自然環境部会自然公園等小委員会(第53回)議事録
開催日時
令和7年8月18日(月) 14:00~15:53
議事次第
(1)ニセコ積丹小樽海岸国定公園の公園区域及び公園計画の変更(点検)(諮問)
(2)国立公園事業の変更について(2件)(諮問)・中部山岳国立公園の乗鞍高原駐車場事業
・瀬戸内海国立公園柿ヶ原博物展示施設事業
(3)磐梯朝日国立公園(磐梯吾妻・猪苗代地域)五色沼東エリア利用拠点整備改善計画の認定について(報告)
(4)国立公園の利用推進の取組について(報告)
議事録
午後2時00分 開会
○事務局(山本) それでは、定刻となりましたので、ただいまより中央環境審議会自然環境部会自然公園等小委員会を開会いたします。
本日はお忙しい中、本審議会にご出席いただき、誠にありがとうございます。
本日は、所属の委員及び臨時委員18名のうち、WEB参加も含め13名の方にご出席をいただいておりますので、本委員会は成立していることをご報告いたします。
続きまして、本年2月に、中央環境審議会委員の任期満了による改選がございました。改選後の本小委員会の委員長には、中村太士自然環境部会部会長に兼務いただけることとなりましたので、事務局よりご報告いたします。よろしくお願いいたします。
また、この度の改正に伴いまして、本小委員会に新たにご所属いただくことになりました委員をご紹介させていただきます。
東海大学の田中伸彦委員です。よろしくお願いいたします。
○田中委員 よろしくお願いいたします。
○事務局(山本) 田中委員、また、引き続き委員をお務めいただく先生方におかれましても、ご審議のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
続きまして、前回の小委員会から、環境省自然環境局の幹部の異動がございましたため、ご紹介させていただきます。
最初に、自然環境局長の堀上です。
○堀上自然環境局長 堀上です。よろしくお願いします。
○事務局(山本) 続きまして、大臣官房審議官の成田です。
○成田大臣官房審議官 成田です。よろしくお願いします。
○事務局(山本) 続きまして、自然環境局総務課長の近藤は、オンラインのほうで参加させていただいております。
続きまして、国立公園課長の長田です。
○長田国立公園課長 長田です。よろしくお願いします。
○事務局(山本) 続きまして、国立公園利用推進室長の立田です。
○立田国立公園利用推進室長 立田です。よろしくお願いします。
○事務局(山本) 7月に新たに設けられましたインバウンド推進室の室長の澤田です。
○澤田インバウンド推進室長 澤田です。よろしくお願いします。
○事務局(山本) 続きまして、本日の会議運営についてご説明いたします。
傍聴につきましては、会場での傍聴は行わず、傍聴用のWEB会議システムを用意して、傍聴できるようにさせていただいております。本日は報道機関関係者の方を含め17名の方がWEB会議システムにて会議を傍聴されておりますので、ご承知おきください。
また、本日ご説明する資料につきましては、会場にお集まりの委員については、お手元のタブレットから資料をご参照ください。リモート参加の委員におかれましては、事前にメールにて送付させていただいている資料のご参照をお願いいたします。
次に、ご発言についてご説明いたします。
会議室でご参加の委員におかれましては、発言の際は名札を机に立てていただき、委員長からのご指名後、マイクをオンにしてご発言ください。発言終了後は、マイクをオフにしていただくようお願いいたします。リモート参加の委員におかれましては、差し支えない範囲で結構でありますので、常時ビデオボタンをオンにし、お顔が見られる状態にしておいていただけますと幸いです。ご発言の際は、挙手アイコンをクリックしてお知らせください。委員長からのご指名を受け、マイクのミュートを解除してからご発言いただきますようお願いいたします。
会議運営に関する説明は、以上でございます。
それでは、自然環境局長の堀上から、ご挨拶申し上げます。
○堀上自然環境局長 本日はお忙しい中、自然公園等小委員会にご参加いただきまして、大変ありがとうございます。また、委員の皆様には、日頃から環境行政、それから自然公園行政にお力添えをいただいておりますことに感謝を申し上げます。
最初に少し触れさせていただきたいのですが、先週、知床国立公園の羅臼岳で、登山者の方がヒグマに襲われるという事故が発生しております。その後、救助が行われましたがが、残念ながらお亡くなりになり、大変残念なことであります。被害者の方のご冥福をお祈りいたします。また、遺族の方に心からお悔やみを申し上げます。
知床国立公園は、20年前に世界自然遺産になってから、このようなクマの事故はなかったわけであります。今回、全国的にもクマの被害は増えておりますし、出没も増えている中で、そういったことが起きてきているということを踏まえて、今後どのように国立公園、自然公園の中でも対応していくのかということは、色々な方の意見も聞きながら検討していきたいと思っておりますので、まずそのことを冒頭にお話させていただきました。
本日の小委員会ですが、ニセコ積丹小樽海岸国定公園の公園区域、公園計画の変更、国立公園事業の変更2件、諮問案件がございます。これについてご審議をいただければと考えております。
また、諮問案件以外にも、幾つかご報告をさせていただければと思います。一つは国立公園満喫プロジェクトでございまして、これは2016年から開始して、10年目に入っており、いろいろと成果も出てきておりますので、このことについてもご説明させていただければと思っております。そのほか、時間も限られてございますが、ぜひ忌憚なくご意見をいただければと思います。
本日はどうぞよろしくお願いいたします。
○事務局(山本) それでは、ここからの議事進行につきましては、中村委員長にお願いしたいと思います。中村委員長、よろしくお願いいたします。
○中村小委員長 委員長の中村です。よろしくお願いいたします。
今、堀上局長からもお話があったとおり、知床は世界遺産としても20周年を迎えるということで、これまでそういった人身的な事故はなかったのですが、今回こういう事故が起こってしまったことで、今後どのような形で国立公園並びに世界遺産の管理をしていけばいいかというのは、大変大きな問題になってくると思います。
また、知床の場合、登山者ではなく、カメラマンが鮭の死体を置いて、クマが鮭を食べている姿を近距離で撮るというような問題もまだ発生していて、法律的にある程度止めるような方向には向かっているのですが、なかなかこれもうまくいかない。愛甲委員と、これは科学委員会としても、何らかの形でメッセージを社会に発する必要があるという話もしていたところでした。今回の事案はそれとは違いますが、ますます難しい時代に入ったという感じがしています。また別の機会で皆さんと、そういった議論も含めて検討できればと思います。
それでは、議事次第にのっとって進めさせていただきます。
会議資料については、公開となります。また、議事録は後ほど事務局で作成し、本日出席の委員の了承を得た上で、公開することとなります。
本日の議事としては、議事(1)がニセコ積丹小樽海岸国定公園の公園区域及び公園計画の変更(点検)(諮問)について、議事(2)が公園事業の変更について(2件)(諮問)となっております。また、報告事項として、議事(3)(4)がございます。報告事項については、まず事務局から全て説明いただいた上で、まとめて質疑したいと思います。
では、議事1について、事務局より説明をお願いいたします。
○事務局(山下) 中村委員長、ありがとうございます。
改めまして、環境省国立公園課の山下と申します。よろしくお願いいたします。
議事1に入ります前に、私のほうから、公園計画及び国立公園事業制度の概要について、ご説明をさせていただきたいと思います。趣旨としましては、今回改選で田中委員に就任いただいたということと、改めて、この機会になるべくより具体的なご説明で、この公園計画と国立公園事業というものが、どういう制度になっているかというのをご説明させていただければと思います。
それでは、資料1-1に基づいて、説明させていただきます。
まず、自然公園法によるゾーニングの概要を、こちらの資料でご説明させていただきますが、典型例として、中央アルプス国定公園の例を左側に示しております。国立公園の最も核心的な部分である特別保護地区が指定されておりまして、その外側に、多くは特別地域として、第1種から第3種の特別地域が指定されていると。その周りに、普通地域という地域が指定されているというのが、一番典型的なゾーニングになっております。
こちらで今お話ししたとおり、保護のための規制というのは厳正に保護する特別地域、特に特別保護地区から、大規模な開発のみを把握・規制する普通地域まで、地域の自然環境と農林水産業などの利用の状況に配慮して、各公園で設定しております。自然環境の状況に合わせて、適切な地種区分を設定するということになっておりまして、この保護のゾーニングの中に、国立公園の利用を推進するというのも大きな目的の一つにしておりますので、利用施設の計画というものが位置づけられているというような大枠になってございます。
それで公園計画、今お話ししたとおり、大きくは規制計画と事業計画という二つに分けられまして、規制計画については保護規制計画といいまして、今お話ししたようなゾーニング、あるいは利用規制計画といって、マイカー規制なんかの計画が位置づけられているということになっております。
一方で、事業計画というのが保護施設計画、利用施設計画、これがいわゆる公園事業と呼んでおるものでございまして、利用保護のために必要な施設を位置づけていると。また、比較的新しい制度としまして、生態系維持回復計画ですとか自然体験活動計画といったものが位置づけられております。
本日の議事1は、この公園計画全体を変更するというものになってございます。それから、議事2の諮問事項については、この事業計画の中の利用施設計画に関する内容になっております。
公園事業というものについて、少し詳しく説明をさせていただきます。
まず、上の青の四角形の中の1ポツですけれども、国立公園の保護または利用のための施設の整備は、公園計画に規定される整備方針に基づいて、公園事業の執行として積極的に推進したいというものでありまして、「利用施設については、公園における多様な利用形態のうち、当該公園にふさわしいものについて積極的にその増進を図るためのもの」ということになっております。公園事業というのは、後ほど詳しく説明しますけれども、事業決定というプロセスにおいて定められた大綱(規模、位置)、この範囲内において執行が可能になっているということで、それを表したのが下の絵です。
まず、公園計画というものがありまして、その前提の下に事業決定を行うと。これが本審議会へ諮問をさせていただいている内容になっております。この大枠が決まった後に、事業執行というものがありまして、環境省が自ら直轄で行うものであったり、環境省以外の公的機関、民間が行うものがあります。これらについては、民間あるいは公共団体の申請・協議に対して環境省が審査をして、執り行っていただくというような流れになっております。
ご承知かと思いますが、公園事業施設の例としましては、休憩所事業、宿舎事業といったもの、それから、博物展示施設と呼んでおりますけれども、いわゆるビジターセンター、それから歩道ですとか、保護のための施設としましては、自然再生施設なんかがございます。
少し情報が多いのですが、事業決定と事業執行の何が違うのかというのが、結構我々でも悩む部分でして、ここを少し整理して紹介させていただきます。
まず、左上の事業決定ですけれども、趣旨としましては、先ほども申し上げましたとおり、位置及び規模なんかの整備すべき公園施設の大綱を定めるものでございまして、具体的には、位置であれば、道路のような施設は路線と起終点を定めるもので、宿舎、駐車場なんかの面的な施設については区域を定めるということになっております。また、規模についても、各事業ごとに定める規模というものが規定されておりまして、例えば、宿舎では区域面積、最大収容人数、車道では路線距離と有効幅員、歩道では路線距離というような具合になっております。
この事業決定における審議の要点を下半分のところで整理させていただいておりますが、次に掲げる要件に適合しなければいけないということで、三つ規定されておりまして、一つが公園計画に適合していること、二つ目が国立公園事業の内容が風致景観の保護上支障のないこと、三つ目が事業執行の見込みがあることということになっております。
また、決定すべき事業の位置及び規模にある規定としまして、「国立公園の利用動向、利用上の必要性及び風致景観上の支障の程度等を考慮して適正なものとする」というふうに規定されております。本日のご審議でも、この辺りを踏まえて、忌憚のないご意見をいただけたらなと考えております。
右上になりますが、事業決定で大枠が決まった後に、事業執行の認可をしていくわけですが、民間事業者とか地方公共団体等が提出した申請書類を、基準にのっとって審査し、認可するものになっておりまして、事業決定から比較すると、かなり詳細な内容をここで審査するということになっております。
次のページで、少し具体的な事例をつけさせていただいております。
まず、公園計画書と事業決定書について、前回諮問させていただきました阿蘇くじゅう国立公園、久住山南登山口宿舎の例を紹介しておりますが、公園計画書ではかなりざっくりとした方針というものが規定されておりまして、事業決定では、それの規模、左側で書かれている区域面積、最大宿泊者数、あるいは右側の地図でもって、黒枠で囲ってある範囲をこの事業決定の中で決めていくということになっております。
さらに、事業執行時の認可申請書類の例もご紹介させていただきますと、左側の申請書で、管理経営の方法ですとか、そういったところまで詳しく書いていただいた上で、一部ですが、右側にご紹介しているような平面図ですとか立面図、あるいはそれがどういう色彩で計画されているのかといったところまで、申請書類の中で確認していくということになっております。
最後、ご参考ですが、その事業執行認可時の審査基準は、ここにご紹介したようなかなり細かい基準が設定されております。この中には、管理運営に関する項目であったりですとか、下の各国立公園で策定する管理運営計画書というところに書いております公園独自の詳細な基準、デザインですとか、色彩といったことまで、基準として設けられているというような内容になっております。
私のほうからのご説明は以上になりますので、この後、具体的な諮問の内容についてご説明をさせていただきます。
○事務局(森田) 続きまして、国立公園課の森田から、ニセコ積丹小樽海岸国定公園の公園区域及び公園計画の変更について、ご説明をさせていただきます。
ご説明の流れは、国定公園の概要と今回の変更内容、パブリックコメントについてという順番でご説明させていただきます。
まず、ニセコ積丹小樽海岸国定公園の概要についてご説明いたします。スライドは4に移ります。
ニセコ積丹小樽海岸国定公園は、ニセコ連峰の山岳景観と、積丹半島の海食崖の景観が特徴的な公園となっております。昭和38年に国定公園に指定され、その後、昭和55年に再検討を行い、平成6年、平成18年に、それぞれ点検作業を実施しております。
続いて、今回の変更内容についてご説明いたします。
スライドは6に移りまして、今回の変更のポイントですが、公園区域の変更として、隣接する公園区域と同等の景観資質を有する公園の区域の拡張と、市街地化が進み、公園としての資質が失われている区域の削除を予定しております。また、実態に合わせて、公園区域線と地種区分線を明確化いたします。利用施設計画については、公園区域の削除に伴い、単独施設及び車道計画を削除いたします。
続いて、スライド7に移りまして、それぞれの変更内容について、個別にご説明をさせていただきます。
まず、拡張する区域に関してですが、当該地はニセコアンヌプリ北斜面に位置する鏡沼と手鏡沼を含む高層湿原のエリアであり、隣接する公園区域と同等の資質を有する区域になっておりまして、87ヘクタールを第3種特別地域として拡張いたします。
続いて、削除する区域に関しましては、倶知安町ニセコひらふ地区に位置しており、公園区域と隣接して市街地化が進んでいることから、公園としての資質が失われているため、17ヘクタールを公園区域から削除いたします。
続いて、スライド8に移りまして、今回、公園区域及び地種区分線の明確化を行うため、合計で9か所、区域線等の名称を変更したいと考えております。いずれも道路の付け替えによって、区域線等を道路界から旧道路界に名称変更するもので、公園の面積自体には変更は生じません。
続いて、スライド9に移りまして、利用施設計画の変更に関しては、公園区域の削除に伴い、単独施設三つと車道計画を一つ削除する予定になっております。
最後に、パブリックコメントの対応に関して、スライド11に移りまして、今年の4月から5月にかけて、約1か月間、パブリックコメントを実施いたしました。1件のご意見をいただき、そのご意見は、スライド8でご説明した公園区域線と地種区分線の明確化に関するご意見をいただいており、ご説明した9か所のうち4か所が、本意見を踏まえて、公園区域線の名称を変更したものとなっております。詳細は、配付しております資料1-5をご参照いただければと思います。
事務局からの説明は以上となります。
○中村小委員長 ありがとうございました。
それでは、今の説明について、ご意見やご質問をいただきたいのですが、会場にお集まりの委員の皆様におかれましては、質問がある場合は、名札を立ててください。また、リモート参加の委員の皆様におかれましては、WEB画面上で参加者リストのご自身の名前の横に表示されている挙手ボタンにて、挙手の表示をお願いします。なお、発言する際には、最初に名前を述べてから、意見、質問をお話しください。
まず、会場のほうから先にお願いしたいと思います。田中委員、お願いします。
○田中委員 東海大学の田中と申します。よろしくお願いいたします。
事実確認で、国定公園の地域から削除される部分の土地利用についてうかがいます。この地域は観光などの面で市街化が進んでいる地域ですが、国定公園の削除に伴い、国土利用計画法の五地域区分がどう変わるのか教えていただければと思います。
○中村小委員長 それでは、3名ほどご意見をいただいた後、まとめて回答いただきたいと思います。
続いて、愛甲委員、どうぞ。
○愛甲委員 北海道大学の愛甲です。
田中さんと同じ点なのですが、今回削除する経緯について、点検の結果ということだと思うのですが、国定公園の区域の中にあるのに市街地化が進んで、それを解除せざるを得ないという状況に至ったのはどうしてなのか。地元の自治体や、土地所有者からの申し出があったのか。ニセコは最近、大規模な開発により、景観の悪化というのも非常に心配されているところです。安易に解除してしまっていいのだろうかと思ったので、その辺の経緯などについて教えていただきたい。国定公園になっているのに、法律に不適格となるような開発が行われたのかということも確認させていただければと思います。
○中村小委員長 ありがとうございます。これは多分皆さん思われたことだと思いますので、この点について、事務局からまず説明をお願いいたします。
○事務局(山北)事務局より説明をさせていただきます。
まず2点、お二方の先生方からいただきました。
最初の田中先生からいただいた質問ですが、土地利用については、今は自然公園地域に指定されており、それを解除して、五地域区分の中では都市地域の区分に変更されます。
続きまして、愛甲先生からいただいた質問ですが、市街地化が進んだ経緯として、国定公園の許認可は、国定公園を管理している都道府県の判断で許可されることになっております。
削除する区域については、現在、ニセコひらふ地区の街中を分断する形で公園区域が指定されており、メインストリートの中央の、一つのホテルの敷地を分断する形で指定されています。現在、公園区域内外にわたってホテル等が立ち並んでいる状況ですが、都道府県の判断のもと、基準にあったものが許可されてきておりますが、一つ一つ許可をされていく中で、市街地化されてしまうというところは、この自然公園の制度の中では避けては通れないといいますか、市街地化してしまうところも実際にはあるというところでございます。
今回、公園区域から削除するところですが、都市計画法に基づく準都市計画区域が隣接して指定されております。準都市計画区域の中には、特定用途制限地域と景観区域が設定されており、一定規模以上の工場等の用途制限や、建物の高さ、色彩等が規制されています。今回公園区域を削除するところにつきましても、削除された後に準都市計画区域を拡張して、この特定用途制限地域、景観地区の設定が予定されているところでございます。準都市計画区域の拡張によって、無秩序な開発については、一定程度抑制が図られるものとなっております。
また、自治体や地域住民からも、同一地区において異なる基準がかけられているところを、統一した基準で管理したいという要望があり、今回公園区域を削除して、準都市計画区域の制度の中で管理を図っていくというところでございます。
また、削除するところは、市街地化によって公園としての資質が既に失われているということ、国定公園として維持する意義が薄れているという判断のもと、削除するということでございます。
○中村小委員長 今の回答についていかがですか。田中委員、お願いします。
○田中委員 東海大学の田中です。説明で太枠を理解しました。
この審議会からは少しはみ出してしまうのかもしれませんが、都市地域の中でも市街化区域になるのか市街化調整区域になるのかなどが少し分からなかったのでさらにお聞きします。これから都市計画決定がされるので、市街化調整区域になるのか、市街化区域になるのか決まっていないかもしれませんが、見た目は市街化調整区域になるような場所じゃないかなと、推測しているところです。が、いずれにせよ、このような地域において景観を守るといったときに、自然公園の第3種特別地域から普通地域への変更ではなく、いきなり都市地域に入ってくるということは、割と珍しいのではないかと思います。国土交通省の関係になるかとは思いますが、自治体による、景観法に基づく景観行政や、緑の基本計画などの都市景観保全行政と、自然公園行政との連携がすごく大切になってきて、試金石になってくると思います。現場の中で、ケース・バイ・ケースで調整していく必要があると思います。私自身は、解除に反対しているわけではなく、景観に関する行政は省庁にまたがっており、そこをしっかりと担保していただければと思います。
○中村小委員長 ありがとうございます。
続いて、関委員、お願いいたします。
○関委員 ありがとうございます。関です。
私も今と同じ質問で準備しておりましたので、ご説明いただき分かりました。ありがとうございます。
○中村小委員長 それでは、山本委員、どうぞ。
○山本委員 山本です。
私は質問を2点用意してあり、一つは今、3人の委員の先生方がおっしゃったことと同じです。ただ、今回の変更提案というのは、全体としてはプラス70ヘクタールで還元できる、そういう変更提案だとは思うのですが、公園の質が失われているから境界を変更するという点がやはり気になりました。既にやり取りがあったとおり、都市計画法上では、準都市計画区域よりも市街化調整区域のほうが厳しく市街化を抑制できる区域になりますので、本当に守りたい公園の資源があるのであれば、やはり市街化調整区域への指定を考えてもいいのではないかなと思います。
二つ目は、公園の境界の明確化についてです。境界というのは、古くから、例えば自治体の境界には、稜線が使われたり、道路が使われたり、河川が使われたり、重要な自然資源が結構使われてきております。分かりやすい境界とするには、そういう場所を境界として使う必要があり、そういう意味で、今回の市街化調整区域でも、市街化された区域の真ん中に境界があるというのは、本来あまり良くなく、境界をどこに置くかということについては、何か方針があってもいいのではないかと思います。
この点については、事業をやりながら決定していくもの、考えが整理されていくものかもしれませんが、意見として述べさせていただきました。
以上です。ありがとうございました。
○中村小委員長 ありがとうございます。
先ほどの質問の確認なのですが、公園区域から削除される区域については市街化区域、市街化調整区域、そこがはっきりしなかったように思ったのですが、どちらですか。
○事務局(山北) 五地域区分について、お調べして回答させていただきます。
○中村小委員長 ひとまずペンディングということで。
それでは、お待たせしました。オンラインから江﨑委員、お願いいたします。
○江﨑委員 ありがとうございます。
皆さんと同じところですが、国立公園の場合だと、土地の売買がされても、規制がちゃんと引き継がれるようになっているかと思うのですが、国定公園の場合でも、建物が建てられた後に土地の売買がされても、規制は引き継がれるようになっているのかどうか少し気になりましたので、聞かせていただきたいと思います。
それともう一つ、異なる用途の規制がかかっているということで、ルールが二つあり使いづらいという意味合いかなと思ったのですが、規制が重ならないようにするというのが普通だと思うのですが、二つの異なる規制がかかってしまった理由について、分かれば教えていただければと思います。
○中村小委員長 ありがとうございます。ひとまずこの辺で回答いただけますか。
○事務局(山北)ただいまのご質問ですが、現在、同一地区で異なる規制がかかってしまっているというところですが、準都市計画区域は、都市計画法の考えにおいては、自然公園区域との重複は避けるべきという考え方があり、準都市計画区域をこの地区に設定したときに、自然公園の区域を除いた隣接する区域でかけられたということです。
市街地化が既に公園内外にまたがっているということで、地元からの要望としても、同一地区で、片や自然公園の規制がかかり、片や準都市計画の異なる規制がかかっており、一体的な管理ができないということで、公園区域を削除して、準都市計画区域の制度の中で統一的な景観形成を図っていきたいというものでございます。
○江﨑委員 規制がしましまに入り組むような状態になっているということですね。
○事務局(山北)同じ地区の上側が自然公園区域になっていて、下側が準都市計画区域になっているということでございます。
○江﨑委員 分かりました。ありがとうございます。
○中村小委員長 先程の山本委員の2つ目に言われたものは、意見でよろしいですか。
○山本委員 もし回答できるならで結構です。
○事務局(山北)区域の境界線についてですが、今回削除するところは、土地所有界を基本として、設定する予定でございます。
○中村小委員長 ありがとうございます。
それでは、オンラインから加藤委員、お願いいたします。声が聞こえないのですが、 もしよろしければ、可能ならチャットに入れていただければありがたく思います。
ほかの委員の先生方、いかがでしょうか。
愛甲委員、どうぞ。
○愛甲委員 都市計画法と自然公園法が重なっている場所もあるのではないかと思うのですが、先ほどの説明だと、重なったらよくないというように聞こえたので、一応確認です。
○事務局(山北)準都市計画区域については、都市計画法の考え方、運用の中で、特別地域との重複は好ましくないとされております。普通地域については、重なっているところも、他地区においてはあると思います。
今回、この区域を特別地域から削除するということについてが、事務局の判断としては、既に市街地化によって公園の資質が失われているということと、地域住民や自治体からの要望として、準都市計画区域の制度の中で統一的な運用をしていきたいというところがあり、削除するものです。
○中村小委員長 ありがとうございました。長田国立公園課長、どうぞ。
○長田国立公園課長 少し補足をさせていただきます。土地利用基本計画上の五地域区分について、田中委員からご質問のあった都市地域や自然公園地域という区分と、都市計画法、それから自然公園法で定める公園区域、都市計画区域、それぞれ根拠が異なっております。ただ、基本的には自然公園区域に指定されている場所は、五地域区分の自然公園として整理するというのが原則的な考え方にはなりますけれども、個別に調整を図る場合がございます。
一方、今回ご説明している準都市計画区域でございますけれども、これは新たに都市計画法が改正され、都市計画区域、つまり市街化区域と市街化調整区域を含む従前の都市計画区域とは別に、都市計画区域の外ではあるけれども、その整備について一定のコントロールを図っていく必要がある地域について、都市計画区域内の用途地域制度のような制度を使って、開発をコントロールしていくという仕組みになっておりまして、この準都市計画区域については、原則としては、自然公園の特別地域とは、それぞれの法の目的に基づいて、計画的効率的に土地利用を規制していくという観点から、重複することは望ましくないというふうにされています。
一方で、国土利用計画上の五地域区分については、この準都市計画区域は必ずしも縛られないという整理がなされておりまして、実際にこの地域が自然公園から外れた際に、都市地域に区分されるかどうかについては、申し訳ありません、今確認が取れていませんので、もし分かりましたら、この会議の間にご報告したいと思います。
○中村小委員長 どうぞ。
○田中委員 分かりやすくなってきたのですが、準都市計画区域というと、私の持つ一般的なイメージだと、例えば高速道路のインターチェンジとか、いわゆる人が住むことで開発をしないけれども、都市化が行われる地域に網かけするというのが一般的かと思います。今回のニセコのこの事例というのは、既に宿泊施設などができていて、人の営みがあります。都市計画区域の中の、いわゆる市街化区域というのは、住むところか工業をするところか商業をするところかで3つに大別されますが、この場所は商業をするところの土地利用開発が既に行われているようなイメージを持っていました。そのため準都市計画区域のままでずっと行くのかというのは、委員会の所掌とは違うので、ここで聞く質問ではないのかもしれませんが、突然何か景観に影響を与えるものが建ってしまうなどの懸念を感じています。今後その辺の担保をしていくのが良いかと思いました。
○中村小委員長 ありがとうございます。
加藤委員から、チャットが届いております。「観光という利活用の文脈は、また別であると思いますが、公園指定の意義が揺るがないようにと思いました。」ということです。ご意見ということでよろしいですかね。ありがとうございました。
広井委員もご意見があるということで、お願いいたします。
○広井委員 今のやり取りで大分分かったのですが、やはり試金石という話も先ほどありましたが、自然公園と都市計画法との整理というのが重要かと思いました。ニセコは特殊な例のような面もあるかと思いますけど、自然公園と市街地が隣接しているようなケースが、これから増えるのではないかと思いますので、その辺りの整理をしっかりするということが重要かと思いました。ありがとうございます。
○中村小委員長 ありがとうございました。
ほか、いかがでしょうか。特によろしいですか。
やはり私も、ニセコは特にインバウンド需要も極めて高く、非常に土地の価格も上がって、全てにおいて価格の高い場所になってしまいましたが、そのような中で、都道府県が許認可の権限を持っているということですが、やはり国として、どういう形で国定公園の土地利用を秩序化していくかというのはすごく大事な問題だと皆さん思われているということです。なし崩し的に市街地化が進んで、結果として削除を認めてくださいということではなく、やはりきちんとした計画があって、守るべきところはきちんと守られていて、こういった利用に資するところについては削除という選択肢もあり得ると。その辺を丁寧に説明していただくのと、やはり都道府県ときちんと連絡を取って、景観を乱さない形にしていただけたらと思いました。
準都市計画区域なるものがいったいどういうものなのか、私も分からないのですが、市街化調整区域、市街化区域ではなく両方とも違っていて、準都市計画区域という区域であると。そこは基本、何らかの規制が入るということと思っていいですね。その辺もまた機会があれば、教えていただければ、我々委員もある程度納得できるのではないかなというふうに思いました。ありがとうございました。
それでは、今言った課題はあるのですが、もう既に市街地化が進んでいて、今回は第3種の特別地域から削除されるということも含めて、この諮問にご異議はございませんでしょうか。
(異議なし)
○中村小委員長 よろしいですか。
それでは、今後はそういった委員からのご意見も踏まえて、慎重な対応をしていただければなと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、本件については適当と認めて、答申したいと思います。
続きまして、諮問の議事(2)国立公園事業の変更について2件ですね。お願いいたします。
○事務局(山下) それでは、国立公園事業の変更につきまして、まず資料2-1で、ご説明をさせていただきます。
本日の諮問案件ですが、2国立公園の2事業となっておりまして、1件が中部山岳国立公園の乗鞍高原駐車場事業の変更。それからもう1件が、瀬戸内海国立公園柿ヶ原博物展示施設事業の変更というふうになっております。
まず1件目でございます。乗鞍高原駐車場事業の変更ということで、区域面積を0.8ヘクタールから2.0ヘクタールに拡大しようというものでして、執行予定者は、既に事業執行していただいている松本市が引き続き事業を実施される予定です。この場所ですが、乗鞍高原内の自然散策や温泉利用、冬期のスキー利用を中心とした集団施設地区になっております。地区内には60以上の宿泊施設が営業中であると。それから、乗鞍岳登山の長野県側からのマイカー規制の起点にもなっている場所でございます。
この事業における課題と対応ですが、本エリアは公園計画書において、「集団施設地区の拠点として既存の広場、博物展示施設、案内所等の公共施設区域の充実、整備を図る」方針ということが規定されております。こちらは築35年以上を経過して、老朽化している併設の休憩場事業施設(乗鞍観光センター)、この施設の建替えが予定されているのですが、乗鞍岳へのマイカー規制拠点としての役割改善のため、バスロータリー整備や駐車場の配置変更等も、併せて必要な状況になっております。
右側の写真が、まさに乗鞍観光センターと駐車場の写真になっておりますが、一例として、駐車場の中にシャトルバス乗降場があって、動線に課題があるというような課題もございます。
四角の中の4ポツですが、駐車台数は引き続き維持する必要がありますので、周辺空き地における駐車場整備ですとか、既存駐車場の改良を行うことで考えております。
乗鞍岳のマイカー規制の概要ですけれども、長野県松本市から乗鞍高原に向かうところで、この場所にマイカーを駐車して、ここからシャトルバスなりで向かうという拠点になっています。参考までに、岐阜県側からも平湯で、同じようにマイカー規制がなされております。
変更後に予定されている事業の概要ですが、右の写真で載せておりますが、公衆浴場の跡地、あるいは観光センター南側にある空き地、いずれも既に改変されている場所で、新たに駐車場を整備しようというものになっております。それから、周辺の既存駐車場を、公園事業に位置づいていなかったものを本事業に集約しまして、再舗装等の改良を実施するということも計画されております。現状、この交差点の左上のところに観光センターと駐車場がありますが、これを変更後の緑色のところ、観光センターの新しい施設を中心としたバスロータリーなども整備した拠点としまして、駐車場を周辺に再整備するというような計画になってございます。
続きまして、瀬戸内海国立公園柿ヶ原博物展示施設の変更になります。こちらも区域面積1.4ヘクタールを4ヘクタールに拡大するというもので、事業執行者は、現在の事業執行者である南あわじ市が引き続き予定しているということになっております。
この場所ですが、兵庫県淡路島と徳島県鳴門市を結ぶ大鳴門橋の兵庫県側の玄関口に位置する場所です。周辺には、この施設以外にも、道の駅やうずまちテラスといった利用拠点が点在しておりまして、高速道路のインターチェンジに最も近いこの博物展示施設は、このエリア一帯の周遊利用の拠点としての役割を担っております。
この事業における課題とその対応ですが、この事業施設は、公園計画書では「鳴門海峡の自然及び人文景観を紹介するための施設」と規定されておりまして、周辺地域の周遊利用の拠点として年間50万人以上、博物展示施設としてはかなり多い数字ですが、来訪されております。
当該施設の駐車場待ち渋滞が恒常的に発生しているような状況で、周辺の道路にまでその影響が及んでおります。右上の航空写真でご説明しますと、博物展示施設から伸びている取付道路、これが市道になりますが、この約600メートルぐらいの道路の渋滞は、年間70日ぐらい発生しているような状況で、そこから県道にぶつかって、高速道路インターチェンジのほうに伸びておりますが、このインターチェンジ付近まで至る渋滞も、年間15日程度発生しているというような現状にあります。
さらには、令和8年度に周辺施設の道の駅のリニューアルで、令和10年度には大鳴門橋のサイクリングロード利用、自転車が通れるようになるという計画も見込まれておりまして、さらなる利用拡大も想定されているところでございます。
これらの課題解決のために、駐車場の整備だけではなくて高速バスの利用促進、公共交通機関で来ていただくこととか、周遊するシャトルバス運行による課題解決といったことと併せて、新たな駐車場整備を行うものでございます。
変更後に予定されている事業の概要ですけれども、観光センター跡地がありまして、ここに駐車場整備を約2ヘクタール弱、300台分行うということと、その場内にシャトルバスの乗降場や、トイレ整備を行うという事業になります。右下の航空写真で、赤で囲った部分になりますが、一部植生が回復している場所もあるのですが、20年前の時点では、航空写真ではもう植生が一切見られないような状況で、既に改変された土地を使って駐車場を整備するという計画になっております。
それから、歩道の再整備ということで、これも踏み分け道があるのですが、博物展示施設に歩いて至れるように、踏み分け道を再整備するという事業と、既存駐車場が市道の途中にありますが、これが今、博物館施設事業の施設として位置づいていないということで、これも事業に組み込もうという予定になっております。
事務局からの説明は、以上になります。
○中村小委員長 ありがとうございました。
それでは、この議事(2)について、ご質問、ご意見を皆さんから伺いたいと思います。会場、オンライン、いかがでしょうか。
それでは会場のほうから、山本委員、お願いいたします。
○山本委員 山本です。
まず、中部山岳国立公園の駐車場の新規整備と既存駐車場の補修についてです。
これは平面図を見ると、駐車場が集まるということで、機能が単純に強化されるなという感じはするのですが、一方で駐車場間というか、その間に道路があるので、本当は何か道をつけ替えたりして、一体的に整備したほうがいいのではないかなとは思うのですが、今回の事業の提案としてはいいとしても、将来的にそういう安全確保だとかいろんな観点から、もっと一体的に整備したほうがいいのではないかなというのが意見です。
それから2点目ですが、瀬戸内海の国立公園の状況が完全には理解できていないところありますが、新しく整備される予定地というのは、博物展示施設から少し遠いところにあって、遠いところに整備したことで、本当に今ある問題が解決されるのかというのが十分には理解できなかったです。つまり、目的地が博物展示施設だけだとは思わないですが、遠くにあることで、うまく今の問題解決が図れそうかどうかというのは、どんなふうに検討されたのかを教えていただけるとうれしいです。よろしくお願いします。
○中村小委員長 ありがとうございます。
田中委員、お願いいたします。
○田中委員 東海大学の田中です。
山本委員と関連しているところで、中部山岳の乗鞍のところなのですが、交差点の角地に3か所駐車場を造り、1か所は休憩所施設になるという計画なのですが、この辺りについてお伺いします。一般的に実際に計画をしても、市が調整するというのは伺ったのですけど、道自体の道路管理者との管理者協議と、あと警察協議などがあると思います。実際にこの交差点に3か所、駐車場を造るとすると、例えば信号の敷設が必要なのかとか、交通量が正確には分からないので何とも言えないのですが、例えば都市公園に駐車場を造るときなどには、交通事情に応じて警察とか道路管理者からいろいろコメントがくるかと思うのですね。どこに引き込み線を入れて、駐車場に車を入れるかとかです。あとこの様に交差点を挟んで4つに分かれた土地を活用する場合には、絶対横断をしなくてはいけなくなると思うので、安全な横断のためにどういうものを担保するのかとか、そういうところについての詰めというか、そういうものはどこまで進んでいるのかというのを、お伺いしたかったなと思います。
以上です。
○中村小委員長 ありがとうございます。
それでは、事務局のほうから、今の点について。
○事務局(山下) ご意見をありがとうございました。
まず、山本委員からのご意見ですが、中部山岳のほうは田中委員との意見と一部重複する部分もあると思うので、まとめてお話をさせていただきますが、申し訳ございません、道路管理者とどういった協議をしているかというところは、現時点で把握できておりません。しかしながら、いただいたご意見というのはすごく重要な部分かなと思いますので、道の付け替えというところまで行くと、かなり大がかりな話ではありますが、少なくとも信号をつけたりですとか、横断歩道を新たに引き直したりですとか、調整によってできることもあろうかなと思いますので、今日いただいた意見を現場の事務所にも伝えまして、引き続きそういった観点でも、事業認可に向けて調整を図っていきたいなと考えております。
それから、山本委員からご意見いただきました瀬戸内海国立公園の駐車場整備で、整備する駐車場が本体施設よりやや遠いのではないかというようなご意見でした。まず前提として、やはりなるべく自然環境に影響のない形で整備する必要があるかなというふうに考えておりまして、影響なく、かつ必要な規模感のある駐車場を確保することができるのは、この場所しかなかったというのが1点と、もう1点が、この辺り一帯、もちろんこの駐車場から博物展示施設に向かうのもそうなのですが、シャトルバスの周遊というのを考えております。ですので、この駐車場で車を止めた利用者の方がシャトルバスに乗って、博物展示施設に訪れることもできますし、そのシャトルバスで周辺の道の駅なんかも周遊することができるということと、この歩道の再整備で、途中道路に取りついていますけれども、その道路の途中からは、車道脇に歩道がございますので、歩いていっていただくことも可能かなということで、妥当な計画ではないかと考えているところです。
○中村小委員長 ありがとうございます。今の回答でよろしいですか。どうぞ。
○山本委員 よく分かりました。サイクリングされる方も出てくるのではないかというような話もありましたので、そういう意味では場所はあまり選ばないのかもしれないですし、その意味で、離れていることがどれだけマイナスなのか、プラスなのかというのは、恐らく現場の方はよく検討されているとは思うのですけども、うまくいきそうだということであれば結構です。ありがとうございました。よく理解できました。
○中村小委員長 ありがとうございます。
ほか。中静委員、お願いします。
○中静委員 今の瀬戸内の情報がもう少し欲しいなと思っていたのですが、結局奥にある博物展示施設の駐車場はこのまま、途中にあるのも含めて維持されるというのが前提で、シャトルバス、あるいは歩道でということになるのでしょうか。コントロールが結構難しいのではないかなと思ったのですが。
○事務局(山下) ご意見ありがとうございます。ご認識のとおりで、既存の駐車場はそのままで、新たに駐車場を整備するというものになっております。ソフトの運用は、これから詰めていくというふうにも聞いていますが、例えば一つの計画として、道路での情報発信、道路情報板のようなものでの発信で、今どこの駐車場が空いているかとか、そういったことも検討されているというふうには聞いていますので、そういった運用とセットで整備が進められていくのかなとは思っております。
○中静委員 分かりました。ありがとうございます。
○中村小委員長 ありがとうございます。
ほか、いかがでしょうか。よろしいですか。
多分駐車場を広げていくことは重要だし必要だということは、皆さんお認めいただいていて、むしろその安全面の確保とか、あとは離れた駐車場からそこまでのアプローチの仕方とか、例えば今回の瀬戸内の案件なんかだと、仮に車が入ってしまうと、そこで渋滞してしまって、結果的にその車が出られなくなるとかという、どんなことが起こるか分かりませんけど、そういった課題もあると思いますので、それは情報をある程度伝達したりすることによって回避したりとか、あとは認可の段階で、ぜひその現地のほうに、そういった意見が出ていたということもお伝えいただければなと思いました。ありがとうございました。
今意見をいただいては、その対応については、事務局のほうに何らかの形で現地に伝えていただくことにして、今回のこの案件については適当と認めて答申したいと思いますが、よろしいでしょうか。ありがとうございます。
それでは、諮問事項は以上の二つですが、報告事項として議事3、4があります。まとめて事務局より説明をお願いいたします。
○事務局(山下) それでは、議事(3)の磐梯朝日国立公園(磐梯吾妻・猪苗代地域)五色沼東エリア利用拠点整備改善計画の認定について、資料3でご説明をさせていただきます。
まず、そもそものところをお話しさせていただきますと、この利用拠点整備改善計画というものが、令和4年4月に設けられた新しい制度になっております。
その概要をこの資料でご説明をさせていただきますと、自然公園法に基づいて、市町村ですとか民間事業者さんからなる協議会は、公園利用の拠点となる旅館街等の街並みを整備するための方針を定めた利用拠点整備改善計画を作成し、環境大臣、都道府県知事の認定を受けることができると。国立公園については環境大臣の認定を受けることができると。認定された計画に基づく事業実施に必要な許認可は不要ということで、これは何でもいいということではなくて、計画時点である程度大きな方向性としては認定するので、個別の事業に対する手続は不要ですよという趣旨になっております。
2ポツですけれども、これによって狙うところは、計画に基づく廃屋の撤去ですとか、機能の充実、景観デザインの統一など、関係者が一体となった自然と調和した街並みづくりを促して、国立公園等における魅力的な滞在環境を整備していこうというような趣旨で設けられたものになっております。満喫プロジェクトをより持続可能に実現していくために設けられた仕組みであるというふうにご理解いただけるといいかなと思っております。
これの計画の2例目の認定が先日なされたということで、今回ご紹介させていただきたいと思います。
計画の場所ですけれども、磐梯朝日国立公園の桧原湖の南側にある裏磐梯地区の五色沼東エリアという場所になります。計画策定者は、地元の自治体事業者から成る協議会で、認定日が今年の4月22日に認定してございます。
課題ですけれども、五色沼等の優れた景観資源もありますし、環境省の裏磐梯ビジターセンターですとか、自治体の観光プラザなんかの様々な利用施設を有している一方で、各施設の整備・運営が十分連携されておらず、利用者の多くは毘沙門沼という場所の訪問にとどまっているという現状にあります。また、主要幹線道路に位置するバス駅舎が老朽化しているとか、そういった課題もございます。
基本構想としては、こういう課題をクリアして、にぎわいの創出、来訪者の利便性・満足度の向上、情報提供を行う機会の確保によって、裏磐梯の周遊・滞在を促進していこうということで、「持続可能な「美しい村づくり」を牽引する利用拠点へ」ということを基本理念とした計画になっております。
こちらが計画の基本構想を地図にしたものです。青矢印でなぞったところが国道459号ということで、主要な幹線道路になっておりまして、幹線道路に面する形で裏磐梯ビジターセンター、観光プラザ、さらには先ほどお話しした老朽化したバス駅舎などがございます。少し奥まったところに、五色沼、毘沙門沼ですとか、毘沙門沼を眺めるようなレストハウスなんかがある園地、自然探勝路なんかがございます。まず、黄色の部分というのをしっかりとこのエリアの拠点にして、施設ごとの連携を強化する。あるいは地区内をうまく周遊するための情報発信を強化していくということで、地区全体をうまく回していくということと、幾つか拠点の場所がありますので、それぞれで景観的にも統一を図っていきながら、機能的な利便性も向上していこうという計画になっております。
以上が計画の概要ですけれども、許認可手続が不要になるということだけではなくて、環境省の支援事業で、こういったものを後押しするという取組も行っておりまして、参考までに、国立公園利用拠点滞在環境等上質化事業というものを、このページではご紹介させていただきます。詳細は割愛させていただきますけれども、今ご紹介したような計画づくりの支援ですとか、計画に位置づけられた、いろいろな廃屋撤去等の事業への補助ということも行っていますので、計画づくりを推進していきながら、計画認定したものについての事業も推進していくということで、引き続き努めていきたいと考えております。
議事(3)のご説明については以上です。
○立田国立公園利用推進室長 資料4についてご説明いたします。制度の話からは少し離れて、利用に関する施策について、昨年度末頃の動きを報告させていただきます。
まず、資料4-1、国立公園における自然体験アクティビティの高付加価値化に向けてという資料です。国立公園におけるアドベンチャートラベル推進に向けた手引書というものと、国立公園ならではの自然体験アクティビティガイドラインというものを昨年度末に公表しておりますので、簡単にご紹介させていただきます。
まず、手引書は、アドベンチャートラベルの推進を目的にした手引書であり、アドベンチャートラベルの基本的な考え方、コンテンツの開発といったことに関して、具体的な事例を交えて解説をしております。アドベンチャートラベルは、資料にあるとおり、自然や地域文化を舞台にして、自然体験と文化体験を融合させた高付加価値を生み出す観光形態ということになります。そのような考え方も含めて、手引書として整理し、観光事業者ですとかガイドさんに対してお示しし、アドベンチャートラベルを推し進めるための一助になればということで公表しています。
続きまして、アクティビティガイドラインは、資料の上から2行、3行のところにもありますとおり、具体的な取組のチェックリストという形で取りまとめています。ガイドラインの各項目に沿って、アクティビティの質をチェックリストで確認していくことで、質の高いアクティビティを作っていくことができるというものになっております。
次のページをご覧ください。ガイドラインでは、基本的項目としてのフェーズ1、フェーズ2というものを示しており、基本的な項目として、こういったことをクリアしたものを作っていくと、アドベンチャーツーリズム、アドベンチャートラベル、そういった持続可能な観光形態として進めることができます、というものになっています。チェックリストも基本的項目と発展的項目という形で作っています。このガイドラインも公表しております。
また、「国立公園に行ってみよう」サイトというものがあります。資料の次のページです。そのサイト中の情報提供のところで、アクティビティを紹介している部分がございます。この中には、フェーズ1の基本的項目について90%以上クリアしたアクティビティに関して、掲載しています。資料の左側に掲載の事例が入っています。アクティビティの概要、対象問合せ先などを含めて公表しており、600以上のアクティビティが掲載されているという状況です。アドベンチャートラベル推進に向けた手引きを見つつ、それからガイドラインでチェックして、サイトに載せていくというような形を取って、より質の高いアクティビティ体験を利用者に提供していくことで考えています。
続きまして、資料4-2になります。
自然公園法の前身の国立公園法の制定からもうすぐ100年を迎えます。令和5年には、政府において、新時代のインバウンド拡大アクションプランというものが観光立国推進閣僚会議で決定しています。その中で環境省として、国立公園制度の100周年の記念事業というものを打ち出しています。その事業の一つとして、制度100周年である2031年までに、全ての国立公園で聞き書き集というものを作っていくことを計画しています。
どういったものを作っているかということですが、日本の国立公園は、大自然だけでなく人が住んでいるような地域もあります。これまでもブランドメッセージとして、「その自然には、物語がある。」ということでストーリーをつくって、魅力発信をしてきています。国立公園ごとのストーリーを聞き書きという形で可視化して、記録に残し、その地域の次世代へ浸透していくこと、あるいは国立公園のブランド意識の醸成、来訪者への学びですとか、感動の深まりというものを提供していきたいと考えています。特に、インナーブランディングを向上させることに寄与していくものかなというふうに思っています。
具体的には初年度となる令和6年度に釧路湿原、大雪山、西海、雲仙天草で取組をしております。聞き書きや国立公園の概要のようなものがついているものを作っています。今年度に関しましては、三陸復興、尾瀬、吉野熊野、阿蘇くじゅう、やんばるの5公園で実施する予定で、作業を進めています。
それらの印刷物は、ビジターセンターですとか公共施設に置いたりもしています。インナーブランディング、次世代に伝えるということで、釧路管内では、教育委員会に掛け合って、全小・中学校に冊子を置いてもらっているとか、あるいは釧路新聞に一面で取り上げていただいているとか、そういったことが行われていると聞いています。
ウェブサイトには動画も載せており、先ほど申し上げた四つのうちの釧路湿原国立公園について、お見せできればと思って動画を用意していますので、スクリーンをご覧いただければと思います。
(動画視聴)
○立田国立公園利用推進室長 国立公園によって違ってくるのですが、大雪山、西海、雲仙天草でも同じように動画を作っており、こういった取組をすることによって、地域で大切に守られてきていた国立公園を伝えていくと、そういったことも行っているという紹介でした。
以上になります。
○中村小委員長 ありがとうございました。
それでは、この2件の報告について、諮問案件ではないのですが、せっかくの機会ですので、皆さんのほうからご質問等がありましたらいかがでしょうか。
どうぞ。
○愛甲委員 2点あります。
一つは、アドベンチャートラベルの推進に向けた手引書とガイドラインですが、これは誰のために作ったものでしょうか。今の説明を伺っていたら、ガイド事業者さん向けに作ったものなのかと理解したのですが、その一方で、ちょっと気になるのは、先ほど冒頭でも話がありましたように、国立公園の利用にはそれなりのリスクも伴う活動もあるわけで、特にアドベンチャートラベルとなったときには、そこの管理というのは非常に重要なことだと思うんですが、安全対策、それから環境への考慮とか持続可能性を自己チェックみたいなものに委ねていて、本当にいいのだろうかというのは、ちょっと疑問に思います。これは今後の検討になると思うのですが、この中には、少なくとも国立公園の中で活動していただくためには、必ずクリアしていただかなければいけない条件とか、そういうこともきちんと定めていかなければいけないものも、中にはあるのではないかなというふうに思いますし、もっとその辺の検討が進めばいいなというのを、今日は報告事項でしたので、意見として、それを述べていきたいと思います。
それともう一点は、次の「国立公園ものがたり」で、これは非常にすばらしい取組だと思います。大雪山のものも、私も冊子を見せていただきました。
ただし、その一方でちょっと残念なのが、5月に大雪山国立公園連絡協議会の総会がありましたが、ちょっとタイミング的にどうなのか、私はよく理解していませんが、そこでは一切これの説明がありませんでした。本省でこれを作られていて、すごいいいものを作られているのに、地元の協議会ではそれが全く共有されていないと。これは一体どういうことなのだろうと思いますし、どうせやるなら、地元の協議会に委ねてはどうでしょうか。総合型協議会をつくって、協働型で国立公園を管理しようと言っているのに、本省で作りました、刷り物はできています、ホームページを見てください。それではちょっと何も。今も一応確認をしましたが、大雪山国立公園のホームページにはこれも載っていないということですので、ちょっと地元といいますか、関係している協議会で活動している皆さんのやる気といいますか、それも結構100周年にとっては大事なところだと思いますので、その辺の連携がもっと進むといいなと思って、よりすばらしいものになるのではないかと思います。ぜひその辺、ご検討ください。
○中村小委員長 ありがとうございます。
もう一方、山本委員、お願いします。
○山本委員 私からは、アドベンチャートラベルについてです。
資料4-1の後ろから2番目のところにチェックシートが出ているわけですが、このチェックシートによって90%にチェックがつくと、スクリーニングされて、いい団体があぶり出されるというか、90%オーケーだったものが公開されていくので、その上質化に向けて進んでいくのではないかなということが期待されるのですが、一方で次のページに、多分ホームページから抜いたアクティビティの具体的な内容が掲載されていて、この情報に変換されるときに、何かこのチェックシートでチェックがつかなかったこと、あるいはチェックがついていることというのがあんまり反映されないのかなというのがちょっと気になりました。90%のスクリーニングというのは、かなり厳しいスクリーニングだったら、いいものが外に情報として出ていくので、それはそれでいいのかなという気もしますし、今、試行段階なのかもしれませんが、どういう運用というか、自己チェックによってどういうふうに進んでいくことを期待しているのかというのを、ちょっと教えていただけるとうれしいです。よろしくお願いします。
○中村小委員長 ありがとうございました。
愛甲委員の話とも絡んでいるので、今のこの段階でお願いいたします。
○立田国立公園利用推進室長 まず、愛甲委員の話なのですが、確かにこのアクティビティのチェック自体は、現在セルフチェックという形になっております。山本委員からもお話がありましたが、そのやり方で、スクリーニングがどれほど効果的にされているかということもありますし、愛甲委員からお話のあったルールについては、規制的な手法を取っていくのかどうか、ということもあると思います。どの程度のバランスで規制的な手法、あるいはルールの厳格化などをやっていくことについては、既にガイドの認定制度とかいろんなものが地域ごとに進んでいるところがありますので、どういったことをやっていくのかということや、ほかの地域に広げたほうがいいものというのは何なのかについては、今後、本省においてもバランスも踏まえて検討していきたいと思っております。
山本委員のおっしゃった、民間事業者の金もうけにつながるような話を環境省でどうやって取り扱うかというのが非常に難しいところで、試行的なものになっているところです。国立公園満喫プロジェクトの会議においても、予約まで国で行うべきという話が出ていたと思うのですが、なかなかそういったところまでは行けないところでありまして今の状況です。また、600と増えてくるとだんだんとチェック機能も働かなくなってくるというところもありますので、引き続きどういった方法が利用者にとって一番メリットもあるのか、かつ国立公園という名の下に地域にお金ができるだけ落ちていくということも重要なので、そのバランスを見ながらやっていきたいと思っています。
最後に、大雪山の協議会でという話ですが、本省主導で進めていて、共有化というのができていない部分があったのかもしれません。せっかくいいものも使われないともったいないということは、そのとおりだと思いますので、これまで以上に、地域と連携して作っていきたいとは思っています。
○中村小委員長 ありがとうございます。
私もやっぱり最初のヒグマの問題も含めて、このチェックリストの中にあるのかなと思ったのですが、基本まだそういうのは書き込まれていないし、これ自体は今後の課題ということだとは思うのですが、走り出してしまうと、いろんな形でまたその問題が起きるという可能性もあるので、どういうガイドラインにしていけばいいのかというのは、ちょっと悩ましいなと思っていました。
関委員、お願いいたします。
○関委員 関です。ありがとうございます。
「国立公園ものがたり」について、少し意見なのですが、この取組、今4分ほど見せていただいたのですが、私もすごくすばらしいものができたなというふうに、今までとはまた違うアプローチですばらしいものができているのだなというのを実感したところです。愛甲委員からありましたように、地元の方々のより多くのご参加が見えるような作品になるというのが、より盛り上がりを見せるのかなということと、もう一つは、本省さんのほうで、国立公園全体として日本の自然観といいますか、そちらの方をもう一歩全体を取りまとめて、日本の国立公園はこういうメッセージを持っていますというような発信があると、その大枠の中に個別にいろんな各所の様々な物語があるというふうに具体的に見えてくるのかなと、伺っていて思いました。
いずれにしましても、今すばらしいものが作られているのだなというふうに、それが見てとれて、非常にうれしく思っています。
以上です。
○中村小委員長 ありがとうございました。
町田委員、オンラインからお願いします。
○町田委員 ありがとうございます。聞こえていますでしょうか。町田です。
私も「国立公園ものがたり」を拝見して、すばらしいなと思ったのですが、環境省の方がいろいろと情報発信をされて、いろいろなSNSで発信されている写真とかコンテンツもすばらしいなと思っているのですが、それが果たして、本当に国立公園に訪れる方たちにまで届いているのかなというところが、届いてほしいなという思いがあります。いろいろな世代によっても違うと思うのですけど、インスタとかFacebookの投稿数を見ても、海外と比べてかなり少ないなと思うのですが、こういった国立公園のコンテンツをどういうふうに実際に利用者の方に、今日話題にも出た「安全」という情報もなんですが、情報を届けていくのかというところで、何か情報戦略じゃないのですが、もう少し発信するだけじゃなくて、発信をどう届けるかというところで、何かお考えがあれば教えていただきたいなと思いました。
○中村小委員長 ありがとうございます。お願いします。
○立田国立公園利用推進室長 ありがとうございます。
まず、関委員のより多くの参加ということですが、我々もできるだけそうしたいと思ってございます。一方で聞き書きの形を取った場合に、先ほどの動画は4分なのですが、ほかも大体それぐらいで、恐らく六組ぐらいがせいぜいかなと。その後の町田先生の話もありましたが、インスタなど、ものによってはもっと短くしたものも含めて検討していかないといけないと思っております。なお、釧路湿原をお見せしたのですが、雲仙天草ですとか、西海は、名前は一つでも五島と九十九島とか全然地域が異なっておりますので、なかなか短くまとめるのは難しいと感じています。いただいた意見は、これから進めるに当たって、ご意見を参考にさせていただきたいと思います。国立公園全体という話に関しましても、今後の検討とさせていただきたいと思います。
情報戦略ですが、我々もYouTubeであったり、インスタであったり、様々使っているのですが、せっかくの質の割に伸び悩んでいる部分はあるかなと思っています。特にインバウンドの方であれば、人数としてはJNTOのサイトのほうが多く見られているということもあるでしょうし、そういったところと連携してやっていくということも必要と考えています。若い人に関しては、4分は恐らく倍速で見るぐらいの話になってしまい、釧路湿原であれば新庄さんの話を倍速で聞いて感動があるかというと、ちょっとどうかなというのはあります。今いい方法が思い浮かんでいるわけではないですが、どうコンパクトにするかとか、どういった手段を取るかについては、いろんな方法を取っていくということしかないかなというふうに思います。やはりそれぞれ媒体によって得意不得意があると思いますので、引き続き様々なご意見も伺いながら、戦略的にやっていきたいと思ってございます。
○中村小委員長 ありがとうございました。
利用拠点整備改善計画のほうには質問が来ていませんけどいいですか。予算的な補助というのは、先ほど最後のほうで説明されたスライドにあった、計画に対しても補助するし、あれはずっと維持されるものなのですか。それともプロジェクト期間中だけの話になってしまうのですか。
○澤田インバウンド推進室長 お答えいたします。
利用拠点整備改善計画の策定に向けた支援であれば、現行の補助制度でございまして、こちらは当面継続予定でございます。さらに、利用拠点整備改善計画に基づく施設の廃屋撤去ですとか街並み改善ですとか、そういったものに対する支援も、今このスライドに上がっておりますが、現行の上質化事業のほうで支援をしているところでございまして、こちらも当面、我々としては継続し、さらには拡充を狙っていきたいというところでございますので、計画に位置づけられている取組が無事終わるまで支援してまいりたいと、我々としてはそう思っているところでございます。
○中村小委員長 ありがとうございます。阿寒の満喫プロジェクトの町並みが変わっていく姿を見てきたので、ぜひうまくいってほしいなと思っています。
ほか、この報告についてはいかがでしょうか。
広井委員、お願いいたします。
○広井委員 聞こえますでしょうか。時間を超過して恐縮です。
こちらの方面、先日行くことがあったのですが、これはすばらしいと思うのですが、やはり猪苗代湖方面は鉄道も近くに通っていて行きやすいのですけど、五色沼方面は車がないと、アクセスが少々難しいような面ありまして。ですので、やはりバスも含めて公共交通という、その辺りも充実させていただけると、さらによくなるかなと思いました。
以上です。ありがとうございました。
○中村小委員長 ありがとうございました。
特にそれ以外にはございませんでしょうか。よろしいですか。
全体を通じて、何か言い残したことがありましたらいかがでしょうか。
○小泉委員 全体ではないのですが、別件で意見を申し上げます。
意見としてお聞きいただきたいと思いますけれども、冒頭、局長と、それから委員長からクマの話が出ましたが、もう既にクマは特定の国立公園の問題ではなくて、ほぼほぼ全国、本州全体を含めて、クマの問題は考えていかなければいけないところがたくさんあるというふうな事態になってきております。特に国立公園は、クマに関して言うと、一方では保護のためのコアエリアというふうに位置づけられているわけで、今回のような緊急事態にどう対応するかというよりも、国立公園のレンジャーを含めたスタッフが、日常的にクマとどういうふうに付き合っていったらいいのか。どういうところをポイントとして調べていけば、今日お話もありましたように、国立公園の利用というのをこれからどんどん積極的に進めていこうというフェーズに入ってきているようですので、それを受ける側の国立公園がクマをどういうふうに取り扱っていったらいいのかというところを、少し議論いただければなというふうに考えております。
国立公園の中で動物を扱う予算というのは、希少動物以外でいくと、シカ生態系維持回復事業しかないわけなのですが、これはどうもちょっとクマには当てはまらないようですし、この事態を鑑みながら、新たに国立公園の中で、クマを日常的にどういうふうにトラッキングしていったらいいのかということを考えて、安全の確保を図っていっていただきたいと思います。これは特に提案でもなく意見ですので、よろしくお願いいたします。
以上です。
○中村小委員長 ありがとうございました。大事な問題だと思います。
ほか、全体を通じて、せっかくのチャンスですので、環境省の局長も含めて、いろんな意見交換ができる場ですので、オンラインの方々も、今の小泉委員のようなことも含めて。
江﨑委員、お願いいたします。
○江﨑委員 ありがとうございます。
私もクマの専門家ではないのですが、やはり今まで聞いたことがないところでクマのことを聞くようになっておりまして、別の計画策定などの場面で、特に国交省の計画とか、今広域地方計画なんかも進められているところだと思うのですが、そういう計画のときにクマのことも文言として入れていくようにということは少し気をつけていただくといいなと感じました。
以上です。
○中村小委員長 ありがとうございました。
ほか、いかがでしょうか。どうぞ。
○愛甲委員 クマだけのことではなくて、今回の羅臼岳のヒグマの事故については、登山道の管理という意味でも、非常に大きな意味があると思っています。今日、たまたまニセコの案件もありましたけど、ニセコは国定公園ですがニセコルールというのがあって、以前からアドベンチャースキー、バックカントリースキーに対する独自のローカルルールをつくって、それで対応してきたというような経緯があります。ある程度の成果を上げている一方で、公的には町は加わっていますが、国定公園の管理者である北海道とか、土地所有者である国有林はそこには入っていない仕組みになっているという、あくまでもローカルなルールという運用でやっています。
そういった部分について、今回のヒグマの案件についても、共有されているとは思いますが、実はもう北海道新聞等では、自然公園の法律自体で、そういうリスク管理を対応する部分が欠けているのではないかという指摘も既にされおり、北海道内でそこは結構議論になっているところです。
それで今、ちょうど日高山脈襟裳十勝国立公園でもビジョンを先日総会で策定して、これから管理運営計画や登山道のグレードをつくろうということで、議論をスタートさせようとしています。特に日高の場合は、非常にリスクの高い、上級者向けのルートが非常に多い国立公園ですので、ほかの国立公園とはちょっと違う登山道の管理をしなければいけないというところで、その辺のリスクと、利用の促進というのをどうバランスを取りながら進めていくかというのは、非常に重要な課題になってくると思います。
今回も歩道の管理として見たときにどうだったのか、管理者が何をできたのかというのは十分に検証しなければいけないところだと思いますので、ぜひその辺は検討を進めていただければと思います。よろしくお願いします。
○中村小委員長 貴重な意見をありがとうございます。
ほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。もう時間は過ぎておりますが。
○事務局(山北) すみません、事務局から一点。
議事1の関係で、ニセコの五地域区分についてですが、自然公園区域が解除された後は、都市地域やほかの区分にも何も属さないというところでしたので、ご報告いたします。
○中村小委員長 何も属さない白地みたいなものがあるのですか。
○事務局(山北) はい、確認したところ、どの区分にも属さないということでした。
○中村小委員長 そうなんですか。長田国立公園課長、どうぞ。
○長田国立公園課長 クマについて、いろいろとご意見をいただきましたので、最後に少しお話させていただきます。
今回の事故については、本当に大変残念な結果になってしまいました。愛甲先生のお話にあった歩道で言えば、知床半島については、今回の事故があったような環境省が事業執行している歩道もございますし、道はあるけれども、管理者がいないという歩道もございます。
歩道につきまして、当然管理の責任ですとか、利用者の責任の問題、安全確保の問題、それから環境保全のための整備、様々な観点がございます。こういったところについて、やはり大きな問題だという認識はしていまして、その中で、ボランティアや山小屋のお力をお借りして、管理を進めてきたところもございます。
また、関係機関が連携して管理をしている歩道もあるわけですが、登山道そのものにどういう機能があって、それを誰がどういった立場で管理をしていくのかということが、安全管理の観点だけでなく、様々な観点から整理が必要だというふうにも思っております。
クマそのものの管理につきましては、今回の知床で言えば、鳥獣保護管理法に基づく第二種特定鳥獣管理計画が道内全域に策定されていて、さらにその地域計画である知床のヒグマ管理計画があり、その中では相当きめ細かくゾーニングをした上で、そのゾーニングしたエリアごとに、こういう行動が発現した場合にはこういう対応を取るというようなことも整理してきていたわけでございますが、その中でも残念な事故が起きてしまったということも踏まえて、知床自体においてもしっかりと検証していく必要があると思います。また、その他の公園、本州のツキノワグマも含めて、クマと公園の問題についてどう対応していくかということにつきましては、特にクマが頻出するエリアについては、例えば尾瀬や上高地など、ガイドラインやマニュアルが策定されており、そういったところの対応などもレビューしながら、今後どういった取組をさらに進めていく必要があるのかということについて整理してまいりたいというふうに考えてございます。
○中村小委員長 ありがとうございました。
ちなみに海外ではどうなっているか。アラスカなんかはどうしているのかなと思ったので、もしそういうルールみたいなものがあれば教えていただければ。
○長田国立公園課長 やはり知床でルールをつくるときに、アラスカの国立公園の事例はかなり参考にして、策定されたというふうに認識してございます。その辺も参考にしながら、検討していきたいと思います。
○中村小委員長 もう既に20分ぐらい超過しておりますので、この辺で本日の議事は終えたいと思います。審議への協力ありがとうございました。
それでは、進行をお返しいたします。
○事務局(山本) 事務局でございます。
中村委員長、ありがとうございました。委員の皆様におかれましても、長時間にわたりご審議をいただきまして、ありがとうございました。
本委員会は、以上をもちまして閉会となります。本日は誠にありがとうございました。
午後3時53分 閉会
○事務局(山本) それでは、定刻となりましたので、ただいまより中央環境審議会自然環境部会自然公園等小委員会を開会いたします。
本日はお忙しい中、本審議会にご出席いただき、誠にありがとうございます。
本日は、所属の委員及び臨時委員18名のうち、WEB参加も含め13名の方にご出席をいただいておりますので、本委員会は成立していることをご報告いたします。
続きまして、本年2月に、中央環境審議会委員の任期満了による改選がございました。改選後の本小委員会の委員長には、中村太士自然環境部会部会長に兼務いただけることとなりましたので、事務局よりご報告いたします。よろしくお願いいたします。
また、この度の改正に伴いまして、本小委員会に新たにご所属いただくことになりました委員をご紹介させていただきます。
東海大学の田中伸彦委員です。よろしくお願いいたします。
○田中委員 よろしくお願いいたします。
○事務局(山本) 田中委員、また、引き続き委員をお務めいただく先生方におかれましても、ご審議のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
続きまして、前回の小委員会から、環境省自然環境局の幹部の異動がございましたため、ご紹介させていただきます。
最初に、自然環境局長の堀上です。
○堀上自然環境局長 堀上です。よろしくお願いします。
○事務局(山本) 続きまして、大臣官房審議官の成田です。
○成田大臣官房審議官 成田です。よろしくお願いします。
○事務局(山本) 続きまして、自然環境局総務課長の近藤は、オンラインのほうで参加させていただいております。
続きまして、国立公園課長の長田です。
○長田国立公園課長 長田です。よろしくお願いします。
○事務局(山本) 続きまして、国立公園利用推進室長の立田です。
○立田国立公園利用推進室長 立田です。よろしくお願いします。
○事務局(山本) 7月に新たに設けられましたインバウンド推進室の室長の澤田です。
○澤田インバウンド推進室長 澤田です。よろしくお願いします。
○事務局(山本) 続きまして、本日の会議運営についてご説明いたします。
傍聴につきましては、会場での傍聴は行わず、傍聴用のWEB会議システムを用意して、傍聴できるようにさせていただいております。本日は報道機関関係者の方を含め17名の方がWEB会議システムにて会議を傍聴されておりますので、ご承知おきください。
また、本日ご説明する資料につきましては、会場にお集まりの委員については、お手元のタブレットから資料をご参照ください。リモート参加の委員におかれましては、事前にメールにて送付させていただいている資料のご参照をお願いいたします。
次に、ご発言についてご説明いたします。
会議室でご参加の委員におかれましては、発言の際は名札を机に立てていただき、委員長からのご指名後、マイクをオンにしてご発言ください。発言終了後は、マイクをオフにしていただくようお願いいたします。リモート参加の委員におかれましては、差し支えない範囲で結構でありますので、常時ビデオボタンをオンにし、お顔が見られる状態にしておいていただけますと幸いです。ご発言の際は、挙手アイコンをクリックしてお知らせください。委員長からのご指名を受け、マイクのミュートを解除してからご発言いただきますようお願いいたします。
会議運営に関する説明は、以上でございます。
それでは、自然環境局長の堀上から、ご挨拶申し上げます。
○堀上自然環境局長 本日はお忙しい中、自然公園等小委員会にご参加いただきまして、大変ありがとうございます。また、委員の皆様には、日頃から環境行政、それから自然公園行政にお力添えをいただいておりますことに感謝を申し上げます。
最初に少し触れさせていただきたいのですが、先週、知床国立公園の羅臼岳で、登山者の方がヒグマに襲われるという事故が発生しております。その後、救助が行われましたがが、残念ながらお亡くなりになり、大変残念なことであります。被害者の方のご冥福をお祈りいたします。また、遺族の方に心からお悔やみを申し上げます。
知床国立公園は、20年前に世界自然遺産になってから、このようなクマの事故はなかったわけであります。今回、全国的にもクマの被害は増えておりますし、出没も増えている中で、そういったことが起きてきているということを踏まえて、今後どのように国立公園、自然公園の中でも対応していくのかということは、色々な方の意見も聞きながら検討していきたいと思っておりますので、まずそのことを冒頭にお話させていただきました。
本日の小委員会ですが、ニセコ積丹小樽海岸国定公園の公園区域、公園計画の変更、国立公園事業の変更2件、諮問案件がございます。これについてご審議をいただければと考えております。
また、諮問案件以外にも、幾つかご報告をさせていただければと思います。一つは国立公園満喫プロジェクトでございまして、これは2016年から開始して、10年目に入っており、いろいろと成果も出てきておりますので、このことについてもご説明させていただければと思っております。そのほか、時間も限られてございますが、ぜひ忌憚なくご意見をいただければと思います。
本日はどうぞよろしくお願いいたします。
○事務局(山本) それでは、ここからの議事進行につきましては、中村委員長にお願いしたいと思います。中村委員長、よろしくお願いいたします。
○中村小委員長 委員長の中村です。よろしくお願いいたします。
今、堀上局長からもお話があったとおり、知床は世界遺産としても20周年を迎えるということで、これまでそういった人身的な事故はなかったのですが、今回こういう事故が起こってしまったことで、今後どのような形で国立公園並びに世界遺産の管理をしていけばいいかというのは、大変大きな問題になってくると思います。
また、知床の場合、登山者ではなく、カメラマンが鮭の死体を置いて、クマが鮭を食べている姿を近距離で撮るというような問題もまだ発生していて、法律的にある程度止めるような方向には向かっているのですが、なかなかこれもうまくいかない。愛甲委員と、これは科学委員会としても、何らかの形でメッセージを社会に発する必要があるという話もしていたところでした。今回の事案はそれとは違いますが、ますます難しい時代に入ったという感じがしています。また別の機会で皆さんと、そういった議論も含めて検討できればと思います。
それでは、議事次第にのっとって進めさせていただきます。
会議資料については、公開となります。また、議事録は後ほど事務局で作成し、本日出席の委員の了承を得た上で、公開することとなります。
本日の議事としては、議事(1)がニセコ積丹小樽海岸国定公園の公園区域及び公園計画の変更(点検)(諮問)について、議事(2)が公園事業の変更について(2件)(諮問)となっております。また、報告事項として、議事(3)(4)がございます。報告事項については、まず事務局から全て説明いただいた上で、まとめて質疑したいと思います。
では、議事1について、事務局より説明をお願いいたします。
○事務局(山下) 中村委員長、ありがとうございます。
改めまして、環境省国立公園課の山下と申します。よろしくお願いいたします。
議事1に入ります前に、私のほうから、公園計画及び国立公園事業制度の概要について、ご説明をさせていただきたいと思います。趣旨としましては、今回改選で田中委員に就任いただいたということと、改めて、この機会になるべくより具体的なご説明で、この公園計画と国立公園事業というものが、どういう制度になっているかというのをご説明させていただければと思います。
それでは、資料1-1に基づいて、説明させていただきます。
まず、自然公園法によるゾーニングの概要を、こちらの資料でご説明させていただきますが、典型例として、中央アルプス国定公園の例を左側に示しております。国立公園の最も核心的な部分である特別保護地区が指定されておりまして、その外側に、多くは特別地域として、第1種から第3種の特別地域が指定されていると。その周りに、普通地域という地域が指定されているというのが、一番典型的なゾーニングになっております。
こちらで今お話ししたとおり、保護のための規制というのは厳正に保護する特別地域、特に特別保護地区から、大規模な開発のみを把握・規制する普通地域まで、地域の自然環境と農林水産業などの利用の状況に配慮して、各公園で設定しております。自然環境の状況に合わせて、適切な地種区分を設定するということになっておりまして、この保護のゾーニングの中に、国立公園の利用を推進するというのも大きな目的の一つにしておりますので、利用施設の計画というものが位置づけられているというような大枠になってございます。
それで公園計画、今お話ししたとおり、大きくは規制計画と事業計画という二つに分けられまして、規制計画については保護規制計画といいまして、今お話ししたようなゾーニング、あるいは利用規制計画といって、マイカー規制なんかの計画が位置づけられているということになっております。
一方で、事業計画というのが保護施設計画、利用施設計画、これがいわゆる公園事業と呼んでおるものでございまして、利用保護のために必要な施設を位置づけていると。また、比較的新しい制度としまして、生態系維持回復計画ですとか自然体験活動計画といったものが位置づけられております。
本日の議事1は、この公園計画全体を変更するというものになってございます。それから、議事2の諮問事項については、この事業計画の中の利用施設計画に関する内容になっております。
公園事業というものについて、少し詳しく説明をさせていただきます。
まず、上の青の四角形の中の1ポツですけれども、国立公園の保護または利用のための施設の整備は、公園計画に規定される整備方針に基づいて、公園事業の執行として積極的に推進したいというものでありまして、「利用施設については、公園における多様な利用形態のうち、当該公園にふさわしいものについて積極的にその増進を図るためのもの」ということになっております。公園事業というのは、後ほど詳しく説明しますけれども、事業決定というプロセスにおいて定められた大綱(規模、位置)、この範囲内において執行が可能になっているということで、それを表したのが下の絵です。
まず、公園計画というものがありまして、その前提の下に事業決定を行うと。これが本審議会へ諮問をさせていただいている内容になっております。この大枠が決まった後に、事業執行というものがありまして、環境省が自ら直轄で行うものであったり、環境省以外の公的機関、民間が行うものがあります。これらについては、民間あるいは公共団体の申請・協議に対して環境省が審査をして、執り行っていただくというような流れになっております。
ご承知かと思いますが、公園事業施設の例としましては、休憩所事業、宿舎事業といったもの、それから、博物展示施設と呼んでおりますけれども、いわゆるビジターセンター、それから歩道ですとか、保護のための施設としましては、自然再生施設なんかがございます。
少し情報が多いのですが、事業決定と事業執行の何が違うのかというのが、結構我々でも悩む部分でして、ここを少し整理して紹介させていただきます。
まず、左上の事業決定ですけれども、趣旨としましては、先ほども申し上げましたとおり、位置及び規模なんかの整備すべき公園施設の大綱を定めるものでございまして、具体的には、位置であれば、道路のような施設は路線と起終点を定めるもので、宿舎、駐車場なんかの面的な施設については区域を定めるということになっております。また、規模についても、各事業ごとに定める規模というものが規定されておりまして、例えば、宿舎では区域面積、最大収容人数、車道では路線距離と有効幅員、歩道では路線距離というような具合になっております。
この事業決定における審議の要点を下半分のところで整理させていただいておりますが、次に掲げる要件に適合しなければいけないということで、三つ規定されておりまして、一つが公園計画に適合していること、二つ目が国立公園事業の内容が風致景観の保護上支障のないこと、三つ目が事業執行の見込みがあることということになっております。
また、決定すべき事業の位置及び規模にある規定としまして、「国立公園の利用動向、利用上の必要性及び風致景観上の支障の程度等を考慮して適正なものとする」というふうに規定されております。本日のご審議でも、この辺りを踏まえて、忌憚のないご意見をいただけたらなと考えております。
右上になりますが、事業決定で大枠が決まった後に、事業執行の認可をしていくわけですが、民間事業者とか地方公共団体等が提出した申請書類を、基準にのっとって審査し、認可するものになっておりまして、事業決定から比較すると、かなり詳細な内容をここで審査するということになっております。
次のページで、少し具体的な事例をつけさせていただいております。
まず、公園計画書と事業決定書について、前回諮問させていただきました阿蘇くじゅう国立公園、久住山南登山口宿舎の例を紹介しておりますが、公園計画書ではかなりざっくりとした方針というものが規定されておりまして、事業決定では、それの規模、左側で書かれている区域面積、最大宿泊者数、あるいは右側の地図でもって、黒枠で囲ってある範囲をこの事業決定の中で決めていくということになっております。
さらに、事業執行時の認可申請書類の例もご紹介させていただきますと、左側の申請書で、管理経営の方法ですとか、そういったところまで詳しく書いていただいた上で、一部ですが、右側にご紹介しているような平面図ですとか立面図、あるいはそれがどういう色彩で計画されているのかといったところまで、申請書類の中で確認していくということになっております。
最後、ご参考ですが、その事業執行認可時の審査基準は、ここにご紹介したようなかなり細かい基準が設定されております。この中には、管理運営に関する項目であったりですとか、下の各国立公園で策定する管理運営計画書というところに書いております公園独自の詳細な基準、デザインですとか、色彩といったことまで、基準として設けられているというような内容になっております。
私のほうからのご説明は以上になりますので、この後、具体的な諮問の内容についてご説明をさせていただきます。
○事務局(森田) 続きまして、国立公園課の森田から、ニセコ積丹小樽海岸国定公園の公園区域及び公園計画の変更について、ご説明をさせていただきます。
ご説明の流れは、国定公園の概要と今回の変更内容、パブリックコメントについてという順番でご説明させていただきます。
まず、ニセコ積丹小樽海岸国定公園の概要についてご説明いたします。スライドは4に移ります。
ニセコ積丹小樽海岸国定公園は、ニセコ連峰の山岳景観と、積丹半島の海食崖の景観が特徴的な公園となっております。昭和38年に国定公園に指定され、その後、昭和55年に再検討を行い、平成6年、平成18年に、それぞれ点検作業を実施しております。
続いて、今回の変更内容についてご説明いたします。
スライドは6に移りまして、今回の変更のポイントですが、公園区域の変更として、隣接する公園区域と同等の景観資質を有する公園の区域の拡張と、市街地化が進み、公園としての資質が失われている区域の削除を予定しております。また、実態に合わせて、公園区域線と地種区分線を明確化いたします。利用施設計画については、公園区域の削除に伴い、単独施設及び車道計画を削除いたします。
続いて、スライド7に移りまして、それぞれの変更内容について、個別にご説明をさせていただきます。
まず、拡張する区域に関してですが、当該地はニセコアンヌプリ北斜面に位置する鏡沼と手鏡沼を含む高層湿原のエリアであり、隣接する公園区域と同等の資質を有する区域になっておりまして、87ヘクタールを第3種特別地域として拡張いたします。
続いて、削除する区域に関しましては、倶知安町ニセコひらふ地区に位置しており、公園区域と隣接して市街地化が進んでいることから、公園としての資質が失われているため、17ヘクタールを公園区域から削除いたします。
続いて、スライド8に移りまして、今回、公園区域及び地種区分線の明確化を行うため、合計で9か所、区域線等の名称を変更したいと考えております。いずれも道路の付け替えによって、区域線等を道路界から旧道路界に名称変更するもので、公園の面積自体には変更は生じません。
続いて、スライド9に移りまして、利用施設計画の変更に関しては、公園区域の削除に伴い、単独施設三つと車道計画を一つ削除する予定になっております。
最後に、パブリックコメントの対応に関して、スライド11に移りまして、今年の4月から5月にかけて、約1か月間、パブリックコメントを実施いたしました。1件のご意見をいただき、そのご意見は、スライド8でご説明した公園区域線と地種区分線の明確化に関するご意見をいただいており、ご説明した9か所のうち4か所が、本意見を踏まえて、公園区域線の名称を変更したものとなっております。詳細は、配付しております資料1-5をご参照いただければと思います。
事務局からの説明は以上となります。
○中村小委員長 ありがとうございました。
それでは、今の説明について、ご意見やご質問をいただきたいのですが、会場にお集まりの委員の皆様におかれましては、質問がある場合は、名札を立ててください。また、リモート参加の委員の皆様におかれましては、WEB画面上で参加者リストのご自身の名前の横に表示されている挙手ボタンにて、挙手の表示をお願いします。なお、発言する際には、最初に名前を述べてから、意見、質問をお話しください。
まず、会場のほうから先にお願いしたいと思います。田中委員、お願いします。
○田中委員 東海大学の田中と申します。よろしくお願いいたします。
事実確認で、国定公園の地域から削除される部分の土地利用についてうかがいます。この地域は観光などの面で市街化が進んでいる地域ですが、国定公園の削除に伴い、国土利用計画法の五地域区分がどう変わるのか教えていただければと思います。
○中村小委員長 それでは、3名ほどご意見をいただいた後、まとめて回答いただきたいと思います。
続いて、愛甲委員、どうぞ。
○愛甲委員 北海道大学の愛甲です。
田中さんと同じ点なのですが、今回削除する経緯について、点検の結果ということだと思うのですが、国定公園の区域の中にあるのに市街地化が進んで、それを解除せざるを得ないという状況に至ったのはどうしてなのか。地元の自治体や、土地所有者からの申し出があったのか。ニセコは最近、大規模な開発により、景観の悪化というのも非常に心配されているところです。安易に解除してしまっていいのだろうかと思ったので、その辺の経緯などについて教えていただきたい。国定公園になっているのに、法律に不適格となるような開発が行われたのかということも確認させていただければと思います。
○中村小委員長 ありがとうございます。これは多分皆さん思われたことだと思いますので、この点について、事務局からまず説明をお願いいたします。
○事務局(山北)事務局より説明をさせていただきます。
まず2点、お二方の先生方からいただきました。
最初の田中先生からいただいた質問ですが、土地利用については、今は自然公園地域に指定されており、それを解除して、五地域区分の中では都市地域の区分に変更されます。
続きまして、愛甲先生からいただいた質問ですが、市街地化が進んだ経緯として、国定公園の許認可は、国定公園を管理している都道府県の判断で許可されることになっております。
削除する区域については、現在、ニセコひらふ地区の街中を分断する形で公園区域が指定されており、メインストリートの中央の、一つのホテルの敷地を分断する形で指定されています。現在、公園区域内外にわたってホテル等が立ち並んでいる状況ですが、都道府県の判断のもと、基準にあったものが許可されてきておりますが、一つ一つ許可をされていく中で、市街地化されてしまうというところは、この自然公園の制度の中では避けては通れないといいますか、市街地化してしまうところも実際にはあるというところでございます。
今回、公園区域から削除するところですが、都市計画法に基づく準都市計画区域が隣接して指定されております。準都市計画区域の中には、特定用途制限地域と景観区域が設定されており、一定規模以上の工場等の用途制限や、建物の高さ、色彩等が規制されています。今回公園区域を削除するところにつきましても、削除された後に準都市計画区域を拡張して、この特定用途制限地域、景観地区の設定が予定されているところでございます。準都市計画区域の拡張によって、無秩序な開発については、一定程度抑制が図られるものとなっております。
また、自治体や地域住民からも、同一地区において異なる基準がかけられているところを、統一した基準で管理したいという要望があり、今回公園区域を削除して、準都市計画区域の制度の中で管理を図っていくというところでございます。
また、削除するところは、市街地化によって公園としての資質が既に失われているということ、国定公園として維持する意義が薄れているという判断のもと、削除するということでございます。
○中村小委員長 今の回答についていかがですか。田中委員、お願いします。
○田中委員 東海大学の田中です。説明で太枠を理解しました。
この審議会からは少しはみ出してしまうのかもしれませんが、都市地域の中でも市街化区域になるのか市街化調整区域になるのかなどが少し分からなかったのでさらにお聞きします。これから都市計画決定がされるので、市街化調整区域になるのか、市街化区域になるのか決まっていないかもしれませんが、見た目は市街化調整区域になるような場所じゃないかなと、推測しているところです。が、いずれにせよ、このような地域において景観を守るといったときに、自然公園の第3種特別地域から普通地域への変更ではなく、いきなり都市地域に入ってくるということは、割と珍しいのではないかと思います。国土交通省の関係になるかとは思いますが、自治体による、景観法に基づく景観行政や、緑の基本計画などの都市景観保全行政と、自然公園行政との連携がすごく大切になってきて、試金石になってくると思います。現場の中で、ケース・バイ・ケースで調整していく必要があると思います。私自身は、解除に反対しているわけではなく、景観に関する行政は省庁にまたがっており、そこをしっかりと担保していただければと思います。
○中村小委員長 ありがとうございます。
続いて、関委員、お願いいたします。
○関委員 ありがとうございます。関です。
私も今と同じ質問で準備しておりましたので、ご説明いただき分かりました。ありがとうございます。
○中村小委員長 それでは、山本委員、どうぞ。
○山本委員 山本です。
私は質問を2点用意してあり、一つは今、3人の委員の先生方がおっしゃったことと同じです。ただ、今回の変更提案というのは、全体としてはプラス70ヘクタールで還元できる、そういう変更提案だとは思うのですが、公園の質が失われているから境界を変更するという点がやはり気になりました。既にやり取りがあったとおり、都市計画法上では、準都市計画区域よりも市街化調整区域のほうが厳しく市街化を抑制できる区域になりますので、本当に守りたい公園の資源があるのであれば、やはり市街化調整区域への指定を考えてもいいのではないかなと思います。
二つ目は、公園の境界の明確化についてです。境界というのは、古くから、例えば自治体の境界には、稜線が使われたり、道路が使われたり、河川が使われたり、重要な自然資源が結構使われてきております。分かりやすい境界とするには、そういう場所を境界として使う必要があり、そういう意味で、今回の市街化調整区域でも、市街化された区域の真ん中に境界があるというのは、本来あまり良くなく、境界をどこに置くかということについては、何か方針があってもいいのではないかと思います。
この点については、事業をやりながら決定していくもの、考えが整理されていくものかもしれませんが、意見として述べさせていただきました。
以上です。ありがとうございました。
○中村小委員長 ありがとうございます。
先ほどの質問の確認なのですが、公園区域から削除される区域については市街化区域、市街化調整区域、そこがはっきりしなかったように思ったのですが、どちらですか。
○事務局(山北) 五地域区分について、お調べして回答させていただきます。
○中村小委員長 ひとまずペンディングということで。
それでは、お待たせしました。オンラインから江﨑委員、お願いいたします。
○江﨑委員 ありがとうございます。
皆さんと同じところですが、国立公園の場合だと、土地の売買がされても、規制がちゃんと引き継がれるようになっているかと思うのですが、国定公園の場合でも、建物が建てられた後に土地の売買がされても、規制は引き継がれるようになっているのかどうか少し気になりましたので、聞かせていただきたいと思います。
それともう一つ、異なる用途の規制がかかっているということで、ルールが二つあり使いづらいという意味合いかなと思ったのですが、規制が重ならないようにするというのが普通だと思うのですが、二つの異なる規制がかかってしまった理由について、分かれば教えていただければと思います。
○中村小委員長 ありがとうございます。ひとまずこの辺で回答いただけますか。
○事務局(山北)ただいまのご質問ですが、現在、同一地区で異なる規制がかかってしまっているというところですが、準都市計画区域は、都市計画法の考えにおいては、自然公園区域との重複は避けるべきという考え方があり、準都市計画区域をこの地区に設定したときに、自然公園の区域を除いた隣接する区域でかけられたということです。
市街地化が既に公園内外にまたがっているということで、地元からの要望としても、同一地区で、片や自然公園の規制がかかり、片や準都市計画の異なる規制がかかっており、一体的な管理ができないということで、公園区域を削除して、準都市計画区域の制度の中で統一的な景観形成を図っていきたいというものでございます。
○江﨑委員 規制がしましまに入り組むような状態になっているということですね。
○事務局(山北)同じ地区の上側が自然公園区域になっていて、下側が準都市計画区域になっているということでございます。
○江﨑委員 分かりました。ありがとうございます。
○中村小委員長 先程の山本委員の2つ目に言われたものは、意見でよろしいですか。
○山本委員 もし回答できるならで結構です。
○事務局(山北)区域の境界線についてですが、今回削除するところは、土地所有界を基本として、設定する予定でございます。
○中村小委員長 ありがとうございます。
それでは、オンラインから加藤委員、お願いいたします。声が聞こえないのですが、 もしよろしければ、可能ならチャットに入れていただければありがたく思います。
ほかの委員の先生方、いかがでしょうか。
愛甲委員、どうぞ。
○愛甲委員 都市計画法と自然公園法が重なっている場所もあるのではないかと思うのですが、先ほどの説明だと、重なったらよくないというように聞こえたので、一応確認です。
○事務局(山北)準都市計画区域については、都市計画法の考え方、運用の中で、特別地域との重複は好ましくないとされております。普通地域については、重なっているところも、他地区においてはあると思います。
今回、この区域を特別地域から削除するということについてが、事務局の判断としては、既に市街地化によって公園の資質が失われているということと、地域住民や自治体からの要望として、準都市計画区域の制度の中で統一的な運用をしていきたいというところがあり、削除するものです。
○中村小委員長 ありがとうございました。長田国立公園課長、どうぞ。
○長田国立公園課長 少し補足をさせていただきます。土地利用基本計画上の五地域区分について、田中委員からご質問のあった都市地域や自然公園地域という区分と、都市計画法、それから自然公園法で定める公園区域、都市計画区域、それぞれ根拠が異なっております。ただ、基本的には自然公園区域に指定されている場所は、五地域区分の自然公園として整理するというのが原則的な考え方にはなりますけれども、個別に調整を図る場合がございます。
一方、今回ご説明している準都市計画区域でございますけれども、これは新たに都市計画法が改正され、都市計画区域、つまり市街化区域と市街化調整区域を含む従前の都市計画区域とは別に、都市計画区域の外ではあるけれども、その整備について一定のコントロールを図っていく必要がある地域について、都市計画区域内の用途地域制度のような制度を使って、開発をコントロールしていくという仕組みになっておりまして、この準都市計画区域については、原則としては、自然公園の特別地域とは、それぞれの法の目的に基づいて、計画的効率的に土地利用を規制していくという観点から、重複することは望ましくないというふうにされています。
一方で、国土利用計画上の五地域区分については、この準都市計画区域は必ずしも縛られないという整理がなされておりまして、実際にこの地域が自然公園から外れた際に、都市地域に区分されるかどうかについては、申し訳ありません、今確認が取れていませんので、もし分かりましたら、この会議の間にご報告したいと思います。
○中村小委員長 どうぞ。
○田中委員 分かりやすくなってきたのですが、準都市計画区域というと、私の持つ一般的なイメージだと、例えば高速道路のインターチェンジとか、いわゆる人が住むことで開発をしないけれども、都市化が行われる地域に網かけするというのが一般的かと思います。今回のニセコのこの事例というのは、既に宿泊施設などができていて、人の営みがあります。都市計画区域の中の、いわゆる市街化区域というのは、住むところか工業をするところか商業をするところかで3つに大別されますが、この場所は商業をするところの土地利用開発が既に行われているようなイメージを持っていました。そのため準都市計画区域のままでずっと行くのかというのは、委員会の所掌とは違うので、ここで聞く質問ではないのかもしれませんが、突然何か景観に影響を与えるものが建ってしまうなどの懸念を感じています。今後その辺の担保をしていくのが良いかと思いました。
○中村小委員長 ありがとうございます。
加藤委員から、チャットが届いております。「観光という利活用の文脈は、また別であると思いますが、公園指定の意義が揺るがないようにと思いました。」ということです。ご意見ということでよろしいですかね。ありがとうございました。
広井委員もご意見があるということで、お願いいたします。
○広井委員 今のやり取りで大分分かったのですが、やはり試金石という話も先ほどありましたが、自然公園と都市計画法との整理というのが重要かと思いました。ニセコは特殊な例のような面もあるかと思いますけど、自然公園と市街地が隣接しているようなケースが、これから増えるのではないかと思いますので、その辺りの整理をしっかりするということが重要かと思いました。ありがとうございます。
○中村小委員長 ありがとうございました。
ほか、いかがでしょうか。特によろしいですか。
やはり私も、ニセコは特にインバウンド需要も極めて高く、非常に土地の価格も上がって、全てにおいて価格の高い場所になってしまいましたが、そのような中で、都道府県が許認可の権限を持っているということですが、やはり国として、どういう形で国定公園の土地利用を秩序化していくかというのはすごく大事な問題だと皆さん思われているということです。なし崩し的に市街地化が進んで、結果として削除を認めてくださいということではなく、やはりきちんとした計画があって、守るべきところはきちんと守られていて、こういった利用に資するところについては削除という選択肢もあり得ると。その辺を丁寧に説明していただくのと、やはり都道府県ときちんと連絡を取って、景観を乱さない形にしていただけたらと思いました。
準都市計画区域なるものがいったいどういうものなのか、私も分からないのですが、市街化調整区域、市街化区域ではなく両方とも違っていて、準都市計画区域という区域であると。そこは基本、何らかの規制が入るということと思っていいですね。その辺もまた機会があれば、教えていただければ、我々委員もある程度納得できるのではないかなというふうに思いました。ありがとうございました。
それでは、今言った課題はあるのですが、もう既に市街地化が進んでいて、今回は第3種の特別地域から削除されるということも含めて、この諮問にご異議はございませんでしょうか。
(異議なし)
○中村小委員長 よろしいですか。
それでは、今後はそういった委員からのご意見も踏まえて、慎重な対応をしていただければなと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、本件については適当と認めて、答申したいと思います。
続きまして、諮問の議事(2)国立公園事業の変更について2件ですね。お願いいたします。
○事務局(山下) それでは、国立公園事業の変更につきまして、まず資料2-1で、ご説明をさせていただきます。
本日の諮問案件ですが、2国立公園の2事業となっておりまして、1件が中部山岳国立公園の乗鞍高原駐車場事業の変更。それからもう1件が、瀬戸内海国立公園柿ヶ原博物展示施設事業の変更というふうになっております。
まず1件目でございます。乗鞍高原駐車場事業の変更ということで、区域面積を0.8ヘクタールから2.0ヘクタールに拡大しようというものでして、執行予定者は、既に事業執行していただいている松本市が引き続き事業を実施される予定です。この場所ですが、乗鞍高原内の自然散策や温泉利用、冬期のスキー利用を中心とした集団施設地区になっております。地区内には60以上の宿泊施設が営業中であると。それから、乗鞍岳登山の長野県側からのマイカー規制の起点にもなっている場所でございます。
この事業における課題と対応ですが、本エリアは公園計画書において、「集団施設地区の拠点として既存の広場、博物展示施設、案内所等の公共施設区域の充実、整備を図る」方針ということが規定されております。こちらは築35年以上を経過して、老朽化している併設の休憩場事業施設(乗鞍観光センター)、この施設の建替えが予定されているのですが、乗鞍岳へのマイカー規制拠点としての役割改善のため、バスロータリー整備や駐車場の配置変更等も、併せて必要な状況になっております。
右側の写真が、まさに乗鞍観光センターと駐車場の写真になっておりますが、一例として、駐車場の中にシャトルバス乗降場があって、動線に課題があるというような課題もございます。
四角の中の4ポツですが、駐車台数は引き続き維持する必要がありますので、周辺空き地における駐車場整備ですとか、既存駐車場の改良を行うことで考えております。
乗鞍岳のマイカー規制の概要ですけれども、長野県松本市から乗鞍高原に向かうところで、この場所にマイカーを駐車して、ここからシャトルバスなりで向かうという拠点になっています。参考までに、岐阜県側からも平湯で、同じようにマイカー規制がなされております。
変更後に予定されている事業の概要ですが、右の写真で載せておりますが、公衆浴場の跡地、あるいは観光センター南側にある空き地、いずれも既に改変されている場所で、新たに駐車場を整備しようというものになっております。それから、周辺の既存駐車場を、公園事業に位置づいていなかったものを本事業に集約しまして、再舗装等の改良を実施するということも計画されております。現状、この交差点の左上のところに観光センターと駐車場がありますが、これを変更後の緑色のところ、観光センターの新しい施設を中心としたバスロータリーなども整備した拠点としまして、駐車場を周辺に再整備するというような計画になってございます。
続きまして、瀬戸内海国立公園柿ヶ原博物展示施設の変更になります。こちらも区域面積1.4ヘクタールを4ヘクタールに拡大するというもので、事業執行者は、現在の事業執行者である南あわじ市が引き続き予定しているということになっております。
この場所ですが、兵庫県淡路島と徳島県鳴門市を結ぶ大鳴門橋の兵庫県側の玄関口に位置する場所です。周辺には、この施設以外にも、道の駅やうずまちテラスといった利用拠点が点在しておりまして、高速道路のインターチェンジに最も近いこの博物展示施設は、このエリア一帯の周遊利用の拠点としての役割を担っております。
この事業における課題とその対応ですが、この事業施設は、公園計画書では「鳴門海峡の自然及び人文景観を紹介するための施設」と規定されておりまして、周辺地域の周遊利用の拠点として年間50万人以上、博物展示施設としてはかなり多い数字ですが、来訪されております。
当該施設の駐車場待ち渋滞が恒常的に発生しているような状況で、周辺の道路にまでその影響が及んでおります。右上の航空写真でご説明しますと、博物展示施設から伸びている取付道路、これが市道になりますが、この約600メートルぐらいの道路の渋滞は、年間70日ぐらい発生しているような状況で、そこから県道にぶつかって、高速道路インターチェンジのほうに伸びておりますが、このインターチェンジ付近まで至る渋滞も、年間15日程度発生しているというような現状にあります。
さらには、令和8年度に周辺施設の道の駅のリニューアルで、令和10年度には大鳴門橋のサイクリングロード利用、自転車が通れるようになるという計画も見込まれておりまして、さらなる利用拡大も想定されているところでございます。
これらの課題解決のために、駐車場の整備だけではなくて高速バスの利用促進、公共交通機関で来ていただくこととか、周遊するシャトルバス運行による課題解決といったことと併せて、新たな駐車場整備を行うものでございます。
変更後に予定されている事業の概要ですけれども、観光センター跡地がありまして、ここに駐車場整備を約2ヘクタール弱、300台分行うということと、その場内にシャトルバスの乗降場や、トイレ整備を行うという事業になります。右下の航空写真で、赤で囲った部分になりますが、一部植生が回復している場所もあるのですが、20年前の時点では、航空写真ではもう植生が一切見られないような状況で、既に改変された土地を使って駐車場を整備するという計画になっております。
それから、歩道の再整備ということで、これも踏み分け道があるのですが、博物展示施設に歩いて至れるように、踏み分け道を再整備するという事業と、既存駐車場が市道の途中にありますが、これが今、博物館施設事業の施設として位置づいていないということで、これも事業に組み込もうという予定になっております。
事務局からの説明は、以上になります。
○中村小委員長 ありがとうございました。
それでは、この議事(2)について、ご質問、ご意見を皆さんから伺いたいと思います。会場、オンライン、いかがでしょうか。
それでは会場のほうから、山本委員、お願いいたします。
○山本委員 山本です。
まず、中部山岳国立公園の駐車場の新規整備と既存駐車場の補修についてです。
これは平面図を見ると、駐車場が集まるということで、機能が単純に強化されるなという感じはするのですが、一方で駐車場間というか、その間に道路があるので、本当は何か道をつけ替えたりして、一体的に整備したほうがいいのではないかなとは思うのですが、今回の事業の提案としてはいいとしても、将来的にそういう安全確保だとかいろんな観点から、もっと一体的に整備したほうがいいのではないかなというのが意見です。
それから2点目ですが、瀬戸内海の国立公園の状況が完全には理解できていないところありますが、新しく整備される予定地というのは、博物展示施設から少し遠いところにあって、遠いところに整備したことで、本当に今ある問題が解決されるのかというのが十分には理解できなかったです。つまり、目的地が博物展示施設だけだとは思わないですが、遠くにあることで、うまく今の問題解決が図れそうかどうかというのは、どんなふうに検討されたのかを教えていただけるとうれしいです。よろしくお願いします。
○中村小委員長 ありがとうございます。
田中委員、お願いいたします。
○田中委員 東海大学の田中です。
山本委員と関連しているところで、中部山岳の乗鞍のところなのですが、交差点の角地に3か所駐車場を造り、1か所は休憩所施設になるという計画なのですが、この辺りについてお伺いします。一般的に実際に計画をしても、市が調整するというのは伺ったのですけど、道自体の道路管理者との管理者協議と、あと警察協議などがあると思います。実際にこの交差点に3か所、駐車場を造るとすると、例えば信号の敷設が必要なのかとか、交通量が正確には分からないので何とも言えないのですが、例えば都市公園に駐車場を造るときなどには、交通事情に応じて警察とか道路管理者からいろいろコメントがくるかと思うのですね。どこに引き込み線を入れて、駐車場に車を入れるかとかです。あとこの様に交差点を挟んで4つに分かれた土地を活用する場合には、絶対横断をしなくてはいけなくなると思うので、安全な横断のためにどういうものを担保するのかとか、そういうところについての詰めというか、そういうものはどこまで進んでいるのかというのを、お伺いしたかったなと思います。
以上です。
○中村小委員長 ありがとうございます。
それでは、事務局のほうから、今の点について。
○事務局(山下) ご意見をありがとうございました。
まず、山本委員からのご意見ですが、中部山岳のほうは田中委員との意見と一部重複する部分もあると思うので、まとめてお話をさせていただきますが、申し訳ございません、道路管理者とどういった協議をしているかというところは、現時点で把握できておりません。しかしながら、いただいたご意見というのはすごく重要な部分かなと思いますので、道の付け替えというところまで行くと、かなり大がかりな話ではありますが、少なくとも信号をつけたりですとか、横断歩道を新たに引き直したりですとか、調整によってできることもあろうかなと思いますので、今日いただいた意見を現場の事務所にも伝えまして、引き続きそういった観点でも、事業認可に向けて調整を図っていきたいなと考えております。
それから、山本委員からご意見いただきました瀬戸内海国立公園の駐車場整備で、整備する駐車場が本体施設よりやや遠いのではないかというようなご意見でした。まず前提として、やはりなるべく自然環境に影響のない形で整備する必要があるかなというふうに考えておりまして、影響なく、かつ必要な規模感のある駐車場を確保することができるのは、この場所しかなかったというのが1点と、もう1点が、この辺り一帯、もちろんこの駐車場から博物展示施設に向かうのもそうなのですが、シャトルバスの周遊というのを考えております。ですので、この駐車場で車を止めた利用者の方がシャトルバスに乗って、博物展示施設に訪れることもできますし、そのシャトルバスで周辺の道の駅なんかも周遊することができるということと、この歩道の再整備で、途中道路に取りついていますけれども、その道路の途中からは、車道脇に歩道がございますので、歩いていっていただくことも可能かなということで、妥当な計画ではないかと考えているところです。
○中村小委員長 ありがとうございます。今の回答でよろしいですか。どうぞ。
○山本委員 よく分かりました。サイクリングされる方も出てくるのではないかというような話もありましたので、そういう意味では場所はあまり選ばないのかもしれないですし、その意味で、離れていることがどれだけマイナスなのか、プラスなのかというのは、恐らく現場の方はよく検討されているとは思うのですけども、うまくいきそうだということであれば結構です。ありがとうございました。よく理解できました。
○中村小委員長 ありがとうございます。
ほか。中静委員、お願いします。
○中静委員 今の瀬戸内の情報がもう少し欲しいなと思っていたのですが、結局奥にある博物展示施設の駐車場はこのまま、途中にあるのも含めて維持されるというのが前提で、シャトルバス、あるいは歩道でということになるのでしょうか。コントロールが結構難しいのではないかなと思ったのですが。
○事務局(山下) ご意見ありがとうございます。ご認識のとおりで、既存の駐車場はそのままで、新たに駐車場を整備するというものになっております。ソフトの運用は、これから詰めていくというふうにも聞いていますが、例えば一つの計画として、道路での情報発信、道路情報板のようなものでの発信で、今どこの駐車場が空いているかとか、そういったことも検討されているというふうには聞いていますので、そういった運用とセットで整備が進められていくのかなとは思っております。
○中静委員 分かりました。ありがとうございます。
○中村小委員長 ありがとうございます。
ほか、いかがでしょうか。よろしいですか。
多分駐車場を広げていくことは重要だし必要だということは、皆さんお認めいただいていて、むしろその安全面の確保とか、あとは離れた駐車場からそこまでのアプローチの仕方とか、例えば今回の瀬戸内の案件なんかだと、仮に車が入ってしまうと、そこで渋滞してしまって、結果的にその車が出られなくなるとかという、どんなことが起こるか分かりませんけど、そういった課題もあると思いますので、それは情報をある程度伝達したりすることによって回避したりとか、あとは認可の段階で、ぜひその現地のほうに、そういった意見が出ていたということもお伝えいただければなと思いました。ありがとうございました。
今意見をいただいては、その対応については、事務局のほうに何らかの形で現地に伝えていただくことにして、今回のこの案件については適当と認めて答申したいと思いますが、よろしいでしょうか。ありがとうございます。
それでは、諮問事項は以上の二つですが、報告事項として議事3、4があります。まとめて事務局より説明をお願いいたします。
○事務局(山下) それでは、議事(3)の磐梯朝日国立公園(磐梯吾妻・猪苗代地域)五色沼東エリア利用拠点整備改善計画の認定について、資料3でご説明をさせていただきます。
まず、そもそものところをお話しさせていただきますと、この利用拠点整備改善計画というものが、令和4年4月に設けられた新しい制度になっております。
その概要をこの資料でご説明をさせていただきますと、自然公園法に基づいて、市町村ですとか民間事業者さんからなる協議会は、公園利用の拠点となる旅館街等の街並みを整備するための方針を定めた利用拠点整備改善計画を作成し、環境大臣、都道府県知事の認定を受けることができると。国立公園については環境大臣の認定を受けることができると。認定された計画に基づく事業実施に必要な許認可は不要ということで、これは何でもいいということではなくて、計画時点である程度大きな方向性としては認定するので、個別の事業に対する手続は不要ですよという趣旨になっております。
2ポツですけれども、これによって狙うところは、計画に基づく廃屋の撤去ですとか、機能の充実、景観デザインの統一など、関係者が一体となった自然と調和した街並みづくりを促して、国立公園等における魅力的な滞在環境を整備していこうというような趣旨で設けられたものになっております。満喫プロジェクトをより持続可能に実現していくために設けられた仕組みであるというふうにご理解いただけるといいかなと思っております。
これの計画の2例目の認定が先日なされたということで、今回ご紹介させていただきたいと思います。
計画の場所ですけれども、磐梯朝日国立公園の桧原湖の南側にある裏磐梯地区の五色沼東エリアという場所になります。計画策定者は、地元の自治体事業者から成る協議会で、認定日が今年の4月22日に認定してございます。
課題ですけれども、五色沼等の優れた景観資源もありますし、環境省の裏磐梯ビジターセンターですとか、自治体の観光プラザなんかの様々な利用施設を有している一方で、各施設の整備・運営が十分連携されておらず、利用者の多くは毘沙門沼という場所の訪問にとどまっているという現状にあります。また、主要幹線道路に位置するバス駅舎が老朽化しているとか、そういった課題もございます。
基本構想としては、こういう課題をクリアして、にぎわいの創出、来訪者の利便性・満足度の向上、情報提供を行う機会の確保によって、裏磐梯の周遊・滞在を促進していこうということで、「持続可能な「美しい村づくり」を牽引する利用拠点へ」ということを基本理念とした計画になっております。
こちらが計画の基本構想を地図にしたものです。青矢印でなぞったところが国道459号ということで、主要な幹線道路になっておりまして、幹線道路に面する形で裏磐梯ビジターセンター、観光プラザ、さらには先ほどお話しした老朽化したバス駅舎などがございます。少し奥まったところに、五色沼、毘沙門沼ですとか、毘沙門沼を眺めるようなレストハウスなんかがある園地、自然探勝路なんかがございます。まず、黄色の部分というのをしっかりとこのエリアの拠点にして、施設ごとの連携を強化する。あるいは地区内をうまく周遊するための情報発信を強化していくということで、地区全体をうまく回していくということと、幾つか拠点の場所がありますので、それぞれで景観的にも統一を図っていきながら、機能的な利便性も向上していこうという計画になっております。
以上が計画の概要ですけれども、許認可手続が不要になるということだけではなくて、環境省の支援事業で、こういったものを後押しするという取組も行っておりまして、参考までに、国立公園利用拠点滞在環境等上質化事業というものを、このページではご紹介させていただきます。詳細は割愛させていただきますけれども、今ご紹介したような計画づくりの支援ですとか、計画に位置づけられた、いろいろな廃屋撤去等の事業への補助ということも行っていますので、計画づくりを推進していきながら、計画認定したものについての事業も推進していくということで、引き続き努めていきたいと考えております。
議事(3)のご説明については以上です。
○立田国立公園利用推進室長 資料4についてご説明いたします。制度の話からは少し離れて、利用に関する施策について、昨年度末頃の動きを報告させていただきます。
まず、資料4-1、国立公園における自然体験アクティビティの高付加価値化に向けてという資料です。国立公園におけるアドベンチャートラベル推進に向けた手引書というものと、国立公園ならではの自然体験アクティビティガイドラインというものを昨年度末に公表しておりますので、簡単にご紹介させていただきます。
まず、手引書は、アドベンチャートラベルの推進を目的にした手引書であり、アドベンチャートラベルの基本的な考え方、コンテンツの開発といったことに関して、具体的な事例を交えて解説をしております。アドベンチャートラベルは、資料にあるとおり、自然や地域文化を舞台にして、自然体験と文化体験を融合させた高付加価値を生み出す観光形態ということになります。そのような考え方も含めて、手引書として整理し、観光事業者ですとかガイドさんに対してお示しし、アドベンチャートラベルを推し進めるための一助になればということで公表しています。
続きまして、アクティビティガイドラインは、資料の上から2行、3行のところにもありますとおり、具体的な取組のチェックリストという形で取りまとめています。ガイドラインの各項目に沿って、アクティビティの質をチェックリストで確認していくことで、質の高いアクティビティを作っていくことができるというものになっております。
次のページをご覧ください。ガイドラインでは、基本的項目としてのフェーズ1、フェーズ2というものを示しており、基本的な項目として、こういったことをクリアしたものを作っていくと、アドベンチャーツーリズム、アドベンチャートラベル、そういった持続可能な観光形態として進めることができます、というものになっています。チェックリストも基本的項目と発展的項目という形で作っています。このガイドラインも公表しております。
また、「国立公園に行ってみよう」サイトというものがあります。資料の次のページです。そのサイト中の情報提供のところで、アクティビティを紹介している部分がございます。この中には、フェーズ1の基本的項目について90%以上クリアしたアクティビティに関して、掲載しています。資料の左側に掲載の事例が入っています。アクティビティの概要、対象問合せ先などを含めて公表しており、600以上のアクティビティが掲載されているという状況です。アドベンチャートラベル推進に向けた手引きを見つつ、それからガイドラインでチェックして、サイトに載せていくというような形を取って、より質の高いアクティビティ体験を利用者に提供していくことで考えています。
続きまして、資料4-2になります。
自然公園法の前身の国立公園法の制定からもうすぐ100年を迎えます。令和5年には、政府において、新時代のインバウンド拡大アクションプランというものが観光立国推進閣僚会議で決定しています。その中で環境省として、国立公園制度の100周年の記念事業というものを打ち出しています。その事業の一つとして、制度100周年である2031年までに、全ての国立公園で聞き書き集というものを作っていくことを計画しています。
どういったものを作っているかということですが、日本の国立公園は、大自然だけでなく人が住んでいるような地域もあります。これまでもブランドメッセージとして、「その自然には、物語がある。」ということでストーリーをつくって、魅力発信をしてきています。国立公園ごとのストーリーを聞き書きという形で可視化して、記録に残し、その地域の次世代へ浸透していくこと、あるいは国立公園のブランド意識の醸成、来訪者への学びですとか、感動の深まりというものを提供していきたいと考えています。特に、インナーブランディングを向上させることに寄与していくものかなというふうに思っています。
具体的には初年度となる令和6年度に釧路湿原、大雪山、西海、雲仙天草で取組をしております。聞き書きや国立公園の概要のようなものがついているものを作っています。今年度に関しましては、三陸復興、尾瀬、吉野熊野、阿蘇くじゅう、やんばるの5公園で実施する予定で、作業を進めています。
それらの印刷物は、ビジターセンターですとか公共施設に置いたりもしています。インナーブランディング、次世代に伝えるということで、釧路管内では、教育委員会に掛け合って、全小・中学校に冊子を置いてもらっているとか、あるいは釧路新聞に一面で取り上げていただいているとか、そういったことが行われていると聞いています。
ウェブサイトには動画も載せており、先ほど申し上げた四つのうちの釧路湿原国立公園について、お見せできればと思って動画を用意していますので、スクリーンをご覧いただければと思います。
(動画視聴)
○立田国立公園利用推進室長 国立公園によって違ってくるのですが、大雪山、西海、雲仙天草でも同じように動画を作っており、こういった取組をすることによって、地域で大切に守られてきていた国立公園を伝えていくと、そういったことも行っているという紹介でした。
以上になります。
○中村小委員長 ありがとうございました。
それでは、この2件の報告について、諮問案件ではないのですが、せっかくの機会ですので、皆さんのほうからご質問等がありましたらいかがでしょうか。
どうぞ。
○愛甲委員 2点あります。
一つは、アドベンチャートラベルの推進に向けた手引書とガイドラインですが、これは誰のために作ったものでしょうか。今の説明を伺っていたら、ガイド事業者さん向けに作ったものなのかと理解したのですが、その一方で、ちょっと気になるのは、先ほど冒頭でも話がありましたように、国立公園の利用にはそれなりのリスクも伴う活動もあるわけで、特にアドベンチャートラベルとなったときには、そこの管理というのは非常に重要なことだと思うんですが、安全対策、それから環境への考慮とか持続可能性を自己チェックみたいなものに委ねていて、本当にいいのだろうかというのは、ちょっと疑問に思います。これは今後の検討になると思うのですが、この中には、少なくとも国立公園の中で活動していただくためには、必ずクリアしていただかなければいけない条件とか、そういうこともきちんと定めていかなければいけないものも、中にはあるのではないかなというふうに思いますし、もっとその辺の検討が進めばいいなというのを、今日は報告事項でしたので、意見として、それを述べていきたいと思います。
それともう一点は、次の「国立公園ものがたり」で、これは非常にすばらしい取組だと思います。大雪山のものも、私も冊子を見せていただきました。
ただし、その一方でちょっと残念なのが、5月に大雪山国立公園連絡協議会の総会がありましたが、ちょっとタイミング的にどうなのか、私はよく理解していませんが、そこでは一切これの説明がありませんでした。本省でこれを作られていて、すごいいいものを作られているのに、地元の協議会ではそれが全く共有されていないと。これは一体どういうことなのだろうと思いますし、どうせやるなら、地元の協議会に委ねてはどうでしょうか。総合型協議会をつくって、協働型で国立公園を管理しようと言っているのに、本省で作りました、刷り物はできています、ホームページを見てください。それではちょっと何も。今も一応確認をしましたが、大雪山国立公園のホームページにはこれも載っていないということですので、ちょっと地元といいますか、関係している協議会で活動している皆さんのやる気といいますか、それも結構100周年にとっては大事なところだと思いますので、その辺の連携がもっと進むといいなと思って、よりすばらしいものになるのではないかと思います。ぜひその辺、ご検討ください。
○中村小委員長 ありがとうございます。
もう一方、山本委員、お願いします。
○山本委員 私からは、アドベンチャートラベルについてです。
資料4-1の後ろから2番目のところにチェックシートが出ているわけですが、このチェックシートによって90%にチェックがつくと、スクリーニングされて、いい団体があぶり出されるというか、90%オーケーだったものが公開されていくので、その上質化に向けて進んでいくのではないかなということが期待されるのですが、一方で次のページに、多分ホームページから抜いたアクティビティの具体的な内容が掲載されていて、この情報に変換されるときに、何かこのチェックシートでチェックがつかなかったこと、あるいはチェックがついていることというのがあんまり反映されないのかなというのがちょっと気になりました。90%のスクリーニングというのは、かなり厳しいスクリーニングだったら、いいものが外に情報として出ていくので、それはそれでいいのかなという気もしますし、今、試行段階なのかもしれませんが、どういう運用というか、自己チェックによってどういうふうに進んでいくことを期待しているのかというのを、ちょっと教えていただけるとうれしいです。よろしくお願いします。
○中村小委員長 ありがとうございました。
愛甲委員の話とも絡んでいるので、今のこの段階でお願いいたします。
○立田国立公園利用推進室長 まず、愛甲委員の話なのですが、確かにこのアクティビティのチェック自体は、現在セルフチェックという形になっております。山本委員からもお話がありましたが、そのやり方で、スクリーニングがどれほど効果的にされているかということもありますし、愛甲委員からお話のあったルールについては、規制的な手法を取っていくのかどうか、ということもあると思います。どの程度のバランスで規制的な手法、あるいはルールの厳格化などをやっていくことについては、既にガイドの認定制度とかいろんなものが地域ごとに進んでいるところがありますので、どういったことをやっていくのかということや、ほかの地域に広げたほうがいいものというのは何なのかについては、今後、本省においてもバランスも踏まえて検討していきたいと思っております。
山本委員のおっしゃった、民間事業者の金もうけにつながるような話を環境省でどうやって取り扱うかというのが非常に難しいところで、試行的なものになっているところです。国立公園満喫プロジェクトの会議においても、予約まで国で行うべきという話が出ていたと思うのですが、なかなかそういったところまでは行けないところでありまして今の状況です。また、600と増えてくるとだんだんとチェック機能も働かなくなってくるというところもありますので、引き続きどういった方法が利用者にとって一番メリットもあるのか、かつ国立公園という名の下に地域にお金ができるだけ落ちていくということも重要なので、そのバランスを見ながらやっていきたいと思っています。
最後に、大雪山の協議会でという話ですが、本省主導で進めていて、共有化というのができていない部分があったのかもしれません。せっかくいいものも使われないともったいないということは、そのとおりだと思いますので、これまで以上に、地域と連携して作っていきたいとは思っています。
○中村小委員長 ありがとうございます。
私もやっぱり最初のヒグマの問題も含めて、このチェックリストの中にあるのかなと思ったのですが、基本まだそういうのは書き込まれていないし、これ自体は今後の課題ということだとは思うのですが、走り出してしまうと、いろんな形でまたその問題が起きるという可能性もあるので、どういうガイドラインにしていけばいいのかというのは、ちょっと悩ましいなと思っていました。
関委員、お願いいたします。
○関委員 関です。ありがとうございます。
「国立公園ものがたり」について、少し意見なのですが、この取組、今4分ほど見せていただいたのですが、私もすごくすばらしいものができたなというふうに、今までとはまた違うアプローチですばらしいものができているのだなというのを実感したところです。愛甲委員からありましたように、地元の方々のより多くのご参加が見えるような作品になるというのが、より盛り上がりを見せるのかなということと、もう一つは、本省さんのほうで、国立公園全体として日本の自然観といいますか、そちらの方をもう一歩全体を取りまとめて、日本の国立公園はこういうメッセージを持っていますというような発信があると、その大枠の中に個別にいろんな各所の様々な物語があるというふうに具体的に見えてくるのかなと、伺っていて思いました。
いずれにしましても、今すばらしいものが作られているのだなというふうに、それが見てとれて、非常にうれしく思っています。
以上です。
○中村小委員長 ありがとうございました。
町田委員、オンラインからお願いします。
○町田委員 ありがとうございます。聞こえていますでしょうか。町田です。
私も「国立公園ものがたり」を拝見して、すばらしいなと思ったのですが、環境省の方がいろいろと情報発信をされて、いろいろなSNSで発信されている写真とかコンテンツもすばらしいなと思っているのですが、それが果たして、本当に国立公園に訪れる方たちにまで届いているのかなというところが、届いてほしいなという思いがあります。いろいろな世代によっても違うと思うのですけど、インスタとかFacebookの投稿数を見ても、海外と比べてかなり少ないなと思うのですが、こういった国立公園のコンテンツをどういうふうに実際に利用者の方に、今日話題にも出た「安全」という情報もなんですが、情報を届けていくのかというところで、何か情報戦略じゃないのですが、もう少し発信するだけじゃなくて、発信をどう届けるかというところで、何かお考えがあれば教えていただきたいなと思いました。
○中村小委員長 ありがとうございます。お願いします。
○立田国立公園利用推進室長 ありがとうございます。
まず、関委員のより多くの参加ということですが、我々もできるだけそうしたいと思ってございます。一方で聞き書きの形を取った場合に、先ほどの動画は4分なのですが、ほかも大体それぐらいで、恐らく六組ぐらいがせいぜいかなと。その後の町田先生の話もありましたが、インスタなど、ものによってはもっと短くしたものも含めて検討していかないといけないと思っております。なお、釧路湿原をお見せしたのですが、雲仙天草ですとか、西海は、名前は一つでも五島と九十九島とか全然地域が異なっておりますので、なかなか短くまとめるのは難しいと感じています。いただいた意見は、これから進めるに当たって、ご意見を参考にさせていただきたいと思います。国立公園全体という話に関しましても、今後の検討とさせていただきたいと思います。
情報戦略ですが、我々もYouTubeであったり、インスタであったり、様々使っているのですが、せっかくの質の割に伸び悩んでいる部分はあるかなと思っています。特にインバウンドの方であれば、人数としてはJNTOのサイトのほうが多く見られているということもあるでしょうし、そういったところと連携してやっていくということも必要と考えています。若い人に関しては、4分は恐らく倍速で見るぐらいの話になってしまい、釧路湿原であれば新庄さんの話を倍速で聞いて感動があるかというと、ちょっとどうかなというのはあります。今いい方法が思い浮かんでいるわけではないですが、どうコンパクトにするかとか、どういった手段を取るかについては、いろんな方法を取っていくということしかないかなというふうに思います。やはりそれぞれ媒体によって得意不得意があると思いますので、引き続き様々なご意見も伺いながら、戦略的にやっていきたいと思ってございます。
○中村小委員長 ありがとうございました。
利用拠点整備改善計画のほうには質問が来ていませんけどいいですか。予算的な補助というのは、先ほど最後のほうで説明されたスライドにあった、計画に対しても補助するし、あれはずっと維持されるものなのですか。それともプロジェクト期間中だけの話になってしまうのですか。
○澤田インバウンド推進室長 お答えいたします。
利用拠点整備改善計画の策定に向けた支援であれば、現行の補助制度でございまして、こちらは当面継続予定でございます。さらに、利用拠点整備改善計画に基づく施設の廃屋撤去ですとか街並み改善ですとか、そういったものに対する支援も、今このスライドに上がっておりますが、現行の上質化事業のほうで支援をしているところでございまして、こちらも当面、我々としては継続し、さらには拡充を狙っていきたいというところでございますので、計画に位置づけられている取組が無事終わるまで支援してまいりたいと、我々としてはそう思っているところでございます。
○中村小委員長 ありがとうございます。阿寒の満喫プロジェクトの町並みが変わっていく姿を見てきたので、ぜひうまくいってほしいなと思っています。
ほか、この報告についてはいかがでしょうか。
広井委員、お願いいたします。
○広井委員 聞こえますでしょうか。時間を超過して恐縮です。
こちらの方面、先日行くことがあったのですが、これはすばらしいと思うのですが、やはり猪苗代湖方面は鉄道も近くに通っていて行きやすいのですけど、五色沼方面は車がないと、アクセスが少々難しいような面ありまして。ですので、やはりバスも含めて公共交通という、その辺りも充実させていただけると、さらによくなるかなと思いました。
以上です。ありがとうございました。
○中村小委員長 ありがとうございました。
特にそれ以外にはございませんでしょうか。よろしいですか。
全体を通じて、何か言い残したことがありましたらいかがでしょうか。
○小泉委員 全体ではないのですが、別件で意見を申し上げます。
意見としてお聞きいただきたいと思いますけれども、冒頭、局長と、それから委員長からクマの話が出ましたが、もう既にクマは特定の国立公園の問題ではなくて、ほぼほぼ全国、本州全体を含めて、クマの問題は考えていかなければいけないところがたくさんあるというふうな事態になってきております。特に国立公園は、クマに関して言うと、一方では保護のためのコアエリアというふうに位置づけられているわけで、今回のような緊急事態にどう対応するかというよりも、国立公園のレンジャーを含めたスタッフが、日常的にクマとどういうふうに付き合っていったらいいのか。どういうところをポイントとして調べていけば、今日お話もありましたように、国立公園の利用というのをこれからどんどん積極的に進めていこうというフェーズに入ってきているようですので、それを受ける側の国立公園がクマをどういうふうに取り扱っていったらいいのかというところを、少し議論いただければなというふうに考えております。
国立公園の中で動物を扱う予算というのは、希少動物以外でいくと、シカ生態系維持回復事業しかないわけなのですが、これはどうもちょっとクマには当てはまらないようですし、この事態を鑑みながら、新たに国立公園の中で、クマを日常的にどういうふうにトラッキングしていったらいいのかということを考えて、安全の確保を図っていっていただきたいと思います。これは特に提案でもなく意見ですので、よろしくお願いいたします。
以上です。
○中村小委員長 ありがとうございました。大事な問題だと思います。
ほか、全体を通じて、せっかくのチャンスですので、環境省の局長も含めて、いろんな意見交換ができる場ですので、オンラインの方々も、今の小泉委員のようなことも含めて。
江﨑委員、お願いいたします。
○江﨑委員 ありがとうございます。
私もクマの専門家ではないのですが、やはり今まで聞いたことがないところでクマのことを聞くようになっておりまして、別の計画策定などの場面で、特に国交省の計画とか、今広域地方計画なんかも進められているところだと思うのですが、そういう計画のときにクマのことも文言として入れていくようにということは少し気をつけていただくといいなと感じました。
以上です。
○中村小委員長 ありがとうございました。
ほか、いかがでしょうか。どうぞ。
○愛甲委員 クマだけのことではなくて、今回の羅臼岳のヒグマの事故については、登山道の管理という意味でも、非常に大きな意味があると思っています。今日、たまたまニセコの案件もありましたけど、ニセコは国定公園ですがニセコルールというのがあって、以前からアドベンチャースキー、バックカントリースキーに対する独自のローカルルールをつくって、それで対応してきたというような経緯があります。ある程度の成果を上げている一方で、公的には町は加わっていますが、国定公園の管理者である北海道とか、土地所有者である国有林はそこには入っていない仕組みになっているという、あくまでもローカルなルールという運用でやっています。
そういった部分について、今回のヒグマの案件についても、共有されているとは思いますが、実はもう北海道新聞等では、自然公園の法律自体で、そういうリスク管理を対応する部分が欠けているのではないかという指摘も既にされおり、北海道内でそこは結構議論になっているところです。
それで今、ちょうど日高山脈襟裳十勝国立公園でもビジョンを先日総会で策定して、これから管理運営計画や登山道のグレードをつくろうということで、議論をスタートさせようとしています。特に日高の場合は、非常にリスクの高い、上級者向けのルートが非常に多い国立公園ですので、ほかの国立公園とはちょっと違う登山道の管理をしなければいけないというところで、その辺のリスクと、利用の促進というのをどうバランスを取りながら進めていくかというのは、非常に重要な課題になってくると思います。
今回も歩道の管理として見たときにどうだったのか、管理者が何をできたのかというのは十分に検証しなければいけないところだと思いますので、ぜひその辺は検討を進めていただければと思います。よろしくお願いします。
○中村小委員長 貴重な意見をありがとうございます。
ほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。もう時間は過ぎておりますが。
○事務局(山北) すみません、事務局から一点。
議事1の関係で、ニセコの五地域区分についてですが、自然公園区域が解除された後は、都市地域やほかの区分にも何も属さないというところでしたので、ご報告いたします。
○中村小委員長 何も属さない白地みたいなものがあるのですか。
○事務局(山北) はい、確認したところ、どの区分にも属さないということでした。
○中村小委員長 そうなんですか。長田国立公園課長、どうぞ。
○長田国立公園課長 クマについて、いろいろとご意見をいただきましたので、最後に少しお話させていただきます。
今回の事故については、本当に大変残念な結果になってしまいました。愛甲先生のお話にあった歩道で言えば、知床半島については、今回の事故があったような環境省が事業執行している歩道もございますし、道はあるけれども、管理者がいないという歩道もございます。
歩道につきまして、当然管理の責任ですとか、利用者の責任の問題、安全確保の問題、それから環境保全のための整備、様々な観点がございます。こういったところについて、やはり大きな問題だという認識はしていまして、その中で、ボランティアや山小屋のお力をお借りして、管理を進めてきたところもございます。
また、関係機関が連携して管理をしている歩道もあるわけですが、登山道そのものにどういう機能があって、それを誰がどういった立場で管理をしていくのかということが、安全管理の観点だけでなく、様々な観点から整理が必要だというふうにも思っております。
クマそのものの管理につきましては、今回の知床で言えば、鳥獣保護管理法に基づく第二種特定鳥獣管理計画が道内全域に策定されていて、さらにその地域計画である知床のヒグマ管理計画があり、その中では相当きめ細かくゾーニングをした上で、そのゾーニングしたエリアごとに、こういう行動が発現した場合にはこういう対応を取るというようなことも整理してきていたわけでございますが、その中でも残念な事故が起きてしまったということも踏まえて、知床自体においてもしっかりと検証していく必要があると思います。また、その他の公園、本州のツキノワグマも含めて、クマと公園の問題についてどう対応していくかということにつきましては、特にクマが頻出するエリアについては、例えば尾瀬や上高地など、ガイドラインやマニュアルが策定されており、そういったところの対応などもレビューしながら、今後どういった取組をさらに進めていく必要があるのかということについて整理してまいりたいというふうに考えてございます。
○中村小委員長 ありがとうございました。
ちなみに海外ではどうなっているか。アラスカなんかはどうしているのかなと思ったので、もしそういうルールみたいなものがあれば教えていただければ。
○長田国立公園課長 やはり知床でルールをつくるときに、アラスカの国立公園の事例はかなり参考にして、策定されたというふうに認識してございます。その辺も参考にしながら、検討していきたいと思います。
○中村小委員長 もう既に20分ぐらい超過しておりますので、この辺で本日の議事は終えたいと思います。審議への協力ありがとうございました。
それでは、進行をお返しいたします。
○事務局(山本) 事務局でございます。
中村委員長、ありがとうございました。委員の皆様におかれましても、長時間にわたりご審議をいただきまして、ありがとうございました。
本委員会は、以上をもちまして閉会となります。本日は誠にありがとうございました。
午後3時53分 閉会