中央環境審議会土壌農薬部会 土壌制度小委員会(第9回)議事録

日時

平成20年12月19日(金)13:30~15:00

場所

環境省第1会議室

出席委員

委員長松本 聰  河内 哲
委員浅野 直人 佐藤 泉
 大塚 直 佐藤 雄也
 佐藤 洋 鈴木 英夫
 和気 洋子 細見 正明
臨時委員石原 一郎 眞柄 泰基
 稲垣 隆司専門委員市川 隆治

(欠席は、藤井委員、岸井臨時委員、髙橋臨時委員、中杉臨時委員、中野臨時委員、斎藤専門委員)

委員以外の出席者

環境省
白石水・大気環境局長、伊藤水環境担当審議官、岡部総務課長、笠井土壌環境課長、和田地下水・地盤環境室長、高澤土壌環境課課長補佐、今野土壌環境課課長補佐、天野土壌環境課課長補佐

議題

(1)
今後の土壌汚染対策の在り方について
(2)
その他

議事

(笠井土壌環境課長)
 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第9回中央環境審議会土壌農薬部会土壌制度小委員会を開催させていただきます。
 委員の皆様方にはお忙しい中、ご出席いただきまして、大変ありがとうございます。まず、本日の委員の出欠状況でございますが、藤井委員、岸井臨時委員、髙橋臨時委員、中杉臨時委員、中野臨時委員、斎藤専門委員よりご欠席との連絡をいただいております。したがいまして、本日は委員、臨時委員総数18名中、13名の出席が予定されており、ただいまのところ12名が出席されておりますので、小委員会開催の定足数を満たしていることをご報告させていただきます。
 それでは、議事に入ります前に、本日の配付資料についてご確認をいただきたいと思います。
 資料1が小委員会の委員名簿、資料2がパブリックコメントの実施結果についてということで、意見をまとめて対応の考え方を入れたものでございます。資料3が「今後の土壌汚染対策の在り方について(案)」ということで、パブリックコメント案を7カ所ほど直したものになっております。参考資料1ということで、前回お配りした概要については、本文で直したところを直してあります。参考資料2が諮問文と付議書の写しでございます。参考資料3が土壌農薬部会の小委員会の設置についてということで、部会の決定でございます。足りないものがございましたら、事務局にお申し付けください。
 それでは、これより松本委員長に議事進行をお願いいたします。

(松本委員長)
 皆さん、こんにちは。本日は年末の大変お忙しい時期にお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
 本日の小委員会でございますが、第9回目になります。議題としましては、今後の土壌汚染対策の在り方について、答申のとりまとめのご議論をお願いすることになっております。
 それではまず、本日の審議の公開の取り扱いについてでございます。
 今回の小委員会におきましては、公開することにより、公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれや、特定の者に不当な利益、もしくは不利益をもたらすおそれがないことから、公開とさせていただきます。
 それでは、議事次第に沿いまして議事を進めてまいります。
 議題(1)でございます。今後の土壌汚染対策の在り方についてでございます。前回の会議では、とりまとめに向けて、「今後の土壌汚染対策の在り方について(案)」について、ご議論をいただきました。その後、パブリックコメントの手続に入りまして、11月14日から12月13日までに意見を募集いたしましたところ、600件を超える多数のご意見をお寄せいただきました。本日は、パブリックコメントでいただきましたご意見も踏まえて、「今後の土壌汚染対策の在り方について(案)」について、必要な追加あるいは修正等について議論していただき、答申案のとりまとめを行いたい、このように考えております。
 それでは、まず事務局から資料2に基づきまして、パブリックコメントで出された意見の概要と意見に対する考え方、並びに資料3に沿いまして、答申案に関して説明をお願いします。

(笠井土壌環境課長)
 それでは、資料2と資料3を並べていただいて、資料2で説明をしつつ、資料3を引用させていただきたいと思います。資料2でございますが、意見の提出状況は607件、117団体・個人からいただいております。12日の夜が68件だったのに、13日一日で大分増えて、作業に手間取りまして、事前に送付させていただきましたが、ちょっと見にくい点もあったかと思います。その点は申し訳ありませんでした。意見を提出された方の属性、肩書きで書かれていたものを見ますと、民間企業が43、業界団体が11、地方公共団体の職員の方が16、個人とか肩書きのない方が40、その他研究者等が7人、合計117となっております。
 項目別に見たもの、それと2ページ、3ページ目でさらに詳しいものも挙げておりますが、全般的に見ますと基準の設定とか手続を明確にしてほしいという意見が多かったということでございます。
 ちょっと先を急ぎまして、順番に3枚目から説明をしていきたいと思いますが、1ページ目はデータですとか言葉の定義の問題ですので、端折らせていただきます。
 2ページ目、これが自主的調査についてということで、意見の方は最初に報告義務を課すと自主的な調査をしなくなるのではないか。報告をさせるということであると自主的な調査の取り組みを阻害するんじゃないかとか、その結果を使って指定区域に指定することについては反対であるとか、逆にインセンティブがいるのではないかという点があり、また義務付けをしっかりしてほしいという意見、罰則は設けるべきではないという意見などがございました。
 本文は、資料3の5ページのところで、[1][2][3]という形で報告をしていただいて、その結果を法律が定める要件を満たしているかどうかということで、いろんなことに使っていこうというようなことで書いているわけでございまして、前回この場でもご審議がなされたように、自主調査の良さを損なうことがないようにしながら、その結果を行政が効果的に活用できるようにということで、なかなか前例のない制度ですので、何とか、義務付ける、義務付けない、罰則あるなしとかだけではなくて、そういう自主的に行われているものを行政がいかに効率的に活用ができていけるかという観点から、制度化に取り組んでいきたいと思っております。
 そのような方針が書いてございまして、ここのところにつきましては1カ所だけ、修文をしておりまして、それが3ページの[3]の最後のところが、「調査を行うことを命ずる」としてあったところを、その意味でいろいろなやり方があると思われますので、「調査を行う仕組みとする」という修文にしております。
 また、資料2に戻っていただきまして、7番、8番、報告する主体を明確にすべきである。これも法制化の過程で検討する課題ではないかと思います。事務の量が増えるんじゃないかという8番ですけれども、これは既に現在それなりの報告がされているということですから、そんなに増大するおそれはないのではないかと思います。ここの9番は、汚染がない場合も報告を義務づけたらどうかという意見が出てきておりますが、そこまでは必要がないのではないかということです。
 10番は、逆に汚染が判明した場合に限っていいのではないかと。一番多かった37件あった意見が、報告の範囲及びその取り扱いについては明確にすべきではないかと。これは法律というよりも、それより以下の細則の部分で決まっていくことではないかと思いますが、きちんと調査結果を行政が的確に活用するためには、ある程度まとまった一つの調査が終わって、それの報告書ができた段階で報告するということにしてもらわないと、受け取った行政の方でも困るのではないかという趣旨で考え方を書いております。地下水汚染が判明した場合についても扱いを明確にすべきだと言われておりますが、自主的な報告をしていただければ、その情報を活用するということで考えております。
 13番が、周辺調査を必ず行い、明確にして制度化すべきであるというご意見ですが、これは法第4条の発動要件にも活用されるもので、健康被害防止の観点から、現在でも適切に対応されているのではないでしょうか。
 14番、情報の取り扱いについて明確な基準を設けるべきということですが、区域に指定された場合は公示されることになりますけど、それ以外の場合どうするかというのは、基本的な考え方を自治体に示す必要があると考えておりますということでございます。
 15番、過去に自主的に実施された対策や調査が無駄にならないようにしてほしいということで、これは当然経過措置という形で適切に対応する必要があると考えております。
 次に行きまして、16番はこういう意見があったんですけれども、先ほどの修文した趣旨は、漠とした枠組みの中で効果を上げるような仕組みを考えたいという趣旨でございます。
 4ページの(2)の一定規模以上の土地の形質変更につきましては、条例でやっているからやらなくてもいいんじゃないかという意見から、履歴に関係なくやるべきだという意見もございましたけれども、これは大量の土壌の搬出形質の変更の施行が汚染の拡散の契機になることがありますから、全国的に行う必要があると考えます。ただし、汚染の可能性が低いと考えられる場合には土地の調査は行う必要はないのではないかということでございます。
 具体的な履歴等の調査の内容を明確にすべきであるというご意見がございまして、詳細については法制化の過程で明確化されていくものと考えておりますけれども、現時点では有害物質使用特定施設の有無だとか、有害物質の漏洩事故の有無ですとか、あとは自然的原因というものも対象にすべきだということがありましたので、とりあえずは鉱山関連法との仕分けの問題もありますけれども、過去の鉱山施設の有無などを調査することが想定されております。
 4番が、一定規模以上の土地、面積が審議会の場でも議論があったんですけど、敷地の面積なのか、形質が変更される部分の面積なのかということがありますので、これは直そうと思います。
 それと、5番で言われているように、だれが土地の調査を行うべきと判断をするのか。それと、土地所有者等が汚染の可能性が低いということを証明したら免除すべきとなっていますけれど、どう証明するのか文意がはっきりしないということでしたので、ここにつきましては、この括弧内と資料3の5ページ目と同じですけれど、「具体的には土地の形質変更(形質変更面積が一定規模以上のものに限る。)の届出を受けた都道府県知事等が」、「等」が抜けております、失礼しました。政令市の長も含めますので、「都道府県知事等が過去の有害物質の取扱状況や土地利用の履歴等を調査し、汚染の可能性が高いと認めた場合には、調査を命じる制度とすべきである。」と修文したいと思います。なお、この都道府県知事等が汚染の可能性を判断する際に、土地所有者から提出される資料、義務づけるものがあれば、自主的に提出されるものもあると思いますが、それも含めて参考にして判断をするということになると考えております。
 次に、資料2の5ページでございますが、形質変更時調査においては形質変更を行う土量について、一定体積ごとに、100立米ごととかそういうことなんでしょうけれど、確認する方法をとるべきではないかとの意見。これも法制化の過程で明確化すべき課題だと思っています。
 7番は公共工事の扱いを明確にしてほしいということですが、公共工事であるなしにかかわらず、汚染の拡散のおそれについては、何ら違いはないものと考えております。
 8番は、一定規模以上の形質変更時の土壌汚染調査のやり方・内容ということで、この委員会でもいろいろ言われたことでございますが、これも法制化の過程で明確されていくものと思っております。
 この調査・報告に関して実施する主体、手順などについても明確にすべきであるというのが9番でございまして、これも同じでございます。
 履歴等調査を指定調査機関に限定すべきというご意見もございましたが、先ほどの修文のように履歴等調査については、可能性の高いところと判断するために、基本的には自治体が実施するということで考えております。
 11番は飛ばしまして、12番が、形質変更の際、地中の汚染土壌を攪拌させず、また帯水層を破壊しない工法を採用し、汚染土壌の搬出がない場合は調査を免除されたいということで意見が出てきておりまして、現在の法第9条で届出をしなくていいケースとかなり近いんですけど、形質変更が終了した後、後日、汚染土壌を搬出する可能性がございまして、現在の法第9条ですとそういう場合も搬出することになったときに、また届出をしていただくということになっているんですが、この形質変更時の土壌汚染調査を免除してしまいますと、区域にもならなくなって、もうあと何も知らないということになってしまいかねないので、このご指摘の調査の免除は難しいものと考えております。
 次にまいりまして、調査の猶予がされている土地について。形質変更の定義などを明らかにしてほしいということと、情報を的確に承継すべきということが出てきております。形質変更の定義については現行の法第9条が参考になると考えております。
 「2 サイトごとの汚染状況に応じた合理的な対策の促進方策について」ということで、区域の分類について合理的な判断基準を明確にしてほしいという意見が一番多かったです。区域を分類することは賛成である。対策が不要な場合は、健康被害が生じるおそれがない場合とすべきであるというご意見がございまして、これはもとの文章が、アの区域について「健康被害が生じるおそれが低いため」という書き方をしていまして、それが資料3の6ページを見ていただくとわかると思いますけれども、その前のところで、「汚染の状況、健康被害が生じるおそれの有無に応じて、区域を分類する」と書いているのに、ちょっとメルクマールが違うのではないかという趣旨のご指摘がございました。ちょっとわかりにくいところもあったので、アについては、「現状では健康被害が生じるおそれがないため、摂取経路を遮断する対策は不要だが、」ということで、後ろに書いてあったのを前に出して、「土地の形質の変更により、汚染の拡散や搬出される汚染土壌の不適正な処理が行われないように管理することが必要な区域」ということで、届出が必要だということがわかるように修文をしたいと思っております。
 4番が、区域の分類の際には、地下水飲用の判断基準を明確にすべきではないかとの意見。上水道が給水されているような区域はアの区域とすべきではないかという提案が、主に自治体の方から寄せられております。これは当該土地の人の立ち入りと地下水飲用の有無に基づいて、適切に定めるべきと考えております。
 5番で、「アであったが、摂取経路を遮断する対策が講じられた区域」を追加すべきであるとされておりますが、これは結局アであることと変わらないので、あえて設ける必要はないのではないかと答えております。
 区域の分類に当たっては、土地の利用用途を考慮した分類とすべきであるという意見が寄せられておりますが、これにつきましては、これまでの審議で健康被害が生じるおそれにより判断しようということになったということでございます。
 7番が、指定区域の解除要件及びその情報の取り扱いについて明確にしてほしいということで、これは現状そのままなんですが、解除後の情報についても有効に活用していくようにということが資料3第3の2(3)で触れられております。
 8番は、区域の名称を工夫する必要がある。そのとおりでございます。
 9番が、必要な対策の基準の明確化すべきである。10番が、そういう対策の明確化は困難じゃないかということなんですが、これは区域の分類に応じた対策の基準について、汚染の状況、人の立ち入りや地下水飲用の有無を勘案して、法制化の過程で、つまり法律になるだけではなくて、細則も含めてですが、明確化されるものと考えておりますということです。
 11.公示される対策については、その後の土地活用等の事業活動や利用用途にも配慮していただきたいということですが、この場でも議論がありましたように、将来の用途までからんでくるのでできないという面もありますので、健康被害の防止の観点から合理的な対策を公示するということだと思います。
 12番が、区域の分類の指定について、人の健康リスクにかかわる観点だけで対策の必要性を判断するのではなく、敷地外や公共用水域への汚染地下水の拡散防止の観点についても、検討が必要であるということが言われております。基本的に土壌汚染対策は人の健康被害の防止を目的としております。ここはちょっと誤解があったようなんですけれども、「健康被害の生じるおそれ」ということについて、施行規則の第17条などを見ますと、「土壌汚染に起因する地下水基準を超える汚染地下水が公共用水域にゆう出して、公共用水域で環境基準が確保されない場合」というのも、「健康被害の生じるおそれ」ということがある、健康被害を生ずるおそれがある場合だということで考慮されておりますので、そのことがわかるように、資料3の6ページの「健康被害が生じるおそれの有無」のところに、(注5)としてこの関係の政令と規則を入れております。
 13番が、現在の指定区域の扱いが変わったとき、どうなるのかとか、対策工事をやっている土地がどうなのかというご質問でございまして、これはやはり経過措置の中で適切に対応するものと思っております。
 14番は、リスクアセスメントの導入をすべきではないかとの意見。15番は、指定基準が厳し過ぎるのではないかというご意見がありました。16番が、特に農薬、新たな農薬などを引きながら対象物質を追加すべきだというご意見がございまして、これらにつきましては今後引き続き科学的知見の集積を図っていく必要があると考えております。
 次に8ページでございますが、この対策が行われたら、その結果を地方公共団体に確認していただくというのが(2)ですけれども、その方法、内容を明確にしてほしいとか、条例に「拡散防止計画書」というのがあるようなんですが、それに相当するような計画を出させたらどうかというご意見がございます。これも前回の委員会でもご意見があったところですけれども、この確認の細目を決める中で、決めていくことになると考えております。(3)が情報の活用ということで、記録の適切な保管・継承が必要ではないかと。これはそのための仕組みが必要だと考えております。解除された土地についても情報を公開すべきであるとか、汚染マップをつくったらどうかというようなご意見がございまして、このようなことで、地方公共団体において汚染の状況を把握して、その結果を有効に活用するとともに、適切に承継される仕組みをということを言っておりますので、こういう仕組みを導入できるように考えております。ちょっと法律の台帳に載らないような情報になりそうなので、そういうものであってもきちんと収集・整理・保存・提供を考えるようにということで、基本的な考え方は示す必要があるのではないかと思っております。
 特例区域でございますが、特例区域もやはり判断の基準を明確にすべきであるということが言われておりまして、これも法制化の過程で明確にされていくものでありますけれども、この(案)の中では、飲用に適さないことから、飲用利用ができないということと、部外者が物理的に立ち入ることができない構造を要件としております。
 この特例区域の指定は、自然由来の有無や海面埋立地に限定することなく云々ということが出ておりまして、基本的には1番で答えたような要件が満たされる区域ということで考えているんですが、どうも自然由来の汚染についての区域という誤解を生じているようですので、資料3の7ページの(4)の第1文の「自然由来成分」の後に、「自然由来成分やその埋め立てられた物質により」ということで、自然由来だけを対象にしたものではないということを明らかにしていこうと思います。
 3番が、自然的要因と人為的要因を区別して取り扱うべきということですが、人為的な搬出以降の行為につきましては、同様に取り扱うべきという考え方になっております。
 4番が、土地所有者の申請により指定することについて検討が必要ではないかということなんですが、どうも海面埋立地であれば、埋立てが行われたということは行政がしっかり把握しているんじゃないかということで、所有者の申請がなくてもいいんではないかというご意見なんですけれども、その後土地が分譲とかされると行政が現状がどうなっているかということをよく把握できていない場合もありますので、やはり土地の実情をよく把握されている所有者等の申請に基づくべきではないかというぐあいに考えております。特例区域をぜひ設けていただきたいという意見がございました。土地周辺の土地所有者の意見も聞くべきというご意見もありますけれども、汚染の拡散などによって周辺に影響を及ぼすような土地であれば、特例区域には指定されないと考えております。
 汚染地下水の公共用水域への拡散防止が必要ではないかという、先ほどの12番に似たような意見なんですが、これも同じ人の健康被害を防止するという観点から、適切な対応が必要だと思います。
 次にまいりまして10ページ目ですが、汚染土壌を搬出することの位置付けにつきましては、適正に行われる掘削除去については対策方法の一つとして位置づけるべきではないかということで、抑制だけしか書いていないんじゃないかというご意見もございましたけれども、現状では過剰に掘削除去等によって不必要な移動が起こることが問題ですので、それは環境保全の観点からは問題であるということははっきり言って、大体この資料3の8ページの(2)の第3パラグラフで、やむを得ず搬出される汚染土壌については、適正な処理を確保しようということで、やむを得ない場合もあるということは認めておりますので、これはこういうことだということです。
 原則として禁止すべきというご意見も出てきております。そういう搬出された汚染土壌もリサイクル等もきちんとする必要があるんじゃないかというご意見もありますので、これも処理方法の一つかとは思います。
 次に、汚染土壌の適切な処理の義務付けのところでは、1番、2番、3番のあたりは施設の基準はどうするのかというようなご意見が出てきております。これは適切に対応するということで、また、1番のところにありますように、対象の区域を増加すればたくさん土壌が移動することになるんじゃないかというご意見もありますが、基本的にはあわせて抑制すべきことも位置づけておりますので、大幅に搬出汚染土壌が増加することはないのかなということを思っております。
 次にいきまして、4番が、業規制が必要ではないかということですが、これまでの審議では、業規制を行うより、どういう取り扱いをすべきかの行為規制を行うべきであるということだったと思います。
 次は「指定区域外の汚染土壌も、法で定められた方法により処理・管理を義務付けるべき」との意見です。どうやって義務付けるか、ちょっと質問の趣旨がよくわからない意見だったんですけれども、現行の指定区域を拡大するということになれば、現在の指定区域外の汚染土壌についても、法で定められた処理方法等により適切に処理されることとなると思います。
 6番が、受け入れ先の自治体も関与すべきではないかということで、具体的な手続については検討課題だと思います。
 条例との関係が7番で問われておりますけれども、条例との整理については、各自治体において適切に実施されるものと承知しております。
 あと、管理票の透明性についても指摘をされておりますが、これも透明性を確保する必要があると思っております。
 汚染土壌が不適正に処理された場合の措置ということで、廃掃法に準じた罰則を設けるべきであるということが出ておりますが、これも法制化の過程の中で考えていくべきことではないかと思っておりまして、汚染土壌の管理票による適切な処理が行われるような仕組みの規定や、その違反行為、虚偽記載などがあった場合とか、そういうことに対する対応も必要であると考えております。
 次の1件しかない意見ですが、搬出をするときに法令上で規定する基準に準拠した方法で調査確認を行った場合でも、後日、搬出先で汚染が確認された場合もあるというご指摘がございまして、これ自体どういうことなのか、ちょっとわからない点もありますけれども、実際に汚染が確認されていることを踏まえた対応が必要ではないかと思います。
 12ページでございますが、指定調査機関につきましては、技術的能力の確保ですとか、業務の管理体制の整備などがしっかり図られるべきではないかということや、なるべく情報は公開すべきではないかという指摘が出てきておりますので、資料3の9ページのアのところでは、「試験に合格した者でなければならないこととする」の後に、「合格証を交付するとともに、その旨を公表する」ということで、これが一番外から見てもわかりやすくするのではないかと思いまして、付け加えたいと思っております。
 細かい意見でございますが、5番の既存の資格制度を活用すべきではないかという意見で、これも法制化の過程で活用も含めて検討していきたいと思っております。
 汚染の除去等の措置を行う者についても、登録等の制度を設けるべきではないかというご意見が出てきておりますが、対策の結果については個別のサイトの状況に応じて自治体が確認するということになっておりますので、あらかじめ、この事業者がいいというような仕組みを今、急に入れるのは難しいのではないかというぐあいに考えております。
 次に13ページにいきまして、リスクコミュニケーションですけれども、強力に進めてほしいとか、内容の充実を図ってほしいということがございまして、また、自治体の積極的な関与が必要ではないかというご意見や、第三者機関を設けるべきというような指摘も出てきております。前回の委員会でも、そもそもリスクコミュニケーションは誰が行うべきかということで、かなりの議論があったのですけれども、環境省といたしましてはガイドラインもつくっておりますし、リスクコミュニケーションにかかる人材育成事業などもやっておりますので、そういうところから充実を図っていきたいというぐあいに思っております。
 対策の促進・支援等ということで、リスク低減措置の評価を適切に実施してほしいという指摘がございます。これはもちろん事業者の取り組みに期待するところ大でございますが、国においても従来より技術評価の実施により技術開発の促進をしておりますので、優れた技術をたくさん応募してきてほしいということを思っております。
 簡易分析技術の促進を図られたいですとか、操業中の対策についての経済的な支援、中小企業支援というものが出てきておりますけれども、これも、具体的な方策について検討されているものと考えております。
 次に14ページにいきまして、相談窓口は財団法人日本環境協会に置いております。基金の適用対象を拡大してほしいというご意見がでてきておりまして、これはここにありますように、当然検討すべきものと考えております。ただ、2件ほど自治体による助成制度を廃止して、国主導で支援すべきというご意見がございました。ただ、やはりこの場でも議論がありましたように、土壌汚染対策は自治体の自治事務になっているものですから、自治体において主体的に対処すべき必要があるのではないかと思っております。
 「その他全般的な意見」ということで、自然起因の扱いについて、何件か意見が出てきております。資料3の9ページの上から5行目のところで、「人為的な搬出以降の行為については、その他の汚染土壌と同様に扱うべきである。」としていたんですが、どうも法の対象とするのかどうかわからないというご意見も多かったので、誤解を生じないように、「その他の汚染土壌と同様に法の対象とすべきである。」というぐあいに修文をしたいと思っております。
 あと、鉱山地域は法律の対象外とすべきというご指摘もございまして、これも鉱山関連法とのすみ分けがありますので、それとの調整が必要だと思いますけれども、指定基準を超過する場合には同じように、自然起因であろうがリスクは変わらないので同じような扱いをすべきではないかと考えております。
 最後に、自治体職員の技術能力の向上も図ってほしいということですので、現状でも研修等を行っておりますが、自治体においても必要な対策を講じていただきたいということを期待しております。
 パブリックコメントの対象外となりますが、土地の評価方法に関するご意見ですとか、残土処理全般に対するご意見ですとか、他の法令、建築基準法との関係はどうなるのですかとか、資産除去債務はどうなんですかとか、最後の不明というのは、法律の名前を変えたらどうかとか、そういうようなご意見がございましたけれども、それらにつきましても今後の施策の参考にさせていただきたいと思っております。
 以上でございます。

(松本委員長)
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまご説明いただきました資料について、これから質疑応答並びに議論の時間に入りたいと思います。特に、章は区切りませんし、また順番も気にされないで、ご意見やコメントをちょうだいしたいと思います。それではご意見等、よろしくお願いいたします。どなたからでも結構でございます。
 稲垣委員どうぞ。

(稲垣臨時委員)
 2~3点、確認とちょっと意見を言いたいと思います。
 まず、資料2の2ページの一番下の8番、意見に対する考え方のところで、現在でも自治体においては自主的な調査に関しては相談や報告を受けているので、大幅に増加するおそれは少ないと言い切っております。私ども条例等でやっておりますので、条例等でやっていることはこういうことは言えるかと思いますけれども、そうでないところになりますと、やはり指定区域の公示とか台帳の作成とか、そういう部分は増えてくると思います。ですから、こういうふうに言い切る必要はないと思いますし、こういう自主調査の結果報告義務を受けて、自治体の業務が増加しても、土壌汚染の把握というのは自治体の重要な義務でありますので、この上2行だけでも僕はいいと思います。あえて、増えたとか減ったというと、仮に増えたときに、じゃあそれに対する事業量はどうするんだとか、事業費とかいろんな問題が起きる可能性がありますので、これはあくまでも自治体の義務だというふうに言っていただければいいんじゃないかなと思っております。
 それと同じようなことが10ページの(2)の1番でありますが、搬出が増加することは考えておりませんと。確かに全体はそうかもしれませんけれども、オンサイト処理しても出てきたりしますし、今まで対象外のものが増えてまいりますので、ここまで言い切る必要がここであるのかどうかという気がします。それより、やはり処理施設等をですね、セメント処理だとか、あるいは洗浄処理とか、そういうものをどんどん増やしていくということが必要じゃないのかなという気がしております。ここまで言い切ってしまうのは、いかがなものかなという気がしております。
 それと、これは14ページでございますが、上から2つ目、3つ目の6番、7番に対する回答ですけれども、これは私が勘違いしていたかもしれませんけれども、これは資料3の11ページ、一番最後のところ、この際、土壌汚染対策基金の活用に関する地方自治体の助成制度の整備が望まれるというのは、ここに書いてあるように、助成制度の仕組みづくりについては自治体において主体的に対処すべきものというふうに言い切られてしまうと、これはやはり基金等、こことの絡みがちょっと、ここだけがひとり歩きしてしまうと、助成制度というのは全部自治体がやるものだと思われてしまうというのは、まずいなという気がしますので、ちょっと書き方を工夫していただけるとありがたいなという気がしております。
 それともう1点、これはちょっと議論があるかもしれませんけれど、資料3の5ページ、一番下の(2)、この考え方、修文前は「ただし、所有者等が過去の有害物質の取り扱い」で、実施するのが所有者等であったはずのが、この文章、原文の段階では知事がやるとかやらないとか言っていなかったのが、明確に知事がまずやるんだというふうになってしまったのは、何か考えがあるかどうかを教えてもらいたい。

(松本委員長)
 それでは、今の委員からご質問、並びにご指摘の点について、回答お願いいたします。

(笠井土壌環境課長)
 資料2の2ページのところは、確かにご指摘のとおりだと思いますので、ご趣旨を踏まえて、第2文は削除してもいいんじゃないかと思います。
 10ページのところは、「大幅に」ということを入れておりますので、大幅には増加することはないのではないだろうかと。おっしゃるとおり、対象外土壌が入ってくることもあると思います。あると思いますけれども、搬出をなるべく抑制していこうと、そういう方針で考えておりますので、姿勢としては、なるべく搬出しないでほしいということでいけばいいのではないかと、私は思います。
 そして、14ページの6番、7番のところは、確かに本文では土壌汚染対策基金の活用に関する助成制度の整備、これがないと使ってもらえないので、この文章のとおりに考えればいいということであれば、このなお書きはなくてもいいのかなと思います。
 それで、5ページのところなんですけれども、もともとその前の文で、「土壌汚染の可能性が高いと認められる場合は、形質変更を行う部分について土壌汚染調査を行うこととすべきである」となっております。だれが判断するかということにつきましては、ここで所有者がと言っているのは、免除をするときの証明は、所有者がいろいろ可能性が低いと言ってきたら要らないんじゃないでしょうかということで書いてあったわけなんですけれども、だれが可能性を判断するかということになれば、行政が判断するしかないのではないかということで、可能性が高いということについては命令を発するという仕組みにするのではないかということです。

(稲垣臨時委員)
 私は、判断はそれでいいと思う。調査というふうに書いてあるものですから、「知事が履歴等を調査し」と明確に言われてしまうと、どうかなということだけです。判断は、課長さんの言われるとおりだと思います。

(笠井土壌環境課長)
 そこのところは、いろいろと現在の自治体のやり方とかを踏まえて、また関係の先生方のご意見を聞きながら考えたんですけれども、所有者にどういう書類を求めるかということを考えると、所有者が汚れていますという情報をどこまで出してくれるのかという議論になってくるので、基本的な資料収集は自治体でやらざるを得ないんじゃないのかなと考えたんですが。

(石原臨時委員)
 私もここの部分は少しいかがかなと思います。これは案文で言う方がいいのか、パブリックコメントに対する考え方の部分で言うのかということがあるんですが、多分、調査主体は形質を変更する土地所有者等という前提での議論になっていたと思いますし、そういうことでないとワークはしないと思います。
 可能性が低い、可能性という言葉を使うから議論が混乱しているのかなと思うんですが、法制的には多分「健康の被害にかかるおそれがない」、「ある」という表現になると思うんですけれども、「ない」ことについて、現行の法第3条と同じような構造じゃないかと思っています。知事が確認すれば調査しなくていいというのと基本的に同じような構造でいいんではないかという気がしています。
 実際、稲垣委員がおっしゃられるのは、まず調査自身から都道府県が入るとなれば、制度自体としてワークしないんじゃないかなという懸念を持ちます。そういう意味では余計な物言いかもしれませんけれども、可能性があるとか、そういうことを認めるとか、という構造にしているからだと思います。それとか「証明」という言葉がよくなかったんだろうと思います。要するに「健康の被害にかかるおそれがないと認められる場合」とか、そういう一種受身形にしてみるとか、そういう工夫をすればいいんではないかと思います。調査主体そのものを変えることは、根本的に物の考え方が変わることになろうと思います。
 以上でございます。

(松本委員長)
 ありがとうございました。
 今の石原委員のご指摘、非常にもっともなご指摘じゃないかと思うんですが、事務局いかがでしょう。

(笠井土壌環境課長)
 もう少し先生方のご意見をお聞きしたいと思います。

(松本委員長)
 佐藤泉委員、どうぞ。

(佐藤(泉)臨時委員)
 今の点なんですが、直された文章で読みますと、一定規模以上の形質変更については、基本的には調査をする必要はないと。それで、自治体が危険が高いということを言ったときだけしなければいけないというふうによめます。修正前と大きな違いがありますので、注意していただきたいと思います。

(浅野委員)
 このことについての正解は、結局のところは真ん中あたりにあるだろうと思います。つまり、全部調べよといっても、その中には実際には無意味な場合があることは明々白々です。だから、いろいろ書き方があると思うわけで、その意味では書きぶりを直す必要があるかもしれないということについては、石原委員のご指摘ももっともなことです。表現を修正していいと思います。
 ただ、これは○×の話ではない。だから、どちら側から書こうと、真ん中のところに必要なゾーンが残ることになります。稲垣委員はおそらく同じようなことをお考えになるかもしれないと思いますが、県があらかじめ大丈夫だと確信を持てる場所を公示しておいて、そこは適用除外だというような扱い方は幾らでもできるわけです。要は、グレーのところについて、確実に調査をしてもらわなければ困るということですから、そこをこういうようにダイレクトに書いてしまうと、もし調査漏れがあったときは、今度は県知事の不作為として訴えられるおそれがあって、そういうおそれがある制度をつくられたのでは自治体の現場はもちませんというのが稲垣委員のおっしゃりたいことだと思うわけです。自治体に責任をかぶせるような書き方はまずいということは、もともとこの委員会でおおむね合意できていた点であったわけですから、ちょっとこれは書きぶりが強過ぎるのかなと思います。
 要するに、調べなくていいことがはっきりしている場合についてまで全部調べるのが大原則であるとまで言う必要があるかどうか、それは別の問題です。その点をどういう書きぶりにするかの問題なのだろうと思います。パブコメ意見にひきずられて直し過ぎたのかもしれないという気もするのですが、この点は事務局、どうなんですか。

(笠井土壌環境課長)
 そこは「調査し」のところで、提出を土地所有者等に求めるわけなんですけれども、出てきた書類を調べはするだろうと。そういう意識で書いていたので、だから「調査し」と書くことによって、何らかの調査漏れがあった場合は全部知事部局の責任になるのではないかというご指摘はもっともでございますので、ここのところを「土地利用の履歴等に基づいて判断する」というような書き方にすれば、要するに全部所有者に押しつけるわけでもないし、知事部局で主体的に調べてもらわなきゃいけない部分もあるだろうとなるのではないでしょうか。

(浅野委員)
 要するに、審議会の報告としてまとめる必要性の限度で考え方を整理しておけばいいわけで、あって、報告をもとに法制化するときには、内閣法制局との関係もありますから、どういうふうにすれば要件効果としてきちっと書けるかというのは、プロに任せておけばいいわけです。ここで余りにも要件効果的なところまで踏み込んだ報告文にし過ぎているものだから、ああでもないこうでもないという議論が出てくる気がするのです。要は、小委員会としての思いの丈が伝わればいいわけでしょう。それをうけて事務局がしっかり法制局と相談をして、ちゃんと法文化してもらえばいい。その上で法文のつくり方が悪くてトラブルが起こった場合には、あとは裁判所がだめだというだけのことだから、条文にどう記載されるかは審議会の役割を越えた話しであって、そこまで余り厳密に書かなくても、ほかのところと同じように、要はちゃんと小委員会の考え方が伝わればいいということにしておいていいのではありませんか。

(笠井土壌環境課長)
 だから、そういう意味で、この「調査し」というのを「履歴等に基づき」と直せばいいんじゃないかという意見を言ったんですけど、それはどうでしょうか。

(浅野委員)
 まあ、それならそれでもいいでしょう。例えば、「具体的には」と書いてあるものだから、妙にここだけ突出して、やり方の詳細を言っているようにとられてしまいます。だから「具体的には」は絶対必要なのですか。「例えば」という表現でもいいのでは。要は、審議会報告としての分をわきまえた文章にしておいた方が、委員会の我々としては落ち着きがいいということです。

(松本委員長)
 ありがとうございました。
 石原委員どうぞ。

(石原臨時委員)
 そういう意味では一回議論が終わってしまったところがありますが、例えば、「履歴等から、―汚染の可能性というのは汚染のおそれですかね―、おそれがないと認められる場合は、この調査は免除される仕組みとする。」とか、何かそんな物言いぐらいでいいんじゃないかという感じはしますけれども。これは多分、もともと、「所有者等が」とか「知事は」と言ったところが、何となく混乱しているような気がしますね。制度的には法第3条と同じ構造にすればいいんだろうという気がしていますけれども。

(松本委員長)
 ありがとうございました。この件に関して、ほかの先生方。

(浅野委員)
 石原委員がおっしゃったような表現に、上手に直して、あとは委員長に修文をお任せします。

(松本委員長)
 わかりました。

(笠井土壌環境課長)
 すみません、免除する仕組みにするというところが難しいんじゃないかというところから議論が来ているのですが。

(石原臨時委員)
 それでは、現行の法第3条と同じように、「都道府県知事が健康被害のおそれがないと確認をした場合は」ということですかね。「人の健康に係る被害が生ずるおそれがない旨の、―「旨の」は法制的になりますから―ないことを知事が確認したときはこの調査はしなくていい」とか、そういう表現になろうかと思いますけれども。

(松本委員長)
 それで、いかがですか。

(浅野委員)
 それなら、もともと法の規定の中にあるのだから、それを変えればいいのではありませんか。

(松本委員長)
 そうですね。

(浅野委員)
 あとは立法的にどうするかは、また別問題でしょう。

(石原臨時委員)
 あんまりリジットにしちゃうと何か。だから「仕組みとする」ぐらいの方がいいのかなという気もしただけなんですけれどね。

(笠井土壌環境課長)
   だから、稲垣副知事が言われたように、判断するのは知事だというところを明確にしたいです。

(石原臨時委員)
 では、「知事が認める場合には」にしたらいいと思う。

(笠井土壌環境課長)
 だから、そういう意味では、可能性が高いと認めた場合というところがないと、意味がわからないので、そういう意味では、今思ったんですけど、ここの履歴等調査が誰が行うかというところで議論するのは、法制化に当たっての宿題ということになるのであれば、そこをとってしまって、「知事が可能性が高いと認めた場合には土壌汚染調査を命ずる制度とすべきである」としてはどうでしょう。

(石原臨時委員)
 命ずるんじゃないんですね。だから、まず調査の義務がかかっていて、おそれがないという知事の確認を受けた場合は調査をしなくていいという構造ですよね。現行の法第3条も同じ構造なんですけれども、それと同じ構造に仕組むべきじゃないかという気はしますけれども。だから、まず調査主体はあくまで区画形質を変更する土地所有者等だと。ただ、免除できるかどうかの認定権は知事にあるという構造にすべきだという気はしますけれども。

(松本委員長)
 いかがですか。それが非常に明確じゃないですか。

(笠井土壌環境課長)
 そこもちょっといろいろあるところで、「可能性が高いと認めた場合には土壌汚染調査を行う仕組みとすべきである」としてはどうでしょう。

(松本委員長)
 ちょっと待ってください。それは大塚委員のご意見を。

(大塚委員)
 今の法第3条と同じにするというのも一つの手だと私は思っていたんですけれども、法第3条の今の工場・事業場の特定有害物質の使用施設の跡地と、それから、今回の一定規模以上の土地の形質変更の場合と、同じぐらいの汚染の可能性が、そもそも背景事情としてあるかどうかというのが、課長が気にしているところで、そこが多少違うんじゃないか。これは面積が広いだけだというところがあって、その免除の規定を今の工場・事業場の特定有害物質の使用施設の跡地の場合と同じにしてしまっていいかどうかという問題が、恐らくあると思うんですね。さっきから浅野先生がおっしゃっているように、あんまりここでリジットに議論すべきかどうかというのも、私も多少疑問もありますので、この「具体的には」から後の文章は、その前の4行の中にぶち込んでしまってもいいのかなという気もしているんですけど。これは結局同じことを2回少し詳しく書いているので、もしいろいろ議論があるなら、ここは一つの文章にしてしまうことも可能ではないかという気がいたします。

(松本委員長)
 はい、ありがとうございました。
 それでは審議官どうぞ。

(伊藤水環境担当審議官)
 今の大塚委員の意見どおり、ここを削るということで。いずれにしても、ここはまたいろいろ検討させていただきたいと思いますので。

(浅野委員)
 経過は全部議事録に残るわけだから、今後立法化の段階では、この議論も踏まえればいいわけです。要するに、私が先に言ったように正解は真ん中のところにあるわけですからね。何が何でも全部やらなきゃいけないと言い切ってしまったら大混乱だし、それから、どうしてもやらなければいけない場合だけ、やればいいよというと、また制度が動かないということになる。だから、類型的に外していい場合と、そうじゃない場合があるという認識が前提にはある。それを踏まえた文章だということにしておいて、あとは立法に任せればいいのではありませんか。

(松本委員長)
 そうしましょう。ありがとうございました。
 それでは、そのほかのご意見を求めます。どうぞ、佐藤泉委員。

(佐藤(泉)臨時委員)
 2点ございます。まず、自主的な調査のところですが、自主的調査の結果を報告する義務があるかというところです。今までの審議会の議論の中では、法令で定める方法ではないが、重大な汚染が1カ所でもあった場合どうするかみたいな議論がありましたが、今回のとりまとめの中では、法令で定める方法であった場合には報告するということで、ちょっとぼやかした形になっているんですね。それで私が懸念しているのは、正直な人が一番損をするということになる危険がある点です。きちんとした調査をする者だけに報告義務がかかってきて、そうでない人には、ある意味で報告しなくていいというのでは、正直にやった人が損をするようなやり方にならないかという点を注意していただきたいというのが1点であります。
 それからもう一つは、資料3の9ページの上のところ、自然的原因の土壌については法の対象とすべきであると修文されているんですね。この上の話と、人為的な搬出以降の行為については法の対象とするとなっていて、反対解釈として読むと、搬出以前は法律の対象にならないんじゃないかというふうにも読めるんですね。いつから法の対象になるかが非常に誤解を生じやすくて、かえって問題ではないかなと思います。

(松本委員長)
 今の委員のご指摘、事務局はどのようにお考えですか。

(笠井土壌環境課長)
 そこは、ほかの先生方の意見を聞かせていただきたいんですけれど。

(松本委員長)
 いかがでしょうか。今のご指摘の点。
 それでは、大塚委員どうぞ。

(大塚委員)
 必ずしもよくわかっていなくてお話しすることになってしまうかもしれませんが、2つ目の点は、同じ地域の中とか一帯の土地の中で、ちょっと移動しただけでは法の対象にならないということを言いたいんだと思うので、それは自然的原因の汚染については、そのぐらいまでにはしておかないと、実際には動かないんじゃないかというところが恐らくあると思うんですけれども。搬出した後は法の対象にして、きっちり管理するという整理だと思うんですけれども、それでは何かまずいでしょうか。

(松本委員長)
 いかがですか。

(笠井土壌環境課長)
 文章は変えた方がいいのか、変えない方がいいのか。

(松本委員長)
 このままでいいと。

(笠井土壌環境課長)
 法の対象とすべきと。

(松本委員長)
 変える必要はないと、こういうご意見。

(佐藤(泉)臨時委員)
 搬出以前は法の対象となるんですかね、逆に。

(浅野委員)
 ならない。そもそも公害の定義に入らない。

(佐藤(泉)臨時委員)
 そうですよね。

(浅野委員)
 そもそも法体系からいって、それを入れ始めたら環境基本法がガタガタになる。

(佐藤(泉)臨時委員)
 私もそう思っています。

(浅野委員)
 だから、そもそも人為的な搬出にしたって、もともと原因は自然由来なのだから問題ないという強い意見も一方にあるぐらいですが、しかし、少なくともこれまでの環境行政の中では、例え自然由来であっても人為が加わってどこかへ動けば、それから後はやっぱり問題なんだとされてきた。自然のあるがままの状態なら仕方がないというふうに一応考えられてきたわけですけれども、この際、土対法の世界では、それもちょっときついかなと思います。全くそのサイトの中で、同じところの中で土がちょっと動くくらいのことまで一々問題にし始めたらどうにもなりません。日本津々浦々、あちこち探せば、自然由来のある程度の基準オーバーの汚染は山のようにあるわけですから、そんなことを言い始めたら土地をいじることは何も許されないということになってしまう。それはいかがなものでしょうか。
 強いて言うなら、この書きぶりは非常に漠としていて、人為的な移動というのは10センチなのか、1キロなのかというのは何も言っていないわけですが、そこは常識的に考えるべきです。由来が全くわからないような場所に持ち込まれて、そこに新たな汚染物が入り込むようなことは避けたいということだから、かなり広い団地的な造成の場合でも、みんなわかっているような場所であれば、その中で動く限りは、たとえ1ヘクタールだろうと10ヘクタールであろうと、そううるさく言うことはないという運用にならざるを得ないと思います。

(松本委員長)
 よろしゅうございますか。

(佐藤(泉)臨時委員)
 そういうことであれば、いいと思います。

(松本委員長)
 ありがとうございました。
 それでは、そのほかの意見を求めます。河内委員どうぞ。

(河内臨時委員)
 産業界からいろいろパブリックコメントを出しているのですが、ポイントは2つあったと思います。1つは、何か汚染の場所の対策を行おうとするときに、一々判断を地方自治に求めるとか悩むということがないような、シンプルで明確な基準にぜひ落とし込んでほしいということ。
 それからもう一つは、とにかく今、事業環境は非常に厳しいわけですから、これ以上、法律ができて不況になったら困るので、ぜひ合理的な制度にしてほしいということです。その中で、一つこれは提案といいますか、意見なんですけれども、今、工場等の中で、埋立地であるとか、過去の利用状況とか、あるいは過去の簡易な測定方法から、これは明らかに汚染されているなというのがあるわけですね。しかもまだ運転中の工場といったら、どんどん工事が行われるという状況で、そういうときに法に基づいて調査から入りますと、かなり時間も費用もかかるということですから、これは汚染していますよということを自ら認めた場合には、区分された区画のどれかに入るということであれば、事前の土壌の調査を免除してもらうという、ぜひそういうことをお願いしたいということです。ぜひ一度議論していただきたいと思います。
 それからもう1点、今この組み立てでは、できるだけ掘削除去をなくして、汚染土壌を外に持ち出さずに、移動はできるだけ押さえ込もうという趣旨、これは私はよくわかるんです。汚染の拡散をなくそうということ。ところが、必ずしもそれだけで行けるかどうかというと、やはり掘削除去も出てくる。そうすると、その土をどう処理するかというのは、やはりきちっとした再生利用をするというのが一番いいわけですね。いろいろなところの最終処分場とか埋立地に置くよりは、それは単に移すだけであって。だから、資源として再活用するということ、再生利用するということ。そのためにはセメントとか、あるいはいわゆる認定の処理場が対象になるわけですが、今なかなか認定が進んでいないですよね。したがって、受け皿をきちっと整備するため認定のための法的なガイドというか、どういうときに認定されるかということをもう少しきちっと整備して、受け皿をもっと充実するということの施策をぜひ入れてほしい。その点が非常に弱いように思うので、その点をひとつよろしくお願いしたい。

(松本委員長)
 ありがとうございました。今、河内委員から汚染が明らかになっている場合に、わざわざ分析を通じてやることもないので免除してほしいと、こういうご意見と。もう一つは、搬出土壌に対して、それを別の場所で処理する場合にいろいろな処理の仕方があるわけですけれども、現在その認定の仕方がどうも非常に厳しいとか、あるいは認定が受けにくいということで、もっと受け皿を広げてほしいと、こういうご意見であったかと思います。これについて。

(浅野委員)
 答申の文書の中に、どこまで今から書き込めるかというのは別問題としても、考え方としては、前半に関して河内委員のおっしゃることはあり得るだろうと思われます。というのは、要するに指定をされて、ある意味では不利益処分を受ける側がやってくださいと言っているのに、それをわざわざ金をかけて調べなきゃだめだというのは阿漕な話なので、委員長がおっしゃるような表現にしてしまうと、何となく免除するということだけ表に出てしまって誤解や論議をまねきそうです。そこで、そうではなくて、指定の調査を省略したかったら、さっさと指定するという制度があっていいのではないかとおっしゃるのであれば、それは大いにありうると思っています。
 2番目については……。

(松本委員長)
 要するに処理の……。

(浅野委員)
 ええ、これは、実は当審議会部会で前にも一回議論したことがあるのですが、先の話の廃掃法と複雑にかかわり合ってくる部分があるものだから、多少遠慮している面もあります。ですが、ご意見としてはまことにもっともですから、この答申では書きぶりが弱いということは確かにおっしゃるとおりです。そういうご議論があったことは、趣旨としては答申の中に盛られているということでいかがでしょうか。8ページに運搬、保管、処分等の各段階について守るべき基準を法に基づいて規定するというように書いてあります。この中に、今言ったように、できるだけ資源の有効利用をもっとすべしということが入るべきだろうということですから、表現として入れることができるかどうかは別にしても、議事録には入るわけでしょうし、政省令レベルの段階で、またそのことを強くお互いに言うことによってこの点はカバーできるのではないかと思います。
 前半に関しては、ちょっと文章化できるかどうか若干微妙なところがあると思います。審議官が何かご意見をお持ちでしょうか。

(伊藤水環境担当審議官)
 前段の部分については、まさにそういったご趣旨を踏まえて特例区域を新たに今回設けたということでありまして、これをまずは今後運用しながら、それを踏まえて今後いろいろまた考えていく必要があるのかなというふうに考えています。

(松本委員長)
 そのほか。
 大塚委員どうぞ。

(大塚委員)
 もう審議官がお答えになったのでいいんですけど、私が気になっているのは、今回、単に指定するということではなくて、6ページの下にあるように分類しなくちゃいけないので、調査をしないわけにいかないのではと思っております。

(浅野委員)
 いや、その分類を含めてちゃんと。最も厳しいものにしてくれと言われているから。

(大塚委員)
 そういうことなんですか。それだったらいいですけど。

(松本委員長)
 それでは、細見委員どうぞ。

(細見臨時委員)
 土壌の浄化の認定施設の件ですけれども、確かに土壌の浄化技術も、環境省でも低コスト化、低環境負荷型の技術の実証調査をずっとやっておりますし、これからどんどん低コスト化に向けて技術開発が行われていくということを考えていきますと、河内委員が言われたように、認定制度もできるだけ都道府県の差もなくやっていただければと思います。
 そのときに、私は8ページの表現で、3の搬出汚染土壌の適正処理を担保するための制度の充実についてというところで、ちょうど真ん中のところに「よって、やむを得ず搬出される」、そういう言葉が書いてあるんですが、やむを得ずというのは、私はこの際、汚染した土壌を浄化をしてリサイクルするという技術もありますので、そういう観点からすると「やむを得ず」とまで強く言わなくてもいいんじゃないかと思います。そういう意味では、汚染された搬出される土壌については適正処理を確保する。ここに重きを置いていただければいいんではないかと思います。

(松本委員長)
 ありがとうございました。
 今のご指摘、どうですか。「やむを得ず」はわざわざ……。

(笠井土壌環境課長)
 先ほど河内委員のご提案も、土壌の調査することよりもきちんと区域であることが周知されることが大事なので、それはいいと思いますし、先ほど稲垣委員からも言われた資料2の10ページのところで、大幅に増加するとは考えておりませんと予測というか、なるべく抑制をしたいので、こうするべきだという思いを書いてしまったところが議論の混乱を招いているようなので、ここのところは「抑制すべきことを位置づけておりますが、やむを得ず搬出される土壌についての適切な対応が必要であると考えております」と、直したいと思います。しかし、今の状況を考えれば、掘削除去をなるべく抑制していくんだという方針は強く打ち出す必要があると思いますので、私はこの「やむを得ず」のところは絶対必要だと思います。

(松本委員長)
 搬出土壌の量をなるべく抑えたいという思いからすれば、「やむを得ず」は付けたいという。

(細見臨時委員)
 あんまり熱くなり過ぎてもいけないのだとは思いますが、今課長の言われた趣旨は3の(1)に既に明確に位置付けるべきであると、抑制すべきことを書いてありますので、そこで意思は伝わるのではないかと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

(松本委員長)
 では、そのことも含めて、また再検討すると。
 どうですか、ほかの先生方。「やむを得ず」の部分。

(浅野委員)
 ここは委員長にお任せします、「やむを得ず」。

(松本委員長)
 それでは、あとは私と事務局で、その点について再度検討させていただきますので、この点についてはこの場で、そのようにしてよろしいですね。
 どうぞ、そのほかよろしいですか。
 大塚委員どうぞ。

(大塚委員)
 全体にかかわることで、非常に形式的な話で恐縮ですが、法制化のことを考えると気になるんですけど、搬出汚染土壌という言葉が私は気になっていまして、土壌汚染は土壌汚染でいいんですが、搬出土ではないかと思うんです。土壌というのは、搬出するものまで土壌というわけではないと思うのですが、法制化のときには、今回の報告書はこれでいいと思いますけれども、ぜひ精査していただければと思います。

(松本委員長)
 土壌か、土か。搬出土壌か、搬出土か。その点、語句にも気を払っていただきたいというご指摘です。よろしくお願いします。

(浅野委員)
 結論的に言うと、今まで区別していなかったことが問題なのであって、大塚委員の言われるように、この際はっきりと、できるものならやったらいいという気がします。土壌という概念は、本来ちょっと意味が違っていて、農用地土壌汚染から始まっている概念が、いつの間に都市内まで全部土壌できている。私は昔、土壌環境センターのエッセイに、都市内の問題は「土汚染」だと書いたことがあります。今のところ、その考え方は変わりません。

(松本委員長)
 私の専門からいって恐縮でございますが、土壌という場合の「壌」は醸すというところからきているので、やはり土壌生物なり土壌動物がいる、そういった一つのコミュニテイーを持ったものが土壌でございまして、汚染土というべきではないかなと。これは私の非常に限られた範囲からの意見でございます。
 どうぞ、そのほか。
 それでは、たくさんのご意見をいただきまして、これでご意見のある方いらっしゃいませんか。
 細見委員、どうぞ。

(細見臨時委員)
 パブリックコメントのお答えに対して、法制化の過程とか制度化の過程とか、幾つか使い分けがされてあって、あるいは政府の何とかの定めによるとか、この辺の違いをちょっと教えていただければなと。

(浅野委員)
 別に法制化と制度化といっても取り立てて区別はないと思います。用語を統一してもいいですね。法律化と書いた場合は、法律でやるのか、政省令にするのかという問題はあるのだけど、法制化と言っている限りは両方含みます。ひょっとしたら、自主的な取組制度みたいなものを意識して制度化と言っているのかもしれませんが。

(松本委員長)
 では、その点の表現の仕方、よろしくお願いします。
 それでは、委員の皆様方から非常にたくさんのご意見をいただきましたので、ここで本文に反映すべき修正部分について確認をとっておきたいと思います。
 事務局で、もしその点について既にまとめていらっしゃるのであれば、この際お願いをしたいと思います。

(笠井土壌環境課長)
 5ページの第2文がいろいろな誤解を招くので、第1文だけでいいのではないかというご指摘があったかと思います。第2文は全部削除します。第1文の考え方の中で、制度の検討をするようにということで理解しております。
 あと、私のこだわりの「やむを得ず」のところは座長預かりになったと思いますが。

(松本委員長)
 そのほか、抜けているところはございませんか。
 それでは、審議官どうぞ。

(伊藤水環境担当審議官)
 8ページの「やむを得ず」のところでありますけれども、修文案としましては、これは確かにくどいという部分もなきにしもあらずなので、「よって、」の後に、「上記(1)を踏まえた上で、搬出される汚染土壌について」と、こういった格好で修文するということにしていただければ、いかがでしょうか。

(松本委員長)
 いかがでしょうか。

(細見臨時委員)
 結構でございます。どうもありがとうございます。

(松本委員長)
 それでは、ただいま事務局から確認いたしました修正で、全体的によろしゅうございますか。

(異議なし)

(松本委員長)
 ありがとうございました。
 それでは、よろしければ、本日の資料3にただいまの修正を加えましたものを今後の土壌汚染対策の在り方についての土壌制度小委員会のとりまとめとしたいと思います。ここで再度、よろしゅうございますね。

(異議なし)

(松本委員長)
 ありがとうございました。
 それでは、今後の手続について説明をします。資料3につけておりますが、「中央環境審議会土壌農薬部会の小委員会の設置について」によりますと、土壌制度小委員会の決議は、部会長の同意を得て、土壌農薬部会の決議とすることができる。このように明記されております。
 したがいまして、土壌農薬部会長である私松本が同意することにより、土壌農薬部会の決議といたします。本日の小委員会終了後、私から中央環境審議会の鈴木会長に報告を行いまして、鈴木会長の同意を得た上で中央環境審議会の答申として、鈴木会長から斉藤環境大臣へ答申が手渡される予定になっておりますので、ご承知置きください。
 それでは、最後に本日の資料の取り扱いについて説明しておきたいと思います。土壌農薬部会の運営方針では、公開することにより公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがある資料や、公開することにより特定の者に不当な利益もしくは不利益をもたらすおそれがある資料などは、小委員長の判断に基づき非公開とすることとされております。本日配付いたしました資料は、いずれもこれに該当しないことから公開といたします。また今回の議事録につきましては事務局で調製しました後に、発言委員にご確認をお願いすることとなっておりますので、その際よろしくお願いいたします。
 小委員会の委員長を務めさせていただきましたけれども、皆様の協力を得まして小委員会を円滑に運営することができましたことを心から感謝申し上げたいと思います。どうもありがとうございました。
 それでは進行を事務局にお返しいたします。

(笠井土壌環境課長)
 答申案をとりまとめいただき、ありがとうございました。なお、答申のほか、今日のパブリックコメントに対する考え方も公表することになりますので、本日の審議を踏まえてどういう形で公表するかというのは部会長と相談させていただくということにいたしたいと思います。
 それでは、水・大気環境局長の白石から一言ごあいさつ申し上げます。

(白石水・大気環境局長)
 本来は、水環境担当審議官からごあいさつ申し上げるのかなとも思いますが、私、実はご案内のように19年の6月のあり方懇談会のスタートとほぼ同じころから、この問題にかかわってまいりましたので、あえて私からごあいさつをさせていただきます。
 あり方懇のとき以来、あれが今年の3月までかかって、いろいろなご議論をいただいた。ブラウンフィールド問題であるとか、そういう経済的なことについても、関係各省の方にも議論にいつもオブザーバーとして参加していただいて、あり方懇をまとめさせていただきました。
 その中で環境省の所掌に限りますれば、このようなことになるのではないかという土壌汚染対策のまとめを、これまた5月に諮問して以来、6月が最初で、ほぼ半年の間に何と9回でございます。夏休みの間も3週間置きにやっていただいたということで、本当に精力的におまとめいただきまして、今の委員会の中でも委員の先生方からご指摘があるように、いろいろな環境施策のかかわりの中で、うまいご指摘、方針を示していただいたというふうに大変感謝申し上げております。
 実は内情を申し上げますと、内々に内閣法制局と考え方のすり合わせということもさせていただいております。そういう中では、実はここの議論をどう文章に書くかということになった際に、いろいろ理屈をこねなければならない部分がありまして、その部分が何かごつごつした、何だこの文章の意味はというパターンになっていたところがありまして、また、そういう熱い思いがあったがゆえに土壌環境課長から、本来審議会の答申などで私どもから言うのは僭越な発言まで飛び出してしまったわけでございますけれども、そういう事情もありまして、法制局的には汚染土壌の抑制ということが一つの柱として説明をする形をとっているということもありまして、ちょっと口が滑り過ぎた部分もあったかと思いますが、どうぞご寛恕いただければと思います。
 今、申し上げましたように、ご答申をいただきまして、きょう大臣に提出させていただきますれば、私どもこれを受けまして、次の通常国会に向けて法制化の作業をやらせていただこうと思います。また、法制化できました暁には、当然政令、省令といった細かい部分の作業もあります。その中では、きょう議事録に残していただく形で、さまざまご指摘いただいた部分も、またこちらで再度ご指摘をいただく中で、そういう作業についても、また、ご意見を賜ることがあろうかと思います。どうぞ引き続きよろしくお願いいたします。
 若干長くなりましたが、あいさつをさせていただきました。本当にありがとうございました。

(松本委員長)
 それでは、最後の締めを。

(笠井土壌環境課長)
 締めではないんですけど、大変熱心なご議論いただき、ありがとうございました。お忙しい中、9回にわたりありがとうございました。本日の土壌制度小委員会は閉会とさせていただきます。
 どうもありがとうございました。

(了)