中央環境審議会土壌農薬部会 土壌汚染技術基準等専門委員会(第1回)

日時

平成14年7月5日(金)10:00~12:20

場所

東条インペリアルパレス(2階)

出席委員

委員長
委員
臨時委員
 村岡 浩爾
 浅野 直人
 大塚  直
 櫻井 治彦
 中杉 修身
 福島 徹二
 眞柄 泰基
 森田 昌敏
専門委員  佐藤 洋
 鈴木 規之
 冨永 衞
 平田 建正
 細見 正明
 三木 博史

委員以外の出席者

環境省: 環境管理局長、水環境部長、水環境部企画課長、土壌環境課長、地下水・地盤環境室長、事務局
オブザーバー:関係省庁等
その他:一般傍聴者(公募による)

議題

(1)専門委員会における調査審議内容及び今後の進め方
(2)土壌汚染対策法に係る技術的事項について

配布資料

資料1-1 中央環境審議会土壌農薬部会土壌汚染技術基準等専門委員会委員名簿
資料1-2土壌汚染対策法に係る技術的事項について(諮問書及び付議書(写))
資料1-3中央環境審議会土壌農薬部会の専門委員会の設置について
資料1-4専門委員会における調査審議内容及び今後の進め方
資料1-5土壌汚染対策法に係る技術的事項(I)
参考資料1-1 「土壌の直接摂取によるリスク評価等について」(平成13年8月土壌の含有量リスク評価検討会報告書)
参考資料1-2 「今後の土壌環境保全対策の在り方について」(平成14年1月 中央環境審議会答申)
参考資料1-3土壌汚染対策法の概要
参考資料1-4土壌汚染対策法

議事

(1)開会
(2)挨拶(水環境部長挨拶)
(3)委員の紹介、事務局の紹介、配付資料の確認
(4)議題 第1回専門委員会における審議内容及び今後の進め方

(村岡委員長)
この専門委員会は、7月2日に開催された中央環境審議会の土壌農薬部会において設置されたものである。ここでは土壌汚染対策法に係る技術的事項について、調査審議を行うことになっている。同日づけで部会長より指名をいただいたので、私が委員長を務めさせていただく。委員の皆様方には、色々と御協力よろしくお願いしたい。
それでは、議事に沿って審議を続けていきたい。専門委員会における審議内容及び今後の進め方を議題とする。事務局から、御説明願いたい。   

(事務局) (資料1-2、1-3、1-4に基づき説明)    

(村岡委員長)
本委員会の公開の取り扱いについては、公開することにより、公正化かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがある場合、または特定の者に不当な利益もしくは不利益をもたらすおそれのある場合に、一部非公開とすることがあり得るが、原則として、会議及び会議資料は公開、会議録及び議事要旨は公開ということで、公開性を高めてまいりたい。
これまでの説明内容について、何か御意見等はあるか。     

(異議なし)   

(村岡委員長)
無いようなので、本日の委員会よりこのようにさせていただく。
それでは、次の議題、土壌汚染対策法に係る技術的事項について事務局から資料を御説明願う。   

(事務局) (参考資料1-3、資料1-4及び1-5に基づき説明)   

(村岡委員長)
それでは、土壌汚染対策法に係る技術的事項について議論をしていただく。この委員会で議論すべき7つの事項のうち、今日は6つの事項について討議いただく。
議論の進め方であるが、
1-5-1特定有害物質
1-5-2土壌汚染状況調査の方法
1-5-3指定区域台帳に記載する調査方法に関する事項
1-5-4汚染の除去等の措置の実施に関する技術的基準
1-5-5土地の形質の変更の施行方法に係る基準
1-5-6その他、技術的検討が必要な事項
まで順次御意見をいただく。それでは、1-5-1特定有害物質について、何か御意見はあるか。   

(浅野委員)
この部分の説明で、まず地下水等の摂取によるリスクの観点からの土壌環境基準の対象項目を挙げた上で、そのうち人が直接摂取する可能性があるものとして重金属等を拾っている。しかし銅は落ちるということは、銅による土壌汚染に関しては、これを特定有害物質からは外すという理解をしてよろしいか。   

(事務局)
御指摘のとおりである。   

(浅野委員)
事の良し悪しは、私は判断できない。専門の先生方がお考えいただいて、それに従う。   

(村岡委員長)
専門の先生方で、何かこれに関連する御意見はあるか。   

(眞柄委員)
土壌汚染に係る環境基準というのがあるわけだが、今後、この環境基準の対象項目が追加されるということがあった場合には、一度、措置等がなされ、指定区域からはずされた場合であっても、再度、御説明があったような調査を実施させるという可能性があるという理解でよろしいか。   

(事務局)
御指摘のとおりである。措置の中身によっては、例えば封じ込めとか、舗装みたいなものであれば全てに対応できるが、場合によっては調査をやっていただくことはあり得ると思う。   

(村岡委員長)
他に無ければ、特定有害物質の考え方については、案のとおりで御了承いただいたものとします。
それでは、2番目の土壌汚染状況調査の方法について御議論いただきたい。   

(森田委員)
飲用利用等がある場合とそうでないというところで、少し議論の余地があるような感じがする。例えば、ある土地の隣の住民が突如井戸を掘って飲用するというような主張をした場合に、それを飲用利用等がある地域と考えるようなことが起こり得るか。   

(事務局)
そこは、今の地下水の浄化措置命令の運用にも関わるところであり、なかなか難しいところである。地下水の浄化措置命令を導入した際のものの考え方としては、そこで水道が100%引かれている場合であっても、従来から常用として地下水を飲用利用等している場合、いきなり意図的に個人が突然井戸を掘って飲用するということではそのようには解釈せず、昔から一帯として水道と併用して地下水を使っているという場合に飲用利用等がある地域であると解釈させていただいている。個別の判断はそこはなかなか難しい。要するに、意図的に井戸を掘ってどうこうというのではないのではないかと考えている。   

(浅野委員)
今のような説明では不十分ではないか。飲用利用等がある可能性がある場合としてどこで線を引くかというのは、ケース・バイ・ケースで決められることになろう。ここで基準を設けて1kmでいいといっても、自治体は様々な事情からこれに従うと言えなくなって上乗せの話をせざるを得なくなるのではないか。範囲を相当の範囲まで考えざるを得ないとなると、突然井戸を掘り始めて、ここで地下水を飲用に使おうと言い始める人がいないとは言えない。水濁法は現実に汚染が存在することが前提になっていて措置命令をかけていくわけだから、ある意味では分けて議論ができる。ところが、こっち側は調査を命じることになるわけだから、過去の被害を問題にする場合とは事情がちがう。
そうすると、これをケース・バイ・ケースで片づけるのはまずい。やはり、どこかの基準値的な考え方をとっておくべきである。例えば、訴訟が始まると登記簿で予告登記をするわけである。予告登記をすると、あとはその土地を買った人が訴訟の結果によっては不利になるというのは当たり前だということになっている。それ自体直接の法的効力はないが、予告登記があるわけである。何か調査を始めるということが分かったら、その調査を始めるということが何らかの形で公になるようにしておいて、その段階以降に井戸を掘ってもだめだというぐらいにでもしておかないと、混乱するのではないか。何か上手な仕掛けを考えた方がいい。

(冨永委員)
飲用利用等がある場合に既に汚染がその場にあるとした場合、数百mから数kmという表現があるが、実際にはどの程度に設定するというのを何も決めなくていいのか。
それから、汚染した場合に具体的な取り組みというか、地下水の浄化対策というか、措置をどうしなさいという対策まで盛り込まなくていいのか。それはそれで全く関係ない地下水の対策としてやるのか。飲用利用されているけれども、汚染がない場合に対してはどうするのか。何kmまで見ていくのか。実際にどのくらいまでそれぞれのところで汚染がある場合、ない場合で調査するのか。それを台帳にどうやって記入するか、台帳にどういう表現をするか、もう少しそれを具体的に明記するべきではないか。   

(事務局)
一律に一定の範囲を示すのは非常に難しい。一応の範囲としては数百から数kmぐらいであるが、地質の状況等によって相当変わり得るのではないか。ここでは、到達し得る一定の範囲というところまでは言葉としては書けるが、一律の数字を書くのはなかなか厳しい。そこで資料として、実際にこれまでの状態としてどのくらいまで基準を超えたようなものがあるのかというのをお示しした。これでも相当にばらつきはある。
もう一方で、それだけでは十分ではないのではないかということで、シミュレーションも試みてお示ししている。ただ、それも状態によっては相当変わり得る。その辺を御議論いただければありがたい。   

(村岡委員長)
事務局の御意見のように、現実には地下水の状況ということに関わって、どれぐらいその汚染範囲を設定すればいいのかについては、はっきりした数字が指定できないというのが事実であろう。しかし、これまでの汚染の状況をまとめた結果やシミュレーション結果があるわけで、そういった関係に御専門として近い方の御意見を聞きたい。   

(中杉委員)
実際に汚染の色々な事例を見ると、非常に幅広いので、実際には地下水の透水係数みたいなもので比較して、透水係数の大きいところがというか、流れやすいところが広がるかというと、必ずしもそうではない。そこら辺がはっきりすれば、また何か考えようがある。
それともう一つ大きな要素は、揮発性有機化合物については分解するので、分解をしやすいところとしにくいところで随分やはり違いがあるような感じがする。ある時点では2kmぐらいだったのが6年後になるともう1kmぐらい先に汚染がのびているという事例があって、そこは分解が非常に悪いというところであった。そういう意味でいくと、この結果から確定はできないのだろう。安全率を見てしまえば一番遠いところで10kmを超えるというところであるのだが、そこまでしてしまうとかなり範囲が拡がってしまう。   

(三木委員)
それに対して、私は違和感はない。土壌溶出量をベースにする土壌環境基準は、地下水経由の摂取のリスクにかかる基準なので、まずそういうおそれがないかということで、土地の表層から調査をして、それで発見されない場合は深い調査をする。それでも見つからないという場合でも周辺の井戸、あるいは地下水から汚染が出ているときには、ダブルチェックをするのだという精神で読みとった。だから、非常にクリアで正しいと思って調査したけれども、土壌環境基準を超えていなかった、しかし地下水は汚染されているからもっと詳細に調査すべきだ、という心得だと読めばあまりむだがないのではないか。   

(浅野委員)
他にもこのような問題が出てくる可能性がある。この法律をつくる段階以前の議論でもあったことで、極めて悩ましい問題である。できるだけ状況に応じて弾力的に扱っていってむだなことはやめよう、というのが法律をつくるときの議論であった。決して、一律に線を決めてやらなければいけないというものでもない。やらなくていいときにはやらなくていいし、やらなくてはいけないときはちゃんとやるという精神でいこうと言うのが法の趣旨であって距離に幅があるのは当然である。現地の状況によって事情が全然違うのだから本来一律に決めようがない。
この部分は、事業者がみずから調査をしなければいけない場合にどこまで調査をしなければいけないのか、どういう方法で調査をしなければいけないかという点での基準を決めようということに関連する。しかし、もう一つ悩ましいのは、これが同時に都道府県知事からの命令を出すときの基準にもなっている。事業者の方は安全を見てできるだけ広く調査してくれる可能性があるが、都道府県知事が命令を出すときには、命令が適当でないと後で争われるというおそれもある。命令を出された方が争ってくる場合もあるし、他方では一般住民の側から、あんな調査命令はいいかげんなことだ、どうしてくれるんだと争われる可能性がある。自治体の側は、数値基準を決めておいてくれないと困るといった話になる。ちょうどアセスのときに、自由にやろうと思っても、技術基準でぎちぎちと縛っておいた方がお互い楽であるから、むだとわかっていても技術基準でぎちぎちとやって、基準どおりやっているから結構であるといったようなことと同じ現象が起こってしまうおそれがある。そんなむだなことはしたくないというのが、もともと法律をつくったときの意図だった。これは環境省令よりもっと別の形で判断のためのガイドラインを示しておいて、こういう地形状況の場合はこうなんだとか、こういう場合にはこういうふうに考えなければいけないとかいう判断基準を別につくっておいてそこで調整するという法を併用しておかないとまずいかもしれない。特に4条との関係で、これが連動するということを考えると、自治体の側から困るという声が出てくる可能性がある。あまりそこで数値基準をきちっとやりたくないし、それが一方で足りなければ困るから、安全を見越してむだなところまで決めるのもおかしい話である。ここのところは専門委員会の役割を出た先の話であるが、事務局としては十分考えていただきたい。   

(眞柄委員)
最近の地下水汚染、特にVOCの関係のことについて、実態がよく分からないので、環境省の方から御説明をいただきたい。
私が承知している段階では、かなり高濃度のVOCの汚染があって、それについてはある程度もう措置がとられてきている。昔は、例えば水道水源の井戸でVOCの濃度が高いということがあり、色々調べていくと複数の発生源があった。もう最近はそういうのはなくなってきて、ずっと色々見てくると、相手になる汚染土壌が1カ所とかそういう認識、状況になって、複数のものはないという認識であるとすればこれでいいかと思うが、汚染土壌が複数のところがあって、何kmも先でモニタリング井戸を測れといったときに、その原因者は誰かという判定をどうするのか。もし、それはもうなくなっていればそれで結構なのだが。それが一つ。
それからもう一つは、帯水層という言葉があるが、帯水層というのは現に水があるところが帯水層なのか、それ以上を含めるところが帯水層なのか。帯水層の地下水はどんどん変化するわけだから、ある意味の技術的な数値はやはり示さないと、実際調査する方が大変ではないか。後段は技術的であるが、前段のところの日本の国土の中の汚染土壌による地下水への影響が一般的に言ってほぼ1対1の関係であるという認識でいいのか。   

(事務局)
私どもとしては、1対1になっているという認識ではない。逆に言うとそういう状況の中で先ほど御説明したような形で色々解析をいただいてある程度色々な資料を出させていただいているが、そこは少し状況を見据えていた方がいい。ただ、ある程度のイメージを持っておかなければ、という認識で少し数字を出させていただいている。   

(平田委員)
確認であるが、調査のところでもボーリングしていて最初の帯水層地下水という表現が出てきたが、全体として第1帯水層を基本的には念頭に置いているのか。   

(事務局)
現在の方向としてはそうである。先ほど眞柄委員の方からも御指摘があったが、ここでいう帯水層というのは、基本的には地下水が一番最初に存在しているところを意味している。   

(平田委員)
長い距離だと、どこかで川にぶつかるとか、そういう話も出てくる。10kmとかというのは、多分旧河川敷というか、すごく水が流れているところだと思う。通常ではこういった市街地ではどうかと言うと、そんなに5kmも10kmもいくとは思えない。何kmという形で決めた方が行政はやりやすいが、1年にそれこそ10mしか流れないようなところまで何kmという範囲で設定をするのかということになると、状況に応じて変えていくのがいいとは思う。私は個人的には数kmぐらい、1km2km程度ではないかと考える。今までの汚染の範囲でいくと、そういったところが非常に多い。そういうふうに決めてあげた方が実際の行政はやりやすい。ただ、そこはやはり専門家の意見がその地域地域では必要である。   

(村岡委員長)
結局は地域地域の地下水の状況ということに関わる問題で、ケース・バイ・ケースとなるということは、御理解いただけるところかと思う。
しかし、その一方でこういった調査の方法について考え方を明らかにし、できるだけ行政的にも指導しやすい、あるいは命令をかけやすいような数値レベルの提示というものも必要である。
色々御意見をいただいたので、少し事務局の方で考え方の整理していただき、次の委員会の席で必要に応じ再度検討していただきたい。   

(三木委員)
調査の方法で、調査対象とすべき特定有害物質の選定の考え方についてもう少し分かりやすくしてほしい。
それから、先ほどの地下水影響の範囲であるが、既に自然由来等で広大な地域が汚染されているという現場がある。そういう広大な土地、広大な面積を対象とするときの調査方法は10mメッシュでやるなどと画一的にやらないで、もう少し粗っぽい調査でまず全体を把握する。粗っぽい調査でも指定できるのなら指定できると思う。汚染の対象ごとに調査のめり張りをつけていただければありがたい。特に自然由来は公共事業で相当扱うので、対象は広大な面積が広がっているから、この10mメッシュでは実効が上がらないと思う。   

(村岡委員長)
それらはここではどういうふうな考え方になっているか。   

(事務局)
調査の対象物質であるが、ここは明確に書かさせていただく予定である。例えば3条の調査であれば水質汚濁防止法に基づく有害物質使用特定施設に係る情報として実際に取り扱っている、あるいは、それを材料として使っている、そういう形で届け出のあるものについて調査をしてもらうような形で考えている。また、4条の場合も周辺で汚染が見つかった対象物質であるとか、例えば過去、その工場・事業場があって、そこで取り扱っていた物質が明確に分かるのであれば、そういうものを限定して明記していく。そのようにここに書いておくことにさせていただく。
それから、後半の御質問であるが、ここはまず自然的原因と明確に判断される場合は、この法は対象外という形で整理をさせていただいているので、そこは分かれば別に扱うことになる。ここでは人為的な汚染と考えられるものの調査について、100m2ごとに1点という形で、さらに可能性が低いと判断できる場合には、900m2に1点の5点混合法ということで30mメッシュと書いている。
ただ、これを広げていくことはなかなか難しい。あまり広げてしまうと今度はそこで調査をしたということに対して、どのくらい調査の信頼性が担保できるのだろうということもある。そこはある程度決めていただくとありがたい。私どもとしては、今までの色々な状況から見ると100m2に1点ぐらいであれば何とかこれまでの汚染から見ると概ね拾えると考えている。
それから、900m2というのは、汚染の可能性が低い場合に、これぐらいで1点確認をしておくことでいいのではないかと考えたものである。それが例えば1万m2とかになってきてしまうと、実際にやっている意味があるのかと考えている。いずれにしても、先ほどの自然的な原因と人為的なものでは別の形で扱うこととなる。   

(冨永委員)
100m2と900m2が出てきた根拠が「大体この辺で」という感じしか受け取れない。資料はm2でやられているのだが、ここから100m2とか900m2という数字は出てこない。これをもう少し細かく区画割するとか、200、400とかそういう区画割をしないと100m2とか900m2は、つまり、10mにするか15mにするか20mにするかで調査のサンプル数とか、調査にかかる時間とか、コストに大きな違いが出てくる。だから、これは根拠がある数字にした方がいい。900m2ではなくて1,000m2でもいいのではないかという議論も当然出てくるだろう。せっかくこの汚染面積の調査結果が出ているわけだから、それからもう少し引用あるいはそれを根拠にできるような数字にできたらと思う。   

(浅野委員)
事務局に聞きたいが、敷地であった土地と書いてある。これは実際にはどういう幅のもの、つまり一筆の土地であればそれは全部含むとか、あるいは数筆であろうとともかく敷地であったものは全部含むのか。それとも、そういう土地の所有権などという感覚とは別にして、実際に敷地であったという事実状態から範囲が決まるのか。どこをどれぐらい調べるのかによって今の話は違ってくる。きわめて広大な土地を全部調べなければいけないという場合と、工場・事業場で特定施設として使っていて危なそうな土地だという場合に、そこを調べるのか、重点的に調べるのかで全然調べ方は違う。
農用地の法律では一体どのくらいのメッシュでやっているのか、もし調べているのであればそれも紹介していただきたい。これは今後の運用の問題だから、今直ちに無理なら考えていただいてもいいが。心配しているのは、某国立大学が移転する予定となっている。そのときに某国立大学なんて危なくてしようがないというので、これを全部調べるとなったら大変なことになる。
そうすると、そこをどうするか。出発点でどのくらいのことを考えるのかによって話が違ってくる。あいまいなままにしておくと、混乱が起こるし、広いの狭いのという話にどっちにでもなってしまう。
だから、まず農用地の土壌は一体どのぐらいをやっていたのかというのを参考までに知りたい。それとこれの100m2というのが関係があるのかないのかよく分からないが、参考にされたのだろうか。   

(事務局)
農用地をベースにしてということではなくて、別紙のとおりそれぞれ実際の事例から見て、100m2というのを一つの目安としてお示しをさせていただいている。根拠としてはあまり細かくするとこれはもうサンプリングポイントが相当増えるということである。一方で粗くすれば汚染を見逃す可能性が高くなるのではないかということで、色々な方々にヒアリングをさせていただいた上でここでお示しをさせていただき、御議論もいただいて決めざるを得ない。農用地の方は、お調べしてまた次回にでも御報告したい。   

(中杉委員)
農用地の場合とこういう汚染とでは全く汚染の形態が違う。農用地の場合は、かなり広くても見つけることができるであろう。工場や事業場の場合は、必ずしもそういうわけにはいかない。多分900m2というのは、30m×30mという割り切りの話で、従来は指針の中ではたしか1,000m2で、1,000m2はそういうふうに33.3×30m、そこら辺の割り切りで30×30mになったと思う。あとの方は、細かく割っていくと数字は出るので、これ自体が十分な数であるかどうかということもあるので、そういう意味では割り切りとして100m2という数字は、それなりの数字ではないかと思っている。
浅野委員が言われた話だが、大学というのは非常に危ないものであるから、しっかり調べていただかないといけないだろう。
それから、他の点で簡単に3点ほど。汚染の調査地点を選ぶということで、特に特定施設等という話で汚染が起こりそうなところという観点から書かれているが、既に土地利用がなされている場合にはこの中に入れるかどうかはともかくとして、暴露の観点からの調査地点の選定等も必要なのではないか。具体的に言ってしまうと、子供の遊び場等というのは考えて調査をすべきである。このレベルでやるのか先々の技術的な事項のところか、そこら辺のところで構わない。
それから、帯水層があるときにそこまでといったとき、そこまでというのは、その下なのかどうなのかというまた微妙な議論になるだろうと思う。帯水層がある場合に、帯水層までいったらそこの地下水が基準を超えている超えていないで議論するというのも一つのやり方ではないか。
それから、土壌ガスを採取するという前提で書いてあるが、非常に帯水層が浅いところにあって土壌ガスが採取できない場合もある。土壌ガスを採取するという指針の手順になっているが、水が入ってきて土壌ガスが採取できないときには地下水を採取するという話をしており、その点についても少し整理をしていただければと思っている。   

(森田委員)
特定有害物質ごとに行うべき調査について、土壌環境基準における溶出基準項目のうち、「重金属等については…」、「その他の項目については…」となっている。ここはすごく読みにくくて土壌環境基準における溶出基準項目は全部の項目のことを調べるのか。
それから、重金属の等がついているから、重金属以外のものも入っているのだと思うが、その他の項目とは一体どこに境目があるのか分かりにくい。これは事務局はある程度考えてはいると思うが、クリアにしておいた方がいい。   

(事務局)
重金属等としているのは、これから含有基準が設定される物質である。表現ぶりは分かりやすく整理したい。
先ほどの浅野委員の質問にお答えしていない部分があった。土地の調査の範囲をどうするかということで、工場または事業場の敷地は、有害物質を使った施設の近辺ということではなくて、事業場の敷地の全体である。イメージとしては、工場をフェンスで囲って工場一固まりという区画があればその全域ということを意味する。   

(村岡委員長)
後の議論もあるので、この調査に関してさらに御意見等があれば後程事務局にいただきたい。
それでは、指定区域台帳に記載する調査結果に関する事項、この部分で何か御議論いただくことはあるか。   

(浅野委員)
これは概ねこれでいいだろう。まだ指定区域をどうやって決めるかということについて、案が出ていないので何とも言いようがない。ただ、気になるのは、大きな事業場で広い敷地を持っているという場合と極めて小さい敷地であるという場合、これを考える人の頭の中にある工場・事業場のイメージがどのぐらいのものかによってちがいが出てくる。
例えば、製鉄関係だと実際には一筆の土地の中に数社が入っていて、あるいは関連企業なども入っていて、全部何も仕切りがないとか、パイプラインでつながっていて、そのうちのどこか遊休地だけを処分したいというような場合が出てくるときにさっきのような議論ではとてももたない。今度は逆に零細の事業所の場合に、場合によっては全部まとめてこれは指定区域の台帳で結構であるというような場合、測量をして正確になんていうことを言われると、測量費用だけでもたまらない、勘弁してくれという規模のものもあるかもしれない。
あまり機械的にやっていったら、そこの費用負担が大変だという議論が出てくるから、全部指定されても構わないというのは、ここも零細のものに関する何らかの簡易な取り扱いを考えておいた方が賢明かもしれない。   

(村岡委員長)
何か関連した御意見はあるか。あるいは他の御意見はあるか。   

(鈴木委員)
土地の履歴など、調査した情報は、台帳の中には盛り込まれるのか。こういう情報があったので、ここのところはこういうふうに判断をしたとか、こういう情報があったのでこれに附帯事項がついているとか、そういうことは台帳の中に記載事項として入ってくるようなことはあるのか。   

(事務局)
現在考えているものでは、調査密度が粗いということも図面に落とされることになる。調査密度を粗くする場合は、現在の案でお示ししているものでは都道府県知事の確認を得る必要があるということになる。都道府県知事がそれを判断して確認を行った際の情報が台帳自体にどこまで記載されるかということについては予想がつかない。結果としてここは調査密度は粗くなったというのは台帳を見れば分かる。それにより確認をされたことも明らかになると思う。

(櫻井委員)
汚染の状況の記録の方法等を見て気がついたことなのであるが、採取するサンプルの量や土壌をどうやって採取したのか、ここに書くようになっていない。これは分析方法を決定するとそのときに指定すると思うが、もし分析を非常に感度を高くしてサンプルの量を少なくするというようなことが今後起こっていくと、ばらつきが大きくなる。サンプルを10m四方の中でどうやって集めるかという問題なのである。だから、やや多めの方が安定しているだろうと思うが、そういう点も含めてサンプルの量は記録しておいた方がいいのではないか。   

(福島委員)
資料を見ると、結局その基準が超えた項目だけが台帳に載せられるのかと思う。もう超えていなければいいではないかと言えばそのとおりだと思うが、先ほどの工場の履歴が今やめる工場だけだったらはっきりするわけである。法律の届け出その他から、今まで使っていた物質の調査はできるが、その工場の前に別の工場があったというような履歴がはっきりしない。そうすると、項目としてそれを全部今やめた工場だけからすると、例えば怪しいのは5項目でいいが、その工場の前に別の業種の工場がそこを使っていて、それからするとこの5項目では足りそうもないということが起こる。その辺の基本的な項目選定の部分の問題があるが、見る人は超えている項目だけを認識している。つまり、他の物質についてはきれいなんだというふうに理解すると思う。台帳なのでそんなに細かく色々できないのかもしれないが、基準を超過したのはこの2つであるというような形で項目選定についても併せてわかるように示されないと、この選定が果たして十分だったか不十分だったかという問題が残ると思う。   

(事務局)
台帳に記載する項目は超過したものだけではなく、調査したものについては全て書くことになる。項目の選定については、調査の命令をかける場合に可能性があれば選定することになろうかと思うのでそちらの問題になるが、少なくとも調査をしたものについては、全てこの台帳に記載することになる。   

(浅野委員)
5条、6条ときて、それでここで台帳の記載事項を考えているので、現在の案では6条でとまるのであるが、7条の措置命令が出された場合には、出された命令の内容についても、本来台帳に記載しておいた方がいいのではないか。別に法律の順番で6条まででとめなければいけないというわけではなく、完全にクリーンアップをしなくてもいいと言っているわけだから、どういうことをやったのかというのが分かるようにしておいて、7条の命令が出された場合は、命令の内容、措置内容を記載するとしておいて、それが分かればその土地を後どう利用するかというときに色々な判断材料になる。あとで聞いて回らなければいけないとか、現状から見てもよく分からないということが起こったとき、困るのではないか。   

(事務局)
御指摘のところも当然台帳に記載することにしている。ここは台帳に記載する中の調査結果についてのみ書かせていただいたもので、7条も9条も全てできるだけきちっと書くような形にしている。   

(村岡委員長)
それでは、次は21ページのところからであるが、汚染の除去等の措置の実施に関する技術的基準ということで、その部分で何か御議論あるか。   

(中杉委員)
遮断工封じ込めのところの地下水の測定であるが、これは1年に1回というのは、ある程度経過してからはそれで構わないということなのだと思うが、最初の段階はもう少し密にやった方がいいのではないかと考えている。1年は季節が変動して大体もとに戻っているから変わらないのであるという話になって、その間はどうなっているのか、もう少し短期で雨が降った後にどうなっているのかという話がここで一つの問題になるだろう。すかすかに抜けてしまっていると雨が降って水位が上がってまた戻っていると、その前の段階で確認をしているのかもしれないが、それを確認するということが必要なのではないか。指針とかマニュアル的なところにそういうことを書くのかもしれないが、ここら辺を注意した方がいい。   

(事務局)
現在の案でも措置をした後に、まず1年に4回という案であるが、その程度でよろしいかどうか。   

(中杉委員)
1年に4回というのは、遮断がちゃんとできているかどうかという確認のためには必要かもしれない。   

(浅野委員)
国会審議でも言われていたことだと思うが、搬出の問題について文言的な表現で書かれていて、周辺環境に対して飛散させることなく、適正な処分が行われることを確認することという書き方でとまっている。どうも廃掃法などは、割合こういう表現が多くて文言で書かれていてそれで止まるのだが、確認するといっても、これをどうやって担保するのだろうという心配もある。これは廃掃法の世界に基本的に任せてそこでちゃんとやってもらうというつもりなのか。それとも、それもしない間にこっちが何とか手当てしないといけないからこっちでも考えておくのか、それをどうするのか。同じことは他のところにも出てきている。更に土地の形質の変更の際の土壌の運搬について同じように、運搬して持っていった先の話のことが書いてあるが、これはこれで止めておくのか。あるいはちゃんと部局間で調整をして、どこかできちっと担保する方法を別途用意しておいて、聞かれたときにはそれで担保できると答えられるのならいいが、このままでは危ないかもしれない。   

(事務局)
ここに書いてあるのは、法令に関してはここまでで、汚染土壌の搬出については、現在、廃掃法の検討の中で、これを廃棄物として扱うかどうかという話をしているので、今後そちらと調整していきたい。   

(三木委員)
今のところはそれぞれ極めて重要だと思っており、その一方で廃棄物処理法なり、場合によっては低濃度の汚染土の場合にはリサイクル促進法なり、そういった中での技術基準的なカテゴリーと整合をとっていく必要がある。あるいは省令で書かないまでも、リサイクル促進法にも、廃棄物処理法にも明確に書いていないので、そこは早急にやっていただきたい。これを処分ではなくて場合によっては回収してリサイクルできる場合もあるし、そういう場合をむしろ増やしていかないといけないので、極めてそこのところは重要だと思う。そこの技術的基準のところをここの場でも議論して、廃棄物処理法の世界にも渡し、リサイクル促進法の方々にも見ていただいて、共通の認識を固めないと運用がうまくいかないと思う。   

(村岡委員長)
廃棄物処理法とかリサイクル促進法との整合をとることは、大事なことだと思う。これまでの検討段階でのレベルでそういったことも含めて議論され、その結果、今回の考え方をまとめられたと考えてよいか。   

(事務局)
省令に記載する内容ということで措置を書かさせていただいている。先ほど浅野委員等から御指摘があったような部分については、可能な部分はここでガイドラインなり指針、いわゆるこれの解説みたいなものをきちっと作っていこうと考えている。その中でもし可能ならば、例えば持ち出しのときのことも書いていきたい。一方で省内で関係する部局があるので、そこの調整もとらなければないけない。だから、検討はさせてもらっているが、そういうレベルで少し淡泊に書いてある部分と思っている。もし必要であれば、別途にそういう検討もやりたいと思っているが、今は他の動きと整合をとりながら、できるだけここで書き切れなかったものは指針なりこの解説の中でできるだけ細かく書いていきたい。もし、そこにきちっと書けということであれば、もう少し詰めた議論をさせていただいてからやっていきたい。   

(村岡委員長)
三木委員の発言だと、これをきちっと書くということではなくて、そういう議論をこの場でしておく必要があるのではないかということだったと思う。そういう意味では確かに整合性がどの程度とれているのかは、これだけでは分からないので、そのあたりの検討事項を調整されたということもあるので、検討事項のまとめのようなものを次回に提示していただければと思う。それで事務局、よろしいか。   

(浅野委員)
確かに循環資源になる可能性がないとは言えないとことに、今言われて気づいた。どちらかというと廃掃法の世界に落ちるのだと思っていたが、循環資源になる可能性があるということは意識しておかなければいけない。是非、関係部局と調整をしていただきたい。今のところ廃棄物処理法をめぐる論議では土壌を廃棄物に入れるかどうかというところで止まっていて、本格的な議論はこれから始めるところである。循環資源というところをどこまでちゃんと詰めて考えるのかよく分からない面がある。   

(中杉委員)
今、三木委員や浅野委員が言われた話は、この土壌汚染対策法の中では、出るところと行った先と両方押さえているということである。だから、リサイクルされる処分地はとりあえず対象外であるが、行った先はこの法律の中でそこは押さえることとしている。その間をどうつなぐかというのは、今ここだけで議論して何か決めてしまうわけにはいかないと思う。   

(環境管理局長)
今の持ち出した土壌の問題について、全体に土壌を持ち出したり土壌が移動したものについては、大変大きな問題なので廃掃法の議論の方でやっているということで宿題にさせてほしい、という話にしてきた。そうは言ってもこの法律の中身にある、土地形質の変更を制約するとき、土壌を持ち出すとき等の小さい部分も実は同じである。話の最後のところはきちんと適切に処分されるかリサイクルされるか、全部同じ事柄なので非常に大きくは廃掃法の議論に宿題として譲ってある。この法律はもうそこは知らない、ここの議論ではなかったというわけにもいかないが、ここで全体の方向を変えるのは難しい。廃掃法の議論にフィードバックしなければいけないから、ここで固めてしまうというわけにいかないと思うが、考え方のアウトラインを示して、次回議論したい。   

(三木委員)
そうしていただければありがたいが、廃棄物処理法の枠では今の土壌汚染をどう取り扱うかというのは、現行の法律の中では読めない形になっている。土は廃棄物ではないので、汚染土壌は廃棄物としては扱われることになっていない。そこを廃棄物の方に任せるのか、それとも資源としても使えるから、リサイクル促進法の方でも議論をしていただかないと、廃棄物行政がもたない。特に公共事業等から出てくる土量は大量であるから、どれくらい汚染されているかは別として、できるだけ廃棄物にしないでリサイクルする方の議論は必要かと思う。   

(村岡委員長)
三木委員の御意見は分かるが、ここで扱うべき議論の内容との関連でいくと、とりあえずはそのあたりの情報と整合性について、事務局側に整理をしていただきたい。   

(大塚委員)
21ページの(1)の4行目、汚染の程度及び利用の状況等によって、実施される措置を一義的に定めることが望ましいと私も考えているが、[1]から[10]までのものは非常にバラエティーに富んでいるので、どういう場合にどういう措置がなされるかということについて完全に都道府県知事等に任せてしまうことになるのは、非常に危惧されるところもあり得る。これをどういうふうにされるかはよく分からないが、この技術基準の中に入れていただいた方がいいと思っている。この点については事務局はいかがか。   

(事務局)
技術的基準の中でどういうときにはどういうものを、というのはある程度決めていくことになると思う。   

(環境管理局長)
法令の形でどこまでというのは自信がない。考え方を整理したものは、この専門委員会で議論させていただいて、その中から省令でできるだけ書ける部分ははっきり書いて一義的にした方がいいと思う。   

(浅野委員)
省令で書ける部分は限られてくるかもしれないし、あるいは選択の余地を認めようという話もあったわけだから、用途としてどういう整理をするかが先である。   

(環境管理局長)
当てはめたときに、現実的・合理的にチョイスができるということは正しいと思っている。ただ、法規上は知事が出した命令をたどった道なりが基本的に一義的に決まったというふうにならないか、という希望はある。   

(浅野委員)
任意にやったときでも、結局費用の求償の話があるから、過剰なことをやったってそこのところで争うのも本意ではない。   

(環境管理局長)
基本的には一義的に命令を発動したい。ある場面ではこういうことでいって、ある場面では、しかしこれはもう何だかんだとおっしゃっても許可をしてもらわなければ仕方がない。8条の求償について関係者間で費用を整理するときには、命令をされた者が後のことは民事的な争いで、というふうに整理できる方が本来争いが少ないと思う。ただし、そこで当てはめても、本当に現実のもので一義的なのかというのはなかなか難しい。   

(浅野委員)
やはり幅でいかなければしようがないから、ミニマムを決めておいて最低この場合はこれだけはやらなければいけないということがはっきりしていればいいのではないか。求償の問題は必要費と有益費の考え方で整理すればいいと思う。絶対これだけ必要だ、これはこういう場合は絶対これだけはやらないといけない、それは必要費だから絶対だといったぐあいだ。それ以上にやるのはそれは有益費なのだから、費用の話はまた別であるという発想があり得るのではないか。   

(環境管理局長)
一義的に定めることが望ましいのは、知事がどういう命令をしたらいいかということは、法律上一義性を持っている。本当の運用の幅はあると思うが、少なくとも求償だ何だといったときの法律上の訴訟に耐えられるという程度に一義的に定める必要がある。それは別途整理してお出しして議論をしていただきたいが、今日この場に間に合っていない。それから、うまく書き切れるかということについても、どこまで書けるかということに自信がないので、技術的基準で書き切れるかどうか。   

(村岡委員長)
色々難しい問題があるが、今の件については打ち切らせていただく。37ページ、39ページ、検討内容の5、6を一緒に、何かあれば御意見をいただきたい。土地の形質の変更の施行方法に係る基準と、その他として技術的検討が必要な事項ということで、特にこれだけは述べておきたいというものがあればお受けしたい。   

(三木委員)
この両方にまたがるが、そういう健康被害のおそれのある土地の指定の考え方が今回出てきていないけれども、その土地をいじって外に持ち出す際に有害物質が入っている場合には自然由来であろうと何であろうと一度持ち出して搬出先の土地に持っていく場合は、この法律が適用されることになると思う。だから、指定区域の考え方が極めて不安なのである。よく議論しないと大変だという感じがする。   

(中杉委員)
私自身は持っていった先からこの法律が始まるんだと思う。自然由来の土地であることは問題でなくて、そこへ持っていったところで土壌汚染が発生する。そうするとそこに法律がかかってくるというふうに解釈している。   

(三木委員)
地下水の場合が絡むともっと影響があるのでは。   

(中杉委員)
少なくともこの法律は土壌汚染対策法だから、地下水については正面から捉えていない副次的な問題である。地下水は地下水の方で、水質汚濁防止法の方でかかってくる話だと思う。   

(大塚委員)
その先に搬出土壌が廃棄物になるように持っていった方がいいと思っているが、この土壌が有害物質に汚染されている可能性があるので、リサイクル資源だといってリサイクルの方へ回していくべきものかどうかというのは、かなり議論がいるところだと思う。基本的には廃棄物と考えて、もちろん廃棄物の中でもリサイクル向けの廃棄物というのがあるので、そういう線ではないかと思っているが、この法律でどこまでやれるかというのは疑問がある。是非、廃棄物、リサイクルの方と協調して早く検討していただくよう、よろしくお願いする。   

(村岡委員長)
それでは、色々議論はあるが、今日の議論はこれぐらいにさせていただく。一層の御意見をいただくということは歓迎する点でもあるので、御意見等あるならば事務局の方に来週半ばくらいまでに提出していただきたい。また、事務局の方は、今日はかなり論点がはっきりしてきた点もあるが、さらに整理していただいて次回の議論に供するような御指摘もあったと思うので、よろしくお願いしたい。それでは、今後の予定については事務局から説明願いたい。   

(事務局)
次回の予定であるが、従前色々調整をさせていただいている日程で少し整理をして、近々に正式な開催通知を出させていただく。それから、本日御議論をいただいた幾つかの宿題については、それを抜き出した形で少し整理をして次回に話をしたい。7月10日ぐらいまでにいただいた意見も少し論点的に出させていただく。もし、それに合わせて必要であれば資料も直したい。   

(村岡委員長)
そのようにしていただきたい。それでは、今日はこれで委員会を終了したいと思う。色々御協力をいただき感謝申し上げる。