令和7年度第1回獣医事審議会免許部会・中央環境審議会動物愛護部会愛玩動物看護師小委員会(合同会合)議事録
1.日時
令和7年7月11日(金) 午後2時00分~午後5時06分
2.場所
環境省第1会議室(中央合同庁舎5号館22階)
3.出席者
構成員(50音順、敬称略):浅野明子、磯部哲、市川陽一朗、小田民美、佐伯潤、長田三紀、西村亮平、山川伊津子、横田淳子
外部委員(50音順、敬称略):青山友美、鈴木好美
事務局:農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課、環境省自然環境局総務課動物愛護管理室
4.議事
(1)第4回愛玩動物看護師国家試験及び予備試験の実施について(公開)
(2)令和7年度愛玩動物看護師制度推進に向けた検討事項について(公開)
(3)愛玩動物看護師法第4条第1号に該当する者への愛玩動物看護師免許の付与について(非公開)
(4)その他
5.配付資料
資料1 第4回愛玩動物看護師国家試験及び予備試験の実施について
資料2-1 令和7年度愛玩動物看護師制度推進に向けた検討事項案
資料2-2 愛玩動物看護師就職状況等調査について
資料2-3 新たな国家資格としての愛玩動物看護師のあり方に関する検討報告書
(中間とりまとめ(第2次))・骨子案
資料2-4 (青山外部委員ヒアリング資料)愛玩動物看護師による訪問動物看護について(席上配付のみ)
資料2-5 動物愛護・適正飼養分野における活躍推進のあり方について(概要)
資料2-6 (鈴木外部委員ヒアリング資料)公務員愛玩動物看護師の可能性
~地方自治体一般事務職としての事例~(席上配付のみ)
資 料3、4 愛玩動物看護師法第4条第1号に該当する者への愛玩動物看護師免許の付与について(非公開)
参考資料1 獣医事審議会免許部会・中央環境審議会動物愛護部会愛玩動物看護師小委員会(合同会合)の開催について
別紙 構成員名簿
参考資料2 愛玩動物看護師法条文
参考資料3 愛玩動物看護師法附帯決議
参考資料4 第3回愛玩動物看護師国家試験の合格者について
参考資料5 新たな国家資格としての愛玩動物看護師のあり方に関する検討報告書(中間とりまとめ)
参考資料6 愛玩動物看護師雇用者向けパンフレット「国家資格 愛玩動物看護師 動物のそばで、人のそばで。もっと広がる活躍の場」
参考資料7 愛玩動物看護師ポスター「知っていますか?国家資格 愛玩動物看護師」
6.議事概要
【西村座長】
それでは定刻になりましたので、ただいまから令和7年度第1回獣医事審議会免許部会・中央環境審議会動物愛護部会愛玩動物看護師小委員会(合同会合)を開催させていただきます。
開会に当たり、農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課課長、星野課長から挨拶をお願いいたします。
【事務局(農水省・星野)】
農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課の星野でございます。
開会に先立ちまして一言御挨拶をさせていただきたいと思います。
令和7年度第1回獣医事審議会免許部会・中央環境審議会動物愛護部会愛玩動物看護師小委員会の合同会合を本日開催させていただきます。
委員の先生方におかれましては、大変御多用の中御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。日頃から愛玩動物看護師制度の推進に御指導、御助言をいただいておりますことを改めて御礼申し上げます。
さて、過去3回の国家試験を経まして、令和7年7月1日現在で愛玩動物看護師の名簿登録者数は約2万6千余名ということで、獣医療の現場をはじめ様々な場所で御活躍をされているのはもう御存知のことと思います。
今年度は第4回の予備試験を本年10月5日、国家試験を来年の2月15日として予定をしているところでございます。現在農林水産省、環境省、関係団体が連携をしまして、準備を進めているところでございます。
本日の会合におきましては、第4回愛玩動物看護師の国家試験と予備試験の実施に関すること、愛玩動物看護師制度の推進に向けた検討事項、そして愛玩動物看護師法第4条第1号に該当する方の免許の付与ということで、主に三つの議事を予定しております。
また本日は、お二方、愛玩動物看護師として実際に活躍されている方々をお招きいたしまして、獣医療現場における愛玩動物看護師の職責と役割、動物愛護・適正飼養分野における活躍推進につきまして、それぞれお話を伺う機会を設けてございますので、よろしくお願いいたします。
愛玩動物看護師につきましては、信頼性を確保し、そして獣医療分野、また動物愛護・適正飼養分野両方の面から愛玩動物看護師制度を広く普及していくための御議論をよろしくお願い申し上げます。
簡単ではございますが、開会に当たりまして私の御挨拶とさせていただきます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
【西村座長】
星野課長、ありがとうございました。
会議冒頭のカメラ撮りについてはここまでとさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
それでは、委員の出欠状況について事務局から報告をお願いいたします。
【事務局(環境省・小林)】
環境省の小林です。どうぞよろしくお願いいたします。
委員の出欠状況の御報告に先立ちまして、この7月1日付で環境省側人事異動がありましたので、まず御紹介させていただければと思います。
まず、環境省自然環境局総務課長の近藤、続いて総務課動物愛護管理室長の石川、同じく、企画官を拝命しました小林です。よろしくお願いいたします。
それでは、本日の委員の御出席について御報告させていただきます。
本日、合同部会は獣医事審議会免許部会・中央環境審議会動物愛護部会愛玩動物看護師小委員会の委員10名からの構成となっております。この対面の場に8名の委員、そしてウェブで長田委員に御参加いただきまして、9名の委員に御出席いただいております。なお本日、中山委員は御欠席となっております。
獣医事審議会免許部会及び中央環境審議会動物愛護部会愛玩動物看護師小委員会のそれぞれの定員数の要件を満たしております。このことから、本日の合同会合につきましては会議として成立していることを、事務局から御報告申し上げます。
また、本日は外部の委員をお二方お招きしております。議事2の(2)におきまして、獣医療現場における愛玩動物看護師の職責・役割において、日本愛玩動物看護師会理事(訪問動物看護研究会委員長)の青山友美先生、ウェブからの御参加になっております。青山先生、よろしくお願いいたします。
また、動物愛護適正飼育分野における活躍推進において、世田谷保健所生活保健課主任の鈴木好美様には対面でこの場に御参加いただいています。鈴木様、よろしくお願いいたします。
【鈴木外部委員】
よろしくお願いいたします。
【事務局(環境省・小林)】
続きまして議事録についてですが、後日公開と考えております。議事録は委員の皆様に御確認いただいた後、環境省のウェブサイトに掲載させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
続きまして、配付資料を確認させていただきます。資料一覧の紙を御覧ください。
議事次第、座席表、出席者名簿、資料1から4、参考資料1から7の構成となっております。資料の不備・不足等ございましたら事務局までお申しつけください。
それでは最後に、議事次第に移ります。
本日の議事は大きく四つ、まず一つ目、第4回愛玩動物看護師国家試験及び予備試験の実施について。議事(2)令和7年度愛玩動物看護師制度推進に向けた検討事項について。議事(3)愛玩動物看護師法第4条第1号に該当する者への愛玩動物看護師免許の付与について。(4)その他となっております。
(3)の議事は非公開となっております。議事(2)と議事(3)の間に休憩を挟みますので、傍聴者の方々はその間に御退席のほうお願いいたします。
事務局からは以上です。
【西村座長】
それでは議事2(1)第4回愛玩動物看護師国家試験の実施について、事務局から報告があります。事務局から説明をお願いいたします。
【事務局(農水省・鴨川)】
農林水産省の鴨川と申します。よろしくお願いいたします。
お手元の資料1を御覧ください。第4回愛玩動物看護師国家試験及び予備試験の実施について御説明します。
第4回愛玩動物看護師国家試験予備試験を令和7年10月5日日曜に、第4回愛玩動物看護師国家試験を令和8年2月15日日曜に実施の予定です。
実施地は、予備試験、国家試験どちらも同じで、北海道、宮城県、東京都、愛知県、大阪府、広島県、福岡県の全国7か所を予定しています。
受験申込は、予備試験が令和7年7月1日火曜から7月31日木曜まで、国家試験が令和7年11月4日火曜から11月27日木曜となっています。
合格発表は、予備試験が令和7年10月28日火曜、国家試験が令和8年3月13日金曜となっております。
今回も、主務省と動物看護師統一認定機構が連携して対応していきたいと考えております。
備考として、予備試験は実務経験がある現任者等が、講習会を受講した上で国家試験前に受験します。国家試験は学校等において必要な知識・技能を習得した者と、予備試験に合格した現任者が受験することとなっています。
次に、参考資料4を御覧ください。
前回の合同会合において、第3回国家試験の結果について御報告しておりましたが、その後受験者数及び合格者数に修正がありました。受験者数は5,736名、合格者数は5,048名にそれぞれ1名減いたしました。合格率88.0%には変更はありません。
以上です。
【西村座長】
事務局からの御説明について、御質問等ございましたらお願いいたします。
【磯部委員】
合否判定って結構大事なことだと思いますが、人数が変わるというのはどういうことですか。
【事務局(農水省・鴨川)】
こちらは、機構に対し、養成所から1名卒業の取消しという連絡があったと連絡を受けております。
【磯部委員】
ということは、事後的に受験資格を喪失したから、受験者数から除いたという趣旨ですか。
【事務局(農水省・嶋倉)】
はい、そのように報告を受けております。
【磯部委員】
分かりました。
【西村座長】
ほかにございますでしょうか。受験は卒業する前に、卒業認定を受けて試験を受けて卒業するという流れですよね。だから認定を受けているが卒業できなかった、しなかったのかできなかったかという人が1名いたということの理解でよろしいでしょうか。
【事務局(農水省・嶋倉)】
そうですね、基本的には国家試験受験後の合格発表の前に卒業の確定を行って、合格者の決定、受験者の決定を行っていますが、今年合格発表後に受験資格の取消しという事案が起きましたので、遡って受験したことを、受験した事実がなかった、受験者数と合格者数から1名ずつ減らしたという形になります。
【西村座長】
それでは、次回試験の実施状況等については、今後の合同会合において改めて報告をお願いいたします。
それでは次の議事に移ります。議事2(2)令和7年度愛玩動物看護師制度推進に向けた検討事項についてです。全体の流れとしては、最初に全体の四つの柱の説明をいたします。続いて獣医療での責務・役割について説明があってヒアリング、質疑応答、その後に動物愛護適正飼養の説明とヒアリングがあって、そこにまた質疑応答をしていただくという流れになっております。
それでは、事務局は説明をお願いいたします。
【事務局(農水省・鴨川)】
お手元に資料2-1を御用意ください。資料2-1から2-3を使いますが、まずは資料2-1から御説明いたします。
資料2-1、令和7年度愛玩動物看護師制度推進に向けた検討事項(案)です。こちらは昨年度まで実施したものを更新し、座長と御相談して今年度の実施予定事項を記載した資料となっています。
左から、国家資格の信頼確保、獣医療での職責・役割、動物愛護・適正飼養分野における活躍推進、養成・資質向上の四つの柱に分けて、令和4年度から検討をしてきています。
昨年度までは、国家資格の信頼確保に関しては、国家試験の実施、行政処分の基本的な考え方を取りまとめて免許の付与の検討を行ってきましたが、今年度も同様に行っていきます。
獣医療分野の職責・役割については、令和5年度に愛玩動物看護師の制度のあり方に関する中間とりまとめを報告、昨年度は職業実態調査として登録している全ての愛玩動物看護師を対象とした2年に一度の現況調査を行いました。また、毎年実施するものとして、卒業生の就職状況、在籍調査も行っています。
本年度、令和7年度ですが、特に制度のあり方について、飼養者との信頼関係構築や生涯教育について検討させていただきたいと考えております。
1枚おめくりいただきまして、資料2-2、愛玩動物看護師就職状況等調査についてですが、今年で3回目でございまして、今年も愛玩動物看護師養成校において卒業生の就職先、各学年の在籍者数調査を行います。既に養成校から調査票を回収し、現在取りまとめをしています。次回の会合で結果を共有したいと思っています。
もう1枚おめくりいただきまして、資料2-3、新たな国家資格としての愛玩動物看護師のあり方に関する検討報告書(中間とりまとめ(第2次))の骨子案です。令和6年3月に取りまとめた内容に、先ほどお話しした飼養者との信頼関係構築や生涯教育について追記したもので、黄色ハイライトで変更点を示しております。こちらにつきましては、後ほど改めて御説明いたします。
【事務局(環境省・後藤)】
では、資料2-1にお戻りいただけますでしょうか。
環境省、後藤です。よろしくお願いいたします。
資料2-1右の2本の柱について概要を御説明いたします。動物愛護適正飼養分野における活躍推進については、昨年度からのものを継続し検討しております。
検討内容につきましては、動物愛護管理行政への登用と、民間企業における職域拡大になっております。こちらは後ほど資料2-5を用いながら、取組内容について御説明させていただきます。
資料2-1の一番右、養成・資質向上については、前回の会合でも委員の先生方から様々御意見いただいたところでございます。こちらを受けまして現在獣医師、愛玩動物看護師の関係団体でどのような認定制度や研修制度が行われているのか、また予定されているのかの把握に取り組んでいるところですので、結果等は次回の会合で御報告できればと考えております。
また前回、この一番右の柱で用語の使い方についても御意見いただいたところでございます。今後は卒後ではなく、生涯教育という言葉を使っていければと考えております。
事務局からは以上になります。
【西村座長】
ただいまの事務局からの説明について、御意見、御質問があればお願いいたします。
それでは、先ほど申し上げた獣医療分野における愛玩動物看護師の職責・役割に関連し、令和5年度に取りまとめた新たな国家資格としての愛玩動物看護師のあり方に関する検討報告書(中間とりまとめ)について新たな内容を追加し、第2次案として取りまとめてはどうかと考えて、本日は骨子案を用意しました。
事務局から説明をお願いいたします。
【事務局(農水省・鴨川)】
資料2-3を御用意ください。座長から御指示いただきまして、新たな国家資格として愛玩動物看護師のあり方に関する検討報告書(中間とりまとめ(第2次))案の骨子案を御用意いたしました。
これまでの合同会合の議論を踏まえ、特に飼養者との信頼関係構築の重要性と、愛玩動物看護師の生涯教育について、現行の中間とりまとめに記載していた内容を深掘りしまして、それぞれ一つの項目として入れていきたいと考えております。本日は骨子案をお示しして、御意見をいただきたいと存じます。
現行の中間とりまとめ・骨子からの変更点を黄色ハイライトでお示ししております。簡単に御説明をさせていただきます。なお、現状の中間とりまとめの本文のほうにつきましては、参考資料5に入れてありますので、必要であれば御参考にお願いいたします。
それでは骨子の説明ですが、まず1番の背景につきましては、「業務開始」を「新たな国家資格である」に変更しています。
2番の愛玩動物看護師の資格と業務については、(1)愛玩動物看護師の地位については変更はなく、(2)疾病にかかり、又は負傷した愛玩動物の世話その他の愛玩動物の看護については、「栄養管理」の後に「指導」を追加しています。
(3)診療の補助、(4)獣医師の指示、(5)愛玩動物看護師の資格と責務については変更ございません。
(6)チーム獣医療環境の構築ですが、本文中にあったその他の獣医療スタッフも含めたものを今回、骨子に入れております。こちらは獣医師でも愛玩動物看護師でもない方々を指しております。
次に3番、良質なチーム獣医療提供体制の整備についてですが、(1)チーム獣医療とはについては変更はなく、(2)チーム獣医療における獣医師の役割に、獣医師の関係にはなりますが、「専門・認定獣医師の認定取得等により獣医師の専門化、高度化を進める環境づくりが重要。」と入れております。
(3)チーム獣医療における愛玩動物看護師の役割については、獣医師の「独占業務」という言葉を具体的にして、「獣医師のみが行う必要がある高度かつ危険な獣医療行為」に変更しています。
また、おめくりいただきまして、看護記録について「適切な実施」とあったところを、「質の向上」としておりまして、質の高い看護記録を基に専門的な看護が継続的に実施されることが必要ということを追加しております。
(4)チーム獣医療における飼養者の役割の重要性については、「していく必要」という言葉を追加しております。
(5)良質なチーム獣医療提供体制の整備の必要性、こちらの後半にあった内容を詳しく記載し、次の4番にしています。
4番、飼養者との信頼関係構築の重要性ですが、(1)愛玩動物や飼養者に寄り添った獣医療の提供について、愛玩動物看護師が飼養者との関係をより意識して、動物の状況の理解や治療方法の選択を補助するなどして、飼養者が安心して治療や飼養管理に参加できる獣医療サービスを提供していくことは、飼養者の獣医療サービスへの信頼性の確保と、獣医療の安全の確保を図るために重要なことであり、またこれは、愛玩動物看護師のやりがいと高いモチベーションを実現し、獣医療サービスの質の向上に資するものとしています。
次に(2)獣医療弱者に対する獣医療サービスについてですが、高齢化社会の進行や愛玩動物の長寿化の影響により、定期的な予防接種や高齢身体機能不全動物に合わせた介護支援などを受けることが困難な方がいらっしゃいまして、これら獣医療弱者と呼んでおりますが、こちらに寄り添った獣医療サービス、例えばこの後お話しいただきます 訪問看護なども挙げられますが、これを提供することで飼養者御自身のQOLの維持向上にもつながり、重要としています。
また、各地の地域社会活動と連携した包括的な獣医療サービスを展開していくことにより、愛玩動物看護師の活躍の場が広がり認知度も増し、獣医師と愛玩動物看護師の社会的地位の向上を実現すると考えております。
次に5番、愛玩動物看護師の生涯教育についてですが、こちらは骨子にはなかったものの、現行の本文の3の(6)に研修の実施については言及がありましたので、前回3月での会合の議論を踏まえて、以下のとおり記載しています。
(1)免許取得後の研修の必要性について、愛玩動物は公的資格を有する専門職として、免許を受けた後もOJT等を行って、技能向上等に努める必要があります。体系的な生涯教育を推進する仕組みづくりについては、獣医師の臨床研修制度、こちらは臨床経験の浅い新卒者などが大学の診療施設や病院等で臨床経験を積む制度のことですが、そういったことも参考に検討していく必要があるとしています。
(2)愛玩動物看護師の専門認定については、獣医療が高度化する中での技能の習得、また専門職としての習熟度評価等も必要となってまいりますので、特定分野に関する深い知識や経験を持つ専門性の高い愛玩動物看護師の養成や、愛玩動物看護師の専門認定制度の構築について、人の医療の看護師のほうの資格認定制度も参考に検討を進めていくことが重要としています。
最後、おわりにですが、「体系的な生涯教育の実施」と、「愛玩動物看護師の活動状況を検証しながら」というところを追加しております。
事務局からの説明は以上です。
【西村座長】
それでは、これに関する質問等はこの後のお話を伺った後にまとめてということにしたいと思いますので、引き続き先ほど申し上げた獣医療分野における愛玩動物看護師の職責・役割に関連し、現場のお話をお伺いするために、本日日本愛玩動物看護師会理事、訪問動物看護師研究会委員長の青山友美様に、本日はウェブから御参加いただきます。
青山様は、診療施設で動物看護師として勤務された後、平成26年にわんにゃん訪問介護ぴりかの森を御自身で開業され、本年から日本愛玩動物看護師会の理事及び訪問動物看護研究会委員長を務められております。
お話に際して訪問看護・訪問介護の現場の御紹介、愛玩動物や飼養者に寄り添った獣医療の提供、獣医療弱者に対する獣医療サービス、また獣医師や地域社会との連帯についてもお話をいただこうと思います。
それでは青山様、よろしくお願いいたします。
【青山外部委員】
ただいま御紹介いただきました青山友美と申します。本日は貴重な機会をいただきましてありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
私は動物病院で勤務経験の後、自営業で訪問動物看護を行っており、開業から丸10年がたちました。愛玩動物看護師であり、日本愛玩動物看護師会理事、訪問動物看護研究会委員長も務めさせていただいております。
現在の事業内容は主にペットの訪問介護、訪問看護、介護シッターや介護相談を中心に行っております。また、飼い主向けのペット関連事業、飼い主様向けやペット関連事業者向けのセミナーの企画運営や動物看護専門学校にて非常勤講師も務めさせていただいております。
またそれ以外にも、災害支援動物危機管理士と防災士を取得し、動物支援ナースに所属して、防災の啓発活動も行っております。
また、訪問看護を中心とした活動のほかの取組としましては、こちらですね、ひとと動物の暮らしネットワークというグループを主宰しております。
あと北海道・東北の愛玩動物看護師の会の主宰、NPO法人ホッカイドウ・アニマル・ローの理事、NPO任意団体アニマル・ケアステーションわっこ代表、こちらのアニマル・ケアステーションは人と動物の暮らしをつなぐ包括的なことを目指しております。
また、飼い主様向けのセミナー企画・運営、あとクラウドファンディングを活用して飼い主様にもしものことがあった際に残されたペットが困らないようにということで、クラウドファンディングを利用して、ペットへ残すエンディングノートというものも自主制作しました。
そして現在、私の下には様々な御相談や御依頼が寄せられております。こちらは2023年に北海道小動物獣医師会年次大会動物看護師発表会にて、2014年の開業から2023年までに受けた相談・依頼内容をまとめたものです。
御相談内容で最も多いのが、生活環境についてということです。例えば、歩きやすい床材の選び方や、寝たきりの子のベッド、認知症で徘回する子の環境整備などございます。
次に多いのが、給餌方法や食欲不振といった食に関わること、そのほかに排せつや褥瘡がございまして、次に今後への漠然とした不安という声も多く寄せられています。これからどうしたらいいのか分からない、誰かに話を聞いてほしいと訴える飼い主様が多くいらっしゃいます。そして、医療補助に当たる投薬方法や皮下輸液などがあり、飼い主様自身の闘病というものもございます。御自宅で飼い主様御自身が御病気を抱えながらペットの看護も行っているというケースです。
また、飼い主自身の入院、施設入所もございます。こちらは、飼い主様が入院なさるその間に私がお家にいるペットのお世話をするというケースです。お世話のたびにLINEなどで写真つきで様子を御報告しておりますが、かわいい写真が治療の心の支えになっていますとおっしゃっていただくことも多いです。
そして、飼育困難、放棄を検討中といった御相談もございます。こちらは看病疲れや飼い主様が認知症になってしまってお世話が困難になってしまったというケースがありました。また、入院するが頼る人がいない、飼育が困難になってしまったという内容で、地域包括支援センターの方から御相談を受けるということもございます。
また、その他でまとめていますが、こちらが周囲の言葉に傷ついた、家族が協力してくれない、今後のために何ができるかを知りたい、仕事で1人にしてしまうのが心配、お世話に疲れていらついてしまって自己嫌悪になる、こういった声もございます。
また、重い病気が分かったばかりでどうしていいのか分からず、話せる相手がいない、ひどく孤独を感じるとおっしゃる方もいらっしゃいます。
また、病気になってからドッグランやカフェに行けなくなってしまって、親しかった犬友達と疎遠になってしまって寂しいと話してくださった方もいらっしゃいました。
多くの方が、話を聞いてもらえて気持ちが楽になったと言ってくださっています。大切なのは、飼い主様を孤独にしないことと考えております。そして同時に、依存させず自分で考える力を奪わないということも大事だと考えておりますので、飼い主様とは一緒に考えましょう、1人ではなく一緒にやっていきましょうという気持ちをお伝えするようにしております。
続きまして飼い主様に代わって私が実際にお世話した具体的な内容になります。特に一番多いのが、給餌という食に関わることが、御相談内容の実際の具体的な依頼内容としても多いものになります。
次に多いのが、留守中の見守りというものです。こちらはペットの体調に不安があるがお仕事で留守をしなければならない、何か用事がある、事情があって外出が必要という場合に、お留守の間に伺って見守りをするということを行っております。
また、獣医師の指示の下、状態観察や必要に応じたケアを行うこともございます。飼い主様は留守中に急変しないかと不安を抱えている方もいらっしゃいますので、そのような一種の見守りということで安心してお出かけしていただいたり、お仕事に安心して行ってこられましたと言っていただけるお声が多いです。とても留守中の心配をするということが多いので、飼い主様の精神的な負担は大きいと感じております。
そして、レスパイトケアがございます。こちらは飼い主様支援に当たるものです。飼い主様が心身の負担を一時的に軽減して休息するためのケアになります。人の介護で言うところの訪問介護やデイサービス、ショートステイなどに当たる支援で、動物介護の現場でも必要が高まっていると感じております。
私が提供しているレスパイトケアは在宅、または留守中の長時間の見守りを通して実施をしております。お世話に疲れた、少し休みたい、自分の時間が欲しいがそんなことを考えるとこの子に申し訳ないと、そう思う方も多いのですが、疲れてしまったら休むということもとても大切なことです。ゆっくり眠ったり、たまにはお出かけをしておいしいものを食べたり、楽しい時間を過ごしてリフレッシュをして、またお世話を自分の罪悪感などを持たずにお世話に向き合っていただけるようになってほしいと思っております。この時間が御家族にとって安心して心と体を休められる時間になるということを願っております。
家族は第二の患者という言葉がございます。これは人医療のがん領域で使われる表現で、介護する家族の4人に1人が患者本人と同等か、それ以上の精神的苦痛を感じているということが示されています。しかし、多くの御家族は自分がしっかりしなくてはと思い、弱音を吐けずに抱え込んでしまうという傾向があります。このような心理状態は、ペットの介護を担う飼い主様にも共通して見られます。だからこそ精神的なサポートを必要とされている飼い主さんも多いと感じますので、飼い主様には絶対的な味方であり理解者であり、よき伴走者でありたいと思っております。
飼い主様の心の支えとなれることが、患者様とペットと双方のQOLの向上につながると信じて、訪問看護には取り組んでおります。
動物病院との連携についてですが、申し訳ございません、こちら誤記がございまして、お配りしている資料では2行目、かかりつけ医のここが診断の下となっていると思いますが、正しくは指示の下でございます。失礼いたしました。
現在、介護相談や介護サービスの御依頼に加えて、診療の補助を含む御依頼も多く寄せられております。その際には、必ず動物病院に確認の上、担当の獣医師の指示の下で対応させていただいております。指示内容の確認方法はこちらの内容となっております。
動物病院から直接御紹介が来た場合、この場合は担当の先生と連絡をもともと取り合っている、関係が出来上がっている場合がございますので、お電話よりも記録が残るメールやLINEなどを活用して、担当の先生と連絡を取らせていただいております。
そして御紹介以外の場合、初めて連携させていただく動物病院もございますので、その際には一度お電話にて担当の先生に確認をしてお話をさせていただいた上で、指示書の御記載をお願いするということがございます。
3番目ですが、診療の補助を含まない内容で御利用いただく場合もございますので、将来的に診療の補助が必要になる可能性もある場合は、飼い主様から訪問動物看護を利用しているということを担当獣医師に伝えていただいておいて、将来的に診療の補助が必要になった場合にスムーズに先生とお話しできるようにさせていただいております。
また、訪問看護の予約日前に受診の予定がある場合には、受診の際に一緒に同行させていただいて、直接看護内容を担当の先生から伺いながら指示書の御依頼をする、内容の確認をするということもございます。
いずれのケースにおきましても、診療の補助を行う際には必ず獣医師による指示書の記載をお願いしております。
これまで行った訪問看護の一例を御紹介いたします。動物病院からオンライン診療補助の依頼をいただいたケースです。東京の本院の獣医師によるウェブ診察を基に、札幌の分院にて皮下注射を実施いたしました。
2番、動物病院からの紹介、大型犬の褥瘡の往診に同行し診療補助を行い、その後単独で訪問看護を行った。在宅での皮下点滴を、動物病院からの紹介で指示に従い行った。
3番、動物病院を紹介し連携したケース。介護相談に伺った寝たきりの大型犬に対し、医療ケアが必要であると判断。寝たきりの大型犬のため、飼い主様が動物病院に連れていくことができないため、往診可能な動物病院を紹介し受診していただき、獣医師と連携しながら訪問看護を行いました。
かかりつけ動物病院がない方もいらっしゃる場合もございますので、動物病院を紹介して訪問看護を行うということもございます。
こちらは、担当の獣医師に記入していただく指示書になります。指示書につきましては、現在統一された様式は存在せず、訪問動物看護を行う愛玩動物看護師がそれぞれ独自に作成しているのが現状です。私自身もオリジナルの様式を用いており、ほかの動物看護師についても同様に作成、使用しているという話を耳にします。こうした背景から、訪問動物看護研究会では、共通の指示書の様式の整備に取り組む予定です。今後、訪問動物看護が広がっていくにつれ、指示書の様式が動物看護師ごとに異なると、動物病院側に対応の負担をおかけしてしまう可能性も懸念されております。
指示書の主な記載項目としましては、飼い主様のお名前、動物名、動物種、住所、主たる傷病名、病状・治療状態、薬剤について、注意事項及び指示事項、緊急時の対応について、動物病院への報告などについてとなっております。
こちらは御記入いただく獣医師の御負担をできるだけ軽減したいと考えまして、こちらの剤型であったり報告方法などについては、チェック形式で対応できるように工夫しております。こちらは今現在、私が使用している私のオリジナルで作ったものなので、今後研究会で内容が変わっていく可能性もございますが、基本的にはこのような内容で作成していくと思います。
続きまして、契約書についてです。飼い主様とは契約書と依頼書兼同意書というものを作成して、契約を交わしております。こちらの内容は行政書士に作成していただき、万が一何かトラブルが起きたときには、法的に通用する内容となっております。
本年度より日本愛玩動物看護師会にて、正会員には賠償責任保険制度が新たに設けられましたが、保険の加入に加えて契約書や同意書を交わすことで、飼い主様もサービス提供側としましても自分をお互いに守ることにつながり、安心材料になると考えております。契約内容につきましては、こちらでお示ししているとおりとなります。
こちらは、私のこれまで利用してきてくださったお客様からの御意見をまとめたものです。昨年、北海道小動物獣医師会年次大会で愛玩動物看護師の個人事業について発表し、その際にアンケートを取ったものです。訪問動物看護が広まってほしい、増えてほしい、知ってほしいというお声をたくさんいただいております。
また、本日のスライドには入っていないのですが、2023年にペットの介護や看護の飼い主様に協力してくれる、周りに協力者の方がいらっしゃいますかという聞き取りを行いました。その結果ですが、同居の御家族が協力的というのが42%、あと別居の御家族が必要に応じて手伝いに来てくれるという方が25%、御友人が協力してくれるという方が13%、そして協力者がいないという方が13%いらっしゃいました。この協力者がいないという方ですが、この聞き取りをしたときの御本人たちの言葉をお借りすると、独り暮らしだし離れて暮らす家族もいないので誰もいないや、配偶者やパートナーが他界してしまい1人になってしまったという方、友人には心配や負担をかけたくない、また、 お友達に話をしたときに相手から返ってきた言葉に傷ついたのでもう言いたくないなどとおっしゃる方もいらっしゃいました。また、同居家族がいるが、協力してもらえないとおっしゃる方もいらっしゃいました。
飼い主様自身が介護が必要で、一緒に暮らす御家族とペットの介護を行っていた方が、その御家族が急病で入院となってしまって、介護を必要としている飼い主様と高齢のペットが家に取り残されてしまったという事例もございました。いろんな方がいろんな手助けを必要としていると感じております。
そして、訪問動物看護を自営業として10年以上させていただいていますが、この訪問動物看護、利点ももちろん多くございますが、課題もやはりございます。
例えば飼い主様との距離が近い、こちらは物理的にも精神的にもとても距離感が近くなりますが、やはり時間もゆっくり取ってしっかりと話を聞くことができるというのは、この訪問看護ならではのすごくいいところだと思っております。ただ仲がよくなり過ぎることがあるという書き方をしていますが、飼い主様から依存されるような状態にならないように気をつけなければならないと感じております。
また、普段どのような生活をしているのかを見ることができますので、問題点や改善点をすぐに対応することもできます。ただ専門外のことについてはすぐ対応ができませんので、ほかの専門家を紹介するなどする必要がある場合もございます。いろんな横のつながり、自分自身の横のつながりがとても大切だと感じています。
専門家の例としましては、訪問してくれるトリマー、ドッグトレーナーや、往診の獣医師の先生方などがいらっしゃいます。体調などの変化に気づきやすいということもありまして、早めに受診を促すことができたり緊急の対応ができるということはすごくいいと思います。ただ、飼い主様に診断を求められてしまうことがありますので、愛玩動物看護師は診断ができないということを、飼い主様に御理解いただく必要があります。
また、動物病院が行っている訪問看護とは違いますので、診療時間以外は病院に対応していただけないということがほとんどです。そのため診察時間以外は、ほかに診ていただける動物病院を事前に調べておくという必要があります。そしてライフ・ワーク・バランスとして自分で仕事の量を調節できると、調節できるのでいろんな自分の時間をつくってセミナーなどに参加したりということも、病院で働いていたときよりもとてもしやすくなりました。
ただ、自分で仕事の調節をできるので仕事を抱え過ぎることがあることや、仕事とプライベートの切替えが曖昧になりやすいこともございます。
あと、動物病院に所属していなければ参加資格がないというセミナーもありますので、主催の方にとっては、仕方ないことは分かってはいますが、学びの機会をいただけると大変ありがたく思います。
こちらは愛玩動物看護師会、訪問動物看護研究会にて作成した訪問看護ガイダンスです。訪問動物看護は現在全国的に増えております。また、様々な形で動物病院以外で活躍する愛玩動物看護師もいます。どのような働き方をしていたとしても、法や倫理を守らなければならないのは共通して言えることです。
このガイダンスは、適切で安全な訪問看護を行うための内容となっております。こちらは、まず基本理念となっております。
ガイダンスの目的としましては、安全で質の高いサービス提供のため、業務の基本的な考え方と方針を示す指針としております。また、専門職としての責任と信頼性を重んじ社会的役割を果たすということも、とても大切にしております。
続いて内容ですが、プライバシー保護の重要性、緊急時の対応、自身の安全確保、訪問動物看護において、愛玩動物看護師が行う処置、記録や報告の重要性となっております。このガイダンスは、愛玩動物看護師会会員に限らず全ての愛玩動物看護師にこれから周知していきたいと考えております。
続きまして、地域社会との協力について御紹介いたします。こちらは私が暮らす札幌市北区の社会福祉協議会のホームページのページですが、こちらでは配達・訪問サービス一覧というものが作成して公開されております。掲載内容としては食料品、日用品、電気、家の修繕、交通、理容・美容などがございまして、いずれもこちらの内容が配達や 訪問サービスでできる内容となっております。ここの中にペットのお世話という項目がございまして、こちらで訪問介護や訪問看護、シッターとして私も掲載をしていただいております。こちらを御覧になって、社会福祉協議会の方から高齢者の方のペットの問題について御連絡、御相談いただくということもございます。
こちらは、私が所属しておりますNPO法人ホッカイドウ・アニマル・ローのホームページの一部になります。こちらでは、飼い主様向けのセミナーなどの開催を通して適正飼養や終生飼養の啓発などを行っております。
こちらが、私が企画をして毎年開催している防災セミナーですが、こちらは行政書士、獣医師、私の愛玩動物看護師とドッグトレーナーの4人が講師をして、それぞれの専門的な立場からペットと飼い主の防災についてお伝えをするということをいたしました。
また、ホッカイドウ・アニマル・ローでは、今年の6月に札幌で開催された日本プライマリ・ケア連合学会にブース出展いたしました。プライマリ・ケアは総合医療であり、地域との連携や患者さんの気持ちを大切にした医療分野です。こちらのブースでシールアンケートを取らせていただきました。人の医療・福祉に携わる皆様に、医療・福祉の現場で飼い主とペットの問題に直面したり、相談をされる、見聞きしたなどはありますかとお聞きしまして、「はい」が73%、「いいえ」が27%でした。多くの方が患者さんとそのペットに対しての問題というものを感じているということになります。結果になりました。アンケートでは「はい」か「いいえ」の簡単なシールアンケートだったのですが、たくさんの方とお話をさせていただきました。その一部、御紹介いたします。
一番多かったのが、飼い主が入院が必要なのにペットがいるという理由で入院を拒むという御意見が多数ありました。また救急外来で運ばれてきた高齢の女性、ペットがいるからと帰ると聞かなかった。この方は帰れる状態ではない方だったそうです。
また、重度の猫のアレルギー持ちの患者さんが猫を手放さないなど、いろいろな御意見をお聞きしました。
また、対応したとしても責任が取れないので、見て見ぬふりをしてしまうという方が複数いらっしゃいました。患者さんとペットの問題というのはいろいろと感じている方は多いようですが、人の医療側の皆様からすると、どこに相談したらいいのか分からないという方や、責任を取れないから手出しができないという方が多くいらっしゃるようです。
最後に、私は結婚を機に動物病院を離れましたが、もう一度動物たちのそばで働きたいと思いながら、働ける場所も方法も見つからないという時期がございました。それならいっそ、自分が看護を必要としている子のところに行ってしまおうと始めたのが、訪問動物看護という働き方でした。飼い主さんの暮らしに寄り添い、その子の今に必要なケアを一緒に考えられるこの仕事は、動物病院ではできなかった支え方を可能にしてくれました。医療的なサポートだけではなく、飼い主さんと動物の気持ちに寄り添うことができるのも訪問動物看護の醍醐味だと感じております。多くの方に1人じゃ頑張れなかった、ありがとうと言っていただき、この仕事を選んでよかったと心から思っております。
訪問動物看護は、動物のQOLだけではなく、飼い主さんのQOLにも深く関わります。御病気の方、高齢の飼い主さん、障害のある方、複数の支援が必要なケースもございます。こうした背景の中で、人の医療、介護、福祉と動物医療やペットサービスが連携する包括支援の必要性は、今後ますます高まっていくはずです。
私たち愛玩動物看護師には、その橋渡しになれる力があると感じています。医療の隙間をつないで、暮らしに寄り添うケアを届けられる存在です。必要としてくれる飼い主さんや動物たちはたくさんいらっしゃいます。愛玩動物看護師は、これから動物病院、訪問動物看護、起業やいろんな働き方が出てくる、きっといろんな働き方の方がこれからどんどん出てくると思います。とても夢のある仕事です。包括支援が広がっていくということを願って、私のお話を終了させていただきます。ありがとうございました。
【西村座長】
青山様、ありがとうございました。
それでは、先ほどの事務局からの中間とりまとめ(第2次)骨子案及び青山様の御説明について御意見、御質問があればお願いしたいと思いますが、まず青山様に御質問等いただければと思います。
【佐伯委員】
佐伯です。この度は御報告ありがとうございます。とてもすばらしい御報告だったと思います。
聞かせていただいた感想と御質問と申し上げたいと思いますが、感想としては、やはり人の福祉との関連性はあるのだなということで、日本獣医師会でも地域包括ケアというのを提唱していたこともありますので、まさにそれを実践していただいていると感じました。
また、環境省のほうでも多頭飼育の問題に絡んで、人の福祉部局と動物愛護管理部部局の連携のガイドラインをお示しさせていただいておりますが、そちらは官になると思いますが、こういった民間での連携も当然必要だなという感想を受けました。
御質問ですがこういった訪問看護は重要だとは思いますが、これが信頼を社会的に得ていったり、私たち臨床獣医師の信頼を得ていくためには、やはり今回も強調していただいていましたが、診療の補助を獣医師も利用者の方も、実際に訪問看護に行く看護師の方々も十分理解していただく必要性があると思います。そこが何か齟齬が生じてしまいますと、信頼を失ってしまい、なかなか発展が難しくなるのではないかと思います。
その中で指示書はとても重要だと思いますが、今使われている指示書は期間を書くようになっていますが毎回行くときに発行してもらう形なのか、それとも包括的な感じであればこの期間こういう治療をしてくださいというような、期間を示されて出されるものなのでしょうか。
あとは期間を定めて出した場合、当然当初の予測では動物の状態が安定していたとしても、訪問した際に状態が変わっている場合もあると思いますが、その場合の対処はどのようにされるかというのを教えていただきたいです。
【青山外部委員】
御質問ありがとうございます。指示書につきましては、期間を記入する欄がございます。安定している場合は割と長めの期間を設定してくださる先生もいらっしゃいますが、おっしゃるとおり状態が変わる場合もございます。その場合には、その時点で指示書を訂正、修正して新たに出していただくという方法を取っております。
特に問題なければ割と長めに、1か月とかもうちょっと長めということもございますが、割と変わりやすい子の場合は短めに設定していただいたり、変わり次第新たに出すということになっております。
以上です。
【佐伯委員】
それでは何か訪問したときに状態がちょっと変わっているという場合には、その担当のかかりつけの先生に御連絡を取って、新たに指示書を出していただいたり相談して対応するということですね。
【西村座長】
それに関して、もう少し質問させていただきたいのですが、かかりつけの先生というのも決まっているのでしょうか。それとも何か幾つか、いろんなところに頼むという感じでしょうか。
【青山外部委員】
かかりつけの先生は、あくまでも介護に行く動物、ペットの、いつも診てもらっている先生に指示書を記入していただいております。なので、私のほうからはいつもその子が診てもらっている先生に連絡を取らせていただいて、指示書の記入をお願いするということになっております。
【西村座長】
分かりました。割とそういうことに協力的な先生と、すごく面倒くさがる先生といるのではないかと思いますが、その辺はいかがでしょうか。
【青山外部委員】
そうですね、確かに以前は割と面倒くさがられてしまうことがありましたが、この愛玩動物看護師が国家資格になった辺りぐらいからだと思いますが、先生方も割と面倒くさがらずに書いてくださる方が多くなったような印象があります。
【西村座長】
なるほど。ここは愛玩動物看護師が国家資格化されたという功績の一つとして考えていいということですね。
多分先生によって、治療方法や対応の仕方は意外と違ってくると思いますが、その辺はどう使い分けて、対応しているのでしょうか。もう先生の指示どおりにやる感じでしょうか。
【青山外部委員】
そうですね、その先生のやり方に従って、指示書に記載されているとおりに行っております。
【西村座長】
分かりました。ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。
【山川委員】
ヤマザキ動物看護専門職短期大学の山川と申します。すばらしい発表をありがとうございました。
こういう看護師さんが地方で、札幌で活躍していらっしゃるということをお伺いできて大変嬉しく思いました。
包括的な取組という言葉が最後に出てきましたが、人と動物の関係を考えるに当たって、人の福祉と動物の福祉を両方考えていくことがすごく大切だと思います。31科目の、国家資格の31科目の中の人と動物の関係学の中にも、愛玩動物看護師になってから2番目に、人間の福祉と愛玩動物の関わりというのが入ってきております。これは英語で言うとベテリナリーソーシャルワークという領域になると思います。
私自身は福祉の専門職でもあるので、その辺りに非常に関心が高く、動物医療ソーシャルワークという言葉を訳して、そういう関係の研究や活動をやっていますが、その中で環境省さんも先ほど先生からあったように、2021年に社会福祉と動物愛護管理の多機関連携に向けてというガイドラインを出していただいております。この辺りが、やはり 現場でもなかなか進んでいないような気がします。
私も渋谷におりまして、地域包括支援センターと連携を取りながらいろいろな相談を受けて、高齢者の飼育困難に介入したりとか、そういう仕事をしております。そうしたときに、ソーシャルワークというのは社会福祉の一領域なので、愛玩動物看護師さんはベテリナリーソーシャルワーカーの一翼を担えるすごく重要なキーパーソンだと思っておりますので、今後青山先生のような独自で活動していかれる方ももっと増えていただきたいと思いますが、圧倒的に多いのが動物医療の現場で働かれている愛玩動物看護師さんたち、そういう方たちが包括に向けてどういう視点を持ち、どういう動きをしていけばいいと思われるか、御意見いただけるとありがたいです。
【青山外部委員】
包括ケアを考えるときに、私も人の医療や福祉のほうと関わりたいと思いましていろいろと働きかけをしていますが、ペットのこととなると、うまくつながっていけないというのも、なかなか難しいところだなと感じています。
ただ、飼い主様に対するいろいろなケアの部分では、私が行ったこととしては、地域包括支援センターに、いろんなところにチラシを持っていってこんなことをやっていますということでまず知っていただこうと思って、そういう営業活動のようなことを行いました。
あとは、その営業活動をした中で、高齢者の方とペットの問題のことで私のところに御相談をしてくださった方が、人の福祉の方のコミュニティをつくっていると聞きまして、そういう場に私も参加させていただいて、ペットのことでこういうことをやっているのですということで、まずはそこでつながりをつくろうと思って行ったということもしています。
あとは、私自身がペットに関するいろんな横のつながりをつくることも大事だなと考えていまして、ドッグトレーナーであったりフリーランスで活動されている獣医師の先生であったり、訪問トリマーさんであったりペット葬祭の方だったりとか、そういうペットに関わる人たちでまず横のつながりをたくさんつくってコミュニティみたいなものをつくって、そこから人の福祉のほうにも少しずつアプローチをかけているうちに、プライマリ・ケア連合学会に出ませんかというお話をいただいたという経緯がございますので、人のほうに働きかけつつ自分たちが包括的なことを実際にできるようになったときに動けるような体制をつくっておくということも大事かなと思っております。
【山川委員】
個人でそのように努力されて広がっていくというのは本当にすばらしいと思いますが、やはり個人の動きは限界があると思うので、もう少し体制的に環境省さんと厚生労働省さんが何か連携を取っていただいて、例えば高齢者の介護の現場ではものすごいことが今起こっていますよね、いろいろペット飼育関連で。私たちは今まで高齢者がペットと暮らすとどんなにメリットがあるかということをすごく強く訴えてきたのですけれど、やはりコインの裏と表で問題もかなり紛糾している。でも介護の、高齢者介護の方たちは動物のことは全く分からない。本当に魚の網を持って猫を追いかけているというような状態も入ってきます。
だからそのあたりの情報共有、連携が進んでいくと本当にいいなと思います。高齢者だけではなく、生活に困難を抱えている方たちのペットとの生活というのが、人のほうと動物のほうと連携が取れるといいなと思っております。
今後とも御活躍を期待しております。ありがとうございました。
【小田委員】
日本動物看護学会から参りました小田と申します。
本日は貴重なデータで御発表いただきまして誠にありがとうございます。
お伺いしたいのが、スライドの5枚目、6枚目にございます実際の依頼内容、対応内容についてですが、これはどれくらいの期間での実績なのかということと、もしお答えいただけるのであれば、例えば皮下点滴をお幾らぐらいで対応いただいているのか、お聞かせいただけますでしょうか。
【青山外部委員】
どれくらいの期間。こちらは2014年に私が開業してから2023年のこちら年次大会で発表するまでの期間なので、およそ10年ぐらいの間のものを集計したものになります。6枚目についても同じ期間でございます。
そして料金ですが、私の場合は訪問看護料として1回当たり3,000円でやっております。その3,000円の中に、何か皮下輸液をするとか爪切りをするとか薬を飲ませるなどとあっても、1回当たりその値段ということでやっております。
【小田委員】
ありがとうございます。
もう一点お伺いしたいのですが、皮下点滴ですとか投薬とかいわゆる愛玩動物看護師として専門性の高い依頼内容と、そうでないものというのが含まれていると思いますが、実際に愛玩動物看護師としての業務の中に入っているものの割合というのは、大体何%ぐらいになるのかというのがお分かりになりましたら、お願いいたします。
【青山外部委員】
具体的に集計したことはありませんが、割合は結構多いです。介護という場合でも、薬を飲ませるとか褥瘡の管理が必要という場合とかもありますので、介護として入った場合も診療の補助のようなことや獣医師の先生の指示が必要で行う内容も多くございます。
【小田委員】
非常にたくさんの御依頼が来ると思うので、そういった業務の役割の細分化といいますか、トリマーさんだったりトレーナーさんだったり、もしかしたら行政だったり、あとは人のほうのソーシャルワーカーの方が入らないといけないような恐らく専門性の高いお悩みというのですかね、もあると思うので、やはり連携というものが非常に重要だなと、聞いていて考えているところでした。ありがとうございました。
【西村座長】
ほかにいかがでしょうか。佐伯先生、お願いします。
【佐伯委員】
今のお話で、結構リーズナブルな費用でやってくださっていますが、獣医師のほうから指示書の発行に伴って指示書の発行費用、文書発行料みたいなのを求められることはありますか。
【青山外部委員】
一応書類作成料ということで、料金が発生する場合もございます。その場合は飼い主様に御負担いただいております。料金が発生する病院と、無料で発行してくださる病院と様々ですが、そちらは先生方にお任せしております。
【佐伯委員】
ありがとうございます。
【西村座長】
ほかにいかがでしょう。
もう一回地域包括ケアのことについてお聞きしたいのですが、地域によってそこに動物関係の人が割と食い込める場所と、全く食い込めない場所というのがあるようですが、今はこちらから働きかけているだけで向こうから声がかかるということはほぼない感じですか。
【青山外部委員】
そうですね、こちらから働きかけることが多いです。ただ、飼い主様自身の問題ということに関してはこちらでは対応できない場合とかもありますので、こちらからペットに関してはこちらで対応できますということはお伝えをしております。
【西村座長】
分かりました。ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。横田先生、お願いします。
【横田委員】
日本愛玩動物看護師会の横田です。本日はありがとうございました。
皆様のほうから、訪問看護に関しまして御意見等出ておりますが、個人でこれまで10年間やってこられた青山先生のすばらしいこの訪問看護に対しての取組だと思っております。ここまでしっかりとした訪問看護を行っている者が、全国を見てもそうそう数あるものではないかなと思っています。
ただ本会といたしましても今後、愛玩動物看護師の訪問看護に関しましては、ぜひとも全国に広めていきたい活動と思っておりまして、本日青山先生のほうからもご提示ありましたが、手放しに広げていきたいというものがではありませんので、ガイダンスをまず初めに出させていただいたということになっております。
このガイダンスの内容につきましては、本会ホームページのほうに既に掲載しておりますので、各先生方ぜひ帰りましたらば御覧いただければと思っております。基準を持って法律を守って、実際に訪問看護を行っていただきたい、愛玩動物看護師になったから明日から私ができるわというものでもないということをしっかりと理解していただきたいと思っております。
また、いろいろな組織や行政等と組んでいかなければ包括的なケアができないというお話がありましたが、だからこそ今期からこの青山先生も本会の理事に入っていただいて、いろいろなところでまたこれまで蓄積したものをフルに活用いただいて、ぜひとも行政等ともいろいろなことが、本会としても組んでいければなと思っております。
また、同時に今後本会の後半部分のほうになるかと思いますが、愛玩動物看護師自体の公務員登用というところも、やはりそういう分野を広げていくというのは自治体側、行政側というのにも愛玩動物看護師の価値というものをしっかりと知っていただくという、まだ新しい国家資格ですので、知っていただいた上でぜひ活用いただきたいと思っております。
【西村座長】
ありがとうございます。
ほかに何かございますか。青山様への御質問は、一旦終了して中間とりまとめ(第2次)の骨子案につい御意見、御質問いただければと思います。結構重要なところなので、ぜひ御意見いただきたいです。よろしくお願いします。
【横田委員】
中間とりまとめの2番の(6)、チーム獣医療環境の構築の中で、愛玩動物看護師の体制充実や、その他の獣医療スタッフを含めた技術向上となっておりますが、先ほどの御説明にもありましたとおり、獣医師、愛玩動物看護師、その他の獣医療スタッフと読むのだと思いますが、一般的に見た場合にこの獣医療スタッフというのが、医療に関わるあるいは診療を担える者と誤解が生じないような表記にしていただきたいと思います。
というのはこれまでも、やはり動物看護師が現在、愛玩動物看護師になる以前のときにでも、この呼称というのが大変いろいろ四苦八苦している部分があったかと思いますし、業界内だけではなく一般の方が誤解されることのないような文言にしていただきたいと思います。
【西村座長】
いかがでしょうか。
【事務局(農水省・鴨川)】
ありがとうございます。いただいたところ、確かに言葉が不足して誤解を招いたらいけませんので獣医師や愛玩動物看護師ではないというところを追加していきたいと思います。
【西村座長】
ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。
【佐伯委員】
裏側の2ページ目のところの5の生涯教育についての(1)が中心ですが、今後中長期的にはこういったことで全然いいことだと思いますが、現段階ということを考えますと、現任者で資格を取られた方もいらっしゃれば、旧カリキュラムで取った方もいらっしゃって、新しいカリキュラムで取った方もいるという今現場には混在している状況で、その中で診療の補助というのは一番今回の目玉というか、現場としてはまだまだ理解が進んでいなかったり、何をさせていいのか何をさせたらいけないのかというのはまだまだ理解が進んでいるわけではないと思います。そんな中で、愛玩動物看護師はできるという基礎的な部分の技術とか知識の平準化というのは、試験を通ったからできるということではないと思いますので、現段階でもやはりそういった基礎的な技術、知識の平準化ということをまず第一に考えるべきではないかと思います。将来的にはいろいろ専門性とか、ステップアップするようなことが必要ですが、まずそういった様々な教育を受けた方が混在する現場の中で、病院の規模も様々ですので、その中で診療の補助をやってもらうためには、基礎的なことがしっかりできる講習会というのはしっかりやっていくべきだと思っています。
【西村座長】
ありがとうございます。
この2番の専門認定とも絡む問題ということになるかと思います。最近は動物看護師さんの認定制度ってあちこちで始まっているような、乱立とまでは行きませんが、結構いろいろ出てきているので、今佐伯先生が言われたようなところというのはしっかり押さえておかないといけないというのは、そうだなと今お聞きして思いました。
ほかにいかがでしょうか。
【小田委員】
2ページ目の3の(3)の最後の文章、黄色のところですが、動物看護記録の質の向上と、あと看護実践とあるのですが、一応コアカリキュラムのキーワードに動物看護実践という言葉があるので、動物を入れていただいたほうがいいのかなと思います。
もう一点ですが、1ページ目の2の(2)栄養管理指導と今回追加されていると思いますが、指導となりますと飼育者に対する指導という部分に多分限定されるのかなと思いますが、実際には現場で栄養療法とかも行っていると思いますが、今回この指導を飼い主さんに対するところに限定された何か意図はあるのかというところをお聞きしたいです。
【事務局(農水省・鴨川)】
今回は前後の言葉に合わせて指導というのを追加したもので、飼育者に限定という意図があったわけではございません。指導があると意味が変わってくるのであれば、取ることも検討したいと思います。
【西村座長】
確認ですが、栄養管理という言葉のほうがいいということですか。
【小田委員】
そうですね。栄養管理と栄養指導はそれぞれ別のものなので。
【西村座長】
栄養管理全体をするという。
【横田委員】
栄養管理と栄養指導とかと言ってもいいです。どっちも行うというのが実態なので。
【西村座長】
なるほど。
【横田委員】
臨床現場では、管理もします。
【西村座長】
栄養管理そのものもするし、飼い主さんに対する指導もするということですか。
【横田委員】
飼い主さんに対しては指導もするということになります。
【西村座長】
分かりました。ポチを入れるだけでもいいのではないかというナイスなサジェスチョンいただきました。
【事務局(農水省・嶋倉)】
両方読めるように検討いたします。
【西村座長】
お願いします。ほかにいかがでしょうか。
【横田委員】
先ほどの生涯教育というところですが、ここの中でOJTとかという形で院内の教育というものが入っています。まずはまだ規模が小さいところでは先ほど佐伯委員のほうからもお話がありましたが、院内だけで技術指導ができているかどうかというのはやはり懸念されるところでもあります。
ただやはり生涯教育の場で、いろいろな団体等でも技術指導、講習というのを現在行っているところもありますので、何もOJTだけに技術向上を求めるものでは現在ないのかなと思っております。
今年度も生涯教育につきましては、各種団体さん等の講習等が出そろってくるかなと私どもも思っておりまして、かなり充実するかなと思っておりますので、今後ヒアリング調査等を進めていただければいろいろなものが出てくるのではないかと思っております。
2番目のところの専門認定につきましては、本会でも専門認定制度のほうを進めております。まだまだ愛玩動物看護師は誕生したばかりなのにという御意見あるかと思いますが、ただこの愛玩動物看護師を持っている者は、何も卒業してすぐの者だけではありません。やはり現場を長年勤めてきた者が大変多く愛玩動物看護師資格を取得しておりますので、その者たちのやはりキャリアアップであるとか、今後充実した業務、臨床での場の業務をしっかりと行うことができるというような形での認定制度というものを行っているというところがありますので、ぜひとも実態調査等を進めていただければと思います。
【西村座長】
ありがとうございます。
【浅野委員】
浅野です。
形式的なところを確認したいのですが、今のところ正式なこういう文章のときにクオリティ・オブ・ライフとかOJTというのをそのままQOLとかOJTと書いて、もうそれでいいという感じになっているのか、例えば上のほうでタスクシェアなどは一応片仮名でタスクシェアとあるので、その辺が私は分からないので。ぱっと見たときにあまり私も慣れていないので、クオリティ・オブ・ライフを、片仮名で書かれていたり、OJTも何か片仮名で書かれていて両方併記されていると分かるのですが、そうじゃないと分からないので、もうこれが一般的な用語だということなら結構ですし、そうじゃなければ注釈を加えるなりしていただけるといいかなと思います。
【西村座長】
よろしくお願いします。
【山川委員】
裏面の4の(1)ですが、愛玩動物や飼養者に寄り添った獣医療の提供、この寄り添ったって非常に曖昧な言葉だと思います。何か癒やしというのと同レベルぐらい何かすごく定義づけが難しい言葉だと思いますが、この意味としてはその下の段、その下にある飼養者が安心して治療や飼養管理に参加できるというこの安心につながる寄り添いと理解してよろしいでしょうか。
【事務局(農水省・鴨川)】
そうですね、現行の本文にも寄り添ったという表現は使っているのですが、安心ですとか信頼を得るという精神的なところの意味かと理解していました。ただ曖昧ということになると、何かいい表現など、山川先生ありますでしょうか。
【山川委員】
そうすると、今のお話だと精神的なものが何か担保できたような状態というような理解でしょうか。例えば安心だけであれば医療費とか経済的なものも多分入ってくるだろうし、何かいろんな要素が入ってくるような気がして、何をもって寄り添うのかというところが少し曖昧かなという気がしております。
【西村座長】
寄り添うというのは、僕は割といい表現ではないかと思いますが。これまでずっと医療、獣医療はエビデンスベースドメディスンに基づいて進んできましたが、エビデンスばっかりに行ってしまって、飼い主さんの気持ちというのは全然考えないで進んでしまうような状況というのが随分あったと思います。飼い主さんの気持ちというか、経済状況などを含めてそういったところに寄り添った医療、あるいは獣医療というのもやっていかなくてはいけないというナラティブベースドメディスンというのが最近出てきましたが、そういった意味合いではないかなと僕は理解しています。
そういう点ではちょっと分かりにくい、曖昧かもしれないのですが、みんなにできるだけいいように解釈してもらうような文章という点でいいのではないかなと僕は思います。
【磯部委員】
磯部です。今おっしゃったとおりだと思います。新型コロナのロングコビッドの罹患後症状の患者さんについて、どのようにフォローするかという厚労省の委員会に出ているのですが、あれも罹患後症状の方に対して寄り添った支援をするということを言っているのですね。やはりどういうことだかよく分からないが、しかしお困りになっている患者さんはいらっしゃるというときに、一応専門の機関をつくって継続的に支援をしていこうという体制を指して寄り添った支援と言っていまして、大事な視点ではないかなと感じておりましたということをちょっと言いたくなりました。
続けてよろしいですか。この中間とりまとめその2と言って、こうやって進んでいくものだというのはよく知らなかったのですが、しかもそれが骨子だけなので、やはり私は本文全部を見ないとちょっと何とも言えないという気がするので、今後どういう進め方になるのかということをまず伺っていいですか。
【事務局(農水省・鴨川)】
進め方としましては、今回骨子の御意見をいただいて、もしまとまりそうであれば、次回に骨子をまとめ、本文全体の案も提示したいと考えています。また、愛玩動物看護師制度ができてからまだ日が浅いので、今の段階で検討報告書の最終段階というような状況ではないと考え、最終とりまとめではなく、中間とりまとめの形で、2回目を行っていきたいという所存でございます。
【磯部委員】
ありがとうございます。
では2点ほどありまして、一つは1ページから2ページにかけての独占業務という表現を、獣医師のみが行う必要がある高度かつ危険な獣医療行為と言い換えられた趣旨ですが、これだとあたかもいわゆる絶対的獣医療行為みたいなことを指したいのかなと思うのですが、それ以外の診療の補助という言い方が何かよく分からないという気がしてしまい、まず高度なという言葉は入れる必要があるでしょうか。獣医師の知識で判断を、とするのでなければ危害を及ぼすおそれのある行為というのが獣医行為の定義で、それをそのまま書きたければ書けばいいのかなと思いましたが、この書き直しの意図がどこにあるのか分からなかったというのが一つです。
二つ目には、2ページの4番のところですが、この寄り添った、従前は獣医療へのアクセスが困難な方を獣医療弱者と呼んでいたようですが、改めて獣医療弱者とはどういう意味なのかということです。通常医療弱者とかであれば、すごい過疎地などでそもそも医療体制が不十分だというときにアクセス困難だ、そういうときであれば従前のような獣医療提供体制の整備という話になるのでしょうが、今回はそういう話でしょうかというのがよく分かりません。そもそも獣医療のみならず一般的に疾患や障害があって、社会的には弱者とされる方が獣医療にもアクセスしにくいというときに、どう地域の包括的なケアとかの中で、かつ獣医療にもそれをかませてアクセスできるようにするかという話なのか、元気だしお金もあるけれど獣医療にだけアクセスしにくいという弱者の方を観念できるのか、地域の問題なのか、その人の一般的な身体等の状況なのか、獣医療についてこういう何か弱者というポイントがあるのか、少し何を言いたいのかが分からなかったというのが正直なところです。
かつ、寄り添うの(1)も寄り添うですよね。ですし、愛玩動物にも飼養者にも寄り添うのが獣医療だとして、(1)と(2)をどのように書き分けたいのかをもう少し練ったほうがいいのではないかと考えましたということと、獣医療サービスという言葉は、従前は1か所、確かに出てくるのですが、獣医療の提供というのと獣医療サービスの提供と書き分けることに、どういう意味があるでしょうかということを伺いたくなりました。
【事務局(農水省・嶋倉)】
1点目、1ページ目の獣医師のみが行う必要がある高度かつ危険な獣医療行為に変えた意図としましては、その先でこれまでの本文の中でもタスクシフトに関しての記載があったかと思います。獣医師がこれまで全部行っていたのを、簡単な業務、危害を及ぼすおそれが少ない業務は愛玩動物看護師にどんどん任せていって、獣医師自身は高度化、専門化を進めていきましょうという観点から、こちらについては高度という文言を、独占業務ではなくて高度という文言を入れさせていただいています。危険なというのは危害を及ぼすおそれが少ない行為というのが愛玩動物看護師法における診療の補助の定義になっておりますので、危害を及ぼすおそれが大きい行為というのは獣医師が今後 行っていくべきということで危険なとしました。危険なというのが適切かというのは今後また、危険なというと何か危なそうな雰囲気がありますので、危害を及ぼすおそれが少ないと認められない行為という書き方とか、その辺りは検討していきたいと考えております。
2点目、今回新たに文章量を増やさせていただいた飼養者との信頼関係構築の重要性の部分、(1)と(2)の書き分けがどうなるのかということについては、これはもともと1個前の3(5)の良質なチーム獣医療提供体制の整備の必要性の部分を新たに項分けしてこの部分が重要であるとして膨らませたものになります。(1)(2)の書き分けとか、内容の検討というのは行いながら、次回示していきたいと考えております。
【西村座長】
ありがとうございます。確かに危険な医療行為って、何か気管挿管は危ないのかみたいなね。
【浅野委員】
今の磯部委員のお話で、確かに2枚目の獣医療への「獣医療弱者」の点ですが、この「獣医療へのアクセスが困難な獣医療弱者」というのを変えているのですが、この前の言葉があったほうが分かりやすいのかなとは今思いました。獣医療へのアクセスが困難な理由は、もちろん過疎地だったりお金がなかったり、身障者だったり高齢者だったりと思いますが、要は獣医療へのアクセスが困難だと。どんな理由であってもと。それが獣医療弱者というのは、前のは分かりやすかったと思います。それを削って突然確かに獣医療弱者とここに出てくると、何だろうとは思うので、これは残してもいいのかなと思いました。
(1)と(2)に分けるというのは、確かにどっちをどっちにするのかというのと、獣医療サービスというのと獣医療提供というのが獣医療提供のほうが広くてサービスのほうが狭いのかよく分からないのですが、意識して整理したほうがいいかなと私も思いました。
【事務局(農水省・嶋倉)】
ありがとうございます。
先ほど磯部委員のいただいた御意見に回答を忘れておりました。獣医療弱者の定義というのは特段変えているものではないので、今回記載を削除してしまった部分については浅野委員、磯部委員からあったとおり、分かるように、獣医療へのアクセスが困難なという部分はしっかりと記載していきたいと思います。
獣医療サービスと獣医療提供という部分の使い分けというところに関しましては、明確な使い分けというのは、これまでも決めていなかったこともありますので、今回の中間とりまとめ(第2次)においてしっかりと、どのように使い分けるのか、どういうイメージで使うのかという部分について、検討を行って明確にしていきたいと考えております。
【西村座長】
ほかにいかがでしょうか。
先ほどの青山様のお話とか聞いても、やはり随分愛玩動物看護師って広がってきたなという印象があって、それがやはりこういう言葉としてちゃんと表現できるようになってきたなということで、本当によかったなと思いました。
ではここの部分は一応ここまでということにさせてもらって、骨子案については今幾つか御意見いただきましたので、そこは修正をしていくということでお願いしたいと思います。
また、委員の皆様におかれましては、本日のこの骨子案についてさらに何か御意見あれば事務局に御連絡いただければと思いますので、よろしくお願いします。
次回で本文案というのは出せそうな感じでいいですか。ではそういう方向で、できるだけやっていくということで行きたいと思います。
それでは次に動物愛護・適正飼養分野における活躍促進に関連し、今年度の取組内容について報告があります。事務局からお願いいたします。
【事務局(環境省・後藤)】
お手元に資料2-5を用意ください。
昨年度3月の会合で御報告した課題等に対しての、今年度取り組んでおります状況について御報告いたします。
2段目の青枠の中、これまで把握された課題ということで、(1)自治体での全国的な採用数が少ないことですとか、任用資格や自治体内での認知が十分でないことなどの理由から、配属先の想定が限定的であり、採用枠を設けた登用に慎重ということが挙げられておりました。
(2)の民間企業のほうにつきましても、愛玩動物看護師の活躍機会が少なく、動物診療施設以外での認知度が低いですとか、愛玩動物看護師がいることで得られる付加価値が不明瞭ということが挙げられておりました。
それらを踏まえまして、(1)、動物愛護管理行政への登用について、まず御説明します。
今年度取り組んでいく内容として、すでに取り組んでいますが、その内容としまして、①認知度の向上への取組として、昨年度作成しましたポスターとパンフレットの配布を行っておりまして、今後も続けていくところです。
もう一つ、主に自治体に向けて説明会の場を設けたいと思っております。現状オンラインでの開催を考えておりまして、制度の説明やカリキュラムの説明、雇用例、意見交換等を考えております。
1枚おめくりいただいて②として自治体での登用の方策の検討実施ということで、②-1自治体登用のモデルケース作成に向けた取組の推進ということで、自治体との意見交換や国からの必要な情報提供等サポートを考えております。
②-2としてインターン制度の活用検討ということで、自治体と学生、学校両方の意向等を把握して、どういったつなぎ方ができるか、有効かなどを検討していきたいと思っております。
②-1、②-2におきまして現在大学や自治体と意見交換しているところでして、大学側の任用資格についてや公務員志望の学生への対応や、インターン制度の現状把握等を進めているところです。
②-3については、社会課題への改善に向けた取組の活用を自治体にも展開していきたいと考えております。
矢印下、令和8年度、令和9年度のイメージもお示ししております。自治体でもモデルケースを得て、事例の蓄積や横展開を踏まえて、在り方の取りまとめにつなげていきたいと考えております。
次に、1枚また戻っていただいて、(2)民間企業における職域拡大についてというところで、(1)の行政の登用と同じ内容にはなりますが、①の認知度向上に向けた取組として、普及啓発物の送付や説明会の場を設ける予定でおります。
次のページに行っていただいて、②として活躍機会の拡大に向けた検討実施とさせていただいております。
②-1として、新たな職域での雇用機会の創出ということで、愛玩動物看護師を雇用することで差別化できる要素の整理を考えております。具体的には、ペットツーリズム関係やペット共生住宅関係などを想定しております。
②-2として社会課題の改善に向けた活動における愛玩動物看護師の付加価値の整理とさせていただいていて、活躍事例の集約というものを考えております。具体的には適正飼養指導、災害支援、動物介在教育・療法、学校飼育動物関係、社会福祉関係に包括していきたいと考えております。ここでまとめた事例は、民間企業はじめ自治体のほうへも横展開を考えております。
こちらについても令和8年度、令和9年度のイメージもお示ししております。企業等での活躍の実績が増えていくためのさらなる普及啓発や、事例の横展開等を行いながら、在り方の取りまとめを行いたいと考えております。
事務局からの説明は以上になります。
【西村座長】
この点についての御質問はまた後でお受けするということで、続いて動物愛護・適正飼養分野における活躍推進について、動物愛護管理行政における現場のお話を伺いするため、世田谷区の世田谷保健所生活保健課主任の鈴木様にお越しいただいております。
鈴木様は、日本獣医生命科学大学獣医保健看護学科を御卒業後、世田谷区役所に御入庁されています。その後、就職されてから愛玩動物看護師を取得されて、現在世田谷保健所の生活保健課に在籍されております。
お話に際して、現在の業務内容や採用時や現職の保健所に配属されるまでのお話、行政の分野で愛玩動物看護師の専門性がどのように生かされているか等をお伺いしたいと思っております。
それでは鈴木様、よろしくお願いいたします。
【鈴木外部委員】
ただいま御紹介にあずかりました世田谷保健所生活保健課で業務をしております鈴木と申します。普段はこうした場では事務局として仕事をすることが多いので、本日外部委員という貴重な場でお話を賜る機会をいただきまして本当に心より感謝申し上げます。
私からは、公務員愛玩動物看護師の可能性、地方自治体一般事務職としての事例という形でお話をさせていただきます。
まず初めに、簡単に経歴を御説明させていただきます。私は2010年3月に日本獣医生命科学大学の獣医学部獣医保健看護学科を卒業いたしました。当時は臨床部門の動物行動学研究室に所属しておりまして、以前はは東京都の動物愛護推進員も十数年勤めさせていただいて、動物愛護センター主催の動物教室の講師ですとか、町内会における飼い主のいない猫対策などを実施してまいりました。研究室の活動としてパピークラスですとか、子どもが犬にかまれる咬傷事故を防止するプログラムなどの実施も行ってまいりました。
同年4月に世田谷区役所に入庁いたしまして、2016年4月に第1子の育児休暇中に日本獣医生命科学大学の大学院に進学をさせていただいて、博士前期課程を2018年3月に修了いたしました。同4月から大学院研究生として昨年度まで在籍をしておりまして、今後博士号の取得を目指しているところでございます。
2023年の2月に第1回の愛玩動物看護師の国家試験を既卒者枠として受験いたしまして、その4月に今の世田谷保健所生活保健課に異動になりまして、現在も在籍しております。愛玩動物看護師の名簿登録が2023年6月です。
現在愛玩動物看護師を目指す2つの大学で公務員愛玩動物看護師とはどんな仕事かという内容の授業を持たせていただいています。
次に地方公務員として就職するまでどんなような思いがあったのかというのを、お話いたします。大学3年生あたりから真剣に将来のことを考え始めまして、自分は人と動物の共生に関する仕事がしたいということを考えておりました。当時は動物病院や動物看護系の教育機関を検討していたのですが、23区、特別区においては各区が保健所を有し、動物関連業務を実施しているということを知りました。当時保健所で動物関係の仕事をしている先輩職員の方から、こういった仕事には動物の専門知識を持った人を必要としていて、そういった知識は業務に活かせるよとアドバイスをいただいたことと、今所属している世田谷区で人と動物との調和のとれた共生推進プランを策定していることを知りました。
私は獣医保健看護学科の2期生という新設の学科に在籍していたこともあり、当時衛生監視職での受験ができなかったのですが、幅広い視点で社会貢献をしたいなと考えまして、一般事務職で受験をいたしました。
世田谷区における所属部署の経歴は、採用1年目から4年目は財務部で、動物とは全く関係のない業務ではあったのですが、住民税関連の業務を4年間経験いたしました。こちらは今思いますと、公務員の基礎知識である電話、窓口応対ですとか、システム関連、事務処理というのを経験することができたなと考えております。
4年目から5年目にかけて異動する際に、自分自身の経歴と希望をPRしたところ、動物関連ずばりの部署ではなかったのですが、今度は中小事業者の方の創業支援や経営支援、ソーシャルビジネス支援という仕事をさせていただくことができました。こちらで主任職に昇任をしまして、今までの1年目から4年目よりは少しステップを上げて、 新規事業ですとか新規の補助制度の構築だったり、大学や事業者の方との連携、庁内の調整といった仕事を任されるようになりました。こちらでは育児休業を2回取らせていただいた関係もあって在籍期間が約9年間と長くなったのですが、この間に愛玩動物看護師の資格が国家資格化したので、そちらの取得を目指しているという点と、さらに自分自身は動物関係の業務を資格や経験を活かしたいと相談したところ、、14年目から現在の保健所に配属になりました。
今の業務は大きく分けると二つございまして、狂犬病予防に関する事務と、人と動物との共生推進事業を行っております。こちらは本当に以前から目標としていた職場への異動だったので、専門知識や経験の活用はもちろんなのですが、1年目から4年目、5年目から13年目で培った区役所での経験というのも非常に活きたものになっております。
ここで簡単に、基礎的自治体が直面しているペットの関連課題のひとつである、「地域猫活動」というものを挙げさせていただきます。こちらは活動の定着以上に、猫の繁殖スピードが早いという現状がございます。餌をあげている方は猫がかわいそうだと思って餌をあげるのですが、近隣住民の方はそれを迷惑に思って引き取ってほしいというようなお話をされることが多いです。保護や収容は東京都の動物愛護センターの業務になるので、保健所では収容施設を持たないため、地域猫活動の推奨をさせていただいています。猫に関する令和6年度の相談内容は餌やり等に関してが他と比較しても非常に多く、年間200件近くなっています。
犬に関して「散歩マナー」がトラブルに発展することが多くなっております。そういった飼い主さんばかりではないのですが、トイレは外でするのが普通だと主張される方がいたり、家の前でトイレをされてしまう方は当然お家でトイレをしてから散歩させてほしいというようなお話をされ、保健所としてはマナーアップを啓発してはいるものの、令和6年度は100件近く、汚物・汚水というふん尿に関する御相談がありました。それと同じように鳴き声のご相談もあり、こちらはリモートワークの普及によって近所のワンちゃんの声が会議中に入ってしまうというような御相談も多くなってきております。
次が、先ほどの青山様のお話にもあったのですが、犬猫限らず「多頭飼育崩壊」が起きておりまして、こちらの問題の長期化というのも課題になっております。飼い主さんは非常に生活環境が劣悪になっているにもかかわらずペットを手放したくないという御意向があって、ボランティアさんが所有権の問題で介入できず、保健所は所有権放棄を促したり、いろいろとお話をさせていただいたりするのですが、問題の長期化が傾向としてございます。大きく分けると以上のような三つの問題に直面していると言えます。
そういった中で、次に愛玩動物看護師の知識が生かされたなという業務内容について、御説明させていただきます。
まず、科学的根拠に基づくアドバイスや事業の構築ができているというところですが、これは動物生態学だったり、行動学、内科外科学、形態機能学などで得た知識が活かされているなと感じております。事例といたしましては、日々の電話や窓口において、飼い主さんですとか相談者の方から御相談が寄せられた際に、適正飼養の普及啓発を行うのですが、そういった方からワンちゃんのほえ声が気になりますとか、うちの子がちょっとほえてしまって近隣に迷惑をかけていますという御相談があった際に、分離不安の可能性があったり、認知症になっていませんかですとか、子犬なのでちょっと注意、区別がまだついていないようですねというような形で、考えられる原因をお伝えするのとそうでないのでは、説得力が異なってくるなというのを感じております。
ほかには私が実際に作りました広報媒体(リーフレット、ホームページ等)にも、最近は犬も熱中症になりますよというようなことだったり、分離不安を軽減させるために、「行ってきます」などペットへの声掛けは控えめにしてくださいというようなことも載せることができました。
地域猫活動セミナーで保健所部分を担当して発表したりですとか、犬のしつけ方教室も実施をしております。
次に、動物看護関連法規等の知識については社会情勢を考慮した区民サービスの提供につながっていると考えております。動物看護関連法規ですとか愛護適正飼養学というものを学んでおりますので、狂犬病予防法の事務ですとか、新しい制度の構築を今いろいろと行っているのですが、新しい飼い主さんへ猫を引き渡した際の補助金ですとか、当区ではふるさと納税を活用したペット関連施策を行っておりまして、それらの構築にも担当として携わっているところです。
「人と動物との調和の取れた共生推進連携協議会」というもので、外部委員の先生方等をお呼びして協議会を行ったりですとか、先ほどのお話にもありましたが、近年注目の高いペット防災関連の業務についても取り組んでおります。
次に、飼い主さんとボランティアさんとのコミュニケーションを取る際に、動物病院等の医療実習等で培ったコミュニケーションの技術ですとか、ボランティア活動の経験が生かせております。
電話窓口応対が、先ほどの適正飼養の指導のところと少し重複するのですが、動物病院と類似した応対を実施するように心がけておりまして、○○さんちのぽちちゃんというワンちゃんであれば、「ぽちちゃんの飼い方についてこういったところがあると思いますが、いかがですかね」というような形でお話をすると距離感が近づいて、飼い主さんのほうも心を開いてお話を聞いてくださるなと感じております。これは職場全体でも共有していて、こういった対応によりトラブル減少に努めています。
動物連絡員というボランティア制度の構築ですとか、研修の実施、町内会等の組織へ、地域猫活動の普及啓発を行ったりですとか、地域で活躍していただいているボランティアさんとの連携に活かすことができているなと感じております。
また、今の保健所の業務ではないのですが、一つ前の部署で、ペット関連ソーシャルビジネス支援に携わらせていただきました。ペット関連のソーシャルビジネスをしているところに取材をさせていただいて記事の作成、冊子の発行をさせていただいたりですとか、ペット関連のソーシャルビジネスの事業計画の策定支援にも携わらせていただきました。
愛玩動物看護師が社会課題を解決したりですとかそういった企業で活躍するというところで、自分自身も大学の講義で動物関係のペット関連のソーシャルビジネスの重要性や案について、講義なども行っております。
まとめになりますが、一般の方だったりペットの飼い主さんというのは、基本的に自分の想いですとか、経験に基づいた動物愛護思想で御発言や行動してしまう傾向がありまして、それは当然ですが、人それぞれ思想が異なるので、ときには意見が衝突してしまう場面が見られます。そうなってきますと、実効性のある制度の検討が難しくなってしまうのですが、愛玩動物看護師は科学的根拠に基づいた動物福祉を学んでおりますので、獣医学的にも統一された見解を持ち、人にもペットにもよりよい制度を検討することが可能であるということを、今回のヒアリングに際して上司から言っていただきました。
今後の思い描くキャリアですが、私自身は公務員愛玩動物看護師として、動物病院や教育機関、動物関連事業者、ボランティアさんと連携して、地域の課題を解決するためのハブの機能になっていきたいなと思っております。
例えば、動物看護系の教育機関さんと動物関連のボランティアさんをつなぐことで、ボランティアさんにとっては今マンパワーの補填ですとか技術継承、動物看護系の専門知識というのが不足している場合もありますので、その習得につながるかなと思いますし、教育機関のほうでもボランティア活動の学生さんの参加促進につながるなと考えております。
教育機関と関連事業者さんをつなぐことで、同様に専門知識や人材の確保につながりますし、動物看護系の教育機関においては学生さんの職業理解だったり職域拡大につながるかなと考えております。
保健所といたしましても、こういったところと連携をさらに深めさせていただくことで、最新の学術情報を受け取ることができますし、民間事業者さんのノウハウや専門技術を生かした施策の構築をさらに進めていけると思っております。
動物病院は日々とても大変だという現状を知っている愛玩動物看護師が保健所等にいることで、行政との良好な関係をつくれるのではないかということも上司のほうからアドバイスをいただきました。
地域の課題というのが、先ほども申し上げましたが適正飼養ですとか、飼い主のいない猫対策、犬のお散歩マナー、トレーニング、咬傷事故、多頭飼育崩壊、単身高齢者のペット飼育、ペット防災など非常に難しい課題が山積しているのですが、こうした皆様と一緒に地域の課題を解決していく役割を果たしていきたいなと考えております。
最後になりますが、自分自身も今回のヒアリングに出させていただく上で、前回の合同会合議事録等も拝見し、公務員愛玩動物看護師の確保というのは非常に重要だなと思っております。
採用時のお話ですが、一般事務職で入った場合は本当に幅広い経験ができ、衛生監視職で入った場合は、基本的に23区の場合は保健所勤務になりますので、専門性を磨くことができると思います。ただ、どちらにしても公務員試験の勉強がハードルになっている部分はあるのかなと、ただでさえ動物看護学生は非常に実習だったり授業が忙しいので、それにプラスして勉強というのが少し厳しい部分はあるのではないかと自分の経験からも思っております。またどちらで入ったとしても動物関連業務を担当できるかの確約が現状としてないというところも、少しネックなのかなとは考えております。
ただ一方で、採用後に動物愛護管理担当部署に配属されなかったとしても、動物関連の仕事をする機会があるなというのも自分の経験から考えるところでございます。また自分の希望する部署に配属して活躍するためには、国家資格になった愛玩動物看護師の有資格者だというのを自分からPRしていくことも重要かと思います。そういったPRを通じて、周囲にスキルを認知してもらうということで、一歩を踏み出せるのかなと思っております。
先ほどの環境省さんからのお話にもありましたように、認知度を向上させるには受験者の皆さんと地方自治体両方に、資格に関する広報が重要になってくるのかなと思っておりまして、前回の議事録に載っておりました調査結果で、配属先が限定されてしまうというような自治体側の懸念があったかと思いますが、例えば私が考えるだけでもこういった幾つかの部署に配属されれば、専門性を生かすというのは可能なのかなと思っております。
例えば、環境関係の勉強もしてきていると思うので環境政策の分野ですとか、あとは公衆衛生、災害対策、市民活動、自分自身もおりました経済対策系の部署、あとは子ども・教育関連の部署も動物関連の情操教育事業を行っていたりしますので、そういった形で幅広く活躍ができるのではないかと思っております。
上司や同僚も専門的な知識を持った人材はやはり必要だなと話をしてくれておりますし、私自身も同じ志を持った仲間がもっと増えてほしいと思っております。山積する地域の課題解決には、そういった専門的な人材の確保が絶対に必要だなと思っていますし、地方公務員を目指す学生さんが今後増えてほしいなと思っております。
自分自身の保健所の業務ですとか大学で行わせていただいている講義を通じて、自分も愛玩動物看護師の未来を開拓することを皆さんと一緒に行っていけたらなと思っておりますので、微力ながら何か今後もありましたらお力になれればうれしいなと思い、今回の発表を終了させていただきます。
【西村座長】
それでは、事務局からの動物愛護・適正飼養分野における活躍推進のあり方についての説明と、鈴木様の御説明、御質問、御意見等あればお願いしたいと思いますが、まず鈴木様のほうに中心に御質問等があればお願いいたします。
【浅野委員】
随分区でやっていらっしゃるのだなと思って聞いていたのですが、動愛センターとか都と基礎自治体との連携とか、役割分担というのが分からないので確認したいのですが、多分動愛法の25条の適正飼養だと結局市区町村、基礎自治体が協力をするということで、マナーの問題とか、保健所ですから特に地域猫の問題はやっていて、引き取り処分とか業の監視とか特定動物となると都道府県とか動愛センターだと思いますが、例えば咬傷事故の届出は、結局保健所になるのか東京都の動愛センターになるのかという、例えば一般人とか推進員、あるいは愛護団体にとって見ると、区に持っていくのか都に持っていくのかが分からない。結局都に持っていって駄目だから区に持っていって、区の 例えば担当者が、こうやって世田谷区みたいにいい方がいると、そこで結局解決していただくということになると思いますが、ただ推進員は区の人といっても都の、都で結局は全体で選ばれているわけで、両方活動されているということになるのかなと思います。結局その辺の連携とか役割分担というのが、どうしてもいつもイメージつかないので教えていただければありがたいです。
【鈴木外部委員】
確かに、区民の方からは都にかけたらいいのか、区にかけたらいいのか分からないというご相談は実際にあります。大きく分けますと動物の保護収容、動物取扱業等の関連が東京都の業務になっておりまして、特別区のほうでは飼い主さんのマナーの指導ですとか、適性飼養の普及啓発、地域猫活動などを現状行っておりまして、咬傷事故の届出に関しても、保健所のほうに行っていただいております。
一方で、多頭飼育崩壊などのように犬猫の救済と言いますか、保護等が必要になってくるような部分では、東京都の動物愛護相談センターと連携して、一緒に現場のほうに入らせていただくということもございまして、あとは連携といった形ですと、イベント関連の動物愛護普及啓発イベントなどに一緒にブースを出させていただくようなこともございます。
【浅野委員】
例えば東京都動愛センターから協力依頼ということはよくあるのですか。
【鈴木外部委員】
動物愛護センターから区に何かの関係で協力があるか、事例があるかというようなお話ですと、東京都と特別区全体で動物担当者会を年に4回行っております。そういったところでまず情報共有をさせていただいておりまして、何か連携して取組が必要な事案があった場合には、こちらから動物愛護センターに御連絡をする場合もありますし、動物愛護センターさんからこちらに、例えばこの犬が咬傷事故を起こして、都の動物愛護センターに情報が入ったので指導を区のほうからお願いしますというような情報共有をさせていただくような場面もございます。
【山川委員】
御発表ありがとうございました。お伺いしたいのは、この構築された動物連絡員制度というのがどういうものかということと、あとペット関連ソーシャルビジネス、これはどういうものなのか、二つ教えていただけたらと思います。
【鈴木外部委員】
世田谷区の動物連絡員制度というのが令和5年度に開始され、ホームページ上にイラストで解説図が載っています。近年増加しております多頭飼育崩壊ですとか、不適切飼育につながる案件を早めに自治体としてキャッチしたいというところがございます。動物関連の知識がなくても、例えば民生委員をやっているですとか、地域の町会で役員をやっていていろいろな方とうまく情報共有ができ、御近所づきあいが上手な方等になっていただけたらという意図がああります。動物に関する地域の課題は、問題が起きてからキャッチすることが多く、早期の発見、予防というのが難しい部分があるので、地域住民の方にこういった動物に関する地域の課題を情報収集していただいて、適切な機関、 例えば保健所だったり警察だったり団体さんのほうに早めに情報共有していただいて、他機関と連携して課題にアプローチをするというのが制度の目的です。
世田谷区民の方にも動物連絡員制度のPRをしておりますので、区民の方からの動物に関する御相談ですとか御連絡を連絡員の方に取りまとめていただいて、つないでいただく役割ということも行っていただいたりしています。ボランティアさんが何でもやってくださるという形ではなく、あくまで近所のペットに関する地域の課題を吸い上げて、早期発見、解決、予防に努めるという制度でございます。
1点目の御質問がこちらで、2点目がペット関連のソーシャルビジネスの支援というお話でよろしかったですかね。
【山川委員】
ソーシャルビジネスの内容はどういったものか。
【鈴木外部委員】
経済産業紙に載せさせていただいたソーシャルビジネス事業者さんについては、保護猫関連の事業者さんでした。その他、ペット関連の事業計画の策定支援をさせていただいた方もいらっしゃいました。
【市川委員】
動物愛護推進員さんとこの連絡員さんというのは、併存しているのですか。動物愛護推進員って都であります、県とかでも。その方とはまた別途で作って。
【鈴木外部委員】
そうですね。別途で作っております。
【佐伯委員】
質問二つ、そんなにややこしくないのですが、一つは台東区には獣医師が確かいらっしゃったと思いますが、世田谷区は獣医師がいるのかというのと、もう1つは今のかなり動物と接するような、本来多分おやりになりたかったところに来るまで14年間かかっているということですが、なかなか14年間モチベーションを保ち続けるのは大変だったかなと思ったりもするのですが、その辺どうモチベーションを保たれたのかというのを教えていただきたいなと思いました。
【鈴木外部委員】
御質問ありがとうございます。
まず1点目なのですが、当保健所にも獣医師免許を持った者はいるのですが、保健所の内部で自分自身がいる課が生活保健課というところで、係が生活保健という係ですが、現在の係にはちょっと残念ながら獣医師免許を持った方がおらず、ほかの隣の係にいるというような状況でございます。
もう一点、おっしゃっていただきましたように、14年間という長い期間を経て今回保健所のほうに配属になりまして、その辺りを実は学生さんとかにもお話をさせていただく際に、経歴のところにも書かせていただいたのですが、やはりここに来るまでに、動物関連の専門知識が薄れてしまったり、モチベーションが低下してしまうことが自分に とっても怖いなという部分がありましたので、育児休業中に修士課程を取らせていただこうと思ったりですとか、あとは実際にこういった仕事に就けるまではボランティア活動で地域に貢献をしていこうと考えておりました。
一つ前のソーシャルビジネス支援の仕事というのは非常にやりがいがありまして、動物関係の業務そのものではなかったものの、ペット関連のソーシャルビジネス事業者さんに関与したり、中小事業者の方の支援をするというのがすごくやりがいがありました。そういった視点というのは今まで自分が持っていなかった視点でして、その視点を持って保健所のほうに異動することができたのは、すごくプラスにもなったなと思います。回り道をしてもその知識というのは役に立てるのだなというのが徐々に分かってきてからは、モチベーションが維持できたかなと思います。
【佐伯委員】
ありがとうございます。お聞きした、後の2番目の御質問でさせていただいたことというのは、やはり教育機関として、もし今後公務員採用があるとしたらどういう人材が公務員に向いているのかということを考えたときに、いろいろと社会活動とか行政の業務自体にもともと興味があるとか、幅広い知識を得ることに興味がある子とか、そういう望ましい人材というのがやはりあるのかなと思いましたのでお聞きしてみました。ありがとうございます。
【西村座長】
ありがとうございます。
あと、議題の(3)と(4)が残っているので、最後にお聞きしたいのですが、自治体として愛玩動物看護師はバリューありますか。
【鈴木外部委員】
少なくとも今私が仕事をしている係では、私自身もあると感じておりますし、同僚や上司も専門人材の必要性を認識してくれています。その職員がほかの職員に専門性を広めることができますし、そういったところで組織がレベルアップしていけるよねという話を、ありがたいことに上司や同僚からもしていただいています。私自身も愛玩動物看護師は現場に必要で、今後増えていって欲しいと思っております。
【西村座長】
やはりそういうところをどんどん広めていけば、自治体が愛玩動物看護師さんを雇ってくれるというきっかけになるということですよね。
【鈴木外部委員】
はい、そのように思います。
【西村座長】
分かりました。お聞きしたいことはほかにもあると思いますが、議題の(3)と(4)をやらないとまずいので、これについてはこれで終わりにしたいと思います。
それではいろいろ御意見いただきましたが、国家資格の信頼確保については、引き続き国家試験等の検証や行政処分の実施について、獣医療現場での職責・役割については制度のあり方に関する検討の中間とりまとめ(第2次)案を策定し、飼養者との信頼関係構築や獣医療弱者への獣医療提供や愛玩動物看護師の生涯教育について検討する、動物愛護・適正飼養分野における活躍推進については動物愛護管理行政での登用、民間企業における職域拡大、養成・資質向上については生涯教育についての実態調査及びその結果を踏まえた整理検討について、事務局で今年度の対応をお願いしたいと思います。
【事務局(環境省・後藤)】
それでは、次の議事から非公開となりますので、傍聴者の方は退席をお願いいたします。外部委員の方もこの議題で退室になりますので、ありがとうございました。
【西村座長】
それでは本日の合同会議を通して、そのほか御意見等ございましたら、時間はないのですがよろしくお願いします。
先ほどお話ししたように資料の2-3、中間とりまとめの(第2次)案と、資料2-5について、委員でまた御意見等ございましたら事務局のほうに何なりとお申しつけいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
お陰様で本日の合同会合の議事を全て終了することができました。議事の円滑な進行に御協力いただきまして、ありがとうございました。
閉会に当たり、事務局より御挨拶をお願いいたします。
【事務局(環境省・近藤)】
環境省の自然環境局総務課長に7月から着任した近藤でございます。僭越でございますが、閉会に当たりまして一言御挨拶させていただきます。
本日は御多用の中また長時間お集まりいただきまして、本当にありがとうございました。本日第4回国家試験及び予備試験の日程等の御報告と、先ほどの個別の免許付与の案件、愛玩動物看護師制度の推進に向けた検討事項の御議論と、加えて、青山様、鈴木様から現場ならではの貴重な御意見をいただいております。
皆様から本日いただいた御意見を踏まえまして、愛玩動物看護師が獣医師医療及び愛護適正飼養推進の両方の現場において、しっかりと職責を全うできますよう、また広く国民の皆様から頼られる存在となっていただけるよう、引き続き農水省さんと一緒になりまして制度の適切な運用や在り方、諸課題の解決に引き続き取り組んでまいりたいと思っております。
委員の皆様におかれましては、愛玩動物看護師制度のさらなる発展に向けまして、御尽力に感謝申し上げますとともに、引き続き、この場等を通じて御指導いただきますようよろしくお願い申したいと思います。
以上をもちまして、僭越でございますが、私からの閉会の挨拶とさせていただきます。本日は長時間どうもありがとうございました。