中央環境審議会水環境部会総量規制専門委員会(第12回)議事録

日時

平成18年2月1日

場所

環境省水・大気環境局

議事次第

  1. 開会
  2. 議題
    (1)特定排出水の排出実態について
    (2)排水処理技術の実態について
    (3)その他
  3. 閉会

配付資料一覧

資料1総量規制専門委員会委員名簿
資料2特定排出水の届出・実測水量の実態(平成16年度)
資料3主要業種等区分別の届出最大水量・時期区分別水量比
資料4主要業種等区分別の届出最大特定排出水量の推移
資料5海域別の特定排出水の実態(平成16年度)
資料6海域別・特定排出水の実態の推移(COD)
資料7特定排出水の業種等区分別の濃度分布(平成16年度)
資料8汚染状態の測定結果が環境大臣が定めたC値の範囲の上限を超過することについて
資料9排水処理技術の実態について
資料10下水道法の改正について
資料11
浄化槽法等の改正について

総量規制専門委員会委員名簿

委員長 岡田 光正 広島大学理事・副学長
専門委員 河村 清史 埼玉県環境科学国際センター研究所長
木幡 邦男 (独)国立環境研究所水土壌圏環境研究領域長
齋藤 雅典 (独)農業環境技術研究所化学環境部長
酒井 憲司 国土交通省国土技術政策総合研究所下水道研究部長
諏訪 裕一 (独)産業技術総合研究所環境管理技術研究部門
融合浄化研究グループ主任研究員
中村 由行 (独)港湾空港技術研究所海洋・水工部沿岸環境領域長
平沢 泉 早稲田大学理工学術院応用化学専攻教授
細見 正明 東京農工大学大学院共生科学技術研究部教授
松田 治
広島大学名誉教授

議事録

午前10時30分 開会

○高橋閉鎖性海域対策室長 皆様おはようございます。本日はお忙しい中お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
 定刻になりましたので、ただいまから第12回の総量規制専門委員会を開催させていただきます。
 本日は、木幡先生と中村先生からあらかじめご欠席のご連絡をいただいています。それから、松田先生は飛行機の都合で1時間ほど遅れられるというご連絡をいただいておりますけれども、8名の先生方にご出席いただくことになっております。
 それでは、最初に事務局から資料の確認をさせていただきます。
 お手元の議事次第の後ろ、委員名簿が資料1です。資料2として特定排出水の実態でございます。資料3といたしまして、主要業種ごとの資料、資料4といたしまして、主要業種ごとの最大排水量の推移、資料5といたしまして、海域別の特定排出水の実態、資料6は、横長でございますけれども、海域別の特定排出水の実態の推移、資料7といたしまして、業種ごとの濃度分布という1枚紙になってございますけれども、その後ろに、番号はついておりませんが、COD、窒素、それからりんにつきまして、ぶ厚い資料がございます。それから、資料8といたしまして、C値の上限を超えた場合の扱いということで1枚ございます。資料9といたしまして、排水処理技術の実態、資料10といたしまして、下水道法の改正、資料11といたしまして浄化槽法等の改正についてというものがございます。
 それから、委員の先生方には、ご参考までに、前回の専門委員会で参考として配付いたしました届出水量及び排出水数について、ちょっと分かりにくいものですから、参考資料として机の上に置かせていただいておりますので、適宜ご参照いただければと思います。
 以上でございます。
 それでは、今後の進行は岡田先生にお願いいたします。よろしくお願い申し上げます。

○岡田委員長 おはようございます。委員の皆様方、傍聴の皆様方、雨の中お集まりいただきまして本当にありがとうございました。
 前回の委員会におきましては、特定排出水の実態についてご説明があり、ご質疑、それからご議論をいただいたところです。今回は、この議題にございますように、前回に引き続きまして特定排出水の排出実態に関する新しい事柄、それから、前回の委員会で各委員の方からいただいた宿題について、それから、排水処理技術の実態について事務局からご説明をいただいて、審議を進めていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、早速議事に入りたいと思います。
 まず、議題1、特定排出水の排出実態について、事務局からご説明をお願いしたいと思います。
 この検討委員会で議論すべきことは、ご承知のように、C値というものをどうやって設定するかということで、総量規制にかかわるC値である濃度値を業種ごとにどの程度に設定するのが適当であるかをご議論いただきます。
 当然C値の検討に当たりましては、水質の議論になるわけでございますので、前回の委員会では、主に水質に着目したデータに関連してご議論をいただきました。ただ、そのときに複数の先生方から、水量についても確認する必要があるのではないかという確かにもっともなご指摘、それから宿題が出ていたと思いますので、その水量の観点でのデータも取りまとめられております。その関連する資料について、事務局からご説明をお願いいたします。
 こういう基本的なデータの共通認識が、最終的な妥当なC値の設定ということになります。今日はどちらかというとデータが主になりますが、共通の理解を得るために、よろしくご審議のほどをお願いしたいと思います。
 では、よろしくお願いします。

○秋山室長補佐 それでは、資料2をご覧ください。
 平成16年度の特定排出水の届出水量と実測水量の実態をお示ししております。
 届出水量といいますのは、水質汚濁防止法に基づく届出、あるいは瀬戸内海環境保全特別措置法に基づく申請の値、その通常と最大水量を表しております。実測は、昨年度、事業所において測定された年間の平均値でございます。最大は、年間の負荷量の最大の水量を表しております。それを東京湾、伊勢湾、大阪湾、大阪湾を除く瀬戸内海について、それぞれ生活系、産業系、その他系の3つに区分しております。
 各水域を比べてまいりますと、大阪湾を除く瀬戸内海において産業系の割合が比較的大きい。生活系に比べまして産業系の水量が多い傾向があります。それ以外の水域につきましては、生活系に比べて産業系の水量の比率が少ない傾向が見えております。
 それと、届出水量に対する実測水量の比率ですが、各系別・水域別で見ましても、大体70%前後という数字になっております。最大水量につきましては、当然のことながら高くなっておりまして、届出水量に対する比率が上がっております。特に大規模事業所ですと、連続測定を行っておりますので、どうしても若干、降雨時の影響を受けやすいということがあるのかなと考えております。
 2ページに、東京湾につきまして、さらに業種などを細かく区分したものをお示ししております。
 主な業種について見ますと、12番の医薬品で、届出水量を若干上回っております。その他については、おおむね80%前後の数字におさまっております。水量としまして、やはり一番多いのは下水道なわけですが、それ以外に紙パルプ関係、有機化学関係、鉄鋼業の水量が多くなっております。
 続きまして3ページは、伊勢湾の状況を表しております。傾向としては東京湾に近いわけですが、全般的に、届出水量に対する実測水量の比率が上がってきております。特に最大値で高いところがあるわけですが、最大値については、昨年度、台風で突発的に雨水が混入したようなものも含まれております。
 続きまして、4ページに大阪湾の状況を表しております。大阪湾は、4つに区分した水域の中で一番産業系の割合が少なくなっております。水量としては、生活系の下水道の割合が非常に大きくなっております。非鉄金属製造業で、最大水量で見た場合に届出水量を大きく超えておりますが、これについては昨年6月に改善工事が行われて、現状は、届出の範囲内におさまっております。
 5ページは、大阪湾を除く瀬戸内海の状況です。先ほど申しましたように、生活系に対して産業系の水量の比率が大きくなっておりますが、その中でも紙・パルプ関係、鉄鋼業、化学工業、そのあたりの水量が大きくなっております。おおむね届出水量に対して80%、90%ぐらいの値になっております。
 資料2については以上です。
 続きまして、資料3です。
 前回お出しした資料との違いですが、前回は3水域合計していたわけですが、それを東京湾、伊勢湾、大阪湾、大阪湾以外の瀬戸内海の4水域に区分したことと、あとは、届出の最大水量を表示しております。
 東京湾につきましては、これはCODですが、特に25番の精密機械器具、一般機械器具あたりで新設の水の割合が増えています。右側のグラフは、白いところがQco、昭和55年以前、網かけしているところが昭和55年から平成3年、黒いところが平成3年以降に増えた届出水量を表しております。
 4番の飲料関係の水量も、新設の割合が非常にふえております。
 17番のなめし皮については、実態がありません。
 2ページは、東京湾についての窒素、りんの状況を表しております。水量についてはCODと同じ水量を表示しております。
 窒素、りんについては平成14年10月1日から総量規制がスタートしておりますので、平成14年10月1日前のところが白い部分で、網かけしているのが平成14年10月1日以降の水量の比率でございます。総量規制が始まってから2年余りですので、まだ新設の割合は非常に少ない状況になっております。
 3ページは、伊勢湾のCODの状況を表しております。伊勢湾については、東京湾とよく似た傾向ではありますが、特に23番の電気機械器具、あるいは精密機械器具、このあたりの新設の割合が非常に大きくなっております。
 4ページは、伊勢湾の窒素、りんについて表しております。東京湾と少し違いますのは、電気機械器具の新設の割合が目立っております。要するに、平成14年10月1日以降に新増設された工程が東京湾より多いことを表しております。
 5ページに参りまして、大阪湾です。これも東京湾とおおむね同じような傾向かなと考えております。飲料の割合が最近増えてきていますのと、ガラス関係、18番の窯業・土石製品製造業ですが、このあたりの新設の割合が比較的目立っております。
 6ページに参りまして、大阪湾の窒素に関する新増設の比率ですが、4番の飲料製造業の新設の割合、平成14年10月1日以降の増設の割合が増えております。また、電気機械器具の網かけの部分、平成14年10月1日以降の部分が比較的目立っております。
 7ページは、大阪湾以外の瀬戸内海のCODを表しております。17番のなめし皮は、新増設が比較的目立っておりますけれども、工場数が非常に少なくて、排水量は100m3単位ですので、これは全体から見れば誤差範囲かと思います。やはり電気機械器具の新増設の割合が目立っております。
 8ページに参りまして、窒素、燐についても同様です。電気機械器具の新増設の割合が比較的目立っております。
 3水域計が9ページです。これは前回お出しした資料と基本的には同じで、水量を入れただけです。全体で見ても、電気機械器具、精密機械器具、このあたりの新増設の水量が増えております。それに次いで飲料関係、最近ペットボトルなどがよく利用されている関係かもしれませんが、飲料関係の新増設の水量が増えております。
 10ページは、窒素、りんの状況です。平成14年10月1日以降で見ますと、電気機械器具のみが目立ったような状況です。
 資料3につきましては、以上です。
 続きまして、資料4に参ります。
 これも前回、委員の先生からご要望があって作成したものですが、主要業種等区分別の届出最大水量の推移を表しております。
 この表の見方ですが、昭和59年が第1次総量規制のスタートの年ですので、5年置きに届出最大水量の合計を表しております。畜産農業を例にとりますと、昭和59年当時はほとんどが既設で、一部新設があったわけですが、だんだん既設の水量が減りまして、新設の割合が少しずつ増えております。
 製造業についても同様で、詳細は2ページ以降に示しておりますけれども、既設の割合が減って、網かけしてある新設の水量の割合が徐々に増えてきております。
 下にいきまして下水道業については、下水道整備に伴って新設の水が少しずつふえて、全体の水量も増えております。
 し尿処理業、これは収集・運搬のし尿処理業ですが、これについては、下水道人口の増加に伴いまして水量が増えております。あるいは施設の更新などによって、あるいは利権によって、新増設の水量が若干増えております。
 し尿浄化槽については、これも生活排水処理の進展に伴いまして、比較的大規模な浄化槽が増えておりますので、全体の水量は若干減っておりますが、新増設の水量が少しずつ増えております。
 平成6年のところで若干、既設の水量が増えておりますけれども、これは平成3年1月1日に201人槽以上の浄化槽を規制対象にしましたので、その関係で新たに届出対象が増えましたから、水量が増えております。
 2ページ以降に製造業につきまして、さらに業種を区分して水量を表しております。傾向としては、先ほど各水域で新増設の水量の比率をお示ししたものと大きな違いはないかと思います。例えば、4ページの21番、既設の水量が少しずつ減って、新増設の水量が増えている傾向が明らかに見てとれると思います。あるいは3ページの16番、なめし皮関係ですが、昭和59年当時はかなりの水量、負荷量を占めていたわけですが、下水道整備に伴って、これについては大きく減少しております。
 資料4については、以上です。
 これで資料2、3、4の説明を終わります。

○岡田委員長 どうもありがとうございました。
 今の水量にかかわる資料2、3、4につきまして、ご質問ございましたらお願いいたします。

○酒井委員 数字の確認ですけれども、例えば、資料3の5ページで木材製造業が0.001というのは、これ1トン/日になるんですけれども、こういうものも規制対象になっているんでしょうか。

○岡田委員長 これはおかしいですね。

○秋山室長補佐 今すぐ確認できないんですが、これは10トン単位で整理していますので、たしかに10前後というのはおかしいかもしれません。ただ、総量規制対象といいますのは、特定排出水量ではなく工場全体の水量ですので、例えば、これに加えて浄化槽排水がありますと、その部分は浄化槽排水の方でカウントしますので、今回は工場1つ1つの水量ではなしに業種ごとの水量で区分しましたので、ほかの生活排水が入っていますと、それは別の方でカウントしますので、それは一部、総量規制対象になっているのではないかと思います。

○岡田委員長 ほかにございますか。
 特段ご質問がなければ、次に進ませていただきたいと思います。
 ご承知のように、第6次の水質総量規制のあり方という中で、総量規制を今後、どう進めていくか議論いただいた結果が出ております。その中で、大阪湾を除く瀬戸内海、この部分ではおおむね現状の維持を目指す、それから東京湾、伊勢湾、大阪湾では、さらなる水質改善のための規制の強化を図るとされております。その答申の内容を踏まえまして、海域別に特定排出水の実態をまとめる必要があるのではないかというご意見をいただきました。
 この宿題に関しましても事務局の方で取りまとめていただきましたので、そういう視点からご説明をお願いしたいと思います。
 よろしくお願いします。

○秋山室長補佐 それでは、資料5の説明をいたします。
 前回お出しした資料との違いは、東京湾、伊勢湾、大阪湾、大阪湾を除く瀬戸内海の4つに区分したことと、水量を入れたことです。基本的に、これは測定結果で表しております。
 先ほどご説明しましたように、東京湾、伊勢湾、大阪湾については生活排水の割合が非常に多くなっております。それに対して大阪湾を除く瀬戸内海については、産業系の排水の割合が生活系を大きく上回っている傾向がございます。
 水質ですが、CODにつきましては、生活系については各水域とも大きな差はございません。産業系については、瀬戸内海の水質が一番高くなっております。次が伊勢湾、大阪湾、東京湾という順になっております。窒素については、水質としては、東京湾と大阪湾を除く瀬戸内海がほぼ同じ数字になっておりまして、続いて大阪湾、伊勢湾という順番になっています。りんについては、伊勢湾、東京湾、大阪湾を除く瀬戸内海、大阪湾、そういう順番になっております。各水域によって、COD、窒素、りんで順位といいますか、濃度レベルが異なるという結果が分かると思います。
 その内訳ですが、資料2ページをご覧いただきたいと思います。
 例えば、一番上の下水道をご覧いただきたいんですが、東京湾についてはCODが平均10、窒素が13.5、りんが0.89となっています。それに対して伊勢湾は、3ページの一番上、CODについてはほぼ同じ10.7、窒素は若干低い9、りんについても若干低い0.53となっております。
 4ページに参りまして大阪湾、CODが11.2、窒素が東京湾とほぼ同じ13.6、りんも東京湾とほぼ同じ0.84となっております。
 大阪湾を除く瀬戸内海につきましては、下水道業は、CODは他の水域とほぼ同じレベル、窒素については東京湾、大阪湾より若干よいレベル、りんについても東京湾、大阪湾より若干よいレベルとなっております。
 産業系なんですが、東京湾、例えば2ページの産業系の18番、鉄鋼業をご覧いただきますと、CODについては6.7、窒素については28.1、りんについては0.07。それに対して伊勢湾、3ページの18番は、CODが10.1、窒素が50.3、りんが1.13となっております。CODについては各項目より東京湾より高い数字となっております。大阪湾の鉄鋼業、4ページの18番ですが、CODは5.0、窒素が16.6、りんが0.16となっております。大阪湾以外の瀬戸内海の鉄鋼業、5ページの18番ですけれども、CODが8.1、窒素が20.7、りんが0.14という数字になっております。各水域で比べた場合に、同じ業種で見ても、CODについてはあるところが高く、窒素については別のところが高く、りんについてはさらに別の水域が高いことが分かると思います。これは各業種について、同じようなことが言えるかと思います。
 下水道の場合は各水域で生活スタイルが大きく違うわけではありませんが、下水道と違いまして、産業系の場合、特に化学であるとか鉄鋼関係につきましては、各地域によって業態といいますか、製造品目が異なったり、あるいは工場の中で濃度の高い工程の占める割合が異なったりしますので、それが各水域の差に表れているのではないかと考えております。ですから、産業系につきましては、基本的には各水域において水質レベルにそれほど大きな差はないのではないか。今まで第1次から第5次まで3水域、瀬戸内海の西を分けますと4水域ですが、4水域同じように総量規制をやってきまして、基本的には同じようなレベルにあるのではないかと考えております。
 ですから今後、C値の検討に際しましては、その基本となるデータにつきましては、4水域のデータすべてで検討してはどうかと考えております。
 続きまして、資料6をご説明いたします。
 これも前回の委員会でご指摘があって作成したものです。
 CODにつきまして、東京湾、伊勢湾、大阪湾、大阪湾を除く瀬戸内海の4つに分けて、総量規制の各時期ごとに水量と水質の比を表しております。
 各水域とも、生活系排水については、高度処理の進展に伴いまして濃度が徐々に低下している傾向があります。一方、水量については、生活排水処理の進展に伴いまして、規制対象外の雑排水が取り込まれて、水量はどんどん増えていく傾向があります。これは総量規制対象工場だけですので、これだけ見ると生活排水の負荷量が増えたような印象があるかもしれませんが、生活雑排水、総量規制対象となっていない一般家庭の雑排水の負荷量が減っていますので、海域全体としては、当然これは負荷の低減に寄与しております。
 産業系についても、各水域とも基本的には濃度が低下しています。また、水量もおおむね低下傾向があります。特に大阪湾については産業系の水量が、昭和59年に比べまして平成16年では半減以下になっております。大阪湾以外の瀬戸内海については、産業系の水量はおおむね横ばい状態となっております。
 2ページに、東京湾のさらに業種を区分した水量の推移を表しております。
 この水量の推移が工場の用水のリサイクルによる減少なのか、工場の撤退によるものなのかはなかなか分からないところです。
 この中で水量が余り変わっていないのが、鉄鋼業になっております。18番の鉄鋼業は、余り水量が変わらないという傾向になっております。
 3ページに参りまして、伊勢湾の状況です。これも全体的な傾向としては、先ほど総括的な生活系、産業系、その他系の傾向と同じわけですが、基本的には、産業系については余り、全体としては減っていますけれども、特に個別に大きく減っているということはありません。小さい水量のところではあるわけですが、それほど大きく減っているところはありません。
 4ページが大阪湾です。この中で大きく減っているのが、4番の繊維工業。この水量が大きく減ってきております。
 5ページは大阪湾以外の瀬戸内海ですが、全体的な傾向は、先ほど説明しましたように、産業系については水量は横ばいとなっております。水質は低下傾向を示しております。
 この水質の低下傾向なんですが、これを見ていきますと、各水域とも共通していることなんですが、もともと濃度が高いところについては濃度の低下傾向が強いということがあると思います。もともとの濃度が低いところは、余り濃度は変わらないということが、各水域とも言えるのではないかと思っています。あるいは若干濃度が上がっているところもあります。
 例えば瀬戸内海、産業系の割合が多いわけですが、21番の一般機械器具などは、CODが6.2だったものが今は5.2ぐらい、ほぼ横ばい、若干低下傾向というぐらいです。それに対して24番の精密機械器具、14.2だったものが最近は20ぐらいと、若干増加している傾向にあります。
 一方、濃度が高かったところについては、2割、3割、あるいは3分の2ぐらいに濃度が低下しているところがあります。例えば10番の化学繊維、32.9だったものが最近は24.4ということで、3分の2ぐらいの数字になっております。濃度が高かったところほど濃度の低下が大きいという傾向があるように思います。
 以上です。

○岡田委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、資料5と6のご説明に関しまして、ご質問、ご意見ございましたらお願いいたします。

○平沢委員 大変分かりやすいデータになったような気がしますし、これだけ整理するのは大変だったなと思うんですけれども、いろいろなことを意味しているような気がします。
 例えば、資料5ですが、とりあえず瀬戸内はそのままだということで排除して考えてしまいますと、東京湾、伊勢湾、大阪湾で見ると、やはり東京湾、大阪湾に関しては、先ほど言われたように生活系の寄与が非常に高い。東京湾ですと、CODだと7割、大阪湾だと84%くらいですかね。N、Pもほぼ同じような傾向ですね。ということは、やはり総量規制の値を決める等々で考えるべきところは、やはり生活排水をやった方が有効かなというのが、これで見てとれるわけでございます。
 伊勢湾に関しては、大体半々というイメージなんですね。産業と生活系と半々ということで、そうしたら両方かなと思うんですが、実は伊勢湾の中身を見てみますと、伊勢湾の産業系の負荷ということを考えますと、ほとんどが、実は紙・パルプです。これは3ページですね。ほかは負荷としては少ないということで、でも、いつも申していますように紙・パルプというのは、このCODも高いというのは、とりやすいCODが残っているということではなくて、リブニン、セルロース、非常にとりにくいものが残っておるわけでございまして、この辺のCODのとりにくさ、あるいはそういう難分解のCODが水域への汚濁に寄与する部分。寄与度は必ずしも易分解と同じではないということを考えますと、その辺も考慮すべきであろうと思います。
 あわせて、先ほど関係ないと申しましたけれども、大阪湾を除く瀬戸内を見てみますと、すごくCODが高いから、産業系をとらなければいけないんだという議論になるのかもしれません。従来はですね。でも、これを見てみますとほとんど紙・パルプで、73.4という非常に大きな負荷。あと有機化学ですか。CODも46と24ということで、非常に高い。でも、この質を考えてみますと、先ほど申したように、いわゆる下水とはまた質が違って、セルロース、リグニンという系統が非常に多いわけでございまして、例えばこういうCODをもっととっても、実は余り効果がないというか、今回の委員会で現状を維持すべきだという結論に至った理由がこの辺にあるのではないかというところが読み取れました。それが1つでございます。
 それから、資料6に関して申しますと、実態ということで見てみますと、やはり産業系は過去の総量規制の間にどんどん下げてきている。でも、先ほど申したように、もう下げられる合理的な処理技術というのがなかなかなくて、これ以上なかなか下げにくいといった状況が見えます。その一方で、生活系というのは確かに、先ほどいろいろ理由をおっしゃっていましたけれども、実質負荷量が増えているということは、やはり今までの総量規制は何だったんだろうかという気もしますし、要するに、片方で下げて片方で上げている。このまま見れば。これ以外のものは確かにあるんですけれども、こういうデータを見てしまうと、やはり生活系にもう少し頑張っていただきたいなというふうに読めました。
 あとは、資料としては分かります。特に質問はございません。

○秋山室長補佐 最後のところで、各水域とも生活排水の水量、負荷量の比率が増えているんですが、これはやはり生活排水全体の負荷を減らすといったときに、未処理あるいは低レベルな処理をしていたところを下水道なり浄化槽に取り込んで、高度処理化を図っていく。そうしますと当然のことながら、それは届出対象施設に取り込むことになりますので、これは総量規制の検討ということで、50トン以上の指定地域内事業所のみを表しておりますので、見た目としては当然、生活系の割合が増えてしまうわけですが、水域全体で見れば、例えば東京湾の生活系の負荷はかなり大きく減少しております。それは、やはり総量規制制度の一つの成果ではないかと考えております。
 これだけ見ますと生活系の割合が多いんですが、それは結果であって、生活系全体、雑排水も含めた負荷の低減には、総量規制制度が大きく寄与していると考えております。
 それと、やはりこうやって生活系、産業系、その他系、あるいは1ページ以降の表で見てしまいますと、どうしても1社1社の状況は消えてしまいます。下水道といいましても、終末処理場は1つではありませんで、複数の処理場があります。工場でも同じように、複数の工場があってこの数字が出てきておりますので、確かに生活系の対策は大事なんですが、やはり個別の、全体の取り組みが必要かなと考えております。
 それと、各業種における処理の困難性の配慮、それは当然のことと考えております。

○平沢委員 しつこいようですけれども、雑排水の問題があれば、それはやはり表に出てこないわけですから、その分、寄与した部分を、どれだけとれたのかを見せてくれないと分からないというか。このまま見てしまうと、誰しもそう思ってしまいますよね。だから、そうであれば雑排水で処理しなかった部分の負荷がどのくらい減っているのかを出しておけば、下水道がこれだけ寄与しているんだよというのが分かるような気がするんですが。
 言われていることは、分かります。

○岡田委員長 それは、今すぐ出ますか。次でも……。

○秋山室長補佐 過去、専門委員会でそのあたりの資料はお出ししておりますので、またご説明したいと思います。

○岡田委員長 では、次のときでよろしいですね。

○平沢委員 結構です。

○細見委員 資料5ですが、先ほど下水道が、ちょっと私もうろ覚えで恐縮ですが、確認だけさせていただきたいと思います。
 まず、下水道で生活系と産業系と、それから、その他系というのがありますよね。ここら辺の定義をもう一度。
 それと、東京湾と伊勢湾と瀬戸内海、大阪湾と比べたときに、生活系に限って言うと、CODについてはどの水域でもほとんど同じ値だと思うんですが、窒素とりんで伊勢湾の方が、「わずかに」とおっしゃったけれども、私はかなりいいのではないかと。この理由が、例えば資料3の下水道のところを見ると、伊勢湾は新規のものが多い。要するに、新設のものが多いから、簡単に考えてしまうと、新しい処理施設はそれなりの配慮ができているのではないか。しかるに東京湾とか大阪湾とか、以前から整備されているようなところでは既設のものが圧倒的に多いという単純な理由で、この伊勢湾の窒素、りんが、効果が上がっているというか、ほかの水域と比べると、私は顕著な差があるのではないかと思いますので、この辺、全体の負荷量を考えていったときに、この中に含まれていないノンポイントも含めて考えていくときに、少し参考になるのではないかと思いましたので、もし分かればの話で、お願いいたします。

○秋山室長補佐 まず、下水道の生活系、産業系、その他系の区分ですが、下水道に入ってくる水の量、処理する水量は当然、終末処理場で分かります。入ってくる水の生活系、産業系の区分なんですが、これは基本的には下水道料金の関係で分かります。その他系でも、農業などで一部、下水道につないでいる部分がありますけれども、それも当然、事業所であれば水量が分かります。それらをトータルから差し引きますと若干の、雨水混入などの面源の水量が出てまいります。そういう形で生活系、産業系、その他系の区分をしております。その他系というのは、農業関係と、あとは面源の水量になっております。
 例えば東京湾を見ていただきますと、資料5の2ページ、下水道の生活系でCODが10、それに対して産業系が9.5、その他系が9.5となっております。基本的には、下水道というのは処理系統が1本なので、水量を分けられても系別は分けられません。ところが、下水道は終末処理場それぞれによって生活系、産業系、その他系の割合が違いますので、その結果がここに表れております。処理場が1つであれば当然生活系、産業系、その他系の水質は同じで、水量のみが違うことになるんですが、終末処理場それぞれによって、産業排水の割合が多い処理場もありますし、生活排水がほとんどというところもありますので、それによって、この生活系、産業系、その他系の濃度の差が表れております。
 それともう一つ、CODについては余り差はないんですが、窒素の水質が各水域で若干異なるというご指摘ですが、確かにそのとおりで、各水域で若干異なります。それは1つは、やはり細見委員ご指摘のように、終末処理場の設置時期の差がそこに表れているのではないかと思います。各水域ともBOD、あるいはそれに付随したCODはそれなりのレベルまで落ちているんですが、窒素、りんについてはその差が表れているように思います。

○酒井委員 今の補足でお聞きしたいんですけれども、資料5の4ページ、大阪湾の窒素の下水道に関して、産業系が3.2でその他系が3.7と、生活系の13.6とえらいギャップがあるんですけれども、これも今のような説明でよろしいんですか。

○秋山室長補佐 そうです。実は、私もチェックしていて非常に気になりましたので、それは確認いたしました。

○岡田委員長 ほかにございますでしょうか。よろしいですか。
 それでは、引き続き業種等の区分物の実態に進みたいと思います。
 前回の資料は、大まかな特定排出水の水質を見ようということで、平均水質で整理してもらいました。ただ、実際の基準の設定に当たっては、平均ではなくて最大濃度の水質を考慮して検討することになります。前回は間に合わなかったわけですが、今回は平均と負荷量の最大日の濃度ということでお示ししておりますので、その資料7と8について、事務局からご説明をお願いいたします。

○秋山室長補佐 資料7をご覧いただきたいと思います。
 基本的なスタイルは前回お出しした資料と同じですが、前回と変わっておりますところを中心に説明したいと思います。
 まず、下側の図をご覧いただきたいんですが、ここでは138000、合成香料製造業について説明しております。この業種番号の「138」というのは、環境省の告示の番号です。その後の「000」といいますのは、それについての枝番、備考欄でさらに細分化しているものがありますので、それを示すコードです。
 その下に「Cj値下限」とありますが、グラフに縦で点線が入っております。前回は、昭和55年以前のC値の環境省が示している上限と下限のみ、Coの下限とCoの上限のみを表しておりましたが、今回は、それに加えましてCj、平成3年以降に適用される新設のC値の下限を示しております。もう一つは、先ほど委員長からご説明がありましたように、年間平均値を従来どおり白枠の棒グラフで表しております。網かけしてありますのは、一番下にありますように、負荷量最大日の濃度を表しております。総量規制基準でやっていこうということですので、最も負荷量が大きかった日の濃度を表しております。
 グラフの下の数字は、COD、窒素、りん各項目の濃度のレベルを表しております。縦が度数を表しております。縦軸に系統別の排出水数をお示ししています。
 排出水数については前回の委員会でご説明したんですが、今回も、委員限りですが、参考として1枚お配りしております。傍聴者の方は前回の委員会資料をご確認いただきたいんですが、この排出水数といいますのは、各事業所が水質汚濁防止法等で届け出ている業種ごとの水質です。ですから、業種あるいは処理施設ごとに行を分けて届け出るわけですが、その行の数をここでは排出水数としております。少ないところですと1つしかありませんし、多いところですと、1つの業種で二つ三つ持っているところがあります。処理施設ごとに行を変えますので。
 凡例の真ん中あたりにありますけれども、この数字と一律排水基準との対比を載せております。CODの一律排水基準は日間平均が120、最大が160ですが、そのレベルを超えているものについて印をつけています。合成香料製造業の表の上に「CO値上限:160」とありますけれども、その横の?は、CODの日間平均が120を超えているので入れています。一律排水基準の日最大が160を超えているものがあれば、それは■で表示しています。
 それでは、資料7のCODの部分に入りたいと思います。
 今回、この資料を作成するに当たって前回のデータをさらに精査しまして、異常データ、データの記入ミスであるとか桁間違い、各県の電算システムから我々の方のシステムに変換する際のミスなどによって桁間違いもありましたので、そういうものもあわせてチェックしております。
 資料7のCODの分の資料ですが、基本的な傾向としては、前回の説明と大きく変わってはおりません。CODにつきましては、1ページの2段目右側から食料品関係が並んでおりまして、このあたりが工場数が多いんですが、各業種とも、おおむねCODが40以下のところが多くなっております。ただ、スポット的に、右の方に120を超えるようなものが表れております。いずれも基本的には網かけをしておりますので、負荷量最大日の濃度の分です。白い棒の年間平均については、大体80以下になっております。食料品製造業は、基本的には全体としてそういうことが言えるように思います。
 食料品関係はちょっと飛ばしまして、続いて6ページの下2つあたりから、繊維工業が始まっております。6ページは排出水数が少ないのでよく分からないと思うんですが、7ページに参りますと染色関係が並んでおります。染色関係は、平均的な水質が大体60から70ぐらいで、比較的濃度の高いものも全体としてはあります。負荷量最大日だけではなく、年間平均でも比較的高いものがあります。100を超えている事業所も認められております。それが繊維関係の全体的な傾向となっております。
 8ページの真ん中、76000あたりから紙関係が並んでおります。
 紙関係は、パルプ関係のところは若干高いものがあります。例えば81000、未さらしクラフトパルプ、82000、さらしクラフトパルプ、このあたりが高くなっております。
 83000から紙製造業が始まってきます。基本的には低いんですが、9ページをご覧いただきますと、紙の中でも古紙原料の脱インキ工程、その部分がかなり高めになっております。それ以外の、いわゆる抄紙工程については50ぐらいで、比較的低い数字となっております。
 紙全体としては、そういう傾向だと思います。
 10ページの下の方に参りまして、肥料関係が並んでいます。CODは比較的低いレベルにあるように思います。
 11ページにいきまして、無機化学関係の業種が幾つか並んでおります。レベルとしては非常に低くて、下限を下回っている実態が見てとれると思います。
11ページの下から2つ目右側から、石油化学系基礎製品製造業が並んでおります。このあたりは、やはりCODが発生源ですので、COD50ぐらいのレベルです。ただし、一部備考欄のある業種について、比較的濃度の高いものが認められております。
 12ページ、13ページと化学工業が並んでおります。大体同じような傾向かと思います。大体CODが50、60前後で、一部備考欄なりただし書きがあるものについて、高いものが若干あるという傾向です。
 15ページに参りまして合成繊維製造業、123000、レーヨン関係ですが、これは基本的にはCOD50以下のレベルが多くて、一部、スポット的に濃度の高いものが表れております。
 16ページに参りまして、医薬品関係。これがかなりばらつきが多くなっております。全体的にはCOD40以下のものが多いんですが、70、80ぐらいのところにも若干の山があります。大体のところはCj下限のレベルを下回っているわけですが、一部Cjの下限を上回っているところに山がある、そういう状況です。
 化学工業は大体同じような傾向が続いているわけですが、19ページに参りまして、ガラス関係。ガラス関係というのは、CODよりもむしろSSなり重金属が懸念される業種ですので、CODは比較的低くなっております。
 20ページ下から2つ目から、鉄鋼業が始まっております。鉄鋼業の場合、CODの主な発生源がコークス炉ですので、コークス炉を持っているところについては当然濃度が高くなっております。それ以外の鉄鋼業については、濃度は比較的低目になっている状況です。
 23ページの右上に非鉄金属がございます。非鉄金属も鉱石から作業をする場合と二次精錬の場合とあって基本的には濃度が低いんですが、一部、濃度の高い工場がございます。
 23ページの2段目から金属製品関係が並んでおります。鉄鋼に比べますと比較的水量が小さいわけですが、鉄鋼ほどは低くなくて、大体COD10から30ぐらいのレベルが多くなっております。
 24ページが下水道業です。前回は、濃度が高い異常データがあったんですが、データチェックの結果、消えております。一部下水道で、209000の左側のところですが、70のところに若干山があります。ただ、これは各ランクの右側にありますので、これは年間最大値です。通常値では、基本的にはいずれも50以下におさまっております。
 右側の高度処理については、通常処理よりも若干いい傾向が見られると思います。
 その下、共同調理場から食品関係、あるいは飲食店などが並んでおります。基本的には皆、同じ傾向かなと思っております。CODがおおむね30以下のレベルになっているのかなと思います。
25ページに参りまして、病院も同じことが言えると思います。
25ページの上から2つ目の右側、し尿浄化槽。これも基本的には同じことが言えると思います。浄化槽の場合、後ほど説明いたしますが、構造基準で水量なり濃度がきっちりと決められますので、適正に管理すれば、おおむねこのあたりになるのではないかと考えております。
 CODについては、以上で説明を終わります。
 続きまして次の束、窒素の方の説明に参りたいと思います。
 1ページですが、右上の天然ガス鉱業、これは千葉県にしかない業種なんですけれども、比較的高めの数字になっております。
 その下から食料品関係になっておりますが、これもCODと同じ傾向かと思います。大体30以下というレベルかなと思っております。肉製品とか乳製品ですとタンパク質が豊富な排水が多いですから、窒素が高めになっております。それで一部、スポット的に濃度が高いものが表れる傾向があります。
 2ページに参りまして、例えば15000の野菜缶詰、16000の野菜漬物、このあたりはたんぱく質が豊富な排水というわけではありませんので、先ほどの肉製品に比べますと、濃度はかなり低目の数字になっております。
 同じようなことが言えるのが、ちょっと飛ばしますけれども、4ページの一番下、清涼飲料水関係。これも窒素が豊富な排水ではありませんので、窒素レベルは当然低目になっております。
 5ページの真ん中あたりから、飼料あるいは肥料関係の業種が並んでいます。やはりこのあたりは窒素、りんが豊富な原材料を取り扱うということで、工場数は少くてかなりばらつきがありますけれども、濃度が高いものがぱらぱらと認められております。
 5ページの下から繊維関係が並んでおります。繊維関係で窒素を使うのは、染料と、あるいは助剤として尿素などを使う場合もあるわけで、そういうものが濃度上昇の原因ですけれども、全体としては、窒素でおおむね20、30のレベルにおさまっているように思います。基本的にはCoの上限を上回っているものが大部分であると思います。
 7ページの真ん中から、パルプ、紙関係が並んでおります。パルプについては過去の専門委員会のヒアリングでもありましたけれども、生物処理には窒素、りんが足りないということで、むしろ窒素、りんを補給しているような実態がありますので、当然のことながら排水の窒素、りんレベルは低くなってきております。
 8ページも同じようなことが言えると思います。
 9ページの真ん中右側から、肥料関係が並んでおります。窒素が原材料になっておりますので、当然のことながら濃度の高いものが認められております。ただ、基本的には、おおむね上限の範囲におさまっているものが多いように思います。
 10ページから無機関係が並んでございます。無機関係は、前回もご説明しましたけれども、窒素原料を意図的に使う、使わないというのが大きな差に表れております。ですから、例えば108000、真ん中の右側ですが、10以下のものが非常に多いわけですけれども、ぽつぽつと高いものも表れております。そういう原料を工程で使えば当然出てくるということのように思います。
 また、下から2つ目のバナジウム化合物、右側の酸化コバルト、これは窒素の暫定排水基準適用工場ですので、かなり高濃度になっております。
 モリブデンについても同様です。
 イットリウムについては、現状では濃度は比較的低目になっております。ただ、これはスケールが大きいのであれですが、60以下のところに数字が来ております。
 石油化学関係は11ページから始まっております。おおむねCODと同じような感じですが、当然のことながら、窒素を使うものであれば低目の数字になっており、使うものであれば高めの数字になっている。CODより若干ばらつきが大きいように思います。
 12ページのその他の化学工業も、似たようなことが言えるかと思います。比較的濃度の低いところにピークがあるのは、窒素原料を意図的に使っていないもの、濃度が高いもの、特に平均で高いものは意図的に使っているものであろうと考えております。
 13ページの下から、化学繊維関係が並んでおります。基本的には、他の化学工業よりは比較的低い数字になっております。
 医薬品関係、先ほどCODではばらつきが多かったんですが、窒素に関しては、年間平均の数字では比較的低い数字になっております。最大値でぽつぽつと高いものが出ております。ひょっとしたら、スポット的に何かを使っているのかもしれないと思います。
 15ページ、あとの化学工業では、今までと同じような傾向が続いているかと思います。
 16ページの真ん中左側、149000、コークス製造業ですが、これは事業所数が少ないんですけれども、かなりばらつきが大きくなってきております。年間平均で100を切っているものもあれば、年間平均で900を若干上回っているようなものもございます。
 続きまして、17ページのガラス関係は、基本的には濃度が低いレベルにあります。おおむね10以下のところが多くなっております。
 18ページ、下から2段目の右側、製鋼圧延を行う高炉による製鉄業から鉄鋼関係が始まります。
 その下、コークス炉を有する鉄鋼業なんですけれども、かなりばらつきがあって、特にコークス炉を有する方は大きくなっております。これも処理レベルの差なりが表れているのかなと思います。
 また右下、鉄鋼関係すべてに言えることですが、ステンレスの硝酸酸洗工程を有するものとそうでないもので全く傾向が違います。硝酸関係がないところについては濃度レベルが非常に低くなっておりますし、硝酸酸洗等については、年間平均的には大体80、90レベル以下、低いところでは40ぐらいになってきております。
 20ページ、21ページ、鉄鋼関係は、おおむね似たようなことが言えるかと思います。
 21ページの非鉄金属製造業ですが、これも先ほど言いましたように、原料として鉱石を使うのか、あるいはスクラップからの二次製造をするかによって当然傾向が違うわけですが、年間平均的に40ぐらいのレベルが出ているものもあります。
 22ページの一番右側から、金属繊維関係が並んできております。これも窒素を使うものと使わないものでかなり傾向に差があるのかなと思います。工程で硝酸を使うものと、そうでないもので全く傾向が違うように思います。
 23ページの一番下、下水道業ですが、先ほど言いましたようにデータのエラーチェックを入念にかけましたので、年間平均的には、ほとんどのところがC値の上限を下回っております。この小さく山が見えているのは、大部分が水質区分の右側ですので、年間最大値になっております。窒素については、右側の高度処理とそうでない処理の間では、やはり濃度レベルの差がはっきり認められるように思います。
 24ページの左上、下水道の高濃度の汚水受け入れ。基本的には産業系の汚水で高濃度のものを受け入れていくわけですが、通常処理より当然濃度が上がってきております。
 24ページの2段目から、食品関係の業種なり飲食店が並んでおりますけれども、基本的には、窒素がおおむね20以下のところが大きくなってきております。
 25ページの221000、し尿浄化槽ですが、先ほどCODで説明を失念いたしましたが、今回、浄化槽の業種、水質のデータなんですけれども、前回の資料では、工場に設置されている浄化槽もあわせて検討していたんですが、工場の場合、ほかの工程とあわせて排水されることが多いので、単独の検討がしづらいので、今回は浄化槽のみ、この221000の501人槽以上、あるいは222000の201人から500人の浄化槽、これのみを設置している事業所のみでこのデータをつくっております。前回の資料では工場に設置されている浄化槽もあわせて数字をつくっておりましたけれども、今回は、この浄化槽のみを事業所でデータをつくっております。ですから、排出水数の縦の数字が今までと変わってきております。
 221000のし尿浄化槽のところですが、基本的には、おおむね20以下になっております。ぽつぽつと高いものがありますけれども、おおむね60ぐらいのレベルにおさまっております。高度処理の分については、ちょっと分かりづらいですが、普通処理よりは濃度の低い分布になってきております。
 その下の222000、500人以下201人以上の浄化槽についても、同じようなことが言えるかと思います。
 26ページの左上、産業廃棄物処理業。これも中身が工場によって千差万別ですので、かなり濃度のばらつきが大きくなっております。
 続きまして、別の冊子でりんの結果についてご説明したいと思います。
 食料品につきましては、おおむね先ほどと同じような傾向かと思います。タンパク質などが豊富な肉製品、乳製品については比較的濃度が高めになっています。6、8、そのぐらいのレベル以下です。窒素よりはCoの上限に対する比率が高めになってきているように思います。
 基本的には、たんぱく質が豊富な食品については比較的高めという傾向にあるように思います。
 ただ、りんについては食品添加物としてもかなり使われますので、そのあたりが、例えば2ページの15000、野菜缶詰、野菜漬物、このあたりは窒素は非常に低かったんですが、りんについては高めのものが表れてきております。
 少し飛ばしまして、5ページの清涼飲料水。このあたりも、本来は窒素、りんがそれほど豊富な排水ではないはずなんですが、窒素に比べますと、りんは比較的高めのものがあるように思います。
 5ページの下の方の飼料、肥料関係は、当然高めのものがぱらぱらと認められております。
 6ページに参りまして繊維関係ですが、繊維関係は、基本的には2mg/L以下のものが大半なんですけれども、一部高めのものがあるように思います。この辺は、りんを染色助剤などに使っている可能性が十分あるように思います。
 7ページの真ん中、パルプ・紙関係ですが、これも窒素と同じように、本来、りんが不足している排水ですので、生物処理のためのりんを添加しているものが若干高めに出ているだけで、基本的には、濃度レベルは低くなっております。
 9ページの下から2つ目から、肥料関係が並んでおります。基本的には当然のことながら、肥料ですので、りんの濃度は高めになっております。
 10ページに参りまして、無機化学関係ですが、これもりんを使う、使わないが濃度の差に表れているように思います。
 10ページの真ん中、石油化学関係は、窒素と違いまして比較的低目になっております。スポット的に網かけの部分が表れておりますけれども、平均的には濃度は低くなってきております。
 11ページ、今度は脂肪族中間物ですが、これは左側は低いんですけれども、右側の115060の脂肪族系中間物のりんを使うもの、三塩化りんなどを使うんですが、そういう場合に濃度が非常に高くなってきております。
 あと発酵関係、このあたりもりんを使いますので、濃度が高くなってきております。
 あと化学関係はおおむね似たような傾向で、主に窒素を意図的に使わないものについては比較的低くなって、スポット的に高いものがあるような状況です。
 12ページの上から2段目、右側から繊維が始まっておりますけれども、繊維も、数が少なくて基本的には低いんですが、一部高いものがございます。
 13ページの右上から始まっている医薬品関係ですが、これは窒素と同じような傾向で、比較的低いんですがぱらぱらと高いものが認められる、そういう傾向にございます。
 14ページの下、コークス関係ですが、コークス排水というのは窒素、特にアンモニアとCODが多いんですが、りんは非常に少なくて、むしろりんを足しているような現状にありますので、濃度としては低くなってきております。
 15ページに参りまして、板ガラス関係。このあたりも、りんを使わないわけではないんですが、基本的には濃度が低くなってきております。
 鉄鋼関係が17ページから始まっております。17ページの一番右上、高炉ですが、先ほど言いましたように、コークス炉があってもりんは非常に低いので、ここではコークス炉の分は、備考欄を設けて区分はしておりません。
 鉄鋼関係でりんを使うこともあるんですが、基本的には金属の処理ということで、凝集処理をしていますので、りん濃度はいずれも低くなっております。
 19ページの下から電気めっき業、金属関係が並んできております。
 電気めっき業関係では、りんを使うことは十分考えられます。ただ、電気めっき業関係あるいは金属関係というのは、基本的には金属イオンの処理が非常に問題になっておりますので、凝集処理をしているはずなので、本来は濃度が低いのが普通かなと思うんですが、ぱらぱらと高いものが認められます。
 その傾向は、20ページでも同じように思います。
 21ページの右上に下水道業、その左下に高度処理のものが並んでいますけれども、これも、基本的にはりん濃度は2.5以下になっております。上限を超えているものがありますが、いずれも濃度ランクの右側にありますので、最大値で超えております。通常値では、いずれも4以下になっています。
 高度処理の方は、当然のことながら濃度レベルは低くなっております。
 21ページの真ん中の共同調理場、211000ですが、窒素と同じように、おおむね2、3以下、高いものでも5以下になっています。
 それ以降、食品あるいは飲食店関係が並んでおりますが、基本的には同じです。
 ただ、21ページの右下、215000のリネンサプライなんですけれども、比較的りんの濃度が高いものが認められています。場合によっては洗濯の助剤にりんを使っているのではないかと思います。無りん洗剤を使っているのであれば、逆にりんを添加するレベルですから、こんな高い濃度になるわけはありませんので。
 22ページ、浄化槽関係も、基本的には2以下、3以下、そのあたりのレベルにとどまっております。一部高いものがあって、年間平均で8ぎりぎり、一部9ぐらいになっているものがあります。あるいはスポット的に高いものもあります。
 高度処理については、基本的には普通の処理よりも濃度は下がっております。222000の500人以下のものについても、同じことが言えるように思います。
 23ページの2段目の右側、産廃処理業ですが、さっき窒素ではかなりばらつきがあったんですが、りんでは、先ほどよりはばらつきは減っております。一部、濃度の高いものが最大値ではありますけれども、平均では、おおむね3以下にとどまっております。
 産廃処理業の場合、特に金属関係を扱うのであれば凝集処理をしていますので、りんが除去されているように思います。
 資料7につきましては、以上です。
 続いて、資料8をご説明したいと思います。
 前回の委員会で、環境大臣が定めているC値の上限を超えているものについての考え方についてご質問を受けております。それについて基本的な考え方を整理しております。
 本文の2行目に「事業者は特定排出水の濃度が都府県により定められたC値の範囲内になるよう処理施設を管理することが求められる」とあります。この枠で囲っている工場の場合ですと、プラスチック製造業単一の業種を持っている工場なんですが、処理施設で処理をして、処理施設の出口で負荷量を測っております。この工場の場合、届出書は、この下の表ですけれども、環境省の上限と下限は40と30になっております。それを△県ではCoの値を44に定めています。上限の値をとっております。そして届出最大水量は1日5,000m3で届けています。そうしますと、総量規制基準はその次の段ですが、備考欄に書いてありますとおり、5,000×40÷1,000で200キログラム、これが総量規制基準値になります。
 水質汚濁防止の届け出水質が、通常が35、最大が40になっております。そうしますと、この届け出水質というのは、[1]の△県が定めたC値以下になっておりますので、届け出上は問題ありません。届け出上の負荷量としては、総量規制基準値と同じ値になんでいますので、届け出審査としてはOKということになります。
 ところが、実測水質では年間平均で38、最大では50になっております。そうしますと、届け出値はもちろん、Coの値を超えていることになります。
 実測最大水量、一番右端ですが、3,000立方メートルになります。仮に最大水量のときに濃度が最大だとしますと、実測最大負荷量は、備考欄の2番にありますが、50×3,000÷1,000で110キロになります。そうしますと、総量規制基準が1日200キロですので、基準内に入っていることになります。そうしますと、総量規制基準違反ではないという評価になってまいります。
 ただし、問題となるのは、では、それをもって違反のおそれがないと言えるかということだと思います。
 その次に「この場合、」と書いてありますけれども、この濃度が上がった原因が、例えば処理前の負荷の小さい工程作業、そういったものが一時的に休止して、当然水量が減って、その結果、処理後の汚染状態が増加した。その工程作業が再開すれば当然水量が増加して、濃度が下がる、そういう合理的な理由があればいいわけですが、そのような合理的な理由がないのであれば、次の(1)と(2)の対象になるのかなと思います。
 届出というのは事業者の意思の表れですので、実測水量が届出水量を下回っていましても、事業者は届出水量を排出する意思があると考えられます。逆に、意思がないのであればそれはおかしい、それだけの水量を出すつもりがないのに届け出ていることになりますので、基本的には、届け出水量を廃止する意思があると考えられます。したがって、C値を超過した状態で水量が増加すれば、当然違反のおそれがあるのではないか、そういうことが想定されます。
 必ずそういうわけではありませんので、ここに書いてありますように、必ず改善措置命令の対象になるわけではありませんが、そういうおそれの審査が要るだろうと考えております。
 裏側に、第10回の専門委員会でお示しした資料をそのままつけております。総量規制の遵守の担保として、(1)の届出時と(2)の操業時がありまして、一番左下に「改善措置命令違反 法30条」とありまして、その上に「改善措置命令」、その上に「総量規制基準不適合のおそれ」とあります。改善措置命令というのは、違反ではなしに、違反のおそれに対して発動しますので、実績がC値を超えているのであれば、違反のおそれがあるかどうかを考える必要があるように思います。
 もう一点は、1ページに戻りまして(2)ですが、届出の問題です。
 この例では通常35、最大40と届け出たわけですが、実績がそれを上回っている。そうすると、形式上これは届出違反になるのではないかと思います。形式上といいますのは、必ず罰則の対象になるわけではないという意味合いを込めて「形式上」という言葉を使っております。
 2ページに参りまして一番上、(1)届出時ですが、特定施設の設置、変更の届出の際に審査をする。そのときに、総量規制基準不適合であれば事前措置命令の対象になるわけですが、当然その審査というのは、ここでは35、40という濃度で審査しております。1ページでいきますと、真ん中の表の[4]、[5]のところですね、35、40で審査をしています。その値を超えているわけですから、形式を、届出違反になっているのかなと思います。もちろん、届出というのは通常の操業状態を想定して届出しますので、必ずこれが違反というわけではないんですが、形式上は超えている。そうしますと、C値を超えているとなりますと、基準違反のおそれという観点、あるいは届出違反という観点、両方の面でチェックが必要な事例だろうと考えております。
 水量もC値の届出の範囲内で操業しているのであれば、そのような判断は必要ないかと思いますけれども、水量なり濃度がC値を超えているのであれば、そういう判断が当然必要になってくると思います。場合によっては、改善措置命令なりの対象になり得ると考えております。
 以上です。

○岡田委員長 たくさんの資料、ありがとうございました。
 それでは、資料7から8に関しまして、ご質問等がございましたらお願いいたします。

○河村委員 資料そのものではないんですけれども、これだけの膨大な資料を整理されて、ここまでつくられたことには非常に敬意を表しますけれども、ということは、逆に言うと、それぞれのデータをある程度お持ちだということになると、例えば幾らにすればどの程度負荷か削除できるかというある種のシミュレーションは可能かどうか。
 例えば、今の上限値を超えているようなところに仮に上限値を守らせたとして、そうした場合どのぐらい改善されるのか、あるいは下限値にしたらどうなるか、そういうシミュレーションがもしできるようならば、どこまで削減しなければいけないかということとリンクすると思うんですけれども、かなり目標が見やすくなるのかなと思うんですけれども、いかがでしょうか。

○秋山室長補佐 総量規制基準の設定といいますのは、基本的には処理レベルなりを考慮して定めますので、削減目標量を前提にするのではなしに、あるいは先生、今、おっしゃったように管理の不適正なものであるとか、あるいは上限を超えているものを改善させる、あるいは処理レベルがほかの工場より明らかに低いようなものについて改善させることによって、どれだけ負荷が減るかについては、ある程度の想定はできるかと思います。

○齋藤委員 資料8の関係で、実態をお聞かせいただきたいんですけれども、規制値を超えて罰則の対象になる、あるいは改善命令が出て、恐らく零細業者の場合には、同じところが何度も何度も改善命令を受けながら、実際にはなかなか改善されない。そういう実態はどうなんでしょう。個別事例になるので、なかなかお話ししにくいかもしれませんけれども。

○秋山室長補佐 今回、総量規制絡みでこのようなデータを我々、特に窒素については初めて 集計したわけですが、特に窒素、りんについてはC値の上限を超えているものがありますので、まず、そういったところについては自治体に対して適正な指導を徹底したいと思っております。
 今のご質問の中で、年々改善指導をしていながらそれが長期間継続しているような事例ですね。ちょっと今日の段階では把握しておりません。

○平沢委員 今の、負荷の削減効果ということを考えると、先ほどの、トータルの負荷で考えると、例えば東京湾で言えば8割・2割とかいうレベルなので、例えば10%とったとしても、実質負荷はパーセントオーダーしか下がらないということを、やはり考えてほしいなと思いました。1つ。
 それから、今の超過の事例なんですけれども、非常に法律的にややこしい解釈で、現時点ではこういうことになるのではないかと私も思うんですけれども、やはり今後のことを考えますと、水域の濃度を決めるのは実質負荷ですので、これから濃度規制のあり方だとか、要するに、負荷をきちっと守ればいいのではないかとか、あるいはリサイクルとか水利用、総合利用ということで水を余り使わないようなプロセスになってくると、どうしても濃度は高くなってきます。実質負荷が下がれば同じというか、効果はあるはずなので、そういうあり方。今はできないと思いますけれども、今後、そういうことを考えていただきたいと思います。

○秋山室長補佐 先生おっしゃったように、負荷を削減するために、例えば処理効率を上げるために濃淡分離をきっちりする、あるいは単排水のリサイクルを進めていく、そういうことをすれば、当然のことながら濃度としては上がってまいります。処理施設の効率を上げる一つの方法は、処理前濃度を上げる、濃淡分離をきっちりするというのが第1前提であります。それをいい加減に混合しますと処理効率は大きく落ちますので、それが大前提になります。
 ですから、先生おっしゃったように、対策が進めば濃度が上がるということは、1つあります。ですから、形式上違反と言ったのは、そういう意味合いを込めております。
 もう一点は、届出、基本的には用排水系統を変更する場合は事前に届出が必要というのが水濁法第5条、第7条の考え方になっております。そして、用排水系統というのは非常に大事な審査条件になっておりますので、そういう企業の自主的な取り組みなどについては、なるべく自治体などに相談していただきたいと思います。
 平成6年度のような異常な渇水の場合にそんなことができるかという話はありますけれども、建前としては、そういう取り組みについては事前に相談をしていただくということになるかなと。結果的に、リサイクルしてもC値を超えなければ全く問題ないと思いますので、それは届出上だけの問題になってまいります。

○河村委員 資料8において、環境省が定める上限、下限の中で都道府県が「自分のところはこれにしたい」という決め方をされるときに、何かルールみたいなものがあるのか、あるいは環境省は、その範囲であればすべてOKという発想でやっておられるのか、その辺の実態といいますか、分からないもので。

○秋山室長補佐 我々として、各自治体に対してその辺の決め方のルールといいますか、方針を直接、20都府県全部確認したことはないんですが、一部聞いているところによると、例えばある県では、その工程がその県にないのであれば一番厳しい値にする。工程があるのであれば、当然それは配慮する。ただし、食料品とか浄化槽のように業種数が非常に多くて明らかに達成レベルが分かるというのであれば、それはもうある程度の数字で決めていく。個別の大規模な発生源については、改善可能性などをヒアリングしながら決めているとお聞きしております。

○河村委員 同じ水域で、隣同士の県で違うこともあり得るわけですね。

○秋山室長補佐 あり得ます。ただ、当然のことながら、例えば大阪湾で、京都府は内陸ですけれども、大阪府と兵庫県が余り違うというのは公平性の問題も出てまいりますので、工程の中身が全然違う等の理由があればいいんですが、そうでない場合に、余り大きな差があると問題になりますので、当然のことながら、その過程では各都府県の状況はある程度把握しております。

○岡田委員長 ありがとうございました。
 ほかによろしいですか。それでは、時間も予定よりおくれておりますので、次の議題に移りたいと思います。
 ご承知のように、C値を決定するにおきましては、排出水の実態のみならず処理技術の実態も考慮することになっていますので、排水処理技術の実態について、事務局からご説明をお願いいたします。

○秋山室長補佐 時間も限られておりますので、概略説明したいと思います。
 資料9をご覧いただきたいと思います。排水処理技術の普及状況をお示ししております。
 ここでは製造業等に限っております。飲食店、旅館、浄化槽については生物処理をするのは当然ですので、下の方にあります製造業、電気・ガス・熱供給業、洗濯業、廃棄物処理業、あと一番上の鉱業ですけれども、これに絞って整理しております。
 この数字なんですが、これは比率を表しております。右側に100とありますけれども、各工場とも、1から11のいずれかの処理施設を持っていることを表しております。各項目、[1]活性汚泥(浮遊式)、[2]活性汚泥(接触酸化)、ここの数字はパーセントでして、例えば食料品製造業の場合81%が浮遊式活性汚泥を設置しています。[2]として接触酸化式の活性汚泥を設置しています。足しますと100を超えてしまうわけですが、この意味合いは、1つの工場で処理施設を複数持っているということです。ですから、1つの工場で処理施設をたくさん持っていれば、ダブルカウントしますので、単純合計は100を超えるわけですけれども、ここではあくまで各処理施設ごとに数字を整理しております。
 全体的な傾向としましては、有機性排水の工場については、当然のことながら活性汚泥処理の割合が、生物処理の割合が非常に大きくなってきております。当然のことながら、機械関係ですと生物処理よりも凝集処理の割合が非常に大きくなってきております。
 この凝集処理、凝集沈殿あるいは凝集加圧・浮上ですけれども、いずれの業種でも設置事例が認められているということがあると思います。最近登場しました[7]膜分離処理については、普及状況としては非常に低いレベルになってきております。
 ただし、[8]オゾン処理、これは昔からありますけれども、低いながら各業種で認められております。
 続きまして、2ページにまいりたいと思います。
 左側の浮遊式の活性汚泥、これが一般的な活性汚泥なんですけれども、右側に活性汚泥の接触酸化式のものを載せております。ご存じのように、活性汚泥については凝集性の汚泥を汚水中に浮遊させて、ばっ気して処理するというもので、右側は、微生物をろ材単体に固定して、そさにばっ気する、あるいは散水して処理をするというものです。
 ただ、原理等のA-1.活性汚泥法(浮遊式)の3つ目にありますけれども、最近では、汚泥を単純に浮遊させるのではなく、小さい単体に付着させて、その単体を浮遊させているようなものもあります。この場合、同じ活性汚泥でも、右の接触酸化式のような特徴も持っております。
 いずれの処理方式も、BOD、それに付随してCODを処理しています。注意点として、嫌気・好気条件をうまく組み合わせることによって窒素の除去も可能になるんですが、当然のことながら、また後ほど説明しますけれども、これをうまくやろうと思うと、ある程度、処理能力に余力があることが前提になります。下水道にしろ浄化槽にしろ食品工場にしろ、処理能力に余力がある場合は、事業者としてはこの辺の条件を自主的努力としてやっている場合がありますので、後々の窒素濃度の評価については、このあたりの考慮が必要かなと思います。
 (3)薬品等使用ですが、窒素、りんが栄養として必要なので、足りない場合は添加します。特徴として、特徴・留意点欄の1つ目の●ですが、一般的に必要な栄養塩量はBOD100に対して窒素5、りん1となっています。したがって、窒素、りんの除去率といいますのは、BODに対する窒素、りんの比率、原水の比率ですが、これによって左右されます。
 ですから、この比率がうまくいけば窒素、りんの除去率は非常に高くなりますし、りんが余っているような業種ですとりんの除去率は低くて、窒素は除去率が高いという結果が出てまいります。
 特徴・留意点欄の一番最後ですが、りん等の除去を目的に、活性汚泥槽末端に凝集剤が添加されることがあります。これは最近の動向です。
 3ページに参りまして、膜分離活性汚泥です。この方式が登場して10年余りになるわけですけれども、特徴としましては、原理のところですが、固液分離に膜を使用した限外ろ過を行っております。今までの生物処理との違いとしまして、(4)特徴・留意点等の2つ目の●ですが、汚泥滞留時間を十分にとるなどで、特に脱窒効果が上げられること、もう一つは、処理槽のコンパクト化が大きく図れます。ですから、水量増などの際にこういうものを導入する、敷地がないような場合にこういうものを導入することがよくあります。特徴の5番目ですが、限外ろ過を行いますので、高度な処理が行われます。
 最近の導入量としては、し尿処理場とか浄化槽、あるいは食品工場等で導入例が認められております。しかしながら、膜が非常に高いということ、あるいは定期的に洗浄なり、あるいは膜の交換が必要になりますので、それがコストアップになります。
 4ページに参りまして、左側、B.生物的硝化脱窒法ですが、この原理は、有機態窒素を好気条件でアンモニア、亜硝酸態、硝酸態に酸化して、それを嫌気的条件で脱窒を行うものです。したがって、一番下に書いていますけれども、槽の容量が非常に大きくなります。それがコストアップにつながります。
 最近では、特徴の2つ目にありますけれども、浄化槽などでDO─溶存酸素量を自動制御して間欠ばっ気することによって、単一槽で好気・嫌気を行って条件をつくって脱窒を行っているものもございます。
 4ページの右側、C-1.凝集沈殿法ですが、これはSS、CODの処理が本来の目的なんですけれども、りんについても凝集剤の種類によって大きな効果が表れます。
 (4)の特徴なんですが、一般的には無機性排水の処理に多く用いられます。有機性排水については、生物処理の後の3次処理、高度処理として用いられることが多くなります。
 5ページのC-2.凝集加圧浮上処理は、加圧浮上に凝集剤を添加するものですが、水に空気を多量に溶け込ませて、それを常圧に戻して微細な泡が発生したときに、その泡で懸濁物を浮上させる方法です。比較的沈殿しづらいものを処理する場合に用いられます。凝集剤を用いますので、りんに対して効果があります。
 あるいは、特徴の4つ目にありますけれども、凝集剤を使用せずに処理する場合もありますし、あるいは生物処理の前処理として、SS分、あるいは油分をとるために用いられることもあります。
 5ページの右側、活性炭吸着法については、説明を省略します。
 6ページの左側、ろ過法、これも説明は省略いたします。
 右側のF.逆浸透膜。これは半透膜を利用して、浸透圧をかけて液-液回収を行うものですが、最近では窒素、特に硝酸の回収に用いられることがあります。ただ、回収した硝酸を再利用する、あるいは別途処分することが簡要になるかと思います。
 ただし、当然のことながら比較的高額で、電力もかなり要することになっております。
 7ページ左側に参りまして、G.オゾン酸化法、フェントン酸化法。これはいずれも化学的な処理を行うわけですけれども、特に主な除去対象物質としては、難分解性のCOD、あるいは色とか臭気、これが大きく除去できます。ですから、特徴のところにありますけれども、脱色効果があるので、し尿処理場とか染色工場での採用例があります。
 ただ、処理費用としては非常に高価なものになります。電気あるいは薬品代をかなり要します。
 7ページの右側に参りまして、H.アンモニアストリッピング法です。これはアンモニアの処理として用いられますけれども、汚水をアルカリ性にして活性ソーダ等を添加して、アルカリ性にして、アンモニアを気化させて回収する方法です。対象物質は、アンモニアです。
 特徴ですが、処理効率は、原水のアンモニア濃度とか温度条件、添加アルカリ量によって大きく変わってまいります。また、汚水中にアンモニア以外の窒素がある場合は、当然それは処理できないので、別途処理が必要になります。採用例としては、無機化学工業とかコークス製造業で一部採用している事例がございます。
 当然のことながら、アルカリ剤が必要になりますので、維持・管理費用は高額なものとなってまいります。
 以上です。

○岡田委員長 どうもありがとうございました。何かご質問等ございますでしょうか。

○平沢委員 資料9に[10]その他高度処理、[11]その他とあるんですけれども、これが数を見ると結構あるので、かなり個別で特殊なものなのか、分類できなかったのか、複合されたものなのかお聞きしたいんですけれども。

○秋山室長補佐 これは1ページの下に出典を書いておりますが、発生負荷量管理等調査、我々が毎年、自治体に対して行っているアンケートの平成16年度の結果をまとめたものなんですけれども、実はこういう分類になっておりまして、その結果、高度処理の中身が実はよく分かっておりません。申しわけございません。

○平沢委員 それと活性汚泥、浮遊式、接触酸化、膜活性とあって、脱窒のことは書いてあるんだけれども、脱りんをやっているところはないんですか。生物脱りん、嫌気・好気、あるいは凝集剤添加プラスというか、下水は多分検討されていると思うんですけれども。

○秋山室長補佐 まず、2ページの左側、浮遊式活性汚泥の特徴・留意点の4番目に、りん除去を目的に活性汚泥槽末端に凝集剤を添加することがある。これは最近結構使われているように思います。

○平沢委員 凝集剤だけではなくて、嫌気・好気をやって脱りん系菌を増やしてりんをとるというのもやっているので、それプラスなんですよね。だから、ちょっとイメージが違うかなと。

○秋山室長補佐 1点は、この凝集剤を添加しているものがあるんですが、生物処理に脱りんというのは確かにございます。ただ……

○平沢委員 製造業は、ないですか。

○秋山室長補佐 ないことはないと思いますが、我々の集計では、すみません、その区別は……。ただし、実際問題としては、その辺の管理がなかなか難しいのではないかなということも、文献等では見られております。

○平沢委員 それから6ページ、逆浸透膜と言われたんですが、私、硝酸の関係をちょっとやっているんですが、これは電気を使わないと多分……、電気透析だと思うんですけれども。電気透析、あるいはバイプポーラン膜とか、ああいうものを使って硝酸を回収するというのは現実にあるんですけれども、電気代がかかるのと、それから不純物がたまってしまって使えないという大きな問題点があるということを、ちょっとつけ加えておきます。
 それから、最後のストリッピングなんですけれども、これも実は、そのままアンモニア回収というのもあるんですが、実質的には薄くて回収できなくて、実際は、飛んだアンモニアを触媒還元というやり方で、燃焼してN2に変えているのが2カ所くらいあったかなということで、回収はしにくいのではないかという気がします。濃ければできるんですけれども。

○秋山室長補佐 そうですね、当然ながら、アンモニアを回収するためにどうするかというのが一番大きなポイントになりますので、それがうまく使えなければ、この施設自体がうまく動かないことになりますので、それが一番ポイントだと思います。

○酒井委員 この資料の位置づけなんですけれども、処理法の概要が書いてあるんですけれども、恐らく適切かどうかということを議論し出したら切りがない話になると思いますし、環境省が、これを処理法の公式見解というぐあいにお示ししたということになると全然違うので、やはりこの委員会で排水処理方法の概要をオーソライズするときの参考資料というか、メモみたいな位置づけではないかと思うんですが、その辺はいかがでしょうか。

○岡田委員長 よろしいですね、それ。あくまでも簡単に説明するためのメモにすぎないと。

○秋山室長補佐 はい。

○岡田委員長 そうしておかないと、やはりおっしゃるように問題になりますので。
 今、平沢委員からもいろいろご指摘があったように、これストレートに公式見解にするには、やはり問題があると思いますから、あくまでも簡単な説明ということにさせていただきたいと思います。
 それでは、まだ残っておりますので、残りの議題、その他として資料10、11とあるかと思いますので、事務局からご説明をお願いいたします。

○秋山室長補佐 そうしましたら、資料10、11をあわせて説明したいと思います。
 資料10は、下水道法の改正の内容です。今までの専門委員会でも国交省から法律の改正案について説明があったかと思いますけれども、下水道法の改正が昨年6月に行われて、11月1日に施行されております。
 その改正の概要と申しますのは、下にイメージ図が載っておりますけれども、(1)としまして、流域別下水道整備総合計画における削減目標量の設定です。これは湾や湖沼などの閉鎖性水域、総量規制地域に限らないんですが─において、流域別の下水道整備総合計画を定めるんですけれども、これで終末処理場ごとに窒素及びりんの削減目標量と削減方法に関する事項を定めることとされております。
 流域別下水道整備総合計画の説明は、裏側の真ん中に書いてありますので、省略します。
 (2)としまして、その方途なんですけれども、高度処理終末処理場を管理する地方公共団体は、他の地方公共団体が管理する終末処理場の削減目標の一部に相当するものとして、自らの削減目標量を超えて窒素、りんを削減する旨を、他の地方公共団体の同意を得て府県に対して申し出ることができる。
 2番目としまして、1の申し出にかかわる他の地方公共団体による費用の分担に関する事項等が総合計画に記載された場合は、終末処理場の管理に要する費用の一部を他の地方公共団体に負担させることができることになっていまして、これを読むと意味が分からないと思いますので、裏側の図をご覧いただきたいと思います。
 一番下の図なんですけれども、AとBという終末処理場がありまして、水量は両方とも同じと仮定しております。そうしますと、両方の処理場が現状、いずれも窒素が30mg/Lで計画で両方とも、将来いずれも20にするという計画をつくったといたします。ところが、資金的な問題で、あるいはスペース的な問題で、Aでは高度処理が難しいという場合に、右側なんですけれども、Aは現状のまま30にとどめておく、Bの方は20からさらに10まで下げる。水量が同じなので濃度の差が負荷量の差になるわけですけれども、Bが10まで下げることによって海域への影響を20・20に削減するのと同じようにしてやるという制度です。
 その場合、Bの努力分をAが負担するという制度ができております。これが下水道法改正の内容でございます。
 資料11ですが、浄化槽法等の改正についてご説明いたします。
 浄化槽も、一定規模以上が総量規制対象となっておりますが、浄化槽法が昨年5月20日に改正、今年2月1日─本日、施行されております。この中で、第1条の目的に「公共用水域等の水質の保全等」という言葉が入りまして、浄化槽法第4条に、環境大臣が放流水の水質にかかる技術上の基準を定めることとされております。
 1ページの下側は、浄化槽法等改正前の浄化槽の構造に関する制度を表しておりまして、基本的には建築基準法の世界で処理性能なり、下側の構造が定められております。右側の四角の中にまた小さい枠がありまして、建築基準法施行令第32条で技術基準が定められて、下側の枠ですが、国土交通大臣が定めた構造、あるいは国土交通大臣の認定を受けた浄化槽を設置することが決められておりました。
 それに対して、2ページに参りまして一番上の右側、浄化槽法改正によりまして、浄化槽法の中で、浄化槽施行規則で放流水の水質基準、BOD20が規定されております。それを受けまして建築基準法の技術基準も、太字アンダーラインで示しておりますが、浄化槽法の放流基準がより厳しく定まっているときは、その基準に適合するということが決められております。
 それを受けて、一番下の構造基準も改正されまして、原則BOD10から20になっております。
 3ページに構造基準をお示ししております。第1から第11まであるんですが、備考欄に書いていますけれども、ここでは201人槽以上の浄化槽に該当するものについて書いております。第2、第3のBOD60、30については、浄化槽法の放流基準を超えておりますので、右側の備考欄に書いてありますけれども、今回の改正法施行前に設置されたものについてのみ使えることになっております。したがって、本年2月1日以降、今日以降設置されるものについては、第6のBOD20のもののみが設置できることになります。
 CODについては括弧で書いておりまして、備考の2に書いてありますが、構造基準の第12「BOD以外の性能」というところにCODについての規定が書かれております。その数字を入れております。
 そうしますと、構造基準としては、今年2月1日以降設置のものについてはBOD20、COD30が原則となります。したがって、今後、浄化槽のCODのC値を決める際には、このことに配慮する必要があると考えております。
 もう一つ、4ページで大臣認定の制度について説明しております。
 浄化槽については、先ほど3ページの構造基準に適合したもの、あるいはこの大臣認定を受けたものが設置できます。大臣認定の制度、一般的な流れについてはここに書いてあるとおりなんですが、4ページの真ん中の方に例を書いていまして、性能評価をした結果を左側、右側に構造基準の区分を書いています。そうしますと、例1の場合は、BOD20で窒素が15で脱窒効果がある浄化槽なんですが、告示上の区分としては第6になります。3ページをご覧いただくと、第9、第10、第11の、窒素、りん除去と認められるためには窒素、りんのいずれにも効果があって、かつBODが10でないと認められませんので、4ページの例1については、脱窒効果があっても第6相当となってしまいます。
 例2も似たような例でして、窒素、りんの除去機能があるわけですが、BODが10ではないので、これも第6相当となってしまいます。
 例3としては、これは最近の浄化槽で最も高度処理の部類なんですが、BOD5、COD10、窒素10、りん1で第11相当ですが、CODは構造基準で一番低いのが15なんですけれども、性能としては10なんですが、相当としては11にしかならない。
 ここで1つ言えるのは、この大臣認定浄化槽については、告示上の区分ではなしに、性能評価の値で見る必要があるように考えています。
 以上です。

○岡田委員長 ありがとうございました。
 何かご質問等ございますか。

○酒井委員 資料10の下水道法の改正絡みの件で、2ページの裏側の、さっき説明された2つの処理場ですね。今回、例えば総量規制の対象にこの2つ、AとBの処理場がなっている場合、従来ですと一律に20という考え方でいいんだと思うんですが、この制度に則ってAとBの間で負荷量のやりとりをした場合、C値というのはどういう具合に当てはめていくようにお考えなんでしょうか。

○秋山室長補佐 この場合、負荷量のやりとりというよりは事実上、お金のやりとりなんですけれども、総量規制基準というのは各事業所ごとに適用されます。環境省でC値の幅を業種ごとに定めているわけですが、自治体、都府県はそれをさらに細分化できますので、我々が今、想定しているのは、このような場合に、Bの方はさらに厳しいC値を適用して10にする、Aの方は20のものを30に緩めるということを考えています。
 ですから、例えば現状が20しかないというのであれば、さらに細分化して、10の区分と30という区分をつくることが考えられるのかなと思います。

○岡田委員長 これはまだ決まっていないことですから、次回以降、決定する……。例えばの話ですね、今。

○秋山室長補佐 現在、事務局内部で今、検討しているところです。

○岡田委員長 よろしいですね、酒井委員。ご質問の趣旨は当然よく分かる、共通の理解をされていると思いますが、重要な視点でございますので、次回ご議論いただければと思います。
 ほかにございますか。

○平沢委員 法律の方はよく分からない、むしろ酒井委員に聞いた方がよかったのかもしれませんが、高度処理をするときに、先ほどのいろいろな平均水質、生活排水系で見ると結構、この数値の半分くらいのところになっていますよね、平均水質で言えば。したがいまして、今後、そういう下水でNとかりんとか、これやりとりというのはあるんですけれども、どの辺の削減をねらっていくのか。
 要するに、今の平均水質より下のレベルをN、Pで目標にしていくのかちょっとお聞きできればと思ったんですけれども。いや、平均だと余りやらないのと変わらない……。変わらないと言っては失礼ですけれども、そんな気がして。

○岡田委員長 酒井委員、お答えできる範囲で。

○平沢委員 無理だったら、いいです。

○岡田委員長 一応お立場もありますので。

○酒井委員 議事録に残らないところでお答えしたいと思います。

○岡田委員長 では、これはまた次の議論で出てくることだと思いますので。
 ほかにご質問ございますか。
 よろしければ、事務局からその他について何かございますでしょうか。

○高橋閉鎖性海域対策室長 いろいろとご指摘、どうもありがとうございました。
 非常に資料が膨大でございましたのに今日は限られた時間でございましたので、もしこれ以降、ご質問、コメント等ありましたら、逐次事務局の方にいただければ大変ありがたいと思います。
 次回につきましては、先ほど岡田委員長からもございましたけれども、これらのいろいろなデータ、それからもちろんあり方答申、こういうものを踏まえて、今後の総量基準の設定の仕方をどうすればいいかという考え方をご議論いただけるような準備をしたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 日程としては、既にお伝えしておりますように、次回は3月2日木曜日の10時半からを予定させていただいております。場所につきましては、また後日お知らせしたいと思っております。
 以上でございます。

○岡田委員長 ありがとうございました。
 そういうことで、次回、今日まではデータをお示しし、資料をご理解いただくという段階でした。そういう意味で、今日までの資料でご質問、ご要望─例えば、私がちょっと思いつくのは、このCODとか窒素、りんのグラフがあるんですが、全部で何排出水あるのか。要するに、足せば幾つあるか分かるんですが、その総数が分かっているはずですから、どこかに書いておいていただけると後で議論しやすいので。このグラフが100個のデータでつくったグラフなのか、5個しかないのかによって後の扱いが必ず違ってきますので、それだけお願いします。
 あと、委員、それから傍聴の方も含めて、何かご質問、ご要望がございましたら、今のうちにぜひご忌憚なくいただいた方がありがたいと思います。このデータをもとに次からの議論が始まりますので、よろしくお願いいたします。
 それから、3月2日の委員会からが本格的な、今度はどうするかという最も重要な議論になりますので、委員の先生方、ぜひ万障繰り合わせてというんですか、万難を排してご出席いただければ大変ありがたいと思います。よろしくお願いいたします。
 では、以上でございます。
 本日はどうもありがとうございました。

午後0時40分 閉会