についてホームページで公表を行うなど、業務の透明性の確保を図っているということで、評価をBといたしました。
 維持管理積立金の管理業務でございますが、積立金の管理を適正に行うとともに、積立者に対する運用利息額等の通知をこれまで同様に実行しているということでありまして、評価をBといたしております。
 それから、最後に石綿健康被害救済業務についてでございます。
 1番でございますが、制度に関する情報提供ということで、広報実施計画を策定して、多種多様な媒体を活用し、救済制度について確実かつ広範な広報活動が実施され、適切な成果を上げたと評価できる。また、被害者及び遺族等が速やかに手続を行えるように、マニュアルの改訂、説明会の開催等情報提供に努めるなど、着実な成果を上げたと評価できる。
 2番でございますが、石綿健康被害者の認定でございます。
 執務マニュアルの改訂などの取組により、迅速な処理に努め、平成18年度からの累計認定申請5,350件に対し、9割弱の認定等の処理を行い、成果を上げたことは評価できる。なお、「医学的判定に進んでいるもの」及び「その他審査中のもの」については、詳しいデータを業務実績報告書に記載を追加すべきことを付記するということでございます。評価をAとさせていただきました。
 それから、救済給付の支給でございますが、執務マニュアルを改訂するなど、救済給付対応への準備が進められ、適正かつ迅速に支給を行ったことは評価できるということで、評価はAといたしております。
 申請者、請求者情報の管理ということでございますが、申請者、請求者等の個人情報の管理については、十分留意し適正な管理を実施したことは評価できるということで、評価はAといたしております。
 それから、救済給付費用の徴収でございますが、拠出金については、概ね適正かつ円滑に徴収・収納されているものと認められる。また、制度への理解を深めるために、ホームページの充実やポスター・パンフレットの作成、配布等情報の発信に努めたことは評価できるということでございまして、評価をAといたしております。
 以上をもちまして、石綿健康被害救済業務の評価をAといたしております。
 それで、今度はまた7ページにお戻りいただきまして、ローマ数字II全体の評価でございます。国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項でございますが、以下に示すとおり、各業務において適正な運営が図られ、それぞれの業務について適切な成果があげられていると判断し、評価をAとするというものでございます。
 以上でございます。

【佐野部会長】 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明にありました、II.国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項について、委員の皆さんからの御質問がありましたら、よろしくお願いします。

【高木委員】 2点ほどですが。まず、一番最初の方の汚染負荷量賦課金の徴収に関してですが、資料2の方に、私のコメントということで掲載していただいていますが、虚偽の申告があったことがわかって、それについて修正させたという実績報告書への記述がありましたので、大体どの程度の件数、金額かというところを、私個人的にといいますか、もちろん関係者を通じて確認させていただいたのですけれども。確認したところでは、この不正のところというのが、約0.2%ぐらいの金額、8,000万円ぐらいの金額なのですね。件数としましては、これは7社、22工場ということなのですが。それで、摘発の手法をどうかというふうなところも確認させていただいたのですが。これ、たしかリークとか、明らかに数値が大きく時系列的に見たときに変動しているとか、そういうふうなところでとらえていらっしゃるというようなことなのですが、まず、不正を行っている数は0.2%とかという数ではなくて、経験的に言えば数パーセントぐらいあるというふうに言えるというのと、それらの摘発のための手法としては、非常にわずかしか救えないような摘発の手法を展開されているというふうなことが言えるなというふうに、私などはこれまでの経験的なところから言えますので、その辺の摘発のための手法の深度化を図られるということを私としては提言しておきたいと思います。評価自体は、私はこれで構わないと思うのですけれども。これだけを読みますと、問題ないよというふうな感じの文章になっていますので、果たしてそうかというようなところは改めて問題提起というようなことで出しておきたいというのが、最初の1点です。
 それから、2点目はまだ文章云々というような話でもないし、評価も云々というような話でもないのですが、石綿の話ですね。石綿の話も資料の方に書かせていただいたというか、掲載させていただいて。これは13ページに記載されているのですが、私もネット検索というようなことをもう日常的に行っているのですが、アスベストということでGoogle検索をちなみにということでしてみたのですね。それをやりましたら、Googleの最初の10件のところに上ってこなくて、次の10件のところでようやく環境再生保全機構が上ってくるという状況なのですね。石綿では、たしか1ページ目に出てくるという状況なのですが。私など素人ながら思いますのに、一般的にはアスベストということで引く方が多いのではないかなというふうにも思うのですが。いずれにしても、今もうかなりネットでというふうな話というのは、その比重的に物すごく大きなものを持ち始めていますので、石綿だけではなくて、アスベストでもうまくヒットするように工夫をしていただければと。環境再生保全機構のホームページを見ますと、確かにアスベストという言葉はほとんど出てこないのですね。その辺が要因かなというふうに思いますので。ちなみに文部科学省の方が先に出てくるのですね。環境省も上に出てくるのです、環境再生保全機構より、という状況でしたので。

【佐野部会長】 ただいまの点については、評価はこれでいいということですので、文章を訂正すべきかどうかについては、私の方と事務局で相談してもらうということでいいですね。
 今おっしゃったように、ネットでどう取り上げられるかというのは非常に重要なので、そういう点、事務局から機構へのインプットをした方がいいと思いますね。
 そのほか、ありますか、御意見。

(なし)

【佐野部会長】 よろしいですか。
 それでは、特に評価についてはこれでよろしいということで、案を確定とさせていただきます。
 引き続きまして、事務局から説明をお願いします。

【吉井調査官】 次に、財務内容の改善に関する事項についてでございます。今度は、資料の11ページになります。
 III.財務内容の改善に関する事項で、個別の項目にまいります。
 1.承継業務に係る債権・債務の適切な処理でございますが、破産更生債権等の償却処理が迅速に実行されるとともに、正常債権以外の債権の回収額が、年度計画を大きく上回って回収できたことなどについて評価できる。今後も着実な推進が望まれる。なお、より適正な評価を行うため、業務実績報告書の記載内容について、見直すことが必要である旨を付記するということで、評価をAといたしております。
 2.短期借入金の限度額ということでございますが、資金管理を適切に行い、短期借入金を限度内に抑え、財投借入金等の償還を円滑に実行したことは評価できるということで、評価をAといたしております。
 IIIの全体の評価でございますが、以下に示すとおり、債権の償却処理が迅速に実行され、債権回収についても着実に成果をあげていることから、A評価とするということでございます。

【佐野部会長】 それでは、IIIの財務内容の改善に関する事項についての御意見がありましたら、よろしくお願いします。

(なし)

【佐野部会長】 特に意見はないということとして、この案で確定とさせていただきます。
 引き続きまして、事務局から説明をお願いします。

【吉井調査官】 次に、同じ11ページのIV.その他業務運営に関する事項についてであります。同じ資料の11ページでございます。
 その他業務運営に関する重要事項でございますが、個別の項目で、1でございます。人事に関する計画でございます。
 職員の意向調査や新人事評価制度による評価、管理職とのヒアリング等により、適材適所の人員配置と職員の意識向上を推進し、業績評価を賞与に反映させた。また、研修を積極的に実施し、職員の能力開発に努め、常勤職員数について、中期計画を踏まえた削減を実行するとともに、国家公務員の給与構造改革を踏まえた給与体系の見直しを進めている。今後は、管理職の責任と権限・役割の一層の明確化を図ることと等を通じ人事管理制度の更なる改善に取り組むとともに、国家公務員の給与水準との比較を踏まえ、管理部門の見直し等を通じて給与水準の適正化を図るとともに、給与体系の更なる見直しに努める必要があるということで、評価をAといたしました。
 IV全体の評価でございますが、以下に示すとおり、着実に目標達成に向けた努力がなされていることから、A評価とするということでございます。

【佐野部会長】 ありがとうございます。
 それでは、IVのその他業務運営に関する重要事項について、委員の皆さんからの御意見がありましたら、よろしくお願いします。

【有田委員】 これは部会長の意見を反映していますか。

【佐野部会長】 はい、反映しているつもりです。
 それでは、特に御意見もないということなので、案文どおりで確定とさせていただきます。
 引き続き、事務局より説明をお願いします。

【吉井調査官】 それでは、評価書の最後になりますが、評価書の冒頭の概評に戻らせていただきます。この資料の1ページに戻っていただきまして、全体の評価のところを御審議いただきたく存じます。それでは、この概評を通して読み上げさせていただきます。1ページから5ページまで通して読み上げさせていただきます。
 概評。
 独立行政法人環境再生保全機構は、平成16年4月に旧公害健康被害補償予防協会と旧環境事業団を統合し、公害にかかる健康被害の補償及び予防、民間団体が行う環境の保全に関する活動の支援、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の処理の円滑な実施の支援、維持管理積立金の管理等の業務を行うことにより、良好な環境の創出その他環境の保全を図ることを目的として設立された。その後、平成18年2月に成立した石綿による健康被害の救済に関する法律の施行に伴い、同年3月から石綿健康被害救済業務が新たに追加された。
 平成19年度は、中期計画に沿って国民に対して提供するサービスその他業務の質の向上、財務内容の改善その他業務運営に関する重要事項については、十分な成果をあげており、総合的にみて中期目標の達成に向け、適切な業務運営を行っているといえる。
 しかしながら、今後においては、業務運営の効率化、特に内部統制体制の確立、人事管理制度の更なる改善などについて、速やかに取り組むとともに、現行の管理部門等のあり方の見直しについて、早急に着手する必要がある。
 なお、本年度は、5年間の中期目標期間の4年目にあたり、今後、次期中期目標・中期計画の策定に向けた検討が進められるが、中期的には、より一層の業務・組織運営の効率化に取り組む必要がある。
 機構の組織・業務運営に関する事項。
 ○ 平成19年度は、中期計画を踏まえた職員の削減が行われるとともに新人事評価制度に基づき、各部門の目標と個々の職員の業務計画を作成し、職員の意識の向上を図り、評価結果を賞与に反映させることにより、効果的な業務遂行及び、組織運営の効率化に努めている。しかしながら、ガバナンスを強化することによる業務運営の適正化は、今後の独立行政法人のあり方として強く求められるところであり、役員全体の責務であるとの認識の下、内部統制体制の確立を早期に実現することを望む。
 ○ 組織・業務運営の効率化や業務の質の向上については、自己点検・自己評価を実施するとともに、外部有識者による内部業務点検・助言委員会の意見・提言を業務運営に反映させ効率化を推進するなど、業務の重点化やサービスの向上に努めている。
 ○ 事務処理の簡素化・迅速化については、情報共有化システムの活用による情報・知識の共有化、アウトソーシングの有効利用に努めているが、今後は、オンライン申請等の業務のシステム化を一層推進するとともに、債権回収における債権回収専門会社(以下「サービサー」という。)の更なる活用の検討など、一層のアウトソーシングの活用に取り組む必要がある。
 ○ 経費の効率化・削減については、一般管理費及び事業費ともに目標を上回る削減が行われているが、一般管理費では、前年度より経費が増額した項目があり、今後は、効率化・削減の具体的な内容を示しつつ、前年度との実績の比較においても極力抑制に努め、やむを得ず増加する場合には、十全な説明責任を果たすことを期待する。また、随意契約見直しについては、随意契約見直し計画を策定し、その達成に向けて競争的契約が増加したことは評価できるが、役員全体の責務として内部統制体制の確立が強く求められ、こうした観点から監事による合規性のチェックのプロセスを評価することは極めて重要であり、決算に関する監事意見のみではなく、監事において実施した監査の状況がわかるよう、業務実績報告書等において明確にするべきである。
 なお、今回の評価では、追加で提出のあった監事監査報告書をもって確認する限り、監事における監査が適切に実施され、随意契約等入札・契約の適正な実施が確保されているものと評価できる。
 ○ 業務における環境配慮については、「環境配慮に関する基本方針」の策定、「環境物品の調達の推進を図るための方針」の策定などにより、特定調達品目の購入について目標を達成するとともに、「環境配慮のための実行計画」に基づき、用紙類の使用量及びエネルギーの使用量の削減について目標を上回る成果が認められ、これらの取組については、十分に評価できる。
 業務の質の向上に関する事項。
 ○ 公害健康被害補償業務については、補償等に必要な汚染負荷量賦課金の徴収を計画どおり行うことができたこと、並びに納付義務者や都道府県等に対する的確な指導や利便性の向上への取組、及び事務処理の効率化を行ったことなどについて評価できる。
 ○ 公害健康被害予防事業については、事業の重点化・効率化を適切に推進するとともに、前年度実施の事業参加者アンケートに基づいた満足度やニーズの把握が事業内容に反映されており、事業の改善が進められていると評価できる。
 ○ 地球環境基金業務については、国の政策目標等に沿った調査研究事業の重点化への取組や、利用者の利便性向上のための努力が認められる。また、助成事業における事後評価を適切に実施したことは評価できる。さらに、民間寄付金の受入れについて、募金活動を積極的に実施したことにより、基金創設以降最大の寄付金額となるなど、地球環境基金事業の役割に対する国民・事業者等の理解を深めたことについて評価できる。
 ○ ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基金業務については、助成事業の実施状況についてホームページで公表を行うなど、中期計画を踏まえた事業の実施に努めている。
 ○ 維持管理積立金の管理業務については、積立金の管理を適正に行うとともに、積立者に対する運用利息額等の通知をこれまでと同様に実施している。
 ○ 石綿健康被害救済業務については、救済制度について確実かつ広範な広報活動が実施されるとともに、被害者の認定について迅速な処理に努めたことは評価できる。また、救済給付対応への準備が進められ、適正かつ迅速に支給を行うなど、着実な成果を上げたと評価できる。
 財務内容の改善に関する事項。
 ○ 破産更生債権等の償却処理を迅速に実行するとともに、正常債権以外の債権回収についても目標を上回る実績を上げたことなどについて評価できる。
 その他の業務運営に関する重要事項
 ○ 新人事計画評価制度による評価結果を賞与に反映させるとともに、常勤職員数を削減するなど努力が見られるが、今後は、人事管理制度の更なる改善に取り組むとともに、組織管理のあり方の見直しの一環として、例えば、現行の管理部門等の縮減を図ることを通じ、ガバナンスの強化など今後必要となる経営資源を確保する方策を速やかに検討するなど、一層の業務運営の効率化・重点化に努める必要がある。
 なお、評価にあたり、評価の基となる「業務実績報告書」の内容に一部不十分な記載が見受けられ、業務実績評価の透明性を図る観点から、比較可能性についても留意しつつ、「業務実績報告書」の記載内容を改善する必要がある。
 以上、総合評価ということでございまして、総合評価はAという案でございます。
 以上でございます。

【佐野部会長】 ありがとうございました。
 全体の総合評価につきましても、先ほど申し上げましたとおり、本日の冒頭に説明があった随意契約等の入札・契約の適正な実施に関する説明とともに、監事への質疑の状況を踏まえ、私の案ということで記載をさせていただいております。この点も含めまして、委員の皆様からの御意見を伺いたいと思っております。
 皆さん、各自、では、有田委員から御意見を伺いたいと思います。

【有田委員】 部会長の意見が反映されたということで、評価をするにあたってはその情報しかなかったわけですけれども、3ページのところの総合評価のAというのも、そういう意味では、私は本当にAなのかちょっと疑問を感じます。いや、今まで非常に信頼をしてきて、高い評価をしてきただけに、そういう気持ちがあるのです。監事における監査が適切に実施される随意契約等入札・契約の適切な実施が確保されているものと評価できるというふうに書いてよろしいのでしょうか。3ページ。日にちがずれているだけで、問題はなかったよと。

【佐野部会長】 先ほどの説明にもありましたとおり、監事としての職務を遂行してきているという説明もありましたし、多分、日付的に私自信も疑義が残って、書面のみで作成したという疑惑を持ったのですけれども、先ほどの説明その他で、そうではないということも確信を持ちまして、このような表現といたしました。

【有田委員】 はい。それであれば。

【佐野部会長】 では、高木委員、お願いします。

【高木委員】 部会長の御意向が反映されているということで、申し上げにくいなというふうに思いながら、申し上げさせていただきますけれども。2点ほどですが。1点は、今有田委員がおっしゃったことなのですが。いかがでしょうかね、ここで監事における監査が適切に実施されるというふうになっておるところを、適切というのが私も引っかかるのですが。というのは、タイミングといった意味では、少なくとも適切とは言いがたいのではないかなと。ということで、この適切というのを削除しておくというのはいかがかな、というのは私の提案ということです。
 それからあと、もう1点なのですが。管理部門の縮減というようなことで個別の方でおまとめいただいているのは、これは最初の事項の項の業務の効率化のところでおまとめいただいているのですが。全体の総評の中では、その他の業務運営に関する重要事項の中に入っているのですね。個別事項の記載と場所が異なるというふうな問題はあるのですけれども。それより事項そのものとして、やはり業務運営の効率化の中にこの辺は入れていただいた方がよろしいのではないかなというふうに思いますので。ちなみに、このようなことを今回の評価書で申し上げている背景を申し上げますと、全体の人数に比しての管理部門の人数の割合というのは大体3割なのですね。私は少々、ぎちぎちしたことを尋ねたのですが、それは残業時間を確認させていただいたのです。残業時間は全体で2,000時間なのですね。三十数名で2,000時間というのはどういうことかといいますと、一人月数時間、10時間弱の残業で済んでいるという状態だということなのですね。月数時間の残業で済んでいるということは、結構余裕を持ってかなり勤務をされているなというふうなことも定量的なところからも言えますので、まずその辺、管理部門の見直しというようなことを、今回、具体的に書かせていただいたのですが。一応そのような定量的な意味での状況だったということをあわせて申し上げておきたいと思います。

【桑野委員】 私がこの実績報告書を拝見いたしまして一番感じたのが、最後の4行に書かれていることなのですね。こういうことを書くべきかどうかなと思いながら聞いていたのですけれども、ちゃんと書いていただいているので、安心したわけなのですけれども。例えば、石綿に対する業務の予算が大幅に削減されているというのは、結局、申請者が少なかったから、そしてそれは広報がまだ足りなかったからというような御説明を受けて、初めてわかったのですけれども。そういった点とか、それからちょっと間違った表記じゃないかなと思ったところとか、これは御説明をいただいたときにその都度指摘させていただきましたけれども。この業務実績報告書が、先ほどは高木委員からも御指摘がございましたけれども、より一層正確でわかりやすいものに、ぜひ来年度はしていただきたいと思います。今年度は訂正できないというお話でございましたので、その点はぜひ改善をお願いしたいと思っているところです。

【佐野部会長】 ただいまの御指摘の点について、3ページの監事による監査が適切にとありますが、これは取りましょう。

【有田委員】 その後の適正というのは、随意契約と入札契約の適正なという、これは適正でいいわけですね。

【佐野部会長】 そうですね。
 それから、1ページの表現の中に、管理部門の縮減等の具体的なものがないので、ここも一言入れましょうかね。

【吉井調査官】 1ページは、現行の管理部門等のあり方の見直しについて、早急に着手する必要があると書いてありますが、高木先生がおっしゃったこととの関連で申し上げますと、2ページに行きまして、機構の組織・業務運営に関する事項に、確かに各論編では管理部門の縮減のようなことが書いてあるのですが、書いていないので、例えば、二つ目の○に、今後は、管理部門の見直しについて取り組んでいく必要があるというような趣旨のことを、この二つ目の○の組織・業務運営の効率化のところに書くようなことは、例えば考えられますが。

【佐野部会長】 そうじゃなくて、1ページの下から5行目、管理部門等のあり方の見直しについて、非常に抽象的じゃなくて、管理部門等の縮減を含め、今後のあり方についての見直しをというふうに変えた方が、私はいいと思いますね。ということで行きましょう。

【吉井調査官】 はい。

【有田委員】 監事の非常勤という中身が常勤ではないかというふうにおっしゃいました。それが常勤、要するにあの表の中には、職員の常勤という人数としてはカウントされないけれども、コスト的には常勤と同じような感じであれば、それについてはどこで、管理部門というわけではないですよね。そういう意見はどこにも反映させないのですか。

【佐野部会長】 この中では反映していません。
 小林審議官、どうぞ。

【小林審議官】 監事の任命は環境大臣ですので、ちょっと環境省側においても体制を検討する必要があると思います。基本的には、ちょっと今準備がないのですが、非常勤扱いの場合には日給でやるというのが、ほかの組織も含めてやっておりますが。その実態とその体制がうまく合っているかという御指摘かなと思います。これは制度面とかを含めて、一度整理をさせていただきたいと思います。

【佐野部会長】 ということで、この評価書では特に触れていないということであります。
 では、ただいまの御意見等も含めて2カ所、総合評価の表現は修正するということで、総合評価Aということで確定をさせていただきます。
 先の部会におきまして、総務省の政策評価・独法評価委員会から環境省の独法評価委員会にあった、平成19年度の評価に対する意見についての当部会の対応状況について、事務局より説明をまたお願いします。

【吉井調査官】 これにつきましては、先に開催いたしました部会におきまして、機構の説明が不十分であると判断され、追加で資料として用意すべきであるとの御意見をいただきまして、各委員へは持ち回りにて資料を提供させていただきました。内部統制の確立など評価の対象とするべきものは評価の対象とし、単に事実確認をしておくだけのものは追加資料で確認できたものと考えています。この追加資料の扱いにつきましては、業務実績報告書の一部として、これと同じ扱いとすることとしております。総務省にも同様に提出をするようにお願いをするつもりでございます。
 それから、この1月31日の総務省の意見書の中で、1件だけ公害健康被害補償予防業務勘定に係る不良債権の増加という項目があったと思いますが、これにつきましては、機構の問題というよりは、むしろ環境省における政策的判断によるというものでございますので、私の方から機会を極力見つけて、総務省に対して後日改めて説明をさせていただくようにしたいと、こう考えております。

【佐野部会長】 ありがとうございました。
 それでは、本日審議をいただきました評価結果につきましては、独立行政法人通則法第32条第3項に基づきまして、独立行政法人環境再生保全機構及び総務省に置かれている政策評価独立行政法人評価委員会に対して通知することとされておりますので、評価確定後、事務局において必要な手続を行わせたいと思っております。
 続きまして、今回の評価において各委員からの意見も踏まえ、中期計画の4年目ということでもあり、次期の中期目標・中期計画を検討する上で課題として取り組むべきものとして、部会から機構に伝えておくべき事項を整理し、まとめた資料を作成しましたので、事務局からの説明を、委員からの意見をいただき確定させたいと考え、後ほどこの部会の場で私から機構側理事長に伝えることを考えております。
 では、まず事務局から説明をお願いします。

【吉井調査官】 お手元にお配りしております部会長所見について、読み上げさせていただきます。
 部会長所見。独立行政法人については、独立行政法人整理合理化計画が平成19年12月24日に閣議決定され、環境再生保全機構についても今後同計画に従い、次期中期目標・中期計画の策定が必要になる。今回の評価にあたり、各委員から次のような意見が提出されたが、中期的対応による取組を進めることがより効果的な業務運営・組織運営に資するものと考えられる項目であることから、今後行われる次期中期目標・中期計画の検討にあたり、整理合理化計画等に盛り込まれた内容とあわせて具体的に反映していくことが必要である。なお、次期中期計画期間の検討にあたり、見直しの前提としてガバナンスを強化することによる業務運営の適正化を図り、役員全体の責務として内部統制体制を早急に確立する必要がある。
 1.新人事評価制度の実施にあたって、適正な評価制度の運用に留意しつつ、目標管理の評価制度の充実を図るとともに、年功序列型給与体系を改める必要がある。
 2.ラスパイレス指数が高い状況にあり、管理部門の見直し等を通じて、平均以上となっている給与水準の見直しを行うべきである。
 3.管理職を含めた管理部門等の人員が多い状況である。このため管理部門、総務・経理部や事業管理部の縮減を図り、管理部門と現業部門の配置の見直しを進めるとともに、各管理職の責任と権限・役割の一層の明確化を図り、また債権回収におけるサービサーの活用を含め、外部委託の拡充を進める必要がある。さらに、これらを踏まえて組織全体の見直しを行う必要がある。
 4.オンライン申請を強力に推進するとともに、一層の業務の効率化とコスト削減を図る必要がある。
 以上でございます。

【佐野部会長】 ただいま読んでいただきましたこのメモについて、皆様から御意見等ありますでしょうか。

(なし)

【佐野部会長】 では、機構の役員が再入室した際に、私の方からただいまの点について機構側にお伝えするということとさせていただきます。
 ここで入室をお願いします。

(入室)

【佐野部会長】 長らくお待たせしました。
 ただいままでに評価委員会において慎重に審議を重ねてきまして、総合評価としてはA評価ということで決定をいたしました。
 今後の機構のあり方について、部会として理事長に伝えておくべき事項を整理しましたので、次期中期目標・計画策定を踏まえ考慮するようお願いをしたいと思います。それでは、この整理した事項について読み上げます。
 独立行政法人については、独立行政法人整理合理化計画が平成19年12月24日に閣議決定され、環境再生保全機構においても今後同計画に従い、次期中期目標・中期計画の策定が必要になります。今回の評価にあたりましては、各委員から以下のような意見が提出されましたので、中期的対応による取組を進めることがより効果的な業務運営・組織運営に資するものと考えられる項目であることから、今後行われる次期中期目標・中期計画の検討にあたり、整理合理化計画等に盛り込まれた内容とあわせて具体的に反映しておくことが必要であると考えます。
 なお、次期中期計画期間の検討にあたりまして、見直しの前提としてガバナンスを強化することによる業務運営の適正化を図り、役員全体の責務として内部統制体制を早急に確立する必要があります。具体的な項目としましては、
 1.新人事評価制度の実施にあたりましては、適正な評価制度の運用に留意しつつ、目標管理の評価制度の充実を図るとともに、年功序列型給与体系を改める必要がある。
 2.ラスパイレス指数が高い状況であり、管理部門の見直し等を通じて平均以上となっている給与水準の見直しを行うべきである。
 3.管理職を含めた管理部門等の人員が多い状況である。このため管理部門、総務部・経理部や事業管理部の縮減を図り、管理部門と現業部門の配置見直しを進めるとともに、各管理職の責任と権限・役割の一層の明確化を図り、また債権回収におけるサービサーの更なる活用を含め、外部委託の拡充を進める必要がある。更に、これらを踏まえて組織全体の見直しを行う必要がある。
 4.オンライン申請を強力に推進するとともに、一層の業務の効率化とコスト削減を図る必要がある。
 以上でありますので、よろしくお願いをします。

【湊理事長】 一言よろしいでしょうか。
 大変ありがとうございます。委員の皆様には大変お忙しい中、私どもの19年度の業務実績の審議をいただきまして、本当にありがとうございます。
 ただいま部会長からありました評価、それから所見、あるいは今まで評価をいただくプロセスの中で我々はいろいろ御指摘を受けましたことを真に受けとめまして、役職員一体となってこれからも業務運営に努めていきたいというふうに思っています。特にこの評価につきましては真摯に受けとめまして、環境政策の実施機関であります当機構の運営に、さらに我々としてもその責任を果たすべく努力をしていきたいというふうに思っています。
 本日は、本当に委員の皆様の所見等いただきまして、ありがとうございます。これからも御指導をよろしくお願いしたいというふうに思っております。どうぞよろしくお願いします。

【佐野部会長】 それでは、次に平成19年度独立行政法人環境再生保全機構の財務諸表について御意見をお願いしたいと思います。これは主務大臣が承認するにあたりまして、あらかじめ部会の意見を聞かなければならないとされておりまして、前回の部会において環境再生保全機構より説明を聞きまして、部会の場においては特に意見・御質問はないということでございました。また、追加の御質問・御意見があればということで7月18日までにいただくこととしておりましたが、特段意見とするようなものがなかったと思いますので、機構部会として意見なしということでよろしいかと思いますが、いかがでしょうか。

(なし)

【佐野部会長】 ありがとうございました。
 それでは、特段意見がない状況ですので、意見がないということで、委員会としてはこれでまとまりました。
 それでは、議題2、その他ですが、事務局から何かありますでしょうか。

【吉井調査官】 前回の部会で御審議いただきました機構の公害健康被害予防基金の取崩し、東京都の予防事業の実施に充てるため、60億円拠出することにあたりましての中期目標及び中期計画の変更については、財務大臣との協議も整い、変更の手続が済みましたことを御報告させていただきます。
 また、今年度は環境再生保全機構の中期計画の末になりますので、今年度中に次期中期目標等を定める必要があります。これらの手続におきましては委員各位のご指導を賜ることとなり、部会を開催することを予定しておりますので、その際はまたどうぞよろしくお願い申し上げます。
 事務局からは以上でございますが、本日お配りいたしました会議資料については、退席する際、テーブルの上にそのままにしておいていただければ、後日郵送させていただきます。
 以上でございます。

【佐野部会長】 それでは、以上で議事は終了しましたので、本日の会議を終了します。
 委員の皆様、長時間御審議をまことにありがとうございました。