中央環境審議会自然環境部会(第24回)議事録

○事務局 それでは、大変お待たせいたしました。定刻となりましたので、ただいまより自然環境部会を開催いたします。

本日は、お忙しい中、当審議会にご出席いただきまして、大変ありがとうございます。司会を務めさせていただきます、自然環境計画課の齋藤でございます。よろしくお願いいたします。座って失礼いたします。

会議に先立ちまして、7月8日付で自然環境局幹部の異動がございましたので、異動のありました幹部をご紹介させていただきたいと思います。

まず、自然環境局長、塚本局長でございます。

続きまして、大臣官房審議官自然環境担当、小川審議官でございます。

自然環境計画課長、鳥居課長でございます。

続きまして、国立公園課長、岡本課長でございます。

総務課の調査官となります、水谷調査官でございます。

以上で、新幹部の紹介を終わらせていただきます。

続きまして、事務局より本日の出席委員数のご報告をいたします。所属の委員、臨時委員25名のうち、本日、13名のご出席をいただいております。定足数を満たしておりますので、本審議会が成立しておりますことをご報告申し上げます。

続きまして、本日の議題についてでございますが、お手元の議事次第のとおり、ご審議いただきたい案件が1件、その他として情報提供事項が2件ございます。

資料につきましては、配付資料一覧のとおりとなっております。めくっていただきますと、資料の一覧がございますけれども、過不足等ございましたら、審議の最中でございましてもお知らせいただければ、事務局のほうからお届けさせていただきます。

なお、配付資料一覧の最後にあります前回の自然環境部会第23回の会議録につきましては、委員の先生のみの配付となっておりますので、ご了承いただきたいと思います。

それでは、開議に先立ちまして、塚本自然環境局長よりご挨拶を申し上げます。

○自然環境局長 皆さん、おはようございます。先ほどご紹介いただきましたけれども、7月8日付で自然環境局長を拝命いたしました塚本でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

本日は、お忙しい中、本部会にご出席いただきまして、誠にありがとうございます。日ごろから自然環境行政にご協力いただいていることに、改めてお礼申し上げたいと思います。本当にどうもありがとうございます。

本日は、先ほど司会のほうからもご紹介ありましたとおり、第四次環境基本計画の生物多様性分野に関する点検についてご審議をいただき、そのほか、報告案件、何件かございます。お時間の許す限りご議論いただければありがたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○事務局 ありがとうございました。

それでは、これより議事に移りますが、進行につきましては武内部会長にお願いしたいと存じます。部会長、よろしくお願いいたします。

○武内部会長 おはようございます。お暑い中、お集まりいただきまして、どうもありがとうございます。

早速議事に入らせていただきたいと思います。

本日の審議会は公開で行いますので、報道関係者や傍聴の方も同席しておられます。

会議録は、後ほど事務局で作成し、本日ご出席の委員のご了承をいただいた上で公開することとなります。

なお、議事要旨につきましては、事務局で作成したものを、私、部会長が了承した上で公開することになりますので、ご了承いただきたいと思います。また、会議資料につきましても公開となります。

それでは、本日の議題、「第四次環境基本計画の進捗状況の点検について(生物多様性の保全及び持続可能な利用に関する取組)」について、まず事務局のほうから説明をお願いいたします。

○事務局 議事の(1)につきましてご説明をさせていただきます。

まず、前回、6月25日に開催しました部会で、皆様からたくさんのご意見をいただきました。時間の都合でそのときにはお答えできませんでした。その点についてご説明をさせていただきたいと思っておりますが、まず、取りまとめの方向性について、あらかじめご紹介をさせていただきたいと思います。資料の順番が前後いたしますが、資料1-2、それから資料1-3、こちらをご覧ください。

前回、重点検討項目に係る報告のイメージという形でお示しをさせていただきましたが、今回は案という形でお示しをさせていただいております。本日、この案につきまして、部会としての取りまとめをしていただければと思っております。最終的な案がとれるのは、中央環境審議会のほうに部会からご報告をさせていただきまして、その後、パブリックコメントを経て、最終的な案がとれるという形になりますが、本日は部会としての取りまとめをお願いしたいと思っております。

それから、前回、委員の皆様からいただいたご意見のうち、既に各省庁で取り組んでいるもの、そういったものにつきましては、この報告案の中の「現状と取組状況」というところに追記をさせていただいておりまして、それから、いただいた意見で、今後の課題であり、まだ取り組めていないというものについては、最後の「今後の課題」というところに追記をするという整理で、今回、対応させていただいておりますので、その点をご確認いただければと思っております。最終の取りまとめの形につきましては、この後、またご説明をさせていただきたいと思います。

それでは、前回いただきました各委員の皆様からのご指摘等に対する回答と修正案について、ご説明をさせていただきたいと思います。資料1-1-1をご覧ください。

まず、整理番号1番でございます。柴田委員からのご指摘でございますけれども、生物多様性は日本だけでなく世界のための課題であると。広域的な視点をもって、国内外の取組を一体的に進めることを意識すべきということで、具体的に資料を英文化したり、ホームページの掲載などを通じて世界に発信すべきというご指摘をいただいております。

その対応ですけれども、実は基本計画のほうに重点的な取組として、別途、「国際的取組」を掲げておりまして、今回の分はその対象外ということではありますが、生物多様性について、その国際的な発信というのは重要だということで認識をしておりますので、それについて「今後の課題」に追記をさせていただきたいと思っております。

「今後の課題」の中に「生物多様性の保全は日本だけでなく世界的な課題であり、広域的な視点をもって国内外の取組を一体的に進めることが重要である。我が国で得られた知見を共有することで国際的な生物多様性の保全に貢献することができる。このため、資料の英訳や英文ホームページの掲載など国際的な情報発信を検討していくことが必要である。」といった記載を追記させていただきたいと思っております。

なお、現状でございますけれども、平成26年3月に生物多様性条約事務局に提出しました第5回国別報告書では、我が国の取組状況を既に英文で紹介しておりますし、事務局のウエブサイトでも閲覧が可能ということで、既に対応しているものもあるということでございます。

続いて、整理番号の2番、3番について、山極委員からのご指摘でございます。IPBESに係る取組について、過去の分析でなく、将来、今後100年を見据えた展望が必要ではないかというご指摘でございます。

それに関連しまして、国内で行われていますモニタリングサイト1000についても、そういった将来をどう捉えていくのか。例えば両生類が非常に絶滅の危機に瀕しているけれども、こういったものがモニタリングの対象になっているのか、そういったご指摘をいただいております。

それに対する対応でございますけれども、IPBESにつきましては、既に専門家グループが立ち上がっておりまして、将来予測についての基盤の確立を進めるということとされております。これにつきまして、事実関係を「取組状況」に追記をさせていただきたいと考えております。

それから、モニタリングサイト1000ですけれども、こちらについては、各生態系における調査項目や対象等について、専門家の皆さんに参加いただいている検討会において議論を進めておりまして、そのそれぞれの生態系において、変化を検出するのに最適と思われる調査項目等を絞り込んでおります。ご指摘のありました両生類につきましても、里地調査において、対象として調査を既に実施しているところです。

今後100年続けていくために必要なこととして、やはり調査方法や実施体制を見直していくことが必要であり、5年に1度、定期的な見直しを行っております。また、人材育成ということも非常に重要でございますので、そういったことにも力を入れていきたいと考えているところでございます。

続いて、整理番号の4番でございます。宮本委員からのご指摘でございますけれども、環境不動産のところについてご指摘をいただいております。再生可能エネルギーについて、そういった環境不動産の価値の中でどのような扱いをしているのか。

例示としまして、再エネ導入のための大規模開発によるCO2の排出抑制と、開発対象地にもともとあった自然環境による吸収量の比較が問題になったことがあって、例えば二酸化炭素の収支に注目した場合に、経済効果あるいは環境への効果として捉え、検討する必要はあるのではないかというご指摘をいただいております。

ご指摘の部分ですけれども、不動産の価値がどの程度向上したかということに関する調査は、現時点では行っていないというところでございます。ただ、平成22年度に太陽光等の再生可能エネルギーの利活用や省エネ改修等が不動産価値の向上につながるかどうかについて、あるいは、それが市場価格にどの程度現れるかについての検討を実施しているところがございます。この結果としては、環境性能表示が行われているマンションのほうが、そうでないものに比べて数%価格が高くなる傾向があるということが把握されているということです。

ただ、現時点では、十分な情報が収集されておらず、市場の価値も定まっていないということで、今後、事例収集・分析・提供を行って、環境情報の流通を促進してまいりたいということでございます。

続きまして、整理番号の5番、下村委員からのご指摘でございますけれども、情報の整備について、例えば地図化とかモニタリング、そういったものを各省庁も一元的に整備・管理していくプロセスを想定しているのか、展開しているのかというご指摘でございます。

こちらにつきましては、環境省の総合政策局のほうで取りまとめております「環境情報戦略」に基づき、現在、情報の一元化に対する取組を行っております。具体的には、環境に関するウエブサイトのリンク先を検索することができるポータルサイトを開設しており、今後一層の充実を図ってまいりたいというふうに考えております。

整理番号の6番、引き続き下村委員からのご指摘でございますけれども、経済価値評価を進めているのはよいが、農水省は個別のプロジェクトに着目して評価を進めている一方で、環境省は生態系全体の評価を行っていると。こういったそれぞれのゴールのイメージを示して、それに対してちゃんと取組をしてほしいというご指摘をいただいております。

ご指摘のとおり、経済価値評価はその対象や目的により評価手法や結果が異なっております。農水省につきましては、プロジェクトへの民間支援を期待しているためにプロジェクトごとの評価をしておりますが、環境省では、生態系保全に対する理解を深めることを目的としまして生態系全般の評価を行っています。こうした評価をどのように政策に反映していくかは大きな課題であり、「今後の課題」に追記をさせていただきたいと思っております。

経済評価の部分については、整理番号7番、白山委員からもご指摘をいただいております。経済価値評価の結果額を数字で示すだけでなく、評価までしてほしいというようなことのご指摘をいただいております。

これにつきまして、湿地の経済価値評価については、世界での評価事例と比較をさせていただいております。

また、奄美大島の事例につきましては、マングースの駆除だけでなく、国立公園に係る費用と便益の分析など比較を行っておりますけれども、今後、さらに評価額の一層の活用について、課題に追記していきたいというふうに思っております。現時点でも比較可能なものは比較して評価しておりますけども、まだまだ十分でないということでございます。

修文案としまして、少し長くなりますが、「今後の課題」について、お二人の委員のご意見を踏まえまして、追加をしております。下線部でございますけれども、「経済価値評価を実施する際には、民間支援の促進や、税制、金融等の生物多様性保全のための新たな社会経済的な仕組みづくりに反映するなど、政策への活用方策を想定した上で実施することが重要であることに留意しなければならない。また、その想定によって評価対象、評価手法が異なってくる。各政策目的に応じて実施されているこれらの経済価値評価等の取組について情報を共有し、可能な場合については横断的な取組を検討するとともに、その評価結果についてはさらに他の経済社会データと比較分析することなどにより、より充実した評価につなげていくことが必要である。」と、こういった部分を追記させていただいております。

続きまして、白山委員からのご指摘で8番でございますけども、もともと達成目標に対する進捗状況は何%等の評価があってもよいのではないかというご指摘をいただいております。

第四次環境基本計画においては目標値というのを定めておりまして、それについて、今回の点検をするというようなことが指摘されています。

それにつきまして、資料1-1-2をご覧ください。

こちらにおきまして、数字で示されている指標につきまして、目標年次、目標値、それから現状の最新値、わかるものを並べさせていただいております。ものによりましては、9割から10割を超えているものもありますけれども、まだ目標に満たないというものもありまして、こういった状況になっておりますので、それぞれの目標を目指して施策を推進してまいりたいと思っております。

それから、資料1-1-1に戻っていただきます。

整理番号の9番でございます。浜本委員からのご指摘でございます。重点検討項目1につきまして、防災・減災機能の活用や再生可能エネルギーの利用、特に防災・減災機能の部分の取組の記載が不足している。

防災・減災に関して、例えばテトラポットをアシに替えると生物多様性の機能を高めつつ、防災・減災機能が期待できるといった評価は今後調査しなければわからないが、そういった点は記載が物足りないのではないかというご指摘をいただいております。

これにつきましては、検討項目の2のほうに記載をさせていただいておりまして、そちらのほうで対応させていただいております。ただ、防災・減災機能のうち、山地災害の防止については記述が不足しておりましたので、その点について、同じく重点検討項目2のほうで山地災害の防止というものを追記させていただいております。また、ご指摘いただいた課題については、そのとおりでございますので、重点検討項目2の「今後の課題」において記載をさせていただいております。

それから、整理番号の10番でございます。小泉委員からのご指摘でございますけども、認知度の部分についてご指摘をいただいておりますけども、認知度は高止まりというか、少し下がっているように見受けられると。もっと魅力化すべきというご指摘をいただいております。生物多様性がなぜ高いのか、その理由が伝わればそれが魅力になって観光客も増えると。ジオパークは生物多様性の豊かさの基盤が地形地質だとかいったことがありまして、そういったものの魅力化は産業振興にも資するのではないかというご指摘をいただいております。

ご指摘をいただきましたジオパークに関しましては、国立公園との重複地域におきまして、両者の連携を図るための保全活用計画の策定に向けた支援などを行っているところでございまして、これは既に取り組んでいる内容でございますので、その取組状況の部分に追記をさせていただいております。

「我が国の生物多様性の基盤となる優れた地形・地質の適切な保全及び活用を推進していくことを目的に、平成25年度は国立公園とジオパークの重複地域において、両者の連携を図るための保全活用計画の策定に向けた取組の支援やシンポジウム等の開催を行った。」ということで、記述をさせていただいております。

それから、小泉委員からもう1点、整理番号の11番でございますけれども、文部科学省に対しまして、エコスクールなどの取組をしているのはよいが、日本のジオパーク、国立公園、すばらしい地形など、我が国の誇れるところは教科書であまり取り上げられていないのではないかというご指摘をいただいております。

それに対するご回答でございますけれども、教科書のほうは、民間の発行者が創意工夫を生かして、学習指導要領に基づいてつくっているということで、その内容については、発行者の判断に委ねられているというところでございます。ただ、現在使用されている教科書の中には、「ジオパーク」や「尾瀬国立公園」、「里山」等の記載も既にあるということでございます。

また、現行の学習指導要領におきまして、中学校理科の第二分野におきましては、「身近な自然環境について調べ、様々な要因が自然界のつり合いに影響していることを理解するとともに、自然環境を保全することの重要性を認識する。」ということが記載されておりまして、これに基づいた教育が進められるとされております。

それから、整理番号12番でございます。佐藤委員からのご指摘でございます。「自然資本」のところについてのコメントでございます。生物多様性の経済価値評価の結果について、企業はこのような曖昧な数字では企業の意思決定には組み込めないということで、「自然資本」は海外で大きな課題となっており、このような海外事例を調べ、課題に書いてほしいということをご指摘いただいております。

現在の生態系の評価といったようなものでは、企業の意思決定に十分な情報となっていないのはご指摘のとおりでございます。そういったことから、「今後の課題」に企業の意思決定に反映できるように、自然資本に関する検討の必要性について追記をさせていただきたいと思っております。

具体的には、「今後の課題」のところに「自然資本会計に関する国内外の事例を踏まえ、我が国においても自然資本の価値を事業者の意思決定に反映させるための取組を進めていく必要がある。」という記述を追加させていただいております。

なお、平成26年版の環境白書においては自然資本を取り上げておりまして、こちらでも国内外の事例を紹介しているところでございます。

続きまして、重点検討項目2の部分でいただきましたご指摘に対する対応でございます。

整理番号13番、涌井委員からのご指摘でございますけれども、防災・減災機能について、生態系サービスを永続的に享受するためには、人の暮らしが永続的に担保される必要があると。レジリエンス性の高い国土の創出を図るためには、土地利用、集落の在り方など一体的に検討する必要があるということで、現在の案では書きぶりが不足している。三陸復興国立公園の取組をモデル的に紹介すべきではないかというようなご指摘をいただいております。

これにつきまして、「現状」のほうに追記をさせていただきたいということでございます。具体的には、「防災・減災機能を含め、生態系サービスを永続的に継続するためには、土地利用、集落の在り方などを一体的に検討し、社会全体のレジリエンスを高めることが必要である。三陸復興国立公園を核としたグリーン復興プロジェクトは「森・里・川・海のつながりを強める」を基本方針の一つに掲げており、そのモデル的な取組として位置づけられる。」というような追記をさせていただいております。

それから、整理番号の14番、石井委員からのご指摘でございますけれども、大阪府域の里山維持に大変役立っている。ぜひ続けてほしいということで、これについては、引き続き予算要求に努めてまいりたいと思っております。

それから、15番でございますけれども、天然記念物に対してのご指摘をいただいております。指定の取組について、逆に生息域などの情報が途絶えたり、絶滅を早めたり、里地里山の場合は遷移が進むことがあると。そういった意味で、指定の数を増やすだけでなく、生息地の適切な管理を検討してほしいというご指摘をいただいております。

これにつきまして、ご指摘の点は非常に重要であると考えております。近年は生息地を含めた指定が増えておりまして、対象生物だけでなく、生息環境の保護にも努めてまいりたいと思っております。

また、そういった取組に対して、各種の補助事業がありますので、これについて、現状の取組の中で追記をさせていただきたいと思っております。こういった補助金を活用して、地域が主体となった適切な保全管理体制の支援を進めていくという記述をさせていただきたいと思っております。

最後のページでございます。整理番号の16番でございます。小泉委員から、アカマツの枯死の問題についてご指摘をいただきました。これにつきましては、しかるべき担当部局から別途ご説明をさせていただきたいと思っております。

それから、整理番号の17番でございます。尾崎委員からのご指摘で、国立公園それぞれの運営に資金・人材がどれだけかけられているのかフォローしてほしいと。また、量だけでなく、質についても検討する必要があるのではないかということで、ご指摘をいただいております。

国立公園につきましては、地域の多様な関係者と連携して管理運営の充実を図っていくということで、現在、取組を進めております。具体的には、国立公園の協働管理の運営ということを進めておりまして、これについて現状の取組に追記をさせていただきたいと思っております。

ちょっと長くなりますが、「国立公園について、多様な主体の協働により、きめ細かな管理運営や質の高いサービスの提供を実現していくために、「国立公園における協働型運営体制のあり方検討会」によって、平成26年3月に取りまとめられました「国立公園における協働型管理運営を進めるための提言」を受け、環境省と地方公共団体をはじめとする地域の関係者が国立公園のビジョンや管理運営方針等を共有して、役割を分担しながら国立公園の管理運営に取り組むことを目指して、各国立公園において、総合型の協議会の設置・運営を順次進めていく。」ということを記述させていただいております。

それから、整理番号の18番でございます。浜本委員から、今、非常に話題になっておりますけれども、ウナギやアユは、河川から海に出て、河口部で成長し、また河川に帰ってくると。河口部の生態系で多自然型工法がしっかり確立していないと数はどんどん減っていくのではないかと。農水省の内水面漁業振興対策や国交省の多自然川づくりなど、所管省庁ごとに縦割りで施策を実施するのではなく、河川~河口部~海に関し連携した、本当の意味での生態系ネットワークの形成を、省庁間を越えてぜひともやっていただきたいというご指摘をいただいております。

これにつきましては、生物多様性国家戦略2012-2020の中におきましても、「生物の生息の基盤となっている場所のつながりを確保するために、自然本来の特性やメカニズム、歴史性を考慮し、将来にわたって保全すべき自然環境や優れた自然条件を有している地域を核として、それらを有機的につなぐ生態系ネットワークの形成を目指し、流域全体の生態系管理の視点に立ち、さまざまなスケールで森、里、川、海を連続した空間として積極的に保全・再生を進める」ということとしております。

具体的なところでは、河川~河口部~海の生態系ネットワークの形成という観点においては、河川管理者や河川の漁業者、学識経験者等、関係者の知見が適切に反映するよう、現場の関係者による意見交換の促進につき、関係省庁間で連携しつつ、取り組んでまいりたいというふうに思っております。

また、自然再生法に基づく自然再生事業の中でも、森林から海まで、あるいは生物に着目した環境の保全といった取組をしておりますので、その点について、現状の取組の中で追記をさせていただくということで、対応させていただければ思っております。

重点検討項目2aの「現状」の部分に、先ほどの「流域全体の生態系管理の視点に立って、森、里、川、海を保全していく。」ということを追加するとともに、具体的な自然再生の事例について、追記をさせていただければと考えております。

最後、整理番号19番でございます。白山委員から、部会後に紙面でご意見を頂戴しておりますけれども、同じ場に対して、複数の取組がある場合、それらを統合した指標とその評価を検討できないかと。具体的に、干潟の再生については、国交省の指標では港湾の整備で失われた面積に対する再生の割合を出しており、農水省は面積を指標としていると。我が国としてトータルでどれだけ取組が進捗しているかというのを見るためには、その両者を統合する必要があるのではないかというご指摘でございます。

干潟の再生につきましては、これは各省ごとに目標値の考え方がちょっと異なるために、単純にちょっと合算するというのは難しいのでございますけれども、現時点の国交省における復元、再生した面積は約1,525.2haということになっておりまして、数字のほうをお示しさせていただいております。

以上、長くなりましたが、前回いただきましたご意見に対する対応と、それに対応しました修文案について、ご説明をさせていただいております。

資料1-1-3というものをおつけしております。こちら、前回、各個票に基づきまして、関係省庁から取組状況を報告させていただいておりますけれども、委員のご指摘を踏まえるとともに、自主的な取組の見直しをした結果、幾つか修正をしておりまして、その修正したものの調査票をとじております。これはまた後ほど、ご覧いただければと思っております。

それでは、最終の取りまとめの案につきまして、改めてご説明をさせていただきます。資料1-2でございます。前回も大きなフレームについてはご説明をしましたが、改めて少しだけご説明をさせていただければと思っております。

資料1-2、重点検討項目①は生物多様性の主流化に向けた取組の強化ということで、四角の中にあるa)、b)、c)の三つの点で、今回、自主的な点検を行っております。

(2)現状と取組状況におきまして、1ページに示しておりますけれども、現在の取組状況について、大まかなことを書いております。

それから、2ページ、3ページでございますけれども、三つの検討項目について、それぞれ、現状、取組状況というのをお示ししております。

現状の部分につきましては、指標が示されているものについては、指標をグラフなどで表すことによって、現在の取組状況をお示ししておりますけれども、そういったものがない場合については、言葉でご説明をさせていただいております。詳しくはご説明をいたしませんが、こちらについては、経済価値評価等の取組についてお示しをいたしておりまして、2ページ目の取組状況の下の部分では、各省から出てきました個票の内容をまとめて、整理をさせていただいております。

5ページをご覧ください。5ページの上、生物多様性及び生態系サービスに関する科学政策プラットフォームの部分につきまして、先ほどご説明しました山極委員からのご指摘の部分を追加している部分が下線部でございます。

続きまして、7ページからが、b)生物多様性に配慮した事業活動の推進や経済的手法も含めた主流化の推進のための取組でございます。こちらについては、8ページ、9ページに示されている指標ですけれども、生物多様性民間参画パートナーシップの参加団体数が増加しています。それから、水産物に関するエコラベルについて、増加しているというような状況をお示ししております。こういった取組状況でございます。

それから、9ページからが、各省の個票から取りまとめさせていただいたものでございます。

それから、14ページの部分が、国民のライフスタイルの転換に向けた取組ということでございます。

こちら、15ページに、指標として内閣府の世論調査における認知度、それから、環境省のウエブ調査の結果をお示ししております。こちら、前回から、最新のものにデータを入れ替えたりしておりまして、14ページの下線部に、「平成25年度の「生物多様性」の認知度と自然に関心のある人の割合はいずれも約7割となっている」というような部分を修正させていただいております。

それから、そのほかの指標でございますけども、「にじゅうまるプロジェクト」の登録数を16ページにお示しをしております。それから、同じように取組状況のほうを並べさせていただいております。

最後、21ページでございます。こちらが今回の点検を踏まえた課題でございます。本日の議論の中心になろうかと思いますので、ご説明をさせていただきます。

重点検討項目1の生物多様性の主流化に向けた取組の強化の課題でございますけれども、1番目は、「生物多様性」の認知度について、COP10開催前に比べ高い状況でありますが、それが行動になかなか結びついていないということで、今後、生活との関わり、具体的な行動をわかりやすく伝えることが必要であり、このため、広報・普及啓発、自然とのふれあい体験の充実、環境配慮型商品の普及等について、国民のライフスタイルの転換に向けた取組をしていくことをさらに進めていくということを課題として記述をさせていただいております。

2番目が、民間企業に対する取組でございますけれども、事業者の意識・取組の向上が確認されていますが、さらに多くの事業者に主体的に取り組んでもらう必要があるということで、特に事業活動が生態系サービスに支えられており、生物多様性の損失が企業の安定した経営を脅かす問題であるというふうに認識してもらって、さらに取組を進めてもらうような情報発信等を進めていく必要があるということを書いておりますが、こちらに佐藤委員からのご指摘で、「自然資本会計に関する国内外の事例を踏まえ、我が国においても自然資本の価値を事業者の意思決定に反映させるための取組を進めていく必要がある。」というふうな追記をさせていただいております。

3番目でございますけれども、経済価値評価に関するところの記述でございます。こちらについては、先ほど詳しくご説明をいたしましたけれども、価値評価をさらに進めていく際に、そのゴール、どのような政策に生かすかということを想定した上で調査を進めていく。あるいは、ほかのデータとの比較を行っていくということを課題として記述をさせていただいております。

4番目でございますけれども、柴田委員からのご指摘がありました国際的な視点の部分をこちらに追記をさせていただいております。

続きまして、資料1-3に移らせていただきます。重点検討項目②でございますが、生物多様性の保全と持続可能な利用の観点から見た国土の保全管理と生態系サービスの利用ということで、a)とb)にありますようなことについて、各省庁で自主的な点検を行ったものということでございます。

2ページでございますけれども、a)としまして、国土レベルの生態系ネットワークの形成に向けた部分の取組につきまして、現状の部分ですけれども、浜本委員からのご指摘で、「森、里、川、海というところの連続した空間としての積極的な保全・再生を進めることとしている。」という記述を追記しております。

それから、指標としましては、国有林の保護林、自然公園の面積等について、着実に増加しているという状況をお示ししております。

それから、4ページでございますけれども、国立・国定公園に関する部分について、幾つか委員からのご指摘をいただいておりまして、タイトルを「保全及び活用の推進」というふうに改めさせていただいて、協働管理の取組と、それからジオパークの連携ということを、ご指摘を踏まえて追記させていただいております。

それから、5ページでございますけれども、天然記念物の部分につきまして、石井委員からご指摘がありました生息地の環境の保全について、それらの支援の状況について追記をさせていただいております。

それから、8ページでございます。自然再生事業のところで、先ほどご説明しました事例の追記をさせていただいております。

それから、その下、港湾の緑地の整備・浚渫土砂を有効活用等した自然環境の回復について、国土交通省のほうで自主的な見直しをしていただきまして、幾つか追記をさせていただいております。生物共生型港湾構造物の整備促進というものを盛り込んで、今、それのガイドラインを公表予定としているということでございます。

それから、10ページでございます。生態系が有する防災・減災機能の活用や再生エネルギーの利用、生物多様性に配慮した農林水産業の振興等の生態系サービスの持続的利用を促進するための取組ということで、10ページ、中ほどでございますけれども、涌井委員の指摘がありました社会全体のレジリエンスを高めること、それから、三陸復興国立公園のモデル的な取組というものをこちらに追記をさせていただいております。

それから、指標のほうにつきましては、田園自然環境の創造に着手した地域数や、国内の森林認証面積、こちらのほう、順調に伸びておりますし、木材需要の割合も、目標値に近いところまで上がってきているという状況についてお示しをしております。

13ページ以降が、各個票での取組を取りまとめたものでございます。

16ページでございますけれども、中ほど、多様で健全な森林の整備・保全を通じた森林の多面的機能の持続的発揮ということで、浜本委員のご指摘を踏まえまして、山地災害の防止ということを一つの機能として追記をさせていただいております。

最後、19ページでございます。今後の課題、この点検を踏まえました今後の課題について取りまとめをさせていただいております。

1番目、生態系ネットワークの構築の部分でございます。現在、生態系ネットワークの核になるような重要地域の保全・再生が進められておりまして、これは着実な伸びを見せております。これについては、引き続き進めるとともに、より効率的・効果的な取組の実施を図るために、その基盤となる調査研究や技術開発のさらなる充実、人材の確保等に努めていく必要があるということを課題としてお示しさせていただいております。

2番目は、気候変動に対する適応の観点ということで、生態系ネットワークの形成は、こういった気候変動に対する適応策としても重要であること。さらに、我が国においてどのような影響が生じるか、具体的な情報が不足している中、生物多様性分野における気候変動の適応策について早急に検討し、対策を講じていくことが喫緊の課題であるということを記述させていただいております。

3番目でございますけれども、今後想定される大規模災害、気候変動の影響により増加すると予想される災害に対して、自然生態系に関する防災・減災機能の活用ということの検討が重要であると。ただ、この対策を進めていくためには、生態系の有する防災・減災機能や平時の生態系サービスをちゃんと評価を行って、自然生態系の分布状況とあわせて地域等にわかりやすい形で取りまとめ、地域の総合的な防災・減災対策の中で十分に活用されるよう、努めることが必要であるということで、こちらを課題に記述させていただいております。

4番目が、農林水産業の分野でございますけれども、こちらについても、生物多様性の保全に資する取組は着実に成果が得られております。さらに取組を進めていくためには、地域ぐるみでの取組が必要ということで、そういった取組を進めていくために、農林水産業が生物多様性の保全に果たしている役割をわかりやすく説明していくことが必要であるというふうに課題として記述しております。

5番目でございます。生物多様性は地域固有のものであり、地域の生物多様性の保全及び持続可能な利用に関する計画が各地域で策定されることが重要であるということで、さらに、人口減少や高齢化社会の進展といった今後の社会状況の変化を見据えつつ、生物多様性の恵みを支える健全な物質循環の確保が課題となっておりますので、そういったところをしっかり保全していく観点から、複層的な「地域循環圏」の構築や、生態系サービスの需給につながる地域間の連携や交流を深めていく「自然共生圏」、これは多様性戦略のほうに記述させていただいておりますけれども、そういった構築のための方策の検討を進めることが必要であると。

以上、5点を課題としてまとめさせていただいております。

以上、長くなりましたけれども、前回の意見を踏まえまして取りまとめました、現時点での取りまとめの案のご説明をさせていただきました。よろしくお願いいたします。

○武内部会長 どうもありがとうございました。

それでは、ご意見を伺いたいと思います。今日、これで、この部会としては最後の議論ということになりますので、もしご意見がある場合には、できれば具体的にこういうふうにしたほうがいいということで、明確に修正の方向をお示しいただくよう、ご意見をいただければと思います。

白山委員。

○白山委員 ありがとうございます。一番最後のページ、資料1-3の19ページの2番目の段落なんですけれども、下から3行目に「具体的な情報が不足している中、生物多様性分野における気候変動の適応策について早急に検討し」と、こう書いてあるんですが、具体的な情報がないのに適応策を早急に検討するというのは、あまりにも拙速であるということでございますよね。したがって、「具体的な情報が不足している中、早急に科学的知見を集積するとともに、最新の知見に基づいて、生物多様性の分野における気候変動の適応策について早急に検討すべき」なんではないでしょうか。

○武内部会長 ありがとうございます。大変模範的なコメントをいただきました。ありがとうございました。

それでは、石井信夫委員、お願いいたします。

○石井(信)委員 ありがとうございます。私、前回の会議に出ていなかったので、ちょっとタイミングのずれたコメントをするかもしれませんが、まず、資料1-2のほうなんですが、5ページのところに、例えば生物多様性評価の地図化という事業のことが書いてありますが、私、重要な里地里山の選定というのにちょっと関わっていまして感じたことは、しっかりしたデータというのがやっぱり少ないんですね。ということで、評価して地図化をするというようなことが書いてあるのはいいのですけれども、その手前に、まず、そういうのに使えるしっかりしたデータを整備する。一般的なことは、その上のところに、5ページの上のところに、「既存の観測データ、調査結果を収集・統合する」というIPBESの話で書いてありますけれども、もうちょっと、まずデータをきちっと整備するということを相当真剣に考えているんだということが、どこかに書けないかなと思いました。

それから、3ページ、4ページとか7ページに経済価値評価の表が出ていますね。これはコメントなんですが、CVMで評価しているんですけど、気になったのは、1人当たりまたは1世帯当たりの支払意思額というのが、3ページの表でも、4ページでも、7ページでも、大体数千円というところで、年間評価額が1,000億台になるんですが、これ、何かあまりにも同じような数字が並んでいるのが気になりました。それで、これ、聞き方というか、調査法にも何か問題があるのかなって、これ、単なる印象なんですけども思いましたので、課題のところに、もちろん価値評価の手法のようなことが、改善が必要とか、充実した評価ということが書いてありますが、21ページですけれども、手法についても、もう少し検討するというようなことを強調したほうがいいと思います。

長くなるんですけど、シカの個体数管理の価値と、例えば奄美大島の国立公園を設定することの価値というようなのが、同じような金額で出てくるというのは、少し何か違和感があるということです。

それから、三つ目ですけども、14ページ辺りから、生物多様性の主流化に向けて、普及・教育が必要だというところなんですけど、一般の人たちに関心を持ってもらうことの中に、しっかりしたデータが必要と言いましたが、一般の人たちに加わってもらういろんな調査というのが今あって、例えば11ページにいきものログの話が出てきますが、こういうことも、14ページからの普及啓発に組み込んでいくというようなことが書いてあるといいと思いました。14ページからのところですね。

それから、資料1-3に関しては、生態系ネットワークのことなんですけれども、全国レベルでは充実しつつあるということを書いてありますが、やっぱり日本って北から南まで、非常に多様な環境があるので、ちょっといい言葉が思い浮かばないんですが、生物地理区分とか、地域特性とか、環境区分とかに配慮した生態系ネットワークの形成というのを、これから全国レベルで数字を見ていくというのも、もちろん大事ですけど、もう少しブレークダウンした、何というんですかね、充実というのを考えていくというようなことを、一番最後の19ページのところになりますかね、そういう「地理的な多様性というのを考慮したネットワークの形成」というような言葉を入れたらどうかなと思いました。

以上です。

○武内部会長 ありがとうございました。

磯崎委員。

○磯崎委員 ありがとうございます。3点ありますが、1点目は、用語、言葉の使い方なんですが、1-2の2ページで、上から10行目ぐらいですかね、「見える化」で、6ページの下から6~7行目なんですが、こっちでは「可視化」を使っていますので、個人的には「可視化」のほうを私はよく使うんですけれども、統一を。

それから、同じように言葉なんですが、1-3のほうなんですけれども、例えば8ページと10ページで、追加した下線部のすぐ前ですが、これ、この委員会でも、以前指摘された「ところ」という言葉がここに残っていて、これはもうとっていいと思います。

同じように、9ページと13ページの第1段落の終わりのほうですが、「ところである」というのがあって、これも外して、9ページのほうは「審議を開始しており」でつなげればいいかと思います。

用語が今の2点で、あとは内容的なことです。1-2のほうの9ページ目、生物多様性に配慮した取組などについて、いろんな例が挙がっているんですけれども、最初に、全国総合開発計画「21世紀のグランドデザイン」について触れなくていいのかなと。というのは、このグランドデザインの中で、生態系への配慮であったり、広域的な、特に沿岸部の広域的な総合計画、都道府県の枠を超えた総合計画のあり方であったり、それから、住民参加の手続であったりというのが触れられています。この総合計画が1-3も含めてなんですが、各省庁が行っているという取組の基本になっていて、その総合グランドデザインのもとに各小さな計画があるんだろうと思いますので、グランドデザインについては、ここで触れておいたほうが、あるいは1-3の一番最初のほうで触れるということもあるかと思うんですが、それから1-3との関係では、生態系のネットワークというのは、今ちょっと触れたように、広域的な総合計画ということで、グランドデザインの中で既に触れられていますので。

それから、3点目ですが、10ページの真ん中からちょっと下にある名古屋議定書関連の記述についてです。この項目が生物多様性に配慮して何々をしているというところに出てくるんですが、この段落の中に「生物多様性」という言葉も入っていないですし、この文章だけ読んでいると、なぜここに入っているのかがよくわからないと思います。もちろん名古屋議定書は、究極的に生物多様性の保全、それから持続可能な利用が目的になっていますので、一言、この名古屋議定書の目的がこれであって、それから日本で検討している場合も、それに配慮して検討しているというような、そういう文言が入ればいいかと思います。

○武内部会長 尾崎委員。

○尾崎委員 主に字句、2点あるんですけれども、資料1-2の3ページですが、真ん中の表でアスタリスクがあるんですが、その説明がないので、それを入れていただいたほうがいいと思います。

それから、出典が環境省となっていまして、先ほど石井委員がおっしゃったように、これはもうちょっとよく見たいなと思った場合、この出典の書き方だと、ちょっと検索にひっかかるのかなという嫌いがありますので、もし可能であれば、もうちょっと出典をはっきりいただいたほうがいいのかなと思います。それは4ページの一番上も同じように、アスタリスクと出典というようなところがちょっと気になるところです。

それから、同じので、12ページですが、真ん中辺に鳥類標識調査が、私、ちょっと関わっているので、細かいことで申し訳ないですが、1行目の「鳥類を足輪等に」と、足輪の「輪」が、通常は環境省の「環」を使っていますので、よろしかったらそちらを使っていただいたほうがいいかと。意味は、もちろん結構あるんですけど、あまりここでは説明しませんけども、環境省の「環」を使っております。よろしくお願いします。

○武内部会長 ありがとうございました。

山極委員、お願いいたします。

○山極委員 2点あります。一つは、資料1-1-2で、目標の進捗状況、市町村によるバイオマス活用推進計画の策定数と、これ、すごく低いですね。これについての説明がなくて、なおかつ、今後の課題としても何も書いていないというのはいかがなものかと思うんですが、何かちょっと説明があってもいいのかなと思います。

もう1点は、資料1-2の一番最後、21ページですか、国際的な保全の貢献という話なんですが、この文章は、何か物すごく投げやりな感じがするんですね。環境省だけでなくて、例えば外務省やJSTですね。私、SATREPSというプロジェクトで、今、5年ほど生物多様性の保全をアフリカでやっておりますけれども、SATOYAMAイニシアチブをCOP10で提唱して、それがだんだん浸透しつつあるわけです。ですから、ホームページで掲載や情報発信、国外の取組を情報発信していくだけでなくて、国内で鍛えた知識や技術を国際的に生かすということはもう既にやっているわけですから、ここで環境省だけでなくて、外務省等、さまざまな機関と協力して、実際にそれを実装していく、あるいは貢献していくというようなことを、具体的な例を含めて書くべきではないのかなというふうに思いました。

以上でございます。

○武内部会長 ありがとうございました。浜本委員。

○浜本委員 1点、農林水産省に関することだけ、ずっと気になっていたんですけれども、今回のもので、資料1-2のところの今後の課題のところで、「興味や理解が各セクターにおいて主体的な行動に十分結びついているとはいえない」というのは、広く国民にその分野のことがちゃんと浸透していないというふうなことだと思うんですけれども、この資料の中の6ページ~7ページにおきましても、農林水産省のところは、あくまで第1次産業に従事している方たちだけを対象にしているような書きぶりなんですね。

ご存じだと思いますが、農林水産省のほうが環境省よりも先に、生物多様性に対する戦略というものは、第1次産業の従事者及びそれを支える集落民や地域の人たち向けに、かなり教育の分野に踏み込んだものまでつくっておりますが、環境省のこの中におきましては、第1次産業従事者に限っているような印象をすごく受けます。それが一番受けるのが、資料1-3の「今後の課題」のところの4番目のポツのところで、最後のほうですね。「農林水産業が生物多様性の保全に果たしている役割をわかりやすく示していくことが必要である」と。これは誰に対してわかりやすく示しているのかというと、第1次産業従事者ではなくて、従事している方たちがやっている農林水産業が広く国民一般に、もしくは日本の国土や水の保全に関与していることを広めることが必要だということだと思うんですね。

私が知っているだけでも、申し訳ないですが、ここ一、二年の間に、生物多様性が高まってきているんですけれども、少なくとも農林水産省側では、それを広く一般の人に広めるようなさまざまな策であるとか、支援であるとか、コンクールであるとかというところが、全て予算がカットされて、どんどんなくなってきてしまっていて、一番大切なのが、日本の国の第1次産業に従事している方たちが守っている「森・里・川・海のつながり」であるとか、そういったものが国民に対して、どういうように生物多様性の中で役割を果たしているかということをもっと強く強調して、そういう施策を広めていきますということは、この環境省の中でもしっかり書くべきではないかなというふうに感じております。

○武内部会長 ありがとうございました。

宮本委員、お願いします。

○宮本委員 資料1-2の12ページについてです。生物多様性情報の提供という項目がございますが、市民の方々、研究者等、行政の方々からの情報で、生物の分布情報というのが集まってくると思います。それをそのまま公開した場合に、例えば盗採、盗掘等の助長をしてしまうようなことにならないように、何らかの自己規制とか、それから収集した側での配慮というものがなされているように見えますが、それについては、公開するという趣旨からいきますと、逆行する形になるようにも見えます。多様性情報の提供(環境省)というところの2行目の、「蓄積・管理」の管理という中にそういうことが含まれているんでしたら、このままの文章で結構かと思うんですが、もしそうでないということでしたら、収集した情報について、「検討」とか、あるいは「吟味」とか、あるいは「何らかの配慮をもって」というような言葉が入っていたほうがよろしいのではないかと思います。ご検討くださいますようお願いいたします。

○武内部会長 ほかにございませんでしょうか。よろしいですか。

(なし)

○武内部会長 それでは、事務局のほうから回答をお願いします。

○事務局 それでは、まず白山委員からご指摘いただきました点、ご指摘のとおりに直させていただきたいと思います。早急に科学的知見を集積していくとともに、その対策を検討していくという形で修文をさせていただければというふうに思っております。

それから、石井委員から、重要地域等を選定する際のデータが少ないと。それでしっかりしたデータ集積が必要ということでございますけれども、それにつきましては、先ほどの多様性に関する情報の収集ということを別項目で設けておりまして、そちらに必要性を記載しておりますけれども、ご指摘を踏まえ、書きぶりを検討させていただければと思っております。

それから、2番目のご指摘で、市場評価法の部分のご指摘でございます。ご指摘のとおり、この評価については、いろんなご意見がありまして、まだ取組も、まだ手法も研究段階というところでございますので、課題の部分で手法の検討についてもどこかに追加できればと思っております。

それから、普及啓発の部分に、いきものログといったような、実際に参加型のいろいろな調査で、それが普及啓発につながるという部分でございますけれども、それは資料1-2の14ページの部分に、そういった取組を行っているというような形での記述でよろしいでしょうかね。一応、いきものログの部分は、別途、個票で出しておりますけれども、そういう参加型の調査も、取組の一つであるということで、しっかり位置づけるということにさせていただければと思います。

それから、4番目の指摘として、生物多様性ネットワークの部分で、より地域の特性に配慮した、もう少しスケールをしっかり見るという部分につきましては、資料1-3の19ページの1番目の丸の生態系ネットワークのところに、「地域的な視点」といったような文言を追加させていただければと考えております。

それから、磯崎委員からご指摘いただいた言葉の修正で、「見える化」と「可視化」の部分は、「可視化」に統一させていただければと思っております。

それから、「ところ」という言葉も削除したいと思っております。

21世紀グランドデザインをどこかに入れるべきではないかというご指摘でございますけれども、これにつきましては、資料1-3の一番冒頭でございますけれども、生物多様性と持続可能な利用の観点から国土の保全管理を進めていくための国土レベルの、その国土全体を見通した言葉があります。その中で、全国総合開発計画の記述を追加して、全体として、こういうふうに守っていくんだというようなことの具体例として追記をさせていただく方向で、修文させていただければと思っております。

ABSの部分は、ちょっと後ほど。

尾崎委員からのご指摘で、出典とか、あと表の説明ということで、そちらのほうは対応させていただければと思います。

「足輪」の部分についても、記述は修文をさせていただければと思います。

バイオマス計画は、後ほど農水省のほうからご説明をいただければと思います。

それから、国際的な展開の部分、資料1-2の最後のページでございますけれども、21ページ、実際に国際的に生かされている部分が既にあるということですので、具体的には「里山イニシアチブ」などの言葉を追記して、国際的に実際に貢献しているというような書きぶりを追記させていただくような形で、さらにそれを進めていくというような形で、課題について記述をさせていただければと思っております。

浜本委員のご指摘につきましても、農林水産省のほうからお答えをいただければと思っております。

宮本委員からご指摘をいただきました生物多様性情報の管理の問題でございます。希少種の情報、そういったものですけれども、実際、環境省のほうでいろいろな情報を収集して公開しておりますが、希少種の情報については、その場所が特定できないようなメッシュの情報での提供にとどめております。それは、逆にいろんな先生から、もっと詳しいデータが欲しいということも言われていますけれども、現時点では、ご指摘いただいたような盗採とか、盗掘に考慮しまして、メッシュでの情報としておりますので、管理という中で既に含まれていることでご理解をいただければと思っております。

○生物多様性地球戦略企画室長 それでは、磯崎委員ご指摘の名古屋議定書の1-2の10ページのところでございますが、こちらにつきましては、ご指摘のとおり、既に国家戦略の中にも、ABSそのものが生物多様性条約の目的の一つであるとの記述があります。結果として、適切な利益の配分をして、遺伝資源を育む生態系の保全を進めていくことが、この議定書の目的であるというような記述を参考に追記させていただきたいと思っております。

○農林水産省 農林水産省です。山極委員委員から、資料1-1-2につきまして、上から六つ目に、市町村によるバイオマス活用推進計画の策定数が非常に少ないと、進捗が悪いということなんですが、バイオマス自体については、農林水産省では非常に重要な資源として、いろんな活用の仕方、地域の活性化という意味も含めて非常に重視しております。ただ、ご存じのとおり、コスト面、それから持続性の面で大きな問題があることは事実でございます。その中で、今、FITを使った発電をはじめ、いろんな取組が進んでおりまして、特に、今、農水省では、経済性を重視して、産業化を進める中で、バイオマスを使っていこうということで取り組んでおることもありまして、なかなか経済性、コスト、それから持続性の面から、具体的な計画が進まない実態があります。これについては、引き続き進めていきたいと思っておりますが、実態としては、まだ進捗が悪い状況にあるということでございます。

それから、浜本委員から、主流化のところで、農水省は1次産業従事者だけを対象にした書きぶりだということなんですが、これはおっしゃるとおりで、そこは直していきたいと思っております。いろんな一般の方、国民向けあるいは企業の方に対しては、これまでも環境省も含めて、いろんな機会に相乗りをする――予算があまりないものですから、相乗りをしたり、多様性の10年の委員会など、いろいろな形で周知の機会をいただいて取り組んでおりますけども、まだまだ足りないところがございますので、ここについても書き込んでいきたいと思っております。

○武内部会長 よろしいですか。皆さん方の今日いただいた意見も踏まえて、最終的に総政部会のほうに提案させていただきたいと思いますが、今日が最後ということで、大変恐縮ですけれども、取りまとめについては、私にご一任いただければと思いますが、いかがでしょうか。よろしゅうございますか。

(異議なし)

○武内部会長 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきたいと思います。

今回の報告案の今後の取り扱いについて、事務局より説明をお願いいたします。

○事務局 資料1-4をご覧ください。

これまで、4月2日の部会のほうで、重点検討項目についてご審議いただきまして、前回、6月25日に取組状況について、関係省庁からヒアリングをしていただき、さらにいろいろなご指摘をいただきました。それを踏まえて、本日、部会としての取りまとめの案というものをご審議いただきまして、一応、取りまとめということでいただいております。

この後ですけれども、9月19日に中央環境審議会総合政策部会のほうに自然環境部会からの報告ということで、武内部会長からご説明をいただく予定にしております。

その後、パブリックコメントを実施しまして、最終調整をした後、12月ごろに、再度、中央環境審議会総合政策部会が開催されまして、報告書を取りまとめ、それを12月に閣議報告する予定で進めてまいりたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

○武内部会長 私、総政部会長もやっておりまして、私が私に説明するのはおかしいんじゃないかというふうに申し上げたんですけれども、どうも事務局のほうではそうしろということでございますので、そのようにさせていただきたいと思います。

それでは、最後に、その他として、事務局から情報提供をお願いしたいと思います。

○事務局 それでは、情報提供として、一つ目でございますけれども、生物多様性地域戦略の策定状況について、ご説明をさせていただきます。

生物多様性は、各地域で固有のものでございますし、その保全には地域の取組が重要だということで、各地域で地域戦略、生物多様性国家戦略に基づくような地域戦略をつくるということが生物多様性基本法のほうで努力規定として位置づけられております。地域の生物多様性の保全及び持続可能な利用に関する基本的な計画でございます。

資料2-1でございますけれども、先に下のほうをご説明させていただきますけれども、現在の策定状況でございますが、26年3月31日末で31都道府県、44市区町村で策定済みでございます。なお、生物多様性国家戦略のほうでは、2020年までに47都道府県での策定を目指しております。グラフで見ていただけると、着実に増加しているということがおわかりいただけると思います。

さらに地域での策定が進むように、生物多様性地域戦略策定の手引きというものを作成して、昨年度末に改定を行いました。お手元に資料として置かせていただいておりますけども、各地域のほうで取りまとめていただく際のいろいろな参考事項を各地の事例を踏まえてつくっております。

例えば4ページ、5ページを見ていただきますと、地域戦略を策定する意義といったような形で、地域の固有の財産である生物多様性を守り活用する。地域で課題になっている人と自然に関わるさまざまな課題に対応する。あるいは、地域の活性化をもたらし、新たな姿を創造する。それから、6ページには、人のネットワークがつくれる。地域だけではなく、日本や世界という広域スケールで生物多様性に寄与できると。あとは8ページに、市民からの信頼が向上するといったようなことを記述して、多様性地域戦略をつくる意味というものを広く理解していただいた上で、各地域で行われている策定のための調査、策定の取りまとめのための検討の進め方、最終的な取りまとめの方向性、各地域独自の施策について事例をご紹介させていただきまして、地域の方にご覧いただくことによって、よりそれぞれの地域らしく、地域のためになるような地域戦略というのをつくっていただけるような形で活用していただければと思っております。

これについては、いろいろなところに配布をしておりますし、あと、先生方の関わっていらっしゃる地域の中でも、これ、欲しいなというところがあれば、ご指示いただければ、送付させていただきたいと思いますので、ご活用いただければと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

○生物多様性地球戦略企画室長 それでは、続きまして、資料2-2に基づきまして、生物多様性条約第12回締約国会議(COP12)について、ごく簡単にご紹介をしたいと思っております。

ご承知のとおり、今年も名古屋から2回目になりますけれども、12回目の締約国会議、韓国の平昌というところで開催されます。「冬のソナタ」というドラマのロケ地になったところで有名ですが、開催日時が10月6日~17日までということで、実はこの1週間前は、遺伝子改変生物に関するカルタヘナ議定書の締約国会議が開催されることになっております。それで、会議テーマとしては「持続可能な開発のための生物多様性」ということが、韓国政府と事務局との間で相談して決められております。

1枚めくっていただくと議題全体が示してありますが、主要な議題だけご紹介させていただきます。まず一つ目ですけれども、生物多様性の戦略2011-2020及び愛知目標の中間評価を行うということでございます。これについては、現在、取りまとめをしております地球規模生物多様性概況、いわゆるGlobal Biodiversity Outlook、GBOと言っていますけど、この第4版、この報告をもとに、戦略計画の2011-2020及び愛知目標の進捗状況と達成の可能性について検討を行うということでございます。その中で、今後、2020年までに加速化が必要な政策について、Potential Key Action(優先的な行動リスト)というのを特定し、今後、さらに後半の2020年に向けての各国の取組を促していくという予定になっております。

それから、2番目でございます。2番目は資源動員戦略です。こちらのほうは資金ですとか、本来は技術とか、人的資源も含めたものですが、そういったものを生物多様性分野にどう拡大していくかということです。これはCOP9から始まっている議論でございますが、COP11で暫定的な目標が決められています。これは何だったかと申し上げれば、国際的な資金フローというのを2006年から2010年までの平均値に比べて、2015年までに倍増するという暫定目標が決定されていたわけです。これについて、今後、暫定という言葉をとって、確定した目標にするかどうかということについて、その議論が行われる予定となっております。

それから、3番目として、持続可能な開発と生物多様性、この会議のテーマでもあります。これにつきましては、来年、国連総会で持続可能な開発目標、これはミレニアム開発目標と呼ばれる貧困削減の目標がございましたけれども、これにかわるもの、もしくは先般のリオ+20で議論され、そのときに新たな持続可能な開発目標をつくろうではないかということが提案されたわけでございます。それに絡めて、生物多様性条約の側から、具体的な愛知目標や戦略計画、そういったものを新たな開発目標の中に反映していくことができないかということについて、議論が行われる予定となっております。

関連会合としましては、先ほど申し上げたカルタヘナの会議が9月29日~10月3日まで、閣僚級会合は最後の15日~17日、第2週のほうに行われます。

また、名古屋議定書の第1回締約国会合、こちらのほうは、7月14日に批准国数が50カ国に達して、それから90日後の10月12日、このCOP12の会期期間中に発効予定となっております。それで、昨晩ですか、正式に事務局のほうから、13日~17日に第1回のCOP-MOP1(締約国会合)を開くということがアナウンスされているところでございます。

そのほか、自治体会議及びビジネスと生物多様性フォーラム、そういったものが開催される予定になっております。

最後、6番の想定される成果でございますが、今回は、何か新しいものを次々に決めていくということではございません。一つには、愛知目標の中間評価ということで、これはさまざまな分野での決定案そのものが、愛知目標の達成に向けた決定となるということで、現在のところ、それをパッケージとして整理をして、わかりやすく示していくために、「ピョンチャンロードマップ2020」という言葉で、その具体的な愛知目標の達成に向けた主要な決定を整理していくという予定にしております。この中には、先ほど申し上げたGBO4を踏まえた主要なメッセージと行動のリスト、それから持続可能な開発、及び3番目の能力養成・科学技術協力・技術移転、これは韓国政府がかなりイニシアチブをとって、新たな国際的な協力を進めていこうという提案をしておりまして、そういったものの中身、それから、先ほど申し上げた資源動員戦略、これらがその「ピョンチャンロードマップ2020」の中に含まれていくであろうということでございます。これによって、今後、名古屋で決定した愛知目標そのものの実現に向けた取組が加速するということが期待されております。

後ろのほうには、議題案全体と、それからGBO4の報告案のポイントについて書かせていただいております。GBOの報告書案そのものは、ウエブサイトでとれますので、ご関心のある方はご覧になっていただけたらと思います。

私のほうからは以上でございます。

○武内部会長 どうもありがとうございました。

ただいまの二つの案件について、ご意見、ご質問ございましたら、お受けしたいと思います。

小泉委員、どうぞ。

○小泉(透)委員 ありがとうございます。意見が一つと質問が一つです。意見は、資料2-1の生物多様性地域戦略の策定についてです。図を見ますと、策定件数が着実に増加しているということは大変喜ばしいことだと思いますが、その中身を見てみますと、市町村で策定しているけれども県で策定していないと、ちょっとちぐはぐな状況が出てきていると思います。戦略ですので、基本的な考え方をより多くの自治体に共有していただくという点から、都道府県と市町村の連携をより意識して計画を立てていただくよう指導をお願いしたいと思います。

それから、資料2-2についてです。2ページ目の議題案の条約の作業計画に基づく事項の下から三つ目のところに、生物多様性の持続可能な利用というところに、ブッシュミートと野生生物管理ということが出ております。ブッシュミートは、以前から生態系サービスの供給サービスとして挙げられているところですけれども、このCOP12の議題案に、あえてここを何となく特出しされたような印象があるんですけど、何か事情がありましたら、ちょっと教えていただけますか。

以上です。

○武内部会長 じゃあ、どうぞ、奥田室長。

○生物多様性地球戦略企画室長 最初の部分については、我々としても、各自治体に対して、できる限り都道府県、市町村とも連携しながら図っていくよう、さまざまな場を通じて働きかけを行っていきたいと思いますが、ご承知のとおり、国と地方との関係というのがございまして、地方そのものに対して、必ずしも義務的な形で何かをしてもらうということは難しい部分もあることはご理解をいただいているところだろうと思いますけれども、今のお話は念頭に置いて進めていきたいと思っております。

それから、2番目のご質問ですけれども、これに関しては、ブッシュミートそのものというのは、アフリカ諸国等々、また、ヨーロッパの関心事もあって、議論が継続しているということで、何か今回新しい部分で、特段COP12だから何かまたやろうということではないというふうに理解をしているところでございます。

○小泉(透)委員 わかりました。

○武内部会長 ほかにございませんでしょうか。

(なし)

○武内部会長 それでは、本日用意いたしました議題は終了ということにさせていただきたいと思います。それでいいですか。

小川審議官、どうぞご挨拶をお願いいたします。

○大臣官房審議官 恐れ入ります。冒頭ご挨拶いたしました審議官の小川でございます。

本日は、委員の皆様には、全体にわたりまして熱心なご審議、ご助言をいただきまして、誠にありがとうございました。本日の結果につきましては、途中、ご説明いたしましたけれども、点検結果、本日のご議論を踏まえて、部会長と最終的に報告書案として取りまとめまして、9月19日に開催される総合政策部会でご報告しまして、最終的には12月に全体版としてまとめて、報告、公表という運びになっておりますので、またお知らせを申し上げたいと思います。

誠に本日はありがとうございました。

○武内部会長 それでは、これで散会させていただきます。どうもありがとうございました。