中央環境審議会土壌農薬部会農薬小委員会(第33回)議事録(案)

日時

平成25年3月18日(月)13:30~17:01

場所

中央合同庁舎5号館 環境省第1会議室

出席委員

委員長
白石 寛明
委員
中杉 修身
臨時委員
上路 雅子
染  英昭
田村 洋子
築地 邦晃
根岸 寛光
山本 廣基
吉田  緑
 
専門委員
浅野  哲
稲生 圭哉
内田 又左衞門
森田 昌敏

(欠席は、浅見臨時委員、五箇臨時委員、細見専門委員)

委員以外の出席者

環境省
環境省水・大気環境局審議官、農薬環境管理室長、農薬環境管理室長補佐、農薬環境管理室長補佐、農薬環境管理室係長、農薬環境管理室係員

議題

  1. (1)水産動植物の被害防止に係る農薬登録保留基準として環境大臣の定める基準の設定について
  2. (2)水質汚濁に係る農薬登録保留基準として環境大臣の定める基準の設定について
  3. (3)その他

配付資料

資料1中央環境審議会 土壌農薬部会農薬小委員会委員名簿
資料2中央環境審議会 土壌農薬部会農薬小委員会(第32回)議事録(案)
資料3諮問書(写)及び付議書(写)
資料4水産動植物の被害防止に係る農薬登録保留基準として環境大臣の定める基準の設定に関する資料(案)
資料5水質汚濁に係る農薬登録保留基準として環境大臣の定める基準の設定に関する資料(案)
資料6水産動植物の被害防止及び水質汚濁に係る農薬登録保留基準の設定を不要とする農薬について(ばく露のおそれが極めて少ないと認められる農薬)(案)
資料7クロルピリホスの河川における農薬濃度のモニタリング結果について
資料8プレチラクロール及びブタクロールの河川における農薬濃度のモニタリングの結果について
資料9水産動植物の被害防止に係る農薬登録保留基準の改正案に対する意見募集の実施結果について
資料10水質汚濁に係る農薬登録保留基準の改正案に対する意見募集の実施結果について
資料11ゴルフ場で使用される農薬の水質汚濁の防止に係る暫定指導指針の改正について(案)
参考資料1中央環境審議会関係法令等
参考資料2中央環境審議会 土壌農薬部会農薬小委員会(第32回)議事要旨
参考資料3非食用農作物専用農薬に係る水質汚濁に係る農薬登録保留基準の設定方針(第32回中央環境審議会土壌農薬部会農薬小委員会決定)
参考資料4-1水産動植物の被害防止に係る農薬登録保留基準の設定を不要とする農薬について(d -リモネン)(第28回中央環境審議会土壌農薬部会農薬小委員会了承)
参考資料4-2水質汚濁に係る農薬登録保留基準の設定を不要とする農薬について(d -リモネン)(第28回中央環境審議会土壌農薬部会農薬小委員会了承)
参考資料5農薬評価書 イプフェンカルバゾン(食品安全委員会資料)
参考資料6農薬評価書 エタボキサム(食品安全委員会資料)
参考資料7農薬評価書 エトフメセート(食品安全委員会資料)
参考資料8農薬評価書 トリネキサパックエチル(食品安全委員会資料)
参考資料9農薬評価書 フェンピラザミン(食品安全委員会資料)
参考資料10農薬評価書 フルオピラム(食品安全委員会資料)
参考資料11農薬評価書(案)フルキサピロキサド(食品安全委員会資料)
参考資料12農薬評価書 ヘキサジノン(食品安全委員会資料)
参考資料13水質汚濁に係る農薬登録保留基準の設定に関する安全性評価資料(MDBA、MDBAジメチルアミン塩及びMDBAカリウム塩)(第17回中央環境審議会土壌農薬部会農薬小委員会了承)
参考資料14農薬評価書 ジカンバ(食品安全委員会資料)
参考資料15「住宅地等における農薬使用について」に示す指導内容(案)
参考資料16新たに特定農薬として指定するための食品安全委員会への諮問について

議事

【農薬環境管理室長】 まだ中杉委員がお見えになっていませんが、定刻となりましたので、ただいまから、第33回土壌農薬部会農薬小委員会を開催させていただきます。
私、3月1日付けで西嶋前室長の後任で参りました更田と申します。どうぞよろしくお願いいたします。農薬環境部行政は8年ぶりでございます。8年前に比べますと、今のリスク管理の仕組みはかなり高度化していると思っております。この農薬環境管理行政が前に進むように、先生方のご指導、ご鞭撻をよろしくお願いしたいと思います。
本日は、中央環境審議会の委員改選後の最初の農薬小委員会でございます。改選に伴う委員委嘱の手続につきましては、短期間の中で委嘱状の発令等多々の事務的なお手間をおかけいたしました。お陰様で委員の委嘱の手続も完了しまして、本日無事に開催することができました。大変ありがとうございました。
それでは、会議の冒頭に平岡審議官より、一言ご挨拶申し上げます。

【環境省水・大気環境局審議官】 環境省の水環境担当審議官をしております平岡でございます。本日は年度末、大変お忙しい中と思いますが、お集まりいただきまして誠にありがとうございます。また、日ごろより環境行政に関しまして、さまざまご指導を賜っておりまして、改めてお礼を申し上げたいと存じます。
今、室長のほうからございましたように、今回、今日の会議が中央環境審議会の委員の改選が行われまして、最初の農薬小委員会ということになります。土壌農薬部会長の中杉部会長から白石委員に委員長のご指名いただいておりまして、今日から委員長を白石委員にお願いするということになってございます。前委員長であられました森田先生には、専門委員として引き続きご参画いただけるということでございまして、引き続きよろしくお願い申し上げます。
 また、新しくこの小委員会の委員に3名の先生に就任していただいたということでございますし、改選前から引き続きお世話になる委員の方には、またご指導をよろしくお願いしたいと思ってございます。この農薬小委員会でございますが、このところ水産動植物の被害防止に係る農薬登録保留基準というものと、水質汚濁に係る農薬登録保留基準、精力的に審議していただきまして、順次進めさせていただいております。作業は道半ばでございまして、今後も基準を設定していかなければならない農薬につきまして、まだ多数あるという状況でございますが、事務局といたしましては、しっかり努力をいたしまして、審議を進めていただけるようにやっていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 本日も各11農薬の審議ということで、少し大部でございますが、よろしくお願いしたいと思います。それ以外にも水産動植物及び水質汚濁に係る基準の設定を不要とする、施設栽培等で使用される農薬でありますとか、ゴルフ場で使用される農薬の暫定指導指針につきましても、今日はご議論いただきたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。引き続き先生方には大変お世話になると思いますが、よろしくご指導のほどをお願い申し上げまして、私の挨拶とさせていただきます。どうもありがとうございました。

【農薬環境管理室長】 ありがとうございました。平成25年1月5日付けで、中央環境審議会委員の任期が満了いたしまして、所属委員の改選がございました。この関係で、農薬小委員会の委員にも交代がございましたので、ご紹介させていただきます。
 まず、ご退任された委員ですけれども、平松臨時委員、眞柄臨時委員、渡部臨時委員、それから井上専門委員の4名の先生にご退任いただいております。
 次に、新たにご所属いただくことになりました委員の先生方をご紹介いたします。まず、全国地域婦人団体連絡協議会理事、福井県連合婦人会会長の田村臨時委員でございます。
 続きまして、独立行政法人農業環境技術研究所農業環境インベントリーセンター主任研究員の稲生専門委員です。
 それから、本日ご欠席でありますけども、国立保健医療科学院生活環境研究部上席主任研究員の浅見臨時委員にもご所属いただいております。
 また、先日の中央環境審議会総会におきまして、先ほど審議官のご挨拶にもありましたように、中杉委員が引き続き土壌農薬部会長をお務めいただくことになりました。そして中杉部会長から白石臨時委員に農薬小委員長の指名がなされたことをご報告いたします。
 それでは、委員の出席状況ですけども、本日ご欠席の委員は、先ほどの浅見臨時委員と、五箇臨時委員、それから細見専門委員がご欠席との連絡をいただいております。委員、臨時委員総数11名のうち、9名のご出席をいただいていることから、本日の小委員会は開催要件、定足数を満たしていることをご報告いたします。

【農薬環境管理室長補佐】 それでは、続きまして本日の配付資料についてご確認いただきたいと思います。お手元のほうに配付資料一覧がございますので、ご覧いただければと思います。資料につきましては1~11まで、参考資料といたしましては、1~16までとなっております。ただし、参考資料4につきましては、4-1、4-2と二つございます。また、事前送付におきまして、参考資料16は送付しておらず、今回新たに配付をさせていただいております。
 なお、傍聴者及びオブザーバーの方々につきましては、資料が大部となりましたため、資料2の前回の議事録及び参考資料1、参考資料4~14及び参考資料16は配付してございません。お近くの席にファイルにつづったものをご用意しておりますので、そちらをご参考いただければと考えております。また、委員の皆様方のお手元には、別途資料が置いてあるかと思います。こちらにつきましては、検討会におきます過去の審議で、定めました考え方等をまとめたものです。過去の整理などを振り返る際に、ご参考にしていただきたいと考えております。なお、こちらの資料につきましては、毎回委員の方の手元に配付をさせていただいているものでございます。この資料、お持ち帰りにならずに、会議が終わりましたら机の上に残しておいていただければと考えております。
 もし足りないものがございましたら、会議途中でも結構ですので、事務局までお申しつけいただければと考えております。
 それでは早速ですが、これから議事に入らせていただきたいと思います。今後の進行につきましては、白石委員長にお願いいたします。よろしくお願いいたします。

【白石委員長】 本日は皆様、ご多用のところをご出席いただきまして、誠にありがとうございます。白石でございます。中杉部会長からのご指名ということで、大役ですけれども、小委員長を務めさせていただきたいと思います。
本農薬小委員会でございますけれども、水産動植物の被害防止に係る農薬登録保留基準及び水質汚濁に係る農薬登録保留基準の設定につきまして、精力的に審議いただいていると思っております。水産動植物に係る審議に関しましては、平成18年4月に第1農薬の基準値について審議して以来、須藤前委員長、森田前委員長のご指導のもと、伺うところ約半分の農薬について、基準値が設定できるということで、道半ばということでございます。またこの間、環境中予測濃度が基準値と設定している場合にモニタリングを実施するとか、リスク管理処置の検討など、さまざまな新たな過程の対応も進んでいると思っております。リスク評価等での専門的なご指導を賜り、農薬の管理にわたる広範な問題も多分扱っていくことになると思いますけれども、引き続き委員の先生方のご指導を賜りながら、議事を進めさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 では、早速ですが、本日の農薬小委員会の議事を進めたいと思います。本日は議事次第にございますように、主に三つの議題に関する審議が予定されています。慎重かつ活発なご審議をお願いいたします。
まず、本日の審議の公開の扱いについてでございます。土壌農薬部会の運営方針では、審議中の答申、非公開を前提に収集したデータが記載されている資料など、公開することにより公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれのある資料や、公開することにより特定の者に不当な利益もしくは不利益をもたらすおそれがある資料などは、委員長の判断に基づき非公開とするとされております。
今回の農薬小委員会では、申請者から提出された農薬の毒性試験報告書等、企業秘密に当たる資料を使用しないことから、非公開の理由に当たらないため、今回の農薬小委員会については公開とさせていただきます。
さて、議事に先立ち、前回10月30日に開催した第32回小委員会の議事要旨の確認をいただきます。事務局よりご説明をお願いいたします。

【農薬環境管理室長補佐】 それでは、参考資料2をご確認ください。
中央環境審議会土壌農薬部会の運営方針では、議事要旨については委員長に了解をいただければ、公開できることとなっております。本日の参考資料2の内容で、既に環境省ホームページで公開しておりますので、ご報告をいたします。

【白石委員長】 ご説明ありがとうございました。よろしいでしょうか。

(異議なし)

【白石委員長】 引き続きまして、前回の議事録についてです。こちらも事前にメールで各委員にご確認済みとのことですけれども、資料2で配付しております。
特段、ご意見ございますでしょうか。よろしいでしょうか。

(発言なし)

【白石委員長】 なお、これらにつきましては、土壌農薬部会の運営方針に基づき、公開するということにしております。
 それでは議事に入りますが、初めに農薬小委員会の決議の取り扱いについて、ご説明させていただきます。
「中央環境審議会土壌農薬部会の小委員会の設置について」の土壌農薬部会決定により、農薬小委員会の決議は部会長の同意を得て、土壌農薬部会の決議とすることになっております。
したがいまして、この農薬小委員会後には、農薬登録保留基準の設定のための土壌農薬部会は招集せず、土壌農薬部会の中杉部会長の了解をいただいて、部会の結論としていくことになります。
では、議事次第に従って議事を進めたいと思います。
「農薬取締法第3条第2項の規定に基づき環境大臣が定める基準の設定について」の件については、平成24年12月13日付け及び平成25年3月5日付けで、環境大臣から諮問があり、同日付けで土壌農薬部会に付議されております。
事務局から、諮問書をご紹介してください。

【農薬環境管理室係長】 それでは資料3をご覧ください。諮問付議は今回2回分ありまして、まず1ページ目が平成24年12月13日付けのものでございます。まず、その諮問が1ページから3ページ目になっております。その付議書が4ページ目となっております。
 続きまして、5ページ目からですが、平成25年3月5日付けの諮問でございます。諮問につきまして5ページ目から7ページ目となっておりまして、その付議書が8ページ目となっております。
 まず、平成24年12月13日付けの諮問についてですが、2ページ目は別紙1となっておりまして、告示第3号の環境大臣が定める基準であります水産動植物の被害防止に係る登録保留基準の設定をご審議いただく農薬でございます。10農薬ございます。
 そして、3ページ目が別紙2となっておりまして、告示第4号の環境大臣が定める基準であります水質汚濁に係る農薬登録保留基準の設定をご審議いただく農薬でございます。12農薬ございます。
 そして、平成25年3月5日付けの諮問につきましてですが、6ページ目が別紙1となっておりまして、こちらが水産基準値の設定をご審議していただく農薬でございまして、11農薬ございます。7ページ目は別紙2となっておりまして、こちらが水質汚濁の基準値の設定をご審議していただく農薬で、8農薬ございます。今回、水産の基準値設定につきましては、合計21剤、水質汚濁の基準の設定につきましては合計20剤、諮問、付議がされておりますので、今回の農薬小委員会ではその中から水産・水濁ともに11剤ずつをご審議していただく予定でございます。
以上でございます。

【白石委員長】 ありがとうございました。
それでは、早速ですけれども、議事(1)「水産動植物の被害防止に係る農薬登録保留基準として環境大臣の定める基準の設定について」の審議に入ります。
この件につきましては、農薬小委員会に先立ち「水産動植物登録保留基準設定検討会」において、基準値設定の根拠となる農薬登録申請者から提出された試験結果や公表文献情報について精査を行うとともに、これらのデータに適用する不確実係数等の設定をして、基準値案を策定していただいております。
まず、事務局から、資料の説明をお願いいたします。

【農薬環境管理室係長】 それでは、資料4をご覧ください。
資料4は水産動植物の被害防止に係る農薬登録保留基準設定案に関する資料でございます。
本資料の説明に当たっては、水産動植物登録保留基準設定検討会において一度ご審議いただいているものでございますので、当委員会では作用機構等と総合評価を重点的にご説明させていただき、その後検討会でどのような指摘・審議が行われたかを簡単にご紹介させていただきたいと思います。
それでは、資料4の1ページ目、アクリナトリンについて説明させていただきます。
アクリナトリンですが、作用機構等はピレスロイド系殺虫剤でありまして、その作用機構等につきましては、神経膜のナトリウムチャンネルに作用して神経伝導を阻害し致死させるものでございます。本邦での初回登録は1995年でございます。
製剤は水和剤が、適用作物は果樹、野菜、花き等がございます。
原体の輸入量及び各種物性につきましては、記載のとおりでございます。
それでは2ページ目以降、水産動植物への毒性でございます。
本剤につきましては、コイ、オオミジンコ、ヌマエビ、ヨコエビ、緑藻を用いた毒性試験が行われております。各試験の条件及び結果につきましては、2ページ目の表1から4ページ目の表5に記載されているとおりでございます。3ページ目の(2)のところですが、「ヌマエビ類急性遊泳阻害試験」となっているところを、「ヌマエビ急性毒性試験」とご訂正をお願いします。
続きまして4ページ目(3)のところも、今「ヨコエビ類急性遊泳阻害試験」となっているところを、「ヨコエビ類急性毒性試験」とご訂正をお願いします。
それでは続きまして5ページ目、環境中予測濃度でございます。本農薬は非水田使用の場面において使用される農薬でございまして、表6の使用方法及びパラメーターを用いまして水産PECを算出いたしました。その結果、非水田PECTier1が0.0033μg/Lと算出されました。
6ページ目、総合評価でございます。各生物種のLC50、EC50は、コイ急性毒性でC50が165μg/L超、オオミジンコ急性遊泳阻害試験より48hEC50が0.022μg/L。ここでもちょっと訂正をお願いしたいんですが、次に「ヌマエビ急性遊泳阻害」となっているところを「ヌマエビ急性毒性」と、その下の「ヨコエビ急性遊泳阻害」となっているところも「ヨコエビ急性毒性」と訂正をお願いします。ヌマエビ急性毒性試験結果から、C50が0.129μg/L、ヨコエビ急性毒性試験結果から、C50が0.021μg/L、藻類生長阻害試験より72hErC50が7.0μg/L超でした。
これらから、それぞれの急性影響濃度を算出いたしまして、最小となります甲殻類の急性影響濃度より、登録保留基準値案を0.0052μg/Lとご提案させていただきます。
リスク評価でございますが、環境中予測濃度は非水田PECTier1が0.0033μg/Lでございますので、登録保留基準値案の0.0052μg/Lを下回っていることを確認しました。
本剤につきましては、2012年7月13日の水産検討会でご審議いただきまして、その際にヌマエビ急性毒性試験とヨコエビ急性毒性試験の実測濃度の算出の方法がガイドラインと異なっていたということがありまして、ガイドラインに従った方法で算出することと議論がなされまして、2012年12月7日の検討会におきまして、その結果をご報告させていただきまして、ご了承いただきました。
本剤について説明は以上です。ご審議よろしくお願いします。

【白石委員長】 ありがとうございました。本日11剤ございますので、一つずつご審議をお願いしたいと思います。
まず、ただいまのアクリナトリンについて、ご質問、基準値案についてご意見があればお願いいたします。いかがでしょうか。ピレスロイド系の殺虫剤で、比較的溶解度が低いものですけども、オオミジンコ、ヌマエビ、ヨコエビの試験が提出されているものです。
 特に何か。

【中杉委員】 3ページの表3の中の下から3段目の欄は、遊泳阻害数/供試生物数じゃなくて、死亡数ですね。それから次の表も。

【農薬環境管理室係長】 そうです。あわせて訂正させていただきます。

【白石委員長】 ありがとうございました。修正させていただきます。ほか、いかがでしょうか。
 お願いいたします。

【染臨時委員】 全て被験物質は原体を使っているのですが、結果のところでLC50、あるいはEC50あたりの書きぶりが「実測濃度(有効成分換算値)」と、そう書いてあるところとないところがあるんですが、これは原体によって有効成分値が違うものを使っているから、こういう表現ぶりになっているんですか。

【農薬環境管理室長補佐】 ここにつきましては、実測濃度のほうがもとからラボのほうで測定された数字として、被験物質濃度として出されているものと、原体濃度として出されていて、原体濃度を被験物質濃度に換算する必要があったものとがございます。その違いでございます。

【白石委員長】 ありがとうございました。ほかございませんか。

(発言なし)

【白石委員長】 ないようでしたら、総合評価をご覧になっていただき、甲殻類急性影響濃度から登録保留基準値として0.0052を設定するということと、環境中予測濃度は非水田PECTier1ですけども、これを下回っているということで、よろしいでしょうか。

(異議なし)

【白石委員長】 では、事務局案どおりとさせていただきます。どうもありがとうございました。
では続きまして、オキシテトラサイクリンのほう、お願いいたします。

【農薬環境管理室係長】 7ページ目をご覧ください。オキシテトラサイクリンについて説明させていただきます。
オキシテトラサイクリンは、抗生物質の殺菌剤でございまして、その作用機構は病原菌のリボゾームへの作用による、タンパク質合成の阻害でございます。本邦での初回登録は1957年でございます。
製剤は水和剤が、適用作物は果樹、野菜、いも、花き、樹木等がございます。
原体の輸入量及び各種物性につきましては、記載のとおりでございます。
続きまして、8ページ目以降、水産動植物への毒性でございます。本剤につきましては、コイ、オオミジンコ、緑藻を用いた毒性試験が行われております。各試験の条件及び結果につきましては、8ページ目の表1から9ページ目の表3に記載されているとおりでございます。
続きまして10ページ目、環境中予測濃度でございます。本農薬は、非水田使用の場面において使用されるもので、表4の使用方法及びパラメーターを用いまして、水産PECを算出いたしました。その結果、非水田PECTier1が0.019μg/Lと算出されました。
11ページ目、総合評価でございます。各生物種のLC50、EC50は、コイ急性毒性試験よりC50が5,340μg/L、オオミジンコ急性遊泳阻害試験より48hEC50が843μg/L、藻類生長阻害試験より72hErC50が111μg/Lと算出されました。
これらの結果から、急性影響濃度を算出いたしまして、最小となっております甲殻類急性影響濃度より、登録保留基準値案を84μg/Lと提案させていただきます。
リスク評価ですが、環境中予測濃度は非水田PECTier1が0.019μg/Lでございましたので、登録保留基準値案の84μg/Lを下回っていることを確認しました。
検討の経緯ですが、本剤につきましては2009年2月25日の水産検討会におきましてご審議いただいたのですが、その際、有効成分について疑義が生じまして、その適正化について農林水産省を通しまして申請者に依頼しておりました。その結果、適正化がされまして、抄録、試験成績等も修正されましたので、その結果を2012年12月7日の水産検討会でご報告して、ご了承いただきました。また、その12月7日の検討会におきまして、データにつきましては全てオキシテトラサイクリンとして測定していることもご説明して、ご了承いただいております。
本剤については、以上です。ご審議をよろしくお願いいたします。

【白石委員長】 ありがとうございました。ただいまのご説明につきまして、ご質問、基準値案についてご意見等をお願いいたします。

【中杉委員】 これは、有効成分濃度というのはどのぐらいですか、設定と実測濃度に対して有効成分の換算値というのがありますけども、これかなり設定濃度、実測濃度に比べてEC50とかLC50の値が単純に比較すると低いので、あまり純度、有効成分濃度というのは高くないのかなと思いますけども、そうではないのですか。
例えばコイの急性毒性試験を見ると、10/10が13,300μg/Lで、設定濃度ですと8,890μg/Lで0/10になっていて、LC50は5,340ですが、そのまま換算値が100%ということになると、5,340というのは死亡が出ていないところになるので、統計的に少しそうはならないのではと思ったものですから。

【農薬環境管理室長補佐】 本剤の純度と申しますか、力価、そちらのほうがかなり低うございまして、50%を下回っておりますので、このような数字になっております。

【白石委員長】 ありがとうございます。抗生物質ということで、純度がそれほど高くないと思います。有効成分名について整理なさったということですね。
 ほかはございませんでしょうか。

(発言なし)

【白石委員長】 よろしいようでしたら、11ページの総合評価をご覧になっていただいて、甲殻類、オオミジンコの急性遊泳阻害試験の結果を活用しまして、登録保留基準値84μg/Lとするということ、環境中予測濃度は、これを下回っているということで、よろしいでしょうか。

(異議なし)

【白石委員長】 よろしいようでしたら、これをお認めいただいたということにさせていただきます。どうもありがとうございました。
では続きまして、シアントラニリプロールをお願いいたします。

【農薬環境管理室係長】 それでは12ページ目、シアントラニリプロールについて説明させていただきます。
 シアントラニリプロールは、アントラニリックジアミド骨格を有するジアミド系の殺虫剤でございまして、その作用機構は昆虫の筋肉細胞内のカルシウムチャンネル(リアノジン受容体)に作用してカルシウムイオンを放出させ、筋収縮を起こすものと考えられております。本邦では未登録でございます。
製剤は粒剤、水和剤が、適用作物は稲、果樹、野菜、豆、芝等として、登録申請されております。
各種物性につきましては、記載のとおりでございます。
それでは13ページ目以降、水産動植物への毒性でございます。本剤につきましては、コイ、オオミジンコ、緑藻を用いた毒性試験が行われております。各試験の条件及び結果につきましては、13ページ目の表1から14ページ目の表3に記載されているとおりでございます。
続きまして15ページ目、環境中予測濃度でございます。本農薬は、水田使用及び非水田使用のいずれの場面においても使用されるものですので、それぞれの場面について水産PECを計算しております。まず、水田使用ですが、15ページ目の表4に記載されております使用方法及びパラメーターを用いまして計算しました。その結果、水田PECTier1が0.23μg/Lと算出されました。
続きまして16ページ目、非水田使用の場合ですが、表5に記載されております使用方法及びパラメーターを用いまして、非水田PECTier1が0.0045μg/Lと算出されました。これらの結果から、環境中予測濃度につきましては、水田PECTier1の0.23μg/Lとなりました。
続きまして17ページ目、総合評価でございます。各生物種のLC50、EC50につきましては、コイ急性毒性試験よりC50が16,000μg/L超、オオミジンコ急性遊泳阻害試験より48hEC50が18.3μg/L、藻類生長阻害試験より72hErC50が13,000μg/L超となりました。
これらの結果から、急性影響濃度を算出いたしまして、最小となります甲殻類急性影響濃度より、登録保留基準値案を1.8μg/Lと提案させていただきます。
リスク評価ですが、水田PECTier1が0.23μg/Lでございましたので、登録保留基準値案の1.8μg/Lを下回っていることを確認しました。
なお、本剤につきまして水田PECTier2を算出いたしましたところ、0.013μg/Lとなりまして、基準値を十分下回っておりました。また、本剤につきましては、2012年12月7日の水産検討会でご審議いただきまして、その際、特段問題となる指摘はございませんでした。
以上です。ご審議をよろしくお願いいたします。

【白石委員長】 ありがとうございます。ただいまのご説明に質問、あるいはご意見をお願いいたします。甲殻類に特徴的に影響があらわれるということです。

(発言なし)

【白石委員長】 よろしいでしょうか。特にご意見がないようでしたら、総合評価をご覧になっていただいて、ご確認をお願いいたします。登録保留基準値、1.8μg/Lとすると、これはオオミジンコの急性遊泳阻害試験に基づいております。環境中予測濃度、これ水田PECTier1ですけども、これはこの基準値を下回っているということ。Tier2を計算させてもいただきましたが、それも十分下回っているということでございます。

(異議なし)

【白石委員長】 では、これで事務局案をお認めさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
 では続きまして、シクロプロトリンをお願いいたします。

【農薬環境管理室係長】 それでは18ページ目、シクロプロトリンについて説明させていただきます。
 シクロプロトリンは、ピレスロイド系の殺虫剤でございまして、その作用機構は接触的に昆虫体内に浸透し、神経系に作用して昆虫に異常興奮を惹起するものでございます。本邦での初回登録は1987年でございます。
製剤は粒剤、水和剤が、適用作物は稲、樹木、芝及びいぐさがございます。
原体の国内生産量及び各種物性につきましては、記載のとおりでございます。
それでは19ページ目以降、水産動植物への毒性でございます。本剤につきましては、コイ、オオミジンコ、緑藻を用いた毒性試験が行われております。各試験の条件及び試験結果につきましては、19ページ目の表1から20ページ目の表3に記載されているとおりでございます。
続きまして21ページ目、環境中予測濃度でございます。本農薬は、水田使用及び非水田使用のいずれの場面においても使用されるものでございますので、それぞれの場面につきまして水産PECを計算しております。まず、水田使用の場面ですが、表4の使用方法及びパラメーターを用いまして計算しましたところ、水田PECTier1は6.0μg/Lと算出されました。
続きまして22ページ目、非水田使用の場面ですが、表5の使用方法及びパラメーターを用いまして算出しましたところ、非水田PECTier1が0.013μg/Lと算出されました。これらの結果より、環境中予測濃度としましては、非水田PECTier1の6.0μg/Lでございました。
続きまして23ページ目、総合評価でございます。各生物種のLC50、EC50につきましては、コイ急性毒性試験よりC50が5,400μg/L超、オオミジンコ急性遊泳阻害試験結果より48hEC50が260μg/L、藻類生長阻害試験より72hErC50が2,610μg/Lでございました。
これらの結果から、急性影響濃度を算出しまして、最小となります甲殻類急性影響濃度より、登録保留基準値案を26μg/Lと提案させていただきます。
リスク評価でございますが、水田PECTier1が6.0μg/Lでございましたので、登録保留基準値案の26μg/Lを下回っていることを確認しております。
なお、本剤につきましても水田PECTier2を計算しましたところ、0.0012μg/Lでございまして、登録保留基準値案を十分下回っていることを確認しました。本剤につきましては、2012年12月7日の水産検討会でご審議いただきまして、その際、まず加水分解性、コイ急性毒性の実測濃度、藻類生長阻害試験について議論されまして、その中でも藻類生長阻害試験につきましては、プールドコントロールで結果が出されておりましたので、事務局で再計算をしまして、結果を示して了承していただきました。
本剤については以上です。ご審議をよろしくお願いいたします。

【白石委員長】 ありがとうございました。シクロプロトリンについて、ただいまのご説明にご質問、ご意見ありましたらお願いいたします。

【根岸臨時委員】 毒性とはちょっと関係ないのですが、国内の原体生産量が、20年度が1.9に対して、21年度が37.4と大幅に増えているのです。これはどんな理由によるのでしょうか。

【農薬環境管理室長補佐】 ちょっと今すぐお答えできる理由というのがないのですが、割と農薬生産量、どの剤もある年度は大きくその翌年度は小さく、また次の年大きくといった形で、かなり長いスパンで在庫調整等されているのかなというのをうかがわせる変動が多うございます。ですので、こういう数字の変動は、時々見るパターンなのかなというように思うのですが。

【根岸臨時委員】 そう珍しいことではないと。

【農薬環境管理室長補佐】 はい。

【根岸臨時委員】 内田先生、いかがですか。

【内田専門委員】 そのとおりだと思います。原体ですので。

【白石委員長】 よろしいですか、また情報がございましたら、先生のほうにお伝えしていただけたらありがたいと思います。ほかいかがでしょうか。

(発言なし)

【白石委員長】 ないようでしたら、総合評価をご覧ください。登録保留基準値26μg/Lとするということ。環境中予測濃度は水田PECTier1で6.0、水田PECTier2で0.012でしたか。

【農薬環境管理室係長】 0.0012です。

【白石委員長】 0.0012というような試算結果もあるということでございますが。

【中杉委員】 さっきのまとめのところ。先ほど藻類の試験の結果について、事務局から計算をし直したと。これは影響のほうの計算なのですか。実測濃度が一番高いのは、試験の結果2,180ですよね。それでいてErC50が2,610となっているという。最高設定濃度を上回っているということは、どうしてそういう数字が出てくるのかなと、ちょっとわからなかったものですから、ご説明いただけますか。

【農薬環境管理室長補佐】 まず、こちら、計算し直しましたのは、プールドコントロールと申しまして、対照区とそれから助剤対照区がある場合に、本来は助剤対照区と個々の試験区について比較をして、阻害率を出すべきところを、対照区と助剤対照区を一緒にしてしまって計算しているものでございましたので、そこについて事務局のほうで算出し直しをしたものでございます。
こちらErC50が実測濃度の最高値を上回っている件について、検討会のほうでもご議論いただきましたが、これにつきましては阻害率が最高濃度区までは割と低く推移していたのが、最高濃度区で大きくなったため、統計解析の結果としてこの阻害率のほう、2,610という値になりました。実際には最高濃度区である2,180の区を見ていただきますと、生長阻害率としては54.5と、つまり最高濃度区で50%以上の阻害率が観察されておりますので、この結果で問題ないというように検討会で結論をいただいたものでございます。

【白石委員長】 中杉先生、いかがでしょうか。だらだらとあって、急に上がっているところもあって、阻害率が実際50%を超えているので、このデータは使えるだろうということです。その数値をどうするかということで、統計の概数になりますけれども、このデータでもよいのではないかという結論になりました。何とか以上というわけにもいかないので、少し概数になっていますけれども、2,610でよろしいのではないかと。

(異議なし)

【白石委員長】 もしもお認めいただけましたら、総合評価、今説明が途中でしたけれども、このような形にさせていただきたいと思います。事務局案をご了承いただいたということにさせていただきます。どうもありがとうございました。
では続きまして、シプロジニルのほうをお願いいたします。

【農薬環境管理室係長】 それでは24ページ目、シプロジニルについて説明させていただきます。
 シプロジニルは、アニリノピリミジン系殺菌剤でございまして、その作用機構はメチオニンの生合成を阻害することにより、病原菌の栄養不足を生じさせ、菌糸の植物体内への侵入及び伸長を阻害するものと考えられております。本邦での初回登録は1998年でございます。
製剤は水和剤が、適用作物は麦、果樹、野菜がございます。
原体の輸入量及び各種物性につきましては、記載のとおりでございます。
続きまして25ページ目以降、水産動植物への毒性についてでございます。本剤につきましては、コイ、ニジマス、ブルーギル、オオミジンコ、緑藻を用いて試験されておりまして、その試験条件及び結果につきましては、25ページ目の表1から、27ページ目の表5に記載のとおりとなっております。
それでは、続きまして28ページ目、環境中予測濃度でございます。本農薬は、非水田使用で使われるものですので、非水田使用の場面において水産PECを計算しまして、表6の使用方法及びパラメーターを用いまして、算出いたしましたところ、非水田PECTier1が0.055μg/Lと算出されました。
続きまして29ページ目、総合評価でございます。各生物種のLC50、EC50につきましては、コイ急性毒性試験よりC50が3,000μg/L、ニジマスの急性毒性試験よりC50が2,400μg/L、ブルーギルの急性毒性試験よりC50が2,220μg/L、オオミジンコの急性遊泳阻害試験より48hEC50が27μg/L、藻類生長阻害試験より72hErC50が5,200μg/Lでございました。これらの結果から、急性影響濃度を算出いたしまして、最小となります甲殻類急性影響濃度より、登録保留基準値案を2.7μg/Lと提案させていただきます。
リスク評価ですが、非水田PECTier1が0.055μg/Lでございましたので、登録保留基準値案の2.7μg/Lを下回っていることを確認しました。
本農薬につきましては、2012年12月7日の水産検討会でご審議いただきまして、その際ニジマスにつきまして、試験に用いられている体長がガイドラインから外れておったのですが開口後と思われる体長でしたので、ガイドラインから逸脱していても感受性は同等であるということで、問題ないというご判断をいただきまして、了承いただきました。
本剤については以上です。ご審議をよろしくお願いいたします。

【白石委員長】 ありがとうございました。では、ただいまのご説明に質問、あるいは基準値案にご意見等ございましたらお願いいたします。オオミジンコに対してまた非常に強い影響があるようですけれども。

(発言なし)

【白石委員長】 よろしいでしょうか。特に、メカニズムのときにわかればあれですが。特に、基準値案等にご意見がないようでしたら、総合評価29ページをご覧ください。オオミジンコ急性遊泳阻害27μg/Lという値から、登録保留基準値2.7μg/Lとするということ、環境中予測濃度は0.055μg/Lでこれを下回っているというものです。よろしいでしょうか。

(異議なし)

【白石委員長】 では、この総合評価、事務局案をお認めさせていただきました。どうもありがとうございました。
 では続きまして、セトキシジムをお願いいたします。

【農薬環境管理室長補佐】 では、資料の30ページをご覧ください。
 セトキシジムは、シクロヘキサンジオン系除草剤であり、その作用機構は、脂肪酸生合成に関する酵素であるアセチルCoAカルボキシラーゼ活性の阻害でございます。本邦での初回登録は1985年でございます。
製剤は乳剤が、適用作物は果樹、野菜、いも、豆、花き、いぐさ、樹木等がございます。
原体の国内生産量及び各種物性につきましては、記載のとおりです。
31ページ以降、水産動植物への毒性でございます。本剤につきましては、魚類についてコイを用いた急性毒性試験、甲殻類についてオオミジンコを用いた急性遊泳阻害試験、藻類について緑藻を用いた藻類生長阻害試験が実施されております。
33ページ、環境中予測濃度でございます。本剤は、製剤として乳剤、果樹等に適用があるということで、表4に示しますパラメーターより、本剤は水田使用、非水田使用、いずれの場面においても使用されるということで、まず水田のほうにつきまして、表4のいぐさを用いた使用方法につきまして、PECのほう算定しております。算定結果は水田PECTier1が3.0μg/Lでございました。 
続きまして34ページ、非水田使用時の水産PECのほうは、表5のパラメーターにより算定をいたしまして、こちらも非水田PECTier1が0.0079μg/Lでございました。両者より、環境中予測濃度といたしまして、3.0μg/Lとしております。
35ページ、総合評価でございます。各生物種のLC50、EC50でございますが、魚類がコイ急性毒性試験の結果よりC50が72,000μg/L、甲殻類がオオミジンコ急性遊泳阻害試験の結果より、48hEC50で99,000μg/L超、藻類が、緑藻を用いた藻類生長阻害試験の結果より72hErC50が99,000μg/L超となっております。
これらから、最小となります魚類急性影響濃度より、登録保留基準値案を7,200μg/Lと提案させていただきます。
リスク評価でございますが、環境中予測濃度は水田PECTier1が3.0μg/Lでございますので、登録保留基準値案7,200μg/Lを下回っていることを確認しております。
本剤の検討経緯ですが、昨年12月7日の平成24年度第4回水産検討会においてご議論をいただきました。その際、藻類生長曲線の書き方について、若干の指摘があったほかは、特段のご議論がなく、この基準値案についてご了承いただいております。
本剤については以上です。ご審議よろしくお願いいたします。

【白石委員長】 ありがとうございました。ただいまのご説明にご質問、あるいはご意見等をお願いいたします。脂肪酸生合成に関係するアセチルCoAのカルボキシラーゼ活性の阻害ということで、藻類にはあまり影響が出ていないですね。

(発言なし)

【白石委員長】 よろしいでしょうか。特にご意見がないようでしたら、35ページをご確認ください。総合評価としまして、登録保留基準値は、コイの急性毒性が7,200μg/Lからとするということ、環境中予測濃度は水田PECTier13.0μg/Lであり、これを下回っているということでございます。

(異議なし)

【白石委員長】 特にご意見ございませんでしたら、事務局案をお認めさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
 では続きまして、ピリフタリドをお願いいたします。

【農薬環境管理室長補佐】 資料の36ページをご覧ください。
 ピリフタリドは、イソベンゾフラン環を有する除草剤であり、その作用機構は、分枝アミノ酸の一種であるバリン、ロイシン、イソロイシンの生合成に関与し、植物に特有のアセトラクテート合成酵素の作用を阻害し、タンパク質代謝に異常を来すものでございます。本邦での初回登録は2002年でございます。
製剤は乳剤及び水和剤が、適用作物は稲がございます。
原体の輸入量及び各種物性につきましては、記載のとおりです。
続きまして37ページから、水産動植物への毒性試験成績でございますが、本剤につきましては、魚類についてコイを用いた急性毒性試験と、ニジマスを用いた急性毒性試験、甲殻類につきましてオオミジンコを用いた急性遊泳阻害試験、藻類につきまして緑藻を用いた藻類生長阻害試験が実施されております。
40ページ、環境中予測濃度でございます。本剤は、水田使用農薬でございます。水田使用農薬として表5のパラメーターに基づきまして、第1段階の水産PECを算定いたしましたところ、2.7μg/Lでございました。
41ページ、総合評価でございます。各生物種のLC50、EC50でございますが、魚類がコイ急性毒性試験の結果からC50が330μg/L超、ニジマス急性毒性試験の結果から、C50が515μg/L超、甲殻類のオオミジンコ急性遊泳阻害試験の結果より48hEC50が1,800μg/L超、藻類が緑藻を用いた藻類生長阻害試験の結果より72hErC50が900μg/L超と算定されました。
これらから、最小となります魚類急性影響濃度より、登録保留基準値案を33μg/Lと提案させていただきます。
リスク評価でございますが、環境中予測濃度は水田PECTier1が2.7μg/Lでございますので、登録保留基準値案33μg/Lを下回っていることを確認しております。
本剤の検討経緯でございますが、本剤、昨年12月7日、平成24年度第4回水産検討会のほうでご審議をいただきました。本剤ですが、各試験とも水溶解度を超える設定濃度での試験で、しかも、助剤を使っていないという状態での試験成績でございました。この取り扱いにつきまして、水産検討会でいろいろご議論いただきまして、これまで水溶解度を超える設定濃度での試験成績であっても、助剤等で分散が適切に行われていると確認できた場合は、そのままそれをLC50、EC50として採用してまいりました。また、沈殿等、不溶成分が見られる場合には、遠心分離、ろ過等によって不溶分を除いて測定したものでLC50、EC50を算定してきております。これらもないというような場合は、不溶分が認められた濃度の、濃度区を除いた試験成績でLC50、EC50を算定するということをやってまいりまして、そのような取り扱いをしております。
ただ、オオミジンコ急性遊泳阻害試験については、水溶解度を下回る濃度区の結果がございませんで、不溶分の有無についても確認できないという状況でございましたので、これにつきましては、水溶解度を48hEC50水溶解度超であるという形での取りまとめの結論をいただいております。
本剤については以上です。ご審議よろしくお願いいたします。

【白石委員長】 ありがとうございました。ただいまのご説明にご質問、あるいはご意見をお願いいたします。今、説明にあったオオミジンコが38ページの下に書いてありますけども、実測濃度4,200となっていますけども、これがよく確認できなかったということで、水溶解度をEC50の値に入れて、それ以上ということにさせていただいております。

(発言なし)

【白石委員長】 よろしいでしょうか。これはアセトラクテート合成酵素の阻害ということで、割と藻類に影響が出ない、何剤か出ていますけれども、そういったものでございます。
特にご意見ございませんでしたら、41ページをご覧ください。全て影響が認められておりませんが、登録保留基準値として33μg/Lとするということ、環境中予測濃度は水田PECTier1ですけども、2.7μg/Lであり、これを下回っているということでございます。よろしいでしょうか。

(異議なし)

【白石委員長】 よろしいようでしたら、基準値案をお認めいただいたことにさせていただきます。どうもありがとうございました。
 では続きまして、フルキサピロキサドをお願いいたします。

【農薬環境管理室長補佐】 資料の42ページをご覧ください。
 フルキサピロキサドは、ピラゾールカルボキサミド骨格を有する殺菌剤であり、その作用機構は、病原菌のミトコンドリア呼吸鎖におけるコハク酸脱水素酵素(複合体Ⅱ)の阻害でございます。本邦では未登録でございます。
製剤は水和剤が、適用作物は芝として登録申請されております。
各種物性につきましては、42ページの表に記載のとおりです。
43ページ、水産動植物への毒性でございます。本剤につきましては、魚類についてコイを用いた急性毒性試験の結果、また甲殻類につきましてオオミジンコを用いたミジンコ類急性遊泳阻害試験の結果、それから藻類につきまして、緑藻を用いた藻類生長阻害試験の結果が提出されており、43ページ、44ページに記載のとおりです。
45ページ、環境中予測濃度でございます。本農薬は、製剤として水和剤、芝に適用があるということで、表4の使用方法及びパラメーターよりPECのほうを算定いたしました。この結果、非水田PECTier1は0.0026μg/Lと算定されております。
46ページ、総合評価でございます。各生物種のLC50、EC50でございますが、魚類がコイ急性毒性試験の結果よりC50が290μg/L、甲殻類がオオミジンコ急性遊泳阻害試験の結果より48hEC50が6,780μg/L、藻類が緑藻を用いた藻類生長阻害試験の結果より、72hErC50が780μg/Lとなっております。
これらのうちから、最小となります魚類急性影響濃度より、登録保留基準値案を29μg/Lと提案させていただきます。
リスク評価でございますが、環境中予測濃度は非水田PECTier1が0.0026μg/Lでございますので、登録保留基準値案29μg/Lを下回っていることを確認しております。
検討経緯でございますが、本剤、昨年12月7日の24年度第4回水産検討会でご議論いただきました。特段のご指摘はございませんでした。
本剤については以上です。

【白石委員長】 どうもありがとうございました。では、ただいまのご説明にご質問、あるいはご意見等をお願いいたします。ミトコンドリア呼吸に関連するようで、全てのものに毒性があらわれているようですけど。

(発言なし)

【白石委員長】 よろしいでしょうか。特にご指摘ないようでしたら、46ページをご確認ください。登録保留基準値29μg/Lとするということで、これはコイの急性毒性から出ております。環境中予測濃度を水田PECTier10.0026μg/Lということで、これを下回っているということでございます。

(異議なし)

【白石委員長】 よろしければ、基準値案をお認めさせていただいたということにさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
 では続きまして、プロヘキサジオンカルシウム塩をお願いいたします。

【農薬環境管理室長補佐】 では、資料の47ページをご確認ください。
 プロヘキサジオンカルシウム塩は、シクロヘキサン骨格を有する矮化剤であり、その作用機構は、植物体内の活性型ジベレリンの生成を阻害することによる節間伸長の抑制でございます。本邦での初回登録は1994年でございます。
製剤は粉剤、水和剤及び塗布剤が、適用作物は稲、麦、果樹、野菜、花き及び芝がございます。
原体の国内生産量及び各種物性につきましては、記載のとおりです。
48ページ、水産動植物への毒性でございます。本剤につきましては、魚類についてコイ、ニジマス、ブルーギルを用いた急性毒性試験の結果が提出されております。また、50ページ、甲殻類でございますが、甲殻類についてはオオミジンコを用いた急性遊泳阻害試験、藻類につきましては緑藻を用いた藻類生長阻害試験の結果がそれぞれ提出されております。
51ページ、環境中予測濃度でございます。本農薬は、製剤として粉剤、水和剤、塗布剤。稲、麦、果樹等に適用がございますので、水田使用、非水田使用、いずれの場面も使用されるということで、両方の水産PECのほうを算定しております。まず、水田使用時の水産PECでございますが、表6に示す使用方法及びパラメーターより、水田PECTier1は0.36μg/Lと算定されました。
52ページ、非水田使用時の水産PECでございますが、こちら表7に示す使用方法及びパラメーターより、非水田PECTier1が0.00079μg/Lと算定されております。それぞれより最も値の大きくなります水田使用時のPEC算出結果を、環境中予測濃度といたしまして、水田PECTier10.36μg/Lとしております。
53ページ、総合評価でございます。各生物種のLC50、EC50でございますが、魚類、コイ急性毒性試験の結果よりC50が110,000μg/L超、ニジマス急性毒性試験の結果より、C50が93,300μg/L超、ブルーギル急性毒性試験の結果より、C50が93,300μg/L超、甲殻類、オオミジンコ急性遊泳阻害試験の結果より、48hEC50が93,300μg/L超、緑藻を用いた藻類生長阻害試験の結果より、72hErC50が94,600μg/L超と、それぞれ算定されております。これらから、最小となります甲殻類急性影響濃度より、登録保留基準値案を9,300μg/Lと提案させていただきます。
リスク評価でございますが、環境中予測濃度は水田PECTier1が0.36μg/Lでございますので、登録保留基準値案9,300μg/Lを下回っていることを確認いたしました。
検討経緯でございますが、本剤、昨年12月7日の平成24年度第4回水産検討会でご議論をいただきました。特に問題となるご指摘はございませんでした。
以上です。

【白石委員長】 ありがとうございました。ただいまのご説明にご質問、あるいはご意見等、お願いいたします。どの試験項目にも影響があらわれておりません。植物体内の活性型ジベレリンの生成を阻害するということです。

(発言なし)

【白石委員長】 よろしいでしょうか。特に、ご意見ございませんようでしたら、53ページ、総合評価をご覧ください。試験結果はそこに示したとおりで、このうち最小のミジンコの結果より登録保留基準値9,300μg/Lとするということ。環境中予測濃度水田PECTier1になりますが、これが0.36μg/Lということで、これを下回るということでございます。

(異議なし)

【白石委員長】 よろしければ、基準値案をご了解いただいたということにさせていただきます。どうもありがとうございました。
 では、続きましてメトスルフロンメチルをお願いいたします。

【農薬環境管理室長補佐】 資料の54ページをご確認ください。
 メトスルフロンメチルは、スルホニルウレア系の除草剤であり、その作用機構は、雑草のアセトラクテート合成酵素の阻害による細胞分裂阻害でございます。本邦での初回登録は1993年でございます。
製剤は水和剤が、適用作物は芝、樹木等がございます。
原体の輸入量及び各種物性につきましては、記載のとおりです。
55ページ、水産動植物への毒性でございます。本剤につきましては、魚類についてコイを用いた魚類急性毒性試験、甲殻類についてオオミジンコを用いたミジンコ類急性遊泳阻害試験、藻類について、緑藻を用いた藻類生長阻害試験がそれぞれ実施されております。
57ページ、環境中予測濃度でございます。本農薬、芝、樹木等の適用ということで、非水田使用農薬として、表4の使用方法及びパラメーターより、水産PECを算出いたしました。結果、非水田PECTier1は0.00047μg/Lと算定されております。
58ページ、総合評価でございます。各生物種のLC50、EC50でございますが、魚類がコイ急性毒性試験の結果より、C50が98,400μg/L超、甲殻類が、オオミジンコ急性遊泳阻害試験の結果より、48hEC50が117,000μg/L超、藻類が緑藻を用いた藻類生長阻害試験の結果より、72hErC50が875μg/L超となっております。
これらから、最小となります藻類急性影響濃度より、登録保留基準値案を870μg/Lと提案させていただきます。
リスク評価でございますが、環境中予測濃度は非水田PECTier1が0.00047μg/Lでございますので、登録保留基準値案870μg/Lを下回っていることを確認しております。
本剤の検討経緯でございますが、本剤、昨年12月7日の平成24年度第4回水産検討会でご審議いただきました。特段問題となるご指摘はございませんでした。
以上です。

【白石委員長】 ありがとうございました。ただいまのご説明にご質問、あるいはご意見等、お願いいたします。これは、スルホニルウレア系の除草剤で、先ほどと同じアセトラクテート合成酵素阻害ということで、藻類にも影響が出ていないようでございます。

(発言なし)

【白石委員長】 よろしいでしょうか。特に、ご意見がございませんようでしたら、総合評価、58ページをご覧ください。登録保留基準値870μg/Lですけれども、これは藻類の試験から出ております。環境中予測濃度は水田PECTier10.00047μg/Lということで、これを下回っているということでございます。

(異議なし)

【白石委員長】 特に、ご意見ございませんようでしたら、事務局案の基準値案をお認めさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
 では、最後になりますが、d -リモネンについてお願いいたします。

【農薬環境管理室係長】 それでは59ページ目、d -リモネンについて説明させていただきます。この剤につきましては、まず検討経緯から説明させていただきたいと思います。
d -リモネンですけれども、2011年の12月20日の第28回農薬小委員会におきまして、ばく露のおそれが極めて少ないと認められる場合に該当することから、基準値設定不要として了承されました。今般使用量が増加する製剤が登録申請されまして、ばく露のおそれが極めて少ないと認められる場合に該当しなくなったということから、水産動植物の登録保留基準値を設定するということで、ご審議していただきたく考えております。
 それでは、d -リモネンについて、説明させていただきます。
 d -リモネンは、かんきつ類の果皮由来の除草剤でありまして、その作用機構は細胞膜や細胞壁の破壊と考えられております。本邦での初回登録は2012年でございます。
製剤は乳剤が、適用作物は樹木等がございます。
原体の輸入量及び各種物性につきましては、記載のとおりでございます。
続きまして60ページ目以降、水産動植物への毒性でございます。本剤につきましては、コイ、ファットヘッドミノー、オオミジンコ、緑藻を用いた試験がされておりまして、試験条件、結果につきましては、60ページの表1から64ページ目の表7の記載のとおりでございます。
それでは65ページ目、環境中予測濃度でございます。本剤は、非水田使用で使われる農薬ですので、非水田使用の条件につきまして、表8に示す使用方法及びパラメーターを用いまして、非水田PECTier1を算出いたしまして、その結果0.79μg/Lと算出されました。
続きまして66ページ目、総合評価でございます。各生物種のLC50、EC50ですが、コイ急性毒性試験よりC50が870μg/L、ファットヘッドミノー急性毒性試験結果より、C50が702μg/L、もう一つ、ファットヘッドミノーの急性毒性試験の結果よりC50が720μg/L、オオミジンコ急性遊泳阻害試験より48hEC50が719μg/L、藻類生長阻害試験より72hErC50が850μg/Lとなっております。
これらの結果から、急性影響濃度を算出いたしまして、最小の魚類急性影響濃度より、登録保留基準値案を70μg/Lと提案させていただきます。
リスク評価ですが、環境中予測濃度が非水田PECTier1が0.79μg/Lでございましたので、登録保留基準値案の70μg/Lを下回っていることを確認しております。
本剤につきましては、2013年2月15日の水産検討会でご議論いただきまして、水溶解度につきまして、非常に溶けにくいというデータが出されておったのですが、試験結果から溶けているということもあるので、申請者に確認しまして、59ページ目に書かれております水溶解度につきましては、新しく申請者の方に調査していただきましたものを記載しております。その旨につきましても、水産検討会の委員の皆様にお伝えしまして、ご了承いただいておるところでございます。
もう一つ、藻類生長阻害試験につきまして、設定濃度と実測濃度で大きな差が見られておったのですが、藻類生長阻害試験については密閉容器で実施しておりますが、ヘッドスペースがありますので、そこに揮発して実測濃度は低くなっているということで、ご了承いただいております。
本剤についての説明は以上です。ご審議をよろしくお願いいたします。

【白石委員長】 ありがとうございました。ただいまのご説明にご質問、あるいはご意見をお願いいたします。
d -リモネンはかんきつ類の果皮のところに入っておりますが、これを除草剤として用いるということで、利用拡大というか、使用量が増えるということでございます。

【内田専門委員】  「ヘッドスペースに蒸気圧が高いですから」ということだったのですけど、それは最初の仕込んだときの濃度から、試験終了時の濃度へ減少とか、そのような結果が見られているということなのですか。

【農薬環境管理室長補佐】 実測濃度のほう、最初ばく露開始時、それから24時間ごとに測定がされておりまして、ばく露開始時に対しまして、24時間後には1桁以上測定値が下がっているというような形で、幾何平均という形で実測濃度を算定しております。また、申請者からも考察として、このヘッドスペースのところに揮発してしまったのではないかというようなことが提出されております。

【白石委員長】 実際は減っているのですね。設定濃度、初期値はどのぐらいだったのですか。

【農薬環境管理室長補佐】 初期値は、設定濃度に対しまして大体6~7割という状態でございます。

【白石委員長】 そういう状況で、幾何平均をして用いたということでございます。

(発言なし)

【白石委員長】 よろしいでしょうか。ほかにご意見ございませんようでしたら、総合評価をご覧ください。魚類急性影響濃度をもとに、登録保留基準値70μg/Lとするということ。環境中予測濃度は非水田PECTier1で0.79μg/Lであり、これを下回っているということでございます。よろしければ基準値案をお認めさせていただきたいと思います。

(異議なし)

【白石委員長】 どうもありがとうございました。
 以上、熱心にご討論ありがとうございました。水産動植物の被害防止に係る登録保留基準設定についての審議を、これで終了したいと思います。引き続き……。

【農薬環境管理室長補佐】 すみません。おかげで、順調にご審議進んでおりまして、これからちょっとまた、まだ長丁場でございますので、5分ぐらい休憩を。

【白石委員長】 わかりました。では、この時計で55分ぐらいまででよろしいですか。では5分、短いですけれども、休憩させていただきます。どうもありがとうございました。

(休憩)

【白石委員長】 時間となりましたので、再開させていただきます。
 議事(2)です。「水質汚濁に係る農薬登録保留基準としての環境大臣の定める基準の設定について」の審議に入らせていただきます。
 まず、事務局から資料の説明をお願いいたします。

【農薬環境管理室係員】 では、資料5をご覧ください。資料5は水質汚濁に係る農薬登録保留基準値案に関する資料でございます。作用機構等と総合評価を重点的にご説明させていただきます。
 それでは、資料5の1ページ目をご覧ください。イプフェンカルバゾンについてご説明させていただきます。
 この剤の物質概要は、1ページの表のとおりです。作用機構等でございますが、イプフェンカルバゾンは、非ホルモン系吸収移行型の除草剤でございまして、その作用機構は植物体内で超長鎖脂肪酸の生合成を阻害するものであると考えられております。本邦では未登録でございます。
製剤には水和剤が、適用作物には稲として、登録申請されております。
各種物性につきましては、2ページの表のとおりです。
2ページの下段、安全性評価でございますが、食品安全委員会は、平成24年10月29日付けで、本剤のADIを0.00099mg/kg体重/日と厚生労働省に通知いたしております。この値はイヌを用いた1年間慢性毒性試験における無毒性量、0.0995mg/kg体重/日を安全係数100で除して設定されたものでございます。この食品安全委員会の農薬評価書につきましては、参考資料5として添付しておりますので、ご確認ください。
続きまして3ページ、水質汚濁予測濃度でございます。本剤は水田使用農薬でございますので、3ページの表に示します使用方法及びパラメーターを用いまして、水濁PECを算出いたしましたところ、水濁PECTier2として0.00045mg/Lと算定されております。
続きまして4ページ、総合評価でございます。ADI0.00099mg/kg体重/日より、表にございます算出式により登録保留基準値を算出いたしまして、0.0026mg/Lを公共用水域の水中における予測濃度に対する基準値として提案させていただきます。本剤につきまして、水質に関する既存の基準値等はございません。
リスク評価でございますが、水濁PECTier2は0.00045mg/Lでございますので、登録保留基準値案0.0026mg/Lを超えないことを確認しております。また、参考といたしまして、食品経由の農薬理論最大摂取量でございますが、農薬理論最大摂取量は0.013mg/人/日と、対ADI比で25%と、8割を超えないことを確認いたしております。
本剤につきましては、以上です。ご審議をよろしくお願いいたします。

【白石委員長】 ご説明、ありがとうございました。安全性評価の点で何か補足がございましたら、お願いいたします。

【浅野専門委員】 それでは、イプフェンカルバゾンの毒性について、その概略を説明させていただきます。
 本剤は、毒性の内容、質としましては、血液それから肝臓及び膀胱に毒性兆候が認められています。繁殖能への影響ですとか、催奇形性、それから遺伝毒性は認められていません。その毒性の内容ですけれども、まず血液ではラット、イヌ、この試験におきましてメトヘモグロビン血症、これが認められております。それから溶血性貧血、このように血液系の異常が確認されております。
それから肝臓は、小葉中心性、肝臓の小葉の中心性の細胞の脂肪化と、それから肝細胞の好酸性変化等が認められています。さらには膀胱では、粘膜の上皮、移行上皮の過形成、これが認められておりまして、ラットの発がん性試験におきましては、膀胱の移行上皮乳頭腫及び移行上皮がんの発生頻度が増加しております。ただし、これらのメカニズム試験が詳細に行われておりまして、発生機序が遺伝毒性のメカニズムとは考えにくくて、評価に当たって閾値を設定することが可能であると考えられています。ちなみにこのメカニズムは、上皮の障害が繰り返されて起こることによって、それの再生が頻繁に起こって、それが早まってがん化しているという、そういったメカニズムが考えられております。
 それから無毒性量のうち、最小値がイヌを用いました1年間慢性毒性試験、これが0.0995mg/kgということでありまして、これを根拠として安全係数100で除した0.00099mg/kg体重/日をADIと設定しております。なお、神経毒性は、これ一般毒性の結果から推察される変化がないということと、それから有効成分がリン酸エステル系で、かつコリンエステラーゼ阻害性を有する農薬ではないということで行っておりません。
 以上です。

【白石委員長】 ありがとうございました。ただいまのご説明も含めまして、何かご質問、ご意見ございましたら、お願いいたします。イヌを用いた1年間の慢性毒性試験の無毒性量を用いて、0.0995mg/kg体重を安全係数100で除したものを、1日のADIとして設定するということでございます。

【中杉委員】 これTier2まで計算されておりますけど、Tier1はどのぐらいだったのですか。

【農薬環境管理室長補佐】 Tier1でございますが、約6.6μg/Lですから、0.006mg/Lとなっておりました。

【白石委員長】 よろしいでしょうか。ちょっとオーバーしているという感じだったんですね。ほかにご質問等ございませんでしょうか。

(発言なし)

【白石委員長】 ないようでしたら、総合評価ご覧ください。先ほどのADIに基づきまして、公共用水域の水中における予測濃度に対する基準値として、0.0026mg/Lを設定するということ。水濁PECTier2ですけども、これが0.00045mg/Lであり、基準値を超えていないということを確認したということでございます。よろしければ、事務局の案を認めさせていただきたいと思います。

(異議なし)

【白石委員長】 では、どうもありがとうございました。
 では、次のエタボキサムのご説明をお願いいたします。

【農薬環境管理室係員】 それでは、資料の5ページをご覧ください。エタボキサムについてご説明させていただきます。
 この剤の物質概要は、5ページの表のとおりです。作用機構等でございますが、チアゾールカルボキサミド骨格を有する浸透性殺菌剤でございまして、その作用機構は特定されておりませんが、病原菌の胞子形成等を阻害することで殺菌効果を示すと考えられております。本邦では未登録でございます。
製剤は水和剤が、適用作物には果樹、野菜、いもとして登録申請されております。
各種物性につきましては、6ページの表のとおりです。
6ページの下段の安全性評価でございますが、食品安全委員会は、平成24年9月24日付けで、本剤のADIを0.05mg/kg体重/日と厚生労働省に通知いたしております。この値はイヌを用いた1年間の慢性毒性試験における無毒性量、5mg/kg体重/日を安全係数100で除して設定されたものでございます。この食品安全委員会の農薬評価書につきましては、参考資料6として添付しておりますので、ご確認ください。
7ページ、水質汚濁予測濃度でございます。本剤は非水田使用農薬でございますので、7ページの表に示します使用方法及びパラメーターを用いまして、水濁PECを算出いたしましたところ、水濁PECTier1として0.000055mg/Lと算定されております。
続きまして8ページ、総合評価でございます。ADIが0.05mg/kg体重/日により、表にございます算出式により登録保留基準値を算出いたしまして、0.1mg/Lを公共用水域の水中における予測濃度に対する基準値として提案させていただきます。本剤につきまして、水質に関する既存の基準値等はございません。
リスク評価でございますが、水濁PECTier1は0.000055mg/Lでございますので、登録保留基準値案0.1mg/Lを超えないことを確認しております。また、参考といたしまして、食品経由の農薬理論最大摂取量でございますが、農薬理論最大摂取量は0.15mg/人/日と、対ADI比で5.7%と、8割を超えないことを確認いたしております。
本剤につきましては、以上です。ご審議をよろしくお願いいたします。

【白石委員長】 ありがとうございました。では、安全性評価で少し補足ございましたら、お願いいたします。

【吉田臨時委員】 ご説明申し上げます。本剤はチアゾールカルボキサミド骨格ということの殺菌剤なのですけれども、恐らく病原菌の微小管に作用するというように考えられております。主な毒性は、急性毒性は弱いです。反復投与による毒性の標的は肝臓、精巣といったところです。特に、精巣の変化がラットで、精巣毒性が認められました。長期投与をいたしますと、非常に軽度ですけれども、肝細胞腫というテストステロンをつくる細胞の腫瘍が増加してまいります。そのほかの発がん性、あるいは催奇形性はないのですが、その原因といたしましては、ホルモン作用、抗テストステロン作用ではなく、かつホルモン合成作用ではなく、恐らく精子形成過程による微小管の、先ほどの本剤のメカニズムが関連したところではないかというように、食品安全委員会では推測してということが評価書に書かれております。
 これらの結果を総合いたしまして、ADIですけれども、イヌを用いた1年間の試験が一番低いNOAELがとれましたので、これをもとに許容量のほうを設定いたしております。ちなみに、この値は2年間の発がん性試験の併合試験と良く類似した値であります。
 以上です。

【白石委員長】 ありがとうございました。ただいまのご説明、あるいは安全評価に関する補足につきまして、ご質問、ご意見等ございましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。食品安全委員会が定めました許容一日摂取量0.05mg/kg体重/日をもとに、8ページをご覧いただきたいと思いますが、公共用水域の水中における予測濃度に対する基準値0.1mg/Lという案が示されております。水濁PECTier1ですけれども、0.000055mg/Lであり、これを超えていないということを確認いたしてございます。よろしいでしょうか。

(発言なし)

【白石委員長】 特に、ご意見ございませんようでしたら、総合評価、公共用水域の水中における予測濃度に対する基準値0.1mg/Lを認めていただいたということにさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
 では、続きましてエトフメセートをお願いいたします。

【農薬環境管理室係員】 それでは、資料の9ページをご覧ください。エトフメセートについてご説明させていただきます。
 この剤の物質概要は、9ページの表のとおりです。
作用機構等でございますが、非ホルモン型浸透移行性の除草剤でございまして、その作用機構は、光合成及び呼吸活性減少による雑草の細胞分裂阻害により除草活性を有するものと考えられております。本邦では未登録でございます。
製剤は乳剤が、適用作物にはてんさいとして登録申請されております。
各種物性につきましては、10ページの表のとおりです。
10ページの下段の安全性評価でございますが、食品安全委員会は、平成24年5月31日付けで、本剤のADIを0.3mg/kg体重/日と厚生労働省に通知いたしております。この値はウサギを用いた発生毒性試験における無毒性量30mg/kg体重/日を、安全係数100で除して設定されたものでございます。この食品安全委員会の農薬評価書につきましては、参考資料7として添付しておりますので、ご確認ください。
続きまして11ページの水質汚濁予測濃度でございます。本剤は非水田使用農薬でございますので、11ページの表に示します使用方法及びパラメーターを用いまして、水濁PECを算出いたしましたところ、水濁PECTier1として0.000015mg/Lと算定されております。
続きまして、12ページの総合評価でございますが、ADIが0.3mg/kg体重/日により、表にございます算出式により登録保留基準値を算出いたしまして、0.79mg/Lを公共用水域の水中における予測濃度に対する基準値として提案させていただきます。すみません、こちら表の下のところに1)として、登録保留基準値は有効数字2桁(ADIの有効数字桁数)としておりますけれども、実際の桁数は無毒性量から取っておりまして、こちらADIではなく無毒性量の間違いでございますので、訂正よろしくお願いいたします。
戻りまして、本剤につきましては、水質に関する既存の基準値等はございません。
リスク評価でございますけれども、水濁PECTier1は0.000015mg/Lでございますので、登録保留基準値案0.79mg/Lを超えないことを確認しております。また、参考といたしまして、食品経由の農薬理論最大摂取量でございますが、農薬理論最大摂取量は0.33mg/人/日と、対ADI比で2.1%ということで、8割を超えていないことを確認しております。
本剤につきましては、以上です。ご審議をよろしくお願いいたします。

【白石委員長】 ありがとうございました。では、安全性評価でまた補足ございましたら、お願いいたします。

【浅野専門委員】 本剤は、投与で可能な限りの投与量で、6,400mg/kgという急性毒性試験を行っていますけれども、全く死亡例がないという、非常に急性毒性の弱い、そういった特徴を持っています。さらに毒性の内容としましては、高用量を反復投与した場合に体重の増加抑制、それから肝臓の重量増加が認められています。神経毒性、発がん性、それから繁殖能に対する影響とか、遺伝性毒性は全く認められておりません。
ウサギを用いた発生毒性試験において、子ども動物の骨化遅延、きちんと骨になる部分の遅延が認められておりますけれども、これで奇形の増加は認められておりません。それから、ラットにおいては体重に影響は全く認められておりません。これはウサギの母動物後の影響が、子どもに影響して、催奇形性ではなくて、発達遅延が若干見られたとコメントしております。そして各種の試験の結果、最終的にはこの無毒性量のうち、最小値がウサギを用いた発生毒性試験の30mg/kg体重/日ということから、本剤のADIが設定されています。
 以上です。

【白石委員長】 ありがとうございました。ただいまのご説明にご質問、ご意見等ございましたら、お願いいたします。よろしいでしょうか。

(発言なし)

【白石委員長】 特にないようでしたら、12ページ総合評価をご覧ください。食品安全委員会が設定したADI0.3mg/kg体重/日をもとに、公共用水域の水中における予測濃度に対する基準値を0.79mg/Lとするということ、水濁PECTier1はこれを超えていないということを確認されたということです。よろしいでしょうか。

(異議なし)

【白石委員長】 よろしければ、この基準値案はご了解いただいたということにさせていただきます。ありがとうございました。
 それではクロルフタリムをお願いいたします。

【農薬環境管理室係員】 それでは、資料の13ページをご覧ください。クロルフタリムについてご説明させていただきます。
 この剤の物質概要は、13ページの表のとおりです。
作用機構等でございますけれども、光要求型のフェニルフタルイミド系除草剤でございまして、その作用機構は、クロロフィル生合成経路上の葉緑体及びミトコンドリアの酵素であるプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼの阻害でございます。本邦での初回登録は1981年でございます。
製剤は水和剤が、適用作物には花き、樹木、芝等がございます。
原体の輸入量は記載のとおりでございます。
各種物性につきましては、14ページの表のとおりです。
14ページの下段の安全性評価に参りまして、本剤は食用農作物への適用が申請されておらず、食品安全委員会による食品健康影響評価が行われておりませんので、非食用農作物専用農薬安全性評価検討会におきまして、非食用の農薬ADIを設定しております。非食用農薬ADIにつきましては、クロルフタリムの各種試験成績の評価結果に基づき、0.0026mg/kg体重/日と設定いたしました。この値はラットを用いた90日間の反復経口投与毒性試験における無毒性量2.6mg/kg体重/日を安全係数1,000で除して設定されております。
非食用農作物専用農薬安全性評価検討会の評価につきましては、資料の17ページ以降、安全性評価指導をご覧ください。そのときの安全性評価のまとめについては38ページの総合評価に記載されておりますので、38ページの概要を説明させていただきます。
動物体内運命試験の結果、経口投与及び経皮投与されたクロルフタリムの吸収は比較的緩やかでございまして、組織の分布につきましては経口、経皮経路ともに多くの器官に分布いたしました。主な排せつ経路は経皮投与では糞中でございました。
各種毒性試験の結果につきましては、同じ38ページの表23、ここに記載されております。毒性試験の結果では、クロルフタリムの投与による影響は主に血液に認められました。神経毒性と催奇形性及び遺伝毒性は認められておりません。
資料の15ページのほうに戻っていただきまして、水質汚濁予測濃度でございます。本剤は非水田使用農薬でございますので、15ページの表に示します使用方法及びパラメーターを用いまして、水濁PECを算出いたしましたところ、水濁PECTier1として0.00010mg/Lと算定されております。
続きまして、16ページの総合評価でございます。非食用農薬ADIは0.0026mg/kg体重/日によりまして、表にございます算出式により登録保留基準値を算出いたしまして、0.0069mg/Lを公共用水域の水中における予測濃度に対する基準値として提案させていただきます。本剤につきましては、水質に関する既存の基準値等はございません。
リスク評価でございますが、水濁PECTier1は0.00010mg/Lでございますので、登録保留基準値案0.0069mg/Lを超えないことを確認しております。
本剤につきましては、以上です。ご審議をよろしくお願いいたします。

【白石委員長】 ありがとうございます。この剤につきましては、非食用の農作物専用農薬安全性評価検討会において、別途ご審議されていると思いますので、そちらのご説明を伺えたらと。

【吉田臨時委員】 申し上げます。参考資料をご覧になりながら見ていただければありがたいのですが、まず別紙の20ページにあります、この毒性の特徴は、いわゆる血液毒性です。といいますのは、この非常にきれいなといったら恐縮ですけども、見事な血液毒性が出ておりまして、これはそのものが起こすのではなくて、体内で代謝されて、産生されるp –クロロアニリン、いわゆるアニリンによる血液毒性が出ております。本剤はProtox阻害薬なので、もともと肝臓や血液に対する毒性はあるのですけれども、それよりも強く代謝物による血液毒性が非常に強く出ております。急性毒性は弱いのですけれども、特に、激しい毒性が32ページをご覧ください。90日のラットの試験の結果の一覧が表15に記載されておりますけれども、チアノーゼといった明らかな血液毒性が出ております。これが毒性の主なものです。生体にとって問題となるような遺伝毒性はございません。
 これらの結果から38ページをご覧ください。一番低いNOAELというのがラットで、ラットの90日試験が何本が行われているのですけれども、そのうちの一つの毒性で2.6という数字を取って、通常の種差、個体差に加えまして、発がん性試験がないこと、あるいは繁殖毒性といった試験が不足しているというデータ不足を最大10を掛けまして、1,000で除して0.0026という値をADIに設定いたしました。
 以上です。

【白石委員長】 ありがとうございました。非食用の農薬のADIを設定していただいたというご説明をいただきました。ありがとうございました。
 ただいまのご説明にご質問、あるいはご意見ございましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。

【内田専門委員】最後の総合評価のところで「主な排泄経路は、経皮では糞中であった」、これ「経口では」のほうがADIへの総合評価ではいいような感じがするんですけども、経口の場合でも糞中で変わりないんですね。もちろん尿にも排泄されていると思うんです。とりたてて経皮のことを書いておく必要がないかなと私は思ってしまったんですが。

【農薬環境管理室長補佐】 事務局から補足させていただきます。
 この剤、クロルフタリムは非常に登録も古く、試験も古かったと。さらには今の申請者ではないところを転々としてきたということもございまして、試験データ、特に、動物体内運命試験に係る試験データが非常に古いもので、今の要件に照らすと不十分なものでございました。それでも評価はできるということで、今回評価をいただいているんですが、この経口投与における主たる排泄経路を算定するために必要なデータが欠けていたと。具体的には経口投与したものに関する放射能の回収率が非常に低いものになっておりまして、5割を切っているというような状況の中で、どれが主たる経路なのかというのは判断するに足りるデータがないということで、経口についての記述は総合評価から削除しております。

【内田専門委員】 わかりました。それなら結構です。

【白石委員長】 かなり古いデータで、ちょっと不備があったみたいですけども、経口については総合評価に関係ないような状況だったということです。

【内田専門委員】 でも、見たのは経口でしたよね。

【白石委員長】 本文のほうで。ほかにご意見ございませんでしょうか。

(発言なし)

【白石委員長】 では、特にないようでしたら、お認めいただいたということにさせていただきたいと思いますが、非食用農薬のADIを0.0026mg/kg体重/日とするということ。これを受けまして、公共用水域の水中における予測濃度に対する基準値は0.0069mg/Lとするということにさせていただきたいと思います。よろしいでしょうか。

(異議なし)

【白石委員長】 では、どうもありがとうございました。
 では、続きまして、次の剤をお願いいたします。

【農薬環境管理室係員】 それでは、資料42ページをご覧ください。トプラメゾンについてご説明させていただきます。
 この剤の物質概要は、42ページの表のとおりです。作用機構等でございますが、ベンゾイルピラゾール構造を有する除草剤でございまして、その作用機構は、p-ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ酵素を阻害することによるカロチノイド生合成の阻害でございます。本邦では未登録でございます。
製剤には液剤が、適用作物には飼料作物として登録申請されております。
各種物性につきましては、43ページの表のとおりです。
43ページ下段の安全性評価に参りまして、この剤も食用農作物への適用が申請されておらず、食品安全委員会による食品健康影響評価は行われておりません。このため、非食検討会におきまして、非食用農薬ADIを設定しております。非食用農薬ADIにつきましては、トプラメゾンの各種試験成績の評価結果に基づきまして、0.003mg/kg体重/日と設定いたしました。この値はラットを用いた2世代繁殖試験における無毒性量0.3mg/kg体重/日を安全係数100で除して設定されております。
非食検討会での評価につきましては、別紙後ほどの46ページ以降、安全性評価資料をご覧ください。かなり大量のページになるんですけれども、まとめにつきましては、97ページの総合評価に記載されておりますので、概要を説明させていただきます。
97ページ、動物体内運命試験の結果、経口投与されましたトプラメゾンは、速やかに吸収されまして、肝臓及び腎臓に比較的多く分布し、排出の際は尿中よりも糞中により多く排泄されました。また、胆汁中の排泄及び腸肝循環の存在が示されました。
各種毒性試験の結果につきましては、97ページの表56に記載されております。トプラメゾンの反復投与による影響は、主に眼や肝臓、膵臓、甲状腺、腎臓に認められました。繁殖能に対する影響は認められませんでした。ウサギでは腎臓/尿管欠損が胎児に高率に見られたことから、本剤の催奇形性が疑われました。ラットのみでトプラメゾンによる甲状腺ろ胞細胞腺腫が見られましたが、遺伝毒性試験において、生体において問題となる遺伝毒性はないと考えられたことから、本剤の評価に当たり閾値を設定することは可能と考えられました。
また44ページに戻っていただきまして、水質汚濁予測濃度でございます。本剤は非水田使用農薬でございますので、44ページの表に示します使用方法及びパラメーターを用いまして、水濁PECを算出いたしましたところ、水濁PECTier1として0.0000012mg/Lと算定されております。
続きまして、45ページの総合評価でございます。非食用農薬ADIが0.003mg/kg体重/日につきまして、表にございます算出式により登録保留基準値を算出いたしまして、0.007mg/Lを公共用水域の水中における予測濃度に対する基準値として提案させていただきます。本剤につきましては、水質に関する既存の基準値等はございません。
リスク評価でございますが、水濁PECTier1は0.0000012mg/Lでございますので、登録保留基準値案の0.007mg/Lを超えないことを確認しております。
本剤につきましては、以上です。ご審議をよろしくお願いいたします。

【白石委員長】 ありがとうございました。本剤も非食用のADIを設定していただいておりますので、検討経緯をご紹介お願いします。

【吉田臨時委員】 申し上げます。本剤はいわゆる4HPPD剤でございますので、一番感受性の高い動物はラット、そしてチロシン濃度ということになります。本剤におきましても、そのような毒性が認められております。
チロシン濃度の低下によります眼の変化、特に角膜炎とか白内障というのはラットのみで認められ、ほかの動物種では認められておりません。また、急性毒性は非常に弱いので、これらの変化は反復投与によって生じるものというように考えております。
 そのほかの毒性といたしましては、肝臓の肥大あるいは甲状腺の変化が認められております。また、ウサギにおきまして尿路系の奇形性の変化が出ておりまして、このためにウサギの催奇形性だけで7本だか、5本以上の試験を繰り返し行っているのですが、繰り返してもやはり同じ変化が出るという再現性が取れたことになっております。遺伝毒性におきまして、高用量群で染色体異常が認められましたけれども、小核で認められないことから、生体にとって問題となる遺伝毒性はないというように評価をいたしました。
 総合評価ですけれども、97ページをご覧ください。本剤は先ほどの剤とは違いまして、ほぼフルセット、発達神経毒性試験まで行われておりまして、フルセットの試験が行われております。これらの全ての試験の結果から、101ページの下でございます、最も低いNOAELが求められましたのが、ラットの2世代試験の0.3ということから、今回はフルセットございますので、種差10、個体差10の100を取りまして、これを100で除して0.003という値をADIの設定根拠といたしました。
 以上です。

【白石委員長】 ありがとうございました。ただいまの説明に質問、ご意見等ございましたらお願いいたします。

(発言なし)

【白石委員長】 よろしいでしょうか。HPPD酵素を阻害することによる影響が出ておるということだそうでございます。よろしいようでしたら、総合評価をご覧ください。非食用のADI0.003mg/kg体重/日の設定をお認めいただき、これにおきまして、公共用水域における水中における予測濃度に対する基準値を0.007mg/Lとするということ、水濁PECTier1ですけれども、これがこの基準値を超えていないということを確認したということでございます。よろしいでしょうか。

(異議なし)

【白石委員長】 では、事務局案をお認めいただいたということにさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
 では、次の剤をお願いいたします。

【農薬環境管理室長補佐】 それでは資料の105ページをご覧ください。トリネキサパックエチルについてご説明させていただきます。
 本剤の物質概要につきましては、105ページに記載の表のとおりです。
トリネキサパックエチルは、シクロヘキサンジオン骨格を有する植物成長調整剤であり、その作用機構は、GA20からGA1への変換過程におけるジベレリン生合成を阻害することで葉と節間の伸長を阻害するものでございます。本邦での初回登録は1996年でございます。
製剤には液剤が、適用作物には樹木、芝がございます。
原体の輸入量及び各種物性につきましては、105ページ、106ページに記載のとおりでございます。
106ページ、本剤の安全性評価でございますが、こちらのご説明の前に、参考資料3のほうをお手元に配付していると思います。こちらをご確認いただければと思います。
参考資料3、非食用農作物専用農薬に係る水質汚濁に係る農薬登録保留基準の設定方針ということで、平成24年10月30日に、こちらの小委でご決定いただいたものでございます。こちらの2ページ、3の(1)がございます。非食用農作物専用農薬について、食安委でADIが設定された場合の対応ということで、本剤、まさにそれに当たるのです。国内ではこちら非食用、適用作物、樹木、芝ということで食用作物への適用がないのですが、海外において大麦や小麦などを対象に農薬登録されているということで、海外基準を参考に暫定基準が設定されており、健康影響評価のほうが食品安全委員会において行われております。
こうした場合の対応について、この3の(1)に書いておりますが、食安委で非食用農薬ADIが設定されていない農薬について、ADIが設定された場合は、食安委評価書及び農薬抄録に基づき、食安委の食品健康影響評価が行われた農薬と、国内で登録されている農薬の毒性を環境省、事務局では確認する。
その結果、毒性に大きな相違がないと判断した場合は、非食検討会にその旨を報告して、その了解を得た上で食安委で設定されたADIを活用して、農薬小委員会において水濁基準を設定するというご方針を、決定いただいております。この方針に基づきまして、本剤の毒性の比較結果を、非食検討会にお諮りさせていただきました。ただ、このトリネキサパックエチルは、国内で登録される農薬の毒性データ、つまり農薬抄録が食品健康影響評価が行われている農薬の毒性データに全て含まれている。参考資料として農薬抄録そのものが入っていたということがございまして、その旨の報告によって平成24年度第3回非食検討会で、食安委で設定されたADIを水濁基準でも活用するということが了承いただいております。
すみません、資料5の106ページに戻っていただきまして、そうしたことで安全性評価でございますが、許容一日摂取量ADIは、0.0059と食品安全委員会において、平成21年10月22日付けで評価されて、厚生労働省に通知されております。この値は、ラットを用いた2世代繁殖試験における無毒性量0.59mg/kg体重/日を、安全係数100で除して設定されたものとなっております。
続きまして107ページ、水質汚濁予測濃度でございます。本剤は非水田使用農薬ということで、非水田使用時の水濁PECは、107ページにお示ししている使用方法と各パラメーターを用いて計算をいたしました。結果、水濁PEC算出結果は水濁PECTier1として0.000033mg/Lという結果でございました。
108ページ、総合評価でございます。水質汚濁に係る登録保留基準値案でございますが、ADI0.0059からこちらの表に示す算出式により、登録保留基準値を算出いたしまして、公共用水域の水中における予測濃度に対する基準値として、0.015mg/Lを基準値案として提案させていただいております。本剤の水質に関する既存の基準値等でございますが、水質汚濁に係る農薬登録保留基準値、旧基準が0.2mg/Lと出ております。またゴルフ場暫定指導指針は0.15mg/Lということで、指針値が示されておりました。
2.リスク評価でございますが、水濁PECTier1は0.000033mg/Lでございますので、登録保留基準値0.015mg/Lを超えないことを確認しております。参考ですが、食品経由の農薬理論最大摂取量につきまして、0.074mg/人/日と、食品群の基準値案をもとに算出した理論最大摂取量として算出されております。こちらの対ADI比は24%となっておりまして、80%を下回っていることを確認しております。
本剤のご説明は、以上です。ご審議よろしくお願いいたします。

【白石委員長】 ありがとうございました。では、安全性評価で、何か補足等ございましたら、お願いいたします。

【浅野専門委員】 トリネキサパックエチルに関しましては、本剤も単回投与による急性毒性は非常に弱い化合物でございまして、投与可能と考えられる5,000mg/kg、これでもLD50は取られておりません。本剤の反復投与による出現する毒性に関しましては、高用量で体重の増加抑制等の体重変化、それから腎臓の尿細管に軽微な所見が見られております。繁殖能、それから発がん性、それから催奇形性及び遺伝毒性は認められておりません。ただ、イヌにのみ、脳の神経細胞、これの腫脹、ちょっと腫れたというような状態と空胞が認められたんですけども、神経症状が観察されなかったため、これを詳細にもう一回検討しております。ただし、やはり長期間投与して一番高用量で出現する変化ではあるんですけども、神経症状、それに伴った症状があらわれてこないということで、詳細なメカニズム、それから影響等は不明なままです。ただし、高用量だけ、長期間投与したときだけ認められるという変化になっております。
 本剤のADIの設定の根拠としましては、無毒性量の最小値、これがラットを用いた2世代繁殖試験の0.59mg/kg体重/日、これを根拠にしてADIが算出されております。
 以上です。

【白石委員長】 ありがとうございました。以前非食用で設定されていたものですけども、食品安全委員会で新たに設定されたということで、ここに検討していただいた結果、非食用の農作物専門委員会でもこれを使ってよろしいということで許されたということでございます。
 特に、ご意見ございますでしょうか。

【内田専門委員】 作用機構ですけど、この「GA20からGA1への変換過程におけるジベレリン生合成」、これA20もA1もジベレリンの一種ですよね。だから、私は専門ではありませんが、A20からA1へと活性化を阻害すると思うんですよね。それをジベレリン生合成阻害と言っていいかどうか。言い方だけとは思うんですが。少し確認されて、必要な場合には、書き直してもらうだけでいいと思います。

【白石委員長】 では、事務局のほうでご対応をお願いいたします。

【農薬環境管理室長補佐】 ありがとうございます。

【白石委員長】 作用機構のところですね。ほかございませんでしょうか。

(発言なし)

【白石委員長】 では、ないようでしたら、そこの修正をお願いして、総合評価ですが、ADI0.0059mg/kg体重/日を公共用水域の水中における予測濃度に対する基準値を0.015mg/Lとするということ、リスク評価ですけども、水濁PECTier1は、これを超えていないことが確認されたということにさせていただきたいと思います。

(異議なし)

【白石委員長】 よろしければ、どうもありがとうございました。
 では次、フェンピラザミンをお願いいたします。

【農薬環境管理室長補佐】 では、資料の109ページをご覧ください。フェンピラザミンの物質概要につきましては、109ページの表に記載のとおりです。
フェンピラザミンは、ピラゾリノン構造を有する殺菌剤であり、その作用機構は、エルゴステロール生合成経路を阻害することにより、病原菌の胞子発芽管の伸長と菌糸生育を阻害するものと考えられております。本邦では未登録でございます。
製剤には水和剤が、適用作物は果樹、野菜として登録申請されております。
各種物性につきましては、110ページに記載のとおりです。
本剤の安全性評価でございますが、食品安全委員会は平成24年6月7日付けでフェンピラザミンのADIを0.12mg/kg体重/日とする結果を厚生労働省に通知しております。この食品健康影響評価の資料につきましては、参考資料9としておつけしておりますので、あわせてご確認ください。
この値は、ラットを用いた2年間慢性毒性/発がん性併合試験における無毒性量、12.7mg/kg体重/日を安全係数100で除して設定されたものでございます。
111ページ、水質汚濁予測濃度でございます。本剤、非水田使用農薬でございます。111ページに示しております使用方法、それからパラメーターを用いまして、水濁PECを算定いたしましたところ、水濁PECTier1は0.000089mg/Lでございました。
112ページ、総合評価でございます。水質汚濁に係る登録保留基準値案でございますが、ADI0.12mg/kg体重/日より、表に示します算出式で、登録保留基準値のほうを算出いたしまして、公共用水域の水中における予測濃度に対する基準値として、0.31mg/Lを基準値案として提案させていただいております。本剤、水質に関する既存の基準値等はございません。
リスク評価でございますが、水濁PECTier1は0.000089mg/Lであり、登録保留基準値0.31mg/Lを超えないことを確認しております。参考でございますが、食品経由の農薬理論最大摂取量は0.22mg/人/日であり、対ADI比で3.4%でございました。
本剤については以上です。ご審議よろしくお願いいたします。

【白石委員長】 ありがとうございました。では、毒性の観点から何か補足ございましたら、お願いいたします。

【吉田臨時委員】 申し上げます。本剤は、非常に急性毒性の低い剤です。主な毒性というのは、体重と肝臓、あるいは肝臓の薬物代謝酵素が誘導されたことによって、甲状腺が腫れるといった弱い毒性のみです。ただ1点で、ラットにおきまして母動物が障害されたようなんですが、そこで着床痕の低下ですとか、あと内臓あるいは骨格変異が認められておりますが、催奇形性はございません。ウサギにおいても催奇形性はございません。発がん性及び神経毒性はないといった剤でございます。
 これらの毒性試験結果を全てをあわせまして、最も低いNOAELはラットの2年間の併合試験ということになりまして、そこでとれた無毒性量12.7がADIの設定根拠となっております。
 以上です。

【白石委員長】 ありがとうございました。ただいまのご説明にご質問、ご意見等ございましたら、お願いいたします。よろしいでしょうか。

(発言なし)

【白石委員長】 特にございませんようでしたら、ADI0.12mg/kg体重/日をもとに、公共用水域の水中における予測濃度に対する基準値として0.31mg/Lをお認めいただいたということにさせていただきたいと思います。リスク評価ですが、水濁PECTier1はこれを超えていないことを確認されましたということでございます。

(異議なし)

【白石委員長】 よろしければ、次に移らせていただきたいと思います。ありがとうございました。
 では、フルオピラムについて、ご説明をお願いいたします。

【農薬環境管理室長補佐】 資料の113ページをご確認ください。フルオピラムの物質概要につきましては、113ページ記載の表のとおりです。
フルオピラムは、ピリジルエチルアミド構造を有する殺菌剤であり、その作用機構は、病原菌のミトコンドリア呼吸鎖におけるコハク酸脱水素酵素(複合体Ⅱ)の阻害であると考えられております。本邦では未登録でございます。
製剤は水和剤、適用作物は果樹として登録申請されております。
各種物性につきましては、114ページに記載の表のとおりです。
安全性評価でございますが、食品安全委員会は平成24年10月1日付けで、フルオピラムのADIを0.012mg/kg体重/日とする食品健康影響評価結果を厚生労働省に通知しております。こちらの食品健康影響評価結果は参考資料10としておつけしておりますので、あわせてご確認ください。
この値は、ラットを用いた2年間慢性毒性/発がん性併合試験における無毒性量、1.20mg/kg体重/日を安全係数100で除して設定されたものでございます。
115ページ、水質汚濁予測濃度でございます。本剤は非水田使用農薬でございます。水濁PECが最も高くなる使用方法について、表の使用方法、パラメーターにより、非水田使用時の水濁PECTier1を算定いたしました。その結果、水濁PECTier1は0.000037mg/Lと算出されております。
116ページ、総合評価でございます。水質汚濁に係る登録保留基準値案でございますが、ADI0.012mg/kg体重/日から、表に示します算出式より、登録保留基準値案を算出いたしました。結果、公共用水域の水中における予測濃度に対する基準値として、0.031mg/Lを提案させていただいております。本剤について既存の水質に関する基準値等はございません。
リスク評価でございますが、水濁PECTier1は0.000037mg/Lであり、登録保留基準値案0.031mg/Lを超えないことを確認しております。なお、参考として、食品経由の農薬理論最大摂取量でございますが、0.16mg/人/日と算定されておりまして、対ADI比で25%でございます。
以上です。

【白石委員長】 ありがとうございました。安全性に関して、少しご説明を。

【浅野専門委員】 本剤は、ラットにおいては特に眼、角膜の混濁、それから網膜の退色等が反復投与の高用量で認められております。肝臓がやはりこの剤も薬物代謝酵素の誘導がかなりありますので、肝臓の重量増加とそれから発がん性試験でも雌のラットで肝細胞腺腫が増えてきております。また、これに関連した変化として、甲状腺のろ胞細胞腺腫、これが雄のマウスで認められてきています。ただし、遺伝毒性は全くありません。
それから腎臓、これは重量の増加ですとか、慢性腎症がやはり用量が高いところで認められています。それで、催奇形性はないと判断しているんですけども、ラットの発生毒性試験において胎児に発達遅延、発育抑制に起因した条件が認められておりまして、これも母動物に対する影響というのが胎児に出たという状況で、ウサギにも胎児発育抑制が認められております。ただし、催奇形性はないと判断されています。
 それから神経毒性、繁殖能に対する影響、それと免疫毒性、遺伝毒性はともに認められておりません。ADIの設定に関しましては、ラットを用いました2年間慢性毒性、それから発がん性併合試験、これがNOAEL1.20mg/kg体重/日、これを根拠にしましてADIが設定されております。
 以上です。

【白石委員長】 ありがとうございました。ただいまのご説明にご質問、ご意見等ございましたら、お願いいたします。よろしいでしょうか。

(発言なし)

【白石委員長】 よろしいようでしたら、ADI0.012mg/kg体重/日をもとに、水質汚濁に係る登録保留基準値案としまして、0.031mg/Lを設定するということで、お認めいただいたというふうにさせていただきたいと思います。リスク評価ですが、水濁PECTier1はこれを超えていないことを確認したとさせていただきたいと思います。よろしいでしょうか。

(異議なし)

【白石委員長】 ありがとうございました。
 では、次のフルキサピロキサド、お願いいたします。

【農薬環境管理室長補佐】 117ページをご確認ください。フルキサピロキサドの物質概要につきましては、117ページの表に記載のとおりでございます。
フルキサピロキサドは、ピラゾールカルボキサミド骨格を有する殺菌剤であり、その作用機構は、病原菌のミトコンドリア呼吸鎖におけるコハク酸脱水素酵素(複合体Ⅱ)の阻害でございます。本邦では未登録でございます。
製剤は水和剤が、適用作物は芝として登録申請されております。
各種物性につきましては、118ページに記載のとおりです。
安全性評価でございますが、こちら、先ほどのトリネキサパックエチルと同様、まだ非食用農薬ADIが設定されていない非食用農作物専用農薬でございますが、食安委のほうでインポートトレランス申請に伴ってADIの設定が進められております。現在2013年、今年の2月18日に開催された食品安全委員会において、ADI案が了承されておりまして、パブリックコメントの手続中でございます。今後は手続終了後、食品健康影響評価を厚生労働省に通知することとなっておりますので、こちら丸で書かれているほうのところには、その日付を決定され次第、入れさせていただければと思っております。
本剤のADIですが、国内では非食用、海外では食用の適用があるということなんですけれども、申請されたインポートトレランスに伴って提供された資料の中に、国内の農薬登録で提出されている農薬の毒性データ、全て含まれているということを確認しておりますので、先ほどのトリネキサパックエチルと同様に、こちらも食安委の設定されたADIを、水濁基準の設定において使いたいということで、非食検討会で了承をいただいております。
そのADIでございますが、フルキサピロキサドのADI、0.021mg/kg体重/日と設定される予定でございます。この値はラットを用いた2年間慢性毒性/発がん性併合性試験における無毒性量2.1mg/kg体重/日を安全係数100で除して設定されたものとなっております。
119ページ、水質汚濁予測濃度でございますが、本剤、非水田使用農薬でございますので、使用方法、各パラメーター、こちらの表に記載のとおりの条件から計算いたしまして、水濁PECTier1が0.000037mg/Lと算定されました。
120ページ、総合評価でございます。ADI0.021mg/kg体重/日より表に示す算出式により、登録保留基準値案を算出いたしまして、公共用水域の水中における予測濃度に対する基準値として、0.055mg/Lを提案させていただきます。水質に関する既存の基準値等はございません。
リスク評価でございますが、水濁PECTier1は0.000037mg/Lでございますので、登録保留基準値案0.055mg/Lを超えないことを確認しております。
本剤については、以上です。

【白石委員長】 ありがとうございました。本ADIは、まだパブリックコメント中だそうですけども、非食用の農作物専用農薬安全評価検討会でご検討されているということでございますので、安全評価について補足等ございましたら、お願いいたします。

【吉田臨時委員】 申し上げます。本剤は非常に急性毒性が弱い剤でございまして、主なターゲットは肝臓及び甲状腺、あと歯、骨といったところです。肝臓と甲状腺につきましては、先ほど来ご説明しているように、恐らく薬物代謝酵素の誘導と、あと、それが続いたことによって肝臓の細胞の増殖が活性化されて、腫瘍になったというものというように考えられます。本剤は構造にフッ素がついているせいだと思うのですけれども、ラットの歯の白変というような変化がラット及びマウスに認められております。遺伝は認められておりません。ただ、それによって変異性の変化は認められておりません。
 各種の毒性試験から最も低いNOAELが求められたのが2年間のラットの慢性毒性/発がん性併合試験でしたので、この得られた無毒性量2.1をもとに安全係数を100で除しまして、ADIが0.021という値になっております。
 以上です。

【白石委員長】 ありがとうございました。ただいまのご説明にご質問、ご意見等ございましたら、お願いいたします。よろしいでしょうか。

(発言なし)

【白石委員長】 特にないようでしたらば、許容一日摂取量ADI0.021mg/kg体重/日をもとに、公共用水域の水中における予測濃度に対する基準値を0.055mg/Lとするという案をお認めいただいたとさせていただきたいと思います。リスク評価ですが、水濁PECTier1はこれを超えていないことを確認しました。よろしいでしょうか。

(異議なし)

【白石委員長】 ありがとうございます。では、事務局案どおりとさせていただきます。
 では、次ヘキサジノン、お願いいたします。

【農薬環境管理室長補佐】 それでは、資料の121ページをご覧ください。ヘキサジノンについてご説明をさせていただきます。本剤の物質概要は、121ページの表に記載のとおりです。
ヘキサジノンは、トリアジン系の除草剤であり、その作用機構は、葉緑体膜の電子伝達阻害による光合成阻害であると考えられております。本邦では1987年に登録され、その後失効したが、現在改めて登録申請されております。
製剤は粒剤及び水溶剤が、適用作物は樹木等として登録申請されております。
本剤の各種物性につきましては、122ページに記載のとおりです。
安全性評価でございますが、本剤、国内では非食用専用農薬ということで登録申請されているものでございますが、こちら海外で食用農作物、ブルーベリー等を対象に農薬登録がございますので、食品安全委員会で平成20年に食品健康影響評価が実施されております。こちらにつきまして、先ほどの参考資料3の3(1)の取り扱いに従いまして、食品安全委員会の評価書評価による評価の資料と、それから国内の農薬登録に当たって提出された農薬抄録の、添付資料としての試験成績を対比してその毒性の相違がないか等について、非食検討会で検討をいただきました。
結果といたしまして、国内登録試験の試験成績のうち最小となる無毒性量の値というのは、食安委でのADI設定に用いられた無毒性量の値よりも大きかった。つまり、毒性は強いものではなかったということ。それから発がん性、繁殖毒性、催奇形性及び遺伝子毒性の有無の相違を示す情報もないということで、食安委で設定されたADIを、水質汚濁に係る農薬登録保留基準の設定に活用するという内容で、非食検討会でご了承をいただいております。
それに基づきまして、水質汚濁安全性評価でございますが、ADIは、食安委で、平成20年12月11日付けで評価されました0.049mg/kg体重/日をこちらを、記載しております。この値はイヌを用いた1年間慢性毒性試験における無毒性量、4.9mg/kg体重/日を安全係数100で除して設定されたものとなっております。
123ページ、水質汚濁予測濃度でございます。本剤、非水田のみで使用される農薬でございます。使用方法及び各パラメーターについて、123ページの表に記載するとおりの条件で、水濁PECTier1を計算いたしましたところ、0.00031mg/Lでございました。
124ページ、総合評価でございます。ADI0.049mg/kg体重/日を用いまして、表に示す算出式より、登録保留基準値を算出いたしましたところ、0.13mg/Lを公共用水域の水中における予測濃度に対する基準値として、提案させていただきたいと思います。水質に関する既存の基準値等はございません。
リスク評価でございますが、水濁PECTier1は0.00031mg/Lであり、登録保留基準値0.13mg/Lを超えないことを確認しております。なお、食品経由の農薬推定一日摂取量でございますが、0.44mg/人/日と算定されておりまして、対ADI比で17%となっております。
本剤については、以上です。ご審議よろしくお願いいたします。

【白石委員長】 ありがとうございました。これも非食用の検討会でご検討いただいていると思いますが、補足等ございましたらお願いいたします。

【浅野専門委員】 本剤の主な毒性の特徴ですけども、体重の増加抑制と肝臓に対する毒性です。肝毒性はラット、マウス、イヌとも1年間、長期間投与した場合に、高い用量で肝臓の細胞の変性や壊死が軽度に認められております。
それから、繁殖能に対する影響、催奇形性及び生体に対してのもとになる遺伝毒性、それから刺激性といったものは認められておりません。それから、マウスの発がん性試験についてですけども、雌で肝腫瘍性病変の増加が認められております。ただし、遺伝毒性というのが認められておりませんので、このことによって発生機序が遺伝毒性メカニズムは考えがたく、ADIを設定しております。
この剤のGLP試験は、結構古いものが多くて、メカニズムに対する試験というのはほとんどやられていないんですけれども、いずれにしても遺伝毒性は認められていない。それから、この剤の場合は肝細胞の腫大とか、甲状腺の肥大というのが認められていないので、マウスの肝腫瘍の増加というのは、先程来話が出ていますような代謝酵素の誘導ということは考えにくいんですけども、いずれにしても、遺伝性毒性とは違ったメカニズムで起こっていると考えられています。そして、無毒性量の最小値、これはイヌを用いた1年間慢性毒性試験で得られました最小無毒性量、NOAELの4.97mg/kg体重/日、これを根拠として、ADIが設定されております。
 以上です。

【白石委員長】 ありがとうございました。ただいまのご説明にご意見、ご質問等ございましたら、お願いいたします。

【染臨時委員】 今の安全性評価の項目を、注の書きぶりが今までと少し違うんですが、これは何を意味しているのか、もう少しコメントしていただきますか。

【農薬環境管理室長補佐】 今までというのは、トリネキサパックエチル、それからフルキサピロキサドの記載ぶりと、注の書きぶりが少し違うという点についてかと思います。
ヘキサジノンと、フルキサピロキサド等2剤との違いなんですけれども、フルキサピロキサド、それからトリネキサパックエチルにつきましては、国内で登録されている農薬の毒性試験成績と、全くそっくり同じものが食安委で評価された資料に含まれておりまして、完全に国内登録用の資料も含めて、食安委で審査をされて、それでADIは評価されたというものになっております。
それに対して、このヘキサジノンは、海外での評価書等をもとにした評価が行われておりまして、国内で登録申請に使われているデータセットというのは、食安委での評価には含まれておりません。原体も含めて同じものかどうかというのが、そのままでは判断できないので、それぞれ農薬抄録に記載されている毒性試験の個々の成績と、それから食安委で海外の評価書等を参考にして記載されている毒性試験の結果と、それを同じ試験の種類、同じ動物種ごとに対比をいたしまして、実際に毒性に相違があるのかという辺り、検討いただいて、それで相違がないと判断されたので、こちらは食安委で評価されたADIを国内のヘキサジノンの水濁基準の評価に使うという結論をいただいたものということです。
 フルキサピロキサド等のほうには、毒性データも向こうに含まれているというところを補足させていただいておりますが、ヘキサジノンにはその辺書いていないのは、そういう背景の違いでございます。

【白石委員長】 よろしゅうございましょうか。国内の試験成績だけ使うと、大きな値になったとおっしゃられたと思うんですけれども。

【農薬環境管理室長補佐】 国内は、非食用農薬ということで、データ要求要件が、食用農作物の農薬よりも少し少なくなっておりまして、亜急性の試験までしか提出されておりません。一方で、食安委の農薬評価書は海外の評価書等を参考にされて、慢性毒性試験まで見て設定されておりまして、慢性毒性のほうが無毒性量が低くなっておりますので、このご説明でございます。

【白石委員長】 ありがとうございました。ほかご意見ございませんでしょうか。

(発言なし)

【白石委員長】 よろしいようでしたら、食品安全委員会が設定しましたADI0.049mg/kg体重/日をもとに、公共用水域の水中における予測濃度に対する基準値を0.13mg/Lとさせていただきたいと思います。リスク評価ですが、水濁PECTier1はこれを超えていないことを確認されました。よろしいでしょうか。

(異議なし)

【白石委員長】 それでは事務局案どおりとさせていただきます。ありがとうございました。
 では、最後になりますが、ジカンバについてご説明をお願いいたします。

【農薬環境管理室長補佐】 それでは資料の125ページからのものでございます。ジカンバについてご説明させていただきます。
こちらのほう、まず別紙で経緯をご説明させていただきたいと思いますので、資料133ページ、別紙、「ジカンバの食品健康影響評価結果を踏まえた非食用農薬ADIの取扱いについて(案)」というところと、それから先ほどご説明させていただいた参考資料3をあわせてご覧いただければと思います。
まず、133ページ別紙で、経緯でございますが、本剤、平成21年に一度、中央環境審議会農薬小委員会で水濁基準値案を了承いただいているものでございます。これは非食用農作物専用農薬ということで、平成21年度の非食検討会におきまして、非食用農薬ADIが0.35mg/kg体重/日と設定されまして、その後、8月にこのADIに基づく水濁基準値案のほうをご了承いただきました。
その後、平成22年4月になりまして、ジカンバにつきましてインポートトレランス設定の要請と申しまして、海外で食用等に使われているということで、輸入食品の基準値を設けてほしいという要請をする、そういうものがインポートトレランス設定の要請というものになりまして、事業者ですとか、あるいは外国の政府等から厚生労働省のほうに要請されるものなんですが、そちらの要請のほうが、平成22年4月に水濁基準を告示した後にあったということでございます。
その後、厚生労働省から食品安全委員会に評価要請が行われまして、平成24年10月、食品安全委員会で、ADIを0.3mg/kg体重/日と設定する通知が行われました。こちらの食安委の評価結果と、それから非食検討会のほうの非食用農薬ADIの、それぞれ設定の根拠となる試験データでございますけれども、非食用農薬ADIはラットを用いた2世代繁殖試験の無毒性量、35.1をもとに、0.35mg/kg体重/日という設定をしております。一方で、食安委のADIはウサギを用いた催奇形性試験の無毒性量、30mg/kg体重/日をもとに、0.3mg/kg体重/日というADIを設定されました。
134ページに個別の試験の検討結果について載せておりますが、ラットの2世代繁殖試験、ウサギの催奇形性試験、いずれについても非食検討会と食安委の検討結果、つまり無毒性量の判断に相違はございません。ですが、ADIの設定根拠としてどれを使うかという点で、両者相違が出てきているものでございます。それが3.になりますが、食品安全委員会では、ADIを無毒性量の中で最小値であるものとして、ウサギを用いた催奇形性試験の30mg/kg体重/日を根拠として設定されました。
一方で、非食用農薬ADIにつきましては、非食検討会での審議の中で、ウサギを用いた試験成績、それからラットを用いた試験成績について、どちらを取るかという議論がございまして、ウサギを用いた催奇形性試験は、公比が大きくて、表1を見ていただきますと、対象毒性量が150ということで、30に対して公比が5であると。またこの試験で、別途、用量設定試験が行われているんですが、そちらは62.5mg/kg体重/日の群で、毒性所見が認められていないということで、真の無毒性量というのはこの辺の幅があるのではないかと考えられたこと。また、より長期の投与として、ラットの2世代繁殖試験がございまして、こちらで無毒性量が35.1であったと。最小毒性量は、これについては105ということで、先ほどのものよりは公比が小さいという辺りから総合的に判断して、ラットを用いた2世代繁殖試験を非食用農薬ADIの設定根拠としております。
非食用農薬ADIの取り扱いについて、非食検討会でご検討いただきました。こちらは参考資料3に、こうした場合の手続について、つまり非食用農薬ADIを既に設定済みのものについて、その後、食安委でADIが評価された場合の手続を、書かせていただいております。具体的には3の(2)非食用農薬ADIが設定されている場合という項でございますが、非食用農薬ADIが設定されている非食用農薬について、食安委でADIが設定された場合、非食検討会におきまして、その農薬に係る食安委評価書を踏まえつつ、非食用農薬ADI設定に係る審議の再検討を行いまして、非食用農薬ADIの見直しについて、その必要性も含めて検討を行う。また、農薬小委員会は、その結果を踏まえて水濁基準の見直しについて、その必要性も含めて検討を行うということとしております。
この農薬小委決定に基づきまして、非食検討会においてこの非食用農薬ADIの取り扱いについてご検討をいただいたところ、非食用農薬ADI、またADIの根拠となるウサギを用いた催奇形性試験及びラットを用いた2世代繁殖試験、同一のものでございます。無毒性量の判断に相違はなく、より長期の投与で最小の試験の無毒性量を根拠に、ADIを設定するという考え方、科学的に間違ったものではないと考えられることから、非食用農薬ADIを引き続き採用させていただくという決定を、非食検討会でいただいておるところでございます。
これを踏まえまして、資料に戻っていただきまして、125ページから第2版ということでまとめさせていただいております。大分たくさん見え消しがあるんですが、これは当時農薬の名前の表示順について、あまり整理がされていなかったんですが、今ISO名をまず書いて、括弧書きで国内のみで使用されている別名等がある場合は、括弧書きで表記するというルールで、ここ2~3年統一してきておりますので、それに基づきまして名称の記載方法等、改めたもの、また開発の経緯というもの、最近は作用機構という形で、作用機構をきっちり書くということで取り扱っておりますので、最近の記載ぶりにあわせて、こちらを変更をしております。内容には相違はございません。
安全性評価、127ページでございますが、当時暫定ADIと呼称していたもの、非食用農薬ADIと今呼称を改めておりますが、そちらは0.35mg/kg体重/日ということで、これを引き続き水濁基準の設定に用いたいと考えております。
その結果、131ページ総合評価ですが、ADIにつきましては暫定ではなく、非食用農薬ADIという形で実施しておりますが、基準値については変更なしで取り扱いたいと考えております。132ページの検討経緯として、2009年からの検討経緯を、記載させていただきました。
本剤のご説明は以上です。ご審議よろしくお願いいたします。

【白石委員長】 ありがとうございました。非食用の検討会でご検討なさっているということですので、補足ございましたらお願いいたします。

【吉田臨時委員】 まず、非食検討会での結果ですけれども、本剤は主に非常に毒性としてはあまり強くないといった剤で、肝臓及び血液に見られたのですが、ラット及びイヌにおいては神経症状が認められております。発がん性、催奇形性及び遺伝毒性はございません。
 これらの結果から、フルのセットの毒性試験がございますので、この中から、一番低いのは先ほど事務局から説明があったウサギの催奇形性試験なのですが、これと非常に近いところにラットの繁殖毒性試験があった。そしてウサギの発生毒性試験というのは、投与期間が10日間なんですね。ラットは約3カ月、約90日ですから、約9倍から10倍ありますので、ということ。あと一つは最小毒性量を比較し合うと、むしろラットの繁殖毒性のほうが低いということから、より堅牢な無毒性量というものが、ラットで繁殖試験のほうが適切ではないかという議論もいたしまして、このラットの繁殖毒性試験を、ADIの設定根拠として取りました。
 以上です。

【白石委員長】 ありがとうございます。より長期の投与で公比が小さくて、最小の毒性を根拠とするということだそうでございます。いかがでございましょう。

【中杉委員】 無毒性量といいますか、安全性評価はそれで結構だと思うんですけど、これちょっと確認ですけども、132ページのところ、リスク評価のところで、前にも同じようなことをやっているので、それでいいんだろうと思うんですが、ジカンバの3とジメチルアミンとカリウムと、それぞれのいずれもということといいますのは、基本的にはこの三つのいずれかの剤の方法で使うということにしてあるということですよね。いや、この三つが違うものと考えて三重に使うと、いずれもじゃなくて、足し算したものが超えないということに本当はしないといけないんですけれども、そういう使い方は認めていないといいますか、そういう使い方ではないということにしてあるということですよね。

【農薬環境管理室長補佐】 ここにつきましては、ほかの同じように酸体があって、いろいろな種類の塩類があるものの取り扱いと同じでございまして、それぞれ何とか塩、A塩とB塩がある場合は、有効成分としてはA塩でまずPECを出して、A塩について基準値案とどうなのかという比較をする。それからB塩について計算をして、それにについて評価をするということで取り扱ってきておりますので、その原則に従っているんですが、ただ、こちらのジカンバの総使用回数の制限なんですけれども、ジカンバ酸、それからジカンバジメチルアミン塩、カリウム塩、全てに対しましてジカンバとして何回以内という形で、総使用回数が規定されておりますので、その点からも問題ないものと考えております。

【白石委員長】 ありがとうございます。個別の剤でPECを出していますけども、この場合には総使用回数でさらに制限がかかっているということなんです。ほかご意見いかがでしょうか。

(発言なし)

【白石委員長】 よろしいようでしたらば、食用のADIは変えないということで、基準値案はそのままということにさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
 これで水質汚濁に係る農薬登録保留基準の設定についての審議を終了したいと思います。
 事務局より、今後の予定についてご説明をお願いいたします。

【農薬環境管理室係員】 本日、ご了承いただきました農薬の登録保留基準については、行政手続法の規定に基づき、今後パブリックコメントを1カ月ほど実施します。その結果、もし仮に何か意見が寄せられた場合につきましては、委員長に再度農薬小委員会で審議を行うかどうかご相談して、ご判断いただくことにしたいと思います。再審議の必要がない場合には、部会長の同意を得て部会報告となり、さらに中央環境審議会長の同意を得られれば答申となります。そして、答申後、告示として基準値を公布させていただきます。
 以上です。

【白石委員長】 ありがとうございました。時間は時間どおり進んでいるのですけれども、進めてよろしいですか。
 では、次に議事のその他といたしまして、5件ほど案件がございます。
最初に、水産動植物の被害防止及び水質汚濁に係る農薬登録保留基準の設定を不要とする農薬について(ばく露のおそれが極めて少ないと認められる農薬)(案)について、事務局からご説明をお願いいたします。

【農薬環境管理室長補佐】 それでは、資料6をご確認ください。
 水産動植物の被害防止及び水質汚濁に係る農薬登録保留基準の設定を不要とする農薬について(ばく露のおそれが極めて少ないと認められる農薬)(案)ということで、ご提出させていただいております。本資料について説明させていただきます。
 これまで、中央環境審議会、こちらの農薬小委におきまして、水産動植物の被害防止及び水質汚濁に係る登録保留基準について、ばく露の観点から基準値設定を不要とする農薬としては、64農薬をご了承いただいております。今回これに加えまして、別紙1のほうに施設栽培において使用される農薬を列挙させていただきました。こちら、ジエノクロル、D-ソルビット、エスフェンバレレート、ダミノジッド、ペフラゾエートの5農薬についても、同様にばく露のおそれが極めて少ないと認められるものとして、ご了承いただきたいというものでございます。
 こちらにつきましては、水産検討会でいずれもご審議をいただきましたところ、施設栽培につきましては、ビニールハウスで被覆資材が取り外されてしまった場合に、容易に地表流出してしまうのではないかと、つまり収穫直前に散布がされて、その後、雨よけ施設が取り外されたような場合には、農薬の地表流出の懸念があるのではないかという話がありまして、事務局においてビニールハウスの被覆実態を、農水省等にお伺いしまして、まとめてまいりました。
農林水産省のほうでお調べいただきましたところ、ビニールハウスというものの範囲が確認されまして、簡易なパイプが張りめぐらされて、その上にビニールを張って、雨よけだけに使われて、すぐに取り外されてしまうというような、よく近郊などで見かける施設につきましては、雨よけ施設と呼ばれるものに該当しまして、ビニールハウスには該当しない。あれは施設栽培ではないということが確認されました。
また、ビニールハウスの被覆資材、きちんと設営されたビニールハウスについては、被覆資材を取り外すのは一般に張りかえ時に限定されていまして、長期間にわたり被覆資材を取り外した状態にあることは考えにくいということ。また、この被覆資材、大体3年から5年間、継続使用するということで、県等が指導されていることで、すぐに取り外すこと、生産コストの面からも考えにくいという辺りがまとめられております。こうした検討結果を踏まえまして、この施設栽培については、水産動植物へのばく露のおそれが少ないと認めてもよろしかろうという結論を、水産検討会でもいただいております。
こちらを踏まえまして、この資料6のこれらの五つの施設栽培農薬につきましては、別紙3、後ろにつけておりますけれども、水産動植物の被害のおそれが極めて少ないと認められる農薬の取り扱いについて、平成18年農薬小委了承、24年修正了承となっている事項の、ばく露のおそれが極めて少ないと認められる場合に該当する。また、水質汚濁につきましても同様に、5ページからの資料の、ばく露のおそれが極めて少ないと認められるというものに該当すると考えられますので、基準値の設定を行う必要がない農薬として、整理させていただきたいと考えております。
 なお、今後、既登録の内容とは異なる使用方法の製剤で登録申請がなされました場合は、先ほどのd -リモネン同様に、こちらで基準値の設定の必要性について改めてご検討いただくことといたしたいと存じます。
 本資料についての説明は以上です。ご審議よろしくお願いいたします。

【白石委員長】 ありがとうございました。施設についてその範囲を調べていただいたということで、ビニールを外すということはあまりないということだそうでございます。普通によく見かけるものは雨よけ施設ということだそうでございますので、ばく露のおそれが極めて少ないと認められる農薬として認められるかどうか、ご意見、ご質問等お願いいたします。

(発言なし)

【白石委員長】 よろしいでしょうか。ご意見がなければ、案のとおりとさせていただきます。どうもありがとうございました。
 次に、その他の二つ目といたしまして、クロルピリホスの河川における農薬濃度のモニタリング結果について、事務局からご説明をお願いいたします。

【農薬環境管理室係長】 それでは、資料7をご覧ください。クロルピリホスの河川における農薬濃度のモニタリング結果について、説明させていただきます。
 まずクロルピリホスですが、水産基準値につきましては平成22年3月12日の中央環境審議会農薬小委員会でご審議いただきまして、平成22年6月22日に告示されております。基準値としましては、0.046μg/Lでございまして、水産PEC、非水田PECTier1が0.044μg/Lと近接しておりましたので、モニタリング調査の結果を報告することとされておりました。今般そのデータが提出されましたので、ご報告させていただきます。
 それでは1ページ目ですが、まず調査方法としましては、1ページ目に記載されておりますとおりの地域を対象としまして、青森県ではクロルピリホスの水和剤を、和歌山県ではクロルピリホスの乳剤を対象としました。選定理由につきましても記載のとおりでございます。それぞれの対象地域の流域面積、及び果樹園の面積につきましては、2ページ目の下の図1のとおりでございます。
また、対象地域と環境モデルの比較につきましては、3ページ目の(4)の表の記載のとおりでございます。農薬の普及率を見ていただきますと、青森県、和歌山県とも環境モデルより大きくなっておりまして、その他流域に占める果樹園の面積割合及び比流量につきましては、記載のとおりとなっております。また、評価地点としましては、青森県では環境基準点である乾橋を評価地点としております。和歌山県につきましては宮原橋を評価地点としておりまして、こちらは環境基準点ではないのですけれども、対象地域を流れる河川交流地点の直下というところで評価地点としております。
 それでは、それぞれの地域の結果でございます。青森県の結果につきましては、3ページ目の3の(1)の以下、表のところに記載がございます。和歌山県の結果につきましては、4ページ目の(2)のところの表に記載がございます。それではまず青森県の結果ですが、まず青森県の評価地点で13回調査しておるのですけれども、そのうち検出されたのが5回でございました。また、和歌山県の評価地点での調査につきましては、21回調査をしておるのですけれども、そのうち検出されたのは3回となっておりました。両地域とも水産基準値を下回っておりました。
 説明については、以上でございます。

【白石委員長】 ありがとうございました。果樹によく使われるということです。かんきつ類を対象に、使用実態をモニタリングにより把握したということでございます。ご質問等ございましたら、お願いいたします。

(発言なし)

【白石委員長】 よろしいでしょうか。果樹についてのデータはなかなか珍しいと思いますけども。今後の基準値設定等に活用していきたいと思います。
 ご意見ないようでしたらば、次に、三つ目としまして、プレチラクロール、ブタクロールの河川における農薬濃度のモニタリング結果について、また事務局からご説明をお願いします。

【農薬環境管理室係長】 それでは、資料8をご覧ください。プレチラクロール及びブタクロールの河川における農薬濃度のモニタリングの結果について、説明させていただきます。
 それでは、まず、プレチラクロールについて説明させていただきます。まず、プレチラクロールですが、水産基準値が2.9μg/Lとして告示されておりまして、その水産基準値の設定のための審議を踏まえ、1のところの[1]~[3]に記載されておりますとおり、リスク管理措置を実施しておるところでございます。今般その[2]につきまして、北海道他8府県及び農薬メーカーのシンジェンタジャパンから実施された、河川モニタリングにおける農薬濃度のモニタリングの結果が取りまとめられましたので、ご報告させていただきます。
 まず調査方法としましては、1ページ目に記載されておりますとおり、北海道他6府県につきましては、環境省の委託事業により調査を行っております。また、農薬普及率が高かった山形県と新潟県につきましては、県のほうで調査を行っていただきました。また、シンジェンタジャパンで調査していただきましたところにつきましても、農薬は普及率が高いというところで、山形県で調査をしていただいております。それぞれの調査地域と環境モデルの比較につきましては、2ページ目の表1に記載されておるとおりでございます。
 それでは、それぞれの調査結果の概要について説明させていただきます。まず、調査の結果の概要ですが、2ページ目の(2)から記載されておりますとおり、まず、どの地域でも水産基準値を超える濃度は見られませんでしたが、表2にあります4地域につきましては、水産基準値に近い濃度が見られました。その原因としては、表2に記載されております内容が考察されております。
 続きまして3ページ目、リスク管理措置における各都道府県の対応につきましてですが、各都道府県の対応につきましては、3ページ目に記載のあるとおりですが、水産基準値に近い濃度が見られた4地域につきましては、平成25年度のリスク管理措置の対応予定としまして、表3に記載されておるものを予定しております。環境省としましては、今後、委託事業等を活用しまして、プレチラクロールを含め、水産動植物への影響が懸念される農薬や地域を対象としまして、モニタリングの実施をしていきたいと考えております。
 それでは4ページ目、ブタクロールについて説明させていただきます。ブタクロールにつきましても、水産基準値が3.1μg/Lとして告示されておりまして、大阪府が実施しましたモニタリングの結果、水産基準値を上回る濃度が見られたということがありまして、同じ水域でのモニタリングを行うこととしておりました。今般、その結果が取りまとめられましたので、ご報告させていただきます。
 まず、調査方法としましては、プレチラクロールと同様に環境省の委託事業により調査を行いました。表4に記載されておりますとおり、大阪府ともう一つ、島根県のほうで実施していただいております。それぞれの調査地域と環境モデルの比較につきましては、表4に記載されているとおりでございます。
 それでは、調査結果の概要ですが、両地域ともブタクロールは検出されておりましたが、水産基準値を超えるものは見られませんでした。
 続きまして、リスク管理措置ですが、両府県における対応につきましては、(3)の記載のとおりでございます。
 今後の対応としましては、ブタクロールにつきましては、今回の結果では検出はされておったのですけれども、基準値に近い濃度が見られたということもありませんでしたし、また、大阪府においても農薬普及率が低くなっているということもありましたので、水産動植物へのリスクは低減していると考えられております。今後、普及率の状況を見つつ、モニタリングの実施等については検討したいと考えております。
 説明は以上です。

【白石委員長】 ありがとうございました。ただいまのご説明に、ご質問、ご意見等お願いいたします。
プレチラクロールについては、引き続き近い値が出てきたということです。ブタクロールについてはそのようなものはなかった。今後モニタリングのあり方について検討したいということでございます。いかがでしょう。

(発言なし)

【白石委員長】 よろしいでしょうか。ご意見がないので、続きまして四つ目といたしまして、水産動植物の被害防止及び水質汚濁に係る登録保留基準の改正案に対する意見交付の実施結果について、ご報告お願いいたします。

【農薬環境管理室係長】 それでは、資料9と資料10をご覧ください。まず、資料9につきましては、水産基準値案に対するパブリックコメントの結果でございます。資料10につきましては、水濁基準のパブリックコメントの結果でございます。本件につきましては、いずれも改選前に森田委員長にご相談しましたところ、基準値案の再検討を要する意見ではないということから、基準値設定の手続を進めさせていただきました。
今回の委員会でこのような意見があり、ご意見に対する考え方として、このような形で公表をさせていただきましたという形で、ご報告させていただきます。また、告示ですけれども、2月6日と本日3月18日にされておりまして、このパブリックコメントの結果につきましても、2月6日と3月18日に環境省のホームページと電子政府の窓口で公開されております。
 以上でございます。

【白石委員長】 ありがとうございました。パブリックコメントについて、もう公開済みでございますけれども、ご報告ということでございます。特にご意見等ございましたら、お願いいたします。

(発言なし)

【白石委員長】 よろしいでしょうか。では、次にその他の五つ目としまして、ゴルフ場で使用される農薬による水質汚濁防止に係る暫定指導指針の改正について(案)について、ご説明をお願いします。

【農薬環境管理室長補佐】 それでは、少し毛色が変わりまして、資料の11をご覧ください。ゴルフ場で使用される農薬の水質汚濁の防止に係る暫定指導指針の改正についてというものでございます。
ゴルフ場での農薬使用と申しますと、皆さんご記憶ありますように、昭和の終わりごろから平成の始めごろに、水質汚濁の問題が社会問題となったという経緯がございます。その際に、平成2年になるのですけれども、地方公共団体がそのゴルフ場を指導する際の参考としていただくために、指導通知を発出いたしまして、その中で排水中の農薬濃度が超えてはいけない値ということで、ゴルフ場指針値というものを示しているというようなことになります。農薬につきましては、新規剤の登録、あるいは使用されている農薬が変遷をしていくというようなことで、5次にわたり本通知の改定が行われておりまして、現在72の農薬について、このゴルフ場指針値が設定をいたしまして、指導しているというような状況でございます。
 今回の改正についてですけれども、これまでこのように72の農薬について別途指針値を定めるというような形で指導を行ってきたところですが、本日も水質汚濁に関する登録保留基準値ご審議いただきましたように、平成17年以降、水質汚濁の基準値検討をいただいて、基準値の策定を行ってきているということで、この水質汚濁の基準値を活用して、ゴルフ場指針値を定めるというようなことができるということから、それを盛り込むものでございます。
 また、「なお」以降でございますが、省令の第5条のところに求めていますゴルフ場農薬、ゴルフ場で農薬を使用するときには、その計画書を農林水産大臣に提出をするというようなことがございますので、そのデータを参考に、県のほうで指導に活用していただくというようなこともあわせて、記載をしているというようなことになります。
少し改正の中身をご確認いただきたいのですが、3ページ目お願いいたします。こちら指導指針の新旧対照表です。これの一番下になるのですけれども、左側の(新)のところを見ていただきたいのですが、「別表に示した農薬は」ということで、これ以降書いてあるのは現在規定されているものになりますけれども、主要なものを対象に、排水中の指針値を設定してきたところであるというようなことになります。
 4ページ目。その後、下線部のあるところが今回追加をするところということで、さらに水質汚濁に係る農薬登録保留基準の設定が進められていることから、これら今まで設定をしてきた農薬に加えて、水濁基準値が定められている農薬についても、当該水濁基準値に基づき指針値を設定することとするということになります。
その設定についての詳細が次のページ、5ページ目の(3)ということになります。アにございますとおり、「また」というところからですけれども、この別表に記載のない農薬、今まで基準値を定めてきた農薬でない農薬にあっても、水濁基準値が設定されているものというものについては、その値の10倍値を指針値とすると定めているということになります。この10倍値というのは、水濁基準値というのが環境中での濃度であるということで、環境中ではかっているということになります。今回指導をしますゴルフ場農薬の関係になりますと、排水溝ではかるということで、環境に出て希釈をされる前であるという考え方から、10倍という値を用いているということになります。
 また、イにも書いてありますように、今後も水濁基準値設定をしていただくということにしております。新たな水濁基準値が設定された場合というのは、そちらを優先してその10倍値を指針値として適用するということを書かせていただいているということでございます。
 8ページ目ですがこちらが現在指針値が定められている農薬でございます。こちらについても水濁基準値が設定されているものというものを、今回、改定にあわせて削除を行いたいと考えております。また、農薬登録が失効したものがございますので、それもあわせて2本線で削除をしております。資料の一部訂正をいただきたいのですけれども、8ページ目の上から二つ目になります、アセフェート及び9ページ目の下から5行目になりますペンディメタリンについてですが、この二つにつきましては、既に水濁基準値が設定をされている等の理由によりまして、2本線引き忘れておりますが、この二つの農薬についても削除ということになります。
 4ページ目へ戻っていただきまして、2の(1)農薬使用状況等の的確な把握といったところでございます。こちら「また」ということで、ご説明をさせていただきましたとおり、農水省に報告いただく内容というのを踏まえて、県で指導に活用していただくという内容を、追記をさせていただいているということでございます。
 それでは2ページ目に戻っていただきまして、今後のスケジュールでございます。本日、本小委員会でご意見いただきまして、その後、パブリックコメントをかけるということとしております。パブリックコメントを実施いたしまして、その意見等反映した上で、都道府県知事等に通知を行いまして、指導をしていただく、指導に役立てていただくということを予定しております。
 以上でございます。

【白石委員長】 ありがとうございました。ただいまのご説明にご意見、ご質問等ございましたら、お願いいたします。水濁基準を活用しつつ農薬、水質汚濁の防止に係る暫定指針を改正していくということでございます。

【中杉委員】 これは水産ではなくて、水濁PECと考えているのですね。水濁PECの場合、非常に低い値であるので、仮にその10倍としても、本当にはかれるかどうかというところの検討は必要ないですか。主要なものが書いてあるからいいのかもしれないけれども、いつも水濁PECつくるときに、そこが本当にはかれるのという議論が出てきたりしていますので、少しそこが気になりますね。これやってはかりなさいよと、うまくはかれるのかどうかという検討は、少ししておく必要があるのではないかと思いますけど。

【農薬環境管理室長補佐】 分析法についてですけれども、実は今まで、このゴルフ場指針値を記載している際には分析法もあわせてお示しをしていたというような実態がございます。今回、水濁基準値そのものを用いて使うということで、全てのものについては分析法のご提示はできないのですけれども、開発企業等にご協力いただきまして、できるだけ分析法についてもあわせて情報提供して、できるだけ分析ができやすいように指導というか、支援をしてまいりたいと考えております。

【白石委員長】 ありがとうございます。ほかご意見よろしいですか。分析の難しいものもあったような気がいたしますので、それをちょっとリストしておいたほうがいいかもしれない。非常に濃度が低かったものもあるかもしれないですね。

【山本臨時委員】 今回はもうこれでよろしいかと思うのですけれども、中杉先生もおっしゃったので、水産のほうの関係で。このゴルフ場の指針値ですが、これは水濁ですから、飲み水として使わせるときにどうかという、こういう話でできている数字だと思うのです。例えば、この数字をつくるときも随分議論したのですけれども、キャプタンで3mg/Lだと、魚が浮くような濃度なのですよね。これ水産だからこの水を飲んでも大丈夫ですよと、ADIが幾らですからという話では、なかなか説得力に欠けるので、何かの機会にこの辺の数字と、我々今ずっと決めてきた水産の基準値を照らし合わせてみて、あまり大きな隔たりのあるようなものについては、何か別途考える必要があるのかなと思いました。

【白石委員長】 ありがとうございます。事務局で何か、水産に関してご検討、あるいは魚が浮いてしまったら多分困ると思いますので、何かご検討されたらいいかと思うのですけど、いかがでしょうか。

【農薬環境管理室長補佐】 ご指摘の点、将来の課題として比較検討、まず対比を行うところから進めさせていただきたいと考えております。ありがとうございました。

【白石委員長】 まず案を対比していただいて、かなりギャップがあるものについては少し要検討かなという気がいたします。ほかはご意見ございませんでしょうか。どうぞ。

【稲生専門委員】 農薬使用状況等を把握して、それに基づいて調査、モニタリングをするということなのですけども、これまで指針値で上がっていたもの全てを分析するというようなことを基本とされていて、それを都道府県が実施されていたということなのですけども、その対象農薬を設定するときは、もう実施者である都道府県に任せて、その剤を選定するというような考えでいくということでよろしいでしょうか。

【農薬環境管理室長補佐】 今、指針値のあるものを、基本的には一斉分析でやられている例が多かったのかなと思うのですが、今回このように改正をすることで、対象となり得る農薬というのが非常に増えてくるということになります。それら多くの対象農薬について全部調べていただくということは、かなりコストがかかりますので、少しゴルフ場における農薬使用計画書といった情報も参考にしていただくことで、調べていただく農薬というのを特定して、効率的に分析ができるのかなということで、こういった情報の活用することで、より分析がやりやすくなるのではないかということで、少し記載をさせていただいたということになります。

【白石委員長】 よろしいでしょうか、ありがとうございました。ほかご意見ございませんでしょうか。

(発言なし)

【白石委員長】 よろしければ、2、3、ご指摘いただきました分析法に関わること、水産基準との関わりについて、ご検討いただくということで、この案をお認めいただいたということにさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(異議なし)

【白石委員長】 ありがとうございました。
 それでは、本日の審議が一通り終了しましたので、その他本日の審議全体につきまして、何かご意見、ご質問ありましたら、お願いいたします。

(発言なし)

【白石委員長】 よろしいでしょうか。
では、特にご意見等ございませんでしたら、事務局でまたご報告があるようですので、事務局にお返ししたいと思います。どうもありがとうございました。

【農薬環境管理室長補佐】 どうもありがとうございました。それでは、こちらで議事は終了ということでございますが、この場をおかりして2件ほど、情報提供をさせていただきたいと考えております。
 まず、参考資料の15をご覧ください。「住宅地等における農薬使用について」に示す指導内容の資料をおつけしております。こちら、農薬の使用に関しまして、生活環境において使用される農薬の健康影響といったものについて、懸念をする声というのがあるという状況がございまして、それに対しまして公園街路樹、住宅地周辺の農地等の病害虫防除において、留意すべき内容について、農林水産省と連名通知という形で、「住宅地等における農薬使用について」といったものを、都道府県及びその関係府省宛てに発出をしているというようなところでございます。
 しかしながら、この住宅地通知の周知というものが、一部徹底をしていなかったということで、不適切な事例が散見をされているということ。また、この通知の内容につきまして、少し公園での使用と住宅地近辺での農地の使用が混在して書かれているなどにより、わかりづらいというようなご指摘、あるいは前回、平成19年に改定をいたしまして、その後の状況の変化等もあって、それが反映をされていないということで、今般改正を行うということにしており、実は1月21日までパブリックコメントという形で、ご意見を頂戴していたということになります。改定の主な内容が、このお配りした参考資料15でございます。
 内容につきましては、大まかにご説明をさせていただきますけれども、まず先ほど申し上げたように、公園と農地での農薬使用が混在して書かれていてわかりづらいということがございましたので、それを明確に分けるという形で、記載を直しているということになります。また、より具体的にどのようなことをすればいいのかというご疑問というのが、いろいろ寄せられておりまして、環境省で公園街路樹等の病害虫雑草管理マニュアルというものも作って指導をしているというところではあるのですけれども、そういった内容を、この通知のほうにもできるだけ記載をするという形で、改正をさせていただいているということでございます。
 こちらの指導内容について、先ほども申し上げましたとおり、1月21日までパブリックコメントを行っておりまして、それも踏まえて現在通知の改定作業を行っております。できれば年度内に改定の通知を発出しまして、都道府県等に周知を図ってまいりたいと考えております。
 続きまして、参考資料16について、ご説明をさせていただきます。参考資料16については、特定農薬の指定に関する事案でございます。農薬取締法におきまして、農薬というものは原則として農林水産大臣の登録を受けなければ、製造等はしてはならないと規定をされているところでございます。一方で、原材料に照らして農作物等人畜及び水産動植物に害を及ぼすおそれがないことが明らかなものということで、農林水産大臣及び環境大臣が指定する農薬については、例外的にその製造等に当たって登録が不要とされております。こちらは特定農薬というようなことで定義をしております。
 この特定農薬につきましては、一度、平成15年に食酢、重曹及び土着性の天敵といったものが指定されておりまして、その後、新たな指定というものがされてこなかったというような状況にございます。こちらの特定農薬につきましては、本小委員会の中で、関連の深いご専門を持たれている何人かの委員にお願いしまして、特定農薬分科会というものを作っておりまして、あと農水省にございます、農業資材審議会農薬分科会特定農薬小委員会といったものとの合同会合を持ちまして、この特定農薬の指定に関して情報の整理をしてきていただいたというようなところでございます。その整理を受けまして、参考資料16にありますように、電解次亜塩素酸水、エチレン及び焼酎を特定農薬として指定をするということで、食品安全委員会に健康影響評価をお願いするということとしております。
 こちら、今後についてなのですけれども、食品安全委員会から答申をいただいた後、こちらの農薬小委員会に諮問をさせていただいて、答申をいただきたいと考えております。また内容については、その際に詳しくご説明をさせていただきたいということでございますので、今回、とりあえずまずその食品健康影響評価の依頼をするというところまで来ていますということを、情報提供とさせていただきたいと考えてございます。
 以上でございます。何か今ご説明した案件について、ご質問等ございましたらお願いいたします

(発言なし)

【農薬環境管理室長補佐】 よろしいでしょうか。よろしければ、これで情報提供、終了とさせていただきます。

【農薬環境管理室長】 以上をもちまして、農薬小委員会、第33回を終了させていただきます。先生方には長時間にわたり、熱心にご審議いただきまして、誠にありがとうございました。
今年度の小委員会は今回で終了になります。先生方、年度末ご出席賜りまして、ありがとうございました。
本年度は水産基準で36剤、水濁基準で48剤、基準設定不要と整理いただいたものが29剤といったことでございました。
来年の日程につきましては、現在、日程調整中でさせていただいておりますので、また決まり次第、日程についてご連絡したいと思っております。
 それから、本日のお配りした資料ですけれども、大変大部でございますので、必要があればお持ち帰りいただいても結構ですし、もし重たいということであれば、別途郵送させていただきますので、その際にはご所属のほうに送らせていただきますが、別に違う場所に送ってほしいということでしたら、それを事務局にご指示いただければと思っております。ピンクの冊子はお持ち帰りいただかないようにお願いいたします。
 では、以上でもって終了します。どうもありがとうございました。

(以上)