中央環境審議会動物愛護部会 愛玩動物看護師小委員会・獣医事審議会免許部会合同会合(第1回)議事録

1.日時

令和4年12月21日(水)9時00分~10時36分

2.場所

中央合同庁舎5号館 環境省第12 会議室

3.出席者

構成員:(50音順、敬称略)
    浅野明子、佐伯潤、中山裕之、長田三紀、西村亮平、村中志朗、山﨑薫、横田淳子
事務局:農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課、環境省自然環境局総務課動物愛護管理室

4.議事

(1)合同会合の開催について(説明)・座長選出
(2)第1回愛玩動物看護師国家試験予備試験の結果について(報告) 
(3)当面の審議予定について(審議) 
(4)愛玩動物看護師の免許付与審査に係る手続きの確認(処分の考え方)について(審議)
(5)その他

5.配付資料

資料1   獣医事審議会免許部会・中央環境審議会動物愛護部会愛玩動物看護師小委員会(合同会合)の開催について
     別紙 合同会合構成員名簿
資料2   第1回愛玩動物看護師国家試験予備試験の結果について
資料3   合同会合における検討事項及び検討の進め方について
     別紙 愛玩動物看護師制度推進に向けた検討事項
資料4   愛玩動物看護師の免許付与手続きについて
     別紙 愛玩動物看護師免許付与審査手続きの流れ
 
参考資料1 愛玩動物看護師法条文
参考資料2 愛玩動物看護師法附帯決議
参考資料3 獣医師に対する行政処分に関する基本的な考え方

6.議事概要

1.開会

(1)挨拶

【事務局(農林水産省・吉田)】 では皆様、お揃いになっております。少し開始時間は早くなりますけれども、ただいまから第1回獣医事審議会免許部会・中央環境審議会動物愛護部会 愛玩動物看護師小委員会の合同会合を開催させていただきます。本日の合同会合は一般公開での対応となりますので、ご協力のほどよろしくお願いいたします。
 本日の合同会合につきましては、初回ということでございますので、まだ座長が選任されておりません。そのため座長が選任されるまでは事務局の方が進行役を務めさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは開会にあたりまして、農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課の郷課長の方から挨拶があります。よろしくお願いいたします。
【事務局(農林水産省・郷)】 みなさんどうも、おはようございます。着座にて失礼いたします。第1回獣医事審議会免許部会・中央環境審議会動物愛護部会 愛玩動物看護師小委員会の合同会合の開催にあたりまして、一言ご挨拶を申し上げます。
 委員の皆様におかれましては年末の大変ご多用のところ、ご出席賜りまして誠にありがとうございます。また日頃から愛玩動物看護師制度の推進にご指導、ご助言をいただいておりますことに改めてお礼申し上げます。愛玩動物看護師制度につきましては令和元年度9月の法成立公布後、政省令の制定、カリキュラム等検討会の開催など皆様方にもご助言をいただきながら準備を進めてまいりました。本年11月6日には全国7都市13会場で予備試験を実施し、来年2月に第1回国家試験、3月の合格発表に向けて環境省と農林水産省が一体となって準備を進めています。
 来春に新たな国家資格として始まる愛玩動物看護師が法律で定められた目的に資するものとなるよう信頼性を確保し、また獣医療分野および動物愛護分野でこの制度を広く普及していきたいと考えており、制度の諸課題について委員の皆様方のご意見をいただくために本合同会合を設置いたしました。本日は第1回目の合同会合の開催となりますので、当面の審議予定や免許付与の手続きなどについてご確認いただくと共にご意見をいただくこととしております。来年の愛玩動物看護師の誕生に向けてご審議いただきますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。簡単ではございますが、私からのご挨拶とさせていただきます。本日はどうぞ、よろしくお願いいたします。 

(2)資料確認

【事務局(農林水産省・吉田)】 ありがとうございました。報道の撮影につきましてはここまでとさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 次に配布資料の確認をさせていただきたいと思います。お手元の資料一覧を見ていただきながら、資料の確認をお願いしたいと思います。まず議事次第、それと本日の出席者名簿、座席表があるかと思います。それから資料が1から4までございまして、1と3と4につきましては別紙がついておりますのでご確認いただければと思います。また参考資料が1から3までとなっておりますのでご確認いただければと思います。配布資料の乱丁、落丁等がありましたら事務局まで審議途中でも結構ですので、ご連絡いただければご対応させていただきますのでよろしくお願いいたします。
 では次に本日の委員の出席状況についてご報告いたします。資料1の別紙をご覧いただければと思います。委員の一覧になっているものでございますけれども、本日合同会議につきましては資料1の別紙の通り、獣医事審議会免許部会・中央環境審議会動物愛護部会の委員および外部委員の9名で構成されております。本日の委員の出席状況につきましては、磯部委員の方から事前にご欠席とのご連絡がありましたので、8名の委員のご出席をいただいております。獣医事審議会免許部会、それと中央環境審議会動物愛護部会のそれぞれの委員にご出席いただいておりますので、それぞれの定足数の要件を満たしております。このことから本日の合同会合につきましては会議としての成立をしていることをご報告申し上げます。

 

2.議事

(1) 合同会合の開催について(説明)・座長選出
【事務局(農林水産省・吉田)】 続きまして、これから議事の方に入りたいと思います。議事次第に沿って進めさせていただきます。議事の(1)の合同会合の開催についておよび座長の選出についてでございます。資料の1を横に置いていただければと思います。
 まずこの合同会合の開催要領というよりはTORについて少し丁寧にご説明をさせていただければ思います。資料1に沿ってご説明いたします。開催の趣旨でございます。愛玩動物看護師資格制度がその法の目的の達成に資するよう、その免許の付与及び行政処分を適切に実施して愛玩動物看護師に対する信頼性を確保し、獣医療分野及び動物愛護・適正飼養分野両方の側面より、愛玩動物看護師制度を広く普及していくため、獣医事審議会免許部会及び中央環境審議会動物愛護部会愛玩動物看護師小委員会による合同会合において、審議を進めることとしております。愛玩動物看護師法が農水省と環境省の共管法になっておりますので、両方にあります審議会の下に会合を位置づけているということでございます。
 2番目でございます。合同会合の構成員でございますが、合同会合の委員は、獣医事審議会及び中央環境審議会動物愛護部会愛玩動物看護師小委員会の委員から構成する。また、必要に応じて外部の委員を参加させることができるものとするとさせていただいております。

また座長につきましては3のところでございますが、本合同会合には、座長及び座長代理を置く。2、座長は委員の互選により選出し、座長代理は座長が任命する。(3)、座長は本合同会合を統括するとさせていただいております。
 4の開催方針でございますが、1、本合同会合は、原則公開により行います。内容によっては非公開とさせていただくこともございます。(2)でございますが、会合資料、議事概要は、合同会合終了後、座長の了解を得て公開するとさせていただきます。3、合同会合での審議結果は、獣医事審議会の権限に属する事項については獣医事審議会長に、中央環境審議会の権限に属する事項については中央環境審議会長に、座長または座長代理から報告することとするとさせていただいております。
 別紙の方が先ほどご覧いただきました構成員の方の名簿となっております。
 こういう形で合同会合の付託事項を定めさせていただいております。このTORに基づきまして、これから座長の選出をさせていただければと思います。座長につきましては委員の互選により選出することとさせていただいておりますが、委員のどなたか座長への自薦、他薦は問いませんけれども、ご意見等ございましたらいただければと思います。
【村中委員】 西村亮平委員を推薦したいと思います。西村委員は獣医事審議会の会長のご経験もあり、当然のことながら免許部会の方にも精通しておりますし、また現在動物愛護部会長もやられているということですので、最も適任かという風に思います。
【事務局(農林水産省・吉田)】 ありがとうございます。他にご意見等、ございますでしょうか。ご意見ございませんので、西村委員の方に本合同会合の座長をお願いしたいと考えますが、皆様よろしいでしょうか。(一同同意)ありがとうございます。それでは西村委員が委員の皆様の互選により座長に選出されました。よろしくお願いいたします。
 それでは西村座長の方からご挨拶と、これ以降の進行をお願いしたいと思います。どうぞ、よろしくお願いいたします。
【西村座長】 ただいまご紹介にあずかりました、東京大学の西村でございます。委員の皆様のご指名により愛玩動物看護師小委員会の座長を受けさせていただくということになりました。ちょっと座長をやらせていただく上で、一言ご挨拶をしたいと思います。
 先日ちょっとニュースを見ていたら、OECDの38か国の中で労働生産性というのが日本は27位で非常に低いというニュースがありました。平均賃金が22位とこれもだいぶ低い理由の1つがやっぱり労働生産性がかなり低いというのが大きな要因だろうという風に思います。
振り返って動物の獣医療というのを考えると、やはりその賃金を上げていくとか労働環境を高めていくとかというところに、労働生産性を高めるということがすごく大切だろうという風に思います。せっかくこの愛玩動物看護師法という法律ができました。これたぶん、僕が思うに今までいわゆる看護師さんと呼んでいた人たちというのはアシスタントみたいな立場だったと思うのですが、これからはパートナーになれるという大きな変革の時期に来たのだろうと、僕らはそれに立ち会っているのだろうなと思います。ただしこの制度に魂を入れるかどうかというのはこれからの僕らの動き次第ということだと思います。パートナーとして労働生産性を上げていって、ということは獣医療がすごくハイレベルになれるということも意味しているということ、その岐路に立っているということだと思います。
一方でたぶんこういう制度ができると、資格を持っていない人を安く雇うという方向も必ず出てきてしまうと思うのですけれども、そうではなくてせっかくこの素晴らしい制度を活かして日本の獣医療をより良いものにする、それからそれに合わせて労働環境も良くするというためにはやっぱりこの委員会の働きというのがすごく大切になってくるのだろうなと思いますので、これから委員の各位には積極的にご意見をいただきまして進めていきたいと思いますので、ぜひご協力のほどよろしくお願いいたします。
 それでは先ほど説明がありました、本合同会合の開催についての3、(2)について座長代理は座長が任命するとされておりますので、私から座長代理を指名したいと思います。座長代理はお隣にいる村中委員にお願いしたいと思います。村中委員、よろしいでしょうか。
【村中委員】 承知いたしました。よろしくお願いいたします。
【西村座長】 お引き受けいただいてありがとうございます。それでは改めて委員の皆様方から一言ずつ、頂戴したいと思います。それでは座長代理の村中委員からまずお願いします。
【村中委員】 ありがとうございます。座長代理に任命されました、西村会長を支えてこの会に貢献したいという風に思います。私は獣医事審議会免許部会長の村中でございます、どうぞよろしくお願いいたします。
【西村座長】 よろしくお願いいたします。それでは浅野委員、お願いいたします。
【浅野委員】 弁護士の浅野です。ちょっと一言、お話しさせてください。今日この愛玩動物看護師法の制度の根幹をみんなで議論するということなのですけれども、恐らく人看護師ですとか獣医師法の制度を参考にしていくことになると思うのです。逆にその違いを意識していただきたいなと。私自身法律を読んできまして、この愛玩動物看護師法の目的は2つで、言うまでもないのですけれど、愛玩動物に関する獣医療の普及向上、これは言ってみれば獣医師さんの補佐的なこと。あくまである意味補助だということだと思うのですね。2つ目が愛玩動物の適切な飼養。これは愛玩動物に関してですけれども、端的に動物保護と言って良いと思うのですね。今まで国家資格として動物保護をうたった資格というのはないのではないかと。正に愛玩動物看護師が唯一の動物保護を法律上うたっている資格だと思います。
この2つで、特に2つ目というのが人看護師にはもちろんないですし、獣医師さんにはもちろんない、そういう特別なものだと思うのです。この2つがあるというこの違いを意識した上で、人看護師法とか獣医師法を参考にして、制度を考えていく必要があるだろうという風に思っています。今日はよろしくお願いいたします。
【西村座長】 よろしくお願いいたします。それでは佐伯委員、お願いいたします。
【佐伯委員】 公益社団法人日本獣医師会動物福祉・愛護担当をしております、佐伯と申します。その他動物看護師に関しましてはもう十数年民間資格の時代から資格制度とか教育に関わっておりまして、現在も看護系の大学の方で教員を務めております。その他、大阪府獣医師会の会長もしておるのですけれども、大阪で動物病院を二十数年やっておりまして、臨床の開業獣医師でもあります。そういった立場から、本会議にも関わっていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
【西村座長】 よろしくお願いいたします。それでは中山委員、お願いいたします。
【中山委員】 中山でございます。人が少ないですけれども、ただいま動物医療センターPecoというところの獣医療研究所長というような立場でございまして、今月からはグループ統括長という役割も加わっております。一般財団法人動物看護師統一認定機構では今理事を務めておりまして、試験委員ということで国家試験の方を担当させていただいております。よろしくお願いいたします。
【西村座長】 それでは長田委員、お願いいたします。
【長田委員】 長田と申します。先生方がそれぞれご専門をお持ちの中、私だけは一般の国民という普通の人の代表で参加をさせていただいております。まだこの資格制度のことを知らない方がすごく多いと思いますので、そこも含めてまず理解していただくこと、どういう役割を持っているのかというのをどうやってお知らせしていくのかというところが大切かなと思っています。よろしくお願いいたします。
【西村座長】 よろしくお願いいたします。それでは山﨑委員、お願いいたします。
【山﨑委員】 おはようございます。この会に参加させていただき、ありがとうございます。私の紹介は、学校法人ヤマザキ学園理事長とありますが、ヤマザキ動物看護大学の学長も兼任しております。私は中学3年生の時に父が動物のケア、看護、しつけなどの講習会を自宅で開催した時の7人の参加者の1人でした。この講習会を開催いたしました1967年12月10日が本学園の創立記念日となります。父は12月29日に朝日新聞の「人」という連載コラムの取材を受けた際に、この分野を女性の新しい職業として確立することを目指したいと述べております。そのためには、国家資格化と大学の設立が不可欠と考えました。今年、本学園は創立55周年になりますが、愛玩動物看護師のために専修学校、短大、そして大学等を開学してまいりましたので、感無量でございます。
また、私は動物愛護協会の理事も長く務め、本学園内に日本動物福祉協会の新東京支部も発足しております。NPO法人日本動物衛生看護師協会も本学園と共にスタートし、アニマル・ヘルス・テクニシャンの資格を発行しております。この度、動物看護教育の養成所(専門学校)を調べましたところ日本で約80校ほどございました。本学園には、卒業生たちが獣医の先生のアシスタントとして動物病院で活躍してきた長い歴史がありますので、現任者として今回の国家試験を受験する方々がおります。愛玩動物看護師が獣医師のパートナーとして認められるためには、座長もおっしゃったように職場環境並びに労働環境の向上に加え、このパートナーという位置づけが確立されますよう、教育の場と社会で周知して参りたいと存じます。微力ですけれども、よろしくご指導くださいませ。
【西村座長】 よろしくお願いいたします。それでは横田委員、よろしくお願いいたします。
【横田委員】 動物看護師の職能団体をやっております、横田と申します。動物看護師は今第1回目の国家試験に向けてチャレンジしているところですけれども、本当に多くの者が試験に臨むということなので、それだけ現職者にとっても、またこれから動物看護師を目指す者にとっても国家試験というのは悲願だったという風にひしひしと感じております。
 これから動物看護師が動物のために、また社会のためにどういうことができていくのかということをきちっと整理するというところで、委員としては現職の動物看護師として果たしていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
【山﨑委員】 私は現在、一般財団法人動物看護師統一認定機構で業務執行理事(愛玩動物看護師 試験運営・登録管理担当)も務めております。
 
(2) 第1回愛玩動物看護師国家試験予備試験の結果について(報告)
【西村座長】 皆様ありがとうございました。それでは議事(2)の、第1回愛玩動物看護師国家試験予備試験の結果について、事務局から報告をお願いいたします。
【事務局(環境省・田村)】 それでは環境省の田村より説明させていただきます。資料2をご覧ください。第1回愛玩動物看護師国家試験予備試験の結果についてご報告させていただきます。
 愛玩動物看護師国家試験予備試験は、愛玩動物の看護、また愛護、適正な飼養に関わる助言等の実務経験を5年以上業として行った方が、国家試験の受験資格を得るために農林水産省、環境省が指定した講習会を受講した上で受けていただく試験です。
この試験を令和4年11月6日に、必須問題を50分、実地問題を100分といった時間配分で行いました。開催場所は全国7都道府県、13会場、札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡であり、試験方法としましてはいずれもマークシート形式でやっております。
 試験結果ですが、受験者数が9,841名で合格者数が9,794名、合格率99.5パーセントです。なおこの合格者の受験番号、合格率は指定試験機関のウェブページで公表しておりまして、今後、これらの方々が国家試験を受けていただくのかと思っております。参考までに第1回愛玩動物看護師国家試験について、日時は令和5年2月19日を予定しております。事務局からは以上でございます。
【西村座長】 ただいま事務局から第1回愛玩動物看護師国家試験予備試験の結果について説明がございました。委員からのご発言があればお願いしたいと思いますけれども、まずは動物看護師統一認定機構で試験委員長をなさっている中山先生からちょっと手短にコメントをお願いできればと思います。
【中山委員】 結果としましては今事務局の方からお話しがあった通りでございます。さしたるトラブルもなく大過なく終了することができてホッとしております。合格率が99.5パーセントということで、みなさんよく勉強されているなという印象でございました。以上です。
【西村座長】 ありがとうございました。他に委員の方から何かコメント等ございませんでしょうか。よろしいでしょうか。中山先生、ありがとうございました。
 
(3) 当面の審議予定について(審議)
【西村座長】 それでは次の議事に移りたいと思います。(3)の当面の審議予定について、事務局から説明をお願いいたします。
【事務局(農林水産省・大倉)】 農林水産省の大倉です。議事の3についてご説明をさせていただきます。お手元に資料3と、別紙とのポンチ絵をご用意お願いいたします。
 合同会合における検討事項及び検討の進め方についてでございます。まず背景でございます。ご案内の通りでございますが、愛玩動物看護師法は愛玩動物をめぐる状況に鑑みまして、新たに愛玩動物看護師の資格を定めるとともに、その業務が適正に運用されることを目的として令和元年6月に議員立法として成立してございます。
法の成立後、政省令等の制定、指定試験機関や指定登録機関の指定、講習会の実施等必要な準備を進めて、第1回の愛玩動物看護師国家試験予備試験が本年11月6日に実施され、また来年の2月19日には第1回の国家試験を予定してございます。3月17日の合格発表の後は、合格者から免許証の申請がなされ、4月には愛玩動物看護師が誕生するという状況でございます。
今後の愛玩動物看護師制度の推進に向けた検討事項について記載しております。愛玩動物看護師資格に関しては、新たな国家資格としての信頼の構築並びに愛玩動物に関する獣医療分野および動物愛護・適正飼養分野での役割等の愛玩動物看護師のあり方について検討していく必要があると考えてございます。また、法成立時の附帯決議において愛玩動物看護師の社会的役割や認知度、資質の向上、人材育成の充実等の諸課題について、法施行後5年を目途として検討を行い、適切な措置を講ずるということが求められております。
先生方からも今ご意見をいただきました通り、いろいろな課題がございます。こういった課題について、この合同会合において4つの柱に分けて、具体的な課題について計画的にご審議いただきたいと思っております。その4つの柱というのがこちらのポンチ絵の方に示しております、縦の4つの柱としています。
1つ目の柱ですけれども、国家資格の信頼確保ということで、こちらは国家試験の実施だったり、あとは愛玩動物看護師の免許の付与だったりになってございます。この中では第1回の愛玩動物看護師の国家試験や実施結果に関する検証、第2回試験に向けた課題の整理、それから免許の付与審査に係る手続きや処分の基準の考え方を挙げております。
2つ目の柱に関しては、獣医療現場における愛玩動物看護師の職責・役割ということで、まずは実態把握や検証をした上で制度のあり方を考えていきたいというところでございます。
3つ目の柱でございます。動物愛護・適正飼養分野における愛玩動物看護師の活躍推進ということで、こちらはもう1つの適正飼養分野ということで産業、学校教育、動物愛護管理行政等の現場において、愛玩動物の専門職としてどのような役割を果たしていけるかということで検討を進めていきたいという風に思っております。
4つ目の柱でございます。愛玩動物看護師の養成および資質向上に関しては、こちらは愛玩動物看護師の生涯教育や資格取得後の研修、それから現在の大学や養成所における養成課程の検証ということが具体的な課題になるかと考えております。
それぞれの柱の中でまずはご審議いただきたいというところが令和4年度の青色の四角で囲ったところでございます。第1回の2ページ目に行きまして、令和4年度における検討事項というところをお願いいたします。まずは第1回予備試験が実施されたところということで、来年の3月には免許付与審査ということが始まるということも考えまして、このマル1からマル4に係る課題のうち、今年度中には主に青色のところになりますけれども、今回含めて2回の合同会合を行ってご審議いただきたいと考えております。
まずは今回ですけれども、先ほどもありましたが愛玩動物看護師国家試験予備試験の実施状況に関する報告、それから今まさにご提案している当面の審議予定について、愛玩動物看護師の養成や資質の向上を図るための課題等について、5年後の検討に向けてご意見を頂戴したいと思っております。それから3つ目が次の議事になりますけれども、愛玩動物看護師の処分の判断基準および手続きに関する審議ということで、来年2月の第1回の国家試験の発表が3月、その後合格者から指定登録機関(一般財団法人動物看護師統一認定機構)に対して愛玩動物看護師名簿への登録及び免許証の交付申請がなされるということになってございます。名簿登録に係る手続を速やかに実施するために、3月までには欠格事由の該当がある者に係る手続きについてご確認をいただきたいと考えております。
次回の会合は、年度末ですけれども3月頃に開催できたらと考えておりますが、3月に国家試験は終わっておりますので、国家試験のご報告をさせていただいた上で、今回いただいたご意見を踏まえて処分の判断基準や手続きに関する審議をお願いしたいに考えております。
令和4年度以降はオレンジのところにありますけれども、それぞれ国家試験や免許の付与というのはルーティンになってきますので、定期的にご報告や何か特別な事情があればご相談などで年2回程度審議していくことになるのかなと考えてございます。獣医療の職責、あと動物愛護・適正飼養分野の活躍に関しましては、実態調査を定期的に実施して制度へのニーズの把握や、そこで上がってきた課題の解決ということを検討していきたいと考えております。
養成・資質向上のところですけれども、生涯学習に関しては関係団体の方でいろいろな生涯学習の検討がなされていると伺っていますので、そちらの状況も注視してまいりたいと思っております。
たくさん課題はあるのですけれども、これからご審議いただいて、今後の法改正後5年後を目途とした愛玩動物看護師制度のあり方の検討に向けて総合的に審議をお願いしたいという風に考えております。事務局からの説明は以上です。
【西村座長】 ただいま事務局から当面の審議予定について説明がございました。委員から何かご発言ございましたらお願いいたします。いかがでしょうか。
【長田委員】 素人なので申し上げます。今回の1回目の国家試験を受ける方々、2月19日の1日だけで、かつ7都道府県。なかなかそこに行って試験を受けるだけで。まず日曜日に空いている現職の看護師さんとたぶん調整して、全員受けに行ってしまうのが難しいだろうとか様々なことを考えまして、たぶん初回が1番受験者数が多いのだろうと思いますけれども、ちょっとお気の毒な状態に。病院の方もそうだろうし、受けるのを諦めなければいけなかった方もいらっしゃるのかもしれないよと素人ながら想像しました。
 今回初めての国家試験、どのくらい合格が出るのかわかりませんけれども、次年度またたくさんの受験者が想定されるのであれば、もう少し実施箇所を増やすとか何かちょっと考えても良いのではないかなと思いました。
【西村座長】 ありがとうございました。今の点、いかがでしょうか。
【事務局(農林水産省・大倉)】 まだ第1回の方も今まさに受験申し込みをしていただいているところで何ともという状況ではございますけれども、試験の実施に関して費用もかかってきてまいりますので、その受験者の数とかに見合った規模になっていくのかなという風にも考えてございます。その辺は一般財団法人動物看護師統一認定機構や環境省と一緒に相談しながら検討していきたいと思っております。
【長田委員】 今国家資格そのものがこういうマークシートであれば、もう少しデジタルな感じの試験に移行しているものがたくさんあると思うのですね。それで会場数を増やして、全体のコストも下げるしという。いろいろ時代も変わっているので検討していただければと思います。
【西村座長】 わかりました。
【事務局(農林水産省・吉田)】 獣医師の方々のご協力なのですけれども、予備試験実施の時に動物病院の先生方のご協力をいただきながら、できるだけ多くの方が受験できるようにご支援いただいておりますので、本番の国家試験に向けてまた獣医師の方々等にもしっかりと協力要請を事務局の方からもさせていただこうと思っております。よろしくお願いいたします。
【西村座長】 他にご意見ございますでしょうか。どうぞ。
【佐伯委員】 今後の課題の中で特に2番目のところ、獣医療のタスクシェアというところに関連すると思うのですけれども、現状新たに診療の補助業務というのが業務独占になりまして、今現場としてはそれでもちきりというかどう解釈したら良いのか、臨床獣医師の多くがあまりそういう言葉に馴染みがなかったものですから、どこまでどうしたら良いのかというのが皆目見当がつかないと。私のところにもいろいろとご質問とか講演の依頼とかも来ているのですけれども、現在いろいろと文書が出たりし、ある程度の目途は出ているとはいえ、一般診療獣医師にとっては非常に理解できないというところがありまして。何かやはりもう少し解釈しやすいような、判断の根拠になるようなものが示していただけたらなというのが特に現場からの希望です。それがないと結局は獣医師が指示するということになるのですけれども、どこまで責任を持つのかとかその辺りがハッキリ理解されていないというのが現状ですので、啓発も含めましてご検討いただけたらと思います。
【西村座長】 この問題はちょっとなかなか、よく出版社さんなんかにも問合せが来て「どう答えたら良いのですか」ってこちらにまた電話がかかってくるという状況なので、その辺いかがでしょうか。
【事務局(農林水産省・大倉)】 まず愛玩動物看護師が独占業務となっている診療の補助に関してはあくまで獣医師の指示の下で行われるものですので、責任問題といっても結局全て獣医師の責任になるということで、そこは看護師さんの責任になるとかそういうことはないと思っています。
ただそこはあまり細かく、結局どういう状況でというのが、個々の動物の状態や、個々の看護師のスキル、それから動物病院の状況が変わってくるかと思いますので、そこを細かくやるということがどうかというのはまた皆様のご意見もあるかなと思っていますけれども、基本的には獣医師さんの責任だということは改めて申し上げたいなというところでございます。
【事務局(農林水産省・吉田)】 若干補足させていただきます。いわゆる獣医師の立場から看護師の方に求めるレベルというのは病院ごとに違いが出ると思うのですね。本当に高度なことをやっているところは本当に高度なレベルで、いわゆる町医者的なところは違う活躍の場もあるかと思います。ですから一律にここまでという線を引いてしまうと、動物看護師の活躍の分野を制限してしまう形になってしまいますので、今は例えばボヤーッと幅を持たせた線引きのような形になっておるのですけれども、皆様の意見もあると思いますけれどもとりあえず世の中に愛玩動物看護師という方が活躍されて、どういう状況でどういうことをやっているのかという実態を踏まえながら、少し時間をかけてご審議いただくような形の方が今は良いのかなという風に事務局的には思っておるのですけれども。いかがでしょうか。
【佐伯委員】 個別のことは多岐にわたりますし難しいというのは認識しているところなのですが、やはり結局は獣医師の責任というところも含めましてまだ現場では理解されていないところがありますので、ここは農林水産省様の方の管轄になるかと思うのですけれども、その辺り獣医師会を通してとかそういうところで理解を少し深めていかないとかなり混乱するだろうと。あと逆に高度なところではなくても、身近な病院の方が人手不足の感もありますし、やっていただく範囲は逆に広いところもあると思いますので、どこまでというのはかえって難しくなってくると思うのですね。
そこは考え方の根拠になるようなものくらいは示しておかないとやはり法律の用語とかにも疎いですから、診療の補助ということすら全くただ、アシスタントなのかという理解を恐らくしていると思いますので。やって良いことが増えたわりにはアシスタントなのかというところで混乱が生じていると思いますので、診療の補助の説明ももう少しこう細かく理解しやすいようにする必要性があると思います。
【西村座長】 そうですね。人間の看護師さんも随分訴訟対象になっているようなので、同じようなことが愛玩動物看護師にも起こり得るだろうなと思うので、その辺は何か法律的な立場からいかがでしょうか。ご意見ありますか。
【浅野委員】 まさにそうだと思うのですよね。獣医師から言われて、今までだったら使用者に言われたことを守るか守らないかという労働法の話くらいだったり、公序良俗違反の問題だったのが、今後は愛玩動物看護師として例えば適正飼養に反することを言われた時に、獣医師に抗わなければいけない。抗わなかったために訴訟になった時に、獣医師も処罰されるとして、看護師もそこに唯々諾々と従っていた場合はやはり責任は重くなると言わざるを得ないですので、そういう意味では難しいと言えば難しい。獣医師に口答えをしなければいけない立場になる。
でも逆に言うとそれを言うことで、座長がおっしゃった通りパートナーとしての動物病院のあり方、経営全体に関われるということにはなるわけですよ。その辺りなのかな、診療の補助というところだけ見るとちょっと私にはその辺がどの辺までというのがわからないのですけれど、やはり役割に動物愛護ー適正飼養も入っていると見れば、ただの補助としてアドバイスするということではなくて、違う面からもアドバイスするので、そういう責任の違いとか役割の違いとかあるかなという風に思います。
【西村座長】 ありがとうございます。他にご意見ございますでしょうか。
【山﨑委員】 現状を少し説明させていただきます。第1回目の国家試験は、7都市13会場の予定ですが、まだ正式に発表されておりません。2月は雪の多い時期ですので、状況に応じて次々と発表してまいりますが、初めてのことなので様々な課題にぶつかります。この会も今回が第1回目ですので、5年間の移行期間に中長期計画、優先順位を決めて座長、事務局の方たちと議題を1つずつ解決していかなければならないと実感しております。
 一般社団法人日本動物保健看護系大学協会は初め4校でスタートいたしましたが、現在は、短大を含め、正会員10校、準会員(完成年度以前)1校で構成されております。3年間の教育を行っている養成所は受験資格を得ておりますが、現在、2年制から3年制に移行する養成所を含め全国で約80校になるかと存じます。
なお、全国専修学校各種学校総連合会は、9つの専門部会がありますが、今まで動物の部会はありませんでした。そこで今後の教育の高位平準化等を踏まえ、新部会として動物系教育部会(協会)発足の準備をすすめております。この会はスタートして1年間の活動実績が評価された後、正式な会となります。また経緯や進捗状況等、ご報告させていただきます。
【西村座長】 ありがとうございます。
【山﨑委員】 国家試験日が雪にならないよう、お祈りしておいてください(笑)。
【西村座長】 2月19日ですね。会場はいつ頃発表されるのですか。
【事務局(農林水産省・大倉)】 すいません、私がお答えして良いかですが、会場は受験申込を締め切った後に配慮が必要な方も含めて調整し、年明け頃には公表されるのではないかなというところでございます。規模が予備試験の倍になりますので。
【山﨑委員】 動物病院の先生方には、現任者の受験機会の確保にご協力いただき感謝しております。
【西村座長】 他にご意見ございますでしょうか。どうぞ。
【中山委員】 先ほどご説明いただいた4つの検討事項のうちの2つ目、実態把握と検証というところで、就業の実態調査ということは獣医師法ですと22条、2年に1回調査しているのですよ。来年の1月がそうなのですが、それに対応するような情報は動物看護師にはまだない。
【事務局(農林水産省・大倉)】 はい、ございません。
【中山委員】 これはやはり将来的には法改正等を通じて盛り込んでいくというような考え方でよろしいですか。
【事務局(農林水産省・大倉)】 はい。愛玩動物看護師法には獣医師法22条のような届出制度はございません。今後愛玩動物看護師がどういう職種でどういうお仕事をされているかというのは、今年度環境省の調査事業でアンケート的にやらしていただいているのですけれども、例えば学校さん経由なのか病院経由なのかという形で情報収集はしていかなければいけないとも思っていまして。現状届出制度としてはありませんので、いろいろなツールで何とか皆様の仕事の状態は把握していきたいと考えております。
【西村座長】 人の看護師の場合は獣医師法の22条に相当するものはあるのですか。
【事務局(農林水産省・大倉)】 すいません、ちょっと看護師のところまでを。
【事務局(農林水産省・吉田)】 医療関係はまとめて厚生労働省が発表していますので、統計があったと思います。
【西村座長】 わかりました。
【事務局(農林水産省・吉田)】 制度としてあるかはちょっとわかりませんが、数字はありますので、医師と看護師とかそういう医療関係の専門職の方の数とかも全部発表しておりますので、調査はしています。
【西村座長】 ちょっと今聞きたいのですけれど、そういう法改正に向けてみたいな話もあったのですけれど、「法改正をして欲しいです」というのはこういう場で意見を作るというのはできるのですか。
【事務局(農林水産省・大倉)】 ご意見をいただくことはもちろんできますけれども、それが法改正になるかというとそこはちょっと別のプロセスかと。
【事務局(農林水産省・吉田)】 逆にこういう場でご意見をいろいろまとめていただいて、それを農林水産省・環境省の方でどう反映するのかという検討になっていくと思いますので、ぜひそういうご意見をたくさんいただいて良い制度にこれからしていければと思いますので、よろしくお願いいたします。
【西村座長】 わかりました、ありがとうございます。
【中山委員】 違うことで良いですか。非常に些末なことなのですけれど、資料3の別紙の左側の国家資格の、行政処分に係る審議は年に2回程度を想定。これは国家試験に係る審議、行政処分に係る審議であって、国家試験を年2回という意味ではないですよね。
【事務局(農林水産省・大倉)】 そうではないです。
【中山委員】 国家試験を年2回は(笑)。
【西村座長】 他にございませんでしょうか。ちょっとこれからどういう方向性で行くのかという大切なところかなと思いますので、ご意見あればぜひお願いしたいと思うのですけれども、いかがでしょうか。
【浅野委員】 処分のところではなくて、今この検討事項のヒアリングの対象とかそういう話ですか。
【西村座長】 処分のことについてはまた次のところでやりますので。
【浅野委員】 ではヒアリングのところで、実態把握で3番目、地方公共団体のヒアリングというところでご意見を言ってもよろしいでしょうか。これは是非していただきたいのですけれど、どういうヒアリングの内容に付随していただくかというのはなかなか難しいのですけれども、適正飼養普及という面から見た時に、今、基礎自治体、市区町村といった保健所などがあるところが実際指導していて、恐らく動物愛護法で言うと都道府県事務なのだけれども、市区町村に協力を求める形でやっているのかなと思うのですね。都道府県には動物愛護担当職員が必置になっているのですが、市区町村はいないところもあり、非常に動物に慣れていない、知識が全くないところもあります。
それで動物愛護法の施行規則、虐待の恐れがある時ということで施行規則12条の2というのがあるのですけれども、そこに列挙されていることは自治体の職員はわかっていて、ただそれはほとんどが多頭飼育崩壊のような話なのですね。その前提として例えば動物の首輪を締めすぎてはいけないとか、炎暑のところに放置してはいけないとか、ごく基本的な動物の飼い方というものを全くわかっていない基礎自治体の職員も本当にいるのです。私のところにはたぶんそういう問題のあるところばかり話がくるので、私からするとこんなことも問題なのかと思ってしまうのですけれど、そんなことはないと思うのですけれど。そういう問題もある基礎自治体のところに限って、都道府県は一切関与しませんと。基礎自治体の職員の方たちはそこにはもう獣医師さんももちろんいないし、動物に詳しい方もいないのですね。
今後期待されるのはまさにそういうところに愛玩動物看護師が入っていくことが期待されるわけです。そこをうまく誘導するのは難しいと思うのですけれど、ヒアリングする時に何か今現在苦情が市民から来ていて、どういう内容でどういう対応をしているのかということとか、職員の人が困っていることを聞くというのも1つだと思いますし、動物の知識が必要だと思いますかというそういう聞き方が良いのかわからないですけれど、何かそこを工夫して動物愛護担当職員に動物看護師を置くととても良いのだよということをアピールできるような形のヒアリングになって欲しいということを切に願います。以上です。
【西村座長】 ありがとうございます。どうぞ。
【事務局(環境省・野村)】 今のご指摘は動物愛護管理法に絡むお話しかと思いますので、環境省の方からコメントさせていただきます。
原則としての話ですけれども、動物愛護管理法の中では今おっしゃったように、都道府県と政令市と中核市に動物愛護管理の担当職員を置くということになっていますので、いわゆる基礎自治体、中核市以下の市町村には動物愛護担当の職員がいないというのが現状でございます。ただだからと言って空白ではなくて、政令市や中核市以外の市町村については都道府県の動物愛護センターや保健所が何箇所かありますので、そこがカバーするという考えでおりますので、決して空白ではないと思ってはおりますけれども、実際はやはり現場で市区町村の職員の方が地元の問題として解決しなければいけないという風にならざるをえない。市区町村の担当者は少なくとも狂犬病予防の事務は各自治体にありますのでやっているとしても、動物の飼い方とか愛護について、適正飼養ができるまでのスキルはちょっとないだろうという問題だろうと思いますので、そこについてまさに今後の愛玩動物看護師の活躍の部分としてあるのかなと思いますが、一方で必要性があるとしてもいきなり職員を雇うということが急に可能になるわけではないので、いかにそこを我々の方でもしっかり手当をしていくかということを考えるために、まず実態調査をしたいと思いますので。ありがとうございます。
【西村座長】 今の点はかなり大切なところかなと思いますので、獣医さんを雇うというのは相当ハードルが高いけれど、愛玩動物看護師だったら雇えるみたいなところはチャンスがあるかもしれないので、ぜひその愛玩動物看護師さんは病院にいるだけではなくて社会のために貢献できる人材だというのをいろいろなところでアピールしていくというのは大切なのかなと切に思う次第でございます。どうぞ。
【佐伯委員】 それにちょっと関連しまして私もちょっとそこはご質問しようと思っていたのですけれど、先ほど申し上げましたように私は開業獣医師でもあるので日頃は自分のところの基礎自治体とお付き合いしているのですけれども、例えば集合注射というところを一緒にやりますので普段から連携があるわけですけれども、そういう普通の政令市ではない市町村では、大体集合注射をやるような部門と普段動物に対する苦情処理をするところ、要するに適正飼養指導をするところは一体になっているわけですね。
そういうところを見ていますと、人の看護師さんが予防係というところで一緒になっていたりとかしている中で、やはり先ほども座長からもお話しがありましたように、そこでも愛玩動物看護師の活躍の場はあると思うのですよね。しつけ教室とかよく講師を頼まれたりもするのですけれども、実際は保健所とかあるいは動物愛護センターが範囲としてはカバーしているのでしょうけれども、そこまで市が独自にやることまで全部カバーしているわけではないので、そういったところで需要というか、あると思うのですよね。
 本当につい先日まで土木をやっていた人とかが人事異動で来てしまって、これはこのメンバーとかということではないですが、狂犬病予防法すら理解できない人が予防業務に入ってきてしまうので、今回のコロナ禍の中で集合注射自体をやめてしまえというようなことも多くありますし、非常に困っているところがあります。そういったところに動物のことも知る人が入ってくれるということは、住民のためにも今は苦情が非常に多いですので、そういったところで両方のことがわかることは大事だなと思います。要望があるかどうかも含めて、ぜひそこを調べていただきたいと思います。
【西村座長】 ありがとうございます。横田委員。
【横田委員】 先ほどの地方公共団体の前のところにペットショップ等の対応といったところもあるのですけれども、ペットショップに限ったものではたぶんないと思いまして。これから愛玩動物看護師もペット産業に就職等でより参入していかなければいかないのかなと思っておりますので、少し幅広くヒアリング等をしていただければなと思います。
 また先ほどのお話しですけれども、どうしても適正飼養、またそういう動物の保護だとかと言うと、これまでの動物看護職の人もボランティアで物事を行ったりということが適正飼養に関しては大変多く見られてきました。やはり職業としては生活していかなければいけないというところもあって、職業の選択としては診療施設に勤務するというのが大変多いという形になっておりますけれども。ですから適正飼養の分野、あるいは適正指導をしていく、また社会の飼育者を支えていくというところでの雇用をどういう風に生み出すかというところも、ぜひともちょっと議論しながら少し幅を広げていっていただけるとそういうところに参入したいという愛玩動物看護師もより就職の場というのが広がっていくのかなと思いますので、ぜひその辺もよろしくお願いいたします。
【西村座長】 今の点もすごく大切な部分かなと思います。すごくどんどん話が広がって、議論することがすごく多くなってくるかもしれません。特に愛玩動物看護師だと女性がかなり多く占めると思いますので、その女性が長く働けるようにするという、日本全体の問題でもあると思うのですけれど、そういうところも絡んでお話しができると良いかなと思います。他に。
【浅野委員】 ヒアリングの幅を広げる話で申し訳ないですけれど、厚労省管轄の補助犬については何かヒアリングの対象になっているのかということをお聞きしたいのと、あと今横田委員の方から話があったペット産業についても少しという話で思い出したのですけれども、今やはりペットの預かりとかトレーニングとか本当にいろいろな総合的なものをサービスとしてみなさん考えてやっているのですね。千葉県とか神奈川県とかそういうところが多いのですけれど、そういうところにやはり消費者からクレームが来るのを防ぐために今までは獣医師さんに時々来てもらってチェックしてもらうというのがあったのですけれど、そうではなく日常的に今愛玩動物看護師を雇ってそういう人を責任者にしようという動きは何となく伝わってくるので、確かにそういう就職先に、まず食べていくためには動物病院よりもそういうところに先に愛玩動物看護師になった人が就職するのではないかなという感じはいたします。以上です。
【西村座長】 ありがとうございます。どうぞ。
【事務局(環境省・野村)】 補助犬の関係の団体に今のところ直接ヒアリングする予定はないのですけれども、ちょっと直接ではないのですが関係しそうな方にはお話しを伺うような予定はございますので。そういった観点で少しヒアリング、お話しを伺うようにしたいと思います。
 参考情報ですけれども、先生方の中にご存知の方もおられると思うのですが、動物愛護管理法の令和元年の改正の時に、動物取扱責任者の要件を厳しくしていただいたという部分がございまして、その中に愛玩動物看護師が動物取扱責任者になれるというものが入っていまして、それ以外にはこれまで実務経験しかなかった方でも責任者になれたのですが、試験を受けたりですとか学校を卒業したりというその強化という部分があったのですが、獣医師と愛玩動物看護師は責任者になれるという風になっておりますので、ペットショップだけではなくてブリーダーのところも動物を取り扱いますし、様々な動物取扱業の中で愛玩動物看護師の方を責任者に据えるという動きをどのように広めていくかということかと思います。制度上は動物取扱責任者になることができるという風に既になっておりますので、一応申し添えます。
【西村座長】 ありがとうございます。ご意見たくさんいただきました。これは事務局の方でまた少し反映させていただいてということでよろしいでしょうかね。それでは次の議事に移りたいと思います。
 
(4) 愛玩動物看護師の免許付与審査に係る手続きの確認(処分の考え方)について(審議)
【西村座長】 それでは議事両(4)の愛玩動物看護師の免許付与審査に係る手続きの確認について、事務局から説明をお願いいたします。
【事務局(農林水産省・大倉)】 お手元に資料4と書いてあるもの、それから資料4の別紙、それから参考資料3と書いてあります獣医師に対する行政処分に関する基本的な考え方をご用意ください。まず資料4のタイトル、免許付与審査の手続きについてということで抜けておりますので申し訳ございません。
 それでは資料4のご説明をさせていただきます。まず背景でございますけれども、まさに国家試験が終わって、国家試験に合格された方が新規に愛玩動物看護師の免許を申請してきて、その方に対する免許の付与について愛玩動物看護師法に基づく農林水産大臣・環境大臣の指定登録機関である一般財団法人動物看護師統一認定機構、これを機構と呼んでいますけれども、その機構で作っている登録事務規程に基づきまして、法第4条に規定される、これは欠格事由の条文でございます。罰金以上の刑に処せられた者、あとは心身の障害により愛玩動物看護師の業務を適正に行うことができない者として省令で定められているもの、それから麻薬、大麻又はあへんの中毒者のいずれかに該当する者については、愛玩動物看護師免許の申請があった時は、農林水産大臣及び環境大臣に対して免許付与の適否について照会するとなってございます。
こちらが資料4の別紙の1番左が申請者となっています。真ん中が機構、右が主務省となっていまして、その1番左の国家試験に合格して免許申請する際に、添付書類を付して機構さんに申請すると、このプロセスでございます。
 ここで欠格事由に対して問題ないという方はマルということで、そのまま矢印を追っていくと名簿登録、免許証交付とありますけれども、このまま問題なく愛玩動物看護師として登録されます。一方で、今申し上げた欠格事由に該当する者に関しましては、機構の方から主務大臣の方に照会がされるという手続きになってございます。それを受けて主務大臣は免許申請書、それから合格証書の写しや戸籍謄本、医師の診断書等の添付書類から申請者へ免許付与の可否について、免許を与えない時期も含めて判断し、機構に回答する必要がございます。それからこういった心身の障害がある方に免許を与えないという時は、こちらは法律の第7条の方で、農林水産大臣・環境大臣が直接申請者の意見を聴取するとなってございます。それが今の別紙の方の右の手続きでございます。主務省の方で1番右のコラムの、欠格事由を確認してとなってございます。
 縦の紙に戻りまして、1ポツのパラグラフです。一方免許取得後、今度は免許を取得された愛玩動物看護師が第4条の欠格事由のいずれかに該当するに至った場合には、愛玩動物看護師法の第9条に基づきまして、農林水産省・環境大臣がこの免許を取り消し、または期間を定めて名称の使用停止を命ずることができるとされてございます。このため、今度の免許の申請を控えまして・農林水産大臣、環境大臣は、愛玩動物看護師法に関しては行政手続法ですとかあとは参照するのが獣医師法になりますけれども、獣医師法に準じて欠格事由に該当する者への免許を与えるかどうかの決定する場合の手続きですとか、免許を与えない場合の意見聴取等の手続きというのを整備していかなければいけないという状況でございます。
 免許付与審査の手続きについてということで、免許付与の可否については、獣医師法の手続きに準じて検討してはどうかとしてございます。免許付与に関する手続きに関して新規の申請者に対する免許付与に係る指定登録機関からの照会については、照会に対して主務省が法4条第3号以外の場合、4条第3号というのが心身に障害がある方ということでございますけれども、4条第3号以外の方の場合罰金を課されていたり、麻薬、大麻、あへん中毒者の方の場合は必要に応じて申請者からの意見聴取等を行って、この後ご議論いただきます判断の基準に基づいて免許を与えない又は時期を遅らせるかについて判断するとしております。
心身に障害がある方にあっては、免許申請の時に添付されてくる医師の診断書、こちらには麻薬、大麻、あへんの中毒者ではないとかそういったことが記載されている診断書ですけれども、そういった診断書に基づいて愛玩動物看護師として適正に業務ができるということであればその旨判断をして、必要に応じて診断書を書いた医師の意見を聞いき、機構に回答するとしております。罰金刑の方に関しては必要に応じて判断の基準について、この合同会合の意見を聴取するということでご確認いただきたいと考えております。
続きまして判断の基準でございます。愛玩動物看護師の業務である診療の補助に関しましては、獣医師法第17条に規定する診療の一部ということで、愛玩動物看護師の仕事というのが獣医師との緊密な連携のもとに行われるということで、愛玩動物看護師に係る判断の基準は獣医師に対する行政処分基準と同等とするのも一案という風に事務局で考えております。こういった判断の基準は、免許を持った方に対する基準は当然のことながら、新規の申請の場合にも同じように基準を準用してはどうかという風に考えているところでございます。
獣医師の基準がどうなっているのかというのが参考資料3でつけているものでございます。獣医師に対する行政処分に関する基本的な考え方ということで、こちらは獣医事審議会の免許部会の方で作成をして、ホームページに公表しているものでございます。ちょっとご紹介をさせていただきます。
はじめにということで、こちらは獣医師の責務がまず書いてございまして、(2)で行政処分について、ここはまた愛玩動物看護師法とは違うところなのですけれども、獣医師法第8条に規定されております欠格事由に該当する時は農林水産大臣が獣医事審議会の意見を聞いて取消をしたり、業務の停止を命じたりすることになっていまして、そういった方々が増加傾向にあるとなってございます。獣医事審議会は行政処分について審議をする際には、獣医事審議会を開いて、当該獣医師の意見を聴取して、公正な処分が行われるよう配慮する必要がございます。行政処分の程度は3つポイントがございまして、事案の重大性、それから獣医師に求められる職業倫理、獣医事に関連して国民や社会に与える影響等に応じて判断されるべきであるということで、獣医事審議会においてはこれからご紹介する基本的な考え方に基づいて審議しますと。また、必要に応じて社会の情勢の変化等に対応して必要に応じて見直すとなってございます。
その行政処分に関する基本的な考え方ということで、獣医師に対する行政処分は、公正に行われなければならないということで、あとは事案ごとの事情を参酌しつつ、審議を行うとなってございます。
次のページに行きまして(2)ですが、行政処分の程度に関しては事案の重大性として、司法による判決の内容を基礎とするが、獣医師が業務を行うに当たって遵守すべき法律に係る違反行為、獣医師の立場や知識を利用した違反行為、獣医師に課せられた倫理的又は道徳的な職責に大きく反する行為など、獣医師に求められる職業倫理に反する行為と判断される場合には、より厳しい処分とするとなってございます。その上で、獣医事に関連して国民や社会に与える影響等も勘案するという風になってございます。
3として、具体的な考え方としてまず1つ目が罰金以上の刑に処せられた事案に関しては、いわゆる獣医師が業務を行うに当たって遵守すべき法律、獣医師法ですとか獣医療法に関しても、あとは基本的にはどちらも一般的な罰金以上の刑に関しても司法による判決の内容等を参考にするのですけれども、獣医師が業務を行うにあたって遵守すべき法律に反した場合については、当然に果たすべき法律上の義務を怠って、人や動物の健康を危険にさらすというものについては、より重い処分となりますと、そういった考え方になってございます。それから獣医師道に対する重大な背反行為、倫理的、道徳的な職責に大きく反する行為であると客観的に認定できる場合には、裁判で明らかになった事実等を参考に決定するといったものを作成してございます。
こういったものを作った上で、免許付与および処分について参考にして審査をしていきたいという風に考えてございます。事務局からは以上です。
【西村座長】 ただいま事務局から愛玩動物看護師の免許付与審査に係る手続きの確認について説明がございました。委員から何かご意見があればお願いいたします。
【中山委員】 ちょっと確認なのですが、資料4の1番、背景のところの3番目の段落、愛玩動物看護師法第9条、免許取得後の第4条に該当する場合なのですけれども、免許を取り消し、または期間を定めて名称の使用停止ということですけれども、獣医師法の方は業務の停止になっているのですが、これは何か違いが。名称の使用停止の方が広いような感じがするのですが、あえて違う表現にしたというのは。
【事務局(農林水産省・大倉)】 あえて違うというのはなぜかというところはありますが、実態としては当該獣医は業務、診療行為そのものができなくなるということです。
【中山委員】 獣医師は名乗っても構わない?
【事務局(農林水産省・大倉)】 名乗れないことになります。
【中山委員】 名称の使用停止ではないですよね。改めて考え込んでしまって。
【事務局(農林水産省・大倉)】 逆もあって、名称の使用停止というのは、では名称を名乗ってはいけないだけで、実態としてはという。ただそれは名乗ってはいけないので業務はやはりやってはいけないという解釈になります。ちょっと医療関係職の方でもそこら辺の規定がいろいろあるので。
【中山委員】 「あれ?」と思ったのですよ。たぶん詰められたのでしょうけれど、ちょっとご確認いただければと思います。
【事務局(農林水産省・大倉)】 あとは愛玩動物看護師の場合は独占業務の部分があるので、そこの部分があるのかなと。
【西村座長】 よろしいでしょうか。
【中山委員】 ぜひ確認をお願いしたいと思います。
【山﨑委員】 ぜひお願いします。先日、機構の会議にご参加いただきました主務省の方より、短い時間ですけれどもご指導いただきました。検討の結果、来年の1月に会場について発表される際に、この件を受験者にどのようにホームページで公表していくか、今後またご指導をいただくことになると存じます。現段階では受験生が国家試験の免許資格についてはっきりと認識できているとは言いかねます。特に交通事故等で、罰金刑となった方が合格し、書類を提出すれば免許をいただけると考えている場合などには、注意が必要かと存じます。国家試験が今までの認定動物看護師の民間試験と違う点は、ここが大きなところだと思います。この審議会で先生方よりご意見いただき、それが反映されると良いかと存じます。来年1月の早い時期に会場が発表されないことには遠方の方は前泊も必要ですし、ホテルの予約など会場近くは混み合うと思います。今日のこの議題の中で緊急を要するのはこの辺ですので、よろしくお願いいたします。
【西村座長】 どうぞ。
【事務局(農林水産省・大倉)】 免許の欠格事由とかいろいろありますけれども、基本的にはまず国家試験に合格された方が免許の申請をしていただくということが第一なので、国家試験の時にまず免許の申請の時にこういう申請が要りますと、こういうことがあった方は添付書類を添えて提出してくださいということは機構さんのホームページもそうですし、国家試験の際にも皆様にお知らせをしていきたいという風に考えております。
【山﨑委員】 よくわかりました。本学でも受験者に対しては説明をいたしますが、受験者の内訳では、現任者が多いということにご配慮いただきたいと思います。費用をかけて国家試験を受験して合格し、免許の交付を目前にして資格審査があることを知るよりは、事前にお知らせすることで問題を回避することができるのではないでしょうか。どうぞよろしくお願いいたします。
【西村座長】 ありがとうございます。その点は十分検討していただいてということでよろしいでしょうか。
【事務局(農林水産省・吉田)】 農林水産省と環境省の方で幅広くその辺りを含め情報は発信していこうと思いますので、またいろいろとご協力をいただければと思います。よろしくお願いいたします。
【西村座長】 ありがとうございます。他にございますでしょうか。
【浅野委員】 獣医師に対する行政処分に関する基本的な考え方を、そのまま参考にして良いかという話なのですけれど、すごく違うと思っていまして。獣医師さんの方は免許付与だったり取消の事由で獣医師法だと徳性を欠くとか品位を損ずるとか、応召義務に違反したとかそういう徳性に関するものが多くて、例えばこの参考資料3で言うと獣医師に課せられた倫理的または道徳的な職責という、これが法律であるわけですね。しかも法目的を見ても、やはり獣医師というのはそれだけで非常に公益的な保健衛生の指導ですとかそういう国家に果たす役割というのが大きいわけですね。その職責と愛玩動物看護師の職責はある意味大きく異なり、レベルが違うので、それをそのまま愛玩動物看護師の行政処分のあり方にスライドするのはいかがなものかという風に思います。
 ただ具体的に、この事案別の具体的な考え方3というところで罰金以上に処せられた事案が業務を行うにあたってのものなのか、それ以外のよくある山﨑委員からもご指摘があったような自動車の事故とか道交法違反とかそういうもので課せられたのか、そういう違いを分けて考えるという発想は良いと思うのですけれども、獣医師に課せられた倫理的、道徳的な職責違反という指定はちょっとできないのかなということと、もう1つ違いを言うとすると、もしその診療の補助行為に関して不正があった場合。それくらいしか抽象的に判断するものはないと思うのですけれど、その時はその獣医師さんがどの程度不正を行ったかという、それと一緒に考えざるをえないと思うのですね。そこが1つ大きな違いかなと。あとは獣医師さんのように審議会を開いて抽象的に国民に与える影響を議論しなければいけない場面というのはそう多くはないのではないかなというのが正直なところです。以上です。
【西村座長】 ありがとうございます。今の点、いかがでしょうか。
【事務局(農林水産省・大倉)】 確かにおっしゃる通り、罰金刑みたいな一般的なものは準じてというところにはなると思うのですが、おっしゃる通り獣医師法には獣医師欠格事由のところに獣医師道に反するというところもございますので、愛玩動物看護師法の方はそういう条文はございませんので、そういったところは違ってくるのかなという風には思ってございます。
【事務局(農林水産省・吉田)】 ちょっと補足させていただきます。獣医師法は読んでいただくとわかりますけれども、結構倫理面を強く求めているところがございます。それだけ問題があるのかもしれませんけれども、もし獣医師の立場を利用して、結構獣医師っていろいろなことができるので、その立場を利用していろいろな悪さをすれば、それは厳しく罰するのは当たり前だろうという、ある意味厳しい考え方で作ってあります。それを100パーセントそのまま愛玩動物看護師の方に当てはめるというのはやはりちょっと難しいのだろうと、そういう理解をよくしておりますけれども、ただ国家資格で業務の名称独占というのがありまして、その部分を悪用した場合とか、あとその業務独占以外の部分で世の中にこれからいろいろな活躍する場が出てくると思います。そうしますと愛玩動物看護師という名前を名乗って、その立場を利用して悪いことをしたとか、それは厳しくやはり罰せられる必要があるのではないかと、そういうところをある意味きちんと押さえながら基本的な考え方というのを一度よく考えてみたいと思っております。
そういう流れで、獣医師法は比較的、基本的に近いものですから、並びに置いてみて、これから期待される業務とか責務とか、そういうものを想像しながら少し作って、場合によっては時期によって見直しなども必要になってくると思いますけれども、そんな風に進めていくのが良いのかなというのが事務局の方では考えております。
【西村座長】 なるほど、ありがとうございます。免許部会長、ご意見を。
【村中委員】 先ほどちょっと山﨑委員がおっしゃった、過剰に免許を付与しないということにこだわられていますが、獣医師の国家試験合格者で免許を付与されるのが遅れるというのはあるのですね、1週間とか6か月だとか。でも免許を与えられなかったというのは私が知る限りはないので、免許を与えないということはいずれ遅れてでも来ますから、恐らくそんなに。最近は随分そこらも緩和されていて、前は大したスピード違反でないような軽いような交通の刑罰があるものはやはり2週間とか1週間とか免許が来るのが遅れたのですけれど、今は全然遅れないで来るような緩和措置も行われてきていますし、そういう意味では緩和方向にありますから、そこは心配なさることはないと。
 一方で、浅野委員もおっしゃることもよく理解できます。全てが当てはまるわけではないと思いますが、ただ何か参考となる雛形がないとなかなかゼロから作るというのは大変なので、獣医師に課せられた法律、そういったものをある程度参考にしながら。もちろん愛玩動物看護師法が主体ですから、それときちんと整合性を持たせた形でこういった規定をきちんと作り上げれば良いのではないかなという風に思っております。
【西村座長】 ありがとうございます。浅野委員のおっしゃることも取り入れつつというところなのですが、実際免許部会なんかで言ったことがあるのですけれど、ある程度基準がないと決めようがないのですよね。そこでまた議論すると何時間経っても決まらないということなので、やはりある程度考え方は移植して、内容はちょっとアダプトするという方向で行くのが良いのではないかと思いますが、いかがでしょうか。ありがとうございます。それでは次の議事に移りたいと思います。
【事務局(環境省・野村)】 1点だけ補足させていただいてもよろしいでしょうか。先ほど中山委員の方から、資料4の名称の使用停止を命ずることができるというところに違和感があるというご発言があったのですけれども、ここの趣旨は参考資料1の愛玩動物看護師法を改めて見ていただくと、10ページの業務のところで40条の2のところで、名称の使用の停止を命ぜられている者については、適用しないとなっておりまして、名称の使用停止イコール業務停止というのが愛玩動物看護師法の考え方になっておりますので、名称使用停止だけということではなくて、業務も停止されますということが含まれている意味となりますので、一応念のためお伝えしておきます。
【西村座長】 わかりました、ありがとうございます。
【中山委員】 意味合いとしてはもっと広い意味ということですね。
【事務局(環境省・野村)】 そうですね。名称使用停止すなわち業務もできませんということになっておりますので。
【中山委員】 業務ももちろんできないし、名前も使えないという。
【事務局(環境省・野村)】 そういうことです。同時にそうなるということで。
【中山委員】 業務停止だけだったら名前は使って良いみたいに思えるけれど、結局ほぼイコールと考えてよろしいわけですね。
【浅野委員】 つまりそうすると、独占業務はできないけれど看護師と名乗ってはいけないし、例えば動物病院に勤めていたらそういうプレートを外して一従業員として普通の業務をやることは構わないというそういうことですか。
【事務局(環境省・野村)】 そうですね。診療の補助以外の愛玩動物看護師でない人もできる業務ですけれども、それらを愛玩動物看護師としての名前を使わずにスタッフとしてやることは可能ということです。
【浅野委員】 ありがとうございます。
 
(5) その他
【西村座長】 ありがとうございます。それでは最後に議事の(5)、その他について事務局より説明をお願いいたします。
【事務局(環境省・田村)】 議事(5)のその他としては2つ連絡事項がございます。1点目が本日ご議論いただきましたこの合同会合における検討事項および検討の進め方について、また、免許付与の審査手続きについて先ほどいろいろなご意見をいただきまして次回の合同会合で改めて資料をまとめさせていただき、ご議論いただきます。次回の合同会合は一応令和5年3月を予定しておりますので、また皆様方に日程調整させていただきます。ひとつよろしくお願いしたいと思います。
 もう1点のご連絡事項としては、1番最初に開催方針としてご説明しましたとおり、本合同会合は原則公開ということなので、本日の資料というのは農林水産省と環境省のウェブサイトに掲載する予定でございます。かつ議事録も公開になりますので、皆様方のご発言につきましては確認作業をさせていただいた後に公開をすることになります。今回お配りしました資料は、全て持ち帰っても結構でございますし、また後でウェブサイトで見るということもできますので、ひとつよろしくお願いしたいと思います。この2点です、以上です。
【西村座長】 本日の合同会合を通しまして、その他何かご意見、ご質問等ございましたらご発言をお願いいたします。どうぞ。
【山﨑委員】 獣医師の国家試験を受験される方は、人数的に今回の第1回愛玩動物看護師の国家試験の受験者の数と相当違います。獣医師の国家試験は、長い歴史がおありですが、愛玩動物看護師の国家試験は、今回初めてとなります。そして現任者に加え、在校生の受験者もおりますので、2万人くらいを想定すると、質問の数も非常に多くなると思われます。簡単なことで申し上げれば、この診断書というのは学校の健康診断書で良いのかというような質問があれば、学校の健康診断書は麻薬や覚醒剤の検査項目はございません。初歩的な回答から始めなければならないので、丁寧に発表していただきますよう、よろしくお願いいたします。


3.閉会
【西村座長】 他にございますでしょうか。よろしいでしょうか。それではおかげさまで本日の合同会合の議事をすべて終了することができました。本日は議事の円滑な進行にご協力いただきまして誠にありがとうございました。これをもちまして第1回獣医事審議会免許部会・中央環境審議会動物愛護部会 愛玩動物看護師小委員会の合同会合を閉会といたします。それでは事務局にお返しいたします。
【事務局(環境省・細川)】 西村座長、ありがとうございました。環境省自然環境局総務課の細川でございます。会議の閉会にあたりまして事務局を代表して一言ご挨拶申し上げたいと思います。
 まずは本日早くからお集りいただき、また熱心にご議論いただきましてありがとうございました。事務局といたしましては、まずは当面2月の国家試験を滞りなく実施することが大事だと考えております。また4月からの愛玩動物看護師制度の着実な実施に向けて、冒頭座長からも魂を入れるというお話しがありましたけれども、それに向けて丁寧に準備を行ってまいりたいと考えております。
本日の議論をお聞きしまして、今後の獣医療、それから動物の適正飼養を進めていく上で、愛玩動物看護師に寄せられている期待は大変大きいということを強く感じた次第であります。そうした中で、例えば、現場では診療について獣医師の方との役割分担をどうしていくかというところについて、まだ十分に理解が進んでいないのではないかというご指摘もありました。また、自治体において動物愛護行政を進めていく上で、愛玩動物看護師の役割、新しい雇用も含めて考えていくべきだというお話しもあったかと思います。また、議員立法ということもありまして、獣医師法などとの制度上、あるいは文言上の整理を今後行っていくところもあると考えております。
 事務局といたしましては、本会合での議論をさらに深めていただけるように、実態調査等も含めまして、しっかり準備を進めてまいりたいと考えております。委員の皆様方におかれましては、今後も愛玩動物看護師制度の着実な実施に向けて引き続きご協力、ご尽力、ご助言賜りますようお願い申し上げて、本日のお礼とさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。