野生生物小委員会(令和4年度 第30回) 議事録
開催日時
令和4年9月8日(木) 15:00~16:59
開催場所
環境省第一会議室(WEB会議システム併用)
出席者
委員長 | 石井 実 | ||
委員 | 小泉 透 | 勢一 智子 | |
臨時委員 | 五箇 公一 | 佐藤 哲也 | 日向野 義幸 |
水田 拓 | |||
専門委員 | 白山 義久 | 寺田 佐恵子 | 桝 太一 |
三谷 曜子 | 宮本 旬子 | 森本 淳子 | |
八代田 千鶴 | |||
環境省 | 白石自然環境局長 | 堀上官房審議官 | 松下総務課長 |
中澤野生生物課長 | 宇賀神鳥獣保護管理室長 | 河野希少種保全推進室長 | |
松本外来生物対策室長 | 稲玉野生生物課課長補佐 | ||
七目木鳥獣保護管理室係長 | 福島希少種保全推進室室長補佐 | 藤田外来生物対策室室長補佐 | |
松﨑外来生物対策室室長補佐 |
議事録
【事務局】 定刻となりましたので、中央環境審議会自然環境部会野生生物小委員会を開会いたします。
本日はお忙しい中、ご出席ありがとうございます。
会議に先立ちまして、出席委員数のご報告です。本日は、全委員17名のうち、委員・臨時委員12名中、Web会議システムでの参加を含め11名がご出席され、定足数を満たしておりますので、本委員会は成立しております。
次に、本会議の傍聴につきましては、会場での傍聴は行わず、YouTubeにてライブ配信をしておりますので、ご了承ください。
また、Web会議システムで参加されている委員の皆様におかれましては、差し支えない範囲で結構ですので、常時、ビデオボタンはオンにし、先生のお顔が見られる状態にしておいてください。なお、発言時を除き、マイクはミュート設定にしてください。
Web会議システムで参加の皆様におきましては、ご発言を希望される場合は、画面の下にある手のひらマークをクリックして黄色にし、挙手状態にしてください。委員長からのご指名を受け、ご発言が終わりましたら、再度手のひらマークをクリックして無色に戻してください。
資料につきましては、あらかじめ委員の皆様には電子データを送付しております。また、環境省ホームページの野生生物小委員会のページにアップロードしております。なお、会場にお越しの皆様には、お手元のタブレットにも格納しております。
それでは、自然環境局長の奥田より、ご挨拶を申し上げます。
【奥田自然環境局長】 皆さん、こんにちは。自然環境局長の奥田でございます。
毎回ですけれども、本当にご多用の中、本小委員会にご出席を賜りますこと、オンラインでも含めてお時間をいただきますことを厚く御礼申し上げます。
また、日頃より本当に自然環境行政に様々な形で委員の先生方にはお世話になっております。このことについても、改めて感謝を申し上げたいと思います。
今回も前回と同様、Web会議システムということで、様々な方にご不便をおかけすることもあろうかと思いますけれども、あらかじめご容赦いただきますようお願い申し上げます。
前回の委員会は、たしか7月7日、七夕の日に開催されまして、今日は十五夜かなと思ったら、十五夜は明後日ということで、非常に日柄のいい日に開催をしている、この委員会でございますけれども、今日は諮問案件2件と報告事項1件ということでございます。
一つ目の案件に関しましては、特定外来生物被害防止基本方針の変更ということで、これは、検討会の段階から非常に長い間をかけてご議論いただいてきたものが、この6月、7月の小委員会でも本当に熱心なご議論、ご審議をいただいた上で、7月、8月とパブリックコメントをかけさせていただいたものでございます。そこのパブリックコメントで寄せられた意見を踏まえて、事務局のほうで整理して、修正案というのを今日ご提示させていただくということでございますので、できますことならば、本日ここで小委員会としてご了承いただけることをご期待申し上げて、また、引き続き熱心なご議論、真摯なご議論をいただけたら、忌憚のないご意見をいただきますようお願い申し上げます。
それから、二つ目の諮問案件につきましては、鳥獣保護区特別保護地区の指定ということで、宮島沼、日出島、伊豆沼の鳥獣保護区についてお諮りするものでございます。
そして、その他に報告事項として、トキと共生する里地づくり取組地域の公募結果についてもご報告をさせていただきたいと思います。
限られた時間のご審議でございますけれども、環境省のほうも、7月以降、大臣をはじめ、幹部のほうの交代もございました。もうご挨拶申し上げたかと思いますけれども、自然環境局の中でも、課長クラスで異動がございまして、総務課長が交代して、新たに細川総務課長になっておりますし、野生生物課長も交代いたしまして、中澤野生生物課長になっております。そういう新体制の下で、また引き続き、今日の審議、重ねて申し上げますけれども、真摯なご意見をいただきながら、ぜひ成果ある今日の会議とさせていただきますことをお願い申し上げて、ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。
【事務局】 それでは、これよりの議事進行につきましては、石井実委員長にお願いすることとします。石井委員長、どうぞよろしくお願いします。
【石井委員長】 はい、そうしましたら、皆さん、こんにちは。委員長を拝命しております石井でございます。オンライン参加の皆さんも聞こえていますでしょうか。聞こえていますね。ありがとうございます。それでは、本日も進行役を務めさせていただきますので、よろしくお願いします。
本日の議題は、先ほど局長から紹介がありましたように、審議事項が1件、諮問事項が1件、その他報告事項が1件となってございます。そのうち審議事項につきましては、これも局長からございましたように、前回、前々回と2回にわたって、この委員会でもご議論いただいて、パブコメが終了したところでございます。今日は、そのパブコメのご意見を受けて、最終案という形で提案されてくるというふうに考えております。委員の皆さんには、ご確認という形になると思いますけれども、よろしくご審議のほどお願いします。
本日の委員会は、YouTubeチャンネルにおいてライブ配信してございます。報道関係者や一般の方もご覧になっているということでございます。
なお、議事録につきましては、後ほど事務局が作成し、本日ご出席の委員のご確認を受けた後、私、委員長が了承した上で公開するということをご了解いただければと思います。会議資料につきましても、公開でございます。
そうしましたら、最初の議題でございます。「特定外来生物被害防止基本方針の変更について」、まずは事務局からご説明ください。水﨑補佐ですね。
【水﨑外来生物対策室長補佐】 外来生物対策室の水﨑です。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
それでは、資料を共有させていただきます。
局長からもありましたとおり、野生生物小委員会でも、6月、7月とご審議いただきまして、7月、8月にパブリックコメントを実施しております。パブリックコメントの結果の概要でございますけれども、13の個人・団体の方から33の意見をいただいております。
こちらが、目次に沿って何件ぐらい意見が来たかというところでございますけれども、圧倒的に多かったのが、今回、法改正で新たに責務規定を設け、それにより、具体に書くという部分、各主体の役割と連携、ここが14件と、半分ほどこちらについてご意見をいただいてございます。
資料1-2が、それぞれのご意見と、事務局の回答案でございますけれども、こちらについては、個別のご説明は割愛させていただきまして、基本方針の変更案、ここではどのようなご意見があって、どのように修正をしたのかといったようなことをご説明させていただければと思います。
資料1-3の見方なんですけども、赤い色の修正と青色の修正と2種類入ってございます。赤色の修正につきましては、これまで2回ご審議いただいて、変更を加えてきた箇所、今の基本方針からパブリックコメントをかけるまでの間の修正でございます。青い部分がパブリックコメントを踏まえて修正した部分でございますので、本日は、この青い部分についてご説明をさせていただきます。
また、ちょっと細かい言葉の言い回しとかで、細かい修正は入っておりますけれども、そちらのほうは、事務局のほうにご一任いただけたらというふうには考えてございます。
それでは、初めに、修正箇所につきまして、まず最初6ページ目、通し番号で188行目のところになります。
こちらにつきましては、一番最初、第1の基本構想の中の「1 背景」の中の一部となってございまして、今回の法律を改正した趣旨、狙いなどについて書いた部分となってございます。
この青い部分でございますけれども、改正事項が三つある中で、三つ目の、先ほどの責務規定のところ、これまで外来法上責務規定がなかったところ、国は未定着ですとか、生物多様性、重要な地域で対策を行って、地方公共団体は定着したものについてやっていただくという部分でございますが、パブリックコメントの中で、都道府県がそうした定着した特定外来生物について必要な措置を行う。市町村については、そういった措置を行うように努めるという書き方をされている中で、市町村の取組が弱まってしまうのではないかというような懸念のご意見を3件ほどいただいております。
こちらを踏まえまして、この都道府県や市町村の取組を強化しというところを中心に、取組をさらに進める、地域ごとの柔軟な対応を可能にする、こういったところが改正の趣旨であるということを明示させていただいております。
続きまして、2点目の修正箇所でございます。218行目、同じ6ページの下のほうでございます。かなり技術的な修正ですけども、このもともと書いてあった特定外来生物にすると飼育などいろいろ規制をするという中で、今回、アカミミガメですとか、アメリカザリガニに関しては、適用除外を設けられるという部分の文言を追加してございます。こういった記載があったほうが誤解がないのではないかという、ご指摘、ご意見がありまして修正をしてございます。
続きまして、この後が、先ほど申し上げました14件ほど意見が来ていたという各主体の役割と連携、役割分担について書かせていただいたところでございます。
初めに、国の役割のところの修正箇所、こちらが9ページ目の300行目のところとなります。こちらに都道府県間の連携を含むという、青い括弧を入れさせていただいております。ここは、国の役割のア、イ、ウの3番目のウとして、地方公共団体の支援などを行うという規定が法律上あるところ、具体的にどういうことをするのかということをこの①の防除マニュアルの作成ですとか、②の財政支援ですとか書いている中で、3番目として、地域の関係者の取組の連携、これも地方環境事務所等でしっかりやっていくということをもともと書いておったんですけれども、特に都道府県間の連携などを期待するというようなご指摘がございました。こちらも2件ほどございましたので、そういった趣旨を明確化するための修正を加えております。
続きまして、同じく役割分担の(2)の都道府県の役割でございます。こちら、この青字の必要な予算の確保ですとか、市町村との役割分担の調整、こういったところを追記しております。こちらにつきましても、2件ほど予算措置の重要性ですとか、役割分担を県のほうでもお願いしたいというようなご意見がありまして、その趣旨を反映してございます。こちら必要な予算に関しましては、市町村のほうに関しても同じような修正を反映してございます。
続きまして、同じく役割分担のところ347行目、(5)で関係者の協力という部分がございます。こちらにつきまして、ここが一番多くご意見をいただいたところではあるんですけど、4件ほど、この施設とか場所の所有者、管理者の方の責任というところを記載していただきたいというご意見がございました。法律上は、この国ですとか、いろんな関係者が協力をしていくとこういうことを書いておりますけれども、その中でも、この所有者、管理者の方というのは、特に積極的な取組が期待されるというような書き方をさせていただいております。
少し飛びまして、12ページ目の特定外来生物の選定の際の考慮事項というものがございます。この中で、こちら433行目から、アメリカザリガニですとかアカミミガメを想定して、一部規定を抜くような特定外来生物、これをどういうふうに選定していくのかというところを、背景も含めて書いております。
趣旨の明確化という範囲ではあるんですけども、当分の間、そういった適用除外をするというときに、その間何をするのかという中で、このいろんな輸入ですとか、購入の規制によって飼養者が減ると。また防除によって野外の個体数が減る。こういった状況変化を見ながら解除の時期を検討するというようなことを書いておったんですけれども、この外にいる個体が減ってくると、解除ができるというところが少し分かりにくいと、外で十分に減ったなら、もう規制そのものも要らないんじゃないのかというようなご指摘もありまして、こちらについては、外にいるものが十分に減ると、新たに飼い始める方、捕まえる方も減るというようなのがもともとの趣旨でしたので、そのような趣旨の修正を加えてございます。
あと、もう一点だけご説明させていただければと思います。大分飛びまして、21ページ目、762行目辺りになります。
こちらも趣旨の明確化という修正ではあるんですけども、特定外来生物の防除をする原因者、要は逃がしてしまった人が存在するときは求償をするということが、法律上も基本方針上も書かれているんですけども、その根拠規定ですとか、誰が求償することができるのかと、こういったことをより分かりやすく記載してほしいということで、法令の条項ですとか、国または地方公共団体が、そういった求償ができるということを記載させていただいております。
以上が、修正につながった箇所のご指摘になりますけども、そのほか修正していないご意見としましては、例えば、国の責務として局地的に分布する特定外来生物の対策、蔓延防止をするという中で、その局地的の解釈というのが、一部の市町村なのか、それとも本当に全国に蔓延していなければ局地的なのかというようなところがありましたけども、ここは施策の効果を含めて、一部市町村という形のままとさせていただいております。
また、特定外来生物の指定ですとか、特定外来生物が定着しているのかどうかということに関して、都道府県のほうに意見を聞く機会を設けてほしいというようなご指摘もございましたけども、こちらにつきましては、科学的に判断をさせていただくと。その過程で特定外来生物指定のときはパブリックコメントなどもしていきますということで回答を作成してございます。
そのほか、例えば、アカミミガメなどの安楽死の施設を造るべきではないかですとか、亀とかザリガニの相談窓口を作るべきではないかとか、そういったご意見をいただいておりますけども、そちらにつきましては、基本方針を書くというよりは、個別の種に応じた対策を取ってまいりますという形で回答をしてございます。
そのほか法律全体の点検、昨年1月に答申をいただく前にもご議論いただきましたけども、殺処分に関しまして、防除個体等の殺処分に関して、従事者の心理的負担軽減にも配慮すると、こういった辺り、この辺りの記載は要らないのではないかというようなご指摘もございましたけども、答申に沿った形でという形で回答をさせていただいているところでございます。
事務局からの説明は以上となります。ご審議のほど、どうぞよろしくお願いいたします。【石井委員長】 どうもご説明ありがとうございました。
それでは、本件について審議したいと思います。
3回目ということになりますので、基本的にはパブリックコメントの結果を踏まえて、修正した箇所、この資料では青字になっていると思いますけれども、その部分について、ご質問、ご意見をいただきたいというふうに思います。もちろんそれ以外でも結構なんですけれども、その辺りを中心にお願いいたします。
それでは、事務局案へのご意見等があればご発言ください。会場の方は、いつものように名札を立てていただいて、オンラインの方は、先ほど事務局から説明があったように、下のほうにある手のひらマークを押す形で意思表示をお願いしたいと思います。
では、会場から参ります。石井信夫委員、お願いいたします。
【石井(信)委員】 石井です。ありがとうございます。
資料1-2の対応一覧を見ていて気がついたところなんですが、2点ほど、こういうふうに修文したらどうかなということをコメントしたいと思います。
一つ目は、8ページの290行ですけれども、国が行う必要な措置というのに②というのがありますけれども、ここに書いてあるのが、分布が一部の市町村に限定されるなど局地的であり、かつ、急激に全国に蔓延するということなんですけど、最初の、この局地的というのは、普通だったら、都道府県とか市町村など、自治体にお任せしたいということなんだけど、国が対応するということですよね。だから、局地的であり、かつ、急激にというところは、局地的であるがとか、局地的であるものの急激に全国に蔓延するというほうがいいのかなと思いました。局地的だけれども、これは国が対応しますよということが、より分かりやすいかなと思いました。
それから、もう一個は、9ページ、次のページになるんですけど、327行ですね。これは、「より地域住民に近い立場として」というふうに原文ではなっていますけど、対応一覧のほうを見ると、この意味するところは、「より地域の実態を把握しやすい立場として」と書いてありますので、むしろそっちを使ったほうがいいんじゃないかと思いました。
だから、より地域の実態を把握しやすい立場として、必要な措置を講ずるように努めると。地域住民に近い立場というと、ちょっと分かりにくいところもあるので、そのようにしたらいいかなと思いました。
以上です。
【石井委員長】 はい、今日は3回目ということがありますので、一問一答で参りたいと思います。
では事務局のほう、ただいまの具体的な修正案を示していただきました。いかがでしょうか。
少し考える時間があったほうがいいですか。じゃあ、ちょっと先にほかの質問を受けましょうか。
会場のほうから勢一委員、お願いします。
【勢一委員】 ありがとうございます。勢一です。
丁寧にパブリックコメントの結果をまとめていただきまして、ありがとうございました。各意見に対して、かなり好意的に吸収して、反映してくださっている印象を受けました。
私からは、原案の修文ではなく、コメントを一つさせていただければと思います。
パブリックコメント手続は、実際にやっても意見が出ない例も少なくないですから、そういう意味では、この基本方針は、社会の関心が非常に高いのだと思います。大変ありがたいことだと思っています。
個別の意見を拝見しますと、恐らく地方公共団体の担当者が提出してきた意見と思われるものが幾つか見られました。今回、各主体の役割と連携というところの部分、多くの意見があるというお話でしたけれども、新たな責務規定の下で、実際にその責務が、各地域の状況に応じて、どのように具体化されていくのかというのは、各団体、非常に関心を持っているところだろうと思います。ですから、ここにどのように書き込まれるかは、非常に重要なところですので、最後まで丁寧に修正を入れてくださって、ありがたいと思っています。
それでコメントですけれども、今回の法改正によって、地方公共団体、都道府県も市町村も、まさに制度の担い手として位置づけられて、実施主体としての役割を期待されているということになりました。ですので、もちろんパブリックコメントで地方公共団体が意見を述べるのは全く否定されないし、むしろ歓迎でもあるのですが、こういう実施主体に位置づけられているのであれば、パブリックコメント以外のところで、もっと密に意見交換、可能な限り双方向で意見交換ができる場があるのが、望ましいのかなと感じた次第です。ぜひ今後、この基本方針の下で進めていく中で、そういう意見交換の場を丁寧に設けていただいて、現場の意見を吸い上げてほしいと思います。
あわせて、制度運用が始まってみると、当初は想定していなかったようなことが、運用実態として出てくるということが十分予想されると思います。ですので、現場を支えるという意味でも、適時見直しができるような形で、ぜひウオッチしながら、進めていただければと思います。
私からは以上です。よろしくお願いします。
【石井委員長】 ありがとうございます。
では、先ほどの石井信夫委員のほうへのご回答を先にお願いします。
【水﨑外来生物対策室長補佐】 すみません、お時間頂戴して申し訳ございません。
まず、石井先生のご指摘なんですけれども、気持ちを込めた形で、局地的であるもののほうがいいのではないかというご趣旨と思いますけども、できればここは、かつという形で、はっきりと両方成立するときが国の責務だという形で、基本方針として記載しておけたらというふうには考えてございます。
なお、局地的であっても定着しているものは、自治体のほうで被害に対応して、対策いただく場面もあり得ると思いますので、こういったところを国と地方公共団体、両方でしっかりと連携して対応していければというふうに考えてございます。
また、2点目の市町村のより地域住民に近い立場としてというところですけれども、こちらも、例えば、アルゼンチンアリみたいに、やっぱり住民被害みたいな側面も出てきますので、できればこのような地域住民という記載を残した形で、県と市町村の立場の違いというところを表現させていただけたらというふうに考えてございます。
勢一委員も、ご指摘ありがとうございます。
まさにおっしゃるとおりでして、この基本方針を見ただけでは分からない部分もありますし、現場ごとの対応の違いもございますので、まずは、この改正法そのものですとか、予算要望に書かれた地方公共団体の財政支援なども含めて、9月中に地方ブロックごとに分けた自治体向けの説明会というのを、地方関係事務所と一緒にやろうということを計画してございますので、そこで趣旨のご説明ですとか、困っていること、足りないことなど、今後の連携の在り方を含めて、意見交換をしっかりできればと思います。
また、そうした事務所、地方環境事務所ごとの自治体との連絡会議というのも、毎年開催してございますので、そういったところでのつながりですとか、意見交換の施策への反映というところも引き続き、より強力にできるようにやっていければというふうに考えてございます。
【石井委員長】 石井信夫委員、いかがでしょうか。
【石井(信)委員】 少しどっちがいいのかなと思うところはありますけど、作成者の意向を尊重したいと思います。
【石井委員長】 ありがとうございます。
勢一委員からは、コメントということで。よろしいですね。
そうしましたら、オンラインの委員のほうに参りたいと思います。広田委員、お願いできますでしょうか。
【広田委員】
基本方針の修正案そのものについては異議ありません。パブリックコメントへの対応の文章に関してです。具体的に言いますと、ナンバーの2とか4への回答の仕方が気になりました。ほかのパブリックコメントについては、原案のままにとさせていただきますとか、修正はしませんというような、明確な対応、書きぶりをしているのですが、2と4については、よく読めば分かるのですが、対応の仕方をもう少し明確に言い切ってもいいのかなという気がしました。そちらで検討していただければ、ここで回答していただかなくても構いません。
それから、もう一点が、20番目の殺処分する場合の、その対象とする生物に苦痛を与えない方法のご指摘があって、これはコメントというよりは質問です。そのパブリックコメントで言えば、例えば獣医師を必ず立ち会わせるようにしてくれとか、そういうようなご指摘があって、なるほどなと思う一方で、現実的には、それはちょっと難しいのかなという気がします。国際基準が定められているようではあるんですけれども、昆虫類等について、この苦痛を与えない方法というのが、なかなか判断が難しいようにも思えるので、そこら辺のところについて、もしも何か補足的な説明をしていただけるのであれば、お願いします。
以上の2点です。
【石井委員長】 ありがとうございました。
それでは、事務局のほう、お願いいたします。
【水﨑外来生物対策室長補佐】 広田委員、ご指摘ありがとうございます。
まず、パブリックコメントの回答案のところ、こちらのほう、統一されておらず失礼しました。そういった原案のままとしますといいますか、そういった趣旨はきちんと追記をしておこうと思います。
また、殺処分の部分につきましてですけども、こちらにつきましては、どんなものがこう本当に苦痛に該当するのかという研究ですとか、あと、ご指摘のあった実態面、どこまでできるかですとか、そういったいろんな点を考えながらやっていく、できる限り適切な方法、苦痛のない方法を選んでいくということかと思いますので、我々としましても、こうした最新の科学的知見の収集などを含めて、よりよいやり方というのは、常に模索していければというふうに考えてございます。
【広田委員】 ありがとうございます。
【石井委員長】 よろしいでしょうか。ありがとうございます。
そうしましたら、クリスティーヌ委員、お待たせしました。
【マリ・クリスティーヌ委員】 すみません、質問だったんですけれども、先ほどアカミミガメに対する指定管理者とか、そういうのは、どういう人たちのことを指すのかがちょっと分からなかったのと、たまたま昨日うちの地域でお祭りがあって、縁日にちょっと行ってきたんですけれども、そういうパブリックコメントをしたぐらいですので、やっぱり一般の方々にも分かりやすく、縁日で見た場合に、どこに通報すればいいのかとか、またはそういう縁日で売っていいものなのか、いけないものなのか、そういうところもはっきりしていただけると分かりやすいかなと思うんです。
恐らく、たくさんのアカミミガメが外に今ある理由の一つには、縁日で買ってきたということなので、そういうところでは、もう売ってはいけないという規定をつくるのか、それを罰金にするのか、よく分からないんですけど、そこのところの基といいますか、ソースのところを、輸入者とか輸入している業者だけではないと思うんですね。輸入する人たちは、売れるから輸入するのであって、売る先がなければ、それはもうできなくなってしまうので、例えば、一時的に10年間はもう売るのを止めさせるから、じゃあ、輸入業者にとってもおいしい仕事ではなくなってしまうとか、そこのところがちょっとこれだと見えないかなという感じがしたので、もし組み込まれているならば、どこのところに出てくるのかをちょっとお聞きしたかったのです。
【石井委員長】 ありがとうございます。
では、事務局、お願いします。
【水﨑外来生物対策室長補佐】 ご指摘ありがとうございます。亀に関して、今後どういう規制になるかというのは、この基本方針ではなくて、改正の法律ですとか、この基本方針を踏まえた形で政令をつくる中で、どういった規制をかけていくかというのを決めていくことになりますので、その中でしっかりと法律上、政令上の文言はどうしても硬くなってしまうかもしれないですが、しっかり広く国民の方に伝わるように、分かりやすい表現で発信をしていければというふうに考えております。
こちらで、基本方針で書かせていただいた所有者、管理者といいますのは、そういった販売とかをしているような個体の管理者、生き物の管理者というよりは、特定外来生物がいる場所とか施設に関してということで、例えば、民間の倉庫の中でアルゼンチンアリが出てきたとか、そういったときに、やはりそこの所有者、管理者の方には積極的な取組、ご協力を含めいただくことが期待されるというような趣旨で記載をしてございます。
【石井委員長】 クリスティーヌ委員、いかがでしょうか。
【マリ・クリスティーヌ委員】 そうすると、テキ屋さんは、自分たちのところで管理していれば同じ管理者になるわけですか。結局、縁日から縁日を回るために、やっぱり在庫を保持していかなければいけないから、どこかの倉庫に入れているわけですよね。もっと大きな元ではなくて、彼らが。
【石井委員長】 では、事務局、お願いします。
【水﨑外来生物対策室長補佐】 そうですね、管理者という意味を広く捉えると、そういう形にもなるのかもしれないですけれども、そういった販売に関しては、今のところの想定では、亀の販売そのものを規制しようという方向で考えておりますので、ちょっとここの記載とはまた別の部分といいますか、外来生物法で、特定外来生物に指定をして規制をかけると、まさに直接規制をかける部分でしっかりと販売に関する対応はしていければと、普及啓発も含めてやっていければと考えております。
【石井委員長】 クリスティーヌ委員、よろしいですか。よろしいですね。ミュートになってしまいましたね。
では、よろしいと見なさせていただきます。すみません。
ほかのご意見等はございますでしょうか。
【小泉委員】 すみません、そうしたらちょっと質問だけ。
【石井委員長】 小泉委員、お願いします。
【小泉委員】 ちょっと教えていただきたいという質問です。
34ページの国際協力の推進なんですが、ここの記述を読んでいて、これはまさにそうで、日本の船が止められたりなんかしている事例もありますので、ただ、ここに書いてあることというのは、日本だけではなくて、世界のどこの国もこういったことは配慮しなければいけないことだなというふうに感じまして、こういったものに関するそのワールドワイドな情報サイトみたいなのがあるかなと思って、ちょっと検索をかけてみたんですけれども、個別の情報はヒットしたんですが、例えば、ヒアリがどこで確認されているかというようなものの総合的なサイトって、ちょっと見当たらなかったんですね。日本が持ち出しちゃった虫がというような情報も個別にヒットする以外なくて、総合的なワールドワイドなサイトというのがあると各国対応がしやすいのではないかなと思ったので、もしそういうようなものがあれば教えていただきたい。ないのであれば、日本が率先して作っていくというような行動があってもいいんじゃないかなというふうに思いました。
以上です。
【石井委員長】 ありがとうございます。
これは質問ということですけれども、いかがでしょう。
【水﨑外来生物対策室長補佐】 ありがとうございます。
直接的にそういう情報共有システムについての記載は、基本方針では、そこまで具体には書けておりませんけれども、私自身、既存のシステムとしてどういうものが世界にあるのかというところ、勉強不足ではありますけれども、そういった情報共有というのは、各国の大きな負担になるものではない、規制に比べればですね、と思いますので、そういったところの模索というのは、引き続き検討できればというふうには考えております。
【石井委員長】 小泉委員、よろしいでしょうか。
【小泉委員】 はい、ありがとうございます。
【石井委員長】 それでは、磯崎委員、お願いします。
【磯崎委員】 ありがとうございます。
内容面ではなくて言い回しなんですが、先ほどの説明の最後の要点で、763から766行目です。この文章が箇条書で終わってしまっているので、それまでの文章と同じように、恐らくですが、適切に対応することが必要であるというような、そういう書き方のほうがいいと思います。
【石井委員長】 具体的なご指摘でございます。
事務局、いかがでしょう。
【水﨑外来生物対策室長補佐】 そのような形で修正させていただければと思います。ありがとうございます。
【石井委員長】 磯崎委員、よろしいですね。
ほかの委員、よろしいですか。
ほかにご意見がないようでしたら、この案件については、皆さんにお諮りしたいと思います。
それでは、本件につきまして、事務局案のとおり適当と認めてよろしいでしょうか。会場の方は挙手でお願いします。オンラインの方は、またいつものように腕で丸を作ることでお願いできますでしょうか。よろしいですね。
クリスティーヌ委員、よろしいですね。
(異議なし)
【石井委員長】 では、適当と認めることとさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
では、次の議題でございます。「国指定鳥獣保護区特別保護地区の指定(宮島沼、日出島、伊豆沼)について」ということで、事務局からご説明をお願いします。福田係長ですね。
【福田鳥獣保護管理室係長】 野生生物課鳥獣保護管理室の福田と申します。
本日、鳥獣保護区特別保護地区の指定について説明をさせていただきます。
資料を共有いたします。
本日、資料が幾つかありますが、今回、説明させていただく資料は、参考資料2-1で具体的に説明させていただきます。
まず、2ページをご覧ください。
まずは、国指定鳥獣保護区の制度と今回の諮問の関係について、ご説明させていただきます。
今回の諮問事項は、中央赤枠で囲った国指定鳥獣保護区のうち、特別保護地区の指定についてとなります。国指定鳥獣保護区は、国際的、全国的な鳥獣の保護の見地から、重要と認める区域を環境大臣が鳥獣保護区として指定するものであり、この鳥獣保護区では、狩猟が禁止されます。鳥獣保護区は、法律で20年以内を限度に存続することとなっており、存続期間は更新が可能となっております。
この鳥獣保護区の中で、特に、鳥獣の保護、または生息地の保護を図るために必要があると認める区域を特別保護地区として指定することができ、この特別保護地区内では狩猟の禁止に加えて、工作物の設置、水面の埋立て、干拓、木竹の伐採といった開発行為が規制されることになります。
今回の諮問は、この特別保護地区の指定に関するものとなります。
次に、3ページをご覧ください。
国指定鳥獣保護区には、その指定区分ごとに指定基準が定められております。本日、諮問する3地区のうち、宮島沼と伊豆沼は集団渡来地、日出島は集団繁殖地の区分での指定となります。
4ページ目をご覧ください。
鳥獣保護区の特別保護地区は、自治体、利害関係人との調整を基に、指定の案を作成し、この案について公告縦覧、パブリックコメント、公聴会を開催し、それらの結果を踏まえて、中央環境審議会への諮問、答申を官報告示により指定することになっております。
今回、諮問するのは、赤で示している宮島沼、日出島、伊豆沼の3件となります。
この3件に関しては、いずれも存続期間終了に伴う、鳥獣保護区の更新に際しての特別保護地区の再指定となります。今回は、いずれも区域の変更はありません。
まず、北海道に位置する宮島沼鳥獣保護区から説明をさせていただきます。
宮島沼鳥獣保護区は美唄市に位置し、集団渡来地の生息地の保護を目的として指定されています。区域自体の変更はありません。存続期間は、令和4年11月1日に再指定し、令和23年までの20年間となります。ラムサール条約登録湿地となっております。
マガンやヒシクイを代表とする渡り鳥の生息地であり、鳥類は、ハクチョウ、コチドリ、オジロワシ等の222種が生息しています。獣類は、エゾユキウサギ、キタキツネ等の17種が生息しています。
自然環境としては、石狩川左岸沿いの河跡湖沼群の一部で、マガンやコハクチョウ等の渡り鳥の重要な中継地となっております。マガンの飛来数は8万羽を超えると。国内の春の飛来地としては最大規模になっています。
当保護区の管理方針としては、鳥類の生息状況の把握、環境省職員や鳥獣保護区管理員による生息状況調査や巡視及び普及啓発、外来生物の防除などの活動を定めております。
管理状況としては、春と秋の一斉カウント、宮島沼水鳥・湿地センターでの情報発信、環境教育活動やオオハンゴンソウの駆除作業などをしているところです。
再指定に関して、8月下旬に公聴会を実施しております。主な意見として、マガンによる食害への対応についてご意見がありました。食害への対応は、関係機関と連携し、役割分担して対応していきたいと考えております。また、観光地として周辺環境整備にも力を入れてほしいとのご意見がありました。こちらも美唄市と連携して、対応していくというように回答しております。
次に、日出島に関して、ご説明をいたします。
日出島鳥獣保護区は、海鳥類の集団繁殖地として、区域全てが特別保護地区として指定されております。島自体が国指定天然記念物にも指定されているところです。
生息しているのはクロコシジロウミツバメ及びコシジロウミツバメなどのウミツバメ類、それから、オオミズナギドリ等の繁殖地となっています。特に、国内では三陸沿岸に3か所しか確認されていないクロコシジロウミツバメの繁殖地の一つとなっております。
管理方針は、海鳥類の集団繁殖地の保護管理のため、職員や管理員の上陸巡視を実施し、生息動向を把握すること、関係機関との連携に努めることとしています。
現状においても、上陸して巡視するほか、モニタリングサイト1000による調査などを行っているところです。また、クロコシジロウミツバメについては、繁殖環境の改善や人工巣箱の設置などの取組も行っております。
今回、公聴会を実施しておりますが、特に意見はありませんでした。
次に、伊豆沼鳥獣保護区及び特別保護地区の概要について説明をいたします。
伊豆沼鳥獣保護区は、渡り鳥の集団渡来地として指定されております。ラムサール条約登録湿地のほか、宮城県自然環境保全地域、それから、国指定天然記念物にも指定されているところです。
マガンやヒシクイをはじめ、シジュウカラガンやオジロワシなども生息しています。宮島沼と内沼という二つの淡水及び水田等の一部で、ガン類では多いときは10万羽近くの飛来があり、国内最大級の越冬地となっています。
当保護区の管理方針としては、環境省職員や鳥獣保護区管理員による巡視やモニタリング、そうしたことで鳥類の生息状況を把握しているところです。それから、地方公共団体や住民との連携による保全を行っております。
管理状況としては、巡視などにより、違法捕獲防止などに努め、鳥インフルエンザの調査や検査の拠点として、伊豆沼鳥獣保護管理センターの維持管理を行っておるところです。
伊豆沼の公聴会に関しては、記載のところで、オオハクチョウによるレンコンの食害という記載を計画書に書いていたところですが、レンコンについては、カモ類の被害であるとの指摘を受けて、意見のとおり修正しているところです。
最後になりますが、公告縦覧、それから、パブリックコメントを実施したところですが、特に、共に意見はなかったところです。
説明については以上になります。
【石井委員長】 はい、どうもご説明ありがとうございました。
それでは、委員の皆さんから、ご意見、ご質問を受けたいと思います。
先ほどと同じように会場のほうは、名札を立てていただき、オンラインの方は、挙手ボタンでお願いします。いかがでしょうか。
では、石井信夫委員、お願いします。
【石井(信)委員】 はい、石井です。ありがとうございます。
まず、宮島沼なんですけれども、管理方針に、アライグマ、オオハンゴンソウ等の外来生物の防除を進めていくと書いてありますけれども、管理状況は、オオハンゴンソウの駆除を行っているということが、それだけが書かれていますね。
それで、アライグマに関しては、何かこの鳥獣保護区で問題を起こしているのか。大型の鳥はあまり襲わないような気もしますけれども、あと、キツネもいるので捕食ということだけでいうと、そんなに問題が大きく考えられているということでないかもしれませんけど、アライグマに関して、何かこの鳥獣保護区で問題があるのか。あるとすれば、何か対策ということも考えているのかということを伺いたいと思います。それが質問です。
あと、三つ目の伊豆沼のほうなんですけれども、確認されている哺乳類は4種ということで、タヌキ、キツネ、イタチ、ニホンリスと出てきますけれども、そのほかに、小型の哺乳類ですね、食虫類とかネズミが何種かいると思います。ハタネズミがいるという情報が、ここには出ていませんけど、あったりします。
メインの保護の対象ではないですけれども、国指定の鳥獣保護区の特別保護地区なので、一応、哺乳類の小型の種についても調査をしておいたほうがいいのではないかと思いました。これはコメントです。
以上です。
【石井委員長】 はい、ありがとうございました。
それでは、二つありましたですけれども、事務局からお願いします。
【福田鳥獣保護管理室係長】 ありがとうございます。まず、宮島沼のアライグマに関してですが、今のところ大きな問題が起きているということは聞いておりません。外来種として、アライグマが生息しているということで書かせてもらいました。今後も状況は注視していきたいと考えているところです。
それから、伊豆沼の獣類について、ハタネズミもいるのではないかというところでご指摘ありがとうございます。基本的には、鳥獣保護区の更新に関して、獣類も調査をしているところですが、恐らくハタネズミの部分が抜けてしまっているのかと思います。今後、次の更新ということになるかとは思うのですが、調査をして、把握に努めていきたいと思います。ありがとうございます。
【石井委員長】 はい、石井信夫委員、いかがでしょう。よろしいですか。
【石井(信)委員】 はい、了解しましたけれども、何かのついでにといったら変ですけれども、次を待たずに、簡単な調査で分かるので、せっかくだから国指定のところなので、一通りの基本情報は押さえておいたほうがいいのかなと思います。
以上です。
【福田鳥獣保護管理室係長】 ありがとうございます。
【石井委員長】 ありがとうございました。
それでは、白山委員、お願いします。
【白山委員】 ありがとうございます。白山です。
日出島の鳥獣保護区についてなんですが、海鳥の管理方針として、海鳥が今、営巣している場所を保護するのは当然なんですけれども、彼らの餌を取る海のほうですね、これを鳥獣保護区としてどうのこうのするというのは難しいとはいえ、何らかの、今後、海域の生態系の保全をしないと、幾ら営巣地を一生懸命保護しても、結局、その種としてのクロコシジロウミツバメの保全につながらないということがあると思うんですね。多分、現在のシステムでは、採餌場である海域までいろいろ管理をするというのは難しいだろうとは思うんですけれども、今後別の、例えば、OECMみたいなものとうまく連携をして、このクロコシジロウミツバメをはじめとする海鳥の種としての保全のためにはどうすればいいかということを考えたときに、海域というものも少し視野に入れるということを考えていただきたいなというふうに思います。
これコメントでございますが、どうぞよろしくお願いします。
【石井委員長】 ありがとうございます。
事務局、いかがでしょう。
【福田鳥獣保護管理室係長】 ご指摘ありがとうございます。ご意見として承りたいと思います。
この辺りは、やはり海鳥として、野鳥の会などが定めるマリーンIBAなど、重要な海域として広く認識されていますので、当然、渡り鳥に関しては、渡りの先もそうですし、餌場もそうですし、繁殖地もそうなんですが、そういったところを一体的に考えていければと思います。ありがとうございます。
【石井委員長】 そうしたら、少しオンラインの委員のほうに参りたいと思います。
【石井委員長】 では、先に、宮本委員に行かせてください。お願いします。
【宮本委員】 宮本でございます。聞こえていますでしょうか。
【石井委員長】 すみません、こちらの事務局側のほうの問題みたいです。ちょっと待ってくださいね。すみません。
では、もう一回会場のほうに戻らせていただきます。すみません。
こちらの音声は聞こえていますよね。オンラインの委員の方、ちょっと丸で。はい、聞こえていますね。では、しばし、会場のほうにまた戻ります。
磯崎委員、お願いします。
【磯崎委員】 ありがとうございます。
資料の3と5の文章のほうに、宮島沼と、それから、伊豆沼について、管理方針のところで、鳥類を驚かすような不用意な行動とか、ごみの散乱で、それらによる影響の防止のためという言葉が入っていますが、具体的にこれらの行動というのが、これまでの20年間でどんな状況だったのか。もし、ある程度大きな影響があるというのであればですが、巡視とか普及啓発という、これまでやってきた行動で足りるのかどうか、具体的な状況をお知らせください。
【石井委員長】 はい、では、計画書のほうです。お願いします。
【福田鳥獣保護管理室係長】 ありがとうございます。
基本的には、やはりカメラマン等が集まってくると、そういったところで、鳥に影響があるという、そういう状況を改善したいということで、この文言を入れているところです。なので、今のところ物すごく大きな影響があって、それに対して、すごく困っているというところではないですし、特に、この地域、かなり認識をされてきていて、そういったことに配慮して行動してくれている方が増えているので、管理方針としては、ちょっと厳しめに記述を書いていますけど、今のところは落ち着いた状況で管理できているというところです。
【石井委員長】 磯崎委員、よろしいでしょうか。
オンラインのほうが、直ったというふうに事務局のほうから伺いました。広田委員、ちょっと。
【尾崎委員】 すみません、尾崎ですが、今の磯崎委員の質問のほうが聞こえませんでした。回答は聞こえましたけれども。
【石井委員長】 回答が聞こえて、質問のほうが聞こえなかったのですか。
【尾崎委員】 大体、予想はつきましたけど、ちょっと質問なしの回答でした。
【石井委員長】 じゃあ、ちょっと事務局、質問を繰り返してください。
【福田鳥獣保護管理室係長】 福田です。磯崎委員のほうからは、この20年間で、管理方針の中で、鳥類を脅かすような行動を巡視で監視していくというような記述を書かせてもらっているのですが、実際にそういうことがあったのかというようなご質問でした。それに対して、先ほどの回答をしたというところです。
【石井委員長】 尾崎委員、よろしいでしょうか。
はい、ありがとうございます。
では、お待たせいたしました。広田委員、すみません。
【広田委員】 質問は、宮島沼で、マガンによる小麦被害が甚大というような意見が出たということなんですが、この問題、結構昔から出ているようで、大分以前に、行政とか農業者等が集まって考える会のようなものを組織して、対応を検討されてこられたという経緯があるようです。にもかかわらず、まだ大きな被害が出ているということらしいんですけれども、その被害の実相、ないし、被害対策としてはどういうものが考えられて実行されているのかということについて、情報をお聞かせ願いたいんですが。
【石井委員長】 ありがとうございます。
では、事務局、お願いします。
【福田鳥獣保護管理室係長】 ありがとうございます。
実際、マガンの小麦の被害については、この宮島沼の周辺の田畑になります。田んぼと米畑が点在しているというか、広がっているようなところになりますが、美唄市が中心となって、マガンの被害対策ということで、多分先ほどおっしゃっていたものになるかと思うのですが、協議会を設けて、平成14年辺りから対策の協議をしたということを伺っています。
実際、その協議会自体は、平成27年に解散したということですが、防鳥テープというものを畑等に張り巡らせると、そういったところで被害を抑えてきているというところを伺っています。実際、今回、被害について公聴会で言及があったのですが、そういった対策をしていない畑で被害が出ているというようなデータが出ているので、そういったところも実際、今後、対策を立てて被害を少なくしていくというような方針にはなっているところです。
【広田委員】 ここのマガンは飛来数も多いし、もともと田んぼの落ち穂なんかを食べていたのが、どんどん減反で水稲の作付面積が少なくなって、おそらく転作で小麦等を植えてきたのだと思います。ちょうど春先、小麦の実がなるときに、マガンの飛来数が多いので、小麦の食害が出ていると思うんですが、取りあえず、麦畑に来ないようにするという対策だけでは、根本的な解決にならないような気がするんですけれども。その辺りの対応も現在進められているというふうに理解してよろしいんでしょうか。
【福田鳥獣保護管理室係長】 そうですね。こういった問題に対しては、連携してやっているところです。
【広田委員】 これ、中心は美唄市がやっていらっしゃるんですか。
【福田鳥獣保護管理室係長】 そうですね、はい。
【広田委員】 分かりました。公聴会で「多大な被害」というようなことが出ているわけですから、やっぱりちゃんとそれなりの対応は必要かなと思いまして、コメントさせていただきました。
以上です。
【福田鳥獣保護管理室係長】 ありがとうございます。
【石井委員長】 どうもありがとうございました。
それでは、続けて、宮本委員、お願いします。
【宮本委員】 ありがとうございます。宮本です。
鳥インフルエンザについてお伺いしたいと思います。
伊豆沼のほうでは、管理方針の5番目に高病原性鳥インフルエンザのサーベイランス調査の主要拠点としての機能を維持すると明記してございますが、ほかの2か所では特に言及していないようなんですけれども、この差というのは、どんな背景によって生じているのかということについて、教えていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
【石井委員長】 はい、ありがとうございます。
事務局、お願いします。
【福田鳥獣保護管理室係長】 ご指摘、ありがとうございます。
基本的に伊豆沼のこの鳥フルの調査の記載に関しては、自治体にこの拠点があるというところで、この施設を中心に対策をしていますというところを書かせてもらいました。
ほかの日出島は、そこまで、鳥インフルエンザに関して、まだそこまでの危惧というか、もちろん被害がある場合は、きちんと対応するということはあるのですが、日出島よりは、宮島沼のほうも、当然鳥フルの対策ということは念頭にあります。
先ほども申したとおり、環境省の施設があるというところで伊豆沼のことを書かせてもらっていますが、記載にはありませんが、鳥フル対策としては、かなり昨年も北海道で大量発生しているところで、市町村、それから北海道と含めて、対応していくということでは申し合わせているところです。
【大林外来生物対策室長】 ちょっと補足しましょうか。
【宮本委員】 分かりました。ありがとうございます。
【大林外来生物対策室長】 私、前に北海道の事務所で野生課長を併任していましたので。
宮島のほうは、ちょっと時期が、基本的には10月で南のほうに去っちゃって、また来るのが5月とかというので、そのちょっと中心として、ポイントとして見るには少し適さない。ただ、もちろん気をつけているというところとなります。
【石井委員長】 今、外来室長のほうから補足いただきました。よろしいでしょうか。
それでは、続けて、尾崎委員、お願いします。
【尾崎委員】 ありがとうございます。聞こえていますでしょうか。
【石井委員長】 大丈夫です。
【尾崎委員】 鳥獣保護区と特別鳥獣保護区、ちょっと私、不勉強なんですが、今回のは全て特別ですね。特別がつくと、工作物を作るときの制限とか、そういった環境改変の制限があるようには、先ほどのご説明でいただけたんですが、調査とか、管理とか、その辺りで鳥獣保護区と大きな差というか、ウエートを占めるような決まりがあるんでしょうか。ちょっとその辺りについて、教えていただけますでしょうか。
【石井委員長】 では、事務局、お願いします。
【福田鳥獣保護管理室係長】 ありがとうございます。
実際は、調査、管理に関して、鳥獣保護区、それから特別保護地区で、大きな違いに関する規定というのはありません。
ただ、そもそもその生息地を守らなければいけない、要するに工作物等を規制しなければいけないというような地域を定めていることからも分かるとおり、やはり特別保護地区が重要なところとして、重点的に調査なり、管理なりということは考えているところです。
【石井委員長】 尾崎委員、よろしいですか。
【尾崎委員】 はい、分かりました。
【石井委員長】 ありがとうございます。
【尾崎委員】ちょっと追加しますと、日出島ですが、モニタリングサイト1000で数年に一度の繁殖状況の調査をやっているというふうに記憶しています。海鳥の繁殖地というのは、色々なリスク、例えば猫など害獣が入るとか、そういったことで、一気に崩壊することもあるんですね。
それから、先ほど鳥フルのこともありましたが、これまでガン、カモ類が主体であった鳥フルが、今年は海鳥の繁殖地で、例えば、アジサシやカモメ類で、ヨーロッパやアメリカで多数発生しています。ちょっとこれまでの鳥フルと違う状況になってきていますので、海鳥の繁殖地というものは、重点的に、できれば毎年のような形で調査をしておく必要が有ると思います。
【石井委員長】 ありがとうございます。
事務局、お願いします。
【福田鳥獣保護管理室係長】 ありがとうございます。
おっしゃるとおりかと思います。日出島に関しては、モニタリング1000でも調査をしていますし、標識調査も行っておりますので、毎年、確認はしているところなので、鳥フルの状況とかも、そういったところにもきちんと監視をしつつ、島の状況を見ていきたいというふうに思います。ありがとうございます。
【石井委員長】 尾崎委員、よろしいですね。
それでは、イルカ委員、お願いします。
【イルカ委員】 はい、ありがとうございます。
基本的なことで、ちょっと質問させていただきたいと思いまして、先ほどからいろいろ委員会での報告というものを拝見しておりますと、特に意見なしというところが、ちょっと引っかかりました。
問題がないのか、それとも関心が低いのかとか、いろいろ想像してみるんですけれども、今、いろいろ皆様からのお話を伺っていますと、非常に多大なる被害があるというようなこと、皆様、これは常識的に分かっていらっしゃるから、特に言うこともなしというふうにお考えなのかもしれないんですけれども、やはり一つずつ、特に意見なしということだけでなく、重複しても、やはりその問題がいまだ持続しているのかどうかというようなことも、ぜひそこに入れていただけると、もっと詳しく分かりやすいなというふうに思いました。
そして、もう一つの質問が、その会議に出席される方々なんですけれども、いつもその同じ方々が出席されているのか、それとも、交代制なのかということで、より地域に本当に密着した人の参加ということが望ましく必要なのではないかなというふうに思っているので、どういう方々が選ばれて、そこに参加されているのかなというのが、非常に基本的なことで、いろいろと分からないことが多かったので、質問させていただきたいと思います。よろしくお願いします。
【石井委員長】 分かりました。公聴会についてのご質問です。
事務局、お願いします。
【福田鳥獣保護管理室係長】 ありがとうございます。
意見なしというところで、特に、パブリックコメントとかでは、今回の案件は全て単純更新と、変更なしでの更新というところで意見がなかったのかと思っております。私自身、3年目になりますが、意見がなかったのは、今回が初めてだったので、特に、何かやり方とか、そういうことが悪いとかではなくて、単純に意見がなかったのかなというふうに受け止めていたところです。
それから、委員に関して、おっしゃるとおり、地域に密着したような方々のご意見というところも大事かと思っております。そういったところを先ほどお伝えした公聴会とか、そういうところで拾っていくというような仕組みになっております。今回、開催させてもらっている野生生物小委員会は、そういったところを踏まえて、大きな視点で議論をいただくというような場で委員の皆様をお呼びさせてもらっているところになります。
こんな回答でよろしいでしょうか。
【石井委員長】 イルカ委員、よろしいですか。
【イルカ委員】 はい、ありがとうございますよく分かりました。
ということは、非常にいい方向に向かっているということで、認識させていただいていいのであれば、これはとてもいいことだというふうには思うんですけれども、もしそこで何かすぽっと抜けていることがあるとすれば、地域に密着された方々というのは、やはりあまり弁論が立つというか、お話が上手であったりとかという方は割と少ない方々が多いと思うんですね。なので、より環境省の方なりが、皆様が回っているときに、そういう方々のご意見をいろいろ伺ったものも踏まえて、またそういう中で、ご意見としてまとめていただくという方向を、より強めていただきたいなというふうに思っておりますので、地域密着型という形のご報告を、これからもよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
【石井委員長】 ありがとうございます。
事務局、いかがですか。
【福田鳥獣保護管理室係長】 ありがとうございます。
地域と、それから多くの意見を拾えるように、これからもやっていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
【石井委員長】 それでは、小泉委員。よろしくお願いします。
【小泉委員】 ありがとうございます。小泉です。
お願いです。集団渡来地ですので渡来状況、目録だけではなくて数とその変動、それから集団繁殖地であれば繁殖状況、調査を行われていると思いますので、その結果をレビューしながら、これまでの20年、特別保護地区として機能してきた、そして、これから20年、コアエリアとして、引き続き重要であり、機能するというような説明の仕方もしていただけるとよかったかなというふうに思います。せっかく調査されていますので、そのデータも、この機会に取りまとめてレビューしながらご説明いただくと、その重要性がより深く理解されるのではないかなというふうに感じましたので、今後よろしくお願いいたします。
【石井委員長】 事務局、いかがでしょう。
【福田鳥獣保護管理室係長】 ありがとうございます。
繁殖状況や渡来状況は、整理はしているのですが、ちょっと今回の説明で抜けていたところでもありますので、今後、そのように説明できればと思います。ありがとうございます。
【小泉委員】 よろしくお願いします。ありがとうございます。
【石井委員長】 どうもありがとうございます。
磯崎委員、追加ということで、よろしいですか。お願いします。
【磯崎委員】 先ほどのイルカ委員の質問との関係です。宮島沼と伊豆沼で公述人の欠席率がすごく高い、5割、あるいは5割以上が欠席となっているんです。この背景にあるのは、公述人の選び方なのか、あるいはそのほかなのか。また、欠席した公述人も、賛成の人数だと入っているようですが、そういうときに、意見を事前に出してもらっているのか、その辺を教えていただければ。
【石井委員長】 ありがとうございます。
では事務局、お願いします。
【福田鳥獣保護管理室係長】 ありがとうございます。
出席に関しては、丁寧にお声がけさせてもらっているところなのですが、やはり関心がある方とない方、その土地に関する利害関係者として、公聴会にお呼びする方を選ばせてもらっています。その中でも農業関係の方でさえ、関心がある方とない方がいて、特に、先ほどお伝えしたマガンの被害とかということも、この場で言いたいという方は積極的に来るんですけど、特に、今回のような単純更新で、特に何もなく進めてくださいというような方が出席されないというような背景があります。あとは、土地改良区の方とか、土地に関係する方々で、特に問題が生じてない場合は、やはりあまり参加をしていただけないというような形になっております。
ただ、環境省のほうとしては、できるだけその土地に関係する、私有地も含みますので、そこに関係する方々を利害関係者として選ばせてもらって、意見を書類で出してもらうような手続をしていますので、欠席した場合も、賛成なのか反対なのかということを書類でもらっておりますので、その部分は、間違いなく手続を進めているというところです。
【石井委員長】 磯崎委員、よろしいですか。
勢一委員、お願いします。
【勢一委員】 すみません、勢一です。
私もあまり全体の仕組みを把握していないので、少し的外れのコメントかもしれないのですけれども、少し質問を兼ねて教えてください。
今回、計画書を示していただいて、これでまた同じ条件で再指定という原案だと受け止めています。
私が見ていて分からなかったのは、この特別保護地区は、鳥獣の保護と生息地の保護を図ることが目的の指定で、それを図るための計画書が今回出ているものだと思います。
そうすると、先ほどご指摘はあったのですけれども、現状がどのぐらいの飛来があったり、どのような保護措置がこれまで行われてきたかなどが示されて、さらにそれを同じような状況で、同じぐらいの目標で維持することなのかどうなのかという、質的なクオリティ担保をどの基準で図るのかというのが、この計画書を拝見していてもよく分からなくて、この辺りの制度的な担保は、どのような形で行われているのでしょうか。この計画書なのか、それとも違う形のところなのか。質の部分がどうなっているのか分からないところで、もし今の段階で教えていただけるのでしたら、お願いします。
【石井委員長】 よろしいですか。
では、事務局、どうぞ。
【福田鳥獣保護管理室係長】 ありがとうございます。
実際、計画書については、大まかな記載になっているところなのですが、鳥獣保護区に関しては、実施計画みたいな形で、マスタープランというような、実施計画をつくるような制度もあります。そういったところで具体の動きを決めていくというような、今、20年間での計画書になっているのですけど、もっと短期間に動きを決めていくというような制度もあるところです。
【東岡鳥獣保護管理室長】 すみません、ちょっと補足させていただいてよろしいでしょうか。
【石井委員長】 そうですね、お願いします。
【東岡鳥獣保護管理室長】 鳥獣保護管理室長、東岡でございます。
鳥獣保護区自体は、狩猟を規制して、特別保護地区では様々な行為規制があるということで、現状を悪化する行為を規制をしているわけでございますけども、別に鳥獣保護区における保全事業というものがございまして、仮に、その鳥獣保護区で何か生育環境に悪い何かが、変化が起きているということであれば、鳥獣保護区における保全事業ということで、例えば、乾燥化が進んでいる場合は、乾燥化を防止するために水を循環させるような措置を講じたり、そういった対応をしている鳥獣保護区もございますので、そこはそれぞれの鳥獣保護区で、何か生育状況が悪化していれば、その質の担保として、環境省としては、国指定鳥獣保護区においては保全事業などを実施するということと思っております。
【石井委員長】 はい、鳥獣室長のほうから補足いただきました。いかがですか。
【勢一委員】 ご丁寧にご説明ありがとうございます。
実態は、ご説明のように適切に管理をしていただいていると思うのですが、この計画書の段階で、そうした現状についての記載がないというのは、今まで専門家の皆さんのご議論とかを伺っていて、少し不思議に、また、計画書、計画の仕組みとしても不思議に感じたところです。これは私のコメントですけれども、ご説明いただいてありがとうございました。
【石井委員長】 はい、分かりました。ここで今、修正してほしいと、そういう意見ではないわけですね。
【勢一委員】 はい。
【石井委員長】 分かりました。
ほかはいかがでしょうか。
オンラインの方もよろしいですね。
では、特に、反対の意見はなかったと思いますけれども、今後こうしてほしいというようなご意見もあったかなというふうに思っております。
では、この件についても、お諮りしたいと思います。
本件につきましては、事務局案のとおり、適当と認めてよろしいでしょうか。それでは、先ほどと同じように会場は挙手で、オンラインの方は腕で丸で意思表示いただけますでしょうか。
(異議なし)
【石井委員長】 ありがとうございます。では、本件については適当と認めさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
【福田鳥獣保護管理室係長】 すみません、ありがとうございました。先ほどご説明した資料の中で、公告縦覧の日付の記載に誤りがあったので、修正したいと思います。失礼しました。ありがとうございました。
【石井委員長】 はい、よろしいですね。
それでは、報告事項に参りたいと思います。
トキと共生する里地づく取組地域の公募結果についてということで、事務局からご報告ください。これは岩谷補佐ということで、お願いします。
【岩谷希少種保全推進室補佐】 野生生物課希少種保全推進室の岩谷と申します。よろしくお願いいたします。
私のほうからは、トキと共生する里地づくり取組地域の公募結果についてご報告させていただきます。
前々回の6月の野生小委で公募開始についてご報告をさせていただきまして、先般、8月10日に開催されました自然環境部会の中でも同様の報告をさせていただきましたので、委員の皆様におかれましては前も聞いたなと思われている方もいらっしゃるかと思いますが、どうぞご了承ください。
それでは、お手元の資料3の1ページ目をご覧ください。まず、本公募に係る背景でございます。
ご承知のとおり、これまでトキの保護増殖事業におきましては、新潟県の佐渡のみでトキの野生復帰を行ってまいったところでございます。関係者の皆様のご尽力によりまして、今では野生下で約480羽にまで生息数が増加しておるところです。この佐渡において生息数が順調に増えているということを背景にいたしまして、次のステージとして、佐渡以外の地域でもトキの定着を目指すことといたしまして、昨年度6月の野生小委員会にお諮りいたしまして、保護増殖事業の変更をさせていただいたところでございます。これを踏まえまして、本州等においてもトキと共生する里地づくりの取組を進めていくということといたしました。
取組の概要といたしましては、資料1ページ目の2の取組の概要というところをご覧いただければと思いますけれども、トキ受入れに意欲の地方公共団体、環境省等が連携しながらトキと共生する里地づくりを推進するという予定としておりまして、先般、5月10日よりトキの生息環境の整備に意欲的な地方公共団体の公募を開始しておりました。今回の公募におきましては、再導入を行い、将来的にトキの野生復帰を目指していくという里地、A地域と呼んでございますけれども、及び、放鳥は行わないものの、将来的に飛来してきたトキが生息できるような環境整備を進める地域、トキとの共生を目指す里地、B地域と呼んでおりますけれども、この二つのパターンの地域の公募を行いました。
その結果といたしまして、それぞれ3地域の計6地域から応募がございました。先般、有識者を含む選定委員会で審査を行いまして、選定結果を8月5日に公表いたしました。選定地域につきましては、次の2ページ目をご覧ください。
トキの野生復帰を目指す里地といたしまして、石川県と能登半島の9市町、島根県の出雲市の2地域を選定しております。放鳥は行わないものの、飛来したトキが生息できる環境整備を進める地域、B地域といたしまして、宮城県の登米市、秋田県にかほ市、茨城県、栃木県、千葉県、埼玉県の18市町で構成されましたコウノトリ・トキの舞う関東自治体フォーラムの3地域をB地域として選定いたしました。
野生復帰を目指す里地として、A地域として応募のあった新潟県ほか5市町村につきましては、一部地域の合意形成に課題が認められたため、応募者からも丁寧に対応したい旨の申出がありまして、継続審議として取り扱ってございます。本地域につきましては、課題の調整状況等を再度確認した上で最終判断をするということにしてございます。
1ページ目の今後のスケジュールに戻っていただきまして、今後のスケジュールでございますけれども、今後12月を目処に、選定された地域やトキと共生する里地の先進地である佐渡市、その他関係機関等によりまして、トキと共生する里地づくり協議会を設立いたしまして、地域間で情報共有をしっかりと図りながら取組を進めてまいりたいと考えております。
野生復帰に向けた中長期的なスケジュールといたしましては、少なくとも2025年度頃まではしっかりと生息環境等の整備を行っていただきまして、その後、進捗状況等を確認いたしまして、専門家の意見なども踏まえつつ放鳥の適否や放鳥に適した時期等を判断することとしております。
資料の3ページ目につきましては、選定された地域の位置図をお示ししております。
4ページ目以降につきましては、トキの野生復帰の行程等をお示しした野生復帰のロードマップ2025ですとか、今回の公募のプロセス等の資料をご参考につけておりますので、後ほどご覧いただければと思います。
以上です。
【石井委員長】 どうもご説明ありがとうございます。
それでは、ただいまのご報告ですけれども、ご質問、ご意見等があったらお願いしたいと思います。よろしくお願いします。いかがでしょうか。
では、宮本委員、お願いします。
【宮本委員】 宮本でございます。
4ページ目のロードマップにつきまして、1点お願いがございます。現状と課題のところに遺伝的多様性の確保、地域住民とのあつれきと書いてございますけれども、人とのあつれきのほかに先住の野生生物とのあつれきというのも考えられるかと思いますので、それにつきましてもモニタリング等で情報収集、あるいは適切な対応等に努めていただきたいと考えます。トキ自身がほかの小動物の天敵になってしまったり、あるいはほかの野鳥の生息域に影響を与えたりということが考えられるかと思いますので、その点につきましてもご配慮をお願いしたいと思います。
以上です。
【石井委員長】 ありがとうございます。
事務局、いかがでしょうか。
【岩谷希少種保全推進室補佐】 はい、ありがとうございます。
佐渡では、現在、放鳥後、しっかりとその後のモニタリング等も行っておりますので、そういった情報収集もしっかりとしながら、今後の本州での展開にも生かしていきたいと考えております。ありがとうございます。
【石井委員長】 それでは、次の委員、私、画面の文字が隠れて読めないんですけれど、五箇さんですかね、五箇委員ですか、よろしくお願いします。
【五箇委員】 五箇です。すみませんです。
今の意見にもちょっと被るところもあるんですけど、そもそもこのトキ自体は、ある意味、導入種ということになるので、事業としてもう既に進んでいることですから、そもそも論を言ってもしようがないんですけども、その中で遺伝的な多様性の維持といったようなこと、確保ということも目標にあるんですけど、そもそもがこういったトキというものの地域個体群における遺伝子の固有性とか多様性といったものがどういったものであったかというベースに基づいて本来は導入計画というのはされるべきであって、平たく言うと、これはもう本当、中国産のトキといったものを導入して、個体群として再生させるというようなことが目的であり、その過程において、そのトキも住める環境を復元し、保全していくということが大きな目標になっていると私自身は理解しているんですけども、ここで何かさらっと遺伝的多様性確保と書いてあるけど、これは本当にサイエンティフィックに意味があることなのかどうかという議論がどれだけされているのかなということですよね。絶滅しないために遺伝子の多様度そのものをキープするという意味なんだろうと思うんですが、本質的に生物の集団の遺伝子の多様性というのは、やっぱり地域の固有性もあって、そこの地域に適応した形での遺伝子集団というものがあるということが重要なのであって、何かちょっと書きぶりとして、こうさらっと遺伝子の多様性というのを安易に使っていることは少し生物地理をやっている人間としてもすごく引っかかるところがあって、既に、何度も言うように、事業として進んでいるものですから、ここでそもそも論を言ってもしようがないですけど、こういったところの科学的議論というのはどの程度されているのかなというのが非常に気になるんです。
あと、これもやっぱり再導入種ということになりますので、そういった部分と、例えば冒頭にあった外来生物について、今後、国内における国内外来種、国内における個体群の移動という部分に関しても議論を進めていかなきゃならないということがある中で、こういった事業というものの位置づけというものを環境省としてどのように説明されるのかということは、ちょっとずっと外来種をやってきた人間としては気にするところであり、その辺のところの説明というものを実際問題、どういった形でされているのか、環境省としてはどういうふうに考えているかというのはちょっと聞いておきたいと思います。
以上です。
【石井委員長】 はい、ありがとうございます。
それでは、事務局のほう、お願いします。
【岩谷希少種保全推進室補佐】 はい、ありがとうございます。
遺伝的多様性につきましてですけれども、ご指摘いただいたように、今、佐渡で野生復帰を行い、佐渡に生存しておりますトキというのは、中国からファウンダーを提供していただいて、今、生存している個体のファウンダーというのは全て7羽に、中国から提供していただいた7羽に行き着くというのが実際のところでございます。遺伝的多様性については、その7羽のファウンダーから全てが生まれているということで、ある種限界はあるんだろうなというところはありますけれども、その中で限られた体制の中にはなるのかもしれないですけれども、ペアの考え方とか、そういったものは遺伝的に遠い組合せとか、そういったものを試行錯誤しながら、解析なども踏まえながら進めている、試行ということにはなりますけれども、今そういったところで、できるだけその多様性を確保するように組合せなどを考えて、もちろん繁殖個体間の話ではありますけれども、そういったことを留意しながら進めていっているというところではございます。
再導入種になるということについてですが、トキにつきましては、減ってしまう以前についてはかなり広く生存していたと、日本各地に生存していたという記録も残ってございますので、基本的にもちろん再導入という形になりますので、生息していた地域に再度導入することが基本となり、そういったバックグラウンドもしっかりと整理しながら適地を整理していくということにはなるかと考えております。
すみません、ちょっと答えになっているかですけれども、以上です。
【石井委員長】 五箇委員、よろしいですか。
【五箇委員】 大体回答としてはそういったところだろうと思いますけど、ちょっとだから書きぶりとして遺伝的多様性の確保という書き方をすると、保全遺伝学としての多様性維持という部分と混同されてしまう。今のは明らかに動物園的に個体群維持のための遺伝子のシャッフルという意味での多様性の何ていうか管理ですよね。だから、本当に人為的な管理という部分をしっかりと前面に出して説明していただかないと、ちょっとトリッキーに、何となく誤魔化しているように見えちゃうんですね、このトキの再導入計画については。今おっしゃったとおり、もう本当にファウンダーとしては完全に限られた外国産の集団というものをベースにしているということを、それをあえてやるという環境科学的な意味、環境省としての事業の意味というものをしっかりともっと説明していただきたいと。ちょっとここをあやふやにしながら冒頭の外来生物導入における国内外来種の管理の問題というのをいうとすると、もう何となく二枚舌に映ってしまうというのは、ちょっとそこは弱点になりかねない。私自身は別にトキの再導入そのものを否定するわけではないんですが、その目的とか意義というものをもっと前面にしっかり出していただきたく、こういう書きぶりをしてしまうと何となくトリッキーに「遺伝的多様性」が扱われているような気がしてならないというところがずっと気になっているところなので、その説明はしっかりとしていただきたいなというふうに思います。
以上です。
【石井委員長】 どうしましょう。どなたか。
【五箇委員】 いや、もういいです。別に、取りあえずこれはもう事業・・・。
【石井委員長】 いや、もうこれは局長くらいが説明しないと駄目なのかなと。
局長、何かありますか、一言。
【奥田自然環境局長】 もう細い部分はお答えするまでもないと思いますけども、やはり丁寧な説明、具体的に今、五箇先生がご指摘いただいた誤解のない形で説明をしていくというのは重要だと思いますので、その辺は今後も慎重にやっていきたいと思います。貴重なご意見、ありがとうございました。
【石井委員長】 ありがとうございました。
五箇さん、よろしいですか。
【五箇委員】 ごめんなさい、ここを長々言っていてもしようがないけど、生き物を移送して導入するというものに際しては、それが個体としてだけ移動しているのであって、我々が専門としている例えばダニの世界でも、トキウモウダニという固有のダニがいたんですね。日本のトキの日本固有のダニがいたと。当然、これ、再導入に関してはそれはもういないわけで、そのダニも一緒に絶滅してしまっていないと。本来そういった生き物という個体一つにも共生系なり、そういったものを移送させるがゆえに、場合によってはいろいろとリスクが生じることもあるということを考えると、何となくそこの議論とか科学的な追求というものをちょっと浅くし過ぎているのはよろしくないなというのはずっと感じているところで、もっと本来、こういった事業を通じてそういった議論もしっかりしていただければというふうに考えております。単純に動物というものを移動させれば、それで復帰させればオーケーということじゃなくて、もともとのバックグラウンドとしての様々な共生系、そこにはミクロな世界もあっての話ということを、それこそ、今問題となっている鳥インフルエンザなんかも含めて、本来ならこういった野生動物は様々な病原体も含めて持っているものであり、そういったものをやはりきちんと追求して分析した上で総合的な管理というものをこういった個体群導入という部分についてもするべきであって、どうにもちょっとこの事業に関してはそこがすっぱ抜けているような気がしてならないというのはずっとかねがね思っているところで、もちろんそういった議論そのものは最近になって沸き上がったことではありますが、逆にそういった議論があるならば、そういったことも視野に入れながら、こういった事業の正当性とか意義といったものがしっかり説明できるようにしておいていただきたいというふうに思います。
以上です。
【石井委員長】 ありがとうございます。
それでは、佐藤委員、お待たせしました。
【佐藤委員】 すみません、佐藤です。聞こえていますでしょうか。
【石井委員長】 はい、大丈夫です。
【佐藤委員】 すみません。五箇先生とほぼ同じ質問だったんですけど、あえて言うならば、遺伝的多様性を保持する目的があるのなら、今現在は遺伝的多様性の分析はどこまでされているのかということと、それから、そもそも7羽から始まったこのグループ、遺伝的多様性を議論するなら、今後、中国、韓国等から新たな個体を導入する計画があるのかどうかちょっとお聞きしたかったです。
【石井委員長】 ありがとうございます。
事務局、いかがでしょうか。
【岩谷希少種保全推進室補佐】 はい、ありがとうございます。
今後、新たな個体を迎え入れるような計画はあるかというところですけれども、今、既に具体的に動いているかというと、そういった状況ではないです。ただ、中国とは日中トキ保護協力ということで毎年しっかりと協力体制を築いて技術的な交流なども行っておりますので、そういった遺伝的多様性、今現在、その遺伝的多様性の面で何かすごく問題が起こっているという状況ではないと認識しておりますけれども、そういった事態も今後考え得るということではあるかなと思いますので、そういった中国、韓国も最近野生下で繁殖したという話もありますけれども、そういった中国、韓国とのネットワークもしっかりと維持しつつ、必要に応じて新たな個体なども検討していく必要があるかなということで認識してございます。
【石井委員長】 佐藤委員、よろしいですか。
【佐藤委員】 今現在の遺伝的な多様度の分析というのはされているんですか。
【岩谷希少種保全推進室補佐】 はい、先ほど五箇委員にもご説明した回答になってしまうんですけれども、遺伝的多様性の分析については随時行っておりまして、それに基づいてペアなどを検討しているという段階でございます。ただ、しっかりとその手法について確立しているかというと、まだ今いろんな課題が見えてきている状態ですので、試行をしながら、今、専門家の方のご意見も聞きながらいろいろと試行錯誤しながら進めているという状況でございます。
【佐藤委員】 はい、ありがとうございます。
【石井委員長】 はい、ありがとうございました。
では、広田委員、お願いします。
【広田委員】 その生息環境の保全再生についてお願いにもなるんですが、今回申請された地域でトキの生息環境というか採餌環境としては、やっぱり水田が重要だと思います。ドジョウ等の餌を取る場所なんですけれども、実はこの間、基盤整備が随分進んでしまっていて、ドジョウは基盤整備後にも最後までしぶとく残ってはいるんですけれども、やっぱり全体として餌資源が貧弱化している状況があります。ただ、基盤整備した水田でも、ちょっと工夫すればドジョウが上がってこられるような環境を作り出せる技術もあります。また、まだ基盤整備が進んでいなくて、多様な魚類や水生生物が生き残っている田んぼもあります。ですから、そこら辺、戦略的な保全と戦略的な再生というのを、この申請地域同士の意見交換もしながら、そして技術的指導なども取り入れながら、是非進めていただければと思います。
以上です。
【石井委員長】 ありがとうございます。
事務局、何かございますか。
【岩谷希少種保全推進室補佐】 はい、ありがとうございます。
まさにご指摘いただいたとおりだなと思っておりまして、佐渡で先進的に今まで進めてきた例もありますので、そういったところをうまく本州に適用しながら、過度な負担にならない、各地域において持続できるような方法を模索しながら、今既に基盤整備してあるところにつきましても少しの工夫でできるような、そういったこともあるということですので、そういったところで進めていければと思っております。ありがとうございます。
【石井委員長】 よろしいでしょうか。
【広田委員】 はい。
【石井委員長】 それでは、勢一委員、お願いします。
【勢一委員】 ありがとうございます。勢一です。
私から質問になるんですけれども、今ご指摘があったように、確かに水田とか、あと餌資源になるようなところをきちんと作っていくという、いわゆる里地を作っていくことが今回必要な取組だと思います。意欲的な自治体に手を挙げてもらって先駆的にやってもらうというスキームだと思うのですが、こういうことを続けていく、かなり中長期的なプランでやっていかなければいけないことだと思います。この取組を支えるような、何らか使える制度的な枠組みとか制度的な手法の活用というところは、何か想定されているのがあるのでしょうか。
【石井委員長】 事務局、どうでしょう。
【岩谷希少種保全推進室補佐】 はい、ありがとうございます。
ちょっと実は、これをピンポイントでお支えできるような支援策がご用意できているかというと、そうではないというのが実態になります。なかなか予算面で十分な配慮ができていないというところはございますので、そこは環境省としては技術面でカバーしていくだとか、うまく運ぶスキーム面でサポートしていくとか、折に触れてその環境省としても状況をチェックしていくだとか、そういったところは必要かなと思っておりますけれども、この手厚く何かサポートができるかというと、ちょっと今そこはご用意ができていない状況ですので、そういった面でもカバーしていければなというところでございます。すみません、あまり答えになっていないですが。
【石井委員長】 よろしいですか。
【勢一委員】 はい、ありがとうございます。
私が質問させていただいたのはその趣旨ではなくて、確かに財政的な支援とか技術的な支援は当然必要だと思いますが、それは当然いろいろな制約が、日本全体に制約がある中での取組ですので、今ここで求めるものではありません。私が質問させていただいたのはそうではなくて制度的な仕組みです。何らかの地域指定とかゾーニングとか、そういう制度として担保していかないと、恐らく人々も入れ替わりますし、人口減少、高齢化で耕作放棄地も増えたりすることに対応できず、また、前回のとき少し申し上げましたけれども、他方で、再エネを急速に増やすための改正温対法のスキームも動き出しています。その中で地域において里地をしっかり育んでいくために、制度的にそこを長期的に育んでいくための場所として担保してあげるというようなことが恐らく必要ではないかと思っています。これに特化した制度があるわけではないことはもちろん承知していますけれども、既存の法的なスキームの中でこの里地づくりに活用できそうな制度的な手法などをぜひ環境省のほうで少しリストアップしてもらって、自治体に情報提供するとか、あるいは自治体と情報交換しながらこういうツールは使えませんかとかというような議論を今後進めていく中でしていただけると長期的に支えられやすいのかなと思いました。
例えば、温対法の中で都道府県が指定する環境配慮基準の中にそれなりの熟度になったような地域は入れていただくとか、いろんなやり方はあるのかなと思います。それは地域によると思いますので、ぜひそこは知恵を絞っていただけるとありがたいなと思いました。
以上です。
【石井委員長】 では、コメントとしてお聞きしたらよろしいですかね。
事務局、何かありますか。
【岩谷希少種保全推進室補佐】 はい、ありがとうございます。
勢一委員には以前もご指摘いただいたように脱炭素関係ともしっかりと、地域資源循環共生圏ともしっかりと連携するようにとご指摘いただいておりますし、環境省の制度でいくと、そちらもこれからということにはなるかと思うんですけども、親和性が高いのはOECMとかそういったものになるかなと思いますので、そういったものともしっかりと連携をしながら進めていきたいと思っております。ありがとうございます。
【石井委員長】 はい、よろしいですね。
それでは、石井信夫委員、お願いします。
【石井(信)委員】 すみません、特にコメントする予定はなかったんですけども、先ほどの五箇委員の指摘に関連して少しコメントしたいんですが、トキの再導入の事業というのは、一応昔いた鳥の種をまた日本の自然に取り戻そうということなんですけども、ご指摘のように、昔いたトキの個体群とか、それをめぐる生物群集がそのまま復活するかというと、そんなことはないというのは科学的にも分かっていることですね。別にトキ自身が復活したいと頼んでこれをやっているわけでもなくて、やっぱり私たち人間社会が、トキがいるような自然の中で、それは昔と違うものではあるかもしれないけども、そういうその自然の中で暮らしたいということで出てきた事業だと思います。そこを何か単純に昔そのままが復活するんだみたいな誤解を受けるような説明の仕方をするというのは避けなければいけなくて、そうではないけれどもこういう事業をやっているということをきちっと説明できるような議論というか話の整理をしたらいいかなと思います。
あと、絶滅していない在来種についても、遺伝的なレベルで見れば様々な人為の影響を受けていて、昔とは違っているわけですね。ということもありますし、全く昔とは違うものができているんだという受け止め方も少し違うなと思います。私自身もこれをきちっと考えて発言しているわけではないので、お願いとしては、今、五箇委員が指摘したような疑問についても、こういう考え方でやっていますということをきちんと説明できるような用意をしていただければと思います。今、日本に増えているトキは、確かに中国産のものではありますけれども、同じ遺伝子を持ったものが日本にいなかったかということも、鳥はよく移動するので断定できませんし、そういうことも含めて話を整理していって、それでもこういう事業をやるのはなぜかということを、私なんかはやっぱり私たち人間が望むから、多少問題があってもこういう事業を進めているんだというふうに思っていますけれども、それは私の考えで、環境省としてきちっとした説明、疑問に対する答えができるような用意をしていただければいいかなと思いました。
以上です。
【石井委員長】 コメントということだと思います。よろしいでしょうか。
ほかはよろしいですね。報告のところで大変盛り上がりました。
ほかになければ、これは報告ですので、以上ということになりますけれども、委員の皆さん、それから事務局、何かほかはございますでしょうか。特にないですか。
それでは、以上で全ての議題を終了しました。進行を事務局にお返しいたします。
【事務局】 石井委員長、議事進行をありがとうございました。
委員の皆様におかれましても、長時間にわたるご審議、ありがとうございました。
本日、一部、音声トラブルがあり、申し訳ございませんでした。
それでは、本会はこれで閉会といたします。皆様、ありがとうございました。
本日はお忙しい中、ご出席ありがとうございます。
会議に先立ちまして、出席委員数のご報告です。本日は、全委員17名のうち、委員・臨時委員12名中、Web会議システムでの参加を含め11名がご出席され、定足数を満たしておりますので、本委員会は成立しております。
次に、本会議の傍聴につきましては、会場での傍聴は行わず、YouTubeにてライブ配信をしておりますので、ご了承ください。
また、Web会議システムで参加されている委員の皆様におかれましては、差し支えない範囲で結構ですので、常時、ビデオボタンはオンにし、先生のお顔が見られる状態にしておいてください。なお、発言時を除き、マイクはミュート設定にしてください。
Web会議システムで参加の皆様におきましては、ご発言を希望される場合は、画面の下にある手のひらマークをクリックして黄色にし、挙手状態にしてください。委員長からのご指名を受け、ご発言が終わりましたら、再度手のひらマークをクリックして無色に戻してください。
資料につきましては、あらかじめ委員の皆様には電子データを送付しております。また、環境省ホームページの野生生物小委員会のページにアップロードしております。なお、会場にお越しの皆様には、お手元のタブレットにも格納しております。
それでは、自然環境局長の奥田より、ご挨拶を申し上げます。
【奥田自然環境局長】 皆さん、こんにちは。自然環境局長の奥田でございます。
毎回ですけれども、本当にご多用の中、本小委員会にご出席を賜りますこと、オンラインでも含めてお時間をいただきますことを厚く御礼申し上げます。
また、日頃より本当に自然環境行政に様々な形で委員の先生方にはお世話になっております。このことについても、改めて感謝を申し上げたいと思います。
今回も前回と同様、Web会議システムということで、様々な方にご不便をおかけすることもあろうかと思いますけれども、あらかじめご容赦いただきますようお願い申し上げます。
前回の委員会は、たしか7月7日、七夕の日に開催されまして、今日は十五夜かなと思ったら、十五夜は明後日ということで、非常に日柄のいい日に開催をしている、この委員会でございますけれども、今日は諮問案件2件と報告事項1件ということでございます。
一つ目の案件に関しましては、特定外来生物被害防止基本方針の変更ということで、これは、検討会の段階から非常に長い間をかけてご議論いただいてきたものが、この6月、7月の小委員会でも本当に熱心なご議論、ご審議をいただいた上で、7月、8月とパブリックコメントをかけさせていただいたものでございます。そこのパブリックコメントで寄せられた意見を踏まえて、事務局のほうで整理して、修正案というのを今日ご提示させていただくということでございますので、できますことならば、本日ここで小委員会としてご了承いただけることをご期待申し上げて、また、引き続き熱心なご議論、真摯なご議論をいただけたら、忌憚のないご意見をいただきますようお願い申し上げます。
それから、二つ目の諮問案件につきましては、鳥獣保護区特別保護地区の指定ということで、宮島沼、日出島、伊豆沼の鳥獣保護区についてお諮りするものでございます。
そして、その他に報告事項として、トキと共生する里地づくり取組地域の公募結果についてもご報告をさせていただきたいと思います。
限られた時間のご審議でございますけれども、環境省のほうも、7月以降、大臣をはじめ、幹部のほうの交代もございました。もうご挨拶申し上げたかと思いますけれども、自然環境局の中でも、課長クラスで異動がございまして、総務課長が交代して、新たに細川総務課長になっておりますし、野生生物課長も交代いたしまして、中澤野生生物課長になっております。そういう新体制の下で、また引き続き、今日の審議、重ねて申し上げますけれども、真摯なご意見をいただきながら、ぜひ成果ある今日の会議とさせていただきますことをお願い申し上げて、ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。
【事務局】 それでは、これよりの議事進行につきましては、石井実委員長にお願いすることとします。石井委員長、どうぞよろしくお願いします。
【石井委員長】 はい、そうしましたら、皆さん、こんにちは。委員長を拝命しております石井でございます。オンライン参加の皆さんも聞こえていますでしょうか。聞こえていますね。ありがとうございます。それでは、本日も進行役を務めさせていただきますので、よろしくお願いします。
本日の議題は、先ほど局長から紹介がありましたように、審議事項が1件、諮問事項が1件、その他報告事項が1件となってございます。そのうち審議事項につきましては、これも局長からございましたように、前回、前々回と2回にわたって、この委員会でもご議論いただいて、パブコメが終了したところでございます。今日は、そのパブコメのご意見を受けて、最終案という形で提案されてくるというふうに考えております。委員の皆さんには、ご確認という形になると思いますけれども、よろしくご審議のほどお願いします。
本日の委員会は、YouTubeチャンネルにおいてライブ配信してございます。報道関係者や一般の方もご覧になっているということでございます。
なお、議事録につきましては、後ほど事務局が作成し、本日ご出席の委員のご確認を受けた後、私、委員長が了承した上で公開するということをご了解いただければと思います。会議資料につきましても、公開でございます。
そうしましたら、最初の議題でございます。「特定外来生物被害防止基本方針の変更について」、まずは事務局からご説明ください。水﨑補佐ですね。
【水﨑外来生物対策室長補佐】 外来生物対策室の水﨑です。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
それでは、資料を共有させていただきます。
局長からもありましたとおり、野生生物小委員会でも、6月、7月とご審議いただきまして、7月、8月にパブリックコメントを実施しております。パブリックコメントの結果の概要でございますけれども、13の個人・団体の方から33の意見をいただいております。
こちらが、目次に沿って何件ぐらい意見が来たかというところでございますけれども、圧倒的に多かったのが、今回、法改正で新たに責務規定を設け、それにより、具体に書くという部分、各主体の役割と連携、ここが14件と、半分ほどこちらについてご意見をいただいてございます。
資料1-2が、それぞれのご意見と、事務局の回答案でございますけれども、こちらについては、個別のご説明は割愛させていただきまして、基本方針の変更案、ここではどのようなご意見があって、どのように修正をしたのかといったようなことをご説明させていただければと思います。
資料1-3の見方なんですけども、赤い色の修正と青色の修正と2種類入ってございます。赤色の修正につきましては、これまで2回ご審議いただいて、変更を加えてきた箇所、今の基本方針からパブリックコメントをかけるまでの間の修正でございます。青い部分がパブリックコメントを踏まえて修正した部分でございますので、本日は、この青い部分についてご説明をさせていただきます。
また、ちょっと細かい言葉の言い回しとかで、細かい修正は入っておりますけれども、そちらのほうは、事務局のほうにご一任いただけたらというふうには考えてございます。
それでは、初めに、修正箇所につきまして、まず最初6ページ目、通し番号で188行目のところになります。
こちらにつきましては、一番最初、第1の基本構想の中の「1 背景」の中の一部となってございまして、今回の法律を改正した趣旨、狙いなどについて書いた部分となってございます。
この青い部分でございますけれども、改正事項が三つある中で、三つ目の、先ほどの責務規定のところ、これまで外来法上責務規定がなかったところ、国は未定着ですとか、生物多様性、重要な地域で対策を行って、地方公共団体は定着したものについてやっていただくという部分でございますが、パブリックコメントの中で、都道府県がそうした定着した特定外来生物について必要な措置を行う。市町村については、そういった措置を行うように努めるという書き方をされている中で、市町村の取組が弱まってしまうのではないかというような懸念のご意見を3件ほどいただいております。
こちらを踏まえまして、この都道府県や市町村の取組を強化しというところを中心に、取組をさらに進める、地域ごとの柔軟な対応を可能にする、こういったところが改正の趣旨であるということを明示させていただいております。
続きまして、2点目の修正箇所でございます。218行目、同じ6ページの下のほうでございます。かなり技術的な修正ですけども、このもともと書いてあった特定外来生物にすると飼育などいろいろ規制をするという中で、今回、アカミミガメですとか、アメリカザリガニに関しては、適用除外を設けられるという部分の文言を追加してございます。こういった記載があったほうが誤解がないのではないかという、ご指摘、ご意見がありまして修正をしてございます。
続きまして、この後が、先ほど申し上げました14件ほど意見が来ていたという各主体の役割と連携、役割分担について書かせていただいたところでございます。
初めに、国の役割のところの修正箇所、こちらが9ページ目の300行目のところとなります。こちらに都道府県間の連携を含むという、青い括弧を入れさせていただいております。ここは、国の役割のア、イ、ウの3番目のウとして、地方公共団体の支援などを行うという規定が法律上あるところ、具体的にどういうことをするのかということをこの①の防除マニュアルの作成ですとか、②の財政支援ですとか書いている中で、3番目として、地域の関係者の取組の連携、これも地方環境事務所等でしっかりやっていくということをもともと書いておったんですけれども、特に都道府県間の連携などを期待するというようなご指摘がございました。こちらも2件ほどございましたので、そういった趣旨を明確化するための修正を加えております。
続きまして、同じく役割分担の(2)の都道府県の役割でございます。こちら、この青字の必要な予算の確保ですとか、市町村との役割分担の調整、こういったところを追記しております。こちらにつきましても、2件ほど予算措置の重要性ですとか、役割分担を県のほうでもお願いしたいというようなご意見がありまして、その趣旨を反映してございます。こちら必要な予算に関しましては、市町村のほうに関しても同じような修正を反映してございます。
続きまして、同じく役割分担のところ347行目、(5)で関係者の協力という部分がございます。こちらにつきまして、ここが一番多くご意見をいただいたところではあるんですけど、4件ほど、この施設とか場所の所有者、管理者の方の責任というところを記載していただきたいというご意見がございました。法律上は、この国ですとか、いろんな関係者が協力をしていくとこういうことを書いておりますけれども、その中でも、この所有者、管理者の方というのは、特に積極的な取組が期待されるというような書き方をさせていただいております。
少し飛びまして、12ページ目の特定外来生物の選定の際の考慮事項というものがございます。この中で、こちら433行目から、アメリカザリガニですとかアカミミガメを想定して、一部規定を抜くような特定外来生物、これをどういうふうに選定していくのかというところを、背景も含めて書いております。
趣旨の明確化という範囲ではあるんですけども、当分の間、そういった適用除外をするというときに、その間何をするのかという中で、このいろんな輸入ですとか、購入の規制によって飼養者が減ると。また防除によって野外の個体数が減る。こういった状況変化を見ながら解除の時期を検討するというようなことを書いておったんですけれども、この外にいる個体が減ってくると、解除ができるというところが少し分かりにくいと、外で十分に減ったなら、もう規制そのものも要らないんじゃないのかというようなご指摘もありまして、こちらについては、外にいるものが十分に減ると、新たに飼い始める方、捕まえる方も減るというようなのがもともとの趣旨でしたので、そのような趣旨の修正を加えてございます。
あと、もう一点だけご説明させていただければと思います。大分飛びまして、21ページ目、762行目辺りになります。
こちらも趣旨の明確化という修正ではあるんですけども、特定外来生物の防除をする原因者、要は逃がしてしまった人が存在するときは求償をするということが、法律上も基本方針上も書かれているんですけども、その根拠規定ですとか、誰が求償することができるのかと、こういったことをより分かりやすく記載してほしいということで、法令の条項ですとか、国または地方公共団体が、そういった求償ができるということを記載させていただいております。
以上が、修正につながった箇所のご指摘になりますけども、そのほか修正していないご意見としましては、例えば、国の責務として局地的に分布する特定外来生物の対策、蔓延防止をするという中で、その局地的の解釈というのが、一部の市町村なのか、それとも本当に全国に蔓延していなければ局地的なのかというようなところがありましたけども、ここは施策の効果を含めて、一部市町村という形のままとさせていただいております。
また、特定外来生物の指定ですとか、特定外来生物が定着しているのかどうかということに関して、都道府県のほうに意見を聞く機会を設けてほしいというようなご指摘もございましたけども、こちらにつきましては、科学的に判断をさせていただくと。その過程で特定外来生物指定のときはパブリックコメントなどもしていきますということで回答を作成してございます。
そのほか、例えば、アカミミガメなどの安楽死の施設を造るべきではないかですとか、亀とかザリガニの相談窓口を作るべきではないかとか、そういったご意見をいただいておりますけども、そちらにつきましては、基本方針を書くというよりは、個別の種に応じた対策を取ってまいりますという形で回答をしてございます。
そのほか法律全体の点検、昨年1月に答申をいただく前にもご議論いただきましたけども、殺処分に関しまして、防除個体等の殺処分に関して、従事者の心理的負担軽減にも配慮すると、こういった辺り、この辺りの記載は要らないのではないかというようなご指摘もございましたけども、答申に沿った形でという形で回答をさせていただいているところでございます。
事務局からの説明は以上となります。ご審議のほど、どうぞよろしくお願いいたします。【石井委員長】 どうもご説明ありがとうございました。
それでは、本件について審議したいと思います。
3回目ということになりますので、基本的にはパブリックコメントの結果を踏まえて、修正した箇所、この資料では青字になっていると思いますけれども、その部分について、ご質問、ご意見をいただきたいというふうに思います。もちろんそれ以外でも結構なんですけれども、その辺りを中心にお願いいたします。
それでは、事務局案へのご意見等があればご発言ください。会場の方は、いつものように名札を立てていただいて、オンラインの方は、先ほど事務局から説明があったように、下のほうにある手のひらマークを押す形で意思表示をお願いしたいと思います。
では、会場から参ります。石井信夫委員、お願いいたします。
【石井(信)委員】 石井です。ありがとうございます。
資料1-2の対応一覧を見ていて気がついたところなんですが、2点ほど、こういうふうに修文したらどうかなということをコメントしたいと思います。
一つ目は、8ページの290行ですけれども、国が行う必要な措置というのに②というのがありますけれども、ここに書いてあるのが、分布が一部の市町村に限定されるなど局地的であり、かつ、急激に全国に蔓延するということなんですけど、最初の、この局地的というのは、普通だったら、都道府県とか市町村など、自治体にお任せしたいということなんだけど、国が対応するということですよね。だから、局地的であり、かつ、急激にというところは、局地的であるがとか、局地的であるものの急激に全国に蔓延するというほうがいいのかなと思いました。局地的だけれども、これは国が対応しますよということが、より分かりやすいかなと思いました。
それから、もう一個は、9ページ、次のページになるんですけど、327行ですね。これは、「より地域住民に近い立場として」というふうに原文ではなっていますけど、対応一覧のほうを見ると、この意味するところは、「より地域の実態を把握しやすい立場として」と書いてありますので、むしろそっちを使ったほうがいいんじゃないかと思いました。
だから、より地域の実態を把握しやすい立場として、必要な措置を講ずるように努めると。地域住民に近い立場というと、ちょっと分かりにくいところもあるので、そのようにしたらいいかなと思いました。
以上です。
【石井委員長】 はい、今日は3回目ということがありますので、一問一答で参りたいと思います。
では事務局のほう、ただいまの具体的な修正案を示していただきました。いかがでしょうか。
少し考える時間があったほうがいいですか。じゃあ、ちょっと先にほかの質問を受けましょうか。
会場のほうから勢一委員、お願いします。
【勢一委員】 ありがとうございます。勢一です。
丁寧にパブリックコメントの結果をまとめていただきまして、ありがとうございました。各意見に対して、かなり好意的に吸収して、反映してくださっている印象を受けました。
私からは、原案の修文ではなく、コメントを一つさせていただければと思います。
パブリックコメント手続は、実際にやっても意見が出ない例も少なくないですから、そういう意味では、この基本方針は、社会の関心が非常に高いのだと思います。大変ありがたいことだと思っています。
個別の意見を拝見しますと、恐らく地方公共団体の担当者が提出してきた意見と思われるものが幾つか見られました。今回、各主体の役割と連携というところの部分、多くの意見があるというお話でしたけれども、新たな責務規定の下で、実際にその責務が、各地域の状況に応じて、どのように具体化されていくのかというのは、各団体、非常に関心を持っているところだろうと思います。ですから、ここにどのように書き込まれるかは、非常に重要なところですので、最後まで丁寧に修正を入れてくださって、ありがたいと思っています。
それでコメントですけれども、今回の法改正によって、地方公共団体、都道府県も市町村も、まさに制度の担い手として位置づけられて、実施主体としての役割を期待されているということになりました。ですので、もちろんパブリックコメントで地方公共団体が意見を述べるのは全く否定されないし、むしろ歓迎でもあるのですが、こういう実施主体に位置づけられているのであれば、パブリックコメント以外のところで、もっと密に意見交換、可能な限り双方向で意見交換ができる場があるのが、望ましいのかなと感じた次第です。ぜひ今後、この基本方針の下で進めていく中で、そういう意見交換の場を丁寧に設けていただいて、現場の意見を吸い上げてほしいと思います。
あわせて、制度運用が始まってみると、当初は想定していなかったようなことが、運用実態として出てくるということが十分予想されると思います。ですので、現場を支えるという意味でも、適時見直しができるような形で、ぜひウオッチしながら、進めていただければと思います。
私からは以上です。よろしくお願いします。
【石井委員長】 ありがとうございます。
では、先ほどの石井信夫委員のほうへのご回答を先にお願いします。
【水﨑外来生物対策室長補佐】 すみません、お時間頂戴して申し訳ございません。
まず、石井先生のご指摘なんですけれども、気持ちを込めた形で、局地的であるもののほうがいいのではないかというご趣旨と思いますけども、できればここは、かつという形で、はっきりと両方成立するときが国の責務だという形で、基本方針として記載しておけたらというふうには考えてございます。
なお、局地的であっても定着しているものは、自治体のほうで被害に対応して、対策いただく場面もあり得ると思いますので、こういったところを国と地方公共団体、両方でしっかりと連携して対応していければというふうに考えてございます。
また、2点目の市町村のより地域住民に近い立場としてというところですけれども、こちらも、例えば、アルゼンチンアリみたいに、やっぱり住民被害みたいな側面も出てきますので、できればこのような地域住民という記載を残した形で、県と市町村の立場の違いというところを表現させていただけたらというふうに考えてございます。
勢一委員も、ご指摘ありがとうございます。
まさにおっしゃるとおりでして、この基本方針を見ただけでは分からない部分もありますし、現場ごとの対応の違いもございますので、まずは、この改正法そのものですとか、予算要望に書かれた地方公共団体の財政支援なども含めて、9月中に地方ブロックごとに分けた自治体向けの説明会というのを、地方関係事務所と一緒にやろうということを計画してございますので、そこで趣旨のご説明ですとか、困っていること、足りないことなど、今後の連携の在り方を含めて、意見交換をしっかりできればと思います。
また、そうした事務所、地方環境事務所ごとの自治体との連絡会議というのも、毎年開催してございますので、そういったところでのつながりですとか、意見交換の施策への反映というところも引き続き、より強力にできるようにやっていければというふうに考えてございます。
【石井委員長】 石井信夫委員、いかがでしょうか。
【石井(信)委員】 少しどっちがいいのかなと思うところはありますけど、作成者の意向を尊重したいと思います。
【石井委員長】 ありがとうございます。
勢一委員からは、コメントということで。よろしいですね。
そうしましたら、オンラインの委員のほうに参りたいと思います。広田委員、お願いできますでしょうか。
【広田委員】
基本方針の修正案そのものについては異議ありません。パブリックコメントへの対応の文章に関してです。具体的に言いますと、ナンバーの2とか4への回答の仕方が気になりました。ほかのパブリックコメントについては、原案のままにとさせていただきますとか、修正はしませんというような、明確な対応、書きぶりをしているのですが、2と4については、よく読めば分かるのですが、対応の仕方をもう少し明確に言い切ってもいいのかなという気がしました。そちらで検討していただければ、ここで回答していただかなくても構いません。
それから、もう一点が、20番目の殺処分する場合の、その対象とする生物に苦痛を与えない方法のご指摘があって、これはコメントというよりは質問です。そのパブリックコメントで言えば、例えば獣医師を必ず立ち会わせるようにしてくれとか、そういうようなご指摘があって、なるほどなと思う一方で、現実的には、それはちょっと難しいのかなという気がします。国際基準が定められているようではあるんですけれども、昆虫類等について、この苦痛を与えない方法というのが、なかなか判断が難しいようにも思えるので、そこら辺のところについて、もしも何か補足的な説明をしていただけるのであれば、お願いします。
以上の2点です。
【石井委員長】 ありがとうございました。
それでは、事務局のほう、お願いいたします。
【水﨑外来生物対策室長補佐】 広田委員、ご指摘ありがとうございます。
まず、パブリックコメントの回答案のところ、こちらのほう、統一されておらず失礼しました。そういった原案のままとしますといいますか、そういった趣旨はきちんと追記をしておこうと思います。
また、殺処分の部分につきましてですけども、こちらにつきましては、どんなものがこう本当に苦痛に該当するのかという研究ですとか、あと、ご指摘のあった実態面、どこまでできるかですとか、そういったいろんな点を考えながらやっていく、できる限り適切な方法、苦痛のない方法を選んでいくということかと思いますので、我々としましても、こうした最新の科学的知見の収集などを含めて、よりよいやり方というのは、常に模索していければというふうに考えてございます。
【広田委員】 ありがとうございます。
【石井委員長】 よろしいでしょうか。ありがとうございます。
そうしましたら、クリスティーヌ委員、お待たせしました。
【マリ・クリスティーヌ委員】 すみません、質問だったんですけれども、先ほどアカミミガメに対する指定管理者とか、そういうのは、どういう人たちのことを指すのかがちょっと分からなかったのと、たまたま昨日うちの地域でお祭りがあって、縁日にちょっと行ってきたんですけれども、そういうパブリックコメントをしたぐらいですので、やっぱり一般の方々にも分かりやすく、縁日で見た場合に、どこに通報すればいいのかとか、またはそういう縁日で売っていいものなのか、いけないものなのか、そういうところもはっきりしていただけると分かりやすいかなと思うんです。
恐らく、たくさんのアカミミガメが外に今ある理由の一つには、縁日で買ってきたということなので、そういうところでは、もう売ってはいけないという規定をつくるのか、それを罰金にするのか、よく分からないんですけど、そこのところの基といいますか、ソースのところを、輸入者とか輸入している業者だけではないと思うんですね。輸入する人たちは、売れるから輸入するのであって、売る先がなければ、それはもうできなくなってしまうので、例えば、一時的に10年間はもう売るのを止めさせるから、じゃあ、輸入業者にとってもおいしい仕事ではなくなってしまうとか、そこのところがちょっとこれだと見えないかなという感じがしたので、もし組み込まれているならば、どこのところに出てくるのかをちょっとお聞きしたかったのです。
【石井委員長】 ありがとうございます。
では、事務局、お願いします。
【水﨑外来生物対策室長補佐】 ご指摘ありがとうございます。亀に関して、今後どういう規制になるかというのは、この基本方針ではなくて、改正の法律ですとか、この基本方針を踏まえた形で政令をつくる中で、どういった規制をかけていくかというのを決めていくことになりますので、その中でしっかりと法律上、政令上の文言はどうしても硬くなってしまうかもしれないですが、しっかり広く国民の方に伝わるように、分かりやすい表現で発信をしていければというふうに考えております。
こちらで、基本方針で書かせていただいた所有者、管理者といいますのは、そういった販売とかをしているような個体の管理者、生き物の管理者というよりは、特定外来生物がいる場所とか施設に関してということで、例えば、民間の倉庫の中でアルゼンチンアリが出てきたとか、そういったときに、やはりそこの所有者、管理者の方には積極的な取組、ご協力を含めいただくことが期待されるというような趣旨で記載をしてございます。
【石井委員長】 クリスティーヌ委員、いかがでしょうか。
【マリ・クリスティーヌ委員】 そうすると、テキ屋さんは、自分たちのところで管理していれば同じ管理者になるわけですか。結局、縁日から縁日を回るために、やっぱり在庫を保持していかなければいけないから、どこかの倉庫に入れているわけですよね。もっと大きな元ではなくて、彼らが。
【石井委員長】 では、事務局、お願いします。
【水﨑外来生物対策室長補佐】 そうですね、管理者という意味を広く捉えると、そういう形にもなるのかもしれないですけれども、そういった販売に関しては、今のところの想定では、亀の販売そのものを規制しようという方向で考えておりますので、ちょっとここの記載とはまた別の部分といいますか、外来生物法で、特定外来生物に指定をして規制をかけると、まさに直接規制をかける部分でしっかりと販売に関する対応はしていければと、普及啓発も含めてやっていければと考えております。
【石井委員長】 クリスティーヌ委員、よろしいですか。よろしいですね。ミュートになってしまいましたね。
では、よろしいと見なさせていただきます。すみません。
ほかのご意見等はございますでしょうか。
【小泉委員】 すみません、そうしたらちょっと質問だけ。
【石井委員長】 小泉委員、お願いします。
【小泉委員】 ちょっと教えていただきたいという質問です。
34ページの国際協力の推進なんですが、ここの記述を読んでいて、これはまさにそうで、日本の船が止められたりなんかしている事例もありますので、ただ、ここに書いてあることというのは、日本だけではなくて、世界のどこの国もこういったことは配慮しなければいけないことだなというふうに感じまして、こういったものに関するそのワールドワイドな情報サイトみたいなのがあるかなと思って、ちょっと検索をかけてみたんですけれども、個別の情報はヒットしたんですが、例えば、ヒアリがどこで確認されているかというようなものの総合的なサイトって、ちょっと見当たらなかったんですね。日本が持ち出しちゃった虫がというような情報も個別にヒットする以外なくて、総合的なワールドワイドなサイトというのがあると各国対応がしやすいのではないかなと思ったので、もしそういうようなものがあれば教えていただきたい。ないのであれば、日本が率先して作っていくというような行動があってもいいんじゃないかなというふうに思いました。
以上です。
【石井委員長】 ありがとうございます。
これは質問ということですけれども、いかがでしょう。
【水﨑外来生物対策室長補佐】 ありがとうございます。
直接的にそういう情報共有システムについての記載は、基本方針では、そこまで具体には書けておりませんけれども、私自身、既存のシステムとしてどういうものが世界にあるのかというところ、勉強不足ではありますけれども、そういった情報共有というのは、各国の大きな負担になるものではない、規制に比べればですね、と思いますので、そういったところの模索というのは、引き続き検討できればというふうには考えております。
【石井委員長】 小泉委員、よろしいでしょうか。
【小泉委員】 はい、ありがとうございます。
【石井委員長】 それでは、磯崎委員、お願いします。
【磯崎委員】 ありがとうございます。
内容面ではなくて言い回しなんですが、先ほどの説明の最後の要点で、763から766行目です。この文章が箇条書で終わってしまっているので、それまでの文章と同じように、恐らくですが、適切に対応することが必要であるというような、そういう書き方のほうがいいと思います。
【石井委員長】 具体的なご指摘でございます。
事務局、いかがでしょう。
【水﨑外来生物対策室長補佐】 そのような形で修正させていただければと思います。ありがとうございます。
【石井委員長】 磯崎委員、よろしいですね。
ほかの委員、よろしいですか。
ほかにご意見がないようでしたら、この案件については、皆さんにお諮りしたいと思います。
それでは、本件につきまして、事務局案のとおり適当と認めてよろしいでしょうか。会場の方は挙手でお願いします。オンラインの方は、またいつものように腕で丸を作ることでお願いできますでしょうか。よろしいですね。
クリスティーヌ委員、よろしいですね。
(異議なし)
【石井委員長】 では、適当と認めることとさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
では、次の議題でございます。「国指定鳥獣保護区特別保護地区の指定(宮島沼、日出島、伊豆沼)について」ということで、事務局からご説明をお願いします。福田係長ですね。
【福田鳥獣保護管理室係長】 野生生物課鳥獣保護管理室の福田と申します。
本日、鳥獣保護区特別保護地区の指定について説明をさせていただきます。
資料を共有いたします。
本日、資料が幾つかありますが、今回、説明させていただく資料は、参考資料2-1で具体的に説明させていただきます。
まず、2ページをご覧ください。
まずは、国指定鳥獣保護区の制度と今回の諮問の関係について、ご説明させていただきます。
今回の諮問事項は、中央赤枠で囲った国指定鳥獣保護区のうち、特別保護地区の指定についてとなります。国指定鳥獣保護区は、国際的、全国的な鳥獣の保護の見地から、重要と認める区域を環境大臣が鳥獣保護区として指定するものであり、この鳥獣保護区では、狩猟が禁止されます。鳥獣保護区は、法律で20年以内を限度に存続することとなっており、存続期間は更新が可能となっております。
この鳥獣保護区の中で、特に、鳥獣の保護、または生息地の保護を図るために必要があると認める区域を特別保護地区として指定することができ、この特別保護地区内では狩猟の禁止に加えて、工作物の設置、水面の埋立て、干拓、木竹の伐採といった開発行為が規制されることになります。
今回の諮問は、この特別保護地区の指定に関するものとなります。
次に、3ページをご覧ください。
国指定鳥獣保護区には、その指定区分ごとに指定基準が定められております。本日、諮問する3地区のうち、宮島沼と伊豆沼は集団渡来地、日出島は集団繁殖地の区分での指定となります。
4ページ目をご覧ください。
鳥獣保護区の特別保護地区は、自治体、利害関係人との調整を基に、指定の案を作成し、この案について公告縦覧、パブリックコメント、公聴会を開催し、それらの結果を踏まえて、中央環境審議会への諮問、答申を官報告示により指定することになっております。
今回、諮問するのは、赤で示している宮島沼、日出島、伊豆沼の3件となります。
この3件に関しては、いずれも存続期間終了に伴う、鳥獣保護区の更新に際しての特別保護地区の再指定となります。今回は、いずれも区域の変更はありません。
まず、北海道に位置する宮島沼鳥獣保護区から説明をさせていただきます。
宮島沼鳥獣保護区は美唄市に位置し、集団渡来地の生息地の保護を目的として指定されています。区域自体の変更はありません。存続期間は、令和4年11月1日に再指定し、令和23年までの20年間となります。ラムサール条約登録湿地となっております。
マガンやヒシクイを代表とする渡り鳥の生息地であり、鳥類は、ハクチョウ、コチドリ、オジロワシ等の222種が生息しています。獣類は、エゾユキウサギ、キタキツネ等の17種が生息しています。
自然環境としては、石狩川左岸沿いの河跡湖沼群の一部で、マガンやコハクチョウ等の渡り鳥の重要な中継地となっております。マガンの飛来数は8万羽を超えると。国内の春の飛来地としては最大規模になっています。
当保護区の管理方針としては、鳥類の生息状況の把握、環境省職員や鳥獣保護区管理員による生息状況調査や巡視及び普及啓発、外来生物の防除などの活動を定めております。
管理状況としては、春と秋の一斉カウント、宮島沼水鳥・湿地センターでの情報発信、環境教育活動やオオハンゴンソウの駆除作業などをしているところです。
再指定に関して、8月下旬に公聴会を実施しております。主な意見として、マガンによる食害への対応についてご意見がありました。食害への対応は、関係機関と連携し、役割分担して対応していきたいと考えております。また、観光地として周辺環境整備にも力を入れてほしいとのご意見がありました。こちらも美唄市と連携して、対応していくというように回答しております。
次に、日出島に関して、ご説明をいたします。
日出島鳥獣保護区は、海鳥類の集団繁殖地として、区域全てが特別保護地区として指定されております。島自体が国指定天然記念物にも指定されているところです。
生息しているのはクロコシジロウミツバメ及びコシジロウミツバメなどのウミツバメ類、それから、オオミズナギドリ等の繁殖地となっています。特に、国内では三陸沿岸に3か所しか確認されていないクロコシジロウミツバメの繁殖地の一つとなっております。
管理方針は、海鳥類の集団繁殖地の保護管理のため、職員や管理員の上陸巡視を実施し、生息動向を把握すること、関係機関との連携に努めることとしています。
現状においても、上陸して巡視するほか、モニタリングサイト1000による調査などを行っているところです。また、クロコシジロウミツバメについては、繁殖環境の改善や人工巣箱の設置などの取組も行っております。
今回、公聴会を実施しておりますが、特に意見はありませんでした。
次に、伊豆沼鳥獣保護区及び特別保護地区の概要について説明をいたします。
伊豆沼鳥獣保護区は、渡り鳥の集団渡来地として指定されております。ラムサール条約登録湿地のほか、宮城県自然環境保全地域、それから、国指定天然記念物にも指定されているところです。
マガンやヒシクイをはじめ、シジュウカラガンやオジロワシなども生息しています。宮島沼と内沼という二つの淡水及び水田等の一部で、ガン類では多いときは10万羽近くの飛来があり、国内最大級の越冬地となっています。
当保護区の管理方針としては、環境省職員や鳥獣保護区管理員による巡視やモニタリング、そうしたことで鳥類の生息状況を把握しているところです。それから、地方公共団体や住民との連携による保全を行っております。
管理状況としては、巡視などにより、違法捕獲防止などに努め、鳥インフルエンザの調査や検査の拠点として、伊豆沼鳥獣保護管理センターの維持管理を行っておるところです。
伊豆沼の公聴会に関しては、記載のところで、オオハクチョウによるレンコンの食害という記載を計画書に書いていたところですが、レンコンについては、カモ類の被害であるとの指摘を受けて、意見のとおり修正しているところです。
最後になりますが、公告縦覧、それから、パブリックコメントを実施したところですが、特に、共に意見はなかったところです。
説明については以上になります。
【石井委員長】 はい、どうもご説明ありがとうございました。
それでは、委員の皆さんから、ご意見、ご質問を受けたいと思います。
先ほどと同じように会場のほうは、名札を立てていただき、オンラインの方は、挙手ボタンでお願いします。いかがでしょうか。
では、石井信夫委員、お願いします。
【石井(信)委員】 はい、石井です。ありがとうございます。
まず、宮島沼なんですけれども、管理方針に、アライグマ、オオハンゴンソウ等の外来生物の防除を進めていくと書いてありますけれども、管理状況は、オオハンゴンソウの駆除を行っているということが、それだけが書かれていますね。
それで、アライグマに関しては、何かこの鳥獣保護区で問題を起こしているのか。大型の鳥はあまり襲わないような気もしますけれども、あと、キツネもいるので捕食ということだけでいうと、そんなに問題が大きく考えられているということでないかもしれませんけど、アライグマに関して、何かこの鳥獣保護区で問題があるのか。あるとすれば、何か対策ということも考えているのかということを伺いたいと思います。それが質問です。
あと、三つ目の伊豆沼のほうなんですけれども、確認されている哺乳類は4種ということで、タヌキ、キツネ、イタチ、ニホンリスと出てきますけれども、そのほかに、小型の哺乳類ですね、食虫類とかネズミが何種かいると思います。ハタネズミがいるという情報が、ここには出ていませんけど、あったりします。
メインの保護の対象ではないですけれども、国指定の鳥獣保護区の特別保護地区なので、一応、哺乳類の小型の種についても調査をしておいたほうがいいのではないかと思いました。これはコメントです。
以上です。
【石井委員長】 はい、ありがとうございました。
それでは、二つありましたですけれども、事務局からお願いします。
【福田鳥獣保護管理室係長】 ありがとうございます。まず、宮島沼のアライグマに関してですが、今のところ大きな問題が起きているということは聞いておりません。外来種として、アライグマが生息しているということで書かせてもらいました。今後も状況は注視していきたいと考えているところです。
それから、伊豆沼の獣類について、ハタネズミもいるのではないかというところでご指摘ありがとうございます。基本的には、鳥獣保護区の更新に関して、獣類も調査をしているところですが、恐らくハタネズミの部分が抜けてしまっているのかと思います。今後、次の更新ということになるかとは思うのですが、調査をして、把握に努めていきたいと思います。ありがとうございます。
【石井委員長】 はい、石井信夫委員、いかがでしょう。よろしいですか。
【石井(信)委員】 はい、了解しましたけれども、何かのついでにといったら変ですけれども、次を待たずに、簡単な調査で分かるので、せっかくだから国指定のところなので、一通りの基本情報は押さえておいたほうがいいのかなと思います。
以上です。
【福田鳥獣保護管理室係長】 ありがとうございます。
【石井委員長】 ありがとうございました。
それでは、白山委員、お願いします。
【白山委員】 ありがとうございます。白山です。
日出島の鳥獣保護区についてなんですが、海鳥の管理方針として、海鳥が今、営巣している場所を保護するのは当然なんですけれども、彼らの餌を取る海のほうですね、これを鳥獣保護区としてどうのこうのするというのは難しいとはいえ、何らかの、今後、海域の生態系の保全をしないと、幾ら営巣地を一生懸命保護しても、結局、その種としてのクロコシジロウミツバメの保全につながらないということがあると思うんですね。多分、現在のシステムでは、採餌場である海域までいろいろ管理をするというのは難しいだろうとは思うんですけれども、今後別の、例えば、OECMみたいなものとうまく連携をして、このクロコシジロウミツバメをはじめとする海鳥の種としての保全のためにはどうすればいいかということを考えたときに、海域というものも少し視野に入れるということを考えていただきたいなというふうに思います。
これコメントでございますが、どうぞよろしくお願いします。
【石井委員長】 ありがとうございます。
事務局、いかがでしょう。
【福田鳥獣保護管理室係長】 ご指摘ありがとうございます。ご意見として承りたいと思います。
この辺りは、やはり海鳥として、野鳥の会などが定めるマリーンIBAなど、重要な海域として広く認識されていますので、当然、渡り鳥に関しては、渡りの先もそうですし、餌場もそうですし、繁殖地もそうなんですが、そういったところを一体的に考えていければと思います。ありがとうございます。
【石井委員長】 そうしたら、少しオンラインの委員のほうに参りたいと思います。
【石井委員長】 では、先に、宮本委員に行かせてください。お願いします。
【宮本委員】 宮本でございます。聞こえていますでしょうか。
【石井委員長】 すみません、こちらの事務局側のほうの問題みたいです。ちょっと待ってくださいね。すみません。
では、もう一回会場のほうに戻らせていただきます。すみません。
こちらの音声は聞こえていますよね。オンラインの委員の方、ちょっと丸で。はい、聞こえていますね。では、しばし、会場のほうにまた戻ります。
磯崎委員、お願いします。
【磯崎委員】 ありがとうございます。
資料の3と5の文章のほうに、宮島沼と、それから、伊豆沼について、管理方針のところで、鳥類を驚かすような不用意な行動とか、ごみの散乱で、それらによる影響の防止のためという言葉が入っていますが、具体的にこれらの行動というのが、これまでの20年間でどんな状況だったのか。もし、ある程度大きな影響があるというのであればですが、巡視とか普及啓発という、これまでやってきた行動で足りるのかどうか、具体的な状況をお知らせください。
【石井委員長】 はい、では、計画書のほうです。お願いします。
【福田鳥獣保護管理室係長】 ありがとうございます。
基本的には、やはりカメラマン等が集まってくると、そういったところで、鳥に影響があるという、そういう状況を改善したいということで、この文言を入れているところです。なので、今のところ物すごく大きな影響があって、それに対して、すごく困っているというところではないですし、特に、この地域、かなり認識をされてきていて、そういったことに配慮して行動してくれている方が増えているので、管理方針としては、ちょっと厳しめに記述を書いていますけど、今のところは落ち着いた状況で管理できているというところです。
【石井委員長】 磯崎委員、よろしいでしょうか。
オンラインのほうが、直ったというふうに事務局のほうから伺いました。広田委員、ちょっと。
【尾崎委員】 すみません、尾崎ですが、今の磯崎委員の質問のほうが聞こえませんでした。回答は聞こえましたけれども。
【石井委員長】 回答が聞こえて、質問のほうが聞こえなかったのですか。
【尾崎委員】 大体、予想はつきましたけど、ちょっと質問なしの回答でした。
【石井委員長】 じゃあ、ちょっと事務局、質問を繰り返してください。
【福田鳥獣保護管理室係長】 福田です。磯崎委員のほうからは、この20年間で、管理方針の中で、鳥類を脅かすような行動を巡視で監視していくというような記述を書かせてもらっているのですが、実際にそういうことがあったのかというようなご質問でした。それに対して、先ほどの回答をしたというところです。
【石井委員長】 尾崎委員、よろしいでしょうか。
はい、ありがとうございます。
では、お待たせいたしました。広田委員、すみません。
【広田委員】 質問は、宮島沼で、マガンによる小麦被害が甚大というような意見が出たということなんですが、この問題、結構昔から出ているようで、大分以前に、行政とか農業者等が集まって考える会のようなものを組織して、対応を検討されてこられたという経緯があるようです。にもかかわらず、まだ大きな被害が出ているということらしいんですけれども、その被害の実相、ないし、被害対策としてはどういうものが考えられて実行されているのかということについて、情報をお聞かせ願いたいんですが。
【石井委員長】 ありがとうございます。
では、事務局、お願いします。
【福田鳥獣保護管理室係長】 ありがとうございます。
実際、マガンの小麦の被害については、この宮島沼の周辺の田畑になります。田んぼと米畑が点在しているというか、広がっているようなところになりますが、美唄市が中心となって、マガンの被害対策ということで、多分先ほどおっしゃっていたものになるかと思うのですが、協議会を設けて、平成14年辺りから対策の協議をしたということを伺っています。
実際、その協議会自体は、平成27年に解散したということですが、防鳥テープというものを畑等に張り巡らせると、そういったところで被害を抑えてきているというところを伺っています。実際、今回、被害について公聴会で言及があったのですが、そういった対策をしていない畑で被害が出ているというようなデータが出ているので、そういったところも実際、今後、対策を立てて被害を少なくしていくというような方針にはなっているところです。
【広田委員】 ここのマガンは飛来数も多いし、もともと田んぼの落ち穂なんかを食べていたのが、どんどん減反で水稲の作付面積が少なくなって、おそらく転作で小麦等を植えてきたのだと思います。ちょうど春先、小麦の実がなるときに、マガンの飛来数が多いので、小麦の食害が出ていると思うんですが、取りあえず、麦畑に来ないようにするという対策だけでは、根本的な解決にならないような気がするんですけれども。その辺りの対応も現在進められているというふうに理解してよろしいんでしょうか。
【福田鳥獣保護管理室係長】 そうですね。こういった問題に対しては、連携してやっているところです。
【広田委員】 これ、中心は美唄市がやっていらっしゃるんですか。
【福田鳥獣保護管理室係長】 そうですね、はい。
【広田委員】 分かりました。公聴会で「多大な被害」というようなことが出ているわけですから、やっぱりちゃんとそれなりの対応は必要かなと思いまして、コメントさせていただきました。
以上です。
【福田鳥獣保護管理室係長】 ありがとうございます。
【石井委員長】 どうもありがとうございました。
それでは、続けて、宮本委員、お願いします。
【宮本委員】 ありがとうございます。宮本です。
鳥インフルエンザについてお伺いしたいと思います。
伊豆沼のほうでは、管理方針の5番目に高病原性鳥インフルエンザのサーベイランス調査の主要拠点としての機能を維持すると明記してございますが、ほかの2か所では特に言及していないようなんですけれども、この差というのは、どんな背景によって生じているのかということについて、教えていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
【石井委員長】 はい、ありがとうございます。
事務局、お願いします。
【福田鳥獣保護管理室係長】 ご指摘、ありがとうございます。
基本的に伊豆沼のこの鳥フルの調査の記載に関しては、自治体にこの拠点があるというところで、この施設を中心に対策をしていますというところを書かせてもらいました。
ほかの日出島は、そこまで、鳥インフルエンザに関して、まだそこまでの危惧というか、もちろん被害がある場合は、きちんと対応するということはあるのですが、日出島よりは、宮島沼のほうも、当然鳥フルの対策ということは念頭にあります。
先ほども申したとおり、環境省の施設があるというところで伊豆沼のことを書かせてもらっていますが、記載にはありませんが、鳥フル対策としては、かなり昨年も北海道で大量発生しているところで、市町村、それから北海道と含めて、対応していくということでは申し合わせているところです。
【大林外来生物対策室長】 ちょっと補足しましょうか。
【宮本委員】 分かりました。ありがとうございます。
【大林外来生物対策室長】 私、前に北海道の事務所で野生課長を併任していましたので。
宮島のほうは、ちょっと時期が、基本的には10月で南のほうに去っちゃって、また来るのが5月とかというので、そのちょっと中心として、ポイントとして見るには少し適さない。ただ、もちろん気をつけているというところとなります。
【石井委員長】 今、外来室長のほうから補足いただきました。よろしいでしょうか。
それでは、続けて、尾崎委員、お願いします。
【尾崎委員】 ありがとうございます。聞こえていますでしょうか。
【石井委員長】 大丈夫です。
【尾崎委員】 鳥獣保護区と特別鳥獣保護区、ちょっと私、不勉強なんですが、今回のは全て特別ですね。特別がつくと、工作物を作るときの制限とか、そういった環境改変の制限があるようには、先ほどのご説明でいただけたんですが、調査とか、管理とか、その辺りで鳥獣保護区と大きな差というか、ウエートを占めるような決まりがあるんでしょうか。ちょっとその辺りについて、教えていただけますでしょうか。
【石井委員長】 では、事務局、お願いします。
【福田鳥獣保護管理室係長】 ありがとうございます。
実際は、調査、管理に関して、鳥獣保護区、それから特別保護地区で、大きな違いに関する規定というのはありません。
ただ、そもそもその生息地を守らなければいけない、要するに工作物等を規制しなければいけないというような地域を定めていることからも分かるとおり、やはり特別保護地区が重要なところとして、重点的に調査なり、管理なりということは考えているところです。
【石井委員長】 尾崎委員、よろしいですか。
【尾崎委員】 はい、分かりました。
【石井委員長】 ありがとうございます。
【尾崎委員】ちょっと追加しますと、日出島ですが、モニタリングサイト1000で数年に一度の繁殖状況の調査をやっているというふうに記憶しています。海鳥の繁殖地というのは、色々なリスク、例えば猫など害獣が入るとか、そういったことで、一気に崩壊することもあるんですね。
それから、先ほど鳥フルのこともありましたが、これまでガン、カモ類が主体であった鳥フルが、今年は海鳥の繁殖地で、例えば、アジサシやカモメ類で、ヨーロッパやアメリカで多数発生しています。ちょっとこれまでの鳥フルと違う状況になってきていますので、海鳥の繁殖地というものは、重点的に、できれば毎年のような形で調査をしておく必要が有ると思います。
【石井委員長】 ありがとうございます。
事務局、お願いします。
【福田鳥獣保護管理室係長】 ありがとうございます。
おっしゃるとおりかと思います。日出島に関しては、モニタリング1000でも調査をしていますし、標識調査も行っておりますので、毎年、確認はしているところなので、鳥フルの状況とかも、そういったところにもきちんと監視をしつつ、島の状況を見ていきたいというふうに思います。ありがとうございます。
【石井委員長】 尾崎委員、よろしいですね。
それでは、イルカ委員、お願いします。
【イルカ委員】 はい、ありがとうございます。
基本的なことで、ちょっと質問させていただきたいと思いまして、先ほどからいろいろ委員会での報告というものを拝見しておりますと、特に意見なしというところが、ちょっと引っかかりました。
問題がないのか、それとも関心が低いのかとか、いろいろ想像してみるんですけれども、今、いろいろ皆様からのお話を伺っていますと、非常に多大なる被害があるというようなこと、皆様、これは常識的に分かっていらっしゃるから、特に言うこともなしというふうにお考えなのかもしれないんですけれども、やはり一つずつ、特に意見なしということだけでなく、重複しても、やはりその問題がいまだ持続しているのかどうかというようなことも、ぜひそこに入れていただけると、もっと詳しく分かりやすいなというふうに思いました。
そして、もう一つの質問が、その会議に出席される方々なんですけれども、いつもその同じ方々が出席されているのか、それとも、交代制なのかということで、より地域に本当に密着した人の参加ということが望ましく必要なのではないかなというふうに思っているので、どういう方々が選ばれて、そこに参加されているのかなというのが、非常に基本的なことで、いろいろと分からないことが多かったので、質問させていただきたいと思います。よろしくお願いします。
【石井委員長】 分かりました。公聴会についてのご質問です。
事務局、お願いします。
【福田鳥獣保護管理室係長】 ありがとうございます。
意見なしというところで、特に、パブリックコメントとかでは、今回の案件は全て単純更新と、変更なしでの更新というところで意見がなかったのかと思っております。私自身、3年目になりますが、意見がなかったのは、今回が初めてだったので、特に、何かやり方とか、そういうことが悪いとかではなくて、単純に意見がなかったのかなというふうに受け止めていたところです。
それから、委員に関して、おっしゃるとおり、地域に密着したような方々のご意見というところも大事かと思っております。そういったところを先ほどお伝えした公聴会とか、そういうところで拾っていくというような仕組みになっております。今回、開催させてもらっている野生生物小委員会は、そういったところを踏まえて、大きな視点で議論をいただくというような場で委員の皆様をお呼びさせてもらっているところになります。
こんな回答でよろしいでしょうか。
【石井委員長】 イルカ委員、よろしいですか。
【イルカ委員】 はい、ありがとうございますよく分かりました。
ということは、非常にいい方向に向かっているということで、認識させていただいていいのであれば、これはとてもいいことだというふうには思うんですけれども、もしそこで何かすぽっと抜けていることがあるとすれば、地域に密着された方々というのは、やはりあまり弁論が立つというか、お話が上手であったりとかという方は割と少ない方々が多いと思うんですね。なので、より環境省の方なりが、皆様が回っているときに、そういう方々のご意見をいろいろ伺ったものも踏まえて、またそういう中で、ご意見としてまとめていただくという方向を、より強めていただきたいなというふうに思っておりますので、地域密着型という形のご報告を、これからもよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
【石井委員長】 ありがとうございます。
事務局、いかがですか。
【福田鳥獣保護管理室係長】 ありがとうございます。
地域と、それから多くの意見を拾えるように、これからもやっていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
【石井委員長】 それでは、小泉委員。よろしくお願いします。
【小泉委員】 ありがとうございます。小泉です。
お願いです。集団渡来地ですので渡来状況、目録だけではなくて数とその変動、それから集団繁殖地であれば繁殖状況、調査を行われていると思いますので、その結果をレビューしながら、これまでの20年、特別保護地区として機能してきた、そして、これから20年、コアエリアとして、引き続き重要であり、機能するというような説明の仕方もしていただけるとよかったかなというふうに思います。せっかく調査されていますので、そのデータも、この機会に取りまとめてレビューしながらご説明いただくと、その重要性がより深く理解されるのではないかなというふうに感じましたので、今後よろしくお願いいたします。
【石井委員長】 事務局、いかがでしょう。
【福田鳥獣保護管理室係長】 ありがとうございます。
繁殖状況や渡来状況は、整理はしているのですが、ちょっと今回の説明で抜けていたところでもありますので、今後、そのように説明できればと思います。ありがとうございます。
【小泉委員】 よろしくお願いします。ありがとうございます。
【石井委員長】 どうもありがとうございます。
磯崎委員、追加ということで、よろしいですか。お願いします。
【磯崎委員】 先ほどのイルカ委員の質問との関係です。宮島沼と伊豆沼で公述人の欠席率がすごく高い、5割、あるいは5割以上が欠席となっているんです。この背景にあるのは、公述人の選び方なのか、あるいはそのほかなのか。また、欠席した公述人も、賛成の人数だと入っているようですが、そういうときに、意見を事前に出してもらっているのか、その辺を教えていただければ。
【石井委員長】 ありがとうございます。
では事務局、お願いします。
【福田鳥獣保護管理室係長】 ありがとうございます。
出席に関しては、丁寧にお声がけさせてもらっているところなのですが、やはり関心がある方とない方、その土地に関する利害関係者として、公聴会にお呼びする方を選ばせてもらっています。その中でも農業関係の方でさえ、関心がある方とない方がいて、特に、先ほどお伝えしたマガンの被害とかということも、この場で言いたいという方は積極的に来るんですけど、特に、今回のような単純更新で、特に何もなく進めてくださいというような方が出席されないというような背景があります。あとは、土地改良区の方とか、土地に関係する方々で、特に問題が生じてない場合は、やはりあまり参加をしていただけないというような形になっております。
ただ、環境省のほうとしては、できるだけその土地に関係する、私有地も含みますので、そこに関係する方々を利害関係者として選ばせてもらって、意見を書類で出してもらうような手続をしていますので、欠席した場合も、賛成なのか反対なのかということを書類でもらっておりますので、その部分は、間違いなく手続を進めているというところです。
【石井委員長】 磯崎委員、よろしいですか。
勢一委員、お願いします。
【勢一委員】 すみません、勢一です。
私もあまり全体の仕組みを把握していないので、少し的外れのコメントかもしれないのですけれども、少し質問を兼ねて教えてください。
今回、計画書を示していただいて、これでまた同じ条件で再指定という原案だと受け止めています。
私が見ていて分からなかったのは、この特別保護地区は、鳥獣の保護と生息地の保護を図ることが目的の指定で、それを図るための計画書が今回出ているものだと思います。
そうすると、先ほどご指摘はあったのですけれども、現状がどのぐらいの飛来があったり、どのような保護措置がこれまで行われてきたかなどが示されて、さらにそれを同じような状況で、同じぐらいの目標で維持することなのかどうなのかという、質的なクオリティ担保をどの基準で図るのかというのが、この計画書を拝見していてもよく分からなくて、この辺りの制度的な担保は、どのような形で行われているのでしょうか。この計画書なのか、それとも違う形のところなのか。質の部分がどうなっているのか分からないところで、もし今の段階で教えていただけるのでしたら、お願いします。
【石井委員長】 よろしいですか。
では、事務局、どうぞ。
【福田鳥獣保護管理室係長】 ありがとうございます。
実際、計画書については、大まかな記載になっているところなのですが、鳥獣保護区に関しては、実施計画みたいな形で、マスタープランというような、実施計画をつくるような制度もあります。そういったところで具体の動きを決めていくというような、今、20年間での計画書になっているのですけど、もっと短期間に動きを決めていくというような制度もあるところです。
【東岡鳥獣保護管理室長】 すみません、ちょっと補足させていただいてよろしいでしょうか。
【石井委員長】 そうですね、お願いします。
【東岡鳥獣保護管理室長】 鳥獣保護管理室長、東岡でございます。
鳥獣保護区自体は、狩猟を規制して、特別保護地区では様々な行為規制があるということで、現状を悪化する行為を規制をしているわけでございますけども、別に鳥獣保護区における保全事業というものがございまして、仮に、その鳥獣保護区で何か生育環境に悪い何かが、変化が起きているということであれば、鳥獣保護区における保全事業ということで、例えば、乾燥化が進んでいる場合は、乾燥化を防止するために水を循環させるような措置を講じたり、そういった対応をしている鳥獣保護区もございますので、そこはそれぞれの鳥獣保護区で、何か生育状況が悪化していれば、その質の担保として、環境省としては、国指定鳥獣保護区においては保全事業などを実施するということと思っております。
【石井委員長】 はい、鳥獣室長のほうから補足いただきました。いかがですか。
【勢一委員】 ご丁寧にご説明ありがとうございます。
実態は、ご説明のように適切に管理をしていただいていると思うのですが、この計画書の段階で、そうした現状についての記載がないというのは、今まで専門家の皆さんのご議論とかを伺っていて、少し不思議に、また、計画書、計画の仕組みとしても不思議に感じたところです。これは私のコメントですけれども、ご説明いただいてありがとうございました。
【石井委員長】 はい、分かりました。ここで今、修正してほしいと、そういう意見ではないわけですね。
【勢一委員】 はい。
【石井委員長】 分かりました。
ほかはいかがでしょうか。
オンラインの方もよろしいですね。
では、特に、反対の意見はなかったと思いますけれども、今後こうしてほしいというようなご意見もあったかなというふうに思っております。
では、この件についても、お諮りしたいと思います。
本件につきましては、事務局案のとおり、適当と認めてよろしいでしょうか。それでは、先ほどと同じように会場は挙手で、オンラインの方は腕で丸で意思表示いただけますでしょうか。
(異議なし)
【石井委員長】 ありがとうございます。では、本件については適当と認めさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
【福田鳥獣保護管理室係長】 すみません、ありがとうございました。先ほどご説明した資料の中で、公告縦覧の日付の記載に誤りがあったので、修正したいと思います。失礼しました。ありがとうございました。
【石井委員長】 はい、よろしいですね。
それでは、報告事項に参りたいと思います。
トキと共生する里地づく取組地域の公募結果についてということで、事務局からご報告ください。これは岩谷補佐ということで、お願いします。
【岩谷希少種保全推進室補佐】 野生生物課希少種保全推進室の岩谷と申します。よろしくお願いいたします。
私のほうからは、トキと共生する里地づくり取組地域の公募結果についてご報告させていただきます。
前々回の6月の野生小委で公募開始についてご報告をさせていただきまして、先般、8月10日に開催されました自然環境部会の中でも同様の報告をさせていただきましたので、委員の皆様におかれましては前も聞いたなと思われている方もいらっしゃるかと思いますが、どうぞご了承ください。
それでは、お手元の資料3の1ページ目をご覧ください。まず、本公募に係る背景でございます。
ご承知のとおり、これまでトキの保護増殖事業におきましては、新潟県の佐渡のみでトキの野生復帰を行ってまいったところでございます。関係者の皆様のご尽力によりまして、今では野生下で約480羽にまで生息数が増加しておるところです。この佐渡において生息数が順調に増えているということを背景にいたしまして、次のステージとして、佐渡以外の地域でもトキの定着を目指すことといたしまして、昨年度6月の野生小委員会にお諮りいたしまして、保護増殖事業の変更をさせていただいたところでございます。これを踏まえまして、本州等においてもトキと共生する里地づくりの取組を進めていくということといたしました。
取組の概要といたしましては、資料1ページ目の2の取組の概要というところをご覧いただければと思いますけれども、トキ受入れに意欲の地方公共団体、環境省等が連携しながらトキと共生する里地づくりを推進するという予定としておりまして、先般、5月10日よりトキの生息環境の整備に意欲的な地方公共団体の公募を開始しておりました。今回の公募におきましては、再導入を行い、将来的にトキの野生復帰を目指していくという里地、A地域と呼んでございますけれども、及び、放鳥は行わないものの、将来的に飛来してきたトキが生息できるような環境整備を進める地域、トキとの共生を目指す里地、B地域と呼んでおりますけれども、この二つのパターンの地域の公募を行いました。
その結果といたしまして、それぞれ3地域の計6地域から応募がございました。先般、有識者を含む選定委員会で審査を行いまして、選定結果を8月5日に公表いたしました。選定地域につきましては、次の2ページ目をご覧ください。
トキの野生復帰を目指す里地といたしまして、石川県と能登半島の9市町、島根県の出雲市の2地域を選定しております。放鳥は行わないものの、飛来したトキが生息できる環境整備を進める地域、B地域といたしまして、宮城県の登米市、秋田県にかほ市、茨城県、栃木県、千葉県、埼玉県の18市町で構成されましたコウノトリ・トキの舞う関東自治体フォーラムの3地域をB地域として選定いたしました。
野生復帰を目指す里地として、A地域として応募のあった新潟県ほか5市町村につきましては、一部地域の合意形成に課題が認められたため、応募者からも丁寧に対応したい旨の申出がありまして、継続審議として取り扱ってございます。本地域につきましては、課題の調整状況等を再度確認した上で最終判断をするということにしてございます。
1ページ目の今後のスケジュールに戻っていただきまして、今後のスケジュールでございますけれども、今後12月を目処に、選定された地域やトキと共生する里地の先進地である佐渡市、その他関係機関等によりまして、トキと共生する里地づくり協議会を設立いたしまして、地域間で情報共有をしっかりと図りながら取組を進めてまいりたいと考えております。
野生復帰に向けた中長期的なスケジュールといたしましては、少なくとも2025年度頃まではしっかりと生息環境等の整備を行っていただきまして、その後、進捗状況等を確認いたしまして、専門家の意見なども踏まえつつ放鳥の適否や放鳥に適した時期等を判断することとしております。
資料の3ページ目につきましては、選定された地域の位置図をお示ししております。
4ページ目以降につきましては、トキの野生復帰の行程等をお示しした野生復帰のロードマップ2025ですとか、今回の公募のプロセス等の資料をご参考につけておりますので、後ほどご覧いただければと思います。
以上です。
【石井委員長】 どうもご説明ありがとうございます。
それでは、ただいまのご報告ですけれども、ご質問、ご意見等があったらお願いしたいと思います。よろしくお願いします。いかがでしょうか。
では、宮本委員、お願いします。
【宮本委員】 宮本でございます。
4ページ目のロードマップにつきまして、1点お願いがございます。現状と課題のところに遺伝的多様性の確保、地域住民とのあつれきと書いてございますけれども、人とのあつれきのほかに先住の野生生物とのあつれきというのも考えられるかと思いますので、それにつきましてもモニタリング等で情報収集、あるいは適切な対応等に努めていただきたいと考えます。トキ自身がほかの小動物の天敵になってしまったり、あるいはほかの野鳥の生息域に影響を与えたりということが考えられるかと思いますので、その点につきましてもご配慮をお願いしたいと思います。
以上です。
【石井委員長】 ありがとうございます。
事務局、いかがでしょうか。
【岩谷希少種保全推進室補佐】 はい、ありがとうございます。
佐渡では、現在、放鳥後、しっかりとその後のモニタリング等も行っておりますので、そういった情報収集もしっかりとしながら、今後の本州での展開にも生かしていきたいと考えております。ありがとうございます。
【石井委員長】 それでは、次の委員、私、画面の文字が隠れて読めないんですけれど、五箇さんですかね、五箇委員ですか、よろしくお願いします。
【五箇委員】 五箇です。すみませんです。
今の意見にもちょっと被るところもあるんですけど、そもそもこのトキ自体は、ある意味、導入種ということになるので、事業としてもう既に進んでいることですから、そもそも論を言ってもしようがないんですけども、その中で遺伝的な多様性の維持といったようなこと、確保ということも目標にあるんですけど、そもそもがこういったトキというものの地域個体群における遺伝子の固有性とか多様性といったものがどういったものであったかというベースに基づいて本来は導入計画というのはされるべきであって、平たく言うと、これはもう本当、中国産のトキといったものを導入して、個体群として再生させるというようなことが目的であり、その過程において、そのトキも住める環境を復元し、保全していくということが大きな目標になっていると私自身は理解しているんですけども、ここで何かさらっと遺伝的多様性確保と書いてあるけど、これは本当にサイエンティフィックに意味があることなのかどうかという議論がどれだけされているのかなということですよね。絶滅しないために遺伝子の多様度そのものをキープするという意味なんだろうと思うんですが、本質的に生物の集団の遺伝子の多様性というのは、やっぱり地域の固有性もあって、そこの地域に適応した形での遺伝子集団というものがあるということが重要なのであって、何かちょっと書きぶりとして、こうさらっと遺伝子の多様性というのを安易に使っていることは少し生物地理をやっている人間としてもすごく引っかかるところがあって、既に、何度も言うように、事業として進んでいるものですから、ここでそもそも論を言ってもしようがないですけど、こういったところの科学的議論というのはどの程度されているのかなというのが非常に気になるんです。
あと、これもやっぱり再導入種ということになりますので、そういった部分と、例えば冒頭にあった外来生物について、今後、国内における国内外来種、国内における個体群の移動という部分に関しても議論を進めていかなきゃならないということがある中で、こういった事業というものの位置づけというものを環境省としてどのように説明されるのかということは、ちょっとずっと外来種をやってきた人間としては気にするところであり、その辺のところの説明というものを実際問題、どういった形でされているのか、環境省としてはどういうふうに考えているかというのはちょっと聞いておきたいと思います。
以上です。
【石井委員長】 はい、ありがとうございます。
それでは、事務局のほう、お願いします。
【岩谷希少種保全推進室補佐】 はい、ありがとうございます。
遺伝的多様性につきましてですけれども、ご指摘いただいたように、今、佐渡で野生復帰を行い、佐渡に生存しておりますトキというのは、中国からファウンダーを提供していただいて、今、生存している個体のファウンダーというのは全て7羽に、中国から提供していただいた7羽に行き着くというのが実際のところでございます。遺伝的多様性については、その7羽のファウンダーから全てが生まれているということで、ある種限界はあるんだろうなというところはありますけれども、その中で限られた体制の中にはなるのかもしれないですけれども、ペアの考え方とか、そういったものは遺伝的に遠い組合せとか、そういったものを試行錯誤しながら、解析なども踏まえながら進めている、試行ということにはなりますけれども、今そういったところで、できるだけその多様性を確保するように組合せなどを考えて、もちろん繁殖個体間の話ではありますけれども、そういったことを留意しながら進めていっているというところではございます。
再導入種になるということについてですが、トキにつきましては、減ってしまう以前についてはかなり広く生存していたと、日本各地に生存していたという記録も残ってございますので、基本的にもちろん再導入という形になりますので、生息していた地域に再度導入することが基本となり、そういったバックグラウンドもしっかりと整理しながら適地を整理していくということにはなるかと考えております。
すみません、ちょっと答えになっているかですけれども、以上です。
【石井委員長】 五箇委員、よろしいですか。
【五箇委員】 大体回答としてはそういったところだろうと思いますけど、ちょっとだから書きぶりとして遺伝的多様性の確保という書き方をすると、保全遺伝学としての多様性維持という部分と混同されてしまう。今のは明らかに動物園的に個体群維持のための遺伝子のシャッフルという意味での多様性の何ていうか管理ですよね。だから、本当に人為的な管理という部分をしっかりと前面に出して説明していただかないと、ちょっとトリッキーに、何となく誤魔化しているように見えちゃうんですね、このトキの再導入計画については。今おっしゃったとおり、もう本当にファウンダーとしては完全に限られた外国産の集団というものをベースにしているということを、それをあえてやるという環境科学的な意味、環境省としての事業の意味というものをしっかりともっと説明していただきたいと。ちょっとここをあやふやにしながら冒頭の外来生物導入における国内外来種の管理の問題というのをいうとすると、もう何となく二枚舌に映ってしまうというのは、ちょっとそこは弱点になりかねない。私自身は別にトキの再導入そのものを否定するわけではないんですが、その目的とか意義というものをもっと前面にしっかり出していただきたく、こういう書きぶりをしてしまうと何となくトリッキーに「遺伝的多様性」が扱われているような気がしてならないというところがずっと気になっているところなので、その説明はしっかりとしていただきたいなというふうに思います。
以上です。
【石井委員長】 どうしましょう。どなたか。
【五箇委員】 いや、もういいです。別に、取りあえずこれはもう事業・・・。
【石井委員長】 いや、もうこれは局長くらいが説明しないと駄目なのかなと。
局長、何かありますか、一言。
【奥田自然環境局長】 もう細い部分はお答えするまでもないと思いますけども、やはり丁寧な説明、具体的に今、五箇先生がご指摘いただいた誤解のない形で説明をしていくというのは重要だと思いますので、その辺は今後も慎重にやっていきたいと思います。貴重なご意見、ありがとうございました。
【石井委員長】 ありがとうございました。
五箇さん、よろしいですか。
【五箇委員】 ごめんなさい、ここを長々言っていてもしようがないけど、生き物を移送して導入するというものに際しては、それが個体としてだけ移動しているのであって、我々が専門としている例えばダニの世界でも、トキウモウダニという固有のダニがいたんですね。日本のトキの日本固有のダニがいたと。当然、これ、再導入に関してはそれはもういないわけで、そのダニも一緒に絶滅してしまっていないと。本来そういった生き物という個体一つにも共生系なり、そういったものを移送させるがゆえに、場合によってはいろいろとリスクが生じることもあるということを考えると、何となくそこの議論とか科学的な追求というものをちょっと浅くし過ぎているのはよろしくないなというのはずっと感じているところで、もっと本来、こういった事業を通じてそういった議論もしっかりしていただければというふうに考えております。単純に動物というものを移動させれば、それで復帰させればオーケーということじゃなくて、もともとのバックグラウンドとしての様々な共生系、そこにはミクロな世界もあっての話ということを、それこそ、今問題となっている鳥インフルエンザなんかも含めて、本来ならこういった野生動物は様々な病原体も含めて持っているものであり、そういったものをやはりきちんと追求して分析した上で総合的な管理というものをこういった個体群導入という部分についてもするべきであって、どうにもちょっとこの事業に関してはそこがすっぱ抜けているような気がしてならないというのはずっとかねがね思っているところで、もちろんそういった議論そのものは最近になって沸き上がったことではありますが、逆にそういった議論があるならば、そういったことも視野に入れながら、こういった事業の正当性とか意義といったものがしっかり説明できるようにしておいていただきたいというふうに思います。
以上です。
【石井委員長】 ありがとうございます。
それでは、佐藤委員、お待たせしました。
【佐藤委員】 すみません、佐藤です。聞こえていますでしょうか。
【石井委員長】 はい、大丈夫です。
【佐藤委員】 すみません。五箇先生とほぼ同じ質問だったんですけど、あえて言うならば、遺伝的多様性を保持する目的があるのなら、今現在は遺伝的多様性の分析はどこまでされているのかということと、それから、そもそも7羽から始まったこのグループ、遺伝的多様性を議論するなら、今後、中国、韓国等から新たな個体を導入する計画があるのかどうかちょっとお聞きしたかったです。
【石井委員長】 ありがとうございます。
事務局、いかがでしょうか。
【岩谷希少種保全推進室補佐】 はい、ありがとうございます。
今後、新たな個体を迎え入れるような計画はあるかというところですけれども、今、既に具体的に動いているかというと、そういった状況ではないです。ただ、中国とは日中トキ保護協力ということで毎年しっかりと協力体制を築いて技術的な交流なども行っておりますので、そういった遺伝的多様性、今現在、その遺伝的多様性の面で何かすごく問題が起こっているという状況ではないと認識しておりますけれども、そういった事態も今後考え得るということではあるかなと思いますので、そういった中国、韓国も最近野生下で繁殖したという話もありますけれども、そういった中国、韓国とのネットワークもしっかりと維持しつつ、必要に応じて新たな個体なども検討していく必要があるかなということで認識してございます。
【石井委員長】 佐藤委員、よろしいですか。
【佐藤委員】 今現在の遺伝的な多様度の分析というのはされているんですか。
【岩谷希少種保全推進室補佐】 はい、先ほど五箇委員にもご説明した回答になってしまうんですけれども、遺伝的多様性の分析については随時行っておりまして、それに基づいてペアなどを検討しているという段階でございます。ただ、しっかりとその手法について確立しているかというと、まだ今いろんな課題が見えてきている状態ですので、試行をしながら、今、専門家の方のご意見も聞きながらいろいろと試行錯誤しながら進めているという状況でございます。
【佐藤委員】 はい、ありがとうございます。
【石井委員長】 はい、ありがとうございました。
では、広田委員、お願いします。
【広田委員】 その生息環境の保全再生についてお願いにもなるんですが、今回申請された地域でトキの生息環境というか採餌環境としては、やっぱり水田が重要だと思います。ドジョウ等の餌を取る場所なんですけれども、実はこの間、基盤整備が随分進んでしまっていて、ドジョウは基盤整備後にも最後までしぶとく残ってはいるんですけれども、やっぱり全体として餌資源が貧弱化している状況があります。ただ、基盤整備した水田でも、ちょっと工夫すればドジョウが上がってこられるような環境を作り出せる技術もあります。また、まだ基盤整備が進んでいなくて、多様な魚類や水生生物が生き残っている田んぼもあります。ですから、そこら辺、戦略的な保全と戦略的な再生というのを、この申請地域同士の意見交換もしながら、そして技術的指導なども取り入れながら、是非進めていただければと思います。
以上です。
【石井委員長】 ありがとうございます。
事務局、何かございますか。
【岩谷希少種保全推進室補佐】 はい、ありがとうございます。
まさにご指摘いただいたとおりだなと思っておりまして、佐渡で先進的に今まで進めてきた例もありますので、そういったところをうまく本州に適用しながら、過度な負担にならない、各地域において持続できるような方法を模索しながら、今既に基盤整備してあるところにつきましても少しの工夫でできるような、そういったこともあるということですので、そういったところで進めていければと思っております。ありがとうございます。
【石井委員長】 よろしいでしょうか。
【広田委員】 はい。
【石井委員長】 それでは、勢一委員、お願いします。
【勢一委員】 ありがとうございます。勢一です。
私から質問になるんですけれども、今ご指摘があったように、確かに水田とか、あと餌資源になるようなところをきちんと作っていくという、いわゆる里地を作っていくことが今回必要な取組だと思います。意欲的な自治体に手を挙げてもらって先駆的にやってもらうというスキームだと思うのですが、こういうことを続けていく、かなり中長期的なプランでやっていかなければいけないことだと思います。この取組を支えるような、何らか使える制度的な枠組みとか制度的な手法の活用というところは、何か想定されているのがあるのでしょうか。
【石井委員長】 事務局、どうでしょう。
【岩谷希少種保全推進室補佐】 はい、ありがとうございます。
ちょっと実は、これをピンポイントでお支えできるような支援策がご用意できているかというと、そうではないというのが実態になります。なかなか予算面で十分な配慮ができていないというところはございますので、そこは環境省としては技術面でカバーしていくだとか、うまく運ぶスキーム面でサポートしていくとか、折に触れてその環境省としても状況をチェックしていくだとか、そういったところは必要かなと思っておりますけれども、この手厚く何かサポートができるかというと、ちょっと今そこはご用意ができていない状況ですので、そういった面でもカバーしていければなというところでございます。すみません、あまり答えになっていないですが。
【石井委員長】 よろしいですか。
【勢一委員】 はい、ありがとうございます。
私が質問させていただいたのはその趣旨ではなくて、確かに財政的な支援とか技術的な支援は当然必要だと思いますが、それは当然いろいろな制約が、日本全体に制約がある中での取組ですので、今ここで求めるものではありません。私が質問させていただいたのはそうではなくて制度的な仕組みです。何らかの地域指定とかゾーニングとか、そういう制度として担保していかないと、恐らく人々も入れ替わりますし、人口減少、高齢化で耕作放棄地も増えたりすることに対応できず、また、前回のとき少し申し上げましたけれども、他方で、再エネを急速に増やすための改正温対法のスキームも動き出しています。その中で地域において里地をしっかり育んでいくために、制度的にそこを長期的に育んでいくための場所として担保してあげるというようなことが恐らく必要ではないかと思っています。これに特化した制度があるわけではないことはもちろん承知していますけれども、既存の法的なスキームの中でこの里地づくりに活用できそうな制度的な手法などをぜひ環境省のほうで少しリストアップしてもらって、自治体に情報提供するとか、あるいは自治体と情報交換しながらこういうツールは使えませんかとかというような議論を今後進めていく中でしていただけると長期的に支えられやすいのかなと思いました。
例えば、温対法の中で都道府県が指定する環境配慮基準の中にそれなりの熟度になったような地域は入れていただくとか、いろんなやり方はあるのかなと思います。それは地域によると思いますので、ぜひそこは知恵を絞っていただけるとありがたいなと思いました。
以上です。
【石井委員長】 では、コメントとしてお聞きしたらよろしいですかね。
事務局、何かありますか。
【岩谷希少種保全推進室補佐】 はい、ありがとうございます。
勢一委員には以前もご指摘いただいたように脱炭素関係ともしっかりと、地域資源循環共生圏ともしっかりと連携するようにとご指摘いただいておりますし、環境省の制度でいくと、そちらもこれからということにはなるかと思うんですけども、親和性が高いのはOECMとかそういったものになるかなと思いますので、そういったものともしっかりと連携をしながら進めていきたいと思っております。ありがとうございます。
【石井委員長】 はい、よろしいですね。
それでは、石井信夫委員、お願いします。
【石井(信)委員】 すみません、特にコメントする予定はなかったんですけども、先ほどの五箇委員の指摘に関連して少しコメントしたいんですが、トキの再導入の事業というのは、一応昔いた鳥の種をまた日本の自然に取り戻そうということなんですけども、ご指摘のように、昔いたトキの個体群とか、それをめぐる生物群集がそのまま復活するかというと、そんなことはないというのは科学的にも分かっていることですね。別にトキ自身が復活したいと頼んでこれをやっているわけでもなくて、やっぱり私たち人間社会が、トキがいるような自然の中で、それは昔と違うものではあるかもしれないけども、そういうその自然の中で暮らしたいということで出てきた事業だと思います。そこを何か単純に昔そのままが復活するんだみたいな誤解を受けるような説明の仕方をするというのは避けなければいけなくて、そうではないけれどもこういう事業をやっているということをきちっと説明できるような議論というか話の整理をしたらいいかなと思います。
あと、絶滅していない在来種についても、遺伝的なレベルで見れば様々な人為の影響を受けていて、昔とは違っているわけですね。ということもありますし、全く昔とは違うものができているんだという受け止め方も少し違うなと思います。私自身もこれをきちっと考えて発言しているわけではないので、お願いとしては、今、五箇委員が指摘したような疑問についても、こういう考え方でやっていますということをきちんと説明できるような用意をしていただければと思います。今、日本に増えているトキは、確かに中国産のものではありますけれども、同じ遺伝子を持ったものが日本にいなかったかということも、鳥はよく移動するので断定できませんし、そういうことも含めて話を整理していって、それでもこういう事業をやるのはなぜかということを、私なんかはやっぱり私たち人間が望むから、多少問題があってもこういう事業を進めているんだというふうに思っていますけれども、それは私の考えで、環境省としてきちっとした説明、疑問に対する答えができるような用意をしていただければいいかなと思いました。
以上です。
【石井委員長】 コメントということだと思います。よろしいでしょうか。
ほかはよろしいですね。報告のところで大変盛り上がりました。
ほかになければ、これは報告ですので、以上ということになりますけれども、委員の皆さん、それから事務局、何かほかはございますでしょうか。特にないですか。
それでは、以上で全ての議題を終了しました。進行を事務局にお返しいたします。
【事務局】 石井委員長、議事進行をありがとうございました。
委員の皆様におかれましても、長時間にわたるご審議、ありがとうございました。
本日、一部、音声トラブルがあり、申し訳ございませんでした。
それでは、本会はこれで閉会といたします。皆様、ありがとうございました。