野生生物小委員会(令和4年度 第29回) 議事録

開催日時

令和4年7月7日(木) 15:00~16:51

開催場所

環境省第一会議室(WEB会議システム併用)

出席者

委員長 石井  実    
委員 小泉 透 勢一 智子  
臨時委員 五箇 公一 佐藤 哲也 日向野 義幸
  水田 拓    
専門委員 白山 義久 寺田 佐恵子 桝 太一
  三谷 曜子 宮本 旬子 森本 淳子
  八代田 千鶴    
環境省 白石自然環境局長 堀上官房審議官 松下総務課長
  中澤野生生物課長 宇賀神鳥獣保護管理室長 河野希少種保全推進室長
  松本外来生物対策室長 稲玉野生生物課課長補佐  
  七目木鳥獣保護管理室係長 福島希少種保全推進室室長補佐 藤田外来生物対策室室長補佐
  松﨑外来生物対策室室長補佐    

議事録

【事務局】 それでは、定刻となりましたので、中央環境審議会自然環境部会野生生物小委員会を開会いたします。
本日は、お忙しい中、ご出席ありがとうございます。
会議に先立ちまして、出席委員数のご報告です。本日は、全委員17名のうち、委員・臨時委員12名中、Web会議システムでの参加を含め11名がご出席され、定足数を満たしておりますので、本委員会は成立しております。
次に、本会議の傍聴につきましては、会場での傍聴は行わず、YouTubeにてライブ配信をしておりますので、ご了承ください。
また、Web会議システムで参加されている委員の皆様におかれましては、差し支えない範囲で結構ですので、常時、ビデオボタンはONにし、先生のお顔が見られる状態にしてください。なお、ご発言時を除き、マイクはミュート設定にしてください。
Web会議システムで参加の皆様におきましては、ご発言を希望される場合は、画面の下にある手のひらマークをクリックして黄色にし、挙手状態にしてください。委員長からのご指名を受け、ご発言が終わりましたら、再度手のひらマークをクリックして、無色に戻してください。
資料につきましては、あらかじめ委員の皆様には電子データを送付しております。また、環境省ホームページの野生生物小委員会のページにもアップロードしております。なお、会場にお越しの委員の皆様には、お手元のタブレットに格納しております。
それでは、自然環境局長の奥田よりご挨拶を申し上げます。
【奥田自然環境局長】 皆さん、こんにちは。自然環境局長の奥田でございます。
本日は、ご多用中のところ、また蒸し暑い中を、この委員会にご出席を賜り、また、オンラインでも、お忙しい中ご出席をいただいたことを厚く御礼申し上げたいと思います。ありがとうございます。また、委員の皆様におかれましては、日頃から自然環境行政の推進につきまして多大なるご協力、ご理解をいただいていることを、改めて御礼申し上げたいと思います。
本日は前回に引き続いて、こちらでリアルでご出席いただく先生方及びWeb会議システムでご参加いただけるということで、一部、ご不便をおかけすることもあろうかと思いますけれども、何とぞご容赦いただけたらと思います。
皆さん、ご承知のとおり、先般、懸案となっていました多様性条約のCOP15の日程が、今年の12月ということで、場所をモントリオールに移して開催されるということに決定をしました。新たに決定された世界目標の中でも、様々な野生生物の問題、外来生物の問題も目標の中に含まれてくることになっております。
今日の諮問案件というのは、先般、改正をいたしました外来生物法に基づいて、特定外来生物被害防止基本方針の変更についてと、これをお諮りするものでございます。一回、6月2日の野生生物小委において、もう既にご審議をいただいたところでございますけれども、6月7日には外来生物の対策のあり方検討会でも、先生方にもヒアリングをさせていただいたところでございます。
それぞれのご指摘を踏まえて、事前に様々な形で調整をさせていただいて修正した案を、事務局のほうで用意させていただきました。この基本方針そのものも、さらにCOP15後の次の2030年の目標に向けた、非常に重要な文章となるというふうに私自身考えておりますので、ぜひ今日も、忌憚のないご意見をいただきながら、ご審議をお願い申し上げたいと思います。
今回の審議でまとまった暁には、パブリックコメントによって、さらに、その他の方々のご意見も伺うということで予定をしておりますので、本日は限られた時間ではございますけれども、忌憚のないご意見を賜りますようお願い申し上げて、私からの冒頭のご挨拶とさせていただきます。
本日は、よろしくお願い申し上げます。
【事務局】 それでは、これからの議事進行につきましては、石井実委員長にお願いすることとします。石井委員長、どうぞよろしくお願いします。
【石井委員長】 はい、承知しました。
皆さん、こんにちは。オンラインの皆さんも聞こえていますね。
本日も、この会場に来られている委員、それからオンライン参加の委員と半々ということですので、また、議事進行については配慮しながら進めさせていただきたいと思います。
局長が言われましたように、第1回の審議は、前回6月2日にこの委員会で行いましたが、その次の週に外来生物対策あり方検討会のヒアリングを行ったということです。今回、その二つの会議でいただいた意見を反映した改訂版が提示されるということでして、これについて、忌憚のないご意見をいただければというふうに思います。
この後、これも局長からありましたように、パブコメに入って、もう一度、この野生生物小委員会で審議する形になると思います。
本日の委員会ですけれども、YouTubeチャンネルにおいてライブ配信しています。報道関係者、それから一般の方もご覧になっているということでございます。
議事録につきましては、後ほど事務局が作成し、本日ご出席の委員のご確認を受けた後、私、委員長が了承した上で公開するということでご了解いただければと思います。会議資料につきましても、公開でございます。
それでは早速ですけれども、本日の議題「特定外来生物被害防止基本方針の変更について」ということで、事務局からご説明をお願いしたいと思います。
今日は、堀江係長ということで、よろしくお願いします。
【堀江外来生物対策室係長】 環境省の外来生物対策室の堀江と申します。本日、説明を担当させていただきます。座って失礼します。
では、資料の1番というものについて変更案、先ほど、石井委員長からもご紹介いただきましたが、改訂版として作成しておりますので、お手元の資料1をご覧いただきながら説明いたします。画面でも共有をさせていただきます。
まず、こちらの資料1につきましては、6月2日にご審議をいただきました野生生物小委員会でのご指摘、それから6月7日に令和4年度の外来生物対策のあり方検討会でもヒアリングをさせていただきましたので、そちらでのご指摘を受けて、その結果を踏まえた修正案として作成をしております。
両会議でのご指摘につきましては、資料1の修正箇所を説明する際に、都度都度、ここはこういったご指摘を受けて、こう修正しましたというような形でご説明をさせていただきます。あとは、参考資料2のほうに、6月7日のあり方検討会の議事の概要を載せておりますので、よろしければそちらもご参照ください。
では早速、資料1について、主な修正箇所についてご説明をさせていただきます。
資料1は青色の修正と赤色の修正が入っているかと思うんですけれども、青色の修正箇所については、6月2日の野生生物小委員会で提示させていただいた、現行からの基本方針の修正箇所となっております。なので、6月2日にご審議いただいた内容から、そこは変わっていないというところです。
赤色の修正部分が、6月2日の変更案から追加で修正した箇所になります。なので本日は、赤色の場所を中心にご説明をさせていただきます。
まず最初の点ですが、目次の部分で2ページの47行目「土地所有者等」というところを「土地の占有者等」というふうに変えていますけれども、こちらは法律の第13条第2項の規定ぶりから、条文に合わせて修正をしたという形になります。
続きまして、184行目、ページで言いますと6ページ目ですね。「c」というところに赤字で追記をしております。こちらは勢一委員から、地方公共団体の責務が今回の改正で規定されたということが大きな転換点であり、その事実について背景を、よく分かるように記載しておくべきであるというようなご指摘をいただいておりました。それを踏まえて背景として、ここの赤字部分を追記したという経緯になります。
具体的には、地域ごとに分布状況とか被害の状況が多様であること、それから地方公共団体による防除の実績が蓄積してきていることを踏まえて、地域ごとに柔軟な対応がとれるように、今回、責務規定の中で都道府県、市町村についても規定を入れていると。これは、国についてはこれを、対策を支援するなど、そういった責務規定の創設のうち、役割分担をしたことの背景について記載をさせていただきました。
続いて、244行目、7ページ目の真ん中辺りかと思いますが、ここについて赤字部分で提起をしております。ちょっと分かりづらい、修正がたくさん重なって大変恐縮なんですけれども、こちらは石井信夫委員から、特定外来生物以外にも問題になる外来種がいることをも明確に記載すべきであるということ。あと、特定外来生物への指定になじまない外来生物や、そもそも海外由来でない国内外来種の問題などの課題を記載して、そのために「生物生態系被害防止外来種リスト」を作るという趣旨を、明確に記載すべきというようなご指摘があり、修正をしております。
少し回りくどい書き方にはなってしまっているかもしれないんですけれども、まず、ここの238行目からのところで、特定外来生物についての国民の理解と協力が重要という話を書いておりまして、244行目から外来生物全般について、指定による規制になじまない外来生物も存在するというようなことを書いています。
さらに255行目から、国内由来の外来種全般についても、被害を防止する上で対策が重要であるという話を書いているというような構成になっております。
さらに、その続きに、それを全部まとめて、リストにおいてまとめて対応するというような構成になっております。
続きまして、そのすぐ下になりますけれども275行目の赤字での記載部分、こちらは小泉委員、それから山極委員、広田委員からいただきました人材の確保と人材育成が重要であるというようなご指摘を踏まえまして、防除技術の習得・向上が重要で、研修会の実施や専門家の派遣など、人材の育成に努めるといったような文章を入れております。
さらに、そのまたすぐ下なんですけれども、各主体の役割と連携について、それぞれ記載した箇所がございますが、まず、国の役割について、281行目辺りから赤字で追記をしております。こちらについては、磯崎委員から、国の責務の記載について、アとウが条文そのままの書きぶりで、内容が、もうちょっと詳細に書くべきといったようなご指摘を前回いただいておりました。
これを踏まえまして、まず、アについては、総合的に施策を策定するといったような記載でしたが、もともと大分後ろのほうの、第7の「その他」というところに総合的な推進について書いているところがございましたので、そこの記載を丸々、こっちに持ってくるような形で詳細を記載するというような形に修正をしております。
また、イをちょっと飛ばしましてウですね。ウについては、小泉委員、山極委員と広田委員から、こちらも人材確保と人材育成が重要というご指摘を踏まえて、具体的に専門家、研修の技術的な支援であるとかという話を追記しております。
あと、エとオとカについて、それぞれ記載の内容自体は変わっていないんですけれども、第7の3に詳細を規定しておりますので、そちらを引用するような形で引っ張っております。
ここは、エとオとカの詳細を第7の3に書いている理由としましては、条文上の責務規定とは別に、後ろのほうで規定をしておりますので、条文の順番に合わせて、このような書き方になっております。
あとは、少し戻って先ほどのイの部分なんですが、もともと、イは全部一文で記載をしていたんですけれども、勢一委員より、一文が分かりにくいというようなご指摘をいただいて、そのとおりということで、箇条書にする形で修正しております。内容自体は変わっておりません。
続きまして、314行目、都道府県の役割のところですね。こちらについて、まず、「外来種に関する条例やリストの策定」ということを、都道府県の役割の具体的な中身として期待される内容として書いていたんですが、こちらも勢一委員から、外来種専用の条例でないといけないように見えるというようなご指摘をいただきましたので、「外来種に関する内容を規定した条例」というような書きぶりに修正をしております。
続きまして、325行目なんですけれども、こちらも勢一委員と、あとは、7日に開催されたほうのあり方検討会で、中井委員から、都道府県と市町村について、今回の役割が記載されているんですけれども、その役割分担について重複が生じてしまったりとか、現場の職員の方々から見て、分かりづらくて迷いが生じるといったようなことが出ないように、具体化すべきであるというようなご指摘をいただいていたところでした。
一方で、市町村については努める規定という形にしていますので、なかなか多くを、ここでたくさん求めるということも難しいといった側面もございまして、地方公共団体ごとの取組の幅や体裁、あとは体制の差が大きいということも考慮しなければならないというふうに考えております。
以上を踏まえまして、市町村の役割については「より地域住民に近い立場として」という言葉を記載することで、都道府県との性質の差という部分を記載で表したというような形になります。
また、都道府県の役割と市町村の役割、それぞれにイという部分の記載があって、ここは「国民の知識と理解を深めるために必要な施策を推進するように努める。」という内容なんですが、こちらについても勢一委員より、中身が都道府県と市町村で重なってしまったりとか、より詳細化すべきではないかというようなご指摘をいただきましたので、都道府県と市町村で、よく連携をするということを記載して、「国の施策と相まって」という部分も、より分かりやすいように、実情を踏まえて「国や市町村とも連携しつつ」というような記載を、それぞれ入れているところです。
次に439行目、12ページになります。少し飛ぶんですが、ここはアメリカザリガニ、アカミミガメを念頭に置いた、一部適用除外をするような種についての考え方を示した場所でございますけれども、前回、尾崎委員から、どうやって飼養者数とか野外個体数を減らすのかの方針がないと無責任ではないかといったようなご指摘をいただいております。
以上を踏まえまして、国としてやろうとしている内容、輸入、販売、購入の規制などをすることであったり、防除ということによって、個体数、飼養者数を減らしていくというような具体的な施策の詳細を盛り込んだという形になります。
また、その下の445行目になりますが、こちらについても尾崎委員から、放出が禁止されるという方針ですので、捕まえてきたザリガニを放せなくなることによって、どうすればよいのかというのを分かりやすく記載すべきではないかというようなご指摘を、前回いただいておりました。ただ、こちらについては、政令が定まらないと実際、そもそもどういう種を指定するかとか、何をその規制内容にするかということが決まりませんので、それを踏まえまして、基本方針という大きな方針を示す文書という性質も加味したところ、取扱い方法の周知をすると。「国民に広く理解を得ることが必要」というような記載にとどめさせていただくという形で、修正案を考えております。
次に、また少し飛ぶんですけれども、19ページ目になります。19ページ目の下のほうの707行目辺りから、都道府県が今回独自に公示を行うことによって、国の確認を取ることなく、防除することができるようになるというような改正内容になっておりますが、その公示を行う際に、国のホームページを活用して、これを行うというような形で記載をしていました。
こちらについては、総務省と事前に少し協議をさせていただいた際に、ホームページで公表する主体がちょっと分かりにくいといったようなご指摘をいただきましたので、「国はホームページなどを活用してこれを広く公表する」と。これは、国のホームページで、どこで何を、どういう防除を行っているかを一括して分かるようにするための試みですが、そういった形で修正をさせていただいております。
次に、またちょっと飛んでしまうんですが、24ページ目の後半のほうで、たっぷりと消しているように見えるところがあるんですけれども、こちらは防除の基準の話のところなんですが、これまでの記載ですと、消した部分は、放出等をした際に措置命令を取るというような話が記載されていて、それが基準の記載の中に案として入ってしまっていたんですが、場所として、基準の中身として措置命令の話を書くのは、ちょっと不適切でございましたので、こちら、後ろの「その他」のほうに、丸々移転するというような形で修正をしてございます。
続いて、これは、ごく技術的な話で大変恐縮なんですけれども、28ページ目の終わりぐらいに、①、②の記載がありますが、こちら、句読点が抜けている部分がありましたので、そちらは、この案から修正した形でパブコメをかける形にしたいと思います。
次に、30ページになります。30ページの後半辺りから、要緊急対処特定外来生物について、今回の改正で対処指針を定めるといったようなことが規定されております。
こちらの内容について、修正をかけてはいるんですが、こちらは文章の流れが、もともとちょっと分かりにくいというのを各省協議のときに修正いただきまして、主語、目的、対象、述語というような形で、分かりやすく記載をするというような形で修正しております。
また、これまで「管理する者」とか、何とかする者という規定ぶりだった、書き方をしていたんですが、ここは条文上、全て「事業者」のことを対象としますので、そのような形で修正をしております。
続きまして、1290行目。また少し飛んでしまうんですけれども、35ページ目になります。こちらの「その他」というところのちょっと上の部分に追記をしているんですが、こちらは直接、委員からご指摘をいただいた部分ではないんですけれども、普及啓発について、海外由来の外来生物だけではなく、その外来種全般の普及啓発の必要性があるということを、各省との協議の中でも、そういった点もございまして、全般的な普及啓発、総合的な外来種対策を推進するというような形で、3行分追記をしております。
以上が中身に関する修正の案、ちょっと細かいところもあって恐縮なんですが、ご説明になります。
また、全体的に、磯崎委員から、「こととする」「ものとする」という部分をなるべく使わないということと、あと、「重要である」という言い方については、分析結果を記載するようなときに使うといったようなご指摘がありましたので、全体的にそういった記載を直すように修正をかけています。
その他、技術的な修正も幾つか加えてございますが、中身のある修正については、今申し上げたとおりとなります。こちらで、パブリックコメント案として建議をいただければと思います。
以上です。
【石井委員長】 ご説明どうもありがとうございました。
ということで、前回いただいた意見等を踏まえて修正したということで、その修正の部分についてご説明いただきました。
では、ご意見をさらに伺いたいと思いますけれども、長いですので、また、幾つかに分けたいと思うんですけれども、前半と後半ぐらいで今回は行きましょうか。論点の第1から第4、ですから、4ページから25ページぐらいのところで、まず、ご意見を伺いたいと思います。ご自分が指摘された内容で修正が適切になされたかどうか、それから、ほかにも気づかれたことがあるかもしれませんので、ご意見を伺えればと思います。
そうしましたら、会場の方は、いつものように名札を立てていただいて、それからオンラインの方は、下にある挙手ボタンを押す形で、発言をお願いしたいと思います。
では、第1から第4、25ページまでのところで、ご意見を伺いたいと思います。いかがでしょうか。
では、勢一委員、お願いします。
【勢一委員】 ありがとうございます。勢一です。
前回の会議の意見等に対して、丁寧な対応をしていただきまして、本当にありがとうございました。結構細かいことを申し上げたんですけれども、よく拾ってくださいまして、ありがとうございます。
法改正の経緯とか背景を追記していただいたというのは、非常にありがたいなと思っていまして、やはり地域の関係者とか自治体に対して、法が期待するものをメッセージで届けるということができる記述かなと思っております。ありがたいと思います。また、各主体の役割のところについても、丁寧に対応していただいてありがとうございます。このような形で、私は異存ございません。
特に外来生物に関する国民の知識と理解を深めるという部分、なかなか、やっぱり知られていないところも多いので、これから進めていくには、これを各施策と並行して進めるというのが大事な部分になるだろうと思います。
ここで、国と都道府県と市町村の連携というのを加えていただいているということは、私個人的には二つ意味があるなと思っておりまして、一つは、各主体が行う施策が無意味に重複することなく、融合して効果的に国民に届けることができる。これは、人口減少で限られたマンパワーなどの政策資源を効率的に利用するという意味では、とても重要な部分だと思います。専門人材も不足するというような状況ですから、こういうメッセージになるだろうと思います。
もう一つは、外来生物の問題について、全国的に広く知識と理解を深めるという部分につながっていくんだと思います。外来種全体の課題への理解ということで、最後のほうに、総合的な外来種対策が重要だという記述が追記されました。
やはり、これのためには各地域で、その地域に関する問題状況を知るという、これも重要なんですけど、それだけでは多分足りなくて、ほかの地域で起こっているような問題や課題も知って、併せて考えると。さらに、外来生物の影響があまり深刻ではない地域についても、やはり、そういう問題状況が全国であるんだよということを幅広く知って理解してもらうと。
このような形で総合的な対策につながる意味でも、国、都道府県、市町村の連携、こういうことをやっていくと、多分、将来の人材輩出にもつながっていくかなと思いますので、ここの部分の記述で、いい形でメッセージが送れるといいなと思っております。
私からは以上です。ありがとうございました。
【石井委員長】 どうもありがとうございました。ご意見を伺ったということだと思いますが、事務局のほうは、何かコメントはございますか。
では、室長、お願いします。
【大林外来生物対策室長】 勢一委員、ありがとうございます。
本当に外来種問題、まだまだ知られていないところはあると思います。これを、我が事として捉えていただく、それを広げていただくということが大事だと思いますので、今おっしゃっていただいたことを心に留め置いて、これからに生かしていきたいと思います。ありがとうございます。
【石井委員長】 ありがとうございました。
それでは、オンラインの石井信夫委員、挙手が早かったと思いますので、ご発言をお願いします。
【石井(信)委員】 石井です。ありがとうございます。
前回の私の意見に対して修正をしていただきました。それで、244行から246行の、被害を及ぼしているか、そのおそれがある一方で、外来法による指定によって規制をかけていくことになじまない外来生物も存在するということと、それから255、256行の国内由来の外来種も被害が深刻なものもあるけれども、本法の対象とならないということが明記されて、外来生物法だけではカバーできない外来種をめぐる課題があるんだということが、より明確になりましたので、これは適切に修正していただいて、ありがたく思います。
それで、266行では、そのような考え方に基づいて、「生態系被害防止外来種リスト」というのを作成・発信して、総合的な外来種対策を進めるんだというふうにまとめてありますので、非常に適切な記述だと思います。
それで、以上は、この修正に異存がないということなんですが、関連してもう一つコメントしたいことがありまして、この文書の中では「外来種」と「外来生物」という二つの言葉を使い分けていて、その違いの意味が非常に大きいわけですね。特に、国内由来の外来種を含むか含まないかというところが重要になってくると思うんですが、この基本方針の第1というところでは、外来種問題に対する一般的な考え方、取組方針が記述されていると思うんですが、278行から「各主体の役割と連携」というところが始まります。ここでは、国とか地方自治体、その他が、どういう役割を担って外来種問題に取り組むかということが記述されるわけですけれども、前回、私、あまりはっきり認識しておらずコメントできなかったんですけれども、ここの各主体の役割と連携の中に、「外来生物」ではなくて「外来種」という言葉を使ったほうがいいところがあるのではないかと思いました。
まず、280行からの「国の役割」のところなんですけれども、アのところでは、例えば285、286行のところに外来種リストという言葉が出てきて、国としては、外来生物だけでなく外来種、外国から来たものだけじゃなくて、国内由来の外来種も考えるんだというふうに読めるわけですけれども。そうすると「外来生物対策」という言葉が、この中に何か所か出てきますけれども、これは「外来種対策」のほうが適当なのではないかなと思いました。
それから、イとウに関しては、これは特定外来生物に関する記述ですので、今のままでいいと思うんですけれども、エとカについては、「外来生物」ではなくて「外来種」のほうがいいのではないかなと思いました。
それから、少し話が長くなりますけれども、(2)の「都道府県の役割」についても、アの6行目には外来種という言葉が出てきます。それで、イのところでは外来生物という言葉になっているんですが、この辺りも外来生物でなくて外来種に直したほうがいいのではないかと思いました。
同様に(3)の「市町村の役割」についても、327行には外来種という言葉が出てくるんですけれども、そのほかは外来生物という言葉になっていたりするので、この辺り、外来種と外来生物という言葉の中身を考えていただいて、必要なところは外来生物でなくて外来種という言葉に置き換えたほうがいいのではないかと思いました。
以上です。
【石井委員長】 ありがとうございました。
これはなかなか難しいご指摘ではないかと思いながら聞いていたんですけれども。
では、大林室長、お願いします。
【大林外来生物対策室長】 石井委員、ありがとうございます。
ご意見、実は我々も、これをやるときに、ちょっと悩んだところでございます。
おっしゃられること、本当にとても理解するところなんですけれど、これ、前回も少し申し上げたんですけど、法に基づく基本方針というところになっておりまして、特にこの役割の部分というのが、これをやりなさいというふうに、基本的に規範となるものですので、そこで、法に書いていないことを広げるということがなかなかできにくい。
ただ、そうは言っても、その前後また後半の部分に、普及啓発について書かせていただいたところでございます。
答えになっておりますでしょうか。よろしくお願いします。
【石井委員長】 石井信夫委員のほうでは、先ほど指摘された個々のところについては、ここは外来生物、これは外来種に変えたほうがいいと、そういうような内容になるんでしょうか。
【石井(信)委員】 実は私も、そこはどうしたものかと悩みましたが、気がついたので一応コメントしました。
この基本方針は、この間も説明がありましたけれども、特定外来生物に関する基本方針であるということを踏まえて、外来種一般ではなく外来生物に重きを置く方針であることも理解できますので、どこかで、そのことが分かるように説明をしていただければ、絶対ここは外来種にしてほしいということまでは主張しません。
この文書の一番最後、1290行から1292行のところ、「国民の知識と理解の増進」というところなんですが、国内外来種の問題も含めて、総合的な外来種対策を進めていくというようなことが書いてありますから、今、私がコメントしたような問題は、すくい取れるのかなというふうにも思っておりますので、判断はお任せしたいと思います。
一応、私が気がついたことをコメントさせていただいて、それを踏まえて全体が、うまく説明できるように記述していただければいいと思います。
以上です。
【石井委員長】 ありがとうございました。
では、この会議の間に、何かいいアイデアがあったら、また、ほかの委員も含めてご意見をいただければと思います。ちょっとヒントがあったように、どこかで説明しておいてという方法がいいのかなと、私も思ったところです。
この点に関して何か、委員の皆さん、これは、いい案があるというのがありましたらお願いします。
どうぞ、小泉委員。
【小泉委員】 実は私も、後で外来種と外来生物の違いについてコメントしようと思っていました。定義の違いは、法律の用語できちんと決められていて、国内由来の外来種を対象にするかしないかというふうに、明確に定めていますので、使い方の中でそれが混同しないように使ってくださいと。それを徹底すれば、それはそれでいいのではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
【石井委員長】 ありがとうございます。
室長、何かございますか。
【大林外来生物対策室長】 ありがとうございます。
石井委員のおっしゃられたとおり、今回、法律に関しましては特定外来生物を扱うということですけれど、おっしゃられるように、外来種全体の問題を考えていくということは大事と思いますので、特に使い方に気をつけながら、うまく普及啓発をしていきたいと考えております。
ありがとうございます。
【石井委員長】 そうなんですけれど、今日はこの改訂版について皆さんの承認を得なければいけないこともありまして。ここの部分はこういうふうに修文したほうがいいというのがあると収まりがいいんですけれど。ご検討いただけますか。この会議中で結構なんですけれど。
それでは、ほかの観点についてはいかがでしょうか。
それでは、会場のほうから、磯崎委員、お願いします。
【磯崎委員】 ありがとうございます。
言い回しについてです。21ページの770から778で、773は、これこれが「必要であり」と言って、その文章が776で「ことが必要である」とダブっており、最後に「重要である」という文章が、またあるんです。後半の文章は取るべき行動を言っているので、776の「ことが必要である」と、778の「ことが重要である」を外して、「努める」と「行う」にしたほうが分かりやすいと思いました。
以上です。
【石井委員長】 ありがとうございました。
磯崎委員、今の部分を外したものを読んでいただけますか。
【磯崎委員】 ここ全体ですか。
770が「(1)により、緊急的な防除を行ったとしても国内からの根絶又は地域的な根絶ができない場合や、既に広範囲にまん延して生態系等に被害を及ぼし、又は及ぼすおそれがある場合には、国、地方公共団体、民間団体、土地及び施設の所有者及び管理者等の関係者が連携して計画的に防除を進めることが必要であり、その際には、防除の目標、区域、期間、方法、実施体制等を防除の対象ごと、地域ごとに具体的に定めた防除実施計画を策定し、防除開始後もモニタリングを行い、その結果を防除実施計画の見直しに反映するなど柔軟な防除の実施に努める。特に、鳥獣の特定外来生物の対策を行う場合は、鳥獣保護管理法に基づく狩猟や被害防止目的での捕獲と連携して行う。」
【石井委員長】 ということですが、事務局のほう、いかがでしょうか。
【大林外来生物対策室長】 ありがとうございます。
今、磯崎委員が読まれていて長いなと思ったので、これ、真ん中で一回切ってもいいかなと思ったことも含めて、まず、770行目から始まる文章で、773のところで「必要である」と。多分、一回、ここで切ります。
その上で、そのまま「その際には、防除の目標、区域、期間、方法、実施体制等を防除の対象ごと、地域ごとに具体的に定めた防除実施計画を策定し、防除開始後もモニタリングを行い、その結果を防除実施計画の見直しに反映するなど柔軟な防除の実施に努める。」と、これで大丈夫だと思います。
その後、「特に」、これも「重要である」の件は削ったほうがいいですかね。このままでも通じるかなとも、思ったんですけれども。
【山極委員】 「重要である」というよりは、「行う」がダブっているから。「連携することが重要である」とかというふうにしたらいいんじゃないかな。
【大林外来生物対策室長】 分かりました。そうですね。私、そちらのほうでよいかと思いますが。
もう一回言いますと、「特に、鳥獣の特定外来生物の対策を行う場合は、鳥獣保護管理法に基づく狩猟や被害防止目的での捕獲と連携することが重要である。」で、いかがでしょうか。
【石井委員長】 磯崎委員、よろしいですか。
それでは、今の部分に関して、大林室長のほうにまとめていただいた方向で、皆さん、お認めいただければと思います。
それでは、広田委員、オンラインのほうですけれども、お願いいたします。
【広田委員】 私のほうからは、関係する主体の役割のところで、基本的には、このような修正でよいと思うんですけれども、ちょっと1点、気になるところがあります。
どこかと言いますと、318から319行目までで、県の役割というのが述べられていまして、そこに、318行目の後ろのほうに「国や市町村とも連携しつつ」という、こういう文言があるんですが、国の役割のところには、この地方公共団体以外に、事業者、国民、またはこれらの者の組織する民間団体、こういうものを支援するというような書き方がありまして、この都道府県のところの役割も、この連携する主体として、こういう民間団体、あるいは別の場所では関係者という言葉も使われているんですけれども、それも加えたほうがいいのではないかという、質問というかコメントなんですけれども。
同じように「市町村の役割」のところも、330行目から331行目まで「都道府県の役割」と同じような言い回しがされているんですが、ここも、その民間の団体については触れられていないんで、何らかの書き方で、この民間の団体等との連携とか協力とか、何かそういうものを入れたほうがいいんじゃないかなと。
以上が私のコメントです。
【石井委員長】 ありがとうございます。
広田委員、ここも、何か修正文案を示していただくのが一番ありがたいんですけれども、うまく入りますか。
【広田委員】 先ほど申し上げたように、国のところでは「事業者、国民またはこれらの者の組織する民間の団体」というような表現があるので、そういう表現をそのまま使うか、あと、別の部分で「事業者、民間団体、その他の関係者」というような言い方が345行目にあるんですけど、何か、それと合わせたような表現がいいのかなと思います。
ただし、この都道府県から見て、国や市町村とも連携しつつというのは、やはり国と市町村と、あと民間の団体というのは連携の仕方も違うでしょうから、ちょっと、そこら辺の法的、行政的位置づけの違いというのは、ちょっと私にはよく分からないので。この国や市町村と並列で「民間の団体」という言葉を入れて「連携しつつ」というふうにしたほうがいいのか、あるいは、ちょっと表現を変えたらいいのかについては、ちょっと私のほうでは判断しかねます。
いずれにせよ、その民間の主体というのを、この都道府県の役割の中にも入れたほうがいいのではないかという、こういうコメントなんですが。
【石井委員長】 分かりました。
まず、これについて、事務局いかがでしょうか。
大林室長、お願いします。
【大林外来生物対策室長】 ありがとうございます。
実際にやるときに、国、都道府県、市町村、また民間事業者が連携することは大事だと思っています。
「都道府県の役割」「市町村の役割」というところは、非常に重いところで、法律より出たところというのは、なかなか書きにくいところがあります。ただ、一方で、この後ろの(5)の「関係者の協力」というところに、国、都道府県、市町村、事業者、民間団体が、それぞれの施策を連携してやるということが書いてありますので、そちらのほうで読めるのではないかというふうに考えております。
【広田委員】 ああ、なるほどね。
都道府県や市町村の役割の部分に、この民間の団体も入れてしまうと、ちょっと重たいということですね。
【大林外来生物対策室長】 そうです。はい。
【広田委員】 分かりました。そういう判断であれば、私のほうでは、もう、それ以上、特にこだわりません。
後ろのほうに、確かに「関係者」というのが出てきますので、それで読めるのであれば、それで構いません。
以上です。
【石井委員長】 よろしいでしょうか。ありがとうございました。
それでは、小泉委員、お願いします。
【小泉委員】 ありがとうございます。
前回の委員会で申し上げたことに対応していただき、どうもありがとうございます。対応された部分に関しては異論ありません。
ただ、今回、改めて、通して読ませていただいて、気のついたことを、ちょっと細かいところもありますが、コメントさせていただきます。
まず、4ページですが、4ページの141行の辺り、外来生物の対策は何かと考えると、やはり生物多様性ということだと思います。その生物多様性の取り上げられ方が、ちょっと少ないと感じました。
締約国会議の内容もいいですが、それに対応して、既に生物多様性基本法ですとか、生物多様性国家戦略を定めて、外来生物の対策を論じているわけですから、その辺も併せて記述していただきたいと思いました。
それから、先ほど石井信夫委員から指摘のありました外来生物と外来種ですね。この文章をずっと読んでいると、非常に分かりにくいところがありますので、できれば、どこかの場所に、「ここでは外来生物は○○とする。外来種は○○とする。」というふうに、定義づけてみてはどうかというふうに思います。恐らく国内由来の外来種をどう扱うかということが違いに表れてくると思いますけれども。あとは、その定義に従って、後段のほうの用法もぶれないようにしていただきたいというふうに思いました。
それから、10ページです。役割の分担というところは大変よく書かれていると思いますが、連携の部分が、連携するとしか書いていません。どういう部分に配慮しながら連携していかなければいけないかということを、もう少し書き込んでいただければ、この点ご検討いただければと思います。
私が思いつくところでは、外来生物ですので、モニタリングですとか、そういった情報の迅速な伝達と共有というのが必要になってくると思います。そういう意味でいきますと、348行の辺りに、「特性に応じて、インターネット等を通じて、情報の迅速な伝達と共有を図る」というような、どういうふうに連携したらいいのかについて、少し具体的に書いていただければと思いました。
それから、12ページです。適用除外についてですが、これは、国民に理解を得る前に、関わる国民の層を考えると、若年層、それから、こういった法律になじみのない保護者ということが対象になってくると思いますので、まずは、理解を得る前に伝えるということが、周知させるということが大事なのではないかなと思いました。
それから、ちょっと前後しますが、7ページと、それから20ページのところ、防除の内容というところで、そのほかのところ20ページも含めてですが、完全排除、封じ込め、それから被害の低減等と三つの項目を上げていますが、7ページのところだけ「低密度管理」という言葉が出てきます。これを受ける場所がなくて、どのようにするのか。例えば、低密度管理というのはどういうものであるというのを脚注として説明を加えるか、そうでなければ、ほかのところで「被害の低減」という文言を使っているわけですから、「被害低減のための低密度管理」というような言葉にするとか、低密度管理が浮いてしまっているなというふうな印象がありました。
今のところに関しては以上です。
【石井委員長】 分かりました。幾つかご指摘がありました。具体的にこうしてほしいということではなく、ご検討いただきたいということなんですけれども、事務局、いかがですか。
【大林外来生物対策室長】 すみません、ちょっと生物多様性のところは考えさせてください。
まず、外来種とか外来生物、また特定外来生物は法律ですけれど、国内の定義なんですけれど、4ページから5ページに、ちょっとばらばらとあるんですけれど、4ページの138行目のところで外来種というところを書いていますし、あと、5ページの149のところで、外来生物はこういうものですとばらばらと書いておりますので、そこで、拾っていただくと思っております。
連携のところですけど、今いろいろな連携の仕方があります。多分どれが正解というところはないというのと、いろんな方法があるというところで、今インターネットのことを言っていただいたんですけど、それも一つの方法であるかなということを考えると、この基本方針というレベルではなくて、もう一つ下の行動計画がありますので、そちらのほうも含めて示すほうがいいのかなと感じております。
戻って、7ページの低密度管理のところに関しては、「被害低減のための低密度管理等」とご提案をいただきまして、それでいきたいと思っております。
生物多様性のところですね。私が申し上げたかったのは、4ページの140行目から5ページの145行目辺りまでですが、要するに、国内でももうしっかり対応しているので、その部分について、締約国会議でこうこうなっていて、それを受けて、国内的には多様性基本法とか国家戦略が策定されているというようなふうにストーリーをつくったらどうかなというふうに考えた次第です。そして、その下に、また次は法律の流れがりまして、その流れと複層的になってしまうのがあって、ちょっと簡単に入れられないなと感じているところなんですけど。
【小泉委員】 分かりました。ここはご検討ください。私はコメントということで。
【大林外来生物対策室長】 分かりました。ありがとうございます。このままで行きたいと思っています。
【小泉委員】 分かりました。
【石井委員長】 よろしいでしょうか。
ほかはいかがでしょうか。この部分は特にないでしょうか。
では、続けてですけれども、論点の第5から最後の第7までということで、25ページから先ですけれども、この部分について、ご意見があったら伺いたいと思います。いかがでしょうか。25ページからになります。
では、磯崎委員、お願いします。
【磯崎委員】 ありがとうございます。先ほどと同じで、28ページの1034からの段落です。まず、1036の「命令をかける」という言い回しには違和感があって、「命令を発する」だろうと思います。そこの文章は長くて複雑で、1036は「何々ができるため」で、結論も「何々ができる」で、つながらないです。例えば、1036の前半から続けて「廃棄の命令を発する」にして、後ろはそのままにすると、「何々ができるので、何々ができる」ではない形にできると思います。
全体を読むと、「要緊急対処特定外来生物については、通関後も含め、その疑いのある生物が付着等している物品等の移動の制限または禁止の命令や、要緊急対処特定外来生物が付着等している物品等の消毒または廃棄の命令を発するというように社会経済への大きな影響を与える可能性がある強い権限を行使することができる。」という形だと、複雑なところが直ると思いました。
それから、その段落の後半です。「このため」から「選定する」までの文章が長くて複雑で、基本構造は、「要緊急対処特定外来生物としては、特定外来生物のうち、以下に該当するものを選定する」だと思います。その間に、どんなことに該当するものが選ばれるのかが、ずっと長く書いてあって、条件が幾つも重なっていて、つながっていきます。できれば基本文章と条件の文章の二つに分けたほうが分かりやすくなると思います。具体的には、「このため、要緊急対処特定外来生物としては、特定外来生物のうち、以下に該当するものを選定する」。次に、具体的な内容の書き方ですが、1038行の「こうした」から、1042のこれこれ「と判断できるもの」というように条件を後ろにつける形ではどうかなと考えました。
あとは、1239から1245です。先ほどの指摘と同じで、1240で「重要である」と述べて、「このため」と受けている文章がまた「重要である」で終わっているので、後ろの「重要である」を取るのがいいと思います。「活かしていく」という書き方なので、例えば、1244の最後から「効果的・効率的な防除への活用を図る」のように具体的行動を示すことができないかなと思いました。
あと、もう一つ、この文書の中で、「命ずる」という動詞と「命令する」という動詞が混在しています。「命令する」が使われているのは消毒のところだけで、「消毒を命令する」が2か所出てきます。それ以外は「命ずる」です。法律や規則で、消毒は「命令する」になっている場合は構わないんですが、そうでなければ、「命ずる」に統一したほうがいいと思います。
以上です。
【石井委員長】 ありがとうございました。詳細に指摘していただきましたが、事務局のほうはいかがでしょうか。
【大林外来生物対策室長】 堀江さん、命令すると、命ずるのところお願いします。
【堀江外来生物対策室係長】 磯崎先生、詳細なご指摘ありがとうございます。
命令するは、いずれも条文上は命ずるなので、命ずるに直しても差し支えないと思います。修正します。
【大林外来生物対策室長】 まず、28ページですよね。命令するというところに関しては、そのとおりで大丈夫です。そのように直させていただきます。
後半の部分も、堀江さん、多分箇条書きでいけるよね。
【堀江外来生物対策室係長】 ここは条文のままのところで、条文のままのところをわざわざ箇条書で書くかなという違和感がなくはないかなというのが、ちょっと感想としてはあるんですけれども、確かに長くて分かりにくいというのはおっしゃるとおりかなと。
一番重要なのは、こうした影響を考慮した上でも、なお、要緊急対処の定義に該当するという、そこのニュアンスが重要なので。ただ、ちょっとあまり箇条書以外のいいアイデアが出てこないので、ここは箇条書で書ける。ただ、こうした影響を考慮した上でも、なお、以下に該当するものについて選定すると、そういったニュアンスで、箇条書で修正という方向で、ちょっと修正してみます。
【大林外来生物対策室長】 ちょっと考えさせてください。
もう一つ、その以下のところに関しましては、33ページから34ページのところに関して、その「重要である」の後半の、このため以下の文に関しまして、「効果的な防止への活用を図る」で、大丈夫です。そのように直してもらいます。
【石井委員長】 ちょっとペンディングの部分ができそうですけれど。
【磯崎委員】 確かに1037から42で、苦労しているのは分かります。「特定外来生物のうち」から後ろまで、間が4行もかかってしまうので、普通は1042は「と判断できるもの」で受けるはずですが、わざわざもう一回「と判断できる『特定外来生物』」と繰り返したのだろうなと。それから、「選定する」の前にカンマを入れてあって、ここまですごく長い距離を跳んできますよというのを分からせるように、一応文章上は配慮をしてある。ただ、一般の人が読むと途中で分からなくなると思いましたので。条文に基づいていて動かせないという場合は、それでいいと思います。
ただ、基本方針なので、もう少し分かりやすくできればというコメントとします。
【石井委員長】 分かりました。ありがとうございます。
やっぱり全文をここできちんと決めることはできそうにないので、後で、最後は委員長預かりになりそうなところはありますけれど、ほかにも意見を伺っておきたいと思います。
オンラインの白山委員、お願いします。
【白山委員】 ありがとうございます。ちょっと教育に関わることで、コメントをさせていただきます。具体的には1282行目ぐらいからです。
この中で、「学校教育、社会教育その他の多様な場で行われる環境教育において、外来生物対策に係る基本的な理解を高めるための学習機会の提供などを行う」とか書いてあるんですけれども、どうやってやるのかは何も書いていなくて、これはお題目だけで終わらないようにしてほしいので、学習機会の提供で具体的に言っているのかもしれませんけれど、もう少し、ほかの場所でホームページとか、いろいろ具体的な方策が書いてあるところもあるので、ここにも何かあったほうがいいのではないかということと、1284行目で、自然系博物館と、博物館の中を限定しているのですが、ひいては社会問題と言ってもいいと思うので、ここは自然系という言葉はなくてもいいのではないかということを申し上げたいと思います。
それから、もう一つは、ホームページで周知するとかという言葉がどこかにあったと思うのですが、これ全体を通してなんですけれども、国がホームページを通して周知するということになると、刷り物が全く出ないというふうにも読めてしまって、例えば、非常に広い年齢層にきちんと伝えるには、私は、いまだに刷り物の力は大きいと思うので、それに関して、経費のこともあるかもしれませんが、何もしようとしていない姿勢には、やや疑問を呈したいので、何らかの、例えばパンフレットとか、そういうような具体的な言葉を入れるかどうかは別にして、印刷物の配布やホームページの活用のような言い回しにしていただくといいのではないかというふうに、コメントをさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
【石井委員長】 ありがとうございます。3点ほどあったと思いますけれども、事務局のほう、いかがでしょうか。
白山委員、ホームページはどこにありましたか。何行目ですか。
【白山委員】 すみません、今ちょっと教育のほうを見ていて、ホームページのほうが分からなくなっちゃっていますが、ちょっと前に戻っちゃって申し訳ない。709行目ですね。「など」と入っているから、いいのかもしれませんけれども。
【堀江外来生物対策室】 ここのホームページというのが、防除の公示にホームページを活用するという記載なので、普及啓発物を周知するという文脈でのホームページとは、別の使い方になるかなと思います。なので、普及啓発の文脈でホームページと書いているところは、ないかなと。
【白山委員】 そうなんですよね。逆にそうかもしれません。ですから、普及啓発というのをやると書いてあっても、どうやってやるかは何も書いていないという印象を持ちました。
【大林外来生物対策室長】 逆に、実はあらゆる手段を使ってというふうに思っております。今、メディアが多種多様になっておりますので、紙がいいという場合もあるでしょうし、ホームページがいいだろうという場合もありますし、または、そのホームページとかでも動画がいいとか、漫画がいいとか、そういうのもあると思いますので、そこは選ばずに、様々な手段を使ってというふうなことを考えております。
確かに博物館の、これ前回からの記述ではあるんですけれど、自然系に絞るというのは確かにそうじゃなくてもいいなと感じましたので、この自然系というのは取らせていただきたいというふうには感じております。
【石井委員長】 よろしいでしょうか。
【白山委員】 そうすると、「あらゆる手段を使って」というニュアンスがどこかにあるほうがいいかもしれませんが、自然系を取っていただくということは、少なくともやっていただけるとありがたいです。よろしくお願いします。
【石井委員長】 では、皆さんよろしいですかね。自然系を外すということで。博物館ということですね。
【堀江外来生物対策室係長】 すみません、発言してもよろしいでしょうか。
【石井委員長】 どうぞ。
【堀江外来生物対策室係長】 先ほどのあらゆる手段という部分についてですが、1275行目にあらゆる機会を活用して普及啓発を図るといったような記載はございますので、ここの「あらゆる機会を活用して」という、1275行目の部分で、そういったニュアンスを出しているというふうなことでいかがでしょうか。
【白山委員】 ありがとうございます。
【石井委員長】 ありがとうございます。では、特に修文しなくてもいけるということで。
そうしましたら、小泉委員、お願いします。
【小泉委員】 ありがとうございます。
私も同じところで、34ページから35ページの国民の知識と理解の増進、特に1283から89行目辺りのところの記述の中に、「生物多様性地域戦略」という文言が入らないか と思いました。「生物多様性地域戦略の策定を通じて」とか「生物多様性地域戦略に基づいて」連携を進めるというような、少し踏み込んで記述してはどうかと思います。それの関連で、さっき言った国家戦略も冒頭に載せてはどうかというふうに考えました。ご検討いただければと思います。
以上です。
【石井委員長】 いかがでしょう。改正外来生物法を超えることは多分できないと思うんですけれど。
【大林外来生物対策室長】 そうなんです。すみません。生物多様性地域戦略をつくる過程で、いろんな人に意見を聞くということを聞いておりますので、うまくできる自治体にとっては、すごくそれがいいのかなというふうに、私も経験も含めて、そのとおりだと思うんですけど、そこに逆に書くことによって、それに縛られてしまって、何かいろんな手段が、多分自治体にとっては、特に今回、都道府県でさえ地域戦略ができていないところがあるという中で、自治体の市町村のほうで、それを基にやっていくというのが、ちょっとハードルが高過ぎるような気が、私はしております。
【小泉委員】 地域戦略をもっと広げていくきっかけにしてもいいかなとまで思いましたけど、そこはちょっと今回の範疇ではないということでしたら、扱いはお任せします。
【石井委員長】 よろしいでしょうか。
そうしましたら、クリスティーヌ委員、オンラインのほうで挙手されていますね。お願いします。
【マリ・クリスティーヌ委員】 ごめんなさい、ちょっと被せて。
幾つか聞きたいことがありましたのが、これは2004年に以前出していたものの、今度新しくなるものですよね。2004年にも出していますよね。このように生物多様性の中の外来種に対してのものの、これが、また改正ということになるわけですよね。違いますか。
【石井委員長】 前回の方針はいつでしたか。
【堀江外来生物対策室係長】 すみません、平成17年、実際の法律が最初に制定されたときに、最初につくられまして、その後、平成26年に一度改正を行っていますので、その際にも、基本方針の変更というのを1回しております。その変更されたものを踏まえて、今回さらに変更をするというような形になります。
【マリ・クリスティーヌ委員】 環境省が出している英語の文を読んでいますと、2004年にできたものに関しては、結局明治時代から入ってきているものを、明治時代以降に入ってきたものに対して関わっていく法律であるとか、そういうことの全文が書いてあるんですけれども、今回は、そういうことは一切書かないで、そのままもうこれ入ってしまうわけなんですね。経緯を。
【堀江外来生物対策室係長】 10ページに明治時代の話は書いて。
【マリ・クリスティーヌ委員】 最初のところのものには、もともと明治時代に日本に入ってきたものは、どのように取り除いていくかということも含めて、英語の文に関しては書いてあったんですね。
それで、そういう点では、非常に気になることがありましたのは、それ以降入ってきているものの中で、例えば、今、野犬の問題ってあるじゃないですか、野犬は小動物、誰も持ち主じゃない動物はどうなってしまうのかとか、あと、最後に、外来種が採られたときに、どのように処分していくかということに関しては、今は新しい薬もたくさん出ていますし、普段動物愛護協会も含めてそうですけれども、ジョーズインターナショナルといって、Animal Welfare societyの中で、日本の中ですと、なかなか動物が苦しまずに死ぬような薬が与えられていなくて、いろいろと苦情がある中で、それをどうやってなくしていくんだということが、もう少し人道的な書き方が入っていても、ある意味では、アピールしたほうがいいような気がするんですね。ただ捕まえたからといって、それで、じゃあ、どうやって死なせるのかということも含めてそうですけれども、ただただ外から入ってきたものを環境の中に入られてほしくないから、それを捕まえて、それを殺してしまうという、それだけにならないような文章にしていただいたほうがいいかなという感じがしたのと、あと、もう一つは、読んでいると、中には罰金に関しては書いていないですよね。これは大変罪のあるものであるから、高くちゃんと罰金も取りますという、そういうことも示さないと、一般の国民に対してこういう話をしても、でも、アカミミガメをこの間捨てたけれども、別にそんな大した罰金じゃないからいいやというふうな感じで、ただ、また捨てられてしまったりとかされることではなく、非常にこれは重大なことであるということの印象も、もう少し文言として入っていていいのではないかということの印象もありましたので、少しそこのところ、私のほうでちゃんと読み切れていないところもあると思うんですが、もしそういうところがあるのであったらば、ちょっと教えていただきたいと思います。
【石井委員長】 これは野良犬の殺処分のところと、あと、罰金のほうは、法律のほうですね。では、事務局からご説明をお願いします。
【大林外来生物対策室長】 ご意見ありがとうございます。野良犬に関しては、実際に一部地域ではあるんですけれども、生態系に悪影響を及ぼしているということは聞いたということもあります。ただ、野良犬に関しては、今回の法律の対象外となります。
一方で、やはり防除をしたものに関して、しっかりと適切に対処していくということも大事でして、18ページの664行目の辺りに、できる限り苦痛を与えない方法、これは今回、野良犬に関しては対象外ではあるんですけど、実際は、捉えた哺乳類等に関して、いかにしても、これ動物愛護管理法の指針にも従いつつ、適切に対処していくということは必要と思っています。
また、罰金に関しましてですけど、これより一個上の外来生物の法律の中で、非常に重いほうの罰金または罰則は課されており、それが書かれているので、基本方針には書かれていないんですけど、確かに、この生態系に与える影響を考えるときに、そういうものがあることを周知することは大事ですので、外来生物に与える被害も含めて、そういうものもかかることに関して、お伝えをしていきたいと考えております。
【石井委員長】 ありがとうございます。クリスティーヌ委員、それでよろしいでしょうか。よろしいですか。
では、先に行かせていただきますね。
では、勢一委員、お願いします。
【勢一委員】 ありがとうございます。勢一です。
私も改めて見ていて、皆さんのご意見を伺っていて、この法律に基づく基本方針として、どこまで何を書くかというところは悩ましいなとは思ったのですが、今後の行動計画の議論もあるんだと思いますので、場合によっては、そちらともと思いまして、発言をさせていただきたいと思います。
具体的には、最後のところです。第7のところの一番最後、修文された6になるんですかね。その他というところです。
これが、そもそもここの第7が、第6までのところで書かれていない部分の重要事項を書いているところ、さらにその中のその他というところで、一つの項目として起してはいないのですが、恐らく内容的に、幾つかの留意事項というか、検討を要する事項というような形で記述がされているところなのかなと思って見ております。
ここを拝見していて、最初はあった外来生物対策の総合的な推進は、削除されているんですけれども、いろいろ議論を拝聴していますと、生物多様性保全との関係性というか、この外来生物法の取組を進めていく中でも、むしろその生物多様性を支えるために、外来生物法が重要な役割を果たすという位置づけになっていますし、法の目的もそうですし、国の責務でもそういうことが求められていることを考えますと、どこかで、生物多様性保全との協調と、あと、それを含む総合的な計画の推進というようなことに触れることができないかという問題意識を感じました。
特に、国際的な動向がかなり目まぐるしく動いていて、恐らくこれからさらに、いわゆるESG投資のような動きが脱炭素の次に、生物多様性の分野に入り込んできている動向が広がってくると、かなりいろいろと、この分野は関わってくるのではないかと思っています。
また、国内でも国家戦略を定めて、30by30の取組を進めようとしているような、まさに一つの転換期にあることを考えると、こうした認識を最後のところでいいのかというのを悩みつつも、留意事項、検討事項として少し示しておいて、今後関連する施策との連携、関係省庁の政策とのリンクを進めていくために、工夫をしておくのも手かなと思ったということがございます。具体的な修文案があるわけではないので、そこは心苦しいのですが、そういう問題意識はあり得るかなと思いましたので、発言をさせていただきました。
以上です。
【石井委員長】 最後の部分をどんなふうに書くかというのは別として、何か書いておいたほうがいいのではないか。こういうことですが、事務局はいかがでしょう。
【大林外来生物対策室長】 ありがとうございます。まず、総合的なこの消したところに関しましては、前の部分に移したところですので、これ自体が消えたわけではなくて、国の役割のところに、これを明記したという形になります。ですので、この部分に関しましては、前のほうの8ページに、ほぼ移っています。
国家戦略も定まっていない中なので、いろいろ難しいなと、今ちょっと聞いていて思いました。
実際、多分いろいろと対処していかないといけないというところで、国家戦略とこれからの動きも踏まえて、行動計画のほうが柔軟にやれるのかなと、そちらのほうで書けたらということで、いかがでしょうか。
【石井委員長】 ということですけども。いくつかあるんですけれど、やっぱり法律にも書いてあってというダブりというのは避けてもいいのかなと思います。先ほどのその他のところの初めの部分は、前のほうで強調されているということもありますので、その辺りでいかがですか。
【大林外来生物対策室長】 言われていること自体は生かしていきたいと思います。
【石井委員長】 では、ほかの部分も具体的な内容ではないので、少し預からせていただくことになるかもしれません。ありがとうございます。
ほかはいかがでしょう。
では、イルカ委員、お願いします。
【イルカ委員】 34ページのところの1257から書いている「4 国際協力の推進」というところで、読ませていただきまして、この前の会議のときに、私がちょっと理想論かなと言ったことをまとめていただいた部分かなと今読ませていただいておりました。
外来種というのは、もちろん外から入ってくる、海外から入ってくる。けれども、日本から出ていっているものもあるだろうということで、だとしたら、アリ1匹ずつということは難しいけれども、大きなものに関しては、国同士が何か、お互いに元の場所に戻すというようなことができたらいいなという、本当に素人のような理想のことを何かできたらいいんじゃないかな。それこそ、一個人ではとてもできることではないので、やはり環境省の皆様が、未来、将来に向けて、そういうことをやっていただけたらということを話させていただきました。そこをとてもいい形にまとめていただきまして、最後のところに、「国が各国との国際協力の推進を率先して進めるよう努める」ということを書いていただけたのが、大変ありがたいなと思っております。
また、何かそういうことで具体的なことが進んで行くようなことがありましたら、また私たちもいろんな形でたくさんの皆さんにもお伝えしたいなと思っていますし、いろんなことをお願いしたいなと思いまして、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
【石井委員長】 どうもありがとうございました。
この部分についてはコメントをいただいたということでよろしいでしょうか。
そうしましたら、ほかに挙手もないようですので、1から最後のところまで、全部通して言い残したこと等があったらお受けしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
石井信夫委員、お願いします。
【石井(信)委員】 ありがとうございます。
先ほど私がコメントした外来種と外来生物の言葉の使い分けの問題ですけれども、結論から言うと、現在の文章でいいのではないかと、改めて考えて思いました。
それで、私がちょっと混乱したのは、国の役割、都道府県の役割、市町村の役割のところで、国の役割では、生態系被害防止外来種リストを作成すると書いてあって、これ国内由来外来種を含んでいますね。それから、都道府県の役割の314行、そこにも、外来生物ではなくて外来種に関する内容を規定した条例やリストの策定という言葉が出てきます。同じように市町村の役割についても、同じ文言が入っています。
それで、私は、これは国内由来の外来種も含めた役割を都道府県、市町村、国が果たすのかなというふうに思って、それなら、外来生物じゃなくて、外来種という言葉のほうがいいのではないかと思ったのですが、この基本方針が、基本的には特定外来生物に関するものであって、そのベースには、特定はつかないけれども、国外から入ってきた外来種について、いろんな主体の役割を規定する、そういう文章であると考えて、国内由来の外来種についても、国も都道府県も市町村も、着目して、対策を取ることはもちろん排除はしないけれども、この文書の中では、国外由来の外来種、外来生物を扱っているんだというのがベースにあるようですから、そういう説明をしていただければ、現状の文章で筋が通るかなと思いました。
ということで、少し私も混乱しましたけれども、先ほどの問題に関しては、以上のように考えました。
以上です。
【石井委員長】 ありがとうございました。
では大林室長。
【大林外来生物対策室長】 ありがとうございます。
確かに、この基本方針を出すときの通知等で、範囲は書いてもいいのかなというふうに感じました。ありがとうございます。
【石井委員長】 ありがとうございます。
では、宮本委員、お願いします。
【宮本委員】 ありがとうございます。先ほど、前半部分のところで言いそびれてしまいましたので、発言させていただきます。
12ページの429行目から447行目のところで、一定期間、保留するという内容の文章が書いてあるんですが、ここがちょっと分かりにくいかなというふうに思っています。特に、436行目のところですけれども、「当分の間」という言葉が入ってきています。これについて、439行目から、当分の間についての補足説明というのが入ってきているんですけれども、ここは例えば、436行目のところで、この当分の間という言葉を取ってしまって、437行目の最後ですね。「一定期間適用しない」、あるいは「一定期間検討期間を設ける」というような書き方にしていただいたほうが、その後で、当分の間については、こういうことですというのを説明するという、何かちょっと複雑な文章校正にしないで済むのかなというふうに思いましたので。法律はこういうふうに書くものだということでしたら、修正いただかなくて結構ですが、少し工夫いただいたほうがいいような気がいたしましたので、発言させていただきました。
全体を通しては、278行目辺りからの役割分担のところが相当充実していて、大変分かりやすくなっていると思います。
ただ、事業者に向けては、ほかの省庁との協議等が必要ということで、別途定めるとなっていますけれども、実は、事業者の方々こそ、一般市民の皆さんへの啓蒙ということでは、かなり力を持っている、あるいは有効かというふうに思います。
具体的には、最近ちょっとペット売場に行ったところ、熱帯魚の売場とか、水生生物の売場、あるいは両生爬虫類の売場のところに、「これは特定外来生物です」とか、あるいは、捨ててはいけない、逃がしてはいけないということを、かなり派手なポップで表示してありまして、すごくインパクトがありましたので、そういうようなところでも、事業者の方々の役割というのは大きいと思いますので、知識も豊富でいらっしゃいますから、その別途定める部分で、ぜひ有効な方策が取れるようなことを今後決めていっていただけたらと考えています。
以上です。ありがとうございました。
【石井委員長】 どうもありがとうございます。
では、まず最初に「当分の間」というこの部分ですけれども、いかがでしょう。
【堀江外来生物対策室係長】 宮本委員、ご指摘いただきありがとうございます。
「当分の間」という部分の分かりにくさがあるというのは、おっしゃるとおりのところもあるかなとは思うんですけれども、ちょっと前の部分で、附則の第5条第1項というのを明確に引いてしまっていて、なので、ここで条文と違う「一定の期間」という新しい言葉を出してしまうと、それは当分の間との関係はどうなのかとか、さらに条文との照らし合わせで、ちょっとややこしい部分が出てしまうかなと思いまして、大変恐縮なのですが、ここは当分の間のままでいければというふうに考えております。すみません。
【大林外来生物対策室長】 ということでございますが、よろしいですか。
【宮本委員】 分かりました。ありがとうございます。
【大林外来生物対策室長】 後半部分に関しましては、確かに好きな人はペットコーナーを見るので、好きな人に訴えられるという、その人なりに合わせたという方策というのは考えていきたいと思っています。ありがとうございます。
【石井委員長】 ありがとうございます。
ほかはよろしいですか。言い残したことはないですね。
今日は、時間が実はたっぷり取ってあって、本当を言うと、最初の段階では、すぐに終わってしまうのではないかと思っていたんですが、熱心にいろいろなご指摘をいただきまして、ありがとうございます。
そうしましたら、今回の改訂版については、皆さんにお諮りして・・。
【大林外来生物対策室長】 1個宿題がありますので。
【堀江外来生物対策室係長】 要緊急を箇条書にするというところですか。
ちょっと分かりにくさはあるのですが、そこの28ページの、磯崎委員からご指摘をいただいた(1)の後段部分に関しては、確かに前半のまん延した場合には、国民生活の安定に著しい支障を及ぼすおそれがあるということと、後半の緊急的に措置を講ずる必要があるというところとで、2個箇条書にするという方法はあるかなとは思います。
ただ、ここのおそれがあるためという接続の部分も、それなりに重要かなと思っていまして、箇条書にしてしまうと、そこのニュアンスがちょっと出にくくなるのかなというふうな懸念をしました。なので、一読してちょっと分かりにくい部分はあるんですけれども、できれば、このままでと思うんですが、いかがでしょうか。
【石井委員長】 磯崎委員、いかがでしょう。
【磯崎委員】 先ほども触れましたように、文章構成上は、ずっと跳んでいる関係を見逃さないように、カンマを打ったりという配慮はされていて、法律や行政文章を読み慣れている人はこれで分かるんですけれども、一般の人はどうかなという懸念はあります。必要があれば、行政の担当者やこういう文章を読み慣れている人が、間違えないように通訳をするという機会もあると思います。そういうことが背景にあってこの文章になっているということがここで分かって、説明するときも、そこに注意をすることになると思いますので、これでもいいと思います。
【大林外来生物対策室長】 すみません、補足なんですけれど、この要緊急対処特定外来生物って、非常に厳密に、もう経済活動を場合によってはストップさせてしまう非常に社会的な影響が大きいもので、国のみが専門家の意見を聞いて、その上でパブリックコメント等をかけて選定するというものなので、ここは少し厳密にいけたらと感じております。
【石井委員長】 ありがとうございました。
ほかは大丈夫でしょうか。
そうしましたら、一部やはり内容的に少し修正する部分があるかもしれませんので、そこは委員長に一任させていただいてという形で、今回の改訂版についてお認めいただければと思います。それでよろしいでしょうか。オンラインの方、手で丸をつくって意思表示していただけるとありがたいです。
(異議なし)
【石井委員長】 よろしいですね。では、そのような形で、少しまだ残っている部分がありそうですので、委員長のほうにお任せいただきたいと思います。どうもありがとうございました。
それでは、今日は、その他が用意されています。今後のスケジュール等があるようですので、大林室長、お願いします。
【大林外来生物対策室長】 今回生かせなかったところはあるんですけれど、この次の行動計画も含めて、参考にさせていただきたい意見がございましたので、それを生かしていきたいというふうに思っています。
その上で、今回基本方針、今後どうなるかということですけど、これで今回いただいたことについて、石井委員長とご相談をさせていただきまして、それで、パブリックコメント案を決定したいと思っています。
その上で、パブリックコメントにかけまして、大体1か月、8月ぐらいまでを考えておりまして、それをまとめて、次回、野生生物小委員会が9月8日にございますので、ほかの案件もございますけれど、9月8日に、この中環審としての答申という形で成案とさせていただけたらというふうに思っています。ありがとうございます。
【石井委員長】 ありがとうございました。
では、この後、パブコメにかかり、それを受けて、9月8日の野生生物小委員会で最終的に取りまとめたいというふうに思います。
ほかはよろしいでしょうか。特にないようでしたら、本日の議事はここまででございます。
進行を事務局にお返しいたします。
【事務局】 石井委員長、議事進行ありがとうございました。
委員の皆様におかれましても、長時間にわたるご審議、ありがとうございました。
次回の9月8日、小委員会の開催通知につきましては、後日、メールにてご案内いたします。
今回は、これで閉会といたします。皆様、ありがとうございました。