中央環境審議会動物愛護部会 第52回議事録

1.日時

 令和元年10月17日(木)14:00~16:30

2.場所

 環境省 第1会議室

(東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎5号館 22階)

3.出席者

 新美 育文  中央環境審議会動物愛護部会長

 松本 吉郎  委員      浅野 明子  臨時委員

 打越 綾子  臨時委員    太田 光明  臨時委員    

 近藤 寛伸  臨時委員    佐伯  潤  臨時委員

 永井  清  臨時委員    西村 亮平  臨時委員

 藤井 立哉  臨時委員    水越 美奈  臨時委員 

 山口 千津子 臨時委員    脇田 亮治  臨時委員

     

 

4.議題

 (1)動物の愛護及び管理に関する法律等の一部を改正する法律の施行等の在り方について(諮問)

 (2)改正動物愛護管理法の施行に伴う施行規則改正省令等(1年以内施行)の骨子案について

 (3)動物愛護管理基本指針の改正に向けて

 (4)その他

5.配付資料

 資 料1   動物の愛護及び管理に関する法律等の一部を改正する法律の施行等の在り方について(諮問)

 資 料2-1 改正動物愛護管理法施行に向けた動物愛護部会における意見聴取事項(1年以内施行関連)

 資 料2-2 改正動物愛護管理法の施行に伴う施行規則改正省令等(1年以内施行)の骨子案

 資 料3   動物愛護管理基本指針の改正に向けて

 参考資料1  改正法の施行に向けた政省令等と基本指針の改正検討スケジュール(予定)について

 参考資料2  愛玩動物看護師法に基づく指定試験機関に関する省令案の概要に対する意見募集

       (パブリックコメント)について

6.議事

【事務局】 それでは定刻となりましたので、第52回中央環境審議会動物愛護部会を開催させていただきます。

 本日司会を務めさせていただきます、環境省動物愛護管理室室長補佐の松本でございます。どうぞよろしくお願いいたします。以降、座って続けさせていただきます。

 まず、本日の定足数の確認につきまして、本日は当該部会の委員、臨時委員、全17名のうち、13名のご出席をいただいております。佐藤友美子委員、稲垣清文臨時委員、武内ゆかり臨時委員、山﨑恵子臨時委員におかれては、欠席のご連絡をいただいております。過半数、13名のご出席をいただいておりますので、過半数の定足数を満たしております。よって、本会は成立しております。

 それでは、開会に当たり、大臣官房審議官の白石より、ご挨拶を申し上げます。なお、自然環境局長の鳥居は所用のため、途中から出席となりますことを申し添えます。

【白石大臣官房審議官】 環境省大臣官房審議官の白石でございます。

 本日は皆様ご多忙のところ、中央環境審議会動物愛護部会にご出席いただきまして、誠にありがとうございます。

 議事に先立ちまして、先般の台風19号におきましては、各地で多大な被害がございまして、被災された方にはお見舞い申し上げたいと思います。環境省も、特に廃棄物処理分野及び動物愛護行政に関しましては被災者に寄り添った対応をということで、今、省を挙げて取組を進めているところでございます。

 動物愛護関係でいいますと、やはり被災された方に関して、避難をされるわけですけれども、指定の避難場所までペットと一緒に避難するという同行避難というものが、やっぱり現場ではどうしても問題になりますし、多分皆様のところにも、そういうようなお話がいろいろ入っているのではないかなと思っております。我々といたしましても、動物は命あるものでございますし、きちっと発災時におきましても被災者の安全確保とか、心のケアの観点から、ペットの同行避難というものがきちっとできるようにする環境を整えるということが、我々の行政上、非常に重要な課題であるというふうに考えてございまして、関係する被災自治体についても、いろいろ働きかけを今しているところでございます。いろいろ現場が混乱しているということで、さまざまなインフォメーションが世の中に出ているとは思うんですが、できることをきちっとやっていきたいということを、まず先に申し上げたいと思います。

 着座にて失礼します。

 それで、本日の議題でございますけれども、まず前回、9月5日の部会におきましては、6月19日に公布されました改正動物愛護管理法の概要、それから関連する政省令等につきまして、ご説明させていただきました。今般、改正法の施行に向けまして、去る10月8日付で、小泉大臣名で動物愛護管理基本指針の改定、それから関係する政省令の告示の改正につきまして、当審議会への意見聴取を行うという諮問がなされたというところでございます。今後、動物愛護部会で、皆様のご審議をいただきながら施行に向けた準備を進めてまいりたいというふうに考えてございます。

 本日は諮問が行われました後の最初の部会といたしまして、改正法公布後1年以内の施行に係る関係省令等につきまして、事務局の骨子案をお示しいたしまして、皆様のご審議をいただきたいと思っております。それから改正法、昨年に取りまとめていただきました論点整理の内容等を踏まえまして、動物愛護及び管理に関する施策を総合的に推進するための基本的な指針、つまり動物愛護管理基本指針というものを改正する必要があるわけでございますが、その改正の方向性につきましても、ご審議を頂戴したいというふうに考えてございます。

 結構な量のある審議内容でございますが、限られた時間の中で、忌憚のないご意見と活発なご審議をお願いさせていただきまして、拙いご挨拶とさせていただきます。よろしくお願いします。

【事務局】 続きまして、配付資料の確認をさせていただきます。

 お手元にお配りしております、クリップ止めの資料をご覧ください。

 表にあります議事次第の裏面に配付資料一覧がございますので、そちらを参照しながら確認させていただきます。

 1枚目は、動物愛護部会の委員名簿と座席表でございます。

 資料1としまして、先ほど、審議官の挨拶にもありました諮問についての資料でございます。

 資料2-1としまして、1枚紙で横になりますが、改正動物愛護管理法施行に向けた部会における意見聴取事項として、1枚ございます。

 それから、資料2-2といたしまして、それぞれの骨子案が、最後のページの、9ページの2というところまで、1セットございます。

 続きまして、資料3として、動物愛護管理基本指針の改正に向けてとございます。

 そして、以下は参考資料になりますが、参考資料1としてスケジュール予定について。

 参考資料2として、愛玩動物看護師法に伴う関係の意見募集、パブリックコメントについて、を配らせていただいております。 

 また、お手元に青い冊子として配っておりますが、直近の部会議事録、動物愛護管理をめぐる主な課題への対応、論点整理、それから動物愛護管理法の法令基準等の一式、そして、改正動物愛護管理法関連の資料などをまとめてお配りしております。

 以上、ご確認いただき、資料に不備等ございましたら、事務局にお申し出を願います。 

よろしいでしょうか。

 なお、本部会の資料及び議事録は後日、環境省のホームページにて公表されますことを申し添えます。

 それでは、この後の議事進行につきましては、新美部会長にお願いいたします。

 部会開催の報道発表で、あらかじめ、ご案内しておりますが、カメラ撮りについてはここまで、会議の冒頭のみというところでお願いしておりますことを改めてお伝えいたします。これからのカメラ撮りについては、ご遠慮ください。よろしくお願いいたします。

 では、新美部会長、よろしくお願いいたします。

【新美部会長】 新美でございます。皆様こんにちは。これから、私が議事進行役を務めさせていただきます。

 まず、本日の議事でございますが、議事次第をご覧いただくとおわかりのように、主に三つ、その他を含めると四つの議題がございます。

 まず議事の1番目でございますが、先ほど、審議官からもありましたように、諮問事項についてのご説明でございます。動物の愛護及び管理に関する法律等の一部を改正する法律の施行等の在り方について(諮問)ということで、これについて、事務局からご説明をよろしくお願いします。

【事務局】 では、事務局よりご説明をいたします。

 それでは、資料1をご覧ください。

 動物の愛護及び管理に関する法律等の一部を改正する法律の施行等の在り方についての諮問についてでございます。

 諮問理由といたしまして、先ほどの審議官、それから座長の挨拶にもございましたが、6月19日に公布されました改正動物愛護管理法を受けまして、改正法の中で所要の規定が盛り込まれたこと、それから、概ね5年を目途に見直すこととされている基本指針につきましても、改正法の内容を踏まえまして、基本指針の見直しが必要な状況であること、こういったことから改正法の施行に向けて、必要な省令基準、基本指針の検討を総合的に行う必要がございまして、改正法の適切な施行の在り方について、当審議会において、ご意見をいただきたいというものでございます。

 なお、審議会の意見を伺うとされているものにつきましては、第43条に規定がございまして、この資料の4ページ目に参考条文を載せておりますので、適宜ご参照いただければと思います。

 この諮問につきましては、10月8日に環境大臣から中央環境審議会の武内会長宛てに諮問させていただきまして、翌9日付で武内会長から当部会の新美部会長のほうに付議させていただいているところでございます。付議の公文につきましては、最後のページ、8ページに載せてございます。

 続きまして、諮問内容の解説をいたします。2ページ目と3ページ目にございます。

 1番から14番まで諮問事項がございますが、1番目の項目につきましては、基本指針の見直しについて、ご審議いただくものでございます。

 それから、2番目から5番目の項目につきましては、環境大臣が定める動物の飼養及び保管に関しよるべき基準や動物取扱業の登録に関係する基準などですが、今般の改正法で公布後2年以内の施行として求められております遵守基準の具体化の規定がございます。2番から5番目までは、これに付随して、改正が必要なものとして、ご審議いただくものでございます。

 続きまして、6番目から8番目につきましては、改正法で追加されました第一種動物取扱業者の登録拒否事由の規定がございますが、これに伴う関係省令について、ご審議いただく項目でございます。

 9番目につきましては、改正法の第21条第2項で規定されました遵守基準の具体化に関するものがございます。これを受けまして、第一種動物取扱事業者の遵守基準、そして10番目につきましては、その準用規定であります第二種動物取扱業者の遵守基準について、ご審議いただくものでございます。

 3ページ目に移りまして、11番目と12番目につきましては、改正法の第25条の規定を受けまして、周辺の生活環境が損なわれている事態、それから虐待を受けるおそれがある事態について定める条例について、ご審議いただくものでございます。

 13番目、14番目は、改正法を受けまして、犬及び猫の引取り並びに負傷動物等の収容に関する措置、それから、動物を殺さなければならない場合に動物に苦痛を与えない方法について、それぞれ、ご審議いただくものでございます。

 なお、ご審議いただく、これらの基本指針、それから省令、告示、基準等に関する改正法の関係条文につきましては、後の資料5ページから7ページ目に抜粋して、参考として、記載しております。

 そして、お手元にお配りしております青い冊子の中に、これらのご審議いただく指針、省令、告示や基準につきまして、現行法の法令基準ということでつづっておりますので、適宜ご参考いただければと思います。

 説明は以上でございます。 

【新美部会長】 ありがとうございました。

 それでは、ただいまの説明につきまして、ご質問等ございましたら、ご発言をよろしくお願いします。

 よろしいでしょうか。今度の改正法に伴う、さまざまな基準等についての諮問でございますので、今後しっかりと議論を進めていただきたいと思います。

 それでは、次に議事2、改正動物愛護管理法の施行に伴う施行規則改正省令等ですね、1年以内施行の骨子案について、事務局からご説明をいただきたいと思います。よろしくお願いします。

【長田動物愛護管理室長】 それでは、ご説明させていただきます。

 まず、資料2-1、横長の1枚紙をご覧ください。

 まず、この資料の見方をご説明させていただきます。

 こちら、1ページに記載させていただいております1.諮問事項とございますのは、先ほどご説明いたしました諮問事項のうち、1年以内の施行が求められている事項を掲載しているものでございます。1.諮問事項という表の枠の右上のところに※印がございまして、諮問事項2、3、4、5、9、10は2年以内施行に関連するため非掲載とございます。こちらは飼養管理の基準の具体化等に係る省令等でございまして、現在、検討会で検討いただいておりますことから、また後の機会にご審議をいただきたいというふうに考えております。

 さらに、2ページ目の裏面をご覧いただきますと、その他の意見聴取事項というものがございます。こちらは、先ほどの諮問の中ではご説明しておりません。審議会の意見を聴取するという規定がかからない部分でございますけれども、条文そのものが今回改正されたことに伴いまして、関連する省令等の改正を検討する必要があるものでございます。

 こちらに網かけしている部分と網かけしていない部分がございますけれども、網かけしていないものは改正によって、根拠になる条文の番号が変わったというような、いわゆる条ずれ、項ずれと言われるようなものへの対応でございますので、改めて、個票等を作成して、ご説明するものではございませんが、その他の事項につきましては、諮問事項ではないものの、専門的な知見から審議会のご意見を伺いたいということで、諮問事項と合わせて、個票をつくって、ご意見をお伺いしようとするものでございます。

 1枚目に戻りまして、表の左側が諮問項目の番号、そして、その右に骨子案NO.とございまして、①、②とございます。⑨までございますけれども、これが、これからご説明します九つの個票のことを指しております。右に該当条文、それから関連する既存の施行規則の該当の条番号、そして省令であるか、告示であるかというようなことをまとめているものでございます。

 具体的には、個票のほうでご説明してまいりたいと思います。資料2-2でございます。

 これから、九つの個票を順にご説明してまいりたいと思います。本日は骨子ということで、基本的な考え方をご説明させていただきまして、改めて、本日のご意見もいただきまして、次回以降に案をお示ししたいと思っておりますけれども、まず構成でございます。

 項目の囲みは、先ほど、ご説明した表題と一緒でございます。それぞれ、1.法改正事項の概要。2.基本的な考え方。3.省令等の骨子という構成になっておりまして、その後に、関連する条文等を引用している構造になっております。

 1ポツにつきましては、今回の法改正そのもので何が変わったかということ。

 2ポツは、法改正の背景にある考え方と、それに伴う事務局としての対応の方向性。

 3ポツにつきましては、具体的に省令や告示で何を規定していくべきかということの事務局案でございます。

 それでは①から順に、ご説明させていただきたいと思います。

 まず①でございます。「第一種動物取扱業者の登録拒否事由の追加」でございまして、今回の法改正に伴いまして、第一種動物取扱業の登録を受けようとする人が登録を拒査される、拒否しなければならないという規定が多数追加されております。

 そのうち、2点については環境省令への委任事項がございまして、一つは「第一種動物取扱業に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者として環境省令で定める者」、もう一つは、「法人又は個人であって、その使用人のうちに、諸々の登録拒否事由に該当する者があるもの」、というものでございます。

 1点目につきましては、具体的な考え方、基本的な考え方のところに記載しておりますが、通常、取消し等の不利益処分を行う場合には、行政手続法に基づきまして、聴聞等を行うことになります。聴聞の機会が付与されますと、恐らく自分は取消しを受けるんだ、ということになりまして、例えば自ら廃止届を出してしまえば取消しを逃れることができます。取消しを逃れますと、取消しから5年間という登録拒否規定が発動されなくなるということで、こういった脱法的な行為によって、不利益処分を逃れようとする事業者がいるということを想定しているものだというふうに考えているところでございます。

 もう一点、法人又は個人であって省令で定める使用人のうちにということでございますが、これは、法人の代表者や役員に適用されている登録拒否事由を特定の使用人にまで拡大するというものでございますけれども、当然、この規定は全ての使用人に適用するという趣旨ではなく、事業者が事業を行うに当たって主導的な立場に立つ方がそういう不適切な取り扱いを行うことを防ぐというふうに考えられるのではないかというふうに考えておりまして、一定の権限や責任を有する者を規定していくということが妥当だというふうに考えております。

 骨子の案として、1-2のところに、私どもの考えを示しておりますけれども、先ほどの1点目につきましては、下線部分、第一種動物取扱業の登録取消処分に係る行政手続法に基づく聴聞の通知後、処分に係る決定までの間に廃業届をした者であって、届出の日から5年を経過しない者というのを規定したいということでございます。

 もう一点、使用人につきましては、本店又は支店の代表者のほか、継続的に業務を行うことができる施設を有する場所で当該の業に係る契約を締結する権限を有する者を置く場所の代表者、いずれも他法令等の規定を参考に、案として、お示ししているものでございます。 

 骨子のNO.②に参ります。2番目、周辺の生活環境が損なわれている事態、虐待を受けるおそれがある事態ということでございます。

 今回の法改正で何点か変更がございます。下線の部分を中心にご説明してまいります。

 まず、指導・助言が可能となったということでございますが、これまで、動物の飼養保管に起因した周辺の生活環境が損なわれる事態、例えば騒音、悪臭等でございますけれども、この場合に勧告や命令の規定がございましたが、今回、指導、助言等の規定も追加されております。

 それから、報告の聴取や立入検査を自治体が行うことも可能になっております。

 さらに、要件の起因となる飼養等の状態については、もともとの現行法令では、多数の動物の飼養によるという規定がございましたが、そこが削除されておりまして、多数に限定しないこととなっています。

 さらに、飼養保管に起因するということがあったわけですけれども、ここに給餌・給水というのが加えられておりまして、つまり所有者や占有者でなくとも、原因者には広く、この規定が適用され得ることになっております。

 これに関連して、環境省令で定める事態というのが2点ございまして、1ポツの最後のところですけれども、一つは生活環境が損なわれている事態を生じさせている者に対する勧告の根拠となる環境省令で定める事態。もう一点は、虐待を受けるおそれがある事態を生じさせている者に対する勧告の根拠となる省令で定める事態でございます。

 考え方といたしましては、現在の規定におきまして、「周辺の生活環境が損なわれている事態」として、2ポツのところにあります、「周辺住民の日常生活に著しい支障を及ぼしていると認められる事態であって、かつ、当該支障が、複数の周辺住民から都道府県知事に対する苦情の申請等により、周辺住民の間で共通の認識となっていると認められる事態」というふうに規定されております。これについて、特段の変更を加える必要はないと考えておりますので、現行の規定を維持したいというふうに考えているところでございます。

 さらに2ページ目に参りまして、二つ目の丸、事態の起因となる動物の飼養の状況については、多数に限定しないということになったわけでございますが、これは、さまざまな動物の飼養から発生する生活環境保全上の支障の防止の実効性を高めるための改正だというふうに考えておりますので、これまでの規定に、先ほど説明したように、複数の周辺住民からの苦情の申請による共通の認識となっているという、「複数の」というところを絶対的な条件として、それ以外のものを一律に除外する、されるわけではないのではないかというふうに考えているところでございます。

 具体的な骨子案としましては、先ほどご説明しましたように、現行規定の規定を維持するとともに、一つ目の丸の最後の2行ですが、特別の事情があると都道府県知事が認める事態というのも対象としていいのではないかということでございます。それから、条文に合わせて、飼養・保管に加えて給餌・給水も加えたいということでございます。

 次は3番でございます。骨子NO.③、資料3-1ページでございますけれども。

 所有者不明の犬猫の引取りを拒否できるという規定が、今回新たに追加されております。これに関連しまして、引取りを拒否できる場合の要件、「周辺の生活環境が損なわれる事態が生じるおそれがないと認められる場合、その他の引取りを求める相当の事由がないと認められる場合」を環境省令で定めることになりました。

 ここは、基本的な考え方について、少し丁寧にご説明したいと思います。基本的には、所有者不明の犬猫の引取りというのは、生活環境防止の観点から講じられているものでございますので、まずは行政が引き取った上で、返還・譲渡に努めるということが重要だというふうに考えているところでございます。

 これまで、多くの自治体では所有者不明の犬猫の引取りについて、根拠の規定はなかったわけでございますけれども、さまざまな観点から、それを行わないという運用が行われてきているところでございます。法の規定との整合性を図るために、今回こういった改正がなされたというふうに思っておりまして、このこと自体は犬猫の引取り数の減少につながりますので、それを通じて、殺処分の減少にも寄与するというふうに考えているところでございます。

 先ほど申しましたように、基本的には引き取った上で、返還・譲渡に努めるということが重要だと考えておりますけれども、自治体によっては、例えば適切な方法で、地域猫活動が行われている場合に、引取り以外の方法によって、生活環境被害を防止したり、軽減したりという方法がとられる場合もあるというふうに考えておりまして、国で絶対的な基準を明確に定めるというよりは、地域の実情に合わせた対策というのも進めていくことが必要だというふうに考えているところでございます。

 これを踏まえまして、省令案の骨子は3-2のほうに書いてございますけれども、法律の条文で明示された「周辺の生活環境が損なわれる事態が生じるおそれがないと認められる場合」というものに加えまして、省令で「引取りを求める相当の事由がないと認められる場合として、都道府県等の条例、規則等に定める場合」というものを規定したいというふうに考えているところでございます。

 続きまして、骨子の④番でございます。動物を殺す場合の方法ということでございます。

 これにつきましては、ちょっと先に、4-3ページをご覧いただけますでしょうか。

 これは関係条文でございますけれども、40条、動物を殺さなければならない場合の話でございます。40条の2項には、1項に書いてある「動物を殺さなければならない場合には、できる限りその動物に苦痛を与えない方法によってしなければならない」ということ。そして、環境大臣は、その方法に関して、「必要な事項を定めることができる」という規定がございましたが、これに第3項が加わりまして、「必要な事項を定めるに当たっては、第1項の方法についての国際的動向に十分配慮するよう努めなければならない」という規定が追加されたものでございます。

 4-1に戻っていただきまして、2.基本的な考え方でございます。今回、この規定が追加された背景としましては、自治体による犬猫の殺処分において、炭酸ガスによる殺処分と、実際には静脈注射等による処分の方法、双方の手法が用いられているケースが多いわけでございますが、特に炭酸ガスによる殺処分について、さまざまな観点から批判が寄せられているということを踏まえて、これを最終的にはなくしていくべきだという考えのもとに規定されたものというふうに理解しているところでございます。

 一方で、できる限り苦痛を与えない方法と、炭酸ガスを用いた殺処分方法との考え方、あるいは時代背景と社会認識、さまざまに整理する点が残っているというふうに考えているところでございます。当然、国際的動向に十分配慮するよう努めなければならないという規定を踏まえて、対応していくわけでございますけれども、国際的な動向ということについて、必要な情報収集等も必要だと考えております。

 4-2に対応の方針を書かせていただいておりますけれども、その動物を殺す場合の方法についての検討に当たりましては、地方自治体、あるいは獣医師会さん、専門家等の協力を得ながら、科学的根拠を初めとしまして、例えば炭酸ガスの殺処分を用いられる一つの理由にもなっております、作業の従事者の安全性や従事者の心理面での負担、こういったことも含めて、さまざまな手法について、運用可能性も含めて検討を進める必要があると考えておりまして、まず当面は、海外の科学的知見、制度、ガイドライン等について、情報収集を行いたいと考えているところでございます。情報収集に当たっては、そのガイドラインの中身だけではなくて、背景、経緯ですとか作成主体となった団体の関係の情報、どういうことが科学的な知見として考慮されたのかといったことを含めて、情報を収集、整理してまいりたいというふうに考えているところでございまして、1年後施行に向けて、早急にここを改正するということは、現時点では、事務局としては考えていないところでございます。

 骨子の5番でございます。こちらにつきましては、動物に関する帳簿の備付けを要する取扱いに関する改正事項でございます。

 現行制度におきまして、犬猫等販売業者に義務づけられておりました帳簿の備付けと自治体への報告、届出でございますが、これについて対象が拡大されたものでございます。まず、対象としては動物の種類が犬猫に限定されず、動物全般に。そして、対象の範囲は販売業だけではなく、貸出し、展示、その他政令で定める取扱いとして、動物の一定数以上の扱いがあったり、取引きというか、一定の数以上のやりとりが行われたりという業が広く規定されたところでございます。これに合わせて、条文の中に台帳の記載について、書かれていました「個体ごとに」という規定は削除されております。

 基本的な考え方としては、台帳を備えつけさせることで自治体による指導監督の円滑化、それから適正飼養の促進を図るという趣旨だというふうに考えておりますので、犬猫の規定を準用するということでよろしいかと思っておりますけれども、今回、「個体ごとに」という規定が削除されたことについては、恐らく小型の哺乳類等で、まとまった形で個体識別をせずに動物が管理される例があるということを踏まえたものだと考えております。

 骨子案としましては、犬猫については法律の条文からは削除されましたが、省令で復活させて、個体ごとに記載するということを義務づけ、それ以外の点については、犬猫と同様の規定を置きたいというふうに考えているところでございます。

 また、これまでなかった貸出業につきましては、貸出した相手方に関する事項、貸出しの目的に関する事項等を記載するよう、様式を定める必要があるというふうに考えておりまして、また、野生個体を捕獲するという場合もあり得るということを想定しますと、そういった場合には、捕獲場所等に関する事項を記載させるというのが望ましいのではないかと考えているところでございます。

 ⑥番に参ります。6番は動物取扱責任者等に関する要件の追加でございます。

 これまで、動物取扱責任者というのは、第一種動物取扱業者が事業所ごとに選任することが義務づけられているものでございますが、具体的な責任者そのものに対する要件は、法律の中では定めがございませんでした。今回の改正で、「十分な技術的能力及び専門的な知識経験を有する者」のうちからというふうに、選任要件の充実が図られたというふうに考えているところでございます。

 また、動物取扱責任者に対して、都道府県知事等が実施することを義務づけられている研修につきましては、全部又は一部を委託することができるという規定が新たに追加されております。環境省令では動物取扱責任者の要件、それから動物取扱責任者研修の内容を定めることが規定されているところでございます。

 基本的な考え方、1としまして、動物取扱責任者については、先ほどご説明しましたように、十分な技術的能力と専門的な知識経験、この双方を備えつけていなければならないということを省令にも反映していく必要があると思っているところでございます。

 また、動物取扱責任者研修でございますが、これにつきましては昨年度、重点的にご議論いただきました論点整理の中でもご説明させていただいておりますけれども、研修の内容が画一化して、マンネリ化を招いている場合があるというような自治体からの意見等もございます。これを受けて、関西広域連合から地方分権推進提案が出ておりまして、「法令上義務づけている要件を含めた研修内容の在り方について検討し、原則として平成31年度中に結論を得る、その結果に基づいて必要な措置を講ずる」ということを閣議決定しているところでございます。基本的な考え方としては、動物取扱責任者研修については、動物取扱業者を所管します都道府県知事等が、地域の実情に応じて、一定の裁量を発揮しながら、より効果的な研修を模索していくということを進めていくことが望ましいと考えているところでございます。

 この2点を踏まえまして、省令等の骨子案でございます。

 まず1点目、動物取扱責任者の要件についてでございますが、ちょうど真ん中の辺りにあります、参考というところを見ていただければと思うんですが、これは現行規定でございます。イロハというふうにございますけれども、イは半年以上の実務経験、つまり経験でございます。そして、ロについては資格、学校の卒業ということで教育の経験。それから、ハにつきましては特定の資格ということで、実務経験や知識の習得、資格要件、これらのいずれかを満たしていれば、動物取扱責任者になることができるという規定だったわけですが、今回の改正、技術的能力、専門的な知識経験の双方を十分に持っていないといけないということを考えますと、例えば半年以上の実務経験だけでは不十分だろうということになろうかと思いまして、この場合、イとロ、もしくはイとハ、二つの要件を満たすということが必要になってくると考えております。

 これとあわせまして、前回も、この審議会でご説明させていただきましたが、動物看護師の国家資格化に係る新法が制定されております。愛玩動物看護師法という法律で、これに基づく愛玩動物看護師、それから獣医師法に基づく獣医師、この二つにつきましては、国が資格を定め、国がその技術的水準について一定の水準を確保させることができるということ、それから就学中のカリキュラムの中で実習等を行うことによって、一定の技術的能力も、知識経験に加えて身につけることができるというふうに考えまして、獣医師と愛玩動物看護師については、この要件を満たしているというふうにしてよろしいのではないかというふうに考えているところでございます。

 2点目ですけれども、責任者研修の回数、項目については一律の義務づけを見直しまして、地域の実情に応じて、都道府県知事が設定した研修を受けさせることができるようにするという規定にしたいというふうに考えているところでございます。

 ⑦番でございます。特定動物の飼養及び保管の禁止の特例ということでございます。

 今回の改正によりまして、特定動物につきましては、許可を受けなければ飼養してはならないというものから、飼養してはならない、ただし例えば許可を受けた場合、省令で定める場合にはこの限りでないと、位置づけが大きく変わっております。許可を受ければ飼えるという意味では同じでございますけれども、法律上の規定では原則禁止、ただし書きとして、一定の条件を満たした場合に許可ということになります。

 ここで、省令規定がございますのは、許可を要しない場合というのを省令で定めるというものでございまして、大きく変える必要はないということを思っておりますけれども、公益上、必要な事項に限定して、一定の規定を置くことは考えられると思っております。

 改めて、全体を見直しましたときに、今回の改正を踏まえまして、遺失物法の規定に基づいて、所有者不明の、例えば特定動物がいた場合に、それを一時的に行政が飼養・保管する場合というのが想定されると思っていまして、こういった場合を追加する必要があるのではないかと考えております。また、先ほどご説明したように制度の位置づけが変わっておりますので、規則の見出しを、「許可を要しない場合」から「飼養等の禁止の適用除外」というふうに変えたいというふうに思っております。

 ⑧番でございます。特定動物の飼養又は保管の目的でございます。 

 先ほど、ご説明しましたように、許可を得た場合には、例外的に飼養ができるわけですが、その許可を得られる飼養目的というのを環境省令で定めるということになったわけでございます。当然、法改正の過程で、「愛玩目的での飼養禁止」ということが要綱上も示されておりましたので、これを制度化すると、逆に許可の対象になり得る目的を省令で規定するということになるわけですが、いたずらに範囲を広げるべきではないというふうに思っておりますし、社会通念上、合理的と考えられるもの等については、許可していくべきだというふうに考えているところでございまして、例えば外来生物法等の他の法令も参考にいたしまして、許可の対象となるものについて、事務局としては6項目を想定しています。

 動物園その他これに類する施設における展示。そして、試験研究用又は生物学的製剤の製造の用に供すること。ほとんどないと思いますが、飲食の用に供すること。それから、4番、なりわい、生業の維持に係るもの。そして5番につきましては、例えば既に許可を得て愛玩目的で特定動物を飼養している方が継続的に愛玩飼養する場合。それから6番につきましては、例えば現在の飼養者が死亡してしまった場合に、相続人の方が継続的にその個体を引き取って飼養する場合。こういったものについては、許可の対象となり得るというふうに考えているところでございます。運用につきましては、これがいたずらに拡大して、脱法的な愛玩飼養の隠れみのにならないように、適正な運用の方向性を定めていく必要があるというふうに考えているところでございます。

 最後、⑨でございます。⑨については単純なものでございますが、今回の改正に伴いまして、先ほど申しましたように目的によって許可されたり、されなかったりするようになりますので、目的を変更する場合にも許可が必要になるということになりました。このため、変更許可する際の様式に、飼養又は保管の目的というのを追加するということでございます。

 説明が長くなりましたけれども、以上でございます。ご意見をお願いいたします。

【新美部会長】 ありがとうございました。

 それでは、ただいまの説明につきまして、ご質問、ご意見がございましたら、よろしくお願いします。骨子案の①から⑨までございますが、特に分けなくてよろしいかと思いますので、①から⑨まで、どこでもご発言いただけたらと思います。

 じゃあ、どうぞ。

【浅野臨時委員】 浅野です。

 22条に関する動物取扱責任者研修というところに絡んでなんですけれども。

【新美部会長】 まず、骨子案の何番だっけ。

【浅野臨時委員】 骨子案でいうと6番です。

【新美部会長】 6番ですか、はい。

【浅野臨時委員】 6番の動物取扱責任者研修の内容というところなのですけれども、地域の実情に応じてというところなのですが、ここで、国際的に見て、日本がITとか、いわゆる情報通信技術ICTというものが非常に遅れているので、その点について、ちょっと進めてほしいという点から申し上げます。

 ITとか情報通信技術を使うということ、eラーニングとか、そういうことについて、今回、ちょっと触れていないので、そういうことも積極的に使っていくというようなことを入れることで、自治体のほうの労力も、大幅な労力の削減という点からいいかなというふうに思っています。どうしても取扱責任者研修が自治体にとっては負担であるということで、非常に消極的に捉えられているところもあって、残念だと思っています。どうせやるのであれば、業界人、第一種動物取扱業の教育、普及啓発の絶好の機会だというふうに捉えて、むしろ積極的にやってほしいと思うので、そのためにも民間に委託できるということに今回なりましたが、それも含めて、回数をただ減らすとか、そういうことではなくて、労力削減という意味では、じゃあ、むしろICTを使って、eラーニングできるような感じで指導していくという視点をちょっと持ってほしいと思っております。

 それと、今回は関係ないんですけど、マイクロチップについても、39条の3と39条の5ですけれども、今回は関係ないので一言にしますが、装着証明書の発行ですとか、登録証明書の交付というところも、いずれ環境省令で定めることになっていますので、この点も電子的なデータでできるようにしたらいいというふうに思っております。

 それから、もう一点だけよろしいでしょうか。

【新美部会長】 はい。

【浅野臨時委員】 まとめて、骨子案の⑧特定動物のところになります。原則は愛玩目的の飼養が禁止されたということなんですけれども、そうすると、ふ化した場合というか、繁殖して新たに生まれた場合の、その個体に許可を出すのかどうかということが問題になってくるかと思います。

 安易に認めるべきではないという視点からなんですけれども、ご存じかと思いますが、平成18年前後に、例えば18年の例でいいますと、種の保存法違反で爬虫類を繁殖させたというふうに偽って、獣医師さんと共同して、ふ化の現場を、ご丁寧に昔の卵の殻とかを使って、写真を撮ったりして、ここでふ化したと。なので、これは許可を求めるというような形で種の保存法違反、それから詐欺として、顧客に販売していたという刑事事件がございました。それも1件ではなくて、そういうものは、当然のようにやっている事業者さんたちがいるということがありましたので、特定動物の許可制をめぐっては、必ずそういうこと、脱法的な愛玩飼養にならないようにということなのですけど、それは防ぐ必要があると思っていますので、ちょっとその視点を考えていただきたい。

 特に「動物園その他これに類する施設」はいいという書き方なのですけど、ここで、「業の実態を伴うもの」というところをどれだけ具体化できるかだと思いますが、動物園というもの、ご存じのとおり、明確な定義があるわけではありませんので、動物を飼っているから動物園だという形で、実質的な、いわゆる法律とか博物館法で言うような動物園と違う面もありますので、これは中をもうちょっときちんと脱法的にならないように議論していただきたいというふうに思います。

 以上です。

【新美部会長】 ありがとうございます。

 何点かにわたって、ご発言されました。一つ、ちょっと確認したいのは、骨子案⑥に関連して、IoTを使った研修もあるんではないかというご提案で、私も非常にそれはいいことだと思うんですが、それを用いる場合、コンテンツをどうやってきちんと確認するか、確定するかという、非常に難しい問題があるんですが、何かアイデアはありますか。

【浅野臨時委員】 非常に難しいんですけど、教育の現場で、私も門外漢ですけど、文部科学省のほうで、教員の試験をするときに、更新の試験をするときに、本人確認する方法がかなり進んでいると聞いているんですね。そういうのを参考にしてもいいと思っています。

 ちなみにですけれども、民事訴訟のほうでも、長らくそういうのが進んでいなかったのですけれども、ご存じのとおり、2017年の閣議決定を経てから、ようやく、あまりにも遅れている日本の現状が、IT化が進んでいますので。来年から裁判所もウエブ会議とか、積極的になっていって、今後、数年内に民事訴訟法が改正されるだろうというようなこともあって、日本がアジアの中ですら、シンガポールや韓国に比べても大幅に遅れているというところから、技術的なものを導入してやっていくというのは避けられないんじゃないかと思っています。

【新美部会長】 本人確認の場合は、そのとおりなんですが、問題は、そもそも、どういう研修内容なのかということで、定評のあるコンテンツがあるかどうかなんですよね。

【浅野臨時委員】 ただ、それは民間に委託することになっているので、もちろん、実質的な議論はここですることも必要かなと思います。技術面と知識面ということですよね。

【新美部会長】 いや、IoTを使うのはいいんですけど、その辺を委託するときでも、どういう人が委託先として、ふさわしいのかということは、当然考えることになるんですが、さらに、そのコンテンツが外国にあるものでもいいとか、どういう内容なのかがわからない、お任せということでいいのかどうか、非常に悩ましいところなんですね。

【浅野臨時委員】 それは、検閲にならない範囲で、やはり各自治体のほうで、内容を確認してから委託されることになるので。そこの枠組みまで環境省令で確かに決められたらとは思います。

 ちなみに、私もちょっとITは弱いんですけど、ICTというのが情報通信技術の略だそうなので、ちょっと添えておきます。

【新美部会長】 いろんな電子的な手段を使うのは賛成ですけれども、その辺のコンテンツについてのきちんとしたクオリフィケーションをやらないと研修にならないこともある。いろんなところで、eラーニングなんかをやろうとすることがありますけども、どんな中身か、きちんと見ておかないとeラーニングにならない。やっているようでやっていないということになりますので、その辺は慎重に議論して、取り入れることは、私も賛成ですけれども、慎重に、注意したほうがいいかと思います。

 ほかに何かご意見、ご質問がありましたら。

 では、どうぞ、佐伯委員。

【佐伯臨時委員】 私も骨子案の6番の取扱者の研修の内容についてなんですが、従前から開業獣医師が動物病院において預かりをするであるとか、場合によっては、しつけ教室などをする場合にもとらなければいけないことがあって、その研修内容については、獣医師会内でもさまざまな意見が従来からありました。

 といいますのも、さまざまな方が受講することになりますので、獣医師にとっては、かなり平易なお話から入っていく部分もあったり、そういったところで、かなり不平不満があったというのは、私の大阪府の獣医師会においても同様な意見が多々あります。

 そういった中で、今回、獣医師免許を所有している、取得している者ということで、より知識技術について評価いただいたことは、とてもよいことだとは思っています。

 一方で、また同様の問題で、より評価いただいた割には、研修内容がどうかということでは、また大きく不平や不満が出てくる可能性はある。ひいては、そういった遵守していかないというようなことも出てくるかと思われます。その点でも、研修を地域によって、バリエーションを持たせるとか、民間に委託できるといった場合、やはり免許を持っていない、獣医師あるいは愛玩動物看護師の免許を持っていない方と、あるいはそういった既に免許を持っていて、専門知識技術を一定国から保証されている者と、全く同一の内容でいいのかとか、あるいは同一の内容でやるとしたら、環境省として、ここはきちっと、どなたも理解しておくべきことということをきちっと定義しないと、全く任せてしまっては、講習の内容の焦点といいますか、レベルといいますか、そういったところが、非常に曖昧になってしまうという問題が出ると思いますので、その辺りを十分考慮していただきたいと思います。

 以上です。

【新美部会長】 ありがとうございます。

 ほかにご質問、ご意見がございましたら。

 はい、どうぞ。

【打越臨時委員】 施行規則に関する意見ということなので、非常に意見が出しにくいです。というのは、特に所有者不明の犬猫のところ、骨子案③と、それから周辺環境への影響保全という点の骨子案②のところ、それぞれの地域に応じて判断する余地を残さなきゃいけないという地方分権のベクトルと、そうは言っても施行規則で、環境省令で全国統一で定めなければいけないという、2つのベクトルの、どこにバランスを置くのかというのは非常に難しいので、どう発言しようかというのはすごく、ちょっと悩ましいんですけれども。

 先に骨子案③のほうから、所有者不明の犬猫の引取りのところについてであります。骨子案の提案は3-2に書いてあるとおり、周辺環境が損なわれる事態が生じるおそれがない場合、あとは、各都道府県等で条例をつくる場合というふうに……。

【新美部会長】 マイク入っていますか。

【打越臨時委員】 入っていない。これね、外れていました。すみません。もう一回、行きます。

 所有者不明の犬猫の引取りを拒否できる場合として、周辺環境が損なわれる事態が生じるおそれがない場合というのと、各都道府県等で、条例や規則を定める場合というのを施行規則に入れようというところだと思います。これについては、全く異存はないんですけれども、具体的に所有者不明の犬猫の引取りを拒否するというのを考えたときに、所有者不明の犬や猫というのは、基本的に野外にいるものですよね。中には、建物の中にいるというのもいるかもしれませんけど、基本的には外にいる犬や猫だからこそ、誰のものだかわからないわけです。

 それを持ってきたときに、自治体の保健所に持ってきた、あるいは居るんだけど、どうにかしてというふうに、電話をかけてきたときなどに、自治体の側がやんわりと断るというようなシチュエーションを、これはイメージしていると思うんです。

 ここで、猫であれば、地域猫であるとか、あるいは、いまだに飼い方が少し古い感じで、家の外に出入りしているような猫もいるかもしれないから、あまり目くじらを立てないで、そのままにしておいてという返答があり得ると思うんですが、犬の場合、野外に犬がいるという状態で、要は所有者不明の犬ということですよね。それの引取りを拒否するということが、どの程度あり得るのか、これは考えなきゃいけないなと思っていまして。

 やっぱり野犬、野良犬、咬傷事故の危険性、それから感染症、そういう問題がある場合には、ここで言うと生活環境が損なわれる事態だとすれば、犬と猫の場合では、そのままにしておいてくださいという状況が、実は大分違うんじゃないかと。また、狂犬病予防法の関係がありますので、基本的にそちらのほうで、自治体は有無を言わさず捕獲、引取りをしなければいけないんじゃないかなと思うと、今まで所有者不明の犬猫というふうに、とにかくセットで議論しているんですが、犬と猫をもしかしたら分けた規定が施行規則の中に要るのか、それとも、もう都道府県条例に任せるのか、ここはナショナルレベルで判断しなければいけないところかなと思いました。

 もう一つ、所有者不明の犬猫対応が今後難しくなると思うのは、犬ならば、済票をつけているとか、鑑札をつけているというのが、まだあり得ますけれども、いよいよマイクロチップで所有者という話になってきますと、見つけた拾得者は、ぱっと見て、それがどこの犬や猫であるのか分かりません。それこそマイクロチップのリーダーを読んでもらうためにこそ、保健所へ持ってこなこればいけないという状況も出てくるかもしれません。ですので、所有者不明の犬猫の引取りをどうするかというのを各自治体の運用に任せるという書きぶりをするのはいいと思うんですけれども、地方分権のベクトルとナショナルで定めるベクトルをどうするのかはしっかり考えたほうがいいんじゃないかと思ったのが、第一点です。

 第二点目は、生活環境のほうの第25条に関する骨子案②のほうなんですけれども、ぱっと一瞬、読むと自治体の担当者から悲鳴が上がりそうだなと思ったのは、一個人からの苦情の申し出であっても都道府県が指導を行えるというところは、これは、非常に、まず自治体の担当者は最初に読んでびっくりするんじゃないかと。つまり、クレームというのは、本当に犬や猫の飼育の仕方が悪くて、近隣に迷惑をかけているパターンと、よく言われるところですが、近隣関係が悪くて、クレームを言うほうの人が、実は地域の中で浮いてしまっているとか、周りの人はみんな動物が好きなんだけど、自分だけは動物が嫌いだということがある。かつ、一人の場合には、一個人からの苦情の申し出の際に名乗っているのか、名乗らない匿名の苦情なのか、そこも結構、大事です。きちんと名乗ってくる人は、責任を持って自分の意見を伝えているんですけど、大抵、こういう場合には、匿名でクレームをかけてきて、せめて、どこら辺の誰かと聞いても、一切言おうとしない。証拠もない。自治体の担当者が、うるさいとか、臭いと言われた現場に行っても、客観的基準で見て、どうしたらいいか、わからない。これが複数人から意見が出ていれば、それで証拠にできるんですけど。

 そうなったときに、都道府県知事が認める事象と書いてあるんですけど、実は、生活環境一般というのは、市町村レベルがさまざまな事業をやっているところでして、市町村の生活衛生担当とか、近隣紛争の担当のようなところからの情報が重要だと思います。これは人間関係の問題を超えていて、動物が原因だから何とかしてくださいとか、いや、これは確かに動物の問題もあるかもしれないけれども、地域の人間関係の問題だから、犬猫の問題で一律に踏み込むのがいいかどうか、わかりませんというふうに、一般市町村からの、例えば助言を求めるとか、求めないとか、あるいは依頼がある場合とか、何かそういうふうに近隣紛争の問題を施行規則で判断するところに、一般市町村の意見を入れ込む余地があってもいいんじゃないかなと感じました。これが2点です。

 ちなみに、先ほどの新美委員と浅野委員の間のコンテンツの話なんですけれども、これ、もう一つ思うのは、環境省でも、さまざまな研修で、本当にいい講師の先生をお招きして、法律についてとか、動物飼育の方法とか、動物のストレスサインなどについて、講演会をやっていると思います。あるいは民間団体が開催する講演会というのもあると思います。この先生のこのときのこの講演がよかったというのを、逆に言うと、環境省の側で情報を少し、何というんでしょうか、図書室に入れるようにしておいて、あの先生はいろんな講演をするかもしれませんけど、この話をさせると、うまいぞというのがあれば、そういうのをビデオで登録するとかして、せっかく環境省でやっているのを、そこに参加した職員しか聞けないのではなくて、動物取扱業者の研修、eラーニング素材として、つくっていくような、そういうリストをつくっていくというのも一つありかなと。ただ、これは施行規則の話ではないんですが、先ほどのことに関する一つの提案です。

 以上です。

【新美部会長】 ありがとうございます。

 これ以外に何かご意見、ご質問がございましたら、どうぞよろしくお願いします。

 はい、どうぞ山口委員。

【山口臨時委員】 私も骨子案NO.3のところなんですけれども、周辺の生活環境が損なわれる事態が生じるおそれがある場合はということだけは載っているんですけれども、実際には、やはり殺処分ゼロという言葉が重くのしかかっていて、かなり自治体の方が引取りを拒否されと、苦情として、私どものほうにも来ていたりするんですね。その内容の中には、ザーザーぶりの雨の中に子猫がいて、それを保護して、お願いということを言っても、それは引き取れませんと言われたということもあります。子猫は、ひょっとしたら地域猫のところから生まれた子猫かもしれませんけれども、そういう状態で、子猫を放置すれば、見殺しにしろと言っているのと同じことになってしまいますので、やはり周辺環境のみならず、その動物が置かれている状況も鑑みないと、みすみす動物を死なせてしまうということになってしまいますので、その辺も考慮していただけたらなというふうに思います。

【新美部会長】 ありがとうございます。

 ほかにご質問、ご意見は。

 どうぞ、西村委員。

【西村臨時委員】 骨子案の⑥に関してなんですが、動物取扱責任者の要件というところで、獣医師免許もしくは愛玩動物看護師免許ですが、これは、海外の免許でもいいのか規定しなくてもいいのですか。そこが曖昧になると、いろんな事例が起こるんじゃないかなと思います。

 それから、先ほど、新美部会長が言われた研修に関してなんですが、これから、ICTを活用したコンテンツが非常に必要になってくると思います。大学でも、これが始まりまして、随分活用されるようになっていますが、おっしゃるとおり、コンテンツがおもしろくないと誰も見ないというところがあって、かつ、これを作るのであれば、別に自治体ごとにつくる必要は全くないと思います。全体で一つ作れば、大部分のものはいいんじゃないのかなと思います。そうすれば、かなりいいものが作れると思います。

【新美部会長】 ありがとうございます。

 ほかにご意見、ご質問はございますか。

 じゃあ、水越委員、どうぞ。その後、脇田委員、よろしくお願いします。

【水越臨時委員】 まず骨子案③の所有者不明の犬猫の引取りのところで、ほぼ意見はほかの先生に言っていただいたところでもあるんですけども、適切な方法により地域猫活動を実施している場合等という文言は、それが適切かどうかをどのように判断するかが非常に難しいところではないかというふうに思います。例えばそこできちんと避妊去勢が全てにされていればいいかも4しれないが、それが本当に適切になされているのか。それを誰が判断するのか。

 また、その地域猫を持ってくる人がいる場合、そこの地域猫のやり方が適切であっても、人によっては苦情になっているケースかもしれない。何か問題があるから連れてこられちゃったということもあるんじゃないか。なので、ここの部分は国で決める規定ではないかもしれないですが、非常に難しいところだと思います。このまま、何か理由があれば断ってもいいというふうな、単純なものにしていいのかなというのが疑問です。非常に個人的な意見ですけど。

 もう一つ、骨子案の5番の帳簿の備えつけ等の基本的な考え方のところで、犬猫については個体ごと、その他の動物については種ごとというふうに書かれていたんですけど、それでいいのかなというか。恐らく、例えば小鳥、フィンチ類のような小鳥であるとか、例えば動物愛護管理法の中には入っていませんが魚類、金魚というのであれば、個体での管理は難しいと考えても良いのでしょうが、ウサギやハムスターなど、哺乳類であれば、個体識別は当然できるだろうし、そんなに大量に、何十匹、何百匹というようなところで保管しているところというのは、そんなに多くないと思います。ですので、せめて哺乳類は、個体での帳簿記載にできるのではないかというふうに思いました。

 以上です。

【新美部会長】 ありがとうございます。

 ほかにご質問、ご意見は。どうぞ。ごめんなさい、どうぞよろしくお願いします。

【脇田臨時委員】 動物の取扱責任者研修ということで、西村委員も、先ほどおっしゃったように、やっぱり自治体のほうから出ていたのが、個別ではなくて、やはり一つ、中央のほうでつくっていただいたものを各自治体に、これを基本にやってくださいよというようなCDをつくったりとか、何かそういう、もとのものをつくっていただければ、自治体のほうで、それに基づいて講習するという、一律的な考え方のほうがいいじゃないかという意見が自治体のほうからあるということで、やはり各自治体に任せることによって、マンネリ化していくということが長年来てしまって、確かに、いい講習も多々あったんですけれども、半日の時間をつけて聞くまでもないような講習もあるということで、やっぱり、それがすごく地方自治体としては負担だということは、意見としてありました。

 もう一点、ちょっと動物取扱責任者の選任の要件ということで、6-2のところにあります参考事例のことで2項目、3ポツですね、省令の骨子案というところのポツの2番目の、現行の部分でいうと、半年の実務経験と、営もうとする第一種動物取扱業責任者の種別の知識を持つ学校等、1年以上の教育しているということと、資格制度を取得するというイロハがあるんですけれども、これは、確かに実務経験を入れることは、この業界として、本当に実務ありきの業界なんですけども、多店舗展開するところであれば、実務をしながら、その責任者の勉強をして、実務を補っていくことができるんですけども、やはり個々で業としてやっていこうというところに対して、実務経験をどこでするか。ペットショップは、当然勤めたりとか、いろんなこともあるんでしょうけど、今のように、現状の就職率に難ということであって、学校を出てきても採用されないことがもしあったとすると、実務経験のハードルを乗り越えるというのは、とても不可というか、業としてやっていく者の足かせをつけてしまうということの、悪い形の足かせになってしまうような気がします。

 もし、業として、実務経験をするということであれば、競りあっせん業というのは、今主流で日本の7割ぐらい、生体の流通を兼ね備えていて、そこに来ることによって勉強もし、それから自分の犬猫の評価をし、管理の評価もされるので、そういったところを例えば上手に利用して、実務をそこで賄うとか、そういった方法も一つの方法としてありきなのかなと。

 今、自主努力ということでやると、やっぱり競りあっせん業が中心に、7割を生体が動かす中で、規制を決めて、これをクリアしないと競りあっせん業にも参加できないという、出荷もできないという規制もやっていけているので、それが生体の管理とか、いろんなことに行くことによって、法律を広く知らしめていくという面でも有効な団体だと思いますので、何かその辺を少し考えていただければなと思います。

【新美部会長】 ありがとうございます。

 ほかにご意見。

 藤井委員、どうぞ。その後、よろしくお願いします。

【藤井臨時委員】 藤井です。

 骨子案④についてなんですけれども、事務局からのご説明では、背景としては、自治体による犬猫の殺処分ということから殺し方について検討していくというご説明でしたけれども、法律の条文のほうを見ると、単に動物を殺さなければということで、動物の対象というのが特に設けられていないというふうに読めるんですが、そういう理解でよろしいでしょうか。そうなった場合、ここで検討するのが自治体での方法だけではなくて、家庭飼育動物の医療上の安楽死とか、産業動物とか実験動物とか、そういうところまで対象になってくるのかということは、ちょっと思いますので、その辺を明確にして、議論を進めていっていただければというふうに思います。

【新美部会長】 今の点、ご質問ですので、ちょっと事務局のほうから答えられる範囲で、よろしくお願いします。

【長田動物愛護管理室長】 では、今のご質問にまずお答えしたいと思いますけれども、おっしゃるとおりでございまして、条文の規定上、犬猫以外についても殺処分の方法を定める場合、国際的動向に十分配慮するよう努めるということだというふうに認識しております。

 立法過程の資料等を拝見させていただくと、やはり犬猫に関心の中心があったというふうに受け止めてはおりますけれども、当然、飼養等の目的によって、選択できる殺処分の方法が変わってきたりすることもある一方で、横のバランスというか、同じ「動物を取り扱っている」という観点から統一的な運用が必要な点も出てくる可能性がありますので、その辺りも含めて検討する必要があるということは認識しております。そういった意味で、やはり現在、判断に足る情報が十分にあるとは言えない状況だというふうに思っておりますので、もう少し実態の把握に努めたいということでございます。

【新美部会長】 よろしいでしょうか。

【藤井臨時委員】 はい、よろしくお願いします。

【新美部会長】 それでは、永井委員どうぞ。

【永井臨時委員】 動物園の立場ということで、特定動物に関わるお話なんですが、骨子案⑧についてですけど、浅野委員と同じような意見で、やはり特定動物の飼養を禁止するということで、逆に特定動物についての価値観、悪い言い方をすると、逆に、脱法するような業者については、価値が見出されてしまうのかなというふうに思っています。許可の対象となるのが、動物園その他これに類する施設という言い方をすると、その対象が第一種、第二種ということで、結局、第一種、第二種でどのぐらいの業者、3,000ぐらいいるんですかね、ちょっと今すぐに数字は出てこないんですけど、多分3,000ぐらいの業者が、結局は対象になるということで、そうなると、非常に規制という意味では厳しいのかなというふうに思います。

 ご存じのとおり動物園という言葉、恐らく、これは動物園、公益社団法人日本動物園水族館協会に加盟している動物園のことを差しているのかなとは思いますけど、浅野委員が言うように、動物園という名称、日本は、特に動物園法というのがありませんので、誰でも動物園というふうに名乗ることができるということを考えると、やはり、ここの規制については、少し甘いのかなというふうに思いますので、この辺りを検討していただきたいなというふうに思っております。

 それから、骨子第6についての、先ほどいろんな委員の方から研修の在り方について、ご意見が出されておりますが、私自身も動物取扱責任者として、何度か更新のたびに研修を受けておりまして、近藤委員には申し訳ないんですけれども、東京都の研修なんかも、何回か受けさせていただいていますけど、周りの研修の態度を見ると、やはり一度に大量に研修を受けるようなことがあって、少し、ただいるだけで、その時間を過ごすだけでいい、過ごしているような研修生が多々見られるかなということで、この辺り、研修についても十分にというか、もう少し厳しくしていったほうがいいかなと。そういうことで、先ほど、委員の方が言っているように、きちっとした研修の、ITとかICTを使った研修の教材なんかをつくるのがいいのかなというふうに思っています。

 それから、もう一つ、骨子⑤の中で、先ほど水越委員が申し上げたとおり、小さな小動物も個体識別するべきだということでおっしゃられていましたけど、私も同感で、動物園でも、確かに、200頭いるモルモットについても全て個体識別しています。数百頭いる動物でも、きちっと個体識別ができますので、不可能なことではないのかなと思うので、そのようなことが考えられます。

 以上です。

【新美部会長】 どうもありがとうございました。

 そのほかご意見は。

 水越委員、どうぞ。

【水越臨時委員】 意見というか質問なんですけれども、骨子案⑧特定動物のところで許可の対象の4番の生業の維持は具体的にどういうものがあるんでしょう。私はイメージがつかなかったんですが、どういうものを対象としているかご教授いただければと思います。

【新美部会長】 ご質問です。どうぞよろしくお願いします。

【長田動物愛護管理室長】 そんなに多くはないと思っていますし、例えば展示業を生業としている方であれば、展示業で見ればいいというようなことかと思いますけれども、例えば鷹匠の方で特定動物である猛禽類を使っている方とか、そういう方はいるかもしれないですね。

【新美部会長】 よろしいでしょうか。

【水越臨時委員】 でも、展示となると1番に入りますよね。

【長田動物愛護管理室長】 そうです。

【水越臨時委員】 そうしたら、ほぼ鷹匠ということになって。

【長田動物愛護管理室長】 全ての取扱いを網羅的に把握していないものですから、実際には、自治体さんにいろいろ聞いてみないとわからないと思います。

 ほかに何かありますか。

【事務局】 それ以外に販売業であるとか、貸出業であるとか、そういった業態の方がいらっしゃいます。

【水越臨時委員】販売業や貸出業は、特定動物であっても従来通りオーケーということになるんでしょうか。これは、(5)の経過規定に入るのかなと思ったんですけど、業であれば、ずっと続けられるということですか。

 というか、結局、販売しても買えなくなるわけですよね、一般の人は。誰に対する販売業か。動物園に対する販売業とかですか、そうなると。

【長田動物愛護管理室長】 そうですね。おっしゃるとおりですね。

【事務局】 ごめんなさい。(5)につきましては、愛玩目的の経過措置規定になっておりますので、そちらには入ってまいりません。

【新美部会長】 よろしいでしょうか。ただ、生業の維持といっても、かなり道は細くなるということは、この方向からおわかりだと思います。まだ、どんな生業かがよくわからない。非常に幅広いので、こういう書き方をしているということです。

 あと、ほかに。

 どうぞ、打越委員。

【打越臨時委員】 今のお話ですと、生業で、例えば爬虫類、特定動物といった場合に、きちんと業者が繁殖制限しないと、生まれてしまった子はどうするのかと。動物園が飼うような動物じゃなかった場合に、生まれてしまったので、実費でお譲りしましたといって飼いはじめることがあるといけないなと思うので、やっぱり特定動物に関する経過規定の業者さんであれ、生業の維持という方であれ、やはり少しきちんと状況を想定しておいたほうがいいのかなという気がしました。

【新美部会長】 ありがとうございます。

 ある意味で例外を認めるときには、どこまで限界的に認めるのか、非常に、これは法律的な区分として難しい問題です。もう少しこれは慎重に検討していったほうがいいだろうというふうに思います。

 あと、ほかにご意見、ご質問がございましたら。

 はい、どうぞ。

【近藤臨時委員】 各委員がいろいろ意見を出していただいているので、このまま黙っていこうかなと思っていたんですが、やはり自治体の代表の立場でいるので、ちょっと周りで懸念していることを幾つか追加で確認するというか、意見を言わせていただきたいのは、骨子①のところでも、省令等の骨子案のところで、届出の脱法的なところを防ぐということなんですが、届出の事由が相当の理由のあるものを除くと。相当の事由というのは、何を想定しているのか。よく現場の我々、事務をやっている人間からすると、包括的に法令というのは決められているので、細かく、あまり何も規定がなく、それを運用のところで判断することが多いんですが、こんな席で言う話ではないんですが、実際、こちらと、その相手の方で困る事例というのは、こういうところを突いてくる、相手が曖昧なところを突いてきて、こちらの運用上、いろいろやっている件に関して、ああでもない、こうでもないと。それが詰まってきて、最終的にいろいろ、各自治体ごとに判断がばらばらになるというのが、長年積み重なってくると、にっちもさっちもいかなくなることが多いので、こういうのをどういうふうに想定しているのかというのをお聞きしたいなというのがあります。

 それと、周辺住民のことについては聞いていただいたのでオーケー、それと所有者不明のことも聞いていただいたのでオーケー、4番は殺処分方法でしょう。

 5番が、そうですね。骨子⑤のところの帳票類なんですけど、実際の届出、これは自治体ごとの差があり過ぎて、何とも言えないんですが、東京とか都市部の自治体に関して言えば、動物取扱業者がたくさんおりまして、届出を受けるだけで膨大な事務作業があり、一般の方が、役所の人間がさぼっているんじゃないかと。さぼっているんじゃなくて、帳票の整理だとか、集計だとか、本当に地味な仕事に時間をとられて、実際に現場に行く人間の時間がとれないということが、多々あるので、ただ届出を受けるだけであれば、こんな制度は必要なのかというのが自治体側の疑問にある。

 ただ、一般の市民の方は、届出を出すことによって、明確に事業者が何をやっているかとか、事故等のことについて発見できるんじゃないかということは言っているんですが、バランスですね、それを見つけるために膨大な事務作業が必要かどうかとか、そういうことをちょっと考えていただきたいなというのがあります。

 そして、次は。責任者も聞いていただいた。特定動物ですね。

 特定動物の交雑のことですね。今回、交雑が入ったことで、交雑というのは、どこまでを言うのか。特定動物の指定が人に対する危害ということであれば、科学的に交雑の段階をどこまでできるかというのを決めると、すごく薄まっちゃっているけども、外貌的には、明らかに人間に対して危害を加えるというか、人間が負けそうな外貌の末裔の動物は、許可が要るのか、要らないかとか、または、あまり交雑は進んでいないけど、すごいひ弱で、これはどう考えても人間に危害なんか加えられそうなくて、人間のほうが動物に対して、危害を加えられそうだというぐらい貧弱な動物でも、交雑具合があまり高くないから、純血種に近いので、許可が要りますよとかという、ちょっと科学的なところで切ろうとしても、何か難しいところがあるんじゃないかというのが、現場サイドで懸念されていることなので、ちょっとその辺についての検討とかについて教えてもらえるか、または、ちょっと考えていただきたいなというところがあります。

 それと、特定動物の飼養のことで何人かご意見があったかと思うんですけれども、やはり、骨子案1番のところ、動物園その他に類する施設の業の実態を伴うもの、やはり、現場サイドでも公益社団法人日本動物園水族館協会等に入っていただいたり、公益的なところだったらわかりやすいんですが、私立の動物園と称する施設に関して、個人の趣味を皆さんにアピールしているようなところとか、そういうところをどこまで業として見るのか、よくわからない。ただのホーダー的な施設じゃないですけども、そういった施設に関しても動物園とみなしていいのかどうかというのは、やっぱり現場サイドでも、かなり苦しいところがあります。

 それと、2番の試験研究のところなんですが、どういうものを学術研究とみなすか。学術会議に論文を投稿するようなものは学術研究で、そうじゃない私的な研究ですかね、そういうのは、研究としてみなさないよというのであれば、幾ら研究していますといっても、それは愛玩用ですよと。たまたま趣味でやっていて、知見があったからといっても、それは学術じゃありませんから不許可ということはできるんですが、そうじゃないといった場合、どこまでを学術とみなすか、やはり運用するほうの現場では困るのかなと。

 それと、ここの席で言うのも何ですが、もう既に愛玩用で飼えなくなるのではないかというのが、ちまたに伝わっておりまして、東京都の場合ですと、どうも許可の申請が増えている傾向があります。

 ということは、今これが施行される前に結構、愛玩で飼っちゃった方を既得権益ということ、経過措置ということで、このままオーケーにしちゃった場合、今駆け込みで許可をとった方が、そのままずっと何十年も飼い続けるということになるし、愛玩がだめで、その方たちが手放すとき、ここには一応、死んだ場合は相続人だとか、破産管財人だとか清算人が責任をとるということになっていますが、この方たちがどこに持っていくかというのがわからない。愛玩用で来たもの、先ほどちょっと、ちらっとほかの委員からもありましたけれども、人間よりも長生きするような動物を飼っている方もいらっしゃって、それの行き先をどこの項目に入れるのか。①に入れるのか、②に入れるのか、③に入れるのか、④に入れるのか、ちょっとわからないんですけど、どういう想定をしているのか。短期的にはうまくいきそうな気がするんですけど、中長期的に、何か将来は困りそうな案件が、今想像できるので、それについてのお考えを教えていただければと思うんですが。

 以上です。

【新美部会長】 ありがとうございます。

 今の点に質問もございましたので、答えられる範囲でよろしくお願いします。

【長田動物愛護管理室長】 すみません。特定動物に関して、たくさんご意見をいただいていますので、まとめてお話しさせていただきたいと思います。

 まず、特定動物の許可の対象となる飼養の目的でございますけども、例えば動物園、これに類する施設ですとか、生業の維持ですとか、こういったものというのは、他法令を参考にしたと申し上げましたが、具体的には、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」を参考にしています。

 なぜ、これを参考にしたかといいますと、基本的には野外に放出されることで、さまざまな人間への被害があるという観点から……。

 種の保存法と、私、申しました、すみません。「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」です、すみません、間違いました。失礼しました。

 野外に逸出することによって、さまざまな影響があるということで、適正な施設で許可をとって飼養しなければならないという構造が一致しているということでございます。

 例えば、これが、先ほど申しました種の保存法に変わりますと、それは個体そのものが非常に価値があるということで、非常に許可の対象となる飼養の目的が限定されてまいります。具体的には、その種の保存に資する場合しか許可が得られないということになります。ここのバランスというのは、非常に大事だと思っておりまして、逸出しないように、適切に許可をとって飼う場合に、目的で許可されたり、されなかったりするというのは、当然、逸走のリスクとかというのは、許可をとっていても、例えば、災害で施設が破損すれば、逸出する可能性があるし、個人が愛玩で飼っているということは、やはり、動物園等の施設で管理しているよりも、そういうリスクが高いだろうという前提のもとに、今回、規制が強化されたというふうに考えておりますので、その目的について、説明がつかない、愛玩というのは、愛玩と書いても愛玩じゃないと言ってしまえば、愛玩じゃなくなってしまいますので、そこは定義ができないわけですけれども、目的の説明がつかないものについては、制限をしていこうという考え方であろうかと思っておりまして。これを例えば動物園を博物館法に基づく動物園に限定するとか、公立の動物園に限定する、それから成業の維持というのを、もっともっと絞っていくとか、そういったことが、現実に法の趣旨、制度の構造からして望ましいのかどうかということは、しっかり考えないといけないと思っているところでございます。

 一方で、現場で、その事務を運用するのは自治体さんですので、ここが外来生物法とは違ってまいります。外来生物法は環境省所管で、環境省の出先が全て運用していますので、運用の指針というのを定めて統一すれば、その指針に沿って細かいところの運用解釈も統一してやっていくわけですけども、自治体の場合、自治事務でございますので、制度で明確にされた部分以外は自治体の裁量が一定程度出てまいりますので、裁量が出ることで、法の目的が損なわれたり、自治体が運用に困るということはないようにしないといけないという部分では、今後、条文化に当たっては、東京都さんを初め、自治体さんのご意見を伺いながら進めていきたいというふうに思っているところでございます。

 交雑がどこまでを対象にするのかということにつきましては、法文上は、ある程度明らかだというふうに言わざるを得ないというところがありまして、極端な例で言いますと、犬は、じゃあ特定動物なのかと、先祖がオオカミですといって、犬が特定動物かというと、当然、それはそうではないということになってくると思いますので。特定動物として、政令で掲げたものが交雑してできたもの、それは交雑種として、今回、特定動物としての規制が課されるというところになってまいりまして、例えば、現場で同定をするとか、申請者の言い分をそのまま信じていいかどうかとか、いろいろ悩ましい事例が出てくると思うのですけれども、全てを明確にできるというのは、なかなか難しいのではないかと思っていますが、いずれにしても、制度の趣旨ができる限り最大化できるような運用を進めていきたいと思っていまして、その際に条文でどこまで書き込むのがいいのか、あるいは施行通知などで方向性を示していくのかというところについては、やはり、一定の自治体の裁量権というのも尊重していかなければいけないのかなというふうに考えておりまして、なかなか難しい運用が出てくるということは想定をしておりますけれども、そこは、しっかりやっていきたいと思います。

 また、繁殖については、基本的にはさせないということになるのではないかと思っておりまして、例えば、雄と雌を分けて飼養をするとか、そういったことによって、繁殖の防止を図っていくというのを許可手続の中で条件を付すこともできますので、しっかりと進めていくということがいいのではないかと思っております。この辺りについても現場の意見をよくお聞きしながら、規定の具体化を進めていきたいと思います。

【新美部会長】 ありがとうございます。

 よろしいでしょうか。まだ、今のご説明について、なお確認したいことがあれば、どうぞ質問してください。

 特定動物については、事務局からの説明もあったように、全て全部クリアカットに条文化することは難しいということは言われておりますので、その辺を考えながら、詰めていく必要があろうかと思います。

 ほかにご意見、ご質問はございましたら、よろしくお願いします。

 どうぞ、藤井委員。

【藤井臨時委員】 今回、骨子の中に入っていないことについて確認をさせていただきたいのですが、前回の部会のときに、既に佐伯委員のほうから第41条の獣医師の通報義務に関して、判断の指針になるようなものを、獣医師会を初めとして、関係者の協力のもとにつくっていくというようなことを事務局のほうから答弁をされておりましたが、それは進んでいくということで、あえて、今回の施行規則の中には入れていかないという理解でよろしいでしょうか。

【新美部会長】 じゃあ、お願いします。

【長田動物愛護管理室長】 すみません。今回、お諮りしていないのは、特に省令委任事項がないからということでございますけれども、これは、非常に大きな改正だと思っておりますので、どういう場合に虐待に当たるかということについては、今後、知見の集積に努めていきたいと思っております。次の議題の中で、少しだけご説明をさせていただきます。

【新美部会長】 ありがとうございます。

 次の議題ということになりました。時間も限られておりますので、何かあれば。

【長田動物愛護管理室長】 いろいろありましたので、全部まとめて、すみません、申し上げておくだけ、申し上げていきたいと思います。

【新美部会長】 どうぞ。

【長田動物愛護管理室長】 まず、動物取扱責任者研修の関係でございますけれども、ITの活用というようなご意見もありました。また、一定の質の確保が重要だというご指摘もございましたけれども、例えば、環境省で、これまで何をやってきたかということで申しますと、制度そのものについての説明については、制度は地域で変わるものではございませんので、DVDの映像資料等を作成して、自治体にご提供するというようなことも進めてきたところでございます。

 一方で、そういったことがマンネリ化という批判の背景にもあるということも否定できないというふうに思っていますので、役割分担をしながら、国としても、必要なことについては努めていきたいと思います。

 また、IT技術の活用については、制度上は、当然、否定をするものではありませんし、ITを活用した研修を、例えば委託でやるといった場合に、それが具体的にできなくなるような規定にならないようには配慮をしていきたい、例えば会場を設けてみたいな余計なことを規定しないとか、そういうことは必要になってくると思いますが、ちちろん、履修確認とか、本人確認とか、その辺は技術的に何らかの裏づけをしていくということが必要だと思っておりますし、質の確保という意味では、内容を確認する方法と実施主体で確認をしていく、例えば、一定の資質を備えた人に対する資格制度を運用している団体とか、そういうところを見ていくという方法もあると思いますけれども、これは、どちらかというと、条文に書き込んでいくというよりは運用の円滑化という観点の中で、できる対応をしていきたいというふうに思っているところでございます。

 猫の問題について、引き取る、引き取らないの話で、例えば地域猫という問題がございました。地域猫については、先生方、ご承知のように、ずっと長いさまざまな議論があるものでございまして、安易に、これが地域猫対策として、マルで、これがバツですとか、簡単には申し上げられるものではないとは思っておりますけれども、非常に重要なテーマですので、次の議題の中でもご説明しますが、地域猫活動のあり方ということについては、中期的に検討をしていきたいというふうに考えているところでございます。

 責任者の話に戻りまして、責任者の要件として、海外の有資格者はどう見るのかとか、実務経験をどこで積んでいったらいいのかとか、いろいろなご意見がございましたけれども、海外の例えば獣医師資格とか、海外の動物看護師の資格というのは、法律上、明確に定義するのが非常に困難だということがございまして、そこについては、今のところ、想定はしていないところでございます。実務経験についても、どこで積むのかというのは、大きな課題だと思っておりますけれども、これも法律で規定するということになりますと、むしろ、どんどん絞っていくということにならざるを得ないと思っておりますので、それがいいのか、もう少し柔軟な実務経験の定義というか、解釈でいくのがいいのかというのは、法律上、事業者に求められている内容、これを踏まえて過剰になったり、過小になったりしないように配慮していく必要があるということには考えております。

 それから、帳簿について、さまざまございました。これはつまるところ、一つは個体識別ができるかできないかという話、それと個体ごとに帳簿をということになれば、膨大な量、ボリュームにもなると思いますけれども、それは自治体の事務の負担の増大につながるかつながらないかといったところがポイントになってくるかと思いますので、この辺りについても、少し今後の部会に向けて、情報収集して、分析もしてまいりたいというふうに考えているところでございます。

 それから、登録拒否事由のただし書き、「この限りでない」というのは、「相当の事由」みたいなところについては、悪用というか、明確にしないと、いろいろ解釈をされて、現場で苦労をするという話がございました。こういったところは、非常に重要なポイントだと思っておりますので、ここも条文に書き下す際に、過大な運用になったり、曖昧な解釈が適用されるようなことにならないような工夫というのができないかということは、ちょっと考えてまいりたいというふうに思っております。

 お答えできていないところが、もしかしたらあるかもしれませんけれども、大体のところは。

【新美部会長】 ありがとうございました。

 今日、2番目の議題について、皆様方のさまざま意見が出され、それについて、現時点での事務局からの考え方を披露されましたが、それらを踏まえて、今後、さらに作業を進めていただきたいと思いますが、このような方向でよろしいでしょうか。

 それでは、議事の2については以上にさせていただきます。

 続きまして、議事の3、動物愛護管理基本指針の改正に向けてということで、事務局からご説明をお願いします。

【長田動物愛護管理室長】 資料3に基づきまして、ご説明をさせていただきたいと思います。動物愛護管理基本指針の改正に向けてでございます。

 指針の名称は資料の1行目に書いてございます、「動物の愛護及び管理に関する施策を総合的に推進するための基本的な指針」ということでして、名前のとおりの指針でございます。具体的に、この指針の中で施策の方向性ですとか、関係機関が取り組むべき事項等について、整理をしてきたものでございます。

 今後、ご検討いただく流れを先にご説明をしておきますけれども、この資料については、基本指針の改正に向けた事務局の考え方をお示ししているものですが、今後、現行の基本指針の実施状況の点検等、関係団体のヒアリングなども挟みまして、今日のご意見も踏まえて骨子案を作成し、また、そこでご議論いただいて素案を作成、そしてパブリックコメント等にもかけて、最終的には答申をいただくというような形でご議論いただきたいと思っておりますので、あと何回かご議論をいただく機会はあると思っておりますけれども、本日は基本指針の方向性について、ご説明をする中で幅広くご指摘等をいただければというふうに考えているところでございます。

 「改正の必要性」のところにございます現行の指針は、平成18年の告示でございますが、一度、平成25年に改正をされています。この中で、「策定後概ね5年目に当たる平成30年度を目途として見直しを行う」ということが規定されていたものでございます。この間、昨年の12月にお取りまとめをいただきました「動物愛護管理をめぐる主な課題への対応」として論点整理をしていただきました。

 また、今年の6月に7年ぶりの動物愛護管理法の改正が議員立法で行われましたということがありまして、こういった点を踏まえまして、今回、動物愛護管理基本指針の改正を進めていきたいということでございます。

 また、今回の動物愛護管理法の改正にあわせまして、法律の条文ではないですけれども、衆議院、参議院双方において附帯決議というのも行われております。水色の分厚い冊子の中に三つ目ぐらいのところに附帯決議のタグがついているかと思いますが、こういったことも政府への宿題として示されておりますので、こういったことも踏まえて、今後、概ね10年間、どういったことに取り組んでいくのかということを前提として、基本指針の見直しをしたいということでございます。

 それから、この基本指針につきましては、2.計画期間のところにございますが、基本指針に即して作成するということになっております都道府県の動物愛護管理推進計画と深く関連してまいります。基本指針と推進計画の体系的な整合性を確保するために、原則として、令和3年4月1日から令和13年3月31日までの10年間を推進計画の計画期間として、必要に応じて中間目標を定めることができるという整理にしているところでございます。

 全体的な基本指針の構成につきましては、現行の指針を踏襲したいと思っているところでございまして、現行の基本指針の構造というのは、実は、4.の(1)から順番にお示ししているものが基本になるんですけれども、一部項目名の修正を行いたいということで、ここに書いております。施策別の取組という項目のところに普及啓発というものがありましたが、ここについては普及啓発、つまり行政等の側から一方的に情報を伝えるというニュアンスが強いところについて、普及啓発に加えて多様な主体との相互理解の醸成という項目にしていきたいと思っております。適正飼養の推進による動物の健康及び安全の確保というものにつきましては、それに加えて返還・譲渡の促進というのも加えていきたいということでございます。災害時対策という項目がございますが、これは、災害が起きた後の対策というニュアンスにとられることもございますので、事前の備えということも含めて災害対策というふうに変えたいと思っているところでございます。

 4ポツのところから改正に当たって考慮すべき点というふうにまとめております。

 まず、動物の愛護及び管理の基本的考え方という項目、現行の指針にもございますけれども、こちらについては、世論調査等から把握されるような社会構造や国民意識の変化を踏まえて、全体の課題を俯瞰し、近年の動向について簡潔に記載をしたいということでございますが、2ページに参りまして、現行の指針にも個々人の動物に対する考え方は多様であるということに触れております。これを前提とした上で「人と動物の共生する社会」の実現に向けた将来ビジョンをどのように形成していくのかということについて、中長期的な観点から方針等を記載していきたいというふうに考えているところでございます。

 今後の施策展開の方向という項目には、1)基本的な視点というのと2)施策別の取組ということを整理していきたいというふうに思っておりますが、基本的な視点の項目①から④というのは、現行の項目名と同様でございますけれども、特に①国民的な動物の愛護及び管理に関する取組の推進につきましては、多様に考え方の中での社会的規範の考え方、それから②長期的視点からの総合的。体系的アプローチについては、お取りまとめいただいた論点整理も含めて、長期的視点の重要性に加えまして、根拠に基づく政策立案、EBPMというふうにも言われていますけれども、目的を明確化して、合理的な根拠に基づいて政策を進めるということを明記してまいりたいというふうに思っております。③の関係者間の協働関係の構築につきましては、多様な主体の連携・協働の進め方、④の施策の実行を支える基盤の整備につきましては、関係者の役割分担、連携等について記載をしていきたいと考えております。

 施策別の取組でございます。こちらについては、基本指針の中に記載をしていきたい事項について、ご紹介をしているとともに、括弧書きで、改正法第何条ですとか、附帯決議何とか、論点整理というふうに書いてございます。これらを参考にした附帯決議や改正法の条項、論点整理について触れております。そのまま書いているということではございません。

 まず①普及啓発・多様な主体との相互理解の醸成としまして、今回、所有者の遵守事項、例えば終生飼養の努力義務、こういったことの飼養管理が明確化されたことを踏まえまして、一層の啓発を進めていく。それから、動物の展示利用における扱いについての基本的な考え方を整理・検討をしていくということ、それから、国民の動物に対する考え方は多様であることを前提として、中長期的に動物の取扱いに関する行為規範の態様等について検討していくということにも触れていきたいと思っております。

 ②適正飼養の推進による動物の健康及び安全の確保並びに返還・譲渡の促進でございますが、改正法を踏まえて、適正飼養をさらに進めていくということ、周辺の生活環境が損なわれている場合や虐待のおそれがあると認められる場合に、報告徴収や立入検査が自治体ができるようになったということを踏まえて、指導、監督に向けた環境の整備を整えていくということ。それから、所有者不明の犬猫については、引取りを拒否できる規定が新たに置かれたということも含めて、現行の基本指針では、引取数の削減目標で10万頭という数値を示していますが、引取数、殺処分率、あるいは引取数の削減目標を検討し、設定をしていきたいと思っております。次に、中長期的な視点に立ちまして、終生飼養の趣旨を適正に理解をした上で地域の実情に応じた殺処分や譲渡の考え方を整理する。殺処分を減らしていくというのは、共通の課題ではございますが、地域の事情はそれぞれ異なりますので、そういったことも整理をしていきたいということでございます。さらに、殺処分の3区分の考え方、論点整理の中でご説明しました譲渡に適さない個体や収容中の死亡を除いた譲渡可能な個体の殺処分をまずは優先的に減らしていこうという考え方でございますが、こういったことについて、透明性をもって戦略的に進めていくということにも触れてまいりたいと思っております。動物の虐待防止の強化や通報の義務化につきましては、虐待の防止に向けて、どのように取組の強化をしていくかということについて、警察との連携も含めて、触れてまいりたいというふうに考えております。また、適正な団体譲渡、適正なと申しますのは、第二種動物取扱業等の譲渡に協力してくださる団体の中にも、不適正な飼養があるというような指摘もございます。こういったことを踏まえて、団体譲渡という非常に殺処分の削減において、重要な取組について、どう進めていくかということについても整理をしていきたいと思っております。また、返還・譲渡の促進のためには、施設整備の推進というのも必要だというふうに考えているところでございます。

 ③動物による危害や迷惑問題の防止でございます。所有者不明の犬猫の引取り拒否の規定がなされたことを踏まえて、繰り返しになりますが、地域の実情に合わせた対策が必要であるということ。それから、地域猫対策につきましては、そのあり方に関する検討と適正な情報発信を進めていきたいということでございます。生活環境省被害の防止や犬猫の健康・安全の保持の観点からは、所有者や占有者のいない犬猫に対する無責任な餌やり等は望ましくないということについて、しっかり普及啓発を強化していくことも重要であると考えております。特定動物につきましては、今回の改正を踏まえて、法の周知と遵守をより一層推進していく、それから、多頭飼育問題につきましては、地方公共団体の福祉部局等との連携強化による措置のあり方について検討をしていくということをまとめてまいりたいと思っております。

 ④でございます。個体識別の推進ということで、販売される犬猫へのマイクロチップ装着が義務化されたということを踏まえまして、効果的な制度運用について検討するとともに、義務化の対象にはなりませんでしたけれども、一般の方々の犬猫の所有者に対するマイクロチップ装着、それ以外の動物も含めた所有者明示の必要性に関する意識啓発を推進してまいりたいということでございます。

 ⑤動物取扱業の適正化につきましては、2年後に向けて具体化が求められております遵守基準の具体化、そして、自治体が実際に事業者に対して勧告・命令等を行う場合の権限の強化や新たな規制の着実な運用ということを整理していきたいと思っております。また、実効性の担保のために国が何ができるかということについても検討していくということでございます。三つ目の丸につきましては、動物取扱業者や事業者団体が社会において果たすべき役割というのを事業者が考えて、優良な動物取扱業者の育成や業界全体の質の向上というものに取り組むということも規制的な手法以外にも非常に重要であるというふうに考えておりまして、そういったことによって、ペットがもたらす効果や効能というものを踏まえた人とペットが共生する社会の形成が必要ということを盛り込んでいきたいということでございます。

 ⑥番、実験動物についてでございますが、「3Rの原則」、それから飼養保管等基準の周知、遵守の関係機関への徹底、国民に対するわかりやすい情報発信が重要だと思っております。また、附則に盛り込まれておりますけれども、実験動物を取り扱う者を動物取扱業者に追加すること等、あるいは代替法の活用や使用数の削減による動物の適正な利用のあり方について検討するということがありますので、まず、現行の機関管理体制についてのレビューを進めていきたいと思っております。

 産業動物につきましては、国際的な動向等を踏まえた飼養等のあり方を検討していく。そして畜産部局との連携強化が改正法に盛り込まれていますので、関係省庁と連携して、効果的な連携強化のあり方について検討するとともに、産業動物の飼養保管基準の内容等についても周知の徹底等を図ってまいりたいということでございます。

 災害対策につきましては、地域の特性、受けやすい災害の種類等の地域の特性に応じた平時の準備、この中にペット連れの防災訓練の実施等も含まれると思いますけれども、事業者や飼い主等への周知を推進していくということ、それから、地域防災計画等にしっかり動物の取扱いが明確化される、あるいはペットの一時預り、ペット連れ被災者への避難所や仮設住宅、復興住宅等での対応についても体制整備が進むように取り組んでまいりたいと思っております。また、大規模災害においては、ほかの自治体や民間団体と連携した広域的な体制整備を推進していくということが重要だと考えております。

 人材育成という項目の中では、研修等による自治体の職員の人材育成の支援、関係自治体における協議会設置、推進員の委嘱等を推進していくということを盛り込んでいきたいと思っております。

 最後に、調査研究の推進でございます。さまざまな附帯決議等がございます。まず、動物虐待の該当性の客観的な判断、先ほど、藤井委員からもご指摘がありました。これらについては、まず事例の集積、分析・評価が必要だと思っておりまして、これも科学的な事例ということだけではなく、実際の判例等についても集積をしていくことで、虐待の該当性の判断というのがしやすくなるというふうに考えているところでございます。アニマルウェルフェアについても附帯決議がございます。この考え方と海外における具体的な制度や運用について、諸外国の文化的・社会的な背景なども含めて広い視点から情報収集を行い、動物愛護の考え方について整理をしていきたいと思っております。また、脊椎動物の苦痛の感受性に関する調査研究、こういったことについても附帯決議の中で指摘がされているところでございまして、情報収集を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。

 以上でご説明を終わらせていただきます。

【新美部会長】 ありがとうございました。

 基本方針の改正に向けてということで、スケルトンといってよろしいでしょうか。全体の構成をご説明していただきました。これをもとに、あるいは、今日これから皆さんに議論していただくことをもとに、さらに肉づけ、それから最終的な仕上げの議論に入っていくことになりますが、とりあえずは、現段階ではスケルトンとして、この辺、もう少し膨らませたらとか、この辺はもう少し削ってもいいんじゃないかとか、そういう全体構成に関連しまして、ご質問、ご意見がございましたら、よろしくお願いします。

 では、打越委員、お願いします。

【打越臨時委員】 3カ所あります。まず、一つ目は、3ページになります。項目として見れば、返還・譲渡に関するところで、3ページ目の上から一つ目の丸です。所有者不明の犬猫について、引取数、殺処分率、数の削減目標を考えるというところが書いてあって、個人的にはあまり数値化するということに積極的ではない立場ではあるんですが、しかし、もし、こういうものをつくるということであるならば、殺処分率とか、数の削減目標において、一時的に数が増えてしまうときもある、それは許容するというのを明記したほうがいいのではないかと。その年、たまたま、たくさんの、例えば野犬が見つかって持ち込まれたとか、多頭飼育問題で崩壊が起きたとか、目先の数値で担当部局が批判されて、板挟みになってしまうと、それは長い目で見て、動物愛護管理行政の充実につながりませんので、一時的に数が増えるということを特に、自治体の議員とか、首長が理解してくれているか、また、地域の住民がそれをこらえてくれるか。そういう世論の支えも用意しておいたほうがいいだろうと思うのが1点であります。

 2点目は、4ページの⑥実際動物のところであります。附帯決議等で、実際動物の3Rに関して、もっと積極的にというようなリクエストが来ているところだと思います。国民に向けたわかりやすい情報発信というのも大事で、実は来週末、それで、シンポジウムで語る予定なんですが、このうち、代替法の活用と、それから使用数の削減というのは、実は苦痛の軽減と違って、つまり実験動物の飼養保管をどうするかということよりも、むしろ、どのような動物実験を行うかにかかっている。代替法が使える動物実験をやるかやらないか、それから、使用数の削減というのは、結局どのぐらいの動物実験で、何度繰り返すかというようなこととも関わってきます。3Rの原則というのは、人道的な動物実験をしましょうというところから出てきた概念ではあるんですけれども、苦痛の軽減というような話と、実は代替法、使用数の削減というのは、同じものとして議論できるとは限らないと思っています。

 ですので、もし、代替法の活用、使用数の削減なども含めて機関管理のあり方というのを議論となってくると、実は動物実験をすることの意義とか、是非とか、倫理とか、そういったものを真正面から議論する必要性が出てくる可能性があるので、結構大ごとになるかなと思います。避けて通らずに議論するのであれば、私自身も勉強して、また意見を言おうと思いますし、そこは環境省さん、ほかの省庁ともきちんと議論したほうがよいだろうと思います。

 それから、最後に、5ページの災害対策、⑧であります。先ほど、審議官が同行避難の大切さを情報発信していくというご挨拶をしていただいて、とても感動したところでありまして、私が住んでいる長野県では千曲川の決壊によって、大変な今、本当に長野県や長野市の獣医師、職員が、今、現場で苦しんでいるところであります。

 ちょっと長野県のアピールをさせていただきますと、実は今回の災害、長野県・長野市獣医師会、それから動物愛護ボランティアの4者共同で発災から48時間以内に、しかも3連休中に災害対策本部を立ち上げたんですね。これはすごいことでありまして、48時間以内に4者が話をそろえて、しかも3連休中に発表ができるというのは、すごいことだと思います。なぜ、これができたかといいますと、実は環境省が実施している防災研修、いろんな形で、初心者向けから中級者向けまでやっていると思いますが、あれに熱心に参加していた若手職員が1人おりまして、彼女が非常に熱心に県内で動いてくれたというのがあります。

 ですので、そういう研修などで知識と判断力を持つ担当者が1人でもいると、それぞれの自治体で、災害対策とか動向避難の必要性とか、それから、避難所でのすみ分けのテクニック、そういったものを伝えてくれる人が1人でもいればということになるんですが、ただ、災害対策本部が立ち上がったものの、結局、一般市町村のほうで、避難所で犬や猫を受け入れられるんだって、いや、うちの地域の公民館、そういうルール話していたっけ、話してないよというような形で、結局、同行避難をためらってしまう方が大分多くて。千曲川が決壊した近隣の場所で、犬やペットを置いてきてしまったと言っている方々が、もちろん、本当は連れて逃げてくださいと言いたいところなんですけれども、やっぱり本当に草の根のところなので。

【新美部会長】 ちょっと簡潔にお願いします。

【打越臨時委員】 はい、ごめんなさい。入っていなかったので、そういうふうに、熱心に同行避難のことやすみ分けをやってくれる一般市町村の職員を育てるということを、都道府県と連携しながら盛り込んでいただきたいので、一般市町村への情報発信をここに入れていただきたいと思っています。

 ごめんなさい。長くなりました。

【新美部会長】 ありがとうございました。

 ほかにご質問、ご意見。

 では、水越委員、お願いします。

【水越臨時委員】4点なんですけども、一つ目は普及啓発、ここの①、あるいは②のところに入るかなと思うんですが、例えば、東京都など野犬がいない地域ですと、センターに収容される犬の理由については、飼い主の高齢化や飼い主の死亡、飼い主の病気というようなところが多くなってきているというのを聞いています。

 そこで、終生飼養のところでは、そういうことが起こり得るので、事前にそういうことを考えておいたほうがいいよというような普及啓発というのは、これまで以上に重要なところなのではないかと。終生飼育というふうに言われても、そこまで考えるかといったら、なかなか一般飼い主は考えないというふうに思いますので、実例をもとに終生飼育というのは、飼い主が亡くなるまでではなくて、その動物が終生、適切に飼養されるということだと思いますので、それを入れていただきたいなというものが1点。

 2点目は、②の適正飼養の推進による動物の健康及び安全確保並びに返還・譲渡の促進というふうにあるんですけども、先ほど、打越委員からの指摘もあったように、所有者不明犬猫については増やさない、つまり不妊手術の推進、徹底について書いてほしいなというのが、私の希望です。

 やはり増えたところでどうにかするというこという方法では解決することはできません。③のところの地域猫のところには、不妊去勢手術という文言が入っていますが、②のところに入っていないので、ここにも入れていただきたいというものが2点です。

 3点目は、④の所有者明示措置の推進のところで、マイクロチップに関して。マイクロチップに関しては、今回の法改正で義務化、また一般飼い主に対しても努力義務というところが入ったところでありますが、これを推進するには、まず、マイクロチップリーダーの設置、リーダーがなければ読めないわけですから、警察等、動物病院も含めてリーダーの普及というものが、非常に必要であると思います。

 もう一つ、マイクロチップに関しては、マイクロチップを接種するのは獣医師になりますが、マイクロチップが時間によって移動してしまったり、あと接種位置に対して。マイクロチップというのは磁気ですので、MRIを撮影するときに、非常に画像が乱れるということで、画像診断等をする獣医師の中には、マイクロチップを反対している、あるいは接種位置、いわゆるMRIの撮影をあまりしないような部所に接種そてほしいといった意見を聞きます。接種位置や、移動ができるだけないような接種方法等を、やはり獣医師会等というか、獣医師との意見交換等が必要なのかなというふうに思います。

 最後に、4点目なんですけども、動物取扱業の適正化のところに「ペットがもたらす効果・効能を考慮した人とペットが共生する社会の形成を促進」がありますが、この「ペットがもたらす効用」は、私は、これは適正飼養があってこそというふうに思います。ですから、これは動物取扱業の適正化ではなく、適正飼養の推進に入るものではないかなと感じました。

 以上です。

【新美部会長】 ありがとうございます。

 ほかにご意見、ございますでしょうか。

 じゃあ、どうぞ、浅野委員。

【浅野臨時委員】 関係機関との連携というのがいろいろ出ているんですけど、ちょっと一つ抜けているというか、と思うのが、②の適正飼養のところだと思うんですけど、警察とかは入っているし、多頭飼育で福祉も入っているし、市区町村もあるとすると、畜産部局との連携もあるんですけど。国土交通省の管轄なのかもしれないんですけど、都市公園とか、公園管理をするハード面との連携というのはすごく抜けていると思います。

 それは、災害時もそうなんですが、まず、譲渡可能な犬猫の殺処分をゼロにするためには、それなりに健康状態だけではなくて、しつけをする必要もあると思うんですね。訓練業というのも関わってくるかと思うんですけど、しつけをするので、しつけをできる場所というのが、日本では本当になくて、公園もほとんど犬が入れないという状態になっていますので、譲渡の際にしつけ教室とセットで行うということは、なかなかできないと思うんです。

 ですので、人材育成というのもそうなんですけれども、ハード面、犬はどうしても訓練なりしつけをするには場所が必要ですので、犬が入れる施設を用意するような手当を自治体で考えてもらう。それには、多分、公園だと思うので、国交省とか、地方の公園管理課との連携といった視点も、できたらどこかに入れていただきたいというふうに思います。

【新美部会長】 ありがとうございます。

 ほかにございませんでしょうか。

 今の浅野委員のご発言にちょっとつけ加えますと、多様な主体の連携・協働というのがあちこち出てきますけれども、これを環境省として、どう触媒の役割を果たすのかというのは、やっぱり基本方針の中に入れておいたほうがいいんじゃないかと思います。みんなで仲よく協働しましょうといっただけではだめで、環境省の施策として、どうするのか。例えば、地方事務局をどういうふうに生かすのか、そういうことを中に入れていただくと、より具体的な方針ということになるのかと思いますので、ぜひ、ご検討いただきたいと思います。

 あと、ほかにございませんでしょうか。

 じゃあ、佐伯委員、お願いします。

【佐伯臨時委員】 マイクロチップに関しましては、水越委員のほうからもお話がありましたので、私も同様に思います。

 もう一つは災害対策のところなので、⑧なんですけれども、これも打越委員からも触れていただきましたけれども、今回の台風19号の災害におきましても、同行避難という概念は、非常に浸透している中で、実際に避難所に問い合わせ、あるいは行ったら、ペットはだめだというようなペット可でホームページ等でも掲載されているところでも、現状は、そうではあったという報告を多々受けております。浸透したのはいいんですけれども、市町村、あるいは市区町村レベルで、あるいは避難所の運営母体というところでの浸透がまだいっていないというところだと思います。そのためにも地域防災計画等に位置づけを明確化するというところは、特に重点的に行っていただきたいと思います。

 また、災害対策については、調査研究の推進の部分には入っていないですけれども、これだけ、毎年災害が多発している中で、それぞれ地域、あるいは災害のタイプによっても問題点は違ってきていると思います。そういったところ、事後どういうことが起こったかということをきちっと調査をして、あるいは、今後はアセスメントチームもつくって、環境省自身がいろんな対応を講じていかないと、やはり、終わった、終わったで済んでしまう可能性がありますので、調査研究のところでも災害対応、対策というところを入れていくこともご検討いただきたいと思います。

 以上です。

【新美部会長】 ありがとうございます。

 ほかにございませんでしょうか。

 それでは山口委員、どうぞ。

【山口臨時委員】 今の佐伯委員とほぼ同じなんですけれども、災害対策のところで、法律の中では、動物愛護推進員も災害対策のときに協力するということが推進員の役割として、入っています。今回、各避難所で、直接行ったら断られた、そして、動物病院で預かってもらったというケースも実際出てきていますので、これは、普段から、避難所でどう動物を預かって、どんな問題が出てくるのかとか、皆さん、避難所を運営する方々は、こんなことが起こったらどうしよう、どうしようという心配がとてもあって、それを防ぐためには「ノー」と言ってしまうということも多いと思いますので、普段から地域の動物愛護推進員の方々と、実際に、学校なら学校で、じゃあ、現地を見ながらどういうふうに受け入れて、どんな問題が起きて、どんな対応ができるのかを考えておく。そのときには、もちろん、獣医師会、地域の獣医師の先生方に協力いただかないといけないんですが、というのは、学校飼育動物もそこにいますから、なおさら獣医師の関与は必要ですので、そういう地域での普段からの体制づくり、それから、マニュアルといいますか、基準的なものを作成して、そして、やってみる。やってみて、大体書いたことでいかないこともいっぱいあると思いますので、どんどん改定していくというようなことをやっていくということを災害対策の中に、愛護推進員もどんどん協力してもらってやるということを書いていただけたらなというふうに思います。

【新美部会長】 ありがとうございます。

 それでは、時間の都合もありますので、3の基本指針につきましては、今、皆さんからの意見を踏まえて、進めていただきたいと思いますが、事務局から何かございましたら。

【長田動物愛護管理室長】 いろいろご指摘ありましたので、お答えできる範囲でお答えをしたいと思います。

 まず、多くの先生方からご指摘いただいた関係機関の連携・協働でございます。この点につきましては、特に動物愛護管理政策においては、どの分野でも非常に重要だというふうに思っておりますので、もっと強調していくということを考えていきたいと思っております。これについて、新しい項目を立てて横断的に書いていくのか、それぞれの項目に必要な事項を書き加えていくのか、あるいは、人材育成という項目あたりを項目名を変えて、もう少し広く入れていくのかということについては、また、全体を整理する中で検討させていただきたいというふうに思っております。

 それから、終生飼養の考え方、水越委員からご指摘がありましたが、これは、まさに論点整理で、大分ご議論をいただいた中で、実は自治体さんからも非常に多くの意見が出ています。終生飼養を間違って安易に飼い主がかわってもいいんだというふうに受け止められると、逆に終生飼養に関する適正な啓発がうまく進まなくなるおそれもあるというご指摘もありましたので、どういう書き方が一番正しい施策につながるように理解されるのかということも含めて、ちょっと検討させていただきたいと思っております。

 それから、不妊手術についてでございます。確かに、不妊手術が徹底されれば、適正飼養が進んで、犬猫が増えなくなるので、殺処分が減りますという意味では、②ということもあるでしょうし、野外の猫が増えていくということで言えば、あるいは、多頭飼育崩壊みたいな話で言えば、もちろん、動物自体にも不利益がありますけども、やはり、③のほうが適当なのかなというふうに思っていまして、これも、どこにどういうふうに書くのが一番おさまりがいいかということについて、整理をしてまいりたいと思いますけども、網羅性を追求するよりは、めり張りをつけた基本指針にしていけたらというふうに考えているところでございます。

 それから、打越委員からありました、例えば、殺処分の削減ということについて、一時的に増えることを許容すべきだということ、これについても、論点整理の中でもご指摘もいただいてきたところでございまして、その辺り、うまくどういう書き込み方ができるかというのは、ちょっと検討させていただきたいと思っております。

 関係機関との連携の中で、浅野委員からは、しつけをする場所についてということがございました。非常に重要なご指摘だとは思いますが、これは、非常に多分難しい問題もたくさんはらんでいるのではないかと思っておりまして、もちろん、適正飼養を図るための場所というふうに考えれば、適正飼養でしょうし、犬や猫が飼いやすい社会をつくるということになれば、それに対して、例えば飼っていない人も平等に税を負担している公共の公園において、どこまで役割が期待されるのかみたいな、非常に難しい問題にもなってくると思っていまして。それは多分、今日、前段でご説明をしました「人と動物が共生する社会」というのを、どういうふうに具体化し、社会規範として統一的な意識を醸成していくのかということにも深く関わる問題であろうとか思っておりまして、どこまで踏み込んで書くのがよいのかということも含めて、引き続きご意見を伺いながら、私どもも勉強をしてまいりたいと思っております。

 マイクロチップにつきましては、MRIの画像が乱れるというような話は、私どものほうにも届いているところでございます。これは、非常に技術的な話でございますので、私どもとしては、技術的な観点から統一的な見解が示されれば、できるだけ、それに寄り添った制度にしていくというのが基本的な考えだろうと思っておりますけれども、そういう意味で、統一的にここがいいというものがあれば、それを前提とした制度構築というものを考えていくべきだと思っておりますし、一方で、どこに入れても同じような問題が生じるということになれば、中長期的な技術開発に期待するという観点もあるかもしれませんし、法律上は義務の適用除外がありますので、むしろ、今、推奨されている装着部位にほとんどのマイクロチップ装着個体のマイクロチップが入っているという現状を前提としたときに、それを変えていくのがよいのか、どうしても画像診断上問題があるような個体については、適用除外にしていくのかというようなことを、移動や脱落のリスク等も含めて、専門的な観点からご判断をいただくというのもあるのかなというふうに思っているところでございます。

 動物取扱業の適正化のところに「人とペットが共生する社会の形成促進」というのがあって、これは適正飼養があってこそだということも、水越委員からご指摘があったところでございます。ここについては、一つは、事業者の主体的な取組というのが規制的手法とあわせて、あるいは場合によっては、それ以上に効果的な場合もあるのではないかということで記載をさせていただいているところでございまして、この書きぶりがいいのか、あるいは、この書きぶりであれば、ご指摘のとおり、適正飼養のところに位置づけるべきではないかということも含めて、また、これもちょっと宿題として検討させていただきたいというふうに思っているところでございます。

 実験動物について、打越委員から代替法の活用や使用数の削減、真正面から議論するのは、相当なことだよということをご指摘いただいて、ご指摘のとおりかと思っております。あえて、ここで改正法の附則に、これらが盛り込まれたということは、当然ながら、現在、苦痛の軽減については義務規定になっていて、代替法の活用と使用数の削減については努力規定になっているということを踏まえ、あえて、この二つについて検討することが盛り込まれたというふうに考えておりますので、これについて取り扱わないという選択肢は残されていないと思っておりますけれども。もちろん、ご指摘のとおり、環境省で、単独で議論できるような話ではありませんので、関係省庁さんですとか、専門家の先生方のご助言をいただきながら、一緒になって進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。

 災害対策については、さまざまご指摘がございました、全てごもっともであろうと思っておりますので、規定をそれは踏まえて変えていきたいというふうに考えているところでございます。

 以上でございます。

【新美部会長】 どうもありがとうございます。

 皆様のご意見に基づいて、環境省のまとめといいますか、今後の方向についての心構えというようなことをお話しいただきましたので、ぜひとも、今のような方向で基本指針を充実していきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いします。

 それでは、議事の4に移りたいと思います。その他ということで、事務局からございましたら、よろしくお願いします。

【事務局】 事務局より二つ、まず、1点目、参考資料1をご覧ください。

 改正検討スケジュール(予定)ということで、こちらについては、前回の9月5日の第51回部会で提示をして、ご議論ご確認いただいた内容とほぼ変わっておりません。10月中としておりました諮問の内容を具体的に書いたこと、それから、本日、第52回部会で報告事項としておりました改正動物愛護管理法の施行期日を定める政令等についての報告につきまして、次回の53回の部会でお示しする予定とさせていただきたいという微修正でございまして、基本的にはスケジュールの予定に変更はございません。

 あと、補足的に、先ほどの議題でありました基本指針の改正に向けた検討につきましては、次回の第53回動物愛護部会において、指針の点検、こちらに関しては、既に論点整理がとりまとめられておりますので、法改正以降の内容を追加的に付加する形で点検の報告をさせていただき、必要な関係主体へのヒアリングを実施しまして、12月6日の54回部会では、本日の議論でいただいたご指摘と点検やヒアリングの内容も踏まえた骨子案として提示していくスケジュールで考えております。

 以上でございます。

【事務局】 すみません。事務局から、もう一点ご報告です。参考資料の2の記者発表資料にございますとおり、愛玩動物看護師法に基づく指定試験機関に関する省令案の概要についてのパブリックコメントを本日より開始しましたのでお知らせいたします。

 前回の部会の際に、愛玩動物看護師法の件をご報告させていただきました。本法は、2段階施行になっておりまして、完全施行は約3年後になるのですが、1段階目の施行が本年12月1日になります。同日に施行される規定は、農林水産大臣及び環境大臣が指定することとなる指定試験機関に係る規定となります。当該指定試験機関は、今後、試験の準備などの事務を担うことになります。

本省令案は、当該機関の指定要件を定めるものとなっております。本日から1カ月間のパブリックコメント期間になっております。

 ご報告は以上です。

【長田動物愛護管理室長】 最後に資料はございませんけれども、冒頭、審議官から申し上げました災害対応について、少しご説明をさせていただきたいと思います。

 今回、中でもご指摘いただきましたように、同行避難の関係で、いろいろな報道がございました。例えば、自治体によっては同行避難、どこでも受け入れますということを事前に周知していたにもかかわらず、現場に行くと、やはり同行避難を拒否された例があったというようなものもございますし、あるいは同行避難というものを必ずペットと同じ、同室で過ごすことができるというふうに拡大して誤解をされた方が、ペットは別の場所に置いておいてくださいと言われて、同行避難を拒否されたといって発信をしているというようなケースがあったりして、いずれの場合も同行避難というものに対する国民の理解がまだ十分に行き渡っていないということで、環境省としても改善すべきところがあるというふうに思っているところでございます。

 これから先は、今度は避難生活という段階になりますので、ここで、また同行避難に関する誤解があって、どこの避難所でも絶対にペットと一緒に行けるんだというふうに考える方がいますけれども、実際には、施設のスペースの状況とか、アレルギーの方がいたりとか、ペット連れでの避難が難しい場所もあるということになってこようかと思いますけれども、その場合でもペットを受け入れられる施設が近隣に存在すること、それから、どこに行けば受け入れてもらえるかということについて、相談する窓口が明確になっていることというのが、非常に重要だというふうに考えておりまして、そういった点について、重点的に環境省として、対応を進めているところでございます。

 具体的には、例えば、長野県さんも宮城県さん、埼玉県さんのように被害が大きかったところについては、相談先をお伺いして、ホームページに書く等をしまして、被災者の方がどこに相談すればいいかというのがわかるようにしていくというようなことを引き続き続けていきたいというふうに思っております。

 それから、物資の支援の関係につきましては、一般財団法人ペット災害対策推進協会さんですとか、公益財団法人動物愛護協会さん等から支援の準備ができているというお話をいただいておりまして、これらについて、自治体さんの要望に応じて、あるいは現場を見て、場合によってはプッシュ型の支援というのも考えてまいりたいというふうに思っているところでございます。

 一部の地域では、避難生活が長期化しそうな状況でございますので、その中で、ペットと飼い主、あるいは犬や猫が苦手な方、それぞれの方ができる限りストレスなく避難生活が送れるように、さまざまな対応を検討してまいりたいと思っているところでございます。

 以上でございます。

【新美部会長】 ありがとうございました。

 それでは、ただいまの事務局からのご報告、それから本日全体を通じて、何か委員の皆様からご意見等ございましたら、ご発言、よろしくお願いします。よろしいでしょうか。

 それでは、以上で本日予定されていた議事は全て終了いたしました。熱心のご議論、ありがとうございました。

 進行を事務局のほうにお返しいたします。

【鳥居自然環境局長】 本日は大変長時間にわたりまして熱心なご議論をいただきまして、誠にありがとうございました。

 私、ちょっと所要、ほかの会議で遅れてまいりまして、大変失礼いたしました。

 この動物愛護管理法が改正されましたけど、今回の改正、非常に大きな改正でございます。それに伴いまして、もちろん、附則、附帯決議等もたくさんございますので、それを踏まえた政省令の改定だとか、あるいは基本指針の改定だとか、あるいは通知だとか、非常に多岐にわたる作業がございます。

 また、今般の台風19号の災害、非常にきつい災害でございますけども、本当に、毎年のようにこのような状況が起こっていますが、毎回のように、ペットの同行避難についても、いろいろ課題が出てきている、それを少しでも前に進めるためにも、今回の改正、そして基本指針を踏まえた対応も必要になってくるかと思います。

 1年以内の施行ということも言われていますので、限られた時間の中で、また関係する方面、機関、団体多岐にわたると思いますが、そういう中でタイトなスケジュールで業務を進めていかなきゃいけないところで、先生方には、いろいろご無理を言うところもございますけれども、今後ともひとつどうかよろしくお願いいたしたいと思います。

 簡単ではございますが、ご挨拶とさせていただきます。本日はどうもありがとうございました。

【事務局】 それでは、事務的な連絡を事務局から。次回の部会は、1125日(月)の1330分から、同じ、ここ環境省第一会議室で開催する予定でございます。

 以上をもちまして、本日の部会は閉会といたします。本日はどうもありがとうございました。

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