中央環境審議会水環境部会環境基準健康項目専門委員会(第6回)議事録

日時

平成15年12月4日開催

場所

環境省環境管理局水環境部企画課

議事次第

  1. 開会
  2. 議事
    (1) 前回議事録(案)について
    (2) 個別項目の測定方法について
    (3) 水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準等の見直しについて(第1次報告)(案)について
    (4) 今後の検討の方向について
    (5) その他
  3. 閉会

配布資料

  資料1中央環境審議会水環境部会環境基準健康項目専門委員会委員名簿
  資料2中央環境審議会水環境部会環境基準健康項目専門委員会(第5回)議事録(案)
  資料3個別項目の測定方法について
  資料4水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準等の見直しについて(第1次報告)(案)
  資料5今後の検討の方向(案)
  (参考資料)
  参考資料1平成14年度公共用水域水質測定結果について
  参考資料2平成14年度地下水質測定結果について
  参考資料3平成14年度要監視項目の指針値超過状況について

議事録

午前10時00分開会

○熊谷補佐 定刻よりやや早いようですが、御出席と御連絡いただきました委員の皆様方全員そろわれましたので、中央環境審議会第6回目環境基準健康項目専門委員会を始めたいと思います。
 本日御出席といただいています委員の方々、総名14名ですが、そのうち10名、この場に御出席いただいております。
 議事に先立ちまして、吉田水環境部長から御挨拶申し上げさせていただきます。

○水環境部長 おはようございます。
 師走に入りまして、委員各位におかれましては、何かと御多用の中、第6回の専門委員会に御出席を賜わり、誠にありがとうございます。
 本日は6回目の会合でございますので、これまで御審議をいただいてまいりました農薬関係を除く健康項目につきましては、御意見の集約が図られてまいりました。その範囲内で当専門委員会としての第1次の報告を取りまとめるという方向に向けて、本日は詰めの御審議を賜わりたいと考えております。
 それがまとまりました上は、専門委員会として早速にパブリック・コメントの手続きに入り、その結果を踏まえて、年明けの早い時期に水環境部会に第1次の報告を行うという段取りを今事務局としては考えております。
 なお、残されました農薬関連項目につきましては、引き続き鋭意御検討をいただくことを予定しておりますが、この際に併せて、これまでの5回の専門委員会の審議の過程で、委員各位から、縷々御指摘のございました環境基準の設定や、あるいはその運用などに関する諸課題についても検討を深めていただき、今後の水環境行政の展開において、環境基準をより有効に機能させる観点からの御提言もいただきたいと考えておりますので、何とぞよろしくお願いいたしたいと思います。

○熊谷補佐 議事に入ります前に、本日お配りしました資料について確認させていただければと思います。
 本日お配りしています資料、資料の1から5までございまして、資料1として、委員名簿、資料2としまして、前回第5回の専門委員会の議事録の案をお配りしております。資料3につきまして、これまで御議論いただきまして、新規に加えるもの、また指針値関係、修正その他を行う御意見をいただいていますけれども、そういう各個別の項目の測定方法についての関係資料でございます。資料4につきましては、前回、素案ということでお示ししました第1次報告案、全体の構成をつくりまして、案ということでお示しをしております。あわせまして資料5ですけれども、これまで各委員からさまざま御指摘があったものを事務局なりに整理をしたものをあわせて御提示しております。参考資料としまして、1、2、3の3点ございますが、昨年度の平成14年度の公共用水域等の水質測定結果がまとまりましたので、参考として資料をお配りをしております。
 以上、資料、参考資料を合わせまして8点でございますけれども、何か過不足がありましたら、事務局の方にお申しつけください。
 資料の方がよろしければ、議事の方に入らせていただければと思います。議事運営規則に従い、本専門委員会の村岡委員長に議事の進行の方をよろしくお願いいたします。

○村岡委員長 皆さん、おはようございます。
 お忙しい中、このようにお集まりいただきまして、どうもありがとうございます。
 本日は「水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準等の見直しについて(第1次報告)(案)」等について御議論いただくことになっております。委員の先生方にはどうぞ御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。
 早速議事に入りますが、議題の1は前回の議事録の案についてでございまして、資料2が前回の議事録案として準備されております。この資料は委員の先生方の御確認をいただいた後、事務局で修正し、再度各委員の先生方に送付されている資料でございますので、この場で前回の議事録としたいと思いますが、御異議ございますか。
 御異議がないようでございますので、この議事録案を前回議事録とさせていただきます。事務局の方におかれましては、公開の手続をよろしくお願いいたします。
 議題の2でございますが、個別項目の測定方法についてでございます。関係の資料は資料3でございますが、これにつきまして、事務局の方から御説明願います。

○田熊補佐 水環境部企画課の田熊と申します。分析方法を担当しております。
 資料3の方でございますが、「個別項目等の測定方法について」ということでございます。この測定方法につきましては、環境省の方で、公定法の委員会を立ち上げまして、本日御欠席ではありますが、森田委員を座長といたしまして、検討をさせていただいたものであります。原案につきましては、日本工業規格(JIS)ですとか、あるいは上水試験方法、要調査項目につきましては、環境省のマニュアル、あるいは要監視項目で既にあるものについては、そういった測定法等を用いまして、検証を行いまして、測定法として確立したものでございます。
 資料の方としては、後先になりますけれども、資料4の10ページの方を御覧いただきたいと思います。資料4の10ページの方では前回も御説明させていただいたところですけれども、それぞれの項目の測定方法につきましての測定法の原理といいますか、方法について一覧に記してございます。こういったものを御覧になりながら、御説明させていただきたいと思いますが、資料3の方では、まず塩化ビニルということで、これにつきましては、パージ・トラップGC/MS法というところがございます。資料につきましては大部になりますので、1ページ、1ページということで御説明をいたしませんが、項目ごとに簡単な御説明をさせていただきたいと思います。これにつきましては、従来から要調査項目でマニュアルというのがございまして、環境省の統一精度管理の事業がございますけれども、こうした中で検証されてきているものでありまして、ここではパージ・トラップGC/MS法を採用しているということでございます。
 それから、8ページでございますが、ここではちょっと訂正がありますが、エピクロロヒドリンの分析法ということで、これもパージ・トラップGC/MS法ということでございます。これも要調査項目でございましたので、環境省のマニュアルの方を原案としまして、検証
を行って、これを確立したものでございます。
 それから続きまして、15ページになりますけれども、1,4-ジオキサンの分析方法ということで、これについては2つの方法を確立したわけでございますが、1,4-ジオキサンにつきましては、これもやはり要調査項目でありましたので、そういった環境省のマニュアルをもとに検証を行いまして、確立させていただいたものであります。
 15ページからが活性炭の抽出法となってございまして、それから20ページからが固相マイクロ抽出法でございます。こうした2つの方法を確立させていただいたということでございます。
 それから続きまして、25ページのマンガンでございますけれども、これにつきましては、従来から環境省の告示の方法で、排水を検定するための方法というのが告示されておりまして、これは日本工業規格を引用しているわけですけれども、この方法をベースにしまして、測定法を公定法の案として示させていただいております。
 ここでは日本工業規格の56番の2から5ということで引用させていただいておりますが、準備操作の中で規格によるほか、海水などを分析する場合にあっては試料を希釈しながらやるということで、資料の文字が間違っておりまして、サンプルの方の試料でございますので、御訂正をお願いしたいと思います。こういった方向でマンガンについてはさせていただければという次第でございます。
 それから、ウランでございますけれども、ウランについては33ページから始まっているところでありますけれども、これについては3つの方法につきまして、案を示させていただいておりますけれども、従来から上水試験法で行われているもの、それから要調査の環境省のマニュアルとなっていますものをもとに、この測定法を確立させていただいております。
 それから38ページから、p-ジクロロベンゼンの測定法ということでございます。これは従来から要監視項目でありまして、既に測定法は示させていただいておりますが、今回の指針値の改訂におきましても、この方法で十分測定できるということから、そのままこれを案として示させていただいております。
 それから最後の項目になりましたけれども、アンチモンにつきましては57ページからということでございまして、水素化物発生のICP発光から始まりまして、水素化物発生の原子吸光法、それからICP質量分析法ということで、この3つの方法とさせていただいておりますが、これにつきましては、以前指針値がありましたときに測定法とさせていただいた方法と、それから現在、上水試験法で行われている方法を若干改良させていただいた形で確立させていただいた次第でございます。
 一応そういったことで、今回の新たに設定されます項目につきましての測定法の案ということでお示しをさせていただきました。以上でございます。

○村岡委員長 どうもありがとうございます。
 それではただいまの御説明に関しまして、何か御意見等ございますでしょうか。眞柄委員、どうぞ。

○眞柄委員 試験法そのものとは関係ないので、教えていただきたいというか、先ほど統一精度管理事業を行っておられるということでございましたが、実際に環境関係の試料を測定している事業所は環境計量証明を持っていると。それから地方自治体の試験研究機関は必ずしも計量証明を持っていないわけですが、その環境試料を測定した、あるいは測定する機関の精度管理は国全体として見ておられて、そしてある要求される水準を満たしていないような機関についてどのような御指導をされているか、教えていただければありがたいんですが。
 ダイオキシンの方はかなり詳細におやりになっていらっしゃるのは承知しているんですが、ダイオキシン以外のこういう項目についてどうされているかという意味でお願いします。

○田熊補佐 先ほどの精度管理の事業ということでもお話しいたしましたけれども、環境省で行っております統一精度管理の事業の中で、大気も含めまして、大気・水質ということで、自治体の測定機関にも参加していただきながら、もちろん測定法を見るということもありますけれども、それぞれの機関の精度がちゃんとできているかどうかということでの観点から見ているということでございます。
 それぞれの測定を精度管理の中でやっていただく中で、やはり外れ値が出てくるようなところについては、その事業の中でどこが悪かったのかとか、前処理は問題なかったのかといったようなことについて、具体に事業の中で指導ということはさせていただいています。
 もう一つは、都道府県の測定機関の中におきましても、本来自分のところで測定するというところを測定ができないという観点ではなくて、経費なり、あるいは組織の問題から民間の方に外注するというところが増えておりまして、一部の外部委託ということも含めますと、大体半数以上の自治体が外注をしながら進めているというような状況でございます。

○水環境部長 地方自治体の保健所なり試験研究機関にお勤めの職員の方々はかなり地域の中ではプロフェッショナルな方々ではございますけれども、私ども環境省が持っております研修所のシステムがございまして、そこで年に相当回数、大気・水質・土壌、いろいろ分けて研修コースを設けまして、そういう場面で研修に御参加をいただいて、腕を磨いていただくというシステムが用意されています。
 民間の分析機関については、先ほど先生が御指摘のように、法律に基づいて、環境計量士の資格をお持ちでありますので、一定レベルは保持されていると思いますが、確かに生の声をお聞きすると、そういう今申し上げました公的な機関を対象にした環境省の研修システムを民間の事業者も受けられるようにしてもらえないかという要望はかねてからございますが、なかなか制度上できませんので、むしろ今は環境測定分析協会さんの方で自前で何かそういう研修制度を設ける必要があるというお話を数年前に聞いたことがございます。その後、まだフォローしておりませんが、そういう御努力は進められていると思います。

○須藤委員 土屋先生の跡を引き継ぎまして、全国環境研協議会というところの責任者を今務めておりまして、今のようなお話については、地環研全体としての努力はもちろんのこと、環境省と連携をしながら作業を進めておりまして、地環研のそういう協議会の中には精度管理部会というのもございまして、全部の機関が同一にやるということではございませんけれども、幾つかの研究所が中心になって、そういう作業を進めて、それを全国の協議会に報告をして、仕事を進めているということで、私はまだ駆け出しなので、土屋先生の方がお詳しいかもしれませんということで、一生懸命やっているということだけ、まず申し上げておきたいと思います。

○村岡委員長 何か土屋先生からございませんか。

○土屋委員 やっているということは、そういうことですけれども、それとは別に環境省の方でもって、地環研もそれから民間も一括して、精度管理調査をかなり長くやっていると思うんです。その精度の状況を見ると、これは民間とか地環研という差はないということだったと思うんですけれども、その調査の中で、調査結果の公表というのはその後どうなっているのかということをちょっとお伺いしたいと思うんです。個々の、非常にばらつきのある機関なんていうのはあるだろうと思うんですけれども、その辺のことをちょっと御質問したいです。

○田熊補佐 調査結果の報告書につきましては、窓口は環境管理局の方になっておりますが、一応報告書としては、お出しをしていると。ただ、ホームページ等で載せているかどうかというのはちょっと不明ですけれども、ただ、個々の分析機関の名前を出した形での公表はしていなかったのではないかと思います。

○村岡委員長 どうもありがとうございました。篠原委員、どうぞ。

○篠原委員 今、環境計量士という話が出てきましたが、いわゆる環境計量士というのは長い歴史を持っているのは御存知と思いますが、いわゆるppmレベルの仕事をずっとやられてきました。それについての精度管理というのは当然、もうなされていると。ただし、今我々が議論しているこういうppb、あるいはpptレベルのところについては、環境計量士のレベルであっていいのかという。精度管理に対しましても、かなり違った形の管理をやらないと、なかなか正確な値は出てこない。これは現場でやられている者はみんな理解できているんですが、一律に精度管理という話が出てきたものですから。ただ、ppmレベルと1,000倍違うppbレベルの濃度を扱う精度管理というのは全く別の問題でありまして、そこのところをよく理解していないと誤解が生じることになります。表向きやっているという意見が今ちょっと出ましたが、本題は全然話が違う。研究所の中でも一握りの人間がプロフェッショナルになってやっているだけで、多分環境計量士の事業者の中でも数人の人がプロフェッショナル的な仕事をしているということをちょっと踏まえて、今後議論をしていかなければいけないと思います。
 以上です。

○村岡委員長 宮崎委員、どうぞ。

○宮崎委員 今、篠原委員の言われたところはそのとおりだと私も感じておりまして、具体的に申しますと、非常に物質の項目が増えてきていますし、濃度レベルが今おっしゃいましたように、ppb、あるいはpptというところになってきていますから、やっぱり一筋縄の技術ではうまくいかないと思います。値は出るけれども、本当かというところがあるのではないか?
 もう一つ、ちょっと違った観点でお話ししたいと思うんですけれども、これは経済産業省の方の仕事かもしれないんですが、環境の測定をする場合のいわゆる標準物質ですね。それをやっぱりもっともっと整備しないと、その精度管理もできないわけです。それは経済産業省の方で産総研の部局が中心になってやっていますけれども、まだまだこの全部の規制項目に対応できるものができていないというところで、そこが非常に外国の例に比べてもお粗末だと聞いております。これは経済産業省だけの話ではなくて、国を挙げてつくらないといけないと思います。そのために例えば環境省さんも経済産業省さんも一緒になって、予算をとっていただいて、予算だけじゃなくて、人もかもしれませんけれども、それをぜひやっていただきたいと思います。
 それからもう一つ、この案のところでちょっと細かいことですけれども、お聞きしたいと思うんですけれども、これは資料3の8ページの分析法の方では「エピクロルヒドリン」になっていますが、こちらの報告書の10ページは「エピクロロヒドリン」になっています。これはどちらか正しいところに統一をしないといけないと思います。
 それからもう一つ、教えていただきたいのは、ウランの分析法のところの装置のところの書き方で、「超音波ネブライザーを使えば」云々という書き方になっていたと思うんですけれども、33ページのICP発光分析法の定量範囲のところで、固相抽出法で検水1リットルのときに超音波ネブライザーを用いた場合は0.2から20μg/Lであるという意味は、ここのICP発光分析法では超音波ネブライザーを備えて、超音波ネブライザーを噴霧してやりなさいということを規定しているのか、あるいは「超音波ネブライザーを用いた場合は」というのだから、用いなくてもいいのかと、どちらでしょうか?用いなければ恐らくこんなに感度が出ないのだろうと思うのですけれども、ここのところの定量範囲とあと装置のところ、それは4の器具及び装置にかかわるところだと思うんですけれども、その装置のところで、例えばICP発光分析装置と書いてあるところで、超音波ネブライザーを使わなければいけないのであれば、やっぱり超音波ネブライザーということをちゃんと書かなきゃいけないと思うんです。そこのところがちょっとよくわからなかったものですから、教えていただきたいと思います。
 ただ、私は超音波ネブライザーも自分では随分使いましたけれども、正直言ってそんなに安定性はよくないです。ですから、精度管理ということになると、本当に大丈夫かなと思います。それは検討されているんだと思いますけれども、現場で超音波ネブライザーを使うときは、どうしても感度がずっと減衰してきたりします。ですから、長時間の安定性は余りよくないので、そこのところをきちっと書いておかなければいけないと思うんです。例えば注意事項として、超音波ネブライザーの場合には今言ったようなそういう問題もあるので、いつもそこは注意してやるようにとか、そういうことは書いておかないといけないかと思います。
 以上です。

○村岡委員長 お答え願います。

○田熊補佐 まず、物質名のところですけれども、これについては「エピクロロヒドリン」が正しいですので、この測定法の方が誤りですので、御訂正の方をお願い申し上げます。
 それから、ウランの超音波ネブライザーについては、そういった議論が実はありまして、装置の方はちょっとこれは書き込まなければいけないので、ここのところについては、実際の書きぶり等、先生に御相談をさせていただきたいと思いますが、訂正をした上でと考えます。
 注意事項についても、これについては少し検討をしてから、書き込む方向で考えていきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

○村岡委員長 ウランの方につきましては、訂正とそれから注意事項につきましては、検討させていただくということでございます。
 藤井委員、どうぞ。

○藤井委員 先ほどの宮崎委員の御発言と同じですが、やはり標準物質を用意していただきたいと思います。こういうふうに要監視項目が決まってまいりますと、大学でも研究課題に取り上げたりしていきますから、そのときに分析がいいかげんであれば、信頼性を損ないますので、ぜひお願いしたいと思います。

○村岡委員長 ありがとうございました。
 大変貴重な御意見をたくさんいただきました。宮崎委員、どうぞ。

○宮崎委員 ウランのところで少し教えてほしいんですけれども、資料4の表3の方では「ICP質量分析法とキレート樹脂を用いたイオン交換法により前処理を行ってから、発光分析法または質量分析法」と書いてあるんですが、資料3の方を見ていると、必ずしも質量分析法のところには、キレート樹脂を用いたイオン交換法により前処理云々の話は全く記載されていないように思うんですが、実際に両方あるのであれば、何も前処理しなくていいよという話であれば、前処理をすることはないんだろうと思うんですが、なぜここで資料4の表3のところにそういう記述をしてあるのか。何か意味があるんでしょうか。

○田熊補佐 36ページからのICP質量分析法のところでは、直接導入のICPの質量分析法も書き込んでございます。そういうことですので、ちょっとここは御訂正をさせていただきたいと思います。

○村岡委員長 それでは、いただきました御意見は記録にとどめさせていただきます。
 それで、今回の審議の対象の個別項目の測定方法につきましては、この資料3の内容を承認いただいたと。一部訂正がございますけれども、お認めいただいたということにさせていただきたいと思います。

○宮崎委員 御説明でちょっと理解できないところがあったので、すみません。今の33ページのところでキレート樹脂のところを入れるというところの中に、具体的には34ページの4の(1)にキレート樹脂のことが書いてありますけれども、それにICPの質量分析法もここに入れるということ、装置を入れるということになるわけでしょうか。そうだとすると、33ページの表題と何となく合わない。表題はICP発光分析云々とある。

○田熊補佐 そうですね。もちろん33ページの表題もあわせて訂正をさせていただきたいと思います。

○宮崎委員 2の方はICP質量分析法で、具体的にはICP質量分析法の場合には直接導入の場合と、それからキレート樹脂でやる場合と2つあるということになるわけですか。

○田熊補佐 そういうことです。

○宮崎委員 わかりました。

○中杉委員 少々わかりましたけれども、これはICP質量分析法、キレートで抽出した後、使ってもいいよというぐらいの意味合いですよね、多分。そうなれば、何も両方に入れなくて、ICP発光分析法のところに「使っていいですよ」と注意書きを入れるだけでいいのではないかなと思いますけれども、あえてこういうふうに並べてしまうと、なぜそういう前処理を入れるものと入れないものとが同等に並んでいるのか。これはどちらかを選べといったら、多分だれも前処理のあるものを選ぶとは思わないものですから。

○宮崎委員 中杉委員の御意見に賛成で、具体的にはむしろこの33ページのキレート樹脂を使ってICP発光分析にやるというのは、ここはやっぱりミニカラムでやっていますけれども、当然濃縮操作も入っていると思うんですね。ICP発光の方は感度が悪いので、ちょっと濃縮をしないと出ないと。だから、濃縮をするためにと、あとキレートですから、もちろん共存物を除くこともありますけれども、これは濃縮をしているんだと思うんです。最後が0.1ミリリットルのサンプルに添加するわけですから、ICP発行分析ではかなりここで濃縮をかけている。ところがICP質量分析の方は感度もいいので、むしろ薄めて測定もできる。濃縮をかけないでできるという話だと思うんです。
 そうだとすれば、この文章のとおりで私は、このICP発光分光分析法にはキレート樹脂とICP発光分析装置を使って、ICP質量分析法は両方使わないで直接導入でやるというふうに分けてやった方がわかりやすいのではないかと思います。ですから、この資料4の10ページの書き方をキレート樹脂を用いたイオン交換法で前処理を行った後、ICP発光分析法で測定する、あるいは直接導入によりICP質量分析法で測定するという形にした方がわかりやすいかと思うんですけれども。それは御検討いただければと思いますが。

○田熊補佐 おっしゃるとおりで、ICPの発光を入れるときにはキレートというのが必須だということで、御指摘のとおりかと思います。
 2つ目のICP質量分析法の方では、直接導入でも十分可能だということで検証できておりますので、一応例えばICP質量分析法の方では注にとどめるかどうかというような程度だと思いますので、そのあたりでちょっと御検討させていただきたいと思います。

○村岡委員長 それではウランの分析法につきましては幾つか御質問がありましたし、修正の箇所もちょっと出てくると思いますので、事務局におかれましては、修正されて、特に意見の出ました宮崎委員と、それから中杉委員、ちょっとその修正案を見ていただいて、それでこの報告書の対応にしたいということにさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
 それでは次の議題3でございますが、「水質汚濁に係る健康の保護に関する環境基準等の見直しについて、(第1次報告)(案)」についてでございます。
 まず資料に基づきまして、事務局の方から御説明願います。

○熊谷補佐 資料の4ですが、今お話がありました第1次報告の案ということでお示ししております。測定方法につきましては、今まさに御議論いただきましたので、必要な修正を行った上で、先に10ページを見ていただきますけれども、ここに測定方法の概要を載せ、別紙ということで今御議論いただきました資料3の修正版を後ろ側に入れて、それで全体の報告の構成としたらどうかというふうに考えております。
 資料の4を見ていただきたいと思いますけれども、まず目次ですが、構成に関しては、これまで骨子、素案の段階で見ていただいたものと同じものでございます。ただ、最初のところの「おわりに」ということで、前回の議論を踏まえまして、若干構成を変更しております。
 「1.はじめに」で1ページ目、また次に「基本的な考え方」で(1)としまして、「項目の選定」、今回の対象項目、2番目としまして基本的な選定の考え方、環境基準にするもの、要監視項目にするものと、この選定の考え方を示しております。(3)としまして、指針値の設定の考え方ということ、また(4)としまして、適用に当たっての基本的な考え方、また自然的原因による水質汚濁の取り扱いということを基本的に考えた案の中でお示しをしております。
 4ページ目に行きまして、新規項目及び既定項目。申しわけございません。検討結果ということで表題を変えさせていただいています。目次の方が行き当たりませんで申しわけございません。今回の具体的な措置につきまして、新規項目というものと既定項目の関係の修正、今回、新たに指針値を定めるもの、また指針値の修正をするものを御議論いただいていると思いますが、これに関する記述を3で入れております。
 今御議論いただきました内容の成果を入れまして、4の測定方法、また5に最後の総括の部分を入れております。
 目次の構成に関しては以上ですが、順次内容の記述の方を簡単に御説明させていただきます。1ページ目、「はじめに」ですけれども、ここにつきましては、これまでの環境基準、健康項目の経緯と、今回の諮問の前提になった考え方について記述をさせていただいております。
 2ページ目になりまして、基本的な考え方ということで、(1)の「項目の選定」ですけれども、環境基準項目、現在あります26項目、また要監視項目で平成11年度に検討を行いました部分を除き、今回の検討項目とするということで御審議いただいてきたかと思います。また3番目としまして、WHOの飲料水水質ガイドラインの対象物質であって、現在改訂が進められているものもあわせて検討の対象にするということにしております。
 農薬につきましては、環境中の検出データ等が十分でない物質が一部ございますので、この1から3までの物質項目の中で農薬については、今後データを収集した上で、審議を行うこととするということでお願いしていたかと思います。
 (2)環境基準健康項目及び要監視項目の選定の考え方ということで、これまでの現在の環境基準の項目、また要監視項目という体系を御提案いただきましたのが、平成5年の中央公害対策審議会時の答申でありますけれども、この時点でございます。それ以来の経緯を含めて、基本的な考え方、また選定のポイントについて記述をさせていただいております。
 (3)としまして、環境基準項目、要監視項目、おのおの、基準項目につきましては「基準値」、要監視項目については「指針値」という名前をいただいて、これまで行政的にも運用してきておりますけれども、この設定の基本的な考え方を(3)で記述しております。
 (4)環境基準の適用に当たっての基本的な考え方ということで、全水系を対象にするという基本原則をここに記述しております。
 また(5)ですけれども、自然的原因による水質汚濁の取り扱いということで、環境中のリスクに関しては、基本的に自然要因であろうと、人為排出であろうと変わらないということで、環境基準の取り扱いとしてはそこの差はつけない。しかし、その測定結果をいかに解釈するか、どういうふうに考えていくかという部分で十分考慮したいということを記述させていただいております。
 4ページ目に参りますけれども、3番目としまして、今申し上げました基本的考え方に基づいた検討の結果のエッセンスの部分を3番の検討結果として記述をしております。(1)の新規項目としまして、今まで御議論いただいてきたように、塩化ビニル、エピクロロヒドリン、1,4-ジオキサン、次のページに参りまして、マンガン、ウラン、以上5物質につきまして要監視項目に追加するという御議論であったかと思います。内容の記述については若干表現ぶり等、精査したつもりでございますけれども、前回個別項目の取り扱いということで御審議いただいた内容とほぼ同様の内容ということになっております。
 (2)としまして、既定項目、従来既に項目として挙げておりました中で、要監視項目に関しては、p-ジクロロベンゼンの指針値の変更、アンチモンに関しましては、従来指針値がない形で要監視項目ということになっておりました。新たな科学的知見に基づきまして、今回指針値を再設定するということで御議論いただいていたかと思います。
 また既定の環境基準項目につきましては、前回、これまでの経緯を踏まえまして、資料の方を提示させていただきましたけれども、基本的にこれについては従来どおりの取り扱いということでいただいていたかと思います。
 9ページに今申し上げましたような内容の概要、どういう物質を追加するか、また指針値を見直すものはどういうものであるかということを表1、表2の形でまとめております。
 10ページに参りまして、測定方法でございますが、今資料の3を見ていただいたとおり、相当の分量になりますので、ここに関しましては概要を10ページで示しまして、別紙ということで、後ろ側に今資料3でお示ししました内容を委員の御指摘に合わせまして、必要な修正をした上で別紙ということで記載したいと考えております。
 11ページ目に最後、「おわりに」ということですけれども、今回につきましては、今まで御審議いただいた中で結論の出た部分を第1次報告ということで、一旦お取りまとめいただければと考えております。「諮問事項に対し、水質汚濁に係る人の健康保護に関する環境基準等の見直しについて、以上のとおり結論を得たところである。その審議の過程において、今後の環境基準健康項目の設定において配慮すべき事項についても議論があったところである。今後、本報告に続き、今回検討対象項目としたもののうち、残る農薬について、鋭意検討を進めるとともに、引き続き、より適切な環境基準健康項目の設定に向けた検討も行うものとする」ということで、今回の報告としては取りまとめていきたいと考えております。
 また、後ほどこれまで御指摘いただいた内容の点、整理をしておりますので、そこについても、この報告案について御議論いただいた後に、また御審議いただければと考えています。以上です。

○村岡委員長 どうもありがとうございます。
 御説明のように、この資料は諮問内容に対する報告書案、1次報告ですが、そういう形でおまとめいただいたものです。きょうはこの報告書案本体につきまして、この専門委員会での了解を得たいと思っておりますので、そういうことで御議論いただけたらと思います。

○熊谷補佐 別紙関係の御説明が漏れましたので、申しわけございません。
 先ほど測定関係に関して、別紙で後ろに記載という話をさせていただきましたけれども、そのほかに別紙1、別紙2としまして、今回の検討に用いました環境の検出状況を別紙1ということで、本文の方には検出状況に関して、概要の記載をしておりますので、この専門委員会の中で使いました検出状況の資料の中で、本文を読むのに必要な部分と考えました部分を別紙の1ということで考えておりますのと、別紙の2につきまして、既定項目も含めて、最終的な物質の性状等の情報をまとめたものもあわせてつけまして、全体の構成と考えたいと考えております。
 また、原案の段階で、今回御欠席の4委員につきましても、コメントをお願いしまして、基本的にこういう方向でいいのではないかという、御欠席の委員に関してはそういう御意見をいただいております。
 以上です。

○村岡委員長 特に欠席委員のコメントの内容を御説明いただく必要はありませんか。

○熊谷補佐 皆様、こういう方向で御議論いただければ結構ですというふうにいただいております。

○村岡委員長 わかりました。
 それでは、これまで5回開いてまいりました専門委員会のまとめとしての報告書案でございます。特にこの資料4につきまして、まだこれまで御審議してまいりました以上の御意見がございましたら、お願いしたいと思います。いかがでしょうか。須藤委員、どうぞ。

○須藤委員 報告書案としては大変簡潔によくまとまっておりますので、要監視項目のこの5つの選定と、それから新たな指針でございますか、これについては全く異議がございません。このとおりで結構なんですが、1つだけ、ちょっと伺っておきたいことがございます。
 もしかしたら、次の議題の今後の検討の方にも出てくるのかもしれませんが、私はこの委員会に2回ぐらい欠席をしましたので、もしかしたら議論があったのかしれませんが、これは要監視項目でございますので、2ページに書いてあるように、「直ちに環境基準とせず、引き続き知見の集積」何とかと、要するにモニタリングの対象とすべき物質であるというふうに記載をされているわけでございますが、先ほどちょっと申し上げましたように、今の地方自治体の現況は大変厳しい状況にあって、予算は減る、人は減る、こういうモニタリングに係る予算や人の問題について、なかなか従来に比べて厳しい状況にあって、要するに引き続き知見の集積に努めるんですが、今までのこういう要監視項目はどのぐらい、環境基準に比べて何%ぐらい実施されたのか、あるいは今この集積に努めるために何%ぐらいの割合でおおむね、例えば地点にしてもできればいいのかぐらいの目安をちょっとお教えいただければ、従来どおり行けるかどうかもわかりませんので、ちょっとその辺を教えていただきたい。もちろん細かいことは次の議論のときにあるんだろうと思いますので、そのときに伺います。

○熊谷補佐 今回、参考資料でお渡ししていますものの3番目ですけれども、これは平成14年度に関しての要監視項目の調査結果の概要でございます。公共水域、地下水とも、おのおのの欄の一番右側のところに要監視項目に関して、調査に参加していただいた自治体数を載せております。公共水域に関しては、全都道府県は47都道府県ありますから、7割、8割ぐらいの都道府県がやっていただいていると。地下水については、若干少ない自治体数となっていると思いますが、このように各地方公共団体の問題意識なりで、要監視項目の測定をやっていただくという部分と、また足りない部分に関しましては、環境省の方で直接そういう測定をして、補完をするということで、この要監視項目の今後の状況の情報収集をしてまいりたいと考えております。

○須藤委員 不足した場合は、環境省で何か指示なり、予算なりといただけるという理解でよろしいですか。

○熊谷補佐 はい。

○須藤委員 わかりました。ありがとうございます。

○村岡委員長 よろしいですか。ほかに御意見をどうぞ。
 藤井委員、どうぞ。

○藤井委員 私も1回程度欠席しているので、議論があったかと思いますが、基本的にはこの方向で結構ですけれども、例えばマンガンは実際に摂取が過剰状態で、どのような健康障害が生じるか、あるいはウランについても同じように、ほかの物質と同じように記載したらどうかと思いますが。

○熊谷補佐 すみません、ウランとマンガンに関して。

○藤井委員 例えばほかの物質では発がん性とか、肝臓腫瘍というふうに障害の具体性が載っかっていますが。

○熊谷補佐 それは報告の方。

○藤井委員 この1次報告。この案にそういう並びで記載ができないものでしょうか。

○熊谷補佐 これはちょっとそのような観点で考えておりませんでしたので、御指摘を含めて、幾つかの毒性関係とか、安全性評価の情報がございますので、そのような部分を補足した形で、本文記載もしくは別紙の方の記載か、その辺はまた御相談させていただければと思います。

○藤井委員 はい、結構です。いずれ何らかの方法で記載していただければ、後で使う場合に非常に役にたちますから。

○熊谷補佐 わかりました。

○藤井委員 それからもう一点よろしいですか。内容の記載の方法ですけれども、超過事例のところが例えば地下水について言えば、地下水実態調査結果と、水道統計と並びで書かれていますが、これは非常に繁雑じゃないでしょうか。例えばマンガンについて見ると、前の方では地下水において指針値を超過する地点はないという記載があって、次に水道統計のところに来ると、超過率7.2%というふうにある。前のマンガンの前書きのところには指針値の超過が相当程度ありということで読めることは読めますが、ずっと読んでいくと、何かおかしいというか、奇異に感じるところがあるので、統一した記載をした方がいいのではないでしょうか。

○熊谷補佐 検出状況の方につきましては、おのおのの出典ごとの記載の方が逆に誤解がないかというふうに考えましたけれども、その記載方法、合わせた形の方がわかりやすいという御指摘でありましたら、必要な修正をしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

○村岡委員長 ほかに何か関連でございますか。

○中杉委員 ほとんど同じような測り方で測っているだろうと思うんですけれども、実際水道の場合と環境の測定の場合、ぴったり同じかどうかというのはこれは微妙になりますので、まとめて議論をしてしまうよりは、やはりその出典ごとに分けて記述した方がより正確でないかなと思いますけれども。

○藤井委員 わかりました。

○村岡委員長 1つはこれが諮問がありまして、それに対して、環境省サイドの回答としての報告書ですから、こういうまとめ方で、今藤井委員がおっしゃったようなことは別途検討すべき課題という方にさせていただいてもいいのではないかなと思います。

○藤井委員 わかりました。

○村岡委員長 高橋委員、どうぞ。

○高橋委員 ちょっと文言の件で、気になるところが1つだけあります。3ページに環境基準の適用に当たっての基本的考え方というところの中で、「地下水と公共用水域は一体として1つの水循環系を構成している」と書いてありますが、「水循環系」というのは大気に水が戻って、雨になって、それが地表を流れて循環するという意味だと思います。地下水と公共用水域は水循環系の一部を構成していると私は理解しておりますが、いかがでしょうか。

○熊谷補佐 この辺の基本的な考え方は実は過去の答申でもこういう文章を実は引いていることを踏まえておりますので、ちょっとその件も考慮の上、御議論いただければありがたいんですけれども。

○村岡委員長 確かに高橋委員の言われるように、厳密に言えば、一部かもわかりませんが、特に公共用水域、地下水がその中でも重要な部分を占めているということで、一部を占めているというのは、何か軽んずるような感じがしますので、この表現でわかるのではないかと思いますけれども、これは私の個人的意見ですがどうでしょうか。

○高橋委員 はい、結構です。

○宮崎委員 これまた、教えていただきたいんですけれども、このマンガンというのはもちろん排水基準の場合には溶解性マンガンというふうになっていますけれども、これは当然溶解性とかじゃなくて、トータルマンガンですよね。ですから、測るところもろ過をしないで、懸濁物質も全部測るということですね、基本的には。
 もう一つは、この別紙の1と参考資料の3との関連なんですけれども、別紙1の一番最後の3ページ目、これはアンチモンなんですが、これの公共用水域で今まで出てきたそういう汚染が超過を認められたところがずっと出ているわけですが、参考資料3の方は平成14年度の値が出ているということになります。この別紙の1の中にこの参考資料の平成14年度の値を組み込むということはできないんでしょうか。というのは、この別紙というのが報告書の別紙になるわけですよね。参考資料も報告書の方に一緒につくんですか。

○熊谷補佐 今回初めて出しました結果ですし、審議の前提として使った資料ではございませんので、私どもとしてはこれに関しては、今回の報告には入れないということを考えておりました。これに関しての取り扱いについても、今回見ていただいて、これについて私たちが見る限り、今まで御議論いただいた検出状況と基本的には判断が変わるほどの違いはございませんので、中に入れた形で最終としても支障はないかと考えますが、今まで御議論いただいた情報ではないので、別扱いの方がよろしいかと考えておりました。

○宮崎委員 ちょっと私がそこを気にしたのは、参考資料3の下の方に、アンチモンの評価値の超過地点は次の3点であると。これは平成14年度で測った場合だと。そうすると、福井県の3つの水域が書いてありますね。ところが、こちらの別紙1の方ではもっと前の年度のこともあるからかもしれませんけれども、これ以外の水域も入っているわけですね。平成14年度はこの3水域だけだったと。ということは、もしかすると、前に認められていた、超過していたところは平成14年度の段階は今きれいになっているかもしれないというふうにもとれたものですから、そうだとすれば、ここが超えているか超えてないかと、そんな大きい問題ではないのかもしれませんけれども、そこをちょっとはっきりさせていただいた方がいいかなと思ったんですけれども。

○熊谷補佐 別紙の1でお示ししていますアンチモンの地点ごとのデータですが、年度をまたがっておりまして、見ていただくとおり、定期的にというか、各調査年度で出ているような場所と、ある年度だけでたまたまというと、表現が正しいかどうかわかりませんけれども単年度で出たという結果だけの部分もございます。平成14年度の結果で出た場面につきましては、まさに今まで御議論いただいたとおり、定期的に出ているところだけで、それ以外の点が出ませんでしたけれども、それを単年度できれいになった、悪くなったという判断をするのはさすがにちょっと難しいのではないかというふうに事務局としては考えます。

○村岡委員長 宮崎委員、よろしいでしょうか。

○宮崎委員 でも単年度1回だけ、11年度か何か出て、それから次は測っているのか測っていないのかわかりませんけれども、測っていても結果が出ないのであれば、それは確かにその時期で汚染があったけれども、基本的にはそれ以降はどうもきれいになっているんじゃないかという判断をしても間違いではないと思うんです。もちろん、それだから、そこは安全だということをお墨つきはすぐできないかもしれませんけれども、過去に汚染があったという事例があるわけですから、それは注意をしなければいけませんけれども、そういう判断をしてもいいかなと思ったものですから、先ほどお聞きしたのですが。

○村岡委員長 関連でいかがでしょうか。中杉委員、どうぞ。

○中杉委員 別紙1の一番最後の例を見せていただきますと、これを見ても、ずっと継続的にかなり出ているところでもって、急にぽこっと出てこないことが中に幾つかありますから、1年だけ見て、去年出て、今年出なかったから、それではきれいになったという判断はやはり早計ではないかと思います。また来年、これは何年も続いて出てこなければ、そういう判断もできるかと思いますけれども、何回も見ても去年と今年の比べで判断するのは少し難しいのかなと思います。

○宮崎委員 それは私もそうです。去年出て、今年出なかったから、もう安全だということを申し上げているわけじゃなくて、例えば平成8年ぐらいに一時期出たけれども、それから何年間か測ってみて、ずっと検出されてきていないということがあるとすれば、そこは前にそういう問題はあったけれども、今はかなり要注意だけれども、安全になってきていますよということは言ってもいいんじゃないかということです。ですから、昨年出て、今度今年出なかったから、それで安全だというのはとても当然言えないと思います。

○眞柄委員 最後の「今後の検討課題」のところでお話しした方がいいかもしれませんが、環境省の方で要監視項目で評価値が出ていませんでしたが、水道の方では数値が出ていまして、具体的な発生源に対して、行政担当部局からアンチモンの使用を控えるようにとか、そういういわばホットスポットに対して、お願いベースでやってきているという実績があります。ですから、今宮崎先生がおっしゃったことはそうなんですが、しかし、じゃ、と言って、すべてがそういうことに対応してくださっているわけでもありませんし、こういうデータを見れば、恒常的にかなりの量で出るところもある。ですから、それは今後の検討課題のところで、ぜひ御議論いただきたいんですが、要監視項目というのは事業所の排水規制とは、今、全く関係ない枠組みになっていますので、それで超えたときに、そのホットスポットに対して、どういうアクションをとるかという枠組みの方を宮崎先生の御意見も踏まえながら、御議論していただくのがより前向きな対応じゃないだろうかと思いますので、よろしくお願いします。

○水環境部長 ありがとうございます。
 今御議論いただきましたことについて、いわばこの検討会で御審議を賜わっている間に、14年度のデータがまとまったわけでございます。本日、参考資料の3として、その結果も要監視項目の14年度分もお知らせをいたしまして、先生方にチェックをいただいたことになると思います。その上で、別紙の1については、要監視項目として現存するものについては、14年度分まで含めた集計表としてもう一度作り直しまして、最終の別紙1にしたいと思いますが、よろしゅうございますか。
 それから、それ以外の今宮崎先生、眞柄先生からお話のあった、それをどう評価するかについては、要監視項目というのは引き続き要監視をして、その結果に基づいて、またしかるべき時期に御評価をいただくべきものでございますので、だからといって、今日御提示申し上げている専門委員会報告の内容そのものに直ちにかかわることではないと思いますが、それはそれとして、別紙1については修正をさせていただきたいと思います。

○村岡委員長 ありがとうございました。
 どうぞ。

○中杉委員 2ページのところの基本的考え方の(1)の「項目の選定」のところで、確認なんですが、対象物質として[1]、[2]、これははっきりしているんですが、[3]のWHOで改訂を進められている物質について対象としたと、ここで明記してあるんですね。それで今回、具体的に対象としたのは、その中でいくつかの物質で、それとプラス今後やる農薬というので、これは全部カバーしているかどうかというところがちょっと気になるので、一応これをやっていると、全部やったという表現になりますよね。そこのところは整合しているかどうか確認したいのですが。

○熊谷補佐 基本的に次の農薬を加えれば、既定項目も含めて、平成11年度から一連の流れとしては、全体のクリーンアップをやった状況になります。

○村岡委員長 それでは、この資料4の第1次報告案でございますけれども、関連する御意見をたくさんいただきましたが、この本体についての文言関係では特に修正というのは、御意見がなかったようでございますので、この記述で御承認いただくということでよろしいですか。何かございますか。

○熊谷補佐 測定方法と、今こちらから御提案させていただきましたデータ関係の修正を事務局で責任持ってやらせていただきまして、お願いしたいと思います。

○村岡委員長 今おっしゃったように、測定方法と、それから別紙1の関係の修正、これは添付資料ということで、修正させていただき、また関係の委員に御相談申し上げるということにしたいと思います。どうもありがとうございました。
 それでは議題の4に入ります。次にこれまで委員の皆様方から、この環境基準項目の設定に関係する御指摘をたくさんいただいておりますが、これまでの御指摘を踏まえまして、本専門委員会において、今後どのように検討を行っていくかということについて、事務局でまとめられ、かつ幾つかの提案がございますので、資料5がそれでございますが、その内容につきまして説明していただきたいと思います。

○熊谷補佐 資料5になりますけれども、これまでの審議の中で、いろいろな御指摘事項をいただいているかと思います。そのような内容の各論の部分を[1]以降、1枚紙資料分になりますが、表側の中断から2ページ目にかけまして記述させていただいております。この内容については、前回の委員会の時点で、個別項目という資料の中で皆様に御審議いただいた内容とほぼ同一のものになっておりますけれども、そういうものを踏まえまして、第1次報告、今回に関しては、検討対象項目にした部分について御報告いただきましたけれども、農薬関係の審議を今後進めるとともに、今までいただいた指摘事項を踏まえて、水質環境基準健康項目のより適切なというか、より効率的な運用なり、設定の再整理なりと、そういう部分について、今後議論をいただければということで、整理ペーパーということで、資料の5を準備させていただきました。これまでの議論を踏まえまして、御審議いただければと思います。

○村岡委員長 いかがでしょうか。いろいろ御意見をいただきましたものをまとめていただいて、一応記述されていると思いますけれども、大変重要なことばかりでございます。なお、御意見等、あるいは御希望のコメントがありましたら、お願いしたいと思います。
 それでは、宮崎委員から。

○宮崎委員 先ほど眞柄委員のおっしゃったところで、要監視項目で、例えば指針値を超過していますよと。それで原因をたどっていったら、どうも事業所から出ていますよと。それで、現状もそうだと思うんですけれども、例えば、そこで地方自治体から「おたくのところがどうも発生源らしいから注意してくださいよ」と。言われたところは当然注意をして、何とか対策をとろうと思うんですけれども、ただ、その排水基準ということと必ずしも結びついていないところがあって、しかもまだ要監視項目だから、環境基準にもなっていないわけです。
 ですから、企業の方としても注意はしますし、できるだけ減らそうとしますけれども、ただ排水基準でもないしと、悪い言い方をすればですね。もちろん、そういう企業ばかりじゃなくて、ちゃんと積極的に対応してくれるところが多いと思いますけれども、まだこれは排水基準じゃないよねと。それだったら、県に少し努力していますというくらいでいいんじゃないのという、悪い対応をすれば、ある意味で今の状況であるとすれば、それで済むわけです。だから、そこを眞柄先生は提起されたんだと思うんです。
 そうかといって、要監視項目で超えたら、そこのところで排水の方も、例えば規制をクリアするようにしてくださいよと言われても、技術的な問題とか、経済的な問題があったりすることが多いものですから、なかなか企業の方も対応できないというジレンマがあると思うんです。それは経済産業省だってそうだと思います。いろいろ企業を指導していると。ですから、そこのところで、この要監視項目というものの位置づけをどういうふうにするのかというところが、私も皆さん方の御意見をお聞かせ願えればいいかなと思います。私ももちろん御意見申し上げますけれども、議論していただければと思うんですが。

○村岡委員長 それでは、眞柄委員。

○眞柄委員 アンチモンに関しては、かつて滋賀県が横出し条例を定められておられて、滋賀県でのアンチモンの環境影響というのは実質的になくなった歴史を持っているんだろうと思います。
 先ほどのアンチモンのデータを見せていただいても、非常にごく限られた地域に見られる事象でございますので、そういう意味では、要監視項目の値を超えている場合に、例えば環境省が福井県さんに、「あんた横出しを決めなさいよ」とか、何かそのようなサジェスチョンをするようなことも制度的に考えていっていいんじゃないだろうか。
 それから実は、ごく最近ですが、埼玉県と東京都で水道水のホルムアルデヒドの濃度が異常に高いというのが明らかになったわけです。ホルムアルデヒドはこれまでは消毒副生成物ですので、要監視項目にクロロホルムぐらい入れておけばいいじゃないかという話で、実はクロロホルムしか入っていないんですが、それをたどっていきますと、やっぱり特定の事業所がクロロホルムとクロロホルムの前駆物質と思われる有機物を排水として公共用水域に出していて、水道に入ってきて、塩素処理すると、その前駆物質がホルムアルデヒドになって、基準値を超えるような事例がでてきたということになりますと、これで言うと、3番の暴露形態の変化が環境中の挙動とかというようなところをもう少し注意して見なければいけないだろうと。
 しかし、それをやったからといって、ホルムアルデヒド類の化成品をつくっている工場というのは全国にそんなに多くない。1,4-ジオキシサンでもそうでしたよね。あれも全国で一、二カ所ぐらいしか、生産工場としてはないと。そういうものは、要監視項目に決めるのか、そういう事例があったときには環境省の方で、もう少し決め細かく都道府県に条例をつくるなり何なり、そういうことをやっぱり今後の検討課題のところで御議論いただかないと、産業界もお困りになるので、だからそういう観点をこれから環境基準のあり方、いろんな観点から検討されていくわけですので、ぜひそういう視点からの御議論もしていただきたいと思います。

○村岡委員長 ありがとうございます。ほかに。中杉委員、どうぞ。

○中杉委員 まず、今の2人の委員の御意見に関連してですけれども、多分この委員会は環境基準あるいは要監視項目のあり方を検討する委員会でしょうけれども、実際問題、それを考える上で、お二人も言われたように、排水の抑制をどういうふうな方法でやるかということが密接に絡んでしまうんです。そういう意味でいくと、できればその排水の抑制を担当している委員会と合同の議論みたいなことをさせていただく場をつくっていただけるとありがたいなと。こちらはこちらで勝手なことを言う。向こうは受けられないという話になると非常に困りますので、そういうことも少し考えていただくことが必要ではないかなというのが1点でございます。
 それから、ちょっと離れてよろしいでしょうか。1番の暴露のところですけれども、食品、水、大気と3つの経路ということになっていますけれども、今、それこそ水環境部では土壌の話がありまして、土壌にも環境基準をつくっています。そのことを無視してしまうと、例えばこの3つで100%とすると、土壌の環境基準をどういうふうに思っているのという話になりかねないことになります。そういうところも少し踏まえて議論をしていく必要があるんだろうということが1つであります。
 それからもう一つ、これに絡んで言うと、宮崎委員も前から少し言われていることですけれども、その元素みたいなものの化学形態がどうかという話の議論は難しい議論なんですけれども、やらざるを得ないところがあるのかなと。土壌の方でもさんざん議論をしたところですけれども、これは大気の方でも同じようなことが出てきて、大気の方で指針値を議論するときにも同じような議論になりました。指針値の段階だから、安全サイドみたいなのが全部でいいじゃないかという議論になっています。それしか仕方がないのかもしれませんけれども、一度議論をする必要があるんだろうということになっています。
 それからもう一つ、ここの部分に関して言うと、前にも少し申し上げたかもしれませんが、今大気と水との基準のつくり方自体が、考え方の発想がちょっと違ってきていますので、そういう意味でいくと、こういうふうな合わせ方をすると、かなり矛盾を生じてしまうことになることがある。そこら辺をどうするかということも少し議論をしていかなければいけない。水の方は水の方で、TDIでやるんだという、それは一つの整理の仕方だと思いますけれども、そこら辺も踏まえておかないと、舌を噛んでしまうような話になりかねないというふうに思います。

○村岡委員長 ありがとうございました。
 今の中杉委員の初めに言われたことに関連するんですけれども、この委員会でこれまで重要な課題をいただいて、それでその部分について、今の資料5にまとめる形で、今お話を伺っているわけです。そういった環境基準項目及び要監視項目等について、どの場で検討するのかということにつきましては、ちょっとこの専門委員会そのものは諮問を受けて、その内容について議論する場であると。本質的にはそういうふうな理解をしているんですけれども、その討議の過程でいただいたものを今まとめているということなので、これをあとの議論も含めまして整理したとして、今後こういった問題をどの場で議論するかということについて、ちょっと吉田部長、どういうふうに考えたらいいのでしょう。私自身もちょっとよくわからないんですが。

○水環境部長 私ども、今ここで御議論いただくきっかけになりました諮問は、実は今後の人の健康保護に係る環境基準をどう見直すべきかという諮問ございます。それは実は、非常に環境基準という事柄の性格そのものにかかわるブロードなものだと思っています。
 ただ本日、たった今ここでおまとめいただきました第1次報告は、とりあえず今年の春にはもう既に水道水質基準も見直しが出ておりますから、それと多かれ少なかれ連動する現行の環境基準はそのままでいいのかどうかということについて速やかにお答えをいただきたいという気持ちもございまして、本日おまとめいただいたわけでございます。
 今、村岡先生がおっしゃられました今後の議論の中でこの専門委員会のマンデートはどこまでかとおっしゃられると、かなりブロードなもので、それは環境基準ということに関してだと思います。例えば、再三、今まで御議論いただいた中で、今日資料5に項目としてまとめてみましたが、実は問題の所在の指摘というレベルに僕はとどまっているんだと思っています。その所在はある程度、皆さん共通の御認識がおありになりますが、それに対して、それぞれのお立場で、どのような御主張、あるいはお考えをお持ちであるかということについては必ずしも議論がなされていなかったと思います。
 ですから、先ほど宮崎先生がおっしゃられた、要監視項目といえども、基準を超えた場合にコストがかかるという御議論をされる前にコストがかかるのであれば、人の健康は保護しなくてもいいのかという議論をこの環境基準専門委員会でしていただくべき問題だと思います。それでもいいというのであれば、リスク評価の観点で、それを説明できる論理というものをつくっていかなければいけないんだと思います。つまり、公共用水域のリスクというものが若干の空間的に、あるいは時間的に超えることがあっても、大丈夫なんだということであれば、それはそれなりにオーソライズをしていかなければならない問題だと思います。
 そのほかの問題についても、同様でございまして、[1]の10%を基本にという御指摘もございます。では、どういう手段で今後どういう方向で情報の集積をシステマティックにしていくべきなのか。その結果に基づいて、では、どういうアクションが予想されるのかということも議論を深めていただかなければならない問題。
 いずれにしても、村岡委員長が今私どもに御質問のございました、どこの場でというのは、その話の中身によると思います。つまり、私どもの考え方はこの環境基準専門委員会に与えられたマンデートの中で、十分御議論いただき、それがもしこの専門委員会のマンデートを大きく超えるものであれば、それはそのときにこの問題をぶつけた上で、どこの場で処理をするべきかということについては、私どもも考えさせていただきたいと思います。

○村岡委員長 1つには、今回の第1次報告はこれまでで、先ほどの報告案と。第2次は多分積み残したのをやることということになって、またそれでそういう今回と同じような議論のスタイルをとるんじゃないかという気がするんです。こういうふうに資料5としてまとめたものは、当然会議資料としては公開ですし、この内容の今おっしゃったような、どの部分についてはどこでという仕分け、これは私どもが言うべきことかどうかわかりませんが、今のお話を聞くと、環境省サイドでそれを仕分けられるというふうにとったわけです。
 そうしますと、例えばこれを、当然専門委員会ですから、水環境部会の方に報告という形になりますが、そこでの議論になると考えて、この内容の将来の方向性をどこでどういうふうに討議していくかということにつきましては、今の部長の御意見の仕分けも含めまして、水環境部会で討議していくということになると考えていいんでしょうか。

○水環境部長 いえ、ここで今日、資料5としてお出し申し上げましたのは、この専門委員会の場において、過去5回、さまざまな先生から御指摘をいただいたことを取りまとめたわけでございまして、その議論は大方において、環境基準とかかわりの深い課題を御提示いただいたものだと思っておりますから、引き続き、この健康項目に関する環境基準専門委員会で御審議をまず賜わるべきものだと思います。
 したがってあとは、先ほど申し上げましたように、これから具体的にどういう御意見が出てきて、どういう結論になるか見えませんから、今そこまでを予測して、あらかじめこうしますということは申し上げるのは適当でないかもしれませんが、もし、この専門委員会で答えが出ました上は、それは例えば第2次報告の中に盛り込んで部会に上げるということだと思います。

○村岡委員長 わかりました。
 そういうふうにお聞きして、私は理解できましたが、関連して何かございますか。須藤委員、どうぞ。

○須藤委員 関連ですか。今の資料5でよろしいんですね。今後の検討でよろしいんですね。
 まず[2]のところで、私もずっと前からこのことを主張しているわけなんですが、その主張の理由というのは、先ほどもちらっと触れましたように、今の地方自治体のこういう試験研究機関においては、人は減る、予算が減る一方の中で、測らなくてはいけない項目がだんだん増えていくんですね。やっぱりいろいろ協議会に行ったり、理事会をやったりすると、「どうしておまえはそんなにどんどん増やしてやるのか」と。
 私は両方の立場がございまして、大変苦しんでいるわけでありますが、確かに現状を見ますと、そういう状況にあるので、できるだけ一律に測るところはもちろん必要なんだけれども、あとは必要に応じて減らせるとか、そういう体制をとっておくべきだと。そういうふうに幾ら健康項目であっても、ずっとでないんだったら、ここはよかろうとか、そういうふうにして合理的に検体数を減らしてやっていただきたいと思います。
 それはどうしてかというと、予算が減るのはどこも同じなんでしょうけれども、ちょうど公害で、先ほどベテラン専門家がたくさんいると言われているんですけれども、その専門家はそろそろ卒業間際なんです、どこの研究機関も。これが卒業したら、その後どうしようかというのも実は現状でございます。それも1点ありますので、自治体に任せておけばいいと言われるような問題でも、だんだん現状を知ってきますと、大変心配に実はなってきます。そういうものがあるので、よく現状を踏まえて、そうやっていただきたいのが、今の2に関しての問題です。
 それから、水生生物の専門委員会で、今度の11月に環境基準をつくりました。これは亜鉛ですよね。これから、あれだけで終わったのじゃなくて、例えばカドミウムは水生生物の環境基準をつくりたいんだけれども、桁が1つか2つ落ちるんです。そうすると、人の健康項目の環境基準があって、水生生物の1けたか2けた落ちる。もちろんそこは類型指定ですから、全部の水域がかかわるわけじゃないんだけれども、例えばイワナ・サケ・マス水域ということになれば、2桁ぐらい落ちるわけです。そうすると、人のためと生き物のための基準値がえらい違うわけです。測定機関からしたら、もちろんそれは下の方の基準値に合わせるように努力をするし、もしそれが排水基準のようになれば、そっちに努力はするんだけれども、人は人だから、生き物は生き物だからとずっとやっていくと、私はどこかで矛盾を来すんじゃないか。あるいは実際の現場で混乱を招くんじゃないかと実は心配しているんです。今亜鉛だけだからいいんです。亜鉛は健康項目にはないので。いずれ、その辺のところの整理をしていただいて、体制なり考え方なり、それは水生生物と人の健康項目が専門委員会も違うんだから、いいんですけれども、そのうち、そういう段階では多分なくなるんではないかというふうに思うわけです。それが2点目の問題です。
 それから3点目は、この悪臭物質なんですが、2-MIB、ジェオスミン、私はこれも大変必要だと思っているんですが、もう一つ、藻類毒の問題が結構あるんですね。日本では事故が余りまだ起きていないんだけれども、例えばヨーロッパなんかに行かれるとわかりますように、アオコの出ている池には危ないから近づくなと書いてあるんですね。それは藻類毒があるので、それを飲んだら、もちろん動物は死んじゃうし、人間も下痢になったりいろいろになるわけですね。
 そういうような状況の中で、生活環境が健康項目とかかわってくるということがあるわけです。多分こういうことは多いと思うんです。生活環境項目の物質が健康項目になるという部分があるんですね。ジェオスミンと2-MIBがなるかどうかは私もちょっと定かではないけれども、これも抗菌物質ですから、もしかしたらあるかもしれない。そういうことがあるので、何か項目を全部縦割り、縦割り、今さっきのもそうですけれども、そうやっているとどこかで矛盾を来すので、検討課題というのでありますから、私はこれをどうしろと言っているわけではなくて、そういうことも議論の対象にして、今度の2次報告に入れなくたっていいんです。ここの課題として、ずっと検討をしていただきたいというのがお願いであります。
 以上、3点申し上げました。

○村岡委員長 かなり具体的な問題の提起がございました。ほかの意見でも結構でございますが。宮崎委員、どうぞ。

○宮崎委員 先ほどの中杉委員とそれから部長のお話で、再三中杉委員がおっしゃった、こちらの環境基準の委員会と例えば排水基準の委員会、いつもいつも一緒にはできないでしょうけれども、少なくとも一度合同の会議を開いていただけると非常にありがたいなと私も思いました。
 というのは、ここで今回話をしても、やっぱり排水のところになってくると、もちろん事業所だけではなくて、生活排水も含めて、あるいは農業排水も含めてですが、そういう排水を出す方の側の立場も当然出てくるわけで、そういう方の御意見もやっぱりこちらの環境基準をつくる方でも聞かせていただくと、ある意味ではこちらの方でも非常に参考にもなるし、お互いにディスカッションができる。
 そうしないと、悪い言い方をすれば環境基準なり、あるいは監視項目をいろいろ厳しく決められても、そんなに対応できるわけないじゃないかという不満が起こらないとも限らないわけですね。そこは別に事業所だけではなくて。そういうことになると、かえって日本の水の環境行政という点ではマイナスだと思いますから、むしろ足を引っ張るようなことになってしまうと思うわけで、私も水の環境なりというのを保全していくのは全体的なことから言えば、そのとおりにしなきゃいけないと思っていますけれども、そういう具体的な自分たちの我が身に振り返ってくると、そんなに決められても困るよねと。どうやって、なぜこんなのを決めたんだと、先ほどちょっと須藤先生のお話もありましたけれども、そういう話が出てくるケースが多いんです、実を言うと。でも、これは委員会で決まったことだから、守ってくださいよと私は言いますけれども、でも何で委員会で決めたんだということになるわけですね。
 それは非常に私の個人的な問題だけじゃなくて、やっぱりそういう点で皆さんになぜ環境基準をこういうふうに決めて、あるいは要監視項目をこう決めて、だんだん決まってくれば、いずれ排水基準なり、あるいは水生生物――水生生物はちょっとまた違うかもしれませんけれども――の方にかかってくるはずの話なものですから、そうすると、一度この環境基準専門委員会の方で出たものを、はい、今度は排水基準専門委員会の方にお渡ししますよと。
 ある意味では全く別な委員会――別な委員会じゃないのかもしれませんが、建前としては別な委員会ですね。こちらの環境省さんの管轄の課も違うんですか。私もよく知らないけれども、違うんだと思うんですね。そこで全くあれは隣の課ですと、悪く言えば。それじゃちょっとまずいんじゃないかなと思うものですから、少なくとも1回は今までお互いの委員会で思っておられる意見を率直にぶつけ合うぐらいのことから始めてもいいんじゃないかなと。ですから、結論的に言いますと中杉委員が言われた、そういう合同の会議を開いていただくというのは私もぜひそうお願いしたいと思います。

○村岡委員長 ありがとうございました。
 中杉委員、どうぞ。

○中杉委員 私が申し上げたのは、若干宮崎委員と意見が異なるんですけれども、先ほど吉田部長が言われたように、環境基準を決めるときに、どういう考え方で決めていくのかという、そもそも環境基準というのは何なんだというところの議論があるんだと思うんですけれども、実際の環境基準が達成可能性で決めていいのかどうかというのも、えらい議論になります。
 ただ、ここで実際問題として今、そういう意味では環境基準値と指針値というのは、これをどういうふうに分けるかという考え方で、どちらの項目にするかというのを見ていったときに、そこの分け取りのところで、多分今回のアンチモンなんかまさにそうだと思うんですね。従来の方式で言えば、これは明らかに環境基準項目です。ただ、その排水抑制の対応として考えたときに、基準項目にしなくてもよろしかろうという判断をここでしたのではないかと私は考えています。
 そういう意味でいくと、そこら辺の後ろの話と通常決めるというところはそういうふうな余地が入るものではないと、部長が言われたのは多分そういうことだろうと思いますけれども、それはそのとおりだと思いますけれども、実際問題として基準項目、そのほか要監視項目にとどめておくのかというところでは、かなりその要素が生きているんではないか。今回はまさに入ってきたんだろうと解釈していますので、少しそこら辺の議論をさせていただければということでお願いをしたわけです。

○村岡委員長 今議論をいただいていますのは、この資料5の内容のまとめは前回までの御意見のまとめということで、今いただいております御意見等を踏まえて、また今後の検討の方向ということで、この内容についてはまた見直すチャンスがあると思います。これはパブリック・コメントにかかわる資料ではございませんから、また次回集まったときに、改めて御議論させていただきますが、なお御意見がございましたら。眞柄委員、どうぞ。

○眞柄委員 1番の件は、私の理解は食品安全委員会との仕事の振り分けと関係しているんじゃないかと思っています。食品安全委員会は多分TDIを決められるだけで、つまり安全性評価をするわけですね。そこから水の基準なり、水道の基準なり、環境の基準なり、食品の基準なり、大気の基準を決めるのは、それぞれのお役所で決められることなので、だから、寄与率の言うなれば、合理的な取り合いをすることによって、環境基準値なり食品の残留基準値がどんどん変わるわけですので、そういう意味では環境基準を決める側でも、環境からの暴露に対して、かなりの情報を持っていないと10%にとまっちゃうと。場合によれば、かつてあったように、ある農薬の残留量は90%を超えるので、環境基準の方は3%にしなきゃならないという羽目になって、大変厳しい環境基準になっちゃうわけですね。
 ですから、そういうことがないようにという言い方は変かもしれませんが、そういう意味ではこれまでデフォルトで10%でやってきたんだけれども、食品安全委員会はTDIを決めて、あとおまえたち取り合いをやれよと言っているので、これはそれぞれの担当のところでやっぱり寄与率をある意味のリスクアセスをきちっとやらなきゃならないということだと理解をしております。
 ですから、環境省だけではなくて、厚生労働省も関係している。もちろん経済産業省も関係しておられるので、この辺の食品安全委員会とは別に、いわば人の健康にかかわるような基準を扱って折られる省庁で、ぜひ共同で御議論をしていただいて、国のナショナルプロジェクトとしてどうするかということを私は考えていただきたいなと思っております。
 それからもう一点、先ほど須藤先生が言われたんですが、そんなに地方自治体も測れなくなってきているわけですね。

○須藤委員 だんだん。

○眞柄委員 だんだん厳しくなっていますね。

○須藤委員 はい、なっています。

○眞柄委員 そうすると、これから求められるのは、数少ないデータは信頼性をもっと高めなきゃいけないということだと思うんですね。

○須藤委員 そうです。

○眞柄委員 ですから、先ほど一番最初にQCのことをお伺いしましたけれども、アメリカの例も参考に、あるいはヨーロッパもそうですが、ISO17025レベルでいくと、ちょっと厳しいかもしれませんけれども、国でやるのか、あるいは第三者認証機関でやるのがいいのか、これはいろいろお考えがあると思いますが、やはり数少ないデータを出す機関、それは官民問わず、やっぱりどこかでオーディットなり認証指導人として、QCの結果、3シグマを超えるようなところはもう名前を公表して、地方自治体がもう指名に入れないとか、それぐらいのことをしていかないと、やっぱりデータは少なくなってきたときには少ないデータの信頼性を高めるということが必要だと思いますので、その辺のところは、項目やサンプリングの頻度を減らすことも結構ですけれども、それにバックアップするような体制を我が国も考えていかなきゃいけないんじゃないかなと思いますので、ここには具体的にはそういうことを書いていなかったんですが、そういうこともやはりぜひ企画課の方で対応されていらっしゃるそうですので、お考えをいただきたいと思います。2点です。

○村岡委員長 ありがとうございます。
 ほかに御意見がございますか。中杉委員、どうぞ。

○中杉委員 眞柄先生の前の方の意見があれなんですが、私もちょっとそこら辺は気になっていまして、例えば今農薬の話が食品安全委員会から出てきて、環境省の方からの農薬のあれが審査が外れてしまっているんですけれども、その最後のところでやったときに、ちょっと話題になったのは、作物残留ではなくて、環境に出てから魚に濃縮して、それが暴露されるという、その経路が場合によってはちょっと問題があるかなというものが出てきました。そこら辺のところ、余り農薬の審査の中では重視をされていないというような印象でして、私もこれから注意して見ていかなきゃいけないなと思ったところで外れてしまったんです。そういう意味では、まさにこの水の環境基準を考えるときにそこら辺のところが非常に重要になる。
 今度、残りとして農薬をやられる。水道の方は当然魚云々の話のところはあたかも外の話でしょうから、ここでは少しそこら辺を踏まえた形で、その農薬の物性を見ながらですけれども、考えていく必要があるだろう。その意味では眞柄先生が言われるように、こちらでもそのTDIをもとにどう考えていくかということを真剣に考えて、取り合いをしていかなければいけないだろうと。
 極端な話をすると、今先ほど申しましたように大気と土壌が両方が10%ずつとっているような、大気はそうやっていませんけれども、土壌の方は10%とってしまっていますので、そういうようなことにすると、全部入れると百何十%ということが起こり得るわけです。やはりそれはいかにもまずかろうと思いますので、そういう意味で、少しここら辺のところをしっかり見ていく必要があるだろうと私も思います。

○村岡委員長 ありがとうございました。篠原委員、どうぞ。

○篠原委員 [3]についてでございますが、もうそろそろ金属をまとめて測るというのを見直す必要がここに来ているんじゃないかと思います。化学物質については、非常に詳細な分析を要求されまして、異性体だとか、いろんな分解物を取り込まないとか、高い精度を要求されておりますが、金属は分解しないということで、丸ごと測るということをずっとやってきています。生態への影響については金属形態によって随分違うということも明らかになっておりますし、またそれに追従するだけの技術力は日本もついてきていると思います。そういった意味では[3]についても今後検討課題ということで取り上げていただくというふうにお願いしたいと思います。

○村岡委員長 ありがとうございました。
 そろそろ後の報告等の時間も必要ですので、大変貴重な意見をたくさんいただきました。主として今回まとめていただいた[1]から[5]の中で、具体的な課題をさらに御意見としていただいたように思います。そこで、この意見の内容を踏まえまして、また修正を加えた上で、引き続き今後の検討の方向という課題で、この専門委員会の審議を継続していくということにさせていただきたいと思います。どうもありがとうございます。

○水環境部長 長谷川先生が御意見がおありになるようでございます。

○長谷川委員 ちょっと安全性の観点から一言だけ申し上げたいと思います。
 先ほど、基準値を超えていても、それでオーケーにして、人の健康は無視していいのかという感じの御発言があったと思いますが、最初の委員会のときにちょっと申し上げましたけれども、このTDIというのは、あくまでも毎日摂取して、生涯摂取し続けたときの無毒性量という部分から来ているというのが1つのベースになります。
 それからもう一つ、環境の場合に水を飲料水として飲んでいるような状態での基準であり、それでかつ10%という配分率を掛けているというか、実際は割っているわけですけれども、そうすると、もともと考えているTDIと比較すると相当低い値に抑えられているということになりますので、安全性の面からいくことを考えると、これだけ厳しく測定とかその他のところで、お金と時間をかけるのにバランスとしてどうかなと。リスク・アンド・ベネフィットということを考えると、ちょっとそういう安全性から考えるとそういう部分があるということをちょっと申し上げておきます。

○村岡委員長 ありがとうございました。
 今の長谷川委員の御意見も加えて、今後の検討課題にさせていただきます。どうもありがとうございました。
 それでは議題の5はその他でございますが、先ほど御承認いただいた報告書案につきましてかと思いますが、今後のスケジュールにつきまして事務局の方で御説明いただきたいと思います。

○熊谷補佐 先ほど示させていただいたとおり、一部測定方法の部分とか、データ類のところの修正がございましたので、それを事務局の方でしかるべく修正した上で、よろしければ、この専門委員会の段階で、その修正したものをパブリック・コメントにかけて、そのパブリック・コメントの内容を踏まえまして、再度パブリック・コメントにする対応を含めて、御審議いただきまして、今回いただいた第1次報告としておまとめいただければありがたいなと事務局としては考えております。
 以上です。

○村岡委員長 ありがとうございました。
 それでは事務局から報告事項があるということで、公共用水域並びに地下水の測定結果のことですが、それに関しまして、御報告願います。

○田熊補佐 資料の方は参考資料1番からでございますが、まず平成14年度の公共用水域の水質測定結果ということで御報告をさせていただきたいと思います。これについては、毎年度12月の末に公表しておりましたけれども、今回は1カ月程度早めて、先月末に公表させていただいているところでございます。
 その内容でございますけれども、まず健康項目につきましての結果ですが、26項目の環境基準の達成率は99.3%ということで、ほとんどの地点で環境基準を達成ということでございました。
 それから生活環境項目でございますけれども、これはBODとCODで見ておりますが、環境基準達成率はまず全体から申し上げますと、81.7%と、初めて80%を超えまして、一応4年連続で過去最高を更新したということでございますが、今年度14年度におきましては特に河川の水質改善というのが寄与が大きかったということでございます。一方で、湖沼それから閉鎖性海域につきましては、達成率は依然横ばいといいますか、低い状況になっているということでございます。なお改善努力が必要だということです。
 それから[2]番で窒素、燐について分析をしておりますが、これについては今年度初めて詳しく分析をした次第でございます。湖沼の全窒素、全燐の達成率ですが、これは33.3%ということで、依然低いということでございますが、一応継続測定をしております水域の濃度を見ていきますと、若干ながら改善傾向ということでございます。
 それから海域でございますけれども、これにつきましては、達成率は80%と、前年度に引き続き80%を超えまして、高い数値でありました。濃度の方を見ていきますと、これも改善傾向になってきておりまして、特に閉鎖性海域のうちでも瀬戸内海については、達成率の向上が顕著であったというのが大体のまとめになっておりますが、それぞれ図表の方で簡単に御説明させていただきますと、まず2ページのところで、健康項目の達成状況を各項目ごとに書いてございます。これにつきましては、基準値を超えた地点については、その年により増加がありますけれども、半分以上多くが自然由来ということになっておりまして、全国的にはほぼ達成と見ていいのではないかと思います。
 それから生活環境項目のBOD、CODについては昨年度と比較した達成率につきまして、3ページの上の方に表が載せてございますけれども、このような達成率になっているということでございます。その達成率の推移につきましては、3ページの下のところでございますが、この中で河川・湖沼につきましては平成6年度の渇水の影響によりまして、達成率が低下した後、河川については上昇、水質は改善してきているということで、湖沼についてはなお横ばいであるということであります。
 海域については最近の年度を見ますと、70%後半ということで、これも若干横ばいということになってございます。これは4ページの方では、濃度の方で御覧いただけますけれども、河川につきましては、この真ん中の黒丸のところの推移になっております。20年前と比較しましても、下の方に来ますと、濃度が低いということですので、水質が着実に改善しているということが御覧いただけるかと思いますけれども、特に湖沼につきましては、平成2年度から10年度あたり、悪いときがありますけれども、最近の4年間につきましては改善傾向を示しているということは言えるかと思います。
 それから窒素、燐につきましてですけれども、5ページ、6ページということになっておりまして、湖沼の達成率の方が5ページの上のグラフになっておりますが、全体の水域数が少ないですので、パーセントは変動がありますけれども、基本的には横ばいかと見ております。一方、濃度の方は5ページの下の方、全窒素、全燐とそれぞれ並べてございますけれども、水質の濃度としましては、若干ずつではありますが、改善には向かっているということでありますが、絶対値として高いために、達成率の向上というところまでつながってきていないという状況が窺えるかと思います。
 それから海域の全窒素、全燐につきましては6ページでございますが、これにつきましては、着実に改善ということが言えるかと思いますが、特に13、14年度とこの2年間につきましては、達成率については8割を超えておりますし、濃度の方を御覧いただきましても13、14年度につきまして、着実にこの濃度の方は改善していると、水質は良くなっているということが御覧いただけるかと思います。
 こうした水質に影響を大きく及ぼすものとして、先ほど渇水年のお話をさせていただきましたが、7ページに降水量の推移も記しておりますので、御参考いただければいいかと思います。
 それから8ページでございますが、指定湖沼の水質状況についての推移でございます。この中で目を引きますのが、一番上のところの山型にグラフがなっているところですけれども、手賀沼の改善でございまして、手賀沼につきましては、全国の湖沼でも平成12年度までワースト1ということだったんですが、昨年度ワースト2位、10年度はワースト9位までランク外に外れているということですけれども、平成12年に北千葉導水というのが稼働しておりますので、それ以前までの湖沼水質保全特別措置法に基づく計画、それから12年度以降は北千葉導水事業の効果も相まって、水質が改善してきたということが特徴的なところでございます。
 それから10ページでございますが、これについては三海域の環境基準達成率、CODと全窒素・全燐と出ておりますけれども、それぞれの海域の特徴について、10ページの下の方で御紹介しておりますけれども、窒素・燐、それからCODで傾向が若干違いますものの、特にこの瀬戸内海におきましては、全窒素の達成率を御覧いただきますと、[2]のグラフでございますが、白三角で推移が示してあるところですが、100%に迫る勢いで環境基準の達成率が上がっているということが御覧いただけるかと思います。
 そのほかでは12ページ、13ページは毎年度ベスト水域、ワースト水域ということで公表しておりますので、御参考までに御覧いただければいいかと思いますが、14ページから15ページにかけましては、健康項目につきまして超過地点の一覧というものを毎年公表しておりますが、それについておつけしております。これらの超過地点につきましては、利水障害がないかどうかということですとか、あるいは原因を究明して、それぞれの対策をとっていくということで、自治体に対して指導しているところであります。
 16ページ以降については、後ほど参考資料の3の方で御説明させていただきますので、公共水域については以上の内容でございます。以上でございます。

○村岡委員長 それでは、地下水の方も引き続きお願いします。

○宮崎室長 地下水・地盤環境室の宮崎でございます。
 かいつまんで地下水質の測定結果について御説明させていただきたいと思います。参考資料2を御覧ください。全体的な傾向といたしましては、昨年度と同様、硝酸性窒素、亜硝酸性窒素の超過率が最も高く、ついで砒素が1.5%となっております。地下水質につきましては、健康項目だけでございますので、先ほどの公共用水域と比べますと、かなり超過率が高いということは以前からの傾向と同じでございます。全般的には5,269本、これは概況調査という調査結果をまとめておりますけれども、原則として新しい井戸を測定しておりまして、問題を見つけていこうというようなタイプの調査でございます。
 3ページを見ていただきますと、硝酸性窒素や亜硝酸性窒素の超過率はほかの項目に比べて、ずば抜けて高いということがわかります。それと、ふっ素や砒素は自然要因で検出される場合がありますので、これらは1%程度でありますけれども、毎年検出されるという状況でございます。トリクロロエチレンの類は超過率は以前に比べますと減少してきているということであろうかと思います。
 個別の値は後で御覧いただくとして、6ページを御覧いただきますと、今申し上げました超過率の高い項目についてグラフを用意してございます。砒素につきましては評価基準が変わったこともありまして、以前に比べると少し高くなっておりますけれども、その傾向が続いております。そのほかの項目につきましては、それほど変わりがないということかと思います。硝酸性窒素、亜硝酸性窒素につきましては、平成11年度から環境基準での評価を行っておりますので、グラフには11年度以降のデータのみプロットしておりますが、この以前につきましても測定は行っておりまして、同じような傾向になっているということだったかと思います。
 硝酸性窒素、亜硝酸性窒素につきましては、全国の超過井戸存在状況をマップに示しております。8ページ、9ページを御覧いただきますと、8ページは全26項目を対象に、環境基準の超過状況をマップにしております。右のページが硝酸性窒素、亜硝酸性窒素のみについてマップにしたものでございますけれども、一見明らかなように硝酸性窒素、亜硝酸性窒素は地域に偏りが見られまして、関東地域ではかなり出ているなとか、あるいは北海道につきましても一部の地域ですけれども、出ているなということがわかりますし、日本海側ではほとんど見られないなということもおわかりいただけるかと思います。
 平成11年度からトータルで同じようなマップをつくってみますと、九州についても超過井戸が見つかるという傾向はありますけれども、そのほかの地域につきましては、この14年度とほぼ同様の傾向ということが伺えます。
 10ページに参りまして、汚染事例に関する調査結果ですけれども、先ほどから申していますように、硝酸性窒素、亜硝酸性窒素の超過事例が多いことがおわかりいただけるかと思います。判明年度別に超過事例数を整理したものが下の図2でございますが、かつてはVOCの判明事例がたくさんございまして、平成元年度ぐらいにはピークもあったわけですけれども、その後少し減ってきておりました。ですが、最近10年度くらいからまた少しVOCも出ているというような状況でございます。硝酸性窒素につきましては、先ほどからお話しておりますように、最近の判明事例もたくさんあるということで、これについては、現在も汚染がたくさんあるということであろうと考えております。
 以上でございます。

○村岡委員長 ありがとうございました。
 それでは要監視項目につきまして、資料3に移ります。

○熊谷補佐 要監視項目に関しては、先ほど簡単に御紹介をさせていただきましたので、見ていただければと思います。同じ物質に欄が2つありまして、網かけになっているかと思いますが、今回の新たな指針値に基づいた場合の評価のところだけ網かけをしているというところだけ見ていただければと思います。
 以上です。

○村岡委員長 ありがとうございます。
 以上の御報告で、何か御質問等ありましたら。はい、どうぞ。

○宮崎委員 時間もあれですから、ごく簡単にお話ししますけれども、BOD、CODのことなんですが、今度水道の方で、有機汚濁指標の測定にTOCを採用したというふうに理解しております。
 私も実は、前の排水の基準の委員会のときにお話ししたことがあるんですけれども、例えば日本のCODであると、マンガンのCODです。外国はみんなクロムのCODです。マンガンのCODは日本だけなんですね。なぜ日本がクロムのCODができないかというと、水銀を使うからです。だからできないと言っているわけです。それだったら、私はBODはそれなりに5日間の分解という環境的な意味もあると思うんですけれども、CODだったら、マンガンなんてやらないで、少なくともCODはTOCに変えたほうがいいんじゃないんでしょうかという御意見を申し上げたことがあります。
 BODも確かにそういう昔からの環境的な意味はよくわかるんですけれども、先ほど須藤先生の発言がありましたように、測る人員も減ってきていると。BODであれば、どうしても5日間置かなければいけないわけですね。CODは自動測定器もあります、BODもありますけれども、かなりそういう点で言うと、いずれにしても、どちらも結構手間がかかる方法です。結構ノウハウというか、なれないとうまくいかないところもあると。
 それよりもTOCであれば、BODもCODもトータルの有機化合物を測るわけですから、むしろ安全側に行くんだろうと思うんです。有機量全体を測るわけですから。発生源とかからすれば、規制はある意味では厳しくなるかもしれませんけれども、でも安全側に行くわけですから、トータルの有機量を抑えたわけですから、私はこのあたり、今までのデータと継続性ということがあるかもしれませんけれども、水道の方がそういうことでやられていくとすれば、私は環境基準でも排水基準でもTOCにやった方がいいんじゃないかと考えております。

○村岡委員長 貴重な御意見として、参考にさせていただきます。
 ほかに何かございますか。ございませんか。
 それでは、ちょうど12時前になりましたので、長時間にわたりまして、本当に今日は有益な御意見をたくさんいただきました。今後また、先生方には事務局の方から御指導いただくことがあるかと思いますが、その節はひとつ御協力のほどをお願いいたしまして、本日の専門委員会を閉じさせていただきます。
 どうもありがとうございました。

午前11時58分閉会