中央環境審議会水環境部会水生生物保全環境基準専門委員会(第2回)議事録

議事録

午後3時01分 開会

○吉田課長 それでは定刻となりましたので、第2回中央環境審議会水環境部会水生生物保全環境基準専門委員会を開会させていただきます。
 本日は委員総数11名全員ご出席の予定をいただいております。ただいまのところ9名の皆様方ご出席です。大塚委員、福代委員、少しおくれるということでございますので、始めさせていただきたいと思います。
 なお、定足数を、満たしているということをご報告申し上げます。
 それでは議事に先立ちまして、環境省の関水環境審議官からごあいさつ申し上げます。

○関水環境審議官 お暑い中、ご参集いただきまして大変ありがとうございます。
 あいさつの前にご報告をさせていただきます。先日、環境省で水浴場に係る放射性物質の目安値というのをつくりました。その作成に当たりましては、中環審の健康項目の環境基準の専門委員会の先生方に加えて、放射性物質の専門家の方3名にも参加いただきました。内閣官房長官より海水浴シーズンを迎えて、国民が不安に思っているので、目安、指針をつくるようにというご指示をいただいて、16日間で放射性セシウム50ベクレル/L、放射線ヨウ素30ベクレル/Lの目安値とともに、モニタリング、砂浜の空間線量率のモニタリングの方法についてもとりまとめさせていただきました。本日お集まりの先生方にも、大変お世話になりました。ありがとうございました。
 水生生物に係る環境基準につきましては、今年の1月に第1回の専門委員会を開催させていただきまして、亜鉛に続く候補の項目として知見が集積してまいりましたノニルフェノール等8物質についてご審議を開始していただいたところでございます。
 本日は、第2回目ということで、特に知見が集積しておりますノニルフェノールの水質目標をどうするかというご検討とあわせて、現在、要監視項目とされております3物質につきましても、今後どういうふうに扱っていくか等についてご審議をいただきたいと考えております。
 本日のご審議も踏まえまして、候補物質というのが幾つかございますので、今後順次ご審議をいただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。

○吉田課長 ありがとうございました。それでは、前回と比べまして、環境省側の担当がかわっておりますので紹介させていただきます。
 水環境課の課長補佐、山本です。
 環境基準係長の西村です。
 環境基準係の安川です。
 それでは、続きましてお手元の配付資料についてご確認をお願いいたしたいと思います。議事次第の下段、配付資料の一覧をお示ししております。座席表に続いて資料1から7まで参考資料が1、2、3とありまして、参考資料3は委員限りですが、別冊の冊子、平成15年の答申でございます。こちらはお持ち帰りいただいても結構ですし、置いておいていただいても結構です。不足等ございましたら、随時事務局のほうまでお申しつけをお願いいたします。
 それでは、これ以後の進行につきましては、須藤委員長にお願いをいたしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○須藤委員長 かしこまりました。それでは、進行役を引き受けさせていただきます。本日は大変お暑い中を、また暗い中をと申し上げてよろしいのかもしれませんが、環境省に比べればこの部屋も廊下も大分明るいようでございますが、本当に薄暗い中をお集まりいただきましてどうもありがとうございます。
 この専門委員会でこれから何を審議するかということについては、先ほど関審議官からお話があったとおりでございまして、本日はノニルフェノールの水質目標値を中心に論議をさせていただいて、私は、可能であれば、亜鉛一つにとどまっている今の環境基準について、なるべく早い時期に追加の項目ができればよろしいかなと願っているところでございます。しかし、そうかといって余り拙速をしてはいけないとも思っておりますので、先生方のよろしくのご審議をお願いをしたいと思います。どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、審議に入る前に、資料2に前回の議事録案、どうぞごらんになってください。本資料は、委員の先生にご確認をいただいた後、事務局で修正し、再度各委員の先生方に送付されている資料でございますので、この場で前回の議事録としたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。

(「異議なし」の声あり)

○須藤委員長 それでは、特にご異議がございませんので、本議事録を前回議事録とさせていただきますので、事務局においては、公開の手続をとってください。お願いをいたします。
 それでは、早速、議題に従って進めてまいります。
 まず、議題1、前回指摘事項についてでありますが、前回の専門委員会で幾つかご指摘がございまして、その事項について事務局で資料を準備したようでございますので、説明を受けたいと思います。それでは、山本補佐でよろしいですか、お願いいたします。

○山本課長補佐 それでは、資料3、前回の指摘事項でございます。前回の資料6-2の水生生物の保全に係る水質目標の水準について、「維持することが望ましい水準」という位置づけを「下回ることが望ましい水準」にするという改訂案を出したところでございます。それに対して、大塚委員から、環境基本法第16条では、環境基準は「維持されることが望ましい基準」となっているので、変えないほうがよいというご指摘をいただきました。今回、その指摘を踏まえて、「維持されることが望ましい水準」と修正しております。
 また、鈴木委員から、環境中のノニルフェノールについては、ノニルフェノールエトキシレートが分解して生成するものがあるが、それらの排出状況はどうなっているのかというご質問をいただきました。本日の、ノニルフェノールの水質目標値の資料にノニルフェノールエトキシレートの排出状況について記載しておりますので、後ほど説明をさせていただきたいと考えています。
 以上でございます。

○須藤委員長 ご説明ありがとうございました。それでは、ただいまの2点でございますが、事務局の対応方針、いかがでございましょうか。何かご質問なりご意見ございますか。特に2番目は、これからまた議論するところでございますからよろしいとして、1番目も妥当なご指摘でございましたので、そのとおりに戻されるということなので、よろしいと確認をさせていただきたいと思います。
 それでは、本日の主要な議題になるわけですが、水生生物保全に係る水質目標値(ノニルフェノール)についてでございます。水質目標等については、資料4、5、6とございますので、事務局からご説明を願います。これも事務局の山本補佐からどうぞ。20分ないし25分ぐらいかかるかもしれません。よくお聞き取りください。お願いします。

○山本課長補佐 それでは、ノニルフェノールの水生生物保全に係る水質目標値について資料4を、補足する資料として資料5、資料6を用意してございます。
 資料4につきましては、第1回専門委員会において、こういうフォーマットで毒性情報などを整理していきたいということで概要をご説明させていただいたところでございますが、本日は、ノニルフェノールの水質目標値について、こういう値でどうかということにつきご議論いただければと考えてございます。
 資料4の1ページ目でございますが、ノニルフェノールは、直鎖のノニル基または分岐のノニル基がフェノール環に結合したものでございます。ノニル基の分岐の違い、置換位置の違いによって、理論上211種の異性体が存在します。
 ノニルフェノールは、フェノールとプロピレンから合成され、主成分は分岐型4-ノニルフェノールでございます。ノニルフェノールの水生生物への影響について、平成15年に環境省が公表した「化学物質の環境リスク評価」において、「詳細な評価を行う候補」とされています。環境リスク評価は、これまで生態系に関する影響について282物質が俎上に上がって、47物質が「詳細な評価を行う候補」となっています。この詳細な評価を行う候補とは、予測環境中濃度と、予測無影響濃度を比較したときに予測環境中濃度が高いものを位置づけておるところでございます。
 水生生物保全の基準を考えるに当たって、こういった詳細な評価を行う候補といったものも含め、優先的に検討する必要がある物質ということで、今、俎上に上げている8物質を含めた14物質について検討を行っております。
 表1に物理化学的特性を載せてございます。
 生物分解性については、ノニルフェノールで馴化した汚泥を用いた場合には、ノニルフェノールは40日間で78%が分解されるということでございます。
 2の水環境中での挙動ですが、平成14年度から平成21年度に調べられた我が国の淡水域からは、最大で8.4µg/Lのノニルフェノールが検出されています。検出下限値は、測定によって異なりますが、0.01~0.1µg/Lの範囲中で、検出率は各年度とも10%を超えています。環境中からは、主に分岐型の4-ノニルフェノールの異性体が検出されています。
 ノニルフェノールは約6割が界面活性剤の用途で、ノニルフェノールにエチレンオキサイドを付加して、ノニルフェノールエトキシレートが生産され洗浄剤等として用いられています。
 水環境中に検出されるノニルフェノールは、ノニルフェノールそのものが環境中に排出されたもの以外に、ノニルフェノールエトキシレートとして排出されたものが分解過程を経て副生成したものがございます。
 図2にノニルフェノールエトキシレートの分解過程を載せていますが、一番上がノニルフェノールエトキシレートで環境中で微生物の作用等によってエトキシ基が外れて、エトキシ基の数が少ないノニルフェノールエトキシレートに変化してノニルフェノールへと分解されています。
 ノニルフェノールエトキシレートについては、自然界での発生は知られておらず、すべて人為発生源からのものとなっています。
 3ページ目につきましては、国内外におけるノニルフェノールの水質目標値等の設定状況を整理しています。米国においては、最大許容濃度として淡水28µg/L、海水7µg/L、連続許容濃度として淡水6.6µg/L、海水1.7µg/Lとなっています。最大許容濃度については、1時間平均濃度としての値、また、連続許容濃度については、4日間平均濃度が超えないこととなっております。
 カナダにおいては、暫定的なガイドライン値として、淡水で1.0µg/L、海水で0.7µg/Lとなっています。
 また、EUでは、水枠組み指令のもと、環境基準に関する指令が出されており、ノニルフェノールについては、年平均値として0.3µg/L、最大許容値として2µg/Lとなっております。
 各国の基準値の算定方法については、下の※印に記載しておりますが、米国の連続許容濃度は15属の毒性値から、累積確率5%の値として最終急性毒性値55.49µg/Lという値を算出し、最終急性慢性毒性比8.412という値で除して算出しています。
 カナダの、淡水1.0µg/Lという値はニジマスを用いた成長への影響に対する91日LOEC10.3µg/Lに安全係数0.1を適用して算出しています。
 3ページの(2)については、国内外における有害性評価等に関する情報として、表3に各機関等におけるノニルフェノールの有害性評価、表4にリスク評価書での予測無影響濃度について整理しています。
 国内における化学物質管理関連の法制度での位置づけでございます。ノニルフェノールは、特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律、いわゆるPRTR法で第一種指定化学物質に指定されています。PRTR法では、雇用者数が21人以上、それから1トン以上取り扱う事業所を所有する事業者に対して排出量等の報告を課しております。
 また、化学物質の審査及び製造の規制に関する法律において、第三種監視化学物質に指定されていました。なお、23年4月から化審法が改正になり、第三種監視化学物質という枠組みはなくなっております。
 水道水質の基準等においては、人の健康の保護の観点から、要検討項目に設定され、暫定目標値は0.3mg/Lとなっております。
 ここから、ノニルフェノールの水質目標値について、ご説明をさせていただきます。
 水質目標値を導出するための毒性値については、毒性値の信頼性と利用の適否が検討され、表5に用いることが可能とされた毒性値を整理しています。
 収集したデータについては、15ページから一覧を挙げています。252のデータのうち国外種のデータについては、我が国の魚介類のデータを基本的に使うということから、今回、利用していません。また、同一の試験でNOECとLOECがある場合には、NOECのデータを用いるといったこと、また、被験物質について、情報不足のものなどは、用いておりません。
 5ページに、なお書きがございますが、水環境中では主に分岐型のノニルフェノールの異性体の混合物として検出されていることを踏まえ、毒性値の検討に当たっては、米国、欧州連合のクライテリア等で扱われている商業用製品の分岐型ノニルフェノールの混合物を被験物質として毒性試験が行われたデータを収集しています。
 CAS番号を三つ挙げていますが、84852-15-3が分岐型の4-ノニルフェノールの異性体混合物、25154-52-3がノニルフェノールの異性体混合物、90481-04-2が分岐型のノニルフェノールとされております。
 補足資料として資料5に、被験物質と環境中のノニルフェノールの異性体分布について整理しております。
 異性体番号が13までありますが、これはGC/MSの保持時間順に異性体の含有比率を整理しています。環境中のものと、被験物質として用いたものとで、おおむね同じ傾向にあるのではないかということでございます。
 資料4にお戻りいただき、6ページからは、各毒性値が得られた試験の概要を載せています。
 水質目標値の導出に使われたものについて、試験の概要等について説明させていただきます。淡水域魚介類の一番上の試験、環境省(2009a)ですが、全長約5センチのニジマス稚魚を用いた試験で、OECDテストガイドライン203に準拠して行われたものです。96時間半数致死濃度LC50を求めるということで、5濃度区分(公比2)で試験を行っております。
 また、6ページの一番下の環境省(2009c)でございますが、OECDテストガイドライン210の初期生活段階試験に準拠した試験です。こちらは、魚類への長期影響を卵のふ化、稚仔魚の生存や成長などによって調べ、無影響濃度を求めるものです。5濃度区(公比3)で試験が行われています。それぞれの濃度区でメダカの正常ふ化率や生残率について試験が行われ、実測濃度で、22µg/Lが無影響濃度となっております。
 海域の魚介類については、マダイを用いた試験が行われて、96時間LC50、48時間LC50が求められております。
 水質目標値導出に用いる無影響濃度については、慢性影響を示す標準試験方法、先ほどのテストガイドライン210などを優先して用いますが、そういった試験が得られない場合、その他の試験法ということで、短期毒性試験などを用いて無影響濃度を推定しています。慢性影響を示す毒性試験結果から得られた無影響濃度としては、魚介類ではニジマスの胚から稚魚期、メダカの胚から稚魚期の初期生活段階試験、また、餌生物についてはオオミジンコの繁殖試験の結果がございます。その他の無影響濃度を算出するに当たっては推定係数10で除しております。
 10ページには、魚介類、餌生物の無影響濃度を整理しています。魚介類については、成長段階により、稚魚期での毒性値は一般域に、胚から稚魚期の毒性値については特別域に当てはめ、種別に一番小さい値を求めて類型別の代表値を選定し、種比を考慮して無影響導出値を求めています。
 表7を見ていただきますと、表7の生物A、稚魚期のニジマスの9.51、22.1µg/Lというデータがございますが、低いほうの値を採用するということでございます。
 また、餌生物については、属別に幾何平均値を求めるということで、オオミジンコに24と116µg/Lという無影響濃度から幾何平均値53µg/Lという値を算出しています。
 11ページは淡水域・海域それぞれの類型に応じて無影響導出値を算出しております。生物Aは、魚介類から算出した無影響導出値は、1.0µg/L、餌生物は53µg/Lということで、低いほうの1µg/Lをとっています。
 生物Bの類型については、生物Bの無影響導出値が特別域の生物特Bの無影響導出値を下回っており、かつ、特別域の無影響導出値が慢性影響から得られた値であることから、生物特Bの無影響導出値の値を生物Bの水質目標値としています。
 表9には、これまでの導出の結果を踏まえ、それぞれの類型別の水質目標値を整理しています。
 26ページから参考として水環境中の検出状況について、整理しています。
 付表1の測定年度が2009年から2007年のデータについては、環境省が行った要調査項目の測定結果でございます。
 出典4以降は、環境省や国土交通省のデータを整理しております。
 2008年のデータでも、最大値として5.5µg/Lという値が検出されており水質目標値としてご提示した値を超えるような濃度が出ているという状況でございます。
 また、検出についても、毎年度、高い状況でございます。なお、検出データについては、水質目標値を踏まえ、また改めてご提示したいと思いますので、本日は参考ということでつけさせていただいてございます。
 それから、付表3にノニルフェノールの生産量の推定値をつけています。近年は、ノニルフェノールの生産量は減少してきている状況となっています。
 用途については、ノニルフェノールの約60%は界面活性剤として用いられ、そのほか、ノニルフェノールエトキシレートの原料、インキ用バインダー、酸化防止剤の合成原料などがございます。
 環境中への排出量については、PRTR法に基づき公表されており、付表4にノニルフェノール、参考としてノニルフェノールエトキシレートの排出量を載せています。ノニルフェノールの排出量については、届出に基づく公共用水域への排出量として、おおむね年間数キロから十数キロとなっています。ノニルフェノールエトキシレートについては、公共用水域の排出量が、2009年度で約29t/年となっています。なお、ノニルフェノール及びノニルフェノールエトキシレートについては、自然発生源は知られていないということでございます
 それから、資料6に生物種による感受性の相違、種比についてということで、新たに生物Bの代表種としたメダカについて、メダカと他の魚介類との化学物質に対する感受性を既存の毒性データを用いて整理しています。
 図1にメダカのLC50と、他の魚介類のLC50の関係を載せています。
 図には53データをプロットしており、メダカの毒性値よりも小さい値をとっているのは13データで、10分の1よりも小さいのは、プレチラクロールの製剤、フェノブカルブでいずれも農薬でした。農薬については種比10ではなくて、特別な考慮をする必要がある場合もあるかもしれませんが、種比10で全体の8割をカバーできるということでございます。
 以上で資料の説明を終わらせていただきます。

○須藤委員長 どうも丁寧にご説明いただきましてありがとうございました。
 それでは、ただ今の資料4、5、6というところで、特に資料4の11ページは、最終的にはノニルフェノールの水質目標値の導出までをこれまでのルールに従って求めた値、算出した値が目標値として出されております。この辺を中心に、そのプロセス、考え方等、いろいろご意見があろうかと思いますので、遠慮なくお出しいただきたいと思います。
 今日は、これを決定するという段階ではございません。先生方のご意見を踏まえまして、再度検討する機会はまた持ちたいと思っております。どうぞ、お願いいたします。
 どこからでもよろしゅうございますが、いかがでしょうか。
 森田委員から何か、もしご意見があれば伺いましょうか。40分ぐらいございますから、どうぞ。

○森田委員 全体としては大体常識的な線でいろいろ数字がまとまってきているというのが第一印象であります。
 ノニルフェノールにつきましては、この物質がある種社会的な関心を集めたのは環境保護の問題があったかと思いますが、一般的にいわゆる環境影響物質というのは急性毒性が低くて、そういう傾向が強いんですけれども、ノニルフェノールはどのくらい急性毒性が強くて、したがって、そういう意味での環境ホルモン作用も、生物に対する毒性そのものが結構強いという結果が、こういった数字にあらわれてきているかなというのが感想であります。

○須藤委員長 どうもありがとうございます。
 それでは、細見委員、何かご意見ございましたらどうぞ。

○細見委員 この用途のところで、あるいは生産量、輸出入量の推移というところで、減少しているという主な理由は、さっき説明されましたでしょうか。

○須藤委員長 いえ。

○細見委員 これ、かなり減ってきているので、このことが逆に、例えば、今まで水環境中で検出されている値が減る傾向にあるものなのかどうか。もし、それがかなりの精度で輸出入量の推移とともに、水環境中のデータがそれに応じてこういうふうに何となくそれに合っていれば、今後これを目標値にしていくということに関しては何か効果がありそうな気がするので、少しそういった目で、例えば26ページのデータで、多分たくさんのデータがあると思われるので、年度別に見たときに何か言えることはないかしらというのを少し加筆していただければと思いました。

○須藤委員長 ありがとうございます。今の問題は、ご質問なのでよろしいですか。

○山本課長補佐 ノニルフェノールについては、6割ほどがノニルフェノールエトキシレートの原料として使われますが、先ほど森田委員からの発言にあったとおり環境ホルモンとして関心を集めた物質といったこともあり、ノニルフェノールエトキシレートについては、日本界面活性剤工業界で自主的な対策として、2000年から2004年末に向けて30%削減をするといった取り組みがなされております。
 そういった流れの中で、ノニルフェノールエトキシレートの原料としての用途の減少等もあり、ノニルフェノールの生産量が減ってきているという状況にございます。
 検出状況につきまして、次回、ご用意させていただくときには、年度ごとの平均値の推移等整理させていただきたいと思っています。
 ただ、ノニルフェノールにつきまして、国交省では同一ポイントで測定が行われているところでございますが、従前低かったところが年度によっては高くなったりということで、濃度が各年度変動しておるというようなこともあります。

○細見委員 今あるデータの経年変化を見ていただいて、何か使用量との、あるいは輸出量、生産量でしょうか、関係があるかどうかというのは興味深いなと思いました。

○須藤委員長 工業界の目標は、それ以後もずっと同じ目標で続いているんですか、削減が。2004年とさっきおっしゃったですよね。

○山本課長補佐 先ほど申したのは、平成13年9月に日本界面活性剤工業界として、関係各位にノニルフェノールエトキシレートに関する方針として示しているものでございます。
 その後の状況については業界に直接話を聞いていない状況でございます。

○須藤委員長 とりあえず、そういう目標があって達成をしているわけですね、それについて。量を見ると、そういうことですよね。減っているというのは、そういう意味ですよね。

○山本課長補佐 そういうふうにお考えいただいて構わないと思います。

○須藤委員長 それでは、福代委員、いかがでございましょうか。

○福代委員 非常に細かいデータを集められて、特に私は別紙のところで収集された細かいデータについて、随分細かく検討されたなという感想ですが、影響内容のところの、すなわち23ページの脚注に当たるところで、AvoidanceあるいはGrowthという分け方をされていると。特に環境ホルモンという意味では、この中のどの部分がどういう意味を持っているのか、あるいは、私は植物プランクトンが専門家なもので、21ページの207番あたり、EC、エンドポイントの中にMORではなくてPOPという表記があると。これが何に相当するのかなというのが、ちょっと気になったところなんですが、特に環境ホルモンとの関係でですね。

○山本課長補佐 今回の毒性の情報の整理に当たっては、エンドポイントとして従来の毒性評価に用いられているものを対象にしてございます。内分泌かく乱物質につきましては、環境省では平成22年7月に「化学物質の内分泌かく乱作用に関する今後の対応 EXTEND2010」を取りまとめております。試験法の開発などが進められてきたが、その影響についてなお未解明な部分も多く、化学物質が環境を経由して人の健康や生態系に及ぼす影響を防止する観点から、試験評価手法の確立と評価の実施を進めていくという基本スタンスでございます。この10年間でOECDのテストガイドラインとして、日本から試験方法を提案するなど試験方法の開発を進め、それに基づいて内分泌かく乱作用の評価をしていこうという段階だと認識してございます。したがって今回は、内分泌かく乱作用については評価を行っておりません。

○須藤委員長 本当は外しておいたほうがよかったかもしれないけど、でも、全部集めたのを入れたという意味ですよね。

○福代委員 ちょっとよろしいですか。資料として集められて検討されたということで出されるのは、やはり意味があることだろうと思うんですね。私が言いたかったのは、揚げ足とりみたいなことなのかもしれないのですが、23ページの脚注にある、例えばAvoidanceのAVO、あるいはGrowthについてはGRO、こういうものを注目して見て評価をしたということだろうと思うんですが、先ほど言いましたスケレトネマ 207以降、POPについては脚注がなかったり、BEHで脚注が余りはっきりしない、Behaviorかなと、POPはpopulation growthか何かかなという予想はつくんですが、そういうものを挙げて整理しておくと、多分、資料としての意味も非常に増してくるのでぜひお願いをしたいと思っています。

○山本課長補佐 また23ページに挙げている影響内容については脚注が十分についておらず申し訳ありません。POPでございますとpopulation growthということで増殖をエンドポイントとして見た試験でございます。

○須藤委員長 そこは直してください。挿入しておいてください、わかるようにね。
 福代委員、そういうことでよろしいですか。資料としては役に立つということですね。

○福代委員 はい、非常に役に立つと思います。

○須藤委員長 ありがとうございます。
 それでは、谷田委員、どうぞ。

○谷田委員 森田委員がちらっとおっしゃった、少しだけ気になるのはノニルフェノールの環境ホルモン作用の、参照できなかったというご説明でいいんですね。

○山本課長補佐 環境基準を検討するときに、どういう毒性を見るのかという整理をする中で、内分泌かく乱作用については対象にしないという考えのもと、今、水質の環境基準等についてご検討いただくということでございます。

○谷田委員 Mortality(死亡) Growth(成長)とか、そういうのでやらざるを得ないというのは、事情としてはわかるのですけど、やっぱり国民の方に、ノニルフェノールを使っているのだけど、環境ホルモン作用については扱っていない毒性値という説明が要るのかなという気がします。
 それからもう一つは、妥当な値だと思うんです、毒性としては。アメリカのプロダクトの水生生物よりはかなり厳しい値で、カナダ並みだと、国際的にはそういう理解でいいのですか。国際的な比較で言えば。

○須藤委員長 数値で言えば。

○山本課長補佐 3ページに各国における値がのせておりますが、生物Aで1µg/L、生物Bで2µg/Lという値と各国の値を比べると、オーダーとして、森田委員からもお話がございましたが、おおむね同じオーダーだと思われます。

○谷田委員 ですよね。それと絡んでもう一つだけ。水道水質に比べると甘くなっているわけですね。健康項目であると、そういう意味ですね。

○山本課長補佐 水道水質は健康項目でございますので、0.3mg/Lということでございます。

○谷田委員 mgでしたか。もっと高いのですね。ごめんなさい。間違えていました。以上です。

○田尾委員 ほとんど先生が言われましたので余りない。僕はマイクログラムの間違いじゃないかと思って。これは0.3mg/Lで間違いないということですね、水道水の。

○山本課長補佐 間違いございません。

○田尾委員 もう一つは、資料の26ページの付表1ですけれども、検出率ということで、例えば46分の3という形で示していただいていますけれども、もう一つ別の案として、例えば今回の目標値として、例えば最低としては0.7とか1がありましたけれども、それを超える超過率の欄を持っていただくと少しわかりやすいかなという気もするのです。検出限界が下がると、ほとんど全部検出されるということになると、この数字自体、意味があるわけじゃないかなという気がしました。

○山本課長補佐 検出状況の資料につきまして、今回は、水質目標値として1µg/Lとか2µg/Lという数字を前提に整理することは適切でないことから、このような整理をしていますが、水質目標値として、これらの値を念頭に検討を進めるということになりますれば、次回、水質目標値に対する超過状況や水質目標値の10%値に対する超過状況についてデータを整理したいと考えてございます。

○須藤委員長 では、そのデータを示して下さい。

○田尾委員 そうですね。細見委員からちょっとありましたけど、経時変化について、特に底質もあわせて調べていただくと。水質と底質と両方を見ていただくといいと思います。

○須藤委員長 なかなかわからないかもしれないけれど、いいですか、それで。

○田尾委員 ここに一応、検出状況としては付表2にあることはありますけれども。

○山本課長補佐 最近のデータがあるのか、改めて確認いたします。

○須藤委員長 もしあれば、底質も含めて出してください。
 鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員 28ページの化管法の排出量について、前回もどなたかがご質問されたかもしれませんが、届出の移動量で、下水道に関して2007年度から2008年度にかけて、桁の違う落ち方をしていますが、これは何が原因なのでしょうか。それから、下のノニルフェノールエトキシレートにつきましては、おおよそ届け出移動量は減少ぎみであるのに対し、届出外の推計値がそう減ってはいない感じがするのですけれども、そのあたりの理由がおわかりでしたら教えてください。

○須藤委員長 これは後ほどでもよろしいですよ、次の会議ぐらいでも。今わかればお答えいただいて、理由ですから、ちょっと調べて。

○山本課長補佐 改めてPRTRのデータを確認して、次回、ご説明をさせていただきたいと考えてございます。

○須藤委員長 では、よろしいですか。次回、データを見ないとできないと思いますので。
 白石委員、どうぞ。

○白石委員 全体として非常に読みやすくなっているなという気がしました。初めから水環境中の挙動から諸外国の状況から全体的に見やすくなっているんじゃないかなと思います。数値的にも、皆さんおっしゃっていたとおりになるのかなと考えます。
 captionが少し欠けているとか、いろいろ細かいところでございますけれども、それ以外はいいんじゃないかなと思います。1点だけ、これも細かいんですけれども、ノニルフェノールの構造式なんですけど、せっかく資料5で代表的な構造みたいなものがわかってきていますので、そこに差しかえていただければいいかなと思います。

○須藤委員長 ありがとうございます。
 では、小山委員、どうぞ。特に海域のところあたりは、先生じゃないと、コメントが少なかったので、もしあれば出してください。

○小山委員 まず一つ、ノニルフェノール、異性体も含めてノニルフェノールですけれども、カナダのようにエトキシレートも含めたものにはしなかったんですが、あくまでもノニルフェノールだけで基準をつくるということでよろしいんですね。

○山本課長補佐 今ご指摘ございましたように、カナダは、ノニルフェノールエトキシレートとノニルフェノールについて一定の換算式で合算した値となっています。一方、今回、収集してきた毒性データについてはノニルフェノールの異性体混合物を用いたものを集めてございますので、水質目標値としてはノニルフェノールに関して定めていくということになります。

○小山委員 これは、今すぐというのは無理かもしれませんけれども、実際に水域でノニルフェノールとノニルフェノールエトキシレートが同時に検出されている、どっちがどのくらい比率であるかというのがもしあれば。

○須藤委員長 同じ水でですね。

○小山委員 ええ、そうです。基本的に、ノニルフェノールエトキシレートはノニルフェノールの供給源になるわけですね。そうすると、もしエトキシレートのほうが多かった場合、もちろんノニルフェノール濃度としての評価になるんでしょうけれども、やっぱりエトキシレートもちょっと問題になるんじゃないかなと心配します。

○山本課長補佐 今、小山委員からご指摘がございましたように、ノニルフェノールエトキシレートが分解されてノニルフェノールになるということでございますが、エトキシレートの分解は夏であればよく進みますけど冬は進まないなど季節によって分解の状況が異なるのでどれぐらいがノニルフェノールに最終的に分解されるか変わってくるということもございます。そういった資料を含めて次回またご用意させていただければと思います。

○小山委員 それともう一つ、28ページの付表ですが、環境中の分布で、排出ですね。大気中にこんなに出るんですか、ノニルフェノールって。水に余り出なくて、大気中に相当出ているように見えるんですが。感覚的に考えると、どちらかというと水のほうに出るかなと思ったんです。

○須藤委員長 そこも調べて再度確認したほうがいいですね。

○山本課長補佐 排出状況については、次回改めて資料を整理してご説明をさせていただければと思います。

○須藤委員長 では、小山委員、貴重なご意見ありがとうございます。そこは調べてもらいます。
 では、岡田委員、どうぞ。

○岡田委員 資料4の一番最初のページの3段落目、ノニルフェノールは野外環境中に検出される濃度云々で、水生生物への影響が懸念されることから検討が必要と考えられたということで、今日、最後ちょっと聞き漏らしたかもしれない。検討は必要であるというか、基本的なスタンスとして水質目標値はつくると、こういうことでいいんですね。確認ですが。

○山本課長補佐 そうでございます。

○岡田委員 ただ、そのときの根拠が、環境中での検出というのが、付表1、26ページですね。ここで最大値というのが出ているんですが、最大値というのは瞬間風速の値ですよね。これだけばらついているというのは、たまたまどこかですごく高い値がある一時期、ある1点で検出されたというふうに思うんですが、本来のノニルフェノールは年平均値で考えるべきものですから、年平均値にしてしまうと、ここの0.6とか1の値をずっと下回ってしまうんじゃないかと。もしずっと下回った場合は、目標値の何分の1ぐらいを検討が必要と考えるのか、その辺のところは、これからやるんですか。

○山本課長補佐 本日は水質目標値ということでお示しをさせていただいて、次回、その考え方も含めて、位置づけについてご議論をいただければと考えております。

○岡田委員 何%ぐらいで目標値にすることにしていたんでしたっけ。年平均値で10%の地点が全国で幾つか出たらすると、こういうことでいいんですね。

○須藤委員長 いや、概念的にね。ぴったり計算するわけではありません。

○岡田委員 もちろん大体の話で。

○吉田課長 そのあたりは次回にと思っておりまして、環境中の検出状況のデータを見ていただきながら、どう考えるかということで、ぜひご議論いただきたいと思うんですが。

○岡田委員 年平均値をとれる、12回なんて言わないけれども、データはあるんですね。

○山本課長補佐 これまで環境基準を決めるときに、そこまでの調査をして決めておるという状況にはなってございません。

○須藤委員長 岡田委員は水環境部会長だからご存じのはずなんだけど、普通の健康項目だったら、とりあえずは要監視項目なんですね。要監視項目で計れるところはずっと同じように計ってくださいと言っておいて、それで、私が申し上げように、10%とか、ときたま高い値が出てきたら、だったらこれは環境基準にしましょうと、こういうことです。健康項目の環境基準のほうはね。ですから、要監視項目にする前は、正直に言えば当然データがないわけですよね。

○岡田委員 それはなくて当然です。

○須藤委員長 義務がないぐらいのところで、ねらい撃ちをしているわけですよね。今後いろんな化学物質の測定とか何かの中から。12回の年平均値をぴったりとるには、1回要監視項目にしないと、本来はそういうデータはとりにくいんだろうと私は思います。

○岡田委員 それはそうだと思います。ただ、そうするときに、要監視項目から基準にするときに、前も申し上げたんですが、人間の全地点を守る話と水生生物の話は同じかどうかの議論はまだ済んでいないと思うんで、それが済まないと、この先は結構大変かなというか、直感では余り超えないんじゃないかという気がしたものですから確認したかったんです、プロセスを。

○山本課長補佐 課長からもお話がございましたように、ノニルフェノールの位置づけについての議論は次回お願いしたいと思います。この後の議題で、既存の要監視項目3項目について平成15年のときに要監視項目の位置づけをどう考えたのかというのをご紹介させていただき、今、岡田委員からお話しございましたように、今の時点で水生生物の環境基準にするかしないか、どう考えたらいいのか、またご意見いただきたいと思ってございます。

○岡田委員 わかりました。ありがとうございました。結構だと思います。
 あと一つ、これは今までこういうルールになっていたんだと思うんですが、11ページの表8ですが、生物Bのコイが1.5ですね。生物特Bのメダカが2.2だから、1.5を2に合わせたんですよね。こういうルールなんですが、これは同じ種類だったらまだ何となくわかるんですが、コイとメダカという違うもので、コイでは1.5のものをメダカを見てメダカに合わせるということで、ほかのいろんな生物のデータがあって最低をとっていくというほかのルールと整合性があるのかなとちらっと思ったんですが、そこはどういうふうに今までなっていますか。

○山本課長補佐 今ご指摘のあった11ページの表8、生物Bの取扱いでございますが、今ご指摘があったように、毒性値の最低の数字をとるのか、それとも急性毒性の値と慢性毒性の値があったときに、慢性毒性の値を優先させるのか、その二つをてんびんにかけたときに、慢性毒性の値のデータを優先して、無影響導出値としてはいかがかという考え方で、前回専門委員会でお話をさせていただいておるところでございます。

○岡田委員 種類が違うからね。

○山本課長補佐 短期毒性の試験につきましては、LC50から推定係数10をもとに無影響導出値を算出しているので、環境基準ということで今後行政の目標として用いる値としては、環境基準の性格を踏まえると個体群の存続を念頭に置いた慢性毒性の試験を優先することが適当であるとの考え方でございます。

○須藤委員長 基本的に、慢性影響の毒性値があれば、それを基本的に使用していくと。

○岡田委員 同じ種類だったらそのとおりです。でも、今回の場合はメダカの値があるから、コイの値を無視してメダカに合わせているんですよね。

○須藤委員長 この1.5は慢性毒性の値じゃないんですよね。やり方が違うんですよね。コイは短期毒性ですよ。そうですよね。

○山本課長補佐 10ページにそれぞれの数字がございますが、1.5という値は、表7のデータで、こちらは短期毒性のデータになってございます。
 2.2という値は、生物特Bの胚から稚魚期ということで、慢性影響を念頭に置いた試験から算出をした値ということで、そちらの値を出していると。

○須藤委員長 生物特Bの2.2はいいですね、ここは。

○岡田委員 そこはいいです。

○須藤委員長 それで、先生がおっしゃるのは、生物Bのところ。

○岡田委員 生物Bの、おもしろいことに同じメダカが生物Bは2.2なんですよ。22ですから。コイは、生物B、生物特Bを見ても、要するに急性影響だから怪しいといえば怪しいかもしれませんが、このデータを見る限りはメダカより弱いんですよね。それを無視して2に上げていいかというのが私の質問です。種類が違うんで。

○山本課長補佐 参考資料の17ページに無影響導出値(類型毎)の算出及び水質目標値の導出のフローを書かせていただいてございますが、17ページの真ん中に無影響導出値(類型毎)という四角囲みがございます。この後、一般域と特別域の無影響導出値の比較を行った際に、一般域の無影響導出値が特別域の無影響導出値より小さいということで、ひし形のところから右側に矢印が出ており、大きなひし形の中に[1]かつ[2]という、そういった判断基準で今回、水質目標値を出してはどうかということでございます。

○岡田委員 厳しいほうにするんだったらわかるけれども、甘くしているから大丈夫かと。ルールよりも基本的な考え方を教えていただきたいんです。今のところがよくわからない。溶存酸素のときもやったんだけれども、両方が違ったときは厳しいほうにするというのが何となくのルールだったように…。

○小山委員 一般的にそうですね。生態毒性をやっている者としてそうと思いますが、基本的に急性毒性から係数を掛けて求めた値と、長期の試験をやって求めた値、どちらが確からしいかということをまず考えなくちゃいけないです。魚種が違うから必ずしもそうは言えないということはあるかもしれませんけれども、あるデータで判断せざるを得ないのであれば、その中でもっとも確からしい、より確からしいものを採用するという考え方に基づいて、今回は、逆転はしますけれども、メダカの長期毒性のデータに基づいた値を採用するという考え方にしていると思います。

○須藤委員長 それは、基本的にはそういう順番になると。亜鉛のときもそういうことでもめたんだけれども、長期毒性のデータがあったり、さらに慢性毒性があったので、それを採用したというのが基本線なんですね。

○岡田委員 特Bに合わせたんですよね、今回。Bのところを特Bに合わせているんですよね。要するに、同じところでの慢性と急性の比較だったら、それは慢性をとるべきだというのは当たり前なんだけれども。

○須藤委員長 わかりました。先生がおっしゃっている意味わかります。一般域のほうが低い値になっちゃったら変じゃないですか。

○岡田委員 それはそうです。それも百もわかって、そこのところは気楽に合わせていいのか、どういう論理だったのかというのを確認したかったんです。

○須藤委員長 今のような論理なんです、特Aも。要するに慢性毒が基本であると。データがなかったら、今のような掛け算をやっちゃったら低くなっちゃったと。低くなったんだったら、特に準じたほうがいいでしょうと。やさしく言っちゃうとそういうことなんですよ、先生。亜鉛もそうなんですよ。同じ値になったでしょう、0.3、0.3。あれから、また先生からいろいろ意見があって、例えばの話、生物Bの一般のほうが、特Bよりも低い値に基準値を設けていいということにはならないと思うんだけれども、もしかしたら、そういうことがあってもいいのかもしれませんね、それは。

○岡田委員 そういうことは全然わからないんだけれども。

○須藤委員長 同じになっちゃったときには低いほうに合わせた、そうですよね。
 これは、今日は結論を出しません、どっちがいいかなんて言いませんから、もう一度やりましょう、基本線のところから含めて。よろしいですか。先生のご趣旨はわかりました。そういう意味でわかりました。
 では、大塚委員、どうぞ。

○大塚委員 さっき谷田委員のおっしゃったことがどうなったか、ちゃんとわかってないのですが、内分泌かく乱物質としての性格というのは、他国もやってないからやらないという整理なんですか。3ページの表2を見させていただいて、ほかの国もまだやっていないから、やらないということなんですか。関連するところがどこかに書いてあれば、教えていただきたいんですけど。

○須藤委員長 なぜやらないかということの根拠ですね。何行目に書いてあるとおっしゃってください。

○山本課長補佐 資料4では、内分泌かく乱作用については触れておりません。我が国でも内分泌かく乱作用を念頭に置いた評価をどうしたらいいのかという段階にございます。今回の環境基準等の設定の検討という俎上に、内分泌かく乱作用を載せるというのは、諸外国も含めてやってございませんので、時期尚早だろうということで、慢性影響等につきましては、これまでの慢性毒性のテストガイドラインで着目している影響について整理をしております。

○須藤委員長 大塚委員、いろいろ環境保健分野でお仕事をされていらっしゃるので、ここでもこう見たほうがいいというご意見であれば、どうぞおっしゃっていただいたほうがよろしいので。この中では、影響の中から抜きましょうと、評価の中で抜きましょうになっているんです。

○大塚委員 結論はそれでも構わないんですけれども、今まで環境省が、90年代の終わりぐらいからずっと環境ホルモンについてはそれなりに検討されてきていると思うんですけれども、それでもやっぱり難しいというあたりは、何か議事録を残しておいていただいたほうがいいかなと思いますので、ご説明をいただけますか。

○山本課長補佐 EXTEND2010ということで22年7月に取りまとめられた報告書の「おわりに」のところで、「化学物質の内分泌かく乱作用については、試験法の開発等関連する知見の集積が進み、欧米では、特定の化学物質を対象とする知見の収集や、それを受けた行政施策の検討が今後進められると思われる。我が国においても、諸外国における検討を注視しつつ、環境行政としてとるべき対応を検討していく必要がある。」そういうような現状でございます。

○須藤委員長 やさしく言ってしまうと、この委員会では、それを受けて、まだそういう段階ではないから排除しておくということでよろしいね。排除しておくという言葉はじゃないな。まだ取り上げる段階ではないということでよろしいですか。

○山本課長補佐 はい。

○大塚委員 どこをどうすれば、今後、これについて検討がなされていく可能性があるんですか。

○山本課長補佐 内分泌かく乱物質について、どういうテストガイドラインに基づいて試験をやったら、それがきちんと適切に把握できるのかと、そういったテストガイドラインの確立と、評価手法の確立をしていくことで、今後、内分泌かく乱作用に関する評価が共通で実施でき、行政施策において内分泌かく乱作用の観点からの検討が将来的にはできるものだというふうに推察するところでございます。

○須藤委員長 先生、環境保健部でも検討するので、そっちで書いた文章なんで、ここだけで先にやってしまうというのもよろしくないので、私も多分そっちもお手伝いしているはずなんで、よろしくどうぞ進めて、検討は当分取りやめるなら取りやめるのでいいし、何となく中途半端ですよね、この問題。ですから、こういうときに問題になるので、今日は非常に具体的な問題をあげなくちゃいけませんので、ぜひ先生のほうからもご指導いただくようにお願いいたします。

○森田委員 環境ホルモン問題が、現況どういうふうに世界で係わっているかということと、規制のツールとして、そこに踏み込めるかどうかが、少し難しい状態にはあるんだと思うんですね。
 環境ホルモン自身の問題は、例えばREACHとか、ああいう中に少しずつ入りつつありますので、したがって、例えばROHSを含めて輸出入との関わりから、環境ホルモン問題は内外的に進んでいるんですが、その一方で、環境ホルモン作用というのは、いろんな測定方法があってできるんですが、それによって魚の数が減ってしまっているとか、魚が死ぬのかという議論になってくると、そこは若干距離がありまして、必ずしもそんな単純ではない。実際の影響としていろんなことが起こっている可能性があるけれども、それをエビデンスベースではうまく提出できない。したがって、規制の数値としてそのまま使いにくいというのが現状だろうと思うんです。
 ある種の簡易的な警告、ないしは問題提起としては非常に意味があるんですが、それを使ってすぐに規制までいくと、規制する側が相当違和感があるとおっしゃるでしょうし、したがって、こういったことを議論する毒性のサブ委員会の中の議論では、とりあえずそこまでは踏み込まないで、現在見えているような死ぬとか、LC50の明確に見えているパラメーターでつくってはどうかというのが現況です。
 その次に、それは、ここの中に環境ホルモンのワーキングがなくて、すごく社会的関心を集めたにもかかわらず無視しておるのかと、あるいは意図的に隠しておるのかという議論はちょっと難しくて、私自身の個人的な感想としますと、それをある程度作用が明示されるように入れていったほうがいいとは思うんですが、中途半端に、暫定的に入れないとか入れるとか、現時点では言わないほうがいいかなと。個人的な感想です。入れるとも入れないとも言えないと。今の段階ではですね。
 だから、次にどういうポジションをとるにしても、ある種の妙な形を残さないほうがいい。これは議事録になじむかどうか。感想はそんなことですね。それが一つあります。
 それから、谷田委員がおっしゃったホルモンの問題に触れないでやってよいかどうかというのは、この辺は、ホルモンを入れてきちんとやれるようなコンセンサスを委員会の中でとれなかったと。そういう話なんですね。
 10年先には様変わりしているかもしれないですけど、それはそのときにもう少し変えるとか、現時点ではそういう選択肢しかないのかな。では、それがわかるまで何もしないでいくというのでは、結構毒性が強いものですから、だから今のアプローチはそれなりに意味がある。
 もう一つ、岡田委員から提示されていた問題は、実は結構難しい話なんです。どういうことかと言いますと、魚の毒性試験は極めて大きな誤差を含んでいますし、それから、例えばコイだって同じコイじゃないということが平気で起こるんですね。私と岡田委員を比べても、同じアルコールを飲んでも、私はぐでんぐでんに酔っても、岡田委員はぴんぴんしているとか、同じホモサピエンスでもそれは平気で起こっている。したがって私たちがわかるのは、このあたりに線を引くのがよさそうだと。いろんなデータが蓄積をしてくると、このあたりという数字が実際は出てくる。それがいい相場感で決まっていく。そういうプロセスの中にあって、そこで個々のデータから厳密にこれだという決め方では、必ずしも最適化されないところもないわけではない。それは岡田委員、知っていらっしゃるんだけど、わざとおっしゃっているところがあって、答えるがどの程度厳密に要求されているかよくわからない。
 この間の海水中の放射性物質で、個々の理由づけはともかく、非常にいい数字だと私が申し上げたのは、要するに個々に理由をつけていくと、妙に変な数字に迷い込んでしまう可能性があるんですが、結果としては非常にいい数字になっているような感想をそのときに持ったのです。それで、こういうのも、そういう形で決めるということもあるかもしれないと。極めてぎりぎりと、言いにくいところがあるんだということだけは記録に残しておきたいんですけど。

○須藤委員長 ありがとうございます。では、どうぞ。

○谷田委員 今の話題とは違うのですが、亜鉛のときにも気になったんですが、目標値が1ですよね。それに対して、過去のデータの検出下限値が0.1ですね。目標値の10分の1が検出下限値です。これは、多分、改善されるのかなと期待はしているんですけど、26ページの検出状況の表を見ておりますと、私、分析屋でないのでよくわからないんですが、最近になって検出下限値が0.1で2003年、2002年のときは0.11、0.05と分析が上がっていくのでしょうけれども、例えば、先ほどちらっと補佐がおっしゃった1に対して、10分の1を超えている値は何とかといった、10分の1は下限値になっちゃっているんですね。そこら辺は資料を精査していただいて、うまい出し方を考えてください。

○須藤委員長 ありがとうございます。
 福代委員、どうぞ。

○福代委員 私の先ほどの質問とちょっと関連するんですが、私自身もちょっと誤解していたことがあって、環境ホルモンとしてのこの物質の検討を始めているのかというところがちょっとあって、そのエンドポイントというのは、生物種、多細胞生物、単細胞生物、あるいは魚であり関係動物であり、それによって受ける影響はそれぞれ違うだろうと。すなわち、ここでいう影響内容というものは、それぞれ生物にとってある特有の、単純に死ぬということじゃなくて、行動異常が起こるのとか、異常な増殖が起こるとか、そういうものを見ているから、この影響内容を細かく分けているのかなと。それにしてはちょっと書き方が不十分だなという意味で誤解をしていたんですね。ですから、今の皆さんの議論でやっとわかりました。ただ、資料としては、将来的な検討の上で、このビヘイビアがどう変わってくるのかとか、そういう部分は重要かと思いますが、その議論を今やるか、将来にするかというところの分かれ目で、どこまで詳しく書くかというところは、また改めて判断をしていただければと思います。

○須藤委員長 ありがとうございました。抜けているものは記載させたほうがよろしいですから、記号が何の意味かわからないというのはよろしくないと思いますので、修正をいただきたいと思います。よろしいですか。

○山本課長補佐 はい。

○須藤委員長 まだまだ議論があるかと思いますが、先ほど申し上げたように、ノニルフェノールの目標値は今日決めるわけではございません。幾つかの議論がございました。その議論を踏まえてもう一回議論をした上で目標値を確定していくという段階に行きたいということでよろしいですか。大体の方向性は皆さん理解していただいているんですが、今日確定じゃなくて、今の1.0、2.0のようなところもありますので、もう一回そのプロセスを議論させてください。ということで、いいですか、事務局。

○山本課長補佐 はい。

○須藤委員長 それから、実際の分析値とか、生産量の話とか、幾つか問題点があったので、それについてはどうぞもう一回資料を提供してください。
 それでは、残り少なくなりましたけれども、要監視項目の取り扱いについてご説明を願いたいと思います。少し早目にご説明ください。

○山本課長補佐 資料7をごらんください。平成15年にクロロホルム、フェノール、ホルムアルデヒドが要監視項目として設定され、平成17年度以降、要監視項目としての全国的なモニタリングが行われております。水生生物の保全に係る環境基準又は要監視項目として位置づけるか否かの判断基準については第一次報告において環境基準項目については、全国的に目標値を超える地点があるもの、また、目標値に近いレベルにある蓋然性があるものとされています。
 要監視項目については、監視対象として選定するものであることから、目標値に近くなる可能性が乏しいものを除き、幅広く選定するとされています。クロロホルムについては一般水域の目標値より低いレベルで検出されているが、特別域の目標値については超過する地点があるということ、フェノールについては、コイ・フナ域の目標値以上の値を検出していないものの、イワナ・サケマス域の目標値や特別域の目標値以上の値を検出した地点があること、ホルムアルデヒドについては、目標値の超過は見られなかったが、海域において目標値の10%値の超過が見られたことをもって要監視項目として設定しています。
 平成17年度以降、毎年度500地点以上で測定されております。なお、類型指定がされていない水域もあることから、検出状況は、淡水域、海域別の測定地点数に対しての割合として算出しています。
 クロロホルムについては、生物特Aの指針値を超過する地点はあるが、他の区分では超過する地点はないという状況です。また、10%値を超過する地点については、生物特Aで0.4から1.1%ということで、監視項目設定時の検出状況よりも増えているという状況ではありません。
 フェノールについては、淡水域の一般水域の指針値を超過する地点が1地点、淡水域の特別域の指針値を超過する地点が0.2から0.5%、また、淡水域の指針値の10%値を超過する地点、2.5%以下となっています。
 ホルムアルデヒドについては、指針値を超過する地点はなく、10%値を超過する地点は淡水域で1地点という状況です。
 それぞれの検出状況については、4ページ以降に載せております。
 8ページは、人の健康の保護に関する要監視項目の判断基準につきまして、平成15年5月の健康項目の専門委員会の資料を参考に載せてございます。環境基準項目については、具体的には基準値を超過する地点があり、かつ、基準値の10%値を超過する地点の検出率が数%のレベルであるものを環境基準項目とすることを基本とする。また、要監視項目については、指針値の10%値を超過する地点があるということを基本とするとの考え方でございます。
 参考2は、ホルムアルデヒドについて、指針値の10%値超過地点が1地点という状況でございましたので、その1地点の測定箇所等について載せております。四日市コンビナートの工場排水が流入する河川での測定結果でございます。大気中でもホルムアルデヒドが検出されており、ホルムアルデヒドがコンビナート等で使われている状況下であれば、公共用水域でも検出されるのではないかということで、10%値を越えたところは1地点ということでございますが、必ずしも地域の固有の事情での検出事例ではないということで、参考につけてございます。
 こちらにつきましては平成15年の考え方を参考に載せておるところでございますが、今般専門委員会を再開するに当たって、要監視項目の位置づけ、環境基準の位置づけをどう考えていくべきか、ノニルフェノールの次回の議論にもつながるところでございますが、改めてどういう考え方がいいのかという御意見等をいただければということで資料として用意したものでございます。

○須藤委員長 どうもありがとうございます。要監視項目の位置づけと同時に、要監視項目は基本的に環境基準項目の予備軍ですよね。これがこの程度出ているんだから環境基準にしたほうがよろしいというような検討も必要ですよね。そういうことでよろしいですね、基本的には。
 もう一つは、検討してから七、八年たっていますよね、目標値を出してから。10年はたっていますね。そうしますと、フェノールはもっと毒性があるんだとか、いろいろ生物をたくさんやったら、こうだった、ああだったというのが出てきているとするならば、指針値の再点検、再確認もしなくちゃいけないんじゃないですかね。その辺の3点をあわせてやらないと、よろしくないんじゃないかなと私は基本的には思うんですが、後で先生方のご意見を伺いますけれども、そういう位置づけでよろしいですか。

○山本課長補佐 はい。最後の1点でございますが、フェノール、ホルムアルデヒド、クロロホルムについて、最近の毒性情報について収集を行ったところ、フェノール、ホルムアルデヒドについては指針値を見直すための新たな毒性情報はないという状況でございます。なお、クロロホルムにつきましては、生物B、3,000µg/Lという非常に高い値になってございますが、そこについては新たな毒性情報があり、現在、その毒性情報の評価を行っておるところでございます。毒性情報の整理ができましたら、専門委員会にご報告して、要監視項目の指針値についてのご議論をいただければと考えてございます。

○須藤委員長 どうもご説明ありがとうございました。先生方からどうぞ。どなたでも結構でございます。三つの項目について、今後の検討をどういうふうにやっていったらいいかということです。クロロホルムは毒性が強そうだから指針値が低くなるだろうという一定の予想がついていると。フェノールは検出が少し多くなってきたんですね。
 では、岡田委員、どうぞ。

○岡田委員 さっきと同じことを確認したいんですが、これは年平均値という概念は入ってないんですね、今の時点で。もちろん、そういうデータはとれていないからしようがないと思うんだけれども。

○山本課長補佐 考え方として、基準の位置づけは年平均値で評価するものでございますが、測定データはこれまで何千地点で測定を行って、何地点超過しているという状況、そういったものを評価するときには、年平均値としてデータを集約してのものではなくて、1地点でも超えていれば、それは基準値として検討していくべき対象という形で、今まで健康項目でもそういった扱いで検討しておるところでございます。年平均値で指針値を超えない限り、基準値にできないと、そういうような取り扱いしていないところでございます。

○須藤委員長 岡田委員、そうしたほうがいいという意見ですか。

○岡田委員 いや、データがないところで、ぐじゃぐじゃ言うつもりはなくて、例えば、今まで年平均値のない議論をしてきたと。一方で、年平均値があった場合とか、同じ地点を何回か見た場合、どういう関係にあるかとか、だんだん少し詰めていかないと、よくわからないけど、この地点は超えたから、何%だから基準値にするというのは、ちょっとラフかなという気がするんです。要するに、精度を高めていく努力が必要ではないかと。

○山本課長補佐 先生のご指摘のとおり、物質によって季節の変動がどうなるのかという情報も可能であれば、私どもの公共用水域での要調査項目での調査ではございませんが、研究等で夏・冬での検出状況、年変動を見てみる資料が用意できれば、また検討したいと思います。

○吉田課長 半分推測で申し上げますと、指針値なり目標値なりを超えているケースはそんなに多くなくても、10%値を越える値がある程度計測されることによって基準値を超える蓋然性が高い、低いといったような考え方が、これまでされてきているのではないかと考えております。

○岡田委員 10%を超えたら、年平均値が基準値を超える可能性が高い、ちょっとすみません、今の。

○吉田課長 ですから、それも割合によりますが、つまり、基準値を超える蓋然性という言い方をしておりまして、それが高まってくると、こういうような考え方かと思っています。

○須藤委員長 健康項目を要監視項目から今まで幾つぐらい上げたかな、最近では三つ、その前は溶剤の分がたくさんあったんだけど、あのときは急に毒性が問題になったとか、何かもあったんだけれども、岡田委員の議論で言うと、今のような形で何%を少し超えたら、1個か2個あったらとか、10%を超えたのが1割ぐらいあったとか、そのときのここの議論の雰囲気で、それから、1,4-ジオキサンのときは水道に入っちゃって、これは早くやったほうがいいだろうと、そういうのもありました。あれは余り件数は多くなかったんだけれども、そういうもあったりして、必ずしも10%を幾つ超えたからというルールにはしてないですよね。もちろん行政のお考えと、この場の委員の先生のお考えで方向性は決まってきたというふうに思っておりますので、全く10%がないやつをやりましょうと言ったことは一度もなかったと思います。

○岡田委員 そうすると、その判断基準でやって、環境基準項目にしたと。そうすると、今度、きちんと計りますよね。計った結果、その判断基準が正しかったかどうかという事後評価ができますよね。それはどうなっていますか。要するに、ちょっと超えたから環境基準にしたと。計ってみたら全部NDだったといったら問題で、ある程度当たっていたらいいと僕は思うんですが。

○須藤委員長 結構当たっているね。

○山本課長補佐 環境基準を決めることで、行政上の政策目標として、その後、岡田委員、須藤委員長を初め先生の皆様方に決めていただいた排水規制を行うことにより、結果的に基準値を超過することはないということでございますので、環境基準にしていただければ、今検出されているこういう最大値もなくなるのではないかと考えてございます。

○須藤委員長 今の排水基準のことは、細見委員が担当するのですよ。また関係するので、目標値まではいいんだけど、基準値になったら、先生のほうにお仕事がいきますからね。
 どうぞ、谷田委員。

○谷田委員 後ろの表の見方を教えてほしいのですけれども、例えばフェノールですと、コラムが測定地点数分の検出地点があって、その次の検出範囲、これはわかります。検出下限というのは、最小値、最大値とありますが、これは計算方法が違うから物によってばらつく。それはいいですが、それだけ検出下限がばらついているのに対して、測定地点数分の検出地点をリストすることに意味があるんですか。

○山本課長補佐 この数字につきましては、まさに参考ということで、私どもは右側の基準値超過、10%値超過ということで、指針値に対してどういう状況になるのかと。ご指摘のとおり、検出地点ということで、参考までに左側の測定地点数分の検出地点を見ていただければと考えてございます。

○谷田委員 フェノールの一番上がわかりやすいですね。下限値の最小値が0.001µg/L、最大値が0.5mg/Lとすると、みそもくそも一緒にしてリストしているような気がするのですが。逆に、非常に下限値の粗いデータをスクリーニングして外してしまって整理したほうがわかりやすいんじゃないかという気がするんです。こういうのは余りやらないのですかね。

○吉田課長 ただ、そのときに、例えば大きな値が出ているケースもあり得ますから、なかなか一概には。

○須藤委員長 検出限界が高いやつなんて何か出てくるんじゃないですか、これで計れているんだから。

○谷田委員 いや、逆のケースが入ってしまいますね。検出されなかった、本来はNDになるべきでないものがNDになっているケースがありますね。そっちが気になるだけです。参考資料とおっしゃるので、それでいいです。

○須藤委員長 しかし、森田委員、これは測定方法も全部指定しているのですよね。要監視項目でもそれぞれの測定機関に対して全部測定法は差し上げているんですよね。

○森田委員 そうだと思います。測定は相当感度よくできますので、こういう数字で基準を設定されても10分の1は十分計れます。
 もう一つは、ここで基準値として提案されている毒性のデータを含めたやつとこの数字は、基本的に魚は死なないというぐらいの数字なんですね。だから、ある意味で、それで環境は本当に守れるのかという突っ込んだ議論をすると、先ほどのホルモンの問題もあるし、いろいろなものが残っています。だけど、要するに、とにかくみんなが受け入れられるぎりぎり低い、ぎりぎり高い、そういう数字だとご理解していただいて、先ほどの岡田委員の検出頻度とか何かあたりも、それを含めてお考えいただきたいと。
 どういうことかというと、年平均かどうかとか、その議論も一方でありますけど、死なないというのは確かに死なないんだけど、本当にずっと大丈夫かという議論もありますので、しかもここの部分は、先ほど座長がおっしゃったように、頻度みたいなやつはシチュエーションに応じて一般化されないで、今まで運用されてきたような感じがします。
 例えば、トリクレンとかパークレンみたいなやつを環境基準にしたときは、発生頻度は0.1%ぐらいです。そのぐらいで上げてきたような経緯もありますし、それから、運用として、1年間ずっと測定をして、その平均値でもって議論したことはないような気がします。むしろ実際に起こった件数が何件あってという話で、今までずっと積み上げてきたというのが今の話で、今まで積み上げてきたものとは全く新しく、非常に厳密にというふうにはしていないので、したがって、ある種の行政の連続性からいえば、今までどおりやったほうがいいかなという感じはします。

○須藤委員長 そういうことでありましょう。
 それでは、森田委員からも測定法の問題、頻度の問題の話があったんだけど、私も一つだけ気になるのは、人間の健康項目の場合は、水道水の汚染があったり、それで非常に決めやすいんだけれども、水生生物の場合はそれとは別ですよね。今、私もいつも報告しているんだけど、全国で水質事故が年々増えているし、国土交通省のやっている一級河川も増えているんですよね。その中で、わからない項目があったり、あるいはわかっている項目でも、今までの項目じゃないもの、フェノールがあったとか、クロロホルムがあったかどうか知りませんよ。そういうのがあったら、それは拾ってみてくれませんか。水質事故で原因物質がわかっているものがあったら。これは基準値の問題ではなくて、水質事故を起こすんだったら、これはやはり上げておいたらいいじゃないですか。魚が浮き上がったと。いわゆる水質事故ですよね。全国の一級河川で上がっているじゃないですか、1割ぐらいですか。そういう河川の事故原因は、3分の1ぐらいはわかっていると思いますので、そういうものがあるならば、農薬は別にしておいて、水質事故の原因があるならば、そういう中にフェノールなり、こんなものが入っていたら、これはもうやったほうがいいわけでしょう。根拠としてなりますよね。岡田委員が言うように、計らなくたって事故を起こしているんだから。この間の1,4-ジオキサンと同じじゃないですか。

○田尾委員 要監視項目について、今までの連続性からいうと超過率でやるというのが一つのあれでしょうけれども、ある意味では、要監視項目だろうと指定しているわけですから、改めていくべきだと思うんですね、あり方として。要監視項目であったものに関しては、測定地点を当然500地点ぐらい増やしているということと、それに関して幾つかの点を選んで、平均値を出せるようなシステムを考えていったほうがいいと思うんですね。だから、その二つからちゃんと年平均値と、いろんな地点での測定値を求めていくということを、せっかく要監視項目に指定しておいて、それができないというのは非常に怠慢じゃないかなと僕は思います。

○須藤委員長 地方自治体にやらせるものだから、そちらの能力の問題と、こちらから予算をつけて出せばやってくださるんですけど、そこができてないんでね。決めましたよ、どうぞよろしくなんですね。

○田尾委員 全部でやる必要はないと思います。ある地点は平均値を出せるように。

○岡田委員 私が結構しつこく申し上げたいのは、地方自治体の方が、例えば亜鉛なんて計りたくないと、こういうことをおっしゃる方がいるんですね。要するに計るのが大変で、亜鉛を計るよりも放射能を計ったほうがいいと、変な話ですけどね。今、座長がおっしゃったように、予算もない中、人も少ない中で、項目が増えてくると計るのがすごく大変だというクレームを聞くものですから、もう少し納得してもらえるようにつくっていただいたほうがいいかなと。

○須藤委員長 わかりました。要監視項目ももう一回議論させていただきますが、方向性は、さっき私が申し上げた三つぐらいのところで、それから田尾委員から、もっとシステム化してちゃんとデータをそろえられるような体制をつくっておきなさいと、これも当然でございますが、今の自治体のレベルやら能力やら予算やらという問題も抱えていますので、こういうものあわせてもう一回議論させていただきます。
 その他として何かございますか。

○山本課長補佐 それでは、次回の専門委員会でございますが、今日いろいろご指摘いただきましたノニルフェノールの検出状況の資料など、水質目標値をベースに整理をさせていただいて、水質目標値、今日の値を念頭に項目の位置づけなどについてご審議いただきたいと考えてございます。
 なお、次回の日程につきましては、秋ごろを考えてございますが、改めて先生方のスケジュールにつきましてご確認させていただいて、セットさせていただきたいと考えてございます。

○須藤委員長 どうもありがとうございました。まだご議論があるかもしれませんが、それでは、これをもちまして本日の議事を終了させていただきたいと思います。
 委員の皆様には熱心なご討論をいただき、まことにご協力をありがとうございました。どうもお疲れさまでございました。

午後5時03分 閉会