中央環境審議会動物愛護部会 愛玩動物看護師小委員会・獣医事審議会免許部会合同会合(第2回)議事録

1.日時

令和5年3月17日(金)10:00~11:30

2.場所

農林水産省 三番町共用会議所(東京都千代田区九段南2-1-5)

3.出席者

構成員:(50音順、敬称略)
    浅野明子、磯部哲、佐伯潤、中山裕之、長田三紀、西村亮平、村中志朗、山﨑薫、横田淳子
事務局:農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課、環境省自然環境局総務課動物愛護管理室

4.議事

(1)愛玩動物看護師の行政処分の考え方について(審議)
(2)第1回愛玩動物看護師国家試験の実施について(報告)
(3)その他

5.配付資料

資料1-1   愛玩動物看護師に対する行政処分に関する基本的な考え方について(二段表)
資料1-2   愛玩動物看護師に対する行政処分に関する基本的な考え方について
資料2     第1回愛玩動物看護師国家試験の実施について
資料3     看護師等免許保持者の届出義務について
資料4     獣医療現場における愛玩動物看護師の職責・役割について
資料5     愛玩動物看護師法附帯決議に係る実態調査の結果について
 

参考資料1   獣医事審議会免許部会・中央環境審議会動物愛護部会愛玩動物看護師小委員 会(合同会合)の開催について
       別紙  構成員名簿
参考資料2   第1回獣医事審議会免許部会・中央環境審議会動物愛護部会愛玩動物看護師 小委員会(合同会合)議事要旨

参考資料3   愛玩動物看護師法条文
参考資料4   愛玩動物看護師法附帯決議
参考資料5   獣医師に対する行政処分に関する基本的な考え方

6.議事概要

1.開会

(1)挨拶

【西村委員】 それでは定刻になりましたので、ただいまから第2回獣医事審議会免許部会・中央環境審議会動物愛護部会愛玩動物看護師小委員会(合同会合)を開催させていただきます。本日の会合は一般公開での対応となりますので、ご協力のほどよろしくお願いいたします。それでは開会にあたりまして、農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課の郷課長から挨拶がございます。お願いいたします。
【事務局(農林水産省・郷)】 みなさん、おはようございます。第2回獣医事審議会免許部会・中央環境審議会動物愛護部会愛玩動物看護師小委員会(合同会合)の開催にあたりまして、一言ご挨拶申し上げます。委員の皆様におかれましては年度末の大変お忙しいところご出席を賜りまして誠にありがとうございます。もう少し後でしたらもっと千鳥ヶ淵の桜も良かったのですけれども、さらにお忙しくなるということで、本日この時期にお集まりいただきました。重ねてどうもありがとうございます。御礼申し上げます。
 日頃から愛玩動物看護師制度の推進にはご指導・ご助言をいただいております。大変助かっておりますことも改めて御礼申し上げます。愛玩動物看護師制度につきましては令和元年6月の法律の成立以降、皆様方にも都度ご助言をいただきながら環境省と農林水産省が一体となって準備を進めてまいりました。2月19日に第1回の国家試験を実施して、本日午後13時に合格発表を迎えるというところまでおかげさまでこぎつけることができました。ありがとうございました。
 前回の合同会合では当面の審議予定、愛玩動物看護師免許の申請者に対する免許付与の申請に係る手続きについてご審議いただき、免許付与審査の判断の基準については獣医師に対する行政処分を参照しながら愛玩動物看護師法の法目的を考慮して行うということで結論を得ることができました。本日は愛玩動物看護師に対する行政処分に関する基本的な考え方について取りまとめのご審議をいただきます。来月から新たに国家資格として始まる愛玩動物看護師について、免許申請された方に円滑かつ的確に免許証が交付できるようよろしくお願いいたします。
簡単ではございますが、冒頭のご挨拶に代えさせていただきます。本日はどうぞ、よろしくお願いいたします。
 
(2)出席者・資料確認
【西村委員】 ありがとうございました。会議冒頭のカメラ撮りについてはここまでとさせていただきますのでよろしくお願いいたします。本日は愛玩動物看護師に対する行政処分に関する基本的な考え方についてご審議を願うことになっております。審議が円滑に進みますよう、ご協力のほどよろしくお願いいたします。それでは委員の出欠状況について、事務局から報告をお願いいたします。
【事務局(環境省・田村)】 おはようございます。事務局の環境省の田村です、よろしくお願いします。本日の委員のご出席につきましてご報告させていただきます。本合同会合は獣医事審議会免許部会、中央環境審議会動物愛護部会の委員および外部委員9名からの構成となっております。皆様全員、本日は出席していますので、本会合が成立していることをここにご報告させていただきます、よろしくお願いします。
【西村委員】 ありがとうございました。次に配布資料の確認を事務局からお願いいたします。
【事務局(農林水産省・大倉)】 資料は資料一覧に記載されておりますけれども、座席表、議事次第、出席者名簿、資料1-1「愛玩動物看護師に対する行政処分に関する基本的な考え方について」、これは横の二段表になっているものでございます。資料1-2「愛玩動物看護師に対する行政処分に関する基本的な考え方について」、縦のものでございます。それから資料2「第1回愛玩動物看護師国家試験の実施について」、資料3「看護師等免許保持者の届出義務について」、資料4「獣医療現場における愛玩動物看護師の職責・役割について」、資料5「愛玩動物看護師法附帯決議に係る実態調査の結果について」でございます。
 参考資料は1から5まで資料一覧に記載の通りでございます。資料の落丁、不足等ございましたら事務局にお申しつけください。以上でございます。
【西村委員】 ありがとうございます。資料に関して問題ございませんでしょうか。それでは議事に入ります前に、獣医事審議会免許部会・中央環境審議会動物愛護部会愛玩動物看護師小委員会(合同会合)における議事録の取り扱いについて事務局から説明があります。
【事務局(環境省・田村)】 本会合での議事録は公開となります。後日ご発言内容につきましてはご確認いただいた上で、その後同様にウェブサイトに記載させていただきますので、よろしくお願いします。
【西村委員】 事務局から議事録の取り扱いについて説明がございました。委員からご質問等ございましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。それでは特にご意見ないようですので、委員の皆様のご協力をお願いいたします。
 

2.議事

(1)愛玩動物看護師の行政処分の考え方について(審議)
【西村委員】 それではこれより議事に入ります。まず議事両カッコ1の愛玩動物看護師の行政処分の考え方についてです。前回の審議におきまして、愛玩動物看護師免許の申請者に対する手続きについて審議を行い、免許付与審査の判断の基準については獣医師に対する行政処分基準を参照しながら、愛玩動物看護師法の法目的等を考慮するものとされました。本日はこれを踏まえまして、愛玩動物看護師に対する行政処分に関する基本的な考え方を審議したいと思います。事務局から説明をお願いいたします。
【事務局(農林水産省・大倉)】 事務局でございます。お手元に資料1-1、横になっているものをご用意ください。あと資料1-2はこちらは二段表になっているものの左側の愛玩動物看護師の方を縦にしたものでございますので、資料1-1をもって説明をさせていただきます。
 愛玩動物看護師に対する行政処分に関する基本的な考え方については前回のご審議で、獣医師に対する行政処分に関する基本的な考え方を参照するものとされましたので、両方で比較するように記載をしてございます。下線部分は愛玩動物看護師に特有のものとして主に獣医師とか愛玩動物看護師とかそういった細かいことではなく、文章として異なっている部分に下線を引いております。愛玩動物看護師に対する行政処分に関する基本的な考え方、1のはじめにということでカッコ1、愛玩動物看護師は農林水産大臣及び環境大臣の免許を受けて、愛玩動物看護師の名称を用いて、診療の補助及び疾病にかかり、又は負傷した愛玩動物の世話その他の愛玩動物の看護並びに愛玩動物を飼養する者その他の者に対する愛護及び適正な飼養に係る助言その他の支援を任務としてございます。
 カッコ2としまして、愛玩動物看護師に対する行政処分については、愛玩動物看護師法第9条第1項に規定されており、 愛玩動物看護師が罰金刑以上の刑に処せられるなどの欠格要件に該当するときには、 農林水産大臣及び環境大臣は、こちらは獣医師法と異なっておりまして、農林水産主務省で免許の取り消し、又は期間を定めて愛玩動物看護師の名称の使用の停止を命ずることとなってございます。
農林水産大臣、環境大臣は、愛玩動物看護師の行政処分にあたっては、この合同会合、獣医事審議会免許部会及び中央環境審議会動物愛護部会愛玩動物看護師小委員会における 検討の結果を参考にするとともに、当該愛玩動物看護師に行政手続法に基づく弁明の機会 等を与え、その者に証拠等を提出させることにより、公平な立場から事情を参酌し、公正な処分が行われるよう配慮する必要があるとございます。また、行政処分の程度は、①その事案の重大性、②愛玩動物看護師に求められる職業倫理、③愛玩動物看護師の業務に関連して国民や社会に与える影響等に応じて判断されるべきと、ここも獣医師と同じような記載になってございます。
さらに、愛玩動物看護師に特有のものとして、愛玩動物看護師の独占業務である「診療の補助」については、獣医師法第17条に規定する診療の一部ということで、その業務は獣医師との緊密な連携の下に行われることから、愛玩動物看護師に対する行政処分に関する判断の基準は、原則、「獣医師に対する行政処分 に関する基本的な考え方」と同等とするべきであるとしてございます。
このため、農林水産大臣及び環境大臣が行政処分を決定するに当たっては、以下に示す「行政処分に関する基本的な考え方」に基づいて検討すると。なお、この「愛玩動物看護師に対する行政処分に関する基本的な考え方」は、関係者に広く周知していくとともに、
愛玩動物看護師の業務に対する国民や社会の信頼を確保するため、愛玩動物の看護を巡る社会情勢の変化等に応じて、必要に応じて見直すとしてございます。
 行政処分に関する基本的な考え方、こちら(1)行政処分に関する基本的な考え方のところは愛玩動物看護師と獣医師はほぼ同じにしてございます。行政処分は公正に行われなければならず、処分の対象となった行為の事実等を正確に把握した上で判断する必要がございます。そのため、農林水産省及び環境省においては、司法による判決の内容や裁判で明らかになった事実、当該愛玩動物看護師の弁明や提出される証拠等に基づき、事案ごとの事情を参酌しつつ、検討を行います。
行政処分の程度につきましては、事案の重大性として、司法による判決の内容を基礎とするが、愛玩動物看護師が業務を行うに当たって遵守すべき法律に係る違反行為、愛玩動物看護師の立場や知識を利用した違反行為の場合は、より厳しい処分の対象とすると。その上で、愛玩動物看護師の業務に関連して国民や社会に与える影響等も勘案して行政処分の程度を決定するとしてございます。
3.事案別の具体的な考え方でございます。まず初めに(1)愛玩動物看護師が罰金以上の刑に処せられた事案として、愛玩動物看護師が業務を行うに当たって遵守すべき法律に係る違反行為。こちらは獣医師の場合とは異なりまして、最初に愛玩動物看護師法、それから獣医師法、獣医療法、それから動物の愛護及び管理に関する法律等に係る違反行為と例示を挙げております。
次のページにまいりまして、行政処分の程度は、基本的には司法による判決の内容等を参考に決定するが、愛玩動物看護師自らが当然に果たすべき法律上の義務を怠り、人や動物の健康を危険にさらす行為については、より重い処分とするとしております。
次からが愛玩動物看護師特有のパラグラフとしまして、『なお、愛玩動物看護師の「診療の補助」の業務は、獣医師の指示の下で行われるものであることから、診療施設の管理体制や獣医師による注意義務の程度などの事項も考慮して、処分の程度を判断する』としてございます。
イの愛玩動物看護師の業務に直接には関係しないが、罰金以上の刑に処せられた事案に関しましては、獣医師と同様にしてございます。処分の一般的な刑法、覚せい剤取締法等々の違反行為でございます。こちら行政処分の程度は、基本的には司法による判決の内容等を参考にすると。ただ愛玩動物看護師の立場や知識を利用した事案については、より重い処分とするとしております。
最後に(2)愛玩動物看護師の業務に関し重大な不正行為等があった事案、とございます。こちらは下線を引くのを忘れておりましたが、獣医師の方では獣医師道に対する重大な背反行為等があった事案としてございます。こちらは獣医師、愛玩動物看護師の業務に関する不正ということで記載をさせていただいております。これは具体的にどういうものかというと、愛玩動物看護師に課せられた社会的責務に対する国民の信頼を失墜させるような 行為であると客観的に認定できる事案としてございます。こちら行政処分の対象とするか否かも含めて、行政処分とする場合、行政処分の程度については、裁判で明らかになった事実等を参考に決定するとしてございます。資料のご説明は以上です。
【西村委員】 それでは事務局からの説明につきましてご意見、ご質問等ございましたらお願いいたします。
【浅野委員】 ご意見なのですけれども、2点あります。1つ目。「なお、愛玩動物看護師の『診療の補助』の業務」というアンダーラインを引いていただいたところが獣医師と大きく異なるという、これは妥当だと思います。診療の補助に関してはやはり獣医師と一緒に連携して行うチームプレイですから、獣医師が関与していないということは恐らくないので、全体として事件として見ざるをえないので、ここは愛玩動物看護師だけではなく獣医師の施設の管理体制や注意義務の程度を考慮せざるをえないということでこれは入れるのは当然かなと思います。
 そして最後の、愛玩動物看護師の業務に関し重大な不正行為等があった事案という、ここは元の案では獣医師と全く同じような背反行為というような案だったのですけれど、ちょっと私の方でも意見を述べさせていただいて、こういう形にしていただきました。これは愛玩動物看護師も国家資格ですから、当然倫理面の責任もあるし、国民からの信頼という面もあるのですけれども、ただこの法律の建前から見ると、獣医師法の方は獣医師道に反するとか著しく徳性を欠くとか、そういう倫理的な規定が幾つもあって、それが直罰規定になっています。
背反行為というのがちょっと私は最初気になって、その背反というのは相容れないことということなので、獣医師としてあるべき姿と相容れないことというので背反行為なのですけれど、愛玩動物看護師の場合は欠格事由を見ると罰金以上の刑の後、次が犯罪または不正の行為としかなくて、直接倫理面を規定するような看護師道ですとか徳性を欠くとかそういうものはないので、ここを全く一緒に考えて良いかどうかはちょっと疑問がつくと思って、ここは法律に沿うような形で不正行為等という風にした方が良いのではないかというご意見を言いました。
それで社会的責務に対する国民の信頼を失墜させるような行為というのが倫理を言い換えているような形になるかなと思います。行政処分の対象とするかどうかということと、免許の取消かあるいは使用停止を命ずることができるという程度もありますので、対象とするかどうかあるいは程度についても、裁判があれば裁判で明らかになった事実、なければ当然それ以外の客観的事実から判断するということで良いのではないかなという風に思いました。
ちょっとわかりづらかったのが、欠格事由の罰金、犯罪、不正の行為というのがあって、恐らく罰金以上の刑、有罪になればそれで良いですけれども、そこまで行かなくても犯罪としては成立しているけれどもいろいろな事情があって有罪とならなかった、免訴されたとか、あるいはそこまでも行かなかったけれど犯罪に近い不正があった。そういう場合を恐らく想定しているのかなという風に思って、こういう言葉、表現で良いのではないかと思いますが、みなさんのご意見もお聞きできたらと思います。以上です。
【西村委員】 ありがとうございます。他の委員からもご意見ございますでしょうか。
【磯部委員】 今のご意見には概ね賛成で特段異論はなくて、言葉遣いなどはそれで良いかと思っているのですが、ちょっとそもそもというところで、この例えば1ページの1の(3)、獣医師法の方であれば最終的な処分権限は農林水産大臣であるけれども、法律上、獣医師審議会の方で弁明の機会を与えるとか意見を聴取するという手続になっていて、それを踏まえて大臣が処分をするということなので、右側の1の(3)はそういうことなのかなと思うのですけれども、愛玩動物看護師の方はそもそもこちらの合同会合というのは法定のものではないということになりますよね。そのため処分庁としては農林水産大臣と環境大臣が主語になり、獣医師法みたいな特別規定がないので一般法に戻って行政手続法に基づく弁明の機会等を与えるということになるのでしょうけれども、この審議会の検討の結果を参考にするとともにというのが、法定の必須の手続より前に来ているというので良かったのかなというのがちょっと心配になったというのが1つ目の感想です。
 しかも2ページの(4)ですが、獣医師審議会が法定の審議会として処分についての意見を出すので、その際この考え方を使うという、自分たちが意見を形成する際に必要な考え方を自分たちで定めるということだったのだろうと思うのですが、こちらの方は何でもないので、しかも審議会の立場で、農林水産大臣が決定するにあたってはこれを検討するようにというようなことをここで決めて大臣の判断を縛れるかというと、そうではないのではないかという風な気がするのですね。そのため、私はここは、「最初は何でこれはこうなのですか、こちらの合同会合が検討するにあたってはこのような考え方で行きますという風にせいぜい自分たちのことしか決められないのではないでしょうか」というようなことを申し上げたのですけれど、職務権限がやはり、自分たちは法定の何の権限もないので大臣の方が主語になっていますという説明で、それはそれで大丈夫なのかなというのがちょっと心配になったということです。
【西村委員】 ありがとうございます。今の点について農林水産省、いかがでしょうか。
【事務局(農林水産省・大倉)】 おっしゃる通りこの合同会議自体に免許の取消等の判断権限はないのですけれども、主務省で不利益処分を審査するにあたって行政手続法に基づいて意見陳述のための手続を執ることになりますが、、役所で処分基準を設定し、これを公にしておくことが行政手続法の中でも努力義務として求められているということもございます。まずこういった基本的な考え方というものを役所で決めて、運用していく。その際には役所で恣意的にならないよう、合同会合のご意見もお伺いして、まさに今回浅野先生からご意見をお伺いしたように、こういった考え方もあるのではないかというのを専門の先生方のご意見も聞いた上で基本的な考え方として定めておくというものでございます。
【事務局(農林水産省・吉田)】 若干補足させていただきます。この基本的な考え方の位置づけですが、資料の1-2を見ていただければと思うのですが、農林水産省の消費・安全局長、環境省の自然環境局長の連名でこの文書を出すという位置づけにさせていただこうと思っております。ご指摘の農水大臣と環境大臣の方でというその主語の部分については、こういう行政文書に基づいて判断することで対応していくということでございます。
【西村委員】 ありがとうございます。磯部委員、今の点はいかがでしょうか。
【磯部委員】 ありがとうございます。あまりここでごねるところではないと思っているので、それでも良いかなとは思ってはいるのですけれども、行政手続法上の処分基準は策定権者は行政庁なので、やはりあくまで大臣なのですよね。やはりいくらオフィシャルな文書であるとはいえ、それはあくまで事実上のものでしかなくて、これは処分基準自体ではないわけですよね。あくまで事実上参考にするものというような整理なのだろうと思います。
ところで、実際に処分する時の、例えば1(3)ってどういう流れになるのですか。検討の結果を参考にするとともに弁明の機会を与えるということになると、個々の被処分予定者に対して弁明の機会を与える前に何か個々の事案について我々が検討するのですか。ちょっとそれも変な気がするのですが。
【事務局(農林水産省・大倉)】 不利益処分に係る行政手続法に基づく意見陳述のための手続は行政庁で行うものですので、行政庁においてその当該者を呼ぶとか手続きの通知をするのですけれども、聴取なり弁明の機会なりを与えて聞いた時に、ではそれをどうするかという判断の時にここにある判断の基準ですね。ではどういうことをしたのかというのがこのそれぞれの類型にありますので、これを参考にその時に判断をしていくというそういうことでございます。
【磯部委員】 そうするとやはり、記述の順番はそちらが先が良いのではないかと思います。
【事務局(農林水産省・大倉)】 前回の合同会合の資料でフローチャートでお示しをさせていただいたのですけれども、あの流れで元々免許の申請は指定登録機関の方に申請があって、そこで罰金以上の刑に処せられたことがあるかなしかというのをまず申請者の方で申請して、あるといった場合に主務省の方に機構からこの人に免許を与えて良いのか、または名称使用を遅らせた方が良いのかとかそういった照会がございますので、その主務省から回答する際に「では罰金刑に処せられたのはどういう刑だったのか」というのをお伺いして、そういった時に今ここに書いてあるどういう法律の違反行為があったのかとか、そういったことを元に指定登録機関にお返しする時の判断の基準にさせていただくというものでございます。
【磯部委員】 法律屋なので、少しお時間いただいて申し訳ない。これってそういう時に使うものなのですか。既に免許を持った者に欠格事由に当たる行為があった時に不利益処分を行う時の考え方であって、免許登録の申請に対してそれをするかどうかの時に使うものとは私は思っていなかったのですけれど。
【事務局(農林水産省・大倉)】 それも前回の合同会合で説明をさせていただいたのです免許付与をする時に免許を与えるか否か、あとは免許を遅らせるか否かも、その免許を与えられた人と同じように考えるべきなのではないかということで、そうすると元々法律にある欠格事由、免許の取消等、まずはこれを決めなければいけないよねということで同じものなので、これを先に作らせていただくということにしております。
【磯部委員】 わかりました。それはそうだと思うところで、同じ考え方が望ましかろうと思うのですが、そのことがしかし、この基準の基本的な考え方の文言の中に現れているのかというと、ちょっと疑問に思います。もっぱら不利益処分の時に使うものというようなイメージだったので、他方、免許処分というのは申請に対する処分ですよね。その時の審査基準でもあるという位置付けだということであれば、もう少し考えます。
【西村委員】 今の点について何かありますか。他の委員からご意見ございますでしょうか。どうぞ。
【磯部委員】 国家試験通りました、免許の申請をします、この人が欠格事由に該当しないか自分で言わせる、またはそこまでではないけれど何かやらかしたことはありそうだという時に、普通に免許を付与する以外に何を言うパターンがありえるということですか。さっきちょっと例をおっしゃっていたような気がするのですけれど。例えば附款をつけるとか、一部拒否するとかそういう意味ですか。
【事務局(農林水産省・大倉)】 愛玩動物看護師法で名称使用の停止というのが免許の取消または名称使用の停止の期間を定めることができるとなってございますので、それを準用しまして免許申請の時に免許の交付を少し遅らせるとか、そういったことを想定しております。
【磯部委員】 では、それについては特にここには書いていないということですね。審査基準の方はより具体的であるべきだと私は思いますけれど、そういう遅らせるという処分、そのような裁量があるのかというのもどういう整理なのだろうという風に思いますが。
【西村委員】 ご参考までに、獣医師国家試験と同じパターンのやり方ということですね。今の点、事務局の方はいかがでしょうか。
【山﨑委員】 山﨑でございます。第1回愛玩動物看護師国家試験の合格者は、本日13時に機構のホームページに発表されます。機構には、この受験の手続きに関して、現任の動物看護師や大学、専門学校の在学生、学校関係者等から、沢山の問い合わせがありました。前回の合同会合では、獣医師の国家試験の登録について、例を挙げていただきましたが、交通事故で罰金刑を付加されていた場合自分はどうなるのか等、受験生は受験手続きに困惑しておりました。合格しましたらすぐこの免許をいただけるわけではなく、きちんとした申請書類を提出しなければ受け付けされません。そこで機構にはいろいろな質問が今後想定されますので、この合同会合でご指導、ご審議していただきたいと存じます。よろしくお願いいたします。
【西村委員】 今の点はいかがでしょうか。
【事務局(農林水産省・大倉)】 愛玩動物看護師は国家資格でございますので、法律には欠格事由として罰金以上の刑に処せられた者、あとは心身の障害により愛玩動物看護師の業務を適正に行うことができない者等々事由がございまして、こういった者には免許を与えないことがあるとされております。また第9条の方では、4条の各号のいずれかに該当するに至った時はその免許を取消、または期間を定めた愛玩動物看護師の名称使用の停止を命ずることができるとされておりまして、愛玩動物看護師の国家資格者として適格者の要件というものがございますので、試験に受かったから免許がもらえるということではなくて、その適格性等はしっかり見るというのが制度でございます。
 その手続きとして前回、免許試験に受かったから免許を申請したと言っても、ほとんどないとは思っているのですけれども、仮にそういった方からの申請があった時はやはりこういった一定の基準を持って、そういった方に免許を与えるという仕組みをちゃんと明確にしておく必要があるだろうということで具体的な事由とかも。今あるのが法律だけですので、それぞれやはり申請される方々も不安だろうということもございますし、では誰でも彼でも過去に罰金刑を与えられたことがあると、「ではどういったものがありますか」といった時にこういったものがあると、獣医師の場合が参考になるのだということで、わかりやすい基準をお示しできるのではないかと思っております。
【西村委員】 ありがとうございます。愛玩動物看護師は国家資格ということになりますから、それなりの自覚を持っていただきたいというところは非常に強くあるということですよね。どうぞ。
【中山委員】 合格した後で登録する時に罰金刑以上の刑に処された者、これは愛玩動物看護師、獣医師法でもそうですけれど第4条の欠格事由ですよね。これをそもそも行政処分とは呼ばないですか。欠格事由だからその罰金以上の刑に処せられた者とか、あと業務に関し犯罪、または不正行為、あとは心身の障害により業務を適性に行うことができない者、麻薬、大麻の疑いの中毒者となっています。これをその場合の1とか2とかも行政処分と呼ぶのですか。呼ばないのであれば、この資料1-1というのは行政処分に関する基本的な考え方なので、これとはまたちょっと別途考えるべき話ではないかなという風に思うのですけれども。
【事務局(農林水産省・大倉)】 罰金刑以上の刑に処せられたかどうかというのは刑法の話なので。
【中山委員】 そうではなくて、愛玩動物看護師法の第4条の欠格事由ですよね。これは合格したけれどもまだ愛玩動物看護師にはなっていないのだけれども、罰金刑に処せられたので免許を与えないことがある、あるいはある程度時間が経ってから与えるというような、獣医師法でもそうですけれども。こういうのって行政処分とは言わない。
【浅野委員】 違う話だったらすいません。これは何で欠格事由と書いてあるのかなと思っていて、たぶん欠格事由と言っても弁護士のような絶対的欠格事由ではなくて、相対的欠格事由なのですよね。だから欠格事由と書くよりも本来であれば免許を与えない場合とか、そういう形で行政に裁量がある、だから行政処分という形なのではないかなと私は理解したのですよね。
【中山委員】 この例えば2.3とか4もそうすると行政処分になるのですか。第4条の心身障害とか。
【浅野委員】 本来であれば第4条の欠格事由で、私の元々の理解は欠格事由に当たれば自動的にもうそれは欠格事由に当たるから、行政が判断する内容を含まないということなのですよ。ところが獣医師法も愛玩動物看護師法も欠格事由と書きつつ、実際は相対的欠格事由なのですよね。与える場合もあれば与えない場合もある。だからそういう意味で行政の裁量が入るので、やはり行政処分という括りになるのかなという風に理解したのですけれど、ちょっと私自身もここで欠格事由と本当は使わない方が良いのではないかというのは正直思ったのですが。ただ他の法律で昔から使われているので、相対的欠格事由で行政の裁量が入るから行政処分かなと思った次第です。
【中山委員】 そうすると、やはりこの免許を与えないあるいは与えるまでの期間を延ばすというのは行政処分の中に入れてしまって構わないということですか。
【浅野委員】 私の理解はそうなのですが、むしろ磯部先生のご見解の方が専門かと思うのでもしあればお願いします。
【磯部委員】 法律に書いてあるのはあくまで欠格事由の要件であって、合格者Aさん、Bさんがここに申請をしてくる、その時に個別に欠格事由の有無を判断し該当すると判断されれば免許を与えない、その与えないというのが処分なわけですね。その際の要件が法律に定まっているという関係なので、別に法的仕組みとしては割とよくあるパターンかなと思います。欠格事由と呼ぶか呼ばないかはそれは恐らく呼ぶケースもあるということで、相対的欠格事由と今おっしゃったようなことかと思います。
 いずれにしましても、座長がおっしゃったようにこれは獣医師の今までの仕組みを基本的に真似ながらやっていくということなのだろうと思いますが、当面今回の考え方で運用を積み重ねていくということでこれ以上何か修正をと言うつもりはないのですけれども、やはりちょっと、免許を与えない、一定期間留保するというようなことであれば、何をやったら何年何か月くらい留保されるのかとか、どういう風な取扱いになるかが具体的に定まっていないというので良いのかというのは、やはり疑問には思うのですね。交通事故を起こしたという時はどうとか、その他不正な行為があった時には大体半年とかこれやると1年とかという、その相場はたぶんきっと獣医師の方のこれまでの処分のいろいろな積み重ねで大体の相場感覚があるのだろう、全部合わせてそれで考えてやってというようなざっくりとした仕組みなのかなと思うのですけれども、決してわかりやすいものではないと私としては思いますので、随時必要に応じて見直す余地はあるはずだということでよろしいですねということだけ確認して終わりたいと思います。
【事務局(農林水産省・大倉)】 ありがとうございます。1番最後にも書いてございますけれども、まだ愛玩動物看護師法はこれから運用するというところでございますので、今後の状況ですとか社会情勢の変化等において必要に応じて見直すとしておりますので、随時ご相談させていただければと思っております。
【佐伯委員】 ちょっと戻りまして、山﨑委員からお話しがあった内容なのですけれども、今回の受験者は少なくともみんな法定講習を受けて受験しているということになりますので、私は法定講習を2つの団体で両方とも愛玩動物看護師法の解説を一応しておりまして、しっかり欠格事由についても説明をしておりますので、本来受験資格に関わることなので受験者は承知しているはずという風に思っていただいて良いのではないかなと思っております。よろしくお願いいたします。
【西村委員】 ありがとうございます。磯部委員からのご意見は大切な部分かなと思いますので、この合同会合の位置づけというのが書きっぷりの中で曖昧であるというところは確かにご意見伺ってそうだなと思いました。さっきの順番逆だろうというところもあると思いますので、今後修正を重ねていくという形にするか、少し修正を加えた上でお認めするという方向で行くか、どうしましょうか。
【事務局(環境省・野村)】 環境省動物愛護管理室の野村です。磯部委員の先ほどの基本的な考え方の文言についての事務局の考えをお伝えしたいと思います。資料1-2の方で端的にお話ししますと、はじめにのカッコ3のところですね。事務局の案としてもしこれを変更するとすれば、読み上げさせていただきますと、「農林水産大臣及び環境大臣は、愛玩動物看護師の行政処分にあたっては、(飛びまして、)当該愛玩動物看護師に行政手続法に基づく弁明の機会等を与え、その者に証拠等を提出させることにより、公平な立場から事情を参酌し、公正な処分が行われるよう配慮する必要がある。(戻りまして、)その際、獣医事審議会免許部会及び中央環境審議会動物愛護部会愛玩動物看護師小委員会における検討の結果を参考にする。」ということで、順番を入れ替えるというのが1点。
あと、当該愛玩動物看護師という言葉が既に免許を持っている方に対する措置になるというお話しもご指摘があったので、ここも免許を持っている方とこれから免許を付与される方と、両方に適用するという部分が読み取れるような書きぶりに直すというこの2点、事務局からご提案させていただければと思います。いかがでしょうか。
【磯部委員】 ありがとうございます。1点目はぜひそうしていただいた方が良いと思いました。2点目はちょっとまずい気もして、これは弁明の機会の付与とその前に書いてあるわけで、弁明の機会の付与はそもそも不利益処分の際の手続でしかないので、それはすでに免許を受けた愛玩動物看護師しか相手にならないことですから、やはり元々、そういう不利益処分の手続のための考え方として作られているのを事実上申請に対する処分にも使おうとしているところに無理があって、文言上は不利益処分手続のための基準として一貫しないとおかしいことにならないかなとも思います。そのため、2点目は改正しなくて良いかなと思います。
【事務局(環境省・野村)】 わかりました。その点は両省で文面を確認して、最後に座長にご確認いただくということでよろしいでしょうか。
【西村委員】 磯部委員、それでよろしいでしょうか。この辺のところはすごく大切な部分なので、ここできっちり決めて先に進むべきだと思います。ではそういうやり方でやらせていただくということにしたいと思います。それでは「愛玩動物看護師の行政処分に関する基本的な考え方(案)」について委員のみなさんはこれでよろしいでしょうか。それでは今のプロセスで手続きを進めてください、ありがとうございました。
 
(2)第1回愛玩動物看護師国家試験の実施について(報告)
【西村委員】 それでは議事両カッコ2の第1回愛玩動物看護師国家試験の実施について事務局から報告をお願いいたします。
【事務局(環境省・田村)】 ご報告させていただきます。お手元の資料2をご覧ください。愛玩動物看護師第1回国家試験の実施についてご報告させていただいています。
試験日なのですけれども、去った令和5年2月19日の日曜日に、必須問題、実地問題、一般問題の計300分の試験を実施しました。方式としましては5択のマークシート方式です。
試験会場は北海道、宮城、東京、愛知、大阪、広島、福岡の7か所19会場で実施しまし、受験者数が2万800人となっております。
先ほども申し上げた通り、合格発表は本日3月17日13時以降に指定試験機関の一般財団法人動物看護師統一認定機構のウェブページにおいて合格者の受験番号を掲載することとなっております。以上でございます。
【西村委員】 ありがとうございます。ただいま事務局から第1回愛玩動物看護師国家試験の実施について説明がございました。委員からご発言があればお願いしたいと思いますが、まずは動物看護師統一認定機構で試験委員長をなさっている中山先生からコメントをお願いしたいのですが、ここにも書いてあります委員限りというのは、これについて言及しないようにということですので、ちょっとお気をつけください。
【中山委員】 中山でございます。愛玩動物看護師の第1回目の国家試験でございますが、ただいま先ほど事務局の方からご報告いただきましたように、2月19日の日曜日に行われました。2万人を超える受験生ということでしたが、おかげさまで大過なく終了することができました。試験を主催する者といたしまして、ご関係の皆様に厚く御礼申し上げたいと思います。ありがとうございました。
 合格発表が本日の13時からということになっております。動物看護師統一認定機構のウェブページに合格者の受験番号が掲載されるということで、あと2時間少しですが、試験委員として感想を述べさせていただきますと予備試験の時もそうだったのですけれども、受験生のみなさんは非常に良く勉強されていたなという感じがいたしました。以上、私の印象でございます(笑)。
【西村委員】 ありがとうございます、ご苦労様でございました。他にご意見ございますでしょうか。
【山﨑委員】 中山先生、7都市19会場ですね。
【事務局(農林水産省・大倉)】 19会場で大丈夫です。
【山﨑委員】 わかりました。
【西村委員】 他に何かご意見ございますでしょうか。第1回を終えてホッとしているというところだと思いますが。横田委員、お願いします。
【横田委員】 私も受験者ということで受験させていただきまして、また受験する立場の動物看護職の代表といたしましてもこの第1回を迎えるにあたりましては、本当に過去の問題等がないというところ、また現場の者たちは仕事をしながらこの国家試験に臨んでいくというところで、本当に多くの者たちが第1回に臨んでいただけたなと私は考えております。本当に2万人いるのか3万人いるのかと言われている動物看護師が、この2万800人という受験者を積んできたということに関しましては本当に受験者のみんなが愛玩動物看護師の国家試験を待ち望んでいたものなのだなと考えておりますので、今後この者たちがぜひ活躍できるように、この会でもまた主務省の方々もご協力いただけるようお願いしたいと思っております。
【西村委員】 ご意見ありがとうございます。他にございますでしょうか。中山委員、来年以降はどれくらいの規模になりそうなのですか。
【中山委員】 いや、ちょっと想像がつきませんね。今年よりは少ないと思いますけれど、どれくらいになるのでしょうか。
【西村委員】 今年は2万人ということで相当大変だったのではないかと思うのですけれども。
【中山委員】 ただ試験問題というのは相変わらず同じように作らなければいけないと思いますので、そこはやはり機構といたしましても心して取り組むということでございます。
【西村委員】 ありがとうございました。他によろしいでしょうか。
【山﨑委員】 この現任者がたくさん受験するということで、どのくらいの人数になるか、いろいろ想定しながら準備をしてまいりました。受験申込者数に対して、当日の欠席者は思いのほか少なく、約2万800人が受験されたことは大変喜ばしく存じます。なお、沖縄などの遠方の方々は前泊をしなければなりませんでしたが、沢山受験してくださいました。また、現任者の中には女性の受験者が多く、妊婦の方も多くいらしたので、予備室などを準備しておき、良かったと思います。妊婦の方など、熱心な受験者が多かったことも嬉しかった驚きの1つです。
更に、中山先生も1番心配していらした、積雪などの気候変動で、鉄道などの公共交通機関がストップしてしまうことや道路封鎖があるか等、心配した件は全くありませんでした。これは受験者とそれから関係者の方たちの心がけが大変良かったのだと、本当に安心しました。中山先生がおっしゃったように無事終わった時は、拍手ものでした。本当に関係者のみなさんのおかげだと感謝しております。受験生の熱意と1回目の国家試験に対する想いが本当に伝わってきた、第1回目の国家試験だったと存じます。ご報告させていただきます。
【西村委員】 ありがとうございました。他によろしいでしょうか。
 
(3)その他
【西村委員】 それでは次の議事に移りたいと思います。議事両カッコ3、その他についてです。前回私から質問した人の看護師の場合の届出について事務局から報告をお願いいたします。
【事務局(農林水産省・大倉)】 前回の議事の中で西村座長の方から「看護師の届出はどうなっているのですか、集計状況の把握等はどうなっているのですか」というご質問を頂戴しまして、愛玩動物看護師法では法律上届出、獣医師法のような2年に1回の届出はございませんとご説明したところ、人の看護師の方でも届出制度があるのではないかということで宿題をいただいておりましたので、その報告でございます。お手元に資料3、1枚紙でございますけれどもご用意いただければと思います。
 看護師等免許保持者の届出義務についてということでございます。保健師助産師看護師法第33条に基づきまして、業務に従事する保健師、助産師、看護師、以下看護師等と申し上げますけれども、看護師等2年毎にその就業状況について、就業地の都道府県知事に届け出ることが義務づけられてございます。これはもう就業者に対する指導監督ですとか需給バランスと看護行政の推進に資するためとされておりまして、この統計は隔年で「衛生行政報告例」ということで公表されてございます。
届出の様式に関しましては「業務従事者届」ということで様式が定められておりまして、氏名、免許の種別、それから就業場所等について記載することとなっておりまして、届出違反の場合には、罰則等の規定もございます。
ここで業務に従事する保健師は義務付けがあると申し上げましたけれども、それは保健師助産師看護師法の話で、別途看護師等の人材確保の促進に関する法律では、病院等を離職した場合、その業務に従事していなくても厚生労働省令で定める場合には、届け出るよう努めなければならないとされておりまして、就業されていない方に関しては人の看護師さんの場合は努力義務という形で届出になってございますというご報告でございます。
獣医師ですとか医師に関しては就業に関わらず2年に1度の届出義務があると。一方で看護師に関しましては業務に従事している場合は義務的になっていまして、離職されている場合は努力義務ということになってございまして、愛玩動物看護師に関しては法令の中でどちらも努力も届出の義務もないのですけれども、やはり就業状況とか把握していくということは重要だと考えておりますので、今後名簿の登録等をしている指定登録機関ですとかあとは愛玩動物看護師の養成所、大学等の関係機関とのご協力をしながら就業状況の把握に努めるよう事務局としても検討していきたいという風に考えております。事務局からは以上です。
【西村委員】 ただいまの点、いかがでしょうか。ご質問等ございますか。この看護師の届出は非常に重要なものだという気はするのですが、よろしいでしょうか。ただいま説明がありました点、他によろしいでしょうか。それでは大学や養成所の理解が得られましたら、来年度以降就業状況の把握について検討をお願いしたいと思います。
その他、事務局から何かございますでしょうか。
【事務局(農林水産省・大倉)】 前回の12月のご審議の際に、議事概要をちょっと参考資料につけておりますけれども、参考資料2をお手元にご用意いただければと思います。
議事の当面の審議予定というところで、今後愛玩動物看護師制度の推進に向けまして、①国家資格の信頼確保、②獣医療現場における愛玩動物看護師の職責・役割等々4つの柱に分けて、具体的な課題について計画的に審議を進めるということでご審議をいただきました。今回、②獣医療現場における愛玩動物看護師の職責・役割についていろいろ先生方にもご相談をさせていただいておりましたけれども、獣医療現場における愛玩動物看護師の業務イメージのところがもうちょっとわかりやすくなるよう議論を深められたらというお話しも頂戴しましたので、事務局の方でイメージとして法律に書いてある文言を落としているものですけれども、資料4をご用意させていただきましたので、そちらをご覧いただきながらご説明をして、来年以降どうやってこの部分について審議を進めていくかのご意見をいただければと考えております。
 資料4のカラフルな、獣医療現場における愛玩動物看護師の業務のイメージという資料をご用意ください。こちらは愛玩動物看護師法にある診療補助、あと看護の部分を法令の記載に沿って書き出したもので、獣医療の部分を書き出したものでございます。診療の補助はリスクの低い獣医師の指示の下行われる業務で、看護に関しましては疾病にかかり、又は負傷した動物の世話、療養上の世話ということで、あとは一般の看護となっております。具体的には処置業務として動物の保定や患部の処置、内用薬の投与等々、こちらはカリキュラム検討会の方で具体例として挙げていただいておりますけれども、こういったものを愛玩動物看護師の業務ではないかということで議論いただいてきたところでございます。
 愛玩動物看護師の業務としてはこういったものをやって、チーム獣医療のメンバーと情報共有して飼い主との良好なコミュニケーションを図るための能力が求められるということで、愛玩動物看護師の業務を定めておりまして、具体的に何があるかとかどういう判断をしていくかというのを次のページ以降記載をしてございます。
 こちらはまず診療の補助と次のページに愛玩動物の看護というところでページを分けさせていただきましたけれども、まず診療行為というのは獣医師の独占業務でして、獣医師の獣医学的判断をもってするのでなければ飼育動物に危害を及ぼし、又は危害を及ぼすおそれのある行為となっておりまして、この診療の行為を診療の補助とどういう風に分けるかというのは獣医師が自ら行わなければならない絶対的な医療行為なのかどうなのかというのは診療の内容から獣医師と、あと診療の補助を行う愛玩動物看護師の教育内容や技能レベルから獣医師が判断するというのが法律にも書いておるところでございます。
 看護のところですけれども、看護は独占業務ではないのですけれども、飼育動物の看護は愛玩動物看護師の技術的能力及び専門的な知識経験をもって行う行為ということで、愛玩動物看護師の責務としましては愛玩動物看護師が自ら行わなければならないほどの絶対的な看護行為なのか、あとはこれを動物病院のスタッフ、愛玩動物看護師以外のスタッフの教育内容、技能レベルなどから愛玩動物看護師しなければいけないのか、それとも他の特定のスタッフが行うことが可能なのかということで、愛玩動物看護師以外の病院スタッフとの業務分担を明確化していくということも必要なのではないのかということで、イメージとしてちょっとお示しをしております。
 こういった動物病院の中でチームとして役割分担をして、獣医療の高度化、多様化に対応していくことが期待されているというのが愛玩動物看護師の制度でございます。最後の次のページになりますけれども、こういった診療内容の高度化、多様化に対応するため、チーム獣医療のイメージということで、愛玩動物看護師は動物を飼育する飼育者と、絶対的な医療、診療行為、リスクの高い診療をする獣医さんの間に立って、獣医さんの指示の下療養上の世話をしたりその後は飼育者さんと獣医さんの間に立って獣医さんの言っていることの説明をしたり、あとはその飼育者から日常の飼育状況を聞き取って獣医さんにそれを伝えるとか、そういった形でチーム獣医療という形で職責を果たしていただけるのかなというのを期待しているというイメージでございます。事務局からは以上でございます。
【西村委員】 ありがとうございます。何かご質問等ございますでしょうか。
【佐伯委員】 感想というか意見と、それから1つご質問です。従来から診療の補助についてもう少し臨床に従事している獣医師にもわかりやすいものを用意して欲しいというお願いをさせていただいたのですけれども、今回の資料はかなりわかりやすくなってきているかなと思っております。現在、各獣医師会から講演の依頼などもいただいていて、診療の補助については大体これと同じような内容の説明をさせていただいております。今回の資料は、獣医師が判断すべきこと、それからそれを受ける愛玩動物看護師も自らの技術、知識に基づいて判断するというところが結構明確にされているので、従来よりもだいぶ理解しやすくなったと思います。ありがとうございます。
 現状、診療の補助が、どうしても補助という言葉から、多くの方に補助する職業だと思われています。看護師や歯科衛生士では以前からこの言葉が使われていますので、そのような説明を補足しながら理解を得ていくしかないかなと思っています。
あとは看護の部分にいて、資料では緑で統一していただいているところが、1枚目の資料は真ん中に持ってきていただいておりますように、本来業務としてはこちらが、愛玩動物看護師が自ら判断できるところとしてはこの業務であって、あくまでも診療の補助は獣医師の補助ということに他ならないということなので、最初のイメージのところは愛玩動物看護師の業務というのはかなり端的に示してくださっていると思います。全体的にはこれでかなりわかりやすくなってきたかなという風に思います。
これは本当に感謝申し上げたいですが、質問はこれをではどのように周知していくのかとか、そこをちょっと質問させていただきたいと思います。
【西村委員】 いかがでしょうか。
【事務局(農林水産省・大倉)】 ありがとうございます。これは事務局でイメージとしてお示ししたので、これから他の先生方にもいろいろご意見を頂戴できればと思っております。周知ですけれども、まさに今日も報道の方がいらっしゃっていたりしますけれども、引き続き今年度も都度愛玩動物看護師制度が始まるにあたっていろいろな雑誌等々で原稿を書かせていただいたりですとか取材もしていただいたり、都度こういうのをご説明させていただいているところです。引き続きこういった周知活動をやっていきたいと思っております。
【佐伯委員】 具体的というか、オフィシャルなところではどんな感じで出していくことになるのでしょうか。
【事務局(農林水産省・吉田)】 動物病院の中のことをイメージしてこれからしゃべるのですけれども、これから愛玩動物看護師という方が4月になって活躍し始めまして、そういう方々がどういうような役割を果たしていくのか少し様子を見たいと思っているところです。この合同会合の場でいろいろと情報、この議論が情報発信の1つのツールになるとは思うのですが、ここからの情報発信と現場での取組状況、そういうことを少し来年度にしっかりやらなければと思っておりまして、もし何かしら役所から愛玩動物看護師はこうあるべしとか、そういうようなペーパーが必要になれば、この場でご検討いただきながら文書を出すというやり方はできるかと思っております。
【佐伯委員】 ありがとうございます。こういう質問をさせていただいたのは、ここの会議で出てきたということはいろいろなところに出しても良いことにはなるのかとは思いますけれども、もちろんおっしゃる通り現場でのどのような業務をしていくかという今後ということも大事だろうとも思いますけれども、やはり現状いろいろな現場からの意見を聞きますとかなりまだ戸惑っている、どうしたら良いのか困っているというところがありますので、やはり目安として公式に出していくということはある程度必要ではないかと思っているのです。
この制度がどういう風に現場で動いていくか、成熟というか育っていくかというのは一定期間見てということはあると思うのですけれども、ある程度方向性になる物を何かを出していかないと、それを目安にみんな動くと思いますので。その点で、診療の補助の位置が、注目され過ぎているというのが現状ですので、少し落ち着かせるためにもこういった資料が公式に出ていった方が良いのではないかと考えたのです。いろいろな場所や機会を通じて出していただけると良いかなという風に思います。もちろん日本獣医師会を通じても出していただくと各獣医師会、現場の方にも流れていくかと思いますので、よろしくお願いいたします。
【西村委員】 よろしいでしょうか。たぶん質問とかが最初のうちにかなり来ると思うのですけれども、それを公開するとかということは考えていないのですか。こういう質問が来ましたみたいなのは。
【事務局(農林水産省・大倉)】 結局細かい現場で今「これどうですか」というのは、基本的には農水省と環境省さんの方にQ&Aで記載をしておりますので、ちょっと言葉が足りないところがあるようでしたら必要に応じて補足をするですとか、もう少し議論が詰まってきたらQ&Aにもこれをお示しして、「こういうのを参考にしてください」という形でお示しすることはできるかと思います。質問とかは結局、一つひとつの質問はやはり細かいのはすごくたくさんあるのですけれども、Q&Aに収斂されてくるところはございますので、そういった形でご対応させていただいております。
【西村委員】 わかりました。それでは横田委員、お願いします。
【横田委員】 本日合格発表があって免許を取得してからというところでの次の段階へといくところになるかと思いますけれども、その役割分担というのに大変動物診療施設でもどのようにしたら良いのか困惑されている先生方も実際いらっしゃるのではないかと思います。少し様子を見てと先ほどお話しがありましたけれども、ぜひとも愛玩動物看護師の適切な活用、また運用がなされているモデルケースとなるような動物病院等をこのような役割分担を、獣医師、愛玩動物看護師、また看護助手となるような方々と行っていますというような例となるところなども挙げていただき、そうするとそういうようなものを参考にこの愛玩動物看護師の活用もより広がっていくのではないかと思っております。
 またうまく分担ができないようなところが出てくるかと思いますけれども、そこの問題点の洗い出しなどもしていただいて、愛玩動物看護師の手技の修練がまだ必要なのかとか、そういうような不足な部分は日本獣医師会さんや看護職協会等、主務省の方々とも協力をしながら、愛玩動物看護師に到達していただかなくてはいけないところはサポートしていくということも可能かと思っております。
 また最後に、やはり免許を取得した後の処遇というところもぜひ次年度には把握していただいて、検討の議題に挙げていただければありがたいと思っております。
【西村委員】 大変貴重なご意見ありがとうございました。何か事務局からありますでしょうか。特によろしいですか。それでは他に。
【山﨑委員】 資料4の「獣医療現場における愛玩動物看護師の業務(イメージ)」についてはビジュアル化され大変わかりやすく、とても良かったと思います。機構の事務局の現場といたしましては、十分説明してあると思っていても、なかなか通じていないことが多くあり雑多な質問があって、またその質問を主務省にお問い合わせする、その仕事が山のようにお互い増えてしまったという経緯がございます。今後は、今までの動物看護師の業務において国家資格を持っている人と持っていない人が、同じ現場で業務を続けていくことが想定されます。この資料4の愛玩動物看護師の業務で看護と書いてある緑色の看護等、疾病にかかり、又は負傷した動物の看護、療養上の世話等、愛玩動物看護師という業務のイメージがはっきりし、大変わかりやすいと存じます。
やはり国家資格を持っている方と看護師さんのアシスタントという立場の方がいらっしゃる現場では、この指針を目標にしていただきたいと思います。良質なチーム獣医療のイメージには、獣医師、愛玩動物看護師、飼育者の役割がわかりやすく記載されていると存じます。国家資格のイメージをアップしていかないと、職場環境や処遇も改善してまいりません。この会合で継続審議していただきたいと思います。よろしくお願いします、以上です。
【西村委員】 ありがとうございました。他にいかがですか。
【長田委員】 飼育者の立場で参加させていただいております。まずこの4ページのチーム獣医療のイメージのところを飼育者の側もきちんと把握をしながら獣医師さんと我々の間に愛玩動物看護師さんがいて、いろいろなことをお尋ねしても良いのだなということがよくわかると思いますので、こういうのを飼育者の方にもぜひ広めていっていただきたいなと思っています。
 それともう1つ、これはちょっと余計な話になってしまうのですが、私の娘も実は受験をさせていただいて、その娘が勤めている病院では愛玩動物看護師の資格が取れたら報酬をこういう風に上げますということが病院内で発表されていて、そのお仕事もランク付けみたいにここまでできるようになったらみたいに、最高のところに行くと1人で訪問して看護の業務ができるというようなことが書かれておりまして、最高ランクのところはまだその病院としてもすぐにそのサービスが始められるわけではないけれども、そういうことも考えていて、報酬もかなり高い条件が出されているということでした。かつ今までやっていなかったことをいろいろしなければいけないことになるので、注射とか何かそういうことも一生懸命実技的な研修をやっているということで、そういう取組をしていらっしゃるところもあると思いますので、そういうのはぜひ幅広く共有していくことができれば、それを飼育者の側にも共有していくことができると、愛玩動物看護師というもののイメージが非常に確たるものになっていくのではないかなと思っています。以上です。
【西村委員】 ありがとうございます。お願いします。
【磯部委員】 わかりやすいイメージ図は大事だと思うので、こういうものは、合同会合第2回の配布資料にありますでは足りないというのが佐伯委員のおっしゃっていることでしょうから、それは適切にやっていただくとして。こういうのって、やはり出回るわけですよね。言葉には私もこだわるのですが、今さら後の祭りではあるのですが、人間の看護の場合は診療の補助と療養上の世話、この2つが看護業務であって、だから診療の補助が全然悪いわけではなくて、すごく大事な業務なわけですけれど、こちらは診療の補助と看護なのです。療養上の世話だけを指して看護と呼ぶかのような言葉遣いで、すごくそこは人間と愛玩動物の違いがわかりにくいと感じていますが、法律上はもうそうなってしまっているので、療養上の世話というのが法律上の言葉なのでしょうがないのかなという風には思います。
 その上で、ちょっと気になったのは3ページの、もしこれが出回るのならですが、飼育動物の看護というのは、これは正しいのですか。緑の枠のタイトルですけれど、愛玩動物看護師は愛玩動物に対する看護しかできないのかと私は思っているのですけれど、そうではなくて飼育動物に対してもできるのですか。
【浅野委員】 私の理解では独占業務は確かに犬猫愛玩鳥ですけれど、看護は独占業務ではないので、そうするとたぶんいろいろな動物が持ち込まれる。獣医師さんが飼育動物、その他を見るので、あるのかなと。
【磯部委員】 「疾病にかかり、又は負傷した愛玩動物の世話その他の愛玩動物の看護」と法律上は書いてあるけれど、それはそうではないということですか。独占しているかというのと、どういう業務が実際できるかは別の話で、急に牛や馬の世話などを愛玩動物看護師ができるのですか。法律上はできるという整理と。
【浅野委員】 確かにこの法律定義を見ると愛玩動物になっているので、その疑問は私も思っているのですけれど、実際できる、できないというところになると、飼育動物に政省令で合わされているので、そうすると犬猫愛玩鳥は独占業務としてはできるし、それ以外で獣医師さんが扱うものについては結局看護と適正飼養はできるということなのかなと理解しているのですけれど、事務局の方で合っていますでしょうか。
【事務局(農林水産省・大倉)】 浅野委員のおっしゃる通りでございます。法律上、愛玩動物と飼育動物というのがわかりにくいところがあるかもしれないですが、法律上の用語として愛玩動物看護師ができた時に愛玩動物というのが定義されて、元々獣医師法の中で獣医師が診療する動物として飼育動物というのがございますので、獣医療という文脈の中で動物を記載すると飼育動物の看護になりますけれども、必ずしも独占業務として書いているというイメージではなくて、一般論として動物病院に来る動物に対する、入院した動物の世話とかそういった飼育者に対する指導とか、そういったことのイメージとして示しているので、わかりにくいということでしたら文言はご相談させていただきたいと思います
【西村委員】 例えばウサギなんかが来た場合というのは、獣医師法では対象ではないですけれど病院には来るので、そういうのはお世話するというケースは多々あると思います。しかし、愛玩動物の飼養、看護というわけではないという、ちょっと複雑なところはあります。
【浅野委員】 確かに法律から見ると、本当に最初に愛玩動物という定義されていながら、各論に行くといろいろな愛玩動物を含んでいて、この法律自体が問題だというのは本当にその通りなのですね(笑)。私もそう思いました。おっしゃる通りで、そういう意味では犬猫その他政令とわざと政令に落として、そのうち全部にということを想定しているのか、それはちょっと私もわかりませんけれど、懸念はもっともだと思います。
【磯部委員】 ご説明いただいてありがとうございます。私はこの世界に入ったのは最近なので、いろいろな背景があるのですね。ただ法律の条文はさておき、実態は違うのだというのは、極めてマズいだろうと思います。
あと、最後の4、5ページ目のイメージというのが、このイメージが伝わりやすいのか、そうではないのかは判断に悩みます。これだと例えば一般看護というのはどこかに行ってしまったのですか。チーム獣医療のイメージから良質なチーム獣医療のイメージということでしょうか。
【事務局(農林水産省・大倉)】 最初のイメージを進めていくと、最終的に良質なチーム獣医療というのがあるので、愛玩動物看護師なので「一般看護」よりも「看護」の方が適切ということであればそちらに収斂していくと思っております。先ほどもお話しいただいています通り、来年度以降いろいろな取組事例を伺ったりをしていきながら、ここの文言ですとかイメージとかを先生方と一緒に考えていければと思っております。
【西村委員】 お願いします。よろしいでしょうか。どうぞ。
【佐伯委員】 獣医療のところが主体になっているのですが、環境省さんもいらっしゃっているのでそちらもあると思うので。動物愛護の部分ですね、イメージの1ページ目のところ。ここはやはり愛玩動物看護師ということで環境省も主務になったところでは大きなウエートだとは思うのですね。この部分を前回でも、例えば行政の愛護管理の職員への道とかいろいろ課題はあるかとは思うのですけれども、それ以降環境省の方ではこちらの方への働きかけとか動きというのは何かされてきたものはございますでしょうか。
【事務局(環境省・田村)】 佐伯先生、ご指摘ありがとうございます。この後資料5の方で附帯決議の対応についてご説明する中で、今愛玩動物看護師が今後公的な機関でどのように雇用していただく意向があるかどうかとか、そういったことを少し調査しておりますので、その報告をまずお聞きいただければと思います。
【佐伯委員】 ありがとうございます。まだ自分の周りの行政の獣医師、あるいはそういう動物愛護担当の職員の方とお話しをすると、やはりこの法律自体の理解が進んでいないというのがあり、認知度が低いというのがありますので、今後それはちょっと環境省の方で頑張っていただかなければいけないのかなと感じております。
【西村委員】 ありがとうございます。他にございますでしょうか。それでは来年度以降、獣医療現場の愛玩動物看護師の活用につきまして愛玩動物看護師あるいは獣医師といった方々と話を聞く機会も積極的に設けたいという風には考えております。事務局は準備の方をお願いいたします。
 その他事務局から何かございますでしょうか。
【事務局(環境省・田村)】 この機会を頂きまして、令和4年度に環境省で実施した調査業務のご報告をさせていただきます。お手元の資料5をご覧ください。愛玩動物看護師法附帯決議に係る実態調査についてとのタイトルになっています。愛玩動物看護師制度の運用に際しましては、愛玩動物看護師の資質向上等が図られること、動物病院等における制度への理解を深めること、また国家資格の取得促進を図ることなどの附帯決議がされております。
そこで環境省では、動物病院等における実態調査を行いました。これは今後の制度の円滑な運用及び将来の改善に関する検討に資する情報を収集するという目的でございます。調査方法ですが、アンケート調査、現場ヒアリング調査、有識者ヒアリングという3つをやっております。
アンケート調査に関しましては、愛玩動物看護師の最も主要な就業の現場となるだろう動物病院の雇用状況や勤務状況、愛玩動物看護師制度の理解度や対応状況などの設問を設けさせていただきまして、WEBアンケートを実施しております。合計3,000人にご回答いただいたところでございます。
もう1点、現場のヒアリング調査でございますが、愛玩動物看護師の就業の現場となりうる業界につきまして、雇用・業務上の課題等の把握を目的としたヒアリングを地方自治体やペットショップ等の事業者に対してヒアリングを実施しております。
3つ目、有識者ヒアリングとしましては、先程のアンケート調査、現場ヒアリングの概要及び結果をまとめまして、有識者の方々に、今後の愛玩動物看護師の制度の促進に向けた助言、アドバイスを得ることを目的としてヒアリングを実施しました。この調査なのですが、実は結果を取りまとめているところでございまして、また次の機会にでもこの調査の結果をご報告させていただき、その評価、分析に対してご意見いただきたいと考えているところです。以上です。
【西村委員】 ありがとうございます。何かご質問等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。その他、事務局から何かございますでしょうか。
【事務局(環境省・田村)】 では最後に、今後のスケジュールについてご連絡させていただきたいと思います。本日3月17日、第2回の獣医事審議会免許部会・中央環境審議会動物愛護部会の合同会合をさせていただきました。また12月にも開催し、今年度は合計2回させていただきましたが、来年度につきましても今年度と同じように開催していきたいと思っていますので、また日程調整等はご連絡させていただきます。引き続きご協力の方をお願いしたいと思います。
 もう1点。本日の資料ですが、全て持ち帰り可能となっています。本日の会議資料と議事録は、後日農水省および環境省のウェブサイトにも掲載する予定です。よろしくお願いします。以上です。
【西村委員】 ありがとうございました。長い時間ありがとうございました。次回はこの長い合同会合をスラスラ言えるようにしていきたいと思います(笑)。
あと1時間半ほどでいよいよ待ちに待った合格発表で、2週間後にはやっと日本初の愛玩動物看護師というのが誕生するということになります。我々も愛玩動物看護師さんの業務をかなり広げていこうと話し合いをしております。そうなると看護師がいないと業務が回らなくなってしまうという状況になりつつあります。この間の試験の時も休みになった動物病院はかなり多く、今や愛玩動物看護師がいなかったら病院が動かないよという時代になりつつあるということで、本当に我々が目指してきたところになってきつつあるのかなと思います。まさしくアシスタントがパートナーにという時代の変換というのを我々は見ているのかなと思います。今後もよろしくお願いします。
他に何か、全体を通してご意見とかございますでしょうか。よろしいでしょうか。それではおかげさまで、本日の合同会合の議事を全て終了することができました。議事の円滑な進行にご協力いただきまして誠にありがとうございます。これをもちまして第2回獣医事審議会免許部会・中央環境審議会動物愛護部会愛玩動物看護師小委員会(合同会合)を閉会といたします。事務局にお戻しします。


3.閉会
【事務局(環境省・細川)】 西村座長、どうもありがとうございました。環境省自然環境局総務課長の細川でございます。本日は委員の先生方におかれましては長時間にわたりまして大変熱心なご意見、ご議論をいただきましてありがとうございました。
 本日の議題の中で審議事項でありました愛玩動物看護師の行政処分に関する基本的な考え方、こちらの方は愛玩動物看護師というものが社会的地位を向上させて、また国民のみなさんに信頼される、そのためのまさに裏付けになるものだと思っております。やや私どもの精査が曖昧だった部分がございましたけれども、委員の先生方から、よりしっかりとした仕組みになる方向でご意見をいただけたものと考えております。本日の案につきましては、さらに精査を加えまして、西村座長にもご確認をいただいて公表をした上で、両省連携してこの制度の運用にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
 また先ほど座長からもお話しありましたように、いよいよ今日13時に試験の合格発表を控えております。また2週間後には第1期生となる愛玩動物看護師が世に誕生するということで、前回の合同会合でも西村座長からお話しがありました通り、いよいよ法律に魂が入ることになると考えております。やはりこれから愛玩動物看護師になる方が獣医療の現場、またその適正飼養の現場、こういったところでしっかりと職責を果たして、また国民の方々にしっかり頼られる存在になるということが大事かなと思っております。そういった意味でも、本日しっかりと周知をしていくということが皆様方からのご意見であったと思いますので、そういった部分も含めて主務省としてこの制度の運用にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
 委員の先生方におかれましては、今年度も大変ありがとうございました。来年度も引き続きご意見、ご助言賜りたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。本日はどうもありがとうございました。