農業資材審議会農薬分科会特定農薬小委員会及び 中央環境審議会土壌農薬部会農薬小委員会第6回合同会合 議事録

1.日時

平成17年8月31日(水)13:30~16:36

2.場所

三田共用会議所 大会議室

3.出席委員(敬称略)

安藤正典、上路雅子、岡田齊夫、亀若誠、国見裕久、五箇公一、白石寛明、須藤隆一、竹内妙子、中野璋代、中村幸二、根岸寛光、花井正博、細見正明、眞柄泰基、牧野孝宏、村田恵美子、本山直樹、山本廣基、若林明子、渡部徳子

4.委員以外の出席者

環境省
坪香水環境部長、鏑木土壌環境課長、鈴木農薬環境管理室長、小出農薬環境管理室長補佐
農林水産省
嘉多山農産安全管理課長、横田農薬対策室長、田雑農薬対策室課長補佐

5.議題

(1)
検討対象資材の薬効・安全性に関する情報収集の結果と取扱いについて
(木酢液、電解次亜塩素酸水等)
(2)
その他

6.配付資料

資料1 農業資材審議会農薬分科会特定農薬小委員会及び中央環境審議会土壌農薬部会
農薬小委員会合同会合名簿
資料2 木酢液に関する薬効・安全性試験の結果とその取扱いについて
資料2-1 薬効及び安全性の検討を行った木酢液について
資料2-2 含有成分に関する資料
資料2-3 薬効・薬害・安全性に関する試験結果の概要
資料2-4 薬効に関する資料(試験結果等)
資料2-5 人畜に対する安全性に関する資料(試験結果等)
資料2-5-1 木酢液のラットにおける急性経口毒性試験 報告書
資料2-5-2 木酢液の細菌を用いた復帰突然変異試験 報告書
資料2-5-3 木酢液のラットにおける90日間反復経口投与毒性試験 報告書
資料2-6 水産動植物に対する安全性に関する資料(試験結果等)
資料2-6-参考 木酢液の水産動植物への影響等に係る文献調査結果
資料2-7 高濃度のホルムアルデヒドを含む木酢液を散布した場合の使用者への安全性に係る試算(案)
資料2-8 高濃度のホルムアルデヒドを含む木酢液を農作物に散布した場合の農作物の安全性に係る試算(案)
資料2-9 蒸留を行わない木酢液と蒸留木酢液との違い
資料2-10 参考とした文献資料
資料3 その他平成16年度で薬効・安全性試験の結果が得られた資材の取扱いについて
資料3-1 緑茶(抽出液)の薬効・安全性に関する情報収集の結果について
資料3-2 焼酎の薬効・安全性に関する情報収集の結果について
資料3-3 牛乳の薬効・安全性に関する情報収集の結果について
資料3-4 コーヒー(抽出物)の薬効・安全性に関する情報収集の結果について
資料4 電解次亜塩素酸水の薬効・安全性に関する情報収集の結果について
資料5 複数の原材料からなる混合物の取扱いについて
資料6 農薬と混合して使用される糖類等の取扱いについて(案)
資料7 特定防除資材(特定農薬)として販売されるものの表示の指導について(案)
資料8 特定防除資材(特定農薬)における魚毒性の判定基準の見直しについて
参考資料1 農薬資材審議会農薬分科会特定農薬小委員会及び中央環境審議会土壌農薬部会
農薬専門委員会合同会合(第5回)(議事概要)
参考資料2 農薬資材審議会農薬分科会特定農薬小委員会及び中央環境審議会土壌農薬部会
農薬専門委員会第5回合同会合議事録

7.議事

【鈴木農薬環境管理室長】 定刻となりましたので、ただいまから農業資材審議会農薬分科会特定農薬小委員会及び中央環境審議会土壌農薬部会農薬小委員会第6回合同会合を開催させていただきたいと思います。
 委員の皆様方におかれましては、お暑い中、大変お忙しい中、ご出席いただきましてまことにありがとうございます。ただいまから合同会合を開催させていただきたいと思いますが、まず最初に、私ども環境省の方から一つご報告がございます。土壌農薬部会の農薬小委員会の設置についてでございます。本会合に先立ちまして開催されました中央環境審議会の土壌農薬部会におきまして、これまで農薬専門委員会ということでやってまいったわけでございますけれども、この農薬専門委員会を廃止いたしまして、農薬小委員会としての設置が了承されたところでございます。従いましてこの合同会合におきましても、農薬小委員会に所属する委員、臨時委員及び専門委員並びに委員長についての指名が行われ、この会合にも出席しているということでございます。これにつきましてまず会議の冒頭にご報告申し上げます。
 続きまして本会合の委員のご紹介を、私どもの方からさせていただきたいと思いますが、環境省側の委員は基本的にはこれまでの農薬専門委員会の委員の先生方に留任していただいております。また農林水産省の農業資材審議会の農薬分科会の方からも、新たに委員にご所属いただいた先生方もいらっしゃいますので、委員の先生方をご紹介させていただければと思います。進行の都合上、新たに委員になられた方々のみ、ご紹介させていただければと思います。
 そちらの方からの席順でまいります。農薬小委員会に新たにご所属いただきました上路雅子臨時委員でございます。
 五箇公一臨時委員でございます。
 続きまして白石寛明臨時委員でございます。
 次に農薬分科会から新たに竹内妙子臨時委員でございます。
 次に農薬小委員会より中野璋代臨時委員でございます。
 それから中村幸二専門委員でございます。
 それから農薬分科会より根岸寛光臨時委員でございます。
 花井正博専門委員でございます。
 それから細見正明臨時委員も新たに加わっておりますけれども、一応ご出席のお返事をいただいておりますが、まだちょっと所用で遅れているようでございます。
 それから渡部徳子臨時委員でございます。
 以上でございます。よろしくお願いしたいと思います。なお、本日の委員の出欠でございますが、井上専門委員、北原専門委員、櫻井委員、中杉臨時委員、森田臨時委員、行本専門委員よりご欠席との連絡をちょうだいしております。
 引き続きまして、私ども事務局の方のご紹介をさせていただきたいと思います。前回の合同会合は今年の2月に開催しておりますが、その後両省で幹部の異動がありましたので、ご紹介させていただきます。
 まず、環境省側として坪香水環境部長でございます。
 それから農林水産省側では嘉多山農産安全管理課長でございます。
 それから私、農薬環境管理室長の鈴木でございますが、私も新たに7月から異動させていただいておりますので、またよろしくお願いしたいと思います。
 それでは議事に基づきまして、続きまして事務局を代表いたしまして坪香水環境部長の方からご挨拶をお願いしたいと思います。

【坪香水環境部長】 ただいまご紹介いただきました水環境部長の坪香でございます。この8月2日付で着任させていただいております。
 本日の合同会合、第6回でございますが、環境省が事務局ということで一言ご挨拶を申し上げたいと思います。委員の皆様方におかれましては、非常にお暑い中、ご多忙中にもかかわりませずお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。特定防除資材につきましては、制定以来、これまで重曹、それから食酢並びに使用される場所の周辺で採取された天敵の3資材が指定されているところでございます。しかしこれらのほかにも候補資材といたしまして、情報提供のあった多くの資材につきまして、客観的情報が不足しているということから判断が保留されております。現在も特定防除資材の指定のための評価に関する指針に基づきまして、科学的なデータと資料の収集を行っているところでございます。本日の合同会合は、候補資材のうち特定防除資材の指定に係る審議に必要な資料がほぼ整いました、木酢液と、それから電解次亜塩素酸水の2資材につきまして、食品安全委員会への諮問の可否等を含めてご審議いただきたく存じます。委員の皆様方におかれましては、慎重かつ活発にご審議をいただきまして、忌憚のないご意見を賜ればと考えております。
 最後になりましたけれども、農薬に係る課題につきましては農林水産省とも十分連携をいたしまして、施策の推進に努めてまいりたいというふうに思っておりますので、引き続きご指導、ご鞭撻のほどをお願いいたします。はなはだ簡単でございますが、私の挨拶とさせていただきます。
 なお、私、他の会議と重複しておりまして、会議途中で退席させていただきますので、よろしくお許しのほどをいただければというふうに思っております。本日はどうもありがとうございました。

【鈴木農薬環境管理室長】 ありがとうございました。それでは議事に先立ちまして、続きまして配付資料の確認をお願いしたいと思います。

【小出農薬環境管理室長補佐】 それでは机の上にあります資料の確認をさせていただきたいと思います。
 まず一番上に配置図ということで、皆様の席順があります。その次に議事次第、それから配付資料ということで、資料のリスト一覧がありますので、これをもとに進めていきたいと思います。まず、資料1として皆様の氏名、役職のペーパーがあります。それから資料2としまして木酢液に関する薬効・安全性試験の結果とその取扱いについてという1枚がありまして、その次資料2-1、薬効及び安全性の検討を行った木酢液について、資料2-2、含有成分に関する資料、資料2-3、薬効・薬害・安全性に関する試験結果の概要、資料2-4、薬効に関する資料、資料2-5、人畜に関する安全性に関する資料、そしてこれに関しまして3冊、冊子がありまして、2-5-1、木酢液のラットにおける急性経口毒性試験報告書、2-5-2としまして、木酢液の細菌を用いた復帰突然変異試験報告書、2-5-3としまして、ラットにおける90日間反復経口毒性試験報告書というのがございます。そして資料2-6としまして、水産動植物に対する安全性に関する資料、それから2-6の参考としまして、同じく水産動植物への影響等に係る文献調査結果。資料2-7としまして、高濃度のホルムアルデヒドを含む木酢液を散布した場合の使用者への安全性に係る試算(案)、2-8としまして、高濃度のホルムアルデヒドを含む木酢液を農作物に散布した場合の農作物の安全性に係る試算、そして2-9、蒸留を行わない木酢液と蒸留木酢液との違い、資料2-10、参考とした文献資料です。
 続きまして資料3としまして、その他平成16年度で薬効・安全性試験の結果が得られた資材の取扱いについて、3-1としまして緑茶の結果、3-2としまして焼酎、それから3-3として牛乳、3-4としましてコーヒーがございます。それから資料4としまして電解次亜塩素酸水の薬効・安全性に関する情報収集の結果ということで、資料ナンバーがついておりませんけれども、電解次亜塩素酸水の概要という資料がございます。それから資料5、複数の原材料からなる混合物の取扱いについて、資料6、農薬と混合して使用される糖類等の取扱いについて、資料7、特定防除資材として販売されるものの表示の指導について、資料8としまして特定防除資材における魚毒性の判定基準の見直しについて、そしてその次に参考資料1として第5回の議事概要、それから参考資料2として第5回合同会合の議事録がございます。
 それから資料2-5、資料4のフルセット版、大きなファイルと分厚い本ですけれども、これにつきましてはメインテーブルに3人に1部ずつということで配付させていただいております。傍聴者の方につきましては、閲覧となっておりますので、ご了承ください。よろしくお願いします。
 以上です。

【鈴木農薬環境管理室長】 不足している資料や落丁などございますでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。ないようでしたら議事に入らせていただきたいと思いますが、その前に、ただいま新しい委員をご紹介させていただきましたが、新たに農薬小委員会から入られました細見臨時委員がお越しでございますので、細見委員をご紹介させていただければと思います。
 それではさらに議事に先立ちまして、マイクの使い方をご説明させていただければと思います。お手元にありますマイクでございますが、一番大きなスイッチを1回押していただきますと、赤いランプがつきます。これでマイクが入った状態になります。もう一度押していただきますとこれが消えますので、ご発言が終了された場合には押していただいて、赤いランプを消していただければというふうにお願いしたいと思います。
 それでは続きまして、座長につきましてお諮りしたいと思います。本合同会合は環境省と農林水産省が交代で事務局を担当することとしております。今回は環境省が事務局を担当しておりますので、中央環境審議会土壌農薬部会、農薬小委員会の委員長をお願いしております須藤委員に、本日の座長をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

(異議なし)

【鈴木農薬環境管理室長】 よろしゅうございますか。それでは須藤座長、これ以降の議事をお願いしたいと思います。

【須藤座長】 かしこまりました。それではご指名でございますので、進行役をお引き受けさせていただきます。
 委員の先生方、及び事務局の皆様、及びたくさんの傍聴の方々、大変ご多用の中をまた残暑厳しい中をお集まりいただきまして、まことにどうもありがとうございます。農薬専門委員会に引き続きまして、農薬小委員会の委員長に指名されまして、ご挨拶をするのが今回が初めてでございます。以前は農薬専門委員会ということでやらせていただきましたが、本日からは農薬小委員会ということで、その委員長を中央環境審議会の土壌農薬部会で指名をいただきましたということで、この役を引き受けさせていただいたわけでございます。本日予定されている審議につきましては、公開することにより、特定の者に不当な利益、もしくは不利益をもたらすおそれがある場合には当たらないと判断いたしましたので、これを公開とさせていただきます。
 それでは順番に議事に入らせていただきますが、最初に前回の議事録の取り扱いでございます。議事に先立ちまして農業資材審議会農薬分科会特定農薬小委員会及び中央環境審議会土壌農薬部会農薬専門委員会第5回会合の議事概要及び議事録についてでございますが、これらにつきましては、前回会合終了後、個別に先生方にご確認をいただいたところでございますので、公表済みということでございます。ご参考までに配付させていただいておりますので、どうぞ後ほどごらんになってください。
 それでは本題に入りますが、先ほどたくさんの資料をいただきました。私も事前に拝見をさせていただいて、膨大な資料で、一言で言うとびっくりいたしたわけでございます。そしてこれから審議に入るわけでございますが、どうぞ本日はこれらの審議に、特に今の木酢液それから電解次亜塩素酸水が中心でございますが、初めてでございますので、慎重に審議をしたいと考えておりますので、急いで今日中にというか、要するに本日の会議で結論を仮に出せなくても私はよろしいと、こういう判断をしておりますので、どうぞ先生方、忌憚のないご意見をいただいて、どういう部門を継続審議にするかは後ほどまたまとめたいと思いますが、継続して審議をすることがあらかじめ可能であるということを、委員の皆様にまずは申し上げておきたいと思います。
 それでは議題(1)検討対象資材の薬効・安全性に関する情報収集の結果と取扱いについて、それは今申し上げました木酢液と電解次亜塩素酸水等でございますが、この審議に入ります。木酢液と電解次亜塩素酸水につきましては、特定防除資材の審議に必要な資材がある程度整ったということを、先ほど部長もおっしゃっておりましたが、こういう資材でございますので、個別に審議するのが、先ほど私も申し上げましたが、今回初めてでございます。特定防除資材の指定に当たりましては、食品安全委員会で食品健康影響評価、つまり農作物の残留などにより、食品として人が食べた場合のリスク評価を行っていただいた後に、この特定農薬合同部会でそれ以外の薬効、使用者や水産動植物への安全性に関する評価を行っていただくということになっているわけでございます。
 今回は広く関心が持たれている木酢液などが議題となっておりますし、このような例が先ほどから何回も申し上げていますように初めてということもございますので、食品安全委員会の諮問に先立って、これらの資材の薬効や安全性に関する情報収集の結果について事務局に説明をいただき、これらについて自由にご討論をいただく方が適切ではないかということで、あらかじめ座長としても判断をいたしました。木酢液及び電解次亜塩素酸水につきましては、本日の審議の結果によってはこの会合の後、食品安全委員会の諮問にするということになるわけでございます。また、緑茶抽出液など、病害虫の防除に用いられている自家製の資材についても、情報収集の結果を整理されておりますので、この取り扱いについてもご議論いただければと願っております。
 まず初めに、今申し上げましたように、事務局から収集いただいた資料について、資料番号に従い順次説明をいただいた後、皆様に議論をいただきたいと考えております。まず資料2、木酢液に関する薬効・安全性評価の結果とその取扱いについてということで、事務局からご説明いただきますが、ご説明は農水省、それから環境省、それぞれ室長補佐、課長補佐が連続して、分け合ってご説明をいただくということでございますので、資料2-1から2-10まで、連続してご説明をいただきたいと思います。どうぞ。

【田雑農薬対策室課長補佐】 それでは説明させていただきます。農林水産省農薬対策室で課長補佐をしております田雑と申します。座って説明させていただきます。この資料2につきましては、今ご紹介いただいたとおり、薬効から安全性などに関する幅広い情報を収集したものでございます。まず1枚めくっていただきまして、資料2-1について説明させていただきます。まず木酢液というのはどういうものかということですが、木酢液は木材を、水を使わないで乾留する際に出るガスを冷却することで得られる黒褐色の液体でありまして、竹が原材料のものについては竹酢液と呼ばれておりますが、ここでは木酢液として一括して扱っております。似たようなものとしてイネのもみ殻を原料にして同じようにつくる「もみ酢」というものもありますが、これについては情報収集を行っておりません。
 木酢液については、原材料や製法によって品質がまちまちですので、ここで議論するものについては、世の中にある木酢液をすべてくくるのは不適切で、一定の定義・規格が必要であると考えました。そのため、林野庁とも相談した上で、原材料や製造方法について一定の規格を設けまして、この規格に入る木酢液のサンプルを多数集めまして、それについて検討を行いました。その原材料につきましては、建築資材や家具などの廃材を除く木材や竹材などの木質原料などとしました。それから製造方法については二つに分けられます。原料を炭化炉または乾留炉により炭化する際に生ずる煙を冷却して得られた液体であって、蒸留されたものか、もう一つは炉の排煙口における温度が80度から150度の範囲を冷却して得られた液体を3カ月静置し、上層の油分と下層の沈殿した部分を除く中間部分を採取して得られたものということになっております。これについて次の別紙で概要を載せております。
 蒸留木酢液については、この図の上の方にあるように、排煙温度について規制はしないで取られた粗木酢液について蒸留をしたものです。これについては下の製法と複合して使われる場合もありますが、この[2]の3カ月以上静置というものについては、排煙口の温度を80度から150度と設定しまして、それで得られた木酢液を3カ月静置して中層の部分だけを取り出したものがこの2番の木酢液になります。2番の木酢液を蒸留した蒸留木酢液というのももちろんございます。
 続きまして、資料2-2につきましては、この資料2-1の定義・規格に基づいて製造されたことが確かな木酢液のデータが少なかったことから、林野庁とも協力してデータを収集しました。資料2-2-1は、我々が自ら新しくデータを収集する前に既に公表文献になっていたデータを整理したものでありまして、木酢液には非常に多くの成分が含まれているという例をお示ししたものです。これは岩手産と山形産の木酢液で、両方ともナラが原材料で、排煙口の温度が異なっております。排煙口の温度が変わると多少成分も変わってくるということがわかりますが、木酢液というのはいずれにしてもその8割~9割ほどが水で、残りの有機物の大半を酢酸が占めておりまして、そのほかアルコール類、フェノール類、アルデヒド類などのさまざまな化合物が入っているものでございます。
 この木酢液の特定農薬の検討に際しましては、これらのすべての成分を分析するのは労力的にも非常に大変だったということもありまして、次の資料2-2-2にありますとおり、発がん性があるという知見がありますベンツピレン類、これは3、4-ベンツピレン、1、2、5、6-ジベンゾアントラセン、3-メチルコランスレンの3種類になりますが、これを選びまして、さらにそのほかの物質としてホルムアルデヒド、フェノール類について分析を行っております。これは排煙口の温度が確かなものについて、平成14年から平成16年にかけて林野庁の協力を得てサンプルを採取しまして、その成分を分析した後に安全性試験や薬効試験に用いるサンプルを選定しました。この結果を見ていただきますと、排煙口の温度を設定することで、ベンツピレン類については、1サンプルを除きましてすべて検出限界以下ということになっております。その1サンプルは資料番号2で、クヌギを用いたものですが、これも0.2ppbという低濃度のベンツピレンでした。ホルムアルデヒドについては、これは数百ppmぐらいのものが多いんですが、少ないものでは30 ppm前後で、多いものでは3000 ppmになり、これは37番のベイツガ・スギ・ヒノキのサンプルについてこの濃度が得られました。フェノール類については大体同じような値になっております。これらの結果を受けまして、太字に書いてある、2番、5番、8番と37番について薬効または安全性試験を行うことといたしました。
 それから資料2-2-3については、資料2-2-2と似たような資料ですが、今度は排煙口の温度を80度から120度と、若干高い温度の側の幅を狭く規定したサンプルの分析をしたものでございます。この資料では資料2-2-2の分析項目の他にそのほかにメタノールとギ酸について計測しております。これについてもばらつきがありますし、ベンツピレン類については若干検出されているものがありますが、それも0.2ppm以下ということで微量なレベルになっております。資料2-2-4につきましては、これは新しく入手したサンプルのものがあまりありませんが、1番から10番までは既に収集していたベンツピレン類などの分析結果についてまとめたものです。資料番号11についてはオガライト、これはおがくずを固めたものを原材料に製造したオガライト木酢液というものですが、これをまず粗木酢液の状態で、まだ十分分離していないものについて成分分析したものを、さらに蒸留を行いまして、これらの成分がどのぐらい減少するか、または除かれるかというのを確認したものです。
 11番のオガライトは、未蒸留、未分別の状態、つまり三層に分かれる前の、タール分がまだ大量に含まれるものについて分析をしたところ、ベンツピレン類がかなり高濃度で検出されました。こういった木酢液が一般に多いとは思われず、成分としては本当に「粗」の状態のものでございます。これを蒸留した結果、ベンツピレンについては0.1ppb、そのほかのものについては検出限界以下、ホルムアルデヒドについても蒸留前460ppmだったものが1回の蒸留で94ppmになっておりまして、2回蒸留することでベンツピレン類はすべて非検出、ホルムアルデヒドは25ppmまで減少したということでございます。この11番についてはこの特定防除資材に関する一連の検討の中で実施したものでございます。
 それから資料2-2-5については、木酢液、竹酢液の使用成分の経時変化試験の結果ということでございますが、これは木酢液の成分については時間が経つほど変化していくという知見がありまして、それを確認するために、採取した翌日から半年後にかけてベンツピレン類等の濃度変化の検討をしたものです。つまり採取したすぐ後から行っていますので、静置を行っておりません。この結果を見ますと、ベンツピレン類についてはモウソウチクで採取したもので1日後に検出されていますが、その後検出限界以下になっております。ホルムアルデヒド濃度については、コナラについては若干減少傾向、モウソウチクについては、なぜか1回ふえているんですが、その後減少しておりまして、フェノール類についてははっきり減少とまで言える傾向はないという結果になっております。この結果からは、ホルムアルデヒドが減っていく傾向にあるということが言えますが、これについてはホルムアルデヒドが木酢液の中で重合、つまりほかの化合物と反応していて、他の化合物に変わっていくためではないかと考察している資料がございます。
 次に資料2-3が薬効・薬害・安全性に関する試験結果の概要で、これが今日お示しするこれらの資料のポイントの部分をまとめたものでございます。木酢液等の薬効・薬害試験のうち、まず薬効試験は三つのサンプルについて選定しております。試験としては、薬害試験に当たるイネ籾発芽影響試験のほかに、イネのいもち病胞子形成阻害試験、さらにいもち病効果試験ということで、種子処理と、さらに種子処理に加えてその薬剤を注ぐ二つの処理をあわせた方法で試験を行いました。
 まず選定したサンプルですが、いずれも排煙口の温度を80度から150度の間で取ったもので、クヌギ木酢液についてはベンツピレンを微量含む唯一のサンプルを選定しております。ちなみにホルムアルデヒド濃度は68ppmと低かったものでございます。スギ木酢液については平成15年度に採取した木酢液の成分の中で、最もホルムアルデヒド濃度の高かったものでございます。竹酢液については、これは安全性試験には供試しておりませんが、薬効試験に用いております。その結果につきましては、イネのいもち病胞子形成阻害試験、いもち病効果試験とも効果があるという結果になっておりまして、その詳細については資料2-4の方につけてございます。
 それから資料2-3-2の方が木酢液等の安全性試験の結果の概要ということでございます。四つのサンプルについて実験をしておりますが、竹酢液については水産動植物に対する安全性試験だけを行っております。クヌギ木酢液とスギ木酢液は薬効試験で行ったものと同じサンプルになりまして、この二つのサンプルはすべての試験を同一サンプルについて行っております。ベイツガ・スギ・ヒノキ木酢液試験は変異原性試験だけを行っております。この結果の概要のうち、まず急性経口毒性試験についてです。これは実験動物に一度に大量の試料を与えまして、異常が出るかどうかの調査をする試験で、この結果として、LD50日本語で言うと半数致死量が求められます。これは投与した動物の半分が死ぬ投与量のレベルを示しますが、これは2000mg/kgでして、これはこの試験での最高用量、つまりこれ以上投与することはないという用量ですが、最高用量を投与しても異常はなしということになりました。
 次に変異原性の試験ですが、変異原性試験というのは生物の体の中にある遺伝物質に作用し、突然変異を起こす力を確認するための試験の一つでございます。クヌギ木酢液については陰性でございました。スギ木酢液については、実は2回試験をしておりまして、農薬登録のガイドラインに基づく方法で平成15年度実施した結果、ガイドラインに定められている最高用量では陰性ということになりました。ただその陰性が陽性に近い陰性だったということもありまして、平成16年度は最高用量を原液として実施したところ、その結果は陽性になっております。その資料については16年度の試験のみこの資料として別途お付けしております。これは16年度の試験については最高用量から低い用量まで試験をしておりますので、15年度に行った試験の用量も16年度の試験に含まれるということで、試料の添付を省略させていただいております。ベイツガ・スギ・ヒノキ木酢液については農薬登録のガイドラインに基づく方法の濃度でも陽性になっております。
 それから90日反復経口投与毒性試験につきましては、クヌギ木酢液については16年度に実施しました。資料には「無影響量」とありますが、これは正しくは、引用してあるもとの資料にありますとおり、「無毒性量」という言葉が正しいので、訂正をお願いしたいと思います。これは何ら毒性が確認されない量という意味になりますが、これは雄・雌ともに最高用量の1000mg/kg/dayということになりました。スギ木酢液については、雄についてはそれより高い毒性が見られまして、300mg/kg/dayという結果が得られました。
 水産動植物に対する安全性につきましては、魚とミジンコを対象に試験を行いまして、それぞれクヌギとスギ木酢液については最高用量の1000ppm以上、竹酢液については魚について940ppm以上と、多少の毒性は見られましたが、いずれにしろ低毒性だと言える結果かと思います。
 このサンプルの特性については備考に記しておりますが、クヌギ木酢液についてはベンツピレンをごく微量含むもので、スギ木酢液については9サンプルの成分を分析した結果、最もホルムアルデヒド濃度の高かったものです。この資料については、事前にお送りしたものから若干訂正を加えております。このサンプルについては、成分を分析した段階ではホルムアルデヒドの濃度が900ppmだったんですが、安全性試験の直前にホルムアルデヒド濃度を再測定した結果、1300ppmと高くなっておりました。この高くなった原因については不明で、わかっておりません。なお資料には書いておりませんが、90日反復経口投与毒性試験というのは、90日間、実験動物に資料を毎日与え続けるものですが、試験の終了後にホルムアルデヒド濃度を測定しております。これについてはスギ木酢液については約四百数十ppmだったということで、試験期間中に同じサンプルについてはホルムアルデヒド濃度が下がったという状況でございます。ベイツガ・スギ・ヒノキ木酢液については、平成16年に集めたたくさんのサンプルの中で最もホルムアルデヒドの濃度が高かったものです。この3000ppmというのは、さきの資料にお示ししたとおり、特別に高い濃度になっておりまして、なぜこういう高い濃度のものが出てきたのかはわかりませんが、事実そういったサンプルがありましたので、これを供試したものでございます。
 これが薬効・薬害安全性の試験結果の概要になりまして、それから引き続き個別の資料のご説明を行っていきたいと思いますが、これらの資料については既にお送りしておりまして、お送りしたものと基本的にこの場におつけしているものと変わりはありませんので、時間の関係上詳細については省略させていただきたいと思います。
 薬効の試験につきましては、1枚めくっていただいて、試験課題が四つあります。この試験課題の1の種子発芽影響試験につきましては、これは濃度設定を決めるためのものでございまして、ここで触れる必要はないものでございます。試験課題2、3、4についてが本試験ということでございまして、詳細については省略をいたしますが、10倍の濃度の場合は若干発芽して成育する際に影響はありましたが、50倍の濃度では実用的に問題がないという結果が得られております。薬剤としては参考までに木酢液と同じぐらいの酢酸を含む食酢についても供試しておりまして、同じような防除効果が得られたということでございます。なおこの薬効試験で種子消毒を選んだ理由というのは、ほかにも木酢液については効果があると言われている使用方法もあるんですが、最も効果が確実に得られると思われる方法を選んだということでございまして、そのほかの試験については我々としては行っておりません。
 それから資料2-5の方は人畜に対する安全性に関する資料になりまして、まず2-5-1が急性経口毒性試験の報告書になります。この資料については高い毒性が認められなかったということですが、例えば目次から12ページを見ていただくと、クヌギの木酢液の急性経口毒性試験の考察には、何ら動物には異常も認められず順調に発育しておりまして、LD50値は2000mg/kg以上であると判定されたということでございます。
 次に資料2-5-2に移ります。これは復帰突然変異試験の報告書ということでございまして、サンプルとしては三つのサンプルを選定しております。復帰突然変異試験というのは、変異原性試験という安全性試験の中の一つのものでございます。変異原性というのは先ほどもご紹介しましたが、生物の体の中にある遺伝子に作用して、突然変異を起こす力をいいまして、これを確認するための試験でございます。
変異原性試験というのは、遺伝子の突然変異、それから遺伝子の異常、DNAの損傷などを確認するものに分けられまして、幾つかの方法がありますが、ここで用いた復帰突然変異試験というのは、別名Ames試験ともいいまして、変異原性の中で遺伝子の突然変異を検出する方法として簡便であるために最もよく用いられております。その仕組みというのはアミノ酸の一種のヒスチジンを必要とする突然変異のサルモネラ菌に化学物質などを与えることで、さらに突然変異を起こさせまして、ヒスチジンを必要とする菌株に変異するかどうかを確かめるというものでございます。なお、このAmes試験で変異原性が陽性になった場合は、農薬登録など化学物質の審査の場合はさらに小核試験ですとか、発がん性試験などの試験を行いまして、その安全性を検証するというのが通常の毒性評価のための試験の手順になってございます。
 この資料につきましては、一つ目のクヌギを原料とする木酢液については、変異原性については陰性でございました。スギを原料とする木酢液については、資料の33ページに考察および結論があります。ここでこの試験の結果、対照群に比べて2倍以上の復帰変異コロニー数の増加が認められたために、変異原性が陽性だと認められておりまして、その原因についてはスギ木酢液の成分分析結果から考えられる主な変異原物質、これはベンツピレン類ですとかホルムアルデヒドについては、特に変異原性を有するということがわかっていますが、これを考察した結果、ホルムアルデヒドが原因でこの木酢液について変異原性が陽性となった可能性が高いと考察されております。
 引き続きまして、ベイツガ・スギ・ヒノキを原料とする木酢液の復帰突然変異試験につきましては、これは2番目のサンプルよりさらに多くの3000ppmというホルムアルデヒドが含まれていたものなんですが、資料の56ページに結果が出ておりまして、これについても変異原性が陽性と判断する基準を満たしているため変異原性が陽性だと判断されました。これも、57ページの中段ぐらいにありますが、変異原性の陽性反応を示す原因物質は、多環式芳香族炭化水素類、つまりこれはベンツピレン類を指すんですが、この物質ではなく、さきと同じようにホルムアルデヒドであることが強く示唆されるということでした。この物質自体の変異原性のレベルについては低いものであると言えるという考察がその下にあります。これが変異原性試験の結果でございます。
 それから資料2-5-3につきましては、90日間反復経口毒性試験でございまして、この試験は農薬のほか食品添加物などの毒性試験で通常用いられている試験方法でございます。木酢液を継続的に口から摂取した場合の影響を見る試験でございまして、これは二つのサンプルについて試験をしております。クヌギの試験につきましては、最大の投与量でも何ら異常は観察されませんでした。スギの木酢液については51ページの考察および結論のところをご覧下さい。結果には雄と雌で若干違いがありまして、雌については変化は観察されませんでしたが、雄についてはページの上の方にありますが、1000mg/kg投与群の雄で、白血球数と好中球数の増加が見られたということでございます。
 毒性試験については以上でございます。

【須藤座長】 引き続きやってください。

【小出農薬環境管理室長補佐】 環境省農薬環境管理室の室長補佐をしております小出と申します。よろしくお願いします。では引き続きまして資料2-6、水産動植物に対する安全性に関する資料を説明させていただきます。これはこういう資材が田畑にまかれた後、例えば雨などによって河川に流出するだろう、そのときに魚などに被害を生ずるのかどうか、その場合どのぐらいの濃度で生じるおそれがあるのかどうかというところで、魚類への安全性、そちらの方を調査する試験となります。2枚めくっていただきまして、概要をまず説明させていただきます。
 特定防除資材における魚毒性の判定基準ですが、昨年の3月1日に定められました特定防除資材指定のための評価に関する指針があります。その中で魚類の48時間後の半数致死濃度が10ppmを超え、かつミジンコ類に対する3時間後の半数致死濃度が0.5ppmを超えること、つまり登録農薬で言う魚毒性の区分でAのところ、この1ページの参考の表がありますけれども、このAに該当するもの。これをクリアするかどうかを判定基準としております。その上で今回クヌギ・スギ・竹酢液、この3種類の材について試験を行いました。そうしましたところ、まず魚類の急性毒性試験ですが、ヒメダカについて行ったところ、クヌギとスギについては1000mg/L以上、竹酢液については940mg/L、それから甲殻類の3時間のLCの50ではすべて1000mg/L以上ということで、この魚毒性の分類基準のAの条件を満たしているという結果が出ております。
 その次のページから具体的にどのように試験を行ったかという詳細が記載されておりますが、これは既に委員の先生方に送付していることもありまして、省略をさせていただきます。簡単ですけれども、以上です。

【須藤座長】 どうもありがとうございました。続いて残りの部分についてお願いします。

【田雑農薬対策室課長補佐】 それでは資料2-7以降について説明いたします。資料2-7につきましては、木酢液について今回の一連の試験などで高濃度のホルムアルデヒドを含むものがあることが判明しましたが、使用者に対するホルムアルデヒドの暴露の影響について検証する必要があると考えました。しかし、これまでに木酢液の散布によるホルムアルデヒドの気中濃度を測定といった知見が得られておりませんので、そういったデータをとったりすることが最も望ましいと思われましたが、そういったものがない以上、試算によって実際にどのぐらい暴露するのか推定するしかなかったため、推定したものがこの資料でございます。
 その前提として、最もホルムアルデヒドに高濃度で暴露すると考えられるような閉鎖環境下で高濃度のホルムアルデヒドを含む木酢液を散布した場合に、木酢液に含まれるホルムアルデヒドがすべて揮発すると過程して、ホルムアルデヒドの気中濃度を試算しております。ホルムアルデヒドを散布した場合、それはすべて揮発するわけではなくて、土に落ちたりまたはほかのところにくっついたままとどまるものもありますので、実際の気中濃度はこれより確実に低いことは明らかだという前提になっております。下の前提としては木酢液のホルムアルデヒド濃度はこれまで私どもで調べたので最も高かった3000ppmのものを用いまして、また200倍の希釈液を10アール当たり100リットル散布すると仮定しております。その結果、ホルムアルデヒドの気中濃度の予測値は0.56ppmとなっておりまして、ホルムアルデヒドが存在する環境で労働を行う場合の基準値が0.5ppmなんですが、これをはじめとする各種の環境基準を上回っているという状況でございます。
 その別紙にホルムアルデヒドの各種の環境基準をお示ししておりますが、これは大きく分けて二つあります。一つは、ホルムアルデヒドがどうしても出てくるような作業環境中で許容される濃度、これはずっとそこで生活することは前提としているものではありませんが、そういった濃度である0.5ppmという基準値があります。もう一つは室内の空気の指針値である0.08ppmのような2種類の指針値でございます。この資料については、事前にお送りした資料にちょっと間違いがありまして、上から4番目の職域における屋内空気中のガイドラインの、「ホルムアルデヒド等を製造し、または取り扱う作業上0.08ppmとすることが著しく困難な作業場の指針値」が0.025ppmとしておりましたが、これは0.25ppmの間違いでしたので、今回は訂正をさせていただいております。
 それから資料2-8の説明に移らせていただきます。これにつきましては、木酢液でも、場合によっては高濃度のホルムアルデヒドを含む場合がありまして、そのような木酢液については変異原性が陽性になり、その原因がホルムアルデヒドによるものだということが示唆されるということが判明したわけですが、高濃度のホルムアルデヒドを含む農作物を農作物に散布した場合のホルムアルデヒドの残留濃度について我々としてはその知見を持っておりませんので、最も残留しやすい条件で散布した場合の残留量について試算をしております。これについても、もうホルムアルデヒドというのは一般に揮発性の高いものですので、実際の残留濃度についてはこれより確実に低くなると考えられます。散布の前提条件として、ホウレンソウに散布をしたと仮定しまして、そこから摂取される量を計算しますと、次のページになりますが、木酢液に由来するホルムアルデヒドの濃度については1.5ppmということになります。
 一方でホルムアルデヒドの毒性と無影響量または無毒性量ですが、これについては別紙にいろいろな参考資料をつけております。それらの参考資料から根拠を引用しまして、農薬の安全性評価と同じように試算したわけですが、既にわかっておりますホルムアルデヒドの1日許容摂取量ADIが0.15mg/kg/dayとのことですので、そこから計算しますと、ホルムアルデヒドをホウレンソウから摂取した場合ということに限られる話ではありますが、ADIの3.5%に大人の場合はとどまります。また子供の場合は6.4%にとどまるということで、木酢液に由来するホルムアルデヒドについてはそれを使用した農作物の安全性に悪影響を及ぼすことはないのではないかと考えております。一方、野菜類に含まれる天然のホルムアルデヒド含有量については文献がありまして、別紙5、別紙6につけております。詳細は省略しますが、野菜類にはホルムアルデヒドが天然に含まれておりまして、生鮮キュウリで3.7、乾燥タマネギで18.3ppmなどとなっております。また食品中に自然に含まれるホルムアルデヒドについては、食品衛生法の規制対象とはなっておりません。このため木酢液に由来するホルムアルデヒドについては、天然のホルムアルデヒドに比べ少ないのではないかと考えられます。
 結論としては、木酢液に由来する農作物中のホルムアルデヒドの量は、最も残留しやすい条件で試算した最大値を見ても、1日許容摂取量に比べてはるかに少なく、また野菜に含まれる天然のホルムアルデヒドの量と比較しても少ないと思われます。また木酢液中に含まれるホルムアルデヒドの量については、ここで農水省が集めた46サンプルの平均濃度が402ppmでございまして、1000ppmを超えたサンプルは一つしかなかったということもありまして、高濃度のホルムアルデヒドが、広く木酢液に一般に含まれているとは考えにくいと整理をしてございます。
 それから資料2-9につきましては、最初の資料で木酢液の規格として蒸留をしたものと蒸留をしないで排煙口の温度を指定したものということの二つに分けて検討を行ったということをご紹介しましたが、これまで得られたデータについて蒸留を行い、木酢液と蒸留木酢液、それから蒸留効果を確認するために試験的に採取しましたオガライト木酢液について、その区別を整理しております。成分の特徴としては、蒸留を行わない木酢液については排煙口温度の指定でベンツピレン類などがほとんど除かれるという知見がありましたので、今回そういった製法のものを調べたところ、実際にほとんど除かれると言えるのではないかと思われました。蒸留木酢液についても、ベンツピレン類についてはほとんど除かれておりまして、ホルムアルデヒド濃度については蒸留を経て減少するという知見はありました。薬効試験については、今回は蒸留木酢液についてはこれまで行っておりません。タール成分の濃度につきましては、分離を十分しなかったオガライト木酢液については、高濃度で検出されておりますが、それ以外についてはすべて検出限界以下です。ちょっと資料に誤りがありましたので訂正をお願いしたいのですが、蒸留木酢液の上から5番目の欄に、メチルコールアンスレンの含有量はすべて検出限界(1ppm~0.5ppm以下)となっておりますが、これは1ppbの誤りでしたので、訂正をお願いします。失礼いたしました。それから、ホルムアルデヒドの濃度につきましてはそれぞればらつきがありますが、蒸留を行わない木酢液の場合は、高い場合がある一方で、蒸留木酢液は概して低い傾向があるということでございます。フェノール類については、これはちょっとはっきりした傾向はないと言えるかと思います。普及度については、木酢液の大半を、蒸留を行わない木酢液が占めていると考えられます。
 それから、そのほかに、文献資料の参考をつけております。これはここに委員として来られております本山先生の研究室で、木酢液について検討した三つの論文でして、これは既に環動昆という学会で、学会誌として報告されたものでございます。一つ目の論文は各種の木酢液の主要成分と抗菌活性です。
 資料2-10-2については、殺虫活性と水生生物に対する影響です。
 2-10-3については変異原性について触れられておりまして、この変異原性につきましては私どもが委託なりによって行った試験とは異なる試験方法で行われておりますが、この試験では抗菌物質の作用でうまく試験ができなかったので、抗菌物質を除去した後で変異原性を確認したところ、陽性反応を示したという結果になっているということでございます。
 それから資料2-10-4につきましては、木酢液がどういう資材なのかということについて簡単に触れた資料として、農文協が出しております農業総覧 病害虫防除・資材編という資料をそのまま抜き出してご紹介しております。この中に木酢液がどんな資材で、どういう病害虫に使われているか、効果的な使用方法、使用上の注意点は何かということについて説明がされております。これはちなみに農薬取締法の改正の前に出されたものでございます。
 以上でございます。

【須藤座長】 どうも膨大な資料を簡潔にご説明いただいて、ありがとうございました。これから委員の先生方に木酢液に関する薬効・安全性試験の問題についてご議論いただくわけですが、いろいろ含めますと資料が10に分割されておりまして、説明者も今3分割されていますので、どこからでも結構ですと申し上げようと思ったんですが、ちょっと特にご質問なんかもあると思いますので、総合的には相互に関連した資料をお使いでいろいろご評価をいただくわけですが、とりあえずは最初の資料2-1から2-5までのところで、最初に課長補佐がご説明なさった部分のところでご質問、ご意見でも結構でございますが、順番に今の3分割の部分で先にご意見をいただこうかと思います。そして相互に最終的ないろいろな評価というか、考え方をお伺いしようと思いますので、とりあえず資料2-1から2-5について何かご意見なりご質問なりございますでしょうか。どうぞ。

【小出農薬環境管理室長補佐】 本日ご欠席の委員からコメントをいただいたのがございますので、もし、よろしければご紹介をさせていただきたいと思いますけれども。

【須藤座長】 そうですね。どうしようかな。先に私は先生方にご意見をいただいてからと思ったんだけれども、先の方がいいんですか。それと私の方からも井上先生からのご意見もちょっと伺いたいなとは思っておったんですが、もう少し議論が進んでからでもいいですか。最初にやはりご出席の先生のご意見、ご質問なりいただいてから順番に行きましょう。それでいいですか。

【小出農薬環境管理室長補佐】 はい。

【須藤座長】 それでは多分今のコメントの方はあれですよね、全体的にかかわっていますよね。資料のどれどれというんだったですかね。

【小出農薬環境管理室長補佐】 資料のどれどれというふうには特に指定されておりません。

【須藤座長】 ないですね。だから総合的にやったときのを最初にそれでは、それお願いいたします。
 それでは今の資料の2-1から2-5のところまで、何かご質問なりご意見なり、総合的にやってしまった方がいいですかね。とにかくまずご質問なり伺った上で、その次に総合的に行きます。なければじゃ一通り聞きましょうかね。その次は2-6のさっきの動植物のところは何かありますかね。総合的の方が皆さんおっしゃりやすいですか?どうぞ安藤委員。

【安藤委員】 資料2-2-5のところですなんですが、これではこの図は経時的に3、4-ベンツピレンだとかあるいはホルムアルデヒドが減ってきますよと、こういう図になっております。多分これはホルムアルデヒドは十分わかります。つまりアルデヒドですから多分酸化されてギ酸になっていくだろうということが言える。もう一つの3、4-ベンツピレンがなくなりますよと、こういう話になっていますが、これは多分周りの壁に吸着してしまったのだろうと。ですからこれが減ったと言えるのかどうなのかわかりませんけれども、そういうために減ったのではないかなという気がいたしております。
 それから要するにこの含有成分というものの基本的なものはどういうものが出るかというと、一つはベンツピレンみたいな多環芳香族化合物が出てくるだろうと。これは炭のようなもので当然出てくるだろうということが言える。もう一つは分解過程で有機酸が出てくるということだと思うんです。それは一つは酢酸、いわゆる木酢液というぐらいですから、酸が出てくる。ギ酸、酢酸、プロピオン酸、そういう系統が出てくる。それからもう一つは当然メタノールが出てくるということはそういう分解過程のものが出てくると、そういうふうに考えていいのかなというふうに思うんです。問題は多分その後に絡んでくる薬効だとか安全性にこういうものがどういうふうにリンクしてくるかというお話になるんじゃないかなと思うんです。
 というふうに、大部分というものはそういうふうな炭を蒸し焼きにすることによって出てくるものだということ。ということは何が言えるかというと、その成分というものはその条件によって幾らでも動いちゃうよ、こういうことは考えておく必要があるんじゃないかと、そういう気がいたします。そういうことを申し上げたので。

【須藤座長】 どうもコメントいただきましてありがとうございました。そのほか2-5までで何かご質問なり。眞柄先生どうぞ。

【眞柄委員】 私よりも安藤先生からご意見をいただいた方がいいと思うんですが、ホルムアルデヒド自体は室内空気の関係からも人への一次対応摂取量が2年間の長期慢性毒性試験である程度の数値が出ていること、それから先ほど事務局からご紹介があったように、遺伝障害性があったときには2年以上の試験を行わない限り安全性評価ができないということじゃないかと思うんですが、安藤先生、いかがですか。

【須藤座長】 安藤先生、今の質問。

【安藤委員】 そのとおりだと思うんです。ただいわゆる変異原性試験だけでそれが危険かどうかというのは、それだけでは言えないだろうなという気はいたしております。ただこの後ろの方にもございますけれども、シックハウス対策委員会というのは厚労省にございますけれども、そこで室内空気中の一つのガイドラインを設定しました。そのときはどういう設定の仕方をしたかといいますと、動物実験がありまして、それは発がん実験が世界中からいっぱいあります。結局それだけでは評価できないという結論になりました。と申しますのは一つは動物特有の鼻の構造、鼻の近くでがんができますので、特有のがんであるということ。ですからそれを人間にそのまま当てはめるのはちょっと不可能だろうということになりました。最終的にはシックハウス対策委員会では人の刺激性というところから設定したというところでございます。
 いずれにしても、そういう状況でホルムアルデヒドというのはやはり相当慎重にしていかなきゃいけないということが一つ。もう一つ私の記憶では、たしかIARCのMonographsという、これは発がん性を評価している国際機関でございますが、そこでは2-Aのランクから1にたしか上がったなと思っているんです。

【須藤座長】 1ですか。

【安藤委員】 そうですね、たしか。ということはそれがどこに基づいているかというのは、私は正確にはまだ読んでおりませんけれども、そういう状況から考えると、相当やはり慎重に、ホルムアルデヒドが木酢云々の話になったらば考えなければいけないだろうと、そういう気がいたしております。

【須藤座長】 どうもありがとうございます。今の点は事務局でもそれは今の確認はしておいてくださいね。2-Aから1になっているかどうかということ。どうぞ。

【小出農薬環境管理室長補佐】 IARCの資料に当たりまして調べております。ホルムアルデヒドはグループ1、人に発がん性があるというところに区分されております。

【須藤座長】 1ですね。

【小出農薬環境管理室長補佐】 はい、1です。

【須藤座長】 ありがとうございます。ということでそれは一応事務局も確認をしていると。ほかにありますでしょうか。では本山先生どうぞ。

【本山委員】 安全性や薬効の試験をするときに、濃度の設定が非常に問題になると思うんですけれども、普通の農薬の場合は有効成分で大体薬量や濃度をあらわすと思うんです。木酢の場合はそういう議論をしますと成分が余りにもたくさんあって、何が有効成分か特定できないから、それで製剤のままやるんだという説明をされるわけですけれども、この資料2-2の最初のページ、2-2-1を見ますと、もう明らかに水が90%という、水の成分割合がここに出ていますけれども、ということがわかっていますので、実際は有効成分はその中のどれが有効成分と特定できないにしても、その他を全部含めても10%なわけですから、そうしますとラットを使った無毒性量の試験なんかでも2000mg以上とか300mg/kg以上というのは若干誤解を招いて、300mg/kg以上というのは、実際は30mg/kg以上に相当するんじゃないかと思うわけです。その辺を注意してこれ判断する必要があると思います。

【須藤座長】 どうもありがとうございます。ほか今の2-5までのところで。どうぞ山本先生。

【山本委員】 これまで何度も出た話と同じ話なんですけれども、品質が、この資料2-1にあるように、薬効並びに安全性の検討を行った木酢液ということで書いてあるものを使ったと、こういうことですから、これらのいろいろ集められた材料のばらつきというものはどの程度のあたりにあるのか、ある成分については、例えばホルムアルデヒドだと一番高いのが3000ppmくらい、低いものは数ppmくらい、非常に幅がありますね。100倍以上の開きがある。ある種のものはほとんどないとか、そこらあたりが整理されていないと、いろいろ議論していく中で、いや薬効がありそうだとか、いや安全だとかいうところが、最終的に消費者、いわゆる農家、使う方の人たちに対してこれ効きますよ、大丈夫ですよということが担保できるんですかね、ということが一つあります。排煙口の温度の幅、それから蒸留とか沈殿とかいろいろな話が出てきますけれども、いずれもが非常にあいまいですよね。そこのところが最終的にどの程度担保できるか、十分考えないといけないなと思います。

【須藤座長】 今、山本先生がおっしゃったように、多分ほかの委員も同じだと思うんですが、製造条件とか材料というか、材質によって相当変わるというのはだれでもお気づきだと思うんですが、この今やっている試験のベースになっているのがどういうものであるのかという評価をしないと、この議論がやりにくい。多分当然そうだと思いますが、その辺は事務局どういうふうにお考えですか。どちらでも結構ですよ、これは農水省でいいですか。どうぞ。今の山本先生のご質問を直接どういうふうにお考えですか。このことについてはこれで正しいんだと思うんですよ。このことについては多分データですから

【山本委員】 すみません。サンプルとして使われた材料を使ってやられた試験でこういう結果だったと、今須藤先生言われるようにそのとおりだと思うんですけれども、一般にそれじゃ木酢液を特定の枠に指定して、ぱっと出回ってくるときにこういうものばかりが出てくるかどうかということですよね。そこのところの担保はどういうふうにしたらできるのかという、その辺をお伺いしたいということです。

【須藤座長】 多分それはお答えにくい質問だと思いますよ。

【田雑農薬対策室課長補佐】 これは実際にこの設定で製造したものについて、2年間で集めた範囲ではこういったデータになりまして、ばらつきと平均値についてこの程度であったということぐらいしか言えないと思います。そのほかの木酢液については、本山先生による論文でも似たような成分分析などもされておりますが、実際にこの規格でつくられた木酢液は、40サンプルほどの分析を行ってやっておりますので、これらのデータを根拠に、木酢液に含まれる成分の濃度はおおむねここの中に入るのではないかということぐらいしか言えないかと思います。

【須藤座長】 おおむねこの中に入る。

【田雑農薬対策室課長補佐】 この製造条件で排煙口温度と静置の条件であれば、おおむねここに入るのではないかと言えますが、これを超えるものが出てこないということは、事務局としても言い切れないと思います。

【須藤座長】 製造条件を変えたっていいわけですよね。変えることもあり得るわけですよね。どうぞ先生。

【山本委員】 そのとおりだと思うんです。今回集められた範囲の中で。例えばこれ特定の枠に指定するときにどういう指定の仕方をするんですか、こうこうこういうふうな条件でこういうふうなことでやって、例えば吸光度がいくら以下のものであるとか、何かそんなような条件を満たした木酢液というような指定の仕方をするんですか。

【横田農薬対策室長】 そのあたりは私ども非常に悩んでいる面があるんですけれども、もともと木酢液を特定農薬にするかどうかというときに、余りにも原材料や作り方が違い過ぎるということで、林野庁さんとも相談して、一定の条件下でつくったものということで、ある程度幅を狭めていこうと。それでもかなりばらつきがあるものですから、実際指定するときの条件を考えれば、例えばさっき言ったようにもう蒸留したものであればこういう条件で蒸留したものとかいう形でやっていくしかないと思うんです。ただこの特定農薬の大前提が、その物については安全性が確認されているので、基本的にはいろいろな規制なくして自由に使えるということが条件になるものですから、そういう指定をすること自体が本当にいいのかどうかも含めて議論する必要があると思っています。
 またこれは木酢液に限らずほかの物質もそうなのですけれども、何とかの抽出液と言ったときに、では抽出方法から製造方法から有効成分まで全部規定するとなると、またこれは登録農薬の世界へ行ってしまうので、どこまでラフな世界で特定農薬として認めていくかというのは、ちょっと難しい問題がございます。私どもとしてはできるだけ一定の幅の中でものを集めて、その中でランダムにものを取って試験をやってみて、総合的に判断するしかないのかなと思っています。先生がおっしゃるとおり、それから外れるものも出てくる可能性は否定はできないと思っております。

【須藤座長】 それまで含めて我々は安全性評価というか、一応考えなくてはいけないということでいいのですか、そうしますと。

【横田農薬対策室長】 例えば、今、食酢なんかも指定されておるんですけれども、では食酢は一定の有効成分があって一定の条件下で作られたものかと言えばそうではありませんで、当然食酢という常識の範疇に入るものを使うということが前提になっております。木酢液は、今回のように、80度から150度で採取したものを3カ月静置したものが、一定の成分がこのぐらいの幅に入っております。ではその幅の中でどうかという判断をするしかないのかなと思っております。ではほかにもいろいろサンプルを集めてみて、それからまた逸脱するものは結構出てきているという状況があれば、やはりそういう指定の仕方では難しいということになれば、では蒸留の場合はどうなるのかという別の方からの絞り込みというんですか、そういう形でやるしかないのかなというふうに考えております。

【須藤座長】 ありがとうございます。これは多分今日これ結論を出せないと思いますけれども、農水省の方は農水省の方で今のような問題、もしもこうなったらこうだというか、ちょっと考えておいていただかないと、前提がない限り、幾らここで極端な例えば条件のことでこうなったと、ホルムアルデヒドが非常に高いんじゃないかと、そうしたらやめた方がいいじゃないかというようなことは、それは非常識じゃないからまあなんて話になったら、幾らやっても追いつかないですよね。せっかくこれだけの先生が集まっていただいているんで、方向性だけ次回ぐらいまでには今のようなどういう条件をつけるかわからないけれども、つけていただかないと、余り審議が適切に行えないんじゃないかなという。
 我々はやはり当然極端なことも考えますよ。そうしたら安全性もないんじゃないか、薬効もないんじゃないかということになってしまいますよね。ですけど何かそういうところが我々が評価できるようなある条件といったらいいんですかね、当てはめていかないと、幾ら自然のものだといってもこういう値で科学的なデータに基づくということになりますと、ちょっと無理なような気もしなくはないんで、これから審議は続けますけれども、ちょっとそういう条件を次回までにご検討いただいた方がよろしいんじゃないでしょうか、幾つかの案でもよろしいので。そうしないと多分、今、山本先生が適切なことをおっしゃっていただいたんですが、要するに評価がしにくいというふうに思います。これについては多分できると思いますよ。この条件でこういうことでこうなってきて、この問題をやるというんだったら多分していただけますよね。それはそれなりに。ですけどこれいいか悪いかはともかくとして出ると思うんですが、これではないんだろうと思いますので、ではどうぞ。ほかの委員の先生、どうぞお願いします。2-5までで。では若林先生どうぞ。

【若林委員】 前に委員会に余り出ていなかったので、基本的な質問なんですけど、使用方法についての規定は全くないと考えてよろしいんですか。

【田雑農薬対策室課長補佐】 特定農薬については使用方法について、法律で縛るということは難しいものだと考えております。しかしながら、特定農薬に指定することと併せて、基本的な使用方法としては、どういう濃度で何に対して使うものであり、薬効が得られるような使用方法としてはこういうものだといった情報提供を、すでに指定された食酢などについてはもうすでに行っていますので、同様の情報提供を行っていくことを考えております。

【須藤座長】 いいですか、じゃどうぞ山本先生も何かご質問どうぞ。

【山本委員】 さっきは品質のことですけれども、今度は薬効の方なんですけれども、今回このいもちの種子消毒のような場面で薬効の試験が行われて見せていただいているんですけれども、これは特定農薬に指定するときに、何々に効きますよというようなことを言わないですよね。一つ一つ細かいことは。そうすると効かないものにも効くという話も出そうと思えば出せないことはない。特定農薬に指定されたんだからということで何でもかんでも効きますよという話が出てくるかもしれない。ただここでこれまでのところで試験されたものは、今日のところではイネの種子消毒だと。データ見て、僕これでもちょっとどうかなと思うんですけれども。それから本山先生のデータなんかを見ますと、こういったところには効かないとか、虫も含めて。その辺はどういう整理になっていくんですか。さっきは品質のばらつきですけれども、今度はターゲットのばらつきです。

【田雑農薬対策室課長補佐】 これについても、特定農薬として仮に指定されて薬効をうたって販売した場合に、それが虚偽の宣伝に該当するとみなされる場合については、農薬取締法の違反になりますが、一方で虚偽ではない範囲であれば違反にはなりません。つまり何の根拠もなかったり、事実に反した薬効をうたうと、それは違反ということになるかと思います。

【横田農薬対策室長】 実際に登録農薬であれば、対象の病害虫や作物が決まって、何千倍に希釈して使ったら効きますと全部決められますが、結局そこまで求めていくと登録農薬になってしまうんです。一定のもので薬効があるということであれば、これはもう農薬の範疇に入りますので、特定農薬に入っていきます。安全性は今はちょっと置いておいて、薬効の話についてはこれで要件を満たすと考えます。それで、売っていくときについては、例えばいもち病の種子消毒については効果があるというのであればそれを前面に出して売ってもらえればいいと。一方で、例えば何とかという虫に効きますと言って売られていまして、ところが実際それをやったときに売っている人は効かないということを分かってやっているというのは、もろにこれは効かないのに効くとして売っているのならば虚偽の宣伝に当たります。もし、全部きちんと効果データも示して出してもらった上で、データがあるものだけ使用対象を絞ってやるということになると、結局元に戻って登録農薬になってしまうんです。ある程度はそこは自主的なところに任せるしかない。変なことをやればそこは取り締まっていくという形しかないと思います。それは基本的にはやはり特定農薬の発想につながっていっているんだと思います。

【安藤委員】 今の議論、全くそのとおりだと思います。私もそういう考えから行ったり来たり、行ったり来たりしているんですけれども、結局例えば薬効2-3を見ても薬効というのは確かにありますよという、こういうことになる。しかしこれは私に言わせれば酢酸だろうと。酢酸が要するに酸性で効いているだけに過ぎないだろう、そんな気がするんです。いわゆる食酢と同じような話で、一体それが何なんだろうなという気がどうしても出てきてしまう。それならもう酢酸でやればそれで終わってしまうのかなという気がしてしまうんです。ですから薬効もそうだし、そうすると製品規格もつくらなければいけない、今度は使用条件も設定しなければいけない、そうすると一体何なんだろうというのがどうしても出てくる、同じような議論ですみませんけど、そういうふうに思うんです。

【須藤座長】 そうですね、いいですか。じゃどうぞ本山先生。

【本山委員】 日本全国でどこのホームセンターへ行ってもいっぱい木酢液が並んでいるわけで、そして農家はいろいろな使い方をしているわけですね。大半の農家はこういうイネもみの種子消毒じゃないと思うんです。薄めて茎葉部に散布していると思うんです。あるいは土壌潅注したり、あるいは硫黄の燻蒸装置に入れて蒸散処理したりしているわけです。そういう処理方法で本当に効果があるというデータがなぜ出てこないのかというのが非常に不思議なことで、多分岡田委員もいらっしゃるので、日植防なんかに委託試験が出て、随分そういう試験をされたんじゃないかと思うんですけれども、私たちが試験をしてみましたらほとんど効かないです。効くような濃度であれば薬害で植物が枯れてしまいます。薬害で植物が枯れない濃度でやると効きません。室内試験で培地の上で抗菌活性をはかればある程度効く場合もありますけれども、実際の野外で植物の上に散布すると全く効かないというのが私たちの得ているデータなんです。これだけ注目を集めているものが、薬効の試験のデータが種もみの種子消毒しかないということは何かを物語っているんじゃないかというふうに私は感じます。

【須藤座長】 どうぞ上路委員。

【上路委員】 私もまさしく効果についての考え方ですが、本山先生が野菜での試験をやられており、多分そういう木酢液の使い方もされているんだと思っていますが、でも全然そういう効果試験結果が出ていないということに、非常に疑問だと感じます。あと普及度のところでみると、効果が変動するんですよね。そうすると品質の安定性という点でですか、品質をどこまで保証できるのかどうか、当然それは安全性にはね返ると思うんですけれども、そこのところが保証されないと、幾ら効果がマイルドで効果が余りなくてもいいのだと言っても、ちょっと問題だなと思って聞いていました。品質の問題と効果の面とそれから薬害の問題、この3点でどうしても特定農薬の方には認められないのではないかと、総合的な評価をすればそんなふうに思えたのです。

【須藤座長】 ありがとうございます。総合的な評価も一緒に。どうぞ村田委員お願いします。

【村田委員】 すみません、私すごく素人なんですけれども、今日こういうところでいろいろと議論するときに出されるデータとして、先ほど本山先生がおっしゃった、通常こういう使い方はしないだろうというデータがどうしてこういう大事な議論の場に出てくるのか。やはり通常先ほど本山先生がおっしゃるのが、こういう使い方じゃなくてこういったのが一般的な使い方ではないかと、農家の方が一般的にこういうふうに使っているんではないかというようなデータを持って、こういう場で議論をしないと、ちょっと難しいのかなという、感覚的に何かどうしてこの種子消毒のデータがここの場で出てきたのかがちょっと聞きたいんですけれども。

【須藤座長】 それではお答えいただいた方がいいと思うんですけれども、本山先生のご説明にもあったかもしれませんが、実際にはまずは今現状においてたくさん使われているんですよね。現状にたくさん使われていて、それでしかしそれ自身がどういうふうに薬効があるかとかということの証明はなかなか今までされていないと思うんです。たしか本山先生もさっき。なので、こういう実験でやったらこういうことがあったんだけれども、今の村田委員の御意見は実際にやっているんだったら、実際にやっているところのデータを出していただいたらどうでしょうかというのが、そういうご意見ですよね。それはどうしてできないんですかという意味ですね。どうぞお答えください。

【田雑農薬対策室課長補佐】 まず木酢液についての試験データは、我々の方も幾つか持っておりまして、効果がなかったというデータもありますし、効果があったというデータもあります。ただ効果があったというデータは数としては少なくはないのですが、古いデータが多くて、そもそも今回検討している木酢液に含まれるという根拠がないものが多くあります。それについては本山先生の論文にも過去の薬効のデータについては若干紹介をされております。このため、まず木酢液が農薬に該当するのかどうかということについて、我々としては確認する必要があると考えたため、もちろん様々な薬効試験を行うという選択肢もありましたが、まずどんな方法をとっても農薬になり得ないのか、それとも方法によっては農薬の効果が出るのかどうかということをまず優先的に確認する必要があるということで、林野庁とも相談しまして最も効果が出るのではないかと思われた種子消毒試験を行ったものでございます。これについては確かにおっしゃるとおり使用頻度が多い方法ではありませんが、実際にこういった使用方法もあるということは聞いております。それを用いたということでございます。

【須藤座長】 村田委員、おわかりになりましたか。どうぞ再度質問してくださっても結構なんですが。どうぞ。

【五箇委員】 ちょっといいですか。すみません、五箇ですけれども。薬効についていろいろ議論されていますけれども、もともと農薬会社にいた関係でデータを見せてもらったんですけれども、ありていに言ってしまうと薬害が出る濃度と薬効が見られる濃度の幅がすごく狭くて、この程度の薬害が出るリスクに対して薬効が出る、薬害のリスクに対しての薬効が余りにも低い。実際多分農薬会社的な感覚からすれば、この程度の薬効ではとても農薬とは認められないんじゃないかなという感覚があるんですよね。しかも室内浸漬処理でやっとこのレベルだとすれば、多分野外ではほとんど効果ないと思います。それはもちろん今のガイドラインではどういうふうになっているかというのは詳しくは知りませんし、特定農薬の場合と登録農薬の場合で違うのかもわからないですけれども、非常にプリミティブな感覚からすると、とてもこれでは薬効という部分は保障できないんじゃないかなという気はしないでもないということです。
 もう一つ、いわゆる薬害として見た場合に、これ木酢液の成分一つ見ても33物質プラスアルファという非常にたくさんの物質で構成されているということからすると、この薬効そのものは複合効果としてあらわれているというふうに考えなきゃならないと。登録上の問題云々は別にしても、普通に科学的な原理からすればどの物質がメインとなっているかという科学的検証がやはり必要になる。要するにどの物質がメインで薬効が出ているのかということがわからないと、さっきにもご意見があったように、別に防除からだけ見れば酢酸と変わらないということであれば、いっそ酸物質さえ入っていればそれでいいのかとか、そういうふうなことも考えなきゃいけないですし、ちょっと余りにも薬理学的に見ても科学的なデータが希薄過ぎるんじゃないかなと。そういった中で、製造条件だけで製品規格が決まっているというのはやはりおかしいんじゃないかと、こういうつくり方をして出てきたものが木酢液ですという、ラベルさえ張れればそれで売れるというのは、やはり基本的には「農薬」という名前がつく以上は薬として見なきゃいけないですし、せめてやはりその部分での科学的検証がない限りは、これ議論の進めようがないだろうと思います。

【須藤座長】 事務局に一緒に伺いたい。特定防除資材とならないという今のようなご意見を含めて、さっきもご意見あったんですが、ならないということになったらどういうふうになるんですか。今と同じ現状で使われるということになるんですか。それとも使ってはいけなくなるんですか。

【田雑農薬対策室課長補佐】 まず農薬かどうかの判断になりますが、まず客観的に農薬であるということが判断された場合は、法律上は特定農薬に指定されるか農薬登録をとるしかないということになります。

【須藤座長】 二つしかないですね。

【田雑農薬対策室課長補佐】 さらに、薬効があるのに特定農薬になる要件を安全性などの観点から満たさないため特定農薬にならないということであれば、以前ここで議論をしていただいて白黒をつけさせていただきましたナフタリンとかと同じように、登録なしでは農薬として使用できないものという扱いになるのではないかと考えております。

【須藤座長】 そうしますと現状のことをそのまま続けたら違法というか、そういうことになるわけですね。ならない限りは。

【田雑農薬対策室課長補佐】 農薬として使用することについては違法ということにならざるを得ません。

【須藤座長】 ならざるを得ないですね。そういうことだそうです。ほかにご意見はございますでしょうか。牧野委員どうぞ。

【牧野委員】 薬効に関する試験結果ですけれども、種もみの種子消毒で、2回処理での防除効果はかなり高いのもあるんですね。このくらいですと種籾の種子消毒については十分使えるんじゃないかと思うんです。先程使えないという話もありましたけれども、私は、使い方を選べばよいのではないかと思います。いままで、いろいろな場面で使っていますので、問題がありますが、これだけ見ればイネの種子消毒については実際に使えるんじゃないかというふうに思います。

【須藤座長】 どうもありがとうございました。ほかの意見はいかがですか。今日、私はここの冒頭に申し上げましたように、何か結論を出そうとはちょっと思っておりませんし、事務局にも調べていただこうと思っていますので、自由なご発言をいただいて、次回なりさらに次ぐらいまでに整理をしたいと思います。安藤委員どうぞ。

【安藤委員】 今牧野先生のお話、ちょっと私納得いたしかねるんですが、つまりこのイネの種子消毒というのは要するに限定された条件でイネが云々という話ですよね。先ほど本山先生のお話ですと、実際はそういう土壌で振りまけてやるということになるわけですから、そうすると多分こういうのは、さっきから申し上げましているように有機酸なわけです。酢酸類なわけです。そうすると緩衝性が強いわけですから、液性でこれは効いているだけであって、当然緩衝性がある一般のところではもう何の役にも立たないだろう。つまりそういうデータがない限りやはり効いたとは言えないんじゃないかなという気もいたしております。

【牧野委員】 実際に箱育苗という、種を蒔いて育てて、田植え機にセットするわけです。そうしたポット育苗みたいな状態のときに使うと、こういう効果があるということです。ですから現場を見ればわかると思いますが、十分使える状況だと思います。お考えになっているような圃場に処理するとかそういうことではなくて、育苗をして、それを田植え機にセットをしてまくまでの間の使い方、非常に限定的な使い方です。

【須藤座長】 岡田委員どうぞ。

【岡田委員】 2-4の資料は私どもの(社)日本植物防疫協会研究所宮崎試験場で試験をしたもので、書いているとおりの考察で私は結構だと思っています。実際に使う上で実用性はあるだろうと、こういう使い方であれば使えるであろうというのは当たっていると思っております。

【須藤座長】 どうもありがとうございます。ほかのご意見どうぞ。竹内委員、中野委員と順番に行きましょう。ではすみませんその後でまいります。

【国見委員】 私が発言してよろしいんですか。

【須藤座長】 それでは先にどうぞ。申しわけございませんでした。

【国見委員】 先ほどから薬効の議論が出ているんですが、やはり特定農薬の非常に難しい点は、使用方法を限定しないというところで、あるデータで薬効があった場合には、後は結局どういう使い方でもいいという形になってしまうわけです。ですからそこをやはり整理しないといけないと思います。前からお話しているのですけれども、法的には確かに使用方法を限定しないということですが、ある限定条件じゃないと使えないということは当然あるわけです。それをどういうふうに整理するのか、やはり農水省の方でお考えいただいた方がいいと思うんです。そこがクリアにならないと一番薬効の出そうなデータを出して、例えば、いもち病に効いたということになると、植物のカビに効きますという形でもオーケーになってしまうわけです。それででも本当にいいのかどうなのかという整理がやはり必要じゃないのかなという気がします。

【須藤座長】 どうもありがとうございます。そうしたらそれは先ほどの私がお願いしたのと同じように、どういうふうに使用条件というのは考えたらいいかというのもつけ加えてお考えください。そうしたら竹内委員、中野委員と順番に行きます。どうぞ。

【竹内委員】 同じ意見なんですけれども、こういう試験をやる立場として見せていただきますと、うまいところで試験をやったなという。要するに一番効果が出やすいところの試験かなというふうに思いました。

【須藤座長】 どうぞ。

【中野委員】 すみません。消費者と生産者と兼ねているんですけれども、お酢で野菜の消毒に効くというのは一般的によく農家の人が使われているんですけれども、これを見せていただくとその効果ということが余り効かないというようなこともいろいろと書かれておりますし、それがしっかりと根拠が出たらいいなと思いました。もう1点はもみの種子消毒なんですけれども、一般の農家はスミチオンでやっておられるところもあります。それでこのように例えば木酢のこれでやれたらもっといいんじゃないかなと、そのように思いました。

【須藤座長】 ありがとうございます。ほかはよろしいですか。細見委員どうぞ。

【細見委員】 この議論について十分理解していなかったことで申しわけないんですが、今まで薬効だとか言われていますが、製造方法でこれ工学的にいろいろ見ると排煙温度一応80度から150度というふうに規制されていますけれども、これはその装置というか、乾留というか炭化する装置のどこの場所でどういうふうにはかるかによっても随分幅があって、低い方は問題がないと思うんですが、高い方で行くと沸点が高いものも当然蒸発して冷却されて木酢液の方に行くのではないかと。一つ場所をどういうように排煙というか、煙突の場所のどこではかるかということで違うんではないかということと、それから150度もし超えた場合に何か成分的に問題になるような物質が急激にふえるだとか、あるいは薬効ですごく効き目がなくなるかとか、何かそういう問題があって150度、あるいは120度というふうに規定されたんでしょうか。ちょっと申しわけありませんが、教えていただきたいと思います。

【須藤座長】 工学的な条件との関係ですね。どうぞお願いします。

【田雑農薬対策室課長補佐】 今回の資料にはつけておりませんが、木酢液をつくる装置で排煙口の温度を少しずつ高めていったときにどういう成分が出てくるかについては、若干データがございまして、排煙口の温度を高めると溶解するタール成分の濃度が大きく上がってきます。また有機酸の取れる含量も上がってくるということで、この溶解タールの成分としてはフェノール成分、中性成分、カルボニール成分がその主なものだということですが、成分としては変わってくるということです。また資料によると、排煙口の濃度を高くした場合に出てくる成分というのは植物に対して有害なので、木酢液としては推奨されないとあります。どの成分が実際に何%が何%になるのかという詳しい資料については持ち合わせてはおりません。

【須藤座長】 ありがとうございます。では眞柄委員どうぞ。

【眞柄委員】 私の特定農薬に関する理解は、これまでのいわゆる農薬の登録制度の枠には入らない、どちらかと言えば伝統的に使われていた資材で、その資材が少なくとも何らかの効果があって、しかも環境に影響を与えないというものであれば、特定農薬としてもいいじゃないかというのが、そもそもの制度の始まりだというふうに理解をしております。私は農薬としての薬効のことについては専門家ではありません。ですが、環境に対するリスクということを考えた場合に、先ほど農水省の方からご説明がありましたように、これがこのまま棚上げにされたまま、日本の環境の中で使われ続けていいのかどうなのかという判断を、ここの委員会でしていただきたいと思います。私はそういう立場です。そういう意味で、先ほど一番最初にお話ししましたけれども、この毒性試験の内容では私はまだ判断ができないので、そのことについて今日ご欠席の井上先生なり櫻井先生なりのやはりご見解を伺った上で、判断をしていただきたいというふうに思います。

【須藤座長】 どうもありがとうございます。今ちょうど毒性評価のことについてのコメントをいただいたので、事務局は多分井上先生のところに行ってお話を伺っていると思うんで、ちょっとそれを安全性評価の部分、人に対する部分ですね。特にそこだけちょっとお願いをしたいと思います。

【小出農薬環境管理室長補佐】 それでは井上委員、櫻井委員、北原委員の3名の方からコメントをいただいておりますので、まず井上委員のコメントから発表させていただきます。井上委員からのコメントは比較的長いので、今委員の先生方にはペーパーでお配りさせていただきますけれども、読み上げます。
1 「木酢液」の安全性試験結果について
(1)変異原性試験において、ベイツガ・スギ・ヒノキ木酢液1536μg/プレート以上の用量区から、代謝活性系非存在下でも陽性反応が得られた。当該木酢液の成分分析結果によると、5000μg/プレートでは3,4-ベンツピレン、1,2,5,6-ジベンゾアントラセン、3-メチルコランスレンは陽性反応を示す最低用量以下、ホルムアルデヒドは最低用量以上である。またホルムアルデヒド以外は変異原活性には代謝活性系を必要とする。
 このため、当該木酢液が陽性反応を示す原因物質はホルムアルデヒドであることが強く示唆されている。
(2)変異原性試験において、10μg/プレート以下で陽性反応が出た場合、変異原性が強いと判定することが一般的である。ここで、
 [1] 当該木酢液1563μg/プレート(ホルムアルデヒドとして4.7μg/プレート相当)で陽性反応が認められ、かつ用量相関性が認められること
 [2] 生育阻害濃度と変異原性が陽性となる濃度に開きがあること
の2点から、木酢液の変異原性については慎重に判断する必要があると考える。
(3)具体的にはホルムアルデヒドの変異原性についての閾値の設定が可能であるか否か、可能な場合であれば暴露量はどの程度かをさらに検討する必要があると考える。
(4)なお、90日間の反復経口毒性試験結果については、炎症に由来する白血球(好中球)数の有意な増加が見られるが、病理組織学的にこれに対応する所見が認められておらず、大きな問題ではないと考える。
木酢液について井上委員からこのようなコメントをいただいております。
続きまして櫻井委員からも木酢液に関してコメントをいただいておりますので、読み上げさせていただきます。
(1)IARC(国際ガン研究機関)では1972年から各種化学物質の人の発ガン性に関する独立した研究論文を発表している。このうち、2004年に発表された第88巻では、ホルムアルデヒド等の発ガン性についての評価結果を掲載している。
ここでは、ホルムアルデヒドは人への発ガン性により区分した化学物質のグループのうち、Group1(人に発ガン性がある)に相当すると結論づけている。
(2)IARCでホルムアルデヒドについてこのような結果が出ていることから、ホルムアルデヒドを含む木酢液についての安全性に関する検討は、十分慎重に行うべきである。
 今IARCの88巻の英文のコピーを委員の先生方に配付させていただいております。ちなみにこのIARCですが、これはWHO世界保健機構の1部局で、人のがんについて発がんメカニズム、科学的ながんの制御に関する研究をコーディネートし、行うことをその役割としております。そしてその活動内容には疫学的及び試験機関における調査研究及び科学的な情報出版、会報等により普及することが含まれております。これを参考として事務局から説明させていただきます。

【須藤座長】 あともう一人、北原先生。

【小出農薬環境管理室長補佐】 それからすみません。北原委員からのコメントなんですけれども、まず「木酢液」について。「木酢液のホルマリンに関しては、どの濃度でも残留性が少ないようなので問題はないかと思います。故に木酢液自体の作り方、原料等である一定の基準が出来ればよいのかなと言う気がしますが。」ということです。
 以上です。

【須藤座長】 どうもありがとうございました。ではちょっと後で総合的にどう継続するかはお話、まとめるとして、後半の部分、先ほどのご説明、私一応先ほど2-5までというふうに申し上げたので、2-6以降、2-6から2-10でご質問なりご意見なり、もう既におっしゃっていただいたかもしれませんけれども、もしその辺であればどうぞ本山先生。

【本山委員】 今までの議論に関連しますけれども、変異原性の試験についてです。残研でやった試験ですと、S-9 Mixを添加の有無にかかわらず、変異原性陽性ということでしたけれども、そのことから陽性をもたらした原因物質はホルムアルデヒドであろうという考察で、今その安全性について詳しく推察したわけですけれども、私たちの試験は若干違った微生物を使ったumuテストというのでやったんですけれども、その場合は抗菌物質を予備精製して除いてやりますと、すべて供試した商品は陽性反応でした。その場合はS-9 Mixを添加するということが必要で、無添加では陽性反応は出ないということですから、その両方をあわせて考えますと、木酢液の中にはホルムアルデヒド以外にもP-450で活性化される変異原性物質が入っているんじゃないかと思うんです。ですからホルムアルデヒドだけで安全性を議論するというのはもう少し慎重にする必要があるんじゃないかと思います。

【須藤座長】 どうもありがとうございます。ほかの先生、ほかに今の。亀若委員どうぞ。

【亀若委員】 資料2-9なんですけれども、ここに蒸留を行わない場合と行う場合の違いの表を載せていただいているんですが、先ほど来の議論の続きとしまして、通常、蒸留を行わない、いわゆる普及しているやり方であれば相当ばらつきがある。ところがここでは蒸留木酢液という欄をつくってくださっておって、そこで見る限りにおいてはかなりホルムアルデヒドなんかについての量も減っておったり、それから当然蒸留ということですから一定のものが除かれる確率は、蒸留しないものに比べて高いというふうに考えますと、先ほど来の製品としてのばらつきというのはかなり狭まるのかなという感じは受けるわけです。ただ問題はこの薬効のところが試験未実施になっておりまして、これが本当にどういうことになりそうなのか、当然先ほどのホルムアルデヒドだとかそういうものがかなり除かれてまいりますと、それが薬効としての効果を持っているのであれば、また薬効が落ちてしまうということなんで、ある程度製品としての純度を、こういう方法に限ってというふうな使い方で今後考えていったとしたときに、この「薬効」というのが全くデータとして示されていないと議論しようがないなという気がするんですが、そこら辺はどういうことなんですか。ちょっと教えていただきたい。

【須藤座長】 ではそれは事務局からお答えください。今の資料2-9です。

【田雑農薬対策室課長補佐】 薬効試験を行っていない蒸留木酢液については、その経過がないことから見ても農薬かどうかの判断をする材料がまだないのではないかと考えております。今後そういった試験を行う余地はあると考えております。

【須藤座長】 ほかの委員、いかがですか。今の最後のところまでのところで。どうぞ若林委員。

【若林委員】 2-6で水産動植物に対する安全性に関する資料というので、今通常の農薬の登録保留基準の試験方法等、基準が変わった関係でそろそろ検討しなきゃいけないという段階に来ています。それで私は勉強不足だったんですけれども、カルガモ法とかそういうのとの関連で、例えば木酢液にしろ酢にしろ、圃場にまくのかなというイメージを持っていたんです。田んぼに。そういうまき方ではないんですね。これはどうももみを消毒するとか、そういう形なので、そうなると随分水産動植物に対する影響というのは変わってくるので、その辺は一番最初の質問に戻るんですけど、使用方法については一切自由なんですねという話につながるんですけれども、人間費用対効果だけで考える人ばかりではないので、例えば後に出てくるコーヒーとか牛乳で田んぼが真っ白になるイメージをちょっと持ってしまったんですけれども、そういうことはあり得ないと考えてよろしいんでしょうか。

【須藤座長】 では農水省の今の、その辺の田んぼにそのものをまくんですかという、具体的に言うとそういうことはあるんですかということ。

【田雑農薬対策室課長補佐】 木酢液の使用方法は非常に多様でございまして、水田についてもいわゆる水環境の場合でも稲作の苗づくりに使う場合から実際に植えられている本田でいもち病の防除などに使う場合もございまして、水産動植物の影響を評価しなければならない場面は実際にあると考えております。

【須藤座長】 いいですか、先生。だからいろいろなことがあると、こういうことです。ほかの余り限定はされていないということです。ではどうぞ、本山先生。

【本山委員】 今の若林委員のご質問にちょっと関連するんですけれども、私たちの試験の結果では、資料2-10に出ていますけれども、実際に野外で池に木酢液を大量に流して、池の中の水生生物に対する影響も調査しました。一番濃度の濃いところではさっと生物すなわち魚やドジョウが逃げていきますけれども、実際の死亡は認められなくて変化はないわけです。そのときはコドラートを使ってユスリカの幼虫に対する調査とか、ミジンコ類に対する調査もずっとしていますけれども、実際にもほとんど影響は見られません。室内試験をしますと、ヒメダカとウシガエルについてデータを出したんですけれども、LC50値はそれぞれに含まれている酢酸の濃度で出しますと純粋の酢酸で試験をした場合とほとんど一緒になります。ちょっと違うぐらいでほとんど一緒ですので、そういう毒性の主成分は酢酸だろうというふうに私は思っています。

【若林委員】 その際BODとかははかられていますか。

【本山委員】 いや、この試験ではDOとECとpHははかっていますけれども、BODははかりませんでした。

【若林委員】 そういう使い方が大勢の人からやられますと、例えば水道水源だろうし、それから比較的きれいな水域だと弱い生物が住んでいる水域になりますので、そっちの心配も少しする必要があるかなという気がしています。

【須藤座長】 そうなりますと水質汚濁性農薬ということになるかもしれないね。ここの中の定義はないんだけれども、水質汚濁性ということは一般の農薬ではそういう定義で審議していますよね。それはあり得るのかもしれません。
 ではほか総合的な討論に入っていいですか。ちょっと審議がおくれていますが、今の段階で何か、先ほどからこれは薬効もそう不十分だし、いろいろの条件でまあ特定防除資材としてはちょっと無理だろうと、あるいは特定防除資材として現実に使えて効果もあるんだからというような、両者の意見があるわけですが、私、座長としては継続審議にしたいとは思いますけれども、さらに今の段階でもっとつけ加えていただく方、特に次の段階までこういうところを調べてこいとか、実験をすぐに何かやるというのは無理だと思いますけれども、資料をそろえてこいとか、先ほど私は農水省に申し上げたことはやっていただきますが、何かほかにございますか。どうぞ。

【五箇委員】 すみません。この特定農薬に関しては初めて出席するんで、本当にプリミティブな質問かもしれないんですけれども、要するに薬効部分に関してこれいもちの試験だけでそれに効果があったから農薬と認めるというふうに、この法律では理解してよろしいんですか。要するにさっきから使用場面も限定しないという話も聞くにつけ、使用場面と使用方法とにバリエーションがあるならなおさらのこと、試験結果にもバリエーションを持たせていただかないと、さらに出てくる製品そのものにも規格にばらつきがあるとなれば、とにかくこの時点でそろえておくデータとしてはもっと多くの製品について、さらに多くの使用場面を想定して試験データをそろえていただくということの方が、むしろ不確実性を保障する意味では必要になってくると。法律に幅があるなら試験の方にも幅をつけていただかないと、出てきた商品の使用場面、使用方法についてえらい幅があるのに、試験がたった1個というのはちょっとやはり普通に考えてもおかしいんじゃないかなというふうに考えるんですけれども、これは法律の問題かもしれないですけれども、あくまでも学者としてみればやはりおかしいとしか言えないと思います。

【須藤座長】 ありがとうございます。では本山先生。

【本山委員】 私はこう考えます。提案したいんですけれども、木酢液を何回か蒸留して成分もきちんと規定しているような製品もあるわけです。そういうものを従来の農薬と同じような効力試験もして、そして登録を取ろうという考え方もあるわけです。それはそれで私は大いに結構だと思います。登録を取れば成分のぶれもありませんし、それから薬効・薬害もきちんと規定されますし、適用作物や使用方法も規定されますので。
 もう一つ今私たちが議論をしているのは、特定防除資材としてどうかということなわけですけれども、その場合はやはり条件がつくと思うんです。こういう種子消毒の場合は容器内でしますので、環境影響も人体への健康影響もほとんどないだろうと思いますし、それから特定防除資材のガイドラインで決めましたように、防除価も50以上あればまあいいだろうと、化学農薬のようには切れはよくなくても、ある程度効力があれば認めようということを指針で決めたわけですので、もみ処理については私は認めていいんじゃないかと思います。ただ、問題はラベル表示が義務化できないということですので、そこで指定を受けておいていろいろな使い方が世の中では行われるということになると、これは非常に具合が悪いわけですから、そこの矛盾を解決する仕組みを考え出せれば、種子消毒ということに限って特定農薬として認めても私はいいんじゃないかと思います。ただ今の法律の解釈ではそういうラベル表示が義務化できないわけですから、そこが問題で宿題じゃないかという気がします。

【須藤座長】 どうもありがとうございました。ほかに総合的なご意見いいですか。とにかく今日は結論を出さないというか、出せませんので、ご検討いただくということで、ほかにご意見があれば、今の本山先生のようにこういう。竹内委員どうぞお願いします。

【竹内委員】 今までの経過がわからないのであれなんですけれども、雑誌なんかを見ますと、木酢を単独じゃなくて結構いろいろなものとまぜたりして使っている例が多いんです。単独じゃ効かないけどほかのものとまぜると効くんですよとかというふうなことが書いてあるんですけれども、そういうのはどういうふうに解釈したらいいんでしょうね。

【須藤座長】 農水省さんどうぞ。

【田雑農薬対策室課長補佐】 実際に、木酢液については、その取扱いが検討中となっていますトウガラシやニンニクを漬け込んで使っているものもありますし、それから普通の殺虫剤、殺菌剤に混ぜて使っている例もあると聞いております。それらについても、仮に、木酢液が特定農薬にならないため農薬として使用できないということになったら、そういったまぜ物についても同じ扱いになると思います。

【須藤座長】 なると思うというのは使ってはいけないということですね。

【田雑農薬対策室課長補佐】 使ってはいけないということになると思います。

【須藤座長】 よろしいですか。ほかにご意見よろしいですか。そうしましたら皆さんのご審議がどういうふうに進展するかによって、座長どうまとめようかということで事前に事務局と打ち合わせをしてきたんですが、一番皆さんが賛成だと言ってくだされば、食品安全委員会に諮問しましょうと、こういう結論を出そうと思ったんですが、それも全然全くだめなので、いろいろご意見いただいて全員の方がこれはもう無理だと、こうおっしゃればそれでここでもう議論も中止して、特定資材になり得ないということで結論を出そうともしたんですが、これも賛成の方もいらっしゃるし、まだ使える部分があるんだと、使い方もあるんだと、一般にはたくさん使われているんだと、こういうことになると、安易にここでさっきも眞柄先生おっしゃったように、特定農薬というのはそういうものを何とか緩やかに昔の伝統的なものを使っていこうじゃないかという趣旨で始めたんで、余りぎしぎしやってしまって普通の農薬と同じようにするんだよということでも、法の趣旨に合わないと。
 こうなってくるんでこれは困ってしまったなというのが率直な座長としての感想なんですが、そうかといってここで中断というわけにはいきません。ということで当然申し上げたように食品安全委員会に諮問するということはまだできませんので、もう少し先ほどのように農水省でご検討いただくような使用条件もあるし、製造条件もありますし、それからある限定したものの使用、それから眞柄先生もおっしゃっていたような安全性の評価の点で、もう少しデータを集めていただいたり評価をしていただいたり、今度は例えば井上先生にもう少しここで出ていただいて、井上先生も櫻井先生もそういうご専門の先生からのコメントももうちょっと詳しくいただくことも必要なんでしょうと思います。そういうことを含めて、継続審議としたいと思いますが、それでよろしゅうございましょうか。

(異議なし)

【須藤座長】 よろしければ、今の木酢液については再度審議をするということで、それまでにこれと同じデータじゃぐあいが悪いので、事務局の方どうぞ鋭意収集に努力をしていただきたいと、こういうふうに思います。
 ということで、どうもありがとうございました。それでは次に、休憩を取れと言われていたんですが、休憩を取るほどの時間がなくなってしまったから、継続審議にいたします。もしちょっと御用がある方は5分、10分どうぞ中座されても構いませんのですが、休憩を取らずに説明をいただきたいと思います。
 それでは、その他平成16年度の薬効・安全性試験の結果が得られた資材の取扱いについてということで、それではまたこれについてもご説明をいただきたいと思いますが、資料3-1から3-4に沿ってご説明いただきたいと思います。

【田雑農薬対策室課長補佐】 それでは説明させていただきます。資料3-1から3-4につきましては、平成16年度に安全性試験を行ってはおりませんが、判断できるだけの結果が得られたと思われる4つの資材について資料を提示させていただいたところです。これらの4つの資材というのは、平成14年の特定農薬に関連する農林業資材の募集の際に都道府県などから情報提供されまして、いずれも農薬の目的で販売されている例はほとんどないのですが、自家製造して使用されているという情報がありまして、その頻度も決して少なくなかったということもありまして、その取り扱いについて検討する必要があることから、薬効試験などを行ったところです。
 いずれにも共通することですが、情報提供のあった都道府県に対して再度その詳細な使用方法などの情報提供を求めまして、その結果を踏まえ、試験ではどういう品質のものを使うか、また濃度とか使用病害虫、使用頻度などを決めまして、その結果についてここで紹介をさせていただいております。かいつまんで紹介しますが、緑茶についてはキュウリのうどんこ病に対して試験を実施したところ、防除価40を下回りまして、実用的な効果はありませんでした。一方で、茶の炭疽病についての試験がありまして、それは資料3-1の別紙2としてつけておりまして、これも同様に実用的な効果は確認されませんでしたが、生茶葉を用いた場合に茶の炭疽病について防除価50をわずかに超えたという事例がありました。この使用方法については、人が飲んでいる緑茶の濃度より薄いものでしたので、人畜への安全性に関する情報収集については省略をさせていただいております。
 それから焼酎につきましては、これも主に殺菌の作用を目的として使われている例がありまして、これは泡盛を用いて防除試験を行いました。その結果、全く効果がないというわけではなく、無処理に比べて多少効果はありましたが、50を下回っております。これについても毒性試験などについては実施しておりません。それから資料3-3は牛乳についてですが、これもインターネットの検索でも牛乳を防除に使っているという情報もありますし、都道府県からも多数の情報提供がありましたが、これについても主に使用されているという微小害虫を対象に試験をしたところ、実用的な効果がなかったということでございます。害虫の密度は下がってはいるというデータも一部にございましたが、葉に汚れなども生じて実用的な効果がないと判断されました。それから4つ目はコーヒーの抽出液に関してであり、これもコーヒーの抽出した成分を人が飲んでいる濃度より薄い濃度で実際には散布するということになりますが、これについても効果は確認されませんでした。
 概要は以上になります。

【須藤座長】 それでは環境省の方から。

【小出農薬環境管理室長補佐】 環境省からそれぞれの資材の水産動植物への影響に係る部分について説明をさせていただきます。資料3-1の一番最後のページを見ていただきますと、緑茶の水産動植物への影響に関する文献調査の結果というのが載っております。ここではデータベースを用いまして文献検索を行いました。その結果JOISのデータベースから毒性に関する文献を入手しまして、その試験の概要をこの表-1まとめております。この試験では藍藻それからミジンコ、ヌカエビについてLC50、EC50を求めております。それから緑茶以外の焼酎、牛乳、コーヒーについては、残念ながら文献検索をしました結果、データは出てまいりませんでした。
 以上です。

【須藤座長】 説明はそれまででよろしいですか。3-1から3-4までということで、説明はよろしいですか。まだあるの。

【田雑農薬対策室課長補佐】 ちょっと補足します。以上の結果から、これらの資材については防除価が評価指針で示したレベルを下回っていたということもありまして、事務局としては農薬に該当しないと判断できるのではないかと考えております。

【須藤座長】 今のような結論としてはそういうことでございますが、3-1から3-4までの資料に基づいてそういう結論であるということですが、先生方のご意見を伺います。どうぞ。よろしいですか。ですから特定防除資材に今の緑茶とか焼酎とか牛乳とかコーヒー、これすべて四つともそれでよろしいですね。農水省それでよろしいですね。その四つを含めてということでよろしいですね。牧野委員どうぞ。

【牧野委員】 試験された緑茶とか焼酎、こういうものについては食品となっているわけですけれども、社会通念上いわゆる農薬取締法による農薬には該当しないというふうに思われます。こうした試験を延々と続け、そういうところにコストをかけるよりも、それ以外の重要なところにコストをかけた方がいいんじゃないかというふうに思いますが。

【須藤座長】 よそで試験をするとか、そういう意味ですね。

【牧野委員】 ええ、細かく網羅的にやっていくということは。それは地道でいいかもしれませんけれども、もっとほかに先にやることがたくさんあるんじゃないでしょうか。

【須藤座長】 ありがとうございます。じゃ根岸委員どうぞお願いします。

【根岸委員】 今のお話まさにそのとおりなんですけれども、先ほど木酢液で蒸留していない部分についての防除のデータがないというお話がありましたけれども、木酢液を登録する、しないその話なんていうのは、明日すぐにどうこうという話ではありませんので、まだこれから十分に時間をかけてそういう効果データを出していただければ、その辺りでもってあきらめるなり何なりというふうな点も出るかというふうな気がするんですね。ですからその辺もちょっと農水側なり何なりに検討していただければというふうに考えるんですが。

【須藤座長】 結局拙速しない方がよろしいということですね。

【根岸委員】 そうですね、そんなに急がなくてもいいだろうと。今まで使ってきて特に何か問題が起こったというお話は聞いておりませんし、効かなかったからどうこうという形でもって誰かが暴動を起こしたという話もないでしょうし、効いたというふうな話でもってどの程度のところが効いているのかという話、我々のところまではなかなか伝わってこないという状況もありますので、その辺のところをどこかそういう第三者的な機関でしっかりとデータを出していただければ、バシッと出していただければよろしいんじゃないかというふうな気がいたします。

【須藤座長】 多分そのとおりで、今根岸委員のおっしゃるとおりなんですけれども、もしもさっきの木酢液の蒸留しないのでもよろしいんですけれども、特定防除資材になってなくて、それが農薬として使い続けられたらそれはいけないんですよね。それはいいんですか。特定の防除資材に例えばしばらくしないわけですよね。いろいろ試験がかかるとかいろいろなこともあったり、あるいは我々の議論もまだこれはちょっとというようなこともあるんですが、そういうことが続いている限り、もし農家の方がそれを使った場合には違反ではないんですね。そこはちょっと私は心配だったんです。

【田雑農薬対策室課長補佐】 ええ、そういう状況になります。

【須藤座長】 ですからいいんですね。それはだから使い続けられてももちろんそれは構わないんですね。

【田雑農薬対策室課長補佐】 はい。

【須藤座長】 わかりました。どうぞ。

【山本委員】 ちょっとよろしいですか。いや、そういうことなんですか。私はちょっと法律の解釈がよくわからない。農薬用効果をうたって販売してはいけないんじゃないんですか。

【田雑農薬対策室課長補佐】 そうです。

【山本委員】 それがここで結論が出るまでは今は申請してあるから、その間については構いませんということですか。ちょっとそこのところあいまいにしちゃうとまずいんじゃないの。

【横田農薬対策室長】 明確にします。販売と使用とを明確に分けて考えていただきたいのですが、今のこの特定農薬の合同会合の中で保留されている資材はたくさんあるんですけれども、これはもう薬効も確認できていませんし、ほかのデータもないということで、農家の方が保留資材を自分で農薬として効果があると思って使うと、そういう部分については構わないということです。ただ薬効も何も明らかじゃないのに、これは農薬ですよ、効果がありますよと言って販売することはだめだということになります。このように、販売と使用は明確に違います。

【須藤座長】 山本先生よろしい。僕も理解したのと違うといけない。

【山本委員】 そういうことの理解をしておりましたが、何となくさっきは今の状況で使ってもいいというような雰囲気の答えだったものですから。今も実際に販売されているわけですよね。ケースがあるといったらまずいですけれども、ありそうな感じがしていますけれども。

【横田農薬対策室長】 それが難しいところが、一般に売っているもので農薬として売られていないんですけれども、買ってきた人が何か効きそうだから農薬として使おうという場合、それはもう仕方がないところなんです。ただ売る方は農薬として使われる可能性があるから売ってはいけませんと言ったら、例えばここで緑茶とかコーヒーとか牛乳とか全部売られている中で、牛乳も売っちゃだめ、緑茶も売っちゃだめと言ったら、これはおよそ世間一般の常識からいって反するものなので、そういうところは違いますと。ただ牛乳を、これは農薬でございまして、薬効ございまして、使うといいですよということはちょっとだめですよ、という話でございます。

【須藤座長】 委員の皆さんご理解、上路さんどうぞ。

【上路委員】 今の件じゃなくてもいいですか。

【須藤座長】 いいですよ。今の件はご理解いただいたんですね。

【上路委員】 わかりました。それ以外の緑茶とか焼酎とか牛乳、いわゆる食品関係のものなんですけれども、ほかに今現在いわゆる農業用資材の募集によって、食品として候補に上がっているのは一体どんなものがあるのかというのが一つ。それと今回こういうものが出てほとんど防除価が50を割るということになりますと、薬効自体に十分な効果がないということが。それと食品をそのまま圃場でまいて使うものという形で、いわゆる特定防除資材として認定するのが本当にいいのかどうかというのが非常に疑問になります。

【須藤座長】 食品を、ですね。

【上路委員】 食品そのものについて。幾つ候補があるかわかりませんけれども、食品は特定の防除資材としての候補から外してもいいんではないかというふうに思うのです。

【須藤座長】 食品はね。

【上路委員】 ええ。今上がっている食品の候補自体は。効果が十分ないということと、安全性も食品ですからもう問題がないので、今回の特定防除資材としてのこれ以降の検討をすることがむだでないか。牧野先生の話と同じようですけれども、もう少し効率的に検討を進めるべきではないかなという気がします。

【須藤座長】 はいどうぞ。

【田雑農薬対策室課長補佐】 まだ薬効試験を行っておりませんが、平成14年の調査のときに情報提供があったものについては、ほかに牛乳と似たようなものとして粉ミルクとかヨーグルトとかもありますし、そのほかコーラとか、酒類としては日本酒とか、それから植物油のようなものがオリーブ油、菜種油、大豆油など様々なものがございます。そういったものについて食品そのものとして検討されたものは何があるかということをお出しすることは可能ですので、次回に整理をさせていただければと思います。

【須藤座長】 次回に。今上路委員は食品として我々が食べ飲みしているものについて、そういうものはもう特定防除資材に仮にしないでおきましょうと、こういうご提案なんですよね。ですから一覧表か何かを見せていただいた方がいいのかなという気もしなくはありません。ですのでいいですか、そういうことで。いいですか上路先生。

【上路委員】 はい、そのとおりです。

【須藤座長】 ほかに今のところのご意見ございますか。

【竹内委員】 でも酢はどうなんですか。

【須藤座長】 酢、そうなんだよね。酢は食品なんだよね。ちょうどいい点をご指摘いただきましたよ。そうしたら酢は除くですね。

【竹内委員】 酢は除くということで。

【田雑農薬対策室課長補佐】 酢酸という化学物質を含むようなものと、そうじゃないものというのは分けるかどうかも含めて検討したいと思っています。

【須藤座長】 ですからちょっとそれ整理してみてください。今は牛乳とか緑茶とか出てきたんで、そういうところでそういう話なんだけれども、もう既に酢はやっておるわけですから、ちょっと。そうするとその定義から外れますので、やはりこういうところではきちんと定義をした上でやらないといけないと思いますから、そうしてください。どうぞ牧野委員。

【牧野委員】 先ほどの話と同じですが、やはり例外はある程度あるんじゃないかと思うんです。現在酢が特定防除資材になっています。それからカプサイシンを含むトウガラシ、トウガラシは短期的に効くというふうに聞いておりますので、その辺のところは完全な食材というふうに言いにくいのかもしれませんが、例外を除き基本的には食べ物は特定防除資材にしなくてもいいんじゃないかと思います。

【須藤座長】 原則とするとかね。

【牧野委員】 上路さんと同じ意見です。

【須藤座長】 どうもありがとうございます。それではそういうことでちょっと次回に整理していただけますか。それではよろしいですか。

(了承)

【須藤座長】 それでは今度資料4で、電解次亜塩素酸水の薬効安全性に関する情報収集の結果についてということで、説明をお願いいたします。それでは資料4についてどうぞ事務局。

【田雑農薬対策室課長補佐】 それではご説明いたします。電解次亜塩素酸水につきましては、強電解水協議会という電解水の製造機器をつくるメーカーの協議会の方から資料を提供いただきしまして、不備な点について個別に指摘をしながら今回こういった形で取りまとめさせていただいたところです。この資料につきましては、まだ別途この文献に引用されている資料を事前に委員の先生にお送りしておりまして、それも含めて見ていただいておりますが、それをまとめたものがこの概要ということでございまして、この概要のまとめ方などについては若干不備があり得るとは思っておりますが、現時点で整理をしたものについてまとめさせていただいたものでございます。
 ちょっと時間も押しておりますので、概要だけ簡単に説明をさせていただきたいと思いますが、この電解次亜塩素酸水というのは一般には強酸性電解水とか弱酸性電解水と言われている酸性電解水に該当するものになりまして、既に食品添加物の殺菌料として指定を受けているものでございます。有隔膜、つまり隔膜がある電解槽に塩化カリウムまたは食塩、つまり塩化ナトリウムを入れて電気分解をさせまして、そこでプラスの電極側から精製するものでありまして、主成分は次亜塩素酸、HClOというものでございます。
 この次亜塩素酸水につきましては、資料の目次の次のページに成分や規格が示されていますが、製造方法としては、飲むことができる水に対して0.2%以下になるように塩化カリウムまたは塩化ナトリウムを加えた水溶液を、隔膜のある電解槽内で電気分解して、陽極側で得られる次亜塩素酸を有効成分とする酸性水溶液でありまして、規格としてはpH6.5以下、有効塩素濃度10~60mg/kgというものになるかと思っております。これは食品衛生法の食品添加物に指定を受けたものの規格を引用しておりまして、仮にこれを特定農薬に指定する場合は、このような名前は電解次亜塩素酸水、それから指定の際にはこの製造方法ですとか規格などが入るような形で、それを条件として指定をするというところになるのではないかと思っております。そのデータの概要につきましては、薬効に関する資料についてはキュウリのうどんこ病について防除価を求めておりまして、特定防除資材の評価指針を満たすものとしてはキュウリうどんこ病の2例があるということでございます。
 それから安全性の資料につきましては、薬効試験をやったときに付随して出てくる薬害の情報、それから人畜に対する安全性、水産動植物の安全性などのデータが得られておりまして、人畜に対する安全性については評価指針に定めている試験のほかにも、いろいろ多数のデータが提供されておりまして、いずれもそれほど安全性に問題があるようなデータではないのではないかと考えております。水産動植物に対する安全性についても、指針に定めるもの以上のデータがありますが、これも強い毒性はなかったと考えております。
 簡単ですが以上です。

【須藤座長】 どうもご説明ありがとうございました。これ環境省の方も説明あるんですか。いいんですか。それでここはよろしいですね。そうしたら今の資料4でございます。電解次亜塩素酸水の薬効・安全性に関する評価というか、データについてご質問なりご意見なり賜ればと思います。どうぞ眞柄先生。

【眞柄委員】 いろいろありますけれども、水産生物に関する試験のことですが、水道をやっている人間からいいますと、水道水を金魚の鉢に入れますと、金魚は全部死にます。1ppm以下です。ですからその試験の対象魚がこの2種類では私は少なくとも足りないという認識を持っています。それから食品添加物で次亜塩素酸、あるいは塩素剤が許可されていることは承知していますが、これは洗浄用であります。しかもその食添として認められた段階では次亜塩素酸水の中に不純物として含まれております発がん性が大変強い食品添加物として許可されていたものが使用された臭素酸が入っております。そういう意味で臭素酸についての評価が一切出されていないこの段階では、結論を出すことが私はできないと思います。
 それからもう一つは、今の臭素酸のことを申しますと、原料に使う食塩、あるいはNaClの中の不純物としての臭化物イオンの濃度によって臭素酸の濃度は幾らでも変わります。しかもその濃度が生産された後の時間の経緯とともに臭素酸の濃度も変化しますし、次亜塩素酸から精製する、これも有害な物質でありますが、亜塩素酸と塩素酸の濃度も変化いたします。この亜塩素酸と塩素酸についての記述が、今回私どもに提供された資料については一切記載をされておりませんので、それについても資料を提供された上で判断をしたいというふうに考えています。それから先ほど農水省の方からご紹介がありましたように、装置の種類によって塩素の濃度も変わりますし、不純物の濃度も変わります。という意味で特定防除資材としてこれをもし採用したとしたときに、それ以外の今この申請を出された何社か以外の方でも、電解法によって次亜塩素酸を精製することは可能であります。
 それがどういう扱いになるか、これは農水省の方の判断をいただきたいと思いますが、つくり方は幾らでもありますので、そういう意味では電解次亜塩素酸水という名称、一般名称でありますので、この一般名称をもって特定防除資材とすることは可能だと思いますが、しかもそれに加えてこの装置をということになりますと、いわゆる違う言い方ですれば農薬の製造方法が変わっていても、ある種の有効成分であればそれがいいというのが今までのルールなわけですから、今回は製造方法まである意味では規定することになりますので、随分従来のやり方とは変わったものをここで認めるか認めないかという審議になりますので、そこについては農水省の方から明快なご判断をいただきたいということであります。大きく言いますと、要するに不純物に関することと、それから防除資材として認めるルールに特定の製造方法を規定することが可能であるかどうかという2点であります。

【須藤座長】 どうもありがとうございます。臭素酸等のそういう不純物を精製する、それがほとんどこの資料の中に評価がなされていないというようなことで、そっちの問題は後で調べていただくか、ここに出されたことにしていただくか、あるいは今ご説明いただくか、それはお願いをしますが、2番目の問題、今お答えできますか。製造方法等を含めた今のようなルールですよね。それも次回送りでよろしいですか。どうぞお答えください。

【田雑農薬対策室課長補佐】 この場でそういったことが可能かどうかということについては、製造方法を規定することで指定するということは可能だと思いますが、おっしゃられたように製造装置の型番を決めるとか、そういった条件をつけることは難しいと思っております。従いまして、実質的に安全性が担保される形で指定のときの条件を決めるということは、ある程度はできると思っておりますが、それをどういった条件で決めるかというのは、この場も含めてご検討いただく必要があるのではないかと思っております。

【眞柄委員】 安全性ですが、要するにいわゆる化学物質の安全性評価だけではなくて、電解次亜の製造装置はここに書いてありますように水素が発生します。現に水道の施設で電解法を採用しているところで水素爆発を起こしたことがあります。これは施設内利用でありますので、条件によっては水素による防爆がどうなっているかということも、これは安全の範囲に入るのか入らないのかどちらですか。

【須藤座長】 それは爆発するんだからあれでしょう。

【田雑農薬対策室課長補佐】 これは製造時のものなので、今回指定の可否を判断する安全性の項目には入らないと思います。

【眞柄委員】 いいですか。装置を決めてやると。これは電解で要するに施設内の現場に装置をつけてこれ千三百何十台入っています。多分そういう使い方がほとんどだと思いますが、その場で食塩なり岩塩なり入れて水を入れて電解して次亜を発生させるわけですね。片側の極側から水素が出ているわけです。その水素がもちろん爆発しないようにこのメーカーさんはそういうことをお考えになっていらっしゃるでしょうが、そういうことまで要するに装置も安全ということになると、それを使う農家の方の安全も考えなきゃいけないわけですよ。先ほどのあれでホルムアルデヒドがハウスの中で何ppmだという話もあったわけですから、そういうところはこの防除資材の判断をするときに入れるのか入れないのか、それはもう装置の方のメンテの問題なり、あるいは製造メーカーの問題、PLの問題であって、我々のこの委員会の議論の範疇の外だというふうな理解か、どちらですか。

【田雑農薬対策室課長補佐】 これは特定防除資材に指定する際に判断する安全性という観点では、装置から発生する水素ガスの爆発の可能性というのは、議論の対象外だと思いますが、これは仮に指定されて実際に使われる際に、指定した農水省と環境省の責任として、安全対策を講じる必要があるという場合は政策的にあり得ますので、別途それについて情報提供なり指導をしていく必要はあると思います。つまりこの会議での議論とは切り離して、必要があれば対策を講じるべき問題だと思います。

【眞柄委員】 わかりました。

【須藤座長】 じゃ2番目の問題は、もし仮になったらそういう措置であるということでよろしいですね。では1番目の臭素酸等の問題です。不純物の。

【田雑農薬対策室課長補佐】 1番目の問題につきましては、この資料におっしゃるとおりそういったデータが入っておりませんので、こちらも電解水協議会の方に問い合わせて若干データをいただいております。分析の結果非常に低いレベルだったということはいただいておるのですが、今日、電解水協議会の方来ておりますので、ちょっと補足的な説明をお願いしたいと思いますが。

【須藤座長】 いいですか、先生。はいどうぞ。

【眞柄委員】 データは多分とっておられるだろうというのは承知していますが、原料塩の種類によって大変違います。それから電解時の、要するに電解条件によっても変わってきます。従ってデータをご提供いただく場合には、その条件をきちんと付記して提供していただきたいと思いますので、お願いいたします。

【須藤座長】 ということですから、ここで今すぐというんじゃなくてよろしいですよね。

【眞柄委員】 はい。

【須藤座長】 私も余りここですぐに何が何ppmというのも不適切だと思うので、次回に今の先生がおっしゃったような条件を加えて、資料として提供していただいて審議をするということでよろしいように思うんですが、いかがですか。

【眞柄委員】 それで、加えて先ほどのホルムアルデヒドと同じように、井上先生なりあるいは櫻井先生なり、その不純物に対するご意見をつけていただきたいと思います。特に臭素酸につきましては、安藤先生あれですけれども、黒川先生が。

【須藤座長】 黒川先生、ここの委員ですよね。

【眞柄委員】 かつて委員、今は違います。

【須藤座長】 今は違うんですね。

【眞柄委員】 かつては委員で、黒川先生がご専門で出された動物実験結果が国際的にも採用されている情報でありますので、そういう意味では。

【須藤座長】 それはデータとして出していただく。

【眞柄委員】 はい。そういう意味ではぜひ専門家の先生方のご判断をいただいた上で評価をさせていただきたいと思います。

【須藤座長】 どうぞ、どちら。安藤委員どうぞ。

【安藤委員】 今眞柄先生がおっしゃったことと全く同じなんですが、最後の臭素酸のお話ですけれども、結局この木酢液と同じで、その成分を変えるとまた当然臭素酸の量は変わってしまうわけです。だから同じようなことが起こってしまうということです。つまり最初の製品はそれは確かに臭素酸は少なくなりますよとおっしゃるでしょうけれども、その次に使うのは安いものを使うと簡単にできますよ、こういうふうになるわけですから、安いものということは当然臭素酸がいっぱい入っているものになってしまうだろうなという気がします。そういうことからすると、なかなかやはり慎重に考えなきゃいけないなというふうに思います。

【須藤座長】 どうもありがとうございます。ほかに総合的なご意見としてよろしいですか。じゃどうぞ中村委員。

【中村委員】 次亜塩素酸関係なんですけれども、これ実際に登録農薬、今登録あるかどうかわからないんですけれども、次亜塩素酸化合物で登録のあるものが確かあると思うんです。その効果本体で行くと本質的に同じものだと思うんですけれども、この特定農薬という場合に成分的なもので規定しているのか、それともこの場合は多分水を電気分解して、安全なものでやっているからということで特定農薬として認めようということなんだろうと思うんですけれども、その辺の規定というのは何かあるんでしょうか。

【須藤座長】 ご質問なので、どうぞお答えください。

【田雑農薬対策室課長補佐】 このように、含有成分などの条件を指定の際に規定する必要がある可能性があるものは、具体的なものについてこの資材と木酢液のようなものがはじめて具体的に検討されるものと言えますが、現時点では有効塩素濃度は規定する必要があると思っておりまして、さらにそのほかの不純物についてもどの程度レベル以下ということを規定することを条件にして、指定するということはあり得るとは思います。それから、かつて、次亜塩素酸化合物については、ナトリウムだと思いますけれども、過去に登録農薬がありますが、現在は失効しておりまして、ありません。

【須藤座長】 ですから同じようなものが両方に入っているということはないんですね。わかりました。ほかはよろしいですか。若林委員、それから牧野委員で行きましょう。

【若林委員】 先ほど眞柄先生が水道水の中に魚を入れれば死ぬというお話ありましたよね。この化学形態がどうなのかちょっとわからないんですけれども、プールの水と同じぐらいの濃度だねとこの間環境省の方がおっしゃったんですけれども、15~6年前私が行政にいたときは、魚の浮上事故の原因のかなりの多くのあれがプールの排水をちゃんと排口を処理しないで出してしまったというようなことで聞いています。今回使う使用例みたいの中の使い方だったら安全なんですけれども、同じことにも何度も言って申しわけないんですけれども、田んぼにまくようなことがあるとすると、その田んぼの中のえらを持っている生物はやられてしまいますし、それが排水したときの影響も心配です。

【須藤座長】 要するに水生生物の影響がかなりあり得るのではないかと、こういうことですね。ほかにいかがでございますか。じゃすみません、牧野委員どうぞ。

【牧野委員】 薬効についてですけれども、キュウリのうどんこ病を中心にやられているんですが、4例か5例ございまして防除価が50を超えているのが一つしかなくて、全体に効果が高くないですね。それからキュウリの炭疽病をおやりになっているんですが、これもやはり50を超えていない。そういうようなことで、全体に見ると防除価が50を超えるという決めた基準がクリアされていないというふうに思うんですけれども、その辺は効果を高める方法とかそういうのは、メーカーの方はお考えになっているんでしょうか。

【須藤座長】 それはお答えにくいかもしれませんが、どうぞ。50で一つしかないし、あるいはぎりぎりじゃないですかということで、高められる方法があるんですかというご質問です。

【田雑農薬対策室課長補佐】 効果を高める方法はちょっとデータを持ち合わせておりません。薬効について防除価が50を超えたものは2例はあると見なせると考えておりますが、薬効がないというデータもありますので、薬効が弱い資材であるのは間違いないと思います。

【須藤座長】 ほか、総合的にいかがでしょうか。全体としてよろしいですか。それじゃ細見先生。

【細見委員】 これは眞柄先生に聞かないといけないかもしれませんが、水の中に有機物が含まれていたりすると、これは隔膜を使わなくても電気分解すると塩素が出て、非意図的な生成物もできるかもしれないということは考えられますので、そういう問題についてどこまで情報が得られているのかということをお願いしたいのと、もしこれ隔膜がなくて電気分解やっても同じような結果がほぼ得られるのではないかと私は思うんですけれども、そうしたときに今回の申請とまた違った扱いになるんでしょうか。

【田雑農薬対策室課長補佐】 隔膜なしで製造された電解水についても、特定防除資材に指定できるのではないかということで、当方に関係の業者の方が相談に来ているという事実はありますが、情報がそろわないとこの合同会合の場でまだ検討するには至りませんので、別の資材として情報収集なり検討をしている状況でございます。それから非意図的生成物については、事前にお送りした資料の中で若干トリハロメタンなどの測定がされているものがございますが、そういったものについてのデータをもっと充実させるということであれば、検討を行ってまいりたいと思っております。

【須藤座長】 それも水の中の有機物によって違いますよね。ですから今細見さんが言われるとおりなので、どういう水かによっても変わりますよね。ほかはいいですか。どうぞ。

【眞柄委員】 せっかくですから、どこまで厳しく考えるかということだと思うんです。それでせめて日本の水道法で定める水質基準に入っている消毒生成物か、あるいはWHOで決めているガイドラインの中の非意図生成物までは検討していただいた方が、実際に防除資材として認められたときに農業で使われる方も国民の方も安心するだろうというふうに思います。ただ私は大きな懸念を持っているのは、この塩素というのは大変反応性が強い酸化剤です。反応性が強い酸化剤というのは何ができるかわからないというのが今は化学水準ですので、ですから言うなれば次亜塩素酸を使って野菜の洗浄剤に使うとか、あるいは医療用に手とか指とかを洗うというのとはちょっと性質が違うので、そういう意味では使うときの指示も含めて安全性評価をもう少し考えて、あるいは考えるに足るような資料をぜひつけて出していただきたいなと思います。

【須藤座長】 ありがとうございます。よろしいですか。

(なし)

【須藤座長】 おおむね先ほどと同じように食品安全委員会に諮問する段階ではまだないという判断ができますので、特に安全性の問題については何人かの先生からご指摘をいただきました。ということで、そのデータをさらに収集あるいは提供いただいて、再度これについては審議をしたいと思いますので、継続審議にさせていただきます。どうもありがとうございました。
 それではその次がその他にございます。混合物の取扱いについてということで、資料5におまとめをいただいています。それではどうぞ農水省の方、ご説明お願いします。

【田雑農薬対策室課長補佐】 資料5につきましては、今年2月の特定農薬合同会合で「複数の原材料からなる混合物」の取扱いについてご検討をいただきまして、その結果、おおむね合意が得られましたが、一部、細部についてご意見をいただきまして、それについては本山先生と須藤先生の両座長に修正を一任するということでご了解をいただいたところでございます。
 その案というのは、この資料5の2枚目にあります案2についてですが、「原則として混合物は指定の対象とはしないが、すべての原材料について、その安全性が各々確認されており、かつそれらを混合した混合物としての薬効が確認された場合にあっては、当該混合物を特定防除資材の指定の対象とすることとする。その場合は原材料の混合割合は規定しない。」とありまして、この「なお」以下ですが、これについてご確認いただいた上で方向として決定させていただいたものです。「なお、混合物としての安全性については、混合による化学変化の可能性がある場合等必要に応じ確認を行うこととする。」ということで、今後複数の原材料からなる混合物の取扱いについては、この案2の修正案を基本として考えていくということとしたいと思います。
 このほかについては、前回つけた参考資料と同じですので、省略させていただきます。

【須藤座長】 ありがとうございます。何かご質問ございますでしょうか。

(なし)

【須藤座長】 よろしいですか。それでは混合物の取り扱いは本山先生と私にお任せをいただいたので、今のようなことで整理をさせていただきました。
 それでは続いてまだ資料はありますよね。残りの資料についてご説明をいただきたいと思いますが、どうぞ順番にお願いします。

【田雑農薬対策室課長補佐】 それでは資料6について説明させていただきます。農薬と混合して使用される糖類等の取扱いについてということでございます。農薬と混合して使用される糖類というのも、この特定農薬の関連で取扱いについて方向が出ていなかったものの一つでございます。これについては平成14年の法改正の際の情報の募集で、砂糖やブドウ糖類等の糖類を、殺虫剤や殺菌剤、主に殺虫剤ですが、これらの登録農薬と混合して使用しているという情報が寄せられております。またそのほかにも、雑誌の記事として紹介されているものもありまして、実際に使われていると思われるものですとか、農薬かどうかの判断がどうなるのかということについて照会がなされた類似の資材がありまして、こういったものの情報を別紙のとおり取りまとめております。
 資料を1ページめくっていただきまして、農薬に混合して用いられる糖類等に関する情報ということで、都道府県などから提供があったものをそのまま引用して取りまとめております。使われているものは砂糖のようなものですが、主に微小害虫と言われるアザミウマですとかダニとかハダニとかアブラムシ類など小さい害虫に対して使われているようなもので、殺虫剤に加えることで殺虫効果が高まるということで、一部の農家で使われているようでございます。自家製と思われるのがこの上の4つで、その他としては、サトウキビの絞り汁を煮詰めている途中の液体が、これは必ずしも害虫防除効果の増強だけを目的にして使われているものではないんですが、殺虫剤などにまぜて使っているということがございます。それから一番下のものについては、野菜などの植物の抽出物と糖類を原料として、殺虫剤と混合して散布するもので、これについても農薬の効果が高まるというものがございました。
  前のページに戻っていただきますと、これらの資材に共通する特徴としては、病害虫の防除効果の増強などを目的として登録農薬に混合して使用されるもので、登録農薬自体の使用方法としては適正な使用方法はもちろん守っておりますが、その糖類自体には病害虫防除効果はないと考えられます。糖類というのは、昆虫が植物を食べる行為である摂食を刺激する効果があるということが広く確認されておりまして、これらの糖類が害虫の防除効果を増強するということについては、我々の方では試験などはしておりませんが、そういった研究自体は多数行われております。これらのことから、糖類が、殺虫剤の忌避作用を緩和して殺虫剤のかかった農作物を食べることを促すことで効果を増強することが推測されます。また、実際にこういった目的で登録農薬にはじめからまぜられているものもあると聞いております。2番目については、砂糖やブドウ糖など糖類が主成分になります。そのほかにも植物の成分が加えられている場合もありますが、基本的には食品として取り扱われるような物質が用いられているということのようです。
 この農薬と混合して使用される糖類というのは、今までは単独で防除に使われるものしか検討していなかったもので、これらとはちょっと違うものになりますが、これらについては直接防除効果を生ずるものでないということで、実際に今の特定農薬の評価指針に照らして、特定農薬とすることは困難だと考えております。したがって農薬と混合して使用される糖類については、農薬取締法上は農薬に該当しないものとして取り扱うこととしてはどうか考えております。
以上です。

【須藤座長】どうもありがとうございました。結論は今のところで、要するに農薬取締法上の農薬に該当しないということでよろしゅうございますか。じゃどうぞお願いします。

【花井委員】 この表の一番下の「野菜等の植物の抽出物と」と書いてあるんですけど、これは今特定防除資材で保留になっている抽出液とは全く違うものですか。

【田雑農薬対策室課長補佐】 それにも該当するとは言えます。実際に何を使っているかは我々としては情報を持っていませんが、一般にいろいろな植物の抽出液については特定農薬の指定が保留されているものになります。

【花井委員】 入っていますか。

【須藤座長】 花井委員、それでよろしいですか。

【花井委員】 中身はわかったんですけど、それでいいのかなという。

【須藤座長】 いいのかなという疑問ですね。

【花井委員】 はい。

【須藤座長】 それでは根岸委員どうぞ。

【根岸委員】 ちょっと聞いたお話なんですけれども、やはり今の植物の抽出成分みたいなものですね。こういうものをさらにまた発酵されるような形で使っているというふうな、そんなふうな話もちょっと聞いたことがあるんです。こんなふうものを果たしてどういうふうに見ていくか。これもやはり農薬でないというふうに見ていってよろしいんでしょうか。

【須藤座長】 さあ難しい質問ですけれども。

【田雑農薬対策室課長補佐】 例えば圃場なりハウスなり全体に散布するような形で使っているというものではどうもないようです。

【横田農薬対策室長】 我々の方にも情報が入っていまして、まさに糖分、抽出したものに糖を加えて発酵させて使うときに、2種類の使い方があるようなんですけれども、一つはそれをえさみたいにして置いておけば当然発酵して腐っているわけですから、そこに虫が寄ってきて、上にハエ取り紙みたいなのを置いておけば、そこにぺたぺたくっつくと。これは場合によったら、例えばバナナとかを置いておいて、腐ったらそこに虫が寄ってきて、ハエ取り紙にくっつくと、これは下に置いているやつが農薬ですかと言われると、いろいろな抽出液を発酵させているかもしれませんけれども、実際にはばらまいているわけでもないし、虫は実際には上のハエ取り紙にぺたぺたくっつくんであれば、物理的防除に近いようなものなんで、あえて農薬というと逆に笑われるのかなという気がしております。
 もう一つは、同じようなものを今度は農薬の中に入れて散布する。砂糖なんかですとまさに食品を入れてまくわけですから、それはちょっと違うと思うんですが、抽出液でさらに発酵させたものを農薬に入れてまくとなると、これは我々の方としてもグレーゾーンなのか黒なのか、ちょっとなかなか判断しかねる面がありまして、中身をよく見た上で指導をしていく必要があるのかなと思っております。そういう意味で、さっき話が出てきた分は、上の方はまさに砂糖を使うとかいう話であれば、えさ成分が入っているんでたまたま食べやすくなって、ついでに農薬も一緒に食ってしまって死ぬというのであれば、ちょっと農薬とは違うと思うんですが、発酵させたようなものを入れてその効果が出て、それによって農薬の増強効果を高める、登録農薬の効果を高めるという形になると、少し扱いが違うかなという感じがしています。トラップ的なものはちょっと、まさにえさなんで、農薬と言い切れない、防除効果は何かといったらトラップというのならば、これはあえて農薬だと言う必要はないんじゃないかというふうに考えております。

【根岸委員】 ゴキブリの、真ん中に置いてあるああいうえさみたいなやつですね、あれもどちらかというとそういうふうな感じというふうにとらえてよろしいんでしょうか。ゴキブリのトラップがありますね。

【横田農薬対策室長】 例えば食品なんかを置いておくと当然発酵をしてくるんですけれども、では発酵した食品を置いたら農薬なのか、では発酵前の食品を置いて勝手に発酵したら農薬なのか、ではその発酵したものから抽出しておいたら農薬なのか、そこについては、もともと食品のものが発酵してしまっているようなものを置くのであれば、これは農薬として言う必要はないんじゃないかと思います。ただ例えばフェロモンのように化学合成してある特定の害虫をねらってやるというのなら、これはフェロモン自体農薬登録の実績もあるわけですから、農薬として扱う必要があるのかな。そういう意味である一線を引くべきではないかなというふうに考えております。

【須藤座長】 ほかよろしいですか。そうしたらここの部分は原案どおりにさせていただきます。
 まだ残った資料7、8とありますかね。それでは続けてやってください。

【田雑農薬対策室課長補佐】 資料7については、農水省の方から説明させていただきます。

【須藤座長】 8は違うんですね。じゃ先に7へ行きましょう。すみません。

【田雑農薬対策室課長補佐】 特定防除資材を販売する際の表示義務というのは、農薬取締法上課せられてはおりません。しかしながら、これまでの特定農薬合同会合でもご意見がありましたが、これらが販売される場合は何らかの表示がなされることが望ましいというご意見もありまして、さきの第7回農業資材審議会農薬分科会で特定防除資材の表示の指導についての方向を提示しまして、その場では了承をいただいたところでございます。
 それで現在、食酢が特定防除資材として実際に販売されているような事例が生じていることもありまして、以前了解をいただいたような方向を具体化する必要があると考えまして、この指導については以下のような方針で実施することとしたいと考えております。その次のページにあるのが第7回の農薬分科会の資料で提示させていただいたものでございまして、基本的に今回整理したものはこれを踏まえたものでございます。指導の対象としましては、特定防除資材に指定された重曹とか食酢というものがありますが、これを知り合いに譲渡する場合に表示をさせるというのは、ちょっと無理がありますので、営利目的に不特定多数の者に対して販売する者を、販売される者または販売する製品を対象とすると考えております。表示の場所はもちろん容器または包装ということになって、これは農薬と同じでございます。
 それから表示の内容と方法については、下の[1]から[9]にあるようなものを考えておりまして、読みやすい字体及び大きさでなされることとしたいと思っております。特定防除資材であることということについては、これは使用する人、またはそれを買う人が認識していただく必要があるので入っておりますし、もちろん防除資材名というのは必要だと考えております。そのほか原材料とか有効成分、それから内容量などについては、当然製品として持っていなければならないような要件だと思いますが、そのほか使用方法、使用上の注意、または製造、販売者の連絡先などが必要なのではないかと思っております。また容器または包装の指導とあわせて、パンフレットとかチラシとかホームページにより行われる宣伝などについても、必要に応じて指導を行うこととしたいと考えております。
  この表示の位置づけですが、登録農薬と違いまして、使用者がこの表示をどうしても守らなければならないというようなルールにすることは難しいと考えております。販売されるものについては業者に対してこういったルールにしておりますので、表示はこれを踏まえた上で表示をしてくださいという指導をするということになりますが、これを買った人がこれをこの目的とか使用方法を守らなかったから、それは法律に違反するかというと、特定農薬の法律上の規定からそれは難しいと考えております。
 以上です。

【須藤座長】 どうもありがとうございました。何か今の表示のことについてご質問ございますでしょうか。

(なし)

【須藤座長】 これはもう前回も1度審議をしていますよね。じゃこのとおりにしていただきたいと思います。お願いいたします。
 それでは次が資料8、これは環境省の方ですね。お願いします。

【小出農薬環境管理室長補佐】 資料8ですが、これは今回審議でやるものではなくて、現在こういうことを検討しております、ついては今後の合同会合でご審議いただきますのでよろしくお願いしますというお知らせでございます。
 特定防除資材における魚毒性の判定基準は、現在は昨年3月1日に定められました評価指針に基づいて、コイの48時間後の半数致死濃度が10ppmを超え、かつミジンコに対する3時間後の半数致死濃度が0.5ppmを超えることとなっております。しかしながら今年の4月に水産動植物被害防止に係る登録保留基準が施行されました。ここでは「魚類の毒性についてはコイ又はヒメダカ等の96時間後のLC50、甲殻類の毒性についてはオオミジンコ等の48時間後のEC50を用いて判定する」ということに統一されました。そこで特定防除資材におきましても魚毒性の判定に用いるエンドポイント、それから判定基準について見直しする必要があると考えておりまして、現在その検討を進めております。これにつきましては次回以降の合同会合でご議論いただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 以上です。

【須藤座長】 どうもありがとうございました。ただいまの資料8について、今の段階で何かご質問ございますでしょうか。次回以降、またこれについては審議があるそうでございます。よろしゅうございましょうか。何か。

(なし)

【須藤座長】 それでは今日は大変時間も予定よりも少し経過をしたかもしれませんが、一通り説明をいただいたし、先生からご意見、一番重要な部分の二つについてはすべて継続審議で、事務局に大変負担もお預けをいたしましたが、目的に沿ってどうぞ適切な資料の作成をお願いをしたいと思います。
 それでは事務局から、何かありますでしょうか。

【鈴木農薬環境管理室長】 本日のご議論を踏まえまして、継続審議とされた部分につきましてはまた私ども環境省と農水省でご相談しながら、データの整理を含めましてまた再度この合同会合にかけていきたいというふうに考えております。また次回の会合につきましては、改めて日程調整をさせていただきたいと思っておりますので、また追ってご連絡を差し上げたいと思います。そのほかは特にございません。座長、最後よろしくお願いいたします。

【須藤座長】 どうもありがとうございました。それでは最後に私から、本日の資料の取り扱いについて説明しておきたいと思います。
 本日お配りした資料は、公開することにより公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがある資料や、特定の者に不当な利益もしくは不利益をもたらすおそれがあるものに該当しないことから、すべて公開とさせていただきます。また、今回の議事録につきましては、事務局で調整後、出席委員の明示の了承を得まして、公開にかかわる部分は発言者の氏名をあわせて公開となります。事務局案ができましたら、確認等よろしくお願いいたします。
 それでは進行を事務局にお返しいたします。

【鈴木農薬環境管理室長】 どうも本日は長時間にわたり、ありがとうございました。これをもちまして合同会合を閉会させていただきます。
 どうもありがとうございました。