中央環境審議会土壌農薬部会(第1回)議事録

日時

平成13年3月8日(木) 9:45~10:42

場所

JAビル8F第3会議室

出席委員

部会長
委員

臨時委員
松本 聰
桝井 成夫
村岡 浩爾
大塚 直
岡田 齊夫
亀若 誠
河内 哲
嶌田 道夫
鈴木 英夫
臨時委員 須藤 隆一
高橋 滋
谷山 重孝
福島 徹二
西尾 道徳
眞柄 泰基
谷田部 雅嗣
山口 梅太郎
米澤 敏夫

委員以外の出席者

環境省: 水環境部長、企画課長、土壌環境課長、農薬環境管理室長、課長補佐、室長補佐
農薬管理専門官
オブザーバー: 農林水産省、厚生労働省、一般傍聴者

議題

(1)土壌農薬部会の設置・所掌等の紹介
(2)専門委員会の設置等について
(3)その他

公開資料

資料1中央環境審議会土壌農薬部会委員名簿
資料2-1中央環境審議会土壌農薬部会の専門委員会の設置について(案)
資料2-2中央環境審議会土壌農薬部会農薬専門委員会の構成(案)
資料3中央環境審議会土壌農薬部会の運営方針について
参考資料1中央環境審議会土壌農薬部会(第26回)議事要旨
参考資料2中央環境審議会議事運営規則
参考資料3中央環境審議会の運営方針について
参考資料4農薬の登録制度と登録保留基準について
参考資料5作物残留及び水質汚濁に係る農薬の登録保留基準値の設定等に関する中央環境審議会土壌農薬部会報告について(平成12年11月記者発表資料)
参考資料6「土壌環境保全対策の制度の在り方に関する検討会」の開催について
参考資料7昨年12月までの中央環境審議会土壌農薬部会の答申の概要

議事

土壌農薬部会委員の出欠、水環境部長の挨拶、土壌農薬部会委員の紹介、配布資料の確認後、議事に入った。

(事務局)
 議題1の土壌農薬部会の設置、所掌等について、ご紹介させていただきたい。
 本年1月15日に開催された中央環境審議会の総会においては、会長として財団法人地球環境戦略研究機関理事長の森嶌昭夫氏が互選されるとともに、お手元の参考資料2のとおり、各部会の設置などを含む、中央環境審議会議事運営規則が決定されている。これによると、土壌農薬部会を含む13部会が設置されている。なお、土壌農薬部会の所掌事務は、土壌環境の保全に係る重要な事項に関すること、農薬による環境汚染の防止に係る重要な事項に関することとされている。
 また、中央環境審議会令第6条第2項の規定に基づく、土壌農薬部会に属すべき委員及び臨時委員の指名並びに同条第3項の規定に基づく部会長についての会長からの指名については、既に行われている。

(土壌農薬部会委員の紹介、事務局の紹介がなされた。)

以下の議事の進行については、松本部会長にお願いしたいと思う。よろしくお願いしたい。

(松本部会長)
 議事に入る前に一言ごあいさつ申し上げる。
 申すまでもなく、土壌という環境物質は、水あるいは大気圏と同様に生物に対して極めて大きな影響を持っている環境物質である。そのことを踏まえて、ただいま水環境部長からご挨拶のあったとおり、本部会では極めて重要な、かつ、非常に複雑な問題をこれまで審議してきた経緯がある。このような時期に本部会長を仰せつかり、果たしてその大役が務まるかどうか、まことに心もとない次第ではあるが、委員、臨時委員の先生方のご協力を得て、何とか審議を円滑に進めてまいりたいと思う。どうかよろしくお願い申し上げる。

議題2の専門委員会の設置についての議論の前に、中央環境審議会令第4条第3項及び第6条第5項によると、「部会長に事故があるときは、部会長があらかじめ指名する委員が、その職務を代理する」とされており、これに従い部会長代理を指名させていただきたい。ご異存がなければ須藤臨時委員にお願いしたいと考えるが、どうであろうか。

<異議なし>

(松本部会長)
 須藤臨時委員よろしくお願いする。
 それでは、議事次第に従って議事を進める。
 議題2は、土壌農薬部会の専門委員会の設置についてである。中央環境審議会議事運営規則の第9条第1項によると、「部会は、必要に応じ、その定めるところにより、専門の事項を調査するため、専門委員会を置くことができる。」と規定されている。
 事務局から専門委員の設置について説明をお願いする。

(事務局)
 中央環境審議会土壌農薬部会の専門委員会の設置については、部会長からご説明あったとおり、中央環境審議会議事運営規則第9条において、部会は必要に応じ、その定めるところにより、専門の事項を調査するため、専門委員会を置くことができ、更に、専門委員会には、委員長を置き、部会長の指名によりこれを定めるという規定がある。
 従来から農薬については、専門的な事項をご審議いただいてきたことから、資料2-1ののとおり、新たな中央環境審議会土壌農薬部会においても農薬専門委員会を設置し、農薬取締法第3条第1項第4号から第7号までに掲げる場合に該当するかどうかの基準を定める等の件に関する登録保留基準の設定及び改定に関する事項、その他農薬による環境汚染の防止に係る専門的事項を調査することとしたい。なお、作物残留及び水質汚濁に係る登録保留基準の設定及び改定に関する事項は、当部会に対し当該事項に係る付議があった場合に直ちに調査を行い、その結果を当部会に報告すること。専門委員会に属すべき委員、臨時委員及び専門委員は、部会長が指名し、部会長は、農薬専門委員会に出席し、意見を述べることができることとする。以上のような内容で、専門委員会の設置についてご審議いただきたいと考えている。

(松本部会長)
 ただいまのご説明についてご意見はないか。
 特にご意見がないようであるから、事務局から提案された内容で農薬専門委員会を設置したいと思うが、よろしいか。

<異議なし>

(松本部会長)
 議事運営規則第9条第1項に基づく土壌農薬部会の専門委員会の設置については、お手元の資料のとおりに決定させていただく。
 次に、農薬専門委員会の構成は、ただいま決定された部会決定において「専門委員会に属すべき委員、臨時委員及び専門委員は、部会長が指名する。」とされており、資料2-2に示すとおり、当部会の臨時委員から岡田委員、亀若委員、黒川委員、櫻井委員、須藤委員、眞柄委員の6名、専門委員として、安藤委員、石井委員、伊東委員、金森委員、北原委員、豊田委員、廣瀬委員、山本委員、行本委員の9名、合計15名の先生方にご参加いただけるようにお願いしたい。これについて何かご意見はないか。

<異議なし>

(松本部会長)
 ご異議がないので、ただいま申し上げた15名の臨時委員及び専門委員にお願いすることとする。
 次に、中央環境審議会議事運営規則第9条第2項では「専門委員会に委員長を置き、部会長の指名によりこれを定める。」とされており、これに従い農薬専門委員会の委員長を指名させていただく。ご異存がなければ本部会の臨時委員であり、これまでの農薬専門委員会でも委員長として極めて精力的にご審議に務めていただいた須藤臨時委員にお願いしたいと考えるが、どうであろうか。

<異議なし>

(松本部会長)
 それでは、須藤委員にお願いすることとする。

(須藤委員)
 このたび農薬専門委員会の委員長を仰せつかり、大変責任の重さを感じている。農薬は我が国の農業の発展に対して不可欠であることは十分承知はしているが、一方では環境影響の問題もあり、その両者をバランスよく議論していくことが大切であると考えている。その点に対し、関連分野を専門とする多くの委員の意見を取りまとめる進行役として、務めてさせいただきたいと思う。
 ただ一つだけ提案したいことがある。従来から農薬専門委員会における審議は登録保留基準の設定という複雑な手続についての議論に終始しており、いろいろ問題点が出ても詳細な議論をする時間がなかったという実状がある。
 このたび、環境省に農薬環境管理室という農薬全般について取り扱うセクションも新たに設置されたことから、この際、これまで議論された農薬の問題、例えば複合影響、生態影響といったことも含め、これからの農薬のあり方、将来にわたってのビジョンなどについてまとめ、土壌農薬部会で審議していただきたいと思う。以上、本日の指名を受け提案させて頂きたい。

(松本部会長)
 ただいまの須藤委員長のご提案について、事務局はどのように考えるか。

(事務局)
 須藤委員長のご提案であり、組織としても農薬環境管理室として新たなスタートを切る機会であることから、基本的にはご趣旨に沿って対応を考えてみたいと思う。具体的な話については、須藤委員長、松本部会長と相談して決めていきたいと思う。

(松本部会長)
 須藤委員長の提案について他の委員の方々から、ご意見はないか。

<異議なし>

(松本部会長)
 ありがとうございました。
 続きまして土壌農薬部会の運営方針についてご説明したい。
 本年1月15日の中央環境審議会総会で決定された中央環境審議会の運営方針が参考資料3として配布されている。この6の「その他」として、「上記に規定するもののほか、総会、部会、小委員会及び専門委員会の公開その他の会議の運営に関し必要な事項は、会長又は部会長が定めることができる。」とされており、本部会に先立ち、私と事務局とで資料3にまとめてあるように、土壌農薬部会の運営方針を作成した。まず、事務局の方から説明していただき、その後、委員の方々のご意見を頂きたいと思う。

(事務局)
 資料3と参考資料3に基づきご説明します。
 会議の公開等についての基本的な事項は、参考資料3にあるとおり、既に本年1月15日の中央環境審議会総会の決定により、会議の公開、会議録、要旨の公開等についての考え方が定められている。但し、総会決定においては、「上記に規定するもののほか、部会及び専門委員会の公開その他の会議の運営に関し必要な事項は、会長又は部会長が定めることができる。」とされており、これまでの土壌農薬部会の公開に関する決定等も考慮し、土壌農薬部会、農薬専門委員会の公開等についての基本的な考え方を取りまとめたものである。
 まず、部会については、総会決定の規定により、会議を非公開とするときは、その理由を明らかにすること。審議中の答申、意見具申の案文等々その他公開することにより公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがある資料または特定の者に不当の利益もしくは不利益をもたらすおそれのある資料については、部会長は「委員限り」である旨、明記した上で非公開とすることができることとし、それ以外の配布資料については、部会終了後公開するものとすること。会議録を公開する場合には、発言者の氏名を記載することとし、その場合、出席された委員の方々の明示の了承を得るものとする。その後、原則として次回の会議において公開するものとする。ただし、長期にわたり次回の会議が開催されないことが予想される場合には、次回の会議の開催を待たずに、明示の了承を得た後に公開するものとすること。更に、公開した会議録以外の会議録は、審議会の委員等以外の者は閲覧ができないものとすること。議事要旨は、事務局において作成し、会長または部会長の了承を得て公開することを記載している。
 同様の考え方で、専門委員会の取り扱いについても明確に規定したいと考えており、基本的な内容は部会と同様のものである。但し、会議及び資料の公開について、「公開することにより公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすそれがある場合又は特定の者に不当な利益もしくは不利益をもたらすおそれがある場合には、」という前提条件をつけており、これは参考資料3の議事運営方針において、部会についてはこのような場合に非公開とすることが記載されているが、この規定が専門委員会に適用されるかどうか不明確な点もあったことから、専門委員会にも適応されることを明確に記載したものである。
 その他、上記に規定するもののほか、専門委員会の運営に関し必要な事項は部会長の同意を得て専門委員会の委員長が定めることができるという形で松本部会長と相談した上で取りまとめさせていただいた。

(松本部会長)
 それではご議論願う。

(福島委員)
 参考資料3の中央環境審議会の運営方針のなかで、一般の意見の反映に関する規定があるが、今回の提案の中には特に記載はない。一般の意見をどのように反映させていこうと考えているのか。

(事務局)
 基本的には、新しく答申をまとめる際などには必ずパブリックコメントを行い、広く意見を募り、その意見も踏まえて物事を決定しており、これまでの土壌農薬部会としても基本的に同じ考え方でいくものと考えて特段の規定を定めていないものである。

(福島委員)了解した。

(松本部会長)
 その他はないか。
 特にご意見がなければ、本日の土壌農薬部会から、この運営方針に基づいた対応をお願いをしたい。
 次に、議題(3)その他に移らせていただく。事務局から、農薬の登録制度と登録保留基準についての資料、更に、土壌環境保全対策制度の在り方に関する検討会についての資料を準備いただいており、それぞれの資料について説明願いたい。

(事務局)
 農薬取締法上の農薬登録における作物残留の基準、土壌残留の基準、水産動植物の基準及び水質汚濁の基準は、環境省で定めている。
 このうち作物残留基準、水質汚濁基準は、個別農薬ごとに基準値を定めており、農林水産省に登録申請のあった農薬に関し、中央環境審議会へ諮問、土壌環境部会への付議、さらには本日決定いただいた農薬専門委員会での調査を踏まえた形で基準値を設定していただき、最終的には環境省の告示としている。これを踏まえ、農林水産省での登録審査を行っており、農林水産省の農業資材審議会とも密接な連携をとっている。
 また、環境省では、このような登録保留基準の設定の他に、作物残留性農薬あるいは土壌残留性農薬、水質汚濁性農薬等の政令指定による使用規制等の措置も講じることができることになっている。
 農薬専門委員会ではより専門的な観点からのご審議を頂き、土壌農薬部会においては、最終的な判断を頂くためのご審議になると考える。

(事務局)
 続いて、参考資料6により、「土壌環境保全対策の制度の在り方に関する検討会」の開催についてご説明させていただきたい。
 近年、企業の工場跡地の再開発、あるいはISO14000を初めとする事業者による自主的な環境管理という形で敷地内の土壌汚染の調査が進められているが、そういった中で、いわゆる市街地の土壌汚染が顕在化してきている。これらの土壌汚染は、決して今起きたものではなく、過去の負の遺産ということになる。我々としても事業者の方々に対し、調査・対策指針に基づいて実際の調査を実施し、その結果に基づく対策を自主的に進めていただいている。昨今、規制改革委員会などの各方面から、土壌環境保全対策についての制度化に向けての検討を実施するべきであるとの指摘がなされており、このような状況に対応するため、昨年12月に、制度の在り方に関する検討会を開催した。検討会の構成は、東京大学名誉教授の原田先生に座長をお願いし、委員には、土壌農薬部会の臨時委員でもある嶌田委員、大塚委員、河内委員、高橋委員にも参画頂いており、幅広くご議論いただいている。開催状況としては、昨年12月に第1回目、1月23日、2月20日、3月6日と既に4回の検討会を開催している。これまでの議論の内容は、現状、対策の取り組み状況、自治体での取り組み状況、アメリカのスーパーファンド法を初めとするドイツ、オランダなど諸外国での取り組み、土壌汚染に関係する事業者などからのヒアリングを実施している。
 今後の進め方としては、引き続き、関係者からのご意見をいただく場を設け、更に、今後の検討課題を整理していこうと考えている。具体的に、何時までにどういう形で結論を出すかというスケジュールは決まっていないが、いろいろ難しい問題を一つ一つ解決しながら進めていきたいと思う。
 なお、今のところ土壌農薬部会との直接の関係はないが、これまでのいろいろな制度の検討の事例からすると、具体的に制度化の方向が出てくれば、例えば土壌農薬部会の下に専門委員会を設置するなど、いろいろ選択肢があり、そうなればご相談するような形になると思う。
 もう1点、参考資料7として昨年12月までの中央環境審議会土壌農薬部会の答申の概要を説明させていただきたい。農薬は延べ300程度の農薬を審議していただいており、非常に手続論だけで時間を費やしてきたというのがわかる。先ほどの須藤委員長の提案は、そのことを踏まえてのものと思う。更に、土壌関係、ダイオキシン関係のご議論もなされている。

(松本部会長)
 ありがとうございました。
 ただいまの説明に対するご意見はあるか。

(村岡委員)
 「土壌環境保全対策の制度の在り方に関する検討会」でご議論されている問題は非常に重要であり、既にこの検討会が動き出していることは非常に喜ばしいことと思う。但し、水との関連も当然出てくると思われるがどのように考えているのか。また、この検討会が土壌農薬部会と直接の関係はないと説明されたことの真意について伺いたい。

(事務局)
 検討会の位置づけの話であり、現在は直接関係ないという意味である。

(村岡委員)
 水との関連ではどのような位置づけになるか御説明いただきたい。もう1点は、この問題は、社会的にも大きな問題となっており、遅れれば遅れるほどリスクが大きくなるという性格のものと思う。そのため今後、どのように進めていくかについて詳細は決まっていないということであるが、鋭意この内容について制度の在り方をまとめていただきたい。

(事務局)
 水との関係では、特に現在の土壌環境基準がいわゆる地下水への影響を考慮してつくられており、今の調査対策指針も土壌・地下水汚染を対象にしている。従って、少なくともその面から見ても、一体不可分のものであると認識しており、今後の検討においても十分考えていく必要があると考えている。
 また、我々も決してゆっくり検討を進めようということではなく、なかなか難しい面もあるが、なるべく早く結論は出したいと思っている。

(村岡委員)
 了解した。

(松本部会長)
 その他にご意見はないか。
 事務局から他に何かあるか。

(事務局)
 土壌農薬部会の次回の開催についてご説明する。委員の先生方のご都合をお聞きしたところ、最もお集まり頂ける日時として、3月26日の14時30分を予定している。年度末で何かとご多忙中とは存じますが、よろしくお願いしたいと思う。

(松本部会長)
 他に事務局からの報告事項がないようであるから、最後に本日の資料の取り扱いについてご説明する。本日、決定された土壌農部会の運営方針では、審議中の答申、非公開を前提に収集したデータが記載されている資料など、公開することにより公平かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれのある資料あるいは公開することにより特定の者に不当な利益もしくは不利益をもたらすおそれのある資料などは、部会長の判断に基づいて非公開とすると規定されている。本日、配布した資料は、いずれもこれに該当するものはないことから、公開資料とする。また、今回の議事録については、事務局で調整後、出席委員の明示の了承を得て、公開に係る部分は発言者の氏名もあわせて公開となる。事務局案ができましたら、ご確認等よろしくお願いを申し上げる。
 それでは、そのほか本日の審議の全体について、何かご意見あるいはご質問がございましたら、どうぞ。ございませんか。

<なし>

(松本部会長)
 本日はスムーズに審議をさせていただき、ご協力ありがとうございました。
 以上をもって本日の土壌農薬部会を閉会する。