中央環境審議会自然環境部会自然公園小委員会(第15回)議事録

開催日時

平成20年6月20日(金)10:00~11:45

開催場所

三田共用会議所 大会議室 Room D・E

出席委員

(9委員)

川名 英子  臨時委員
熊谷 洋一  委員
小泉 武栄  専門委員
鹿野 久男  小委員長
田部井淳子  委員
土野 守  臨時委員
速水 亨  臨時委員
原 重一  臨時委員
廣瀬 敏通  専門委員

議題

  1. 開会
  2. 議事(諮問案件)
  3. (1)鳥海国定公園の公園区域及び公園計画の変更について
    (2)国立公園事業の決定、変更及び廃止について
  4. その他
  5. ・国立・国定公園の総点検の取り組みについて
  6. 閉会

配付資料

資料1:
鳥海国定公園
指定書及び公園計画書(案)
資料2:
鳥海国定公園の変更案説明資料
資料3:
国立公園事業の決定、変更及び廃止の諮問案件について
資料4:
国立公園事業の決定、変更及び廃止案件の概要
資料5:
国立公園事業の決定書、変更書及び廃止書(案)
資料6:
国立公園事業の決定、変更及び廃止に関する説明資料
(別添):
上信越高原国立公園(草津・万座・浅間地域)の公園計画の一部変更に伴う案件一覧
資料7:
国立・国定公園の総点検の取り組みについて

議事録

午前10時01分 開会

○国立公園課長補佐 定刻となりましたので、ただいまより中央環境審議会自然環境部会自然公園小委員会を始めます。
 本日は、所属委員12名のうち9名のご出席をいただいております。
 また、中央環境審議会令第7条及び同議事運営規則第8条第5項の規定により、本委員会の開催並びに議決に際しては、委員及び臨時委員の過半数の出席が必要とされております。本日は委員及び臨時委員10名のうち7名のご出席をいただいておりますので、本委員会は成立しております。
 本日の審議のためにお手元にお配りしております資料につきましては、配付資料一覧のとおりとなっております。
 なお、国立公園関係の普及啓発のために去年から今年にかけて作成しました、DVD、パンフレット等の資料を机に配付しております。お持ち帰りいただくためにご用意しておりますが、荷物になる場合にはお帰りの際に机に置いていただければ、後日郵送させていただきます。
 配付資料は資料1から7までとなっております。もし配付漏れ等がございましたら、事務局にお申し出くださいますようお願いいたします。
 それでは、議事に入ります前に、桜井自然環境局長よりごあいさつ申し上げます。

○桜井自然環境局長 おはようございます。自然環境局長の桜井でございます。今日は朝から自然公園小委員会にお集まりいただきまして、大変ありがとうございます。
 ご承知のように、来月には主要国のサミットが洞爺湖で開かれます。このサミットでは環境、特に気候変動という温暖化対策が中心の議論になりますけれども、外交など沢山のテーマがある中、生物多様性についても議題の1つに入る予定です。
 また、それにあわせまして、環境省としましては、国立公園であります洞爺湖におきまして、昨年完成しましたビジターセンターで、エコ・ギャラリーを6月から9月までの3ヶ月間、国立公園を中心とした自然環境関連の展示も含め、幅広く環境について学んでいただくような、あるいは楽しめるような展示が既にオープンしているところです。
 この間のサミットに向けての話題として、自然環境行政の中でも色々な展開がありました。いくつか紹介させていただきますと、G8主要国の環境大臣会合が先月24日から26日の3日間、神戸で開催されました。「地球温暖化」、「3R」いわゆる循環型社会の形成と並んで「生物多様性」が3つのテーマの1つでしたが、各国から活発な議論がなされました。
 あわせて、同時期に、生物多様性条約第9回締約国会議(COP9)が5月19日から30日にかけて、ドイツのボンで開かれました。鴨下大臣は、神戸でG8の8カ国でまとめた「神戸・生物多様性のための行動の呼びかけ」を持ってボンに行き、G8主要国はこういう合意をしたということで、里山に関する話、科学的な研究の推進、あるいは民間の行動にも生物多様性という観点を大いに反映させようという、色々な方向性を盛り込んだ行動の呼びかけを、国際的にアピールをしたところです。
 COP9では、最終日に、次回の生物多様性の締約国会合を名古屋市で2010年10月に開催することが決定されました。ボンで開かれた会議は、191カ国約8,000人の参加があるという非常に大規模な国際会議でした。名古屋の規模もほぼ同じぐらいにはなるだろうと思われます。2010年のCOP10では、非常に大きな生物多様性という観点から、非常に幅広いテーマの会議になると思いますが、当然のことながら生物多様性という観点からの地域の問題、生物多様性と気候変動、森林と生物多様性の問題、農業と生物多様性など、非常に色々な観点からの議論が展開されると思います。
 これにあわせ、地元の地方公共団体だけではなく国内の各方面の分野、経済界、NGO、あるいは学会も含め、このような会議だけでなく、生物多様性に関する様々な活動を展開していただきたいと考えています。
 5月、6月の展開としてこのようなことがあり、向こう2年半ぐらいは環境省としてもかなり本腰を入れなければいけないという状況になっています。
 そして、国会はちょうど、今日が最終日です。今回の通常国会では、生物多様性基本法という、非常に画期的な法律が議員立法という形で成立しました。通常、内閣提出の法律は審議会でご議論いただきますが、今回は議員立法ということで、各党、与野党、主として自民党、公明党、民主党の3党が協議をして生物多様性基本法を提案され、全会一致で成立したところです。
 生物多様性基本法の中には、生物多様性の保全と持続可能な利用という観点から、国の政策の基本的な方向性が示されています。従来から生物多様性国家戦略という形で国の政策のパッケージを示していますが、この法律に基づき、さらに一層、生物多様性に関する国の政策あるいは地方公共団体、民間も含めた取り組みを進めていきたいと考えているところです。
 当然、生物多様性の屋台骨をなす自然公園についても様々な取り組みが必要になり、現在進めている総点検、あるいは今後の公園計画、あるいは公園制度の見直しの議論にもつなげていきたいと思っています。
 本日は、自然公園小委員会ということで、鳥海国定公園の公園区域及び公園計画の変更、また、磐梯朝日国立公園を始めとする11の国立公園の公園事業の決定、変更、廃止をご審議いただくものですが、国立・国定公園の保護、適正な利用の推進を図る上で大変重要な変更ですので、ご審議のほどよろしくお願いいたします。

○国立公園課長補佐 議事進行につきましては、鹿野委員長にお願いします。

○鹿野小委員長 皆さん、おはようございます。
 ただいまから自然公園小委員会を開催いたします。
 本日の小委員会は公開となっています。傍聴の方もいらっしゃいます。
 議事録は後ほど事務局で作成し、本日ご出席の委員の了承を得て公開することになります。
 なお、議事要旨につきましては、事務局で作成したものを私、小委員長が了承した上で公開するということでご了承を願いたいと思います。
 それでは、早速審議に入りたいと思います。時間の制約のため、時間内に終わらせたいという事務局の意向があります。事務局の報告は時間を見計らって、効率よい説明をお願いしたいと思います。
 議事の1番目、鳥海国定公園の公園区域及び公園計画の変更について、説明をお願いします。

○事務局(杉村) 国立公園課で計画係長をしております杉村と申します。
 公園区域及び公園計画の変更に関する諮問案件として、鳥海国定公園の再検討についてご説明します。
 これからスクリーンに映す内容は、資料2としてお手元にも配付しております。
 鳥海国定公園は、昭和38年に指定された、秋田県と山形県にまたがる国定公園です。
 面積は約29,000haであり、その区域は標高約2,200mの火山である鳥海山と、そこから流れ出た溶岩や砂浜から成る海岸部が中心となっています。さらに、歴史ある景勝地である象潟や約40㎞沖合に浮かぶ飛島を含んでいます。
 本公園の特色としては、まず、鳥海山に見られる多くの火山地形が挙げられます。また、日本海に面して積雪量が多いため、多雪山地型の植生の垂直分布が典型的な形で発達しています。湧水も豊富で、重要な湿地も見られます。
 動物に関しては、鳥海山でイヌワシの生息が確認されているほか、飛島は鳥の渡りのコースとなっており、様々な種類の鳥類が見られることで有名です。
 現在の公園計画のうち、規制計画は概ねこの図のようになっております。鳥海山の山頂付近が特別保護地区になっており、そこから植生や土地利用の変化に対応して、第1種、第2種、第3種という規制計画が同心円状に設定されています。
 また、利用計画については、本公園では鳥海山への登山利用が中心であるため、それに対応した歩道(緑色)や、登山口に至る車道(赤色)が位置づけられています。また、登山のほかには、鳥海山に登る鳥海ブルーラインと呼ばれる車道を使った観光、夏の海水浴での利用が見られます。これらの利用に対応して、それぞれの拠点に集団施設地区が位置づけられています。
 また、近年では、登山利用のほかに、山麓部での自然探勝や海岸部の利用、飛島でバードウオッチングなど新しい利用が増えています。
 本公園の公園計画については、昭和46年に部分的な区域の変更を行っておりますが、指定から約40年が経過した現在まで、全般的な見直しは行われていません。そのため今回、秋田県と山形県の案に基づき、再検討を行いました。
 まず、公園区域と規制計画の変更についてご説明いたしますが、その前に、見直しに当たっての基本方針をご説明します。
 まず、再検討の結果、区域と規制計画の大幅な変更の必要性は認められませんでした。そのため、大部分の地域については変更を加えず、引き続き風致景観の維持を図っていくこととします。
 その上で、現地での確認が困難となっている区域線の一部について明確化を図ります。
 また、今回、集団施設地区の区域を決め、それに合わせて集団施設地区内の規制強化を行います。
 また、山麓部に見られる湧水帯の一部について、保全のために規制の強化を図ります。
 また、一部で住宅が密集しているなど、その資質が乏しくなっている部分については、必要最小限の範囲で、特別地域から普通地域への変更や公園区域からの削除を行います。
 以上の基本方針で今回変更するのは、大きく分けるとこの図で囲んだ3カ所になります。いずれも公園区域の周縁に位置する部分です。まず、飛島に係る変更からご説明します。
 飛島は全域が第2種特別地域となっていますが、港と集落の周辺だけ汀線から100メートルの線で区域外となっております。この区域線を明確化することに伴って、写真の住宅の裏手のように林になっている部分を区域に編入します。明確化に伴う拡張になります。
 次に、鳥海山の南麓に位置する湯の台周辺の変更です。
 まず、こちらの写真にある数河の池という池に隣接する部分について、区域線の明確化に伴って、池の後ろ側にある人工林の部分を公園区域に編入します。
 次に、こちらの場所について、明確化に伴い、黒く塗った帯状の部分を区域から削除します。
 また、それに隣接する緑色の帯状で示した部分については、車道沿線の景観保全のために第2種特別地域になっていましたが、今回、車道計画を削除するため、周囲と同じ第3種特別地域に変更します。
 また、こちらの湯の台地区ですが、今回、湯の台集団施設地区の区域を決定するのに伴い、集団施設地区内とそこに至る道路沿線を第3種特別地域から第2種特別地域に変更して、利用拠点の景観の保全を図ります。こちらの地区は写真のように大部分が牧草地であるとかススキ草原になっていますが、その中に温泉を利用した宿舎などが整備されており、登山などの利用拠点になっています。環境省の猛禽類保護センターもこちらの地区の中にあります。
 次に、こちらの黒で塗った区域ですが、ここは過去に石油を採掘していた場所で、近年になって石油が地表に漏れてきています。現在、鉱区の所有者が閉鎖作業を行っているところですが、公園として保護・利用を図ることは適当でないため、今回区域から削除します。
 次に、海に近い吹浦周辺の変更です。
 まず、こちらの黒で示した部分について、区域線を明確化することに伴い、区域を削除します。削除される部分は、この写真のように一部宅地化している場所です。
 次に、こちらの区域(黒色)は、この写真のようにかなり家が建って市街化しており、国定公園としての資質に乏しいため、公園区域から削除します。
 また、海岸沿いの青で示したところと山に接したところについては、こちらも住宅が連なり、特別地域としての資質は有していませんが、海から山につながる景観を構成していますので、特別地域と一体となった景観を保全するため、普通地域として残すことにします。
 次に、山麓部に見られる湧水の保全のための規制強化です。まず、湧水を水源とする丸池という池の周辺の保全を図るため、第3種特別地域から第2種特別地域に変更します。
 また、こちらの地区を牛渡川という川が流れていますが、この川は湧水100%からなる川で、秋にサケが遡上することで知られています。この川の後背地になっている普通地域の一部を第3種特別地域に変更し、保全を図ります。また、道路沿線の部分については景観保全のために第2種特別地域とします。
 以上が、区域と規制計画の変更内容です。
 次に、施設計画については、次の基本方針で見直しました。
 利用施設計画のうち、集団施設地区については、これまで位置だけが決まっていて区域が決まっていませんでした。そのため今回、区域と整備方針を決定します。また、公園利用上の必要性の乏しい計画については削除します。
 また、単独施設については、必要性の乏しい計画や、自然環境への影響が懸念される計画を削除します。また、近年の利用状況を踏まえ、山麓部における計画を充実させます。
 また、道路計画については、必要性の乏しい路線や区間を廃止する一方、現在広く利用されている、または利用が見込まれる路線を計画に位置づけます。
 以上の方針により、施設計画全般を見直しました。
 まず、4つの集団施設地区のうち、鉾立、湯の台、吹浦の3つについて、区域と整備方針を定めます。写真は鉾立の集団施設地区です。
 残る1つ、善神池の集団施設地区については、現状では池をめぐる遊歩道の利用のみであり、利用施設を総合的に整備する必要性は乏しいため、今回、計画を削除します。そして、池周辺をめぐる自然探勝のための園地に変更します。
 次に、単独施設については、全体で33の計画を削除しますが、このうち21については整理に伴う削除です。残りの12が実質的に削除するものになります。ほとんどがこれまで整備されていないものです。また、新たに追加する施設が21あります。
 整理案件を除いて、単独施設全体の位置を表示したものがこちらの図になります。
 これが現在の計画で、今回削除する施設は、今、灰色で示したものです。山頂や山腹に位置するものが比較的多くなっています。
 また、新たに追加する施設は黄色で示したもので、近年利用が増えている山麓部や海岸に位置するものが多くなっています。これが変更後の全体像になります。時間の制約上、一つ一つの説明は省略し、幾つか例を挙げてご説明します。
 例えば、スキー場計画については、これまで整備されておらず、整備した場合にイヌワシの生息への影響が懸念される計画を3つ削除します。
 また、飛島では、バードウオッチングや島の中をめぐるハイキング利用が多く見られるため、これに対応した歩道や、自然観察などの拠点となる園地を計画に位置づけます。写真のような歩道・海沿いの園地です。また、海水浴やダイビング利用もありますので、水泳場の計画も追加します。
 このほか、先ほどご説明した牛渡川や、この後背地である下屋敷に、自然観察の拠点となる園地を追加します。
 次に、道路計画、車道・歩道については、現状に合わせた線形の変更や、路線の統合などの整理を行っています。それらについては省いて、比較的大きな変更についてご説明します。赤が車道、緑が歩道、黄色で色をつけた部分が変更部分です。
 まず、追加する部分としては、山麓部での利用への対応という観点から、こちらの車道と歩道、こちらの歩道、さらに飛島を縦走する歩道を追加します。いずれも既存の歩道を計画に位置づけるものです。
 また、こちらの2カ所の登山道については、荒廃していて利用に高度な技術が必要で、一般の利用に適した歩道ではないため、削除します。
 このほか、この2カ所については、実際には歩道しかないため、現状に合わせて車道計画を歩道計画に変更します。逆にこちらの部分については、現状に合わせて歩道計画を車道計画に変更します。
 以上が変更案の概要になります。この案については、昨年の9月から10月にかけてパブリック・コメントの募集を行いましたが、提出された意見はありませんでした。
 以上で説明を終わります。ご審議のほど、どうぞよろしくお願いします。

○鹿野小委員長 ただいま説明がありましたが、鳥海国定公園にかかる公園区域の変更と計画変更の案について、ご質問、ご意見等ありますか。

○廣瀬委員 ご説明ありがとうございます。一番最後のスライドですが、近年、国立公園地域において、自然トレイルや住民の皆さんが歩く道を整備しようという活動が非常に活発になっている中、歩道を車道に振り替えた理由は何でしょうか。

○事務局(杉村) こちらの場所についてはもともとは歩道の計画ですが、実際は車道が整備されています。もちろん車道の脇を歩くことも可能なのですが、どちらかというと車道を使った利用が主体であるため、車道計画に変更するものです。

○廣瀬委員 歩道はついていないということですね。

○事務局(杉村) 歩道そのものとしての整備はされていないということです。

○廣瀬委員 できることならば極力歩いて国立公園内を周遊できるような整備を今後、長期にわたって行っていく方向をとっていただけるといいなと思っています。車はなるべく入らない方がいいと思っていますので、その辺もご配慮いただければと思います。

○事務局(杉村) 今回、南麓の部分に追加する歩道については、ブナ林の中のトレッキングや、里山の部分を歩くような利用がされているという状況を踏まえて、山に登る方向ではなく、横断方向の歩道を位置づけています。このような利用に対応した整備を今回追加しますし、今後も考えていかなければいけないと思っています。

○鹿野小委員長 ほかにどなたかございますか。

○原委員 我々、議論する側は、今回の現場を見ていないわけです。あなた方は誰か現場を歩いていますか。また、パブリック・コメントの話がありましたが、変更するときに、現場の住民や集落、自治体などとの合意形成は、どのような手続を踏んでいるのでしょうか。

○事務局(杉村) 今回、国定公園なので、基本的には変更の案については両県から変更案をお申し出いただいて、それを受けて環境省のほうで変更するということになっています。地元にどういう説明されてきたかというのは、県の方が来られていますので、ご説明いただこうと思います。
 あと、この場所を見たかということですが、もちろん県の方は十分見られていると思いますが、環境省でも、担当官が実際に現場調査を行っています。

○山形県(伊藤) 山形県みどり自然課の伊藤と申します。地元調整についてですが、区域に編入するところが民有地であれば、土地所有者の方のところに足を運んで、今度、国定公園内に編入しますよと説明し、同意をいただいています。国有林部分については、関係省庁、林野庁と協議して、その内容について認めてもらっています。

○鹿野小委員長 国定公園ですから、環境省が直接作業するというものではなくて、ほとんど都道府県のほうで地元調整をして、その結果として環境省に上がってきます。環境省の担当者も都道府県の作業が間違いないことを確認してくるということです。

○原委員 県のレベルで専門家や、専門家に代わるような委員会があって、そういう人たちが現場を歩いて、知っているということですか。我々は尾瀬は去年歩いているから、尾瀬についてはそれなりに意見があるけれども、県のレベルで専門家の方々に現場を歩いてもらった上で今の彼の意見のような話が出てくれば、リアリティーがあると思う。

○鹿野小委員長 都道府県によって、環境省に申し出るまで手続きの違いもあると思いますから、事務局から説明してください。

○事務局(杉村) 県によって仕組みは違うかもしれませんが、基本的に国定公園の公園計画の変更について申し出をする前に、各県の自然環境関係の審議会で審議され、そこを通った案が環境省に申出されて来ることになっていますので、その審議会に諮る段階で、専門家のご意見をいただいて、議論がされていると思います。

○原委員 そういうシステムになっているのですか。

○事務局(杉村) なっています。

○山形県(伊藤) 今の話に関連して、県の案をつくる段階で、地元の方々を組織した地域検討委員会という会議を設置しています。この中には学識経験者や観光関係者、自然保護関係者、地元の自治体関係者が含まれ、このような方々に現場に一緒に行っていただいて、現地説明をした上で皆様の意見をいただき、案を作っているということでございます。

○鹿野小委員長 私が知っている限りでも、県によって、県が設置した審議会に今回と同じように意見を聞いたり、今の山形県の説明のように地域に検討会をつくったりすることがあります。対応は若干違いがありますが、地元でそれなりに色々な方の意見を聞くということです。
 ほかにどなたかございますか。

○小泉委員 6ページの湯の台の周辺の道路のことですが、道路(車道)計画の削除に伴い周囲と同じ地種区分に変更するとありますが、道路計画を削除した事情を教えて下さい。

○事務局(杉村) 道路計画がありましたが、これまで整備をされておらず、実際は歩道として使われているという状況がありますし、実際に道路を整備する必要性に乏しいため、今回車道を削除するということです。そのかわり歩道を追加しますので、引き続き利用する部分になります。

○小泉委員 はい、わかりました。

○鹿野小委員長 ほかに何かございますか。

○廣瀬委員 数十年ぶりの計画の見直しということで、恐らく次の見直しはこれからまた数十年後ということになるだろうと思います。そういう場合に、どういう国立公園が望ましいのかというビジョンが当然必要になってきて、それを踏まえてこういう計画整備が行われるのだと思います。けれども、先ほどの歩道に関してですが、やはりこれから、従来の登山利用から多様な利用が広がって、環境教育利用なども非常に広がっていく中で、どういう形の歩道が環境教育の利用に適正なのかというような研究を行っているのか、それが計画に反映されているのかということをお尋ねしたいと思います。

○国立公園課長 昭和38年以来の大きな変更ということなので、先ほどご説明したように、現状と随分乖離しているところを今の考え方で修正するというのがほとんどの内容です。そのような意味で、車道が歩道になりポリシーがないように見えると言われてしまうかもしれないですが、そこは時間のタイムラグがあるということでご容赦いただきたい。その中でも、山麓部における利用は登山一辺倒ではなくて、自然体験や湧水の体験など、さまざまな多様性のある利用が山麓部に増えているということを受けて計画しております。
 さらに今後、色々な今のニーズに合わせて考えていくべきだというご趣旨だと思いますが、今度は5年ごとにきちっとやっていただこうという方針ですので、その辺はニーズに合わせて対応していくことができると思います。

○廣瀬委員 わかりました。

○鹿野小委員長 それでは、この鳥海国定公園の公園区域及び公園計画の変更についてですが、この案件については適当と認めるということで異議ありませんか。

(異議なし)

○鹿野小委員長 ありがとうございました。
 本件については、適当と認めることといたします。
 次に国立公園事業の決定、変更及び廃止についての審議に入りたいと思います。
 先ほども申し上げましたが、厚い資料が配られていますが、大部分が見直しに伴う整理案件だと聞いていますので、事務局は手際よく説明してください。

○事務局(坂口) 国立公園課で事業係長をしております坂口と申します。
 国立公園の決定等に関する資料は、資料3から6となっています。
 今回の諮問案件の件数と内訳については、資料3に取りまとめています。
 資料3につきまして、案件数の変更についてですが、69件から68件という修正がありましたので、おわび申し上げます。別途修正した資料を配付させていただきます。
 また、各事業の一覧表を資料4として配付していますので、ご参考にしてください。
 本審議会の諮問対象となる「決定書、変更書及び廃止書」は、先ほどご紹介のあった分厚い資料5になります。
 各諮問案件の説明はパワーポイントを用いて行います。これは資料6「国立公園事業の決定、変更及び廃止に関する説明資料」としてお配りしています。

(スクリーン)

 それでは、説明に入ります。
 国立公園事業の決定等とは、国立公園計画で大まかに定められた施設計画について、事業を実施すべく、より具体的な位置や路線の距離、区域面積などの規模を定めていく作業です。
 本審議会の諮問案件は、磐梯朝日国立公園等計11件の国立公園に係る事業決定案件38件、変更68件、廃止39件の計145件があります。
 そのうち、上信越高原国立公園の草津・万座・浅間地域については、平成18年の秋の審議会において「公園計画の一部変更」という形でご審議いただいており、今回はこの見直しを受けた整理であるため、最後に資料6の別添の新旧対照表としてまとめて、ご説明したいと思います。
 案件の説明は、スクリーンとお手持ちの資料6をご確認ください。
 それでは、各案件について、国立公園ごとにご説明します。
 まず、磐梯朝日国立公園は飯豊連峰で2件、裏磐梯で2件の計4件の事業決定があります。
 飯豊連峰の2件は天狗ノ庭、切合植生復元施設でございます。2つの事業地は、いずれも山形県の天狗平を起点とした飯豊連峰の縦走登山道に隣接しています。
 御西岳の山頂の北西側に天狗ノ庭、飯豊山の南東側に切合植生復元施設が位置し、周辺は草地が広がっています。2つの事業地は、過去に登山者の野営地として利用されていたため、裸地化が進行しており、これらの裸地化した植生を復元するために、公園事業の決定を行うものです。
 決定規模は、お手元の資料5のとおりです。
 上の2つは、事業地の裸地化の現状です。下の写真は、現地で試験的に実施している植生復元の実証試験の様子です。
 続いては、裏磐梯の五色沼ほとりに位置する大府平宿舎事業と五色沼東宿舎事業の変更案件です。
 大府平宿舎は、五色沼周辺の自然散策利用に対応した宿舎として位置づけられています。規模の変更を行い、既存施設を公園事業に位置づけるものです。区域面積が7haから10haに変更となります。
 五色沼東宿舎も、五色沼のほとりに位置し、自然散策利用に対応した宿舎とし、宿舎の改装に伴い区域面積を変更するものです。宿舎の改装により、施設の配置を変更するため規模は拡張しますが、工作物の撤去跡地であり、新たな自然環境の改変は伴いません。区域面積は5.0haから7.0haに変更となります。
 五色沼周辺の自然環境の状況と、新たに位置づける宿舎の写真です。
 続きまして、昨年度、新たに指定した尾瀬国立公園の事業決定についてご説明します。
 尾瀬国立公園は猿倉台倉高山線道路(歩道)と会津駒ケ岳登山線道路(歩道)の2件です。
 猿倉台倉高山線道路事業は、猿倉登山口から田代湿原、帝釈山、馬坂峠を経由し、台倉高山の山頂を終点としている歩道です。尾瀬国立公園が指定されたことに伴い、適正な利用の推進及び貴重な自然環境の保全のための案内板、既存登山道の道標の整備、洗掘箇所の修復等を行う必要があるため事業決定します。決定規模は9.8kmとなります。
 会津駒ケ岳線道路(歩道)は、檜枝岐村の滝沢登山口から会津駒ケ岳の山頂を経由し、中門岳山頂を終点としている歩道です。会津駒ケ岳山頂から中門岳にかけては多数の池塘を有する雪田草原が、発達しております。こちらも同様に適正な利用の推進及び貴重な自然環境の保全のための案内板、既存の登山道の道標の整備、洗掘箇所等の修復を行う必要があるため事業決定を行います。決定規模は、7.2kmとします。
 上が田代湿原と登山道の洗掘箇所の写真、下が中門岳の湿原と会津駒ケ岳の登山口の写真です。
 尾瀬国立公園については、以上です。
 続きまして、上信越高原国立公園の志賀高原地域の事業変更についてご説明します。
 志賀山回遊線道路(歩道)は、志賀山を中心とし、高層湿原である四十八池、大沼池等をめぐる志賀高原で最も人気のある歩道となっています。既設の歩道が整備されておりますが、規模が未決定だったため、今回規模を決定し、あわせて附帯トイレの整備を行う予定としています。決定規模は10kmです。
 志賀山回遊線道路(歩道)の周辺の自然の写真でございます。
 続きまして、富士箱根伊豆国立公園の浮山園地の事業決定について説明します。
 浮山園地事業は、伊豆半島地域の城ヶ崎海岸に位置しております。城ヶ崎海岸は溶岩が侵食して形成されたリアス海岸であり、常緑広葉樹が優占する海岸林が形成されております。事業決定規模を変更し、自然散策利用のための拠点となる既存施設を公園事業に位置づけ、あわせて再整備を行います。規模は2.5haとします。
 浮山園地周辺の海岸林と城ヶ崎海岸の写真です。
 続きまして、中部山岳国立公園の唐松岳宿舎事業と新穂高温泉公衆浴場事業の2件について説明します。
 唐松岳宿舎事業は、後立山連峰の唐松岳頂上付近、標高2,600mに位置しています。
 後立山連峰の登山者は近年、減少傾向にありますが、中高年登山者の増加により、宿泊利用のニーズが高まっております。そのため、安全・快適な利用の確保という観点から、これらのニーズに対応すべく、最大宿泊者数を変更するものです。宿舎の内部構造の変更により対応するため、屋外に新たな施設の設置を行う予定はありません。最大宿泊者数は、200人から250人に変更となります。
 唐松岳宿舎の写真です。
 新穂高温泉公衆浴場は、西穂高岳に通じる新穂高ロープウエーの起点に位置し、登山者の利用拠点となっています。
 当該事業地は、高速道路の延長など、アクセスの向上により日帰り利用が増加しているため、気軽に利用できる日帰り温泉の整備に対する要望が高まっています。そのため、規模を変更し、日帰り利用者が利用できる入浴施設を整備するものです。事業予定地は、宿泊施設の撤去跡地であり、新たな開発を伴うものではありません。規模は0.25haとします。
 上が、西穂高岳へのアクセスルートである新穂高ロープウエーの写真です。下が、事業予定地の写真となっています。
 続きまして、吉野熊野国立公園の上市奥千本道路(車道)の決定について説明します。
 上市奥千本道路(車道)事業は、吉野山、大峰山系へのアクセスの主要導線であり、年間約85万人の利用者があります。現在は公園事業となっていないことから、車道の一部を拡幅するのにあわせて規模を決定し、既存の道路を公園事業として位置づけるものです。決定規模はお手元の資料のとおりです。
 吉野山の眺望の写真、あと拡幅する車道の写真となっています。
 次は、瀬戸内海国立公園の宮島ロープウエー線索道事業の変更です。
 宮島ロープウエーは、宮島の紅葉谷駅から弥山山頂の東側、獅子岩に至る路線です。主な利用形態は、山頂寺院への参詣、展望台からの瀬戸内海の眺望となっています。最盛期に乗り場が非常に混雑するため、最大輸送量を変更し、対応するものです。路線距離の変更はありません。決定規模はお手元の資料のとおりとなっています。
 次は、大山隠岐国立公園の長良谷園地事業の決定です。
 長良谷園地予定地周辺は、島根半島東部の海食崖や海食洞門が発達した地形の変化に富む海岸線に位置しています。海岸線から、海蝕により形成された地形や隠岐諸島が眺望できます。事業決定を行い、ドライブ、自然散策等の利用者を対象としたトイレ、駐車場、展望広場等を整備していきます。決定規模は2.0haとなります。
 事業予定地の写真です。
 次に、足摺宇和海国立公園の大岐海岸宿舎事業の決定について説明します。
 大岐海岸は、足摺地域では数少ない白砂青松の海岸を持ち、背後に常緑広葉樹を中心とした海岸林が形成され、遊歩道等が現在整備されています。現在、周辺には休憩施設がなく、宿泊施設も1件ということで、日帰り利用が主体となっていますが、周辺の自然環境を活用した滞在型の利用を推進するため、宿舎事業を決定するものです。整備予定地は農地となっており、新たな改変はありません。決定規模は、お手元の資料のとおりです。
 事業地の周辺の写真となっています。
 続いて、雲仙天草国立公園の中島園地の廃止についてご説明します。本事業は、公園計画が削除されたため、事業決定を廃止します。
 左下が中島の写真になります。
 続いて、阿蘇くじゅう国立公園の狭霧台園地の変更についてご説明します。
 狭霧台園地事業は、由布岳山麓に位置し、周辺には火山地形と広大な草原が広がっています。事業予定地は、由布岳を眺望する絶好のポイントとなっており、そのため由布岳の眺望や周辺地域の散策の拠点として園路等を整備するため、規模を変更するものです。事業予定地は、人工林の伐採跡地であり、園路の整備にあわせて、より周辺の自然に合った樹木を植栽するような工事をしたいと考えています。
 上が由布岳の眺望です。下の人工林が事業対象地となります。
 最後に、上信越高原国立公園の草津・万座・浅間地域の公園計画の一部変更に伴う整理案件について説明します。
 上信越高原国立公園の草津・万座・浅間地域の件数は、決定が30件、変更が61件、廃止が42件です。これらは、平成18年の秋の審議会において「草津・万座・浅間地域の公園区域及び公園計画の一部変更」としてご審議いただいております。今回はこの見直しを受けた事業決定等の整理という位置づけであるため、個別の事業の説明は省略します。
 これらの事業については、資料6の別添「上信越高原国立公園草津・万座・浅間地域の公園計画の一部変更に伴う案件一覧」としていますので一覧表をもとに整理の概要をご説明します。
 まず、決定の整理について説明します。
 別添6の左の欄、1番の路線については、2つの路線を新たな名称の1つの路線として統合したものです。
 2番から18番までは、公園計画があったものの事業決定をされておらず、今回、公園計画の見直しにあわせ、既存の施設の規模にあわせて、決定、整理していきます。
 19番から24番は、既存の施設が新たに公園計画に位置づけられたことに伴い、既存の規模で決定、整理しています。
 25番から30番は、施設の機能を踏まえて、他の事業種から新たな事業種へ計画が振りかえられたため、あわせて既存の規模で決定、整理します。
 続いて、変更についてご説明します。
 31番から62番までは、これまで規模が未決定だった事業について、既存の規模で整理します。
 63番から69番までは、公園計画の起・終点の変更に基づき、計画にあわせて規模を決定します。
 70番から79番は、集団施設地区が廃止されたことに伴い、集団施設地区の事業だったものを単独施設として位置づけ直します。
 80番から84番は、施設の機能を踏まえ、他の事業の計画として整理されたものを既存の規模で決定します。
 85番から89番は、さきに説明した施設の機能に基づいて整理され、事業種が分離されたり、振りかえされたものに対応して規模を整理します。
 90番、91番は事業の名称の変更となっています。
 最後に廃止についてご説明します。
 92番から111番は、事業種の整理等に伴い、他の事業に吸収されたため、形式上廃止します。決定の最初の1番でご説明した東御嬬恋線道路(車道)の統合、2つの路線を1つに統合するような場合においては、形式上、2つの路線は廃止されています。
 112番から最後の127番は、今後の整備の見込みがなく、公園事業から削除されたため、廃止します。
 また、過去に重複して決定されていた志賀草津線道路(車道)、草津天狗山スキー場も今回の整理において、決定を廃止します。
 以上が、草津・万座・浅間地域の整理案件の概要です。
 以上で、諮問第241号に係る事業決定等の説明を終わります。

○鹿野小委員長 ありがとうございました。
 説明を資料で追うのも大変ですが、ただいま説明があった案件について、ご質問、ご意見等を伺いたいと思います。
 はい、田部井先生。

○田部井委員 尾瀬国立公園の中の道を、今度、会津駒ケ岳が国立公園に入ったことによって整理してくださるのはとても嬉しいのですが、尾瀬全体の中の会津駒ということで、尾瀬のバランスをとった上で整理してくださることを期待していますが、道標の設置と書いてありますで、指導標に関しても整理していただけますね。

○事務局(坂口) 予定しています。

○田部井委員 例えば「ごみを持ち帰りましょう」という看板は非常に見苦しいので立てないでいただきたいと思います。もう分かっていることなので、国立公園内のそのような看板はできるだけ排除していただきたい。

○鹿野小委員長 要望ですね。

○事務局(坂口) この決定を受けて、具体的に施設の内容を決めていくときに、十分配慮していきたいと考えています。

○田部井委員 はい。

○原委員 去年、田部井さんと一緒に歩かせてもらって、僕は何十年ぶりに山に登って快適でした。その後、阿寒岳と雌阿寒岳にも登りました。起・終点の話に関連しますが、登山口や下山口に、一段落できる休憩舎のような場所、車が迎えに来るまで待っている場所が必要です。起・終点というのはターミナルだから、とても大事にしてほしい。今の駒ケ岳の登山口はあるけれど、道路の端で車を避けながら一休みさせるのではなく、もう少し整備できるのではないかと思います。下ノ原の起点だけれど、これから登るぞとか、おりてきてここで一休みして車を待つときのターミナルとしては不十分で、足湯を置いておいてくれとは言わないけれど、駐車場の問題も含めて、モデル的に少し検討してほしい。駐車場はもう少し下のところにあるので、車が上がってくる間、一休みしているときに、2時間の下りについて話し合えるターミナル的なものがあると、もっと楽しくなると思う。我々の登山はそういう登山です。モデル的に考えてほしいという要望です。雌阿寒岳の時も、駐車場のところで車に隠れて着がえをするというのは豊かな時代の登山とは思えなかった。起・終点をヒューマンスケールでうまく整備できないか考えてほしい。

○鹿野小委員長 ありがとうございました。確かにあの場所は登山の支度をするスペースもありませんし、登山者と車が入り乱れていますね。どなたか、今の要望に対して回答をしていただけますか、整備の担当課は来ていますか。

○中澤参事官補佐 自然環境施設整備担当参事官室の中澤と申します。
 ご指摘のあった尾瀬国立公園ですと、尾瀬本体の沼山峠や鳩町には、民間や村が経営している休憩所があります。会津駒は、土地の確保の問題など、いろいろと条件をクリアしなくてはいけないと思いますすが、登山口の階段があるところに土地はないのですが、車道からすぐ上がったところには公衆トイレが左側にあって、そのようなところを活用するというのは、これから現地とも調整しながら考えてみたいと思います。どうもありがとうございました。

○原委員 ぜひお願いします。

○鹿野小委員長 速水さん。

○速水委員 個々の話は、全部見ているわけではないので避けますが、全体的に、先ほど田部井さんが言われたような道標など、その入口も幾つか看板等が立っていますが、国立公園の中には幾つかの目的を持った看板があると思います。そのような看板のデザインは、統一をするのか、地域性を持たせて工夫をさせていくのか、方向が決まっていると良いと思います。
 自分の地域の例を挙げさせていただくと、三重県は、世界遺産に熊野古道が決まって、整備しようというときに、最初に委員をやらせていただいたのですが、最初に、看板だけは全部一緒のものにしようと言いました。各市町村が整備するときに県が少し補助金を入れ、県が金を入れる限りは全部一緒のものにしようと言いました。熊野古道は三重県側だけでも峠が10数個あるので、それぞれの市町村が勝手に整備をすると、思さまざまな看板が出きてしまいます。消防署などの119番の番号を書いた赤と白のマークがいっぱいついた目立つ看板を増やさないようにとお願いしたので、比較的まとまっています。たまに突拍子もない看板が出てきたりしますが、お願いをして撤去してもらったりデザインを変えてもらったりして、見苦しくないようにずっと維持できています。
 熊野古道の場合は、皆が共通の意識を持ち、合意がとれたので、良かったと思いますが。国立公園の場合は環境省が地域の人たちを説得しながら、全国統一するのか、地域性を持たせるのかを決め、地域性を持たせる場合は最低の基準や看板の種類を決めたり、景観については人間が関わる部分の統一性をつくっていただければありがたいと思っています。もし、あるならばそれで結構です。

○廣瀬委員 関連してですが、グランドデザインの話です。国立公園の整備計画は当然、一定のルールに基づいていると思いますが、個々のケースでは市町村単位、県単位で整備され、速水さんがおっしゃったような状況が見られると思います。看板等のグランドデザインをきちんと整備して、気持ちのいい日本の風景がどこに行っても見られるようになってほしい。それから、歩道にちょっと注意をしていただきたいのですが、車道はこれまでの日本の数十年の中で、つくられ尽くしたと思うのですが、これからは歩道をいかに快適につくっていくかということだと思います。
 例えばコンクリート擬木がずらっと並んでいるような歩道もよく見られます。歩道を1列に歩かせればいいというだけではなく、最近はガイドさんが案内するケースも大変増えていますので、地元の方々の意見を聞いて、例えばここでは10人ぐらいがある程度固まって話が聞けるような場所の整備をするとか、利用に応じた整備を統一的にやっていただけないかと思います。
 それからもう1つ、2つありますが、四国の土佐清水市の大岐の浜に関しての宿泊施設の整備の案件が出ていますが、12ページ、13ページですが、大岐海岸宿舎に、私は年4回ぐらい行っていて、今、地域を挙げてエコツーリズムを根づかせて、地域の産業にしようと頑張っていますが、ここで宿舎をつくるとしたら、ぜひビジターセンター機能を盛り込んだ宿舎、施設にしていただけないかと考えます。そのようなことも一つの意見として見ていただければと思います。
 以上です。

○鹿野小委員長 今のご意見の特に後半についてお答えください。

○国立公園課長 標識は、統一というか、デザイン性も考慮し、必要なものを適切な形で整備すべしというご意見を複数いただいたと思っております。
 最低限のルールは、国立公園管理計画を定めていまして、民間、国、自治体がつくる看板については、最低限の統一しています。色や大きさをネガティブな形で統一を図ることはやってきている。
 先ほどのご意見は、それよりもっと前に出て、よりよい物をつくる、利用に即した歩道の計画や小さな路傍の施設について配慮するということだと思います。この点については、まだ直轄整備を重点的に行うようになって日が浅く1つの課題だと思っています。ご指摘のあったことについて、総合的に考えて、一つ一つの歩道について十分な計画性を持って目的に沿ってデザインをしていくことは、課題だと思っています。設計をしていくとき、基本的な計画をつくるときに十分配慮していくべき課題と認識しています。

○国立公園課長 土佐清水の施設につきましては、市の施設として予定されているようなので、市が施設をつくるときに、ご指摘の点も考慮して指導したいと考えています。
 以上です。

○鹿野小委員長 ありがとうございました。
 先ほどの指導標について、実は私からも1つお願いですが、せっかく環境省や公共団体がきれいな指導標をつくっても、書き足りないところがあったらしく、地元山岳会やボランティアの会ががさらに書き足す、周囲に看板をつけ足すなどの事例が多くあります。これはつける前に地元山岳会の人たちと、その標識に何を表示しようかという意思の疎通がなかった、もしくは一緒にやりましょうということがなかった結果だと思います。せっかく新しい物、きれいな物を立てても、大抵、後で手づくりの物が横についているという事例がほとんどですから、せっかくやるなら、皆が言いたいことを1つにまとめられるような、標識をつくっていただきたいと思います。
 

○原委員 、上信越公園国立公園の草津について、最後の122、123の国民休暇村スキー場や菅平の大松山など、結構、スキー場が廃止になっています。リフトはありましたよね。

○事務局(坂口) 休暇村のスキー場のは、現在撤去されている状況ですね。

○原委員 もう撤去されているのですか。廃止のときに、大松山でもそうですが、撤去費用はどこが出しているかわかりますか。

○事務局(坂口) 基本的には事業執行者が出しています。

○原委員 更地にしてしまうのですか。

○事務局(坂口) そうです。

○原委員 廃業ということですか。

○事務局(坂口) はい。事業の廃止の申請を出していただく際に、更地にするよう指導をさせていただいている状況です。

○原委員 そうすると、休暇村スキー場は更地になっているわけですね。

○事務局(坂口) 更地になっています。

○鹿野小委員長 菅平は、もともとスキー場が幾つもありましたよね。前の計画では、菅平何とかスキー場となっていたものが、今度1本になったから、小さなスキー場は全て名前が廃止されたのではないですか。

○原委員 そういうことですか。

○事務局(坂口) 廃止案件には幾つかのパターンがあります。休暇村のケースは実際に廃止するという形をとっています。場合によっては他の事業に一本化して廃止をしているものもあり、それは形式上の廃止です。先ほど説明しましたように、2つの路線を1本の長い路線にして、形式上2つの路線は廃止されるといった整理をしたものです。

○原委員 それは、名称が変わるという意味ですか。

○事務局(坂口) そうです。名称が変わって新しい路線になるという意味です。

○原委員 そうすると、物理的な物は残って、スキー場としては機能していると理解して良いですね。

○事務局(坂口) そうです。幾つかスキーの場廃止案件があるのですが、その中にも、名称が変わって、もとのスキー場が廃止されたケースがあります。また、今回の表に入れさせていただいている中で、今後整備の見込みがないため公園計画から削除したものについては、施設自体がないという案件です。

○原委員 スキー場としても消滅しているという意味ですか。

○事務局(坂口) そうです。他の事業に吸収されるものというのが、形式的な廃止案件になります。

○原委員 それはわかります。スキー場をやめても、索道施設や宿舎が残っているような見苦しい場所が国立公園に限らず結構あります。スキー場の場合は、特に多いです。撤去すれば他の使い方がありますが、「つわものどもが夢の跡」で残っていると、始末に困る場合が多いです。事業者で更地にしてくれないと困るという話ですが、事業者も倒産しているから撤去されずに見苦しい施設が残っている。撤去費を環境省が何とかするという話はないのでしょうか。

○鹿野小委員長 なかなか難しい問題です。

○国立公園課長 一般的にこのようなケースは多くて、民間事業者の場合は基本的には先ほどご説明をしたとおりで、事業執行をしていた者が撤去してやめるということですが、自由意志でやめる場合もあるし、やめざるを得ない、要するに会社がつぶれてしまう、傾いてしまうという場合になると、その費用が工面できず実態上残っている場合があります。
 制度的に言いますと、命令をかけて強制的にやりなさいということになりますが、つぶれてしまったり存在が分からない会社もありまして、そういう場合、法的には、行政代執行となります。ケース・バイ・ケースで実施の判断を私達がしなくてはいけませんが、その経費は行政が持つわけではなく、民間の業者から後でお金を徴収します。その兼ね合いで、見込めるか見込めないかということの判断も必要です。各地で問題になっていますので、いろいろな方法を組み合わせて、状況の改善を検討しています。

○原委員 国設スキー場は、林野庁の国有林を使ってスキー場にしたにも関わらず、潰れてしまったところが結構あります。そして、ほったらかしで見苦しい施設ばかり残っている。更地にしてくれれば、木を植えるなど手段はあります。手段をどうするかという話は、国立公園の問題とはちょっと違うと思いますが、これはかなり大事な問題です。

○廣瀬委員 国立公園地域の中にスキー場がたくさんある中で、現在スキー人口の減少で使われなくなっているところがあり、またロープウェイのメンテナンスには大変金がかかります。聞くところによると、ほとんど1社が独占している状況で、メンテナンス費用が高くて、市町村が払えないという状況があって、スキー場が維持できないというケースもあると聞いています。民間の問題かもしれませんが、景観とか地域の産業などと絡まっている問題なので、環境省としての指導は何かしているのでしょうか。

○鹿野小委員長 今のお話は、観光の栄枯盛衰と関わりがあります。衰退した場合、公園事業という公園としても必要な施設と判断をして認可事業でやっているため、応援しないのかというお話だと思います。。

○国立公園課長 お金の問題で、かつ財産権が絡んでいる話なので、特殊解釈ではなくて一般論の話になります。アイデアはありますが、一般論との兼ね合いがあります。最初に供託金を集めるという方法もあるかもしれませんし、日常の事業の指導を厳しくして、経営が危なくなったらその時点で「あきらめろ」と言う方法など、いろいろな想定はできますが、実態面で言うとかなり難しいことです。制度的な点からも考える必要があります。引き続き大きな課題として検討を進めていきたいと考えています。

○原委員 すぐ、10年、20年たってしまいますね。

○鹿野委員長 先ほど廣瀬さんがお話したような、大きなロープウェイがあり、それに依存して地域が成り立っている。ロープウェイそのものは1社独占かもしれませんが、ロープウェイによって、成り立っている地域は公園の中に結構あります。そういう場合に1つがこけると地域がこけてしまう。そういう地域に対しては、もう少し目配りしてほしいということです。難しいのは重々わかります。

○国立公園課長 個別の企業を支援する事は難しいですが、国立公園の地域の活性化という意味で、側面からの支援はこれまでも工夫しながら行ってきていると思います。、引き続き、国立公園を盛り立てて、その中の事業者も適正な利用の提供を続けてもらうことが理想だと思います。今後も可能だと思いますので、頑張っていきたいと考えております。

○小泉委員 今の話ですが、広い意味の自然再生事業に含めることはできないかと思います。難しいとは思いますが、生物多様性等いろいろな面で工夫していけば、説明も可能ではないかと思います。残骸を整理し、景観も生物多様性上もよくなるとか理由がつけば、環境省の事業として支持されるのではないかと思います。難しい事は重々承知で申し上げますが、提案してみたらいかがでしょうか。ご検討いただければありがたいです。

○鹿野小委員長 今の小泉委員のご意見は、今のところは承っておくしかないですね。

○小泉委員 もう一つあります。いろいろな事業が提案されていますが、この間、桜島に行って、大正溶岩などを見ましたが、クロマツがどんどん入ってきて、樹齢8年くらいの木が急激に育っています。8年で6mぐらいに育ち、結局、本来の国立公園の一番の景観の目玉である溶岩のごつごつした突出した景観が、クロマツで段々分からなくなっています。そういう場合はどうするかが、大きな問題だと思います。本来は自然の成り行きに任せて、手をつけないほうがいいと思いますが、全部が自然の成り行きになってしまうと、国立公園としてどうかという感じがあります。全部ではなくて一部だけでも、例えばクロマツをある程度撤去してもらって本来の溶岩の景観を維持するという事が、これから大事になる気がします。これまでは、とにかく絶対手をつけるなという方針でやってきたと思いますが、逆にいいものがなくなってしまうこともあると思います。これからは、そのような点も含めて検討していただいて、いい景観を保つことも考えてもらいたいという要望です。

○鹿野小委員長 今は桜島の例がありましたが、景観保全で悩んでいる地域は他にもたくさんあります。

○国立公園課長補佐 公園ですから、手つかずで木の成長に任せてという思想が強かった時期もあります。そのため、展望台をつくっても周りは木で覆われて見えなくなるといったことが起こっていました。しかしここ3年ぐらいですが、グリーンワーカー事業を使いまして、遮る木を切るなどの展望地の再生事業をやっています。特に瀬戸内海国立公園は一生懸命やっています。多島海景観が眺められるように伐採するという事業を実施しています。桜島については、その場所がどういう場所であるかを調べた上で、遷移を見守る場所と、景観を大事に維持する場所に区分けをしながら管理をしていくということもあり得ると思っております。

○速水委員 民間のロープウェイを含めた企業へのサポートの話ですが、今、国交省は国土整備計画で、国民参加の国土管理というとらえ方をしています。国民参加の国民という部分を広く国民と捉えるときもあります。一方、国立公園の中で民間の施設みたいなもの、民間の国立公園をサポートする一つの大きな機能を持っていると捉えると、民間に対する直接的な補助というのは、当然、公明性や透明性を確保しながらも、今後民間にサポートすることがどういう意味を持つのかという整理と説明責任をしっかり持っていれば、1つの環境省の事業として、民間への直接的な補助の可能性があるのではないかと思います。
 そういう時代を迎えているような気がしますので、長期的に考え方を整理していかないと、今までずっとやってきた山小屋とか、駐車場の入口の休憩所とか、四国のビジターセンターの話もそうですが、民間だからできないと言ってしまうと、国立公園の中は民間施設を全部やめてしまって、環境省が直接整備すればいいという事になってしまいます。民間だからこそ彼らに何かをやってもらうという考え方をとればいいし、環境省がサポートできるならば、しっかりサポートしようという整理をしなければならない時代だと思います。

○鹿野小委員長 貴重なご意見だと思います。日本の自然公園の制度そのものが、最初から民間と一緒にやっていくという制度です。だから、もっと一緒にやっていくという方向や気持ちを強く出してもいいと思います。最後に要望を込めたご意見をいただきました。
 それでは、案件ですが、国立公園事業の決定、変更及び廃止について、今日説明いただいた諮問第241号ですが、適当と認めることで異議ありませんか。 (異議なし)

○鹿野小委員長 ありがとうございました。
 それでは、本件については適当と認めることといたします。
 以上で、本日の諮問事項についての審議は終了しました。審議へのご協力ありがとうございました。本日のこの小委員会の決議は、後刻、部会長の同意を得て、自然環境部会の決議になります。
 それでは、続いて、報告事項が事務局のほうからあると聞いています。

○事務局(中山) 国立公園課で計画第一係長をしています中山と申します。
 最後に少しお時間をいただきまして、今後の公園指定のあり方とも密接なかかわりを持つ国立・国定公園の総点検の取り組みについて、現在の状況を簡単にご報告します。A4、1枚紙の資料7をご覧ください。
 本事業は、一昨年度取りまとめた国立・国定公園の指定及び管理運営に関する提言のうち、指定に関する提言を踏まえて実施しているものです。提言では自然公園の今日的意義と今後の方向性とを踏まえ、既存の国立・国定公園の指定状況の評価・見直し、新規指定に向けた検討、それから自然公園選定要領の見直しを行うこととされており、まさにこれが本事業の目的になっています。
 また、これまでの公園指定、選定の中で十分に評価されておらず、今後新たに評価すべき優れた自然の風景地として、例えば奄美群島・やんばる地域といった照葉樹林、それから里地里山、海域等が挙げられていまして、生物多様性豊かな地域を評価すること、生態系ネットワーク形成へ貢献すること、エコツーリズム等の新たな自然体験型利用へ対応することも必要とされています。
 本事業ではまず、その提言の内容や有識者ヒアリングの結果を踏まえまして、自然公園の今日的意義と今後の方向性等を整理しています。その中では、提言で書かれたことのほかにも、プレートテクトニクスなど最新の科学的知見を十分に踏まえること、植生と地形・地質の関連性や現在も進行中の地形形成過程などの景観のダイナミズム、言いかえますと、景観要素の形成過程、そういった動的なものも評価すること、陸と海の連続性といった資源のつながりを評価することなどを視点としています。
 その視点に基づきまして、全国の国立・国定公園の指定状況を、これまでに蓄積された各種データを活用して試行的に比較評価し、全国的な視点から保全を図るべき地域の抽出作業を進めています。
 その結果、国立公園に関しては、従来の大地形による評価に加えまして、生物多様性保全の屋台骨として重要な役割を担っていることがデータからも裏づけられた一方、生物多様性を初め、国立公園が新たなニーズに対応していくためには新規の指定、それから既指定地域の範囲の見直しといった作業が必要であることも明らかとなってきました。
 次に、裏面を見ていただきたいのですが、特に提言でも国立公園指定を視野に入れた詳細な検討を行うこととされている奄美群島とやんばる地域につきましては、スダジイ林等から成る亜熱帯性照葉樹林がまとまっており、国内最大規模で残っています。特に奄美群島では大きな群落があります。それから、照葉樹林、マングローブ林、干潟、サンゴ礁など、亜熱帯地域を特徴づける多様な生態系が見られ、森・川・海の連続性が保たれている地域があること、そして、それらの地域がヤンバルクイナ、アマミノクロウサギを初めとしました地史を反映した多くの固有種、遺存種の生息地となっているなど、地史と生態学的過程の関係性という動的なプロセス、それから生物多様性の豊かさを実感できる地域として重要であること、また、そうした地域がエコツーリズムのフィールドとしても広く認知されていることから、全国的にも保全を図るべき地域として抽出されています。なお、両地域では別途、現地においても検討会を開催して、検討を進めているところです。
 また表に戻りますけれども、今後につきましては、優れた自然の風景地の評価方法、国土の自然の風景地の再評価と現在の指定状況を踏まえた指定候補地に関する詳細な検討を引き続き進めていく予定です。
 また、総点検事業の評価を踏まえまして、昭和46年以降変更されていない自然公園選定要領の見直し、それから国立・国定公園の再編・再配置、新規指定を行いまして、すぐれた自然の風景地が適切に公園区域として保全されるよう、努めていく所存です。
 この自然公園選定要領の見直しや公園の新規指定、公園計画の変更につきましては、もちろん審議会の皆様のご意見をお聞きしながら進めていくことになりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 以上でご報告を終わります。

○鹿野小委員長 ありがとうございました。
 最近の国立・国定公園の総点検の取り組みについて説明がありましたが。これについて、ご意見やご要望がありますか。

○熊谷委員 そもそもの出発点となった「国立・国定公園の指定及び管理運営に関する提言」に関係していた立場から一つ申し上げたいのですが、このようなきちっとした考え方に基づいて総点検されるということは大変いいことで、実は今日の議題を見ていても、今までの総点検というのは、ただの読みかえに過ぎないのではないか、また何の理念もないのではないかと感じていました。ちょっときついですが、何に基づいて行っていくという方針が、すべての国立公園や地方環境事務所、あるいは協力していただいている県や市町村にこれまで伝わっていなかったということもあると思いますので、ぜひこの取り組みについては本気になって行っていただきたい。また図面上の作業になるので、やんばる地域などで、現地で実際に調査あるいは聞き取りをして、見直しを進めていただきたいと思います。先ほど県や市町村から上がってきたというような話も大切ですが、ぜひ積極的にやっていただきたいと思います。
 それから、これを行った後、実際の公園事業につながっていかないと意味がない。実は先ほど145件の事業の中で、環境省が実施する事業は尾瀬の2億しかないのです。新しく指定した国立公園、それも20年ぶりの国立公園を指定しておいて、事業が2億では、国民の皆さんに申し訳ないですが、これは予算上の問題もあります。新しい国立公園を指定して、やんばる地域・奄美も、これから色々な意味で望ましい自然公園として、あるいは生物多様性の場として国民に訴えていくわけですから、それには、一番はそれなりの予算を獲得して、理解を得るような具体的な事業を進めていかないといけないと思います。これから検討を具体的に進められるわけですが、ぜひ予算などを獲得して進めていただきたいと強く思います。
 以上、意見ですが、よろしくお願いします。

○鹿野小委員長 ほかにご意見ありますか。

○廣瀬委員 私もこの奄美及びやんばる地域の国立公園をできる限り早急に、かつ、良い案として推進していただきたいと強く思っています。
 これまでの経緯も、地元森林組合や様々な方々が、規制が強まるのではないかと反対したり、開発行為ができないということで地元市町村が反対したりという経緯もあったわけですが、新しい産業というか、長期的に見て、自然景観を残すことによって新たな地元経済が生まれるという道筋も、併せて皆さんに議論されることによって、地元の理解も得られていくことになると思います。今のところ、民間が先行してエコツーリズム等を行っていますが、国立公園の形がまだできていない中で進んでいるため、できる限り早くその辺を整備していただければありがたいと思います。

○鹿野小委員長 ぜひそういう要望を踏まえて、環境省が頑張ってください。
 それでは、課長からお願いします。

○国立公園課長 先ほど、それだけの事業であるから、しっかり行うよう激励、ご指摘をいただきましてありがとうございます。
 全般的な総点検の話もしっかり行っていくとともに、その中で具体化の方向にあります奄美・やんばる地域の国立公園ということも視野に置いて、十分に詳細に現場を踏まえた調査検討をするということについても、私ども、ぜひとも行っていきたいと思います。財政状況が大変厳しい中でございますので、どこまでというところがございますが、工夫をして必要な調査検討を行った上で、廣瀬先生がご指摘されたような、地元に還元される、地元との協調のもとに、いい保護地域、国立公園等が実現できるように努力してまいりたいと考えております。

○鹿野小委員長 ありがとうございました。
 それではこれをもちまして、本日の自然公園小委員会を閉会したいと思います。ご協力ありがとうございました。後は事務局にお願いします。

○国立公園課長補佐 本日はご審議をいただきまして、ありがとうございました。
 なお、本日の会議資料の取り扱いは公開でございます。また、本日配付の資料につきまして、郵送をご希望の委員の方は、お手元の用紙にご記入の上、机に置いていただければ、事務局から後日郵送させていただきます。
 本日はどうもありがとうございました。

午前11時42分 閉会