中央環境審議会 自然環境部会(第38回)議事録

日時

令和元年9月11日(水)13:30~15:30

場所

航空会館 501+502会議室

(東京都港区新橋1-18-1 航空会館5F

出席者

武内 和彦  部会長

石井 実   委員

髙村 典子  委員

江崎 貴久  臨時委員

尾崎 清明  臨時委員

小泉 透   臨時委員

小長谷 有紀 臨時委員

下村 彰男  臨時委員

白山 義久  臨時委員

広田 純一  臨時委員

深町 加津枝 臨時委員

二宮 雅也  臨時委員

宮本 旬子  臨時委員

湯本 貴和  臨時委員

議事

午後13時30分 開会

○司会 本日はお忙しい中、当審議会にご出席いただき、誠にありがとうございます。定刻となりましたので、ただいまより中央環境審議会自然環境部会を開会いたします。

 開議に先立ちまして、本日の出席委員数をご報告いたします。本日は、所属の委員、臨時委員25名のうち14名にご出席をいただいておりますので、本部会は成立いたしております。

 次に、本日の資料についてでございますが、環境負荷削減の観点から、審議会のペーパーレス化の取組を推進するため、委員のお手元にございますタブレット端末の中に入っております。

 もし審議中にタブレットの不具合等ございましたら、事務局にお申しつけいただければと思います。

 また、席上には、資料として、議事次第や議題の資料等、一部資料を配付しております。ご不明な点がございましたら、事務局にお申し出ください。

 続きまして、自然環境局長の鳥居よりご挨拶申し上げます。

○自然環境局長 皆さん、どうもこんにちは。この7月に自然環境局長に異動しました鳥居でございます。改めてよろしくお願い申し上げます。

 本日は、大変お暑い中、遠方からも多数お越しいただきましてありがとうございます。本日の部会は、2月に改選があってから初めての部会ということでございますので、一部、委員の入れかえ等もあったかと思いますけれども、今日は、諮問案件が一つ、そして報告事項が四つということになってございます。

 さきの通常国会におきまして、自然環境保全法が改正されまして、沖合海底自然環境保全地域という新たな制度が設けられることになりました。それに伴いまして、今回、自然環境保全基本方針、これは昭和48年に法律ができて、基本方針が定まりましたけれども、それから約50年近くが経過して、かなり社会の状況とか自然環境も含めて変化しております。それを踏まえての見直しということもあわせて行いたいというふうなことで諮問させていただいているところでございます。

 このほか、国立公園満喫プロジェクト、最近の制度改正に関わる動き等につきましてご報告をさせていただきたいと思います。

 大変限られた時間ではございますが、いろいろまたご意見をいただければと思いますので、今日はよろしくお願い申し上げます。

○司会 続きまして、本日は委員改選後、最初の自然環境部会になりますので、本日出席の自然環境局幹部をご紹介させていただきます。

 大臣官房審議官の白石でございます。

○大臣官房審議官 白石です。よろしくお願いいたします。

○司会 総務課長の庄子でございます。

○総務課長 庄子でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○司会 自然環境計画課長の植田でございます。

○自然環境計画課長 植田です。よろしくお願いします。

○司会 国立公園課長の熊倉でございます。

○国立公園課長 よろしくお願いいたします。

○司会 野生生物課長の中尾でございます。

○野生生物課長 中尾です。よろしくお願いいたします。

○司会 自然環境整備課長の山口でございます。

○自然環境整備課長 山口です。よろしくお願いします。

○司会 生物多様性戦略推進室長の中澤でございます。

○生物多様性戦略推進室長 中澤でございます。よろしくお願いします。

○司会 生物多様性主流化室長の山本でございます。

○生物多様性主流化室長 山本でございます。よろしくお願いいたします。

○司会 国立公園利用推進室長の中島でございます。

○国立公園利用推進室長 中島です。よろしくお願いいたします。

○司会 希少種保全推進室長の堀内でございます。

○希少種保全推進室長 堀内でございます。よろしくお願いいたします。

○司会 外来生物対策室長の北橋でございます。

○外来生物対策室長 北橋です。どうぞよろしくお願いいたします。

○司会 温泉地保護利用推進室長及び自然環境計画課保全再生調整官の山本でございます。

○保全再生調整官 よろしくお願いします。

○司会 以上で自然環境局幹部の紹介を終わらせていただきます。

 次に報道関係者の方へのお願いでございますが、カメラ撮りはここまでとさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、これよりの議事進行につきましては、武内部会長にお願いいたします。武内部会長、よろしくお願いいたします。

○武内部会長 武内でございます。今年度最初ということですか、ですので、一言、ご挨拶を申し上げたいと思います。

 自然環境を取り巻く情勢、国内的にも国外的にも大変大きく進展しております。国内的には、昨年の第五次環境基本計画で提案された地域循環共生圏、この中には自然共生社会という非常に重要な要素が入っているわけですけれども、これを実際の自治体や、あるいは、さまざまな地域のステークホルダーにご参加いただきながらそれを推進していくという、そういう取組に今つながってきております。

 また、その国際的な展開ということで、いろんな取組をしておりまして、私自身も軽井沢で開催されましたエネルギー環境大臣会合に呼ばれまして、そちらで地域循環共生圏、それから「SATOYAMAイニシアティブ」についての取組をG20の環境エネルギー大臣に対して説明することができました。非常に環境大臣と、それからエネルギー系の今でいうと経産省系の大臣が横に並んで仲よく議事進行をするということは珍しいんでございますけれども、そういうことがありまして、私も原田大臣以外にも世耕大臣からも大変お褒めをいただきました。それは大変記憶に残っております。

 また、世界の取組については、ニューヨークでハイレベル政治フォーラムというのが開催されておりまして、そういう中でも、今、一生懸命、さまざまな日本の取組を発信しているところでございますけれども、そういう中で、SDGsのローカル化ということでは、非常に高い評価を得た取組ということで、むしろ日本発のローカルな取組が世界的な今広がりを見せているということでございます。

 生物多様性分野では、ご承知のように、もう来年は2020年でございまして、いわゆる「愛知目標」が終了するということ、IPBESという生物多様性分野での評価について、最近、グローバルな評価の結果が取りまとめられましたけれども、残念ながら「愛知目標」、かなりの部分で達成をすることは難しいというような、そういう結論が出ております。

 しかし、これで残念でしたというふうに終わるわけにもいかないので、当然、2020年に中国の昆明で開催される生物多様性条約の締約国会議で「ポスト2020目標」が定められるということで、これ、国内的にもこれから早急に議論をしていかなきゃいけないということでございます。

 それから、ちょっと性格は違いますけど、最近、海洋マイクロプラスチックの問題が非常に大きな話題になっておりまして、私も日本学術会議の国際担当副会長として、私の隣の白山委員にも大変ご協力いただきながら「サイエンス20」というG20に対応する科学アカデミーの集まりを学術会議で開催しまして、原田大臣にもお越しいただいて、その結果については安倍総理と、それから原田大臣に手交するということを行ったわけですけれども、この問題もやはり広く見れば、生物多様性の問題というものと非常に密接な関わりがある問題でございまして、そういうことについてもこの間、いろいろな新しい取組が始まっているというところでございます。

 本日は、またそれに加えて、国立公園満喫プロジェクトということでいろいろご紹介いただきますけれども、保護と利用の調和、それから、国内のみならず、インバウンドをどうやって国立公園に引きつけていくのかというふうなことですね。これを考えていくということは、これは、自然環境行政の中でも非常に大事なことでございますので、今日、いろいろとご説明があると思いますけれども、委員の皆様には引き続き活発なご議論をお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、座ってやらせていただきたいと思います。

 それでは、本日は新任の方もいらっしゃいますので、ご出席の委員の皆様にもお名前とご専門などについて一言ずつご挨拶をお願いしたいと思います。小泉透委員、お願いいたします。

○小泉委員 森林総合研究所の小泉といいます。野生動物の保護と管理を担当しております。よろしくお願いいたします。

○尾崎委員 山階鳥類研究所の尾崎といいます。鳥類のことをやっていますが、最近は特に沖縄のほうのことをやっております。

○江崎委員 民間のエコツーリズムの会社を経営しております。伊勢志摩で「海島遊民くらぶ」という団体でガイドの会社をしながら旅館をしております。地元では伊勢志摩国立公園エコツーリズム推進協議会の会長をさせていただいておりまして、あと別に三重大のほうでそれの関連もありまして漁業経済の研究をしております。どうぞよろしくお願いいたします。

○髙村委員 国立環境研究所の髙村でございます。専門は淡水魚の保全で、今、琵琶湖分室でございます。よろしくお願いいたします。

○石井委員 大阪府立大学の石井でございます。専門は動物生態学でございます。この部会内では野生生物小委員長を兼ねております。よろしくお願いいたします。

○白山委員 海洋研究開発機構JAMSTECの特任参事をしております白山と申します。専門は、基本的には海底の小さな生物の生態学が専門ですが、深海からサンゴ礁までいろいろやらせていただいています。どうぞよろしくお願いします。

○小長谷委員 現在、日本学術振興会におります小長谷と申します。専門は文化人類学です。 よろしくお願いいたします。

○下村委員 東大の農学におります下村でございます。専門は風景とか景観の計画でございます。よろしくお願いいたします。

○広田委員 岩手大学農学部の広田と申します。専門は農村計画、地域計画です。よろしくお願いします。

○深町委員 京都大学の深町と申します。専門は里山などを対象にしました造園学とか、関西大学からの研究などです。よろしくお願いいたします。

○二宮委員 経団連自然保護協議会会長を務めております二宮でございます。経団連におきましては、SDGsの推進とか、企業の社会的責任、また、休眠預金の活用という分野に今いろいろ携わっておるところでございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○宮本委員 鹿児島大学の宮本でございます。専門は植物系統学で、近年は奄美群島の希少植物、あるいは外来植物等の調査をしております。よろしくお願いいたします。

○湯本委員 京都大学霊長類研究所の湯本と申します。専門は植物生態学です。

○武内部会長 それでは、委員の皆様、どうぞよろしくお願いいたします。

 今回は、委員の交代がございましたので、部会長の代理を指名する必要がございます。中央環境審議会令第4条の第3項が部会につき準用されており、部会長に事故あるときは、部会長があらかじめ指名する委員がその職務を代理することとなります。部会長代理は引き続き石井実委員にお願いをしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 本日の部会は公開で行いますので、報道関係者や傍聴の方も同席しておられます。会議録は、後ほど事務局で作成し、本日ご出席の委員の了承をいただいた上で公開するということになります。

 なお、議事要旨につきましては、事務局で作成したものを、私、部会長が了承した上で公開するということにさせていただきたいと思いますので、ご了承いただければと思います。

 また、会議資料につきましても公開となります。

 それでは、先ほど局長からお話のあった最初の議題、自然環境保全基本指針の変更についてという大変大きな変更について事務局からその原案について説明をお願いいたします。

○説明者1 自然環境計画課の木村と申します。よろしくお願いいたします。

 議事(1)自然環境保全基本方針の変更について、資料1-1、2ページの資料でございますけれども、こちらにありますとおり、昨日付で諮問付議されております。

 基本方針の変更案の説明の前に、そこに至る先般の法改正の概要について資料1-2を用いてご説明したいと思います。資料1-2のカラー刷りの2ページの物を開いていただけますでしょうか。

 昨年度の本部会において、沖合域における海洋保護区の設定について諮問し、答申いただいておりました。それを踏まえまして、法改正の作業を進めておりまして、お蔭様で今年の4月に改正法が成立、公布に至っております。

 まず、改正の背景についてご説明いたします。国際的には、海洋環境の保全が、今、潮流となっておりまして、愛知目標等の国際目標を踏まえて海洋保護区の設定が加速しております。日本について言いますと、日本の沖合域、もちろん多様な地形ですとか、それから、特異な生態系、生物資源が存在しておりますが、これまで日本では主に沿岸域を中心に海域の8.3%に海洋保護区が設定されているという状況でございます。

 第三期海洋基本計画に沿って、沖合域において保護区の設定を推進し、保全と利用を両輪で進めていくとの方針で、自然環境保全法の改正により沖合域について新たな保護区制度を創設したものになります。この保護区の指定により、国際目標を達成するとともに、生物多様性の確保が一層促進されるものと考えております。

 主な改正内容については、2ページ目をご覧ください。

 2ページ目の上半分に改正の主な内容と書いてあります。この右側にイメージ図が載っておりますけれども、こちら、ご覧いただきますとおり、沖合の海洋保護区として沖合海底自然環境保全地域との名称で区域指定ができるような制度となっております。その沖合海底自然環境保全地域の中でも攪乱による影響を受けやすいような海域を沖合海底特別地区に指定しまして、特定の行為に関して、この特別地区の中では許可制、それ以外の区域では届出制とすることにより規制がかかるようになります。

 規制対象となる特定の行為ですけれども、鉱物の掘採、集中的サンプリング探査法による鉱物の探査、それから海底の動植物の捕獲等に関して動力船によるえい航によるものとして、いずれも科学的調査は除く方針で考えております。

 このページの下半分をご覧いただけますでしょうか。

 今年の1月に中央環境審議会から答申いただいた内容を幾つかこちらに記載させていただいております。

 まず、区域指定、沖合海底自然環境保全地域の指定に関してですけれども、重要海域といいまして、生物多様性の観点から重要度の高い海域というのを選定しておりますが、この重要海域を踏まえて資源開発、それから、利用等との調整を図って社会的選択として候補地選定を行うこと。

 それから、二つ目、例えば海山ですとか熱水噴出域、海溝等を対象として可能な限り、どの生態系の種類もいずれの海洋保護区に含めるように指定する必要があること。

 それから、三つ目、優先的・先行的に保全を図る海域としては、小笠原方面の沖合域が有望な選択肢に該当すること。

 それから最後ですが、沖合域では生物相の変化や、それから資源開発・利用の不確実性があることを踏まえまして、必要に応じて順応的に見直しを行うことが適当であるといった答申をいただいておりました。この考え方をもとにしまして、これからご説明いたします自然環境保全基本方針などの案を作成しております。

○説明者2 続いて、資料1-3の説明に移らせていただきます。

 自然環境保全基本方針の変更についてということで、今、ご説明を差し上げました自然環境保全法の一部を改正する法律が成立したことを踏まえまして、自然環境保全基本方針の変更を行いたいというふうに考えております。

 基本方針の変更の案の作成に当たっては、自然環境保全法の第12条に、「環境大臣があらかじめ中央環境審議会の意見を聴くこと」とされております。これに基づいて基本方針について中央環境審議会に諮問させていただいております。

 2.の検討のスケジュールをご覧ください。

 本日9月11日が中央環境審議会自然環境部会で、諮問及び自然環境保全基本方針の変更案、これはパブリックコメント案の審議をいただこうと思っております。そして、それを踏まえまして、今年の10月から11月のころに変更案のパブリックコメントを実施いたします。そのパブリックコメントの意見等も踏まえまして、今年の12月から来年の1月に再び自然環境部会を開催させていただきまして、変更案のとりまとめ・答申をいただくことを想定しております。また、その後の基本方針に関する流れとしましては、2月から3月ごろに変更案の閣議請議、閣議決定をいただきまして、4月1日に自然環境保全法の改正法が施行されますので、それまでに変更を終了させることを想定しております。

 次に、資料1-4をご覧ください。

 資料1-4が、自然環境保全基本方針の構成と変更の主なポイントというふうにさせていただいております。

 自然環境保全基本方針は、大きく第1部と第2部の二つに分かれております。先ほどからご説明しております沖合海底自然環境保全地域制度に関しては、特に第2部に反映するようになります。また後ほど詳しくご説明させていただきます。

 まず、それに先立ちまして、第1部をご説明させていただきますが、第1部では、自然環境の保全に関する基本構想を定めるというふうにされております。今回、ここについて、四角の枠に入っております1、2の2点の観点から変更を行う必要があると考えています。

 1番、社会及び自然環境を取り巻く状況の変化を踏まえ、必要な箇所を変更するということです。

 自然環境保全基本方針は、昭和48年にこの基本方針が制定されましてから約40年以上にわたって変更されておりません。そのため、近年の少子高齢化・人口減少や自然に対する働きかけの縮小にかかる論点が含まれていないことなど、一部の内容について変更の必要があります。また、外来種問題等、新たに生じた生物多様性の危機に関する論点を追加する必要があります。

 また、2番ですけれども、自然環境保全政策の進展とともに環境保全政策の体系化が進んだことを踏まえ、環境基本法及び生物多様性基本法との位置付けを明確化する必要があると考えております。

 平成5年に環境基本法が制定されました。これを受けました自然環境保全法の一部改正におきまして、この自然環境保全基本方針の位置づけが変更されております。現在は、「自然環境を保全することが特に必要な区域等を中心とした自然環境保全についての実施法的な方針」とされておりまして、自然環境を保全する地域、エリアに着目した実施法的な方針とするというふうになっています。また、その後、平成20年に生物多様性基本法が制定されました。これによって、生物の多様性の保全及び持続可能な利用に関する基本的な計画として生物多様性国家戦略が位置付けられております。

 この環境基本法に基づく環境基本計画と生物多様性基本法に基づく生物多様性国家戦略、こういったものが新しくつくられたということを踏まえて変更を行うということを考えております。

 具体的な変更の内容を説明させていただきます。今、皆様のお手元にタブレットと別にA3の紙で資料1-5を配付させていただいております。こちらが、自然環境保全基本方針の第1部の部分の変更案の詳細というふうにさせていただいております。資料の見方としましては、一番左の列にブロック番号を書いております。2列目に原文、現在の自然環境保全基本方針の文章、3列目に変更案、今回ご議論いただく案を書いております。そして一番右の列に昭和48年当時からの社会及び自然環境の状況の変化や今回の基本方針の変更に係る考え方を記載させていただいております。資料1-4をタブレットで見ていただきながら1-5で紙を横に置いて見ていただくと見やすいのではないかなと思います。

 それでは、1-4に沿って説明させていただきます。

 まず、第1部の上でございますが、ブロック1では、人間にとって自然とはいかなるものかということが書かれております。ここでは、自然との「共生」等の概念が醸成されたことを踏まえて記述を追加しております。

 次に、ブロック2でございますが、ここでは、社会及び自然環境を取り巻く状況について説明を書いております。ここが一番文章の容量としては大きくなっているところでございます。その理由としまして、1-4の中で説明させていただいておりますけれども、まず、人間活動や開発による危機、いわゆる生物多様性の第1の危機と呼ばれるようなものについては、これまでも記載があったところではありますけれども、ここについて、少子高齢化や人口減少の進行等、社会及び自然環境の状況の変化を踏まえて記述を修正しています。

 次に、里地里山のような二次的自然環境の保全等、自然に対する働きかけの縮小による危機、いわゆる生物多様性の第2の危機についての記述を新たに追加しています。また、外来種問題等、人間により持ち込まれたものによる危機(生物多様性の第3の危機)について記述を追加しています。さらに、地球温暖化や海洋酸性化等、地球環境の変化による問題(生物多様性の第4の危機)についての記述を追加しております。

 次に、ブロック3から5、ページをまたがって申し訳ありませんけれども、ブロック3から5のところに自然環境保全政策の基本的な構想というものを書いております。ここについても幾つか内容を更新しておりまして、まず、環境、経済、社会的課題の同時解決の観点の追加。そして、第五次環境基本計画において提唱された「地域循環共生圏」の概念の追加。また、気候変動への適応の観点の追加。そして、経済・社会のグローバル化、生物多様性条約や気候変動枠組条約の締結、また、持続可能な開発目標(SDGs)の設定等を踏まえまして記述を追加しております。

 1-4の2ページ目でございますが、ブロック6から17というところが、この自然環境保全基本方針の先ほどありました具体的な保全に係る記載でございます。ここについても幾つかの観点から内容を変更しています。

 まず、環境基本計画や気候変動適応計画を踏まえて、「生態系を活用した防災・減災」や「生態系を活用した適応」の概念についての記述を追加しています。また、海洋生物多様性保全戦略や海洋基本計画等、海洋に関する施策の増加を踏まえて記述を追加しています。そして、新たな観点ですけれども、民間保護地域等に係る記述を追加しています。また、地域の管理という観点で、絶滅危惧種や固有種の保全、外来生物の防除、鳥獣による生態系影響等への対策など、野生生物保護管理の観点から記述を追加しています。また、ブロック17ですけれども、環境影響評価法やエコツーリズム推進法等を踏まえまして、ブロック1417のところで記述を追加しております。

 そして、ブロック1819のところに多様な主体の連携という観点の記載がありますので、地域連携促進法や地域自然資産法が制定されたことや、民間企業、NGO等が主体となった取組の増加を踏まえ、記述を追加しています。

 以上が第1部に関するご説明というふうになります。

 引き続き、資料1-4のほうで第2部に関する説明をさせていただきます。

 第2部、先ほどご説明を差し上げましたけれども、「沖合海底自然環境保全地域」制度の創設を踏まえた変更でございます。「沖合海底自然環境保全地域の指定方針」及び「沖合海底自然環境保全地域の保全施策」の項目を新たに定めることとしております。

 これの具体的な内容については、資料1-6が今回の自然環境保全基本方針全体の新旧対照表になっております。12ページのところに沖合海底自然環境保全地域の指定方針、そして、14ページに沖合海底自然環境保全地域の保全施策を書かせていただいております。これについては、昨年度いただきました答申等を踏まえまして、関係省庁とも議論しつつ、内容について作成させていただいております。

 また、その他の資料についてもご説明いたしますと、資料1-7が、今回、自然環境保全基本方針の変更案を溶け込みで全てきれいな文章の状態にして読みやすくしているものでございます。

 また、参考資料1-1でつけさせていただいておりますのが、現在の現時点の自然環境保全基本方針、昭和48年に作成したものとなっております。

 事務局からの説明は以上になります。

○武内部会長 どうもありがとうございました。

 それでは、ただいまの説明に関しまして、ご意見、ご質問のある委員の方については、札を立てていただきたいと思います。

 それでは、石井実委員、どうぞ。

○石井委員 ブロック2のところなんですけれども、生物多様性国家戦略を受けて第1の危機、第2の危機のようにやっていただいていて、第3の危機もここに入れていただいているんですけど、第3の危機、国家戦略の中では、化学物質による危機というのも入っていたと思うんですね。今回、ここに入っているのは外来生物問題のところかなと思うんですけども、ぜひ化学物質のところを入れていただけたらというふうに思います。よろしくお願いします。

○武内部会長 ありがとうございました。ほかに。

 私からもちょっと追加でぜひご検討いただきたいと思う点がございますので申し上げたいと思います。

 資料1-5のブロック5で国際的な協力や連携については記載がここにございます。それについては評価できると思いますが、もう少し具体的に国際的な場でどういう連携教育が今後重要かというようなことについて、例えば私が先ほどのご挨拶で申し上げた点で言うと、地域循環共生圏の国際展開みたいな、そういう具体的な記載があるとよいのではないかというふうに思います。そういう意味で、我が国の知見、経験を生かした連携協力のあり方について、この基本方針の中にちょっと含めていただくように検討していただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

 下村委員、どうぞ。

○下村委員 一つは、質問というか確認と、もう一つは簡単な意見です。

 一つは、質問というか確認は、ブロック8のですかね。ブロック8のところに、野外レクリエーションという言葉が入って、これはもとから変わっていないんですね。それで、ところがブロック17のところの野外レクリエーションというのは、大体自然との触れ合いとか、エコツーリズムという言葉に切りかえてあるんですけれども、そのブロック8の野外レクリエーションというのはあえて残されたのかどうかということが質問というか確認です。

 それから、一言、二言つけ加えていただいたほうがいいかなと思うのは、ブロック9のところで、これは恐らく農林水産業のエリアに関しての保全のところだと思うんですけれども、ブロック2のところに、豊かな文化が危機に瀕しているというような言葉が書いてあって、このエリアの文化性のことについて触れてあるんですけれども、ブロック9のところにはその辺りのところの表現がほとんどありませんので、豊かな文化の継承とか、そういう辺りのところの言葉も入れていただいたほうがいいのかなというふうに考えています。2点です。

○武内部会長 ありがとうございました。

 それでは、白山委員、お願いします。

○白山委員 ありがとうございます。私のバックグラウンドが海洋だということもあって、全体に海洋に関する記述が非常に気になるんですけれども、逆に、海洋の環境というか、日本の全体の環境の保全について、やっぱり森・川・里・海の連関という視点が必要だと思うんですけども、この自然環境保全基本方針の中にどうもそれらしいものがよく明示的には入っていないような気がいたしますので、ぜひそれをつけ加えていただいて、日本の持つ自然、生態系全体を包括的に保全するというようなことをもう少し強く書いていただいてもいいんじゃないかなというふうに思いますので、ご検討をお願いしたいと思います。

○武内部会長 ありがとうございました。

 宮本委員、お願いします。

○宮本委員 資料1-2の2ページ目の上のほうにつきまして、ご教示いただきたいと思います。

 規制対象ということで鉱物の掘採でありますとか、海底の動植物の捕獲等というのが許可制または届出制になるというようなことが書いてございますけれども、これは、国内の法律ということですと、国内の団体とか企業が対象になるということなんでしょうか。海洋ですと、国外の企業、団体等がアクセスしやすいというところから、そういう部分についても規制の対象にできるのかどうか、あるいは、国外にこういう法律がありますよということをどういう形でアピールしていかれるのかという点について教えていただきたいと思います。

○武内部会長 江崎委員、お願いします。

○江崎委員 私は、ちょっと漁業の人たちに関わることもあって気になったんですけれども、やっぱり沖合海底の保全地域の指定のところなんですが、やはり今後進めていくのに恐らく漁業の人たちのお話もいろいろ出てくるのではないかなと思うんですけれども、それはいいとして、ちょっと今後のこういう改正が、今回四十数年ぶりということを考えると、次回の改定はまた40年後ぐらいになるということかなと思うんです。そうなっていくと、これから技術の革新とかも恐らくあるでしょうし、この沖合とか遠洋とかの一番のやっぱり問題というかは、見えないということだと思うんです、最初に言われていたように。見えなくて人には理解されない部分で、ようやく沿岸域というのが今まで理解されづらかったのが観光とか、まだ人が少し近づける部分で理解がされる部分も出てきたのかなと思っているんですが、それと同じように、観光で人が行くとかということはないと思うんですけれども、もっと情報技術が上がってきたりとか、もしかしたら移動できることもあるかもしれませんが、40年の間に一般理解ですね。こういう見えない部分への理解を促進するような活動というのも考えておかないといけないのではないかなと思うと、今この指定方針の中には保護のことは出ているんですけれども、活用ではないにしても、理解を進めていくというような、何か入れておいたほうがちょっと40年のことを考えるといいのではないかなと思いました。

○武内部会長 ありがとうございました。

 石井委員、お願いします。

○石井委員 ちょっと単純な質問なんですけど、今、画面に出ている資料1-2のこの図なんですけれども、海底のイメージをちょっと教えていただきたいということです。要するに、地面の上だけなのか、その上にいわゆる水の柱と書く水柱環境というのがあるんですけど、生態系といえば、多分、地面の上だけじゃなくて少し水の部分も入っていると思うんですけど、どのように設定するのかということについて教えてください。

○武内部会長 広田委員、お願いします。

○広田委員 2点あります。

 一つは、ブロック2の生物多様性の危機の第2の危機、人間活動の縮小に伴う危機の表現なんですが、これを見ると、例えばということで農山村の危機のことは触れてありますが、漁村も大きな危機を迎えているわけですから、ここの表現は農山漁村とし、それから里地里山という言葉が入るんであれば、里海というような言葉を入れなくていいのかという質問です。

 それから2点目は、今のご意見の中にあったんですが、この基本方針の改定がこれだけ長くかかってしまったのがなぜかということと、もう既に出ているかもしれませんが、今後改定していくスケジュールというか、今後の改定方針があるのかどうかということです。

 以上です。

○武内部会長 ありがとうございました。

 深町委員、お願いします。

○深町委員 ありがとうございます。ブロック8のところで、野外レクリエーションとかのところは自然地域等とあるんですけれども、防災減災に資する部分は自然地域だけで、この辺を自然地域がどういう部分を意味するのかにもよるんですけれども、幅広くこういった考え、「等」が入ってもいいんじゃないかというふうなことが一つと、もう一つ9番目、下村先生のご質問にも関係すると思うんですが、生物多様性ということと、近年では生物文化多様性という言葉もあったりするんですけれども、こういった環境省の枠組みで生物文化多様性というような言葉を遣うのが可能なのかとちょっとわかりませんが、その二つの言葉が合わさることによって示せることで大事な部分も多いと思うので、そういった意味のことが検討できないかどうかということをお聞きしたいと思います。

 以上です。

○武内部会長 ありがとうございました。ほかに。よろしいですか。

 それでは事務局のほうから、ただいまのご意見、ご質問に関してお答えをいただければと思います。

○保全再生調整官 それでは、順にお答えさせていただきます。

 まず、石井委員からご指摘のありました第3の危機の化学物質の件については、分量の関係もございますけれども、入れる方向で少し調整をさせていただきたいと思います。

 また、武内部会長のご指摘の国際連携の件につきましても、内容をご相談しながら書き加えていく方向で行きたいと思います。

 下村委員のご指摘のありました野外レクリエーションに関する部分が2カ所に出てくるというところですが、構成としましては、ブロック7の(1)というところから(2)、(3)という形で1がずっとブロック12まで続いて、その後、2、3、4とブロック13から別のパラという形になって、そういう構成になっております。

 野外レクリエーションのところについては、ここは主に国立公園を想定して書かれたパラというふうになっておりまして、それ以降につきましては、全体にかかる施策について書かれているということで、ちょっとご指摘も踏まえて整理は検討したいと思いますけれども、両方に書かれている、国立公園にかかる部分に野外レクリエーション、それも重要な点ですので、そこは重複すること自体はそれほど問題はないかなと思っておりますが、ご指摘を踏まえて少し整理、検討したいと思っております。

 それから、もう一つ、9番目。ブロック9についての豊かな文化が危機に瀕しているといったところ、そこについて足したほうがいいというご指摘、それについては検討させていただきたいと思います。またご相談させていただく、具体的な中身についてはご相談をさせていただくかもしれませんので、よろしくお願いいたします。

 白山委員からのご指摘の森・川・里・海の連関という視点、確かに具体的な形でそういう記述はございません。一部に四つ目のブロックで保護区の連結性の確保といったようなことは書かれておりますけれども、少し具体的な記述については検討させてください。

 宮本委員からご指摘の規制が国外の団体に対してもかかるのかというところですけれども、これは行為自体に対して規制がかかりますので、国内外問わず、外国船舶に対してもかかってまいります。それで、普及の方法につきましては、外務省などとも相談をしながら普及啓発、外に向けてこういった規制がかかるということを知らせていきたいと思っております。

 江崎委員の改定はまた40年後かというようなご指摘も含めてなんですけれども、確かに見えない部分への理解促進といったところですね。今の記述の中でも、もともとブロックで言うと15番、16番ですね。この辺りに解明できない部分が非常に多くて、そういったところをしっかり調査をしていくといったことですとか、理解を深めていくといったようなことの記述はございますので、こういったところで対応できるかどうか、プラスするべきところがあるかどうかというところについては少し検討させていただきたいと思います。

 石井委員の海底のみか、水柱も含めてということかということですけれども、規制自体、規制そのものは、行為は海底をさわる行為のみがかかってきます。それによって守られるものというのは本当に海底だけというよりは、その周辺も含めてということになるかと思いますけれども、今回の保護区につきましては、海底に対する行為が規制対象ということになってございます。

 広田委員の農山村という記述の部分でございますが、里山にかかる部分に里海ですとか農産漁村という形で広げるほうがいいのではというご指摘ですけれども、その方向で修正すべく検討させていただきます。

 なぜ改正されなかったかについてでございますけれども、そもそもこの法律自体の大きな改正がこれまで行われてきていなかったというのが一つございます。ただ、一方で、環境基本法ですとか生物多様性基本法が出てきたタイミングで何らか変更していてもよかったのかなとは思いますけれども、そこはもともと非常にこの文章、象徴的な文章といいますか、自然環境保全において重要な位置づけといいますか、象徴的な文章、特に環境省ができてすぐにできた文章ということもあって、できればそれを残していきたいという気持ちがこれまであったのかなと思っておりますが、今後の考え方については、必要に応じて、必要なときにしっかり変更していくということになるかと思います。今回、自然環境保全法を新たに、今までの中では非常に大きな改正をしましたので、追加をする必要が生じて前段の部分もしっかり今に合わせた形で修正案をつくってきたということでございます。

 深町委員のまず一つ目の8番、ブロックの8「等」が何か、最後にだけ「等」がついているのかでございますが、実は、幾つかの並列の最後の「等」ということになっておりまして、自然地域だけについている「等」ではなくて、最初の「重要な役割を果たす自然地域、すぐれた自然風景、生息地」、それぞれが並列になっていて、最後の自然地域に等がついているという形、その文章の構成としてはそういったことで「等」がついているということでございます。

 そして、生物文化多様性という言葉を遣えるかどうかといったところでございますけれども、生物多様性基本法という法律があって、それに関連する基本方針ということになってまいりますので、その言葉をそのまま遣えるかということはまたちょっと難しい面もあるとは思いますけれども、文化的な面の重要性といったところは、先ほど下村委員からのご指摘もございましたので、文化的なところの記述の追加という形で対応させていただくことになるかなと思っております。

 以上でございます。

○武内部会長 どうもありがとうございました。

○自然環境計画課長 一つ補足をさせていただきます。

 保全再生調整官からの説明にありましたとおり、今後、どう改定するかということに関しましては、これまで四十数年かかりましたけれども、それはやはりこれまでの文章が少し格式が高く、なかなか手をつけるにちょっと難しかった部分がありましたけれども、ここで一旦、脱皮をしますれば、修正のしやすい基本方針になってまいりますので、これは40年待つということはまずありませんし、10年も待つということはないのではないかと、これだけ時代の変わっている、進歩している世の中でありますから、そういうのを取り入れて変更していきたいとい思っておりますし、特に会長からご指摘のありました国際連携の変更の部分、具体で循環共生圏の国際協力連携、もう一つ具体例をいただきましたSATOYAMAイニシアティブのようなものも確かに個別具体には書いておりませんのでしたので、加えていきたいと思っております。よろしくお願いします。

○武内部会長 これからの時代だから、これ、文章が確定したら英語にしたほうがいいね。ドメスティックな自然環境局が今やっと世界に羽ばたこうとしているんだから、これを大きな機会に世界に宣伝するようにしましょうね。

 よろしいですか。

 それでは、大変貴重なご意見、ありがとうございました。先ほど来の説明がございましたように、可能な限りいただいたご意見を取り入れて修正し、事務局のほうで答申案、さらにブラッシュアップした上でパブリックコメントにかけさせていただきたいと思います。

 この修正案についてでございますけれども、大変恐縮でございますが、部会長、私が内容を確認させていただきますので、またパブリックコメント以降にも皆さんのご意見をいただく機会もございますので、そのような形で進めさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(異議なし)

○武内部会長 ありがとうございます。

 それでは、この議題を終了とさせていただきまして、次の議題、その他について報告事項がございます。これについての説明を事務局にお願いし、その後、ご質問、ご意見をいただきたいと思います。

○国立公園課長 資料2-1に沿いまして、国立公園満喫プロジェクトのご説明をさせていただきます。国立公園課長の熊倉でございます。

 資料2-1でございますが、満喫プロジェクトはご案内のとおり、平成28年に先行8公園から開始をいたしまして、今年度、国際観光旅客税の本格活用ということでさらに本格化をしてございます。

 20201,000万人という訪日外国人という目標がございますが、直近の2018年の数字で694万人ということで、あと2年弱ですね。この期間の中で目標達成に向けて、さらに努力をしてまいりたいと思います。

 それで、現在の取組状況と今後の予定ということで、二つめくっていただいて、2ページでございます。民間活用によるサービスの向上、それから受入環境の整備、プロモーション、体制強化、全国展開と、こういった項目に沿って、最近の、特にこの半年ぐらいの状況のご報告をしたいと思います。

 めくっていただいて、次の多様な宿泊サービスの提供というところでございます。

 上質な宿泊施設の誘致を進めてまいりたいと思っておりまして、例えば、分譲型ホテルを一部宿舎事業として認めるような認可審査基準というのを作成いたしました。

 それから、特にグランピングというキャンプの上質なものについて、推進をしていきたいと考えておりまして、大山隠岐、十和田八幡平といったところでグランピングの試行事業というのを実施してございます。

 おめくりいただきまして、公共施設の民間開放でございます。大山のキャンプ場の再整備で、設計・施工・運営を一体的に民間事業者に委ねる取組というのを行っております。

 それから、下のビジターセンターとか展望台において、民間のカフェなどを導入するということで、さらなる利用者の増加を目指すという取組を実施してございます。今後も、このような民間活用に努めてまいりたいと思います。

 続いて、次の③民間事業者等との連携でございます。

 国立公園オフィシャルパートナーという観光に関わるような企業を初め、多くの新規締結というのを進めておりまして、現在75社に達したところでございます。DMOやメディア等の分野も充実してまいりました。こういった方々と連携して、国立公園のキャンペーン活動を展開してまいりたいと考えております。

 おめくりいただいて、次の、交通利用拠点の相互連携でございますが、これは、国土交通省、NEXCO西日本などと連携をいたしまして、道の駅とかサービスエリアで阿蘇のPRイベントの実施の予定がございます。

 日光国立公園におきましても、船によるクルーズが容易にできるような整備を行っております。こういった二次交通の改善といったような支援について、今後努めてまいりたいと思います。

 続いて、次のページでコンテンツの磨き上げでございます。

 体験プログラムを充実させて、コンテンツ集としてまとめてございますが、先行8公園を含む17公園でコンテンツを拡充いたしまして、多くのコースを掲載してございます。これは、海外向けの旅行サイトのようなところの掲載を支援して、こういった予約につながるような取組を進めてまいりたいと思っております。

 あと、一番下に、人材育成ということで、エコツーリズムとか、インタープリテーションができる人材の育成、支援事業というのを実施してございます。2017から1838地域の参加をいただいておりまして、現在も公募中でございます。

 おめくりいただいて、同じ④ですが、野生動物観光の促進ということで、釧路、佐渡、西表の野生生物センターでの見学ができるようリニューアルを予定してございます。

 また、今年度からそういった取組の補助事業を開始いたしまして、募集を行っております。

 また、ビジターセンターの機能強化ということで、デジタルサイネージを設置し、自然を満喫できるアクティビティの情報を一元的に多言語で提供すると、こういった取組を進めていこうと思ってございます。

 続いて、次のページの景観改善でございます。

 とりわけ廃屋が目立つところにつきまして、それを撤去して、その跡地に民間事業者が入っていただくといったような取組を進めております。今年度は、国際観光旅客税も活用した景観の上質化事業を進めておりまして、阿寒摩周、三陸復興の国立公園で実施中でございます。

 おめくりいただきまして、基盤整備⑥でございます。

 これは、インバウンド対応の基本であります多言語解説の充実といったところを、各ビジターセンター等で進めてございます。外国人目線のわかりやすく魅力的な解説ができるよう頑張ってまいりたいと思います。

 また、利用施設の整備につきましては、ここにあります阿蘇のビジターセンターの整備、日光湯元ビジターセンターの改修、それから、おめくりいただいて、次の利用施設の整備②ですが、霧島錦江湾の佐田岬の公園のグランドオープンというのをご報告したいと思います。

 続いて、⑦でございます。

 利用者負担による保全の仕組みづくりということで、利用者が増えることに伴って、できるだけ協力金をいただく等して、利用者負担の仕組みをつくって、これは、環境保全とか、施設の維持管理に活用していきたいと。こういった取組を進めてございます。

 おめくりいただいて、⑧でございます。プロモーションでございます。

 JNTOの国立公園サイト、既に一部オープンしていますが、これの充実、さらに予約まで一気通貫に可能となるような改善を予定してございます。

 また、海外メディア等と連携したPR活動、デジタルマーケティングというものを実施してございます。

 おめくりいただいて、次のプロモーションですけれども、国内向けの情報発信で、政府広報番組、先日放送がありましたが、こういった取組、あと、新宿御苑に国立公園のPRコーナーを設けておりまして、こういったところでもPR活動を実施してございます。

 おめくりいただいて、⑨体制強化でございます。こういった事業を展開するために、人の体制が必要でありまして、ここにありますように順次国立公園ごとの管理事務所の新設、それから、利用を進めるための利用企画官等の配置を行ってございます。

 全国展開として、8公園からさらに横展開、水平展開を実施しているところでありまして、こういったところでも順次事業を開始していきたいと思ってございます。

 最後のページでございます。国立公園満喫プロジェクトの2021年以降の取組の方向性でございます。

 こちらにつきましては、これまで国立公園満喫プロジェクト、有識者会議というのがございまして、涌井委員、江崎委員にご参加いただいている会議がございます。先日9月に会合がございまして、このペーパーでご説明をしたところでございます。

 内容といたしましては、2020年が目標でございますけれども、予算要求のことを考えますと、2019年のうちから2021年以降の取組の方向性の検討をスタートいたしまして、2020年度の春ぐらいには、一定の方向性を出していく必要があるんじゃないかということで、今年度から早速19年までの取組状況の成果、それから課題の整理というものを、先ほど申し上げたテーマ、項目別、さらには、公園別に実施をして、2019年度末に有識者会議で具体的な議論を始めてはいかがかというふうに考えてございます。それで、2020年の夏ぐらいに一旦取組状況の成果を取りまとめて、次の予算要求等につなげていきたいと考えてございます。

 今後の検討のポイントといたしまして、下に少し書いてありますけれども、取組成果の評価指標、現在1,000万人という目標がありますが、高みを目指す上での指標をどう考えるべきか。また、枠組みといたしまして、先行8公園というものがございましたけれども、国立公園全体で取り組むべきことというものはないかと、こういった視点で、まずは、有識者会議でご議論いただきたいと考えてございます。

 私のほうからのご報告は以上です。

○説明者3 では、続けて、資料2-2のほうです。ワシントン条約の第18回締約国会議の結果概要について、野生生物課からご報告させていただきます。

 ワシントン条約、これは貴重な野生動植物の国際取引の規制に関する条約でございますが、これの第18回の締約国会議が、先月8月17日から28日までスイスのジュネーブで開催されました。

 この会議では、国際取引が規制される種を定めている附属書の改正が審議されまして、そのほか、条約の運営とか種の取引や保全に関する決議の採択がなされました。

 今日の報告は、この附属書の改正と、また大きな議論になりました象牙の取引に関してご報告申し上げます。

 まず、附属書でございますが、ワシントン条約附属書というのは、ⅠからⅢまでありまして、Ⅰが一番規制が厳しいというか、原則商業取引が禁止される種、附属書Ⅱが、商業取引は可能なのですが、手続を踏まないとできないような種、附属書Ⅲは、保全のために必要な自国内のいずれかの締約国が、自国内の種の保護のために他国に、ほかの締約国の協力を求めるというような種が附属書Ⅲというものになります。

 今回、審議された中で、主なものを資料に掲載しております。主なものは、陸生の動物ですが、これも大きく報道されましたが、カワウソが2種類、コツメカワウソとビロードカワウソが、附属書Ⅱから附属書Ⅰへ移行されました。

 そして、アンナンガメ、インドホシガメ、パンケーキガメ、これ、名前のとおりカメなんですが、これもペット需要が非常に大きいということでございまして、附属書Ⅱから附属書Ⅰへ移行しました、原則商業取引は禁止ですね。そういった規制になりました。

 また、サイガという、これは、哺乳類になりますが、これは附属書Ⅱのままであるが、商業目的のため野生標本の輸出割当をゼロにすることとなりました。これは、我が国にとっては、サイガのつのが漢方薬の材料になるということで、影響があるということで非常に注目をしていたものでございます。

 あと、キリンですね。動物園でも人気のある種でございますが、これは、附属書Ⅱに掲載されるということになりました。

 そして、最後に書かれたものがトカゲモドキ属というものになります。これは、中国とベトナムの個体群に関して、附属書Ⅱに掲載するということになりました。ただ、このトカゲモドキ属は、日本にも南西諸島のほうにおりますので、中国とベトナムの規制が厳しくなると、日本のトカゲモドキ属が、多分ペットでとられたりとか、そういったことも考えられなくもないので、議場で、日本のトカゲモドキ属について、附属書Ⅲへ掲載していきますということを表明してまいりました。

 この附属書改正で、今回附属書Ⅰになったものについては、種の保存法の国際希少野生動植物種のほうに指定されます。11月下旬ぐらいに発行されますので、それに向けて、今、作業を進めているところでございます。

 続いて、象牙のほうの議題になります。

 今回、ワシントン条約の第18回締約国会議で、象牙の国内取引を全ての締約国の国内市場を閉鎖するというような、決議案が提出されました。基本的にワシントン条約は、国際取引に関する条約でございますので、さらに踏み込んで、国内取引を規制するというような決議案が出て、かなり大きな議論になりました。ただ、この決議案は採択されず、審議の結果、国内市場を閉鎖していない締約国に市場の管理の取り決めについて報告を求めていくという決定が採択されたところでございます。

 我が国としては、こういった決定を受けて、引き続き象牙の市場の管理の徹底、報告をしていくということを考えているところでございます。

 ワシントン条約の締約国会議については、以上になります。

○説明者4 希少種保全推進室の中山です。私のほうからは、国内希少野生動植物の指定状況について報告いたします。

 資料2-3をご覧ください。

 いわゆる種の保存法では、絶滅危惧種を国内希少野生動植物種として定めまして、その捕獲等の規制や、保護や増殖のための事業を図ることによって、種の保存を行っています。

 2013年の種の保存法の改正時の附帯決議では、2020年までに300種を追加で指定するということが求められまして、2014年に環境省が策定した「絶滅のおそれのある野生生物種の保全戦略」では、その目標が明示されています。これを受けまして、グラフに青色のバーで示しましたとおり、毎年2014年度以降は30から50種程度の種を新規に指定しております。

 また、2017年法改正時の附帯決議では、2030年までには、トータルで700種を指定するということが求められている状況です。

 2018年度からは、2017年の法改正の内容に基づきまして、専門の学識経験を有する者からなる「希少野生動植物種専門家科学委員会」を設置しまして、種指定についての諮問を開始しました。

 2018年度には、次ページ以降にリストをつけました、エラブオオコウモリ等の36種について、新たに国内希少野生動植物種として追加したところです。この中には、2017年法改正で改正事項としても位置づけた種指定に向けての国民提案を踏まえて、指定されたものも含まれております。

 2020年までの目標に対しては、残り93種の新規指定が必要となっているところですので、来年度中までの指定を目指してまいります。

 以上でございます。

○生物多様性戦略推進室長 続きまして、資料2-4に基づきまして、ポスト2020目標の検討状況について、ご報告させていただきます。生物多様性戦略推進室の中澤でございます。よろしくお願いします。

 冒頭、武内部会長からもお話ございました、COP102010年に採択された愛知目標につきまして、来年COP15中国昆明で開催される会議で次の目標、ポスト2020目標というものが採択されるということでございます。

 現在、ポスト2020目標の検討プロセスが始まってございまして、先々週、2週間前に公開ワーキンググループがナイロビで開催されました。今後そうした会議がずっと継続してまいります。

 全体のプロセスでございますけども、これもまた、冒頭、武内部会長から報告を行っていただきましたIPBESの第7回総会、今年の5月のフランスで開催されましたけれども、そこで地球規模のアセスメントの報告書がまとめられました。基本的にこういったものが、ポスト2020目標、次の生物多様性世界目標の科学的な背景になるというものでございます。全体の流れは、こういった流れになっております。

 今ほどご説明した、IPBESの地球規模の評価報告書につきまして、今年の5月に出たものですけれども、そのポイントだけ先にお話しさせていただきます。

 自然がもたらすものNCPNatures Contributions to Peopleと書いてございますけども、これは、今、我々が普段生態系サービスと言っているものとほぼ同じ概念というふうに理解していただければと思いますが、IPBESは、このNCP、自然がもたらすものという用語を使っています。これは、世界的に劣化をしていると。

 そういった、その劣化の要因として、このIPBESの地球規模のアセスが、直接的な要因を五つ強い順に並べてございまして、陸と海の利用の変化、生物の直接的採取、それから気候変動、汚染、外来種の侵入。間接的な要因として、生産・消費パターン、それから人口動態、貿易、技術革新、地域から世界的な規模でのガバナンス、そういったものが間接的な要因となっているというような報告書になっています。

 現在のままでは、愛知目標に限らず、ほかのさまざまな世界規模でのいろいろな自然法、それから自然の持続性の利用に関する目標は達成されませんが、社会的変容(transformative change)というものを起こすことによって、そうしたものの達成が可能になるというような記述になってございます。

 それでは、その次、社会的変容(transformative change)というものはどういうものなのか、IPBESのレポートの中で説明している図がございます。これを簡単に説明させていただきますと、まず、力を入れるべき行動、これレバーですね。てこの原理で動かすための、その力を、ガバナンスの介入、そのレバーを入れる場所、それから、力を入れる分野。そういったもの、例えば、よい暮らしへの多様な見方の取組とか、消費及び廃棄物の削減とか、そういったレバーと支点、それによって、てこの原理で先ほどご説明した直接的要因、間接的要因をどんどん上に向上させていくと、そういったようなことで社会的変容(transformative change)というものをIPBESのレポートでは説明しているところでございます。

 続きまして、先ほどご説明したポスト2020目標の検討の状況について簡単にご報告させていただきますが、これは、2週間前、8月の最終週にナイロビで開催されたオープンエンドワーキンググループ第1回の結果でございます。このオープンエンドワーキンググループの第1回で決められたことというのは、大まかなCOP15に至る検討スケジュールというものが議論されて、大体整理をされました。この後もこの検討スケジュールは見直されますが、OEWG1で大体整理されました。

 その会議の今後の検討プロセスでありますが、まず、公式会合というもので、このオープンエンドワーキンググループというものを中心にして、来年7月ぐらいまで、適宜この議論が進められるということ。それから、これは全体的な議論をする場でございます。

 その次のページでございますが、公式会合の今度は専門分野というもので、特に専門分野で議論を深めるために、例えば、生態系の再生とか海洋とか、保護区とか、そういったものについて世界各地で専門的な議論を深めると、専門家によって議論を深めていくという会合が開催されるというような状況でございます。

 もう一つ、3番目のカテゴリーとして、パートナーによる会合というものがございます。

 例えば、これは、つい先週、熊本でランドスケープアプローチにかかる国連大学のワークショップが開催されました。これについては後ほど少し詳しくご説明しますが、それ以外にも、地方自治体、それからシナジーというもの、それから、IUCNがやるもの、そういったようなものがそれぞれパートナー機関が国連機関等によって、議論を進められるといったような3種類の会合がそれぞれ組み合わさって、議論を進展していくというようなことになっております。

 今ほど、ご説明した先週熊本で開催されたSATOYAMAイニシアティブ関連の専門家会合、専門家ワークショップでございますけども、これは、熊本で開催されましたSATOYAMAイニシアティブの第8回の総会、これは武内部会長が議長を務められた会議と合わせて開催されているものでございまして、国連大学と環境省、熊本県、生物多様性条約事務局等が共催となって開催しています。この目的でございますけども、SATOYAMAイニシアティブ、これまで10年の経験を踏まえて、そういった経験を踏まえたポスト2020目標について、いろいろと知見を提供したいという議論でございます。140名、36カ国2地域から集まりまして、議論を深めました。この議論の結果は、OEWGの2回目の会議にインプットされます。それ以外にも、SBSTTAとか、補助機関会合のサイドイベント等に報告されることになっています。

 それから、次に、このOEWGの1、2週間前のナイロビで開催された会議で決まった、大きな柱の二つ目でございますが、これが、ポスト目標の構造についての議論が大体整理されたというものでございます。この資料のうち、左側にございますのが、戦略計画20112020という現行の生物多様性の世界目標でございます。この愛知目標は、この戦略計画2011-2020のこの戦略目標及び愛知目標という、この一部になってございまして、この全体の構造は、例えば、自然との共生という2050年のビジョン、それから生物多様性の損失を止めるための構造を直ちに起こすという戦略計画のミッション、というような全体の構造がございます。愛知目標は、この一部なわけでございますけども、では、次の目標の構造はどうしようかという議論が行われました。

 特徴的なことは、やはり愛知目標が達成できなかったということを前提に立って、じゃあ、どこがいけなかったのかというところが、議論の中心でございまして、その実施の部分が弱かったというところが、かなり議論の大勢を占めております。その実施の部分でどこを補強するべきかということで、今回、今の現行計画に加えて、この例えば、透明性のある実施、モニタリング及び報告メカニズム、この辺りの中身が現行の契約よりもかなり膨らんだ議論がなされて、今度、次の目標の構造の中にも、この辺りの中身というものが充実してくるだろうということ。

 もう一つは、このApex goalというものでございます。パリ協定が合意されて、そのパリ協定から多くを学ぼう、というところも今回の議論の中で大きくあったわけでございますけども、例えば、1.5とか2.0とか、そういった目標、そのわかりやすく数値的に示せるようなものというのが、生物多様性の中で示さないかという議論もございました。そういったような構造をまず整理した上で、この中身、それぞれ構造の中身を構造の中身に従って、今後専門家会を、それからOEWG、それからパートナーの会合で、この中身をどんどん埋めていく作業というものが進められていくというような状況で、今、検討が進められているところでございます。

 参考として、IPBESについて資料をつけておりますけれども、これは、時間の関係もございますので、説明は省かせていただきます。

 説明は以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。

○武内部会長 はい、どうもありがとうございました。

 それでは、今、四つのご報告をいただいたわけですけれども、どのご報告に対してでも結構ですので、ご質問、ご意見のある方は、名札を立てていただきたいと思います。それじゃあ、石井委員どうぞ。

○石井委員 資料の2-1なんですけど、国立公園満喫プロジェクトですね。これのシートの7の真ん中の辺りに書いてある夜のコンテンツの充実を見て、心配になったので発言させていただいていますけど、私が材料にしている昆虫は、例えば、ホタルが本当にほのかな光でコミュニケーションをしたり、夜行性の動物ってかなり光の影響を受けるということがあるんですね。というので、光の強さとか、光の質とか、例えば、昆虫の場合は、オレンジ色とか赤色が見えないとかというのがありまして、逆に紫外線に近いやつだと集まってきてしまう。集まってきたものは、すぐにコウモリに食べられたりするということもありまして、やり過ぎないでくださいとちょっとお願いをしておきたいと思います。

○武内部会長 それでは、小泉透委員お願いします。

○小泉委員 ありがとうございます。今と同じところです。国立公園満喫プロジェクトの④、コンテンツの磨き上げのところですが、野生動物観光の促進というふうにありまして、これはぜひ促進していただきたいと思います。ここに書いてあるように、センターの公開というだけではなくて、アクティビティの、魅力的なコンテンツというふうにして進めていっていただきたいと思います。先ほどありました夜のコンテンツということでも、野生動物、大型の哺乳類は、大変魅力的な資源になるというふうに思います。シカや、イノシシは、今、大変数が多くて、人間の生産活動とのあつれきですとか、それからジビエと呼ばれる消費的資源としての利用ということが考えられているわけですけれども、環境保全基本方針にもあるように、今後、急速に中山間地域での人口減少、過疎化が進むという中で、野生動物をどういうふうに受け入れていったらいいかということが、これから大きな問題になっていくと思います。それを考える上で、このような非消費的な資源として利活用するというような、野生動物利用の仕方があるのではないかというふうに思います。

 ぜひ、この点については、国立公園だけではなくて、野生動物保護管理の中で取り上げていっていただきたいと思います。これは、意見ですので、質問ではありませんので、お答えいただかなくて結構です。

 以上です。

○武内部会長 ありがとうございます。

 尾崎委員。

○尾崎委員 ワシントン条約のことで、お伺いしたいんですが、新聞等の報道によると、今回随分象牙のことで日本が悪者になってしまっている感じがします。そのこととは、直接は関係ないとは思いますが、日本から外国に亀の密輸出も報道されていますね。もしかすると象牙のことで日本がワシントン条約に後ろ向きに見られるようなことがあって、国外から日本がややもすると甘く見られてしまっているという懸念はないでしょうか。

○武内部会長 はい、ありがとうございました。

 広田委員お願いします。

○広田委員 満喫プロジェクトの体制強化15ページに関して、意見というか要望です。この管理事務所の体制強化で今後の取組の方向性、こういうのは、どんどんやっていただきたいと思うんですけども、もう一つ、その管理事務所以外の部分で、具体的に言いますと、これまで国立公園の登山道だとか、遊歩道とかの管理は、管理事務所の職員さんだけでは当然足りずに、地元の山岳会であるとか、営林署とか、さまざまな方々と共同で現場管理をされてきたわけです。そのマンパワーが現在、物すごく弱体化してしまって、登山道や遊歩道などの現場管理が非常に難しくなっている実態がございます。そこの部分を何とかするという手だてをしないと、満喫プロジェクト自身はいいことだと思っているんですけども、それぞれの国立公園の基礎体力に当たる部分を強化してほしいと感じています。

 これまでは地元の山岳会等が頑張ってきていたわけですけれども、もうそういう時代ではなくて、こういうことに関わりたいという方々が少なからずいるわけですから、そこに期待すべきかと思います。そしてその部分のマネジメントする人、NPO等のそういった人たちの体制強化ににも力を入れていただければというふうに思います。

 以上です。

○武内部会長 はい、ありがとうございました。白山委員お願いします。

○白山委員 ありがとうございます。

 まず、国立公園の満喫プロジェクトについて、間もなく世界遺産に奄美とか、やんばるとか多分指定されるんだろうと思いますが、そういう非常にポジティブな、いいニュースとうまく連携していくことが必要なんではないかというふうに思っておりまして、ぜひ、その世界遺産登録の暁には、それに関連した、何か国立公園満喫プロジェクトのスペシャルバージョンみたいなものができないかと思うのですが、ご検討、多分されているんじゃないかと期待していますが、いかがでしょうかという質問。

 それから、ワシントン条約でトカゲモドキがⅡ類になって、日本産の種もいるというご説明だったんですが、これと国内希少動植物の指定との関係は、どのようになっているのかを伺わせていただきたいというのが、二つ目の質問。

 それから、最後の質問は、ポスト2020年目標に対して、こういう状態だというのは、ご説明いただいたんですが、日本として、ここはぜひ進めたいとか、そういうような何かこう目玉になるのが、SATOYAMAの話が少しあったと思いますけれども、そのほかに何か、幾つか目玉があるのであれば、どんな目玉をお考えなのか。愛知目標のときは、かなりいろいろと、国内で議論をしていただけたと思うんですけども、今後国内でそういう目玉に関する議論は、どんなふうに盛り上げていくご予定か、伺わせていただけるとありがたいです。

○武内部会長  はい、じゃあ、小長谷委員どうぞ。

○小長谷委員 ありがとうございます。ポスト2020の中で、ご紹介いただいたtransformativeの訳について質問です。これは、もうこのように訳語として確定してしまっているのでしょうか。学術の側面でもtransformativeというのは使われており、一種の流行語かと思います。今日お話いただいた文脈の中での一番のポイントは、いいものを目指して意図的に変えていくぞという意味ですので、持っている日本語の中では、改善が一番近いと思いますけれども、そうすると日本における特定の会社から始まって、物すごくスペックの小さい形で世界に流布してしまっていますので、しようがないから、変革の方がよいのではないでしょうか。社会変容という訳では何か世の中が変わっちゃったもの全部変容になっちゃうので、意志を持って変化させるんだぞという意識改革の要素を表現できるようにしたほうがいいんじゃないかなと思います。

○武内部会長 湯本委員、お願いします。

○湯本委員 ワシントン条約のところなんですけども、先ほどのほかの委員とも関係しますけれども、例えば、亀にすると、イシガメとか、そういうものもかなり売られていると聞いたことがあります。それから、トカゲモドキもそうですけども。その辺の今の国内での分布、あるいは個体数の状況とか、あるいは実際に商業取引をされている数とかについて、どれぐらいのデータが蓄積されているんでしょうか。

○武内部会長 ほかにご意見、ご質問。よろしいですか。

 それでは、事務局のほうからお答えをお願いしたいと思います。

○国立公園課長 石井委員から満喫プロジェクトのコンテンツの磨き上げの中の、カムイルミナのご指摘がありました。大体1キロメートルほどの歩道で、夏のシーズン実施ということなんですが、なるべく今年度、初めての実施になりますので、ご意見も踏まえて、野生生物への影響というご意見がありましたので、今年度の結果をしっかり評価をしたいと思います。

 それから、広田委員から、体制強化のお話がありました。おっしゃるとおりマンパワーの不足というのは、重々痛感をしておりまして、当然職員だけではなかなかできない。アクティブレンジャーさんとか、パークボランティア、あとグリーンワーカー事業というのを昔からやっていますけれども、こういったさまざまな人たちのご協力をいただきながら、しっかり管理できる体制というのは、よくよく検討したいと思います。

 ボランティアのマネジメントを実施するようなNPOの体制強化というご提案もぜひ検討させていただきたいと思います。

○野生生物課長 野生生物課でございます。まず、小泉委員から回答は要らないということでしたけれども、野生生物観光についての野生生物課として、野生生物行政の一環として、しっかり取り組んでまいりたいというふうに考えております。

 特に、環境省が直轄で管理運営しているワイルドライフセンターについては、傷病鳥獣をどのように保護しているのか等、ストーリー性を持って観光客の方々にご理解いただけるようにしていこうと考えております。

 次に、尾崎委員からご指摘のありました、日本はワシントン条約対応が甘いというふうに見られているから、日本の個体が外に持ち出されてしまっているのではないかというご指摘、これについては、そういう見られ方もあるんだなということを、いま委員のご指摘を伺って感じたところでございます。

 ただ、象牙の問題につきましては、象に関する保護のアプローチの考え方が、今世界的に対立しておりまして、日本については、アフリカゾウ、実は、もう42万頭以上いるというデータがありまして、附属書に掲載分がもう7割を占めている。そこで、得られた自然死した象から得られた象牙について取引をして、そこから得られる収益を、また象の保護にアフリカで使ってもらえるというのが、望ましいのではないかという考えなんですけれども、そうではない考え方の方々は、そもそも希少な野生動物の部分を取引というものに使うのがおかしいんじゃないかということで、対立しているところでございます。

 また、その日本の希少な野生動植物が外に持ち出されないように、水際対策を行っている経産省とも協議をしておりまして、今、来年度の重点でも予算要求をしているところでございます。

 白山委員からご質問がありました、トカゲモドキ対応でございますけれども、実は、今回、中国とEUが中心となって、このトカゲモドキを附属書に掲載するという提案が出されたんですけれども、日本の個体群を除くということに、彼ら提案しておりまして、特に他意はないと思うんですけれども、ただ、それですと、日本の個体群が狙われる可能性がありますので、今、附属書Ⅲに掲載するべく調整を行っているところでございます。附属書Ⅲというのは、先ほど説明が佐藤のほうからあり、資料2-2の裏にも説明があるんですけれども、附属書Ⅲに掲載すれば規制の度合い、附属書Ⅱと変わらないものになります。

 湯本委員からご質問があった、イシガメ等の状況でございますけれども、先ほど尾崎委員や白山委員の回答とほぼ重なるところがありますが、我が国として、希少な野生動植物種のデータを集めているところで、それが持ち出されないようにという対策も、今、進めているところでございます。

 以上です。

○説明者4 若干補足させていただきますと、白山委員からご質問がありましたトカゲモドキ属については、今回採択附属書Ⅱのほうでは、日本の個体群は除くというふうに書かれており、実際、国内希少野生動物種として、6種亜種が種の保存法で既に規制されております。昨年度についても慶良間トカゲモドキを追加して、フリースペックでも保護はかかっていて、捕獲、譲り渡し、輸出については、既に規制されているという状況です。それから、流通量について、湯本委員からご質問ありましたけども、絶滅危惧種のうちで、国内希少種に指定するに当たっては、インターネット等でどのぐらいの価格で、何件ぐらい取引されているかということは、我々も調査していまして、そういったものも踏まえて指定管理しているというところでございます。

○生物多様性戦略推進室長 次に、ポスト2020目標に関連してご質問をいただきました。

 白山委員からご質問いただいた、この次の目標に対する中身、内容面でどういった検討を進められているかと、どういった検討を進めるのかということでございます。まず、どういった内容で、今、貢献できるかということでございます。

 一つは、やはり、SATOYAMAイニシアティブの、もっとさらに発展的なことで、貢献できないかと。先週、熊本で開催したワークショップというのが、まさにそういった中身になると思います。

 それ以外にも、例えば、軽井沢で開催したG20の環境エネルギー大臣会合で、この中で、Ecosystem based Adaptationについての議題の中では、EBAを今後進めていく中で、これが、このポスト2020目標にも貢献し得るといったようなコミュニティーが採択されています。日本で、やっぱりEBA、エコシステムベースの話ということについても、議論に貢献していきたいというふうに考えています。

 これ以外にも、例えば、もう少し社会経済に目を向けた流通のあり方ですとか、外来種の問題とか、そういったことについても議論を深めて行きたいというふうに考えています。

 議論の場でございますけども、武内先生を初めとする、専門的な学識経験者の方に、いろいろと意見を聞くということを個別にしておりますほか、COP14ですとか、OEWGの報告会というのを、それぞれ開催しておりまして、その中で、必ず、報告会だけじゃなくて、次の目標に関する意見交換の場を設けていると。これ以外にも、またIPBESの地球規模アセスの報告会を、今度大きくやることを今検討しており、それに合わせてポスト目標の検討についても、いろいろな一般の方も交えた議論をしたい。そういったようなことも考えています。

 それから、小長谷委員からご指摘いただきましたtransformative changeの訳語でございます。いろいろと、ご提案ありがとうございました。改善、変革、私どもも実は、変革というのも、候補の一つであったんですけども、いろいろと訳語を考えていく中で、IPBESの国内委員の先生方にもちょっと意見を聞いて、今のところ変容という言葉を、社会変容という言葉をtransformative changeの訳語として当てておりますが、まだ、締約というわけでございませんので、こういったいろんな意見をお聞きしながら、考えていきたいと思っております。

 どうもありがとうございました。

○自然環境計画課長 白山委員から世界遺産の件ありがとうございます。世界遺産ですけれども、来年の奄美沖縄、世界遺産につきまして、来年の7月の登録に向けて、まず、来月現地調査が行われます。ここの尾崎委員、宮本委員等たくさんの先生方のご指導をいただきなら、とにかくまずIUCNによる現地調査を成功させて、来年5月に報告をいただき、7月の登録ということを考えております。そこをまず考えておりますので、委員ご指摘のとおり、世界遺産になった暁には、いろいろなバラ色の夢とか、やりたいことが、もう多々あるのではございまして、それを考える場合には、当然満喫プロジェクトで成功したようなコンテンツをきちんと横展開していきたいと思っておりますけども、何分、まずは、2回目の挑戦、3回目はありませんので、背水の陣で、とにかく登録をされるということ、まず第一に考えて頑張りたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

○司会 1点事務局から補足のご連絡をさせていただきます。本日、ご出席いただいておりました二宮委員から、皆様のお手元に資料1点配付いただいております。二宮委員がお時間の都合でご退席されてしまいましたので、ご紹介だけ差し上げます。ポスト愛知目標に向けた日本経済会の考え方ということで、本年8月15日に経団連、自然保護協議会事務局作成の資料をいただいております。お目通しいただければと思います。

 以上です。

○武内部会長 はい、どうもありがとうございました。以上で、ご議論いただいたことについての議題、全て終了いたしましたので、これで、私の議事進行は終わらせていただきたいと思います。本日はどうもありがとうございました。

 それでは、事務局どうぞ。

○司会 武内部会長ありがとうございました。委員の皆様におかれましても、長時間にわたりご審議をいただきありがとうございました。

 以上をもちまして、第38回自然環境部会は閉会となります。本日は誠にありがとうございました。

午後15時19分 閉会

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