第9回環境省独立行政法人評価委員会会議録

日時

平成15年8月6日(水)14:00~17:07

場所

環境省第一会議室22階

議題

(1) 委員長の選任
(2) 環境省独立行政法人評価委員会の運営等について
(3) 独立行政法人国立環境研究所の業務実績の評価について
(4) 平成14年度独立行政法人国立環境研究所業務実績報告書について
(5) 平成14年度独立行政法人国立環境研究所財務諸表について
(6) 独立行政法人国立環境研究所の役員退職手当規定の改定について

配布資料

資料1 環境省独立行政法人評価委員会名簿
資料2 独立行政法人の業務実績評価制度の仕組みについて
資料3 環境省独立行政法人評価委員会の運営方針について
資料4 独立行政法人国立環境研究所の業務実績評価に係る基本方針
資料5-1 平成14年度業務実績報告書
資料5-2 平成14年度業務実績報告書資料編
資料6 評価シート
資料7-1 平成14年度財務諸表
資料7-2 平成14年度事業報告書
資料7-3 平成14年度決算報告書
資料8 独立行政法人国立環境研究所の役員退職手当規定の改定について
資料9 今後の予定
参考資料1 国立環境研究所関連法規
参考資料2 独立行政法人国立環境研究所中期計画
参考資料3 平成14年度独立行政法人国立環境研究所年度計画
参考資料4 平成13年度独立行政法人国立環境研究所業務実績の評価書
参考資料5-1 平成13年度業務実績報告書
参考資料5-2 平成13年度業務実績報告書資料編
参考資料6-1 平成13年度財務諸表
参考資料6-2 平成13年度事業報告書
参考資料6-3 平成13年度決算報告書
参考資料7 平成13年度における環境省所管独立行政法人の業務の実績に関する 評価の結果についての第1次及び第2次意見
参考資料8 その他
[1] 平成14年度国立環境研究所年報
[2] 独立行政法人国立環境研究所パンフレット
[3] 環境儀第9号(湖沼のエコシステム)
[4] 独立行政法人国立環境研究所公開シンポジウム2003予稿集(環境研究・次の一手)
[5] 環境GIS
[6] 環境観測技術衛星「みどりII」搭載オゾン層観測センサ(ILAS -II)からの初データの取得について

出席者

委員: 石井紫郎委員、櫻井治彦委員、佐野角夫委員
柘植綾夫委員、藤井絢子委員、松野太郎委員
大沢雅彦臨時委員、北野大臨時委員、桑野園子臨時委員
坂本和彦臨時委員、佐和隆光臨時委員、高木勇三臨時委員
高月紘臨時委員、桝井成夫臨時委員
環境省: 総合環境政策局 松本総合環境政策局長
齊藤環境研究技術室長
山崎総合環境政策局総務課長
苦瀬環境計画課計画官
国立環境研究所 合志理事長
西岡理事
飯島理事
高木主任研究企画官
竹内総務部長

議事

【齊藤環境技術室長】 それでは、定刻になりましたので、ただいまより第9回の環境省独立行政法人評価委員会を開催いたします。
 会議に先立ちまして、総合環境政策局長の松本よりごあいさつ申し上げます。

【松本総合環境政策局長】7月1日付で総合環境政策局長を拝命いたしました松本でございます。どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 また、本日は大変ご多忙の中、今年度の第1回目の環境省独立行政法人評価委員会、その会議にご出席をいただきまして大変ありがとうございます。よろしくお願いしたいと思います。
 委員の先生方にはもう本当に釈迦に説法みたいな話ではございますが、地球温暖化とか廃棄物問題、その他今日のさまざまな環境問題の解決をしていって、そして持続可能な社会を構築していくという観点から考えてみますと、環境の変化の機構解明、あるいは影響、それぞれの予測、環境負荷の低減、環境上の負の遺産の解消など、もろもろの基盤となります環境研究とか環境技術開発、こういうようなことがどうしても必要不可欠な要素になってくるというわけでございます。一昨年の平成13年の4月に独立行政法人として発足をいたしました国立環境研究所でございますが、このような環境研究分野におきます我が国の中核を担う機関になるわけであります。環境省といたしましても、今後も引き続き機能的、そして効率的な運営が図られるように取り組んでいきたいと考えております。
 この評価委員会は、独立行政法人制度におきます大変重要な役割を担っていただく機関でございまして、独立行政法人の中期計画策定を初めといたしまして、各事業年度の業務の実績、中期目標にかかわる業務の実績、これらの評価など、国立環境研究所の業務運営全般にわたりましていろいろな、そして貴重なご意見とご指導を今までもいただいてきたところであるわけでございます。きょうの委員会は、独立行政法人通則法に従いまして、平成14年度の国立環境研究所の業務実績を評価していただきたいと思っております。また、あわせまして14年度の財務諸表につきまして、環境大臣の承認に当たって皆様方のさまざまなご意見を聞かせていただくというわけでございます。5時までということで、やや長時間でございますが、何とぞよろしくお願いしたいと思います。

【齊藤環境技術室長】 それでは、引き続き環境省及び独立行政法人国立環境研究所担当をご紹介いたします。
 本日、ちょっと予算の関係で事務局が一部遅れております。申しわけございません。
 私の隣におりますのが、総合環境政策局環境計画課の苦瀬計画官でございます。
 申しおくれましたが、私、7月1日付で環境研究技術室長になりました、齊藤と申します。よろしくお願いいたします。
 本日、説明のために国立環境研究所から5名の方々に来ていただいております。
 まず、合志理事長でございます。
 次に西岡理事でございます。
 それから、飯島理事でございます。
 高木主任研究企画官でございます。
 竹内総務部長でございます。
 ちょっとおくれて参りましたが、総合環境政策局の総務課長の山崎でございます。
 次に、本日ご出席の方々の委員を紹介させていただきますが、資料の1というところに委員名簿をお配りしております。これに沿いまして、ご紹介させていただきます。
 こちら側から、石井委員でございます。
 櫻井委員です。
 次に佐野委員でございます。
 柘植委員でございます。
 それから、藤井委員でございます。
 松野委員でございます。
 それから、鷲谷委員はご欠席でございます。
 それから、臨時委員の大沢委員でございます。
 それから、加藤委員は本日ご欠席で、北野委員でございます。
 桑野委員でございます。
 坂本委員でございます。
 それから、佐和委員でございます。
 高木委員につきましては、さきほどおくれるとの連絡をいただいております。
 次に高月委員でございます。
 それから、桝井委員でございます。
 続きまして、議事に入ります前にお手元の配付資料の確認をさせていただきたいと思います。本日、非常に大部な資料となってございます。
 まず、資料といたしまして、ただいまごらんいただいた名簿がございます。次に資料2として独立行政法人の評価制度の仕組みについてということで、資料2がございます。これが1枚紙になります。資料3といたしまして、運営方針ということで、これも1枚紙。それから資料4が、業務評価に係る基本方針ということでホッチキスどめをしたもの。それから資料5として1、2とございますが、これは平成14年度の業務実績報告書並びに資料編でございます。資料6として、A3横長でございますが、評価シートというものがございます。さらに資料の7として1、2、3とございまして、財務諸表関係のものが3つございます。それから資料8といたしまして、役員退職手当規定の改定についてということでホッチキスどめの資料。さらに、最後に資料9として今後の予定というものがございます。
 それから参考資料といたしましては、この委員会に関連します関連法規ですとか、あるいは中期計画並びに年度計画。さらには資料4以降、昨年度に行いました平成13年度の評価に当たりましての、本日14年度分お配りしているような資料と同じような資料を参考までにお配りをしております。それから参考資料7といたしまして、総務省から昨年の評価実績にかかわる意見が出ておりますので、それもお配りしております。最後に参考資料8、その他といたしまして、国立環境研究所からご提供がありましたパンフレット等の補足資料を幾つかお配りしております。
 また、足りない等のことがありましたら、申し出ていただければ後ほど手当ていたします。
 それでは、議事に入らせていただきたいと思います。座って失礼いたします。
 本日のこの評価委員会ですが、評価委員会発足時からの委員の方々につきましては、ことしの2月で2年の任期を満了していただきまして、5月に新たに2委員を任命させていただきました。また、臨時委員につきましても、新たに3名の方を任命させていただきまして最初の委員会となります。このため、委員長が選任されるまでの間、大変僣越ではございますが、事務局の方で議事の進行を務めさせていただきます。
 それでは、早速ですが議題の1でございます。委員長の選任に移りたいと思います。
 環境省独立行政法人評価委員会令第41項の規定によりますと、委員長は委員の互選により選任することとされております。つきましては、委員長の候補者についてご意見のある方はございませんでしょうか。
 はい、お願いいたします。

【松野委員】 私、昨年は国立環境研だけが、この環境省全体の中の独立行政法人ということで、それの評価という、これは研究のような面が非常に多いので、私が委員長に選任されまして務めさせていただきましたけれど、伺いますところ今度は環境省全体で、何も研究ばかりでない他の独立行政法人もできるというふうに、まだこれから、委員会もやっておりますし、また今度新たな委員の方、そういうこともお考えになっていたと思いますが、石井先生、今の総合科学技術会議の環境プロジェクト、地球温暖化対策等でいろいろリーダーシップを発揮されました石井先生も入っておられ、また何しろ法律の専門家でいらっしゃいますので、石井先生にお願いしたいと。
 とりわけですね、ここでちょっと私の個人的な希望を申し上げますと、独立行政法人の通則法、それでもって大学の法人化を進めようとしたときに、大変、お仕事をするための独立行政法人ですね、作業、そういうようなためにつくられた法律を研究や教育の場に適用するのは大変問題があるということで、いろいろと提案などしていらっしゃいました。私も、この委員会も、今まで国立環境研究所に対して通則法を、そのまま評価を適用するということは非常に気持ち悪いし、最初に随分たくさん議論をしました。結局、仕方ないからこれ飲み込んでいきましょうということで、佐和委員なんかも、研究の評価にまず効率化とは何だという意見もありました。
 もう手遅れかもしれませんが、きょうの資料の中にも、1、効率的な業務運営体制の整備と、目標がそう書かれてしまったのでしようがないのですが、1がそうで、2が国民に対するサービスと質の向上というふうに、ローマ数字のI、IIになっています。実は、もし僕は、石井先生には大変おこがましいかもしれないのですけれども、そういうことができたら、これはひっくり返しだと思いますし、現に文部科学省の研究機関では、1に国民に対するサービスと質の向上ということをうたって研究所の評価にしていますし、2番目に、その業務の効率化という順序になっています。その点、たしか中期目標・中期計画をここの評価委員会に諮問されたときに、ちゃんと知っていれば、そういうものを、研究所に効率化が第一なんておかしいじゃないかという点があれだけ出たのですから、せめて順序をひっくり返すぐらいのことはできたのではないかと思いますが、それはもう私はできませんでしたけれども。そういうようなこともありまして、ぜひともこれは石井先生が委員長にふさわしいのではないかなと僕は思いまして、よろしくお願いしたいと思います。
 以上です。

【齊藤環境技術室長】 ありがとうございました。
 ほかにご意見はございませんでしょうか。
 それでは、石井委員に委員長をお願いするということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)

【齊藤環境技術室長】 それでは、ご異見はございませんようですので、石井委員を委員長にということで選任されました。
 それでは、石井委員長には委員長席への移動をお願いいたします。
 それから、事務局の方で冒頭にご説明すべきだったのですが、本委員会の成立は過半数をもって成立ということでございますが、現在13名の委員の方々にご出席をいただいておりますので、定足数に達しておりますことをご報告申し上げます。
 それでは、これ以降の議事につきましては石井委員長にお願いいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。

【石井委員長】 ただいま、松野先生のご推薦によって祭り上げられました。致し方なく、お引き受けさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 シナリオによりますと簡単にあいさつと書いてあるのですが、ただいまのお話にございましたように、私は独立行政法人通則法というものは、まだ要綱の時代からこれは大学にはなじまないという、いわばあの法律の裏側からずっと見てきた人間でございまして、実際にこれを動かし始めたらどうなるかというようなことについては、ほとんど考えてみたこともございませんし、考えてみたくもなかったわけでございますが、どういう因果か、かような次第になりました。
 国環研の評価については、既に松野先生からお話がありましたように、既にいろいろな問題のご指摘があったかと思いますが、だからといって法律を無視するわけにもいかない。これをいかにうまく運用するかというのも人間の知恵であり、私たちも何とかそれをうまく運用することができるかもしれない。動き出したものを急に変えるとか、そういうことはできないはずでございますし、私が大学について独法は反対だと言っていたからといって、それをここで直ちにそのまま主張するつもりは毛頭ございません。悪法も法であるという前提のもとで何とかやらせていただきたいと思います。
 しかし、また同時に、独法の法律というのは悪い面ばかりではございません。実際に国民の立場から見て必要な、かつ有用な面をきっちり法律の上で定めているという面もございます。これはまた、それぞれの法人の性格、業務の内容等によっても変わってくると思います。この委員会は、先ほど松野先生からもお話ございましたように、非常に性格の違った法人について評価の対象とすることになる役目を負っておりまして、なかなか難しい仕事ではないかというふうに思いますけれども、そこはそれぞれの専門の先生方、あるいは広い、高い識見をお持ちの方々が委員として、あるいは臨時委員として、ここにご列席でいらっしゃいますので、皆様方のご協力を得まして、そしてまたご叱正を得まして、何とか務めを果たしていきたいと存じております。どうぞよろしくお願いをいたします。
 そこで、実質的な議題に入らせていただきますが、まず最初は委員長代理の指名ということでございます。これは独法評価委員会に関する本省の省令に書かれているわけでございますが、「委員長に事故があるときは、あらかじめ指名する委員がその職務を代理する」という規定でございます。そこで、委員長である不肖私が指名をさせていただくということに相なりますが、私の心積もりは、私よりも本来委員長に適任だと考えております松野委員にぜひお願いを申し上げたいというのでございます。ご了承いただければ幸いでございます。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)

【石井委員長】 ありがとうございました。
 それでは、次の議題に入らせていただきます。
 これは環境省独立行政法人評価委員会の運営等についてということでございます。事務局から説明を承ります。よろしくお願いします。

【齊藤環境技術室長】 それでは、私の方から説明をさせていただきます。
 本日、新たなメンバーになりまして第1回目ということで、ごく簡単ではございますが、全体の制度の仕組みについて議題2のところで説明をいたします。
 資料2をまずごらんいただきたいと思います。独立行政法人の業務実績評価制度につきましては、参考資料でお配りをしておりますけれど、関係法規等によって規定をされております。その大まかな流れというものを図にしたのが、この資料2でございます。
 左側に四角が3つありますけれども、一番上が年度ごとに行う評価などです。そのほかに、上から順番に申し上げますと、財務諸表等の手続がございます。これにつきましては、財務諸表等の承認を独立行政法人の方から環境大臣の方に申請があった場合に、この評価委員会の意見をお聞きするという仕組みになっているというのが、一番上のこの図になります。本日の後半の議題にもなっております。
 それから、その下でございますけれども、これは評価委員会の毎年の業務になりますが、毎年度実績の評価の流れがございます。これは独立行政法人の方から実績報告書というものが、年度が終わりまして3カ月以内に提出をされるということになっておりますけれども、これを評価委員会の方に提出をし、ご説明をするということを経まして、評価委員会の方で、その実績について評価をいただくということになっております。この評価結果につきましては、独法全体を知っております総務省の方にも速やかに通知をすると。総務省の方からは、必要に応じ、その評価結果についての意見が出されるという仕組みになっております。また、評価結果については、当然独法の方にも、この委員会として通知あるいは必要に応じて勧告といった措置がなされます。これが年度別の評価等でございます。
 それから、次の中期計画実績評価でございます。国立環境研究所の場合は、平成13年度から17年度の5カ年間を対象とした中期計画が既に定まっておりますけれども、これが終了した段階において、全体としてこの中期計画に対する実施状況等がどうであったかというような評価をいただくということで、数年後になりますけれども、そういったこともこの評価委員会の大きな一つの職務であるということでございます。
 また、その下に、中期計画が終了した場合に、総務省との関係等々もございますけれども、また必要な意見聴取なりをさせていただくというような機会も定められております。
 本日の時点は、主に一番上の年度別のところについてご理解を賜りたいと思っております。
 あと、議題の2の中でもう一つ、この委員会の運営についてのご説明をしないといけませんでした。失礼いたしました。
 資料3をごらんください。これは委員会の運営方針ということで、一部改正等を経まして、現在のものとなってございます。
 ここに書いてございますのは、1として会議の招集でございますけれども、この評価委員会におきましては、事案の内容等によりまして、書面で賛否を問うて議決という手続も場合によってはできるという規定を設けております。
 また、2にありますとおり、会議自体は原則公開。ただし、内容的に非公開にする必要があると委員長がご判断の場合は、部分的に非公開ということもあります。
 それから出席につきましては、代理出席は認めないということになっております。
 さらに、3の会議録等についてでございますけれども、会議録は正確に記載をするということで、ほぼ発言どおりの記載をした会議録ができます。これにつきましては、当然、出席委員の了承を得ることとしておりまして、了承をした後すべて公開ということで、3の(3)に書いてございますように、公開の方法は、当然、公文書としての窓口もありますが、環境省ホームページへの掲載ということで行っております。前回までの議事録につきましては、既にそういった形で、公開ということでホームページなどでごらんをいただけるようになっております。
 以上がこの委員会の運営方針です。先ほどの資料以下、あわせまして議題に対する事務局のご説明とさせていただきます。

【石井委員長】 ありがとうございました。
 まず、最初、評価制度というものがどういう仕組みになっているかという、そのあらましにつきましてご説明を承りました。それから、その次に本委員会がどのように運営されるべきかという手続的な面、及び、殊に議事録の取り扱い等について、既に定まったものがあるということでございます。これは基本的に既存のものであるという前提でお聞きいただきたいわけでございますが、ただし、法律と違いまして、これは委員会決定と書いてございますとおり、もしぐあいの悪いところがございましたらば、ここで改正をしていただくことは理論的には可能でございまして、蛇足ながら申し上げさせていただきます。
 この2点につきまして。

【佐野委員】 悪法でも法律だということですが、まず、新聞等の報道で時々耳にするのですが、独立行政法人をさらに厳しく監視するというトーンが非常に強い。具体例として、財務省の監査をさらに厳しく、会計監査人を民間のように5年でローテーションを組むとかですね、あるいは中期計画が非常に甘いと。これをさらに精緻に、どこがやるか知りませんけれども、チェックして、厳しい目標設定をするとか、効率性についての結果が出ないものについても、いろいろ厳しい評価をすると。それをちらちら見たのですが、この辺の流れはどうなっているかということをご質問したいと思います。

【齊藤環境技術室長】 基本的には、先ほど資料2の方で説明いたしましたとおり、毎年の評価につきまして、まず総務省の方に速やかに通知をいたしまして、総務省の方から、その評価自体について、ほかの独立行政法人に対する評価もすべて、全省庁のものをすべて含めまして総合的なご意見並びに個別の、うちでしたら環境省のこの評価についてのご意見というのをいただいております。
 本日、参考資料をお配りさせていただいておりますけれども、例えば参考資料の7というのをちょっとごらんいただきたいと思います。厚い冊子の手前に入ってございますけれども、昨年度行いました13年度業務実績に対する当委員会の評価につきまして、総務省の方からいただいた意見、1次意見ということでいただいた11月15日付のもの、それから2枚ほどめくっていただきますと2次意見ということで、これは中身をざっと見ていただくとわかるのですが、必ずしも環境省の評価結果にかからない部分も大変多うございますけれど、こういった形で総務省の方で毎年毎年、前例を見ながら、委員ご指摘のあったような一般的な意見も加味しながら、この評価制度の運用そのものについて毎年ご意見をいただいているという状況ですので、そういった意味では、ここで1つチェック機能がかかっているのではないかなというふうに思います。現在のところは、事務局から申し上げることは以上でございます。

【石井委員長】 よろしいでしょうか。

【松野委員】 実はこれまで環境省1つしかなかったので、全体の今おっしゃった総務省の独立行政法人の評価委員長の集まりというものに、2回ですか、最近は6月にあったと思いますが、そこに出席いたしました。そこで、各省の評価委員長の集まりですので、いろいろな意見が出たのですが、みんな1つは、今お話があったようなことを非常に心配してですね、そういう発言が多くありました。特に画一化というか、あるところで何かやると、それをみんな横並びでやらなければいけないというふうなことになってしまうというようなことが非常に困るとか、あるいは数値化というのは慎重にやらなければいけないと、そういう意見は各省の評価委員、文部科学省、経済産業省ですか、それぞれ、特に今のところは国立研究機関が多いものですから、そういうことに対して必ずしも適当でない評価が行われるおそれも出てくるという意見が強く出ていました。ただ、それが実際にどういうふうに総務省が全体の評価をして、最後に改廃等を勧告するのはそこだと思うのですが、そこの方が聞いておられましたけれども、実際にどういうふうに反映していくかということはわかりません。みんながそれぞれ心配していたということをご報告いたします。

【石井委員長】 当委員会が評価したことを総務省の委員会がまた一段上の立場から評価するというのも法律の仕組みでございまして、それを悪法というかどうかは人によって違うと思いますけれども、それをうまく運用するのが総務省の委員会の知恵でもあろうし、こちらもこちらなりの考え方というものを必要があればぶつけていくということも必要でございます。制度が今動き出したばかりですので、だれもちゃんとした答えが出るわけではないはずでございます。その辺の対話については十分事務局の方でもお考えいただきたいと思いますし、この委員会としても、いかなる形で対話が成り立ち得るのか、可能なのか、文書なのか何なのか、非公式の懇談なのか、いろいろな知恵はあり得るかと思いますけれども、そういうことで、みんなでうまく制度をつくっていく、あるいはうまく運用していくという努力をそれぞれの立場でしていく必要があるのではないかなと私は思っているわけでございます。
 1つだけちょっと例を申し上げますと、これは言わなくても当然わかってしまいますから省の名前を申し上げますけど、文部科学省関係の美術館・博物館、これが独法化しております。これの評価につきまして、評価委員会の部会ができたわけでございます。そこに評価方法についてのある原案が示されたときに、評価委員の先生方が怒り出した。数値目標として入館者の数をどうするかとか、それに書いてあったというのです。そんなばかな話はないと、私のところにその関係者の方がいらしたことがございます。その先生方がおっしゃるには、美術館の入館者をふやすことは簡単ですと。例えば19世紀の印象派なら印象派、これの世界的に有名なコレクションを持ってきてやれば長蛇の列ができる、それは簡単だと。でも、美術館というのはそんなものじゃないでしょうというわけです。私はたしかにそうかもしれない。それはわかるけれども、でも国民の税金を使って美術館を経営しているというときに、全く国民が理解できないような前衛的なアートばかりの展覧会をやるというのは、これはやっぱりぐあいが悪いのではないでしょうか。いろんなニーズがあるでしょう。ですから、社会に非常に人気の高い芸術分野についての展覧会をどのくらいやって、片一方では前衛的な、あるいは、何と言ったらいいかわかりませんけれども、余り人気はないけれども重要な美術関係についての展覧会もあわせてやると。そういう計画をきっちりお立てになって、それでこっちの方では入場者についてこれだけのことはしてみせると。しかし、こっちの前衛的な方では別のインパクトをねらうというように、目指すべきではありませんと申し上げたのです。
 そういうふうに、きっちり数値目標になり得るものとなり得ないもの、あるいはしてはいけないものというのをきっちり区分けしてやるということ、そういう工夫をしなければいけないのであって、私はこの法律は、悪法だとは思いますけれども、しかし、数値目標そのものが絶対にいけないというわけでは決してない。研究活動についても、あるいは教育活動についても、およそあらゆる数値目標が不適切であるというふうには、私はなかなか断言できない話であろうと考えております。問題は、どうやってそれをきっちり区分けをし、できるものならきっちり掲げて、そして達成度がそれによって評価できるものをきっちり見分けていくということ、それが評価委員会の仕事でもあり事務局の仕事であり、また実際に研究事業をなさってらっしゃる事業体の法人のお仕事でもあるだろうし、総務省の役割でもあるだろうし、財務省の役割でもあるだろうと私は思っているわけであります。すべてがまだ未成熟であり、ほとんど白紙に近い状態で、既に制度的に問題のある枠組みの中でどうやったらいいのかということは、みんなが知恵を出していかなければならないのではないかと私は考えておりまして、ですから、こちらの立場から見れば、もっと悪くなりそうだというような気配もないではないかもしれませんけど、それはそれで1つの立場から出てきた提案であり、あるいは思考であると考えて、我々も、対立も含みながらも共通の目標に向かっていく。つまり、いかにして日本のこういう仕事をうまく育て上げ確立し、そして成熟させ、そして所期の目的を達するようにするかということが重要なのだろうと思っております。ぜひ、そういう点で皆様方の御協力をお願いしたいと考えている次第でございます。
 この問題、これくらいでよろしゅうございましょうか。

【佐野委員】 総務省が去年、この評価委員会の評価について、ここでやったけれども、したたかで、なかなか一筋縄ではいかんという感じもするので、このままではいかないと思いますね。

【石井委員長】 やはり総務省は、ほかの省よりも一段上だと思っていますから、大変なのですけれど、理屈は理屈でございまして、理屈で物事を動かす社会というのを私はつくるべきだろうと思っているわけです。ちょっとこれ以上言うとあれですけれども。政治的な決定が議論らしい議論もなしに、相手の質問にまともに答えもしない答弁で、採決されて何かの法律ができるというようなことが仮にあるとすれば、その国は政治的に未成熟な国だと私は思っております。政治というのは本来ロゴスによって動くべきものだと申し上げたいのです。そういう政治が、およそ理想的に存在をした国あるいは時代があったかと言われれば、たしかに百点満点のものはどこにもなかったかもしれない。しかし、少なくとも某国よりはましな国というのは、あるいはましな文明というのはあったに違いない。私は法律の歴史をやっているので、自分ではヒストリアンだと思っておりますが、そういうふうに考えて、やはり努力していかなきゃならないと思っておりますので、ひとつ忍耐強くお願いをしたいと。
 では、次に進ませていただきます。
 次なる議題は、独立行政法人国立環境研究所の業績・実績の評価についてということでございます。説明をお願いいたします。

【齊藤環境技術室長】 それでは、資料の4をごらんいただきたいと思います。これは昨年の5月に当委員会でお決めをいただいております、独立行政法人国立環境研究所の業務実績評価に係る基本方針というものでございます。ここでは、先ほど前の議題でお話ししたとおり、年度ごとの評価と中期目標にかかわる実績の評価と、この2通りについて、それぞれどのような方法で評価をするかという内容が記してございます。
 1の評価の概要は、先ほどのとおりでございますが、2の評価の方法でございます。まず、(1)に各事業年度に係る業務実績に関する評価がございますけれども、[1]として事項別評価というのがございます。これは、中期目標に定められている事項別に、当該事業年度における実施状況を評価するということでございます。この中期目標自体は参考資料にもございますけれども、どういう項目かというのは、この資料の後ろの方に出てまいりますので、そちらでお願いします。
 その2ページ目でございますけれども、具体的には、次に続きます評価基準に基づいて評価項目ごとに評価の方法、視点等を考慮して行うと。この評価項目ごとの評価を踏まえて、当該事項全体の評価を行うものとするということでございます。また、なお書きにありますけれども、研究業務につきましては、研究所において外部専門家による評価(外部評価)というものを行っておりますが、その結果を積極的に活用しようではないかということも、この方針に盛り込まれております。
 イとして評価基準とございますけれども、これは必ずしも全独法一緒ではございません。いろいろなランクづけをしてございますけれども、本評価委員会では、ここにありますとおりS、A、B、C、Dという5ランクで評価を行っていこうということでございます。
 それから、さらに[2]総合評価ということで、全般的に評価を行っていただくという部分がございます。これにつきましても、先ほどのS、A、B、C、Dのランクで全体を1つの評価基準といいますか、レベルについて最終的に評価をいただきたいということでございますし、また、ウにございますように、業務運営の改善に関する事項についてもあわせてご検討いただくというような仕組みになっております。
 それから、2ページ目の一番下の(2)というところは中期目標に係る業務の評価ということで、これも中期計画期間の平成17年度が終わった後でございますけれども、5年分を総合的に評価をいたすということで、内容的には先ほどの年度別の評価と同様な仕組みが、ここに書かれております。
 4ページ目でございますけれども、その他という部分、これはちょっと先ほど触れましたけれども、研究所との関係でございますけれど、毎年6月末までに前年度分の実績等を出してくださいということや、実績評価におきましてはいろいろな評価の根拠となるデータを示した報告をしていただきたい。あるいは評価委員会として、必要に応じて研究所からヒアリングを実施すると。そのようなことが、その他事項として基本方針に盛り込まれております。
 それから、続きまして別紙というものがありますけれども、中期目標に定められている事項を表に直しております。先ほど松野委員の方からご指摘ありましたが、順番に関してもご議論が昨年はあったわけですが、現在は、この方針においては中期目標に書かれた順番どおりに、一応構成をして、要素としては同じですので、書かせていただいています。ここにありますとおり、大きなローマ数字のI、業務運営の効率化に関する事項として、1の効率的な組織の編成から始まりまして、そのページの7というところまで、それぞれの項目ごとに評価の方法・視点というのをご検討いただいた上で、このようにまとめたということをご承知おきいただきたいというふうに思っています。
 また次のページからは、IIとして国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項と。それから、その次のページに財務内容の改善に関する事項。IVとして、その他業務運営に関する重要事項ということで、この中期目標の項目ごとに、ここに書かれてございます評価の方法・視点を加えて評価をいただきたいという仕組みになっております。
 実際にどういうふうに各先生方にご検討なり、その検討結果を記載していただくかは、また後ほど評価指標というA3の資料がございますけれど、そこのところで必要ならば補足をさせていただきたいと思います。
 簡単ですが、以上でございます。

【石井委員長】 ありがとうございました。
 ただいまの評価の基本方針についての説明についてご質問・ご意見等がございましたら。
 これは、昨年既にこれでおやりになったと、こういうことですね。それを基本的にどこも変えてない。

【齊藤環境技術室長】 はい。昨年、13年度分の事業実績評価をこの方針に基づいて行っているわけでございます。

【石井委員長】 ということで、第1期の委員会のおまとめになった方針を踏襲しましょうという提案でございましょう。
 もし、ご質問・ご意見等ございませんでしたら、これはご了承いただいたものとして扱いますが、よろしゅうございましょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)

【石井委員長】 ありがとうございました。
 それでは、先に進ませていただきます。
 次は「平成14年度独立行政法人国立環境研究所業務実績報告書について」という議題でございます。これは、例の通則法の第32条に定められたものに基づく業績報告書でございまして、同条は「毎事業年度において、各法人は業務の実績について評価委員会の評価を受けなければならない」としているわけでございまして、さらにそれを受けた本省の省令におきましては、「業務の実績について評価を受けようとするときは、年度計画に定めた項目ごとに、その実績を明らかにした報告書を事業年度の終了後3カ月以内に、評価委員会に提出をしなければならない」というふうにされております。皆様ごらんのとおり、資料5の1を見ると平成15年6月という日付になっておりまして、この3カ月以内という条件をクリアしたものでございます。こういうものが提出されましたので、国立環境研究所の方から説明をお願いしたいと思います。
 なお、実績の評価につきましては、次回のこの評価委員会においてもご議論していただくことを予定しておりますので、今回は専ら説明を承り、そしてそれに関する質疑をさせていただくことを中心にしたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
 それでは、どうぞご説明をよろしくお願いいたします。

【合志理事長】 それでは、業務の運営についての主要な進展を説明させていただきたいと思います。なお、全般的なことは私の方からご紹介いたします。その後、2人の理事、あるいはそれぞれの担当の方から立ち入ったといいましょうか、ある程度具体的なものについてご説明をしたいと思います。
 先ほど委員長からのお話にもございましたけれども、この独立行政法人という形でのあり方というのが研究機関に適しているかどうかということは、いろいろとあるところでございまして、その第一に出てくることは、もう最初に私どもがどうも遭遇することでございまして、この総括的に全体がどうなっているかということをお話しするときに、立てられた目標とぴたりと合っている、進んでおるかどうかということについてということでありますけれども、独立行政法人化してから2年目でございます。1年目は、新しいシステムというものをとにかくつくり上げるということに、いろいろな意味で全力投球したということでございます。2年目は、もちろん一つの計画に沿うようにやってはおりますけれども、相当部分が新しいシステムを使ってみていろいろ問題点があったので、それをより適切なものに修正していくというようなプロセスに、我々としてはエネルギーを使ったということになろうかと思います。当然ながら研究組織、それからプロジェクトの円滑な運営とか、あるいは新しい研究等をつくる、そういったこと、あるいはいろいろな研究基盤の整備、そういったものに努力したことは当然でございますけれども、エネルギーの相当部分が、計画に必ずしも書かれていない部分についてかかったということをご理解いただきたいと思います。
 研究の内容につきましては、幾つかのカテゴリーに分けてお話しするとよろしいかと思いますけれども、お手元の実績の最初の方に概要がついておりますので、それに沿ってごらんをいただければと思います。
私どもとしては重点特別研究プロジェクト、それから政策対応型の調査研究、それから知的研究基盤、こういったものについて進めているわけでありますけれども、これを15年の4月の外部評価委員会において中間評価を受けております。
 この中間評価では重点特別研究プロジェクト、私どもの立場としては言うなれば研究所の看板になっているような大きい研究でございますけれども、これについては十分といいますか、それなりの成果を上げていると、ご評価をいただいたわけでありますが、政策対応型の調査研究の部分等については、やや厳しいご批判を受けております。これは循環型社会の形成とか、あるいは化学物質のリスクの管理という問題、大変身近な現実的な問題でございますので、それに対応しているというのが実際でありますけれども、それに対してやはりあるべき姿を議論されているということでありまして、その期待度といいますか、それとのずれが、かなり目立ったのではないかというふうに思っておりますが、これについては可能な限り、今後対応させていただきたいと思っております。
 その他の部分については、今後の研究の実施に反映するように、いただいたコメントを十分に検討しながら進めさせていただいております。
 それから、企業とか大学等との連携の問題がございます。これは一般論的には、この独立行政法人がそういうことを進めるようにということはあるわけでありますけれども、とりわけ私ども環境研究所としては、これは深刻かつ重要というふうに思っております。1つは、我々研究者のリソースが限られているということ。それから極めて現実的な問題を扱っているという、この2つの面があって、重要と考えております。特に企業との連携の関係では、自動車工業会と、これは15年度からになりますけれども、14年度から1年ぐらいをかけまして準備をしておりましたけれども、自動車の排出ガスに起因するナノ粒子の生体影響に関する共同研究を実施することに決定いたしまして、動き出しております。また大学の方では、既に6件ほど協定を結んでさまざまな交流をさせていただいておりますけれども、さらに1件ふえまして、北陸先端科学技術大学院大学との協定を結んでおります。また、東京大学の新領域創生科学研究科とも連携を深めるということが進んでおります。
 以上は組織間での協力の問題でございますけれども、個々の研究員のレベルになりますと、研究員の確保あるいは能力向上が大変重要でございます。現在のところ、統計的に申しますと、16人の研究系の職員を14年度には採用いたしましたけれども、一方では大学等への転出者が9人ということでありまして、現在のところ、総員としては研究系の職員の数は200人という状況になっております。任期つきの研究員は28人ということで、いわゆる中期計画の目標の13%程度をクリアしているということになりますが、これをクリアすることがよいことかどうかということについては、いろいろ疑問があるところだと思います。
 それから、この定員という形とは少し違ってまいりますけれども、さまざまな研究ニーズに対応するために、NIESフェロー、あるいはNIESポスドクフェローというような形の、研究費で雇用する研究者の採用を積極的に進めております。これは14年度の末には84人ほどでありまして、実に前年度に比べて8割増という状況になっております。この方たちの将来の処遇等についても、我々としては非常に考えなくてはいけない問題がありまして、頭が痛いところではありますけれども、ともあれ、このような形で人員の手当てをしているということであります。
 それから、職員の職務能力の向上につきましては、これは既に2回目になりましたけれども、目標設定と業績の評価ということを面接を通じてやっておりまして、この2回の経験で、独立行政法人となる当初には、非常にそのことが問題を起こす可能性もあるのではないかという危惧もありましたけれども、一応、当然の年間のプロセスという形で、ある意味で定着をしつつあるという感じがいたします。結果はボーナス等に反映をさせておりまして、その反映のさせ方は、従来とは非常に違っている状況になっております。すなわち従来ですと、言うなれば何年かごとに順番に回すということがありますけれども、それを全く考慮しないという形になっておりまして、結果として、2年間にわたって引き続いて高い昇給をされた方もいるということであります。
 それから自己収入の確保でありますが、これは39億1,000万円を確保いたしました。これは当初の見込みの33億5,000万よりも非常に上回っているわけでありまして、これが実現したことは大変ありがたいことだと思っております。研究者の方からは仕事がふえてかなわんというような、ある種の悲鳴が聞こえているのも事実であります。
 それから、施設の効率的な利用・運用ということでありますけれども、これは新しいものとして循環・廃棄物研究棟、それから環境生物保存棟、バイオエコエンジニアリング研究所というものが竣工いたしまして、稼働に入っております。新しいものはそれでよろしいのですけれども、やはりたくさんの大型施設を持っておりますが、このうちでは必ずしも現在よく動いている、あるいは必要とは見えないものもあるわけでありまして、これについて実は徹底的な見直しを行いました。これも大変大きなクリプションが起こるのではないかと危惧をしたわけでありますけれども、その任に当たられた委員会のメンバーが非常に熱心にやってくださいまして、幾つかのものが休廃止することになりましたし、また管理の一体化なども行うことができるようになりました。それから、その辺の整備についても、所内の公募で申請を受け、それをヒアリングに基づいて公開でいろいろとランクづけをいたしまして、設備の更新・整備等を行うということをやっております。
 環境配慮についての取り組みは、これは実は非常に頭が痛いところでありまして、14年度の初期に、エネルギー消費量が12年度比6%増ということでありまして、6%増といいますと床面積当たりでありまして、総量ではございません。そういうふうになりまして、これは実は漸減しなければいけない数字でありまして、ある意味ではとんでもない数字でありましたけれども、大変困っておりまして、冬季の暖房を抑えるとか、そのほかさまざまな努力をいたしまして、年間実績としては3%の増加におさめておりますけれども、これは実際にはマイナスの方向に行かなければならないものでありまして、非常に今、苦慮をしております。徹底的に省エネの設備も更新をいたしまして、省エネを進めたいということで計画を見直しております。中期計画の期間の全体としてでございます。
 研究成果の社会への還元、広報活動につきましては、これも大分努力をいたしまして、いわゆる論文の発表数といたしましては、14年度は560件ほどになっております。中期計画で立てております目標の平均値と申しますか、それに比べると、1割増しというのが目標でありますから、それの1.17倍ということで、ある意味ではクリアをしております。これについても、実はこの数値目標を掲げて議論するのが適切かどうかということは大いに議論があるところでありますが、一応そういうことになっています。
 それから、国立環境研究所の研究成果を発表する公開シンポジウムというのがございます。2002年は「環境温故知新」ということで題しまして、都内で行いましたが、約1,000人ほどの方が参加してくださいまして、大変好評であったかと思っております。そのほか研究所の施設は、一般公開を行うと同時に見学を大量に受け入れておりまして、14年度は国内が82件、海外の方が43件ということで、120件ということになります。これは週に2回ぐらい見学者があるということで、研究者にとってはある意味では大変負担になることでございまして、つらいところでありますけれども、研究者が直接でなくても、ある程度はできるように工夫はしておりますが、この辺は国民への成果の還元という見地から、やっていかなければならんことだと思っております。
 それから最後になりますけれども、環境情報の提供ということが、私どものミッションの2番目の部分に載っているわけでありますけれども、それについては環境GIS、これは13年度に試験的にやりましたが、14年の9月に本格的な運用を開始いたしました。またホームページ等を通じてのいろいろな情報発信を積極的に行っております。
 以上が第1回の概要ということでありますけれども、それぞれの項目につきましては、また…。

【飯島理事】 引き続きまして、ごらんをいただいております業務実績報告書、資料5-1と5-2、5-2の資料編を使わせていただきますが、説明を続けたいと思います。
 今、要点の先にブルーの紙が入っていますけれど、その先からになりますけれども、まず目次がございます。目次にございますように、第1、第2、第3、第4とありますけれど、先ほど松野先生からご指摘がありました第1が業務運営の効率化で、第2が業務の質の向上ということでございますが、一応、今回はこの順番に説明させていただきますけれども、説明の方は業務の質の向上を重点的に説明させていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 この報告書の記載の仕方でございますが、1ページめくっていただきますと左側に記載様式とございます。右側の1ページと見比べていただきたいと思いますけれども、まず四角で囲った中に14年度の年度計画における記載内容をそのまま記載しております。そして、そのすぐ下に14年度計画の位置づけということで、中期計画の中での位置づけをここで記載しまして、その下の業務の実績というところから実際の実績が書かれております。なお、関連資料の資料の番号が打ってございまして、それはもう一つの5-2の資料編をご参照いただくことになります。
 まず、それでは第1の業務運営の効率化の中で、効率的な組織の編成ということでございますが、業務の実績のところをごらんいただきたいと思います。組織体制の見直し、現在の組織は13年度と基本的に同じでございます。この資料編の資料の1というところ、一番初めにありますが、ごらんいただきたいと思います。資料編も初めに目次がございまして、1ページが国立環境研究所の組織でございます。この中で、13年度と変わったところだけを申し上げたいと思いますけれども、1つは、上から2つ目に監査室というのがございます。これは、これまでの監査機能につきまして総務部の中に置かれておりましたけれども、これを独立させたというのが1つの特徴でございます。それから、もう2つ下に点線で囲ってございます、統括研究官のところに黄砂研究チーム、さらに下の方に行っていただきますと、同じ点線で囲ってございまして、環境ナノ粒子研究サブグループ、一番下に温室効果ガスインベントリオフィスという、こういう組織の設置を新たに行っております。それぞれですね、温室効果ガスインベントリーオフィスの一番下から申し上げますと、これは地球温暖化対策推進法に基づく我が国の温室効果ガスの算定を行わなければいけないわけでございます。これは環境省からの受託業務といたしまして、これを専門的に行うオフィスをつくっております。また、環境ナノ粒子の健康影響の研究あるいは黄砂問題の取り組みにつきまして、特別に、ここにありますサブグループあるいは研究チームというものをつくったところでございます。
 それから、本文の方に戻っていただきまして組織体制の充実でございますが、組織体制につきましては、次の資料を見ていただくと、資料の2ページにユニット別の人員構成というのがございます。これは理事長の方からも説明がございましたけれども、それぞれのユニット別に研究領域、あるいは重点プロジェクト、あるいはセンター、そういったユニット別に常勤職員・非常勤職員の数字を上げているものでございます。2つ目の欄になりますけれども、6つの研究領域がございます。いわゆるコアラボラトリーですが、ここでは106人、併任あわせますと118人。それから、その下の重点研究プロジェクトにおきましては104人。それから政策対応型調査研究のセンター、循環と化学物質でございますが、ここでは44人。さらに知的研究基盤のところでは40人ということでございます。
 それから、今度は5-1の3ページに移っていただきたいと思いますが、次の課題でございます人材の効率的な活用の部分でございます。これにつきましては、業務の実績のところをごらんいただきたいと思いますが、14年度末の常勤職員は261人、そのうち研究系職員は200人。これは資料3のところをごらんいただきたいと思いますが、非常勤職員の状況、これは理事長から先ほど説明いたしましたように、研究系職員16人を新たに公募によって採用しました。ただし、大学への転出が9人いたので、実員は7人の増ということでございます。それから、任期つき研究員の割合は、これも説明がございましたけれども、28人で目標13%を達成しております。
 それから3ページの下でございますが、流動研究員、共同研究者等の確保ということでございますが、これも先ほどの説明にございましたように、NIESフェロー、NIESポスドクフェローなどの流動研究員の人数が84人になりました。下に表がございますが、これは13年度と比べまして大幅に増加をしております。この詳しい状況につきましては、資料の4、5、6等にございます。それから、その表のすぐ下にございますけれども、特に環境情報業務に関係いたしまして、高度技能専門員という雇用制度を設けております。これは技術的に高度な専門家が必要だということで、後ほど環境情報のサービスのところで申し上げますけれども、そういう制度を設けまして採用をしているところでございます。
 それから、3番の職務業績評価でございますけれども、これも先ほどご説明いたしましたが、面接による目標設定、業務評価制度を、2回目でございますが、行っております。資料の8をごらんいただきたいと思いますが、ページで8-1、8-2とございますけれども、面接の仕方等につきまして左側にフロー図がございまして、結果どうしたかというのが右側にございまして、13年度評価を14年度給与に反映した状況でございます。A、B、C、3評価ございまして、A評価、B評価、C評価、それぞれこういった人数になっておりまして、これらに対しまして、いわゆるボーナス、業績手当に反映をさせて、成績率を右側に掲げたような形で反映させました。それから、さらにこの評価結果を、特別昇給ということで6号俸、4号俸、2号俸とございますが、一般的な行政職の1号俸に相当するのがこの4号俸に当たります。平均的に18%の特別昇給というのを実施したということでございます。
 それから、本文の方に戻っていただきたいと思いますけれども、4ページの下の方でございます。いわゆる安全・健康・衛生管理ということでございまして、健康診断、健康相談、さらにメンタルヘルス対策というものも新たに手がけております。資料の9のところにございますけれども、メンタルヘルス対策として、専門医療機関との契約でカウンセリングを受ける体制を整備いたしました。
 次に進ませていただきますが、6ページでございます。次のテーマは財務の効率化というところでございます。財務の効率化につきましては、6ページの業務の実績をごらんいただきたいと思いますが、まず自己収入の確保ということで、14年度におきましては、全体で151億のうち39億を自己収入として確保いたしました。これは年度当初見込額を上回り、さらに前年比で22%の増ということでございます。下に表がございますが、見ていただくとわかりますように、いわゆる競争的資金・一括計上というものとか、あるいは環境省等からの業務の受託というものが大きくふえております。その状況を細かく見たのが参考資料の10ページに一覧表になっておりまして、政府受託収入がほとんどでございます。なお、いわゆる科研費等につきましては、これは個人に対する補助金になりますので、ここでは研究所に入ります間接経費だけ計上をしているところでございます。
 それから、次の項目の知的・物的な所外貢献というところでございますが、これにつきましては環境標準試料、あるいは微生物保存株、これを有償分譲しております。さらに大気拡散の実験施設につきましては外部への有償貸付を開始しております。これらの収入がそれぞれ649万円、あるいは689万円という収入を得てございます。なお、特許に関しましては、新たに5件が登録されまして40件、実用新案権が3件ということでございます。
 次に、7ページの上の方でございますが、事務処理の効率化をごらんいただきたいと思います。これも昨年の委員会でもご指摘をいただいていたところだと思いますけれども、これにつきましては大幅に改善を図ってきたところでございまして、いわゆる支払い事務等につきましてはオンラインによるファームバンキングを拡充し、海外向けの支払いにつきましても14年度は開始しております。また、各研究者がみずから予算の執行状況を把握できるような会計閲覧システムというものも、14年末から運用を開始しております。それから、いろいろな事務用品や研究機器の調達でございますけれども、これはこれまでそれぞれの小口発注をしていたわけでございますが、これにつきまして全所的に取りまとめて、ユニット単位で取りまとめて一括購入を進めております。その結果、7ページの下の方にございますように、契約総額は1.5倍にふえているにもかかわらず、事務的な手続に関係します契約件数は削減をすることができました。また、職員の出張・外勤関係の決裁につきましても、ユニット単位に新たに合理化を図っております。この辺の手続につきましては資料の13で、研究者それぞれの要求に対して対応していたものをユニット単位でまとめることによって効率化を図っております。
 次に7ページの下でございますが、予算の執行、業務費の削減のための取り組みでございますが、契約につきましては原則一般競争入札、もちろん専門的な経験を要するものについては、それはできませんけれども、できるだけ一般競争入札を行うことで契約をしております。また建物関係の営繕の工事ですが、これまで従来、旧建設省(国土交通省)にお願いしていたわけでございますが、これを自主施工を行うということで、1件(環境試料タイムカプセル棟建設の本体工事)を除きまして、すべて自主施工で実施しております。なお、このタイムカプセル棟の事業というのは非常に大型の施設で全く新しい形だったものですから、これにつきましては従来どおり国土交通省の営繕に委託をしてもらっております。さらに施設管理に関しまして、実際に経費が削減された例を3つほど挙げておりますが、所内清掃業務、これを請負から競争入札にしまして、これだけの節約ができました。また所内警備業務、さらに電話使用契約、これらにつきましても改善を図ることができました。こうした結果、いわゆる運営費交付に係る効率化係数を差し引いても事業が執行できましたし、新たな研究基盤整備の財源の捻出も可能になったということでございます。
 それから5番ですが、適正な財務管理の取り組みということでございまして、これは月別の決算あるいは財務収支状況を定期的に所内に開示したこと、さらに棚卸調査を実地に行ったこと、さらに、先ほども申し上げましたが、新たな受託事業については各ユニットでいろいろ行うようにということで、執行管理をしたということがございます。これらについて関連するものは、先ほども申し上げましたものでございます。
 次に9ページに移りまして、効率的な施設運用というテーマでございます。これは、まず業務の実績を見ていただきますとわかりますように、13年度から行っておりますスペース課金制度を引き続き行いました。今回は、参考資料の15にございますけれども、昨年度初めて行ったということで、1,150平米の再配分ができましたが、今回も引き続き610平米の再配分が行われております。
 新たな研究施設の稼働ということで、循環・廃棄物研究棟、環境生物保存棟、バイオ・エコエンジニアリング施設、これが竣工いたしまして、14年度に本格稼働に入っております。それから、研究施設、研究機器等の共通インフラの更新・整備、これは内部財源を捻出しておりまして、所内公募で優先順位を委員会で公開のもとにつくりまして、議論してございます。これは資料の16に、14年度に行った基盤整備の施設名等が載ってございます。
 それから、3番の効率的な施設利用のための取り組みでございますけれども、先ほど申し上げました大気拡散風洞実験施設の外部使用貸付を開始するとともに、所内の共通機器につきましては、所内料金制で研究者が利用する。そしてそれを維持管理コストに充てるといった工夫をしております。また、大型施設の運営・保守管理につきましては、ユニットごとに、その施設の担当ごとに、これを責任持って行っていただく、総務部と連携のもとに行って、できるだけ外部の専門業者を活用しております。大型施設の一覧表は参考資料の17に載っております。
 それから10ページに移っていただきますが、大型施設の見直しを行っておりまして、これは施設の休廃止、あるいは管理を一体化する、それから業務の請負費をできるだけ節約しようという見直しを行っていると。それから、施設についてはユニットごとに管理をするという仕組みになっているということと、さらにそれらを全体的に調整するための大型施設調整委員会というものを所内に設置いたしまして、改善方策を決定しているところでございます。
 次に11ページ、環境配慮でございます。これは先ほど理事長から非常にここが悩ましいというお話をさせていただきましたけれども、この環境配慮につきましては、まず業務の実績を見ていただきますと、省エネルギーの取り組みでございます。14年度の上半期に、ガスを中心にエネルギー消費量が増加いたしまして、12年度比6%増という数字が出てしまいました。これは1つには、先ほど申し上げました新しい施設の竣工に伴いまして、新施設は非常にエネルギー率が高くなっておりますので、そういった影響が出たのではないかと思っておりますが、これを何とかして縮小しようということで、下半期に特別な省エネ対策を行っております。14年度下半期には大型施設の計画休止を追加実施いたしましたし、冬季暖房につきましては20℃を目標に具体化いたしました。さらに、これは今後の話になりますが、14年度の下期には間に合いませんでしたが、ことしから、ガスと電気の使い方なのですが、省エネ型の冷凍機、高効率ターボ冷凍機と夜間蓄電蓄電システムを組み合わせて行っていこうと。これによってエネルギー使用料及びCO2量が減るという計算をいたしまして、資料の22の3というところをごらんいただきたいと思いますが、ちょっと細かい話ですが、これまでの省エネ計画はコジェネレーションを考えていたわけでございますが、これはガスをたくさん使うわけでございますけれども、これと、先ほど申し上げました高効率ターボ冷凍機と新しい自家発電、さらに夜間の蓄電システムを比べまして、その結果、22の4に細かい計算結果が出ていますが、高効率ターボ冷凍機と夜間の蓄電を組み合わせる方式が一番省エネになるということで、これを採用することを決定しております。
 本文の12ページの下に戻っていただきますが、廃棄物・リサイクルの取り組みということで、これは循環廃棄物研究センターもございますので、環境研として積極的に取り組んでいるところでございますけれども、ここにございますように、廃棄物の排出量は若干どうしても伸びて、右に表がございますけれども、職員数との比較がどれだけ意味があるかは別でございますが、職員数がふえたものに比例いたしまして排出量はふえております。上の表でごらんになれますように、廃プラ、ペットボトル、アルミ缶、金属くず等、分別の徹底をしておりまして、これらについては再資源化を図っております。もちろん、その下にございます古紙、空き瓶等についても再資源化を行っているということで、リサイクルの徹底を行っているところでございます。
 13ページの下の4番、化学物質の適正管理でございますが、これはPRTR法に基づきまして、届け出義務がございますのはダイオキシンだけになってございます。それに対しまして、研究所の単位で、いろいろなPRTR法の対象となるような化学物質も取り扱っておりますので、届け出以外のものについても自主的に調査をいたしまして、その調査の結果につきましては公表をする予定にしているところでございます。
 14ページに移っていただきまして、グリーン調達でございますが、これも資料の26にございますけれども、グリーン調達、紙類・印刷物・文具類につきましても実施を行っているところでございます。
 15ページ、業務運営の進行管理。ここにつきましてはシステムの話になりまして、後ほど西岡理事からご説明いたします。それぞれの研究計画あるいは重点特別研究プロジェクト、こういったものと関係をしてくるわけでございまして、もう1枚めくっていただきまして16ページは、理事会に加えましてユニット長会議あるいは研究推進委員会、そういったものを定期的に実施いたしまして進行管理を行っているところでございます。
 一応、次の研究の方につきまして、西岡理事からお願いします。

【西岡理事】 それでは資料5-1を中心に、それぞれ資料5-2の資料編の数字を、あるいは表をご参照いただきながらお聞きをしていただきたいと思います。
 まず、報告書の17ページでございますけれども、先ほどお話にありましたように、私どものプロダクトは何かといいますと、国民に対する提供するサービス、これは研究でございます。その質の向上をどうやってやっていくか。まず、我々の範囲はどこかということで、この枠の中に書いてございますけれども、地球環境の保全等々について、特に環境政策立案に資する科学的知見の取得ということがございます。また、環境研究の特色を反映いたしまして、学際的かつ総合的にということもございまして、これをどのような仕組みで組み立てていくかということが、研究を推進する手段かと思っております。
 ちょっと参考資料の1ページに戻っていただきまして、組織図がございます。全体の研究をするための組織がここにございますけれども、研究領域というのが、言ってみれば私どもの、人の体で例えますとボディーに当たるところですけれども、それに6つのそれぞれの専門分野に特化しました領域がございまして、そこに多くの人が張りついております。そこでのいろいろな、特に受託研究等々を中心とする研究、あるいは共同研究、あるいは必要に応じては交付金を用いた研究がなされておりまして、それがそのベースではありますが、先ほど理事長の話にもありましたように、環境研として、あるいは世間の要求するところで、こういう問題を逃してはいけないよというために、この重点特別研究プロジェクトというプロジェクトを組んでおります。ここに、それぞれ先ほどの領域の方から人が出ていって、今、6つの重要な研究と思われるものをやっております。このあたりが中期目標あるいは中期計画に書かれている点でございます。それから、その下に政策対応型研究センターとございますが、これはまだ重点的にははっきりしないにしても、緊急かつ幅の広い研究をしなければいけないものがある。これは循環型社会形成等々とございますが、特に廃棄物関係、あるいは物のリサイクルの関係ですね、こういったものが緊急を要すると。さらに化学物質のリスク、これも非常に緊急を要するということでチームを組みまして、言ってみればテーマはやや分散的ではございますけれど、何でも対応しようという形でやっています。さらに、環境情報センターは後ほど話がございますが、一番下の2つ、これは言ってみれば足腰みたいなものですけれども、環境研究基盤ラボ、これは分析、あるいは試料といったものを集めまして、研究のベースになるものをきちんと検証していこうというために設けられたものでございます。あるいは地球環境研究センター、モニタリングや世界の研究の情報収集ということになっておりまして、それぞれに研究プロジェクトがくっついております。
 全体といたしまして、領域でなされている部分、それから重点特別研究でなされている部分で、予算的に言いますと、私どもの全部の予算が140億ぐらいあると思いますが、そのうち人件費、光熱水費、あるいは大型施設の費用を除きまして、いわゆる研究費というのが70億ぐらいありますけれども、それが大体、重点特別研究に使われると。全体の構成といたしまして、後ほど話をいたしますけれども、それだけでは継続性が保たれないだろうということで、所内で特別に、言ってみればオーバーヘッドを集めまして、所内で目出し研究というのをやっております。特別研究あるいは奨励研究といったものです。
 それが組織と研究の関係でございますけれども、17ページに戻りまして、それでは、そういう研究の体制をどうやってプロモートしていくかということについて、最初にお話をしたいと思います。17ページに書いてあります総合的な研究の推進といいますのは、これは全体でやっているということでございますが、特に、中期計画は3年目に入りましたが、そろそろ次の中期計画も考慮しなければいけないということで、再度、研究の方向を見直そうということで、長期ビジョンの検討を進めております。
 それから、基盤的研究・先行先導的な研究は後ほどご説明します。
 18ページに入りまして、先ほど私どもの研究は非常に幅が広いということで、国内の研究機関との連携が非常に重要です。もちろん企業との関係、それから大学との交流、さらにはほかの研究機関、これは特につくばに多いのですけれども、環境ということで多くの研究機関が始めておられまして、それを横につないだような連絡会をつくって、そこで一緒に研究を検討したり、あるいは交流したりしようということで連絡会ができておりまして、そこでワークショップをやったり、この前はシンポジウムもしたのですけれども、そんなこともやっております。さらに地方の環境研究所、最近地方の環境研究所が、何といいましょうか、力が落ちてきたという心配も非常にあるわけですけれども、それに私どもハブとしてプロモートしていきたいということで、研究所にチーフを協力的に派遣、かつ年間に一、二度の意見交換会等を開催いたしまして、モニタリングを含めてやってございます。
 それから、地球環境だけではございませんけれども、国際的な活動への参画も非常に重要でございまして、ここにありますように、UNEP、IPCC、OECD等々、もろもろの国際的な研究に参加しております。
 ちょっと資料の33ページに飛んでいただきたいと思いますけれども、国際機関や国際研究プログラムへの参画ということで、国連の地球環境の状況の報告書、GEOといいますが、それへの参画、あるいはミレニアム・エコシステム・アセスメントという、世界の生態系に基づくプログラムがございますけれども、それに対して参加等々、国際的なプログラムのもとで仕事をしているということであります。さらにJICAの研修生の受け入れもございますし、それから環境行政、科学技術行政との連携ということで、これは石井委員長にも非常にお世話になっているわけですけれども、総合科学技術会議に設けられました「イニシャティブ」と言われるものに積極的に参加しておりますし、また研究所からは参事官として会議の事務局に出向しているということで、参事官プラス1名ということです。
 それから19ページの真ん中あたりにあります、環境技術研究に関する取り組みというのが、これが少し考えねばならないことでございますが、だんだん環境問題が具体的な解決を要求されるようになりまして、従来のように評価し、それを分析評価するということでは間に合わないということでございますし、また予算的にもエネルギー特会というものが出てきました。それに対応する対策をどうするか。どちらかというとこれまでは分析評価ということを中心に置いておったわけですけれども、そういった力を踏まえて、どういった技術的な展開ができるかということであります。
 以上が仕組みについての進行の状況であります。
 それでは、具体的な研究の内容はどういうことで、それがどういう形で進められているのかということになりますと、これは資料の37のところを見ていただきますと、横長になっておりますけれども、先ほど申し上げましたように、重点特別研究あるいは政策対応型調査・研究を中心といたしまして、さらに知的研究基盤整備、それから基盤的研究でございますが、特別研究、奨励研究といった内部での研究項目ということを中心としてやっております。
 特に我々の看板になります重点特別研究プロジェクト等に関しましては、後で評価の話を申し上げますけれども、その評価に対応しまして、お手元に物すごく分厚い資料が1つあります。これはちょっと持ち上げるだけでも大変ですので、後で。
 ああ、そうですか。すみません、お手元に大きなのはないのだそうですが、余り大きくて大変だということで、一応こういうのが報告書ということでできておりまして、それを評価委員会の方に評価してもらうことになっております。
 資料の方で、例えばそれがどういうものであるかというのをちょっと見ていただきたいと思います。例えば一番最初に、38-2というのを見ていただきたいと思いますが、資料の38-2が一例でございまして、温暖化の影響評価と対策効果プロジェクトというのがございます。そこでは温暖化のモニタリングといいますか、これは炭素の吸収であるとか、それから海でどれだけ炭素の吸収があるか等々のモニタリングをやっています。それから、それを将来予測ということで気候のモデルをつくったり、それからそれを政策に結びつけるということをやっています。その右の方に、38-3ページのところに、先回、評価委員会が開かれまして、出された結果があります。この表をごらんになっておわかりのように、例えばAというのが当初13年4月には36%だったのですけれども、だんだんやっていく途中にいろいろ助言もいただきまして、助言をいただいて31%、点数が悪くなってきたのですが、頑張っていきましたところ42%というぐあいになったということで、皆さんのご助言を受けながらどんどん変えていっています。
 それから2つ目が成層圏オゾン、38-4になりますけれども、これはILASというオゾン層の観測をしました。それを分析したりして、オゾン層が今後どうなっていくかというのを見ているのですが、残念なことに最初のみどり1号というのが月に落っこちてしまいまして、データが十分でなかったので、Aという評価はちょっと悪いなという状況ですが、12月にILAS-IIというものがみどりに乗っかって上がりまして、そのデータが順調にこちらへ落っこってきつつあるということです。多分、お手元にそのILASのアウトプットのものがあると思うのですが、こういう色刷りのでやっておりまして、これを見ていただきますと、オゾン層、南極で、オゾンゾーンでは測ったデータとILAS-IIで測ったデータが、かなり一致しているということで見ていただけると思います。これは、それなりにまた回復していくだろうというぐあいに思います。
 というように、全部の説明はできませんので、研究の内容はそういうことで評価を受けているというお話をさせていただきました。
 それから政策対応型調査研究、これは今23ページを見ておりますが、先ほど何回も申しましたように、循環型社会形成及び化学物質の環境リスクに関する研究という、2つのセンターですが、これの評価は先ほど理事長の話もございましたけれども、非常に厳しい評価を受けております。私ども非常に正直言って苦しいところでございまして、政策対応研究といいますか、何か問題が起きたら対応しなければいけないという一方、余り絞り過ぎると、いや、それが問題だというご指摘もありますし、また、そうじゃなくて、もう少し技術だけに特化しないでもっと社会的な側面も、あるいはリスクコミュニケーションのようなものもどんどんすべきだというご意見もあって、どういうぐあいに構築していったら一番いいだろうかという悩ましいところなのですが、それなりに頑張っております。
 それから基盤的研究というのがございますが、これは所内でオーバーヘッドのお金を利用いたしまして、まず目出しの研究をやろうと。奨励研究というのをやっております。これは23ページの一番下にございますが、今40課題、これは若い人を中心として所内で公募をいたしまして、1日かけてやっていたものを2日ぐらいかけて、朝の10時から夕方の5時ぐらいまで、15分ずつの発表を審査していくわけですけれども、その中から新しい目出しができないかということでやっております。流動研究員等々の力も、そこから出そうということで、彼らにも参加してもらうということで、幾つかのおもしろい研究が出ております。あるいは我々としても若い人の顔を見て、こういう状況でやっているのだなということにもなったかと思います。さらに大型化した研究ということで、特別研究でございます。これはむしろチームを組んで次の課題、大きな課題に取り組むようなもとをつくりたいということでやっておりますけれど、それが24ページの上にございます特別研究7課題。これつきましてもローテーションを組みながらやっておりまして、また新しいものをやっていきます。
 先ほど足腰と申しましたが、エ、知的研究基盤の整備というところがございます。これにつきましては2つの大きなセンターを持ってございますが、環境研究基盤技術ラボラトリー、こっちの方はむしろ分析、あるいは標準試料といったものをしっかり集めて、それでもって、言ってみればうちの研究所がいろいろな計測の基盤といいましょうか、基準になるようなものにしたいということでやっておりますが、この環境標準試料等のそれぞれの、例えば地方の環境研究所等々の譲与といいましょうか、配付といいましょうか、それについても、ここにありますように14年度においては126試料の分譲を行ってございますが、13年度は62でしたので、非常に多くの分譲がふえているということになります。さらに14年度については、先ほどからタイムカプセル棟というのがございますが、これは絶滅危惧種の細胞・遺伝子の長期保存のための施設でございますが、それもしていくと。
 そんなことで、全体的には、研究については確実には進んでおりますけれども、評価の中で、幾つかいただいた課題については適用しながら変えていきたいと思っております。
 一言申し上げておきますけれども、外部評価の中で、やはり先ほどから幾つか問題になっておりますように、中期計画に当てはめて評価するというのが評価委員会の仕事だということなのですが、どうしても世の中進んでおりまして、中期計画自身がかなりオブゾレートしたというようなところもあるのではないかなと思いまして、その辺のことについても考えなければいかんのではないかと思います。
 研究の中身ではなくて、26ページからは評価のシステムについて書いてあります。評価のシステムは、先ほどから申し上げておりますように、26ページの表にございますように、私どもの経常研究で約2億使っておりますが、これは言ってみれば個人の研究費ということで、勝手に頑張ってやってくれということになっております。奨励研究、これに約1億を使っておりますが、これが40題、目出しの研究。特別研究が、まとめてチームでもってやるような研究。そして、最後の大物が重点特別研究でございます。これはそれぞれに評価する主体が、ちょっとずつ変わっております。もちろん内部につきましては内部の研究推進委員会の方でやっておりますが、基盤的研究の部分ですが、その重点特別研究等々につきましては、外部の方にお願いいたしまして厳正な評価をしていただいておるわけであります。それにつきましては、例えば資料の43ページに評価委員会の名簿がございますが、24名の方にお願いいたしまして評価をしていただいております。
 それから27ページには、その評価の評価軸といいましょうか、それについて記しておりますが、我々の研究というのは科学技術に対する貢献だけではなく、社会・行政に対する貢献というのも非常に重要な項目になっているわけであります。
 特に所内の研究につきましては、それぞれ領域長あるいは上席が点数をつけるわけでございますが、これについては公開ということで、だれが何点、どこのだれにつけたかということも全部公開されておりまして、評価者も非常につらい立場であるということになっております。
 これをどう反映するかということで、28ページ、重点特別研究プロジェクトについては、研究評価委員会の評価結果を踏まえて、プロジェクトにはボーナスをつけるということをやっておりますし、あるいは3つ目のところでございますけれども、個人の表彰もやるようにしているということで、これは昨年もお話しいたしましたが、ことしも3名、去年も3名、表彰しております。
 それから、この評価委員会の結果をどういうぐあいに次に反映するかということに関しましては、公開、特に15年の4月の外部評価委員会につきまして、中間評価ということでございましたので、それぞれのプロジェクトに対する言ってみれば主査の先生というのを決めさせていただきまして、その先生を中心に専門家数人で、特に集中的にそれぞれのプロジェクトを審議していただくということをいたしました。そして、その結果を私どもまた持ち帰りまして、それぞれ1日かけて、どう次に反映するべきかという検討もいたしております。そのようにいたしまして、形式だけではなく、非常に中身についても進めていきたいと。
 それでは、そういう研究の結果をどう利用するかということで3項目くらいございますが、1つは29ページ、研究の成果、活用をどうしているか。まず、我々の最大の仕事は論文としての発表かと思いますが、誌上発表件数がございます。これで見ていただきますと、13年度から14年度、誌上発表件数537が560になっていますが、我々やはり質ということを言いますと、欧文で審査づきという括弧のところ、欧文の254というところに目をつけるべきではございますが、それが228ということで、ちょっと肝心なところが息切れをしているという感じがしないでもないです。ちょうど13年度から新しく始まりまして、一斉に切りかえの時期とちょうどそいつのアウトプットがこの息切れの時期に合うんじゃないかということで、私としては、今年ぐらいからは新しく切りかえた研究がいっぱい出てくるのではないかと期待はしておりますが、楽観は許さないと思います。
 30ページでございますけれども、単に誌上発表だけではなく、どうそれを世間に広めていくかということで、何度も申しますが、お手元にお配りしてあります「環境儀」というPR誌、わかりやすいといいのですが、余りわかりにくいという説もございますが、ということで、この研究をわかりやすく、特に方針といたしまして研究者というのを売り出しまして、お手元のをあけていただきますと、一番最初に必ず研究者が載っておりまして、こういう人がこういう研究をしているのだということがわかるようになっています。それでPRをすると。あるいは、先ほど話がございましたが、公開シンポジウム。去年は「温故知新」でしたが、今年は「次の一手」ということで東京と京都で開催いたしまして、合計で1,000何人かの参加がございました。研究成果の発表につきましては、そういうことでちょっと論文の生産性が息切れしてきたという心配がございますが、研究成果の普及につきましては、いろいろな手順でもってやっていきたいということで、頑張っているつもりであります。
 それから31ページ、研究成果の活用促進ということになりますが、それではもっと実際的に活用するにはどうするかということで、企業との共同研究、これを1つの柱にしようではないかということ、あるいはそれを特許の形でやっていこうではないかということで、資料の47のところに具体的な案件がございますけれども、だんだんとそういう体制をとっていきたいと。全体といたしましては、これまでどちらかというと分析評価の研究をやっていたというところでありまして、まだ実用新案や特許に対する意欲が、というのか、どうやって出していいかわからないということでございまして、相談制度を設けまして、専門家に来ていただきまして特許相談会を2回開催させていただきました。あるいは事務所を1つ決めまして、特許を申請するときにはそこを利用しましょうというような手を打ちつつあります。
 さらに資料48の方を見ていただきますと、私どもの研究所は非常に幅広く、いろいろな審議会や検討会に出席をしております。48-1からずっと見ていただきますと、環境省から他の省庁、あるいは地方公共団体、民間等々ございますが、全部で225件ぐらいあるかと思いますが、中堅の人以上は相当そういう場面で、私どもの研究を踏まえての意見発表をしておるわけであります。
 それから、研究活動に対する広報・啓発ということで、これはパンフレット等々の話ですが、これは従来から余り変わっておりませんが、ニュースあるいはセンターニュースというのをつくっております。33ページでございます。それから施設の一般公開等、先ほど話がありましたように、実は非常に多くの申し込みがあるのですけれども、ちょっと対応するスタッフがいないということで、それをやや責められているところでありまして、これを何とか、来られる方は全員受けられるようにしようということで、今、人員の手当てをしようとしております。
 それから34ページに行きまして、さまざまな主体とのコミュニケーションということで、環境研友の会というのを今年からやっておりますけれども、現在380人の会員がいらっしゃいまして、広げたいと思っております。
 マスコミへの対応、資料の50のところに、私どもが新聞報道にどれだけ載ったかということでございます。93件といいますから、同じものがあちこち載っておりますけれども、4日に一度ぐらいは国立環境研究所がどこかで見られるという形になっているのではないかと思っております。
 以上、研究の進め方あるいは研究をプロモートする仕組み、それからその評価の仕組み、それからアウトプットを利用する仕組みについて、進展についてお話をいたしました。

【飯島理事】 続きまして、35ページにございます研究所の業務、彙報業務になりますけれども、環境情報の収集、整理及び提供業務について実績をご説明させていただきます。
 1枚めくっていただきまして36ページでございますけれども、EICネットホームページ、Environmental Infomation & Communication Network)ということで、これは環境基本法に基づきまして環境情報の提供を行っているものでございます。14年度のヒット数ですが、月平均約45万件、年度総計が2,940万件ということで、13年に比べて増加をしております。なお、この日常的経常業務につきましては、アウトソーシングをして効率化を図るということで、前年度に引き続きまして財団法人環境情報普及センターに委託しております。
 右側にトップページのイメージがございます。新たに追加をしておりまして、37ページでごさいますが、環境年表、あるいは地方環境研究の紹介、あるいは環境情報ナビゲーションということで、各サイトを分類・整理したリンク集もつくっておりますし、それから関西学院大学の久野教授の環境行政時評というものもつくっております。
 38ページに移っていただきますが、検討会を設置いたしまして、これらの内容について新たな企画を展開していこうと思っていますし、それから評価のときでございますけれど、「Never リンクサーチ」という民間サイトで、いわゆる環境問題のカテゴリーでこのEICネットがトップにランクされているということでございます。
 39ページはジオグラフィック・インフォメーション・システム、地理情報システム(環境GIS)でございます。これは大気のデータと水質のデータと同時に、規制等のデータを合わせてデータベース化いたしまして、それを重ね合わせて表示できるということでございます。14年度につきましては、環境省からの受託を受けましてやってもらっておりますが、第1類型が各種の指定地域あるいは規定のデータで、これは15種類。それから、第2類型の環境質の測定データ、これは大気と水でございますが、2種類。これらをデータベース化いたしまして、これらのデータの重ね合わせ表示のできる環境GISを開発しております。
 40ページをごらんいただきまして、これは実際に重ね合わせた例でございます。規制地域と実際の大気の質のデータを重ね合わせた例をここに出しております。これらにつきまして、13年に試験運用いたしたものを14年には本格運用をしております。さらに、40ページの下でございますが、環境省から3件の業務委託を受けておりまして、特に[1]が水質、[2]が大気汚染の広域、[3]が身近な大気環境でございますが、[2]は「そらまめ君」という愛称がございまして、まめに空を監視するということだそうでございますが、この季節ですと光化学スモッグ等の注意報等の状況が、これで見ることができます。
 続きまして42ページですが、もう一つ大事な環境情報に関します研究情報をいかに提供するかということで、ここにも力を入れておりまして、国立環境研究所のホームページを通じまして、これまでの研究成果の電子化を進めております。先ほどの「環境儀」というのも、一つの研究情報の提供業務だと思いますが、研究発表の論文そのままではなくて、できるだけ国民にわかりやすい形でリライトするということをやっております。
 ホームページのイメージ、トップページが42ページの下でございますが、年報、特別研究報告、環境儀、あるいは新たに過去の研究報告、これを紙媒体であるものについて、これを電子化しております。右側に例がございますが、研究全体だけでなくて、研究ユニット単位での情報発信についても支援ができるようにしてございます。なお、研究所のホームページのヒット件数でございますが、月平均360万件、年度総計4,300万件で、前年比較で2割増加ということでございます。
 44ページをごらんいただきたいと思います。刊行物の種類と発行部数一覧というのがございますが、これだけの発行を行っておりますけれども、これをさらに、新たにホームページのトップページの改良等を逐次行っていってございます。
 以上が、まさに国民に対するサービスでございまして、45ページからは次の項目になりますが、45ページは予算、収支計画及び資金計画でございます。これは後ほど財務諸表の説明をさせていただきますので、それとダブりますので省略をさせていただきます。
 さらに47ページでございますが、その他業務運営に関する事項で、まず施設・設備に関する計画。これも先ほどご説明申し上げたものとダブりますけれども、先ほど申し上げましたように、環境試料タイムカプセル棟につきましては13年度補正予算で認められまして、現在、建設を開始しているところでございます。さらに今後、新たなナノ粒子健康影響実験施設等の建設を含め検討を行っているところでございます。
 次のページ、48ページですが、人事に関する計画ということで、引き続き研究プロジェクトへの研究者の配置、任期つき研究員の採用を進めてまいる所存でございます。なお49ページ、最後のところで、昨年のこの評価委員会でご指摘があったと思いますが、管理部門の人員が多いのか少ないのかという議論があったわけでございますが、49ページをごらんいただきまして、13年度と比べまして、研究部門の人員は、ここにございますように10数パーセント伸びているのに対しまして、管理部門の人員を削減させております。これは下に注)がございますように、派遣職員の活用であるとか、あるいは大型施設の運転では請負契約で行っているという、いわゆるアウトソーシング等によって管理部門の人員を減らしながら、こういった業務に対して対応していこうということで、昨年の評価委員会のご指摘を踏まえまして、それぞれ考査させていただいたところでございます。
 以上でございます。

【石井委員長】 ありがとうございました。
 それでは、大変多岐にわたるご報告・ご説明を伺ったわけですが、ほぼ20~30分、質問の時間をとらせていただきたいと思います。まだ議題が後に続きますので、よろしくお願いしたいと思います。
 どうぞ。

【佐和委員】 お伺いしたいのは、まず一つ、これは単なる印象というか意見なのですけれども、今、国立大学も16年度からは法人化されるということで、中期計画、中期目標の取り組みをやっている最中でございますが、特に総合大学といいますか、学部が多い大学ですね、その辺の大学が中期計画や中期目標を出すときに、本来は各部局の中期計画・中期目標を積み上げた形で出すというのが当初のもくろみだったのですけれど、実際には大学全体として出せと。そして各部局のは部用として出せということで評価の対象にならないのですね。文部省の資料としてどこかに収納されていて、今後6年間にわたって概算要求のその都度にそれを参考にするということですね。これを見て大変印象深かったのは、国立環境研究所というのは研究テーマが非常にある範囲できちっと焦点が絞られていて、そういう範囲では非常に中期計画・中期目標の、あるいはこういう評価といいますか、実績の記載も非常にわかりやすいし、やりやすいと思うのですね。ところが、総合大学として中期目標とか中期計画には、実は極めて当たり前のことしか書いてないと。したがって、その辺は達成度等もなかなか評価のしようがないのではないかと。そういう意味では、ここもまた同じように、実は事実上骨抜きというような感じになるわけですね。
 それはそれでさておき、ですから例えば論文数でもあらゆる分野について、やはり論文も非常にたくさん書ける分野とそうでない分野というのがあるわけですね。そういうのを分野ごとに論文数だけざっと羅列しても余り意味がないですし、全体として足し算したのでは、全くそれもまた意味がないということで、結局、きょうご説明いただいたようなことを大学全体としてまとめるのも非常に難しいということで。それはどうでもいいことですけれども、申し上げておきます。
 この辺について幾つか質問があるのですけれど、例えば参考資料の38ページあたりから評価というのがございますね。そこでまず一つ伺いたいのは、この各テーマについて、例えば1の地球温暖化の影響評価云々ということで、私にとって評価ですからなじみのある分野なのですけど、この予算を見るとちょっとぎょっとするのですね。3億7,000万。今、文部科学省がといいますか、大学に対して「21世紀COE」というのがよく新聞なんかで話題になっているのはご存じだと思うのですけれども、あれはやはり一番大きかったところで3億なのですね、年間。そうすると、異常にこれは金額が大きいなと。社会科学なんかの場合は、大体5,000万から1億なのですね。ですから、それも大体1つのプロジェクトについて20~30人の研究者に対して、それぐらいの金額。確かに文部科学省以外の農水省であれ、経済産業省であれ、環境省であれ、各省の直轄の研究所の研究費というのは大学に比べれば断然多いのですね。ほとんどけた違いに大きいという印象を受けるんですが、この予算というのはどういうようにして査定なさっているのか。プロジェクトごとにですね。というのをお伺いしたい。
 それは、ここのいわゆる競争的資金というのでしょうか、それこそ追加的に入れたような資金が、この中に含まれているのかどうかということですね。ですから、その辺の予算が、我々の大学から見ればもう間違いなく1けたは多いのですね。それから200人の研究員がいらっしゃるわけですね。200人で、さっきの論文はやや停滞ぎみだとおっしゃいましたけれども、確かにいわゆるレベルジャーナルの論文が英文で228件、1人 1.1というのは、大学の基準からしてもちょっと寂しいのではないかという気がするのですけど、その辺について何かお答えいただくことがありましたら、よろしくお願いします。

【高木国環研主任研究企画官】 それでは、まず前半の研究予算の配分でございますが、交付金の配分につきましては、プロジェクトいろいろございますけれども、かなり12年度に独法になる前のいろいろな配分のところをちょっと引きずっていまして、そういうものをベースに交付金の配分をしているというような面もございます。
 それから競争的資金につきましては、例えば温暖化のプロジェクトにつきましては、交付金はほんのわずかでございまして、ほとんど競争的資金あるいは環境省からの受託というようなお金でございます。各プロジェクトとも、何がしかの競争的資金であるとか受託費というのを確保しながら運営をしているということです。

【佐和委員】 簡単に、ついでに一言お答えいただきたいのですが、何に使ってらっしゃるのでしょうか、こんな巨額のお金を。

【高木国環研主任研究企画官】 温暖化の方であれば、モデルの開発であるとか、あるいは少し観測的な研究とか、そういったような結構補助的な…。

【佐和委員】 観測にも使っている。

【高木研究企画官】 観測、炭素循環とか、そういう研究も入っていますので、社会科学だけではなくて両面入っておりますので。

【佐和委員】 私自身の個人的な経験から言うと、モデルをつくるなんていうのは、ほとんどお金がかからないと思うのですね。計算機さえあればいいというような気がするのですけれども。

【西岡理事】 今の件に関してですけれども、大学と大分違うところは、私ども人がいないということがございまして、もちろん全部を放り投げるのではなくて、核になるところは自分で設計して、やっぱり労力になるところは外に出したりするということがございまして、そういうところは非常に、同じモデルでもあると。

【佐和委員】 割合、人件費が多いのですね。

【西岡理事】 そうですね。

【合志理事長】 その辺が表にあらわれない。別に隠しているわけではないのですけれども、そういう部分が結構ありまして、それともう一つ、つけ加えておきたいと思いますが、先ほどの、例えばこの業務実績報告書の一番おしまいのページ、49ページあたりをごらんいただくとわかると思いますけれども、研究等部門の人員として、ここには600何人というのが出ておりまして。

【佐和委員】 ええ、これは何かなと思ったのですけどね。

【合志理事長】 そうですね。それで正規職員が200何人ということになりますと、要するにこの200人は何で生きているかということになりますと、結局、そういうお金で生きているということになるわけであります。ですから、本当に突き詰めると、本当に働いている、参加している人間1人当たりの計算をいたしますと、余り大きな差は多分ないと思います。それから、大学ですと学生さんが入ってくると思うのですけれども、その分は我々のところではないわけでありまして、その辺を考えると、なかなか厳密な比較は難しいと思いますが、ゆったりとお金を使っているということでは決してございませんので、それだけはご理解いただきたいと思います。

【佐野委員】 管理部門のコスト削減でいろいろ前回、申し上げたのですが、今の49ページを見ましても、まだ70人ということで、派遣職員を24名採用したということですから、これだけは減らせるはずなのですよね。74名からマイナス24、50名以下でも適正だと私は思うのですね。今、一般の企業はますます管理部門に対してはプレッシャーが強くて、新聞報道等、四半期ごとにリストラを進めるという状況なので、これはいかにも依然として多いと。しかもアウトソーシングを進めているにもかかわらず、こういう水準というものは、非常に非効率な部分が多いと私は思いますね。それについてのコメントをいただきたいと思います。

【合志理事長】 今、報告を聞きながら多分ご指摘があるだろうなと思ってございましたけれども、結局、アウトソーシングで外に出して、そしてそれに対してお金を払っているということになりますと、実質的な人件費の部分は、場合によっては余り変わらないということが起こるわけでありまして、うちの場合でありますと、仕事の内容自体を徹底的に見直して減らせた部分と、それから言うなれば形を移して見えなくなっている部分と2つあると思うのです。ほとんどすべてが仕事自体を合理化して全部変わっていけば、それはまことにうれしいことなのでありますけれども、かなりの部分を派遣の方々にお願いしているという部分があります。ですから、その辺については、本当にこれから真剣にやっていかなければならないことだと思っております。

【坂本委員】 何点かあるのですが、これまでの結果を評価する場合に、例えば先ほど面積割の電力消費量がございましたですね。それを既存部分についてやった場合と新設部分の面積当たりでどうなっているかで、既存部分の方は、例えば先ほどおっしゃったような形で減っていて、新たなところが非常に電力密度が高いという話が出てくるのかどうか、それはやはりデータとしてお出しいただくのがよろしいかなと。
 それから、競争的資金のところもやはりそういった話と、もう一つは競争的研究資金という形ではあっても全部にオープンではなくて、国の研究機関の中だけとか、例えばある範囲の中だけの競争的研究資金というものもありますので、そういったところも考えて、従来と違う枠のところがふえているかどうかとか、そういった見方もされる必要があるのかなという気がいたします。
 それから、先ほど佐和先生から論文の生産性がございまして、むしろあれは毎年毎年、年度を見るよりは、予算をつぎ込んだ後、結果が出るまで恐らく期間がかかるから、タイムラグがあるだろうから、そうすると5年間の移動平均がプラスの方向に向いているのかどうかとか、そういった形でだんだん見ていかれるようにした方がよりいいのではないかという気がいたします。
 それからもう一点、地方環境研といろんな形でタイアップしてらっしゃるという話ですが、今、かなり地方環境研の環境研究の地盤沈下が著しいわけで、そういう意味では、この辺の部分はむしろ国環研が重点的にやっていただいて、研究者の底上げと、それから意欲を継続的に持たせる方向で、この辺はむしろもっと今まで以上に、これは評価が非常に難しいんですけれども、非常に重要な部分だと思いますので、ぜひやっていただきたいというふうに思います。

【柘植委員】 柘植なのですけれども、1つ質問と、1つがコメントなのです。
 1つは、資料編の資料2でユニット別の人員構成が書いてありますが、この領域の方の総数、常勤職員105名、14年度ですと106名で、併任が12名、その下のプロジェクトの方が、現員が48名で併任56名。私のイメージとしては、領域の各ご専門の方がこの下のプロジェクトに参加していて、例えば半分は自分の領域のところを研究されて半分はプロジェクトの方にされていると、その辺のイメージを持っていたのですが、ちょっとこの数字が、悪く見ますと領域の方々は自分の領域に埋没してしまっていて、プロジェクトの方は別のところから入ってきているのかなというふうな数字に読めるのですけれども。当然、私はこの環境研究所の領域とプロジェクトのいわゆるマトリックスというのは非常にヘルシーなオペレーションをやられているなと思っていたんですけど、この数字から見るとちょっとそう読めなくて、期待外れの感じがしていて、誤解なのかなというのが質問の1つなのですけれども。

【西岡理事】 よろしゅうございますか。ちょっと続けて返事をさせていただきます。
 まず今の人数の話ですけど、すべての人は管理の面からいうと領域にもあると。それは人事管理の面ですね。それが1つ。しかしながら、ではその原籍はどうかというと、106名は常勤、残りですね、それから、もうおれはこの5年間はプロジェクトだけに邁進するのだと、こういう覚悟を決めた人は、そこから48人はプロジェクト選任でやっているということです。ですから、そういう人は大体プロジェクトの中核になっておりまして、その人たちが今度は領域の方へ行って、おまえちょっと来いよという形でチームを編成してやるということです。そしたら、その領域の方は何やっとるんだろうという話をお考えになるかと思いますけど、実際問題として、プロジェクト以外の要求というのは非常に多いわけですね。例えばこの前、砒素の問題が出てきた。これはプロジェクトにないのではないかというと、緊急に対応しなきゃいけないとかですね。それから、資料の例えば36のいろいろな重点研究の結果のところがございますけれども、必ずしもプロジェクトに入らないものが半分ぐらいあるというぐあいに考えます。ですから彼らも、プロジェクトではないのですけれども、本当に日夜日夜対応しなきければいけない研究が非常にある。特に領域の方では基盤的な話をそこでやらないといけませんので、何が来ても対応できるような形をとらないといけないということで、結構どちらもしんどい仕事です。

【柘植委員】 ああ、そうですか。そうすると、やはりいわゆる環境研のオペレーションの方も、マトリックス的な話というのは実際この数字ではちょっと読めないけれども、ちゃんとヘルシーに動いていると。

【西岡理事】 ええ、専任で動いておると私は認識しております。

【柘植委員】 そうですか。もう一つ、今度これはコメントなのですけれども、報告書の7ページで、先ほどの佐和委員のご指摘とも絡む話なのですけど、7ページの右下の4が、予算の経済的な執行、業務費の削減の取り組みとか、この中で「一定以上の契約については、専門的経験を要するものを除き原則」と、こう書いてあるのですけれども、14年度は51件ということで、昨年度よりふえているという数字はあるのですが、一定額以上の契約が一体トータル何件で、そしてこの51件の意味づけというのが読み取れないので、どれだけ本当にいわゆる外に出ていくお金を管理しているのかというのが読み取れない報告になっている。この辺のやはり努力が、佐和委員の先ほどのご指摘のような話になって、積み上がっていくことになってしまうのではないかなという危惧を感じさせる報告なのですけれども。

【飯島理事】 最後のご質問で、実際に契約件数、一定額以上、これは500万円以上でございますが、一定額以上の件数はどれだけあって、そのうち幾つが競争入札になったかということでございますが、契約の種類はいろいろございますけれども、顕著にあらわれておりますのが物品の購入でございます。物品の購入につきましては、13年度35件、14年度20件ございまして、13年度競争入札したのが35件中の3件しかなかったのですが、14年度の競争入札といたしまして、20件中17件競争入札を実施しております。その他工事の請負とか役務の提供とかになりますと、基本的に、工事の請負につきましては、先ほど申し上げましたように13年度も14年度も、昔からそうなのですが、それぞれ10件から20件ございますけれども、全部競争入札を実施しております。ですから、基本的に全件数の中で、もともと競争入札になじむものとなじまないものというのがございますけれども、特徴的なのは物品購入におきまして、競争入札を14年に実施したということでございます。

【石井委員長】 ということは、特に14年度に新しくやったということではないわけでしょう。官庁はもともと入札が原則のはずですから。

【飯島理事】 もちろん競争入札は原則でやっているのですけれども、特に14年度はそういう努力をして、先ほど申し上げましたように、物品購入につきましては20件中17件の競争入札を実施したということでございます。

【柘植委員】 こう理解していいですか。そうすると、専門経験を要する者を除きというのはほとんどないと、工事においても。すなわち14年度においての51件というのは、500万円以下の契約の件数は51件にかなり近い、60件とか、そのぐらいの差だと、そういうふうにマクロ的に理解していいですか。

【飯島理事】 申しわけありません。今、契約の種類によってお話ししたので、物品購入がふえたとお話ししたのですけど、全体の話で申し上げますと、13年度500万円以上の契約件数は181件ございました。そのうち競争入札を実施したのは32件でございました。それに対しまして14年度は500万円以上の契約件数が209件、そのうち51件について入札を実施しているので、委員長ご指摘になったように、従前から競争入札は原則であったわけでございますが、先ほど申し上げましたように物品購入を中心として競争入札にシフトしたという実績でございます。

【柘植委員】 今の場合、そうすると専門経験を有する者というものは、14年度の場合は209件のうちの51件ですから、150件ぐらいは、もういわゆる随意契約というのですか、何というのですかね、そういう形で決められていると、こういう実態だという理解をしていいわけですね。

【飯島理事】 そのとおりでございます。例えば高度の専門性とかではモデル開発とか分析の業務等がございますし、また、解析システムの賃貸借といった、これはもう随意契約以外ではできないようなものも入ってございますが、150件程度はそういった専門性、ただ、もちろん専門性といっても1社に限らない場合には競争入札ができますので、そういった努力は今後していきたいと思っています。

【松野委員】 流動研究員なんかについてちょっと質問したいのですが、資料5-1の実績報告書の4ページに数があります。平成14年度末、流動研究員、定員が約200人というお話ですが、それに対して84と。それから、次の客員研究官、客員研究員等、これはずっと研究所に来ている人ではなくて、例えば年に何回とか、そういう方と考えてよろしいですか。

【合志理事長】 本来そのタイプの研究員に関して、時々というのがほとんどケースなのですけれども、ただ、今後、非常に頻繁に来ていただけるような者に切りかえていく必要があるのではないかという議論をしていて、ごく最近、一部にそういうのが発生し出しております。

【松野委員】 今はそういう人が12人プラス312人と。あと共同研究員・研究生、これは受け入れている人ということですが、これは原則として常時携わっている方ですね。これが合わせて136人という方で、したがって両方、今の常時いる人は流動研究員と合わせて約220人ですか、大体、研究員と同じぐらいの数がいると。
 あと、次に流動研究員はポスドク等、給与を払って雇っていると思うのですが、当然ですけど。共同研究員・研究生、これは勉強のためによそから滞在をしていて、別に給与を払っていない人と考えてよろしいですか。

【高木国環研主任研究企画官】 共同研究員と研究生につきましては、給料の支払いはしておりません。共同研究員と研究生の方、何カ月とかという期間限定でおられる方も多いですので、1年べったりおられるというわけでは必ずしもございません。

【松野委員】 次に関連質問でよろしいでしょうか。
 先ほど佐和委員が温暖化研究のことを挙げられまして、研究費用云々で。そのときちょっとわからなくて、また先ほどのユニット別の人員構成、今度は資料5-2の表を見ますと、温暖化研究は平成14年だと定員は20人、これは多分経年しておられるのだと思いますが、プロジェクトに携わっていらっしゃる方が。非常勤職員は流動研究員が4名、その他が13名ということで、この流動研究員は合計して84になっていますから、給与を払っているのでここに人件費がかかると思いますが、残り13、これはどういうタイプのものなのか。共同研究員とか、そういった形でいわば人件費のかからない、しかし研究にかかわる人なのかどうか。結局、ここのプロジェクトの規模はどうなのかなと思うと、定員が20名、リーダーの方が1人いて21人と。それからポスドク等の人が4人いると。あとの13人というとかなりの数ですが、これらはどういう人なのか。また、先ほどの4億円でしたか、それの中に、人件費というのはこれだと4人分しか要らないということになるのですが。むしろ、先ほどの外注でいろいろな人がいる、これはよくわかるのですけれども、その辺の観点でちょっと。

【石井委員長】 恐縮ですが、ちょっと時間がありませんので、ただいまのご質問については後で数字等、皆さんにご回答を文書なりメールなりでやっていただくことをお願いして、先に進ませていただきたいと思います。

【桑野委員】 今のご質問にも関連するのですけれども、大学では企業の方にインターンシップといいまして、研修に2週間くらい行くという制度がございまして、そこでいろいろ学んできて大学の単位になるという制度なのですけれども、そういった学生を受け入れるという計画はないのでしょうか。もしないのなら、ぜひ考えていただきたいなというか、大変教育的にはいいのではないかなと思いました。
 それからもう一つお尋ねしたいのですけれども、こちらの専任の研究員の方たちは、研究に専念してらっしゃる時間というのはどれくらいなのでしょうか。もうかなり100%に近いんでしょうか。ちょっと教えていただけましたら。

【西岡理事】 まず、インターンシップの話でございますが、資料の31ページのところに、例えば京都大学大学院地球環境学舎とのインターンシップというのがございまして、そういう覚書を交わした後にインターンシップをとるということはございます。それから、実際問題として研究生といった形であるとか、それから連携講座をつくりまして、そこの学生を引き入れる形で、非常に多くの学生を受け入れているということはございます。それが第1点です。
 2つ目が、一般的な研究者がどれだけということでしょうか。これはもちろん階層によると思います。領域長ぐらいになりますと、現場に出るというよりも、コーディネイトしたり、あるいは外で発表したりする時間も多いですから、これは全く勘ですけれども、現場は30%ぐらいかなという。プロジェクトリーダーは現場は70%、同じレベルでありますね。なるべく我々としては、若い人は現場でもってちゃんとやってくれという方針でやっておりますので、100%あるいは130%現場であると思っておりますが、中堅のところはちょっとばらついているということでございます。

【大沢委員】 今の松野委員と桑野委員のご質問に関連しているのですけれども、先ほどのご説明だと、研究所は学生がいないので職員を雇うなり外部に出すというお話でしたけれども、実際に研究部門で常勤が200人余りで非常勤職員が400名ぐらいいるわけですね。それで、それと別に学生があちこちから来てやっていると。そういうふうに考えていいのでしょうか。

【西岡理事】 例えば資料の53を見ていただければわかると思いますが…。

【大沢委員】 例えば国の研究所が今後どういうふうに、その研究内容を社会還元していくかとか、進めていくかというときに、学生をどんどん入れて一緒にやっていくというような方法と、本当の研究サポートとして近所のおばさんを雇い上げるとか、そういうやり方をしていくのとで、今後については随分方向が変わってくるだろうと思うのですね。だから、これから大学も法人化して同じような立場になるのかもしれませんけど、そういうところとの連携を今後どういうふうに進めていこうとするのか。
 それから内容によっては、例えば汚染物質の関係とか、そういうところについては随分企業なんかも研究部門で進めているところもあると思うので、そういうのと国の研究所としての方向の違いといいますか、そういうことをどういうふうに仕分けていくのかといいますか、同じ研究をそれぞれ大学の研究機関、それから企業が同じような形でやっていても、何か効率が非常に悪いだけだろうと思うので、その辺について何かお考えがあって、例えば大学とは今後一所懸命一緒にやっていこうとするとか、そういうお考えがあればちょっとお聞かせいただきたい。

【合志理事長】 今後、大学との連携といいますか、これは今後というよりも現在かなりやっておりますけれども、ますます充実をさせたいと思っております。また、充実しなければやっていけないというのが正直なところだと思います。ただ、もちろん一部の方で、いわゆる研究者ということではなくて、高度の技能を持っている方という場合には、大学との連携というのも、先ほどおっしゃったような腕が立つという意味での外部の方に来ていただくということもふえてはいくと思いますけれども、研究所としてはやはり研究者として素養のある方にほとんどお願いしていくことになるのではないかと思っております。
 それから、大学との差云々については、大学とはやはり研究という面ではもうまことに一致しているわけでありますけれども、ただ、一つだけ国立研究所としての立場で非常に違う点は、我々、やはりミッションオリエンテッドであるということなのでありまして、それは探究心とか教育していく身分の機関とは、やはりどうしても違うところが出てまいりますので、その点では協力するけれど全く一致するということにはならないのではないかと思っております。

【石井委員長】 時間が大分押しておりまして、どうしてもという方がいらっしゃれば・・。

【藤井委員】 環境生協の藤井です。初めて委員になりましたので、ちょっと的外れかもしれません。
 地域課題の解決ということで、やはり国立の研究機関がどれだけ寄与するかということで、NPOという言葉を見てみましたら、多分間違いなければ34ページにコミュニケーションというのが出てきます。情報を通してのコミュニケーションだけではなくて、NPOも地域課題を持って、いろいろな調査研究なんかをやったりしてきていることがありまして、先ほど地方の環境研究所の力がダウンしているという話がありました。例えばNPOの地域課題で、こういう課題について分析機関を使わせていただきたいとか、研究者のサポートが欲しいという申し込みがある場合、受けられるのでしょうか。というのは、20年目の琵琶湖調査ということで、つい先ごろ琵琶湖の36ポイントを水質と底土の調査をしたのですが、そのだけでも費用が700万以上かかって、私たちはもうえいこらかかって予備調査とその費用を集めました。まだ途中です。調査は終わりましたが。そういうときに、私たちであれば琵琶湖研究所を使えばいいではないかということになるかもしれませんが、国立の研究所として、NPOが地域課題で動いている場合に、持ち込んだときにどういうふうにしていただけるかという、そのあたりのことを伺いたいと思います。

【西岡理事】 今、理事長からなかなか難しいところですねというお話がありましたが、例えばこの環境儀にあるような話はですね、ため池なり、それからいろいろな湖沼でもって現場でやっております。ただ、我々は、先ほどからのお話にありますように、やっぱりそこに何か研究的におもしろいものを見つけてやるのが仕事でして、すべてをとらえて「さあ、それでお金を出すぞ」というファンディングエージェンシーではないということでございます。ですから、そこの基本はしっかりと核として持ってないといけない。ただ、私も実を言いますとNGOの一緒にやったことが大昔あるのですけれども、幾らかそこでNGOの協力を求めてやるというときには、何らかの形でお金を使えたらなとは思っておりますけれども。

【石井委員長】 これは評価とはちょっと次元が異なってくるので、ゆっくりまたいずれ、この評価委員会の中で議論していくべきことかなと思いますが。
 ほかには…。どうぞ。

【高木委員】 それでは、次回以降にお答えしていただければ結構ですので、質問ということで2点ほど申し上げさせていただきます。
 1つは、先ほど飯島理事の方から、中期計画につきましてもう陳腐化しつつあるというお話もいただいたのですけれども、中期計画について、あるいは中期目標、最後5年間なら5年間の中で改定というのは予定可能だというふうに言えるわけですので、特にこういった技術の進展著しく、また社会の変化も激しいと。それから、もともと中期目標の設定する地点から手さぐりの状態で、各独法が目標設定をやったという状況ですので、見直しが行われても全く不思議ではないと思うのですが、その辺のところにつきまして、陳腐化しているということであるならば、その辺の状況を次回にご説明いただければと思うのが1点でございます。
 それからもう一つ、人事のところで目標設定ということをおやりになられて面接というお話がありましたけれども、こういった制度というのは、非常にスキルアップあるいはモチベーションアップにつながる場合もありますし、また反対にモチベーションダウンにつながるおそれもありますので、具体的にどのような形でおやりになられているのか、それを次回にでも教えていただければと思いますので、よろしくお願いします。

【石井委員長】 それでは、いずれしかるべき形でお答えいただきたいと思います。
 ほかに特に問題ありませんようでしたら、この業績報告についての案件はこれで終わらせていただきます。
 次に移らせていただきます。これは財務諸表についてです。どうぞ。

【竹内国環研総務部長】 それでは、資料7に基づきましてご説明申し上げます。
 財務諸表といたしましては、お手元に5つの表がございまして、これらにつきましては監査法人の監査証明書、監事の監査に基づきまして、6月末に環境大臣に提出をしています。
 まず、貸借対照表でございますけれども、これは独立行政法人の財務を明らかにするために、3月31日現在の資産、負債等を書き記したものでございます。まず、資産の部では、流動資産といたしまして59億円、主たるものは現金及び預金でございまして40億円でございまして、常陽銀行の方に普通口座にございます。未収金9億4,000万円でございますが、環境省などからの受託費に関するものでございます。それから、未収還付消費税として1億7,000万円ということですが、14年度に政府から55億円程度の出資を受けましたが、これが課税収入の控除に該当する消費税として還付するものでございます。それから固定資産といたしまして390億円。
 それから右側の負債の方でございますけれども、流動負債のところで運営費交付金債務が8億9,000万円あります。これは翌年度に繰り越していく交付金でございまして、このうち資産合計額の0.1%を超えるものにつきましては、注記といたしまして8ページでございますが、7ページから注記が始まっておりますが、その中の8ページのところに重要な債務負担行為ということで5件記してございますが、これも含めまして、全体では工事あるいは研究基盤整備、研究機器整備などが44件、それから業務の予定変更などを行っております。こうした翌年に繰り越した理由といたしまして大きく3つございまして、まずエネルギー対策工事が長期に及ぶという点があると。それから、次に研究機器の中には外国での微調整を行うものがありまして、その制作が長期にわたると。あるいは3つ目に衛星センサの打ち上げ時期の延期でございますけれども、現地調査の天候不順による延期など、研究そのものが翌年に繰り越されるという大きな3つの理由があるということでございます。
次に負債の部の未収金が37億円ございますが、これは年間請負契約で3月末をもって業務完了するものにつきましては、4月に支払いが発生するということでございます。それから次に固定負債でございますが、長期借入金が5億3,000万円ございますが、これは13年度の政府の補正予算による産業投資特別会計からの無利子借入金でございまして、環境試料、タイムカプセル棟、自然環境シミュレーターの設置などを含めてです。
 次に資本の部でございますが、大部分が政府から現物出資された土地建物でございまして、386億円。うち14年度に現物出資を受けましたものが、廃棄物・循環棟と環境生物保存棟で55億円でございます。それから、資産と負債金の差額であります当期の利益4億1,000万円ございます。この主な内訳は、まず、先ほどの流動資産にありました未収還付消費税の1億7,000万円、そのほか2億2,000万円が14年度の受託事業で購入いたしました固定資産分、先々の減価償却費で、会計上、当期の利益として計上いたしております。
 それが貸借対照表でございまして、次に損益計算書でございますが、14年度の独立行政法人の運営状況を明らかにするため、すべての業務に対応する費用を掲載したものでございまして、経常利益と当期総利益、4億1,356万円で、貸借対照表の利益額と合致をいたしております。
 次の3ページの表がキャッシュ・フロー計算書でございますが、1会計期間における資金のもたらす収入または支出の状況を業務活動・投資活動・財務活動の別に明らかにしたものでございまして、一番下にあります資金期末残高は40億2,862万円で、貸借対照表の現金預金と合致をしております。
 次に4ページでございますが、利益の処分に関する書類案ということでございまして、先ほどもございましたように、当期の利益4億1,356万円でございますが、主なものは還付消費税が1億7,633万円、それから受託で取得した償却資産が2億2,021万円ございます。このほかに外部への施設の借り入れ料といたしまして688万円ございます。それらの利益処分といたしまして、まず還付消費税、それから受託で取得した償却資産など、合計4億667万円は一般の積立金とすると。次に外部への貸付688万円、これは中期計画に基づく剰余金の使途として、研究整備等積立金としているところでございます。
 次に5ページでございますが、行政サービス実施コスト計算書でございます。独立行政法人並びに環境研究所の費用、行政サービスに関しましてどれくらい国民が負担しているかというものをあらわすものでございまして、まず損益計算書上の費用から研究所の自己努力で収入を上げた額を引いた業務費用、それに損益外の減価償却等相当額、引当外退職手当増加見積額、それと機会費用、このうち政府出資の機会費用は政府出資額に国債の利回り0.7%を乗じて算出をいたしましたけれども、これらを合計いたしまして113億1,057万円と。これが14年度の国民負担ということでございます。
 7ページ、8ページは、先ほどもちょっと出てまいりましたが、貸借対照表などを作成するに際しての重要な会計方針、あるいはその注記ということでございます。
 9ページから11ページは、貸借対照表を補足する付属計算書でございます。
 以上でございます。

【石井委員長】 ありがとうございました。
 この財務諸表というのは、毎年度、法人の方から大臣に提出され、その承認を受けるべきものでございますが、それに先立って評価委員会の意見を求められるということに法律上はなっております。ということで、本委員会としてはこれに意見あり・なし、あるとすればどういう意見かという問い合わせを受けていると、こういうことでございます。
 何かご意見ございますでしょうか。

【高木委員】 長期借入金なる項目なのですが、貸借対照表のところで5億出ておりますところですが、通則法のところにおいては個別法で定めないと長期借り入れすることができないという規定になっておるわけでございますですね。個別法の方には特段そのような規定がないというふうに見受けるのですが、これ、恐らく無利子の貸与であって、通則法でいうところの長期借入金には該当しないというご判断なのかなと思うのですが、そうであるとすると、長期借入金という表示は余り適切ではないのではないかなと思いますが。一応、条文のところで申し上げておきますと、通則法の45条の第5項でございますね。「独立行政法人は、個別法に別段の定めがある場合を除くほか、長期借入金及び債権発行をすることができない」と。

【高木国環研主任研究企画官】 13年度の政府の補正予算の際に、その財源としてNTTの無利子融資のお金を使うということで、たしか通則法の改正をされて使えるようになったはずでございます。それに13年度の補正予算で長期借入ができるということにしたということで、それは限定つきですけれども、それで中期計画の改定なども行わせていただいて、中期計画の方には長期借入金というのはもう入っております。

【石井委員長】 NTTのそれに限っては、個別法になくてもできるような通則法改正が行われたというご趣旨ですか。

【高木国環研主任研究企画官】 はい、そう理解しております。財源として、NTTの長期借入、無利子融資のお金を使っていまして、2年間据え置きで3年で返済するということになっておりまして、その返済のお金も一応政府から出るような仕組みに、改正がなされていると理解をしております。

【高木委員】 改正されているのであれば、根拠条文を教えていただければと思いますが。よろしくお願いします。

【高木国環研主任研究企画官】 すみません。この中期計画の7ページの予算のところで、無利子借入金ということで18億5,000万というのが…。

【高木委員】 条文だけ教えてください。

【齊藤環境技術室長】 条文につきましては、事務局の方で、その点確認の上ご連絡申し上げたいと思います。

【石井委員長】 ほかに。

【佐野委員】 財務諸表について意見といいましても、これは比較する年度がないのですよね。前年度がないと意見の出しようがないですよね。皆さんは内容がわかっていても、私なんか前年度が全くわかりませんので、これはむちゃですよね。だから資料が不備だと私は思います。

【石井委員長】 資料不備となると、意見あり・なしの前提になりますので、どう処理しますか。

【高木国環研主任研究企画官】 13年度の財務諸表につきましては、参考資料の6-1で一応お手元にはお配りはしてございます。対照する形ではちょっとつくっておりませんけれども、6-1を見ていただければ、前年度の財務諸表の状況がおわかりになるのかと思います。

【石井委員長】 それでは、この問題は次回のこの委員会において引き続きご審議をいただくということで、次回の委員会までには、一覧的に前年度と今度のあれが比較対照できる資料を事務局でご用意いただくというお願いをしてよろしゅうございましょうか。

【齊藤環境技術室長】 はい、了解しました。

【石井委員長】 そういう取り扱いでよろしゅうございますか。これは意見がもしあるようでしたらば、引き続き議論をするという心積もりでおりましたので、そういう扱いにさせていただきます。したがって、ご意見は今日この場に限るというわけでもございませんので、次回の委員会のときにもまた、ご意見があればご開陳をいただきたいと思っております。ということで、これは継続審議の扱いとさせていただきます。
 それから、もう一つ議題はあるのですが、その前に、話が前後して恐縮ですが、先ほどの業務報告書に対して資料の6という横長の大きな表がございます。評価シートと称しておりますけれど、これに従って評価をお願いしたいということでございますので、これを9月5日までにお出しをいただくわけでございますが、いろいろご質問・ご意見等も出ましたので、これにつきましては補足的な説明書なり回答なりを9月5日までにではなくて、評価をしっかりしていただくために、しかるべき余裕を持って委員の方々にお送り申し上げるということにさせていただきたいと思います。
 それからさらに、これは私からのお願いなのですが、いろいろまだご質問等があろうかと思いますので、いろいろな文書で、例えばファクスなり、あるいは手紙なり、あるいはメールなり、あるいは直接口頭で電話なりということで、ご質問のご希望がございましたらば、とりあえずどこにそれをぶつけたらいいかというインターフェースをちょっとここでおっしゃっていただければと思います。

【齊藤環境技術室長】 委員長ご指摘の点につきましては、事務局でもそのように考えておりまして、事務局であります環境研究技術室の方にファクス、メール、あるいは電話でご連絡をいただけば個別に対応いたしますし、また全体の状況等につきましても、適宜委員長に報告するなり、あるいは必要に応じては各委員の方々にお知らせしたいということで、なるべく効率的に進めさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。

【石井委員長】 今のおっしゃる連絡先というのは、きょう配付されている資料ではどこかに書いてありますか。

【齊藤環境技術室長】 そういう意味での資料は用意しておりませんが、今、ちょっと事務的に整理をさせて、終わりのころにはお配りをしたいと思います。

【石井委員長】 それでなくても、またあしたでもあさってでも先生方のところに届くように。要するにインターフェースの電話番号、住所、それから担当者の名前、それからできればメールのアドレスとかですね。

【松野委員】 今のに関連してですけれど、今配られた何か分厚いもの、それは何が書いてあるのですか。後で送ってもらえるとかというものですか。要は、今のレポート確認に当たって。これは今見ていたのですが、ほかにもっと厚いのがあるという。何ですか。

【西岡委員】 これは、この研究所の研究評価委員会、4月23日に開かれました重点プロジェクト及び幾つかの組織に対する私どものレポートです。

【松野委員】 自己評価というのですか。

【高木国環研主任研究企画官】 一応、中間評価をしていただくということで、2年間の研究成果をまとめたものを外部評価委員会に提出した資料でございます。もし必要であれば、お送りさせていただきますが。

【石井委員長】 そういう扱いで。とにかく一そろえあるものは、先生方のところにお送りいただきたいと思います。
 それでは最後の議題でございますが、「独立行政法人国立環境研究所の役員退職手当規定の改定について」というものでございます。
 ご説明をお願いいたします。

【齊藤環境技術室長】 それでは、資料8をご用意いただきたいと思います。研究所役員の報酬等の基準の変更などが出された場合に主務大臣に届け出をすると。主務大臣においては評価委員会にその旨を通知いたすわけですけれども、評価委員会としてその通知を受けたときに、その基準が社会一般の情勢に適合したものであるかどうかについて意見を申し出ることができるという規程がこれでございます。このため、今回届け出があったものについてご説明をし、意見の有無をご指示いただければと考えています。これにつきましては国立環境研究所の説明をさせていただきます。

【竹内国環研総務部長】 では、資料8の2ページ目からでございますけれども、今回の規程の改正でございますが、改正の理由というところにございますように、従前、国家公務員が独立行政法人の役員に就任するため退職した場合は、退職手当が支給されておりましたけれども、今般、さきの通常国会でございますが、国家公務員退職手当法の改正によりまして、国家公務員が国等への復帰を前提として退職し、独立行政法人等の役員となる場合は、退職手当を国等への復帰後の退職時のみ支給するということが定められたということでございまして、この法律改正に伴いまして研究所の規程も改正をしたというものでございます。一番下にございますように、6月15日から施行されます。
 以上でございます。

【石井委員長】 これについても評価委員会は大臣に意見を申し出ることができるということになっておるのでございますが、特にこれで支出がふえるとか何とか、そういう問題ではないということですね。
 何かご意見ございますでしょうか。
(「なし」と呼ぶ者あり)

【石井委員長】 それでは、意見なしということで回答をすることにさせていただきたいと思います。
 あと、議題として「その他」が残っておりますが、何か事務局からありますか。

【齊藤環境技術室長】 資料9をごらんいただきたいと思います。今後の予定ということでございますけれども、2点ほどあります。まず今回新たに委員会組織が変わりましたけれども、特に委員の方々に国立環境研究所の施設を実際にごらんいただいて、どのような研究をどういうところでやっているかというご理解をいただく機会を持たせていただければと考えております。できますれば8月の下旬の2週間ほどの中で、ご希望に応じ日程調整をさせていただきますけれど、何回かに分けて実施したいと考えております。現在のところ、ちょっと受入れ態勢等の関係で、4日ほどの候補日を書いた紙をお手元にお配りをしておりますので、まずご希望の有無等、もしこの日ならご視察いただけるという参加可能日が該当すれば、そこに丸をつけて置いておいていただければと思います。また、その候補日の中に該当する日、参加可能日がなくても、ぜひ別の日に見たいというご希望があれば、その旨ご記載いただいても結構です。それをまずお願いをしておきたいと思います。
 それから、もう一つですが、先ほど委員長より9月5日ぐらいに評価シートの提出をというお話がございましたが、それを受けまして、実質3週間ほどしかございませんけれども、できるだけ効率的にご質問等に対応していくという前提で、次回を9月にぜひ開かせていただきたいということで調整を現在進めているところです。先生方のご日程を一応把握させていただきましたところ、海外出張等で不在の先生方も結構この時期たくさんおられるということで、なかなか微調整が今難航しているところですけれども、候補日といたしましては、ちょっと波がありまして、おおむね水曜日の午前中というタイミングが、どの週も比較的多くの先生方にご参加いただけるということで、事務局としては一番早くて9月10日の水曜日の午前中、それから17日の水曜日の午前中、あるいは24日の水曜日の午前中ということで候補を今のところ考えております。これにつきましては、速やかに各先生方サイドと連絡をとらせていただいて、最もご参加をいただける人数の多い日を目安に選んでいきたいと考えておりますし、また、次回一回で必ずしも評価の結果をまとめるというふうにはいかない場合も想定されますので、その点をお含みおきいただきながら、今後の調整にご協力方お願いいたしたいと思います。
 事務局からは以上でございます。

【石井委員長】 1つ質問ですが、この視察のあれは、12時着というのは、各自研究所へ行くという、そういう趣旨ですか。

【齊藤環境技術室長】 それは研究所に着いてからということで考えましたが、実際には11時半過ぎごろに最寄りのひたち野うしくという駅に着いていただければ、そこからはこちらの方で足は手配をと考えております。いずれにしても一日つぶれるような形になってしまうかとも思いますけれども。

【石井委員長】 はい、どうも。
 それから、次回の会議については、定足数をどうやってそろえるかということで、かなり事務局は苦心しているようでございますので、個別には、たまたまご都合がつかないときにも設定させていただくことになってしまう委員の方も出てくるかと思いますけれども、そういう場合にはご意見等についてはいろんな形でお寄せいただく方法を考えたいと思います。それからさらに、必要ならば、今、事務局からも話がありましたように、1回と言わず2回、3回ということは理論的に幾らでも可能でございますので、考えたいと思っております。

【佐野委員】 聞いていいですか。外部評価委員の皆さんの評価書も送ってくれるわけですね、さっきのお話の中でね。

【高木国環研主任研究企画官】 評価結果につきましては、この資料編の38、それから39、それから40に一応概要で、どういう意見があったのかと、それに対して私どもの方でどういうふうに対応していくのか、まとめた資料はすぐにおつけしたいと思います。
 先ほど示しました厚い資料は、私どもが評価を受けるために作成した研究の報告書ということでございます。

【松野委員】 それは私自身も知りたかったので、佐野委員と全く同じことで、ここのはまだちょっと非常に簡単だったものですから。もっと詳しいのがあるのかなと思ったのですが。

【石井委員長】 欲しいということですか。

【松野委員】 いや、結果的には外部評価の詳しいものは、そこにはないということですね。

【高木国環研主任研究企画官】 はい。

【石井委員長】 ないの。

【松野委員】 ここにあるしかないと。

【石井委員長】 外部評価の結果は、ここにとじ込められているわけではない、そういうお答えですか。要するに、言ってみれば研究の報告書ということですね。

【高木国環研主任研究企画官】 これは成果の報告書です。

【石井委員長】 はい。もし必要だというご希望でしたら、事務局の方にお申し出いただきたい。特にお申し出なければ、この部厚い報告書は特にお送りしないと、そういう了解でよろしゅうございますか。
(「はい」と呼ぶ者あり)

【石井委員長】 甚だ私の不手際で時間をオーバーいたしまして恐縮でございますが、本日の会議はこれで終わりにさせていただきます。どうもありがとうございました。