中央環境審議会自然環境部会自然公園のあり方検討小委員会(第10回)議事要旨

開催日時

平成21年2月5日(木)

開催場所

経済産業省別館会議室

議題

  1. パブリックコメントの実施結果
  2. 中央環境審議会自然環境部会自然公園のあり方検討小委員会報告書案に対する意見の要旨と
    対応の考え方
  3. 自然公園法の施行状況等を踏まえた今後講ずべき必要な措置について

議事経過

  • パブリックコメントの実施結果等を踏まえて報告書案の検討を行った。なお、主要な発言は以下のとおりである。

○委員 「生態系ネットワーク」の用語解説が分かりにくい。

○委員 全般的にはこれで結構かと思う。1つ外来種に関して、のり面緑化等に使用する広葉樹の種子は、日本の植物名前を使っているが現在ほとんど輸入種子ではないか、そういうものを一体この中でどういう処理をしていくのか、私自身は国産種子をしっかりつくっていく努力をすればいいとは理解しているが。それから、国立公園が農林漁業者、特に山村の農業者あるいは林業者からじゃま者扱いされないためにも、理解を深めるための調整をしっかりやっておいていただきたい。白神に関しても、地域の方々の森林利用が妨げられることなく、適切な利用であれば残し、不適切なものはしっかりと管理することを、けじめをつけてやっていただきたい。

○委員 海域の部分については非常によく書かれている。1つ、自然公園をこれから生物多様性も含めて維持していく上で重要なこととして、モニタリングの問題がある。この位置づけを何らかの形できちっと整理しておく必要がある。

○事務局 「生態系ネットワーク」の解説は工夫したい。のり面緑化の件は、国立公園でののり面の緑化のあり方の検討を進めている。既存の計画との調整とか地域住民への理解の確保等についてはきちっとやっていきたい。また、この答申案には、モニタリングについて強く打ち出していただいており、これを基に、さまざまな関係者との協力等に取り組んでいきたい。

○委員 「国土レベルの生態系ネットワークの形成」、「我が国の生物多様性保全の屋台骨」、「浅海域の生物の養育場と生活領域のネットワーク」、「熱帯魚、サンゴ、海藻等」、「本来の生息・生育地とは異なる動植物の放出」について、それぞれ説明して欲しい。

○委員 地球温暖化の課題についての措置が分かりにくい。

○委員 海岸の漂着ゴミについて、特に重要なのは近隣諸国との共同だと思う。公園法の対策の中ではないかもしれないが、近隣諸国も含めて、そういう運動を盛り上げていただきたい。

○委員 風致景観の阻害要因対策について、具体的にどのような対策を用意しているのか。

○事務局 「国土レベルの生態系ネットワークの形成」は第三次生物多様性国家戦略で指摘されている生態系ネットワークの形成を促進を、全国レベル、広域圏、都道府県、市町村など、それぞれのレベルで対応していくことが必要とされていることを踏まえたもの。「我が国の生物多様性保全の屋台骨として」は生物多様性国家戦略においてその旨指摘されていることを踏まえたもの。「浅海域の生物の養育場と生活領域のネットワーク」は、養育場と生活領域は、いわゆる発生の場所とそれが育つ場所という意味で、審議会でいただいたご意見を踏まえた記述。「熱帯魚、サンゴ、海藻等」は自然公園法における海中公園の表現。「本来の生息・生育地とは異なる動植物の放出」は審議会でのご説明でも使わせていただいている。次に、地球温暖化の件は中長期的課題への対応(生態系ネットワークの構築、地球温暖化対策)という形で記述している。また、漂流・漂着ゴミの発生源の件については他部局とも連携しながら取り組みを進めていく必要があるのではないかと考えている。最後に、風致景観の阻害要因対策については、こうした事態が発生しないように、まず事業者の責任においてきちんと廃屋等を撤去するよう指導を進めていくことが必要。

○委員 「生態系ネットワーク」については、海と川のつながりを重視しようといった意味が含まれており、その意味もここで出していただけるともう少しわかりやすくなるかと思う。「浅海域の生物の養育場と生活領域のネットワーク」は表現上の工夫が必要。「放出」という言葉には何となく違和感を覚える。

○委員 最初の委員会で提示された課題に対して、この答申案は、その答えは一応きちっと出されていると評価する。問題は、今すぐの問題もあるし、中長期の問題も入っているので、直ちに成果が出る問題としばらく時間をかけていかなければならない問題が入っていること。したがって、書き方がある程度バラけているのは確かだが、この答申に基づいて、いずれにしても、法改正をきちっとやっていただきたい。それから、改正にならないような事項の具体化も進めていただきたい。我々としては、それをしっかりとモニタリングしていきたい。

○事務局 用語の選択、表現振りについては、これはこれまでの議論も踏まえたものとさせていただいている。一般的な説明等につきましては十分留意して対応していきたい。法改正や運用面で具体化するものについてもしっかり対応していきたい。

○委員 「生活領域」の前に「一生を通した」というような形で書き加えることによって、この言葉の意味が通ずるようになるかと思うので、案として提案する。

  • 他に質疑等なし。今回の意見を踏まえて、委員長と事務局で必要な修正を行った上、答申とすることが了承された。