中央環境審議会水環境部会環境基準健康項目専門委員会(第4回)議事録

日時

平成15年7月4日開催

場所

環境省環境管理局水環境部企画課

議事次第

  1. 開会
  2. 議事
    (1) 前回議事録(案)について
    (2) 前回指摘事項について
    (3) 個別項目について
    (4) その他
  3. 閉会
   

配布資料

 
資料1   中央環境審議会水環境部会環境基準健康項目専門委員会委員名簿
資料2   中央環境審議会水環境部会環境基準健康項目専門委員会(第3回)議事録(案)
資料3   塩ビモノマーの発がん試験の結果
資料4   浄水場水源井戸での1,1,1-トリクロロエタンの検出状況
資料5   人健康の観点からの水環境中のホルムアルデヒドの評価
資料6   個別項目の評価値超過状況
資料7   個別項目のPRTR法による届出排出量
  
参考資料1   個別項目について(第3回専門委員会資料)
参考資料2   p-ジクロロベンゼンの指針値の改定について(第3回専門委員会資料)
参考資料3   マンガンの環境中での挙動について


議事録

午前10時00分開会


○熊谷補佐 定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会水環境部会第4回環境基準健康項目専門委員会を開催させていただきます。
 本日、委員14名のうち11名御出席の御連絡をいただいております。高橋委員は、若干遅れてこられるというような御連絡です。あとは中杉委員が来ていただけることかと思いますけれども、定刻となりましたので、委員会を始めさせていただきます。
 議事に先立ちまして、吉田水環境部長から御挨拶を申し上げます。

○水環境部長 おはようございます。本日も先生方、お忙しい中、御参集いただきましてまことにありがとうございます。
 この専門委員会も今回で4回を数えることになっております。これまでの3回の審議におきまして、環境基準の健康項目あるいは要監視項目の見直しについて、縷々御検討を賜ってまいりました。基準値の導出方法なり、基準値案の設定についても御議論をいただいてまいりました。
 前回の会合で御指摘をいただいた項目の中で、環境基準の性格にかかわる問題あるいは環境基準の運用に関する問題、工業用の水域と地下水の環境基準との関係をどう整理するとか、あるいは悪臭物質に関する環境基準での位置づけをどうするかという、非常に重要な御指摘をいただいております。これらについては、先回もお約束申し上げましたが、現在、事務局において鋭意整理中でございます。一方で、これまで御審議を積み重ねていただきました中に、個別項目として、まだサイエンティフィックに御検討いただなければならない課題も多く残されております。
私ども、今後の事務運営として考させていただきましたときに、まず、本日は個別の項目についての議論を深めていただき、そこである程度、技術論として、科学論として詰まってまいりましたときに、行政的な対応というポリティカルな問題も含めまして、次回以降、報告書を取りまとめていくプロセスの中で、先ほど申し上げました、非常に重い問題と申し上げましたけれども、環境基準のそもそもに関する御議論を整理しながら、報告書の取りまとめを進めていってはいかがというふうに考えております。まことに恐縮でございますけれども、お認めいただけるのであれば、そのような、本日、はいわゆる決して軽いことではございませんけれども、個別の問題について詰めるところを再度十分詰めていただいた上で、本日の個別議論を踏まえて、次回以降、重要な課題について整理をさせていただき、そこでまた先生方に十分御議論を賜りたいと思っております。こうした御提案を、御挨拶かねがね申し上げさせていただきます。
 それから、前回の第3回の専門委員会の会議以降、当部の担当、課室長に若干異動がございました。その辺もあわせてこれから御紹介をさせていただきますが、新しいメンバーについても、何とぞよろしく御指導を賜りたいと思っています。

○熊谷補佐 議事に入ります前に、今、部長の方からお話しさせていただきましたけれども、第3回、第4回、この間の人事異動におきまして、事務局の体制が変っております。御紹介させていただければと思います。
 企画課長の柏木でございます。

○企画課長 柏木でございます。よろしくお願いします。

○熊谷補佐 水環境管理課長の安藤でございます。

○水環境管理課長 安藤でございます。よろしくお願いします。

○熊谷補佐 地下水・地盤環境室長の宮崎でございます。

○地下水・地盤環境室長 宮崎でございます。よろしくお願いします。

○熊谷補佐 新しい体制となりました。また、よろしくお願いいたします。
 次に、本日お配りいたしました資料について確認させていただければと思いますが、本日の資料は資料1から7まで、また参考資料として1から3までの資料を御用意させていただきました。不足の点等ございましたら、事務局の方にいただければと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは、議事に入らせていただきます。議事運営規則に従い、本専門委員会の村岡委員長に議事進行をお願いいたします。よろしくお願いします。

○村岡委員長 委員の先生方には、お忙しい中お集まりいただきましてどうもありがとうこざいます。
 第4回の専門委員会でございますが、本日は水質汚濁にかかわる人の健康の保護に関する環境基準項目及び要監視項目の見直し等につきまして審議をいたします。ひとつよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、早速、議事に入ります。議題の1は、前回議事録(案)についてでございますが、資料2に前回の議事録(案)が配られております。この資料は委員の先生方に御確認いただいた後、事務局で修正し、再度、各委員の先生方に送付されている資料でございますので、この場で前回の議事録としたいと思いますが、よろしゅうございますか。
 ありがとうございます。それでは、この議事録を前回議事録といたします。事務局におかれましては、公開の手続きをおとりいただくようお願いいたします。
 次に、議題の2ですが、前回指摘事項についてでございます。まず事務局から御説明いただきたいと思います。

○熊谷補佐 前回、第3回にさまざま個別の項目、また追加の情報はないかといったような御指摘をいただいております。
資料4、5で、 1,1,1-トリクロロエタンの関係の関係資料、また、現在、水性生物の保護ということで検討していますホルムアルデヒドの関係、健康項目でどのような取り扱いをすればよいかというようなところの整理を、今回してきたつもりでおります。また資料3につきましては、長谷川委員の方から、塩化ビニルのモノマーの発がん試験の結果ということで資料の提供をいただいております。
 個々の問題、比較的独立した内容かと思いますので、個々の資料ごとに御審議をいただければと考えております。
 村岡委員長、どのように進めればよろしいでしょうか。

○村岡委員長 そのように進めていけばいいと思います。

○熊谷補佐 事務局から僭越ですけれども、もしよろしければ、資料3の塩化ビニルのモノマーの発がん試験結果につきまして、長谷川委員の方から内容を御紹介いただければと思いますけれども。

○長谷川委員 それでは御説明させていただきます。
 前回、口頭で塩化ビニルモノマーの発がん性試験の結果といいますか評価について御説明させていただきました。今回は文献の発がんに関する結果を、私の方で抜き出してまとめてみました。それに基づきまして、WHOの計算方法と日本の厚生労働省での水道水質基準のやり方の違いについて、ちょっと御説明をさせていただきます。
 WHO第2版と申しまして、現在、審議中の1つ前のものでございますが、そのときの塩化ビニルモノマーの基準値の計算方法というのは、この資料3の右側の上の Feronら1985年の文献の中で、血管肉腫、この結果に基づいて、数理モデル、マルチステージモデルを用いまして計算したものでございます。今回、WHOの方では、同じ結果、同じデータに基づいて違う評価をしております。それは主に、雌の方の腫瘍性結節、肝細胞がん、血管肉腫、この3者を合計といいますかインシデンスがある動物の数を足すという意味での合計なんですが、それが一番下に全腫瘍合計というふうに記載しておりますが、そういう形で合計をしまして、それに対して、ここではいわゆるベンチマークドース手法という方法なんですが、そういう方法と、それから従来のマルチステージモデルを用いた方法で計算しました結果、どちらも計算値としては同じ値になったということで、0.0005という数字になったわけでございます。
下のテーブルの方は、これは私が上のテーブルに基づいて腫瘍の発生率をパーセントで表したものでございます。したがいまして、データは同じでございます。
 日本の水道の方で、これを評価するに当たって、前回も申し上げましたように、 Feronの実験で腫瘍性結節というふうに記載している中には、どうも2つの事象が入っているのではないか。1つは結節性過形成というものと、それから腺腫という2つのものが入っているのではないかと推定されるわけです。腺腫に関しても発がんのところに入れるかどうかということが議論の対象になるわけですけれども、過形成に関しては、通常入れていないということで、本来、この腫瘍性結節をそのまま発がんの推定に用いるのは、ちょっと不適切ではないかというのが1つの考え方でございます。
 それから、もう一つ、ここの雌の方の腫瘍性結節のところのインシデンスを見ていただきますと、14.1の投与量のときが57匹中44匹、それから5のときが59匹中39匹、1.7 のところで58匹中26匹ということで、用量依存性について非常に高いレベルで変化しているということがよくわかると思います。
 それに対して、実は同じグループが、ここでは左側のデータですが、 Tilらというところで1991年にパブリケーションされているデータでございますが、彼らはこれを更に低いドースで実験を行いました。その結果、そこで見てもわかりますように、1.7 であったものについて1.3 というドースでとっているんですが、そこでのインシデンスが49分の9というように、著しく減少していることになります。そういうことで、その全体を見たときのドースリスポンスというか、インシデンスが、どうも余り適切ではないというような判断をいたしました。
 そこで、この肝細胞がんについて注目してみてみますと、 Feronらの実験のデータも非常に用量依存性がよくあらわれておりますし、また新たな Tilらの実験も、その結果をさらにフォローアップするような形でデータが出ております。
 こういうことから、この肝細胞がんのインシデンスを基準にして、水道水質基準値を誘導するというのが適当ではないかという判断で、厚生労働省の方としては最終的な値が0.002 という値になりました。
 以上でございます。

○村岡委員長 どうもありがとうこざいます。
 いろいろ資料の御提供とかコメントをいただきましたが、この説明に関しまして、何か委員の先生方から御質問とか、御意見あるでしょうか。ございませんか。池田委員、どうぞ。

○池田委員  Feronらの実験と Tilらの実験は、ラットのストレイン(系)はもちろんあわせてありますね。

○長谷川委員 はい。

○村岡委員長 ほかにないようでございましたら、一応この内容を、この委員会で了解したということにいたします。また後ほど全体を通じて振り返る時間を設けておりますので、この内容に関連するような御意見があったら、その時点で伺うことにしたいと思います。
 それでは、次に資料4に進みたいと思いますが、事務局の方から御説明いただきたいと思います。

○地下水・地盤環境室長 資料4につきまして、浄水場水源井戸での1,1,1-トリクロロエタンの検出状況について御説明したいと思います。
 第3回の委員会におきまして、これは中杉委員の指摘だったかと思いますけれども、1,4-ジオキサンというのは1,1,1-トリクロロエタンに混入しておる物質であって、まだよくわからないんですけれども、トリクロロエタンの高濃度のものが地下にあって、そこから少しづつ1,4-ジオキサンが出てきている、そういう現象があるのかもしれないということだったかと思います。
 ここに載せてありますのは、前回も御報告いたしました東京と大阪の浄水場水源となっておりました井戸で、高濃度の1,4-ジオキサンが検出されたところのデータであります。1,4-ジオキサンにつきましては、既に御報告申し上げているところでありますけれども、その同じ井戸で、若干、測定の時期は違っておるようですけれども、1,1,1-トリクロロエタンも、これは平成14年度のデータですけれども測定しておりました。結果でございますけれども、メルクマールとなる0.3mg/Lの1/10を下回っておりまして、個別の具体的な値については公表されておりませんが、かなり低濃度であったということがわかっております。
 我が方の行っております井戸水での検出状況、1,4-ジオキサンについては平成2年度のデータでありますけれども、高濃度が検出されておりますという御報告を既にしておりますけれども、その時に1,1,1-トリクロロエタンは同時に測っていなかったのかということですが、測っておりませんでして、そこについてはデータはございません。
 逆に、1,4-ジオキサンが、ここでは高濃度が検出されたわけですけれども、当時、大阪府が原因調査をしたわけですが、結局のところはよくわからないということになっていますが、怪しいと思われていた製造工場は、このすぐ近くにございまして、かつ大和川に面しているということも、当時わかっておりました。では、公共用水域で1,4-ジオキサンが検出されていなかったのかといいますと、これもデータを引っくり返してみますと、後からまた資料が出てまいりますけれども、大和川河口では、いわゆる黒本調査の指定化学物質残留性の調査というのを、毎年、平成元年からやっておりまして、そのデータによりますと、そのデータをまとめたものが後で出てまいりますけれども、大和川河口では検出されております。ですので、直接的な因果関係については説明はなかなか難しいわけですけれども、1,4-ジオキサンは検出される。井戸でも公共用水域でも検出される。1,1,1-トリクロロエタンは、どうも見つからないという状況ではないのかなというふうに思われます。
 以上でございます。

○村岡委員長 ありがとうこざいます。
 そうしましたら、中杉委員の御見解をお願いします。

○中杉委員 検出されない件では、多分、1,1,1-トリクロロエタン由来ではないのだろうということなんだろうと思うんですが、もう一つ、大阪府の水道の方で、継続的に調査されているんですか。基本的には、ジオキサンは非常に水に溶けやすいので、継続的に供給されないと地下水の流れさえ速ければ、非常に簡単にきれいに濃度が下がるのではないかなと、頭の中で想像するわけですけれども、そんなふうに考られるんですが。

○地下水・地盤環境室長 今、先生の御指摘の、その後、1,4-ジオキサンについて濃度測定がなされていないのかということでございますけれども、公表されたデータが実はございまして、この 259μg/Lという値が検出された井戸につきまして、その後、継続して測定をしているようでございます。それで平成15年度になっても測定を続けておりまして、例えば例を申しますと、平成15年6月には 259だったものが18まで下がっています。
 それと、もう一つは、怪しいとされた工場ですけれども、1,4-ジオキサンは14年11月に製造中止しておりまして、それも状況証拠になると思いますが、そういうことがわかりました。
 それと、汚染が見つかった後、井戸としては揚水しておりますので、供給がなくて揚水すれば、濃度は当然のごとく下がるであろうというふうに思われます。現実、測定結果はそのような傾向を示しているということでございます。

○村岡委員長 何か関連して御意見ございますか。藤井委員、どうぞ。

○藤井委員 この4本の井戸の深さと、被圧井戸か不圧井戸か、わかっていましたら教えて下さい。

○地下水・地盤環境室長 直ちにはわかりませんので、調べさせていただきたいと思います。

○村岡委員長 手元に資料がないということで、では、次回にひとつ、もしお急ぎだったら個別に連絡をお願いします。

○藤井委員 先ほどの御説明では、15年度には濃度が低下している。それは、製造が中止された状況のもとで揚水を続けていくと濃度が下がるということですが、このことは、やはり井戸の深さや、その井戸が被圧井戸か不圧井戸かによって変わってくると思います。この濃度低下の原因を考える上で、井戸の深さを教えてほしいということです。

○村岡委員長 そうですね。では、真柄委員どうぞ。

○真柄委員 大阪の方は深さまでよく承知しておりませんが、大和川の近傍にある井戸ということですので、先ほど御紹介があった大和川の水の影響を受けている地下水、それから東京都の方は、東京都の水道用の井戸ですから、かなりの規模の井戸でありますので、いわゆる多摩地区の地下水です。このA、Bだけではなくて、いろんなところを、多摩地区も調査をされているようですが、ジオキサンが出てくるところと、1,1,1-トリクロロエタンが出てくるところと、必ずしも一致しないというようなことは都の関係者から伺っています。

○村岡委員長 ほかに関連して御意見ございますか。
 ただいまの意見を伺っておりますと、やはり井戸の深さと、どこから取水しているかということに関連して、汚染の原因とか現象とか、そういったものが関連するように思いますので、事務局の方は、この席では無理でしょうけれども、また、こちらでいただくことにしたいと思います。

○地下水・地盤環境室長 井戸の事実関係、データだけ確認して、また御報告したいと思います。

○企画課長 ただいまの点について、至急調べて、できるだけ時間内に間に合うように報告させていただきたいと思います。

○村岡委員長 わかりました。それでは間に合えば、また後ほどお伺いするということにしたいと思います。
 ほかに何か関連して御意見ございますか。
 それでは、次にいかせていただきます。資料5でございますが、これにつきまして、まず事務局の方から御説明をいただきたいと思います。

○熊谷補佐 資料5、人健康の観点からの水環境中のホルムアルデヒドの評価ということで資料を用意させていただいております。現在、水環境部会水生生物保全環境基準専門委員会で報告を取りまとめまして、水生生物保全の観点から、ホルムアルデヒドについて健康項目と同じような体系ですけれども、要監視項目ということで、ホルムアルデヒドを挙げようというふうに考えており、専門委員会から、今、水環境部会に御報告を申し上げたところでございます。
 人の健康の観点から、どういうふうに考えるかという部分で、まず1番目のところですけれども、どういうふうに評価するか、ここには若干どういう数値を用いるかというところには判断の余地があろうかと思います。1つは水道水質基準として、厚生労働省の方でつくられた値として0.08mg/Lというものがあるものと、WHOの水道水質ガイドラインの第3版の、今、検討中のものですが、0.9 mg/Lというもので、現在提示されているというふうに聞いております。
 厚生労働省の方に確認したところ、水道水質基準では、1つは入浴時等の吸入暴露を考慮したという1点。それと、消毒副生成物であるという点を考慮して、若干、補正を行った上で水質を導出したと聞いております。その辺の考え方が、若干WHOのガイドラインと異なる点かと思われます。1けた以上の指針値の違いというふうになっております。厚生労働省側に御参加いただいている先生で、このあたりで何かフォローがありましたら、よろしくお願いしたいと思いますけれども、現在の水環境中での検出状況ということで、この2つの数字の厳しい方、0.08という方で検出状況を見ますと、河川、湖沼、海域、地下水と水域が4つありますけれども、河川の方で1点のみ指針値の10%値、0.008mg/L、これを超える地点は1つあるという状況で、ほとんどの地点が検出状況から見ると、特に環境上問題ない状況というふうに考えられるかと思います。現在、水生生物の観点から考えておりますホルムアルデヒドの指針値は、参考で一番下の欄に提示させていただいておりますけれども、一番厳しいもので、海域の特別域で0.03というような値になっております。今の状況を考ますと、当面、水生生物の保全の観点から考えていくということで、人の健康の観点から、特段の手当が必要という状況にはないのじゃないのかなというふうに考ております。
 以上です。

○村岡委員長 どうもありがとうございます。
 それでは、ただいまの御説明に関しまして、何か御意見ございますか。前回御意見のありました中杉委員から何ありますか。では、中杉委員、どうぞ。

○中杉委員 私が、たしか前回、これをどうするのという質問をさせていただいて、お答えいただいたのだと思うんですけれども、これは結果を見て、今の御説明で十分かなというふうに思っております。

○村岡委員長 ほかに、関連して御意見ございますか。ございませんか。
 それでは、前回の御指摘事項につきまして、一応事務局からのお答えと、それから委員の各位から、いろいろ御意見をいただきました。ということで、この議題につきましては、これで一たん区切りをつけさせていただきたいと思います。
 そういたしますと、次は議事の3の個別項目でございますけれども、これは初めに水環境部長が御要望なさったように、きょうの審議内容といたしましては、健康項目に取り上げるかどうかといったその性格とか運用の面については、また後日、しっかりと御議論をいただくということで、その前の段階として各物質個別の科学的知見等についての報告とか、あるいはそれに関する意見をいただいておきたいということで、これからその議題に入りたいと思います。関係の資料といたしましては、資料6になると思いますが、これにつきまして、まず事務局から御説明いただたいと思います。

○熊谷補佐 資料6の前に、申しわけございませんが、参考資料1の6ページを見ていただけますでしょうか。参考資料1として、個別項目について、というこの資料全体は、前回の第3回のこちらの委員会で御審議いただいた資料に、若干情報を修正もしくは加えたものということで、今までの議論の整理の参考ということで御提示させていただいています。
 6ページ目に別表ということで、個別項目の測定結果及びデータソース等というものを御用意しております。特に、今後、何らかの取り扱いについて議論を進めなければならない物質として、以上の6項目を前回から挙げていただいているかというふうに思います。前回から新しくデータとして加わったもので、大きいものは1.4-ジオキサンの公共用水域のデータ、ここの部分が、私ども、まだ御紹介していない環境省のデータとしてございましたので、ここに加えさせていただいております。1つは公共用水域で評価値の超過が1点ですけれども見られるというのが1つ。また、その検出地点数ということで見ますと、相当の検出地点 247/ 347もしくは3/76データソース、それぞれ化学物質の環境、いわゆる黒本ですけれども、また要調査項目の調査結果等もございましたので御紹介しておきたいと思います。
 このような状況で資料6ということになりますけれども、資料6の方は、今、挙げました主に6項目で評価値の超過をしている部分について、個別にデータを御紹介しております。この個別の超過状況を見ますと、かなりその検出状況について特異性があるというか、単に、例えばアンチモンで 4,880カ所のうち31地点というか31検体で超過しているというような情報で、今まで御審議いただいていたと思いますけれども、中身を見てみますと、かなりの特色があると思われます。私どもの方から御紹介させていただければと思います。
 アンチモンの評価値 0.015mg/Lの超過状況ということで、以前から 4,880カ所というか 4,880検体中31、ですから、延べ地点、ある地点で複数年度にわたって超過をしているというものも含めて31というデータを御提示しております。主に公共用水域のこの中身を見ますと、超過した地点について3つの分類ができようかというふうに考えております。
 1つは、複数年測っていても単年度、あるときに超過したという測定値が見られるといったもの、例えばこれの中ほどになりますけれども、大阪府の河川、1999年のものであるとか、奈良県の2001年の河川のもの、また愛媛県の海域のものといったようなものは、単年度検出されて、その後、余り検出されていない、超過はしていないという状況のものです。
 それに比べまして、愛媛県の例、また福井県の例というのは、同じ点で複数年にわたってずうっと超過値が見られるといったようなものです。これらの水域の状況を、若干、私どもで調べた結果ですけれども、水域ごとの考察ということで1ページ目の下側に入れております。下側の福井県の例は、アンチモンの使用事業場、特に繊維関係を中心としたような事業場が見られる水域でありまして、この超過状況というのは、その事業活動に伴なうものという傾向が、少なくともある程度あるものではないかと想像される部分になります。
 一方、愛媛県の加茂川、砥部川、ここの2水系については、アンチモン使用の事業場が、まず存在しないということ。日本の中でもアンチモンを含有した地質、鉱脈が見える。過去にそういうものを採っていたような鉱山があるとか、そういったもので、自然由来か、前回も二次的な鉱山のように、そもそも地質にはあるけれども、何らかの地理活動で出て来たというところの解析までには、まだ至っておりませんけれども、そもそもの地質由来ということで超過している、ある意味、超過の状況が安定してずうっと毎年見られるような致し方ない部分があると思わせるような水域ということになろうかと思います。今後の議論の中でも、こういった検出状況の性格を、ある程度配慮したような検討が必要ではないかなというふうに、事務局としては考えております。
 以上がアンチモンの検出状況ということになります。
 次のページにいきまして、マンガンの関係ですけれども、マンガンの評価値の超過状況、評価値の超過地点、また評価値の10%の超過地点等をお示ししております。
 また、3ページに、水道統計で水質データ、特に水道原水のデータを御提示いただいていますので、その内容をあわせて御紹介しております。超過率等を見ますと、公共用水域のもの、また水道原水のもの、余り状況はわかりません。かなりの確率で出るものということがいえようかと思います。
 マンガンに関しては、資料3で参考資料ということで、マンガンの環境中での挙動ということで簡単な資料を御用意させていただいております。従来からWHOでまとめていますエンバイロンメント・ヘルスクライテリアの環境の挙動の記述は御紹介しておるところですけれども、あわせて今回は、日本水道協会でつくられております上水試験方法の解説編の記述、かなり高濃度で出るという状況に関しての記述を御紹介しております。また、皆様、多分、重々ご存じでいらっしゃると思いますけれども、よくいうクラーク数、地殻の元素の成分比率ということで、マンガン自体、酸素、ケイ素からスタートしまして12番目、0.09%ということですから、1トンぐらいの土壌があれば、その中に数百グラムぐらいのマンガンがあるのが、ある意味バックグラウンドというか平均的な状況というようなことかと思います。こういうふうに、地殻なり土壌の中に、ある意味普遍的に存在するような物質について、どのように考えていくかということも、今後の御議論の参考になろうかというふうに思いまして、参考資料また検出状況について御紹介をさせていただいております。
 残り4物質の超過状況に関しまして、資料6の4ページ目、一番最後のところになりますけれども御用意しております。ウランの評価値の超過状況、公共用水域のもの、それから地下水、それから、塩化ビニルの評価値の超過状況ということで、地下水関係。また、1,4-ジオキサン評価値、先ほど既に御紹介差し控えましたけれども、公共用水域の関係、地下水の部分。公共用水域に関しましては、先ほど御紹介させていただいたとおり、表流水でも大阪府の大和川で評価値そのものを超えているデータがあります。また、エピクロルヒドリンの評価値の超過状況ということで、東京都と愛知県の河川で超過した地点がございます。
 このような個々の状況、また、ものによって従来の有害物質の取り扱いだけでは済まない部分が、今回の、特に個別項目に挙がっているようなものというものは、あるようなふうに事務局としては考えております。この辺について、ぜひとも御審議いただければと思います。よろしくお願いします。

○村岡委員長 ありがとうございます。
 これまでは、検出率とか、あるいは超過率とか、表の上の数字を見て、いろいろと議論していた機会が多かったわけですが、ただいまの説明のように、個々の物質の検出状況の背景というものをお聞きいたしますと、また、その周辺の汚染の特性というふうなことも、少しはわかるような気がいたします。
 ということで、御議論をいただくわけなんですが、その前に事務局の方で、ただいまの御説明に関連するということで、資料7として、PRTRの関係の情報を整理していただいておりますので、それをお聞きした後で、全体として御議論をいただこうかなと思っております。
 それでは、資料7の御説明をあわせてお願いしたいと思います。

○熊谷補佐 資料7で、個別項目のPRTR法による届出排出量(都道府県別、業種別)ということで資料をお示ししております。前回の委員会の中で、中杉委員、真柄委員の方からPRTRの関係の情報も参考にしたらどうか、というような御意見をいただいていたかと思います。6項目のうち、ウランに関しては核関係というか、そういう管理体制の中でありますので、基本的にこういうPRTRの情報というものはございません。ですから、今、超過状況の方で御紹介しました6項目のうち、ウランを除く5項目につきまして、PRTRとして出ている届出排出量の情報をすべてお示しをしております。
 お示ししているものは、各物質ごとに、都道府県別に排出量ということで、公共用水域、土壌、埋立、大気、それの合計値、それから右側に参考ですけれども、超過状況が見られた都道府県がどこに当たるかということで、「○」をつけたものを一番右側の欄に加えさせていただいております。必ずしも、排出量の多い少ないと超過状況というのが一致しないというような部分かと思います。このあたりを、どういうふうに評価するかという部分を、ぜひとも御審議いただければというふうに考えております。
 下の欄のところに、業種別で、どのような業態のところから、どのような媒体に排出されているかということもあわせてお示しております。1ページ目がアンチモンになりますし、2ページ目になりますと、マンガン関係のものでございます。同じように右側の方に評価値の超過が見られた都道府県について「○」を入れさせております。
 3ページ目には塩化ビニル関係、また4ページ目に5としまして、1,4-ジオキサン関係になります。5ページ目に、最後、エピクロルヒドリンの都道府県別、業種別という内容を示しております。先ほどの超過状況とあわせて御議論いただければというふうに考えます。よろしくお願いいたします。

○村岡委員長 それでは、御議論いただきたいと思います。どうぞ、真柄委員。

○真柄委員 もう済んだ話もあった話ですが、ホルムアルデヒドのことですけれども、最初のWHOの案は、ここに書いてあるようであったんですが、実はホルムアルデヒド、トリクロロエタンも含めて揮発性の水生生物については、インハレーションをどう評価するかというのが、ミーティングで結論が出ませんでしたので、逐次改正の方に回っています。
それで1年後ぐらいには合意を得るように努力をしようということに、今の段階ではなっております。

○村岡委員長 ありがとうごさいました。
 ほかに何かございますか。

○熊谷補佐 すみません、ちょっと1点、今の点を確認させていただいてよろしいでしょうか。
 最終的には、第3版としては数値は提示することになるのでしょうか、ならないのでしょうか。申しわけございません。

○真柄委員 基本的には、第2版とは変わらない。変わらないけれども、これは逐次改正に入って、速やかにガイドラインの値を出すというコメントがつくことになる。

○熊谷補佐 ありがとうございました。

○村岡委員長 ほかに何か御意見ございますか。どうぞ、宮崎委員。

○宮崎委員 アンチモンのことなんですけれども、自然由来のものがかなりある。特に愛媛県ということで、あと、どうも産業関係だろうと思われるところで福井県がある。それから、大阪府、奈良とかいうところでも超過のところがありましたけれども、それは、現在、それほどは超過していないというようなお話があったと思います。
 それで、資料7のアンチモンの届出排出量としてみてみますと、先ほどもお話にありましたけれども、福井県はかなり数値が高い量で使われておりますけれども、そのほかの、例えば兵庫県とか、大分県というところはかなりたくさん使われているんですが、そういう環境の方には排出されていないという状況だと。今回はあれなんですけれど、こういうふうな状況を考てみますと、アンチモンの評価値なり、これから指針値にするのか、基準値にするのか、これからですけれども、そこのところはかなり慎重に考た方がいいのではないかという意見を持っております。
 それと、特にアンチモンに注目してみましても、古くからのデータがあるんですが、最新のもので2001年なんですが、なかなか2002年のものをデータとしてまとめるのはちょっと時間的に厳しいかと思いますが、2002年あたりのデータというのが、もしあれば示していただければというふうに思いますが。

○村岡委員長 関連ですか。それでは、真柄委員、先にどうぞ。

○真柄委員 アンチモンの、今の評価値0.15ですが、もともとの毒性評価からいくと、もっと低い数字に本来なるべき値で、要するに耐用摂取量からの寄与率を大きくした形で、この15という数字になっておりますので、従来からの耐用摂取量の10%という考え方を踏襲すると、これよりも低い値になるというのが1点です。
 それから、もう一つは、福井県で使われているように、染色やポリエステルの触媒に確かにかなり使われておりまして、管理が必ずしもよくないように伺っています。
 それから、まだ環境での挙動がよくわからないんですが、不燃というよりも防燃剤にアンチモンがいろいろな用途で使われておりますので、環境中にアンチモンはかなりの量を排出されているという実態があると思います。
 それから、PRTRの方で、長野県がどうして大気に 3,100トン出ているのかなというのが、どうしてもわからないので、多分、県に聞けば、なぜそういう数値が出てきたかというのはわかるんですが、ちょっとおかしいかなと思いました。
 それから、もう1点は、これは、今、宮崎先生がおっしゃられたことと関連するんですが、閉山した鉱山やアンチモン鉱脈の露頭というのが、必ずしもこの2つだけではなくて、いろいろなところにあって、もしアンチモンを環境基準にすると、環境基準を超えるところは必ずある。それに対して、私は水道の立場で申し上げますが、たとえ自然由来であっても、それだけの、どれぐらいの濃度があるということを環境基準の枠組みの中で決めていただくと、国民が知ることができる。そういう意味では、環境基準の役割はあるだろうというふうに思います。廃止した鉱山の扱いについては、いろいろ関係の法律もありますが、その手当の段階で、環境基準があるとすると、廃止された鉱山の後などを、どういうふうに、あるいはどこまで整理をしたらいいのかというのは、実は非常に有効な手段になりますので、そういう観点で、自然由来だといって逃げる、という言い方は悪いんですが、ちょっと引かないで、むしろ、そういう国土を修復するために非常に役に立つ制度だというふうに、私は環境基準も考えていただいてよろしいのじゃないだろうかなというふうに思いますので、アンチモンもこんなにふえているところがあるとは、むしろ知らなくて、これは大変だなという気がしました。

○村岡委員長 ありがとうございます。
 アンチモンの例から、その環境基準の役割というふうな、その本質的なことは、また後日議論いたしますが、何かせっかくいい発言でしたので、関連する御意見ございますか。中杉委員どうぞ。

○中杉委員 アンチモンについて、まずコメントをさせていただきますけれど、先ほど宮崎委員が言われたことに関して、ちょっと注意をしていただきたいのは、PRTRの排出源と環境測定をやっている地点とは、同じ県の中にあっても全く関係ないということがあります。これはPRTRの結果を見る1つのやり方としては、問題の地点を見つけようという話になります。私も実際、大気の方で見ているんですが、排出源の多いところのそばで大気を測っていないとか、そういうことは幾らでも起こりますので、そういう意味では、先ほど宮崎委員の言われたような観点で見るのであれば、もう少し細かく水系ごとに発生源というような形で見ていかないといけない。多分、PRTRは場所をわかっていますし、それから測定ももちろんおわかりでしょうから、少し大変ですけれども、やれないことではないということになります。
 それと、もう一つは、私の記憶違いであると申しわけないんですが、大分前に滋賀県だったと思いますが、アンチモンをつくっている工場で、大気の汚染と地下水も含めて汚染の事例があります。ちょっとその両方を少し入手していただければと。滋賀県の環境白書にも載っている事例ですので、たしか公表されている事例だと思います。

○真柄委員 つけ加えると、滋賀県だけがアンチモンで、横出しの基準を設けている。

○村岡委員長 ほかに何か関連した御意見はございますか。林委員、どうぞ。

○林委員 やはりアンチモンのことなんですけれども、先ほどの加茂川水域での超過は自然由来を主体とし、それに何かの人為的な条件が加わって値が上下しているという御説明でありまして、これは私は適切だと思いますし、自然由来のものを積極的に識別しようという姿勢は、私は非常に評価したいと思います。ここでお聞きしたいのは、人為的条件による値の変動について、その「人為的条件」というのは、例えばどういうことを考えておられるのか、ちょっとお聞きしたいと思います。

○熊谷補佐 前回、中杉先生の方からもありましたとおり、人為的災害、特に鉱山関係みたいなものをどこまで人為的と見るかというのは、なかなか難しいところと思います。今回、福井県に関して、そういうふうな御紹介をしたというのは、福井県の方で若干いろいろな排出源の調査をやられた情報を電話連絡でお聞きしたんですけれども、その状況ですと、幾つか使っているところがある。ある程度の濃度でどうも出しているところもある、というような状況がありましたので、それを概略的に御紹介したという内容です。
 ちょっと幾つかありました点で、補足の点、1つは資料7のPRTRを御紹介したらどうか、平成13年度のデータであるということ、先ほどそのもうちょっと先がないかというようなお話であったかと思います。最新のものが、もし手に入りましたら、またこの場で御紹介させていただければと思います。
 ですから、評価値超過は、先ほどいいました、かなりの年度にわたって出たものを、単純にポイントしておりますので、必ずしもPRTRの平成13年度、この状況で評価値が出たというわけではありませんので、ある種の参考情報という範囲をなかなか超えにくい性格のデータかなというようなことを考えております。
 あと、滋賀県の状況に関する御指摘については、私どもの方でも若干情報入手しておりますので、今、御指摘もいただきましたし、次回にでも、その内容を御紹介させていただければというふうに思います。ありがとうございます。

○村岡委員長 ほかに何か御意見ございますか。どうぞ。

○中杉委員 これもアンチモンにも絡むのかもしれません。マンガンの環境中での挙動の話が書かれているものですから、少しお願いをしておきたいんですが、こういうものは、化学形態で物すごく挙動が変わることになると思うんです。例えばアンチモンも、真柄先生が言われた難燃材に使われているのは、ほとんどが酸化アンチモンだろうというふうに理解をしていますけれども、酸化アンチモンとほかの、要するに溶けやすいものでは、特に水関係の挙動が違ってくるのではないかというふうに思いますので、そこら辺、もう少し情報整理をしていただければと。
 マンガンについて、例えば地下水の浄化で過マンガン酸カリを入れて分解するというような方法も試されてみたりします。そのとき、過マンガン酸カリは非常に溶けやすいんですが、還元されて二酸化マンガンになるから大丈夫という整理をして話をしているところもありますので、ちょっとそういう意味での化学形態がどうなのかという議論を、少ししておく必要があるのかなというふうに思います。

○藤井委員 マンガンの件ですが、参考資料3に書かれていますように、湖沼や貯水池が還元状態になると溶出するということですが、先ほど説明にあったようにクラーク数から見ても、土壌中に多量に含有されているので、土壌が同じような状態(還元状態)になったときには、同じような状況が生まれるのではないかと思います。この辺についても調査しておく必要があると思います。

○村岡委員長 ありがとうございます。
 何か関連、事務局は……

○熊谷補佐 先ほど、中杉先生の御指摘も、藤井委員からの御指摘も、なかなかデータにするとか、紙面にするというレベルでは非常につらい部分で、事務局としてはなかなかやりにくい部分はありますけれど、可能な範囲で、ある情報をまとめて、今後の議論をさせていただければというふうに思います。

○藤井委員 考え方として、マンガンの場合は超過地点について状態の把握、例えば測定点の近くの土地利用はどうなっているかということが関連してくると思います。水田土壌、稲の栽培期間中は湛水しますから還元状態になります。また、湿地など還元状態にある土壌地帯があれば反映してくるかもしれないということなので、前に言われたような性格との関連を考慮する必要があるのではないかと思います。
 また、水田土壌についていえば、マンガンの施肥はほとんど行われませんから、ある意味で、硝酸の場合と違って、自然条件と考えた方がいいのではないかと思います。

○村岡委員長 ありがとうございました。
 ほかに何かございますか。それでは、中杉委員。

○中杉委員 私の先ほど申し上げたことについて追加のコメントをしておきます。これは吉田部長が、先ほど次回に少し議論をするといわれた環境基準のあり方自体をどうするかという議論に、また1つ投げかけることになると思いますけれども、例えば今測っている水の濃度というのはなんなんだろうかということを、少し考える必要があると思うんです。ダイオキシンで、今一番典型的に例が出てきているのは、SSをどこまで取り込むかで濃度が全然変ってしまいますよ、という話がありまして、こういうものですと、もう少し割合程度は少ないのかもしれませんけれど、当然そういうことを考えて議論をする必要があるかもしれない。議論をした結果がやっぱりそれはそうはいいながら、今のままでやるしかないね、という話になるかもしれませんけれど、少し一度そういうふうなことをどう考るかという整理をしておいた方がいいかというふうに思いますので、そういう意味でも、化学形態がどうかということと、もう一つは、これも難しいでしょうけれども、情報があれば、数字が高いときのデータの、同時にはかられているSSがどのぐらいの濃度であるかという情報が、一緒にあると、もう少し理解しやすいかなというふうに思います。

○村岡委員長 測定の方法、並びに測定結果を単純に見るか、あるいはその周辺の水質項目とあわせてみるか、そういったことも、今後、検討しなければならない、大変難しい問題ですが、重要かと思いますね。
 何か関連する御意見はございますか。まず、宮崎委員、どうぞ。

○宮崎委員 今の中杉委員の意見ともちょっと関連するんですけれども、特にアンチモンの場合であっても、かなり工業的に使われているのは、酸化アンチモンが多いんだと思うんですが、そういうことからいうと、水に対する溶解度というのは、例えば毒性値の評価などにも使われていたと思うんですけれども、酒石酸アンチモンカリウムというようなものに比べると低いだろうということもあると思うんですね。そういう意味で、こういうアンチモンの化学形態というか、そこも十分配慮しないといけないんじゃないかということがあると思います。
 もう一つ、先ほどちょっと基準の話が出ましたので申し上げますが、アンチモンの場合には、要監視項目ということになっていましたが、指針値というのが決められていないという状況で、今まできたわけですね。1回、出されましたけれども、WHOの方で、それが動いたものですから、現在、指針値が決まっていなかったということがあって、それで今回 0.015という評価値というのが実際に出されているわけですけれども、それで、今まで、要監視項目でそういう数値がなかったという中で、今度、では、この評価値を超えているから環境基準にしましょうということに、いきなりするのもどうかなというふうに、私はちょっと感じております。これは次の委員会になるのだろうと思いますけれども、要監視項目として、さらに数値をきちっと定めて、そしてそこでしばらく様子を見るということもあり得るのではないか、というふうに感じております。

○村岡委員長 ありがとうございました。
 アンチモンの化学形態というものにも、いろいろ左右される問題である。さらには要監視項目、検出されているから、すぐに環境基準項目というような、これは次の議論になると思いますけれども、そういう御指摘もあったわけです。
 何か関連するような御意見ございます。池田委員、どうぞ。

○池田委員 答えを出さないで質問することにだけになって恐縮です。今、間接的にではありますけれども、御指摘のありましたようにこれは金属あるいはその周辺のもの一般に関連することかもしれませんが、水溶性の高い化学形態のものと、それから、ほとんど水に溶けないものとでは、多分、毒性の側から考ると、かなり違うのではないか。と思われます。その意味では、有機物質とは異なった考えが必要だろうと思います。環境中で水溶性の形で存在するものと、難溶性の形で存在しているものと弁別定量できるかが1つですね。
 もう一つは、環境中で、しかし、なお相互に移行するのかどうかです。先ほど、還元状態で云々というのがありましたけれども、かなり容易に移行するものだと、わざわざ分けることはなくて、総量で考えるしかしようがない。逆に、そう簡単に移行しないものだったら、これは全部引っくるめて測ってしまうと、一部の検体で難溶性のものと水溶性ものとの比率を出して、それに基づいて考えるというアプローチが要るかと思います。分析の側から、どれぐらい分けることができるのか、御教示いただければありがたいと思います。

○村岡委員長 かなり本質的な問題だと思いますが、篠原委員、どうぞ。

○篠原委員 金属の形態分析は、私の研究室で、今、いろいろやっているんですけれども、5分割ぐらいに分けることができます。これにはいろいろ手法があります。データも出されております。
 ただし、大変な繁雑な作業が要ります。キレート剤を使ったり、酸、アルカリ、いろいろな形の有機酸を使ったり、無機酸を使ったりします。ということは、こういう広域的なルーチン分析というのには、ほとんど向かないということになろうかと思います。先ほども言われましたように、SSと、溶解性鉄みたいな形で、No.5Cの濾紙で濾過して分析するというような、この簡便な方法だったら、ルーチン分析として採用されると思います。形態分析はほぼ研究的レベルということでしかできないような状態です。ただ、精査するということはできます。ただ、ルーチン的には難しいということです。

○村岡委員長 真柄委員、どうぞ。

○真柄委員 どこの水道事業体かということは申し上げられないので、勘弁していただきたいですが、自然界に存在するアンチモンが濃度が高くて、その水を現在の浄水処理でとれるかとれないかという研究をされて、とれないという結論に、その局は達せられました。
したがってどうしているかというと、ほかのアンチモンを含んでいない水とのブレンド比率で、アンチモン制御をしておられます。それは自然界のアンチモンで、決してどうこうというわけではなくて、まさに自然にあるアンチモンであります。
 そういう意味で、アンチモンはいわゆる水道でいう処理では取れない金属です。酸化も濾過も両方ともだめです。そういう意味で、アンチモンはそういう性格を持っています。
 ところが、マンガンは、これは一般的な浄水処理で対応可能です。もちろん非常に苦労していますけれども、対応できないことはない。ですから、先ほど池田先生がおっしゃったことと同時に、要するに、環境に存在する金属でも、先ほどの酒石酸も浄水処理でとれませんで、これも厄介なものなんですが、要するに環境にあるものが、人なり動物に接する段階になったところまでで、コントロールできるかできないかということも、1つの視野に入れておく必要があるんじゃないかなというふうには思います。アンチモンは、確かに動物実験はしていた。アンチモンでやっていますけれども、先ほどお話ししたように、ごく低い濃度では、天然の有機物と、錯体をつくっているようなものも存在しているのではないだろうかなというスペキュレーションがあるくらいですので、ですから、確かに分ければできる。でも分けてやるほど、要するに、もうとれなければしようがないじゃないか、というぐらいのデータでもいいかなというふうには思ってます。補足的ですけれども。

○村岡委員長 中杉委員、どうぞ。

○中杉委員 私が火をつけて、またこんなことを言うとあれなんですが、この議論は土壌汚染対策法の含有量基準をつくるときにした議論と、ちょっと似たところがある議論です。これは毒性の方の先生に、今度逆に質問をさせていただくんですけれども、そういうものが胃の中に入ったときに、本当に溶けないやつが、胃と腸で吸収されないのかとかいう議論がもう一つありまして、環境では溶けなくても、胃と腸ではいろいろなものが同時に存在して、そこで溶かし出すのではないかという議論が1つあるのではないか。
 それから、もう一つ申し上げておきたいのは、土壌汚染対策法のときの議論では、自然由来は確かに溶けにくい比率が高いんだけれど、人為由来というのは、高い濃度になります。そういうものは溶ける比率が高いという、これはあのときの含有量基準をつくった項目の幾つかについて、そういう傾向が出ていたかと思います。そこら辺も少し勘案して議論していく話ではないか。私はこういう議論をした上で、結果としてどうするかということを決た方がいいというふうに思いますので、先ほどああいうことを申し上げました。

○村岡委員長 ありがとうございます。
 かなり重要な発言が続いたように思います。きょう結論を出すわけではありませんので、次回に持ち越して、また議論をしていただきますけれども、論点を整理するということも事務局で必要だと思いますが、関連する資料をいろいろ集めなければいけない点もあるだろう。今、お聞きになって、事務局の方もこういう資料を準備できるという点はあると思いますけれども、この際、委員の御発言の中にも関連するような資料、それは整理していけばわかると思いますけれども、特に委員の先生方から、こういう資料を準備してほしいというふうなことも含めて、なお御意見がありましたら伺っておけば、あとで事務局が助かるんじゃないかなというふうに思いますので。
 こんなことを急に言って、何か議論が途切れたように思いますけれども、どうぞ御自由に発言してください。いかがでしょうか。
 しばらくアンチモンことについて意見が続きましたけれども、それ以外の項目につきましても、御意見があったらお願いしたいと思います。
 中杉委員、どうぞ。

○中杉委員 もう一つ、これは環境省の、たしか企画課の方の仕事だったと思うんですが、要調査項目について、発生源周辺を少し調べられて、私がちょっとお手伝いしたわけなんですが、その中にジオキサンも、たしか対象に入っているんです。幾つかの河川で上流から下流に事業所の排出口も含めて調査をしてみて、どんな状況であるかというようなことを整理をしていますので、あれは、いわば、そういう報告書も全部公表されているものだと思いますので、その結果を少し御紹介いただくのが1つかな。
 それともう一つ、1,4-ジオキサンについて神奈川県の環境科学研究センターで、神奈川県内のジオキサンを細かく調べられて、これは論文にもされていますけれど、そういう例があります。それは発生源等を少し見ながら議論していたかと思いますので、そういう情報も提供していただければと思います。

○熊谷補佐 ありがとうございます。もとをちょっと探してみて、次回、御提供させていただきます。いろいろと、今まで議論をいただいた中で、ちょっと事務局だけで探し切れるかどうか自信がない部分がありますので、ぜひとも、いろいろな関係情報、あの辺にありそうだというものを含めて、事務局の方にお寄せいただければと思います。よろしくお願いいたします。

○村岡委員長 一応、今の議題に関する、資料に関しての御意見、いただいたように思いますけれども、何か関連して事務局の方で補足的な資料とか、お考えとかありますでしょうか。

○熊谷補佐 特にはございませんけれども、前回からずうっと、例えば塩化ビニルへの分解の話とか、このあたりの物質になりますと、必ずしも出したものがそのまま汚染形態として出てこないという状況と、概況としては定性的にはそういうふうにいただいていると思います。そういった部分で、もう少しお教えいただける部分があれば、ぜひともこの場でお願いできればと思うんですけれども。

○村岡委員長 次回に基本的なことを討議するということですが、何か、いわゆる公共用水域と地下水との扱いのあたりの議論とか、臭気物質の問題とか、そういったあたりはどういうふうに扱うことになるのでしようか。

○熊谷補佐 まさに環境基準そのものの話で、法律上の、どういう定義がされているかとか、そういった部分については、今、そこの部分の範囲で簡単に御説明させていただいて、次回の議論の前提にさせていただければと思います。
 まず1つ目、まさに、今、委員長からいただいたように、公共用水域と地下水の関係と、必ず、どっちかで出たら、両方環境基準にするということを固定して考える必要はないんじゃないかなというようには考えております。各々の中で、ただ、環境基準としての整理、あとはその後の環境管理との関係、その辺を、どの程度、環境基準で配慮しながら考えていくかというところが、ここの最終的な結論を出すところの論点かと思っております。やはり、行政上の施策の目標であるという環境基準の性格というのもありますし、一方で望むべき姿を基準として示すのだという、この2つの考え方のせめぎあいを、どのあたりでバランスさせるかといったような議論かというふうに思っております。
 ですから、ちょっと先に話してしまいましたが、環境基準と規制の関係あたりも、そういった論点をどの辺でバランスさせるかということを考えていくのかなというふうに、事務局としては考えております。
 また、臭気物質の関係、前回、真柄委員からお話しいただきました。今までの健康項目の範囲では、確かに私どもの今の健康項目では、多分、狭義の健康項目ということになるかと思います。前回、WHOの健康の定義というところからお話しいただいて、非常に考えるところはたくさんあるんですけれども、今までの俎上から行くと、なかなか乗せにくいかなと。また、臭気物質の考え方、多分、例えば水道みたいなものの人間の目の前でもって、この距離で考える臭気という考え方と、水域で考るものとの違い。ですから、臭気物質の御指摘というのは、多分、水域としての臭気の問題も、もちろんあるでしょうし、もう一つは、利水障害というか、利水側から見たときに、近接した距離でどういうふうに考えるか、それを環境制御の範囲でどういうふうに位置づけるかという、多分、2つの御意見を同時にいただいているものというふうに考えております。この辺をどういうステージで整理をす
るか、また、今回の環境基準の議論の中にどの程度含めるかも含めて、次回、私どもから、事務局として考るところを、また提示させていただきますので、委員の皆様方の御意見をいただければと思っております。
 以上です。

○村岡委員長 ありがとうございます。
 補足的な御説明があったわけですが、一応、個別の問題について、先ほどいただける範囲での御意見をいただいたと思いますけれども、今の補足的な御説明を含めまして、まだ少々時間がございますので、全体的なことで、きょう、意見を伺っておけばよろしかろうというようなこともあるでしょうから、その点につきまして、全体的なことにつきまして何か御意見があればお伺いしたいと思いますが、中杉委員、どうぞ。

○中杉委員 この環境基準項目と、それのもう一つ前にある要監視項目、要調査項目の使い分けをする上で、環境基準項目と、要監視項目、要調査項目との排出抑制の対応が、ちょっと差があり過ぎるのかなというふうな感じをしています。要監視項目、要調査項目は自主管理をしてくださいということを、お願いをしているレベルにとどまっていますので、もう少し何か、そこの手当をできれば、環境基準項目で規制をしなくても、要監視項目で対応していけるのではないかということが出てくるのではないか、というふうに思っています。大気の基準項目は、水のように規制をしておりませんけれども、あそこでは、同じように基準項目と並んで優先取組物質、水で言えば要監視項目に当たると思うんですけれども、それについて計画をつくって削減をしていただくというようなことをやっております。これは1つの、そのとおりやれという話ではございませんけれど、1つそこら辺の手当も別途考えつつ、全体を見ていく必要があるのかなというふうに思っております。

○村岡委員長 ありがとうございます。
 先ほど、PRTRの調査内容についての御説明もありましたけれども、まさに自主的な監視あるいは管理といったあたりで、PRTRの制度というものを、いい意味で何か連携させていくようなことをしながら、この有害物質、健康項目に関する考え方をかためていく、方針を練っていくということも、あるいは必要かなというふうな気がいたします。
 何か御意見、ございますでしょうか。池田委員、どうぞ。

○池田委員 1つはお願いごとで、1つは先ほどの中杉先生からの口頭諮問に対する答えですが、まず口頭諮問の側からいきますと、難溶性の金属化合物が経口的に入ったときに、体内で可溶性のものにならないかという部分です。特に人間での例が望ましいということになろうかと思います。差し当たって例として思い当たるのは2つあります。
 1つは胃のレントゲン検査のときにバリウムを飲みます。あれはお腹をすかしておいて、そのときにすぐ飲むわけですから、多分、もし胃酸が分泌されれば最も高濃度の反応が起こるだろうと思います。水溶性のバリウムを動物に投与しますと神経毒性があることはよく知られていますけれども、胃のレントゲン検査のバリウムで何かの障害が起こった例というのはほとんどありません。ということは、多分、胃酸で可溶性になる可能性が全くないかと言われると、あまり可溶性にはならないじゃないかというのが1つです。
 しかし、同時に鉛の場合には、最近はなくなりましたけれども、以前、植字工が活字を拾って作業をする場合指先を湿らすために舐めるので、活字の表面にある細かい鉛の粉塵を実はなめてしまうことになる。これで鉛中毒が起こっていたという明確な記載がありますから、全く溶けないわけではなさそうでこれは金属の相手にもよると思います。
 全体として答えを出すにはどうすればいいかという部分ですけれども、ご存じのとおり、アメリカにRTECSという膨大な資料集があります。可溶性、難溶性の部分をMerck Indexで調べて2つぶつけると、可溶性、難溶性と考られている金属塩で、どれぐらい毒性が変わるかです。吸入などのデータは要らなくて、経口投与だけというふうに限定して、データ整理すると、今の問題に対してかなり答えが出るのではないかと思います。後者の方は、かなり大きな労力の作業になるかもしれませんけれども、もしチャンスがあればお願いできればと。以上でございます。

○村岡委員長 林委員、どうぞ。

○林委員 必ずしも水の問題だけではないんですけれども、異なった時代で行われた複数の試験のデータを1つの評価に使おうとするときは、かなり問題があるわけです。先ほどの長谷川委員がお示しになりましたように、1985年の Feronの実験と1991年の Tilの実験のデータをまとめた評価は誤りではありません。
 ただし、長谷川委員はこの試験の背景を御存知だからこのように評価されたものでありますが、予備知識なしにみますと、Feronのデータだけで算出した実質安全量よりも、Tilの実験のデータを加えた場合の安全量の方が高い値になります。そうすると、一般の方々は何か規制緩和というふうに思われるかもしれないです。ですから、複数の試験データをまとめてもよいという背景をきっちり説明できるようにする必要があります。
 Feronが1985年に実施されたときの発がん性試験のガイドラインは、実質安全量を求めるように作られていません。発がん性があるかないかということを、はっきり決めようとするガイドラインなんです。そのために用量設定が、低い用量と高い用量との間が10倍を超えることは望ましくないとなっているんです。Feronの実験でも両者の開きは10倍以内ですね。
この方法は発がん性の有無の判断には有用ですが、このデータを使って実質安全量を求めようとしますと、用量反応相関が非常に急峻になり、上に凸のカーブを示し、低い値になります。それを補うために、Til先生の実験が加えられているわけです。この実験では、低い用量と高い用量との間に100倍の違いがあります。この用量設定は確かに実質安全量の算定を目的としています。
 
一般論として、複数の試験データをまとめて評価する際には、複数のデータを総合することが適切であるかどうかということを、お考えいただくことが大切で、これがリスクコミュニケーションの重要な問題でもあります。

○村岡委員長 ありがとうございました。
 ほかにご意見ございますか。いろいろと貴重な御意見いただいたと思いますが、何か事務局から先ほどの件につきましてありますか。

○地下水・地盤環境室長 先ほど御質問がありました井戸の深さの件でございますけれども、十分な情報ではありませんが、少しわかりましたことを御報告させていただきたいと思います。
 東京都につきましては、先ほど真柄委員からもお話がありましたように、これは深い井戸のようでございますが、大阪の、まずCの井戸です。93、 259と掲出されておりますけれども、これは2本とも浅井戸でありまして、不圧のもので深さは16メートルと30メートルということです。いずれも浅井戸だということです。Dの井戸につきましては、これは井戸そのものは深いもので、 140メートルのものでございます。ストレーナが5カ所に設置されておりまして、一番浅いものは15メートルのところにございます。

○村岡委員長 揚水量というのは、そのときのあれで変わりますけれども、その深い井戸というのは全体に揚水量は浅いのよりも多いんですか。

○地下水・地盤環境室長 ちょっと申しわけないんですが、そこまでちょっと……

○村岡委員長 はい、わかりました。

○地下水・地盤環境室長 もう少しまとめて、きれいな形で御報告させていただきたいと思います。

○村岡委員長 もしほかになければ、これまで非常に貴重な御意見をいただきました。これを事務局の方で整理していただきまして、次回の討議事項に結びつくようにしていただきたいと思います。
 それで、まだこういうこともあるんだというふうな御意見もあるかもわかりませんが、早い段階で、ひとつ、もしありましたら事務局の方に委員の先生方からお届けいただくということにさせていただきたいと思います。
 また、関連する資料等も準備される必要があるし、そういったことで、事務局の方から各専門委員の先生方にいろいろ問い合わせ等、また、御教示いただくようなことがあるかと思いますが、その節はひとつ御協力をいただきたいと思います。
 それでは、議題の3はこれぐらいにいたしまして、議題の4、その他にいきますが、これは何か今後のスケジュール等のことも含めましてあるかと思いますが、事務局の方から、ひとつよろしくお願いします。

○熊谷補佐 どうもありがとうございました。
 もう既に次回の議論の取りかかりになる部分、かなり御指摘いただいたものと思っております。今回いただいたものを、もう1回きちんと整理して、次回の専門委員会まで、委員長からもいただきましたけれども、内容を整理して、またいろいろ御相談もさせていただきながら、次回は内容から見ると2時間ぐらいの時間というふうに考えれば、かなりタイトなものになるような気がしております。十分、いろいろお教えいただいて、次回を考たいと思います。
 スケジュールに関しても、今のところ私どもとして予定を確定したものを持っておりません。また皆様方の御予定も、後日、お聞かせいただいて、第5回になりましょうか委員会の設定を行いたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。以上です。

○村岡委員長 ありがとうございました。
 それでは、ほかになければ、きょうはここでこの専門委員会を閉じたいと思います。
 どうも御協力ありがとうございました。 

                          

午前11時35分閉会