中央環境審議会 自然環境部会(第51回)議事録
開催日時
令和8年8月25日(火)13:30~15:52
開催場所
AP新橋4階Dルーム
(東京都港区新橋 1-12-9 新橋プレイス)
※ WEB会議システムを併用して開催。
(東京都港区新橋 1-12-9 新橋プレイス)
※ WEB会議システムを併用して開催。
出席者
中村 太士 部会長
大塚 直 委員
小泉 透 委員
勢一 智子 委員
藤田 香 委員
愛甲 哲也 臨時委員
石原 広恵 臨時委員
大久保規子 臨時委員
角谷 拓 臨時委員
加藤 久美 臨時委員
五箇 公一 臨時委員
坂田 宏志 臨時委員
関 智子 臨時委員
高村ゆかり 臨時委員
滝沢 英夫 臨時委員
中静 透 臨時委員
橋本 禅 臨時委員
原 久美子 臨時委員
日向野義幸 臨時委員
広井 良典 臨時委員
町田 怜子 臨時委員
水田 拓 臨時委員
森田香菜子 臨時委員
森本 淳子 臨時委員
大塚 直 委員
小泉 透 委員
勢一 智子 委員
藤田 香 委員
愛甲 哲也 臨時委員
石原 広恵 臨時委員
大久保規子 臨時委員
角谷 拓 臨時委員
加藤 久美 臨時委員
五箇 公一 臨時委員
坂田 宏志 臨時委員
関 智子 臨時委員
高村ゆかり 臨時委員
滝沢 英夫 臨時委員
中静 透 臨時委員
橋本 禅 臨時委員
原 久美子 臨時委員
日向野義幸 臨時委員
広井 良典 臨時委員
町田 怜子 臨時委員
水田 拓 臨時委員
森田香菜子 臨時委員
森本 淳子 臨時委員
議事録
午後1時30分 開会
○司会 定刻となりましたので、中央環境審議会自然環境部会を開会します。
本日はお忙しい中、ご出席ありがとうございます。
会議に先立ちまして、出席委員数のご報告です。
本日は、所属の委員、臨時委員29名のうち、ウェブ会議システムでの参加を含め24名が出席され、定足数を満たしていますので、本部会は成立しております。
次に、本日の会議運営についてご説明いたします。
本会議につきましては、会場での傍聴は行わず、YouTubeにてライブ配信をしておりますので、ご了承ください。
また、ウェブ会議システムでご参加されている委員の皆様におかれましては、差し支えない範囲で結構ですので、常時、ビデオはオンにしていただき、お顔が見られる状態にしてください。
なお、発言時を除き、マイクはミュートにしてください。
ウェブ会議システムで参加の皆様で、ご発言を希望される場合は、画面にある挙手アイコンをクリックしてお知らせください。部会長からのご指名を受けましたらご発言いただき、ご発言が終わりましたら、再度、挙手アイコンをクリックしてください。
会議室でご参加の委員の皆様におかれましては、ご発言の際は、名札を机の上に立てていただき、部会長からのご指名後、マイクをオンにしてご発言ください。マイクが少々音を拾いにくいようですので、マイクに近づいて発言をお願いいたします。発言終了後は、マイクをオフにしていただくようお願いいたします。
資料については、委員の皆様にはあらかじめ電子データを送付しております。
また、環境省ホームページの自然環境部会のページにも同じ資料を掲載しております。
会議室でご参加の委員の皆様は、お手元のタブレットで資料をご覧ください。
最後に、環境省職員に一部、異動がございましたので、本日出席の者をご紹介させていただきます。
自然環境局長の則久でございます。
○自然環境局長 則久です。よろしくお願いいたします。
○司会 自然環境局担当大臣官房審議官の高城でございます。
○大臣官房審議官 高城でございます。どうぞよろしくお願いします。
○司会 総務課長の近藤でございます。
○総務課長 総務課長の近藤でございます。2年目になります。よろしくお願いいたします。
○司会 国立公園課長の山本でございます。
○国立公園課長 山本です。よろしくお願いいたします。
○司会 野生生物課長の鈴木でございます。
○野生生物課長 鈴木でございます。よろしくお願いいたします。
○司会 鳥獣保護管理室長の佐々木でございます。
○鳥獣保護管理室長 佐々木です。よろしくお願いします。
○司会 希少種保全推進室長の北橋でございます。
○希少種保全推進室長 北橋です。よろしくお願いいたします。
○司会 生物多様性戦略推進室長の羽井佐でございます。
○生物多様性戦略推進室長 羽井佐です。よろしくお願いします。
○司会 生物多様性ビジネス推進室長の永田でございます。
○生物多様性ビジネス推進室長 永田です。よろしくお願いいたします。
○司会 地域ネイチャーポジティブ推進室長の奥田でございます。
○地域ネイチャーポジティブ推進室長 奥田です。よろしくお願いします。
○司会 それでは、本委員会の開催に当たり、自然環境局長の則久よりご挨拶を申し上げます。
○自然環境局長 今月7日付で自然環境局長を拝命いたしました則久でございます。
本日は、お忙しい中、また、お暑い中、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
私は2年ぶりぐらいで、この部会に参加させていただきますけども、初めに、7月28日、令和8年熊本地震、それから8月13日の千葉豪雨で亡くなられた方々に謹んで哀悼の意をささげますとともに、被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げたいと思います。
環境省としましても、災害からの一日も早い復旧・復興に向けまして、現地へ職員を派遣しまして、特に熊本でございますけども、災害廃棄物への対応、それから、被災者の救護の観点からのペット対策ということに取り組んできております。
前職は、サイバーセキュリティーと環境省の危機管理の担当の審議官もしておりまして、そのときにちょうど、この熊本の地震も発生いたしました。自然災害は、年々増えてきている実感がございまして、震度5弱以上の地震があったり、大雨が降る場合は、官邸に災害の連絡室、それから環境省も災害情報連絡室を立ち上げるのですが、実は今年の4月、5月、6月の3か月で、去年の1年間分の設置回数を超えております。それだけ有事に備えた災害対応が、逆に言うと平時になってきているというところがありますので、今後、気候変動への適応等を考えますと、我々の分野でもしっかり考えていく必要があるかなと思っているところでございます。
また、熊本におきまして、今年7月にグローバル・ネイチャーポジティブ・サミットが開催されました。非常に多様なセクターの方々の賛同の下、熊本宣言が採択されるなど、自然と共生社会の実現に向けて、社会全体の機運も盛り上がってきているのではないかと感じております。特に多くのビジネスセクターの方々にご参加いただいて、非常に盛り上がったと聞いております。
すごく印象に残っております。2年ほど前に、中村先生のご講演を聴いたときに、ネイチャーポジティブが一番遅れているのは行政だよと言われたのが印象に残っておりまして、2年ぶりにこの自然局に戻ってまいりましたが、この2年間で非常に大きくいろんな動きが出てきているかと思います。その分野、部分をまたしっかりと加速して進みながらも、一方で、どうしても部分最適を追求するのではなくて、全体のトータルのバランスを見ていくのが私たちの仕事かなと思っておりますので、そういった部分もしっかりと漏れがないようにフォローしていきたいなと思っております。
さて、本日の野生生物部会の議事につきましては、答申をいただきたい事項が一つと審議事項が一つ、それから報告事項が四つございます。
一つは、鳥獣の保護及び管理を図るための事業を実施するための基本的な指針の見直しについてでございまして、これは本年2月の本部会におきまして、環境大臣から諮問があったところでございます。その後、鳥獣の保護及び管理の在り方検討小委員会においてご審議をいただきまして、その内容が取りまとまりました。本日の部会におきましてご審議をいただき、ご答申をいただければと考えております。
続いて、中央環境審議会自然環境部会小委員会の廃止についてでございますが、こちらにつきましては、南極地域の環境保護に関する小委員会の廃止についてご審議いただければと思います。南極法の改正も終わりましたので、その内容についてもご説明したいと思っております。
また、報告事項としては、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存につき講ずべき措置について、それから、トキの本州での野生復帰について、それから30by30ロードマップの中間評価について、最後に、ネイチャーポジティブ経済移行戦略ロードマップに基づく取組状況についてのご報告を、それぞれの関係課室より行わせていただきます。
限られた時間ではございますが、本当は2時間でこれだけ全部終わるのかと思っておりますが、かなり駆け足になるかもしれませんけども、中身はじっくりと、本当にお気づきの点があれば、忌憚のないご意見をいただければというふうに考えております。
本日は、よろしくお願いしたいと思います。
○司会 報道機関の皆様におかれましては、冒頭の撮影はここまでとなります。以降は傍聴のみとさせていただきます。
それでは、ここからの議事進行につきましては、中村部会長にお願いすることといたします。
中村部会長、どうぞよろしくお願いいたします。
○中村部会長 お暑い中、集まっていただきまして、ありがとうございます。本当に暑いですね、東京は。こんなに暑いと思わないぐらい暑い東京です。
今、則久局長のほうからお話があったとおり、今回、多分、幹部の方が代わられてから初めての会議だと思います。特に今日は、昨今、大変重要な課題になってきたクマやシカも含めた野生動物管理の問題を扱う議題が多いのかなと思います。時間も限られていますが、盛りだくさんではあるんですが、様々な角度からご意見をいただければと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、早速、議事に入りたいと思います。
事務局からも説明がありましたが、本日の部会は、YouTubeチャンネルにおいてライブ配信していますので、報道関係者や一般の方もご覧になっています。
なお、議事録につきましては、後ほど事務局が作成し、本日、ご出席の委員の皆さんのご確認を受けた後、部会長である私が了承した上で公開することをご了承願います。
また、会議資料につきましても公開となります。
それでは早速ですが、最初の議題の、鳥獣の保護及び管理を図るための事業を実施するための基本的な指針の見直しについて、事務局から説明をお願いいたします。
○鳥獣保護管理室感染症調査係長 本日は、第14次の鳥獣の保護及び管理を図るための事業を実施するための基本的な指針改定(案)について、答申案を審議いただきたく存じます。
鳥獣保護管理法においては、各都道府県は、この基本的な指針、以後、基本指針と言いますが、こちらに基づき、都道府県ごとの鳥獣保護管理事業計画を策定することになっております。現行の事業計画は令和8年度末までの計画となっており、鳥獣保護管理法の施行状況の点検結果及び最新の社会情勢等を踏まえて基本指針を改定し、都道府県が新たな鳥獣保護管理計画を策定していく予定です。今年の2月に自然環境部会に本件を諮問させていただき、その後、部会の承認をいただいた上で、鳥獣の保護及び管理の在り方検討小委員会で、4月、5月、7月に、基本指針案についてご審議をいただき、これからご説明する基本指針の改定(案)を取りまとめました。
基本指針の改定(案)の概要資料は、お示ししておりますとおり、資料1-1、そして本体が資料1-2となっております。最初にお配りしました資料1-2、基本指針の本体において、60ページと62ページに誤植があり、大変申し訳ありません。
基本指針の改定の主な改定ポイントとしては3点、鳥獣の管理の強化、鳥獣の保護の推進、人材確保について説明いたします。
まず、①鳥獣の管理の強化、1-1、危険鳥獣の管理に関する事項です。
今回の基本指針の改定の大きな柱の一つが、危険鳥獣の管理に関する事項の新設です。背景として、近年、クマやイノシシの市街地への出没が、人の安全を脅かす大きな社会問題となっていることが示されています。これを受けて、令和7年度に鳥獣保護管理法の改正を行い、危険鳥獣を定義した上で、人の日常生活圏に危険鳥獣が出没した際に、安全性の確保などの条件を満たしている場合は、緊急銃猟を市町村が実施することができるようにいたしました。今回の基本指針の改定では、近年のクマをめぐる状況を踏まえ、危険鳥獣に関する記載や緊急銃猟制度に関する記載を追加していっています。
具体的な記載は、第Ⅰ章第一、鳥獣の保護及び管理並びに鳥獣の狩猟の適正化に関する基本的な考え方、第Ⅲ章第七、危険鳥獣の人の日常生活圏への侵入の防止に関する事項、53から54ページ、第Ⅴ章、危険鳥獣の管理に関する事項、75から76ページにあります。
改定(案)で示しております考え方のポイントとしましては、危険鳥獣が人の生活圏に出てきてから対応するのではなく、出没そのものを未然に防ぐことを基本とすることです。そのため、基本指針(案)の53ページ以降に追記しました人の日常生活圏への侵入の防止に関する事項において、都道府県が鳥獣保護管理計画を策定するに当たっては、捕獲、生息環境管理、被害防除対策である誘引物管理といった計画的な管理施策に加えて、適切な情報発信を含めて記載することとしています。
また、75ページ目以降には、危険鳥獣の管理に関する事項として、本来は危険鳥獣を人の生活圏に出没させないことが重要であるという基本的な考え方、緊急銃猟の事前準備、安全確保措置及び実施の判断、緊急銃猟の実施に関する記載を追加しています。
続いて、改定のポイントの鳥獣の保護の推進のうち、②の1、鳥類における鉛汚染対策です。
環境省では、令和2年から鉛汚染に関する調査や鉛汚染の防止に向けた検討を進めてきました。これらのことを受けて、基本指針(案)の第Ⅰ章第六、9、鳥類の鉛汚染の防止、21ページの、鉛汚染に関する記述を最新の状況に修正しています。
具体的には、全国的に鳥類の鉛汚染が認められていて、その汚染の一部は鉛弾によるものであることが確認されていますが、引き続き調査分析により科学的知見の集積が必要であることや、全国における指定猟法禁止区域の設定の検討を行うとともに、非鉛製銃弾への切替えを促進するための試射会の実施や普及啓発に取り組むことを追記しています。
次に、改定のポイント②の2、わな等による錯誤捕獲の防止と猟法・猟具の適正化です。
錯誤捕獲については、基本指針(案)の第Ⅰ章第三、5、鳥獣の管理の強化に伴う配慮事項、12ページ、10から12行において記載を追加しています。具体的には、クマが錯誤捕獲された場合、その対応には危険と労力を伴うことから、錯誤捕獲の防止に努めることや、外来鳥獣や農業及び生活環境被害が著しい鳥獣については、捕獲される可能性がある場合は、あらかじめ捕獲申請後、行うことが適切に対応することと追記しています。
また、基本指針(案)の同じく12ページ、12から15行においては、錯誤捕獲に関連しまして、わなの見回りについては原則1回以上の見回りを求めることが一般的であるところ、ICT機器等を活用し、遠隔からわなの動作状況を確認でき、かつ、そのわなに鳥獣がかかっていないことが明らかな場合は、見回りの頻度を削減しても構わないことを追記しています。
また、トラバサミについては、基本指針案の34ページ、30から33行に記載したとおり、これまで衝撃緩衝器具を装着した上で、ほかの方法では目的が達成できないことなどのやむを得ない事由が認められる場合に限って許可できることとしていましたが、今後は、学術研究や希少鳥獣の保護・保全・救護等の特定の目的であって、個体への損傷の程度や錯誤捕獲を防止する措置が取られている場合以外は認めないとしました。
次に、改定のポイントの②、3、狩猟鳥獣の選定の考え方です。
記載箇所は、基本指針案の第Ⅰ章第四、1、制度上の区分に応じた保護及び管理の(2)狩猟鳥獣、13ページ、36から38行です。
狩猟鳥獣の対象種については、飼養動物と外見上の識別が困難な種については、現場で錯誤捕獲か否かを確認することが困難であることや近年の狩猟実績も考慮して、対象種の適否を検討することを追記しました。こちらは、具体的にはノネコやノイヌを想定した記載となっていて、基本指針が改定となった場合は、今後、省令改正をする際に、ノネコやノイヌの取扱いを検討したいと考えています。
次に、改定のポイントの③、人材確保についてです。
基本指針の改定(案)の56から57ページになりますが、鳥獣の保護・管理の現場を支える人材について追記しています。
人材は三つの役割に分けて考えることが追記されていて、具体的には、捕獲を担う人材、生息環境管理や被害防除対策を担う人材、関係者との調整等を行う人材としています。こうした人材は、特定の方が複数の役割を兼ねることもあり得ますが、鳥獣保護管理の現場においては、これらの役割を担う人材の確保に努め、総合的な事業が自律的かつ持続的に可能となる実施体制を、継続的な雇用のための財源の確保の観点も含めて構築していくことが追記されています。
59、61ページにおいては、中長期的な視点に立った計画的な人材の育成・配置として、地方公共団体における安定的な財源の確保の重要性が追記されています。
また、都道府県は、持続可能な鳥獣保護管理事業の実施体制を全域で確保するために必要な人材の育成・配置の目標、達成年数を市町村と連携して定め、目標達成を進めることを追記しています。
そのほか、一つ一つの説明は割愛させていただきますが、資料1-1に示しましたとおり、これまでご説明させていただいたこと以外についても、小委員会において詳細を検討いただき、ご審議いただいた上で、改定(案)に盛り込んでおります。
事務局からの説明は、以上となります。
○中村部会長 ありがとうございました。
それでは、今の説明について、ちょっと読んでいないとフォローするのが大変だったように思うんですが、皆さんのほうからいかがでしょうか。
会場の方は名札を立てていただいて、オンラインの方は手を挙げていただければと思います。
いかがでしょうか。
小泉委員は、この小委員会でおまとめいただいたということで、小泉委員からお願いします。
○小泉委員 ありがとうございます。小泉です。
今回、この基本指針の取りまとめに参加させていただきましたので、多少、補足になりますが説明させていただきます。
鳥獣の保護管理の在り方委員会、3回開催しましたほかに、錯誤捕獲、それから人材育成に関しては、それぞれ独自にワーキンググループを立ち上げて、合計4回審議を行って、この取りまとめの中に提案を行ってまいりました。前回の改定に比べると、今回大きく変わったところというのは、事務局からご説明がありましたように、昨今の大型哺乳類の管理問題に対応するために視点を大きく変えたというところがあります。その一つが、やはり資料1-1の①と、それから③になります。
①のほうは、その他のほうに箇条書されているところも併せて読んでいただくと①をよく理解できるかと思いますけれども、今後、事業計画だけではなくて、その下位計画である特定計画、それから関連する制度ときちんと、関連といいますか、連関をもって進めていくということが大事かと思います。
それから、③の人材確保に関しては、前回まで、どちらかというと、捕獲をする技術を持った人材の育成というような表現になっていたのですが、今回大きく変わりまして、ガバメントハンターというような言葉で表されていますけれども、これは日本版のワイルドライフマネジャーを志向したものだ、目指したものだというふうにご理解いただいて、関連する部分を読んでいただければというふうに思います。ということで、今回、基本指針になっていますけれども、この5年間だけで達成できるものではありませんが、その他のところに書いてありますように、ロジックモデルの活用ということで、こういった視点が、どれだけ実効性、効果を上げたかということを検証しながら、さらに5年後に続けていくというようなことが大切なのではないかというような議論がありました。
以上です。
○中村部会長 補足の説明、ありがとうございました。
ほかの委員の方々、加藤委員、お願いします。
○加藤委員 ありがとうございます。加藤でございます。
感想になってしまいますが、第1点目の、危険鳥獣の人の日常生活圏への侵入防止という観点であるということは理解しておりますが、同時に、人の活動範囲の拡大の一つの大きな理由が観光であって、その管理というものも同時に進めていかないといけないであろうという、感想です。
3番目の人材確保は、捕獲の人材という話だと思いますが、やはり、観光に付随するガイドなど、関わる方々の技術や意識を変えていかないといけないと感じました。
以上です。
○中村部会長 ありがとうございます。
何か事務局のほうから、はい、どうぞ。
○鳥獣保護管理室長 鳥獣室の室長の佐々木でございます。
感想ということですが、コメントを返させていただきます。
緊急時の出没が、特にクマの出没で観光客の方も被害に遭われる。この週末も十和田湖のほうで被害に遭われた方が出ております。やはり、しっかりと観光客の方、それからインバウンドの方に、クマに対する備えとか、そういった情報を発信していくことが大事であったりすると考えております。
環境省では、これまで様々、国立公園のビジターセンターとかで、多言語のそういう注意喚起を行ったりとか、あと、政府広報と連携して、そういったクマの出没に備える行動の取り方とか、そういったものを、機会を捉えて定期的にやってまいりましたので、引き続き今後も力を入れていきたいと考えております。
また、その受皿として、地域でやっぱりクマに対する対策をしっかりして、クマの出没を抑制するための取組ができるようにということで、これは国立公園のほうでございますが、国立公園ごとに、そういうクマに対策するマニュアルづくりなんかも今後進めていくことをやっていますので、しっかりと対応してまいりたいと思います。
それから、人材の確保のところなんですが、今回、基本指針で書いたのは、いわゆる捕獲の役割を担う人間と、それから被害防除、例えば農作物を守るとか、そういう被害を防止する、出没を阻止するための対策をする、そういう役割を担う人材、それからコーディネートをする人材、この三つの役割を位置づけました。やっぱり捕獲するだけでは被害は減らなくて、出没が止まらないので被害が減らないので、そういう誘引物とかの管理もしっかりできなければいけないですし、さらに言うと、それらを地域の方々と連携して、地域の方々にそういう被害防除の対策をやってもらったりとか、あとはハンターの方と連携して、ハンターの方に効果的に動いていただいて捕獲していただいたりとか、そういうコーディネートする役割が非常に重要になってくるので、その三つの役割を今回、規定させていただきました。
逆に、観光サイドですと、クマに対する餌づけとか人慣れの問題がやはり結構心配な状況が出てきています。クマが観光客の前に出てくると写真を撮ってしまって、それが、クマが人というものはそんなに怖くないんだと学習して、人との距離がどんどん縮まってしまうとか、場合によっては、餌やりをすると、クマがもう問題個体になってしまって、人に対して攻撃をしてくるようになってきてしまうので、そういった餌やりの禁止とか、そういったことも今回基本指針の中にしっかりと書き込ませていただいて、国立公園の現場サイドでは、そういった取組も先行して動いているんですけど、基本指針に書くことで、さらにそれが全国の都道府県の鳥獣保護管理計画にも反映されていくというふうな形を今回整えたいと思っております。
以上になります。
○中村部会長 よろしいですか。
それではオンラインで、大久保委員、お願いいたします。
○大久保委員 ご説明、ありがとうございます。
今回、パブリックコメントにおいては、項目によってはかなり多くのご意見が寄せられていますけれども、そのパブリックコメントの内容について、どのような特徴があったかということ、また、その意見の中で今回反映されたものがあれば、特徴的なものを、全部でなくてももちろん結構ですので、特徴的なことについて、ご説明を少しいただければと思います。
以上です。
○中村部会長 ありがとうございます。
ちょっともう一方、勢一委員のご質問、ご意見を聞いてから、事務局からの回答をお願いします。
勢一委員、お願いいたします。
○勢一委員 ご指名ありがとうございます。勢一です。
今、海外にいまして、ちょっと電波が不安定なので、画面、すみません、オフで発言をさせていただきます。
基本方針の取りまとめ、ありがとうございました。
かなり充実したと思っているのですが、ほかのところとの関係で、1点お尋ねをしたいと思います。
今回のご説明の中でも、関連する法律との関係で整合をというような発想は入れていただいたと思っております。そういう意味では、農水省が所管している法律との関係で、こちらの管理法の下での基本方針の中に何らか反映をしていただけているのかどうかというところを少し確認させていただければと思います。具体的には、鳥獣被害対策の特措法のことですけれども、これに関しては、今まさに内閣府の地方分権の地方からの提案として、提案者は山形市だったと思いますけれども、出されております。もちろん事務局の方はご承知と思うのですけれども、市町村の人材不足、知見不足が課題になっていることから、都道府県がそれを支援することを求めるような仕組みへの提案です。こちらの発想を受けて、今はまだ議論の最中ですから、現時点では結論は出ていないのですが。他の法律の内容を直接入れるということはできないと思いますけれども、法律相互の関係性を踏まえた上で、鳥獣管理の都道府県の策定に資するような仕組みの提案は重要かと考えておりますので、この辺りについて少しご検討の状況を教えていただければと思います。
すみません、以上です。
○中村部会長 ありがとうございました。
じゃあ、お二方の委員から、パブコメと法律に関して、お願いいたします。どうぞ。
○鳥獣保護管理室感染症調査係長 事務局のほうから、パブコメについては、ちょっと説明させていただきます。
資料に示しましたとおり、幾つか、今回説明させていただいた内容も含めて、ご関心が非常にあるということが分かっておりまして、クマの対策についてもそうですけども、さらっと説明させていただきましたノネコ、ノイヌに関しても非常に多くの意見をいただいたところでございます。加えて、人材育成についても非常にご関心を持たれている方が多く、捕獲だけではなく、生息地の管理に係る人材育成の重要性について言及いただいております。
また、そもそもの被害をもたらしている鳥獣の生息数の増加や生息地の拡大の要因についても触れるべきといったご意見もいただいておりまして、そういったことは改めて明記しております。
そのほか、錯誤捕獲や鉛弾の使用の防止について幾つかご意見をいただいておりまして、そちらについても説明させていただいたとおりでございます。
○鳥獣保護管理室長 ちょっとパブリックコメントについて補足させていただきますと、やはり意見が多かったのはクマの関連ですね。やはり、クマが今すごく社会的にも問題になっているので、クマについて、まず多かったのが、捕獲だけではなくて、生息地の保全とか、そういったこともしっかりやってほしいとか、あと、ゾーニング管理をしっかりと進めてほしいといった意見がすごく多く寄せられたなというふうに考えております。また、一方で、捕獲に頼らないでほしいとか、かわいそうだから殺さないでほしいといった、そういったご意見もいただいたところです。
それから、狩猟鳥獣からノネコとノイヌを外すということについてもたくさん意見がありました。先ほど説明があったとおりです。やっぱりこれは、ノネコ、ノイヌというのが狩猟鳥獣になっていることで、そういう現場で判断ができなくなるということもあって、外してほしいというふうなご意見をいただいていて、今回のこの基本指針では、狩猟鳥獣として何を選定するかという考え方を示すのがこの基本指針の役割なので、今回、何を選定するかという部分に、そういう識別が困難な種については検討するということを加えさせていただいて、今後、省令を改正する中で、こういうノネコとノイヌの取扱いを、さらに検討を深めていくというふうな段取りで考えているところでございます。
それから、続きまして、勢一委員からいただいた特措法との関係でございます。
実際に今回、基本指針の15ページのところの記載を少し修正しているんですが、都道府県が策定する特定計画とか、そういうシカとかイノシシの対策の計画と、今度、市町村が特措法に基づいて策定する被害防止計画というのがあるんですが、これが、県と市町村でそれぞれ計画をつくるので、どうしてもばらばらになりがちというところがあります。なので、従来の基本指針では、これを、整合を図るという言葉が書かれていたんですが、今回さらに踏み込んで、整合を図るというのは帳尻が合えばいいというふうに誤解されるおそれもあったので、相乗効果が発揮されるようにしっかりと調整をするということを書かせていただいております。
それから、58ページのところに書いてあることなんですけど、そういう被害防止計画を市町村の職員がつくるときに、やっぱりいろんな知識とかが必要になってくるので、そういう研修についてもしっかりと都道府県のほうでやっていただきたいということが書かれているところでございます。
特措法関連は、その辺りが大きなポイントかと思います。
以上です。
○中村部会長 ありがとうございます。
質問された委員のお二人の先生方、いかがですか。よろしいですか。追加はよろしいですか。
○大久保委員 はい、結構です。大久保です。
○勢一委員 はい、結構です。ありがとうございます。
○中村部会長 ありがとうございます。
会場のほうからお願いします。
森本委員、橋本委員の順序、後で加藤委員、お願いいたします。
○森本委員 ご説明ありがとうございました。
私からは、①の鳥獣の管理の強化について、意見とご質問です。
過去の例にもありますように、行き過ぎた捕獲が種の絶滅につながるということを避けるために、まずはモニタリングの体制、どれだけ個体数がいるのかを把握するモニタリングの体制を充実させることが大切だと考えています。
今回の改定に当たって、「国の技術的支援の必要性」に言及したとありますけれども、具体的に、どこにどのような支援をするのかというところについて、予習が足りていませんので、教えていただけると幸いです。
○中村部会長 ありがとうございます。
橋本委員、お願いします。
○橋本委員 ありがとうございます。
基本指針の取りまとめをいただきまして、ありがとうございます。
2点あります。一つ目は、内容というより今後の進め方なんですけれども、基本指針が改定されて、これから各都道府県が鳥獣保護管理事業計画を策定、さらに、特措法の下で鳥獣被害防止計画をつくっていくということに波及していくわけなんですけれど、今回の基本指針の内容をどういうふうに普及させていくのかというところの見通しを少し教えていただきたい。
結局、これが国としての考え方というか、指針がいかに、実際にオペレーションする地方自治体、広域自治体、基礎自治体でどう実装されるかというところがとても重要になってくると思うので、その考えを、見通しを教えていただきたいというのと、あともう一つが人材確保のところで、財源の話を先ほどしてくださったと思うんですが、これ、内容を見ると、財源確保に努めるという書き方が基本的なラインで、どういうふうにこの財源を確保すればいいのかというところが、いま一つ見えてこないんですけれど、これは地方自治体が独自にやることなのか、何か財源支援をするような枠組みをつくるのか、あるいは国として、そこに対して何か、どういうふうな考えを持っているかというのを教えていただきたいです。
結局その財源自体が、人材育成だとかガバメントハンターの運用にしてもベースになってくるのではないのかなと。であれば、そこが確保できないと、いかにいろんなことを書いても計画が実施できないという問題が出てくるので、教えていただきたいです。
以上です。
○中村部会長 ありがとうございます。
加藤委員、お願いします。
○加藤委員 ありがとうございます。
資料の1-2についても質問してもよろしいですか。
○中村部会長 はい、同じこの議題ですよね。
○加藤委員 よろしいですか、はい。加藤でございます。
先ほども既にご説明があったことと関連いたしまして、観光と非常に関連するなと思われる箇所です。まず20ページの、愛玩飼育というところなので、ペットでということで、直接関係はないとは思いますが、教育や繁殖目的であったりしても、ドルフィンショーというようなものが今後どのようになっていくのかなどが、観光と関連して非常に気になるところです。
それから、先ほどもご説明がありましたように、21ページに餌づけという記載がございます。28ページの2の(5)のところに、ふれあいや環境教育という記載がございますけれども、これらも、多くの場合、観光活動としてなされる場合があるので、観光の責任というのは大きいと感じております。
一つご質問ですが、29ページの3の(3)のところに海棲哺乳類という記載がございます。これは、クジラ・イルカなどを含むというそのことでしょうかとなりまして、それに関連いたしまして、(4)のところに海域の保全という記載がありますが、やはり、イルカやクジラというのは非常にウオッチングなどでも観光対象になる生物でありますが、同時に、やはりボートストライクなどの、規制があまりしっかりされていないのでは、ということをコメントさせていただきます。
以上です。ありがとうございます。
○中村部会長 ありがとうございます。
それでは、3名の委員の方に対するコメント、回答をお願いいたします。
○鳥獣保護管理室長 鳥獣室の室長の佐々木からご回答します。
まず、森本委員にいただいた技術的な支援というのがどういうものになるのかというところでございます。
基本的には、こういう基本指針をつくったりとか、あとは、基本指針に基づいて都道府県は鳥獣保護管理計画というのをつくるんですけど、それと、この基本指針も一つの技術的な助言の一つです。
それから、さらに、特定計画という、都道府県がシカとかイノシシとかそういう種ごとに作戦を練ってつくる計画があるんですけど、そちらに対しても、環境省のほうからガイドラインという形で、そういう種に特化した考え方だったりとか、どういうふうなモニタリングをしたらいいのかとか、そういう捕獲の方法はどうあるべきかとか、そういったことを書いた助言をするようなことをやったりしております。
それに加えて、今、地方環境局、地方環境事務所から地方環境局になりましたけど、そちらのほうにも今、広域鳥獣対策専門官とか、あと、クマ対策専門官という人員をこの春から増強して配置をしております。こういった者たちが、そういう日頃から、都道府県とかそういう市町村も含めてですけど、コミュニケーションを取って、いろいろ課題解決のための助言をするとかそういったことをさせていただくというふうな、そういう体制で現在動いているところでございます。
もちろん、鳥獣保護管理室自体も交付金事務を持っておりまして、交付金をやり取りする際に、ただ単に計画を出してもらってお金をつけるというだけではなくて、そこに対して、いや、全国だとこういう事例があるからやってみませんかとか、それはちょっとやり方としてどうなんですかとか、そういったコミュニケーションを通じて助言をすることもございます。そういった、いろんな機会を使って都道府県や市町村に対して情報共有したりとか、そういったことを進めているところでございます。
それから、橋本委員からあった、この指針の普及、これも、指針については、もう14回目の改定なので都道府県もよく分かっていて、我々のこの動きを、もう案がつくられる過程をずっとウオッチしていただいていて、それに対して、我々も照会をかけたり、途中で意見交換とかもしたりしてつくっていっているので、中身はかなりよく分かっていただいているという手応えは感じているところです。
今後、それを世の中に出していく中で、またいろいろご質問とかもいただくものですから、そういったことについては個別にご回答するとか、あとはブロック単位で都道府県の方と意見交換をしているような場もありまして、そういった中でもいろいろご質問に答えていくという形で普及をしていければなというふうに思っております。
それから、人材の確保の財源の部分でございます。
こちら、結構、自治体の財源について、こういう計画に個別のことを書くのがちょっとなかなか難しい状況ではあるんですけど、今回環境省のほうで、この指定管理鳥獣の交付金というものの中に、例えばガバメントハンターみたいな、そういう捕獲の担い手であったりとか、都道府県の専門的な知識を持った職員というものを雇用する場合の人件費について補助ができるような制度を令和7年度補正からつくりました。こちらを活用していただくことで、都道府県のそういう専門人材が雇用しやすくなるという環境をつくらせていただいて、しかも、そこに財源的な支援をする。さらに、そこの自治体負担分のところに特別交付税も措置されるような仕組みを総務省さんと連携してつくらせていただいて、自治体の負担がなるべく少ない状態で確保ができるような、そういう環境を整えております。こういったことを通じて、さらに人材確保が進むように考えていきたいなというふうに思っているところです。
それから、加藤委員のご質問にあった観光の部分、観光に対してどういうふうに対処していくのか。こちらはなかなか、ずっと過去からやられている経緯とかもあったりして難しいところもあったりしております。ただ、やはり世の中の状況として、クマの問題もやっぱりそういう餌づけがクローズアップされますし、あと、鳥インフルエンザとか、そういった感染症の関係、そういったことでも、やはり餌づけというものが、今度、かえって人間に病気がうつる原因になりかねないとか、そういったこともありますので、環境省としては、そういったことに対してしっかりと、なるべく控えていただくとか、それから距離をしっかり取っていただくとか、そういう適切な関係構築というものに対して普及啓発をしていければと思っております。
海棲哺乳類のところなんですが、こちらで書いているのは、基本的には鳥獣保護区の観点とかになっていて、もちろん鯨類、クジラとかそういったものも対象にできるとは思うんですけど、主にはオットセイとかアザラシとか、そういったものも含めた幅広い海棲哺乳類をここでは対象にしております。
ちょっと、なかなか鳥獣保護区の中でそういうツーリズムとの関係を調整していくというのが難しいところもありまして、もしそういうツーリズムとの関係が問題になっている場合とかは、やはり自然公園法の枠組みであったりとか、エコツーリズムの考え方とか、そういったものを、いろいろな施策を導入しながら、現場、現場に合わせて解を考えていく必要があるものと思っております。
説明は以上です。
○中村部会長 ありがとうございました。
ちょっと時間が押してきたので、できれば短めに、コンパクトに、質問、コメントいただけるとありがたいです。
オンラインから、大塚委員、その後、藤田委員、お願いいたします。
○大塚委員 どうも恐れ入ります。
1点だけ、すみません、教えていただきたいんですけども、今回、多分、国民的には一番関心があるクマの件に関しては、鳥獣の管理を強化ということで、きっちり対応していただいていると思いますが、先ほど、パブリックコメントとかでも出てきていた、ゾーニングをしっかりするとかいう点に関しては、書いてあるとは思うんですけども、これで十分なのか、心配がなくはないということがあるかと思っていまして、さらにその実現の手法とかに関して、もう少し考えておかなくていいのかというようなことを、少し気にしています。
先ほど、勢一委員がおっしゃっていただいた農林業の被害との関係の特措法もありますが、人との関係での被害、やはりこの鳥獣保護管理法のほうで対応することになると思うので、まさにここで検討しておかなければいけないことは、実は結構多いのかなというふうに思っています。
すみません、感想みたいな話で誠に恐れ入ります。
○中村部会長 ありがとうございます。
藤田委員、お願いします。
○藤田委員 ありがとうございます。
ちょっと不勉強で、私も教えていただければと思うのですけれども、特にクマなんかは今すごく問題になっていますけども、今どれだけの生息数がいて、それぞれの地域で適正な数はどれだけなのかとか、将来予測みたいな、科学的な研究とか調査というのはどのぐらいされていて、この方針とは直接関係ないのかもしれませんけど、それを環境省なりが、国がどの程度その調査に負担をするのかということを教えていただきたいというのが一つと、もう一つはその対策、結局その地域、地域で対策をしていくことになると思うんですけど、対策の一貫性みたいなもの、例えば、分かりませんけど、国立公園の何か羅臼の話とかがありましたけど、羅臼とか、あと、中部山岳国立公園だと称名滝の観光地みたいなところでも、普通に出てけがをするということが起きたときに、そういう、国立公園だったらこういう対策、あるいは国立公園外だったらその地域、地域で対策を考えるみたいな、何かこの対策の一貫性みたいなものを国というのは示しているのかということが2点目です。
3点目は、国民の目線として、情報発信というのが、何か地域で最近クママップみたいなものがあるんですけど、ここに出ましたとか、そういうものはあるのですけど、結局どうしたらいいのというのが、そこに行かないということが対策なのか、国民としては、何か適正な発信の仕方とか、地域に対してこういうような基準で発信してくださいみたいなものを国として持っているのかどうかということを教えてください。
よろしくお願いします。
○中村部会長 ありがとうございます。
それでは、二つの回答をお願いいたします。
○鳥獣保護管理室長 佐々木のほうから回答させていただきます。
まず、大塚委員からあった、ゾーニングの記述が十分ではないのではないかということにつきましてお答えします。
クマについては、先ほど申し上げた、特定計画を県がつくるときのガイドラインというものを、実はこの4月に公開しております。改訂版を公開しました。
その中に、かなりゾーニングについて詳しく解説をしておりまして、さらに、これまでのゾーニングの考え方をさらに発展させるということで改定した中身がそこに書かれております。なので、具体的には、そこの特定計画ガイドラインのほうをご確認いただければありがたいなと思っております。
また、ゾーニングを自治体が進めていくときのいろんな支援についても、先ほど申し上げた交付金において、資金的な部分を支援したり、あとは、そういうクマ対策の専門官とかが助言をするとか、そういった体制も整えてしっかりバックアップをしていきたいと思っております。
それから、藤田委員からありましたクマの数の部分です。こちらは、実際には北海道でヒグマが今1万2,000頭ぐらいいると言われていたりとか、本州のツキノワグマが4万頭以上はいるだろうと言われているところでございます。これの各県が調査したデータなんかが、先ほどの特定計画のガイドラインに載っているところです。ただ、どうしても数が不確かな部分があったりとか、手法が統一されていない調査方法でやられていたりするので、今年度から環境省で全国のクマの統一的な調査を進めております。まず、今年度は東北地方を実際の調査地にしまして、東北6県と新潟県についてクマの個体数の調査を行っております。今後、それを順次、北陸とか北海道とかに回していって、4年程度かけて、全国のクマの個体数というものを精緻化していくということを進めております。
対策の一貫性などは、こちらも先ほど申し上げたガイドラインの中にかなり詳しく書いてありまして、例えば誘引物の管理はこういうふうにやるんだとか、そういったことがまとめられているところです。今後、さらにそれを現場に落とし込んで具体化しているものが、出没対応マニュアルというものがあるんですけど、そちらについて、今年度、今、改定作業を進めておりまして、この出没対応マニュアルを見るとさらに、現場で出没したときに誰がどういうふうにチームを組んで対処するのがいいのかとか、具体のことがさらに詳しく書いてありますので、そちらのほうでも対応していきたいと思っております。
それから、クマが出没したときの情報発信とか、国民ができる対策ですが、いろいろ環境省のほうでクマのそういう人身被害に遭った状況のレポートとかを公開する中で、クマに出会わないためにはこういう行動、出会ったときはこういう行動を取ってくださいという発信をしていたりします。最近出しているのが、クマの出没時の6か条というものを出していて、こちらは内閣広報室とも連携してつくったんですけど、出没情報を事前に確認するとか、1人で行動しないとか、朝夕の外出は避けるとか、そういったポイントを六つ紹介することで、分かりやすく伝えるということもやらせていただいているところでございます。
説明は以上です。
○中村部会長 ありがとうございました。
全体を通して、まだ質問等ありますか。よろしいですか。
ありがとうございました。
様々な角度からご意見をいただいて、ぜひ、この改正が本当にうまく機能しているのかどうかを今後もフォローしていただきたいと思います。特に、私は人材のところが重要だと個人的には思っていて、もちろん予算も大事なんですが、そう簡単に一足飛びに人材が育成されるとは思えないので、大学機関との協力も含めて、いろいろ検討いただければと思いました。
それでは、本件については、いわゆる否定的なご意見はなかったと思いますし、佐々木さんのほうから丁寧に説明していただけたと思います。適当と認めてよろしいでしょうか。
(異議なし)
○中村部会長 ありがとうございます。
それでは、本件については適当と認めることといたします。
続きまして、議事の(2)中央環境審議会自然環境部会小委員会の廃止について、事務局から報告をお願いいたします。
○自然環境計画課課長補佐 自然環境計画課の桝と申します。
小委員会の廃止について、審議ということでお願いしたいと思います。
○中村部会長 ごめんなさい、審議でお願いします。
○自然環境計画課課長補佐 資料1ページ、今映っているところをご覧いただきたいと思います。
自然環境部会には現在、資料に記載させていただいていますとおり、五つの小委員会が設置されておりますけれども、この南極地域の環境の保護に関する小委員会はそのうちの一つということになっております。この委員会は、環境保護に関する南極条約議定書附属書Ⅵの締結に向けて、担保措置等について検討を行うため、令和6年5月に設置をされたものです。
廃止の理由についてですけれども、令和8年2月まで4回開催いたしまして、担保措置について議論をされ、結果として、南極地域の環境の保護に関する法律の一部を改正する法律が制定されまして、これにより審議が一区切りついたことによるものです。廃止について、ご理解をいただきますようお願いいたします。
なお、本日オンラインでご出席いただいている大塚委員、そして大久保委員におかれましては小委員会にご参加いただきました。誠にありがとうございました。
あわせて、ちょっとこの場をお借りしまして、小委員会で検討された内容を受けて制定されました南極地域の環境の保護に関する法律の改正法、この内容と、それに関連しまして、今年5月に広島市で開催されました南極条約協議国会議について説明をさせていただきたいと思います。
次のページを映してください。まず、南極といっても、なかなかなじみがない、薄いかなと思いますので、右上のところに小さいんですけれども、現状の制度が書いてあります。タブレットやPDFでご覧いただいている方は、右上の南極条約と書いてあるところの部分を拡大して、すみません、ご覧いただきたいと思います。
まず、南極条約ですけども、地球の南緯60度以南の南極地域と定めまして、平和的利用、科学的調査の自由、国際協力の推進、領土権の主張の凍結などを定めておりまして、これにより南極地域での国際秩序が保たれているという状況になっています。この南極条約を補足するものとして、環境保護議定書がございまして、これが1998年に発効しております。各国がこれを実施するための担保法をつくっておりまして、日本については南極環境保護法を制定して運用をしております。
現行の南極環境保護法ですけれども、南極地域活動に対して、環境アセスメントとしまして、事前に活動内容を環境省に提出をしてもらって、環境大臣が著しい影響がないと確認した場合に限り南極地域活動を実施できるという、事前の確認制度という仕組みを設けてございます。
さらに、その上で、今回の附属書Ⅵの話ですけれども、附属書Ⅵの、環境上の緊急事態から生ずる責任というものが2005年に採択されまして、国内担保措置を取っていない国が、我が国を含めて九つありまして、まだ残念ながら未発効という状況になっております。そのため、我が国でも、附属書Ⅵの締結に向けて、環境上の緊急事態、これはつまり、南極地域の環境に重大かつ有害な影響を及ぼすようなものですけども、これが生じたときに、主宰者による対応措置の実施を義務づける、南極環境保護法の改正を行いました。
一旦、ちょっとパワーポイント全体に戻っていただければと思います。
事前のアセスメントというのがこれまでの法律の仕組みだったんですけども、南極での事故の対応、起きてしまった事故の対応を明確化するというのが今回の法律の改正のポイントでございます。
このパワーポイントの右半分下の、主な改正内容というところに進んでまいります。
まず改正内容、黒い丸が二つありますが、一つ目の黒い丸は、対象範囲の拡大ですけれども、南極地域の海域でのみ実施される活動からも環境上の緊急事態が生じるということで、事前の環境大臣の確認を要する南極地域活動の対象を見直しまして、南極大陸の上陸を伴わない観光船とか科学的調査船など、海だけの活動も、この法律の対象に追加するというものが一つです。その上で、この附属書Ⅵに規定する内容を南極環境保護法に追加したものです。この図の左の方の一番上の事前の準備と書いてあるところに、南極の観光を企画する旅行会社さんとか南極観測事業、いわゆる南極地域観測隊というのを聞いたことがあるかと思いますけれども、そういったものの取りまとめをする主宰者が確認申請の際に、事故を未然に防止するための防止措置の提出を義務づけたり、あわせて何か環境に悪影響を及ぼすことが起きたときにどう対処するのかというようなところを定める緊急時計画を作成してもらったり、あるいは事故対応などの費用負担を確実に行わせるための措置を義務づけます。これが改正法における事前の準備のところの義務の追加ということになります。
次に、事故時の措置というところがございます。
これは、例えば船舶が氷山に衝突するとか、油が漏れるとか、南極地域で環境に影響を与える事件が発生をした場合に、その主宰者が環境大臣に通報するとともに、その場で即時、主宰者自身が応急措置をする。初動の対応として、先ほど申し上げました緊急時計画に基づき対応するという義務を課すというものでございます。現場では、そうやって対応がすぐ始まるんですけれども、まず、それも併せて環境大臣に通報していただきます。通報の義務を課すというものです。この通報を受けた環境省のほうで、環境に与える影響が重大かつ有害な影響を及ぼすような環境上の緊急事態に該当するかどうかを検討しまして、該当するという場合は、主宰者が実施すべき対応措置を含めて環境大臣が公示をして、そのことによって、主宰者に対応措置をとるという義務がかかることになります。主宰者がこの義務に基づいて対応措置を実施すれば、そこで対応は終了ということになるのですけれども、一方で、主宰者自身が対応措置を取ることができないで、環境大臣やその他の締約国が対応措置を取るということになった場合に、その対応措置に要した費用の支払いを主宰者に請求して、主宰者から徴収をするということになります。
さらに、真ん中の欄の一番右のところ、いずれの国も対応せずということが書いてあるんですけれども、いずれの国も対応措置を取らなかった場合は、取られるべきであった対応措置の費用を主宰者に納付金として国庫に納付をさせるということと、その納付を受けた国というか環境省のほうで、南極条約事務局の基金に拠出をするということになります。この辺が附属書Ⅵを反映した法律の中身の概要です。
今後、法律が制定されたということを受けまして、年末を目標として、我が国としての締結の手続を進めます。我が国以外は残り8か国ですけども、それが全て締結して附属書Ⅵが発効しさらに、その1か月後に法律が施行されるということになります。ほかの国の動向によるので、いつ施行されるか、発効するかというのは、現在では未定ということになっております。ただ、先ほど、一番最初に申し上げたような、事前の確認の対象とする南極地域活動に、海域のみの活動とか観光船とか科学的調査船を追加するということは既に施行済みということになっております。これが法律の関係です。
もう一点です。次のページに参ります。南極条約協議国会議の概要ということで、さきの5月に南極条約協議国会議が広島で開催されました。このことも簡単にお話をいたします。
この南極条約協議国会議ですけれども、南極条約に基づく話合いをするということで毎年開催されるもので、協議国がアルファベット順で持ち回りで開催をして、日本では32年ぶりに開催をしまして、議長国を務めました。中身は、南極条約の運用などに関する外務省に関係する議題、科学観測の推進に関する文部科学省に関する議題、そのほか、環境に関する議題を環境省も対応したということでございます。そこが今、赤字でいろいろ書いてある部分でございます。
附属書Ⅵの議題というのもありまして、先ほど説明しました南極環境保護法、当時、改正法案の状態だったわけですけれども、それが国会審議中だったということを紹介し、日本は間もなく締結するので、ほかの残り8か国も、ぜひ早く締結してくださいと呼びかけました。
そのほか、コウテイペンギンの保護とか、南極観光の増加と多様化に対してどう向き合っていくかというような話、気候変動の議題などがありまして、今後も継続をして、この南極条約協議国会議で議論されていくということになっております。
駆け足でしたが説明は以上となります。よろしくお願いいたします。
○中村部会長 ありがとうございました。
それでは、今の説明について、ご質問、ご意見等をお伺いします。
いかがでしょうか。
中静委員、お願いします。
○中静委員 ありがとうございます。
南極条約の中に、最後の資料にあったような環境保護委員会とか、それから科学委員会があるという理解なんですけれど、これには日本のメンバーが誰か出ているのでしょうかということと、それから、これに相当するような国内の常設の対応組織みたいなものはあるんでしょうかというのが質問です。
○中村部会長 もう一人聞いてから回答をお願いいたします。
高村委員、お願いします。
○高村委員 中村部会長、どうもありがとうございます。
先ほど、事務局、桝さんのほうからご説明がありました、小委員会の廃止の提案について異論はございません。関連して、こちら、資料にもありましたけど、2005年に採択されて、締結の準備に20年かかったわけですけれども、南極という非常に特殊な地域、生態系も特別の価値があるわけですけれども、法的に見ると、やはり管轄権が通常の国の領域や海洋等とも違う特別な地域であるということで、この条約の担保には非常に苦労されたというふうに理解をしております。
そういう意味では、自然局のみなさんを中心にATCM、南極条約協議国会議に間に合わせる形で適切にご準備いただいたこと、交渉の段階から、非常に長く対応いただいたと理解していますけれども、この場を借りてお礼申し上げたいと思います。
この法律の施行に当たっては、今後、先ほど事務局の桝さんからもご指摘がありましたけれども、南極地域で活動を行う者、オペレーターに対して、緊急時の通報ですとか、あるいは生じさせた損害に対して支払いを行うための金銭的な保証の確認ですとか、幾つか、今後附属書、改正法の実施をしていくときの課題が、残っていると思っております。さらに、緊急時の対応をはじめ、政府内での運用・対応の方針といいましょうか、整理も必要だと思っていまして、ぜひ締結に向けてのご準備の中で、こうした、この法律に基づいて、事業者への周知対応、それから、起こってほしくないですけど、緊急事態の場合の政府内の、対応・運用の在り方について詰めていただくことをお願いしたいと思います。当然、条約の一環ですので外務省さんが関わってくるわけですけれども、同時に、特に極地研をはじめとして、観測に携わっていらっしゃる文科省、それから、この地域は、関連する海洋汚染関係の条約も多く既に締結されているので、国交省さんとの関係、それから、裁判管轄権の関係でいくと、法務省も含めて非常に大変な調整をされてきたと思います。先ほどありましたように、大塚先生、大久保先生に国内法の観点からしっかり見ていただいていたと思いますので、法的な対応として問題はないと思うのですが、この後これを具体的に実施、運用されていく準備をお願いしたいと思います。
以上です。
○中村部会長 ありがとうございました。
それでは、お願いいたします。
○自然環境計画課課長補佐 まず、中静委員からのご質問ですけれども、組織の話として、南極条約に対して南極条約協議国会議があり、その下にある環境保護議定書に対して環境保護委員会があるという構図になっています。そこに、環境保護委員会のほうは南極条約協議国会議と併せて開催されて、環境省のほうが対応しているというようなことです。
科学委員会は、南極の枠組みにはなくて、環境保護委員会において、環境に関して科学的知見に基づいて議論している形になります。
さらに、国内のほうではどうかというと、環境保護委員会に関する直接の組織は、環境省にはないんですけれども、毎年の確認審査をする際に、特に重要な案件などを審査する際に、確認検討委員会を別途開催しまして、そこで有識者からの意見をいただくという枠組みになっております。
続きまして、高村先生。すみません、ちょっと私のチェックが甘くて、今日ご出席いただいていることに気がつきませんでした。
高村先生には、南極地域の環境の保護に関する小委員会の小委員長として議論の取りまとめをいただきまして、本当に、誠にありがとうございます。感謝申し上げます。
先生がおっしゃっていただいたように、まさに今後重要なのは、制定された法律を基に運用をどうしていくかということです。事故対応の金銭上の負担についてどういうふうに証拠書類を求めるかとか、そこら辺のところをこれからガイドラインで書いていかないといけないと思っていますし、あと、環境上の緊急事態の定義、何をもって重大かつ有害な影響と判断するかなども明確にしていかないといけない問題などもございます。
ですので、運用のための、主宰者にとっての分かりやすく申請ができるようにするガイドラインと、関係省庁も含めて、事故が起きたときに、どういうふうに対応するかというマニュアル、これを、この法改正のこの熱が冷めないうちに早急に案をつくっているというところですので、引き続きしっかりとつくって、運用に万全を期していきたいなと思います。先生、どうもありがとうございました。
以上です。
○中村部会長 ありがとうございました。
ほかにありますか。よろしいですか。
特にご意見がなければ、本件につきましては異議がないということで諮りたいと思います。
よろしいでしょうか。
(異議なし)
○中村部会長 それでは、南極地域の環境の保護に関する小委員会の廃止を認めることにいたします。
続きまして、報告が並びます。
まず、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存につき講ずべき措置について、事務局から説明をお願いいたします。
○希少種保全推進室長 希少種保全推進室長の北橋でございます。よろしくお願いいたします。
次の資料をご覧ください。
まず、資料3-1でございますけども、環境大臣から中央環境審議会に対しての諮問でございます。7月24日に諮問はされております。先ほど表題にありましたように、種の保存法に関連して、講ずべき措置について審議会の意見を求めるということになっておりますけども、諮問理由といたしましては、国内種の保全、それから国際的な種の流通、管理の適正化、さらに、加えまして、前回の法改正、平成29年に行われておりますけども、その際の附帯決議の中で、改正法の施行以後5年を経過した場合に、その状況について検討を加えなさいということになっておるものですから、それに基づいた諮問ということになってございます。
次のページになりますけども、下のほうに、中央環境審議会の会長から7月27日付で自然環境部会のほうに付議がされてございます。同内容ですね。さらに、ちょっと資料はございませんけども、自然環境部会に付議されましたこの内容につきましては、平成25年につくられております、自然環境部会で決定した野生生物小委員会の設置についてという紙の中で、野生生物小委員会において、この講ずべき措置について検討するということが定められておりますので、具体の議論につきましては野生生物小委員会の中でやっていくということになってございます。
資料3-1につきましては、以上でございます。
資料3-2、資料が細かく分かれていて恐縮です。3-2でございますけども、これまでと、それから、これからの本件に関する検討の進め方でございます。
先ほど申しましたように、前回の法改正から5年が経過したということを踏まえまして、これまで、青字で書いてありますように、施行状況評価会議というものと、それから、その結果をさらに踏まえまして、在り方検討会という2回の検討会の中で、種の保存法の状況について確認をしてきたところでございます。その結果が、さきの7月28日、すみません、ちょっとこれは資料の日付が、令和7年と8年、間違ってございますけども、令和8年の7月28日に報告書を公表したところでございます。この詳細は参考資料に載っておりますけども、大部でございますので割愛したいと思います。
これを踏まえまして、先ほど申しましたように、野生生物小委員会での議論がさきの8月19日に始まったところでございます。今日が太字になっています8月25日で、今後さらに野生生物小委員会で議論を重ねて答申をいただく予定にしてございます。
進め方については以上でございます。
もう一つの資料、資料3-3でございますけども、まだ、先ほど申しましたように、野生生物小委員会は初回をやったところでございますので、そこでの議論というのは、これまでにやってきました、特に在り方検討会の報告書の概要をベースにこんなことを議論してきましたということで、ご報告といいますか、話を始めたところでございます。
1枚目の紙は、在り方検討会の報告書の概要でございますけども、ざっと言いますと、一番下、今後の方向性を大きく五つに分けてございます。生息の場の保全、それから開発行為による影響の回避、三つ目が民間と連携した保全活動の推進、それから四つ目で、国と自治体との連携強化、最後に譲渡し等の規制の適正化と。こうした五つの項目について議論を始めたところでございます。
次ページ以降、個別のところについて書いてございます。
一つ目の話題が生息の場の保全でございますけども、これまで458種、種の保存法に基づいて法規制をかけている、種指定をしてきたところでございますけども、まだ場の保全については十分ではないという指摘を受けてございます。当然、自然公園ですとか、先ほど話もあった鳥獣保護区ですとか、そういった他制度で守られている場所もあるわけでございますけども、それ以外も、いわゆる二次的な自然に住んでいる希少種も数多くいるということで、そういった保護を進めていくということが言われております。
また、希少種情報を今までよりもより積極的に収集した上で、重要な生息地がどこなのかということをしっかりと把握していくべきだということが指摘されてございます。
また、生息地等保護区、この種の保存法に基づく保護区につきましては、従来10か所しか指定されていないということで、この数が全てではないんですけども、より柔軟な規制をできるようにするなどして、保護区の設定を推進していくというようなことが指摘されてございます。
次のページをご覧ください。開発行為による影響の回避・低減についてなんですけども、様々な開発行為によって希少種は影響を受けておりますけども、希少種の生息情報というのがあまり公になってないものですから、開発事業者が気づかないうちに希少種の生息地を破壊してしまうということがまだ見られるということで、一つ前で収集していくといった希少種の情報につきまして、もちろん全てを公開するというわけには当然いかないんですけども、適切な公開・活用のルールを定めた上で、事業者の開発があらかじめ重要な場所を避けられるように公開していくようなことを検討するですとか、あるいは事業者に対する助言・指導という規定があるんですけども、そうした運用をもっと積極的に進めていく。さらには、そうした助言・指導にとどまらず、より強い措置というものを、特に保護増殖事業をしているような、これは79種、今あるんですけども、そうした国が積極的に予算等を投じている種については、もっと実効性のある取組が検討できないかというような議論がされてございます。
次のページをご覧ください。三つ目ですけども、民間と連携した保全活動の推進でございます。ネイチャーポジティブの話なんかもあり、多様な主体の連携によって取組が進んでいるところでございますが、そうした場の維持管理活動に対して、より積極的に支援を手続、あるいは経費の面から進めていく仕組みを検討するということですとか、あるいは生息域外保全、飼育下の繁殖等について、環境省では日本動物園水族館協会ですとか植物園協会と協定を結んだりして進めているんですけども、中でも認定希少種保全動植物園等制度というのが前回の法改正でつくられておりまして、この制度をさらに活用していきたいと。今、100園館ほどが希少種を飼育してくれているんですけども、この制度がまだ27園館しか認定を受けていないということなので、より積極的なメリットの構築ですとか、あるいは手続の合理化を図って、この制度自体の活用をしていきたいということを挙げてございます。
それから、四つ目でございますけども、国と自治体との連携について書いてございます。
種の保存法、国の法律上は、条例でどんなことをやっていくかというようなことが一切書かれていない。国についての取組が法律上はあるんですけども、種の保存法と全く関連しない形で、今36の都道府県で希少種保全に関する条例がつくられております。
実際上、国全体の取組のほかに、各地域でも様々な希少種保全の取組がそういう形で進んでいるわけでございますけども、アンケートですとかヒアリングとかをこれまで都道府県とさせていただいている中で、半分ぐらいの自治体さんが、法と条例との連携というのは必要じゃないかというような、前向きなご回答をいただいていることもあり、また一方で、ヒアリングしながら個別にお話を伺っていくと、新たな業務負担に対する不安の声ですとか、あるいは、既存で、これまで各自治体で積み上げてきた既存の制度に対する影響なんかをご心配される声なんかもございました。
こういったことを踏まえまして、国が優先的に実施すべき取組について、今後、具体的に整理をしていこうという話ですとか、あるいは国と自治体の連携強化をさらに進めていくために、自治体が国で定めた国内希少種の保全にどんな関与の仕方がさらにできるかという話ですとか、あるいは法律と条例との関係ですとか、そういったものの整理を検討していくと。これはまだハードルのある話でございますけども、議論を進めていこうというようなことが示されてございます。
それから、最後に、五つ目でございますけども、譲渡し等の規制の適正化についてでございます。こちらは、主に国際的な希少種と、あるいは象牙についてということが主な議論になってございます。
一つは、規制のかかる前に国内に入ってきたペット、特にカメですとかオウムですとか長寿命の種については、規制前に入ってきたものが、飼い主の高齢化とかによって飼えなくなってきたときに、うまく譲渡し等ができないという問題が発生してございます。そうしたことを解消するための許可制度上の運用について検討しましょうということが一つ。
それから、個体の識別措置についての検討ですとか、あるいは象牙の取引規制、こちら、前回の29年の法改正でかなり厳格化されているんですけども、そちらのそういった近年の改定を、法改正を踏まえた流通の実態とか、そういったものをしっかりと把握・分析して実効性を検証していこうと、そういうふうなことが言われてございます。
ちょっと駆け足で恐縮ですけども、検討の中身につきましてご報告いたしました。
○中村部会長 ありがとうございます。
それでは、委員の皆さんのほうからご質問、ご意見をお願いいたします。
どうぞ。
○石原委員 種だけじゃなくて、その生息地の保全ということには、私自身、賛成なんですけれども、日本の場合は、二次的自然とかに結構希少種が存在するというところが大きな特徴かと思いますので、それを考えた上で、生息地の保護区設定などの制度だけで今後、保全ができていくのかというところが、私自身は疑問としてあります。
特に、二次的自然というのは、やはり人の手が入ることによって、攪乱等で生物多様性が守られているところでもありますので、現状の、なかなか日本の地方での過疎化とかといった問題を考えると、やはり、なかなか人の手が入らなくなってくるというのが日本の現状ではないかと思いますので、そういったことを考えた上で、今後、開発を規制するというような制度とともに、アクティブにマネジメントをしていくというような制度とか仕組み、あるいは財政的な支援といったところを今後どういうふうに考えていかれるのかということをお聞きしたいと思います。
○希少種保全推進室長 ありがとうございます。
よろしいですか。もう一つ。
○中村部会長 いや、大丈夫です。お願いします。
○希少種保全推進室長 ありがとうございます。
まさにご指摘いただいたところ、そのとおりと考えてございまして、実はちょっと説明が駆け足で恐縮だったんですけども、同じような話は我々のほうでも議論が始まっていまして、場の保全のほうのページじゃなくて、民間との連携のところのページに、二次的な生息環境については、規制的手法だけでは駄目だと。積極的に維持管理をしていくための方策が必要だということで、そういった中では、民間の方々の取組というのもかなり具体的に各地で行われております。
そうした場合に、今までですと、そうしたことをやるという際に、種の保存法上の個別の手続、許可をですね、保全作業をしようと思っているのに一つ一つ手続が必要だみたいな、逆に足かせになっているみたいなところがありましたので、そうしたときには、民間の方がこんなことをやりたいんですというのを計画認定するとか、これは、具体の制度はまだこれからなんですけども、そういった形で、手続面ですとか経費面ですとか、支援していくような仕組みを考えたいと思っております。
○石原委員 ありがとうございます。
○中村部会長 ありがとうございます。
オンラインから、藤田委員、お願いいたします。
○藤田委員 ありがとうございます。
必ずしも希少種だけの問題ではないかもしれませんけど、先ほど再エネとかメガソーラーとのトレードオフなんかも考えて、検討事項というページがあったので、ちょっとそこのページを出してもらっていいですかね。このページではないんでしたっけ。
○希少種保全推進室長 一番前のページですかね。概要のところですね。
○藤田委員 そうですね。この前のページじゃないですか。そうですよね。メガソーラー、開発行為等による影響の回避とか、そうですね。それで、メガソーラー対策パッケージなんかもありますよと、それで、再エネなんかも前提条件の課題として考えていますみたいなことで議論があったということですけど、ちょっとお伺いしたかったのは、昨今、メガソーラーもそうですけど、陸上風力とか、あと、もっと言えば、AIデータセンターがこのネイチャーポジティブの世界では大変大きなグローバルな議論になっていて、直接、別に希少種だけじゃなくて、森林だとか、土地利用とか、それから水利用を通して生物多様性にいろいろ影響があるんじゃないかということで、割とネイチャーポジティブの世界では重要視されています。なので、回り回ってそれも、そこの地域に生息している希少種に影響があると思いますので、もし前提としていろいろ考えるときに、こういうAIデータセンターなどの影響ということも、国として事前に対策等を考えておいてもいいんじゃないかなと思いましたので、何かそういう対策を練っていらっしゃるのであれば、教えていただければと思います。
よろしくお願いします。
○中村部会長 ありがとうございます。
それでは、お願いします。
○希少種保全推進室長 北橋です。ありがとうございます。
そうですね。個別に、今回の議論というのは、あくまでも種の保存の観点からなので、例えばメガソーラーについてこうとか、風力についてこうとか、個別の開発自体についての議論はしていないんですけども、一方で、そういった様々な開発というのが現在でも行われていて、先ほど、二次的自然の劣化という話も大きな問題だという話をしましたけど、一方で、古くからあるそういった開発問題というのもいまだに大きな問題だということで、先ほどちょっと駆け足でご紹介しました希少種情報の収集という話ですね。検討事項の1、その次のページ、ここの中で、(1)で様々な情報を集めますと言っていますけども、そこの中で、2ポツになりますけども、希少種の保全に向けた総点検と、仮称と書いてありますけども、様々な希少種情報を集めた上で、それを単なる生息情報ではなくて、それに重ねるような形で、例えば生息環境の情報ですとか、あるいは今後の開発可能性というか、開発にさらされる危険性みたいな、そういったデータなんかも重ね合わせることで、ただ単に、いい場所、生息についてのいい場所というだけじゃなくて、保全する優先度の高い場所みたいなものを洗い出していければなというようなことを考えてございます。
このようなことで、お答えになっていますでしょうか。
○中村部会長 いかがですか。
○藤田委員 ありがとうございます。大丈夫です。
○中村部会長 ありがとうございました。
ほか、どうぞ、橋本委員
○橋本委員 ご説明ありがとうございました。
気候変動との関係で、ちょっと追加でお伺いしたいんですけど、この取りまとめの中には、今後の検討の方向性で、気候変動適応の話も書いてあるんですけれど、今後検討するべき事項として。ただ、この取りまとめの中の今後の検討の方向性には、再エネ導入の影響は見ているけど気候変動適応についてという議論が出てこないんですが、これについてはどうなるのかというのを教えてください。
○希少種保全推進室長 ありがとうございます。
法律の在り方の中では、なかなか難しいかなと思っているんですけども、例えばですけども、個別の種の保護増殖事業計画というのが、立てているものがございます。そういったものの中では、例えば高山帯に住んでいる動物・植物とか、そういったものについては、いわゆるレフュージアと言っておりますけども、将来的な移設の可能性とかまで含めて、いろいろと考えなきゃいけないなと思っています。現時点で、具体的なもの、この種について、ああする、こうするという気候変動対応の個別のものがあるわけではないんですけども、今後さらに影響が明らかになってくるようなものも恐らく出てくるだろうと思っております。
例えば、これまで話に出てきた中では、キタダケソウ、南アルプスの山頂付近にある種ですけども、それについては、シカが上のほうまで上がってきて食害の危険があるということで、柵を作ったりして対応を取ったりということもございますし、あと、ほかのものでいいますと、まだ影響自体は明確にはなっておりませんけども、例えばライチョウとか、高山帯にしか生息できないものというものについては、温暖化が進めば生息地そのものがなくなってしまうというようなこともあるので、ご承知のように、直近では、中央アルプスに一度いなくなってしまった個体群を再復活させると、飼育繁殖個体群を移して新たな個体群を作り上げるということが成功したというような事例もございますけども、そういった知見も基に、今後の万が一のときに備えた計画づくりみたいなものも進めていかなきゃいけないのかなと思っております。
○橋本委員 ありがとうございます。
○中村部会長 森本委員、お願いします。
○森本委員 私からは、「優先して保全すべき場所の抽出」をしていくという話について。これは、例えば自然共生サイトの制度と組み合わせることで、積極的に場を保全していく取組になり得ると思いますが、環境省では、具体的に、この二つの動きをどういうふうに組み合わせていこうとされているのか、何か具体的なアイデアがありましたら教えてください。
○中村部会長 私からも。民間の土地が多くなってくる可能性がありますよね。先ほどの二次的な自然とか。保護区設定ってどんなふうに考えていくのか、今の30by30も一つの考え方だと思うのですが、教えてください。
○希少種保全推進室長 そうですね。いわゆる保護区として規制をかける手法が向いている場所と、一方で、繰り返しになりますけども、積極的に手を加えることで今の生物が住んでいる環境というのを維持管理していかなきゃいけないものと、二つあると思っています。後者については、例えばですけども、種の保存法の法律上の話ではないんですが、近年、自然共生サイトという仕組みの中で、民間のそういった保全活動を認可することで、いわゆるお金の流れとかも含めて見ていけるようにというようなことも進めておりますので、そういった、ほかの、これまでに民間のそういう土地の管理に関する取組というのは環境省としても力を入れてきたところもありますので、必ずしも種の保存法だけでやるというよりは、そういった既存の取組とうまく連携しながら、例えば、まず土地所有者の理解を得やすいのは、自然共生サイトみたいな非規制的なものでやっていくという話をした上で、その上で、もしも必要があれば、さらに保護区にするというようなことも重ねて考えるみたいなものもあり得るのかなというふうに思っておりますが、いずれにしても、いろんな法制度がありますので、そういったもののどれがその現場を守っていくのに適切なのかということをしっかり見ながらやっていきたいなと思っております。
○中村部会長 ありがとうございました。
ちょっと時間が押していますので、この辺でよろしいでしょうか。
また、進んで、議論された段階で教えていただければと思います。ありがとうございました。
続きまして、議題の4、トキの本州での野生復帰についての報告をお願いいたします。
○希少種保全推進室の鴛海です。
トキの報告をいたします。よろしくお願いいたします。
ご存じのとおり、日本生まれのトキはキンという個体を最後にいなくなってしまいましたが、中国からいただいた7羽のトキを繁殖させ、佐渡島で野生復帰を続けてまいりました。多くの関係者のご尽力、ご協力により個体数も順調に回復して、今年実施した本州で初となる放鳥につながりました。
2ページ目ですが、左のグラフの赤線が、佐渡島での個体数の推移です。近年は、概ね野外で推定500羽程度であり、やや頭打ちとなっております。
また、その右側ですが、巣立ち率が伸び悩んでいる状況です。コロニーの中でもペア数が増加してお互いに干渉し、繁殖失敗につながるという事例も確認されています。
佐渡島では順調に増加しているトキですが、一部の個体が本州まで飛来はしているものの、いまだに本州側では定着や繁殖が見られていない状況です。そこで環境省は、令和4年度にトキの受入れに意欲がある取組自治体を公募し、5地域が選定され、そのうち石川県と能登9市町、島根県の出雲市が、トキを放鳥することでトキと共生する里地づくりを行う地域として選定されました。
次は、能登での放鳥までの経緯です。トキの野生復帰に関する様々な取組の進捗状況を確認しまして、有識者会議で、石川県における今後の放鳥計画、モニタリング計画が了承され、環境省が令和8年度に能登地域で放鳥を行うということを決定しました。
なお、能登地域では、令和6年の地震の後も、石川県創造的復興プランにおいて、トキが舞う能登の実現がリーディングプロジェクトに位置づけられていまして、トキの野生復帰に向けた取組は復興のシンボルとして継続して進められてきました。
放鳥についてですが、5月31日に8羽の雄を箱から放鳥するハードリリース方式で行いました。その2週間後に、仮設ケージ内で一定期間環境に慣れさせ、その後放鳥口を開けて、トキが自分で好きなタイミングで出ていける方法、ソフトリリース方式で、雄2羽、雌8羽の計10羽、31日と合わせて18羽を放鳥しました。
放鳥したトキには、全羽に足輪型の追跡機器を装着しています。送信されるデータから、分布と行動を大まかに把握しております。また、自治体が地元で構成するモニタリングチームで現地で状況把握を行い、また、自治体が目撃情報収集の体制を構築しており、一般の皆様から情報を提供していただけるようにしております。
右の地図をご覧ください。8月上旬時点の放鳥したトキの分布の状況です。全羽、現時点で石川県及び富山県内に生息しております。今後は、これらの情報を取りまとめて、次の放鳥計画や取組に生かしていく予定です。
トキを定着させるためには、ある程度継続的な放鳥が必要です。今年の10月に、能登地域の中能登町、来年度の初夏には出雲市にて放鳥を行う予定です。
最後に、今後の目標ですが、最終目標としては、国内で成熟個体1,000羽の生息や、国内での複数の個体群の確立などを目指しています。トキは今年、環境省レッドリストで、ⅠA類からⅠB類に引き下げられました。将来的にはトキが普通種になることを目指すとともに、トキが住めるような里地里山の環境を維持、回復していくことで、生物多様性の保全や里地里山の地域振興につながるよう、引き続き事業を進めてまいりたいと思います。
以上で終わります。
○中村部会長 ありがとうございます。
いかがでしょうか、委員の皆様。
橋本委員、お願いします。
○橋本委員 すごく簡単な質問なんですけど、ご説明ありがとうございました。
能登地震における復興のシンボルになるというのは、私もそうだなと期待しているところなんですけれど、羽咋で最初、放鳥して、今度は中能登に行ってということは、最終的に奥能登も予定されているんでしょうか。
○希少種保全推進室室長補佐 放鳥をする具体的な場所は、石川県や能登9市町等で決めることになっておりますが、地元からはゆくゆくは全市町で放鳥したいという意向は聞いていますので、順次、体制が整えば、その可能性はあるのかなと考えております。
○橋本委員 すみません、ちょっと説明不足だったのですが、羽咋が口能登で、中能登町は中能登で、要は口能登、中能登、奥能登と区分されて、最初が、口能登で、次、中能登地域に行ってというふうな順番で奥能登に行っているのかなというふうに理解したんですけど。
○希少種保全推進室室長補佐 いや、そういう順番が決まっているわけではないです。
○橋本委員 そうなんですね。はい、分かりました。
希望としては、全市町でやりたいということですね。
○希少種保全推進室室長補佐 はい。それで体制が整ったところと調整がついたところから、また、今回放鳥したトキの定着状況も踏まえて判断するということになっておりますので、まず地域がありきというわけではないです。
○橋本委員 ありがとうございます。
○中村部会長 ありがとうございます。
石原委員、お願いします。
○石原委員 ありがとうございます。
本当に放鳥が復興のシンボルとなっていることはすばらしいと思うんですけれども、恐らくこれ、放鳥とセットとなっているのが、環境づくりというか、生息地づくりで、やはり有機農業を、トキの生息地保全のために継続していくことが重要かと思うんですけれども、私、ちょっとこのトキの事例はあんまり詳しくないんですけれども、コウノトリの豊岡などを見ていますと、コウノトリ育む米というのは、いっとき非常に普及したんですけれども、普及を持続的に拡大していく上では課題もあると認識しています。
というのも、やはりそれだけ有機農業でやっていくというためには、過疎化とか、労働力が足りないとかといったところも大きな問題となっておりますので、その辺は、このトキの場合はどういった状況になっているのかというのをお伺いしたいと思います。
○中村部会長 ちょっと回答、あとお二方おられるので、聞いてからでお願いいたします。
続いて、町田委員、藤田委員の順序で、オンラインからお願いいたします。
○町田委員 ありがとうございます。町田です。
私も、このトキの復興、トキと能登の放鳥で、創造的な復興として期待する声が多く聞こえています。私の質問は橋本委員と一緒で、奥能登と言われる特に被災地が、災害が大きかったところでも、こういった農業とか環境に優しいところ、農業で復興していこうとされている方が多くいるので、このトキの共生する里山とすごく共感されているところが多いので、こういった奥能登でも予定されているのかなというのをご質問したかったので、一緒になります。ということで、コメントになります。
以上となります。
○中村部会長 藤田委員、お願いします。
○藤田委員 ありがとうございます。
私も先ほどの方と同じ質問になるんですけれども、コウノトリ米であってもトキ米であっても、やはり有機農業だったり環境配慮型の米づくりというのを地域の農家さんがやっているわけで、その対価をどうやってもらうかというのは、やっぱり地域にとってすごく大きなことだと思うんですよね。倍でこのお米が売れて彼らの努力が報われるというふうに、なかなか日本の消費者市場がなっていない中で、地域の方々が頑張って、地域ネイチャーポジティブを頑張ったところで、どうやってその地域にお金が落ちるのかということを、こうやって今、どんどん放鳥する場所を増やしていく中で、国としてはどういうふうに、頑張っている地域を支援したり、あるいは、そこにお金を落とす経済的な仕組みをつくっていくというふうに考えていらっしゃるのか、もしあれば教えてください。よろしくお願いします。
○中村部会長 ほかは、よろしいですか。
じゃあ、回答をお願いいたします。
○希少種保全推進室室長補佐 トキの本州での放鳥の取組は、環境省のみでは実施できない事業で、こうやって意欲がある自治体に手を挙げていただいて、一緒に役割分担をしながらやっていっております。その中で、場づくり(生息環境の整備)というところは、役割分担としては地元にお願いしているところですが、状況を一部お伝えすると、今、石川県でトキの認証米制度をつくっており、今この場で具体的な数値が言えずすみませんが、今年は、想定していたより何倍も申請があったと聞いております。認証を受けた方にはインセンティブがあるようなシステムにはなっていて、そちらは石川県のほうで引き続き頑張っていただきつつ、まず希少種室としては、トキが能登地域にうまく定着できるよう、そういう技術協力をやっているところです。
また、具体的な補助金などの制度は、当室としては担当していないところですが、環境省の他課室での取組もありますので協力して実施するとともに、消費者に理解いただかないといけないと思いますので、普及啓発なども積極的に頑張っていきたいと思います。
○中村部会長 経済的な問題は、後で経済戦略みたいなものも紹介されると思いますので。
加藤委員、お願いします。
○加藤委員 ありがとうございます。
コメントですが、環境創造室のほうで主導されている良好な環境の観光活用での採択事業の一つがコウノトリの事業ですが、そこでは観光収益の2%か3%でしたかを保全に還元するというような仕組みづくりをされているということで、観光も悪いことだけではないという一つの事例であると思っております。
以上です。
○中村部会長 ありがとうございました。
コメントということでよろしいですね。
○加藤委員 はい。
○中村部会長 ほか、よろしいですか。
それでは、次の報告に移りたいと思います。
議題の5ですね。30by30ロードマップの中間評価について、お願いいたします。
○地域ネイチャーポジティブ推進室長 ありがとうございます。30by30ロードマップの中間評価について(報告)ということで、地域ネイチャーポジティブ推進室の奥田です。よろしくお願いいたします。
資料5について説明していきたいと思いますが、すみません、もうめくられておりますね。
30by30目標の達成に向けてということで、国内の30by30の目標の達成に向けては、環境省としては2022年に「30by30ロードマップ」というものを「昆明・モントリオール生物多様性枠組」に先駆けて策定してきております。こちらのロードマップにつきましては、関係省庁連絡会議で決定いたしましたが、生物多様性国家戦略の附属書としても組み込んでできております。
このロードマップの中で、2026年度、今年度、中間評価を行うということで、今、これから作業を進めていくという状況でございます。ちなみに、達成状況でございますが、陸域で、現時点で21.0%、海域で13.3%となっております。
次のページをお願いいたします。30by30ロードマップ中間評価についてということで、先ほどご紹介したロードマップの本文では、(1)に書いてあるとおりのことを書いてきておりまして、(2)にございますが、今後のスケジュールといたしましては、この次のページで説明いたします未来対話というものを行った後、パブリックコメントを経た上で生物多様性国家戦略関係省庁連絡会議にて決定していきたいというふうに考えております。
次のページをお願いいたします。30by30ロードマップ未来対話について(概要)ということでございますけれども、すごく役所的にやるのであれば、関係省庁と淡々と実施状況について評価していくことになるかと思いますが、せっかくの30by30ロードマップに関するものですので、できるだけ開かれたプロセスかつ30by30に向けてステークホルダーをさらに巻き込んでいくための方策として、30by30ロードマップ未来対話というものを開催していきたいと考えております。第1回は来週31日に開催予定でして、2回目を11月4日に開催予定ということで、主催は環境省でございますが、参加者としましては、この自然環境部会のメンバーの何名かもご参加いただきますし、あと自治体、民間企業、NGO、関係省庁等が参加する予定でございます。
次のページ、5ページ目でございますけれども、中間評価で示す方向性のたたき台ということで書いております。まだ中間評価でどういう方向性を示すのかというものは、まだまだこれから議論していく内容でございますけれども、やはり大きなものとしましては、社会全体で実効性のある30%実現と、その先の自然共生社会へということで、ある意味では、30by30目標にとどまらず、さらにその先も見据えた、次の国家戦略を見据えた議論をぜひやっていきたいなというふうに考えております。
ここに現時点で五つ掲げておりますが、一つ目としましては、自然共生サイトという制度を始めましたが、これが現時点で610か所ございまして、目標を大きく上回っております。こうした取組を、さらに裾野を含めて拡大していくことについて、あるいは②番でございますが、先ほども述べたとおり、現状で陸域で21%でございまして、30%にはまだ届いておりませんので、30by30目標達成に向けた取組の加速化と、それから、保護地域も含めて保全の質をいかに向上していくのかといったような課題、さらに③番でございますが、この30by30自体が土地にひもづいたエリアベースドな取組でございますけれども、先ほどのトキの話、あるいはその前の希少種の生息地等保護区の話もございましたが、いかに地域において、そういった様々な保護施策も含めてどういった保全と活用を進めていくのか、そうした空間的な配置も非常に重要になってくると思っておりますし、さらにその地域として、どうそれを継続していくかも含めて、地域としてのあるべき姿、地域のグランドデザインとしてどういうものを考えていくべきなのかといったようなことも、ぜひ入れていきたいなと考えております。
それから、④、⑤はそれらを支えるものとなっていきますが、この後、説明もございますが、経済的側面から、どういうふうにして支えていけるのか。特に、地域と経済をうまく結びつけるといったようなところで何がポイントなのか。
さらに、⑤番でございますが、ネイチャーテックと書きましたが、やはりこうした取組を支える様々なデータ、あるいは技術基盤があると思っております。そうしたものをいかに進めて30by30の達成、さらにその先を見据えて、方向性というものをぜひ議論して打ち出していきたいと考えております。
以上です。ありがとうございます。
○中村部会長 ありがとうございました。
皆さんのほうからご意見はいかがでしょうか。
どうぞ、森田さん。
○森田委員 ありがとうございます。
また今後、30by30ロードマップの検討会でもいろいろ議論されると思うのですけれども、この30by30、自然共生サイトの取組もいろいろな種類がある中で、生物多様性のほうでもネイチャー・ベースド・ソリューションの議論などもされており、皆さんが考えているネイチャーとしてよいものはいろいろなものがあると思います。企業も含めて様々なステークホルダーが取り組みを考えている中で、どういうふうに良い取り組みを引き伸ばしていくかということについて、皆さんが多分考えているものがそれぞれ違っていると思います。この地域はこういうネイチャー・ベースド・ソリューションを入れるポテンシャルがあるよというような、何かこういうところにニーズがあるよということは、もっと伝えていくほうがいいかなというふうに思っています。
今、見える化のいろいろなデータも出てきていますけれど、今後その30%がどういうもので積み上げられるのかというのは、今のスタートとしては、いろいろなケースが出てきたというのでよいと思うのですけれど、地域においては自然だけの話じゃなくて、地域社会のいろいろな問題とも複合的に考えなくてはいけないので、この次のステップとしてどういうものがいいかというのを、類型化したものがみがうまくでてくるといいなと思います。
○中村部会長 続きましてオンラインから、愛甲委員、町田委員の順番でお願いします。
愛甲委員、どうぞ。
○愛甲委員 愛甲です。ありがとうございます。
中間評価をする際に、この数字だけ見ると現時点で21%で、海域13.3%ということなんですけど、この目標である30%にというのをどういうふうに捉えるか、現実的に2030年で30%というのを現実的なものとして考えていらっしゃる、関係省として考えていらっしゃるのか。それとも、もう質とかも含めて、もうちょっと違う評価をするのか、中間評価なので、まだ5年あると見るのかどうかというところだとは思いますが、その辺をどう考えていらっしゃるかというのをちょっと聞きたいとは思っていました。その上で、やっぱりこれは以前の国家戦略をつくったときもそういう話がありましたけど、他の省庁で持っている土地、特に都市公園等なども含めて積極的にそういうのにも関わっていただくというようなことも必要でしょうし、もちろん民間で一生懸命、いろんな例が増えてきているというのはあるとは思いますが、その辺の質の評価というのも含めて、どういうふうにこの評価をしていくのかという辺りを、ちょっと伺えればと思っていました。
あと、自然共生サイトそのものについては、私も幾つかの例で申請にちょっと携わりましたけど、ちょっとその申請するときの手続面の整理というか基準の部分で、もうちょっと効率的にいろいろやっていただけるといいのかなと思って、かなり事務局とのやり取りというのはすごく大変で、民間等では、より大変なんじゃないかなと思った点も感じたところです。
以上です。
○中村部会長 ありがとうございます。
続いて、町田委員、お願いいたします。
○町田委員 ありがとうございます。
私も最後の中間評価で示す方向性のたたき台の考え方なんですけども、こういった成果を出す指標を、いろいろな指標があるかな、もちろん30%になるようにという量の指標もあると思うんですけども、今回、自然共生サイトを通じて、これまで環境とかそういったことに、自然共生サイトをきっかけに様々な業種の方が広がったなという実感が、いろんなお手伝いをしていて思いますので、そういった協働ですとか質の評価なんかもできるといいなと思ったところです。
以上となります。
○中村部会長 ありがとうございます。
取りあえず、この3名の方について、回答をお願いいたします。
○地域ネイチャーポジティブ推進室長 ありがとうございます。
まず、森田委員から、地域と地域社会の中でいろいろな問題がある中で、どういうふうにしてその課題の解決策を提示していくことかと理解しました。
まさにおっしゃってくださったとおり、地域によってその関わり方等は様々で、人口等々も含めて様々でございますけれども、そうしたところでもやはり、ぜひ考えていくべき要素、エッセンスというものをできる限り整理して、示して、いろんな選択肢を分かりやすく示していきたいなと考えております。
それから、愛甲委員からいただきました、まず30by30目標を達成する気はあるのかということでございますが、ありますということを答えておきたいなと考えておりまして、その後のコメントでもいただいた自然共生サイトも2023年から運用を始めまして、その2年後に法律という形に形は変わりましたが、その中でやはり見えてきた様々なものがございます。そうした経験も踏まえて、よりよい在り方というものをこの中間時点でぜひ示していきたいなと考えております。
それから、これは町田委員のご質問とも関連いたしますけれども、質も含めた評価をどうやっていくのかということでございますが、この後の報告事項の最後でもご報告いたしますが、やはり国際的な流れの中で、プライスレスな自然をプライシングしていくことも含めて、生物多様性の価値というものをどう評価していくのかということが、まさに議論になってきておりますので、そうしたものも含めて、これからしっかりと取り組んでいきたいというふうに考えておりまして、まず、自然共生サイトにおけるそういった価値の評価というものを行えないかという検討をし始めておりますので、その辺り、この後の議題でご説明したいと思っております。
それから、手続の煩雑さ等々についてご指摘ありがとうございました。1点、言い訳をしておきますと、ERCAが今、事務を担ってくださっておりますが、必ずしも落とすための審査ではなく、よりよく活動していくためにはどうすればいいのかという伴走支援に近い審査も行われているものも多数ございます。そうした中で、ついついたくさんのお願いをしてしまうこともあるかと思いますが、様々な声を聞いて、我々も効率的かつ効果的にやっていかなきゃいけないというので、不断の改善を行っておりますので、さらに改善を進めていきたいと思います。ありがとうございます。
○中村部会長 ありがとうございます。
それでは、会場から森本委員、石原委員、それからオンラインで勢一委員、お願いします。
森本さん、お願いします。
○森本委員 ご説明ありがとうございました。
ERCAには動画の作成をしていただいていて、非常に助けられました。手続が少しは楽になったかなと思います。
私からは、海の保護状況について。達成状況の数字を見ますと、陸域は増えているが、海域は増えていないようです。これは、これまでの取組が、陸域にはある程度効果的だったけれども、海域についてはいま一つだったということを示していると思います。これからの海域の保護面積を増やしていくに当たって、何かこれまでと違った取組が必要だと思われるので、中間評価ではぜひ、今後の効果的な追加の策というのを打ち出していただきたいなと思います。意見です。
○中村部会長 ありがとうございます。
石原委員、お願いします。
○石原委員 先ほどの森本委員の意見とちょっとかぶっているんですけども、海に関しては、やはり13.3%と非常に低いというところがありまして、ただ、日本の場合は、漁業者が自主的に設定している禁漁区、保護区等がございます。それは、でも多分データベース化はされていないので、かなり、その辺をどうやって細かく見ていくかというのは大変な作業になるかなとは思うんですけれども、その辺をかなりうまく活用して数字に挙げられると、私自身はいいのではないかなと思っておりますし、実際そういうことをすることによって、漁業者自身が自分たちがやっている管理体制に対する意識も上がってくるのではないかなと思いますので、その辺をご検討いただけますと幸いです。
○中村部会長 ありがとうございます。
勢一委員、お願いいたします。
○勢一委員 ありがとうございます。
私からもリクエストですが、先ほどご意見が出ましたけれども、他法令との関係で、もう少しどのような区域を加えることができるのかというところをぜひ深掘りをしていただければと思っています。
さらに、今後どのような場所が候補になり得るのかという候補地の条件のようなものについても、ぜひご議論いただければありがたいなと思います。今後、自然関係のデータが整ってくれば、例えば希少種のホットスポットなどを保護区に加えていくというようなこと。どのくらいの強度の保護区が適切かというのはそれぞれだと思いますけれども、もう少し広げる要件を関係者の間で詰めていただけるとありがたいです。
以上です。よろしくお願いいたします。
○中村部会長 ありがとうございます。
それでは回答をお願いいたします。
○地域ネイチャーポジティブ推進室長 ありがとうございます。
海のOECMにつきまして、現状では自然共生サイトがそれに該当しますが、全体610件と申しましたが、海はまだ二十何件か30件ちょいぐらいだと思います。パーセンテージにすると0.0幾つかという、000幾つかという状況でございますが、面白いのが、やはり漁協の方の申請というのも非常にあって、やはりこういう生物多様性保全の取組自体を、もう積極的に漁業者自身が発信していくという時代になったということで大変興味深く見ておりますので、そうした取組をぜひ、うまく後押ししていきたいなと思っております。
その上で、いただいたとおり、森本先生、それから石原先生にいただいたとおり、海につきましては、この30by30ロードマップ中間評価におきましても、どういう考えの下でこういった部分をしっかりと保全していくのかというところの方針については、ぜひ書いていきたいというふうに考えておりまして、今後議論を進める中で、その辺りもしっかりと示していきたいと考えております。
それから、勢一委員からいただきました他の法令との関係でということで、まさに自然共生サイトをやっていて痛感しておりますが、本当に様々な法令なり取組なり仕組みの中で、柔軟性も持ちつつ、時に玉石混交なものも含めながら進めております。むちゃくちゃ、そういった事例がたくさん集まってきております。
自然共生サイトにつきましては、手挙げ方式ですので、申請された方の場所を見ていくということでございますが、先ほど申したとおり、それを、よりほかの様々なデータ等も含めて、こういった場所がぜひ、そういった自然共生サイトなり、あるいは別の形のものとして、守っていくなり活用していけるといいよねというようなところについては、ぜひ議論を進めて、みんなで協力しながら守っていく、あるいは活用していくということを、ぜひ積極的に進めていきたいなと考えております。
ご意見ありがとうございました。
○中村部会長 ありがとうございました。私もこの対話に参加できそうなので、楽しみにしております。
すみません。30分を過ぎてしまいましたが、最後のご報告があるので、もう少し、時間が許す委員の方々は、お付き合いをお願いいたします。
6番目、ネイチャーポジティブ経済移行戦略ロードマップに基づく取組状況について、お願いいたします。
○生物多様性ビジネス推進室長 ありがとうございます。
生物多様性主流化室、改めまして、8月から生物多様性ビジネス推進室となりました。室長の永田でございます。
ネイチャーポジティブ経済移行に向けた取組状況について、簡単にご報告させていただきます。
次のページをお願いします。ネイチャーポジティブ経済移行戦略を、生物多様性国家戦略に基づいて2024年に策定をしております。これをさらに、2030年までにどう実現していくか。国の施策の方向性の全体像を具体化しようということで昨年7月にロードマップを策定しております。
この中で、企業におけるネイチャーポジティブ経営への移行を力強く推進していくということと併せて、1社だけではなかなか取組が進まないというところを、社会システム上、どう変革していくかという観点で、金融機関・投資家のネイチャーファイナンスの拡大、消費者行動変容によるネイチャーポジティブに配慮した製品サービスが評価されるような市場の形成、ネイチャーポジティブな地域づくり、そして国際競争力の向上の観点から取組を進めております。
策定から1年経過し、現在、企業経営、調達、ファイナンス、そして価値評価の各分野で具体的なツールとガイドラインの策定など、整備を進めておりまして、本日、右の黄色い下線を引いているところについて、中心にご報告いたします。
次のページをお願いいたします。まず、ビジネスにネイチャーポジティブの視点を取り入れていくということが、どのように企業価値の向上につながっていくのかというのが示せないと、企業においても持続可能な形で取り組んでいくことが難しいというお声をいただいておりまして、これを示そうということで、企業価値向上ストーリー集を今年の3月に策定をしております。
企業20社にもヒアリングをさせていただきまして、企業価値につながっていく経路というのは、この企業価値を高めるというところのスパイラルアップさせているところにあるように、いろいろな経路があるということが分かってまいりまして、そういったものをまとめてお示しをしております。
次のページをお願いいたします。今、ガイドラインを二つ策定してございます。
一つ目が、調達におけるネイチャーポジティブへの取組を促進すべく、調達におけるネイチャーポジティブに向けた実践ガイドラインというものでございます。
日本は、国外への自然資本への依存度が高いということでございますけれども、ネイチャーポジティブへの配慮を、サプライチェーンを通じてどのように取り組むかといったときに、水準感だとかトレーサビリティをどこまで追っていけばいいのか、こういったことが不明瞭であるという課題を踏まえて、企業が調達において実践をしていただくときに押さえるべき基本事項を、任意のガイドラインの形でお示しをしております。
ガイドラインの概要は、責任ある企業行動の企業方針だとか、経営システムへの組み込みをまずしていただくということと、サプライチェーン、事業全体にわたるこのビジネスが、どのように自然に負の影響を与えているのか、こういったものを特定評価していく。そして、特定された負の影響について、停止・防止・軽減措置を講じていく。モニタリングと情報開示というものをお示ししているところであります。
現在、この7月に策定をしたガイドラインを踏まえたモデル事業の公募というのを行ってございまして、今年度、モデル先行的な事例を、モデル事業を通じてご支援していければというふうに考えております。
次に、ネイチャーファイナンスの実践ガイドラインの検討でございます。
こちら、企業がネイチャーポジティブ経営に取り組んでいくことを、どのように金融機関、投資家側が、情報開示などを踏まえて投融資判断に織り込んでいけるか、これが重要であろうということで、投資家、金融機関側がどのように見ればいいのかを明示するために、基本的な考え方と実践に当たっての取り組み方を提示しようというものでございます。
現在、パブリックコメントが終わった状態でございまして、今後、9月頃を目処に策定をしていきたいと考えております。その後、こちらもモデル事業を実施していく予定でございます。
次のページをお願いいたします。こうした取組も踏まえまして、企業の皆様もネイチャーポジティブ経営の取組を加速いただいているところでございます。TNFD、自然関連財務情報開示に対応される企業というのは、日本が世界でトップという状況が依然続いておりますほか、このネイチャーポジティブ宣言というのも2年前から呼びかけをしているところ、この宣言数も拡大をしているところでございます。引き続き、ビジネスにおけるネイチャーポジティブを推進してまいりたいと考えております。
次、生物多様性の価値評価について、説明者を移しまして、お願いします。
○地域ネイチャーポジティブ推進室長 続きまして、6ページをご覧ください。
生物多様性の価値評価に関する検討状況についてということで、先ほども少し申し上げましたが、今現在、世界的な炭素に関するクレジットの動きですとか、あるいは英国のBiodiversity Net Gainの法律ですとか、そうしたものに触発されて世界的にネイチャークレジットの動きというものが大変加速しております。
そうした中で、四角の1ポツ目でございますが、昨年9月より、生物多様性の価値評価に関する検討会を設置しまして、座長は中村委員長にお願いしております。こちらの検討を進めてきております。令和7年度につきましては、生物多様性の価値評価手法の検討に当たっての基本的な考え方というものを昨年度末に取りまとめました。
考えていることといたしましては、三つ目でございますけれども、やはり、もう世界的な評価手法が、様々検討が進む中で、やはり日本を含むアジア・モンスーン地域特有の二次的な自然の特徴をしっかりと踏まえて、我が国の自然環境についてしっかりと適切に評価できるものをしっかり提供できるようにしていきたいということを考えております。国内でも、様々な民間の取組もございますけれども、そうしたところで既に検討されているものもうまく踏まえながら、いいものを取り入れながら検討を進めていきたいと考えております。
スケジュールでございますが、昨年度、令和7年度、この価値評価手法の検討に当たっての基本的な考え方を取りまとめましたが、今年度から、国家案件等をともに、この具体的な評価手法についてのプロジェクトを動かしておりまして、そうしたプロジェクトと並行して検討というものを進めていくということを考えております。まずは、自然共生サイトにおける評価手法というものをしっかりと示していきたいと考えております。
次の7ページについては、基本的な考え方の概要でございます。
以上でございます。
○中村部会長 ありがとうございました。
それでは、皆さんのほうから、もう時間はないんですが、コンパクトに。
加藤委員、お願いします。
その後、森田委員、お願いします。
○加藤委員 ありがとうございます。
1点目はコメントですけれども、やはりネイチャーポジティブ経営や脱炭素への観光業のコミットというのはまだまだ非常に低いものがございますので、ぜひ観光業のほうにも働きかけていただけるとありがたいなと思います。
2番目に、価値評価のところですが、やはり30%を目標とはしていつつも、それだけ、その先はどうなるかというのは、先ほどの議論にもありましたが、環境のほうでも言われる、「ウェルビーイング」、その評価要素ということと、どういう関連性があるのかを教えていただければと思いました。
以上です。
○中村部会長 森田委員、お願いします。
○森田委員 どうもありがとうございました。
生物多様性の議論が、どうしても何か、日本国民は国内の生物多様性だけを考えればいいという、何かナラティブが私は好きではなくて、やはり私たちは国外の自然資源にも頼っているというところも、やっぱり見ていかなくてはいけないのと、他国の30by30の目標にも実は影響しているというところは、このTNFDの議論の中でも触れられていると思います。このネイチャーポジティブな調達や、モンスーン地域としてどう考えるかという視点が入っているというのは、とてもよいと思います。
それを踏まえてなのですが、他国のネイチャーポジティブの調達まで考えていくとなると、例えば途上国の問題となると、JICAさんですとか、国際協力に関わる国際開発金融機関とか、そういう機関との連携も今後、大企業が真剣に考える必要が出てくると思うので、その辺のサポートも必要で、企業からのニーズも増えてくることを考えると、省庁を超えて何ができるのかというところも今後検討が必要であるとは思います。
あとは、企業のサステナビリティのウェブページを見ると、もう気候変動と生物多様性がセットで出てくる中で、どっちもやらなきゃいけないという認識は高まっている中で、この二つ両方に対応するということ、効率的に対応するにはどうしたらいいかという検討は、どこの担当がやるのでしょうか。特に、生物多様性はまだ分からないことも多いと思うので、この生物多様性側のほうから結構議論しなくてはいけない部分があると思うので、これを両立させることを検討すること、その場所は必要だと思います。
あとは、3点目は、これは多分、日本だけではない課題だと思うのですが、大企業さんは、いろいろ対応を進めてきているけど、中小企業さんとかも今後、TNFDとの関連で何かやろうと思っている中で、自分たちだけでやるのはすごく大変という中で、そういうところのサポートをどうやってやるのか、多分、欧州とかも同じ課題を抱えていると思いますので、その辺も今後議論してほしいなと思います。
以上です。
○中村部会長 ありがとうございます。
事務局には申し訳ありませんが、オンラインも、続けて行かせていただきます。
藤田委員、お願いします。
○藤田委員 ありがとうございます。
生物多様性の価値評価のところで質問なんですが、これが何を目指しているのかいま一つ分からなくて、企業のバリューチェーンについては、ネイチャーフットプリントというのを国として出しましたよね、3月末に。この価値評価というのは、もっと自然資本そのものを定量評価したり金銭評価するようなもののように見えるんですけど、目指すところは何なのかがちょっと見えなくて、例えばネイチャークレジットみたいなクレジットの設計をしたいのか、あるいは東大がやっているようなバランスシートみたいなところまで持っていきたいのか、あるいは英国のBNGみたいな規制をつくりたいのか、あるいは、例えばもう少しでISSBの自然の基準とかが始まりますけど、そういったところに盛り込んでいきたいのか、何かどの辺を目指して、この国家案件と研究をして、どういうところに使っていこうと。先ほど、自然共生サイトに使っていくというのもありましたけど、何かどの辺を目指して何を作っていくのかをちょっと教えていただければと思います。
よろしくお願いします。
○中村部会長 ありがとうございます。
町田委員、お願いします。
○町田委員 ありがとうございます。
私も資料6の7ページの、生物多様性の価値評価手法の検討の考え方というところで、こういった取組がグリーンウォッシュにならない、本当に価値評価が見える化して生物多様性のインセンティブが高まっていく上では大事な取組かなと思っています。
お時間がない中でのご説明だったのだと思うんですけども、もしこの対象と留意事項の中で、③の地域の生業・暮らしとかいうところも、ほかの委員の先生のご質問と併せて少し教えていただけるとありがたいなと思ったところです。
以上となります。
○中村部会長 ありがとうございます。
大塚委員、お願いします。
○大塚委員 今の藤田委員のご質問とちょっと関係しますけども、この6ページ、7ページに関しては、このご議論は非常に重要だと思いますが、各国でこの種の対応をしたときに、この先はどういうふうにしていくことを環境省さんとしてはお考えになっているか、教えていただきたいんですけども、結局、世界的にある種、統一したものになっていくことが望ましいと思いますが、そのための一里塚をやっていただいているというご趣旨も入っているじゃないかと思うんですけども、その辺を教えてください。
日本の、この生物多様性価値とかTNFDに関して、実際に銀行で関わるのは日本の銀行が多いということだとすると、今の私の質問はあまり問題になりにくいのかもしれませんが、ほかの国の銀行からの融資とか、日本の銀行がほかのところに融資するということもちろんあると思いますので、その辺を教えていただけるとありがたいです。
ありがとうございます。
○中村部会長 ありがとうございました。
それでは、たくさん質問をいただきました。よろしくお願いします。
○生物多様性ビジネス推進室長 ありがとうございます。
まず加藤先生から、観光業に対してもコミットメントを広げていけるように働きかけるという点、おっしゃるとおりでして、地域においてネイチャーポジティブを実装していくときの重要なアクターというふうに考えておりますので、観光業の方もこういったものに取り組んでいただけるようにしていけると大変よいと思っております。
次に、森田先生からの途上国だとか他国におけるネイチャーポジティブに対する関わり方ということで、我々、今回、調達という、サプライチェーンの先にある自然資本を日本企業も自らきちんとそれが持続可能な形で生産できるようなことを支援していくところまで立ち入らなければならないのではないか、それはビジネスにおける調達の持続可能性そのものの話であるということでお示しをしてございます。実際に、企業・商社の方も、途上国等の調達、生産現場の中でランドスケープアプローチの実践に関わったりだとかというような実例も出てきております。
JICA等の国際開発機関との連携という点も重要というふうに考えております。JICA側も生物多様性主流化支援ツールを開発されたところでございまして、実際にそういう案件が出てくると、さらに日本が貢献する形で、生産現場というのがネイチャーポジティブに資するようなことになるのかなというふうに考えております。
カーボンニュートラルとネイチャーポジティブの同時実現をどのように効率的に図っていくか、シナジー、ネクサスをどう達成していくかということでございますが、省内では三社会統合事業というのを設けてございまして、このカーボンニュートラルだけではなくて、資源循環、最近は化学物質管理なんかも加わってございますが、そういったものを一体的に、統合的対応をどういうふうにしていくかという点、連携して取り組んでいるところでございまして、企業の皆様がそれぞれ課題の対応に追われるというようなご意見にきちんと対応できるように進めていきたいというふうに考えております。
価値評価につきまして、どのような形に進めていくかという、何を目指しているのかという点につきまして、奥田室長からも補足があると思いますけれども、活用スキームの実装可能性という点では広くあるというふうに考えております。一つはBNGのようなクレジットもあるかもしれませんけれども、まずはそれに限らない形で、日本なりの生物多様性の評価手法というのを確立することが重要であると認識してございます。各国、国際的に今進んでいるものの中では、二次的自然の評価方法というのがやはり定まっていないところがございますので、日本側でそれをきちんとつくった上で打ち込んでいくということと併せて、活用手法として、実際にその保全活動に対応される現場の方々に、資源動員が図られていくような形に持っていくということを見据えて取り組んでいきたいというふうに考えております。
以上です。
○地域ネイチャーポジティブ推進室長 すみません、価値評価について少し補足いたします。
加藤委員からいただいたウェルビーイングについてということですが、現時点でこの価値評価の中では、ウェルビーイングは具体的にどうなるのかといったところについて直結する検討自体は行っておりません。価値評価といった場合に、生物多様性の状態そのものの場合と、あとは様々な生態系サービスがあると思いますけれども、それらはきっといろんな組合せがあると思いますが、まず、我が国の二次的自然環境も含めた自然の状態というものを定量的に評価していくにはどういう手法があるのかという観点で一旦進めているというところでございます。
その上で、町田委員からもご指摘のあった、7ページの中ほどの、地域の生業・暮らし・伝統文化といったようなところでございますが、先ほどから話が出ていますとおり、二次的自然環境といったようなものは、こういった地域の生業・暮らし・伝統文化といったものと切っても切れない関係にもございまして、その中で、様々な形は今、起きておりまして、その一つには、例えば観光利用といったようなものもございます。そうしたものもうまく目標に盛り込みながら、そうした我が国として守っていきたいところはどういう形で評価できるのかというものをぜひ進めていきたいと考えております。
その上で、森田委員から、日本のことばかり考えているんじゃないのというコメントをいただきましたが、国際的に様々な評価がなされていて、そうした動きともよく調整しながら、国際的にも通用するものを、ぜひやっていきたいなと思っております。
ありがとうございます。
○中村部会長 ありがとうございました。
きっと、まだ満足いかないところもあると思うんですが、個別に聞いていただければ、永田室長も奥田室長も丁寧に答えていただけると思いますので、よろしくお願いいたします。
多分、皆さんにとっても大変興味があって、未来につながるような、そういう議題だったんだと思います。
20分ぐらい、もう既に超過しております。この報告についてはここまでということで、その他があるんですが、その他、事務局から何かありますか。
特にありませんか。よろしいですか。
それでは、今回のこの会議の議題は全て終了したということで、進行を事務局にお返ししたいと思います。
○司会 中村部会長、議事進行、ありがとうございました。
委員の皆様におかれましても、長時間にわたるご審議ありがとうございました。
本会はこれで閉会といたします。皆様、ありがとうございました。
午後3時52分 閉会
○司会 定刻となりましたので、中央環境審議会自然環境部会を開会します。
本日はお忙しい中、ご出席ありがとうございます。
会議に先立ちまして、出席委員数のご報告です。
本日は、所属の委員、臨時委員29名のうち、ウェブ会議システムでの参加を含め24名が出席され、定足数を満たしていますので、本部会は成立しております。
次に、本日の会議運営についてご説明いたします。
本会議につきましては、会場での傍聴は行わず、YouTubeにてライブ配信をしておりますので、ご了承ください。
また、ウェブ会議システムでご参加されている委員の皆様におかれましては、差し支えない範囲で結構ですので、常時、ビデオはオンにしていただき、お顔が見られる状態にしてください。
なお、発言時を除き、マイクはミュートにしてください。
ウェブ会議システムで参加の皆様で、ご発言を希望される場合は、画面にある挙手アイコンをクリックしてお知らせください。部会長からのご指名を受けましたらご発言いただき、ご発言が終わりましたら、再度、挙手アイコンをクリックしてください。
会議室でご参加の委員の皆様におかれましては、ご発言の際は、名札を机の上に立てていただき、部会長からのご指名後、マイクをオンにしてご発言ください。マイクが少々音を拾いにくいようですので、マイクに近づいて発言をお願いいたします。発言終了後は、マイクをオフにしていただくようお願いいたします。
資料については、委員の皆様にはあらかじめ電子データを送付しております。
また、環境省ホームページの自然環境部会のページにも同じ資料を掲載しております。
会議室でご参加の委員の皆様は、お手元のタブレットで資料をご覧ください。
最後に、環境省職員に一部、異動がございましたので、本日出席の者をご紹介させていただきます。
自然環境局長の則久でございます。
○自然環境局長 則久です。よろしくお願いいたします。
○司会 自然環境局担当大臣官房審議官の高城でございます。
○大臣官房審議官 高城でございます。どうぞよろしくお願いします。
○司会 総務課長の近藤でございます。
○総務課長 総務課長の近藤でございます。2年目になります。よろしくお願いいたします。
○司会 国立公園課長の山本でございます。
○国立公園課長 山本です。よろしくお願いいたします。
○司会 野生生物課長の鈴木でございます。
○野生生物課長 鈴木でございます。よろしくお願いいたします。
○司会 鳥獣保護管理室長の佐々木でございます。
○鳥獣保護管理室長 佐々木です。よろしくお願いします。
○司会 希少種保全推進室長の北橋でございます。
○希少種保全推進室長 北橋です。よろしくお願いいたします。
○司会 生物多様性戦略推進室長の羽井佐でございます。
○生物多様性戦略推進室長 羽井佐です。よろしくお願いします。
○司会 生物多様性ビジネス推進室長の永田でございます。
○生物多様性ビジネス推進室長 永田です。よろしくお願いいたします。
○司会 地域ネイチャーポジティブ推進室長の奥田でございます。
○地域ネイチャーポジティブ推進室長 奥田です。よろしくお願いします。
○司会 それでは、本委員会の開催に当たり、自然環境局長の則久よりご挨拶を申し上げます。
○自然環境局長 今月7日付で自然環境局長を拝命いたしました則久でございます。
本日は、お忙しい中、また、お暑い中、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
私は2年ぶりぐらいで、この部会に参加させていただきますけども、初めに、7月28日、令和8年熊本地震、それから8月13日の千葉豪雨で亡くなられた方々に謹んで哀悼の意をささげますとともに、被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げたいと思います。
環境省としましても、災害からの一日も早い復旧・復興に向けまして、現地へ職員を派遣しまして、特に熊本でございますけども、災害廃棄物への対応、それから、被災者の救護の観点からのペット対策ということに取り組んできております。
前職は、サイバーセキュリティーと環境省の危機管理の担当の審議官もしておりまして、そのときにちょうど、この熊本の地震も発生いたしました。自然災害は、年々増えてきている実感がございまして、震度5弱以上の地震があったり、大雨が降る場合は、官邸に災害の連絡室、それから環境省も災害情報連絡室を立ち上げるのですが、実は今年の4月、5月、6月の3か月で、去年の1年間分の設置回数を超えております。それだけ有事に備えた災害対応が、逆に言うと平時になってきているというところがありますので、今後、気候変動への適応等を考えますと、我々の分野でもしっかり考えていく必要があるかなと思っているところでございます。
また、熊本におきまして、今年7月にグローバル・ネイチャーポジティブ・サミットが開催されました。非常に多様なセクターの方々の賛同の下、熊本宣言が採択されるなど、自然と共生社会の実現に向けて、社会全体の機運も盛り上がってきているのではないかと感じております。特に多くのビジネスセクターの方々にご参加いただいて、非常に盛り上がったと聞いております。
すごく印象に残っております。2年ほど前に、中村先生のご講演を聴いたときに、ネイチャーポジティブが一番遅れているのは行政だよと言われたのが印象に残っておりまして、2年ぶりにこの自然局に戻ってまいりましたが、この2年間で非常に大きくいろんな動きが出てきているかと思います。その分野、部分をまたしっかりと加速して進みながらも、一方で、どうしても部分最適を追求するのではなくて、全体のトータルのバランスを見ていくのが私たちの仕事かなと思っておりますので、そういった部分もしっかりと漏れがないようにフォローしていきたいなと思っております。
さて、本日の野生生物部会の議事につきましては、答申をいただきたい事項が一つと審議事項が一つ、それから報告事項が四つございます。
一つは、鳥獣の保護及び管理を図るための事業を実施するための基本的な指針の見直しについてでございまして、これは本年2月の本部会におきまして、環境大臣から諮問があったところでございます。その後、鳥獣の保護及び管理の在り方検討小委員会においてご審議をいただきまして、その内容が取りまとまりました。本日の部会におきましてご審議をいただき、ご答申をいただければと考えております。
続いて、中央環境審議会自然環境部会小委員会の廃止についてでございますが、こちらにつきましては、南極地域の環境保護に関する小委員会の廃止についてご審議いただければと思います。南極法の改正も終わりましたので、その内容についてもご説明したいと思っております。
また、報告事項としては、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存につき講ずべき措置について、それから、トキの本州での野生復帰について、それから30by30ロードマップの中間評価について、最後に、ネイチャーポジティブ経済移行戦略ロードマップに基づく取組状況についてのご報告を、それぞれの関係課室より行わせていただきます。
限られた時間ではございますが、本当は2時間でこれだけ全部終わるのかと思っておりますが、かなり駆け足になるかもしれませんけども、中身はじっくりと、本当にお気づきの点があれば、忌憚のないご意見をいただければというふうに考えております。
本日は、よろしくお願いしたいと思います。
○司会 報道機関の皆様におかれましては、冒頭の撮影はここまでとなります。以降は傍聴のみとさせていただきます。
それでは、ここからの議事進行につきましては、中村部会長にお願いすることといたします。
中村部会長、どうぞよろしくお願いいたします。
○中村部会長 お暑い中、集まっていただきまして、ありがとうございます。本当に暑いですね、東京は。こんなに暑いと思わないぐらい暑い東京です。
今、則久局長のほうからお話があったとおり、今回、多分、幹部の方が代わられてから初めての会議だと思います。特に今日は、昨今、大変重要な課題になってきたクマやシカも含めた野生動物管理の問題を扱う議題が多いのかなと思います。時間も限られていますが、盛りだくさんではあるんですが、様々な角度からご意見をいただければと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、早速、議事に入りたいと思います。
事務局からも説明がありましたが、本日の部会は、YouTubeチャンネルにおいてライブ配信していますので、報道関係者や一般の方もご覧になっています。
なお、議事録につきましては、後ほど事務局が作成し、本日、ご出席の委員の皆さんのご確認を受けた後、部会長である私が了承した上で公開することをご了承願います。
また、会議資料につきましても公開となります。
それでは早速ですが、最初の議題の、鳥獣の保護及び管理を図るための事業を実施するための基本的な指針の見直しについて、事務局から説明をお願いいたします。
○鳥獣保護管理室感染症調査係長 本日は、第14次の鳥獣の保護及び管理を図るための事業を実施するための基本的な指針改定(案)について、答申案を審議いただきたく存じます。
鳥獣保護管理法においては、各都道府県は、この基本的な指針、以後、基本指針と言いますが、こちらに基づき、都道府県ごとの鳥獣保護管理事業計画を策定することになっております。現行の事業計画は令和8年度末までの計画となっており、鳥獣保護管理法の施行状況の点検結果及び最新の社会情勢等を踏まえて基本指針を改定し、都道府県が新たな鳥獣保護管理計画を策定していく予定です。今年の2月に自然環境部会に本件を諮問させていただき、その後、部会の承認をいただいた上で、鳥獣の保護及び管理の在り方検討小委員会で、4月、5月、7月に、基本指針案についてご審議をいただき、これからご説明する基本指針の改定(案)を取りまとめました。
基本指針の改定(案)の概要資料は、お示ししておりますとおり、資料1-1、そして本体が資料1-2となっております。最初にお配りしました資料1-2、基本指針の本体において、60ページと62ページに誤植があり、大変申し訳ありません。
基本指針の改定の主な改定ポイントとしては3点、鳥獣の管理の強化、鳥獣の保護の推進、人材確保について説明いたします。
まず、①鳥獣の管理の強化、1-1、危険鳥獣の管理に関する事項です。
今回の基本指針の改定の大きな柱の一つが、危険鳥獣の管理に関する事項の新設です。背景として、近年、クマやイノシシの市街地への出没が、人の安全を脅かす大きな社会問題となっていることが示されています。これを受けて、令和7年度に鳥獣保護管理法の改正を行い、危険鳥獣を定義した上で、人の日常生活圏に危険鳥獣が出没した際に、安全性の確保などの条件を満たしている場合は、緊急銃猟を市町村が実施することができるようにいたしました。今回の基本指針の改定では、近年のクマをめぐる状況を踏まえ、危険鳥獣に関する記載や緊急銃猟制度に関する記載を追加していっています。
具体的な記載は、第Ⅰ章第一、鳥獣の保護及び管理並びに鳥獣の狩猟の適正化に関する基本的な考え方、第Ⅲ章第七、危険鳥獣の人の日常生活圏への侵入の防止に関する事項、53から54ページ、第Ⅴ章、危険鳥獣の管理に関する事項、75から76ページにあります。
改定(案)で示しております考え方のポイントとしましては、危険鳥獣が人の生活圏に出てきてから対応するのではなく、出没そのものを未然に防ぐことを基本とすることです。そのため、基本指針(案)の53ページ以降に追記しました人の日常生活圏への侵入の防止に関する事項において、都道府県が鳥獣保護管理計画を策定するに当たっては、捕獲、生息環境管理、被害防除対策である誘引物管理といった計画的な管理施策に加えて、適切な情報発信を含めて記載することとしています。
また、75ページ目以降には、危険鳥獣の管理に関する事項として、本来は危険鳥獣を人の生活圏に出没させないことが重要であるという基本的な考え方、緊急銃猟の事前準備、安全確保措置及び実施の判断、緊急銃猟の実施に関する記載を追加しています。
続いて、改定のポイントの鳥獣の保護の推進のうち、②の1、鳥類における鉛汚染対策です。
環境省では、令和2年から鉛汚染に関する調査や鉛汚染の防止に向けた検討を進めてきました。これらのことを受けて、基本指針(案)の第Ⅰ章第六、9、鳥類の鉛汚染の防止、21ページの、鉛汚染に関する記述を最新の状況に修正しています。
具体的には、全国的に鳥類の鉛汚染が認められていて、その汚染の一部は鉛弾によるものであることが確認されていますが、引き続き調査分析により科学的知見の集積が必要であることや、全国における指定猟法禁止区域の設定の検討を行うとともに、非鉛製銃弾への切替えを促進するための試射会の実施や普及啓発に取り組むことを追記しています。
次に、改定のポイント②の2、わな等による錯誤捕獲の防止と猟法・猟具の適正化です。
錯誤捕獲については、基本指針(案)の第Ⅰ章第三、5、鳥獣の管理の強化に伴う配慮事項、12ページ、10から12行において記載を追加しています。具体的には、クマが錯誤捕獲された場合、その対応には危険と労力を伴うことから、錯誤捕獲の防止に努めることや、外来鳥獣や農業及び生活環境被害が著しい鳥獣については、捕獲される可能性がある場合は、あらかじめ捕獲申請後、行うことが適切に対応することと追記しています。
また、基本指針(案)の同じく12ページ、12から15行においては、錯誤捕獲に関連しまして、わなの見回りについては原則1回以上の見回りを求めることが一般的であるところ、ICT機器等を活用し、遠隔からわなの動作状況を確認でき、かつ、そのわなに鳥獣がかかっていないことが明らかな場合は、見回りの頻度を削減しても構わないことを追記しています。
また、トラバサミについては、基本指針案の34ページ、30から33行に記載したとおり、これまで衝撃緩衝器具を装着した上で、ほかの方法では目的が達成できないことなどのやむを得ない事由が認められる場合に限って許可できることとしていましたが、今後は、学術研究や希少鳥獣の保護・保全・救護等の特定の目的であって、個体への損傷の程度や錯誤捕獲を防止する措置が取られている場合以外は認めないとしました。
次に、改定のポイントの②、3、狩猟鳥獣の選定の考え方です。
記載箇所は、基本指針案の第Ⅰ章第四、1、制度上の区分に応じた保護及び管理の(2)狩猟鳥獣、13ページ、36から38行です。
狩猟鳥獣の対象種については、飼養動物と外見上の識別が困難な種については、現場で錯誤捕獲か否かを確認することが困難であることや近年の狩猟実績も考慮して、対象種の適否を検討することを追記しました。こちらは、具体的にはノネコやノイヌを想定した記載となっていて、基本指針が改定となった場合は、今後、省令改正をする際に、ノネコやノイヌの取扱いを検討したいと考えています。
次に、改定のポイントの③、人材確保についてです。
基本指針の改定(案)の56から57ページになりますが、鳥獣の保護・管理の現場を支える人材について追記しています。
人材は三つの役割に分けて考えることが追記されていて、具体的には、捕獲を担う人材、生息環境管理や被害防除対策を担う人材、関係者との調整等を行う人材としています。こうした人材は、特定の方が複数の役割を兼ねることもあり得ますが、鳥獣保護管理の現場においては、これらの役割を担う人材の確保に努め、総合的な事業が自律的かつ持続的に可能となる実施体制を、継続的な雇用のための財源の確保の観点も含めて構築していくことが追記されています。
59、61ページにおいては、中長期的な視点に立った計画的な人材の育成・配置として、地方公共団体における安定的な財源の確保の重要性が追記されています。
また、都道府県は、持続可能な鳥獣保護管理事業の実施体制を全域で確保するために必要な人材の育成・配置の目標、達成年数を市町村と連携して定め、目標達成を進めることを追記しています。
そのほか、一つ一つの説明は割愛させていただきますが、資料1-1に示しましたとおり、これまでご説明させていただいたこと以外についても、小委員会において詳細を検討いただき、ご審議いただいた上で、改定(案)に盛り込んでおります。
事務局からの説明は、以上となります。
○中村部会長 ありがとうございました。
それでは、今の説明について、ちょっと読んでいないとフォローするのが大変だったように思うんですが、皆さんのほうからいかがでしょうか。
会場の方は名札を立てていただいて、オンラインの方は手を挙げていただければと思います。
いかがでしょうか。
小泉委員は、この小委員会でおまとめいただいたということで、小泉委員からお願いします。
○小泉委員 ありがとうございます。小泉です。
今回、この基本指針の取りまとめに参加させていただきましたので、多少、補足になりますが説明させていただきます。
鳥獣の保護管理の在り方委員会、3回開催しましたほかに、錯誤捕獲、それから人材育成に関しては、それぞれ独自にワーキンググループを立ち上げて、合計4回審議を行って、この取りまとめの中に提案を行ってまいりました。前回の改定に比べると、今回大きく変わったところというのは、事務局からご説明がありましたように、昨今の大型哺乳類の管理問題に対応するために視点を大きく変えたというところがあります。その一つが、やはり資料1-1の①と、それから③になります。
①のほうは、その他のほうに箇条書されているところも併せて読んでいただくと①をよく理解できるかと思いますけれども、今後、事業計画だけではなくて、その下位計画である特定計画、それから関連する制度ときちんと、関連といいますか、連関をもって進めていくということが大事かと思います。
それから、③の人材確保に関しては、前回まで、どちらかというと、捕獲をする技術を持った人材の育成というような表現になっていたのですが、今回大きく変わりまして、ガバメントハンターというような言葉で表されていますけれども、これは日本版のワイルドライフマネジャーを志向したものだ、目指したものだというふうにご理解いただいて、関連する部分を読んでいただければというふうに思います。ということで、今回、基本指針になっていますけれども、この5年間だけで達成できるものではありませんが、その他のところに書いてありますように、ロジックモデルの活用ということで、こういった視点が、どれだけ実効性、効果を上げたかということを検証しながら、さらに5年後に続けていくというようなことが大切なのではないかというような議論がありました。
以上です。
○中村部会長 補足の説明、ありがとうございました。
ほかの委員の方々、加藤委員、お願いします。
○加藤委員 ありがとうございます。加藤でございます。
感想になってしまいますが、第1点目の、危険鳥獣の人の日常生活圏への侵入防止という観点であるということは理解しておりますが、同時に、人の活動範囲の拡大の一つの大きな理由が観光であって、その管理というものも同時に進めていかないといけないであろうという、感想です。
3番目の人材確保は、捕獲の人材という話だと思いますが、やはり、観光に付随するガイドなど、関わる方々の技術や意識を変えていかないといけないと感じました。
以上です。
○中村部会長 ありがとうございます。
何か事務局のほうから、はい、どうぞ。
○鳥獣保護管理室長 鳥獣室の室長の佐々木でございます。
感想ということですが、コメントを返させていただきます。
緊急時の出没が、特にクマの出没で観光客の方も被害に遭われる。この週末も十和田湖のほうで被害に遭われた方が出ております。やはり、しっかりと観光客の方、それからインバウンドの方に、クマに対する備えとか、そういった情報を発信していくことが大事であったりすると考えております。
環境省では、これまで様々、国立公園のビジターセンターとかで、多言語のそういう注意喚起を行ったりとか、あと、政府広報と連携して、そういったクマの出没に備える行動の取り方とか、そういったものを、機会を捉えて定期的にやってまいりましたので、引き続き今後も力を入れていきたいと考えております。
また、その受皿として、地域でやっぱりクマに対する対策をしっかりして、クマの出没を抑制するための取組ができるようにということで、これは国立公園のほうでございますが、国立公園ごとに、そういうクマに対策するマニュアルづくりなんかも今後進めていくことをやっていますので、しっかりと対応してまいりたいと思います。
それから、人材の確保のところなんですが、今回、基本指針で書いたのは、いわゆる捕獲の役割を担う人間と、それから被害防除、例えば農作物を守るとか、そういう被害を防止する、出没を阻止するための対策をする、そういう役割を担う人材、それからコーディネートをする人材、この三つの役割を位置づけました。やっぱり捕獲するだけでは被害は減らなくて、出没が止まらないので被害が減らないので、そういう誘引物とかの管理もしっかりできなければいけないですし、さらに言うと、それらを地域の方々と連携して、地域の方々にそういう被害防除の対策をやってもらったりとか、あとはハンターの方と連携して、ハンターの方に効果的に動いていただいて捕獲していただいたりとか、そういうコーディネートする役割が非常に重要になってくるので、その三つの役割を今回、規定させていただきました。
逆に、観光サイドですと、クマに対する餌づけとか人慣れの問題がやはり結構心配な状況が出てきています。クマが観光客の前に出てくると写真を撮ってしまって、それが、クマが人というものはそんなに怖くないんだと学習して、人との距離がどんどん縮まってしまうとか、場合によっては、餌やりをすると、クマがもう問題個体になってしまって、人に対して攻撃をしてくるようになってきてしまうので、そういった餌やりの禁止とか、そういったことも今回基本指針の中にしっかりと書き込ませていただいて、国立公園の現場サイドでは、そういった取組も先行して動いているんですけど、基本指針に書くことで、さらにそれが全国の都道府県の鳥獣保護管理計画にも反映されていくというふうな形を今回整えたいと思っております。
以上になります。
○中村部会長 よろしいですか。
それではオンラインで、大久保委員、お願いいたします。
○大久保委員 ご説明、ありがとうございます。
今回、パブリックコメントにおいては、項目によってはかなり多くのご意見が寄せられていますけれども、そのパブリックコメントの内容について、どのような特徴があったかということ、また、その意見の中で今回反映されたものがあれば、特徴的なものを、全部でなくてももちろん結構ですので、特徴的なことについて、ご説明を少しいただければと思います。
以上です。
○中村部会長 ありがとうございます。
ちょっともう一方、勢一委員のご質問、ご意見を聞いてから、事務局からの回答をお願いします。
勢一委員、お願いいたします。
○勢一委員 ご指名ありがとうございます。勢一です。
今、海外にいまして、ちょっと電波が不安定なので、画面、すみません、オフで発言をさせていただきます。
基本方針の取りまとめ、ありがとうございました。
かなり充実したと思っているのですが、ほかのところとの関係で、1点お尋ねをしたいと思います。
今回のご説明の中でも、関連する法律との関係で整合をというような発想は入れていただいたと思っております。そういう意味では、農水省が所管している法律との関係で、こちらの管理法の下での基本方針の中に何らか反映をしていただけているのかどうかというところを少し確認させていただければと思います。具体的には、鳥獣被害対策の特措法のことですけれども、これに関しては、今まさに内閣府の地方分権の地方からの提案として、提案者は山形市だったと思いますけれども、出されております。もちろん事務局の方はご承知と思うのですけれども、市町村の人材不足、知見不足が課題になっていることから、都道府県がそれを支援することを求めるような仕組みへの提案です。こちらの発想を受けて、今はまだ議論の最中ですから、現時点では結論は出ていないのですが。他の法律の内容を直接入れるということはできないと思いますけれども、法律相互の関係性を踏まえた上で、鳥獣管理の都道府県の策定に資するような仕組みの提案は重要かと考えておりますので、この辺りについて少しご検討の状況を教えていただければと思います。
すみません、以上です。
○中村部会長 ありがとうございました。
じゃあ、お二方の委員から、パブコメと法律に関して、お願いいたします。どうぞ。
○鳥獣保護管理室感染症調査係長 事務局のほうから、パブコメについては、ちょっと説明させていただきます。
資料に示しましたとおり、幾つか、今回説明させていただいた内容も含めて、ご関心が非常にあるということが分かっておりまして、クマの対策についてもそうですけども、さらっと説明させていただきましたノネコ、ノイヌに関しても非常に多くの意見をいただいたところでございます。加えて、人材育成についても非常にご関心を持たれている方が多く、捕獲だけではなく、生息地の管理に係る人材育成の重要性について言及いただいております。
また、そもそもの被害をもたらしている鳥獣の生息数の増加や生息地の拡大の要因についても触れるべきといったご意見もいただいておりまして、そういったことは改めて明記しております。
そのほか、錯誤捕獲や鉛弾の使用の防止について幾つかご意見をいただいておりまして、そちらについても説明させていただいたとおりでございます。
○鳥獣保護管理室長 ちょっとパブリックコメントについて補足させていただきますと、やはり意見が多かったのはクマの関連ですね。やはり、クマが今すごく社会的にも問題になっているので、クマについて、まず多かったのが、捕獲だけではなくて、生息地の保全とか、そういったこともしっかりやってほしいとか、あと、ゾーニング管理をしっかりと進めてほしいといった意見がすごく多く寄せられたなというふうに考えております。また、一方で、捕獲に頼らないでほしいとか、かわいそうだから殺さないでほしいといった、そういったご意見もいただいたところです。
それから、狩猟鳥獣からノネコとノイヌを外すということについてもたくさん意見がありました。先ほど説明があったとおりです。やっぱりこれは、ノネコ、ノイヌというのが狩猟鳥獣になっていることで、そういう現場で判断ができなくなるということもあって、外してほしいというふうなご意見をいただいていて、今回のこの基本指針では、狩猟鳥獣として何を選定するかという考え方を示すのがこの基本指針の役割なので、今回、何を選定するかという部分に、そういう識別が困難な種については検討するということを加えさせていただいて、今後、省令を改正する中で、こういうノネコとノイヌの取扱いを、さらに検討を深めていくというふうな段取りで考えているところでございます。
それから、続きまして、勢一委員からいただいた特措法との関係でございます。
実際に今回、基本指針の15ページのところの記載を少し修正しているんですが、都道府県が策定する特定計画とか、そういうシカとかイノシシの対策の計画と、今度、市町村が特措法に基づいて策定する被害防止計画というのがあるんですが、これが、県と市町村でそれぞれ計画をつくるので、どうしてもばらばらになりがちというところがあります。なので、従来の基本指針では、これを、整合を図るという言葉が書かれていたんですが、今回さらに踏み込んで、整合を図るというのは帳尻が合えばいいというふうに誤解されるおそれもあったので、相乗効果が発揮されるようにしっかりと調整をするということを書かせていただいております。
それから、58ページのところに書いてあることなんですけど、そういう被害防止計画を市町村の職員がつくるときに、やっぱりいろんな知識とかが必要になってくるので、そういう研修についてもしっかりと都道府県のほうでやっていただきたいということが書かれているところでございます。
特措法関連は、その辺りが大きなポイントかと思います。
以上です。
○中村部会長 ありがとうございます。
質問された委員のお二人の先生方、いかがですか。よろしいですか。追加はよろしいですか。
○大久保委員 はい、結構です。大久保です。
○勢一委員 はい、結構です。ありがとうございます。
○中村部会長 ありがとうございます。
会場のほうからお願いします。
森本委員、橋本委員の順序、後で加藤委員、お願いいたします。
○森本委員 ご説明ありがとうございました。
私からは、①の鳥獣の管理の強化について、意見とご質問です。
過去の例にもありますように、行き過ぎた捕獲が種の絶滅につながるということを避けるために、まずはモニタリングの体制、どれだけ個体数がいるのかを把握するモニタリングの体制を充実させることが大切だと考えています。
今回の改定に当たって、「国の技術的支援の必要性」に言及したとありますけれども、具体的に、どこにどのような支援をするのかというところについて、予習が足りていませんので、教えていただけると幸いです。
○中村部会長 ありがとうございます。
橋本委員、お願いします。
○橋本委員 ありがとうございます。
基本指針の取りまとめをいただきまして、ありがとうございます。
2点あります。一つ目は、内容というより今後の進め方なんですけれども、基本指針が改定されて、これから各都道府県が鳥獣保護管理事業計画を策定、さらに、特措法の下で鳥獣被害防止計画をつくっていくということに波及していくわけなんですけれど、今回の基本指針の内容をどういうふうに普及させていくのかというところの見通しを少し教えていただきたい。
結局、これが国としての考え方というか、指針がいかに、実際にオペレーションする地方自治体、広域自治体、基礎自治体でどう実装されるかというところがとても重要になってくると思うので、その考えを、見通しを教えていただきたいというのと、あともう一つが人材確保のところで、財源の話を先ほどしてくださったと思うんですが、これ、内容を見ると、財源確保に努めるという書き方が基本的なラインで、どういうふうにこの財源を確保すればいいのかというところが、いま一つ見えてこないんですけれど、これは地方自治体が独自にやることなのか、何か財源支援をするような枠組みをつくるのか、あるいは国として、そこに対して何か、どういうふうな考えを持っているかというのを教えていただきたいです。
結局その財源自体が、人材育成だとかガバメントハンターの運用にしてもベースになってくるのではないのかなと。であれば、そこが確保できないと、いかにいろんなことを書いても計画が実施できないという問題が出てくるので、教えていただきたいです。
以上です。
○中村部会長 ありがとうございます。
加藤委員、お願いします。
○加藤委員 ありがとうございます。
資料の1-2についても質問してもよろしいですか。
○中村部会長 はい、同じこの議題ですよね。
○加藤委員 よろしいですか、はい。加藤でございます。
先ほども既にご説明があったことと関連いたしまして、観光と非常に関連するなと思われる箇所です。まず20ページの、愛玩飼育というところなので、ペットでということで、直接関係はないとは思いますが、教育や繁殖目的であったりしても、ドルフィンショーというようなものが今後どのようになっていくのかなどが、観光と関連して非常に気になるところです。
それから、先ほどもご説明がありましたように、21ページに餌づけという記載がございます。28ページの2の(5)のところに、ふれあいや環境教育という記載がございますけれども、これらも、多くの場合、観光活動としてなされる場合があるので、観光の責任というのは大きいと感じております。
一つご質問ですが、29ページの3の(3)のところに海棲哺乳類という記載がございます。これは、クジラ・イルカなどを含むというそのことでしょうかとなりまして、それに関連いたしまして、(4)のところに海域の保全という記載がありますが、やはり、イルカやクジラというのは非常にウオッチングなどでも観光対象になる生物でありますが、同時に、やはりボートストライクなどの、規制があまりしっかりされていないのでは、ということをコメントさせていただきます。
以上です。ありがとうございます。
○中村部会長 ありがとうございます。
それでは、3名の委員の方に対するコメント、回答をお願いいたします。
○鳥獣保護管理室長 鳥獣室の室長の佐々木からご回答します。
まず、森本委員にいただいた技術的な支援というのがどういうものになるのかというところでございます。
基本的には、こういう基本指針をつくったりとか、あとは、基本指針に基づいて都道府県は鳥獣保護管理計画というのをつくるんですけど、それと、この基本指針も一つの技術的な助言の一つです。
それから、さらに、特定計画という、都道府県がシカとかイノシシとかそういう種ごとに作戦を練ってつくる計画があるんですけど、そちらに対しても、環境省のほうからガイドラインという形で、そういう種に特化した考え方だったりとか、どういうふうなモニタリングをしたらいいのかとか、そういう捕獲の方法はどうあるべきかとか、そういったことを書いた助言をするようなことをやったりしております。
それに加えて、今、地方環境局、地方環境事務所から地方環境局になりましたけど、そちらのほうにも今、広域鳥獣対策専門官とか、あと、クマ対策専門官という人員をこの春から増強して配置をしております。こういった者たちが、そういう日頃から、都道府県とかそういう市町村も含めてですけど、コミュニケーションを取って、いろいろ課題解決のための助言をするとかそういったことをさせていただくというふうな、そういう体制で現在動いているところでございます。
もちろん、鳥獣保護管理室自体も交付金事務を持っておりまして、交付金をやり取りする際に、ただ単に計画を出してもらってお金をつけるというだけではなくて、そこに対して、いや、全国だとこういう事例があるからやってみませんかとか、それはちょっとやり方としてどうなんですかとか、そういったコミュニケーションを通じて助言をすることもございます。そういった、いろんな機会を使って都道府県や市町村に対して情報共有したりとか、そういったことを進めているところでございます。
それから、橋本委員からあった、この指針の普及、これも、指針については、もう14回目の改定なので都道府県もよく分かっていて、我々のこの動きを、もう案がつくられる過程をずっとウオッチしていただいていて、それに対して、我々も照会をかけたり、途中で意見交換とかもしたりしてつくっていっているので、中身はかなりよく分かっていただいているという手応えは感じているところです。
今後、それを世の中に出していく中で、またいろいろご質問とかもいただくものですから、そういったことについては個別にご回答するとか、あとはブロック単位で都道府県の方と意見交換をしているような場もありまして、そういった中でもいろいろご質問に答えていくという形で普及をしていければなというふうに思っております。
それから、人材の確保の財源の部分でございます。
こちら、結構、自治体の財源について、こういう計画に個別のことを書くのがちょっとなかなか難しい状況ではあるんですけど、今回環境省のほうで、この指定管理鳥獣の交付金というものの中に、例えばガバメントハンターみたいな、そういう捕獲の担い手であったりとか、都道府県の専門的な知識を持った職員というものを雇用する場合の人件費について補助ができるような制度を令和7年度補正からつくりました。こちらを活用していただくことで、都道府県のそういう専門人材が雇用しやすくなるという環境をつくらせていただいて、しかも、そこに財源的な支援をする。さらに、そこの自治体負担分のところに特別交付税も措置されるような仕組みを総務省さんと連携してつくらせていただいて、自治体の負担がなるべく少ない状態で確保ができるような、そういう環境を整えております。こういったことを通じて、さらに人材確保が進むように考えていきたいなというふうに思っているところです。
それから、加藤委員のご質問にあった観光の部分、観光に対してどういうふうに対処していくのか。こちらはなかなか、ずっと過去からやられている経緯とかもあったりして難しいところもあったりしております。ただ、やはり世の中の状況として、クマの問題もやっぱりそういう餌づけがクローズアップされますし、あと、鳥インフルエンザとか、そういった感染症の関係、そういったことでも、やはり餌づけというものが、今度、かえって人間に病気がうつる原因になりかねないとか、そういったこともありますので、環境省としては、そういったことに対してしっかりと、なるべく控えていただくとか、それから距離をしっかり取っていただくとか、そういう適切な関係構築というものに対して普及啓発をしていければと思っております。
海棲哺乳類のところなんですが、こちらで書いているのは、基本的には鳥獣保護区の観点とかになっていて、もちろん鯨類、クジラとかそういったものも対象にできるとは思うんですけど、主にはオットセイとかアザラシとか、そういったものも含めた幅広い海棲哺乳類をここでは対象にしております。
ちょっと、なかなか鳥獣保護区の中でそういうツーリズムとの関係を調整していくというのが難しいところもありまして、もしそういうツーリズムとの関係が問題になっている場合とかは、やはり自然公園法の枠組みであったりとか、エコツーリズムの考え方とか、そういったものを、いろいろな施策を導入しながら、現場、現場に合わせて解を考えていく必要があるものと思っております。
説明は以上です。
○中村部会長 ありがとうございました。
ちょっと時間が押してきたので、できれば短めに、コンパクトに、質問、コメントいただけるとありがたいです。
オンラインから、大塚委員、その後、藤田委員、お願いいたします。
○大塚委員 どうも恐れ入ります。
1点だけ、すみません、教えていただきたいんですけども、今回、多分、国民的には一番関心があるクマの件に関しては、鳥獣の管理を強化ということで、きっちり対応していただいていると思いますが、先ほど、パブリックコメントとかでも出てきていた、ゾーニングをしっかりするとかいう点に関しては、書いてあるとは思うんですけども、これで十分なのか、心配がなくはないということがあるかと思っていまして、さらにその実現の手法とかに関して、もう少し考えておかなくていいのかというようなことを、少し気にしています。
先ほど、勢一委員がおっしゃっていただいた農林業の被害との関係の特措法もありますが、人との関係での被害、やはりこの鳥獣保護管理法のほうで対応することになると思うので、まさにここで検討しておかなければいけないことは、実は結構多いのかなというふうに思っています。
すみません、感想みたいな話で誠に恐れ入ります。
○中村部会長 ありがとうございます。
藤田委員、お願いします。
○藤田委員 ありがとうございます。
ちょっと不勉強で、私も教えていただければと思うのですけれども、特にクマなんかは今すごく問題になっていますけども、今どれだけの生息数がいて、それぞれの地域で適正な数はどれだけなのかとか、将来予測みたいな、科学的な研究とか調査というのはどのぐらいされていて、この方針とは直接関係ないのかもしれませんけど、それを環境省なりが、国がどの程度その調査に負担をするのかということを教えていただきたいというのが一つと、もう一つはその対策、結局その地域、地域で対策をしていくことになると思うんですけど、対策の一貫性みたいなもの、例えば、分かりませんけど、国立公園の何か羅臼の話とかがありましたけど、羅臼とか、あと、中部山岳国立公園だと称名滝の観光地みたいなところでも、普通に出てけがをするということが起きたときに、そういう、国立公園だったらこういう対策、あるいは国立公園外だったらその地域、地域で対策を考えるみたいな、何かこの対策の一貫性みたいなものを国というのは示しているのかということが2点目です。
3点目は、国民の目線として、情報発信というのが、何か地域で最近クママップみたいなものがあるんですけど、ここに出ましたとか、そういうものはあるのですけど、結局どうしたらいいのというのが、そこに行かないということが対策なのか、国民としては、何か適正な発信の仕方とか、地域に対してこういうような基準で発信してくださいみたいなものを国として持っているのかどうかということを教えてください。
よろしくお願いします。
○中村部会長 ありがとうございます。
それでは、二つの回答をお願いいたします。
○鳥獣保護管理室長 佐々木のほうから回答させていただきます。
まず、大塚委員からあった、ゾーニングの記述が十分ではないのではないかということにつきましてお答えします。
クマについては、先ほど申し上げた、特定計画を県がつくるときのガイドラインというものを、実はこの4月に公開しております。改訂版を公開しました。
その中に、かなりゾーニングについて詳しく解説をしておりまして、さらに、これまでのゾーニングの考え方をさらに発展させるということで改定した中身がそこに書かれております。なので、具体的には、そこの特定計画ガイドラインのほうをご確認いただければありがたいなと思っております。
また、ゾーニングを自治体が進めていくときのいろんな支援についても、先ほど申し上げた交付金において、資金的な部分を支援したり、あとは、そういうクマ対策の専門官とかが助言をするとか、そういった体制も整えてしっかりバックアップをしていきたいと思っております。
それから、藤田委員からありましたクマの数の部分です。こちらは、実際には北海道でヒグマが今1万2,000頭ぐらいいると言われていたりとか、本州のツキノワグマが4万頭以上はいるだろうと言われているところでございます。これの各県が調査したデータなんかが、先ほどの特定計画のガイドラインに載っているところです。ただ、どうしても数が不確かな部分があったりとか、手法が統一されていない調査方法でやられていたりするので、今年度から環境省で全国のクマの統一的な調査を進めております。まず、今年度は東北地方を実際の調査地にしまして、東北6県と新潟県についてクマの個体数の調査を行っております。今後、それを順次、北陸とか北海道とかに回していって、4年程度かけて、全国のクマの個体数というものを精緻化していくということを進めております。
対策の一貫性などは、こちらも先ほど申し上げたガイドラインの中にかなり詳しく書いてありまして、例えば誘引物の管理はこういうふうにやるんだとか、そういったことがまとめられているところです。今後、さらにそれを現場に落とし込んで具体化しているものが、出没対応マニュアルというものがあるんですけど、そちらについて、今年度、今、改定作業を進めておりまして、この出没対応マニュアルを見るとさらに、現場で出没したときに誰がどういうふうにチームを組んで対処するのがいいのかとか、具体のことがさらに詳しく書いてありますので、そちらのほうでも対応していきたいと思っております。
それから、クマが出没したときの情報発信とか、国民ができる対策ですが、いろいろ環境省のほうでクマのそういう人身被害に遭った状況のレポートとかを公開する中で、クマに出会わないためにはこういう行動、出会ったときはこういう行動を取ってくださいという発信をしていたりします。最近出しているのが、クマの出没時の6か条というものを出していて、こちらは内閣広報室とも連携してつくったんですけど、出没情報を事前に確認するとか、1人で行動しないとか、朝夕の外出は避けるとか、そういったポイントを六つ紹介することで、分かりやすく伝えるということもやらせていただいているところでございます。
説明は以上です。
○中村部会長 ありがとうございました。
全体を通して、まだ質問等ありますか。よろしいですか。
ありがとうございました。
様々な角度からご意見をいただいて、ぜひ、この改正が本当にうまく機能しているのかどうかを今後もフォローしていただきたいと思います。特に、私は人材のところが重要だと個人的には思っていて、もちろん予算も大事なんですが、そう簡単に一足飛びに人材が育成されるとは思えないので、大学機関との協力も含めて、いろいろ検討いただければと思いました。
それでは、本件については、いわゆる否定的なご意見はなかったと思いますし、佐々木さんのほうから丁寧に説明していただけたと思います。適当と認めてよろしいでしょうか。
(異議なし)
○中村部会長 ありがとうございます。
それでは、本件については適当と認めることといたします。
続きまして、議事の(2)中央環境審議会自然環境部会小委員会の廃止について、事務局から報告をお願いいたします。
○自然環境計画課課長補佐 自然環境計画課の桝と申します。
小委員会の廃止について、審議ということでお願いしたいと思います。
○中村部会長 ごめんなさい、審議でお願いします。
○自然環境計画課課長補佐 資料1ページ、今映っているところをご覧いただきたいと思います。
自然環境部会には現在、資料に記載させていただいていますとおり、五つの小委員会が設置されておりますけれども、この南極地域の環境の保護に関する小委員会はそのうちの一つということになっております。この委員会は、環境保護に関する南極条約議定書附属書Ⅵの締結に向けて、担保措置等について検討を行うため、令和6年5月に設置をされたものです。
廃止の理由についてですけれども、令和8年2月まで4回開催いたしまして、担保措置について議論をされ、結果として、南極地域の環境の保護に関する法律の一部を改正する法律が制定されまして、これにより審議が一区切りついたことによるものです。廃止について、ご理解をいただきますようお願いいたします。
なお、本日オンラインでご出席いただいている大塚委員、そして大久保委員におかれましては小委員会にご参加いただきました。誠にありがとうございました。
あわせて、ちょっとこの場をお借りしまして、小委員会で検討された内容を受けて制定されました南極地域の環境の保護に関する法律の改正法、この内容と、それに関連しまして、今年5月に広島市で開催されました南極条約協議国会議について説明をさせていただきたいと思います。
次のページを映してください。まず、南極といっても、なかなかなじみがない、薄いかなと思いますので、右上のところに小さいんですけれども、現状の制度が書いてあります。タブレットやPDFでご覧いただいている方は、右上の南極条約と書いてあるところの部分を拡大して、すみません、ご覧いただきたいと思います。
まず、南極条約ですけども、地球の南緯60度以南の南極地域と定めまして、平和的利用、科学的調査の自由、国際協力の推進、領土権の主張の凍結などを定めておりまして、これにより南極地域での国際秩序が保たれているという状況になっています。この南極条約を補足するものとして、環境保護議定書がございまして、これが1998年に発効しております。各国がこれを実施するための担保法をつくっておりまして、日本については南極環境保護法を制定して運用をしております。
現行の南極環境保護法ですけれども、南極地域活動に対して、環境アセスメントとしまして、事前に活動内容を環境省に提出をしてもらって、環境大臣が著しい影響がないと確認した場合に限り南極地域活動を実施できるという、事前の確認制度という仕組みを設けてございます。
さらに、その上で、今回の附属書Ⅵの話ですけれども、附属書Ⅵの、環境上の緊急事態から生ずる責任というものが2005年に採択されまして、国内担保措置を取っていない国が、我が国を含めて九つありまして、まだ残念ながら未発効という状況になっております。そのため、我が国でも、附属書Ⅵの締結に向けて、環境上の緊急事態、これはつまり、南極地域の環境に重大かつ有害な影響を及ぼすようなものですけども、これが生じたときに、主宰者による対応措置の実施を義務づける、南極環境保護法の改正を行いました。
一旦、ちょっとパワーポイント全体に戻っていただければと思います。
事前のアセスメントというのがこれまでの法律の仕組みだったんですけども、南極での事故の対応、起きてしまった事故の対応を明確化するというのが今回の法律の改正のポイントでございます。
このパワーポイントの右半分下の、主な改正内容というところに進んでまいります。
まず改正内容、黒い丸が二つありますが、一つ目の黒い丸は、対象範囲の拡大ですけれども、南極地域の海域でのみ実施される活動からも環境上の緊急事態が生じるということで、事前の環境大臣の確認を要する南極地域活動の対象を見直しまして、南極大陸の上陸を伴わない観光船とか科学的調査船など、海だけの活動も、この法律の対象に追加するというものが一つです。その上で、この附属書Ⅵに規定する内容を南極環境保護法に追加したものです。この図の左の方の一番上の事前の準備と書いてあるところに、南極の観光を企画する旅行会社さんとか南極観測事業、いわゆる南極地域観測隊というのを聞いたことがあるかと思いますけれども、そういったものの取りまとめをする主宰者が確認申請の際に、事故を未然に防止するための防止措置の提出を義務づけたり、あわせて何か環境に悪影響を及ぼすことが起きたときにどう対処するのかというようなところを定める緊急時計画を作成してもらったり、あるいは事故対応などの費用負担を確実に行わせるための措置を義務づけます。これが改正法における事前の準備のところの義務の追加ということになります。
次に、事故時の措置というところがございます。
これは、例えば船舶が氷山に衝突するとか、油が漏れるとか、南極地域で環境に影響を与える事件が発生をした場合に、その主宰者が環境大臣に通報するとともに、その場で即時、主宰者自身が応急措置をする。初動の対応として、先ほど申し上げました緊急時計画に基づき対応するという義務を課すというものでございます。現場では、そうやって対応がすぐ始まるんですけれども、まず、それも併せて環境大臣に通報していただきます。通報の義務を課すというものです。この通報を受けた環境省のほうで、環境に与える影響が重大かつ有害な影響を及ぼすような環境上の緊急事態に該当するかどうかを検討しまして、該当するという場合は、主宰者が実施すべき対応措置を含めて環境大臣が公示をして、そのことによって、主宰者に対応措置をとるという義務がかかることになります。主宰者がこの義務に基づいて対応措置を実施すれば、そこで対応は終了ということになるのですけれども、一方で、主宰者自身が対応措置を取ることができないで、環境大臣やその他の締約国が対応措置を取るということになった場合に、その対応措置に要した費用の支払いを主宰者に請求して、主宰者から徴収をするということになります。
さらに、真ん中の欄の一番右のところ、いずれの国も対応せずということが書いてあるんですけれども、いずれの国も対応措置を取らなかった場合は、取られるべきであった対応措置の費用を主宰者に納付金として国庫に納付をさせるということと、その納付を受けた国というか環境省のほうで、南極条約事務局の基金に拠出をするということになります。この辺が附属書Ⅵを反映した法律の中身の概要です。
今後、法律が制定されたということを受けまして、年末を目標として、我が国としての締結の手続を進めます。我が国以外は残り8か国ですけども、それが全て締結して附属書Ⅵが発効しさらに、その1か月後に法律が施行されるということになります。ほかの国の動向によるので、いつ施行されるか、発効するかというのは、現在では未定ということになっております。ただ、先ほど、一番最初に申し上げたような、事前の確認の対象とする南極地域活動に、海域のみの活動とか観光船とか科学的調査船を追加するということは既に施行済みということになっております。これが法律の関係です。
もう一点です。次のページに参ります。南極条約協議国会議の概要ということで、さきの5月に南極条約協議国会議が広島で開催されました。このことも簡単にお話をいたします。
この南極条約協議国会議ですけれども、南極条約に基づく話合いをするということで毎年開催されるもので、協議国がアルファベット順で持ち回りで開催をして、日本では32年ぶりに開催をしまして、議長国を務めました。中身は、南極条約の運用などに関する外務省に関係する議題、科学観測の推進に関する文部科学省に関する議題、そのほか、環境に関する議題を環境省も対応したということでございます。そこが今、赤字でいろいろ書いてある部分でございます。
附属書Ⅵの議題というのもありまして、先ほど説明しました南極環境保護法、当時、改正法案の状態だったわけですけれども、それが国会審議中だったということを紹介し、日本は間もなく締結するので、ほかの残り8か国も、ぜひ早く締結してくださいと呼びかけました。
そのほか、コウテイペンギンの保護とか、南極観光の増加と多様化に対してどう向き合っていくかというような話、気候変動の議題などがありまして、今後も継続をして、この南極条約協議国会議で議論されていくということになっております。
駆け足でしたが説明は以上となります。よろしくお願いいたします。
○中村部会長 ありがとうございました。
それでは、今の説明について、ご質問、ご意見等をお伺いします。
いかがでしょうか。
中静委員、お願いします。
○中静委員 ありがとうございます。
南極条約の中に、最後の資料にあったような環境保護委員会とか、それから科学委員会があるという理解なんですけれど、これには日本のメンバーが誰か出ているのでしょうかということと、それから、これに相当するような国内の常設の対応組織みたいなものはあるんでしょうかというのが質問です。
○中村部会長 もう一人聞いてから回答をお願いいたします。
高村委員、お願いします。
○高村委員 中村部会長、どうもありがとうございます。
先ほど、事務局、桝さんのほうからご説明がありました、小委員会の廃止の提案について異論はございません。関連して、こちら、資料にもありましたけど、2005年に採択されて、締結の準備に20年かかったわけですけれども、南極という非常に特殊な地域、生態系も特別の価値があるわけですけれども、法的に見ると、やはり管轄権が通常の国の領域や海洋等とも違う特別な地域であるということで、この条約の担保には非常に苦労されたというふうに理解をしております。
そういう意味では、自然局のみなさんを中心にATCM、南極条約協議国会議に間に合わせる形で適切にご準備いただいたこと、交渉の段階から、非常に長く対応いただいたと理解していますけれども、この場を借りてお礼申し上げたいと思います。
この法律の施行に当たっては、今後、先ほど事務局の桝さんからもご指摘がありましたけれども、南極地域で活動を行う者、オペレーターに対して、緊急時の通報ですとか、あるいは生じさせた損害に対して支払いを行うための金銭的な保証の確認ですとか、幾つか、今後附属書、改正法の実施をしていくときの課題が、残っていると思っております。さらに、緊急時の対応をはじめ、政府内での運用・対応の方針といいましょうか、整理も必要だと思っていまして、ぜひ締結に向けてのご準備の中で、こうした、この法律に基づいて、事業者への周知対応、それから、起こってほしくないですけど、緊急事態の場合の政府内の、対応・運用の在り方について詰めていただくことをお願いしたいと思います。当然、条約の一環ですので外務省さんが関わってくるわけですけれども、同時に、特に極地研をはじめとして、観測に携わっていらっしゃる文科省、それから、この地域は、関連する海洋汚染関係の条約も多く既に締結されているので、国交省さんとの関係、それから、裁判管轄権の関係でいくと、法務省も含めて非常に大変な調整をされてきたと思います。先ほどありましたように、大塚先生、大久保先生に国内法の観点からしっかり見ていただいていたと思いますので、法的な対応として問題はないと思うのですが、この後これを具体的に実施、運用されていく準備をお願いしたいと思います。
以上です。
○中村部会長 ありがとうございました。
それでは、お願いいたします。
○自然環境計画課課長補佐 まず、中静委員からのご質問ですけれども、組織の話として、南極条約に対して南極条約協議国会議があり、その下にある環境保護議定書に対して環境保護委員会があるという構図になっています。そこに、環境保護委員会のほうは南極条約協議国会議と併せて開催されて、環境省のほうが対応しているというようなことです。
科学委員会は、南極の枠組みにはなくて、環境保護委員会において、環境に関して科学的知見に基づいて議論している形になります。
さらに、国内のほうではどうかというと、環境保護委員会に関する直接の組織は、環境省にはないんですけれども、毎年の確認審査をする際に、特に重要な案件などを審査する際に、確認検討委員会を別途開催しまして、そこで有識者からの意見をいただくという枠組みになっております。
続きまして、高村先生。すみません、ちょっと私のチェックが甘くて、今日ご出席いただいていることに気がつきませんでした。
高村先生には、南極地域の環境の保護に関する小委員会の小委員長として議論の取りまとめをいただきまして、本当に、誠にありがとうございます。感謝申し上げます。
先生がおっしゃっていただいたように、まさに今後重要なのは、制定された法律を基に運用をどうしていくかということです。事故対応の金銭上の負担についてどういうふうに証拠書類を求めるかとか、そこら辺のところをこれからガイドラインで書いていかないといけないと思っていますし、あと、環境上の緊急事態の定義、何をもって重大かつ有害な影響と判断するかなども明確にしていかないといけない問題などもございます。
ですので、運用のための、主宰者にとっての分かりやすく申請ができるようにするガイドラインと、関係省庁も含めて、事故が起きたときに、どういうふうに対応するかというマニュアル、これを、この法改正のこの熱が冷めないうちに早急に案をつくっているというところですので、引き続きしっかりとつくって、運用に万全を期していきたいなと思います。先生、どうもありがとうございました。
以上です。
○中村部会長 ありがとうございました。
ほかにありますか。よろしいですか。
特にご意見がなければ、本件につきましては異議がないということで諮りたいと思います。
よろしいでしょうか。
(異議なし)
○中村部会長 それでは、南極地域の環境の保護に関する小委員会の廃止を認めることにいたします。
続きまして、報告が並びます。
まず、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存につき講ずべき措置について、事務局から説明をお願いいたします。
○希少種保全推進室長 希少種保全推進室長の北橋でございます。よろしくお願いいたします。
次の資料をご覧ください。
まず、資料3-1でございますけども、環境大臣から中央環境審議会に対しての諮問でございます。7月24日に諮問はされております。先ほど表題にありましたように、種の保存法に関連して、講ずべき措置について審議会の意見を求めるということになっておりますけども、諮問理由といたしましては、国内種の保全、それから国際的な種の流通、管理の適正化、さらに、加えまして、前回の法改正、平成29年に行われておりますけども、その際の附帯決議の中で、改正法の施行以後5年を経過した場合に、その状況について検討を加えなさいということになっておるものですから、それに基づいた諮問ということになってございます。
次のページになりますけども、下のほうに、中央環境審議会の会長から7月27日付で自然環境部会のほうに付議がされてございます。同内容ですね。さらに、ちょっと資料はございませんけども、自然環境部会に付議されましたこの内容につきましては、平成25年につくられております、自然環境部会で決定した野生生物小委員会の設置についてという紙の中で、野生生物小委員会において、この講ずべき措置について検討するということが定められておりますので、具体の議論につきましては野生生物小委員会の中でやっていくということになってございます。
資料3-1につきましては、以上でございます。
資料3-2、資料が細かく分かれていて恐縮です。3-2でございますけども、これまでと、それから、これからの本件に関する検討の進め方でございます。
先ほど申しましたように、前回の法改正から5年が経過したということを踏まえまして、これまで、青字で書いてありますように、施行状況評価会議というものと、それから、その結果をさらに踏まえまして、在り方検討会という2回の検討会の中で、種の保存法の状況について確認をしてきたところでございます。その結果が、さきの7月28日、すみません、ちょっとこれは資料の日付が、令和7年と8年、間違ってございますけども、令和8年の7月28日に報告書を公表したところでございます。この詳細は参考資料に載っておりますけども、大部でございますので割愛したいと思います。
これを踏まえまして、先ほど申しましたように、野生生物小委員会での議論がさきの8月19日に始まったところでございます。今日が太字になっています8月25日で、今後さらに野生生物小委員会で議論を重ねて答申をいただく予定にしてございます。
進め方については以上でございます。
もう一つの資料、資料3-3でございますけども、まだ、先ほど申しましたように、野生生物小委員会は初回をやったところでございますので、そこでの議論というのは、これまでにやってきました、特に在り方検討会の報告書の概要をベースにこんなことを議論してきましたということで、ご報告といいますか、話を始めたところでございます。
1枚目の紙は、在り方検討会の報告書の概要でございますけども、ざっと言いますと、一番下、今後の方向性を大きく五つに分けてございます。生息の場の保全、それから開発行為による影響の回避、三つ目が民間と連携した保全活動の推進、それから四つ目で、国と自治体との連携強化、最後に譲渡し等の規制の適正化と。こうした五つの項目について議論を始めたところでございます。
次ページ以降、個別のところについて書いてございます。
一つ目の話題が生息の場の保全でございますけども、これまで458種、種の保存法に基づいて法規制をかけている、種指定をしてきたところでございますけども、まだ場の保全については十分ではないという指摘を受けてございます。当然、自然公園ですとか、先ほど話もあった鳥獣保護区ですとか、そういった他制度で守られている場所もあるわけでございますけども、それ以外も、いわゆる二次的な自然に住んでいる希少種も数多くいるということで、そういった保護を進めていくということが言われております。
また、希少種情報を今までよりもより積極的に収集した上で、重要な生息地がどこなのかということをしっかりと把握していくべきだということが指摘されてございます。
また、生息地等保護区、この種の保存法に基づく保護区につきましては、従来10か所しか指定されていないということで、この数が全てではないんですけども、より柔軟な規制をできるようにするなどして、保護区の設定を推進していくというようなことが指摘されてございます。
次のページをご覧ください。開発行為による影響の回避・低減についてなんですけども、様々な開発行為によって希少種は影響を受けておりますけども、希少種の生息情報というのがあまり公になってないものですから、開発事業者が気づかないうちに希少種の生息地を破壊してしまうということがまだ見られるということで、一つ前で収集していくといった希少種の情報につきまして、もちろん全てを公開するというわけには当然いかないんですけども、適切な公開・活用のルールを定めた上で、事業者の開発があらかじめ重要な場所を避けられるように公開していくようなことを検討するですとか、あるいは事業者に対する助言・指導という規定があるんですけども、そうした運用をもっと積極的に進めていく。さらには、そうした助言・指導にとどまらず、より強い措置というものを、特に保護増殖事業をしているような、これは79種、今あるんですけども、そうした国が積極的に予算等を投じている種については、もっと実効性のある取組が検討できないかというような議論がされてございます。
次のページをご覧ください。三つ目ですけども、民間と連携した保全活動の推進でございます。ネイチャーポジティブの話なんかもあり、多様な主体の連携によって取組が進んでいるところでございますが、そうした場の維持管理活動に対して、より積極的に支援を手続、あるいは経費の面から進めていく仕組みを検討するということですとか、あるいは生息域外保全、飼育下の繁殖等について、環境省では日本動物園水族館協会ですとか植物園協会と協定を結んだりして進めているんですけども、中でも認定希少種保全動植物園等制度というのが前回の法改正でつくられておりまして、この制度をさらに活用していきたいと。今、100園館ほどが希少種を飼育してくれているんですけども、この制度がまだ27園館しか認定を受けていないということなので、より積極的なメリットの構築ですとか、あるいは手続の合理化を図って、この制度自体の活用をしていきたいということを挙げてございます。
それから、四つ目でございますけども、国と自治体との連携について書いてございます。
種の保存法、国の法律上は、条例でどんなことをやっていくかというようなことが一切書かれていない。国についての取組が法律上はあるんですけども、種の保存法と全く関連しない形で、今36の都道府県で希少種保全に関する条例がつくられております。
実際上、国全体の取組のほかに、各地域でも様々な希少種保全の取組がそういう形で進んでいるわけでございますけども、アンケートですとかヒアリングとかをこれまで都道府県とさせていただいている中で、半分ぐらいの自治体さんが、法と条例との連携というのは必要じゃないかというような、前向きなご回答をいただいていることもあり、また一方で、ヒアリングしながら個別にお話を伺っていくと、新たな業務負担に対する不安の声ですとか、あるいは、既存で、これまで各自治体で積み上げてきた既存の制度に対する影響なんかをご心配される声なんかもございました。
こういったことを踏まえまして、国が優先的に実施すべき取組について、今後、具体的に整理をしていこうという話ですとか、あるいは国と自治体の連携強化をさらに進めていくために、自治体が国で定めた国内希少種の保全にどんな関与の仕方がさらにできるかという話ですとか、あるいは法律と条例との関係ですとか、そういったものの整理を検討していくと。これはまだハードルのある話でございますけども、議論を進めていこうというようなことが示されてございます。
それから、最後に、五つ目でございますけども、譲渡し等の規制の適正化についてでございます。こちらは、主に国際的な希少種と、あるいは象牙についてということが主な議論になってございます。
一つは、規制のかかる前に国内に入ってきたペット、特にカメですとかオウムですとか長寿命の種については、規制前に入ってきたものが、飼い主の高齢化とかによって飼えなくなってきたときに、うまく譲渡し等ができないという問題が発生してございます。そうしたことを解消するための許可制度上の運用について検討しましょうということが一つ。
それから、個体の識別措置についての検討ですとか、あるいは象牙の取引規制、こちら、前回の29年の法改正でかなり厳格化されているんですけども、そちらのそういった近年の改定を、法改正を踏まえた流通の実態とか、そういったものをしっかりと把握・分析して実効性を検証していこうと、そういうふうなことが言われてございます。
ちょっと駆け足で恐縮ですけども、検討の中身につきましてご報告いたしました。
○中村部会長 ありがとうございます。
それでは、委員の皆さんのほうからご質問、ご意見をお願いいたします。
どうぞ。
○石原委員 種だけじゃなくて、その生息地の保全ということには、私自身、賛成なんですけれども、日本の場合は、二次的自然とかに結構希少種が存在するというところが大きな特徴かと思いますので、それを考えた上で、生息地の保護区設定などの制度だけで今後、保全ができていくのかというところが、私自身は疑問としてあります。
特に、二次的自然というのは、やはり人の手が入ることによって、攪乱等で生物多様性が守られているところでもありますので、現状の、なかなか日本の地方での過疎化とかといった問題を考えると、やはり、なかなか人の手が入らなくなってくるというのが日本の現状ではないかと思いますので、そういったことを考えた上で、今後、開発を規制するというような制度とともに、アクティブにマネジメントをしていくというような制度とか仕組み、あるいは財政的な支援といったところを今後どういうふうに考えていかれるのかということをお聞きしたいと思います。
○希少種保全推進室長 ありがとうございます。
よろしいですか。もう一つ。
○中村部会長 いや、大丈夫です。お願いします。
○希少種保全推進室長 ありがとうございます。
まさにご指摘いただいたところ、そのとおりと考えてございまして、実はちょっと説明が駆け足で恐縮だったんですけども、同じような話は我々のほうでも議論が始まっていまして、場の保全のほうのページじゃなくて、民間との連携のところのページに、二次的な生息環境については、規制的手法だけでは駄目だと。積極的に維持管理をしていくための方策が必要だということで、そういった中では、民間の方々の取組というのもかなり具体的に各地で行われております。
そうした場合に、今までですと、そうしたことをやるという際に、種の保存法上の個別の手続、許可をですね、保全作業をしようと思っているのに一つ一つ手続が必要だみたいな、逆に足かせになっているみたいなところがありましたので、そうしたときには、民間の方がこんなことをやりたいんですというのを計画認定するとか、これは、具体の制度はまだこれからなんですけども、そういった形で、手続面ですとか経費面ですとか、支援していくような仕組みを考えたいと思っております。
○石原委員 ありがとうございます。
○中村部会長 ありがとうございます。
オンラインから、藤田委員、お願いいたします。
○藤田委員 ありがとうございます。
必ずしも希少種だけの問題ではないかもしれませんけど、先ほど再エネとかメガソーラーとのトレードオフなんかも考えて、検討事項というページがあったので、ちょっとそこのページを出してもらっていいですかね。このページではないんでしたっけ。
○希少種保全推進室長 一番前のページですかね。概要のところですね。
○藤田委員 そうですね。この前のページじゃないですか。そうですよね。メガソーラー、開発行為等による影響の回避とか、そうですね。それで、メガソーラー対策パッケージなんかもありますよと、それで、再エネなんかも前提条件の課題として考えていますみたいなことで議論があったということですけど、ちょっとお伺いしたかったのは、昨今、メガソーラーもそうですけど、陸上風力とか、あと、もっと言えば、AIデータセンターがこのネイチャーポジティブの世界では大変大きなグローバルな議論になっていて、直接、別に希少種だけじゃなくて、森林だとか、土地利用とか、それから水利用を通して生物多様性にいろいろ影響があるんじゃないかということで、割とネイチャーポジティブの世界では重要視されています。なので、回り回ってそれも、そこの地域に生息している希少種に影響があると思いますので、もし前提としていろいろ考えるときに、こういうAIデータセンターなどの影響ということも、国として事前に対策等を考えておいてもいいんじゃないかなと思いましたので、何かそういう対策を練っていらっしゃるのであれば、教えていただければと思います。
よろしくお願いします。
○中村部会長 ありがとうございます。
それでは、お願いします。
○希少種保全推進室長 北橋です。ありがとうございます。
そうですね。個別に、今回の議論というのは、あくまでも種の保存の観点からなので、例えばメガソーラーについてこうとか、風力についてこうとか、個別の開発自体についての議論はしていないんですけども、一方で、そういった様々な開発というのが現在でも行われていて、先ほど、二次的自然の劣化という話も大きな問題だという話をしましたけど、一方で、古くからあるそういった開発問題というのもいまだに大きな問題だということで、先ほどちょっと駆け足でご紹介しました希少種情報の収集という話ですね。検討事項の1、その次のページ、ここの中で、(1)で様々な情報を集めますと言っていますけども、そこの中で、2ポツになりますけども、希少種の保全に向けた総点検と、仮称と書いてありますけども、様々な希少種情報を集めた上で、それを単なる生息情報ではなくて、それに重ねるような形で、例えば生息環境の情報ですとか、あるいは今後の開発可能性というか、開発にさらされる危険性みたいな、そういったデータなんかも重ね合わせることで、ただ単に、いい場所、生息についてのいい場所というだけじゃなくて、保全する優先度の高い場所みたいなものを洗い出していければなというようなことを考えてございます。
このようなことで、お答えになっていますでしょうか。
○中村部会長 いかがですか。
○藤田委員 ありがとうございます。大丈夫です。
○中村部会長 ありがとうございました。
ほか、どうぞ、橋本委員
○橋本委員 ご説明ありがとうございました。
気候変動との関係で、ちょっと追加でお伺いしたいんですけど、この取りまとめの中には、今後の検討の方向性で、気候変動適応の話も書いてあるんですけれど、今後検討するべき事項として。ただ、この取りまとめの中の今後の検討の方向性には、再エネ導入の影響は見ているけど気候変動適応についてという議論が出てこないんですが、これについてはどうなるのかというのを教えてください。
○希少種保全推進室長 ありがとうございます。
法律の在り方の中では、なかなか難しいかなと思っているんですけども、例えばですけども、個別の種の保護増殖事業計画というのが、立てているものがございます。そういったものの中では、例えば高山帯に住んでいる動物・植物とか、そういったものについては、いわゆるレフュージアと言っておりますけども、将来的な移設の可能性とかまで含めて、いろいろと考えなきゃいけないなと思っています。現時点で、具体的なもの、この種について、ああする、こうするという気候変動対応の個別のものがあるわけではないんですけども、今後さらに影響が明らかになってくるようなものも恐らく出てくるだろうと思っております。
例えば、これまで話に出てきた中では、キタダケソウ、南アルプスの山頂付近にある種ですけども、それについては、シカが上のほうまで上がってきて食害の危険があるということで、柵を作ったりして対応を取ったりということもございますし、あと、ほかのものでいいますと、まだ影響自体は明確にはなっておりませんけども、例えばライチョウとか、高山帯にしか生息できないものというものについては、温暖化が進めば生息地そのものがなくなってしまうというようなこともあるので、ご承知のように、直近では、中央アルプスに一度いなくなってしまった個体群を再復活させると、飼育繁殖個体群を移して新たな個体群を作り上げるということが成功したというような事例もございますけども、そういった知見も基に、今後の万が一のときに備えた計画づくりみたいなものも進めていかなきゃいけないのかなと思っております。
○橋本委員 ありがとうございます。
○中村部会長 森本委員、お願いします。
○森本委員 私からは、「優先して保全すべき場所の抽出」をしていくという話について。これは、例えば自然共生サイトの制度と組み合わせることで、積極的に場を保全していく取組になり得ると思いますが、環境省では、具体的に、この二つの動きをどういうふうに組み合わせていこうとされているのか、何か具体的なアイデアがありましたら教えてください。
○中村部会長 私からも。民間の土地が多くなってくる可能性がありますよね。先ほどの二次的な自然とか。保護区設定ってどんなふうに考えていくのか、今の30by30も一つの考え方だと思うのですが、教えてください。
○希少種保全推進室長 そうですね。いわゆる保護区として規制をかける手法が向いている場所と、一方で、繰り返しになりますけども、積極的に手を加えることで今の生物が住んでいる環境というのを維持管理していかなきゃいけないものと、二つあると思っています。後者については、例えばですけども、種の保存法の法律上の話ではないんですが、近年、自然共生サイトという仕組みの中で、民間のそういった保全活動を認可することで、いわゆるお金の流れとかも含めて見ていけるようにというようなことも進めておりますので、そういった、ほかの、これまでに民間のそういう土地の管理に関する取組というのは環境省としても力を入れてきたところもありますので、必ずしも種の保存法だけでやるというよりは、そういった既存の取組とうまく連携しながら、例えば、まず土地所有者の理解を得やすいのは、自然共生サイトみたいな非規制的なものでやっていくという話をした上で、その上で、もしも必要があれば、さらに保護区にするというようなことも重ねて考えるみたいなものもあり得るのかなというふうに思っておりますが、いずれにしても、いろんな法制度がありますので、そういったもののどれがその現場を守っていくのに適切なのかということをしっかり見ながらやっていきたいなと思っております。
○中村部会長 ありがとうございました。
ちょっと時間が押していますので、この辺でよろしいでしょうか。
また、進んで、議論された段階で教えていただければと思います。ありがとうございました。
続きまして、議題の4、トキの本州での野生復帰についての報告をお願いいたします。
○希少種保全推進室の鴛海です。
トキの報告をいたします。よろしくお願いいたします。
ご存じのとおり、日本生まれのトキはキンという個体を最後にいなくなってしまいましたが、中国からいただいた7羽のトキを繁殖させ、佐渡島で野生復帰を続けてまいりました。多くの関係者のご尽力、ご協力により個体数も順調に回復して、今年実施した本州で初となる放鳥につながりました。
2ページ目ですが、左のグラフの赤線が、佐渡島での個体数の推移です。近年は、概ね野外で推定500羽程度であり、やや頭打ちとなっております。
また、その右側ですが、巣立ち率が伸び悩んでいる状況です。コロニーの中でもペア数が増加してお互いに干渉し、繁殖失敗につながるという事例も確認されています。
佐渡島では順調に増加しているトキですが、一部の個体が本州まで飛来はしているものの、いまだに本州側では定着や繁殖が見られていない状況です。そこで環境省は、令和4年度にトキの受入れに意欲がある取組自治体を公募し、5地域が選定され、そのうち石川県と能登9市町、島根県の出雲市が、トキを放鳥することでトキと共生する里地づくりを行う地域として選定されました。
次は、能登での放鳥までの経緯です。トキの野生復帰に関する様々な取組の進捗状況を確認しまして、有識者会議で、石川県における今後の放鳥計画、モニタリング計画が了承され、環境省が令和8年度に能登地域で放鳥を行うということを決定しました。
なお、能登地域では、令和6年の地震の後も、石川県創造的復興プランにおいて、トキが舞う能登の実現がリーディングプロジェクトに位置づけられていまして、トキの野生復帰に向けた取組は復興のシンボルとして継続して進められてきました。
放鳥についてですが、5月31日に8羽の雄を箱から放鳥するハードリリース方式で行いました。その2週間後に、仮設ケージ内で一定期間環境に慣れさせ、その後放鳥口を開けて、トキが自分で好きなタイミングで出ていける方法、ソフトリリース方式で、雄2羽、雌8羽の計10羽、31日と合わせて18羽を放鳥しました。
放鳥したトキには、全羽に足輪型の追跡機器を装着しています。送信されるデータから、分布と行動を大まかに把握しております。また、自治体が地元で構成するモニタリングチームで現地で状況把握を行い、また、自治体が目撃情報収集の体制を構築しており、一般の皆様から情報を提供していただけるようにしております。
右の地図をご覧ください。8月上旬時点の放鳥したトキの分布の状況です。全羽、現時点で石川県及び富山県内に生息しております。今後は、これらの情報を取りまとめて、次の放鳥計画や取組に生かしていく予定です。
トキを定着させるためには、ある程度継続的な放鳥が必要です。今年の10月に、能登地域の中能登町、来年度の初夏には出雲市にて放鳥を行う予定です。
最後に、今後の目標ですが、最終目標としては、国内で成熟個体1,000羽の生息や、国内での複数の個体群の確立などを目指しています。トキは今年、環境省レッドリストで、ⅠA類からⅠB類に引き下げられました。将来的にはトキが普通種になることを目指すとともに、トキが住めるような里地里山の環境を維持、回復していくことで、生物多様性の保全や里地里山の地域振興につながるよう、引き続き事業を進めてまいりたいと思います。
以上で終わります。
○中村部会長 ありがとうございます。
いかがでしょうか、委員の皆様。
橋本委員、お願いします。
○橋本委員 すごく簡単な質問なんですけど、ご説明ありがとうございました。
能登地震における復興のシンボルになるというのは、私もそうだなと期待しているところなんですけれど、羽咋で最初、放鳥して、今度は中能登に行ってということは、最終的に奥能登も予定されているんでしょうか。
○希少種保全推進室室長補佐 放鳥をする具体的な場所は、石川県や能登9市町等で決めることになっておりますが、地元からはゆくゆくは全市町で放鳥したいという意向は聞いていますので、順次、体制が整えば、その可能性はあるのかなと考えております。
○橋本委員 すみません、ちょっと説明不足だったのですが、羽咋が口能登で、中能登町は中能登で、要は口能登、中能登、奥能登と区分されて、最初が、口能登で、次、中能登地域に行ってというふうな順番で奥能登に行っているのかなというふうに理解したんですけど。
○希少種保全推進室室長補佐 いや、そういう順番が決まっているわけではないです。
○橋本委員 そうなんですね。はい、分かりました。
希望としては、全市町でやりたいということですね。
○希少種保全推進室室長補佐 はい。それで体制が整ったところと調整がついたところから、また、今回放鳥したトキの定着状況も踏まえて判断するということになっておりますので、まず地域がありきというわけではないです。
○橋本委員 ありがとうございます。
○中村部会長 ありがとうございます。
石原委員、お願いします。
○石原委員 ありがとうございます。
本当に放鳥が復興のシンボルとなっていることはすばらしいと思うんですけれども、恐らくこれ、放鳥とセットとなっているのが、環境づくりというか、生息地づくりで、やはり有機農業を、トキの生息地保全のために継続していくことが重要かと思うんですけれども、私、ちょっとこのトキの事例はあんまり詳しくないんですけれども、コウノトリの豊岡などを見ていますと、コウノトリ育む米というのは、いっとき非常に普及したんですけれども、普及を持続的に拡大していく上では課題もあると認識しています。
というのも、やはりそれだけ有機農業でやっていくというためには、過疎化とか、労働力が足りないとかといったところも大きな問題となっておりますので、その辺は、このトキの場合はどういった状況になっているのかというのをお伺いしたいと思います。
○中村部会長 ちょっと回答、あとお二方おられるので、聞いてからでお願いいたします。
続いて、町田委員、藤田委員の順序で、オンラインからお願いいたします。
○町田委員 ありがとうございます。町田です。
私も、このトキの復興、トキと能登の放鳥で、創造的な復興として期待する声が多く聞こえています。私の質問は橋本委員と一緒で、奥能登と言われる特に被災地が、災害が大きかったところでも、こういった農業とか環境に優しいところ、農業で復興していこうとされている方が多くいるので、このトキの共生する里山とすごく共感されているところが多いので、こういった奥能登でも予定されているのかなというのをご質問したかったので、一緒になります。ということで、コメントになります。
以上となります。
○中村部会長 藤田委員、お願いします。
○藤田委員 ありがとうございます。
私も先ほどの方と同じ質問になるんですけれども、コウノトリ米であってもトキ米であっても、やはり有機農業だったり環境配慮型の米づくりというのを地域の農家さんがやっているわけで、その対価をどうやってもらうかというのは、やっぱり地域にとってすごく大きなことだと思うんですよね。倍でこのお米が売れて彼らの努力が報われるというふうに、なかなか日本の消費者市場がなっていない中で、地域の方々が頑張って、地域ネイチャーポジティブを頑張ったところで、どうやってその地域にお金が落ちるのかということを、こうやって今、どんどん放鳥する場所を増やしていく中で、国としてはどういうふうに、頑張っている地域を支援したり、あるいは、そこにお金を落とす経済的な仕組みをつくっていくというふうに考えていらっしゃるのか、もしあれば教えてください。よろしくお願いします。
○中村部会長 ほかは、よろしいですか。
じゃあ、回答をお願いいたします。
○希少種保全推進室室長補佐 トキの本州での放鳥の取組は、環境省のみでは実施できない事業で、こうやって意欲がある自治体に手を挙げていただいて、一緒に役割分担をしながらやっていっております。その中で、場づくり(生息環境の整備)というところは、役割分担としては地元にお願いしているところですが、状況を一部お伝えすると、今、石川県でトキの認証米制度をつくっており、今この場で具体的な数値が言えずすみませんが、今年は、想定していたより何倍も申請があったと聞いております。認証を受けた方にはインセンティブがあるようなシステムにはなっていて、そちらは石川県のほうで引き続き頑張っていただきつつ、まず希少種室としては、トキが能登地域にうまく定着できるよう、そういう技術協力をやっているところです。
また、具体的な補助金などの制度は、当室としては担当していないところですが、環境省の他課室での取組もありますので協力して実施するとともに、消費者に理解いただかないといけないと思いますので、普及啓発なども積極的に頑張っていきたいと思います。
○中村部会長 経済的な問題は、後で経済戦略みたいなものも紹介されると思いますので。
加藤委員、お願いします。
○加藤委員 ありがとうございます。
コメントですが、環境創造室のほうで主導されている良好な環境の観光活用での採択事業の一つがコウノトリの事業ですが、そこでは観光収益の2%か3%でしたかを保全に還元するというような仕組みづくりをされているということで、観光も悪いことだけではないという一つの事例であると思っております。
以上です。
○中村部会長 ありがとうございました。
コメントということでよろしいですね。
○加藤委員 はい。
○中村部会長 ほか、よろしいですか。
それでは、次の報告に移りたいと思います。
議題の5ですね。30by30ロードマップの中間評価について、お願いいたします。
○地域ネイチャーポジティブ推進室長 ありがとうございます。30by30ロードマップの中間評価について(報告)ということで、地域ネイチャーポジティブ推進室の奥田です。よろしくお願いいたします。
資料5について説明していきたいと思いますが、すみません、もうめくられておりますね。
30by30目標の達成に向けてということで、国内の30by30の目標の達成に向けては、環境省としては2022年に「30by30ロードマップ」というものを「昆明・モントリオール生物多様性枠組」に先駆けて策定してきております。こちらのロードマップにつきましては、関係省庁連絡会議で決定いたしましたが、生物多様性国家戦略の附属書としても組み込んでできております。
このロードマップの中で、2026年度、今年度、中間評価を行うということで、今、これから作業を進めていくという状況でございます。ちなみに、達成状況でございますが、陸域で、現時点で21.0%、海域で13.3%となっております。
次のページをお願いいたします。30by30ロードマップ中間評価についてということで、先ほどご紹介したロードマップの本文では、(1)に書いてあるとおりのことを書いてきておりまして、(2)にございますが、今後のスケジュールといたしましては、この次のページで説明いたします未来対話というものを行った後、パブリックコメントを経た上で生物多様性国家戦略関係省庁連絡会議にて決定していきたいというふうに考えております。
次のページをお願いいたします。30by30ロードマップ未来対話について(概要)ということでございますけれども、すごく役所的にやるのであれば、関係省庁と淡々と実施状況について評価していくことになるかと思いますが、せっかくの30by30ロードマップに関するものですので、できるだけ開かれたプロセスかつ30by30に向けてステークホルダーをさらに巻き込んでいくための方策として、30by30ロードマップ未来対話というものを開催していきたいと考えております。第1回は来週31日に開催予定でして、2回目を11月4日に開催予定ということで、主催は環境省でございますが、参加者としましては、この自然環境部会のメンバーの何名かもご参加いただきますし、あと自治体、民間企業、NGO、関係省庁等が参加する予定でございます。
次のページ、5ページ目でございますけれども、中間評価で示す方向性のたたき台ということで書いております。まだ中間評価でどういう方向性を示すのかというものは、まだまだこれから議論していく内容でございますけれども、やはり大きなものとしましては、社会全体で実効性のある30%実現と、その先の自然共生社会へということで、ある意味では、30by30目標にとどまらず、さらにその先も見据えた、次の国家戦略を見据えた議論をぜひやっていきたいなというふうに考えております。
ここに現時点で五つ掲げておりますが、一つ目としましては、自然共生サイトという制度を始めましたが、これが現時点で610か所ございまして、目標を大きく上回っております。こうした取組を、さらに裾野を含めて拡大していくことについて、あるいは②番でございますが、先ほども述べたとおり、現状で陸域で21%でございまして、30%にはまだ届いておりませんので、30by30目標達成に向けた取組の加速化と、それから、保護地域も含めて保全の質をいかに向上していくのかといったような課題、さらに③番でございますが、この30by30自体が土地にひもづいたエリアベースドな取組でございますけれども、先ほどのトキの話、あるいはその前の希少種の生息地等保護区の話もございましたが、いかに地域において、そういった様々な保護施策も含めてどういった保全と活用を進めていくのか、そうした空間的な配置も非常に重要になってくると思っておりますし、さらにその地域として、どうそれを継続していくかも含めて、地域としてのあるべき姿、地域のグランドデザインとしてどういうものを考えていくべきなのかといったようなことも、ぜひ入れていきたいなと考えております。
それから、④、⑤はそれらを支えるものとなっていきますが、この後、説明もございますが、経済的側面から、どういうふうにして支えていけるのか。特に、地域と経済をうまく結びつけるといったようなところで何がポイントなのか。
さらに、⑤番でございますが、ネイチャーテックと書きましたが、やはりこうした取組を支える様々なデータ、あるいは技術基盤があると思っております。そうしたものをいかに進めて30by30の達成、さらにその先を見据えて、方向性というものをぜひ議論して打ち出していきたいと考えております。
以上です。ありがとうございます。
○中村部会長 ありがとうございました。
皆さんのほうからご意見はいかがでしょうか。
どうぞ、森田さん。
○森田委員 ありがとうございます。
また今後、30by30ロードマップの検討会でもいろいろ議論されると思うのですけれども、この30by30、自然共生サイトの取組もいろいろな種類がある中で、生物多様性のほうでもネイチャー・ベースド・ソリューションの議論などもされており、皆さんが考えているネイチャーとしてよいものはいろいろなものがあると思います。企業も含めて様々なステークホルダーが取り組みを考えている中で、どういうふうに良い取り組みを引き伸ばしていくかということについて、皆さんが多分考えているものがそれぞれ違っていると思います。この地域はこういうネイチャー・ベースド・ソリューションを入れるポテンシャルがあるよというような、何かこういうところにニーズがあるよということは、もっと伝えていくほうがいいかなというふうに思っています。
今、見える化のいろいろなデータも出てきていますけれど、今後その30%がどういうもので積み上げられるのかというのは、今のスタートとしては、いろいろなケースが出てきたというのでよいと思うのですけれど、地域においては自然だけの話じゃなくて、地域社会のいろいろな問題とも複合的に考えなくてはいけないので、この次のステップとしてどういうものがいいかというのを、類型化したものがみがうまくでてくるといいなと思います。
○中村部会長 続きましてオンラインから、愛甲委員、町田委員の順番でお願いします。
愛甲委員、どうぞ。
○愛甲委員 愛甲です。ありがとうございます。
中間評価をする際に、この数字だけ見ると現時点で21%で、海域13.3%ということなんですけど、この目標である30%にというのをどういうふうに捉えるか、現実的に2030年で30%というのを現実的なものとして考えていらっしゃる、関係省として考えていらっしゃるのか。それとも、もう質とかも含めて、もうちょっと違う評価をするのか、中間評価なので、まだ5年あると見るのかどうかというところだとは思いますが、その辺をどう考えていらっしゃるかというのをちょっと聞きたいとは思っていました。その上で、やっぱりこれは以前の国家戦略をつくったときもそういう話がありましたけど、他の省庁で持っている土地、特に都市公園等なども含めて積極的にそういうのにも関わっていただくというようなことも必要でしょうし、もちろん民間で一生懸命、いろんな例が増えてきているというのはあるとは思いますが、その辺の質の評価というのも含めて、どういうふうにこの評価をしていくのかという辺りを、ちょっと伺えればと思っていました。
あと、自然共生サイトそのものについては、私も幾つかの例で申請にちょっと携わりましたけど、ちょっとその申請するときの手続面の整理というか基準の部分で、もうちょっと効率的にいろいろやっていただけるといいのかなと思って、かなり事務局とのやり取りというのはすごく大変で、民間等では、より大変なんじゃないかなと思った点も感じたところです。
以上です。
○中村部会長 ありがとうございます。
続いて、町田委員、お願いいたします。
○町田委員 ありがとうございます。
私も最後の中間評価で示す方向性のたたき台の考え方なんですけども、こういった成果を出す指標を、いろいろな指標があるかな、もちろん30%になるようにという量の指標もあると思うんですけども、今回、自然共生サイトを通じて、これまで環境とかそういったことに、自然共生サイトをきっかけに様々な業種の方が広がったなという実感が、いろんなお手伝いをしていて思いますので、そういった協働ですとか質の評価なんかもできるといいなと思ったところです。
以上となります。
○中村部会長 ありがとうございます。
取りあえず、この3名の方について、回答をお願いいたします。
○地域ネイチャーポジティブ推進室長 ありがとうございます。
まず、森田委員から、地域と地域社会の中でいろいろな問題がある中で、どういうふうにしてその課題の解決策を提示していくことかと理解しました。
まさにおっしゃってくださったとおり、地域によってその関わり方等は様々で、人口等々も含めて様々でございますけれども、そうしたところでもやはり、ぜひ考えていくべき要素、エッセンスというものをできる限り整理して、示して、いろんな選択肢を分かりやすく示していきたいなと考えております。
それから、愛甲委員からいただきました、まず30by30目標を達成する気はあるのかということでございますが、ありますということを答えておきたいなと考えておりまして、その後のコメントでもいただいた自然共生サイトも2023年から運用を始めまして、その2年後に法律という形に形は変わりましたが、その中でやはり見えてきた様々なものがございます。そうした経験も踏まえて、よりよい在り方というものをこの中間時点でぜひ示していきたいなと考えております。
それから、これは町田委員のご質問とも関連いたしますけれども、質も含めた評価をどうやっていくのかということでございますが、この後の報告事項の最後でもご報告いたしますが、やはり国際的な流れの中で、プライスレスな自然をプライシングしていくことも含めて、生物多様性の価値というものをどう評価していくのかということが、まさに議論になってきておりますので、そうしたものも含めて、これからしっかりと取り組んでいきたいというふうに考えておりまして、まず、自然共生サイトにおけるそういった価値の評価というものを行えないかという検討をし始めておりますので、その辺り、この後の議題でご説明したいと思っております。
それから、手続の煩雑さ等々についてご指摘ありがとうございました。1点、言い訳をしておきますと、ERCAが今、事務を担ってくださっておりますが、必ずしも落とすための審査ではなく、よりよく活動していくためにはどうすればいいのかという伴走支援に近い審査も行われているものも多数ございます。そうした中で、ついついたくさんのお願いをしてしまうこともあるかと思いますが、様々な声を聞いて、我々も効率的かつ効果的にやっていかなきゃいけないというので、不断の改善を行っておりますので、さらに改善を進めていきたいと思います。ありがとうございます。
○中村部会長 ありがとうございます。
それでは、会場から森本委員、石原委員、それからオンラインで勢一委員、お願いします。
森本さん、お願いします。
○森本委員 ご説明ありがとうございました。
ERCAには動画の作成をしていただいていて、非常に助けられました。手続が少しは楽になったかなと思います。
私からは、海の保護状況について。達成状況の数字を見ますと、陸域は増えているが、海域は増えていないようです。これは、これまでの取組が、陸域にはある程度効果的だったけれども、海域についてはいま一つだったということを示していると思います。これからの海域の保護面積を増やしていくに当たって、何かこれまでと違った取組が必要だと思われるので、中間評価ではぜひ、今後の効果的な追加の策というのを打ち出していただきたいなと思います。意見です。
○中村部会長 ありがとうございます。
石原委員、お願いします。
○石原委員 先ほどの森本委員の意見とちょっとかぶっているんですけども、海に関しては、やはり13.3%と非常に低いというところがありまして、ただ、日本の場合は、漁業者が自主的に設定している禁漁区、保護区等がございます。それは、でも多分データベース化はされていないので、かなり、その辺をどうやって細かく見ていくかというのは大変な作業になるかなとは思うんですけれども、その辺をかなりうまく活用して数字に挙げられると、私自身はいいのではないかなと思っておりますし、実際そういうことをすることによって、漁業者自身が自分たちがやっている管理体制に対する意識も上がってくるのではないかなと思いますので、その辺をご検討いただけますと幸いです。
○中村部会長 ありがとうございます。
勢一委員、お願いいたします。
○勢一委員 ありがとうございます。
私からもリクエストですが、先ほどご意見が出ましたけれども、他法令との関係で、もう少しどのような区域を加えることができるのかというところをぜひ深掘りをしていただければと思っています。
さらに、今後どのような場所が候補になり得るのかという候補地の条件のようなものについても、ぜひご議論いただければありがたいなと思います。今後、自然関係のデータが整ってくれば、例えば希少種のホットスポットなどを保護区に加えていくというようなこと。どのくらいの強度の保護区が適切かというのはそれぞれだと思いますけれども、もう少し広げる要件を関係者の間で詰めていただけるとありがたいです。
以上です。よろしくお願いいたします。
○中村部会長 ありがとうございます。
それでは回答をお願いいたします。
○地域ネイチャーポジティブ推進室長 ありがとうございます。
海のOECMにつきまして、現状では自然共生サイトがそれに該当しますが、全体610件と申しましたが、海はまだ二十何件か30件ちょいぐらいだと思います。パーセンテージにすると0.0幾つかという、000幾つかという状況でございますが、面白いのが、やはり漁協の方の申請というのも非常にあって、やはりこういう生物多様性保全の取組自体を、もう積極的に漁業者自身が発信していくという時代になったということで大変興味深く見ておりますので、そうした取組をぜひ、うまく後押ししていきたいなと思っております。
その上で、いただいたとおり、森本先生、それから石原先生にいただいたとおり、海につきましては、この30by30ロードマップ中間評価におきましても、どういう考えの下でこういった部分をしっかりと保全していくのかというところの方針については、ぜひ書いていきたいというふうに考えておりまして、今後議論を進める中で、その辺りもしっかりと示していきたいと考えております。
それから、勢一委員からいただきました他の法令との関係でということで、まさに自然共生サイトをやっていて痛感しておりますが、本当に様々な法令なり取組なり仕組みの中で、柔軟性も持ちつつ、時に玉石混交なものも含めながら進めております。むちゃくちゃ、そういった事例がたくさん集まってきております。
自然共生サイトにつきましては、手挙げ方式ですので、申請された方の場所を見ていくということでございますが、先ほど申したとおり、それを、よりほかの様々なデータ等も含めて、こういった場所がぜひ、そういった自然共生サイトなり、あるいは別の形のものとして、守っていくなり活用していけるといいよねというようなところについては、ぜひ議論を進めて、みんなで協力しながら守っていく、あるいは活用していくということを、ぜひ積極的に進めていきたいなと考えております。
ご意見ありがとうございました。
○中村部会長 ありがとうございました。私もこの対話に参加できそうなので、楽しみにしております。
すみません。30分を過ぎてしまいましたが、最後のご報告があるので、もう少し、時間が許す委員の方々は、お付き合いをお願いいたします。
6番目、ネイチャーポジティブ経済移行戦略ロードマップに基づく取組状況について、お願いいたします。
○生物多様性ビジネス推進室長 ありがとうございます。
生物多様性主流化室、改めまして、8月から生物多様性ビジネス推進室となりました。室長の永田でございます。
ネイチャーポジティブ経済移行に向けた取組状況について、簡単にご報告させていただきます。
次のページをお願いします。ネイチャーポジティブ経済移行戦略を、生物多様性国家戦略に基づいて2024年に策定をしております。これをさらに、2030年までにどう実現していくか。国の施策の方向性の全体像を具体化しようということで昨年7月にロードマップを策定しております。
この中で、企業におけるネイチャーポジティブ経営への移行を力強く推進していくということと併せて、1社だけではなかなか取組が進まないというところを、社会システム上、どう変革していくかという観点で、金融機関・投資家のネイチャーファイナンスの拡大、消費者行動変容によるネイチャーポジティブに配慮した製品サービスが評価されるような市場の形成、ネイチャーポジティブな地域づくり、そして国際競争力の向上の観点から取組を進めております。
策定から1年経過し、現在、企業経営、調達、ファイナンス、そして価値評価の各分野で具体的なツールとガイドラインの策定など、整備を進めておりまして、本日、右の黄色い下線を引いているところについて、中心にご報告いたします。
次のページをお願いいたします。まず、ビジネスにネイチャーポジティブの視点を取り入れていくということが、どのように企業価値の向上につながっていくのかというのが示せないと、企業においても持続可能な形で取り組んでいくことが難しいというお声をいただいておりまして、これを示そうということで、企業価値向上ストーリー集を今年の3月に策定をしております。
企業20社にもヒアリングをさせていただきまして、企業価値につながっていく経路というのは、この企業価値を高めるというところのスパイラルアップさせているところにあるように、いろいろな経路があるということが分かってまいりまして、そういったものをまとめてお示しをしております。
次のページをお願いいたします。今、ガイドラインを二つ策定してございます。
一つ目が、調達におけるネイチャーポジティブへの取組を促進すべく、調達におけるネイチャーポジティブに向けた実践ガイドラインというものでございます。
日本は、国外への自然資本への依存度が高いということでございますけれども、ネイチャーポジティブへの配慮を、サプライチェーンを通じてどのように取り組むかといったときに、水準感だとかトレーサビリティをどこまで追っていけばいいのか、こういったことが不明瞭であるという課題を踏まえて、企業が調達において実践をしていただくときに押さえるべき基本事項を、任意のガイドラインの形でお示しをしております。
ガイドラインの概要は、責任ある企業行動の企業方針だとか、経営システムへの組み込みをまずしていただくということと、サプライチェーン、事業全体にわたるこのビジネスが、どのように自然に負の影響を与えているのか、こういったものを特定評価していく。そして、特定された負の影響について、停止・防止・軽減措置を講じていく。モニタリングと情報開示というものをお示ししているところであります。
現在、この7月に策定をしたガイドラインを踏まえたモデル事業の公募というのを行ってございまして、今年度、モデル先行的な事例を、モデル事業を通じてご支援していければというふうに考えております。
次に、ネイチャーファイナンスの実践ガイドラインの検討でございます。
こちら、企業がネイチャーポジティブ経営に取り組んでいくことを、どのように金融機関、投資家側が、情報開示などを踏まえて投融資判断に織り込んでいけるか、これが重要であろうということで、投資家、金融機関側がどのように見ればいいのかを明示するために、基本的な考え方と実践に当たっての取り組み方を提示しようというものでございます。
現在、パブリックコメントが終わった状態でございまして、今後、9月頃を目処に策定をしていきたいと考えております。その後、こちらもモデル事業を実施していく予定でございます。
次のページをお願いいたします。こうした取組も踏まえまして、企業の皆様もネイチャーポジティブ経営の取組を加速いただいているところでございます。TNFD、自然関連財務情報開示に対応される企業というのは、日本が世界でトップという状況が依然続いておりますほか、このネイチャーポジティブ宣言というのも2年前から呼びかけをしているところ、この宣言数も拡大をしているところでございます。引き続き、ビジネスにおけるネイチャーポジティブを推進してまいりたいと考えております。
次、生物多様性の価値評価について、説明者を移しまして、お願いします。
○地域ネイチャーポジティブ推進室長 続きまして、6ページをご覧ください。
生物多様性の価値評価に関する検討状況についてということで、先ほども少し申し上げましたが、今現在、世界的な炭素に関するクレジットの動きですとか、あるいは英国のBiodiversity Net Gainの法律ですとか、そうしたものに触発されて世界的にネイチャークレジットの動きというものが大変加速しております。
そうした中で、四角の1ポツ目でございますが、昨年9月より、生物多様性の価値評価に関する検討会を設置しまして、座長は中村委員長にお願いしております。こちらの検討を進めてきております。令和7年度につきましては、生物多様性の価値評価手法の検討に当たっての基本的な考え方というものを昨年度末に取りまとめました。
考えていることといたしましては、三つ目でございますけれども、やはり、もう世界的な評価手法が、様々検討が進む中で、やはり日本を含むアジア・モンスーン地域特有の二次的な自然の特徴をしっかりと踏まえて、我が国の自然環境についてしっかりと適切に評価できるものをしっかり提供できるようにしていきたいということを考えております。国内でも、様々な民間の取組もございますけれども、そうしたところで既に検討されているものもうまく踏まえながら、いいものを取り入れながら検討を進めていきたいと考えております。
スケジュールでございますが、昨年度、令和7年度、この価値評価手法の検討に当たっての基本的な考え方を取りまとめましたが、今年度から、国家案件等をともに、この具体的な評価手法についてのプロジェクトを動かしておりまして、そうしたプロジェクトと並行して検討というものを進めていくということを考えております。まずは、自然共生サイトにおける評価手法というものをしっかりと示していきたいと考えております。
次の7ページについては、基本的な考え方の概要でございます。
以上でございます。
○中村部会長 ありがとうございました。
それでは、皆さんのほうから、もう時間はないんですが、コンパクトに。
加藤委員、お願いします。
その後、森田委員、お願いします。
○加藤委員 ありがとうございます。
1点目はコメントですけれども、やはりネイチャーポジティブ経営や脱炭素への観光業のコミットというのはまだまだ非常に低いものがございますので、ぜひ観光業のほうにも働きかけていただけるとありがたいなと思います。
2番目に、価値評価のところですが、やはり30%を目標とはしていつつも、それだけ、その先はどうなるかというのは、先ほどの議論にもありましたが、環境のほうでも言われる、「ウェルビーイング」、その評価要素ということと、どういう関連性があるのかを教えていただければと思いました。
以上です。
○中村部会長 森田委員、お願いします。
○森田委員 どうもありがとうございました。
生物多様性の議論が、どうしても何か、日本国民は国内の生物多様性だけを考えればいいという、何かナラティブが私は好きではなくて、やはり私たちは国外の自然資源にも頼っているというところも、やっぱり見ていかなくてはいけないのと、他国の30by30の目標にも実は影響しているというところは、このTNFDの議論の中でも触れられていると思います。このネイチャーポジティブな調達や、モンスーン地域としてどう考えるかという視点が入っているというのは、とてもよいと思います。
それを踏まえてなのですが、他国のネイチャーポジティブの調達まで考えていくとなると、例えば途上国の問題となると、JICAさんですとか、国際協力に関わる国際開発金融機関とか、そういう機関との連携も今後、大企業が真剣に考える必要が出てくると思うので、その辺のサポートも必要で、企業からのニーズも増えてくることを考えると、省庁を超えて何ができるのかというところも今後検討が必要であるとは思います。
あとは、企業のサステナビリティのウェブページを見ると、もう気候変動と生物多様性がセットで出てくる中で、どっちもやらなきゃいけないという認識は高まっている中で、この二つ両方に対応するということ、効率的に対応するにはどうしたらいいかという検討は、どこの担当がやるのでしょうか。特に、生物多様性はまだ分からないことも多いと思うので、この生物多様性側のほうから結構議論しなくてはいけない部分があると思うので、これを両立させることを検討すること、その場所は必要だと思います。
あとは、3点目は、これは多分、日本だけではない課題だと思うのですが、大企業さんは、いろいろ対応を進めてきているけど、中小企業さんとかも今後、TNFDとの関連で何かやろうと思っている中で、自分たちだけでやるのはすごく大変という中で、そういうところのサポートをどうやってやるのか、多分、欧州とかも同じ課題を抱えていると思いますので、その辺も今後議論してほしいなと思います。
以上です。
○中村部会長 ありがとうございます。
事務局には申し訳ありませんが、オンラインも、続けて行かせていただきます。
藤田委員、お願いします。
○藤田委員 ありがとうございます。
生物多様性の価値評価のところで質問なんですが、これが何を目指しているのかいま一つ分からなくて、企業のバリューチェーンについては、ネイチャーフットプリントというのを国として出しましたよね、3月末に。この価値評価というのは、もっと自然資本そのものを定量評価したり金銭評価するようなもののように見えるんですけど、目指すところは何なのかがちょっと見えなくて、例えばネイチャークレジットみたいなクレジットの設計をしたいのか、あるいは東大がやっているようなバランスシートみたいなところまで持っていきたいのか、あるいは英国のBNGみたいな規制をつくりたいのか、あるいは、例えばもう少しでISSBの自然の基準とかが始まりますけど、そういったところに盛り込んでいきたいのか、何かどの辺を目指して、この国家案件と研究をして、どういうところに使っていこうと。先ほど、自然共生サイトに使っていくというのもありましたけど、何かどの辺を目指して何を作っていくのかをちょっと教えていただければと思います。
よろしくお願いします。
○中村部会長 ありがとうございます。
町田委員、お願いします。
○町田委員 ありがとうございます。
私も資料6の7ページの、生物多様性の価値評価手法の検討の考え方というところで、こういった取組がグリーンウォッシュにならない、本当に価値評価が見える化して生物多様性のインセンティブが高まっていく上では大事な取組かなと思っています。
お時間がない中でのご説明だったのだと思うんですけども、もしこの対象と留意事項の中で、③の地域の生業・暮らしとかいうところも、ほかの委員の先生のご質問と併せて少し教えていただけるとありがたいなと思ったところです。
以上となります。
○中村部会長 ありがとうございます。
大塚委員、お願いします。
○大塚委員 今の藤田委員のご質問とちょっと関係しますけども、この6ページ、7ページに関しては、このご議論は非常に重要だと思いますが、各国でこの種の対応をしたときに、この先はどういうふうにしていくことを環境省さんとしてはお考えになっているか、教えていただきたいんですけども、結局、世界的にある種、統一したものになっていくことが望ましいと思いますが、そのための一里塚をやっていただいているというご趣旨も入っているじゃないかと思うんですけども、その辺を教えてください。
日本の、この生物多様性価値とかTNFDに関して、実際に銀行で関わるのは日本の銀行が多いということだとすると、今の私の質問はあまり問題になりにくいのかもしれませんが、ほかの国の銀行からの融資とか、日本の銀行がほかのところに融資するということもちろんあると思いますので、その辺を教えていただけるとありがたいです。
ありがとうございます。
○中村部会長 ありがとうございました。
それでは、たくさん質問をいただきました。よろしくお願いします。
○生物多様性ビジネス推進室長 ありがとうございます。
まず加藤先生から、観光業に対してもコミットメントを広げていけるように働きかけるという点、おっしゃるとおりでして、地域においてネイチャーポジティブを実装していくときの重要なアクターというふうに考えておりますので、観光業の方もこういったものに取り組んでいただけるようにしていけると大変よいと思っております。
次に、森田先生からの途上国だとか他国におけるネイチャーポジティブに対する関わり方ということで、我々、今回、調達という、サプライチェーンの先にある自然資本を日本企業も自らきちんとそれが持続可能な形で生産できるようなことを支援していくところまで立ち入らなければならないのではないか、それはビジネスにおける調達の持続可能性そのものの話であるということでお示しをしてございます。実際に、企業・商社の方も、途上国等の調達、生産現場の中でランドスケープアプローチの実践に関わったりだとかというような実例も出てきております。
JICA等の国際開発機関との連携という点も重要というふうに考えております。JICA側も生物多様性主流化支援ツールを開発されたところでございまして、実際にそういう案件が出てくると、さらに日本が貢献する形で、生産現場というのがネイチャーポジティブに資するようなことになるのかなというふうに考えております。
カーボンニュートラルとネイチャーポジティブの同時実現をどのように効率的に図っていくか、シナジー、ネクサスをどう達成していくかということでございますが、省内では三社会統合事業というのを設けてございまして、このカーボンニュートラルだけではなくて、資源循環、最近は化学物質管理なんかも加わってございますが、そういったものを一体的に、統合的対応をどういうふうにしていくかという点、連携して取り組んでいるところでございまして、企業の皆様がそれぞれ課題の対応に追われるというようなご意見にきちんと対応できるように進めていきたいというふうに考えております。
価値評価につきまして、どのような形に進めていくかという、何を目指しているのかという点につきまして、奥田室長からも補足があると思いますけれども、活用スキームの実装可能性という点では広くあるというふうに考えております。一つはBNGのようなクレジットもあるかもしれませんけれども、まずはそれに限らない形で、日本なりの生物多様性の評価手法というのを確立することが重要であると認識してございます。各国、国際的に今進んでいるものの中では、二次的自然の評価方法というのがやはり定まっていないところがございますので、日本側でそれをきちんとつくった上で打ち込んでいくということと併せて、活用手法として、実際にその保全活動に対応される現場の方々に、資源動員が図られていくような形に持っていくということを見据えて取り組んでいきたいというふうに考えております。
以上です。
○地域ネイチャーポジティブ推進室長 すみません、価値評価について少し補足いたします。
加藤委員からいただいたウェルビーイングについてということですが、現時点でこの価値評価の中では、ウェルビーイングは具体的にどうなるのかといったところについて直結する検討自体は行っておりません。価値評価といった場合に、生物多様性の状態そのものの場合と、あとは様々な生態系サービスがあると思いますけれども、それらはきっといろんな組合せがあると思いますが、まず、我が国の二次的自然環境も含めた自然の状態というものを定量的に評価していくにはどういう手法があるのかという観点で一旦進めているというところでございます。
その上で、町田委員からもご指摘のあった、7ページの中ほどの、地域の生業・暮らし・伝統文化といったようなところでございますが、先ほどから話が出ていますとおり、二次的自然環境といったようなものは、こういった地域の生業・暮らし・伝統文化といったものと切っても切れない関係にもございまして、その中で、様々な形は今、起きておりまして、その一つには、例えば観光利用といったようなものもございます。そうしたものもうまく目標に盛り込みながら、そうした我が国として守っていきたいところはどういう形で評価できるのかというものをぜひ進めていきたいと考えております。
その上で、森田委員から、日本のことばかり考えているんじゃないのというコメントをいただきましたが、国際的に様々な評価がなされていて、そうした動きともよく調整しながら、国際的にも通用するものを、ぜひやっていきたいなと思っております。
ありがとうございます。
○中村部会長 ありがとうございました。
きっと、まだ満足いかないところもあると思うんですが、個別に聞いていただければ、永田室長も奥田室長も丁寧に答えていただけると思いますので、よろしくお願いいたします。
多分、皆さんにとっても大変興味があって、未来につながるような、そういう議題だったんだと思います。
20分ぐらい、もう既に超過しております。この報告についてはここまでということで、その他があるんですが、その他、事務局から何かありますか。
特にありませんか。よろしいですか。
それでは、今回のこの会議の議題は全て終了したということで、進行を事務局にお返ししたいと思います。
○司会 中村部会長、議事進行、ありがとうございました。
委員の皆様におかれましても、長時間にわたるご審議ありがとうございました。
本会はこれで閉会といたします。皆様、ありがとうございました。
午後3時52分 閉会