野生生物小委員会(令和8年度 第37回) 議事録
開催日時
令和8年8月19日(水) 13:30~16:12
開催場所
AP虎ノ門11階C+Dルーム(Web会議システム併用)
出席者
| 委員長 | 小泉 透 | ||
| 委員 | 勢一 智子 | ||
| 臨時委員 | 五箇 公一 | 原 久美子 | 日向野義幸 |
| 水田 拓 | 森本 淳子 | ||
| 専門委員 | 青野 光子 | 岩井 紀子 | 白山 義久 |
| 寺田佐恵子 | 野尻 秀昭 | 桝 太一 | |
| 三谷 曜子 | 宮本 旬子 | 八代田千鶴 | |
| 環境省 | 則久自然環境局長 | 高城大臣官房審議官 | 近藤総務課長 |
| 鈴木野生生物課長 | 佐々木鳥獣保護管理室長 | 北橋希少種保全推進室長 | |
| 松﨑野生生物課課長補佐 | 吉澤希少種保全推進室室長補佐 | 鴛海希少種保全推進室室長補佐 | |
| 千葉外来生物対策室室長補佐 |
議事録
【事務局】 それでは、定刻となりましたので、中央環境審議会自然環境部会野生生物小委員会を開会いたします。
本日は、皆様お忙しい中、ご出席いただきありがとうございます。会議に先立ちまして、出席委員数のご報告です。本日は所属の委員、臨時委員8名のうち、Web会議システムでの参加を含めた7名がご出席されまして、定足数を満たしていますので、本委員会は成立しております。なお、勢一委員は15時30分頃に途中退席されるご予定ですので、ご了承のほど、よろしくお願いいたします。
次に、本日の会議運営についてご説明をさせていただきます。
本会議につきましては、会場での傍聴を行わず、YouTubeにてライブ配信をしておりますので、ご了承ください。
また、Web会議システムでご参加されている皆様におかれましては、差し支えない範囲で結構ですので、常時ビデオをオンにしていただき、お顔が見られる状態にしてください。なお、発言時を除き、マイクはミュートにしていただきますよう、お願い申し上げます。
Web会議システムでご参加の皆様でご発言を希望される場合は、画面にあります挙手アイコンをクリックしてお知らせください。委員長からのご指名を受けましたら、ご発言いただき、ご発言が終わりましたら、挙手アイコンをまた再度クリックしてその状態を解除していただきますようにお願いいたします。
会議室でご参加の委員の皆様におかれましては、ご発言の際は名札を机の上に立てていただき、委員長からのご指名後、マイクをオンにしてご発言ください。発言後はマイクをオフにしていただくようにお願いいたします。また、ご発言いただく際、マイクの音を拾う関係で、口元に近づけてご発言いただきますようにお願いいたします。
資料については、委員の皆様にはあらかじめ電子データを送付しております。また、環境省ホームページの野生生物小委員会のページにも同じ資料を掲載しております。会議室でご参加の皆様は、お手元のタブレットで資料をご覧いただきますようにお願いいたします。
最後に、環境省職員に一部異動がございましたので、改めてご紹介させていただきます。
まず、自然環境局長の則久でございます。
【則久自然環境局長】 則久です。よろしくお願いいたします。
【事務局】 自然環境局担当大臣官房審議官の高城でございます。
【高城大臣官房審議官】 高城でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【事務局】 野生生物課長の鈴木でございます。
【鈴木野生生物課長】 鈴木でございます。よろしくお願いいたします。
【事務局】 鳥獣保護管理室長の佐々木でございます。
【佐々木鳥獣保護管理室長】 佐々木です。よろしくお願いいたします。
【事務局】 希少種保全推進室長の北橋でございます。
【北橋希少種保全推進室長】 北橋です。よろしくお願いします。
【事務局】 それでは、本委員会の開催に当たり、自然環境局長の則久よりご挨拶申し上げます。
【則久自然環境局長】 この8月7日付で自然環境局長を拝命いたしました則久でございます。
本日は、非常にご多用のところ、本委員会にご出席賜りまして、厚く御礼を申し上げます。
委員の皆様におかれましては、日頃、自然環境行政にご理解・ご協力をいただいておりますことを、改めて御礼を申し上げたいと思います。
本日の議題でございますけど、諮問案件1件と報告事項3件となっております。
諮問案件の1件につきましては、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存につき講ずべき措置」ということでございまして、要は、種の保存法の関係でございますが、本件につきましては、平成30年の種の保存法の改正法の施行から5年を経過したということなどを踏まえまして、令和5年度から施行状況の評価、また、令和7年度から種の保存法の在り方について、検討を行ってまいりました。これらの検討を踏まえ、本委員会において、講ずべき措置について、答申に向けてご議論いただきたいというふうに考えております。
また、本日は本件に関連しまして、長野県における希少種保全に係る取組について、ヒアリングを予定しております。よろしくお願いいたします。
また、報告事項として3点ございますが、一つは種の保存法に基づく国内希少野生動植物種である「アマミヤマシギ及びオオトラツグミの保護増殖事業の完了」についてでございます。恐らく、初めて完了したケースだったと思いますけども、これについてのご報告。
それから、去る5月に本州で初めてとなるトキの放鳥を能登半島で行っておりますので、この「トキの本州での野生復帰」についてを二つ目の報告事項といたします。
最後に、外来生物法に基づく、「特定外来生物の新規指定」についてもご報告させていきたいと思っております。
限られた時間でございますが、忌憚のないご意見を賜りたく、ご審議のほどお願いしたいと思います。
私も4年前、この野生生物課長をさせていただきまして、委員会で大変お世話になりました。
最近、つらつらと思いますのは、やっぱり希少種、それから鳥獣、外来種。もう一つは、実は普通種というのも結構大事かなと思っておりまして、今日はトキのお話もありますが、普通に国土に広くいたものが絶滅危惧種になっている、あるいは絶滅してしまったということが、地域的に分布が限定されている希少種の保全も大事ではあるんですけども、やっぱり広くいたものがいなくなって絶滅するということのほうがはるかに深刻な問題ではないかなという気もしております。そういったことを踏まえた全体的な野生生物と国土の管理の在り方というのは、今後、大きな課題になってこようかと思いますが、そういったことを進めていく上でも、まず一番この大切な種の保存、絶滅危惧種をどう守っていくのか、仕組みをどう変えていくのかというところがまずベースとしてしっかりと議論されていく必要があるかと思いますので、まずは今日のこのご議論を踏まえて、また、その次の先々の展開も考えていきたいと思います。
限られた時間と申し上げましたけれども、今回1回では議論が尽くし切れないと思います。何回かお願いすることになると思いますけれども、ぜひ、活発なご意見をいただければと思います。
ということで、今日のところはよろしくお願いいたします。
【事務局】 公務の都合により、則久と高城は14時30分頃に途中退席をさせていただきます。
また、近藤総務課長につきましても、途中からの出席とさせていただいておりますので、大変恐れ入りますが、ご了承のほどお願い申し上げます。
報道機関の皆様におかれましては、冒頭の撮影はここまでとなります。以降は傍聴となりますので、よろしくお願いいたします。
それでは、これよりの議事進行につきましては、小泉委員長にお願いすることといたします。小泉委員長、どうぞよろしくお願いいたします。
【小泉委員長】 それでは、ただいまより、野生生物小委員会を開催させていただきます。
まずは、先日ありました令和8年熊本地震に謹んでお見舞い申し上げます。また、則久局長、本小委員会におかえりなさいということで、今後、よろしくお願いいたします。
本日は、諮問案件が1件、報告案件が3件となっております。諮問案件に関しましては、答申に向けた作業状況の報告ということで、既に審議に関わっておられる委員の方もいらっしゃいますけれども、本日、初めて状況を伺う委員の方もいらっしゃると思いますので、忌憚のないご意見をいただければというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
それでは、冒頭、事務局より説明がありましたが、本日の委員会はYouTubeチャンネルにおいてライブ配信をしておりますので、報道機関、それから一般の方々も傍聴しております。
なお、議事録につきましては、後ほど事務局が作成し、本日ご出席の委員のご確認を受けた後、委員長である私が了承した上で公開することをご承知おきいただきたいと思います。
それでは、お手元の議事次第に従いまして、最初の議題、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存につき講ずべき措置について、事務局より説明をお願いいたします。
【北橋希少種保全推進室長】 それでは、希少種保全推進室長の北橋より、ご説明をさせていただきます。
まず、資料1-1をご覧ください。
この中央環境審議会に環境大臣のほうから、この種の保存につき講ずべき措置について諮問が行われております。7月24日付で大臣から中央環境審議会会長宛に意見を求めるということでございます。
諮問理由につきましては、国内種の保全と国際的な種の保全、それに加えて、諮問理由の中段以降に書いてございますけども、局長からの挨拶にもございましたが、前回の平成30年に施行された改正法の際の附則において、施行日以降5年を経過した場合において、施行状況について検討して必要な措置を講ずると定められているということから、講ずべき措置について意見を求めると、そういうことになってございます。
裏面にもう一つ、中央環境審議会の会長から自然環境部会の部会長に対して、その講ずべき措置についての付議をされているという資料になります。さらに、資料はございませんけれども、この自然環境部会に付議された絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存につき講ずべき措置についての検討は、野生生物小委員会で行うということが議事運営規則に基づいた小員会設置の紙に書いてございますので、この野生生物小委員会で議論をいただくということになっているものでございます。
資料1-1につきましては以上です。
【小泉委員長】 それでは、ただいまの説明につきまして、ご意見、ご質問がありましたらお願いしたいと思います。事務局から説明がありましたように、会場にいらっしゃる委員の方は名札を立てていただき、Webでご参加の委員の皆様は、挙手ボタンで合図をいただきたいと思います。私のほうで一覧を、Webのご参加の委員の方も一覧で見ておりますので、挙手ボタンを押していただければ見られるようになっておりますので、ただいまの説明につきまして、ご意見、ご質問等ありましたら。
(なし)
【小泉委員長】 ないようですので、それでは資料1-2のほうに進んでいただきますように、お願いいたします。
【北橋希少種保全推進室長】 ありがとうございます。
資料1-2は、この種の保存につき講ずべき措置についての検討の進め方について、説明しているペーパーになります。
先ほどの説明のとおり、前回の法改正から5年が経過したということで、令和5年末から令和6年末にかけて、種の保存法の施行状況評価会議というものを行っておりました。そこで前回の改正法の内容、それから法律全体の運用の状況につきまして評価をした上で、前回の令和7年10月の野生生物小委員会で、在り方検討会を立ち上げてそこでさらに検討していきたいということをご報告させていただいておりました。それを踏まえまして、令和7年10月から、種の保存法の在り方検討会を6回開催いたしまして、先の7月末にその報告書を出したところでございます。
そして、太字になっておりますのが本日の8月19日の野生生物小委員会、ここでもって、諮問、付議とそれから検討事項等をご説明させていただくというところでございます。
そこから下が今後の予定でございますけれども、9月頃に関係団体のヒアリングですとか答申案の骨子をお示しした上で、10月頃には答申の原案の提示、順調に進みましたら令和9年の1月頃目途で答申案を提示して答申をいただくようなことで考えてございます。
スケジュールにつきましては以上です。
【小泉委員長】 ありがとうございます。
ただいまの説明に関しまして、ご意見、ご質問等ありましたら、合図をいただきたいと思いますけれども。
(なし)
【小泉委員長】 特にないようですので、それでは、資料1-3についてお願いします。
【北橋希少種保全推進室長】 ありがとうございます。
それでは1-3、今回の本体みたいなものになりますが、種の保存に関する現状、課題及び今後の方向性案ということでご説明をしたいと思います。
これは先ほど申しました、これまでやってきた検討会の報告書で書かれていることを、ある意味、再整理したようなものになってございます。
まず一つ目でございますけれども、種の保存法の体系・検討経緯ということでございます。
1枚目、法律全体の概要を書いてございます。左半分が国内に生息する希少種の保全に関する関係、それから右半分が外国に生息する希少種の保全に関することということになっております。外国産のものにつきましては、ワシントン条約とか2国間の渡り鳥条約とか、そういったもので規制がかかっているものについて、国内で法律上、それを担保する、譲渡し等を禁止するというものが基本的な中身になってございます。
一方で、左半分でございますけども、国内の種につきましては、レッドリストとかレッドデータブックというベースの情報を整理した上で、必要なものについては、種の保存法に基づき国内希少野生動植物種に指定して、捕獲ですとか譲渡し、あるいは販売とか、そういった行為を禁止するというものになってございます。これにつきましては、現在458種が指定されているというものでございます。また、そうした規制だけではなくて、生息地の保護のための生息地等保護区を指定する、あるいは積極的に保護増殖事業を行う、また動植物園と連携して保護増殖を進めると、そういったものが法律上、位置づけられているということになってございます。
種の保存法自体は、平成4年につくられた法律でございますけれども、その後、何回か法改正が行われております。一番下の平成25年のところで言いますと、罰則の引上げですとか、広告に関する規制の強化等が行われております。
その次のページが直近の平成29年の改正でございます。改正内容はこのときもかなり大きく変えておりまして、一つ目が下半分に書かれておりますけれども、特定第二種という種指定の制度をつくりました。これは、二次的自然に生息するような生物とかで、一定程度、例えばですけれども、子どもたちが自然に触れ合うような一環で捕まえたりするようなことは規制の対象外だけれども、商売目的で捕獲するような場合には規制の対象になると、そういうふうな種指定の分類をつくったものでございます。
また二つ目では、希少種の保護増殖について、動植物園の果たしてくださっている役割が非常に大きいということで、そうした動植物園を認定する制度をつくりました。
それから三つ目でございますけれども、国際希少種の個体の登録について、個体識別措置としてマイクロチップを埋め込んだりすることを法律上義務づけたり、あるいは、象牙の事業について届出制だったものを登録制とするというような改正が行われました。
そのほかにも、国内希少種を指定するに当たっての国民からの提案制度を設けたり、種指定等を検討するに当たっての科学委員会を法律上位置づけて新設すると、そういった改正がございました。
次のページが、平成29年の法改正以降、現時点までどういうふうに運用してきたかということでございます。
一つ目が、先ほど申しました特定第二種国内希少種ですが、小型サンショウウオ類とか水生昆虫など、これまでに40種を指定しているところでございます。また、その下でございますけれども、こうした種指定に当たっての国民からの提案募集でございますが、制度ができてから71種について提案があり、そのうち30種が実際に種指定に至ったというところでございます。
また、科学委員会につきましても、複数の分類群の専門家によって設置いたしまして、平成30年度以降、毎年開催しているところでございます。
また、一番下でございますが、認定希少種保全動植物園等でございますが、これまで27の園館がこの認定を受けて、希少種の保全にご協力をいただいております。
次に、一つ前でご説明したことと少しかぶりますけれども、これまでの検討、経緯を書いてございます。右下のほうに直近の在り方検討会の検討委員の名簿がございます。2行目にあります石井実先生にこの検討会の座長をお願いしておったんですけれども、非常に残念なことに、12月に急逝されまして、第2回からは石井信夫先生に座長を引き継いでいただいたというところでございます。
また、委員の中には、この野生生物小委員会にも所属している先生方がおられまして、中段の勢一先生、寺田先生、原先生のお三方はこの検討にも関わっていただいていたところでございます。
次のページが、その在り方検討会の報告書の概要でございます。
細かいところは、この後でさらにご説明していきますが、大きく分けますと、一つは二次的自然の環境保全等に民間企業を含む多様な主体との連携が求められていること。
それから、昨年の冬ぐらいから皆さんもご承知と思いますが、メガソーラーの関係が非常に大きな話題となったこともございました。政府としてもメガソーラー対策パッケージというのをつくっておるんですけれども、そうしたところでも言及された生息地の保全ですとか、あるいはバードストライクの問題とか、そういったものに対しても検討が必要じゃないかということが言われておりました。
こうしたことを踏まえて、大きく五つの方向性を打ち出してございます。
一つは、生息・生育の場の保全ですね。「種」だけではなくて生息地そのものをしっかり守っていこうということが一つ。
それから二つ目が、開発行為による影響の回避・低減ということで、一つ目の場の保全だけではなくて、保護区等ではないところで起こっている行為に対しても、もっといろいろと種の保存に関する措置がとれるようにしていこうということが一つ。
それから三つ目が、民間と連携した保全活動を推進していこうということ。
四つ目に、国と自治体との連携強化。
それから最後の五つ目が、譲渡し等規制の適正化と、そういった枠組みになってございます。
それでは、次からこの五つの方向性について、それぞれご説明していきたいと思います。
一つ目が、場の保全についてでございます。
背景といたしまして、国内希少種の指定の数が出ております。これまで法改正の度に国会の附帯決議で2020年までに300種、それから30年までに700種という指定が求められていたようなこともあり、先ほど申しました特定第二種ですとか、あるいは提案制度等を活用して指定種数を伸ばしてきたところでございます。現在、458種ということで、700種の目標まではまだ少し間があるというところでございます。
こうした希少種について、最新のレッドデータブックを基にして減少要因を分析したものでございます。何らかの開発行為が減少要因とされているものは、総数の約60%ということで、依然としてかなり大きいということがございますが、一方で、二つ目の上の括弧のところで書いてございますけれども、植生の遷移ですとか、いわゆる二次的自然の管理不足等が減少要因になっている種というのが、特に維管束植物で60%を超えているということで、そうした自然の管理不足というのも大きな問題だということが示されております。
次は、生息地等保護区の制度について、概要をご説明しているペーパーでございます。生息地等保護区の中には、2種類の区分がございまして、左側の管理地区というのが国立公園でいうところの特別地域みたいな、事前に様々な許可を取らないといろいろな行為ができませんよという地区。それから右側がもう少し緩い、事前に届出をすればできますよという、そういうふうな地区区分になってございます。なお、いずれの行為、許可、あるいは届出につきましても、必要があれば環境大臣からその行為を禁止したりというような制限、措置命令が出せるようになってございます。
この生息地等保護区ですけれども、現在まで10か所しか実は指定がされていません。直近の平成29年の法改正以降では、沖縄の久米島においてキクザトサワヘビの生息地等保護区が1個追加されております。その間にも、指定に向けて検討された案件は幾つもあるんですけれども、実際に指定が進まなかった理由といたしましては、情報が不足していて、いろいろある生息地のうち、どこが本当に重要なのかが分からなかったとか、あるいは、地権者が多くなっていて、同意取得等の手続面でうまく進まなかったとか、あるいは規制が2種類しかないものでございますから、種の生息状況等によっては、そうした規制が過度となりすぎるというようなことがあったというふうに分析しているところでございます。
次のページは、種の保存法以外の様々な保護制度、国立公園とか森林生態系保護地域とか、そうしたもの以外のエリアにどれぐらい絶滅危惧種がいるかということを分析した図になります。左下に色がついておりますけれども、いわゆる保護地区は、この色から抜かれております。つまり保護制度がかかっていないところにこれだけ、特に赤いところ、多くの絶滅危惧種が生息しているということで、そうしたところに対する手当というのが重要だということが示されてございます。
こうした状況を踏まえまして、場の保全に関する方向性でございますけれども、一つ目は希少種の情報をしっかりと収集・整備して、その上で、重要な生息地等をしっかりと把握しなさいということが一つ言われております。また、そうした情報の管理ですとか公開についても、ルールづくりが必要だということが言われました。
また、二つ目が、生息地等保護区の指定をさらに積極的に進めるという、そのために規制する行為等が柔軟に指定、設定できるようにするということも含めて、この保護区制度の在り方を検討すべきということが一つ。
それから三つ目に、生息地等保護区の指定や管理に対しての都道府県の関与の在り方等について、既存の取組ですとかニーズを踏まえて検討することが望ましいということが書いてございます。
それから最後に、指定事務についての円滑化、効率化も課題だということが言われました。
それから次が二つ目の大きな枠で、「開発行為等による希少種への著しい影響の回避・低減」でございます。
先ほどもちょっと触れましたけれども、風力発電へのバードストライクですとか、太陽光発電ですとか、開発行為による影響というものは非常に今でも多いところでございます。
また、そもそも希少種がどこに生息しているかという情報自体もあまりオープンにしていないところもございますので、開発事業者自身が、自分が開発しようとしているところに希少種がいるということに気づかないままに、非意図的に悪い影響が出てしまうというようなこともございます。
また三つ目のポツでございますけれども、現行法でも第35条に環境大臣が指導及び助言ができるという規定があるんですけれども、次にありますとおり、これについては強制力がないものになってございます。
下の表に、これまでのいろいろな開発行為、あるいは開発されたものの運用における希少種影響の主な事例というのが幾つか書いてございます。猛禽類ですとかサンショウウオ等、いろいろな生物に対する影響が事例として挙がってございます。
それから次のページでございますけれども、参考でございますが、先ほどちょっと触れました、政府としてのメガソーラーに対する対策パッケージというものを書いてございます。その中で、種の保存法についてもちょっと触れられておりまして、下のほうになりますが、一つは生息地等保護区の設定を推進するということ。もう一つが、希少種保全に影響を与える開発行為について、事業者に対応を求める際の実効性を担保するための措置等について検討する、といったことがこのパッケージの中でも書かれていたところでございます。
こうしたことを踏まえまして、この二つ目の議題につきましては、一つが希少種情報の公開・提供の検討。先ほどの一つ目のところで申しました、いろいろな希少種の情報を集める、その集めた情報を、いろいろルールをつくった上で公開できるものは公開する、あるいは、事業者に対して配慮を促すために提供するような方法を検討すべきというようなことがございました。
また二つ目が、第35条に基づく助言・指導を実施する際の考え方とか要件、そういったものを整理することで効果的に同規定を運用しなさいということが二つ目。
それから三つ目が、それに加えまして、特に保護増殖事業のように国が積極的に保護の取組をしているような種に対しては、大きな影響が出ている際には、より実効性のある措置を求めることについて、必要な対応を検討すべきというようなことが書かれていたところでございます。
それから三つ目の観点が、民間と連携した保全活動の推進でございます。
2022年に昆明・モントリオール生物多様性枠組というのができておりますけれども、その中でもネイチャーポジティブ、生物多様性の劣化を止めて回復させるということが世界目標になってございます。これは我が国の生物多様性国家戦略の中でも目標になっております。
そうしたところで、生息域の内外、いわゆる自然環境と飼育下の両方において保全を進めていく上で、地方公共団体ですとか民間の企業・団体による取組というのが必要不可欠な状況でございます。種の保存法にも、これまでもそうした協力に関する規定というのはあるわけでございますけれども、それを積極的に活用、あるいは運用の改善等を行いながら、さらに進めていく必要があるということでございます。
特に先ほどもちょっと触れましたけれども、いわゆる二次的環境、里地里山等、そうしたところに住んでいる希少種、絶滅危惧種というのが我が国においては非常に多いわけでございますけれども、そうしたところというのは、単純に開発規制をかければ守れるというわけではなくて、積極的に生息環境を維持向上させる取組を継続的に行っていくことが必要になります。そうした意味では、行政だけでは手が回らず、民間団体等、あるいは大学とか、そういったところともしっかりと連携、支援が必要ということでございます。
一方、そうした中で、実際の取組で種の保存法の手続が大変ということで、支障になっているような事例というのも実は幾つかあるというところでございます。
下半分でございますけれども、環境省としてそうした取組を支援する交付金事業ですとか、あるいは、それと関係しない民間団体の自発的な取組というのもたくさん全国で行われておりますが、先ほど申しましたように、こうした自主的な取組をすることに対して、種の保存法上、一つ一つ毎回、許可を取らなければいけないというような現状がございます。
次のページにつきましては、認定希少種保全動植物園等ということで、平成29年の法改正で入ったものでございます。左のグラフに出ておりますように、現在まで27の園館ということで、徐々に徐々に伸びているところではございます。
一方で、その下半分に書いてございますけれども、実際に希少種を飼育している動植物園は100近くあるということですので、この制度に乗っかってきているものはまだ少ない。もう少し伸ばしていく必要があるというふうに考えております。
この制度の課題につきまして、実際、この認定を受けるに当たって非常に多くの書類が必要であったり、あるいは法律の規定上、毎年の報告に加えて5年ごとにこの認定が更新されるといった手続があるということで、動植物園側に対して相当の事務負担がある、また、重複感もあるということで、認定後の手続等について合理化していく必要があるというようなことが指摘されております。
こうしたことから、民間との連携を進めていくためには、一つは民間による場の維持・保全、あるいは管理に対する活動について、規制的手法ではなくて、民間側で作っていただいた計画等を国で認定する等、各種の維持・管理活動を促進していくための仕組みを検討することが必要なのではないかということが一つ。
それからもう一つが、動植物園に対しては、その公的な機能についてさらなる明確化、あるいは社会的な認知の向上につながるような取組を進めていくべきではないかということが一つ。
それから先ほど申しました、各動植物園等が現状行っている更新制度等、制度上の重複感があるものですから、そうしたものについては合理化、具体的に言うと更新制度等を廃止するとか、そういったことが必要なのではないかということが言われております。
また、三つ目の点でございますけれども、複数の動植物園、特に動物園が多いんですけれども、連携して種の保存に取り組んでいる、血統の管理とか、そういった中で繁殖個体をお互いに融通し合うということが非常に多いんですけれども、そうした場合につきまして、規制の適用除外等が円滑に行われるような合理化の仕組みというのも検討してはどうかというようなことが言われております。
四つ目の点でございます。「希少種保全に係る国と自治体との連携強化について」です。
国における種の保存法につきましては、先ほど来、ご説明したとおりですけれども、実はそれとは別に、各地方公共団体、都道府県等で条例を設けて種の保存に取り組んでいただいている事例というのがかなり多くございます。左側に書いてございますけれども、36の都道府県で種の保存、あるいは類似した条例がございまして、捕獲等の禁止は36の全て。また、35では生息地等保護区に類似した制度。さらに、保護増殖事業に類似した制度というのも32の都道府県で作られております。また、それぞれの制度もかなり積極的に運用されているという実態がございます。
そうした背景の中で、環境省のほうから各都道府県あるいは市町村等に、種の保存法においてそうした条例を位置づけるようなことはどうかという話を、アンケートを取ってございます。その段階では、約半数の52%の自治体から保存法上に条例に関する根拠を持たせるべき、あるいは条件次第では持たせるべきというような回答をいただいておりました。主な理由としては、予算や人員確保の根拠ですとか、あるいは政策実施についての根拠、あるいは条例の正当性の強化のためというようなことがございました。
またそれに加えまして、下半分でございますけれども、アンケートに加えて個別のヒアリングも行ったところでございます。その中で、より具体にお話を伺っていく中では、先ほどアンケートでいただいた意見のように、法律上、条例を位置づけるということについて評価するようなご意見もあった一方で、新たな業務負担になるのではないかとか、あるいは、これまで都道府県等で独自に取り組んできたことについて影響が出てしまうのではないか、ブレーキが逆にかかってしまう、制度上のコンフリクトが起こるのではないかというような、そういうことを懸念する意見というのもあったところでございます。
そのほかに、一番下のところでございますけれども、その条例と法律上の話のほかに出た話といたしましては、国で保護増殖事業を作っていない種の保存法に基づく国内希少種について、保護増殖事業計画が未策定の場合、それについて自治体が保全の取組をしようとすると個別の許可の手続を取らなければいけないということで、それが負担になっているというような声がございました。
そうした状況を踏まえまして、国と自治体との連携については、一つ目は、まずは国が優先的に実施すべき取組というのをしっかりとその範囲とか内容、あるいは考え方というのを具体的に整理する必要があるというふうに、整理されております。
また、二つ目でございますけれども、国と自治体との連携強化の在り方としては、国としては国全体、全国的な観点でその必要性を判断しているわけでございますけれども、一方で、地域的に保全の優先順位が高い種というのもあるわけでございまして、そうした種については、自治体の判断で保護区の設定ですとか、あるいは、環境整備等に取り組みやすくなるような仕組みというのも検討してはどうかということが一つございました。
また、二つ目のポツでございますけれども、そうした自治体の取組を法律上、位置づける必要性、あるいは条例と法律との関係については検討することが望ましいとした上で、そうした検討に際しては、しっかりと国と自治体で連絡・調整の場を設けることが重要であるというふうに考えました。
これは、実は種の保存法については、これまで都道府県の業務というのが明確に位置づけられていなかったところもございまして、そういう意味で鳥獣保護管理法とか自然公園法のような国と自治体との連携というのが、やや不足しているところがあるということで、こういうふうに書かれたものでございます。
それから最後の五つ目の観点でございますが、「希少種に係る譲渡し等規制の適正化について」でございます。
国際希少種の譲渡し等の規制につきましては、そうした譲渡しや販売目的の陳列等が原則禁止されているということでございますが、例えば、ワシントン条約における規制種というのはしょっちゅう見直しで新しい種が追加されて、国内における国際種の規制対象種というのも次々に追加されています。
そうした中では、規制がかかる前に取得された個体がたくさん国内で飼われているということがあるんですけれども、そうした個体を譲り渡す際には、個体の登録というのを行わなければいけないということに、この制度上なってございます。
一方で、左の表にいろいろな種の名前が書いてありますけれども、特に、長寿命のオウムやインコ、あるいは、リクガメのようなペットにつきましては、規制がかかる前からずっと飼われてきた個体というのがかなりいるんですけれども、そうしたものの飼養者がお亡くなりになったり、あるいは入院したりというような、やむを得ない事情の中で、個体を適正に飼育するために一時的な預かりですとか、譲渡し等をしなければいけないというような状況が発生しています。
しかしながら、現時点ではあまりその辺りのことがはっきりと手続上決まっていない。先ほど申しましたように、そうした譲渡し等をする際には、個体の登録をしなければいけないというようなことが決まっているということでございます。
また、そうしたやむを得ない事情というのが、今後、高齢化社会等の進展によって、さらに増えてくるのではないかということが懸念されるというところでございます。
右下のほうにどんなことがあるかということでございますけれども、一つ目は病院とか介護施設に飼い主さんが入ってしまう。二つ目では出張とか飼い主が海外に出てしまう、一時的に不在となるときに預かりをしなければいけない。三つ目といたしましては、高齢になられたりあるいは認知機能の低下等によって、身辺整理のために行われると、そういったようなパターンがあります。
もう一つの話が、個体識別の措置に係るものでございます。先ほど申しましたように、国際希少種の管理については、個体識別の措置が義務づけられているんですけれども、一方で、この希少種の種類、分類群によっては、技術的にそうしたことが困難であるもの、あるいは分類群、あるいは種としてはできるんだけれども、個体のサイズですとか老齢である等の事情によって、実際にマイクロチップを挿入するのが難しいというような、そういうふうな場合がございます。
そうした状況を踏まえまして、下半分にありますように、代替手段、AIによる画像識別ですとかDNA等、いろいろな手段でもって個体識別ができないかというようなことを検討しているところでございますけれども、現時点では、ここに挙がっているような各手法について、まだまだ課題があって、現時点での導入は難しいというふうに考えているところでございます。
それから象牙についてでございます。平成29年の前回法改正で、象牙を取り扱う事業者について、登録制・更新制に移行するとともに、かなり管理の強化が行われているところでございます。そうしたこともあって、下のグラフに全形牙の登録の状況ですとか、あるいは右側が登録事業者の推移でございますけれども、前回の法改正以降、かなりその数が減っているという状況でございます。
一方で、その減少要因につきましては、十分に明らかになっていないようなところもございますし、一番下に書いてございますけれども、現時点でも表示義務の遵守がされていない案件ですとか、あるいは規制対象でない大きさまで象牙をカットしてしまうというような事案も確認されているところでございます。
こうした状況を踏まえまして、今後、必要な論点ということでございますけれども、一つ目は、そうしたやむを得ない事情によってペット流通種を譲渡ししなければいけない場合につきまして、その許可制度上の運用上の対応を検討する必要があるということが一つございます。
また、個体の識別につきましては、先ほど申しましたように、いろいろな代替措置を検討しているところでございますけれども、今後も種、または個体の特性に応じて、その取扱いを検討することが必要だということが書かれております。
また、三つ目の象牙に関してですけども、まずは象牙の流通の実態ですとか、あるいは違反事例の実態等について、把握・分析を進めるとともに、そうしたことによって国内の流通管理、それからゾウの保全への寄与、その両面から現行制度の実効性を検証する必要があると、そういうふうな整理がされていたところでございます。
ちょっと駆け足でございましたけれども、これまでの在り方検討会等で議論されてきた方向性につきまして、ご説明させていただきました。
【小泉委員長】 ありがとうございます。
五つの論点について、検討を行ってこられたということですが、委員の方々の中には、この検討会に参加されている方もいらっしゃいますけれども、多くの委員の方は今回が初めてとなりますので、今回の五つの観点について、今ご説明いただいた内容が理解しにくかったというようなご質問も含めていただきたいとも思いますし、さらに五つの論点に絞ってはいるんですけれども、そのほかにこういった視点が必要なのではないかというようなご意見も含めていただきたいと思います。
それでは、冒頭でご説明しましたように、会場にいらっしゃる委員は、名札を立ててご意見をいただきたいと思います。それからWebでご参加の委員に関しては、挙手ボタンで合図をいただければというふうに思います。
いかがでしょうか。それではお願いします。
【桝委員】 分かりやすいご説明ありがとうございます。委員の桝太一です。
ちょっと質問も込みで伺えればと思うんですけれども、3番の民間等と連携した保全活動の推進についてで、民間の団体による自発的な取組に対して、種の保存法の許可手続がかえって障壁になっているんじゃないかという話があったと思うんですけれども、これは一つの質問でもありますが、必ずしもこれが悪いことかどうかというのは、私はちょっと聞いていて判断がつかなくて。というのも、把握されている自発的な取組28件とありますが、大変言い方はよろしくないんですけれども、もしかすると、科学的知見からすると、やや誤った取組であったりとか、アドバイスが必要な取組が入っているとすれば、そのフィルターとしての機能を、この種の保存法の手続が果たしている部分があるのかなというふうに想像しました。検討会で既に議論済みかもしれませんけれども、この28件の自発的な取組で、言いづらいかもしれないですけれども、何らかのアドバイスが必要なような取組というのは含まれているのかどうか。逆にそうでないならば、この各取組、民間の取組の専門的なバックグラウンドはどのように担保されているのかなというふうなことをちょっと伺えればと思っております。
といいますのは、ネイチャーポジティブという言葉が今、広がっているのはすごくいいことなんですけれども、どうしても民間において、意図せず、悪気なくやや誤った取組が出てきてしまうというのもよくあることですし、得てして、すみません、メディアもそういう報道しがちで、それを見て、こういうことができるんだと思って横にどんどん広がっていくという、よくも悪くもそういう傾向があることはメディアにいてよく感じておりますので、そこについて、もし、お答えいただける範囲で、差し支えない範囲で、ざらつかない範囲で、お答えいただければと思っております。
【北橋希少種保全推進室長】 ありがとうございます。では、北橋のほうからお答えいたします。
実際にどの事例に不適切な点があるかというのは、ちょっと今お答えできるような材料は持っていないんですけれども、基本的に、今、議論になっている種の保存法上の取扱いを、障壁になっている部分は取り払おうという議論というのは、何もかもフリーにしてしまうということではなくて、ちょっと書いてございますけれども、計画を認定するとか、あるいは認定という手続自体がそうなるかどうかはともかくとして、こんな形で課題解決なりをしていきたいというような、その計画を認めると。民間のいい取組だからフリーではなくて、その計画自体はちゃんと環境省のほうで審査した上で手続等を簡素にしていこうと、そういったことを考えているのが一つでございます。
またもう一つ、全般的な話でございますけれども、やはり生物多様性保全の取組というのは、地域によって、あるいは種によって必要となる配慮事項というのは全然違ってくるものでございますから、やはり個別の地域で何か具体的なことをやっていこうとする際には、適切な専門家の関与というのは非常に重要だというふうに思っております。国でやる場合には、なんらかの検討会とか、そういった形で必ず専門家の先生に関わっていただいているんですけれども、似たような形でやはり民間での取組についても、適切な有識者の関与というのは必要であろうというふうに思っております。
【桝委員】 ありがとうございます。よく分かりました。
取り払うべき障壁と、取り払わなくてもいい障壁というのがあると思いましたので、ぜひ、前向きな検討をお願いします。
【小泉委員長】 よろしいですか。
それでは、岩井委員お願いします。
【岩井委員】 ご説明ありがとうございました。
ほぼ質問なんですけれども、まず10ページ目にあった指定数の目標というところなんですけれど、素人的に考えると指定する数が先に決められているというのはどういうことなんだろうなというのがちょっと分からなかったので、教えていただきたいなと思います。
【北橋希少種保全推進室長】 これにつきましては、環境省が決めたというよりは、いろいろな外部からの要望などを受けて、国会で議論する中で、国会議員の中からこういう目標を立てるということで、附帯決議をされているというのが流れではあるんですけれども、考え方としては、やはりレッドリストで非常に多くの種、4,000種近い種が絶滅危惧種となっている中で、いわゆる法律上の規制がかかっている種がまだまだ少ないと、もっとそこは積極的に増やしていくべきだというような議論があって、こうした目標が立てられたところでございます。
ただ、一方で、今回のいろいろな検討をしていく中でも有識者の方、あるいは保全団体等からも意見を伺っているんですけれども、その中では、種の指定につきましては、大分増えてきたという中で、捕獲が減少要因というよりは、やはり生息地そのものの破壊ですとか、環境の悪化というものが影響が大きいという中で、これまでのように種の指定というよりも、場の保全のほうにより注力していくべきではないかというようなご意見を多くいただいているところでございます。
【岩井委員】 ありがとうございます。
多分、その種を指定しなくてはいけない原因というのが先にあって、指定する基準を満たしているか、満たしていない種があるから指定しなくてはいけないという流れがあるのかなと思ったので、そちらのほうがその現状を見て必要性から指定するという意味では、一般には分かりやすいのかなという気がしました。
それから、指定をされたことによって、前後で効果が出ている、出ていないというのを実際に見ておられるのか、見ておられるとしたらそれはどんなものだったのかも教えていただきたいです。
【北橋希少種保全推進室長】 ありがとうございます。
種指定、あるいは、種の指定そのものなのか、保護増殖事業を行ったことなのかという効果自体につきましては、検証を何回か行ったことがございます。
特に捕獲が大きな減少要因であったものについては、種指定によって規制をかけること自体が、いわゆる改善についての減少を食い止める要因になっているものもあるんですけれども、一方で、やはりほとんどの種については、それだけでは不足していて、実際に回復に乗せようと思うと、積極的な保護増殖事業ですね、生息環境そのものをよくするような取組というのをしなければいけないというようなものがございます。
先ほど申しました成果の評価ですけれども、特に鳥の類ですと、古くから保護増殖事業に力を入れてきた種、例を挙げますと、タンチョウですとかシマフクロウ、オジロワシ、それからアホウドリですとかヤンバルクイナ、あるいはアマミノクロウサギ、減少要因となっていた外来種の駆除を進めることで数が増えているものですとか、あるいは給餌とか環境整備によって生息範囲を増やしてきたもの、あるいはシマフクロウのように、営巣の人工の巣をいっぱいつくることで分布域が広がってきたものとか、かなり成果の出ているものも多いんですけれども、一方で、草原性の昆虫とか、なかなかこれまでの取組が成果につながっていない種というのもあると、分類群によって効果の出ているものと出ていないものがあるなということは、これまでの調査で見えてきているところです。やはり個々の種の取組をより効果を上げていくためには、さらにしっかりと見ていかなければいけないなというふうにも思っているところでございます。
【小泉委員長】 よろしいですか。
それでは、水田委員お願いします。
【水田委員】 水田です。ご説明ありがとうございました。
生息地等保護区についてお聞きします。これは恐らく国立公園の指定よりもハードルが低くて、かつピンポイントで希少種の保全を行えるということで、非常に有効な対策だと思いますが、にもかかわらずあまり進んでいないということが書かれています。
その指定が進まなかった理由として、三つほど挙げられていますけれども、まず一つ目、希少種情報の不足、これはもちろん重要なんですけど、最優先すべきところのみを指定する必要はなくて、必要なところがあればどんどん指定していけばいい、情報が多少不足していても、重要だと思われるところは指定していったらいいのかなと思いました。
ただ、それができない理由として、地権者の同意の取得が困難であるとか、規制が過度になりすぎるというところはあると思います。そこを解決するには、制度自体を少し変えていく必要というのがあるのかなと思います。もう少し規制を緩くするとか、認定制度みたいに5年間とかで更新があるのかどうか分かりませんけれども、そこのハードルを低くするとか、そういうことができればいいのかなと思いました。
今、管理地区と監視地区という二つの区分けがありますが、もう少しハードルの低いような指定の仕方もできないのかなというのを思いました。法律自体を変えていくのは難しいと思いますが、そういうところも検討していければいいのかなと思いました。
以上です。
【北橋希少種保全推進室長】 ありがとうございます。
実際、希少種の住んでいるところ、いわゆる原生的な環境ですとか、国立公園になっていて、あるいは鳥獣につきましては、鳥獣保護区というかなり大きな面積でいろいろなパターンで保全をかけているような保護区もございます。
また近年では、自然共生サイトとか、いわゆる法規制ではないんだけれども、そういう生息地を保全していく取組というのもいろいろな形でできているところでございますので、必ずしも、この種の保存法だけでやる話ではなくて、いろいろな組み合わせだと思います。
先ほど私も二次的自然の重要性というのを言わせていただきましたけど、そうした二次的自然を現状の生息地等保護区の制度で指定すると、様々な管理行為というのがかなりやりにくくなってしまうというようなことがございますので、ご指摘のあったような、どういう規制がその場所その場所で必要なのかというようなことをうまく適用できるような、そういうふうな制度というのも考えていきたいなというふうに思っているところでございます。ありがとうございます。
【水田委員】 ありがとうございます。
【小泉委員長】 それでは、Webからご参加の森本委員、宮本委員、平井委員の順でお願いいたします。
【森本委員】 森本です。ご説明ありがとうございました。今の生息地等保護区に関連する質問です。
私も先ほどの委員のご意見に賛成です。さらに、もしかしたらご回答の中でおっしゃっていたのかもしれませんが、15ページ目で「生息地等保護区の指定推進、さらなる検討」について、もう少し具体的なアイデアが出されていたのであれば知りたいと思いました。
というのは、種そのものの保全も大事だが、その場の保全にシフトしていくべきだという意見を踏まえての改正をこれから考えていくという説明があった一方、場の保全に関わるところはここぐらいしかないのではないかと思われるためです。具体的にどういったことを考えられているのかというのを、現状のアイデアをお伺いしたいです。お願いします。
【北橋希少種保全推進室長】 ありがとうございます。
実際、これまで議論してきた中で出ておりますのは、先ほど申しましたように生息地等保護区の種類には、厳しい管理地区とちょっと緩めの監視地区と、二つになっているんですが、いずれにおいても規制されている行為自体というのは全く同じ、例えば、木竹の伐採ですとか、建築物を建てるとか、そういった規制されている行為自体は一律担っているところでございます。
一方で、この生息地等保護区というのは、個別のある種についての保護区を指定するということになっているんですけれども、例えば、その指定する目的の種が小型のサンショウウオについての保護区なのか、あるいは魚についての保護区なのか、鳥についての保護区なのか、そうした目的とする希少種によって規制されるべき行為というのは違ってきてもいいんじゃないか。あるいは、二次的自然に住んでいる種では、逆に火入れとか木竹の伐採は非常に積極的にやってもらわないと困るような種というのもあるわけで、そうしたところの保護区をかけたときに、逆にそれに手続が必要になってしまうというのは本末転倒ですので、そうした指定の目的、あるいは対象とする種によって規制行為が違うということもあり得るのではないかと、そんなふうな議論をしているところでございます。
【森本委員】 なるほど、よく分かりました。
先ほどの回答に、自然共生サイトとの連携というお話もありましたよね。この生息地等保護区を使いやすく運用していくという取組はもちろん大事だと思うんですけれども、ほかの既にある法制度との連携というのを、具体的にどうしていくというような話はまだ出ていないという話ですか。
【北橋希少種保全推進室長】 そうですね。まず一つ目は、この生息地等保護区をどういったところに指定しようかということを検討する作業ですね。
先ほどの資料ですと場の保全の取組の中で総点検ということをちょっと書いておりますけれども、希少種の生息地、重要な生息地をいろいろなデータを集めて見るということに加えまして、その重要な生息地というのが、ほかのいろいろな法制度とか、あるいは共生サイトで指定されているのか、あるいは、その場所の状況を踏まえると、実は種の保存法の保護区にするよりも、そういった共生サイトでやるほうが適している場合なんかもあると思いますので、そういったことを分析するようなことをやっていきたいなと思っているのが一つございます。
また、実際、保護区規制はかなり当たり前ですけれども、法律上その土地に規制をかけてしまうということで厳しいわけでございますけれども、一方、自然共生サイトはより緩く、法規制ではないんですが、自主的な地権者等の取組でもってやっていこうというものでもございますので、まずそういったところで裾野を広げた上で、地権者さんの同意が、これいいねという話になったら保護区にも考えるとか、そういったこともあり得るのかなと思っております。
【森本委員】 分かりました。ありがとうございました。
【小泉委員長】 それでは、宮本委員、お願いします。
【宮本委員】 発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。
コメントが2件ございます。一つは、15ページなんですけれども、希少種の情報の収集・整備とか、その生育地を把握するということで、これには非常に人手がかかることかなと思うんですが、大都市圏ではそんなことはないのかもしれませんけれども、私は鹿児島におりますと、特に若手の人材で、現場を歩いて調査ができるというような人が不足しているという現状がございます。
例えば、野生動植物の保護推進員さんが非常に高齢化している、それで後継者がいない。あるいは、環境コンサルタントの会社等でもなかなか現場を歩ける若手の確保ができない。あるいは、自治体の有識者会議でその専門家という方々を探すんですけれども、なかなかそこも高齢化してきていて、後継者がなかなか見つからないというようなことがございます。
ちょっと間接的にはなるんですけれども、情報収集ということにおいて若手の、特に現場を歩ける人材の養成をするような何らかの仕組みがないと若年層がいなくなる、人数が減る、あるいは、地方から大都市圏に若い人が流出してしまうというような現状がある以上は、何らかの方策を講じる必要があるのではないかというふうに考えております。
その前の14ページ、2点目は今のお話とも関係してくるんですけれども、これは保護区外の絶滅危惧種の分布状況図ということで、あまりこれまでなかなかいろいろなところで拝見する機会のなかった図で、極めて重要な内容かと思います。
ただ、これをつくるに当たって、どの程度の精度があるのかというのが若干、危惧があります。
それは、例えば、鹿児島県におきましても、屋久島とか奄美群島では、世界自然遺産関係で詳細な調査が行われたことによって、保護区、それから保護区外のいろいろな動植物の分布状況というのは極めて精度が高く、明らかになってきたわけですけれども、それ以外の九州島側の各市町村では、その市町村にどういう動植物がいるのかというベースの情報すら数十年前のものしかありませんとか、あるいは非常にアバウトなものしかありませんというようなことがございますので、こういう図というのは、ある意味、野生動植物に関するハザードマップみたいなもので、全国版でポータルサイトみたいなものがあればすばらしいなとは思うんですけれども、なかなか精度を高くこういう図をつくっていくということも人材の面、それから経費の面で非常に難しいのではないかというふうに思いますので、人材の育成、それから予算の確保というようなことを国主導で、ぜひ、お願いしたいというふうに考えます。
以上でございます。
【北橋希少種保全推進室長】 ありがとうございます。
今、ご指摘いただいて、本当に我々も日々大きな課題だなと思っております。
実は今日、種の保存法の話をしておりますけれども、その前段となるレッドリストの作成も全国の、本当に鳥、獣から蘚苔類ですとか、本当にいろいろな全分類群の、いろいろな専門家の方々にご協力いただいてレッドリストをつくっているんですけれども、毎回、第何次レッドリストという更新作業に行く度に、専門家のご協力をいただく人数を確保するのが難しい状況になっております。これは種の保存法の観点だけではなく、こういう生物に関する分類学、あるいは現地の作業を行うような専門家の方を、後継をどう確保していくかというのは、非常に大きな課題だなというふうに思っております。なかなか、我々が頑張っただけでは確保できない、それこそ文科省とか大学等の在り方とも関係してくるところだと思いますが、非常に大きな課題だというふうに我々も認識しております。ありがとうございます。
あと、もう一方の水生生物の分布情報のものがございますけれども、今回、お示ししているのも、実は、いわゆるメッシュの中にいる、いないというデータがほとんどでございます。
ですので、まさにご指摘いただいたように、ピンポイントの情報というのがしっかり集まっている種というのは、やはりまだまだ不足していて、しっかりとした保全計画を立てるという意味でも、今まで以上に、そうした情報というのは集めるように努力していきたいというふうに思っております。予算要求等を踏まえて、頑張っていきたいと思います。ありがとうございます。
【小泉委員長】 よろしいでしょうか。
それでは、平井委員、続きまして八代田委員、三谷委員、白山委員の順でお願いいたします。
【平井委員】 ご説明ありがとうございました。
生息域外保全の認定希少種保全動植物園等の部分について、お聞きしたいんですけれど、認定の書類が煩雑で大量の書類に加えて5年ごとの更新ということで、それが面倒なので、少ないのではないかというところはもっともかなと思うところなんですけれど、この書類の手続をなくすだけで、そんなにメリットを感じるだろうかというところがちょっと疑問に思いました。
種の保存法の手続自体も、最初の1回目は多分、煩雑だとは思うんですけれど、同じ取引を行うのでしたら、2回目以降はそれほど書類に手もかからないと思いますし、資料にも認定のメリットが見えにくいというところがあったと思うんですけれど、例えば、認定されたところは助成が受けられやすいとか、ほかのメリットを付与するというところが検討されているのかというところが1点。
もう一つは、その認定のメリットの中に、生息域外保全の連携とか、普及啓発の面が環境省側としてはあるとは思うんですけれど、それを本当に推進したいのでしたら、認定されたところが飼育なり域外保全をできるようにするという考え方に変えるというのもありなのではないかなというふうに思ったんですけれど、当初の域外保全の際は、私の記憶では、たしか、日動水に加盟しているところのみが受けられるというようなこともあったかと思うんですけれど、本当にそうやって認定箇所を増やすという観点だけを見るのだったら、そういう認定されたところが行うという制度にしてもいいのではないかなというふうにちょっとは思ったんですけど、そういう議論はなかったのかというところの2点について、お聞かせいただければと思います。よろしくお願いします。
【北橋希少種保全推進室長】 ありがとうございます。
まず一つ目ですけれども、本当におっしゃるとおりで、今、ここでは法制度のところで言っているので、認定園を進めていく、域外保全を積極的に進めていく際に、支障となっている法律上の手続というのは下げていきましょうねということを、ここで書かせていただいておりますけれども、より重要なのは、認定園になりたいと思っていただけるメリットというのを積極的に出していくということのほうが、実態上はより重要なのかなと思っております。
在り方検討会の中でも、そういう議論はございましたし、もっと言えば、環境省と日動水、あるいは植物園協会は、それぞれ協定を結んで域外保全を一緒にやっていきましょうということをやっておるんですけれども、そうした連絡会議の中でも、こういった認定園制度に参加しているということが、お客さんを集めることですとか、そういった動物園・植物園の存在意義みたいなことを社会的に打ち出していく中で、より、いいアピールポイントになるように、環境省のほうでもいろいろと一緒になって取組を進めていく必要があるねということで、ちょっといろいろな方策を考えていきましょうねということは言っているところでございます。
また、予算面でも現状、認定動植物園になっていただいているところには多少なり、予算的な措置も用意はしているんですけれども、あまり大きなものではないということもありますので、もっと金銭的なところを新しい確保手段というのもないかというところも同時並行で検討しているところでございます。
それから、二つ目の点でございますけれども、認定動植物園だけにするというようなことも、今から飼育しているところを絞るような方策というのはあまり取りたくないところではあるんですが、今、議論している中では、例えば、これまでは動植物園ごとに認定動植物園という名前でございますので、個別の園館そのものを認定するという仕組みだったんですけれども、複数の園館が連携して取り組んでいくときに、例えば、認定動植物園同士であれば、今までも手続が緩和されているんですけれども、認定動植物園と今、認定動植物になっていないところがやり取りしようとする際に、その種のやり取りについての取組を認めるというようなこともできないか、というようなことを検討したりしております。
【平井委員】 ありがとうございます。
ちょっとメリットを増やすような方策と、あと加盟のしやすさと勧誘というか、進めていただくというところを強化していただければ、いい方向に進むのではないかなと思いました。ありがとうございました。
【小泉委員長】 よろしいですか。それでは、八代田委員、お願いします。
【八代田委員】 八代田です。ご説明ありがとうございました。
私からは、開発行為に関する影響についてのところでご質問があります。
ご説明の中で、事業者に対して助言・指導しているというところで、これまでもしていたということですけれども、指導に従わなくても、履行を促すものがいないということで実効性を担保する、そういった措置も検討するというご説明がありましたけれども、具体的に指導に従わないという場合、あるいは開発行為が甚大な悪影響があるというふうに想定される場合は禁止を求めることができる、許可をしないというような選択もあり得るのかというところをお聞かせいただきたいです。
もう一点は、開発する団体に対して、影響を最小限にとどめて開発を進めた後のことなんですけれども、18枚目のスライドにもございますように、上のイラストのような形で現地開発をした後に、大雨や豪雨などで土砂災害が起こる可能性がその後に出てくることもあるかと思います。そういった経時的な変化についても、きちんと追跡をして、もし、こういった環境に悪影響があるというようなことが想定される状態になった場合、開発当時はなかったとしても、もし、その後にそういった可能性が出てきた場合の措置について、お考えをお聞かせいただければと思います。よろしくお願いします。
【北橋希少種保全推進室長】 ありがとうございます。
まさにどこまでのことができるかというのは、我々も頭を悩ましているというか、まさにそこは調整していく中でいろいろと法律上の、法制度上の落としどころみたいなものは考えていかなければいけないなと思っているんですけれども、いずれにいたしましても、ご指摘のあったように事後、そもそも許可ではないので許可しないというのはないんですけれども、助言・指導、あるいはプラスアルファ、それがほかの法制度でよく似たようなものでいいますと、勧告ですとか命令ですとかあるんですけれども、こういった法制度上の仕組みというのは幅広くすれば薄くなるし、限定すれば強いことが言えるというものでございますので、いわゆる禁止行為についての許可に伴う命令でない場合に、どこまで強いことが言えるのかというのは、権利制限についての法律上の位置づけというものの中で、落としどころは今後探っていかなければいけないところではございます。
ちょっと今、どこまでができて何ができないかというのは明言しづらいんですが、いずれにいたしましても、今までの強制力についての書物が何もない助言・指導だけではなくて、もう少しプラスアルファのことは何とかやっていきたいなと思っているところでございます。
【小泉委員長】 よろしいですか。
それでは、三谷委員、白山委員、お願いします。
【三谷委員】 ありがとうございます。
14ページの先ほどからも出ているこのメッシュなんですけれども、海のほうと海洋生物のほうはどのぐらい入っているのかというのをちょっとお伺いしたかったんですけれども。
これは質問を全部言ってから答える形でしたか。
【北橋希少種保全推進室長】 恐らく、海は入っていなんじゃないかと思います。
【三谷委員】 環境省の定められている生物多様性の観点から、重要度の高い海域とか、せっかくやっているので、あとは世界自然遺産区域、国立公園区域もちょっとだけは海洋のほうも入っているとは思いますので、その辺りをもう少し海のほうにも広げていただければなというふうに思いました。
その関係もありまして、10ページの今後、絶滅危惧種の中で700種の指定が求められているということだったんですけれども、今のところ、国内希少野生動植物種の中には、漁獲対象種とかは入っていないように思えるんですけれども、それも入れていく予定なのでしょうか。検討していく予定でしょうか。
【北橋希少種保全推進室長】 海、あるいは海洋生物等について、もっと見ていくべきだという話は、実は前回の法改正のときにも附帯決議の中で指摘されております。
実は、レッドリストにつきましては、今、取り組んでいる第五次のレッドリストから水産庁と共同で、今まではレッドリストは陸のものは環境省、海のものは水産庁と分かれていたんですけれども、第五次からは一緒につくろうということで共同作業で、出来上がりの成果物はまだ公表されていないんですが、検討作業自体は水産庁と共同で行うというようなことで、海のことについてもしっかり見ていきたいなというふうには思っております。
ただ一方で、漁獲の対象種が種の保存法の対象になるというのは、なかなかちょっと運用上考えると難しかろうという気はするんですが、いわゆる、漁獲対象種であればそこは漁業資源の継続的な管理という意味で、水産庁さんが責任を持って行われるべきところであると思っておりますので、それ以外の捕獲等が禁止されるようなものにつきましては、必要に応じて我々としてもそこは進めていかなければいけないなと思っております。ありがとうございます。
【三谷委員】 ありがとうございます。
漁獲対象種を保全するのは水産庁かもしれないですけれども、その漁獲対象種がいる環境を守っていくというところまで水産庁がやるかどうかというのはまだ決まっていないと思いますし、海のことはある種、守るというよりは生態系そのものを守っていくということも必要になるかなと思いますので、藻場とかそういうところも合わせて、水産庁のほうも頑張ってほしいなと思いますけれども、環境省もぜひ一緒にやっていただきたいなというふうに思います。
あと、ここはちょっとお伺いしたかったんですけれども、21ページのところに取組の方向性というところがあって、分かりやすいなとは思うんですけれども、この中に研究機関はどこに入るのか、もう全体的に入る感じなんですか。研究機関というものが、ちゃんとどういうふうにこの中に入っていくのかというのが見えないなというふうに思うんですけれども。
【北橋希少種保全推進室長】 ありがとうございます。
少し前に戻りますけど、海の保全の話で、例えば、30by30という目標、陸の30%、海域の30%を保護区にしていこうというようなこともございますし、先ほど言及いただいたように、藻場の保全等につきましては環境省も積極的に取り組んでいるところですので、そういう意味では海のことは水産庁というそういう切り分けではなく、確かに漁獲対象種については水産庁ですけれども、海の保全自体には環境省としてもしっかりやっていきたいと思っております。
もう一つ、域内保全、域外保全の取組の中での研究機関の位置づけというお話がございました。一つは生息域外保全の中では、やはりいろいろな分子生物学とか、あるいは遺伝学とか、そういったことも含めて、非常に研究開発的なところもひっくるめたことが必要になってきますので、こうしたところには研究機関のご助力というのは非常に大きいと思っております。
一方で、生息域内保全のほうについても、やはり今度の場合は自然ではなくて環境そのものという不確実な相手になってきますので、先ほど桝委員からも保全活動には専門家の介入がというご指摘をいただいておりましたけれども、同様にこちらにつきましても、研究機関等と一緒になってやっていくということは必要不可欠だというふうに思っております。
【三谷委員】 ありがとうございます。
先ほど若手の育成という話もありましたけど、やはり若手の育成にも大学などがかなり重要な役割を果たしていると思いますので、きちんと種の保存の中でもどういうふうに研究機関が位置づけてあるのかというのを、環境省でもしっかりと位置づけていただいて若手の育成などにも、インセンティブが大学にもあるように、研究機関としても保全に関わっていることについてのインセンティブがあるような形じゃないと持続的じゃないなと私は思っていますので、ぜひ、お願いしたいなというふうに思っています。
あともう一つ、例えば、アホウドリは国内希少種に入っていると思うんですけども、その保全に関しては、繁殖地に関してしかやっていないんですか。採餌場所は海外になってしまうこともありますけれども、種の保全というものが例えば、アホウドリの保全に関わるとなったときには繁殖地、渡りをする、回遊をするような種については、どのような範囲でこれがかかっているのかというのを教えていただきたいんですけれども。
【北橋希少種保全推進室長】 実際、いわゆる保護増殖事業として我々がじかに手を出しているのは、ご指摘をいただいたように繁殖地である島のがけ崩れを止めたりですとか、そういったことをやっております。いわゆる餌場そのものを何とかするというのは難しいんですけども、一方で、いろいろな海鳥とか、あるいはほかの種でもいろいろあるんですけれども、混獲ですとか、あるいは漁業の中で死亡してしまうようなものを何とか防いでいきたいというような話は、いろいろと調整している事例はあるかなと思います。
すみません、ちょっと今アホウドリの個別の話で直接なかなか細かいことはお答えしかねるんですが、あとは、二国間渡り鳥条約もございますので、例えば、オオワシなどは日本に、釧路周辺に渡ってきますけども、繁殖はロシアだったりしますので、研究者のそれぞれの連携なんかもしながら、繁殖地であるロシアの環境を守るというようなことにも日本としても取り組んでおりますし、ほかの多くの渡り鳥でも似たような取組はされているところではございます。
【三谷委員】 ありがとうございました。
【小泉委員長】 それでは、白山委員、青野委員、勢一委員の順でお願いいたします。
【白山委員】 白山でございます。ご指名ありがとうございます。また、ご説明大変ありがとうございました。
先ほどの三谷委員のご指摘に近いところで幾つかコメント、質問等をさせていただきたいと思います。
海のことは、どうもほとんど指定にないなという強い印象を持っておりますが、先ほどのレッドリストの件がありましたが、レッドリストについては、海産生物のレッドリストというのが第五次の前に個別で発表されておりまして、そのときも水産庁が漁獲対象の魚類については担当すると。それ以外の生物については、環境省が担当して評価をしていました。第五次からは陸産の生物と全部一緒になってやろうということになっていて、そのうちの魚類の漁獲対象種を水産庁が評価しているというのが私の認識です。先ほどのご説明とちょっとそこのニュアンスが違うと思いますので、訂正させていただきたいと思っております。
そのレッドリストに多数の海産の、特に無脊椎の動物が指定されているわけですが、これに対して、大部分の減少要因は開発でありますので、生息域の保全というのが非常に重要になっているということになります。
一方、海産の生物の保全として、海洋保護区というか、あるいは重要海域というのが環境省のほうで指定しておりますけれども、それとの関係が今回の説明の中にあまり出てこない。やはり海洋保護区というのをきちんと活用して、開発行為の指定なり何なりをして、それで絶滅危惧種の保全に役立ててほしいなというふうに考えるわけです。
その場合、先ほど、いろいろと地権者というキーワードが出てくるんですけれども、海域については地権者という位置づけが非常にしっかりとできていないという、法律上の難しい問題があるようなんですが、そこに対して、やはり環境省として何らかの検討と答えを出す必要があるのではないかと思います。今回の種の保存法の改正に当たって、これを一つの好機と捉えて、海域に関する権限を持つものをどういうふうに整理するかということをしっかり検討していただけるとありがたいと思います。
今後、洋上風力発電とか、あるいは、海底鉱物資源の開発とか、大きな今までの一般的な埋立とか護岸工事とか、そういう開発行為とは大きく性格の異なる海洋の開発行為が目前に迫っている段階で、それをしっかりと考慮した上で、海洋の絶滅危惧種の保全に関する適切な整備ができるようにお願いしたいと思います。
以上です。
【北橋希少種保全推進室長】 ありがとうございます。非常に重要なご指摘かと思います。
確かに、これまでの種の保存法であまり海のところというのは十分な担保ができてないというところかと思いますけれども、一方で、そういう海洋のところを見た際に、それが個別の絶滅危惧種の保全の話なのか、あるいは、先ほども重要海域というお言葉も出てきましたけれども、いわゆる、重要な海域、あるいは生態系そのものとして保全すべきものかといった話で、総合的にいろいろと考えなければいけないのかなという気がいたしますので、また大きな宿題をいただいたと思っております。ありがとうございます。
【小泉委員長】 それでは、青野委員、勢一委員、お願いします。
【青野委員】 青野です。ご説明どうもありがとうございました。
希少種の生息・生育の場の保全に関して、開発とか、あるいは、その土地利用の放棄というのが非常に大きな保全を阻害する要因だと思うんですけども、現在、気候変動の影響というのもなかなか無視できないのではないかと思うんですが、そこに関するお考えをお聞かせいただければと思います。
そして13ページ、例えば、平成6年頃に指定された生息地等保護区ですと、もう30年以上たっていて、その中で生息地として保護区を指定した中で、かなりその場の状況が変化してきている、保護区として必ずしも最適ではないというような状況が、もしかしたらあるのかどうかというようなことを教えていただければと思います。よろしくお願いいたします。
【北橋希少種保全推進室長】 ありがとうございます。
実は、気候変動への適応という話は課題としては認識しております。ただ一方で、それが法律上どう位置づけられるかなという意味で言うと、法律そのものにそれを意識するというのはちょっと難しいかなという気はするんですが、一方で、例えば個別の種の保護増殖事業計画なんかを考える際には、気候変動の影響を受けやすい種とそうでない種とあるわけでございますけれども、その種の状況を踏まえて、気候変動、あるいは気温の上昇等が起こっている、あるいは今後、起こっていくであろうということを踏まえて、必要な対策というのは考えていく必要はあるだろうなというふうなご指摘は、これまでも受けているところでございます。
あとは、既存の保護区の生息状況で言いますと、例えばですけれども、石垣島のイシガキニイニイは、最近なかなかその生息状況がはっきり確認できてないというようなことがあったりするわけでございますが、そうしたものが気候変動の影響によるものかどうかというのは、正直なかなかよく分かっていなくて、もともとイシガキニイニイというのは非常に限定された部分にしか住んでいない生き物なものですから、一体全体、何が悪化要因なのかということが明確に、少なくとも過去から今ではなくて、今現在の悪化要因というのは、よく分からないままに生息状況がさらに悪化しているというようなこともあったりして、非常にその辺りは、なかなか難しいなと思ったりはするわけでございますけども、これは直接的に気候変動対応というわけではないんですが、例えば、高山帯に住むライチョウについては、直近でいうと中央アルプスで長らく個体群が消滅していたところに、人工繁殖をさせた、動物園のご協力を得て増やした個体を再導入して、非常にいい成果が上がっていたりしますので、そういった形で気候変動に対する適応というか、バッファが取れるような生息環境の整備というのをやってきている種もございます。
今後も、種によりけりだとは思いますが、気候変動で影響が心配される種については、そういったことも念頭に置きながら、今後の対応というのを考えていく必要はあるかなというふうに思っております。
【青野委員】 ありがとうございました。
【小泉委員長】 それでは、勢一委員お願いします。
【勢一委員】 ご説明ありがとうございます。勢一です。
私は検討会に携わっておりましたので、質問等は差し控えようと思っていたのですけれども、皆さんの議論を伺って、コメントだけさせていただければと思います。
各委員から、多くの的確なご指摘がたくさん出ました。その多くは、検討会でも議論があった部分と重なっているなと改めて思ったところがございます。検討会の議論と、その後の調整の過程で、必ずしも強く打ち出されていない論点もあるところかなと、改めて感じました。そういう点では、今日、皆様からご指摘があった部分については、事務局でぜひ積極的なご検討をお願いできればと思ったというところはございます。
大きく2点、コメントをさせてください。
1点目ですけれども、これもご指摘があったのですが、種の保存法はあるけれども、多くの種が今なお厳しい状況にあるというのが今回の検討でも明らかになりました。これは法による効果が不十分だというところもあるのですけれども、現状を見ますと、種の保存法だけでは対応できない実情が明らかになったという面もあろうかと思っています。そういう点では、関連する法律間での連携をどう考えていくかというのが、恐らく喫緊の課題に今なっているんだろうと認識をしています。
これは冒頭の局長さんのコメントにもありましたけれども、例えば、普通種の保護も大事ではないだろうかというような視点は、生物多様性保全との関連では種の保存法は協働できる部分だと思いますし、また多様な開発、例えば、メガソーラー対策パッケージの話も出ましたけれども、このような観点でいくと土地利用の管理調整をどうしていくかという論点、また生息地等保護区のみならず、多様な保護区や保護地域との関連ということでしたら、自然公園法、自然環境保全法など、少なくとも自然局所管の法令での協調もあり得るのではないかというところは重要かと思います。
直近で適応のお話、ご意見が出ましたけれども、私もこれは非常に大事だと思っていまして、今、私はヨーロッパにいるんですけれども、ヨーロッパでは熱波の関係もあって、現在、あらゆる部分で気候変動の適応を何とかしなければならないという議論になっています。そういう意味では、適応法は、環境省の別部局の所管ですけれども、この計画間の調整などはもう少し力強くできるのではないか。また、自然共生サイトの議論も出ました。これは多くは民間管理ですけれども、この地域で守られている種や生物多様性をどのように活用していくのかというのも課題かなと思っています。こういう意味での土地利用の在り方を、多様な法律間でコントロールするというのは検討に値することだろうと思います。法改正のみの議論以外でも、できることはあるかなと思っています。これが1点目です。
もう一点は、これも議論が出ましたけれども、第35条による環境大臣による助言・指導の部分です。運用改善という議論でご紹介いただいて、運用改善も大事ですけれども、法律家の目から見ると、この条文は、実務ではおおよそ使えない条文だと思っています。いつでもどこでも使えそうな条文の書き方というのは、適用要件が不明確であり、いざというときには必ずしも使えないというようなことになります。この辺りは法改正含めて、ぜひご検討いただければと思います。
コメントなので、ご回答は結構です。どうもありがとうございました。
【北橋希少種保全推進室長】 勢一委員、ご指摘ありがとうございました。
追加で少しコメントなんですけれども、先ほど、気候変動への適応のお話もございました。改めて、
委員からも気候変動のお話が出ましたけれども、一つ、気候変動の話が出ていそうなのはキタダケソウの保護区です。南アルプスの非常に高標高地のところの植物の保護区ですけれども、近年になってシカが高標高地まで上がってきていることで、シカの食害対策の防護柵を設置したりというような、当初の保護区指定の際には考えていなかったような対策を取らなければいけないというようなことが出てきている事例もございます。ということで、少し保護区と気候変動の関係で追加させていただきました。
あと、もう一つ白山先生のご指摘で、レッドリストの作成のところでの水産庁との区分けでございますけれども、ちょっと丸めた言い方をしてしまって失礼いたしました。正確なご指摘、ありがとうございました。
【小泉委員長】 それでは、五箇委員、お願いします。
【五箇委員】 国立環境研究所の五箇です。ちょっと些末というか、末端の質問というか意見になりますけれども、33ページ目、生体の登録における個体識別装置に係る課題というところで、特に今後はやっぱりこのDNA分析、DNA識別というのは非常に重要なツールになってくる。これは恐らく希少種管理だけではなくて、我々がやっているような外来生物管理であったりとか、ペットの管理といったところでも、多分、非常に今後重要なツールになるだろうと。
いろいろとこの資料を読んでみると、DNA識別自体は実用化に向けた研究の進展や事業化が期待されるということで、本当に文字どおり、これも日進月歩でどんどん進んでいることなので、多分、実用化はそんなに難しいことではないだろうと思いますけれども、ただ、その報告書自体が令和5年度での報告書でそう書かれているということで、随分、時間もたっていて、恐らく、こういったところの技術的な課題というのはかなりクリアできるところはたくさんあるのではないかと思います。
ちょっと書きぶりとして、期待されるという形で放り投げている状態ですけど、こういった部分に関して、例えば、環境研究総合推進費であったり、あるいは、事業予算といった形でどれぐらいの進展を実際させてきたのかといったことについて、ちょっと細かいことですけど、実際には非常に重要なツールになってくるし、民間レベルでは結構そういった部分での研究も進められているところもあるので、この点に関して環境省としてどうフォローしているかというのをコメントいただければというふうに思っております。
以上です。
【松﨑野生生物課課長補佐】 野生生物課の松﨑です。
環境省としてもヒアリング等は引き続き行っているところではありますが、ご指摘のとおり、日進月歩の技術ということもありますので、引き続き、議論においていかれないようにキャッチアップしていきたいというところです。
【五箇委員】 どちらかというと、もちろん推進費の玉としても結構、有望であったりするので、そうしたらもっと環境省としても積極的に推進テーマとして上げていくことが重要ではないかと思いますので、これは先ほど言ったように非常に汎用性が高い技術になってきますし、今、非常に問題となっているペット管理の問題なんかでも、こういったことが今後、導入が必要になってくるだろうということもあるので、ぜひ、待ちの姿勢ではなくて積極的にこういった技術推進という部分に環境省がプッシュしていただくようにお願いしたいと思います。
以上です。
【小泉委員長】 ありがとうございます。
それでは、寺田委員、お願いします。
【寺田委員】 寺田でございます。ありがとうございます。
私も検討会に参加させていただいておりましたので、極力、コメントは控えて短めにと思って、皆様の意見を聞かせていただきました。
私からは、あまりコメントがなかった、今、五箇委員からございましたけど、最後の5点目の譲渡しについて、ちょっと検討会でも申し上げた点の補足説明といいますか、それが1点と、今後に期待というコメントを1点の2点です。
一点目は34ページ、象牙のところですけど、なかなか国際希少種の譲渡規制というのはややこしくて、今日もやはりコメントがあまりなかったのは、ある意味、そのとおりかなと思います。というのも、3ページ目に法の体系がございましたけれども、国内希少種は、やはり国内に生息しているので、過度の捕獲が起こらないように譲渡規制をしていると。一方で、国際種についてはご覧のとおり、当たり前ですけど日本に生息しておりませんので、捕獲規制はないと。では、何のための流通規制なのかと言いますと、違法に密輸入された個体が市場に流通しないように区別するということが非常に重要な役割だというのが私の理解です。つまり、それに寄与する制度は必要だけれども、そうでないものについては考え直していく必要もあるということです。
そこで象牙なんですけれども、必要と考えてやったことがネガティブな可能性もあるというのが今回の検討会で出た議論だと理解しています。登録本数というものが激減していますが、登録というのは合法に国内で流通させるために必要な措置であり、その登録本数が激減している。返納というのは登録した牙を返納する。どういうときに返納するかというと、材料にして、カットピースにして使うときに返納すると。それも減っている。これが、なぜ起こっているのかがよく分かっていない。ということは、登録した牙はどこへ行ったのか、登録されなくなった牙はどこへ行ったのかがわからないと。
それで、日本には過去に合法に輸入されたもの、あるいはワシントン条約規制前に輸入されたものが、この島国に、密輸出がない限りは閉鎖空間にたくさんあるわけです。登録要件を満たす書類のチェックや検査の厳格化自体を否定するものではありませんが、それによって象牙がどこへ行ってしまったのとなってしまうと、これはそもそもどうなのだろうか、ということで、検証していこうということが検討会でも申し上げた点です。その点が反映されているということで、これはなかなか生物学的な調査ではないので、新しい部分で難しい点もあるかと思いますが、ぜひ確認していただきたいなと思っているところです。
もう一点は、今回の議論に出てきたのは国際希少種の譲渡規制でしたけれども、それでは過去の法改正で出てきた国内希少種の規制についてはどうかということです。国内希少種の譲渡規制で着目していたのは特定第二種でございますけれども、これは商業目的の過度の譲渡規制を縛れば、逆に生息地保全が進むであろうというか、生息地保全を止めずに商業的な大量の流通だけを止めようということで始まったものだと理解しております。その効果がどうなのかというところは、生息地の保全、個体群の保全・維持というものと、流通規制の効果ということをつなげて検証していくことが今後、大事かと思います。これは先ほど五箇委員からもございましたが、どちらかというと推進費などでの学際的な研究が必要な部分かなとも思いますので、ぜひ、今後その辺りもご検討いただければと思います。
以上です。
【小泉委員長】 ありがとうございます。
それでは、いろいろご意見ありがとうございました。
私のほうから2点ほど。一つは、やはり希少種、生息情報があまりないというところで、非意図的に開発行為がコンフリクトしてしまうというようなこともありますので、人材育成もとても大事なことですが、もう一つは、既存の生息情報を使って潜在的な生息を推定していくというようなアプローチがあっていいのではないかというふうに思います。数理モデルを使うというアプローチもあると思いますし、AI、人工知能を使ってパターン分析して、ここにいるかもしれないよというようなものを事業者にあらかじめ示しておけば、ああ、知らなかったという事態を避けられるのではないかというふうに思いますので、こういったようなアプローチもあっていいのではないかと思います。
もう一点は、やはり沿岸域も含めて、海洋というのが非常に大きな問題だと思います。海水面の温度は確実に上昇しておりますし、この部分に関する考慮、配慮というのが今後大きな問題になっていくのではないかというふうに感じました。
私のほうからは以上です。
どうも、たくさんのご意見ありがとうございました。予定では、ここで休憩をというようなことも入っておりましたけれども、もし委員の皆様のご異論なければ、休憩を取らずに次の長野県の方にご報告をいただいて、終了時間のほうを縮めるというような調整で進めさせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
(異議なし)
【小泉委員長】 特にご異論がないようですので、それでは長野県さんの資料1-4に移らせていただきたいと思います。それではお願いいたします。
【岩井長野県環境部自然保護課長】 ただいまご紹介いただきました、長野県自然保護課長の岩井でございます。今日は、こちらにお招きいただきまして、本当にありがとうございます。
私からは、長野県の希少野生動植物保護の取組について、ご紹介申し上げたいと思います。
資料1ページをお願いいたします。
こちらは条例の制定の背景でございます。平成16年1月1日に施行してございますが、背景といたしましては、種の保存法の制定や、長野県版レッドデータブックの作成が主となっておりまして、それに加えまして、違法採集ですとか踏み荒らし、開発行為といった、こういった行為が多く見られているということが背景にございまして、条例を制定させていただいてございます。
目的でございますけれども、地域の実態にきめ細かく応じるということを目的といたしまして、地域の希少種の保護をしっかりとやっていこうという観点で制定しているところでございます。そこに考え方が書いてございますけれども、種の保存法の中で指定されているもの以外に、我々のほうも横出し的に指定してございまして、日本全国でたくさんいるとしても、長野県では随分と数が減っているものについてはしっかりと指定していくまた、実際にまだそれほど減っていないという状況においても、かなり採取圧が強かったりとか、盗掘が見られているようなケースなどが通報で多く寄せられているケースもありました。こういったものをしっかりと情報を整理した上で、条例に入れ込むという形で対応してきているところでございます。
2ページをお願いいたします。
こちらの真ん中に書いてございますように、長野県版のレッドリストでございますが、約1,600種の種を指定しているところでございます。そのうち81種について、長野県希少野生動植物保護条例、こちらで指定しているところでございまして、この条例は3本柱となってございます。種の取扱いに関する規制の関係、また、生息地等の保護に関する規制の関係、さらには保護回復の促進という観点でございます。今、申し上げましたけれども、指定の種につきましては、指定希少野生動植物の81種、こちらは特に保護を図る必要のあるものについて指定してございまして、さらに、特に緊急に保護を図っていくものにつきましては21種、指定してございます。こちらにつきましては、しっかりとその実効性を確保するという観点から、保護回復事業計画という形でプランをつくっているところでございます。
次のスライドでご説明を申し上げたいと思います。
まず条例指定種でございます。こちらは国のほうに種の保存法と対比する形で今、記してございますが、基本的には中身の方向性は同じものでございます。長野県におきましては、通常の指定につきましては保護に支障があると認めるときは、捕獲等を禁止・制限しております。また、特別な指定のものにつきましては、捕獲等を禁止するという形で、さらに上乗せをする形で指定しております。
内訳につきましてはここに記載してございますように、植物がメインでございまして、プラスで動物の関係が入ってきているところでございます。基本的にこちらにつきましても、法律と条例で制度の趣旨は同じでございます。
次に、4ページをお願いいたします。
こちらは保護回復事業計画でございます。こちらは地域の主体的な保護活動の指針となります保護回復事業計画を策定いたしまして、定期的に、評価検証を実施していくものでございます。こちらは種の保存法に基づく保護増殖事業計画と類似の制度でございまして、計画に合致する保全団体を認定いたしまして、活動の円滑化を図っているものでございます。
策定状況につきましては16種でございまして、ご覧のとおりの種類となっております。
こちらの策定の効果でございますけれども、しっかりモニタリングをした上で策定をしておりますことから、しっかりと県内の状況を詳細に反映できているということがまず挙げられます。
さらに、地域の皆様と一体となって取り組んでいくことを主眼としておりますので、地域の方々の旗印となるべくプランをつくって、しっかりと一枚岩となって取組を進めているといったところが、特色として挙げられるところでございます。
5ページをお願いいたします。
こちらは今申し上げました計画の主だったものについて、ご紹介したいと思います。直近で指定してございますが、アカモズの関係でございます。アカモズにつきましては、長野県版のレッドリスト、また環境省さんのレッドリスト双方に挙げられているものでございますけれども、実際、保護増殖事業計画が未策定でございましたので、アカモズにつきましては生息地が長野県と北海道に限定されているものでございます。非常にこれは地域性が強い生物でございますので、しっかりと長野県が責任を持って条例で特別種に指定いたしまして、保護回復計画を策定したものでございます。
プランにつきましては、実際に現地に入った形のモニタリングの体制の構築ですとか、カラスや哺乳類の関係の捕食者対策、またマナー違反をする撮影者がいますので、そういった方に対するしっかりとした啓発、そういったものを行っていく体制を組んでいるところでございます。
6ページをお願いいたします。
こちらは生息地等保護区の関係でございます。こちらも環境省さんの制度と類似のものでございまして、本県では長野県南部の木曽地域の開田高原の希少野生動植物保護地区ということで、一地区指定しているところでございます。対象のものはここに書いている種類でございまして、主に、チャマダラセセリの関係などがもともとそこに生息していて、それを狙ってくる愛好家の方々がいたものですから、現地の方々から何とかしてくれないかという話がありまして、実際に保護区を指定するという背景がございました。実際の中身といたしましては、先ほどお話もありましたけれども、実際に立入禁止をする地域を設定したりとか、規制をする地域を設定したりとか、そういった形で対応しているところでございます。
7ページをお願いいたします。
本県におきます希少種保全の取組や課題の関係でございます。こちらのライチョウやアカモズといったものは、国・市町村、保全団体、企業の方々、様々な主体で連携して取り組んでおるところではございますけれども、そのほかの希少種につきましては、各主体が単独で、実際、草の根活動的な形で対応しているというのが現状でございます。
こちらが大半になってきておりまして、そこの課題にも書いてございますけれども、長野県は山岳県でございますし、幅広く面積がございますことから、なかなか全て対応するということは、正直、行政だけでは無理な状況ではあります。そういった背景もございますので、県民の方々、企業の方々、そういった方にも広く参画をいただいて取り組んでいるという現状がございます。
方向性でございますけれども、これに関連するんですが、しっかり県民や企業、保全団体の方々をつなぐパートナーシップ協定、これは県が仲介しているものでございますが、こういったものの取組の推進、またボランティアさんにも入ってもらうようなライチョウの保護対策の関係、こういったものを強化していきたいと考えております。
また、条例の関係につきましては、種の保存法ともしっかりと連携をしていきまして、指定種の計画策定ですとか、保護区の設定等を効果的に実施してまいりたいと考えているところでございます。
最後になりますけれども、お願いでございますが、種の保存法の改正に当たりましては、地域の実態に応じた本県の条例が引き続き効果が十分に発揮されるよう、ご配慮をいただけますと幸いでございます。
私からは以上でございます。よろしくお願いいたします。
【小泉委員長】 どうもありがとうございます。
引き続いて、委員の皆さんからご意見、ご質問をお受けしたいと思いますが、その前にご説明いただきまして、課題とそれから国への要望、大変ソフトに言い表していただいておりますが、もうちょっと具体的に、こういう部分をサポートしてほしいというような考えがありましたら、ご説明いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
【岩井長野県環境部自然保護課長】 ありがとうございます。
今、ここに書いてあることが基本的に総体的なお願いでございまして、特段、敢えてということはないんですけれども、実際、今、国の種の保存法で、こういった規定がないから我々が困っているといったことは正直ない状況でございますので、先ほどご紹介を室長さんからいただきましたけれども、我々としては、特に今、制約があって動けないという認識は正直持ってはいないです。
ただ、今後、法律改正を行っていく際に、こういったことをしなさいというような形で、今、我々が取り組んでいることに対する制約が発生してしまってはいけないのかなというのは、正直、率直には思ってはおりますので、実際、これから法律改正の手続を進めていかれると思うんですけれども、その際には、実際に意見交換、先ほどお話もありましたけれども、調整作業を緊密にやらせていただければと考えておるところでございます。
以上です。
【小泉委員長】 ありがとうございます。
制限がないというのは、連携が十分じゃないということの裏返しかと、やや皮肉に感じておりますけれども、このぐらいにいたしまして、委員の皆さんからご意見をいただきたいと思いますが、例によって会場の委員の皆様は名札を立てていただき、Webで参加の委員には挙手ボタンで合図をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
それでは、岩井委員、お願いします。
【岩井委員】 ご説明ありがとうございました。
私は、調査をする立場としてこういう話を聞いてしまうんですけれども、長野県さんで指定されたものと国の環境省で指定されたものがかぶっていた場合というのは、やはり両方に申請をしなくてはいけないんでしょうか。それとも、その辺を分けるような動きというのはあるのでしょうか。
【岩井長野県環境部自然保護課長】 特に申請という行為、許可の形ですか、それは確かにライチョウですとかイヌワシといった、両方に指定されているものにつきましては、実際、現在の状況では例えば、捕獲をする場合、そういった調査のときには双方に申請をいただかなければいけなくなっているという弊害は確かにおっしゃるとおりあるかと思います。
以上です。
【岩井委員】 できれば、そこは何とかしていただきたくて、今、私も実際に関わっているところですと、環境省さんに申請をして、県に申請をして、何なら村にも申請をしてというような、三重で出さなくてはいけないとか非常に煩雑で、指定されること自体はいいとは思うんですけど、調査側からはされてしまったかという感情がつい出てしまうというのがあって、上のレベルで指定されているものはそちらの対応でしてくださいとか、何かそういう一つの文言で何とかできないかなというような気はしております。
よろしくお願いします。
【岩井長野県環境部自然保護課長】 ありがとうございます。
先ほど委員長さんのほうからもお話がありましたように、連携ができていないのではないかという御意見をいただきましたけれども、やっぱりそういった観点で本当にワンストップで行うべきかなと、そこのところは我々も反省すべきところかなと思っておりますので、そういった観点はしっかりと今後の法改正の中で議論、調整をしていく中で、意見交換をさせていただければと考えております。
以上です。
【小泉委員長】 よろしいですか。
許認可のことだけではなくて、全体的な意思の疎通、コミュニケーション、そういうところに現れてくることもあると思いますので、この点、ご配慮いただければと思います。
ほか、ご意見、ご質問等はありますでしょうか。チャットが入っていますか。そうですね。
勢一委員から、「用務の関係で退出いたします。長野県への質問ではありませんが、今後、法との関係で支障を感じている自治体のヒアリングができるとありがたいです。ご検討いただければ幸いです。」ということですので、ご検討いただければと思います。
【鈴木野生生物課長】 ありがとうございます。
この度は改めまして、こういった形で長野県様から情報提供をいただきまして、誠にありがとうございます。
私どもも、国と自治体との連携がうまくいってないのではないかということは常々考えておりました。先ほど岩井委員からもございましたけれども、許認可のことなども含め検討していきたいと思います。
また、委員の皆様からコメントをいただきましたが、海洋や気候変動についてもさらに検討を進めてまいりたいと思います。
【小泉委員長】 どうもありがとうございます。
そのほか委員の皆様からご意見、ご質問はいかがでしょうか。
(なし)
【小泉委員長】 なければ、それでは長野県の皆様、どうもありがとうございます。ここで退室となりますので、本日はどうもありがとうございました。
(長野県 退室)
【小泉委員長】 それでは、議題の(1)、種の保存法に関する説明、それから質疑応答は以上とさせていただきたいと思います。
次回の野生生物小委員会でも、この議題について関係団体等からのヒアリングが予定されているということですので、本日の委員の皆様からのご意見を踏まえて、種の保存法の講ずべき措置の答申案骨子に向けて、検討を進めていっていただきたいと思います。
それでは続きまして、議題の(2)アマミヤマシギ及びオオトラツグミ保護増殖事業の完了について、報告をお願いします。
【吉澤野生生物課希少種保全推進室室長補佐】 希少種保全推進室の吉澤です。
まず、保護増殖事業の制度の概要からですけれども、まず種の保存法に基づきまして、環境大臣並びに保護増殖事業を行おうとする国の行政機関は、中環審のご意見を伺って、保護増殖事業計画を定めることとされています。その計画には、保護増殖事業の目標、区域、内容、その他必要な事項について定めるものとされています。あとこちらについては、保護増殖事業計画を変更する場合も同様に、中環審の手続を経るということになっております。
また基本方針の中で定められているのですが、保護増殖事業とは国内希少野生動植物種のうち、その個体の繁殖の促進、その生息地等の整備等の事業を推進することが必要な種について、対象として実施するものとされております。
保護増殖事業の実施状況なんですけれども、これまで79種・亜種について58の計画が策定されております。このうち、この緑字で書かれています2種について、今回、保護増殖事業を完了したというものになります。
先ほどから、完了と申し上げていますけれども、生物多様性国家戦略の中でも、2030年までに「保護増殖事業の目的が達成されて、事業を完了した種数というのを5種程度にする」ということを掲げております。
では、完了とは何かなんですが、2年前の3月のこちらの野生生物小委員会においても、この保護増殖事業の完了に向けて考え方を示させていただき、ご意見をいただきました。そういったものをベースにして、事務方のほうで今年5月に地方環境事務所に通知を出した内容に、完了とは何かということが正式に書かれております。
では、その完了とは何かですけれども、保護増殖事業計画に定めた目標を達成して、増殖・回復を集中的に図る、いわゆる普通の保護増、その図るフェーズを終えて、維持・監視を図るフェーズに移行する、モニタリングに移行していくということを保護増殖事業の完了と定義しております。完了に向けて、まず目標と具体的に評価方法を設定した上で、それぞれの種の保護増殖の検討会がございますので、そういった場で有識者などから目標の達成状況の評価をいただいています。それを踏まえて、地方環境事務所長が保護増殖事業を完了するということを決定することになります。
保護増殖事業を完了した後は、モニタリングなどを効率的に実施した上で、個体群の状況を継続的に把握していきます。さらに状況が改善をしていき、国内希少野生動植物の指定自体が解除されたということになれば、今度は完了のさらに次の保護増殖事業計画自体が廃止されるということになります。下のほうにそのイメージ図が載っております。
では、今回完了する2種ですけれども、奄美群島におりますアマミヤマシギ、オオトラツグミについて、1999年から保護増殖事業が実施されておりました。現在、奄美大島における分布だとか生息数が安定的に維持されて、繁殖も継続して確認されております。
また、主たる減少要因である外来種、生育環境の悪化、交通事故などについて、地域の皆様方のご協力により、一定の改善が見られるということをもって、去年12月の保護増殖検討会において、保護増殖事業の完了について異存ないとご了解いただきました。それを踏まえて、今年6月30日付で、沖縄奄美自然環境事務所長の名において、保護増殖事業が完了いたしました。
2種の詳細については、この下のほうに写真付きで載っておりますが、詳細の説明は割愛いたします。
以降のスライドにつきましては、2種の保護増殖事業で行った内容の概要並びに生息状況の回復状況でございまして、詳細の説明は割愛させていただきます。
説明は以上です。
【小泉委員長】 ありがとうございます。
それでは、ただいまの報告に関しまして、ご意見、ご質問がありましたら、会場の方は名札を立てていただき、Webの方は挙手ボタンを押して合図をいただきたいと思います。
それでは、水田委員からお願いします。
【水田委員】 ありがとうございます。
私は、この2種の保護増殖事業に長らく実施者としても関わっていて、現在は検討委員としても関わっているので、今回の完了はもう人一倍感慨深く思っているところです。なので、ちょっとコメントが長くなるかもしれませんが、なるべくコンパクトにお話ししたいと思います。
今回のこの保護増殖事業完了の意義としては、私は二つあると思っていまして、一つは絶滅危惧種であったとしても、適切に手当をすればきちんと回復するんだということを具体的に示したことであると思います。もう一つは、保護増殖事業の完了のための道筋を非常に丁寧に検討して進めて、それで定めたというところ、この2点が非常に大きな意義だというふうに思っています。
それは私だけの意見ではなくて、検討委員の座長であります石井信夫先生も保護増殖事業完了の際の記者会見でおっしゃっていたんですけれども、私はその二つから幾つか教訓を得ることができると考えています。一つは、きちんと手当をすれば回復するということの、そのきちんとした手当、適切な手当というのは、一つはマングース防除事業だったということです。。マングース防除事業が完了してマングースがいなくなったということが希少種、特にオオトラツグミ、アマミヤマシギの回復に大きな影響があったということだと思います。
とすると、奄美大島のお隣の沖縄島のマングースにも、当然、考えがいってしまいます。沖縄島にはヤンバルクイナとかノグチゲラとか希少種がいますが、これらの種は、恐らく、マングースが根絶されない限りは絶滅危惧種から外れることはないし、保護増殖事業は完了せず永遠に続くと思います。なので、せっかく奄美大島でマングースが根絶して、2種の保護増殖事業が完了したという実績が得られたわけですから、ぜひ、沖縄島でもマングースの根絶を真剣に考えていただければなと思っています。
もう一点は、保護増殖事業の道筋を丁寧に示したということに関して、せっかく示されたこの道筋を他の保護増殖事業対象種にも当てはめて考えていくということは重要だと思っています。
私は先ほどもちょっと名前が出ましたけれども、アホウドリの保護増殖事業に、一請負業者としても関わっているので、あまり請負業者なので偉そうなことは言えませんが、今回、示された道筋から外れているのかなというふうに感じることも多々あるわけなんですね。なので、だからどうしろということではないんですけれども、せっかくこうやって道筋ができたわけですから、他の保護増殖事業対象種もこれの道筋に沿って、もう一度、今の到達地点はどこなのかということを検討していくというのが重要なのかなと思っています。
以上はコメントです。特に回答を求めるものではありません。
以上です。
【小泉委員長】 コメントということでしたけれども、事務局からお願いします。
【北橋希少種保全推進室長】 今日、ほかの業務の関係で現地からはオンライン参加ができてないんですけれども、私は実はちょうど1年前まで沖縄奄美の所長もしておりましたもので、特に1点目の沖縄のマングース対策について、御存じない方もいらっしゃるかもしれないので、一言、ご説明したいと思います。
沖縄の場合は、いわゆる沖縄本島北部のやんばる地域からの完全排除と言っています。いわゆる、地域根絶的に島の北部からゼロにしようということで、沖縄県さんが柵を三重につくってくれたりして、その柵の北部、やんばる地域については、もうちょっとというところまで、マングースが減少してきております。おかげで、ヤンバルクイナもノグチゲラも、そのほかの様々な希少種もやんばる地域ですごく回復してきています。これは奄美大島でそうなってきているのと同様の道筋を沖縄北部でも来ているということです。
一方で、沖縄については、先ほど言いましたように、北部についてはいい感じで行っているんですけれども、中南部では、市街地が多かったりですとか、あるいは希少種そのものの分布状況も違ったりということで、まだ十分手がついてないんですけれども、柵があるからといって、中南部にマングースがいっぱい残ったままですと、永遠に対策が終えられないということもあるので、いろいろな革新的な技術みたいなものも導入しないといけないなということも視野に入れつつ、沖縄県さんと長期的に島全体でも何とかしていきたいと思っているところでございます。今までの取組をただ単に拡大するだけだと、あまりにも膨大な労力がかかってしまうので、そこは新しい技術なんかもどういうものが活用可能かということをしっかり考えながら、取り組んでいきたいと思っております。
以上でございます。
【小泉委員長】 ありがとうございます。
このアマミヤマシギとオオトラツグミの保護増殖事業の完了に至るまでの道筋というのは、何か公式報告書として出てくるんですか。一部、オオトラツグミのほうは水田委員の論文が引用されていたりしますけれども。
【北橋希少種保全推進室長】 一応、環境省のホームページの中で、それぞれの両種について、どういう目標を立てていて、例えば、外来種の状況はこうだ、交通事故対策はこうだとか、生息地の環境保全はこうだみたいな、いろいろな項目ごとに、今、どういう状況にあって、どういう評価だからオーケーと見なしましょうみたいな、そういうことを整理しております。ほかの種でいうと、やはりそういう中間のステップについての個別の細かい目標が立てられていない種が結構あるもので、先ほど、水田委員からおっしゃっていただいたように、ほかの種でもしっかりとそういう道筋を立てた保護増殖事業に向けて整理を進めていく必要があるというふうに我々も思っております。
【小泉委員長】 ありがとうございます。
あえて、このコメントをさせていただいたのは、最近、環境省内ではごく普通に交わされている会話だと思うんですけど、EBPM、エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキングというのが非常に大事で、そのためにはロジックモデルを使ってインプットからアウトプット、アウトカムで、こういうふうな道筋でこの保護増殖事業を分析してみると、恐らく、ほかの事業にどういうふうに展開したらいいかというヒントが見えてくるのではないかというふうに思いましたので、このようなコメントをさせていただきました。ご検討いただければと思います。
ほか、ご意見、ご質問等がなければ。
八代田委員、お願いいたします。
【八代田委員】 八代田です。ご説明ありがとうございます。
水田委員がおっしゃったように、保護増殖事業が完了するというのは非常にすばらしいことだと思います。
減少要因の対策ということで、外来種対策が一番大きな効果を上げたかと思うんですけれども、他に生息環境の改善というのは非常に効果があったのではないかと思うのですが、やはりこの生息環境の改善というのが、保護増殖事業の中では難しいのかなというふうに、私自身が感じております。
それで、保護区等を設定して生息地を保護するというような対策をされることは多いかと思うんですけれども、保護区に人が入らない規制だったり、捕獲等を規制するということだけで改善できるのかなというのが、ちょっと疑問に思うことがございまして、今回の2種について、生息環境の改善として、具体的にどのようなことをされたのか教えていただければと思いまして、コメントをさせていただきました。よろしくお願いします。
【北橋希少種保全推進室長】 特に奄美大島、徳之島もそうなんですけれども、近年、新たに国立公園に指定されたことで、従来、かなりいわゆる森林整備というか、いわゆる、立木の伐採が相当行われていた島でもあるんですけれども、そして近年では森林開発が非常に抑えられてきた。直近では、国立公園等になって法規制が入ることで新たな開発というのも行われなくなったことで、かなり森林環境というのは昔よりもよくなっているというふうに評価されてます。これは、実はやんばるエリアも同じでございまして、昔は相当切られていたんですけれども、近年では森林の状況自体は非常によくなっていると。ただ、まだ足りてないところというと、例えば、ヤンバルテナガコガネの住むような大きなうろを持っていたりするような、いわゆる、古木的なものというのはまだ少しそこまで森林が成熟しきってないのかなというところはあると思うんですが、全般的にはかなり環境全体としてはよろしくなっているというふうに考えてございます。
【小泉委員長】 よろしいですか。
【八代田委員】 ありがとうございます。
他の種に関しても、私はシカの対策をしているものですから、増えすぎた動物種に関してもそういった生息環境の改善といいますか、森林管理等をしながら対策できるのではないかと日々感じておりますので、こういった結果、成果を発信していただければと思います。ありがとうございます。
【小泉委員長】 ありがとうございます。
ほかにご意見、ご質問等いかがでしょうか。
(なし)
【小泉委員長】 ないようですので、議題3、トキの本州での野生復帰について、報告をお願いいたします。
【鴛海希少種保全推進室室長補佐】 希少種保全推進室の鴛海です。
本日はこの表題のとおり、トキの放鳥について、ご報告いたします。
まず、トキの保護増殖事業の歴史は大変長く、新潟県や文化庁が実施されていた事業を引き継ぐ形で、佐渡島にて保護増殖事業を環境省が実施してきました。
御存じのとおり、日本生まれのトキは「キン」を最後にいなくなってしまいましたが、中国から提供いただいた合計7羽のトキを繁殖させ、佐渡島で野生復帰を続けてきました。佐渡島の地域の皆様並びに多くの関係者のご尽力、ご協力のおかげで、野生下での個体数が順調に回復し、ついに今年本州で放鳥を開始いたしました。
右のグラフをご覧ください。赤線で示しているのが、佐渡島の野生下のトキの個体数の推移です。近年はおおむね野外で推定500羽程度が生息していますが、やや頭打ちとなっている状態です。また、右側のグラフは巣立ち率と巣立ち数の変化を示しております。個体数が増え、近年は巣立ち率が徐々に低下しております。コロニーの中のペア数が増加して、お互いに干渉し、繁殖の失敗につながるという事例も確認されています。これらのデータから、そろそろ現状の環境収容力に近づいてきているのではないかと考えられます。
このように、佐渡島では順調に増加しておりますが、一部の個体が本州まで飛来はしているものの、確認されている個体はほとんどが雌で、性比が偏っております。
また、未だに本州側では定着や繁殖が見られない状況です。トキが佐渡から自然に分散して本州側で定着や繁殖するのはなかなか困難であるか、かなり時間を要すると想定されます。
そこで環境省は、令和4年度に、トキの受け入れに意欲がある取組自治体を公募し、5地域が選定されました。そのうち、石川県・能登9市町と島根県出雲市が、「トキを放鳥することで、トキと共生する里地づくりを行う地域」として選定されました。
次に、今年の能登地域におけるトキ放鳥までの経緯を簡単にご説明します。まずは、有識者会議にて、石川県におけるこれまでの野生復帰に係る取組の進捗状況が確認され、今後の放鳥計画やモニタリング計画が了承されました。これを受けまして、環境省で令和8年度の上半期に能登地域で放鳥を実施するということを決めました。
なお、令和6年の元旦には、能登半島地震が発生してしまいましたが、その後、石川県創造的復興プランにおいて、「トキが舞う能登の実現」がリーディングプロジェクトに位置づけられるなど、トキの野生復帰に向けた取組は復興のシンボルとして継続して進められてきました。
5月31日には、放鳥を記念する式典を実施した後に、8羽の雄を箱から放鳥するハードリリース方式で放鳥しました。
また、その2週間後の6月14日に、仮設ケージ内で一定期間環境に慣れさせた後、放鳥口を開けてトキに自分のタイミングで出ていってもらうソフトリリース方式で、雄2羽、雌8羽の10羽、5月31日と合わせて合計18羽を放鳥しました。
放鳥したトキの生息情報については、主に三つの方法で把握しております。まず①に示した追跡機器によるものです。飼育個体を用いた事前の装着試験を行うなどして、機器の種類や装着方法、測定項目など検討を重ね、今回は個体への影響が少ない、小さい足輪型の追跡機器をトキの足の関節の上、すねの部分に装着することとしました。この機械から送信されるデータによって、遠隔でおおよその分布と行動を把握しております。
二つ目は、自治体が地元で構築するモニタリングチームによる調査で、①のGPS情報を参考に現地で調査をしていただいております。
三つ目は、一般からの目撃情報で、取組自治体が目撃情報収集体制を構築して、一般の皆様から情報を提供してもらえるようにしております。
右の地図は8月上旬時点の分布状況を示しています。この後、少し分布が変化はしているものの今でも全羽、石川県及び富山県内に生息しております。また、温度などの環境データも測定しており、そのデータから現時点で18羽全てが生存している状況です。この、トキの生息情報については、現在週に1度程度市町村単位で、ホームページで公開しております。今後はこれらの情報をさらに詳しく解析して、今後の放鳥計画や取組に生かしていく予定です。
今後の放鳥予定ですが、トキをしっかりと定着させるためには、ある程度継続的な放鳥が必要ですので、今年の10月に能登地域の中能登町で、来年の初夏には、島根県出雲市で放鳥を行う予定としております。
最後に、今後の目標ですが、トキ野生復帰ロードマップを策定して、5年ごとに更新しており、最終的には国内で成熟個体1,000羽、また、複数の個体群の確立を目指しております。
今年、環境省レッドリストのカテゴリーがⅠA類からⅠB類に引き下げられたところです。将来的には、トキが普通種になることを目指し、またトキがすめるような里地里山の環境維持・回復していくことで生物多様性や里地里山の地域振興につながるよう、引き続き事業を進めてまいります。
以上です。ありがとうございます。
【小泉委員長】 ありがとうございます。
それでは、ただいまの報告に関しまして、ご意見、ご質問等ありましたらお願いしたいと思いますが、水田委員、どうぞ。
【水田委員】 では、せっかくですから。
実は私、つい先週、この能登に放鳥されたトキをプライベートで見に行ったんですけど、見事、見つけることができて、やっぱり住んでいる環境が非常にいいところだなと思いました。里地里山のシンボルというふうに書かれていましたけれども、平地があって田んぼがあって、たくさんの生き物がいて、それだけではなくて周りに山がある。そこが繁殖地になったりねぐらになったりするんだと思いますけれども、そういう豊かな環境があるということが、トキにとっては非常に重要なんだなということを、現地を見て再認識しました。今後も放鳥が続くということですので、ぜひ、定着して繁殖までいくとうれしいなと思いました。
以上です。
【希少種保全推進室室長補佐】 ありがとうございます。
【小泉委員長】 ありがとうございます。
ほか、ご意見、ご質問はいかがでしょうか。
(なし)
【小泉委員長】 ないようでしたら、委員の皆さん、同じ思いだと思いますが、能登の復興と併せて、このトキがシンボルとなっていければなというふうに感じておりますので、引き続き、よろしくお願いいたします。
それでは、この報告についてはここまでとしまして、次に議題4、特定外来生物の新規指定について、報告をお願いします。
【千葉外来生物対策室室長補佐】 外来生物対策室の千葉と申します。よろしくお願いいたします。
特定外来生物の新規指定についての報告をさせていただきます。お手元の資料をご覧ください。特定外来生物等専門家会合における検討結果を踏まえまして、今回、外来生物法の政令改正について令和8年8月5日に公布しているんですけれども、下記の魚類5種類について、新たに特定外来生物に追加を行います。
すみません、種数の足し上げに誤りがございまして、「これにより、特定外来生物は167種類、このうち魚類は31種類となる。」というふうに記載しておるんですけれども、数えましたところ、正しくは166種類、魚類が30種類となりますので、訂正をさせていただきます。ホームページ掲載の資料については、後ほど差し替えをさせていただきたいと思います。恐縮でございますが、訂正をさせていただきます。
2枚目以降なんですけれども、今回、指定する種の概要ということで記載をさせていただいております。簡単に上から順に説明をさせていただきますと、まず一番最初の囲みなんですけれども、ブルーギル属の関係ですが、既に特定外来生物にブルーギルという種が指定をされておりまして、同じ属の今回は未判定外来生物で指定されているんですけれども、パンプキンシードサンフィッシュとロングイヤーサンフィッシュの2種が、既に国内の一部河川で確認されている状況にあります。今後、これが拡散すると在来種の生態系に大きな被害を及ぼす影響が高いということと、あと同属のほかの種につきましても、国内の河川ですとか湖沼に導入されれば定着して、同じような影響を及ぼす可能性が高いため、今回、ブルーギル属全種とその交雑種について、特定外来生物に追加いたします。
続いて、その下のマーレ-コッドとゴールデンパーチなんですけれども、これは両種ともスズキの仲間でして、海外ではルアーフィッシングの対象となるような人気の高い種になっております。近年では、国内でも利用されている状況にあり、これらが国内の河川に侵入した場合に、在来種への影響が非常に懸念される状況にあるということで、今回、特定外来生物に追加をするということになります。
続いて、一番最後のコウライオヤニラミ等なんですけれども、これについても、既にコウライオヤニラミとナンエツオヤニラミという種が国内の河川において確認されております。特にコウライオヤニラミにつきましては、宮崎県の大淀川のほうに既に定着しておりまして、在来種への生態系影響が懸念されている状況にあります。これらの種ともう一種を合わせまして、今回追加をするということで、在来のオヤニラミを除く形でオヤニラミ属の全種を追加いたします。
今回、施行日が令和8年9月1日ということで、この日から施行、規制が開始されることになっております。
以上報告いたします。
【小泉委員長】 ありがとうございます。
ただいまの報告に関しまして、ご意見、ご質問等ありましたらお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
五箇委員、お願いします。
【五箇委員】 国立環境研究所の五箇です。
こちらで指定されているということで、指定は全然問題ないというか、もう指定すべきものとして追加はよかったと思うんですけれども、既にマーレ-コッドとゴールデンパーチ、こちらは既に結構広く販売されてしまっていると、観賞魚というかペットとして販売されているものであり、今の時点でも結構ネットでも普通に見られる種ということで、こちらも指定されたとなれば、当然のことながら飼育個体の放流、放逐といったことも、いわゆる見えないところで行われてしまうということもあり得ることですので、十分とやっぱり普及啓発、特に販売業者さんを通じてそういったものを、一旦、飼育しているものに関してはもう絶対逃がさないようにしていただくということが鉄則だと思いますので、いかにやっぱり普及啓発をきちんとしていただくかが肝心かと思いますので、よろしくお願いいたします。
【千葉外来生物対策室室長補佐】 五箇先生、ありがとうございます。
既に広く販売されている状況にあるということで、普及啓発についてはすぐに行っていきたいのと、国内での定着等も疑われる状況があれば、適切に対応していきたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。
【小泉委員長】 ありがとうございます。
ほか、ご意見ご質問ありましたらお願いします。
在来のオヤニラミ以外のものが定着しているということですけれども、これはどういう経路で持ち込まれたのかというのは分かっているんですか。
【千葉外来生物対策室室長補佐】 現在は規制がなく流通している状況ですが、詳しい侵入経路は不明です。
【小泉委員長】 そうすると、観賞魚としては全国津々浦々で販売されているということで、今回、たまたま宮崎のほうで定着が確認されたけれども、潜在的なリスクとしては、かなり広範囲に広がる可能性があるというふうに考えているんですか。
【千葉外来生物対策室室長補佐】 そこまで大きな利用があると認識しておりませんでしたが、ご指摘の点を踏まえますと広範囲に広がるリスクはあると考えており、それを防ぐために普及啓発に努めたいと思います。
既に、現地において対策は進められておりますので、必要な交付金等による支援を行い、防除の取組を進めていきたいと思っております。
【小泉委員長】 ありがとうございます。
在来のオヤニラミとの関係なんですが、これは競合関係になりますか。それとも交雑があり得るというような影響がありますでしょうか。
【千葉外来生物対策室室長補佐】 在来種に比べ、体長も大きく、肉食性が強いということで、競合と考えております。
【小泉委員長】 ありがとうございます。
ほか、ご意見、ご質問等なければ、この件についてはこのぐらいにさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
そのほか、何かご提案、ご意見等ありましたらお受けしたいと思いますが、なければ本日はこのぐらいにしまして、以降の議事進行は事務局のほうにお返ししたいと思います。
どうも皆さん、長時間にわたりまして、ご議論いただきましてどうもありがとうございます。次回もまたありますので、よろしくお願いいたします。
【事務局】 小泉委員長、議事進行ありがとうございました。
委員の皆様におかれましても、長時間にわたるご審議をどうもありがとうございました。
本会はこれで閉会といたします。
皆様、本日はどうもありがとうございました。
本日は、皆様お忙しい中、ご出席いただきありがとうございます。会議に先立ちまして、出席委員数のご報告です。本日は所属の委員、臨時委員8名のうち、Web会議システムでの参加を含めた7名がご出席されまして、定足数を満たしていますので、本委員会は成立しております。なお、勢一委員は15時30分頃に途中退席されるご予定ですので、ご了承のほど、よろしくお願いいたします。
次に、本日の会議運営についてご説明をさせていただきます。
本会議につきましては、会場での傍聴を行わず、YouTubeにてライブ配信をしておりますので、ご了承ください。
また、Web会議システムでご参加されている皆様におかれましては、差し支えない範囲で結構ですので、常時ビデオをオンにしていただき、お顔が見られる状態にしてください。なお、発言時を除き、マイクはミュートにしていただきますよう、お願い申し上げます。
Web会議システムでご参加の皆様でご発言を希望される場合は、画面にあります挙手アイコンをクリックしてお知らせください。委員長からのご指名を受けましたら、ご発言いただき、ご発言が終わりましたら、挙手アイコンをまた再度クリックしてその状態を解除していただきますようにお願いいたします。
会議室でご参加の委員の皆様におかれましては、ご発言の際は名札を机の上に立てていただき、委員長からのご指名後、マイクをオンにしてご発言ください。発言後はマイクをオフにしていただくようにお願いいたします。また、ご発言いただく際、マイクの音を拾う関係で、口元に近づけてご発言いただきますようにお願いいたします。
資料については、委員の皆様にはあらかじめ電子データを送付しております。また、環境省ホームページの野生生物小委員会のページにも同じ資料を掲載しております。会議室でご参加の皆様は、お手元のタブレットで資料をご覧いただきますようにお願いいたします。
最後に、環境省職員に一部異動がございましたので、改めてご紹介させていただきます。
まず、自然環境局長の則久でございます。
【則久自然環境局長】 則久です。よろしくお願いいたします。
【事務局】 自然環境局担当大臣官房審議官の高城でございます。
【高城大臣官房審議官】 高城でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【事務局】 野生生物課長の鈴木でございます。
【鈴木野生生物課長】 鈴木でございます。よろしくお願いいたします。
【事務局】 鳥獣保護管理室長の佐々木でございます。
【佐々木鳥獣保護管理室長】 佐々木です。よろしくお願いいたします。
【事務局】 希少種保全推進室長の北橋でございます。
【北橋希少種保全推進室長】 北橋です。よろしくお願いします。
【事務局】 それでは、本委員会の開催に当たり、自然環境局長の則久よりご挨拶申し上げます。
【則久自然環境局長】 この8月7日付で自然環境局長を拝命いたしました則久でございます。
本日は、非常にご多用のところ、本委員会にご出席賜りまして、厚く御礼を申し上げます。
委員の皆様におかれましては、日頃、自然環境行政にご理解・ご協力をいただいておりますことを、改めて御礼を申し上げたいと思います。
本日の議題でございますけど、諮問案件1件と報告事項3件となっております。
諮問案件の1件につきましては、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存につき講ずべき措置」ということでございまして、要は、種の保存法の関係でございますが、本件につきましては、平成30年の種の保存法の改正法の施行から5年を経過したということなどを踏まえまして、令和5年度から施行状況の評価、また、令和7年度から種の保存法の在り方について、検討を行ってまいりました。これらの検討を踏まえ、本委員会において、講ずべき措置について、答申に向けてご議論いただきたいというふうに考えております。
また、本日は本件に関連しまして、長野県における希少種保全に係る取組について、ヒアリングを予定しております。よろしくお願いいたします。
また、報告事項として3点ございますが、一つは種の保存法に基づく国内希少野生動植物種である「アマミヤマシギ及びオオトラツグミの保護増殖事業の完了」についてでございます。恐らく、初めて完了したケースだったと思いますけども、これについてのご報告。
それから、去る5月に本州で初めてとなるトキの放鳥を能登半島で行っておりますので、この「トキの本州での野生復帰」についてを二つ目の報告事項といたします。
最後に、外来生物法に基づく、「特定外来生物の新規指定」についてもご報告させていきたいと思っております。
限られた時間でございますが、忌憚のないご意見を賜りたく、ご審議のほどお願いしたいと思います。
私も4年前、この野生生物課長をさせていただきまして、委員会で大変お世話になりました。
最近、つらつらと思いますのは、やっぱり希少種、それから鳥獣、外来種。もう一つは、実は普通種というのも結構大事かなと思っておりまして、今日はトキのお話もありますが、普通に国土に広くいたものが絶滅危惧種になっている、あるいは絶滅してしまったということが、地域的に分布が限定されている希少種の保全も大事ではあるんですけども、やっぱり広くいたものがいなくなって絶滅するということのほうがはるかに深刻な問題ではないかなという気もしております。そういったことを踏まえた全体的な野生生物と国土の管理の在り方というのは、今後、大きな課題になってこようかと思いますが、そういったことを進めていく上でも、まず一番この大切な種の保存、絶滅危惧種をどう守っていくのか、仕組みをどう変えていくのかというところがまずベースとしてしっかりと議論されていく必要があるかと思いますので、まずは今日のこのご議論を踏まえて、また、その次の先々の展開も考えていきたいと思います。
限られた時間と申し上げましたけれども、今回1回では議論が尽くし切れないと思います。何回かお願いすることになると思いますけれども、ぜひ、活発なご意見をいただければと思います。
ということで、今日のところはよろしくお願いいたします。
【事務局】 公務の都合により、則久と高城は14時30分頃に途中退席をさせていただきます。
また、近藤総務課長につきましても、途中からの出席とさせていただいておりますので、大変恐れ入りますが、ご了承のほどお願い申し上げます。
報道機関の皆様におかれましては、冒頭の撮影はここまでとなります。以降は傍聴となりますので、よろしくお願いいたします。
それでは、これよりの議事進行につきましては、小泉委員長にお願いすることといたします。小泉委員長、どうぞよろしくお願いいたします。
【小泉委員長】 それでは、ただいまより、野生生物小委員会を開催させていただきます。
まずは、先日ありました令和8年熊本地震に謹んでお見舞い申し上げます。また、則久局長、本小委員会におかえりなさいということで、今後、よろしくお願いいたします。
本日は、諮問案件が1件、報告案件が3件となっております。諮問案件に関しましては、答申に向けた作業状況の報告ということで、既に審議に関わっておられる委員の方もいらっしゃいますけれども、本日、初めて状況を伺う委員の方もいらっしゃると思いますので、忌憚のないご意見をいただければというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
それでは、冒頭、事務局より説明がありましたが、本日の委員会はYouTubeチャンネルにおいてライブ配信をしておりますので、報道機関、それから一般の方々も傍聴しております。
なお、議事録につきましては、後ほど事務局が作成し、本日ご出席の委員のご確認を受けた後、委員長である私が了承した上で公開することをご承知おきいただきたいと思います。
それでは、お手元の議事次第に従いまして、最初の議題、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存につき講ずべき措置について、事務局より説明をお願いいたします。
【北橋希少種保全推進室長】 それでは、希少種保全推進室長の北橋より、ご説明をさせていただきます。
まず、資料1-1をご覧ください。
この中央環境審議会に環境大臣のほうから、この種の保存につき講ずべき措置について諮問が行われております。7月24日付で大臣から中央環境審議会会長宛に意見を求めるということでございます。
諮問理由につきましては、国内種の保全と国際的な種の保全、それに加えて、諮問理由の中段以降に書いてございますけども、局長からの挨拶にもございましたが、前回の平成30年に施行された改正法の際の附則において、施行日以降5年を経過した場合において、施行状況について検討して必要な措置を講ずると定められているということから、講ずべき措置について意見を求めると、そういうことになってございます。
裏面にもう一つ、中央環境審議会の会長から自然環境部会の部会長に対して、その講ずべき措置についての付議をされているという資料になります。さらに、資料はございませんけれども、この自然環境部会に付議された絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存につき講ずべき措置についての検討は、野生生物小委員会で行うということが議事運営規則に基づいた小員会設置の紙に書いてございますので、この野生生物小委員会で議論をいただくということになっているものでございます。
資料1-1につきましては以上です。
【小泉委員長】 それでは、ただいまの説明につきまして、ご意見、ご質問がありましたらお願いしたいと思います。事務局から説明がありましたように、会場にいらっしゃる委員の方は名札を立てていただき、Webでご参加の委員の皆様は、挙手ボタンで合図をいただきたいと思います。私のほうで一覧を、Webのご参加の委員の方も一覧で見ておりますので、挙手ボタンを押していただければ見られるようになっておりますので、ただいまの説明につきまして、ご意見、ご質問等ありましたら。
(なし)
【小泉委員長】 ないようですので、それでは資料1-2のほうに進んでいただきますように、お願いいたします。
【北橋希少種保全推進室長】 ありがとうございます。
資料1-2は、この種の保存につき講ずべき措置についての検討の進め方について、説明しているペーパーになります。
先ほどの説明のとおり、前回の法改正から5年が経過したということで、令和5年末から令和6年末にかけて、種の保存法の施行状況評価会議というものを行っておりました。そこで前回の改正法の内容、それから法律全体の運用の状況につきまして評価をした上で、前回の令和7年10月の野生生物小委員会で、在り方検討会を立ち上げてそこでさらに検討していきたいということをご報告させていただいておりました。それを踏まえまして、令和7年10月から、種の保存法の在り方検討会を6回開催いたしまして、先の7月末にその報告書を出したところでございます。
そして、太字になっておりますのが本日の8月19日の野生生物小委員会、ここでもって、諮問、付議とそれから検討事項等をご説明させていただくというところでございます。
そこから下が今後の予定でございますけれども、9月頃に関係団体のヒアリングですとか答申案の骨子をお示しした上で、10月頃には答申の原案の提示、順調に進みましたら令和9年の1月頃目途で答申案を提示して答申をいただくようなことで考えてございます。
スケジュールにつきましては以上です。
【小泉委員長】 ありがとうございます。
ただいまの説明に関しまして、ご意見、ご質問等ありましたら、合図をいただきたいと思いますけれども。
(なし)
【小泉委員長】 特にないようですので、それでは、資料1-3についてお願いします。
【北橋希少種保全推進室長】 ありがとうございます。
それでは1-3、今回の本体みたいなものになりますが、種の保存に関する現状、課題及び今後の方向性案ということでご説明をしたいと思います。
これは先ほど申しました、これまでやってきた検討会の報告書で書かれていることを、ある意味、再整理したようなものになってございます。
まず一つ目でございますけれども、種の保存法の体系・検討経緯ということでございます。
1枚目、法律全体の概要を書いてございます。左半分が国内に生息する希少種の保全に関する関係、それから右半分が外国に生息する希少種の保全に関することということになっております。外国産のものにつきましては、ワシントン条約とか2国間の渡り鳥条約とか、そういったもので規制がかかっているものについて、国内で法律上、それを担保する、譲渡し等を禁止するというものが基本的な中身になってございます。
一方で、左半分でございますけども、国内の種につきましては、レッドリストとかレッドデータブックというベースの情報を整理した上で、必要なものについては、種の保存法に基づき国内希少野生動植物種に指定して、捕獲ですとか譲渡し、あるいは販売とか、そういった行為を禁止するというものになってございます。これにつきましては、現在458種が指定されているというものでございます。また、そうした規制だけではなくて、生息地の保護のための生息地等保護区を指定する、あるいは積極的に保護増殖事業を行う、また動植物園と連携して保護増殖を進めると、そういったものが法律上、位置づけられているということになってございます。
種の保存法自体は、平成4年につくられた法律でございますけれども、その後、何回か法改正が行われております。一番下の平成25年のところで言いますと、罰則の引上げですとか、広告に関する規制の強化等が行われております。
その次のページが直近の平成29年の改正でございます。改正内容はこのときもかなり大きく変えておりまして、一つ目が下半分に書かれておりますけれども、特定第二種という種指定の制度をつくりました。これは、二次的自然に生息するような生物とかで、一定程度、例えばですけれども、子どもたちが自然に触れ合うような一環で捕まえたりするようなことは規制の対象外だけれども、商売目的で捕獲するような場合には規制の対象になると、そういうふうな種指定の分類をつくったものでございます。
また二つ目では、希少種の保護増殖について、動植物園の果たしてくださっている役割が非常に大きいということで、そうした動植物園を認定する制度をつくりました。
それから三つ目でございますけれども、国際希少種の個体の登録について、個体識別措置としてマイクロチップを埋め込んだりすることを法律上義務づけたり、あるいは、象牙の事業について届出制だったものを登録制とするというような改正が行われました。
そのほかにも、国内希少種を指定するに当たっての国民からの提案制度を設けたり、種指定等を検討するに当たっての科学委員会を法律上位置づけて新設すると、そういった改正がございました。
次のページが、平成29年の法改正以降、現時点までどういうふうに運用してきたかということでございます。
一つ目が、先ほど申しました特定第二種国内希少種ですが、小型サンショウウオ類とか水生昆虫など、これまでに40種を指定しているところでございます。また、その下でございますけれども、こうした種指定に当たっての国民からの提案募集でございますが、制度ができてから71種について提案があり、そのうち30種が実際に種指定に至ったというところでございます。
また、科学委員会につきましても、複数の分類群の専門家によって設置いたしまして、平成30年度以降、毎年開催しているところでございます。
また、一番下でございますが、認定希少種保全動植物園等でございますが、これまで27の園館がこの認定を受けて、希少種の保全にご協力をいただいております。
次に、一つ前でご説明したことと少しかぶりますけれども、これまでの検討、経緯を書いてございます。右下のほうに直近の在り方検討会の検討委員の名簿がございます。2行目にあります石井実先生にこの検討会の座長をお願いしておったんですけれども、非常に残念なことに、12月に急逝されまして、第2回からは石井信夫先生に座長を引き継いでいただいたというところでございます。
また、委員の中には、この野生生物小委員会にも所属している先生方がおられまして、中段の勢一先生、寺田先生、原先生のお三方はこの検討にも関わっていただいていたところでございます。
次のページが、その在り方検討会の報告書の概要でございます。
細かいところは、この後でさらにご説明していきますが、大きく分けますと、一つは二次的自然の環境保全等に民間企業を含む多様な主体との連携が求められていること。
それから、昨年の冬ぐらいから皆さんもご承知と思いますが、メガソーラーの関係が非常に大きな話題となったこともございました。政府としてもメガソーラー対策パッケージというのをつくっておるんですけれども、そうしたところでも言及された生息地の保全ですとか、あるいはバードストライクの問題とか、そういったものに対しても検討が必要じゃないかということが言われておりました。
こうしたことを踏まえて、大きく五つの方向性を打ち出してございます。
一つは、生息・生育の場の保全ですね。「種」だけではなくて生息地そのものをしっかり守っていこうということが一つ。
それから二つ目が、開発行為による影響の回避・低減ということで、一つ目の場の保全だけではなくて、保護区等ではないところで起こっている行為に対しても、もっといろいろと種の保存に関する措置がとれるようにしていこうということが一つ。
それから三つ目が、民間と連携した保全活動を推進していこうということ。
四つ目に、国と自治体との連携強化。
それから最後の五つ目が、譲渡し等規制の適正化と、そういった枠組みになってございます。
それでは、次からこの五つの方向性について、それぞれご説明していきたいと思います。
一つ目が、場の保全についてでございます。
背景といたしまして、国内希少種の指定の数が出ております。これまで法改正の度に国会の附帯決議で2020年までに300種、それから30年までに700種という指定が求められていたようなこともあり、先ほど申しました特定第二種ですとか、あるいは提案制度等を活用して指定種数を伸ばしてきたところでございます。現在、458種ということで、700種の目標まではまだ少し間があるというところでございます。
こうした希少種について、最新のレッドデータブックを基にして減少要因を分析したものでございます。何らかの開発行為が減少要因とされているものは、総数の約60%ということで、依然としてかなり大きいということがございますが、一方で、二つ目の上の括弧のところで書いてございますけれども、植生の遷移ですとか、いわゆる二次的自然の管理不足等が減少要因になっている種というのが、特に維管束植物で60%を超えているということで、そうした自然の管理不足というのも大きな問題だということが示されております。
次は、生息地等保護区の制度について、概要をご説明しているペーパーでございます。生息地等保護区の中には、2種類の区分がございまして、左側の管理地区というのが国立公園でいうところの特別地域みたいな、事前に様々な許可を取らないといろいろな行為ができませんよという地区。それから右側がもう少し緩い、事前に届出をすればできますよという、そういうふうな地区区分になってございます。なお、いずれの行為、許可、あるいは届出につきましても、必要があれば環境大臣からその行為を禁止したりというような制限、措置命令が出せるようになってございます。
この生息地等保護区ですけれども、現在まで10か所しか実は指定がされていません。直近の平成29年の法改正以降では、沖縄の久米島においてキクザトサワヘビの生息地等保護区が1個追加されております。その間にも、指定に向けて検討された案件は幾つもあるんですけれども、実際に指定が進まなかった理由といたしましては、情報が不足していて、いろいろある生息地のうち、どこが本当に重要なのかが分からなかったとか、あるいは、地権者が多くなっていて、同意取得等の手続面でうまく進まなかったとか、あるいは規制が2種類しかないものでございますから、種の生息状況等によっては、そうした規制が過度となりすぎるというようなことがあったというふうに分析しているところでございます。
次のページは、種の保存法以外の様々な保護制度、国立公園とか森林生態系保護地域とか、そうしたもの以外のエリアにどれぐらい絶滅危惧種がいるかということを分析した図になります。左下に色がついておりますけれども、いわゆる保護地区は、この色から抜かれております。つまり保護制度がかかっていないところにこれだけ、特に赤いところ、多くの絶滅危惧種が生息しているということで、そうしたところに対する手当というのが重要だということが示されてございます。
こうした状況を踏まえまして、場の保全に関する方向性でございますけれども、一つ目は希少種の情報をしっかりと収集・整備して、その上で、重要な生息地等をしっかりと把握しなさいということが一つ言われております。また、そうした情報の管理ですとか公開についても、ルールづくりが必要だということが言われました。
また、二つ目が、生息地等保護区の指定をさらに積極的に進めるという、そのために規制する行為等が柔軟に指定、設定できるようにするということも含めて、この保護区制度の在り方を検討すべきということが一つ。
それから三つ目に、生息地等保護区の指定や管理に対しての都道府県の関与の在り方等について、既存の取組ですとかニーズを踏まえて検討することが望ましいということが書いてございます。
それから最後に、指定事務についての円滑化、効率化も課題だということが言われました。
それから次が二つ目の大きな枠で、「開発行為等による希少種への著しい影響の回避・低減」でございます。
先ほどもちょっと触れましたけれども、風力発電へのバードストライクですとか、太陽光発電ですとか、開発行為による影響というものは非常に今でも多いところでございます。
また、そもそも希少種がどこに生息しているかという情報自体もあまりオープンにしていないところもございますので、開発事業者自身が、自分が開発しようとしているところに希少種がいるということに気づかないままに、非意図的に悪い影響が出てしまうというようなこともございます。
また三つ目のポツでございますけれども、現行法でも第35条に環境大臣が指導及び助言ができるという規定があるんですけれども、次にありますとおり、これについては強制力がないものになってございます。
下の表に、これまでのいろいろな開発行為、あるいは開発されたものの運用における希少種影響の主な事例というのが幾つか書いてございます。猛禽類ですとかサンショウウオ等、いろいろな生物に対する影響が事例として挙がってございます。
それから次のページでございますけれども、参考でございますが、先ほどちょっと触れました、政府としてのメガソーラーに対する対策パッケージというものを書いてございます。その中で、種の保存法についてもちょっと触れられておりまして、下のほうになりますが、一つは生息地等保護区の設定を推進するということ。もう一つが、希少種保全に影響を与える開発行為について、事業者に対応を求める際の実効性を担保するための措置等について検討する、といったことがこのパッケージの中でも書かれていたところでございます。
こうしたことを踏まえまして、この二つ目の議題につきましては、一つが希少種情報の公開・提供の検討。先ほどの一つ目のところで申しました、いろいろな希少種の情報を集める、その集めた情報を、いろいろルールをつくった上で公開できるものは公開する、あるいは、事業者に対して配慮を促すために提供するような方法を検討すべきというようなことがございました。
また二つ目が、第35条に基づく助言・指導を実施する際の考え方とか要件、そういったものを整理することで効果的に同規定を運用しなさいということが二つ目。
それから三つ目が、それに加えまして、特に保護増殖事業のように国が積極的に保護の取組をしているような種に対しては、大きな影響が出ている際には、より実効性のある措置を求めることについて、必要な対応を検討すべきというようなことが書かれていたところでございます。
それから三つ目の観点が、民間と連携した保全活動の推進でございます。
2022年に昆明・モントリオール生物多様性枠組というのができておりますけれども、その中でもネイチャーポジティブ、生物多様性の劣化を止めて回復させるということが世界目標になってございます。これは我が国の生物多様性国家戦略の中でも目標になっております。
そうしたところで、生息域の内外、いわゆる自然環境と飼育下の両方において保全を進めていく上で、地方公共団体ですとか民間の企業・団体による取組というのが必要不可欠な状況でございます。種の保存法にも、これまでもそうした協力に関する規定というのはあるわけでございますけれども、それを積極的に活用、あるいは運用の改善等を行いながら、さらに進めていく必要があるということでございます。
特に先ほどもちょっと触れましたけれども、いわゆる二次的環境、里地里山等、そうしたところに住んでいる希少種、絶滅危惧種というのが我が国においては非常に多いわけでございますけれども、そうしたところというのは、単純に開発規制をかければ守れるというわけではなくて、積極的に生息環境を維持向上させる取組を継続的に行っていくことが必要になります。そうした意味では、行政だけでは手が回らず、民間団体等、あるいは大学とか、そういったところともしっかりと連携、支援が必要ということでございます。
一方、そうした中で、実際の取組で種の保存法の手続が大変ということで、支障になっているような事例というのも実は幾つかあるというところでございます。
下半分でございますけれども、環境省としてそうした取組を支援する交付金事業ですとか、あるいは、それと関係しない民間団体の自発的な取組というのもたくさん全国で行われておりますが、先ほど申しましたように、こうした自主的な取組をすることに対して、種の保存法上、一つ一つ毎回、許可を取らなければいけないというような現状がございます。
次のページにつきましては、認定希少種保全動植物園等ということで、平成29年の法改正で入ったものでございます。左のグラフに出ておりますように、現在まで27の園館ということで、徐々に徐々に伸びているところではございます。
一方で、その下半分に書いてございますけれども、実際に希少種を飼育している動植物園は100近くあるということですので、この制度に乗っかってきているものはまだ少ない。もう少し伸ばしていく必要があるというふうに考えております。
この制度の課題につきまして、実際、この認定を受けるに当たって非常に多くの書類が必要であったり、あるいは法律の規定上、毎年の報告に加えて5年ごとにこの認定が更新されるといった手続があるということで、動植物園側に対して相当の事務負担がある、また、重複感もあるということで、認定後の手続等について合理化していく必要があるというようなことが指摘されております。
こうしたことから、民間との連携を進めていくためには、一つは民間による場の維持・保全、あるいは管理に対する活動について、規制的手法ではなくて、民間側で作っていただいた計画等を国で認定する等、各種の維持・管理活動を促進していくための仕組みを検討することが必要なのではないかということが一つ。
それからもう一つが、動植物園に対しては、その公的な機能についてさらなる明確化、あるいは社会的な認知の向上につながるような取組を進めていくべきではないかということが一つ。
それから先ほど申しました、各動植物園等が現状行っている更新制度等、制度上の重複感があるものですから、そうしたものについては合理化、具体的に言うと更新制度等を廃止するとか、そういったことが必要なのではないかということが言われております。
また、三つ目の点でございますけれども、複数の動植物園、特に動物園が多いんですけれども、連携して種の保存に取り組んでいる、血統の管理とか、そういった中で繁殖個体をお互いに融通し合うということが非常に多いんですけれども、そうした場合につきまして、規制の適用除外等が円滑に行われるような合理化の仕組みというのも検討してはどうかというようなことが言われております。
四つ目の点でございます。「希少種保全に係る国と自治体との連携強化について」です。
国における種の保存法につきましては、先ほど来、ご説明したとおりですけれども、実はそれとは別に、各地方公共団体、都道府県等で条例を設けて種の保存に取り組んでいただいている事例というのがかなり多くございます。左側に書いてございますけれども、36の都道府県で種の保存、あるいは類似した条例がございまして、捕獲等の禁止は36の全て。また、35では生息地等保護区に類似した制度。さらに、保護増殖事業に類似した制度というのも32の都道府県で作られております。また、それぞれの制度もかなり積極的に運用されているという実態がございます。
そうした背景の中で、環境省のほうから各都道府県あるいは市町村等に、種の保存法においてそうした条例を位置づけるようなことはどうかという話を、アンケートを取ってございます。その段階では、約半数の52%の自治体から保存法上に条例に関する根拠を持たせるべき、あるいは条件次第では持たせるべきというような回答をいただいておりました。主な理由としては、予算や人員確保の根拠ですとか、あるいは政策実施についての根拠、あるいは条例の正当性の強化のためというようなことがございました。
またそれに加えまして、下半分でございますけれども、アンケートに加えて個別のヒアリングも行ったところでございます。その中で、より具体にお話を伺っていく中では、先ほどアンケートでいただいた意見のように、法律上、条例を位置づけるということについて評価するようなご意見もあった一方で、新たな業務負担になるのではないかとか、あるいは、これまで都道府県等で独自に取り組んできたことについて影響が出てしまうのではないか、ブレーキが逆にかかってしまう、制度上のコンフリクトが起こるのではないかというような、そういうことを懸念する意見というのもあったところでございます。
そのほかに、一番下のところでございますけれども、その条例と法律上の話のほかに出た話といたしましては、国で保護増殖事業を作っていない種の保存法に基づく国内希少種について、保護増殖事業計画が未策定の場合、それについて自治体が保全の取組をしようとすると個別の許可の手続を取らなければいけないということで、それが負担になっているというような声がございました。
そうした状況を踏まえまして、国と自治体との連携については、一つ目は、まずは国が優先的に実施すべき取組というのをしっかりとその範囲とか内容、あるいは考え方というのを具体的に整理する必要があるというふうに、整理されております。
また、二つ目でございますけれども、国と自治体との連携強化の在り方としては、国としては国全体、全国的な観点でその必要性を判断しているわけでございますけれども、一方で、地域的に保全の優先順位が高い種というのもあるわけでございまして、そうした種については、自治体の判断で保護区の設定ですとか、あるいは、環境整備等に取り組みやすくなるような仕組みというのも検討してはどうかということが一つございました。
また、二つ目のポツでございますけれども、そうした自治体の取組を法律上、位置づける必要性、あるいは条例と法律との関係については検討することが望ましいとした上で、そうした検討に際しては、しっかりと国と自治体で連絡・調整の場を設けることが重要であるというふうに考えました。
これは、実は種の保存法については、これまで都道府県の業務というのが明確に位置づけられていなかったところもございまして、そういう意味で鳥獣保護管理法とか自然公園法のような国と自治体との連携というのが、やや不足しているところがあるということで、こういうふうに書かれたものでございます。
それから最後の五つ目の観点でございますが、「希少種に係る譲渡し等規制の適正化について」でございます。
国際希少種の譲渡し等の規制につきましては、そうした譲渡しや販売目的の陳列等が原則禁止されているということでございますが、例えば、ワシントン条約における規制種というのはしょっちゅう見直しで新しい種が追加されて、国内における国際種の規制対象種というのも次々に追加されています。
そうした中では、規制がかかる前に取得された個体がたくさん国内で飼われているということがあるんですけれども、そうした個体を譲り渡す際には、個体の登録というのを行わなければいけないということに、この制度上なってございます。
一方で、左の表にいろいろな種の名前が書いてありますけれども、特に、長寿命のオウムやインコ、あるいは、リクガメのようなペットにつきましては、規制がかかる前からずっと飼われてきた個体というのがかなりいるんですけれども、そうしたものの飼養者がお亡くなりになったり、あるいは入院したりというような、やむを得ない事情の中で、個体を適正に飼育するために一時的な預かりですとか、譲渡し等をしなければいけないというような状況が発生しています。
しかしながら、現時点ではあまりその辺りのことがはっきりと手続上決まっていない。先ほど申しましたように、そうした譲渡し等をする際には、個体の登録をしなければいけないというようなことが決まっているということでございます。
また、そうしたやむを得ない事情というのが、今後、高齢化社会等の進展によって、さらに増えてくるのではないかということが懸念されるというところでございます。
右下のほうにどんなことがあるかということでございますけれども、一つ目は病院とか介護施設に飼い主さんが入ってしまう。二つ目では出張とか飼い主が海外に出てしまう、一時的に不在となるときに預かりをしなければいけない。三つ目といたしましては、高齢になられたりあるいは認知機能の低下等によって、身辺整理のために行われると、そういったようなパターンがあります。
もう一つの話が、個体識別の措置に係るものでございます。先ほど申しましたように、国際希少種の管理については、個体識別の措置が義務づけられているんですけれども、一方で、この希少種の種類、分類群によっては、技術的にそうしたことが困難であるもの、あるいは分類群、あるいは種としてはできるんだけれども、個体のサイズですとか老齢である等の事情によって、実際にマイクロチップを挿入するのが難しいというような、そういうふうな場合がございます。
そうした状況を踏まえまして、下半分にありますように、代替手段、AIによる画像識別ですとかDNA等、いろいろな手段でもって個体識別ができないかというようなことを検討しているところでございますけれども、現時点では、ここに挙がっているような各手法について、まだまだ課題があって、現時点での導入は難しいというふうに考えているところでございます。
それから象牙についてでございます。平成29年の前回法改正で、象牙を取り扱う事業者について、登録制・更新制に移行するとともに、かなり管理の強化が行われているところでございます。そうしたこともあって、下のグラフに全形牙の登録の状況ですとか、あるいは右側が登録事業者の推移でございますけれども、前回の法改正以降、かなりその数が減っているという状況でございます。
一方で、その減少要因につきましては、十分に明らかになっていないようなところもございますし、一番下に書いてございますけれども、現時点でも表示義務の遵守がされていない案件ですとか、あるいは規制対象でない大きさまで象牙をカットしてしまうというような事案も確認されているところでございます。
こうした状況を踏まえまして、今後、必要な論点ということでございますけれども、一つ目は、そうしたやむを得ない事情によってペット流通種を譲渡ししなければいけない場合につきまして、その許可制度上の運用上の対応を検討する必要があるということが一つございます。
また、個体の識別につきましては、先ほど申しましたように、いろいろな代替措置を検討しているところでございますけれども、今後も種、または個体の特性に応じて、その取扱いを検討することが必要だということが書かれております。
また、三つ目の象牙に関してですけども、まずは象牙の流通の実態ですとか、あるいは違反事例の実態等について、把握・分析を進めるとともに、そうしたことによって国内の流通管理、それからゾウの保全への寄与、その両面から現行制度の実効性を検証する必要があると、そういうふうな整理がされていたところでございます。
ちょっと駆け足でございましたけれども、これまでの在り方検討会等で議論されてきた方向性につきまして、ご説明させていただきました。
【小泉委員長】 ありがとうございます。
五つの論点について、検討を行ってこられたということですが、委員の方々の中には、この検討会に参加されている方もいらっしゃいますけれども、多くの委員の方は今回が初めてとなりますので、今回の五つの観点について、今ご説明いただいた内容が理解しにくかったというようなご質問も含めていただきたいとも思いますし、さらに五つの論点に絞ってはいるんですけれども、そのほかにこういった視点が必要なのではないかというようなご意見も含めていただきたいと思います。
それでは、冒頭でご説明しましたように、会場にいらっしゃる委員は、名札を立ててご意見をいただきたいと思います。それからWebでご参加の委員に関しては、挙手ボタンで合図をいただければというふうに思います。
いかがでしょうか。それではお願いします。
【桝委員】 分かりやすいご説明ありがとうございます。委員の桝太一です。
ちょっと質問も込みで伺えればと思うんですけれども、3番の民間等と連携した保全活動の推進についてで、民間の団体による自発的な取組に対して、種の保存法の許可手続がかえって障壁になっているんじゃないかという話があったと思うんですけれども、これは一つの質問でもありますが、必ずしもこれが悪いことかどうかというのは、私はちょっと聞いていて判断がつかなくて。というのも、把握されている自発的な取組28件とありますが、大変言い方はよろしくないんですけれども、もしかすると、科学的知見からすると、やや誤った取組であったりとか、アドバイスが必要な取組が入っているとすれば、そのフィルターとしての機能を、この種の保存法の手続が果たしている部分があるのかなというふうに想像しました。検討会で既に議論済みかもしれませんけれども、この28件の自発的な取組で、言いづらいかもしれないですけれども、何らかのアドバイスが必要なような取組というのは含まれているのかどうか。逆にそうでないならば、この各取組、民間の取組の専門的なバックグラウンドはどのように担保されているのかなというふうなことをちょっと伺えればと思っております。
といいますのは、ネイチャーポジティブという言葉が今、広がっているのはすごくいいことなんですけれども、どうしても民間において、意図せず、悪気なくやや誤った取組が出てきてしまうというのもよくあることですし、得てして、すみません、メディアもそういう報道しがちで、それを見て、こういうことができるんだと思って横にどんどん広がっていくという、よくも悪くもそういう傾向があることはメディアにいてよく感じておりますので、そこについて、もし、お答えいただける範囲で、差し支えない範囲で、ざらつかない範囲で、お答えいただければと思っております。
【北橋希少種保全推進室長】 ありがとうございます。では、北橋のほうからお答えいたします。
実際にどの事例に不適切な点があるかというのは、ちょっと今お答えできるような材料は持っていないんですけれども、基本的に、今、議論になっている種の保存法上の取扱いを、障壁になっている部分は取り払おうという議論というのは、何もかもフリーにしてしまうということではなくて、ちょっと書いてございますけれども、計画を認定するとか、あるいは認定という手続自体がそうなるかどうかはともかくとして、こんな形で課題解決なりをしていきたいというような、その計画を認めると。民間のいい取組だからフリーではなくて、その計画自体はちゃんと環境省のほうで審査した上で手続等を簡素にしていこうと、そういったことを考えているのが一つでございます。
またもう一つ、全般的な話でございますけれども、やはり生物多様性保全の取組というのは、地域によって、あるいは種によって必要となる配慮事項というのは全然違ってくるものでございますから、やはり個別の地域で何か具体的なことをやっていこうとする際には、適切な専門家の関与というのは非常に重要だというふうに思っております。国でやる場合には、なんらかの検討会とか、そういった形で必ず専門家の先生に関わっていただいているんですけれども、似たような形でやはり民間での取組についても、適切な有識者の関与というのは必要であろうというふうに思っております。
【桝委員】 ありがとうございます。よく分かりました。
取り払うべき障壁と、取り払わなくてもいい障壁というのがあると思いましたので、ぜひ、前向きな検討をお願いします。
【小泉委員長】 よろしいですか。
それでは、岩井委員お願いします。
【岩井委員】 ご説明ありがとうございました。
ほぼ質問なんですけれども、まず10ページ目にあった指定数の目標というところなんですけれど、素人的に考えると指定する数が先に決められているというのはどういうことなんだろうなというのがちょっと分からなかったので、教えていただきたいなと思います。
【北橋希少種保全推進室長】 これにつきましては、環境省が決めたというよりは、いろいろな外部からの要望などを受けて、国会で議論する中で、国会議員の中からこういう目標を立てるということで、附帯決議をされているというのが流れではあるんですけれども、考え方としては、やはりレッドリストで非常に多くの種、4,000種近い種が絶滅危惧種となっている中で、いわゆる法律上の規制がかかっている種がまだまだ少ないと、もっとそこは積極的に増やしていくべきだというような議論があって、こうした目標が立てられたところでございます。
ただ、一方で、今回のいろいろな検討をしていく中でも有識者の方、あるいは保全団体等からも意見を伺っているんですけれども、その中では、種の指定につきましては、大分増えてきたという中で、捕獲が減少要因というよりは、やはり生息地そのものの破壊ですとか、環境の悪化というものが影響が大きいという中で、これまでのように種の指定というよりも、場の保全のほうにより注力していくべきではないかというようなご意見を多くいただいているところでございます。
【岩井委員】 ありがとうございます。
多分、その種を指定しなくてはいけない原因というのが先にあって、指定する基準を満たしているか、満たしていない種があるから指定しなくてはいけないという流れがあるのかなと思ったので、そちらのほうがその現状を見て必要性から指定するという意味では、一般には分かりやすいのかなという気がしました。
それから、指定をされたことによって、前後で効果が出ている、出ていないというのを実際に見ておられるのか、見ておられるとしたらそれはどんなものだったのかも教えていただきたいです。
【北橋希少種保全推進室長】 ありがとうございます。
種指定、あるいは、種の指定そのものなのか、保護増殖事業を行ったことなのかという効果自体につきましては、検証を何回か行ったことがございます。
特に捕獲が大きな減少要因であったものについては、種指定によって規制をかけること自体が、いわゆる改善についての減少を食い止める要因になっているものもあるんですけれども、一方で、やはりほとんどの種については、それだけでは不足していて、実際に回復に乗せようと思うと、積極的な保護増殖事業ですね、生息環境そのものをよくするような取組というのをしなければいけないというようなものがございます。
先ほど申しました成果の評価ですけれども、特に鳥の類ですと、古くから保護増殖事業に力を入れてきた種、例を挙げますと、タンチョウですとかシマフクロウ、オジロワシ、それからアホウドリですとかヤンバルクイナ、あるいはアマミノクロウサギ、減少要因となっていた外来種の駆除を進めることで数が増えているものですとか、あるいは給餌とか環境整備によって生息範囲を増やしてきたもの、あるいはシマフクロウのように、営巣の人工の巣をいっぱいつくることで分布域が広がってきたものとか、かなり成果の出ているものも多いんですけれども、一方で、草原性の昆虫とか、なかなかこれまでの取組が成果につながっていない種というのもあると、分類群によって効果の出ているものと出ていないものがあるなということは、これまでの調査で見えてきているところです。やはり個々の種の取組をより効果を上げていくためには、さらにしっかりと見ていかなければいけないなというふうにも思っているところでございます。
【小泉委員長】 よろしいですか。
それでは、水田委員お願いします。
【水田委員】 水田です。ご説明ありがとうございました。
生息地等保護区についてお聞きします。これは恐らく国立公園の指定よりもハードルが低くて、かつピンポイントで希少種の保全を行えるということで、非常に有効な対策だと思いますが、にもかかわらずあまり進んでいないということが書かれています。
その指定が進まなかった理由として、三つほど挙げられていますけれども、まず一つ目、希少種情報の不足、これはもちろん重要なんですけど、最優先すべきところのみを指定する必要はなくて、必要なところがあればどんどん指定していけばいい、情報が多少不足していても、重要だと思われるところは指定していったらいいのかなと思いました。
ただ、それができない理由として、地権者の同意の取得が困難であるとか、規制が過度になりすぎるというところはあると思います。そこを解決するには、制度自体を少し変えていく必要というのがあるのかなと思います。もう少し規制を緩くするとか、認定制度みたいに5年間とかで更新があるのかどうか分かりませんけれども、そこのハードルを低くするとか、そういうことができればいいのかなと思いました。
今、管理地区と監視地区という二つの区分けがありますが、もう少しハードルの低いような指定の仕方もできないのかなというのを思いました。法律自体を変えていくのは難しいと思いますが、そういうところも検討していければいいのかなと思いました。
以上です。
【北橋希少種保全推進室長】 ありがとうございます。
実際、希少種の住んでいるところ、いわゆる原生的な環境ですとか、国立公園になっていて、あるいは鳥獣につきましては、鳥獣保護区というかなり大きな面積でいろいろなパターンで保全をかけているような保護区もございます。
また近年では、自然共生サイトとか、いわゆる法規制ではないんだけれども、そういう生息地を保全していく取組というのもいろいろな形でできているところでございますので、必ずしも、この種の保存法だけでやる話ではなくて、いろいろな組み合わせだと思います。
先ほど私も二次的自然の重要性というのを言わせていただきましたけど、そうした二次的自然を現状の生息地等保護区の制度で指定すると、様々な管理行為というのがかなりやりにくくなってしまうというようなことがございますので、ご指摘のあったような、どういう規制がその場所その場所で必要なのかというようなことをうまく適用できるような、そういうふうな制度というのも考えていきたいなというふうに思っているところでございます。ありがとうございます。
【水田委員】 ありがとうございます。
【小泉委員長】 それでは、Webからご参加の森本委員、宮本委員、平井委員の順でお願いいたします。
【森本委員】 森本です。ご説明ありがとうございました。今の生息地等保護区に関連する質問です。
私も先ほどの委員のご意見に賛成です。さらに、もしかしたらご回答の中でおっしゃっていたのかもしれませんが、15ページ目で「生息地等保護区の指定推進、さらなる検討」について、もう少し具体的なアイデアが出されていたのであれば知りたいと思いました。
というのは、種そのものの保全も大事だが、その場の保全にシフトしていくべきだという意見を踏まえての改正をこれから考えていくという説明があった一方、場の保全に関わるところはここぐらいしかないのではないかと思われるためです。具体的にどういったことを考えられているのかというのを、現状のアイデアをお伺いしたいです。お願いします。
【北橋希少種保全推進室長】 ありがとうございます。
実際、これまで議論してきた中で出ておりますのは、先ほど申しましたように生息地等保護区の種類には、厳しい管理地区とちょっと緩めの監視地区と、二つになっているんですが、いずれにおいても規制されている行為自体というのは全く同じ、例えば、木竹の伐採ですとか、建築物を建てるとか、そういった規制されている行為自体は一律担っているところでございます。
一方で、この生息地等保護区というのは、個別のある種についての保護区を指定するということになっているんですけれども、例えば、その指定する目的の種が小型のサンショウウオについての保護区なのか、あるいは魚についての保護区なのか、鳥についての保護区なのか、そうした目的とする希少種によって規制されるべき行為というのは違ってきてもいいんじゃないか。あるいは、二次的自然に住んでいる種では、逆に火入れとか木竹の伐採は非常に積極的にやってもらわないと困るような種というのもあるわけで、そうしたところの保護区をかけたときに、逆にそれに手続が必要になってしまうというのは本末転倒ですので、そうした指定の目的、あるいは対象とする種によって規制行為が違うということもあり得るのではないかと、そんなふうな議論をしているところでございます。
【森本委員】 なるほど、よく分かりました。
先ほどの回答に、自然共生サイトとの連携というお話もありましたよね。この生息地等保護区を使いやすく運用していくという取組はもちろん大事だと思うんですけれども、ほかの既にある法制度との連携というのを、具体的にどうしていくというような話はまだ出ていないという話ですか。
【北橋希少種保全推進室長】 そうですね。まず一つ目は、この生息地等保護区をどういったところに指定しようかということを検討する作業ですね。
先ほどの資料ですと場の保全の取組の中で総点検ということをちょっと書いておりますけれども、希少種の生息地、重要な生息地をいろいろなデータを集めて見るということに加えまして、その重要な生息地というのが、ほかのいろいろな法制度とか、あるいは共生サイトで指定されているのか、あるいは、その場所の状況を踏まえると、実は種の保存法の保護区にするよりも、そういった共生サイトでやるほうが適している場合なんかもあると思いますので、そういったことを分析するようなことをやっていきたいなと思っているのが一つございます。
また、実際、保護区規制はかなり当たり前ですけれども、法律上その土地に規制をかけてしまうということで厳しいわけでございますけれども、一方、自然共生サイトはより緩く、法規制ではないんですが、自主的な地権者等の取組でもってやっていこうというものでもございますので、まずそういったところで裾野を広げた上で、地権者さんの同意が、これいいねという話になったら保護区にも考えるとか、そういったこともあり得るのかなと思っております。
【森本委員】 分かりました。ありがとうございました。
【小泉委員長】 それでは、宮本委員、お願いします。
【宮本委員】 発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。
コメントが2件ございます。一つは、15ページなんですけれども、希少種の情報の収集・整備とか、その生育地を把握するということで、これには非常に人手がかかることかなと思うんですが、大都市圏ではそんなことはないのかもしれませんけれども、私は鹿児島におりますと、特に若手の人材で、現場を歩いて調査ができるというような人が不足しているという現状がございます。
例えば、野生動植物の保護推進員さんが非常に高齢化している、それで後継者がいない。あるいは、環境コンサルタントの会社等でもなかなか現場を歩ける若手の確保ができない。あるいは、自治体の有識者会議でその専門家という方々を探すんですけれども、なかなかそこも高齢化してきていて、後継者がなかなか見つからないというようなことがございます。
ちょっと間接的にはなるんですけれども、情報収集ということにおいて若手の、特に現場を歩ける人材の養成をするような何らかの仕組みがないと若年層がいなくなる、人数が減る、あるいは、地方から大都市圏に若い人が流出してしまうというような現状がある以上は、何らかの方策を講じる必要があるのではないかというふうに考えております。
その前の14ページ、2点目は今のお話とも関係してくるんですけれども、これは保護区外の絶滅危惧種の分布状況図ということで、あまりこれまでなかなかいろいろなところで拝見する機会のなかった図で、極めて重要な内容かと思います。
ただ、これをつくるに当たって、どの程度の精度があるのかというのが若干、危惧があります。
それは、例えば、鹿児島県におきましても、屋久島とか奄美群島では、世界自然遺産関係で詳細な調査が行われたことによって、保護区、それから保護区外のいろいろな動植物の分布状況というのは極めて精度が高く、明らかになってきたわけですけれども、それ以外の九州島側の各市町村では、その市町村にどういう動植物がいるのかというベースの情報すら数十年前のものしかありませんとか、あるいは非常にアバウトなものしかありませんというようなことがございますので、こういう図というのは、ある意味、野生動植物に関するハザードマップみたいなもので、全国版でポータルサイトみたいなものがあればすばらしいなとは思うんですけれども、なかなか精度を高くこういう図をつくっていくということも人材の面、それから経費の面で非常に難しいのではないかというふうに思いますので、人材の育成、それから予算の確保というようなことを国主導で、ぜひ、お願いしたいというふうに考えます。
以上でございます。
【北橋希少種保全推進室長】 ありがとうございます。
今、ご指摘いただいて、本当に我々も日々大きな課題だなと思っております。
実は今日、種の保存法の話をしておりますけれども、その前段となるレッドリストの作成も全国の、本当に鳥、獣から蘚苔類ですとか、本当にいろいろな全分類群の、いろいろな専門家の方々にご協力いただいてレッドリストをつくっているんですけれども、毎回、第何次レッドリストという更新作業に行く度に、専門家のご協力をいただく人数を確保するのが難しい状況になっております。これは種の保存法の観点だけではなく、こういう生物に関する分類学、あるいは現地の作業を行うような専門家の方を、後継をどう確保していくかというのは、非常に大きな課題だなというふうに思っております。なかなか、我々が頑張っただけでは確保できない、それこそ文科省とか大学等の在り方とも関係してくるところだと思いますが、非常に大きな課題だというふうに我々も認識しております。ありがとうございます。
あと、もう一方の水生生物の分布情報のものがございますけれども、今回、お示ししているのも、実は、いわゆるメッシュの中にいる、いないというデータがほとんどでございます。
ですので、まさにご指摘いただいたように、ピンポイントの情報というのがしっかり集まっている種というのは、やはりまだまだ不足していて、しっかりとした保全計画を立てるという意味でも、今まで以上に、そうした情報というのは集めるように努力していきたいというふうに思っております。予算要求等を踏まえて、頑張っていきたいと思います。ありがとうございます。
【小泉委員長】 よろしいでしょうか。
それでは、平井委員、続きまして八代田委員、三谷委員、白山委員の順でお願いいたします。
【平井委員】 ご説明ありがとうございました。
生息域外保全の認定希少種保全動植物園等の部分について、お聞きしたいんですけれど、認定の書類が煩雑で大量の書類に加えて5年ごとの更新ということで、それが面倒なので、少ないのではないかというところはもっともかなと思うところなんですけれど、この書類の手続をなくすだけで、そんなにメリットを感じるだろうかというところがちょっと疑問に思いました。
種の保存法の手続自体も、最初の1回目は多分、煩雑だとは思うんですけれど、同じ取引を行うのでしたら、2回目以降はそれほど書類に手もかからないと思いますし、資料にも認定のメリットが見えにくいというところがあったと思うんですけれど、例えば、認定されたところは助成が受けられやすいとか、ほかのメリットを付与するというところが検討されているのかというところが1点。
もう一つは、その認定のメリットの中に、生息域外保全の連携とか、普及啓発の面が環境省側としてはあるとは思うんですけれど、それを本当に推進したいのでしたら、認定されたところが飼育なり域外保全をできるようにするという考え方に変えるというのもありなのではないかなというふうに思ったんですけれど、当初の域外保全の際は、私の記憶では、たしか、日動水に加盟しているところのみが受けられるというようなこともあったかと思うんですけれど、本当にそうやって認定箇所を増やすという観点だけを見るのだったら、そういう認定されたところが行うという制度にしてもいいのではないかなというふうにちょっとは思ったんですけど、そういう議論はなかったのかというところの2点について、お聞かせいただければと思います。よろしくお願いします。
【北橋希少種保全推進室長】 ありがとうございます。
まず一つ目ですけれども、本当におっしゃるとおりで、今、ここでは法制度のところで言っているので、認定園を進めていく、域外保全を積極的に進めていく際に、支障となっている法律上の手続というのは下げていきましょうねということを、ここで書かせていただいておりますけれども、より重要なのは、認定園になりたいと思っていただけるメリットというのを積極的に出していくということのほうが、実態上はより重要なのかなと思っております。
在り方検討会の中でも、そういう議論はございましたし、もっと言えば、環境省と日動水、あるいは植物園協会は、それぞれ協定を結んで域外保全を一緒にやっていきましょうということをやっておるんですけれども、そうした連絡会議の中でも、こういった認定園制度に参加しているということが、お客さんを集めることですとか、そういった動物園・植物園の存在意義みたいなことを社会的に打ち出していく中で、より、いいアピールポイントになるように、環境省のほうでもいろいろと一緒になって取組を進めていく必要があるねということで、ちょっといろいろな方策を考えていきましょうねということは言っているところでございます。
また、予算面でも現状、認定動植物園になっていただいているところには多少なり、予算的な措置も用意はしているんですけれども、あまり大きなものではないということもありますので、もっと金銭的なところを新しい確保手段というのもないかというところも同時並行で検討しているところでございます。
それから、二つ目の点でございますけれども、認定動植物園だけにするというようなことも、今から飼育しているところを絞るような方策というのはあまり取りたくないところではあるんですが、今、議論している中では、例えば、これまでは動植物園ごとに認定動植物園という名前でございますので、個別の園館そのものを認定するという仕組みだったんですけれども、複数の園館が連携して取り組んでいくときに、例えば、認定動植物園同士であれば、今までも手続が緩和されているんですけれども、認定動植物園と今、認定動植物になっていないところがやり取りしようとする際に、その種のやり取りについての取組を認めるというようなこともできないか、というようなことを検討したりしております。
【平井委員】 ありがとうございます。
ちょっとメリットを増やすような方策と、あと加盟のしやすさと勧誘というか、進めていただくというところを強化していただければ、いい方向に進むのではないかなと思いました。ありがとうございました。
【小泉委員長】 よろしいですか。それでは、八代田委員、お願いします。
【八代田委員】 八代田です。ご説明ありがとうございました。
私からは、開発行為に関する影響についてのところでご質問があります。
ご説明の中で、事業者に対して助言・指導しているというところで、これまでもしていたということですけれども、指導に従わなくても、履行を促すものがいないということで実効性を担保する、そういった措置も検討するというご説明がありましたけれども、具体的に指導に従わないという場合、あるいは開発行為が甚大な悪影響があるというふうに想定される場合は禁止を求めることができる、許可をしないというような選択もあり得るのかというところをお聞かせいただきたいです。
もう一点は、開発する団体に対して、影響を最小限にとどめて開発を進めた後のことなんですけれども、18枚目のスライドにもございますように、上のイラストのような形で現地開発をした後に、大雨や豪雨などで土砂災害が起こる可能性がその後に出てくることもあるかと思います。そういった経時的な変化についても、きちんと追跡をして、もし、こういった環境に悪影響があるというようなことが想定される状態になった場合、開発当時はなかったとしても、もし、その後にそういった可能性が出てきた場合の措置について、お考えをお聞かせいただければと思います。よろしくお願いします。
【北橋希少種保全推進室長】 ありがとうございます。
まさにどこまでのことができるかというのは、我々も頭を悩ましているというか、まさにそこは調整していく中でいろいろと法律上の、法制度上の落としどころみたいなものは考えていかなければいけないなと思っているんですけれども、いずれにいたしましても、ご指摘のあったように事後、そもそも許可ではないので許可しないというのはないんですけれども、助言・指導、あるいはプラスアルファ、それがほかの法制度でよく似たようなものでいいますと、勧告ですとか命令ですとかあるんですけれども、こういった法制度上の仕組みというのは幅広くすれば薄くなるし、限定すれば強いことが言えるというものでございますので、いわゆる禁止行為についての許可に伴う命令でない場合に、どこまで強いことが言えるのかというのは、権利制限についての法律上の位置づけというものの中で、落としどころは今後探っていかなければいけないところではございます。
ちょっと今、どこまでができて何ができないかというのは明言しづらいんですが、いずれにいたしましても、今までの強制力についての書物が何もない助言・指導だけではなくて、もう少しプラスアルファのことは何とかやっていきたいなと思っているところでございます。
【小泉委員長】 よろしいですか。
それでは、三谷委員、白山委員、お願いします。
【三谷委員】 ありがとうございます。
14ページの先ほどからも出ているこのメッシュなんですけれども、海のほうと海洋生物のほうはどのぐらい入っているのかというのをちょっとお伺いしたかったんですけれども。
これは質問を全部言ってから答える形でしたか。
【北橋希少種保全推進室長】 恐らく、海は入っていなんじゃないかと思います。
【三谷委員】 環境省の定められている生物多様性の観点から、重要度の高い海域とか、せっかくやっているので、あとは世界自然遺産区域、国立公園区域もちょっとだけは海洋のほうも入っているとは思いますので、その辺りをもう少し海のほうにも広げていただければなというふうに思いました。
その関係もありまして、10ページの今後、絶滅危惧種の中で700種の指定が求められているということだったんですけれども、今のところ、国内希少野生動植物種の中には、漁獲対象種とかは入っていないように思えるんですけれども、それも入れていく予定なのでしょうか。検討していく予定でしょうか。
【北橋希少種保全推進室長】 海、あるいは海洋生物等について、もっと見ていくべきだという話は、実は前回の法改正のときにも附帯決議の中で指摘されております。
実は、レッドリストにつきましては、今、取り組んでいる第五次のレッドリストから水産庁と共同で、今まではレッドリストは陸のものは環境省、海のものは水産庁と分かれていたんですけれども、第五次からは一緒につくろうということで共同作業で、出来上がりの成果物はまだ公表されていないんですが、検討作業自体は水産庁と共同で行うというようなことで、海のことについてもしっかり見ていきたいなというふうには思っております。
ただ一方で、漁獲の対象種が種の保存法の対象になるというのは、なかなかちょっと運用上考えると難しかろうという気はするんですが、いわゆる、漁獲対象種であればそこは漁業資源の継続的な管理という意味で、水産庁さんが責任を持って行われるべきところであると思っておりますので、それ以外の捕獲等が禁止されるようなものにつきましては、必要に応じて我々としてもそこは進めていかなければいけないなと思っております。ありがとうございます。
【三谷委員】 ありがとうございます。
漁獲対象種を保全するのは水産庁かもしれないですけれども、その漁獲対象種がいる環境を守っていくというところまで水産庁がやるかどうかというのはまだ決まっていないと思いますし、海のことはある種、守るというよりは生態系そのものを守っていくということも必要になるかなと思いますので、藻場とかそういうところも合わせて、水産庁のほうも頑張ってほしいなと思いますけれども、環境省もぜひ一緒にやっていただきたいなというふうに思います。
あと、ここはちょっとお伺いしたかったんですけれども、21ページのところに取組の方向性というところがあって、分かりやすいなとは思うんですけれども、この中に研究機関はどこに入るのか、もう全体的に入る感じなんですか。研究機関というものが、ちゃんとどういうふうにこの中に入っていくのかというのが見えないなというふうに思うんですけれども。
【北橋希少種保全推進室長】 ありがとうございます。
少し前に戻りますけど、海の保全の話で、例えば、30by30という目標、陸の30%、海域の30%を保護区にしていこうというようなこともございますし、先ほど言及いただいたように、藻場の保全等につきましては環境省も積極的に取り組んでいるところですので、そういう意味では海のことは水産庁というそういう切り分けではなく、確かに漁獲対象種については水産庁ですけれども、海の保全自体には環境省としてもしっかりやっていきたいと思っております。
もう一つ、域内保全、域外保全の取組の中での研究機関の位置づけというお話がございました。一つは生息域外保全の中では、やはりいろいろな分子生物学とか、あるいは遺伝学とか、そういったことも含めて、非常に研究開発的なところもひっくるめたことが必要になってきますので、こうしたところには研究機関のご助力というのは非常に大きいと思っております。
一方で、生息域内保全のほうについても、やはり今度の場合は自然ではなくて環境そのものという不確実な相手になってきますので、先ほど桝委員からも保全活動には専門家の介入がというご指摘をいただいておりましたけれども、同様にこちらにつきましても、研究機関等と一緒になってやっていくということは必要不可欠だというふうに思っております。
【三谷委員】 ありがとうございます。
先ほど若手の育成という話もありましたけど、やはり若手の育成にも大学などがかなり重要な役割を果たしていると思いますので、きちんと種の保存の中でもどういうふうに研究機関が位置づけてあるのかというのを、環境省でもしっかりと位置づけていただいて若手の育成などにも、インセンティブが大学にもあるように、研究機関としても保全に関わっていることについてのインセンティブがあるような形じゃないと持続的じゃないなと私は思っていますので、ぜひ、お願いしたいなというふうに思っています。
あともう一つ、例えば、アホウドリは国内希少種に入っていると思うんですけども、その保全に関しては、繁殖地に関してしかやっていないんですか。採餌場所は海外になってしまうこともありますけれども、種の保全というものが例えば、アホウドリの保全に関わるとなったときには繁殖地、渡りをする、回遊をするような種については、どのような範囲でこれがかかっているのかというのを教えていただきたいんですけれども。
【北橋希少種保全推進室長】 実際、いわゆる保護増殖事業として我々がじかに手を出しているのは、ご指摘をいただいたように繁殖地である島のがけ崩れを止めたりですとか、そういったことをやっております。いわゆる餌場そのものを何とかするというのは難しいんですけども、一方で、いろいろな海鳥とか、あるいはほかの種でもいろいろあるんですけれども、混獲ですとか、あるいは漁業の中で死亡してしまうようなものを何とか防いでいきたいというような話は、いろいろと調整している事例はあるかなと思います。
すみません、ちょっと今アホウドリの個別の話で直接なかなか細かいことはお答えしかねるんですが、あとは、二国間渡り鳥条約もございますので、例えば、オオワシなどは日本に、釧路周辺に渡ってきますけども、繁殖はロシアだったりしますので、研究者のそれぞれの連携なんかもしながら、繁殖地であるロシアの環境を守るというようなことにも日本としても取り組んでおりますし、ほかの多くの渡り鳥でも似たような取組はされているところではございます。
【三谷委員】 ありがとうございました。
【小泉委員長】 それでは、白山委員、青野委員、勢一委員の順でお願いいたします。
【白山委員】 白山でございます。ご指名ありがとうございます。また、ご説明大変ありがとうございました。
先ほどの三谷委員のご指摘に近いところで幾つかコメント、質問等をさせていただきたいと思います。
海のことは、どうもほとんど指定にないなという強い印象を持っておりますが、先ほどのレッドリストの件がありましたが、レッドリストについては、海産生物のレッドリストというのが第五次の前に個別で発表されておりまして、そのときも水産庁が漁獲対象の魚類については担当すると。それ以外の生物については、環境省が担当して評価をしていました。第五次からは陸産の生物と全部一緒になってやろうということになっていて、そのうちの魚類の漁獲対象種を水産庁が評価しているというのが私の認識です。先ほどのご説明とちょっとそこのニュアンスが違うと思いますので、訂正させていただきたいと思っております。
そのレッドリストに多数の海産の、特に無脊椎の動物が指定されているわけですが、これに対して、大部分の減少要因は開発でありますので、生息域の保全というのが非常に重要になっているということになります。
一方、海産の生物の保全として、海洋保護区というか、あるいは重要海域というのが環境省のほうで指定しておりますけれども、それとの関係が今回の説明の中にあまり出てこない。やはり海洋保護区というのをきちんと活用して、開発行為の指定なり何なりをして、それで絶滅危惧種の保全に役立ててほしいなというふうに考えるわけです。
その場合、先ほど、いろいろと地権者というキーワードが出てくるんですけれども、海域については地権者という位置づけが非常にしっかりとできていないという、法律上の難しい問題があるようなんですが、そこに対して、やはり環境省として何らかの検討と答えを出す必要があるのではないかと思います。今回の種の保存法の改正に当たって、これを一つの好機と捉えて、海域に関する権限を持つものをどういうふうに整理するかということをしっかり検討していただけるとありがたいと思います。
今後、洋上風力発電とか、あるいは、海底鉱物資源の開発とか、大きな今までの一般的な埋立とか護岸工事とか、そういう開発行為とは大きく性格の異なる海洋の開発行為が目前に迫っている段階で、それをしっかりと考慮した上で、海洋の絶滅危惧種の保全に関する適切な整備ができるようにお願いしたいと思います。
以上です。
【北橋希少種保全推進室長】 ありがとうございます。非常に重要なご指摘かと思います。
確かに、これまでの種の保存法であまり海のところというのは十分な担保ができてないというところかと思いますけれども、一方で、そういう海洋のところを見た際に、それが個別の絶滅危惧種の保全の話なのか、あるいは、先ほども重要海域というお言葉も出てきましたけれども、いわゆる、重要な海域、あるいは生態系そのものとして保全すべきものかといった話で、総合的にいろいろと考えなければいけないのかなという気がいたしますので、また大きな宿題をいただいたと思っております。ありがとうございます。
【小泉委員長】 それでは、青野委員、勢一委員、お願いします。
【青野委員】 青野です。ご説明どうもありがとうございました。
希少種の生息・生育の場の保全に関して、開発とか、あるいは、その土地利用の放棄というのが非常に大きな保全を阻害する要因だと思うんですけども、現在、気候変動の影響というのもなかなか無視できないのではないかと思うんですが、そこに関するお考えをお聞かせいただければと思います。
そして13ページ、例えば、平成6年頃に指定された生息地等保護区ですと、もう30年以上たっていて、その中で生息地として保護区を指定した中で、かなりその場の状況が変化してきている、保護区として必ずしも最適ではないというような状況が、もしかしたらあるのかどうかというようなことを教えていただければと思います。よろしくお願いいたします。
【北橋希少種保全推進室長】 ありがとうございます。
実は、気候変動への適応という話は課題としては認識しております。ただ一方で、それが法律上どう位置づけられるかなという意味で言うと、法律そのものにそれを意識するというのはちょっと難しいかなという気はするんですが、一方で、例えば個別の種の保護増殖事業計画なんかを考える際には、気候変動の影響を受けやすい種とそうでない種とあるわけでございますけれども、その種の状況を踏まえて、気候変動、あるいは気温の上昇等が起こっている、あるいは今後、起こっていくであろうということを踏まえて、必要な対策というのは考えていく必要はあるだろうなというふうなご指摘は、これまでも受けているところでございます。
あとは、既存の保護区の生息状況で言いますと、例えばですけれども、石垣島のイシガキニイニイは、最近なかなかその生息状況がはっきり確認できてないというようなことがあったりするわけでございますが、そうしたものが気候変動の影響によるものかどうかというのは、正直なかなかよく分かっていなくて、もともとイシガキニイニイというのは非常に限定された部分にしか住んでいない生き物なものですから、一体全体、何が悪化要因なのかということが明確に、少なくとも過去から今ではなくて、今現在の悪化要因というのは、よく分からないままに生息状況がさらに悪化しているというようなこともあったりして、非常にその辺りは、なかなか難しいなと思ったりはするわけでございますけども、これは直接的に気候変動対応というわけではないんですが、例えば、高山帯に住むライチョウについては、直近でいうと中央アルプスで長らく個体群が消滅していたところに、人工繁殖をさせた、動物園のご協力を得て増やした個体を再導入して、非常にいい成果が上がっていたりしますので、そういった形で気候変動に対する適応というか、バッファが取れるような生息環境の整備というのをやってきている種もございます。
今後も、種によりけりだとは思いますが、気候変動で影響が心配される種については、そういったことも念頭に置きながら、今後の対応というのを考えていく必要はあるかなというふうに思っております。
【青野委員】 ありがとうございました。
【小泉委員長】 それでは、勢一委員お願いします。
【勢一委員】 ご説明ありがとうございます。勢一です。
私は検討会に携わっておりましたので、質問等は差し控えようと思っていたのですけれども、皆さんの議論を伺って、コメントだけさせていただければと思います。
各委員から、多くの的確なご指摘がたくさん出ました。その多くは、検討会でも議論があった部分と重なっているなと改めて思ったところがございます。検討会の議論と、その後の調整の過程で、必ずしも強く打ち出されていない論点もあるところかなと、改めて感じました。そういう点では、今日、皆様からご指摘があった部分については、事務局でぜひ積極的なご検討をお願いできればと思ったというところはございます。
大きく2点、コメントをさせてください。
1点目ですけれども、これもご指摘があったのですが、種の保存法はあるけれども、多くの種が今なお厳しい状況にあるというのが今回の検討でも明らかになりました。これは法による効果が不十分だというところもあるのですけれども、現状を見ますと、種の保存法だけでは対応できない実情が明らかになったという面もあろうかと思っています。そういう点では、関連する法律間での連携をどう考えていくかというのが、恐らく喫緊の課題に今なっているんだろうと認識をしています。
これは冒頭の局長さんのコメントにもありましたけれども、例えば、普通種の保護も大事ではないだろうかというような視点は、生物多様性保全との関連では種の保存法は協働できる部分だと思いますし、また多様な開発、例えば、メガソーラー対策パッケージの話も出ましたけれども、このような観点でいくと土地利用の管理調整をどうしていくかという論点、また生息地等保護区のみならず、多様な保護区や保護地域との関連ということでしたら、自然公園法、自然環境保全法など、少なくとも自然局所管の法令での協調もあり得るのではないかというところは重要かと思います。
直近で適応のお話、ご意見が出ましたけれども、私もこれは非常に大事だと思っていまして、今、私はヨーロッパにいるんですけれども、ヨーロッパでは熱波の関係もあって、現在、あらゆる部分で気候変動の適応を何とかしなければならないという議論になっています。そういう意味では、適応法は、環境省の別部局の所管ですけれども、この計画間の調整などはもう少し力強くできるのではないか。また、自然共生サイトの議論も出ました。これは多くは民間管理ですけれども、この地域で守られている種や生物多様性をどのように活用していくのかというのも課題かなと思っています。こういう意味での土地利用の在り方を、多様な法律間でコントロールするというのは検討に値することだろうと思います。法改正のみの議論以外でも、できることはあるかなと思っています。これが1点目です。
もう一点は、これも議論が出ましたけれども、第35条による環境大臣による助言・指導の部分です。運用改善という議論でご紹介いただいて、運用改善も大事ですけれども、法律家の目から見ると、この条文は、実務ではおおよそ使えない条文だと思っています。いつでもどこでも使えそうな条文の書き方というのは、適用要件が不明確であり、いざというときには必ずしも使えないというようなことになります。この辺りは法改正含めて、ぜひご検討いただければと思います。
コメントなので、ご回答は結構です。どうもありがとうございました。
【北橋希少種保全推進室長】 勢一委員、ご指摘ありがとうございました。
追加で少しコメントなんですけれども、先ほど、気候変動への適応のお話もございました。改めて、
委員からも気候変動のお話が出ましたけれども、一つ、気候変動の話が出ていそうなのはキタダケソウの保護区です。南アルプスの非常に高標高地のところの植物の保護区ですけれども、近年になってシカが高標高地まで上がってきていることで、シカの食害対策の防護柵を設置したりというような、当初の保護区指定の際には考えていなかったような対策を取らなければいけないというようなことが出てきている事例もございます。ということで、少し保護区と気候変動の関係で追加させていただきました。
あと、もう一つ白山先生のご指摘で、レッドリストの作成のところでの水産庁との区分けでございますけれども、ちょっと丸めた言い方をしてしまって失礼いたしました。正確なご指摘、ありがとうございました。
【小泉委員長】 それでは、五箇委員、お願いします。
【五箇委員】 国立環境研究所の五箇です。ちょっと些末というか、末端の質問というか意見になりますけれども、33ページ目、生体の登録における個体識別装置に係る課題というところで、特に今後はやっぱりこのDNA分析、DNA識別というのは非常に重要なツールになってくる。これは恐らく希少種管理だけではなくて、我々がやっているような外来生物管理であったりとか、ペットの管理といったところでも、多分、非常に今後重要なツールになるだろうと。
いろいろとこの資料を読んでみると、DNA識別自体は実用化に向けた研究の進展や事業化が期待されるということで、本当に文字どおり、これも日進月歩でどんどん進んでいることなので、多分、実用化はそんなに難しいことではないだろうと思いますけれども、ただ、その報告書自体が令和5年度での報告書でそう書かれているということで、随分、時間もたっていて、恐らく、こういったところの技術的な課題というのはかなりクリアできるところはたくさんあるのではないかと思います。
ちょっと書きぶりとして、期待されるという形で放り投げている状態ですけど、こういった部分に関して、例えば、環境研究総合推進費であったり、あるいは、事業予算といった形でどれぐらいの進展を実際させてきたのかといったことについて、ちょっと細かいことですけど、実際には非常に重要なツールになってくるし、民間レベルでは結構そういった部分での研究も進められているところもあるので、この点に関して環境省としてどうフォローしているかというのをコメントいただければというふうに思っております。
以上です。
【松﨑野生生物課課長補佐】 野生生物課の松﨑です。
環境省としてもヒアリング等は引き続き行っているところではありますが、ご指摘のとおり、日進月歩の技術ということもありますので、引き続き、議論においていかれないようにキャッチアップしていきたいというところです。
【五箇委員】 どちらかというと、もちろん推進費の玉としても結構、有望であったりするので、そうしたらもっと環境省としても積極的に推進テーマとして上げていくことが重要ではないかと思いますので、これは先ほど言ったように非常に汎用性が高い技術になってきますし、今、非常に問題となっているペット管理の問題なんかでも、こういったことが今後、導入が必要になってくるだろうということもあるので、ぜひ、待ちの姿勢ではなくて積極的にこういった技術推進という部分に環境省がプッシュしていただくようにお願いしたいと思います。
以上です。
【小泉委員長】 ありがとうございます。
それでは、寺田委員、お願いします。
【寺田委員】 寺田でございます。ありがとうございます。
私も検討会に参加させていただいておりましたので、極力、コメントは控えて短めにと思って、皆様の意見を聞かせていただきました。
私からは、あまりコメントがなかった、今、五箇委員からございましたけど、最後の5点目の譲渡しについて、ちょっと検討会でも申し上げた点の補足説明といいますか、それが1点と、今後に期待というコメントを1点の2点です。
一点目は34ページ、象牙のところですけど、なかなか国際希少種の譲渡規制というのはややこしくて、今日もやはりコメントがあまりなかったのは、ある意味、そのとおりかなと思います。というのも、3ページ目に法の体系がございましたけれども、国内希少種は、やはり国内に生息しているので、過度の捕獲が起こらないように譲渡規制をしていると。一方で、国際種についてはご覧のとおり、当たり前ですけど日本に生息しておりませんので、捕獲規制はないと。では、何のための流通規制なのかと言いますと、違法に密輸入された個体が市場に流通しないように区別するということが非常に重要な役割だというのが私の理解です。つまり、それに寄与する制度は必要だけれども、そうでないものについては考え直していく必要もあるということです。
そこで象牙なんですけれども、必要と考えてやったことがネガティブな可能性もあるというのが今回の検討会で出た議論だと理解しています。登録本数というものが激減していますが、登録というのは合法に国内で流通させるために必要な措置であり、その登録本数が激減している。返納というのは登録した牙を返納する。どういうときに返納するかというと、材料にして、カットピースにして使うときに返納すると。それも減っている。これが、なぜ起こっているのかがよく分かっていない。ということは、登録した牙はどこへ行ったのか、登録されなくなった牙はどこへ行ったのかがわからないと。
それで、日本には過去に合法に輸入されたもの、あるいはワシントン条約規制前に輸入されたものが、この島国に、密輸出がない限りは閉鎖空間にたくさんあるわけです。登録要件を満たす書類のチェックや検査の厳格化自体を否定するものではありませんが、それによって象牙がどこへ行ってしまったのとなってしまうと、これはそもそもどうなのだろうか、ということで、検証していこうということが検討会でも申し上げた点です。その点が反映されているということで、これはなかなか生物学的な調査ではないので、新しい部分で難しい点もあるかと思いますが、ぜひ確認していただきたいなと思っているところです。
もう一点は、今回の議論に出てきたのは国際希少種の譲渡規制でしたけれども、それでは過去の法改正で出てきた国内希少種の規制についてはどうかということです。国内希少種の譲渡規制で着目していたのは特定第二種でございますけれども、これは商業目的の過度の譲渡規制を縛れば、逆に生息地保全が進むであろうというか、生息地保全を止めずに商業的な大量の流通だけを止めようということで始まったものだと理解しております。その効果がどうなのかというところは、生息地の保全、個体群の保全・維持というものと、流通規制の効果ということをつなげて検証していくことが今後、大事かと思います。これは先ほど五箇委員からもございましたが、どちらかというと推進費などでの学際的な研究が必要な部分かなとも思いますので、ぜひ、今後その辺りもご検討いただければと思います。
以上です。
【小泉委員長】 ありがとうございます。
それでは、いろいろご意見ありがとうございました。
私のほうから2点ほど。一つは、やはり希少種、生息情報があまりないというところで、非意図的に開発行為がコンフリクトしてしまうというようなこともありますので、人材育成もとても大事なことですが、もう一つは、既存の生息情報を使って潜在的な生息を推定していくというようなアプローチがあっていいのではないかというふうに思います。数理モデルを使うというアプローチもあると思いますし、AI、人工知能を使ってパターン分析して、ここにいるかもしれないよというようなものを事業者にあらかじめ示しておけば、ああ、知らなかったという事態を避けられるのではないかというふうに思いますので、こういったようなアプローチもあっていいのではないかと思います。
もう一点は、やはり沿岸域も含めて、海洋というのが非常に大きな問題だと思います。海水面の温度は確実に上昇しておりますし、この部分に関する考慮、配慮というのが今後大きな問題になっていくのではないかというふうに感じました。
私のほうからは以上です。
どうも、たくさんのご意見ありがとうございました。予定では、ここで休憩をというようなことも入っておりましたけれども、もし委員の皆様のご異論なければ、休憩を取らずに次の長野県の方にご報告をいただいて、終了時間のほうを縮めるというような調整で進めさせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
(異議なし)
【小泉委員長】 特にご異論がないようですので、それでは長野県さんの資料1-4に移らせていただきたいと思います。それではお願いいたします。
【岩井長野県環境部自然保護課長】 ただいまご紹介いただきました、長野県自然保護課長の岩井でございます。今日は、こちらにお招きいただきまして、本当にありがとうございます。
私からは、長野県の希少野生動植物保護の取組について、ご紹介申し上げたいと思います。
資料1ページをお願いいたします。
こちらは条例の制定の背景でございます。平成16年1月1日に施行してございますが、背景といたしましては、種の保存法の制定や、長野県版レッドデータブックの作成が主となっておりまして、それに加えまして、違法採集ですとか踏み荒らし、開発行為といった、こういった行為が多く見られているということが背景にございまして、条例を制定させていただいてございます。
目的でございますけれども、地域の実態にきめ細かく応じるということを目的といたしまして、地域の希少種の保護をしっかりとやっていこうという観点で制定しているところでございます。そこに考え方が書いてございますけれども、種の保存法の中で指定されているもの以外に、我々のほうも横出し的に指定してございまして、日本全国でたくさんいるとしても、長野県では随分と数が減っているものについてはしっかりと指定していくまた、実際にまだそれほど減っていないという状況においても、かなり採取圧が強かったりとか、盗掘が見られているようなケースなどが通報で多く寄せられているケースもありました。こういったものをしっかりと情報を整理した上で、条例に入れ込むという形で対応してきているところでございます。
2ページをお願いいたします。
こちらの真ん中に書いてございますように、長野県版のレッドリストでございますが、約1,600種の種を指定しているところでございます。そのうち81種について、長野県希少野生動植物保護条例、こちらで指定しているところでございまして、この条例は3本柱となってございます。種の取扱いに関する規制の関係、また、生息地等の保護に関する規制の関係、さらには保護回復の促進という観点でございます。今、申し上げましたけれども、指定の種につきましては、指定希少野生動植物の81種、こちらは特に保護を図る必要のあるものについて指定してございまして、さらに、特に緊急に保護を図っていくものにつきましては21種、指定してございます。こちらにつきましては、しっかりとその実効性を確保するという観点から、保護回復事業計画という形でプランをつくっているところでございます。
次のスライドでご説明を申し上げたいと思います。
まず条例指定種でございます。こちらは国のほうに種の保存法と対比する形で今、記してございますが、基本的には中身の方向性は同じものでございます。長野県におきましては、通常の指定につきましては保護に支障があると認めるときは、捕獲等を禁止・制限しております。また、特別な指定のものにつきましては、捕獲等を禁止するという形で、さらに上乗せをする形で指定しております。
内訳につきましてはここに記載してございますように、植物がメインでございまして、プラスで動物の関係が入ってきているところでございます。基本的にこちらにつきましても、法律と条例で制度の趣旨は同じでございます。
次に、4ページをお願いいたします。
こちらは保護回復事業計画でございます。こちらは地域の主体的な保護活動の指針となります保護回復事業計画を策定いたしまして、定期的に、評価検証を実施していくものでございます。こちらは種の保存法に基づく保護増殖事業計画と類似の制度でございまして、計画に合致する保全団体を認定いたしまして、活動の円滑化を図っているものでございます。
策定状況につきましては16種でございまして、ご覧のとおりの種類となっております。
こちらの策定の効果でございますけれども、しっかりモニタリングをした上で策定をしておりますことから、しっかりと県内の状況を詳細に反映できているということがまず挙げられます。
さらに、地域の皆様と一体となって取り組んでいくことを主眼としておりますので、地域の方々の旗印となるべくプランをつくって、しっかりと一枚岩となって取組を進めているといったところが、特色として挙げられるところでございます。
5ページをお願いいたします。
こちらは今申し上げました計画の主だったものについて、ご紹介したいと思います。直近で指定してございますが、アカモズの関係でございます。アカモズにつきましては、長野県版のレッドリスト、また環境省さんのレッドリスト双方に挙げられているものでございますけれども、実際、保護増殖事業計画が未策定でございましたので、アカモズにつきましては生息地が長野県と北海道に限定されているものでございます。非常にこれは地域性が強い生物でございますので、しっかりと長野県が責任を持って条例で特別種に指定いたしまして、保護回復計画を策定したものでございます。
プランにつきましては、実際に現地に入った形のモニタリングの体制の構築ですとか、カラスや哺乳類の関係の捕食者対策、またマナー違反をする撮影者がいますので、そういった方に対するしっかりとした啓発、そういったものを行っていく体制を組んでいるところでございます。
6ページをお願いいたします。
こちらは生息地等保護区の関係でございます。こちらも環境省さんの制度と類似のものでございまして、本県では長野県南部の木曽地域の開田高原の希少野生動植物保護地区ということで、一地区指定しているところでございます。対象のものはここに書いている種類でございまして、主に、チャマダラセセリの関係などがもともとそこに生息していて、それを狙ってくる愛好家の方々がいたものですから、現地の方々から何とかしてくれないかという話がありまして、実際に保護区を指定するという背景がございました。実際の中身といたしましては、先ほどお話もありましたけれども、実際に立入禁止をする地域を設定したりとか、規制をする地域を設定したりとか、そういった形で対応しているところでございます。
7ページをお願いいたします。
本県におきます希少種保全の取組や課題の関係でございます。こちらのライチョウやアカモズといったものは、国・市町村、保全団体、企業の方々、様々な主体で連携して取り組んでおるところではございますけれども、そのほかの希少種につきましては、各主体が単独で、実際、草の根活動的な形で対応しているというのが現状でございます。
こちらが大半になってきておりまして、そこの課題にも書いてございますけれども、長野県は山岳県でございますし、幅広く面積がございますことから、なかなか全て対応するということは、正直、行政だけでは無理な状況ではあります。そういった背景もございますので、県民の方々、企業の方々、そういった方にも広く参画をいただいて取り組んでいるという現状がございます。
方向性でございますけれども、これに関連するんですが、しっかり県民や企業、保全団体の方々をつなぐパートナーシップ協定、これは県が仲介しているものでございますが、こういったものの取組の推進、またボランティアさんにも入ってもらうようなライチョウの保護対策の関係、こういったものを強化していきたいと考えております。
また、条例の関係につきましては、種の保存法ともしっかりと連携をしていきまして、指定種の計画策定ですとか、保護区の設定等を効果的に実施してまいりたいと考えているところでございます。
最後になりますけれども、お願いでございますが、種の保存法の改正に当たりましては、地域の実態に応じた本県の条例が引き続き効果が十分に発揮されるよう、ご配慮をいただけますと幸いでございます。
私からは以上でございます。よろしくお願いいたします。
【小泉委員長】 どうもありがとうございます。
引き続いて、委員の皆さんからご意見、ご質問をお受けしたいと思いますが、その前にご説明いただきまして、課題とそれから国への要望、大変ソフトに言い表していただいておりますが、もうちょっと具体的に、こういう部分をサポートしてほしいというような考えがありましたら、ご説明いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
【岩井長野県環境部自然保護課長】 ありがとうございます。
今、ここに書いてあることが基本的に総体的なお願いでございまして、特段、敢えてということはないんですけれども、実際、今、国の種の保存法で、こういった規定がないから我々が困っているといったことは正直ない状況でございますので、先ほどご紹介を室長さんからいただきましたけれども、我々としては、特に今、制約があって動けないという認識は正直持ってはいないです。
ただ、今後、法律改正を行っていく際に、こういったことをしなさいというような形で、今、我々が取り組んでいることに対する制約が発生してしまってはいけないのかなというのは、正直、率直には思ってはおりますので、実際、これから法律改正の手続を進めていかれると思うんですけれども、その際には、実際に意見交換、先ほどお話もありましたけれども、調整作業を緊密にやらせていただければと考えておるところでございます。
以上です。
【小泉委員長】 ありがとうございます。
制限がないというのは、連携が十分じゃないということの裏返しかと、やや皮肉に感じておりますけれども、このぐらいにいたしまして、委員の皆さんからご意見をいただきたいと思いますが、例によって会場の委員の皆様は名札を立てていただき、Webで参加の委員には挙手ボタンで合図をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
それでは、岩井委員、お願いします。
【岩井委員】 ご説明ありがとうございました。
私は、調査をする立場としてこういう話を聞いてしまうんですけれども、長野県さんで指定されたものと国の環境省で指定されたものがかぶっていた場合というのは、やはり両方に申請をしなくてはいけないんでしょうか。それとも、その辺を分けるような動きというのはあるのでしょうか。
【岩井長野県環境部自然保護課長】 特に申請という行為、許可の形ですか、それは確かにライチョウですとかイヌワシといった、両方に指定されているものにつきましては、実際、現在の状況では例えば、捕獲をする場合、そういった調査のときには双方に申請をいただかなければいけなくなっているという弊害は確かにおっしゃるとおりあるかと思います。
以上です。
【岩井委員】 できれば、そこは何とかしていただきたくて、今、私も実際に関わっているところですと、環境省さんに申請をして、県に申請をして、何なら村にも申請をしてというような、三重で出さなくてはいけないとか非常に煩雑で、指定されること自体はいいとは思うんですけど、調査側からはされてしまったかという感情がつい出てしまうというのがあって、上のレベルで指定されているものはそちらの対応でしてくださいとか、何かそういう一つの文言で何とかできないかなというような気はしております。
よろしくお願いします。
【岩井長野県環境部自然保護課長】 ありがとうございます。
先ほど委員長さんのほうからもお話がありましたように、連携ができていないのではないかという御意見をいただきましたけれども、やっぱりそういった観点で本当にワンストップで行うべきかなと、そこのところは我々も反省すべきところかなと思っておりますので、そういった観点はしっかりと今後の法改正の中で議論、調整をしていく中で、意見交換をさせていただければと考えております。
以上です。
【小泉委員長】 よろしいですか。
許認可のことだけではなくて、全体的な意思の疎通、コミュニケーション、そういうところに現れてくることもあると思いますので、この点、ご配慮いただければと思います。
ほか、ご意見、ご質問等はありますでしょうか。チャットが入っていますか。そうですね。
勢一委員から、「用務の関係で退出いたします。長野県への質問ではありませんが、今後、法との関係で支障を感じている自治体のヒアリングができるとありがたいです。ご検討いただければ幸いです。」ということですので、ご検討いただければと思います。
【鈴木野生生物課長】 ありがとうございます。
この度は改めまして、こういった形で長野県様から情報提供をいただきまして、誠にありがとうございます。
私どもも、国と自治体との連携がうまくいってないのではないかということは常々考えておりました。先ほど岩井委員からもございましたけれども、許認可のことなども含め検討していきたいと思います。
また、委員の皆様からコメントをいただきましたが、海洋や気候変動についてもさらに検討を進めてまいりたいと思います。
【小泉委員長】 どうもありがとうございます。
そのほか委員の皆様からご意見、ご質問はいかがでしょうか。
(なし)
【小泉委員長】 なければ、それでは長野県の皆様、どうもありがとうございます。ここで退室となりますので、本日はどうもありがとうございました。
(長野県 退室)
【小泉委員長】 それでは、議題の(1)、種の保存法に関する説明、それから質疑応答は以上とさせていただきたいと思います。
次回の野生生物小委員会でも、この議題について関係団体等からのヒアリングが予定されているということですので、本日の委員の皆様からのご意見を踏まえて、種の保存法の講ずべき措置の答申案骨子に向けて、検討を進めていっていただきたいと思います。
それでは続きまして、議題の(2)アマミヤマシギ及びオオトラツグミ保護増殖事業の完了について、報告をお願いします。
【吉澤野生生物課希少種保全推進室室長補佐】 希少種保全推進室の吉澤です。
まず、保護増殖事業の制度の概要からですけれども、まず種の保存法に基づきまして、環境大臣並びに保護増殖事業を行おうとする国の行政機関は、中環審のご意見を伺って、保護増殖事業計画を定めることとされています。その計画には、保護増殖事業の目標、区域、内容、その他必要な事項について定めるものとされています。あとこちらについては、保護増殖事業計画を変更する場合も同様に、中環審の手続を経るということになっております。
また基本方針の中で定められているのですが、保護増殖事業とは国内希少野生動植物種のうち、その個体の繁殖の促進、その生息地等の整備等の事業を推進することが必要な種について、対象として実施するものとされております。
保護増殖事業の実施状況なんですけれども、これまで79種・亜種について58の計画が策定されております。このうち、この緑字で書かれています2種について、今回、保護増殖事業を完了したというものになります。
先ほどから、完了と申し上げていますけれども、生物多様性国家戦略の中でも、2030年までに「保護増殖事業の目的が達成されて、事業を完了した種数というのを5種程度にする」ということを掲げております。
では、完了とは何かなんですが、2年前の3月のこちらの野生生物小委員会においても、この保護増殖事業の完了に向けて考え方を示させていただき、ご意見をいただきました。そういったものをベースにして、事務方のほうで今年5月に地方環境事務所に通知を出した内容に、完了とは何かということが正式に書かれております。
では、その完了とは何かですけれども、保護増殖事業計画に定めた目標を達成して、増殖・回復を集中的に図る、いわゆる普通の保護増、その図るフェーズを終えて、維持・監視を図るフェーズに移行する、モニタリングに移行していくということを保護増殖事業の完了と定義しております。完了に向けて、まず目標と具体的に評価方法を設定した上で、それぞれの種の保護増殖の検討会がございますので、そういった場で有識者などから目標の達成状況の評価をいただいています。それを踏まえて、地方環境事務所長が保護増殖事業を完了するということを決定することになります。
保護増殖事業を完了した後は、モニタリングなどを効率的に実施した上で、個体群の状況を継続的に把握していきます。さらに状況が改善をしていき、国内希少野生動植物の指定自体が解除されたということになれば、今度は完了のさらに次の保護増殖事業計画自体が廃止されるということになります。下のほうにそのイメージ図が載っております。
では、今回完了する2種ですけれども、奄美群島におりますアマミヤマシギ、オオトラツグミについて、1999年から保護増殖事業が実施されておりました。現在、奄美大島における分布だとか生息数が安定的に維持されて、繁殖も継続して確認されております。
また、主たる減少要因である外来種、生育環境の悪化、交通事故などについて、地域の皆様方のご協力により、一定の改善が見られるということをもって、去年12月の保護増殖検討会において、保護増殖事業の完了について異存ないとご了解いただきました。それを踏まえて、今年6月30日付で、沖縄奄美自然環境事務所長の名において、保護増殖事業が完了いたしました。
2種の詳細については、この下のほうに写真付きで載っておりますが、詳細の説明は割愛いたします。
以降のスライドにつきましては、2種の保護増殖事業で行った内容の概要並びに生息状況の回復状況でございまして、詳細の説明は割愛させていただきます。
説明は以上です。
【小泉委員長】 ありがとうございます。
それでは、ただいまの報告に関しまして、ご意見、ご質問がありましたら、会場の方は名札を立てていただき、Webの方は挙手ボタンを押して合図をいただきたいと思います。
それでは、水田委員からお願いします。
【水田委員】 ありがとうございます。
私は、この2種の保護増殖事業に長らく実施者としても関わっていて、現在は検討委員としても関わっているので、今回の完了はもう人一倍感慨深く思っているところです。なので、ちょっとコメントが長くなるかもしれませんが、なるべくコンパクトにお話ししたいと思います。
今回のこの保護増殖事業完了の意義としては、私は二つあると思っていまして、一つは絶滅危惧種であったとしても、適切に手当をすればきちんと回復するんだということを具体的に示したことであると思います。もう一つは、保護増殖事業の完了のための道筋を非常に丁寧に検討して進めて、それで定めたというところ、この2点が非常に大きな意義だというふうに思っています。
それは私だけの意見ではなくて、検討委員の座長であります石井信夫先生も保護増殖事業完了の際の記者会見でおっしゃっていたんですけれども、私はその二つから幾つか教訓を得ることができると考えています。一つは、きちんと手当をすれば回復するということの、そのきちんとした手当、適切な手当というのは、一つはマングース防除事業だったということです。。マングース防除事業が完了してマングースがいなくなったということが希少種、特にオオトラツグミ、アマミヤマシギの回復に大きな影響があったということだと思います。
とすると、奄美大島のお隣の沖縄島のマングースにも、当然、考えがいってしまいます。沖縄島にはヤンバルクイナとかノグチゲラとか希少種がいますが、これらの種は、恐らく、マングースが根絶されない限りは絶滅危惧種から外れることはないし、保護増殖事業は完了せず永遠に続くと思います。なので、せっかく奄美大島でマングースが根絶して、2種の保護増殖事業が完了したという実績が得られたわけですから、ぜひ、沖縄島でもマングースの根絶を真剣に考えていただければなと思っています。
もう一点は、保護増殖事業の道筋を丁寧に示したということに関して、せっかく示されたこの道筋を他の保護増殖事業対象種にも当てはめて考えていくということは重要だと思っています。
私は先ほどもちょっと名前が出ましたけれども、アホウドリの保護増殖事業に、一請負業者としても関わっているので、あまり請負業者なので偉そうなことは言えませんが、今回、示された道筋から外れているのかなというふうに感じることも多々あるわけなんですね。なので、だからどうしろということではないんですけれども、せっかくこうやって道筋ができたわけですから、他の保護増殖事業対象種もこれの道筋に沿って、もう一度、今の到達地点はどこなのかということを検討していくというのが重要なのかなと思っています。
以上はコメントです。特に回答を求めるものではありません。
以上です。
【小泉委員長】 コメントということでしたけれども、事務局からお願いします。
【北橋希少種保全推進室長】 今日、ほかの業務の関係で現地からはオンライン参加ができてないんですけれども、私は実はちょうど1年前まで沖縄奄美の所長もしておりましたもので、特に1点目の沖縄のマングース対策について、御存じない方もいらっしゃるかもしれないので、一言、ご説明したいと思います。
沖縄の場合は、いわゆる沖縄本島北部のやんばる地域からの完全排除と言っています。いわゆる、地域根絶的に島の北部からゼロにしようということで、沖縄県さんが柵を三重につくってくれたりして、その柵の北部、やんばる地域については、もうちょっとというところまで、マングースが減少してきております。おかげで、ヤンバルクイナもノグチゲラも、そのほかの様々な希少種もやんばる地域ですごく回復してきています。これは奄美大島でそうなってきているのと同様の道筋を沖縄北部でも来ているということです。
一方で、沖縄については、先ほど言いましたように、北部についてはいい感じで行っているんですけれども、中南部では、市街地が多かったりですとか、あるいは希少種そのものの分布状況も違ったりということで、まだ十分手がついてないんですけれども、柵があるからといって、中南部にマングースがいっぱい残ったままですと、永遠に対策が終えられないということもあるので、いろいろな革新的な技術みたいなものも導入しないといけないなということも視野に入れつつ、沖縄県さんと長期的に島全体でも何とかしていきたいと思っているところでございます。今までの取組をただ単に拡大するだけだと、あまりにも膨大な労力がかかってしまうので、そこは新しい技術なんかもどういうものが活用可能かということをしっかり考えながら、取り組んでいきたいと思っております。
以上でございます。
【小泉委員長】 ありがとうございます。
このアマミヤマシギとオオトラツグミの保護増殖事業の完了に至るまでの道筋というのは、何か公式報告書として出てくるんですか。一部、オオトラツグミのほうは水田委員の論文が引用されていたりしますけれども。
【北橋希少種保全推進室長】 一応、環境省のホームページの中で、それぞれの両種について、どういう目標を立てていて、例えば、外来種の状況はこうだ、交通事故対策はこうだとか、生息地の環境保全はこうだみたいな、いろいろな項目ごとに、今、どういう状況にあって、どういう評価だからオーケーと見なしましょうみたいな、そういうことを整理しております。ほかの種でいうと、やはりそういう中間のステップについての個別の細かい目標が立てられていない種が結構あるもので、先ほど、水田委員からおっしゃっていただいたように、ほかの種でもしっかりとそういう道筋を立てた保護増殖事業に向けて整理を進めていく必要があるというふうに我々も思っております。
【小泉委員長】 ありがとうございます。
あえて、このコメントをさせていただいたのは、最近、環境省内ではごく普通に交わされている会話だと思うんですけど、EBPM、エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキングというのが非常に大事で、そのためにはロジックモデルを使ってインプットからアウトプット、アウトカムで、こういうふうな道筋でこの保護増殖事業を分析してみると、恐らく、ほかの事業にどういうふうに展開したらいいかというヒントが見えてくるのではないかというふうに思いましたので、このようなコメントをさせていただきました。ご検討いただければと思います。
ほか、ご意見、ご質問等がなければ。
八代田委員、お願いいたします。
【八代田委員】 八代田です。ご説明ありがとうございます。
水田委員がおっしゃったように、保護増殖事業が完了するというのは非常にすばらしいことだと思います。
減少要因の対策ということで、外来種対策が一番大きな効果を上げたかと思うんですけれども、他に生息環境の改善というのは非常に効果があったのではないかと思うのですが、やはりこの生息環境の改善というのが、保護増殖事業の中では難しいのかなというふうに、私自身が感じております。
それで、保護区等を設定して生息地を保護するというような対策をされることは多いかと思うんですけれども、保護区に人が入らない規制だったり、捕獲等を規制するということだけで改善できるのかなというのが、ちょっと疑問に思うことがございまして、今回の2種について、生息環境の改善として、具体的にどのようなことをされたのか教えていただければと思いまして、コメントをさせていただきました。よろしくお願いします。
【北橋希少種保全推進室長】 特に奄美大島、徳之島もそうなんですけれども、近年、新たに国立公園に指定されたことで、従来、かなりいわゆる森林整備というか、いわゆる、立木の伐採が相当行われていた島でもあるんですけれども、そして近年では森林開発が非常に抑えられてきた。直近では、国立公園等になって法規制が入ることで新たな開発というのも行われなくなったことで、かなり森林環境というのは昔よりもよくなっているというふうに評価されてます。これは、実はやんばるエリアも同じでございまして、昔は相当切られていたんですけれども、近年では森林の状況自体は非常によくなっていると。ただ、まだ足りてないところというと、例えば、ヤンバルテナガコガネの住むような大きなうろを持っていたりするような、いわゆる、古木的なものというのはまだ少しそこまで森林が成熟しきってないのかなというところはあると思うんですが、全般的にはかなり環境全体としてはよろしくなっているというふうに考えてございます。
【小泉委員長】 よろしいですか。
【八代田委員】 ありがとうございます。
他の種に関しても、私はシカの対策をしているものですから、増えすぎた動物種に関してもそういった生息環境の改善といいますか、森林管理等をしながら対策できるのではないかと日々感じておりますので、こういった結果、成果を発信していただければと思います。ありがとうございます。
【小泉委員長】 ありがとうございます。
ほかにご意見、ご質問等いかがでしょうか。
(なし)
【小泉委員長】 ないようですので、議題3、トキの本州での野生復帰について、報告をお願いいたします。
【鴛海希少種保全推進室室長補佐】 希少種保全推進室の鴛海です。
本日はこの表題のとおり、トキの放鳥について、ご報告いたします。
まず、トキの保護増殖事業の歴史は大変長く、新潟県や文化庁が実施されていた事業を引き継ぐ形で、佐渡島にて保護増殖事業を環境省が実施してきました。
御存じのとおり、日本生まれのトキは「キン」を最後にいなくなってしまいましたが、中国から提供いただいた合計7羽のトキを繁殖させ、佐渡島で野生復帰を続けてきました。佐渡島の地域の皆様並びに多くの関係者のご尽力、ご協力のおかげで、野生下での個体数が順調に回復し、ついに今年本州で放鳥を開始いたしました。
右のグラフをご覧ください。赤線で示しているのが、佐渡島の野生下のトキの個体数の推移です。近年はおおむね野外で推定500羽程度が生息していますが、やや頭打ちとなっている状態です。また、右側のグラフは巣立ち率と巣立ち数の変化を示しております。個体数が増え、近年は巣立ち率が徐々に低下しております。コロニーの中のペア数が増加して、お互いに干渉し、繁殖の失敗につながるという事例も確認されています。これらのデータから、そろそろ現状の環境収容力に近づいてきているのではないかと考えられます。
このように、佐渡島では順調に増加しておりますが、一部の個体が本州まで飛来はしているものの、確認されている個体はほとんどが雌で、性比が偏っております。
また、未だに本州側では定着や繁殖が見られない状況です。トキが佐渡から自然に分散して本州側で定着や繁殖するのはなかなか困難であるか、かなり時間を要すると想定されます。
そこで環境省は、令和4年度に、トキの受け入れに意欲がある取組自治体を公募し、5地域が選定されました。そのうち、石川県・能登9市町と島根県出雲市が、「トキを放鳥することで、トキと共生する里地づくりを行う地域」として選定されました。
次に、今年の能登地域におけるトキ放鳥までの経緯を簡単にご説明します。まずは、有識者会議にて、石川県におけるこれまでの野生復帰に係る取組の進捗状況が確認され、今後の放鳥計画やモニタリング計画が了承されました。これを受けまして、環境省で令和8年度の上半期に能登地域で放鳥を実施するということを決めました。
なお、令和6年の元旦には、能登半島地震が発生してしまいましたが、その後、石川県創造的復興プランにおいて、「トキが舞う能登の実現」がリーディングプロジェクトに位置づけられるなど、トキの野生復帰に向けた取組は復興のシンボルとして継続して進められてきました。
5月31日には、放鳥を記念する式典を実施した後に、8羽の雄を箱から放鳥するハードリリース方式で放鳥しました。
また、その2週間後の6月14日に、仮設ケージ内で一定期間環境に慣れさせた後、放鳥口を開けてトキに自分のタイミングで出ていってもらうソフトリリース方式で、雄2羽、雌8羽の10羽、5月31日と合わせて合計18羽を放鳥しました。
放鳥したトキの生息情報については、主に三つの方法で把握しております。まず①に示した追跡機器によるものです。飼育個体を用いた事前の装着試験を行うなどして、機器の種類や装着方法、測定項目など検討を重ね、今回は個体への影響が少ない、小さい足輪型の追跡機器をトキの足の関節の上、すねの部分に装着することとしました。この機械から送信されるデータによって、遠隔でおおよその分布と行動を把握しております。
二つ目は、自治体が地元で構築するモニタリングチームによる調査で、①のGPS情報を参考に現地で調査をしていただいております。
三つ目は、一般からの目撃情報で、取組自治体が目撃情報収集体制を構築して、一般の皆様から情報を提供してもらえるようにしております。
右の地図は8月上旬時点の分布状況を示しています。この後、少し分布が変化はしているものの今でも全羽、石川県及び富山県内に生息しております。また、温度などの環境データも測定しており、そのデータから現時点で18羽全てが生存している状況です。この、トキの生息情報については、現在週に1度程度市町村単位で、ホームページで公開しております。今後はこれらの情報をさらに詳しく解析して、今後の放鳥計画や取組に生かしていく予定です。
今後の放鳥予定ですが、トキをしっかりと定着させるためには、ある程度継続的な放鳥が必要ですので、今年の10月に能登地域の中能登町で、来年の初夏には、島根県出雲市で放鳥を行う予定としております。
最後に、今後の目標ですが、トキ野生復帰ロードマップを策定して、5年ごとに更新しており、最終的には国内で成熟個体1,000羽、また、複数の個体群の確立を目指しております。
今年、環境省レッドリストのカテゴリーがⅠA類からⅠB類に引き下げられたところです。将来的には、トキが普通種になることを目指し、またトキがすめるような里地里山の環境維持・回復していくことで生物多様性や里地里山の地域振興につながるよう、引き続き事業を進めてまいります。
以上です。ありがとうございます。
【小泉委員長】 ありがとうございます。
それでは、ただいまの報告に関しまして、ご意見、ご質問等ありましたらお願いしたいと思いますが、水田委員、どうぞ。
【水田委員】 では、せっかくですから。
実は私、つい先週、この能登に放鳥されたトキをプライベートで見に行ったんですけど、見事、見つけることができて、やっぱり住んでいる環境が非常にいいところだなと思いました。里地里山のシンボルというふうに書かれていましたけれども、平地があって田んぼがあって、たくさんの生き物がいて、それだけではなくて周りに山がある。そこが繁殖地になったりねぐらになったりするんだと思いますけれども、そういう豊かな環境があるということが、トキにとっては非常に重要なんだなということを、現地を見て再認識しました。今後も放鳥が続くということですので、ぜひ、定着して繁殖までいくとうれしいなと思いました。
以上です。
【希少種保全推進室室長補佐】 ありがとうございます。
【小泉委員長】 ありがとうございます。
ほか、ご意見、ご質問はいかがでしょうか。
(なし)
【小泉委員長】 ないようでしたら、委員の皆さん、同じ思いだと思いますが、能登の復興と併せて、このトキがシンボルとなっていければなというふうに感じておりますので、引き続き、よろしくお願いいたします。
それでは、この報告についてはここまでとしまして、次に議題4、特定外来生物の新規指定について、報告をお願いします。
【千葉外来生物対策室室長補佐】 外来生物対策室の千葉と申します。よろしくお願いいたします。
特定外来生物の新規指定についての報告をさせていただきます。お手元の資料をご覧ください。特定外来生物等専門家会合における検討結果を踏まえまして、今回、外来生物法の政令改正について令和8年8月5日に公布しているんですけれども、下記の魚類5種類について、新たに特定外来生物に追加を行います。
すみません、種数の足し上げに誤りがございまして、「これにより、特定外来生物は167種類、このうち魚類は31種類となる。」というふうに記載しておるんですけれども、数えましたところ、正しくは166種類、魚類が30種類となりますので、訂正をさせていただきます。ホームページ掲載の資料については、後ほど差し替えをさせていただきたいと思います。恐縮でございますが、訂正をさせていただきます。
2枚目以降なんですけれども、今回、指定する種の概要ということで記載をさせていただいております。簡単に上から順に説明をさせていただきますと、まず一番最初の囲みなんですけれども、ブルーギル属の関係ですが、既に特定外来生物にブルーギルという種が指定をされておりまして、同じ属の今回は未判定外来生物で指定されているんですけれども、パンプキンシードサンフィッシュとロングイヤーサンフィッシュの2種が、既に国内の一部河川で確認されている状況にあります。今後、これが拡散すると在来種の生態系に大きな被害を及ぼす影響が高いということと、あと同属のほかの種につきましても、国内の河川ですとか湖沼に導入されれば定着して、同じような影響を及ぼす可能性が高いため、今回、ブルーギル属全種とその交雑種について、特定外来生物に追加いたします。
続いて、その下のマーレ-コッドとゴールデンパーチなんですけれども、これは両種ともスズキの仲間でして、海外ではルアーフィッシングの対象となるような人気の高い種になっております。近年では、国内でも利用されている状況にあり、これらが国内の河川に侵入した場合に、在来種への影響が非常に懸念される状況にあるということで、今回、特定外来生物に追加をするということになります。
続いて、一番最後のコウライオヤニラミ等なんですけれども、これについても、既にコウライオヤニラミとナンエツオヤニラミという種が国内の河川において確認されております。特にコウライオヤニラミにつきましては、宮崎県の大淀川のほうに既に定着しておりまして、在来種への生態系影響が懸念されている状況にあります。これらの種ともう一種を合わせまして、今回追加をするということで、在来のオヤニラミを除く形でオヤニラミ属の全種を追加いたします。
今回、施行日が令和8年9月1日ということで、この日から施行、規制が開始されることになっております。
以上報告いたします。
【小泉委員長】 ありがとうございます。
ただいまの報告に関しまして、ご意見、ご質問等ありましたらお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
五箇委員、お願いします。
【五箇委員】 国立環境研究所の五箇です。
こちらで指定されているということで、指定は全然問題ないというか、もう指定すべきものとして追加はよかったと思うんですけれども、既にマーレ-コッドとゴールデンパーチ、こちらは既に結構広く販売されてしまっていると、観賞魚というかペットとして販売されているものであり、今の時点でも結構ネットでも普通に見られる種ということで、こちらも指定されたとなれば、当然のことながら飼育個体の放流、放逐といったことも、いわゆる見えないところで行われてしまうということもあり得ることですので、十分とやっぱり普及啓発、特に販売業者さんを通じてそういったものを、一旦、飼育しているものに関してはもう絶対逃がさないようにしていただくということが鉄則だと思いますので、いかにやっぱり普及啓発をきちんとしていただくかが肝心かと思いますので、よろしくお願いいたします。
【千葉外来生物対策室室長補佐】 五箇先生、ありがとうございます。
既に広く販売されている状況にあるということで、普及啓発についてはすぐに行っていきたいのと、国内での定着等も疑われる状況があれば、適切に対応していきたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。
【小泉委員長】 ありがとうございます。
ほか、ご意見ご質問ありましたらお願いします。
在来のオヤニラミ以外のものが定着しているということですけれども、これはどういう経路で持ち込まれたのかというのは分かっているんですか。
【千葉外来生物対策室室長補佐】 現在は規制がなく流通している状況ですが、詳しい侵入経路は不明です。
【小泉委員長】 そうすると、観賞魚としては全国津々浦々で販売されているということで、今回、たまたま宮崎のほうで定着が確認されたけれども、潜在的なリスクとしては、かなり広範囲に広がる可能性があるというふうに考えているんですか。
【千葉外来生物対策室室長補佐】 そこまで大きな利用があると認識しておりませんでしたが、ご指摘の点を踏まえますと広範囲に広がるリスクはあると考えており、それを防ぐために普及啓発に努めたいと思います。
既に、現地において対策は進められておりますので、必要な交付金等による支援を行い、防除の取組を進めていきたいと思っております。
【小泉委員長】 ありがとうございます。
在来のオヤニラミとの関係なんですが、これは競合関係になりますか。それとも交雑があり得るというような影響がありますでしょうか。
【千葉外来生物対策室室長補佐】 在来種に比べ、体長も大きく、肉食性が強いということで、競合と考えております。
【小泉委員長】 ありがとうございます。
ほか、ご意見、ご質問等なければ、この件についてはこのぐらいにさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
そのほか、何かご提案、ご意見等ありましたらお受けしたいと思いますが、なければ本日はこのぐらいにしまして、以降の議事進行は事務局のほうにお返ししたいと思います。
どうも皆さん、長時間にわたりまして、ご議論いただきましてどうもありがとうございます。次回もまたありますので、よろしくお願いいたします。
【事務局】 小泉委員長、議事進行ありがとうございました。
委員の皆様におかれましても、長時間にわたるご審議をどうもありがとうございました。
本会はこれで閉会といたします。
皆様、本日はどうもありがとうございました。