中央環境審議会動物愛護部会 第59回議事録

1.日時

令和3年12月3日(金)14:00~16:00

2.場所

AP日本橋 会議室A、B

(東京都中央区日本橋3-6-2 日本橋フロント6F)

3.出席者

西村 亮平  中央環境審議会動物愛護部会長

松本 吉郎  委員      

浅野 明子  臨時委員    磯部  哲  臨時委員

打越 綾子  臨時委員    大曲 昭恵  臨時委員

黄田 玲子  臨時委員    佐伯  潤  臨時委員

下薗 惠子  臨時委員    武内 ゆかり 臨時委員

遠山  潤  臨時委員    永井  清  臨時委員

藤井 立哉  臨時委員    町屋  奈  臨時委員 

水越 美奈  臨時委員    山崎 恵子  臨時委員

脇田 亮治  臨時委員

4.議題

(1)動物の愛護及び管理に関する法律等の一部を改正する法律の施行等の在り方について(第4次答申案。「適正な飼養管理基準の具体化(マイクロチップ)」に係る基準省令の改正等)

(2)その他

1)動物の愛護及び管理に関する法律施行令の改正について(マイクロチップの登録等に関する手数料)(報告)

(公布日:令和3年9月29日)

2)愛玩動物看護師法政省令等について(概要、今後の施行スケジュール)(報告)

(公布日:政令 令和3年9月29日、省令 令和3年10月29日)

5.配付資料

議題1関係

資料1―1 第4次答申(動物愛護管理法の飼養管理基準に関する省令の改正)案の概要

資料1-2 動物の愛護及び管理に関する法律等の一部を改正する法律の施行等の在り方について(第4次答申案。「適正な飼養管理基準の具体化(マイクロチップ)」に係る基準省令の改正)

資料1-3 マイクロチップの装着等の義務化に伴う動物愛護管理法施行規則の改正(案)の概要

資料1-4 動物の愛護及び管理に関する法律施行規則の改正(案)について

資料1-5 マイクロチップ装着等の義務化に伴う関係告示の改正(案)

資料1-7 今後の検討スケジュール(予定)について

議題2関係

資料2-1 動物の愛護及び管理に関する法律施行令の一部を改正する政令について

資料2-2 動物の愛護及び管理に関する法律施行令の一部を改正する政令

      (政令第276号)

資料3-1 愛玩動物看護師法施行令の閣議決定について

      添付資料1~3

資料3-2 愛玩動物看護師法施行規則等の公布について

      添付資料1~9

資料3-3 愛玩動物看護師法 施行スケジュール

参考資料

参考資料1 マイクロチップの装着等の義務化制度概要

参考資料2 家庭動物等の飼養及び保管に関する基準

参考資料3 実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準

参考資料4 犬及び猫の引取り並びに負傷動物等の収容に関する措置について

参考資料5 動物が自己の所有に係るものであることを明らかにするための措置について

参考資料6 愛玩動物看護師法施行令(政令第273号)

参考資料7 愛玩動物看護師法施行規則(農林水産省・環境省令第6号)

参考資料8 愛玩動物看護師養成所指定規則(農林水産省・環境省令第7号)

参考資料9 愛玩動物看護師法に基づく指定試験機関に関する省令(農林水産省・環境省令第8号)

参考資料10 愛玩動物看護師法第31条第1号の規定に基づき、農林水産大臣及び環境大臣の指定する科目(農林水産省環境省告示第9号)

参考資料11 愛玩動物看護師法附則第2条第1号イ及びロの規定に基づき、農林水産大臣及び環境大臣の指定する科目(農林水産省環境省告示第10号)

6.議事

【事務局】 定刻となりました。第59回中央環境審議会動物愛護部会を開催させていただきたいと思います。

 本日司会を務めます、動物愛護管理室の田村と申します。よろしくお願いします。

 まず、最初に、議事に入る前に確認と注意事項を申し上げたいと思います。

 本日は部会の委員、臨時委員17名全員にご出席をいただいております。会場にお集まりの委員の方々が14名、オンラインで参加していただいているのが、松本委員、磯部臨時委員、大曲臨時委員の3名でございまして、松本委員におかれましては、所用により、15時半前後に退出されることをこの場でお知らせいたします。

 なお、本日の出席者数が過半数の定足数を満たしていますので、規定によりまして、本部会は成立していることをご報告申し上げます。

 続きまして、本日の配付資料ですが、会議前に過不足を確認させていただいており、資料の一覧のとおり卓上にご用意しております。

 また、会場の委員の皆様には、閲覧用の資料用ファイルを置いております。前回の会議録、関係法令等の条文、参考資料も水色のファイルにとじたもので、適宜ご活用いただくよう、よろしくお願いいたします。

 また、本部会の議事につきましては、記録させていただいております。後日、環境省ホームページにおいて公表されますことをご承知おきください。

 最後に、コロナ対策と一般的な注意事項ですが、本会場では、アクリル板の設置や換気、手指の消毒等の新型コロナ感染対策を施しておりますが、本日は傍聴者も多数おられますので、感染防止のお願い事項が幾つかございます。

 委員、また議事の説明者におかれましては、ご発言される際に、マスクを外していただいて、ほかのときは着用していただくということでお願いします。また、ソーシャルディスタンス確保のために、席の間と間を離した配置となっております。特に、傍聴者の方々の皆様には、傍聴者同士でのご会話はお控えくださるようお願いします。部会終了後、密の状態が発生しないよう、会場からは速やかな退席をお願いしたいと考えています。

 あとは、一般的なことですが、会場内の皆様におきましては、携帯電話の電源をお切りくださるようお願いします。

 また、本部会では、傍聴者からの発言等については認められておりませんので、お席で静かに傍聴していただくようお願いします。そのほか、事務局の指示に従うなど、円滑な会議運営にご協力いただくよう、よろしくお願いします。

 それでは、開会に当たりまして、自然環境局長、奥田よりご挨拶を申し上げたいと思います。

 奥田自然環境局長、よろしくお願いします。

【奥田自然環境局長】 皆さん、こんにちは。自然環境局長を7月に前任の鳥居から引き継いで拝命しております、奥田と申します。本日はよろしくお願い申し上げます。

 特に、本日、先生方、皆さん、お忙しい中をこの中央環境審議会動物愛護部会にご参集いただきまして、本当に誠にありがとうございます。また、日頃より、動物愛護管理行政に多大なるご協力をいただいていることを、この場を借りて、御礼申し上げたいと思います。

 今回の部会から何名か新たにご所属をいただいた委員の方々もおられると聞いておりますので、今後とも、ぜひよろしくお願いしたいと申し上げます。

 さて、今日の審議でございますけれども、前回ご審議いただいた動物取扱業の飼養管理基準、これについて、本年6月1日に省令を施行いたしました。これについては、後ほどご報告申し上げますけれども、改めて御礼申し上げる次第でございます。これを契機に、動物取扱業の業者の適正化に関して、報道でも取り上げられる機会が多くなってきております。この制度運営自体を自治体とともに着実に進めていきたいというふうに考えているところでございますので、ぜひとも引き続きよろしくお願い申し上げたいと思います。

 また、今日の部会の中のメインの議題では、改正動物愛護管理法の第3弾というふうに考えておりますけれども、その3段目の施行として、マイクロチップの装着の義務化に伴う基準省令の改正に関する答申案及び関連する規定につきまして、ご審議をお願いするわけでございます。限られた時間ではございますけれども、忌憚のないご意見と活発なご議論を賜りますことをお願い申し上げたいと思います。

 なお、マイクロチップの装着義務化に関する省令等について、来年6月に、これが施行というふうに至れば、令和元年に改正したこの動物愛護管理法の改正全体の内容が一通り施行されるということになります。

 環境省としては、それが着実に運用されることが重要であるというふうに考えておりまして、その際には、今後も皆様方、先生方もご助言を賜りたくお願い申し上げて、私からの開会に当たってのご挨拶とさせていただきます。

 本日は、よろしくお願い申し上げます。

【事務局】 奥田局長、ありがとうございました。

 続きまして、この夏に自然環境局の人事異動がありましたので、ご紹介させていただきます。先ほどご挨拶させていただきました、奥田自然環境局長でございます。

 続きまして、松本大臣官房審議官でございます。

【松本大臣官房審議官】 よろしくお願いします。ちょっと別の用務のために、途中で中座させていただきます。よろしくお願いしたいと思います。

【事務局】 続きまして、関谷総務課長でございます。

【関谷総務課長】 関谷です。よろしくお願いいたします。

【事務局】 さらに、委員の皆様の任期もこの2月に満了となりまして、そのまま継続していただいておりますが、新任の方もいらっしゃいますので、ご紹介させていただきたいと思います。

 まず、委員としては、引き続きお受けいただきましたが、この度、部会長にお就きいただきました西村部会長でございます。まずは、部会長から一言いただきたく存じ上げます。

【西村部会長】 皆様、こんにちは。新美先生から引き継ぎまして、部会長を仰せつかりました、西村と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

 実は、この会場、日本橋のこの会場は、愛玩動物看護師法の施行令のための会議が何回か、かなり長丁場だったんですが、ここでやったところなので、何回も通ったところなので、ちょっと懐かしいなと今思っているというところです。

 委員の皆様には、人と動物の幸せを達成するためには、どういうことができるんだろうという観点で、ぜひ積極的なご意見をいただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

【事務局】 ありがとうございます。

 続きましては、新規臨時委員6名をご紹介いたします。まず、オンラインのほうですが、慶應義塾大学の磯部臨時委員。

【磯部臨時委員】 磯部と申します。慶應義塾大学で行政法をやっております。どうぞよろしくお願いいたします。

【事務局】 よろしくお願いします。

 続きまして、福岡県副知事の大曲臨時委員。

【大曲臨時委員】 福岡県の副知事大曲でございます。よろしくお願いします。

【事務局】 ありがとうございます。

 続きまして、全国消費生活相談員協会の黄田臨時委員。

【黄田臨時委員】 黄田と申します。よろしくお願いいたします。普段消費生活相談を受けておりまして、消費者の方からの苦情とか、そういったものを受けておりますので、そういった観点からご意見等を述べさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

【事務局】 ありがとうございます。

 続きまして、一般社団法人全国動物教育協会の下薗臨時委員。

【下薗委員】 一般社団法人全国動物教育協会会長、下薗でございます。私どもは、動物系職業人の養成をさせていただいている専門学校が集まっております。特に、愛玩動物看護師の養成につきましては、法も成立し令和4年5月1日から法施行となりますので、もろもろが今動いているところであります。この度、動物愛護部会で行われます、いろいろなものにつきましても、しっかりと学ばせていただき、また、意見も述べさせていただきまして、動物系職業人の質、レベルの向上にも繋げることが出来ればと思います。よろしくお願い申し上げます。

【事務局】 ありがとうございます。

 続きまして、新潟県動物愛護センター、遠山臨時委員。

【遠山臨時委員】 新潟県動物愛護センターの遠山と申します。私は現場で、日々動物愛護の監視指導もしていますし、犬も捕まえに行くこともあります。今回の動物愛護管理法改正では、現場でそれをどう着実に運用するかということを、今肌身に感じながら日々仕事をしております。この委員にさせていただきましたので、現場の声を代表してお話ができればと思っております。皆様、よろしくお願いいたします。

【事務局】 ありがとうございます。

 続きまして、公益社団法人日本動物福祉協会の町屋臨時委員でございます。

【町屋臨時委員】 こんにちは。公益社団法人日本動物福祉協会で獣医師調査員をしております町屋奈と申します。私は、愛護団体の立場から、そして獣医師として発言していけたらいいなと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

【事務局】 どうもありがとうございます。

【磯部臨時委員】 恐れ入りますが、よろしいでしょうか。オンラインで参加している磯部ですが、司会の方の声は、マイクを通じて聞こえるのですけれども、今、各委員のご挨拶は一切聞こえないのですが。

【事務局】 はい、今調整いたしますので、ちょっとお待ちください。よろしくお願いします。

 それでは、この後の議事進行につきましては、西村部会長にお願いいたしたいと思います。

 なお、部会の開催の報道発表であらかじめご案内させていただいたとおり、カメラ撮りは会の冒頭のみでお願いしていますので、カメラマンの方はご退席をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

 じゃあ、それでは、議事進行をよろしくお願いします。

【西村部会長】 これより、座長として議事進行をさせていただきます。

 まずは、議事に入る前に、事務局から11月29日に開催した動物愛護管理法施行規則等の改正案に関わる検討委員会について報告します。事務局からお願いいたします。

【野村動物愛護管理室長】 事務局からご説明いたします。

 まず、ご挨拶させていただきます。この8月から動物愛護管理室長を拝命しました野村環と申します。本日、よろしくお願いいたします。以後、座って失礼いたします。

 今、部会長からご指示のございました11月29日に行われました動物愛護管理法施行規則等の改正案に係る検討委員会については、資料は特にご用意しておりませんので、口頭でのご報告となります。よろしくお願いいたします。

 この委員会は、自然環境局の総務課長を委員長としまして開催をいたしました。外部委員5名を含む、9名の委員で構成された委員会を行いました。この目的は、環境省で策定いたしました今回の動物愛護管理法施行規則案などの改正案の内容が、この行政の関係者間において、適切に実施できるものかどうかということを検討していただきました。そして、委員の方々から見解をいただいたところでございます。

 議事の内容としては、環境省の策定案で概ねご了解をいただきました。省令制定に向けて、貴重なご意見をいただきましたので、この場をお借りして御礼申し上げます。

 ご意見としましては、省令の規定に直接かかわらないものの、関係各所に対して普及啓発を進めてくださいといったものですとか、個人情報の取扱いに関しては、慎重にお願いしたいといったような課題をいただいてございます。

 以上、この委員会のご報告とさせていただきます。

【西村部会長】 ありがとうございます。では、議事に進みます。

 本日は、本部会に託されております議事(1)第4次答申案。「適正な飼養管理基準の具体化(マイクロチップ)」に係る基準省令の改正等のみが審議内容となります。

 議事(2)その他では、報告事項が2件あります。

 それでは、早速、議事(1)に入りますが、議事(1)に関連する資料は、資料1-1から1-6まであります。事務局からまとめて説明をお願いいたします。

【野村動物愛護管理室長】 引き続きまして、私のほうからご説明をいたします。

 先ほど、磯部臨時委員から、委員の声が聞こえないというお話がありましたけれども、冒頭、ちょっとマイク回しができておりませんでしたが、この後、審議の時間のときには、各委員にマイクをお渡しして、そこから発言することで、オンラインの方にも声が届くと思いますので、ご承知いただければと思います。

 それでは、冒頭で、まず、これまでの経緯について触れさせていただきます。

 動物愛護管理法が令和元年に改正されまして、その後、令和2年から令和4年にかけて、順次施行することが政令で定められております。1段階目の施行としまして、令和2年6月にスタートしておりますのが、虐待に対する罰則の引上げや特定動物の愛玩飼養の禁止、それから、第一種動物取扱業の登録拒否理由の追加などが行われております。

 2段階目の施行は、この6月から、動物取扱業者に係る飼養管理基準が具体化されました。例えば、ケージのサイズ、従業員の1人当たりの飼育頭数の上限、繁殖の年齢や回数に係る規制が始まっております。既存の事業者に対しては、経過措置がございますが、新規の事業者に対しては、初めからこの基準が適用となってございます。

 また、出生後56日を経過しない犬猫の販売等の制限も同時にスタートしております。

 本日は、この3段階目の施行として、来年の6月にスタートする犬猫等販売業者におけるマイクロチップの装着及び登録の義務化について、関係省令等をご審議いただく場となります。どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、お手元の資料1-1をご覧いただければと思います。

 中段のところに、前回第58回の動物愛護部会において飼養管理基準の答申をまとめていただいたことについて触れております。その後、省令を公布、施行いたしまして、前回第58回の動物愛護部会の資料をお手元の水色のファイルにとじてございます、インデックスの基準省令の概要という資料がございます。こちらの8ページをご覧いただければと思いますけれども、そこにマイクロチップ関連規定の基準省令への位置づけということを答申として、当時まとめていただいてございまして、これがある意味、環境省として、宿題をいただいていた部分でございます。

 この3次答申において、こういった規定がされておりましたので、今回、この基準省令に新たにマイクロチップの装着・登録等の義務を位置づけていくというところでございます。

 資料1-1に戻ります。

 一番上の青い枠の中でお示ししておりますとおり、第一種動物取扱業者及び第二種動物取扱業者が取り扱う動物の管理の方法等の基準を定める省令。少々長い名前でございますが、以下「基準省令」というふうにご説明をしてまいります。この基準省令にマイクロチップの装着・登録等に係る第一種動物取扱業者の遵守基準を新設してまいります。

 この具体的な中身は、背景のところに少し書いてございますけれども、改正動物愛護管理法に基づくと、犬猫等販売業者が新たに取得する犬または猫については、確実にマイクロチップが装着されるという規定になってございますが、施行日の時点で手元に所有している犬または猫についても同様に装着される必要があるということがございまして、これを担保しようというものでございます。

 一番下の赤枠の中に書いてございますのが、省令に書いてまいる中身でございます。施行日以後に取得した犬または猫に加えて、施行日に現に所有している犬または猫についても、施行日から30日を経過する日までにマイクロチップの装着・登録等を義務づける規定を基準省令に新設するということでございます。

 資料1-2に、実際の条文として規定する内容などを書いてございますけれども、まずタイトルとして、第4次答申案となってございますが、本日は、この答申案をまとめていただきました上で、環境省のほうでパブリックコメントを実施して、次回の第60回の動物愛護部会において答申としてまとめていただくという手順を考えてございます。それで、今回は、第4次答申案としてございます。

 この資料の1-2の2ページ目のところをご覧いただきますと、2ポツ、環境省令に規定する事項というところがございます。これがほぼ条文の案となってございまして、これをパブリックコメントにお諮りするということになってまいります。

 一つ目の白丸でございます。犬猫等販売業者にあっては、犬または猫を取得したとき、または施行の日、これは令和4年6月1日に、現に犬もしくは猫を所有しているときは、施行の日から30日を経過する日までに、当該犬また猫にマイクロチップを装着すること。また、環境大臣の登録を受けるものということを義務といたします。

 ただし、途中の3行目のところに括弧書きがございますが、繁殖の用に供することをやめた犬または猫は除くということでございます。

 二つ目の白丸につきましては、例えば、ある事業者で繁殖を引退した犬、猫について、そこではもう繁殖はしないかもしれないですけれども、別の事業者に渡った際に、また繁殖に用いるということはないとは限りませんので、その場合に、その繁殖の記録が、過去の記録がリセットされないようにということで、犬猫等販売業者がほかの犬猫等販売業者に譲り渡す場合にあっては、動物の繁殖の実施状況について、記録した台帳を合わせて譲り渡すということによって、過去の記録をたどれるようにするという措置を講じるところでございます。

 続きまして、資料1-3をご覧いただければと思います。

 こちらの改正案につきましては、先ほどの飼養管理基準を定めた省令ではなく、動物愛護管理法の法律そのもの、それに付随する政令と施行規則という一連の規定がございまして、その中の施行規則の案となってございます。

 どちらも関係省令という意味では同じ位置づけになりますけれども、先ほどの基準省令といいますのは、動物取扱業に適用するために別建てでつくった基準というふうにお考えいただければと思います。ほかの一般的な動物愛護管理法の関連の規定といいますのは、この施行規則に位置づけていくものとなってございます。

 マイクロチップに関して規制されております法律本体につきましては、第39条の2から39条の26という、非常に条項も多いところでございますけれども、そういった中で細々とした規定が省令のほうで定めるように委任されてございます。

 これをこの資料1-3にある内容として定めていきたいということでございます。この規定によって、マイクロチップ装着・登録システムの全体が動かせるというふうになってまいります。

 資料1-3は、1-4の抜粋になりますので、資料1-4のほうを用いて詳しくご説明させていただきたいと思います。

 この資料の1-4は、ずっと文字で書かれている資料でございまして、少し見づらいところがあるとは思いますので、できれば、参考資料の1のところに、2ページ目にマイクロチップ装着・情報登録の流れという模式図をご用意しておりますので、こちらもお手元で、横で見ながらお聞きいただけるとご理解しやすいかと思いますので、参考資料1の2ページ目、こちらをご覧いただければと思います。

 それでは、資料1-4のほうの順に沿ってご説明いたします。

 資料1-4の2ポツのところが、改正案の概要というところでございまして、まず、(1)のマイクロチップをまさに装着する際の規定ということでございます。装着することができるのは、獣医師と愛玩動物看護師に限っております。愛玩動物看護師は、令和4年度中に最初の国家試験が行われる予定ですので、その後、免許が交付され、実際にお勤めになった後ということになりますけれども、既に規定をしておくということでございます。

 二つ目、マイクロチップの適合基準というところでございますが、国際標準化機構ISOが定める二つの規格に基づくものしか装着できないというふうに規定してまいります。

 三つ目が、マイクロチップを装着することができないやむを得ない事由ということでございますが、既にマイクロチップが装着されている場合には、これは二つ目はつけないということでございます。

 それから、犬猫の健康及び安全の保持上支障が生じるおそれがあるときについても、装着しなくてよいということでございます。

 (2)のマイクロチップ装着証明書につきましては、証明書に記載する事項が11項目ございます。犬猫の名前。犬猫の別。品種。毛色。生年月日。性別。その他特徴といった、犬猫に関する情報と、装着した日。装着した動物病院などの名前、所在地、電話番号。装着した獣医師の名前を記載していただくことになります。愛玩動物看護師が装着した場合は、それを指示した獣医師のお名前を書いていただきます。

 次のページの(3)のところに参ります。

 基本的に、装着されたマイクロチップは、取り外ししてはならないと規定されてございますが、例外として、犬猫の健康及び安全の保持上支障が生じるおそれがあるときは外せるというように規定をしてまいります。

 犬または猫の健康及び安全の保持上支障が生じるおそれというところにつきましては、あるか否かの判断は、専門的な知識を有する獣医師等の判断によりなされることが望ましいと考えてございます。施行日に向けてそういった判断材料を整理していくことを進めてまいりたいと考えております。

 続きまして、(4)装着したマイクロチップ情報を環境省のデータベースに登録していただく項目が16項目挙げてございます。本人のお名前ですとか、住所、電話番号、犬猫の所在地、マイクロチップの番号などについては、法律の本体のほうに既に登録事項として書かれてございまして、その他の項目について、ここの省令で規定してまいります。申請日。個人、法人の別。登録をする方のメールアドレス。装着証明書に記載されている犬猫に関する情報。それから、狂犬病予防法に基づく登録年月日と番号。こちらは、後ほどご説明いたします狂犬病予防法のワンストップサービスですね、これの関連で必要となる情報となります。

 既に、犬が自治体のほうで登録されている場合には、登録番号というのが持たされておりまして、一方で、環境省のほうから、このマイクロチップ情報登録によってもたらす情報が、自治体のほうで突合ができないと、データが二重になっていきますので、そのために、ここのところで登録年月日、番号というのをお伝えできるように登録の際に出していただくということでございます。

 ⑬以降は、動物取扱業の場合に登録いただく項目となります。これは、第一種、第二種の別。それから業種。業の登録番号といったこと。それから、雌親の犬猫について、マイクロチップ番号を入れていただくということでございます。

 この雌親のマイクロチップ番号を同時に登録していただく目的は、改正法の趣旨として、トレーサビリティーの確保といったところも期待されておりましたため、子犬、子猫の出生元が明らかになるようにということで、登録していただくということでございます。

 この登録申請がされた後には、登録証明書というのが所有者の方に発行されます。ここに書かれる事項も規定してまいります。また、証明書の再交付や住所、氏名の変更届の方法なども規定してまいります。

 なお、登録された情報の保存期間は40年間としておりまして、次のページの3ページ目の一番上のほうに、6ポツのところで、登録に係る記録の保管期間は40年間とするとしてございます。

 続きまして、(5)でございますが、変更登録ということでございます。こちらは、所有者が変わった際の申請ということでございまして、まず、繁殖業者、ここからペットショップに移る場合、あるいは、ペットショップから購入者が買われる場合ということで、所有権が移ってまいります。この際に変更登録というのが必要になってきます。基本的には、最初に登録されたものと同じ情報を申請いただくということになります。

 (6)の狂犬病予防法の特例でございますが、参考資料1の2ページ目、今ご覧いただいている中で、左下にワンストップサービスというのがございます。ここにあるとおり、市町村長の求めがあった場合に、指定登録機関は、マイクロチップ情報登録があった際に、情報を市町村に通知いたします。それをもって狂犬病予防法に基づく、犬の登録の申請が行われたと扱うことができるようになります。

 このために、必要な情報を指定登録機関から市町村長へ通知いたします。その事項が、①から⑬の13項目でございます。登録した方の名前。住所。電話番号。犬の所在地。マイクロチップの番号。登録された日。個人、法人の別。登録した方のメールアドレス。犬の情報。それから、先ほどお話ししました狂犬病予防法に基づく登録年月日と番号となります。

 最初の登録だけではなくて、登録事項が変更されたり、犬猫が死亡した場合の届出があった際にも、同じく市町村に連絡が行くことになります。

 続きまして、おめくりいただいて、4ページ目の(7)のところでございます。

 死亡等の届出というところでございますが、犬猫の所有者に死亡した際に届出を行っていただく必要があります。マイクロチップ番号を消すという意味では、類似の事柄として、健康及び安全の保持上支障が生じるおそれがある場合に、獣医師がマイクロチップを取り外すということも、ここに②として規定をしてございます。健康及び安全の保持上支障が生じるおそれがあるという理由が消滅した場合には、再び速やかにマイクロチップを装着していただくということになってまいります。

 (8)の個人情報の提供というところにつきましては、個人情報を国から市町村へ提供する際には、法文上の規定が必要ということでございまして、狂犬病予防法の特例については、既に動物愛護管理法上、規定がございますけれども、犬猫が逃げてしまった場合に、あるいは災害時に行き別れた場合などに、所有者の情報を自治体や警察がデータベースにアクセスして照会する際の規定がございません。こちらが参考資料の1の最後の4ページ目のところをご覧いただければと思いますが、こちらで犬猫の返還というときに、どういう手順になるかということを示しておりますが、この拾得者から、犬猫が動物愛護管理センターや警察に届けられたときに、環境省のデータベースに当たるために、この(8)の情報提供という項目が必要となってまいります。

 資料の1-4についてのご説明は以上となりますが、ここまでについて、パブリックコメントにかける予定にしてございます。

 続きまして、資料の1-5に入ってまいります。

 ここまでご説明しましたとおり、基準省令と施行規則のほうで、基本的な義務の規定はおいていくわけでございますけれども、動物愛護管理法の第7条と第35条に基づきまして、犬猫の引取り、収容などにについて、告示による基準が別途ございます。

 7条のほうは、例えば、家庭動物や実験動物といった飼養管理に当たっての基準ということでございます。これらの告示の中に、今回のマイクロチップの装着について、幾つか規定を設けていく必要があると考えておりまして、あわせて、改正の内容についてご説明したいと思います。

 この資料の1-5の中で、青枠の中に、改正動物愛護管理法39条の2ですとか、39条の3といったことで、条文が書いてございますけれども、39条の2といいますのは、マイクロチップの装着について。39条の3というのは、装着証明書について。それから、39条の4というのは、取り外しの禁止について。39条の5というのは、登録について。39条の6といいますのは、変更登録について。39条の8は、死亡についてという内容を各条項が示しております。

 こういったことを下の主な改正内容に上げております。①から④の各基準ですね、これは環境省の告示でございますけれども、この中に位置づけていくということでございます。

 ①の家庭動物等の飼養保管に関する基準においては、マイクロチップ装着に関する所有者の責務を規定してまいります。

 装着自体は、家庭で飼われているものについては努力義務となりますが、装着をした場合には、情報登録のほうには義務がかかってまいります。

 ②の実験動物の飼養保管並びに苦痛の軽減に関する基準にも、同様にマイクロチップを装着することに関して、管理者の責務を規定いたします。こちらも同様に装着自体は努力義務ですが、装着した場合の情報登録については義務ということになります。

 三つ目の自治体が犬猫を引き取ったり、収容した場合に行う事務ということでございますが、黒丸の一つ目は、引き取り収容した犬猫に対して、マイクロチップの装着が確認できる場合は、指定登録機関に照会、協力を求めることができるというふうに規定いたします。

 黒丸二つ目は、所有者の発見のために指定登録機関へマイクロチップ番号を照会できるということ。それから、市区町村に狂犬病予防法に基づく犬の登録番号を照会できるということを規定してまいります。

 また、新たな飼い主に譲渡する場合ということでございますけれども、マイクロチップの装着と情報登録が確実に行われるための措置を講じていただきたいということを規定してまいります。

 黒丸三つ目につきましては、犬猫の死体を収容した場合と、収容中に死亡した場合ということでございます。マイクロチップが装着されているにもかかわらず、所有者の所在が不明であったり、あるいは連絡が取れないといったことが想定されます。こうしたときには、自治体が指定登録機関に死亡等の届出をしてもらうことにいたします。

 ④自己所有に係るものということを明らかにするための措置。こちらについても改正をしようと考えてございます。家庭動物等の飼養保管に関する基準と同様に、犬猫のマイクロチップ装着等に関する所有者の責務を規定いたします。同様に装着自体は努力義務ですが、装着した場合の情報登録は義務がかかってまいります。

 また、獣医師に加えて、獣医師の指示を受けた愛玩動物看護師がマイクロチップの装着をするという規定やマイクロチップの装着証明書の発行に関して、規定として盛り込んでまいります。

 この1-5の内容を実際の条文として、告示の内容に落とし込んでまいりますと、資料1-6のほうに示しております内容となってまいります。

 少し長くなりましたが、資料1-1から1-6まで、基準省令の改正の案、施行規則の案、それから関係告示の改正の案ということでご説明をさせていただきました。

 以上でございます。

【事務局】 すみません、引き続き資料1-7で、今の説明をさせていただいた取組案につきまして、今後の検討スケジュールをお知らせしたいと思います。

 本日12月3日第59回動物愛護部会で第4次答申案をご審議いただき、あと、もう一つ施行規則の案をご審議していただいて、それら議論を踏まえて省令案としておまとめさせていただいた上に、その後、12月上旬から1月上旬に、その省令案のパブリックコメントを実施したいと思っています。

 令和4年になりまして、2月から3月頃に、第60回動物愛護部会を開催させていただきまして、第4次答申としてご審議いただいて、おまとめいただき、それらを受け、3月から4月頃に省令等を公布をいたしたいと考えていまして、6月1日のマイクロチップ装着登録を義務化するということに段取りを考えておりますので、ひとつよろしくお願いしたいと思います。

 以上です。

【西村部会長】 本日はこの答申案をまとめることと施行規則の案、告示の案について審議することが部会としての役割となりますので、ご審議のほど、よろしくお願いいたします。

 それでは、ご発言される方は、順次お願いいたします。

 じゃあ、浅野委員から。

【浅野委員】 弁護士の浅野でございます。2点コメントをさせていただきます。

 資料1-2ですけれども、結局、犬猫等販売業者は犬または猫を取得したとき、という39条の2、これを施行日前に取得したときを含むということにするという話ですよね、施行日に現に所有する犬猫ということであれば。これが改正法のこの、取得したとき、という言葉からして、経過措置がなくて、施行日時点で所有していても施行日前に取得したときを含む、という遡及的な適用を認めるということになると思うんですけれども、そこまで改正法が委任していたというふうに読み込めるかと。つまり法の委任の趣旨を超えていないかというのがちょっと気になりました。

 マイクロチップの制度趣旨というのは、個体識別であって、強いて言えば、災害時を含めた迷子の犬猫の所有者発見や遺棄の防止なんですけれども、個体識別以上の目的というのは、特に明記されておりません。生まれたときまでの情報を遡るという、牛トレーサビリティー法などとは違うわけです。そこで、そこまで法が委任していたということを予測できるのかというと、一般人の読み方からして、ちょっと難しいのかなと。

 なぜここにこだわるかというと、直罰規定はないんですけれども、39条の2に違反すると、結局基準違反で、勧告、命令、措置命令違反となると、刑罰があります。その点で、人権侵害という意味でも、気にかかるところではあります。

 この内容に対する意見というよりも、法で明記されていないものを省令で認めていくというのが、行政による恣意的な解釈運用がされるおそれがある。手続がおろそかにされているんじゃないかということを危惧しています。この内容がどうということではないんですけれども。これは本来、改正法の審議をするときに、漏れがないかチェックすべきだったことだと思うんですね。議員立法で、かつ超党派ということもあったので、環境省としても、私たちとしても、検討の時間をほとんど正直取れなかったということはあるんですけど、そうすると次回の改正も同じことが繰り返されるんじゃないかということを非常に懸念しております。この点は、懸念事項として述べさせていただきます。

 あと、もう一点なんですけれども、39条の2でマイクロチップの装着例外としてやむを得ない事由というのがあるんですけれども、これが病気、例えばMRIとかを撮るときに外すとか、そういうのは分かるんですけれども、幼齢ゆえに、一般的な素人の考えなのかもしれないんですけど、幼齢個体過ぎて、そこにマイクロチップを57日とかで埋め込んでいっていいのかと、健康状態は大丈夫なのかというのは、ちょっと気になりました。その点は、繁殖業者、あるいは繁殖のそういう業者から臨床で扱っている、詳しい獣医さん、そういう方たちの意見を十分に聞いたのかということは、ちょっと懸念しています。

 本来、ここも飼い主責任を事業者の側にかぶせることで、担保していこうという制度に近いと思っていまして、そういう本来飼い主が責任を持ってすることをこういうふうにすることで、子犬、子猫の健康被害が生じたら困るというふうに思うので、この点は例外事由として、よく検討していただきたいと思います。

 以上です。

【西村部会長】 ありがとうございます。

 それでは、これについて、環境省のほうからお答えいただけますでしょうか。

【野村動物愛護管理室長】 ご指摘ありがとうございました。

 まず、1点目のほうでございます。資料1-2のところで、現に所有しているものに対して、マイクロチップの装着をしていただくというところでございますが、こちらにつきましては、第3次答申の中で、犬猫等販売業者に対して、この基準を遵守していただくということの一層の担保を措置するということで、資料の1-1のところにおまとめいただいた内容がございますけれども、当該義務の履行を一層担保するとともに、繁殖にかかる基準の遵守状況の確認等に効果的に活用する方策を検討しという、ご意見をいただいておりましたので、ここを何とか法施行以降、例えば、年齢の上限ですとか、出産回数の上限といったことを担保していくために、親の犬の情報が必要となると考えておりまして、そこは、やはり事業者の方にも、登録をしていただくという必要があると考えまして、今回規定をさせていただこうと思ってございます。

【西村部会長】 浅野委員、どうぞ。

【浅野委員】 すみません。ただ答申はあくまで法改正の後にされているので、ちょっと根拠という意味では、当たらないかなと思っています。

 すみません、以上です。

【西村部会長】 よろしいでしょうか。

 法の趣旨から考えると、やっぱりそこは押さえておかないとというところはあると思いますので。ただ、浅野委員の言われることもよく分かるなというところなので、その点も十分考慮に入れてということにしていくということで、よろしいでしょうか。

 じゃあ、水越委員が、先に。水越委員、お願いします。

【水越委員】 日本獣医生命科学大学の水越です。

 すみません、細かいところでの質問になりますが、資料1-4の改正案のところで幾つかあります。申し訳ありません。

 まず、(2)のマイクロチップ装着証明書のところで、⑨ですね、マイクロチップを装着した施設名及び所在地を証明書に記載するということですが、今までもマイクロチップの普及を目的に、例えば、イベントなどでのブースでマイクロチップの装着が行われていたのですが、それは駄目になるというような解釈でよろしいのでしょうか。施設を記載するということがありますので。それが1点。

 また、4番のところに、再交付に関しては、装着した獣医師に依頼をして再交付を受けるということですが、これはマイクロチップを打った獣医師は、マイクロチップ装着の記録を持っていなければいけないのということでしょうか。例えば、何年保存するであるとか、そういうような規定をつくるのでしょうか。

 続きまして、本当に細かくて申し訳ないのですが、 (4)ですけれども、登録申請書について、まず④番、犬または猫の名前とありますけれども、これは、血統書名なんでしょうか。コールネームなんでしょうか。

 そして、マイクロチップは所有者明示という点で、迷子になったときに、愛護センター等で検索されるという話がありましたが、犬であれば、⑪の狂犬病予防法に基づく登録番号で、飼い主が検索されると思うのですが、猫に関しては、登録がありませんので、どうやってこれ飼い主にたどりつくのかなというのが少し不思議に思いました。

 また、③で電子メールアドレスを登録するということですが、メールアドレスというのは、結構頻繁に変わる場合もあると思うのですが、そうした場合には、再登録をするのか、非常に何か煩雑になってしまうのではないかと思いました。

 ごめんなさい、もう一つあります。マイクロチップの登録として、既にJKCがブリーダーや飼い主に対して登録を呼びかけて、血統書に番号を記すというシステムがございますが、そのJKCの血統書に記載するシステムと、今回のマイクロチップ登録をというのは、ひもづけがあるのでしょうか、ということです。

 恐らく、ペットショップ等で販売される犬というのは、ほぼほぼ血統書がついている純血種だと思います。ですので、その血統書に番号が記載されるということは、悪いことではないというふうに思いますし、その辺りについてJKCと話合いなどはされているのでしょうか。

 すみません、細かいところばかりで、申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

【西村部会長】 ありがとうございます。

 それでは、環境省のほうからお答えをお願いいたします。

【野村動物愛護管理室長】 ご質問の点、お答えしてまいります。

 まず、マイクロチップを装着した施設の名前、所在地というのを書かせるので、イベントとかで装着したら駄目なのかというご質問でしたけれども、こちらにつきましては、その主催者であるところが、獣医師に頼んでやるわけだと思いますので、その当該獣医師の動物病院ですとか、そういったところを書いていただくということが最も確実な方法かなと思いますので、主催者の方がそういったことに注意を払いながら、実際に、もしイベントで装着するというようなことが、今後もやられるということであれば、そのように担保していくのかなというふうに思いました。

 次に、証明書の再発行につきましては、こちらは、すみません、保管期間については、今まだ検討が進んでおりませんでしたので、この場でお答えできません。申し訳ございません。

 次の点については、登録の④ですね、犬また猫の名前は、こちらコールネームでございます。品種の名前ではございません。

【水越委員】 品種のことではありません。

【野村動物愛護管理室長】 品種ではなくて……。

【水越委員】 品種じゃなくて、血統書名。血統書名、いわゆる本名ですよね。血統が管理されている家畜には血統書名つまり本名があります。つまり純血種には必ずあります。

【野村動物愛護管理室長】 すみません、これは犬猫の名前ですので。

【水越委員】 どちらも名前です。名前というか、そもそも本名の血統書名というものがついてきますね。

【野村動物愛護管理室長】 ④へのご質問ではなくて、⑥へのご質問ですか。

【水越委員】 いや、違います④です。

【野村動物愛護管理室長】 ④は、これは太郎とか、花子とか……。

【水越委員】 いやだから、つまりコールネームであって血統書名ではないということですね。

【野村動物愛護管理室長】 そうです。

【水越委員】 血統書名というのは、ご存じ、ご理解していただいていますか。

【野村動物愛護管理室長】 これは犬猫の名前ですので、もちろん名前をつけるのは最終の飼い主さんがほとんどですので、事業者のところでは名前をつかない可能性はありますけれども、これはあくまで……。

【水越委員】 いや、事業者のところで、すでに血統書名という個体別の名前がついていますよね、つまり本名が。純血種の場合には血統書をつけるはずですから。血統書についている名前のことを言っています。そのほうが唯一無二ですから、純血腫の場合はより個体を識別できると思います。当然雑種の場合には、血統書がありませんので、血統書名はありませんけれども。

【野村動物愛護管理室長】 失礼いたしました。私の勘違いでした。事業者のところでは、ではコールネームを入れていただくと。ただ、最終……。

【水越委員】 事業者ではまだコールネームはついていないと思われ、実際的に血統書名になると思います。コールネームというのは、太郎とかポチといった名前です。血統書名というのは、例えば、何とかオブ何とかみたいな感じで、繁殖者が血統書を申請するときに、個体名と犬舎の名前の組合せで、血統書名が作られます。

 家庭に来ると、いわゆる血統書名を使わずに、飼い主が自ら考えた太郎とか、ポチとかという名前になるわけですよね。理想的には私は両方入れたほうがいいというふうに思っております。

 というのは、コールネームは変わる場合があります。飼い主が変わったり、飼い主が変わらなくても例えば、太郎という名前でも、タミーであるとかタロちゃんであるとか、実際は太郎と呼ばれていないというようなことがあったりします。そう考えると、血統書名というのは唯一無二のものですので、純血種の個体識別には、私は最適ではないかと思います。

 純血種の場合には両方、雑種の場合には血統書がないので、コールネームのみというような形にすればいいんじゃないかなと思います。

 もし、血統書名等についてご理解が足らないようであれば、JKCであるとか、ブリーダーさんのご意見なども聞いたほうがいいのではないかと思います。

【野村動物愛護管理室長】 ありがとうございます。私の理解が追いついておらず、大変失礼いたしました。

 血統書の名前を事業者の段階では入れていただくということになります。

 一方で、所有者が移ってまいりますので、最終飼い主が変更登録する際には、どちらでもいいということになってしまいますので、ちょっとその辺は……。

【水越委員】 私は、両方入れたほうがいいと思います。個体識別やトレーサビリティとしても両方入れたほうがいいと思います。

【野村動物愛護管理室長】 ちょっと検討させてください。申し訳ございません。

 あと、メールアドレスの登録につきましては、これは変更があったときには、3ページ目の8ポツのところで、登録事項の変更届出ということで、メールアドレスが変わった場合にも、やはり届け出ていただくということでございます。

 あと、⑪番のところですかね。猫の場合は、登録の⑪のところで、犬のほうは登録番号が入るんだけれども。猫のほうはというお尋ねでございましたけれども、猫のほうはあくまで15桁のマイクロチップ番号がありますので、これをリーダーで読むことによって、持ち主が分かるということでございます。

【水越委員】 では、犬も猫も、所有者の住所等は別に登録されるということですか、ここには記載されていないのですが。

【野村動物愛護管理室長】 もちろん。

 すみません、先ほど説明の中でお伝えしたんですが、①~⑯には書いておりませんが、法律の条文のほうに、もともと所有者のお名前、住所、電話番号というのは規定がございまして、それ以外に①~⑯が定められるということでございます。

【事務局】 ありがとうございます。環境省の浅利と申します。

 ご質問の内容としては、いわゆるJKCの血統書の情報とひもづけることができるのかというようなお話だったと思うんですけれども、JKCに限らず、今の大手で言うとAIPOさんだとか、そのほかにもFamさんだとか、そういった大手の事業者があると思うんですけれども、そういった事業者に施行日前に登録されていた方については、環境省のデータベースに無料で登録ができます。民間事業者に登録されていた方であっても環境省のデータベースに登録できるということです。来年の6月1日をもって……。

【水越委員】 既存のことではなくて、今後このシステムに変わったときに、JKCで既に血統書にマイクロチップの番号が入っていると思うのですが、質問の主旨は販売される犬猫に関しては多くが純血種であり、そもそも血統書を持つものが多く、特に犬の場合ではJKCの血統書が多いと思います。JKC以外にも犬籍登録団体はありますが、血統書に登録番号を入れるということは、私はいいシステムだと思っているので、それを継承すれば、今後全ての血統書に登録番号が入るようになると思います。そのようなことはお考えになっていないんでしょうかというご質問です。既存の質問ではありません。

【野村動物愛護管理室長】 こちらは確認いたしますけれども、JKCさんとお話ししている中で、血統書のほうに情報を載せるのはどうしたらいいですかというご相談が確かあったと思いましたので、そちらでどのように今後措置していただけるかということを確認いたしまして、委員の皆様に情報をお届けしたいと思います。すみませんでした。

【西村部会長】 よろしいでしょうか。最後のところはJKCさん側の問題なので、こちらの問題ではないということになっております。

 それでは打越委員、お願いします。

【打越委員】 4点あるんですけど、手短にまとめたいと思いますが、1点目が少し長くなるんですが、先ほどの浅野委員と似たような話ですが、ちょっと観点を違えてやります。

 先ほど浅野委員は、マイクロチップというものを業者の適正化の規制に用いることについては法の委任があっただろうかという表現でご意見なさっていたと思うんですけれども、私もちょっとそこが気になりまして、2019年の動物愛護管理法改正までの審議会の記録を見直すと、改正直前の最後の動物愛護部会で論点整理したときにも、マイクロチップの話題というのは、一般飼い主の所有者明示で迷子であるとか災害時のときの返還のためにというところの論調はあっても、業者規制の本文にマイクロチップの話題は当時出てきていないんですね。とはいえ、議員立法ということの議論の場で、業者に対する規制であるとか、そういった要素も含めて、マイクロチップの扱いが急にクローズアップされてきたんだなというふうに思うんですけれども。ただ、その中でマイクロチップに私たちが何を期待するのか、果たすべき機能について、少し議論が流動的であるなというふうに感じています。

 やっぱり基本的に、まずは所有者明示のために、犬の鑑札の代わりにというところからスタートしましたし、動物取扱業者、犬猫販売業者であっても、これまで時々業者が犬を野山に遺棄するようなことも、事件もありましたので、そういう意味ではやっぱり所有者明示としてのマイクロチップの機能は変わらないだろうと思うんですけれども、ただ、この間の議論の中で動物愛護団体さんたちの考え方を聞くと、マイクロチップの装着義務をもって繁殖業者のブラックボックス状態を少し明らかに、誰かが、第三者がそこに立ち入るツールにするとか、あるいはそれだけのコストを払えない劣悪な業者さんには撤退してもらうためのリトマス紙のように捉えていたり、あるいは流通のトレーサビリティ・システムに耐える、そういう良質な繁殖業界の育成なども期待されていますし、今日、配られた資料1-2の中でも、繁殖制限をきちんと守っているのか、業者から業者に移したときに繁殖の回数などの制限を守っているかというのを確認するためというような文言も出てきます。

 今回の施行規則等に何ら異存はないんですけれども、装着する資格者であるとか登録情報とか手続であるとか、体制整備という外側の話はあるんですけれども、マイクロチップに対して期待する機能が様々であることを、まだ真正面から議論してこなかったなということが、それもあって私は自分の理解が遅くて今回の資料を読むのに苦労したんですね。どんな立場の犬、どのような犬や猫に装着することで、どんな役割や機能を期待されているかというのを整理しないと、多分、都道府県が一般飼い主に向けて普及啓発するとき、取扱業者なんかに普及啓発するとき、あるいは獣医師会に向けて連絡するときなどによって、マイクロチップに期待しているものが何かというのはちゃんと整理しないと、都道府県も指導しにくいんじゃないかというふうに思うんですね。なので、マイクロチップが果たすべき、あるいは期待されている役割について、きちんと環境省のほうで整理すべきではないかと思ったのが、浅野委員との関連で1点です。

 それ以外は。

【西村部会長】 打越委員、一つずつ答えていただいたほうが環境省も答えやすいかもしれないので、一つずつ答えていただくことでよろしいでしょうか。

 じゃあ、環境省のほうでお願いします。

【野村動物愛護管理室長】 ご指摘のように、これまで非常に改正法の施行で走ってきた部分がございまして、飼養管理基準をこの6月にスタートさせましたけれども、その議論の中でもマイクロチップに持たせる役割というのを、3次答申で一部触れていただいておりましたけれども、我々も実際に1年後にマイクロチップの制度をスタートさせるに当たりまして、どこまで役割を持たせるのかというのは悩んできたところでございますけれども、まず基本はもちろん所有者明示ということでございまして、これは法の求めるところと考えてございます。

 加えて、飼養管理基準というのを実際に運用していくに当たって、やはりどういうことで担保していくかといったときに、もちろんこれまでも繁殖状況については紙の台帳を整備していただくということがありましたけれども、実際に紙の台帳は年齢を偽って書くとか、そういうことが可能でしょうというご指摘もありました。一方で、マイクロチップは装着証明書を獣医師さんに出していただいて、生年月日も明らかになります。その中で、やはり年齢はまず確実に分かるということがございます。6歳までしか繁殖させてはいけないということが守られているかどうかを、動物の個体に当たることによって、マイクロチップの場合は年齢が確実に分かります。こういったことは少なくとも担保しなくてはいけないというふうに考えてございましたので、さらにそれ以外にどういった機能を持たせるかといったところは、まだ議論の途上といいますか、議論できておりませんけれども、そういった中でも6月に向けて、この内容は施行していきたいということで、今回の案をお示しさせていただいたところでございます。

【打越委員】 施行に向けて時間がない中というのはよく存じ上げていますけれども、せめてそれまでの間に何のためにというのをきちんと資料として作っていく必要があるという意見でありました。

 それでは次なんですけれども、参考資料1のポンチ絵というか、マイクロチップの装着や登録の流れの図なんですけれども、2019年の法改正の後、最初の第51回の動物愛護部会で配られた資料とほぼ同じだと思うんですけれども、実はこの図はきれいに作られているように見えて、実際にはどこでどのように装着するのか、例えば現に所有している犬猫については獣医師が繁殖業者のところに行くのか、あるいはペットオークションに子犬とかが運ばれてきたときに一斉に対応するのか、どこでどのぐらいの頭数に対して、どう作業するのか示されてないと思うんですね。しかもマイクロチップの装着といった場合には、その前後に動物を保定したり、また入れた後にリーダーで確認したり、いずれにせよ作業に必要な労力、人員確保というのをどこにどう配置するかというのは考えていかなきゃいけないなと思うんです。

 ただ、何でもかんでも環境省が全て決めて、マニュアルをつくってあげる必要はなくて、動物取扱業者のほうで、義務は義務なんだから、あとは自分たちの業界で知恵を絞りなさいというのもありですし、あるいは獣医師会の側で実際に装着するときの段取りを考えてもらうというのもあり、集団接種ならぬ一斉装着のようなやり方を考えてもらうのもいいと思うんですけど。

 ただ、ポンチ図であるよりも、実際には本当に作業の段取りとか、どこでどれだけの頭数をやるかによって、準備の状況は違ってくると思いますので、その辺りの具体的作業のイメージが環境省の側にあるのか、それがもしなければ、繁殖業界や獣医師会などに早い段階から本気でマニュアルをつくるように動いてもらわなきゃいけなくなってくると思うので、その辺りの具体的作業についてイメージを持っているか、それとも業界や獣医師会に思い切って投げていくのか、その辺りをお聞きしたいと思います。これが2点目です。

【西村部会長】 じゃあ、環境省お願いします。

【野村動物愛護管理室長】 ありがとうございます。委員ご指摘のように、この模式図では全てのパターンというのはお示しできていないと思います。一方で、私どもの接している情報では、ペット業界のほうでは、主に流通ルートの中で、オークションを通して販売店にわたっていくというルートが多いと思いますけれども、そちらのオークションのほうではかなりの頭数を扱っていくということでございまして、その中で個々のブリーダーの方で獣医師に頼んで装着していただいた上で流れていく個体もあれば、装着していなくてオークション会場に集まったときに多数の頭数に対してマイクロチップを装着して、間違いなくリーダーで読んで、次のペットショップ、購入する方に渡っていくということが可能かどうかというのは、実証のようなテストをされているということは聞いておりました。そういったところで実際に来年6月から回していけるかといったところの取組は進んでいるというふうに思っておりました。

 以上でございます。

【打越委員】 ありがとうございます。オークションとブリーダーの側で、どちらがどう責任を持つかというところも、放置しておくと、あっちがやると思っていたといって、また穴として落ちてしまうかもしれませんので、そこに私たちは気を付けていかなければと思っています。

 次に、今度は獣医師、あるいは愛玩動物看護師と、それから繁殖業者等との関係なんですけれども、この後の議題で登録手数料の話が出てくるんですが、義務化によって係る費用は、実は登録料はさほど高くなくて、実際には装着のための獣医師による処置の費用が高くなるだろうと、圧倒的に金額的に多くなるだろうと思うんですね。これは獣医師にとっては利益、収入になるところですし、逆に動物取扱業者、販売業者、ブリーダーにとってはコストになるわけですよね。獣医師会と、例えば動物取扱業者の間で処置費用について、適正な基準をきちんとキープしていけるだろうか。大量にやるから安くやりますよというような獣医師が手を挙げて、例えば大量に引き受けてしまって、安かろう、悪かろうで、結局、動物に粗雑に、ぶすぶすと刺していって、その結果、犬や猫にとって、けがのリスクが出てはいけませんので、処置費用についても獣医師会と動物取扱業者の間で適正な仕組みをつくるように、少し環境省のほうから促すような動きがあってもいいんじゃないかなと思うんですが。これが3点目です。

【野村動物愛護管理室長】 お答えいたします。環境省の立場でお答えしてよいか、お伺いしていて悩みましたが、まず前提として、自由診療であるということがあろうかと思います。ここについて、国の方で一律の料金ということは、人間の医療とは違いますので、そこはちょっと難しい部分があろうと思います。

 一方で、もちろん装着する側からしますと、料金がある程度一定であれば安心して仕組みに乗っていけるということもあると思いますので、その辺りについては、日本獣医師会、ほかの関係団体などと今後お話ししていく機会はつくりたいと思いますけれども、まず前提として、国でいくらということを定める立場にはないということははっきりさせていただきたいと思いました。

 以上でございます。

【打越委員】 そのとおりだと思います。でも、安かろう、悪かろうのマイクロチップ装着事業が起きないように、そこを見張るのはやっぱり法律、基準で義務化した側の一つの責務かなと思って、発言させていただきました。

 最後に、全く話が違いまして、資料1-5の告示等、家庭動物や実験動物の飼養保管基準の改正のところでちょっと気がかりだったのが、②実験動物のところであります。

 実験動物に関して、ここはさらっと書いてありますけれども、大学などの研究教育機関や製薬企業であるとか、あるいは自治体の農業試験場、畜産試験場であるとか、動物実験というのは、役割や仕組み、実際の動物の取扱いも非常に幅が広いところでして、マイクロチップを入れるということの方向性としては、管理、トレーサビリティという点で間違った方向性では全然ないと思うんですけれども、状況に応じたきめ細やかな協議とか、あるいは厚生労働省、文部科学省、農林水産省との情報共有も大事になってくると思うんですよね。

 この書きぶりで気になったのが、犬猫販売業者が義務化されたからといって、それに符合する、追随する形で圧倒的なクオリティを持つサイエンスアカデミーがそれに準じるというような発想だと、私はちょっと失礼かなという気もしまして。もともと動物実験施設は、カルタヘナ法などで、逸走防止に対しては本当に厳しい規制や、あるいは厳重な施設を持っておりますし、ペットの犬猫のブリーダー施設とはやっぱり雲泥の差ですし、国家的な戦略として、科学的な公費をつぎ込んでの研究が多いと思うんですね。また、動物福祉という観点でも、やっぱり日本で今、最も動物福祉が進んでいるのは動物実験の世界と言ってもいいぐらい、立派な施設が多いですので、この基準改正に関しては、今回の施行規則の改正に合わせるというような発想だけではなくて、むしろ積極的に関係団体と協議したり、専門的な見地から情報共有するような、そういうやり方をしていらっしゃいますでしょうかというか、そういうふうにしてほしいなと思っているんですが、いかがでしょうか。

 以上です。

【野村動物愛護管理室長】 ありがとうございます。告示の改正の中で、実験動物の部分についてのご意見を頂きました。

 今回、動物実験の指針をつくっておられます文部科学省、厚生労働省、農林水産省、こういった関係省庁に対しまして、犬猫等販売業者にしか義務はかからないわけですけれども、それ以外の方たちが扱う犬猫に対しても努力義務という形でかかってまいりますというところについて、情報提供させていただいてございます。

 また、関係省庁から、関係する団体があるという情報をいただいた場合には環境省からも説明いたしますということを、お伝えしたところでございます。

 以上です。

【打越委員】 ありがとうございました。

【西村部会長】 ありがとうございました。

 それではウェブ上で、大曲委員からご質問があるそうなので、お願いいたします。

【大曲委員】 すみません、ありがとうございます。福岡県の大曲でございます。・・・(聴取不能)

【野村動物愛護管理室長】 すみません、大曲委員、申し訳ないんですけれども、ちょっと声が割れてしまっていまして、マスクを取ってご発言いただけるようでしたら、そのほうがこちらに音がクリアに届くかと思ったのですが、最初からで申し訳ないですが、ちょっと聞き取りができませんでした。申し訳ございません。

【大曲委員】 申し訳ありません。聞きやすいでしょうか。大丈夫ですか。もし聞こえにくいようでしたら、チャットのほうに質問させていただきましたので、そちらをご説明いただければと思いますが。よろしくお願いします。

【野村動物愛護管理室長】 ありがとうございます。では、チャットのほうで確認させていただきます。

【事務局】 すみません。代読させていただきます。

 質問したいのですが、申請書の提出は正本のみの提出とされておりますが、オンライン申請はできないのでしょうかというご質問です。

【野村動物愛護管理室長】 お答えいたします。

 資料1-4の4ページの(9)のところでございますが、こちらは紙の提出の場合を想定して書いてございまして、(4)登録ですとか、(5)変更登録ですとか、そういった登録に際してはオンラインで、画面上に既に入力項目を設けて、そこに書いていただくということを準備しておりますので、オンラインで、もちろん可能でございます。

【西村部会長】 よろしいでしょうか。どうしましょうか。

 磯部委員も手を挙げられていますので、先に磯部委員にご質問していただいて、その間にチャットに書き込んでいただけますでしょうか、大曲委員。

 お願いします。

【磯部委員】 声は大丈夫でしょうか。

 手短に。

最初に浅野委員がご指摘になって、打越委員も触れられたところですが、大丈夫なんだろうかというのが、やはり心配です。懸念が払拭されていないというふうに、浅野委員は最後、納められましたけれども、かなりまずいんじゃないか、本当に大丈夫なのだろうかというふうな気がします。

 もともと所有者明示が目的、役割だったところ、様々な役割がマイクロチップに期待されるようになった、その後の議論の中でいろいろな役割を持たされるということ自体は別に構わないことであろうと思うのですけれども、端的に、取得してから30日以内に装着せよとしか法律に書いていないのに、施行前に取得している人についても同じ義務を課すという話ですから、規制の対象が増えているという問題なんですね。マイクロチップの役割が増えている背景があるのはそうですが、規制がそのように広がっていいのか。

 最高裁の医薬品ネット販売訴訟で、法律のほうは何も言っていないのに省令で第三類の医薬品しか売ってはならないと制限したのは、それでいいのかという論点がありましたけれども、あのときに最高裁は、相当程度、事業者の職業の自由を制約するものである一方で、立法過程においても規制する理由に乏しいんじゃないかという反対意見が根強くあった、そのような中でなお、それでも規制するときには、規制の範囲や程度を含めて、委任の趣旨が法律の中で明確に読み取れるようになっていなければならないというふうに言っているんですね。今回の改正動物愛護管理法に、私は、そのレベルで明確な趣旨が読み取れないと読んでいます。ちょっとまずいのではないか。

 いや、実は、もうほとんどの業者さんは装着済みで、さほど、相当な制約という程度ではないとか、あるいはマイクロチップ装着の趣旨といったことが十分に別の形で伝わっていて、それほど予想外のことではないとか、特殊な理由があればともかく、それでも大丈夫だろうかというふうに思うんですね。

 改めて、どうやってこれをクリアしようとされているのか、ちょっと事務局から、ご説明をお願いしたいと思います。

【西村部会長】 ありがとうございます。

 それでは、環境省のほうからお願いします。

【野村動物愛護管理室長】 ありがとうございます。

 繰り返しになってしまうかもしれませんが、飼養管理基準の中で、年齢ですとか回数について、繁殖について基準を設けたという経緯がございます。これを守っていただくために、マイクロチップによる年齢の確認ということが確実に確認する方法であるということで、基準省令を定めたときの経過措置としまして、繁殖に関する規制は令和4年6月1日まで経過措置を設けるということがございました。それゆえ、今回、令和4年6月1日にスタートするマイクロチップの義務化において、年齢を確実に確認する方法として、既存の犬猫についてもマイクロチップを入れていただくという考え方でまとめてまいりました。

 一方で、この措置自体は既存の、今いる犬猫というのが対象になってまいりますので、この先ずっと対象が続いていくということではなくて、例えばですけれども、今手元にいる犬猫については6歳になるまでしか繁殖に使えないということになりますので、その間、繁殖に使われている間、年齢を確認するための措置ということでございまして、施行日以降、取得する犬猫については最初から入るわけですので、例えば今30頭を抱えておられる方については、30頭以上、何か新しく措置してくれということではなくて、そこにいる犬猫に一回入れたら、それが繁殖を終えるまで、年齢確認のツールとして使うということで、限定した措置というふうに我々のほうは考えておりますし、一頭一頭について、どれぐらいの割合で今マイクロチップが入っているかということはちょっと手元に情報がございませんけれども、子犬、子猫にこれからマイクロチップを入れていただくということ自体が始まっていく中で、親のマイクロチップ番号を一緒に登録していただくということを担保するためにも、これから法の施行日以降に取得する犬猫だけではなくて、今いる犬猫にもマイクロチップを入れていただかないと登録できないということで、不平等な状態が生じるというふうに考えまして、このような案にしたところでございます。

【西村部会長】 いかがでしょうか。

【磯部委員】 ご丁寧にまた同じご説明を頂いてしまって申し訳ありません。そのような説明を議事録に残して頂いたうえで、私ももう少し考えたいと思います。とにかく法を制定するときにどこまで見越しておけるかというところ、立法のレベルも問われることかなというふうに思いました。

 一旦ここで終わります。

【西村部会長】 ありがとうございます。

それでは。

【遠山委員】 新潟県動物愛護センターの遠山です。

 マイクロチップの関係でワンストップサービス、狂犬病予防法との関連のところについてですが、質問というか要望に近いものです。

 現段階ではワンストップサービスに手を挙げている市町村はまだ一つもないと思います。6月から施行になるわけですが、環境省の説明会が来月開催ということで、まだ市町村に細かい説明が伝わっていません。一昨日、環境省から市町村向けというか、ワンストップサービス、マイクロチップに関するQ&Aを出していただいていますが、まだ内容は足りないと思っています。具体的に言うと、市町村さんは狂犬病予防法に基づく登録手数料をちゃんと取れるのかどうかというところで非常に不安になっていますし、取り方についても収納代行がきちんと行われるのかを気にしています。現段階では市町村と登録事務を行う獣医師会の間で個別にお話ししてくださいという状態になっているので、どこの市町村も正式に手を挙げられないのだと思っています。国の話を1月に聞いてそれ以降に決めましょう、今は様子見の状態なんじゃないかと思っております。

 もう6月から始まることですので、ちょっと準備期間が足りなかったのかなというのは私の感想としてございます。このまま行くと、全国の中でワンストップサービスに参加する市と参加しない市が、まだら模様になる可能性が出ておりまして、そうすると、犬の飼い主さん、ワンストップに入っている市では、マイクロチップが鑑札代わりになるのですが、ワンストップに入っていない市に転勤なり引越しをすると、新たに、現物としての鑑札を市からもらわなければならない、そういう不合理なことが全国で起きるわけです。これは市町村にとっても住民にとっても不幸なことなのではないかと思っております。ワンストップサービスは、市町村さんが手挙げ方式で入るような形なのですが、もうちょっと丁寧な説明を、これからされるんだろうとは思いますが、丁寧な説明をしていただいて、これから収納代行なども、どのようにしていこうと思っているのか、環境省の立場で分かる範囲で、現状を教えていただけるとありがたいです。

【西村部会長】 では、環境省お願いします。

【野村動物愛護管理室長】 かしこまりました。

 まず、現時点で収納代行という仕組みが整っているかと言われますと、現時点でご用意はできておりません。様々、私どものほう、これまでの部会でも、収納代行を検討しますという資料をお出ししたことがございました。しかしながら、法に定められている指定登録機関の役割ですとか、そういったことを検討していく中で、事務として担わせるのが難しいという結論に至りまして、指定登録機関の事務として規定している状況ではございません。

 一方で、飼い主さんの便宜をどのように図っていったらいいかということについては、狂犬病予防法を所管しておられます厚生労働省とも話をしながら、いかに仕組みをよくしていくかということは引き続き検討していきたいと思ってございます。

 しかしながら、ワンストップサービスに参加していただく市町村を増やすということは、私どもももちろんやらなきゃいけないと思っておりまして、そういった説明会ですとか、ほかに指定登録機関のほうから様々な周知をこれからしてまいりますので、そういった中で参加率を上げていきたいと考えております。

【遠山委員】 この制度は本来全国一律でないといけないと思います。今の狂犬病予防法は全国一律だから住民の方々も納得して守っていただいている部分もありますので、まだら模様になるというのは非常に望ましくないというふうに本当に思っております。環境省として努力されるということですから、厚生労働省のほうともお話をされながら、獣医師会も指定登録機関になっているわけですから、そちらとの話合いもしながら、できるだけ早めにみんなが手を挙げられるような形に持っていっていただければと思います。ありがとうございます。

【西村部会長】 ありがとうございました。

 それでは、佐伯委員お願いいたします。

【佐伯委員】 日本獣医師会の佐伯です。

 いろいろと日本獣医師会の名前が出ておりますけれども、環境省のほうからいろいろとご相談がありましたら、随時対応するということにしたいと思うんですけれども。

 私のほうから1点だけ、手短に質問がございます。この議論の中でも再三、先ほど来、マイクロチップの本来の目的は何かというようなお話がありまして、やはり災害時とか迷子になった場合の個体の明示というところがあるわけですけれども。

 資料1-4の(8)のところに情報の提供というのがあるわけですが、私は臨床獣医師でもありますので、今までの経験上、やはり迷子の動物を住民が保護して病院に連れてくるというケースはたくさんあります。また、交通事故に遭ったり、そういう動物が所有者不明の状態で病院に運ばれることもたくさんあって、そういうひん死の状態、あるいは大けがをしていれば治療しなければいけなくなるわけですね。そういった場合、マイクロチップのリーダーというのはほとんどの病院にありますので、読み込むわけですが、従来はそれを照会することができたわけですが、これを読みますと獣医師は照会できないことになりますので、その子が野良なのか、それとも飼われているのか、獣医師にも全く分からない状況になりますが、この点について、環境省の見解をお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。

【西村部会長】 それでは、環境省お願いします。

【野村動物愛護管理室長】 獣医師が、今までですと、例えば獣医師会の登録システムであるAIPOのほうに照会すれば持ち主さんが分かるという状況だったところ、国のデータベースに移行することによって、獣医師が直接データにアクセスすることができないというご指摘ですね。分かりました。

 ここにつきましては検討が及んでおりませんでしたので、実際に運用する段階でどのように措置していくかということで考えたいと思いますけれども、情報システム自体、全国の個人情報を持つということで、かなりセキュリティー上のガードを固くする必要があったものですから、今のところ自治体と警察からの照会で所有者に当たるという仕組みを考えていたわけですけれども、そういった緊急時の照会にどのように対応していくかということについては、少し宿題として受け止めさせていただければと思います。ありがとうございます。

【佐伯委員】 ありがとうございます。迷子の場合などは時間的余裕があると思いますので、警察や動物愛護管理センターに問い合わせることができるかと思うんですけれども、大きなけがなどを負っていて、治療が必要ということになりますと、本来はやはり所有者がいる場合には所有者の許可が必要になると思いますし、また予後の問題などで相談が必要になる可能性があると思うんですね。そのときにどこまで私たちが治療を進めていいかということは、早急に、所有者がいるならば相談しなければいけないことになりますので、そういう動物の命を助けるという点もあるということで、ご検討いただきたいと思います。

【西村部会長】 ありがとうございます。この点は私もちょっと気になっていたところであります。動物のことを考えれば、そこができる仕組みというのを何とか考えていただくほうがいいのかなというふうに思います。

 町屋委員、どうぞ。

【町屋委員】 日本動物福祉協会の町屋です。

 質問というか、要望ですけれども、浅野委員や打越委員からもお話があったように、販売される幼齢個体に対する安全な装着ということ私たちは非常に懸念しているところであります。そこについては日本獣医師会と環境省でしっかりお話合いをして対応していただくということなので、安心して、今後見守りたいと思います。

 もう一点、北関東のほうでは今だ業者による生体の遺棄というのが報告されています。そういった場合、特に生きている場合は警察はあまりちゃんと捜査しないというか、証拠がないということもあるかと思うのですが、通報しても取り合っていただけないという問題がありますので、警察庁のほうにもしっかりとご対応いただくように環境省からお話をしていただいて、対応していただきたいなと思います。

 というのも、海外の事例ではマイクロチップをわざわざ取り出して遺棄する事例も報告されておりますし、日本も、業者の一部ではありますけれども、マイクロチップを外してから捨てればいいんだというような発言もあるというふうに聞いておりますので、警察庁のほうにもしっかりとご対応いただけるようにお話ししていただければと思います。

 以上です。

【西村部会長】 じゃあ、環境省のほうからお願いします。

【野村動物愛護管理室長】 かしこまりました。

 これまでも様々な罰則の強化ですとか基準省令の施行ですとか、都度、関係省庁にもご協力を仰いでいるところでございまして、こちらにつきましてもしっかりやっていきたいと考えております。

【西村部会長】 よろしくお願いいたします。

 では、どうぞ。

【脇田委員】 業界団体のほうから一言お聞きしたいことがあります。

 まず、先ほど室長がおっしゃったように、オークションのほうで流通していく犬猫のマイクロチップの施行というのは多分可能だと思います。ただ、それが全国でいうと大体6割ぐらいだと聞いておりますので、残りの4割ぐらいの方たちの施行が可能かということ。

 あと、一番私たちが業界で懸念しているのは、施行日の時点で所有している犬猫の数を環境省が把握しているかどうかということですね。把握している上で、30日以内にマイクロチップの装着と登録ができるという判断なのかということです。業界としては、今の状況で行くと、現状、今飼われている親犬、親猫等を施行後30日で登録するというのはとても難しいと業界では考えておりますけど、いかにお考えか、お聞きしたいです。よろしくお願いいたします。

【西村部会長】 それでは、環境省お願いします。

【野村動物愛護管理室長】 ご指摘ありがとうございます。

 環境省のほうで、そもそも飼われている、事業者のところで飼われている犬猫の頭数というのをすべからく把握しているという状況ではございませんが、たしか以前、業界のほうで、飼養管理基準をつくるときに、どれぐらいの頭数がいるというようなデータをまとめておられたので、ちょっと今は手元に資料がないので、思い出せないのですが、そういった過去のデータを当たりたいというふうに思ってございます。

 一方で、施行日から30日以内にというのが現実的に可能かどうかというご質問につきましては、可能な限り、私どもも基準省令を早めに施行しまして、6月までの間にも数か月間とれるようにしていきたい、周知もしっかりしていきたいというふうに考えてございますので、何も30日間しかないということではなくて、もう少し長期のスパンで皆さんにご準備いただく期間を取りたいと、今まさに進めているところでございます。

 以上でございます。

【西村部会長】 ありがとうございます。

 時間が大分過ぎてしまっているんですが、じゃあ藤井委員。

【藤井委員】 今、室長のほうから、早めにご案内をして、早めに装着することも進めていきたいというお話だったと思うんですが、省令が出るのが4月で、施行されるのが6月というスケジュールですよね。そうすると施行日から30日でやらなければいけないということで、この春先からやっていくわけですけれども、一般の動物病院というのは4月、5月は狂犬病とフィラリアの予防で非常に忙しい時期です。そういう時期に開業している獣医師が往診するとか、もしくはブリーダーさんから大量の犬を持ってこられるということは、非常に混乱を起こすと思いますので、今、室長が期待されたようなことというのは現実的に起こらないということで、もう少しちゃんとした時間を取って、装着を進めていったほうがいいんじゃないか。

 30日以内にやらないとすごく大きな問題が起こるということであれば、期限を決めて、しっかりやればいいと思うんですけれども、今回の法改正の中で、年に一回、獣医師の健康診断を受ける仕組みも導入されましたので、その中で、獣医師が来たときにマイクロチップの装着もこの1年の間にしっかりやるというような知恵を使っていったほうがいいんじゃないかというふうに思うので、30日に関しては、できないことをここに書くということはいかがなものかなというふうに思います。

【西村部会長】 環境省、いかがでしょうか。

【野村動物愛護管理室長】 できないことというふうに明確におっしゃられたわけですけれども、すみません、ちょっとスケジュールのほうはざっくりしたものをお示ししてしまいましたけれども、可能な限り早く施行と申し上げましたのは、2月~3月を目途に公布というふうにしておりますけれども、3月、4月と書いてあったのは、資料が間違っていたところがありまして、この審議会を次回は早めに開いた上で、可能な限り、2月末ですとか3月頭ですとか、その時期ぐらいに省令をスタートさせたいというふうに考えてございますのが1点でございます。

 もちろん省令が公布されていなければ効力がないということはもちろんなんですけれども、我々のほうもそういった取組を今後していっていただきたいということをご案内することは可能だと思いますので、情報発信は早くしたいというふうに考えてございます。

 一方で、1点、ちょっと関連することとしてお話ししておきますと、資料1-4(4)のところで、2ポツの⑯、親の雌犬または雌猫に装着されているマイクロチップの識別番号というのを登録していただくということがございまして、こちらが仮に最短でいつ始まるかといいますと、6月1日付近に生まれた子犬、子猫については、出荷される56日を過ぎるとマイクロチップを装着して登録を済ませて出荷していただかなきゃいけないということが起きてまいります。このときに⑯の項目を入れてもらうために、施行日から30日以内ということで期限をつけたというところもございますので、そういったところにもご理解をいただければありがたいなというふうに考えてございます。

【西村部会長】 ありがとうございます。環境省としても、ぜひ最大限努力していただいてということで、お願いしたいと思います。

【黄田委員】 すみません。消費生活相談を受けている者の立場から、ちょっとお話を。今までのご議論とは少しずれるかもしれないんですが。

 消費生活相談の現場では、やはりいまだに病気に関する、購入したペットが病気で困っているという相談が非常に多くございます。ですので、もしマイクロチップがトレーサビリティ的に使われて、そういった病気の犬を購入しないで済むというようなことにつながるのであれば、大変消費者にメリットがあって、とてもよいかなというふうに思っております。

 一つご質問なのですけれども、ポンチ絵を見せていただきますと、マイクロチップの装着、販売ルートというところなんですけれども、譲渡しのときに、一度、例えば繁殖業者が装着しまして、譲渡しのときに登録証明書とともにペットをペットショップなどに譲渡してしまうといった場合、犬猫繁殖業者さん、あるいはペットショップから一般消費者の方に移るときにそれを渡すということになると、記録は残らないことになるんでしょうか。そうすると、何かあったときは指定登録機関のほうにそれぞれが問合せをするという形になるんでしょうか。

 というのは、たしか取り扱う動物に関する帳簿の記載というのが法律の21条の5とか、施行規則の10条の2で定められているかと思うんですけれども、マイクロチップの番号の記載とか、そういったものを台帳のほうに記載することで、少なくとも5年間は動物の個体について、マイクロチップをひもづけるということができるのではないかと思うのですが、その辺りはいかがでしょうか。

【西村部会長】 環境省お願いします。

【野村動物愛護管理室長】 ありがとうございます。

 ブリーダーのところにいる犬猫については繁殖実施状況記録台帳というのがございまして、そこの中にはマイクロチップ番号も書いていただくということになっておりますので、先ほど、親の番号を同時に登録していただくことになると説明しましたとおり、親犬、親猫と子供の番号がデータ上は突合可能ですので、どこの事業者の、どの回で繁殖したかというのはたどることができると考えてございます。

【西村部会長】 よろしいでしょうか。

 それでは大分時間も押しておりますので、これで答申案と施行規則案、告示案について、まとめたいと思います。

【野村動物愛護管理室長】 部会長、すみません。

 1点、ちょっと浅野委員、それから磯部委員、打越委員から、法律の求めるところはどうなのかというご指摘がありまして、また繰り返しになってしまうと思いますが、やはり私どもの依って立っているところとしましては、前回の第58回の動物愛護部会のときに、この部会からも答申を頂いて、6月1日にマイクロチップの装着登録の義務化に当たっては、犬猫等販売業者に義務を一層履行していただくために、繁殖に係る基準の遵守状況を確認することを検討しなくてはいけないということを仰せつかっておりましたので、法の21条に基づく環境省令で、やはりここに位置づけさせていただきたいというところがスタートでございました。

 以上でございます。

【西村部会長】 ありがとうございます。

 それでは。

【藤井委員】 すみません。資料1-2のところが答申だと思いますので、文言をちょっと確認させていただきたいんですが、資料1-2の裏面のほうになります。

 1の丸の二つ目のところなんですけれども、繁殖管理台帳とともに譲り渡すというふうになっていますけれども、台帳そのものは動物取扱業者が5年間保存だったと思うんですけれども、犬猫を譲渡した場合には台帳そのものが移転していいということなんでしょうか。それとも、原本は自分で持っていて、コピーを新たな所有者のほうに渡すという、どちらを想定されているんでしょうか。

【野村動物愛護管理室長】 ご指摘ありがとうございます。写しを渡すように規定いたします。

【西村部会長】 ありがとうございます。

 よろしいでしょうか。それでは、先ほど申し上げたように、これでまとめに入りたいと思います。今までたくさんご意見を頂きまして、特に法律、法解釈的にどうかという部分については例えば数値基準を守る、法の趣旨ということを考えると、やっぱりどうしても必要なところかなと思いますので、そこはちょっとすり合わせをやっていただくということでまとめたい、必要なところは修正していただいて、あとは座長一任ということにさせていただいて、パブリックコメントにかけるという流れにしたいと思いますけど、よろしいでしょうか。

(異議なし)

【西村部会長】 ありがとうございます。

 それでは、続いて議事(2)その他ですが、報告事項が2件あります。

 まず、動物の愛護及び管理に関する法律施行令の改正について(マイクロチップの登録等に関する手数料)について、資料2により、事務局から説明をお願いいたします。

【事務局】 ありがとうございます。

 資料2-1につきましては、令和3年9月29日に公布済ということでございますけれども、再度ご報告させていただきます。

 政令の改正の概要としましては、法39条の25に犬及び猫の登録、変更登録、それから登録証明書の再交付を受ける者に対して、実費を勘案して手数料を定めるといったような規定がございまして、まさにその手数料を定めた政令ということになっております。

 実費としましては、犬及び猫の登録、変更登録、それから登録証明書、そういったものに係る経費だとか、あるいはワンストップ通知に係る事務的な経費、あるいはシステム構築、あるいはセキュリティー対策、個人情報の保護、そういったものに係る経費を想定される登録件数で除して得た額として、一番下に囲まれている数字になっております。

 登録、変更登録を受けようとする者はオンラインで300円、紙申請による場合は1,000円というところで設定させていただいたところでございます。

 登録証明書は変更登録に必要な書類にはなるんですけれども、こちら紛失した場合には変更登録ができないということになりますので、この再交付の費用についても、オンラインで200円、紙申請で700円というところでございます。

 先ほどの参考資料の1の2枚目の記載のとおりなんですけれども、想定としましては犬猫等販売業者でオンライン登録、ペットショップでオンラインで変更登録、一般所有者でオンラインで変更登録ということで、300円掛ける3ということで、一般的な流通ルートとしましては、900円というところで費用がかかるというようなことになっております。

 概要になりますが、以上になります。

【西村部会長】 ただいまの報告について、ご質問、ご意見がございましたらお願いいたします。

 武内委員、お願いします。

【武内委員】 これはもう一般の人であれば、誰でもアクセスできちゃうということですよね。例えば、犬を購入した当日に、登録しなさいと言われたから登録します、だけど1週間たってみたら、やっぱりこの犬の名前を変えたいとなった場合に登録し直すのも300円で可能ということですか。

【事務局】 ありがとうございます。今おっしゃられているのは、恐らく登録の内容の変更のことだと思うんですけれども、そちらについては手数料はかからないというところになっておりますので、もう一つ申しますと、死亡の届出に関しても、これはもちろん手数料はかかりません。あくまでも手数料がかかるのは新規の登録といわゆる所有者の変更登録、それから登録証明書の再交付、こちらの3点に関しまして、手数料がかかるというところでございますので、よろしくお願いいたします。

【武内委員】 それでは記載内容の一部変更とか、例えば引っ越しました、電話番号が変わりましたとかというのも無料でできるということでしょうか。

【事務局】 はい。おっしゃるとおりでございます。

【西村部会長】 よろしいでしょうか。ほかにございますでしょうか。

(なし)

【西村部会長】 ありがとうございます。

 続いて、愛玩動物看護師法の省令等について、資料3により事務局から説明をお願いいたします。

【事務局】 それでは、資料3以降のご説明をさせていただきます。動物愛護管理室、鈴木でございます。

 それでは資料3-1をまずご覧いただきまして、3-1、3-2、3-3等については来年5月1日に施行される愛玩動物看護師法関連の政令・省令等として公布されたものの内容のご報告となります。

 まず資料3-1の政令についてですけれども、愛玩動物看護師法で定める愛玩動物の種類と免許証や試験に関する手数料を定める内容となっておりまして、9月29日に公布されております。

 愛玩動物の種類としては獣医師法にならいまして、法で定める犬、猫に加えまして、政令で定める動物として、オウムやインコといったオウム科全種、文鳥、ジュウシマツなどのカエデチョウ科全種、カナリアなどのアトリ科全種を定めております。

 免許と免許証明書に関する手数料につきましては、登録についてが5,800円、免許証明書の書換交付、再交付について3,400円となっております。国家試験の受験手数料については2万7,200円、予備試験の受験手数料は1万4,000円とそれぞれ定めております。

 パブリックコメントの結果についても添付資料としておりますので、お手元の資料をご確認いただければと思います。

 時間もちょっと押しておりますので、詳しくご説明は控えさせていただきます。

 資料3-2ですけれども、こちら愛玩動物看護師法施行規則等の公布についてで、こちらは報道発表資料を資料としておつけしております。看護師法関連の省令告示として、省令が3件、告示が2件、10月29日に公布されております。

 資料3-2の5ポツにありますとおり、愛玩動物看護師法施行規則、愛玩動物看護師養成所指定規則、愛玩動物看護師法に基づく指定登録機関に関する省令、それと2件の科目について定める告示を定めております。

 施行規則につきましては、愛玩動物看護師国家試験の科目ですとか、受験手続、愛玩動物看護師名簿や免許の交付に関して、法で委任された各事項について定めたものでございます。

 添付資料2の愛玩動物看護師養成所指定規則では、都道府県が養成所を指定する際の手続や指定基準を定めております。

 添付資料3にございます指定登録機関に関する省令では、愛玩動物看護師の登録等の事務を国に代わって実施する機関を指定する際の手続や指定されたのちの毎年度の事業計画の認可や登録状況の報告など、そちらの必要な事務などを定めております。

 添付資料4におつけしている告示では、国家試験の受験資格の要件となる31科目及び施行後5年間の経過措置において、受験資格の特例が適用される既卒者、在学者についての受験資格の要件となる28科目を定めております。

 こちらについてもパブリックコメントの結果を添付資料としておりますので、お手元の資料をご確認いただければと思います。

 資料3-3、今後のスケジュールですけれども、ただいまご説明いたしましたとおり、今年度は法の施行に向けまして、政省令等の制定を行ったところでございます。来年令和4年5月1日に法が完全施行され、第1回の国家試験は令和5年の2月から3月頃に予定しておりますので、引き続き共管である農林水産省とともに準備を進めてまいります。

 こちらからは以上です。

【西村部会長】 ありがとうございます。ただいまの報告につきまして、ご質問、ご意見がございましたらお願いいたします。

 水越委員。

【水越委員】 既に公布されたもののご報告ということで、変えてほしいとかそういうことでは決してないのですが、質問になります。愛玩動物看護師養成所指定規則の概要、添付資料の2の(4)の指定基準のところでのヘ)のところで、同時に授業を行う生徒数は40人以下と書いてあるのですが、単純な興味で申し訳ないんですけど、この40人以下という数字になった、もし根拠がございましたら教えてください。

【西村部会長】 お願いします。

【事務局】 こちらは基本的に専修学校設置基準を参考としております。

【西村部会長】 よろしいでしょうか。ほかにございますか。

 どうぞ、佐伯委員。

【佐伯委員】 資料3-2の添付資料の1ですね、その中で3ページのところの9の免許証または免許証明書の返納のところで、②のところに愛玩動物看護師は免許を取り消されたときはというふうにあるのですけれども、この取消しになる用件についてはほかに定めてあったと思うのですけれども、獣医師の免許の場合は獣医事審議会というのがあって、そこで諮られるということがあるのですけれども、愛玩動物看護師の場合は今後そういったシステムといいますか、審議会のようなものをつくっていくということは検討されているのでしょうか。

【西村部会長】 お願いします。

【事務局】 獣医事審議会のほうは確か法に基づく審議会だったと思いますけれども、愛玩動物看護師法の中ではそういった会議体の規定というのは、法の中にはございません。現時点では法の施行に向けての準備段階で精一杯というところでございますので、今後、主務省で検討してまいりたいと考えております。

【西村部会長】 よろしいでしょうか。ありがとうございます。

 それでは、よろしいでしょうか。議事(2)その他については以上で終わりにしたいと思います。

 その他、本日の議事全体を通して、何かご意見とかご確認がございましたらお願いいたします。

 よろしいでしょうか。どうぞ。

【永井委員】 今日の改正案についての意見がないので、私、ちょっと質問は控えさせていただいたのですけど、一つだけ、素人で申し訳ないんですけど、マイクロチップの規格について、この国際標準化機構が定めた規格においたリーダーなら全てのいろんな、多分メーカー的には三つ四つあると思うんですけど、それとのリーダーに対して機能するのかどうかというのは、その辺は全部確認済みなんでしょうか。いわゆる共通化されているものだということを確認されているんでしょうか。その辺をちょっとお聞きしたいと思っています。

【西村部会長】 環境省、お願いします。

【野村動物愛護管理室長】 ありがとうございます。こちらの規格については、チップそのものとリーダーのほうとメーカーなりが違っても読み取りができるということで、確認をしてございます。

【永井委員】 ありがとうございます。ちょっとその辺が気になっていたもので、ちょっとお聞きしました。

【西村部会長】 ありがとうございます。ほかによろしいでしょうか。

(なし)

【西村部会長】 それでは、以上で本日の議事は全て終了いたしました。

 各委員におかれましては、議事進行にご協力いただきまして、大変貴重なご意見をたくさんいただきまして、ありがとうございます。

 今後、また今日のご指摘を含めまして、環境省のほうで修正を加えてということで、先ほど申し上げたパブリックコメントにかけるという流れになりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、進行を事務局にお返ししたいと思います。

【事務局】 西村部会長、円滑な議事進行をいただきまして、誠にありがとうございます。

 委員の皆様におかれましても、長時間にわたり貴重なご意見、熱心なご議論をいただき、感謝申し上げております。事務局といたしましても、本日のご議論を踏まえまして、今後取り組んでいきたいと存じ上げます。

 それでは、これをもちまして第59回中央環境審議会動物愛護部会を閉会させていただきます。皆様、本日はありがとうございました。