鳥獣保護管理のあり方検討小委員会(第4回)議事録

1.日時

平成25年8月7日(水)14:00~17:15

2.場所

経済産業省別館1階 108各省共用会議室

3.出席者

(委員長) 石井 信夫
(委員) 尾崎 清明 小泉  透 染  英昭
高橋  徹 磯部  力 坂田 宏志
羽山 伸一 三浦 愼悟 福田 珠子
(環境省) 星野自然環境局長
奥主審議官
江口総務課長
中島野生生物課長
堀内鳥獣保護管理企画官

4.議事

【事務局】 予定の時刻になりましたので、中央環境審議会自然環境部会鳥獣保護管理のあり方検討小委員会第4回目を開催させていただきます。
定足数の確認ですが、本日は委員11名のうち10名の出席があり、「中央環境審議会議事運営規則第8条第5項」による定足数を満たしておりますので、本委員会は成立しております。
続いて、配付資料の確認です。配付資料のご不備がありましたら、事務局のほうにお申し出ください。
1枚目に議事次第がありまして、次に名簿がついております。資料1、「海外のシカの管理について」です。資料2、「統計処理による鳥獣の個体数推定について」です。資料3、「鳥獣保護管理のあり方に関する主な論点(案)」です。資料4、「【論点3】個体数管理を安全かつ効率的に行う仕組み・体制の構築について」です。
以上資料4-3までありますが、不備がありましたら、事務局にお伝えいただければと思います。本小委員会の資料及び議事録は、後日、環境省のホームページにおいて公表されますことを申し添えます。
続きまして、今般、大日本猟友会会長の佐々木洋平様が中央環境審議会臨時委員を辞任されましたことに伴い、8月1日付で新委員に任命されました大日本猟友会総務委員会委員長代理の高橋徹様をご紹介いたします。よろしくお願いします。

【高橋委員】 高橋と言います。よろしくお願いいたします。高知県の出身でございます。

【事務局】 続きまして、今般、環境省の幹部に人事異動がございましたので、紹介させていただきます。
星野自然環境局長でございます。

【星野自然環境局長】 よろしくお願いいたします。

【事務局】 続きまして、奥主審議官でございます。

【奥主審議官】 よろしくお願いいたします。

【事務局】 撮影はここまでとさせていただきますので、カメラの方は申し訳ありませんが、ご退席のほど、よろしくお願いいたします。
それでは、石井委員長、よろしくお願いいたします。

【石井委員長】 皆さん、こんにちは。ただいまから、平成25年度第4回「鳥獣保護管理のあり方検討小委員会」を開催します。もう4回目ですので、特に挨拶は省略します。
今日は鳥獣保護管理のあり方と講ずべき措置について議論を深めていくということにしております。
まず、事務局より海外におけるシカ管理、統計処理による鳥獣の個体数推定について、それから、これまでの議論を踏まえて整理した鳥獣保護管理のあり方に関する主な論点、この三つを説明いただきます。その上で、今回は論点のうちの1から3について詳細に議論をするということにしております。
それでは議事に入りたいと思いますので、まずは議題の1、海外におけるシカ管理について、事務局より説明をお願いします。

【事務局】 環境省鳥獣保護業務室の山崎と申します。
資料1の海外におけるシカ管理についてご説明させていただきます。
資料ではアメリカ合衆国の北東部とイングランドの2か所を事例として取り上げております。この資料は、昨年度実施した現地調査、ウェブサイトや文献などの情報に基づいて作成しております。
まず、アメリカ合衆国の北東部です。
この地域は開発が進んでおりまして、日本と自然環境や都市化の状況が類似しています。また、近年、シカが高密度化しており、増え過ぎたシカの管理が課題となっているような地域でございます。
シカの管理の概要です。
アメリカでは州が狩猟鳥獣を管理しており、狩猟について責任や権限を持っております。
シカ管理は、狩猟資源としての管理を基本とし、狩猟のコントロールを通じた捕獲数のコントロールによって行っております。有害鳥獣捕獲や個体数調整などの実施の責任は、土地所有者や土地の管理者にございます。現時点ではまだ十分な狩猟者がアメリカには存在するため、狩猟の枠組みを利用するのが最も経済的な状況となっております。
次に、狩猟資源としての管理の概要でございます。州は州内を複数の管理ユニットに区分しておりまして、その管理ユニットごとに毎年州が狩猟期間や狩猟の方法、捕獲の上限数などを決定しております。
狩猟を行うためには、狩猟免許のほかに狩猟許可証の購入が必要となっております。州が前のシーズンの捕獲数や、生息密度に関するデータ、また被害状況などを考慮して管理ユニットごとの捕獲の上限数を決定しております。それに基づいて狩猟許可証の発行数を決定します。
密度増加の抑制が必要な場合や個体数が増加している場合などに制御が必要な場合は、まずは狩猟による対応をしており、狩猟許可証を追加で発行する、角のないシカ、主に雌などについて狩猟許可証を発行する、狩猟期間外に狩猟許可証を販売するなどのさまざまな戦略をとって対応しているそうです。
次に、狩猟以外によるシカ捕獲の特徴についてです。
公園や、空港などの狩猟を禁止されている場所、また住宅地などの狩猟困難な地域におきましては、シカが深刻な問題を及ぼしている場合に、特別許可捕獲による捕獲も行われております。土地の所有者や管理者などが特別許可による捕獲に責任を持っており、あらかじめ実施計画を州の政府に提出し、その承認を得て行っております。その場合には狩猟では一般的に禁止されている夜間銃猟や、消音器の利用などが許可される場合がございます。
特別許可による捕獲の費用は実施者の負担になり、例えば捕獲した個体を貧困者向けに寄附するなどが義務づけられたり奨励されたりしているケースがあるのですが、その場合の精肉のための費用や専門家の雇用などにもお金がかかり、高額になるため、実施は空港などの特別な場所で限定的に行われております。よって、特別許可による捕獲数の割合は、各州で少々違いますが、数%程度にとどまっております。
次に、特別許可捕獲の担い手でございます。州政府の職員や土地の管理者、民間事業者としてシャープシューティングを提唱した「ホワイトバッファロー社」などがございます。ただ民間事業者はほとんどいないようです。
民間事業者の技能や資格要件は州によって異なりますが、資格の例としましては、迷惑野生動物管理技術士という、各州が認定して第三者のために事業者が迷惑動物、アライグマなどを捕獲することができる資格がございます。
3ページ目に各州の特別許可捕獲のケースを挙げております。一番上のコネチカット州では、州から特別な許可を得た射撃手に依頼し、シャープシューティングなどにより捕獲する仕組みがございます。
メリーランド州では、ディア・コーオペレータというシカ駆除資格を得た民間の個人や団体に依頼して捕獲する仕組みがございます。
ペンシルバニア州では、アーバンディアへの対応として、先ほどの技術士の資格を持つ事業者に依頼して捕獲する仕組みがございます。
ニュージャージー州では、コミュニティによるシカ管理プログラムで捕獲が行われております。
ホワイトバッファロー社は、シカの個体数管理と研究を専門に行うNPOとして1996年に設置され、コネチカット州を本拠地として広いエリアで活動しているそうです。実績は記載したとおりです。
次に、イングランドにおけるシカ類の管理状況をご紹介いたします。
イングランドは人口密度が高く開発が進んでおり、複雑な土地利用の中にシカが生息しているという点が日本と類似しております。また、シカが高密度化し、増え過ぎたシカの管理が課題になっているほか、外来種と在来種の交雑も問題になっております。
シカ管理の概要です。施策の体系としては、アメリカと違って政府が直接シカの管理に関与する仕組みはなく、土地所有者によるシカの管理が基本ですが、それでは限界があるということで、「シカ・イニシアチブ」という組織を設置して、地域レベルでシカ管理グループを設置し、地域におけるシカの総合的管理の取組を支援しております。
シカの基本的な枠組みですが、野生鳥獣については、幾つかの法律で保護が図られております。1991年の「シカに関する法律」シカの禁猟区の設定や夜間捕獲の禁止などが定められておりまして、これに基づいて国がシカの狩猟に関する枠組みを規定しております。国は管理計画をつくっておりません。
シカの管理責任は個々の土地所有者・管理者にございまして、シカを狩猟する権利というのを土地所有者が本来持っているのですが、それを例えば狩猟団体などの第三者に移転した場合は、その者が管理責任を負うということになります。
全体的な仕組みとしては、国レベル、あるいは地域個体群レベルの個体数調整は行われていないのですが、先ほどのシカ・イニシアチブを通じてシカの管理を一定規模の土地で行うことについて国が関与しています。
次のページの、シカの捕獲の枠組みですが、各土地におけるシカの捕獲数は土地の所有者が決定しており、特段、政府としては捕獲数の把握はしていないそうです。
狩猟の免許制度はなく、銃の許可証にシカの射撃に関する条件を記載し、土地所有者の許可を得ることで狩猟が可能になります。シカ猟に使えるのはライフル銃のみで、狩猟者には狩猟とシカ肉処理に関する技能を証明するための資格の取得が推奨されております。
有害鳥獣捕獲や個体数調整についても、基本的には狩猟に関する枠組みに沿ってシカを捕獲しています。狩猟期間外や夜間銃猟による捕獲が必要な場合は、政府機関が発行する特段な許可が必要となります。シカは夜間銃猟が禁止されており、その審査は極めて厳格に行われているそうです。
シカの捕獲の担い手としては、土地の所有者が技術の高い狩猟者を雇用して捕獲することが多く、特に大規模私有地では、シカの専門的管理者が雇用されることが多いそうです。
シカ管理を促進するための体制ですが、シカ・イニシアチブが設置された背景としましては、管理の責任を有する土地所有者それぞれの利益や関心によって管理の目的や内容が異なってくることから、個別の土地所有者による努力のみでは、シカの管理を持続的に行っていくことは難しいということを踏まえ、地域レベルで連携した管理を支援するための組織として、シカ・イニシアチブを設置しております。
シカ・イニシアチブには、公的機関やボランティア団体、民間団体などが参加しており、公的機関が資金を拠出しています。イングランドを四つの地域に分けて活動しています。
活動の内容としましては、地域におけるシカ管理グループの設置の促進、シカ管理のための優良事例集などの提供による普及啓発――優良事例集を持ってきているので、回覧したいと思います――ですとか、あとは土地所有者や国などへの助言、さまざまな情報提供、シカフォーラムの開催などを行っております。
次に、シカ管理グループですが、シカの生息域の単位で土地所有者がまとまってシカに関する問題に取り組むことが必要な際に組織される任意のシカ管理のグループです。シカ・イニシアチブが地域におけるシカ管理グループの組織化などを支援しております。
その体制や構成メンバーは、そこの地域ごとにさまざまです。
次のページのシカ捕獲・シカ肉処理に関する資格ですが、イングランドではシカを捕獲するのに免許が要らないので、講習の義務などもありませんが、シカの捕獲やシカ肉処理に関する資格がございまして、広く受け入れられております。
この任意資格制度ですが、非営利団体が実施しておりまして、公的機関などが支援しています。資格には2段階のレベルが設定されております。イングランドでシカ管理を業務として行う場合、この資格は任意ですが、実質上は取得が必要となっておりまして、捕獲個体を流通する際にも不可欠なものになっています。この資格があることで狩猟者の技能や知識水準の確保に貢献しているとのことです。
7ページの捕獲の技術ですが、アメリカとイングランドでは、許可捕獲において夜間の銃猟が行われております。どちらとも、夜間銃猟は禁止ですが、アメリカでは自然公園や空港などの公共地や郊外の住宅地などにおいて猟をするには特別な許可によって行う、ただし、実施は限定的な状況です。
また、イングランドでは夜間銃猟は密猟の防止を主な理由に禁止されていますが、公共の安全や自然環境保全、農業被害の防止などを目的とする場合は、特別な許可で実施が可能です。こちらも審査が厳密なため、実施は限定的となっております。
狩猟における可猟時間について、両国とも日の出前と日没後の一定時間の狩猟は可能となっております。
8ページ以降は、それぞれの比較表を参考資料としてつけておりますので、適宜ご覧いただければと思います。
以上で説明を終わります。

【石井委員長】 ありがとうございました。それでは、ご質問、あるいはご意見がありましたらお願いします。

【小泉委員】 アメリカでもイギリスでも、恐らくこのベストプラクティスの中にもカリングという言葉が使われているのではないかと思いますが、特にカリングについて取材した、情報を得たということがありましたら教えていただけますか。ハンティングというのとカリングというのをかなり対比的に使っているのではないかと思いますが。

【事務局】 資料の中で特別許可捕獲と書いているものが、そのカリングに該当します。

【小泉委員】 わかりました。

【染委員】 シカの管理責任は、アメリカもイングランドも土地の所有者・管理者ということが出てくるわけですが、これは日本の参考になるからという意味でお書きになっているのかもしれませんが、やはりアメリカやイギリス、イングランドあたりの土地所有、その面積規模であるとか、その辺は日本とは全く違うのではないかという気がします。ですから、管理主体、一概に土地所有者、管理者といっても、日本の場合には何が該当するのかというのは、十分考えないといけない問題ではないかと感じました。

【事務局】 今、委員からご意見いただきましたとおり、今回いろいろ日本との違いなどを念頭に調べてきておりますが、背景がそもそも異なるということも踏まえて、ご検討いただく必要があると思っております。例えば土地の所有携帯は日本とは全然違っており、シカの扱いにしてもそうした違いも含めて、今後の検討を進めていきたいと考えております。

【坂田委員】 今、ここでよく比較されているのは狩猟に関するルールだと思いますけれども、今、日本の中で重要なのは、アメリカでいう特別許可捕獲、狩猟ではないほうの捕獲数が多くなってきて、そこの部分に関する制度の比較が重要ではないかと思います。
そうすると、この表についても、夜間の狩猟など、狩猟のところの比較と同時に、もう少し許可捕獲なり管理捕獲の部分がどうなっているかの比較が重要ではないかなと思いました。

【事務局】 7ページの表では、上の二つが狩猟に関することで、ちょっとわかりにくくて申し訳ありませんが、その下のほうがカリング、特別許可捕獲の中での夜間銃猟の扱いの説明となっております。11ページにも特別許可捕獲の話も少し表に載っております。

【坂田委員】 その11ページの部分の狩猟以外の特別許可捕獲制度のところの比較の項目をもうちょっと念入りにというのが意見です。

【石井委員長】 ほかにはいかがでしょうか。
私も似たことですけれども、2ページに、特別許可捕獲の担い手のアメリカの資格の例で動物管理技術士というのが出ていますけれども、これは最後に200者って「者」という字が書いてあるので、ちょっとよくわからなかったのですけれども、これは、個人に対する資格であるか、あるいは何か会社とか団体に与える資格なのかというのがどこかで整理されていると、日本の制度をこれから考えるときの参考になるかなと思いました。個別にこれがどうだということは、今は結構ですけれども。
ほかにアメリカとイギリスの事例紹介に関していかがでしょうか。

(なし)

【石井委員長】 よろしいですか。
それでは、次の議題に移りたいと思います。
続いては、議題の2、統計処理による鳥獣の個体数推定について、事務局より説明をお願いします。

【事務局】 鳥獣業務室の松本でございます。
お手元の資料2をご覧ください。統計処理による鳥獣の個体数推定についてご説明させていただきます。
まず、1ページ目をご覧ください。
シカとイノシシについて、どれぐらい数がいるのか明らかにする必要があるということを委員の皆様からご指摘をいただいておりました。そうしたものがないと、なかなか対策も考えられない、評価もできないということだったと思います。
実際の数を調べることは、なかなか大変ですが、統計的な手法を用いて推定値を今回算定したということで、ご紹介させていただきたいと思います。
統計処理の考え方でございますけれども、まず、捕獲数や捕獲の効率というものがある程度わかっている、データがあるわけですが、こうした数字というのは実際の生息数と非常に強い関連があります。生息数が増えたり減ったりすれば、それに引っ張られて増えたり減ったりするものであり、生息数指標と呼んでおります。そういう考え方のもとで捕獲数、その他の生息数に関連するデータを使いながら、今回全国の数の推計をしたところでございます。
下の注釈の1をご覧いただきたいのですけれども、階層ベイズ法という統計手法により推定を行いました。この方法は水産資源、マグロの資源量などを計算するときなどにも考え方が使われているものであり、今回の推定には本小委員会の委員でもあります坂田先生にご協力をいただき計算をいたしました。
また、今の数がどの程度生息しているかということに加え、今後、どれぐらい捕獲すれば、どのように生息数が変化するかかという将来的なシミュレーションも、今回行っております。
統計の手法を使って計算しておりますので、結果には一定の幅があります。従って推定値そのものにも一定の意味はあるのですが、それを年々追っていくことで今後の保護管理をどうしていくかという目安として使っていけると思っております。また、新しいデータ、例えば来年度わかってくる捕獲数や、いろいろなデータを使って推定を再度行うことで、より確からしいものに近づけていくということができるということになると思っております。
今回の対象は、ニホンジカとイノシシにしております。データの制約ですとか、手法の制約の関係で、なかなかほかの種だとうまくできないということもあって、この2種にしております。ニホンジカにつきましては、北海道は独自に類似の方法で推定をされておりますので、北海道を除いた本州のシカの数を推定しております。
2ページをご覧ください。推定の結果でございます。グラフの青い破線が推定の中央値、2011年で言いますと、261万頭という推定結果になっております。その前後の青い網かけのところは50%信用限界、さらにその外側の破線が90%の信用限界となっております。
なお、参考までに北海道で推定されている個体数を下に記載しております。2011年は64万頭であり。単純に合計すると320万頭ぐらいが中央値になるということかと思います。
3ページをご覧ください。同じくイノシシについても推定を行っておりますが、こちらも中央値で言いますと2011年で88万頭となっており、21年度の捕獲数が39万頭なので、大体その倍ぐらい生息しているという推定結果になっております。
次に4ページでございますが、シカについて捕獲のシミュレーションをやってみました。シミュレーションの仮定ですが、今回の委員会でのご検討を踏まえ来年度対策を実施し、実効的な効果があらわれるのが2年後の2015年になるとして、そこから10年後、2025年あたりの生息数がどのぐらいになるかという計算をしております。この結果、今の捕獲率を維持したままだと2025年には500万頭まで増える、中央値でのご説明になりますが、今の260万頭から240万頭増えるという推定になっております。
捕獲率を2.2倍にしますと、2025年に171万頭なるということで、対策を実施すると仮定した2015年時点のおよそ半分ぐらいの数になります。もう少しご説明すると、半分ぐらいに減らそうと思うと、2.2倍ぐらいの捕獲率が要るのではないかという結果になっています。
同じように、捕獲率を2.9倍にしますと、84万頭ぐらいということで、2015年の4分の1ぐらいまで減らせる。4分の1まで減らそうと思うと、2.9倍、3倍近い捕獲率を掛けていかなければいけないという推定結果になっております。
イノシシにつきましては、データなど諸条件が整わない関係もあって、シミュレーションができておりません。今後、いろいろなデータを使ったり、解析方法を検討したりする中で、シミュレーションが可能になればご紹介していきたいと思っております。
5ページに簡単な統計処理の説明をつけてございますが、時間の関係もありますので説明は省かせていただきます。ご関心をお持ちの委員には個別にご説明いたしますので、ご連絡いただければと思います。
個体数推定の説明は以上でございます。

【石井委員長】 ありがとうございました。それでは、ご質問、ご意見ありましたらお願いします。

【尾崎委員】 獣類のことはよくわからないのですが、このような推定をする場合に年齢のファクターが入っていたほうが、より正確だと一般的には考えられるのですけれども、ここでは特にそういうものは考えておられないのでしょうか。

【事務局】 過去何年間分かの全国的に均質なデータを使うことが推定の精度を上げるために必要になります。シカやイノシシの年齢はそもそもわかりにくい、個体年齢を判定、判読することは技術的にも大変なこともあって、使えるデータがないことから、今回は年齢の部分は反映させていないということになります。

【石井委員長】 ほかにはいかがでしょうか。

【三浦委員】 捕獲率の現状維持というのは、今の時点での捕獲率を具体的にどうするのか。

【事務局】 シカにつきましては2011年の中央値が261万頭、捕獲数がその下にあります27万頭、それを割り返した率です。個体数が増えれば、捕獲数は当然捕獲率を掛けて出てきますから、年々捕獲数は生息数に比例して増えています。

【三浦委員】 ということは率ですね。

【事務局】 捕獲頭数ではなくて捕獲率を維持すると仮定しております。同じ努力であっても、生息数が多ければたくさん獲れる、減ってくれば獲りにくくなる。考え方としましては、捕獲する労力、マンパワーを含めた捕獲できる能力が変わらないという仮定をしています。たくさんいたら、同じ努力でもたくさん獲れる、減ったら同じ努力でも獲りにくくなるので捕獲数が減ってしまうということで、捕獲率を動かさないという仮定で今回は計算してみました。

【三浦委員】 わかりました。
それと、もう1点ですけれども、よくわからないのですが、密度依存性というものはないのでしょうか。将来推計において非常に重要なところだと思うのですが、実質的な生息域に対して500万といったら、平方キロあたり50頭は超えてしまうのではないかと思います。実質的な面積から言えば、密度効果により50頭は超えないのではないかと。

【坂田委員】 協力させていただいたので、私のほうから説明させていただきます。実際に密度効果も入れて計算しております。環境収容力がどのぐらいになるかというところも一応推定はしてあります。それがやはりきちっとそのレベルはまだ推定できなくて、ただ100前後ですね。

【三浦委員】 平方キロ100頭。

【坂田委員】 既存の研究などから、洞爺湖の中島や知床、あるいは金華山、実際に数字のわかっているところが平方キロ当たり50頭や100頭の水準です。ただ、今の段階ではまだ密度効果が出るより推定生息数が大分低いので、そうすると、正確にはどのぐらいで頭打ちになるかは、今のところ推定はできますけれども、非常に推定の幅が広いというのが現状です。

【三浦委員】 実際的にはエクストリームな値を頭にしているから、実現されていない仮定が少なくとも25年は続くだろうという話ですね。

【坂田委員】 もし不幸なことに、どんどん個体数が増えてくれば、本当に上限がどのぐらいになるかが明確になってきますし、そこまでいかなければ密度効果があまり影響のない範囲でシカの管理をしていくということになると思います。

【小泉委員】 この統計処理をやった目的をもう一度明確に説明していただきたいと思います。こういったシミュレーションは、例えば都道府県の特定計画の中でも示されたりすることがあるのですが、それではどうするかという議論のための入り口として示されるものであって、そのまま言い放しでは恐らく真意が伝わらないのではないかと思います。都道府県の場合は、ただ捕獲数を増やすのではなくて、雌をどのように捕獲していこうか、今の体制でそれが可能なのか、もっと新しい体制を考えなければいけないのかというふうにして論議が進むことが多いのですが。

【事務局】 まず、この統計処理をした目的です。一つはまず、全国で何頭いるのかというのを知りたいという声は以前からございまして、何とか出せないか、今までは方法がないと思っていたのですが、最近はいろいろな手法が確立されてきたので推定が可能となったということがあります。
ただ一方で、数だけ出しても意味はないと思っておりますので、今回このような形で審議会でお示ししたという趣旨は、統計処理をして個体数の推定結果を公表することによって、国としてどのような施策をとっていくべきなのか、今の捕獲数が足りているのか、足りていないのか、今後どういったところを目指すのかということの議論のベースに、このような数が目安としてあったほうがよいと考えてお示しをさせていただいております。
おっしゃるとおり、都道府県のように、この数字をもとに国自らが実際の捕獲をしていくという状況にはないと思っておりますけれども、国として、この状況はこのままでいいのか、国土保全という観点等もあると思いますし、国として、シカ対策はこのままでいいのかということの議論のベースにはなると思いますので、今後の体制をつくっていくためのこの後の論点の議論にぜひ活用していただきたいと思っております。

【小泉委員】 わかりました。

【石井委員長】 ほかにはいかがでしょうか。
今の議論に関連するのですが、これは例えば捕獲率を何倍にしたらこのような数の変化が期待できるということで、現状でこのまま放置するというか、今でも一生懸命とっていますけれども、多分、現状のままでいくと、やはり大変なことになるだろう。2015年から、とりあえず10年というのは特別な期間だと思うのですが、ここでどのような手を打っていくかというのが、この先に議論になると思います。本当はこのぐらいのレベルに持っていきたい、そこに近づけるために10年間で特別なことをするということとは別に、先のことだからわからないことが多いですが、そこから先は何か持続的にずっと抑えていくような仕組みをつくらなきゃいけないでしょうね。
仕組みもそうですけれども、どのような状態でシカの個体数を抑えていったらいいだろうかという理想的な状態を議論することが必要になってくると思うのですけれども、多分、今ここではその議論は時間的にも準備的にも難しいと思うのですが、そういうのは一体どこで議論していくことになるのかなと思ったので、もし何か現時点でアイデアみたいなものがあったら教えてください。

【事務局】 先ほど、小泉先生のご質問に対して一つ回答漏れがあったので、石井委員長のご発言に対してと、あわせてご説明させていただきます。捕獲率でシミュレーションをしたのはどういうことかということですが、統計処理の都合上、絶対数でシミュレーションをしてしまうと、絶対数、例えば40万頭をずっととり続けることとなり、90%信用区間の上のほうの数字を見たときには、全く減らないで、どんどん増えていってしまうことになる。逆に下の数字を見たときには、結構早い段階で絶滅してしまうというようなこともあったので、まずは率で計算をしてお示ししました。
ただ、捕獲率で計算することの問題としては、今、本州以外で27万頭を捕獲しているものを、最初の年の2015年に74万頭であったり97万頭であったりすごく大きな捕獲圧をかけなければいけないという数字になってしまいます。
ただ、ここではまずはシミュレーションということでお示ししておりまして、それが現実的だと考えているわけではなく、この後、しっかり計画を立てて、そのときにはまたこのようなグラフも変わってくると思いますけれども、現実に合った方向で考えていきたいと思っております。
それで委員長のご指摘ですが、確かに今回シカについての目標設定や、いつを目指して、どのような体制で、その先どのように実施していくのかというところまで、この審議会でご議論いただくには、なかなかお時間は足りないかと思っております。
今後のことでもございますので、まだはっきりしているわけではありませんが、現在、環境省では種ごとにも検討会を設けて、種ごとの対策について現状把握をして、今後どうしていくかについて議論する場も設けてございますので、そういった場を活用することも考えられるかなと思っております。

【石井委員長】 ほかにはいかがでしょうか。

(なし)

【石井委員長】 よろしいですか。
それでは、今日の本題ということになりますけれども、議題の3です。鳥獣保護管理のあり方について、これに移りたいと思います。
まず、資料の3に基づいて、鳥獣保護管理のあり方に関する主な論点について検討したいと思います。各論点の具体的な内容については、後ほど議論したいと思います。
それでは、まず、1の鳥獣保護管理のあり方に関する主な論点について、事務局から説明をお願いします。

【事務局】 それでは、引き続きまして、私、山本のほうからご説明をさせていただきます。資料3でございます。
鳥獣保護管理のあり方に関する主な論点(案)ということで、ここでは案をつけてございますので、今日、またご議論いただいて、足し引きあるかと思いますので、よろしくお願いいたします。
この論点案ですが、これまでの3回の小委員会で議論いただいた内容や、ヒアリング内容、別途とっていた都道府県などの要望も踏まえて整理をしたものでございます。整理をした上で、それぞれの検討の方向性を簡単にそれぞれのポイントのところで書いております。
今回第4回の小委員会におきましては、論点の1から3について個別のご議論をいただき、論点4以降については、次回でと思っておりますが、恐らく論点1から3と4以降も関連があると思いますので、今回議論していただいて、次の回にまた戻っていただくということも必要かと思いますので、その点、よろしくお願いいたします。
まず、論点1でございます。鳥獣保護法を鳥獣の保護管理を担う法律に転換をする必要があるのではないかという論点でございます。
もともと鳥獣保護法は、捕獲を規制するということが鳥獣保護であった時代にできたものと考えてよいと思います。最近では種によっては積極的に捕獲をしていかなければいけないという状況にありますので、鳥獣保護法が果たす役割というのはかなり大きく違っているのではないかと考えられます。
平成11年には特定鳥獣保護管理計画制度が創設されています。特定鳥獣については一定の保護管理が進んでいると思いますけれども、一方で特定計画を促進するための制度面の措置についても、狩猟規制の緩和による捕獲促進ということが主でありまして、保護管理全般を支える仕組みという形にはなっていない現状がございます。特にシカについては、先ほど見ていただいたように、今後さらなる個体数の増加が見込まれておりますので、積極的かつ直接的な「管理」が必要だと考えられます。
このため、「捕獲規制」による鳥獣の保護という考え方に、「マネジメント(管理)」の視点を加えて全般の見直しを行う必要があるのではないかということでございます。
論点1につきましては、これまでのご議論を聞かせていただいている限りでは、あまり異論があるようなところではないかと思います。全体の見直しのベースとして確認の意味で書かせていただいております。
次に、論点2でございます。鳥獣保護管理について、国、都道府県、市町村及び関係団体の役割分担を明確にするとともに、連携して取り組むことのできる仕組みを構築する必要があるのではないかということでございます。
これについても今までの先生方のご議論の中で多く出てきた視点かと思います。役割を明確にした上で、それぞれの取組を推進するということが重要だと思われます。ただし、鳥獣保護管理というのは、土地利用などと同じように考えられると思います。複層的に行われているもの、一つの土地が一つの目的だけに使われていることがない場合が多いのと同じように、鳥獣保護管理で例えば1頭の捕獲が一つの目的のためということだけではなくほかの目的にも寄与するということがございますので、単純な役割の分担の整理というのはなかなか難しいかと思います。とは言いましても、基本的な考え方は示した上で、各主体が連携をするという形をとっていくことが重要だろうと考えております。
続きまして、論点3でございます。被害を及ぼしている鳥獣の保護管理というのは、個体群管理、生息環境管理、被害防除対策を総合的、効果的に実施することが重要、バランスよく実施することが重要ということで、これまで環境省としてもお示ししておりましたし、ここの議論の中でもそういったご意見が多くあったかと思います。
ただ一方で、生息環境管理と被害防除対策につきましては、制度上の制約というのはあまり多くはないと認識しております。一方で個体群管理、特に捕獲については制度上で改善すべき点が多いのではないかと考えております。
そういったことから、捕獲を効果的に行うことのできる仕組みや体制を構築する必要があるのではないかということを示しております。
そのうち、論点3については三つ柱を整理しております。
一つ目ですけれども、現在の狩猟免許制度は、狩猟者登録をして行う許可の要らない捕獲を前提とした制度となっているのですが、現状としましては許可捕獲のためにも活用されているという状況がございます。狩猟免許のあり方を整理しながら、実態に即した制度を検討していく必要があるのではないかと整理をいたしました。
次のページをお願いいたします。
私的な捕獲(狭義の狩猟)、狩猟の中でも狭い意味での狩猟ということになるかと思いますが、私的な捕獲以外の捕獲を推進するということが、今の大きな課題かと思います。従来の狩猟者に加え、新たな捕獲従事者を創出していく必要があるのではないか、これまで狩猟者の方にかなりの部分を頼ってきているところでございますが、狩猟人口も減ってきているということもございますし、新たな捕獲従事者の創出を考えていく必要があるのではないかということです。
現状では、個人による捕獲を原則とした制度でございますけれども、今後検討していくポイントとしましては、鳥獣捕獲を専門に行う事業者、団体、法人というようなことをイメージしておりますけれども、そういったことを制度化し、必要に応じて規制緩和を行うことも検討する必要があるのではないかということでございます。
また、農林業などの業を守るための捕獲、自衛のための捕獲については、今後より一層促進をするための方策を検討していく必要があるのではないかと考えております。
論点3までにつきましては、この後で少し細かくお示しした個別のペーパーを準備してございます。今日は全体をご説明させていただきますので、論点4以降も簡単にご説明をさせていただきます。
論点4でございますが、鳥獣保護管理のうち、「管理」を促進する手段を法的に位置づけることを検討する必要があるのではないかということでございます。
これまでは捕獲規制を基本としている法律だったと、先ほど申し上げましたけれども、積極的に捕獲をするということを制度上位置づけるということが考えられるのではないか。少し具体的に言うと、特定計画の目標を達成するために必要な場合、都道府県が大規模捕獲事業を行うことができることとし、一定の条件下で、当該事業における捕獲に係る規制緩和もあわせて検討していくということが考えられるのではないかなということでございます。
論点の5でございます。これも、国がもっと積極的にというご意見がございました。広域に分布する鳥獣のうち、被害が甚大であり個体数の増加が著しい種、シカがイメージできるかと思いますけれども、そういった種につきましては、国が全国における鳥獣保護管理の実施状況を評価して、必要な施策を講じることができるようにする必要があるのではないかと考えてございます。
鳥獣保護行政は基本的には都道府県の自治事務とされておりますけれども、なかなか追いついていない、先ほどお示しした生息数を考えますと、都道府県による対応だけではなかなか追いついていない種もございます。国が指導力を発揮すべきというご意見を多くいただきましたので、例えば国がしっかり調査、評価を行って、全国の取組の進捗状況を確認・公表していくということも重要ではないかと考えお示しをしております。
論点6でございますが、ここまでは今まで許可捕獲と呼んでいた、私的な捕獲以外の捕獲を促進するための論点でしたけれども、私的な捕獲につきましても個体数管理、個体数調整にとって非常に大きな役割を果たしているということで、私的な捕獲を推進するために必要な措置も検討する必要があるのではないかということでございます。狩猟者を減らさず、新規参入を促進するといった措置、例えば、今、環境省では狩猟免許を取ることを促進するフォーラムを行ったりしておりますけれども、そういったことの推進や、制度的にはほかに何か考えられるのかといったことが論点でございます。
論点の7は、科学的な鳥獣保護管理の推進を図る必要があるのではないかということでございます。
一つ目の○につきましては、都道府県や市町村、自治体が専門的知見を有する者を活用する、雇用をしていくといったことが重要ではないかということ。これまでご意見が多く出ていましたので、ここで位置づけております。
次の○につきましては、情報の収集が非常に重要ではないか。特に捕獲の情報、鳥獣種はもちろんですけれども、捕獲数、できれば雌雄別であるとか、捕獲場所、捕獲効率などがわかれば、先ほどお示しをしたような個体数の推定についても、より精度が上がってくるのではないかと考えております。正確かつ迅速に情報を収集して、分析・評価を行っていくということが重要だということで論点とさせていただいております。
次のページをお願いいたします。論点8でございますが、これまでお示ししたようないろいろな鳥獣保護管理、論点を進めていくとしても、国民の理解が非常に重要ではないかということで、論点として挙げております。特にかなり多くの捕獲を進めなければいけないということになりますと、予算的にも制度的にもかなり大きく変えていかなければいけないということになりますので、鳥獣保護管理の意義について、国民に理解をしていただく、必要な協力も求めていくということが重要ではないかと考えておりますので、そこを論点としております。
その他の論点として、捕獲を促進していく、管理を促進していくという論点の流れとは少し違っておりますけれども、検討が必要なものとして、今、三つ挙げております。必要に応じてここは適宜追加をしたいと思っております。
一つは、鳥獣の鉛中毒被害への対応ということでございます。鉛弾について、希少猛禽類など生態系被害が見られているということで、北海道では既に全道で禁止をしておりますけれども、その他の県でも指定猟法禁止区域として規制をしている場所もございます。
今後、特に全国的にどんどん捕獲数を増やしていくということを考えますと、鉛弾の使用について、今後どうしていくべきか、捕獲を促進するということと、そのほかの鳥獣に与える影響といったこともしっかりバランスよく考えていく必要があるのだろうと考え論点として挙げさせていただいております。
次の狩猟鳥獣の定義の整理というのは、少し視点が違うものです。今、狩猟鳥獣は持続可能な捕獲を前提としているのですけれども、外来種を根絶させる持続可能な捕獲というのを前提としない種も指定をされているということで、実態上の齟齬が生じている部分の定義の変更も検討する必要があるということでございます。
最後の狩猟制度の円滑な運用については、狩猟制度を都道府県で運用していただいていますけれども、運用していく中でいろいろと事務的に齟齬が出てくる部分、運用上問題がある部分については、ここでしっかりと洗い出しを行って対応を検討していくということでございます。
以上でございます。よろしくお願いします。

【石井委員長】 ありがとうございました。それではご質問、ご意見がありましたらお願いします。

【羽山委員】 論点についてご質問をさせていただきます。
論点2は、詳細は後ほど議論があると思うのですが、論点5、つまり国の役割というところで共通しています。これは私だけが指摘したわけではないと思いますけれども、これまでの議論の中で国が鳥獣の管理に関してより積極的になるべきだという意見として、例えば、国指定鳥獣保護区は国が指定しその中で保全事業ができるのに、例えば捕獲に踏み込むとつまり特定計画の策定主体に国自身がなれない、あるいは、国立公園内の野生動物の管理について国自身が法定計画をつくれない、ゼニガタアザラシのような希少鳥獣についても法定計画を国が定められないなどの問題点が多々あるので、そこはより積極的に踏み込むべきではないか、と考えます。
それから、カワウやクマのように広域に分布するものについても、これまでも広域協議会というのが設置されてきたわけです。ただし、これは法に位置づけられたものではない。ですから、そういったものを、より法律で位置づけることで、国の役割や責任を明確にする必要があるのではないかということが少し漏れているような気がするのですが、いかがでしょうか。

【事務局】 ありがとうございます。ご指摘のとおり、特定計画については、場所であったり、種類であったり、国が立てるべきものは可能性としてはあるのかなと考えておりますので、論点5を少し膨らませるような形で補足をしていきたいと思います。

【三浦委員】 論点の整理は極めて妥当だと、私は思いますけれども、論点1について、もう少し検討されるべき必要があると思います。先ほどご指摘のように、捕獲規制によってこれまでの鳥獣保護法の運用が柱としては行われてきたということで、その柱は一体何なのかということになりますと、これは鳥獣保護事業計画制度なんですよね。鳥獣保護事業計画制度というのは、一体何なのかというと、幾つかの項目がありますけれども、計画期間とか、それから特保や保護区の設置です。
それから、このことを言いたいと思っているのですが、3番目の鳥獣の人工増殖及び放鳥獣、これは3番目なんです。それで例えば、7番目の鳥獣の生息の状況の調査に関する事項が7番目なんです。この順序はもう少し検討されてもいいのではないかなと思います。検討される問題として、一つは鳥獣の人工増殖及び放鳥獣をこれからも続けていっていいんだろうかという問題。
それから、今後のあり方として、保護区の設定を、果たしてここのままでいけるかどうかということですよね。こうして鳥獣保護事業計画と呼ばれているものを検討していくと、この下位計画として特定鳥獣保護管理計画が設定されていて、上位計画には、例えば、この計画に対して知事は必要な措置を講ずるという、鳥獣保護事業計画についての達成責任を知事が推進していくといったような条文があるにもかかわらず、特定鳥獣保護管理計画については、下位計画ということもあるのかもしれないけれども、達成責任が明確には書き込まれていないといったような問題があるのではないかなと思います。
特定鳥獣保護管理計画は、基本的には先ほどの野生動物の特にシカその他の広域的に分布する大型哺乳類に対しては、これは科学的な管理をやっぱり第一義的にやっていくという観点から見ますと、確かに各都道府県の管理計画の中には、順応的管理だとか、フィードバック管理だとかというのがうたわれているわけです。しかし、これの達成責任や評価責任は書き込まれていないといいますか、知事がそのことを推進していくということを書いていないわけです。
そのような観点から見ていくと、論点1の鳥獣保護法の骨格である鳥獣保護事業計画というのを、もう少し抜本的に、例えば、ありていに言えば、特定鳥獣をもう少し前面に出せるような、そして、その推進を各都道府県知事が地方自治体として推進していけるというものを、もう少し頭のほうに書き込んでいく必要がある。とりかえてもいいというか、だから別問題として、かなり踏み込んでそういうことをやっていかなかったら、論点1の達成というのはないんじゃないのかなという気はするんです。
細かい話になりますけれども、そんなところが一つ問題かなと思います。

【事務局】 ありがとうございます。ご指摘を踏まえ、次回にまた、と思います。ただ、法律の見直しについて、今回盛りだくさんな内容も含んでいるので、どこまで今回盛り込んでいけるか、その点はまた内部でも検討して、ご相談もしながら考えていきたいと思います。

【小泉委員】 今、三浦先生からご指摘があったこととほぼ同じことを感じておりますので、もう一度申し上げさせていただきます。
生物多様性国家戦略を読んで感じるのは、鳥獣保護法が目指していくものは、単にマネジメント、管理ということではなくて、順応的管理であるということが前面に打ち出される必要があるのではないかと思います。
順応的管理という考え方は、既に特定計画の中に盛り込まれているのですが、特定計画の中で求められていることは順応的管理の推進だと思います。既に推進という部分に光を当てて重点的に進めなければいけない事態になっていると思います。そのことが恐らく論点3とか論点4というようなところで論議されるべきなのだと思います。
私は論点1では、国家戦略に基づいて順応的管理を担う法律に転換する必要があるというように進めていただければと思います。
以上です。

【石井委員長】 ほかにはいかがでしょうか。

【羽山委員】 その他の論点について一言伺いたいのですが、真ん中の狩猟鳥獣の定義の整理について、外来種は狩猟鳥獣から外すという意味なのか、それとも、そもそも論として、狩猟鳥獣そのものをもっと明確に定義するということなのか。それから、この外来種の中に例えばノイヌ、ノネコが入っているのか、そのあたりを教えてください。

【事務局】 まだ完全に詰まっているわけではありませんけれども、在来のその地域にもともといたものについては、持続的、持続可能な捕獲を前提とするということで、それ以外については前提を外していくというイメージ、根絶も含めて捕獲をしてもよいということをイメージしておりまして、つまり外来種はそのまま狩猟鳥獣に含む形で、狩猟鳥獣の定義のほうを整理をすると。国内外来種についてどうするかというところは、どちらかというと、とってもいい、とるべきである、ということになっていくのではないかと思いますが、そこはもう少し整理をしたいと思います。

【羽山委員】 ノイヌ、ノネコは。

【事務局】 持続可能な利用をするたぐいのものではないという整理ではないかと思います。

【羽山委員】 ここの「持続可能な」というのは、資源利用という意味でしょうか。これは実際に議論のときにやればいいんでしょうけれども。

【事務局】 条文を読みますと、「何々の目的その他で捕獲等の対象となる鳥獣であって、その捕獲等がその生息の状況に著しく影響を及ぼすおそれのないものとして環境省令で定めるもの」となっておりますので、捕獲がその生息を脅かしてはいけない、個体群として絶滅をさせるというようなことはよろしくないという定義かと思います。

【羽山委員】 現状はそうですね。ですから、根本的にそれも含めて定義を見直そうという意味で書かれているのか否かということです。

【事務局】 そういうことです。

【羽山委員】 わかりました。ありがとうございます。

【尾崎委員】 論点7ですけれども、先ほどの年齢構成はわからないかといったことも実は関係するのですが、オーストラリアとかアメリカでは、鳥の調査をしたりするときに、現地の行政官と接触することがありますけれども、非常に知識が豊富で、それぞれの地域のいわゆるマネジメントをやっておられる感じがするのですけれども、国内ではなかなかそういった対応ができているところは少ないように思えます。
論点7の最初のほうで、「行政機関が専門的知見を有する者を活用」と書いてありますが、私の希望としては、むしろ行政機関の中にそういう方がいるというか、活用も「いる」ことの範疇になるかもしれませんけれども、もう少し積極的にそういう方をもっと雇用する、私は行政機関の中にそういう人がいることは非常に重要じゃないかなと、かねがね思っていたので、もう少し踏み込んでいただいてもいいのかなと思っております。

【事務局】 そうですね。先生方のこれまでのご意見でも、そういった雇用をしっかり行政機関の中にすべきというご意見はいただいております。都道府県や自治体に対して、雇いなさいというようなことをなかなか言える状況にはありません。地方分権の観点でいくと、各都道府県の自主性で、必要であれば雇っていくということになるだろうとは思っていますが、専門家からのご指摘として、とりまとめには表現は別途考えたいと思いますけれども、記載する方向で考えたいと思います。

【福田委員】 論点2ですけれども、「鳥獣保護管理は土地利用と同様に複層的に行われるものであり、単純な分担の整理は困難。基本的な考え方を示し、各主体が連携することが重要」とありますけれども、もう少し細かくといいますか、前に野生生物の会議のときに、各地域で保護のあり方みたいなものが違ったので、違う県に行ったらまたやり方が違うので、捕まえられないという話があったと思うんです。ですから、その辺のところがもう少し私たちにわかるように細かく、深く考えて書いていただいたほうがわかるような気がすると思います。
それから、論点6ですけれども、新規参入の促進のための措置は、具体的にどのようなものと考えればよいのかということと、それから、論点8ですけれども、「国民の理解を得るための普及啓発等に力を入れる必要がある」というのは、ただ単に理解とか協力を求めるためには、鳥獣保護管理という前に、自然や森林という違う観点からの発信というやり方をして、理解をしてもらうということも必要なのではないかなと私は思います。

【事務局】 ありがとうございます。論点2につきましては、この後で個別のペーパーのほうでご説明をさせていただいたときに、また詳しくご議論をいただきたいと思っております。論点全般をまとめているので、どうしても少しずつになってしまっているので、伝わりにくい部分があると思います。少し工夫をしていきたいと思います。
論点6の新規参入を促進するための措置ということですけれども、これも詳しくは次回でご議論いただきたいと思いますが、今は例えば先ほど少し触れましたけれども、狩猟免許を取りましょうというようなフォーラムをやっていたりということもございますし、都道府県は例えば狩猟免許試験を取りやすい時期に、取りやすいように試験の回数を増やしたり、場所を増やしたりというようなこともしておりますし、そういった広報も含めて、いろいろと手を打っているということがございますので、そういったことがひとまずは事例として考えられるかと思います。
論点8でのご指摘も本当にそのとおりだと思います。鳥獣の側からだけで理解をいただくというよりは、自然環境全般のことや、暮らしの中で理解をしていただくということは非常に重要だと思いますので、論点8もまた個別の議論の時間を設けたいと思いますので、その際にもよろしくお願いいたします。

【三浦委員】 論点をできる限り出したいと思うのですが、論点5ですけれども、国と県と市町村の縦につながっている役割分担ということで、先ほどアメリカの紹介がありましたけれども、それぞれの野生動物管理は州政府のDivision of Wildlife(野生生物局)がやっているわけです。実はその上位に連邦の組織としてFish and Wildlife Service(魚類野生生物局)というのがちゃんとあるんです。これは何をやっているのかというと、希少種も含めて管理をしているのです。
それはともかくとしても、鳥獣保護法の枠組みで何をやるべきかということになると、やっぱりこれは地域個体群というか、そういうレベルを国が調査し、トレンドを見ながら必要な情報を提供するといったようなことを、それなりに主体的に国がやっていく必要があります。先ほどの広域協議会もあるし、それから広域保護管理指針なるものもあるんだけれども、やはり、そこのところは国が主体的になって、鳥獣の管理者、一方では地方事務所もあるわけですからそういうものを駆使しながら、制度的にも、それから予算的にもこのような仕組みをつくり出していかなかったら、今後立ち行かないということであります。
それで、もう一点言いますと、このペーパーの骨子は、私は先ほどハンターの養成や免許の推進、補助など、それはそれで大いにやっていただきたいと思っているのですが、300万頭という個体群の状況の中で、もちろんこれは第1次産業の問題でもあるし、もう一つはこの国の生物多様性、あるいはナショナルパーク、あるいは国指定鳥獣保護区といったようなレベルで、国はそれなりの主体性を持って、個体群管理も含めて取り組んでいかないといけないということが、このペーパーで出てきているし、その大きな柱として指摘されているように、新たな捕獲従事者を創出するという観点は、非常に重要です。もう少し踏み込んで言えば、捕獲従事者、捕獲団体というか、保護管理という言葉はコンサベーション・マネジメントですから私はあまり好きじゃないのですが、そういうことをやる団体を積極的に創設していくということで、このことについてはまだまだたくさん議論すべき中身があるだろうと思うかですが、それを柱にしながらということで、論点としてはいいのではないかなと思います。

【石井委員長】 そろそろ議論を収束させたいと思っています。論点1、2、3については、この後、もう一回立ち戻るというところで、それで、論点3について、後のペーパーでは出てこないので、ここでちょっとコメントしておきたいのですが、資料3の書き方には、「生息環境管理及び被害防除対策は制度上の障害は少ない」と、先ほど制約は少ないとおっしゃっていましたけれども、鳥獣保護法にはもともとハビタット管理という考えは希薄です。もともとそういう仕組がないので、制度上の障害というのかな、それもないということに過ぎないので、ちょっとここの表現は変えたほうがいいと思います。
それで、確かにハビタット管理のほうは、今すぐ何かやったからといって効果がすぐ上がるというものでもなくて、現時点では個体群管理というものの緊急性が高いので、制度上改善すべき点が多いということだと思います。それで今回の会議があるのだと思いますが、一応、ハビタット管理というのもどこかで、多分、いろんな産業に関わるので、林業を初めとして。鳥獣保護法だけで何とかするというのは、実際には難しいと思いますので、法律を変えるとうまくいくという話ではないと思いますが、一応、そういう問題があるのだということを指摘しておきたいと思います。
ということで、ほかはよろしいでしょうか。

【三浦委員】 小さなことなんですけれども、9条の中に、狩猟以外の捕獲の規定がありますよね。学術研究と有害と、それからもう一つ、数の調整ですけれども、この中に伝統的利用というのがあります。これが祭祀に供するものという格好で許可されているのですけれども、これからの伝統的な利用について、限定的な内容として捕獲を許可するという枠組みだけじゃなくて、もう少し拡大していただきたい。
何を言いたいかというと、特定鳥獣の枠組みの中で、それぞれの地域の中で伝統的文化的な、もう絶滅寸前でありますけれども、春熊猟などが行われて展開してきているわけですけれども、日本が持っていた一つの狩猟のカルチャーだと思います。そういう位置づけを、伝統的文化猟という狩猟みたいな格好で、特定計画の枠組みの中でそれぞれできるといったようなことは、東北地方や中部山岳地方の中で、今は小規模に行われて、ハンターもいなくなっている中で、日本の野生動物との関わりは何だったのかといったようなことを維持していくというようなことはなるべくやっていく必要があるんじゃないかなと思うわけで、伝統的な祭礼行事というのを、適用されたことはほとんどないのだろうと思うのですけれども、もう少し伝統文化猟といったような格好で位置づけ直してもらいたいなという、小さなお願いですけれども。

【事務局】 伝統的な祭礼行事等への利用はかなり限定的な扱い方をしております。今、ご指摘の点も重要な点であると思いますが、この項目を使うのか、その他の形があり得るのか、いろいろと検討してみたいと思います。

【石井委員長】 じゃあ、少し予定の時間を過ぎていますので、全体の議論はここまでにしたいと思います。
これで、一旦ここで休憩を入れたいと思います。
35分に再開したいと思いますので、そのときにお集まりください。

(休憩)

【石井委員長】 それでは、再開したいと思います。
個別の論点についての議論をしたいと思います。まず、論点1から、資料の4-1について説明お願いします。

【事務局】 それでは、論点1についてご説明いたします。
これは先ほど三浦先生のご意見をいただく前のペーパーですので、内容としてはさらっとし過ぎているような気はいたしますが、まずご説明をさせていただきます。
現状についての、最初の文は先ほどご説明をしたとおりでございます。ここで留意点として触れているのが、特定計画で保護管理が進められていると先ほどからご説明をしているのですけれども、そもそも特定計画というものが下の条文もあわせて見ていただきたいのですが、当該鳥獣の保護を図るため、特に必要がある場合に作成することとなっておりまして、現状では一部の鳥獣については、その鳥獣の保護のためというだけではなくて、その鳥獣によるさまざまな被害を防止するための管理というのが必要であって、実態的にもそれが行われているということになろうかと思います。
今後の見直しの基本となる考え方ということで、ごく簡単にしか書いておりませんが、従来の捕獲規制とその解除による鳥獣の保護管理という考え方に積極的な管理の視点を加えていき、全般の見直しを行いたいという趣旨。特定計画における保護管理の幅については、広げることも検討する必要があるだろうということで、ごく簡単にまとめたものです。一方で、先ほどの鳥獣保護事業計画そのものをどうするかというところについては、現時点ではここでは触れておりませんので、次回また少し考え方について、こちらからもお示しをしたいと思っております。
以上です。

【石井委員長】 ありがとうございました。それでは、今のご説明について。

【三浦委員】 この場合、議論しないといけないのは、特定鳥獣とされてきたのですが、これは著しく増加または減少という枠組みの中で特定鳥獣とカテゴライズしたのですが、私の意見というか希望としては、やはり鳥獣保護事業計画に代わるような格好で特定計画というものを、もう一度検討し直すことです。
その際に、鳥獣保護事業計画そのものの役割も少し考え直したらどうかということで、それでもう少し言わせてもらうと、指針も多過ぎて、地方自治体の担当者は鳥獣保護事業計画を立てるだけでくたびれちゃうんじゃないかという格好になっています。もう少し特定計画を前面に出しながら、その際の特定計画の意味をもう一度考え直しながら、鳥獣保護事業計画そのものをもう一度再編成し直したほうがいいのではないかなと思います。
結局のところ、鳥獣保護事業計画の中身は、保護区の設置と人工増殖を抜いてしまえば、あとは有害といったようなこと、ぐらいという言い方をするとなんですが、それほどやるべきものはないので、それを特定計画のほうに吸い上げるような格好で、もう一度つくり直したほうが、それらが鳥獣保護法の最初に出てきて骨格でもあるので、やはり大きくかじを切るという点では、特定計画のほうを前面にしていったらどうかなという意見です。

【事務局】 ありがとうございます。ただ、鳥獣保護事業計画は全ての鳥獣を対象としているということで、確かに今時点での緊急的な課題としては、シカやイノシシの被害対策であったり、捕獲をしっかりやっていくということだったり、生息環境の管理をしていくということではあるかと思うのですけれども、鳥獣全般を保護管理、保全していくという観点も依然として重要なものとしてあるかと思います。
今、鳥獣保護事業計画は確かにかなり大部なものになっているかと思います。それぞれの県でもかなり長いものになっていて、その結構な量を占めているのが許可基準です。捕獲許可に関する基準がかなり長い複雑なものにもなってしまうと思うのですけれども、そこはやはりどうしても必要なものになります。シカ・イノシシの捕獲と、またほかの全般全ての鳥獣に対しての対応の仕方というのは、考え方が少し違うように思うので、鳥獣保護事業計画より前に特定鳥獣であるシカ・イノシシの計画が出てくるというのも、ちょっとどう考えればいいのか。

【三浦委員】 私は精神を前に入れていきなさいと言っているので、その際は、特定という意味はもう一度考え直す必要があると言っているわけです。

【磯部委員】 法律を専攻する者として、専ら用語に関する質問と意見を申し上げたいのですけれども、この論点1のペーパーを見ると、従来から用いてきた「保護管理」という概念を用いるのを一旦やめるというか、この際、もっと広い概念に置きかえようという趣旨のように思えるのですが、そうであるならば、できれば言葉そのものも変えたほうがわかりやすいだろうと思います。
考えてみれば、平成11年に改正したときも、保護管理という概念は必ずしも素直な意味での保護だけを指すのではなくて、全体の利益を考えての個体数調整も含む管理なのだという議論はされていたと思います。そういう意味では、概念を質的に変えるわけではないとも言えるわけです。いずれにせよ、今回の検討は、この概念をはっきりさせるいい機会だろうと思います。そこでちょっと質問なのですが、7条の「以下、『保護管理』という」は、は特定鳥獣の保護管理のことを指しているという理解でよいのか、それとも鳥獣一般の保護管理も含むと解するのですかね。ちょっと私もよくわからなくなったので、伺いたいと思います。それから、改訂4版の鳥獣保護法の解説が出ていますけれども、アンダーラインの部分は、改訂4版から変わったのでしょうか。これもついでに教えてください。
いずれにせよ、今回は概念を整理するのにいい機会だろうと思います。単に保護だけでなく、能動的かつ積極的な意味をも含む管理という言葉ですね。三浦先生は保護管理という言葉があまり好きじゃないとおっしゃっていたのだけれども、何か従来型の保護管理だけでなく、より積極的な保護管理という意味をうまく表現できる言葉をもってきたほうがいいだろうなという意見です。

【事務局】 ありがとうございます。
ここは内部でも迷っているところでして、保護管理の用語自体、今でもかなり広い概念を実態的には含んでいるので、今でもそうだという解釈にするのか、また、保護のための管理が保護管理ということなのではないかと思うので、「保護・管理」ということになるのか、そこは中でも少し議論をして、まだ結論がしっかり出ているという状況にはないということで、ご意見もいただきながらと思っております。

【磯部委員】 この7条の読み方は、どうなのでしょう。「当該鳥獣(以下「特定鳥獣」という。)の保護のための管理」というようなので、特定鳥獣の保護のための管理のことだけを「保護管理」といっているのでしょうか。

【事務局】 特定鳥獣は入らずに、保護のための管理が「保護管理」です。

【磯部委員】 はい、わかりました。

【小泉委員】 先ほどから「保護管理」という話が出てきていますけれども、「保護管理」というのはやめて、「順応的管理」という用語に統一したほうが、国際的にもわかりやすいです。国内的にも、生物多様性国家戦略の中に書かれている用語であり、既に市民権を得たものです。
それから、三浦先生がおっしゃっていた精神の部分でも、鳥獣保護法は、もう鳥獣保護法ではなくて、順応的管理に基づく法律というふうに考え方を変えていっていいのではないかと思います。定期的に出される基本方針、国が都道府県に示す基本方針の中でも、動物と人間の関わり方、せめぎ合いの仕方という関係は、この20年ぐらいの間に大きく変わってきていますので。
例えば救護なんていう分野もありますし、順応的に進めていくということを全面的に押し出した法律に変えていくというようなやり方がよいのではないかというふうに思います。

【染委員】 同じような流れの意見を申し上げて恐縮ですが、まず冒頭の現状と課題。ここは環境省の認識が書いてあるのだと思うのですが、ここで書いてありますように、「現状では、一部の鳥獣については当該鳥獣の保護のためのみならず、当該鳥獣による様々な被害を防止するための管理が必要であり」ということで、この辺の書きぶりを見ますと、従来の保護にとどまらず、やはりきちんとした管理の考え方というのを打ち出さざるを得ないという状況に来ているというご認識ではないかというふうに考えます。この2番目のマネジメントの視点を加えるというのも同等でありますし。
それともう一つ、そういう意味で、三浦先生もおっしゃいましたが、特定計画だけの議論にとどまらなくなると思うのですね、ここまでいきますと。というのは、鳥獣保護事業計画には、農林水産業被害防止を目的とした捕獲の許可のところまで入っているわけですよね。ですから、管理が一体どうなのかという考え方によって、特定計画に、いわゆる管理のみならず農林水産業等の被害の防止のための捕獲許可、この問題も含めて扱わないといけないだろうと思うのですよね。そうすると当然のことながら、事業計画本体を見直さざるを得ないだろうと。そうなると、さらに環境大臣が定める基本方針の見直しも必要であると。
こういう議論をやっていますと、鳥獣保護法という名前自身、本当に保護法なのか。そうじゃない、もっとはみ出した法律に実態的にはなっているのではないかと考えざるを得ないのではないかというような、極めて環境省は大問題をお抱えになったなと考えております。

【事務局】 ご意見として承ります。

【羽山委員】 今、法律の名前の話が出ましたので、意見を述べさせていただきたいと思うのですが、鳥獣法の起源を考えると、かつては捕獲が自由化されていて、その中で捕獲を制限するものを保護鳥獣という形で指定するという制度でした。そこから「保護」という言葉が使われてきたと思うのですよね。
ですから、ここで言う「保護」というのは捕獲を規制するという意味合いで、それ以上の意味はなかったのだと思います。ですから、やはり現状に合わせるとすれば、鳥獣の「保全」というのがむしろふさわしくて、ですから、「鳥獣の保全と捕獲の適正化に関する法律」にすることによって、随分大きく全体の考え方が変わるんじゃないかなと思います。
実際、「保護管理」という言葉ですが、これも私、10年ほど前に、これを最初に使った方がどなたかというのをいろいろ調べました。結果的にはわからなかったのですが、いずれにしても、この四文字熟語を「マネジメント」というふうに理解される方は、まず、普通はいらっしゃらない。現実に、都道府県によっては特定計画を、保護管理計画ではなくて適正管理計画という名前で、もう既に使っています。ですから、国民が理解できず、ましてや主体となる都道府県行政がそれを使わないということになったら、この言葉自体は大きく見直さざるを得ないなというふうに思います。
ですから、むしろここは「管理」という言葉を明確に法律の中で定義をして、ただ、小泉先生が先ほどからおっしゃられている「順応的管理」というのは、もちろんその考え方であり、それから制度の仕組みの部分であって、当然そこは言葉を取り入れていくべきだと思いますけど、じゃあ、その全体の鳥獣のマネジメントをどういうふうに表現するかというと、現状ではこの「管理」という言葉しか適当なものが、私は思い浮かばないので、ですから、そこは法律の中で定義して使えばいいんじゃないかなと思います。
以上です。

【石井委員長】 他にはいかがでしょうか。

【事務局】 ありがとうございます。
いろいろとご意見をいただいて、かなり抜本的な改善が必要なご意見もあった、全般的にそうだったと感じているんですけれども、今後、報告書をまとめていき、その後、それを法律の見直しに活用していくという中で、今回どこまでできるかということ、全てやろうとして手続き的になど全てできるかどうか、そこはちょっとここで、全部やりますということはなかなか言えないので、場合によっては段階的なということもあり得るんだとは思います。
その法律の中の前半の部分ですね。定義や考え方を整理していくとするとハードルが高いものもありますので、考え方としてはしっかりいただきますし、それをできるだけ反映できるように考えていきたいと思います。今後、事務局のほうでも整理をさせていただきたいと思います。

【石井委員長】 じゃあ、論点1については、このぐらいでまとめたいと思います。
それでは、次に論点の2に移ります。「鳥獣保護管理の役割分担について」。まず、事務局から説明をお願いします。

【事務局】 それでは、資料4-2をお手元にお願いいたします。ここでは役割分担の基本的な考え方を整理しております。
1.現状と課題について、都道府県が特定計画を策定できることとなっていて、実際に多くの都道府県で策定が進んでいるということ。一方で、平成19年には鳥獣被害防止特措法が成立しておりまして、市町村が被害防止計画を策定して取組を行うということになっています。最近、そういったこともあって、鳥獣保護管理における市町村の役割が大きくなっているのが現状でございます。
また、実際に、特にシカについては、生態系被害も深刻になっておりまして、国立公園などでも被害が顕著になっているということや、シカ、イノシシについては、集落への侵入、道路・鉄道での事故が起こる、生活環境の被害の事例も起きているということがございます。
こういったように多くの関係機関が関わっており、国は、例えば国立公園で事業実施をしたり、国有林では捕獲を行っているところもあるということや、都道府県は全体の計画をつくり、市町村が実際には被害防止のための捕獲を行っているといったような、本当に多くの機関が関わってきていて、相互に深く関連があるということでございます こういうことも考えますと、単純な役割分担というのはなかなか難しいと考えておりますが、一定の整理をした上で連携体制をしっかりとっていく必要があるということでございます。
2.検討の方向といたしましては、ここでは今回の整理としましては、鳥獣保護管理における――今日はそのまま「保護管理」という言葉を使わせていただきますけれども――鳥獣保護管理における三本柱、特定計画の三本柱といっている個体群管理と被害防除、生息環境管理の、それぞれについて整理をしております。
特に、個体群管理については、移動する鳥獣の捕獲が中心ということで、関係者の役割分担がかなり複雑になるという認識がありまして、連携に当たっては十分な調整が必要であり、きれいに分かれるということではないだろうということが基本的なスタンスです。
3.役割分担のイメージを三つに分けて、こちらで考えている案をご説明したいと思います。
その前提としまして、鳥獣保護管理に関する全体調整については、鳥獣保護事業の実施者であり特定計画の策定者である都道府県が実施をするというのが適当であろうということがあります。具体的な事業の実施については、関係者がそれぞれ主体的に実施をすることが必要であろうということでございます。
それから、事業実施の効果について、それぞれの事業の実施についての効果は、それぞれの実施者が把握や評価をするということが適切だと思いますけれども、さまざまな主体が実施する事業の総合的な評価、県内全体の総合的な評価は都道府県が行い、全国的な観点からの評価は国が行うというのが役割分担ではないかと考えております。
(1)個体群管理につきまして、これは、次のページのイメージ図も少し見ながら説明させていただきたいと思いますが、個体群管理のための捕獲については、私的な捕獲、ここは狭義の狩猟といっておりますけれども、私的な捕獲と、農林水産業などの業を守るための捕獲、それから公益を守るための捕獲の三つに整理ができると思います。それぞれ相互に貢献し合っているという関係かと思います。ただし、農林水産業などの業を守るための捕獲については、特に中山間地の地域社会を守るといった側面も大きいですので、公益を守るための捕獲との切り分けは難しいことが多いかと思います。
明確な切り分けは難しいですけれども、原則として業を守るための捕獲は、被害を受ける者が、必要に応じて産業推進などのための公的な補助を受けるということはもちろんあり得ると思いますけれども、実際に被害を受ける業を行っている者が行うということ。公益を守るための捕獲は行政が主導で行うというのが、基本的な考えであろうということでございます。
それから、都道府県は、鳥獣保護事業の実施者で特定計画の策定者でもあることから、個体群管理全体の調整、個体数調整のための捕獲を主体的に実施するということが適当だろうと考えています。全体でどれだけどこで捕獲をされているかということを把握した上で、足りない部分があれば捕獲をしていくという、実際に主体的にも捕獲をするということが都道府県の役割ではないかということでございます。
ただ、ここのイメージ図を見ていただきますと、全体の捕獲の必要数が外枠だとすると、私的な捕獲で獲られているものが左端にありまして、農林水産業などの業を守るための捕獲と、なかなかはっきり分けられないんですけれども、公益を守るための捕獲があって、これらの捕獲がしっかり行われていたとしても、全体の数をコントロールしていくためにはまだまだ足りないという数があるとすれば、右の下の四角の個体数調整ということで、各都道府県が責任を持って実施をするという形が適切ではないかということでございます。
そして、上の三つ目のポツですけれども、国は個体群管理について公益的な観点から必要な措置を取るということで、特に個体数の増加が見込まれるシカについては、全国的な目標の設定や、各都道府県の取組状況の評価を行うなど、取組の強化が不可欠、国の関与も必要だということが言えるかと思います。
イメージ図の、先ほどご説明をした下の四角が、それぞれに想定される実施者ということでございます。
(2)被害防除と(3)生息環境管理、非常に簡単に書いてしまっておりますけれども、被害防除については、原則として保護すべき対象の管理者が行うということです。農業被害であれば農業を行っている者が行いますし、生態系被害ということであれば、そこの管理者、例えば国立公園に指定されていれば国が主体的に行っていくということになろうかと思います。
ただ、防除のための鳥獣の誘因防止、集落の中で生ごみの処理のあり方をどうするかとか、放棄した果実ですとかそういったものを除去していくといったことは、地域ぐるみでの取組が必要ということになりますので、行政、特に市町村のイニシアティブが必要であろうということでまとめております。
生息環境管理ですけれども、先ほど石井委員長から、もともとあまりそこに重きが置かれていないというご指摘がございましたけれども、実態上も、鳥獣の保護管理単体のために生息環境管理を行うというのは、なかなか難しいという状況にあるかと思います。森林や河川整備などの土地利用と密接に関係をするものですので、所有者と調整を図りながら行政が主導的に行うということになろうかと思います。
資料のご説明は、以上でございます。

【石井委員長】 ありがとうございました。
それでは、ご質問、ご意見をお願いします。

【坂田委員】 イメージ図の中で、私的な捕獲や農林水産業等の産業を守るための捕獲があって、それは行政がしなくても国民なり、それが必要な人がやると。その足りない部分については公益を守るための捕獲として行うという順番も一つの考え方だと思いますし、逆の順番として、例えば、今の水準の維持なり、あるいは減らすなりするには、誤差はあるにしても、大体シカを何頭捕らなければいけないか、正確ではなくても今はおおよその見当は大体つくようになってきたと思います。それをもとにして、順応的管理ですから、多過ぎたらまた減らして、減り過ぎたらまた増やしてということを行っていけば、全く反対の行政施策を行ってしまうという危険はないと思うんですね。
そういう状況になってきたときに、もう一つの考え方として、大体必要なものが計算できるので、ここまでは行政でやりますよと。あとの部分、どうしても必要だったら許可捕獲であったり狩猟であったりで捕ってくださいというような順番もあり得るかなと思うんですけれども、どちらがいいかわかりませんけど、最初、行政の責任としてこのぐらい捕獲するということが明確なほうが、仕事を進めやすいというところはあるのかなと思ったりはするんですけれども。

【事務局】 そうすると少し心配なのは、どちらが先かということなんですけれども、全ての捕獲がある意味では個体数調整に寄与するということになるので、そうすると、都道府県なり行政がやるべき数、捕獲すべき数というのが過大になり過ぎるのではないかなという、心配をしていて、そこに頼り過ぎてしまうことで、農業者による捕獲や、私的に捕獲しているものも全て個体数調整でしょうということで、個体数調整をすべき都道府県に負担がかかり過ぎてしまう可能性があるのかなという心配をしているんですけれども、その辺はいかがでしょうか。

【坂田委員】 その辺を、ここまでが行政の役割ですよということをはっきりさせるということかなと一つは思うんですね。現場でいくと、被害があるから捕ってくれ、捕ってくれという要望は幾らでも出てくると思うんですね。どこまでをやるのかということが明確であれば、計画どおり、ここまではきちんとやります。きちんとやれましたということを、行政は明確に言える。
私たちがやったこと、国民それぞれが頑張ったことで、足りない分を行政のほうでお願いということになれば、足りない分がどれだけあるかで、どちらの考え方がうまくいくかというのは、やってみないとわからない部分もありますけれども、足りない分はみんなお前だということになるのであれば、足りない分はあなたですから、私にさせないでくださいというのは当然の考えになってくるかなと思いますけどね。

【染委員】 この裏側の書きぶりを見て、私は大変びっくりしちゃうんですよ。「業を守るための捕獲は被害を受ける者が行う」、あるいはその少し下に、「ただし、農林水産業等の業を守るための捕獲」、その後、公益と書いてありますが、「それぞれの実施者が十分責任を果たすことが前提である」というような書きぶりを書いた途端に、これは一般的な農林業業者は多分どう考えているかと考えますと、現在までの農村地域の過疎化、あるいは高齢化の状況、あるいは現在までの鳥獣害行政の結果、これが現在の野生鳥獣の大きな増加と、それから来る被害を招いていると。ある意味では被害者だと思っている面があるんだと思うんですよね。
これを公害に例えて言えば、公害の何か原因があって、その被害を受けている者が、いや、的確かどうかあれですが、受けている者が、これはあんたらがその原因を取り除くべきですよと言われているようなものだと思ってしまうんですよね。そういう意味で、真っ先に業を守るための被害の防止は、その業をやっている者がやるべきだと言われたら、これは話は全く逆じゃないかと思うと思うんですよ。
いわゆる被害というのは、あまねく、ここに書いてありますように農林水産業にも及んでいるし、生活環境にも及んでいるし、生態系にもある。そういうかなり広域のいろんな意味での被害ですよね。それを今までの鳥獣行政というのは、特定計画なんかは、個体数調整の目標をきちんと立て、その個体数調整は都道府県辺りが主導的に責任を持ってやるという形で書いてあったのではないかと思うんですよ。それを逆転して、まずは業の人間からやるべきであると。公益は公益で市町村がやるべきであると書いて、それで足りない分を、この個体数調整で県が調整するんだという発想は、従来から大きく逆転しているのではないかという印象を与えますよ。
果たして、そういう発想で今まできたのか。あるいは今回、環境省さんが、それを大逆転した発想をとろうとしているのか、極めて大きな問題になるのではないかと、そういう文章だと思っております。

【福田委員】 同じことなんですが、いいでしょうか。
私は、林業関係者なんですけれども、私もこれを読んだときに、それではどうするのと思いました。頑張ってもできないんですね、はっきり言って。これ、私たちが悪いだけではないのではないかなと思いますし、これは全体の責任を放棄するわけじゃないですけれども、私たちだけの問題ではないんでしょうと。ですから、これを書かれてしまったら、私たちはやっていけませんね。

【事務局】 ありがとうございます。
実態として、これまで特定計画では、捕獲数などの目標を書いておりますけれども、都道府県が自ら個体数調整のために捕獲をするというツールは、ほとんどなくて、多くの県で有害鳥獣捕獲として申請が出てきて許可をしたもので、捕獲数を確保してきています。あとは、狩猟として確保してきたというのが実態でございます。ですから、つまり、どちらかというと右側の四角に書いている個体数調整がないのが、今の実態に近いのではないかなと思っているんです。
それで、実態としては事業者にやっていただいていた、そこに農水省の特措法の交付金が出ていたというのが実態ではないかということで、現実を追認しつつ、プラスして、足りないのだから、都道府県もしっかり主体的にやらないといけないことを明示したという認識でおります。
表現としてそのような印象を与えてしまうかもしれないんですけれども、これまでの実態が明文化されずに結果的にやってきたという状況かと思いますので、現実問題、今、そういう状況であるという認識を、我々は持っているので、このような表現になっているということでございます。他の委員の方のご意見もいただければと思うんですが。

【羽山委員】 大きくこのように三つに分けるという提案は、私自身も前回までの議論でさせていただきましたけれども、そのときは、この「業を守るための捕獲」という意味ではなくて、結果的にはそうなるかもしれないんですけれども、「自衛のための捕獲」という言い方をしたと思います。
今までは自分の農地や林地を自分の住宅財産を守るために狩猟免許をとり、狩猟登録をし、そういったさまざまな負担を強いられた上で捕獲をしなければいけなかったわけですが、自分の財産というか自衛のために、なぜ、そういう必要があるのかというのは、現場から強い批判的な意見が出されてきている。これは全国的に同じだと思うのですけれども、そういうことについては、一定の規制をかけた上で、より基準を緩和していくというようなイメージの捕獲の考え方で提案したつもりでいます。
ですから、確かに実際に今までの農林水産業の被害を受けている方が、このペーパーを見られたら、ちょっと違うのではないかという意見が出かねないので、ここはもう少し議論をして、考え方を整理したほうがいいのではないかなと思いました。

【小泉委員】 私、このイメージ図にあまり違和感はありませんでした。一般の狩猟と有害駆除と、それから特定計画の捕獲と。有害駆除って被害を受けた人が駆除申請を上げて、それで許可がおりて、捕獲隊を募って駆除すると、そういう手順を示したものだと思っていたんです。ですから、被害を受けた人が自ら捕獲をしなさいということを奨励したり提案したりしているものではないと理解したんです。
そういう意味では、農業、林業ともに、少し誤解があったのではないか。むしろ、これからは公的機関がきちんと捕獲をリードしていくべきだというところから、話をさせていただきたいです。
ということでいきますと、ちょっと気になったのが、2ページ目の上から2番目のポツのところで、最後のところで、「それぞれの実施者が十分責任を果たすことが前提である」というふうな書き方があって、これは、私は県が実施する特定計画の個体数調整のための捕獲と、それから特措法に基づいて自治体が行う捕獲とを、それぞれ区別して、県がやる捕獲、それから市町村がやる捕獲と、それぞれ責任を果たしてくださいというようなことを書かれたのかと理解したのですが、これはやめたほうがいいのではないかと思います。
個体群管理に関しては、特措法による捕獲であろうと何であろうと、全ての捕獲は都道府県がコントロールすると明示する、ないしはそのようにまとめ直すというほうがいいと思います。
これまでも、特定計画の中で都道府県は、実質一般狩猟というか私的な捕獲もコントロールしてきたわけですよね。例えばシカだったら、オスは一日1頭だけど、メスは何頭獲ってもいいとか、それからここは獲ってよいが、ここは獲ってはいけないなどコントロールしてきたわけですよね。それから特定計画があって、そういう狩猟部分じゃないところの捕獲も、都道府県がコントロールしてきたわけです。その個体群管理に関する知識と経験の蓄積は、都道府県に多くあって、特措法の実施隊による捕獲だから市町村がコントロールするというのでは、恐らく市町村のほうが困ってしまうと思います。都道府県がコントロールして、特措法の個体群管理に関わる部分は都道府県がコントロールすべきではないかと考えて、そのように整理したほうが市町村のほうも楽なのではないかと考えます。
それからもう一つ、これは提案です。本当は論点3のところでお話ししたかったんですが、論点3のところは人的体制が中心になるようですので、新しい制度の提案としてご検討いただきたいと思います。
私的な捕獲、いわゆる一般狩猟を、入猟税制度からタグ制に変更してはどうかと思います。要するに、1頭幾らとしてタグを発行する。ですから、狩猟でメスを3,000頭、オスを500頭獲ってほしいと思ったときには、メスのタグを3,000枚、それからオスのタグを500枚販売しますと。それをここの都道府県に入る人には買ってくださいと。その、獲ったものに関しては、そのタグを持っていれば違反にはなりませんと。今のように狩猟税で都道府県に一定のお金を納めて捕獲をすると、例えばシカの例で、都道府県がメス3,000頭、オス500頭獲ってほしいと考えても、私的な捕獲ですから、捕獲するほうはそれに縛られたくないですよね。どちらかといったらオスを捕りたいという気持ちもあったりするかもしれません。ですから、結果としてメスが500頭でオスが3,000頭獲られてしまうというケースもあります。
ところが、これからの私的な捕獲というのは、シカの場合ですけれども、それなりに公的な個体群管理を含むものでなければいけないと思います。それを考えますと、今の狩猟税式で捕獲数を誘導しようというよりは、タグ制にして、明らかにこの数だけ捕ってほしいと。その内訳はこうだと明示して捕獲を誘導してはどうかと思います。
以上です。

【石井委員長】 何か事務局で。

【事務局】 小泉先生の今のタグ制の話は、全く今、新しくお聞きしましたので、検討はさせていただきます。ただ、入猟税というか狩猟税自体が、シカだけに限っているわけではないので、切り分けをどうするかとか、いろいろ課題は大きいような気がしますので、少し勉強させていただきたいと思います。
それで、先ほどからの誰がやるかということで、小泉先生の基本的に県がコントロールをすべきというようなご意見があったかと思いますけれども、イメージしているのは、これは農林水産業等の業を守るための捕獲という形で書いてありますが、今のところは、これをほぼかなりの部分を市町村がやっている。実施者としては市町村がやっている場合が多いということだと思います。
それで、この全体をコントロールするのは、やはり都道府県だろうと考えておりますので、その実施者とそれを管理する人ということでの整理の仕方、今、実施者だけで整理をしてしまっているので、少し混乱があるようです。実施者といっても、その市町村であったり、責任を持ってほしい人であったりというところが、少しまざっているのでさらに誤解を生じさせてしまっているような気がいたしますので、ご意見を踏まえて少し修正をしていきたいと思います。

【坂田委員】 今のタグ制の話ですけど、もし、タグ制にしたら、獲ったら獲っただけお金を払わないといけないということですよね。
今の状況だと、その狩猟の入猟税を払って、ただ、ここで言うと、多分狩猟自体は私的な捕獲に入るわけですけれども、これには、実は私的な捕獲だけでもシカが減れば公益的な意味もあるということで、捕獲を上げようとする都道府県の状況だと、逆に報償費を、むしろ捕った分、入猟税は取るけれども、シカを1頭捕ったら報償費を上乗せしますから、どうかシカを捕ってくださいというのが今の状況だと思うんですね。そうすると、多分、獲ったらお金を払わなければいけないんだったら、幾ら安いとはいえ、なかなか捕獲が進まなくなるので。
その状況で、もしシカが減ってくれば当然タグ制にしてというような形になると思いますし、逆に今の状況だと、むしろ都道府県によっては報償費を払って。ただ、それをオスジカだったら幾ら、メスジカだったら幾らと、そこに差をつけて誘導していくということは考えられると思いますけれども。
その辺では、最初からずっと議論があるように、今の状況は、捕獲自体に、私的な捕獲であっても1頭でも獲ってもらったら、全体の公益的な意味もあるという意味合いで、私的な捕獲にでさえ報償費を出してというか、むしろ今までは私的な捕獲に報償費を出すことで公益的な捕獲をせずに、何といいますか、本来は公益的な捕獲としてきちんと費用を出したり依頼をしたり、その成果を確認したりしないといけなかったところを、これまでの私的な捕獲を続けてきた人の制度にのって報償費を上乗せすることで何とかしてきたというところを、今変えようということだと思います。
その意味で、それを明確にするために、もう私的な捕獲には一切報償費を出さないというのも一つの考え、当面はそうではないと思いますけれど、そういうふうに考えないといけないのではないかなと。

【小泉委員】 ありがとうございます。私が言いたかったのは、数値目標を明確に示しましょうということです。タグは買うのが世界の常識ですけれども、今みたいな状況でしたら、メスジカのタグには報償金がついてもらえる。オスだったら500円払わなきゃいけないというようなやり方もあると思います。
それから、もう一つあるのは、どうしてこうやって数値目標を明確に示して誘導する必要があるかと申し上げたのは、世界のいろいろなところで過密になったシカをコントロールするのに、レクリエーショナル・ハンターといいますか、一般の狩猟のつもりで入ってきた人をどんなに投入しても、結局は数のコントロールに結びついていないという報告が幾つもあります。そういうことも考え合わせると、私的な捕獲には期待の部分はあるけれども、上手に使わないと公的な目的を果たしてくれないということになります。そこのところに、少し気をつけないといけないのではないかと思いました。それで、タグ制の話をさせていただきました。

【石井委員長】 ありがとうございました。
そろそろ次の論点に移りたいと思っていますけれども、細かいことはいろいろ、まだ議論があると思うのですが、この論点2に関して1ページに、3のところの役割分担のイメージの最後のところに、「様々な主体が実施する事業の総合的な評価は都道府県が、全国的な観点からの評価は国が行う」という文章があるのですけれど、評価するだけじゃなくて、指導というといけないと思うのですけれども、提言をして、とにかく全体を見ているレベルが都道府県と国の二つあると。具体的にどうやるかというのは、もう少し詰めなければいけないと思いますが、この都道府県と国の役割というのをはっきりさせるというところが重要だと思います。国は全国的の他に、公益的な観点からもいろいろな手を打っていくというところが、このペーパーの中で重要になるところだと私は思いました。
それから、2ページのところで、農林水産業従事者が今までよりも多くの責任を負って自分のことは自分でやれみたいな読み方をされる恐れがあるという最初の議論について、私はそうは思わなかったのですけれども、2ページの2番目のポツの「実施者」というのは、これは想定としては、市町村と、それから都道府県ということになるんですかね。それとも、実際の業に携わる人も入っているのか、少しその辺を明確に書くことで、誤解がある部分はなくなるのではないかなと思いました。
何か、他に特に出るということがなければ、次に移りたいと思いますけれども。

【事務局】 今のご指摘、今日のご議論を踏まえまして、誤解を招いている部分もあるように感じますので、その点を修正させていただいて、また、次回に提示させていただきます。

【石井委員長】 短かめにお願いします。

【三浦委員】 やはり特定計画でこれを自治事務にしてしまったので、都道府県は軸は軸なんですけど、最初にも言ったんですが、その計画制度の中で、順応的管理なりフィードバック管理なり、全部うたうんですよね。だけど、そのことが制度的に担保されていなくて、さっきの議論は、私はやっぱりインテグレートするところは都道府県以外にはないわけで、これはもう明確な責任で、それぞれの区画を統合して全体としての個体群管理を行うのは県、個体数調整を行うのはさまざまな主体という格好にしておかないと、わからなくなってしまうと思うんですね。
それと、特定鳥獣保護管理の事前評価、事後評価、達成度評価などについて、これは順応的管理の骨格ですが、これはやっぱり、知事はこのために必要な措置をとるといったようなことを、特定の中にも入れておいてほしいなと思うんですね。これは、上位のさっきの保護事業計画には入っているから、もう一度繰り返すような格好で特定にも入れておいてほしいなと思います。

【石井委員長】 それでは、よろしいでしょうか。

(なし)

【石井委員長】 論点1のときに言い忘れましたが、全体的な方向性については強い異論はないと思いますけれども、やっぱり個別の具体的なことについてはさまざま意見が出ましたので、そこら辺は、もう一度事務局のほうで整理していただいて、改めてつくり直すということをお願いしたいと思います。
それで、次に論点の3番目に移りたいと思いますが、個体群管理を安全かつ効率的に行う仕組み・体制の構築についてということで、まず事務局から説明をお願いします。

【事務局】 では、お手元の資料4-3をご覧ください。
論点の3につきましては、資料3にもありましたとおり個体群管理、特に捕獲のところで制度上の改善すべき点が多いという認識のもとで、どういう方向で考えることがいいのかということをお示ししております。ただ、環境省がこれをしたいとか、これが一番いいという提案ではなくて、検討の一つの方向として提示しているということで、いろいろとご意見をいただければと思っております。
まず、1.現状と課題でございます。被害を及ぼしている鳥獣の個体群の管理、これは特に数の調整の部分について考えていきたいと思っておりますけれども、狭義の狩猟と許可捕獲で実施されてきており、その捕獲数が増えてきているという状況です。特に、ニホンジカについては、メスジカの狩猟鳥獣化ですとか、全国的な狩猟の解禁、それから特定計画制度の導入などにより、個体数の増えていくスピードを遅らせるという部分には一定の貢献をしてきているものの、先ほど資料2で推定したとおり、全体として数は減っている状況では恐らくない、少なくとも縮小の方向に転換したということには至っていないということだと思います。
個体群管理を適切にやっていくために、特にこの捕獲のところ、特に管理のための捕獲をどうやって拡大していくか、個体数を望ましい水準まで減らす仕組みが大事ではないかと考えております。
2.検討の方向でございますが、管理のための捕獲を拡大するというところで、一つは公益を守るための捕獲、公的な捕獲という言い方で、委員の皆様からご意見もいただいておりましたが、これを専門的にやる事業者をつくるという方向があろうかと思いま。それからもう一つ、農林水産業を守るための捕獲についても、制度的に強化をしていけるところがあれば考えていく必要があるのではないか考えております。
なお、個体数調整は、当然、私的な捕獲、狭義の狩猟についても非常に大きな役割になっているということもありますので、この部分の対応については、別途論点の6でご議論いただければと思っております。また、科学的な管理について、人材の確保やデータの収集等は論点の7でも議論を深めていただければと思っております。
3.に具体的な新しい仕組み・体制のイメージとして3点示しております。
一つが、(1)鳥獣捕獲技術者の資格の創設でございます。今、許可捕獲、有害捕獲や個体数調整というのは、原則狩猟免許をお持ちの方に許可をするという仕組みになっており、狭義の狩猟、私的な捕獲を前提としている狩猟免許制度を使って、許可捕獲をしております。実際は、ニホンジカ、イノシシの捕獲数の内訳を見ると、狩猟よりも許可捕獲のほうが増えてきております。5ページに資料をつけておりますが、2011年で見ると、シカもイノシシも、青いところが狩猟ですけれども、それよりも赤の有害・個体数調整で獲っている数のほうが多いという状況になってきております。
ただ、狩猟鳥獣ではないニホンザルの捕獲許可の場合も、やはり狩猟免許を要件にしているというようなことから、やはり実態に即した制度というのを考えていくべきじゃないかということでございます。
2ページをご覧ください。アイデアとしてでございますが、現状の狩猟免許というものを、狩猟をするか、公的な捕獲に携わるかは別にして、鳥獣を捕獲する技術があるということを証明する資格に位置づけを変えてはどうかというものです。その鳥獣を捕獲する必要がある人、これは狭義の狩猟であっても許可捕獲であってもですが、その人たちは、その資格を必須にするというような仕組みに変えたらどうかということです。
現状、狩猟をされている方は、鳥獣捕獲技術者の資格を取った上で狩猟登録をすれば、今行っている狩猟というのはできます。それから、許可捕獲をされたい方は狩猟登録はしなくていいですが、鳥獣捕獲技術者の資格を取った上で許可を取って許可捕獲をしていただく。さらに、これは後でご説明したいと思いますが、農林業者の方が自衛のための捕獲をする場合の規制緩和の要件の一つとして、この資格を使っていくというようなことを考えてみました。
なお、捕獲については、狩猟とか有害な個体数調整以外に、学術研究などを目的にしたものというのも当然あろうかと思います。この部分については、対象種のこともありますし、量的なものもあって、この資格の対象から除くというほうが、現実的な対応なのかなというように思っております。
(2)でございます。今度は事業者をつくっていく、育てていくという発想で考えたものでございます。鳥獣捕獲の事業者の認定制度をつくるということです。従来の狩猟者や鳥獣被害対策の実施隊を中心に捕獲をしていただいている部分に加えて、新たに捕獲に携わる人たちを見出していくということで、例えば大規模な捕獲をする場合とか、高標高域などでの捕獲をしっかりやっていただく専門の鳥獣捕獲の事業者を、国等が認定をするという仕組みをつくり、かつそれに応じて必要な規制緩和もセットで行うという仕組みが有効ではないかと考えました。
この制度化に当たっては、事業者の認定と規制緩和だけではなく、これまで個人が責任を負っていた部分、例えば捕獲の許可や報告義務、わなの安全管理等についても、事業者が責任を担うということで、そこで働く人たちは、今よりも責任が軽くなったというか、会社が責任を負うということも必要なのかなと考えております。
それから、その事業者の認定の要件というものも考えていかなければいけないのですが、まずは安全面の体制や捕獲の実績というのは、技術力、安全性の点から重要かと思っておりますし、さらにきちんとその従業員の教育をする、研修をしていただくことで、事業者自身もさらに技術を高めていっていただく、どんどんレベルの高い事業者になっていただくと、そういう人たちを認定していくことがいいのかなと思っております。
具体的にこの事業者にどういう仕事をしてもらえるのか、イメージ図を3ページに書いております。大きく二つの方向が考えられと思うのですが、一つはシャープシューティングなどもやっていきながら、特殊な場所でもしっかりやっていけるような、技術の高い人たちが集まった事業者であったり、地域にしっかり密着して、必要なときに即効的に鳥獣の捕獲を、頼めばすぐやってくれる事業者、こういう人たちを認定することで支えていくといいますか、育てていくということを考えていくとどうかということでございます。
それから(3)の仕組みとして農林業を守るための捕獲の促進ということでございますが、現状、農林業者の方が被害を防止するために設置する「囲いわな」については、これを使って狩猟期間に狩猟鳥獣を捕るという場合、許可が要らないことになっております。狩猟免許も要りません。逆に同じ自衛のための捕獲であっても、狩猟期間でない、狩猟鳥獣でない場合は許可が要ります。
他にも、許可捕獲の対象者は、狩猟免許を持っている方を原則としているのですが、そうした中で、被害防止の目的で農林業者の方が自分で事業地内に「囲いわな」をかける場合は、免許がなくても許可ができるというように、あるところでは許可が要ったり免許が要ったり、あるところは要らなかったりという部分があるので、ここをもう少し変えていけないかなということで考えました。
次の4ページをご覧ください。左側は現行です。「農林業者が自らの事業地内で行う被害の防止のため」、ちょっと制約がいっぱいありますが、そういった場合の捕獲の特例です。網羅的に捕獲の全部の状況を書いているわけではないですが、代表的なものとして書いていますけれども、赤いところは特例のあたる部分です。これはこれで残したままで、さらに新しい組みとして、先ほどの(1)にあった、鳥獣捕獲技術者の資格をとっていただければ、通年、わなに限ったほうがいいかとは思うのですけれども、許可なく、自由に獲ることも認めてもいいのではと考えています。
ただ、対象鳥獣を全ての鳥獣をやるのではなく、一定規模に増え過ぎて困る鳥獣、もしくは外来の鳥獣といったものを特定した上で、許可のない状態で、ただし安全面上で資格は持っていただくことを条件に、捕獲ができるということを考えております。
あと、この部分に関連して、4ページの左下に1カ所黄色く網かけをしているのですが、狩猟期間に狩猟鳥獣を「囲いわな」で捕る場合は、免許も不要で許可も不要であり、したがって、報告義務が今はありません。論点の中にもありましたけれど、捕獲数の情報はきちんと押さえていくということが、順応的管理でも重要であることから、ここは少し緩和という方向ではないのですが、報告をきちんとお願いしていくということをしていくことが重要ではないかとに考えておりまして、その辺りもセットで規制緩和プラス少しお願いをしていくのがいいのかなというふうに考えております。
資料4-3については、以上でございます。

【石井委員長】 ありがとうございます。
少し時間をオーバーしているので、若干延びるかと思いますけれども、ご了承ください。
それでは、今のご説明について、ご質問、ご意見をお願いします。

【三浦委員】 私、基本的には論点3は重要だと思うのですが、やっぱり基本的なスタンスが、用語の使い方が「捕獲従事者」や「鳥獣捕獲専門」となっていますが。そうじゃないんですよね。
つまり、何かと言ったら、鳥獣保護法というのは、国民の共有財である野生動物をうまく存続させていくと。生物多様性を守っていくというところを柱にしているわけだから、野生動物は自然個体群である以上、個体数の増減があり、分布の拡大・縮小があるわけですよね。そのときに、何をお願いしているのかといったら、やっぱり個体群管理の一翼を担ってもらうという、さっきの問題と同じで、要するに、多くなったから、邪魔になったから除去しちゃおうという話じゃなくて、これは人間と野生動物がそれなりの関係を持っている以上は、野生動物の個体数の調整というのもあるわけで、それ全体を個体群管理といっているわけだから、そこに一定の団体を、あるいは人を参画させていこうという話でないと、捕獲の専門業者をどんどんつくるといったような話だと、全く違うんじゃないかなと、私、基本的に思いますね。
だからそういう点で、少しネーミングとか、あと「規制緩和」という言葉を使っているけれど、これは保護規制を全部取り払ったら、勝手に獲ってしまうのではないかという状況に今ないわけですよね。規制とかがあったって、急速に増加しているものに対して、もう人間側が負けているという状況が現出しているわけですよね。だから、積極的に個体群管理に参加していけるような、そういう新たな集団を創造していきましょう。人を創造していきましょうというところから出発しないと。
ネーミングや、あと「事業者」といったような使い方じゃなくて、もう少し違う言い方をしたほうがいいのではないかなと。やっぱり個体群管理をやってもらうと。マネジャーですよというか、そういう何て言うかNGOも含めてマネジメントをやってもらうということにしないといけないのではないかなという気がしますよね。だからこそ、基準というか、そういうのがやっぱりそれなりに必要だということだと思います。

【事務局】 今、ご紹介したのは、個体群管理のある一部、「獲る」というところを担う仕組みについてご説明しました。委員がおっしゃるとおり、保護管理全般を見ながら獲れる者が必要だと思いますし、ネーミングはちょっとどうするかというのは、またご相談させていただきたいと思いますけれども、考え方としては、ただ、獲ればいいという人よりは、必要な個体群管理のために必要なところで必要な捕獲をできる人たちを、どう育てるかというところでご説明をさせていただいたということでございます。
それから、規制緩和につきましても、保護のための規制を全部取り払ってもいいんじゃないかというお話もありましたが……。

【三浦委員】 これを規制緩和というカテゴリーに入れるのがおかしいと言っているんです。

【事務局】 そこは、法律で制限していることを緩るときは、規制緩和と呼んでおりますので、表現が誤解を招くのであれば考えたいと思います。ただ、制度面を変えるのであれば、言葉としてはそれは規制緩和なのかなと。わかりやすいような説明をしていきたいと思います。

【尾崎委員】 1番の鳥獣捕獲技術者ですけれども、現状の狩猟免許と、どこが一番違っているのか。ちょっと私、不勉強で申し訳ないのですが、どこが違うのでしょうか。どこが一番ポイントなのでしょうか。

【事務局】 鳥獣の捕獲について、制度的に理屈が通るようにしたいということです。現状では、私的な狭義の狩猟をするために出している免許をもって、有害や個体数調整の許可をしております。これを制度的に、公的な捕獲をするには、それにふさわしい資格を求めるようにしておくべきじゃないかということが根本にあります。
では、中身は何が違うかということになると、狩猟免許では狩猟鳥獣以外の知識は問われないわけですが、狩猟者の方にも、これだけ許可捕獲が増えており、かつ、たくさんの方に携わっていただいているという意味から、少しそちらの知識も一緒に理解いただいた上で、対策にも関わっていただくという意味でも必要かなと思っております。
具体的には、試験の中身がどのくらい変わるかということになると、許可捕獲で獲る獲り方と、狭義の狩猟で獲る獲り方が大きく変わるということは恐らくないと思うので、相当似通ったものにはなろうかと思いますが、考え方をきちんと整理をしていくということは大事なのかと思って、今回ご説明したところです。

【羽山委員】 ネーミングの問題もあるんですけど、まず、この鳥獣捕獲技術者というものを新たに創設して、それが三つに分かれていくというイメージ図ですけど、これは別に現行の狩猟免許で何ら問題はないような気がします。現実的には、自衛のための捕獲についてもわな免許が必要だということになるわけですよね。
ですから、そういう意味では、これは従来どおりのものに対して、その三つのカテゴリーにそれぞれ登録や許可や、場合によっては自衛のためにはそういった許可も不要だとすればよいと思います。こういう枠組みとしては、従来の免許制度で十分で、むしろ三浦先生がさっきおっしゃった、まさに管理者としての技能を持った方を新たにこの上に載せるという、つまり免許制度そのものを二階建てにするべきじゃないかというふうに、私は捉えました。
その管理技術者、名称はちょっと考えるべきだと思いますけど、例えばそういった専門技能を持たれた方が雇用されているような事業者に対して、国が認定していくというのが本来のあり方でしょう。つまり、捕獲の事業者ではなくて、管理の事業者とすべきです。その事業者の中に高度な捕獲技術を持った方がいて、その事業を行うというのは、それは当然必要だと思いますけれども、このペーパーは、これまで議論してきた中身とは若干イメージが違うなと思いました。
以上です。

【事務局】 ありがとうございます。
技術を持った管理者といいますか、そのマネジメントができる者を法律に位置づけるというご意見、もちろん承知をしております。検討もしてはいるのですけれども、ただ、法律でその人ができること、法律に位置づけなければできないことというのが、なかなか議論をしている限りはみつからない。
そういう人がいたほうがいいのは間違いないし、いるべきことなのだと思うのですけれども、法律に位置づけるとすると、その人が何が、法律上に位置づけられる何か特別にできることを設定していかなければいけないということになるのですが、今のところ、そこはちょっと見つけ切れていないといいますか、形がつくれていないというのが、こちらの検討状況です。

【羽山委員】 例えば捕獲事業者、原文どおりですと、この事業者に対しては必要に応じて規制緩和を行うというようなことがあるわけですよね。例えば先ほどの捕獲の時間帯を規制緩和しようとか、諸外国でも非常に安全管理に対して厳しい規制があるというようなことも、さっきご報告がありましたけれども、いずれにしてもそういった従来の捕獲とは違うことを、専門性を持ってやっていただくというようなこと、当然、それはマネジメントの中の一つの手段であって、それに対してきちんと地域に、これは捕獲事業といっても、実際には個体群管理事業ですので、そういったものを担っていただく事業者を育成していこうということであれば、それは当然新たな免許が必要じゃないかなと思います。

【事務局】 検討させていただきたいと思います。

【小泉委員】 制度論議ですので、恐らく論点が進んだところで、また論点3に戻るというようなことが繰り返されていくと思います。一つの提案として理解したいと思いますけれども、具体的に進める上での基本的な認識が少し違うので、申し訳ありませんけれども、私的な見解を述べさせていただきます。
会議の冒頭に、海外の報告をいただきました。そのときに、ハンティングとカリングという対象で、捕獲の概念が全く違うということを、お話させていただきました。ハンティングをする人、ハンターと、カリングをする人、カラーというのは全く目的が違うわけです。
ハンターというのは、自分の満足を得るために動物に挑むわけです。正々堂々と挑んで、それで捕れるときもあれば捕れないときもある。それでいいさと真っ向勝負を挑んで自分は満足したと。これがハンターの生き方ですよね。ですから、ハンターのやり方をフェアチェイスといいます。正々堂々と挑みかかるわけです。
ところがカラーというのはそういうのではありません。、現在の個体を半分にしなさい、などの明確な目的が課されます。そして、そのタスクを確実に実行しなければいけない人です。減らすための手段ですから、捕れなくても満足を得るということをしてはいけないわけです。絶対捕らなきゃいけないわけですから、アンフェアチェイスといいますか、どんな手をを使ってでも、とにかく確実に捕獲をするというのがカリングであり、それをする人がカラーなんです。
というようにして考えると、日本の狩猟免許を持っている人の中に、カラーはいません。皆、ハンターです。みんな、フェアチェイスをしなければいけないというふうに、教育されてきているわけです。
ところが今、シカを代表的な例として、求められているのはカリングでありカラーです。既存の捕獲者が持っていない技術を持っているという意味で、高度な技術を有すると位置づけられるのだと思います。
ということで、鳥獣捕獲事業者というのは何かといったら、カラー。それは今、日本にはほとんどいない。だから、これからつくっていかなければいけない。育成していかなければいけないという工程を含めて、事業者認定していかなければいけないと思います。アンフェアで構わないから、夜撃ちも許すのです。消音器の使用も許されます。車から撃ってもよいのです。とにかく捕りなさいというのが目的だからです。ハンティングではやってはいけないことです。それはフェアチェイスではないかです。
という基本的な理解というのは、恐らくこれから具体的に、こういった捕獲技術者をどのように位置づけていくかというところで必要になってくると思いましたので、あえて私見を述べさせていただきました。海外調査に行かれたようですので、その報告書をもう一度見せていただくのを楽しみにしたいと思います。
以上です。

【坂田委員】 先ほど、他の委員からも、狩猟免許と新しく鳥獣捕獲技術者免許の違いがどうかというところなんですけれども、もし、全然違わないなら今のままでいいはずなんですが、一つ違うのは、もし新しい制度として鳥獣捕獲技術者にはこういうこともやってもらえるということがあれば、恐らくその部分が、もし資格の試験をするんだったら試験の違いになってくると思いますので、そのところがいかなるところがあるかというのが一つあると思います。
あともう一つ、今の現実の許可捕獲の現場を見ていて、許可捕獲のために必要な要件だなということを想像すれば、幾つか今の狩猟免許の中にないことがあるはずなんですね。例えば私が思いますのは、これは、本当は狩猟免許を持っている人にも必要なことなんですけれども、殺処分の仕方なんかは、多分そのやり方をご存じない方が、「箱わな」でも「囲いわな」でもシカやイノシシ、まあ、大型の動物なんかを捕ってしまいますと、これは誰かにお願いするということしかないので、例えば殺処分をきちんと安全にできるかどうかみたいなところを問われないといけないと思います。
今思いつくだけではなくて、きちんと今の許可捕獲の現場を見て、きちんとその許可捕獲を実施するために必要な技量なり知識、周りの住民の人にどう注意するかとか、そういう部分も出てくると思いますので、その辺で違いというかプラスアルファで求められることが明確になってくるのではないかなと思います。
ちょっと、ただ考えるに、本当は狩猟でもそれは必要な話、今の狩猟免許にはないけれども、本当は狩猟でも、このことはきちんとおさえておいてほしいと。大体は、皆さん、自分でやりながら、あるいは周りの人に教えてもらいながら、免許試験にはないけれども、周りの人に教えてもらいながらできるようになるというところが普通だと思いますけれども、その部分をちょっと検証すると、必要なことが出てくるのではないかなと思います。
あと、ネーミングに関してですけれども、僕の意見は、ネーミングは割とわかりやすく、本当にやってほしいことがもし捕獲であれば「捕獲技術者」のほうがいいのかなというのが、僕の意見ですが。というのは、やっぱり今まで、一番冒頭に意見のありました「保護管理」という言葉をつくられて、その「保護管理」という言葉が今になるとわかりにくい、シンプルなマネジメントの管理ですね。管理ということで保護の意味もあるし、被害対策の意味もあるということなので、その辺、何かわかりやすいのにしないと、またわかりにくくなって、また同じような議論を5年後にしているというようなことになりはしないかなと思ったりはします。

【染委員】 ネーミングの問題、いろいろ出ておりますが、私も従来の狩猟免許を、素直な名前をつけるつもりならば、名称変更というのはあり得るのかなというような感じもいたします。いろいろな過去のしがらみで狩猟免許にいろんなことを付加してきたのかなという感じもいたしますので。
それと、この鳥獣捕獲の事業者のほうの問題ですが、これはさもこの事業者になった場合には、その狩猟免許を持つ者なり鳥獣捕獲技術者、これを何人か置くとか、そういう必置義務か何かをかけることになるんだと思うのですよね、多分。そうなると、この鳥獣捕獲技術者のメリットというのは、一体どこに出てくるのかなと。
こういう組織をつくって、それを国が育成するというのは、後ろのほうに、高度な捕獲技術を有する捕獲事業者や、このシャープシューティング、高標高地域でやるとか、そういうことをお書きになっているんで、そういうことができる集団なりそういう組織を育成するんだというようなことなんだと思うんですが、ただ、逆にこの辺のシャープシューティング、今、できないことをできるようにするとか、そういうことをこういう事業者に限定してやるということは、規制緩和という表現はいかがというような話がありましたが、逆に規制緩和にならないだろうというような気がするんですよ。
ですから、この事業者じゃないと、何かそういう高度なことはできない。あるいは、従来から要望が出ているような夜間の狩猟であるとか、あるいは消音器つきのライフルを使うとか、そういうことが極めて限定的になってしまって、かえってこういうことができる事業者を減らすことになりかねない。そういうような懸念があるのではないかというような気がいたします。
それと、今、市町村で実際的にできている実施隊ですが、これはこの事業者との関係でどのような位置づけになるのか、よくわからないなという感じなんですが、これも先ほどのイメージ図に、地域密着型の捕獲事業者と書いてありますから、ひょっとするとこれに該当することになると、逆に今の実施隊にいろんな規制をかけることになりかねない恐れが出てくるのではないかというような気がいたします。
それと、まだ議論は出ていませんが、農林業を守るための捕獲の促進のところでありますが、これ、本当にこれが全体として規制緩和になっているのか、極めて疑問だなというような感じがいたします。と申しますのは、この4ページのところに、現行は現行のままにしておきながら、あるいは現行の中でもさらに報告義務のないところを報告するということで規制の強化にしながら、プラスアルファで新たな仕組みをつくりますと言っていますが、これはあくまでも鳥獣捕獲技術者、あるいは従来の捕獲免許、狩猟免許ですか、それを取らなきゃできないことですから、農業者にとっては極めて負担だというふうに考えます。
そう思うと、決してこれは規制緩和でよりやりやすくなるという方向じゃなくて、なかなかやりづらい面があるのかなと。もう少し、従来のこの現行の中の一番左側の「囲いわな」のところで、プラスアルファの何かをつけ加えることができるようなことがあれば、そういうことをやっていただいたほうがよっぽど規制緩和になるのではないかなという感じがいたします。

【事務局】 ありがとうございます。
確かに、規制緩和なのかどうなのかわかりにくいという、それが本当に捕獲を促進をするかどうかがわかりにくいというようなご指摘ですけれども、先ほど、まず団体のほうで捕獲事業者の認定の話でいきますと、やはり夜間の捕獲というのは、軽々に、簡単に誰でもやれるという状況にするということは求められていない、やはり怖い部分があると思います。かつ、鳥獣保護管理という観点でいっても、あまり簡単にそういうところを認めていくことによって、その後、捕獲がしにくくなる。スレジカができてしまって捕獲がしにくくなるといったようなこともあるので、そこはしっかりときちんと技術を持っている者に認める。彼らが実績を積んでいくことになれば、そこの仕事は増えていくということで、事業者がしっかり育っていくのではないかということが、現時点での考え方でございます。
その規制緩和の中身をどうするかというようなところは、まだまだ議論の余地があるかと思います。
それから、実施隊に新たに規制をかけるということは全く考えておりませんで、例えば実施隊、基本的には市町村の職員、準公務員という形になっているかと思いますけれども、それに加えて民間の会社も育てていくということで考えております。今までの規制が強化されるというようなことは想定をしておりません。
それから、免許を持たせることになると、結局農業者に対して負担を強いるということになるのではないかということですけれども、まだ実態は十分把握はできていませんけれども、一番左側の「囲いわな」で、狩猟免許不要、許可不要で報告義務なしということでは、あまり活用されていないと聞いています。やはりそこは、とめさしをどうするかというようなことですとか、技術がないとなかなかこの規定があっても活用がされていないというような状況のようですので、そこは技術を求めた上で幅を広げていくという考え方もあるのではないかということで、追加で今回は提示をしております。
いずれにしても、少しまだまだ整理が必要ですので、今日いただいたご意見も踏まえて、引き続き検討させていただきたいと思っております。

【石井委員長】 他にはいかがでしょうか。

【尾崎委員】 4ページの今の、わなの話ですが、「囲いわな」は現行認められているということですけれども、それをわな猟全般に広げられるということですね、これはね。
鳥では多分該当しないとは思いますが、わな猟を全般にしたときに、多分、混獲して死亡してしまうようなリスクを背負う動物が出てくるかなという気がするんですが、その辺のご検討はどうなんでしょうか。

【事務局】 そこは、捕獲技術者という資格を持っていただくことで、その対応方法についてもしっかり技術や知識を持っていただいて、これに取り組んでいただくというイメージです。そういうリスクは、狩猟自体にもあると思うんですよね。狩猟期間であれば、わな免許を持っている方、今の免許を持っている方は、通年ではないですけれども捕獲ができることになっている。それには当然混獲のリスクというのは出てきていますので、それと同じような状況が、農林業者が自分の地域内でやる場合には通年になりますということなので、技術としては狩猟と同じ扱い、今の現時点での狩猟と同じような技術を持っていただいているという状況なので、そこは何とか対処していただけるのではないかなということなんですけど。

【尾崎委員】 すみません。具体的にその「囲いわな」以外のわなは、何を想定されて、ここに書いてあるんでしょうか。

【事務局】 「くくりわな」、「箱わな」ですね。

【尾崎委員】 ですから、「くくりわな」だと、混獲したときに被害が、「囲いわな」に比べると大きいと思うんですよね。ですから、現状と大分違ってくるのではないでしょうか。

【事務局】 現状の狩猟と同じだということですね。現在の狩猟では「くくりわな」ももちろん認めていますし、もちろんその中に規制も、狩猟の中に規制はありますので、それを適用するようなことは、もちろん必要だと思いますけれども。

【石井委員長】 そろそろ、時間も大分回ってしまったので、今回の議論をまとめたいと思います。
基本的に現在の狩猟免許制度で、それを何かいろいろ、あの手この手で違った目的のために用いているということですけれども、それだけでは、もう、明らかに対応し切れないので、新しい免許制度なり仕組みを考えなければいけないということで、ただ、具体的にどうするかというのは、いろいろ議論が、ご意見が出て、とてもまとめ切れませんので、今日、いただいたご意見を踏まえて、もう一度整理していただくということになるかと思います。
ということで、今日は、この辺りで終わりたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。

(異議なし)

【石井委員長】 それでは、以上で本日の鳥獣保護管理のあり方検討小委員会の議事は、終了したいと思います。
ご協力ありがとうございます。あと、事務局、お願いします。

【事務局】 委員の皆様には、本日は熱心なご議論、ありがとうございました。
次回の小委員会ですが、9月10日(火)、15時より行いたいと思いますので、ご出席のほう、よろしくお願いいたします。
なお、本日の資料についてですが、お持ち帰りいただいても構いません。次回、ご持参いただくことは不要でございます。ご不要の方は、机の上に置いていただければ、次回、ドッチファイルにとじて用意いたしますの。今後の小委員会の資料も順次追加していきますので、ドッチファイルは机の上に置いたままでお帰りください。
本日は、どうもありがとうございました。これをもちまして、委員会を閉会いたしたいと思います。