中央環境審議会動物愛護部会 第58回議事録

1.日時

令和2年12月25日(金)14:00~16:15

2.場所

全日通霞ヶ関ビル8階大会議室A

(東京都千代田区霞が関3丁目3-3)

3.出席者

新美 育文  中央環境審議会動物愛護部会長

松本 吉郎  委員      佐藤 友美子 委員

浅野 明子  臨時委員    打越 綾子  臨時委員

太田 光明  臨時委員    近藤 寛伸  臨時委員    

佐伯  潤  臨時委員    武内 ゆかり 臨時委員

永井  清  臨時委員    西村 亮平  臨時委員

藤井 立哉  臨時委員    水越 美奈  臨時委員 

山口 千津子 臨時委員    山崎 恵子  臨時委員

脇田 亮治  臨時委員

4.議題

(1)動物の愛護及び管理に関する法律等の一部を改正する法律の施行等の在り方について(第3次答申案。「適正な飼養管理基準の具体化」に係るもの)

(2)その他

・動物の愛護及び管理に関する法律に基づく指定登録機関に関する省令案の概要について(報告)

5.配付資料

議題1関係

 資料1 動物の愛護及び管理に関する法律にかかる省令案(飼養管理基準に係るもの)に対する意見の募集(パブリックコメント)の集計結果

 資料2-1 第3次答申(動物愛護管理法の飼養管理基準に関する省令)案の概要

 資料2-2 動物の愛護及び管理に関する法律等の一部を改正する法律の施行等の在り方について(第3次答申案。「適正な飼養管理基準の具体化」に係るもの)

 資料2-3 今後の検討スケジュール(予定)について

議題2関係

 資料3-1 動物の愛護及び管理に関する法律に基づく指定登録機関に関する省令案の概要について(報告)

 資料3-2 指定登録機関の指定に関する検討について

参考資料

 参考資料1 動物の愛護及び管理に関する法律等の一部を改正する法律の施行等の在り方について(諮問)

 参考資料2 藤井臨時委員提出資料に対する事務局回答

6.議事

【事務局】 それでは、定刻となりましたので、第58回中央環境審議会動物愛護部会を開催させていただきます。

 本日司会をいたします、環境省動物愛護管理室の野村と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

 本日は、部会の委員、臨時委員の17名のうち、16名にご出席いただいております。過半数の定足数を満たしておりますので、規定により本部会は成立していることをご報告申し上げます。

 続きまして、本日の資料については、先ほど会議前に過不足を確認させていただきましたので、資料一覧にあるとおり、机上のものをお使いいただければと思います。

 委員の皆様におかれましては、閲覧用に水色のファイルをお手元にご用意してございます。こちらは終了後、置いておいていただければと思います。

 本日の部会の議事録は、後日、環境省ホームページにおいて公表されますので、委員の皆様には、後日、議事録のご確認をお願いしたいと思います。

 本日、傍聴の皆様も多数おられます。新型コロナウイルス感染防止の観点を中心に、幾つかお願いをさせていただきます。

 まず、会議中はマスクの着用をお願いいたします。

 ソーシャルディスタンス確保のため、席の間を離した配置としていますが、携帯電話での会話や、参加者同士の会話はお控えいただきますようにお願いいたします。

 なお、少し寒いかもしれませんが、後ろのドアを換気のために開放させていただいておりますので、ご理解いただければと思います。

 会議終了後、三つの密の状態が発生しないように、会場からはなるだけ早い退席をお願いいたします。

 その他、一般的なお願いとしまして、携帯電話の電源をお切りください。

 本部会では、傍聴者からの発言等については認められておりません。席のほうで傍聴いただきますようお願いいたします。

 そのほか、事務局の指示に従うなど、円滑な会議運営にご協力いただきますようお願いいたします。

 それでは、この後の議事進行につきましては、新美部会長にお願いいたします。

 なお、部会開催のご案内で案内したとおりですが、カメラ撮りは冒頭のみでお願いしております。カメラマンの方は退席をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

【新美部会長】 皆さん、こんにちは。新美でございます。ただいまから議事進行役を務めさせていただきますので、何とぞよろしくご協力をお願いいたします。

 本日の議題でございますが、二つございます。第1が、これがメインのテーマになりますが、第3次答申案。「適正な飼養管理基準の具体化」というものが審議事項となります。審議事項はこれだけでございます。議事の2・その他としまして、報告事項が1件ございます。

 早速、議題1に入りたいと存じます。

 議事1に関連する資料といたしまして、3点ございます。第1点がパブリックコメントの概要。第2が資料2-1でございまして、第3次答申案の概要。それから、資料2-2でありまして、第3次答申案の本体でございます。三つのこれら資料は互いに関連いたしますので、事務局からまとめてご説明いただきたいと思います。

 それでは事務局、よろしくお願いいたします。

【長田動物愛護管理室長】 それでは、資料1、2-1、2-2の3点について、続けてご説明をさせていただきたいと思います。

 まず、少し厚めの資料でございますが、資料1、パブリックコメントの集計結果について、ご説明をさせていただきます。

 パブリックコメントの実施期間は、本年10月16日から11月17日の1か月でございました。10月7日の審議会でご審議いただいた答申案について、パブリックコメントをさせていただきました。

 2番目に、意見提出者数がございます。

 意見の提出は、電子によるものと郵送によるものの双方を受け付けていました。電子のものが3,065、郵送のものが2万5,947ということで、全体で2万9,012名の方から意見の提出がございまして、複数の意見を提出された方がいますので、延べ提出意見数は、16万8,036というふうになっております。

 提出された意見のうち、募集要領の要件を満たさない、例えば氏名が未記載のもの等については無効とさせていただきました。また、この延べ意見数の中には、全く同じ方が全く同じ意見を出したものが含まれておりまして、本来これは排除、削除すべきものですが、多数、大変意見がございましたので、十分に整理が仕切れていないところがございまして、この16万8,000の中には、同一人物の同一意見が含まれているところでございます。

 3番目の、意見集計の結果でございます。

 ここの事項別に記載をしております意見の数につきましては、こちらは同一の意見の重複を削除いたしまして、意見の種類数として集計をさせていただいております。今回の基準の省令の項目事項に合わせて1から7まで、それから、その他の意見としまして、幅広い意見について、主要なものをピックアップさせていただいたところでございます。こちらにつきましても、その意見については、要約と、その理由と、意見そのものというのをご記載いただくことになっておりましたけれども、それぞれが整合が取れていないもの等もありましたので、必ずしも、その16万8,000を完全に、正確に仕分ができているかというところは課題がございますけれども、意見の種類数としまして、同じものは重複するということで、どれかの意見に代表させて、理由等について、違う理由があれば併せて記載するなどして、できる限り、出された意見を全て網羅するような形で整理したところでございます。

 全体の傾向としましては、郵送による意見が非常に多かったというところがございます。郵送による意見のうち、多数のご意見が、同一の意見に対して、氏名のところだけ手書きで署名をして提出されているというようなものがございました。

 全体の傾向は、1枚おめくりいただきまして、裏面にも記載させていただいております。

 大きく分けますと、基準の緩和ですとか、一定の基準の適用の除外を求めるご意見、それから、基準の強化や追加を求める意見、それから経過措置に対する意見というふうに、ここでは区分をしております。

 基準の緩和や適用の除外を求める意見というのは、郵送による意見提出が非常に多かったということと、意見の総数自体は相対的に多数ございました。

 この中の意見の例としては、例えば、ケージの規模について基準値を定めない、あるいは飼育頭数の上限を原案より緩和する、あるいは繁殖年齢の上限を引き上げたり、基準値を定めないといった意見。それから、基準の強化や追加を求めるご意見、こちらは様々な、多様な方法によってご意見が提出されていますけれども、ケージの規模をもっと大きくする、1人当たりの飼養頭数をもっと少なくする、あるいは立入検査の頻度や環境の管理の基準を強化する、健康診断や疾病の際の対応に係る規定をさらに追加する、展示時間の制限を強化する、あるいは繁殖の回数制限をしたり、帝王切開の回数について上限を定めるといったご意見がございました。

 経過措置につきましては、多様なご意見が提出されております。十分な経過措置期間を定めるべきだ、あるいは、頭数の制限については段階的な基準を置くべきだ、さらに経過措置期間そのものが必要ないといったご意見もございます。

 ご意見、今回、この資料1で、全部で72ページ、多数、数百件のご意見がございます。これを全てご説明する時間はございませんので、主なご意見について、かいつまんでご説明をさせていただきたいと思います。

 まず、3ページのところから、順にご説明をしてまいりたいと思います。

 まず、第1番目の項目は、ケージの規模等に関する基準でございます。

 例えば、3番や4番といったところには、ご意見がございまして、例えば、犬によっては狭いところで寝ることを好むですとか、既製品のケージでちょうどいいサイズが存在しないというようなことから、より柔軟なケージサイズの基準を求めるというようなご意見でございます。

 これに対する回答、例えば4のところの一番右側の欄に、意見に対する回答という欄がございますけれども、今回の基準につきましては、閉じ込め型の飼養を防ぐという基本的な考え方に沿いまして、現行の規定で、犬猫に限らず、動物全般について規定されていた日常的な動作を行うために必要な大きさというのがございますので、これを具体化したものとして、今の基準が適当であるというふうに考えているというところでございます。

 1枚おめくりいただきまして、4ページ、こちらについては、例えば8番、9番、10番といったところに、飼養期間が長期間にわたる場合というところについてのご意見がございます。飼養期間が長期間にわたる場合には、より広い運動スペースを確保するというのが、休息や寝床に使うケージと運動する場所を分ける際の基準として定められていますけれども、その要件が長期間にわたる場合は、もっと具体的にすべきではないかということでございます。

 長期間にわたる場合の例としては、ブリーダーの下にいる繁殖のための犬猫ですとか、ペットショップで販売のために展示されているもの等が該当すると考えておりまして、一方で、例えばペットホテルにおける数日の預かり、こういった場合には該当しないというふうに考えておりますけれども、かなり具体的な事例というのは細かく分かれるというふうに考えておりますので、その基準の運用に向けて必要な考え方については、今後作成をします基準の解説書、仮称でございますけれども、こちらの中で整理をしていきたいということをお答えとして書かせていただいております。

 続きまして、5ページでございます。

 例えば、11番からずっと17番辺りまで見ますと、犬のケージのサイズ、先ほど申しました、寝床や休息に使うケージのサイズでございますが、より広い基準を求める具体的なご意見が出ているところでございます。これらについても、考え方としては、先ほどご説明しましたように、日常的な動作を行うために必要な規模というのを具体的に定めたということでございます。

 6ページの20番等に行きますと、今度は、大きくなくていいと。高さは体高の2倍も必要ないというようなご意見もございます。例えばジャンプをするとき、着地で足を痛めることが考えられるといったご意見ですけれども、やはり基本的な動作ができるということが重要だと考えておりますので、現在の基準案が適切ではないかということでございます。

 7ページからは、猫についてのケージサイズについて、様々ご意見がございました。

 猫についても、具体的な数値を掲げまして、より大きなケージを求める21、23、24、25といったご意見。あるいは、よりリーズナブルなというか、小さなケージを求める22番といった意見、様々ございます。

 猫についても考え方は同一でございまして、日常的な動作を行うために必要なケージ、そして、運動スペースについては、運動を行うこともできる十分な広さというのを具体化したというふうに考えておりますので、現在のケージサイズが適切ではないかというふうに考えております。

 一方で、例えば8ページ、26番をご覧いただきますと、子育て中の猫についてのご意見がございました。猫については、今回の基準では、最低でも2段以上のケージ、棚を設けた2段以上の構造というふうになっていますが、子育て中の猫の場合、生まれた子猫が落下するというような事故が起きる可能性があるということで、こういった場合には、ただし書の規定にございます、特別な事情がある場合というのに該当すると考えられていますが、これをあまり幅広く解釈しますと、本来この改正法で求めている適切な環境での飼養管理というのができなくなってまいりますので、この辺りの考え方については、これも基準の解説書の作成の中で整理をしていきたいというふうに考えているところでございます。

 このページの30番のところには、先ほど申しました分離型、運動させる場所と休息させる場所を分けるケージのタイプは採用すべきでないというご意見もございました。基本的な考え方は一緒でございまして、現行規定上定められた、日常的な動作をする場所と、それから走る等の十分な広さを有する場所、これをそれぞれ準備し、運動させる場所は適切に管理をするということで、閉じ込め型の飼養を防いでいきたいということでございます。

 続きまして、9ページに行っていただきまして、例えば33番といったところには、「動物を一時的に保管する」場合という規定がございます。これは、先ほどは長期間飼養する場合ということでしたけれども、一時的に保管する場合というのは、これは例外規定が置かれていまして、例えば、傷病個体を飼養する場合などと並んで、一時的な場合には、休息型の基準も適用されない場合がありますということでございます。

 これについて、「一時的」を具体的に示すべきだということでございますが、これも大変多様なケースがあるというふうに考えておりまして、代表的な例は、トリミングサロンでお客さんからのペットを一時的に預かると。一般的に、お客様が持ってこられたクレート、運搬型のケージ等に入れておくというようなこともございますので、そういった場合には、このただし書が適用されるというふうに考えているところでございます。

 飛びまして、11ページでございます。

 今度はケージの規模ではなくて、構造に関するご意見でございます。

 今回新たに追加した基準として、「錆、割れ、破れ等の破損がないもの」というのを加えたところでございますけれども、例えば、錆自体が材質を保護する役割があるといったご指摘、あるいは、割れ、破れが補修可能な場合もあるというご指摘でございますが、適切に補修等が行われている場合には、これは破損というふうにみなさないということが適切ではないかと考えておりますので、適切に補修をしながらケージを維持管理することは禁止されていないという理解でございます。

 続きまして、13ページをご覧ください。

 13ページからは、2番目の事項でございますけれども、動物の飼養または保管に従事する従業者の員数に関する事項でございます。

 これにつきましては、まず、最初のほうには、時間の考え方についての具体的な解釈を確認する、あるいはそれについての具体的なご意見というものがございます。省令の案の中では、常勤の職員が勤務すべき時間数という表現がございます。それに合わせて非常勤の職員の時間数をどういうふうに換算するかということが規定されているわけですが、その具体的な時間をどう判断するのかということがございます。

 1から6までの意見、皆そういった意見でございますけれども、今回、私どもの整理をした規定の考え方は、例えば4番のところの右側に書いてございますけれども、8時間労働を標準として、1頭当たりお世話をするのに必要な時間というものを参考までに算出いたしまして、それを基に頭数の規定を検討したものでございますが、条文化するに当たっては、労働基準関係の各法令がございます。その下に省令や通知もございますけれども、そういったものの中で、例えば人のお世話をするのにどういう員数規定が置かれているかというようなことを参考にいたしまして具体化したものでございます。

 具体的な時間の算出というものを、事業者も、これから事業者の指導監督を行う自治体職員もできないといけませんので、それらの考え方については、これも基準の解説書等の中で整理をしていきたいということでございます。

 こういった員数の考え方に関するご意見が幾つか続いておりまして、その後、ちょっと飛びまして、16ページぐらいからは、員数規定そのものの考え方等に対するご意見がございます。例えば今回、員数のカウントにおいて、繁殖業にあっては、「繁殖の用に供することをやめた犬猫」、端的に言いますと引退犬と言われるものですけれども、こういうものは員数にカウントしていないわけでございます。これについて、それも入れるべきだというようなご意見もございます。

 これは前回の10月の審議会でもご議論がございましたけれども、業として扱うものではないという観点から、員数の規定の算出の中には入れていないということでございます。もちろん不適正な飼養があれば、虐待罪等に該当する場合もございますし、適正な飼養が求められるということは言うまでもないことでございます。

 その「繁殖の用に供することをやめた犬猫」というものをちゃんと区別できるのかというご意見も、例えば19番のところにございます。こういったものについては、後ほどご説明いたしますけれども、新たに台帳の記載事項を改正いたしまして、適正な管理を求めていきたいというふうに考えているところでございます。

 17ページからしばらくは、員数規定の数字そのものについて、より緩やかな数値を求める声と、それから、より厳しい数値を求める声が、どちらも多数提出されているところでございます。例えば20番辺りは、高齢犬は2頭と数えるというような、より厳しくする基準ですし、21番からしばらく、18ページ、19ページ、20ページ、21ページと続きまして、22ページくらいまでは、基準について、1人当たりの飼養頭数についてより緩やかな数値を求める声、あるいは、一部の事業者については基準値を緩和することを求める声でございます。

 一方で、23ページから24ページにかけて、あるいは25ページの44番、47番、26ページの48番といったところについては、より厳しい基準を求めるご意見というふうになっております。

 員数の規定につきましては、基本的には1頭当たりを管理するのに必要な時間というのを考慮しまして、繁殖用の犬猫については、より手間がかかるというようなことも踏まえた数値としておりますので、基準としては適切であるというふうに考えておりますけれども、ご意見の中でも多数ございました、急にその規制が基準値として適用されると、その基準を満たせないことによって行き場を失う犬猫の問題というものが発生するということについては、十分に検討しなければならないということでございますので、後ほどご説明いたします経過措置を適切に講じることで、そういった問題に対処していきたいというふうに考えているところでございます。

 27ページからは、飼養または保管をする環境の管理に関するご意見でございます。温度や臭気、光といったものに関する基準でございますが、今回、定量的な基準は定めておりませんけれども、例えば、1番については、これは様々なご意見があったので、その数値を列記させていただいたということで、いろんな方がここについて具体的な数字をご提案いただいているという意味でございますが、犬や猫について、それぞれその数値を設定すべきだということでございます。3番も同様でございます。

 これについては、温度・湿度といったものについては、もちろん外的な環境要因の影響が非常に大きいということです。必ず守らなければいけない上限値と下限値を定めるという場合については、当然ながら一定の幅を持たせて定めなければならないということになりますが、それが必ずしも動物の飼養・保管の状態として適切でないという状況を招き得るというふうに考えています。品種によっても、寒いところに適したもの、暑いところに適したもの、こういったものがございますので、一律に数値を定めて大きな幅を持ってそれを基準とするのではなく、基本的な動物の状態に配慮した管理を求める中で、個別の品種ごとに配慮すべき温度等につきましては、基準の解説の中で、代表的な品種に適した温度帯等についてお示ししていく中で、現場での適切な指導に生かしていくというようなことを考えているところでございます。

 おめくりいただきまして、28ページ、例えば9番、アンモニア濃度についても、具体的な数値についてのご意見がございました。アンモニア数値の根拠を検討した場合に、動物の健康に影響を与えるだけの濃度ということになりますと、率直に申し上げますと、それなりに高い濃度ということになります。一方で、この濃度が適切な状態、例えば周辺の生活環境等の観点からも適切になるかというところについては課題もございます。また、現行制度で活用可能な悪臭防止法といった制度もございますので、こういったものの運用の考え方等も含めて、基準の解説書等の中で具体的にお示しをしてまいりたいというふうに考えております。

 それから、12番からずっと、29ページの18番ぐらいまでは、照明、光の管理に関するご意見が多数出ております。猫につきましては、照明時間を長くすることによって発情を誘発することができるということがよく知られておりまして、これによって、本来の生理的能力を超えた繁殖をさせることを規制すべきだということでございます。基準としましても、日長変化に応じた光環境の管理というものを義務づけていますので、必ずしも自然光でなければ基準違反だということではございませんけれども、暗い時間、野外が暗い時間帯の長さというのは暗くしておかなければいけないというような基準になっておりますので、ご意見の趣旨は現行の基準に反映されているというふうに考えているところでございます。

 少し飛びまして、31ページでございます。

 動物の疾病に関する事項に関するご意見、様々ございました。特に、この1番から書いてございますのは、診断の具体的な中身を省令で規定すべきだという意見でございます。4番にはワクチン接種の義務化といったようなものもございますけれども、やはり個体の状態によって必要な診断内容、処置内容等が変わってくるということが考えられますので、省令で一律に定めるというよりは、今後の基準の解説等の中で、必要な健康診断の内容についてお示ししていくのが適切ではないかというふうに考えているところでございます。

 また少し飛ばさせていただきまして、35ページ、こちらは動物の展示または輸送の方法に関する事項でございます。展示を行わない時間を定めるか、あるいは自分で休息できる場所に移動できる。むしろ、そちらを基本とするというような基準を今回追加したわけでございますけれども、この2番のご意見の右側をちょっとご覧いただければと思うんですけれども、今回、パブリックコメントにかけた案では、展示を行わない時間を6時間ごとに設けることという、このセルの一番下の行に書いてある基準になっておりました。この書き方ですと、6時間連続して展示をして、その後休憩をして、また6時間展示をしてというような読み方ができるということで、適切ではないのではないかというご指摘がございました。確かにそういう読み方ができる規定にもなっておりましたので、修正いたしまして、展示を行う時間が6時間を超えるごとに、その途中にということで、当然ながら3時間置きに休憩をさせるとか、そういったこともできるというようにしているところでございます。いずれにしましても、6時間を超えて継続して展示をすることはできないということでございます。こういった展示時間に関するご意見が、3番から6番まで続いているところでございます。

 また少し先に飛ばさせていただきまして、39ページ、29番というところをご覧いただければと思います。

 今回、販売業者等に対して、動物を輸送した後に2日間その状態を目視で確認するという義務を追加したところでございます。これについて、29番のご意見では、展示業者にも同じ基準を設けるべきではないか。30番については犬猫以外の動物にも適用すべきではないかということで、移動動物園等を意識したご意見になっております。

 まず大前提としまして、今回の飼養管理基準の具体化については、まずは改正法の趣旨を踏まえて、犬猫に係る基準の具体化を行ったということでございます。さらに、犬猫の展示業者というのもいるわけですけれども、例えばアニマルセラピー等で施設を訪問するような展示業者等もいますけれども、そういったところが、輸送後2日間の目視義務がかかりますと訪問活動ができなくなってしまうというようなこともございますので、今回の基準としては、展示業者についてはこの義務を設けないということにしているところでございます。

 続きまして、41ページでございます。

 41ページからは、繁殖でございます。繁殖については、この1番から5番までのご意見等は、現行の基準案よりも、より生涯の出産回数を少なくする。あるいは引退、つまり繁殖年齢の上限を引き下げるというご意見でございます。

 ご意見の趣旨の多くは、その繁殖に供された犬や猫が、引退をした後に家庭に譲渡されやすくなるというようなご趣旨でございます。

 今回の基準の考え方としましては、まずその犬や猫、それから個体ごとの発情のサイクル等の違いに配慮をして、その個体ごとの繁殖生理に合わせた管理を求めると。さらに、獣医師による診断も義務づけることで、それぞれの個体が持っている繁殖特性を十分配慮した繁殖をさせるということが基本的な考え方でございますので、現行の基準の数値そのものは適切であるというふうに考えております。

 一方で、繁殖に供することをやめた犬や猫が、譲渡が促進されて一般の家庭等で最終的に終生飼養されるということは、非常に重要かつ望ましいというふうには考えておりますので、そういった取組を加速していくということは必要だというふうに思っているところでございます。

 42ページに行きましても、繁殖に関する基準に関して様々なご意見が出ております。出産の頻度を定めるべきだ、あるいは猫についても繁殖回数の上限を定めるべきだというご意見もございます。猫につきましては、犬とは繁殖生理が全く異なるということで、出産回数による健康影響というのは、直接的な因果関係というのは知見が得られていないというところで、加齢の影響を考慮して年齢基準にしているということでございます。

 43ページの13番、14番といったところについては、一律の基準を定めるのは反対だ、あるいはもう少し高い年齢まで繁殖に供することを認めるべきではないかというようなこともございますけれども、考え方としては、先ほどご説明したとおりでございます。

 44ページにつきましては、帝王切開に関するご意見がございます。

 省令の案は、獣医師以外の者による帝王切開を禁止するということ、そして、獣医師が帝王切開した場合には今後の繁殖に関する診断を義務づけ、診断書を交付するということで、個体ごとのきめ細やかな配慮を求めていくことにしているところでございます。

 帝王切開につきましては回数を定めるべきだというご意見、それぞれ様々な回数についてのご意見がありますし、そもそもすべきでないといった意見もございます。

 さらに、45ページに行きますと、21番、22番といったご意見では、通常、帝王切開でしか出産をしないパグやフレンチブルドッグなどの犬種については繁殖そのものを禁止すべきだというようなご意見もございます。こういった品種等が存在するということは事実でございまして、こういったものを今後どう扱っていくべきかということ等については、今後、幅広い視点から議論を進めていく必要があるというふうに考えているところでございます。

 少し飛ばしまして、50ページをご覧ください。

 50ページのところには、その他という基準がございます。例えば、動物の不適切な状態を明示的に示して、今回これを禁止するということで、例えば、ふん尿が固着しているとか、毛玉ができているというようなことがございましたけれども、これに対して、例えば歯が抜けているとか、目が白濁しているとか、不適切な事業者によく見られる症状も加えてほしいというご意見でございますが、疾患を持った個体を引き取った場合等にこれが禁止になってしまうということになりますと、制度の適切な運用ができませんので、やはり不適切な飼養管理との直接的な関係が強い状態に関するものを禁止事項にしているというところでございます。

 さらに少しページを飛ばせていただきまして、54ページをご覧ください。

 54ページの一番上、25番でございます。1日3時間以上運動させることという基準がございました。これに対して、例えば子犬等であった場合に、無理に3時間運動させることは個体の健康にとってよくないというような場合もあるというご指摘でございます。これは確かに指摘されていることではありますけれども、今回の基準の意図は、運動したり休んだりという行動が十分できる広さを備えた場所に少なくとも3時間以上は出しておくという基準でございましたので、ここについては少し表現に誤解を招く可能性があるということで、運動させることという基準であったところを、運動することができる状態に置くことというふうに修正をしたいと考えているところでございます。

 こういった、その他のところについては多様な意見が多数ございますけれども、少し時間もございますので、先に進ませていただきまして、61ページ、8.その他の意見でございますが、これは、これまでにご説明してまいりました7項目のいずれにも当てはまらないもの、経過措置に関するものですとか、登録基準に関するご意見等を抽出したものでございます。

 例えば、1番のところは、経過措置は要らないと。長い間検討されてきた課題であって、さらなる延長は必要ないと。一日でも早く、よくない状態に置かれた犬猫を救い出すべきだというようなご意見です。経過措置については後ほどご説明をさせていただきますので、回答については、ここでは省略をさせていただきます。

 63ページの4番、こちらについては、基準を満たそうとしている事業者に対して、必要な補助事業等の活用に向けて、環境省としても努力をしてもらいたいというご意見でございます。基準を満たすべく状況を改善するという前向きな意欲を持って取り組まれる事業者に対して、必要な情報を提供していくこと等は非常に重要だというふうに考えておりますので、こういった事業者が活用できる支援措置等については、環境省が紹介していくなど、必要な対応を図っていきたいと考えております。

 続きまして、64ページでございます。ここから、その他の意見が多数ございますけれども、例えば64ページの7番については、今回、犬や猫について検討されたものを、ほかの動物にも適用してほしいということでございます。こういった意見も多数ございますけれども、今回につきましては、犬猫についての基準をできる限り具体的なものにするという考え方で進めさせていただいているところでございます。

 次に、68ページをご覧ください。

 最後ですけれども、その他の意見の最後に、答申案の中に、今後の施策の推進のための措置という項目の中で、国民的な議論の推進の必要性というパートがございます。ここに特有の疾患のあるリスクがある犬種が存在するというふうに書いてありましたが、猫についてもいるよというご指摘で、ごもっともでございますので、ここは追記をさせていただいたところでございます。

 69ページ以降は、その他の幅広いご意見をご紹介しています。例えば、不妊・去勢は断種なので禁止すべきだとか、動物取扱業に定年制を設けるべきだとか、様々な意見がございますけれども、これはご参考として掲載させていただいたもので、個別に回答は控えさせていただいております。

 長くなりましたけれども、資料1は以上でございます。

 資料2-1が、今回ご答申いただきたい事項の概要でございます。横長のカラーでございます。こちらもかいつまんでご説明してまいります。

 前回、ご説明しているところと重複いたしますので、少し駆け足になるかもしれませんけれども、まず、対象範囲としては、第一種、第二種の事業者全体に適用します。犬猫以外については、今後検討を進めてまいります。

 施行期日は、法で定められた来年6月1日でございますけれども、それに向けて、関係者の連携を図って、基準の適用に伴う遺棄・殺処分、不適正飼養等が生じないように環境づくりを進めていくことが重要というふうに考えております。

 また、この環境づくりの期間を考慮しながら、施設の規模、従業者の員数、繁殖については、施行期日をずらす、あるいは段階的に頭数を制限する等の経過措置を設けます。

 仮に遺棄や殺処分等が行われるようなことがあれば、これは事業者の遵守基準としても不適切でございますが、動物愛護管理法に基づく遺棄の違反や、みだりな殺処分の違反になりますので、刑事告発を行うなど、厳正に対処してまいります。

 また、経過措置期間の間にも、ほかの基準、先ほどご説明した体表が毛玉で覆われた状態など、不適切な事業者に特徴的に見られる状態を放置していれば、即基準違反になりますので、こういったものも活用しながら適正飼養を担保してまいりたいと思っておりますし、経過措置を定めた、例えば員数規定等との基準の乖離が大きい事業者については、改善の意思を確認し、経過措置期間中に集中的に指導を行って、当然ながら、経過措置期間が終了した時点で基準に適合できない場合には厳格な対処を行っていくということでございます。

 2ページでございますけれども、基準の策定に伴いまして、施策の効果的な取組を推進するための措置を講じるということも答申案に掲げていただいているところでございます。

 まず1点目が、基準の解説書の策定でございます。基準を満たす状態や、よりよい飼養管理の考え方を具体化して示すということでございます。

 さらに、自治体の取組の支援としましては、自治体が適切に対応するための相談窓口を設置していきたいということでございます。

 国民的な議論の推進というところにつきましては、今後の譲渡のためのネットワーク形成の在り方等、あるいは多面的な取組を進めるための議論の場の設置等に取り組んでいきたいということと、先ほどご説明しました犬種や猫種の在り方等についても幅広い議論が必要だと考えております。

 次に、事業者の主体的な取組の推進というところでございますけれども、これは検討会の座長提言にもございましたけれども、今回の基準は当然、必ず守らなければならない基準ということでございますので、違反すれば、即勧告や命令、場合によっては取消、罰則の対象になるということでございますが、よりよい飼養管理をするために、事業者が主体的に努力をしたり創意工夫をしたりするという取組が、やはり進んでいくということが非常に重要であるというふうに考えているところでございます。そういった、よりよい飼養管理を実現しようとしている事業者が、例えば消費者から評価をされると、こういった仕組みが促進されるような方策の検討というのも併せて進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。

 基準につきましては、3ページから記載をしてございます。

 結論を先に申し上げますと、前回の審議会でご議論をいただきまして、パブリックコメントにお諮りした基準は、この概要のレベルではそのまま適用しているところでございます。

 条文の文言につきましては、少し技術的な修正を加えたところがございますので、後ほど少しご説明をさせていただきます。例えば、ケージのサイズにつきましては、4ページに模式的に示しておりますので、こちらのほうが分かりやすいかと思います。運動スペースと通常の休息や睡眠に使うケージが分かれている場合、あるいは運動スペースを兼ねたケージの場合、それぞれについて、そのケージのサイズを体長、体高を基に規定しているということで、1頭増えるごとに3倍の面積を確保していくというものが、運動スペースや一体型のケージの考え方でございますし、分離型のケージの場合、1頭当たりのスペースは、それぞれ計算をして、足し合わせていくということになります。

 猫につきましては、上下運動が重要だということで、立体型のケージを規定したところでございます。

 5ページにつきましては、従業者の員数、それから、環境管理、疾病、展示、輸送といった基準でございまして、従業者の員数については、犬については、繁殖の犬は1人15頭、販売用の犬は1人20頭、猫については25、30といったことを規定したところでございます。

 6ページは、繁殖でございまして、犬については回数と年齢、猫については、基本的には年齢と。ただし、ただし書で、出産の累積回数を踏まえた例外規定を1年間分設けているところでございます。

 その他というのは、不適切な状態を明示して、それを禁止するということ。あるいは、1日3時間以上運動スペース内で運動させるということを規定したところでございます。

 7ページが経過措置でございます。ここについては、今回初めてご説明をさせていただくところになります。

 まず、ケージの規模等に関する基準でございますが、こちらにつきましては、ケージの更新等に一定の準備期間が必要だと考えておりますので、既存の、既に登録を受けている事業者については1年間の経過措置を設け、令和4年6月から適用と考えております。新規の事業者につきましては、経過措置は不要と考えておりますので、令和3年6月に適用いたします。従業者の員数につきましても、新規の事業者は令和3年6月に適用いたしますけれども、既存の事業者については、不適正飼養を防ぎ、遺棄や殺処分を防ぐと、それから、事業者によっては従業員を増やすというような対応が出てまいります。これらに要する期間を考慮しまして、段階的に5頭ずつ減らしていくという基準にさせていただいております。大幅に基準が強化される事業者もおりますので、そういった事業者について、令和3年6月から令和4年の6月までに、頭数削減もしくは従業員の獲得について、努力をしていただく必要がございます。その上で、令和4年6月から基準値を適用し始めて、令和6年6月までに第一種事業者については基準値を満たしていただくということになります。第二種事業者につきましては、この第一種事業者から譲渡を受けて、個人にさらに譲渡するというような事業者も多数いますので、その期間を考慮しまして、1年間の経過措置を後ろ倒しにしたところでございます。

 繁殖に関する基準でございますけれども、繁殖に関する基準は、先ほど申しましたように、年齢を確認することが基本になってまいりますので、年齢確認の手段が非常に重要になってまいります。令和4年の6月から、販売される犬猫へのマイクロチップの装着・登録が義務化されますので、これを踏まえまして、出産回数も含めて、繁殖に関する規制については、令和4年6月から適用したいと考えております。

 一方、出産回数自体は、マイクロチップや個体を目で見ただけでは分かりませんので、この繁殖回数も確認できるように、必要な台帳の改正等も検討したところでございます。また、年1回の健康診断あるいは帝王切開に関する基準については、経過措置は必要ないということで、措置をしていないところでございます。

 説明が長くなっておりまして恐縮ですけれども、8ページ、その他施行規則の改正等の概要というところでございます。

 今回の基準は、新たな環境省令として、現行の環境省令の条文の削除、あるいは関係告示の廃止を行いまして、独立した省令として規定をすることにしているところでございます。

 なお、マイクロチップ関連規定につきましては、令和4年6月1日のマイクロチップの義務化の施行に向けて、今後準備していくこととしておりますので、これに関連する事業者の遵守基準については、それらの環境省令と併せて規定をしていきたいと考えているところでございます。

 様式改正は、先ほどご説明したとおりでございます。

 最後でございますけれども、最後に、資料2-2につきまして、これは答申の本体でございますが、今回、今までご説明してきたところで概ね触れておりますけれども、全体の構成等をさらっとご説明させていただきたいと思います。

 答申の1枚目には背景がございます。法改正、それから昨年10月の諮問から、今回第3次答申ということで、武内委員に座長をお務めいただいている「動物の適正な飼養管理方法に関する検討会」、平成30年3月からの検討経緯等も触れながら、先ほどご説明した答申の構造、既存の省令の廃止等につきましては、2ページのところに、あるいは3ページの1のところに記載をしております。あとマイクロチップの関係についても規定をしています。

 前回の審議会資料から記述が変更されたところにつきましては、赤字にしております。ただ、先ほどご説明したことで大体触れておりますので、ここでのご説明は、3ページ、4ページの部分につきまして、省略をさせていただきたいと思います。

 5ページ、6ページは、今回の基準の中身を分かりやすく示したところでございまして、前回からの変更はございません。

 7ページにつきましては、パブリックコメントにかけました省令の中身をベースにしたものでございますけれども、一部変更があったところについて赤字にしておりますので、そこだけ少し説明をさせていただきたいと思います。

 8ページ、9ページ、赤いところがかなりございますが、かなり細かい技術的な修正ではございます。複数を飼養する場合の面積の考え方を示した基準がございましたけれども、こういったところの体長・体高の表現ぶり等を考慮しまして、個体のサイズが同じでない場合というのもあるということを踏まえて、個体のサイズが違った場合にも十分な面積が確保される、大きいものと小さいものがいたときに、やっぱり大きいものをベースにして面積が確保されるように規定をしたところでございます。

 10ページのところに、「繁殖の用に供する」というのがありますが、これは「犬については」と書いた後、「猫については」となっていたのを、やはりここは省略できないだろうということで、規定をしたところでございます。

 11ページの「展示を行う」という、この記述については、先ほどご説明をしたところでございます。

 さらに飛びまして、15ページにつきましては、まず、「ソ」のところにあるように、「自由に運動」というところは、先ほど申しました「させる」という表現が、無理やり運動をさせるという誤解を招くということで、「運動することができる状態に置く」と。

 それから、その次の「活動等を通じて」というところは、先ほどご説明しておりませんでしたけれども、もともとは「散歩、遊具を用いた活動、その他の犬又は猫との触れ合い」という規定でございました。法律の条文上、「その他の」というのは、後ろにあるものが内容で、前のものが例示ということですけれども、ここに「その他の犬又は猫」と書くと、ほかの犬や猫と触れ合えというふうに読まれてしまうということがございまして、パブコメでもそういうことを懸念して、預かった犬や猫をほかの犬や猫と遊ばせるということはあまりしませんというようなご指摘もございました。誤解を招かないように修正しております。

 また、ここの記述は、読み方によっては猫にも散歩をさせなければいけないというふうにも読めたところでございますので、これについても、この修正によって、必ずしもそうではないということが明確にされたと思っております。

 17ページまでが第一種事業者の基準でございますけれども、ここから、17ページ中段から第二種事業者の基準が繰り返されまして、そのまま25ページまでまいります。内容は同一でございます。

 さらに、26ページのところには、犬や猫両方を飼う場合の頭数の上限に関する規定がございます。備考がないとこの表の読み方が分からないということで、備考を追加したところでございます。一例申しますと、例えば、繁殖の用に供する犬を5頭飼っている方がいたとしますと、左から2列目の5というところのセルを見まして、その人は猫を何頭飼えるかということで、右側に行きますと、19、20、21という数字が並んでおります。猫は21頭飼えるということになりますが、そのうち繁殖に使えるのは18頭というような読み方をするということを備考に記載したものでございます。

 27ページは、細々ございますけれども、先ほどご説明した経過措置を環境省令の捕捉として規定するということですので、説明は省略させていただきます。

 また、29ページにつきましては、経過措置適用期間中にも犬と猫双方を飼っている方がいますので、その方々が何頭飼えるかというのも具体的に示さないといけないということで、規定をしたところでございます。

 さらに、30ページでございます。

 ここにつきましては、今回策定する新たな遵守事項に関する省令以外に、登録を行う際に遵守すべきというか、登録の基準として定めるべき事項を規定しているものでございますけれども、今回、この30ページの中段、「八」のところにありますのは、従業者の員数に関する基準、これはもちろん事業を始めていなければ従業員を雇用していませんので、見込みがあることという規定になりますけれども、こういった規定を、登録の際にも置いて審査をするということと、ケージサイズの基準についても、9号のところで審査をするというところでございます。

 30ページ、一番下の3の赤いところは、ちょっと該当条文が、引用条文の条番号が変わるということで赤にしていますが、現行規定にある規定でございます。

 このほか、答申案には、細目の廃止、マイクロチップの基準省令への位置づけ、関連様式の改正等について規定をしておりまして、32ページ、33ページ、34ページ、35ページ、36ページと、今回の改正に伴って、登録の際に確認すべき事項が追加されたことに伴う様式の改正。そして、最後の37ページは繁殖に関する台帳でございまして、累積、生涯の出産回数が台帳に記録され、適正にこれの管理をできるというような規定を今回の改正に合わせて置いたところでございます、

 説明は大変長くなりましたけれども、ご説明は以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【新美部会長】 ご説明ありがとうございました。先の会合でまとめさせていただいたパブリックコメントの案について、極めてたくさんのコメントをいただきました。そのコメントを踏まえた上で、この答申案を事務局において取りまとめていただいたわけですけれども、本日、我々の部会としての役割は、この答申案を取りまとめるということでございます。よろしくご審議をお願いしたいと存じます。

 では、発言ご希望の方は、名札を立てていただいて、指名いたしましたら、ご発言いただきたいと思います。できるだけ時間を有効に用いたいと思います。どうぞ、ご発言ご希望の方、名札を立ててください。

 それでは、まず、脇田委員、よろしくお願いします。その後が打越委員、よろしくお願いします。どうぞ。

【脇田臨時委員】 よろしくお願いいたします。資料のほうが資料2-1の7ページですね、こちらについて、ちょっとご質問、ご意見をお伺いしたいと思います。

 まず、飼養施設に備える設備の規模ということについて、ちょっとご意見をお伺いしたいと思います。飼養施設に備える設備の規模について、経過措置について、質問になるんですけれども、ケージ等の一定の準備期間が必要ということから、既存の事業者には1年間の経過措置とされていますが、この1年間の根拠におきまして、お聞きしたいと思います。現状のケージを大きくするに当たり、かなりの数のケージの入替えが必要になる可能性が高いということですね、と考えています。環境省では、どの程度のケージの入替えがなされなければならないというデータ等の、何か把握はしているのでしょうかということです。

 現状、私たちが今、コロナの影響をすごく受けておりまして、輸入も含め、製品の供給がままならない状態が続いています。この状態を解消するに、解消される先行きが分からないために、この状況について、1年間で現状の対応がし切れるかどうかというのが大変危惧されております。

 もし入れ替えることに対して、1年間に新たに飼養し始めた子犬の頭数を逆算しまして、ブリーダーさんの下には、約20万頭ですかね。20万台を超えるケージが、今現状、存在しているということから考えますと、もし入替えが必要ということで、数、想定ができていないようであれば、再調査をした上で、この経過措置の期間を慎重に検討する必要があるのではないかと考えております。

 多分、私たちの経験、今現状のところを加味していきますと、到底の対応はし切れない可能性が高いということを考えております。

 その中で、また、もう一点危惧されるのが、ブリーダーさんが多額の投資、設備の改装等をもしなさるという場合であれば、資金の調達ということで考えますと、ブリーダーさんの場合は信用保証協会というものの信用保証制度が受けられません。これが、なぜかというと、ブリーダーさんは農業関係の業種に区分されるため、信用保証制度の対象外とされているということなんですね。そういったことを加味しまして、スムーズな借入れができるような、何か対策等を考えてみえるかということも含めてお聞きしたいと思っております。よろしくお願いいたします。

【新美部会長】 はい、ありがとうございます。この点、事務局、お答えをお願いします。

【長田動物愛護管理室長】 ありがとうございます。今ご指摘いただいたような基準を満たそうという改善意欲を持った事業者の方が具体的に改善をする手だてがなくなってしまうというのは、それが事実であれば大きな問題になると思っております。

 私どもが今回基準の検討に当たって、ケージの供給能力についての定量的な試算等は、現時点では行っていないところでございます。

 事業者団体の代表の方からは、ケージの増産体制のラインを構築するのに半年ぐらいかかるかもしれないというような話をお聞きしたこともございます。輸入について、コロナの影響でというようなことは、当初は予測されなかったことだろうと思いますけれども、私どもも、今回の基準の適用に伴って、ケージの供給についてどういう課題があって、どういう形でその課題をクリアしていけるかということは、その別途のケージのメーカーさん等ともお話をさせていただきながら、何とか対応できるような方向で努力をしていきたいと思っております。今の輸入の状況等についても今後の状況を注視してまいりたいというふうに考えております。

 また、対応するに当たっての、融資等の対応につきましてでございますけれども、様々な制度が現在あって、特に、中小事業者に対しては非常にメニューが細分化されて分かりにくくなっているということもございます。どういった事業メニューが、どういったケースで活用できるかということについては、それは、改善をして基準を満たそうというふうに考えている事業者に対しては、私どもも、どのような制度があるのかということについて、今後確認いたしまして、ご紹介できるものはご紹介をしてまいりたいというふうに考えております。

【新美部会長】 ありがとうございます。今のご発言で確認しておいたほうがいいと思いますが、20万ケージぐらい取り換えなきゃいけないということですが、それは現時点でもこの基準をクリアできていないケージがそれくらいあるというご趣旨なんですか。既にクリアしているものがどれぐらいあるのか、クリアできていないものがどれくらいなのかとか、そういうことが分からないと議論が進まないように思います。現在ある20万ケージというのは何の数字なのか。クリアできないケージの数なのか。その辺を少し伺いたいのですが。

【脇田臨時委員】 ペットフード協会様のデータをいただきまして、年間に20万頭の親犬が交配に用いられ、ご縁があるというような考え方で行くと、今現状、父親や母親がどのくらいの頭数いるかというところを考えて、まずその数字が出たということと、ケージが今現状で小さいというご指摘がやはり多く、その中で、ワンサイズ大きくするということからいうと、ほぼ8割以上のケージがクリアできないというような形という考え方からすると、そのくらいの、20万個のケージは入替えが必要となる可能性もあるというような算出になるという考え方であります。

【新美部会長】 ありがとうございます。

 それじゃあ、打越委員、どうぞ。

【打越臨時委員】 パブリックコメント、自分では理解が難しい繁殖制限のところ以外は、全てご意見と環境省からの返答を拝読しまして、とても読みやすかったです。大量のパブリックコメントを、毎日終電まで残って整理したと聞いていますので、読みやすい形に整理していただいてよかったなと思います。

 また、経過期間を設定する項目と、それから、動物の飼養状態で一発アウトにする、即日施行の二段構えなのは、劣悪業者の駆逐と現実的対応の両面でいいのではないかと思いますので、事務局の提案に賛成したいと思います。

 その上で、パブリックコメントの一覧と、それから答申案の二つを、資料2-2を相互参照しながらお伝えしたい意見があります。

 一つ目は、パブリックコメントの中で3か所出てきた、犬の声帯の切除や断尾についてのところであります。パブリックコメントでは、見ていただかなくてもいいんですけれども、30ページの20番から51ページの7番、64ページの5番のところに書いてあって、声帯の切除や断尾は不要ではないか。むしろリスクもあるし、動物への苦痛なのではないかという意見があるのに対して、環境省は、回答は、幅広い視点から国民的に議論していくという返答になっていると思います。でも、資料2-2の答申案の4ページを見ますと、基準の解説書の策定について、その解説書の三つ目の項目として、より理想的な飼養管理の考え方について説明するというふうに書いてあります。そうであるならば、この声帯の切除、断尾という問題は、私は、基準の解説書の中で、触れることができるかどうかは別としても、議論の対象にしていいのではないかと。より理想的な飼育飼養管理の考え方として。

 というのも、騒音とか、けんか対策として声帯切除や断尾が行われているという、その行為が許されるのであれば、この適正飼養基準の趣旨に反すると思うのです。要は、犬や猫のストレスがないように運動や触れ合いの時間を設ける、そのための数値基準であるはずなのに、それでも犬がわんわんほえるとか、けんかをするほどストレスを抱えるというものであれば、これは適正飼養の数値基準をつくっても、心が入っていないことになる。つまり、わんわんほえたり、けんかをするような状況にしないための数値基準だと思うんですね。

 そうなったときに、私個人としては、本当は、個人的には原則禁止で、やむを得ない場合だけ根拠資料を出すとかというふうにしてほしいと個人的には思っているんですが、そこまでいかなくても、単に国民的な議論というだけではなく、せめて基準の解説書をつくるときに検討課題として入れていただきたいなというふうに、環境省の反応を見て、ちょっと私からの異論を出させていただきました。それが資料2-2の下のほうに、答申案で、品種による疾患リスクについて、犬種などによって疾患のリスクがあることは国民の議論だというふうに書いてありますけれども、この声帯の切除と断尾は、より直接的に動物の体に傷を入れるものですから、本当に直接的な動物福祉に関わる論点、まさに検討しなければいけない議論だと思っております。

 すみません、もう一点は短いです。パブリックコメントの65ページの15番に、業者をランク分けして公表してほしいというご意見があります。そのような仕組みはないですので、環境省のほうからしてみれば、法制度上、勧告に従わなかった業者は公表することになっているという返答になっていると思います。

 確かに、ランクづけなんて、今から急に制度化するのは無理だとは思いますけれども、ペットの入手に当たって、販売元、あるいは譲渡元に気をつける、それを伝えていく消費者教育の必要性というのを、その資料2-2、答申案の4ページの国民的義務のところに加えられないだろうかと。先ほど言った、品種による疾患のリスク、例えば国民的議論の対象なら、その販売元とか繁殖元について、消費者教育という、単に国民的議論をするのではなくて、消費者教育が必要だということを、環境省や自治体さんが意識づけできるような書きぶりにならないかなというふうに感じたところです。

 私からの意見は以上です。

【新美部会長】 どうもありがとうございます。断尾と声帯切除は分かりましたが、不妊手術は入らないんですか。

【打越臨時委員】 不妊手術したら繁殖できなくなっちゃいますよね。だから、ここで繁殖業者に関して指摘しているのは、恐らく、わんわんほえて、すごいうるさくなって、近隣から文句を言われたりするのを防ぐための声帯切除。

【新美部会長】 そうではなくて、ある意味で獣医学的な侵襲をするわけですね。伺いたいのは、同じ侵襲であるのに両者を分けるのか、分けないのかということなんです。

【打越臨時委員】 実は、その根拠としてパブリックコメントでいいなと思ったのが、51ページの7番のご見解で、今後、例えば家庭犬に譲渡するときに、ほえ声が出せない犬というのは、やっぱりコミュニケーションができないんじゃないかとか、そして断尾というものは犬の形状を変えてしまいます。犬は尻尾を振ってコミュニケーションするわけですから、それを、ストレスでけんかしてかみついて化膿させちゃいけないからというのであれば、不妊・去勢手術のように、動物が増え過ぎて不幸な犬猫を増やさないようにしようという趣旨とは全く違う、本当に人間の都合による侵襲ではないかなと思って、それがそのまま国民的議論の必要性だけではなくて、しかも理想の飼い方を考えると基準解説書に書いてあるなら、そこで議論だけでもしてもいいんじゃないかなということが、私が言いたいことです。座長、よろしいでしょうか。

【新美部会長】 はい、分かりました。事務局からご発言お願いします。

【長田動物愛護管理室長】 声帯切除とか断尾は、多分かなり専門的なというか、マニアックな議論もあるというふうに考えております。基準の解説作成に当たって、まずは情報収集に取り組んでみたいというふうに思います。

 それから、お墨つきですとか自主的なランクづけですね。ランクづけにつきましては、ご指摘のとおり、国がやるというのはいろいろ課題もございますけれども、やり方を間違えると不要なお墨つきを与えることにもなりますし、適切にやれば市場が優良な事業者を評価する仕組みにもなり得るということで、自治体や事業者がどういう対応をできるかということは重要な課題だと思っていますが、ご指摘の消費者教育につきましては、動物愛護管理基本指針でも掲げてあるようなテーマでございますので、どのような形で進めていけるか、検討したいと思います。

【新美部会長】 はい。それでは浅野委員、どうぞよろしくお願いいたします。

【浅野臨時委員】 浅野です。

 基準の解説書をつくるということで、その中で数字についてはいろいろ入れていくと、温度・湿度も。それはとてもいいと思うんですけれども、やはりその基準の解説書ではなくて、ガイドラインであるこの施行規則で、より具体的にしてほしいというところの話です。

 資料2-2でいいますと、8ページの(ロ)の部分で、ケージのところです。私自身、ちょっとこれ読みづらくて分からないので、そもそも解釈が違っていればまた後でご指摘いただきたいんですけど、飼養施設でケージ等の規模は次に掲げるとおりで、ただし書で一時的な場合は除外、(ロ)で犬猫のケージは次のとおりとすると。その「次のとおり」というものが、その次の文章を言っているのか、下を言っているのか、ちょっといまひとつ分からないんですけど。ただ飼養期間が長期間の場合は一体型か運動スペース分離型。その次の(ⅰ)(ⅱ)(ⅲ)の(ⅲ)のところに運動スペース一体型の定義があります。ということは、(ⅰ)が一体飼養型…、分離型ですね。分離型ということになるのかなと。まず、そういう前提で読んでいます。分離型が(ⅰ)で、運動スペース一体型が(ⅲ)と。ただし、これはあくまで長期間にわたる場合であって、長期間にわたらない場合は、この(ⅰ)と(ⅲ)の基準を満たさなくていいと、こういうふうに読んでいます。

 まず、それを前提とすると、長期間というのがどれぐらいかという定義がありません。これはパブリックコメントにもそういう意見がありましたけれども、例えばパブリックコメントの環境省の回答、4ページの部分で見ると、数日というのは長期間ではないという前提で書かれています。ペットホテルの数日の預かりは長期間ではないという認識を前提としていると考えられます。

 ただ、長期間というのがどれぐらいなのかというのが、一時的と長期間というものしか、この施行規則にないんですね。短期間というものがないんです。そうすると、一時的じゃないものは長期間なのか、長期間じゃないものは一時的なのかということで、すごく指導もしづらい。もっと言うと、数日が長期間じゃないとすると、数日というのを一時的ですと解釈する人も多分いると思うんですね。ですので、ここはまさに、今回、指導をより効果的にするために具体的にするという21条3項の趣旨からすると、ここはとても問題だと思っています。

 ですので、それが、じゃあ長期間ってどれぐらいかというのは難しいかもしれないけれども、24時間と考える人もいるのかもしれないですけれども、せめて「数日を超えるなど長期間」というふうに定義するとか、「一時的(半日)」とかですね、せめてそれぐらいは書いてもいいんじゃないかなと。一時的という言葉も、辞書なんかで引くと、いっときということなので、じゃあ数時間なのかなと。そういう社会通念といいますか、みんなの解釈が非常にばらばらになるところなので、ここは短期間という言葉を入れていないということもあって、ぜひ、その長期間というところだけは、施行規則で何か明示してほしいと思います。

 施行規則じゃなくて基準の解説書でいいという、多分そういうご判断なのだと思うんですけれども、相手に示せるガイドラインはこの施行規則です。内々のガイドラインであっては、そのガイドラインを仮に相手に見せたとしても、それは指導する側がよりどころとするために、自信を持って言えるためのガイドラインにしかすぎないです。相手が聞く必要はありませんので、やはりそこは施行規則で入れてほしいというふうに思います。

 それ以外の数値、温度・湿度とか、展示を行わない時間が最低何分と入れるかどうかとか、そういうのは確かに基準の解説書でもいいかなと思っています。

 また、員数の問題で、常勤の職員が勤務すべき時間が1日8時間より短いときに、じゃあ8時間というふうにするのか。8時間未満の場合は8時間として計算するかとか、そういう細かいところは基準の解説書でもいいかと思うんですけれども。この部分はちょっと施行規則で考えてほしいと思います。

 以上です。

【新美部会長】 はい、ありがとうございます。何か事務局からご発言ございますか。

【長田動物愛護管理室長】 まず、読み方でございます。ちょっと分かりにくい条文で大変恐縮でございますけれども、「次のとおりとすること」というのは、(ⅰ)から(ⅳ)のとおりとすることという意味でございまして、飼養期間が長期間にわたる場合にあっては、(ⅲ)または(ⅳ)によることということでございますけれども、やはり長期間という記述自体は、この施行規則の中では各所に出てまいります。基本的には同じことを指しているというふうに解釈せざるを得ないと思っていますけれども、具体的な期間を定める上で、例えば、先ほどのペットホテルということを考えますと、数日といったときに、じゃあ何日なんだということは最後までついて回るわけでございます。国内旅行でペットホテルに預ける人は運動スペースがないところに預けてもいいけれども、海外旅行でペットホテルに預ける方は運動スペースを備えたペットホテルに預けなければいけないというようなことになるのかどうかということが課題なわけでございます。

 例えば、ペットホテルもペットサロンも保管業でございますけれども、同じ保管業でも、預かる期間も預かっている環境の状況も変わります。また、通常は、ペットホテルは預かった個体を安全にお返しするというのが重要なミッションですので、運動施設に連れて行ってほかの犬と遊ばせるというようなことはしないわけでございますので、そういったことも踏まえたときに、省令の中で具体的に長期間の範囲を示すというのは限界があるというふうに考えておりまして、やはり現場の状況に即した柔軟な運用、かつその趣旨を踏まえた適切な運用で、不適切な事業者には厳格に指導できるということを全て満たすということを考えますと、ここでは「長期間」とさせていただいた上で、基準の解説の中では、ぼかすことなく、できる限り具体的な判断のよりどころを与えたいというふうに考えております。ありがとうございます。

【浅野臨時委員】 すみません、ちょっと確認なんですけど。すみません、じゃあ私、誤解していたみたいなんですけど、(ⅰ)というところは、一時的でなければ、長期間じゃなくても絶対必要と、こういう趣旨でよろしいですよね。

【長田動物愛護管理室長】 はい。

【事務局】 ローマ数字の(ⅰ)のところでいいですよね。

【浅野臨時委員】 はい。ローマ数字の(ⅰ)のところです。ありがとうございました。

【新美部会長】 それでは、山口委員、それから水越委員、ついで藤井委員の順序でご発言をお願いします。その後、佐伯委員のほうに回しますので。では、お願いします。

【山口臨時委員】 私のほうは、繁殖業者の飼養頭数について、もう一度考えていただけないかと思っているところです。飼養頭数については、生まれた子犬、それから繁殖の用にも供さない犬については外すと、頭数の中には入れないというふうに書いてあるんですけれども、今まで私が現役のときに対応したところでも、ほとんどが結局、元繁殖犬が多数になる、それが多頭飼育崩壊の元になっていることが多々ありました。

 そうしますと、これを頭数に入れないということになりますと、本当にそこが、もちろん子犬のほうも多頭、多産犬の場合と子犬の頭数も違ってきますし、それから、どんどん繁殖が終わった犬たちが増えていけば、そのお世話と現繁殖犬のお世話、両方やらなきゃいけないんですけれども、それが、元繁殖犬を員数に入れなければ、どちらも同じ犬猫ですので、お世話しなければならないのは当然ですけれども、どんどん頭数が増えれば増えるほど、繁殖犬のほうのお世話もできなくなる、元繁殖犬猫のほうのお世話もできなくなるということで、これは劣悪多頭飼育崩壊を助長することにならないかという心配をしております。

 ぜひ、そこのところを考えていただかないと、元繁殖犬の飼育管理が悪ければ法律で取り締まるというふうに言ってはいただいておりますが、やはり、どうしてもお世話に無理が出てきますので、そこのところをしっかりと、全体の頭数で考えていただきたいと思います、ぜひそこを配慮していただけたらと思います。

【新美部会長】 これはご要望ということですか。

【山口臨時委員】 はい。

【新美部会長】 事務局、何かありますか。

【山口臨時委員】 なかなか劣悪多頭飼育がなくならないと思います。このままでは。

【新美部会長】 よろしいですか。はい、どうぞ。

【長田動物愛護管理室長】 繁殖犬を頭数の算定に含まない理由については、先ほどご説明したところでございます。

 繁殖犬が長い間、繁殖事業者の下にいて、劣悪な環境で飼育されるというのは回避しなければならない、ご指摘のとおりでございます。それが事業施設にいる場合は、その状態の基準であったり、ケージのサイズの基準であったりというものは適用できるのではないかと考えておりますので、それを適用することもできますし、当然、法の第25条、虐待のおそれですとか、法第44条、虐待等については、制度として運用ができるというふうに考えています。

 一方で、これは正直に申し上げていいか分かりませんけれども、今回、無理に引退犬を頭数の上限の中に含めるということになりますと、もともと何度もご説明しておりますように、この頭数制限というのは、良好な状態で犬猫を飼育することを求めていく基準でございまして、経過措置を設けたのも、基準を満たさない場合に、それが遺棄をされたり、これは完全に違法ですけれども、殺処分されてしまったりということを避けるというのが目的でございます。

 これが、建前上、引退しましたといって別棟に連れて行かれてしまえば、これは愛玩犬ですということになってしまうわけですね。そうなってしまうよりは、事業施設の中で、適切な状態で飼養管理をして、ケージの基準や不適切な状態の基準がそのまま適用され、自治体の指導も行き届くという状態のほうが、状況を改善するのにいいとは思っておりますけれども、基本的には、多数の引退犬を飼養施設の中で飼養し続けながら事業を営んで、そこで収入を得るということは現実的ではないと思っておりますし、今回の基準の明確化によって、さらにそれは経営上も難しくなると思っておりますので、必要な経過措置期間が終了した後に、そういう状態が基本的にはなくなっていくということを目指して、全体としての制度を構築したという考えでございます。

【山口臨時委員】 ただ、実際に小田原で起こった事件でも、別棟に繁殖を引退した犬たちを閉じ込めて、発覚したときにはもう死体もあったという事件もありましたので、そういうこともやっぱりあるということを考えると、元繁殖犬の適切な飼養管理のこともしっかり考えていただかないと、同じような事件がまた起こるように思います。

【新美部会長】 はい。よろしいですか。

 それでは続きまして、水越委員、よろしくお願いします。

【水越臨時委員】 水越です。

 すみません、3点あります。まず、資料2-1の繁殖の用に供することができる回数、(6)の部分で、帝王切開を行った場合の診断書について5年間保存となっています。恐らく、1歳で帝王切開を行っても繁殖引退は6歳までなので5年間で足りるという解釈なのかもしれませんが、例外事項では繁殖は7歳まで可能となっているので、ここは5年間ではなくて、繁殖に供与しなくなるまで、いわゆる繁殖を引退するまで保存というような形にはできないのかなということが一つです。

 次は、7ページの従業員の員数に関する事項、経過措置についてです。第一種が令和6年、第二種は令和7年と、第一種と第二種が分けられていますが、私は、ここは一緒でも構わないのかなと思っています。第二種、いわゆる動物愛護団体を今回1年遅らせようとする理由が譲渡が増加する可能性があるからということなんですけれども、譲渡が増加するというのはそれだけではなくて、例えば多頭飼育崩壊等のことで、一気に動物が入ってきて、一時的に人員が足りなくなるということはあると思います。ですので、第二種の特例を設けるのであれば例えば自治体が認めた場合、認めた期間緩和するなどの特例事項としていただき、施行時期に関しては同様にしてはどうかと思いました。

 三つ目なんですけど、これは要望であるのですが、今後、この数値規制について犬猫だけではなく、そのほかの動物にも係るようにしていくということですが、先ほど山口委員がご発言になったように、繁殖に供与しない犬が今回、数に入らなかったのは、引退犬とペットとの区別がつきにくいからであると考えられます。繁殖引退犬に対してこれはペットですと言われたら、例えばペットとして飼われている犬に対しては頭数制限がないわけですから制限がかけにくいということもあると思いますので、第一種、第二種の動物取扱業だけではなく、家庭動物についても頭数制限があれば、繁殖引退した犬猫の数を制限することができるのではないかと思います。また全般的にこの基準が係るようになれば、多頭飼育崩壊等の問題も少なくなっていくのではないかと思います。

 以上です。

【新美部会長】それでは、事務局のほうからお答えがあれば、どうぞ。

【長田動物愛護管理室長】 先に最後のほうから、すみません、順番にお答え申し上げます。

 最後、ご要望ということでしたので、法律事項に関わるような大きなテーマかもしれませんので、今後、論点を整理していきたいというふうに思います。

 次に、員数規定の一時的な状態ということでございますけれども、一時的に満たすべき員数規定をオーバーしてしまうということの扱いですが、まさにその一時的をどう運用するかということによって、劣悪な環境で一時的だということにして、長期にわたって、劣悪なというか、かなり狭い環境に収容されているということもあるかもしれないと考えておりまして、特に譲渡団体等は、行政の譲渡という取組の重要なパートナーであると同時に、出口、つまり、その一般の飼育者がいつ現れてその動物を引き取ってくれるかということは、している段階では分からないということでございますので、気持ちとしては一時的だったけれども、ずるずると長引いて慢性的に基準を満たしていない状態が維持されるというようなことがあってもまずいだろうというふうに思っております。

 一方で、先ほど先生がおっしゃった、経過措置については一緒でいいんじゃないかというところでございますが、やはり第一種事業者が、与えられた時間の中で、犬や猫のお世話をしっかりやっていただくということと、第二種事業者というのは、その譲渡先を探すことにはたけているというようなことを考えると、必ずしも第一種事業者が譲渡の取組をすることは、もちろん妨げるものではないけれども、全ての事業者が独自に譲渡のルートを開拓するというのは難しいのかもしれないというふうに思っていまして、そういった中では、第一種事業者と第二種事業者が連携をして、引退した犬猫を一般の家庭に飼っていただくような工夫をしていくということもあるだろうと。

 そういったことを考えますと、やはり1年間ぐらいのタイムラグというものは十分に発生することがあるのかなというふうには思ってはおりますけれども、ご指摘のご趣旨もよく理解できるところでございますので、制度運用の中でどういうことができるかということは、先ほど申し上げた課題を十分認識しながら、慎重に検討しつつ、柔軟な対応ができるかどうかは考えてまいりたいと思っております。

 台帳については、佐藤係長から申し上げます。

【事務局】 台帳の保存、診断書の保存に関してなんですけれども、先生からは、帝王切開の関係でご指摘をいただきましたが、帝王切開に限らず、健康診断の診断書についても一律5年間は保存するようにという形にしています。これはその他必要な帳簿、台帳類が、全て5年というふうになっているというところと、この保存については、この個体がその事業所にいるかどうか、例えば、早めに引退をさせて譲渡した場合だったりとか、それこそ販売してしまった場合なんかも含めて、診断を受けた日から5年間はきちんととっておいて、何かまずいことがないかというところ、例えば自治体が立入検査に行ったりしたときに確認できるようにという形になっているので、5年間という形にさせていただいています。

 ただ、先生ご指摘のとおり、個体がいる間はそういった診断の記録等が重要ではないかというところについては、過去の情報も有用であると考えられているので、そういったところについては、今後、基準の解説書なんかでも整理していけたらいいかなというふうに考えております。

【新美部会長】 ありがとうございます。動物の診察記録の保存期間を人の診察記録以上にするという点をどう理由づけるか、全体のバランスもあります。私も、個人的には、今の情報技術からいったら、ずっと生きている限りとすることには賛成ですけれども、今度は法の体系から言ったときにどうなるのかだと思います。

【水越臨時委員】 生きている限りではなくても引退するまでということでお願いしたいです。1歳のときに帝王切開した場合には、5年たつと6歳になります。6歳では、まだ現役である可能性があるので、これは5年間ということではなくて、引退をするまでの保管というふうにしたらいかがでしょうかということです。

【新美部会長】行政文書ないしは医療の記録をどうするかという、これはもっと大きな問題にもなってきますので、動物の場合にそうすべきだということについては、なかなか他のバランス等のところが難しいだろうと思います。これは私の個人のコメントですけれども。ご趣旨は、理解します。私も、もともと情報は必要なときに必要なだけ使えるのが正しいと思っておりますけれども、法体系からいくと、ちょっと特別な説明が必要になってくるのではないのかなという、コメントでございます。

 藤井委員、どうぞ。

【藤井臨時委員】 この省令案なんですけれども、実際に実施をするのは地方自治体の職員ということになると思いますので、これに基づいてやったとき、どれぐらいの作業量になるのかという試算みたいなものがあったらお聞きしたいんですけれども、仕事って全般的に、少ない仕事量で効果的に効果を上げるというものが理想ではあると思うんですけれども、ここに書かれていることをやると結構な仕事量になると思うんですよね。

 現場に行ったときのことを考えても、例えば、犬と猫を分けて数えます。それからリタイア犬に対しても一々聞いて確認します。それから、一頭一頭、毛玉や爪の状態を、動物もよく確認する。動物を確認することは非常にいいことなので、それは時間を使ったほうがいいとは思うんですね。

 ただ、この省令に沿って、フルバージョンで監視指導をやったときに、人手がどれくらい増えるのか、またそれをチェックされる方の技能に関しても、新しい知識や技能が必要なのかどうかということで、例えば今いる人員よりも5割増しぐらいでできますよということなのか、それとも2倍、3倍かかります、10倍かかりますという試算があれば教えていただきたいと思います。

【新美部会長】 はい、ありがとうございます。これは実施の体制の問題で、大変重要だと思います。どうぞお答えください。

【長田動物愛護管理室長】 ご指摘ありがとうございます。もともとこの飼養管理基準を具体化する際に、自治体の方々のご意見としては、二つのご意見がありました。経験豊富な職員は、このような具体的な基準がなくても現場で飼養管理の状況の適否を判断できるのではないかという点と、誰が見ても基準を満たしているか満たしていないかが明確に判断できる基準がやはり必要だという、両方ございました。

 今回の基準は、その前者にも後者にも重きを置いているつもりでございますが、前者については状態基準というのを設けました。これも見て分かるという意味では後者の話とも近いんですけれども、ケージのサイズも測れば分かるということでございますが、測らないと本当に満たしているか満たしていないかは分からないというところが、藤井委員ご指摘のとおりですし、例えばケージのサイズも、この基準を満たすか、満たさないか、本当に厳格に運用しようとしますと、一頭一頭の体長、体高を、メジャーを当てて測るというようなことになってまいります。そうなりますと、ご指摘のとおり、自治体の負担が大幅に増大してしまうということになりますので、今後作成していく基準の解説というものが非常に重要だというふうに思っております。

 代表的な種については、体長がどれぐらいで体高がどれぐらいなので、大体どれぐらいのサイズのケージが必要だというようなことは、もう全て、計算しなくても分かるようなものにしていく必要があると思いますし、それを事業者にも同じようにお示しすることで、事業者側も自分たちが基準を満たせているか、満たせていないかがすぐに分かるような形にしていく必要があるというふうに考えておりまして、全体として、業務量が少し増えるという認識は持っていて、自治体の職員からもそういう声が届いていますけれども、何倍にもなるというようなことにはならないというふうに考えているところでございます。

 基準の解説書のつくり方は、その上で非常に重要になってくると思っておりますので、そこはしっかり取り組みたいと思います。

【新美部会長】 ありがとうございます。どうぞ。

【藤井臨時委員】 はい。経過措置も今回設けたということになっておりまして、経過措置を設けたんだけど監視指導は徹底しますよという、やる気みたいなことを書いてあると思うんですけれども、ぜひ、この期間というのを有効に活用して、どうすればいいのかということを、見直しをやっていただきたいなというふうには思うんですね。

 この監視指導を一生懸命、最初やりますよというときの中に、経過措置の対象外の事項に関しては、勧告とか命令とか取消とか、そういうのも当然やりますというふうになっています。一方、この経過措置の対象になっているものですね。例えば、ケージのこととか、あとは、この員数のことについては、せっかくの機会ですので、じゃあ実際に適合する人と適合しない人というのが、どれくらいの数がいるのかということを、しっかり調査をするいい機会ではないかなというふうに思います。

 そのときに、判断に迷うことがあれば、今度新設される相談窓口というのがありますので、そこで都道府県によるレベルの違いみたいな、レベル合わせも積極的にされるといいのかなというふうに思います。

 これ、経過期間が終わったときに、何が残るかということなんですけれども、例えば、最後に残るのは、この員数のところになるんですけれども、そうすると、広い設備は整っていますよと。動物も健康できれいに管理されていますよと。ただし、頭数が多い施設というのが幾つかありますというふうになったときに、施設も広くて健康できれいな犬や猫がいるというときに、その状態で頭数って減らす必要があるんですか。そこをちょっとお伺いしたいんですけれども。

【新美部会長】 どうぞ。

【長田動物愛護管理室長】 そこも端的に申し上げると、員数規定をそこは満たしている施設であるというふうに考えております。

【藤井臨時委員】 いや、経過期間中のときには、25頭か35頭とかということですよね。ですから、その状態で既に施設もちゃんとしていて、犬も猫もきれいになっているというときに、それでも15頭まで減らす必要があるんですかということです。

【長田動物愛護管理室長】 今回の基準案を検討会でご検討いただいたプロセスの中では、特に私どもが前提にしました1頭当たりのお世話に要する時間ということの中で、それぞれの飼養されている犬や猫との触れ合いに関する時間というのが十分とれていないのではないかという指摘がございました。やはり、今後さらに、引退をしたものについては速やかに譲渡して家庭で飼われていくということを考えていきますと、繁殖施設で飼養されている間も人との積極的な接点があり、また犬同士、猫同士の社会化等も必要に応じて行われる中で、家庭に速やかに入っていける犬や猫にしていく必要も重要だと、必要性もあるというふうに考えておりますので、そういった観点からは、私どもとしては、今の基準値が適切であるというふうに考えたところでございます。

【藤井臨時委員】 すみません、ただ、触れ合いとか運動の時間とかというのは、経過措置の対象外のことですので、まず経過措置の期間中に、まずはしっかりと指導すべき内容ではないかなというふうに思います。

【新美部会長】 続きまして、佐伯委員、どうぞ。ご発言をお願いします。

【佐伯臨時委員】 まずは、大量のパブコメを見やすいような資料に整理していただいた、膨大な作業量だったと思います。動愛室の皆様方には敬意を表したいと思います。

 それで、一つ、質問と要望とあるんですけれども、まず資料の2-1の2ページ目のところ、基準の解説書の策定のところです。この環境省の目的というようなところに、「指導監督を行う自治体職員に対し」というふうに書かれています。ただ、資料1ですね、パブコメの中の31ページの1の意見に対する回答としまして、策定を予定している基準の解説書の中で、健康診断の項目について整理するというような回答をいただいています。

 私、前回の審議会でも、今回の改正に伴って、行政の獣医師については仕事量が増えるとは思うんですけれども、これが例えば診断書、健康診断を行ったり、診断書を交付したりというのは、行政の獣医師ではなくて臨床の獣医師が行うことだと考えます。だとしますと、今までやっていないことをやれということになってきますので、それについては、パブコメの中でも環境省が指定するような獣医師をつくるべきだというご意見もありましたけれども、この解説書については、自治体の職員だけではなくて、やはり開業獣医師についてもこれに含めるのか、これを配付するのか、それとも別に、臨床獣医師向けに何かガイドラインのようなものをつくるのかということは検討すべきではないかとは思うんですけれども、そちらについて、お考えをお聞きしたいということなんですけれども。それが1点ですね。

 それからもう一つは、同じ資料2-1のほうの7ページのところに、いろいろ経過措置についてあります。先ほど藤井委員のほうからもありましたけれども、先ほど、室長のほうからは、そんなに行政職員の仕事量は増えないというようなご見解もあったんですけれども、ただ、今、現場では、新型コロナに対する対応で人が取られている部分もあったり、感染した飼い主さんの動物を預かるようなことがあったりとか、それから、漏れ聞くところによりますと、新規採用の職員も決して順調ではなく、定員をかなり割っている自治体も多いというふうに聞いている中で、この期間にこの仕事量をこなすというのは、そうたやすいことではないんじゃないかというふうに現場からは聞いています。ですので、これに対しては、それ相応の対応というのをまた考えていただきたいですし、解説書の中にも、先ほど工夫するというお答えでしたけれども、そういったことは十分に現場にもお知らせいただきたい。これは要望になります。よろしくお願いいたします。

【新美部会長】 ありがとうございます。では、最初の点についてのお答えをお願いします。

【長田動物愛護管理室長】 はい。解説書につきましては、一義的には登録を受けている事業者、届出をしている譲渡団体等の団体と自治体の担当部局の職員というのを意識してはおりましたけれども、今ご指摘いただいたように、開業の獣医師さんたちもこの基準を履行していただくための重要なパートナーというかステークホルダーになりますので、適切な情報をどうやったら効率的にお伝えできるかということについて、現場の状況なども教えていただきながら、併せて整理をしてまいりたいというふうに思います。

 2点目の自治体の職員の負担ということでございますけれども、やはり不安だという声は聞こえております。既に、先んじて事業者への説明を、まだ案の段階でございますけれども、始めようということで、動き始めようとしている自治体もあるというふうに聞いておりますので、よく現場の職員さんの意見を聞きながら、いかに効果的に、効率的に、その事業者に対して状況改善等を図っていくよう指導できるかということについては、自治体からもまた意見を聞くことにしていますので、そういったことを丁寧にやりながら準備をしてまいりたいと思います。

【佐伯臨時委員】 ありがとうございます。特に、臨床獣医師に対しましては、行政の獣医師と違いまして、何か権限があるわけでもありませんし、守るべき何か、そういう組織的なことがあるわけではありませんので、今回、大分苦労してこのような基準が設けられてきている。これをきちっと履行していくためには、そういったところをきっちりサポートしていきませんと形骸化していく、あるいは抜け道ができてしまって、ずるい業者だけが残っていくような可能性も出てきますので、そこを十分に留意していただきたいと思います。ありがとうございました。

【新美部会長】 どうもありがとうございます。大分時間も押しておりますが、お二方、山﨑委員と近藤委員が手を挙げておりますので、西村委員が発言して、それで山﨑委員かな。そして近藤委員のほうに回ります。

【西村臨時委員】 西村でございます。

 声帯切除と断尾の話が出ましたので、臨床獣医師としての意見を述べさせていただきます。海外でも日本でも、獣医倫理学では、特別の事情がなければ声帯切除は倫理に反する、断尾や断耳も好ましくないと教わります。一般に声帯切除をやっている病院はまずないと思いますし、断尾や断耳とくに断耳をやっている病院もかなり少ないと思います。世の中そういうものというふうにご理解いただければいいかなと思います。

 もう一つは、新美先生から不妊手術の話もあったのですが、じゃあそれはいいのかという話もあるんです。実はこれもちょっと微妙な問題で、不妊手術とか去勢手術というものは、あくまでも人間のためにやることなんですよね。動物にとってメリットもないわけじゃないですけど、というところがあるので、じゃあ不妊とか去勢はいいのかと言われると、これは本当に動物福祉の根幹といいますか、そこをどうするのみたいな話になりますので、そういう議論というのも将来的にはやっていただくといいかなというふうに思います。

 以上です。

【新美部会長】 はい、どうもありがとうございます。非常に貴重な情報をいただきました。

 続きまして、山﨑委員、どうぞ。

【山﨑臨時委員】 幾つか質問、それから意見というか、情報提供させていただきたいと思いますが、第一種の、いわゆる、この一番最初にいただきました2-1の1ページに、第一種の事業者全般の一覧がございますが、何か販売業のところにすごく議論が集中しているような気がいたしまして、実際に、例えば員数を考えたら、恐らく展示業と訓練業がさらに大きな課題になるのではないかと思っております。特に、大規模な警察犬訓練所とか、それから、いわゆるわんわんパーク的なもの、ここは本当に、実質的に、相当少ない人数で大量の動物を扱っているところが一番多い場所だと思いますので、その辺は、やはり、どういうふうに管理をしていくかというのが、どうしても繁殖業とか販売業のほうに目が行きがちですけれど、全般的に、やはり見ていただく必要があると思います。

 それから、同じページなのですが、「仮に遺棄、殺処分等が行われるようなことがあれば」云々という文章に関してでございます。大変言いにくいことではございますが、場合によっては、例えば体調も悪くなり、繁殖も引退して、じゃあ積極的な安楽死をしようかというような判断をなさる業者さんや、それから飼い主さんというのもおられることだと思うのです。ですから、その辺は、いわゆる殺処分という言葉は、当然のことながら、あまりいいイメージではございませんけれども、積極的な安楽死を選択するという飼い主あるいは占有者の決断に関しましては、どういうふうな扱いをするかというところもご検討いただく必要があると思います。

 それから、何人かの方が、もう既に水越委員も藤井委員もおっしゃっていますけれども、同じ資料の2ページで、自治体の取組の支援の充実と書いてありますが、自治体が不適正事業者に厳格に対応するための相談窓口を設置するとともに云々ということで、自治体そのものが、やはり、ただ単に業者をチェックするというだけではなくて、そういった、やはり業者さんの相談など、そういったものも随分これから入ってくるであろうということを考えております。

 これに関しましては、作業量という話よりも、むしろ予算と、それから人員増員というような、具体的な策が必要です。これは政治的決断になると思いますが、今でも自治体によっては、本当にそういった動物管理行政を数名で回しているようなところもたくさんございます。これをどうするのかというのは、これは明らかに、予算措置と新たなシステム作りというところに結びつけていかないと、幾ら厳格なルールをつくっても絵に描いた餅になる可能性があるというところは、我々全員が自覚しておかなければいけないことであろうと思っております。

 水越委員がおっしゃいました、第一種、第二種同時期のほうがいいのではないかという意見に私も賛成でございます。というのは、既にパンク状態の民間の方々で、レスキュー団体さんなどがたくさんあります。そういったところが、実は一気に、例えば業者さんへの支援として、じゃあ引き取りますということになったら、常にパンク状態にあるたくさんの団体というのが、もう多頭飼育崩壊どころではないような状況に陥るでしょう。ご存じのとおり、2,000頭超えというような団体も日本にはいるわけですから、それに対して、やはり同時期にやっていかなければ駄目なのではないかと思います。

 そういった団体さんに関しては、員数に関して、例えばボランティアの手を数えるのかも検討するべきです。何百頭を例えば保管している場合は何人必要か。そして、ボランティアの台帳ですが、例えば300人のボランティアが私たちのところに、台帳に登録していますというふうな書類は見せられることがあると思いますけれども、多くの団体、結構有名な団体さんでも、幽霊ボランティアさんをたくさん抱えておられます。ですから、ボランティアの一覧だけで、第二種は員数が満たされるというふうになるのか、それとも、そこら辺は何か、もう少し、ちゃんと探りを入れるというような手だてがあるのかというところを考えていただきたいと思います。

 今、西村委員がおっしゃいました、断尾、断耳等に関しまして、不妊・去勢はちょっと置いておきまして、例えばパブコメの45ページの一番最後に、オランダでは、動物福祉の観点から短頭種の繁殖を法律で禁止していますと書いてありますけれど、実質的には、これは法律で決めるよりも、ブリードスタンダードを変えていかなければいけない問題なんですね。これは2005年でしたか、2006年でしたか、世界で最も有名なドッグショーのクラフツ展でベスト・イン・ショーを獲ったペキニーズが、実は軟口蓋の奇形があって手術をしたといって獣医師が名のり出て、そのタイトルを取り上げられた結果として、実は英国や北欧諸国におきましては、そういった短頭種のブリードスタンダードを変えようと。ぺっちゃんこな顔が、ぺっちゃんこであればぺっちゃんこだけいいということではなくて、例えば今、英国のブルドッグなんかも。

【新美部会長】 手短に、よろしくお願いします。

【山﨑臨時委員】 はい。若干、伸びてきておりますので、そういったことで、ジャパンケネルクラブ等で断尾、断耳、ブリードスタンダード等を全体的に議論するというようなスタンスを取っていただきたいなというふうに思っております。

 以上です。ありがとうございました。

【新美部会長】 はい。どうもありがとうございます。それでは、続きまして、近藤委員、お願いします。

【近藤臨時委員】 意見を言うつもりはなかったんですが、3人の委員の方から自治体のことについて触れていただいているので、改めて自治体代表の私のほうから、ほとんどお願い事項ですが、現に、監視するマンパワーは足りていません。どこの自治体も規模の違いはありますが、先ほど佐伯委員がおっしゃったとおり、今は動物より人間の命が大事な時期で、公務員としてどちらを優先するかといえば人の命のほうということで、我々もそちらのほうに応援に行ったり、そちらの手伝いをしているというのが現況です。

 コロナについても、これから先、ちょうど計画期間中、またコロナ前の平和な時代に戻れるのかどうか分からない中、今の計画期間内中に、今の陣容・体制で対応できるかというと、不安はあります。ただ立場上、できないとは言わない。当たり前ですよね、公務員ですから。最初から、せっかくこんな立派な改正になるのに、できないとは言いません。ただ、実際にやって、追いつくかどうかというのは、不安は各自持っていますので、その辺について、国としても、ただ声を聞いてくれてアドバイスするだけではなく、実弾ですね、そういった援護についても、昭和の時代じゃないから、ちょっと古臭いですけれども、そういったことについてもご検討を今後していただきたいという要望です。

【新美部会長】 ある意味で切実なご要望ですので、これもしっかりと事務局として受け止めていただきたいと思います。

 それでは、時間を大分、大幅に過ぎていますが、佐藤委員で打ち止めということにしたいと思いますので、どうぞ、ご発言をお願いします。

【佐藤委員】 はい。私はこういうことの専門ではなくて、生活文化そのものみたいなものを研究している者ですけど、今回、関係者の方々からたくさんのはがきや手紙をいただいて、それはもう、もっと厳しくしろというのと、もっと緩くしろという、両方ともからいただいて、接点がないんじゃないかと思って、すごく心配になって、今日この場所に来ました。今日、パブコメのご説明を聞いて、ちゃんと落としどころはあるなということが分かって安心いたしました。

 そういう意味では安心しましたが、もう少し進めていただきたいなと思ったのが、ここにも書いてくださっているんですけど、やはり国民的な議論の推進というのがまだまだ足らないんじゃないかと思います。殺処分に関しては、ドキュメンタリーとかたくさんありますし、犬とか猫を譲るという話もたくさん出てきていると思いますが、実際もっと原点になるような話が全然されていないのではないかと思いました。

それから、消費者も考えていますから、ちゃんといいところから犬や猫を購入したり、もらったりして飼いたいと思っていると思うんですね。それが、じゃあ分かるかといったら、なかなか分からないのが現状じゃないかと思います。ここでも、何か認証というか、評価されるような仕組みをつくろうというような話がありましたけど、これは、環境省がつくるというのはいろいろ難しいかもしれませんけれども、お互い違う立場の皆さんが集まって、こういう基準をつくっていって、それが一般消費者の方にも分かるような形になれば、もっと議論もできるし、良い方向にいくと思います。多そのスタートラインが今かなというような思いで聞いておりまして、これから解説書もつくられるようなので、その中でいろいろな議論をしていただくことを期待したいです。まだまだメディアでは、こういう問題はそんなに取り上げられていないと思うので、これが多くの人の関心事になって、本当にいい形になればいいと、今日お話を聞かせていただいて思いました。

【新美部会長】 どうもありがとうございます。非常に濃密なご議論をいただきました。この答申案そのものに対するご指摘もございましたし、その後のエンフォースメントに関してもご意見をいただきました。

 この答申案については、その骨格について、大きな変更を迫るというようなご意見、ご要望はなかったと思いますので、幾つかの修正点、補充点についてご提案をいただきました。その点の取りまとめを含めて、パブリックコメントを踏まえた答申案の作成につきましては、必要な修正を加えてまとめるということを、最終的に、私にご一任いただけたらと思いますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。

 どうもありがとうございます。どうぞ。

【藤井臨時委員】 すみません、今日、参考資料にも入れていただいたんですけれども、政策立案するに当たって、前回にもちょっと発言をさせていただいたのですが、プロセスがあって、リスクを評価すること、それからリスクを管理する方法について考えることという、このステップが重要だということをお話しさせていただきました。

 事例でもありましたけれども、アルコールには発がん性があっても飲酒そのものは禁止されないということは、やっぱり世の中を見ての判断ということがあると思います。そういう意味では、リスク評価の部分については、武内委員が座長を務められた検討会で、強いエビデンスがない中でも、とにかく試案をねじり出すというような努力をされて、試案が出てきたわけです。

 今度、リスク管理については、例えば、今の自治体の取組も含めまして、この案が実行できるかどうかという検証が非常に重要になってくるわけですね。今日少し意見も出ましたけれども、そもそも、この省令案をつくるに当たって、社会や事業者、それから行政が、どういうことが起こるのかという定量的な情報がないままに、この案が決まってしまうというものは、プロセスとして少しおかしいのではないかと思います。

 これはこれでもう時間がないことでしようがないとは思うんですけれども、今後、政策を決めるに当たっては、そういう社会的影響とかそういうものをちゃんと俎上に乗せて、そして審議をしていただきたいというふうに思います。

 以上です。

【新美部会長】 はい、ありがとうございます。レギュレーションについて、どういうものがメリット、デメリットがあるのか、これは原則ですので、これは常に、環境省だけではなくて、行政全体、あるいは立法府全体の問題だというふうに思います。

 ただ、私も法律家ですから、量的な証拠が必要だというのは、すべてについて要求することは数量化のできないものも含まれる多様な法益の調整を図る必要がある法律の分野では不可能です。というのは、例えば何が動物福祉なのか。これは数量化できません。だから、そういうことを含めて、どういう点に着目すべきかということを議論しないと、まずくなります。

【藤井臨時委員】 ですので、決めるに当たっては、そういう決め方になるとは思うんですけれども、分かることに関しては情報として出して、皆で意見を言ったり考える場を設けるべきだということを申し上げただけです。

【新美部会長】 それは全く賛成ですが、それはどういうふうにやるのかというのが今後の課題だと思います。今申し上げた点で、よく言うのは、数量化できるものとできないものがあるということは、政策決定のときには必ず必要ですので、それは我々、肝に銘じていかなきゃいけないだろう。ご提案は私、反対する趣旨ではなくて、そういう難しい問題を抱えているという趣旨でございます。

司会の不手際で時間をオーバーしましたが、この答申案につきましては、事務局から情報をいただきながら、最終的な取りまとめを私の責任においてさせていただきたいと思います。どうも熱心なご議論をありがとうございます。

 それでは、続きまして、次の議題に移りたいと思います。申し訳ありません。大分、予定を過ぎておりますが、今後のスケジュールについてご紹介いただきたいと思います。

【事務局】 ありがとうございます。部会長、委員の皆様のご都合が許しましたら、ちょっと事務局からこの場でご提案させていただきますけれども、15分か20分程度、ちょっと延長させていただければと思います。申し訳ございません。

 それでは、資料3、今後のスケジュールについてご説明いたします。

 本日、第58回の動物愛護部会を開催いただきました。本日、答申案をおまとめいただきまして、ありがとうございます。

 来年に入りまして、2月頃、この関連の省令の公布をいたします。その後、6月1日の法律の施行に向けて、先ほど来お話に出ております基準の解説書の作成を、武内座長の検討会の中でご議論いただくということで予定しております。

 再来年の6月1日に、マイクロチップの装着義務化というところまでございますので、今後の流れをご承知いただければと思います。

 以上です。

【新美部会長】 ありがとうございます。今後のスケジュール、こういう段取りで行くということでございますので、あらかじめ、ご念頭に入れておいていただければと思います。

 それでは、続きまして、議事2のその他に移りたいと思います。

 報告事項が1点ございまして、動物の愛護及び管理に関する法律に基づく指定登録機関に関する省令案について、その概要を資料4に基づいてご説明いただきたいと思います。よろしくお願いします。

【事務局】 はい。お手元の資料3-1をご覧ください。こちらについて報告させていただきます。

 こちらは、令和4年6月1日に施行されますマイクロチップの装着義務化に関しまして、登録等の事務を環境大臣に代わって実施する指定登録機関に関する内容を定める環境省令案の概要を記載しております。

 内容としては、資料3-1の2.(1)から(12)までに記載したとおり、指定に当たっての申請等、国に代わって一部の事務を執り行う期間を指定する場合の一般的な事項を定めるとともに、今回のマイクロチップの制度に関しましては、大規模な飼い主の個人情報を取り扱うことから、個人情報保護、情報セキュリティーなどが十分担保されるよう、必要な内容を記載しております。

 この省令案については、来年の1月以降にパブリックコメントを実施しまして、必要な手続を行った後に、公布・施行を行ってまいります。

 3-1につきましては、以上でございます。

 引き続きまして、資料3-2をご覧ください。

 こちらにつきまして、表紙をおめくりいただきまして、2ページ目をご覧ください。

 これまでもマイクロチップの装着等義務化に関しまして、説明に利用してきた資料でございます。

 本日説明させていただく部分ですが、カラーで色づけしております右上、赤字部分の、政令で定めるマイクロチップ登録等手数料に関しましてと、右下の青字部分、環境大臣が指定する指定登録機関について、ご報告させていただきます。

 次に、おめくりいただきまして、3ページ目をご覧ください。

 こちらは、今後政令で定めるマイクロチップ登録等の手数料の設定に関する考え方を記載したものでございます。法律第39条の5におきまして、手数料に関して規定されております。

 このため、今後、手数料の設定につきましては、(1)所有者情報の登録等が適切かつ確実に実施されるため、実費を勘案した額を設定する。

 (2)登録等を行う者の受益するサービスにつきましては、指定登録機関の数が多いかどうかには左右されませんので、受益者負担として適切な額で、1個体の最初の登録から、最後の飼い主による変更登録までの一連の手数料の合計が社会的に許容される、できるだけ安価な額となるように設定する。

(3)諸費用に関しましては、年間登録件数等、想定される数を算出した上で検討いたします。

(4)その諸費用に関しては、(4)に明示したような費用が想定されております。

(5)指定登録機関が指定された後に、費用の詳細を精査し、必要な手続を経て手数料を設定することとしております。

 このページにつきましては以上です。

 次に、おめくりいただきまして、4ページ目をご覧ください。

 こちらは、指定登録機関の指定に関する資料でございます。本日はこの白地部分についてご説明させていただくものです。

 おめくりいただきまして、5ページ目をご覧ください。

 指定登録機関の指定要件について、ご説明させていただきます。

 まず1.スケジュール、公募方法についてですけれども、先に説明いたしました指定登録機関に関する省令を公布・施行した後、1か月程度の公募期間を設け、必要な手続を行った後に、指定登録機関として適切な者を指定してまいります。

 次に、2.指定登録機関指定の要件(例)をご説明させていただきます。

 まず(1)についてです。指定登録機関の事務その他必要な事項につきまして、適切かつ滞りなく実施していただくためには、必要な体制を整備し、確実に実施していただく必要があると考えております。

 登録につきましては、原則としてオンラインでの対応とすること。また、ブリーダーやペットショップ、一般の飼い主など、全国全ての所有者から犬猫の登録申請に速やかに登録等できる体制を整えることを考えております。

 1ページおめくりいただきまして、次に6ページ目をご覧いただければと思います。

 こちらのページは、指定登録機関で構築いただくシステム、マイクロチップの登録手数料の収納、公共機関からの問合せ、普及啓発等についての要件を記載したものでございます。

 次に、7ページ目をご覧ください。

 今回の義務化に当たり、大規模な個人情報を取り扱うことになるため、(2)においては、個人情報保護、情報セキュリティーが適切かつ確実に担保され、継続的に維持されることを示す、客観的な保証が必要と考えております。まず、第一には漏えいをさせないこと。あってはならないことですけれども、この万が一の漏えいの対応につきましては、迅速に行っていただく必要があると考えております。

 また、個人情報保護に関する第三者認証(プライバシーマーク)の取得ですとか、指定登録機関の登録システムの構築を行う際のISO認証の取得など、必要な要件を記載してございます。

 (3)では、指定登録機関に関する個人情報の保管、利活用は認められないこと。

 (4)では、環境省データベースについて、令和5年度以降は指定登録機関が保守・運用業務等を実施する体制を確保し、必要な費用負担を行うこと。

 (5)は、仮に指定登録機関が複数の者とされた場合は、手数料収入の分配、環境省データベースの保守・運用等に係る費用負担等につきましては、法で規定される連携規定を踏まえまして、指定登録機関間で自ら調整いただくなどの連携を行うための用意をしていただくこと。

 (6)現時点で民間の登録団体を利用している者に対しては、登録済みのデータを環境省のデータベースに移行していただく可能性について、指定登録機関が調整を行う必要があることなどを記載させていただいております。

 以上、マイクロチップの義務化の検討状況について、報告させていただきました。引き続き、必要な検討を行ってまいります。

 以上です。

【新美部会長】 ご説明ありがとうございました。マイクロチップ登録制度、準備が着実に進んでいるということの、まずは指定登録機関についての省令案のご紹介でございましたが、何かご質問、ご意見、ございましたら、よろしくお願いいたします。よろしいでしょうか。

 多くの課題を解決するための制度がようやく動き出すためのインフラが整備されようとしておりますので、ぜひ注意深く観察しておいていただければと思います。どうもありがとうございました。

 以上で、議題2、その他については終わりたいと思います。

 なお、本日の議事1、2につきまして、全体を通じて何かご意見、ご確認がございましたら、どうぞご発言をお願いいたします。

 それでは、以上をもちまして、本日の議事は全て終了いたしました。ご協力ありがとうございました。

 何か、さらに振り返りまして、今回の答申に至る過程全体を通じてコメントがございましたら、ご自由にご発言いただけたらと思いますが、よろしいでしょうか。特にございませんでしょうか。

 今回の飼養管理義務の答申をするに当たりまして、その前提となる重要な検討を、検討会の武内座長をはじめ、委員の皆様方に大変なご協力をいただきました。心から御礼申し上げます。

 基準の中身、非常に重要なものでございますが、それと同時に、これをしっかりと運用していくことこそ大事だというふうに思っております。基準の運用に向けた準備を着実に進めていただきたいというふうに思います。

 先ほど、自治体の側から、手厚いバックアップをお願いしますというご意見が出ましたし、委員の皆様方からもそういうような要望が出されたところでございますので、そういうことも含めまして、運用、その実践ということに向けて、皆さんの協力を得るとともに、動物の適正な飼養管理が実現していくということを期待してやまないところでございます。

 これで本部会、年内は終わりということになりますが、どうもありがとうございました。ここで進行のマイクを事務局のほうにお返ししますので、よろしくお願いします。

【事務局】 部会長、大変ありがとうございました。委員の皆様も、長時間にわたりましてご審議いただきまして、誠にありがとうございました。

 それでは、閉会に当たりまして、自然環境局長の鳥居よりご挨拶申し上げます。鳥居局長、お願いいたします。

【鳥居自然環境局長】 委員の皆様方におかれましては、この師走の押し迫ったときにお集まりいただきまして、今日もご熱心な、本当に熱心な議論をいただきまして、本当にありがとうございます。

 また、武内委員におかれましては、この審議会の前の検討会のフェーズで、本当に座長で検討会の取りまとめをしていただきました。どうもありがとうございます。

 今日も本当にいろんな意見が出る中で、課題もいっぱい浮き彫りになってきたと思います。来年6月1日が施行、また一部経過措置というのがありますけれども、例えば解説書、仮称ですけれども、それの作成だとか、いろいろな相談窓口の設置だとか、本当にいろいろ、今日も幾つか課題もご提示がありましたけれども、そういったものに、私どももしっかり対応していくべく、取り組んでいきたいと、来年以降も取り組んでいきたいというふうに思いますので、引き続き、皆様方のご指導ご鞭撻といいますか、いただければというふうに思います。

 そういうことで、ますますこの課題について、世間の注目もどんどん、また高まっていくことと思いますけれども、我々といたしましても精いっぱいのことをやっていきたいというふうに思います。

 本当に、これまでのご尽力に感謝申し上げますとともに、また来年以降もいろいろとご指導いただければというふうに思います。私からの締めの挨拶とさせていただきます。本当に、どうもありがとうございました。

【事務局】 以上をもちまして、本日の部会を閉会といたします。本日は誠にありがとうございました。