中央環境審議会 自然環境部会 自然公園等小委員会(第30回)議事録
1.開催日時
平成27年6月29日(月)10:00~12:00
2.開催場所
環境省第二・三会議室(19階)
3.議題
1.開会
2.議事
- (1)国立公園の公園計画の変更について【諮問】
・富士箱根伊豆国立公園(伊豆半島地域)
- (2)国立公園事業の決定、廃止及び変更について【諮問】
- ・支笏洞爺国立公園
- ・三陸復興国立公園
- ・磐梯朝日国立公園
- ・上信越高原国立公園
- ・秩父多摩甲斐国立公園
- ・富士箱根伊豆国立公園
- ・中部山岳国立公園
- ・妙高戸隠連山国立公園
- ・吉野熊野国立公園
- ・大山隠岐国立公園
- ・西海国立公園
- ・雲仙天草国立公園
- ・阿蘇くじゅう国立公園
- ・慶良間諸島国立公園
3.閉会
4.議事録
午前10時00分 開会
○司会:おはようございます。それでは、定刻になりましたので、中央環境審議会自然環境部会自然公園等小委員会を始めさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
本日の出席委員数について、ご報告させていただきます。所属の18委員のうち、本日は14名の委員のご出席をいただいておりますので、本委員会は成立しております。
続きまして、お手元にお配りしております資料については、配付資料の一覧のとおりになっておりますが、ご確認をお願いいたします。議事(1)関係でございますが、資料1-1から参考資料1-4まで、そのほか附属資料といたしまして、資料1-1別添がございます。続きまして、議事(2)関係でございますが、資料2-1から資料2-3まで、そのほか別添の資料2-1というものになります。もし配付漏れ等ございましたら、事務局のほうにお申し出いただければ、可及的にご配付させていただきたいと思います。
それでは、まず初めに、自然環境局長の塚本よりご挨拶させていただきます。
○自然環境局長:皆さん、おはようございます。お忙しい中、お集まりいただきまして、どうもありがとうございます。ちょっと暑くなりつつありますけれども、日頃から自然環境行政にご理解とご協力を賜りまして、ありがとうございます。この場をお借りして、改めてお礼申し上げたいと思います。本当にどうもありがとうございます。
2月に審議会の委員の改選がございましたが、実質的にはメンバーに変更はありませんでしたので、引き続き、是非ご協力をよろしくお願いしたいと思います。
本日の議事は、議事次第に書いてありますけれども、私の方から、最近の自然環境局に関係する話題をお話ししたいと思います。一つは、ライチョウでございます。新聞とかNHKでもやっていましたけれども、今年、乗鞍で卵を10個、自然に産まれたものをとりまして、富山のファミリーパークに五つ、上野の動物園に五つ持っていきまして、人工的にふ化をしておりました。昨日の夕方までの時点で、上野動物園は全てふ化し、順調に育っているとのことです。富山は、五つ中、三つふ化し、まだ二つは残っておりますが、ふ化したひなも順調ですし、まだふ化していないものも順調に生育しているだろうというふうに想像をしております。絶滅危惧種ですので、これから上手に管理し、域外・域内保全も上手くできればいいなと思っております。
それから、トキでございますけれども、今年はちょっと少なかったのですが、8ペアから16羽のひなが巣立ちました。現時点で野生下で145羽、ちゃんと確認はできていないものもありますけれども、数としては145羽巣立っております。
それから、もう一つは、噴火でございます。口永良部島が噴火いたしまして、今、警戒後で立入制限をされておりますけれども、あそこは屋久島国立公園の区域でございまして、噴火レベル5が口永良部島、それから、噴火レベル3の桜島がありますが、これももちろん霧島錦江湾国立公園の中でございます。噴火レベルの2は全部で八つありますけれども、そのうち六つが国立公園の中でございまして、我々には、シェルターを造って欲しいとか、何とかして欲しいとか、色々要望があるのですが、できるところとできないところを峻別しながら、ソフトの部分も含めて実際の被害が出ないように、これからもやっていきたいと思っています。審議会の先生方にご報告あるいはご相談をしながらやることになるのかもしれませんが、これにつきましても、是非ご協力をお願いしたいと思います。
本日は、議題がたくさんございますけれども、審議の程、どうぞよろしくお願いいたします。
○司会:それでは、これよりの議事進行につきましては、下村小委員長のほうにお願いいたします。下村小委員長、よろしくお願いします。
○下村小委員長:皆さん、おはようございます。今年度は、委員会の開催が比較的少なく、今年度はこれが最初になるということですね。委員のメンバー、今、局長からのご紹介のとおり、変わっていないということですので、委員相互の挨拶はあまりなく、事務局のほうが若干変わられたようで、初めてお会いする方もいらっしゃったかと思います。今期もまたよろしくお願いいたします。
それで、今日は、ご紹介があったように非常に案件も多いので、早速議事を進めて、12時までに何とか終わらせて参りたいと考えております。
本日の委員会は公開で行いますので、報道関係者や傍聴の方も同席をしておられます。会議録は後ほど事務局で作成いたしまして、本日ご出席の委員の了承をいただいたうえで公開することになります。それと、議事要旨につきましては、事務局で作成したものを私、委員長が了承したうえで公開することになっておりますので、この点ご了解を願いたいと思います。会議資料につきましても公開となるということをご了解いただければと思います。
それでは、最初の議題から進めて参りたいと思います。国立公園の公園計画の変更について、事務局からご説明をお願いいたします。
○事務局(小林):よろしくお願いいたします。国立公園課計画係長の小林です。座って説明させていただきます。
それでは、議事(1)富士箱根伊豆国立公園(伊豆半島地域)の公園計画の変更についてご説明させていただきます。お手元の資料は1-3になります。
まず、富士箱根伊豆国立公園の概要について、簡単にご説明いたします。本国立公園は、昭和11年に富士山と箱根の地域を指定し、富士箱根国立公園として誕生いたしました。その後、昭和30年に伊豆半島地域を編入し、富士箱根伊豆国立公園に名称変更をいたしております。面積等については、記載のとおりでございます。
本公園の風景形式でございますが、火山孤峰、火山カルデラ、半島・列島景観となっております。今回の変更の対象となっております伊豆半島地域は、海底火山などがプレートの移動により、本州に衝突することで形成されました。複雑な地形の山稜と、海食崖、砂浜、岩石海岸など多様な地質及び形体の海岸を有していることが特徴となっております。
観光道路の沿線を中心に、山沿いや海沿いの帯状の地域を国立公園として指定しております。
これまでの富士箱根伊豆国立公園の見直しの状況になります。指定以降、昭和56、58年に全般的な見直し(再検討)を実施しております。それ以降、これまで3回点検を実施しています。今回は第4次点検になりまして、利用施設計画の見直しを実施いたします。
今般、この第4次の点検に至った背景についてご説明させていただきます。伊豆半島地域の利用施設計画でございますが、主に自動車などの陸上交通により移動しながら、利用拠点において、温泉や自然探勝、海水浴などを楽しむ計画になっております。
富士箱根伊豆国立公園の利用者数というのは近年増加傾向でございまして、また、平成25年に富士山が世界文化遺産に登録されたことをきっかけに、富士山を海越しに眺めることができる伊豆半島西海岸の展望景勝地の利用ニーズも向上していると考えられます。
以上のような動向を踏まえまして、今般、静岡県及び関係市町村などに事前の意見聴取も行いつつ、利用施設計画の見直しを実施いたしました。
その結果でございますが、今回の見直しの結果、宿舎計画の追加を考えております。伊豆半島西側の真ん中ぐらいのところに小下田地区というのがございます。この小下田地区に位置する恋人岬というところは、写真にもございますが、富士山の眺望が優れていることから、近年、利用者が増加傾向でございます。平成25年は16万人、26年が17万人、27年については、今のところ、月別で見た場合、平成26年より増えている傾向がございます。
この小下田地区につきまして、現在、道路計画、歩道計画、園地計画はございますが、ここに新たに宿舎計画を追加することによって、既存の利用施設計画と相まって、本地区の利用拠点の強化を図ることが期待できます。これは、先ほどご説明しましたが、伊豆地域の利用施設計画の形態が、自動車などの陸上交通でめぐりながら、興味ポイントの利用拠点において自然探勝などを楽しむことになっておりますので、そういった計画の方針に沿うものとも考えております。
以上のことから、今般の変更につきましては、この小下田地区に宿舎計画を追加いたします。
なお、この宿舎につきましては、次の議題の公園事業の決定等において、具体的な規模、そういったものについてご審議いただく予定ですので、そちらについても、どうぞよろしくお願いいたします。
また、前回の部会で桜井先生より、「海域を公園に指定する場合については、常に海底地形を入れるべき」旨のご意見をいただいておりました。今回のこの伊豆地域の変更につきましては、陸域の利用施設計画の変更のみですので、海域の地形情報は掲載しておりません。
なお、現在、関係機関と調整中の吉野熊野国立公園の変更の際には、こちらは海域の拡張も予定しておりますので、海域の地形図も掲載していく予定でございます。
以上です。ありがとうございました。
○下村小委員長:説明ありがとうございました。
富士箱根伊豆国立公園の利用施設計画に関わる計画変更の案件でございます。いかがでしょうか、ご質問ございますでしょうか。できるだけ時間短縮する上で、質問をまとめて行って、まとめて事務局からお答えいただくという形にしたいと思いますので、ご質問があるようでしたら、名札を立てていただいて、順次ご質問をいただきたいと思います。何かご質問あるいはご意見等ございますでしょうか。この件につきましては、特によろしゅうございますか。後ほど公園事業のところでも具体的な案は出て参ると思います。よろしゅうございますでしょうか。
(了承)
○下村小委員長:それでは、国立公園の公園計画の変更について、適当と認めることとしたいと思います。どうもありがとうございました。
それでは、続きまして、二つ目の議題でございます。国立公園事業の決定、廃止及び変更について、こちらは非常に件数が多いので、前半と後半に分けて進めていきたいと思います。途中の吉野熊野国立公園から後半に参っていきたいと思います。
まず、前半につきまして、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局(田村):おはようございます。公園課の田村と申します。本日はよろしくお願いします。
公園事業の関係ですけれども、今回皆様方に検討していただく案件は、支笏洞爺国立公園などの14国立公園におきまして、計211件の公園事業の決定・廃止・変更を検討していただくものになります。多くが妙高戸隠の指定に伴うもので、約190件になります。本日はこのような案件をご検討いただくことになりますので、よろしくお願いします。
○事務局(新田):事業係長の新田と申します。今回詳細な説明をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
国立公園事業の決定・廃止・変更案件に関する説明資料をご覧ください。また、今回、案件が多いのですが、全案件にナンバリングがしてありまして、説明資料の右上に数字と件名が記載してあります。その番号は、お手元にお配りしております資料2-1、厚い資料の決定書と決定図面にも統一してナンバリングしてございますので、あわせてご参照いただければと思います。
それでは、説明させていただきます。
まず、妙高戸隠連山国立公園の分離独立に伴う整理についてでございます。元々、上信越高原国立公園の東部地域、西部地域とされていたところの西部地域でございまして、こちらが今年の3月27日に分離独立いたしました。このため、上信越高原国立公園にあった公園事業を一旦廃止しまして、新たに妙高戸隠連山国立公園の事業として決定するものでございます。
上信越高原国立公園としては98件の公園事業がありまして、これを一旦廃止しますが、このうち変更1件としております中部北陸自然歩道につきましては、上信越高原国立公園側にも中部北陸自然歩道は残りますので、妙高戸隠地域のほうを削除するという扱いとし、唯一変更という形になっております。少しわかりにくいですが、このような整理になっております。
このように、98件を一旦削除、廃止した上で、妙高戸隠連山国立公園としましては、今後整備予定なしとして、単純に廃止するもの4件、内容の変更なくスライドするもの84件、そして、これまで上信越では単独施設であったものについて、集団施設地区利用施設計画に位置づけられました新規集団施設地区の中の事業として改めて決定するもの5件、中部北陸自然歩道として決定するもの1件、全く新たな国立公園の利用施設計画に基づく公園事業決定が4件という扱いになります。
なお、統合4件として消してあるものですが、こちらは、まず単独施設から集団施設地区への振替というところに書いております。下線部の戸隠越水・戸隠中社・宝光社宿舎という三つの宿舎が一つの戸隠宿舎に集約されたことによる減、そして、右の中部北陸自然歩道への振替として、2本の歩道が中部北陸自然歩道に統合されたことによる2の減、合計で4の減となっております。このため、妙高戸隠連山国立公園としては94件の事業決定となっておりますので、ご承知おきいただきたいと思います。
それでは、内容の説明をさせていただきます。
まず、妙高戸隠連山国立公園の新規決定案件について説明させていただきます。1件目は弥勒新道線道路(歩道)でございます。こちらは長野県側にございます黒姫山の南西に位置する歩道でありまして、日本百名山の高妻山へ登る、比較的新しいルートでございます。元々、地元の方しか利用していなかったルートを高妻山への登山者が近年増えているということで、新たに長野市で管理をすることになりまして、新たに事業決定するものであります。ダケカンバやブナやネズコの林となっておりますが、貴重な高山植物等はなく、展望を楽しむ、また、トレッキングを楽しむというような立地になっております。黒姫山や飯縄山方面の眺望に優れた歩道でございます。
内容としましては、既存施設の把握ということで、既存の歩道には、既に長野市によって看板等が整備されておりますが、そういったものをより体系的に整備していくものでございます。
続きまして、2件目、天狗原奥西山線道路(歩道)の決定でございます。こちらも先ほどと同様に長野県長野市にございます歩道であります。観光拠点である奥裾花自然園という公園外の公園がございまして、こちらが登山口になっております。こちら、年間1.8万人の来園者がありますが、そのうち数千人程度がこの歩道に入っていると考えられています。
こちらは初夏のミズバショウ観察や秋の紅葉狩りなどが主体となっておりまして、時期が集中しておりますが、軽登山が盛んになって利用者が増加傾向であることから、通年の利用を目指して、新たな地域資源として活用するものであります。
こちらもダケカンバ、ヤマハンノキ、ネワガリダケ等で、貴重な高山植物等はございませんが、戸隠連峰の西斜面、北アルプス方面の展望など眺望が優れており、また、トレッキングに良い歩道ですので、長野市として整備をしていくものでございます。
整備内容は、先ほどの弥勒新道と同様、既存施設の把握でございまして、今後長野市によって定期的な草刈り払いや、簡易な標識の整備を行っていく予定でございます。
以上、歩道2本でございました。
続きまして、新潟県側に移ります。赤倉山南麓園地の決定でございます。区域面積は3.0haほどです。これまで杉野沢スキー場という人気のスキー場があり、そこにスキー用のゴンドラがございました。そちらを赤倉山南麓線の索道施設に位置づけ、その上にある園地として整備するものでございます。
妙高山の南東方向で、標高は1,500m程度、山頂部が湿地帯になっており、一帯にミズバショウが咲くような、とても恵まれた環境にあります。背後に赤倉山の岩壁を望見することができ、好天時には富士山も望むことができる好立地でございます。こちらの湿地帯を新たな地域資源として、多くの方に紹介していきたいという妙高市の考えから、決定するものでございます。
整備の内容は、歩道の整備、木道の整備という内容になっておりますが、こちらの図、水色の部分が湿地帯になっておりまして、その周りが乾燥した樹林、燥林になっております。この中で、湿原部を避けて、新たな改変、原則湿地を避け、支障木の伐採、切盛をなくして、チップ敷きと木製の木道で歩道を配置するものです。一部木道区間がありますが、これについても十分に植生に配慮して施工される予定でございます。
なお、想定の滞留人数は、1時間当たり200人程度を想定しておりまして、オーバーユースの心配はない、キャパシティ十分ということで計画されております。
続きまして、この園地を利用するための赤倉山南麓線索道運送施設についてでございます。これは既設のゴンドラですが、トレッキング利用者の利便性向上、先ほどの園地へ向かう方のために、冬季のスキー利用に加えて、夏期の冷涼な高標高域へ誘導するための索道として位置付けるものでございます。これまで冬だけに限っていたものの、新たな利用形態でございます。
内容は、既存施設を公園事業として位置付けするものでございまして、写真にあるゴンドラと山頂の駅がございます。ゴンドラは8人乗りで、斜距離で3.1km程度、最大輸送量は3,000人となっております。搬器数は112台、この8月からオープンする予定でございまして、利用見込は8月で6,320人となっております。
以上が、新潟県側の赤倉山の事業でございました。
続きまして、集団施設地区2件についてご説明させていただきます。
まず、いもり池集団施設地区の2件についてでございます。こちらは、かつて池ノ平という園地、池ノ平園地、池ノ平博物展示施設という単独施設でございましたが、公園の分離独立に伴い、妙高戸隠連山の集団施設地区として、いもり池集団施設地区が計画されました。そちらに妙高戸隠連山国立公園のエントランスとしてビジターセンター等拠点施設がありますので、そこを拠点の集団施設地区として新たに設置するものです。
いもり池での自然探勝や山麓域のトレッキングということで、妙高山の展望などを楽しむことができます。また、周辺では冬季のスキー利用も盛んで、年間で85万人程度の利用があります。集団施設地区の利用者数としては、1年間でおよそ50万人程度となっております。周辺はシラカバの林や、ミズバショウ、ミツガシワなどの湿生植物となっております。
内容としては、全て既存施設を公園事業として位置付けするものでございまして、園地とビジターセンターに係る施設、妙高市と新潟県の管理する施設でございます。左の大きな写真が妙高高原ビジターセンターでして、周辺の管理であるとか、様々な活動の拠点としても期待される施設であります。また、芝生広場や遊歩道、休憩舎等が適切に配備されておりまして、利用者に憩いの空間を提供しております。
続きまして、南側、長野県の戸隠集団施設地区の3件でございます。こちらは元々単独施設として五つの事業があったものを三つの事業として集約するものでございます。構成としては、歩道と宿舎と駐車場になっております。戸隠の高妻山の南東の山麓に位置し、越水地区、中社地区、宝光社地区の三つの整備計画区に分かれております。北からでございます。北はミズナラ、ダケカンバ等の自然度の高い林になっておりまして、中社は宿舎等が多く整備された比較的開発されたエリア、利用の拠点でございます。そして、宝光社が神社を中心とした門前町として、文化的景観とあわせて楽しむ地区となっております。観光客の入込数としては1年間におよそ120万人程度、戸隠高原全体でございますが、そのような数字となっております。
内容としましては、既存施設を公園事業として位置付けするものでございまして、歩道としては長野市の管理する1.7km、踏み分け道の刈り払いや簡易な標識の整備を行う予定としております。
また、宿舎については、既にある民間の宿舎、かなり件数がございますが、現状のかつて上信越のときの執行規模で言うと、3,500人/日という数値になっております。
駐車場につきましても、既設のもの1.5haに、付帯の施設が幾つかというような構成になっております。
戸隠集団施設地区については、以上でございます。
最後に、単純廃止についてご説明させていただきます。こちらは事業決定をしたものの、その後、整備がなく、また、今後整備の予定もないことから、純粋に廃止するものでございます。ほぼ4件中3件は野尻湖の湖畔の施設でございまして、排水施設と水族館、そして、飯縄山の南麓にある宿舎の1件の4件でございます。こちらは単純廃止とさせていただきたいと思います。
以上が、妙高戸隠連山国立公園の分離独立に伴う整理のご説明でした。
続きまして、北から順番に各国立公園の案件について説明させていただきたいと思います。
1件目は、北海道支笏洞爺国立公園の札幌中山峠線道路(車道)でございます。番号は1番でございます。こちらは札幌の市街、北海道の中心であります札幌の中心部より、定山渓温泉、西のほうに行きまして、さらに洞爺湖、道南方面へと至る主要の道路という位置付けでございます。その先の薄別と地図上に書いてあるところから、南の中山峠というところが終点でございますが、この間は第1種特別地域にも指定されており、広大な自然林の中を通過する、森林景観を楽しむ道路となっており、エゾマツ、トドマツ、エゾイタヤ、ミズナラ等から成る針広混交林の植生となっております。
今回、変更に関わる部分は、その手前の定山渓温泉、丸がしてあるところ、そこの範囲が対象になっております。札幌中山峠線の抱える問題としましては、北海道開発局が整備、事業執行している路線で、札幌から定山渓温泉、洞爺湖、主要な路線でございますが、非常に交通量が多く、休日の日交通量が約3万台/日。そして、この混雑度が「2.56」とあります。この数値、下に混雑度ということで注釈をつけておりますが、「1.0」が交通容量とイーブン、ちょうどいっぱいという状態で、1.75以上で慢性的な渋滞という数値でございます。その数字が「2.56」ということで、深刻な状態となっており、対策が必要ということで、地元の交通対策協議会で長年議論されて参りました。
今後、さらに混雑が上昇傾向と予想されることから、休日の交通渋滞が著しいこと、また、交通混雑に起因する人身事故も毎年発生している、追突等の事故の割合が高いということで、対策が求められております。
左下が混雑の状態でございまして、特に市街地を中心に混雑しております。この幹線道路から温泉市街への沿道の出入りが多いと、その右左折に伴う渋滞が非常に多いということでございます。
具体的な変更の内容としては、これまで既に札幌側で車線の多い4車線であった部分、その4車線区間を延長するというものでございます。これまでは①の一番右端の始点、一ノ沢というところから、従前の②という2.5km地点までが4車線、14mでございましたが、それを定山渓温泉の向こう側、変更後の②’というところ、始点から5.3kmのところまで延伸しようというものでございます。これによって、渋滞の原因、先ほど申しましたとおり、定山渓温泉街における沿道の出入りが多いことでございますが、交通量の多い札幌市内から定山渓温泉の端までの区間が、これまで2車線であったところから全て4車線化されることから、混雑度が劇的に緩和されて、「0.51」まで改善するという内容になっております。
なお、今回の拡幅区間は、ほぼ都市計画決定区間である市街化区域になっておりまして、ほぼ普通地域になっております。
また、両端の部分が一部第2種特別地域で、沿道に林があるような場所もございますが、一部樹林がある部分についても自然度が低く、希少な野生生物等は生息生育していない市街的な区域であるということになっております。
以上、札幌中山峠線でございました。
続きまして、南に行きまして、東北の三陸復興国立公園の浄土ヶ浜道路(車道)でございます。浄土ヶ浜につきましては、三陸復興国立公園の拠点として中心的な場所となっておりまして、宮古の市内保護官の管轄区域でございます。国道45号から浄土ヶ浜に至る道路でありまして、浸食による特異な景観が特徴でございます。また、海岸近くにはアカマツ林、上部にはミズナラ林を中心とする広葉樹林といった自然構成となっております。三陸復興国立公園において最も利用者の多い場所でありまして、年間100万人程度が利用しております。
こちら、フィールドガイドとなっており、青色で囲まれているのが歩道区間でございまして、ここを歩行者が歩きます。右の図のPと書いてあるところに駐車場がありまして、そこから先、浄土ヶ浜レストハウスと書いてあるところまでは、利用者は歩いて向かいます。こちらもマイカー規制区間となっておりまして、車で通ることはできません。この中の拡幅区間0.8kmというところが今回の対象になります。なお、利用者数については、ビジターセンターが年間35万人程度となっております。
今回の内容は、歩車分離のための既存車道の拡幅であります。本車道は、公園利用者の散策ルートとしても使用されているのですが、歩車分離となっておらず、また、見通しも悪い道路でありますので、車両と利用者の接触の可能性があります。
また、先般の大震災の津波被害に象徴されますように、津波対策が非常に重要となっておりますが、津波の避難路としても指定されていることから、円滑な避難を可能とするため、十分な幅員を持った車道付帯の歩道の整備が必要とされています。そのため、これまで4mであった宮古市が執行している歩道について、4mの拡幅を行って8mとするために、決定規模の拡張を行うものでございます。これによって、森林内の快適な散策と津波時の円滑な避難を行うことができます。
続きまして、東北の2件目、磐梯朝日国立公園の志田浜宿舎の変更でございます。志田浜は、磐梯朝日の猪苗代湖北東岸に位置する浜でございます。北部は林床が管理されたアカマツ林やコナラ林、南部はホテルなどが密集した既開発エリアとなっております。志田浜の年間利用者数は約20万人となっております。
猪苗代湖全体の利用者数についてまずご説明させていただきますが、北岸に利用者が集中しておりまして、特に長浜の25万人が圧倒的、続いて、今回の志田浜20万人程度という形になっております。これは国道49号に近く、アクセスが良いためであります。
問題点は、風景鑑賞のための立ち寄りが主体で滞在時間が短いこと。また、廃屋が立ち並び、雰囲気が悪いということでございます。これを再活性化させようというのが今回の趣旨でございます。
変更内容としては、宿舎の再整備を行う。それに伴い、区域の拡張と宿泊者数の拡大を行うものでございます。事業地はホテル1軒、一番左のホテル、レークサイド磐光というところですが、この1軒以外は営業しておらず、湖畔に並ぶ土産物屋は全て閉鎖した廃墟でございます。これらは風致の支障が大きく、改善が必要です。また、北部の松林はパークゴルフ場ですが、利用はほとんどない状況でございます。ここに新たな事業者が一帯の土地建物を全て購入しまして、単一の事業者として一体に再整備するものでございます。
なお、これについては、福島のこどもに屋外の遊び場を提供する「ふくしまこどもプロジェクト」という名称で業者の方から地元自治体に提案がなされ、賛同されているところでございます。再整備によって廃墟群の撤去をすること。また、湖畔広場の整備でアクティビティーを提供することによって、より楽しめる志田浜をつくり上げるというものであります。
詳細な内容は、こちらの図面でございます。現状の下の決定規模の変更というところをご覧いただくと、4.0ha(300人)となっておりますが、これまでレークサイド磐光が執行していたのは、この1.67haの範囲でございました。なお、決定規模の区域線、これまではございませんので表示できておりませんが、これが新たな事業者によって、赤い範囲の6.9ha、拡張後の執行予定区域というところの範囲まで拡張します。こちらに宿泊施設であるとか、各種売店の類いを一体的に整備するとともに、一番東のところは林間広場という形で、松林の中を子どもたちが遊べるような形で、極力木を残して整備する運動場となっております。
ちなみに、第2種特別地域の境界内でありまして、黒い太線の外は公園外となっております。
続きまして、上信越高原国立公園のうち万座地域、これまで冒頭には妙高戸隠地域についてご説明いたしましたが、万座地域の案件についてのご説明です。高峰宿舎・高峰スキー場というものがございまして、浅間山の南麓に位置する施設でございます。上信越高原の中心である浅間山に隣接する場所であって、登山拠点となって近年利用者が増加しておりますが、特に秋の紅葉シーズン等、駐車場不足が課題になっております。さらに、最近、トレーニング用のランニングコースの整備計画もあることから、今後も利用者が増加していく見込であります。そのため、老朽化した既存宿舎を高峰スキー場の臨時駐車場内に建て替えをすることで、よりアクセスのよい場所に宿舎を引っ越すということ。また、駐車場の拡大として、これまで宿泊施設のあった場所にスキー場駐車場を設けるという形になっております。
形としましては、こちらが区域図でありますが、青い範囲がスキー場の区域、赤い範囲が宿舎の区域でございます。このうち、右にあります現宿舎と書いてあります区域、これが現状の宿舎の決定区域でありますが、これを北にあります赤いところに引っ越しまして、こちらに新たな宿舎を整備いたします。代わりに、これまで宿舎のあった区域に関しましては、跡地をスキー場駐車場として利用するということで、交換をするものです。
なお、今回の変更に伴って、宿舎が9.0haから3.3haになりますが、こちらの9.0ha、数値が間違っておりまして、改めて計測すると4.3ha程度しかないと実際にはなっております。そのため、これが3.3haでマイナス1、代わりにスキー場がプラス1ということになりまして、このような整理になっております。
以上が上信越高原でございました。
続きまして、関東、秩父多摩甲斐国立公園日の出山宿舎でございます。こちらは秩父多摩甲斐国立公園の東に位置し、東京都に属します。御岳山の東に位置する日の出山でございまして、ケーブルカーで登った後、首都圏自然歩道を歩いていく立地になっております。利用者は多く、ケーブルカーが48万人、首都圏自然歩道が27万人となっております。日の出山の山頂の利用者数としては19万人程度となっておりまして、御岳山や御岳神社への参拝、温泉利用等、また、関東平野を一望できる場所として親しまれております。
今回は、既存施設の宿舎として町営の山小屋を町が把握するものでございます。東雲山荘という山小屋がございまして、19人程度が泊まれる山小屋でございます。隣には日の出山園地という東京都が執行する園地がありまして、中継地点、また、展望地点として整備するものです。今後、老朽化した外壁等の改修を予定しております。
続きまして、富士箱根伊豆国立公園の案件2件になります。これは先ほど計画案件の方で説明いたしました利用施設の変更に伴う事業決定でございます。このうち、恋人岬園地については、既に利用施設計画がございましたが、続いて説明する小下田については、今回の計画とセットの案件になります。
まず、恋人岬園地について、計画でもご説明いたしましたが、伊豆半島の西側にあります西伊豆地域と呼ばれるところでございます。利用拠点としては、北から土肥、八木沢、小下田、恋人岬と並んでおりまして、土肥と八木沢にはこれまで宿舎がございました。ここで小下田に宿舎を設け、その一番南である恋人岬まで繋ごうというのが今回の趣旨でございます。
この恋人岬、元々利用者が多く、17万人程度の利用者が年間あります。最近増加傾向にございまして、益々注目される場所であります。富士山を眺めることができる優れた展望景勝地ということで、富士山の文化遺産登録後、益々場所のニーズが高まっております。また、西伊豆海岸における歩道を活用した利用の促進の観点からも注目される場所であります。風景としましては、右の写真のとおり、展望地と園路が整備されておりまして、小下田→土肥堂ヶ島線(歩道)→恋人岬園地という有機的な連携を目指すものであります。
詳細な図面としましては、北の小下田→土肥堂ヶ島線(歩道)、こちら、静岡県が執行している道路でございます。それを歩いて、海岸の風景を楽しみながら恋人岬園地まで歩いていくコースが一体として存在しております。廻り崎コースというふうになって、地元の観光協会のPRもなされております。
施設としましては、このように東西に長い園路が整備されておりまして、入り口の駐車場から園路が延び、小展望台、大展望台ということで、海岸を眺めることができます。
続きまして、小下田宿舎の方でございます。こちらについては、右にある宿舎整備の跡地、こちら、元々幼稚園があった跡地でございますが、ここにこれまで土肥地域で宿舎を整備していた業者が、ここに新たに拠点を整備しようというものでございます。先ほど申したとおり、土肥堂ヶ島線で南北に各地区を貫いております。先ほどもご説明しましたが、富士山の景観ニーズが高まっていることから、伊豆西海岸の展望景勝地として、新たに設定していくものでございます。海水浴や自然散策、伊豆半島の周遊の基地として位置付けられる宿舎になると期待されています。
今後、整備される予定の施設の図面をご紹介させていただきます。敷地面積としては6,100m2で、別棟建ての10室に管理棟というような構成になっておりまして、最大宿泊者数は40名と、かなりゆとりのある造りとなっております。比較的高級志向の造りでございますが、この宿舎以外にも、既存の宿舎、民宿等が散在しておりますので、それらをあわせて公園事業として位置付けすることで、小下田として一帯の宿舎地区を形成していきたいと考えております。先ほど示した図と同様ですが、繋ぐものをもう一度掲示させていただいております。
続きまして、中部山岳国立公園の2件についてご説明をさせていただきたいと思います。こちらは蓮華温泉から天狗山荘に至る歩道でございまして、有名な白馬岳を通過するルートでございます。これまでは真ん中の図面でございます蓮華温泉の始点から白馬大池までが決定区間でございましたが、これを南の天狗山荘というところまで延伸するものであります。白馬岳の利用者数としては年間4万人程度となっております。
今回の延伸の趣旨としては、トレッキング、登山として、より長い時間を楽しんでいただくための延伸でございますが、それに伴って、縦走者のための山岳トイレを天狗山荘に整備したいと考えております。こちら、白馬村村営の天狗山荘というものがございますが、右上にある写真のとおり、現行トイレは宿付帯のものとなっております。宿舎利用者以外は使いにくかったりする面もありますので、歩道付帯のものとして新たに整備するということで、歩道をここまで延長したいと考えております。長距離の縦走に伴い、ベースでの外便所の果たす役割は益々大きくなっていくことから、環境配慮型のトイレを整備し、環境も改善を期待するものであります。
続きまして、中部山岳の2件目、欅平園地、こちらは富山県の区域でございます。黒部峡谷鉄道として、公園事業として唯一の普通鉄道でございますが、これに乗っていく先の欅平の駅周辺の園地でございます。年間利用者数は約17万人となっておりまして、黒部周辺の拠点として、欅平・白馬岳道路(歩道)であったり、様々な歩道や施設と連結しております。ビジターセンターも整備されておりまして、直轄のビジターセンターを県が運営しております。
現在、利用者の増大に対応した拡張ということで、黒部市が、右の写真にあります宿舎の跡地を園地として整備するということと、安全対策のために環境省が落石工を実施する予定でございます。この部分に係る0.3haを今回拡張するものでございます。
以上、前半部についてご説明させていただきました。駆け足で恐縮でございます。
○下村小委員長:どうもありがとうございました。
北から8公園に関わる公園事業の案件でございます。各種ございますけれども、質問を一括してお受けして参りたいと思います。何かご質問ございますでしょうか。妙高戸隠連山に関しましては、主要な案件のみ、新規の決定の4件と、それから集団施設地区に関わる5件について、主な主体として説明をしていただいています。スライドに関しますものはもう必要ないだろうということで、ほぼ大きな変更のところについてご説明をいただいたというものです。いかがでしょうか。
それでは、まず佐々木委員からお願いします。
○佐々木委員:ちょっとわからないことがあるのでお聞きしたいのですが、最後の説明にありました中部山岳国立公園の山岳トイレの設置ですけど、趣旨は賛成で問題はないですけど、ちょっと関係がわからなくて。つまり、歩道を延長するということと、山岳トイレの整備というのは関係しているのでしょうか。つまり、歩道を延長することによって、トイレの設置の補助が出るとか、そういったことなのでしょうか。これが1点目で、2点目は、三陸の浄土ヶ浜の車道の拡幅ですが、これも利便性あるいは安全性を考えると、そのほうがいいのかなというふうに思うのですが、11ページの下ですね。ここ、非常に景色がいいところなのでしょうか。つまり、景観上の配慮、どうしても拡幅すると、その道路が他から見えてしまうとか、様々なことが起こると思うのですが、そういったことに対しての配慮というのはないのかなということが2点目です。
最後3点目ですが、これは要望ですけど、最初に出されました妙高戸隠連山国立公園、歩道の整備で公園外になっています奥裾花自然園、これは単なる私の意見ですが、ここまで拡幅、公園を広げることはできないのでしょうか。ここも結構いいところで、今改めて見たら国立公園に入っていないんだというふうに思ったので。単なるこれは私の意見です。以上です。
○下村小委員長:今の3点目は、どこを見ると一番わかりますか。
○佐々木委員:奥裾花自然園。
○事務局(新田):天狗原の2枚目です。
○下村小委員長:わかりました。
○事務局(新田):3ページ目でございます。
○下村小委員長:江﨑委員。
○江﨑委員:私は、4ページ目と5ページ目の案件ですけれども、これは多分二つは連動して動いているものと想像しているのですが、4ページ目の園地の木道とかの整備がされていて、こちらのものと、その隣の5ページ目の索道の運搬というのは、利用者からすると、繋がった利用になるのかなというふうに想像をしているのですが、4ページ目の木道は、1時間あたり200人の想定滞留人数ということで、キャパは十分ということで書いていただいていて、一方、索道は、毎時3,000人の輸送が可能ということになっていまして、それは最大で3,000人ということなので、スキー場の利用が多いのかなとは思うのですけど、実質この多くの方が来られると想定されるミズバショウの時期、初夏というか、それぐらいの時期というのは、どれぐらいをこの木道は想定していて、200人で十分というところの根拠を教えていただきたいなと思いました。
○下村小委員長:続きまして、敷田委員、お願いします。
○敷田委員:恋人岬の園地のことですけども、利用者数が増加しているというふうに説明をしていただきましたけど、ここ最近に整備した、このボードウオークがあると思うのですが、それはこの説明の中でいう大展望台と園路というふうに考えればいいのでしょうか。
○下村小委員長:よろしゅうございますか。それでは、事務局お願いします。
○事務局(新田):ご質問ありがとうございました。
まず、佐々木委員からご質問のありました案件、順番に回答させていただきたいと思います。まず、ページ数で申しますと、説明資料の19ページにあります中部山岳の後立山連峰でございます。こちらの歩道の延伸とトイレとの関係でございますが、これまで歩道としましては、利用計画はあれども、決定されておらず、管理者がいないという状態でございました。白馬大池までしか管理者がいないという状態でありました。
今回、これを白馬村で歩道を延伸しまして、その付帯としてトイレを整備するわけでございますが、この間の区間を国立公園の施設として公式に位置付けることによって、様々な補助金であるとか、そうしたものの対象になってきます。また、このトイレについても、今回新たに今年度からできました自然環境整備交付金の2分の1補助というものの対象になっておりますので、より環境配慮型の充実した快適な環境を提供することができると考えています。
2点目が浄土ヶ浜のほうでございます。こちらはページ戻りまして、11ページ目の写真がわかりやすいですが、拡幅されるものであり、アカマツ、ナラ等の広葉樹林帯となっておりまして、当然伐採に伴って樹林がなくなるわけですが、これらの改変に伴っては伐採必要最小限とし、盛り土も在来種によって修景していくということで、その後、既存のアカマツ林などの景観については、極力復元していく方向性であります。また、主要な展望地については、元々そこからの通景が必要な状態でありましたので、そのような状態で整備するものであります。当然重要な場所でありますので、実際の執行のとき、あるいは変更協議に当たっては、現場事務所含め、また、本省を含め、十分に調整をしていきたいと考えております。
最後の奥裾花の自然林が国立公園に入らないかという点について、ページとしては戻りまして、3ページ目でございますが、こちらについては計画案件になりますので、計画係のほうからお答えさせていただきたいと思います。
○事務局(浪花):国立公園課の浪花と申します。
奥裾花の編入につきまして、前回、妙高戸隠連山国立公園を分離する際の拡張候補地の一つとして、実はここも候補地に挙がっていまして、ミズバショウがきれいな、大変自然性の高いところということだったのですが、スケジュールの関係で間に合わず、断念したエリアでございます。
今回の話にありますとおり、歩道も一体性があるということですので、次回点検時に改めて地元の方と調整をして、編入の検討を進めていきたいと考えております。
○事務局(新田):説明戻りまして、また事業係から説明させていただきます。
続きまして、ご質問のありました赤倉の南山麓園地と索道についてでございますが、こちら、確かに完全に連結している事業でございます。今回、妙高市の新たな取り組みとして、プリンスホテルの執行する索道施設を夏も運用しまして、その間、夏にある夏期の風景、景観を北の園地で楽しんでいただきたいという趣旨でありますが、こちら、御指摘のとおり、3,000人の輸送量に対して、キャパシティ、想定する人数が200人ということでございますが、実際にはこの園地、200人以上歩いても大丈夫ですが、なぜ200人の想定かと申しますと、右下、5ページ目の下にあります利用見込みという利用計画を立てております。こちらが8月に28日間の運行をした場合の想定でありまして、これで大体1日当たり300人となっておりますので、十分な利用と受け入れ側の対応がとれているかと考えております。
今後の新たな取り組みでありますので、ここに利用者が殺到するということもにわかには考えにくいですが、今後の利用の状況を見据えて、適切な管理であるとか、保全のための利用の管理ということを考えていきたいと思います。
○事務局(田村):補足させていただきますが、赤倉のスキー場では、このゴンドラで、大体夏期の時に100人~200人の利用が記録されていますので、この利用者数を参考にして、200人ということを想定しております。
○事務局(新田):敷田委員からご質問のありました恋人岬園地についてでございますが、こちらの園路等につきましては、昭和50年代から、行為許可によって県知事権限だった時代から順次整備されたものでございまして、現在既存施設として残っているものを公園事業施設として位置付けするというものでございます。補足させていただきます。
○下村小委員長:それでは、今ご質問に答えていただきましたけど、よろしゅうございますでしょうか。どうぞ。
○敷田委員:回答ありがとうございました。最近整備された施設は非常に規模が大きいと思うのですが、この写真ですと景観とマッチしておりますが、その整備の際の議論、景観上の議論や、ここ、カップルの人に喜んでもらうのはいいと思うのですが、イベントも行われる場所なので、非常に人が集中する場所だと思います。その点について、この施設整備に関しての議論があったどうかを教えてください。
○事務局(新田):今回、既存施設を公園事業として位置付けするに当たって、新たな整備についての議論は特になく、既存の施設を活用して、西伊豆を活性化していこうという議論が中心でございました。
○下村小委員長:事前の整備の時にというご質問ですが。
○敷田委員:はい。説明だと小展望台、大展望台ですが、これ、一体化した大きい施設だと思うんですね、実際は。これを整備するときに議論はありましたか。非常に大きい施設が、この説明だと、園路があって、非常に収まり良く見えるのですが、実際は規模が大きいので景観上の議論があったかというのを聞きたいだけです。
○事務局(新田):県知事権限の頃に整備されたものでありますので、その議論については、申し訳ございませんが、現在踏襲しておりません。
○敷田委員:以前の整備だということですね。
○下村小委員長:そうですね。公園事業として今回設定するので、それ以前の整備だったということだったと。じゃあ、現地の方がおられるということですので。
○事務局(高橋):沼津自然保護官事務所の高橋と申します。よろしくお願いします。
恋人岬の施設につきましては、全て県知事権限で許可しておりまして、環境省権限でございませんので、県で景観とかを配慮、検討されて、整備されているというふうに承知しております。
○下村小委員長:そのお答えしかできないということのようです。
○国立公園課長:お答えになっていなくて申し訳ございませんが、今申し上げたとおりで、これは法定受託事務として都道府県にその権限を委任しておりまして、今の敷田先生のご質問に関しては、環境省として調整したというわけではないということでございます。
○下村小委員長:ほかに何かご質問ございますでしょうか。それでは、小泉武栄さん。
○小泉(武)委員:プリントの13ページのところで、志田浜宿舎というところですけれども、廃屋が増えてしまって、大変具合が悪いと。これは取り壊すことはもちろんよろしいと思うのですが、そこに福島の「ふくしまこどもプロジェクト」というものが関わると書いてあるのですが、そのプロジェクトの関わりをご紹介していただけるとありがたいのですが、お願いします。
○下村小委員長:ほかにご質問ございますか。
後半もありますので、まずはここで切って、お答えいただいた後、後半のご説明もいただいて、それで全体にという形にしたいと思います。
○事務局(新田):ただいま小泉委員からご指摘いただきました志田浜宿舎についてですが、こちらの「ふくしまこどもプロジェクト」は、今回新たに事業を執行しようとするゼビオという会社のものでございます。こちら、ご承知のとおり、スポーツメーカーでございまして、そういった運動をブランドとして扱っている会社でございます。こちらが土地一帯を購入して、新たにアクティビティーを主体にした施設を整備するという中の重要なコンセプトが、この「ふくしまこどもプロジェクト」であります。
この猪苗代湖ですが、福島県の中央よりわずかに西に位置しておりまして、いわゆる被災地域から若干ずれた場所でございます。そのため、放射能の影響もないとされている地域でありますので、東側の子どもたち、現在、外でそういった被ばくのおそれから、外で遊ばないようにしている子どもたちに安全な運動の場所を用意したいというのがこのコンセプトであります。そのため、単に廃墟を撤去して、宿舎を整備するのみならず、そういったのびのびと遊べる場所として、一つには、この志田浜の浜での遊び、そして、もう一つは、この林間広場での林の中での遊びというものを提供しようというものであります。そのため、夏の利用の繁忙期のみならず、冬の間も、各種、小・中・高校の運動合宿などを誘致して、こちらに宿泊してもらうというような計画になっております。
○下村小委員長:よろしゅうございますか。
それでは、後半の6公園もご説明いただいて、またご質問を受けるという進め方にしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○事務局(新田):それでは、後半、西日本の案件について説明させていただきます。
1件目、吉野熊野国立公園の通夜島園地でございます。区域としては、和歌山県南端にあります通夜島と呼ばれる島でございます。現在無人島でございまして、アクセスは渡船のみとなっております。周辺は起伏に富んだ海食崖など良好な海岸景観、島内は海岸林のシイ林となっております。北側にオオナガレハナサンゴの国内最大の群生地があって、ラムサール条約湿地としても登録されております。また、周辺はジオパークにも登録されております。年間利用者数として、現在は2,500人程度と少ないですが、大半は海釣り客となっています。
今回、この島につきまして、串本町が執行して整備をするものです。その内容としましては、自然体験のための園路、桟橋の整備となっておりまして、赤線が決定区域、その内側に緑線で園路を描いております。こちらを丸ごと自然体験の場として整備し、町の新たなメニューとして提供しようとするものです
主体としては、町のほか、観光協会、渡船業者、観光旅行の誘致協議会やジオガイドが主体となっておりまして、主な対象としては、小学校~高校の教育旅行を想定しております。既にやっております民泊事業と組み合わせて、シイ林を中心とした自然観察、ラムサール条約登録海域の学習であるとか、磯・地形を利用したジオパークの学習というものを地元の主体と一体となってやっていこうというものでございます。当初は日帰りで行っていく予定でありますが、計画やノウハウが熟していくにつれ、宿泊、つまり、キャンプ等も考えていきたいという計画になっております。
続きまして、大山隠岐国立公園の赤尾園地でございます。ページ数、21ページでございます。隠岐諸島地域のうち、東が隠岐島でございますが、西ノ島というところのさらに西の端にあります、こちらの摩天崖や国賀浜というところの南に位置する園地でございます。右上に国賀浜の海蝕景観と書いてありまして、非常に特徴的な景観になっております。この国賀浜を訪れる利用者数は2万4,000人となっておりまして、隠岐最大の観光地としてPRされております。国賀の中心として摩天崖や岩礁、洞門、洞穴などを一望できる唯一の場所がこの南の赤尾園地、南から北に向かって見通す立地でございます。
大型バスによる定期観光コースにも位置付けられておりまして、赤尾園地自体は年間1万人前後、北の国賀は2万4,000人、南の赤尾が1万人というような関係になっております。
この定期観光コースでございますが、このようなコースになっておりまして、本土と行き来する別府港が東の端にございます。そこから浦郷港というところに行きまして、その次に赤尾、そして、国賀浜、摩天崖と行って、浦郷に戻ってくるルートになっております。大体1時間40分のコースでありまして、春から秋にかけて運航しております。
こちら、施設の概要としましては、車道の行き止まりにロータリーがありまして、ここに車を停めます。その先に整備された展望園地がございまして、その先の展望台から、左にあります国賀の景観を見通すものでございます。
続きまして、九州の1件目の西海国立公園志々伎宮ノ浦線道路(車道)でございます。こちらは長崎県、左側の図の中央上に全体の区域図がありますが、長崎県本土から繋がる平戸の先にございます。志々伎宮ノ浦線と書いてある図をご覧いただくと、海岸沿いに走る道路、志々伎山というものが近くにございまして、この岬の先に向かう道路でございます。平戸大橋を渡って、最南端の宮ノ浦漁港までを繋ぐ、江戸時代以前からの生活・産業道路でございました。宮ノ浦漁港を発着点として沖釣りをする通過型利用が多数ということで、ほかにも志々伎山には年間2,000人程度の登山者があるというような場所でございます。交通量としては1日当たり900台程度となっております。周辺はアラカシやスダジイ主体の二次林となっておりまして、一部人工林がございます。また、周りは耕作地や休耕地になっております。
今回の変更の内容は、決定規模の変更ではなく、線形の変更でございます。黒い線が既存の道路の線形でございまして、集落を通るようなカーブの多い線形になっております。こちらを線形変更し緩やかな路線に直すとともに、トンネル区間を設けて整備するものです。
目的としましては、これまで集落を通るために見通しも悪く、利用上危険な区間となっていることから、あえて資金をかけて500mのトンネルで直線化するということで、壊変を押さえ、かつ安全な線形にするものであります。主体は長崎県でございます。周辺は戦後成立した二次林でございまして、風致景観上、自然環境上の支障を押さえて、問題ない造りにする計画となっております。
続きまして、九州の2件目が雲仙天草国立公園の雲仙温泉園地でございます。雲仙地域の中心部であります雲仙温泉集団施設地区の園地でございます。雲仙温泉そのものといってもいい園地でございまして、集団施設地区の利用者数としては142万人となっております。写真は八万地獄でございます。
雲仙岳の西南麓に位置しまして、絹笠山・矢岳の間にある中心部でございまして、雲仙地獄であったりとか、温泉街の散策、原生沼などを散策する利用が主体となっています。
ちょっとわかりにくいのですが、様々な主体によって園地が執行されておりまして、環境省も所管地を持っております。そちらで環境省が直轄の地獄の園地を執行するほか、長崎県によって公園やトイレが執行されたり、市によって園路が整備されたりしております。自然保護官事務所もこの区域にございます。
今回追加するのは、左の端にあります赤く塗られた部分でございまして、島原半島の東方向、北方向からのアクセスルートが集団施設地区に入る入り口に当たる部分でございます。こちら、元々左上にございますパークホテルというホテルが整備されておりましたが、それが撤去された跡地が残っておりました。こちら、外来種が生えてきたりして景観上良くないということで、雲仙市が土地を購入しまして、園地として再整備しようというものであります。
内容としましては、右の工事内容にありますように、温泉を活用した親水水路、足湯のようなものを設置しまして、そこを中心に植栽等を適宜配置しまして、休憩広場を整備するものです。また、景観改善のため、あわせて電中等の再整備も行う予定でございます。このように公園の利用者に対して、穏やかに休憩する場所として利用を促すという趣旨でございます。区域自体は0.1haの増となっております。
続きまして、九州の最後の3件目でございますが、阿蘇くじゅう国立公園の猪の瀬戸園地事業の決定でございます。阿蘇くじゅう国立公園は南の熊本県阿蘇山の阿蘇地域と、北の大分県のくじゅう地域に分かれておりまして、くじゅう地域のさらに北端にあります由布岳、鶴見岳のエリアでございます。別府市に近いエリアで、その由布岳と鶴見岳の間に猪の瀬湿原と呼ばれる中間湿原が広がっており、第1種特別地域に指定されております。元々湿原でしたが、野焼きによって維持された湿原が放棄によって乾燥化、樹林化が進行していたものを、この3年程度前から野焼きを地元の活動で再開し、湿原を再生しているところでございます。
中心部を観光道路「やまなみハイウェイ」が貫きまして、非常に交通量が多い場所となっており、一日の交通量、平日で2,578台となっております。直近にホテルがございまして、そこの宿泊数は4万5,000人程度、由布岳の登山は年間10万人以上が登る、利用の盛んな地域となっております。
こちら、猪の瀬戸湿原の34haを民間が所有しておりまして、近くにある遊園地を運営している会社ですが、そこの土地を地元のNPOと土地所有者が一体となって湿原再生と利用の活性化をしております。土地所有者と地元NPO等によって保全作業の道がありましたが、それを改良して自然散策路ということで、一般の観察会などを行っております。別府市を中心とした自然観察会で湿原の解説や保全の普及啓発等を実施しておりまして、サクラソウやオオキツネノカミソリ等の群落が再生活動によって復活しておりまして、保護と利用を推進し、また、普及啓発していく場所としても、今後、注目していける地区となっております。
最後、沖縄のほうに移りまして、4件ご説明して、終わらせていただきたいと思います。
慶良間諸島国立公園の阿嘉西海岸線道路でございます。歩道の決定ということで、路線距離1.9km、執行予定は座間味村でございます。
沖縄の慶良間諸島国立公園については、昨年の3月5日に指定されまして、1年強を迎えております。この中で、沖縄県(阿嘉島)に位置するのがこの道路でございまして、阿嘉集落から阿嘉島の西側にある海岸におりていく、海岸と森の中を歩くルートでございます。
近年、島内は徒歩やレンタサイクルなどで周遊する利用者が増えていることから、オフシーズンにも、つまり、泳げるシーズン以外にも観光客が散策できるような歩道を整備して、通年の利用を活性化していきたいというものであります。現状、歩道としての利用者はほとんどいないのですが、今回の整備によって観光道路として再整備していこうというものであり、村が一括交付金を活用して行うものであります。
写真をご覧いただくと、このような道になっておりまして、里道を通っていくものであります。最終的に海岸部が開けて、非常に気持ちのよい景観が広がっております。
既存歩道のルートに沿って整備するというもので、適宜、管渠工や集水升を用いて、歩道が維持しやすいように整備いたします。これによって、従来は地元住民しかアクセスしていなかった阿嘉西海岸へのアクセスを向上して、新たな利用拠点となり得る路線としていきたいと考えています。
続きまして、阿波連海岸園地の決定でございます。島としては東に行きました渡嘉敷で、慶良間諸島最大の有人島であります。その南側にあります阿波連海岸というところに位置する園地です。右の写真のとおり、非常にきれいな海が広がっております。
阿波連海岸の利用者数自体は、年間10万人程度という非常に多い数字となっております。民宿や食堂のほか、ダイビングショップ等が集まる地区で、そういった利用が盛んな場所です。ケラマブルーの海、サンゴ礁ということで、多島海景観を見るとともに、ダイビングをする客が多く訪れています。
こちらを地元渡嘉敷村によって執行しまして、既存の施設をもって園地を執行いたします。既存の施設としましては、写真にありますような展望台とダイビングプール、そして、海岸の諸施設がございます。慶良間諸島の中で最も利用者が多い場所の一つであって、夏季の海水浴、ダイビングなどの利用者でにぎわっております。
利用者が公園指定後も増加しているところですが、日帰りの海水浴客が増えたことで、サンゴの踏みつけや魚の餌付け、ウミガメの追い回し等、利用上の問題が発生しているという不幸な状況にもございます。そのため、公園事業として位置付けることで、国立公園の公式な場所である、施設であるということで、普及啓発、ルール、マナーの啓発をより一層強化していこうという趣旨もございます。
続きまして、古座間味園地でございます。同じ趣旨での決定でございまして、地元座間味村で行うものであります。島としては座間味島で、2番目に面積に多い有人島であります。利用者数としては、古座間味ビーチ、従前から4万5,000人程度、年間の利用者数がありまして、海水浴とシュノーケリングによる利用が盛んでございます。島南東の海岸沿いに広がる総延長700m程度のビーチを中心とした園地でありまして、対岸に島を望むことができます。ケラマブルーの海とサンゴ礁の海が広がっております。
こちらも既存施設の把握でございまして、展望デッキや売店、トイレ、駐車場といったものを公園事業として位置付けするということで、これも先ほどの園地と同様に、利用者数が増加しているということ、また、日帰り客が増えてきていることから、マナーの啓発、適正利用の一層の推進という趣旨で事業決定するというものでございます。
最後、阿真野営場の事業決定でございます。こちらも同じく座間味島でございます。普通地域の案件でございますが、公園事業として位置付けしたいと思います。座間味島については、利用者数が増加傾向にありまして、こちらの阿真野営場についても、24年度から毎年増えていっております。海を隔てて300mほど先に嘉比島や安慶名敷島を望むという立地になっておりまして、同様にきれいな海が広がってございます。海岸近くでアオウミガメ等のウミガメが頻繁に観察でき保護活動も盛んなビーチでございます。
こちらに立地しております野営場を把握するというものでございまして、内容としましては、写真に示すとおりでございます。テントサイトやコテージ、管理棟等がございまして、メーンのテントサイトについては、1日で大体130人程度が1年間の最大の数値となっております。繁忙期にはこの130人に加えて、コテージ6名×6棟の36名が満室となることで、大体の規模から今後も増加が想定されていることから、200名程度の決定規模を考えております。今後、利用者も毎年増加しておりますので、公園指定後、さらに増加していく見込みでございます。
以上、沖縄まで含めまして、全案件のご説明とさせていただきます。よろしくお願いいたします。
○下村小委員長:ありがとうございました。
それでは、まずは、今ご説明をいただいた6公園、9件の公園事業ですけれども、何かご質問あるいは懸念事項等ございましたら、ご発言をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
中静委員、それから敷田委員、それから深町委員の順でお願いをしたいと思います。
○中静委員:20ページの吉野熊野国立公園の通夜島でしたか、この整備ですけど、地図を見せていただくと、真ん中が畑のように見えますが、これは現在も畑として利用しているものなのでしょうかということと、先ほどの説明では、将来的にテントによる宿泊なども計画されているようだということですけど、その場合は、こういうところを利用するというような計画、それはまた別途出てくるということでしょうか。
○敷田委員:私も同じ通夜島ですけども、私は現地へ行ったことはないですけども、北側のサンゴと桟橋について、この二つの関係を教えていただけますか。
○下村小委員長:それでは、深町委員、その後、吉田委員、関委員と参りたいと思います。
○深町委員:次の21ページの赤尾園地の公園事業の決定の内容が、ちょっとわかりにくかったのですが、現在、ここの園地はどういう状況にあって、定期観光バスの話はあったのですけれども、それ以外にどういう形でこの園地というのが位置付けられて、利用されていくのかというところをもうちょっと具体的に教えてください。
○下村小委員長:吉田委員。
○吉田委員:23ページの上のところ、西海のところ、平戸のところですけれども、トンネルが完成するのにどれぐらいかかるのかというのをちょっと教えていただきたいのと、その後、旧道になるところはどういうふうに利用を考えられているのかと。これを見ると、限界集落同士を繋ぐところでトンネルを造るというので、どれほど効果があるのかなという気もするのですが、平戸も1カ所を文化遺産に登録されることが予定されていて、観光客も増えたりする可能性がありますので、今後、有効に活用できたらいいなというふうに考えております。質問になります。よろしくお願いします。
○下村小委員長:関委員。
○関委員:通夜島に私も戻ります。下のほうに「通夜島を丸ごと自然体験の場」と書いてあり、これ、少し詳しく聞かせていただきたいのですが、利用者からすると、すごくダイナミックに聞こえるのですが、今、園路があって、園路以外もどこを利用しても、入り込んでもいいのか、そういう考え方なのかどうか、今後そういう展開として、どこでも使っていいよというようなオープンな考え方で運営されるのかどうかということを少し教えていただければと思います。
○下村小委員長:それでは、宮本委員。
○宮本委員:26ページの慶良間諸島についてですけれども、かなり観光客が多くなってきているようですが、慶良間諸島全体では、国立公園になる前と後でどの程度変化しているのか、もし数値があれば教えていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○下村小委員長:じゃあ、桜井委員。
○桜井委員:ありがとうございます。慶良間ですけども、国立公園になったのですが、恐らく海岸の利用という点では、ウミガメの産卵場と、それから海水浴との関連、これは非常に難しい問題かと思いますけども、利用率が上がっておりますので、この辺どういう保全を考えていらっしゃるか、お願いします。
○下村小委員長:まずは、よろしゅうございますか。
それでは、事務局、お答えをお願いいたします。通夜島がかなり多かったですね、そこからお願いします。
○事務局(新田):まず、通夜島について、確かに既開発のように見える場所ですが、そこについては、かつて町から地上権を借り上げた個人が花卉園芸植物の苗畑として利用していたということで、現在は地上権も含めて町の土地として管理されて、特段の使用はされていない、無目的の町有地となっております。そこで、今後跡地については、教育旅行の中でのアクティビティーに使う程度の予定しかありませんが、キャンプ等を今後どうしていくかについては、まだそういうことも想定されているという段階であり、園地のままキャンプをするのが適切かどうかという議論もありますので、今後の実施状況を踏まえて、必要であれば、そういった計画の変更も含めて議論されていくと考えております。その点が中静委員からのご指摘でございました。
続いて、深町委員からご指摘のありました、赤尾園地がどういう状況で、どういった利用を促していくかということでございますが、これについては、ご説明が簡潔過ぎて申し訳ございません。22ページ目の図面が園地の詳細でございますが、取付道路のロータリーの先端に、へらのような形で展望台が延びております。決定区域はこの黒い太線でございまして、これが0.3haという整理になっております。なぜ、この周りも決定区域にするかというと、周りに拡がりがあり過ぎて、どんどん外に出ていってしまう危険性がありますので、ここから先には行かないでくださいというような注意の標識や、柵などを立てるとともに、この範囲内で楽しむことを周知するような看板を設置するということを想定しています。この場所から国賀の景観を見た上で、実際に国賀のほうに行って、歩道等を歩いていただくという、そういった利用を考えております。
続きまして、吉田委員から指摘のありましたトンネル、志々伎宮ノ浦線のトンネルのものでありますが、こちらの工事は、決定後に様々な測量等の準備をいたしまして、31年度に終了する予定として計画されております。限界集落等が多いので、そういった生活道路は今後残さなくてはならないので、バイパス主体となりつつも、ある程度一定の道路は残ると思いますが、原則使用されない廃道については、現況復旧ということで撤去し、緑化するということが西海地域の管理計画で定められております。
続きまして、関委員からご指摘のありました通夜島の園路の範囲でございます。園路については島を一周するような形になっておりますので、ここを実際に子どもたちがガイド等を伴いながら歩いていくということになります。基本的には桟橋がございまして、船を使わないと行けないので、計画的に訪れるという利用が前提になると思います。ですので、野放図に歩いたりというおそれはないかと考えております。
続いて、通夜島の案件につきまして、敷田委員からご指摘のありました桟橋とサンゴの関係ですが、サンゴについては、桟橋のある北岸から北に、具体的な数値は把握しておりませんが、北に離れていた地区に群落がございますので、桟橋自体が、そういったサンゴ礁であるとか、貴重な生態系を破壊するというおそれはございません。
また、施工の際には、実際に詳細な調査を行いまして、最も影響の少ない場所、かつ安全な場所という立地を選定するように、執行の協議を行いたいと思います。
○事務局(田村):慶良間の利用人数の関係ですけども、実際には、まだ指定されてから時は経っていませんので、正確な数字は集計されておりませんが、現地の自然保護官からの聞き取りで、関係者から聞いたところ、18万人~25万人に利用者がアップしているというのは聞いております。
ウミガメの関係ですが、ウミガメの保全の関係については、地域のほうでウミガメが上陸した跡を見ながら、そこの周りは使わないでくださいというような現地の保全をやっているというのを聞いております。
○下村小委員長:事務局からお答えをいただきました。かなり数も多かったので、処理も難しかったのかもしれませんが、お答え、ご懸念等はよろしゅうございますでしょうか。よろしいですか。
それでは、前半の部分、後ろを聞かれて、むしろ触発されて、前半も気になったというご意見もあろうかと思います。全体を通しまして、何かさらにご質問あるいはご懸念のことがございましたら、ご意見いただければと思います。いかがでしょうか。
じゃあ、まず、大黒委員お願いします。
○大黒委員:すみません、ちょっと先ほど聞き逃したのですが、支笏洞爺国立公園の道路の件ですけども、まず一つ、教えていただきたいのですが、10ページの混雑度が「0.51」に改善されるということですけども、これは実際にこの効果を事後にどのように評価されるのかということをお聞きしたいということと、それから、ここの場所で混雑が緩和されるということですけども、この混雑の緩和によって、この辺あまり地理的に不勉強でわからないのですが、この先のほうへの利用の集中といいますか、増加ということに関して何か配慮すべきことはないのかということをお聞かせいただきたいと思います。
○下村小委員長:ほかはよろしゅうございますか。じゃあ、まずその点につきまして、お答えをお願いします。
○事務局(新田):ご指摘ありがとうございました。今、大黒委員からご質問のありました事後評価についてですが、こちらの北海道開発局が行っております事業は、実際には、ここの道路の計画について、地元の県であるとか、市であるとか、官公であるとか、環境省は入っておりませんが、そういったところが入っている交通対策協議会という協議会で議論され、決定された計画がこのように協議されて参りました。そのため、今回事業決定に伴って工事がされた場合にも、今後この協議会において、事後の評価とフォローアップということがされていくものと考えております。
続いて、利用の集中がされるのではないかという懸念、確かに利用が便利になれば便利になるほど、そこに入り込む利用者数は増えてくることになるかと思いますが、今後、中山峠以降の第1種特別地域の区域に関しまして、利用の増加も、引き続きこの対策協議会で議論されていくことになると思いますが、今のところ、この利用というのが定山渓温泉までで集中しておりますので、その先に波及していくということは想定されておりません。それも想定の範囲でしかございませんので、実際にそういうことがある場合には、これらの協議会と当省等でも十分に調整を行って、対策を考えていきたいと考えております。
○下村小委員長:よろしゅうございますか。じゃあ、深町委員、追加でお願いします。
○深町委員:先ほどお尋ねした大山隠岐の国立公園の島で、たまたまレンタカーで回ったりして、この展望台にも行ったのですが、展望台に到達するまでにサインとかもほとんどなくて、行ってみても、本当にぽつっと展望台のようなものがあるだけで、例えば、この周りの景観がどうしてこのような草原が広がっているとか、他の公園には何カ所かあるのですが、国立公園全体として、何のための国立公園とか、ここから見るべきものが何なのかというのをもうちょっと充実させるほうがいいなというふうに感じましたので、これは参考までですけれども、意見です。
○国立公園課長:今の点、ご意見ありがとうございます。ご存じかもしれませんが、隠岐島につきましては、ジオパークの認定を地元で取っておりまして、まさに、今、ご指摘のように、これから地域としても景観の成り立ちであるとか、それを解説する解説板、それと、ソフト対策としての受け入れ体制というのを充実していくというふうに聞いております。
環境省としても、レンジャーを今から1年半ほど前に隠岐島に初めて配置をいたしまして、レンジャーもその地域と一緒に、ジオパークを含めた国立公園の活性化に取り組んでおりますので、今いただきましたご指摘も踏まえて、また、園地事業としても位置付けされますので、そういった点を充実していきたいと思います。
それと、ちょっとよろしいですか。先ほどいただいたご意見の中で、特に定山渓、大黒先生からいただきましたものにつきましては、基本的に北海道の観光は車で移動する方が非常に多いですけれども、その通過をしていく方も含めて、この温泉街のところで大渋滞になってしまうということで、かなり広域的な移動をしながら観光をする方が多いので、今回の渋滞が緩和されることによって、すぐ先のどこかがオーバーフローしてしまうということは、おそらくないだろうというのが先ほどの説明でございます。ちょっと補足でございます。ですので、今回拡幅する先は、道路周辺も第1種特別地域になってくるのですが、その先は拡幅をする必要はなく、その温泉の周辺だけ整備をするということで確認をさせていただいております。
もうちょっとよろしいでしょうか。すみません。先ほどのところで、妙高のゴンドラと園地のこともご指摘をいただきまして、まさに、この資料のとおり見ますと、ゴンドラは1時間・3,000人で、園地のほうは1時間・200人ということで、10倍以上開きがあるということで、先ほどの説明の繰り返しになりますけれども、すぐ周辺にある別のゴンドラが、冬の間と夏の間、やはり大きな利用の開きがありまして、スキーの時はもうずっと並んでいるお客さんをどんどん運ぶということで、1時間・3,000人という利用がありますけれども、夏の利用はそれほどないということで、その近隣の夏のゴンドラの利用形態状況を踏まえて、大体1時間に100人~200人という数字で想定をしています。ですので、200人ぐらいであれば、十分この園地としてオーバーフローすることはないだろうということでございます。
ただ、これは今後事業として執行していくうえで、もし想定していなかったような事態が起きましたら、それは索道事業あるいは園地事業のほうと調整をとりながら、どのように対処していくかというのは今後のチェックしていくポイントになるかと思います。
それと、慶良間のウミガメの話もございましたけれども、特に慶良間の国立公園につきましては、指定してから1年数カ月になります。徐々に環境省の職員も、地域の方々といろんなことに取り組みつつあります。このウミガメの課題につきましては、先ほどの説明のように、今まで地域で取り組んできたということでございますけれども、今回この周辺施設もその園地事業として、環境省も関与もしやすくなって参ります。ですので、その周辺の例えばサンゴ礁の問題につきましては、地域でエコツーリズム推進法でコントロールできないかということも検討がされておりますし、そういったサンゴ礁の利用と保全の問題、それから、先ほどご指摘ありましたウミガメの問題等も含めて、今後、徐々にではございますけれども、環境省としても地域の方々の連携を深めて取り組んで参りたいと思います。
以上でございます。
○下村小委員長:追加のお答えでございましたが、よろしゅうございますでしょうか。ほかに何かご質問あるいはご懸念事項ありましたら。それでは、桜井委員。
○桜井委員:11ページの浄土ヶ浜ですが、たしかここは、道路は一方通行でバスの乗り入れをされていると思います。マイカー規制をやっていまして、上で一旦車は置いて、そこから遊歩道を使う。ですから、今回の場合、一方通行の道路を上手く利用して、遊歩道を整備するということだと思いますが、みちのくトレイルとの関連とか、それをちょっとお聞きしたいのですが。
○下村小委員長:ほかに何かご質問、よろしいですか。それでは、じゃあ、今の件、事務局、お願いできますでしょうか。
○事務局(浪花):申し訳ございません、みちのくトレイルについて、浄土ヶ浜区間については来月ぐらいに開通する予定ですけども、手元にルートがないため、どこを通るのかという詳細は、まだ把握していないのですが、そういった事故のないように配慮していきたいというふうに考えております。
○桜井委員 一方通行でよろしいですね。
○事務局(浪花):一方通行はシーズンだけだったと思うのですが、たしか南から北側だったと思います。すみません、確認して、ご連絡いたします。
○下村小委員長:ほかに何かご意見はないでしょうか。じゃあ、敷田委員。
○敷田委員:毎回、説明は工夫していただいていると思いますけども、例えば先ほどの通夜島の例なんかを見ますと、「丸ごと自然体験の場」というのを、これ、地域の方はそういうふうにおっしゃっているのでしょうけども、おそらくここの場では、丸ごとに意味はないので、退屈しない、させないようにと思っていらっしゃるかもしれませんけど、全体を利用するということにポイントがあるので、そういうふうに説明をしていただければと思います。
おそらくほかの委員の皆さんも、いろんな質問の中で、どれだけの利用圧がかかる、利用のインパクトがあるのだろうというのを想像しながら、考えながらだと思いますので、その時に必要なのは、誰が利用するかということと、どのような利用形態かということと、どれくらいの利用の頻度があるかということなので、基本的に説明の中でそれを押さえていただいて、実態をできるだけリアルにしようという表現よりも、具体的に説明をしていただくと非常に良くなり、コミュニケーションができると思うので、よろしくお願いします。
○国立公園課長:ありがとうございました。別のところでもちょっとそんな箇所がございましたので、気を付けたいと思います。ありがとうございます。
○下村小委員長:よろしゅうございますでしょうか。
環境省の公園事業ということで、なかなか今後の具体的な計画図ですとか、メニュー図とか、把握しにくいところもあったり、それから、ずっとご指摘がありますけれども、利用に関しても随分頑張っていただいて、利用の把握を進めていただいていますけれども、公園への観光客の入り込みを把握するというのが非常に難しいのは、皆さんよくご存じかと思います。その中で、地元と適切に交渉しながら進めていただいているようには思います。先生方は、景観ですとか、自然環境への影響を一番ご懸念されるところではありますので、その点の調整もお願いしたいと思います。
そのほか、ここのところ、利用集中についても進んできているところもあって、何割程度のサービスレベルにするのかとか、そういった点にご懸念もやはり出てきているようです。
それから、ハード整備とともにソフトをも展開して、適正な利用を進めていただくということに対してのご要望というか、ご意見も多かったと思いますので、その点も、また地元との調整を含めて、目を配っていただければありがたいというふうに思います。
以上、今日は211件という膨大な数字であって、非常に短い時間にご議論いただきまして、どうもありがとうございました。よろしゅうございますでしょうか。
(了承)
○下村小委員長:それでは、国立公園事業の決定、廃止及び変更について、諮問を添付されましたけれども、適当とお認めしたいというふうに思います。どうもありがとうございました。
以上で、本日の諮問事項については審議が終了いたしました。審議へのご協力どうもありがとうございました。
進行を事務局にお戻ししたいと思います。
○司会:委員の皆様、ご審議いただきまして、ありがとうございました。本日配付しました資料でございますが、郵送をご希望の委員の方におかれましては、用紙に記入していただき、机の上に置いておいていただければ、後ほど、事務局のほうから郵送させていただきます。
本日はどうもありがとうございました。
午前11時43分 閉会