鳥獣の保護及び管理のあり方検討小委員会 (第18回)議事録

日時

令和3年3月3日(水)10:30~15:34

         (12:00~13:00休憩)

場所

Web会議システムにより開催

出席者

(委員長)

石井 信夫

(臨時委員) 尾崎 清明 小泉 透 高橋 徹
(専門委員) 坂田 宏志 羽山 伸一 三浦 愼悟
(環境省) 鳥居自然環境局長
大森大臣官房審議官
奥山総務課長
中尾野生生物課長
川越鳥獣保護管理室長

議事

【事務局】 それでは予定の時刻になりましたので、これより中央環境審議会自然環境部会第18回鳥獣の保護及び管理のあり方検討小委員会を開催させていただきます。

 本日は、所属の臨時委員4名のうち4名のご出席をいただいておりますので、本会については成立しております。

 また、本日の出席者でございますけれども、7名中7名、皆さんご出席いただいているということで、本小委員会は成立しているところでございます。

 それでは、開催に当たりまして、まず連絡事項を申し上げさせていただきます。

 本日の小委員会につきましては、午前中から午後冒頭にかけて、主な点検事項に関する関係団体からのヒアリングを予定しているところでございます。午後はヒアリングも踏まえまして、点検項目に関する対応の考え方についてご意見を賜りたいと存じます。

 なお、本会議はヒアリングも含めまして、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、Web会議システムにより開催いたします。会議の様子はYouTubeチャンネルによりライブ配信を行っております。Web会議中は、全員カメラをオンのままとしていただければと思います。もし、通信環境などで負荷が生じた場合には、カメラをオフとするお願いをさせていただく場合がございますので、ご了承ください。

 オンラインでご出席の委員、そしてヒアリング者の皆様につきましては、ご発言時のみマイク機能をオンとしていただきまして、それ以外では周囲の音を拾わないようマイクをミュートに設定していただければと思います。

 ご発言の際は、お名前横にある挙手アイコンをクリックされるか、チャット機能にてご発言される旨をお知らせください。挙手アイコンは黒から青色に変わると挙手した状態になります。ご発言の意思は、このマークで確認させていただきます。

 委員長からご指名がありましたら、マイクのミュートを解除してからご発言ください。挙手アイコンにつきましては、事務局でオン、オフを操作できませんので、ご発言が終わりましたら挙手アイコンをクリックして、青から黒に変えてくださるようお願いいたします。

 本日の資料につきましては、委員の皆様方に事前に電子データで送付しておりますが、事務局で画面上に同じ資料も掲載しながら進行しますので、ご承知おきください。

 傍聴者の皆様におかれましては、本日の資料を環境省ホームページの自然環境部会鳥獣の保護及び管理のあり方検討小委員会のページにアップロードしておりますので、そちらをご覧くださるようお願いいたします。

 それでは初めに、自然環境局長の鳥居より、ご挨拶を申し上げます。

【鳥居自然環境局長】 皆さん、どうもおはようございます。鳥居でございます。聞こえていますでしょうか。

 本日は年度末のご多用のところ、この会議にご出席賜りまして、誠にありがとうございます。

 また、日頃より鳥獣保護管理行政にご理解とご協力を賜りまして、この場をお借りして厚く御礼申し上げたいと思います。

 今回の委員会、前回同様、新型コロナウイルス感染防止の配慮ということで、こういう形、オンラインでの開催ということになります。いろいろご不便をおかけいたしますけれども、何とぞ、ご理解、ご容赦いただきますようよろしくお願いいたします。

 また、本日の会議では、鳥獣保護管理法の施行状況、そして鳥獣保護管理の基本的な指針の第13次改定に向けた点検事項について、関連の深い団体をヒアリングにお呼びしております。

 静岡県からは大橋自然保護課鳥獣保護管理班長、そして大日本猟友会からは佐々木会長、また、日本獣医師会からは鈴木職域総合部会野生動物対策検討委員会委員長、そして日本野鳥の会からは葉山自然保護室長、お忙しい中、お時間を割いていただきまして、いろいろお話を賜りますことを感謝申し上げます。

 その後、本日はヒアリングの内容を踏まえまして、点検事項に関する今後の対応の考え方に関しまして、委員の先生方から幅広い視野の知見を賜りたいと考えております。

 限られた時間ではございますが、ただ、今日、長丁場ということになりますけれども、皆様方からは忌憚のないご意見をいただければと思いますので、どうかよろしく申し上げます。

【事務局】 こちらから、自己紹介が遅れました。私、本日、事務局で進行を進めさせていただきます環境省自然環境局野生生物課鳥獣保護管理室の遠矢と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

 議事に入る前に、先般、中央環境審議会の改選が行われましたこともありまして、改めて事務局より委員の皆様のご紹介をさせていただきたいと思います。

 まず、本委員会の委員長の石井委員でございます。

【石井委員長】 よろしくお願いします。

【事務局】 続きまして、山階鳥類研究所、尾崎委員でございます。

【尾崎委員】 尾崎です。よろしくお願いします。

【事務局】 続きまして、国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所多摩森林科学園研究専門員の小泉委員でございます。

【小泉委員】 小泉です。おはようございます。よろしくお願いいたします

【事務局】 続きまして、大日本猟友会副会長の高橋委員でございます。

副会長、高橋委員は、いらっしゃいますでしょうか。応答がないようですが、大日本猟友会副会長の髙橋委員にもご出席いただいております。続きまして、野生鳥獣対策連携センターの坂田委員でございます。

【坂田委員】 坂田です。よろしくお願いします。

【事務局】 続きまして、日本獣医生命科学大学の羽山委員でございます。

【羽山委員】 羽山です。よろしくお願いいたします。

【事務局】 続きまして、早稲田大学名誉教授の三浦委員でございます。

【三浦委員】 三浦です。おはようございます。よろしくどうぞ。

【事務局】 続きまして、環境省の出席者をご紹介させていただきます。

 本日、先ほどご挨拶をさせていただきました鳥居局長でございます。

【鳥居自然環境局長】 鳥居です。よろしくお願いします。

【事務局】 続きまして、大森審議官でございます。

【大森審議官】 大森です。よろしくお願いします。

【事務局】 続きまして、奥山総務課長でございます。

 続きまして、中尾野生生物課長でございます。

【中尾野生生物課長】 よろしくお願いいたします。

【事務局】 川越鳥獣室長でございます。

【川越鳥獣保護管理室長】 川越です。よろしくお願いします。

【事務局】 その他、本日、鳥獣保護管理室の室員のほうが、質疑等でお答えさせていただきたいと思っております。よろしくお願いします。

 次に、配付資料の確認をさせていただきたいと思います。

 議事次第の2枚目のほうに資料一覧のほうをつけさせていただいておりますので、ご覧いただければと思います。

 まず、1枚目、関係団体のヒアリング次第ということで、1枚目をおつけしております。今回、資料一覧には書いておりませんけれども、関係団体の方から既に提出、資料をいただいておりまして、そちらについてはホームページでも公開させていただいております。今日も投影させていただいて、ご説明を頂くようになっておりますのでご了承ください。

 資料2としまして、鳥獣保護管理法の施行状況及び鳥獣保護管理の基本的な指針の第13次改定に向けた点検項目毎の対応の考え方(案)。

 その他、参考資料としまして、一つ目、前回の小委員会の議事録。前回の小委員会の意見概要。前回の小委員会でもお示しさせていただきました、参考資料3としまして鳥獣保護管理法の施行状況及び鳥獣保護管理の基本的な指針の第13次改定に向けた点検の流れ。参考資料4としまして、鳥獣保護管理法の施行状況及び鳥獣保護管理の基本的な指針の第13次改定に向けた点検ポイント(案)。参考資料5としまして、鳥獣の保護及び管理を図るための事業を実施するための基本的な指針の概要。参考資料6としまして、現行の鳥獣保護及び管理を図るための事業を実施するための基本的な指針。参考資料7としまして、点検項目に関する参考データという形で、今回準備をさせていただいております。

 以上のようなところになりますので、事前に委員の先生方にはお配りしていると思いますし、そちらのほうをご覧いただきながら見ていただければと思います。よろしくお願いします。

 本小委員会の議事概要につきましては、後日、環境省のホームページにおいて公表されますことを申し添えさせていただきます。

 では、この後の議事進行につきましては、石井委員長にお願いいたします。

【石井委員長】 皆さん、おはようございます。石井です。

 引き続き、議事進行を務めたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

 それでは、ただいまから中央環境審議会自然環境部会鳥獣の保護及び管理のあり方検討小委員会を開催いたします。

 本日は、それぞれの分野の関係団体からの意見聴取及び質疑を行った後に、午後になりますけれども、事務局から主な点検事項の対応の考え方などについて説明をいただくということにしております。

 では、議事の一つ目になりますけれども、関係団体からのヒアリングを始めたいと思います。

 ヒアリングを始める前に、今回のヒアリングを行う趣旨について、事務局よりご説明をお願いいたします。

【事務局】 ありがとうございます。それでは、資料の共有をさせていただきながら、今回のヒアリングの趣旨についてご説明をさせていただきたいと思います。少々お待ちください。

 こちら、参考資料3としてお付けしている資料でございますけれども、今回の鳥獣保護管理法の施行状況及び鳥獣保護管理の基本的な指針の第13次改定に向けた点検の流れをお示ししているものでございます。

 前回、12月7日に第1回の小委員会で、点検の進め方であるとか、点検項目・点検ポイントの検討、そういったものについてさせていただきました。

 本日、点検項目に関する対応の考え方についてご議論いただくんですけれども、それに先立って、やはりそれぞれの点検項目に関して、普段から関わっていただいている関係団体の皆様からヒアリング等もいただいた上で、考え方について検討したほうがよいだろうというようなことで、今回、4者の方にヒアリングをお願いした次第でございます。

 そして今回、点検項目として、野生鳥獣の管理の強化、そして鳥獣の保護の推進、人材育成、鳥獣に由来する感染症対策、そして、その他について点検項目として整理を進めていくところでございますけれども、鳥獣の管理の強化の部分では今回、静岡県の大橋班長に来ていただいています。鳥獣の保護の推進の観点で、野鳥の会にお越しいただいているところでございます。また、人材育成を含めて、鳥獣の実際の管理の担い手としてもご活躍いただいておりますので、大日本猟友会にも今回お越しいただいてヒアリングいただくことになっております。

 また、野生鳥獣に由来する感染症対策が、今回の点検の大きなポイントになっておりますので、この観点におきまして日本獣医師会にご意見をいただきたいと思っているところでございます。

 ヒアリングの趣旨としましては、以上のようなところでございますので、私からのご説明は以上とさせていただきます。

【石井委員長】 ありがとうございました。

 それでは、一つ目の団体のヒアリングとしまして、静岡県くらし・環境部環境局自然保護課鳥獣捕獲管理班長の大橋さんから、鳥獣の管理の強化等について、ご意見をいただきたいと思います。よろしくお願いします。

【静岡県】 よろしくお願いします。静岡県の大橋です。

 そうしましたら、私ども、平成29年4月から、第4期のニホンジカの特定計画に基づきまして取り組んでいる内容から説明をさせていただければというふうに思います。よろしくお願いします。

 スライドをめくっていただいていいですか。

 第4期の大きなポイントとしましては、まず、特定計画の中に、次年度の実施計画の策定を毎年度行うということを明記したということが挙げられます。

 それから、そうした中で、モニタリング調査として生息密度調査、静岡の場合は糞粒法をベースにやっておるんですけれども、それが今まで3年で一巡していたような調査でしたけれども、3倍増ということで、毎年度、全箇所の調査を行うということに改善しまして取り組むというような形にしました。

 そうしたことによって結果を、スライドにありますようにマップ状に図化するということにつながりまして、そうしたことで、関係者と情報の共有、連携がしやすくなったというところを評価しております。

 こうしたデータが、また数年集まってくることによって、その変化を見ることができますし、昨年度から農業局のほうの被害マップを、やはり作成が始まったところでございます。こうした形で、マップ上で状況の変化を重ね合わせながら、評価、改善して対応していくというようなところの取組を始めたところであります。

 それから、第3期までの計画の中の課題として、強い捕獲圧をかけてきた結果、特にこれまで捕獲が困難だった地域で局所的にシカの生息密度が高くなっているところがあることが、分かってきました。

 そうした中で、やはり29年度から特定鳥獣捕獲等事業者による捕獲、いわゆる地域外のよそ者による捕獲、こうしたものをスタートしたというようなことが挙げられます。

 次へお願いします。

 ここから、すみません、簡単に静岡県の状況をお伝えします。捕獲の強化ということで取り組む中で、第4期の計画に入りまして、捕獲頭数というものは増加してきたというようなところが評価できるかと思います。

 すみません。静岡の場合は、管理の単位は地域個体群ごとということで分けておりまして、伊豆地域、富士地域、富士川以西地域ということで取り組んでおります。

 次、お願いします。

 同じ捕獲頭数なんですけれども、こちらのほうは狩猟と、被害防止目的のための捕獲、それから管理捕獲ということの内訳を示させていただいています。捕獲頭数は、管理捕獲による捕獲を強化した結果、伸びたわけですけれども、管理捕獲が増える一方で、指定管理事業で静岡県の場合は全てやっておるわけですけれども、市町による被害防止目的のための捕獲の割合が落ちてきたというような状況が出てきてしまいました。

 こうしたことは、新しい課題として捉えて、新しい取組のほうで対策をしていくということで、今現在、考えているところです。

 次へ、お願いします。

 もう一つの課題ですけれども、捕獲頭数は強化できた、伸びてきたということが言えるわけですけれども、その一方で、推定生息頭数なんですが、増加は抑制されているものの、目標とする、静岡の場合、伊豆地域、富士地域で、令和3年度末に各5,000頭を目標に取り組んでいるんですけれども、達成が非常に困難な状況になってございます。

 次へ、お願いします。また、次へお願いします。

 そうしまして、そうした中で、より一層の捕獲の強化に取り組んでいかなきゃならないというところがあります。そうした中で、特定計画のほうの変更を平成31年4月から行いまして、特に今までの管理単位というのが非常に大きなユニットで行ってきたんですけれども、より市町との連携を密に、対策の実効性が高くなるように、市町村ごとの管理ユニットにというような変更を行っております。

 次、お願いします。次をお願いします。

 ごめんなさい。戻っていただいて、伊豆地域の事例ですけれども、今まで大きな大ユニット、5ユニットでやってきたんですけれども、12市町のユニットでシカの管理ということで取り組み始めております。

 こうすることによって、市町ごとに目標の捕獲頭数を掲げながら、市町と連携して役割分担しながら進めることが可能になったと。ようやくスタート台に立ったというようなところがございます。

 次、お願いします。

 実際に、現在の取組の状況ですけれども、静岡県の場合、指定管理による捕獲というのを三種類の捕獲で行っております。一つは通常の管理捕獲ということで、県の猟友会さんにお願いをしてやっているわけですけれども、こちらについては周辺の、昨年度の検討会の中で検討会の先生たちのほうから、奥山の捕獲、生息密度の高いところだけで捕獲するだけでは、なかなか周辺に散って減らせないというご指導をいただきました。そうした中で、周辺の捕獲圧も維持しながら、コア部分を集中的な捕獲でたたいていくというような戦略の中で取り組んでおります。

 通常の捕獲としましては、県の猟友会さんのほうに取り組んでいただいております。あるいは、メスジカ重点捕獲という方法で、今年度からスタートしているんですけれども、捕獲前に生息密度が高かったエリアで夜間調査を行って、シカの多いところ、特にメスジカの多いような場所を探しながら、集中的に、くくりわなを使った捕獲に取り組むというような取組でございます。

 それから、奥山捕獲ということで、市町境であったりとか、捕獲困難で捕獲が進まなったところについては、認定事業者による捕獲を進めております。静岡の場合は、この認定事業者の中に県の猟友会さんも入っております。

 次、お願いします。

 静岡県の認定鳥獣捕獲等事業者について、少しご紹介させていただきます。現在6事業者でして、28年度から認定が始まっております。30年度を最後に実はその後、新しい事業者というのは登録がないというようなことがあります。29年度から捕獲のほうをスタートしております。

 次、お願いします。

 実際の認定事業者による捕獲の取組の状況です。29年度、計画では1,800頭ということで計画をしておりましたけれども、初年度ということで、なかなか制度の理解、地元の方たちのご理解を得るのに時間がかかりましたので、結果的には501頭というような結果になっております。500頭の中の2箇所で捕獲の計画を実行させていただきましたが、1箇所については県の猟友会さんのほうで受託をしていただいています。

 次、お願いします。

 昨年度なんですけれども、奥山捕獲、認定事業者による捕獲というのを、約3倍、2.8倍に伸びたというところが評価できるところになります。しかし一方で、県の猟友会さん以外の認定事業者による捕獲というのは、実績としては2団体の302頭にとどまっております。これは、指定管理で本県がやっている捕獲数の全体の3%に過ぎないというような、そういう状況です。

 次を、お願いします。

 そうした中で、こちらのほう、すみません。ちょっと細かくて見にくいんですけれども、管理捕獲の8割は今、くくりわなによる捕獲になっておりますが、そのうちの4割というのが、実は、ほぼ4割、ちょっとデータが29年度なんですが18名の熟練者の方が支えていただいているという結果になります。

 実際の従事者は147名いたわけですけれども、100頭以上の捕獲実績が上がっているというような捕獲者が18名ということになります。この方たちの平均年齢が74歳というような状況ですから、非常に今後の捕獲を考える上では不安な要素ということで、なかなか新たな担い手の育成につながっていないということが課題として上げられます。

 次をお願いします。

 もう一つ、進める中での課題になろうかと思うんですけれども、ニホンジカの管理を進める中で、指定管理についてのみならず、やはり狩猟と有害捕獲の捕獲データ、捕獲報告というものがあるかと思うんですけれども、こうしたものが、それぞれ項目が違ったり、レベルが統一されていないということが、なかなかその捕獲の、せっかくのデータが有効に使えていないのかなということがあります。

 こうしたものは、ぜひ制度化していただければというのが、県のほうからの希望でございます。

 次、お願いします。

 最後になりますけれども、そのほかの課題として静岡の場合は、富士地域に自衛隊の東富士演習場というのがございます。立ち入りの制限のある広大な草地環境、シカにとっては餌場になるような環境で、柵もされていないというようなところ、あるいは神奈川県や山梨県にまたがる、そうした場所、なおかつ国有林の中で、非常に密度の濃いような場所があります。

 こうしたところの対策を進めるには、やはり環境省さんや国の機関の積極的な取組や支援というのが必要だというふうに考えております。

 すみません。静岡からの意見、以上になります。

【石井委員長】 ありがとうございました。

 それでは、今、説明いただいた内容について、ご質問などあればお願いしたいと思います。いかがでしょうか。

【事務局】 三浦先生が手を挙げていらっしゃいます。

【石井委員長】 お願いします。

【三浦委員】 いろいろ取り組んでいる現状をお話しいただいて、ありがとうございました。

 ちょっとよく分からないところが、最後から2番目の「レベルの統一」という、これですね。最後から2枚目の、これこれ、一番下の「レベルの統一(制度化)が望ましい」という、この意味はどういう意味ですか。

【静岡県】 レベルというのは、例えば捕獲場所になるんですけれども、指定管理の場合には1kmメッシュで実は捕獲情報を収集していたんですけれども、狩猟有害については5kmメッシュというような形で情報が出てきますので、どうしてもその5kmというような形での把握になってきます。

 なかなかシカの分布の状況も見てきますと細分化されてきている中で、5kmというのが非常に大きなメッシュ、サイズなのかなというようなところの中で、こうしたものが、やはり統一されて、より細かなもので、それは現実的にどうかというのはあるんですが、そういうことを言っております。

 それから、今度は性別ですね。有害捕獲などでは、その報告の中で、雄、雌、不明というものの項目がある中で、なかなか個体数の管理を進めなきゃいけないシカなんかの中では、情報として、こうしたものも統一がされることが望ましいのかなというふうに思っております。

 以上です。

【三浦委員】 分かりましたけど、何かちょっとよく分からないんだけど。

 管理メッシュを統一してほしいという、そういうことなのか。

【静岡県】 管理メッシュというよりは、そうですね。報告の統一化というんでしょうか、捕獲の報告については、それぞれ定められていると思いますが、少なくともその指定管理、鳥獣ですか、この二種については、ぜひ、統一していただければというのが希望でございます。

【三浦委員】 はい。どうも。

【石井委員長】 では、次、小泉委員、お願いします。

【小泉委員】 ありがとうございます。どうも、ご意見ありがとうございます。

 3点、お伺いしたいことがあります。管理ユニットを市町村単位とすると、お話をされていましたが、1点目、シカが減ったかどうかのモニタリングは市町村が行うのかということです。

 2点目は、先ほど、スライドを見せていただきますと、全体として目標の達成が困難というお話でしたが、地域によってはきちんと数が減っているというような地域もあると思うという印象を持ちました。相変わらず減っていないところ、それから捕獲を強化したことによってきちんと減ってきているところ、この分析がなされているかどうか。

 3点目は、市町村単位で管理ユニットを作った場合に、地域外からの人が捕獲に入るということが実際に可能なのかどうか。

 3点について、ご意見を伺いたいと思います。

【静岡県】 ありがとうございます。

 1点目、大丈夫ですか。そうですね。

【事務局】 すみません。多分、1点目が、市町村が、そういった捕獲の効果測定みたいなものをモニタリングしていると。

【静岡県】 そうですね。分かりました。

 そうですね。効果判定のところについては、今のところは考えておりません。先に捕獲の部分で役割分担をして、そのためには方法としてはゾーニングのようなことを静岡のほうでも導入をしていきたいのかなというふうに思っております。

 それから、ごめんなさい。2点目になります。地域によっては減ってきているというようなご指摘、その分析ということになるわけですけれども、現在のところ、その効果の仕方の部分が糞粒法という方法をしいてやっている中で、季節的にかなり動きもあるのかなというようなところがございます。

 ただ、こうした結果自体は、すぐに対策につなげるために、今年度からご説明させていただいたように、メスジカ実験捕獲のような少し地域を限定した、ただし奥山捕獲のように区域をしっかりしてしまうと、季節によって違う、あるいは捕獲圧をかけたときに変化があるということに対応できませんので、そうしたところに対応したような形で対策につなげられるようにというふうに進めているところです。

 すみません。ちょっとずれてしまいましたかもしれませんが、そういうところになります。

 それから、次に、よその地域からの捕獲者の参加ということになるんですが、実は、実際に実現するかは分からないんですが、県堺に位置する、県をまたいで高密度になっている、今まさに写していただいているところで言うと、富士山の北側になるんでしょうか、小山町の北側だったりとか、こうした地域というのは神奈川県にもまたいだような地域になります。

 こうしたところについては、やはり県による管理捕獲というものが最終的に残ってくるというふうに考えていますし、こうした中では、ほかの神奈川県の認定事業者にも入っていただくような方向で検討したいのかなというふうに考えております。

【小泉委員】 はい。了解しました。どうもありがとうございます。

 以上です。

【石井委員長】 ほかは。よろしいですね。

 私から一つですけれども、この資料を見せていただくと、捕獲結果とか、それからシカの密度分布みたいなものは県レベルで把握されていて、捕獲の効果というようなことを評価している、そういう体制はあるのだと、いろいろ課題もあるんでしょうけれども。そういう理解でよろしいでしょうか。

【静岡県】 はい、そのとおりでございます。

【石井委員長】 分かりました。

 それでは、ほかにはよろしいでしょうか。

 ありがとうございました。

 それでは次に移りたいと思います。二つ目の団体ですけれども、一般社団法人大日本猟友会、佐々木会長より、狩猟者団体を統括する立場から、人材育成、それから鳥獣保護管理全般に関するご意見をいただきたいと思います。

 では、お願いします。

【大日本猟友会】 猟友会の佐々木です。私のほうから、ご意見を述べさせていただきます。

 まず1点目ですけれども、シカ・イノシシの2023年目標に向けて、新規事業を入れて三つの事業があるんですが、それぞれの事業、あるいは捕獲期間、捕獲地域等々、そういうものを「すみ分け」をしたらどうかという提案であります。

 有害鳥獣捕獲事業は、ご覧のとおり、農業被害防止のためでありますので、捕獲期間を4月から9月までとし、各市町村が実施すると。

 指定管理鳥獣捕獲等事業については、基本的には、例えば植物を含めて、希少種の生息地とか、あるいは国立公園であったり、鳥獣保護区、特殊な場所ですね。そこで行うということで、必要な期間は決めていないわけでありますけれども、各都道府県が実施をすると。

 それで最後に、三つ目です。これは新しく新規事業となるわけでありますけれども、狩猟期間中の許可捕獲を実施すると。これは農林業の被害予防ですね。予防のために行うということで、狩猟期間中ですから、11月1日、北海道は10月1日から翌3月末までということで、都道府県全域で実施するというふうに、すみ分けをしてはどうかということでございます。

 それぞれの事業をすみ分けすることによって、捕獲効率が拡大をされるということと、狩猟者のモチベーションが上がるというようなことが言われております。ぜひ、お願いをしたいと思います。

 ちょっと、その下に、この指定管理事業について、環境省と大日本猟友会の合意文書の抜粋がありますが、後でご覧になっていただきたいと思います。実際に、こういうことをやっているかどうかも含めて、お願いいたします。

 次のページ、2ページ目を開いていただきたいと思います。

 鳥獣保護管理の担い手の育成ですね。当然、確保になるわけでありますけれど、これについて説明をさせていただきます。

 下の資料も見ながらお願いしたいと思います。

 狩猟免許保有者は、横ばいの状況になっております。しかし、内容は、わな免許者が増加したということで、なかなか高齢化、あるいは猟銃所持者の減少は歯止めが効かないという状況になっております。このままでは、有害捕獲等に支障を来すというような状況になりますので、新規猟銃者の確保が急務だというふうに思います。

 そこで、一人前の狩猟になるためには、長い年月がかかるわけでありまして、5年とか7年かかるわけであります。また、狩猟免許・銃所持許可の取得経費、あるいは銃・ガンロッカー・弾ロッカー購入など、多額の初期費用がかかるわけであります。

 そこで、何とかこの銃所持者の育成のために、国・都道府県・市町村が協働で取り組んでいただきたい。そして、鳥獣保護管理計画の中に人材育成という部分も入れていただきたいと思います。

 また、手数料であったり、技術講習料等々、これらは国、都道府県、市町村で助成する制度を確立していただきたいと、こう思います。

 なお、大日本猟友会でも、新規銃猟者に対して3万円、あるいは銃を譲渡した人に対して2万円を支給するという事業も行っております。

 次、3枚目、お願いします。

 市街地へのクマ・イノシシの出没が各地で発生しているわけでありますが、現行法では市街地での銃による発砲は禁止されております。やむを得ない場合に限って、警察官職務執行法に基づいて警察官の指示により発砲が認められております。

 実際に狩猟の経験のない警察官が緊急時に的確な発砲指示ができず、機を逸してしまうということは多々あるわけでございまして、それによって市町村職員を初め、猟友会員が事故に巻き込まれるという例もあるわけでございます。

 今後、市町村において、関係機関と猟友会との対策の協議会というものを立ち上げ、そしてまた、マニュアルの作成、事前訓練などを実施してもらおうと思います。これらは、実際にそういう状況になっても行えていないんですね。これの指導をお願いしたいということと、今後、緊急時に市街地の発砲について、関係機関と猟友会との協議、あるいは確認を前提として、熟練した狩猟者の自己判断によって発砲が可能となるような措置はできないものかどうか、この辺をご検討いただきたいと思います。

 次、4ページ、くくりわなによって、人身事故及びクマの錯誤捕獲が急増しております。この人身事故については、昨年も和歌山県で山菜採りの婦人が、2013年には岐阜県で子供が、2019年大分県で草刈りの男性、昨年はまた、愛知県でですけれども、くくりわなにかかったカモシカを放獣しようとして、逆襲されて男性が死亡しております。このほか、表に出ていない数々の人身事故が発生しております。

 また、クマの錯誤捕獲は急増しております。その原因は明快なんですね。簡単なことですが、現行法では、くくりわなは輪の直径が12cmとなっているんです。これを守れば、すぐ解決するわけですけれども、下の絵のように、草履形というものが出てまいりまして、縦が12cm、横が18cmから26cmぐらいあるんですね。ですから、大人でもここに入るわけでありますので、こういうものが堂々とまかり通っている。公然と売られておるわけであります。

 早急に法の定めのとおり輪の直径を12cm以内とすべきだというふうに思っております。

 次、5ページ。「むそう網」でございますが、この規制の強化をお願いしたいと思います。

 現行法では「むそう網」によるカモ猟は手動式で、小規模な網が想定されていたわけであります。また、年間捕獲数は1人200羽というふうに定められておるわけでありますが、網の大きさであったり形状、手動・電動、オシドリなどの錯誤捕獲防止など、何一つ規制がないわけであります。

 現状では、電動式等によって極めて大型のむそう網が使用されております。1回に400羽とか700羽のカモが捕獲されております。その中には、当然ながらオシドリなどの保護鳥もいっぱい含まれておるわけであります。

 このような捕獲は、もはや趣味としての狩猟の範疇を超えております。販売を目的としているものと考えざるを得ない。むそう網の使用状況と捕獲の現状について、関係都道府県において調査を行って、規制について早急な措置をお願いしたいということであります。

 最後になります。6ページ。

 これは鉛弾の問題でございますが、鉛弾については、指定管理鳥獣捕獲等事業についても使用を制限すると。これは決まりではないんですが、鉛弾を使用しないようにという指導があります。

 これが非常に大きな問題であります。北海道では、20年前にライフル銃の鉛の使用が禁止されております。結果として、水鳥や猛禽類の鉛中毒は減少しているという状況がございます。

 しかし、一方、本州では一部にのみ鉛弾禁止区域があり、ほとんどが鉛弾の散弾、ライフル弾の使用については規制していないわけでありまして、ところが、それであっても水鳥、猛禽類の鉛中毒は非常に少ないんですね。この相違点というのは、合理的な説明は全くないので、どういうことなのかと。

 韓国では、狩猟禁止なんですね。しかし、水鳥の鉛中毒は多く発生しているということで、結果として原因は釣り用のおもりという見解が出ておるわけでございます。

 鉛中毒については、その原因は不明な点が多く、きめ細かなモリタリング調査を実施し、また、国内外の情報を収集し、その原因を科学的に明快に解明し、対処すべきだというふうに思います。

 我々、大日本猟友会は、その原因が鉛弾というものであるならば、これが科学的に証明された場合には、規制強化に協力は惜しまないつもりであります。

 そこで、例えば、散弾・ライフル弾を銅弾に代替した場合、どうなるかということでありますが、ライフル銃については問題はないわけでありますけど、散弾銃については、銃身を破損する可能性があるというふうに言われております。銅弾、タングステンなどになった場合は、価格は鉛弾の2倍、3倍ということになります。消費者の大きな負担になるわけであります。

 また、立木に銅弾が入った場合、例えば鉛の場合は製材所で簡単に切ってしまうんですが、銅弾の場合は糸鋸で切るんですが、糸鋸を破損してしまうんですね。そうしますと、大変な事故が発生するということで、その責任の所在はどうなるのか。

 大体、1機1,000万円以上すると言われておりますが、この補償についてもしっかりと対応しなければならないというふうに思います。

 何か、環境大臣も、大分この辺に力を入れているようでございますが、そういったことも含めて明快な対応をお願いしたいということでございます。

 以上です。終わります。ありがとうございました。

【石井委員長】 ありがとうございました。

 それでは今、説明いただいた内容について、ご質問など、お願いします。

 尾崎先生、お願いします。

【尾崎委員】 ありがとうございます。

 大型のむそう網のこと、私、どこかの会議でお話をしたと思いますが、大日本猟友会のほうから、こういう指摘をいただいてありがとうございます。

 おっしゃるように非常に大型化していて、私の知る限りで10m四方ぐらいの大きな網を電気的に、あるいは強力なばねで引っ張るというようなことがあって、数百羽が一度に獲れるというふうなことは聞いております。

 恐らく、一人ですと、すぐに一日で制限羽数を超えますので、数名の方が持ち回りというんでしょうか、共同でやっておられるようなことも聞いております。

 また、鳥に対しての影響はもちろんありますが、あまりにも強力なために、誤作動などでけがをされる方もあるということも聞いたことがあります。これは、もちろんおっしゃるように早急に現状を把握いただいて、何らかの規制というんでしょうか、指針を設けるべきだと私も思っております。

 大日本猟友会様のほうで、こういうことを事前に啓発するようなことはされているんでしょうか。あるいは、状況を把握されているということでしょうか。その点、ちょっと確認をしたかったんですが、よろしくお願いします。

【大日本猟友会】 ありがとうございます。実際に私も何回か見ておりますが、大きなむそう網や電動式については、なかなか見せてもらえないんで、まだ、見ておりませんが、いろんな写真等を見て、なるほど、これは大変だなという思いがしておりますので、今後、私どももそういう地域に行って、実際に調査をしようというふうに思っております。

【尾崎委員】 ありがとうございます。私が見たのは新潟県でした。

【大日本猟友会】 はい。ありがとうございます。

【石井委員長】 三浦先生、お願いします。

【三浦委員】 大変ありがとうございました。私たちも、わな猟による人身事故の増加や、それから錯誤捕獲、これの増加、非常に心配しております。

 それで、2点ほどお聞きしたいんですが、この、先ほどの楕円状のやつですね。それは円形で12cmに戻すというご提案ですけれども、私も大賛成ですが、二つほど聞きたいんですが、これ、実際にどうやって取り締まればいいかということが1点と、それからもう1点、これは猟友会のご指導というか、そういうことも関わると思うんですけれども、実際のわな猟免許取得者が猟友会にどれぐらい組織されていて、指導できるようなことになっているのかというのを、ちょっとお聞きしたいんですけど、その2点です。よろしくどうぞ。

【大日本猟友会】 規制の方法ですけれども、まず、こういう業者さんがいっぱいあるわけでございまして、業者さんが有害捕獲用は、今のような状況で、20cmでもいいというようなことで、一般狩猟用については12cmというか、そういうふうに業者をまず、しっかりと指導する必要があると。

 もちろん、それに対してはいろんな、刑事罰まではいかなくても、それに近いような何かペナルティーというものはしっかり与えるべきであると、私は思っております。しっかりこれをしないと、これからどんどんこういう事故が、今、子供さんが山野であまり遊ぶ人は少ないので、こういう事故は少ないと思いますけれども、やはり人身事故が起きるということは非常に我々としても心苦しいわけでありますので、ぜひ、これはしっかりと対応していきたいというふうに思いますし、また、わな猟師は、少なくとも猟友会に入っている方は、2割、3割ぐらいではないのかなという感じがします。はっきりとは分かりません。その程度だと思います。

 以上です。

【三浦委員】 ありがとうございました。ちなみに、その銃猟者というのは、どれぐらい組織されていらっしゃるんですか、今。

【大日本猟友会】 7万人ぐらいだと。

【三浦委員】 そうすると、7、8割は。

 分かりました。ありがとうございました。

【石井委員長】 ほかは、よろしいでしょうか。

 ありがとうございます。それでは次に移りたいと思います。

 三つ目の団体ですけれども、公益財団法人日本獣医師会、鈴木委員長より説明をお願いいたします。主に感染症についてですね。お願いします。

【日本獣医師会】 では、説明を始めさせていただきます。

 次、お願いします。一つ戻してもらえますか。ここです。

 今日は、前回のヒアリングに基づいた基本指針における記述で、若干、手を加える必要があるのではないかなということについてが、まず1点目。

 それから2番目です。先般、WWFJから「ワンヘルス共同宣言」というものが出されました。獣医師会も、これに呼びかけ団体の一つとなっておりますけれども、若干、各論的な補足をさせていただきたいなということが1点です。

 3番目は、動物への餌やりに関連してということになります。

 今回、基本的には鳥獣法ということで、野生動物というものへの言及が中心になるんじゃないかなというふうに思います。ただ、感染症に関して見れば、産業動物だとか伴侶動物も含めた研究が、そろそろ必要な時期になっているんじゃないかなというふうに考えているところです。

 なので、鳥獣保護管理についても、法律や省庁だとかの枠組みを超えて、産業動物だとか伴侶動物に横串を通すような必要性というようなことに、若干、言及させていただきますけれども、この点、どうかご容赦ください。

 次、お願いします。

 まず、1点目です。傷病鳥獣のリハビリテーションについてです。これは、12次の基本指針でも感染症には配慮ということが記されております。ただ、現実問題としては、各機関への持ち込みや発見者、すなわち一般市民に協力いただいているというようなことが、まだまだ残っております。

 左下は、厚労省による注意喚起ということになります。この部分で若干ダブルスタンダードになっているような側面もあると感じておりますので、この辺のリスク軽減、より具体的な記述だとか例示が必要かなというふうに思います。

 リハビリテーションにおける感染症への留意については、獣医師国家試験でも、もう既に出題されているという状況になっております。ぜひとも、このあたりも踏まえてご検討いただければというふうに考えております。

 次、お願いいたします。

 それから、12次の基本指針でも、16ページ、あるいは54から56ページ、51ページというようなところで感染症への言及がされております。ただ、若干、理念的な記述にとどまっている、あるいは環境だとか野生鳥獣の保護管理に関する内容を中心とする記述になっているというふうに思われます。

 ですので、現実問題としては、昨年改正された家伝法では、野生動物における慢性伝染性疾病の蔓延の防止措置というようなことが、家伝法の中でも野生動物への言及が始まっている状況です。

 これは、冒頭に申し上げましたとおり、野生動物と家畜の間の垣根というのが、法制度上も下がっているということの表れの一つなんじゃないかなというふうに考えております。

 そんなことも踏まえて、13次の基本指針については、国としての一貫性を保つという意味でも、冒頭に述べたような産業動物だとか伴侶動物ですね。このあたりも含めた、横串を通すような必要があるんじゃないかなというふうに考えております。

 この右側に示したものは、もう10年余り前になりますけれども、口蹄疫の発生を受けて、環境省、農水省、それから文科省で行った緊急調査の報告書です。もう、既に古くなった情報もありますけれども、体制面に関しては参考になるようなものもあります。恐らく環境省にもあると思いますので、ご参照いただければというふうに考えております。

 次、お願いします。

 次は、体制面の話というふうになります。私自身も、豚熱関係で環境省の研究費等を分配させていただいておりますが、ちょっと、やはり現状では個別の研究者にちょっと頼るという部分が多いのかなというふうに感じているところです。より、行政主体の体制の整備を進める等などして、機動性を確保してもらえればよいかなというふうに感じております。

 この件につきましては、日本学術会議が出した「人口縮小社会における野生動物管理のあり方」というものの中で、科学行政職員、あるいは科学的データの集積と運用のための市民に開かれた学術研究の仕組みというようなこともうたわれております。ここで、先ほど述べましたような体制整備に関しては、このあたりも念頭に置いていただけるといいかなというふうにしております。

 なお、日本獣医師会では、ここにちょっと一部の抜粋した図を載せてありますけれども、感染症に関わるような部分、日本獣医師会で出した報告書には、かなり詳しく言及されております。13次の基本指針の取りまとめに当たりまして、このあたりに既に書かれていることも参考になると思いますので、ぜひ、参照いただければというふうに考えているところです。

 次、お願いします。そのまま次、お願いします。

 先ほど申しましたとおり、やはりちょっと組織改正の整備ということを考えていただく時期に入っているのかなというところです。

 これについても、この下の左側に獣医師会の報告書の中では、ワイルドライフヘルスセンターというものの設置ということを提案させていただいております。それから右側は、米国のワイルドライフヘルスセンターですとか、そのあたりのことにも言及しております。

 先ほど紹介させていただいた口蹄疫の報告書には、このあたりのことも紹介をさせていただいております。

 ただ、海外への先行事例というのは、これは参考にはなるんですけれども、日本の社会情勢だとか、既存の体制を生かすというようなこと、そういう発想も必要になってくるのではないかなというふうに考えております。

 次、お願いいたします。

 それの参考事例ということで、幾つか先行的に進んでいるような部分がありますので、ちょっと紹介させていただきます。

 これは福岡県のワンヘルス推進基本条例というものの抜粋です。14条です。ここでは全ての動物というふうに書いてあります。これは、先ほどから繰り返しておりますように、野生動物のみならず、伴侶動物も含めた動物というふうにご認識いただければと思いますけれども、これの調査研究等を行う組織体制の整備を推進するということがうたわれております。

 それから19条には、国、各県の自治体、医療機関、大学及び研究機関をこういう、総合的に先導する拠点を形成するよう努めるというふうに考えられております。

 次、お願いします。

 もう一つ、これは、獣医師会から、小泉環境大臣に宛てた、昨年末に出された要望書です。ここも家禽、1番目、家畜、家禽はもとより、愛玩動物、野生動物を含めた検査体制を構築するべきであるということ。それから、関係者の連携というもの、それから、ちょっと具体的なものなのですけども、現行の動物衛生研というものや他の検疫所等を一括統合というようなこともうたわれております。このあたりは、今後の感染、国としての感染症対策というものを考える上で、一つの参考になるのではないかなというふうに思いますので、ご参照いただければなというふうに考えるところです。

 続けて、次、お願いします。

 これは、ワンヘルス共同宣言です。これについては、実は、賛同を見送った学術団体も複数あるということです。論理性、それから科学的論拠には十分留意して、これから参考にしていく必要があるのではないかなというふうに考えております。

 繰り返しになりますけども、この共同宣言を批判するだとか、否定するとか、そういう意図はございません。より各論的なことまで気を配った形の中で、この共同宣言は一定の影響力はあると思いますので、環境省の中にも取り込んでいただければなというふうに考えております。

 この中で、感染症発生の影響には、人類が自然環境に及ぼしてきた負の影響と、異常気象、大規模な森林の破壊というようなことがうたわれていますが、これ、やや単純化しているように思われます。

 今の日本を考えると、人間活動の撤退というようなことで、動物の側から人間の生活圏に入ってくるリスク、それから、野生動物の増加、分布拡大というリスクというようなもの、影響、そういうことも考える必要がありますし、保全活動によって生息密度が増加したことによるリスクの拡大というようなことも指摘されております。

 ですので、要因等には、様々な要因があるんだというようなことを踏まえた普及啓発を進めていただければなというふうに考えております。

 次、お願いいたします。

 これは、ちょっと見えづらいんですけど、森林総合研究所の岡部さんが書かれた論文の中で、感染症拡大の要因というものを一覧として提示しているものです。これを見ていただければお分かりいただけるかと思いますけれども、かなり複合的な要因があるというようなこと、その例を示しているんじゃないかなというふうに考えているところです。

 次、お願いします。

 それから、共同宣言については、利用だとか取引を削減していくというような、そういう記述もあります。このあたりについても、多角的な視野が必要なのではないかなというふうに思います。野生動物の価値には、食料としての栄養的な価値というのは、これは国際的にも認められているものです。

 それから、新型コロナに関するFAOが出した共同声明には、取引市場の閉鎖に関する、がそのままやると逆効果でもあり得るというようなことも書かれているというような状況もあります。

 それから、日本においては、ジビエ振興というようなことも進められているということで、このあたりの整合性というのも考える必要があるのではないかなというふうに思われます。

 次、お願いします。

 繰り返しになります。これに基づく普及啓発に当たっては、認識の単純化、ミスリードの可能性、これを招かないようにうまく留意しながら、感染症に対する普及啓発を進めていきたいなというふうに考えております。

 最後になります。

 これは、野生動物の餌やりです。これは、12次の基本指針でも書かれていますけれども、これは、基本的にはこの段階では野生動物を対象とする餌づけに限定された記述になっているように思われます。これ、ネコを出していますけど、これはあくまでも一つの例とご認識ください。野生動物ではない動物への餌やりが、野生動物に影響を及ぼしたりだとか、野生動物の餌やりが野生動物でない動物に影響を及ぼしたりとかいうようなことを想定しなければならないような、そういう状況が今あちこちで生じてきております。

 ですので、餌づけ、餌やりについては、野生動物に限定することなく、動物全般、家畜やあるいは産業動物に関わる影響も念頭に置く書き方にしていただけるといいかなというふうに考えております。

 昨日のことになりますが、改正国立公園法の案が閣議決定されて、国立公園内における餌やりというものに向かって規制が盛り込まれたというふうに聞いております。これも一つの進展なのではないかなというふうに考えているところです。

 以上です。

【石井委員長】 ありがとうございました。

 それでは、今説明していただいた内容について、ご質問、ご意見などお願いします。

 では、羽山先生、お願いします。

【羽山委員】 ありがとうございます。

 鈴木先生、お久しぶりです。よろしくお願いします。

【日本獣医師会】 御無沙汰しています。

【羽山委員】 非常にまとまって、どれも納得できる内容で、ありがとうございました。

 一点だけ、ご質問させてください。9枚目の獣医師会が発出した提言、これ、さっき環境大臣宛てに出されたというように聞こえたのですが、これは合っていますでしょうか。

 というのは、3番目のところ見ると、これは全部、農林省系の機関ですよね。ちょっとその辺の意図が読み取れなかったのですけども。

【日本獣医師会】 ちょっとお待ちください。私が持っているところでは環境大臣宛てということで、ちょっとお待ちくださいね。

【羽山委員】 いずれにしても、鈴木先生のお考えを聞かせていただきたいのですが、これですと、家畜伝染病予防法に基づいて、あるいは同法に基づく機関に、野生動物や愛玩動物も含めて健康管理をしなさいとそういうふうに読み取れるのですけども、国によっては、むしろ、それは環境行政で野生動物を対象にするというような、先ほどのアメリカの例もそうですよね。USGSのワイルドライフヘルスセンターも、これは基本的にはワイルドライフ専門の組織ですけども、そういったものが連携するというイメージではなくて、やはり家畜と一緒にというのが鈴木先生の主張なのでしょうか。ご教示ください。

【日本獣医師会】 このあたりは本当に国の組織、それからいろんな意味での財政状況というのもあるというふうに思います。

 ただ、先ほども申し上げましたとおり、今の豚熱、ちょっと関わっているところ、これは鳥インフルエンザでも同じかと思うのですけれども、ちょっとやっぱり切っても切り離せないような部分があるということですね。

 それから、微妙に、野生動物管理に関する共通認識が持ちづらいというようなところもあります。ちょっと細かなことは省きますけれども、率直に言えば、日本のいろんな捕獲に関わるような諸状況が、なかなか家畜関連の研究者あるいは発想に伝わりにくいという部分を感じております。

 そのようなことを考えると、一層、こういうような部分をきちっと横串を通して、一つ屋根の下にいるというようなことの考え方なのではないかなというふうに、私自身は豚熱の取組を見ながら感じているところです。

 以上です。

【羽山委員】 ありがとうございました。以上です。

【事務局】 鳥獣室の遠矢でございます。

 先ほどあった環境大臣宛ての文書だったかということにつきまして、こちらは間違えなく環境大臣にもいただいているということで、確認が取れております。よろしくお願いします。

【羽山委員】 申し訳ありません。ありがとうございました。

【鳥居自然環境局長】 それから、鳥居からちょっと。

 鈴木先生、どうもありがとうございました。

 最後のスライドに、改正国立公園法とありますけど、改正自然公園法でございまして、国立公園と国定公園を対象にしているのですけども、今回の餌やり禁止はその中でも特別地域を対象にしているということでございますので、ちょっと補足させていただきます。

 ありがとうございました。

【日本獣医師会】 はい。申し訳ありません。これ、公表の段階ではちょっと修正させていただければというふうに思います。

【石井委員長】 では、小泉先生、お願いします。

【小泉委員】 ありがとうございます。

 豚熱と口蹄疫を念頭に一つ質問させていただきます。豚熱と口蹄疫に関わるイノシシ、シカは、御存じのように現在指定管理鳥獣として捕獲の強化が進められているところですが、捕獲の強化と、感染症の拡大防止の二つは両立するものなのか。両立させるとしたら、日本獣医師会ないしは鈴木先生として、どのような提言が必要だというふうにお考えなのか、お聞かせいただけますでしょうか。

【日本獣医師会】 これは実際に、捕獲従事者が感染拡大に関与した可能性も現実問題として指摘されております。

 環境省と農水省のほうは、捕獲従事者に捕獲作業に向けた防疫措置というようなことで、ガイドラインというものをまとめています。

 つまるところ、これをきちんと周知徹底するというところに尽きるのではないかなということと、獣医師会としても、昨年シンポジウムというようなものを、豚熱に関するシンポジウムを、感染症というよりもむしろ野生動物管理というような側面から開催させていただきました。

 こういうような、普及啓発活動あるいは現場での指導というようなもの、そのあたりについて、やはり獣医師会としても尽力していく必要があるのかなというふうに感じているところです。

 以上となります。

【小泉委員】 どうもありがとうございます。

 私のほうから、以上です。

【石井委員長】 ありがとうございます。

 そのほか、いかがでしょうか。

(なし)

【石井委員長】 ありがとうございます。私、ちょっと印象に残ったのは、野生鳥獣、伴侶動物、家畜の間の垣根は、現実問題としては非常に低いということですね。この会議はもちろん、野生鳥獣の保護管理ということを扱っているのですけども、そのあたりも念頭に置きながら、まとめられることはまとめていきたいなと思いました。

 ほかにはよろしいでしょうか。

(なし)

【石井委員長】 はい。ありがとうございます。

 それでは、ここで午前の部は終わりということで、一旦、昼休憩に入りたいと思います。それで、午後は13時、午後1時から改めて再開ということになります。それでは、あと、事務局のほうでお願いします。

【事務局】 ありがとうございました。

 まずは、ヒアリングにおいでいただきました3団体の皆様、ありがとうございました。午後の冒頭にもう1団体、野鳥の会さんにヒアリングを行いまして、審議に入るということとさせていただいています。

 引き続き、午後からもこのウェブ会議で実施させていただきますけれども、昼休憩中、ライブ配信については一度停止いたしますので、ライブ配信でご覧いただいている傍聴者の皆様はご容赦いただければと思います。

 委員の皆様におかれましては、一度ウェブ会議室からご退席いただいても構いませんし、カメラオフ、音声ミュートの状態で接続したままでも構いませんので、どちらかにしていただければと思います。

 それでは、13時の5分前を目途に会議室にお戻りいただければと思います。

 以上でございます。

(休憩)

【事務局】 すみません。それでは、午後の部のほうを始めたい、時間になりましたので、議事を再開したいと思います。

 石井委員長、よろしくお願いいたします。

【石井委員長】 それでは、議事を再開しますけども、聞こえていますでしょうか。

 それでは、四つ目の団体のヒアリングになりますけれども、公益財団法人日本野鳥の会、葉山自然保護室長から鳥獣保護の観点からご意見をいただきたいと思います。

 お願いします。

【事務局】 すみません。葉山先生、ミュートになっているようなのですが。

 葉山先生の方から音声がうまく通じないということで、今ちょっと調整していただいています。少々お待ちください。

【日本野鳥の会】 現在、鳥獣の管理のための捕獲が強化されることに伴って、わなによる錯誤捕獲の増加が懸念されておりまして、錯誤捕獲については、数字等は公表されておりませんので、実態把握が必要だと考えます。わなですので、場所は決まっていますので、そのわなの設置数と錯誤捕獲された個体数等を併せて報告をしてもらって、その実態把握ということが必要だと考えます。

 もう一つ、農林水産業被害の防止の目的で張られている防鳥網で、たくさんの野生鳥獣、鳥が羅網しているということが最近に話題になっております。霞ヶ浦周辺のハス田では、60年近く問題になっておりますけれども、こういう羅網が頻発するような場所については、行政による実態把握も必要だと考えます。

 二点目。鉛弾の規制ですけど、前回の指針の検討の際にもヒアリングで、鉛弾の規制強化ということで意見を述べさせていただきました。

 前回お話ししましたように、本州でもクマタカの胃からシカの毛が大量に確認された事例もありますので、猛禽類での鉛中毒の防止の目的で進めていただければと思います。

 前回の検討の際も、傷病鳥獣を使ったモニタリングを進めていくというような方針が出されていますので、その結果もお話しいただければと思います。

 少なくとも、2004年に参議院で質問に対する答弁書として、しかるべき時期に全域で禁止するというふうなことを環境省として表明されております。それから17年近く経過しておりますので、一歩踏み込んだ対応が必要なのかと思います。

 特に、狩猟者の方が非鉛弾への転換を行うために、狩猟者の負担軽減をするような措置とか、地方の銃砲店でも非鉛弾が入手しやすいような販売ルートの整備等が考えられると考えております。

 次、狩猟鳥獣の見直しについて。これ、指針の見直しと同時並行的に行われると思いますので、ここでご紹介したいと思います。

 5年後、2016年から5か年、鳥関係のNGO、尾崎委員の山階鳥類研究所も一緒にやっていただいておりますけれども、多様性センターと組んで、全国鳥類繁殖分布調査というのを行ってまいりました。その中で、ゴイサギとバンについて、顕著な減少が見られましたので、狩猟鳥獣から外すことにするご提案をさせていただきたいと思います。

 次のページ、お願いできますか。

 ゴイサギですけれども、これはまず、地図が千九百、下の二つが70年代と、90年代の終わりぐらいに5か年で行われた同様の調査で、上の方の地図が今回の5か年間の調査結果です。これを見ると、特にコースのほう、下のほうのコースを見ていただくと分かりやすいのですけれども、調査コースで比べると約60%、57.7%、ゴイサギの確認がなくなったというふうな形が、結果が出ております。

 あと、繁殖の確度が高いコロニーというのは今回多いのですけれども、これは、ゴイサギはコロニーで繁殖しますので、そこでのアンケート調査を実施したために増えておりますけれども、全体的な確認数はやっぱり減っております。

 もう一つ、顕著な現象が見られたのがバンですね。バンに関しては、大体40%から50%ほど、過去に繁殖調査をやったコースで確認されなくなったコースが増えて、約45%の減少。あと、個体数も約60%の減少ということが、ここで確認されております。追加調査などしていただいて、狩猟鳥から外すことのご検討が必要かと思います。

 続いて、ノネコ対策についても、一つ意見をしたいと思います。

 奄美大島ややんばる、小笠原で、ノネコ対策を行われておりますけれども、昨年、12月に森林総合研究所と山階鳥類研究所、両方からプレスされましたけれども、御蔵島でオオミズナギドリが70年代の175万羽から350万羽と推定されていたのが、10万羽程度に減少していて、その要因がノネコによる捕食というようなことが報告されています。

 ノネコについては、イエネコと野良猫は動愛法、ノネコは鳥獣保護管理法で、連携して対処すべき問題だと思われております。特に、鳥獣保護区の特別保護地区等からのノネコの排除は、鳥獣法で、必要に応じて、行うべきだと思います。その他、生物多様性の観点から、重要な場所では必要に応じて、ノネコの影響調査を行って、情報の蓄積をすべきと考えます。

 ここで、書いてはおりませんけれども、合わせて、外来種を鳥獣法で扱うのはどうかという議論、このところ行われておりますけれども、特に、国内外来種、例えば、三宅島のイタチなどは、これは、多分外来生物法でもなかなか取り扱うことは難しいのかなと思いますので、ぜひ、鳥獣法でうまく管理できるような方策を考えるべきかと考えております。

 続きまして、ドローンについてですけれども、近年、ドローンを活用して、水上のガンカモ類を上空から撮影して個体数をカウントしたり、種を識別したり、タンチョウやチュウヒのように、湿原の中に巣をつくる鳥に、常に人が近づくことなく、上空から営巣を確認するなど、非常に良好に使われています。

 けれども、その調査の中でも、やはり、対象となる生物に影響を及ぼさないように、例えば、離陸のするときの地点の距離出しとか、水鳥に近づく時の水平高度、水平距離や撮影するときの飛行高度などの配慮が必要なことが、伊豆沼の研究者の方が書かれたガイドラインにも書かれております。

 そういうこともありまして、また、観光客とか写真撮影のためのドローンの飛行というのも、ドローンが安価になってきましたので、今後増えてくると考えられます。一部、国立公園なんかでは、指導という形で、ドローンの飛行の制限も行われているようですけれども、鳥獣保護区の特別保護地区等に関しては、飛行の際に、飛行計画の提出を含めた届出制度を検討すべきではないかというふうに考えております。

 続きまして、感染症についてですけれども、豚熱などとか、コロナなんかもそうなのかもしれませんけれども、人獣感染症が問題になっております。

 ここで指摘したいのは、鳥インフルエンザとウェストナイル。こちらのほうが懸念されるかと思います。ウェストナイルは、今のところ、国内では、まだ検出例はないようですけれども、極東ではウイルスの存在が確認されております。入ってきたときにどういう対処をするかというのは、これは検討が必要ですけれども、まずは、渡り鳥における感染状況のモニタリングの構築が必要ではないかと思っております。鳥インフルエンザに関しては、全国的に水鳥の糞便調査が行われておりますが、今年は何例か出ていますけども、実際にウイルスの検出例というのはほとんどなくて、モニタリング手法として改善の必要性があるのではないかというふうに思っております。

 鳥インフルエンザとウェストナイルは、鳥類の集団死も起きておりますので、希少種で集団感染が起きた場合、リスクも大きいと考えられます。

 また、人獣共通感染症ではないですけれども、血液原虫による鳥マラリアについても、モニタリングの体制整備が必要と考えております。

 最後に、デジタル化についてなのですけども、鳥獣統計とかがあまりにも、取りまとめと公表が遅過ぎると思っております。ここで出すのは何ですけども、2012年から、メジロの愛玩飼養目的での捕獲が原則禁止されて、その効果を私ども、注意して見ているところなのですけども、現在、公開されている鳥獣統計は2016年までで、このことを考えると、今行われている鳥獣保護管理事業計画がどうなのかということを検討することすらできない。5年前のデータしかないということですので、ここはもう少し、デジタル化とか、地方自治体との共通プラットフォームで、迅速な公開を求めたいと思います。

 あと、管理捕獲等で、捕獲数のデータというのはありますけれども、これからの時代、ぜひ、地図化してデータを得るということが重要になると思いますので、GIS化なども希望いたしたいと思います。

 私からは以上です。

【石井委員長】 葉山さん、ありがとうございました。

 それでは、今説明いただいた内容について、ご質問などお願いします。

 尾崎委員、お願いします。

【尾崎委員】 ありがとうございます。

 質問が1件と意見が2件ほどあるのですが、一つは、ゴイサギとバンの図のところで、ちょっと各右上に各年代のメッシュ数の変化というとこで、A、B、Cというランクがあるのですが、それが、その下の繁殖確認と対応しているんだと思うのですが、どれがAで、Bで、Cか、ちょっと分かりづらいので、教えてください。

 それから、6番目の感染症のことで、たしか糞便調査からごくわずかということで少しは出ているようですけども、実際どのくらい出たのかの実際数が環境省ですぐ分かるようでしたら、ちょっと教えてほしいのですが。

 というのは、これは2004年の最初の日本での感染のアウトブレイクのときに、国立感染症研がハエについて調査をして、2-30%の率で、周辺のハエから鳥インフルのウイルスが検出されたという報告があって、その後、継続した調査が行われていないようなんですね。現状で、渡り鳥はウイルスを運ぶということはもちろんあるわけですけども、その渡り鳥から鶏舎にどうやって入るかが、小動物とか小鳥というふうに言われていながら、一向にそこのところが明確になっていないと私は理解しています。

 解決策はハエじゃないかと私は最近思うようになっているのですけども、そのハエのことについて環境省がどのように考えておられるか、確認しておきたいと思います。

 それから、もう一つ、最後のデジタル化。やはりもっと早くまとめていただきたいです。このメジロの例で言いますと、野外での長寿例は標識個体が再捕獲されて、記録がありますが、最高でも6年10か月という例があるだけです。つまり大半は数年、長くても5年ぐらい後には大半が死んでいると考えられます。それより長く飼育されているということは不思議です、そういったことをはっきりするためにも、デジタル化は進めて、まとめを早めていただきたいと思います。

 以上です。ありがとうございました。

【日本野鳥の会】 私のほうから、まず、よろしいですか。

【石井委員長】 はい。お願いします。

【日本野鳥の会】 まず、A、B、Cのランク、繁殖分布の地図についてなのですけれども、御存じのように、Aというのが繁殖を確認した、これは親がひなに餌を運んでいるとか、営巣を確認したと。Bは繁殖しそうな場所でさえずりですとか、交尾とか、そういう行動が見られて、繁殖の可能性が高い。Cは繁殖の可能性のある所で確認されたというような。繁殖の確実性を表すランクで、これがこの地図の中の赤や青、緑の点で表されております。これ、点一つが5万分の1の地図、一つに該当しますが、このメッシュ数の変化で分布域の減少、増加を表しているものです。

 下の方は、これは、繁殖分布調査は、調査方法として、ラインセンサスとポイントセンサス、あとはアンケート調査を行っております。ポイントセンサス、ラインセンサスに関しては、過去2回の調査も同じ方法で同じコースで行っておりますので、数の比較ができるということで、一番下の、右下にある減少率を確認コース数と確認の個体数で調べているものです。

 あと、糞便については多分環境省さんのほうが一番正しい回答かと思いますけども、2月の10日時点で、今年、鳥インフルエンザの調査としては糞便全国で7例出ているのですけども、それでも、それはほかの感染場所は、感染された水鳥ですとかが出られた場所で確認されているわけで、全国で網羅的に行われている鳥インフルエンザのための糞便調査では、いまだにたしか、糞便の検出というのはないのかなと思っています。

 あと、デジタル化のところで、尾崎委員にも御指摘していただきましたけれども、過去の例を見ると、その年の愛玩飼養の更新数というのは、その年に捕獲された数と前年度更新された数を足したものから死亡数、飼育をやめた数が大体近いものだと思うのですけども、こういう形で行くと、大体年間2割ぐらいは数に変動があるのですね。そうすると、もう、今年ぐらいには、飼っているメジロの数がほとんどなくなるなと思っていたのですけども、相変わらずというか、その事実を調べることができないということを報告させていただきました。

 以上です。

【石井委員長】 ありがとうございました。

 環境省のほうから何か補足説明ありますか。お願いします。

【川越鳥獣保護管理室長】 環境省鳥獣保護管理室の川越です。先ほどの鳥インフルエンザの件ですけれども、高病原性鳥インフルエンザは、昨日段階で56件発生しておりまして、野鳥糞便に関しては、8例で発生しております。

 それで、今お話がございましたけれども、環境省の調査では、ということですけれども、環境省の調査ではないのですが、大学等もしくは県が独自で実施しているもので出たものがございます。

 ご指摘が野鳥糞便の検出率が悪いというお話なのかがちょっと分からないですが、そういった関係機関と連携しながら実施をさせていただいている中で、野鳥糞便でも検出はされているということかと思っております。

 あと、ハエに関しては、基本的には農場の飼養衛生管理に係ることとなります。したがいまして、農水省の方が発生農場ごとに疫学調査を実施して、その中でどのような原因が考えられるかということを分析されています。

 このため、ハエに関しましては、そういった可能性もあるということは考えられていると思いますが、先日も国立感染症研究所の方が、ハエがウイルスを運んでいる可能性があるというレポートを、これは「生活と環境」という雑誌ですが、出されていますので、そのようなことは可能性として十分に検討というか、可能性としては指摘されていますし、農水省もその点は承知しているものと思います。

 以上です。

【尾崎委員】 ちょっとよろしいですか、尾崎ですけれども。

 はい、分かりました。ありがとうございます。

 ただ、これちょっと、縦割り過ぎると思うのですよね。環境省は野鳥の糞便調査をやっておられて、農水がもしハエをやっておられるとしたら、そのあたりの情報の交流をする場がないのでしょうか。以前はそういう集まりをされていたような記憶があります。今のようなお話で、ハエのことが環境省の方があまり把握されていないという状況で、だけども糞便調査はずっとやるというようなことでは、無駄というか、もう少し交流があってしかるべきかなと思いますが、よろしくお願いいたします。

【川越鳥獣保護管理室長】 ありがとうございます。環境省の川越です。

 そういった情報は、農水省の家伝法に基づく会議等でも共有をされているところです。

 また、家禽で発生した場合と野鳥で発生した場合のそれぞれについて、新規発生の場合につきましては、関係府省庁の連絡会議を毎回開催して、情報が共有されておりますので、今ご指摘のようなところは、我々の中ではやっていると思いますが、足りない点があれば、そういったところはより共有をしていくようにする、このようにさせていただければと思います。

 以上です。

【尾崎委員】 はい。分かりました。

【石井委員長】 よろしいでしょうか。

 それでしたら、次に、小泉委員、お願いします。

【小泉委員】 はい。ありがとうございます。2点、質問させていただきます。

 1点は1)の錯誤捕獲です。ここに例示されている茨城県の事例、カモやオオバンも、錯誤捕獲ということで例示されているのでしょうか。そうであれば、羅網した個体はどのように処分されているのか、御存じでしたら、教えていただけますか。

 もう一つは、ゴイサギとバンです。存続可能性に不安があるということで理解しましたけれども、その原因として考えられることは何でしょうか。もし御存じでしたら教えていただきたいと思います。

 以上です。

【石井委員長】 お願いします。

【日本野鳥の会】 霞ヶ浦の防鳥網による羅網については、まずこれは、捕獲目的というよりも、鳥を、レンコンの被害防止のために張られているということで、厳密に言うと多分、錯誤捕獲には当たらないと思うのです。防鳥網なんですけども、それ以上に鳥がひっかかるという、一種の事故になるのでしょうかね。そういうことかと思います。

 網にかかった鳥ですけども、なかなかレンコンの畑は泥が深くて、普通の人は入れないので、網にかかったまま骨になって落ちていったりとか、逆に、道に近いところにかかったときは、海外から農業実習生として労働力が入っていますけども、一部はそういう方が持って帰って食べたり、そういうことも起きているというふうなことを聞いております。

 あと、ゴイサギとバンの減少についてですけれども、まず、ゴイサギについては、確かなところは分かっておりません。一部、研究者の間では、ダイサギ、アオサギといった大型のサギは数が増えていて、コサギとかゴイサギ、こういう小型のサギが減少している。他にもカイツブリなど、小型の魚食性の鳥が減っていて、カワアイサとかああいう大型の魚食性の鳥は減っていないということから、例えば、ブラックバスなどの外来種とか、そういうことの影響で、餌となる魚の魚体サイズが大きいものに偏ってきているのではないかというふうなことを言われる方もおりますが、確かではありません。

 バンについては、これもよく分からないですね。ただ、やっぱり、水辺環境、特に止水域のヨシ原などで繁殖しますけれども、そういうところが多いのかなと思います。ただ、バンは数が減ってきても、結構、西日本を中心に狩猟数も割と多いので、減り始めてきたところに狩猟圧がちょっと大きくなっているのかなというふうに映ります。

 以上です。

【小泉委員】 はい。どうもありがとうございます。

 私からは、以上です。

【石井委員長】 そのほか、いかがでしょうか。

 尾崎先生、お願いします。

【尾崎委員】 度々すみません。

 先ほど聞けばよかったのですが、ゴイサギとバンが狩猟鳥になっているということですが、狩猟数はどんなように変遷しているのでしょうか。今言われたように、依然、バンは捕獲されているということなのですが、その数が相当数になっているかどうかということの検証はどうでしょうか。

【事務局】 環境省の遠矢でございます。

 狩猟における捕獲数なのですけども、バンについては、大体300羽前後というところで推移しているところかなと思います。

 ゴイサギについては、現状でも、100羽前後が狩猟で捕獲されているというようなところが現状かと思います。

 狩猟数が急激に今増加しているという状況ではありませんので、狩猟圧が減少要因に効いているかどうかというのはちょっとこの数からは分からないところかなとは思います。

【尾崎委員】 はい、ありがとうございました。

【石井委員長】 そのほか、いかがでしょうか。

 私から一つ、細かいことですけれども、最初に出ている錯誤捕獲のことで、わなによる錯誤捕獲数が増加しているというのは、これ、哺乳類では割と問題になっているのですけど、鳥の場合もこのわなによる錯誤捕獲というのは何か情報があるのでしょうか。

【日本野鳥の会】 葉山でございます。

 鳥の場合、あまり錯誤捕獲、特にこのシカとかイノシシの場合はないのですけれども、例としては、アライグマの捕獲用のわなに鳥が入って逃がしていくようなことはしております。どちらかというと、獣類のほうがメインではないかと思います。

 以上です。

【石井委員長】 分かりました。

 そうすると、ここに書いてあることは獣類も念頭に置いた指摘ということでよろしいのですね。

【日本野鳥の会】 はい。野鳥の会ですけれども、獣類のほうも指摘させていただきました。

【石井委員長】 分かりました。

 そのほか、いかがでしょうか。

(なし)

【石井委員長】 特によろしいでしょうか。ありがとうございました。

 それでは、以上で議事の1番目、関係団体ヒアリングについては終了したいと思います。

 ヒアリングにご協力いただいた関係団体の皆様に御礼申し上げます。ありがとうございました。

 それでは、続いて、議事の2に移りたいと思います。鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化につき講ずべき措置並びに鳥獣の保護及び管理を図るための事業を実施するための基本的な指針の見直しに向けた対応方針の検討についてと、随分長いですけれども、資料の2の説明ですね。事務局からお願いしたいと思います。

【事務局】 環境省、遠矢でございます。

 今資料を共有しますので、しばらくお待ちください。すみません。4団体のヒアリングにご協力いただいた皆様、ありがとうございました。この後、審議会のほうも進めていまいりますけど、皆様も別のご用があると思いますので、適宜ご退室いただいて構いませんので、ありがとうございました。よろしくお願いします。

 それでは、資料のほう、共有させていただきます。しばらくお待ちください。

 資料2になります。 今回、資料2につきましては、前回の審議会で点検項目として整理をさせていただいた項目ごとに現状と課題、そして、その課題への考え方の案をお示しするような形で整理をさせていただいたところです。現状と課題につきましては、基本的には、前回ご審議いただいたところと内容は大きく変わっておりませんけれども、いろいろとご指摘をいただいた部分については少し、こちらでも考え直している部分がありますので、そこも補足してご説明をさせていただきたいと思います。

 この後、点検項目1-1、1-2、1-3という形で進んでいきますけども、基本的に大きな点検項目、今回であれば、鳥獣の管理の強化、こちらについてご説明を差し上げた上で、その後、質疑応答をさせていただいて、次の点検項目にという形で進みたいと思います。

 資料2を共有させていただくところだったのですけども、もう一つちょっとその前に共有させていただきたいところがございますので、ちょっとお待ちください。

 最初に、前回の委員会でどのような意見をいただいたかというのを、ちょっと振り返りをさせていただければと思います。

 まず、鳥獣の管理の強化についてでございますけれども、課題の基本的な考え方について、計画、実行、評価、改善とPDCAサイクルを踏襲しているということがいい点だというふうにご意見いただいたところでございます。捕獲の効果というものを科学的に調査し、評価、改善していくという形でサイクルを回していく。そういった項目が重要だというようなご指摘をいただいたところでございます。

 捕獲の目標と言うと計画、こういったものが整合して、ちゃんとそれが減少に結びついているかと、そういった因果関係をしっかり見ていくことが必要だというご指摘、いただいておりました。

 カワウについてでございますけど、地域的に数が増えているというようなこともご指摘いただいたところでございまして、サルについても直近の年度の被害状況なども押さえて検討することが必要だとご指摘いただいています。

 そもそも、計画の目的、被害軽減、そういったものと、管理の手段である捕獲との関連というものをきちんと評価することが必要だというご指摘があったところでございます。

 一通り、ちょっと前回の振り返りをしますので、ほかの項目も説明させていただきますね。

 鳥獣の保護の推進についてでございます。こちら希少鳥獣の関係では、希少鳥獣に指定するということと、その種が地域的に被害を拡大しているということによって、管理をどうするかという問題は別のお話だというようなご指摘、いただいていました。

 前回、法改正で希少鳥獣管理計画制度と、特定希少鳥獣管理計画制度というものも新たに制度つくったところですので、こういったものを地域に適用すべきというようなご指摘、いただいております。

 同じようなご意見で、希少鳥獣の管理制度を使えば、管理が今でも可能なので、そういったことを踏まえた整理が必要なのではないかとご指摘いただいております。

 鉛の中毒の関係でございます。こちらについては、猛禽類のみで示されて、データが、おりましたので、こういったものについて、猛禽類だけでなく、水鳥とか様々な鳥種に一定の影響が出ている可能性があるということで、幅広に課題として取り上げるべきじゃないかというようなご指摘いただいております。

 海外の例についても、大規模に検査できるやつを何個か対象として、サーベイランスをしていくというのがセオリーだということで、そういった体制を取っていくということで、対策につなげていく必要があるのではないか、こういうようなご指摘でございました。

 次が錯誤捕獲の関係ですね。こちらについては、まずは、その実態把握、情報収集といったところを全国レベルで行っていく必要があるだろうというようなことでございました。

 また、どうやってその錯誤捕獲を防止していくかということについては、やはり、まだまだ技術が確立されているわけでもなく、試行錯誤の状況なので、情報交換なんかもしっかり進めていくことが必要なんじゃないかというようなことが意見として述べられました。

 あとは技術開発として、ターゲット以外の鳥獣に対してわなが作動しないようなそういった技術をもったわななんかも必要なのじゃないかというようなことと、あと、錯誤捕獲された個体を安全に放獣するための体制についても必要だというご指摘、いただいたところです。

 人材育成の関係でございます。こちらについては、捕獲の効果をしっかりと評価した上で、捕獲事業を指揮、指導できる、そういった人材が必要だろうということをご指摘いただいております。

 わな猟免許者の役割については、非常に重厚な役割も果たしていく一方で、やっぱり広い地域での個体数調整であるとか計画的な管理といった枠組みの中で進めていく場合にはちょっと変えていくということも必要なんじゃないかというようなご指摘、いただいているところでした。

 専門的な職員の配置状況、こちらについて、特定計画制度ができて20年経過しているのだけど、できているところ、できていないところ、二極化しているというようなご指摘がありました。基本指針レベルではなくて、法律事項にする必要があるのではないかというようなご指摘でございました。

 次、捕獲に当たってでございますけれども、こちらについてはやっぱり、錯誤捕獲の防止とか、非常に危険な作業というものを伴うということで、捕獲者に求められる能力が高いということで、それぞれの捕獲従事者にどのような能力がどれくらい必要なのかということをしっかりはっきりさせることが必要ですし、あとは、専門職員についても、専門的能力としてどのような能力が必要なのかということも明確にしていく必要があるのではないかというご指摘をいただいているところです。

 四つ目、感染症でございます。こちらについては、課題として、SFTS、ウエストナイル熱、こういったものまで今回取り上げたということで、広く感染症対策に環境行政が乗り出したということで、評価をしていただいております。一方で、具体的な対策に向けては、体制が現状では厳しいのではないかということで、これらの体制整備、人材育成ということを進めていく必要があるということで、ご指摘いただいております。

 海外の事例としては、韓国の体制整備というようなことについて、情報提供いただいておりまして、日本に入ってくる前の早期警戒の情報としても機能している中で、日本としても、従来の枠組みを超えた、新たな体制整備ということも踏み込んだほうがいいのではないかというようなご指摘をいただいております。

 最後、その他ということで、市街地出没の関係については、クマとか、あと、イノシシ等が今、資料としてもともと挙がっていたものでしたけど、シカも含めてほしいということで、都市域への出没というものが増える中で、警察官などが対応しているという状況について、検討がまた必要なのではないかというご指摘がありました。

 これは、鳥獣の監視体制、あとは防護柵なんかの予防措置、あとは、住民、市民への啓蒙充実なんかも必要だというようなご指摘、いただいています。

 デジタル化の部分については情報共有の観点だと思いますけれども、これらについて、特定計画に示された都道府県ごとの鳥獣の分布であるとか個体数、捕獲数なんかをデータとして公開して、担当者間で共有、利用できるようにするということが今後も必要なのではないかというようなご指摘をいただいていたところでございます。

 ざっとご紹介させていただいたのですけども、こういったご指摘も踏まえながら、今回対応方針をお示しさせていただいておりますので、ひとまず、意見概要についてご説明をさせていただいたところです。

【石井委員長】 よろしいですか。

 私のほうでちょっと手順の説明が不足しておりましたので繰り返しますけども、今説明していただいた、前回の意見概要については、参考資料の2で説明をいただいたところです。

 この後、資料2を説明いただいて、質疑ということになりますけれども、大きく五つに中が分かれています。それで、一つずつ、1-1から1-3までですか。これを一塊という形で説明いただいて、質疑。それから、2のシリーズ、3というふうに移っていきたいと思いますので、ご承知おきください。

 まず、資料2の1のシリーズについて、説明をお願いします。

【事務局】 ありがとうございます。

 資料1-1の部分でございます。こちらについて、第二種特定鳥獣管理計画、あとは指定管理鳥獣についての対応の考え方について、お示しをしています。

 現状と課題については、前回もお示しした部分でもありますけども、重ねて少し概要を説明させていただきますと、第二種特定計画につきましては、これまで、ニホンジカなど7種類について47都道府県、146計画が策定されているところでございます。ニホンジカとイノシシの第二種特定鳥獣管理計画については44都道府県で策定されております。ただ、シカ、イノシシの第2次計画においては、目標設定がされていなかったり、または設定されていても達成できていないというような都道府県も存在しているというようなところがございます。

 そういった中で課題として掲げているのが、シカ、イノシシの被害というのが各地で生じている中で、生息数の減少、または生息域の範囲の縮小というような管理の強化が求められているところでございます。

 第二種特定計画の目標を達成するためには、しっかりとその計画の適切な評価、そして見直し、そして確実な執行管理を行う必要があるのですけども、現状で、数値等で具体的に評価可能な目標が設定されていないというような場合がございます。

 イノシシの生息密度なんかについては、種によってはモニタリング手法が十分確立されていないというような場合もあるところでございます。

 ニホンザル、カワウについても、管理強化の観点から指定管理鳥獣に指定すべきといった意見もあるところです。

 こういった中で、対応の考え方案として、下に示しております。大きく分けまして、上の部分と下の部分、分けておりますけども、上の部分が基本指針に係る部分、そして、下のほうがそれ以外の措置等に係る部分として、少し整理をさせていただいております。

 基本指針に係る部分についてでございますけれども、こちらについては、基本指針に、第二種特定鳥獣管理計画について、各都道府県の状況に応じた適切な目標設定、年度別実施計画、こういったものの作成・見直し等の目標達成に向けて、必要な取組について明記していくということを検討したいと思っています。

 また、特定計画の実施体制に関しまして、個体群管理、生息環境管理、被害防止対策、こういったものを担う人材の確保・育成のための取組であるとか、森林管理等の関連部局による施策との連携についても記載してまいりたいと考えています。

 科学的な検討に際しては、社会科学的側面からも検討できる体制の整備に努めることを記載していきたいと考えております。

 こういったことを基本指針に書きつつ、そういった基本指針に基づく取組ということで、以下のような取組を進めたいと考えております。

 現在も改定作業を進めている部分はありますけれども、各都道府県の状況に応じた適切な目標設定であるとか、評価手法、管理手法について、ガイドラインの改訂を通じて、都道府県への技術的支援を行ってまいりたいと考えております。

 ニホンジカ、イノシシ、サル、カワウ等については、全国レベルでの生息状況の把握というのを行って、管理の進捗状況等の評価を行うとともに、第二種特定計画策定の際に参考となる情報を引き続き整備してまいります。

 特に、捕獲強化が必要なニホンジカ、こちらについては、全国の生息密度の把握というのを環境省のほうで行いまして、都道府県で優先的に対策を行う地域の選定であるとか、捕獲の効果を検証する際に活用可能な情報を整備してまいりたいと考えております。

 イノシシの生息密度とか、モニタリング手法が十分確立していないというところがありますけれども、こういったものについても、現在進行中の研究等の最新知見を収集しまして、都道府県へ提供してまいります。

 指定管理鳥獣の指定の関係で、ニホンザル、カワウについてでございますけれども、これらについては、やはり、それぞれの種の特性に応じた計画的な対策が必要というような種でございまして、単に捕獲を強化していくだけだと、群れの分裂によって被害の拡大なんかを招くおそれがあるというふうな意見もありますので、引き続き、指定管理鳥獣としての指定に関する検討を進めるとともに、技術的支援による管理の強化を推進してまいりたいというふうに考えています。

 続きまして、管理の強化のうち指定管理鳥獣捕獲等事業に関してでございます。

 指定管理鳥獣捕獲等事業の実施都道府県数、前回の法改正により、新たに創設された事業でございますけれども、こちらについては、実施都道府県数及び事業費は増加傾向にございます。

 また、捕獲実績についても年々増加しておりますけれども、こちらも、捕獲目標の達成に至っていない都道府県もある状況です。

 また、協議会なんかを設置しまして、なかなか捕獲が進みにくいと言われております県境部、こういったところについても、広域的な捕獲も開始されつつあるというような状況です。

 ただ、課題としましては、指定事業による捕獲頭数というのが、第二種特定計画の目標捕獲頭数と整合が取れていなくて、しっかりと、第二種特定計画の目標達成に寄与しているかというものが不明な場合があると考えています。

 また、広域協議会による取組については、開始されつつはありますけれども、こういった県境部での、生息密度が高い地域における広域的な捕獲を一層進める必要があると考えているところでございます。

 こういったことを踏まえまして、基本指針では、県境だとか都府県をまたいだ広域的な捕獲を推進するため、関係する都府県等が連携した協議会等を組織することなどを支援していくということを明記したいと考えています。

 第二種特定計画の目標達成に資するような指定事業実施計画の作成、そして、その適切な評価、見直し、こういったものを進められるように、都道府県を指導してまいるというのが、措置としての内容になってきます。

 近年非常に技術が進んできている部分で、ICT技術なんかをはじめとした、効率的に捕獲を進めるための参考事例の紹介であったり、生息状況の調査結果の提供とか、そういった形で都道府県に対しての情報提供を進めたいと考えています。

 県境や県をまたいだ広域的な捕獲については、関係する都府県等で構成する協議会の設立であるとか、捕獲等の取組を、指定管理鳥獣捕獲等事業交付金も活用して、支援を強化してまいりたい。そういう形で対応を考えています。

 鳥獣の管理の強化のうち最後の部分です。認定鳥獣捕獲等事業者でございます。

 こちらについては、現状、42都道府県で153事業者が認定を受けている状況でございます。ただ、地域によってはまだ偏りがあるという状況でございます。

 指定事業のうち、認定鳥獣捕獲等事業者が受託した事業件数の割合というのは、これまで8割程度ということで、残り2割程度は認定を受けていないのだけども、同等の知見、技能を有する団体等が受託している状況でございます。

 課題としましては、認定鳥獣捕獲等事業者についても、前回の法改正で、新たな担い手として確保を進めていくために、制度として創設したものにはなりますけれども、依然として、担い手が不足しているというところで、認定事業者の育成に向けた取組が必要だと考えています。

 あとは、事業者によって、質についてばらつきがあるというようなご指摘もある中で、質の評価と継続的な向上を図っていく必要があると考えています。

 認定した都道府県というのは、それぞれの都道府県に所在している事業者であったりするわけなので、認定事業者の状況だったり、実績、能力というところが把握できていたりするのですけれども、認定した都道府県以外の都道府県でも、当然、認定事業者、全国各地で活躍されるわけなのですけども、そういった認定した都道府県以外ではなかなか、そういった能力に関する情報とかというのが把握できないというご指摘がありまして、これらについて対応していく必要があると考えています。

 対応の考え方として、基本指針では、個体群管理・生息環境管理・被害防除対策等の多岐にわたる鳥獣保護管理の担い手として、認定事業者の活躍を促進するための方針を基本指針等で整理してまいりたいと考えています。

 それから、基本指針以外の部分で、基本指針に基づく取組として、各都道府県で必要な認定事業者が確保できるように、交付金を活用した認定事業者の育成の取組を引き続き支援してもらいたいと考えております。

 認定事業者の質の向上については、これまでも逐次改定してきていますけども、認定事業者の研修用テキスト、こういったものもしっかりと更新してまいりたいと考えていますし、事業者の実績把握のための仕組みづくりということで、都道府県間で認定事業者の情報が共有できるような、そういった仕組みも構築してまいりたいと考えています。

 点検項目1の鳥獣の管理の強化については、以上になります。

【石井委員長】 ありがとうございました。

 それでは、ご質問、ご意見をお願いしたいのですけれども、まず、基本指針の改定の方向性ということですね。それからさらに、具体的な対応の案について説明いただきましたけども、基本指針の素案については、来年度の5月に出てくるわけですが、それに向けてご意見、それからご質問等お願いしたいと思います。

 いかがでしょうか。

 では、三浦先生、お願いします。

【三浦委員】 ありがとうございます。聞こえてますでしょうか。

 意見なのですけれども、聞こえていますか。

【石井委員長】 はい、聞こえています。

【三浦委員】 はい。

 今日、静岡の大橋さんのほうからのレポートがあったわけですけれども、全体的に評価すると、目標の生息個体数が5,000頭というところで、現状2万5,000頭。数値の正確さはともかくとして、そこから2万頭を捕獲して、ほぼほぼ個体数を減少させるというよりも、密度を維持しているというのが、非常に大きな努力を払いながら、静岡県は全体のどの程度のところに評価されるのか、詳細は不明ですけれども、決して適当にやっているというよりも、この計画制度をそれなりに進めてきたというそういう実績のある県で、実態としては減少させるというところまで十分達成できていないということになると思うんですね。

 それで一つ、ここで気になるのは、ニホンジカについては全国で現在44計画が設定されていますが、率直に言って、うまく成功裡に減少に誘導している、モデルになるような計画が存在しているのか、環境省はそれを把握しているのか、それをまずお聞きしたいと思います。そのことを聞いた上で、そういう現状を考えると、この計画で何らかの強力なものを注入していかないと、全体としてこの計画制度というのが非常に砂上の楼閣、言葉は悪いですけれども、になりやしないかと、そんなふうに感じてしまうのですが、いかがでしょうか。

 ありがとうございます。

【石井委員長】 これはよろしいですか。

【事務局】 すみません。環境省遠矢でございます。

 ちょっと実績というか、現状について私のほうから簡単に。

 参考資料の7として、データのほうもお渡しをしているところでございましたので、少しお示しをできればと思っております。少しお待ちください。

 先ほど、三浦先生からもあったとおり、今ニホンジカについて特定計画でございますけど、44都道府県で策定されているという状況でございます。

 こちらとして課題に思っている目標の設定、あとはそれの達成状況というところについてでございますけれども、やはり12次計画でそもそも設定しているというところが、非常にまだまだ少ない。その上で、11次計画との達成状況を評価しているというような、11次計画で達成、設定した目標について、達成できたというようなことが評価できているところ、もしくは達成できていないということも含めて評価できているところも、非常にわずかだということが、この表で分かるかと思います。

 それで、我々としても、こういったところがまずはしっかりと評価をすることを進めていくことが大事だろうということで、今回の改正点であり、また対応方針として、年度、その評価、見直しの考え方というのを基本指針でも、また、ガイドライン等でも定めていきたいというようなことが趣旨でございました。

【石井委員長】 三浦先生、いかがでしょうか。

【三浦委員】 そういうこと、全体のことは分かりましたけど、もう一つ踏み込んで、各都道府県で自分のところの計画を評価してきた中で、うまくいきつつある、率直に言えば減少させているといったようなことを表明している、そういう計画というのが一体全体どれぐらいあるのだろうかという、そして、ちょっとお願いしたいのですけれども。

【事務局】 三浦先生、ありがとうございます。

 基本的には、今参考資料にもお示ししているとおりで表明を、現状で行くと、そういったことを計画の中で今ほとんど書かれていないというのが現状かと思います。なので、こちらとしても、それが把握できていないということも課題だと思いますし、またそこをしっかりと評価してもらうということが大事、大切だろうということを考えていました。

【三浦委員】 はい。分かりました。ありがとうございました。

【石井委員長】 そのほか、いかがでしょうか。

それでは、坂田先生、お願いします。

【坂田委員】 大丈夫ですか。すみません。

 私は、目的とその手段である捕獲との関連をきちんと見ていく必要があると思っています。この資料2を拝見させていただく範囲では、課題として、捕獲を強化すべき場所は密度の高い地域と県境部などでの捕獲を強化していこうというふうな印象は強く受けます。しかし、被害が深刻な場所、人身事故が発生しそうな場所、共通感染症の家畜への感染が心配されるところなど、重要な場所の捕獲を一層進める必要があるという部分がしっかりしていないと、いけないと思います。

 もう一つは、技術情報とかを環境省のほうから提供されるということ、非常に重要なことですが、一方で、これまで環境省から都道府県等あるいは捕獲従事者等に提供されてきたも多くの技術情報をの検証が必要だと思います。どの情報が有効であって、役に立ったか、どの情報は提供してはみたものの都道府県や市町村とかにとって有益でなかったかを検証して、取捨選択をしていくということが、PDCAサイクルを回すということでもあると思いますので、提供された技術情報については、十分に検証されるべきかなというふうに思います。

 以上です。

【川越鳥獣保護管理室長】 環境省の川越です。

 ありがとうございます。

 まず、特定計画で広域的な捕獲等の話をいただきましたけれども、ここの資料では、現行の基本指針と比べて、新たに検討すべき点がどういったところかという観点で資料を作成してしまっているので、全体像が示せていないのですが、今ご指摘のあった、どういったところで管理を強化すべきかということを決める中で、こういったものもあるだろう、というような形では整理をさせていただきたいと思っております。

 あと、二点目の技術的な部分ですが、まさに今年度なのですが、当初の指定管理鳥獣捕獲等事業でも、いろいろICTを使ったり、ドローン使ったりというようなものをやっているのですが、その事例集みたいなものを県の協力もいただいて作ったところです。

 そういった中では、うまくいっている部分、うまくいっていない部分も含めて、書かせていただいていますが、そういったものを少し共有する中で、取捨選択できるような形により一層進めていきたいと考えております。

 以上です。

【坂田委員】 はい。ありがとうございます。

【石井委員長】 では、次に小泉委員、お願いします。

【小泉委員】 はい。ありがとうございます。

 私は、資料2の1-1、鳥獣の管理の強化の対応の考え方にある、人材の確保・育成のための取組という部分については、この文言自体には全く異論ないのですが、もっと踏み込んだ記述が必要になっているのではないかというふうに感じました。

 午前中の、静岡県からの報告にあったように、捕獲数の4割を18人の高齢者の熟練した技術者が担っているというのは、もう既に人材育成というレベルを超えて、技術継承ということの問題になってきているように思います。これは農林水産業でもありますけれども、喫緊の課題になってきているということです。どうやって技術を継承させるか、その受け皿をどうするかというような検討が必要になってきているのではないかというふうに感じました。

 以上です。

【川越鳥獣保護管理室長】 環境省の川越です。

 小泉先生、ありがとうございます。

 対応の考え方のところですが、まだ基本指針そのものの文章として書いておらず、このラインで強化して、変えていきたいというような表現にさせていただいているので、ご指摘のとおり、書き込みは足りないと思っています。

 ですから、そういった点は今日のご意見も踏まえて、次回、素案をお示しする時には、より具体的に記載を図っていきたいというように考えてございます。

 人材育成につきましても、参考資料19ページでしょうか。今、画面共有をさせていただきましたけれども、環境省でもいろいろやってきているというところと、左下の方になりますが、大学等との連携ということで、日本学術会議からのご提言を受けて、農水省、林野庁、環境省、大学を始めとした有識者の先生方と大学レベルでの人材育成などの検討も進めてきているところでございます。

 あと、猟友会の方でも、独自で資料右上のような取組をされています。

 さらに、右下となりますが、関係省庁、都道府県でも取組を進めているということですが、こういったものがなかなかまだ体系的にできていない部分もあるかと思いますので、そういったところをより整合を図り、一体的にしていくというようなことが一つ重要かと思っています。あと、技術の継承という点については、実は、環境省の方でも、次年度から熟練狩猟者に学ぶような形でのインストラクター制度のようなものを作ろうということで検討をさせていただきますので、そういったものも含めて、取り組んでいきたいと考えているところです。

 以上でございます。

【小泉委員】 はい。ありがとうございます。

 今、参考資料を見せていただいているのですが、私としては捕獲は、個人のレベルで育成するという状況ではなく、既にもう事業者として技術を向上させていくという段階になってきていると感じています。

 そういう意味で行くと、捕獲の特殊性というのは当然ありますけれども、野外技術者という共通点のある土木・建築といった分野での技術の継承や人材の育成を参考にされてはいかがかと感じています。

 以上です。

【川越鳥獣保護管理室長】 環境省の川越です。

 今ご指摘のあった取組については、前回の法改正で制度化しましたが、認定鳥獣捕獲等事業者制度がまさに該当すると思っております。

 その中では、先ほど、静岡県さんの発表でも、猟友会以外の団体の方が入っていたかと思いますけれども、猟友会以外でも、コンサルタント、NPO、企業等の方々、あと、土木系の会社の方も他の県では入っていたものと承知しています。

 そういった研修制度、育成制度というものもやってきておりますが、先ほど、遠矢補佐から説明したように、まだまだ課題があるというのは認識しておりますので、それをより強化していく上で、何ができるかということは検討をぜひ進めていきたいと思っております。

 以上です。ありがとうございます。

【小泉委員】 はい、ありがとうございます。

 まだ少し時間があると思いますので、意見交換の場を設けていただければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

【川越鳥獣保護管理室長】 はい。

【高橋委員】 高知の高橋です。

 どうも皆さん、御苦労様でございます。少しこちらの機会の調子が悪くて、皆さんにご迷惑をおかけしております。十分聞こえますかね。

【事務局】 今大丈夫です。

【高橋委員】 それでは、先ほどご説明があった鳥獣の管理の強化のことについて、少し、猟友会の立場でご意見を出させていただきたいと思います。

 先ほど、説明にもございましたし、この資料も見させていただいたのですが、鳥獣の指定管理鳥獣捕獲等事業の状況ですが、確かに、書類にあるように全ての県で整っているところではございませんが、猟友会で把握をしている中では、事業効果の非常に高いところと事業効果が全く出てない、そういう資金的にも無駄な事業が存在しているといった情報をいただいております。午前中の大日本猟友会の佐々木会長からのヒアリングにもありましたように、有害捕獲と指定管理鳥獣捕獲等事業捕獲、そして狩猟期間における捕獲をしっかりやっていくということのご提案を佐々木会長がさせていただいたところでございます。

 猟友会の皆さんにも、ご案内のように縄張というものがございますので、これを一律に全て取り払っていくということにはなかなか難しい問題がございます。

 それと、認定鳥獣捕獲等事業者についても、参加者を募っていくという先ほどのご意見、例えば、土木建設業の皆さんにも参加していただく。このことを、否定をすることではございませんが、環境省で六、七年前に開催をしました狩猟フォーラム等で、国民の皆さんに狩猟の魅力についての発信を随分とされてきました。特に高知県では、そういう事業を開催した後は、県独自で事業計画を立てて、毎年それぞれの地域で二、三か所で狩猟フォーラムを、開催をしています。そのこともあって、人口減少にある中で、それでも猟友会の会員は今横ばいでございます。横ばいの部分の原因は、わな猟者が増えているというところです。銃猟者の会員は減っておりますが、そのことについては午前中佐々木会長のご説明にあったように、一定の資金が要りますので、そういった資金を会員独自で積み上げていくというよりも、何らかの補助制度を確立するということによって、銃猟者ももう少し資格を取り狩猟登録をする、そういった行為につながってくるかと思いますので、そのことについては環境省でもしっかり考えていただきたいと思っています。

 それと、表にありますように、狩猟免許を持っている者は20万人。そして、大日本の猟友会が今日お示しをした表では、昨年度の狩猟登録者数が10万4千人。狩猟免許を持っているのに、狩猟登録をされていない、要は山での活動ができていないということがございますので、この方たちにいかに狩猟登録をしていただいて、狩猟者として活動家になっていただくか、そういった仕組みづくりあるいは資金をそこに補填をしていく。そういった仕組みが今、求められているのだろうと思います。

 それと、皆様ご案内のように、現場は高齢化をしておりますが、技術の高いベテランの猟師さんがおいででございますので、その人たちにいかに免許取得をされた方への指導者として活躍をしてもらうと言いますか、指導者として手伝ってもらう。それには当然、資金も必要だろうと思いますし、日当制度であったり、あるいは免許取得された方にも幾らかの資金を出すことによって、当然、中山間地域での捕獲に関わっていただくわけでございますので、そういった仕組みをしっかりつくっていくことによって、今の狩猟免許を持っている方に狩猟登録をしていただける状況になるかと思いますので、しっかり考えていただきたいと思います。

 少し長くなりましたが、鳥獣の管理の強化のところについて少しご意見を出させていただきました。

 どうぞご検討のほどを、よろしくお願いをいたします。

 以上でございます。

【石井委員長】 ありがとうございました。

【川越鳥獣保護管理室長】 環境省の川越です。

 高橋先生、ありがとうございます。

 まず、その猟友会の方々におかれましては、ご活動の担い手として日頃からご協力をいただいております。誠にありがとうございます。

 やはり、地域によってかなり捕獲に従事してくださる方の人材というものも状況が違うと思いますので、そういったものを踏まえながら、全体を底上げするような方法をぜひ考えていきたいと思います。

 引き続き、お力をお貸しいただければと思います。

 あとは、狩猟免許を持っていても狩猟登録に至っていないという方、我々の統計では、約6万人ぐらいいるというように認識はしているところでございます。実は、今年度から試行的にやっているのですが、先ほどお話しのあった熟練狩猟者の方がまだ実際の現場に出てないような若手の狩猟者を引き連れて、現場でマナーですとか技術を直接お伝えする、教えていくというような狩猟インストラクター制度に向けた事業を開始したところでございます。来年度から本格的に実施していきたいと思いますが、その際にも関係団体とも連携を図りながら、全体で使えるような制度というものをつくっていきたいと思っておりますので、引き続きいろいろご指導等いただけばと思います。

 ありがとうございます。

【石井委員長】 ありがとうございました。

 今いろいろご意見いただいたのは、1-3に認定鳥獣捕獲等事業者についての課題というふうになっているけれども、人材育成という観点から現状を広く見渡したときの課題をもう少しはっきりさせて、一つ一つ改善の取組とか、新しい仕組みなんかを考えていっていただきたいということかと思います。

 それで、予定の時間はあと1時間なので、少しこれから急ぎ目にやりたいのですけれども、次回の小委員会で基本指針の素案が出てきますので、それに向けた提案ということで、この資料2では、対応の考え方が破線の上と下の二つありまして、基本指針に関してと、もう少し具体的な対応ということになっていて、たくさん課題があるので、一つ一つ考えていくといろんな議論が必要になってくるとは思いますが、できるだけこの基本指針の改定に向けた対応の考え方のところに重点を置いて問題点、あるいは別の考え方について、ご意見をいただければというふうに思います。

 取りあえず、この1-1から3までのところで、ほかに特にご意見というのはありませんでしょうか。

(なし)

【石井委員長】 よろしいでしょうか。ありがとうございます。

 それでは、点検項目の2番目、鳥獣の保護の推進について、資料の説明、事務局からお願いします。

【事務局】 環境省の遠矢でございます。

 そうしましたら、点検項目の二つ目、鳥獣の保護の推進について、ご説明させていただきます。大きく三つに資料、分かれております。一つ目は、希少鳥獣の関係でございます。現状としましては、環境省レッドリストにおいて絶命危惧ⅠA・ⅠB、Ⅱ類に該当する鳥獣、これらに該当していないけれども、保護または管理の手法が確立しておらず、計画的な保護または管理の手法を検討しながら保護または管理を進める必要がある鳥獣を指定することになっております。

 今、現状、135種が希少鳥獣として指定されているところでございます。この部分については、前回の委員会でも委員の皆様からいろいろと考え方についてご指摘をいただいたところで、再度整理をしたところでございました。

 課題としましては、局所的に被害が生じていて、被害防止目的で捕獲されている種であっても、希少鳥獣に指定される可能性が今後出てくるだろうと考えておりまして、こういったことを踏まえまして、地域の希少鳥獣による被害状況だったり、保護管理の実態、こういったものに応じて希少鳥獣の保護管理を推進することが必要であろうと考えています。

 先般の委員会でもご指摘があった部分で、前回、平成26年の改正の時に創設した制度として、希少鳥獣のうち、局地的に生息数が著しく増加または生息地の範囲が拡大していて、農林水産業であるとか生態系、こういったものに被害を及ぼしている鳥獣であって、生物の多様性の確保、生活環境の保全または農林水産業の健全な発展を図る観点から、当該鳥獣の安定的な維持を図りつつ、計画的な管理を図る必要がある種または地域個体群については、特定希少鳥獣管理計画、こういったものに基づく取組を進めるという形になっておりまして、現行ですと、ゼニガタアザラシなんかがこれらに基づいた管理が進められているというような状況でございます。

 我々としても、この対応の考え方はしっかりと継承していって、平成26年改正したものについてはしっかり進めていきたいと思っております。

 ゼニガタアザラシのように、局地的に生息数が著しく増加していっており、生息地の範囲が拡大しているというようなものについては、しっかりと、こういう特定希少鳥獣管理計画に基づく取組で対応していきたいと思っていますけれども、なかなか、ゼニガタアザラシのように局地的に生息数が著しく増加しているとまでは言わないけれども、やっぱり、従前から被害対策が行われている種というものがもしあって、それらが仮に環境省レッドリストの絶滅危惧種に選定されるようなことになった場合に、捕獲自体が減少要因というわけではなくて、他地域で餌資源が不足しているとか、そういったことが減少原因と考えられているような種については、当該種の生息状況とか被害状況に応じて、都道府県等が従前から実施している管理による対応というのも、一部地域で引き続き行えるようにしていくということも、生活環境の被害を防止したり、そういった観点からは必要になってくるのではないかと考えています。

 こちらについては、そもそも鳥獣自体は捕獲してはならないというのが鳥獣法の原則としてはありますけれども、希少鳥獣については、許可を得て捕獲する場合にあっても、当然保護が必要な種ということで、原則として、致死させる捕獲というのはできないような形で、許の基準については示されているところでございます。

 一方で、今回のこの二つ目の丸に示されているような、従前から被害対策が必要だということで進められてきた種というものについては、生息状況とか捕獲による影響というものも勘案しながら、従前から実施している管理捕獲も対応できるようにしていく、具体的にはその捕獲許可基準の見直しというのも図っていく必要があるのではないかということで、考え方を示させていただいております。

 続きまして、鳥類の保護の推進のうち鳥類の鉛中毒と鉛汚染の防止の関係でございます。

 現状の部分でございますけれども、猛禽類に関して言うと、北海道で平成9年以降、オオワシやオジロワシといったもので鉛中毒確認しております。また、それに伴いまして、エゾシカ猟以外でも鉛製ライフル弾の使用禁止を平成12年度から北海道で実施しておりますし、現在ですと、鉛ライフル弾、7ミリ以上の鉛散弾の使用が禁止されているという状況でございます。

 また、水鳥に関しても、製銃銃弾への影響が懸念される場合には、指定猟法禁止区域などを指定することで、保護を図っているという状況でございます。こういった鉛弾というのが、捕獲物、捕獲した個体に残っていて、それによってそれを摂食した鳥類によって鉛中毒が起きるといったことを防ぐために、捕獲個体の放置が禁止も、平成14年の法改正で行われたところでございます。

 直近のデータでございますけれども、本州以南では、平成21年度に1羽、平成30年度2羽の鉛中毒が確認されております。

 課題としましては、現状で、基本指針にも課題として掲げておりますけれども、本州以南における猛禽類及び水鳥の鉛中毒、鉛汚染に関する科学的知見のさらなる蓄積が必要だと考えております。

 こういった中で、環境省としましては、次の基本指針の中で対応として考えていきたいのは、本州以南における鳥類の鉛汚染等の影響に関する実態調査、これをさらに進めていくということで、既に一部実施している部分もありますけれども、全国的なモニタリング体制の構築を進めていきまして、捕獲個体の放置禁止の徹底なども図ってまいりたい、とそういったことを基本指針で書いてまいりたいと思っております。

 具体的な取組としまして、下に書かせていただいているとおり、都府県の協力も得まして、全国的なモニタリングということもすでに今年度から開始しつつありますけども、そういったことで、しっかり鉛中毒の状況というのを把握する。北海道ですと平成9年、10年あたり、二十何羽という形で鉛中毒の状況、出ていたりしておりましたけども、そういった状況が出るのか出ないかというところもありますし、仮にそういう状況が出なかったとしても、鉛中毒によって鳥類への絶滅リスクとか、そういったものがどう生じてきているのかといったことを評価できないかなということを、検討してまいりたいと思っております。

 水鳥の鉛中毒に関する原因解明に関しましては、大日本猟友会のほうからもご指摘がありましたけれども、海外におけるそういった取組状況とかについても、情報を集めてまいりたいと考えています。

 こういった原因分析とか汚染状況も踏まえまして、指定猟法禁止区域の追加指定に関する考え方の整理を進めてまいります。

 また、非鉛製銃弾へ切り替えていくといった場合には、経済的な課題、これについては先ほどのヒアリングの中でいくと、野鳥の会さんからもご指摘ありましたけれども、こういったところについても整理を進めてまいりたいと考えています。

 次に、2-3、錯誤捕獲の防止の部分でございます。

 こちらについては、シカ、イノシシの許可捕獲による捕獲頭数が増加している中で、錯誤捕獲も発生している状況かと思います。

 今も錯誤捕獲を防止するための取組として、くくりわなの直径規制であるとか、あとは特定計画に基づく取組、指定事業における錯誤捕獲防止の取組が行われているところではございます。

 やはり、引き続き、捕獲の強化というものを進める中で、錯誤捕獲の増加というのは懸念されている状況でございますので、これらの防止に向けた対策の推進が必要であると考えています。

 現在も錯誤捕獲の情報収集、一部行っている部分もあると思うのですけども、必ずしも錯誤捕獲の情報として十分に活用できていないというようなところもあり、また、仮に錯誤捕獲された場合、この場合においても、安全な放獣ができずに、実際に死亡事故等も発生しているという状況でございます。

 こういったことを踏まえまして、基本指針では、国と都道府県は、指定事業に限らず、鳥獣の錯誤捕獲の実態把握に努めまして、現状、特に指定事業については鳥獣の錯誤捕獲の実態把握に努めると書いているのですけれども、そこに限らず、やっぱりその実態把握に努めまして、錯誤捕獲の防止の取組に活用することを記載できないかと考えております。

 また、錯誤捕獲してしまった場合も勘案しまして、クマとかカモシカなどの生息地において、シカ等の捕獲を行う場合には、錯誤捕獲した場合の放獣体制を事前に構築するなどの取組を進めることを基本指針に記載してはどうかと考えています。

 具体的な取組としまして考えているのが、まずはやっぱり、前回の委員会でもご指摘があったように、まずは発生状況をきちんと把握する必要があるだろうということを、ご指摘、多くいただいたかと思います。そのために、情報収集の仕組みを構築するということでございますし、やはり、錯誤捕獲されにくい、選択的に対象種を捕獲するための手法について検討を行ってまいりますし、ICT技術なんかの活用によって速やかに放獣していく、錯誤捕獲によるダメージを軽減していくということも考えられるかと思いますので、こういったものを促進してまいりたいと考えています。

 くくりわなの直径の関係で、これまでも直径規制、進めてきておりますけれども、先ほど大日本猟友会さんからもご指摘があったとおり、平成19年の規制開始時とわなの使用状況なんかも変化しておりますので、こういったことも踏まえまして、錯誤捕獲の防止への効果、危険防止の関係も検証しまして、見直しの必要性について検討を行ってまいりたいと考えています。

 最後、錯誤捕獲してしまった場合の対応に関しては、わなによるシカ等の捕獲を行う場合の放獣体制、こういったものを事前に構築するなどの取組を進めるために、保護管理レポート等による取組事例の情報提供を進めてまいりたいと考えています。

 保護の推進の部分については、以上になります。

【石井委員長】 ありがとうございました。

 それでは、2の項目について、ご質問、ご意見をお願いします。

 それでは、髙橋委員、お願いします。

【高橋委員】 錯誤捕獲の件について、少しご意見を述べさせていただきたいと思います。

 この錯誤捕獲についての、大日本猟友会の佐々木会長からもご案内がございました。特に、くくりわなの直径についての規制のお話がございました。基本的には直径が12cm、現在いろんな地域で草履型と言いますか、楕円形になったくくりわながあります。そのことについて、規制をしっかりしていこうという立場でお話がありました。特に、子どもたちのこういうことのお話もあったのですが、確かに、草履型あるいは少し直径を大きくすることによって、捕獲率が上がるということは当然あるわけですが、やはり安全に捕獲をするということが求められていますので、大日本猟友会ではしっかり直径12cm以内ということを再度私からもご説明をさせていただいて、そのことを徹底するということでお願いをしたいと。

 特に、高知県でも、シカ、イノシシについては、直径12cmという一つの規制を外しています。そういったことがございますが、最近の錯誤捕獲等々を見てみますと、やはり、直径は12cmとしっかり定めておく。これ以上のものは全て禁止をするという方向で検討していただくよう、お願いをしたいと思います。

 以上でございます。ありがとうございました。

【石井委員長】 ありがとうございます。

 そのほか、ご意見まとめて伺いたいと思いますが、そのほか、いかがでしょうか。

 特によろしいですか。希少鳥獣に関すること、それから鉛中毒、汚染に関すること、それから錯誤捕獲ですね。いかがでしょうか。

 じゃあ、坂田委員、お願いします。

【坂田委員】 お願いします。

 希少鳥獣の考え方についてなのですけども、全国的な視点から環境省としては希少鳥獣という場合であっても、ここで考えられているように、局所的に増加や拡大があって被害があるということで、その地域にとってみれば希少鳥獣ではないという状況もあると思います。

 ですから、環境省が指定している希少鳥獣であっても、どういう状況になれば、都道府県や市町村等が何らかの対策を講じたり、捕獲の基準を設定たりすることができるのかと言うような基準をしっかりさせておくところが重要だと思いました。

 これは、昔のことを考えれば、メスジカが禁猟だったときに、限られた地域ではシカが増えて、拡大してきていることは明らかでした。ところが、全国的な知見から見れば、それほどシカが増えていると判断できず、メスジカは長いあいだ狩猟獣化されなかったという状況もありました。そうならないうように、地域の情報を集めて反映できるような仕組みがあればいいかなというふうに思いました。

 以上です。

【石井委員長】 ありがとうございます。

 そのほか、いかがでしょうか。

(なし)

【石井委員長】 特によろしいでしょうか。

 私からは、錯誤捕獲に関しては、「実態把握に努め」ということが書いてありますけれども、あとは放獣体制の構築ですね。これも、方向性としてはこれでいいと思いますけども、具体的な対応のやり方として、「情報収集の仕組みを構築するとか、検討を行う」とかとありますけども、情報収集はどんどんしていって、できる対応は、先ほど、くくりわなのこともありましたけれども、規制というところに行くにはいろいろ手順があるかと思いますが、できることはもう、どんどんしていくというような方向で進めていただければと思います。

 これは意見です。

 では、すみません。今いただいたご意見に関して、環境省のほうから、お答えをお願いします。

【事務局】 環境省遠矢でございます。

 まず、高橋委員のほうから、錯誤捕獲の関係でございます。直径12cmの関係でございますけれども、こちら、対応方針で示させていただいていますとおり、錯誤捕獲の防止の効果であるとか、危険防止、こういった観点から、見直しを進めていきたいと思っておりますけれども、直径12cm規制については、もともとは真円なんかを想定してこの規制を考えていたのですけども、今草履型だったり、長方形のものだったりとかというものが広く使われ始めている状況です。

 管理がそれらを使って広く進められている観点からも、やっぱりその捕獲強化を進めなければいけない一方で、直径規制が変わるということについて、懸念を示しているような都道府県さんなんかもあるというふうには聞いておりますので、こういったところも踏まえつつ、環境相としても危険防止ということも第一に考えながら、見直しのほう、進めてまいりたいと思っておりますので、引き続きご協力いただければと思っております。

 次に、坂田委員のほうから希少鳥獣の関係でございますね。こちらについては、まさにご指摘いただいていたとおりでございまして、やはり希少鳥獣であっても、全国的な見地から保護が必要だというところは希少鳥獣の考え方、変わらないんだと思うのですけども、局地的にそういう被害生じているときに、どうしていくかというところで、現地では困っている場合もあるということであるかと思いますので、そういったことにしっかり対応できるような許可基準であるとか、運用というものができるように、こちらも整理を進めてまいりたいというのが今回の対応の考え方でございますので、ご指摘も踏まえまして、進めてまいりたいと思っております。

 ご質問については以上になります。

【石井委員長】 ありがとうございました。

 それでは、項目の2については、以上でよろしいでしょうか。

 坂田委員は手が挙がっていますけども、これは消し忘れですかね。

 それでは、三つ目の項目です。人材育成に関して、説明をお願いします。

【事務局】 はい。環境省遠矢でございます。

 人材育成の部分、3ポツとして示しておりますけども、ここ、もう既にちょっと先ほどの1ポツの部分でかなりいろいろとご意見もいただきましたし、現状についてもご説明をさせていただいたので、あっさりとご説明させていただきますと、やはり、担い手の確保・育成というのが必要な中で、ご指摘もあったとおり、高齢の熟練狩猟者によって引き続き支えられているというような状況がございますので、我々としてもその技術の伝承、あとは、若い免許所持者がいたとしても、なかなか、実践的な捕獲活動に至るような技術まで持てていない方も多いというふうに考えているところでございますので、こういったところをどのように支援していくかということを考えてまいりたいと思っております。

 対応の考え方案のほうでございますけれども、基本指針のほうには、狩猟者だったり捕獲従事者、こういった鳥獣の捕獲の担い手の社会的な役割というのが増大してきているというのが、この5年間で変わってきている部分だと思いますので、そういったものをより明確化してまいりたいということと、専門人材の育成というような部分で、大学等と連携した人材育成の推進について記載してまいりたいと考えています。

 具体的な内容は先ほどご説明させていただいたような、熟練狩猟者から直接指導してもらうような取組の内容であるとか、あとは狩猟者の負担軽減のための取組として、事務の効率化であるとか、更新者講習のデジタル化であるとか、狩猟税減免による経済的な負担の軽減であるとかということを進めてまいりたいと思っておりますし、先ほど来のご説明しましたとおり、大学等と連携して、人材育成プログラムの検討なんかも行ってまいりたいと思っています。

 鳥獣プロデータバンクなど既に運用されている事業がございますので、こういったものも活用して、しっかりと人材育成に取り組んでまいりたいという内容でございます。

 以上です。

【石井委員長】 今、説明していただいた人材育成について、ご意見お願いします。

 坂田委員、お願いします。

【坂田委員】 お願いします。

 静岡県の大橋さんから、たくさんの従事者が作業をしていても、ごく少数の方の貢献が極端に高くて、多くの方は貢献度が低いと言うことでした。しっかり貢献できる技術を身に着けるためには、それなりの訓練とか指導が必要ですし、ご本人の努力も重要だと思います。

 これは、私の意見ですけども、ハードルを下げて最初の手間や費用を幾ら下げたとしても、しっかりとした技術を身に着けることのほうがハードルは高いので、初期のハードルを上げてでも、しっかり技術を身に着けて社会に貢献をできた際には、しっかりとそれが評価されたり、報酬が得られる仕組みが必要だと思います。貢献をどれだけしたかで、きちんと評価されるということが重要ではないかと思います。それを目指して、すごく面倒くさいことでも頑張ってもらうというふうなことが、今の静岡県の話で言われた貢献されておられる18人のような方を増やすためには必要だと思います。

 裾野を広く、いろんな人に取り組んでもらおうこととは、育成方針が全く違うと思いますので、その辺をきちっと切り分けてやることが重要かと考えております。

 以上です。

【石井委員長】 ありがとうございます。

 では、高橋委員、お願いいたします。

【高橋委員】 人材の育成確保の評価のことについて少しご意見を出させていただきたいと思います。

 佐々木会長からこの件についても午前中にご説明があったところでございますが、猟銃の所持をする折に、多額の経費、当然銃のロッカーであったり、申請費用であったり、多額の費用がかかる。それと同時に、1年近く、期間も要するところです。当然、本人のこれまでの経歴等も十分に調査をした上で、銃を持つというところまで行くところでありますが、持った後も当然、3年ごとに銃の更新もしなければなりません。その折にも、書類等々も多額の経費がかかるところでございます。そういったところも銃猟者が近年増えてこないというところにも原因があるかと思います。

 ご案内のように、趣味での狩猟というのはもう今では皆無です。銃を持って山に出かけ、ヤマドリあるいはキジを、趣味の猟として楽しむ、そういったことはもう皆無でございます。当然、ご案内のように、今、中山間地に行きますと、イノシシの柵が至るところに巡って設置されていますので、猟犬を連れてキジ猟あるいはヤマドリ猟を楽しむなんていうことはもう皆無です。今の狩猟に関わる者は、有害駆除の一環として猟期の狩猟をするということになりますが、有害駆除であったり、認定事業であったり、そういった中山間地域の山をしっかり守る、そういったことに、それぞれの狩猟者が関わっているというような現状です。

 さすれば、そこには一定の、国からの資金を出して、狩猟者の登録をし、そして、銃を持って参加をしていく、そういった人たちの資金を少しでもどこかで補ってあげる。そういう仕組みをしっかり国として考えていく時期であろうと思います。

 また、全国で昨年度も10万人少々の登録者がいるわけでございますので、ここ10年たてば、今のベテランの猟師さんはほとんど80代を超えて激変をしていく。そういった時代に突入することは間違いございません。少しそういったことへの国としての手だてが遅きに失しているとは思うのですが、そういったところの資金手当てをしっかりしてあげて、少しでも参加者が増える、そういった国での政策というのを期待するものでございます。

 先ほども、わな猟の方についてもお話をさせていただきましたが、ご案内のように、狩猟税と言っては、認定事業に参加している方については免除と。そして、有害に参加している方たちは半額と。そのほかの方たちは当然全額払うわけでございますが、全額払っている方もいずれは有害駆除に参加をしてくる。そういった状況になるわけでございますので、狩猟税の全体的な見直し。このことについての検討をすべき時期であろうと、私は思っています。

 この辺については佐々木会長とも意見を交換し合いながら、大日本猟友会としての考え方についても、今までにも狩猟税の減免等々についてお話をさせていただいたところでございますが、そのことについてもしっかり取組をしていく状況を取り上げてほしいなというふうに思います。

 私からは以上でございます。ありがとうございました。

【石井委員長】 ありがとうございます。

 そのほか、人材育成に関して、いかがでしょうか。

(なし)

【石井委員長】 では、まとめて、事務局、環境省のほうからお答えをお願いできますか。

【川越鳥獣保護管理室長】 環境省の川越です。

 ご意見ありがとうございます。この場で具体的にどういったということを、まだお話しできるほど熟度が詰まっていないので申し訳ないのですが、国として支援できることについて、検討をさせていただくようにしたいと思います。

 また、狩猟者が減っているということに関し、狩猟税の話も基本指針のレベルを超えていることではありますが、そういったご意見というものを今日いただいた、ということを受け止めまして、我々としてもどのようなことができるか考えていきたいと思っています。

 ありがとうございます。

【石井委員長】 大丈夫ですか。

 ほかにはこの人材育成についてはいかがでしょうか。特にないですね。

(なし)

【石井委員長】 特にないようでしたら、次のテーマに移りたいと思います。

 次は、感染症についてです。

 まず、説明をお願いします。

【事務局】 環境省でございます。

 感染症の関係で、ご説明をさせていただきます。野生鳥獣に由来する感染症対策ということで、現状ですけれども、野生鳥獣に由来する感染症対策としましては、高病原性鳥インフルエンザ及びCSF、豚熱ですね、こういった特定の感染症への対応を中心として進めてきているところでございます。

 国内における野生鳥獣に関する感染症についての情報については、不十分な状況かと考えています。

 課題としましては、これまで取り組んできました、高病原性鳥インフルエンザ、そして、CSF以外の感染症を含めた対応についても検討することが期待されているかと思います。

 国内における野生鳥獣に関する感染症、これらの情報を広く収集しまして、鳥獣の保護管理に適切に反映していく必要があるかと考えています。

 こういった課題を踏まえた、対応の考え方としまして、下に示しておりますけれども、基本指針の中で今書かれている内容というのが、高病原性鳥インフルエンザとか、そういったことが中心になっておりますので、特定の感染症以外の感染症も含めた対応の指針を示してまいりたい。そして、感染症に対して、鳥獣の保護の観点、管理の観点の両面からの対応について、指針を示してまいりたい。こういった対応に向けて、関係機関等の連携体制についても、必要に応じて記載してまいりたいと考えています。

 基本指針でこういった方針をお示しした上で、具体的に進めていく取組として、国内外における感染症対策の状況の情報収集、そして、国内における野生鳥獣由来の感染症として野生鳥獣の保護管理において対策を検討すべき鳥獣であるとか地域のスクリーニングを行うことによって、感染症対策としての野生鳥獣の管理手法を提示してまいりたいと考えています。

 また、野生鳥獣由来の感染症の発生・把握、あと、発生時の対応、こういったことについては、関係機関との連携を一層図っていきたいと考えております。

 鳥インフルエンザの対策マニュアルであるとか、CSF・ASFに関する防疫措置の手引き、こういったもの、これまで進めてきておりますけれども、こういったものの充実、普及啓発も引き続き実施してまいりたいと考えています。

 感染症の部分については、以上となります。

【石井委員長】 ありがとうございます。

 それでは、ご意見、お願いします。

 では、羽山先生、お願いします。

【羽山委員】 ありがとうございます。

 対応の考え方というもの自身については、特に異論はないのですけれども、じゃあ、具体的にどうするかという対応策についてのところで、ASFについての危機意識が、これ、不十分ではないかなというのを強く感じています。

 場合によっては、基本指針でも現段階でそれの危機感を表明しておくべきではないかなと思います。

 CSFと違って、ASFではもう決定的に致死率が高いですし、ワクチンが無いのでイノシシを媒介として、全土に広がるというおそれもありますし、ですから、一刻も早く見つけて封じ込めなければいけないわけですね。

 それは畜産行政では対応できるとはとても思えないので、これはもう、鳥獣管理の中で発生したときに、じゃあ、初動をどうするかというのを早急に定めて、その体制を各地でつくっていくというぐらいの必要があると思います。

 それから、例えば、琉球列島とか島しょ部に生息している野生イノシシは、絶滅するおそれも、リスクとして考えておかなければいけません。アジアはもう既に、東南アジアを中心に、11種類の固有種が絶滅するおそれがあるというレポートが昨年出されております。韓国ではもう既に、イノシシに感染が拡がり始めていますし、日本でもそれに対応できる、まさに準備を始めておく必要があると思います。

 以上です。

【石井委員長】 ありがとうございます。

 まとめてご意見を伺いたいと思いますが、ほかの方、いかがでしょうか。

(なし)

【石井委員長】 特によろしいでしょうか。

 では、環境省のほうからお答えをお願いしていいですか。

【川越鳥獣保護管理室長】 環境省の川越です。羽山先生ありがとうございます。

 ASFに対する危機感というところは、少し書きぶりも含めて検討させていただければと思います。

 あと、ASFが発生した時の対応ということで、まず、発生しないことが一番ですが、浸潤状況に関しては、CSFとASFを合わせて、県の他、環境省の方でも国立環境研究所の協力を得て、調査をしているところでございます。

 あと、発生時を想定した対応フロー、タイムラインについても、農水省が中心となって、我々も相談を受け、作成していますが、都道府県の方でもそれをもとにシミュレーションを実施するという形になっていたと思いますが、やはり入ってきた時の影響というのはご指摘いただいたとおりだと思いますので、その辺を含めて、どのように強化していくのかという点はご相談をさせていただきながら、より熟度を高めていきたいと思います。

 ありがとうございます。

【石井委員長】 ありがとうございます。

 そのほかはよろしいでしょうか。

(なし)

【石井委員長】 ありがとうございます。

 それでは、4についてはここまでとして、その他に移りたいと思います。5番目ですね。三つ、3項目ありますけれども、資料の説明をお願いします。

【事務局】 環境省の遠矢でございます。

 資料の5-1からご説明させていただきます。まず、外来鳥獣対策の推進ということで、外来鳥獣につきましては、48種が狩猟鳥獣として指定されているうちの、鳥類2種、獣類7種、これらの計9種が外来鳥獣とされているところでございます。

 捕獲許可に当たっては、捕獲の場所とか、鳥獣種、捕獲数などのほかに、捕獲後の措置なども示して、許可をしていくということになっているのですけども、現状、外来鳥獣の捕獲後の措置に関して、放獣というものを禁止する規定が設けられていないというような状況でございます。

 こういった中で、課題としまして、外来鳥獣を狩猟鳥獣として指定した場合に、自由な狩猟によりむしろ鳥獣が分散して、計画的な鳥獣の管理を阻害する懸念があるといった指摘もいただいているところでございます。

 また、外来鳥獣の捕獲後の放獣というものが、現状でそういったことを禁止する規定、設けられておりませんので、こういたことによって被害が拡大する懸念があって、都道府県などからも、放獣を禁止することを基本指針で位置づけてほしいといった要望もあるところです。

 こういったことを踏まえまして、基本指針の中で定めております、狩猟鳥獣の指定の考え方、これらの中で、外来鳥獣を指定する場合の留意事項を整理してまいりたいと思っておりますし、許可捕獲の考え方の部分で、捕獲した外来鳥獣は放獣しないという旨を明文化してまいりたいと考えております。

 5-2の資料のほうに移ります。市街地出没等における円滑な対応の推進でございます。

 近年、住居集合地域、市街地、こういった場所にイノシシ、そのほかいろんな鳥獣が出没するというような事案が増加しております。こういった中で、なかなか、市街地出没の際の対応できる人材が少なかったりとか、住居集合地域において麻酔銃猟ができるように前回の法改正で制度を設けましたけども、原則として、ニホンザルを想定しておりまして、大型獣類は二次被害なんかの可能性があって、なかなか対応が難しいという状況でございます。

課題としまして、こういったクマ、イノシシ、大型獣類、先般の委員会ではシカも含めてほしいというようなお話いただいておりましたけども、こういったものを含めて、大型獣類が市街地に出没した場合の迅速性、高い技術力が求められる中で、対応者の配置とか連絡体制を計画的に準備しておく必要性が増してきているかと思います。また、市街地に接する里地里山、こういったところから出没してくるというところで、こういった場所の環境管理を担う人材育成であるとか、人口縮小社会の中でそういった場所がなかなか管理が進まない部分もございますので、省力的な管理方法なども構築していく必要があるかと思っています。

 制度上の問題でいきますと、ニホンザル以外の鳥獣についても、市街地において麻酔銃猟で捕獲できないかというようなことについて、今まだ具体的な基準がなく、適否の判断ができないという状況でございます。

 こういったことから踏まえて、基本指針の中で書いていきたいと考えていますのは、市街地出没とか出没を抑制するためのすみ分けに向けた、管理を行うことができる人材、こういったものをしっかりと育成していく、確保していくということをまずは明記していくことを考えています。

 具体的な対応としましては、市街地出没時の円滑な対応を可能とするための体制整備が進むように、環境省だけという話ではなく、やっぱり市街地ということで、市民の安全という部分もありますので、関係省庁との調整も進めてまいりたいと考えております。

 また、麻酔銃猟に関しては、サル以外への適用について検討してまいりたいと思います。

 人が減っていく中で、実施可能な、野生鳥獣を出没させないための省力的にできる技術とか管理、こういったものについても、人材の育成、そして団体の育成も推進していくための仕組みを検討してまいりたいと思っております。

 また、そもそも市街地において安全に捕獲するということの技術がまだまだ不足していて、銃器などに頼らざるを得ない状況もございますので、そういった安全な捕獲技術とか忌避技術がないかということの検討も環境研究総合推進費等を活用して進めてまいりたいというふうに考えています。

 最後の資料になります。鳥獣保護管理のデジタル化でございます。

 こちらにつきましては、今、全政府的に、様々な行政、業務についてデジタル化を進める、オンライン利用を進めるといったものが促進されているところではございますけども、捕獲情報の収集というのが、紙媒体が多い部分もあって、事務担当者の負担となっている部分もあります。

 また、計画の作成とか評価の際に、有効な情報としてなかなか招集されている捕獲情報の内容が、有効になっていないと。これは、静岡県の大橋班長からも少しご指摘あった部分かもしれませんけども、こういった部分もあるかと思います。

 地域によっては、鳥獣管理の省力化、効率化を目的として、ICTを活用したわなの活用、モニタリング等の取組も今進められているところでございます。

 課題としまして、今後は計画を作成、評価していくということを、先ほどの鳥獣の管理の強化の部分でもうたっておりますので、こういったものに必要な、有効な捕獲情報というものを効率的、効果的に収集する仕組みというものも必要になってくるかなと思っています。そのためにも、ICTを活用して収集する仕組みの構築であるとか、あとは、鳥獣の保護管理に活用しやすい統計資料としてまとめる必要があるというようなことが課題になってくるかと思います。

 もう既に活用されている部分もありますけれども、ICTを活用した鳥獣管理の取組の全国的な普及、そして市街地出没への対応等の新たな技術開発が求められているというところでございます。

 こういった課題の中で、まず基本指針としてどういったことを記載していくべきかという点については、科学的な鳥獣保護管理を推進するための必要な情報の項目というものを整理しまして、狩猟、許可捕獲、こういったものにおける捕獲情報の報告の仕組み、も見直しを図ってまいりたいと考えています。

 具体的には、科学的な鳥獣保護管理を進めるために必要な情報の項目を整理しまして、狩猟であったり、許可捕獲、こういったものの捕獲情報の報告の仕組みの見直しを図ってまいりたいと考えています。

 今、多くの都道府県でご活用いただいております、捕獲情報収集システムについては、データ入力の簡易化であるとか、捕獲者等がスマートフォンなどでのアプリケーションを活用して、報告したデータを取り込む機能など、そういった機能も盛り込んでいきたいと思っておりますし、捕獲情報だけではなくて、目撃情報、人身被害情報なども、収集する機能なんかも追加してまいりたいと考えています。

 あとは、捕獲情報をしっかりと科学的な管理に役立てるために、関係省庁、都道府県等と情報を共有化する仕組みも検討してまいりたいですし、鳥獣保護管理を市民にも理解しやすいように、グラフィック化したりして公開していくというような見える化の作業も進めてまいりたいと考えています。

 ICTの関係で申し上げますと、指定管理鳥獣捕獲等事業交付金での支援というものを進めてきておりまして、事例集なんかも作って、情報の提供を進めているところでございますけれども、こういったものを引き続き、進めてまいりたいと考えております。

 私のほうから、説明は以上になります。

【石井委員長】 ありがとうございました。

 それでは、ご意見など、お願いしたいと思います。

 羽山委員は挙手のマークがついていますけれども、前からの消し忘れでしょうか。

【羽山委員】 すみません。消し忘れです。

【石井委員長】 はい。

 では、三浦委員。お願いします。

【三浦委員】 聞こえますか。

 外来鳥獣対策の推進のところで、質問と意見があります。

 質問なのですけれども、現在でも放鳥用として、コウライキジやコジュケイを飼育しているというそういう自治体はありますか、ということですね。

 もしあるとすれば、そのことはやめてもらいたいというふうに書き込んでいただきたいなというふうに思います。

 それから、この、外来鳥獣のところ、ちょっと、下段のところの文章なのですが、分散と書いてあるのですが、これが生物用語の分散とするとちょっと違うので、自由な狩猟による鳥獣を攪乱し、がいいのではないでしょうか。

 以上です。ありがとうございます。

【石井委員長】 ありがとうございます。

 まとめてご意見を伺いたいと思います。

 次は、小泉委員、お願いします。

【小泉委員】 ありがとうございます。

 5-2について、意見申し上げます。

 対応の考え方に、サル以外への適用について検討するとなっていますが、ここはサル以外の種への適用について、検討しマニュアルないしはガイドラインを作成するとまで踏み込んでいただきたいと思います。

 私自身、麻酔銃はかなり使ってきたのですが、麻酔銃があれば不動化ができるというものではなく、麻酔銃を使用する以前にストレスをかけない、興奮させない、ということが大事だと感じています。対応マニュアル、ガイドラインは動物関係者だけではなく、最初に対応される警察の方にもよく読んでいただいて、参考にしていただくというふうに進めていってはどうかというふうに思います。

 以上です。

【石井委員長】 ありがとうございます。

 次は、羽山委員、お願いします。

【羽山委員】 消し忘れ、手を下げました。

【石井委員長】 それでは、尾崎委員、お願いします。

【尾崎委員】 尾崎です。ありがとうございます。

 外来鳥獣のところで、三浦委員の質問と関わりますが、コウライキジとコジュケイですね。コジュケイは確かに、現在、日本鳥学会では外来種として扱っているのですけども、実際は100年ほど前に放鳥して、非常にかなり自然状態になじんでしまっているので、鳥関係者の中でも、外来ではあるけれど日本産鳥かなという判断をする方もおられます。これをどうするかという問題が一つあるかと思います。

 それから、逆に、種別ではないのですけども、コブハクチョウは自然分布になっているのですが、実際は、現在日本で見られるコブハクチョウはほぼ間違いなく外来由来のものだと思うんですね。ですから、こういう外来と自然というのは、複雑に絡み合っているということがあるので、ちょっと注意が必要かなと思いました。

 以上です。

【石井委員長】 ありがとうございます。

 そのほかは、特にありませんでしょうか。

(なし)

【石井委員長】 では、環境省のほうからお答えをお願いします。

【事務局】 それでは、お答えさせていただきます。

 まず、最初の三浦先生からの質問で、コウライキジの放鳥についてなのですけども、最初の鳥獣統計で放鳥獣の状況、確認しましたところ、キジとヤマドリだけでございますので、コウライキジについての放鳥は確認しておりません。

 あと、小泉委員からのご指摘があった、検討するだけではなくて、マニュアルとかガイドラインの話もいただきましたけども、やっぱり、ニホンザルだけに限定しているのは、やっぱり、二次的な被害というところが懸念されるところで、そういった記載ぶりにしている。それは、運用の中でそのように定めているところでございますので、ちょっとそこの安全管理とか、先ほど小泉委員からあったように、事前にどうやって捕獲までに至るかという、そういうところも含めて、ご意見いただきながら、また、検討してまいりたいと思っております。ありがとうございます。

 あと、尾崎委員からもありました、コジュケイとか、あとはそれ以外の外来鳥獣なのか、在来なのかというところが少し曖昧になってきているというところは、こちらのほうでも把握進めていきたいと思いますけれども、基本的には、環境省で、外来種のリストとかを作っておりますので、そちらも参考にさせていただきながら、こちらとしても判断してまいりたいと思っております。

 ありがとうございます。

【石井委員長】 ありがとうございます。

 ほかはいかがでしょうか。

(なし)

【石井委員長】 これで一通り、今日の議事は扱ったわけですけれども、全体を通じて何かご意見等あれば、お願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

(なし)

【石井委員長】 よろしいですか。それでは、今日のこの会議を踏まえて、次回は5月ということになっていますけれども、そこに至るプロセスについて、もしあれば、いきなり次、5月にぽんと出てくるということなのか、その間に少しやり取りがあるのかということも含めて、お願いしたいと思います。

 一つは、私、どうかなと思ったのは、5月の次の委員会で出てくる対応方針案、これは、どういう文書で、どういう位置づけなのかなと思ったのですけれども、そこの説明も含めて、プロセス、お願いしたいと思います。

【事務局】 ありがとうございます。環境省でございます。

 対応方針の素案については、前回も少し先生方とやり取りをさせていただきながら、検討させていただいていたかと思いますけど、そのあたりも参考にさせていただいて、5月までにどういう形で出していくか、こちらでも考えさせていただければと思っております。

 対応方針と基本指針の素案の検討の部分でございますけども、今回書き分けさせていただいたとおり、まずは基本指針の素案というところが先に出てくるかなと思っておりますので、その上で、対応方針案をどういった形で出していくかというのはこちらでもまた検討させていただいて、今回、諮問させていただいている部分がまさに、基本指針以外の部分としてありますので、そちらの措置について、どうやって取りまとめていくかはまたご相談をさせていただければと思っております。

【石井委員長】 全体的な流れについて、よろしいでしょうか。

(なし)

【石井委員長】 それでは、特にそのほか、ご意見はありませんか。

(なし)

【石井委員長】 それでは、今日、午前中からのヒアリングも含めて、いろいろご意見が出て、そのご意見に対してどう対応していくかというところも固まらないところが多々あったと思いますけれども、オンライン会議でいろいろ通信状況もあまりよくなかったので、十分な議論ができなかったところもあるかと思いますけれども、次の会議に向けて、できるところは少し、必要ならやり取りをしていただいて、中身を固めていっていただければと思います。

 ということで、ほかに特によろしいでしょうか。

(なし)

【石井委員長】 はい。ありがとうございます。

 では、今日の会議はここで終了ということになります。本日の審議はこれで終わりたいと思います。

 先ほども言いましたけども、次回は5月という予定になっておりますので、また日程を調整していただいて、ご連絡ということになるかと思います。

 そのほか、事務局から何かありますでしょうか。

【事務局】 特にはございません。

【石井委員長】 大丈夫ですか。

【事務局】 はい。

【石井委員長】 では、事務局からアナウンスお願いします。

【事務局】 長時間にわたるご議論、ありがとうございます。

 また、石井委員長におかれましては、進行、ありがとうございました。

 次回の日程調整につきましては、改めてメールでご連絡させていただきたいと思います。

 これをもちまして、本日の、鳥獣の保護及び管理のあり方検討小委員会を、閉会させていただきます。

 皆さん、長時間ありがとうございました。