中央環境審議会 自然環境部会(第42回)議事録

日時

令和3年2月1日(月)15時00分~1700

場所

AP虎ノ門 ルームB(※一部委員はWeb会議システムにて参加)

(東京都港区西新橋1-6-15 NS虎ノ門ビル11F)

出席者

武内 和彦  部会長
石井  実   委員

佐藤  友美子 委員

新美 育文  委員
山極 壽一  委員

石井 信夫  臨時委員

江﨑 貴久  臨時委員

大沼  あゆみ 臨時委員
尾崎 清明  臨時委員

小泉 透   臨時委員
小菅 正夫  臨時委員
柴田 明穂  臨時委員
下村 彰男  臨時委員
白山 義久  臨時委員
中村 太士  臨時委員

深津 加津枝 臨時委員

二宮 雅也  臨時委員
宮本 旬子  臨時委員

※傍聴

 釧路町 小松町長

 厚岸町 若桜町長

 浜中町 松本町長

議事

○司会(国立公園課課長補佐 清武) 定刻となりましたので、ただいまより中央環境審議会自然環境部会を開会いたします。

 本日は、お忙しい中、当審議会にご出席いただき、ありがとうございます。

 会議に先立ちまして、出席委員数のご報告です。

 本日は、所属の委員、臨時委員25名のうち、ウェブでのリモート参加も含め18名方にご出席をいただいておりますので、本委員会は成立しております。

 次に、本日の会議運営につきまして、3点ご連絡いたします。

 まず、リモート参加につきましては、当面の間、新型コロナウイルス感染症対策として、中央審議会会長にご承認をいただいております。リモート参加の委員におかれましては、音声等で不都合等がございましたら、事務局までお電話いただくかチャット機能でお知らせください。また、リモート参加の委員の方が発言を希望される場合は、ウェブ画面上の参加者リストにあるご自身のお名前にカーソルを合わせると、手のひらの形をした挙手ボタンが表示されますので、そのマークをクリックしてください。手のひらマークが常時表示状態となれば挙手している状態となり、進行役が発言希望者であると認識できます。発言後は、手のひらマークを再度クリックし、手のひらマークを消してください。

 次に、傍聴につきましては、会場での傍聴は行わず、傍聴用のウェブ会議システムにより傍聴できるようにしております。本日は、報道機関関係者の方を含め、数十名の方がウェブ会議システムにて会議を傍聴されておりますので、ご承知おきください。

 また、本日の資料につきまして、リモート参加の先生方に対しては、事前にメールにて送付しておりますが、本日会場にお集まりの方については、資料はお手元のタブレット端末の中に格納しております。タブレット端末の不具合などございましたら、事務局の者にお申しつけください。

 それでは、自然環境局長の鳥居からご挨拶申し上げます。

○鳥居自然環境局長 皆さん、どうもこんにちは。自然環境局長の鳥居でございます。本日は、お忙しい中、中央環境審議会の自然環境部会にご参加いただきまして、誠にありがとうございます。

 コロナの状況の中、オンラインによる開催、そして、本日は、武内部会長、下村小委員会の座長には、会場にお越しいただいておりますが、こういうウェブと対面の併用で開催するのがだんだん定着をしてきたところでございます。いろいろご不便もあるかとございますが、よろしくお願いしたいと思います。

 本日の議題といたしましては、諮問案件が1件、そして報告事項が2件ございます。

 諮問案件につきましては、厚岸霧多布昆布森国定公園の新規指定についてでございます。国定公園の新規指定は、昨年3月に指定された中央アルプス国定公園に続くものであり、指定されると全国で58番目の国定公園となります。また、昨年11月に開催された現地視察におきましては、多くの審議会の委員の先生方にご参加いただきました。この場をおかりしまして御礼を申し上げます。

 また、本日は、関係する町の首長様のうち、厚岸町、浜中町、釧路町の町長様にお忙しい中、ウェブで参加いただいております。本当にありがとうございます。標茶町長におかれましては、ご都合がつかなくて参加できないのですが、こういった形でご地元の首長さんにご参画いただけることは、本当にありがたいことでございます。よろしくお願いいたします。

 また、報告事項といたしまして、生物多様性国家戦略の点検結果、そして、自然公園法の施行状況等を踏まえた自然公園制度の今後の在り方につきまして、ご報告を関係課室より行わせていただきたいと思っております。

 限られた時間ではございますが、忌憚のないご意見を頂ければと思いますので、本日もどうかよろしくお願い申し上げます。

○司会(国立公園課課長補佐 清武) それでは、ここからの議事進行につきましては、武内部会長にお願いしたいと思います。なお、リモート参加の先生におかれましては、ご都合の許す範囲で結構ですので、常時ビデオボタンはオンにしていただき、ウェブ上で先生のお顔が拝見できる状態にしておいていただけますと幸いです。

 それでは、武内部会長、よろしくお願いいたします。

○武内部会長 ありがとうございます。

 それでは、議事次第に従い進めさせていただきます。会議資料につきましては、公開となります。また、会議録は後ほど事務局で作成し、本日ご出席の委員のご了承をいただいた上で公開するということとなります。

 なお、議事要旨につきましては、事務局で作成したものを、私、部会長が了承した上で公開することにつきましても何とぞご了承をお願いしたいと思います。

 今日の議事についてですが、先ほど局長からもお話がございましたように、諮問事項として議事1、厚岸町霧多布昆布森国定公園(仮称)の指定及び公園計画の決定についてでございます。また、報告事項としては、生物多様性国家戦略2012-2020の点検について、自然公園法の施行状況を踏まえた自然公園制度の今後の在り方についてということになっております。

 それでは、早速議事に入らせていただきます。

 議事1について、事務局から説明をお願いいたします。説明の終わった後に、委員の皆様からのご質問、ご意見をお受けしたいと思います。

 それでは、議事、議題1について、事務局より説明をお願いいたします。

○事務局(国立公園課生態系計画係長 安藤)でございます。

 皆様、資料は見えておりますでしょうか。資料に沿って説明をさせていただきたいと思います。 

 まず、初めに、事前に配付しております資料の1-3に沿って、これからご説明をさせていただきます。厚岸町霧多布昆布森国定公園(仮称)の指定及び公園計画の決定に関するご説明でございます。

 まず、本日のご説明の流れでございますが、まず、国定公園(仮称)について概要をご説明した上で、公園計画の中身についてご説明をさせていただきまして、その後、パブリックコメントへの対応ということでご説明をさせていただきます。

 まず、初めに、地域の概要のご説明ですが、今、図面に示させていただいておりますとおり、釧路町、厚岸町、浜中町、それから標茶町の4町にまたがる範囲を今回、指定の案とさせていただいてございまして、水色で着色した範囲でございます。そちらを俯瞰して今表示しておりますが、別寒辺牛湿原、それから霧多布湿原のような大規模な湿原であったり、厚岸湖、火散布沼、湖沼が存在しております。それから大黒島、嶮暮帰島のような島嶼が存在しておりまして、尻羽岬から昆布森に続くような海岸景観なんかがこの地域には見られます。

 また、指定に先立って、現地視察を今回やらせていただいておりまして、昨年の11月19日、から20日にかけて、2日間にかけて現地を見ていただきました。特に厚岸湖においては、厚岸臨界実験所の仲岡所長から「厚岸、別寒辺牛川流域における陸域と海域のつながり」についてというふうな形で、仲岡所長の研究成果についてご説明をいただきました。

 また、右のほうに、釧路町の小松町長のほうから尻羽岬でご説明をいただいた写真を載せさせていただいていますが、このように地域の皆様から実際に現地でどういった管理をしていて、どういった自然環境が広がっているのかといったようなことについてご説明をいただきました。   

 また、仲岡所長のほうからは、推進費のS15のほうでやられている研究成果についてご説明をいただいてございます。

 そういった形で、公園のテーマを現地で北海道庁を中心に検討をいただきまして、「湿原と断崖が語る大地と海の交わり~生命(いのち)あふれる湿原と海~」ということで公園のテーマとしておりまして、今までの指定の検討の流れでございますが、もともとの道立公園の指定は、昭和の30年まで遡りまして、その後、昭和59年に厚岸道立自然公園国定公園化昇格促進期成会というような形で、地元で期成会が立ち上がりまして、その後、平成16年から北海道が中心となりまして、国定公園化に向けた自然環境調査を実施しております。

 このタイミングで、現在の国定公園の当初案ができておりまして、その後、平成16年から北海道が中心になりまして、地元調整を今まで実施してきたというような形でございまして、その間、平成22年には、国立・国定公園総点検事業、環境省のほうで実施した総点検事業の中で、道東湿地群、当該地域を含めて、道東湿地群が国立・国定公園の大規模拡張候補地として選定されてございます。

 そういった結果を踏まえながら、平成31年に北海道が自然環境の再調査を実施しておりまして、今回の指定の案を固めたということで、昨年11月に北海道から環境省に対して国定公園化に関する申出が行われ、今年は指定に向けた手続を進めているというふうな形でございます。

 まず、地域の自然環境の概要からご説明させていただきます。「根釧台地」と呼ばれる大きな大地が広がってございまして、その中に湿原、湖沼が広がってございます。また、海岸部には、海食崖が連続した岩石海岸が見られるというようなものでございます。

 そういった地形・地質の中に、このような植生、あるいは野生動物が見られまして、湿原が非常に多い場所なので、湿原の植生やその周辺に生育するハンノキ林であったり、海岸景観に見られるような海岸草原に広がっているところにある植生が見られます。

 また、野生動物としては、ラッコが周辺の海域に生息していたり、あるいはトウキョウトガリネズミやゼニガタアザラシのような哺乳類、鳥類でいうとタンチョウ、魚類でいうとイトウ、両生類でいうとエゾサンショウウオといった野生動植物が生息、生育しているというような場所でございます。

 利用状況でございますが、推定で約94万人でして、多くは、湿地、湿原の観察であったり、カヌー体験、あるいは島嶼の展望など海を楽しむ船舶を利用したツアーなんかが行われてございます。

 人と自然のつながりということで、地域の概要のご説明ですが、当該地域は、漁業、カキ、アサリの養殖であったり、昆布漁が非常に盛んな地域でございまして、そういった地域に見られる森・川・海の繋がりにおいて育まれてきた人と自然との共生が見られるというふうな場所でございます。

 また、一部の場所では、放牧が行われておりまして、こちら、あやめヶ原でございますが、こういった放牧によって半自然草原が保たれているといったような場所もございます。

 こちら、森・川・海の繋がりに関する記述でございますが、事前の視察の中でもテーマに基づいてこういった森・川・海の繋がりによって見られる景観というものをもう少し計画書にも示していったほうがいいんじゃないかというふうなご指摘も事前視察の際にいただいてございまして、そういった観点も含めながら、指定書にもこういった文言を記載させていただいてございます。

 また、指定理由でございますが、今までご説明した観点も踏まえまして、こういった雄大で荒々しい海食崖が連続した岩石海岸、国内有数の規模を誇る湿地及びそこに成立する希少な水鳥繫殖地や湿原植生等の生態系と、人と自然との共生により育まれてきた文化景観とが一体となってつくり出す景観を風景形式として、今回、国定公園を指定するというものでございます。

 計画の詳しい中身については、また後段でご説明させていただきたいと思いますが、区域については陸域が3万2,566ヘクタールで、海域については8,921ヘクタールというふうな指定案になってございます。

 公園計画の詳しい中身でございますが、保護規制計画と事業計画に分けてご説明をさせていただきます。

 まず、保護規制計画の考え方ですが、特別保護地区や普通地域の大きく5地域に分かれますが、特別保護地区については、主に湿地の中心部を特別保護地区として、その周辺であったり島嶼の一部を第1種特別地域に指定します。また、各河川の周辺であったり海蝕崖、海岸景観なんかが見られるような場所に関しては、第2種特別地域に指定しまして、その周辺の人為の影響を受けているところ、あるいは農林業が行われているところに関しては、第3種特別地域を指定案としておりまして、その周辺の海域であったり特別地域の周辺部を普通地域としてバッファゾーンにするというような考え方の下、公園計画案を組み立てております。別寒辺牛湿原、別寒辺牛湿原の一部、それから霧多布湿原の大部分については、特別保護地区に指定しまして、その周辺を第1種特別地域に指定するというような形でございます。

 ピンク色の線で描かせていただいているのが、既存の道立自然公園の区域になってございまして、主に別寒辺牛湿原であったり、右上にあります第三種特別地域に指定される幌戸沼、あるいは海岸、海域を普通地域として指定するといったところが道立自然公園からの拡張範囲でございまして、現在の厚岸道立自然公園は2万1,523ヘクタールなのですが、それから約2万ヘクタール増えまして、4万1,487ヘクタールとなる案でございます。

 先ほどご説明しましたとおり、別寒辺牛湿原と霧多布湿原の核心部を特別保護地区としまして、第1種特別地域についても、その周辺部であったり、別寒辺牛川の河口部のトドマツ、エゾマツを主体とした針葉樹と広葉樹が繁茂し、タンチョウやオジロワシが生育するような範囲を第1種特別地域とします。また、大黒島についても、現在、国の天然記念物になっておりますが、そこに関しても第1種特別地域として指定するというような案でございます。

 第2種特別地域については、右上の嶮暮帰島であったり、尻羽岬のような海岸景観が多く見られるような場所に関しては、第2種特別地域としてございます。

 また、第3種特別地域については、今回、公園内でかなり広い範囲が第3種特別地域になっておりますが、人為的な影響を受けている地域、農林業等の営業がされているような場所については、第3種特別地域となってございます。

 普通地域については、主に海域でございますが、こういった海域では、カキアサリの養殖であったり、昆布漁なんかが行われておりまして、特にこの公園を代表するような森・川・海の繋がりが見られる場所として、非常に重要な地域になってございます。

 また、今回、規制計画の中で、乗入れ規制区域も定めることになってございまして、特に、湿原においてはスノーモービル、海岸草原が見られるような場所については四輪駆動車、湖沼であったり湿原の一部についてはモーターボートによる動植物への影響、というものが懸念される場所については、乗入れ規制区域として今回指定するというような案になってございます。

 また、これから事業計画のほうのご説明に移ります。利用施設計画については、基本的には、既存の道路であったり施設を計画上に位置づけるというふうな案になってございまして、視察の中で、津波等への対策についても、公園計画の中できちんと考えるべきだというふうなご指摘をいただいておりますので、そういった観点、単独施設の視点の考え方のほうに計画書として書かせていただいてございます。

 こちら、事業計画の案でございますが、このような形で、公園の主要拠点をつなぐ道路、それから歩道や車道であったり、主要な場所にある園地や舟遊場のような計画を定めておりまして、これに基づいて多くの方にこの公園を利用していただきたいなというふうに考えてございます。

 最後、名称でございますが、「厚岸霧多布昆布森国定公園」というふうな名称で、今回お諮りをさせていただきたいというふうに考えておりまして、理由としては、この名称で既に地域合意を得ているということと、当該国定公園を大きく三つに分けると、釧路町の「昆布森」という地名、それから別寒辺牛湿原であったり、厚岸湖がある「厚岸」という地名、それから霧多布岬であったり霧多布湿原がある「霧多布」という地名、この三つを公園を代表する地域としてそれぞれ名前に入れまして、「厚岸霧多布昆布森国定公園」という名称で、お諮りをさせていただきます。

 最後、パブリックコメントへの対応ですが、メールで1通のみ意見の提出がございましたが、これに伴う計画の修正はございません。パブリックコメントについては、事前にお配りした配付資料の中に、参考資料としてつけさせていただいておりますので、そちらをご参照いただければというふうに考えてございます。

 なお、今回、お諮りさせていただいている案については、各省と最終協議をしている段階でございまして、今後、修正が入った場合には、部会長に個別にご相談させていただき、対応したいというふうに考えてございます。

 事務局からの説明は以上です。

○武内部会長 どうもありがとうございました。

 それでは、ただいまご説明いただいた議題1の内容に関して、ご質問、ご意見をお願いしたいと思います。下村委員は札を立ててください。残りの委員におかれましては、ウェブ画面上で参加者リストのご自身の名前の横に表示されている挙手ボタンにて、挙手の表示をお願いいたします。

 それでは、どうぞ。

 では、私から聞きたいのですが、国定公園の英語名称は何というのでしょうか。

○事務局(国立公園課生態系計画係長 安藤)お答えいたします。

Akkeshi-Kiritappu-konnbu Mori-Quasi-National Park。

○武内部会長 分かりました。はい。

 それでは、小菅委員、お願いします。

○小菅委員 小菅です。よろしくお願いします。

 先ほど、野生動物の中で、エゾサンショウウオというのが入っていたのですが、今回のところで湿原というのが非常に大きなテーマになっていると思うのですが、エゾサンショウウオはあまり湿原のほうには生息していないと思うので、この地域では、キタサンショウウオは生息していないのでしょうか。

○武内部会長 ご回答をお願いします。

○事務局(国立公園課生態系計画係長 安藤)事務局でございます。

 今、小菅委員からご質問のあったキタサンショウウオの生息について、北海道庁さんの方で何かご存じのことがあれば、ご説明いただけますでしょうか。

○武内部会長 北海道庁さん、ご参加の方、ご発言お願いします。

○北海道環境生活部環境局自然環境課 富樫主任  北海道庁の富樫です。

 キタサンショウウオについては、釧路湿原に近いということではあるのですが、現時点では生息は確認したという記録はまだ見つかっておりません。現在確認されておりますのは、エゾサンショウウオということになります。

○武内部会長 よろしいでしょうか。

○小菅委員 少しお待ちください。話してもよろしいでしょうか。

○武内部会長 はい、どうぞ。

○小菅委員 キタサンショウウオの生息を見つけるのは、非常に難しいと思います。神戸大のの環境DNAの調査で、キタサンショウウオの生息地を見つけたという報告があったような気がしますが、当では別寒辺牛湿原辺りは、キタサンショウウオは生息していても不思議じゃないような環境と僕は覚えましたが、そういう調査というのはやっていらっしゃいますか。

○武内部会長 では、北海道庁さんお願いいたします。

○北海道庁 生息している可能性はあるとは思うのですが、現在、まだそういった調査はされておりませんので、今後とも情報収集に努めてまいりたいと思います。

○小菅委員 はい、分かりました。

○武内部会長 ほかにございませんでしょうか。

 今回、現地調査の結果も含めて自然と文化の融合というような、そういう観点も含めて、当初の原案よりかなり豊かな内容になったと私は思っておりますが、現地へ行かれた委員の方で、何かこの辺についてご意見ございますか。

 山極委員、どうぞ。

○山極委員 大変印象に残ったのは、厚岸町のウイスキーの醸造で、カキの養殖と連動してブランド化に成功しているということです。ピートを使って、そしておいしい水とら霧という、この国定公園の特徴をうまいことブランドイメージにつなげている。

 私も実は、京都府で最近国定公園に指定されて、地元の文化とそれからいろいろ入り込んでくるお客さんへのイメージアップをどうすればいいかということを相談しているのですが、将来的にこの国定公園化というのは、地元にとっては、管理は道に任されるわけですから、国にとっての成果とどういう一致点を見出しているのか、それをお聞きしたいなと思っています。いわゆる国定公園の指定以降、どういうことが、特に国として期待されているのかというところを少しお聞きできればと思います。

○武内部会長 ありがとうございます。

 それでは、事務局からどうぞ。

○事務局(国立公園課生態系計画係長 安藤) ご質問ありがとうございました 国定公園化として期待されるということですが、基本的には、やはり我が国を代表する自然の風景地である国立公園に準じた場所ということで、基本的には既存のこの自然を守りつつ、国定公園としての資質を保ちながら、多くの利用者の方に利用していただくといったようなことを想定してございます。

○山極委員 要するに、成果を判定する基準というのは、例えばどれだけ日本のほかの地域から、あるいは世界からそれを見にやってくる人、入込客という数で判定するのか、あるいは例えば地元の産業育成、ブランド化した産業育成がどのくらい成功しているのかという、お金の収入だとか産業の育成の成果みたいなところに持っていくのか。そういった指標についてもご説明いただければと思います。

○事務局(国立公園課長 熊倉) 国立公園課長でございます。

 おっしゃるとおり、利用については、量と質の両面で評価する必要があるかなと思っていまして、量は旅行者数、利用者数というところになると思いますが、質としては、例えばどれだけ満喫したかをアンケートで満足度調査したり、あと滞在日数であるとか、あと消費額であるとかですね、できるだけ質が表現できるような指標を使いながら、公園利用を進めていくという観点は重要かなと思っております。

○山極委員 せっかく地元の町長さんたちがご参加されていますので、できれば地元のほうからもご意見を伺いたいと思います。

○武内部会長 今日は、ウェブにて、厚岸町の若狭町長、浜中町の松本町長、釧路町の小松町長が傍聴されております。その中でも、特に厚岸道立自然公園国定公園化促進期成会会長の若狭町長がご出席でございますので、今のご質問の言葉を含めて、地元としてのこの国定公園の期待、それからどういうふうにしてこれをうまくこの地域の様々な取組につなげていくかというふうなことについての展望をお聞かせいただけると大変ありがたく思います。

 いかがでしょうか。

○若狭町長 厚岸町長の若狭でございます。

○武内部会長 ありがとうございます。大変お世話になりました。

○若狭町長 こちらこそお世話になりました。ありがとうございました。

 先ほど、国定公園化した後の経済的な効果についての厚岸ウイスキーのお話がございましたが、実は厚岸ウイスキーが厚岸町で蒸留を始めましてから3年たったわけであります。

 実はこの厚岸ウイスキーは、現在、世界中での高い評価をいただいておりまして、品評会においては優勝させていただいたわけでございます。すなわち、別寒辺牛川の泥炭を利用したウイスキーが今日高い評価を受けたものであろうと、そのように考えておりますし、実は厚岸にウイスキー工場が来ましたのは、アイラ島と厚岸が似ているということでも誘致の一つの要因にもなったわけでございまして、今回、国定公園化されますと、その評価がさらに高まっていくだろうというような大きな期待を持っておるわけでございまして、経済効果は今後とも極めて大きいものになるだろうと、私どもは期待をいたしておるところでございます。

○武内部会長 ありがとうございました。

 それでは、佐藤委員、お願いします。

○佐藤委員 佐藤でございます。先月、視察に行かせていただいて、大変すばらしいところだと思いました。

最初は、この三つの地域がそのまま名前になっているのに少し抵抗感があったのですが、行ってみましたら、やっぱり全然違うものを持っていらして、むしろ、それがきっちり名前の中にも出ているのではないかなというふうに思いました。

 それと、地元の方がやっぱり非常に熱心、町長さんももちろんですが、お店に入ったりしても、皆さんが非常に丁寧にやってくださって、地域の中で、今度の公園が指定されることに非常に期待されているということがよく分かりました。

 あまり施設などを新たに造られるということがないようで、そこも少し安心したところで、今のあのよさをいかに生かしながら、市民の方がたくさん来るというだけではなくて、地域の方にとって意味のある公園になるのではないかと感じております。

 ありがとうございました。

○武内部会長 ありがとうございました。

 ほかにございませんでしょうか。

(なし)

○武内部会長 もし、ないようでございましたら、議題1について諮問に添付された変更書及び計画書のとおりとすることに、皆さんご異議ございませんでしょうか。

 お顔が映っておりますので、うなずいておられるということがよく分かりますので、皆さんうなずいておられるということで、ご異議なしと認めさせていただきたいと思います。

 実は、予定より少し早いんでございまして、せっかく浜中町の松本町長、釧路町の小松町長がご参加されていると思いますので、お二人からもし何かご挨拶がございましたらお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

 松本町長、ご参加でしょうか。どうぞ。

○松本町長 浜中町長の松本です。そしたら、私から一言だけ。

 昭和59年に道立公園を国定公園化にしていこうという期成会が発足されました。そして、37年かかって、町長で言いますと、このお話が出てから6代目の町長が私であります。37年かかってやっとここまで来て、本当に念願がかなったかなというふうに思っているところであります。そういう意味で夢がかないましたので、これからもしっかり公園を国定公園になると同時に守っていきたいし、これからも引き継いで、引き続きこの公園を生かしていきたい、そんなまちづくりをしていきたいと思っているところであります。

 以上です。

○武内部会長 松本町長、どうもありがとうございました。

 釧路町の小松町長、ご参加でしょうか。

○小松町長 この度、中央環境審議会自然環境部会の武内部会長さんはじめ、ただいまご審議の経過を拝見させていただきました。長年のこの38年にわたる期成会の運動の成果が、今日こうして部会の皆さん方のご決定、ご判断をいただいて、大変ありがたく心から感謝と御礼を申し上げる次第であります。

 私どもも正式に環境大臣からこの決定をいただければ、地元の皆さん方もつぶさに見ていただいたわけでありますが、当町は、代表的な奇岩が七つほどありますし、それからアイヌの方々が名づけた難読地名がたくさんあるわけでありまして、こういったものを内外に広くPRをして、この地域のエリアの存在意義というものを示すことができるなというふうに思っております。この一つの機にして、大いに多くの方々がこの地域に訪れていただける、そして地元で働く方々がそれの地域の価値というものを十分に内外の方々に認識していただける、そういった大きないい機会になりますので、大変ありがたく、これからも鋭意努力をしてまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいというふうに思います。ありがとうございます。

○武内部会長 どうもありがとうございました。

 厚岸町の若狭町長、浜中町の松本町長、釧路町の小松町長、現地でも大変お世話になってありがとうございました。本日、部会としてお認めをするということで、次に進めさせていただきたいと思います。本当におめでとうございました。

 それでは、3町長はここでご退室をされます。どうもありがとうございました。

○若狭町長 部会長、お礼を申し上げたいのですが、いいですか。

○武内部会長 どうぞ。

○若狭町長 それでは、一言ご挨拶を申し上げたいと存じます。

 武内部会長さんをはじめ、各委員の皆様には、昨年11月に現地視察をいただき、国定公園としての資質を十分に有していることについてご理解をいただいたことと思っておりましたが、本日、中央環境審議会自然環境部会を開会していただき、厚岸霧多布昆布森国定公園の指定、公園計画をご決定いただきありがとうございました。

○武内部会長 どうもありがとうございました。

○若狭町長 感慨無量であります。国定公園化は、37年間にわたる地元の長年にわたる悲願であり、貴重な自然環境の保全と利用による観光振興などの地域経済の活性化はもとより、北海道における観光客誘致の進化と広域化が高まり、北海道及び国のカンブヨウソク戦略(0:41:22)の推進にも大きく寄与をするものと考えております。地元といたしましても、これからも、関係4町、厚岸、釧路、浜中、標茶町が連携、強化し、国定公園に関する施策に取り組んでまいりますので、今後ともご指導のほどよろしくお願い申し上げます。本日は誠にありがとうございました。

○武内部会長 若狭町長、どうもありがとうございました。おめでとうございます。改めて関係4町の首長さんの皆さんにお祝いを申し上げたいと思います。どうもありがとうございました。

○若狭町長 ありがとうございました。

(各町長 退室)

○武内部会長 それでは、少し早いのですが、議題の2、報告事項に移らせていただきたいと思います。

 生物多様性国家戦略2012-2020の実施状況の点検結果について、事務局から説明をお願いいたします。

○事務局(生物多様性戦略推進室長 中澤) 生物多様性戦略推進室長の中澤と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

 本日は、生物多様性国家戦略2012-2020の実施状況の点検結果、それから、その次の国家戦略の進め方についても簡単にご報告をさせていただきたいと思います。

 まず、今、画面共有させていただいている資料でございますが、点検結果の概要でございます。1の(1)というところで、実施状況の点検結果のポイントとございますが、この点検結果につきましては、現行の国家戦略、生物多様性国家戦略の最終評価といたしまして、1月27日の国家戦略の関係省庁連絡会議で決定して、1月29日に公表したものでございます。

 以下、二つほどポイントを書いてございますが、まず、愛知目標の20の目標についての結果でございますが、日本の場合は、20の目標を13の国別目標に整理しております。その中で、5項目について、5目標について達成という評価をしているところでございます。参考でございますが、昨年9月の世界的な愛知目標の評価では、20のうちの6目標が部分的に達成といったような評価をしているところでございます。

 それから、その下のポツでございますが、国家戦略全体としては、国別目標の達成に向けて様々な行動が実施されたけれども、全ての目標が達成したとは言えず、更なる努力が必要であるといったような評価をしております。

 (2)のところで書いてございますのは、現行の国家戦略につきまして、第1部、第2部、第3部という構成でございますが、それぞれの部ごとにどういった評価であったかということでございます。

 まず、第1部の戦略。全体の戦略に関わる部分でございますが、ここについて、目標につきましては、先ほど申し上げたように、様々な行動が実施されたが、全ての目標が達成したとは言えず、更なる努力は必要であるということ。

 二つ目のポイントとして、五つの戦略、基本戦略ごとに書いてございますが、ここに書いてございますのは、その五つのうち二つです。4番目の地球規模の視野を持って行動する。それから科学的基盤を強化し、政策に結びつけるというところにつきましては、達成したというふうに評価はしておりますが、それ以外については、まだ努力が必要であったと。詳しくは次のページの表1にございます。

 それから、第2部、愛知目標達成に向けたロードマップ。これが愛知目標を国別目標に置き換えて達成状況を評価をしたものでございまして、先ほど申し上げたとおり、13のうち五つが達成したといったような評価でございます。

 それから、第3部の行動計画。これは、この愛知目標、それから国別、国のこの基本戦略、そういったものの達成に必要とされる770の具体的施策、これは環境省のみならず、関係省庁全てを足したものでございますが、そういったものについて評価をしたところ、達成できたと評価できるものは45%ということでございます。残りについては、概ね進捗中であるということでございます。

 これにつきましては、次ページ以降、表3にその内容が書いてございます。

 次ページに参りますと、表1のところでは、先ほど五つの基本戦略につきまして書いてございますが、やはり基本戦略1につきましては、多様な主体の連携の促進など、そういった着実な進展が見られているが、生物多様性というものを社会に浸透させたとまでは言えないということ。

 それから、基本戦略2につきまして、地域における人と自然の関係を見直すと、こういったものというのは、現場レベルでは着実にできつつあるというふうに認識しておりますが、再構築というところまでは、まだいっていないのではないかということ。

 それから、基本戦略3につきましては、これにつきましても取決めは、森・里・川・海の連携等、非常に取組の着実な進展は見られたというふうに評価しておりますが、まだ完全にまで至っていないと、そういったようなところで、こういった評価をさせていただきました。

 それから、表2につきましては、第2部、国別目標のところでございます。これは、それぞれの項目に設定されました81の指標を使いまして評価をした結果、ここにあるような五つについて達成したというような評価をしてございます。

 それから、第3部の具体的施策、これは770のものでございますが、これは各省庁別にどこまで引くかといったような評価の結果も踏まえまして、概ね45%につきましては達成しているといったような評価をしているところでございます。

 以上が国家戦略の最新評価の結果をポイントを絞ってご報告をさせていただきました。

 これを踏まえまして、それでは、次期国家戦略について、どういった進行をしていくかということについて、ご説明したいと思います。

 参考資料のところでは、こういった評価指標の方法等が書いてございます。ご参考につけさせていただきました。

 それで、6ページに参りますと、ポスト2020生物多様性枠組の策定に向けた国際的な動向と次期生物多様性国家戦略策定に向けた国内のスケジュールということでございます。

 まず、(1)のところにポスト2020生物多様性枠組の策定に向けた国際的な動向を書かせていただいております。

 ご承知のとおり、いろんな国際会議がこの新型コロナウイルス感染症の影響を受けておりまして、延期等をされている状況でございます。これは生物多様性条約の会議においても同様でございます。現在のところ、生物多様性条約の公式ウェブサイトでは、COP15次期世界枠組みを決める会議の開催日程は、2021年の第2四半期とされております。

 その下に、COP15に向けた関連会議のスケジュールを書いてございますが、まだ、このCOP15に至る補助機関会合等も、なかなかまだ開催日程等が決まっていないような状況もございまして、現在COP15は、第2四半期となっておりますが、恐らくこれはまたさらに先に延びる可能性があるというふうに思っております。

 そういった状況を踏まえまして、(2)のところでございますが、次期生物多様性国家戦略策定の想定スケジュールということでございます。

 COP15の開催時期は不透明な状況ではあるのですが、世界目標ができるということで、その後、速やかに、次の国家戦略を策定したいというふうに考えておりますので、COP15の開催前より中央環境審議会での検討を開始させていただき、新たな枠組が策定された際に速やかに国家戦略を作成するような、そういったようなスケジュールを進めたいというふうに考えております。

 その下のパラグラフでは、現在、その予行というか、いろいろと事前の勉強も含めまして、有識者の方々とともに、生物多様性国家戦略の研究会というものを行いまして、論点整理、それから、資料のこれまでの評価の結果なんかを分析等をさせていただいております。今の審議会ですと、深町先生には、この研究会に入って参加していただいております。

 それから、その次の7ページに参りますと、私どもの検討会の中で今後、例えば、感染症の話ですとか、カーボンニュートラル、そういったものと生物多様性の関係というものについても議論を深めたいといったようなことでございまして、そういったことを踏まえまして、スケジュールとして、以下の2通りを今考えております。

 ①がCOP15が予定どおり第2四半期に開催される場合。この場合は、国家戦略を年内、令和3年内に策定したいと思っておりますが、COP15がさらに延期される場合、秋頃、もし延期される場合には、これ年度内に策定するような、そういったようなことで考えております。

 なお、現行の生物多様性国家戦略につきましては、その前文で、この目標年次を2020年度までとなっています。3月までとなってございますが、そのプア期間につきましての扱いについて、先ほど申しました1月27日の国家戦略の関係省庁会議で、この扱い方を合意しております。

 次のページを見ていただきますと、基本的には、第1部に書いてある基本戦略、これにつきましては引き続き取り組むと。

 それから、第2部、第3部につきましては、国家戦略の最終点検、最終評価のときにいろいろと課題を整理しました。その課題に対応するような取組を進めていくというようなことで、関係省庁と協議をいたしまして、その方向で進めていくということになりました。

 以下の参考2には、国家戦略の最終評価の際のいろいろと挙げられた課題を掲載させております。

 以上、国家戦略の最終評価、それから、今後の国家戦略の策定に向けた考え方について、ご説明をさせていただきました。

○武内部会長 どうもありがとうございます。

 それでは、以上の説明に対しましてご質問、ご意見がおありの方、お願いをしたいと思います。

 いかがでしょうか。

 私としては、生物多様性条約での新しいポスト2020生物多様性フレーム枠、これを踏まえて、日本の生物多様性国家戦略の見直しを図るというのは、これは非常に大きな一つのポイントだと思いますが、もう一つ、やはりこの間、いろいろと自然災害が激化しています。そして、従来よりももっと高い角度で気候変動の影響がそうした自然災害の発生と、それから深刻さを加速化させているというような面があるという、そういうふうなことで、今年はたまたまですが、中国の昆明で生物多様性条約の締約国会議第15回が開催され、これからの10年目標が決まると。

 一方、グラスゴーの気候変動枠組条約の第26回締約国会議では、パリ協定を実践していくという観点での様々なそれぞれの国ごとの取組が議論されるというふうなことを踏まえると、その間のやはりシナジーというものを次の国家戦略の中では、現在の自然災害の問題も含めて、あるいは生態系に対する影響、健康に対する影響といったものも含めて、特に、コロナ後の社会というものも、一方で念頭に置きながら、そこを考えていくという視点を、ぜひ次の国家戦略の改定では、意識していただければいいのではないかというふうに思っています。

 それでは、宮本委員、お願いします。

○宮本委員 ありがとうございます。

 国家戦略では、また国際的な話を受けて変更していくという可能性があるのだろうと思いますが、それを受けて、さらに都道府県とか、市町村のほうに生物多様性の地域戦略をまた策定していく、あるいは改定していくようになっていくのかなというふうに思いますが、私は、地方自治体の環境審議会も、最近時々出させていただくことがあるのですが、生物多様性の地域戦略を立てるということにおいて、地域色を出したいというのと、それから国際的なもの、それから国家戦略に沿ったものにしていくというところで、なかなか皆さん苦心されているようですので、現在も有用な手引きが環境省のほうで出していらっしゃるようですが、また改定になりましたら、ぜひ地方のほうで生物多様性の戦略をつくりやすいような手引きを作成いただきたいというふうに思います。

 以上です。

○武内部会長 ありがとうございます。

 地域戦略との関係について説明をお願いします。

○事務局(生物多様性戦略推進室長 中澤) ご質問ありがとうございます。

 地域戦略の関係についてご質問をいただきました。

 今のご説明させていただいた国家戦略の策定スケジュールは、1月の29日に自然環境局長より、各都道府県知事のほうにご案内をさせていただきました。

 その中には、地域戦略の今ご指摘のあった手引の見直し、さらにそれについてもなるべく早い段階でお配りしたいといったようなことについても触れさせていただいております。現時点でも、都道府県の、または市町村の地域戦略の策定期間と、この国家戦略の期間との整合性をどうするかといったような問合せもいろいろといただいておりますので、そういった問合せも答えられるよう、手引の作成について、きちんとしたものをつくるように努めてまいりたいと思います。

 ご指摘ありがとうございました。

○武内部会長 それでは、二宮委員、お願いいたします。

○二宮委員 二宮です。ありがとうございます。

 次期国家戦略に向けた課題のところ、基本戦略2点ほどお伺いしたいと思います。

 まず、1点目ですが、基本戦略の3、12ページのところですが、都市の緑地、河川・湿地などの保全・再生ということで、グリーンインフラの取組の推進や、マルチステークホルダー間での連携ということが強調されているわけですが、一方で、国交省が所管しているグリーンインフラ官民連携プラットフォーム、これは、昨年、実質スタートして、今グリーンインフラ大賞、国土交通大臣賞というのでしょうか、ここの授与に向けて、公募をしておりまして、四つの部門、「防災・減災」、「生活空間」、「都市空間」そして「生態系保全」という四つの部門なのですが、まさしく、「防災・減災」とか「生態系保全」というのは、環境省のど真ん中のテーマであって、どのような形で、省の間での連携がなされているのか。

 また、環境省も環境大臣賞をはじめとして、環境に関する表彰というのは、本当にいろんな形でされているんですが、やはり取り巻く環境の変化の中で、また主力政策に合わせて、そういったものも見直しとか、統廃合をしていく必要があるのではないかというのが1点です。

 もう一点目は、基本戦略の1、9ページのところですが、生物多様性に関する広報の推進ということ。これはもうまさしく、非常に重要であると思っています。

 環境省のウェブを拝見しましても、様々な取組、また発信を一生懸命されているというのは分かるのですが、私もそうなのですが、なかなか思うことは伝わらないというのが現実だと思うんですね。

 それで、今回の新型コロナウイルスの発生に関しては、やはりその原因として、自然環境エリアに対する過剰な開発とか、侵食の繰り返し、人間と自然とのすみ分けを超えた自己の利益というんでしょうか、興味本位のためだけの無節操な行動が一線を超えたことによって、パンデミックが発生をしたと。SDGsで言えば、気候変動や生物多様性、両方とも取組が遅れている部分ですが、やはりその遅れの結果として、こういったものが顕在化してしまったということだと理解しています。

 そこで、今後生じるであろう危機に立ち向かって、その犠牲を発生させないためにも、やはり何をどうすればいいのか、してはいけないのか、こういったことがなかなか国民に分かりづらいんではないかと。ですから、この受入れについて分かりやすく国民に認識を深めてもらうチャンスでもあるように思います。したがって、そういった点、工夫をして、迅速に、ぜひ発信をしていただければというふうに思います。

 以上2点です。ありがとうございます。

○武内部会長 どうもありがとうございました。

 事務局から何かコメントございますか。

○事務局(生物多様性戦略推進室長 中澤) ありがとうございます。二つご指摘をいただきました。いずれも重要なご指摘だと理解しております。

 まず、グリーンインフラ、各省との連携、これは今日もご参加いただいている中村太士先生何かにもご指導をいただきながら、例えば、国土交通省でつくるグリーンインフラの基本的な考え方をまとめるときには、一緒に私どもも参加をさせていただいたり、また、関係省庁の間でも、そういった連絡調整の場等もございます。そういったところも活用しながら、これを進めてまいりたいというふうに思っています。

 特に、先ほども武内部会長からもお話のあった、今年はCOP15生物多様性、それから気候変動、非常に重要な年でございます。その間をつなぐもの、気候変動と生物多様性をつなぐものとして、ネイチャー・ベースド・ソリューションというものが国際的にも指摘されております。こういったものを一つの具体的な事例としていますのが、Eco-DRRとか、グリーンインフラ、そういったもので、こういった二つの課題をつないで、シナジーを持った進め方ができるんではないかと理解しております。

 そういったものへのシナジーの取り方、省内にも、COP15とCOP26の連携チームというもの、一つのチームで進めていくことになっておりまして、そういったシナジーというものは、今後とも強化をしながら進めてまいりたいと思っております。

 それから2点目、広報関係でございます。

 国家戦略の中でも例えば、UNDB-Jの中で進めてまいりました「MY行動宣言」、国民の方々にどうすればそういったその行動が分かりやすく移していただけると、そういったものというのを10年間取り組んでいただいておりました。こういったものについても、さらに進化する必要があるといったことが課題として書いてございます。

 そういった個人レベルのもの、さらには、経済社会全般に当たるような企業に関するようなもの、それから行政機関に関するようなもの、それぞれのアクター、主体にとって必要なものというのを国家戦略の中でも整理しながら、よりよいものをつくり上げてまいりたいと思います。

 ご指摘ありがとうございました。

○武内部会長 ありがとうございました。

 それでは、広田委員、お願いします。

○広田委員 この国家戦略の10ページのところの下に、基本戦略の2に、地域における人と自然の関係を見直し、再構築する。いわゆる里地里山、里海のことが書いてあるんですが、ご承知のとおり、こういう地域はもう人がいなくなって、地域の存続自身が危なくなっているところがたくさんあるわけでして、そこに住む人口の維持であるとか、その地域に関わる人を増やすであるとか、やはりそこがないと自然環境だ生物多様性といっても始まらない部分があるのですが、この戦略の中では、そういう人口維持対策というか、関係人口・関心人口の増加とか、そういう部分の書き込みがあまり見られなくて、そこのところは強化をしていく必要があるのではないかなと感じました。

 以上です。

○武内部会長 ありがとうございました。

 いかがですか。

○事務局(生物多様性戦略推進室長 中澤) ご指摘ありがとうございます。

 日本の重要な生態系である二次的自然環境、この部門をどうするかということについて、これまでも非常にいろんな研究等をされている中で、冒頭でもS15について、期しての報告がございました。武内部会長を代表とするS15でもこの人口減少と生態系サービスの話、非常に深く掘り下げて研究していただいています。そういった成果なんかも次の国家戦略につなげていくこと。さらには、広田委員もご参加されている農水省が今動かしている農地の今後の将来の在り方検討会、深町先生もご参加いただいていますが、そういったところにも私どもも一緒に入っておりまして、そこの場でも、現場でいろいろと活躍されている方々のいろんな視点も踏まえて、次の国家戦略というものをつくり上げていきたいと思います。

 ご指摘ありがとうございます。

○武内部会長 どうもありがとうございます。

 続いて、白山委員どうぞ。

○白山委員 沿岸の海洋関係について、幾つか重要な指摘がなされているのですが、海洋酸性化とか、海洋の貧酸素化というのが、現在、世界的に非常に大きな問題になっておりまして、残念ながら、キーワード検索をした限りでは、この国家戦略に一言も入ってこないようなので、そこを少し考慮いただけるといいなというのと、もう一つは、国連の生物多様性条約だけではなくて、国連全体として、生物多様性の10年の後継が、「持続可能な開発のための海洋科学の10年」というのになっておりまして、今年から始まっております。

 それとの連携につきましても、強く意識をした何かセンテンスがどこかに少しだけでもいいから入っているといいかなというふうに思いました。

 以上でございます。

○武内部会長 ありがとうございます。

 事務局からコメントございますか。

○事務局(生物多様性戦略推進室長 中澤) ありがとうございます。

 海洋酸性化、それから貧酸素化の話、気候変動との連携の一つの重要な要素としても、こういった要素というのは、次の国家戦略でぜひ私どもも勉強をしながら検討させていただきたいと思います。

 それから海洋科学の10年。これまでも国内ではJAMSTECをはじめ、いろんなところから科学的知見を積み上げていただいているというふうに理解しております。

 そういったものにつきましても、次の国家戦略、さらには、現在、次の世界目標の中でも海洋の保護は非常に重要な話題の一つとなっておりますので、そういった海洋の保護につなげられるような科学的知見とシナジーの強化というのについても、私どもとしても、ぜひ勉強させていただきたいと思います。引き続きご指導よろしくお願いします。ありがとうございました。

○武内部会長 どうもありがとうございました。

 それでは、次に、自然公園法の施工状況等を踏まえた自然公園制度の今後の在り方についてということで、事務局より説明をお願いいたします。

○事務局(国立公園課長 熊倉)国立公園課長、熊倉でございます。

 自然公園法の施工状況等を踏まえた今後講ずべき必要な措置について、中環審答申についてご報告をさせていただきます。

 答申本体は、資料2-でございますが、時間が限られておりますので資料2-3の概要のほうでご説明をいたします。今、映写もしてございます。

 経緯といたしましては、昨年の部会でもご報告しましたように、昨年度、自然公園制度の在り方検討会というのを下村先生を座長として審議をいたしまして、今年度に入ってから、この部会の下の自然公園小委員会、下村先生座長の小委員会で、審議をしパブコメをし、先般1月26日の小委員会で取りまとめをいただいて、中環審の答申という形で発表をさせていただいてございます。

 内容といたしましては、夏にご報告した検討会の報告書をベースにしてございますが、改めて概要をご説明いたします。

 パワーポイント上にございますように、まず最近の状況です。

 前回の法改正から約10年たっておりますので、その進捗施工状況であるとか、社会情勢の変化、そういったものを評価してございます。

 ここに書いてありますように、人口減少社会、それから、旅行ニーズの変化、また、昨今は、新型コロナウイルスの影響で、地域への経済の打撃というのもある一方で、自然や健康への関心がむしろ高まっていると。こういった中で、自然公園制度は大きな転換期ということで、ますます魅力、これを新たに発見し、また再評価して、それを高めていく必要があるだろうということをうたってございます。

 これまで5年間、国立公園満喫プロジェクトということで、国内外の誘客、それから、利用環境の整備を進めてまいりました。この成果を踏まえて、地域関係者等と一体となって、経済効果をもたらす適切な利用を進める。これによって、自然保護への、また理解も深まり、再投資も進む、いわゆる「好循環」を生み出すことが必要だというふうに提言をしてございます。

 また、国立公園の保護地域としての価値というのは、引き続き重要でございまして、その保全・管理の質についても評価し、現地管理体制の充実等を提言してございます。

 また、現在、気候変動の時代ということで、適応緩和といった、そういった取組の中でも、自然公園の役割はあると。取り分け地域循環共生圏の創出といった、様々な他の施策との連携を強化する必要があるというふうに提言をしてございます。

 具体策としては、大きく三つのパートに分かれております。

 1番目は、国立公園等の利用環境の充実ということで、これまでゾーニングということ、保護のほうはやってまいりましたが、利用面にも着目しまして、公園のストーリーを踏まえた望ましい利用の在り方の検討のため、地域と一緒になって、利用のゾーニングを検討すべきである。

 2番目としては、このゾーニング結果も踏まえてになりますが、地域の協議会において、自然体験プログラムの促進、あるいは適正化するための事業計画をつくって、これによって法手続の簡素化とか財政支援等のメリットを付与すると。これまで施設整備中心だった公園計画に、こういったソフトの自然体験アクティビティも車の両輪として位置づけるという提言でございます。

 また、規制のほうにつきましては、動物への餌づけなど、今、地域のルールがあるようなものについて、しっかり法的根拠をもった形で対応していくであるとか、先の法改正で制度ができた利用調整地区について、まだ指定数が少ないということで、運用の柔軟化を図るべきであると。

 また、受益者負担、利用者負担の考え方で、入域料など積極的に検討すべきであるというご提案をいただいています。

 それから、(2)の公園事業・集団施設地区の再生・質の向上というパートでございます。

 いわゆる温泉街とか、旅館街ということで、公園内利用拠点がございますが先ほどの旅行ニーズの変化とか、人口減少社会の中で、老朽化、あるいは廃屋化が進んでいて、非常に寂れているところも多く見られます。こういったところを地域の協議会で議論をして、その拠点を再生する。質を向上するためのマスタープランをつくって、廃屋の撤去、跡地への新たな投資、機能充実、景観デザインの統一等を推進という提言でございます。これについても、法手続の簡素化や財政支援等のメリットを付与すべきであるというふうに記述されてございます。

 また、今後、新しい廃屋化が進むことのないように、中小企業庁等と連携して、事業再生であるとか、事業を終了する場合の円滑化といった支援もやっていくべきであるとご提案いただいております。また、公園事業者の経営が譲渡されるケースが最近ございますが、公園法の中で、その点の規定が整備されていないので、こういった点の整備も必要であるという提言をいただいてございます。

 (3)の保全管理でございます。これまで行ってきた総点検事業の実施状況の評価、それから、管理体制の強化、地域との協働型管理というのを進めてまいりましたが、それについての評価。

 また、先般の法改正でつくりました公園管理団体の充実、それから、行為規制の実効性の確保というのは、いまだに、やはり違反行為というのは見られますので、それをしっかり抑えていく必要があるということ。それから、デジタル技術をうまく活用して公園管理をやっていくといったご提言をいただいています。それから、山小屋について、一つ章を立ててございまして、コロナの影響で非常に経営が大変なところでございますが、避難小屋であるとか、トイレとか、公的機能を持っているという点を強調しまして、設備改修とか、登山道整備への支援が必要だという提言をしてございます。それから、気候変動への適応の話、部会長からもお話がありましたように、自然災害であるとか、生態系への影響というのが顕在化してございます。こういった対応の中で、国立公園の位置づけというのも提言してございます。それから、地域循環共生圏の創出等の連携。さらには、政府が2050年、カーボンニュートラルというのを方針として出したということを受けまして、自然公園の中でも、大規模ではない、小規模な地産地消型、自家消費型の再生可能エネルギーは進めて、多くの観光客が来る国立・国定公園として、先進的なそういった技術というのをシンボルとしてお見せしていく、そういった場として活用してはどうかという提案をいただいてございます。それから、周辺地域との施策の連携。それから、プロモーションですね。満喫プロジェクトでもやってまいりましたが、こういった情報提供、これについて、しっかり制度として位置づけるべきだというご提言をいただいてございます。

 今後でございますが、答申をいただきましたので、法律に関わる事項については、法案として取りまとめて、今国会に提出をしたいと考えてございます。現在、条文化の作業も進めておりまして、今国会に提出したいと考えておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。

 ご報告は以上でございます。

○武内部会長 それでは、以上の説明についてご質問、ご意見をお願いしたいと思いますが、まず、自然公園等小委員会の委員長として答申を取りまとめいただいた下村委員より、一言ご発言をいただければと思います。

○下村委員 下村でございます。

 事務局の方々のご尽力、それから小委員会での熱心な議論を通して答申としてまとめることができました。お礼申し上げたいと思います。

 それで、今ご説明がありましたとおり、今後、講ずべき必要な措置ということで、国立公園等の利用環境の充実と、それから、公園事業・集団施設地区の再生・質の向上。それから、国立公園の保全管理の充実及び関連施策との連携ということで、大きく三つに分けて整理をしております。

 また、あえて、まず利用環境の話があって、公園事業の話があって、保全管理の話というような順番にいたしました。これは、平成15年、22年に、関連した制度改正もあったのですが、十分に動いてこなかったということもあって、体系的に整理をする必要があるだろうということと、それから、利用環境とか利用施行が随分変わってきているということ、また、今お話がありました満喫プロジェクト、あるいは、エコツーリズムといった行政的な施策のほうでも大きな変化がありますので、あえて利用環境の充実を最初に、次いで公園事業等の質の向上をもってくるという順番で必要な措置を整理することにいたしました。

 先ほど、パブコメのご説明がなかったのですが、今回、年末年始にかけて実施していただいたところ、総数で77件の意見をいただきました。さすがに自然公園ということで、ご関心も高かったのかなと思います。

 それを見ておりますと、やはり利用環境の充実から始めたせいか、自然環境への悪影響について、もう少し加筆したほうがいいとか、保全管理についてもしっかり充実させたほうがいいというような意見が結構出てまいりまして、これらについては、丁寧に事務局のほうで対応していただいたわけです。

 いずれにしても、まだまだ利用環境の充実とか、こういう公園事業等の質の向上の問題については、その必要性が受け入れられるまでに、まだまだ、丁寧な説明が必要であるという点がパブコメの印象でした。いずれにせよ今後、実際に進めていく上では、地域の方々のご理解も必要になると思いますので、その点に関しての十分な手当等も含めて進めていただきたいと考えております。

 以上です。

○武内部会長 ありがとうございました。

 それでは、石井実委員、お願いできますでしょうか。

○石井(実)委員 どうもありがとうございます。

 答申の取りまとめ、誠にお疲れさまでございます。

 方向性について、全く異議はないのですが、言葉遣いで一つコメントです。上の部分に●が四つあるんですが、二つ目のところ、2段目の上のほうに、「自然保護への理解と再投資も進む「好循環」」という、そういうフレーズが出てくるのですが、この「自然保護」が少し引っかかっています。

 教科書的にいうと自然保護というと、かなり厳格なプロテクション。天然記念物的あるいは、アンタッチャブルな保護をイメージしてしまうのですが、本文のほうを読ませていただくと、自然環境の保全という使われ方をよくしています。ここのところは、管理や再生も含まれていると思うので、「自然環境の保全への理解」というふうにしたほうがいいのではないかと思いました。ご検討いただければと思います。

 以上でございます。

○武内部会長 ありがとうございました。

 事務局のほうでどうでしょうか。。

○事務局(国立公園課長 熊倉)ご指摘ありがとうございます。ご意見に異存ございません。

 法律で「保護」と「利用」が法令用語として書いてあるので、「利用」の対比として「保護」というふうに使わせていただきましたが、おっしゃるように再生や、いわゆる保全といっているものの概念と我々も同じでございます。言葉遣いには気をつけたいと思います。

○武内部会長 ありがとうございました。

 ほかにありますでしょうか。

 大沼あゆみ委員、お願いします。

○大沼委員 大沼です。

 取りまとめ本当にありがとうございます。

 私から1点質問させていただきます。

 この答申案を拝読しますと、気候変動への適応というところが、二つの意味で何か書かれているのではないかという印象を受けるんです。

 一つは、国立公園内の生物多様性の適応です。つまり、気候変動に影響を受けるので、それについて適応していかなければならないという意味と、それから、もう一つ、社会にとって国立公園があることで、気候変動への防災・減災の適応になるという意味でも書かれていると思うのです。

 二つの適応というのが使われていて、違った意味での内容になっているので、ここのところ少し区別されたらいいのではないかという印象を受けました。どうぞご検討いただければと思います。

○武内部会長 ありがとうございました。

 どうでしょう。

○事務局(国立公園課長 熊倉)ご指摘のとおり、二つの要素があると思っていまして、答申のほうでもごく簡単ではありますが書き分けてございます。

 公園法では、生態系維持回復事業というふうに、気候変動も含めて生態系が変わってしまうような場合に、何とか維持回復していこうということで、シカとか外来種とか、それで対応している部分がありますので、これが一つでございます。

 もう一つは、おっしゃるように防災・減災といった生態系を生かした取組と、先ほど国家戦略のところでもお話がありましたが、こういった広い意味での適応と、これも国立・国定公園も一部は担いますので、この二つの意味で書かせていただいてございます。

○大沼委員 それは理解できるので、その言葉を分けられたらいいんじゃないかということです。つまり、国立公園内の適応ということと、社会にとっての気候変動の適応ということを明確に明記されたらいいのではないかということを申し上げたかったのです。

○事務局(国立公園課長 熊倉)分かりました。外への説明の際に使い分けたいと思います。ありがとうございます。

○武内部会長 それでは、小菅委員、お願いいたします。

○小菅委員 小菅です。よろしくお願いします。

 国立公園等の利用環境の充実というところに、餌づけの問題が書かれているのですが、ここの「動物への餌付けなど、地域のルール等では対応し切れない行為の対策や、利用調整地区の運用の柔軟化」と書いてあるのですが、なかなか意味が僕は分からなくて、ご存じのよう道東では、例えば、後ろ足を動かしているのを餌づけだとか、あと、タンチョウや、シマフクロウが見える宿ということで餌づけしたいというのがあって、それに対しては賛否両論があったという地域では、かなりナーバスな問題にもなっていると思うのですが、それだけで、この柔軟化とかいうのは、どういうことなのか、説明していただければと思います。よろしくお願いします。

○武内部会長 どうぞ。

○国立公園課長 失礼しました。言葉としては、「対策や」で一旦切れていまして、行為の対策をしなさいという話と、利用調整地区の運用の柔軟化をしなさいということで、柔軟化は餌づけにはかかっていません。まず言葉のご説明でございます。

 内容でございますが、餌づけについては、答申の中では知床のヒグマなどが例示に挙がっていまして、それによって利用者に、いろいろな人身被害や、財産への被害、利用に支障が及ぶ行為として取り上げられていまして、現在はいわゆるマナーレベルで指導しているのですが、しっかりここは法的な部分も含めて強化する必要があるという文脈でご提案をいただいてございます。

 利用調整地区については、既に公園法に制度があるのですが、まだ2地区の指定しかされていない状況であります。

 ただ、この制度は人数制限ができる仕組みですので、例えばオーバーユースによって踏み荒らされるような、そういった事例があれば使えるわけでございまして、もう少し指定がうまく進むような、そういった意味での制度の柔軟化が必要ではないかというご提言をいただいてございます。

○小菅委員 そうすると、特に餌づけによって動物の生息の状況に変化があるかとか、そういうような議論ではないということでしたか。ヒグマの問題ではなくて、私が言っているのは、カンチョウだとか、オジロワシ、オオワシだとか、シマフクロウの問題です

○事務局(国立公園課長 熊倉)ありがとうございます。

 餌づけという意味では、広い意味で生態系に影響を及ぼすような行為ということで、やはり適否はしっかり評価して、抑えるべきところは抑えないといけないという部分はあるかと思います。

 ただ、今回、法制度化を検討しているのは、特に利用に影響を与える部分として、人身被害、財産被害等に結びつくような、そこについての制度化を検討してございます。

○小菅委員 分かりました。どうもありがとうございました。

○武内部会長 それでは、ほかにはよろしいでしょうか。

○江﨑委員 すみません。

○武内部会長 どうぞ。

○江﨑委員 江﨑です。

コメントのほうに書いたのですが、下の段の(2)の「公園事業・集団施設地区の再生・質の向上」の段の一番下のところに、権原の譲渡という言葉があるのですが、「権原」の「原」が違うのじゃないかなと思いますが、いかがでしょうか。

○○事務局(国立公園課長 熊倉)ありがとうございます。

 ここは、いわゆる権原のことを指していますので、このままで問題ございません。

○江﨑委員 ありがとうございます。

○武内部会長 ほかにございますか。

 よろしいですか。

(なし)

○武内部会長 それでは、ほかにないようでございますので、この件の議論を終わらせていただきます。

 以上で、本日予定しておりました案件の審議は終了となりました。

 なお、現在の任期における自然環境部会の開催は今回が最後ということになります。これまで多岐にわたるご審議へのご協力、誠にありがとうございました。かなりの委員の方は、引き続きということでお願いすることになるのではないかと思いますが、この間、いろいろと皆さん方にご協力いただき、円滑な議事進行ができましたことを部会長として、改めて感謝申し上げて、この会を終了させていただきます。どうもありがとうございました。

 それでは、議事を事務局にお返しいたします。

○司会 武内部会長、ありがとうございました。

 委員の皆様におかれましても、長時間にわたりご審議いただき、ありがとうございました。

 それでは、以上になります。本日はありがとうございました。

○武内部会長 どうもありがとうございました。

午後4時34分 閉会

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