令和5年度第2回獣医事審議会免許部会中央環境審議会動物愛護部会愛玩動物看護師小委員会(合同会合)議事録

1.日時

令和5年12月15日(金)午後2時00分~午後3時31分

2.場所

環境省第1会議室(東京都千代田区霞が関1-2-2)

3.出席者

構成員(50音順、敬称略):浅野明子、長田三紀、中山裕之、西村亮平、村中志朗、山﨑薫、横田淳子
外部委員(敬称略):三本佳枝
事務局:農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課、環境省自然環境局総務課動物愛護管理室

4.議事

(1)第2回愛玩動物看護師国家試験予備試験等について(報告)
(2)獣医療現場における愛玩動物看護師の職責・役割について
(3)愛玩動物看護師就職状況等調査について(報告)
(4)令和5年度第1回合同会合の結果について ※非公開
(5)その他

5.配付資料

資 料1    第2回愛玩動物看護師国家試験予備試験の結果について  
資 料2    獣医療現場における愛玩動物看護師の職責・役割について 
資 料2-1  愛玩動物看護師制度推進に向けた検討事項 
資 料2-3  [横田委員ご提供資料]愛玩動物看護師の現在 実地調査 
資 料2-4 (案)新たな国家資格としての愛玩動物看護師のあり方に関する検討 報告書(中間とりまとめ) 
資 料3    愛玩動物看護師就職状況等調査について 
資 料4    令和5年度第1回合同会合の結果関係【一部非公開】
資 料4-1  愛玩動物看護師に対する行政処分に関する基本的な考え方(令和5年 3月30日付け4消安第7318号環自総発第2303301号)
※資料2-2、4-2、4-3は非公開。
参考資料1  獣医事審議会免許部会・中央環境審議会動物愛護部会愛玩動物看護師 小委員会(合同会合)の開催について
       別紙 構成員名簿 
参考資料2  愛玩動物看護師法条文
参考資料3  愛玩動物看護師法附帯決議 机上配布資料 愛玩動物看護師就業状況等調査の調査結果概要【非公開資料】

6.議事要旨

(1)第2回愛玩動物看護師国家試験予備試験の結果等について報告された(公開)。
(2)獣医療現場における愛玩動物看護師の職責・役割についてヒアリングを実施し、新たな国家資格としての愛玩動物看護師のあり方に関する検討報告書(中間とりまとめ)案について審議した(公開)。
(3)愛玩動物看護師就職状況等調査の概要について報告された(公開)。
(4)愛玩動物看護師法第4条第1号に該当する者からの愛玩動物看護師免許申請に関する考え方等について審議した(非公開)。
(5)その他
    議事の公開について、議事(1)から(3)は議事録を、議事(4)は議事要旨のみ公開することとした。

7.議事概要

【西村座長】 それでは、定刻になりましたので、ただいまから令和5年度第2回獣医事審議会免許部会・中央環境審議会動物愛護部会愛玩動物看護師小委員会(合同会合)を開催させていただきます。
 まず、開会に当たりまして、環境省自然環境局総務課、立田室長から挨拶をお願いいたします。
【事務局(環境省・立田)】 皆さん、こんにちは。環境省動物愛護管理室の立田でございます。9月から着任しております。よろしくお願いいたします。
 本日、令和5年度第2回の獣医事審議会免許部会、それから中央環境審議会動物愛護部会の愛玩動物看護師小委員会の開催に当たりまして、一言申し上げさせていただきます。
 委員におかれましては、年末のお忙しいところ、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。日頃から、愛玩動物看護師制度の推進について、ご助言・ご指導を賜りまして、誠に感謝を申し上げます。
 それから、この制度ですけれども、10月30日に第2回の予備試験の合格発表がございました。来年の2月の試験に向けて、今、主務省庁、関係団体と連携して準備をしているところでございます。今年初めてだったということもありますけれども、今回2回目ということですので、また慎重に進めていきたいと思ってございます。
 今日の会議ですけれども、前回、都内の比較的大規模な動物病院にお勤めの方からお話を伺い、今回、北海道の1次診療の動物病院に勤められている愛玩動物看護師の方を外部委員としてお招きして、医療現場、実際の現場で愛玩動物看護師の職務、職責ですとか、役割について、ウェブでヒアリングをするという時間も設けてございます。
 そのほかにも、愛玩動物看護師の就職状況の調査ですとか、今後の活躍、発展に向けた取組の報告などもさせていただこうと思っております。法で定められた目的に資するものとなるように、信頼性を確保して、獣医療分野、それから動物愛護適正分野における活躍を推進すべく、委員の皆様のご意見を頂戴したいと考えております。
 今回も委員の皆様には活発なご議論をいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 本日は課長の松下に別件が入ってしまいまして、私が代わりにご挨拶させていただきました。私も急遽出ないといけないことがありまして、途中中座させていただき、戻ってこられるかなとは思っているのですけれども、申し上げありませんけれども、よろしくお願いいたします。本日はよろしくお願いします。
【西村座長】 立田室長、ありがとうございました。
 それでは、会議冒頭のカメラ撮りについてはここまでとさせていますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、委員の出欠状況について、事務局から報告をお願いいたします。
【事務局(環境省・水﨑)】 事務局の環境省、水﨑と申します。よろしくお願いいたします。
 本日の委員のご出席につきまして、ご報告させていただきます。
 本合同会合は、獣医事審議会免許部会・中央環境審議会動物愛護部会の委員及び外部委員9名からの構成となっております。本日は、磯部委員、佐伯委員はご欠席となっておりますが、獣医事審議会免許部会、それと中央環境審議会動物愛護部会のそれぞれの定足数の要件を満たしております。このことから、本日の合同会合につきましては、会議として成立しているということをご報告申し上げます。
 また、本日議事2の(2)の獣医療現場における愛玩動物看護師の職責・役割についてというところにつきまして、この合同会合の開催に関する規定でございますけれども、獣医事審議会免許部会・中央環境審議会動物愛護部会愛玩動物看護師小委員会(合同会合)の開催についてという規定の2番によりまして、外部の委員として犬と猫の診療所の三本佳枝愛玩動物看護師にご参加いただきますので、ご報告いたします。
 次に、議事録と議事要旨についてですけれども、後日公開と考えてございます。ただし議事2の(4)部分の議事録につきましては、前回非公開であった議事の関係になりますので、非公開といたします。
 議事要旨については座長に、議事録は委員の皆様にご確認いただいた後、農水省と環境省のウェブサイトに掲載させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 では、次に配付資料を確認させていただきます。一番上の資料一覧の紙からご覧ください。
 こちらにございますとおり、議事次第、座席表、出席者名簿、資料1から4、参考資料1から3といった構成になってございます。もし資料の落丁、不足等ございましたら事務局にお申しつけください。
 資料については、以上でございます。
 次に、議事次第でございますけども、こちら議事次第の紙に書かれておりますとおり、(1)から(5)までの議事がございます。(1)としては、第2回愛玩動物看護師国家試験予備試験等について、(2)獣医療現場における愛玩動物看護師の職責・役割について、(3)愛玩動物看護師就職状況調査について、(4)令和5年度第1回合同会合の結果について、(5)その他となっております。
 このうち、先ほど申し上げましたとおり、議事2の(4)の令和5年度第1回合同会合の結果についての議事は非公開、それ以外の議事は公開とさせていただきたいと考えております。
 最後になりますけれども、環境省の課長の松下は少し遅れて出席させていただければと思いますので、どうかご了承ください。
 事務局からは以上となります。
【西村座長】 それでは、議事2(1)第2回愛玩動物看護師国家試験予備試験等について、事務局から説明をお願いいたします。
【事務局(環境省・後藤)】 事務局の環境省の後藤です。よろしくお願いいたします。
 では、お手元の資料1をご覧ください。第2回愛玩動物看護師予備試験の結果について、ご説明いたします。
 第2回愛玩動物看護師国家試験予備試験を令和5年10月1日日曜日に実施し、10月30日月曜日に合格発表がございました。合格者数は2,364人、合格率は98.4%でした。
 備考としまして、予備試験は実務経験がある現任者等が講習会を受講した上で、国家試験前に受験します。国家試験は学校等で必要な知識、技能を習得した者と、予備試験に合格した現任者が受験することとなっております。
 予備試験の結果については以上になります。
 第2回の愛玩動物看護師国家試験ですが、令和6年2月18日日曜日に実施予定になっております。実施地は予備試験と同じで、北海道、宮城県、東京都、愛知県、大阪府、広島県、福岡県の全国7か所を予定しております。合格発表は3月15日金曜日の予定です。
 引き続き主務省と機構とで、連携して対応していきたいと考えております。
 説明は以上になります。
【西村座長】 ただいま事務局からの報告につきまして、ご質問等ございましたら、お願いします。いかがでしょう。
 中山委員から何かコメントございますか。
【中山委員】 特段ございません。合格率ですけれども、今回98.4%、前回1回目が99.5%だったんですけど、大体前回と同じような合格率だったということだけ、ご報告申し上げたいと思います。 以上です。
【西村座長】 ありがとうございました。ほかにございますでしょうか。
 それでは、議事を進めます。議事2(2)獣医療現場における愛玩動物看護師の職責・役割についてです。資料2-1をご用意ください。
 昨年の本会合において、この四つの柱のうち、二つ目の獣医療での職責・役割についてヒアリングを行いながら検討を進めることとし、赤間愛玩動物看護師にヒアリングを行いました。本日は前回に引き続き現場のお話を伺いするために、北海道の犬と猫の診療所の三本佳枝愛玩動物看護師にお話を伺います。
 資料2-2をご用意ください。三本様は2003年に現在お勤めの犬と猫の診療所に入社、同診療所に20年以上お勤めされています。それでは三本様、お願いいたします。
【三本外部委員】 よろしくお願いします。ただいまご紹介いただきました犬と猫の診療所の三本です。うまく話せるか分かりませんが、よろしくお願いいたします。
【事務局(農水省・大倉)】 三本様、それでは今日はよろしくお願いします。
 まず、すみません。簡単に自己紹介と、普段の業務と、愛玩動物看護師になられて変わったことを簡単にご説明いただければと思います。
【三本外部委員】 まず1日の仕事の流れですが、うちの病院は朝8時から夕方4時半までです。朝7時45分頃に出勤をし、前日夜間で来た子たち、時間外に来た子たちのカルテチェック、入院動物のお世話、検査があれば血液検査、レントゲン、そして手術準備に入り、朝9時から手術が始まります。
 10時から外来スタート。午前中は外来が多いので、往診とか訪問には行けないのですが、午後1時からまた外来がスタートするので、そのときあれば往診、訪問、お薬の配達など、外の業務もやっています。
 資格を取って変わったことですが、まず一番驚いたのは、オーナーさんがとてもよろこんでくださったことです。新聞を見ました、おめでとうと涙ぐんでくれる患者さんも多かったです。そして、とにかく信頼度がとても高くなったと感じています。
【事務局(農水省・大倉)】 ありがとうございます。今の業務の中で夕方、往診や訪問があるとお伺いしましたが、どういった形でやられているかを簡単にご説明お願いします。
【三本外部委員】 現在は、定期的に通う往診の子はいないのですが、ちょっと前にいた子は、大型犬、ラブラドールで、寝たきりになっていて、自力排尿ができない寝たきりの子だったので、1日に1回、カテーテルで排尿させて、食事介助、体位交換などをしていました。飼い主さんも車がなくて高齢であったため。
 今はちょっと落ち着いていて、往診に行く子はいないのですが。
【事務局(農水省・大倉)】 三本さんは北海道の足寄というところの動物病院で、町に動物病院が1軒、2軒ぐらいとお伺いしていますが、どのぐらい遠くまでいらっしゃったりされますか。
【三本外部委員】 足寄町という町は、すごく小さな町で、人が住んでいる町、車で10分もないので、病院から大体10分圏内でどこでも行けてしまう感じです。そのためそんなに遠くは行っていませんが、どこに行くにも10分もあれば行ける距離という感じです。
【事務局(農水省・大倉)】 ありがとうございます。高齢のオーナーさんが多いという感じでしょうか。
【三本外部委員】 そうですね、ご高齢で車の免許証を返納されている方も多くて、動物を連れて来れないという方が多いので、薬を持ってきて、餌を持ってきてというときも、ちょっと顔を出して、動物の顔色を見たりとか、お話をすることで、少し普段の本当の生活環境が分かったりしています。
【事務局(農水省・大倉)】 ありがとうございます。資格をお持ちということでいらっしゃると、行った先の患者さんのお話の聞き方とかも、変わったのではないかなと思のですが、勉強されて、往診のときに変わったことなど、もしあればお願いします。
【三本外部委員】 目につくところが少し変わってきたと、自分では思います。うまく伝えられないのですが、今までだったらフードを届けて終わりとか、お話しして終わりだったのですが、より深く患者さんのことも、わんちゃんたちのことも見れるようになったと思います。
【事務局(農水省・大倉)】 ありがとうございます。あとは多分、動物病院の先生とのお話の内容というか、コミュニケーションも、飼い主さんから聞いてきたお話を伝える、先生がお話しされたことを患者さんに伝えるというところでも変わったこととかあれば、お願いします。
【三本外部委員】 やはり病院では、わんちゃんも猫ちゃんも本音を見せないので、いい子でいるというのかな、本当のこと言わないものの、実際家に行ってみると、こういうものを食べていたよとか、そういうのが分かると、治療にもつながるのかなというのが、勉強することで分かったと感じています。
【事務局(農水省・大倉)】 ありがとうございます。愛玩動物看護師の資格をこの春に取られたわけですけれども、きっかけを教えていただければ。
【三本外部委員】 年齢もあるので、もう取らなくてもいいかなと正直思っていましたが、この先のことを、この町で、やっぱり往診や訪問がとても必要だなというのを感じていて、この先専門にというか、往診、訪問を専門にできたらいいなと思っています。あと老犬とか、老猫ちゃんを預かったり等というのをもっと積極的にやりたいなと思って受けようと決めました。
【事務局(農水省・大倉)】 ありがとうございます。先生方からお願いいたします。
【西村座長】 ありがとうございます。
 それでは、まず私からお聞きしたいのですが、先ほど言われたように、結構ご高齢の方が多いとの事で、往診に行くことによって、動物だけではなくて、飼い主さんとのコミュニケーションというのが、来てもらってうれしいといった感じなどもありますでしょうか。
【三本外部委員】 そこは私も一番重要、一番大切だと思っていて、来てくれているときから、そこの会話、コミュニケーションをすごく大事にしていますし、今後の新しい子たちにも、そこをすごく身につけてほしいと思うのですが、とにかく会話ですね。本当に会話です。聞くことですかね。
 先日も、てんかんの子で、朝8時前から電話が来て、私が病院の電話を取ったのですが、ああ三本さんでよかった、電話を取ってくれてよかったありがとうと言ってくれたのがやはりとてもうれしくて、そこまでのコミュニケーションをどうやるかと聞かれると、とても難しいのですが、すごく大切にしています。
【西村座長】 お話が長くなって、なかなか帰れなくなるなどというときもあるのでしょうか。
【三本外部委員】 あります。ありますが、正直に、また次のとき聞くねとか、今度ゆっくり来るねとか、本音を言えるような関係になっているので。ちょっと今忙しいからと、はっきり言える、言っても角が立たないような関係になっていると思います。
【西村座長】 なるほど。すばらしいですね。
 多分ケアマネさんとかもちょっと手が回らないといったところもあるのかと思うので、そういうところと連帯して、高齢社会を守るという点では、ものすごく大きな役割があると感じていますが、その辺はいかがでしょうか。
【三本外部委員】 正直、ここの足寄町というのが、動物を残して亡くなっていく方が何人もいるような町です。そういうのを預かる施設ではないですが、安心して預けてもらえるような施設もこの先考えたいなと先生と話していて、そういうのもあって資格も取りたかったですし、とても重要な問題です。
【西村座長】 ありがとうございます。
 それでは委員の中からいかがでしょうか。では、浅野先生からお願いします。
【浅野委員】 浅野です。よろしくお願いします。
 三つお聞きします。往診の良さというのを今お話を聞いてすごく感じたのですが、往診の中で、まず一つは今、座長からもお話がありましたけれども、人間のケアマネさんとか、福祉の人と連携することがありますかというのが一つ目なんですけど。
【三本外部委員】 ごめんなさい。さっき聞き取れなくて。連携することはないです。まだそこまでではなく、それぞれしっかりした方なので。
【浅野委員】 ありがとうございます。同じように、獣医師さんと連携というか、獣医師さんと同行して、往診をするということはありますか。
【三本外部委員】 あります。例えば治療の注射が必要なときは、こういう状態なので一緒に来て注射を打ってくださいと伝えて、一緒に来て注射を打ってもらったりしています。
【浅野委員】 分かりました。それから最後に、往診でできることが今後増えるのかなと思うのですが、愛玩動物看護師になったことで、往診をして、しやすくなったこと、あるいは多分しやすくなるだろうなと思うことなどあれば、教えてください。
【三本外部委員】 本当、単純に信頼ですね。信頼度が増して、今までであれば先生に聞いておいてねと言われていたことが、どう思うと、私の意見を聞いてくれるようになったので、すごく変わったと思います。
【浅野委員】 ありがとうございました。
【西村座長】 それでは、中山委員、お願いします。
【中山委員】 中山です。三本さん、よろしくお願いします。
 今、往診と言われましたけど、お一人で行かれる場合は往診ではなくて、訪問看護と言ったほうがいいかと思います。往診だと獣医師さんが一緒に行くことになりますので。
 お一人で行かれる場合に、どのようなことをされていまか。例えば傷があったら、そこのガーゼを取り替えるとか、あと、いつもお世話するときの方法を教示したりとかというようなことでしょうか。
【三本外部委員】 おしっこが自分でできなかった子はカテーテル排尿、あとは定期的な皮下点滴の子もいたし、あと食事介助、体位交換、傷、褥瘡があれば褥瘡の処置などですね。
【中山委員】 ありがとうございます。看護師資格を取得される前と、それから取得した後で、やはりやれることが大きく広がっているかなとは思いますけれども、その辺についてはいかがでしょうか。
【三本外部委員】 技術的なことはもちろんですが、やっぱり資格を取った後の信頼度が、とにかく増したと思います。患者さんたちが、相談の内容も濃くなってきましたし、先生と一緒に来てというのではなくて、一人で来てと言われることも多くなりましたね。
【中山委員】 やはり飼い主さんの信頼度が高くなったということは非常に大きなことだと思いますね。
【三本外部委員】 もうこんなに違うものかと思いました。
【中山委員】 分かりました。ありがとうございます。
【西村座長】ほかにいかがでしょうか。
【横田委員】 横田です。よろしくお願いします。
 まず一つは、今後訪問看護に行って、こういうことができればいいなという業務があれば、お教えいただけますか。
【三本外部委員】 ワクチンなどもできるようになるといいなと思います。ワクチンを打つのに迎えに行ってなどということもしていますが、治療というか、抗生物質の注射とか、そういうのもできるようになれば、もうちょっと病院の外来を止めずに行けたりするのかなというのはありますね。
【横田委員】 ありがとうございます。
 質問ではありませんが、今回の国家資格を取得したということで、年齢的にも、私も実は同じく第1回の試験を受けた者ですけれども、あといつまでこの仕事ができるかなと思うと、試験を受けるか受けないかというのを、私のほうが年上ですけれども、悩まれたのかなと思いますし、また、私どもが若い頃は学校等もやはりないですし、おそらく予備試験に行くにも札幌に出なくてはいけない、国家試験を受けるにも札幌に出なくてはいけないという大変なご苦労があったかなと思いますが、その辺りのご苦労はいかがでしょうか。
【三本外部委員】 本当にそのとおりですよね。このままあと何年かだから、このままでいいかなと思っていたのですが、受けると決めてからは、改めて勉強して、こうだったんだとか、病気についてこういうことだったんだということが、どんどん勉強してくるうちに分かって、行き詰まっていましたけど、とても楽しかったです。
 今いる入院の患者さんに対しても、患者さんに対しても、オーナーさんに対しても、わんちゃん猫ちゃんに対しても、より病気のことが深く知れて、とてもよかったと思っています。勉強し直すことができて、とてもよかったと思います。
【横田委員】 ありがとうございます。受けて、資格を取って、やはり信頼度も上がってよかったということも今日お伺いして、この資格制度が地方にも根づいていっているということを改めて思い直させていただきました。本当にありがとうございます。
【西村座長】ほかにいかがでしょうか。
 多分、愛玩動物看護師が国家資格化して、いろいろ変わるだろうなとはみんな思っていたと思いますが、今の信頼という言葉は大きなキーワードだなと思いました。資格を持っているかどうか、やはりみんな見ているわけですよね。そういう点はすごく大きな進歩かなと思うので、これからどんどん花を咲かせていくように、我々は努力していけばいいのかなと思いました。どうもありがとうございます。
 それでは事務局は、引き続き準備をお願いいたします。
 三本様、本日はお忙しい中、ご参加いただき、誠にありがとうございました。
【三本外部委員】 ありがとうございます。
【事務局(農水省・大倉)】 三本さんにはこの後も引き続きTeamsからご参加いただきますので、よろしくお願いします。
【西村座長】 前回は2次診療の比較的大きな病院の愛玩動物看護師さんで、今回は1次診療の動物病院の愛玩動物看護師の方に来ていただいて、環境的には少し特殊な方かなと思います。
 ここで、愛玩動物看護師の現状ということで、横田委員から情報提供をいただけると聞いております。横田委員、よろしくお願いいたします。
【横田委員】 委員の横田です。よろしくお願いいたします。
 本日は資料に加えていただきました資料2-3というところですけれども、私ども動物看護職協会では、4月に愛玩動物看護師が誕生して半年というところで、実際に現場がどう変わったのかというところを、当協会の第13回動物看護大会、また11月におかれましては、大阪で行われました第44回動物臨床医学会の年次大会で、併せてアンケートを行いましたので、結果を共有させていただきます。
 ざっくばらんに動物看護師の方に聞いたというところで、最初はやはりお給料が上がりましたかというようなことを聞いております。半数以上の方が上がりましたという回答だったので、結構変化としてはあったのかなと思っております。
 2番から5番までは、どのような業務をやっていますかというところでして、採血であったり、3番のところでは留置はやっていますか、尿カテをやっていますか、です。
 2番の採血に関しましては、結構8割近い方が行っていると。特に採血部位なども、その動物に合わせてでしょうけれども、いろいろな部位で行っているということが結果として出されております。
 また、入院中はやはり留置をするというところもありまして、留置に関しましても3番目のところで聞いております。ここに関しましても半数以上の者が、やはり行っているというところになります。
 協会といたしましては、このカテーテル導入、どうかというところがありましたので、実際にできる、また、これからやってみたいという気持ち、また現状できないというようなところで、この3点での回答というものをさせていただいて、お聞きしております。
 実際に5番のマイクロチップ、挿入していますかというところですけれども、これはちょっとパーセントが低くて32%だったんですけれども、実際にはおそらく動物診療施設において、回数の問題があるかと思います。やはり採血をしたり、留置をしたりというのは、日に何件もそういう症例がやっぱりあります。ですから、業務として大変多い。1日のうちに、マイクロチップを入れる子がどれだけ来るかというところになると、やはりほかの業務に関するよりも、件数としては低いというところが通常考えられますので、挿入のチャンスというものが、なかなかないのかなとも思っております。
 また、法律の中できちんと愛玩動物看護師の看護記録を書くということが規定されているのですけれども、なかなかここのところが半数ちょっとというところで、ここのところでは職能団体としても、今後より力を入れていくというところになっております。
 結果といたしまして、どの程度業務というものに変化が出てきているのかということを共有していただければありがたいと思っております。よろしくお願いします。
【西村座長】 ありがとうございます。
 ほかの委員から何かご質問等ございますでしょうか。
【長田委員】 うちの娘も愛玩動物看護師ですけれども、やはりこういう大会にご出席されている方と、なかなかそれができていない人と少し差があるんのではないかなというのは思いましたが、いかがでしょうかというのと、もう一つは、6番目の動物看護記録のところ、記録していても、それを使い切れていないというような現状もまだまだあるんじゃないかと思って、その記録をしたものを、どう使っていくのかというところまで普及しないと難しいのかなというのは、これは素人なりに思ったのですが、いかがでしょうか。
【横田委員】 本当におっしゃるとおり、これは学術大会に参加している者たちに聞いたということでありますので、本当に全国津々浦々の調査をすると、もう少しやはり実は下がるかもしれない。というのは、どうしても先ほども獣医師が1人とか2人とかという病院が日本ではほとんどなのですけれども、やはりそういう中で、どれだけ技術の習得というのが進んでいるのかなというところです。
 私どもはこの10月の動物看護大会でも、採血に関しましてもシミュレーション実習を行いましたけれども、やはりそれを全国津々浦々に持っていくということがまだまだできていない。大きなところでは院内での教育というのが進んでいる現状かもしれないですけれども、やはり小さなところだと、時間的余裕、人材の確保というところが、なかなか難しいのかなとも感じております。ただ、やはりこの1、2年で、そういうことが全国に浸透していかなければいけないと思っております。
 また、先ほどの看護記録に関しましては、まずは書くことの簡便さ、また、そのことへの取組というものがまず一番に大事ですけれども、それを動物の医療の中にどう生かすのか、獣医師が見て理解できる、また、その入院動物のことが一目瞭然に分かるというような記録になっていないと、活用になっていかないというところも含めて、なるべく早い段階で、例えばモデルであったりだとか、事例というものを出していきたいなと思っております。
【西村座長】 ありがとうございます。ほかにございますでしょうか。
【山﨑委員】 山﨑でございます。
 今年の9月1日、2日に今治の岡山理科大学で開催された日本動物看護学会に参加いたしまして、今年の特色として感じましたことは、代替教材の業者の方が多く参加されていたということです。やはり動物病院でマイクロチップ、あるいは採血等、なかなか患者さんで練習するわけにはまいりませんので、代替教材での学校教育内容を充実させていかなければいけない部分がたくさんあります。今までの学会とは違った雰囲気を感じました。
 多くの業者の方からパンフレットやお名刺を頂きましたが、まさに学校教育の変革期を迎えたと感じました。
【西村座長】 ありがとうございました。
 ここまで2回ヒアリングを行い、愛玩動物看護師がより活躍するために、病院の中での獣医師や、その他の獣医療スタッフとの役割分担の在り方について議論を進めてまいりました。今年度はこの議論を一旦取りまとめてはどうかと考えて、取りまとめの案を用意いたしました。事務局から説明をお願いいたします。
【事務局(農水省・大倉)】 事務局でございます。そうしましたら、ご用意いただいた案を説明させていただきます。お手元に資料2-4と書いてあるものをご用意ください。
 ホチキス留めになっていまして、1枚おめくりいただいたものが本体という形で、小さい字で5ページまでと、その下にその後にカラフルなポンチ絵をつけたものがございます。一番上のページの骨子と書いてあるものでご説明をさせていただきます。
 この中の取りまとめですが、はじめに、に関しましては、愛玩動物看護師の地位や自律性の向上を推進する観点から、愛玩動物看護師の業務やチーム獣医療の推進における愛玩動物看護師の果たすべき役割等を検討するものといった記載をしてございます。
 その次に、この取りまとめの背景ということになりますけれども、こちらは愛玩動物看護師の業務開始は、獣医療の在り方を大きく変えていくものといった旨の記載をしてございます。
 次に、2番ですけれども、こちらは愛玩動物看護師の資格と業務についてということで、(1)から(6)まで記載をしてございます。
 まず初めに(1)、こちらは愛玩動物看護師の地位ということで、愛玩動物看護師法第2条第2項で位置づけられているものであることを記載してございます。
 次の(2)疾病にかかり、又は負傷した愛玩動物の世話その他の愛玩動物の看護、こちらには、「疾病にかかり、又は負傷した愛玩動物の世話」とは、ヒト医療の看護師の療養上の世話にあたるもの、愛玩動物看護師が自律的に判断し、専門的な知識や技術を持って行う愛玩動物看護師の本来の業務であること。
 それから、「その他の愛玩動物の看護」というのは、ヒト医療でいうところの保健師、助産師、管理栄養士、介護福祉士等が専門的に行う業務に相当するものということで、愛玩動物の保健衛生指導、助産、栄養管理、介護指導など、広義の看護業務が看護ということを記載してございます。
 次の(3)診療の補助、こちらは診療の補助としての診療行為の範囲は獣医師の具体的な指示内容の程度、愛玩動物看護師の持つ知識、経験、技術等によって決定されるものといったことを記載してございます。
 (4)の獣医師の指示、こちらには「獣医師の指示」は具体的かつ個別的に行われることが望ましい。診療行為の内容、愛玩動物の状態、愛玩動物看護師の能力等の事情を斟酌して個別的に判断されるもの、といったことを記載してございます。
 次、(5)愛玩動物看護師の資格と責務、こちらには診療の補助は獣医師の判断により愛玩動物看護師に委ねるものということから、診療に関する最終的な責任は獣医師が負うべきものということ。
 それから、診療の補助であっても愛玩動物看護師の業務であることには変わりがないということで、求められる水準に満たない行為等により愛玩動物の保健衛生や健康に被害が生じた場合には、責任が問われる可能性もある旨を記載してございます。
 2の最後の(6)ですけれども、こちらにはチーム獣医療環境の構築ということで、愛玩動物や飼養者に寄り添った獣医療の提供という指向の中、愛玩動物看護師の体制充実や技能向上等により良質なチーム獣医療環境を整備していくことが重要、ということを記載してございます。
 3番には、良質なチーム獣医療提供体制の整備について、ということで、(1)から(5)まで記載をしてございます。
 まず初めに、チーム獣医療とはという定義のところですけれども、こちらには、愛玩動物診療におけるチーム獣医療は、獣医師、愛玩動物看護師等の獣医療従事者と飼養者が、対等な立場で意見と情報を交換しながら、傷病動物の治療を連携して行う獣医療の形態といった旨を記載してございます。
 次の(2)チーム獣医療における獣医師の役割、こちらは獣医師はチーム獣医療のリーダーであり病院内の他職種連携の中心的役割といったことを記載してございます。
 (3)には、チーム獣医療における愛玩動物看護師の役割ということで、チーム獣医療の実現においては、獣医師と飼養者の間に入った「要」としての役割が期待されていること。
 それから、獣医師の独占業務、診断とか治療方針の決定以外の診療の補助は愛玩動物看護師が担うことができる。療養上の世話をする上で必要な診療行為については、積極的に愛玩動物看護師に委ねていくこと、すなわち、獣医師と愛玩動物看護師との間でのタスク・シフトが課題になってくることを記載してございます。
 それから、傷病動物に対する適切な療養上の世話を施す観点から、その他の獣医療スタッフとの十分な連携を確保しながら、院内マニュアル等での役割の共同化、すなわち、こちらは愛玩動物看護師とその他のスタッフさんとのタスク・シェアが必要といったこと。
 それから、獣医師の行う獣医療レベルに沿った技能の修得ですとか、より専門性の高い愛玩動物看護師の育成も課題になってくる旨を記載してございます。
 次に(4)チーム獣医療における飼養者の役割の重要性ということで、飼養者が自分の飼っている愛玩動物の治療内容や動物用医薬品等への理解を深めて、動物を治す「チーム獣医療の一員」として傷病動物の治療に正しく参加できるように、愛玩動物看護師が中心になって支援をしていくことが重要ということを記載してございます。
 最後(5)の良質なチーム獣医療提供体制の整備の必要性としまして、愛玩動物看護師と獣医師が対等な立場で活躍して、高度に進歩・細分化した獣医療技術を効率よく適切に提供し、飼養者に寄り添った獣医療の質の向上を具体的に図る必要があること。
 それから獣医療へのアクセスが困難な獣医療弱者にも寄り添った獣医療提供体制の整備、治療に必要な正しい知識を提供できる仕組みの創設も重要な課題であるといったことを記載してございます。
 最後になりますけれども、おわりにとしまして、愛玩動物看護師には資質及び専門性の向上の努力を継続し、飼養者に対して動物看護を実践する専門職としての役割をより積極的に果たしていくことを期待していること。
 それから、愛玩動物看護師の自律性と高いモチベーションを実現するための手段、愛玩動物看護師の処遇改善に資する社会的地位の向上の実現に向けた課題について、この会合で議論を継続していくといったことを記載してございます。
 本文の内容は以上になりまして、3枚ほどおめくりいただいた、カラフルな愛玩動物看護師の業務(イメージ)といったところから、ご説明を続けさせていただきます。
 こちらは愛玩動物看護師の業務ということで、先ほどの骨子の中での2番の愛玩動物看護師の地位と業務についてといった部分の説明になってございます。
 その次のページからは、少し細かく、これを上から青い部分、緑の部分、黄色の部分がございますけれども、次のページからは、それぞれ青の部分、緑の部分、黄色の部分を条文に沿った形で、まず青い部分に関しては診療の補助のところですね。診療の補助とか、愛玩動物の看護、それから獣医師の指示とはといったところを、条文等に従って記載をしてございます。
 1枚おめくりいただきまして、良質なチーム獣医療のイメージ、こちらは先ほどご説明した骨子の3番の良質なチーム獣医療提供体制の整備についてといったところを図にしたもので、飼養者の役割とか獣医師の役割、愛玩動物看護師の役割といったことを、図の中で示させていただいております。
 最後、良質なチーム獣医療提供体制の整備の必要性といった、横紙のカラフルな絵になりますけれども、こちらは今申し上げた良質なチーム獣医療提供体制を整備するということで、飼養者に寄り添った獣医療を、愛玩動物看護師の技能と動物看護の専門職としての知識を活用してつくっていくイメージといったことで、右上のほう、飼養者がいますけれども、よりよい飼養環境などと、あと獣医療にニーズがあるといったこと、それから獣医療弱者といった方もこの中にはいらっしゃるということ、左下、動物病院の中に獣医さんと看護師さんがいらっしゃいますけれども、看護計画、治療計画をつくって、タスク・シェアなりを進めていくことということで、愛玩動物看護師の自律性ですとか、高いモチベーションを上げていくことで、愛玩動物獣医療の質の向上を図っていくといったことを図式にしたものでございます。
 事務局からの説明は以上です。
【西村座長】 ありがとうございます。ただいまの事務局からの説明について、ご意見をお聞きしたいところですが、最初に僕からお聞きしたいのは、獣医師からの指示というところを、どうやったらいいのと聞かれるんのですが、具体的にこういうふうに示すみたいなことはあるのか。あるいは獣医師会のほうでそういうことを考えられてるのかとか、いかがでしょうか。
 村中先生いかがでしょうか。
【事務局(農水省・大倉)】 すみません、本文の2ページになりますけれども、獣医師の指示を記載してございます。愛玩動物看護師法の条文上、獣医師の指示に関しては、指示の程度ですとか、指示の方法に関しては記載されてございませんので、一般的な指示、包括的な指示に基づく診療の補助であっても、動物の状態、愛玩動物看護師のスキル等個々の状況によって異なってまいりますので、獣医師が、愛玩動物の状態、あとは指示を出す先の愛玩動物看護師の能力などなどを斟酌しながら、個別に判断していただくということになってございます。
 また、救命救急業務に関しましても、この最後に記載してございますけれども、どういうふうにやるかというのをあらかじめ獣医師と具体的に取り決めておくといったことも可能ではないか考えております。
【西村座長】 お願いします。
【村中座長代理】 獣医師会としては、この指示について個別具体的に明確なものを決めているということはないです。今、大倉さんがお話しされたように、看護師によって能力も違いますし、どこまで指示していいのかどうかは、そこのやはり獣医師の判断によって、個々、ケース・バイ・ケースだと思っていますので、特に今後もそういったことを具体的に明文化する予定は、今のところはないです。
【西村座長】 手順書はどのぐらい作ればいいのみたいなことは、よく聞かれるのですが何かガイドライン的なものはありますか。
【事務局(農水省・大倉)】 動物病院といっても様々でございまして、前回来ていただいた赤間愛玩動物看護師さんのような大きな病院、今日の三本さんのような小さな病院と、提供される獣医療のレベルですとか、オーナーさんの状態、来る動物の、1次診療で来るのか、2次診療で来るのかといったところでも、計画の立て方は変わってくるとは思いますので、これというのは多分なくて、そういったことで今回もヒアリングさせていただいてましたけれども、もし何かいい事例みたいなのがあれば、こういった場において皆さんで共有して横展開していくというのも一つかなと考えております。
【西村座長】 ありがとうございます。ほかの委員から、いかがでしょうか。
 中山委員、お願いします。
【中山委員】 このポンチ絵の3枚目ですね、緑色の愛玩動物の看護のところですけれども、上から2行目のところに、愛玩動物看護は愛玩動物看護師の独占業務ではないというふうに書いてありまして、ただ、これ前のほうを見ますと、動物看護というのは、これは愛玩動物看護師の本来の業務だとなっているわけですよね。おそらく、看護という言葉の定義にもよると思います。かなり広く取っている。おそらく、飼い主さんが動物の世話をしたりしているようなものも含めて看護と言っているんだと思うんですけれども、そういう理解でよろしいですか。
【事務局(農水省・大倉)】 看護というのは、この本文にも記載してますけれども、1枚めくっていただいた愛玩動物看護師の業務という、ここにもちょっと書いていまして、これは人の医療でも、看護というのは、傷病、病気になっている方とかの療養上の世話というのが、医療での看護の定義ということになっています。2枚めくっていただいた良質なチーム獣医療のイメージを見ていただくといいかもしれないんですけれども、看護の仕事というのは、療養上の世話になりますので、その療養上の世話って、手術が終わったばかりの子に対してやることと、入院して、そろそろ退院するかなという状態の子だと、状態は変わってきますので、手術が終わったばかりの子は、ずっと見ていて、もし必要であったら輸液剤の注射がいりますよとか、そういったこともあるかと思います。
 一方で、看護といっても、訪問看護をして診る方という場合は、もうちょっと栄養指導、保健指導といったことに重点が置かれてくると思います。そこはやっぱり独占業務である部分とない部分ありますけれども、どっちかというと多分、独占業務じゃない部分も結構ありますので、そこは他職種の方とタスク・シェアをできる部分なんじゃないかなというふうに思っています。
【中山委員】 そうしますと、獣医療の補助は、これは独占業務。動物看護自体は独占業務ではないと。それから、適正飼養についても独占業務ではないということで、それぞれもっと細かいことがあると思いますが、そういった細かいこと、それぞれについて、これが独占だとかということで決まっているわけではないのですよね。
【事務局(農水省・大倉)】 ないです。まさにここの良質なチーム獣医療のイメージの、愛玩動物看護師という緑の四角の中の上半分ですね。獣医師の指示のもとで行われる診療の一環としての診療の補助というのが独占業務で、その下の動物看護、療養上の世話の部分が、独占業務ではない部分だと考えております。
【中山委員】 業とする者をいうって、業とするということ自体が独占をあらわしているわけではないんですね。
【事務局(農水省・大倉)】 はい。ただ、その愛玩動物看護師という専門知識と技術をもって提供される業ではあるというふうに。
【中山委員】 この業というのは、繰り返し行う業務というような、そういう捉え方でよろしいわけですね。そこには営利というか、そこは入ってこないわけですね。ちょっとそこをきちんと確認しておきたい。
 ありがとうございました。
【西村座長】 ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。
 浅野委員、何かございますか。
【浅野委員】 資料2-4の、赤字になっている獣医療水準と最初なっていたと思うんですけど、ここは獣医療水準でもいいのかなと思いつつ、看護水準というものも意識できることもあるので、ここを獣医療・看護水準というふうに両方併記するか、それとも看護師法の1条の目的の一つは、獣医療の向上というふうになるので、最終的には獣医療水準でいいのか、ちょっと悩んだんですけれども。確かに、チーム獣医療というような医療、独占業務の部分は、最終的に獣医療水準というものを目指すということになるんだけれども、やはり独占業務じゃない看護の部分を、愛玩動物看護師が行う。例えば、それこそ訪問看護を行うようなときには、結局、獣医師が関与しない場合もあるわけで、そうするとそのときに何かあったときというのは、看護水準という話になるんだろうなというふうに思いました。
 それから、3ページのところでも赤字の部分を断定的に書かずに、可能性があるというぐらいしか言えないかなと思ったのは、愛玩動物看護師の責任というのを言ったときに、法的責任というのはご存じのとおり、行政法上の責任と行政の指導を受けるとか、最終的には行政処分を受けてしまうとか、そういうところと、刑事責任、民事責任と言われるものがあって、そこを断定して書くことはもちろんできない。行政としての見解を示して、行政法上の責任は負わせますよというのだったら断定する意味もあるんですけれど、ここは多分そういう場面ではないので、あくまで可能性と。ただ、具体的にやはり獣医師の指示を正しく理解しなかったとか、具体的指示にあえて反する行為をしたというのは、それは獣医師の責任というよりは看護師の責任ということに、看護師独自の責任になるかなと思いました。
 ちょっと頭にあったのが、刑事責任で人の医師と看護師の刑事責任がそれぞれ問われた事例で、お医者さんは塩化カルシウムの注射をしてくださいと。ちょっとうろ覚えですけど、たしか塩化カルシウムだったと思うんですけど、看護師さんのほうはそれを聞いて、塩化カリウムだと思って注射して、ほぼほぼ、死ななかったけれども寝たきりの状態になってしまったという事例が、有名な事例があって、やはりそれぞれがそれぞれの義務に違反したと。だから、一緒になって共同で1個の不法行為をやったというよりは、それぞれが義務に違反したと。それは刑事責任に。
 どういうものかというと、判決で書いてないというか、確認してないんですけれど、恐らく、医師としてはそんな塩化カリウムの注射という、すごいことを頼むのであれば書面にすべきだっただろうし、さっきの指示の仕方ということに関わってくるんですけれど、看護師のほうは、そんなすごいものを注射していいのかどうか。それだったらもう1回聞き直すべきだったということだと思うんです。ただ、それはやはりそれぞれで判断されるということになる。
 それからもう一つ。獣医師の指示というところでも、恐らく、手順書という話がちょっと先ほどありましたけれど、そこも事故があってからというのはよくないのかもしれないですけど、そういう重大なもので、やはり間違った場合に、非常に結果が重くなるというものは、手順書できちんと紙で渡すとか、多分そういうところ、重くて危ないところから、形式が決まってくる。そのうちそれが、事故があったり、事故がなくても、普通の動物病院でやるのが特に問題なくできるとなったら、ガイドラインのような形になっていくのかなと考えました。
 以上です。
【西村座長】 ありがとうございます。ほかにございますでしょうか。
【浅野委員】 
 もう1点コメントを。先ほど看護記録という話が出たかと思いますが、やはりそれは重要だと思っていて、ぜひ看護記録をつけるということを進めていってほしいなと思います。というのは、人の医療過誤訴訟をしていると、そんなに私、今やっているわけではないんですけれども、お医者さんのカルテというのは、やはりちょっと読みづらいんです。それで何書いてあるか分からないと。やっていることは分かるけどと。
 日本語としてよく分かるのは、やはり看護記録で、それは看護師さんが常に夜勤と日勤の人で、例えば、引き継がなければいけない。あるいはお医者さんに読んでもらわないといけないということが頭にあるので、日本語としてすごく分かりやすく書いてあります。それで、時系列、経過が非常に分かりやすい、客観的。患者さんから言われたことで、あまりにも繰り返し患者さんが気にしていることがあれば、それも書いてある。そういう細かいこともある程度書いてある。別に看護師さんの主観が書いてあるわけではなくて、客観的な記録だが細かく書いてあって、非常に事実の立証として使いやすい。看護記録で、一度私も認められた事例があったので、それはむしろ残すことが責任を追及されることになるのかと思われるかもしれないが、そういうことではなくて、病院を守る側になることもあるわけで、要は真実の究明というか、そういうものを立証するという意味でも大事だし、防衛のためにも大事だし、何も裁判になるということだけではなくて、何をやってきて、次にどうすればいいのか。例えば1年前に来た患者さんがまた来たという場合のよりどころになるので、カルテもきちんと書いてほしいとは思いますが、やはり性質上、多分看護記録のほうが適しているので、看護記録はぜひ推進してみんなに書いていただきたいと、それで保存していただきたいと思います。
【西村座長】 ありがとうございます。ほかによろしいでしょうか。
それでは、事務局のほうは必要な部分がありましたら修正等お願いいたします。また、委員の皆様におかれましては、今日のこの報告書案についてご意見等がありましたら、事務局にご連絡をお願いいたします。よろしいでしょうか。
【事務局(農水省・大倉)】 承知いたしました。次回の、来年の会合でまたご審議いただきますので、何かお気づきの点がありましたら、事務局までお願いいたします。
【西村座長】 ありがとうございます。どんどん現実になっていきうれしいです。
 それでは、次の議事に移ります。
 議事2、(3)愛玩動物看護師就職状況調査について、事務局から報告があります。事務局は説明をお願いいたします。
【事務局(農水省・平松)】 資料3と机上配付資料をご用意ください。
 昨年度、本会合で委員の先生から、愛玩動物看護師養成校における就業状況の把握についてご意見をいただきました。そのご意見を踏まえて、今年度、政府統計として、愛玩動物看護師の就職状況等の調査を行いましたので、この場を借りてご報告いたします。
 まず、調査の概要についてです。こちら資料3と書かれているものをご覧ください。こちらは愛玩動物看護師の養成校、大学と専門学校の卒業生の就職状況と、あと学校の在籍状況を把握するための調査でございます。調査結果は、愛玩動物看護師の人材確保、需給の分析、また国家試験の会場を準備する際の検討などに利活用させていただくものです。
 今年度は初回ということで時期がイレギュラーだったのですが、こちらにスケジュール等を記載してございますように、10月に調査票を大学、専門学校に配布させていただいて、各学校で記入いただいたものを11月までに回収し、12月中の公表を予定しております。来年度以降は、下の括弧書きで記載しているスケジュールで進める予定でございます。
 調査した事項は2点で、就業状況調査、令和5年3月31日時点の、昨年度に大学や専門学校を、愛玩動物看護師の国家試験の受験資格を持って卒業された方が、どのような就職先に進まれたかというのが一つ。もう一つが在籍状況調査というもので、今年度、各大学、専門学校に、各学年何名在籍していらっしゃるかというものを調査いたしました。結果は、今公表手続中ですので、まだ配付資料としてお配りすることはできないのですが、公表予定のものの概要を、机上配付として委員の皆様にはお配りしております。
 こちらをご覧いただきますと、まず就職状況調査でございますが、大学については約560人程度のうち約65%が診療施設、約21%が企業に就職されています。3%が進学、大学院等に進学されていたというような結果でした。在籍状況につきましては、大学は4学年合わせて現在指定を受けている大学で、約3,200人程度が在籍しているというような結果でした。大学については、農水省から調査をしておりまして、養成所、専門学校については、環境省から調査しておりますので、環境省からご報告させていただきます。
【事務局(環境省・後藤)】 環境省側の養成所の結果をお知らせします。就職状況調査では約82%が診療施設、約10%が企業、約1%が進学というようになっております。在籍状況調査としましては、4学年合わせまして6,957名の在籍があるというような結果を得ております。
 それで、先ほどの公表の予定ですけれども、12月26日の火曜日に農水省と環境省のWebページで公表予定となっております。今後は毎年実施していく予定でおります。
 以上です。
【西村座長】 ありがとうございます。
 ただいまの事務局からの説明につきまして、委員からご発言等ございましたら、お願いいたします。
 政府統計に入れてもらうというのは、すごく大変なことなのですか。
【事務局(農水省・大倉)】 事務局です。そうですね、大変です。総務省への申請手続があって、何を聞くのか、あと個人情報の取扱いですね。そこの部分がとても大事なので、送るデータをどのように扱うのかといったことを割と細かく詰めますので、大変です。
【西村座長】 それでは、事務局は今後も報告をお願いいたします。
 委員からはよろしいでしょうか。
 
※議事2(4)は非公開。
 
 それでは、議事2、(5)その他です。事務局、何かあればお願いいたします。
【事務局(環境省・後藤)】 令和5年度調査業務について報告させていただきたいと思います。
 環境省の令和5年度の調査業務について、経過を報告いたします。資料等は無く、口頭でお話しさせていただきます。
 愛玩動物看護師の動物愛護・適正飼養分野の検討として、愛玩動物看護師の登用強化に向けた調査・検討業務を行っております。
 一つ目の内容としては、資格取得による職域拡大等調査ということで、愛玩動物看護師を雇用する企業側に、愛玩動物看護師が現場で担っている業務内容、登用に当たっての需要や課題等をヒアリングして、より広く活躍をいただくことを図っていきたいというものです。
 二つ目としては、動物愛護管理行政での登用可能性調査でして、地方公共団体において愛玩動物看護師の登用に必要な要素や何がハードルになるかというようなことを幾つかの地方公共団体にヒアリングして、行政での愛玩動物看護師の登用推進を図りたいと考えています。
 結果のご報告は、令和5年度第3回の合同会合を予定しております。
 以上です。
【西村座長】 ただいまの事務局からの説明について、何か委員からご質問ございますでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、事務局は調査が終わりましたら報告をお願いいたします。
 そのほか事務局からございますでしょうか。
【事務局(環境省・後藤)】 では、今後のスケジュールについてお話しいたします。本日、令和5年度第2回の合同会合をさせていただきました。次回は、令和6年3月25日の月曜日に開催したいと思っております。詳細はまたご連絡させていただきます。引き続きご協力をお願いいたします。事務局からは以上です。
【西村座長】 それでは、本日の合同会議を通じまして、そのほか何かご意見、ご質問等ございますでしょうか。
【中山委員】 先ほどの机上配付資料の、就業状況調査の速報なんですけれども、ここの企業というのがありますよね。具体的にはどのようなところですか。
【事務局(農水省・平松)】 ありがとうございます。こちらは、愛玩動物看護師の資格を直接的に生かせるようなところもあれば、そうでないところもありまして、12月26日に公表予定の調査では、少しざっくりではありますけれども、企業の愛玩動物関係と企業のその他、全然愛玩動物看護師の資格を生かして入るというよりは、大学をご卒業されて、そういう別の分野に進まれた方というのを分けて公表予定しております。どちらもあります。
【中山委員】 愛玩動物看護師系というと、動物薬の会社とか、ペットフードとか。
【事務局(農水省・平松)】 そうですね。
【中山委員】 動物関連産業。それ以外というのは全く関係ないというところもありますか。
【事務局(農水省・平松)】 そういうところもございます。
【中山委員】 獣医師も、全く関係ないところにいく人も結構いますからね。
【事務局(農水省・平松)】 そうですね、おっしゃるとおりです。
【中山委員】 分かりました。企業の名前は出ないだろうけれども、どういう関係というのは大体出てくるわけですね。
【事務局(農水省・平松)】 愛玩動物関係と、その他という別で出るようになっています。
【中山委員】 ありがとうございます。
【西村座長】 ほかにございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 今日のこの合同会議で信頼という言葉を聞いて、ずんときたなと思いました。いろいろやってきたのが、だんだん花が咲いて、実がなってきたなという気がして、これからもいい花を咲かせるように、みんなで努力していきたいと思います。本当にありがとうございました。
 おかげさまで、本日の合同会議の議事を全て終了することができました。議事の円滑な進行にご協力いただき、誠にありがとうございました。
 これをもちまして、令和5年度第2回獣医事審議会免許部会・中央環境審議会動物愛護部会、愛玩動物看護師小委員会(合同委員会)を閉会といたします。
 事務局にお返しします。
【事務局(農水省・星野)】 西村座長、ありがとうございました。私、農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課長の星野でございます。
 先生方におかれましては、大変お忙しい中、また、長時間にわたりまして闊達なご意見、ご議論いただきましてありがとうございます。
 今年度は冒頭確認をさせていただきましたけれども、愛玩動物看護師の在り方について検討いただいているところですが、本日、7月に続きまして、獣医療現場で実際に愛玩動物看護師としてご活躍されている北海道足寄町の犬と猫の診療所の三本さんのお話を聞かせていただくことができました。まさに最後、座長がお話されましたように、信頼性が高まったということで、とても魅力的な職業としてこれから国民の方々、一般の方々に浸透していくことが期待されるというふうに私も考えております。
 また、7月と今回、2回のヒアリングをさせていただいたんですけれども、それを踏まえて事務局のほうから、報告書の素案ということでお示しをさせていただきました。その中で、やはり良質な獣医療提供体制の整備、特に愛玩動物看護師の役割に非常に期待をしていくということでご意見もいただきましたし、また、看護記録の重要性について、先生からご意見いただいたことも参考にさせていただけたらと思います。
 また、横田委員からは、日本動物看護職協会さんが実施していただきました、愛玩動物看護師の現在の状況ということで、大変ご参考になりました。ありがとうございます。
 本日いただきました皆様からのご指摘、ご意見を踏まえまして、事務局のほうでも素案をもう一度修正等いたしまして、座長の西村先生にご確認をいただきながら、次回の合同会合に向けまして、まとめていきたいと考えておりますので、よろしくお願いします。
 また、本日は今年度実施しました愛玩動物看護師就職状況等調査につきましても、ご報告、ご紹介をさせていただきました。引き続き、農林水産省、環境省で連携しまして、この制度の運用にしっかりと取り組んでまいりたいと思います。
 さらに、予備試験の結果についてもご報告をさせていただきました。本番の国家試験につきましては、来年の2月18日日曜日、また合格発表は3月15日金曜日の予定となっておりますが、国家試験についても引き続き、機構、それから環境省さんと連携をしながら、しっかりと取り組んでいきたいと考えております。
 改めまして、委員の先生方におかれましては、来年も引き続きどうぞよろしくお願いいたします。本日はこれで終了したいと思います。どうもありがとうございました。