中央環境審議会自然環境部会温泉小委員会(第22回) 議事録
議事録
午後1時開会
【五反田温泉地保護利用推進室室長補佐】
定刻となりましたので、ただいまより「中央環境審議会自然環境部会温泉小委員会」第22回を開会いたします。
本日は、お忙しい中、本審議会に御出席いただき、誠にありがとうございます。
会議に先立ちまして、本日の出席委員数について御報告を申し上げます。本日は、12人の委員のうち、現時点では6人の委員に御出席をいただいているところでございます。
それでは、本日の会議運営につきまして御説明いたします。本日の会議は公開で行われており、傍聴につきましては、会場での傍聴ではなく、傍聴用のウェブ会議システムを用意して傍聴できるようにしておりますので、御承知おき願います。
また、本日御説明する資料につきましては、会場にお集まりの委員についてはお手元の資料を御参照いただき、リモート参加の委員におかれましては事前にメールにて送付させていただいたものを御参照いただければと思います。
会議資料につきましては公開となります。また、会議録は後ほど事務局で作成し、本日御出席の委員の御了承いただいた上で公開することとなります。
また、リモート参加の委員におかれましては、差し支えない範囲で結構ですので、常時ビデオボタンはオンにしていただき、お顔が見られる状態にしていただけますと幸いです。また、議事中、マイク機能は小委員長及び発言者以外はミュートに設定していただきますようお願いいたします。
御発言の際は、挙手アイコンをクリックしてお知らせいただきますようお願いします。小委員長からの御指名を受け、マイクのミュートを解除してから御発言いただきますようお願いします。御発言後は、挙手アイコンを忘れずにクリックいただき、挙手を取り下げていただきますようお願い申し上げます。
続きまして、本年2月に中央環境審議会の任期満了による改選があり、自然環境部会長の中村部会長の御指名により、本小委員会の委員長に、引き続き滝沢英夫委員に御就任いただけることになりましたので、御報告申し上げます。
また、引き続き委員をお務めいただく先生方におかれましても、どうぞよろしくお願い申し上げます。
続きまして、委員の交代について御報告を申し上げます。大分県生活環境部自然保護推進室長、浜田みほ委員より、3月12日付で委員辞任の申出があり、新たに鹿児島県保健福祉部生活衛生課長、迫田豊秋委員が任命されました。本日より、新たに小委員会の審議に御参画いただくこととなりましたので、御紹介をいたします。
なお、本日は、浅沼委員、江﨑委員、鈴木治彦委員、安川委員におかれましては、都合により欠席の連絡をいただいているところでございます。
また、前回の小委員会から自然環境局の幹部に異動がございましたので、御紹介をいたします。
自然環境局長の堀上です。
温泉地保護利用推進室長の村上です。
それでは、議事に先立ちまして、自然環境局長の堀上より御挨拶を申し上げます。
【堀上自然環境局長】
改めまして、自然環境局長を7月から拝命しました堀上です。よろしくお願いいたします。
委員の皆様、本日はお忙しい中をお集まりくださいまして、誠にありがとうございます。
日頃から、温泉行政、温泉資源の保護、あるいは適正利用、地域振興、様々な観点から御協力、御理解を賜っていることに改めて御礼を申し上げます。
本日の議事ですけれども、3つの議題がございます。1つ目が「『温泉資源の保護に関するガイドライン』の改訂について」で、こちらは前回の小委員会の後に、一部の委員の方々に御協力をいただいて、3回にわたって改訂に係る検討会を開催いたしました。その後、パブリックコメントを実施して改訂案を策定したところでございます。こちらについて御審議をいただきます。
2つ目、3つ目は報告事項でございまして、2つ目は、国民保養温泉地として指定をしておりますニセコ温泉郷の区域の拡大について御報告をいたします。
3つ目は、「その他」として「温泉文化」のことを御報告いたします。こちらは、ユネスコ無形文化遺産の登録ということで動きがございましたので、こちらについての御報告でございます。
本日は限られた時間ではありますけれども、忌憚のない御意見を賜りますことをお願い申し上げまして、私の御挨拶といたします。どうぞよろしくお願いいたします。
【五反田温泉地保護利用推進室室長補佐】
次に、配付資料について確認をさせていただきます。
本日は、議事次第に加え、資料1-1、資料1-2、資料2、資料3、参考資料1~4を配付しております。事前にデータでもお送りしております。過不足等がございましたら、事務局にお申しつけいただければと思います。
ここからの議事進行につきましては、滝沢小委員長にお願いしたいと思います。
滝沢小委員長、よろしくお願いいたします。
【滝沢小委員長】
皆さん、今日はお忙しいところをどうもありがとうございました。
先ほど事務局から御紹介いただきました滝沢です。引き続き、小委員会委員長を務めさせていただきますので、皆様のお力添えをぜひよろしくお願いいたします。
本日は、受験準備作業がそろそろ始まって皆さん大変お忙しい中、また、年末の行事等で皆さん大変だと思うのですが、わざわざこちらまでお越しいただきましてありがとうございます。特に星委員は、今日は北日本のほうは天気が大荒れということで心配しておったのですが、来ていただきまして本当に助かりました。また、浅沼委員は今日の参加を機内からリモートでなんていうこともおっしゃっていただいたのですが、航空機の機材の関係でちょっとかなわないということで残念ですが、皆様、御協力ありがとうございます。
皆様の貴重なお時間をお借りできますこと、誠にありがとうございます。本日、私のほうで議事進行を務めさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
先ほどあったように、議事次第に従って本日の会議を進めますが、まず議事の(1)「『温泉資源の保護に関するガイドライン』の改訂について」ということで、皆様のお手元にある資料1-1及び1-2に基づき、事務局から説明をお願いしたいのですが、資料はお手元にそろっていらっしゃいますよね。大丈夫でしょうか。
そうであれば、事務局さん、説明をよろしくお願いいたします。
【五反田温泉地保護利用推進室室長補佐】
参考資料2を御覧いただければと思います。「『温泉資源の保護に関するガイドライン』の概要」という紙でございます。
温泉資源の保護に関するガイドラインは、平成19年に中央環境審議会温泉小委員会の答申を踏まえ、都道府県における温泉の掘削等の不許可事由の判断基準等について一定の考え方を示すとともに、許可等の基準となる条例・要綱を定めるに当たって参考にできる総合的なガイドラインとして平成21年に作成されたものでございます。
具体的な内容としましては、掘削等の原則禁止区域の設定の方法の考え方、動力の装置に当たっての温泉資源への影響調査の実施方法、温泉資源保護のためのモニタリングの重要性やモニタリングの実施方法、温泉の掘削許可申請における不許可事由である公益侵害の範囲の類型、その他について記載しているところでございます。
資料1-2を御覧いただければと思います。
1ページ目、温泉資源の保護に関するガイドラインの改訂経緯についてまとめております。
「背景」につきましては、先ほど御報告申し上げましたとおり、平成21年にガイドラインを作成したところでございます。また、5年をめどに点検・見直しをすることとされており、これまで、平成26年、令和2年に改訂をしてきたところでございます。今般、前回の改訂から5年が経過したことから、専門家による検討会において検討を行い、必要な改訂を行うといったものでございます。
2つ目のポツ、「改訂に向けた検討の視点」につきましては、昨年9月に開催された前々回の温泉小委においてお示しした、最新の科学的知見や具体的な取組事例を盛り込むとともに、現に事務処理の現場で問題になっている部分を詳述することで、都道府県担当者の参考資料として使いやすいものとするとの視点で点検をしてまいりました。
「改訂スケジュール」としましては、3ポツにございますとおり、令和6年、昨年の4月から都道府県に対するアンケート調査や有識者へのヒアリングを実施し、改訂に向けた論点等について調査を行ってまいりました。また、昨年9月には温泉小委員会で改訂の進め方について御説明し、今年の2月に開催された前回の温泉小委において、都道府県アンケートの結果や有識者ヒアリングから出た改訂の論点を御説明し、整理させていただきました。年度が替わりまして今年の7月から、専門的な検討を行うため、温泉資源保護ガイドライン検討会を立ち上げまして、3回にわたり議論をいただきました。
3ページ目を御覧いただければと思います。
こちらが、ガイドラインについて総点検を行うとともに、新たに盛り込むべき事項や、観測・調査・解析方法等についての専門的検討を行うものとして、7名の委員と1名のオブザーバーに参画いただき、御検討いただきました。
座長には、平成21年のガイドライン策定時から検討委員として加わっていただいておりました、神奈川県温泉地学研究所専門研究員である板寺一洋委員に御就任いただきまして、地下水、地質、法律、地方自治体の専門家の方々に検討会に御参画いただき、御議論いただきました。本日小委員会に御出席いただいております交告先生や、鈴木秀和先生にも御検討に御参画いただきました。ありがとうございました。
こちらの検討会で7月から改訂案を議論いただき、第2回の検討会後には都道府県に対して改訂案に対する意見照会を実施し、都道府県の御意見等を反映したものを10月の検討会で再び御議論いただき、取りまとめたものでございます。その後、10月29日から11月27日にかけてパブリックコメントを実施し、それらの御意見を踏まえた改訂案を本日の小委員会にお示ししたところでございます。
本日の小委員会での御意見を踏まえまして、年内に改訂版を取りまとめ、都道府県に対して、地方自治法第245条の4第1の規定に基づく技術的助言として通知したいと考えているところでございます。
2ページ目にお戻りいただけますでしょうか。ここからは、資料1-1と1-2を併用して御説明いたします。今回のガイドライン(案)の改訂のポイントになります。
今回のガイドラインにおいては、「改訂に向けた検討の視点」にある具体的な取組事例を多く盛り込むことや、現に事務処理の現場で問題となっている部分を詳述することを旨に、参考事例の追加、参考情報の充実、都道府県からの意見を踏まえた記載の追加をしてございます。
参考事例の追加については、1つ目、温泉モニタリング等の科学的知見に基づく新たな保護地区の設定事例を追加しました。
資料1-1の11ページを御覧いただければと思います。都道府県による掘削等の原則禁止区域を新たに設定・拡大するに当たっては、長期的に蓄積されたモニタリングデータに基づき、5年程度の期間にわたる段階的な調査と検討が行われてきています。その具体的な事例として、今回、北海道と大分県の事例を別紙1として加えてございます。
資料1-1の赤字になっているところが前回のガイドラインから更新をかけて修正をしているところでございます。そういった関係で資料1-1を御覧いただければと思っております。
資料1-1の12ページを御覧いただければと思います。こちらで別紙1の事例の概要を記載しているところでございます。北海道の事例におきましては、北海道及び北海道立総合研究機構が平成28年から実施している水位モニタリングや水質分析等により、複数の源泉での水位の低下や、源泉間での水位の連動が確認され、同じ帯水層から温泉を汲み上げており、温泉資源が衰退傾向にあることが明らかになりました。このため、北海道環境審議会において審議が行われ、科学的データに基づく区域の設定により、令和2年10月に新たに保護地域と準保護地域が指定され、令和3年9月から施行されているところでございます。
また、大分県別府市では、温泉の温度低下や掘削深度の増加、噴気・沸騰泉の減少などが確認されていたところでございます。平成30年度から令和2年度にかけまして、大分県と別府市が共同して、別府市内の全源泉を対象に温泉資源量調査を実施し、温泉資源量の将来予測を行った結果、温度の低下が予測されました。このため、大分県環境審議会温泉部会において審議の上、熱水の流動経路を考慮し、既存源泉への影響が大きい2つの区域について、令和4年4月に、新規の温泉掘削を認めない「特別保護地域」として指定をしています。
両事例ともに、モニタリングの開始から5年程度の期間を要しております。温泉の水位や温度の低下等の現象に迅速に対応するためにも、日頃からモニタリングを実施し、長期的なデータを蓄積していくことが望まれますということを御紹介する意図で、別紙1に2つの事例を追加してございます。45ページから、別紙1のそれぞれの事例について詳述をしているところでございます。
資料1-2の2ページにお戻りいただければと思います。参考事例の追加の2点目としましては、源泉所有者や温泉利用者等の多様な主体による温泉モニタリングの取組事例を追加しております。
資料1-1の26ページを御覧いただければと思います。「第四 温泉資源保護のためのモニタリング」のパートでは、モニタリングの重要性について記載をしているところでございます。モニタリングデータは、地域の温泉資源の状況を把握し、過剰な揚湯を抑制し、その保護を図る上極めて重要なデータであるといったことが書いてございます。
また、既存源泉所有者等にとっては、モニタリングを通じて源泉の健全性の確認や井戸の適切な維持・管理が可能となることや、温泉掘削等により所有源泉において影響が生じたときの科学的な根拠となる貴重なデータでありますので、モニタリングを行うことを基本とすること、モニタリング機器も温度計・流量計・水位計の3点を10数万円から購入できるといったこともありまして、取り組みやすくなっている状況や、モニタリングデータを長期的に収集し、蓄積することが望ましいといったことを記載してございます。
28ページを御覧いただければと思います。モニタリングの結果につきましても、その結果を積み重ねることによりまして、都道府県が掘削等の拒否の判断や、掘削等の原則禁止区域の範囲や距離規制の設定を見直すことに活用すべきであるとの考え方を追記しているところでございます。
また、行政のみならず、源泉所有者自らがモニタリングを行い、その結果に基づいて温泉資源保護に資するような管理が望まれる中、源泉所有者が主体となったモニタリングの事例と、源泉所有者以外の多様な主体が行うモニタリングの事例を今回追加しております。
29ページのコラムに事例の概要を記載しております。山形県肘折温泉では、周辺で高温岩体発電の実証実験が開始されたことを契機としまして、平成3年から肘折温泉組合がモニタリングを開始いたしました。月1回のモニタリングでは、源泉所有者が温泉使用量との比較を行い、温泉掘削業者や調査会社の協力を受け、測定精度の向上に努めているところでございます。また、開発事業者がモニタリングに同行し、同じデータを利害関係者間で共有することで、温泉への影響回避のための具体的な対応が可能となっている。肘折温泉組合では、担い手の育成をすることによってモニタリング体制が維持されて、30年以上の長期にわたりデータが蓄積されているといった事例になってございます。
大分県の別府温泉では、平成28年から市民参加型の「せーので測ろう!別府市全域温泉一斉調査」を毎年実施しています。この調査は、市民や温泉愛好家等の別府温泉の利用者が温泉調査を体験していただき、資源としての温泉を考えてもらう機会をつくることを目的として実施されております。また、一斉調査で得られたデータにつきましては、基礎的な情報を提供することを目的としてウェブサイト上で公開をされているものでございます。これらの事例の詳細は、98ページからの別紙9に記載されているところでございます。
再び、資料1-1の2ページ目にお戻りいただければと思います。参考事例として追加したものの3点目といたしましては、調査事例が少ない大深度掘削泉におけるモニタリング事例を追加してございます。
資料1-1の34ページを御覧いただければと思います。「第六 その他」、「大深度掘削泉について」の(1)大深度掘削泉の資源的特性といったところで、大深度掘削泉についてはこのガイドラインでおおむね1,000メートル以上の掘削を行っている源泉について大深度掘削泉としているところでございます。大深度掘削泉に特化した調査事例というものの情報が少なく、大深度掘削泉では、掘削後数年で湧出量や泉質等の状況が大きく変化するという事例が報告されてきているところではございますが、まだまだ調査事例が少ないといったところでございます。
122ページを御覧いただければと思います。今回新たに、神奈川県の掘削深度1,000~1,200メートルの大深度掘削泉の温度等を昭和62年(1987年)から令和4年(2022年)まで経年的な変化を調査した事例がありましたので、事例として今回追加をしているところでございます。
こちらの事例につきましては、49源泉中33の源泉の温度が低下傾向にあったことや、動力装置許可申請以前には25℃以上であった47の源泉のうち、16の源泉が直近のデータでは25℃を下回っていたこと、さらに、そのうち9源泉については動力許可の行われた日から5年以内に25℃を下回っていたことがモニタリングデータから分かっているといった事例になっています。
井戸内の源泉構造物の劣化などによりまして井戸の障害が起きて、低温の水が浸入することにより泉温の低下が起きている可能性も含めて検討する必要があるところではございますけれども、このような場合になければ、温泉の枯渇化が進行していると言えるのではないか、今後の推移を注視する必要があることを示す内容となっているところでございます。
資料1-2の2ページにお戻りいただければと思います。参考事例の追加の4点目といたしましては、一般的な揚湯試験の実施が困難な状況に対応する揚湯試験方法を今回追加しております。
再び、資料1-1の125ページを御覧いただければと思います。別紙14では、揚湯試験の事例を掲載してございます。125ページ目の事例につきましては、揚湯試験を実施する場合の一般的な事例でございます。
127ページに行きますと、揚湯することにより水位が上昇するような特殊な事例を掲載しているところでございます。
128ページでは、湧出量が少なく、通常の揚湯試験の実施が困難な場合について、これまでガイドラインに紹介をさせていただいたところでございます。
こちらに加えまして、131ページからは、源泉が高温であったり、井戸の口径が細いことで通常の揚湯試験の実施ができない場合に用いられるエアリフト揚湯による試験の方法について追記をしているものでございます。
今回参考事例として、大きくこの4点の事例を追加してところでございます。
再び、資料1-2の2ページ目にお戻りいただければと思います。都道府県の担当者の参考資料としてより使いやすいものにするためという観点から、参考情報の充実化を図ってございます。2ポツの「参考情報の充実」というところでございます。
1点目としましては、温泉の湧出機構のイメージ図の更新、地下水の基本概念図を追加してございます。
資料1-1の135ページを御覧いただければと思います。例えば、都道府県で初めて温泉を担当することになった方などに向けまして、教科書的な内容にはなりますけれども、温泉の起源や湧出機構、成り立ちなどについての解説を記載しているところでございます。また、温泉の湧出機構が火山性温泉と非火山性温泉に大別できる中、それぞれの特徴や注意すべき点についての記載内容を充実化させてございます。
また、地下水につきましても基本概念図を追加し、地下の地層により圧力を受けている被圧水と、比較的浅い地層の上に存在し、水圧と大気圧とか等しい状態にある不圧水の特徴と注意すべき事項について記載内容を充実化させたところでございます。
資料1-2の2ページ目にお戻りいただければと思います。参考情報の充実の2点目といたしまして、源泉の最大汲み上げ可能な量、安定的に汲み上げられる量、動力申請者が施設運営のために必要とする揚湯量との関係性について、情報の充実化をしています。
資料1-1の140ページを御覧いただければと思います。今回追加をしているのがこちらのイメージ図でございますけれども、動力ポンプを設置し、温泉を汲み上げるに当たっては、資源の枯渇や周辺源泉への影響を調べるために、その井戸で汲み上げることができる量を推定し、そこから安定的に採取することができる量を推定する調査を実施することになります。その井戸で汲み上げることができる最大の量を「限界揚湯量」と呼んでおりますけれども、これは段階揚湯試験で求めることができます。
次に、持続的に安定して採取可能な温泉の量を「適正揚湯量」と呼んでおりますけれども、一般的には先ほど申し上げた、温泉の井戸で汲み上げることができる最大の量「限界揚湯量」に80%程度の安全率を見込んだ量が適正揚湯量として算出されているところでございます。動力申請では、適正揚湯量が許可揚湯量の判断基準とされているところが多いところでございます。
また、事業者等は、汲み上げた温泉を施設等の運営のために必要となる揚湯量をはじき出しているところでございますけれども、そこで計画されている採取の量は持続的に安定して採取ができる適正揚湯量以下である必要があるために、限界揚湯量、適正揚湯量、計画採取量との関係性のイメージをこちらの図で表しているものでございます。
再び、資料1-2の2ページ目に戻りいただければと思います。参考情報の充実の3点目といたしまして、持続的に安定して採取可能な温泉の量を検討するための揚湯試験結果の関係図について、5つのタイプと関係図の解釈を追加しました。
資料1-1、80ページを御覧いただければと思います。先ほど御説明申し上げました適正揚湯量、持続的に安定して採取可能な温泉の量を検討するに当たり、段階揚湯試験の結果である各段階の揚湯量と水位降下量の関係を縦軸、横軸に並べて検討するという方法がございます。
図1を御覧いただければと思いますが、5段階の揚湯試験を実施し、大体その量を増やしていくということが一般的かと思うのですけれども、5段階の第1段階での揚湯量と水位降下量をこの検討図の中にプロットします。第2段階として、揚湯量を増やして実施したところと水位降下量をまた新たにプロットしていく。第3段階、第4段階、第5段階とそれぞれ揚湯量を増やして実施し、そのときの水位降下量をそれぞれプロットしていく。それぞれプロットされた点を直線で結ぶと、図1では第3段階から第4段階にかけての直線の傾きが45°以上に折れ曲がっているところがございますので、そこを変曲点として限界揚湯量として設定しようというものがこちらの関係図から読み取れるところでございます。この限界揚湯量に安全率80%を乗じた数が適正揚湯量といった形で算出されているというものでございます。
この段階揚湯試験の結果、様々なパターンで変曲点が出てくる可能性がございますので、今回は5つのパターンにまとめまして、それぞれのパターンでの読み取り方、解釈を新たに追加させていただいたところでございます。
再び、資料1-2の2ページ目をお願いいたします。参考情報の充実の4点目といたしまして、適切な動力ポンプを選定するために使用されるポンプ性能曲線の見方を今回追加してございます。
資料1-1の144ページを御覧いただければと思います。今回、「ポンプ性能曲線」の用語説明に加えまして、ポンプ性能曲線の見方のイメージ図を145ページに追加をしてございます。
145ページの図には、揚湯量と全揚程の交点と全揚程の曲線との関係を見て適正なポンプの選定を行う検討方法を示してございます。実際に、揚湯量と全揚程の交点①というところを御覧いただきたいと思いますが、全揚程曲線のポンプ1の曲線の上にある黒い実線になりますけれども、その内側に位置するところに①がございます。この状態であれば、ポンプ1が適正なポンプであるという考え方ができます。逆に、②が大分低いところにあると思いますけれども、②の位置になりますと、ポンプ1の全揚程の曲線からかなり下にあることになりますので、全揚程(ポンプ2)の出力のほうが適正なのではないかということがこのポンプ性能曲線から読み取れるところでございます。
一方で、③のポイントは、ポンプ性能曲線の①よりも外側にありますので、ポンプ性能曲線の範囲内に収まっていないということが判断できるので、これも、より出力の大きなポンプを検討しなければならないのではないか、そういったことを考え方のイメージ図として今回追加をしております。
資料1-2の2ページにお戻りいただければと思います。参考情報の充実の5点目といたしましては、温泉井戸の基本的な構造と温泉井戸に起こる障害のイメージを追加いたしました。
資料1-1の140ページと141ページを御覧いただければと思います。左側に、温泉の掘削完了時において一般的にこういう構造になっているだろうという井戸の構造図を載せてございます。ケーシング管、セメンチング、遮水パッカーなど、温泉井戸内を構成する源泉構造物がありますので、そういったものの役割等について記載を追加しているものでございます。
また、井戸内の構造物が劣化することによって、浅い層の低温・低濃度の水が井戸内に浸入し、泉温の低下等を招くことがあるために、井戸内で起こる障害のイメージを「障害1:地下水の浸入」、「障害2:孔底埋没・目詰まり」といった事例を、解説を添えて追加をしているものでございます。
資料1-2の2ページ目に戻っていただければと思います。参考情報の充実の6点目といたしましては、事業性が高い温泉発電を実施するための条件や、稼働状況等の把握の重要性といったものを追記してございます。
資料1-1の38ページを御覧いただければと思います。近年の温泉利用形態の一つとして温泉発電があることについては、これまでガイドラインの中で記載しているところでございますけれども、前回の小委員会におきまして、温泉発電について、今の技術レベルで必要となる源泉の温度や量について、それに加えまして、冷たい熱源が必要になるといったことを記載してはどうかとの御指摘をいただいたところでございます。
そのため、現在のJOGMECが作成しました「平成25年度小規模地熱発電のうち温泉発電導入促進のための手引書」から、経済性のある温泉発電所が可能な条件として記載されている、高温で十分な量の熱水が得られること(80℃以上、300L/分以上)、2つ目として、十分な量の冷却水があることなどの情報を追記しております。
また、温泉発電を持続的に利用するためには、発電開始後の連続的な揚湯による温泉資源の状況をモニタリングすることや、温泉スケールの付着により発電機が故障する可能性もありますので、定期的なメンテナンス等が重要であるといったことも今回追記をしてございます。
さらに、温泉資源の保護の観点からも、必要に応じて都道府県は小規模温泉発電に関する知見に加えまして、導入状況や稼働状況等についても把握することが重要であるということを追記しております。
資料1-2の2ページにお戻りいただければと思います。参考情報の充実の7点目といたしましては、掘削等の許可申請や動力装置の許可申請に関連して、よく出てくる温泉に関する基礎的な用語を追記してございます。
資料1-1の137ページ以降を御覧いただければと思います。137ページの「温泉用語集」以降、今回、19語ほど新たに用語を追加しております。例えば、138ページに、「温泉探査」について様々な方法と特徴を簡潔に記載しております。142ページには、「動力」について、エアリフト、水中ポンプという様々な動力を4種類ほど追記したところでございます。143ページには、掘削中、温泉が暴噴するのを防ぐBOP、噴出防止措置の役割等についての用語の解説を追記しているところでございます。
資料1-2の2ページにお戻りいただければと思います。都道府県からの意見を踏まえた記載の追加につきましては、1点目として、可燃性天然ガスの噴出のおそれの判断を参考となる文献や考え方を書いていただきたいと。2点目としては、未利用源泉における指導の在り方についての記載を追加しているところでございます。
資料1-1の20ページを御覧いただければと思います。可燃性天然ガスの噴出のおそれの有無につきましては、こちらのコラム、「掘削時における安全性の確保」の3つ目の段落、「なお」以下におきまして、「日本油田・ガス田」の分布図や、周辺既存源泉の可燃性天然ガスの測定結果、近隣地域でのガス噴出事例等を参考にすることが考えられるといったことで、文献と考え方を整理しているところでございます。
また、36ページをお願いできればと思います。未利用源泉における指導の在り方につきましては、都道府県は、未利用放流源泉の成分や放流状況等を適切に把握することが望ましいこと、自治体と源泉所有者が連携して温泉熱や源泉モニタリングの観測井として活用することなど、地域において有効活用していくことが大切であるとの考え方を追記してございます。
また、前回の小委員会でいただきました御指摘と対応につきましても御説明をさせていただきます。参考資料3を御覧いただければと思います。こちらは、ガイドラインの項目ごとに整理をしております。
1ページ目の「第ニ 掘削等の原則禁止区域の設定、既存源泉からの距離規制、温泉の採取量に関する取扱い」の関係でいただいた御指摘のうち、1つ目、科学的に不正確なデータに基づく申請を適正に審査できるよう、審議会の委員にその分野の専門家がいない場合には、別途専門家の意見を聞いたり、オブザーバーとして審議会に参画してもらうといったことを追記できないかとの御指摘をいただきました。
資料1-1、13ページ目を御覧いただければと思います。13ページ目のコラムに、「審議会等における専門技術的な判断のための専門家の活用」を新設しまして、「掘削許可の審議に当たり、専門技術的な資料を審査する必要がある場合には、必要に応じて有識者から意見を聴取するといった方法も考えられます」といったことを追加してございます。
参考資料3の委員からいただいた御指摘の2点目でございます。掘削時の安全を確保するため、被圧層を掘る場合にはBOPをつけて泥水をコントロールすることや、逸泥時の対策を行う必要があることを追記してはどうかとの御指摘をいただいたところでございます。
こちらにつきましては、資料1-1の20ページ、こちらもコラムでございますが、「掘削時における安全性の確保」というコラムを新設いたしまして、適切なスペックのBOP、噴出防止装置の設置や選定方法についての考え方を追加しているところでございます。
参考資料3の委員の御指摘の3点目に参ります。「第三 個別的許可判断のための影響調査等」についての関係になりますが、3つ目といたしまして、段階揚程試験について、揚湯量と水位降下量の関係図には、様々なパターンがあるので、理想的な図だけガイドラインに載せるのではなく、いろいろな事例と解釈を記載できないかとの御指摘をいただいたところでございます。
こちらについては既に御説明をさせていただいたとおり、資料1-1の70ページに、5つのパターンとそれぞれ解釈方法に関する解説を追記しております。
参考資料3の4つ目の御指摘になります。「第六 その他」の関係になります。未利用源泉を有効活用する観点から、未利用源泉を利用することにより、コストの削減、二酸化炭素の削減にもつながるといったポジティブなメッセージを記載してはどうかとの御指摘をいただいたところでございます。
資料1-1の136ページを御覧いただければと思います。2ポツの未利用源泉において、地域資源である未利用源泉の温泉熱を有効活用することで、二酸化炭素排出量の削減による環境効果、光熱水費の削減による経済効果、地域活性化等への貢献が期待されると、未利用源泉の有効活用の必要性や考え方について追記をしているところでございます。
前回の御指摘の5つ目になりますが、バイナリー発電については、今の技術レベルで必要となる源泉の温度に加えて、温泉量や冷熱源が必要であることについて記載をしてはどうかとの御指摘をいただいたところでございます。こちらにつきましては先ほど御説明したとおりですので、割愛をさせていただきます。
参考資料3、委員からいただいた御指摘の最後になります。「参考資料(温泉の基礎知識、温泉用語集)」関係では、掘削申請時に添付されているMT法の調査結果が、地下の探査方法をよく知らない事業者によって作成されていたケースがあったが、そういうことを防ぐために何か盛り込めないかとの御指摘をいただいたところでございます。
こちらにつきましては、先ほど御説明申し上げましたとおり、温泉用語集に「温泉探査」を加えまして、MT法を含む「電磁探査」に関する基礎情報を追記しております。
このような形で、前回委員の皆様から御指摘いただきました点については反映したところでございます。
最後に、ガイドラインの改訂案に対しましてパブリックコメントを実施いたしました。そのパブリックコメントの実施結果についても御報告いたします。参考資料4を御覧いただければと思います。
パブリックコメントにつきましては、10月29日から11月27日まで実施いたしまして、1件の御意見をいただきました。いただいた御意見につきましては、裏面の別紙に記載しているところでございます。
改訂に当たり、制度と現場、制度と科学、制度と暮らしの接続を重視した設計を強く望むこと、モニタリングは資源の変化を早期に把握するための基盤であり、揚湯試験は適正な揚湯量の科学的判断に不可欠であること、エアリフト揚程など、測定困難な事例に対処する方法の提示や、肘折温泉のように開発事業者と住民がモニタリングデータを共有し、信頼性と透明性を高めた事例は好例であること、温泉資源は地域の共有財産として掘削深度や涵養性に応じた制度的管理が必要であることなど、大変貴重な御意見をいただいたところでございます。
いただいた御意見を踏まえまして、温泉は国民共有の資源であるとの観点に立ちまして、今後の温泉行政の推進に当たっての参考とさせていただきたいと考えているところでございます。
形式的な面で申し上げますと、現行のガイドラインが102ページで構成されているところ、事例等の追加、情報の充実化に伴いまして147ページと、今回45ページ、ボリュームが増えているところでございます。
説明が長くなってしまいまして誠に恐縮ではございますが、私からの御説明は以上となります。どうぞよろしくお願いいたします。
【滝沢小委員長】
事務局さん、長々と詳細な御説明をどうもありがとうございました。
それでは、今の議題(1)の説明について御質問、御意見等をお願いいたします。
皆様にお願いしたいのが、会場にお集まりの委員の皆様におかれましては、質問がある場合は挙手をお願いいたします。リモート参加の委員の皆様におかれましては、ウェブ画面上の参加者リストの御自身のお名前の横に表示されている挙手ボタンにて挙手の表示をお願いいたします。
非常に長い説明ではあったのですが、前回の中間審で出された意見とか検討会のほうで新たに出された意見等を事務局と検討会の皆様に詳細にもんでいただきましたので、それに応じてボリュームがかなり増えておりますが、委員の皆様、御質問とか御意見がありましたらぜひ頂戴いただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
非常に専門的なところもありますし、内容も盛りだくさんなのですが、先ほど事務局からも説明いただきましたが、参考資料4にパブリックコメントの結果がありまして、こちらでも非常に好意的な御意見をいただいておりますし、内容に関しましても、私の個人的な意見といたしましては、各都道府県から私どもの財団にいろいろと質問等をお寄せいただいているのですが、そういった内容を非常によく拾っていただけたのと、実揚程の説明とかポンプの設定の方法は、実は各都道府県の担当者が非常に悩むところではあるのですが、この部分は非常に分かりやすく御説明いただいております。
また、前と違うのが、ほかのガイドラインではあまり事例がないと思うのですが、こういった事例とかコラムというものを出していただきまして、そんなことを言ったら失礼なのですが、各都道府県の担当者が気軽に見ていただけるという形で、レイアウト的なものも非常に工夫されて、いいものになったのではないかなと思っております。
この辺、実際に検討会の中で各委員の先生方から非常に前向きで、しかも有益な御意見をいただきまして、事務局のほうもいただいた御意見に関して追加調査などをかなり細かくやっていただきましたので、ここまでしっかりしたものがまとまったのかなと私のほうで思っております。
御意見等はございますでしょうか。
特に御意見はないようですが、それだけ事務局のほうでしっかりとやっていただけたということだと思っております。
実際に検討会のほうに参加されました本日御出席されています交告委員から、御議論に参加された所感であるとか、今あった説明等に追加の補足などがございましたら御意見をいただけないでしょうか。どうぞよろしくお願いいたします。
【交告委員】
追加の補足はございませんけれども、温泉はとにかく不確実な部分が多いのですけれども、その点に対して、板寺座長をはじめ、モニタリングの重要性を強調されまして、それがこのガイドラインに反映されているところが非常に優れたところであろうと思います。
温泉は、地域によってもいろいろ特色があるようでありまして、なかなか一筋縄にはいかないので、やはりデータの集積が重要であるということですが、地方公共団体によって割ける人員と既存の知識の量が違いますので、これからこれにのっとってできるだけデータを蓄積していただいて、今後の温泉行政の一つの素材をつくっていただければいいかなと思います。
以上です。
【滝沢小委員長】
交告先生、どうもありがとうございました。
先ほど交告先生からも、今後データの蓄積等が大事だというお話をいただいたのですが、検討会にオブザーバーとして参加されました、実際に行政の立場の迫田様から何か一言御意見をいただければと思うのですが、いかがでしょうか。
【迫田委員】
鹿児島県の迫田でございます。よろしくお願いします。
検討会のほうは業務の関係でなかなか参加できなかったのですけれども、今回、ガイドラインの改訂の内容を拝見いたしまして、我々が種々の申請をいただく中で、それぞれで状況が地域で異なるというのもございます。実際、地下のことは分からないのですけれども、これまでのデータとかそういったものはやはり大事なのかなと。そういう蓄積は今後できる限りしていかないといけないというのを改めて感じたところです。
また、今回改訂されましたところで言いますと、様々な参考事例を追加していただいております。こういったものは、申請に基づいて県の審議会に諮問をするわけですけれども、事前に我々も十分理解しておかないといけないというのは当然で、委員の先生方に十分に説明しないといけないといった中で、基礎的な知識はもちろんですけれども、こういった追加していただいた事例なども大変参考になると感じたところであります。
以上です。
【滝沢小委員長】
迫田委員、ありがとうございました。
それでは、特に問題点等はないということと、皆様から非常に前向きに評価いただきましたので、今後、このガイドライン改訂案についてこのまま了承いただくということで、この場の皆さんの御意見を締めたいと思うのですが、特に御異論はございませんでしょうか。
(首肯する委員あり)
【滝沢小委員長】
それでは、皆様に御了承いただいたということで、このガイドライン改訂案に基づいて、今後、各都道府県の皆様への配布等を進めてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。
議事次第に従いましてすぐに議事(2)のほうへ行ってもいいのですが、実は事務局に相当説明をいただきまして負担をかけてしまいましたので、ここで5分ほど休憩を取らせていただいてもよろしいでしょうか。大丈夫ですか。
事務局さんのほうは大丈夫ということですので、そのまま議題(2)へ移らせていただきます。事務局さん、御負担をおかけします。
それでは、続きまして議題(2)について、報告事項となりますが、事務局より説明をよろしくお願いいたします。
【今別府温泉地保護利用推進室係長】
「国民保養温泉地の区域の変更について」というところで、私、今別府から御説明をいたします。
資料2を御覧ください。
先生方は大変詳しいかと思いますが、国民保養温泉地については、温泉法第29条に基づき、温泉の公共的利用増進のため、国民の保健休養に重要な役割を果たす温泉地を環境大臣が指定しているものでございます。
本制度につきましては、昭和23年の温泉法制定当時、国民の保健休養に重要な役割を温泉が果たすということで、健全な発展のために、歓楽地化を防ぎ、休養の場として役割が十分果たされるよう育成しようという趣旨で設けられたところでございます。
その趣旨に沿いまして、まず昭和27年に旧選定基準を定め、昭和29年に酸ヶ湯、四万、奥日光湯元を指定して以降、現在79の温泉地を国民保養温泉地として指定させていただいているところでございます。
なお、近年の旅行形態の多様化や温泉地を巡る情勢の変化など、温泉利用者のニーズ等が大きく変化しているところではございますけれども、その実態に即した制度運用を行うため、平成24年に、資料の1ページ目の左下に記載しているところでございますが、新基準を定めておりまして、現在はこちらに基づいて運用しているところでございます。
また、国民保養温泉地については、温泉法施行規則第21条の規定に基づき、温泉地計画を策定することになっております。こちらは、平成24年の新基準を策定した際に、原則として5年ごとの見直しを行うこととしております。
近年の新規指定・区域拡充の状況としては、資料1ページ目の右下の表のとおりでございます。直近では、令和4年度に山形県鶴岡市の由良温泉と熊本県水俣市の湯の児・湯の鶴温泉を国民保養温泉地として新規指定しております。
2ページ目を御覧ください。
こちらは、現在指定している79の温泉地を一覧にしているものでございます。その中で、今回、令和7年12月1日付で赤字にしておりますニセコ温泉郷の区域拡充を行いましたので、その内容について御報告いたします。
3ページ目を御覧ください。
まず、ニセコ温泉郷の概要を御説明いたします。ニセコ温泉郷は、ニセコ積丹小樽海岸国定公園内にございまして、ニセコ町と蘭越町にまたがって位置しているところでございます。右上の位置図を御覧いただきながらお聞きいただければと思いますが、まず、昭和33年11月に、昆布温泉、湯本温泉、五色温泉、新見温泉の4地区から成る国民保養温泉地として指定されました。今回はその4地区に加えまして、令和7年12月1日付でアンヌプリ温泉を加えて、現在は5つの地区から成る国民保養温泉地となっております。
ニセコ温泉郷の特徴といたしましては、ニセコ連山や羊蹄山といった美しい山々に囲まれた農山村でございまして、地域の中央には清流日本一の尻別川が流れ、豊富な水と寒暖差の大きい内陸性気候の特性を生かしまして、米やジャガイモなどの農産物を生産している地域でございます。
そして、その優れた自然環境を生かして、夏季は登山やサイクリング、トレッキング、冬季はスキーなど、一年を通してアクティビティが楽しめる地域でございまして、とりわけ国内有数の豪雪地帯であり、良質な雪が毎日のように降ることから「奇跡の場所」とも呼ばれ、国内外の観光客からも大変人気の地域となっております。また、五色温泉をはじめとする古くからの温泉宿も多く残る地域でございまして、ゆっくりと日本らしさも感じられる地域でございます。
ニセコ温泉郷の国民保養温泉地としての取組方針につきましては、資料の左下のほうに記載しております。それぞれの地区の特性や魅力を生かして利用者の保養に努めるとともに、住民はもとより国内外の観光客など様々な人と交流ができる温泉地を目指して、まず、温泉につかり、豊かな自然を楽しむアクティビティとの親和性を生かした利用促進、温泉療法医などの医学的立場からの温泉利用や健康管理を指導できる人員の配置・育成、温泉の公共的利用の増進と環境保全や文化伝承に配慮した情報発信や環境整備、町民を含む利用者の健康増進と観光客等との交流促進、また、多言語対応等の環境整備やマナー啓発など、外国人利用者も含め、誰もがストレスなく温泉を楽しみ、保養できる環境整備を取組方針として掲げているところでございます。
4ページ目を御覧ください。
今回拡充をさせていただきましたアンヌプリ地区の概要と拡充理由について御説明をいたします。
まず概要についてですが、アンヌプリ地区はニセコアンヌプリの南麓、ニセコ国際スキー場の麓に位置しており、こちらもニセコ積丹小樽海岸国定公園内にございます。夏は登山、秋は紅葉、冬はスキーなど、四季を通して優れた自然環境を生かしたアクティビティを提供する地域となっておりまして、1985年の開湯以来、温泉宿等の整備が行われて、温泉地が形成されてまいりました。現在に至って、温泉入浴施設を中心に地域と国内外の利用者が交流を深め、温泉地のにぎわいを生み出しているような温泉地であります。
温泉の状況といたしましては、3つの源泉がございまして、温度としては約50~49℃でありまして、それに伴って3つの温泉宿泊施設が整備されているところでございます。泉質は炭酸水素塩泉、塩化物泉でありまして、日帰り温泉としても利用可能な温泉宿泊施設もあるといった状況でございます。
アンヌプリ地区を今回ニセコ温泉郷の区域として拡充させていただきましたが、その理由について御説明いたします。先ほども申し上げましたが、アンヌプリ地区は1985年の開湯となっておりまして、昭和33年、1958年になりますが、その指定当時はまだ温泉がなかったというところ、開湯以来、温泉宿等の整備が行われ、温泉地が形成されてまいりました。
今般、5年ごとの温泉地計画の見直しをニセコ町が行う中で、アンヌプリ地区についてもほかの地区と同様に国民保養温泉地として一体となったさらなる利用促進を行いたいという意向が地域より出たことを契機に、アンヌプリ地区を加えた形で温泉地計画の見直し案の提出が環境省にございました。
そちらを環境省のほうで検討いたしましたところ、療養泉であること、利用する温泉の湧出量が豊富であることはもちろんのこと、先ほど1ページ目のところで国民保養温泉地の基準を記載いたしましたが、温泉地の環境等に関する条件を満たすことを確認することができましたし、また、ニセコアンヌプリ地区の優れた自然環境を生かして、保養地として様々な利用者の保健休養に資する温泉地となっていることから、ニセコ温泉郷の区域として令和7年12月1日付で拡充させていただいたところでございます。
以上で資料についての説明を終わります。
【滝沢小委員長】
事務局さん、ありがとうございました。
それでは、議題(2)の説明について、御質問、御意見等がありましたらお願いいたします。先ほどと同じように、会場にお集まりの委員の皆様におかれましては、御質問がある場合には挙手をお願いいたします。リモート参加の委員の皆様におかれましては、ウェブ画面上で参加者リストの御自身の名前の横に表示されている挙手ボタンにて挙手の表示をお願いいたします。どうぞよろしくお願いいたします。
特に御意見はないでしょうか。
私のほうからお聞きしたいのですけれども、本当に変な話なのですが、最近、ニセコ、ニセコとやたら言われて、ニセコとアンヌプリとか、倶知安とか、あの辺を一まとめにしてニセコというイメージを皆さんお持ちだと思うのですが、今回加えられたアンヌプリというのは、いわゆる海外リゾートの開発が今進んでいる倶知安町ではなくて、別のところということでよろしいのでしょうか。
【今別府温泉地保護利用推進室係長】
おっしゃるとおりでございます。
資料の3ページ目の位置図を見ていただければと思います。いわゆる報道等でニセコとして資源開発とかリゾート開発が進んでいるのは、倶知安町のほうのひらふ地域とかそういったところになってございまして、ニセコ町のアンヌプリ地区に関してはそういったところはなくて、ニセコ町内ですと温泉掘削は1年当たり1件から多くて3件程度だということで、掘削状況が集中するような状況にはないということを北海道のほうからは伺っております。
また、北海道のほうでもニセコ町を含む地域資源のモニタリングをきっちりされているそうで、資源管理についてもしっかりと努められているところでございます。現時点で、ニセコ町の資源量の低下という傾向は見られていないということでございました。
【滝沢小委員長】
ありがとうございます。
ですから、先ほどのガイドラインに盛んに取り上げられていた揚湯制限等をかけたり、保護地域を設定するという場所とはまた別の場所ということですね。ですから、あちらのニセコとは違っていて、国民保養温泉地たる温泉地ということで今回追加ということですね。分かりました。
ほかに何か御意見はございますでしょうか。ウェブ参加の方もよろしいでしょうか。
では、こちらの報告事項に関しては了承させていただきました。
議事次第に従って、この後、(3)「その他」に移りたいと思います。「その他」について、事務局から御説明をよろしくお願いいたします。
【村上温泉地保護利用推進室長】
環境省の温泉室の村上でございます。
資料3の「『温泉文化』のユネスコ無形文化遺産への提案の決定について」の御説明いたします。
「温泉文化」のユネスコ無形文化遺産への登録につきましては、これまで温泉関係団体や都道府県の知事の会等において活発に活動されてきたところでございます。今年の7月に大きな動きがございまして、温泉団体や知事の会のほうで設置されました有識者検討会におきまして、「温泉文化」の定義、担い手、保護措置等が取りまとめられております。
また、同じく7月に、「温泉文化」の担い手となる全国組織として「温泉文化」国民会議が設置されまして、こちらの会長に元文化庁長官の青柳正規先生が御就任されておりまして、事務局として全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会のほうで事務局を務められているという状況になっております。
こうした動きを踏まえまして、本年11月28日に、文化庁の文化審議会無形文化遺産部会におきまして、令和7年度のユネスコ無形文化遺産への提案候補として「神楽」と「温泉文化」が選定されたところでございます。
また、同日に、無形文化遺産保護条約関係省庁連絡会議、こちらは外務省が事務局で、文化庁や観光庁、環境省からも参加しておりますが、こちらにおいて提案案件として了承されたという状況でございます。
今後の見通しでございますが、ユネスコ無形文化遺産の我が国の新規提案案件の審査は、現在実質2年に1件となっております。文化審議会のほうで審査の優先順位としましては、「神楽」、「温泉文化」の順とされておりますので、「温泉文化」は2030年12月の審議となる可能性が高いと文化庁から聞いておるところでございます。
下のほうに「温泉文化」の概要がございます。簡単に御紹介させていただきます。
提案案件の名称が「温泉文化」、担い手となる全国組織が先ほど御紹介した「温泉文化」国民会議になっております。
右の「提案案件の内容」のところに、「温泉文化」の定義が整理されております。「温泉文化」の定義につきましては、「自然の恵みである温泉につかり、心と体を癒す」という日本人に根づいている社会的慣習と整理されております。また、温泉を対象とした祭り・神事、あるいは伝統的な入浴方法、こういったところも含めて「温泉文化」という形で整理をされているところでございます。
多くの温泉地において人口減少・高齢化が進んできて、温泉地の方々が非常に御苦労されている状況がございますが、この「温泉文化」の取組はそういった温泉関係者の方々を勇気づける取組ではないかなと考えております。
環境省としましては、今後の登録に向けて関係省庁と一体となりまして機運の醸成等に努めてまいりたいと考えております。
説明は以上となります。
【滝沢小委員長】
どうもありがとうございました。
ただいまの御説明について御発言がありましたらよろしくお願いいたします。先ほどと同じように、会場の皆様には挙手をいただいて、ウェブで御参加の委員の皆様は、もし御意見ございましたら挙手ボタンのほうで御意見、御質問をよろしくお願いいたします。
星委員、よろしくお願いいたします。
【星委員】
日本温泉協会から参加させていただいている星と申します。よろしくお願いします。日本温泉協会のほうへも、実は日本秘湯を守る会というところの代表として参画をしているところでございます。
日本温泉協会、お宿のほうも、当然温泉宿の集まりですので温泉がないと商売にならない。そして、秘湯を守る会となると、なお一層温泉がなくなってしまうと山にいる理由そのものがなくなってしまうという、まさに、「温泉資源の保護に関するガイドライン」とともに、その土地土地の温泉の入り方、温泉の在り方、宿の在り方を通して温泉の山岳文化を守っているというところからして、今回の「温泉文化」がユネスコの無形文化遺産の登録へ一歩二歩と近づいているというお話をお伺いして、誠にありがたい話だなと感じております。
と申しますのも、皆様御案内のとおり、温泉というものはいろいろな省庁にまたがって存在しているという経緯があります。中でも地熱関係のほうは、我々の仲間の宿でも大変深刻な状況に陥っていることもありまして、ぜひ「温泉文化」のユネスコ無形文化財遺産への登録を機に、いろいろな方面からの温泉の価値、温泉のこと、そういったものを共通認識として、もっと学びを深め合える、そういった契機にしていただけると本当にありがたいなと思うところであります。
そういった点で、我々も、先ほど来お話のあるモニタリングも、自分で自分を守らなくてはいけないといった見地から、温泉協会のほうでも、ましてや秘湯を守る会のほうでも、協会員、会員のほうに、とにかく自分のことを自分で守らなくてはいけないのだから、モニタリングを一生懸命やろうよ、毎日ではなくていいのだ、1か月に1回でもいいのだというような形で、役員一同、お話をしているわけですけれども、何分にも、先ほどちょっとお話しいただいた山の宿の人員不足に関しましては大変深刻さを深めておりまして、温泉のそういった5分、10分の手間すらなかなか行き届かない。先月はできたけれども、今月はできなかった、そう言っているうちに来月も忘れてしまった、そういう現実があります。特に私ども秘湯を守る会では、各支部に委員まで置いて、各宿にちゃんとやってくれよと言っていても、なかなか全員そろわないというのが現実であります。
とは言いましても、今日の「温泉資源の保護に関するガイドライン」の中で計測機器も最近は安価になってきているということもございましたので、そういった点では、各所属する会のほうで、あるいは地域のほうで、少しずつでも金銭的な面でバックアップができるようなことも考えていって、人手をかけないようにしながらモニタリングを長期間にわたってできるようなことも考えていかなくてはいけないなと感じながらお話をお伺いしておりました。
何しろ、温泉が文化遺産への登録ができますと、これは本当に全国的ないい機会になると思いますので、そういった点でも各方面の温泉に対する認識を何とか共有できる機会にぜひしていただければなと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
【滝沢小委員長】
星委員、ありがとうございます。
ユネスコ無形文化遺産登録を契機に、モニタリングの推進とか資源保護の拡充ということにつながっていけば、これは日本の温泉資源保護ということで温泉法の根幹に関わる部分の貢献になると思いますので、こちらはぜひ環境省さんのほうも御協力いただきまして、これからも国の温泉資源を守っていただければと思います。
また、地元で実際に運営されている星様のような皆様にも何とか助けになるように、ガイドラインのほうでも問題になっておりましたが、後継者不足という辺りに関しては、今後、こういった場での検討でも引き続き取り上げて検討していくべきだと思っておりますので、委員の皆様、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
事務局さんのほうはこの件で何かございますでしょうか。
【村上温泉地保護利用推進室長】
大変貴重な御意見をいただきましてありがとうございます。
お話をいただきましたとおり、まさに温泉があっての「温泉文化」で、その根源となるものを守っていただいていると思っておりますので、これを機にそういったことをしっかり守っていけるよう民間の皆様と連携して取組を進めていきたいなと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
【星委員】
よろしくお願いいたします。
【滝沢小委員長】
あと、文化遺産の登録関係に関しましては、今日、会場に御参加の内田委員が温泉文化の定義の検討とか担い手団体の設立等でいろいろと御知見をお持ちですし、関わりも深いと思いますので、先ほど星様からも御意見をいただきましたが、内田委員からも何か御意見をいただけないでしょうか。どうぞよろしくお願いいたします。
【内田委員】
ありがとうございます。東洋大学の内田でございます。
「温泉文化」のユネスコ無形文化遺産登録に向けた検討会の専門委員を務めさせていただきました。
今回の登録運動は、特定の地域・施設が対象とされる有形文化ではなく、日本全体の温泉地、そして、それを取り巻く広域的な生活文化として無形文化遺産での登録を目指しております。
委員会などでは、「温泉文化」とは何かという基本的な論点から議論を重ね、このたび提案候補になることができました。全国の温泉地、また、各省庁をはじめ、多くの皆様に御協力いただきましたことを、委員の一人として感謝を申し上げます。ありがとうございました。
配付された定義にございますように、古代から温泉は自然の恵みを生かして人々の心身の健康を長く守り続けてきたこと、そして、それが現在に続く重要な日本の社会的な慣習であると位置づけております。これは、環境省さんが進めてこられた「新・湯治」とも共通した視点かと感じております。
個人的には、今回の定義も含め、まだ十分に「温泉文化」が理解されている状況とは感じておりません。しかしながら、今回の「温泉文化」の登録を契機に多くの皆様への理解が深まること、それによって、星委員からお話がありましたように、「温泉文化」の価値を理解していただき、それが今後、温泉、そして温泉地の保護というところに進むことを期待しております。
ただ、先ほどございましたように、登録までの道のりはまだ長くございます。ぜひ今後とも皆様の御支援と御協力をいただきながら、「温泉文化」をさらにしっかりとしたものにしていきたいと考えております。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
【滝沢小委員長】
内田委員、ありがとうございました。
今の内田委員の意見も含めて、皆様、何かございますでしょうか。ウェブの方、いかがでしょうか。
深町委員、迫田委員、大丈夫でしょうか。
ユネスコの無形文化遺産への登録の見通しが立ったということで、温泉関係に携わっている者としては非常に喜ばしい限りでございまして、今後、内田委員とか事務局、環境省さんのほうではさらにいろいろ大変な業務が山積みかとは思うのですが、ぜひこれを形にしていただけると、ますます日本の温泉というものが盛り上がっていくかなと思っております。
ほかに、今日議論された中で、全体で結構ですので何か御意見とか御質問は、会場の皆様、ウェブ参加の皆様、ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、本日、事務局から提示されました議題についてはこれで全て議論を終了とさせていただきます。皆さん、御協力本当にありがとうございました。
それでは、進行を私から事務局にお返しいたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。
【五反田温泉地保護利用推進室室長補佐】
滝沢小委員長、ありがとうございました。
委員の皆様におかれましても、長時間にわたり御審議賜りましたこと、お礼を申し上げたいと思います。
予定よりは早いところでございますけれども、本日の温泉小委員会はこれをもちまして閉会とさせていただきたいと思います。本日は誠にありがとうございました。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
午後14時30分閉会
【五反田温泉地保護利用推進室室長補佐】
定刻となりましたので、ただいまより「中央環境審議会自然環境部会温泉小委員会」第22回を開会いたします。
本日は、お忙しい中、本審議会に御出席いただき、誠にありがとうございます。
会議に先立ちまして、本日の出席委員数について御報告を申し上げます。本日は、12人の委員のうち、現時点では6人の委員に御出席をいただいているところでございます。
それでは、本日の会議運営につきまして御説明いたします。本日の会議は公開で行われており、傍聴につきましては、会場での傍聴ではなく、傍聴用のウェブ会議システムを用意して傍聴できるようにしておりますので、御承知おき願います。
また、本日御説明する資料につきましては、会場にお集まりの委員についてはお手元の資料を御参照いただき、リモート参加の委員におかれましては事前にメールにて送付させていただいたものを御参照いただければと思います。
会議資料につきましては公開となります。また、会議録は後ほど事務局で作成し、本日御出席の委員の御了承いただいた上で公開することとなります。
また、リモート参加の委員におかれましては、差し支えない範囲で結構ですので、常時ビデオボタンはオンにしていただき、お顔が見られる状態にしていただけますと幸いです。また、議事中、マイク機能は小委員長及び発言者以外はミュートに設定していただきますようお願いいたします。
御発言の際は、挙手アイコンをクリックしてお知らせいただきますようお願いします。小委員長からの御指名を受け、マイクのミュートを解除してから御発言いただきますようお願いします。御発言後は、挙手アイコンを忘れずにクリックいただき、挙手を取り下げていただきますようお願い申し上げます。
続きまして、本年2月に中央環境審議会の任期満了による改選があり、自然環境部会長の中村部会長の御指名により、本小委員会の委員長に、引き続き滝沢英夫委員に御就任いただけることになりましたので、御報告申し上げます。
また、引き続き委員をお務めいただく先生方におかれましても、どうぞよろしくお願い申し上げます。
続きまして、委員の交代について御報告を申し上げます。大分県生活環境部自然保護推進室長、浜田みほ委員より、3月12日付で委員辞任の申出があり、新たに鹿児島県保健福祉部生活衛生課長、迫田豊秋委員が任命されました。本日より、新たに小委員会の審議に御参画いただくこととなりましたので、御紹介をいたします。
なお、本日は、浅沼委員、江﨑委員、鈴木治彦委員、安川委員におかれましては、都合により欠席の連絡をいただいているところでございます。
また、前回の小委員会から自然環境局の幹部に異動がございましたので、御紹介をいたします。
自然環境局長の堀上です。
温泉地保護利用推進室長の村上です。
それでは、議事に先立ちまして、自然環境局長の堀上より御挨拶を申し上げます。
【堀上自然環境局長】
改めまして、自然環境局長を7月から拝命しました堀上です。よろしくお願いいたします。
委員の皆様、本日はお忙しい中をお集まりくださいまして、誠にありがとうございます。
日頃から、温泉行政、温泉資源の保護、あるいは適正利用、地域振興、様々な観点から御協力、御理解を賜っていることに改めて御礼を申し上げます。
本日の議事ですけれども、3つの議題がございます。1つ目が「『温泉資源の保護に関するガイドライン』の改訂について」で、こちらは前回の小委員会の後に、一部の委員の方々に御協力をいただいて、3回にわたって改訂に係る検討会を開催いたしました。その後、パブリックコメントを実施して改訂案を策定したところでございます。こちらについて御審議をいただきます。
2つ目、3つ目は報告事項でございまして、2つ目は、国民保養温泉地として指定をしておりますニセコ温泉郷の区域の拡大について御報告をいたします。
3つ目は、「その他」として「温泉文化」のことを御報告いたします。こちらは、ユネスコ無形文化遺産の登録ということで動きがございましたので、こちらについての御報告でございます。
本日は限られた時間ではありますけれども、忌憚のない御意見を賜りますことをお願い申し上げまして、私の御挨拶といたします。どうぞよろしくお願いいたします。
【五反田温泉地保護利用推進室室長補佐】
次に、配付資料について確認をさせていただきます。
本日は、議事次第に加え、資料1-1、資料1-2、資料2、資料3、参考資料1~4を配付しております。事前にデータでもお送りしております。過不足等がございましたら、事務局にお申しつけいただければと思います。
ここからの議事進行につきましては、滝沢小委員長にお願いしたいと思います。
滝沢小委員長、よろしくお願いいたします。
【滝沢小委員長】
皆さん、今日はお忙しいところをどうもありがとうございました。
先ほど事務局から御紹介いただきました滝沢です。引き続き、小委員会委員長を務めさせていただきますので、皆様のお力添えをぜひよろしくお願いいたします。
本日は、受験準備作業がそろそろ始まって皆さん大変お忙しい中、また、年末の行事等で皆さん大変だと思うのですが、わざわざこちらまでお越しいただきましてありがとうございます。特に星委員は、今日は北日本のほうは天気が大荒れということで心配しておったのですが、来ていただきまして本当に助かりました。また、浅沼委員は今日の参加を機内からリモートでなんていうこともおっしゃっていただいたのですが、航空機の機材の関係でちょっとかなわないということで残念ですが、皆様、御協力ありがとうございます。
皆様の貴重なお時間をお借りできますこと、誠にありがとうございます。本日、私のほうで議事進行を務めさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
先ほどあったように、議事次第に従って本日の会議を進めますが、まず議事の(1)「『温泉資源の保護に関するガイドライン』の改訂について」ということで、皆様のお手元にある資料1-1及び1-2に基づき、事務局から説明をお願いしたいのですが、資料はお手元にそろっていらっしゃいますよね。大丈夫でしょうか。
そうであれば、事務局さん、説明をよろしくお願いいたします。
【五反田温泉地保護利用推進室室長補佐】
参考資料2を御覧いただければと思います。「『温泉資源の保護に関するガイドライン』の概要」という紙でございます。
温泉資源の保護に関するガイドラインは、平成19年に中央環境審議会温泉小委員会の答申を踏まえ、都道府県における温泉の掘削等の不許可事由の判断基準等について一定の考え方を示すとともに、許可等の基準となる条例・要綱を定めるに当たって参考にできる総合的なガイドラインとして平成21年に作成されたものでございます。
具体的な内容としましては、掘削等の原則禁止区域の設定の方法の考え方、動力の装置に当たっての温泉資源への影響調査の実施方法、温泉資源保護のためのモニタリングの重要性やモニタリングの実施方法、温泉の掘削許可申請における不許可事由である公益侵害の範囲の類型、その他について記載しているところでございます。
資料1-2を御覧いただければと思います。
1ページ目、温泉資源の保護に関するガイドラインの改訂経緯についてまとめております。
「背景」につきましては、先ほど御報告申し上げましたとおり、平成21年にガイドラインを作成したところでございます。また、5年をめどに点検・見直しをすることとされており、これまで、平成26年、令和2年に改訂をしてきたところでございます。今般、前回の改訂から5年が経過したことから、専門家による検討会において検討を行い、必要な改訂を行うといったものでございます。
2つ目のポツ、「改訂に向けた検討の視点」につきましては、昨年9月に開催された前々回の温泉小委においてお示しした、最新の科学的知見や具体的な取組事例を盛り込むとともに、現に事務処理の現場で問題になっている部分を詳述することで、都道府県担当者の参考資料として使いやすいものとするとの視点で点検をしてまいりました。
「改訂スケジュール」としましては、3ポツにございますとおり、令和6年、昨年の4月から都道府県に対するアンケート調査や有識者へのヒアリングを実施し、改訂に向けた論点等について調査を行ってまいりました。また、昨年9月には温泉小委員会で改訂の進め方について御説明し、今年の2月に開催された前回の温泉小委において、都道府県アンケートの結果や有識者ヒアリングから出た改訂の論点を御説明し、整理させていただきました。年度が替わりまして今年の7月から、専門的な検討を行うため、温泉資源保護ガイドライン検討会を立ち上げまして、3回にわたり議論をいただきました。
3ページ目を御覧いただければと思います。
こちらが、ガイドラインについて総点検を行うとともに、新たに盛り込むべき事項や、観測・調査・解析方法等についての専門的検討を行うものとして、7名の委員と1名のオブザーバーに参画いただき、御検討いただきました。
座長には、平成21年のガイドライン策定時から検討委員として加わっていただいておりました、神奈川県温泉地学研究所専門研究員である板寺一洋委員に御就任いただきまして、地下水、地質、法律、地方自治体の専門家の方々に検討会に御参画いただき、御議論いただきました。本日小委員会に御出席いただいております交告先生や、鈴木秀和先生にも御検討に御参画いただきました。ありがとうございました。
こちらの検討会で7月から改訂案を議論いただき、第2回の検討会後には都道府県に対して改訂案に対する意見照会を実施し、都道府県の御意見等を反映したものを10月の検討会で再び御議論いただき、取りまとめたものでございます。その後、10月29日から11月27日にかけてパブリックコメントを実施し、それらの御意見を踏まえた改訂案を本日の小委員会にお示ししたところでございます。
本日の小委員会での御意見を踏まえまして、年内に改訂版を取りまとめ、都道府県に対して、地方自治法第245条の4第1の規定に基づく技術的助言として通知したいと考えているところでございます。
2ページ目にお戻りいただけますでしょうか。ここからは、資料1-1と1-2を併用して御説明いたします。今回のガイドライン(案)の改訂のポイントになります。
今回のガイドラインにおいては、「改訂に向けた検討の視点」にある具体的な取組事例を多く盛り込むことや、現に事務処理の現場で問題となっている部分を詳述することを旨に、参考事例の追加、参考情報の充実、都道府県からの意見を踏まえた記載の追加をしてございます。
参考事例の追加については、1つ目、温泉モニタリング等の科学的知見に基づく新たな保護地区の設定事例を追加しました。
資料1-1の11ページを御覧いただければと思います。都道府県による掘削等の原則禁止区域を新たに設定・拡大するに当たっては、長期的に蓄積されたモニタリングデータに基づき、5年程度の期間にわたる段階的な調査と検討が行われてきています。その具体的な事例として、今回、北海道と大分県の事例を別紙1として加えてございます。
資料1-1の赤字になっているところが前回のガイドラインから更新をかけて修正をしているところでございます。そういった関係で資料1-1を御覧いただければと思っております。
資料1-1の12ページを御覧いただければと思います。こちらで別紙1の事例の概要を記載しているところでございます。北海道の事例におきましては、北海道及び北海道立総合研究機構が平成28年から実施している水位モニタリングや水質分析等により、複数の源泉での水位の低下や、源泉間での水位の連動が確認され、同じ帯水層から温泉を汲み上げており、温泉資源が衰退傾向にあることが明らかになりました。このため、北海道環境審議会において審議が行われ、科学的データに基づく区域の設定により、令和2年10月に新たに保護地域と準保護地域が指定され、令和3年9月から施行されているところでございます。
また、大分県別府市では、温泉の温度低下や掘削深度の増加、噴気・沸騰泉の減少などが確認されていたところでございます。平成30年度から令和2年度にかけまして、大分県と別府市が共同して、別府市内の全源泉を対象に温泉資源量調査を実施し、温泉資源量の将来予測を行った結果、温度の低下が予測されました。このため、大分県環境審議会温泉部会において審議の上、熱水の流動経路を考慮し、既存源泉への影響が大きい2つの区域について、令和4年4月に、新規の温泉掘削を認めない「特別保護地域」として指定をしています。
両事例ともに、モニタリングの開始から5年程度の期間を要しております。温泉の水位や温度の低下等の現象に迅速に対応するためにも、日頃からモニタリングを実施し、長期的なデータを蓄積していくことが望まれますということを御紹介する意図で、別紙1に2つの事例を追加してございます。45ページから、別紙1のそれぞれの事例について詳述をしているところでございます。
資料1-2の2ページにお戻りいただければと思います。参考事例の追加の2点目としましては、源泉所有者や温泉利用者等の多様な主体による温泉モニタリングの取組事例を追加しております。
資料1-1の26ページを御覧いただければと思います。「第四 温泉資源保護のためのモニタリング」のパートでは、モニタリングの重要性について記載をしているところでございます。モニタリングデータは、地域の温泉資源の状況を把握し、過剰な揚湯を抑制し、その保護を図る上極めて重要なデータであるといったことが書いてございます。
また、既存源泉所有者等にとっては、モニタリングを通じて源泉の健全性の確認や井戸の適切な維持・管理が可能となることや、温泉掘削等により所有源泉において影響が生じたときの科学的な根拠となる貴重なデータでありますので、モニタリングを行うことを基本とすること、モニタリング機器も温度計・流量計・水位計の3点を10数万円から購入できるといったこともありまして、取り組みやすくなっている状況や、モニタリングデータを長期的に収集し、蓄積することが望ましいといったことを記載してございます。
28ページを御覧いただければと思います。モニタリングの結果につきましても、その結果を積み重ねることによりまして、都道府県が掘削等の拒否の判断や、掘削等の原則禁止区域の範囲や距離規制の設定を見直すことに活用すべきであるとの考え方を追記しているところでございます。
また、行政のみならず、源泉所有者自らがモニタリングを行い、その結果に基づいて温泉資源保護に資するような管理が望まれる中、源泉所有者が主体となったモニタリングの事例と、源泉所有者以外の多様な主体が行うモニタリングの事例を今回追加しております。
29ページのコラムに事例の概要を記載しております。山形県肘折温泉では、周辺で高温岩体発電の実証実験が開始されたことを契機としまして、平成3年から肘折温泉組合がモニタリングを開始いたしました。月1回のモニタリングでは、源泉所有者が温泉使用量との比較を行い、温泉掘削業者や調査会社の協力を受け、測定精度の向上に努めているところでございます。また、開発事業者がモニタリングに同行し、同じデータを利害関係者間で共有することで、温泉への影響回避のための具体的な対応が可能となっている。肘折温泉組合では、担い手の育成をすることによってモニタリング体制が維持されて、30年以上の長期にわたりデータが蓄積されているといった事例になってございます。
大分県の別府温泉では、平成28年から市民参加型の「せーので測ろう!別府市全域温泉一斉調査」を毎年実施しています。この調査は、市民や温泉愛好家等の別府温泉の利用者が温泉調査を体験していただき、資源としての温泉を考えてもらう機会をつくることを目的として実施されております。また、一斉調査で得られたデータにつきましては、基礎的な情報を提供することを目的としてウェブサイト上で公開をされているものでございます。これらの事例の詳細は、98ページからの別紙9に記載されているところでございます。
再び、資料1-1の2ページ目にお戻りいただければと思います。参考事例として追加したものの3点目といたしましては、調査事例が少ない大深度掘削泉におけるモニタリング事例を追加してございます。
資料1-1の34ページを御覧いただければと思います。「第六 その他」、「大深度掘削泉について」の(1)大深度掘削泉の資源的特性といったところで、大深度掘削泉についてはこのガイドラインでおおむね1,000メートル以上の掘削を行っている源泉について大深度掘削泉としているところでございます。大深度掘削泉に特化した調査事例というものの情報が少なく、大深度掘削泉では、掘削後数年で湧出量や泉質等の状況が大きく変化するという事例が報告されてきているところではございますが、まだまだ調査事例が少ないといったところでございます。
122ページを御覧いただければと思います。今回新たに、神奈川県の掘削深度1,000~1,200メートルの大深度掘削泉の温度等を昭和62年(1987年)から令和4年(2022年)まで経年的な変化を調査した事例がありましたので、事例として今回追加をしているところでございます。
こちらの事例につきましては、49源泉中33の源泉の温度が低下傾向にあったことや、動力装置許可申請以前には25℃以上であった47の源泉のうち、16の源泉が直近のデータでは25℃を下回っていたこと、さらに、そのうち9源泉については動力許可の行われた日から5年以内に25℃を下回っていたことがモニタリングデータから分かっているといった事例になっています。
井戸内の源泉構造物の劣化などによりまして井戸の障害が起きて、低温の水が浸入することにより泉温の低下が起きている可能性も含めて検討する必要があるところではございますけれども、このような場合になければ、温泉の枯渇化が進行していると言えるのではないか、今後の推移を注視する必要があることを示す内容となっているところでございます。
資料1-2の2ページにお戻りいただければと思います。参考事例の追加の4点目といたしましては、一般的な揚湯試験の実施が困難な状況に対応する揚湯試験方法を今回追加しております。
再び、資料1-1の125ページを御覧いただければと思います。別紙14では、揚湯試験の事例を掲載してございます。125ページ目の事例につきましては、揚湯試験を実施する場合の一般的な事例でございます。
127ページに行きますと、揚湯することにより水位が上昇するような特殊な事例を掲載しているところでございます。
128ページでは、湧出量が少なく、通常の揚湯試験の実施が困難な場合について、これまでガイドラインに紹介をさせていただいたところでございます。
こちらに加えまして、131ページからは、源泉が高温であったり、井戸の口径が細いことで通常の揚湯試験の実施ができない場合に用いられるエアリフト揚湯による試験の方法について追記をしているものでございます。
今回参考事例として、大きくこの4点の事例を追加してところでございます。
再び、資料1-2の2ページ目にお戻りいただければと思います。都道府県の担当者の参考資料としてより使いやすいものにするためという観点から、参考情報の充実化を図ってございます。2ポツの「参考情報の充実」というところでございます。
1点目としましては、温泉の湧出機構のイメージ図の更新、地下水の基本概念図を追加してございます。
資料1-1の135ページを御覧いただければと思います。例えば、都道府県で初めて温泉を担当することになった方などに向けまして、教科書的な内容にはなりますけれども、温泉の起源や湧出機構、成り立ちなどについての解説を記載しているところでございます。また、温泉の湧出機構が火山性温泉と非火山性温泉に大別できる中、それぞれの特徴や注意すべき点についての記載内容を充実化させてございます。
また、地下水につきましても基本概念図を追加し、地下の地層により圧力を受けている被圧水と、比較的浅い地層の上に存在し、水圧と大気圧とか等しい状態にある不圧水の特徴と注意すべき事項について記載内容を充実化させたところでございます。
資料1-2の2ページ目にお戻りいただければと思います。参考情報の充実の2点目といたしまして、源泉の最大汲み上げ可能な量、安定的に汲み上げられる量、動力申請者が施設運営のために必要とする揚湯量との関係性について、情報の充実化をしています。
資料1-1の140ページを御覧いただければと思います。今回追加をしているのがこちらのイメージ図でございますけれども、動力ポンプを設置し、温泉を汲み上げるに当たっては、資源の枯渇や周辺源泉への影響を調べるために、その井戸で汲み上げることができる量を推定し、そこから安定的に採取することができる量を推定する調査を実施することになります。その井戸で汲み上げることができる最大の量を「限界揚湯量」と呼んでおりますけれども、これは段階揚湯試験で求めることができます。
次に、持続的に安定して採取可能な温泉の量を「適正揚湯量」と呼んでおりますけれども、一般的には先ほど申し上げた、温泉の井戸で汲み上げることができる最大の量「限界揚湯量」に80%程度の安全率を見込んだ量が適正揚湯量として算出されているところでございます。動力申請では、適正揚湯量が許可揚湯量の判断基準とされているところが多いところでございます。
また、事業者等は、汲み上げた温泉を施設等の運営のために必要となる揚湯量をはじき出しているところでございますけれども、そこで計画されている採取の量は持続的に安定して採取ができる適正揚湯量以下である必要があるために、限界揚湯量、適正揚湯量、計画採取量との関係性のイメージをこちらの図で表しているものでございます。
再び、資料1-2の2ページ目に戻りいただければと思います。参考情報の充実の3点目といたしまして、持続的に安定して採取可能な温泉の量を検討するための揚湯試験結果の関係図について、5つのタイプと関係図の解釈を追加しました。
資料1-1、80ページを御覧いただければと思います。先ほど御説明申し上げました適正揚湯量、持続的に安定して採取可能な温泉の量を検討するに当たり、段階揚湯試験の結果である各段階の揚湯量と水位降下量の関係を縦軸、横軸に並べて検討するという方法がございます。
図1を御覧いただければと思いますが、5段階の揚湯試験を実施し、大体その量を増やしていくということが一般的かと思うのですけれども、5段階の第1段階での揚湯量と水位降下量をこの検討図の中にプロットします。第2段階として、揚湯量を増やして実施したところと水位降下量をまた新たにプロットしていく。第3段階、第4段階、第5段階とそれぞれ揚湯量を増やして実施し、そのときの水位降下量をそれぞれプロットしていく。それぞれプロットされた点を直線で結ぶと、図1では第3段階から第4段階にかけての直線の傾きが45°以上に折れ曲がっているところがございますので、そこを変曲点として限界揚湯量として設定しようというものがこちらの関係図から読み取れるところでございます。この限界揚湯量に安全率80%を乗じた数が適正揚湯量といった形で算出されているというものでございます。
この段階揚湯試験の結果、様々なパターンで変曲点が出てくる可能性がございますので、今回は5つのパターンにまとめまして、それぞれのパターンでの読み取り方、解釈を新たに追加させていただいたところでございます。
再び、資料1-2の2ページ目をお願いいたします。参考情報の充実の4点目といたしまして、適切な動力ポンプを選定するために使用されるポンプ性能曲線の見方を今回追加してございます。
資料1-1の144ページを御覧いただければと思います。今回、「ポンプ性能曲線」の用語説明に加えまして、ポンプ性能曲線の見方のイメージ図を145ページに追加をしてございます。
145ページの図には、揚湯量と全揚程の交点と全揚程の曲線との関係を見て適正なポンプの選定を行う検討方法を示してございます。実際に、揚湯量と全揚程の交点①というところを御覧いただきたいと思いますが、全揚程曲線のポンプ1の曲線の上にある黒い実線になりますけれども、その内側に位置するところに①がございます。この状態であれば、ポンプ1が適正なポンプであるという考え方ができます。逆に、②が大分低いところにあると思いますけれども、②の位置になりますと、ポンプ1の全揚程の曲線からかなり下にあることになりますので、全揚程(ポンプ2)の出力のほうが適正なのではないかということがこのポンプ性能曲線から読み取れるところでございます。
一方で、③のポイントは、ポンプ性能曲線の①よりも外側にありますので、ポンプ性能曲線の範囲内に収まっていないということが判断できるので、これも、より出力の大きなポンプを検討しなければならないのではないか、そういったことを考え方のイメージ図として今回追加をしております。
資料1-2の2ページにお戻りいただければと思います。参考情報の充実の5点目といたしましては、温泉井戸の基本的な構造と温泉井戸に起こる障害のイメージを追加いたしました。
資料1-1の140ページと141ページを御覧いただければと思います。左側に、温泉の掘削完了時において一般的にこういう構造になっているだろうという井戸の構造図を載せてございます。ケーシング管、セメンチング、遮水パッカーなど、温泉井戸内を構成する源泉構造物がありますので、そういったものの役割等について記載を追加しているものでございます。
また、井戸内の構造物が劣化することによって、浅い層の低温・低濃度の水が井戸内に浸入し、泉温の低下等を招くことがあるために、井戸内で起こる障害のイメージを「障害1:地下水の浸入」、「障害2:孔底埋没・目詰まり」といった事例を、解説を添えて追加をしているものでございます。
資料1-2の2ページ目に戻っていただければと思います。参考情報の充実の6点目といたしましては、事業性が高い温泉発電を実施するための条件や、稼働状況等の把握の重要性といったものを追記してございます。
資料1-1の38ページを御覧いただければと思います。近年の温泉利用形態の一つとして温泉発電があることについては、これまでガイドラインの中で記載しているところでございますけれども、前回の小委員会におきまして、温泉発電について、今の技術レベルで必要となる源泉の温度や量について、それに加えまして、冷たい熱源が必要になるといったことを記載してはどうかとの御指摘をいただいたところでございます。
そのため、現在のJOGMECが作成しました「平成25年度小規模地熱発電のうち温泉発電導入促進のための手引書」から、経済性のある温泉発電所が可能な条件として記載されている、高温で十分な量の熱水が得られること(80℃以上、300L/分以上)、2つ目として、十分な量の冷却水があることなどの情報を追記しております。
また、温泉発電を持続的に利用するためには、発電開始後の連続的な揚湯による温泉資源の状況をモニタリングすることや、温泉スケールの付着により発電機が故障する可能性もありますので、定期的なメンテナンス等が重要であるといったことも今回追記をしてございます。
さらに、温泉資源の保護の観点からも、必要に応じて都道府県は小規模温泉発電に関する知見に加えまして、導入状況や稼働状況等についても把握することが重要であるということを追記しております。
資料1-2の2ページにお戻りいただければと思います。参考情報の充実の7点目といたしましては、掘削等の許可申請や動力装置の許可申請に関連して、よく出てくる温泉に関する基礎的な用語を追記してございます。
資料1-1の137ページ以降を御覧いただければと思います。137ページの「温泉用語集」以降、今回、19語ほど新たに用語を追加しております。例えば、138ページに、「温泉探査」について様々な方法と特徴を簡潔に記載しております。142ページには、「動力」について、エアリフト、水中ポンプという様々な動力を4種類ほど追記したところでございます。143ページには、掘削中、温泉が暴噴するのを防ぐBOP、噴出防止措置の役割等についての用語の解説を追記しているところでございます。
資料1-2の2ページにお戻りいただければと思います。都道府県からの意見を踏まえた記載の追加につきましては、1点目として、可燃性天然ガスの噴出のおそれの判断を参考となる文献や考え方を書いていただきたいと。2点目としては、未利用源泉における指導の在り方についての記載を追加しているところでございます。
資料1-1の20ページを御覧いただければと思います。可燃性天然ガスの噴出のおそれの有無につきましては、こちらのコラム、「掘削時における安全性の確保」の3つ目の段落、「なお」以下におきまして、「日本油田・ガス田」の分布図や、周辺既存源泉の可燃性天然ガスの測定結果、近隣地域でのガス噴出事例等を参考にすることが考えられるといったことで、文献と考え方を整理しているところでございます。
また、36ページをお願いできればと思います。未利用源泉における指導の在り方につきましては、都道府県は、未利用放流源泉の成分や放流状況等を適切に把握することが望ましいこと、自治体と源泉所有者が連携して温泉熱や源泉モニタリングの観測井として活用することなど、地域において有効活用していくことが大切であるとの考え方を追記してございます。
また、前回の小委員会でいただきました御指摘と対応につきましても御説明をさせていただきます。参考資料3を御覧いただければと思います。こちらは、ガイドラインの項目ごとに整理をしております。
1ページ目の「第ニ 掘削等の原則禁止区域の設定、既存源泉からの距離規制、温泉の採取量に関する取扱い」の関係でいただいた御指摘のうち、1つ目、科学的に不正確なデータに基づく申請を適正に審査できるよう、審議会の委員にその分野の専門家がいない場合には、別途専門家の意見を聞いたり、オブザーバーとして審議会に参画してもらうといったことを追記できないかとの御指摘をいただきました。
資料1-1、13ページ目を御覧いただければと思います。13ページ目のコラムに、「審議会等における専門技術的な判断のための専門家の活用」を新設しまして、「掘削許可の審議に当たり、専門技術的な資料を審査する必要がある場合には、必要に応じて有識者から意見を聴取するといった方法も考えられます」といったことを追加してございます。
参考資料3の委員からいただいた御指摘の2点目でございます。掘削時の安全を確保するため、被圧層を掘る場合にはBOPをつけて泥水をコントロールすることや、逸泥時の対策を行う必要があることを追記してはどうかとの御指摘をいただいたところでございます。
こちらにつきましては、資料1-1の20ページ、こちらもコラムでございますが、「掘削時における安全性の確保」というコラムを新設いたしまして、適切なスペックのBOP、噴出防止装置の設置や選定方法についての考え方を追加しているところでございます。
参考資料3の委員の御指摘の3点目に参ります。「第三 個別的許可判断のための影響調査等」についての関係になりますが、3つ目といたしまして、段階揚程試験について、揚湯量と水位降下量の関係図には、様々なパターンがあるので、理想的な図だけガイドラインに載せるのではなく、いろいろな事例と解釈を記載できないかとの御指摘をいただいたところでございます。
こちらについては既に御説明をさせていただいたとおり、資料1-1の70ページに、5つのパターンとそれぞれ解釈方法に関する解説を追記しております。
参考資料3の4つ目の御指摘になります。「第六 その他」の関係になります。未利用源泉を有効活用する観点から、未利用源泉を利用することにより、コストの削減、二酸化炭素の削減にもつながるといったポジティブなメッセージを記載してはどうかとの御指摘をいただいたところでございます。
資料1-1の136ページを御覧いただければと思います。2ポツの未利用源泉において、地域資源である未利用源泉の温泉熱を有効活用することで、二酸化炭素排出量の削減による環境効果、光熱水費の削減による経済効果、地域活性化等への貢献が期待されると、未利用源泉の有効活用の必要性や考え方について追記をしているところでございます。
前回の御指摘の5つ目になりますが、バイナリー発電については、今の技術レベルで必要となる源泉の温度に加えて、温泉量や冷熱源が必要であることについて記載をしてはどうかとの御指摘をいただいたところでございます。こちらにつきましては先ほど御説明したとおりですので、割愛をさせていただきます。
参考資料3、委員からいただいた御指摘の最後になります。「参考資料(温泉の基礎知識、温泉用語集)」関係では、掘削申請時に添付されているMT法の調査結果が、地下の探査方法をよく知らない事業者によって作成されていたケースがあったが、そういうことを防ぐために何か盛り込めないかとの御指摘をいただいたところでございます。
こちらにつきましては、先ほど御説明申し上げましたとおり、温泉用語集に「温泉探査」を加えまして、MT法を含む「電磁探査」に関する基礎情報を追記しております。
このような形で、前回委員の皆様から御指摘いただきました点については反映したところでございます。
最後に、ガイドラインの改訂案に対しましてパブリックコメントを実施いたしました。そのパブリックコメントの実施結果についても御報告いたします。参考資料4を御覧いただければと思います。
パブリックコメントにつきましては、10月29日から11月27日まで実施いたしまして、1件の御意見をいただきました。いただいた御意見につきましては、裏面の別紙に記載しているところでございます。
改訂に当たり、制度と現場、制度と科学、制度と暮らしの接続を重視した設計を強く望むこと、モニタリングは資源の変化を早期に把握するための基盤であり、揚湯試験は適正な揚湯量の科学的判断に不可欠であること、エアリフト揚程など、測定困難な事例に対処する方法の提示や、肘折温泉のように開発事業者と住民がモニタリングデータを共有し、信頼性と透明性を高めた事例は好例であること、温泉資源は地域の共有財産として掘削深度や涵養性に応じた制度的管理が必要であることなど、大変貴重な御意見をいただいたところでございます。
いただいた御意見を踏まえまして、温泉は国民共有の資源であるとの観点に立ちまして、今後の温泉行政の推進に当たっての参考とさせていただきたいと考えているところでございます。
形式的な面で申し上げますと、現行のガイドラインが102ページで構成されているところ、事例等の追加、情報の充実化に伴いまして147ページと、今回45ページ、ボリュームが増えているところでございます。
説明が長くなってしまいまして誠に恐縮ではございますが、私からの御説明は以上となります。どうぞよろしくお願いいたします。
【滝沢小委員長】
事務局さん、長々と詳細な御説明をどうもありがとうございました。
それでは、今の議題(1)の説明について御質問、御意見等をお願いいたします。
皆様にお願いしたいのが、会場にお集まりの委員の皆様におかれましては、質問がある場合は挙手をお願いいたします。リモート参加の委員の皆様におかれましては、ウェブ画面上の参加者リストの御自身のお名前の横に表示されている挙手ボタンにて挙手の表示をお願いいたします。
非常に長い説明ではあったのですが、前回の中間審で出された意見とか検討会のほうで新たに出された意見等を事務局と検討会の皆様に詳細にもんでいただきましたので、それに応じてボリュームがかなり増えておりますが、委員の皆様、御質問とか御意見がありましたらぜひ頂戴いただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
非常に専門的なところもありますし、内容も盛りだくさんなのですが、先ほど事務局からも説明いただきましたが、参考資料4にパブリックコメントの結果がありまして、こちらでも非常に好意的な御意見をいただいておりますし、内容に関しましても、私の個人的な意見といたしましては、各都道府県から私どもの財団にいろいろと質問等をお寄せいただいているのですが、そういった内容を非常によく拾っていただけたのと、実揚程の説明とかポンプの設定の方法は、実は各都道府県の担当者が非常に悩むところではあるのですが、この部分は非常に分かりやすく御説明いただいております。
また、前と違うのが、ほかのガイドラインではあまり事例がないと思うのですが、こういった事例とかコラムというものを出していただきまして、そんなことを言ったら失礼なのですが、各都道府県の担当者が気軽に見ていただけるという形で、レイアウト的なものも非常に工夫されて、いいものになったのではないかなと思っております。
この辺、実際に検討会の中で各委員の先生方から非常に前向きで、しかも有益な御意見をいただきまして、事務局のほうもいただいた御意見に関して追加調査などをかなり細かくやっていただきましたので、ここまでしっかりしたものがまとまったのかなと私のほうで思っております。
御意見等はございますでしょうか。
特に御意見はないようですが、それだけ事務局のほうでしっかりとやっていただけたということだと思っております。
実際に検討会のほうに参加されました本日御出席されています交告委員から、御議論に参加された所感であるとか、今あった説明等に追加の補足などがございましたら御意見をいただけないでしょうか。どうぞよろしくお願いいたします。
【交告委員】
追加の補足はございませんけれども、温泉はとにかく不確実な部分が多いのですけれども、その点に対して、板寺座長をはじめ、モニタリングの重要性を強調されまして、それがこのガイドラインに反映されているところが非常に優れたところであろうと思います。
温泉は、地域によってもいろいろ特色があるようでありまして、なかなか一筋縄にはいかないので、やはりデータの集積が重要であるということですが、地方公共団体によって割ける人員と既存の知識の量が違いますので、これからこれにのっとってできるだけデータを蓄積していただいて、今後の温泉行政の一つの素材をつくっていただければいいかなと思います。
以上です。
【滝沢小委員長】
交告先生、どうもありがとうございました。
先ほど交告先生からも、今後データの蓄積等が大事だというお話をいただいたのですが、検討会にオブザーバーとして参加されました、実際に行政の立場の迫田様から何か一言御意見をいただければと思うのですが、いかがでしょうか。
【迫田委員】
鹿児島県の迫田でございます。よろしくお願いします。
検討会のほうは業務の関係でなかなか参加できなかったのですけれども、今回、ガイドラインの改訂の内容を拝見いたしまして、我々が種々の申請をいただく中で、それぞれで状況が地域で異なるというのもございます。実際、地下のことは分からないのですけれども、これまでのデータとかそういったものはやはり大事なのかなと。そういう蓄積は今後できる限りしていかないといけないというのを改めて感じたところです。
また、今回改訂されましたところで言いますと、様々な参考事例を追加していただいております。こういったものは、申請に基づいて県の審議会に諮問をするわけですけれども、事前に我々も十分理解しておかないといけないというのは当然で、委員の先生方に十分に説明しないといけないといった中で、基礎的な知識はもちろんですけれども、こういった追加していただいた事例なども大変参考になると感じたところであります。
以上です。
【滝沢小委員長】
迫田委員、ありがとうございました。
それでは、特に問題点等はないということと、皆様から非常に前向きに評価いただきましたので、今後、このガイドライン改訂案についてこのまま了承いただくということで、この場の皆さんの御意見を締めたいと思うのですが、特に御異論はございませんでしょうか。
(首肯する委員あり)
【滝沢小委員長】
それでは、皆様に御了承いただいたということで、このガイドライン改訂案に基づいて、今後、各都道府県の皆様への配布等を進めてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。
議事次第に従いましてすぐに議事(2)のほうへ行ってもいいのですが、実は事務局に相当説明をいただきまして負担をかけてしまいましたので、ここで5分ほど休憩を取らせていただいてもよろしいでしょうか。大丈夫ですか。
事務局さんのほうは大丈夫ということですので、そのまま議題(2)へ移らせていただきます。事務局さん、御負担をおかけします。
それでは、続きまして議題(2)について、報告事項となりますが、事務局より説明をよろしくお願いいたします。
【今別府温泉地保護利用推進室係長】
「国民保養温泉地の区域の変更について」というところで、私、今別府から御説明をいたします。
資料2を御覧ください。
先生方は大変詳しいかと思いますが、国民保養温泉地については、温泉法第29条に基づき、温泉の公共的利用増進のため、国民の保健休養に重要な役割を果たす温泉地を環境大臣が指定しているものでございます。
本制度につきましては、昭和23年の温泉法制定当時、国民の保健休養に重要な役割を温泉が果たすということで、健全な発展のために、歓楽地化を防ぎ、休養の場として役割が十分果たされるよう育成しようという趣旨で設けられたところでございます。
その趣旨に沿いまして、まず昭和27年に旧選定基準を定め、昭和29年に酸ヶ湯、四万、奥日光湯元を指定して以降、現在79の温泉地を国民保養温泉地として指定させていただいているところでございます。
なお、近年の旅行形態の多様化や温泉地を巡る情勢の変化など、温泉利用者のニーズ等が大きく変化しているところではございますけれども、その実態に即した制度運用を行うため、平成24年に、資料の1ページ目の左下に記載しているところでございますが、新基準を定めておりまして、現在はこちらに基づいて運用しているところでございます。
また、国民保養温泉地については、温泉法施行規則第21条の規定に基づき、温泉地計画を策定することになっております。こちらは、平成24年の新基準を策定した際に、原則として5年ごとの見直しを行うこととしております。
近年の新規指定・区域拡充の状況としては、資料1ページ目の右下の表のとおりでございます。直近では、令和4年度に山形県鶴岡市の由良温泉と熊本県水俣市の湯の児・湯の鶴温泉を国民保養温泉地として新規指定しております。
2ページ目を御覧ください。
こちらは、現在指定している79の温泉地を一覧にしているものでございます。その中で、今回、令和7年12月1日付で赤字にしておりますニセコ温泉郷の区域拡充を行いましたので、その内容について御報告いたします。
3ページ目を御覧ください。
まず、ニセコ温泉郷の概要を御説明いたします。ニセコ温泉郷は、ニセコ積丹小樽海岸国定公園内にございまして、ニセコ町と蘭越町にまたがって位置しているところでございます。右上の位置図を御覧いただきながらお聞きいただければと思いますが、まず、昭和33年11月に、昆布温泉、湯本温泉、五色温泉、新見温泉の4地区から成る国民保養温泉地として指定されました。今回はその4地区に加えまして、令和7年12月1日付でアンヌプリ温泉を加えて、現在は5つの地区から成る国民保養温泉地となっております。
ニセコ温泉郷の特徴といたしましては、ニセコ連山や羊蹄山といった美しい山々に囲まれた農山村でございまして、地域の中央には清流日本一の尻別川が流れ、豊富な水と寒暖差の大きい内陸性気候の特性を生かしまして、米やジャガイモなどの農産物を生産している地域でございます。
そして、その優れた自然環境を生かして、夏季は登山やサイクリング、トレッキング、冬季はスキーなど、一年を通してアクティビティが楽しめる地域でございまして、とりわけ国内有数の豪雪地帯であり、良質な雪が毎日のように降ることから「奇跡の場所」とも呼ばれ、国内外の観光客からも大変人気の地域となっております。また、五色温泉をはじめとする古くからの温泉宿も多く残る地域でございまして、ゆっくりと日本らしさも感じられる地域でございます。
ニセコ温泉郷の国民保養温泉地としての取組方針につきましては、資料の左下のほうに記載しております。それぞれの地区の特性や魅力を生かして利用者の保養に努めるとともに、住民はもとより国内外の観光客など様々な人と交流ができる温泉地を目指して、まず、温泉につかり、豊かな自然を楽しむアクティビティとの親和性を生かした利用促進、温泉療法医などの医学的立場からの温泉利用や健康管理を指導できる人員の配置・育成、温泉の公共的利用の増進と環境保全や文化伝承に配慮した情報発信や環境整備、町民を含む利用者の健康増進と観光客等との交流促進、また、多言語対応等の環境整備やマナー啓発など、外国人利用者も含め、誰もがストレスなく温泉を楽しみ、保養できる環境整備を取組方針として掲げているところでございます。
4ページ目を御覧ください。
今回拡充をさせていただきましたアンヌプリ地区の概要と拡充理由について御説明をいたします。
まず概要についてですが、アンヌプリ地区はニセコアンヌプリの南麓、ニセコ国際スキー場の麓に位置しており、こちらもニセコ積丹小樽海岸国定公園内にございます。夏は登山、秋は紅葉、冬はスキーなど、四季を通して優れた自然環境を生かしたアクティビティを提供する地域となっておりまして、1985年の開湯以来、温泉宿等の整備が行われて、温泉地が形成されてまいりました。現在に至って、温泉入浴施設を中心に地域と国内外の利用者が交流を深め、温泉地のにぎわいを生み出しているような温泉地であります。
温泉の状況といたしましては、3つの源泉がございまして、温度としては約50~49℃でありまして、それに伴って3つの温泉宿泊施設が整備されているところでございます。泉質は炭酸水素塩泉、塩化物泉でありまして、日帰り温泉としても利用可能な温泉宿泊施設もあるといった状況でございます。
アンヌプリ地区を今回ニセコ温泉郷の区域として拡充させていただきましたが、その理由について御説明いたします。先ほども申し上げましたが、アンヌプリ地区は1985年の開湯となっておりまして、昭和33年、1958年になりますが、その指定当時はまだ温泉がなかったというところ、開湯以来、温泉宿等の整備が行われ、温泉地が形成されてまいりました。
今般、5年ごとの温泉地計画の見直しをニセコ町が行う中で、アンヌプリ地区についてもほかの地区と同様に国民保養温泉地として一体となったさらなる利用促進を行いたいという意向が地域より出たことを契機に、アンヌプリ地区を加えた形で温泉地計画の見直し案の提出が環境省にございました。
そちらを環境省のほうで検討いたしましたところ、療養泉であること、利用する温泉の湧出量が豊富であることはもちろんのこと、先ほど1ページ目のところで国民保養温泉地の基準を記載いたしましたが、温泉地の環境等に関する条件を満たすことを確認することができましたし、また、ニセコアンヌプリ地区の優れた自然環境を生かして、保養地として様々な利用者の保健休養に資する温泉地となっていることから、ニセコ温泉郷の区域として令和7年12月1日付で拡充させていただいたところでございます。
以上で資料についての説明を終わります。
【滝沢小委員長】
事務局さん、ありがとうございました。
それでは、議題(2)の説明について、御質問、御意見等がありましたらお願いいたします。先ほどと同じように、会場にお集まりの委員の皆様におかれましては、御質問がある場合には挙手をお願いいたします。リモート参加の委員の皆様におかれましては、ウェブ画面上で参加者リストの御自身の名前の横に表示されている挙手ボタンにて挙手の表示をお願いいたします。どうぞよろしくお願いいたします。
特に御意見はないでしょうか。
私のほうからお聞きしたいのですけれども、本当に変な話なのですが、最近、ニセコ、ニセコとやたら言われて、ニセコとアンヌプリとか、倶知安とか、あの辺を一まとめにしてニセコというイメージを皆さんお持ちだと思うのですが、今回加えられたアンヌプリというのは、いわゆる海外リゾートの開発が今進んでいる倶知安町ではなくて、別のところということでよろしいのでしょうか。
【今別府温泉地保護利用推進室係長】
おっしゃるとおりでございます。
資料の3ページ目の位置図を見ていただければと思います。いわゆる報道等でニセコとして資源開発とかリゾート開発が進んでいるのは、倶知安町のほうのひらふ地域とかそういったところになってございまして、ニセコ町のアンヌプリ地区に関してはそういったところはなくて、ニセコ町内ですと温泉掘削は1年当たり1件から多くて3件程度だということで、掘削状況が集中するような状況にはないということを北海道のほうからは伺っております。
また、北海道のほうでもニセコ町を含む地域資源のモニタリングをきっちりされているそうで、資源管理についてもしっかりと努められているところでございます。現時点で、ニセコ町の資源量の低下という傾向は見られていないということでございました。
【滝沢小委員長】
ありがとうございます。
ですから、先ほどのガイドラインに盛んに取り上げられていた揚湯制限等をかけたり、保護地域を設定するという場所とはまた別の場所ということですね。ですから、あちらのニセコとは違っていて、国民保養温泉地たる温泉地ということで今回追加ということですね。分かりました。
ほかに何か御意見はございますでしょうか。ウェブ参加の方もよろしいでしょうか。
では、こちらの報告事項に関しては了承させていただきました。
議事次第に従って、この後、(3)「その他」に移りたいと思います。「その他」について、事務局から御説明をよろしくお願いいたします。
【村上温泉地保護利用推進室長】
環境省の温泉室の村上でございます。
資料3の「『温泉文化』のユネスコ無形文化遺産への提案の決定について」の御説明いたします。
「温泉文化」のユネスコ無形文化遺産への登録につきましては、これまで温泉関係団体や都道府県の知事の会等において活発に活動されてきたところでございます。今年の7月に大きな動きがございまして、温泉団体や知事の会のほうで設置されました有識者検討会におきまして、「温泉文化」の定義、担い手、保護措置等が取りまとめられております。
また、同じく7月に、「温泉文化」の担い手となる全国組織として「温泉文化」国民会議が設置されまして、こちらの会長に元文化庁長官の青柳正規先生が御就任されておりまして、事務局として全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会のほうで事務局を務められているという状況になっております。
こうした動きを踏まえまして、本年11月28日に、文化庁の文化審議会無形文化遺産部会におきまして、令和7年度のユネスコ無形文化遺産への提案候補として「神楽」と「温泉文化」が選定されたところでございます。
また、同日に、無形文化遺産保護条約関係省庁連絡会議、こちらは外務省が事務局で、文化庁や観光庁、環境省からも参加しておりますが、こちらにおいて提案案件として了承されたという状況でございます。
今後の見通しでございますが、ユネスコ無形文化遺産の我が国の新規提案案件の審査は、現在実質2年に1件となっております。文化審議会のほうで審査の優先順位としましては、「神楽」、「温泉文化」の順とされておりますので、「温泉文化」は2030年12月の審議となる可能性が高いと文化庁から聞いておるところでございます。
下のほうに「温泉文化」の概要がございます。簡単に御紹介させていただきます。
提案案件の名称が「温泉文化」、担い手となる全国組織が先ほど御紹介した「温泉文化」国民会議になっております。
右の「提案案件の内容」のところに、「温泉文化」の定義が整理されております。「温泉文化」の定義につきましては、「自然の恵みである温泉につかり、心と体を癒す」という日本人に根づいている社会的慣習と整理されております。また、温泉を対象とした祭り・神事、あるいは伝統的な入浴方法、こういったところも含めて「温泉文化」という形で整理をされているところでございます。
多くの温泉地において人口減少・高齢化が進んできて、温泉地の方々が非常に御苦労されている状況がございますが、この「温泉文化」の取組はそういった温泉関係者の方々を勇気づける取組ではないかなと考えております。
環境省としましては、今後の登録に向けて関係省庁と一体となりまして機運の醸成等に努めてまいりたいと考えております。
説明は以上となります。
【滝沢小委員長】
どうもありがとうございました。
ただいまの御説明について御発言がありましたらよろしくお願いいたします。先ほどと同じように、会場の皆様には挙手をいただいて、ウェブで御参加の委員の皆様は、もし御意見ございましたら挙手ボタンのほうで御意見、御質問をよろしくお願いいたします。
星委員、よろしくお願いいたします。
【星委員】
日本温泉協会から参加させていただいている星と申します。よろしくお願いします。日本温泉協会のほうへも、実は日本秘湯を守る会というところの代表として参画をしているところでございます。
日本温泉協会、お宿のほうも、当然温泉宿の集まりですので温泉がないと商売にならない。そして、秘湯を守る会となると、なお一層温泉がなくなってしまうと山にいる理由そのものがなくなってしまうという、まさに、「温泉資源の保護に関するガイドライン」とともに、その土地土地の温泉の入り方、温泉の在り方、宿の在り方を通して温泉の山岳文化を守っているというところからして、今回の「温泉文化」がユネスコの無形文化遺産の登録へ一歩二歩と近づいているというお話をお伺いして、誠にありがたい話だなと感じております。
と申しますのも、皆様御案内のとおり、温泉というものはいろいろな省庁にまたがって存在しているという経緯があります。中でも地熱関係のほうは、我々の仲間の宿でも大変深刻な状況に陥っていることもありまして、ぜひ「温泉文化」のユネスコ無形文化財遺産への登録を機に、いろいろな方面からの温泉の価値、温泉のこと、そういったものを共通認識として、もっと学びを深め合える、そういった契機にしていただけると本当にありがたいなと思うところであります。
そういった点で、我々も、先ほど来お話のあるモニタリングも、自分で自分を守らなくてはいけないといった見地から、温泉協会のほうでも、ましてや秘湯を守る会のほうでも、協会員、会員のほうに、とにかく自分のことを自分で守らなくてはいけないのだから、モニタリングを一生懸命やろうよ、毎日ではなくていいのだ、1か月に1回でもいいのだというような形で、役員一同、お話をしているわけですけれども、何分にも、先ほどちょっとお話しいただいた山の宿の人員不足に関しましては大変深刻さを深めておりまして、温泉のそういった5分、10分の手間すらなかなか行き届かない。先月はできたけれども、今月はできなかった、そう言っているうちに来月も忘れてしまった、そういう現実があります。特に私ども秘湯を守る会では、各支部に委員まで置いて、各宿にちゃんとやってくれよと言っていても、なかなか全員そろわないというのが現実であります。
とは言いましても、今日の「温泉資源の保護に関するガイドライン」の中で計測機器も最近は安価になってきているということもございましたので、そういった点では、各所属する会のほうで、あるいは地域のほうで、少しずつでも金銭的な面でバックアップができるようなことも考えていって、人手をかけないようにしながらモニタリングを長期間にわたってできるようなことも考えていかなくてはいけないなと感じながらお話をお伺いしておりました。
何しろ、温泉が文化遺産への登録ができますと、これは本当に全国的ないい機会になると思いますので、そういった点でも各方面の温泉に対する認識を何とか共有できる機会にぜひしていただければなと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
【滝沢小委員長】
星委員、ありがとうございます。
ユネスコ無形文化遺産登録を契機に、モニタリングの推進とか資源保護の拡充ということにつながっていけば、これは日本の温泉資源保護ということで温泉法の根幹に関わる部分の貢献になると思いますので、こちらはぜひ環境省さんのほうも御協力いただきまして、これからも国の温泉資源を守っていただければと思います。
また、地元で実際に運営されている星様のような皆様にも何とか助けになるように、ガイドラインのほうでも問題になっておりましたが、後継者不足という辺りに関しては、今後、こういった場での検討でも引き続き取り上げて検討していくべきだと思っておりますので、委員の皆様、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
事務局さんのほうはこの件で何かございますでしょうか。
【村上温泉地保護利用推進室長】
大変貴重な御意見をいただきましてありがとうございます。
お話をいただきましたとおり、まさに温泉があっての「温泉文化」で、その根源となるものを守っていただいていると思っておりますので、これを機にそういったことをしっかり守っていけるよう民間の皆様と連携して取組を進めていきたいなと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
【星委員】
よろしくお願いいたします。
【滝沢小委員長】
あと、文化遺産の登録関係に関しましては、今日、会場に御参加の内田委員が温泉文化の定義の検討とか担い手団体の設立等でいろいろと御知見をお持ちですし、関わりも深いと思いますので、先ほど星様からも御意見をいただきましたが、内田委員からも何か御意見をいただけないでしょうか。どうぞよろしくお願いいたします。
【内田委員】
ありがとうございます。東洋大学の内田でございます。
「温泉文化」のユネスコ無形文化遺産登録に向けた検討会の専門委員を務めさせていただきました。
今回の登録運動は、特定の地域・施設が対象とされる有形文化ではなく、日本全体の温泉地、そして、それを取り巻く広域的な生活文化として無形文化遺産での登録を目指しております。
委員会などでは、「温泉文化」とは何かという基本的な論点から議論を重ね、このたび提案候補になることができました。全国の温泉地、また、各省庁をはじめ、多くの皆様に御協力いただきましたことを、委員の一人として感謝を申し上げます。ありがとうございました。
配付された定義にございますように、古代から温泉は自然の恵みを生かして人々の心身の健康を長く守り続けてきたこと、そして、それが現在に続く重要な日本の社会的な慣習であると位置づけております。これは、環境省さんが進めてこられた「新・湯治」とも共通した視点かと感じております。
個人的には、今回の定義も含め、まだ十分に「温泉文化」が理解されている状況とは感じておりません。しかしながら、今回の「温泉文化」の登録を契機に多くの皆様への理解が深まること、それによって、星委員からお話がありましたように、「温泉文化」の価値を理解していただき、それが今後、温泉、そして温泉地の保護というところに進むことを期待しております。
ただ、先ほどございましたように、登録までの道のりはまだ長くございます。ぜひ今後とも皆様の御支援と御協力をいただきながら、「温泉文化」をさらにしっかりとしたものにしていきたいと考えております。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
【滝沢小委員長】
内田委員、ありがとうございました。
今の内田委員の意見も含めて、皆様、何かございますでしょうか。ウェブの方、いかがでしょうか。
深町委員、迫田委員、大丈夫でしょうか。
ユネスコの無形文化遺産への登録の見通しが立ったということで、温泉関係に携わっている者としては非常に喜ばしい限りでございまして、今後、内田委員とか事務局、環境省さんのほうではさらにいろいろ大変な業務が山積みかとは思うのですが、ぜひこれを形にしていただけると、ますます日本の温泉というものが盛り上がっていくかなと思っております。
ほかに、今日議論された中で、全体で結構ですので何か御意見とか御質問は、会場の皆様、ウェブ参加の皆様、ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、本日、事務局から提示されました議題についてはこれで全て議論を終了とさせていただきます。皆さん、御協力本当にありがとうございました。
それでは、進行を私から事務局にお返しいたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。
【五反田温泉地保護利用推進室室長補佐】
滝沢小委員長、ありがとうございました。
委員の皆様におかれましても、長時間にわたり御審議賜りましたこと、お礼を申し上げたいと思います。
予定よりは早いところでございますけれども、本日の温泉小委員会はこれをもちまして閉会とさせていただきたいと思います。本日は誠にありがとうございました。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
午後14時30分閉会