中央環境審議会土壌農薬部会土壌制度専門委員会(第1回)議事録

1.日時

平成26年 3月28日(金)10:00~11:25

2.場所

イイノホールRoomB1+B2

3.出席委員

委員長 浅野 直人
委員 大塚 直 岡田 光正
中杉 修身
臨時委員 浅見 真理 梶原 泰裕
佐藤 泉 白石 寛明
染 英昭 田村 洋子
和気 洋子
専門委員 碓氷 辰男 高橋 晴樹
成澤 智司 原 美由紀
細見 正明

(欠席は、小倉臨時委員)

4.委員以外の出席者

環境省
平岡大臣官房審議官 更田農薬環境管理室長
森下放射性物質汚染対策担当参事官 柳田土壌環境課課長補佐 市川土壌環境課係員 福地土壌環境課係員

5.議題

  1. 1 開会
  2. 2 議題
    1. 1,1-ジクロロエチレンの土壌環境基準の見直しに伴う土壌汚染対策法の制度・運用の対応について
    2. その他
  3. 3 閉会

6.配付資料

7.議事

(更田農薬環境管理室長)

 定刻となりましたので、ただいまから土壌農薬部会土壌制度専門委員会第1回を開催させていただきます。

まず、本日の委員の出欠の状況でございます。委員総数17名のうち16名の委員にご出席いただいていることを、まずご報告申し上げます。

なお、この土壌制度専門委員会は、昨年10月の土壌農薬部会において設置が了承されまして、初めての開催になります。中杉土壌農薬部会長からご指名をいただき、ご所属いただくこととなりました委員、臨時委員、専門委員の皆様について、資料1の名簿の順番にまずご紹介させていただきたいと思います。

まず、委員長でございますけれども、昨年10月の土壌農薬部会で浅野直人委員にご就任いただくことが決定しております。浅野委員でございます。

それから、早稲田大学大学院法務研究科教授の大塚直委員でございます。

放送大学教授の岡田光正委員でございます。

元上智大学地球環境学研究科教授の中杉修身委員でございます。

国立保健医療科学院生活環境研究部上席主任研究員の浅見真理臨時委員でございます。

それから、本日はご欠席でございますけれども、日本鉄鋼連盟の小倉滋臨時委員でございます

日本経済団体連合会環境安全委員会環境リスク対策部会長の梶原泰裕臨時委員でございます。

佐藤泉法律事務所の佐藤泉臨時委員でございます。

国立環境研究所環境リスク研究センターフェローの白石寛明臨時委員でございます。

大日本農会会長の染英昭臨時委員でございます。

全国地域婦人団体連絡協議会の田村洋子臨時委員でございます。

慶応技術大学名誉教授の和気洋子臨時委員でございます。

不動産協会環境委員会委員長の碓氷辰男専門委員でございます。

全国中小企業団体中央会専務理事の高橋晴樹専門委員でございます。

東京都環境局環境改善部土壌地下水汚染対策担当課長の成澤智司専門委員でございます。

川崎市環境局環境対策部環境対策課担当課長の原美由紀専門委員でございます。

東京農工大学大学院工学研究院応用化学部門教授の細見正明専門委員でございます。

続きまして、事務局を紹介させていただきます。

まず、大臣官房の平岡審議官でございます。

それから、放射性物質汚染対策担当参事官の森下参事官でございます。

私、農薬環境管理室の更田と申します。

それから、土壌環境課の柳田補佐でございます。

同じく土壌環境課の市川でございます。

同じく土壌環境課の福地でございます。

では、議事に先立ちまして、大臣官房審議官の平岡より一言ご挨拶申し上げます。

(平岡大臣官房審議官)

おはようございます。本日は、土壌制度専門委員会の第1回ということで、大変ご多忙のところお集まりいただきまして、まずはお礼を申し上げたいと思います。

委員の皆様方におかれましては、この委員会の委員をお引き受けいただいておりまして、また、環境行政に日ごろから大変ご指導をいただいておりまして、改めて感謝を申し上げたいと思います。

この土壌汚染対策の関係で、平成24年までは土壌制度小委員会というものが設置されておったわけでございますが、法改正等も行いまして、一旦、一段落したということもございまして、平成24年12月に廃止されていたところでございます。

昨年10月にこの土壌汚染に関しまして、中央環境審議会のほうに幾つかの物質を対象とする環境基準及び土壌汚染対策法に基づく特定有害物質の見直し等についてということで諮問をさせていただいたところでございまして、それをご審議いただくということで、土壌農薬部会のほうに土壌環境基準の小委員会と、この土壌制度専門委員会を設置していただくということになったわけでございまして、そういった検討体制を中環審のほうに整備をしていただいたという経緯でございます。

土壌環境基準につきまして、早速、昨年12月に土壌環境基準の小委員会のほうのご審議をいただきまして、1,1-ジクロロエチレンの環境基準の見直しという作業のほうをさせていただきまして、告示の改正を3月20日に行うことができまして、これを受けまして、本日の土壌制度専門委員会第1回ということでございますが、この1,1-ジクロロエチレンの土壌環境基準の見直しに伴います土壌汚染対策法の制度・運用についての対応に関して、ご審議をいただくというところからのスタートさせていただくような形で準備を事務局のほうでさせていただいております。

本日、第1回ということでございますが、忌憚のないご審議をお願いしたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。

(柳田土壌環境課課長補佐)

 それでは、まず、議事に入ります前に、本日の配付資料についてご確認をいただきたいと思います。

 まず、議事次第がございまして、資料1が委員名簿でございます。資料2が、土壌の汚染に係る環境基準及び土壌汚染対策法に基づく特定有害物質の見直し等についての諮問でございます。資料3が、土壌汚染対策法に基づく特定有害物質の見直しその他法の運用に関し必要な事項についての1次報告案でございます、

そのほか参考資料1といたしまして、中央環境審議会土壌農薬部会の専門委員会の設置について、参考資料2が、同じく運営方針について、参考資料3が、今月に出されました土壌の汚染に係る環境基準の見直しについての1次答申でございます。参考資料4が、1,1-ジクロロエチレンに係る土壌汚染対策法に基づく調査結果等についてでございます。参考資料5-1から5-5までが、法律の概要、法律、施行令、施行規則、環境基準ということになっております、

もし足りないというようなことがございましたら、事務局までお申しつけいただければと思います。

それでは、これより浅野委員長に議事進行をお願いいたします。

(浅野委員長)

 それでは、おはようございます。お忙しいところをお集まりいただきましてありがとうございます。

 まず、議事に先立ちまして、本日の会議、それから資料の公開と議事録の取り扱いについてご説明を申し上げます。

 参考資料2に、関連する取り決めが記されておりますので、それをご覧いただければおわかりいただけると思いますが、この専門委員会にも準用さえる土壌農薬部会の運営方針によりますと、公開することによって公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがある場合や、公開することにより特定の者に不当な利益もしくは不利益をもたらすおそれがある場合などは、委員長の判断に基づいて、会議及び資料を非公開とするということになっています。

 本日は、いずれもこれに該当いたしませんので、会議を公開し、資料も公開ということにさせていただきます。

 また、本日の議事録につきましては、事務局でつくりまして、ご発言委員にご確認をいただいた上で、後日、公開をさせていただくということになっております。

 よろしゅうございましょうか。

(異議なし)

(浅野委員長)

 それでは、ご異議ないようでございますので、このような部会の方針に従って、本日の専門委員会を行いたいと思います。

それでは、早速、議事に入りたいと思います。

先ほど平岡審議官からご説明があったとおりでございますが、議題1、1,1-ジクロロエチレンの土壌環境基準の見直しに伴う土壌汚染対策法の制度・運用の対応について、これについてご議論をいただきたいと思います。

それでは、まず諮問の説明をいただき、あわせて土壌環境基準の見直しについて説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

(柳田土壌環境課課長補佐)

 それでは、資料2と参考資料3をご説明させていただきたいと思います。

まず資料2でございますが、土壌の汚染に係る環境基準及び土壌汚染対策法に基づく特定有害物質の見直し等について、の諮問でございます。

この諮問は、昨年10月7日に環境大臣より中央環境審議会の会長に対してなされたものでございまして、諮問内容につきましては、土壌の汚染に係る環境基準についての見直し、それと土壌汚染対策法第2条1項の政令で定める特定有害物質及び土壌汚染対策法第6条第1項第1号の環境省令で定める土壌の特定有害物質による汚染状態に係る基準の見直し、その他土壌汚染対策法の運用に関し必要な事項ということでございます。

 諮問理由といたしましては、環境基本法第16条第1項の規定に基づく土壌の汚染に係る環境基準――「土壌環境基準」でございますけれども、これにつきましては、現在、27項目について設定されております。土壌環境基準は、既往の知見や関連する諸基準等に即して設定されているが、水質汚濁に係る基準や地下水の水質汚濁に係る環境基準等に関しては、平成21年度から23年度にかけて人の健康の保護に関する環境基準の項目の追加、基準値の改正が行われている。このような状況等を踏まえ、別記の物質に関し、土壌環境基準並びに土壌汚染対策法に基づく特定有害物質及び土壌の特定有害物質による汚染状態に係る基準の見直し等について、審議会の意見を求めるというものでございます。

 物質につきましては、資料2の裏面に別記といたしまして6物質が載っております。この6物質が、水質の基準や地下水の基準に新たに追加されたり改正されたりしております。また、トリクロロエチレンにつきましては、水道の水質基準が平成23年に強化されておりまして、これもあわせて審議の対象ということになっております。

 審議会の諮問については、会長から土壌農薬部会に対して付議がなされているということでございます。

 諮問内容は二つございまして、この専門委員会では二つある下のほうの、土壌汚染対策法に関する基準の見直しや、そのほか土壌汚染対策法の運用に関する事項というものを審議いただきますが、上のほうの、土壌の汚染に係る環境基準についての見直しにつきましては、別のもう一つの環境基準の小委員会におきまして、既に1,1-ジクロロエチレンについて審議がなされたところでございます。

参考資料3に基づいて、その答申を簡単にご説明させていただきたいと思います。参考資料3の3ページ目をご覧になっていただければと思います。1,1-ジクロロエチレンについてということでございまして、まず、1番目のこれまでの経緯といたしまして、1,1-ジクロロエチレンは、平成5年に水道水質基準が設定され、水質環境基準が水道水質基準の検討に際し採用された考え方及び数値を基本として0.02mg/Lに設定されたということを踏まえまして、平成6年に「検液1Lにつき0.02mg以下であること」とする土壌環境基準を設定したところでございます。

その後、見直しでございますけれども、平成15年、厚生労働省が1,1-ジクロロエチレンのTDI(耐容一日摂取量)を46μg/kg体重/日と設定する旨の評価結果というものを平成19年に追加いたしまして、厚生科学審議会生活環境水道部会ではこの結果を踏まえ、1,1-ジクロロエチレンの評価値を0.1㎎/Lとするということが適切とされて、この場合、超過事案が近年報告されていないことから、水道水基準を廃止し、水道水質管理目標設定項目に変更するということが適当とされました。

この根拠につきましては、ラットを用いた2年間の飲水投与試験による肝臓への影響というようなところがエンドポイントといたしまして、ただ、NOAELが得られていないということから、NOAELに近い値として導き出されているBMDLを用いるということが最も適切というようなことが考えられて、このBMDL10を4.6mg/kg体重/日とし、不確実係数100を適応して、TDIを46μg/kg体重/日とするというふうにしております。

これを用いまして、厚生労働省は平成21年4月1日に1,1-ジクロロエチレンの水道水基準を廃止いたしまして、水道水質管理目標設定項目を、水の寄与率10%、体重50kg、飲用水量2L/dayといたしまして目標値を0.1mg/Lと改定する省令を設定いたしました。

このことを踏まえまして、中央環境審議会の答申におきましても、同じように、1,1-ジクロロエチレンの水質環境基準及び地下水環境基準は旧基準値0.02mg/Lから現行の基準値0.1㎎/Lへ見直すということが適当とされ、平成21年11月30日に基準値が改正されたというところでございます。

これを踏まえまして、土壌環境基準の見直しでございますけれども、基本的な考え方といたしまして、1,1-ジクロロエチレンの土壌環境基準のうちの溶出基準でございますが、平成21年11月30日環境省告示による水質環境基準及び地下水環境基準が見直されたこと、また、既に測定方法があることを踏まえ、水質環境基準及び地下水環境基準に準拠し、基準値(環境上の条件)を下記の表のとおりとすることが適当であるということで、現行の環境基準上の条件である検液1Lにつき0.02mg以下であることから、新たな環境上の条件として、検液1Lにつき0.1㎎以下であることに見直すということが適当とされるということで、答申をいただいたところでございます。

これを踏まえまして、平成26年3月20日に環境省の告示を改正いたしまして、1,1-ジクロロエチレンに係る土壌環境基準を0.1㎎/Lに見直したところでございます。

以上でございます。

(浅野委員長)

 それでは、ただいま環境基準の見直し等についてのご説明をいただきましたが、何かただいままでのご説明について、ご質問なりご意見なりがございますでしょうか。いかがでございますか。何でも構いませんが。

 それでは、はい、どうぞ。

(染臨時委員)

 4ページで、この基本的考え方ということで水質環境基準と地下水の環境基準が見直されたこと、それと、測定方法があることと、これは、今回の土壌環境基準の見直しに当たっての、ある意味では背景であり、それと、この測定方法というのが、ものの考え方につながるのかなというような感じもするんですけど、これ、何で、土壌環境基準がイコール水質環境基準なり地下水の基準になるのかという考え方は、このペーパーの2ページの土壌環境基準設定の基本的考え方の中段ぐらいに、土壌の10倍量の水でこれらの項目に係る物質を溶出させ、その溶液中の濃度が、水質環境基準の値以下とすると、この考え方にのっとっているわけですよね。

だから、土壌環境のほうの委員会でおやりになったことなんですが、それで、私は、ストーリーとしては十分にこの冒頭に考え方があるんでよくわかるんです。よくわかるんですが、ただ、見直しの基本的な考え方で、何か外形的な基準が見直されたとか、測定法があるとか、そういうことを書かれても、基本的な考え方になっているのかなというような感じを受けるんですけどね。

 要は、普通の人間は、それを読んだって、何でイコールにするのかなというのがわからない。2ページを読んで初めて、この基本的な考え方で、要は、水の環境基準以下にするんだという発想のもとに、こういう考え方に立っているんだというふうなことなんだというのがわかる文章だなというふうに感じます。

(浅野委員長)

 はい。ご意見、感想ということでよろしゅうございますか。特に何か回答が必要でしょうか。

中杉委員。

(中杉委員)

 土壌環境基準の小委員会、私が委員長をさせていただいていますけれども、基本的には、土壌の10倍量の水にというのは、ちょうど10倍の水がいいのかどうかわかりませんけど、溶け出した水が、地下水の場合にはそのまま飲む可能性があるということで、通常の排水の場合は公共用水域ですと、10倍希釈されるだろうという考え方のもとに水質環境基準の10倍の値に環境基準をつくっているんですけれども、土壌の場合には、こういう溶出試験をやって、そのままその数字を基準としようというふうなことで整理をしています。

 そういうことで、基本的な考え方、2ページのところに書いてあるんですが、4ページのところには、それがわからないんじゃないかと、ご指摘として受け止めていきたいと思いますが、これ自体は、もう一応、報告書として整理をされていますので、お認めいただければと思います。

(染臨時委員)

 失礼しました。

(浅野委員長)

 梶原委員、どうぞ。

(梶原臨時委員)

 水質環境基準及び地下水の環境基準が見直されて、それを土壌の環境基準に反映し、これから議論・照会される土対法の対策の運用に移行するわけですけれども、平成21年にそういう水質関係の基準が見直されて、5年たって、こういう土壌に反映されるという、このスピード感なんですが、やっぱり産業界にとっては、このタイムラグの間にやっぱりいろいろ土対法に対応する対応というか、踏襲しながら対応をとっていくということもあり、このタイムラグというかスピード感というのが適正であるかどうかという、ちょっと非常に不透明な質問で申し訳ないんですけれども、その点についてちょっとお考え方を教えていただきたいなと思います。

(浅野委員長)

 はい。このご質問につきましてはどなたがお答えいただけますか。室長それとも補佐でしょうか。何ぜ遅れたのかと、端的に言えばそういうことです。

(更田農薬環境管理室長)

 申し訳ございません。本来であれば、速やかに見直すべきところであったと思っております。その後、東日本大震災がございまして、放射性物質対策が環境省にとって重要な任務として対応しなければならなくなりまして、本来、体制を速やかに整備しなければいけなかったのですが、そこにタイムラグがあいてしまったことにつきましては、そのような状況があったということでご理解いただければと考えております。

(浅野委員長)

 よろしゅうございますか。つまり、人手不足で、もうとにかく除染等に人手をとられて、全く土壌の環境のチームが機能しなかった、ごめんなさいと、こういうことでございます。

(梶原臨時委員)

 わかりました。

(浅野委員長)

 よろしゅうございますか。

(中杉委員)

 土壌農薬部会長として、そこら辺は、事務局には早くしなければいけないということは申し上げていたんですが、あのような事情でどうしても無理だろうということでやむを得ず、こういうことになりました。私にも一端の責任はあるんですけど、森下参事官が本来ですと、土壌環境課長という立場で専任できれば、即時に対応できたと思いますけれども、あちらに本来の仕事をとられてしまっているということ、ほかの事故にとられてしまっているのでこんなことになってしまったと。この後続くのもほとんどがそうなんですが、トリクロロエチレンについては、今、水のほうで議論しているのに、すぐ対応できるような形で進められるのかというふうに思っていますけれど。

(浅野委員長)

 ということでございます。

(梶原臨時委員)

 よくわかりました。理解いたしました。

(浅野委員長)

 浅見委員、どうぞ。

(浅見臨時委員)

 すみません。補足になるんですけれども、これのもとになりましたWHOでの毒性の評価ですとか、あと食品安全委員会のほうの評価で、評価方法が変わったということで、水道のほうでは、そういう答申がありますと、比較的ほかの土壌等に比べますと、活性炭の注入量の変更ですとか、そういう点である程度対応が速やかにとれるということで、今、速やかに見直すというような方針になってはおります。ただ、正直申し上げて、それがいろんな環境のところにはねていくときに、その評価でいいのかというのは、検出状況ですとか、土壌の改善などにかかる費用ですとか、影響が非常に大きいので、ちょっと様子を見ながら変更していくということも場合によってはあり得るのかなというふうに思っております。

 その毒性の評価で、上がったものが一度下がってしまったりとか、下がったものがまた上がることもないとはいえません。今回の水質基準の改正に関しましては、水道のほうでは検出状況を見てあまり検出されていないものは外していくという方針がありますので、外れましたが、そういうこともありますので、今後のときに必ずしもすぐに変えたから、必ずいいというわけでもないかもしれないので、その辺はちょっとご了解をいただいたほうがいいのかなという感じもいたしております。

(浅野委員長)

 ありがとうございます。少しかばっていただきました。

 それでは、いいですか。先に行きたいのですが。これは入り口でございます。

 では、資料3に、本来、今日、皆さんにご議論いただいてお決めいただきたい1,1-ジクロロエチレンについての報告の案が用意されております。これについて事務局から説明をいただきます。説明時間は概ね20分と聞いております。

(柳田土壌環境課課長補佐)

 すみません。ちょっと長引くかもしれませんが、なるべくそれぐらいで説明させていただきたいと思います。

 資料3の土壌汚染対策法に基づく特定有害物質の見直しその他法の運用に関し必要な事項について(第1次報告)(案)の1,1-ジクロロエチレンについてでございます。

 まず「はじめに」というところでございます。ここでは土壌汚染対策法の概要について説明をしております。資料につきましては、参考資料5のほうに概要などが載っておりますので、簡単にさせていただきますけれども、土壌汚染の特定有害物質による汚染の状況の把握に関する措置、その汚染による人の健康被害を防止するということを目的に平成14年に土壌汚染対策法が制定されたところでございます。

 まず、法の大きな流れといたしましては、まず汚染のおそれがある土地について、いろいろ要件がございますが、そういった場合に調査を行うということになります。その調査の結果、その汚染状態に関する基準というものがございまして、これは、1,1-ジクロロエチレンについても基準が定められているところでございますけれども、そういった基準に適合しないということになりました場合には、健康被害が生じるおそれがあるかどうかということで健康被害のおそれがあるという場合には、要措置区域という形として指定されまして、また、汚染状態の基準には適合しないけれども、健康被害のおそれが直ちには生じないというような場合には、形質変更時要届出区域に指定されるということになります。

 そういったときに対して、いろいろ、要措置区域については指示を出して、指示措置ということで速やかに対応をとらなければならないというようなことになっております。また、こういった地域の土壌を運び出したりするときには、事前届出が必要になったり、あとは処理業者に対しては許可制をとっております。そういったような形で土壌汚染対策法が施行されているところでございます。

 次の汚染状態に関する基準ということでございますが、法に基づく特定有害物質につきましては、土壌に含まれることに起因して人の健康に係る被害を生ずるおそれがあるものといたしまして土壌汚染対策法施行令で25物質が指定されているところでございます。

 3番目の検討の背景でございますが、これは、先ほど、諮問等で説明させていただきましたので省略させていただきます。

 次に3ページ目でございます。Ⅱの1,1-ジクロロエチレンによる土壌汚染に対する対策の実施状況でございます。これまでの指定基準等の設定の考え方でございますけれども、特定有害物質に係る指定基準につきましては、要措置区域に係る基準として、汚染状態に関する基準と、健康被害が生ずるおそれに関する基準というものが設定されております。その結果、まず、汚染状態に関する基準でございますが、1,1-ジクロロエチレンに関して言いますと、土壌溶出量基準につきましては、「土壌の汚染に係る環境基準について」の付表に掲げる方法により作成した検液ごとに平成15年3月環境省告示第18号別表に掲げる方法により測定して、検液1Lにつき0.02mg以下であるということとされております。つまり、これを超えていると汚染されているという扱いになるということでございます。

また、健康被害が生ずるおそれに関ずる基準でございますけれども、これは、大きく二つございまして、まず、①として人の暴露の可能性があるということで、例えば地下水を経由したリスクの観点、周囲で地下水を飲用しているとかというようなことが考えられます。

また、汚染の除去等の措置が講じられている土地でないことということでございまして、既に、要措置区域であってもしっかり対策を行っていれば、そこはもう要措置区域ではなくなるということで、形質変更時要届出区域になるといったことでございます。

4ページ目が、土壌汚染対策法に基づく施行状況及び土壌汚染調査に関する調査結果と区域指定の状況についてでございます。現状での説明でございますけれども、まず、土壌汚染対策法の施行状況及び土壌汚染調査に係る調査結果でございますけれども、最新、平成24年度につきましては、調査が1,905件行われまして、そのうち基準不適合の数が906、うち1,1-ジクロロエチレンの基準、この基準値は0.02mg/Lでございますが、それが不適合であったものが29件ということでございました。

また、土壌汚染対策法に基づく区域指定の状況についてでございますが、平成26年3月3日現在、土壌汚染対策法に基づき1,1-ジクロロエチレンにより要措置区域、または形質変更時要届出区域に指定されている区域は計64件であり、このうち、1,1-ジクロロエチレンの溶出量が0.02~0.1㎎/Lの範囲にあるものは16件でございます。これら16件のうち、1,1-ジクロロエチレン単独の基準不適合の単位区画が含まれることにより区域指定されている区域は3区域でございます。

続きましては、5ページ目は土壌環境基準見直しの経緯ですので、これは省略させていただきます。

 次は、6ページ目の1,1-ジクロロエチレンの土壌環境基準の見直しに伴う法の汚染状態に関する基準の見直しでございます。まず、1,1-ジクロロエチレンにつきましては、土壌溶出量基準というものが定められておりまして、土壌環境基準の見直しに伴い、その汚染状態に関する基準について検討を行いました。そのほか、それに合わせて見直しが必要となると考えられている項目について検討を行いました。このほか地下水基準と、これは講ずべき指示措置の種類を選定する際の判断や、土壌汚染の除去等の措置が完了したということを確認するための基準。もう一つが第二溶出量基準でございまして、汚染の除去等の措置を選択する際に土壌溶出量の程度を表す指標として使用する基準でございます。

また、1,1-ジクロロエチレンの場合、土壌汚染状況調査において土壌ガス調査が実施されます。その際、土壌ガス中に1,1-ジクロロエチレンが検出されたと判断され、土壌溶出量調査が求められる等の判断基準となる値の見直しの要否についても検討いたしました。

3番目といたしまして、汚染状態に関する基準の見直しに伴う法制度の運用に関する検討事項でございますけれども、この①~④に書かれている事項について検討を行うとともに、また、現行の基準から新基準へ移行した時点で調査義務が発生した土地において、実施中の調査についての経過措置的な取り扱いについても検討したところでございます。

(浅野委員長)

ここまでが、入り口ですね。これからが長いはずです。

(柳田土壌環境課課長補佐)

長くて申し訳ございません。7ページ目からが、検討結果になります。まず、土壌溶出量基準でございますけれども、土壌溶出量基準は平成14年1月の中央環境審議会の答申におきまして、地下水かん養機能を保全する観点から設定された土壌環境基準を用いることとするとされておりまして、これまでの考え方と同様に土壌溶出量基準は、新たな土壌環境基準と同じ値である「0.1mg/L以下であること」に変更するということにしております。

地下水基準につきましても、溶出量基準と同じ値となっており、これまでの考え方と同様に、「0.1mg/L以下であること」ということに変更するということでございます。

また、第二溶出量基準につきましては、現在、土壌溶出量基準の3倍~30倍に相当する値が定められておりますが、1,1-ジクロロエチレンのような第一種特定有害物質につきましては、土壌溶出量基準の10倍になっております。また、廃掃法に基づく「金属等を含む産業廃棄物に係る判定基準」におきましても、1,1-ジクロロエチレンの判定基準、これが0.2mg/Lから1mg/L以下に変更になっておりまして、こういったことも踏まえまして、第二溶出量基準は「1mg/L以下であること」に変更するということにしてはどうかと考えております。

それらをまとめたものが下の表でございます。

また、土壌ガス調査における定量下限値でございます。これにつきましては、土壌ガス調査において土壌ガス濃度が検出されたことをもって土壌汚染のおそれのある範囲ということになっておりまして、その土壌ガスの濃度が周辺の地点よりも大きい、不適合土壌が存在するおそれが最も多いと認められる地点で行う土壌溶出量調査で、もし土壌溶出量基準に不適合な土壌があれば、その検出された範囲が要措置区域等の範囲になるということでございます。この判断基準による土壌ガス調査における定量下限値は、現行の0.1volppmを引き続き用いることが妥当であるというふうに考えております。

次が、1,1-ジクロロエチレンに関する土壌汚染対策法の特定有害物質による汚染状態に係る基準の見直し等に伴う制度・運用の課題対応についてでございます。

1番目が、基準見直し時に要措置区域等の指定を受けている土地の扱いということでございます。課題といたしまして、要措置区域等に指定された土地の区域について、都道府県知事は、汚染の除去等の措置により、要措置区域の全部または一部について要措置区域に指定する事由がなくなったと認める場合には、要措置区域の全部または一部について要措置区域の指定を解除するというふうにされております。形質変更時要届出区域についても同様でございます。

ただ、今回、指定基準を見直すということが、措置には該当しないということになりますので、その要措置区域の指定の扱いをどうすべきかということが課題として挙げております。

対応方針ですが、指定基準の見直しは「措置」に該当しないので、法第6条第4項や法第11条第2項の規定に基づく指定の解除というのはできないので、そもそもの区域の指定という行政処分について、「撤回」を行う対応が適当であると考えております。

また、区域の指定の撤回は、新基準の施行に伴い都道府県知事が適当であるので、都道府県知事は、区域の指定を撤回する旨の公示も行うということで、このとき、区域の指定を撤回する範囲が要措置区域等の一部である場合には、区域の指定の撤回による台帳の記載や図面の変更もあわせて行うということになります。

 ただ、要措置区域等の一部について区域の指定を撤回するに際し、当該要措置区域等の指定後の期間に区域内で汚染土壌の移動による新たな土壌汚染のおそれがある場合には、区域内の汚染土壌の移動の履歴を確認した上で撤回するかどうかということを判断することが適切であるというふうに考えます。

ただ、要措置区域等の全部について区域の指定を撤回する際には、要措置区域等の指定後に区域内で汚染土壌の移動があったとしても新たな土壌汚染のおそれは生じないことから、指定を撤回することが適切であると。また、汚染土壌の移動については、区域内での土地の形質の変更の届出の内容や土地の所有者等への確認により、都道府県知事が判断するということが適当であるということになります。

これらの考え方につきましては、今後、出てくるところでも基本的な考え方は同じであるというふうに考えております。

続きまして、10ページ目です。複数の特定有害物質により要措置区域等の指定を受けている土地の扱いということで、そのような場合、1,1-ジクロロエチレン、1物質を区域指定の対象から撤回する手続をどのように行うべきか、また、台帳の記載事項の変更手続をどのように行うべきかという課題がございます。

対応方針でございますけれども、まず、1,1-ジクロロエチレンとその他の特定有害物質により区域の指定を受けている土地については、指定に係る特定有害物質の種類から1,1-ジクロロエチレンが撤回されるということになります。要措置区域等の指定というのは、指定に係る特定物質を明確にして行っておりますが、1,1-ジクロロエチレンの基準不適合による区域指定の撤回後も、その他の特定有害物質はそのまま区域指定の対象として残り、要措置区域等の指定も継続するということになりますので、その場合、区域指定の対象物質から1,1-ジクロロエチレン、1物質だけを撤回することができるというふうに考えておりまして、1回わざわざ区域指定を撤回してまた改めて区域指定するということまでは必要ないと考えます。

また、これは、都道府県知事が行うのが適切であり、都道府県知事は、区域の指定の撤回による台帳の記載事項や図面の変更を行うということで、また、1,1-ジクロロエチレンの基準不適合による区域指定を撤回する旨の公示を行うことが望ましい。これは、法的には公示するということにはなっておりませんが、そちらのほうがわかりやすいかなということで望ましいということにしております。

また、基準の見直しによって土地の台帳の記載事項の変更が必要になりますので、内容を承知している都道府県知事がその変更を行うことが適切であると考えております。

11ページ目が、1,1-ジクロロエチレンのみで要措置区域の指定を受けている土地の指示措置の扱いでございます。その指示措置、今度の基準の見直しに伴って、講ずべき指示措置、汚染の除去等の措置を撤回する必要が生じるのではないかという課題があります。

これについての対応方針でございますけれども、まず、指示措置全てが不要となる場合については、汚染の除去等の措置を講じるということはそもそも不要になるので、都道府県知事は指示措置を撤回するということが適切であるというふうに考えております。

ただ、既に遮水工封じ込めということで1回全部、土を除去して遮水工を設置して、そこにまた土壌を戻すという措置を既に実施しているような土地というのは、封じ込められた土壌の全てが新土壌溶出量基準に適合する場合を除き、遮水構造物中に一緒に封じ込められた新土壌溶出量基準に適合となる土壌と不適合となる土壌というものを区別することができないので、それは適切ではないのかというふうに考えます。

また、見直しに伴って指示措置の変更が可能になる場合というのもございます。例えば、指示措置というのは、土壌汚染や土壌汚染に起因した地下水汚染の状況等に応じて定められているところでございますので、基準の見直しによって汚染状態が変わるということで、指示措置を変更するということが可能でございますので、措置に着手されていないような場合には、既に指示した措置を実施可能な別の指示措置の方法に変更することが適切であるというふうに考えております。

12ページは、変更の手続でございますけれども、指示措置は、指示措置を指示する書面に、汚染の除去等の措置を講ずべき土地の場所、指示措置及びその理由、汚染の除去等を講ずべき期限が書かれた書面を交付することにより行われます。その指示措置の内容を変更する場合には、都道府県知事は既に行った指示を撤回し、新基準に見合った指示措置に内容を変更することを示す書面を交付するということになります。

また、1,1-ジクロロエチレンのみで指定を受けている要措置区域の指定の一部撤回により汚染の除去等の措置を講ずべき土地の場所が変更になる場合には、改めて汚染の除去等の措置を講ずべき土地の場所を指示することが適切であるというふうに考えます。

続きまして13ページでございます。複数の有害物質により要措置区域の指定を受けている土地の指示措置の扱いでございます。複数の物質によって1,1-ジクロロエチレンの区域指定が撤回される場合でございます。これについての対応方針でございますけれども、1,1-ジクロロエチレンに対して汚染の除去等の措置を講じるということが不要になるので、1,1-ジクロロエチレンを指示措置の対象から撤回することができるということになります。

続きまして14ページ目でございますが、汚染の除去等の措置が講じられた土地の扱いでございます。既に対策が行われてしまっている土地ではございますけれども、その中でちょっと若干、課題がございまして、例えば、指示措置のうち、原位置封じ込め、これは、そのまま土地の周りを遮水壁で取り囲むというような措置でございますが、これにつきましては、基準不適合土壌のある範囲を囲むというふうにされております。また、遮水工封じ込めにつきましては、基準不適合土壌のある範囲及び深さについて土壌を掘削し、土地に設置される遮水工の内部に埋め戻すというふうにされておりますので、そういった取り扱いを整理するというようなことがございます。

また、原位置封じ込め、遮水工封じ込めや地下水汚染の拡大の防止の措置を行うことによって、土壌の汚染範囲が区域の指定時から変更となっている可能性があるという土地についての扱いを整理する必要、あとは複数の特定有害物質について区域の指定が行われている土地についての整理ということが課題として挙げられております。

今後の対応方針でございますけれども、原位置封じ込めにつきましては、規則別表第6におきまして、基準不適合土壌のある範囲の側面を囲むということにされております。既に実施されている措置というのが、現行の基準によって要措置区域となる土地の外側を遮水壁で囲っております。16ページ目の次のページでいきますと、現行でいきますと、青いのが遮水壁で囲っているということになります。そうすると、黄色の部分というのが0.02~0.1㎎の範囲になりますので、仮に溶出量基準を見直すということになりますと、このピンクのところだけが基準不適合土壌になるということで、基準不適合のある土壌の範囲の側面を囲むということにはならないのではないかということになります。ただ、そういったようなときに、これを撤去して新たにまたつくるというのも非常に手間になりますので、現行の措置を維持するということも可能とすることが適切ではないかということでございます。もちろんこの土地を基準適合の土地にしたいというときには、1回撤去してまた新たに設置するということも可能であるということになります。というのが大きな①の考え方でございます。

②でございますが、原位置封じ込め、遮水工封じ込めや地下水汚染の拡大の防止の措置を行うことによって、例えば、土壌が移動するとか、そういったようなこともあります。そういった区域の指定後に土壌の汚染状態が新土壌溶出量基準に不適合となっている可能性があるという土地につきましては、人の健康被害を防止する観点から区域の指定を維持するということが適切だということに考えております。

また、複数の複数の特定有害物質について区域の指定を受けている土地につきましては、1,1-ジクロロエチレン以外の特定有害物質についても区域の指定が解除されなければ、現状の範囲を維持するということが適切であると考えております。

続きまして4番目、汚染の除去等の措置の完了でございます。課題でございますが、土壌溶出量基準に不適合な土地について、いろいろ措置を講じた場合、幾つかの措置につきましては、地下水汚染が生じていない状態の確認をもって措置を完了するということができますが、それについての考え方を明確にする必要がございます。基本的には、例えばこの条文にあるとおり、地下水汚染が生じていない状態が2年間継続するということを確認するということになっております。

また、掘削除去の場合は、地下水汚染が生じていないときには、地下水汚染が生じていない状態を1回確認するということになっております。

今後の対応方針でございますけれども、掘削後の地下水除去につきましては、1回確認するということで措置を完了できますので、その測定結果が新しい地下水基準に適合する場合には、地下水汚染が生じていない状態を1回確認済みということで汚染の除去等の措置完了とするとなります。

また、18ページ目の2年間継続するということを確認するという措置でございます。省令上、年4回以上の定期的な地下水測定というものを行うということになっておりますが、これが現在行われている土地につきましては、今ですと、現行の基準で2年間継続して満たす必要がございますが、今回見直すことによって、既に新地下水基準に適合した状態が2年間継続していれば、汚染の除去等の措置完了としてはどうかというふうに考えております。

続きまして19ページの汚染土壌の搬出でございますが、要措置区域等内から土壌を搬出中に新基準が施行された場合の取り扱いについての整理する必要があるということが課題となっております。

今後の対応方針でございますけれども、まず、認定を受けていない土壌についてですけれども、今回、新しい土壌溶出量基準に適合する土壌であっても、基本的には、法律上ですけれども、認定を受けた土壌以外の土壌につきましては、汚染土壌として運搬処理されるということが必要になりますので、ですので認定調査を行っていない土壌につきましては、仮に溶出量基準として適合すると評価され得る土壌も汚染土壌として運搬され、汚染土壌処理施設で処理される必要があると考えております。

また、2番目の搬出先の変更ということでございますけれども、新しい基準が施行されるということで、搬出先を変えるということも可能になるケースが生じてきます。そういった場合には、搬出変更届出書を提出することで変更を認めることが適当であるというふうに考えております。

また、その場合、管理票の記載事項の変更ということでございますが、汚染土壌が搬出され、運搬の途中で基準指針が見直された場合、土壌を搬出しようとする者が管理票を再発行して管理票に記載する土壌の汚染状態を新基準を用いた結果に変更するというものを妨げるものではありません。もちろん、ただ先ほど言った、搬出先を変更する場合には、きちんと管理票交付者が変更されるということをしっかり変更した物を出す必要があるというふうには考えております。

また、既に実施した調査結果を用いて都道府県知事の認定を受けることができる土壌でございますけれども、1,1-ジクロロエチレンのみが不適合で、それが溶出量が0.02~0.1以下であったために認定されなかったという場合には、その調査実施以降に新たな土壌汚染のおそれが生じていないということを確認して、新しい基準施工後に、その結果をもとに認定するということができるという特例措置を設けてはどうかというふうに考えております。その認定につきましては、認定を受けようとする者が認定調査の結果を記載した申請書を都道府県知事に提出し、都道府県知事が認定を行うほか、新たな土壌汚染のおそれが生じていないということを確認する際に、土地所有者に当該認定の要否を確認して、認定するような措置を講じるということを検討するとしております。

また、次は、6番目の汚染土壌処理施設でございますけれども、汚染土壌処理施設の廃止や撤回については、地下水を2年間継続して地下水に適合するというような場合がございます、その考え方でございますが、それは、先ほどⅤ.1(4)と同様に新しい地下水基準に適合する状態が2年間継続しているということにしては考えております。

22ページ目でございますが、基準見直し前に調査義務が生じ、または調査命令が発出されていて、今まさに調査中でございますが、その結果を報告する前の土地の取り扱いでございます。

そういった場合の取り扱いでございますけれども、対応方針といたしましては、まず、法第3条、4条の事例でございますけれども、過去に土壌の調査が行われていたということが地歴調査により判明して、その結果が1,1-ジクロロエチレンについて土壌溶出量基準に不適合な場合には、試料採取等対象物質となるという事例もありますけれども、過去に実施された土壌調査の結果が新しい土壌溶出量基準に適合する場合には、1,1-ジクロロエチレンを試料採取等対象物質とする事由がなくなるというような事例があったり、あとは、法第5条でございますけれども、土壌汚染による健康被害が生じるおそれがある土地の調査命令でございますけれども、それが新土壌溶出量基準だとか新地下水基準に適合するということによって対象となるという可能性がございます。

②の1,1-ジクロロエチレンのみが試料採取等対象物質であるという場合には、法第4条だとか5条の土壌汚染状況調査においては、都道府県知事が調査命令を撤回することが適切でありますが、法第3条による土壌汚染状況調査におきましては、廃止された特定施設において1,1-ジクロロエチレンの使用等があった場合を事由として調査義務が生じるため、このため今回の見直しに伴って調査義務が消失するということはないと考えております。

また、1,1-ジクロロエチレンとその他の特定有害物質が試料採取等対象物質である場合の取り扱いでございますけれども、法第3条による土壌汚染状況調査においては、1,1-ジクロロエチレンの使用等がなかった場合には除外するということが適切であること。その場合には、1,1-ジクロロエチレンを撤回する旨を記載した書面を交付するのが適切であると考えますが、法第4条、法第5条の土壌汚染状況調査においては、都道府県知事が試料採取等対象物質から1,1-ジクロロエチレンを撤回する旨を記載した書面を交付するのが適切であると考えております。

また、土壌汚染状況調査中に新基準が施行された土地の調査と報告でございますけれども、途中の段階でなったものの扱いでございます。

土壌汚染状況調査は都道府県知事への調査結果の報告をもって完了するということでございまして、調査中に新しい基準が施行された場合には、その調査結果の報告時の基準を用いるべきであろうというふうに考えております。今回、1,1-ジクロロエチレンに関しては、緩くなるほうの見直しでございますので、これまでの基準を用いていた土壌ガス調査や土壌溶出量調査を実施済みである場合にも、改めてやり直すということはないというふうには考えております。

3番目が調査義務の一時的免除を受けている土地の扱いでございますけれども、これにつきましては、人の健康被害の防止という観点におきまして、最新の基準を用いて行うということが適当かというふうに考えておりますので、今後、基準見直し後に一時的免除が取り消されて義務が発生するという場合には、新しい基準を用いて土壌汚染状況調査を行うべきであるというふうに考えております。

長くなりましたが、以上でございます、

(浅野委員長)

 細かい話がいろいろと続きましたが、考えられる問題点について、事務局で検討し、準備されたことがここに記されておりまして、これをこれから少しご議論いただいた上でお認めいただけるようでしたら、専門委員会の報告とすることになります。

 それでは、何かただいまの資料3についての説明について、ご質問なりご意見なりがございましたら、お出しいただきたいと思います。

 あまり細かく項目を切って、ここというふうには言わないでおこうかと思っておりますので、どこでもお気づきの点がありましたら、何ページという点だけは明確にご指摘ください。ご質問、ご発言のご希望の委員がいらっしゃいますでしょうか。

 はい、浅見委員、どうぞ。

(浅見臨時委員)

 ご説明ありがとうございました。今回は、この物質の基準が少し緩くなるということで、既に措置をされていたところも一部除外されるというようなことが起こるのかと思うんですけれども、先ほどちょっとスピード感というお話があって、ちょっと気になっているんですが、資料2の裏のところの参考にございますように、トリクロロエチレンの基準強化のお話があって、先ほど中杉先生もちょっとおっしゃっていたんですけれども、今後、この物質に関しましては、トリクロロエチレンのほうも将来的には見直しが、起こるかもしれないということかと思います。この1,1-ジクロロエチレンというのが、トリクロロエチレンの分解物であるということからいきますと、1,1-ジクロロエチレンが緩くなったのでいいと思っていたらトリクロロエチレンがやっぱり残っていて基準が厳しくなったら、また措置の対象になるとかということがないのかというのが若干気になりました。

 恐らくなんですけれども、参考資料4の下のところにありますように、1,1-ジクロロエチレンのみの区域指定は、すごく少ないですし、大体他の物質も出ていると思いますので、それほど関係しないとも思うのですが、それこそ今回の改正で矢板を打ち直してみたら、また見直しということがないように、できればそれぞれの対象の周辺状況ですとか、ほかに出ている項目というのも一応気にしながら、見直しを行っていただけるといいなと思います。

 この文章上はちょっと難しいかなと思うので、何らかの市町村で説明をされる場合ですとか、そういった説明のときにちょっと配慮していただけるとありがたいと思いました。

(浅野委員長)

 では、ただいまのご発言は、ご要望、ご意見ということで伺っておいてよろしいですか。

(浅見臨時委員)

 はい。

(浅野委員長)

特にこの中に明示で書くことはちょっと難しいですね。つまり、この土地がジクロロエチレンだけで指定されているという、極めて珍しいケースになった場合に十分注意して見てほしいということですね。

(浅見臨時委員)

 ジクロロエチレンのみで指定されているところは、そうですね。

(浅野委員長)

 であっても、もと物質があれば、将来また……。

(浅見臨時委員)

そうかもしれないですね。もとの物質があって、そこから出てきているということが、ここに関してはないのかもしれないんですけれども、ほかのところで、今後見直しをしていこうといったときに、まだ残っているものがあって、それが分解して出てくるというようなことも全くないとは言えないのかな、そういうケースはあまり心配しなくていいのかなとも思うんですが。

(浅野委員長)

 一応、建前だけ言うと、それで指定されている以上、もうそれ以外のことについて議論できないので、もし問題がありそうなら、また改めてそれについてはそれとして扱うということにしなくてはしようがないですね。

(浅見臨時委員)

 そうですね。はい、そこが。

(浅野委員長)

 両方指定されたら問題がないわけですね。

(浅見臨時委員)

 そこがちょっと気になっているのが、法律上は1物質が単独で存在して、それが徐々に減っていくというのが理想だと思うのですけれども、この物質に関しましては、また出てきてしまうということ、塩化ビニルもそうなんですけれども、そういうことが実際上は起こり得るので、実務上は気にしていただいたほうがいい可能性があるかと思います。

(浅野委員長)

 わかりました。事務局はおわかりいただけますね。

(中杉委員)

 これは、どこでどう切っても、必ずこういう不整合問題が出てくるので、基準を変えたところで判断をしていかなきゃいけないと思いますけれども、ここで、今回のは1,1-ジクロロエチレンは基準が緩くなる、それは梶原委員の先ほどのご指摘にもあるように、できるだけ速やかにやらなきゃいけない話なのでやったんですが、実際には基準が厳しくなると、これと同じような扱いには多分ならないで、もっと大変な議論が出てくるだろうと思います。

 そういう意味では、今の浅見委員のご指摘を私なりに解釈すると、1,1-ジクロロエチレンで今、1.0以下でオーケーだといって下げて、そのときにトリクロロエチレンが現行の基準だと下回っているから区域指定もされていなくて、新しい基準になったら、汚染状態は全く変わらないのにもう一回区域指定されるということが起こり得るだろうというふうに思います。そこら辺のところはどうするのかという話は、難しい話なんですけれども、多分、都道府県のほうで考えられるときに、そこら辺を環境省のほうから通達か何かで、こういうこともあり得るということで少し見ていただく必要があるんだろうと思うんですね。直ちにすぽんと開示するというんじゃなくて、そういう配慮をしていただく必要があるかなというふうに思います。

(浅野委員長)

 ありがとうございました。ほかに何かご質問なり、ご意見なりがございますでしょうか。いかがですか。

はい、どうぞ、染委員。

(染臨時委員)

 7ページについてお伺いしたいんですが、先ほど土壌環境基準絡みで7ページの一番上の土壌溶出量基準、これは考え方として、ここに書いてあるようなことだというのはよくわかっているんですが、この2番以降ですよね。これが果たしてこの基準の見直しの考え方をここできちっと書いてあるのかというふうに読むと、なかなか読めないなという感じがいたしまして、例えば地下水基準は、これは、現在は土壌溶出量基準と同じ値になっているという事実を言っていますよね。そういう事実を言った上で、これまでの考え方と同様に土壌溶出量基準と同じ値であるこれに変更すると言っているんであって、なぜ土壌溶出量基準と同じ値になるのか、それは、かつて0.02のときに0.02とした経緯の、その考え方があるはずなんですよね。その考え方に一つも触れてないんで、何でそうなるのかというのがよくわからないんですよね。ましてや土壌溶出基準と同じ値であると言われると、なんか単純に土壌溶出基準と同じにしたというように見えまして、別途、先ほどの議論で水の基準とか地下水の基準があるんで、そっちのほうの地下水基準と同じにするんだという発想のもとに、ここも地下水基準はそれと同じ0.1というなら、まだわかるんですが、ここに書いてあるのは、そういう意味の考え方に果たしてなっているのか。

(浅野委員長)

わかりました。ちょっとそもそも土壌の環境基準がどういうような性格のもので、どのように決められているのかというところの説明を中杉委員にしていただきます。

(中杉委員)

 基本的には、土壌溶出量基準が地下水と同じであるという、先ほど申し上げたとおりです。地下水基準は、そのときに、これは地下水の基準というのは、土壌から溶け出して地下水を汚染するということが問題になるわけですから、そのときの土壌の周りの地下水がどのくらいの濃度になっていればいいかということで地下水基準というのを決めています。これは土壌の対策をやるとか、土壌の対策をやらなきゃいけないというときに、地下水をどのくらい汚染しているかということが非常に重要なものですから、地下水の基準を決めていると。そういう意味では、地下水の環境基準と同じにしているということです。

 そういう意味で、ここでちょっと文章的に染先生のご指摘を受けて、ちょっと変えたほうがいいのかなと思うのは、「同じ値となっており」というのを「同じ値としており」というふうにすれば、そういうふうにしていたので、その考え方にのっとってやりますよと。「なっており」というと、なっているからという誤解を受けるので、「していることを踏まえ」というふうに考えれば、これまでの考え方と同様にやるということで整理ができるかと思います。

(染臨時委員)

 すみません。それは5ページに書いてある「地下水の環境基準と同じにしており」の文ですか。土壌溶出量基準と同じ値にしているんですか。

(浅野委員長)

 要するに、土壌がどういうふうにここで扱われているかというと、土壌からの有害物質が溶け出して地下水に移る、そのことを防ぐために土壌の環境基準を決めてコントロールしましょうというのが一つですね。

 もう一つは、ここには今日は出ていないのですが、土壌そのものが巻き上げられて、粉塵などが人の体の中に入ったときに、人に悪さをするということを考えての環境基準というのがもう一つ、土対法との関係との基準があるわけですね。

今日のお話は、巻き上げの話ではなくて、溶け出して地下水を汚すということを考えての基準を議論しているわけです。ですから、土壌溶出量基準というのは、そこからこのくらい溶け出すという可能性があることを考えて基準ができているので、その基準がそのまま地下水を汚しているということになるわけだから、その基準に移行する、だから、それは同じ数字だと、こういうロジックになっているわけです。

 ですから、土壌の環境基準というものと、地下水の環境基準というものとの関係が非常に深いというのは、もうご指摘のとおりですし、これは、度々、中杉委員が指摘をしておられて、ばらばらに議論するから話がややこしくなるということをおっしゃっているわけですが、それはあるのですけれども、当面、この土対法の関係で議論するときには、ここにあるような論理で書くことになるわけです。私は原案にあまり違和感がなかったんですが、今、いろいろご発言をうかがっていて、基本的な点で認識が一致していないと、話がややこしくなるなと思って聞いておりました。

 中杉委員が言われたのは、そういうことです。要するに、溶け出して行って地下水を、だから、地下水がこれだけ汚れているということは、上の土がこれだけ汚れているんだろうということになるんだから、その数字は一緒でないと困るだろう。その数字が、緩やかになったのだから、こちらも緩やかにするのは同じだということです。

(中杉委員)

 ちょっと私の言い方が正確ではなかったのかもしれませんけど、土壌溶出量基準を地下水の水質環境基準に合わせているわけで、ここの地下水基準というのは、土壌から溶け出した水がどんな状況かということですので、土壌溶出量基準に合わせているという論理です。

(染臨時委員)

 すみません。それと全くそのように、3番も同じような感覚を私、受けるんですよ。第二溶出量基準についてですね。

(浅野委員長)

 何か特に従来やっていた倍率と異なる倍率にしなければならないという合理的な、あるいはサイエンスティックな根拠が新たに発見できれば、それは変えればいいんですけれども、何もその根拠が見出されていないんであれば、基準が緩やかになった以上、こちらも変えざるを得ないということなんで、この書き方で困るということがあるのでしょうか。つまり、有力な科学的なデータが出てきて、こんなんじゃ困るということがはっきりしたというのであれば、それは、新たに数字を変えるという必要が出てきますけれども、今までと知見が全然変わっていないのであれば、基本となるスタンダードが変わった以上は、第二溶出量基準も変わるのは当たり前と、極めて単純に考えると、そういうことだと思うのですが。

(中杉委員)

 浅野委員長のご説明でいいと思うんです。私、先ほど、3のところの「1mg以下であることになっている」というところも「している」というふうにしましたけど、これは、「なっている」のほうがいいですね。「している」とするとまたおかしくなって、この金属の判定基準はここで決めている話ではないし、ほかの法律のもとで決められているということですから、これは「なっている」のほうにしておいていただいたほうがいいと思います。

(大塚委員)

 あまりこの辺はメーンの話ではないので、ちょっと質問するのは、はばかっていたんですが、ちょっと一つだけ確認させていただきたいんですけど、7ページの3の今のところとはちょっと違うんですけど、関連はしているかもしれませんが、3の第二溶出量基準の4行目の「また、廃掃法」のところですけど、この産廃の判定基準において1mg/L以下になっているというのは、これは産廃のほうの基準は、早く改定をしてしまっているということなんでしょうか。ちょっと経緯を教えていただきたいんですけど、これ、そろえるという言い方だけになってしまっているんですが、その経緯はどういうふうになっていますか。

(市川土壌環境課係員)

 大塚委員のおっしゃるとおりで、産廃のほうの基準は先に改正されております。

(大塚委員)

 それは書かないと、そろえるというだけだと、いつもそろえているみたいに思われているけど、これ、産廃のほうは先に変えちゃったわけでしょう。で、土壌のほうがちょっと遅れているということでしょう。

(市川土壌環境課係員)

 そうです。

(大塚委員)

 ちょっとそれは書かないとわからないですよ。

(市川土壌環境課係員)

 承知しました。時系列的な説明などを入れて修正したいと思います。

(大塚委員)

 ええ、ちょっと書いてください。

(浅野委員長)

 ほかに何かご指摘、ご意見がございますでしょうか。

はい、どうぞ、成澤委員。

(成澤専門委員)

 指摘ということではないんですけれども、今回、土壌汚染対策法が施行されて初めて基準値の見直しということになろうかと思いますので、そうなると、法の運用を実際に担う各地方公共団体としましては、新たな、これまでやってこなかったことを行うということになりますので、先ほどもちょっと話の中で各自治体に対する説明のほうを丁寧にというお話があったかと思うんですけれども、例えば、9ページになりますが、上から3行目のところで、汚染土壌の移動について、都道府県知事が判断するのが適当という、こういう新たな事務に関する判断基準とか確認方法、ないしは、そういったことを判断する場合の留意事項等について、やり方に関してはいろいろQ&Aであるとか、ガイドラインの記載であるとかがあるかと思うんですけれども、ないしは説明会での説明なり、そういった形でお示しをいただきたいというところと、また、書面での交付というのが、例えば12ページあたりですね。指示措置の変更の手続の際には、書面で交付することが適当というようなところがありますので、そうした書面で交付するものに関してのひな形なり記載事項等の例示なり、そういったものも速やかにご提示いただけると助かります。

(浅野委員長)

 ありがとうございます。これは、自治体からのご要望ということですので、事務局はしっかりと受け止めてください。

 ほかにございますでしょうか。

 ちょっと私から1点、この書き方が若干わかりにくいかなと思ったのですが、10ページの下の5行です。②の部分ですが、これは、こういう意味ですね。1,1-ジクロロエチレンの人為的原因による汚染が存在することになるので、その地域は自然由来特例区域、埋立地特例区域に該当することになるような土地があれば、その場合にはという意味ですね。

(柳田土壌環境課課長補佐)

 はい、そのような趣旨でございます。

(浅野委員長)

 ですから、「該当土地のと」書いてあると、書いた人はわかっているつもりだろうけど、すっと読むと、ここが何となくひっかかるのです。

(柳田土壌環境課課長補佐)

 わかりました。わかるように修正させていただきたいと思います。

(浅野委員長)

 原委員、どうぞ。

(原専門委員)

 もう一つ自治体のほうからご要望をさせていただいてもよろしいでしょうか。

 これを施行するに当たりまして、Q&A等はもちろん必要だというふうに思っておりますが、あとスピード感のお話が先ほどありましたので、どの時期までにどういう適切なものをしなければならないというようなタイムスケジュール感についても、かなり突っ込んだものをいただければありがたいなと思っております。

 それに合わせて、申請者や指定された方々に不利益が与えられないような形に各自治体がスケジュール感を持ってやれればいいなというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。

(浅野委員長)

 はい。これもご要望として承っておきます。

現実には、今回は、該当するのが16件ということですので、かなりもう、わかって限りでは限定されていますよね。ですが、今後、次々に、今度は規制の強化というのが出てくるので、それを踏まえると、今回だけじゃ終わらないので、いずれにせよ、一般的にせよ、何にせよ、今のご要望がありますから、事務局としては考えてください。

(成澤専門委員)

 今の観点に関して補足なんですけれども、今回、基準の緩和になりますので、基準の緩和をするということについては、速やかにすべきと考えております。ですから、土壌の基準も緩和するということに関しては、速やかに決定していただきたいとは思っているんですけれども、その施行については、実際に工事を行うために土壌の調査を始めている方、これから始めるに当たって、どのようにやればいいかということを組み立てている方、いろんな方がいらっしゃいますので、いわゆる施行までの経過措置の期間、これについては、十分に確保し、その上で各自治体への説明をやっていただいた上でということを踏まえてご検討いただければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

(浅野委員長)

ほかにございますか。

(なし)

(浅野委員長)

それでは、特にほかにご意見、ご発言がございませんようでしたら、幾つか。

(細見専門委員)

 先生、これは、今回は、見直しをして緩和するということですが、今後、逆に厳しくする際のルールはまた別途定めるということをご確認させていただきたいと。

(浅野委員長)

 そのとおりでございます。大分状況が違いますので、それは全く同じような考え方にはならないと思います。

 何カ所か表現を手直ししたほうがいいというご指摘がございました。この点については、私にご一任いただけますでしょうか。

(異議なし)

(浅野委員長)

 それでは、ご一任いただいた上で、大筋、本日の報告案をご了承いただいたということにいたします。

 それでは、今後の取り扱いについて、事務局からご説明いただきます。

(柳田土壌環境課課長補佐)

 いろいろとご意見をいただきましてありがとうございました。

本日、ご審議いただきました1,1-ジクロロエチレンの土壌汚染対策法に基づく特定有害物質の見直しその他法の運用に関し必要な事項についてでございますけれども、これにつきましては、今、一部文言等を修正した上で、浅野委員長のご一任をいただいた上で、行政手続法の規定に基づきまして、パブリックコメントを1カ月ほど実施したいというふうに考えております。

 その結果、いろいろ修正等を求める意見がいろいろ寄せられた場合につきましては、委員長に再度、この専門委員会で審議を行うかどうかということをご相談いたしまして、ご判断いただくことにしたいと思います。

 もし再審議の必要がないという場合には、委員長の同意を得て、今後、これは専門委員会でございますので、中央環境審議会土壌農薬部会へ報告という形をさせていただきまして、今回、土壌農薬部会の審議を経て、環境大臣に答申ということになろうかというふうに考えております。

 答申後に、基準値を見直すということになりますと、土壌汚染対策法の施行規則を改正するということになりますので、その作業を行った上で、速やかに見直していきたいというふうに考えております。

 先ほど、自治体の委員から、ご意見、ご指摘がございましたので、きちんとそういったものについて、説明等を行っていきたいというふうに考えております。

(浅野委員長)

 それでは、今後の取り扱いについて、ただいま事務局からご説明いただきました。特にご質問ございますか。よろしゅうございましょうか。

(はい)

(浅野委員長)

それでは、その他全体を通じて何かご意見がございましたら。よろしゅうございましょうか。先ほど細見委員からご指摘がありましたが、今後の強化に関しては、取り扱いが今回のやり方と同じやり方になるということではございませんので、今後またさらに引き続きご議論いただくことになろうかと思います。

 それでは、本日の議事は以上で終了いたします。あとは事務局にお願いいたします。

(更田農薬環境管理室長)

皆様におかれましては、ご多忙の中、ご出席いただきまして、また、熱心にご審議を賜りましてありがとうございました。

なお、次回の土壌制度専門委員会は、来年度に入ってから開催をさせていただきたいと考えております。日程調整につきましては改めてさせていただきまして日にちを決めたいと思いますので、よろしくお願いします。

では、以上をもちまして第1回の土壌制度専門委員会を閉会させていただきます。

本日はどうもありがとうございました。

(了)