自然環境部会生物多様性国家戦略小委員会(第7回)議事録
開催日時
令和5年3月13日(月)14:00~15:00
開催場所
AP新橋(東京都港区新橋1-12-9 新橋プレイス)
※ WEB会議システムを併用して開催
※ WEB会議システムを併用して開催
出席者
中静 透 委員長
亀山 康子 委員
勢一 智子 委員
髙村 典子 委員
中村 太士 委員
藤田 香 委員
愛甲 哲也 臨時委員
石井 実 臨時委員
大沼 あゆみ 臨時委員
五箇 公一 臨時委員
西澤 敬二 臨時委員
橋本 禅 臨時委員
広井 良典 臨時委員
深町 加津枝 臨時委員
山野 博哉 臨時委員
白山 義久 専門委員
森本 淳子 専門委員
吉田 丈人 専門委員
亀山 康子 委員
勢一 智子 委員
髙村 典子 委員
中村 太士 委員
藤田 香 委員
愛甲 哲也 臨時委員
石井 実 臨時委員
大沼 あゆみ 臨時委員
五箇 公一 臨時委員
西澤 敬二 臨時委員
橋本 禅 臨時委員
広井 良典 臨時委員
深町 加津枝 臨時委員
山野 博哉 臨時委員
白山 義久 専門委員
森本 淳子 専門委員
吉田 丈人 専門委員
議事次第
次期生物多様性国家戦略案の検討について
議事録
午後2時00分 開会
○司会 定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会自然環境部会第7回生物多様性国家戦略小委員会を開催いたします。
本日は、お忙しい中ご出席いただき、ありがとうございます。
会議に先立ちまして、本日の委員数をご報告いたします。本日の小委員会には、18名の委員にご出席をいただいております。このうち、定足数の対象となる委員・臨時委員15名中、ウェブ会議システムでの参加を含め15名がご出席され、定足数を満たしていますので、本委員会は成立しています。
次に、本日の会議運営につきましてご説明いたします。
本会議は、YouTube配信にてどなたでも傍聴できるようにしております。
本日、オンラインでご参加の委員の皆様におかれましては、マイク・ビデオは各自ご発言の際のみオンとするようお願いいたします。また、ご発言の際はチャット欄に書き込みいただき、ご発言する旨をお知らせください。委員長からのご指名後、マイクのミュートを解除していただき、議事録の円滑な記録のため、お名前をおっしゃってからご発言いただきますようお願いいたします。なお、挙手ボタンは気がつかないこともございますので、挙手ボタンは使用せず、チャット欄をご活用いただければ幸いです。
本日、会議室でご参加の委員の皆様におかれましては、ご発言の際は名札を机の上に立てていただき、委員長からのご指名後、マイクをオンにしてご発言ください。発言終了後は、マイクをオフにしていただくようお願いいたします。
本日ご説明する資料につきましては、委員の皆様には、事前に電子データにて送付しております。本日は、事務局が画面上に資料を投影し進行させていただきますので、お送りした資料は必要に応じ、お手元でご参照いただきますようお願いいたします。
傍聴されている方におかれましては、本日の資料を環境省ホームページにアップロードしておりますので、そちらをご参照ください。
また、本日の会議については議事録を作成し、ご出席の委員の了承を取った上で公開することになりますので、ご了承ください。
それでは、奥田自然環境局長よりご挨拶申し上げます。
○奥田自然環境局長 皆さん、こんにちは。自然環境局長の奥田でございます。
今日からマスクは自主判断に委ねるということですので、ご挨拶のときはマスクを外させていただきたいと思います。
本日も、中央環境審議会生物多様性国家戦略小委員会、委員の皆様におかれましては、ご多用中のところ、この委員会にご出席を賜りましたことを厚く御礼申し上げたいと思います。
思い起こせば、もう3年前、一昨年になるんですか、2021年の11月に第1回の開催だったということで、これまで6回にわたり次期生物多様性国家戦略についてご審議をいただいてまいりました。多くの委員の先生は、その前からの検討にもご参画いただいておりますので、やっとここまで来たかなという感じで、感無量の思いをしております。今回が最後の開催となります。
ご承知のとおり、先月パブリックコメントを実施しておりまして、現行戦略、私が以前室長として担当した戦略に比べても、はるかに上回る多くのご意見をいただいたところでございます。この数に限らず、様々な経済界での動き、もしくは国会での質疑、様々な状況を鑑みますと、やはり生物多様性の関心の高まりというのは本当に、非常に今ピークに達している部分もあるんじゃないかなと思うぐらい、非常に高まっているというふうに感じているところでございます。
今日ご議論いただいた案というものは、この後、開催されます第46回の中央環境審議会自然環境部会でのご審議をいただいた上で環境大臣に答申いただく予定となっております。そして、今月末には、ご了承いただけた場合には閣議決定を予定したいというふうに考えております。
どうぞ本日、最後まで忌憚のないご意見をいただければありがたいというふうに思っております。特に、自然環境部会のほうもご参加いただく先生方につきましては、17時までの長丁場となりますけれども、どうぞよろしくお願い申し上げて、私からのご挨拶とさせていただきます。
○司会 それでは、これよりの議事進行につきましては、中静委員長にお願いいたします。
○中静委員長 今、奥田局長からご説明がありましたように、2011年からのこの小委員会も今回で最後ということで、今回の案が審議会に諮られることになります。今回は、パブリックコメントを踏まえた形での最終的な戦略案についてご議論いただくわけですけれども、相当な数のコメントをいただいたようで、それだけ皆さんの関心も高まっているということだというふうに私は理解しています。それを含めて、主要な点は概ね反映されてきたというふうに思っておりますが、今日のご意見の中で、さらに修正意見がある場合は、できるだけ具体的な意見をお願いいたしたいと思います。この後すぐに、審議会にかかるわけですので、具体的にお願いしたいと思います。
それから、修正意見だけではなくて、今回これが成立することによりまして、今後重点的に取り組んでいくべきポイントなどについても、皆さんのご意見があれば、一言ずつお願いできればというふうに思います。
今日の議題は国家戦略案の検討、それだけでございますが、まず事務局からの説明をお願いしたいと思います。
○奥田生物多様性戦略室室長補佐 中静委員長、ありがとうございます。
それでは、事務局から説明したいと思います。よろしくお願いいたします。私、戦略室で補佐をしております奥田と申します。
資料共有しますので、少々お待ちください。
映っていますでしょうか。資料1-1をご覧くださいませ。資料1-1ですけれども、次期生物多様性国家戦略策定のこれまでの経緯とスケジュールという資料でございます。
先ほどもございましたとおり、小委員会が今回で7回目、それから、その手前で行いました研究会も含めれば、計16回、さらに自然環境部会も含めますと、これまで18回にわたっての検討の中で、たくさんのご意見をいただきました。また、首長ヒアリング、さらには個別のヒアリング等も含めて、たくさんのご意見をいただきました。
前回の1月23日の第6回小委員会の後、いただいたコメントを踏まえたものをパブリックコメント案として、1月30日から2月28日までの間、パブリックコメントにかけておりました。また、その間、地方説明会を計8回開催いたしました。そして、パブコメを受けまして、修正作業と関係省庁間での調整を経まして、本日まとめたものを提示しております。
今後の予定だけ先に申し上げますと、今週後半に自然環境部会長から大臣への手交を予定しております。その後、必要な手続を経て、年度内には閣議決定をしたいと。こういうふうに考えております。
では、ちょっと個別に見ていきたいと思いますが、続きまして、地方説明会について、資料1-2をご参照くださいませ。
今回、合計8回開催いたしました。北は北海道、南は那覇までですね。参加者は合計605名で、たくさんのご質問をいただきました。ご参加の皆様、大変ありがとうございました。
次のページ以降が詳細なやり取りでございます。ちょっと詳細な内容の説明は時間の都合上できませんけれども、私もオンラインでできる限り参加しておりましたけれども、30by30あるいはOECM、さらにはネイチャーポジティブ経済実現に向けたご質問というのが大変多かった印象でございます。
また、時代の流れというか、オンラインで多数参加してくださった一方で、現地参加が3名とか4名とか、ちょっと少なかったところもあって、ちょっと正直心が折れそうになった…というのは冗談でして、対面出席してくださった方々とは密度の濃いやり取りができたというふうに聞いておりますけど、本当にオンラインで広く参加してくれまして、この辺はありがたかったのと、こうしたこともやはり時代の変化なんだろうなというのを改めてこの地方説明会も含めて感じたところでございます。
それから、資料1-3に行きます。こちらがパブリックコメントの結果でございます。
こちらは1か月間パブコメを行いましたけど、意見募集要領の条件を満たした有効意見としては、ここに書きましたとおり、723の個人・団体から、延べ1,307件のご意見をいただきました。ただ、匿名で出されたご意見も含めますと、2,000件以上の意見を実はいただいていて、私、そういった無効になった意見も含めて、一つ一つ、一通り読ませていただきました。熱い思いをたくさんいただいて、本当にありがたかったです。その熱い思い自体は、全て反映し切れたわけではございませんけれども、思いは受け止めておりますので、今回受け止め切れなかった部分は次に生かしたいと考えております。
その1,307件の意見をまとめたのが、その後の別紙となっております。こちら1,307件の意見を116項目、そして487個の意見として、資料としてはまとめました。ちょっと詳細な内容の説明は、時間の都合上できませんけれども、実はブラックバスに関するご意見を多数いただきました。その数、およそ630件に上ります。
その他の各項目につきましては、比較的満遍なくいただいたなというのが率直な印象でございます。その中で行動計画、第2部ですけど、行動計画の中では、基本戦略の1から5まで五つある中では、ブラックバスを除いたとしても、基本戦略1関係、健全な生態系を確保していくことに対するご意見が多かったということでございます。
また、資料として、参考資料2としてつけておりますけど、この間、公明党からも提言をいただきまして、国家戦略策定を、この戦略を実施していく上で重視すべきポイントをたくさんいただいたと認識しております。
それから、資料1-4になります。こちらが前回の第6回小委員会で委員の皆様からいただいたご意見と、それに対する対応でございます。パブコメ前に反映できるところはできる限り反映いたしまして、調整いたしました。大変ありがとうございました。
それから、資料1-5でございます。こちらは222ページの超大作でございますけれども、パブコメを経て修正した国家戦略の案でございます。見え消しとなっているのが修正箇所でございます。
主な修正を見ていきたいと思います。
まず、表紙でございますけれども、これまで「次期生物多様性国家戦略(案)」としておりました。こちらはそろそろタイトルを考えねばならないということで、武内自然環境部会長にも相談いたしまして、現行戦略が「生物多様性国家戦略2012-2020」となっておりますが、そこを踏襲いたしまして、「生物多様性国家戦略2023-2030」としたいと考えております。また、副題といたしましては、2030年に向けてネイチャーポジティブを実現するということで、「~ネイチャーポジティブ実現に向けたロードマップ~」ということとしたいと考えております。
このタイトルを受けまして、少し計画期間についても補足しておこうということで、そこにつきましては、戦略の4ページのところに、計画期間の考え方についても追記させていただきました。
その後、少し個別に見ていきたいと思います。
続いて、29ページになります。PDF上だと33枚目になりますけれども、こちらは生態系ネットワークについて書いたくだりでございますけれども、生態系がつながることは、生物多様性保全上、非常に重要な一方で、昨今、いろいろ負の側面というのも出てきておりますので、それについては十分留意する旨の記述を加えております。
また、続きまして32ページ、PDF上だと36枚目となります。こちらは③番のところに「なお」以降で書いたところでございます。こちら、「家畜化されていない野生由来の動物の飼養は限定的であるべき」といった現行国家戦略にある観点を次の戦略にも明記してほしいといったようなコメントをパブコメ、提言、そして国会質問と、形を変えてたくさんいただきました。現行戦略にある記述を全て焼き直すということは、よろしくないというふうには考えている一方で、こういった考え方が非常に役に立ってきた、ぜひ残してほしいというご意見でしたので、この記述は追加しております。
続きまして、33ページになります。PDF上だと37枚目ですかね。こちらは行動目標の微修正となります。これまで行動目標の1番、これは30by30目標ですけれども、ロードマップを含めて「少なくとも」あるいは「以上」というものをつけてまいりましたが、申し訳ございません、こちらで「以上」がついておりませんでしたので、ここは1番、2番とも「以上」というものを加えたいということで、「以上」を追加しております。
続きまして35ページ、PDF上だと39枚目になりますけれども、ブルーカーボンといったようなものを書いておりますけど、ここで「泥炭地」の重要性というものにつきましてもいろいろコメントをいただきまして、その重要性を鑑みて追記しております。
それから、41ページになります。PDF上だと45枚目となりますけれども、こちらは基本戦略3の部分でございます。こちらの行動目標の1番なんですけれども、企業による生物多様性への影響の定量的評価といった部分を変えてまいりました。ただ、こちらはTNFDの枠組みとも整合を取って、「依存度」というものを入れるべきというご意見をいただいておりまして、こちらを加えております。
それから、56ページになります。PDF上だと60枚目ですね。60枚目のところで、多様な主体の連携・協働の促進というところで、教育関係者の重要性をぜひうたってほしいということで、こちらのほうを加えておりますのと、あと62ページ、PDF上だと66枚目になりまして、教育機関というところにおいて、行動変容を促していくという役割をしっかりと明記していただきたいということで、こういったところを加えてきております。
それから、続きまして、第2部となります。第2部ですけれども、こちらは行動計画でございます。
全般として、直した箇所はたくさんあるんですけれども、その中で、検討中としていた目標値について、記述できるところは記述いたしました。この目標値は、必ずしも2030年までではなくて、むしろ少しばらばらとしたところはありますけれども、一方で、現行の国家戦略では、行動計画に位置づけられた数値目標というものにつきましては、700の施策中50の数値目標にとどまりました。ところが、今回は、367の施策に対して250近い数値目標を掲げております。その中で、いろいろ玉石混交のところはございますけれども、いずれにせよ、これは今後の進捗を把握する上で、そして評価する上で非常に役に立つというふうに考えております。そういったものをたくさん加えております。
それから、ちょっと時間がなくなってきたので若干巻きますけれども、71ページ、PDF上だと75枚目のところで、実は、30by30について、陸と海のそれぞれ30%ではなくて、陸と陸水や沿岸、海洋、それぞれ分けて30%を達成すると目標設定すべきといったようなご意見をたくさんいただきました。こちらにつきましては、目標自体は陸と海でまとめておりますけど、実際、施策を考えていく上で、どこかに偏りがなく、例えば森林ですとか、湿地ですとか、都市ですとか、様々なところをバランスよくそれぞれ推進できるように、その考え方について、こちらのほうに追記しております。
それから、72ページ、PDF上だと76枚目でございます。環境影響評価のところで、今の制度を適切に推進することに加えて、今後の制度の在り方も含めて検討するということをしっかりと書かせていただきました。
そのほか、たくさん修正はしておりますけど、大体以上でございます。
それから、すみません、最後に、資料1-5の別紙1は概要でございます。こちらは、これまで説明してきた内容でございますので詳細の説明はいたしませんけれども、今回、まずパブコメの中で、現行戦略とやはり大きく構造が変わりましたと。それについて少し解説してほしいですといったご意見をいただきましたので、3ページ目にそちらを追加しております。
それから、4ページ目にあるのが、これも以前お見せいたしましたが、本戦略の点検評価の概要でございます。国際的な動きも踏まえつつ、2年に一度程度点検して、進捗を図っていきたいと考えております。
策定前に気が早いですけど、今回の戦略につきましては、2ページ目にありますとおり、状態目標と行動目標を分けて、関係省庁の施策を行動目標の下にぶら下げるということで、施策の実施から目標の達成までは一気通貫という形にしました。すなわち何を言いたいかと申しますと、やったかどうかは行動目標の進捗状況で、実際やって効果があったかどうかというのは状態目標の達成状況で、良くも悪くも、より分かるという形となっております。せっかくそういうような構造にしようということですので、今後、しっかりと進捗状況を点検・評価いたしまして、指標の見直しや取組の強化等にしっかりと生かしていきたいと考えております。
何より世界的な動きとして、こういった進捗の把握というのがますます進むというふうに考えております。それに対応して、かつ我が国の生物多様性を守り生かして、将来に引き継いでいくと。かつ、しっかりと回復の兆しを見せていけるものとなるように、まずはここで決めた戦略をしっかりと動かしていきたいというふうに考えています。
ちょっと説明が長くなりました。以上でございます。
○中静委員長 ありがとうございました。
今の説明に対して、皆さんのほうから改めての修正意見、それから、これからのポイントなど、ご意見がありましたらお願いします。
会場の方は名札を立てていただければよろしいですし、オンラインの方は、先ほど説明があったようにチャットで書き込みをしてください。いかがでしょうか。
私、細かいミスを見つけたんですけど、62ページの行動変容のところで、二つ目の赤いところが「行動変容を促すこといくこと」となっているので、ここの文章を直さないとという、そこだけです。
ご意見いかがでしょうか。
じゃあ、中村さん、お願いします。
○中村委員 私もちょっと細かいんですけど、先ほど35ページのところで、泥炭地の保全・再生を推進するというのを入れていただけたのは大変ありがたくて、できれば、これもカーボンの隔離としての機能をもつと位置づけられればいいなと思っています。ちょっとここで質問なのは、泥炭地でいいんですけど、わざわざ湿地とか湿原とか書かずに泥炭地と書いた理由が何か特別にあるならば教えてほしいんですけど。あまり一般の人たち、泥炭地という言葉を使わないんじゃないかなと思ったものですから。そこを教えてください。
○奥田生物多様性戦略室室長補佐 ありがとうございます。
ラムサールのほうでも泥炭地の重要性というものが非常に取り上げられていて、その文脈の中で特に出てきたものだというふうに理解しておりますけれども、もう少し一般的に、湿地とか、そういうふうにしたほうが、先生としてはよろしいでしょうか。
○中村委員 というか、ほかの場所で泥炭地を使っていますか。湿地は多分使っていると思うんですけど、湿地とか湿原とか。それは同じ、ニアリーイコールですよね、意味としては。泥炭地が湿地と違うという形で使われているんですか。
○奥田生物多様性戦略室室長補佐 すみません。ピートランドというのが、この。
○中村委員 いや、それは分かるんだけど。
○奥田生物多様性戦略室室長補佐 取り上げられたという意味で、今回そういうご意見も出てきたので入れているというところでございます。
○中村委員 言葉の使い方として、ほかの場所では湿地とか湿原とかを使っていて、ここでピートランドである泥炭地を使っているということは、何か意味が、特別な意味があるのかないのか。ないならば、統一した言葉で使っていてもいいんじゃないか。一般的には、湿地とか湿原のほうが使われているんじゃないかなと思ったものですから。ラムサールでどう使われているかというのは、ここで殊さら言う必要があるのかなという感じはしたんですけど。
○奥田生物多様性戦略室室長補佐 すみません。ありがとうございます。そうであれば、より一般的な形にしたほうがよいかなというふうに思いましたので。
○中村委員 じゃあ、ご検討ください。
○奥田生物多様性戦略室室長補佐 はい。ありがとうございます。
○中静委員長 ほかにいかがでしょうか。
オンラインで、西澤さん、お願いします。西澤さん、大丈夫でしょうか。
○西澤委員 ご指名ありがとうございます。経団連自然保護協議会の西澤でございます。
まずは、中静委員長、そして環境省の皆様におかれましては、この国家戦略案に関し、パブリックコメント及び答申案の取りまとめ、大変お疲れさまでございました。また、先般、共同開催させていただきました経団連自然保護協議会のシンポジウム兼J-GBF第2回ビジネスフォーラムには、経団連の会員企業を中心に、スタートアップやNGOやNPOの皆様など、約200名の方がたがご参加いただき、大変好評をいただきました。この場をお借りいたしまして、改めて環境省の皆様に心より御礼を申し上げます。
それでは、まず、国家戦略案について、コメントさせていただきたいと思います。
サプライチェーンの測定の実効性や、設定された目標値の妥当性などにつきましては、今後も継続して検討していく必要があると認識しておりますが、概ね私ども経済界の意見を反映していただいておりまして、本国家戦略案につきまして、賛同させていただきたいと思います。
また、今後の戦略の実施という観点で、経済界の立場から3点ほどご要望をさせていただきたいと思います。
まず1点目は、本戦略には多くのステークホルダーが関わっており、また、ひもづく施策も多岐にわたっております。それぞれの活動が細分化され、活動そのものが目的化したり、あるいは、場合によっては木を見て森を見ずというような状態になるおそれもあると感じております。したがって、環境省の皆様には、ぜひ戦略全体のコントロール機能というものを強く担っていただきたいと考えております。
次に、2点目としては、生物多様性に関しまして、いまだ多くの企業が、実はどのように取り組めばよいのか悩んでいる状況もございますので、今後も、特に評価や開示という観点で、企業の啓発活動が必要であると感じております。したがって、当面は実務的なセミナーやワークショップなど、規模・セクター別に、丁寧に対話型のコミュニケーションをすることが非常に有効ではないかと考えております。この点、環境省の皆様には、今後ともより一層のご協力、ご支援をお願いしたいと思います。
そして、3点目ですが、経済界からは、この分野で新たな価値を創造していくためには、企業やスタートアップ、あるいはNGOやNPO、こういった多様なステークホルダーをつなぐプラットフォーム機能が非常に重要であり、強化してほしいという要望が多数出ております。我々、自然保護協議会としても、もちろん経済界におけるプラットフォーム機能の拡充に努めてまいりたいと思っておりますが、環境省の皆様には、この点でも引き続きご支援をお願いしたいと思います。
そして、最後になりますが、現在、私ども自然保護協議会で、生物多様性に関して、企業全体の進捗状況や、自社の立ち位置を把握していただくことを目的としまして、経団連傘下の約1,500社の企業にアンケート調査を実施しております。このアンケート調査の結果は環境省の皆様とも共有させていただきたいと思っておりますので、ぜひ、この後、活用のご検討をいただけたらと思っています。
私からは以上でございます。
○中静委員長 大変ポジティブなコメントをどうもありがとうございました。
環境省のほうから何かありますか。
○奥田生物多様性戦略室室長補佐 はい。いただいた期待に応えられるようにしっかりと、まだまだ生物多様性が分かりづらいというところはございますが、それが浸透していけるように、しっかりと、我々として提供できるものをしっかり提供していきたいと考えております。
また、アンケート調査も大変ありがとうございます。国家戦略のほうでも参考にさせていただきたいと考えております。ありがとうございます。
○西澤委員 先ほど、奥田局長のご挨拶でもございましたけれども、企業の機運というのも、COP15を経まして非常に今盛り上がっているところでございますので、ぜひ連携して、この後の取組、一緒にやっていけたらと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○中静委員長 じゃあ橋本さん、お願いします。
○橋本委員 ありがとうございます。
パブリックコメント、多数のコメントをいただいて、非常に関心が高かったということで、とてもよかったと思います。それを、また短時間の間に回答もお作りいただいた上で、本文のほうにも修正いただいたということで、ご説明いただいた内容について、基本的に、私は全面的に賛同しております。特に問題のありそうな修正はないかなというふうに理解しました。
それで、今から私が申し上げるのは、今後のことに関連して、2年に一度のモニタリングをされるということなんですが、それと併せて、やっぱりパブコメのコメントでもありましたが、分かりやすく表現してほしいというのがあったと思うんです。内容が、やっぱり難しい言葉が多いということがあったと思います。
それで、広く多くの方に戦略の内容を知っていただくというためにも、やっぱり普及版の資料というのをぜひとも作っていただきたいというのが一つですね。愛知目標からどういうふうに、愛知目標というか、愛知目標に対応した従来の国家戦略2012-2020ですかね、そこからどういうふうに発展したのか、新しい項目はどうなっているのか。そして、あとは今の国家戦略、直接修正を求めるわけではないんですけど、GBF(昆明・モントリオール生物多様性枠組)との対応関係というのも、これまで、この委員会の資料でもあったと思うんですけれど、出していただくと、皆さんの理解もさらに深まっていくのかなというふうに思いました。やっぱりこれ、国際目標に対応して国家戦略があってというふうになっていますので、国家戦略のどの部分が国際目標に対応しているのかという資料も併せて普及版と一緒に作っていただくといいかなと思いました。
もう一つは、これは必ずしも普及というわけでもないんですけれど、やっぱりこれ、国際目標に対応した国家戦略としては、恐らく日本が、世界的に見てもかなり早いものだとも思うんです。そういう意味では、ほかの国にも模範になる可能性がありまして、パワーポイントでもよいので、これまでの会議の資料等をうまく使いながら、英語版の説明資料なんていうのを作成して公表していただけると、日本の努力というのが国際的にもアピールできる入り口になるのかなというふうに思いました。
以上です。
○中静委員長 ありがとうございました。
特にはよろしいでしょうか。
○奥田生物多様性戦略室室長補佐 大変ありがとうございます。分かりやすいパンフレットをぜひ作って普及していきたいですし、パンフレットに限らず、パワーポイント等も作成していきたいと思います。また来月、G7もございますので、英語版についても何かしら作って、しっかりと発信していきたいと考えております。ありがとうございます。
○中静委員長 ありがとうございます。
では、森本さん、お願いします。
○森本委員 こんにちは。北大の森本です。
案については、特段の修正意見はございません。GBFやパブコメなどへの対応、大変お疲れさまでした。
私からは、今後の展開という点で、一つ課題をご指摘しようかと考えています。30by30を実現するツールとして期待されている自然共生サイトについてですが、現行の自然共生サイト、OECMは、三つのシナリオで生物多様性に貢献することが期待されていると考えています。一つ目が、将来起こり得る開発を未然に防ぐこと、二つ目が、より積極的な生物多様性の保全策を導入すること、三つ目が、自然劣化地での多様性を回復させることです。初めの二つは現行の制度、既に始まっている自然共生サイトの認定ということでカバーされていますが、これは、実は既に保全されている場を認定するだけなので、実質的な保全面積のアップにはつながらないのかなと思います。それに対して、三つ目の、劣化地で多様性を回復させるというシナリオについては、新たに保全地を増やすということにつながるので非常に期待されますが、現行制度ではカバーされていないではないかと。例えば、保全再生中である劣化したサイトが、いつOECMとして適格になるのかということを決定していくメカニズムを現行制度に組み込んでいく、バージョンアップしていくことが課題ではないかと感じています。これは、GBFのターゲット2が生物多様性国家戦略の基本戦略1、行動目標2で、劣化した生態系の少なくとも30%を回復軌道に乗せるという項目にも貢献することなので、ぜひ実質的な保全地のアップということで、展開していただけたらなと思っています。
以上です。
○中静委員長 ありがとうございました。
じゃあ、事務局からお願いします。
○堀上自然環境計画課長 自然環境計画課長の堀上です。
ご意見ありがとうございます。自然共生サイトにつきましては、今年度で一応検討しておりまして、来年度から具体の認定に向けて、今、準備をしているところでございます。委員がおっしゃったように、現状で状況が評価されるところ、そこを審査して認定するというのが今の制度、やろうとしている制度でありますけれども、一方で、劣化地についても、どういったところについて、対象として保全あるいは回復していくのかというところの検討もしているところでございます。ご指摘を踏まえながら、今後よりよい制度になるように整理をしていきたいというふうに思っております。
○中静委員長 ありがとうございました。
では、藤田さん、お願いします。
○藤田委員 ありがとうございます。
私からは、戦略については、この形でよいと思っています。いろいろ大変なご苦労があったと思います。本当にお疲れさまでした。
これからのことのポイントを、幾つかちょっとお話しできればと思っていまして、これまでも何人かの委員の方がお話しされていましたけど、恐らく企業からすると、この戦略ができて、国家戦略ができて、次に、やっぱりどのようにこれを自分たちの事業に落とし込んでいったらいいかということがテーマになると思うので、ぜひ、この国家戦略を踏まえて、どんなことをやったらいいかという手順のところ、これは恐らく民間参画ガイドラインのほうに書かれることになるんだと思います。
もう一つはインセンティブですね。これをやることによって、経営にどんなメリットがあったりとか、あるいは、例えば、今ご検討されている貢献証書みたいなものとかネイチャー関係のクレジットみたいなもの、これはまた別のネイチャーポジティブ経済移行戦略のほうに書かれるのかもしれませんけど、そういった、今考えていらっしゃる施策と連携して、ぜひつなげていっていただいて、企業が具体的にどう取り組んでいったらいいかということが分かりやすくなるように、つなげていただきたいなというのが一つです。
それと、もう一つは、TNFDの開示が、この3月に初めての開示指標が出てきて、それで9月には完成版ができるわけですけども、そのときにいろいろ指標、開示指標とか評価指標とか出てきた中で、例えば、それと、今回の国家戦略で言われているいろんな指標とをつなぐような、TNFD開示を支援するようなガイダンスなんかもあったりすると、企業にとっては分かりやすいんじゃないかというふうには思っています。
最後は、普及啓発のところで、これもまたJ-GBFとかで市民向けとかの説明会とか勉強会はされると思うんですけども、ぜひ、また自治体向けの説明会、今まではあまり人が来なかったというお話もありましたけども、ネイチャーポジティブという言葉が少しずつ浸透してくる中で、また自治体向けの説明会もぜひ続けていただきたいですし、あと、企業向けの何か勉強会とか説明会ですかね、こちら、先ほど経団連からもお話がありましたけど、ぜひ、これを事業に落とし込めるように、皆さんの理解を進められるように、そういうセミナーや勉強会、説明会みたいなものも、ぜひ企画いただければと思っております。
以上です。
○中静委員長 ありがとうございました。
事務局から何かありますか。意見としてお聞きして、進めていただくということで。
じゃあ、一旦会場に戻しまして、白山さん、お願いします。
○白山委員 ありがとうございます。
すさまじい勢いで仕事をしていただいて、たくさんのパブリックコメントをきれいにまとめていただいて、すばらしい。本当にお疲れさまでございました。ありがとうございました。
私から一つだけコメントさせていただくのは、つい先週までニューヨークで、公海部分の生物多様性に関わるBBNJという交渉がありまして、妥結をして、これから多分それが実効を持つようになると思いますけども、その中で、やっぱり多くの人が、30by30は公海域でもできるんだというようなイメージをお持ちになったりするわけですね。ですから、もしそうだとすると、やっぱり日本の国内、しっかりと30by30を実現していただきたいということで、時間があまりない中で大変だと思いますけど、2030年までは、もうあと7年しかないので、大変タイトなスケジュールになっていると思います。ぜひ、公海域にはできたけど日本はできなかったということがないように、しっかりやっていただきたいというふうにお願いを申し上げて、それから、あと、公海域との連結性みたいなものも日本としてはイメージをできるんじゃないかと。つまり、我が国のEEZで囲まれた公海域というのは1か所、高知の沖の辺りにあったりしますので、その辺りをしっかりと意識して、その周りはしっかり、例えば我が国はOECMなりPAなりにするというようなことをすると、BBNJのほうへも貢献ができると思いますので、ぜひご検討ください。よろしくお願いします。
○中静委員長 ありがとうございました。
何か。事務局、お願いします。
○堀上自然環境計画課長 自然環境計画課長です。
白山先生、ありがとうございます。先ほど、OECMの特に自然共生サイトの話をしましたけれども、海のほうについても、OECMをどうしていくのかという検討は並行してやっております。委員ご指摘のところを踏まえて、しっかり検討していきたいというふうに思います。
○中静委員長 ありがとうございました。
では、オンラインで、勢一さん、お願いします。
○勢一委員 ありがとうございます。勢一です。音声は聞こえておりますでしょうか。
○中静委員長 聞こえています。
○勢一委員 ありがとうございます。海外からなので心配でした。ありがとうございます。
今回出していただいた案で、私も改めての修正意見はございません。パブリックコメントまで丁寧なご対応をいただきまして、長い間のご尽力に御礼を申し上げたいと思います。
今後に向けて、若干リクエストをさせていただければと思います。
まず、今回の戦略、新しいものがたくさん書いているところは、非常にアグレッシブで評価できるのですが、その分、理解するのに難易度が高い、実施するのに難易度が高いというところがございます。用語が難しいとか、新しい概念や考え方ですね。そういう点におきましては、社会に対して、ステークホルダーに対して分かりやすい説明や普及のための取組というのが非常に大事だろうと思います。これは既に何人かの先生方からもご意見がありましたけれども、私もその点は非常に重要だと思っています。
そういう部分におきましては、今回、地方説明会、オンラインを含めて双方向の意見交換なども丁寧にやっていただきましたし、ヒアリングもたくさんしていただいております。ですので、こうした政策形成におけるコミュニケーションの形、コロナによってオンラインというような活用方法も増えましたので、こういうネットワークを今後も活用していただいて、継続的なコミュニケーションを取りながら施策を進めていただくことが非常に大事かなと思っています。あらゆる分野に関わる幅広い施策の展開が必要である一方で、国際目標を含めて不確実な部分も多い取組になりますので、戦略に基づく実施やフォローアップについても、社会全体で関心を持っていただいて、ステークホルダーとの継続的な意見交換というのを踏まえて進めていただければと思っています。
また、パブリックコメントで、多数の方から多様なご意見を頂戴したというのも非常にありがたいと思っています。高い関心を持っていただいておりますし、先ほどのご意見でも、企業の機運も高まっているとのこと、非常によい動向になってきているのではないかと思われ、期待を持っております。
パブリックコメントでたくさんの声を寄せていただくのは非常に重要なのですけれども、他方で、最近、パブリックコメントという制度を、当初、もともと想定されているものとは異なる形で利用する、具体的には、本旨とは違う、原案とは違うような声を寄せる手段として使われることも時々出てきています。これは、行政資源という国民共有の資源を利用する制度ですので、利用側も適切かつ効果的・効率的な活用を考えるという意味でも、制度に対する理解をしっかり深めていただく。そのための努力を行政側もすべきではないかと思っています。ですので、そうしたパブリックコメントの制度の意義などもしっかり発信をしていただいて、もし現行のパブリックコメントなどでは必要な声が反映できないのであれば、別途、ヒアリングとか説明会とか、そういうことを追加して工夫をするようなこと、社会とのコミュニケーションの在り方については、ぜひ今後、工夫をしていただければと思います。
あと、もう一点なんですけれども、今後、この国家戦略に沿って、地方公共団体が各地域での取組を進めたり、あるいは地域戦略の策定やアップデートをすることになるのかと思います。各地域で、それぞれの会議体で議論をすることになりますので、そういう場で難しい内容をしっかり理解してもらえるようなツールの工夫をぜひお願いしたいと思います。恐らく、ガイドラインやマニュアルなどの作成はお考えになっておられると思いますが、これまでの動向を見ますと、かなり大部になる可能性があります。この辺り、大部になり過ぎないような工夫、あるいはデジタルを活用して、理解しやすいようなツールなどをご検討いただければと思います。
私からは以上です。ありがとうございました。
○中静委員長 ありがとうございました。
環境省側からは、特にはありますか。
○奥田生物多様性戦略室室長補佐 ありがとうございます。おっしゃるとおりですので、いただいた方向性で進めていきたいと思います。パブリックコメントも、大変高い関心を呼んで、ありがたかった一方で、特定のポイントに集中したご意見も多数いただきました。ですが、それらも一件一件全部読ませていただきまして、熱い思いは受け取りましたので、そういった国民の声を聴く機会としては大変ありがたかったというふうに思っております。ありがとうございます。
○中静委員長 では、愛甲さん、お願いします。
○愛甲委員 愛甲です。
短時間で膨大な作業をありがとうございました。
まず、ちょっと細かい点からで、一つが、66ページに限定体験の造成という言葉が出てくるんですけど、これ、造成よりも「創出」とかという表現のほうがいいかなと思って、ツアーだったら造成という言葉を確かに使ったりはしますけど、ちょっとこの戦略にはなじまないかなという気がしました。
それから、これも非常に細かい点ですが、102ページと103ページに人材育成事業に関する文言があるんですが、102ページは「人材育成事業に参加地域数」となっていて、103ページのほうは「人材育成事業に参加した地域数」となっているんですね。これは同じものだと思うんですけど、ちょっと両ページで表現が違うので、そろえたほうがいいんじゃないかというのが一つです。
あとは、特に、変更された内容については意見がないんですけど、今後の進め方として、地方説明会でも幾つか意見が出ていましたけど、地域戦略に関して、もちろん地域戦略を策定していただける自治体が増えることは理想で、30%という目標になっていますけど、場合によっては、なかなかこれが進まないということもあり得ることももちろん考えられるので、戦略の中にもかいてありますように、ほかの関連するような計画に、できるだけ生物多様性の考え方を盛り込んでいただくということも重要ですし、場合によっては、各市町村がもともと持っている計画、一番トップにあるような、総合計画みたいなものの中にも生物多様性というのは記述されるようになるというのも一つの在り方だと思うので、そういったようなサポートも含めて、実際のサポートが必要かなというふうに思っております。
それから、もう一つは、ちょっと質問といいますか、これは提案ですが、ちょうど札幌で4月にG7の環境大臣会合があります。期日も迫っているので、なかなか難しいかもしれませんが、海外のメディア等も来ますし、北海道内では結構関心も高まりつつありますし、北海道・札幌市でもイベントなどを予定しているようですので、こういった場が何らかのお披露目の場にならないだろうかというのが一つと、G7の環境大臣会合は、どちらかというと地球温暖化とか、そちらのほうに話題が中心にはなりそうなんですけど、それもあって、今、市民レベルで何かできないかということで、同じ時期に、北海道内の環境に関連する団体等が集まった会合等も予定しているところなので、そういった場も、より広く知ってもらえる場として活用していただければというふうに思いました。
以上です。
○中静委員長 ありがとうございました。
事務局からは、いいですか。
○奥田生物多様性戦略室室長補佐 はい。ちょっと細かいところは、また、先ほどご指摘いただいた点、確認したいと思いますので、よろしくお願いしますというのと、地域戦略につきましても、おっしゃってくださったとおりだと思いますので、できるだけいろいろなものに考え方を盛り込めるようにしたいと思います。
G7につきまして、しっかりと発信していきたいと考えておりますが、何か具体的なことがあれば、また個別に相談させていただけると助かります。ありがとうございます。
○中静委員長 ありがとうございます。
では、深町さん、お願いします。
○深町委員 ありがとうございます。
先ほどの地域戦略に関連するご意見とも共通する部分はあるのですけれども、私自身も、都道府県の戦略の改定だとか、あるいは市町村に関わってきている状況があります。内容も充実して、幅広い視点が含まれているので、逆にどういう形で、うまく国レベルのものを地域の中で取り入れていくかとかというところで、迷ったりだとか、なかなか難しいなというふうに思ってしまうような部分が多々あるのではないかと少し懸念されるところです。
今までも、いろんな形で、地域戦略が策定されるようにご尽力されてきたとは思うのですけれども、特に、人の暮らしだとか、あるいは生態系を活用した防災・減災についても、うまく取り入れていくようにする必要があります。いろんな暮らしだとか、地域の関心事にうまく結びつけるような形で、単に文字で策定するのではなくて、うまく実動するような形で、生物多様性戦略というのが広がっていくといいなと思っております。私自身も努力していきたいと思うのですけれども、ぜひ、そういった観点を大事にしていただき、できることを一緒にやっていけるといいなと思います。
以上です。
○中静委員長 ありがとうございました。ご意見としてお聞きするということで、よろしいでしょうか。
では、広井さん、お願いします。
○広井委員 ありがとうございます。
まず何より、本当にすばらしい、充実した内容の文書ができたと思います。やはりネイチャーポジティブ、あるいはネイチャーポジティブ経済という、新たなコンセプト、理念、それから自然資本というのを非常に重視したり、全体として、本当、生物多様性が、気候変動と車の両輪のような重要なものであるというのが、もう非常に、大変鮮明に示されている内容だと思います。
私のほうから2点、すみません。今後のことで、やはり日本の独自性というような、特質というか、これを意識した対応が必要かと思いますが、2点挙げさせていただければと思います。
一つは、やはり人口減少社会ということで、これはある意味で日本が世界のフロントランナーみたいな、新たなモデルを考えていく必要があると思うんですね。やはり未利用ストックといいますか、アンダーユースの問題が大きいと思いますし、あるいは分散型社会といいますか、地域再生とか地方創生の有効な方策としてのネイチャーポジティブ(自然再興)というような、そういった視点になっていきますと、国土のデザインというようなことともつながってくると思いますので、そうした視点を意識した展開をぜひ進めていただきたいというのが1点です。
それから、もう一つは、もうこれは何度も言ってきたことですけど、30by30、OECMの関係で、日本の独自性という意味では、鎮守の森、神社・お寺。神社・お寺というのは、それぞれ8万か所ありまして、これはコンビニの数の6万よりものです。ということで、全国にも津々浦々にありまして、しかも、ご神体が山、神様が山だったりもしますので、これはかなり、単純に面積的にも、あるいは地域のコミュニティやアイデンティティの拠点という意味でも、また日本の伝統文化という意味でも意義があると思いますので、そういったところも意識した対応が一つ重要ではないかと思います。
以上です。ありがとうございました。
○中静委員長 ありがとうございます。これもご意見としてお聞きするということにしたいと思います。
では、石井さん、お願いします。
○石井委員 石井です。ありがとうございます。
私も意見を申し述べさせていただきたいと思います。
COP15の進捗が遅れて、新世界目標の採択も遅れたということですけれども、短時間で新戦略との対応づけをしていただくなど、本当に精力的に国家戦略の取りまとめをしていただきありがとうございます。戦略案について、私から特に修正意見はございません。
レッドリストづくりなど、種の保全に長く関わっていますけれども、状況は本当に悪化の一途というしかありません。昆明・モントリオール生物多様性枠組は、世界目標としては3番目ということですので、「三度目の正直」ということわざがあるように、本当にこれが実現するというのを期待しているところです。
新世界目標、それから、それに対応する新国家戦略というのは、生物多様性の主流化という観点が強化されていると思っていまして、これが特徴であり、本当に高く評価しております。生物多様性の主流化は、あらゆる主体が生物多様性とその保全と活用の重要性を認識して行動しているような状況になることだというふうに思っていますけれども、この生物多様性の主流化の社会への浸透というのがネイチャーポジティブ実現の鍵を握っていると思います。環境省には予算の確保、それから進捗管理というのは言うに及ばずですけれども、特に新国家戦略の社会への浸透、それから多様な主体との連携、この部分に力を入れていただきたいと思っています。
以上でございます。
○中静委員長 ありがとうございました。これもご意見として伺うことにしたいと思います。
五箇さんが、チャット欄に細かい点もいろいろ書いていただいていますけれども、何か特に発言をされますか。
○五箇委員 いや、これを読んでいただいて。今さら的な指摘もありますから、今後、こういった点についても留意して、いざ外来種対策というものを実行する上では留意していく必要があるかと。
総論として、実際問題、環境省の対策というものに関わらせていただいている者としては、農水とか国交とか、あるいは環境省といった、それぞれ個別に、それぞれの守備範囲で対策をしているという中で、そこへ顔を出していてやっぱり思うのは、相変わらず、その部分でも、連携という部分がまだまだ十分でないところが多くて、そういったことも含めて、特に、この中での指摘事項ですと、例えば水産業に被害を及ぼす特定外来生物、1-3-40なんかでも、実はここに、3種のほかにチャネルキャットフィッシュも実はぜひ入れなきゃいけないんだけど、そこはどうしても農水省の所管から外れているというところがあって、こういう表記になっているのかなというところなんですけど、こういうところは、むしろ農水と環境省でカバーするという意味であるならば、ちゃんとそういった非共管の特定外来生物という部分もしっかりとカバーするというような書きぶりが本当は欲しいところかなというところであり、あと、セイヨウオオマルハナバチもそうだし、オオクチバスもそうなんですけど、これはただの外来種じゃなくて、どちらも侵略的外来種であり、それを使わざるを得ないという状況にあるということを、本来なら使いたくないというか、使うことは避けるべきだけど使わざるを得ないというところもあるということが分かるようにしたほうが本当はいいだろうということで、1-3-44なんかは、侵略的外来種と本来は明記したほうがいいだろうというようなことですね。何にしても、外来種に関しては喫緊の課題であり、常に現場において緊急の対策が求められるところにおいては、いち早く、やっぱり行政という区分というものを払拭するというか、そういったものをオーバーした形での対策というものが取れるように、今後も環境省としてはしっかりと主導権を握ってやっていただきたいというふうに思っております。
以上です。
○中静委員長 ありがとうございました。これも、細かい点も含め、ご意見として伺っておくことにしたいと思います。
これで、オンラインのほうも、発言希望の方も、以上なんですけど、ほかにご意見、特にここで言っておきたいことがありましたらお願いします。
私から一言なんですけど、今回、NbSを取り上げていただいたので、今まで自治体が、何で戦略をつくらなきゃいけないのかとか、戦略をつくってどんな意味があるのかというようなことに対する具体的な答えの一つがここへ出てきたと思います。今、五箇さんがおっしゃったように、自治体でも進めたいことを、国が率先してそういう動きを示唆してあげるというのがすごく効果的ではないかなと思っています。例えばNbSに関わるようなことを環境省とほかの省庁がまず示して、そういう補助金制度をつくるとか、そういうような、ちょっと国からイニシアチブを取るようなことも今後やっていただけるといいなと私は思っています。
一方で、TNFDのような金融業を含んだ企業の動きというのは、国際的な企業はすごく活発化してきましたけど、地域ではどの辺までやれるかというのは、難しい面もあります。そこが問題だと思うので、その辺の目配りも重要かなというふうに思いましたので、今後の方向として考えていただければと思いました。
ほかにご意見とかはございますか。ちょっと時間も過ぎてしまいましたけれども。
もしなければ、細かい修正は、今後、事務局と私のほうで詰めさせていただいて、今日、この後の審議会の中で、諮問を開始させていただくということで、よろしいでしょうか。
(異議なし)
○中静委員長 はい。では、そのようにさせていただいて、細かい修正は、また後ほどやらせていただくということにしたいと思います。
では、今日の議事はこれまでで、その他としては特にないと聞いていますけれども。
では、皆さん、本当にこの小委員会の前からということになると、相当長い期間、ご努力いただきまして、ご協力いただきまして、大変ありがとうございました。これにて、この小委員会を閉じたいと思います。
○司会 中静委員長、議事進行ありがとうございました。委員の皆様は活発なご議論をありがとうございました。
閉会に当たりまして、堀上自然環境計画課長よりご挨拶申し上げます。
○堀上自然環境計画課長 中静委員長はじめ、委員の皆様には、長期にわたってご議論いただきまして、この戦略案をおまとめいただきましたこと、大変ありがとうございます。
冒頭、局長のほうからもありましたけれども、大変、生物多様性に関する機運は高まっているというふうに感じておりますし、先ほども企業の機運、大変盛り上がっているということでございました。また、多くのパブリックコメントのご意見も賜ることができました。
そういう中で、今後、やはり、いろいろやっていかなきゃいけないということを今日お話しいただいたと思います。やっぱり、分かりやすく発信する、特に、多くのステークホルダーに合わせて普及啓発をする、社会に浸透させるということが、まずは大事だということでございました。
環境省において全体をコントロールしつつ、関係省庁と連携しながら施策を進める必要があって、特に、地域戦略については、地域に分かりやすく整理してお示しをした上で進めていただけるようにしたいと思っております。
大変様々なご意見をいただきましたので、2030年のネイチャーポジティブに向けて、この戦略をうまく実施できるようにしていきたいと考えております。実施に際しては、引き続き、ご指導、ご鞭撻いただければ幸いでございます。
本日は、誠にありがとうございました。
○司会 生物多様性国家戦略小委員会は、今回が最終回となります。
これまで7回にわたり、ご参加いただき、ありがとうございました。
この後、15時30分からの第46回自然環境部会にご出席される皆様におかれましては、引き続きよろしくお願いいたします。
以上をもちまして、生物多様性国家戦略小委員会を終了いたします。
ありがとうございました。
午後3時04分 閉会
○司会 定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会自然環境部会第7回生物多様性国家戦略小委員会を開催いたします。
本日は、お忙しい中ご出席いただき、ありがとうございます。
会議に先立ちまして、本日の委員数をご報告いたします。本日の小委員会には、18名の委員にご出席をいただいております。このうち、定足数の対象となる委員・臨時委員15名中、ウェブ会議システムでの参加を含め15名がご出席され、定足数を満たしていますので、本委員会は成立しています。
次に、本日の会議運営につきましてご説明いたします。
本会議は、YouTube配信にてどなたでも傍聴できるようにしております。
本日、オンラインでご参加の委員の皆様におかれましては、マイク・ビデオは各自ご発言の際のみオンとするようお願いいたします。また、ご発言の際はチャット欄に書き込みいただき、ご発言する旨をお知らせください。委員長からのご指名後、マイクのミュートを解除していただき、議事録の円滑な記録のため、お名前をおっしゃってからご発言いただきますようお願いいたします。なお、挙手ボタンは気がつかないこともございますので、挙手ボタンは使用せず、チャット欄をご活用いただければ幸いです。
本日、会議室でご参加の委員の皆様におかれましては、ご発言の際は名札を机の上に立てていただき、委員長からのご指名後、マイクをオンにしてご発言ください。発言終了後は、マイクをオフにしていただくようお願いいたします。
本日ご説明する資料につきましては、委員の皆様には、事前に電子データにて送付しております。本日は、事務局が画面上に資料を投影し進行させていただきますので、お送りした資料は必要に応じ、お手元でご参照いただきますようお願いいたします。
傍聴されている方におかれましては、本日の資料を環境省ホームページにアップロードしておりますので、そちらをご参照ください。
また、本日の会議については議事録を作成し、ご出席の委員の了承を取った上で公開することになりますので、ご了承ください。
それでは、奥田自然環境局長よりご挨拶申し上げます。
○奥田自然環境局長 皆さん、こんにちは。自然環境局長の奥田でございます。
今日からマスクは自主判断に委ねるということですので、ご挨拶のときはマスクを外させていただきたいと思います。
本日も、中央環境審議会生物多様性国家戦略小委員会、委員の皆様におかれましては、ご多用中のところ、この委員会にご出席を賜りましたことを厚く御礼申し上げたいと思います。
思い起こせば、もう3年前、一昨年になるんですか、2021年の11月に第1回の開催だったということで、これまで6回にわたり次期生物多様性国家戦略についてご審議をいただいてまいりました。多くの委員の先生は、その前からの検討にもご参画いただいておりますので、やっとここまで来たかなという感じで、感無量の思いをしております。今回が最後の開催となります。
ご承知のとおり、先月パブリックコメントを実施しておりまして、現行戦略、私が以前室長として担当した戦略に比べても、はるかに上回る多くのご意見をいただいたところでございます。この数に限らず、様々な経済界での動き、もしくは国会での質疑、様々な状況を鑑みますと、やはり生物多様性の関心の高まりというのは本当に、非常に今ピークに達している部分もあるんじゃないかなと思うぐらい、非常に高まっているというふうに感じているところでございます。
今日ご議論いただいた案というものは、この後、開催されます第46回の中央環境審議会自然環境部会でのご審議をいただいた上で環境大臣に答申いただく予定となっております。そして、今月末には、ご了承いただけた場合には閣議決定を予定したいというふうに考えております。
どうぞ本日、最後まで忌憚のないご意見をいただければありがたいというふうに思っております。特に、自然環境部会のほうもご参加いただく先生方につきましては、17時までの長丁場となりますけれども、どうぞよろしくお願い申し上げて、私からのご挨拶とさせていただきます。
○司会 それでは、これよりの議事進行につきましては、中静委員長にお願いいたします。
○中静委員長 今、奥田局長からご説明がありましたように、2011年からのこの小委員会も今回で最後ということで、今回の案が審議会に諮られることになります。今回は、パブリックコメントを踏まえた形での最終的な戦略案についてご議論いただくわけですけれども、相当な数のコメントをいただいたようで、それだけ皆さんの関心も高まっているということだというふうに私は理解しています。それを含めて、主要な点は概ね反映されてきたというふうに思っておりますが、今日のご意見の中で、さらに修正意見がある場合は、できるだけ具体的な意見をお願いいたしたいと思います。この後すぐに、審議会にかかるわけですので、具体的にお願いしたいと思います。
それから、修正意見だけではなくて、今回これが成立することによりまして、今後重点的に取り組んでいくべきポイントなどについても、皆さんのご意見があれば、一言ずつお願いできればというふうに思います。
今日の議題は国家戦略案の検討、それだけでございますが、まず事務局からの説明をお願いしたいと思います。
○奥田生物多様性戦略室室長補佐 中静委員長、ありがとうございます。
それでは、事務局から説明したいと思います。よろしくお願いいたします。私、戦略室で補佐をしております奥田と申します。
資料共有しますので、少々お待ちください。
映っていますでしょうか。資料1-1をご覧くださいませ。資料1-1ですけれども、次期生物多様性国家戦略策定のこれまでの経緯とスケジュールという資料でございます。
先ほどもございましたとおり、小委員会が今回で7回目、それから、その手前で行いました研究会も含めれば、計16回、さらに自然環境部会も含めますと、これまで18回にわたっての検討の中で、たくさんのご意見をいただきました。また、首長ヒアリング、さらには個別のヒアリング等も含めて、たくさんのご意見をいただきました。
前回の1月23日の第6回小委員会の後、いただいたコメントを踏まえたものをパブリックコメント案として、1月30日から2月28日までの間、パブリックコメントにかけておりました。また、その間、地方説明会を計8回開催いたしました。そして、パブコメを受けまして、修正作業と関係省庁間での調整を経まして、本日まとめたものを提示しております。
今後の予定だけ先に申し上げますと、今週後半に自然環境部会長から大臣への手交を予定しております。その後、必要な手続を経て、年度内には閣議決定をしたいと。こういうふうに考えております。
では、ちょっと個別に見ていきたいと思いますが、続きまして、地方説明会について、資料1-2をご参照くださいませ。
今回、合計8回開催いたしました。北は北海道、南は那覇までですね。参加者は合計605名で、たくさんのご質問をいただきました。ご参加の皆様、大変ありがとうございました。
次のページ以降が詳細なやり取りでございます。ちょっと詳細な内容の説明は時間の都合上できませんけれども、私もオンラインでできる限り参加しておりましたけれども、30by30あるいはOECM、さらにはネイチャーポジティブ経済実現に向けたご質問というのが大変多かった印象でございます。
また、時代の流れというか、オンラインで多数参加してくださった一方で、現地参加が3名とか4名とか、ちょっと少なかったところもあって、ちょっと正直心が折れそうになった…というのは冗談でして、対面出席してくださった方々とは密度の濃いやり取りができたというふうに聞いておりますけど、本当にオンラインで広く参加してくれまして、この辺はありがたかったのと、こうしたこともやはり時代の変化なんだろうなというのを改めてこの地方説明会も含めて感じたところでございます。
それから、資料1-3に行きます。こちらがパブリックコメントの結果でございます。
こちらは1か月間パブコメを行いましたけど、意見募集要領の条件を満たした有効意見としては、ここに書きましたとおり、723の個人・団体から、延べ1,307件のご意見をいただきました。ただ、匿名で出されたご意見も含めますと、2,000件以上の意見を実はいただいていて、私、そういった無効になった意見も含めて、一つ一つ、一通り読ませていただきました。熱い思いをたくさんいただいて、本当にありがたかったです。その熱い思い自体は、全て反映し切れたわけではございませんけれども、思いは受け止めておりますので、今回受け止め切れなかった部分は次に生かしたいと考えております。
その1,307件の意見をまとめたのが、その後の別紙となっております。こちら1,307件の意見を116項目、そして487個の意見として、資料としてはまとめました。ちょっと詳細な内容の説明は、時間の都合上できませんけれども、実はブラックバスに関するご意見を多数いただきました。その数、およそ630件に上ります。
その他の各項目につきましては、比較的満遍なくいただいたなというのが率直な印象でございます。その中で行動計画、第2部ですけど、行動計画の中では、基本戦略の1から5まで五つある中では、ブラックバスを除いたとしても、基本戦略1関係、健全な生態系を確保していくことに対するご意見が多かったということでございます。
また、資料として、参考資料2としてつけておりますけど、この間、公明党からも提言をいただきまして、国家戦略策定を、この戦略を実施していく上で重視すべきポイントをたくさんいただいたと認識しております。
それから、資料1-4になります。こちらが前回の第6回小委員会で委員の皆様からいただいたご意見と、それに対する対応でございます。パブコメ前に反映できるところはできる限り反映いたしまして、調整いたしました。大変ありがとうございました。
それから、資料1-5でございます。こちらは222ページの超大作でございますけれども、パブコメを経て修正した国家戦略の案でございます。見え消しとなっているのが修正箇所でございます。
主な修正を見ていきたいと思います。
まず、表紙でございますけれども、これまで「次期生物多様性国家戦略(案)」としておりました。こちらはそろそろタイトルを考えねばならないということで、武内自然環境部会長にも相談いたしまして、現行戦略が「生物多様性国家戦略2012-2020」となっておりますが、そこを踏襲いたしまして、「生物多様性国家戦略2023-2030」としたいと考えております。また、副題といたしましては、2030年に向けてネイチャーポジティブを実現するということで、「~ネイチャーポジティブ実現に向けたロードマップ~」ということとしたいと考えております。
このタイトルを受けまして、少し計画期間についても補足しておこうということで、そこにつきましては、戦略の4ページのところに、計画期間の考え方についても追記させていただきました。
その後、少し個別に見ていきたいと思います。
続いて、29ページになります。PDF上だと33枚目になりますけれども、こちらは生態系ネットワークについて書いたくだりでございますけれども、生態系がつながることは、生物多様性保全上、非常に重要な一方で、昨今、いろいろ負の側面というのも出てきておりますので、それについては十分留意する旨の記述を加えております。
また、続きまして32ページ、PDF上だと36枚目となります。こちらは③番のところに「なお」以降で書いたところでございます。こちら、「家畜化されていない野生由来の動物の飼養は限定的であるべき」といった現行国家戦略にある観点を次の戦略にも明記してほしいといったようなコメントをパブコメ、提言、そして国会質問と、形を変えてたくさんいただきました。現行戦略にある記述を全て焼き直すということは、よろしくないというふうには考えている一方で、こういった考え方が非常に役に立ってきた、ぜひ残してほしいというご意見でしたので、この記述は追加しております。
続きまして、33ページになります。PDF上だと37枚目ですかね。こちらは行動目標の微修正となります。これまで行動目標の1番、これは30by30目標ですけれども、ロードマップを含めて「少なくとも」あるいは「以上」というものをつけてまいりましたが、申し訳ございません、こちらで「以上」がついておりませんでしたので、ここは1番、2番とも「以上」というものを加えたいということで、「以上」を追加しております。
続きまして35ページ、PDF上だと39枚目になりますけれども、ブルーカーボンといったようなものを書いておりますけど、ここで「泥炭地」の重要性というものにつきましてもいろいろコメントをいただきまして、その重要性を鑑みて追記しております。
それから、41ページになります。PDF上だと45枚目となりますけれども、こちらは基本戦略3の部分でございます。こちらの行動目標の1番なんですけれども、企業による生物多様性への影響の定量的評価といった部分を変えてまいりました。ただ、こちらはTNFDの枠組みとも整合を取って、「依存度」というものを入れるべきというご意見をいただいておりまして、こちらを加えております。
それから、56ページになります。PDF上だと60枚目ですね。60枚目のところで、多様な主体の連携・協働の促進というところで、教育関係者の重要性をぜひうたってほしいということで、こちらのほうを加えておりますのと、あと62ページ、PDF上だと66枚目になりまして、教育機関というところにおいて、行動変容を促していくという役割をしっかりと明記していただきたいということで、こういったところを加えてきております。
それから、続きまして、第2部となります。第2部ですけれども、こちらは行動計画でございます。
全般として、直した箇所はたくさんあるんですけれども、その中で、検討中としていた目標値について、記述できるところは記述いたしました。この目標値は、必ずしも2030年までではなくて、むしろ少しばらばらとしたところはありますけれども、一方で、現行の国家戦略では、行動計画に位置づけられた数値目標というものにつきましては、700の施策中50の数値目標にとどまりました。ところが、今回は、367の施策に対して250近い数値目標を掲げております。その中で、いろいろ玉石混交のところはございますけれども、いずれにせよ、これは今後の進捗を把握する上で、そして評価する上で非常に役に立つというふうに考えております。そういったものをたくさん加えております。
それから、ちょっと時間がなくなってきたので若干巻きますけれども、71ページ、PDF上だと75枚目のところで、実は、30by30について、陸と海のそれぞれ30%ではなくて、陸と陸水や沿岸、海洋、それぞれ分けて30%を達成すると目標設定すべきといったようなご意見をたくさんいただきました。こちらにつきましては、目標自体は陸と海でまとめておりますけど、実際、施策を考えていく上で、どこかに偏りがなく、例えば森林ですとか、湿地ですとか、都市ですとか、様々なところをバランスよくそれぞれ推進できるように、その考え方について、こちらのほうに追記しております。
それから、72ページ、PDF上だと76枚目でございます。環境影響評価のところで、今の制度を適切に推進することに加えて、今後の制度の在り方も含めて検討するということをしっかりと書かせていただきました。
そのほか、たくさん修正はしておりますけど、大体以上でございます。
それから、すみません、最後に、資料1-5の別紙1は概要でございます。こちらは、これまで説明してきた内容でございますので詳細の説明はいたしませんけれども、今回、まずパブコメの中で、現行戦略とやはり大きく構造が変わりましたと。それについて少し解説してほしいですといったご意見をいただきましたので、3ページ目にそちらを追加しております。
それから、4ページ目にあるのが、これも以前お見せいたしましたが、本戦略の点検評価の概要でございます。国際的な動きも踏まえつつ、2年に一度程度点検して、進捗を図っていきたいと考えております。
策定前に気が早いですけど、今回の戦略につきましては、2ページ目にありますとおり、状態目標と行動目標を分けて、関係省庁の施策を行動目標の下にぶら下げるということで、施策の実施から目標の達成までは一気通貫という形にしました。すなわち何を言いたいかと申しますと、やったかどうかは行動目標の進捗状況で、実際やって効果があったかどうかというのは状態目標の達成状況で、良くも悪くも、より分かるという形となっております。せっかくそういうような構造にしようということですので、今後、しっかりと進捗状況を点検・評価いたしまして、指標の見直しや取組の強化等にしっかりと生かしていきたいと考えております。
何より世界的な動きとして、こういった進捗の把握というのがますます進むというふうに考えております。それに対応して、かつ我が国の生物多様性を守り生かして、将来に引き継いでいくと。かつ、しっかりと回復の兆しを見せていけるものとなるように、まずはここで決めた戦略をしっかりと動かしていきたいというふうに考えています。
ちょっと説明が長くなりました。以上でございます。
○中静委員長 ありがとうございました。
今の説明に対して、皆さんのほうから改めての修正意見、それから、これからのポイントなど、ご意見がありましたらお願いします。
会場の方は名札を立てていただければよろしいですし、オンラインの方は、先ほど説明があったようにチャットで書き込みをしてください。いかがでしょうか。
私、細かいミスを見つけたんですけど、62ページの行動変容のところで、二つ目の赤いところが「行動変容を促すこといくこと」となっているので、ここの文章を直さないとという、そこだけです。
ご意見いかがでしょうか。
じゃあ、中村さん、お願いします。
○中村委員 私もちょっと細かいんですけど、先ほど35ページのところで、泥炭地の保全・再生を推進するというのを入れていただけたのは大変ありがたくて、できれば、これもカーボンの隔離としての機能をもつと位置づけられればいいなと思っています。ちょっとここで質問なのは、泥炭地でいいんですけど、わざわざ湿地とか湿原とか書かずに泥炭地と書いた理由が何か特別にあるならば教えてほしいんですけど。あまり一般の人たち、泥炭地という言葉を使わないんじゃないかなと思ったものですから。そこを教えてください。
○奥田生物多様性戦略室室長補佐 ありがとうございます。
ラムサールのほうでも泥炭地の重要性というものが非常に取り上げられていて、その文脈の中で特に出てきたものだというふうに理解しておりますけれども、もう少し一般的に、湿地とか、そういうふうにしたほうが、先生としてはよろしいでしょうか。
○中村委員 というか、ほかの場所で泥炭地を使っていますか。湿地は多分使っていると思うんですけど、湿地とか湿原とか。それは同じ、ニアリーイコールですよね、意味としては。泥炭地が湿地と違うという形で使われているんですか。
○奥田生物多様性戦略室室長補佐 すみません。ピートランドというのが、この。
○中村委員 いや、それは分かるんだけど。
○奥田生物多様性戦略室室長補佐 取り上げられたという意味で、今回そういうご意見も出てきたので入れているというところでございます。
○中村委員 言葉の使い方として、ほかの場所では湿地とか湿原とかを使っていて、ここでピートランドである泥炭地を使っているということは、何か意味が、特別な意味があるのかないのか。ないならば、統一した言葉で使っていてもいいんじゃないか。一般的には、湿地とか湿原のほうが使われているんじゃないかなと思ったものですから。ラムサールでどう使われているかというのは、ここで殊さら言う必要があるのかなという感じはしたんですけど。
○奥田生物多様性戦略室室長補佐 すみません。ありがとうございます。そうであれば、より一般的な形にしたほうがよいかなというふうに思いましたので。
○中村委員 じゃあ、ご検討ください。
○奥田生物多様性戦略室室長補佐 はい。ありがとうございます。
○中静委員長 ほかにいかがでしょうか。
オンラインで、西澤さん、お願いします。西澤さん、大丈夫でしょうか。
○西澤委員 ご指名ありがとうございます。経団連自然保護協議会の西澤でございます。
まずは、中静委員長、そして環境省の皆様におかれましては、この国家戦略案に関し、パブリックコメント及び答申案の取りまとめ、大変お疲れさまでございました。また、先般、共同開催させていただきました経団連自然保護協議会のシンポジウム兼J-GBF第2回ビジネスフォーラムには、経団連の会員企業を中心に、スタートアップやNGOやNPOの皆様など、約200名の方がたがご参加いただき、大変好評をいただきました。この場をお借りいたしまして、改めて環境省の皆様に心より御礼を申し上げます。
それでは、まず、国家戦略案について、コメントさせていただきたいと思います。
サプライチェーンの測定の実効性や、設定された目標値の妥当性などにつきましては、今後も継続して検討していく必要があると認識しておりますが、概ね私ども経済界の意見を反映していただいておりまして、本国家戦略案につきまして、賛同させていただきたいと思います。
また、今後の戦略の実施という観点で、経済界の立場から3点ほどご要望をさせていただきたいと思います。
まず1点目は、本戦略には多くのステークホルダーが関わっており、また、ひもづく施策も多岐にわたっております。それぞれの活動が細分化され、活動そのものが目的化したり、あるいは、場合によっては木を見て森を見ずというような状態になるおそれもあると感じております。したがって、環境省の皆様には、ぜひ戦略全体のコントロール機能というものを強く担っていただきたいと考えております。
次に、2点目としては、生物多様性に関しまして、いまだ多くの企業が、実はどのように取り組めばよいのか悩んでいる状況もございますので、今後も、特に評価や開示という観点で、企業の啓発活動が必要であると感じております。したがって、当面は実務的なセミナーやワークショップなど、規模・セクター別に、丁寧に対話型のコミュニケーションをすることが非常に有効ではないかと考えております。この点、環境省の皆様には、今後ともより一層のご協力、ご支援をお願いしたいと思います。
そして、3点目ですが、経済界からは、この分野で新たな価値を創造していくためには、企業やスタートアップ、あるいはNGOやNPO、こういった多様なステークホルダーをつなぐプラットフォーム機能が非常に重要であり、強化してほしいという要望が多数出ております。我々、自然保護協議会としても、もちろん経済界におけるプラットフォーム機能の拡充に努めてまいりたいと思っておりますが、環境省の皆様には、この点でも引き続きご支援をお願いしたいと思います。
そして、最後になりますが、現在、私ども自然保護協議会で、生物多様性に関して、企業全体の進捗状況や、自社の立ち位置を把握していただくことを目的としまして、経団連傘下の約1,500社の企業にアンケート調査を実施しております。このアンケート調査の結果は環境省の皆様とも共有させていただきたいと思っておりますので、ぜひ、この後、活用のご検討をいただけたらと思っています。
私からは以上でございます。
○中静委員長 大変ポジティブなコメントをどうもありがとうございました。
環境省のほうから何かありますか。
○奥田生物多様性戦略室室長補佐 はい。いただいた期待に応えられるようにしっかりと、まだまだ生物多様性が分かりづらいというところはございますが、それが浸透していけるように、しっかりと、我々として提供できるものをしっかり提供していきたいと考えております。
また、アンケート調査も大変ありがとうございます。国家戦略のほうでも参考にさせていただきたいと考えております。ありがとうございます。
○西澤委員 先ほど、奥田局長のご挨拶でもございましたけれども、企業の機運というのも、COP15を経まして非常に今盛り上がっているところでございますので、ぜひ連携して、この後の取組、一緒にやっていけたらと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○中静委員長 じゃあ橋本さん、お願いします。
○橋本委員 ありがとうございます。
パブリックコメント、多数のコメントをいただいて、非常に関心が高かったということで、とてもよかったと思います。それを、また短時間の間に回答もお作りいただいた上で、本文のほうにも修正いただいたということで、ご説明いただいた内容について、基本的に、私は全面的に賛同しております。特に問題のありそうな修正はないかなというふうに理解しました。
それで、今から私が申し上げるのは、今後のことに関連して、2年に一度のモニタリングをされるということなんですが、それと併せて、やっぱりパブコメのコメントでもありましたが、分かりやすく表現してほしいというのがあったと思うんです。内容が、やっぱり難しい言葉が多いということがあったと思います。
それで、広く多くの方に戦略の内容を知っていただくというためにも、やっぱり普及版の資料というのをぜひとも作っていただきたいというのが一つですね。愛知目標からどういうふうに、愛知目標というか、愛知目標に対応した従来の国家戦略2012-2020ですかね、そこからどういうふうに発展したのか、新しい項目はどうなっているのか。そして、あとは今の国家戦略、直接修正を求めるわけではないんですけど、GBF(昆明・モントリオール生物多様性枠組)との対応関係というのも、これまで、この委員会の資料でもあったと思うんですけれど、出していただくと、皆さんの理解もさらに深まっていくのかなというふうに思いました。やっぱりこれ、国際目標に対応して国家戦略があってというふうになっていますので、国家戦略のどの部分が国際目標に対応しているのかという資料も併せて普及版と一緒に作っていただくといいかなと思いました。
もう一つは、これは必ずしも普及というわけでもないんですけれど、やっぱりこれ、国際目標に対応した国家戦略としては、恐らく日本が、世界的に見てもかなり早いものだとも思うんです。そういう意味では、ほかの国にも模範になる可能性がありまして、パワーポイントでもよいので、これまでの会議の資料等をうまく使いながら、英語版の説明資料なんていうのを作成して公表していただけると、日本の努力というのが国際的にもアピールできる入り口になるのかなというふうに思いました。
以上です。
○中静委員長 ありがとうございました。
特にはよろしいでしょうか。
○奥田生物多様性戦略室室長補佐 大変ありがとうございます。分かりやすいパンフレットをぜひ作って普及していきたいですし、パンフレットに限らず、パワーポイント等も作成していきたいと思います。また来月、G7もございますので、英語版についても何かしら作って、しっかりと発信していきたいと考えております。ありがとうございます。
○中静委員長 ありがとうございます。
では、森本さん、お願いします。
○森本委員 こんにちは。北大の森本です。
案については、特段の修正意見はございません。GBFやパブコメなどへの対応、大変お疲れさまでした。
私からは、今後の展開という点で、一つ課題をご指摘しようかと考えています。30by30を実現するツールとして期待されている自然共生サイトについてですが、現行の自然共生サイト、OECMは、三つのシナリオで生物多様性に貢献することが期待されていると考えています。一つ目が、将来起こり得る開発を未然に防ぐこと、二つ目が、より積極的な生物多様性の保全策を導入すること、三つ目が、自然劣化地での多様性を回復させることです。初めの二つは現行の制度、既に始まっている自然共生サイトの認定ということでカバーされていますが、これは、実は既に保全されている場を認定するだけなので、実質的な保全面積のアップにはつながらないのかなと思います。それに対して、三つ目の、劣化地で多様性を回復させるというシナリオについては、新たに保全地を増やすということにつながるので非常に期待されますが、現行制度ではカバーされていないではないかと。例えば、保全再生中である劣化したサイトが、いつOECMとして適格になるのかということを決定していくメカニズムを現行制度に組み込んでいく、バージョンアップしていくことが課題ではないかと感じています。これは、GBFのターゲット2が生物多様性国家戦略の基本戦略1、行動目標2で、劣化した生態系の少なくとも30%を回復軌道に乗せるという項目にも貢献することなので、ぜひ実質的な保全地のアップということで、展開していただけたらなと思っています。
以上です。
○中静委員長 ありがとうございました。
じゃあ、事務局からお願いします。
○堀上自然環境計画課長 自然環境計画課長の堀上です。
ご意見ありがとうございます。自然共生サイトにつきましては、今年度で一応検討しておりまして、来年度から具体の認定に向けて、今、準備をしているところでございます。委員がおっしゃったように、現状で状況が評価されるところ、そこを審査して認定するというのが今の制度、やろうとしている制度でありますけれども、一方で、劣化地についても、どういったところについて、対象として保全あるいは回復していくのかというところの検討もしているところでございます。ご指摘を踏まえながら、今後よりよい制度になるように整理をしていきたいというふうに思っております。
○中静委員長 ありがとうございました。
では、藤田さん、お願いします。
○藤田委員 ありがとうございます。
私からは、戦略については、この形でよいと思っています。いろいろ大変なご苦労があったと思います。本当にお疲れさまでした。
これからのことのポイントを、幾つかちょっとお話しできればと思っていまして、これまでも何人かの委員の方がお話しされていましたけど、恐らく企業からすると、この戦略ができて、国家戦略ができて、次に、やっぱりどのようにこれを自分たちの事業に落とし込んでいったらいいかということがテーマになると思うので、ぜひ、この国家戦略を踏まえて、どんなことをやったらいいかという手順のところ、これは恐らく民間参画ガイドラインのほうに書かれることになるんだと思います。
もう一つはインセンティブですね。これをやることによって、経営にどんなメリットがあったりとか、あるいは、例えば、今ご検討されている貢献証書みたいなものとかネイチャー関係のクレジットみたいなもの、これはまた別のネイチャーポジティブ経済移行戦略のほうに書かれるのかもしれませんけど、そういった、今考えていらっしゃる施策と連携して、ぜひつなげていっていただいて、企業が具体的にどう取り組んでいったらいいかということが分かりやすくなるように、つなげていただきたいなというのが一つです。
それと、もう一つは、TNFDの開示が、この3月に初めての開示指標が出てきて、それで9月には完成版ができるわけですけども、そのときにいろいろ指標、開示指標とか評価指標とか出てきた中で、例えば、それと、今回の国家戦略で言われているいろんな指標とをつなぐような、TNFD開示を支援するようなガイダンスなんかもあったりすると、企業にとっては分かりやすいんじゃないかというふうには思っています。
最後は、普及啓発のところで、これもまたJ-GBFとかで市民向けとかの説明会とか勉強会はされると思うんですけども、ぜひ、また自治体向けの説明会、今まではあまり人が来なかったというお話もありましたけども、ネイチャーポジティブという言葉が少しずつ浸透してくる中で、また自治体向けの説明会もぜひ続けていただきたいですし、あと、企業向けの何か勉強会とか説明会ですかね、こちら、先ほど経団連からもお話がありましたけど、ぜひ、これを事業に落とし込めるように、皆さんの理解を進められるように、そういうセミナーや勉強会、説明会みたいなものも、ぜひ企画いただければと思っております。
以上です。
○中静委員長 ありがとうございました。
事務局から何かありますか。意見としてお聞きして、進めていただくということで。
じゃあ、一旦会場に戻しまして、白山さん、お願いします。
○白山委員 ありがとうございます。
すさまじい勢いで仕事をしていただいて、たくさんのパブリックコメントをきれいにまとめていただいて、すばらしい。本当にお疲れさまでございました。ありがとうございました。
私から一つだけコメントさせていただくのは、つい先週までニューヨークで、公海部分の生物多様性に関わるBBNJという交渉がありまして、妥結をして、これから多分それが実効を持つようになると思いますけども、その中で、やっぱり多くの人が、30by30は公海域でもできるんだというようなイメージをお持ちになったりするわけですね。ですから、もしそうだとすると、やっぱり日本の国内、しっかりと30by30を実現していただきたいということで、時間があまりない中で大変だと思いますけど、2030年までは、もうあと7年しかないので、大変タイトなスケジュールになっていると思います。ぜひ、公海域にはできたけど日本はできなかったということがないように、しっかりやっていただきたいというふうにお願いを申し上げて、それから、あと、公海域との連結性みたいなものも日本としてはイメージをできるんじゃないかと。つまり、我が国のEEZで囲まれた公海域というのは1か所、高知の沖の辺りにあったりしますので、その辺りをしっかりと意識して、その周りはしっかり、例えば我が国はOECMなりPAなりにするというようなことをすると、BBNJのほうへも貢献ができると思いますので、ぜひご検討ください。よろしくお願いします。
○中静委員長 ありがとうございました。
何か。事務局、お願いします。
○堀上自然環境計画課長 自然環境計画課長です。
白山先生、ありがとうございます。先ほど、OECMの特に自然共生サイトの話をしましたけれども、海のほうについても、OECMをどうしていくのかという検討は並行してやっております。委員ご指摘のところを踏まえて、しっかり検討していきたいというふうに思います。
○中静委員長 ありがとうございました。
では、オンラインで、勢一さん、お願いします。
○勢一委員 ありがとうございます。勢一です。音声は聞こえておりますでしょうか。
○中静委員長 聞こえています。
○勢一委員 ありがとうございます。海外からなので心配でした。ありがとうございます。
今回出していただいた案で、私も改めての修正意見はございません。パブリックコメントまで丁寧なご対応をいただきまして、長い間のご尽力に御礼を申し上げたいと思います。
今後に向けて、若干リクエストをさせていただければと思います。
まず、今回の戦略、新しいものがたくさん書いているところは、非常にアグレッシブで評価できるのですが、その分、理解するのに難易度が高い、実施するのに難易度が高いというところがございます。用語が難しいとか、新しい概念や考え方ですね。そういう点におきましては、社会に対して、ステークホルダーに対して分かりやすい説明や普及のための取組というのが非常に大事だろうと思います。これは既に何人かの先生方からもご意見がありましたけれども、私もその点は非常に重要だと思っています。
そういう部分におきましては、今回、地方説明会、オンラインを含めて双方向の意見交換なども丁寧にやっていただきましたし、ヒアリングもたくさんしていただいております。ですので、こうした政策形成におけるコミュニケーションの形、コロナによってオンラインというような活用方法も増えましたので、こういうネットワークを今後も活用していただいて、継続的なコミュニケーションを取りながら施策を進めていただくことが非常に大事かなと思っています。あらゆる分野に関わる幅広い施策の展開が必要である一方で、国際目標を含めて不確実な部分も多い取組になりますので、戦略に基づく実施やフォローアップについても、社会全体で関心を持っていただいて、ステークホルダーとの継続的な意見交換というのを踏まえて進めていただければと思っています。
また、パブリックコメントで、多数の方から多様なご意見を頂戴したというのも非常にありがたいと思っています。高い関心を持っていただいておりますし、先ほどのご意見でも、企業の機運も高まっているとのこと、非常によい動向になってきているのではないかと思われ、期待を持っております。
パブリックコメントでたくさんの声を寄せていただくのは非常に重要なのですけれども、他方で、最近、パブリックコメントという制度を、当初、もともと想定されているものとは異なる形で利用する、具体的には、本旨とは違う、原案とは違うような声を寄せる手段として使われることも時々出てきています。これは、行政資源という国民共有の資源を利用する制度ですので、利用側も適切かつ効果的・効率的な活用を考えるという意味でも、制度に対する理解をしっかり深めていただく。そのための努力を行政側もすべきではないかと思っています。ですので、そうしたパブリックコメントの制度の意義などもしっかり発信をしていただいて、もし現行のパブリックコメントなどでは必要な声が反映できないのであれば、別途、ヒアリングとか説明会とか、そういうことを追加して工夫をするようなこと、社会とのコミュニケーションの在り方については、ぜひ今後、工夫をしていただければと思います。
あと、もう一点なんですけれども、今後、この国家戦略に沿って、地方公共団体が各地域での取組を進めたり、あるいは地域戦略の策定やアップデートをすることになるのかと思います。各地域で、それぞれの会議体で議論をすることになりますので、そういう場で難しい内容をしっかり理解してもらえるようなツールの工夫をぜひお願いしたいと思います。恐らく、ガイドラインやマニュアルなどの作成はお考えになっておられると思いますが、これまでの動向を見ますと、かなり大部になる可能性があります。この辺り、大部になり過ぎないような工夫、あるいはデジタルを活用して、理解しやすいようなツールなどをご検討いただければと思います。
私からは以上です。ありがとうございました。
○中静委員長 ありがとうございました。
環境省側からは、特にはありますか。
○奥田生物多様性戦略室室長補佐 ありがとうございます。おっしゃるとおりですので、いただいた方向性で進めていきたいと思います。パブリックコメントも、大変高い関心を呼んで、ありがたかった一方で、特定のポイントに集中したご意見も多数いただきました。ですが、それらも一件一件全部読ませていただきまして、熱い思いは受け取りましたので、そういった国民の声を聴く機会としては大変ありがたかったというふうに思っております。ありがとうございます。
○中静委員長 では、愛甲さん、お願いします。
○愛甲委員 愛甲です。
短時間で膨大な作業をありがとうございました。
まず、ちょっと細かい点からで、一つが、66ページに限定体験の造成という言葉が出てくるんですけど、これ、造成よりも「創出」とかという表現のほうがいいかなと思って、ツアーだったら造成という言葉を確かに使ったりはしますけど、ちょっとこの戦略にはなじまないかなという気がしました。
それから、これも非常に細かい点ですが、102ページと103ページに人材育成事業に関する文言があるんですが、102ページは「人材育成事業に参加地域数」となっていて、103ページのほうは「人材育成事業に参加した地域数」となっているんですね。これは同じものだと思うんですけど、ちょっと両ページで表現が違うので、そろえたほうがいいんじゃないかというのが一つです。
あとは、特に、変更された内容については意見がないんですけど、今後の進め方として、地方説明会でも幾つか意見が出ていましたけど、地域戦略に関して、もちろん地域戦略を策定していただける自治体が増えることは理想で、30%という目標になっていますけど、場合によっては、なかなかこれが進まないということもあり得ることももちろん考えられるので、戦略の中にもかいてありますように、ほかの関連するような計画に、できるだけ生物多様性の考え方を盛り込んでいただくということも重要ですし、場合によっては、各市町村がもともと持っている計画、一番トップにあるような、総合計画みたいなものの中にも生物多様性というのは記述されるようになるというのも一つの在り方だと思うので、そういったようなサポートも含めて、実際のサポートが必要かなというふうに思っております。
それから、もう一つは、ちょっと質問といいますか、これは提案ですが、ちょうど札幌で4月にG7の環境大臣会合があります。期日も迫っているので、なかなか難しいかもしれませんが、海外のメディア等も来ますし、北海道内では結構関心も高まりつつありますし、北海道・札幌市でもイベントなどを予定しているようですので、こういった場が何らかのお披露目の場にならないだろうかというのが一つと、G7の環境大臣会合は、どちらかというと地球温暖化とか、そちらのほうに話題が中心にはなりそうなんですけど、それもあって、今、市民レベルで何かできないかということで、同じ時期に、北海道内の環境に関連する団体等が集まった会合等も予定しているところなので、そういった場も、より広く知ってもらえる場として活用していただければというふうに思いました。
以上です。
○中静委員長 ありがとうございました。
事務局からは、いいですか。
○奥田生物多様性戦略室室長補佐 はい。ちょっと細かいところは、また、先ほどご指摘いただいた点、確認したいと思いますので、よろしくお願いしますというのと、地域戦略につきましても、おっしゃってくださったとおりだと思いますので、できるだけいろいろなものに考え方を盛り込めるようにしたいと思います。
G7につきまして、しっかりと発信していきたいと考えておりますが、何か具体的なことがあれば、また個別に相談させていただけると助かります。ありがとうございます。
○中静委員長 ありがとうございます。
では、深町さん、お願いします。
○深町委員 ありがとうございます。
先ほどの地域戦略に関連するご意見とも共通する部分はあるのですけれども、私自身も、都道府県の戦略の改定だとか、あるいは市町村に関わってきている状況があります。内容も充実して、幅広い視点が含まれているので、逆にどういう形で、うまく国レベルのものを地域の中で取り入れていくかとかというところで、迷ったりだとか、なかなか難しいなというふうに思ってしまうような部分が多々あるのではないかと少し懸念されるところです。
今までも、いろんな形で、地域戦略が策定されるようにご尽力されてきたとは思うのですけれども、特に、人の暮らしだとか、あるいは生態系を活用した防災・減災についても、うまく取り入れていくようにする必要があります。いろんな暮らしだとか、地域の関心事にうまく結びつけるような形で、単に文字で策定するのではなくて、うまく実動するような形で、生物多様性戦略というのが広がっていくといいなと思っております。私自身も努力していきたいと思うのですけれども、ぜひ、そういった観点を大事にしていただき、できることを一緒にやっていけるといいなと思います。
以上です。
○中静委員長 ありがとうございました。ご意見としてお聞きするということで、よろしいでしょうか。
では、広井さん、お願いします。
○広井委員 ありがとうございます。
まず何より、本当にすばらしい、充実した内容の文書ができたと思います。やはりネイチャーポジティブ、あるいはネイチャーポジティブ経済という、新たなコンセプト、理念、それから自然資本というのを非常に重視したり、全体として、本当、生物多様性が、気候変動と車の両輪のような重要なものであるというのが、もう非常に、大変鮮明に示されている内容だと思います。
私のほうから2点、すみません。今後のことで、やはり日本の独自性というような、特質というか、これを意識した対応が必要かと思いますが、2点挙げさせていただければと思います。
一つは、やはり人口減少社会ということで、これはある意味で日本が世界のフロントランナーみたいな、新たなモデルを考えていく必要があると思うんですね。やはり未利用ストックといいますか、アンダーユースの問題が大きいと思いますし、あるいは分散型社会といいますか、地域再生とか地方創生の有効な方策としてのネイチャーポジティブ(自然再興)というような、そういった視点になっていきますと、国土のデザインというようなことともつながってくると思いますので、そうした視点を意識した展開をぜひ進めていただきたいというのが1点です。
それから、もう一つは、もうこれは何度も言ってきたことですけど、30by30、OECMの関係で、日本の独自性という意味では、鎮守の森、神社・お寺。神社・お寺というのは、それぞれ8万か所ありまして、これはコンビニの数の6万よりものです。ということで、全国にも津々浦々にありまして、しかも、ご神体が山、神様が山だったりもしますので、これはかなり、単純に面積的にも、あるいは地域のコミュニティやアイデンティティの拠点という意味でも、また日本の伝統文化という意味でも意義があると思いますので、そういったところも意識した対応が一つ重要ではないかと思います。
以上です。ありがとうございました。
○中静委員長 ありがとうございます。これもご意見としてお聞きするということにしたいと思います。
では、石井さん、お願いします。
○石井委員 石井です。ありがとうございます。
私も意見を申し述べさせていただきたいと思います。
COP15の進捗が遅れて、新世界目標の採択も遅れたということですけれども、短時間で新戦略との対応づけをしていただくなど、本当に精力的に国家戦略の取りまとめをしていただきありがとうございます。戦略案について、私から特に修正意見はございません。
レッドリストづくりなど、種の保全に長く関わっていますけれども、状況は本当に悪化の一途というしかありません。昆明・モントリオール生物多様性枠組は、世界目標としては3番目ということですので、「三度目の正直」ということわざがあるように、本当にこれが実現するというのを期待しているところです。
新世界目標、それから、それに対応する新国家戦略というのは、生物多様性の主流化という観点が強化されていると思っていまして、これが特徴であり、本当に高く評価しております。生物多様性の主流化は、あらゆる主体が生物多様性とその保全と活用の重要性を認識して行動しているような状況になることだというふうに思っていますけれども、この生物多様性の主流化の社会への浸透というのがネイチャーポジティブ実現の鍵を握っていると思います。環境省には予算の確保、それから進捗管理というのは言うに及ばずですけれども、特に新国家戦略の社会への浸透、それから多様な主体との連携、この部分に力を入れていただきたいと思っています。
以上でございます。
○中静委員長 ありがとうございました。これもご意見として伺うことにしたいと思います。
五箇さんが、チャット欄に細かい点もいろいろ書いていただいていますけれども、何か特に発言をされますか。
○五箇委員 いや、これを読んでいただいて。今さら的な指摘もありますから、今後、こういった点についても留意して、いざ外来種対策というものを実行する上では留意していく必要があるかと。
総論として、実際問題、環境省の対策というものに関わらせていただいている者としては、農水とか国交とか、あるいは環境省といった、それぞれ個別に、それぞれの守備範囲で対策をしているという中で、そこへ顔を出していてやっぱり思うのは、相変わらず、その部分でも、連携という部分がまだまだ十分でないところが多くて、そういったことも含めて、特に、この中での指摘事項ですと、例えば水産業に被害を及ぼす特定外来生物、1-3-40なんかでも、実はここに、3種のほかにチャネルキャットフィッシュも実はぜひ入れなきゃいけないんだけど、そこはどうしても農水省の所管から外れているというところがあって、こういう表記になっているのかなというところなんですけど、こういうところは、むしろ農水と環境省でカバーするという意味であるならば、ちゃんとそういった非共管の特定外来生物という部分もしっかりとカバーするというような書きぶりが本当は欲しいところかなというところであり、あと、セイヨウオオマルハナバチもそうだし、オオクチバスもそうなんですけど、これはただの外来種じゃなくて、どちらも侵略的外来種であり、それを使わざるを得ないという状況にあるということを、本来なら使いたくないというか、使うことは避けるべきだけど使わざるを得ないというところもあるということが分かるようにしたほうが本当はいいだろうということで、1-3-44なんかは、侵略的外来種と本来は明記したほうがいいだろうというようなことですね。何にしても、外来種に関しては喫緊の課題であり、常に現場において緊急の対策が求められるところにおいては、いち早く、やっぱり行政という区分というものを払拭するというか、そういったものをオーバーした形での対策というものが取れるように、今後も環境省としてはしっかりと主導権を握ってやっていただきたいというふうに思っております。
以上です。
○中静委員長 ありがとうございました。これも、細かい点も含め、ご意見として伺っておくことにしたいと思います。
これで、オンラインのほうも、発言希望の方も、以上なんですけど、ほかにご意見、特にここで言っておきたいことがありましたらお願いします。
私から一言なんですけど、今回、NbSを取り上げていただいたので、今まで自治体が、何で戦略をつくらなきゃいけないのかとか、戦略をつくってどんな意味があるのかというようなことに対する具体的な答えの一つがここへ出てきたと思います。今、五箇さんがおっしゃったように、自治体でも進めたいことを、国が率先してそういう動きを示唆してあげるというのがすごく効果的ではないかなと思っています。例えばNbSに関わるようなことを環境省とほかの省庁がまず示して、そういう補助金制度をつくるとか、そういうような、ちょっと国からイニシアチブを取るようなことも今後やっていただけるといいなと私は思っています。
一方で、TNFDのような金融業を含んだ企業の動きというのは、国際的な企業はすごく活発化してきましたけど、地域ではどの辺までやれるかというのは、難しい面もあります。そこが問題だと思うので、その辺の目配りも重要かなというふうに思いましたので、今後の方向として考えていただければと思いました。
ほかにご意見とかはございますか。ちょっと時間も過ぎてしまいましたけれども。
もしなければ、細かい修正は、今後、事務局と私のほうで詰めさせていただいて、今日、この後の審議会の中で、諮問を開始させていただくということで、よろしいでしょうか。
(異議なし)
○中静委員長 はい。では、そのようにさせていただいて、細かい修正は、また後ほどやらせていただくということにしたいと思います。
では、今日の議事はこれまでで、その他としては特にないと聞いていますけれども。
では、皆さん、本当にこの小委員会の前からということになると、相当長い期間、ご努力いただきまして、ご協力いただきまして、大変ありがとうございました。これにて、この小委員会を閉じたいと思います。
○司会 中静委員長、議事進行ありがとうございました。委員の皆様は活発なご議論をありがとうございました。
閉会に当たりまして、堀上自然環境計画課長よりご挨拶申し上げます。
○堀上自然環境計画課長 中静委員長はじめ、委員の皆様には、長期にわたってご議論いただきまして、この戦略案をおまとめいただきましたこと、大変ありがとうございます。
冒頭、局長のほうからもありましたけれども、大変、生物多様性に関する機運は高まっているというふうに感じておりますし、先ほども企業の機運、大変盛り上がっているということでございました。また、多くのパブリックコメントのご意見も賜ることができました。
そういう中で、今後、やはり、いろいろやっていかなきゃいけないということを今日お話しいただいたと思います。やっぱり、分かりやすく発信する、特に、多くのステークホルダーに合わせて普及啓発をする、社会に浸透させるということが、まずは大事だということでございました。
環境省において全体をコントロールしつつ、関係省庁と連携しながら施策を進める必要があって、特に、地域戦略については、地域に分かりやすく整理してお示しをした上で進めていただけるようにしたいと思っております。
大変様々なご意見をいただきましたので、2030年のネイチャーポジティブに向けて、この戦略をうまく実施できるようにしていきたいと考えております。実施に際しては、引き続き、ご指導、ご鞭撻いただければ幸いでございます。
本日は、誠にありがとうございました。
○司会 生物多様性国家戦略小委員会は、今回が最終回となります。
これまで7回にわたり、ご参加いただき、ありがとうございました。
この後、15時30分からの第46回自然環境部会にご出席される皆様におかれましては、引き続きよろしくお願いいたします。
以上をもちまして、生物多様性国家戦略小委員会を終了いたします。
ありがとうございました。
午後3時04分 閉会