第5回環境省独立行政法人評価委員会会議録

日時

平成14年5月15日(水)14:00~15:40

場所

経済産業省別館9階第944号会議室

議題

(1)独立行政法人国立環境研究所業務実績の評価について
(2)その他

配布資料

資料1 環境省独立行政法人評価委員会委員名簿
資料2 独立行政法人国立環境研究所の業務実績評価に係る基本方針(案)
資料3 評価シート(案)
資料4 業務実績報告書に盛り込む事項等について(案)
資料5 今後の予定(案)
参考資料1 環境省独立行政法人国立環境研究所中期計画(平成13年度~平成17年度)
参考資料2 <総務省>政策評価・独立行政法人評価委員会における独立行政法人評価に関する運営について

出席者

委員松野太郎 委員長
遠藤實  委員 佐野角夫  委員
佐和隆光  委員 柘植綾夫  委員
森下郁子  委員
大沢雅彦  臨時委員 加藤三郎  臨時委員
坂本和彦  臨時委員 清水誠  臨時委員
鈴木継美  臨時委員 高木勇三  臨時委員
高月紘  臨時委員 _ 土屋隆夫  臨時委員
環境省 炭谷  総合環境政策局長
櫻井  大臣官房会計課長
青山  総合環境政策局総務課長
德田  総合環境政策局環境研究技術室長
石塚  総合環境政策局環境研究技術室長補佐
独立行政法人国立環境研究所 合志理事長
西岡理事
浜田理事
高木主任研究企画官
斉藤総務部長

議事

【德田環境研究技術室長】 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第5回環境省独立行政法人評価委員会を開催いたします。
 会議に先立ちまして、炭谷総合環境政策局長よりごあいさつ申し上げます。

【炭谷総合環境政策局長】 総合政策局長の炭谷でございます。
 本日は、委員の先生方におかれましては、大変お忙しい中、本評価委員会にご出席いただきまして本当にありがとうございます。
 本委員会におきましては、昨年以来、中期目標・中期計画を初めといたしまして、国立環境研究所の役員の報酬の基準と業務運営の全般にわたりまして、貴重なご意見をいただいているところでございます。既に始まっておりますけれども、今年度の予算として、環境省全体の予算につきましては、前年度4.5%の減額となっているわけでございますけれども、科学技術関係につきましては、その逆に4%の増額というふうになっているわけでございまして、政府全体として科学技術の振興というものに努めているところでございます。その中で、独立行政法人国立環境研究所におきましては、2.2%増額、97億円強の予算となっております。環境省といたしましても、国立環境研究所は近年社会的な問題としての地球温暖化問題、それから化学物質の問題等に関する研究をはじめ、環境研究分野における我が国の中核機関として考えておりますので、引き続き委員の先生方におかれましては、ご指導賜りますようよろしくお願い申し上げます。
 国立環境研究所は、独立行政法人になりまして1年が過ぎたわけでございます。この間、中期目標に沿い、自主的、自立的で透明な法人運営を確保し、弾力的、効率的に行えるよう努めてきたところでございますけれども、今後独立行政法人通則法に従いまして、国立環境研究所の業務実績を評価していく必要があるわけでございます。
 本日は、この評価に当たっての基本方針をご審議いただくことにしておりますので、よろしくお願い申し上げます。簡単ではございますけれども、私のごあいさつとさせていただきます。

【德田環境研究技術室長】 それでは、議事に入ります前にお手元の配付資料の確認をさせていただきます。
 一番上に「第5回環境省独立行政法人評価委員会」とした議事次第、配付資料の紙がございます。それから、次に資料1「環境省独立行政法人評価委員会委員名簿」がございます。資料2として「独立行政法人国立環境研究所の業務実績評価に係る基本方針」、資料3として、これは左の上の方に「評価シート(案)」と書いてございます。それから、資料4「業務実績報告書に盛り込む事項等について(案)」、資料5「今後の予定(案)」。そして、参考資料が二つございまして、参考資料の1が「中期計画」、それから2が、これは総務省の独立行政法人評価委員会が決定した「政策評価・独立行政法人評価委員会における独立行政法人評価に関する運営について」というものでございます。配付資料に不備はございませんでしょうか。
 なお、本日は委員18名のうち、既に13名がご出席になっておられますので、環境省独立行政法人評価委員会で第5条第1項の規定により、定足数を満たしておりますことをご報告申し上げます。
 それでは、これ以降の議事進行につきましては、松野委員長にお願いをいたします。

【松野委員長】 それでは、きょうの議題の方に移りたいと思います。
 先ほど局長からごあいさつの中で触れられましたように、独立行政法人化して1年が経過しまして、評価委員会というのは、これから活動が適切か否かというのをずっと見ていくと。中期計画は5年ですが、1年ごとにその活動状況を評価していくというものの第1回をやらなければいけないわけです。その前に、どういう基準でその評価をしていくかと、それがまず問題ですが、前回、たしか前々回も多少フリートーキングというような形で議論しましたし、前回もその時間を持ったかと思いますが、そのとき必ずしも評価全体この同じような研究機関がたくさんあるのに対して、総務省としての全体を、何ていうか、レファレンスになるようなガイドラインというものがその段階でまだなかったということもあって、具体的には決めておりませんでした。今回、そういう前提条件も満たされているので、今回はその評価基準についてみんなで決めましょうということでございます。それが終わった後、本当の平成13年度の評価というのが、もう1回6月になってからまたあることになるかと思いますが、きょうはそういうことですので、どうかよろしくお願いいたします。
 それでは、最初に今の評価基準ということについて、今の総務省のガイドラインなんかも考えた上での一つの案が出されておりますので、説明をお願いしたいと思います。

【德田環境研究技術室長】 それでは、資料の2をごらんいただけますでしょうか。資料2は、「独立行政法人国立環境研究所の業務実績評価に係る基本方針(案)」と書かれてあるものでございます。これについてまずご説明をいたします。
 この基本方針は、この評価委員会が国立環境研究所の行う業務について、独法通則法の規定に基づき行う実績評価に必要な事項等を定めるものである。この評価委員会が国立環境研究所の業務実績評価を行うときに必要となってくる事項を定めるものであると、こういうことでございます。
 評価の概要として、1番、二つ書いてございますが、一つが、各事業年度に係る業務の実績に関する評価。これは毎年毎年行うものでございます。それから、二つ目に、中期目標に係る業務の実績に関する評価。中期目標期間は5年でございますので、5年が終了した時点で実績評価を行うというものが二つ目でございます。最初の一つ目の方でございますけれども、当該事業年度における業務の実施状況を中期目標に照らして調査・分析し、業務実績の全体について、総合的な評価を行うと。それから、中期目標に係る業務の実績に関する評価は、中期目標期間終了時において、中期目標の達成状況を調査・分析し、中期目標期間における業務実績の全体について、総合的な評価を行うと、こういうものでございます。
 具体的にどのように行うのかというのが、2番以降で書いてございまして、2.のところで、評価の方法として、(1)で各事業年度に係る業務の実績に関する評価。そして、2ページの一番下のところから中期目標に係る業務の実績に関する評価ということが書いてございます。
 まず、各事業年度に係る業務の実績に関する評価でございますが、これも二つに分かれておりまして、一つが事項別の評価、そしてもう一つが、これは2ページの真ん中あたりでございますけれども、総合評価ということでございます。この事項別の評価というのはどのようにして行うのかということでございますけれども、中期目標に幾つかの事項が定められております。これはお手元の資料の3枚目をごらんいただきますと、別紙として、表が載っておるかと思います。お手元の資料2の3枚目でございますが、別紙として表があって、そこに、左の上の方をごらんいただきますと、ローマ数字のIとして、業務運営の効率化に関する事項というのがございます。それから、下の方に国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項というのがございます。それから、1枚めくっていただきまして、最後の紙になりますが、最後の紙の真ん中よりちょっと下のところに、ローマ数字のIIIで、財務内容の改善に関する事項というのがございます。そして、その下にその他業務運営に関する重要事項というのがございます。すなわち事項というのがこれで4つあるわけでございます。業務運営の効率化に関する事項、国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項、財務内容の改善に関する事項、その他業務運営に関する重要事項と。これらの事項別に当該事業年度における実施状況を評価するというのが、事項別の評価でございます。
 2ページにお戻りいただけますでしょうか。この事項別評価、具体的にはその下にございます評価基準に基づいて評価項目ごとに行うと。この評価基準といいますのは、イのところに書いてございますように、S・A・B・C・Dと5段階にしてございます。これらの評価基準に基づいて、また戻っていただいて恐縮ですが、先ほどの表をごらんいただきますと、先ほどの表、3枚目と4枚目でございますけれども、それぞれの事項ごとに評価項目というのがございます。例えば業務運営の効率化に関する事項のところでは、評価項目として効率的な組織の編成、人材の効率的な活用、財務の効率化、効率的な施設運用、業務における環境配慮、物品一括購入等による業務費削減努力、業務運営の進行管理、こういった評価項目というのがございます。この評価項目ごとに右の欄に評価の方法・視点等として、重点化した研究プロジェクト体制の整備状況とか、環境行政ニーズに対応した体制の整備状況と書いてございますが、そういった視点を考慮して評価を行うと。そして、その評価項目ごとの評価を踏まえて4つの事項ごとの評価を行うと、こういうことにしてございます。
 今、業務運営の効率化に関する事項の評価項目を読み上げましたけれども、その下に国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項というところの評価項目をごらんいただきますと、環境研究に関する業務、環境研究の充実、重点研究分野、研究の構成として、重点特別研究プロジェクト、政策対応型調査・研究、基盤的調査・研究、知的研究基盤、研究課題の評価・反映等々となっておるわけでございますが、こういった研究に関しましては、研究所におきまして外部調査、外部専門家による研究評価というものが行われておるものにつきましては、その研究評価の結果を積極的に活用するということが、2ページの5行目、6行目に書いてあります。研究所において外部専門家を使って研究評価をしておるというものについては、それを活用いたしまして、その手続が適切であるかどうかというところを、この評価委員会では評価していくということでございます。
 評価基準でございますけれども、評価基準は、これは前回、前々回にお出ししていたものは4段階の基準でございました。A・B・C・Dと4段階の基準でございましたが、その際にSあるいはA'というような、100点以上のものについての評価ができるようなランクを設けるべきではないかというご指摘がございました。それから、関係各省が同様にこういった評価基準といったようなものをつくり始めている、あるいはつくってきているところでございますが、そういったものを見ますと、おおむねSというランクを設けておるようでございますので、横並びも考えまして、ここの案ではSというランクを設けております。S・A・B・C・Dと5つのランクにしております。Sは、中期目標の達成に向け、特にすぐれた成果を上げていると。これは年度別の評価ですから、中期目標期間がまだ終わっておりませんので、中期目標の達成に向けて、その年度においては特にすぐれた成果を上げている、100点以上の成果があるというのをSランクにしようと。それから、Aとして、中期目標の達成に向け、適切に成果を上げていると。これはほとんど100点であるということになろうかと思います。それから、Bとして、中期目標の達成に向け、おおむね適切に成果を上げていると。これはまあ合格であると。それから、Cは、中期目標の達成に向け、業務進捗がややおくれており、改善すべき点がある。Dとして、中期目標の達成に向け、大幅な改善が必要であると。こういう5段階の評価にしたらどうかという案にしてございます。そして、(注)として、評価に当たっては、その理由、根拠等を附すものとすると。これは後ほど簡単にご説明いたしますが、総務省の方のガイドライン的なものにおいて、ランクづけを行う際には、理由、根拠等を附すべきであるということでございますので、それに従っておるわけでございます。
 それから、今のところが事項別の評価であったわけでございますが、それらの事項別の評価を踏まえて研究所全体としての総合評価をどのように行っていくかというのが、[2]の総合評価のところでございます。アとして、事業活動全般、業務運営など研究所の業務全体について、事項別評価の結果を踏まえて総合評価を行うと。その際には事項別評価の結果を単に平均化するのではなくて、研究所の目的に照らして研究所全体としての業績を総合的に判断しつつ行うと。それから、中期目標とか、中期計画に掲げられた事項のみならず、研究所の判断で独自に行った取り組みなどについても考慮をしていこうということでございます。それから、ランクづけにつきましては、先ほどのランク、S・A・B・C・Dを用いると。そして、あわせて判断の理由、根拠等を記載するということでございます。さらに、業務運営の改善に関する事項の検討も行っていただいて、S・A・B・C・Dをつけるだけではなくて、これからこういう点について改善する必要があるというような点についてもご検討をいただくと。それをあわせて、それを含めて総合評価とすると、こういう案でございます。
 今までご説明したところは、各事業年度に係る業務の実績に関する評価でございまして、これからが中期目標に係る業務の実績に関する評価と。これは5年に一度の評価ということになるわけでございますが、基本的には今ご説明したのと同じような書きぶりになってございます。
 事項別評価と総合評価と二つに分けておりまして、事項別評価のアのところは、基本的に同じ、全く同じかと思います。それから、イの評価基準のところでございますが、ここは書きぶりは若干変えておりますが、これは中期目標に係る業務の実績に関する評価の場合ですと、もう既に中期目標期間が終わっているわけですから、そこの点を考慮した書きぶりになっております。まず、Sとして、中期目標を大きく上回って達成している。Aとして、中期目標を十分達成している。Bは、中期目標をおおむね達成していると。Cは、中期目標をある程度達成しているが、改善の余地がある。Dは、中期目標の達成が不十分であり、大幅な改善が必要であると。これらの評価に当たっては、その理由、根拠等を附すものとすると。
 それから、総合評価の方でございますけれども、総合評価のア、それからイは、これは年度別、年度に係る業務の実績評価と同じ書きぶりでございます。ウのところが若干変えてございますが、総合評価を実施するに当たっては、研究所の業務の継続の必要性、5年間を終わって研究所がさらに存続した業務を継続する必要があるかどうかと、そういう検討も行うと。それから、組織のあり方、その他組織及び業務全般にわたる検討をあわせて行うということでございます。
 3、その他といたしまして、研究所は毎年6月末までに前年度の業務実績報告書、財務諸表等を提出する。これは法律上そういうふうになっておりますので、ここに書いております。それから、研究所は業務の実績評価において事項別評価及び業務の実績の全体の評価が的確に行われるよう、外部評価報告書などの根拠となるデータを示しつつ、明確かつ具体的に報告するよう努めると。評価委員会は、業務の実績、自己評価等に関し、必要に応じて研究所からヒアリングを実施するというようなことを、その他のところにまとめて書いておるわけでございます。
 それで、こういった評価基準に基づいて具体的にはどのように評価をしていくのかというところで、資料の3をごらんいただけますでしょうか。資料の3は、評価シート(案)と左の上の方に小さく書いてあるものでございまして、これは実際に評価をしていただくに当たって、記入をしていただくシートということになるわけでございますが、一番左に中期目標の記述をしております。そして、その次に中期計画の記述をしております。そして、中期計画の中から評価すべき事項を抜き出したものが、評価項目及び評価の方法、視点等というところでございます。そして、その次に評価として、S・A・B・C・Dというふうに書いてございます。ここで、Sと判断されるのであれば、Sのところに○をつける。Aと判断するのであれば、Aのところに○をつけるというような感じになっていくのかなと。一番右のところにその評価の理由、根拠というものを書く欄がつけてございます。
 例えば一番上でございますと、業務運営の効率化に関する事項と。これが事項別の評価ということになるわけですが、それについてS・A・B・C・Dというものをつけると。その際にはその下のランクでありますところの効率的な業務運営体制の整備であるとか、人材の効率的な活用でありますとか、そういったところの評価をまずすると。そういった評価をした上で事項別の評価をしていただくと、こういうことになろうかと思います。
 ここで、若干資料の訂正等がございますが、5ページのところをごらんいただきますと、5ページの下の方で、国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項というのがございます。第3として、国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項。ここは右の方をごらんいただきますと、S・A・B・C・Dと評価をつけるということになっております。その下をごらんいただきますと、環境研究に関する業務というのがあって、さらにその下に環境研究の充実であるとかいった項目が並んでいて、その環境研究の充実のところは右の方をごらんいただきますと、S・A・B・C・Dと入っておりますが、環境研究に関する業務のところは右の方にS・A・B・C・Dと入っておりません。しかし、その環境研究に関する業務についてS・A・B・C・Dの評価を行う際には、その下のカテゴリーであります環境研究の充実でありますとか、重点研究分野でありますとか、そういったところの評価をした上で評価をするのが適当であろうと思われますので、環境研究に関する業務という欄につきましても、S・A・B・C・Dというランクをつけるということにしたらどうかと。そこにもS・A・B・C・Dと記述することにしたらどうかというふうにご提案をしたいと思います。
 それから、次に参考資料の2をごらんいただけますでしょうか。参考資料の2は、総務省の方でつくられた資料でございまして、総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会が決定したものでございます。これは、各省に評価委員会が設けられておりますが、その各省の横並び等を見て、適切な方向に評価が進むようにしていこうということで、いろいろ検討する委員会でございますけれども、今回まで我々の評価基準あるいは評価に関する基本方針が決定が延びてまいりましたのは、この総務省の方での検討が継続中であるということがございましたので、今回に至ったわけでございますが、総務省の方の資料が3月22日に出ましたので、それのご説明をごく簡単にしたいと思います。基本的には総務省の方が以前(案)として出していたものと変わっておりません。
 2番のところ、目次をごらんいただきますと、前文とあって、1、2、3とございますが、その2のところの評価の方針というところをごらんいただきますと、これは3ページになりますけれども、3ページの下のところで、下から4行目になりますが、評価の方針として評価の対象。当委員会は、各府省評価委員会が独立行政法人の業務の実績について行う、以下の評価の結果を対象として、評価を行うと。つまり総務省の委員会は、環境省など各省の評価委員会が行う評価の結果を評価するんだということが書いてございます。
 それから、その実施方法について、もう1枚先の4ページでございますけれども、4ページの真ん中よりちょっと下のところで、アとして、実施方法と書いてございまして、当委員会の評価においては、まず、各府省評価委員会の評価結果が、当該評価委員会において定められた評価基準に適合したかたちで適切に評価を行ったものとなっているか、また、評価基準を踏まえた評価の内容は妥当なものとなっているかについて点検を行うことを基本とする。ということでありまして、総務省の評価委員会の方では、各府省の評価基準そのものを評価するということはしないで、各府省の評価委員会がつくった評価基準に適合したかたちで各府省の評価委員会が評価を行っているかどうか。そして、その評価の内容が妥当かどうかということを点検するんだと、こういうことでございますので、今回お出ししている評価基準そのものが、総務省の評価委員会で点検をされる、あるいは評価をされるというものではないということになったわけでございます。
 それから、今のようなことをもう少し具体的に書いてありますのが、7ページでございますが、7ページが別紙として、点検項目等の設定についての考え方、4行目に具体的には以下の[1]、[2]を基本として点検を行うとして、[1]のところで、定められた評価基準に適合したかたちで適切に評価が行われているか。具体的には定められた評価基準に則り、また公正妥当な手続・手順を用いて適切に評価が行われているか。ということですから、評価基準についての点検ではなくて、評価基準に則って手続が適切かどうかという点を点検しますよというのが、[1]であります。それから、[2]のところ、真ん中でございますが、評価基準を踏まえた評価の内容は妥当なものとなっているかどうかということで、評価基準はあるものとして、それを踏まえた評価の中身が妥当なものとなっているかどうかということで、要点のところで二つ目に、当てはめの結果行った判断について、その理由、根拠等がきちんと示されているかというような記述もございますので、先ほど基本方針のところでご説明しましたように、S・A・B・C・Dというランクをつけるに当たっては、その理由、根拠を書いていただくということにしたらどうかということにさせていただいたわけでございます。
 ちょっと長くなりましたけれども、私の方からの基本方針関連のご説明は以上でございまして、具体的にまだなかなかそのイメージをつかみにくいかと思いますけれども、国立環境研究所の方から資料4を用いまして、業務実績報告書に盛り込む事項等についてご説明をいただきます。業務実績報告書を国立環境研究所から出していただいて、それを見ながら実際にこの基本方針を当てはめて評価をしていくということになりますので、どういったものを見て評価をしていくことになるのかというイメージをつかんでいただければと思います。
 それでは、国立環境研究所の方からご説明をお願いします。

【高木国環研主任研究企画官】 それでは、資料の4についてご説明させていただきます。
 德田室長からもお話がございましたように、この資料、全体、業務実績報告書がどういうイメージのものなのかというものをつかんでいただくということと、私どもとしても、今、報告書作成の作業を鋭意やっておりますが、そのための一つの何といいますか、ベースになる資料として作成させていただいております。
 一番左側には、中期計画の記述がございまして、真ん中に13年度の年度計画の記述が対応したものがございます。一番右側のところがそれぞれの項目について、どういったことを記述するか、あるいはどういった資料をつけさせていただくかということをまとめたものでございます。1の効率的な組織編成から2ページ以降になりますと、人材の効率的な活用ということで、それぞれの記述に対応してこういった情報を入れたり、記述をしたいという形でまとめてございますが、ペーパーとしては2の人材の効率的な活用とか、3の財務の効率化ということで、まとめて報告書を作成させていただくということになろうかと思います。
 その後4、5とございまして、6で5ページ目に行っていただきますと、第2の「国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する目標を達成するためとるべき措置」という中で、環境研究に関する業務ということの中がさらに環境研究の充実であるとか、重点研究分野であるとか、7ページに行きますと、研究の構成毎に見る業務内容、そのほか次に研究評価とか、研究成果の普及とかということで続いてございますが、この中で一番なかなか難しいのが、研究のところをどういうふうに記述させていただいたらいいかということでございます。
 そこにつきましては、14ページをごらんになっていただきますと、業務実績報告書記載例と。これはまだ未定稿で、とりあえずイメージをつかんでいただくためにつくったものでございますが、研究の構成毎に見る業務内容ということで、この四角の中は先ほどの13年度の年度計画に対応した記述でございます。これはちょっと一まとめにしてございますが、それ全体についての年度計画での位置づけはどういうことになっているのかということ、それから業務の実績はどういうことであるかというのを書きまして、その次の16ページを見ていただきますと、それについての関連資料というのはこういう形のものがある、あるいは図表というのはこういうものが関連しますよということで、資料編とか、図表編というのをまた別途ご用意いたしまして、そちらを参照していただくということができるようにしたいということでございます。最後に、私ども自己評価と今後の対応ということで、私どもみずからどういうふうに評価をしているのかということについて記述させていただくとともに、今後どういう対応をしていくのかということをここで、私どもの考えとして記述させていただきたいということでございます。研究の方の自己評価というのは大変難しくございますので、ここは今作成中ということで、こういうものが入るというようなことでございます。
 それで、14ページの業務の実績でございますが、アのところで、重点特別研究プロジェクトというのがございますが、ここの書きぶりは、この6つのプロジェクトグループを設置して、年度計画の別紙の2というところにその研究の方向というものをまとめてございますので、そういったような方向で研究をしたということです。次のページの15ページでございますが、冒頭にございますように、私どもこの研究の開始する段階の事前評価とそれから13年度の成果についての年度評価と、いずれも私どもとしては現段階では助言をいただくという形での評価をしていただいている、外部研究評価委員会で評価をしていただいておりますので、それについての資料をまとめて提出させていただいてはどうかというふうに考えております。それが17ページ以降でございます。記載例で未定稿ですが、重点特別研究プロジェクトの研究実施状況ということで、地球温暖化の影響評価と対策効果プロジェクトの研究概要、研究計画、期間、予算とございまして、その18ページの方には、プロジェクトの研究計画全体に対する評価・助言というのをいただきましたので、これは昨年の4月でございますが、松野先生から以前もご指摘ございましたが、評価結果ということで、A・B・Cも、私ども参考評価ということでいただいておりますので、それについても総合評価というところで挙げさせていただいています。それから、評価者の意見の概要、それからその意見に対してどういうふうに反映をしていくのかという方針というものをまとめて、ここら辺はA・B・C以外は公表しております。
 それから、次の19ページでございますが、こちらは13年度の研究成果に対する評価、助言ということで、これはこの4月に実施したものでございますが、ちょっと年度が越えているのですが、ここまでやりませんと完結いたしませんので、このときの報告いたしました研究成果の概要であるとか、評価の結果、それから評価者意見の概要とそれから意見を今後どういうふうに反映させていくのかというようなこと、これもまだちょっと公表ベースでまとまっておりませんが、公表していくという方向になりますので、こういった形で資料をまとめさせていただいてはどうかというふうに考えております。
 この重点プロジェクト、6つございますので、それぞれ6つのプロジェクトについて、同じような形でまとめさせていただくということでございます。
 15ページに戻っていただきますと、政策対応型調査研究という、イでございますが、その方も同様な形で運営しておりますので、同じような形のものをつけさせていただく。それから、ウの基盤的研究は、奨励研究とか、特別研究とか、所内の公募研究というようなこともございます。12年度終了のものですが、その外部評価をいただいておりますので、そこら辺の資料をつけさせていただくというふうに考えております。知的研究基盤の方は、外部研究評価は残念ながら今年はしておりませんけれども、内部でいろいろヒアリングをしたりして、皆さんの意見が出されますので、そういったものをどういうふうに反映していくか等も含めて、成果とそういう今後の方向をあわせて、やはり同じような形で資料を作成していきたいというふうに思っております。
 本文の方は、余り細かいことを書きますと長くなってしまいますので、できるだけ簡潔に、わかりやすく書かせていただいて、その分いろいろな形での資料をつけさせていただくという形で、業務実績報告書を作成していきたいというふうに考えておる次第でございます。
 以上でございます。

【松野委員長】 どうもありがとうございました。非常にたくさんのことが今一緒になっていますが、きょう決めることは、最初の基本方針(案)ですか、それを我々としてこれで行きましょうということを決めることになるんですが、それがポイントが幾つかあるかと思います。一つは、事項毎ですか、ローマ数字のIVの効率化とか、国民に対するサービスといった、そういう大きな事項、しかしその中にはそれを積み上げていく中身としての項目というお話もありまして、先ほどの資料2の後ろの方についている、これの一番左側のが項目に当たるんでしょうか。項目というのは、必ずしも同じレベルのものが全部行くわけではなくて、先ほどちょっとお話がありましたが、普通のローマ数字のほかに括弧の中、例えば下の国民に対して提供するサービスの方は、ローマ数字のIの括弧のつかないやつではなくて、最初のところはローマ数字の大きさですが、括弧づきのところを単位にして項目別に見ていきましょうというようなのが、この原案になっています。というような形で、それを評価すると。こういうふうにブレイクダウンして評価していって、最終的には事項別ですか、効率化とサービスの向上とか、財務とか、そういうことにつなげるという方法。それから、具体的に研究所の方から実績報告のようなものを先ほどのサンプルのような形で出していただけると。それに基づいて我々は判断していく。研究そのものの内容については、さっきの中身、その温暖化研究の例がありましたが、外部の委員による評価の結果も、Aが何人、A'が何人というふうな形での材料をいただけると。そういうようなところまでお話をいただいています。そういう形でやっていって大丈夫かどうかと、何か問題がないかというようなことを、きょう皆さんで議論していただきたいと思います。
 ということで、どうでしょうか、まず今いろいろ説明いただいたことが非常にたくさんあったわけですが、質問、何かわからなかったこととか、そういうことがありましたら、まず伺ってみたいと思うので、お願いします。
 それでは、私、細かいことを伺いますが、この評価の方法、視点等というのは、これが概してこの中期計画の中に書いてあることに、大体対応しているとは思いますが、必ずしも1対1ではなくて、こちらは視点ですから1対1である必要はないわけですが、評価という観点ではこういう見方をした方が便利でしょうということで、こういうふうになっているんでしょうか。本当に細かく見ていくと、中期計画というところでは、最初のページで効率的な組織の編成というところでは、一番最初には コアラボラトリーというのが、基盤研究領域を置くというのが書いてあるけれど、それに関する評価の方法、視点にはそれに対する言葉はなくて、その次からが書いてあるんですね。コアラボラトリーというのは、基本的な構成だと思うんですが、一方さっきの研究所の方で用意してくださったものの中には、コアラボラトリーをこんなふうにつくりますと、こういうやり方をしますというようなお話がありましたから、当然それも入っているわけですが、そういう程度の、何ですか、デコボコでもって大体中期計画に対応して、この視点とか、方法というのはつくられているということでしょうか。
 あるいは、次の項目だと、もうちょっとわかりやすくて、人材の効率的な活用というのは、中期計画の方は3つぐらいにしか書いてなくて、ここには流動研究員という言葉は、制度そのものは書いてないんですけれど、ここでは流動研究員制度の創設状況というのが視点の一つに書き加えられていて。

【德田環境研究技術室長】 基本的には、この評価の方法、視点というところは、中期計画に書いてあるものをすべて反映させると同時に、年度計画というのが毎年出ますけれども、その年度計画に書かれているものも反映させるという方向で書いてありますから、基本的には評価の方法、視点のところに書いてあることの方が、中期計画に書いてあるものよりもたくさんあるはずなんですが、先生、ご指摘のように、ちょっと抜けているところもあるようでございます。それは見落とし等があったかもしれません。そこは訂正させていただきたいと思います。

【松野委員長】 わかりました。
 というようなことで、項目というのは、そういうわけでもともと私たちが中期計画として聞かれて、ああ、これがいいでしょうと言ったことのポイントが書いてあって、それがどうなっているかを見ていきましょうと、そういうことです。そういう観点でこれは取り上げられている。

【柘植委員】 これは中期目標というものを決めて、それをスーパーに達成したかとか、AかBかということで、これもよく理解できて、こうだと思うんですけれども、この場の対象ではないんですけれども、各研究者なり、あるいはこの業務の方の目標ですと、研究者だけではないんですが、それぞれの個人が研究所の中でその中期目標を受け持っているわけでしょうが、それがやはり難易度かなりこう……、難易度はSのものとか、Bのものとか、あるわけで、そういう個人の成果に対するものというのは、別途研究所の中で一種の人事考課になるんですけれども、そういうのはおやりになっている、そう理解して。

【合志国環研理事長】 それはやっております。現在正確に申し上げると、13年度については進行中で、大体今月中にほぼ完了の予定であります。
 ご指摘のとおり、目標を高く掲げて達成度が余りよくないというケースと、それから目標はそこそこなんだけれども、達成は十分にしたというようなあたりをどう見ていくかというのが、なかなか難しいところです。機械的には判断できないと思います。私どもは研究所でありますから、この使命から申しますと、目標というのはかなりやはり高く掲げてくれる方を評価したいという気持ちがございます。いずれにしてもそういうことを今調整をしながら、評価を進めております。

【浜田国環研理事】 補足させていただきますと、お手元の資料で資料4の2ページの、先ほど高木から説明させていただきました中に、人材の効率的な活用というところがございまして、その三つ目に、面接による目標管理方式を基本とした職務業績評価を導入し云々、ここについて今理事長が申し上げているところでございます。現在実施中でございますが、一番右にありますように、これに関しましての制度でありますとか、この結果をどういうふうに給与等へ反映させる考えでやったかというようなことについては、報告書に盛り込ませていただくという予定でございます。

【柘植委員】 先ほどの評価なんですけれども、これにはちょっと上司と担当者の間で、この目標はやはり難しいなというベースとかというものが、最初の目標設定段階で合意されているというようなことと理解してよろしゅうございますか。

【浜田国環研理事】 枠組として申し上げれば、目標の達成度とそれから目標の高低、その両方を評価して総合的な判断をしていこうというものです。個人の実績に関しましては、先生、おっしゃいますように、単に目標の達成度だけではなくて、目標が非常に高いところに設定しているかどうかということもあわせて、総合的に努力の程度を評価していこうという考え方で、今進めておるところでございます。

【柘植委員】 どうもありがとうございます。結構でございます。

【松野委員長】 多分今のようなことが、今度は我々がそういうのが適正か否かということを判断するんですね、今回。今お話にあったようなことを今度はちゃんと書いた形で、どんな形で個人の評価をしているかということが具体的にわかるように、報告をいただけるということですね。

【浜田国環研理事】 はい。

【加藤委員】 私、今ごろこういう質問をするのも何だと思うんですが、従来これまで独立行政法人化する前、国立環境研究所としてしてきたときも、もちろん評価みたいなことは組織としてやってこられたに違いないと思っているわけですが、そのことと今回の基本方針との間に、個々の研究者から見るとどういうふうになるのか、ちょっとわかったら教えていただきたい。というのは、組織として効率化をするとか、それはアドミニストレーションの方の効率化だとか、むだな予算を使わないとか、そういうことは当然これは何であれ、研究所であれ、行政機関であれ、やっていくべきことだと思うんですが、一方そこにいらっしゃる研究者の方々、それがこの研究所の一番大きな使命だと思うわけですが、その研究所にいらっしゃる方々がいい意味で伸び伸びと研究ができるということがまた大事で、何か評価のための評価とか、評価のために物すごくペーパーワークをさせられて、研究そのものよりはむしろ何かこんなに仕事をしているんだぞと書くために……、というようなことになったら意味がないわけですね。
 今、私どもが示されているこの資料の2というのは、他の独立行政法人と大体横並びのような、恐らくそういうものだろうと思って、こういうものにならざるを得ないんだろうなとは思いつつも、個々の研究者から見ると、どういうことになるのかなということがちょっと気になって、従来やっていたことと比べての比較が物すごく大きくなるのか、あるいはこういうことは当然今までもやってきていましたということなのか、その辺のところをちっょと教えていただければなというふうに思うんですが。

【浜田国環研理事】 評価に関しましては、大きく分けて研究成果に対する評価というんでしょうか、課題評価と言ったらいいんでしょうか、そういうものと、それからただいまもご質問があってお答えした各研究者個人の業績に対する評価と、二つあろうかと思います。前者の研究評価に関しましては、加藤委員ご指摘のように、独立行政法人になる以前から外部評価制度等を導入いたしまして、課題評価をやり、その結果に基づき課題の修正でありますとか、あるいは予算の配分ですとかということをやってきたという意味では、それほど大きくは変わってないと思います。しかし、後者の個人に対する評価制度につきましては、実は独立行政法人になって初めて導入した職務業績評価という制度でございます。ただ、例えば昇給・昇格審査でありますとか、あるいはボーナスの特別の部分について、推薦に基づいて所内の組織で審査をして決定するというような仕組みは若干ありましたけれども、今回のように研究者全体について1年間の業績について評価するというのは、独立行政法人になって中期目標をお示しいただき、中期計画を定めたことによって初めて実施するという運びになったわけでございます。
 この結果がいかなる波及をもたらすか。プラスになるかマイナスになるかというのは、私どもとしても実は両面ある面があるとは思いますけれども、加藤先生のご指摘のように、いい方向にこれが向くような運用ということを心がけなければならない、つまり努力したことがこういうことで評価されるというような仕組みに、できるだけ持っていきたいなという思いでやってはおります。
 したがいまして、さっきのご指摘にもありましたように、単に目標に対して達成度を評価するということよりは、その目標設定の際にも面接委員を複数定めまして、その目標設定の際に自分の考えを他人に聞いてもらって、そこで議論をするということを重視する方法です。また、1年度終わったときに、その目標を達成できたかどうかということについても面接委員とまた議論をして、評価される側もある程度納得した格好で最終的な評価をしてもらうことにしています。それをもとに給与等に反映させる仕組み、具体的に申し上げますと、ボーナスの業績手当分と言っているんですけれども、それの審査でありますとか、それから特別昇給でありますとかに、そうした業績評価の結果を反映させるということにしたという意味では、全く新しいシステムでございます。繰り返しになりますけれども、これが所内の研究者の意欲向上につながるようにうまく運営したいと考えています。報告書に盛り込ませていただきますので、また先生方のご批判も伺いながら、適切に運営していく所存でございます。

【松野委員長】 よろしいでしょうか。今確かにほかの個々の研究プロジェクトに関しては、外部評価委員からかなりのレポートが出ていて、その全体を見て我々は活動に対して、今の個人の業績評価等は別にそういうものはないわけですから、その評価のシステムそのものとその実施状況ですか、それはかなり詳しくこちらにお知らせいただいて、それで我々の考えを述べるということになると思います。
 たまたま私も地球フロンティアという、基本的には1年契約の研究員だけのものができまして、評価というのは大変難しいものですが、しばらく延び延びになっていて、一昨年が試行で去年やっと本当にということで、やはり何段階かに分けて、たしかアウトスタンディング、外国人がいますので、アウトスタンディングとエクストラントと、それからグッドだったか、それからニードインプルーブメントとプア、プアだったら、もう翌年の3月で任期満了と、契約更新しないと。ニードインプルーブメントが2回続いたら契約更新しないとか、逆にアウトスタンディングが2回続いたら、ポスドクが普通の研究員ですか、研究員に一種の昇格をすることができると、そういうふうな、あるいは特別昇給に相当するような給与の増加とか、そんなことを決めて、それをあらかじめこういう基準でこういうことをやりますと。それは給与とか、雇用に関しては、こういうふうに反映しますということを、みんなに研究員全員に知らせて行ったという、そんなことを経験しまして、同じようなことを皆さん、ここでもいろいろとやっていらっしゃるというふうに感じました。多分そういうことをほかの方とも、会社なんかでやっていらっしゃることと照らし合わせながら見ていくんだろうと思います。どうかよろしくお願いします。

【鈴木委員】 よろしいですか。
 二つあるんですけれど、一つの方は、結局この委員会は中期目標をつくってあって、それが何かすべての軸になっているわけですよね。ところが、実際にその軸に対してどうであるかという評価をやっていくわけですけれども、かなりの人がその軸自身が実はおかしいのではないかと気がついたら、その場合はどうするんだろうという問題が一つの問題。
 第2番目の問題は、我々が評価をする側の人間がSだとか、Aだとか、何とかつけますけれども、つけたことに対する何て言うんだろう、不服が評価される側にあって、それはおかしいという反論をする余地が残されていないのかどうか。それは途中のヒアリングのプロセスで十分やられているはずであるといっても、そう簡単にはいかないだろうと思うんですが、その二つがどうもわからないなと。金科玉条の中期目標なるものは、一体我々はどのようにしてそれに対して手を加えるんだと。

【德田環境研究技術室長】 まず、最初の中期目標とそれから中期計画でございますけれども、これらについては一度決めたら変えることがてきないというものではございませんので、それは適宜変える必要があれば変えていけばいいと、こう考えております。
 それから、……。

【鈴木委員】 それを、適宜云々と言った部分は、具体的にどうやるのという質問が入っているわけですよ。

【德田環境研究技術室長】 それは評価委員会の場でそういった議論が行うことができるわけでございまして、具体的には明らかなのは、中期目標に係る業務の実績に関する評価を5年ごとに行うわけですが、それを行ったときに次の中期目標をどのようにするかという検討が当然ここで行われるわけでございまして、そこの場合には最初の5年間の中期目標がおかしければ、次の5年間の中期目標に適宜反映させる、これも明らかに行われる。
 最初の5年間の中期目標を途中でどう変えていくかというお話でございますが、それは確かに明記はしてございませんが、この評価委員会の場でそういったご指摘をいただけば、それに基づいて検討を行って適宜修正をすると。それはもちろん中期目標であれば、大臣が示すものでございますから、それなりの手続は必要でございますけれども、そういうものを閉ざしているわけではございませんで、それは可能でございます。
 それから、二つ目の反論ができるかどうかというところでございますが、これは評価委員会の場で評価をするわけでございますけれども、その評価委員会が評価をする際には、各研究所の方から実績報告の説明がなされるわけですね。それで、説明がなされたときに必要に応じやりとりが行われる、質疑応答が行われると。その場で反論というわけではございませんけれども、研究所の考えているところは十分に述べていただくことができる。それに基づいて評価したS・A・B・C・Dというものについては、それはさらにそれを研究所がおかしいというようなことを言う場というのは、これはございません。評価委員会で決めるということを、これは法律上なっておりますので、救済措置というのは特にないということでございます。

【森下委員】 このやはり新しく個人を評価するということが、これが新しいことだと思うんですけれども、個人を評価する場合に、接見をして評価する。すごくよくわかるんですけれども、研究者の中には接見をして評価を受けるよりは、紙で評価を、書いたもので評価を受けたいとか、それから個人個人で評価を受けるよりも2人とか3人とかいう、そういうグループで評価を受けるとか、そういうようなことを選べるようにはできないんでしょうか。全部が個人で評価を受けるんではなくて、多分どうしようもなく引っついてないと評価を受けられないというようなこともあるんではないかなと。
 それから、もう一つは、言葉でそういうことを証明するよりは、文章に書いて、これ審査してくださいという方が、より何か日本的な感じがするんですけれども、そういうことも残されて、それぞれの分野の人たちが一番ストレスを感じない方法で評価を受けることを選んでいくというような、バラエティーがあってもいいんではないかなというふうに、この研究については思いますが。

【斉藤国環研総務部長】 職務業績評価でございますが、研究所の研究分野がすごく多様でございまして、いろいろな専門分野の方がおります。必ずしも上司の方がその下の研究者と同じ専門分野でもないし、論文も余りその辺の状況がよくわからないこともございますので、先ほど理事長が話しました面接委員、これは面接委員を研究者が推薦する、評価をしてもらう人がこの人にしてもらえばわかる、これは一番自分の論文分野に近い室長さんとか、隣のプロジェクトのリーダーとか、それから自分の領域長とか、これのリストを提出いたしまして、それに基づいてユニット長が指定するという形をとっております。ですので、1人の場合もございますし、3人ぐらいでやられるということもあります。そこは基本的にはご本人のご要望を尊重して指定をしていくという考え方でございます。
 それから、面談だけですとやはり正確になりませんので、面接カードというものを用意いたしまして、そこに面接のときの職務目標として、ことしはここを、例えば何報を出し、こういう雑誌に出したいとか、こういうプロジェクトでここまできわめたいとか、こういうのを個別に書いて、それについてもし業績上のリストがあれば、また別途添付していただくとか、一応後でそこの正確さも確保できるような、これを基本的なツールとして、これを面接委員からユニット長に、そしてユニット長から理事長にということで、全体がコメントをしながらいい指導ができるようにといたしています。上訴も当然理事長に対して何かあれば直接上訴できるという手続を認めておりますが、今のところそういうケースはないのですが、一応そういう道も開けて、また制度の給与への反映なんかにつきましても、所員に集まっていただきまして説明会もやり、そういう中で十分議論をしながら、不満があるかどうかなど所員の意見を聞きながら仕組みを決めておりますので、何とか今のところ動いておるかなと思っております。

【松野委員長】 どうもありがとうございました。
 今のは、やはり今までと違って研究者の個人の業績評価というのは新しい要因であるということをみんなが感じていますので、今度の仕組みについての我々の意見を言うときに、さっきのようなものを事前にいただけるのではないかと思いますが、とりわけ今の問題、皆さん関心が深いので、もう既に行われていることと思いますので、仕組みを書いたものと、それから実施状況ですか、さっき具体的にお話のあった面接委員を置いて、ことしについては何月何日にどんなふうにしたとかという、どんなぐあいかわかりませんが、その状況がわかるようなものを事前に資料をいただいておけば、多分今度の6月に我々も非常にやりやすくなるかと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。

【德田環境研究技術室長】 すみません。先ほどの鈴木先生のご質問に対する補足的な説明をさせていただきますが、独法の通則法という法律がございます。それの29条で、中期目標についての記述がございまして、そこで主務大臣は独立行政法人が達成すべき業務運営に関する目標、すなわちその中期目標を定めるとしておりますが、それを変更もできると。その変更するときには公表しなければならないという規定がございます。
 それから、同様にその中期計画につきましても、通則法の30条で、独立行政法人は、中期目標を達成するための計画、すなわち中期計画を作成して、主務大臣の認可を受けなければならないと。そして、それを変更しようとするときも同様である。つまり変更しようとするときも主務大臣の認可を受けなければならないということになっております。それぞれにつきまして、主務大臣は評価委員会の意見をあらかじめ聞かなければいけないと。中期目標とか中期計画を変更するときには、変更の認可等をするときには、評価委員会の意見を聞かなければならないということになっておりますので、明らかに問題があるというときには、評価委員会からその旨言っていただければ、変更することが可能でございます。

【松野委員長】 すみません、ちょっと私、それでやはり疑問だったのは、つくるときにはこれは必ずないからつくらなければいけないので、大臣は必ず意見を聞いてきますけれども、変更するときはこっちは変更した方がいいと思っているのだけれども、向こうにその気がなかったら聞いてこないですよね。ですから、ここから言い出すという仕組みがあるかどうか。これはどうも普通に考えたらないんだと思いますけれども。ですから、それをさっき鈴木委員は心配しておられたと思うので、それはどう対応できますか。それはどう対応すればいいのでしょうか。

【德田環境研究技術室長】 それは、事実上はご指摘がなければ、我々の方から意見を聞くということはないのかもしれませんが、意見を聞かせていただくということになると思います。

【鈴木委員】 今のは議事録にちゃんと残しておく。

【合志国環研理事長】 研究ということでありますので、その研究所あるいは研究機関のそれなりの見通しというものを考慮せずに目標・計画が正確に定められるとは考えられません。十分なインタラクションをさせていただきたいと思っております。また、現にいろいろと意見交換はありましたので、今後そういうふうにして進めさせていただきたいと思っております。

【佐和委員】 主としてこの資料2の別紙に関する質問なんですけれども、これは全体として一つが業務運営の効率化に関する事項というのと、サービスその他の業務の質の向上に関する事項というふうに出ておりますよね。
 例えば一例を挙げますと、その1、効率的な組織の編成の一番冒頭に、重点化した研究プロジェクト体制の整備状況と書いていますね。これは何のことかよくわからないんですけれど、こちらの細かい字のあれを見ますと、重点化した研究プロジェクトを確実に実施するための体制の整備と書いていますね。つまりこれは制度面なり、あるいは組織面できちんとそういう対応ができているかどうかということのようなんですね。そして、今度次の2の(3)のアのところに、重点特別研究プロジェクトとして、ここでは実施状況とか成果の評価をやっているわけですね。
 ところが、私が思うのは、この組織の編成が効率的かどうかというのは、これは制度がどうなっているかとか、仕組みをどうしているかということもさることながら、あるいは仕組みAと仕組みBがあって、どっちがすぐれているかという評価は、成果を見ないとわからないわけですよね。つまり、どっちが制度として、仕組みとしてよかったのかというのは、結局成果を見て初めてわかるわけですよ。そうしないと、アプリオリーにこの制度の方がすぐれているとか、あるいはこういうふうな重点配分のやり方の方がすぐれているとかいうことは、アプリオリーには言えないわけですね。それで、重点配分した結果、例えば物すごいお金をある研究テーマに出したにもかかわらず、さっぱり成果が上がらなかったというような、つまり要するにあくまでやはり結果主義になったと思うんですね。あるいは成果主義というんでしょうか。成果を見て初めてその制度や仕組みや組織のよしあしというのは評価できると思うんですが、何かこれを拝見する限りでは、この1の効率化に関する事項というところでは、何かアプリオリーにすぐれた制度とよくない制度、あるいはすぐれた、そしてよくない組織であるかのような書き方になっているけれど、この辺についてはいかがなんでしょうか。

【德田環境研究技術室長】 確かに成果を見ないと、体制がすぐれていたかどうかということは言えないのではないかというご指摘もわかりますけれども、他方でその中期計画でこういった体制の整備をしていくというような記述が、既になされておるわけでございまして、それに従って体制整備が行われているかどうかという点についても、評価をする必要はあるのではないかというふうに思うのです。

【佐和委員】 目標の中にこういうふうな体制を、制度をつくりますとか、そういうことが書かれていて、それがきちんとやられているかどうかということですか。

【德田環境研究技術室長】 そういうことです。

【佐和委員】 それが効率的ということなんですかね。

【德田環境研究技術室長】 いや、ですから効率的な組織の編成で……。

【佐和委員】 効率的というのは、普通、通常、日常言語として使われるときには、費用対効果ですぐれているというふうな感じに使われているんですよね。だから、効果がやはり問題なんですよ、あくまで。何か費用を削減するようなのが随分書かれていますけれども、それはそれですけれどもね。

【德田環境研究技術室長】 そこのところは大変恐縮ですが、それこそ先ほどの議論ではありませんが、中期目標、中期計画に定められておるわけでございます。効率的な組織の編成あるいは効率的な業務運営体制の整備と。実はそれにあるというところ、それが問題だとおっしゃればそれをどうするかということに……。

【柘植委員】 ちょっと意見ですけれども、佐和委員のおっしゃるところはそれが上位だと思うんですね。やはり結果を見ないことにはその重点投資とか、もう……。一方では、ここで多分言われている効率的な、あるいはプロジェクトがきちっと動くかというのは、これはある程度我々いろいろな組織で成功例、失敗例があって、その失敗例が成功例のもののように変える余地がまだあるのかないのか。例えば効率的な研究組織と見たときに、やはり少しでも階層を減らしていくということは、これはいい方向であることは確かだと思うんですね。そういう面での整備とか、あるいはプロジェクトというのをよく私どもの方でも失敗するのは、ラインとのどっちが人事考課にするのかというような、どうしてもラインの方が強くて、結局プロジェクトをやったといえども、プロジェクトマネージャーというものの権限と責任があいまいのままで進んでしまったために、結局成果が出てこなかったという、結局それは何かというと、プロジェクトマネージャーに予算権限もそれから人事考課も含めて、そのプロジェクトがある限りは研究室からは切り離して与えている、そういうある程度ゼネリックな、今までの我々の失敗に基づいた整備といいますか、この言葉を借りますと、整備とか、そういうものはやはり結果を見なくても何が改善すべきかということはわかる。そういう意味で見ればやれるはずなんで、多分両方あるのではないかなというふうに思うんですけれどもね。ここで言わんとしているのは、私が今言ったようなことかなというふうに理解するんですけれども、そう德田さんは理解しておられるでしょうか。

【合志国環研理事長】 今のご質問でご指摘の点というのは、やはり独立行政法人という全体のシステムが研究機関に適切かどうかということが基本的にはあると思います。ですけれども、その問題について現時点で議論をすることは大変難しい。我々も非常に矛盾を感じながらやっているわけであります。評価をしていただくところは多数ありますが、個々の評価の機械的平均として総合評価をしていただくのではなくて、包括的に見ていただきたいと思います。私どもとしてはその辺の問題点をそこにえぐり出しながら、ご評価いただければというふうに思っております。

【斉藤国環研総務部長】 ちょっと補足させていただきますと、今の組織の重点的な編成というところは、佐和先生がおっしゃったように、形だけではなくてそれがうまくワークして成果に結びつくと、ここが非常に大事だということで、組織再編の前に随分議論しまして、その柘植先生のおっしゃったプロジェクトとそれからラインですね、ここをどうするかというところなんかも随分議論しまして、そこは人事上のいろいろな工夫をしました。例えば、プロジェクトリーダーが基本的にはライン長も兼ねるようにして両方の責任を持ってエゴが出ないようにするとか、プロジェクトから研究者が流動的に戻れるようにする、プロジェクトに出てしまってあと戻れなくなるとみんな行きたくないとか、こういうことになりますので、そこの辺がうまくいくような人事配置上の工夫とか、いろいろな配慮もした上で組織を運営しておりますので、この辺のところの工夫もあわせて、ご報告をさせていただければと思います。

【佐野委員】 よろしいですか。今のことで、私どもの場合は非常にビーイング な会社なので、研究所体制も結果が出ないと非常に早く変えられるんですね。やはりおっしゃったとおり、結果責任というのは非常に重要だというのは、我々民間企業は株主その他に対して責任があるんで、非常にシビアに見ているという状況なので、この最初の組織ができて成果が出るまでにいろいろなこの問題点も出ると思うんですね。そういう場合には敏感な対応をしていくと、今おっしゃったような、これをぜひやるべきであるというふうに考えます。
 それから、私は管理部門なものですから、定量的な面でちょっと質問があるんですけれども、この業務運営の効率化という部分では、この評価書を埋めるように足る十分なデータは出てくるわけですね。財務諸表以外に個別にここに項目が出ていることについては、中期目標が幾らで当年度はどうだと。あるいは前年度に比べてどうだとかを含めて、評価しやすいデータはきちっと出てくるという前提で理解していてよろしいんですね、もちろん。

【斉藤国環研総務部長】 今、決算作業中でございますが、評価の材料となるデータはできるだけ広く出したいと思っております。ちょっとまだ数字がまだ固まっておりませんのですが、極力明確かつ具体的にご説明できるようにしたいと思っております。

【高木委員】 先ほどから整備というふうなところでいろいろご意見があるようですけれども、やはりこのニュアンスとして入っていたとしても、この整備という言葉というのは極めて静態的な観点からの見方というようなことですので、もう少し動的な観点を入れたところでの評価でないとならないということから、それを明確にするために、提案ですけれども、この整備運用という言葉でこのところを表現されるということを提案したいかと思います。
 それから、次は意見でございますけれども、総務省の方から出ましたペーパーにある各それぞれの独法評価委員会の評価基準、これに当たるのがこの基本方針及び個別の評価項目とが一体となっているペーパーということなんでございますかね。

【德田環境研究技術室長】 総務省の今どこをごらんになったのでしょうか。

【高木委員】 いや、総務省の方のではなく、委員会の方で各省の評価委員会の評価基準に則って、各省の評価委員会が評価しているかどうかということを見ますよというふうになっているわけですね。そこで言う評価基準に相当するものがこのペーパーなのかということなんです。

【德田環境研究技術室長】 いや、そうではございません。

【高木委員】 それは、またつくるということですか。

【德田環境研究技術室長】 いや、それはつくられません。それは、ですから各省に任されているんですね。評価基準をつくるのは各省に任されておりまして、それについて総務省が何か言うという仕組みにはなってなくて、各省……。

【高木委員】 いや、その評価基準は委員会の方には提示されないんですか。

【德田環境研究技術室長】 総務省の評価委員会にですか。

【高木委員】 いえいえ、この環境省の独法評価委員会としての評価基準です。

【德田環境研究技術室長】 すみません。これは言葉がちょっと混乱しているかもしれませんが、資料の2が基本方針というふうに書いてございますけれども、中をごらんいただきますと、評価基準というのがございます。したがいまして、この資料2が環境省の評価委員会の評価基準であると。

【高木委員】 ということですね。ということで、この点について意見を述べさせていただきたいと思うんですけれども、言わばこの評価基準というのはローカルのスタンダーズというふうに言えると思っているんですけれども、ではその環境省の、特に国立環境研究所の評価を考えるといったときの、そのローカル性というのは、私はこの研究所が極めて国家戦略的な領域も研究対象に入っていると。それからまた、基礎的な部分も研究対象に入っているというところが、他の研究機関たる独法と少々異なる部分ではないかなというふうに感じておるんですね。そういった意味で先ほど理事長がおっしゃられたようなこういうような機能を果たす部分が独法というのがふさわしいかどうかという感も実は持つところなんですけれども、それはそれとしまして、そのような特殊性と申しますか、相違性を有しているということからしまして、そういった部分をとらえてどのような評価のやり方を考えるかというのが、私はこの委員会としてはかなり重要なのではないかなというように感じるところなんですが、その辺のところも今後この方針の中に盛り込まれるような検討が、この委員会として行うことが適切ではないかなというふうに思いますので、意見として申し上げさせていただきます。
 それから、あと具体的な項目のところで、これまで2回の委員会には出席できなくて、今さら申し上げるのは申しわけないんですけれども、人材育成という観点が盛り込まれてないように思うんですが、研究機関としてその人材育成という観点というのは必要ないんですか。私、研究機関のことよくわかっておらないものですので、これは質問なんですが。もし必要であるというふうなことであれば、そのような観点も評価項目として入っていないとならないんではないかなというふうに思うところなんですが。
 以上でございます。

【合志国環研理事長】 とりあえず西岡の方から。

【西岡国環研理事】 今皆さんのご意見をお伺いしておりまして、ここでは評価項目が書いてあるが、評価基準というのは実は書いてない。この委員会でおっしゃるように、多分そこで議論を大いにしていただきたいところだなと思っております。それが第1点ありますが、その中でなぜではその人材の話がここで出てこないのか。まず先に申し上げますが、私ども人材のこと非常に大切だと思っております。何度も申しますけれども、研究というのは人ですから、しかもそれは研究がずっと持続的にいくためには、今のプロジェクトだけではなくて、それを通じてどうやって人を育てていくかということに非常に時間を割いて考えております。
 また、システムといたしましても、業務評価個人カードをベースにした業務評価の対話をベースに、領域長がちゃんとそういう人を育てるために時間を与えたり、あるいは資金を与えたりしているかということも領域長評価に入れるつもりで考えております。そのほかに個人的に表彰する制度もつくったりしておりますし、それからまだ十分システムとしてできてないんですけれども、そのキャリアデベロップメントについてもいつかつくろうと考えております。
 ですけれども、残念ながらこの評価項目ではそれが書かれているところは、人材の効率的な活用のところで業務評価制度の導入、それもあるかないかという判断だけです。定性的な意味についてはなかなか書きにくいシステムになっているというのが私の感想です。私が今申し上げたのはそういう人材のことについては非常に重要に考えているということです。

【斉藤国環研総務部長】 今の点については、人材の活性化というところで適切な配置を述べており、研究者の適材適所の組織でいろいろ成長を図るとか、この人材の効率的な活用のところにもその趣旨は込められていますので、ご報告もまたそこで実績報告の中でしてまいりたいと思います。

【松野委員長】 もちろんさっきもお話があったように、中期計画の項目よりもこれは詳しく視点ということですから、どういう点で評価をやっていくかということなので、この付表みたいなものもここで別に追加してもいいんだろうと思いますので、高木委員のご指摘のありました人材育成について、どういう制度を取って、どういうことをやっているかということについて、ご報告いただくというふうにしてよろしいですか。これは人材の活性化状況という、もちろんその中でも読めますし、むしろ積極的に人材育成のポリシーと制度ということで、ご報告いただきたいと思います。そういうことですよね。

【合志国環研理事長】 それに従って進めさせていただきます。若干、私たちの意図を説明させていただきます。私どもが新しい組織をつくりましたときに、研究領域という組織と、それからプロジェクトという組織に分けたところが、一番根幹をなしております。して、すべてプロジェクトにしてしまえというご意見もありましたけれども、その場合に継続的な人材育成という点で、非常に問題が起こるという認識がありまして、現在のような組織、二つの組織を重ねながら動かすということにしたということです。これが、非常に大きな根本的な我々の概念、考え方であります。
 あと具体策はいろいろございますけれども、それはまたご報告できると思います。

【坂本委員】 今のその人材の効率的な活用とか、効率的な組織の編成、これに関係するところになろうかと思うんですが、従来ですと、テクニシャンがいましたですね。それで、今回、研究支援要員的なところがどういうふうな形で今、実は効率的にやろうとしたら、かなり高度な技術を持った人が、組織の中に体系的に整備されていかないといけないと思うんですが、そういったところについては、今ここで見る場合、余りはっきり見えてないかなという気がするんです。これは多分この委員会のときの前に申し上げたと思うんですが、結局技官の待遇改善のためにかなり研究員に以前は切りかえていったと。本当は待遇改善は別の方法でやって、やはりそういう形の研究支援をする高度な技術を持つテクニシャンをやはり継続的につくっていくような形をしないと、研究が効率的にはやはりできないのではないかなという気がするんですが、その辺ちょっとどこかで触れていただけないのかなという気がいたします。

【森下委員】 いいですか。環境という一つのまだはっきりとわからないような、何が評価にいいか、評価ができないような問題をこれから解決していくときに、多分効率的な人材という分野でなくて、その部分は適正な人材とか、何かそういうような形ではないんですかね。
 それから、どうも効率というのに引っかかるような気がするんですけれど、全部が数字になって、その目標に向かって達成するという向学的なシステムの中にその研究というのが入ってしまうと、一体環境の研究は何だろうというふうになってしまうところがあって、環境というのは非常にたくさんの分野のものを、それからまだはっきりと価値観のないところを詰めていくはずだから、その研究に効率的なその……、が余り効率、効率とくると、なじまないような気がするんですけれど。

【松野委員長】 今のことですが、これは別紙、これはこの評価委員会がつくるものですよね。別紙まで含めて。

【德田環境研究技術室長】 そうですね。実際には評価項目のところに書いてございますことは、中期計画に書いてあるものを写しているだけのことなんですけれども、それは変えることはできます。

【松野委員長】 要は、一つは表現ということがあって、これは最初からこの評価委員会のできたときから問題になっていて、独立行政法人というものの通則法ですか、がとにかく研究には必ずしも適切でないものを想定した言葉でものがすべて書かれていると。それで非常に気持ちが悪いと。それ仕方ないからそれで何とか読み砕く……。

【森下委員】 だって、設備とか、何か組織だとかというのは、効率でいかないとしようがないかなと思うんですけれど、……。

【松野委員長】 それで、もう通則法の中に書いてあるのはしようがないんですけれども、我々の手で直せるものは直せばいいということだと思いますので、その点どうですか。もしご提案でここの効率的な組織の編成とか、人材の効率的な活用とか、その辺のところは、特に人材なんかに関して効率的という言葉は、研究機関の評価においてふさわしくないということで、皆さん……。

【森下委員】 本当は研究する人に対して失礼な言い方……。

【松野委員長】 皆さんご意見が一致すれば、それは我々が直せばいいことではないかと思うんですけれども。

【高月委員】 ちょっと追加的に、もし直せるなら、お願いしたいというのが、先ほどのローマ数字のIの方の業務運営のところの話の中に、業務に関する環境配慮というところが大変盛りだくさん書いておられるんですが、私も研究機関におる関係で、ぜひ配慮していただきたいことが、いわゆる研究者あるいは職員の安全という項目なんです。日本の研究機関が諸外国と比べると、非常にそこが弱いものですから、研究者の身を守るという意味合いの、そういう何か体制をぜひ入れていただきたいなというふうに、産業環境も含めまして、恐らくいろいろな特殊な化学物質も使われるでしょうし、バイオのいろいろなこともやられるでしょうし、そういう面での安全対策というのは、研究機関には非常に重要な項目ですので、ぜひそれを含んでいただければと思います。

【大沢委員】 今の別紙の内容に関して若干変えられる可能性があるということであると、いろいろあるんですが、3番の研究の構成というところの内容が、これ一応中期目標をつくった時点での重要な項目ということで、例えば重点特別研究プロジェクトとして幾つか挙がっているわけですが、それから例えば基盤的調査・研究というのは1行だけで、そこで創造的、先導的な調査・研究状況というのが出ていて、ここの部分に期待するんですけれども、やはり研究機関内にいろいろ新しい問題というのが起きてきて、例えば政策対応型調査・研究なんていうところ、これも前に私も意見を申し上げたんですけれども、それはたまたま当面重要なやつを二つ挙げてあるだけだみたいなことで、例えば移入種の問題とか、そういうのはやってはいるんだけれども、ここには挙げてないだけだみたいなご返事があったかと思うんですけれども、やはり対外的に環境研究所の研究が総体としてどのくらい日本の環境政策なり、あるいは環境問題に対して貢献しているかというような問題を考えると、かなりそのウの、例えば基礎的調査・研究という中での新しい問題に対する取り組みの先見性といいますか、そういう問題とかというのは非常に重要だと思うんですが、あらかじめこういうふうに、例えば重点特別研究プロジェクトとしてやっている内容だけについて評価するのではなくて、そういう今後の研究の方向性を示すようなことについての評価というのは、何か積極的にしていくような枠組みというのができないかなというふうに考えますが。

【松野委員長】 どうもありがとうございました。一つは、今の基盤研究というのが、先ほど所長の方からお話があったでしょうか、ディシプリン、その部分がこの1行だけれども、中身はそれだけたくさんどんなことが、今の大沢委員のご質問に対しては、それぞれの基盤の部門でどんなことが行われているかは、全部出てくるわけですね。そうすると、その中でまだこういうところが足りないとかということがあれば、それは今度の評価のときにわかるということだと思います。
 それはそれとして、もう一つは、我々の評価のレポートが、さっき高木委員がおっしゃったのは、静的と動的という表現があったのは、そういうことでしょうか。

【高木委員】 いや、あれは整備という言葉が、静的な表現だというふうに申し上げました。

【松野委員長】 こういうふうにした方がいいというふうな提案あるいはこういう研究をもっと充実すべきというようなのを、評価の中でどういう表現にできるかということですが、これは先ほどの中期目標とか、中期計画の変更にまで及ぶ場合があるのかないのかわかりませんが、それとも結びつくと思いますが、それはそれぞれの項目の中でそういうもし重要なコメントというか、提案があれば、これは当然評価委員会として出していくことに、当然我々がそう思えばそういう報告を書くことになると思いますが、それはどういうふうにその後対応されるんでしょうか。

【德田環境研究技術室長】 別紙についていろいろご意見をいただいたところでございますけれども、それについてはできるだけ反映をさせていただきたいと思います。まず、その整備状況というところについては、整備運用と、運用を入れるというようなお話がございました。それは入れさせていただきたいと思いますし、それから適切な活用、人材の効率的な活用とか、あるいは効率的な組織の編成というところ、これは実は評価項目のところに書いてございますのは、中期計画の中の中期目標に書かれていることでございますので、なかなか私どもとしては修正しづらいところではございますけれども、この別紙に限って変えるということは、とりあえず可能でございますから、この効率的なというのを適切にとするということはできようかと思います。
 それから、安全について記述をすべきではないか。研究者の安全についてというお話でございますが、これは例えば人材の適切な活用というところの評価の方法・視点のところに加えると、こういったようなことでいけるかと思いますが、ほかにもしここに加えた方がいいというふうなご提案があれば、お聞きをしたいと思います。
 それから、政策対応型調査・研究の範囲等々についてのお話もございました。これらにつきましては研究の構成という欄がございます。研究の構成がこういう構成でよいのかという評価もしていただくところがございますので、そこで見解をお示しいただければというふうに思います。
 以上のように、できる限りご指摘いただいた点を反映させていただきたいと思っております。

【松野委員長】 では、加藤委員、どうぞ。

【加藤委員】 理事長はじめ何人かの先生方が、国立環境研究所のような非常に極めてベーシックな研究をやり、あるいは場合によってはその戦略的な研究をやるところが、独立行政法人という組織に枠をはめられたということが、問題かどうかということは常にあると思います。実は私も呼ばれたこの第1回目の委員会のときに、なぜ独立行政法人というものに国立環境研究所がなったのかというのは、疑問を呈したわけでございますが、しかし今それを議論してももちろんしようがないわけで、独立行政法人をつくる一つの大きな政府、政府といいますか、大きな眼目は効率化ということだろうと思うんです。そもそもですね。ベーシックな研究を効率化という枠組みで枠の中にはめ込むことがどういうことかということだと思うんですが、ただそもそも独立行政法人化のそもそもの国立環境研究所であろうとなかろうと、どこであろうと、効率化というものが一つの眼目であるとすれば、効率化という言葉は外せないと。法律を変えない限り外せないんではないかなと、今思うわけですね。
 ですから、この別紙の項目に、例えば業務運営の効率化だとか、効率的な組織の編成とか、人材の効率的な活用とか、財務の効率化とか、効率的な施設の運用とか、至るところに効率化という言葉が出てくるのは、そもそも法律の基本がそこにあるからということになるんだろうというふうに、私は理解しておるわけです。
 ただ、だからといって私どもがこの研究所の本来の使命なり性格なり、そういったものの重要さ、それから例えば佐野先生のところでやっていらっしゃるような民間企業での、例えば研究機関のと、また微妙な違いとか、製品開発みたいなことを主としていらっしゃる企業の使命と、そもそも温暖化がどうなのかとか、温暖化のインパクトがどうなるのかなということを研究するところと、全然性格が、全然かどうかはちょっと別ですが、私からすればかなり性格が違うものですので、やはり安易に効率化という言葉をちょこちょこといじったってしようがないと。むしろ本腰を据えて、私どもはここで効率化というものは何を意味するのかと。国立環境研究所にとって効率化とは一体何かということを、本格的に折にふれて議論をしていって、そしてそれがこの評価項目の中に反映すると。単に字面だけ変えれば、効率化を適正化に変えればいいというものでは、恐らくないのではないかなというふうに思っております。そういう意味で先生方がいろいろと出された意見というのは、私もほとんど全く同感いたしておりまして、言わばもう一度繰り返して恐縮ですが、単に効率化という言葉をほかの言葉で置きかえるよりは、むしろその精神みたいなものをきちっとしっかりと私どもが性根を据えてこの評価に当たるということの方が大事なような気がいたします。

【松野委員長】 どうもありがとうございました。
 いろいろなご意見が出てきたんですが、一つは、前は議論があったんですが、今回まだちょっと意見が出てないのは、今の評価のカテゴリーですね、S・A・B・C・Dですが、これは今ここでこれを我々が、案が出てもいますが、このとおりでいいかどうか。もし足りなければ、もし不十分だったら、これはこうするということで、これは決めなければいけないことですが、これについてご意見ありますでしょうか。多分前の予備的なディスカッションでは、Sというのはなくて、予期以上の成果が上がったときは、それはそれとしてちゃんと別段のカテゴリーをつくるべしというご意見がありまして、それを反映していますから、多分これは非常によかったと思うんですが、今のところでこの分け方についてのご意見はありますでしょうか。よろしいでしょうか。
              (「はい」と呼ぶ者あり)

【松野委員長】 そうしますと、あと今この案と書いてあるものの中での修正になるようなことを、今までのご意見の中はどっちかというと、実際に当たるときの考え方とか、今度資料を出していただくときに、こういう資料をいただきたいとか、そういったようなことが多かったので、この基準に関して、規則に関してこういうふうに修正すべしというのはなかったと思うんですが、よろしいでしょうか。
              (「なし」と呼ぶ者あり)

【松野委員長】 それでは、今のこの資料2の基本方針(案)というのは、この当初の案をそのままこちらで今回定めて、これをもとに実際の評価を行っていきたいと思います。
 それでは、まずこの点に関してはそういうことで決定したいと思います。どうもありがとうございました。
 それでは、次にほかに。きょうはもうこれが仕事、仕事というか、我々のやるべき主要議題だったんですが、ほかに何かありましたでしょうか。今後のこれに基づいて今度これから具体的にどういうふうにやっていくかとか、この辺の予定等を教えていただきたいと思います。

【德田環境研究技術室長】 先ほどの資料2につきましては、別紙につきましては幾つかご意見をいただきましたので、座長と委員長とご相談していただいて、適宜修正をさせていただきたいと思います。
 それから、資料5でございますけれども、今後の予定を簡単に書いてございます。6月12日に次回の評価委員会をお開きいただきます。ここで国立環境研究所から業務実績報告書、昨年度の実績報告書についてご説明をいただきまして、その後6月下旬から8月にかけまして、第7回の評価委員会を開いて、そこで13年度の業務実績の評価を行うと、そういう予定にしてございます。その後、10月ごろに14年度、本年度の業務の中間報告をしていただくと。それ以降は来年の春から夏にかけまして、同様に14年度の実績の評価を1回か2回か評価委員会を開いて行っていくと。したがいまして、年に2~3回程度、春から夏にかけて1回から2回、秋に1回と。合計して年に2~3回程度経常的に開いていくことになるだろうというふうに考えております。

【松野委員長】 それでは、今度は6月に評価の、それは口頭でいろいろな発表が、事前に何か、さっきちょっといろいろ私、お願いしたこともあったんですが、個人の評価の仕組みですか、そういうふうなものも書いたものがきっとあると思うんで、きょう随分質問が出たんで、そういった事前にいただけるものは事前にいただいて、それから個別の研究成果ですか、プロジェクトの成果等は多分まとめてそのときお話があるのではないかと思うんですが、その辺はどういった手順になりますか。

【德田環境研究技術室長】 事前にお送りできるものは極力お送りしますし、当日になるものは当日書類でご説明をするということになります。

【松野委員長】 では、よろしいでしょうか。

【加藤委員】 1点だけ。戻るわけでは決してございませんが、確認だけでございますが、先ほどご承認がされたと思うんですが、別紙のところに、別紙の業務運営の効率化のところに物品一括購入等による云々というのがあります。当然ながら言うまでもなくこれはグリーン購入法の枠内の中で業務費削減努力をするという、そういう理解でいいんだろうと思うんですが、そのとおりですね。グリーン購入法は、それが前提ということですね。

【斉藤国環研総務部長】 はい、当然グリーン購入は前提とし、その中でできるだけロットをまとめてやりたいということです。

【加藤委員】 安ければいいというものではないということですね。

【浜田国環研理事】 グリーン購入の件については、業務における環境配慮の中でまず述べさせていただく予定であります。その上での結果につかめないという話で……。

【松野委員長】 よろしいでしょうか。
 それでは、きょうはどうもいろいろありがとうございました。
 これで閉会したいと思います。