中央環境審議会土壌農薬部会土壌環境基準小委員会(第3回)議事録

日時

平成30月23日()10:06~11:41

場所

新橋虎ノ門 Aルーム

出席委員

委員長 細見 正明
委員 大塚  直
臨時委員 浅見 真理   平田 健正
山本 廣基
専門委員 小林  剛   駒井  武
肴倉 宏史   広瀬 明彦

(欠席は駒井専門委員、佐々木専門委員)

委員以外の出席者

環境省

早水水・大気環境局長、名倉土壌環境課長、中村土壌環境課課長補佐、

山本土壌環境課課長補佐、岡野土壌環境課課長補佐、川崎土壌環境課基準係長

議題

  1. (1)1,2-ジクロロエチレンに係る土壌環境基準の見直しについて

    (2)検液の作成方法について

    (3)その他

配付資料

資料1 中央環境審議会土壌農薬部会土壌環境基準小委員会委員名簿
資料2 土壌の汚染に係る環境基準の見直しについて(第3次答申)(案)[1,2-ジクロロエチレン]
資料3 検液の作成方法について
参考資料1 中央環境審議会土壌農薬部会の小委員会の設置について
参考資料2 土壌の汚染に係る環境基準及び土壌汚染対策法に基づく特定有害物質の見直し等について(諮問)
参考資料3 諮問された物質に関する見直し等の進捗について
参考資料4-1 環境基本法(抜粋)(平成5年法律第91号)
参考資料4-2 土壌の汚染に係る環境基準について(平成3年環境庁告示46号)
参考資料4-3 水質汚濁にかかる環境基準について(抜粋)(昭和46年環境庁告示59号)
参考資料4-4 水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準等の見直しについて(第2次答申)(抜粋)(平成21年9月中央環境審議会)
参考資料4-5 水道水評価書 食品健康影響評価の結果の通知[1,2-ジクロロエチレン](2008年5月食品安全委員会)

議事

(名倉土壌環境課長)

 委員長の到着が諸事情により遅れておりますので、先に事務方から資料についての説明をさせていただきたいと思っておりますけれども、よろしいでしょうか。

(異議なし)

(中村土壌環境課課長補佐)

資料の説明に先立ちまして、本日の配付資料の確認をさせてください。議事次第の配付資料一覧をご覧いただければと思います。まず議事次第に続きまして、資料1が名簿、資料2が第3次答申(案)と書かれているもの。資料3が検液の作成方法についてという、横向きのパワーポイントでつくった資料でございます。

続きまして参考資料1が、小委員会の設置についてというものでございます。参考資料2が土壌の汚染に係る環境基準及び土壌汚染対策法に基づく特定有害物質の見直し等についての(諮問)でございます。参考資料3は横向きの資料が1枚ものでございます。参考資料4につきましては、4-1から4-5まで枝番がついてございますけれども、まず一番初めは環境基本法、4-2が土壌の汚染に係る環境基準についてということで、告示の46号。4-3が水質汚濁の係る環境基準についての抜粋でございますが、告示59号。水質汚濁関係の答申が参考資料4-4。参考資料4-5が水道水評価書ということでございまして、資料は以上となりますけれども、過不足等ございませんでしょうか。

(発言なし)

(中村土壌環境課課長補佐)

 もし足りないものがございましたら、事務局までお申しつけいただければと思います。それでは早速でございますけれども、資料の説明に移らせていただければと思います。

(名倉土壌環境課長)

 それでは議題(1)と(2)の資料をご説明させていただきます。

 まず資料2に入ります前に、参考資料をご覧いただければと考えております。議題(1)の1,2-ジクロロエチレンに係る土壌環境基準の見直しについてでございますけれども、まず参考資料2をご覧いただきますと、平成25年10月の段階で環境基準及び土対法に基づく特定有害物質の見直し等についてという諮問が出ております。

 めくっていただきました2ページ目の別記のところに、6種類の化学物質について諮問をされているという状況になってございます。

 この6物質についてでございますけれども、参考資料3をご覧いただきますと、諮問された物質に関する見直し等の進捗についてというのがございます。このうち下に表がございますけれども、上の3段、1,1-ジクロロエチレン、1,4-ジオキサン、クロロエチレンにつきましては、水道水質基準から始まる水環境基準、地下水環境基準の改正というものがなされまして、土壌環境基準、土対法の基準についてもそれぞれ見直しがされているという状況でございます。残り三つでございますけれども、その下の3段でございますけれども、このうち1,2-ジクロロエチレンについて、今回議論の対象とさせていただくというものでございます。残りカドミウム及びその化合物、トリクロロエチレンについては、今後改正等の手続をさせていただくというようなことを、来年度以降、審議いただくということを想定しております。

 それを踏まえまして、資料2でございます。今回土壌の汚染に係る環境基準についてということで、第3次答申の(案)を出しているものでございます。

 めくっていただきました1ページ目のところに目次がございまして、「はじめに」というところから基本的考え方、それから土壌環境基準について、それから今後の課題についてとなっております。

 2ページ目のところにⅠとして、「はじめに」というものがございますけれども、1段落目のところでは、環境基本法で土壌環境基準というのが決められておりまして、これについては土壌環境機能の保全を念頭に置いて、現在29項目について定められているということになっております。2段落目でございますけれども、先ほど申し上げました6物質について、それぞれの日付で水質環境基準、それから地下水環境基準の追加基準値の見直しが行われたという状況でございます。

 こういう状況を踏まえまして先ほどの諮問、6物質についての諮問がなされております。この6物質のうち、1,1-ジクロロエチレンにつきましては、平成25年12月に審議をいただきまして、第1次答申がまとめられて、平成26年の3月に土壌環境基準が改正され、施行されております。また1,4-ジオキサンとクロロエチレンにつきましては、平成26年9月に小委員会で審議をされまして、答申がまとめられまして、平成28年3月に1,4-ジオキサンは土壌環境基準を0.05、クロロエチレンは0.002として追加されて、29年4月から施行されているという状況でございます。

 今回6物質のうち1,2-ジクロロエチレン、シス体とトランス体の和について、以下のとおり結論を取りまとめたというふうにしております。

 めくっていただきまして、3ページ目でございますけれども、Ⅱとして基本的考え方がございます。1番でございますけれども、土壌環境基準設定の基本的考え方が書いてございます。「土壌環境基準は」ということで書いておりまして、地下水等の摂取に係る健康影響を防止する観点等から設定されているということでございます。このうち土壌環境基準(溶出基準)につきましては、土壌中に存在する汚染物質が、土壌中を浸透する水により溶出され、その溶出された水が地下水として飲用に供される可能性があるという想定のもとで、溶出水が水質環境基準及び地下水環境基準に適合したものとなるようにするとの考え方で設定をしております。土壌の10倍量の水で溶出させまして、その溶出中の濃度が該当する水質環境基準に適合するという考え方で定めてきているというものでございます。また、農用地基準につきましては、人の健康を損なうおそれのある農畜産物の生産を防止する観点と、農作物の生育の阻害を防止する観点から定められております。

 2番で、土壌環境基準の見直しについてとなっておりますけれども、まず地下水環境基準につきましては、平成21年11月に、それまで「シス-1,2-ジクロロエチレン」であったものが、シス体とトランス体の和としての1,2-ジクロロエチレンに見直されておりますので、今回1の考え方によって土壌環境基準の検討を行ったというふうにしております。

 その下、なお書きで書いておりますけれども、農用地基準につきましては、これまでシス体について基準を設定していないですとか、トランス体は農用地に意図的に施用されていないとか、土壌に吸着しにくい等々といったことがございますので、農用地基準の検討は行わないこととしたというふうにしております。

 それから4ページ目、Ⅲですけれども、1,2-ジクロロエチレンに係る土壌環境基準についてでございます。

 1としまして、まず水道水質基準の検討状況でございます。水道水質基準、初めシス-1,2-ジクロロエチレンについて基準値が設定されていたというものでございます。これまで平成15年7月に、まず食品安全委員会に対して清涼飲料水の影響評価というものの意見が求められまして、食品安全委員会のほうから通知がされたというものでございます。その後、平成20年4月に、今度は水道により供給される水の影響評価についての意見が求められまして、通知がされているという状況でございます。

 そういうことを踏まえまして、食品安全委員会における健康影響評価を踏まえまして、シス体とトランス体を合算して評価することが適切だということとされまして、平成21年4月に、これまでのシス-1,2-ジクロロエチレンから、シス体とトランス体をあわせての1,2-ジクロロエチレンに改正されて、基準については引き続き0.04mg/L以下とされているところでございます。

 2番の地下水環境基準等の検討状況でございます。

 (1)として検討経緯、ございますけれども、平成21年9月に、「水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準等の見直しについて」という第2次答申におきまして、地下水につきましては、過去5年間のうち2年間で、それぞれ1カ所でトランス体についても超過が見られる。それから基準値の10%を超える検体はシス体、トランス体ともに毎年継続して確認されるですとか、地下水中でトリクロロエチレン等の分解によって、1,2-ジクロロエチレンが生成した可能性があって、シス体とトランス体が共存する状況が見られるといったことから、平成21年11月にシス-1,2-ジクロロエチレンから、シス体とトランス体の和としての1,2-ジクロロエチレンに改正されまして、基準値は引き続き0.04mg/L以下というふうにしているところでございます。

 一方で、その下になお書きで書いてございますけれども、公共用水域につきましては、10%値の超過が見られないことですとか、平成21年現在で、両異性体ともに意図された製造は行われていないといったようなことから、水質環境基準につきましては引き続き「シス-1,2-ジクロロエチレン」にしまして、「トランス-1,2-ジクロロエチレン」については、要監視項目とされたところでございます。

 (2)で基準値の導出でございますけれども、マウスを用いたトランス体についての毒性の情報等々から、基準値を0.04mg/L以下というふうにしておるところでございます。

 6ページのところで、3番で関連基準の設定状況というのを表1にまとめておりまして、水道水質基準、地下水環境基準、それから水質環境基準のそれぞれで物質については決められているということでございます。水道水質、地下水については1,2-ジクロロエチレンで、というふうに変更されていると。水質環境基準についてはシス-1,2-ジクロロエチレンにして、トランスのほうは要監視項目として設定されているというものでございます。

 めくっていただきまして7ページ目でございますけれども、1,2-ジクロロエチレンの土壌環境基準(溶出基準)についてでございます。

 地下水環境基準において1,2-ジクロロエチレンに変更されております。測定方法もございますので、Ⅱの1の土壌環境基準設定の基本的考え方に基づきまして、土壌環境基準項目(溶出基準)を1,2-ジクロロエチレンに変更するということにして、基準値については表に示すとおりとして、それぞれの考え方を下記(1)~(3)のとおりとすることが適当であるというふうにしております。表2のほうは環境上の条件としては、あわせた形で0.04mg/L以下というふうにしておるところでございます。

 (1)で測定方法でございますけれども、検液の作成方法というのは、現行どおり平成3年の環境庁告示の第46号の付表の2に掲げる作成方法のとおりといたしまして、測定方法については平成9年の環境庁告示の第10号(地下水の環境基準について)の別表に掲げる方法とするということでございます。

 測定結果の数値の取り扱いについては、以下のとおりとして測定を行う際の定量下限値は土壌環境基準の10分の1を目安とするというふうにしております。取り扱い方法、三つほどポツで書いておりますけれども、定量下限値は、シス体の定量下限値、トランス体の定量下限値を合計した値として、両方とも定量下限値未満の場合には「定量下限値未満」と表示する。

 二つ目のポツでございますけれども、シス体とトランス体の測定値の和を、1,2-ジクロロエチレンの測定値として、報告値は有効数字を2桁として、3桁目以降を切り捨てて表示する。

 三つ目のポツでございますけれども、測定値のいずれか一方が定量下限値未満で、いずれか一方が定量下限値を超えているという場合には、分析結果を記録として残す際、両方を併記するということでございますけれども、評価に当たっては定量下限値を超えたいずれか一方の測定値を1,2-ジクロロエチレンの測定値とするというものでございます。

 (2)で達成状況の評価、ございますけれども、水質環境基準のほう、基準値が有害物質の長期間の摂取に伴う健康影響を考慮した値であるということで、基本的に年間平均値で評価されるということになっております。ただ土壌汚染の場合、汚染状態は経年的に変化しやすいものではないということで、従来1回の調査結果が環境上の条件を超えていれば、土壌環境基準を達成しないものとして評価するというふうにされてきたところでございますので、1,2-ジクロロエチレンについても、この考え方に基づいて評価するというふうにしております。

 それから(3)でございますけれども、3倍値基準につきまして、そこの※で書いておりますけれども、汚染土壌が地下水面から離れていて、かつ、現状において当該地下水中の物質の濃度が土壌環境基準の値を超えていない場合に適用されるというものでございますけれども、(3)の本文のほうで1,2-ジクロロエチレンにつきましては、土壌への吸着性が低いということを考慮しまして、3倍値基準というのは適用しないということとしております。

 それから8ページのⅣでございますけれども、今後の課題についてということで、以上のとおり1,2-ジクロロエチレンに係る土壌環境基準の見直しについて、第3次答申として取りまとめたということにしておりまして、今後は、諮問された6物質のうち、まだ検討されていないカドミウム及びその化合物、それからトリクロロエチレンについて検討を進めるというようなことを記載をしておるところでございます。

 それから後は参考資料としまして、別紙でございますけれども、9ページのところにシス-1,2-ジクロロエチレンについての情報を書いておりまして、構造式ですとか毒性の評価値、環境中での挙動といったようなことを書きまして、物理的性状というのも記載をしておるところでございます。

 それからめくっていただきまして11ページのところからは、トランス体につきまして、同様に化学式、構造式ですとか、毒性評価の値、環境中での挙動ですとか、物理的性状というのを記載しておるところでございます。

 13ページについては、それぞれ出典の一覧を載せております。

 資料2については以上でございます。

 引き続きまして資料3についてご説明をさせていただきます。議事次第では(2)というものになっておりまして、別の議題になっているものでございます。

資料3の検液の作成方法を見ていただきますと、めくっていただきましたところに目次というのを載せております。目次のところに検討の必要性と、それから検液作成方法を定めている告示、それから検討内容というのが目次上にございます。

 3ページのところに必要性等を書いておりますけれども、平成28年12月12日に今後の土壌汚染対策のあり方についてという第一次答申をいただいておりますけれども、ほとんどの部分は土対法の取り扱いについての課題等をまとめていただいて、方向性をお示しいただいているものでございますけれども、その中で溶出試験の方法について、分析コストですとか時間の増大につながらないように配慮しつつ、試験機関や分析者ごとの分析結果の差を抑制する方向で、土壌の汚染状態をより適切に分析できるよう、手順の明確化を進めるべきとされておるところでございます。資料3の資料につきましては、この第一次答申を踏まえまして、環境省において検討している内容についてご報告をして、ご意見をいただければというふうに思っておるものでございます。

 めくっていただきました4ページのところに、今申し上げました今後の土壌汚染対策のあり方についての第一次答申というのを抜粋しておりますけれども、その中の3番のその他というところで、測定方法ということで、溶出量試験の方法について、先ほど申し上げましたようなご指摘をいただいているというものでございますので、ばらつきを抑えるというようなことで検討を行ってきたというものでございます。

 その次のページ、2番としまして、検液作成方法を定めている告示というのがございますけれども、まず土壌環境基準については、平成3年の環境庁告示の第46号の付表というところで定められているというものでございます。土対法についての溶出量基準というのは、平成15年の環境省告示の18号というところで定められておりまして、その上の環境庁告示の46号の付表を引用しているという形でございます。それから土壌含有量基準につきましては、平成15年の環境省告示の第19号で定められているというものでございます。

 どういうことが書かれているかということにつきましては、その次のページ、6ページでございますけれども、土壌環境基準に関する検液の作成方法の記載事項というのを書いております。この中では四角に囲みました1番、2番、3番、4番、物質群というふうに呼びますけれども、それぞれの物質群ごとに検液の作成方法が定められているというものでございます。1番としてはカドミウムとか全シアンというのがございまして、2番としてはジクロロメタンとか四塩化炭素というようなものがございまして、3番としては有機燐とかチウラムとかシマジンというようなものがございまして、4番ではふっ素及びほう素について書かれているというものでございまして、その下の矢尻のところにございますけれども、この物質群ごとに(1)~(5)、(1)では採取した土壌の取り扱いとか、試料の作成とか、試料液の調製、溶出、検液の作成について定められているというものでございます。

 7ページをご覧いただきますと、検討内容ということで、まず試料作成に係る明確化というのがございまして、(物質群1,3,4)に係ると書いてございますけれども、これは先ほどの6ページの物質群に対応したものになっておりまして、2番についてはこの試料作成に係る記述はないということでございます。

 <現状>として書いているのは、試料の作成については、採取した土壌を風乾し、中小礫、木片等を除き、土塊、団粒を粗砕した後云々と書いてございます。1番のものについて書いておりますけれども、物質群の3番ですとか4番ですけれども、ほぼ同様に定められているものでございます。

 その下に<論点>というふうに書いておりますけれども、風乾の温度ですとか粉砕の程度というのが、あまり具体的に明示されていないというものでございまして、先ほどのばらつきを抑えるという観点からは、何らか検討したほうがいいのではないかということで検討を進めまして、下半分のところに<方向性>というものを書いてございますけれども、まず風乾の温度につきましては、30℃を超えない温度とするというふうにしてはどうかと考えておるものでございます。

 これは(理由)というのを、その下に書いておりますけれども、ISOでは25℃を超えないようにということで書かれておりますけれども、日本の気候を考慮すると、そのまま持ってくるとかなり厳しいのではないか、温度管理が困難な場合があるのではないかということで、30℃を超えない温度というふうに考えておるところでございます。

 それから二つ目の矢尻でございますけれども、土粒子をすりつぶす等の過度な粗砕を行わないことにする。粗砕の程度が不明確ですので、本来は取り除かれるような直径2mm以上の小石等が過度な粗砕によって試料中に含まれて検液濃度に差が生じてしまうために、過度な粗砕を行わないというようなことにすればどうかと考えておるものでございます。

 それから次のページ、8ページでございますけれども、試料液の調製に係る明確化ということで、これは物質群、それぞれ1,2,3,4の全てについて係るものでございます。書かれていることとしましては、試料と溶媒、溶媒については純水に塩酸を加えて、水素イオン濃度指数が5.8以上6.3以下になるようにしたものと、重量体積比10%の割合で混合し、かつ、その混合液が500ml以上となるようにするというふうにされておるところでございます。ちなみにその500mlのところは、3の物質群につきましては1,000ml以上とされているところでございます。

 <論点>としまして、溶出液のpHにつきましては、土壌資料から溶出する陽イオン・陰イオンのバランスによって決定されて、土壌試料と混合する前の溶媒のpHの影響は小さいので、pH調整というのは不要ではないかという論点がございます。それから二つ目としまして、溶媒量に対する振とうの容器容積が明示されていないというものがございますので、その下半分の<方向性>としましては、溶媒のpH調整を不要として、JIS K 0557に規定するA3またはA4のものとしてはどうかと。また測定の対象となる揮発性有機化合物の汚染のないことを確認するといったようなこととしてはどうかと考えております。

 (理由)のところにつきましては、溶出液のpHというのは、土壌試料から溶出する陽イオン・陰イオンのバランスによって決定されて、土壌試料と混合する前の溶媒のpHの影響は小さいので、JIS K 0557に規定するA3またはA4ということでいいのではないかということでございます。

 それから二つ目でございますけれども、振とうに要する容器につきまして、溶媒の体積の概ね2倍というふうにしてはどうかということでございます。これも容器の空隙率が少ない状況では、鉛等の溶出量が低くなる検体が確認されるということで、容器については溶媒の体積の概ね2倍とするというふうにしてはどうかというものでございます。

 次のページ、9ページでございますけれども、溶出に係る明確化ということでございまして、これも物質群の1,3,4に該当するものでございます。

 <現状>としましては、溶出につきましては振とう機で6時間連続して振とうするというふうに定められているところでございます。例えば物質群4については、振とう容器についても追記されたりしておりますけれども、振とうにつきまして<論点>としては振とうの方向が明示されていないというのがございます。

 <方向性>としましては、下3分の1ぐらいのところでございますけれども、振とうの方向は水平方向とするというふうにしてはどうかと考えておりまして、環境省が行った実験によると振とうの方向を変えることによって、溶出濃度に差が生じることが判明したと。よって、振とう方向を明記して、振とう方向は水平としてはどうかというものでございます。

 この実験というものについて、次のページの10ページのところに(参考)として、実験結果を書いておりますけれども、この表の中で、カドミウムとか鉛とか、それぞれの物質ごとに振とうの方向を水平にしたものと、鉛直にしたものというのを並べて書いておりまして、その結果出てきた数値を㎎/Lで書いております。

 水平というのは、その下の左の写真にございますように、縦に並べておいた容器を横方向に振とうさせたもの。鉛直というのは下の右側の写真のように、縦に容器を並べて、それを縦方向に振とうさせたものというものでございますけれども、濃度を見ていただきますと、鉛、カドミウム等だけではなくて、イオン化傾向の高いふっ素、ほう素についても濃度が鉛直方向のほうが低いと。溶出が不十分であると考えられるというような実験結果になったというものでございまして、こういうものを踏まえて先ほどの9ページのように、振とう方向については水平方向としてはどうかというものでございます。

 それから11ページでございますけれども、検液の作成に係る明確化の(1)でございまして、物質群のこれも1,3,4でございますけれども、告示に書いておりますのは、試料液について静置した後、毎分3000回転で20分間遠心分離して、上澄み液を孔径0.45μmのメンブレンフィルターでろ過してろ液をとるというふうにしておるところでございます。<論点>として書いておりますのは、遠心分離機につきまして、分析機関ごとに所有する遠心分離機の回転半径が異なると、遠心分離の強度に差が生じるのではないかということ、それからメンブレンフィルター1枚当たりの負荷に係る要素、直径ですとか交換の頻度というのが明示されていないというような論点がございます。

 こういったものを含めて検討しまして、下半分で<方向性>としまして書いておりますのは、遠心分離につきまして、回転数から重力加速度として規定をして、3,000重力加速度としてはどうかというものでございます。(理由)として書いておりますけれども、遠心分離の強度に差が生じ得るということで、重力加速度と規定をする。この溶出試験の実態調査の結果では、毎分3,000回転で遠心分離しても、その後ろ過時間が長くなり過ぎるということはなかったので、程度としても3,000重力加速度でよいのではないかというふうに考えております。ちなみに※で書いておりますけれども、廃棄物の関係の溶出試験につきましても、3,000重力加速度としておるものでございます。

 それから二つ目でございますけれども、メンブレンフィルターの直径は90mmとして、ろ過の開始から30分間交換は行わない。ろ過時間が30分を超える場合は、概ね30分ごとに交換するとしてはどうかというものでございます。

 (理由)としましては、メンブレンフィルターが目詰まりを起こして、そのままろ過を続けると、そのフィルターの性能以上に土壌粒子が分離され得るということでございますので、直径と交換頻度を規定して、分析者や分析機関の誤差を抑制する方向で考えているところでございます。直径につきましては一般的に使用されているものの中から90mmというのを採用しまして、基本的には30分間交換しないで、30分を超える場合には概ね30分ごとに交換するというふうにしたものでございます。

 この実態調査の結果につきましては、その次のページのところにございますけれども、12ページのところにございます。調査期間は3か月程度で、n数としては3872の調査をしたものでございます。上のほうのグラフに書いておりますのが、ろ過時間が0分~5分のものの試料の数。それから5分~10分のもの、10分~20分のもの、20分~30分のものというふうに、それぞれの試料の数をグラフ化しておりまして、それで30分であれば大体8割程度のものが入るというものでございます。

 これと同じ数字でございますけれども、その下のほうに表で書いておりますけれども、ろ過時間が0~5分、5分~10分と、横の方向に書いておりますけれども、縦方向でろ紙の使用枚数というのを1~13まで書いておるものでございます。そのそれぞれに該当するものの試料数というか検体数というのを表わした数字を書いておりますけれども、例えば0~5分でも、1枚でやったというところが1,665検体ございますけれども、例えば0~5分でも、ろ紙を4枚使ったところが18検体とか、場合によっては7枚使っているというようなものもあったというものでございますので、これを揃えていくということを考えているというものでございます。

 13ページのところでは、メンブレンフィルターの上で堆積している土粒子というのが、ろ過時間を長くさせますけれども、性能以上に土壌粒子が分離されているということで、分析機関ごとのばらつきの原因になるというふうに考えたというものでございます。

 それからめくっていただきまして14ページでございますけれども、検液の作成に係る明確化の(2)でございますけれども、試料については10分~30分静置した後に、ガラス製の注射筒に吸い取って、ろ過をして検液とするというふうにしておりますけれども、<論点>としてございますのが、物質群の2でございまして、揮発性有機化合物についてでございますけれども、ろ過操作で揮発性有機化合物が揮発するのではないかというような論点がございますので、その下半分に書いておりますのが<方向性>というふうに書いておりますけれども、ろ過操作に関する規定を削除するということで、揮発させないようにするために、ろ過操作を削除してはどうかというものでございます。ちなみに廃棄物関係の溶出試験についても、同様の見直しがされているというものでございます。資料3については、以上でございます。説明は以上です。

(委員長到着)

(中村土壌環境課課長補佐)

 ただいまから第3回土壌農薬部会土壌環境基準小委員会を開催させていただきます。

 委員の皆様にはご多忙中にも関わらずご参集いただきまして、誠にありがとうございます。本日の出欠状況でございますが、駒井専門委員、佐々木専門委員からご欠席との連絡をいただいておりますが、所属委員総数10名のうち、8名の委員にご出席いただいております。

 まず委員長でございますけれども、中杉修身委員がご退任されましたので、今回部会長から細見正明臨時委員が指名されております。続きまして、新たにご所属いただくことになりました専門委員をご紹介させていただきます。国立環境研究所の肴倉宏史専門委員でございます。それでは、議事に先立ちまして、早水水・大気環境局長より、一言ご挨拶申し上げます。

(早水水・大気環境局長)

 おはようございます。よろしくお願いします。水・大気環境局長の早水でございます。

 前回、この委員会、平成26年に開催されております。そのときは担当審議官ということで参加をさせていただいておりますけれども、昨年4月より局長を拝命しておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。

 本日の土壌環境基準小委員会、第3回でございますが、その開催に当たりまして、一言ご挨拶を申し上げます。委員の皆様方におかれましては、ご多忙のところお集まりいただきまして、大変ありがとうございます。環境基本法に基づきます土壌環境基準につきましては、皆様ご承知のとおりですけれども、先ほどもご説明いたしましたが、水質環境基準、あるいは地下水環境基準を踏まえまして、現在29項目につきまして設定をされております。この水質環境基準等につきましては、平成21年以降、基準の追加・変更が行われておりまして、土壌環境基準についてもこれを踏まえた見直しが必要となっているということでございます。

 このため、平成25年10月に中央環境審議会に対しまして、1,2-ジクロロエチレンなど、6物質を対象として、土壌の汚染に係る環境基準及び土壌汚染対策法に基づく特定有害物質の見直し等について、諮問をさせていただきまして、これまで1,1-ジクロロエチレン、クロロエチレン、それから1,4-ジオキサン、この3物質につきまして、土壌環境基準と土壌汚染対策法の特定有害物質の基準の見直しに関しまして、答申をいただいたところでございます。環境基準につきましては、この小委員会でのご議論を踏まえたものということでございます。皆様方のこれまでのご指導、ご審議に対して改めてお礼を申し上げます。

 その後、土壌汚染対策法本体の見直しがありました関係で、基準の見直しにつきましては少し作業を中断しておりましたけれども、今年の4月までで土壌汚染対策法の改正関係のご審議を終えていただくことができましたので、基準の見直しにつきまして再開をしたいということでございます。本日の委員会では、6物質の残りの3物質のうち、1,2-ジクロロエチレンの土壌環境基準につきましてご審議をいただきまして、できましたら本日、答申(案)をおまとめいただければと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

(中村土壌環境課課長補佐)

 続きまして事務局についてでございますが、一部でございますけれども、紹介させていただきたいと思います。まず土壌環境課長の名倉でございます。あわせまして私、本日事務局のほうで司会をさせていただきます中村でございます。

 続きまして配付資料でございますけれども、配付資料は議事次第の配付資料一覧に記載しているとおりでございます。これらの資料、あと本小委員会でございますが、運営規則等に基づき公開とさせていただきます。

 それでは、これより議事に移りたいと思います。細見委員長に議事進行をお願いいたします。

(細見委員長)

 本日資料2として答申(案)が用意されております。本日はこの答申(案)についてご議論をいただきまして、できればこの委員会としての取りまとめを行いたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 資料につきましては、先ほど事務局のほうから説明をしていただきましたので、早速説明いただきました答申(案)につきまして、ご質問あるいはご意見などある方は、お願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。いかがでしょうか。浅見委員、どうぞ。

(浅見臨時委員)

 ありがとうございます。今回の議題の1,2-ジクロロエチレンにつきましては、シス体、トランス体をあわせて評価していくということのご提案かと思うんですけれども、毒性の評価もトランス体に基づいてなされているということもございますし、一緒に検出されるということもあると伺っておりますので、そのほうがよいのではないかというふうに思っております。

 検出状況につきましてもう少し詳しく、どのような状況のときに検出されやすいかとか、シス体とトランス体の差異といいますか、傾向の違いについて、もう少しお伺いできればと思うんですけれども、お願いいたします。

(細見委員長)

 事務局のほう。

(名倉土壌環境課長)

 検出頻度というのは、トランス体はそれほどないと。過去の報告ですが、同じ地下水等で経年的に調べた結果では、頻度についてはトランス体が1に対してシス体が9ぐらいの検出頻度で出ているというものでございます。また、土壌汚染実態調査の結果では、両方が出てきたところの濃度につきましても、トランス体のほうはシス体の0.数%から数%ぐらいの濃度になっているというような状況はございます。ただ先ほど委員からもご指摘いただきましたように、例えば親物質から分解されるときに、両方になり得る可能性があるということで、地下水環境基準のほうには基準として設定されたということもございますので、土壌につきましてもその可能性も含めて設定をしていくということを考えておるものでございます。

(細見委員長)

 小林委員、どうぞ。

(小林専門委員)

 今の件について、少しだけ補足させていただければと思うんですけれど、昨年から環境研究総合推進費でクロロエチレン等の塩素化エチレンの土壌中挙動について調査研究をしておりまして、微生物分解の担当をされています産総研の先生に、少しトランス体の生成挙動について伺いました。

 やはり国内・国外ともにトランス体の検出はかなり少なくて、シス体のほうが多く生成するということと、あとクロロエチレン類をエチレンまで無害化まで分解する菌としてDehalococcoides属が一般的にあるんですけれど、多くのDehalococcoides属の菌は、トランス体よりもシス体を生成するとのことです。

 ただ一部でDehalococcoidesのMB株、CBDB-1株のように、逆にトランス体が多く生成するという菌株もあるそうです。例えばMB株ではシス体に比べてトランス体が7倍ぐらい、CBDB株では3倍ぐらいトランス体のほうが多く生成する。そういう菌も一応見つかってはいるとのことです。あとシス体とトランス体を比べますと、トランス体のほうが一般的に、分解速度が遅い。ですから、蓄積しやすいというような傾向もあるそうです。

 ただ、これまでの実験室での分解実験の結果や汚染サイトの調査のデータを見ると、先ほどご説明がありましたように、トランス体の検出濃度自体がかなり低いサイトが多いようです。ですので、一部の菌株によってはトランス体のほうが多いこともありうるようですし、トランス体も加わると規制強化にもなりますので、引き続き、トランス体の出ているサイトについては、調査したほうがいいのかなと思っています。以上です。

(細見委員長)

 ありがとうございました。よろしいでしょうか。

 他にございますか。小林委員、どうぞ。

(小林専門委員)

 1カ所だけ、7ページの1,2-ジクロロエチレンの測定方法のところでシス体、(1)の下の三つポチがある中の3番目のところです。いずれか一方が定量下限値を超えている場合は、分析結果を記録として残すと、それらの両方を併記するという記載がございまして、この際に、NDだったほうをNDとするのか、実際に、例えば、定量下限値以下であっても、検出下限値以上だった場合、検出されたという情報を残すのか、単にNDとしてしまうのか明記されていません。できれば、検出下限値以上、トレースでも検出されているのであれば、検出されたという情報は残していただいたほうが、後々、そのサイトを評価する上ではいいのかなと感じました。これは記載のルールですので、NDと記すのか、検出されたという情報を残すのかというのは決めておいていただいたほうがいいのかなと感じました。以上です。

(細見委員長)

 今の表現ですが、定量下限値以下または検出下限値のどちらですか。

(小林専門委員)

 ここでは定量下限値以下であればNDというふうに書くというふうなルールになっているんです。

(細見委員長)

 はい、ここには書いておりますね。

(小林専門委員)

 NDと書くのか、もしくは、トレースとしてそういう情報を残すのか。

 ここではどっちで書く、定量下限値以下の場合に記録として残すのは、それの両方を併記しというような表現が、NDと書けばいいのか、何かNDだったときの情報を残すのかというのが具体的には書かれてないかと思うんですね。

(細見委員長)

 事務局、どうぞ。

(名倉土壌環境課長)

 今のところの想定では、ここに「両方を併記し」ということにつきましては、定量下限値未満というようなことがわかるようなことを併記、併記というのは、例えば、トランスは幾ら幾らで、シスは定量下限値未満でしたとか、そういう形で残すというようなことを想定しています。両方が定量下限値未満でしたら、一つ目のポツにありますように、もう全体として「定量下限値未満」というふうに書くということを想定しているものでございますけれども、検出下限値以上のものを数字として残すというようなことが、どういう形でやるのがあり得るのか、そのそれぞれのところで、どういう形であり得るのかということについては少し検討しまして、ちょっとその方向性を探りつつ、検討できればというふうに考えております。

(早水水・大気環境局長)

 補足します。やり方としては、私が過去に経験したものの中では、検出下限値未満がNDで、検出下限値と定量下限値の間をトレースというふうに書くやり方もあるかと思います。ただ、これは環境基準の測定結果の整理であり、土壌だけでなく水等の取り扱いにも関係があるので、どういう扱いが適切か、行政サイドで検討させていただければと思います。よろしくお願いします。

(平田臨時委員)

 よろしいですか。非常にこれは悩ましい話で、定量下限値の半分の値を与えるとか、いろんな議論が出てくるとややこしくなりますので、明確に定量下限値未満だったら未満というふうに、まあゼロではないんだけれどもという明確にされたほうがいいと思うんです。いつも議論するときに、そこが結構問題になっていて、半分の値を足したらという話が一方では出てくる可能性があるんですよね。そういう意味で、現場のほうであまり困らないように明確に、これはもう大丈夫だよということを書かれたほうが私はいいと思うんですが。ぜひ、そういうふうな方向で検討をお願いしたいんです。

(早水水・大気環境局長)

 今のご指摘は、定量下限なり検出下限の値を明記して、それ未満と書くということと思いますが、その場合、どちらを表記するということでしょうか。

(平田臨時委員)

 定量下限。

(早水水・大気環境局長)

 定量下限値未満であると。検出下限値は考慮しないということですね。多分、今まで、環境基準の測定においては、そのようにやってきていると思うんですよね。

(平田臨時委員)

 多分そうやってきていると思うんですけれどもね。

(早水水・大気環境局長)

 例えばですが、保健部の黒本調査はどうしていたか、ちょっと覚えていませんが、何かのときに、過去に、トレースという扱いをしていたことは確かにあったと思うんです。他方、環境基準のほうでは定量下限値が公定法できちっと決められておりますので、定量下限値を定めたのであれば、定量下限値未満というやり方が標準的にやっていると思いますので、もし全体的にそんな形であれば、そういうふうに整理をさせていただければと思います。

(細見委員長)

 はい、大塚委員、どうぞ。

(大塚委員)

 先ほど早水さんが言ってくださったようにお願いできればと思いますが、ここのところは地下水についての環境基準値の測定の仕方と評価の仕方がちょっと変わってくるみたいなので、地下水のほうは地下水特有の問題があると思いますので、違っていていいと思いますけれども、法的には、12条の3の趣旨とかということを多分考えることになると思うので、その辺の整理はしていただけると大変ありがたいと思います。定量下限値未満のものについて、足さないという考え方を今回取るわけですけれども、その点について、地下水との違いの理由づけをちょっと整理しておいていただけるとありがたいと思います。

(細見委員長)

 要望ということでよろしいでしょうか。

(大塚委員)

 はい、もしコメントいただけるのであればありがたいと思うんですけれども。

(細見委員長)

 今の理由ですか。

(名倉土壌環境課長)

 現時点で、まず、地下水の環境基準については、定量下限値未満というか、報告下限値未満のものが片方で出たときには、その定量下限値なり報告下限の値を足し合わせるというようなことというふうに理解をしておりますけれども。

 で、土壌のほうにつきましては、また今後、出てまいりますけれども、この土壌環境基準と土対法上の基準というのを同じ値で使っているというものでございます、溶出試験のほうは。そうした場合、基本的には、その土対法のほうは調査をした、その数字をもって、その後、区域指定がなされたりとか、その後、その数値について、その基準を下回れば区域指定が外れるとかというふうな取り扱いをしておるところでございまして、例えば、その定量下限値なり報告下限というのは、例えば技術の進歩によって今後変わっていくと、しかも下がる方向に変わっていったときに、過去に、その値そのものを足し上げていると、その後の数字の取り扱いなりが非常に難しくなるのではないかということで、土対法については、片方が定量下限値未満であればそちらはゼロとして扱うというふうなのが適当ではないかというふうに考えておりまして、そうした場合、この土壌環境基準のほうも土対法の基準と合わせたような形で扱うのが適当ではないかというふうに考えておるところでございます。

 一方で、記録としては、できれば残しておいたほうがよかろうということで、こちらについては、もしトランス体とシス体で、その片方が数字が出て、片方がその下限値未満であれば、両方併記はするというようなことで、できるだけ、その値としてトレースはしやすいようにというのは検討したものでございますけれども、また、先ほどの検出下限の問題については、また、先ほど局長から申し上げましたように、別途、検討させていただければというふうに考えております。

(大塚委員)

 地下水のほうに関しては、ちょっとここでは、あまり詳しいことは言えない、おっしゃれないということですかね。今は土壌の話だから。

(名倉土壌環境課長)

 そうですね。

(大塚委員)

 はい、わかりました。

(細見委員長)

 例えばダイオキシンの場合では、環境基準の場合だと、各異性体の定量下限値の2分の1を足し合わせるということでやっていますが、排水基準の場合だと、それは一応ゼロとしています。その理由については、対策の行為がそこから始まるので、環境基準の目標値と比べると、やはり違うんだと。これは土壌溶出基準の場合には、対策、区域指定といった規制の行為につながるので、目標とは違うという理解です。

(大塚委員)

 いろんなことが錯綜するので、整理していただければと思いました。

(細見委員長)

 広瀬委員、どうぞ。

(広瀬専門委員)

 すみません、専門外ですけれども。今のでちょっとわからなくなったのは、定量下限値を足さないというのは、土壌環境基準全体にやるルールにしようとしているのか、それとも、ジクロロエチレンだけに限っているのかが、ちょっと今はっきりしなかったので。

(名倉土壌環境課長)

 これまでも定量下限値未満のものは定量下限値未満というふうな形で扱ってきたもの、土壌環境基準についても扱ってきたものでございます。今回、問題になりますのは、シス体とトランス体というものを合わせた形で、今後、評価がされていくと、数値が取り扱われていくといった場合に、両方、シスについても定量下限値未満で、トランスについても定量下限値未満であれば、7ページの、その一つ目のポツにありますように、両方合わせて定量下限値未満というふうにすればいいんですけれども、三つ目のポツで書いているのは片方、シスかトランスの片方が定量下限値未満で、もう片方が定量下限値を超えて出てくるようなときには足し合わせるといったときに、どういう形で足し合わせるのかというのが問題になりますので、ここでは、片方が超えていれば、その片方の数字を使うと。逆から言いますと、定量下限値未満のものはゼロと扱うというようなことを記載しておるものでございます。

(広瀬専門委員)

 それは、その土壌環境基準のいろいろな、これは物質を足す話ですけど、例えば、一つの地区で幾つかポイントを測って平均するといったときに、多分、ゼロをゼロにするというルールは土壌基準にあるということですか。それとは何か違うんですか。

(細見委員長)

 事務局、どうぞ。

(名倉土壌環境課長)

 土壌環境基準につきましては、どこかのサイトで測ったら、それがそこのサイトの値だということになりますので、どこかの数値とどこかの数値を足すとか、そういうことはないと考えております。

(細見委員長)

 単独の項目から二つの化合物の1,2-ジクロロエチレンという規定によって、こういうことが起こってきたわけですが、今、名倉課長から言われたまとめ方でいいのではないかと思いますが、この点についてはご理解いただいたと、ご了承いただいたということでお願いしたいと思います。

 そのほかの点で、ご議論すべき点がありましたらお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

 肴倉委員、どうぞ。

(肴倉専門委員)

 すみません、今のところに戻ってしまうんですけれども、数字の取り扱いの確認で、二つの物質の、一つ目のポツは、二つの物質の定量下限値を合計した値が定量下限値だとありますけれども、三つ目のポツでは、いずれか定量下限値を超えたら、それを測定値とするということで、仮に、その片方の物質が0.003ですか、という数字が出たとき、一つ目のポツから見ると、定量下限値は0.004になるはずなんですが、三つ目のポツから言うと0.003という数字は測定値として残るということで、定量下限値よりも下回るけれども何か数字が出てくるという、そういう状態があるのかなという、考えられないかなというところを少し確認していただけないでしょうか。

(細見委員長)

 はい、どうぞ。

(名倉土壌環境課長)

 今、想定をしておりますのは、その上のところで、定量下限値は土壌環境基準の1/10を目安とするというふうに書いておりまして、それぞれの物質で0.004というようなことを想定しておりますけれども、そのそれぞれで、もう0.004を下回っていれば、定量下限値未満ということで扱うというふうなことを考えておるものでございます。

(肴倉専門委員)

 合計ではないということですか。定量下限値は1/10を目安とするとありまして、それが、おのおのシス、トランス、それぞれ1/10を目安にしているという理解でよろしいんですか。

(名倉土壌環境課長)

 はい。

(肴倉専門委員)

 わかりました。

(浅見臨時委員)

 すみません、多分、この1番目のポツの定量下限値がシス体とトランス体の定量下限値を合計した値とするという記述がわかりにくいんだと思うんですね。で、報告の何かまとめられるときに、定量下限値という欄に合計した値を書くのではなくて、それぞれの値を書かれることになるのかと思うので、ちょっとここの記述の仕方を、多分、ご検討いただくと。

(細見委員長)

 そうか、合計した値ね。

(浅見臨時委員)

 はい。その上の記述と矛盾しちゃっているということなんだと思いますので。

(川崎土壌環境課基準係長)

 土壌環境課の川崎でございます。

 確認となりますが、1ポツ目でございますけれども、それぞれが定量下限値未満の場合には、シス体とトランス体の定量下限値を足すというところでございまして、その後、シス体とトランス体の和である1,2-ジクロロエチレンの定量下限値は1/10でございますので、例えば、もし仮に折半するという場合でございますと、例えばシス体で0.002、トランス体で0.002ということで、合計して0.004ということもありえますが、違いますか。

(浅見臨時委員)

 そう思ってしまうので誤解されるということですよね。多分、書かれるときに、両方検出された場合というのが先に来て、片方検出されたというのが次に来て、最後に、結果的に両方、それぞれの定量下限値未満である場合には、定量下限値未満と表示するというふうに書いてあれば、それだけでいいのではないかと思います。結果的に定量下限値は合計した値になってしまうんですけれども、それについて書くと、何か混乱してしまうのかなと思います。

(細見委員長)

 そうすると順番を、今の三つのポツの順番を、今の1番目のポツを一番最後に持ってきて、まず、シス体とトランスの測定値の和をジクロロエチレンの値とするという2番目のポツがまず最初に来て、次に、2番目が、いずれか一方が定量下限値未満の場合のこの記述をもってきて、3番目は、先ほどありましたように1,2-ジクロロエチレンの定量下限値は、シス体とトランス体が両方とも未満の場合には、定量下限値未満と表示するとします。定量下限値を合計するという記述は削除することとしますが、それでよろしいですか。

(浅見臨時委員)

 そうですね、結果的にはいいのかなと。ちょっと集計の表とかはどうなるのかわからないんですけれども。

(細見委員長)

 それでよろしいでしょうか。ありがとうございました。

(早水水・大気環境局長)

 定量下限値を合計するというのは、そもそも、ちょっと変だと思いますので、そこは削除かと思います。

(細見委員長)

 ほかのところはいかがでしょうか。

 それでは、本日この委員の皆様からいただいた、先ほど、特にこの定量下限の扱い方については、先ほど、最終的に修正した案にさせていただいた上で、あと、もし語句の、本当に「てにをは」で何か語句を修正する場合におきましては私にご一任いただきまして、修正したものを、この本委員会の最終的な第3次答申(案)ということで、6月5日に開催予定の土壌農薬部会に提出したいと思いますけれども、よろしいでしょうか。

(異議なし)

(細見委員長)

 はい、ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。1,2-ジクロロエチレンに関する第3次答申(案)の審議は、これで終わりたいと思います。

 続きまして、この資料3について、ご意見、ご質問等があればお願いしたいと思います。いかがでしょうか。

 はい、浅見委員、どうぞ。

(浅見臨時委員)

 ありがとうございます。

 12ページのろ過時間のところなんですけれども、ろ過時間に対するメンブレンフィルターの使用枚数と、あと、何割程度が使っていらっしゃるかというところで、メンブレンフィルターの1枚を30分くらいはかけたままで、次に交換するというような規定のようなんですけれども、30分は結構、正直言うと長いかなという感じがしておりまして、測定の分析機関の方とかは大変かなと思うんですけれども、今のところ、何か、そこのクレームといいますか、支障というのはそれほど出てないという理解でよろしいでしょうか。

(細見委員長)

 はい、どうぞ。

(名倉土壌環境課長)

 事前の検討に当たりましては、調査機関の方々も含めたような形で検討してまいりましたけれども、現段階では、この時間についてのご意見等は聞いてはおりません。

(細見委員長)

 実際に実務をされている方にご意見を伺って、30分であれば適当ではないかと。一つのろ過装置で30分ずつやっていくと、これはもう大変だと思いますけれども、おそらく実際には複数のろ過装置で同時にやられるので、この30分というふうに決めてやったほうが、一定した値が出るのではないかというご意見もいただいたと思います。

 山本委員、どうぞ。

(山本臨時委員)

 現場というか、実際に分析をされるような方々のご意見を聞かれたということで、ちょっと関係ないかもしれませんが、農薬のほうの分析で有機燐、それからチウラム、シマジン及びチオベンカルブですね、何かこれまで、農薬分析をしている方から、こんな分析方法はどうかという話はないでしょうか。現在の感度は、もう1,000倍ぐらい上がっているわけで、それから、メンブレンフィルターを通すとか、こういったようなこともしないし、カートリッジで全部済ましていますよね。それから、もう一つは、土壌を風乾するという作業はするなと言っているんですよね。ついこの間、土壌中の農薬の分析に関して、残留農薬の、土壌残留のガイドラインを農水省、それから農薬小委でも議論をしたんですけれども、風乾しないで、ウエットのまま測ることになっているんですね。だから、そういう辺りで、これ、農薬のほうの分析をしている方々から、こういったような意見は何か出てきていたのか、どうなのかということについて、いかがですか。あまり聞いていないですか。

(細見委員長)

 ちょっと事務局のほうからお願いします。

(岡野土壌環境課課長補佐)

 これは土壌の分析ということで、土壌の、その区域指定のためにやる分析になりますので、通常、農薬の分析をされる方とは、ちょっと違う方法であると。で、この検討の中で、この農薬の分析について検討すべきとか、そういったことは聞いておりませんし、別途やっている農薬の基準値設定とか、そういった中でも、特段、不合理でないかみたいなことは、特段ないと思います。

(山本臨時委員)

 基準値設定というのは、どの基準値設定。

(岡野土壌環境課課長補佐)

 通常の農薬の、農薬小委でやっていただいている基準値設定に関係するような。

(山本臨時委員)

 こういう分析法はやっていないでしょう、その基準値設定のときには。

(岡野土壌環境課課長補佐)

 はい。例えばゴルフ場の水質の測定とか、そういったことはやっていますが、特段、その分析方法について、どうこうという話にはなっていないと思っております。

(山本臨時委員)

 この昭和四十何年に決めた分析方法で、ゴルフ場の排水溝のところの検査とかは、全部それ、四十何年の方法でやっているんですか。今の分析法でやっているということじゃないんですか。

(岡野土壌環境課課長補佐)

 そうです。ゴルフ場のほうは別途、この農薬の物質ごとに分析法を出していますので、それはそれでやっているということになりますので。

(山本臨時委員)

 そこはそうだと思いますけれども。ここで、今ちょっと発言したのは、ここの有機燐のうち、パラチオンとかメチルパラチオンとかは、昭和45年、46年に、もう登録失効しているんですよ、もう45年余り前に。登録がないのがここに、そのままずっと残ってきている。先だって、その土対法のときに、その環境基準の見直しということの中に、そういったものが、やはり改めて検討、今、直ちにということでもないですけれども、これはちょっと考慮したほうがいいのかなというふうに思っております。

 それから、平成3年だったですかね、この環境基準の中に農薬が入ってきて、何か、そのぐらいだったと思うんですけれども。

(細見委員長)

 平成5年です。

(山本臨時委員)

 そのときに、このチウラムとチオベンカルブと、そういったものが含まれてきた経緯というのが、なぜ、非常にたくさんある農薬のうちで、これが入ってきたかというのは、なかなかよくわからないなと、当時も私は思いました、なぜこれが入れられたのかと。だから、今さら、それをどうこう言ってもしようがないけれども、この農薬の部分については、今日は風乾とか、分析方法のことについては少し変えたほうがいい。今日の提案としては、私は妥当だなと思うんですけれども、農薬の部分に関しては、随分いろいろ、当時とは様子が大きく変わっていますので、少し、何か整理をしていただいたほうがいいのかなというような感じがしております。

(細見委員長)

 恐らく、この項目に関しては、いろいろなご意見があると思いますが、ただ、土壌の場合は、過去からのストックみたいなものが汚染として現れることがあるので、例えば、河川水とか、今の排水実態からすると、多分、今先生のおっしゃったように、もう登録もされていない、使ってもいないというようなことがあれば、少し河川というか、例えば表流水というんでしょうかね、そういうところでは、恐らくそういうことも少し議論されていくべきだと思いますけれども、土壌の場合は、過去にストックがあって、それが分解せずにずっとあってということが考えられると言われると、なかなかすぐに。

(山本臨時委員)

 いや、ここに載っているものは、どれもそういうことは考えられないですね。むしろ、そういうことであれば、有機塩素系であるとか、あと、後作物残留に関係するような、今、いろんなところで、農水のほうでも恐らくやっていると思うんですけれども、ずっと残っているようなものをむしろ挙げるべきであって、後作物残留を通じて人の健康に影響があるかもしれないということで、いろんな規制をしているわけですよ。そういうものがむしろ入るべきであって、今ここにある農薬に関しては、もうそういったことは、もう全くないことが明らかになっています。どういう状況の中でも、これは分解するし、そういう物質ばかりですから。

(細見委員長)

 はい。

(名倉土壌環境課長)

 農薬全般について、確かに少し検討が必要かとは思っております。ただ、ここの、今残っている5種類、4種類ですかね。

(山本臨時委員)

 有機燐の中で三つぐらいあります。

(名倉土壌環境課長)

 施行状況調査ですけれども、今、平成28年度の段階で、要措置区域の指定はございませんが、有機燐で形質変更時要届出区域の指定は5件ある状況でございまして、平成14年度からの累計、平成28年度まででは、形質変更時要届出区域が19件です。先ほど、委員長からおっしゃっていただきましたように、まだ残っている可能性があると考えておるところでございます。

 ただ、ご指摘いただきましたように、例えばこれだけでいいのかとか、そういう観点もあろうかと思いますので、その辺りの検討は今後も必要かとは思っております。

(細見委員長)

 今回の検液の作成方法については、例えば6ページで言うと、揮発性有機化合物に関しては別に扱いろ過は行わないとされていて、重金属類と農薬類とふっ素・ほう素については風乾をして溶出試験をするというルールとなっています。

(山本臨時委員)

 いやいや、私は、この風乾というのは、農薬については少なくともおかしいなと思っているんですけれども、一般的に考えて、必ず風乾したら定量値は下がります。そういうようなことでもいい。それは、じゃあ、全然なくなってしまうかというと、そんなことはないですから、ハンドリングのことを考えたら、ある程度このほうがやりやすいということはあろうかと思うんですけれども、農薬の土壌残留試験をやるときのガイドラインというのは、この風乾をしないように、ウエットでやるように、つい最近、きちんと明示をしたというようなことがありますよという情報です。

 それと、もう一つは、この分析方法の定量限界は非常に高いですから、そういうような範囲では、恐らく影響しないだろうというように思います。環境基準ではない別の分析方法では、今、1,000分の1ぐらいに定量限界が下がっていますから、そういうときには影響が出るなという、そういう話ですから、今回この部分について、ここの風乾というところについて、もっと細かく書くというようなことを特に考えなくてもいいのではないかなというふうに思っていますということです。

(細見委員長)

 もちろん風乾に関しては、肴倉委員もいろいろご意見はお持ちだと思いますが、確認ですけれども、風乾すると定量値が小さくなるというと、それは揮発によるんですか。

(山本臨時委員)

 揮発じゃないです、分解です。

(細見委員長)

 要は、風乾中に農薬が分解するということでしょうか。

(山本臨時委員)

 風乾というのは、これ以上その気中に置いておいても目方が減らない状況まで持っていくわけですから、24時間やら48時間ぐらいは当然、置いてあるんですね、そういう状態でずっと。

(細見委員長)

 それに関しては、今回、温度を規定する方向で提案されています。

(山本臨時委員)

 あと吸着もあるんですけど、吸着の状況が変わる。

(早水水・大気環境局長)

 水の環境基準のことについては、今日の委員会の業務からは超える話かと思いますが、実は私自身が、当時、そのチウラム、シマジン、チオベンカルブを追加したときに担当していたことがありますが、多分、当時の検出状況などを踏まえて、たしか項目が追加されたと記憶しています。ちょっと正確ではありませんけれども。ただ、農薬自身を、環境基準全体の中で、どういう物質を取り上げていくとか、取り扱いをどうするかということについては、長期的な課題であり、水の基準を見る際に、そういう農薬の取り扱いについて課題があるということは認識しております。農薬全体をどう見ていくかということについては、少し長期的な目で検討をできればというふうに考えております。

(細見委員長)

 はい、ありがとうございます。

 ほかにご意見はございますか。

(平田臨時委員)

 いいですか。7ページのところで、過度な粉砕をしないと、これ、非常に我々にはありがたいですけど、これは、もうコンクリートの固化体とかの入ったものは、もう全然関係ないですよということで考えてよろしいんですよね。今まで、結構砕いていたことはあるんですよね。コンクリートの場合、セメントの場合、よく土壌の改良材を使うんですね。固化体は、もう大丈夫なんですけれども、改良材を使って、土となかなか区別ができない状態になったときに、粉砕しろというようなことをやっているところもあるし、そうでないところもあったということですので、今回、これだと、もう過度な粉砕はしないということですから、乾燥させて、そのまま2mmでふるい分ければいいという理解でよろしいんですか。

(細見委員長)

 はい、そうだと思います。

 事務局、どうぞ。

(名倉土壌環境課長)

 7ページの現状のところにございますように、風乾し、中小礫、木片等を除きというふうになりますので、コンクリートの塊とかは、そういうところで除かれるものであるというふうに考えております。

(細見委員長)

 ほかにございますか。

 これ以上ご意見がなければ、先ほど、農薬の扱いについては、将来の農薬を議論する際の課題として、参考にさせていただきたいと思いますし、今回の検液の作成のこの方法についてはご異論がないということで、これで、今回、この案をベースに、これを告示に反映していただくということになります。それについては、環境省のほうでまとめていただくということになると思います。

 それでは、引き続いて、議題の3番目のその他でございますけれども、事務局のほうで何かございますか。

(中村土壌環境課課長補佐)

 今後のスケジュールについて、簡単にご説明させていただければと思います。

 本日、議題(1)のほうでご審議いただきました答申案でございますけれども、幾つか修正事項はございますが、修正を行いましたものを土壌農薬部会に提出いたしまして、土壌農薬部会におきまして、土壌汚染対策法に基づく特定有害物質の見直し、その他、法の運用に関し必要な事項についての報告案とあわせて答申案を審議いたしまして、審議いただきまして、環境大臣に答申いただくというふうな手順になってまいるかと考えてございます。答申が出されれば、それを踏まえて変更する環境基準の告示の改正案をパブリックコメントに付しまして、告示を改正していくというふうに予定しているところでございます。

 以上です。

(細見委員長)

 今後のスケジュール、特に本日、答申案をご議論いただきました内容について、土壌部会で審議していただいて、最終的には環境大臣に答申し、その後、パブリックコメントという流れになるということでございます。そのほかに、審議全体としては何かありますか。それではカドミウム、トリクロロエチレンの基準について、今後、ご議論を引き続きお願いしたいと思います。

 本日の議事についてはこれで終わりたいと思います。

 進行を事務局にお返ししたいと思います。

(中村土壌環境課課長補佐)

 本日、改めまして、お忙しい中をお集まりいただきまして、また、活発なご審議をいただきまして、誠にありがとうございました。本日の議事録につきましては、事務局で調整しました後、委員の皆様のご確認を経て、公開させていただきたいと思います。以上をもちまして、第3回土壌農薬部会土壌環境基準小委員会を閉会させていただきます。

 ありがとうございました。

(了)