中央環境審議会 自然環境部会(第23回) 議事録

日時

平成26年6月25日(水) 14:01~16:12

場所

航空会館 5階 501-502会議室

出席委員:(17委員)

武内 和彦 部会長

石井  実 委員

鷲谷いづみ 委員

石井 信夫 臨時委員

尾崎 清明 臨時委員

小泉 武栄 臨時委員

小菅 正夫 臨時委員

小長谷 有紀 臨時委員

桜井 泰憲 臨時委員

佐藤 正敏 臨時委員

柴田 明穂 臨時委員

下村 彰男 臨時委員

白山 義久 臨時委員

浜本 奈鼓 臨時委員

宮本 旬子 臨時委員

山極 壽一 臨時委員

涌井 史郎 臨時委員

議事次第

1 開会

2 議事

  1. (1)第四次環境基本計画の進捗状況の点検について(生物多様性の保全及び持続可能な利用に関する取組)
  2. (2)鳥獣の保護及び管理を図るための事業を実施するための基本的な指針について(諮問)
  3. (3)その他

3 閉会

配付資料

議事次第

委員名簿

議題(1)関係

  1. 資料1-1: 重点検討項目
  2. 資料1-2-1: 「生物多様性の保全及び持続可能な利用に関する取組」重点検討項目①に係る報告(構成イメージ)
  3. 資料1-2-2:「生物多様性の保全及び持続可能な利用に関する取組」重点検討項目①に係る関係府省の自主的点検結果(調査票)
  4. 資料1-3-1: 「生物多様性の保全及び持続可能な利用に関する取組」重点検討項目②に係る報告(構成イメージ)
  5. 資料1-3-2:「生物多様性の保全及び持続可能な利用に関する取組」重点検討項目②に係る関係府省の自主的点検結果(調査票)
  6. 資料1-4: 環境基本計画等において定められた指標の動向
  7. 資料1-5: 第四次環境基本計画の点検(生物多様性の保全及び持続可能な利用に関する取組)に係る今後のスケジュール(予定)
  8. 参考資料1: 第四次環境基本計画の点検の進め方について
  9. 参考資料2: 第四次環境基本計画(一部抜粋)

議題(2)関係

  1. 資料2-1: 鳥獣の保護及び管理を図るための事業を実施するための基本的な指針について(諮問)
  2. 資料2-2: 鳥獣の保護及び管理のあり方検討小委員会の設置について(改正案)
  3. 資料2-3: 鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律(鳥獣保護法)の一部を改正する法律について
  4. 資料2-4: 改正法施行までのスケジュール

その他 関係

  1. 資料3-1: 国立公園の英語名称について
  2. 国立公園の英語表記について
  3. 資料3-2: 地域自然資産区域における自然環境の保全及び持続可能な利用の推進に関する法律【概要】
  4. 参考資料3: 今後の自然環境部会の開催予定について

議事録

○司会 それでは、大変お待たせいたしました。定刻となりましたので、ただいまより自然環境部会を開催いたします。本日はお忙しい中、当審議会にご出席いただきまして、大変ありがとうございます。司会を務めます、自然環境計画課課長補佐をしております齋藤でございます。よろしくお願いいたします。

 会議に先立ちまして、事務局より、本日の出席委員数のご報告をいたします。所属の委員、臨時委員25名のうち、現在13名の委員にご出席をいただいております。また、遅れてご出席のご連絡をいただいている委員の先生もおられます。審議会の規定によりまして定足数を満たしておりますので、本部会が有効に成立していることをご報告申し上げます。

 続きまして、本日の議題でございますけれども、お手元の議事次第のとおり、ご審議案件が1件、諮問案件が1件、その他として報告事項が2件ございます。また、資料につきましては、裏面の配付資料一覧のとおりとなっておりますけれども、大部なものでございますので、万が一落丁、それから配付漏れ等ございましたら、議事の途中でもご指摘、ご連絡いただければ、事務局のほうからお届けいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。

 それでは、審議会開催に当たりまして、星野自然環境局長よりご挨拶を申し上げます。

○自然環境局長 自然環境局長の星野でございます。本日は、大変お忙しい中、自然環境部会にご出席いただきまして、誠にありがとうございます。

前回、4月2日にこの部会、開催させていただきました。その後の動きといたしましては、鳥獣保護法を一部改正する法律が5月23日に成立したところでございます。この審議会からは答申をおまとめいただきまして、それに基づいて法律案を作成し、先般、成立したということでございます。大変ありがとうございました。今後は来年5月の改正法の施行に向けまして、基本指針の策定など、所定の手続を進めてまいりたいと思いますので、引き続きよろしくお願いを申し上げます。

本日の議題でございますけれども、第四次環境基本計画の生物多様性分野に関する点検についてご審議いただくことにしてございます。前回の部会では、今回の点検において重点的に進捗状況を点検すべき事項、重点検討項目についてご審議をいただいたところでございます。本日は、その重点検討項目に沿って、現状と具体的な取組の状況につきまして、関係省庁からヒアリングを行うことが主な内容となっております。

さらに、鳥獣保護法の基本指針について諮問をさせていただくほか、ちょうど1週間前でございますけれども、議員提案で成立いたしました地域自然資産法、これについてもご報告をさせていただきたいと思います。

本日予定する議題は以上でございますけれども、ご審議のほど、よろしくお願いいたします。

○司会 それでは、これより議事に移りたいと存じます。進行につきましては武内部会長にお願いしたいと存じます。部会長、よろしくお願いいたします。

○武内部会長 皆さん、どうも雨の中、お越しいただきましてありがとうございます。これから審議をさせていただきたいと思います。

議題は、先ほど局長からお話がございましたように、環境基本計画の進捗状況の点検についてということで、生物多様性分野での取組について、各省庁からのヒアリングを行うと。それについて皆さんにご議論いただくというのが一つです。もう一つの大きなものが諮問事項として、鳥獣の保護及び管理を図るための事業を実施するための基本的な指針についてということでございます。今日2時間で、かなり盛りだくさんの内容でございますので、報告のほうも、また質疑応答のほうも、ぜひ簡潔にお願いしたいと思います。

さて、本日の審議会は公開で行いますので、報道関係者や傍聴の方も同席しておられます。会議録は後ほど事務局で作成し、本日ご出席の委員の了承をいただいた上で公開することになります。なお、議事要旨につきましては事務局で作成したものを私、部会長が了承した上で公開するというふうにさせていただきたいと思いますので、ご了承をお願いできればと思います。また、会議資料につきましても公開となります。

 それでは、最初の議題、第四次環境基本計画の点検、生物多様性分野について、事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 議事1の説明をさせていただきます。自然環境計画課生物多様性地球戦略企画室の岡野でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

まず、資料の1-1をご確認ください。先ほど局長からのご挨拶にもございましたけれども、前回の部会においてご議論いただきました重点検討項目でございます。前回のご議論の中でご指摘を踏まえて一部修正をしており、それを部会長のご了解をいただいてまとめたものでございます。具体的な修正点でございますけれども、重点検討項目の②の部分でございますが、ここで「生態系が有する防災・減災機能の活用」を盛り込むべきというご意見を受けまして、その文言を重点検討項目②の中に追加をいたしております。また、検討内容の詳細という部分のb)の部分に「生態系が有する防災・減災機能の活用」という言葉を入れさせていただいております。これでまとめさせていただいたものを関係府省のほうにお送りをさせていただきまして、自主的点検を行っていただきました。今回は、その結果についてご報告をさせていただくということになっております。

まず、それぞれのご報告に先立ちまして、最終的な取りまとめの案について、イメージについてご説明をさせていただきたいと思います。資料1-2-1をご覧ください。こちらが重点検討項目①の最終的な取りまとめを想定したイメージになっております。重点検討項目①につきましては、生物多様性の主流化に向けた取組の強化ということで、先日ご議論いただきました重点検討項目を最初の部分を記述しています。続いて、環境基本計画における施策の基本的方向、現状と取組状況といったものを今回のご報告等を合わせましてまとめていく方針でございます。

2ページをお開きください。詳細の検討内容について、現状、取組状況を書くというスタイルになってございます。a)としましては、生物多様性及び生態系サービスの価値評価に関する取組というところで、現状、取組状況といった形にまとめさせていただいております。現状につきましては、環境基本計画の中でそれぞれ指標を定めて、指標に基づいて評価を行うということになっておりますので、関連する指標を取り集めまして、現状の取組状況を評価するという流れになってございます。

資料の1-4をご覧ください。A3の折り込みになっているものでございます。こちらに、環境基本計画等において定められた指標のそれぞれの動向を取りまとめたものを一覧のグラフにしております。こちらには環境基本計画であらかじめ定められた指標と、それと補足する形で生物多様性国家戦略の点検に用いられた指標を合わせて表にして取りまとめさせていただいております。この中で主なものを本文中の現状の中で取り上げて、動向についてまとめるというようなスタイルになっております。

すみません、資料1-4に1点修正があります。1ページでございます。これにつきまして、右上に「緑の基本計画策定済み市町村数」というのと、その下に「にじゅうまるプロジェクトへの登録数」というものがありまして、その「にじゅうまるプロジェクトへの登録数」の右肩に「②a」と書かせていただいておりますけれども、これは重点検討項目の②のaで使う指標ということで書かせていただいているものですけれども、この書いている内容がずれておりまして、上の「緑の基本計画策定済み市町村数」のところが②a、そして、「にじゅうまるプロジェクトへの登録数」が①c、その下の「グリーンウェイブの参加団体数」は、これはどこにも今取り上げておりませんので、ここの「①c」というものを消していただければと思います。

こういったさまざまな指標がある中で、それぞれの分野につきまして状況を把握するということで示させていただいております。

では、簡単に現在の現状の取りまとめ状況をご報告いたしまして、それぞれ個別の取組状況の報告に移らせていただきたいと思います。

まず、資料1-2-1の2ページでございます。a)の生物多様性及び生態系サービスの価値評価に関する取組という部分でございます。こちらにつきましては指標がございませんので、文章で表現をさせていただいております。生態系と生物多様性の経済学、TEEBというプロジェクトがございますけれども、こちらの中で生物多様性や生態系サービスの価値を人々が認識し、意思決定に反映していくことが必要だと。経済的価値評価により「見える化」することが有効であるというふうな指摘を受けているという事実関係の説明をさせていただいております。その中で、我が国におきましても、いろいろな分野で経済価値評価の取組が進んでいますということを書かせていただいております。生態系分野で国立公園の価値評価でありますとか、シカの食害対策の価値評価というものが行われていますということを書かせていただいております。また、生物多様性、生態系サービスの評価及び予測をするという点で、IPBESの取組の状況を記載させていただいております。ほかにも農林水産業分野におきましても、生物多様性についての経済評価が行われておりますし、不動産分野におきましても、環境性能が評価されるような取組が行われておりますので、そういったことを現状として取りまとめさせていただいております。

続いて、7ページをお開きください。生物多様性に配慮した事業活動の推進や経済的手法も含めた主流化の推進のための取組ということで、現状と取組状況をまとめたところでございます。こちらについては、主に民間企業の取組を進めていくための施策について取りまとめをさせていただいております。指標としましては、8ページにグラフを載せさせていただいておりますけども、生物多様性民間参画パートナーシップの参加団体数をお示ししております。ご覧いただいたように順調に増加をしているというところでございます。また、こういった民間参画パートナーシップに加盟している企業におきまして、経営理念・方針や環境方針などに生物多様性保全の概念が含まれている割合が、平成22年の50%から平成25年には92%に上昇しているといったようなことで取組の向上が確認されております。

また、次の段落では「自然資本」という考え方、自然環境を国民生活や企業の経営基盤を支える重要な資本の一つとして捉えるということで、その考え方について記載をさせていただいております。

その次に、生物多様性に配慮した商品等を販売する、いわゆる環境ラベルの取組について記載しておりまして、こちらについてもMELジャパンの認証の取得数のグラフを示しておりますけれども、着実に増加しておるというところで示させていただいております。

その次には、環境影響評価法の中での改正の動き、それから、生態系サービスの受益者となる事業者が、そのサービスを受ける対価として生態系保全の費用を負担する生態系サービスの支払い制度についてですけれども、類似の仕組みである森林環境税等の導入が都道府県の7割を超えているというような状況をお示しいたしております。

続いて、14ページでございます、c)でございますけれども、広報・教育・普及啓発や生物多様性に配慮した製品などの普及等による個人のライフスタイルの転換に向けた取組ということで、個人の、市民に向けた普及啓発の取組状況について記載しております。こちらについて用いている指標につきましては、生物多様性の言葉の認知度ということで、15ページにお示ししておりますけれども、平成21年の36.4%から平成24年の55.7%に増加しているという図を示させていただいております。

一方、補足情報として、環境省でウェブ調査を行っておりますけれども、平成22年~24年度の傾向を見ると、その後、少しずつ減っているという状況がございまして、この点、今後さらなる取組が必要だというふうに感じておるところでございます。

また、16ページでございますけれども、IUCN-J(国際自然保護連合日本委員会)が進めております「にじゅうまるプロジェクト」の登録数をお示ししておりますけれども、こちら各団体・個人が「愛知目標」のそれぞれ目標に対して自分で取り組んでいることを登録するというものでございますけれども、この件数が50件から242件に増えているという状況で、国民や民間団体における主体的な取組が推進されています。こういった現状の取りまとめ方をしております。

続いて、それぞれの取組状況についてご説明したいと思います。資料1-2-2になります。こちらが各府省のほうにお願いをいたしまして、提出していただいた調査票でございます。提出していただいたものを、先ほどの1-2-1のスタイルの中で、取組状況の中に個別的に書き込んでいくという流れになっております。

まず、環境省の自然環境局の取組を私のほうからご説明をさせていただきます。

整理番号の1でございます。重点検討項目①のa)になりますけれども、生物多様性及び生態系サービスの経済価値評価ということで、先ほどもご説明しましたけれども、幾つかの部門において、生態系サービスの経済価値の評価というのが行われております。それを環境省のほうでも幾つか取り組んでおりまして、先日、湿地・干潟について経済価値が1.5兆円だというようなことをご報道いたしましたけれども、それについては非常に多くのマスコミ等にも取り上げていただきまして、その重要性について認識が深まったところでございます。今後は経済的な価値を評価するだけでなく、評価した結果を政策の意思決定や経済的手法を用いた新たな制度設計の検討などに活用していくことが求められるというふうに考えております。

続いて、整理番号2番のご説明をさせていただきます。生物多様性及び生態系サービスに関する科学政策プラットフォームの推進ということで、生物多様性及び生態系サービスに関する科学政策プラットフォーム、IPBESというものが動き始めておりますけれども、これに積極的に関与するとともに、国内においても、日本版IPBESであるJPBESを推進して、生物多様性と生態系サービスの評価・予測を行って、政策立案に資するということで取組を進めているという内容でございます。

続いて、整理番号3番でございます。こちらも重点検討項目①のa)になります。「見える化」の一つのツールとしまして、生物多様性評価地図の作成を行っております。各地の生物多様性の情報を地図にお示しをして、どういった地域が重要であるか、あるいはどういった地域が危機に瀕しているか、そういったものを表すことによって、それぞれの施策に生かしていくという取組でございます。これにつきましては、作成したものをホームページ等で公開等したりしておりますけれども、今後は各地域のいろいろな計画策定、特に生物多様性地域戦略の策定などに活用していただくような取組を続けていくということにしております。

続いて、整理番号4番でございます。今、少し申しました生物多様性地域戦略の策定の促進でございます。生物多様性基本法第13条で生物多様性の地域戦略を定めることが努力義務として規定されております。その進捗状況でございますけれども、平成26年3月時点で、都道府県におきましては47都道府県、31都道県ということで、66%になっております。そのほか政令指定都市については13、市区町村では31ということになっておりまして、年々着実な増加が見られておりますけれども、今後さら増加していくように取組を促進していくということで個票が作成されております。

続きまして、整理番号の5番でございます。重点検討項目①のb)、経済社会における生物多様性の主流化に向けた国内施策の調査・検討ということで、特に民間企業における取組を推進するということで個票として出しております。環境省としては、生物多様性民間参画ガイドラインというのを作成しまして、各企業の方に、生物多様性の配慮について取り組んでいただくよう働きかけておりますけれども、それに加えて、業種ごとの具体的な事例を収集いたしまして、さらによりわかりやすく応用がきくような取組を紹介するということで、今、情報収集や優良事例の発掘等を行っておるところでございます。これにつきまして、ウェブサイトの作成などで公表いたしまして、取組を促進していくというものでございます。

続きまして、整理番号の6番でございますけれども、①のb)でございますけれども、自然環境の調査・整備ということで、多様性センターで取り組んでいる生物多様性の調査の内容について列記させていただいております。自然環境保全基礎調査、それから、いきものログ、参加型の調査が行えるシステムでございますけれども、また、モニタリングサイト1000、鳥類標識調査というものを継続して実施しておりますけれども、その内容について記載をさせていただいております。

続く整理番号7番が、そういった集められた生物多様性情報の提供の状況でございます。生物多様性情報システムや、いきものログ、インターネット自然研究所におきまして、こういった収集した生物多様性の情報を広く提供しているところでございます。

続きまして、整理番号の8番でございますが、「国連生物多様性の10年」推進事業ということで、2011年~2020年までが「国連生物多様性の10年」と定めておりますけれども、それに取り組むために国内のあらゆるセクターが連携した形で、「国連生物多様性の10年委員会」というものを組織しております。こちらにおきましては、身近な生活の中から生物多様性を見つめ、行動していく五つのアクションでありますとか、生物多様性に関する推薦図書の選定、あるいはさまざまな普及啓発といったものを行っております。今後、2020年に向けて、さらに取組を進めていくということで、今年度から来年度にかけて中間評価を行うということにしております。

それから、自然局で最後になりますけれども、整理番号の9番、①のc)で、自然とのふれあいの推進ということでございます。すぐれた自然環境を有する自然公園をフィールドに、生物多様性の保全についての普及啓発活動を推進し、日本の自然のすばらしさを国内外にPRするということで、各地において自然ふれあいのイベントが行われております。平成24年度~26年度にかけましては、年間、約4,000件の情報提供が行われているというところでございます。

以上、駆け足になりましたけれども、資料の最終的なイメージと自然局の取組についてご紹介をさせていただきました。

続きまして、環境省の総合環境政策局環境計画課から取組事例のご報告をお願いいたします。

○総合環境政策局 それでは、次めくりまして、整理番号10番、重点検討項目①番a、環境経済の政策研究について説明いたします。本事業につきましては、経済、社会と調和した環境政策の企画立案のためのベースとなる政策研究を行っております。本事業では、自然共生、低炭素、循環施策に関しては幅広い研究を行っていますが、この9課題、現在行っていますが、その一つとして生物多様性の価値評価に関して、基礎的な知見を蓄積すべく、24年度~26年度の3年計画で研究を実施しているところでございます。実施状況でございますが、平成24年度はやんばる地域や奄美大島のマングースを根絶することで保全されるヤンバルクイナなどの生物多様性の経済評価を算出するなどを行いました。そして、平成25年度につきましては、奄美大島の国立公園指定に係る費用、これは林業の業者への補償、そういった費用と便益を分析しまして、国立公園指定に係る経済的な妥当性を示したところでございます。今後につきましては、モデルの高度化やアンケート調査等により知見を蓄積していくとともに、行政官がこうした知見を国民の合意形成であったり、またはその施策、予算の設計に活用できますよう、行政担当者にもわかりやすいマニュアル作成などしまして、研究成果をしっかり活用できるように取組を進めてまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。

○事務局 続きまして、国土交通省のほうから報告をお願いいたします。

○国土交通省 国土交通省でございます。

 国土交通省といたしましては、11番~16番までの6件登録させていただいております。最初の3件が①のaに該当するものでして、残りの三つが①のcに該当するというところでございます。一部がaとbを兼ねた取組ということでございます。

 11番から、まずご説明差し上げたいと思います。都市の生物多様性指標の策定ということでございまして、都市の生物多様性の状況ですとか取組の状況を地方公共団体の方が把握・評価して、将来の施策立案等に活用していただけるようにということで作成してございまして、昨年の5月にこの指標の素案を策定してございます。この中身ですけれども、状況等、生物多様性の状況をわかりやすく表現するというものでして、緑地の割合ですとかネットワークの形成状況等を指標化したというものでございます。この指標については、現時点ではまだ素案ということでございまして、自治体での試行を今進めているところでございまして、それを経て指標のさらなる改善ですとか充実を引き続き取り組んでいきたいと考えているところでございます。

 続きまして、12番、都市緑化等による温室効果ガス吸収源対策ということでございまして、都市公園の整備等の緑化の推進を図って温室効果ガス吸収源ということで進めていくとともに、今後の指標という観点でいきますと、都市緑化等における吸収量の算定方法等の整備を行いまして、その算定した結果を用いまして、都市緑化等の意義ですとか効果の普及啓発にもつなげていこうという取組でございます。この実施状況でございますけども、この算定手法を用いまして、CO2吸収量として108万トンということで、平成24年度の実績として計上させていただいておりまして、引き続き、都市緑化等における吸収量の算定方法等、さらに整備をしていきまして、この意義ですとか効果の普及啓発を進めてまいりたいと考えております。

 続きまして、13番、持続的な投資が促進される市場形成に向けた環境不動産の普及促進への取組ということでございます。省エネ・低炭素化、あるいは生物多様性保全等、環境の対応がなされた不動産が、この市場におきまして適正に認識・評価されて、結果的に良質なストックへ転換されていくということを目的として取り組んでございまして、具体的に環境不動産普及促進委員会という、金融ですとか不動産等の関係の方を委員とする、そういった委員会を立ち上げまして、昨年から取り組んでおりまして、平成25年、また、今年度も開催予定をしておりますけども、この市場における普及促進に向けたさまざまな課題に対する取組状況等について共有するということをやってございます。課題といいますのは、例えばどういった取組をしているかといった、情報を可視化するといったような内容でございますけども、そういった取組状況について共有している。この内容についてはポータルサイト等を通じて一般に公開をさせていただいて、普及促進をしていくということでございまして、引き続き、オーナーさん、あるいはテナントの方の間の協力的な取組内容ですとか、また、効果検証等々を引き続きこの委員会の場で検討を進めてまいりたいと考えてございます。

 引き続きまして、14番。14番以降の3件につきましては、国土交通省が所管する、さまざまな社会資本、インフラという場が有する自然環境を一般の方々に活用していただいて、例えば、環境学習ですとかを行っていただくといったような取組になってございまして、14番につきましては、都市公園等における環境教育・環境学習の推進ということでございます。都市公園において、利用者あるいは地域、学校などと一体となった環境教育・環境学習の取組を進めていただく、あるいはそれに携わる指導者の方、実践される方の養成の場や機会をあわせて提供するといったような取組を進めてございまして、引き続き、この取組を進めてまいりたいと考えてございます。

 また、次の15番ですけども、こちら海辺の自然学校ということでございまして、これは港湾の取組でございまして、海辺の良好な自然環境を生かしまして自然体験プログラム、これ「海辺の自然学校」と名づけておりますけども、これも地域の自治体さん、学校、教育機関、あるいはNPOの方と連携して開催して環境教育の場として使っていただくといったことで、例えば干潟での生物観察等の取組に使っていただくといった取組もしてございます。平成25年度は全国で13カ所、13件ということで、すみません、この個票、12カ所になっておりますけれども、13カ所の間違いでございます。こちらのほうで「海辺の自然学校」を開催しておりまして、引き続き、こういった取組を全国で進めてまいりたいと考えているところでございます。

 さらにめくっていただきまして、16番でございまして、「子どもの水辺」再発見プロジェクトの推進ということでございまして、こちらのほうは河川における取組でございまして、川を生かした体験活動、あるいは環境学習の場を拡大していくと、そういった体験活動の充実を図っていくということで、地域のさまざまな主体と連携させていただくということで、河川管理者、教育関係者の方、市民団体から構成される協議会を設置いたしまして、地域が一体となって水辺に親しめる場・機会の提供を行ってございます。全国で、25年度末現在で298カ所登録させていただいております。それぞれの場所でこういった取組が進められているというところでございます。また、文科省さんとも連携させていただきまして、学校関係者さんへの情報提供の強化もあわせて図らせていただいておりまして、引き続き、この取組の充実・強化を図ってまいりたいと考えてございます。

 国土交通省からは以上でございます。

○事務局 続きまして、農林水産省からのご報告をお願いいたします。

○農林水産省 農林水産省です。

整理番号の17番ですけれども、施策等の名称、生物多様性保全の経済価値等を踏まえた農林水産業者等の活動支援で、施策の目的にございますように、農林水産分野における生物多様性保全効果の発揮と、民間による支援活動、この拡大推進を目指すものでございます。資料の1-2-1の7ページに、昨年度実施しました評価結果を一覧表で示してございます。例えばツシマヤマネコ、長崎県対馬市でやっている農作物の生産とか、阿蘇でやっております野草の堆肥を利用した野菜生産、これをCVMの手法を用いて試算をやってみました。これらを示しながら自然資本という考え方で、企業の方向け、それから農業者向け別々にアプローチをしていく手引を作ったところであります。

続きまして、資料の1-2-2ですが、18番です。「農林水産省生物多様性戦略」に基づく生物多様性に配慮した施策の推進です。農林水産省では生物多様性戦略を作っておりますが、24年にCOP10の成果を踏まえて改正して進めております。例えば、IPBESへの積極的な取組や、経済評価にも力を入れて進めております。

整理番号の19番ですが、生物多様性に対する国民理解の増進です。これは以前から、取り組んできたんですけれども、「生きものマーク」ということで、農水省でガイドブックを作りまして、この中には有名な兵庫県の豊岡市の「コウノトリ育む米」とか、宮城県の大崎市の「ふゆみずたんぼ米」とか、熊本の阿蘇でやっている「阿蘇草原再生シール」とか、木材では「森の町内会シール」とか、いろんな環境表示を紹介しながら、これに取り組むときはどういうふうにしていけばいいのかという手引的なものを作って、いろいろなところで紹介しながら進めております。

最後に、20番ですけれども、水産エコラベルの普及促進、マリン・エコラベルということで、いろんな生態系資源の持続性に配慮した方法、これで漁獲された水産物であることを示すもの、これにエコラベルをくっつけて、例えば青森の津軽の十三湖のヤマトシジミの漁業とか、高知県のキンメダイの樽流し釣りとか手釣りの漁獲をやっている漁協とか、こういうところにエコラベル表示をして普及を図っているところです。

以上でございます。

○事務局 ありがとうございました。

 続いて、文部科学省からご報告をお願いいたします。

○文部科学省 文部科学省でございます。

 文部科学省からは、整理番号21から22、23の3点でございますが、学校教育における取組としてソフト・ハード、21番・23番、それから、社会教育における取組として22番、これをご紹介したいと存じます。

 まず初めに、21番でございますが、こちら、いわゆるGLOBE計画、アメリカとの間で進めております環境のための地球規模の学習・観測プログラムでございますが、これに基づく協力校、小学校・中学校・高等学校における環境教育の取組でございます。あわせて、児童・生徒のみならず、教員に対してはリーダー養成という観点からの指導者養成講座、また、こういった取組の共有化を図るという意味での実践発表会といったものを行ってございます。

 続いて、ちょっと22飛ばしまして、23でございますが、これが学校教育におけますハード面でございまして、いわゆるエコスクールの整備推進というものでございます。エコスクール、例えば内装の木質化、あるいは太陽光発電、あるいは省CO2化、こういった事柄を自治体において進める際に、学校施設の整備の国庫補助を行い、これによってソフト面での環境教育の教材として活用できる環境を整備していこうというものでございます。

それから、最後に戻りまして、22番でございます。これは社会教育からのアプローチでございます。地域に公民館という形で地域のソーシャルキャピタル、これあるわけでございますが、これを活用することによりまして、地域住民の、いわゆる環境教育の普及啓発を図っていこうというものでございます。1例をご紹介しますと、今年、ESDの関係で、11月にユネスコの世界会議が愛知県で行われるわけでございますが、愛知では、例えば施策状況、真ん中のところご覧のとおり、農作物の栽培から加工までを通した自然とのかかわり合い、そういったものを考える取組、あるいは身近なところでの家庭用の食用油の再利用、こういったものにスポットを当てた啓発活動を通じて、環境・資源・エネルギーの側面からの環境教育を展開しているところでございます。いずれにおきましても、文科省として施策を引き続き推進してまいりたいと考えております。

以上でございます。

○事務局 最後に、外務省のほうからご報告をお願いいたします。

○外務省 外務省でございます。

 整理番号24番、重点検討項目番号①bでございます。施策の名称は、名古屋議定書第19条及び第20条の実施に関する非公式会合でございます、名古屋議定書につきましては、生物多様性条約に基づきつくられた議定書でございますが、COP10で採択されたものでございます。この議定書の第19条と20条に、その締約国に対して遺伝資源の取引における契約のひな形、遺伝資源の取得の機会の提供や利益配分に関する行動規範、ガイドライン等を作成し、その利用を自国民に奨励することを求めるということで、議定書の実施を促進することを定めたものでございます。この名古屋議定書の目的でございますが、これは遺伝資源の取得の機会及びその利用から生じる利益の公正かつ衡平な配分、及び、それによって生物多様性の保全及び持続可能な利用に資するという目的がございますので、この議定書の実施を的確に進めていくというのは、それに資するものと考えております。当省におきましては、この議定書を今後発効して、各締約国に適切に実施していただくという、それを支援する観点から、この19条と20条に関する非公式会合を東京で開催いたしまして、諸外国の専門家、あるいは我が国の専門家を招聘いたしまして、これらの関連する取組を概観した上で、締約国の取組を支援するための方策を議論していただいたということでございます。この会合の結果につきましては、本年2月末に韓国で行われました名古屋議定書の国際会議がございましたけれども、その場所でも会議文書、あるいはその議題の一つとしてこの取組が報告されたということでございます。

 以上でございます。

○事務局 ありがとうございました。

以上、各府省の自主点検の取組のご報告でございました。

 なお、今のご報告については各省庁別にさせていただきましたけれども、最終的にこれを本文に反映する場合には、各項目のa、b、cに振り分けてまいりたいと思っております。資料1-2-2の最後のページに、それぞれ重点検討項目の中のa)、b)、c)のどれに当てはまるかというものをつけております。これを取りまとめて報告書案を作成してまいります。

最後に今後の課題を取りまとめることになっておりますけれども、すみません、また資料1-2-1に戻っていただきますが、最後のページ、21ページに今後の課題としまして、主流化に向けた課題、今のところ3点記載させていただいております。本日のご意見等も踏まえて、いろいろ直していきたいと思っておるところでございます。1番目が国民の中の主流化ということで、広報・普及啓発、自然ふれあい体験の充実、環境配慮型商品の普及等によって国民のライフスタイルを変えていく取組を進める必要があるという点、それから、2番目が民間活動でございますけれども、生物多様性の損失が企業の安定した経営を脅かす問題であると同時に、生物多様性保全が新たな価値として経済活動につながるように、民間参画の取組を促進していくというようなことを課題として挙げております。3番目が、そういったものを促進していく上で、経済価値評価が重要であるということで、価値評価の取組を推進して、国内での評価事例を蓄積するとともに、その結果を税制や金融等の生物多様性を保全するための新たな社会経済的な仕組みの検討に活用していくことが必要である、こういった点を課題として挙げて、現時点のイメージを作成しているところでございます。

以上、早口になりましたが、ご説明を終わらせていただきます。

○武内部会長 どうもありがとうございます。

 それでは、ただいまの説明に関しまして、ご質問、ご意見のある方は札を立てていただきたいと思います。

 それでは、山極委員、お願いします。

○山極委員 さまざまな取組をしていただきまして、大変成果が上がっているというふうに感じました。ただ、1点、既存の科学的な資料の収集及びその分析を今後強化していくという方針が立てられていると思うんですが、この資料の1-2-1の5ページ目に、生物多様性及び生態系サービスに関する科学政策プラットフォーム推進。これは重点施策として掲げてあると思うんですが、ここで過去のさまざまな資料を収集し、分析するだけでなく、やはり現状を認識するためのさまざまな資料収集が必要であるし、なおかつモニタリング、今後100年を見据えた資料をどういう方法論で、どういうふうに、どういう人材で収集していくかという、これからのパースペクティブが非常に重要だと思うんですけれども、それがあまり伝わってこなかったと感じました。11ページに、モニタリングサイト1000でこれまでの取組とこれからの方針が示されておりますけれども、これでいいのかという気がするんです。例えば、現在、日本の中で生物多様性の指標として、両生類が絶滅の危機に瀕しているということがあります。でも、ここでは植物ですとか鳥ですとか、割合モニタリングしやすいものがその指標になっていると思います。そういう生態系の指標として、どういう生物をどういう形で捉えていくのかというようなところをもう一度、お聞きしたいなというふうに思うんですが。

○武内部会長 ありがとうございました。

 ほかに。じゃあ、宮本委員。

○宮本委員 重点検討項目につきましては、非常に構成をきちんと分けてくださったので大変わかりやすいと思います。少しこれを横断した取組について、特に国土交通省関係の整理番号13番の環境不動産に関して、12番の温室効果ガスの話、1番の生態系サービスの経済価値という辺りが合わさった問題ついてお伺いしたいと思います。再生可能エネルギーに関する大規模な設備の設置等をした場合の環境不動産の価値というものはどのようになるのかという点について、過去に検討したことがおありなのか、あるいは今後そういうことを検討していただけるような可能性があるかということをお伺いします。

理由を説明いたしますと、私は、ある自治体の国土利用関係の委員会に属していますが、そこで昨年、メガソーラーを初めとする再生可能エネルギーの大規模開発について議論がございました。放棄耕作地、雑木林、あるいは干潟を含むような沿岸部等に、主に太陽光を利用する大規模開発が行われた場合、発電については二酸化炭素を排出しなくなるかもしれませんが、もしそこに、例えば自然林があった場合に吸収されるCO2とか、あるいは干潟の特に底生珪藻のような藻類が光合成をしたとした場合に吸収されるCO2と、どちらがどうなるのか。こちらの検討では金銭に換算していますが、例えば二酸化炭素の収支等に注目した場合に、それが経済効果、あるいは環境への効果としてどうなるのかというような検討の仕方を、いずれかの省庁かでやっていただける可能性があるのかお伺いしたいと思います。

○武内部会長 下村委員。

○下村委員 私もちょっと横断的なところでどうお考えなのかというところを2点ばかり質問させていただきたいと思います。一つは、情報関係の話ですね。環境省さんでやられている多様性評価の地図化とか、自然環境調査の情報整備、それから一方で、国土交通省さんのほうで都市の生物多様性指標の策定というようなことをやられておられるんですけれども、各プロジェクトで調査されているものがストックされて、一元的に情報が整備されて管理されていくことが一番望ましく、以前からの課題だったわけですが、そういった統合のプロセスがある程度想定されて、こういう展開をされているのかどうかというところが一つです。

 それから、もう一つは、今回、幾つかの経済評価の調査をされていて、新しい動きとしては今後を考えていくうえでよいと思うんですけれども、一方で、例えば農水省さんでやられている評価は、個別のプロジェクトに関係して経済評価をされ、それに対してどういう形で行政なり、事業者なり、あるいは住民なりがいかに対応できるかを検討するための調査なんですが、一方で環境省さんのほうでは先ほど干潟の例がありましたけれども、環境の価値の総体を経済的に評価するというタイプの調査で、主流化という主旨から、これだけ価値があるよということをアナウンスすることに意義があるんだろうとは思うんですけれども、政策対応との関係が分かりにくい。異なるタイプの経済評価プロジェクトが混在していますので、受け止める側が下手をすると混乱しないのかなと危惧します。環境省さんのほうでは、税金に結びつけて考えておられるのかもしれませんが、経済評価の調査を各省庁また自治体等が個別ばらばらにやり始めたりすると混乱しますので、それぞれをどう位置づけ、整理するのかという問題が出てくると思うんですけれども、経済評価のゴールイメージ、つまり経済評価をどのように活用し、そのためにどのような調査を行い、どのように伝えるのかについていかに組み立てておられるのか、その2点をお伺いしたいと思います。

○武内部会長 ありがとうございました。

 それじゃあ、白山委員、お願いします。

○白山委員 ありがとうございます。私から2点、コメントに近いものなんですけれども、例えば資料1-2-1の7ページとか3ページとかで、経済評価の額というのが出ているんですけれども、この額に対して、ああそうですかというわけではなくて、この額が大きいのか小さいのか、諸外国に比べて、例えば単位面積当たりで大きいのか小さいのかとか、あるいは奄美群島の例えば1,600億円というのが、奄美群島全体の経済的な活動に比べて微々たるものなのか物すごく重要なのかとか、何か数字を出すのが目的ではないはずで、その数字を評価するところまで踏み込んでいただきたいというのが一つコメントでございます。

 それから、もう一つのコメントは、これ計画に対する点検なので、例えば生物多様性の主流化に対して、あるパーセンテージの数字が出ていますが、これはもともとの達成目標があって、そこに達成できたとか、そういうやっぱり、それに関しても数字、計画があるということは目標があって、その目標が達成できたかどうかという評価があってもいいんじゃないかというふうに思うのですが、そのあたり、もし一部でもお答えいただけるものがあれば、ぜひお答えいただければと思います。

○武内部会長 ありがとうございます。

 それじゃあ、浜本委員、お願いします。

○浜本委員 この次の四次環境基本計画のところにも幾つか出てきているのかもしれないんですが、全体的に見まして、検討内容の詳細の最初のところで、特に前回出てきた防災とか減災機能の活用と、あと、先ほど宮本先生のほうからありましたような再生可能エネルギーの利用とかいうところの、特に前半の防災・減災機能のところがあまりはっきりと出されていないんではないかなという印象を受けました。特に防災・減災に関するものは、環境省の具体的なものというよりは、どちらかというと国交省さんであるとか、不耕作地などのところから始まるような森林生態系や流域の生態系が崩れていくことへの災害などを考えますと、もっと具体的に農林水産省などがこの評価の中でも、もう少ししっかりした評価や取組への施策を出してもいいのではないだろうか。何となく、こういう言い方をしてはなんですが、全体的に甘いんではないかなという。環境省さんの側で見たらこういう形で羅列して、それを経済的に評価して、それが国民に対して金銭的なもので見える化をされたり、具体的にこういうことをやってますよというので見える部分にはいいんですが、防災や減災に関することは、これから起こり得ることに対してどうしますかということですので、例えば海辺の港湾から、その近くの防災に対するものであれば、今までテトラポットだったものをアシ主体にかえていって、生物多様性の機能を高めながら防災機能も実は維持できるんですよというところなどの評価みたいなものは、今後調査していかなければわからないところがたくさん出てくるんだと思うんですが、そういうところがほとんど触れられていないというのが少し物足りないなという感じがいたしました。

○武内部会長 ありがとうございました。

 小泉(武)委員、お願いします。

○小泉(武)委員 いろいろな省庁でたくさんの事業に取り組んでおられることがよくわかりました。その上であえて、ない物ねだりみたいなことを二、三してみたいと思います。生物多様性の認知度は今、上がってはきたのですが、正直、ある段階で止まっているというのが実態です。そういうのを見ていくと、もう少し生物多様性の魅力を高めることが必要だと思います。それにはその場所の生物多様性がなぜ高いのかを説明することが大事だと考えます。私は以前、ツシマヤマネコの分布が地質と関係があるということを紹介したことがありますが、その例のように、ある地域のみに分布している訳がわかると、ツシマヤマネコの価値は明らかに高まりました。また北海道にアポイ岳という山があります。珍しい植物が多いことで有名ですが、それは橄欖岩という岩に原因があることが分かっています。それがあの山の魅力になって、たくさんの人がそれを訪ねて登山や観光に行くんです。ただ単に多様性が高いだけではないと思います。こんな風に、その場所の生物多様性がなぜ高いのかを明らかにすることで、はるかに自然の魅力が増してくると思います。環境省はジオパークにも絡んでいますが、ジオパークの方では、生物多様性を支えるのが地形地質条件だという話があるわけですから、そういう事例をもっと紹介したり、取り込んでいったりしたらいいと思います。それは観光にもそのままつながっていきますし、いろいろな作業にもすぐつながるんです。ですから、多様性を支える基盤環境の研究をもっと進めることが必要だと考えます。

 もう一つは文部科学省の方にコメントします。環境教育やエコスクールなどいろんなことをやっておられます。みな結構なことですが、実は、学校の教育では、日本の自然の特色ですとか、あるいは日本の自然そのもののジオもエコも非常に多様だということがあまり触れられていないと、私は考えております。私は大学でジオパークのことを紹介したことがあるんですが、国立公園のことだとか、ジオパークのことだとか、あるいは日本に海岸の景観だとか山の景観だとかを学生はほとんど知らないんです。すばらしいものはたくさんあるのですが、実はそういうのがあまり教科書に出てこなくなってしまっているのです。地球温暖化とか、海面上昇とかは何回も何回もやるのですが、一番身近なところで、みんながすばらしいと思うような地形や風景などの話があまり出てこないんです。これは日本の将来を考えるといささか問題ではないかと思います。例えば観光地に行っても地形などを学校で教わってないと、その素晴らしさを評価ができないということが生じてきます。そのため「あれは亀岩といいます」という説明で満足してしまうようなことになってしまうんです。しかし中高年だと、それなりの教育をうけていますので、ああ、あの岩はこんなプロセスでできたんだということが分かり、満足度が高くなります。逆に、この地形が何だというのがわけわからないと、見てもおもしろくないということが実際起こっているんです。ですから、風景を読むための教育についてもぜひ考えていただきたいと思います。質問でなく、コメントになってしまいましたが、これで終わります。

○武内部会長 ありがとうございました。

 佐藤(正)委員、お願いします。

○佐藤(正)委員 生物多様性あるいは生態系サービスについて数値化をするというところは一つの進歩だと思います。予算をとるときに優先順位をつけるので、こういった評価額をつけるのはいいんですが、今回の主流化に向けた課題でいう企業の参画を促進するとか、あるいは企業の経営の意思決定に組み込むとか、そういうことの場合には、こういった非常にアバウトな数字ではなかなか企業は参画できないと思います。今、海外でも自然資本の問題というのは非常に大きな課題になっていまして、主要な大きな海外の巨大企業も自分のところの会計に入れたらどうなるんだろうかと考えています。多数例がありますので、もっと海外の事例を調べて、こういうところで課題にしていただけたらと思っております。

○武内部会長 どうもありがとうございました。本来ならば事務局からお答えいただき、また、それぞれの府省からコメントを追加でいただくことになろうかと思うんですが、もう既に10分遅れておりまして、このままで行くとちょっと終わりが見えないものですから、恐縮ですけれども、次回以降に、今日の原案のたたき台みたいなものがありますけれども、それをきちっとした格好で原案にさせていただきます。その中で、どういうコメントを踏まえてこういう原案になったかということを明確に示すというふうな形で、今日の質疑応答にかえさせていただけないかというふうに思いますが、それでよろしいでしょうか。すみません。多くのご意見の中で、課題の中でかなり取り上げる部分もあったかと思いますので、その辺、工夫をした上で、次回ですか、次回。じゃあ次回、回答と合わせて文書案について提示をさせていただきたいと思います。

 それじゃあ、恐縮ですが、次に移らせていただきます。

 それでは、次、重点検討項目②について、よろしくお願いいたします。

○事務局 続きまして、重点検討項目②についてご説明させていただきます。

 概略は重点検討項目①と同じ形になっております。資料1-3-1が最終的な報告書の構成のイメージでございます。重点検討項目②は、生物多様性保全と持続可能な利用の観点から見た国土の保全管理と生態系サービスの利用というタイトルで、a)が国土レベルでの生態系ネットワークの形成に向けた生物多様性の保全上重要な地域等の保全・再生に向けた取組、b)が生態系が有する防災・減災機能の活用や再生可能エネルギーの利用、生物多様性に配慮した農林水産業の振興等の生態系サービスの持続的利用を促進するための取組ということでございます。

それぞれの現状でございますけれども、2ページをお開きください。まず、生態系ネットワークの部分につきましてですけれども、指標の中で取り上げておりますが、自然公園の面積、国有林の保護林の面積、緑の回廊の面積、その他、表の部分になりますけれども、名勝の指定数や天然記念物の指定数、重要文化的な景観の選定数などを挙げておりますけれども、それぞれ伸びを示しておりまして、重要地域の保護が進んでいるという現状になっております。それ以外の地域におきましては、過去に損なわれた生態系を取り戻す自然再生の取組が国立・国定公園では15カ所で行われている、また、その他、湿地の再生、干潟の再生といった取組が進められているという状況でございます。

また、里地里山・田園地域におきましても、生物多様性保全上重要な地域でありますので、農業生産基盤の整備において生態系ネットワークの保全に向けた整備箇所というものがありまして、それが増加をしておるということです。

また、都市地域におきましては、緑の基本計画の策定が進められておりますし、河川におきましても、多自然川づくりを基本として、水辺の再生が行われております。

また、生態系の健全なつながりを確保する上で重要な水環境の保全といったことも進められておりまして、こういったように各方面で取組が進められておりまして、国土レベルの生態系ネットワークの形成に受けた基盤が形成されつつあるものと考えられるというような現状のまとめ方をさせていただいております。

続いて、b)でございますが、9ページをお開きください。こちらにつきまして、まず、前回もご指摘いただきました、生態系が有する防災・減災機能のことについて、現状の状況を少し詳しく書かせていただいております。東日本大震災の経験から、生態系サービスの一つとしての生態系の有する防災・減災機能が注目されていますということで書かせていただいておりま。また、国土強靱化基本法に基づきます国土強靱化基本計画におきましても、「海岸林、湿地等の自然生態系が有する非常時(防災・減災)及び平常時の機能を評価・検証し、各地域の特性に応じて、自然生態系を積極的に活用した防災・減災対策を推進する。」というものが盛り込まれたという現状をお示ししております。

続いて、10ページをお開きください。平成26年3月に仙台で開催されました「第1回アジア国立公園会議」におきましても、減災や復興に対する保護地域の役割を含めた幅広い議論が行われております。これらにつきましては、今年度、シドニーで開催されます「第6回世界国立公園会議」で引き続き議論されるということを書かせていただいております。

続きまして、社会資本整備の世界におきましても、これまでも自然の営みを視野に入れた地域の特性に応じて、それぞれが有する防災・減災機能を活用しながら、自然と調和した整備が進められているところでございますけれども、さらに土地利用において自然環境の有する防災機能や水質浄化等の機能を十分活用していくということによって自然環境・経済・社会にとって有益な対策を社会資本の整備の一環として進めていこうとする「グリーンインフラ」という考え方が取り入れられて、これに関連した取組が推進されているということでございます。これは後ほどまた、関係府省からご説明があると思います。

それから、生態系サービスの利用といたしましては、バイオマスの利用について、現在さまざまな方面で取組が進められております。

それから、農業分野におきまして、田園自然環境の創造に着手した地域数が着実に増加しております。また、前の①でもご説明しておりますけれども、各種認証、環境ラベルの取組も進んでおるということでございます。グラフでは、11ページに国内の森林認証の面積を示しておりまして、これも着実に増加しているところでございます。また、木材需給の割合につきましては徐々に増加しておりまして、目標の3割に近いところまで今来ているという状況でございます。

こういった現状として、今、取りまとめの案を作成させていただいているところでございます。

続きまして、各個別の取組を資料1-3-2に従いましてご説明をさせていただきます。

まず、整理番号の1番でございます。国土レベルの生態系ネットワークの形成に向けた生物多様性保全上重要な地域の明確化です。、環境省自然環境局の取組をここから、1~7番までご説明をさせていただきます。

整理番号の1番です。重要地域、特に国立公園のような地域については保護地域として、今、保全を図られているところですけれども、それをつなぐような形で重要里地里山でありますとか重要海域、それから重要湿地というものを選定する作業を行っております。そういった地域の価値を明らかにした上で、生物多様性の保全の核となるこれらの地域を有機的につなぐことによりまして、国土の生態系の骨格となる生態系ネットワークを構築し、これを維持していくということを目的に取組を進められております。

重要里地里山については、今年度中の選定を目処にしておりまして、農林水産省等との連携や地方自治体との多様な主体の参画によりまして保全活用を進めていきたいということで考えております。重要海域につきましては、海洋保護区の設置等を各施策に展開するために、今、抽出が終わったところでございまして、今後、広く周知していくことで進めております。重要湿地につきましては、今後、見直しを進めていくということで取組がなされているところでございます。

続きまして、整理番号の2番でございます。国立・国定公園の新規指定・大規模拡張ということでございます。平成22年に国立・国定公園の総点検事業が実施され、その結果が報告をされております。18地域の候補地が公表され、それに基づいて現在、新規指定・大規模拡張が進められているところでございます。平成25年5月には、三陸復興国立公園が指定されております。それから、平成26年3月には、慶良間諸島国立公園が指定されておりまして、新規の指定としましては1987年の釧路湿原以来27年ぶり、31番目の国立公園になったということでございます。この総点検事業の結果に基づきまして、今後も順次、指定や拡張等を進めていくことにしております。

整理番号3番でございます。自然公園法に基づきまして、国立・国定公園において行う、失われた自然を積極的に再生する自然再生事業を行うということで、現在、直轄事業で7地区、交付金事業で8地区、その中で湿原の再生や森林生態系の再生、サンゴ群集の再生等が行われておるところでございます。

続きまして、整理番号の4番でございます。生態系の有する防災・減災機能の評価でございます。先ほどご説明したように、現在、非常に注目されている部分、先ほどもご指摘をいただきましたけれども、しっかりと定量的に評価する、それから経済的評価を進めると。先ほどもこの点足りないのではないかというご指摘をいただきましたけれども、まず、そういった知見を集めまして、海外の事例も集めまして、そういったことができるようにするというのが今の段階でございます。今後、国内外の事例を集めるとともに、全国レベルで生態系の防災・減災機能について、定量的・経済的な評価を実施していきたいというふうに考えておりまして、それを地域等にお示しすることによって地域の対応を考える際の選択肢の一つとして検討いただけるような形にしていければと考えております。

整理番号の5番でございます。三陸復興国立公園を核としたグリーン復興プロジェクトということで、三陸復興国立公園が創設されて、長距離海岸トレイル(みちのく潮風トレイル)が設定されて、地域づくりに活用されております。あわせて、自然環境の状況を十分に把握し、自然の恵みと脅威を学びながら、それを活用した復興に貢献するために、いろいろな調査研究も行われています。自然環境のモニタリングを行うとともに、それらの結果を踏まえて、各種保護施策に活用するための重要な自然を表した「重要自然マップ」を作成し、公表をいたしております。今後もこの調査、それから、その後のモニタリングを実施することによって、東日本大震災によって防災・減災機能を発揮した自然生態系について評価を行って、震災の教訓として取りまとめるということを目標に調査を進めるということでございます。

整理番号の6番でございます。アジア国立公園会議の開催等によるアジアの保護地域に係る取組の推進ということで、先ほども少しご紹介いたしましたけども、「第1回アジア国立公園」が平成25年11月に開催され、各国から多くの参加を得ております。その中で減災や復興に対する保護地域の役割ということがうたわれておりまして、今後これを世界国立公園会議の場でも発表していくということでございます。

整理番号7番でございます。里地里山地域の自然シンボルと共生した先導的な低炭素地域づくりです。第四次環境基本計画の目指す持続可能な社会につきましては、「低炭素」「循環」「自然共生」の統合ということがうたわれておりますけれども、この中で里山地域によって「低炭素」と「自然共生」を進めていく取組として、特にバイオマスの利用を中心とした「低炭素」と「循環」、それから、それに伴って木質バイオマスが利用されることによる里地里山管理、これを組み合わせていこうという事業でございまして、今年度から新たに開始されております。具体的内容としましては、管理活動と低炭素に向けた計画づくりのソフト事業と、バイオマスボイラー導入のハード事業、その二つが設けられております。この事業の普及を図りまして、地域の低炭素化と里地里山保全管理を一体的に推進していきたいというふうに考えているところでございます。

以上が、環境省の自然環境局からの説明になります。

続きまして、環境省の水・大気環境局からご報告をお願いいたします。

○水環境課 環境省、水環境課でございます。

8番について説明をさせていただきます。公共用水域の生活環境項目の水質環境基準の検討を行っております。生活環境項目の基準といいますと、BODとかCODとか、全窒素、全リンなど、今12項目ございますが、これに二つ新たな環境基準を追加するべく、現在、検討中でございます。一つが、底層の溶存酸素量と、湾ですとか湖沼において底層の貧酸素の問題がありまして、これが水生生物の生息ができないというような状況も生じておると。これに対応するため、閉鎖性海域ですとか湖沼の底層の溶存酸素量の環境基準の検討を行っております。

もう一つが、沿岸の透明度ということで検討をしております。沿岸透明度の一つの観点が、藻場、アマモなど、水生植物がきちんと光合成ができて生育できるようにという観点で、必要な光量を確保しようという観点でございます。もう一つは浸水量という観点もございます。これについても、海域・湖沼における環境基準の検討をしております。現在、中環審の専門委員会で審議しておりまして、今日の午前中も専門委員会を行ったところでございます。引き続き、調査・検討を行ってまいります。

○閉鎖性海域対策室 それでは、続きまして、閉鎖性海域対策室でございます。

 こちらからは、9番~11番まで、三つの施策についてご説明を差し上げます。

 まず、9-1と9-2は、合わせて一つの施策です。まとめてご説明いたします。総量削減に関する取組なんですけれども、総量削減制度といいますのは、水質汚濁防止法と、あと瀬戸内海環境保全特別措置法という法律に基づきまして、東京湾、伊勢湾、瀬戸内海といった、いわゆる閉鎖的な海域において、その工場から排出されるCODですとか窒素・リン、そういったものの量を規制するような取組でございます。その効果を把握するために、昭和54年から毎年、陸域からの発生負荷量ですとか水質の調査、そういったものを実施しているものでございます。それから、現在、第7次総量削減制度というのを実施しておりますけれども、今年度から次の第8次総量削減制度に向けて、その在り方の検討を進めるということを進めております。

 続きましては、整理番号10番をご覧ください。こちらは、海域の物質循環健全化計画、いわゆるヘルシープランと呼んでいるものでございます。この施策は、沿岸域において、窒素とかリンとか、その栄養塩類の循環というものに着目をしまして、その栄養塩類のバランスのとれた生物多様性、豊かな海を目指していこうという施策でございます。これまでに三つの海域で地元の方々と連携しまして、そのプランを取りまとめるとともに、その成果を活用した手引書などを作成・普及しているところでございます。

 最後、三つ目が11番の施策になります。里海に関する施策でございます。人の手が加わることによって、生物多様性豊かで生物生産性も高い沿岸域という里海の概念がございますけれども、そういったものを念頭に置きまして、モデル地域において里海の支援、要は地域における里海づくりの支援を進めながら、そのまた手引書、そういったものも作成しまして、地域での普及啓発に努めているところでございます。26年度、今年度からは、特に改めて地域の里海づくりの情報収集を図るとか、あとは保全上重要な藻場・干潟、そういったものの調査を進めたいと考えております。

 以上です。

○事務局 続いて、地球環境局からお願いいたします。

○地球環境局 整理番号12番、適応計画の策定について説明します。地球環境局です。

 気候変動によりまして、自然生態系など、さまざまな面で影響が予想されておりまして、その対処の観点から、環境省が政府全体の取組を「適応計画」として取りまとめるものでございます。「適応計画」自体は27年度策定を目指しておりまして、25年度につきましては、中環審の気候変動影響評価等小委員会を設置しまして、気候変動が日本に与える影響などについて審議を進めております。本年3月には、その小委員会の中間報告を公表したところでございます。また、環境研究総合推進費の戦略的な研究においても、3月に中間成果報告を公表しまして、これらの中で気候変動による自然生態系への影響について言及しているところでございます。今後につきましては、26年度も引き続き、小委員会での議論を進めまして、27年2月ごろに「日本における気候変動の影響及びリスク評価に関する報告と今後の課題」ということで取りまとめまして、こういったものを踏まえまして、27年夏ごろに適応計画の閣議決定を行う考えでございます。

 以上です。

○事務局 続いて、農林水産省さんから報告をお願いします。

○農林水産省 農林水産省です。

 初めに、先ほど浜本委員からご指摘のありました防災・減災機能についてなんですけれども、この調査票のところで農水関係のところがちょっと分析が十分でなかったというふうに感じております。森林とか農業・農地については、多面的機能ということで防災・減災機能も含めて非常に重視しておりますが、この調査票のところで、分析が踏み込んでなかったなというふうに反省をしております。

 その上で、13番ですけれども、施策の実施状況・効果、真ん中辺りですけれども、これを中心にご説明申し上げます。「保護林」、あるいは「緑の回廊」というのを進めておるわけですけれども、「保護林」については25年4月現在で96万5,000ヘクタール、これは国有林が760万ヘクタールぐらいございますので、このうちの約13%ということになっております。それから、渓流と一体となった森林の連続性の確保を渓畔林というような形で復活をしたり、このようなことに取り組んでまいりました。

 次のページの14番でございます。14番は、環境との調和に配慮した農業農村整備事業等の推進です。これも真ん中辺りの施策等の実施状況をご覧ください。農業用用排水路の整備、これを生物の生息環境に配慮した構造、石積みの護岸にしたり、カエルとか蛇が脱出できるスロープをつくったり、そういうようなことが平成24~25年度に全国で200カ所増加したと書いてありますが、25年度現在で1,800カ所程度、整備しております。目標としましては、28年度までには1,900カ所強ぐらいに増やしていきたいと考えております。

 次のページの15番です。15番は漁業の関係で、生物多様性に配慮した漁業でございます。これは海洋保護区についての事例、国内5カ所、外国1カ所調査しまして、いろんな検証をしております。それから、日本型の海洋保護区、いわゆる利用形態を考えながら管理していくということなんですけれども、こういうものの啓発もやっております。それから、資源の評価、水産庁のほうでは52魚種、マアジとかサバとかニシンとかですね、この資源量を評価し、適切な希少性評価手法の検討等を行っております。

 16番でございます。16番は、内水面の漁業振興対策事業ということで、ウナギに代表されるような、それ以外にもいろいろと環境が悪くなりまして、渓流魚、その多様性が低下したり、資源の減少が生じております。そこで、全国で水田や用水路を活用した増殖手法の開発や生息環境の改善手法について検討を行いました。それから、今後の課題の最後のところに書いてございますが、25年度から開始した、ウナギ関係の事業で、全国22河川でウナギの生息状況を網羅的に把握する調査を進めております。

17番でございます。国有林野の関係ですけれども、地域連携推進等対策で、多様な主体の方と一緒になって森林の整備、保全活動をするモデルプロジェクトというものを設定しております。また、世界自然遺産とか、ちょっと人が多くて荒廃が懸念されるところには、森林保護員、グリーン・サポート・スタッフというのを配置して、今、全国に333人――非常勤ですけれども――が延べ1万3,000人日ぐらい活動しており、マナーや啓発活動を行っております。

それから、18番です。環境保全型農業直接支援対策。これは、農業者が最低限守らなきゃいけない環境規範、農薬の使い方、肥料の使い方、いろんな環境に優しい農業の方法を、補助事業を行う場合の要件化しているのがございます。これが25年度は38事業ということでございます。それから、エコファーマーについては、累積が約28万件になってまいりましたけれども、これは平成26年には34万件を目指しているというところで、ちょっと伸びが鈍化しておりますが、引き続き進めていきたいと考えております。環境保全型の直接支援対策は5万5,656ヘクタールまで増えております。まだまだ全体の、耕地面積は450万ヘクタールぐらいございますから、それからするとまだまだですけれども、進めています。

それから、次のページの19番です。農地・水保全管理支払交付金。これは非常に評判がよろしいんですけれども、真ん中の辺りの施策等の実施状況のところで、25年度、全国1,198市町村で、1万9,000活動組織、148万ヘクタールという、農地面積で比べますと約3割強の面積をカバーした活動が行われております。これで水路、それから農道、そういう施設の保全をし、これが生物多様性にも非常に効果があると、保全に効果があるということでございます。

次のページの20番でございます。森林の多面的機能で、多様で健全な森林の整備・保全ということで、森林・林業基本計画、それから全国森林計画、このもとに計画的に森林整備を進め、育成複層林、いわゆる一斉に伐採せずに、必要な分だけ抜き取って、高い木もあれば低い木もあるというような形で、生物に非常に優しい森をつくるということや、100年前後かけて木を切る長伐期化とか、多様な森づくりを進めております。

それから、21番、最後でございます。水産環境整備事業、水産多面的機能発揮対策事業で、藻場・干潟の造成を、24年度は738ヘクタール実施しております。それから、藻場・干潟を保全してくれる全国469の組織に対して支援をしております。一番下に書いてございますが、漁港漁場整備長期計画では、28年度までの5年間で概ね5,500ヘクタールの藻場・干潟の造成に相当する水産資源の生息環境の保全・創造ということを目標として取り組んでおります。

 以上でございます。

○事務局 続きまして、国土交通省からご報告をお願いいたします。

○国土交通省 国土交通省でございます。

 国土交通省は、社会資本整備、あるいは形成というものを担当してございまして、その中には、いろんな社会資本の目的としましてはたくさん目的がございますけども、その中でも緑地、あるいは公園のように、そのものがそのまま生物多様性、あるいは生態系を保全していくことに役立っていくものもございますし、あるいは先ほど浜本委員がおっしゃられた防災・減災というものを目的とした社会資本整備もございます。そういった我々の社会資本整備の中では、従来から、ここ最近は自然環境との調和ということに、自然との共生といったことに非常に力を入れながら進めておるところでございますけれども、さらに、先ほどもご指摘ございました、自然環境が持つ防災・減災の機能も積極的に活用するといった取組も進めてございまして、それらにつきましてご紹介させていただきたいと思います。

 24番~31番までの八つの項目でございまして、最初は、すみません、ちょっと順番前後するんですけれども、都市の取組の中で27番の取組を先にご説明差し上げたいと思います。生物多様性の確保に配慮した緑の基本計画の策定等の推進ということでございまして、この緑の基本計画というのが、法律に基づいて、都市における緑化ですとか緑地保全の基本的な進め方を定める、自治体ごとに作成されるものですけれども、そういった計画でございまして、従来から、この緑の基本計画というのをつくっておったんですけど、COP10を踏まえまして、受けまして、平成23年10月に、この緑の基本計画の中で、さらに生物多様性の確保ということを踏まえてつくっていけるように、この確保に関する技術的配慮事項というものを策定してございます。これどういった内容かといいますと、エコロジカル・ネットワークの形成の観点等から緑地をどう配置していくかといったような技術的な考え方を整理したものでございまして、こちらのほうを地方公共団体さんに連絡させていただきまして、これを使っていただいて、地方自治体さんのほうで生物多様性に配慮した計画をつくっていただくと、そういったことで、今後引き続き、この取組を推進していきたいと考えてございます。

 この計画に基づきまして、さまざまな都市において緑化あるいは公園の整備等を進めているところでございますけども、24番に戻っていただきまして、その一つの取組といたしまして、特別緑地保全地区等の指定による緑地の保全推進ということでございまして、基本的には民間の土地におきます緑地の保全ということでございまして、動植物の生息地等となる緑地の保全を図ることを目的としまして、ある地区を指定をかけるという仕組みでございまして、この地区の中では開発に強い規制をかけまして、現状凍結的に、その緑地等を保全をしていくという制度でございます。この取組につきまして、平成24年度には、新たに21地区56ヘクタールが指定される等でございまして、この取組について着実に進めてきておりますし、また、引き続き、先ほど申し上げた緑の基本計画に基づきまして取組を推進していきたいと考えているところでございます。

 また、次の25番のほうに移っていただきまして、都市公園等、都市における緑地による生態系ネットワークの形成ということでございまして、先ほど申し上げた特別緑地保全地区以外にもさまざまな緑化促進、緑地の保全等の仕組みがございまして、その中には多様な主体が参画したやり方でやっていく、市民緑地という制度もございまして、そういったいろいろな制度を活用いたしまして、都市の緑地の一層の保全を推進していくということでございます。あわせて、都市公園の形成ということでございまして、こちらにつきましても推進していきたいと考えているところでございます。

 続きまして、26番でございます。今度は、多自然川づくりの推進ということでございまして、河川の取組でございます。こちらのほうは、先ほど、別の資料のほうでも環境省さんのほうからご紹介、一部していただきましたのは、全ての川づくりのプロセスにおいて、自然の営みというものを視野に入れまして、歴史・文化等の調和等にも配慮して、生物の生息・生育・繁殖環境、あるいは景観を保全・創出していくということでございます。流域における多様な主体とも連携しながら、自治体さんですとか市民の方、あるいは場合によっては農業の関係の方等とも連携しながら、広域的に生態系ネットワークの形成を推進するといった取組も進めているところでございます。これによりまして、川づくりの中で自然な川岸等の形成、水辺の再生ということを実施しておりまして、これの取組につきまして引き続き取り組んでいきたいと考えているところでございます。

 続きまして、飛ばしていただきまして、28番の取組につきまして、こちら港湾の取組でございまして、28-1につきましては、港湾緑地の整備ということでございます。こちら、先ほどの緑化と同様な取組でございまして、港湾空間における緑地を整備していくという取組でございます。こちらの取組を引き続き推進していきたいと考えているというところでございます。

 また、28-2の取組でございまして、浚渫土砂等を有効活用した自然環境の回復ということでございます。港湾のさまざまな事業に伴って浚渫土砂というのが発生するんですけれども、こちらのほうを有効活用しまして、干潟等の再生、あるいは深堀跡ということで、かつてそこを土砂をとるために掘った後がございますけれども、そこが非常に水質悪化の原因になっているところということでございまして、そこの埋め戻しにこの浚渫土砂を活用するといった取組をしてございます。実施状況でございますけれども、徳山下松港での干潟の再生ですとか、東京湾、大阪湾における深堀跡の埋め戻しをしまして、自然環境を回復する取組を推進してございまして、この取組につきましても引き続き進めてまいりたいと考えております。

 それから、29番でございまして、下水道整備ということでございまして、水質をより改善していくということを目的に下水道の整備。下水道の中でも、特に高度処理という取組を進めてございまして、窒素やリンを確実に除去するという取組でございまして、こういう高度処理の取組を広げていく、あるいは合流式下水道の改善等を進めてまいりまして、さらに水質、水環境の改善に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。

 続きまして、30番でございまして、社会資本整備における「グリーンインフラ」の推進ということでございます。先ほど環境省さんのほうからもご説明、一部はございましたけども、欧米のほうで自然環境が有する防災ですとか、水質浄化等の機能を十分に活用していくということによって、有益な対策を社会資本整備の一環として進めていくと。「グリーンインフラ」と名づけられている取組が進められているということでございまして、我々もこういった取組は参考にしながら取り組んでいこうと。これまでもさまざま取組を進めてございまして、植物ですとか、植物を活用して防災・減災に資するといったことをしているというところでございます。具体例としまして、この真ん中のところに書いています多自然川づくりを推進していくということ、あるいは防潮堤の整備において、盛土と樹林をこの堤防と一体的に整備して、この樹林、木の力によって堤防が壊れるまでの時間を遅らせて、避難時間を稼ぐといったような減災効果をもたらすという、そういった「緑の防潮堤」と呼んでおりますけれども、こちらの整備を推進したりしてございます。あるいは都市部においては、密集市街地において延焼防止等の機能を有する、公園緑地等の整備を実施しているところでございますし、あと、従来から、ごく一般的にやるんですけれども、のり面につきまして、侵食を防止するために緑化を実施するといったこともやっております。こうした取組も含めて、引き続き、国交省においてもインフラ整備において、自然の営みを視野に入れながら防災・減災機能等を活用するといった取組を進めてまいりたいと考えているところでございます。

 最後に、31番でございまして、少し毛色は違うんですけども、海洋における炭素固定についての調査・研究を推進してございまして、CO2の海洋吸収の重要性は指摘されているところでございますが、国交省でも海洋といいますか、港湾といいますか、そちらの研究機関もございまして、そちらのほうで、この炭素固定に関する調査研究・技術開発等の推進を行っておりまして、こちらのほうも引き続き、調査・研究を取り組んでまいりたいと考えているところでございます。

 国交省からは以上でございます。

○事務局 最後、文部科学省からご報告をお願いします。

○文部科学省 文部科学省でございます。

 先ほど、パート1のほうで小泉(武)先生のほうから学校教育についてご指摘ございました。ありがとうございました。ご案内のとおりかと存じますが、教育課程の基準である学習指導におきましては、環境教育に関する記述があるということでございますが、先生ご指摘のとおり、やはり児童・生徒が身近なところで体験的にこれを学んでいく、これは重要なことと私どもは考えてございます。今後、学校教育において、先生方の教え方、こういったことを工夫していくことも含めて、さらに取組を進めていくことが大事かと思っております。

 パート2のほうで文科省関係につきましては、32、33の2点でございます。文科省における保全・管理の取組といたしましては、まず32でございますが、これは我が国の国内法制、文化財保護法に基づく取組といたしまして、ご覧のとおり名勝、天然記念物等の指定行為を行うことによって、その選定件数を増加することにより保全を実施していくというものでございます。

 それから、33でございますが、これは国際的な枠組みを活用したものでございまして、今、ユネスコのほうで、いわゆるユネスコエコパーク、生物圏保存地域といった、こういったものがございまして、我が国これの指定といったものを今推奨しているところでございます。現在、オールジャパンで7地域ほど、例えばそちらご覧のとおり、真ん中のところ、ちょっと小さい字で恐縮でございますが、志賀高原、白山等といったものが該当してございます。さらに、こういったものの指定を増やしていくとともに、あわせて、この指定地区内の自治体において、ESDの推進拠点であるユネスコスクールといった取組と相まって、ESD実践のモデルケースとしていきたいというふうに考えており、さらにこういった点的な取組だけでなくて、ネットワーク会議のようなものも開催いたしまして面的に広げていく、こういった形で効果をより増進させていただきたいと、かように考えてございます。

 以上でございます。

○事務局 ありがとうございました。

 ただいまの施策の取組の割り振りにつきましては、これも最後のページに重点検討項目のa)とb)の割り振りを示させていただいております。これは取りまとめて最終的な報告書にしてまいりたいと思います。重点検討項目②番の課題といたしましては、資料1-3-1の最終ページ、18ページでございますけれども、5点をお示しさせていただいております。1番目が、生態系ネットワークを構築するための保全・再生、そのための調査研究・技術開発、人材確保の推進が必要であるという点。それから、2番目が、今後より対応が求められる気候変動に対する適応策についての検討ということを掲げております。3番目が、先ほど来ご指摘のありました防災・減災機能、これをしっかりと評価していくという点。それから、4番目が、農林水産業分野で行われている生物多様性保全の役割、そういったものを明確に示していくことの必要性、それから、最後に、多様性戦略でもうたっております「地域循環圏」「自然共生圏」を構築していくための生態系サービスの需給でつながるような関係づくり、そういったものを進めていくことが必要であるというような内容で現在の課題をまとめております。

 申し訳ありません、最後ちょっと1点、修正を入れさせていただきます。今、資料の1-3-1、10ページでございます。1行目でございますけれども、「第1回アジア国立公園会議」の開催月が間違っておりました。「平成26年3月」となっておりますが、「平成25年11月」の間違いでございますので、ここで訂正をさせていただきたいと思います。

 以上、ご報告であります。よろしくお願いいたします。

○武内部会長 それでは、ご意見、ご質問をお受けしたいと思いますので、札を立てて。涌井委員、お願いします。

○涌井委員 書きぶりの問題なのかもしれませんけれども、このページ9のbですね、生態系が有する云々というところの防災・減災の話なんですが、ここで気がかりなのは、将来にわたって生態系サービスを永続的に享受するというのは、自然資本の外形的な姿だけでは成り立たない。そこで、人の暮らしが永続的にきちっと担保されて補償されない状況であったとしたら、それを維持できないということが一つの事実としてあると思うんですね。したがって、そこにレジリエンス性の高い国土の創生を図るというためには、土地利用であるとか集落維持に貢献する習俗の姿であるとか、そういうものと一体的にそうした方向を目指さないと、なかなかそういう姿が実現できない、こういう状況があると思うんですね。その辺の書きぶりがちょっと不足しているんではないかなと。とりわけ三陸復興国立公園があるわけですから、そこでは具体的にそういう姿をモデル的に展開するというような視点も非常に重要なことなんではないだろうかと、このように考えるところであります。

○武内部会長 ありがとうございました。

 柴田委員、お願いします。

○柴田委員 ありがとうございました。全体の方向性としてはよろしいかと思います。私のほうからは重点検討項目の①と②、パート1、パート2、両方への共通の一般的コメントをさせていただければと思います。

 私のように国際法をやっている人間から生物多様性を見ますと、生物多様性というのは日本のためではなくて、地球のためだというふうに思っております。そういう観点から、今回の文章を読ませていただきますと、全体として内向きの印象を持ちました。環境基本計画の基本的方向性のところにも実はしっかり書かれておりまして、⑤の国際的視野を持った取組の推進というところで、我が国の生物多様性と地球規模の生物多様性のつながりを認識し、広域的な視点を持って国内外での取組を一体的に進めるというふうに書いてあります。当然、重点的な取組事項の⑥に別途、国際的取組がありますけれども、この国内・国外の取組の一体性をもう少し意識した報告にしてもよいのではないかと思いました。例えばですけれども、同じ税金を使って日本が拠出をしましたジャパンバイオダイバーシティーファンドですね、生物多様性日本基金との連携などがどういうふうになっているかというような視点もあってもいいかと思います。具体的には、今回ここでさまざまな施策の結果が出ているわけですけれども、その下、我が国の施策で得られた情報や知見を対外的に発信するため、つまりこうした情報は日本国民のためでもありますし、同時に、同じ情報は地球民のためでもあるわけですから、英語による資料等のホームページへの掲載などもぜひご検討いただければと思います。生物多様性評価の地図化なんていうのは、私も先ほど見させていただきましたけど、大変興味深い内容ですけれども、このページには英語がありませんでした。こういうところも英語にしていただく。

 それから、パート2のほうでありました日本型海洋保護区、日本型とまさについているとおり、これは日本から海外に向けてという趣旨だと思います。アジア国立公園会議で既にポスターセッションなどで提案されたというふうに書いてありましたけれども、恒常的にどこかでまとまった形でホームページなどで英語でも閲覧できるような形になっているといいのではないかなというふうに思いました。

 以上です。

○武内部会長 ありがとうございました。

 石井(実)委員、お願いします。

○石井(実)委員 ありがとうございます。さまざまな取組、本当に心強く思います。少しコメントとお願いです。20番の農林水産省さんの森林の多面的機能の持続的発揮、その支援事業ですけれども、私の関わっている、大阪みどりのトラスト協会が事務局を務めさせていただき、大阪府域の里山の保全に大変役に立っております。ぜひともこれを継続していただきたいというのがお願いのひとつです。

 それから、もう一つは、32番なんですけれども、これは以前から私が気になっているところなんですが、天然記念物に小動物を指定した場合に、例えば昆虫とか淡水魚類ですけれども、どういう言い方をしたらいいか難しいんですけれど、かえって絶滅を早めてしまうケースがあるということです。どういうことかといいますと、例えば昆虫とか魚類とかというのは、それが好きな愛好家が採取したり、観察したりした記録によって情報が得られて、そこにいるという、あるいは減っているとか増えているということが把握できます。しかし、採取規制が入ったあとは、それが途絶えてしまうことと、生息環境が、例えば里地里山などの場合には、その維持管理ができなくなることによって、遷移が進行してしまうことで、情報が途絶え環境が変化して、何かの機会に調べたらもういなかったというケースがあるんですね。文化財保護の場合には、「保全」ではなくて「保存」という書き方になるんですけれども、他省庁との連携ですね、環境省とか林野庁とか、その生息地の維持管理を少し検討いただけないかということです。資料の1-3-1のところでも、4ページ~5ページにこの部分がありますけれども、例えば5ページのところには表が1枚あって、天然記念物の数は増えているということなんですが、数を増やすだけではなく、指定する際には、生息地等の保全が入っているという方向にできないのかなと思っています。

○武内部会長 ありがとうございました。

 小泉(武)委員、お願いします。

○小泉(武)委員 いろんな省庁の方がおられるものですから、ちょっとアカマツの枯死のことで少しコメントしたいと思います。アカマツの枯死は里山を始めとして、いろいろなところで問題になっていまして、原因はマツノザイセンチュウだということになっています。防除のためよく空中散布が行われたりするんですが、どうも見ていると原因はマツノザイセンチュウでない可能性も私は高いと思っています。それはどういうことかというと、今、里山では照葉樹や林床の低木の繁茂などで、森が暗くなり、荒れてきているんですが、その結果、マツの根元にいろんな植物の落葉や枯れ枝がたまっています。もともと松林というのは健全な状態だと、松林の林床に何もないというのがいいんです。昔は落ち葉かきをして、菌糸が表面に出るほどになっていたのですが、それをやらなくなったものですから、マツの根元に非常に厚いリターがたまりまして、厚さが10センチぐらいになったりします。そうすると雑菌が繁殖し、腐ってもう悪臭を発しているんです。私は、その結果、雑菌がマツに入り込んでいって感染症を引き起こし、マツを弱らせてしまう原因になっているのだろうと考えています。マツノザイセンチュウはおそらくその時点で侵入するのではないかと推定しています。いわば最後のだめ押しをしているのではないかということです。こんなことをいうと、反撥を受けそうですが、私は原因が感染症である可能性は高いと考えています。そこでできましたら、林野庁辺りでこの仮説を検証する実験をしてほしいんです。1つは落ち葉かきをやって、マツの根元をきれいにしてもらい、もう1つは落ち葉がどんどん積もるような場所を設置してもらって、どういう結果になるか比較するということです。原因がマツノザイセンチュウでないということになれば、農薬散布をやらなくて済む可能性が出てきます。人を使ってマツの根元から落ち葉をとってしまえばいいわけですから、農薬散布よりよっぽど安全です。農薬散布すると、鳥だとか昆虫だとかにいろいろダメージが出るわけですから、できるだけそういうのは減らしたいんです。だけど、現時点では原因はマツノザイセンチュウだということになっておりますので、ぜひ一度視点を変えて調べてほしいというのが、私の希望です。松枯れは全国的な大きな問題ですから、素人の変な意見だといわないで、ぜひ実験をやってほしいと思っています。松林が健全な林になることは、生物多様性だけでなく、防災だとか斜面崩壊の防止だとかの面でもプラスになることは間違いありません。決して無駄な実験ではないと思います。どの省庁にお願いすればいいのかわかりませんが、今日はいろんな省庁の方が来ておられますので、どこかで実験をやってほしいと思い、発言しました。よろしくお願いします。

○武内部会長 ありがとうございました。

 それじゃあ、尾崎委員。

○尾崎委員 今年に慶良間の国立公園が加わって、31番目ですか、国立公園が増えたことは大変望ましいと思っていますけれども、あるいは国土に占める国立公園等の割合はかなり高くなってきているんではないかと思うんですけれども、その国立公園それぞれの運営状態というか、どのくらいの予算をかけて、あるいはどのくらいの人をかけてこれを管理されているのかなというところ、その辺の数だけじゃなくて、国立公園の質みたいなものをもうちょっとやっぱり検討しておく必要があるのかなと思って、その辺はあまりこの資料には出てこないのかなと思いました。1例申しますと、先週、私、ちょっと中国の山東省の黄河三角州国立自然保護区というところに行ったんですけれども、かなり広大なところなのでたくさんの人が関わっているのは当然なんですけれども、その一つの自然保護区で260人の職員が関わっているんですね。中国、日本は比較は難しいですけれども、そのくらいの人が関わって、その中で調査部の人が20名いました。ですから、日本の国立公園で果たしてどのくらいの方が担当されて、関わっておられるかなということと、そういう中身の比較ということも重要ではないかなというふうに思いました。

○武内部会長 ありがとうございました。

 ほかによろしいでしょうか。どうぞ。

○浜本委員 一つだけなんです。今話題になっているウナギなんですが、水産庁さんのところで、内水面漁業の振興対策でやっていらっしゃいますけれども、ここにウナギ及びアユって書いてありますが、ウナギもアユも内水面だけの生き物ではなくて、必ず海洋に出ていきます。そうすると、これは河川だけではなくて、海のほうまで。ここはまだ同じ水産庁の管轄だからいいんですが、もう一つ、国交省さんの取組の中で、多自然型川づくりというところで、広域的な生態系ネットワークというところがあるんですけれども、このウナギにしても、アユにしましても、ある程度大きくなるまでは海から産卵して稚魚で入ってきて、河口部で大きくなるんですね。ある程度大きくなってから内水面に入っていきますので、河口部の生物・生態系が多自然型工法というものがしっかり確立していないと、どんなに養殖で増やす技術が出てこようが、どんなに内水面だけの、親になってからだけのことを保全しようが数はどんどん減り続けて、これはもう現場に行けば一目瞭然ですけれども、ちっとも数が増えていかない。数が減ってきたら、これをレッドデータブックで絶滅危惧種に指定するのは環境省の仕事になってきますので、そういう何かマイナスの連鎖を生まないような各省庁の関係、力を持った関係づくりで、河川だけではなくて、河口部と、それから海に関してというところを連携した本当の生態系ネットワークの形成というものを省庁間の枠を超えてぜひともやっていただきたいというふうに思います。

○武内部会長 ありがとうございました。

 それでは、恐縮ですけれども、先ほどと同様に、ただいまいただいたご意見を踏まえまして、次回の報告書の素案に反映させ、また、皆さん方からのご意見がどのようにその素案に反映されたかについての説明をさせていただくことにいたしたいと思います。

 今後のスケジュールについて、事務局のほうから説明をお願いします。

○事務局 資料1-5をご覧ください。本日6月25日、取組状況について各関係省庁からヒアリングをさせていただいております。今、部会長からお話ありましたように、いただきましたご意見を踏まえた修正作業等をさせていただいて、次回7月30日の中央環境審議会自然環境部会において、点検に係る最終審議を行っていただきたいというふうに考えております。その後、ご意見等を踏まえた最終調整を行いまして、9月19日に予定されております中央環境審議会総合政策部会へ報告という段取りで進めてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○武内部会長 どうもありがとうございました。

 それでは、次の議題に移りたいと思いますが、既に時間が15分ほど遅れておりますので、大変恐縮ですけれども、最大15分延長するというふうなことでご了解いただければと思います。次の会合がある方は途中で退席をしていただければと思います。

 それでは、諮問案件である議題、鳥獣の保護及び管理を図るための事業を実施するための基本的な指針についての説明をお願いいたします。

○事務局 鳥獣保護業務室の山本でございます。よろしくお願いいたします。

 局長の挨拶の中でもございましたとおり、先月、鳥獣保護法の改正法が成立・公布をされております。今後、施行に向けた手続を進めていくことになりますので、この審議会でもご審議をいただくということになります。お願いしたいと思います。

 資料の2-1~2-4を使ってご説明をさせていただきます。順番が少し前後いたしますけれども、資料2-3で法律、改正法の概要をつけております。前回の部会の中でもご説明をしておりますので、今回、特に詳しくはご説明をいたしませんけれども、ポイントといたしましては、ニホンジカ、イノシシ等による自然生態系への影響・農林水産業の被害が深刻化しているということを受けて、また、狩猟者の減少・高齢化による鳥獣捕獲の担い手が減少しているということを受けまして、今回、特に鳥獣の捕獲等の一層の促進と捕獲の担い手育成ということを大きな目的として改正を行っております。

 改正内容でございますけれども、大きなポイントとしましては、これまで鳥獣の捕獲規制を基本とした保護ということをうたった法律でございましたけれども、今後は捕獲をする、その数を減らしていくといったり、生息区域を減らしていく、縮小していくということを意味する管理、鳥獣の管理を加えて一層の促進を図っていくということとしております。法律の名称についても、この法律が施行されれば「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」という形に変わることになります。

それに伴いまして、施策体系の整理ということで計画を、「鳥獣保護事業計画」から「鳥獣保護管理事業計画」に改めるということですとか、保護のための計画と管理のための計画を分けるといったようなことを規定しております。

また、そのほか3番、4番がかなり今回大きなものでございますけれども、集中的かつ広域的に管理を図る必要があるという鳥獣について、都道府県が捕獲のための事業を実施することができるということですとか、鳥獣の捕獲等をする事業を実施する者は認定を受けることができるといったようなことを規定いたしました。

それで、資料の2-4でございます。法律の施行は公布の日から1年以内の政令で定める日ということとしておりまして、概ね1年かけて施行していくことを考えておりまして、施行までに基本指針、政省令、関連通知を整備するという必要がございます。都道府県がそれをもとに鳥獣保護管理事業計画ですとか、必要な計画をつくっていくということで、環境省の作業としては非常にタイトなスケジュールでこれから政省令、基本指針の整備をしていく必要がございます。審議会では、この一番上の基本指針についてご意見をいただくということになっております。

 それでは、資料2-1に戻っていただきまして、ということで、今回、6月19日の日付ですけれども、鳥獣の保護及び管理を図るための事業を実施するための基本的な指針についてということで諮問をさせていただきました。

 裏面で、中央環境審議会から自然環境部会に付議をしております。

 それから、資料2-2をあわせて見ていただきたいのですが、これまでの法律の検討、法律に関する議論の際と同様に、鳥獣保護・管理のあり方検討小委員会での詳細な検討をさせていただきたいと思っておりまして、詳細検討をして案を作成して、部会のほうでまたお諮りをさせていただきたいというふうに思います。ということで、また、その資料2-2では、あり方検討小委員会の名称ですとか一部中身を法律の見直しにあわせて一部修正をしておりますので、これも含めてご了承をいただきたいと思います。明日以降、小委員会で検討をして、概ね10月ぐらいの部会で検討をお願いするということになろうかと思います。

以上でございます。

○武内部会長 どうもありがとうございました。

 それでは、本件について何かご質問がございましたらお受けしたいと思いますが、いかがでしょうか。今後、この案件については諮問をお受けし、小委員会において詳細の検討を進めていくという形の原案でございますが、よろしいでしょうか。

(異議なし)

○武内部会長 それじゃあ、そういう方向で諮問をお受けし、今後、小委員会で詳細を検討していただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 その他の案件として、報告事項について説明をお願いいたします。

○事務局 国立公園課の浪花と申します。

 資料3-1、国立公園の英語の名称についてという資料をご覧ください。観光庁のほうで英語表記のガイドラインが26年3月に策定をされておりまして、それを受けて国立公園の英語名称をどうするかということを取りまとめた資料になっております。

ガイドラインの概要の最初にあります、国立公園はこの形になっておりまして、「固有名詞+普通名詞」と。例えば日比谷公園で書いてありますとおり、日比谷をローマ字、公園は「Park」という形になっております。

その「National Park」の前の固有名詞をどのように考えるかということを後ろの2枚目のポツにご説明させていただいております。「利尻礼文サロベツ」や「知床」という地名を指しているものについては、そのままローマ字表記で並べて「National Park」をつなげるという形となるんですが、「釧路湿原」の場合は、「Kushiro Wetland」にするのか、あるいは「Kushiroshitsugen」とローマ字でつなぐのかというところは議論があるかと考えております。環境省としては、国立公園の名前は特定の地域や地形の名称を指しているという面もあるんですが、公園の地域の全体を総称しているものというふうに考えております。例えば釧路湿原であると、「Kushiro Wetland」と、まさにその湿原を指している印象を与えるんですが、実は国立公園、その釧路湿原の外側にも釧路湿原国立公園の部分があったりしますので、公園の総称を表している各公園につけられた固有の名前という位置づけが適正ではないかというふうに考えております。下に「慶良間諸島」を例示させておりますが、これも「Kerama Islands」ではなくて「Keramashoto」という固有名詞と捉えて、続けて「National Park」を入れる形で進めたいと考えております。ただし、「三陸復興国立公園」、復興は固有名詞ではないということで、「Sanriku Fukko」の後に括弧で「(reconstruction)」ということで括弧書きを唯一入れている名称となっております。

最後の後ろのペーパーは、その31国立公園の英語名称を整理した資料になっております。

以上になります。

○事務局 続きまして、国立公園課、長田ですけれども、資料3-2についてもご説明をさせていただきます。青色の1枚紙でございます。

 地域自然資産区域における自然環境の保全及び持続可能な利用の推進に関する法律。議員立法でございまして、与党を中心に議論を進めてこられまして、先週までに衆議院、参議院で可決成立をしまして、ちょうど本日、公布をされたところでございます。内容につきましては、ごく簡単にご説明いたしますが、いわゆる入域料、特定の地域に立ち入る方から入山料や協力金という形で料金をいただいて、それを地域の保全や持続可能な利用に充てていくというもの、それから、ナショナルトラスト運動に代表されるような国民からの寄附で土地を取得をしたり、保全活動をしたりする費用を確保していくと、この二つの取組を地方公共団体、都道府県・市町村が進める際の大まかな枠組みを定めた制度でございます。法律のところで、真ん中の下のほうの囲みに基本方針とございますが、今回、自然環境行政を所管している環境大臣と、それから、文化財保護法等で名勝等を管理しています文部科学大臣が主務大臣となりまして、基本的な考え方を基本方針として策定いたします。基本方針に沿って、都道府県・市町村は地域計画というものを策定をすると。その際に、多様な関係者を含む協議会を設置することができるという規定になっております。

 その右に行きまして、地域計画の中には、その入域料を充てて取り組む保全活動等の事業、あるいは自然環境トラスト活動、これは都道府県・市町村が行うものに限らず、ナショナルトラスト団体が行う活動をその自治体の計画に位置づけるということになるわけですけれども、それを促進するための事業も含めて計画に位置づけていくと。一部、例えば国立公園の中で通常許可が必要な行為等がこの計画の中に位置づけられた活動に含まれる場合には、環境大臣に協議をすることによって、その後の個別の許認可を一つ一つとる必要がなくなるという特例規定を設けてあります。

「その他」というところには、国の努力義務規定等が定められております。

この制度によって、今まで入域料をとることができなかったり、土地を取得することができなかったところについて、そういう費用を徴収する根拠等が新たに与えられるというものではなくて、地方公共団体がこういった取組を進める場合に、よって立つべき基本的な考え方が示されている制度というふうにお考えいただければと思います。

施行が公布から1年以内ということになっておりますので、主務大臣として文部科学省さんと同時に基本方針の策定、それから関係する省令等の整備を進めてまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。

○武内部会長 よろしいですか。何かご質問ございますか。

○下村委員 最後にご説明いただいたこの新しい法律の話ですが、これは自治体が計画を立てられて入域料をとられるということですが、それが国立公園の中ということで、基本的には国が管理するエリアということなんですけれども、公園計画をはじめ国の計画とか管理計画なんかと、この制度で生じるエリアの設定との整合性や調整については、どういうふうにされるイメージなんですか。

○事務局 国立公園の中につきましては、ここで定められている協議会というのが設けられたときには、当然、環境省が公園管理者として参画していくということになると思いますし、個別の行為を伴う事業が計画に位置づけられる場合には、その協議規定もございますので、そういった中で十分調整をして、国立公園の観点からも望ましい徴収の方法、それから使い道になるように関与してまいりたいと思っております。ただ、一方で、この制度自体が都道府県の主体的な取組を促進するという性質のものですので、法律の趣旨も踏まえながら適切な関与というのを基本方針等の中でも定めていきたいというふうに考えております。

○武内部会長 よろしいですか。

○下村委員 複数の自治体が絡みますよね、きっと。同じエリアの中で、国立公園の中で複数の自治体から、それぞれの思惑の中で計画が出てくる可能性がありますけども、それらの調整や管理計画との整合は可能でしょうか。またどこで行いますか、協議会ですか。

○事務局 条文上は、その地域計画を策定する自治体というのは共同して策定することもできるという規定がございまして、例えば特定の山域が二つの自治体にまたがっている場合に、それぞれがばらばらにやるというのは望ましくないというふうに考えておりますので、そういった場合には、できる限り共同で策定をしていくというようなことも基本方針の中で考え方として示していく必要があるのではないかというふうに考えております。

○武内部会長 よろしいですか。

 それでは、以上で本日用意された議題は終了ということになります。

何か事務局のほうから連絡事項がございましたらどうぞ。

○司会 恐れ入ります。それでは、事務局から2点ご連絡だけさせていただきます。本日の配付資料の最後のページが参考資料3といたしまして、次回の自然環境部会の開催予定についてご案内しております。次回は来月7月30日、時間は10時~12時まで、場所が環境省第1会議室で、これは環境省が入っております合同庁舎5号館の22階でございます。議題としましては、引き続き、第四次環境基本計画の進捗状況の点検についてお願いしたいと思っております。

 それから、もう一点、本日、航空機を利用して審議会にご出席いただきました先生方については、搭乗の半券を送り返していただくための返信用封筒を置かせていただいておりますが、過不足等ございましたらお申し出いただければと思います。また、往路、こちらに来ていただく際の半券をお持ちでしたら、また事務局のほうでお預かりをさせていただきたいと思います。

 それでは、閉会に当たりまして一言、奥主審議官よりご挨拶を申し上げます。

○審議官 審議官の奥主でございます。

 本日は熱心なご審議をいただきまして、誠にありがとうございました。ご審議いただきました第四次環境基本計画、生物多様性分野に関する点検につきましては、先ほど会長のほうからもお話しいただきましたように、本日のご意見を踏まえました報告書の案を作成いたしまして、次回の7月30日の部会におきましてご審議をいただきたいというふうに考えております。

 また、本日説明申し上げました鳥獣保護法の基本指針につきましては、明日より早速、小委員会を開催いたしまして議論を始めさせていただきたいと思います。

本日は誠にありがとうございました。

○武内部会長 それでは、どうもありがとうございました。これで散会ということにさせていただきます。どうもお疲れさまでございました。