中央環境審議会動物愛護部会 第61回議事録

1.日時

令和4年11月9日(水)午後3時30分~午後5時30分

2.場所

TKP東京駅日本橋カンファレンスセンター

(東京都中央区八重洲1-2-16)

3.出席者

西村 亮平  中央環境審議会動物愛護部会長

松本 吉郎  委員      

打越 綾子  臨時委員    黄田 玲子  臨時委員

佐伯  潤  臨時委員    下薗 惠子  臨時委員

武内 ゆかり 臨時委員    遠山  潤  臨時委員

永井  清  臨時委員    藤井 立哉  臨時委員

町屋  奈  臨時委員    水越 美奈  臨時委員 

山﨑 恵子  臨時委員    脇田 亮治  臨時委員

4.議題

(1)動物の愛護及び管理に関する法律施行規則の改正について
 ・マイクロチップの取り外し後の速やかな装着(第21条の6)
 ・マイクロチップ情報の提供(第21条の11)
(2)愛玩動物看護師小委員会の設置について
(3)第五次環境基本計画の第2回点検報告書について
(4)その他
 ・基準省令の改正について
 ・動物の適正な飼養管理方法等に関する検討会の進め方について(報告)

5.配付資料

議題1関係 
  資 料1-1 動物愛護管理法施行規則改正案の概要(マイクロチップ関係)
  資 料1-2 動物の愛護及び管理に関する法律施行規則の改正(案)について
  資 料1-3 動物愛護管理法施行規則改正スケジュール
議題2関係
  資 料2-1 愛玩動物看護師小委員会に係る諮問書及び付議書
  資 料2-2 愛玩動物看護師小委員会の設置について(案)
  資 料2-3 中央環境審議会動物愛護部会愛玩動物看護師小委員会の開催方針につ
         いて(案)
議題3関係
  資 料3   第五次環境基本計画の第2回点検について
議題4関係
  資 料4   第一種動物取扱業者及び第二種動物取扱業者が取り扱う動物の管理の
         方法等の基準を定める省令の一部を改正する省令(案)について
  資 料5   飼養管理検討会の今後のスケジュールイメージ
参考資料
  参考資料1  委員名簿(案)
  参考資料2  第五次環境基本計画(抄)

6.議事

【田村動物愛護管理室長補佐】 定刻となりましたので、第61回中央環境審議会動物愛護部会を開催させていただきます。
 カメラ撮影につきましては、会議の冒頭のみ可能となっております。
 最初に定足数の確認をさせていただきます。本日は、部会の委員、臨時委員17名のうち14名の出席をいただいております。会場には西村部会長と臨時委員の11名がいらっしゃっておりまして、松本委員、武内臨時委員、水越臨時委員はオンラインにより出席となっております。また、浅野臨時委員、磯部臨時委員及び大曲臨時委員はご欠席となっております。環境省は、奥田自然環境局長、松本大臣官房審議官、細川総務課長、あと動物愛護管理室員が会場におります。
 本日の出席状況ですが、過半数以上の出席となっておりまして、定足数を満たしております。よって、規定によりまして、本部会は成立していることをご報告申し上げます。なお、松本委員におかれましては、所用により16時50分頃にご退席されますので、ご了承いただきたいと思います。
 続きまして、資料についてご案内させていただきます。本日の会議資料につきましては、オンライン会議上で画面に共有させていただきますが、同じものを事前に送らせていただきますので、そちらもご覧いただくようよろしくお願いします。
 また、本部会の議事録は後日、環境省ホームページにおきまして、公表させていただきますことを申し添えいたします。
 もう一つ、コロナ感染防止につきまして、本日は新型コロナウイルスの感染防止の観点から、議事進行の様子をライブ配信で傍聴できるようになっております。会場の委員の皆様におかれましては、発言時以外はマスクの着用等をご協力お願い申し上げます。さらにオンライン会議の進行につきましては、会場は常時カメラもマイクもオンになっておりますけども、オンライン参加の委員につきましては、カメラは常時オンですが、マイクは発言時のみオンにしていただくようお願いします。また、オンラインの方々の発言の際につきましては、画面の方に手を振っていただくとか、チャット等で発言する旨をお知らせしていただければ、その後、座長が発言者を指名するという形で、その後、発言いただくことになりますので、よろしくお願いします。なお、本部会では視聴者からのコメントの書き込みなどはできませんので、あらかじめご了承いただきたいと思います。以上で連絡事項を終わります。
 それでは、この後の議事進行につきましては、西村部会長にお願いいたしたいと思います。以降のカメラ撮影はご遠慮いただきますようお願いいたします。よろしくお願いします。
【西村部会長】 皆さん、こんにちは。それではこれより座長として議事進行させていただきます。
 本日は、本部会に託されております議事(1)動物の愛護及び管理に関する法律施行規則の改正について、(2)愛玩動物看護師小委員会の設置について、(3)第五次環境基本計画の第2回点検報告書について、(4)その他として、基準省令の改正についてを審議していただき、最後に、事務局から動物の適正な飼養管理方法等に関する検討会の進め方についての報告事項があります。なかなか盛りだくさんの内容となっておりますので、何とぞ円滑な議事進行にご協力をお願いいたします。
 それでは、早速議事(1)に入りますが、議事(1)に関連する資料は資料1-1から1-3まであります。事務局から説明をお願いいたします。
【野村動物愛護管理室長】 部会長、ありがとうございます。環境省動物愛護管理室長、野村です。委員の皆様におかれましては、日頃よりご指導いただきまして、誠にありがとうございます。
 それでは、お手元の資料1-1から入っていくところでございますが、ちょっと冒頭に口頭だけでご説明させていただく部分がございますので、少しお耳をお貸しいただければと思います。
 動物愛護管理法が令和元年に改正されまして、その後、令和2年から令和4年にかけて、順次施行してまいりました。一段階目の施行は令和2年6月に始まりまして、殺傷や虐待に対する罰則の引上げ、あるいは特定動物の愛玩飼養の禁止、それから第一種動物取扱業の登録拒否理由の追加などがされております。二段階目は令和3年6月から動物取扱業者に係る飼養管理基準が具体化され、施行が始まっております。ケージのサイズ、従業員1人当たりの飼育頭数の上限、あるいは繁殖の年齢や回数に係る規制がスタートしております。ここの部分は経過措置がございますので、まだ完全施行というところには至っておりませんが、新しい事業者の方は既に始まっているという状況です。また、同時に出生後56日を経過しない犬猫等の販売等の制限も始まっております。
 三段階目は、今日の議事内容にも関係してございます、マイクロチップの装着と登録の義務化でございます。この6月から国の犬と猫のマイクロチップ情報登録制度が始まりまして、5か月ほど経過したところでございます。この登録が義務となってからの犬と猫の新たな登録数は10月末現在で約46万頭に達しております。この中には以前、民間に登録されていた方の移行登録15万頭分も含んでおります。一方で、マイクロチップ制度を社会に定着させるために、適切な運用や実効性を担保する措置が必要という状況がございます。本日、動物愛護管理法施行規則に所要の改正を行うことについて、検討してまいりましたので、ご報告をしながらご審議いただければと思ってございます。
 それでは、お手元の資料の1-1に入らせていただきます。3点資料がございますが、1-1、1-2は施行規則の改正の概要をお示ししております。1-3は改正のスケジュールを示してございます。資料1-1ですが、まず上の方から①法律の第39条の4というところに、犬または猫の健康及び安全の保持上支障が生じるおそれがあるやむを得ない事由に該当するときには、装着したマイクロチップを取外すことができるという規定がございます。このやむを得ない事由が消滅した後には、速やかにマイクロチップを装着すること、つまり取り外した後に再装着を規定する改正を行いたいと考えております。
 下段の②の方ですが、法律の第36条に、負傷した犬猫を発見した者は、その所有者が判明しているときは所有者に通報するよう努めなければならないという規定がございます。この条文を根拠に、動物病院などで診療に関わる獣医師の方が、負傷した犬猫、あるいは迷子で持ち込まれた犬猫などの所有者に通報するために、指定登録機関のデータベース、すなわち環境省が持っているデータベースの登録情報を検索できるようにするということを考えております。これによって、指定登録機関から獣医師に対して登録情報を提供することを規定する改正を考えているということでございます。この点につきましては、前々回の部会で、佐伯委員の方から迷子動物の保護、あるいは事故に遭った所有者不明の動物の治療が必要になる場面があり、動物病院にリーダーはあるのに、獣医師が登録情報を照会したり、所有者に連絡できないといった状況が生じるというご指摘がございました。今年の6月の施行前のこの点に係る十分な検討ができていなかったということでございます。現状では、行政機関と警察に情報提供をするということで、この仕組みをスタートしておりますけれども、やはりマイクロチップの目的である飼い主の元に返しやすくするということと、所有者を明らかにするということをスムーズに行うためには、獣医師の方たちが検索できる必要があるというふうに考えまして、検討をしてまいりました。なお、米印のその他のところに、同じ施行規則の条文の第21条の11において、第一種動物取扱業者が所有する雌の犬猫の交配時年齢や出産回数については、飼養管理基準で上限が定められておりますけれども、これを超過した場合に、指定登録機関から都道府県等に情報提供をするための根拠規定を明確にするという改正も考えてございます。この点は都道府県などが法の第23条に基づく勧告、あるいは法の第24条に基づく立入検査、法の第24条の2に基づく動物取扱業者であった者に対する勧告といった事務を行う上で、必要な範囲で個人情報を閲覧することは可能でございましたが、他の情報提供の内容とともに、ここに明確化して位置づけるということを考えてございます。
 それでは、スライドの2枚目の方をご覧いただければと思います。改正点の1つ目、取り外し後の速やかな装着について、もう少し詳しくお話をさせていただきます。
 まず、背景・課題のところでございますが、今年の令和4年4月に施行通知というのを出しておりますが、この中でマイクロチップを取り外すやむを得ない場合とは、マイクロチップの装着部位の周辺の適切な診療に支障が生じる場合、あるいはMRIの画像診断を行う予定があって撮影に支障が生じる場合等の例示をしています。その取り外せる場合の判断は獣医師によりなされることが望ましいということでございますけれども、このように、健康及び安全の保持上支障が生じるおそれがある犬猫については、飼い主が適正な飼養管理を怠る可能性も考えられます。また、安易な遺棄につながる可能性なども懸念されます。そういったことからマイクロチップが取り外されたままであると、よりその懸念が増すため、継続して登録情報を管理する上で、再装着が必要であるというふうに考えております。
 その対応案として、矢印の下ですけれども、取り外し事由が消滅した場合には、速やかに装着をするという規定を設ける案でございます。なお、参考のところですけれども、初めて装着する犬猫に対しても、やむを得ない事由により、マイクロチップを装着しなかった場合における再装着の規定は既にございまして、今回、初めての装着ではなく、装着していたが取り外した場合には再び速やかにつけてくださいという、そこの後ろの方を規定してまいりたいということでございます。
 続きまして、スライドの3枚目でございます。改正点2つ目のマイクロチップの情報提供についてでございます。ここの第21条の11といいますのは、施行規則の条項でございます。獣医師の情報提供を追加規定するということでございまして、まず背景と課題のところですけれども、獣医師の方たちは、環境省の犬と猫のマイクロチップ情報登録制度が始まる前から民間の登録団体のマイクロチップ登録事業において、動物病院に持ち込まれた犬猫を返還するということをされてきた経緯がございます。
 また、2つ目、自治体等の業務時間外である休日や夜間の時間帯、あるいは緊急時等に負傷した犬猫が動物病院に持ち込まれるといった実態もございます。6月に始まった法定登録制度では、指定登録機関から獣医師への情報提供がされていないという状況でございまして、マイクロチップリーダーがあっても、犬猫に装着されたマイクロチップの識別番号から直ちに所有者に通報できないという状況になってございます。これを解消する対応案として、矢印の下でございますが、負傷した犬猫が動物病院に持ち込まれた場合に、直ちに飼い主に通報できるようにするという措置を考えてございます。そのために、指定登録機関から獣医師に対して、犬猫の所有者に関する情報を提供するということ、すなわち獣医師が指定登録機関のデータベースから所有者の情報を検索できるようにするという措置を考えております。このときに、改正概要のところですけれども、獣医療法に規定する診療施設の開設の届出をした獣医師、つまり動物病院を構えている獣医師さんですね、それから2つ目が、届出があった診療施設で診療の業務を行う獣医師、つまり院長先生がいて、雇われている獣医師さんがいる場合は、その獣医師さんにも検索の権限が付与されるということです。
それから3点目が診療施設を管理する者、これも獣医師の方がなることになっておりますが、院長先生だけではなくて、診療施設を管理する人も開設届けの中に書くことになっておりますので、その管理者についても権限を与えるというこの3パターンについて、情報提供の先に考えてございます。
 なお、獣医師への情報提供につきましては、下の参考のところにございますが、法の第36条の第1項の負傷動物等の発見者の通報措置というのを根拠に情報提供を行うということでございます。
 次のスライド、4枚目、5枚目のところは現状の所有者不明の犬猫の返還の流れというところでございますが、左下、動物病院に持ち込まれたときに、現状ではマイクロチップの識別番号を読み取りまして、直接飼い主に連絡することができないので、指定登録機関に連絡をして、指定登録機関が飼い主に連絡するという流れになっております。
 この部分を次のページでございますが、動物病院のところで環境省データベースから検索をして、直接飼い主の方に保護していることを伝えることができるようになるということでございます。
 資料1-2についてご説明しますと、今のスライドでお話しした事項を改正案の概要ということで、2ポツのところに書いてございます。赤い字のところが新設する規定のイメージとなります。本日はこの内容についてご了解いただきましたら、今後、パブリックコメントをしていくということでございますので、条文のイメージのところ、確認いただければというふうに考えてございます。
 (1)の取り外し禁止の例外規定ということで、ただし書のところに当該事由に該当して、マイクロチップを取り外した場合、事由の消滅後、速やかに装着するものとすると規定してまいります。(2)の情報提供のところにつきましては、1ポツと4ポツのところは既に規定されている内容でございまして、都道府県知事、市町村長に対して、犬猫の引取り、返還及び譲渡しに関する事務に必要な範囲内で登録情報の提供を行うということと、厚生労働大臣に対して、狂犬病予防法に基づく必要な指示の範囲において、情報の提供を行うというのが規定されておりますが、今回、2ポツのところに獣医師の検索を可能にするという規定と3ポツのところに動物取扱業者の情報について、自治体に連絡をするという部分について規定してまいるということでございます。
 最後に、1-3のスケジュールのところを御説明いたします。本日、上半分ですが、第61回の動物愛護部会で改正の概要についてご審議いただき、ここでご了承いただきましたら、パブリックコメントを一か月ほど行います。その後、再び来年の2月頃、次の動物愛護部会を開きまして、ご了承いただけましたら、省令として公布していくということで、施行とシステムの稼働について、次年度、早めに行うということを考えてございます。
 一応、議事の(1)について、ご説明は以上となります。ご審議のほど、よろしくお願いいたします。
【西村部会長】 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、委員からの御質問、あるいは御意見ございましたら、よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。
 どうぞ。
【遠山委員】 新潟県動物愛護センターの遠山と申します。今のマイクロチップのところの話ですけれども、具体的な検索のイメージを教えていただきたいなと思ったんですね。どういうことかというと、まず、獣医さん、一般の開業の先生が、迷子のワンちゃんが来て、マイクロチップの番号で飼い主を検索できるようにするということは、データベースにアクセス権を与えて、1つの番号についてだけ情報を得ることができるというイメージだと思うんですよね。個人情報保護があるので、データベース全体の中身が見えるようになってしまうのはまずいだろうと思っていまして、環境省さんもそういうことは考えていないだろうと思うんですけども、そうなっているのかということ、実際のイメージとしてどういう形の検索になるのかというものを教えていただきたいのが1つ。
 もう1点、申し訳ないです。自治体の方で動物取扱業の監督指導、取締りのためにその情報を教えていただけるということになっているんですけれども、そちらの方は逆に言うと、誰の名前で登録してあるか分からないものが、何頭いるかを知らないと、我々取締りにならないわけですよね。例えばAという動物取扱業者が本当に環境省のデータベースに何頭、どういう犬を登録しているのかという情報を我々は知りたいわけですよ。要するに行ったときに犬が100頭いたとして、ちゃんと100頭登録されているのかどうか確認したくなるわけですよね。それで、されていなければ、そこの部分で取締りにもなるし、登録されている情報とそこに実際にいる犬の情報がずれていれば、虚偽の報告を自治体にしていることになるかもしれないわけです。例えばブリーダーさんの氏名で検索をする、もしくは会社名で検索をする、検索の方法いろいろあって、住所で検索をするとか、そういうことができないと、施設にいる犬全体の把握ができないわけです。
言っている意味ちょっと分かりにくいでしょうかね。なので、同じ条文に載るんですけれども、自治体側が自治体として検索をしたい内容と多分、開業の先生が負傷動物を収容したときに、検索したいやり方って違うと思うんですよね。そこら辺を環境省さんの方ではどういう、今回のこの説明だけだとちょっと見えてこないので、そこのところを教えていただきたいなと思います。
【西村部会長】 ありがとうございます。
 環境省、いかがでしょうか。
【野村動物愛護管理室長】 お答えいたします。まず1点目が検索のイメージということですけれども、まさに、目の前に来ている犬猫以外の他の情報を検索するのは目的外の利用となりますので、そこはもちろんそのデータだけ見せるようにしなければいけないわけですけれども、ランダムに識別番号を入力したときにどうなのかといったところについては、もともと個人情報保護法上、目的外に利用するということについて、罰則がかかっているので、その点を情報検索に入ったときに、いま検索していることは目的にかなっていますかということをしっかりチェックしていただくなり、正しい使い方をしていますよねというのを確認するような手順を考えてございます。そうであってももちろん悪意があって、いろいろチェックをしていけば使えるというふうになったとしても、そこはログが残りますので、それが後々、目的外使用になったということになれば、個人情報保護法に引っかかるということになってまいると思います。
 2点目につきましては、確かに今、つくってあるシステムで、おっしゃられるように、動物取扱業者からたどる検索ができないという部分については、このシステム自体は完成したものではないと思っておりますので、今後、自治体が使いやすいようにとか、そういったところで機能を改善していくというのはご相談させていただければと思いますが、現状では超過したときにお知らせがいくというだけで、じゃあ実際にA事業者が、そこでほかに何頭登録しているのかまでは分からないというのは、ご指摘のとおりでございます。
【遠山委員】 今の話の続きですけれども、今、実際、我々が現場でやっていることについてなんですけども、Aという業者さんがいて、そこの家の犬が何頭いるんだという、狂犬病予防法上の登録については、市役所に照会ができるわけですよね。市の方もちゃんと登録をして飼ってくれているのか確認したいわけですよ。だから、必要な範囲内で市役所さんにその業者さんが今、何頭登録しているのか照会をして、場合によっては一覧表を市役所で見せてもらって、その上で立入調査に行っています。それと実際にいる犬が合致しているのかどうかというのを見たりしているわけですよね。それは市が今、狂犬病予防法に基づく登録事務をしているので、そちらの方からたどっているわけですけれども、実際に無登録の犬が何匹いたからちゃんと登録しなさいということもそれでできるわけですよね。なので、その役割を環境省のデータベースの方でできるようになるといいなと思っていまして、もう何年かたてば、ブリーダーのところにいる犬は全部マイクロチップが入った状態になるわけですよ。今年の6月から義務になってから7年後、6年後にはなるわけなので、その時点では全部登録してあるはずですので、必ずマイクロチップの情報といわゆる犬の一覧ですよね、実際にいる犬が一致しなければならないということになりますので、そういうことになると、こちらも取締りというか、指導がしやすくなるのかなと思っておりまして、ぜひ使いやすいものをご検討いただければと思います。
【野村動物愛護管理室長】 それでは、ご指摘の点について、お答えさせていただきます。 今回の動愛法の改正では、狂犬病予防法の犬の登録の台帳と環境省のマイクロチップのデータベースが一つになるというところまではちょっと手当はされていないというところでございまして、マイクロチップの登録をすると、犬の飼い主の情報が狂犬病の登録にも使える橋渡し規定だけが入っておりまして、ただ、委員がおっしゃるように、最終的に狂犬病の登録とマイクロチップの登録が一つになる方が、それはもちろん使いやすいわけですので、そこについては所管している厚労省と話をしながら解決していかなきゃいけない課題だというふうに認識してございます。
【西村部会長】 よろしいでしょうか。
 技術的にはそんなに難しいことではないと思いますので、ぜひ積極的に進めていただければと思います。
 ほかにご意見、ご質問ございますでしょうか。
 どうぞ、佐伯委員。
【佐伯委員】 日本獣医師会の佐伯です。質問というよりもお礼とお願いということなんですけれども、今回、動物の健康というところを考えて、取り外しとその後の装着というところを定めていただきまして、また獣医師が検索できるということにつきましても、御紹介いただきましたように、私が申し上げたとおり、獣医療の現場では、治療を行う際には、説明と同意に基づいて飼い主さんからの依頼で診療が進められていますので、人の医療よりも飼い主さんと連絡を取って依頼をいただくことが重要ですので、ここを加えていただいたことは、非常に動物にとっては有益なところがあると思います。柔軟に対応していただきまして、ありがとうございます。
 今後もいろいろと運用していく中では問題が出てくると思います。マイクロチップをたくさんの動物に挿入していくことで、どういう問題が生じるのか、今後いろいろ情報が分かってくるところもあると思います。運用していく中で、検討していただいて、柔軟に対応していただけたらというのがお願いです。また、獣医師が検索できることについては、個人情報ということになりますので、そもそも獣医師は診療、カルテを管理しておりますので、個人情報の意識については強くなければいけないものですが、日本獣医師会としても、会員獣医師に対しての獣医倫理というところで、しっかり啓発もしていきたいと思いますので、会の方でも検討していきたいと思います。
【西村部会長】 ありがとうございます。
 ほかにご意見ございますでしょうか。
 どうぞ。
【下薗委員】 全国動物教育協会の下薗です。一つ、今日、説明いただいた中で確認をさせていただきたいのですが、この獣医師への情報提供のところでご説明いただいた中で、いろいろな立場の獣医師が検索をしていけるということが書かれています。愛玩動物看護師法の中には、診療の補助が獣医師の指示の下でサポートできるというふうになっていますが、この点につきましては、愛玩動物看護師が指示を受けるということはないというふうに理解をしてよろしいでしょうか。
【野村動物愛護管理室長】 今回の規定につきましては、恐らく下薗委員は、愛玩動物看護師はマイクロチップの装着については、獣医師の指示の下、行えるということになっていることに関連して、今回の情報提供について、愛玩動物看護師にも権限が付与されるのかというご確認かと思ったのですが。
【下薗委員】 そのとおりです。
【野村動物愛護管理室長】 今回は獣医師に限るということでございます。
【下薗委員】 かしこまりました。ありがとうございます。
【西村部会長】 ありがとうございます。
 ほかに何かございますでしょうか。
 どうぞ、山﨑委員。
【山﨑委員】 恐れ入ります。すごく単純な質問で、環境省というよりも西村先生、佐伯先生あるいは遠山先生にお答えいただければいいのかなと思いますが、まさにMRIを受けようとしている知人の犬がございまして、取り外しに関しまして、さほど支障はないのでしょうか、入れたり出したりということに関して。大型犬と例えば1.5キロのチワワとかだと負荷も違うと思いますので、どの程度の負荷が獣医療的に考えられるか、それは全く問題ないのかという点だけちょっとお聞きしたいと思います。
【西村部会長】 それでは、私の方からお答えしたいと思います。この間、画像診断科の先生にその辺聞いてきました。実際上、MRIで邪魔になってしまって、画像がよく撮れないというのはレアケースでしょうと。位置的に本当に深いところの、脊髄に近いところでなければ、大体大丈夫だと思いますと。あとは画像の撮像法によってかなり補正することができるので、実際上、問題のあることはそれほど多くないんじゃないかと思いますというお答えでした。ただし逆に言うと、それが邪魔になると、すごく深いところにあるはずなので、小さなものを見つけるのは相当難しいと思います。なので結構ちょっと大きな手術に近いような、大きな手術って言ったら、ちょっと言い方変かもしれませんが、そんな感じになる可能性はあるかなと思いますので、装着する部位をこの辺にしましょうというガイドラインを、この間、画像診断学会とかもご相談して、何かつくられたみたいなので、そういうとこ守っていただいて、できるだけそうならないようにしていくというのが大切なのかなと思います。
【山﨑委員】 ありがとうございます。でも時々チップ泳ぎますよね、入れたところから。
【西村部会長】 動いちゃう子いますね。
 よろしいでしょうか。
 ほかにございますでしょうか。
 それでは、先ほど遠山委員の方からあったご意見、これはちょっとしっかり検討していくということで、議題の1、これについてはご了解、ご了承いただくということでよろしいでしょうか。ありがとうございます。
 それでは、今後、事務局から説明されたスケジュールのとおり、パブリックコメントが実施され、年明けの部会で再び施行規則改正案が審議されることとなります。そこで決まりということになります。ありがとうございます。
 それでは、続いて、議事(2)に移ります。議事(2)に関連する資料は資料2-1から2-3、それから参考資料1です。
 事務局から説明をお願いしたいと思いますが、その前にZoomの先生、ちょっと画面が光ってよく見えないので、もし何かご意見あったら、何か、話していただけますでしょうか。よろしくお願いします。
【野村動物愛護管理室長】 議事1については、特にご発言、ウェブの委員の方から大丈夫でしょうか。では、また後ほどございましたら、お願いいたします。
 議事2の方のご説明に入らせていただきます。資料の説明に入る前に、背景のお話をさせていただきますと、この動物愛護部会では、これまで愛玩動物看護師法の各種の動きについては、ご報告事項とさせてきていただいております。この場で何か制度についてご審議いただくとか、そういうことはなかったかと思います。今般、まさに法律が5月に施行されまして、先日11月の6日に現任者の方の予備試験、これも行われました。来年の2月には1回目の国家試験が行われる状況になってございます。そういう状況になってまいりますと、様々免許の運用に係る課題をご審議いただく場が必要だということでございまして、例えば免許欠格、免許与える前に欠格者に当たらないかといったこと、あるいは実際、免許を与えた後に取消しをしなければいけない事例ですとか、それからそもそも国家試験の受験資格として、海外で学んだ方のカリキュラム、どういうものを履修してきたかといったことの判断をしていかなきゃいけない。あるいは愛玩動物看護師が補助できる獣医療の範囲を具体的にしていかなくてはいけないといったような課題がございまして、こういったことをご審議いただく場として、動物愛護部会の下に愛玩動物看護師小委員会というのを設けるのが適切ではないかということで、この点について、今日、ご審議いただきたいと考えてございます。この愛玩動物看護師法が農林水産省との共管の法律になりますので、この動物愛護部会の下に同じような立てつけでペットフード小委員会というのがございまして、これと同様な形で考えているということでございます。
 では、資料の2-1に入らせていただきますが、この小委員会の設置の前に、まず環境大臣の方から愛玩動物看護師法に係る諸課題について、中央環境審議会の会長の方に諮問をするということを既に事務的には進めさせていただいております。諮問の理由のところですけれども、愛玩動物看護師法に基づくこの制度について、愛玩動物の適正な飼養に寄与するように免許の取消しの在り方、愛玩動物看護師の資質、処遇改善及び動物愛護分野での活躍の推進等の諸課題に対する具体的な対応策に係る検討を行う必要があるため、貴審議会の意見を求めるというふうにさせていただいております。
 2枚目にこの中央環境審議会の高村会長から動物愛護部会の西村部会長宛てにこの件については付議するということで、既に決裁をさせていただいてございます。
 資料の2-2で、本日この部会で決定していただくのは、この小委員会の設置についてということで、本日案をお出ししていますけれども、今日の部会でご了承いただきましたら、今日の日付で案を取っていただいてということを考えてございます。中央環境審議会の議事運営規則に基づきまして、4点決定をさせていただきたいと考えてございます。動物愛護部会に議事運営規則第8条の小委員会として、愛玩動物看護師小委員会を置く。2点目が愛玩動物看護師小委員会は、愛玩動物看護師制度の推進に関する事項についての検討を行うと、こちらは先ほどの諮問理由でいろいろ細かく書いておりますけれども、全般的に小委員会に委ねるということでございます。部会に設置する小委員会に属すべき委員、臨時委員及び専門委員は部会長が指名するという点でございます。4点目が愛玩動物看護師小委員会の決議は、部会長の同意を得て、動物愛護部会の決議とすることができるという、決議のルールなども含めてこの設置についての部会決定を本日していただければと考えてございます。
 資料2-3、最後、ご説明いたします。開催方針についてということで、大きく2点ございます。1つ目が中央環境審議会動物愛護部会愛玩動物看護師小委員会は原則獣医事審議会と合同開催とするということが1点目。2点目、会議は原則として公開するということでございます。ただし、公開することにより、公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがある場合、または特定の者に不当な利益、もしくは不利益をもたらすおそれがある場合には、獣医事審議会長及び中央環境審議会動物愛護部会愛玩動物看護師小委員会長は会議及び資料を非公開とすることができるというこの方針でございます。ですので、すみません、資料の2-2と2-3についてご了承いただきたいと考えております。
 参考資料の1にこの小委員会の委員名簿の案を合わせてつけさせていただいてございます。西村部会長、磯部臨時委員、佐伯臨時委員、横田臨時委員と山崎臨時委員というふうにお名前入っておりますが、このお二人につきましては、新しく部会の臨時委員に就いていただいた上で、小委員会の臨時委員にもなっていただくということで、現状では案ということでございます。先ほど資料2-2にございましたとおり、部会長の指名によりまして、この案を取るということになってまいります。本件について、ご審議よろしくお願いいたします。
【西村部会長】 ありがとうございます。
 これは農水省との合同開催ということで、農水省の方は何名ぐらい委員がいらっしゃるのでしょうか。
【野村動物愛護管理室長】 農水省の方は4名の委員を予定してございます。
【西村部会長】 分かりました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、委員からご質問、ご意見等ございましたらお願いいたします。特に資料2-2、愛玩動物看護師小委員会の設置については、本部会で決定し、取りまとめる必要がございますので、ぜひよろしくお願いいたします。いかがでしょうか。特にご意見ございませんでしょうか。この委員会はないと全然動かない、ぜひ必要なものということになると思います。
 それでは、その議事の(2)についてはご了解、ご了承いただいたということでよろしいでしょうか。ありがとうございます。
 それでは、愛玩動物看護師小委員会は案のとおり決定されましたので、動物愛護部会の下に設置されることとなります。
 続いて、議事(3)に移ります。議事(3)に関連する資料、資料3と参考資料2です。
 事務局から説明をお願いいたします。
【田村動物愛護管理室長補佐】 それでは、事務局から説明させていただきます。
 今回、第五次環境基本計画の第2回点検報告というものをこの部会におきまして、取りまとめていただくということになります。資料3をご覧ください。第五次環境基本計画というものは環境基本法に基づきまして、政府全体の環境保全について、総合的かつ長期的な政策の大綱を定めたものになりまして、2018年4月に策定されました。
 1枚ページをおめくりください。今回の点検というものはどういうものかと申しますと、2018年に点検の準備がされまして、1回目の点検においては、ある一部の分野について点検がありましたが、このときには動物愛護部会の担当するところについては該当していませんでした。今回の2021年度の2回目の点検につきましては、動物愛護部会の所掌します施策につきまして、該当する場所がありますので、今回、そこの部分に関しまして、点検を行うということになります。
 動物愛護部会の該当する場所ですが、第五次環境基本計画の第2部第2章重点戦略ごとの環境政策の4ポツ健康で心豊かな暮らしの実現(1)環境にやさしく健康で質の高い生活への転換に、ペット関係の記述がございます。2つ目には、第2部第3章の重点戦略を支える環境政策の6ポツ東日本大震災からの復興・創生及び今後の大規模災害発生時の対応(2)自然災害の対応に該当箇所がございます。今回の点検では、この重点政策全体を俯瞰しながら、記述されている施策がちゃんと実施されているのか、取組の弱い部分はないのか、効果はちゃんと生じているのか、足りない政策はないのかという観点から点検していただき、最終的には経済社会面の効果や、他の環境保全政策の地域循環共生圏、カーボンニュートラル等々の取組にどう効果があるのか考えながら点検していくということになっています。
 それでは、動愛部局の点検する箇所をご説明させていただきます。ページ数で言いますと7ページになります。まず1つ目ですけれども、先ほど申し上げた4ポツ健康で心豊かな暮らしの実現(1)環境にやさしく健康で質の高い生活への転換という箇所には、四角に囲みました環境基本計画のポイントに、まさに本部会が点検する記述を抜き出しております。読み上げますと、ペットの適正飼養推進による生活の質の向上というところになりまして、掲げてある、記述されている文章としましては、「ペットの飼養は人と生き物の重要な共生の在り方の1つであって、国民に心豊かな生活をもたらすとともに、高齢者の健康寿命の延伸にもつながる。人とペットが共生する社会の実現を目指し、不適切な多頭飼育等による生活環境被害の防止を図るなど、飼い主による適正飼養を推進する施策を総合的に推進する」となってございます。
 これに関して、これまで取り進めてきた取組の進捗としましては、以下のとおりになりまして、まず1つ目に多頭飼育対策というものを上げています。この対策では、ペットの不適切な飼養の多頭飼育に対しまして、これらはペットの虐待等につながるほか、個体数の殺処分率の増加につながるおそれが問題であると考え、その対応策といたしまして、私たちの方ではガイドラインを作成しようと、平成30年度から検討してきました。令和2年度に人、動物、地域に向き合う多頭飼育ガイドラインをとりまとめまして、これを動物のみの問題ではなく、飼い主の経済的困窮や社会的孤立等の生活環境被害などの問題とも捉えておりまして、動物愛護部局だけではなく、自治体の社会福祉部局、環境衛生部局、ほかの分野の組織、機関等そういったところと有機的な連携を持って対策を推進してきたということになります。このガイドライン作成後に、令和3年度には普及啓発としまして、地域自治体の取組を進めるために、研修会を実施したり、この理解を深めるための連絡会を開いたりして、多頭飼育対策ガイドラインの普及啓発というものに取り組んできたところでございます。
 2つ目に愛玩動物看護師の誕生というのもペットの適正飼養の推進という観点では、非常に重要なものだと考えています。愛玩動物看護師法が令和4年5月に施行されておりますが、来年の2月に初の国家試験が行われて、獣医診療の補助や愛玩動物の看護、また飼い主に対するしつけなどの助言を行う愛玩動物看護師が誕生する予定でございまして、この愛玩動物を対象とした動物看護師の資質向上、業務明確化が図られることによりまして、一般家庭のペット飼育のさらなる適正化が期待されると考えています。
 次のページお願いします。また、令和元年の動物愛護管理法の改正というのも非常に大きくペットの適正飼養に貢献しているかと考えています。大きく分けて3つございまして、この改正によりまして、動物の適正飼養のための規制の強化につながっていると、具体的に申しますと、適正飼養が困難な場合の繁殖防止が義務化されておりますし、都道府県知事により一般家庭への動物の飼い方に対しまして、指導、助言、報告、聴取、立入検査等が規定もされております。さらに危険な動物、特定動物に関しましても、その飼養管理に対する規制が強化されていたり、動物虐待等罪に対しましても、罰則が引上げをされています。
 さらに2つ目としましては、マイクロチップの装着というのも非常にペットの適正飼育、飼養に貢献していると思っています。もちろん犬猫の販売業者にマイクロチップの装着登録を義務づけるだけではなくて、その所有者の明示化によりまして、所有者の意識向上等に通じまして、適正飼育に促進が図られるかと期待をしております。現在、10月31日の時点でございますが、犬猫合わせて、約45万頭がこのマイクロチップの装着、登録がされているところでございます。
 3つ目に都道府県等の措置が規定されたということでございます。まず1つ目に動物愛護センターの業務がちゃんと規定されていまして、動物取扱業の監督や一般飼い主への指導、普及啓発など適正飼養を促進するという役割を持っていますし、動物愛護管理担当職員の設置、拡充というのも行われています。また、犬猫の引取りについて、現在、この犬猫の引取り数というのは減少傾向にございますが、終生飼養の広がりや事業者からの引取り拒否などにより減少傾向が継続していると考えているところでございます。また、飼養者の責務をこの引取りの取組を通じて、安易な飼養放棄、遺棄等の発生防止、終生飼養の推進に寄与していると考えています。
 以上の取組の状況から申しまして、全体を通しまして、人とペットが共生する社会の実現のための適正飼養を促進する施策が総合的に推進されていると考えています。生活の質の向上に関わるペット飼養の適正化は実際に着実に取り組まれているとしても、まだまだ多頭飼育の解消や終生飼養の推進等に対策を講じる必要がありまして、さらに国民に心豊かな生活をもたらす人と動物の共生社会の実現を掲げた、いわゆる基本指針と申します「動物の愛護及び管理に関する施策を総合的に推進するための基本的な指針」に掲げられた施策であります、適正飼養の推進、動物の健康や安全の確保、生活環境の保全、動物による危害防止等につきまして、引き続き検討しつつ、効果的な対策を実施していくということが今後の取組の方針ではないかと。具体的に申しますと、多頭飼育問題につきましては、発生事案が多い生活困窮者、高齢世帯等におきまして、予防対策を進めることが必要なので、社会福祉部局等といろいろな分野の部局等と横断的な連携が強化されていくことが必要だと考えておりますし、またマイクロチップにつきましては、遺棄防止、返還促進を図るということとともに、効果的な制度運用に関する検討を行っていくということで、着実に情報の登録がなされる政策を打ち出していく必要があると考えています。
 また、犬猫の引取り数の減少につきましては、販売業から飼い主へ終生飼養やマイクロチップ登録に係る説明を徹底していただき、飼い主の飼養管理の責務を浸透、普及させていくというのも必要だと。さらに愛玩動物看護師が社会における活躍の場を広げて、その適正飼養の環境づくりに政策として取り組んでいくもの検討していく必要があるなと考えております。1つ目は以上でございます。
 2つ目でございますが、10ページご覧ください。もう一つ、環境基本計画における記述ですが、自然災害への対応としまして書いてある項目です。「東日本大震災や熊本地震等の経験を踏まえて、策定した人とペットの災害対策に係るガイドラインに基づき、地方公共団体等と連携して、避難所におけるペットの受入れや被災ペットの緊急的な一時預かり体制の整備等について支援を行う」と書いてあります。これらに関する取組としての進捗状況ですが、地方自治体のペット同行避難の受入れ体制整備につきまして、大規模災害に生じる課題等を検証し、整理しました。それらの整理した項目を踏まえまして、平成29年度から令和元年度にかけまして、ペット同行避難者の受入れをどうつくっていくのかという訓練を地方ブロックごと、モデルとなる8自治体で実施したところでございます。ペット避難受入れ体制の整備について、このように普及をしていくというのが、今回の取組の1つだと考えています。8ブロック、下に掲げてあるとおりに、南海トラフの地震を想定したものとか、東海地震、あと厳冬期に十勝管内を震源した大地震が発生したとか、そういう大規模災害を想定して、ブロックごとのある自治体でモデルとして訓練を実施したということになります。
 次のページお願いします。ほかには人とペットの対策ガイドラインを作成させていただきまして、ペットの一時預かり等の体制整備支援に資するガイドラインということを普及啓発しています。一般飼い主向け、地方自治体向け、また支援ボランティア団体向けなど、いろいろな対象向けのガイドラインを作成しておりまして、これらを使いまして、普及啓発をしているところでございます。
 また、内閣府が主催する「ぼうさいこくたい」というものが毎年開催されていますが、ここに環境省ブースを設置させていただいて、平成26年度からペット同行避難に関する普及啓発を継続的に実施しているところです。
 さらに、関連した取組としまして、環境省では動物収容・譲渡対策施設整備補助金というものがございます。動物愛護管理センター等の施設を整備する、新築・増築・改築等に係る整備費用に対して支援するという補助金でございますが、実はこの補助金、自治体における災害時の受入れ設備の整備等にも使えることになっておりまして、緊急時用のケージやシェルター設置場所の確保などの整備に使えることになっています。平成30年度には6件、令和元年にも6件、令和2年度には7件、令和3年度には7件で、それぞれの年で大体1.3億円から1.6億円、その程度の補助をしております。
 これらの取組を踏まえまして、課題や今後の取組方針としましては、それでもやはり、ペット同行避難の受入れ体制が全国の自治体で整っているという状況ではございません。引き続き、自治体を対象としましたペット同行避難等の訓練によりまして、受入れ体制の整備を支援していくという必要があるかなと考えております。
 この支援の具体的な例としましては、ペット同行避難訓練の支援事業を環境省としては今年度から実施していくという、今、調整しているところですが、実施していく予定でございます。
 また、受入れ体制の整備と併せまして、飼い主等へペット同行避難ということを周知徹底していきたいと考えています。
 これらの2つを踏まえまして、全体的な評価を取りまとめさせていただきますと、ページの13ページにございますが、全体評価としましては、現行の第五次環境基本計画に掲げられたペット施策、ペットの適正飼養の推進とペットの災害避難対策というものは着実に取り組んでいる、取り組まれていると考えています。
 ただ、国民への理解を深め、また、その行動にどういうふうにつなげていくのか、また、全国共通の防災対策として、各自治体にどう浸透していくのかというのがまだまだ課題だと考えておりまして、これまでの取組を引き続き実施していくとともに、さらに国民の理解醸成や自治体の恒常的対策となることを狙った取組を進めていく必要があると考えています。
 先ほどの「点検の視点」ごとの評価としましては、不適正な多頭飼育対策におきましては、他分野の社会福祉部局との連携体制が構築できたということで、ペットの適正飼養の推進は、生活分野、福祉や教育、衛生、防災といった多様な分野との関わりがありますので、それらと有機的に連携する、横串の対策を取っていくことによりまして、効果の高い施策の展開を期待されるという評価を考えています。
 以上のとおり、このような点検報告に取りまとめていきたいと考えておりますが、皆様、委員のご意見いただければと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
【西村部会長】 ありがとうございました。
 ただいまの第五次の環境基本計画の第2回点検についての説明について、各委員から何かご質問やご意見ございますか。
 山﨑委員、お願いします。
【山﨑委員】 恐れ入ります。質問というかコメントでございますけれど、これを見させていただいて、本当に昭和の時代から随分日本も進歩したものだなと少し感心をいたしております。ただ、これからの今まで積み上げてきた事例とか、それから、社会問題の中で、ここに関して2つほど欠けているものを指摘させていただきたいと思います。
 まず1つは、多頭飼育に関しましては、相当環境省は検討会などを設け頑張っていろいろ対策を練っておられ、他業種との連携などもここに明確化していただいたのは、非常にありがたいと思うんですが、実は、多頭飼育の中での動物虐待ということだけではなくて、動物虐待に関しては、犯罪との関係性とか、それから、児童虐待、DVなどとの関係性という人間に対する暴力と動物に対する虐待行動が連動しているという点にも目を向ける必要があります。この連動性はリンクと欧米では言われていて、今、社会心理とか教育心理の分野では、非常に注目されている研究分野でございます。そこがちょっと欠けているかなというふうに思いますので、動物虐待に関しては、多頭飼育だけではなくて、人間の社会の秩序に対して動物虐待行動というのは、一つの反社会的要素であるということをどういうふうにこれから検討して、そういったものをどういうふうに入れていくかということをご検討いただきたいと思います。
 もう一つは、実はこれは、今、ご説明いただいたこの7ページ、8ページ、それから10ページ、全ての根底にあるものなのですが、野生動物のペット化に関して全く触れていないということを指摘したいとおもいます。特定動物のことはお書きになっていらっしゃいますけれど、特定動物を指定しているというのは、これは単なるブラックリストなんですね。ブラックリストには限界があって、ブラックリストをつくれば、その網の目を抜けるやつはどんどん出てくるわけですから、強いて言えば、あまり規制国家になるのはいかがなものかと言われるかもしれませんけれど、ホワイトリスト的にこういった野生獣は飼ってもいいけど、それ以外は専門家以外はもう駄目ですよというように、ホワイトリスト制にしていくということでないと、野生動物の規制は追いつかないと思うのです。
 ここに関しましては、まず1つは、動物の適正飼養のための規制強化に関しては、野生動物のペット化に関しての適正飼養管理が、やはりうまくいっていないという事例はいっぱい出ております。最近、SNSで話題になったカワウソの虐待行為なんかはまさにそのとおりだと思います。
 それからもう一つは、都道府県等の措置等の拡充におきまして、動物取扱業の監督と書いてあるところに野生動物の取扱業者に関する監督がやや甘いかなと感じるところがございます。これもつい最近、とある触れ合いパークでカピバラが9歳の女の子に重傷を負わせたというような事件もございました。ただ、カピバラに素手で餌やりをするという施設は日本全国、ものすごくたくさんございます。北海道の方では、トラのケージに入ってトラにお肉を与えながらお手をさせるというような、そういったこともやっている施設等もございますので、動物取扱業の中での適切な適正飼養管理というか、適正な扱いということに関しては、ここにぜひ入れていただきたいなというふうに思います。
 これは、実は、ほかのところにも関連しています。災害のときなのです。災害のところは、恐らく基本は犬猫というふうに考えておられますけれど、実際掘り下げてみると、日本では野生動物を飼っておられる、特に爬虫類とかエキゾチックを飼っておられる方が結構いらっしゃいます。そういった中で、災害対策で隣の扉がばたんと開いたら何が出てくるかという、隣は何を飼う人ぞというような非常に怖い状況があります。災害対策の中に野生動物のペット化をどういうふうに組み入れるかというのは、非常に大きな課題だと思います。これは、昔からある問題だと思います。20年ちょっと前ですか、原宿のマンションでグリーンマンバを含む毒蛇を50匹ぐらい飼って、自分がかまれて救急車を呼んだので発覚したという恐ろしい事例もありました。災害時における野生動物がどこでどれだけ飼われているのか、動物園等は別として、研究施設も別として、一般の飼い主さんが果たしてそういったときのためのペットの対策をきちんとやっているのか、停電して、例えば紫外線ランプやヒーターが切れたら死ぬ動物もたくさんいるわけですから、そういう意味でどうやって対応していくのかを考えなければなりません。これは私はただコメントとして申し上げています。何かややこしいものを投げかけて大変申し訳ないと思いつつも、これはやはり社会的にも、少し皆さんのそして社会全体の目を向けていかなければいけない問題かなというふうに思っておりますのであえてコメントをさせていただきました。
【西村部会長】 ありがとうございます。
 今のコメントにつきまして、環境省の方は、何かありますでしょうか。
【野村動物愛護管理室長】 大事なご指摘をありがとうございます。
 ご指摘の中で、この報告に入れられる部分、入れられない部分があったかなというふうにお伺いしたところでございます。今回の環境基本計画の中身については、主として飼い主の方向けの施策を進めるということがうたわれておりまして、動物取扱業についての適正化というのは、一部成果として触れた部分はありますが、メインのところではなかったので、ご意見について反映できるところはしていきたいと思います。そういう形でご了承いただきたいと思います。
 それと、野生動物のペット化のことにつきましては、一部、もちろん動物愛護管理法の中でも特定動物の部分がありますので、愛玩飼育が禁止されたり規制が強まっている部分はございます。一方で環境省としては、自然環境局の中で希少種を扱う部署もございますので、そういったところと施策の連携も必要になろうかと思います。動物愛護部局だけで手が回りきらない部分もありますので、そういったところで省内でしっかり取組を考えてまいりたいというふうに思ってございます。
【山﨑委員】 ありがとうございます。そのとおりだと思います。むしろエキゾチックペットに関しては、密輸等も含めて感染症法などとの連携も必要になってくると思いますので、ただ、パンデミックは非常にいいきっかけかなとちょっと思っておりますので、環境省もご中心となられて、そういった関連した様々な法律の中で、どういう手だてが立てられるかということもそろそろ少しお考えになり始めた方がいいのかなというふうに思いました。
【西村部会長】 ありがとうございました。
 打越先生、どうぞ。
【打越委員】 3点ございます。
 1点目は、今、山﨑委員に、まさにそのとおりということをご指摘をいただきました。適正飼養というのは、犬や猫を丁寧に適切に飼うというだけではなくて、やはり日本の風土に合った動物を、その動物にとって、動物の習性にとって適した環境で飼ってやるということを意味するのであれば、エキゾチックアニマル、どういった動物を飼育するのかという選択に関する普及啓発、そういったことであれば動物愛護管理室に少し頑張っていただきたい。これは駄目、あれは駄目ではなくても、どういったペットを選ぶかも飼い主の判断というふうなことを入れていただきたいというのを山﨑委員に追加して、同じ意見と思って伝えさせていただきました。
 では、2点目と3点目なんですけれども、まず環境基本計画、参考資料の41ページのところにペットの適正飼養推進による生活の質の向上のところに、高齢者の健康寿命の延伸につながるということが書いてあります。これは本当にそのとおりだと思って、お孫さんなどに会えない中で、犬や猫を大事にする高齢者はいらっしゃると思うんですが、これに関して、高齢者に保護した犬や猫を譲渡するということに関して、自治体やボランティア団体さんがとても消極的というか、心配する、懸念を持っているということで、多くの場合、自治体やボランティアさんは60歳以上の人には譲渡しませんという方針を掲げていらっしゃいます。ペットは20年生きるものだから、人間の平均寿命から差し引いて60歳を線引きしている団体や自治体が多いと思うんですけれども、確かに適正飼養できない高齢者がクローズアップされると、そういったところに線引きをしようという話になると思うんですが、健康な高齢者というか、ここの委員の中にも60歳超えていらして、間違いなく適正に動物を飼育できる、すばらしい委員の先生方いらっしゃいます。それと、高齢者に譲渡しなくなると、逆にペットショップでないと高齢者が入手できなくなってしまうんですよね。きちんと飼養放棄しないように終生飼養するように、万が一のときにはお子さん家族に引き受けていただけるように、そういったことをきちんと準備しておけば、高齢者の方が保護犬、保護猫を譲渡してもらうというのは、実はありではないかと。もう仕事がそんなになかったり、家にずっといられたり、それから、持家を持っていたり、引っ越しもしなかったり、むしろ仕事が忙しくて、部活動が忙しくてなんていうファミリーより大切にしてくれると思います。
 ですので、適正飼養のところ、高齢者の健康寿命の延伸につながるというのであれば、高齢者にも譲渡、高齢者への偏見をなくしていくというか、そういった発想を持つべきではないかと思っているというのが1点目というか、2点目になります。
 そして最後に、スライドの資料3の資料の最後のページですね。13ページの下段のところ、「点検の視点」ごとの評価というところで、不適正な多頭飼育対策において、社会福祉部局と連携ができた、福祉、教育、衛生、防災などの多様な分野との連携、進めていく必要があると書かれているところに関連して、ぜひとも今後とも環境省、あるいは全国の自治体関係者にもお伝えしたいことがあります。分かっていらっしゃるとは思うんですけれども、ほかの分野との連携というのは、すごく大事なところで、多機関・多職種連携というのも大事なところだと思っております。
 その多機関・多職種連携やほかの分野と連携しようと思ったときには、人を大事にする発想が大事です。動物を守りたい、動物がかわいそうなのを救いたいという目線では、ほかの政策分野は連携してくれません。人間を育てるために教育をする、人間を救うために福祉があるという形で、ほかの政策分野は人間のための政策分野なんですよね。もちろんこれまで動物を救いたい、助けたいと頑張ってきたボランティアさんは、たくさんいらっしゃいますし、そういう方々のおかげで社会の認識というのも変わってきたんですけれども、これから先、動物愛護管理政策が大人の政策、成熟した政策になっていくに際しては、動物のためという視点だけでは、合意形成ができない。行政というのは、国民から集めた税金で国民のためのサービスを行う場だということを考えると、人間社会への貢献を大前提に考えなきゃいけない。「点検の視点」ごとの評価で多頭飼育対策について書かれていますけど、それ以外の動物愛護管理政策、全部そうだと思うんですよね。
 ですので、動物をどうするかという発想ではなくて、人にとって、地域社会にとってどんな意義を持つべきかというのをぜひ環境省から、あるいは全国の自治体から発信して欲しい。犬のため、猫のためと思い詰めて頑張っているボランティアさんや、あるいは一般の飼い主や、あるいは獣医師会も、もちろん佐伯先生みたいな方は社会とのつながりすごく重視していらっしゃいますけど、やっぱり動物のためだけではない、人間のための動物愛護管理政策だということを強く意識して点検していっていただきたいと、そんなふうに思いました。それがこの政策分野の成長につながると考えております。以上です。
【西村部会長】 ありがとうございました。
 何か環境省の方でコメントありますでしょうか。
【野村動物愛護管理室長】 貴重なご指摘ありがとうございます。
 まず1点目、2点目といったらよろしいでしょうか。高齢者の健康寿命の延伸につながるという部分について少し報告に触れるべきではないかというご指摘だと受け止めさせていただきました。環境省としては、ここに引取り数の推移ということで減ってきていますということはお示ししておるんですが、もう一つ、引き取られた犬猫の殺処分の減少ということに取り組んできておりまして、今、動物愛護管理基本指針に掲げている目標にかなり近づいてきているという状況なのですけれども、さらにそれを減らしていくという取組を進めていくに当たっては、やはり譲渡を促進していかなくてはならないということで、今、打越委員からお話のあった、高齢者への譲渡もその一つの手法だと思ってございますが、実際、その現場で譲渡活動に携わっておられる自治体や愛護団体の皆さんは、一度譲渡しても、やっぱり飼えないと言われて返ってきてしまうおそれがあるので、例えば年齢の制限をしたりしているという状況ではないかと思ってございます。ですので、高齢者に譲渡して、やっぱり自分が病気になって飼えなくなったときに、セーフティネットが用意できれば、もしかしたら高齢者への譲渡も可能になるんじゃないかということで、そういった幾つかのネックをどうやって解決していけばいいかということを今年度の環境省の予算で、少しモデル事業的なことをやろうとしておりますので、そういったことに少し触れさせていただければと考えてございます。
 それから、最後の「点検の視点」ごとの評価のところにつきましては、もう少し人間社会への貢献という観点で記述をした方がいいというご指摘かと思いましたので、もう少し練り直してみたいというふうに考えてございます。
 回答は以上となります。
【西村部会長】 じゃあ、町屋委員、お願いします。
【町屋委員】 すみません。私の方もちょっと意見ですけれども、今、打越先生の方からも上げられました不適切な多頭飼育問題の件で、13ページに「他分野である社会福祉部局との連携体制」、これ、実はいろんなところで言われていて、実際、こういった社会福祉部局の方が不適正な多頭飼育者を発見する機会というのが、最近非常に増えてきています。しかし、そういった福祉部局の方々が、まず最初に動物愛護行政の方にご相談した際に、けんもほろろに断られてしまうという現状があって、結局民間団体の方に相談が来るということがあります。
 つまりこういった連携を、結局動物愛護行政の方から断ち切ってしまう。こういった多頭飼育問題に関しては、このように早期発見された際に、早期対応するということが非常に重要になってきます。それは、適正頭数にまで減らすということ、不妊去勢をしっかりするということです。しかし、この不妊化手術の費用に関しても、民間団体が負担して、そして引取りに関しても動物愛護行政が対応しないため民間団体にお願いねという形で、しわ寄せがくるということが非常に多い現状にあります。なので、この8ページに上げられた「引取り数の減少」というのは、ご説明にあったような明るい側面だけではないと私は考えております。行政の仕事として、引き取るときはしっかり引き取ることも大切であると、そして、ここに上げられるのは、行政がすごく頑張らなければいけないところというのは、今も実際やってはいらっしゃいますけれども、譲渡・返還率の増加であって、「引取り数の減少」という数字だけにこだわり過ぎると、殺処分数にこだわり過ぎた弊害と同じことになると考えております。その辺も現状を踏まえて考えていただければなと思っております。以上です。ありがとうございます。
【西村部会長】 ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょう。
 じゃあ、よろしくお願いいたします。
【黄田委員】 全国消費生活相談員協会の黄田でございます。
 すみません、私は、消費生活相談をしておりまして、消費者の方からご相談を受ける立場からお話をさせていただきますと、飼い主の飼養管理の責任という部分なんですけれども、例えば終生飼養の意識が薄いと感じられる相談というのがございます。具体的には、家族に反対されたからとか、購入後のことなんですが、ペット禁止のマンションだったから返したいとか、安易に返したいとか解約したいとか、そういう非常に自己都合的なご相談もありまして、統計上で特に確認をしたわけではなく、あくまでも肌感覚ではあるんですけれども、成年年齢の引下げというのもございまして、非常に若い世代で多いように思います。簡単に買って、かわいいから買ってしまって返したいと、家族に反対されたんだというようなものもございまして、やはり消費者教育というか、飼い主への終生飼養の教育は必要だなというふうに感じるところでございます。
 その一方でなんですけれども、多くのペットショップさんではきちっとやっておられるとは思うのですけれども、例えばマンションでペット飼育禁止なんだと言っても「隠れて飼えばわからない」と言われたり、今日は決められないと言ってもかわいいでしょっと言ってだっこさせて、複数の店員に取り囲まれて今日契約をしないと安くなりませんよとか、キャンペーンは今日までですよというような形で、販売業者さんの方で、迷っている消費者の背中を押してしまって、無理に購入させてしまうのではないかと思われるような販売方法もあります。じゃあ、いざ解約をするということになると、やはり売買契約なので、一方的に解約ができないので、なかなかそこは難しいところではあるんですが、解約したいんだったら応じるよ、だけど、全額払ってもらって、それで犬だけはペットショップで引き取りますよみたいなことを言われたりすることがあり、そうなると、やはり無理な購入につながって、それが結局ちゃんと大事にしなくて、遺棄や虐待につながるという可能性もあるのかなというふうに、私どもは感じるところでございます。
 ですので、ここで販売業者さんから終生飼養ですとか、そういったことの説明を徹底させるというようなところが指摘されているところではございますけれども、やはり販売時にきちっと飼い主になる消費者の適合性をよく見ていただいて、無理な販売をしないというようなところにもうちょっと視点を置かないと、やはり虐待とか遺棄というのは、多頭飼育問題だけではなくて、普通にペットをかわいいと思って買った人たちも、割と自己都合で手放したいとかという方も多いので、そういったところの視点も必要かなと思い発言させていただきました。以上です。
【西村部会長】 ありがとうございます。
 今の点について、環境省の方で何かコメントありますでしょうか。
【野村動物愛護管理室長】 ありがとうございます。
 そうですね。まさに飼い主になる方の心構えというか、そこの話はずっと長年の課題だと思ってございます。環境省の方でも、もちろん飼い主責任をしっかり果たしてくださいねということをこれまでも繰り返し周知しておりますし、ペットショップで購入するときの注意点とか、そういったこともこれまで普及してきておりますが、もちろん新しくこれから飼い主になろうという方もどんどん出てくるわけですので、これは長期的な課題としてしっかり捉えておかなきゃいけないというふうに考えてございます。ありがとうございます。
【西村部会長】 ありがとうございます。
 ほかに。
 佐伯委員、お願いします。
【佐伯委員】 3点あります。重複しているところも多々ありますが、まず、全体的なところでは、打越委員がおっしゃったことでもあるのですが、環境省のご都合で言葉はいろいろあると思いますが、ワンヘルス、ワンウェルフェアの概念というのを、もう少しここの中に取り入れた方が今の流れ、多職種・多機関が連携するというところであったり、人と動物というところでは趣旨として合うのではないかという意見です。
 そして2番目は、適正飼養のところですけれども、一般の方も読むものということで、虐待という言葉を直接入れるのは、ちょっとはばかられるようなところもあるのかもしれませんが、私たち獣医師にとりましては、法律の中で通報義務が生じたというのは、非常に大きな問題だと思っています。一般の方にも、獣医師がそういった義務を背負っていることを記載することは、抑止という効果も、もしかするとあるのかしれません。これは行政の獣医師だけではなく、開業の獣医師も全員負っている義務ですので、少し柔らかい表現でも盛り込んでいただきたいなというのが獣医師としての意見です。
 そして3点目が、災害関係ですけれども、自治体に対していろいろ働きかけをしてくださっているというのは大変ありがたいことなのですが、やはり災害が起こるたびに、避難所での動物の受入れ、同行避難の受入れというのが毎回問題になっていて、なかなか進んでいません。避難所は基礎自治体が開設しますので、同行避難への理解が都道府県までというところになっているのが一つあると思いますので、そこを重点的に取り組むことが重要だと思います。飼い主さんに対する同行避難の啓発は進んできていますが、災害が実際に起こりますとうまくいっていないと思います。そういったところを飼い主さんが安心できるように何か取組を提案していただくということをお願いしたいと思います。以上です。
【西村部会長】 ありがとうございました。
 今の点、環境省、何かコメントありますでしょうか。
【野村動物愛護管理室長】 ありがとうございます。
 1点目のワンウェルフェア、ワンヘルスといったような考え方を、今後飼い主なり動物を取り扱う方たちに広げていくという話については、私どもも取り組まなきゃいけない課題だなと考えておりますので、報告書の中では、今後の取組の課題として少し触れさせていただくというふうに考えたいと思いました。
 あと、2点目の獣医師の通報義務につきましては、こちらも恐らく獣医師がそういう役目を担っていて、社会的にそのことがあまりまだ認知されていないということだと思いますので、ちょっとこの点検報告の中に直に結びつく話かどうか、少し1回考えさせていただくということで引き取らせていただければと思いました。
 あと、防災の点については、基礎自治体での対応がまだ進んでいないということの問題点をご指摘いただきましたので、そこにつきましては、この点検報告の中にまさに災害の部分がございますので、少しそこに追記してまいりたいと考えてございます。ありがとうございます。
【西村部会長】 ありがとうございます。
 Zoomの参加の委員は大丈夫でしょうか。大丈夫ですね、ありがとうございます。
 よろしいでしょうか、ほかにございますか。
【山﨑委員】 すみません、一言よろしいですか。
【西村部会長】 はい、大分時間が超過しておりますので、手短にお願いします。
【山﨑委員】 キーワードだけ1つ申し上げたいと思います。皆さんご存じかもしれませんが、先ほど打越先生がいろいろとほかのヒューマンサービスとの連携ということを言ってくださったので、今現在、欧米ではVeterinary Social Workという言葉がその分野を代表するキーワードになっております。獣医社会福祉学と訳せますが、Veterinary、獣医というのは獣医療のことだけではなくて災害時には同行避難、これは人間を助けるためには、人間がコネクトしている動物を一緒に連れてくる手だてがなければ、人間は避難しないよという、基本的な、人間を救い上げるために動物のケアをしなければいけないという考え方であり、Veterinary Social Work、その発祥はアメリカのテネシー大学です。テネシー大学では、社会福祉学と獣医学の共同大学院を設置いたしておりますので、そういったところが恐らく言葉として入れるかどうか分かりませんけれど、一つのキーワードになるかと思いましたので、言わせていただきました。
【西村部会長】 ありがとうございます。
 それでは、よろしいでしょうかね。これは、基本計画に定められたことにどれぐらい進んでいますかという報告書ということになりますので、いただいたご意見、入れられる部分もあるし、そうじゃないところもあるということになりますが、できるだけそこの辺は反映してまとめるということでよろしいでしょうか。
(了承)
【西村部会長】 ありがとうございます。それでは、お認めいただいたということで、中央審議会総合政策部会に報告書として提出するということにしたいと思います。
 一つだけ聞きたいのですが、さっきの説明のときに一時避難というのがありましたが、動物の場合、「いちじ」避難って言うのですか。普通は「いっとき」避難って言いますよね。
【田村動物愛護管理室長補佐】 すみません。一時避難というのは、一時的に仮のシェルターになりえそうなところに避難するということを表現しています。
【西村部会長】 避難所とか何か保育もみんな最近いっとき避難所とか、いっとき保育とか、いっとき預かりとかという、いっときという言葉を使いますよね。だから、ここは何か違う意図があるのかなと思ったので。
【野村動物愛護管理室長】 すみません、ちょっと私もそこは詳しくなかったですけど、「いちじ」避難というと、二次、次という字を音としては想像するかもしれないので、いっとき避難というふうに、音としては表現している運用になってきているのかなというふうに思います。一次避難、二次避難みたいな、次のというイメージを湧かないようにという用語の使い方かなと思いました。
【西村部会長】 それでは、議事の(4)に移ります。
 議事(4)のうち、まずは基準省令の改正について事務局から説明をお願いいたします。
【田村動物愛護管理室長補佐】 それでは、議事の(4)になりますけども、資料4をご覧ください。
 こちらには、第一種動物取扱業及び第二種動物取扱業者が取り扱う動物の管理の方法等の基準を定める省令を改正する案をご提案させていただいております。この省令自体は、令和3年6月1日から施行されていまして、実際に動物取扱業を指導監督する地方自治体に運用がされている背景もございますが、その運用の中で、これは訂正すべき事項だろうという指摘あり、改めて見直したところ、文言を修正すべき点がございましたので、その改正の案をお示ししたところでございます。
 表中の左側が改正案、右側が現行案になっています。改正したい場所につきましては、第2条の第1号の「飼養施設の管理、飼養施設に備える設備の構造及び規模並びに当該設備の管理に関する事項」の中で、その中のロの「(3)ケージ等の規模は次に掲げるとおりとする」というところですが、ここの条項は、先ほども申したとおり構造及び規模について規定するところですけども、現行は「規模」しか書いてございませんでしたので、これを「構造及び規模」に正したいと考えています。
 あと、同じようなところもございまして、それは、(3)の先ほどの次のページになりますけども、(ニ)の「運動スペース分離型飼養等を行う場合にあっては、運動スペース一体型飼養等を行う場合におけるケージ等以上の規模を有する分離型運動スペースを備えること。」という条項ですけども、こちらも、規模だけではなく構造もその意味に入っていましたので、「構造及び規模」というふうに改正したいと考えています。
 もう一つですけども、第3条のところに、これは第二種動物取扱業者に向けての規定になりますけども、第1号の同じ、先ほどの「飼養施設の管理、飼養施設に備える設備の構造及び規模並びに当該設備の管理に関する事項」のところで、「側面及び天井は、常時通気が確保され」と書いてあります。このままでは、通気の確保をするため側面と天井と両方に措置をしなければならないということになってしまいますが、実際にはちゃんと通気が確保されるようにするには、「又は」でよく、この「及び」というものが非常にきつい、厳しいものになっております。その意味を正しくするため、「側面又は天井」と改正したいと思っています。
 非常にお恥ずかしい話なんですけども、以上のような改正をしたいということがご提案でございます。以上でございます。
【西村部会長】 ありがとうございます。
 これは、文言の訂正ということになりますので、特に何か大きな問題はないと思いますが、これでよろしいでしょうか。
(了承)
【西村部会長】 ありがとうございます。
 それでは、最後に、動物の適正な飼養管理方法等に関する検討会の進め方について報告事項がございます。検討会の座長である武内委員からご発言をお願いいたします。
【武内委員】 よろしいでしょうか、聞こえていますか。
【西村部会長】 はい、聞こえています。
【武内委員】 資料5の方をご覧ください。
 犬猫以外の哺乳類については、私が座長を務める検討会で、爬虫類については検討会の下に設置されるワーキンググループにおいてそれぞれ検討を進めていきたいと思っております。来年度を目処に犬猫以外の哺乳類及び爬虫類に関する飼養管理基準案を検討したら、こちらの動物愛護部会においてご審議いただきますので、その際にはどうぞよろしくお願いいたします。
【西村部会長】 引き続き、よろしくお願いいたします。
 ただいまの説明につきまして、事務局から何か補足がありましたら、説明お願いいたします。
【田村動物愛護管理室長補佐】 補足させていただきます。資料5をご覧ください。
 こちらの方が検討のスケジュールのイメージになっていまして、動物の適正な飼養管理方法等に関する検討会で犬猫以外の哺乳類を扱い、爬虫類飼養に関するワーキンググループを別途立ち上げまして、そちらの方で爬虫類の飼養管理に関する検討を進めていくという形になりまして、令和4年度におきましては、犬猫以外の方は3回の予定、爬虫類の方は2回の会議の開催を予定しております。令和5年度に同様な回数を重ねまして取りまとめていきたいというものになります。以上です。
【西村部会長】 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの事務局及び武内委員からの説明につきまして、ほかの委員から、何かご質問とかご意見ございましたら、よろしくお願いいたします。
 よろしいでしょうか。武内先生、かなりご苦労されていると思いますが、引き続きよろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。そのほかの本日の全体を通じまして、何かご意見やご質問ありましたら、よろしくお願いいたします。
【遠山委員】 新潟県の遠山です。
 今、武内委員さんの方から、さらに動物取扱業の方で詳しい基準がまたできてくるという流れになっていこうかと思うんですけれども、地方自治体の方では、今、動物取扱業の取締りを今年度、令和4年の6月からかなり、昔からある業者さんも含めて行ってきたわけなんですけれども、その取締りに非常に苦労しているという実態がございます。また、新しい基準がさらに追加になっていくということになると、自治体の職員の教育というか、教育、訓練、周知といったものが必要になると思いますので、人手も足りない状況でもございますので、そういうところも含めて環境省さんの方にもご配慮いただければなと思いまして、すみません、ちょっとタイミングが違うのかもしれませんけど、一言お話をさせていただきました。ありがとうございます。
【西村部会長】 自治体さんもいろいろご苦労があると思いますが、環境省の方から何かコメントはございますでしょうか。
【野村動物愛護管理室長】 ありがとうございます。
 現場のご苦労の状況は、日々環境省の方も相談窓口を設けて共有していただいているところでございます。なかなか事務の範囲でということで、直接国から望まれるようなご支援ができていないということについては申し訳ないなという気持ちもありながら、私どもも何とか知恵を絞って国と地方自治体が一緒に取り組むことで、この動物の適正な管理というところにつなげていきたいという思いは一緒でございますので、また、現場の声をいかに国の方でもしっかり施策に反映していくかということについて考えてまいりたいと思ってございます。ありがとうございます。
【西村部会長】 ありがとうございました。
 ほかにございますか。
 じゃあ、藤井委員の方からお願いします。
【藤井委員】 藤井です。
 今、遠山委員からのご発言もありましたけれども、この後、犬猫以外で飼養管理基準の検討を進めていくということで、検討会では、たぶん動物の状態であったり、飼い方に関する科学的な議論が中心になって、それに規制の方法というのも肉づけしていくということになるかと思います。
 犬猫について、せっかく基準をつくって導入をしましたので、それが規制を実際やってみて、どういう効果があったのかということ、何が問題だったのかということをどこかで総括をして、また報告をして、それをこの犬猫以外のところにも反映をしていくというステップがあったらいいかなというふうに思います。
 犬猫については、規制の導入の第一の目標として、悪質な事業者に対する監視指導をしっかりやっていくということがありましたので、実際にそれを自治体の方でやって、悪質な事業者がどれくらいいたのかとか、何が問題だったのか、それから今回導入した規制に関しても幾つかのものがあると思うんですけども、ケージのこともあれば繁殖制限のこともあると思うんですけども、どの項目が自治体としてチェックをするときに有効に使えたのかというような総括をしていただいて、それをまた次の規制をつくるときの参考に、またこういうところに挙げていただければなというふうに思います。以上です。
【西村部会長】 大変貴重なご意見だと思います。何かコメントございますでしょうか。
【野村動物愛護管理室長】 至極ごもっともなご指摘でございまして、我々もそのようにもちろん取り組むのが理想的だとは思っているところでございますが、一方で、犬猫以外の哺乳類、爬虫類、鳥類、今日は鳥類の話は出ていませんけれども、この飼養管理基準の検討が第三次答申の宿題として残ってございます。その意味で、こちらもなるだけ早く取り組まなくてはならないという中で、犬猫の飼養管理基準について、実際にどういう施行状況だったかということを調べるタイミングというのはまだちょっと決まっておりません。それを待ってこの検討をその後に行うとすると、さらに後ろ倒しになる可能性もございますので、また、犬猫の基準をそのまま同じ考え方で、例えば爬虫類のものをつくるということにもなってこない部分もございますので、それは犬猫についてはかなり知見があって、ああいう具体的な基準がつくれたけれども、犬猫以外のエキゾチックペットについて、あるいは爬虫類についてはちょっと別の切り口から検討していかなきゃいけないというのを、今、私どもとしては少し腹の中にありまして、そういう検討をしていく中で、もちろん犬猫の飼養管理の運用状況というのは逐次入ってきておりますので、それら生かせるところは生かして、ちょっとただタイムスケジュール的にあまり遅くならないようにしていきたいと考えてございます。
【西村部会長】 ありがとうございます。
 それでは、町屋委員、お願いします。
【町屋委員】 第11回の検討会を、聴講させていただいたんですけれども、その中の「犬猫以外の哺乳類の飼養管理基準」についてなんですが、今回飼育頭数の多い種から策定するというような形かなというふうには見てはいるんですが、検討会の委員の方からもご意見ありましたけれども、哺乳類については、ある程度共通の基準というのがございますので、そういった共通基準をまずつくっていただければありがたいなというお願いがあります。といいますのも、実際、今回検討会から外れてしまった哺乳類のご相談というのが、当協会の方に数件、もう来ていまして、それに対して管轄の自治体の方にご相談しても、やはり基準がないから強く指導ができない、犬猫の基準を参考にはやっているけれども、指導が弱くなってしまいます。というようなご意見もいただいたりもしておりますので、そういった哺乳類に関しては共通のある程度の基準、例えば床面が金網ではいけないとか、そういったところは共通してくるところだとは思いますので、そのような共通を基に対応する種特有の習性も加えて適切な飼養環境を考え指導していけるような体制ができると、自治体の職員の方も使いやすいんじゃないかなというふうに思っております。恐らく委員の方からもご意見あったかと思うんですけども、私からもお願いでした。ありがとうございます。
【西村部会長】 ありがとうございます。
 コメントがあればお願いします。
【野村動物愛護管理室長】 今のご指摘ありがとうございます。
 決して数、取扱い数の多いものだけを検討するということではなくて、それを念頭に検討します。個別に定められる内容と、あと、これは哺乳類に共通だろうという部分で、今、犬猫にしか書いていない部分で、ほかの哺乳類にも同様の話、今、金網の話はしていただきましたけれども、そういったところは検討会の中で委員の先生方の知見を踏まえて内容の方はしっかり考えていきたいと思っておりますので、引き続き、実際に相談が来ている内容とかも大変有益な情報になると思いますので、ご相談させていただければと思います。ありがとうございます。
【西村部会長】 よろしいでしょうか。
 それでは、以上で、本日の議事は全て終了いたしました。議事進行にご協力いただきまして、ありがとうございました。
 本日は、マイクロチップのこと、愛玩動物看護師のこと、いろいろ盛りだくさんに議論をしていきましたけども、少し思ったのは、皆さんにたくさんご意見いただいたんですが、もっと言いたい人がいっぱいいたようなので、そういうところを拾える会議を1回とか2回とかやっていただけるといいなと思います。ぜひよろしくお願いいたします。
 それでは、議事進行を事務局にお戻ししたいと思います。
【田村動物愛護管理室長補佐】 ありがとうございました。
 西村部会長、円滑な議事進行をいただきまして、誠にありがとうございます。また、委員の皆様方におかれましても、長時間にわたりご審議いただきまして、厚く御礼申し上げます。
 それでは、閉会に当たりまして、自然環境局長の奥田よりご挨拶を申し上げます。
 奥田自然環境局長、よろしくお願いします。
【奥田自然環境局長】 皆さん、長時間にわたる熱心なご議論等、本当に有意義なご意見をいただきまして、本当にありがとうございました。
 本日、ご了承いただきましたマイクロチップ制度の適切な運用のための措置ですね、こちらにつきましては、ご説明したとおり、施行規則の改正に向けて年内にはパブリックコメントを行って、さらに年明けには、この部会で再度改正案についてご審議をいただいて、ご了承いただいた上で、令和5年度早期の施行を目指してまいりたいと思います。
 委員の皆様は、引き続きご指導、ご助力をいただきますようお願い申し上げたいと思います。
 また、開会時に野村の方からも申し上げたとおり、今日の審議のバックグラウンド、令和元年に改正された動物愛護管理法でございますけれども、今年の6月でマイクロチップ制度の施行をもって全面施行となったということでございます。また、併せて愛玩動物看護師法も今年の5月に施行されて、年明け2月には1回目の国家試験を行われると、こういう中で、来年早々には愛玩動物看護師が誕生するということで、今日もご了承いただきましたけれども、小委員会を設置して運用に向けてさらに具体化をしていくということでございます。ある意味、このように動物愛護行政、先ほどもお言葉をいただきましたけれども、本当に一歩一歩ではありますけども、着実に進んできたというふうに考えております。
 特に、今日の環境基本計画の点検のご報告の中で見てみると、やっぱり大分進んだところはあるけども、課題が多いなということも見えてきました。特に改正法の附則で、例えばマイクロチップの装着と登録を義務づける対象の拡大とか、様々な宿題もいただいております。これについては引き続き検討していきたいと思います。本日、様々なご指摘いただいた、例えば野生動物のペット化の問題、それから販売購入時の課題ですとか、他分野との連携、人間社会のための動物愛護政策と、災害時の対応、様々なことを今日いただきましたので、こうしたことを1つずつ解決をしながら、施行された新たな制度を着実な運用を進めていきたいというふうに思っています。
 今日のご指摘の中で、本当に考えなきゃいけないと思ったのは、動物愛護行政、ある意味これまでの従来、我々、その他の環境政策とはちょっと違った利便上にある政策分野だというふうに考えておりますけれども、その環境行政で最近よく言われているのは、環境問題を解決するというのは、単に環境をよくするということだけじゃなくて、社会問題、社会経済問題を全て解決していくために行っているんだということを実は環境省ではよく言っております。ある意味、動物愛護行政に関しても全く同じことが言えるんではないかなというふうに思っておりまして、そういった視点で、今日本当にいただいたご意見がまさにそういった考え方のベースにいただいたものと真摯に受け止めさせていただきまして、今後、動物愛護管理行政を適切に推進していくために、皆様のお力を借りながら頑張っていきたいと思いますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。長くなりましたけれど、最後にお礼のご挨拶ということで締めさせていただきます。本当に本日はありがとうございました。
【田村動物愛護管理室長補佐】 奥田局長、ありがとうございました。
 委員の皆様におかれましても、長時間のご議論、熱心なご議論いただきまして、誠にありがとうございます。
 それでは、以上をもちまして、第61回中央環境審議会動物愛護部会を閉会させていただきます。お疲れさまでした。