中央環境審議会土壌農薬部会農薬小委員会(第55回)議事録

日時

平成29年1月13日(金)13:30~16:05

場所

中央合同庁舎5号館 環境省第1会議室

出席委員

委員

白石 寛明(委員長)

臨時委員

天野 昭子

田村 洋子

築地 邦晃

根岸 寛光

細見 正明

山本 廣基

専門委員

浅野 哲

稲生 圭哉

内田 又左衞門

後藤 千枝

山本 裕史

(欠席は、浅見臨時委員、五箇臨時委員、佐藤臨時委員、染臨時委員)

委員以外の出席者

環境省

 小笠原室長、羽子田室長補佐、岡野室長補佐、大竹係長、福澤係員

オブザーバー

 農林水産省

 独立行政法人農林水産消費安全技術センター

 国立研究開発法人国立環境研究所

議題

(1)水産動植物の被害防止に係る農薬登録保留基準として環境大臣の定める基準の設定について

(2)水質汚濁に係る農薬登録保留基準として環境大臣の定める基準の設定について

(3)その他

配付資料

資料1   諮問書(写)及び付議書(写)

資料2   水産動植物の被害防止に係る農薬登録保留基準として環境大臣の定める基準の設定に関する資料(案)

資料3-1 水質汚濁に係る農薬登録保留基準として環境大臣の定める基準の設定に関する資料(案)

資料3-2 安全性評価資料 トリチコナゾール

資料4   水産動植物の被害防止及び水質汚濁に係る農薬登録保留基準の設定を不要とする農薬について(塩化コリン)(案)

資料5   水産動植物の被害防止に係る農薬登録保留基準の設定を不要とする農薬について(グリセリンクエン酸脂肪酸エステル)(案)

資料6   農薬原体の成分規格導入に伴う水産動植物への影響評価の進め方について(案)

資料7   水産動植物の被害防止に係る農薬登録保留基準値(案)に対する意見募集の実施結果について(案)

資料8   水質汚濁に係る農薬登録保留基準値(案)に対する意見募集の実施結果について(案)

資料9   「ゴルフ場で使用される農薬による水質汚濁の防止及び水産動植物被害の防止に係る指導指針(案)」に対する意見募集の実施結果について(案)

参考資料1 農薬評価書 グリホサート(食品安全委員会資料)

参考資料2 農薬評価書 シクラニリプロール(食品安全委員会資料)

議事

【小笠原室長】 それでは、細見委員が少し遅れているようではありますが、定刻となりましたので、ただいまから第55回土壌農薬部会農薬小委員会を開催させていただきます。

 まず初めに、委員の出席状況のご報告をさせていただきます。

 本日は、浅見委員、五箇委員、佐藤委員、染委員がご欠席でございますが、本委員会開催の定足数を満たしておりますことをご報告いたします。

 続きまして、本日の配付資料の確認をさせていただきます。

【大竹係長】 それでは、資料のご確認をお願いいたします。お手元に議事次第と配付資料一覧がございますので、ご覧いただければと思います。

 資料は1から9まで、参考資料は1から2となっております。

 委員の皆様方のお手元には、すみれ色のファイルにとじた資料が置いてございます。こちらは、検討会におきます過去の審議で整理しました考え方等をまとめたものでございます。適宜ご参照いただきたいと考えております。

 傍聴者の方々につきましては、お近くの席にファイルにつづったものをご用意しておりますので、そちらをご参照いただければと思います。

 なお、こちらは随時差し替えを行っておりますので、会議が終わりましたら机の上に残していただきますようお願いいたします。

【小笠原室長】 それでは、議事に入らせていただきます。議事の進行は白石委員長よりお願いいたします。

【白石委員長】 では、進行を務めさせていただきます。

  年が改まりまして、早速の委員会ということなのですけども、ご参集いただきまして、誠にありがとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 本日の農薬小委員会は、議事次第にございますように、主に二つの議題とその他の審議が予定されています。円滑かつ活発なご審議をお願いします。

 初めに、本日の会議と資料の公開の扱いについて説明をいたします。

 本日の農薬小委員会は、土壌農薬部会の運営方針の非公開とする理由には当たらないことから公開とさせていただきます。

 資料につきましても公開とさせていただきます。

 次に、農薬小委員会の決議の取扱いについてご説明させていただきます。

 小委員会の設置についての土壌農薬部会決定では、農薬小委員会の決議は部会長の同意を得て土壌農薬部会の決議とすることができるとなっております。

 したがいまして、この農薬小委員会で決定をいただきましたら、土壌農薬部会の岡田部会長の同意をいただいた上で部会としての決定としていくことになります。よろしくお願いします。

 それでは、議事次第に沿って議事を進めたいと思います。

 それでは、まず、事務局から諮問書を紹介してください。

【大竹係長】 資料のほうは資料1でございます。こちらが諮問書と付議書になってございます。

 本日ご審議いただきますのは、平成29年1月4日付で、環境大臣から中央環境審議会会長宛に諮問がなされた農薬でございます。

 告示第3号の水産動植物の被害防止に係る農薬登録保留基準の設定につきましては、資料でいいますと2ページから3ページ目の別紙1の農薬についてで、告示第4号の水質汚濁に係る農薬登録保留基準の設定につきましては、4ページから5ページ目の別紙2の農薬についてご審議いただきたいと思います。

 なお、こちらの諮問につきましては、6ページの付議書のとおり、平成29年1月5日付で、土壌農薬部会に付議がなされてございます。

 説明は以上でございます。

【白石委員長】 ありがとうございました。

 それでは、議事の1番目、水産動植物の被害防止に係る農薬登録保留基準として環境大臣の定める基準の設定についての審議に入ります。

 この件につきましては、農薬小委員会に先立ち、水産動植物登録保留基準設定検討会において、基準値設定の根拠となる農薬登録申請者から提出された試験結果や公表文献について精査を行うとともに、これらのデータに適用する不確実係数等を設定し、基準値案を作成していただいております。

 事務局から資料の説明をお願いします。

【大竹係長】 資料2をご覧ください。水産動植物の被害防止に係る農薬登録保留基準値案に関する資料でございます。

 本資料は、水産動植物登録保留基準設定検討会において、一度ご審議いただいておりますので、作用機構等と総合評価を重点的にご説明させていただき、その後、検討会でどのようなご指摘・ご審議が行われたかを簡単に紹介させていただきます。

 それでは、1枚おめくりいただきまして、1ページ目のイソキサベンから説明させていただきます。

 イソキサベンでございますけれども、物質概要は、1ポツの表に記載のとおりでございます。

 2ポツの作用機構等でございますけれども、イソキサベンは、非ホルモン型の吸収移行型除草剤であり、その作用機構は、セルロース生合成阻害と考えられております。雑草の発芽時に根部から吸収され、胚軸及び根の細胞壁の生合成阻害による細胞分裂阻害により幼少雑草を枯殺するものでございます。

 本邦での初回登録は1991年。

 製剤は粒剤及び水和剤、適用農作物等は樹木、芝等がございます。

 原体の輸入量は、記載のとおりでございます。

 3ポツの各種物性については、1ページ目から2ページ目にかけての表に記載のとおりでございます。

 それでは、2ページ目に移りまして、水産動植物への毒性についてでございます。魚類については、コイを用いた魚類急性毒性試験が実施されております。試験の概要は表1に記載のとおりで、最高濃度区においても死亡は確認されていないことから、96時間LC50は、実測濃度の有効成分換算値に基づきまして、1,090μg/L超でございました。

 3ページ目に移りまして、魚類への毒性試験としてニジマスを用いた試験も提出されてございます。こちらにつきましても、最高濃度区で死亡は確認されておらず、実測濃度の有効成分換算値に基づきまして、96時間LC50は1,000μg/L超でございました。

 3ページ目の(3)ブルーギルについてですけれども、こちらも死亡は確認されていないことから、実測濃度の有効成分換算値に基づきまして、96時間LC50は1,000μg/L超でございました。

 4ページに移りまして、甲殻類等でございます。オオミジンコを用いたミジンコ類急性遊泳阻害試験が実施されております。表4に試験の概要を記載してございます。こちらも遊泳阻害が確認されませんでしたので、48時間EC50は実測濃度の有効成分換算値に基づきまして、1,300μg/L超でございました。

 4ページの藻類についてですけれども、ムレミカヅキモを用いた藻類生長阻害試験が実施されております。表5に試験の概要が記載されてございます。72時間の生長阻害率でございますけれども、最高濃度区においても生長阻害が確認されなかったことから、72時間ErC50は実測濃度の有効成分換算値に基づきまして、1,200μg/L超でございました。

 5ページに移りまして、水産動植物被害予測濃度(水産PEC)の算定でございます。

 製剤の種類及び適用農作物等でございますけれども、製剤としては粒剤及び水和剤がございまして、適用農作物は樹木と芝等ということでございます。

 このことから、水産PECの算出においては、非水田使用時のPECを算出いたしました。第1段階のPECを算出するに当たりましては、表6に記載の使用方法及びパラメーターを用いて算出いたしました。適用農作物等は樹木で、土壌表面散布ということで、非水田使用時のPECTier1を算出いたしましたところ、0.0039μg/Lでございました。

 6ページに移りまして、総合評価でございます。

 水産動植物への毒性といたしまして、各生物種のLC50、EC50は記載のとおりでございます。これら毒性値から各生物種の急性影響濃度を算出いたしました。

 魚類については、コイ、ニジマス、ブルーギルということでございまして、3種(3上目3目3科)ということでございますので、不確実係数は10ではなく、4を適用いたしまして、最小の値1,000μg/L超を4で除して250μg/L超と算出いたしました。

 甲殻類につきましては、EC50、1,300μg/L超、不確実係数10で除しまして130μg/L超、藻類急性影響濃度につきましては、ErC50を根拠といたしまして、1,200μg/L超といたしました。

 これらのうち最小のものであります甲殻類の急性影響濃度から、登録保留基準値は130μg/Lといたしました。

 2ポツのリスク評価でございますけれども、水産PEC、0.0039μg/Lが、登録保留基準値案130μg/Lを超えていないことを確認しております。

 本農薬の検討経緯でございますけれども、平成28年12月9日の平成28年度の第5回の水産検討会においてご審議いただいたものでございます。そのときの議論なのですけれども、魚類の急性毒性試験で用いた魚の体長が、若干農薬取締法テストガイドラインからの逸脱がありましたけれども、トータルで見まして評価に用いることが可能とのご判断をいただきましたので、毒性値として採用いたしました。

 説明は以上でございます。

【白石委員長】 ありがとうございました。では、1題ずつ審議をお願いしたいと思います。イソキサベンにつきまして、ご質問、基準値案についてのご意見等ありましたらお願いいたします。いかがでしょうか。吸収移行型の除草剤で、セルロース生合成阻害ということですが、この辺はよろしいですか。水溶解度が約1,000μg/Lのようなので、輸入量ですかね、これは輸入農薬ということですかね、15tから6tの間になっているということです。いかがでしょう。毒性の部分はほとんど影響が出ておりません。

 はい、いかがでしょうか。毒性の点も、特に検討会のほうで問題なかったようですので、何かありますか。よろしいですか。

 はい、どうぞ。

【山本(裕)専門委員】 特にありませんけども、もともと水溶解度がかなり低いので、この低い物質について100,000μg/Lと過剰に添加したものを、これはろ過とかせずに直接試験されたのですかね。そこのところはわからないですか。

【大竹係長】 そちらにつきましても議論がございまして、報告書や申請者に説明を求めたところ、設定濃度としては記載のとおりですが、実測のときにはろ過をしているので、試験の設定としては10,000μg/Lとされていますが、溶けているものを計って毒性値としては持ってきていますという説明はありましたので、水産動植物への毒性の観点からは問題ないということで了承はされております。

【山本(裕)専門委員】 恐らく過剰なのは別に構わないと思う、安全側なのでいいと思うのですけども、先ほど言われたのは、測定するときにろ過されたのか、それともろ過してから溶液に使われた、試験に使われたのかとかというようなことはわからなかったということですか。

【大竹係長】 測定をする前にろ過をしております。

【山本(裕)専門委員】 わかりました。ありがとうございます。

【白石委員長】 いいですか。測定値はそういうことになるけど、実際に試験をしたのはどっちかまだ、確認いただくということで、はい。

【山本(裕)専門委員】 わからないということですね。はい、わかりました。

【白石委員長】 その他、いかがでしょう。これは多分助剤なしなので相当、もしも、察すると懸濁した状態になっているのではないかと思いますけど。

 検討会に出られた先生、何か記憶がないですか。

【山本(廣)臨時委員】 あまり議論なかったと思いますけどね。

【白石委員長】 ああそうですか。

【山本(廣)臨時委員】 事務局から言われたので。

【白石委員長】 適切にやられているのではなかろうかと思いますけど、確認をお願いするということで。

【山本(廣)臨時委員】 毒性値としてはいいのではないかということですね。

【白石委員長】 はい。

 他、いかがでしょうか。

(発言なし)

【白石委員長】 特にないようでしたら、水産PECの算定についてはいかがでしょう。問題ないですか。

(はい)

【白石委員長】 はい、ありがとうございます。

 では、具体的な試験条件について質問いただきましたので、それをちょっとご回答いただくということでよろしいですか。

【大竹係長】 メールでということですか。

【白石委員長】 はい、メールでも口頭でもいいのですけども、特に山本(裕)委員ですね。

【大竹係長】 じゃあ、後ほど確認してご説明をいたします。

【白石委員長】 はい、よろしくお願いいたします。

 では、総合評価をご確認ください。全部超値ということになっております。その中で最小影響濃度としましては、甲殻類のところがとられまして、登録保留基準値は130μg/Lとするということでございます。PECを確認したところ、これを超えてないということです。よろしいでしょうか。

(異議なし)

【白石委員長】 では、イソキサベンにつきましては、資料としてはこの案を認めるということにさせていただきたいと思います。ありがとうございました。

 では、続きまして、オキスポコナゾールフマル酸塩についてお願いします。

【岡野室長補佐】 7ページをご覧ください。オキスポコナゾールフマル酸塩ですが、物質概要はこの表のとおりとなっております。

 作用機構ですが、オキスポコナゾールフマル酸塩は、イミダゾール構造を有する殺菌剤であり、その作用機構は細胞膜の構成成分であるエルゴステロールの合成過程におけるC14位の脱メチル化阻害であります。

 本邦での初回登録は2000年です。

 製剤は水和剤が、適用農作物等は果樹及び芝がございます。

 原体の輸入量はこのような数字になっております。

 各種物性につきましては、3ポツの表のとおりでございます。

 次のページ、おめくりいただきまして、水産動植物への毒性ですが、コイについて試験が行われていまして、設定濃度1,500から15,700ということで実施されており、96時間LC50が3,970μg/Lということになっております。

 9ページ行きまして、オオミジンコの試験ですが、こちらは48時間EC50で、2,520μg/Lという数字になっております。

 10ページに行っていただきまして、藻類生長阻害試験(ムレミカヅキモ)ですが、実施の結果、表3のような結果になっておりまして、72時間ErC50が3,870μg/Lということでございます。

 11ページに行きまして、水産PECですが、適用農作物等で果樹及び芝があり、最も大きくなるものについて、表4に記載しております。左側の欄にあります使用方法に基づき、右側の各パラメーターの値を農薬取締法テストガイドラインに基づいて設定いたしまして計算した結果、0.022μg/Lという非水田の第1段階のPECになっております。

 12ページですが、総合評価で、コイ、オオミジンコ、ムレミカヅキモにつきまして、先ほどの数値をとってきまして、魚類と甲殻類について10で除すと。藻類についてはそのままの値を採用しまして、最小の値としては、オオミジンコ急性遊泳阻害試験の2,520を10で割りました250μg/Lということを採用されております。

 リスク評価ですが、水産PECが0.022μg/Lでありまして、登録保留基準値の今回の案250μg/Lを超えていないということを確認しております。

 水産検討会での議論ですが、本剤の場合は、水にも溶けておりますし、濃度に対する死亡の反応も出ておりますので、特段疑義なく通っております。

 以上です。

【白石委員長】 ありがとうございました。では、ただいまのオキスポコナゾールフマル酸塩について、ご質問、基準値案についてご意見等をお願いいたします。

 構造式にあるように、これ塩ですね。フマル酸部分と、多分この大きなベンゼン環になるほうは乖離しているのでないかと思いますけども、オクタノール/水分配係数とか、生物濃縮係数というのは、塩のこちらの左側部分についての値ということなのですかね。どのように計られたかちょっとあれなのですけども、多分そういうことじゃなかろうかと想像しますが、水溶解度はそこそこあるというものでございます。殺菌剤で、輸入量が大体5t程度のものである。いかがでしょうか。

 毒性のほうはいかがですか。特に問題なかったということですか。よろしいですか。

 はい、どうぞ。

【山本(裕)専門委員】 1点だけ気になったのは、コイのところで、硬化ヒマシ油を使っておられるのですが、他は普通に助剤なのですけど、これたしか、今確認していたのですが、アセトンか何かに溶かして、アセトンを揮発させて硬化ヒマシ油に溶かして分散剤として使っているかのようにあるのですが、そういう場合は硬化ヒマシ油だけでいいですかね。ここの書きぶりはそれでよかったのかとちょっと私もわからなかったので、そこだけ確認していただければと思います。

【白石委員長】 アセトンはもう飛ばしちゃって。

【山本(裕)専門委員】 飛ばしちゃっているから大丈夫だということなのですかね。その辺りもちょっとわからなかったのですが。

 あと、ちょっとその濃度の換算の仕方が僕、正しく理解できなかったので、何度か電卓をたたいてみたのですが、ちょっとわからなかったので、助剤の濃度がちょっと正しいかどうかだけ確認していただければと思います。

【岡野室長補佐】 助剤の濃度はもう一度こちらでも確認をいたします。

 アセトンの件ですが、揮発させているのでここには書かないということで、水産検討会の中では結論になっております。

【山本(裕)専門委員】 わかりました。

【白石委員長】 他、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。濃度について確認されるということですが、確認した結果、少し結果が変わるということがあり得ますか。

【岡野室長補佐】 助剤の濃度だけですので、結果には影響がないと思います。

【白石委員長】 影響ないですか。はい、わかりました。

【山本(裕)専門委員】 ちょっと気になったのは、これ100というのがぎりぎりなので、0.01%、100mg/Lというのが助剤の限度のぎりぎりなので、それでちょっと合っているかどうか確認していただければという話です。

【白石委員長】 わかりました。ガイドライン上ですね、はい。では、お願いいたします。

 他、いかがでしょうか。

(発言なし)

【白石委員長】 よろしいようでしたら、水産PECについてご意見ありましたらお願いします。よろしいですか。

(発言なし)

【白石委員長】 はい。ありがとうございます。

 では、特にご異論ないようですので、総合評価をご確認ください。3種の試験で影響濃度が出ております。同じような値ですけども、これらのうち急性影響濃度が最小となるミジンコの試験結果をとって、登録保留基準値は250μg/Lとするということです。水産PECは超えていないことを確認したということで、よろしいでしょうか。

(異議なし)

【白石委員長】 はい。では、これにつきましては案のとおりとさせていただきます。ありがとうございました。

 では、続きまして、ジクロルプロップについて説明をお願いします。

【大竹係長】 資料のほうは13ページでございます。ジクロルプロップでございますけれども、1ポツ、物質概要については、表に記載のとおりでございます。

 2ポツの作用機構等でございますけれども、ジクロルプロップは、オーキシン活性を有する植物成長調整剤であり、その作用機構は酵素的にエチレンの生成を制御する作用を高めると同時に、成長ホルモン経路を通じて、またはオーキシン活性が直接セルラーゼ活性を抑制して、果実の離層形成を遅らせ、落果を抑制するものと考えられております。

 本邦での初回登録は1982年。

 製剤は液剤、適用農作物等は果樹でございます。

 原体の輸入量については、申請者に聞き取りましたところ、記載のとおりでございました。

 3ポツの各種物性ですけれども、13ページから14ページにかけての記載のとおりでございます。

 14ページに移りまして、水産動植物への毒性でございます。

 まず、魚類についてですけれども、コイを用いた急性毒性試験が実施されております。表1に試験の概要が記載してございます。死亡が確認されておりますので、こちらの値に基づきまして、LC50を計算したところ、96時間LC50は設定濃度の有効成分換算値に基づきまして、181,000μg/Lと算出いたしました。

 15ページに移りまして、甲殻類等、オオミジンコを用いたミジンコ類急性遊泳阻害試験でございます。表2に試験の概要を記載してございます。こちらも遊泳阻害は確認されておりますので、表に記載の値を用いまして、設定濃度の有効成分換算値に基づきまして、290,000μg/Lと算出いたしました。

 16ページに移りまして、藻類でございます。ムレミカヅキモを用いた藻類成長阻害試験が提出されております。こちらも0から72時間の生長阻害率は表のように確認されておりますけれども、50%を超えるものでなかったということでございまして、設定濃度の有効成分換算値に基づきまして、1,000,000μg/L超でございました。

 17ページに移りまして、水産動植物被害予測濃度(水産PEC)の算定でございます。

 製剤の種類及び適用農作物等でございますけれども、農薬といたしましては液剤で登録があり、適用農作物等は果樹ということでございますので、非水田使用時のPECを算出いたしました。

 第1段階のPECを算出するに当たりましては、表4に記載の使用方法及び各パラメーターを用いましてPECを算出いたしました。算出結果でございますけれども、非水田PECTier1は0.0028μg/Lでございました。

 18ページに移りまして、総合評価でございます。

 各生物種のLC50、EC50は記載のとおりでございます。これらの値を用いまして急性影響濃度を算出いたしました。魚類につきましては、LC50をそのまま採用いたしまして、不確実係数10で除して18,100μg/L、甲殻類の急性影響濃度については、EC50を採用して、不確実係数10で除して29,000μg/L、藻類につきましては、ErC50を採用して、1,000,000μg/L超といたしました。これらのうち最小の急性影響濃度であります魚類のものを用いまして、登録保留基準値案は18,000μg/Lといたしました。

 2ポツのリスク評価でございますけれども、水産PEC、0.0028μg/Lが、登録保留基準値案18,000μg/Lを超えていないことを確認しております。

 こちらのジクロルプロップについてですけれども、28年度の第5回水産検討会、12月9日に開催いたしました水産検討会でご議論いただきました。水産検討会における議論ですけれども、有効成分はジクロルプロップですが、試験においてはジメチルアミンという物質を加えてpH調整をしているということでございまして、そのことについて議論がございました。まず、pHを調整することという観点と、ジメチルアミンという物質を使うという観点で議論がございました。

 まず、pHを調整することについてですけれども、環境中ではpHは大きく変化しないということから、pH調整を行うこと自体は今回は問題ないとの結論を頂きました。ジメチルアミンを加えるということについては、まず、ジメチルアミンを加えた状態でもジクロルプロップは完全に乖離しているということが、申請者より説明されましたて水産検討会でもこのことはご了承いただきましたので、ジクロルプロップそのものの毒性は確認できているということがまず一つございました。

 加えて、EPAのほうでもジクロルプロップの評価はされておりまして、同じようにジクロルプロップでpH調整を行ったものと行っていないものの試験が両方出ております。それらの試験結果を比較したところ、ジクロルプロップにジメチルアミンを加えることによって毒性が緩和されていなかったので、総合的に評価いたしまして、ジメチルアミンを加えた今回の試験でもジクロルプロップの毒性は評価できているという判断をいただきましたので、登録保留基準値案を今回説明させていただいております。

 説明は以上でございます。

【白石委員長】 ありがとうございました。ただいまのジクロルプロップについて、ご質問、基準値案についてのご意見をお願いいたします。

 大分古い登録の、1982年が初回登録という剤ですけども、オーキシン活性、植物成長調整剤ということで使われていると。輸入量は最近ないということですかね。0から11tぐらい。酸ですので、pKaが3.29ですか。蒸留水に溶かすと多分酸性になっているということで、水溶解度は、蒸留水からpHを上げるに従って溶けるようになるというようなものであると、だと思います。試験でジメチルアミンを使っているということについて、いろいろと議論があったみたいですが、ジメチルアミン自体が毒性が発現するのではないかという気がしますけども。特にジメチルアミンの毒性があったとしても、いわゆる安全側にはなっているのですかね、という判断もあったということだと思いますが、いかがでしょうか。

 はい、どうぞ。

【山本(裕)専門委員】 大体、議論について、事務局案については大きな問題は僕もないと思うのですけれども、ご説明もほぼ納得するのですが、ただ、全く記載がなくて大丈夫なのですかね。そのジメチルアミンでのpH調整を行った状態で試験を行っただとか、ジメチルアミンの毒性影響を及ぼす濃度よりも低い濃度で実施したとかということは書かれてもいいような気はしたのですけれども、その辺りちょっと混乱を招くから全部書いていないということなのかもしれませんが、ちょっとそこら辺りは考えられてもいいのかなというふうには思いました。中身見た感じでは、そのジメチルアミン自体が影響を及ぼすということはないと思うので、ご検討されている案については問題ないと思いますが、ちょっとその辺りはご検討いただければと思います。

【白石委員長】 事務局から何かご回答あればお願いします。

【岡野室長補佐】 細かい試験条件とかにつきましては、毒性試験の内容については水産検討会でご議論いただいているということで、他の条件というのは、この小委員会の中ではこれまでおつけをしていないのですね。今回特別にこれについて書くということにするのか、または、ここは水産検討会で判断しているということにするのかという、どちらかだとは思います。

【白石委員長】 ここは議事録には残っているので、使ったということは残るとは思うのですけども、ここに書くかどうかということで。

【山本(裕)専門委員】 ちょっとその辺り僕もわからないのですが、これまでの経緯があるので、それを尊重していただいていいのですが、ただ、助剤を書かれているので、助剤を書いているということは、そういった条件の一つでもあるので、そういったものとして、そういうpH調整ということぐらいは多分入れても別にいいのかなと。何々でpH調整したぐらいは入れてもいいのかなというふうに思っただけです。

【岡野室長補佐】 助剤というところに書く場合は、溶けないものに対して溶かすために使っているとか、そういうことで、基本はpH調整剤は使わないことというふうにガイドラインでは記載されております。ですので、ここに書く欄がないということになりまして、今回pH調整をしたということについて、水産検討会の中で議論いただいたので、これは助剤ではないということなのですね。

【山本(裕)専門委員】 助剤でないのはもちろんわかるのですけれども、pH調整を、これ結局pKaがすごく低いのですね。結局低いから、どうしてもそのもの自体だと酸性になってしまって、pHの影響が出てしまうということなので、pHを調整して試験をしたとかということぐらいでも書かれてもいいのかなという意味だったのですけどね。ガイドラインとしては、pHは調整、原則はしないということが書かれているけれども、今回やったけども、それは影響がないことを確認しているとかということは入ってもいいのかなと。議事録に残るということだったので別に問題ないと思うのですけれども、今後もしあれだったら、そういうことも検討されてもいいのではないですかということなので、まあどうしても書いてくださいということではなくて、検討していただければと思いますということです、今後。よろしくお願いします。

【白石委員長】 いかがでしょう、他の先生方。

 事務局は。

【岡野室長補佐】 書いたほうがいいということであれば、欄外にちょっとそういった旨を記載できるかどうかというのをちょっと検討させていただければと思います。

【白石委員長】 そうですね。今まで幾つかガイドラインから外れるようなものもありましたよね。そういったときには、特に書いているということはなかったですかね。

【岡野室長補佐】 それはちょっと書いていないですね。

【白石委員長】 ガイドラインに逸脱しているものについても、とりあえず見ていただいてという前提があるので、どういたしましょう。確かに。

【山本(裕)専門委員】 別に構わないです。

【白石委員長】 はい。一応検討だけ、検討していただけますかね。

【岡野室長補佐】 はい。ちょっとでは、検討させていただきます。

【白石委員長】 他、いかがでしょうか。

 では、その他ない、はい、どうぞ。

【築地臨時委員】 17ページの表4のところで、剤型に3%液剤とありますけど、これは登録の適用のところを見ますと、成分量が4.5%になっていますけれども、そこの確認をお願いします。

【白石委員長】 果樹に適用、剤型で4.5%ということですか。お願いします。

【岡野室長補佐】 すみません、こちらで一度持ち帰りまして、この数字を修正いたします。その結果、PECTier1のところが若干上がる可能性がありますので、上がったとしても登録保留基準値案を超えることはないと思いますが、また修正をしてご報告をさせていただければと思います。メールでそういったことをご報告させていただければと思います。

【白石委員長】 はい。よろしいでしょうか。剤型についてはもう一回見直すということで、剤型のところと、PECの値が変わってくるということだと思います。倍にはならないので、ということですね。それほど変わらないだろうということだと思いますけども、では、そのように検討いただくということでお願いいたします。後でご報告をいただくということでお願いします。

 その他、いかがでしょう。

(発言なし)

【白石委員長】 ないようでしたら、多分PECの値はそれほど大きくなるとは思えないので、総合評価のところをご確認いただきたいと思います。3種の試験のうち2種で影響が出ておりまして、最小の急性影響濃度として魚の値をとって、登録保留基準値を18,000μg/Lとするということでございます。水産PECは、ここは差し替えになると思いますが、差し替えになるのですかね、一応検討して、変わるようであれば差し替えいただくということになります。

【岡野室長補佐】 はい。

【白石委員長】 であって、登録保留基準値、これは18,000ということですので、超えていないということは確かであろうと思われますが、ここでご確認いただいてよろしいでしょうか。

(異議なし)

【白石委員長】 はい。じゃあ、特にご異論ないようですので、総合評価の部分、水産PECの部分はペンディングということですけども、基準値と、それを超えていないということは確認されたというふうにさせていただきたいと思います。修正点があれば、それについてメールで後日確認するということにさせていただきたいと思います。よろしいでしょうか。

(異議なし)

【白石委員長】 はい。ありがとうございました。

 では、次のピラジフルミドについてご説明をお願いします。

【岡野室長補佐】 19ページです。ピラジフルミドでして、物質概要は、ここの囲みのとおりになっております。

 2ポツ、作用機構等ですが、ピラジフルミドは、抗菌作用を有する殺菌剤であり、その作用機構はミトコンドリア電子伝達系複合体IIの活性を阻害し、糸状菌の胞子発芽、菌糸伸長及び胞子形成を阻害するものです。

 本邦では未登録です。

 製剤は水和剤が、適用農作物等は果樹、野菜、豆及び芝として、登録申請されています。

 各種物性は、こちらの表のとおりとなっております。

 20ページに行きまして、水産動植物への毒性ですが、まず、コイを用いた魚類急性毒性試験が実施されていまして、96時間LC50が1,600μg/Lということで、毒性値が出ております。

 21ページですが、甲殻類等試験で、ミジンコにつきまして試験が実施されていまして、48時間EC50が3,800μg/L超ということです。

 藻類ですが、ムレミカヅキモに対する試験が実施されていまして、72時間ErC50が3,400μg/Lとなっております。

 22ページに行きまして、水産PECですが、申請されている農薬抄録をもとにして、最もPECが高くなる用途、使用方法をとってきまして計算をした結果が表のとおりでありまして、0.0083μg/Lという非水田のPECTier1でございます。

 23ページで、総合評価です。

 コイについては1,600μg/L、オオミジンコにつきましては3,800μg/L超、ムレミカヅキモにつきましては3,400ということになっておりますので、それぞれの不確実係数を適用しまして、最も低いものということで、コイの試験の1,600を10で除した160ということで、登録保留基準値の案となっております。

 水産PECは0.0083μg/Lであり、登録保留基準値160μg/Lを超えていないということを確認しております。

 検討経緯ですが、前回の12月9日の水産検討会で議論されておりまして、議論としましては、ミジンコの試験でありましたり、ムレミカヅキモの試験でありましたりのところで、設定濃度と実測濃度が乖離しているということで、遊泳阻害の阻害というのは出ているけど、これが沈殿物による影響なのかどうかというのは議論されました。申請者に問い合わせをしまして、そこのところについてはどうかというのははっきりとは言えないということなのですが、実験につきましては沈殿がある状態でやっていまして、濃度の分析は遠心により沈殿を除いてやっているというふうな回答がございました。

 以上です。

【白石委員長】 ありがとうございました。これは殺菌剤で、ミトコンドリア電子伝達系IIの活性を阻害するというものだそうです。溶解度は今言及がありましたけども、2,000程度のものということです。pKaが11というので、これはほとんどアルカリ性みたいになっていますが、そういったものであるということです。よろしいでしょうか。

 毒性について、コメントがございましたらお願いします。これは助剤を使って沈殿物がある状態だったそうで、ミジンコですかね。溶解度のところで実測濃度は止まっているような形になっておりますけど。影響はEC50のほうは超値ということになります。よろしいでしょうか。

(発言なし)

【白石委員長】 特にご意見ないようでしたらば、水産PECのところでコメントがありましたらお願いします。特に問題ないということで、よろしいでしょうか。

(発言なし)

【白石委員長】 特にご意見ないようですので、総合評価をご確認ください。コイ、甲殻類、藻類で試験結果が得られておりまして、影響濃度が最小である魚のデータをとりまして、登録保留基準値は160μg/Lとするということでございます。水産PECは超えていない。よろしいでしょうか。

(異議なし)

【白石委員長】 はい。では、ピラジフルミドにつきましては案のとおりとさせていただきます。ありがとうございました。

 では、続きまして、フルルプリミドールについて説明をお願いします。

【大竹係長】 資料のほうですけども、24ページになります。フルルプリミドールでございます。

 1ポツの物質概要は、表に記載のとおりでございます。

 2ポツ、作用機構等でございますけれども、フルルプリミドールは、ピリミジンメタノール骨格を有する植物成長調整剤であり、その作用機構はジベレリン生合成の阻害であり、植物の節間伸長のみを抑制すると考えられております。他の植物ホルモンの生理作用には拮抗しないものでございます。

 本邦での初回登録は1989年。

 製剤は粒剤及び水和剤、適用農作物等は芝、樹木等でございます。

 原体の輸入量は、記載のとおりでございます。

 3ポツの各種物性でございますけれども、24ページから25ページの表に記載のとおりでございます。

 25ページに移りまして、水産動植物への毒性でございます。

 まず、魚類についてですけれども、コイを用いた魚類急性毒性試験が提出されております。表に記載のとおり試験が実施されておりまして、96時間LC50は実測濃度の有効成分換算値に基づきまして、14,100μg/Lと算出いたしました。

 26ページに移りまして、甲殻類等、オオミジンコを用いたミジンコ類急性遊泳阻害試験が実施されております。表2のとおり試験が実施されておりまして、それに基づきまして48時間EC50を算出いたしましたところ、設定濃度の有効成分換算値に基づきまして、11,300μg/Lと算出いたしました。

 27ページに移りまして、藻類、ムレミカヅキモを用いた藻類生長阻害試験が実施されております。表3に記載のとおり試験が実施されておりまして、72時間ErC50は実測濃度の有効成分換算値に基づきまして、12,800μg/Lと算出いたしました。

 毒性については以上でございまして、28ページに移りまして、水産動植物被害予測濃度(水産PEC)の算定でございます。

 農薬としては粒剤及び水和剤がございまして、適用農作物等は芝、樹木等でございます。

 そのため、水産PECの算定においては、非水田使用時のPECを算出いたしました。表4に記載の使用方法やパラメーターを用いまして、非水田PECTier1を算出いたしましたところ、0.016μg/Lでございました。水田適用はないことから、この値が最大の水産PECでございます。

 29ページに移りまして、総合評価でございます。

 各生物種のLC50、EC50は記載のとおりでございます。これら毒性値に基づきまして急性影響濃度を算出いたしました。魚類につきましてはLC50、14,100μg/Lを、不確実係数10で除して1,410μg/L、甲殻類等につきましてはEC50、11,300μg/Lを、10で除しまして1,130μg/L、藻類につきましてはErC50を採用いたしまして、12,800μg/Lといたしました。これらのうち最小の急性影響濃度でございます、甲殻類のものに基づきまして、登録保留基準値案は1,100μg/Lと提案させていただきます。

 (2)のリスク評価でございますけれども、水産PEC、0.016μg/Lが、登録保留基準値案の1,100μg/Lを超えていないことを確認しております。

 フルルプリミドールにつきましては、2回の水産検討会でご審議いただきました。まず、1回目が27年12月4日開催の27年の第4回の水産検討会でございます。2回目が28年12月9日の水産検討会でございます。水産検討会であった議論ですけれども、まず1回目では、藻類の試験について主に議論がされました。最初、申請者から提出された試験では、公比の設定が適切でないということと、特に当時の試験成績から算出されるErC50付近の実測濃度の信頼性に疑義がありました。そのため、最初に提出された試験では評価ができないということで、再度試験の実施を求めまして、今回の評価書に記載の試験が提出されて、28年12月9日の水産検討会でご議論いただきました。評価書27ページに記載の藻類の生長阻害試験が新たに実施された試験ということでございまして、こちらについてはガイドラインの適合性や、一度目にご指摘がございました公比の設定や濃度分析については問題ないということで、ここに提出されている試験に基づきして評価をいたしました。

 説明は以上でございます。

【白石委員長】 ありがとうございました。では、ただいまのフルルプリミドールにつきまして、ご質問、基準値案についてのご意見等をお願いいたします。

 ピリミジンとアルコール部分があるので、割と水に溶けやすいということですかね。あと、植物成長調整剤ということで、原体の、これも輸入量が近年1tから5.8tの間にあるということです。いかがでしょうか。

 毒性に関して何かコメントはございますでしょうか。藻類生長阻害試験が検討会のほうで新たにとり直すようにと指示があったということでございます。再試験が提出されて、それは問題なかったということですね。よろしいでしょうか。

(発言なし)

【白石委員長】 特にご意見ないようでしたらば、水産PECについてコメントございましたらお願いいたします。よろしいですか。

(発言なし)

【白石委員長】 特にご意見ないようですので、総合評価をご確認ください。3種の試験が出ておりまして、そのうちの最小の影響濃度として、オオミジンコの急性遊泳阻害試験の値をもって、登録保留基準値を1,100μg/Lとするということです。水産PECはこれを超えてないということです。よろしいでしょうか。

(発言なし)

【白石委員長】 特にご意見ないようですので、これは事務局案どおりとさせていただきます。ありがとうございました。

 では、続きまして、ホセチルアルミニウムにつきまして説明をお願いします。

【岡野室長補佐】 30ページをご覧ください。ホセチルアルミニウムですが、物質概要は囲みのとおりとなっております。アルミニウムがついているというものです。

 作用機構ですが、ホセチルアルミニウムは、有機リン系の浸透移行性殺菌剤であり、その作用機構は病原菌の胞子発芽抑制による植物への感染予防及び植物の病原抵抗性反応の増強であるということです。

 本邦での初回登録は1983年です。

 製剤は水和剤が、適用農作物等は果樹、野菜、芝等があります。

 原体の輸入量は、ここに記載のとおりの数字となっております。

 各種物性は、この表のとおりです。

 31ページに行きまして、水産動植物への毒性ですが、コイを用いた試験が実施されておりまして、96時間LC50で100,000μg/L超ということです。

 32ページですが、オオミジンコで、こちらも影響が出ておりませんが、48時間EC50が28,600μg/L超ということになります。

 33ページ、ムレミカヅキモの試験ですが、こちらは72時間ErC50が6,900μg/Lということで毒性値として出ております。

 34ページ行きまして、イカダモの試験が行われておりまして、16,000μg/L超ということで、有効成分換算値でなっております。

 この※のところにありますが、35,000μg/Lの濃度区につきましては、正確な細胞の計測が困難だったということで、表には記載はしているのですが、ErC50の超値のところには入れていないということになります。

 35ページですが、水産PECです。非水田の使用時で最大のPECが出るというものということで、このようになっておりまして、非水田PECTier1が0.22μg/Lということです。

 36ページで総合評価ですが、コイの急性毒性100,000超、オオミジンコ28,600超、藻類はムレミカヅキモとイカダモの低いほうをとっております。結局、このオオミジンコの急性遊泳阻害を10で除したものが採用されておりまして、登録保留基準値の案としては2,800μg/Lということになります。

 リスク評価ですが、水産PECが0.22であり、登録保留基準値2,800を超えてないということを確認しております。

 検討経緯ですが、昨年12月9日の水産検討会で議論されておりまして、こちらにつきましては、まず32ページをご覧ください。オオミジンコの試験ですが、設定濃度100,000で限度試験としてやっていますが、実測濃度との差があるということで、これの理由を申請者に問い合わせております。申請者によりますと、ホセチルの濃度測定をするときに、アルミニウム濃度からホセチル濃度を推定しているということでありまして、毒性値としては低い値にはなっているのですが、評価としては保守的な数値になるということがあり、問題ないというふうにされております。というような結論を水産検討会でいただいております。

 次に、藻類の試験ですが、24時間経過時点の細胞数を測定していないというのがあるのですが、0から2日、2日から3日、3日から4日の変動係数で計算をしまして、農薬取締法のテストガイドラインを満たす結果となっております。また、生物数も指数的に増加しておりますので、試験の妥当性としては問題ないだろうということでご結論いただいております。

 以上です。

【白石委員長】 ありがとうございました。では、ただいまのホセチルアルミニウムにつきまして、ご質問、基準値案についてのご意見等をお願いいたします。

 アルミニウムに三つ、エチルホスホン酸ですか、何かついたものだと思いますけども、比較的水で安定なのです。加水分解性が、5日間でpH4から7.9の間で安定だとか書いてありますので、この分子の形態のまま安定ということなのですね。溶解度は、相当水に溶けるというものになります。いかがでしょうか。土壌吸着係数はすぐ何か試験系内で分解するみたいな、これを土壌中は分解するみたいなものなのですかね。なかなかこの安定性がわからないのですけども、加水分解性はないみたいですね。

【山本(廣)臨時委員】 分解したためなのか、土壌の吸着みたいなことがあるのかもしれませんね。

【白石委員長】 なるほど。

 毒性のほうはいかがでしょうか。ミジンコの試験がアルミで濃度を測定しているということですね。アルミで測定して換算しているという数値がこれで、よくわからなかった、すみません、聞き取れなかった。これが低い値になっているのはどういうことかということなのですが。

【岡野室長補佐】 はい。試験をしているうちに下のほうに沈殿が出てきていまして、その中ほどで攪拌しないものを計ると、アルミ濃度が大分低い数字が出てきたというのがありまして、設定濃度でやるか実測濃度でやるかということの判断の中で低い方を使おうということで、低い方で設定されております。

【白石委員長】 わかりました。加水分解、5日間安定だというけども、この試験条件だと分解していたという。

【岡野室長補佐】 沈殿していまして、その分析の検体をとるとき、真ん中のところから沈殿物が入ってこないようなところをとって測定しているということで。

【白石委員長】 はい。沈殿物は多分アルミなのですよね。アルミを主とする。

【岡野室長補佐】 そうですね、はい。アルミも含むものが沈殿しているということになります。

【白石委員長】 で、アルミで評価しているから安全側であるということですね。

【岡野室長補佐】 はい。

【白石委員長】 はい、わかりました。いかがでしょうか。

【山本(廣)臨時委員】 その他はちゃんと懸濁しているのですものね。

【白石委員長】 そうですよね。

【山本(廣)臨時委員】 これだけ一つだけおかしい。

【白石委員長】 はい。よろしいでしょうか。検討会の判断、何かあれば。

【山本(廣)臨時委員】 まあ安全側だからいいのでしょうね。

【白石委員長】 はい、どうぞ。

【内田専門委員】 正式名はホセチルアルミニウムですか、それともホセチルが正式名ですか。

【白石委員長】 他の測定はホセチルアルミニウム。

【岡野室長補佐】 正式名はホセチルアルミニウムです、農薬登録上のですね。

【内田専門委員】 それは、ISO名だと思います。

【白石委員長】 ここですね。

【岡野室長補佐】 少々お待ちください。

【内田専門委員】 MAFF名がホセチル、ISO名はホセチルアルミニウム、そんな感じですか。

【岡野室長補佐】 失礼しました。MAFF名がホセチルで、ISO名がホセチルアルミニウムになります。

【内田専門委員】 ややこしいですね。同じホセチルで意味が違っているので。

【白石委員長】 ホセチルはホセチルでも別に違うものがあるわけではないですね。

【内田専門委員】 他にはないと思います。ただ、アルミのついたものでも日本の登録上はホセチルと言うのですよね。

【白石委員長】 ホセチルと言うのですか。わかりました。

 よろしいでしょうか。毒性でありますか。

 はい、どうぞ。

【山本(裕)専門委員】 すみません。先ほどのミジンコの話があったのであれなのですが、藻類のほうは特にお話はありませんでしたが、実測濃度の方がかなり高くなっているので、これを見てると実測濃度が0から168時間の算術平均値になっていまして、試験法は、試験は72時間の生長の阻害率で出しているのですけど、168時間まで実験はしているということなのですかね。ちょっとその辺りがここの中ではあれなのですけど、168時間までのずっと平均値をとったものでやっているからこんな高くなったのか、ちょっとよくわからなかったのですが、その辺りの議論は検討会のほうでありませんでしたか。特にその一番上が25%、設定濃度25%高くなっていて、2番目と3番目ではもっと30%以上高くなっているので、あまりこういうことはないと思うのですけれども、先ほどの測定の仕方とかって、そんなのと関係あるのかなと思ったのですが、その辺りで何か議論はありませんでしたか。

【岡野室長補佐】 すみません、そこのところなのですが、申請者に問い合わせをしていまして、細胞の数の測定は48、72、96、168時間で測定をしているということで、EC50と農薬の算出には暴露開始時及び72時間後のデータを用いて算出しているので、値には影響ないということで返事が来ております。

【山本(裕)専門委員】 はい、わかりました。ありがとうございます。

【白石委員長】 実測濃度は0から72時間の値を使っているということですか。

【山本(裕)専門委員】 実測は平均値ですか。

【岡野室長補佐】 実測濃度は0から168時間のものを使っております。細胞数を0から72でやっているということで。

【白石委員長】 ええ。でも、実測濃度でこれEC50を出しているのですよね、違いましたか。設定濃度か、設定濃度でやっているのですかね。設定濃度ですね、はい、わかりました。

 他、いかがでしょうか。

(発言なし)

【白石委員長】 特に、その他ないようでしたら、水産PECについてコメントをお願いします。よろしいでしょうか。

(発言なし)

【白石委員長】 特に追加のご意見ないようですので、総合評価をご確認ください。四つデータがございまして、その中で最小の、これもオオミジンコの急性遊泳阻害から登録保留基準値を2,800μg/Lとするということで、水産PECは0.22であり、これを超えていないということで、よろしいでしょうか。

(異議なし)

【白石委員長】 では、これは事務局案どおりとさせていただきます。ありがとうございました。

 これで、以上で水産基準の設定についての審議は終了します。よろしいでしょうか。言い残したことがございましたら。

(発言なし)

【白石委員長】 特になければ、続きまして、議事の2の水質汚濁に係る農薬登録保留基準として環境大臣の定める基準の設定についての審議に入ります。

 事務局から説明をお願いします。

【福澤室員】 それでは、水質汚濁に係る農薬登録保留基準の設定に関する資料について説明させていただきます。

 資料3-1をご覧ください。今回は3剤、全て新規のものを含んだ基準となっております。このうち、1と2については、食品安全委員会のほうでADIが設定されており、3については非食用農薬の検討会のほうでADIを設定しております。

 ページをおめくりいただいて、1ページ目をご覧ください。1剤目、グリホサートアンモニウム塩、グリホサートイソプロピルアミン塩、グリホサートカリウム塩及びグリホサートナトリウム塩についてご説明させていただきます。

 物質の概要としましては、1ページ目から2ページ目にございますとおりの成分となっております。なお、水中ではグリホサートのイオンとして存在しておりますので、基準値はグリホサートとして設定するものとしております。

 続きまして、2の作用機構等についてです。グリホサートは、リン酸とアミノ酸が結合した化学構造を有する非選択性のアミノ酸系除草剤であり、アンモニウム塩等、複数の塩が存在します。その作用機構はアミノ酸生合成に関するシキミ酸経路において5-エノールピルビルシキミ酸-3-リン酸合成酵素の阻害によるタンパク質の生合成阻害と考えられており、植物体の地上部、地下部を枯殺するものでございます。

 原体の生産量、輸入量は、各塩について記載のとおりでございます。

 続きまして、3ページ目に、各塩類の登録状況について記載がございます。アンモニウム塩につきましては、 初回登録は1990年、製剤は水溶剤及び液剤が、適用農作物等は稲、麦、雑穀、果樹、野菜、いも、豆、樹木、飼料作物等でございます。

 イソプロピルアミン塩は、初回登録は1980年でございまして、また、別途新規に登録申請がされております。製剤は粉粒剤、水和剤、乳剤及び液剤が、適用農作物は稲、麦、果樹、野菜、いも、豆、飼料作物、花き、樹木、芝等がございます。

 カリウム塩は、初回登録が2003年でございまして、製剤は液剤が、適用農作物は稲、麦、雑穀、果樹、野菜、いも、豆、飼料作物、花き、樹木、芝等がございます。

 ナトリウム塩の初回登録は1990年でございまして、製剤は液剤が、適用農作物は樹木等となってございます。

 次に、各種物性については、4ページ目から6ページ目に記載がございまして、それぞれの原体について物性を記載してございます。

 次に、安全性評価につきまして、6ページ目をご覧ください。こちらのADIは食品安全委員会で評価が行われておりまして、本年7月12日にグリホサートのADIは1mg/kg体重/日と設定されております。

 この値は、ラットの90日間亜急性毒性試験、イヌの90日間亜急性毒性試験及び1年間慢性毒性試験並びにウサギを用いた発生毒性試験における無毒性量100mg/kg体重/日を安全係数100で除して設定されております。

 なお、非食用農作物専用農薬として、グリホサートイソプロピルアミン塩及びグリホサートナトリウム塩が登録申請されておりますので、非食用農作物専用農薬安全性評価検討会において審議をいただきまして、食安委で設定されたADIをこちらの非食用の農薬につきましても用いることと結論されてございます。

 続きまして、7ページ目をご覧ください。水濁PECについて、登録内容につきましては、先ほどご説明したとおりでございます。

 続きまして、8ページ目、水濁PECの算出につきましては、水田及び非水田それぞれについて、グリホサートの各塩及びそれらの併用による使用方法の中でPECが最も高くなる方法を用いて算出をしてございます。

 まず、水田使用時のPECにつきましては、そちらに記載のとおり、グリホサートイソプロピルアミン塩を用いた使用方法が最もPECが高くなる使用方法でございましたので、そちらのパラメーターを用いて計算してございます。

 続きまして、非水田の水濁PECにつきましては、9ページ目に記載のとおりでございまして、グリホサートカリウム塩を果樹に使用した場合のPECが最も高くなるということで、そちらのパラメーターにより算出してございます。

 水田PECの算出結果は、その下にございますとおり、水田・非水田を合計しまして0.071mg/Lとなってございます。

 続きまして、総合評価ですが、10ページ目に記載のとおり、登録保留基準値の算出式により計算いたしまして、登録保留基準値案は2.66mg/Lとしてございます。

 参考に水質に関する基準値等がございますけれども、そこの水質管理目標設定項目が2mg/Lとなってございます。こちらにつきまして確認しましたところ、当時の設定した根拠のADIが0.75であったというところが主な原因でございまして、今回ADIが1となってございますので、計算しますと、ほぼ同じという形になりますので、特段設定の考え方には違いはないということでございます。

 最後、リスク評価でございますけれども、水濁PECは0.071mg/Lでございまして、登録保留基準値案2.66mg/Lを超えないことを確認してございます。

 説明は以上になります。

【白石委員長】 ありがとうございました。グリホサートのアンモニウム塩、イソプロピルアミン塩、カリウム塩、ナトリウム塩についてグリホサートとして基準値を設定したいということでございます。

 グリホサートは、原体の輸入量とか生産量を見ると、グリホサートの値が載っていますけど、グリホサート自体を使っているというわけじゃなくて、ナトリウム塩かカリウム塩にさらに変えたものなのですか。

【福澤室員】 原体としてグリホサートを輸入した後に、各製剤、各塩に。

【白石委員長】 グリホサート自体はないという、基準値を設定するというか、何というのですか、この表題に入れなくてもいいというわけですね。

【福澤室員】 登録としましては、各塩での登録となってございますので、グリホサートそのもの自体はないということです。

【白石委員長】 わかりました。ありがとうございます。

 グリホサートにつきまして、食品安全委員会でADIが設定されていますので、何かコメントございましたらお願いいたします。

【浅野専門委員】 グリホサートですね、これはさまざまな塩であるのですけど、大体、生体内に入ってからは同じ形で挙動しますので、毒性の質としては、ほぼ同様のものが出ています。このグリホサートによる影響としては、主に体重の増加抑制、これは高用量ですけども、それから消化管では下痢ですとか、腸管の粘膜に若干異常が認められます。それから、肝臓でアルカリホスファターゼの増加ですとか、肝細胞肥大、こういったものが一般毒性で認められています。その他神経毒性、発がん性、繁殖能に対する影響、それから催奇形性、遺伝毒性、こういったものは認められておりません。

 最終的に、ADIの設定に関しましては、これは3試験同等のNOAELが得られたのですけど、ラットの90日間急性毒性試験、イヌの90日間と、それから1年間の慢性毒性試験、もう一つですね、それからウサギを用いた発生毒性試験、いずれも100mg/kg 体重/日というのが最小毒性用量でしたので、これを根拠に100で除して、1mg/kg 体重/日、これをADIで設定しております。非食用の検討会でも、この内容を確認した上で、最終的には食品安全委員会のADIを支持するという結論になっています。

 以上です。

【白石委員長】 ありがとうございました。非食用のほうでも検討されたということでございます。よろしいでしょうか。

 他。お願いします。

【内田専門委員】 水に溶けたり、生体内に入ったりすれば、グリホサート(酸)と一緒になると思うのですけど、評価対象には塩のところと、それとフリーである酸と両方あるのですよね。だったら、外観とか臭気、融点、沸点、蒸気圧辺りは、それぞれ固有のものじゃないかなと思うのですけども、その辺、どう考えたらいいのか。

 農薬関連の書籍で、グリホサートは結晶ですけど、塩はたしかパウダー、粉末みたいなことを読んだことがあるので、それぞれ違う可能性もあると思う。

【白石委員長】 事務局からお願いします。

【福澤室員】 こちらの物性につきましては、それぞれの製剤の原体について記載しているのですけども、全てグリホサートの酸体が原体になっております。原体は、純度の違い、不純物の違いとか、そういったこともございますので、それによって各種物性の違いに反映されてきているのではないかなと思われます。

【白石委員長】 ここの表にあるのは、グリホサートの値が載っていると。塩のものは載っていないということですね。

【福澤室員】 そうですね。全て酸体です。

【白石委員長】 各種物性等のところに※がついていて、グリホサートとしての値と書いてありますけど、グリホサートの値ですかね。としてのじゃないですね。

【福澤室員】 はい。

【白石委員長】 これはグリホサート全体のデータがどこかにあって、それを引き写したということなのですか。

【福澤室員】 そうですね、各社、複数のメーカーから複数の原体のデータが提出されておりまして、それをそのまま書き写させていただいております。

【山本(廣)臨時委員】 そういうこと。酸体のデータを全部出してもらったの。

【福澤室員】 全てのメーカーから、酸体としてのデータとして提出されておりまして。

【山本(廣)臨時委員】 だけど、固体であったり、粉末であったり、結晶性とか、随分違うよ。これ、それぞれ塩の形のものもデータとして出てきていない。

【内田専門委員】 原体の定義がどうなっているのかですね。

【山本(廣)臨時委員】 そこですね。ちょっとよくわからないね。

【白石委員長】 原体が本当に酸だけなのか、塩もまじっているのか、ちょっと確認したほうがいいという。

【岡野室長補佐】 全て、外観のところも、グリホサート酸で見ていますので、粉末であったり、固体であったりという、観察する人によってちょっと書きぶりが違うということなのかなと思います。それぞれの方が、見ているものがもしかしたら違うものなのかもしれませんが、いずれにしろ、グリホサート酸で試験も実施しているということです。

【白石委員長】 融点がこんなに違うと、同じものとはとても思えないのですけど。原本がちょっとないのでわからないのですけど、例えば融点が10℃違えば、多分、僕は違うものじゃないかと思うのですけど、同じ、幾ら、多少純度が違っても、こんなに違うことは多分ないのではないかと思うのですが。もう一回、ここは書き方を確認したほうがいいと思うのですね。

【岡野室長補佐】 ちょっと確認いたします。

【白石委員長】 ありがとうございます。

 他はいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

(発言なし)

【白石委員長】 食品安全委員会の設定したADI、1mg/kg 体重/日を用いて基準値を定められました。PECのほうはいかがですか。これも問題ございませんか。

(異議なし)

【白石委員長】 では、10ページ目で、先ほどの食品安全委員会のADIをもとに、登録保留基準値は2.66mg/Lと計算されるので、これを設定するということになります。水濁PECは0.071であるので、超えていないということでございます。事務局には、各種物性等の書き方について少し整理いただくということで、よろしいでしょうか。

(異議なし)

【白石委員長】 では、それを宿題として、基準値案につきましては、お認めいただくということでよろしいですか。

(異議なし)

【白石委員長】 では、総合評価の部分につきましては、案のとおりとさせていただきます。ありがとうございます。

 では、続きまして、シクラニリプロールについて説明をお願いします。

【岡野室長補佐】 11ページをご覧ください。

 シクラニリプロールですが、物質概要としては、この囲みのようになっております。

 作用機構等としては、シクラニリプロールは、アントラニルアミド構造を有する殺虫剤であり、経口及び経皮により害虫に取り込まれ、速やかに摂食活動を停止させる。その作用機構は筋細胞に存在するリアノジン受容体を活性化し、筋小胞体のカルシウムイオンを細胞質基質に異常放出することで筋肉の痙攣や萎縮を引き起こすものです。本邦では未登録です。製剤は液剤が、適用農作物等は果樹等として、登録申請されております。

 次のページに行きまして、各種物性ですが、表のとおりとなっております。

 II.安全性評価ですが、一日摂取許容量(ADI)が0.012mg/kg 体重/日ということになっておりまして、こちらの数字が食品安全委員会から、平成28年10月25日付で、0.012というADIを設定するという結果を厚生労働省に通知をしております。なお、この値はイヌを用いた1年間慢性毒性試験における無毒性量1.29mg/kg 体重/日を安全係数100で除して設定されたものです。

 13ページをご覧ください。

 水質汚濁予測濃度(水濁PEC)ですが、申請者から提出されている農薬抄録の中で、製剤の使用方法の中で水濁PECが一番高くなるものを取り出しましたところ、この表のとおりの用途になります。

 水濁PEC算出結果が(2)にありますが、結果として0.0000059ということになります。

 14ページですが、総合評価です。

 水質汚濁に係る登録保留基準値0.031mg/Lということで、案としてお示ししております。計算式としては、通常のADIに体重と10%の配分を掛け、飲料水の摂取量で除している0.0319というもので、3桁目を切り捨てて2桁で表示しております。

 リスク評価としましては、先ほどの水濁PEC0.0000059でありまして、登録保留基準値の案0.031mg/Lを超えないということを確認しております。

 以上です。

【白石委員長】 ありがとうございました。

 シクラニリプロールという新規の殺虫剤になるということで、ADIは食品安全委員会が設定しておりますけども、コメントがございましたら、お願いいたします。

【浅野専門委員】 この剤は、種差がかなり大きく出ています。ラットやマウスではかなり毒性は弱くて、1,000mgを超えるようなNOAELがとられているのですけど、イヌで感受性が高いといいますか、毒性が強く出ていまして、1年間の慢性毒性試験、これで雄の1.29、これが最大のNOAELになっております。

 所見としては、イヌの所見でも、出ている所見としてはシリアスではなくて、よく認められる肝重量の増加と小葉中心性の肝細胞肥大ですので、恐らくは酵素誘導に関連してのものだと思うのですけども、アルカリホスファターゼの増加も若干認められているという内容です。

 最終的に、最小の無毒性量でイヌの慢性毒性試験、これが1.29mg/kg 体重/日でしたので、これを設定根拠として100で除して、0.012mg/kg 体重/日という、これがADIになっています。

 以上です。

【白石委員長】 ありがとうございました。

 他はいかがでしょうか。

 リアノジン受容体を活性化するというのは、これは昆虫特有なものなのですか。あまりよく知らないのですけど。動物の。

【内田専門委員】 特有じゃないです。

【白石委員長】 特異じゃないですか。

【内田専門委員】 昆虫のリアノジンは、他の動物のそれと、それぞれちょっと違っていると思います。

【白石委員長】 ちょっと違うのですか。少し特異性は高目であるような。

【内田専門委員】 はい。昆虫のリアノジン受容体に特異性が高いと言うことですね。

【白石委員長】 いかがでしょうか。

(発言なし)

【白石委員長】 では、PECのほうで何かコメントはございますでしょうか。よろしいですか。

(発言なし)

【白石委員長】 果樹に登録申請されているもの、新規剤でございます。他はコメントいかがでしょうか。

(発言なし)

【白石委員長】 ないようでしたら、14ページの総合評価をご確認ください。登録保留基準値として、ADIから0.031mg/Lを設定するということです。水濁PECは、これよりも小さい数字であるということでございます。よろしいですか。

(異議なし)

【白石委員長】 では、これは事務局案どおりとさせていただきます。ありがとうございました。

 では、続きまして、トリチコナゾールについて説明をお願いいたします。

【福澤室員】 15ページをご覧ください。トリチコナゾールについてご説明させていただきます。

 物質の概要につきましては、そちらの表に記載のとおりでございます。

 作用機構等でございますが、トリチコナゾールは、トリアゾール構造を有する殺菌剤であり、その作用機構は糸状菌の細胞膜を構成する成分の一つであるエルゴステノールの生合成経路の中にありますC-14脱メチル反応の阻害でございます。本邦では未登録の新規申請のものでございます。製剤は水和剤が、適用農作物等は芝として申請されてございます。

 各種物性につきましては、16ページに記載のとおりでございます。

 安全性評価でございますが、こちらは非食用の適用のみでの申請でございましたので、非食用農作物専用農薬安全性評価検討会におきましてADIを設定していただきまして、非食用専用農薬のADIは0.05mg/kg 体重/日。こちらはウサギを用いた発生毒性試験における無毒性量5mg/kg 体重/日を安全係数100で除して設定されたものでございます。

 続きまして、水濁PECにつきまして、17ページをご覧ください。

 製剤の種類及び適用農作物等につきましては、先ほどの説明のとおりでございまして、非水田使用の水濁PECのみを算出してございます。こちらは適用農作物、芝に対するPECについて、下の表にございますパラメーターを用いて算出してございまして、水濁PECの算出結果は、一番下にございますとおり、0.000072mg/Lとなってございます。

 次に総合評価でございますが、18ページをご覧ください。

 登録保留基準値の算出式に先ほどのADIを代入いたしまして、登録保留基準値の案は0.1mg/Lとしてございます。

 リスク評価でございますが、一番下にございますとおり、水濁PECは0.000072mg/Lでございまして、登録保留基準値案0.1mg/Lを超えないことを確認してございます。

 説明は以上でございます。

【白石委員長】 ありがとうございました。

 これはトリアゾール骨格を有する殺菌剤ということで、芝に対して新規に登録申請されているというものでございます。これは芝用ですので、非食用の農薬のADIを設定していただいていますので、何か追加のコメントがございましたらお願いします。

【浅野専門委員】 この剤の主な毒性の兆候なのですけども、肝臓で細胞の大型化とか、小葉中心性の肝細胞の肥大と空胞化、そういった肝臓に変化と、それから副腎、それから皮膚、イヌで皮膚に認められていますね。それからイヌの、かなり高用量なのですが、白内障が52週の長期投与で認められております。その他、発がん性、神経毒性、それから発達神経毒性とか、催奇形性と遺伝毒性は認められておりません。

 この試験の中で、最小のNOAELだったのが、ウサギを用いた発生毒性試験、これが一つ上のドーズで骨格変異が認められておりまして、これはラットでも認められております。これが認められない用量ということで5mg/kg 体重/日ということで、これを設定根拠としまして、100で除した0.05mg/kg 体重/日、これが非食用農薬のADIと設定されました。

 以上です。

【白石委員長】 ありがとうございます。

 ご質問等ございますか。よろしいでしょうか。

(発言なし)

【白石委員長】 よろしいようでしたら、水濁PECについてコメントございますか。よろしいですか。

(発言なし)

【白石委員長】 特にないということでございます。

 ということでしたらば、総合評価をご確認いただきたいと思いますが、コメント、よろしいですか。

(発言なし)

【白石委員長】 では、先ほどの非食用農薬のADIをもとに、登録保留基準値を0.1mg/Lとするということです。水濁PECは、これを超えていないということです。よろしいでしょうか。

(異議なし)

【白石委員長】 特段、ご意見ないようですので、これは事務局案どおりとさせていただきます。ありがとうございました。

 以上で、水質汚濁に係る農薬登録保留基準の設定についての審議を終了します。

 事務局より、本件に関する今後の予定について説明をお願いいたします。

【大竹係長】 今後の予定でございますけれども、本日ご了解いただきました農薬の登録保留基準については、行政手続法の規定に基づき、今後、パブリックコメントを1カ月ほど実施いたします。その結果、もし何か修正等を求める意見が寄せられた場合につきましては、委員長に再度、農薬小委員会で審議を行うかどうかご相談をして、ご判断いただきたいと思います。再審議の必要がない場合には、部会長の同意を得て、中央環境審議会に部会長決定として報告を行い、さらに会長の同意が得られれば、中央環境審議会決定として環境大臣に答申いただくことになります。そして、答申後、基準値を告示させていただきたいと思います。

 ここで、先ほど水産基準の設定のところでご指摘いただきました、ジクロルプロップ、資料2で17ページの水産PECの算定について、確認をいたしました。剤型の%が資料と違うのではないかということだったのですけれども、こちら4.5%というのは、製剤中の塩の濃度が4.5%ということで、あくまでもジクロルプロップといたしましては、3%ということでした。確認の計算をいたしまして、ジクロルプロップとしての有効成分の最大使用量は180g/haということで確認できましたので、こちらは修正不要かということで、今、ちょっと説明をさせていただきましたけれども、よろしいでしょうか、こちらで。

【白石委員長】 塩の形というのは、どういうことなのですか。

【大竹係長】 すみません。4.5%液剤というのは、ジクロルプロップトリエタノールアミン塩としては4.5%ということで表示はされているのですけれども、ジクロルプロップに換算すると3%ということで、今回、基準値はジクロルプロップで立てるので、比較としてはジクロルプロップなので、3%で最大使用量は180g/haということで、こちらは計算をしております。

【白石委員長】 よろしいでしょうか。

【築地臨時委員】 計算ではそのとおりだと思うのですけれども、説明が欲しいですね。

【大竹係長】 それでは、例えば剤型のところに※とか書いて、4.5%とか書いて、ジクロルプロップとして3.0とかということがわかるように書くというような感じで、ちょっと調整をするので、よろしいでしょうか。

【白石委員長】 よろしいと思いますけど、トリエタノールアミンですか、トリエタノールアミンが原体という表示になっているのですか。

【大竹係長】 原体は、あくまでもジクロルプロップ。

【白石委員長】 トリエタノールアミンは、助剤みたいな形ということなのですか。

【大竹係長】 製剤の中では塩として存在しているということですね。有効成分として、酸体なのか塩なのか確認いたします。

【白石委員長】 それはトリエタノールアミンとして登録しなくてもよい。よくわからないのですが。

【岡野室長補佐】 原体としては先ほどの化合物名になるのですが、添加物として、製剤にするときに入っているということになります。

【白石委員長】 添加物としてトリエタノール、そういう扱いなのですね。

【岡野室長補佐】 はい。

【白石委員長】 添加物の扱いであるということですね。わかりました。

 それは添加物なのだけど、まぜて表示しているというのは、何かおかしいような気もしますが。ちょっと農水に聞いていただくと。お願いいたします。

 では、先ほどの数字の修正ではなくて剤型について、トリエタノールアミンとして4.5%と書いていただくのですかね。何かここに注を書くということで、させていただきたいと思います。ありがとうございました。

 他はいかがでしょうか。

(発言なし)

【白石委員長】 ないようでしたら、少し早いのですけども、10分間ほど休憩をとりたいと思いますので、15分開始でよろしいですか。

 では、15分に開始させていただきます。

(休憩)

【白石委員長】 では、再開してよろしいですか。皆さん、おそろいになりましたでしょうか。

 では、皆さんおそろいになりましたので、議事を再開いたします。

 議事(3)その他に移ります。案件は四つほどあるそうですので、事務局より、まず説明をお願いします。

【大竹係長】 それでは、その他の案件の一つ目でございます。資料4をご覧ください。水産動植物の被害防止及び水質汚濁に係る農薬登録保留基準の設定を不要とする農薬について(塩化コリン)(案)でございます。

 塩化コリンは、水溶性ビタミン様作用物質でございまして、茎葉より吸収され、リブロースビスリン酸カルボキシラーゼ及びホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼの活性を高め、光合成を促進する植物生長調整剤でございます。

 本邦での初回登録は1986年。

 塩化コリンですけれども、1ページめくっていただきまして、2ページ目以降の別紙1のところに物質概要や毒性試験の結果が記載してございます。

 特に3ページの原体を用いた水産動植物への毒性が提出されてございまして、塩化コリンにつきましては、農薬取締法テストガイドラインの上限濃度の100,000μg/Lで影響が見られていないものでございます。

 1ページに戻りまして、「また」以降なのですけども、塩化コリンについては、一般名のコリンとして、平成22年2月15日付で、厚生労働省より食品安全委員会に対して、食品衛生法第11条第3項の規定に基づき人の健康を損なうおそれのないことが明らかであるものとして厚生労働大臣が定める物質として定めることについて意見が求められ、食品安全委員会は平成25年6月24日付で「農薬、動物用医薬品及び飼料添加物として通常使用される限りにおいて、食品に残留することにより人の健康を損なうおそれのないことが明らかであるものと考えられる。」と評価結果を通知しております。このため、ADIは設定されておりません。

 このため、別紙2、本資料で言いますと6ページ目からになるのですけれども、「水産動植物の被害のおそれが極めて少ないと認められる農薬の取扱いについて」のところに記載しております2ポツの具体的な運用の①に該当する、簡単に言ってしまいますと(水産動植物への毒性が極めて弱いと認められる場合)と、別紙3のほうで、8ページになりますけれども、「水質汚濁に係る水の利用が原因となって人畜に被害を生ずるおそれが極めて少ないと認められる農薬の取扱いについて」に基づきまして、水濁のほうでも具体的な運用のところに記載しております(人畜への毒性が極めて弱いと認められる場合)に該当するものといたしまして、水産動植物の被害防止及び水質汚濁に係る農薬登録保留基準の設定を行う必要のない農薬として整理することとしたいということで、案のほうを事務局より提出させていただきます。

 説明は以上でございます。

【白石委員長】 ありがとうございました。

 塩化コリンにつきまして、水産と水濁、両方とも登録保留基準の設定を不要とする農薬にしたいということでございます。いかがでしょうか。

 水産動植物への毒性が極めて弱い、人畜への毒性が極めて弱いと認められるということでございます。よろしいでしょうか。特にご意見ございませんでしょうか。

 物質概要のところの化学名で塩化コリンと書いてあって、(IUPAC)が書いてありますけど、括弧などのIUPAC名をきちんと書いておいたらいいかと思いますし、化学名だけでいいなら、(IUPAC)の括弧は要らないというように思います。どちらかで対応をお願いいたします。

 他はいかがでしょうか。

(発言なし)

【白石委員長】 特段、ご意見ないようですので、資料4につきましては、塩化コリンを水産動植物の被害防止及び水質汚濁に係る農薬登録保留基準の設定を不要とする農薬としたいと思います。

 では、これは事務局案どおりでお願いいたします。

 (IUPAC)のところは、削ったほうが早いですかね。名称のところのですね。

【大竹係長】 では、確認して対応いたします。

【白石委員長】 では、次をお願いいたします。

【大竹係長】 二つ目の案件でございますけれども、資料5をご覧ください。水産動植物の被害防止に係る農薬登録保留基準の設定を不要とする農薬について、こちらはグリセリンクエン酸脂肪酸エステルでございます。

 今般、登録申請されております農薬のグリセリンクエン酸脂肪酸エステルは、対象病害虫の呼吸器官を封鎖する物理的作用によって殺虫効果を示す殺虫剤でございます。

 本邦では未登録でございます。

 製剤は乳剤、適用農作物等は野菜として、登録申請されているものでございます。

 なおなのですけれども、こちらは水産動植物の設定の不要ということでございますけれども、グリセリンクエン酸脂肪酸エステルについては、飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律に基づきまして、農林水産大臣が指定する「飼料添加物」に該当するグリセリン脂肪酸エステルの一つであり、また、食品衛生法に基づき厚生労働大臣が指定する「食品添加物」でございます。

 グリセリンクエン酸脂肪酸エステルにつきましては、別紙1に、1枚おめくりいただきまして、2ページ目から4ページ目にかけて、物質概要や原体を用いた水産動植物への毒性試験を記載してございます。

 グリセリンクエン酸脂肪酸エステルについては、分子式、分子量など記載のとおりでございまして、構造式については、一般的なものが書いてございますけれども、今般、農薬として申請されているグリセリンクエン酸脂肪酸エステルの原材料は、全て植物由来ということでございます。

 原体を用いた試験でございますけれども、ヒメダカ、オオミジンコ、ムレミカヅキモを用いた試験が実施されておりまして、どれも農薬取締法テストガイドラインの上限濃度の100,000μg/Lで影響が見られていないという物質でございます。

 1ページに戻りまして、最後の段落のところでございますけれども、これらのことから、別紙2、こちらの資料で言いますと、6ページ目に添付しております「水産動植物の被害のおそれが極めて少ないと認められる農薬の取扱いについて」に基づきまして、具体的な運用のところで言いますと、①の「当該農薬の成分物質等の種類等から見て、その毒性が極めて弱いこと等の理由により、安全と認められる場合」(水産動植物への毒性が極めて弱いと認められる場合)に該当するものとして、水産動植物の被害防止に係る登録保留基準の設定を行う必要のない農薬として整理したいということで、事務局より案のほうを提出させていただきたいと思います。

 説明は以上でございます。

【白石委員長】 ありがとうございました。

 グリセリンクエン酸脂肪酸エステルにつきまして、水産動植物の被害防止に係る農薬登録保留基準の設定を不要とするということでございますけど、ご意見をお願いいたします。

 グリセリン脂肪酸エステルというのを登録設定不要にしたことがありましたけども、そのときに脂肪酸の構造についてあまりにも漠とし過ぎているということでコメントをして、この場合、植物由来の脂肪酸であるということでございます。構造式は2ページ目に書いてあります。グリセリンとクエン酸のエステルにさらに脂肪酸がついているみたいな、複雑な構造をしておりますけど。毒性は認められないということで。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。

【内田専門委員】 クエン酸多量体の残基もあるのですか。R=クエン酸残基またはクエン酸多量体の残基。クエン酸というのは、カルボン酸が三つ、種類は二つありますからね。

【白石委員長】 二つとか三つとか、幾つまでが。

【内田専門委員】 ちょっと分子式はイメージしにくい。

【白石委員長】 イメージしにくいですけどね。クエン酸はカーボン五つの真ん中にOHがあって、あとカルボン酸が三つついていると。それの多量体なのですね。クエン酸のOHのところでエステルになっているのですかね。そういうことですよね、多分ね。そんなものがあるということで。

【内田専門委員】 一部は重合しているのですかね。

【白石委員長】 いかがでしょう。わからないですか。

 構造がどこまで特定できるかだと思うのですけど。クエン酸多量体というと、何かたくさんあったり、ジだったり、トリだって、どのくらいなのかというのがわからないと、確かにわかりにくいとは思います。あとは、数が多分明らかになっていると思うのですけど、これはわかりますか。クエン酸の多量体の残基というのはどんなものなのか。

【大竹係長】 すみません。ちょっと確認をしたのですけども、多量体がどうかとかまでは、ちょっと事務局ではわからなかったというところです。

【白石委員長】 分子量が約30、平均分子量ですが、そんなものなので、そんなに大きなものはないような気がしますけどね。

 どうぞ。

【山本(廣)臨時委員】 これは設定不要でいいと思うのですけども、「成分物質等の種類等から見て、その毒性が極めて弱い」という理由ですよね。この後ろに、3ページ以降に毒性値が出ているのですけども、例えば藻類の408超なんていうのは、特に別に大きな数字でもないし、100,000でやっていて、実測濃度がこのぐらいになっているということで、なかなか実測も難しいと思うのだけども、こういうことになっているのだけども。だから、この数字を持ってきて毒性が弱いと言っているのではなくて、物質の構造等々から見て、毒性が出ないだろうという判断を専門家のところでしたという解釈でよろしいのですよね、きっとね。

【大竹係長】 そのとおりでございまして、あくまでも、水産動植物への毒性に加えて物質等の種類等も確認してご判断いただいているところでございます。

【白石委員長】 このものが毒性、超、超でいくと、普通の登録保留基準の設定のときは、それこそ最低値をとってみたいなことをやっているので、そこと少し違うのではないかというお話だと思いますけど、これが多分、分解したとしても、脂肪酸とクエン酸とですよね。そういうことですよね。そういうことから見て、毒性が極めて弱いだろうという判断をしていただくということになると思いますけど。いかがでしょう。よろしいですか。

(異議なし)

【白石委員長】 特段、反対意見ございませんので、この構造の成分等から見て、毒性は弱いだろうという判断をされたというふうにしていきたいと思います。

 では、ここの資料5につきましては、事務局案どおりとさせていただきます。

【細見臨時委員】 ちなみに、今、山本先生が言われたような値を採用したとすると、値は出てくるわけですよね。

【山本(廣)臨時委員】 まあ、出ないことはないですね。

【細見臨時委員】 それはちなみに幾らぐらいになるのですか。

【山本(廣)臨時委員】 400。

【細見臨時委員】 408ですか。

【山本(廣)臨時委員】 408じゃなくて、多分、魚類の100があるから、103じゃなかったか。

【白石委員長】 100でしょう。

【山本(廣)臨時委員】 100だ。100になる。

【大竹係長】 100ですね。ヒメダカの1,030を10で除してというのがありますので、もし計算してみれば、100かなというところですね。

【細見臨時委員】 単位は100μg/Lだと。

【山本(廣)臨時委員】 μg/L。

【白石委員長】 普通に結構きく薬でもあるようですね、分析としては。一応、超値ですけどね。

【大竹係長】 あくまでも物質の特性と実施された試験を確認して水産動植物への影響が出ていないという両方を見てという判断でございます。

【白石委員長】 よろしいですか。

【細見臨時委員】 はい、結構です。

【白石委員長】 殺虫効果も物理的な作用ということなので、よほど高濃度にならないと影響は出てこないということで。

 ありがとうございました。では、事務局案どおりとさせていただきます。

 では、続きまして、今度は資料6ですか、お願いいたします。

【岡野室長補佐】 資料6ですが、農薬原体の成分規格導入に伴う水産動植物への影響評価の進め方について(案)でございますが、ご説明をさせていただきます。

 まず、検討経緯ですが、農薬の製剤の製造に用いる農薬原体には、有効成分の他、その製造過程において使用し、または生成した不純物も含まれております。不純物には、有効成分と同等またはそれ以上の毒性を有する可能性があるため、農薬原体を用いた毒性試験により、有効成分とともに不純物も含めて安全性を評価し、問題がないということを確認できる場合に限り、その農薬を登録しているということになります。農薬登録制度のご説明になります。

 この登録の際に、安全性を確認した農薬原体と実際に農薬の製造に用いる農薬原体が同等でなければ、当該農薬の安全性というのは保証できないというのがありますので、これまでは、農薬の有効成分ごとに、その製造方法を定めて管理することにより、同じ製造方法でやっているものであれば同じ農薬原体であるということで、同等性を確保してきております。

 今般、農林水産省は少しそこを変えようということでやっておりまして、安全な農薬の供給を確保する観点から、新規の有効成分を含む農薬の登録に際し、毒性試験により安全性を確認した農薬原体と、農薬製造に用いる農薬原体が同等であるということを確認した上で、農薬原体中の有効成分、添加物及び不純物等の組成を定め、農薬製造に用いる農薬原体が成分規格に適合するように製造者に管理させる仕組みに移行することとしたということでして、ちょっとこのように書いてあるのですが、もともと登録されていて毒性試験で安全性が確認されている原体があるときに、別の農薬原体として申請したということですね。その安全性を見るために、成分規格に整合するようなことで製造者に同一であるかどうかを管理させるということを考えております。

 この制度においては、成分規格を定めた農薬原体とは製造場、製造方法等の異なる新たな農薬原体を製造する別のといいますか、これまでであれば、製造方法が違うということで、別の農薬原体であるというふうに考えていたその農薬について、新たな農薬原体が成分規格に適合する場合、それと新たな農薬原体が成分規格、もともとの農薬の成分規格には適合しないのですが、毒性の比較の結果、毒性学的に同等であると判断できるという、この二つの場合に限りまして、既に安全性を評価した水産動植物毒性試験を含む毒性試験を用いて、農薬の登録や農薬原体の製造方法等の変更ができるということとなります。

 これまで、農業資材審議会の農薬分科会検査法部会におきまして、次の①から④について取りまとめが行われております。これは参考1から4におつけしておりますが、①は農薬原体の成分規格の設定に用いる試験成績についてというもの、②は農薬原体の成分規格の設定方法について、③考慮すべき毒性を有する不純物の決定方法について、④農薬原体の同等性の評価方法についてでございます。

 なお、原体規格を定めるために必要となるデータにつきましては、平成28年10月31日に関係省令、通知等が改正されておりまして、29年4月からの申請に適用されるということになっております。

 こういった動きを踏まえまして、最後のパラグラフですが、環境省では、この農薬原体の成分規格による農薬の管理方法の見直しについて、水産動植物への影響も考慮するため、農薬原体の成分規格による管理について以下の方針で対応することとしたいという方針をおつくりしております。

 次のページですが、まず、基本方針(案)でございます。

 新しい制度では、農薬原体の成分規格の設定時やその規格との同等性の評価におきまして、水産動植物への影響が考慮されていないということがありますので、新たな農薬の管理方法のもとでも、水産動植物への影響が考慮される仕組みを担保するということが必要であると考えております。

 しかしながら、水産動植物被害のリスクにつきましては、人体へのリスクと比べ科学的知見が不十分であり、一律の判断基準を示すということが困難でありますので、成分規格が設定されている農薬原体(A)に対し、製造方法等が異なる農薬原体(B)が、同等性評価の第一段階の評価において同等と認められない場合には、当面は事案ごとに水産検討会において専門家の判断を受けることが可能となる仕組みとするということを基本方針としたいと思っております。

 すみません、この第一段階というところのご説明を、農林水産省の資料についてさせていただきたいのですが、この資料6のP10をご覧ください。2アップの資料なのですが、10ページに8の右側ですね、2アップになっている右側です。8.農薬原体の同等性というところなのですが、ページは10ページになります。縦の10ページです。横ですと14ページになります。ここの8ポツの農薬原体の同等性というところが、二つの段階に分かれておりまして、最初の(1)の成分組成の比較というのが第一段階の評価になります。その次の縦のページで言いますと11ページ、横のページで言いますと15ページの上の部分ですね、(2)で毒性の比較というふうになっていまして、この部分が第二段階ということになります。この第一段階と第二段階の評価があるのですが、この(1)の第一段階のところでは、成分組成を比較しましょうと。成分組成が一致していれば、それは同等とみなしますということになります。それが一致しない場合には、毒性を比較しましょうということで、農薬原体の同等性を評価するということになっております。

 こういった、第一段階は成分、第二段階は毒性という、そういった比較がある中で、先ほどのところに、すみません、縦の2ページにまたお戻りいただきたいのですが、基本方針のところの中ほどにありますが、同等性評価の第一段階の評価(成分組成の比較による評価)において同等と認められない場合については、水産検討会において専門家の判断を受けるということを確保したいということを考えております。

 3として、環境省において実際に水産動植物影響を判断する流れというものを(案)としてまとめております。

 まず、(1)が、これまでの現行のどういうことをやっているかというのをちょっと復習しているというところなのですが、これまでの環境省でのリスク評価では、申請者に農薬原体での試験成績を提出させた上で、次の要件を満たす公表データも活用しつつ、水産検討会及び農薬小委員会において専門家の判断を受け、基準値を設定しておりました。

 この部分なのですが、下の囲みの部分をご覧いただきたいのですが、毒性データを、申請者から出された毒性データに加えて、文献の毒性データを採用する場合にどういったところを見ていたかというところを抜き出しているのですが、①の被験物資の同一性に関する目安としまして、まず、信頼性ランク1というのが、純度及び異性体比率が申請者原体の規格値に適合していると。こういうものであれば、文句なく毒性試験として採用していました。信頼性ランク2につきましても、ランク1と2までは採用するというものなのですが、採用しておりまして、次の双方を満たすということで、一つ目は、純度が申請者原体の規格値の下限の9割以上であるということですね。こういうことが、条件が満たされていれば、毒性値として文献も採用できるという扱いにしておりました。

 また、すみません、3の(1)のところに戻りたいのですが、すなわち、農薬原体につきましては、成分組成を勘案した上で、毒性が主に有効成分由来であることを確認して基準値を設定していたというのがこれまででございます。

 すみません、3ページに行っていただきたいのですが、こういったことを踏まえまして、農薬原体の(B)というものが新たに出てきたときに、その成分組成が上記の考え方、①の被験物質の同一性に関する目安の信頼性ランク2の範囲内にあるということが確認できる場合には、水産検討会に諮った上で、農薬原体(B)は農薬原体(A)と水産動植物の毒性について同等であると判断しまして、新たな基準値は設定しないこととするということで、この場合につきましては、(B)についての毒性試験を求めずに、もともとあった基準値を採用するということを言っております。

 次に、(2)なのですが、農薬原体(B)の成分組成が農薬原体、もとからある(A)の成分規格に対しまして、(1)の9割以上というのがありましたが、その範囲からさらに逸脱している場合につきましては、農薬原体(B)は農薬原体(A)と同等であるとは判断できないということから、農薬原体の成分情報等から、水産検討会に諮った上で、以下の①または②のいずれかを行うこととするということになります。

 ①につきましては、農薬原体(A)と(B)が水産動植物への毒性についても同等と判断されれば、新たな基準値は設定しないということになりまして、例えば89%であっても、もとの原体と同等と判断できるということがあれば、この9割というのに必ずしも適合しなくても同等であるとみなせるというのが①です。

 ②のところにつきましては、農薬原体(A)と(B)が水産動植物への毒性上同等と判断するだけの情報が不十分であるという場合には、農薬原体(B)について新たな基準値を設定するための通常の手順ということで、水産動植物試験成績の提出を求めまして、水産動植物試験の検討を踏まえて基準値を設定するという通常の流れに移行するということになります。その結果、ア)というのがありますが、農薬原体(B)について、これまであった基準値とは別の基準値を設定するというのが一つはあるかと思っております。有効成分の濃度が大分低いということで、別のものが必要ということであれば、ア)のようになります。イ)のようになる場合についてもありまして、農薬原体(B)の毒性について(A)と同等と判断しまして、新たな基準は設定しないという、その二つがあるかというふうに考えております。

 まとめますと、原体の同等性の判断のところで、同一ということで農林水産省側の整理にあったようなところで、そこでクリアしていれば、専門家に諮らずに、まずは同等であると判断するということになりまして、そうでない場合につきましては、環境省の公表データの信頼性1と2に合致すれば、水産検討会の審議を踏まえて、そこで判断されればオーケーと、同等であるということになると。さらにそこを逸脱された場合についても、水産検討会でご判断をいただきまして、同等と判断するのに十分でないというふうに判断されれば、水産動植物の試験成績を追加で求めまして判断をしていこうというものでございます。

 以上、ご説明になります。

【白石委員長】 ありがとうございました。

 では、質問とご意見、お願いいたします。

 成分規格は導入されているということですね、新規の剤につきまして。

【岡野室長補佐】 運用が来年度からですね。

【白石委員長】 それを受けて、成分規格に適合していれば、今までの基準値をそのまま使うということですね。

【岡野室長補佐】 はい。

【白石委員長】 第一段階の場合。

【岡野室長補佐】 そうです。

【白石委員長】 第一段階をさらに通らなかった場合どうするかということを議論していただくということ。

 お願いいたします。いかがでしょうか。今まで文献値の信頼性確認等をやっていましたけども、それのやり方を踏襲しているということ、原則的には踏襲しているということです。

 どうぞ。

【細見臨時委員】 実際こうすると、予想される登録数というのはかなり減るのか、どういうような予想が成り立つのですかね、これは。

【岡野室長補佐】 ちょっとその予想というのがなかなかしがたいところがありまして、恐らく当初は原体規格というのがどんどん設定されてはいくと思うのですが、その原体規格と同一であるということであれば、試験成績の提出がないというメリットはあるのですが、他社の規格に合わせて別の会社が申請をするというのが、なかなか最初のうちはないだろうなと思っておりまして、自分の会社が、そのつくった原体規格に対して、ちょっと工場を変えたとか、そういったことで、これまでは、製造方法が変わりますので、試験成績は全部必要になったのですけど、同じ原体規格だと示すことにより、そこの提出を省略するというようなことになると思いますので、ちょっと、そこの実態上、どのくらいの会社がそれに申請するかというのは、ちょっと、すみません、わかりかねます。

【細見臨時委員】 農業資材審議会で議論されたと、何か要望があったから、これは多分されてこの結果が出ていると思うので、そのときに大体いろんな産業界とかからの要望がかなり強いということかなとは思うのですけど。そうでないと、わざわざここをする必要はないのかなと。

【山本(廣)臨時委員】 産業界からの要望で、製造方法を変えても合格にしてくれという、そういう話じゃなくて、ジェネリックの問題だと思うのです。特許の切れたやつをジェネリックでつくって持って出てくると、安く売りたいといったときに、こういう成分規格できちんとやりましょうという話になったのだろうというふうに私は理解していますけどもね。大きなモチベーションというか。ちょっと、何か違かったら言ってください。

【細見臨時委員】 わかりやすいなと思いますけど。

【羽子田室長補佐】 あと、国際的に同じような、EUですとか、EPAですとか、そのようなものが同じような仕組みをとっているというところが、一つ国際整合化というのが一つの目的かなというふうに考えています。

【山本(廣)臨時委員】 確かに製造方法の技術だけなのですよね。

【白石委員長】 製造方法が違うと別の農薬とみなすとなると、それに応じて毒性試験が必要になるので、物すごいコストがかかっているだろうと思います。

【根岸臨時委員】 10何億が1億ぐらいで済むのではないかとか、そういう。

【白石委員長】 まあ、そうでしょうね。

【細見臨時委員】 ヒト健康の場合、ヒトだったら製薬メーカーそんなものなのですけど。

【白石委員長】 水産動植物の場合は、もともと有効成分で評価しているので。農薬原体というよりも、有効成分で評価しているのですよね。

【細見臨時委員】 矛盾は起こらない。

【白石委員長】 矛盾は起こらないですよね。

【山本(廣)臨時委員】 矛盾も起こらない。ただ、メーカーサイドでどうだこうだというのが、もともとあまりあったかなかったかという話は別で、また新しい合成方法なんかがですね、知見が出てきたら、そっちのほうが材料もシンプルだし、それから合成コストが安くつくといったら、それに変えたいですよね、メーカーとしては。そういうときに、成分規格的なものが、材料は一緒でないと同じようなものが出てこないのでしょうけども、そういう場合には、非常に低コストで合成できるというメリット、これは日本全体のコストとしても非常にいいですよね。

【岡野室長補佐】 これまでの整合性ということで、ちょっと補足を申し上げますと、これまでも、例えばグリホサートの本日出させていただいたものも、化合物が違うものであっても同一の基準値にして、しかも有効成分の中のグリホサートの酸体の部分について換算して基準値を設定していたりしますので、もちろん形式的な審査としては農薬の原体ごとにやるということがもちろん基本なのですが、結局、基準値の設定の告示の段階になりますと、これまでは有効成分の特定の化合物のところに着目して数値を設定しておりましたので、そういう意味では矛盾というのは起こらないかと思っております。

【白石委員長】 農薬の成分規格というのは、有効成分と添加物、不純物まで含まれているみたいなのですけども、添加物も含まれているのですね。「等」になっているのでよくわからないのですが。その中で、水産はこういうことをあまり見ていなくて、原体中の有効成分でやっていたということですよね。問題なのが、新たな基準を設定するというところが多分問題になってくるのではなかろうかと思いますけど、3ページ目の一番下の2行で、成分規格に合致しないで、毒性から農薬の同一性を判断するということになるのですよね。新たな基準値を設定するというのは、同一ではないということを意味するということで、という理解でよろしいのですか。そうすると、登録自体がまた変わってくるということになる。

【岡野室長補佐】 これは②のア)であり得ると思っています。理論的な話なのですが、製造方法といいますか、違う原体、製造方法は違いますので、理論的には不純物、製造工程で何か別の添加物か何かを加えて、製品の原体として残ってくるときに組成が変わっていると。その不純物が、もとの有効成分の毒性を弱めたり強めたりするということがもし起こるのだとすれば、別の基準値になるというのはあると思いますので、そこは、ほとんどはないとは思うのですが、理論的にはあると。

【白石委員長】 今まで不純物というのは見ていなかったので、全く別。

【山本(廣)臨時委員】 原体で試験をしていますから。

【白石委員長】 原体で試験をしているのですか。あ、していますね。そうですね。

【山本(廣)臨時委員】 成分換算ではあるけど、毒性試験は原体で行っていますから。

【白石委員長】 あ、そうですね。わかりました。はい。純度を高めて試験をしているわけではなくて、原体でやっているわけですね。そのままでやっているということですね。有効成分換算して評価していたということになりますね。不純物も評価していることになっているということですね。それを有効成分に換算しているわけだから、そのときに新たな不純物があったとしたら、評価が変わってくるということになりますね。そういうことですね。はい、わかりました。

 いかがでしょうか。これまでの試験法とは変わらないということですね。よろしいでしょうか。

(異議なし)

【白石委員長】 では、このような運用でこれから進めていくようにお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

 それでは、資料7についてですね。

【大竹係長】 それでは、説明させていただきます。

 まず初めに、資料については、7と8についてご覧ください。

 本件については、前回の農薬小委員会、昨年の11月11日に開催いたしました農薬小委員会で審議された水産動植物の被害防止に係る農薬登録保留基準の設定11農薬と、あと水質汚濁に係る農薬登録保留基準の設定4農薬について、ご意見を募集した結果でございます。ともに提出されたご意見はありませんでしたので、白石委員長にご報告いたしまして、基準値設定の手続を進めつつ、今回の委員会で報告させていただくことといたしました。

 なお、当該基準値を定める環境省告示については、今後、省内での手続をいたしまして、パブリックコメントの意見募集結果につきましても、当該告示日と同日付で、環境省のホームページや電子政府の窓口で公開することとしております。

【白石委員長】 よろしいですか。

 次をお願いします。

【羽子田室長補佐】 それでは、資料9をご覧ください。

 本件は、11月11日に開催しました前回の農薬小委員会で審議されました、ゴルフ場で使用される農薬による水質汚濁の防止及び水産動植物被害の防止に係る指導指針(案)について、パブリックコメントを募集しましたその結果について、ご報告をさせていただきます。

 全体的に延べ59件、19団体・19人の方から59件のご意見をいただいておりますので、結果について、それと私どもの考え方について、かいつまんでご説明をさせていただきたいと思います。

 1ページおめくりいただきまして、2ページをご覧ください。

 まず、カテゴリーに分けてございますけれども、まず指導指針全般につきまして、主に1から10番でございますけれども、ゴルフ場の関係者の方から、情報提供を適切に行うこと、ゴルフ場のみが厳しい規制とならないこと、分析ですとか経営面で負担となるのではないかというようなご意見が出されております。

 これに対しまして、まず、ゴルフ場に対して厳しいのではないかということですけれども、ゴルフ場に対しましては、この指針を出してございますけれども、一方で、農業者や公園の管理者につきましては、「住宅地における農薬使用について」という通知を出しておりまして、それぞれの農薬の使用状況、使用場面に応じて、適切な農薬の使用が図られるように促しておりまして、特段、ゴルフ場に対してのみ厳しく取り扱っているというものではないと考えております。

 それから、水質の検査でございますけれども、現在も行っております水濁の関係で行っております水質検査の結果が活用できますので、ほとんど新たな負担は生じないと考えております。

 また、情報提供、周知というものは、十分に図ってまいりたいと考えております。

 それから、1ページめくっていただいて、4ページ目の12番でございますけれども、こちらのほう、在日米軍のゴルフ場について、本指針を適用するべきというようなご意見がございましたけれども、こちらの考え方のところに書いてございますが、在日米軍の活動につきましては、原則として我が国の環境法令というのは適用されておりませんので、本指導指針も適用は考えておりませんが、在日米軍における環境保護や安全のための取組というのは、在日米軍が作成する「日本環境管理基準(JEGS)」というものがあるのですが、これに従って行われておりますので、農薬についても適切に管理をされているものと考えております。

 次に、(1)の農薬使用状況等の的確な把握についてのご意見では、主に排水調査を行うべきとして、例えば使用量の多い剤ですとか、特定の剤についていろいろご意見を頂戴しております。私どもといたしましては、特定の剤について調べてくださいというものではなくて、ゴルフ場で使用される農薬については、全て適切な調査を行うように指導したいと考えております。

 それから、5ページ目の(2)のところ、農薬流出実態の調査のところでございますけれども、ここではゴルフ場の調査の義務づけというもののご意見がございました。私どもとしては、義務づけというものは考えておりませんけれども、既に前回の委員会でもご説明しましたように、各県で何らかの形で水質の検査は行われておりまして、特にゴルフ場でも自主検査という形で取組は進んでおります。しかし、私どもが年に1回、水質検査の状況について、都道府県の状況をまとめまして公表しておりますが、そこに報告されているものが少ないということでございます。ゴルフ場の自主検査の結果について、都道府県のほうで把握をしていないというような例もございますので、まずはゴルフ場の自主検査のデータなども適宜把握をして、環境省のほうにご報告いただくように指針のほうで促して、努めてまいりたいというふうに考えております。

 それから、6ページ目が指針値の考え方でございます。こちらは、指針値の設定について特段のご意見はありませんが、失効農薬についても何らかの形で残してほしいというようなご意見がございました。こちらについては、失効して以降、十分な年を経過した剤でございまして、有効年月を超えた剤というものは使用しないように努めることということになってございますので、このような農薬が検出されたら、指針に合っているかどうかということよりも、使わないということをご指導いただくように、都道府県のほうに促してまいりたいというふうに考えております。

 それから、最後の7ページ目、8ページ目でございますけれども、(6)のところ、分析方法でございます。分析方法について、いろいろな情報が欲しいというようなご意見がございました。こちらにつきましては、私どもも関係者のご協力をいただきまして、分析方法について、ホームページなどで公表をしてまいりたいというふうに考えております。また、8ページ目にホームページ上でばらばらに指針や分析法が掲載されており、情報提供のあり方としてわかりづらいというようなご意見もございましたので、そのようなところにつきましては、改めていきたいというふうに考えております。

 今後、本指導指針を年度内に都道府県知事に発出できるように、改正の手続を進めまして、本件のパブリックコメントの結果につきましても、通知日と同日にホームページ上で公表して、あるいは電子政府の窓口で公開をしていくというふうに考えております。

 以上でございます。

【白石委員長】 ありがとうございました。

 では、ただいまの説明について、ご質問等ございますでしょうか。よろしいですか。

(発言なし)

【白石委員長】 特にご質問等ございませんので、この形で進めていただきたいというふうに思います。

 それでは、本日の審議はこれで一通り終了しましたので、その他、本日の審議全体につきまして、何かご意見、ご質問があればお願いいたします。よろしいでしょうか。

(発言なし)

【白石委員長】 では、特にご意見ないようですので、進行を事務局にお返しします。

 ありがとうございました。

【小笠原室長】 白石委員長、ありがとうございました。

 委員の皆様方におかれましては、ご審議いただきありがとうございました。

 本日、ご審議いただきました中で、基準値には直接影響しませんが、表記等の整理について幾つかご指摘をいただきましたので、それらにつきましては、速やかに確認をし、委員の皆様方にご連絡をいたします。

 それでは、以上をもちまして、第55回土壌農薬部会農薬小委員会を終了させていただきます。

 次回の第56回農薬小委員会は、3月3日、金曜日を予定しております。また近くなりましたらご案内を差し上げますので、ご出席をよろしくお願いいたします。

 本日は、どうもありがとうございました。