中央環境審議会水環境部会 瀬戸内海環境保全小委員会(第9回)議事録

議事次第

開会

議題

(1)瀬戸内海環境保全特別措置法等に基づく取組状況について

(2)きれいで豊かな海の確保に向けた検討について

閉会

議事録

午後1時29分 開会

○伊庭審査係長 それでは、定刻より少し早いですが、委員の皆様お集まりいただきましたので、ただいまより中央環境審議会水環境部会第9回瀬戸内海環境保全小委員会を開会いたします。

 委員の皆様におかれましては、お忙しい中ご出席をいただき、まことにありがとうございます。

 本日の出席状況でございますが、委員23名中12名のご出席をいただいております。前回の委員会後に委員の改選がございました。今回からご参画いただくこととなりました委員のご紹介をさせていただきます。

 上田直子委員でございます。

 江種伸之委員でございます。

 内藤佳奈子委員でございます。

 また、秋山和裕委員、奈須寿郎委員におかれましても新たにご参画いただくこととなりましたが、本日はご都合によりご欠席とのご連絡をいただいております。

 ほかの委員につきましては既にご紹介させていただいておりますので、委員名簿をもって紹介に代えさせていただきます。

 なお、大塚委員、白山委員、岩崎委員、沖委員、田中委員、千葉委員、中瀬委員、西嶋委員、西村委員につきましてはご都合によりご欠席とのご連絡をいただいております。

 また、水・大気環境局長の高橋は所用のため1時間30分ほど遅れてまいりますので、委員会の最後にご挨拶をさせていただきます。

 私は本日進行を務めさせていただきます、閉鎖性海域対策室の伊庭でございます。どうぞよろしくお願いします。

 続きまして、お手元の資料の確認をさせていただきます。一番上に議事次第と配席図がございまして、その次に資料1が委員名簿、資料2-1が関連予算、資料2-2が基本計画の指標の状況、資料3-1が環境省の施策、資料3-2が文化庁の施策、資料3-3が農林水産省の施策、資料3-4が国土交通省の施策、資料4がきれいで豊かな海の確保に向けた検討の進め方について、資料5が3つの束に分かれてございますが、湾・灘ごとの水環境の変化状況について。一つ目の束が水質、2つ目の束が底質、3つ目の束が底生生物となっております。また、資料6が湾・灘ごとの水環境等を取り巻く課題について。

 その後ろに参考資料を付けております。参考資料1-1が法改正の概要、参考資料1-2が法律の条文、参考資料2-1が基本計画の変更の概要、参考資料2-2が基本計画の本文、参考資料3が瀬戸内海の環境の保全に関する府県計画の変更についてとなっております。

 また、最後に本日ご欠席の秋山委員より事前にご意見を書面でいただいておりますので、こちらも付けさせていただいております。

 不足がございましたら事務局にお申し付けください。

 本日の会議は中央環境審議会の運営方針に基づき公開とさせていただきます。

 なお、プレスの方はこれ以降の写真撮影等はお控えいただきますようよろしくお願いします。

 それでは、この後の議事の進行につきましては岡田委員長にお願いしたいと思います。岡田委員長、よろしくお願いします。

○岡田委員長 かしこまりました。委員の皆様方におかれましては年度末の大変ご多用の折ご出席いただきまして、まことにありがとうございます。

 早速ですが、議事に入りたいと思います。

 最初の議題、瀬戸内海環境保全特別措置法に基づく取組状況についてということになっております。事務局よりご説明をお願いいたします。

○坂口室長補佐 瀬戸内海環境保全基本計画の変更につきましては、平成25年より本委員会において7回にわたりご審議いただき、平成27年2月に閣議決定されました。また、新たな基本計画の中では計画の期間を概ね10年とし、策定時から概ね5年ごとに計画に基づく施策の進捗状況について点検を行い、必要に応じて見直しを行うとされております。

 また、同年10月には特措法が改正され、改正法でも同様に施策の効果に関する評価を踏まえ概ね5年ごとに基本計画に検討を加え、必要があるときは計画を変更するということとなっております。このため、施策の進捗状況については定期的に本委員会で確認を行っていきたいと考えています。

 本日は関係省庁にもご協力いただきまして、資料2-1として関連予算、資料2-2として基本計画の指標の状況について資料をご準備しております。取組の実施に当たっては関係省庁とも連携して進めていく必要があると認識しておりますので、今回の委員会におきましても改正法や基本計画に基づき施策を進めていただいている関係省庁の皆様にもご出席いただいております。後ほど各省庁より施策の取組状況等についてご紹介いただく予定です。

 それでは、早速ですが、お手元の資料2-1についてご説明させていただきます。

 資料2-1は前回の委員会に引き続き、瀬戸内海の環境保全に関する施策及び予算を整理しております。表の一番左の列に特別措置法の該当箇所、2列目が基本計画の該当箇所を記載しておりますが、こちらには基本計画のうち「目標のための基本的な施策」の該当項目を記載しております。法律の条文と基本計画の本文につきましては参考資料としてお配りさせていただいておりますので、適宜ご参照いただければと考えております。

 表を簡単にご説明しますと、例えば1枚目の12条の3というのが2つございますけれども、ここが水質汚濁防止法の総量削減に関係する施策となってございます。また、その下の14条の関係は特措法の「下水道、廃棄物処理施設の整備等」の関連施策となっております。

 裏面にまいりまして、2ページの真ん中、18条関係でございますけれども、こちらが特措法の「防除技術の開発等の促進」ということで、赤潮の発生機構の解明や防除技術といったような施策が盛り込まれております。また、その下の19条は赤潮等の対策についての条文になりますが、それに関連する施策を載せさせていただいているというところでございます。

 続きまして、3ページのほうにまいりますと、19条の4というのが5行目から5つほど並んでおりますけれども、こちらが法文上の「瀬戸内海の環境調査」というのに対応するような各種環境調査、こちらは環境省が実施しているものでございます。

 4ページ目をご確認いただきますと、平成27年度改正で新たに加わった文化的景観の保全というものに対応した予算についても載せさせていただいたところでございます。

 前回の委員会におきましては、できれば予算額を内数表記ではなく切り出してほしいというご意見いただいたところでございますが、関係省庁とも相談の上いろいろと検討させていただきましたが、瀬戸内海の境界線をまたぐように事業が行われているといったことなど、なかなか内数、事業ごとに切り分けるというのが困難だったため、今回も大変恐縮ですが内数表記とさせていただいております。

 資料の詳細につきましては既に前回ご紹介させていただいておりますので、本日は詳細な説明は割愛させていただきます。先ほど申し上げたとおり、後ほど各省庁から主な施策の取組状況についてご紹介いただきます。

 続きまして、資料2-2、こちらは前回の委員会に引き続き基本計画で定められた評価指標の状況を整理しております。前回の委員会から1年がたちましたので、データを更新できた項目については前回お示しした数値の下の段に最新の数値を記載するという形にしています。

 また、一部の指標につきましては資料作成の都合上、議題2でご説明いたします資料5に掲載させていただいております。

 なお、こちらの資料につきましても詳細な説明は割愛させていただきますが、後ほど各省庁から施策の取組状況についてご紹介いただきますので、適宜ご参照いただければと考えております。

 それでは、続きまして、各省庁より施策の取組状況についてご説明させていただきますが、まず事務局である環境省より主要施策についてご説明させていただきます。資料3-1をごらんください。

 資料3-1、豊かさを実感できる海の再生事業でございます。瀬戸内海等の閉鎖性海域では水質は全体としては改善傾向にございますが、一方で赤潮や貧酸素水塊等の問題というのが依然として発生しております。

 また、生物多様性・生物生産性が確保された豊かな海の観点から、藻場・干潟の保全・再生・創出、栄養塩類の適切な管理、気候変動による影響把握等の重要性が指摘され、閉鎖性海域をめぐる新たな課題に対応した調査検討が必要とされております。

 このため、平成27年度から、藻場・干潟の分布調査や水質改善技術の効果等を全国的に事例を収集し、今後の全国的な取組の参考とするように事例集という形でとりまとめるような調査、底質、底生生物等の総合的な調査により過去から現在までの変化を比較・分析する調査といったものを進めております。また、平成28年度からは気候変動による水質、生物多様性・生物生産性への影響の把握調査、影響を踏まえた適応策の検討といった調査を開始したところでございます。

 これらの検討結果を踏まえ、「きれいで豊かな海」の確保に向けた方策の検討を進めているところでございます。この検討結果を踏まえまして、今後、小委員会でも瀬戸内海のきれいで豊かな海の確保に向けた検討についてもご議論いただきたいというふうに考えているところでございます。

 続きまして、次のページ、先ほど紹介した藻場・干潟の分布状況の調査の概要でございます。瀬戸内海における最新の藻場・干潟分布域及び面積を客観的手法で把握するため、新たに衛星画像の解析手法を用いた調査を平成27年度より開始しております。平成27年度に調査を実施した瀬戸内海東部(紀伊水道、大阪湾、播磨灘及び備讃瀬戸)では、藻場の面積が3,920ha、干潟面積は1,023haという結果が得られております。また、前回までの既往調査ではヒアリングを主体として調査をしておりましたので、今回の調査結果の一部エリアを抽出し、経年変化を試算しております。この試算の結果、今回の調査では藻場の面積は約40%、干潟面積は約4%の増加が見られました。

 今後、瀬戸内海の中部・西部海域についても計画的に調査を進め、随時結果を公表させていただければと考えております。

 なお、27年度の調査結果につきましては一番下にございます環境省のホームページにて公開中でございます。

 続きまして、気候変動による影響把握等の検討の概要でございます。豊かな海の観点から、気候変動による影響把握等の重要性が指摘され、瀬戸内海環境保全特別措置法の基本計画及び「気候変動の影響への適応計画」においても調査・研究の推進が必要な旨が盛り込まれました。

 こういったことを背景としまして、平成28年度より瀬戸内海を対象として気候変動による水質、生物多様性・生物生産性への影響等に係るデータ分析及び各種検討を開始しております。

 本年度は主に既往の水質、底質、底生生物のデータを活用しまして長期トレンドの解析、また、気候変動の影響を把握する上で重要な植物プランクトンの種の遷移等に関する実験手法の検討、数値モデルを用いた将来予測及び環境影響評価手法の検討、シナリオの検討等を進めているところでございます。

 続きまして、海岸漂着物等地域対策推進事業でございます。海岸漂着物処理推進法第29条に基づきまして、都道府県や市町村等が実施する海洋ごみに関する地域計画の策定や、海洋ごみの回収・処理、発生抑制対策に関する事業に関し、補助金によって支援を実施しているところでございます。瀬戸内海環境保全基本計画の中にも本法に基づく地域計画と連携し、ごみ回収等の推進をしていくということが位置付けられているところでございます。

 地域計画策定事業につきましては補助率が2分の1、回収・処理事業、発生抑制対策事業につきましては補助率が10分の7~10分の9という補助率でございます。予算実績は、平成28年度の実績が4億円、27年度補正予算額が26億円と。平成28年の補正につきましては27億円ということで1億円増額しております。平成29年度の予算につきましては4億円という形で要求させていただいているところです。

 続きまして、これに関連する海洋ごみの調査の実施について説明させていただきます。環境省では全国の海岸におきましてモニタリング調査を実施するとともに、沿岸海域、沖合海域において漂流ごみの目視調査、またマイクロプラスチックの採取、海底ごみの採取等を実施しております。漂着ごみ調査については今後6年間で23カ所の海岸をモニタリング調査し、ごみの量や種類、組成、製造国といった情報を収集・整理していく予定としており、平成27年度は下の日本地図の箇所で実施させていただいたところでございます。

 漂流ごみ調査につきましては、沿岸海域または沖合海域において船上から海面上のごみを目視で確認して、海域別のごみの密度及び現存量を推定するといった調査をしております。平成28年度はむつ湾、若狭湾、富山湾でこの沿岸海域に関する漂流ごみの調査を実施しているところでございます。

 海底ごみ調査につきましては、海底ごみを採取・分類し、海域別のごみの密度及び現存量を推定するといった調査を継続してございます。

 マイクロプラスチック調査でございますが、マイクロプラスチックについてその海洋汚染の実態把握を推進するということで、日本周辺海域等における分布の状況、また、マイクロプラスチックに吸着しているPCB等の有害化学物質量の調査を現在進めているところでございます。

 続きまして、広域総合水質調査の実施ということで、水質総量削減の指定水域、東京湾、伊勢湾、瀬戸内海を対象に統一的な手法による調査を昭和53年度より年4回実施してきております。各指定水域の現状把握や水質総量削減の在り方の検討など、水環境保全対策の検討に係る基礎資料として活用しておりまして、後ほどご紹介いたします資料5のほうでもこの広域総合水質調査の結果も踏まえてご説明させていただければと考えているところでございます。

 続きまして、自然環境保全基礎調査を、自然環境保全法第4条の規定に基づき、1973年より実施しております。瀬戸内海を含む沿岸域の調査については第1回自然環境保全基礎調査より現在までに海域自然度調査や海岸調査、藻場・干潟・サンゴ礁調査等を実施しております。

 この中の一つである浅海域生態系調査につきましては、平成14年~19年に前回の調査を実施し、この際は分布はやっておりませんけれども、各干潟で出現した生物の記録・採集、瀬戸内海関係では32カ所の調査地で実施をしております。また、藻場につきましても潜水調査による出現種の記録等、瀬戸内海の関係地域では15カ所の調査地で実施をさせていただいているところです。この一連の調査の中で過去に藻場・干潟の分布調査が実施されており、現在実施している藻場・干潟調査結果との比較というのをさせていただいたところです。

 右側に移りまして、沿岸域変化状況把握調査でございます。自然海岸及び半自然海岸の砂浜・泥浜について海岸線及び面積等を調査し、1970年代と2000年代の変化状況を量的及び質的に把握する調査で、平成22年から開始し、平成27年度末までに全国における対象海岸の84%を調査いたしました。瀬戸内海においては平成27年度に完了しています。

 続きまして、重要生態系監視地域モニタリング推進事業、モニタリングサイト1000というものでございます。平成15年度以降順次サイトを設定し調査を進めております。我が国の代表的な生態系を対象に、全国約1,000カ所の調査サイトを設け、生態系の変化等を長期的かつ定量的に把握するという調査でございます。生物多様性の保全や適応の関係など各種施策の企画立案等に活用することとしております。

 実施状況でございますが、瀬戸内海では若干海域が少ないのですが、下の表の青いセルの部分が海域の調査という形で調査地点を設定しております。

 調査結果の例については右下に提示させていただいておりますが、安芸灘のアマモの調査でございまして、下に調査地点間の距離ということで、海岸線からの距離でまず地点をステーション1から7まで配置し、ステーション7から今度水深方向にステーションを配置し、調査を開始しております。この結果では、アマモは生育が良好で、岸側にやや分布を拡大しているという結果も得られています。例えばステーション3の平年値と2014年を比べるとちょっと上がっているというところでございます。

 最後になりますが、環境省の施策としまして、水質汚濁防止法に基づく第8次総量削減基本法の指針が平成28年9月30日に策定をされました。第8次水質総量削減の在り方について、平成27年12月に中央環境審議会の答申をいただきました。この中では、東京湾、伊勢湾については今後も水質改善を進めていく必要がある、大阪湾については窒素及びリンの環境基準の達成状況を勘案しつつ、特に有機汚濁解消の観点から水環境改善を進める必要がある、大阪湾を除く瀬戸内海につきましては、現在の水質が悪化しないように必要な対策を講じるとされています。

 この答申を受け、海域ごとに目標年度を平成31年度としまして、削減目標量を発生源別、都道府県別に定めたところです。また基本方針の中では汚濁負荷量の削減の方法としまして、総量規制基準の設定や下水道・浄化槽等の整備のほか、藻場・干潟の保全、再生、底質の改善、また港湾等の生物共生型護岸等の採用、深掘跡の埋戻しといった個々の施策についても位置付けさせていただいたところでございます。

 基本方針を踏まえ、本年6月をめどに各都道府県の総量削減計画が定められる予定となっております。

 環境省の施策につきましては以上でございます。

○岡田委員長 ありがとうございました。

 それでは、ただいまのご説明に関しましてご質問等ございましたらお願いいたします。

○細川委員 ご説明ありがとうございました。今の環境省さんからのご説明のこの資料3-1の位置付けですけれども、いずれは成果が出たら資料2-2のフォローアップの指標などにとりまとめ、反映されるものになっていくという理解でよろしいでしょうか。

○坂口室長補佐 そのように考えております。

○細川委員 はい。その上で質問が一つ。資料2-2の藻場面積・干潟面積は、これからいろいろ議論になるであろう大事な指標だと思うのですが、資料2-2ですと平成5年度とか18年度とかほかの指標に比べてやや古い年度の数字が記載されておるように思います。一方、今資料3-1でご説明いただいたのは、例えば2ページ目では既往調査と比較して今回調査で藻場面積が4割ふえているとか干潟面積が4%ふえているとかというような地域が限定されているので資料2-2には反映できていないようですけれども、こういった比較が新しく進んでいるということのようです。見ると、例えば資料2-2の平成5年度の調査と今回の2ページの調査とはどんなふうに比較するのだろうかとか、既往調査、平成元年、2年と比較してと書いてあるけれども、既往調査というのが資料2-2にどんなふうに反映されているのだろうかとか、資料の相互の関係性というのがちょっと見にくくなっているものですから、これが今後どのように整理されてどんなふうに資料2-2に反映されていくのであろうかというところについても見通しを教えていただければありがたいなと思います。

 以上です。

○坂口室長補佐 資料2-2の藻場の調査と先ほどの環境省施策の藻場分布調査の関係でございますけれども、平成5年度は自然環境保全基礎調査のほうで浅海域の調査で実施されておりまして、資料3-1のほうの調査は現在東部海域のみとりまとまっているということで、まだこの結果は反映していないところでございます。

 今後藻場調査、分布調査が一通り終了しましたら、この平成5年の下に今回の結果というのは入れていくというふうには考えておりますけれども、若干先ほど十分にご説明できませんでしたが、前回と調査手法とかが異なるものですから、そういったところの補足も入れながら資料のほうには反映させていただきたいと。藻場・干潟分布状況調査につきましては全体がとりまとまりましたら、また改めて小委の場なりでご報告させていただけるかなというふうに考えております。

○岡田委員長 ありがとうございました。よろしいですね。

○細川委員 ご説明いただいた資料3-1の7ページにも似たような沿岸域変化状況把握調査などありますけれども、これらもいずれは資料2-2のほうに反映されるというべき調査ですね。

○坂口室長補佐 そうです。毎年やっている調査は毎年反映できるのですけれども、何年かおきにやっているようなものはその際に反映していくというように考えております。

○岡田委員長 よろしいですか。はい、ありがとうございました。

 ほかにございますでしょうか。どうぞ。

○池委員 同じところになるのですけれども、藻場・干潟の調査が衛星画像の解析に変わっていくということになっていますので効率が上がると言いますか、ように考えるのですけれども。前はフィールドでやっているので毎年やってというわけにはいかないということで部分的にやっていたのが、衛星になってくると、もし方法が確立すると毎年のようにと言いますかある程度出てくるのではないかという気がします。そういう見込みとしてはどうなのでしょうか。

○坂口室長補佐 今回瀬戸法の改正を受けまして、まずは瀬戸内海をということで実施させていただいておりますけれども、生物多様性センターのほうで過去やっていた浅海域の調査の一環として、今後、藻場をどう扱っていくかといったところも検討しているところで、頻度というところにはちょっとまだお答えできるものを持ち合わせておりません。

○池委員 効率としてはやはり上がってくるのだという気がするのですけれども、一方で実際のフィールドを今までやってきたのに対する精度と言いますか、衛星の解析で十分な精度を持っているのかというのは逆に気になるところでもありますけれども、それは検証ができているか。

○根木閉鎖性海域対策室長 この衛星を活用した調査は、衛星だけではなくて現地の調査も行いまして、それで併せてやってきているということでありまして、そういう意味ではやはり3年ぐらいはかかるかなと。3年で一通り見られれば、例えば基本計画などが5年スパンでフォローアップしていきましょうというところにははまっていくのかなと考えております。

○池委員 ありがとうございます。

○岡田委員長 ありがとうございました。

 高村先生、どうぞ。

○高村委員 3ページの気候変動による影響把握検討の概要というのは結構長期的に見ていく必要もあるし、場合によっては過去の既存のデータを活用して掘り起こして傾向を見ていくということが大事になってくると思います。それで、その植物プランクトンに着目した実験等に係る検討というのが、これがちょっとその気候変動による影響把握検討の概要の枠組みの中でどういう文脈の中でこういうのがされているのか。実験等による検討ですからどういうふうな計画でどういうふうにやるのかというのがちょっと理解ができない、これだけのご説明ではちょっとわかりにくかったので、教えていただけたらと思います。

○坂口室長補佐 瀬戸内海におきましては、ノリの漁獲量と栄養塩の関係、もしくは水環境の関係というのが現在地域のほうでは大きな関心になっておりまして、その関係で特に近年、後ほどご紹介しますけれども、近年プランクトン種が遷移してより大型の珪藻類がふえてきていると。そういった珪藻類に適した環境に水質が変わってきているのではないかと。水温が特にそれに関与しているのではないかということで、複数種のプランクトンを採集し、水温や栄養塩の違う条件下でまずは培養実験をやって、その競合関係とかを見ていくというような調査で、それに加えまして、それをパラメータとしてこの気候変動の将来予測とかでもこの海域のプランクトンの変動とかを見ていけないかということで。

 現在まずプランクトンの遷移を見る実験系をつくった段階ではございますけれども、来年度以降、それを実際に実施していくというような状況でございます。

○高村委員 実証実験というのは研究者がやってもかなり難しいというか、客観的に証明することが非常に難しいと思うのですね。それで、やはり行政の事業というのはモニタリングとかそういう事業はまあまあいいと思うのですが、担当の行政官は研究者でありませんからその辺のサイエンティフィックな方法が適切かどうか、その実験をして果たしてものが言えるようなものが出てくるのかどうかというふうなことをやはり何かしら、そこに少なくとも何かの研究者が関与してやっていただくというふうなことが望ましいと思うのですが。

○坂口室長補佐 今年度は研究者の方々を含めた検討会を設置しまして、トレンド解析からその実験系をどうつくっていったらいいかとか、将来のモデルをどういう形でつくっていくかというような議論をさせていただきまして、実際の事業は国立環境研究所で進めていただいているというところでございます。

○岡田委員長 はい、ありがとうございます。よろしいですか。

 ありがとうございました。では、どうぞ。

○鷲尾委員 ただいまの件に関連しましてですけれども、珪藻の大型化というのを温度変化の中でとらえようという計画ですけれども、こういう事象があったときには瀬戸内海の中の窒素、リンバランスが大きく変わった時期と符合しております。そういう意味ではリン規制がかかって窒素過剰になった状態の時期に大型珪藻が多くなってきたという傾向ですので、温度環境よりも栄養環境の分析のほうを軸に置いたほうがこの現象の説明にはつながるのではないかという気がしておりますので、置くべきところが違うような気がしております。

○坂口室長補佐 ご指摘ありがとうございます。栄養塩についても同じように見ていきたいというふうには考えております。気候変動の業務でやっているものですから、こういう形の位置付けでご紹介させていただいたところです。

○岡田委員長 それでは、今後検討をよろしくお願いいたします。

 少し時間が押していますので、申しわけございませんが、次の報告に移らせていただきます。それでは、続きまして、文化庁様よりご説明をお願いいたします。

○文化庁市原文化財調査官 資料3-2を用いまして文化庁の施策についてご説明いたします。文化庁の市原と申します。

 2つに分かれておりまして、文化的景観保護制度、あと伝統的建造物群についてです。

 まず、文化的景観保護制度についてご説明申し上げます。黄色い部分が制度の概要でして、左下が事例、右のピンクのところが選定までのプロセスとなっております。文化的景観保護制度につきましては平成16年の景観法以来、文化庁のほうで所管しているものでございます。棚田、里山、歴史的な集落など地域の生活または生業によって育まれた地域固有の風土による土地利用が日本各地で展開されています。国は、こうした文化的景観のうち、①特に重要で、②保護の措置が講じられているものについて都道府県または市町村の申出に基づき重要文化的景観に選定します。この内容については後ほどピンクのところでご説明します。平成29年3月1日現在、全国で51件の重要文化的景観が選定されております。

 国は、地方公共団体が行う①調査、②保存計画策定、③整備、④普及・啓発の各事業に対して、原則として経費の2分の1を補助しています。

 これが制度の概要でございまして、実施状況ですが、左下にございますように、瀬戸内海の地域で申し上げますと、こちら宇和島市にあります遊子水荷浦の段畑、また大分県ですけれども、別府市の湯けむり景観、また国東半島の田染荘小崎の農村景観というのがただいま選定されておりますし、資料2-2のほうで1件ふえておりますが、それは愛媛県の松野町というところの段畑でございます。現在その他にも山口県、愛媛県、福岡県、大分県などで文化的景観の保存調査について取り組んでおりまして、今後選定数はふえていくものと考えられます。

 ピンクの部分の選定までのプロセスを簡単にご説明いたします。都道府県・市町村の申出によりますけれども、そのどちらかが景観法に基づく景観行政団体になることが前提となっております。その後、文化財部局のほうが委員会等を設置しまして、学術的な文化的景観保存調査を行います。これは自然的な側面、また歴史的な側面、また現在営まれている生活または生業的な側面を調査いたしまして景観というものを分析していくことになります。その後、それをここにございます文化的景観保存計画というものを定めることによって先ほど申しました保護の措置というものを講じることになります。この間経費補助と右にございますけれども、2分の1の補助を文化庁のほうからさせていただいております。その内容に基づきまして景観法その他の法律に基づく条例を景観行政団体の都道府県または市町村のほうで定めていただきまして、それで重要文化的景観の選定地域になるということを市町村及び所有者、住んでいる住民の方々に同意いただきまして選定申入れをされることになります。大体その選定されたものを文化審議会というところにかけまして、国の中でそれが重要であり今後も保護していく必要があるということが認められたものについて文化的景観が重要文化的景観になるという仕組みになっております。

 この間ですけれども、大体4年間ぐらいやっているところが多いです。3年ぐらい調査をされて1年計画を策定して申出されているというところが今のところ多いというようになってございます。

 選定されますと、下にございますけれども、重要文化的景観に係る修理・修景・復旧・防災等の事業ということで、これらについても50%の補助が出ます。修理・修景ということで、外観ですとか建物の主構造、または棚田等の公共的な部分、石積みや農道、そういうようなものを景観に配慮した形で修理・修景することについてお手伝い、または防災事業、地震や集中豪雨等になった場合の災害復旧についても対応させていただいております。

 以上が文化的景観保護制度についての説明でした。

○文化庁稲垣技官 引き続きまして、文化庁の稲垣より、歴史の町並みの保存制度ですね、伝統的建造物群についてということでご説明させていただきます。伝建制度も文化的景観と同じように市町村の主体性を尊重して、都市計画等と連携しながら歴史的な集落や町並みの保存と整備を行っているものでございます。伝統的建造物群は文化財保護法により、周囲の環境と一体をなして歴史的風致を形成している伝統的な建造物群で、価値の高いものとされる文化財でございます。

 市町村や市町村教育委員会は、伝統的建造物である建築物や工作物とともに、これと景観上密接な関係にある樹木、庭園、池、水路、石垣等を環境物件として特定いたします。また、これらを含む歴史的なまとまりを持つ地区を伝統的建造物群保存地区として決定し、保存を図っていきます。国は市町村の申出に基づきまして、我が国にとって特に価値が高いと判断されるものを重要伝統的建造物群保存地区に選定いたしまして、市町村や市町村教育委員会等によります修理や修景、防災事業や耐震対策等に対して国庫補助を行う。また、保存地区内の建造物の所有者等を支援するために、相続税や固定資産税の減免など税の優遇措置がとられております。

 ちょっと補足いたしますと、資料2-2でございますけれども、平成27年時点の数値ですが、特措法に定める瀬戸内海以外の陸域における、例えば山口県萩市のようなところの地区を含めたところの数字でございまして、平成29年についてはそこから更に特措法に定める瀬戸内海の区域に精査を行ったものですので、実際に地区が減ったというわけではございません。25地区が選定されております。例えば写真にございます広島県呉市の豊町御手洗ですとか、丸亀市塩飽本島町の笠島のような地区、あと有名なところですと岡山県の倉敷市のような地区が選定されているところでございます。

 以上でございます。

○岡田委員長 ありがとうございました。

 それでは、ご質問ご意見等がございましたら承りたいと思います。いかがでしょうか。どうぞ。

○鷲尾委員 ただいまご紹介いただきました件は陸域の地方自治体が申請し始めるものについて扱われていると思いますが、今後海域あるいは海上に構築物がつくられてそれをどう景観的に評価するかという課題が出てくると思うのですけれども、そういうことに対する検討状況というのはいかがでしょうか。例えば海面を国立公園に指定されておる場合とか、あるいは港湾区域に指定されているところ、あるいはそれ以外の一般海域、そういうところの指定等とも絡んでくるかと思いますけれども、海域についてのこういう文化的景観というものの位置付けなり今後の考え方みたいなものがあれば教えていただきたいと思います。

○文化庁市原文化財調査官 ありがとうございます。はっきりとした指針というのは今出ているというわけではございません。運用の段階ですけれども、例えば瀬戸内海にございます養殖いかだとかそういうものを保護していったり、そういうものがやはり瀬戸内海を代表する景観であるというような意見もいろいろ出ているところでございまして、市町村のほうに景観計画が及ぶ範囲について景観計画を定めていただいて、その上に保存計画で定められれば重要文化的景観の候補として取り扱えるので、調査についてはこちらもお手伝いしたいということを申し上げている段階でございます。ですので、海域も除外せずにこちらとしては評価していきたいと思っております。

○岡田委員長 ありがとうございました。よろしいですか。どうぞ。

○鷲尾委員 1点だけ、すみません。陸域であれば地方自治体の所轄になるかと思うのですけれども、海面であると国の所轄になってしまう部分があるかと思うのですが、国としてもそういうことを考える可能性があるということでしょうか。

○文化庁市原文化財調査官 景観行政団体さんの権益が及ばない部分について瀬戸内海の中でどこまであるか私もちょっと認識しておりませんけれども、まだその範囲についてどういうふうにしようかということを正式に国の省庁間で調整は始めていない段階です。まだその前段階にあると思います。

○岡田委員長 ありがとうございました。

 ほかによろしいですか。

 それでは、どうもありがとうございました。

 それでは、続きまして、今度は資料3-3になりますが、農林水産省の施策についてご説明をお願いいたします。

○水産庁河野計画官 それでは、農林水産省の施策につきましてご説明させていただきます。

 1ページをごらんください。まず、藻場・干潟及び漁場の造成、底質の改善につきまして4ページまで説明させていただきます。水産庁計画課の河野と申します。

 水産庁におきましては、水産生物の産卵・幼稚仔の育成の場として重要な藻場・干潟等につきまして、公共事業・非公共事業の連携により漁場の整備を計画的に推進しているところでございます。

 公共事業といたしましては、水産環境整備事業というのがございまして、地方公共団体さんが行う漁礁・増殖場等の漁場の整備や底質改善、また藻場・干潟の整備など水域環境保全に資する事業を実施しているところでございます。

 その下見ていただきますと、非公共事業といたしまして、水産多面的機能発揮対策ということで、漁業者さんたちが行う水産業・漁村の多面的機能の発揮に資する藻場・干潟等の保全活動に対しまして一定の費用を支援しているところでございます。どういうことを支援しているかと言いますと、下の事例がございますが、アマモの再生活動のさきがけとなっております岡山県日生町におきましてアマモの種を採取、育成しまして、海中へ戻す取組を実施していると。こうした活動経費につきまして支援させていただいているところでございます。

 右を見ていただきまして、漁場整備の考え方といたしまして、水産資源の生活史に対応した整備をすることによって生態系全体の生産力の底上げを目指す取組を実施しているところでございます。具体的に瀬戸内海におきましては播磨灘におきましてマコガレイの生息パターンとそれに対応した魚場整備を展開しているところでございます。幼魚期の育成場となる藻場の整備であったりとか、成魚期を過ごす海域での漁礁の設置、また産卵場の保護、拡大等に取り組んでいるところでございます。

 こういった整備を県が連携しまして、兵庫県、岡山県、香川県の3県で連携して実施しているところでございます。その他大阪湾、伊予灘等でマスタープラン、瀬戸内海におきましてはそうした地域でマスタープランをつくりまして事業を実施展開しているところでございます。 2ページを見ていただきまして、水産庁におきましては漁港漁場の整備についての今後の方向性を示す漁港漁場整備長期計画というのを策定しております。実は29年度から33年度までの目標期間で、新たな漁港漁場整備長期計画を今検討中でございますが、下を見ていただきまして4本の柱がございます。左から2番目の2つ目、4本柱の一つとしまして、豊かな生態系の創造と海域の生産力向上ということを重要な目標として掲げていこうということを考えているところでございます。

 3ページをおめくりください。具体的には現状と課題といたしまして、我が国の漁業生産量はピーク時の半分以下まで減少していると。また、海水温上昇等の海洋環境の変化によりまして、藻場・干潟が減少するとともに水産生物分布域が変化していると。

 水産資源の回復・増大が図られるように、資源管理施策や栽培漁業と連携ながら、水産生物の生活史に配慮して広域的な漁場整備をさらに展開することで、海域全体の生産力の底上げを図ることが必要。

 ということで、次期の長期計画における実施の目標としましては、特に沿岸環境対策としましては、ICTなどを活用しながら広域的な視点からの海洋環境悪化要因を把握すると。また、ハード対策とソフト対策を組み合わせた効果的な藻場・干潟の回復や貧酸素水塊対策を実施していくと。また、磯焼け対策などの増殖技術を開発していく。また、気候変動等による海洋環境の変化への対応をしていこうというような内容となってございます。

 最後に、藻場・干潟についての考え方ですけれども。4ページをごらんください。藻場・干潟につきましては、平成28年1月に水産庁におきまして実効性のある効率的な藻場・干潟の保全・創造を推進するため、基本的な考え方となる藻場・干潟ビジョンというのをとりまとめました。特徴としては4点ございまして、一つ目は藻場・干潟の分布状況や水温、潮流、底質等の海域環境を広域的視点から把握して、それらの衰退要因を的確に把握しましょうと。2つ目は、広域的な観点からハードとソフトを組み合わせた計画を策定して、対策実施後は継続的なモニタリングを行い、PDCAサイクルを構築して対策を実施していきましょうと。3つ目は、実施に当たりましては民間や試験研究機関等が開発した技術や新たな知見を積極的に導入していこうと。3つ目は、留意事項としまして、対策実施後は地元の漁業者等が自主的かつ持続的に藻場・干潟の保全を行うことを重要、といったような考え方をとりまとめておりまして、今年度以降、各自治体さんにおかれまして個別海域におけるビジョンの作成について進められているというところでございます。

 以上です。

○水産庁森課長補佐 続きまして、5ページの関係でございます。法18条に基づきまして赤潮・貧酸素の機構解明をせよということがございます。これに関しまして、赤潮・栄養塩に係る調査・研究ということで、補足のほうにも栄養塩に関する管理のことが提言されておりますので、それに対応した事業でございます。

 現状でも有害赤潮による被害がまだ起きていることもございます。また、珪藻赤潮によるものと思われます栄養量の低下から、養殖ノリの色落ちの漁業被害が発生している現状に対して、まず赤潮による斃死を防ぐためには、まず第一に広域モニタリングが必要だということで、これまで赤潮の発生機構の中で赤潮の潮流とか風力とかによるイソウとかもございます。そういうものもとらえた上で発生機構を解明し、さらに早期の発生がとらえられると予察技術が高まりますと予防も被害の軽減もできるということもございますので、そこに努めているところでございます。

 あと、ノリの色落ちと書いた下のほうの図にありますけれども、これは割と緊急避難的と言いますかノリの色落ち防止ということで的確に栄養塩を供給できるシステム、手法をどうすればいいかという開発をしているところでございます。

 さらに、栄養塩類が動物プランクトンとか二枚貝の低次生産生物に及ぼす影響ということで、その解明も基礎的な研究ということで進めているところでございます。

 赤潮・栄養塩に関する調査・研究は以上でございます。

○水産庁城崎課長補佐 続きまして、6ページの有害生物についてご説明申し上げます。

 これは法律の19条の関係でございます。法律のほうでは生産性の確保に支障を及ぼすおそれのある動植物というふうに言っておりますけれども、水産庁ではこれらのものを有害生物というふうに位置付けて対策を講じております。そして、この有害生物対策につきましては平成18年にいわゆる三位一体改革の際に税源移譲されておりまして、基本的には各自治体が対応するとされております。

 一方で、都道府県の区域を超えて分布・回遊するものであって、広域的な対策によって漁業被害の防止や軽減の効果が見通せるもの、そういうものにつきましては国が事業により対応してきているところでございます。

 そして、全国でこのような種類というのは例えば北海道、青森県のトドですとか5種類ほどありますけれども、瀬戸内海に関するものとしましてはナルトビエイがございます。ナルトビエイにつきましては九州と瀬戸内海の周防灘のほうでやっておりますけれども、これは太平洋から豊後水道を経由して周防灘にやってくるナルトビエイにつきまして駆除したエイの買取り、これは大分県ですとか山口県、福岡県さんと対応しておりますけれども、そのほかに調査・研究、大学のほうに費用をお願いしましてこれらの支援をしているところでございます。

 有害生物については以上でございます。

○農林水産技術会議事務局南研究専門官 引き続きまして、農林水産技術会議事務局でございます。資料は7ページになります。

 技術会議では温暖化の対応としまして、高温に耐えるノリの育種、素材の開発に取組んでおります。委託プロジェクト研究を実施しております。この研究は現在有明海を対象としておりますが、全国に対応可能ということで今回ご紹介させていただきます。

 資料①ノリ養殖の現状でありますけれども、収穫量におきましてはノリは魚類、ホタテ、カキに抑えて第1位になっております。ただ、近年図2にありますように不作になっております。その原因の一つとしまして、近年のノリ養殖場において海水温が上昇するといったことが原因の一つと考えております。

 3番目にありますように、ノリの養殖は水温が23度以下になりますと生産を開始します。ところが、図4にありますように、これは縦軸が10月の日付をあらわしているのですけれども、90年代前半は10月の第1週を生産開始だったのですけれども、2000年後半になりますと第3週、第4週となってきております。

 そこで、技術開発としまして、右側の資料になりますけれども、①の赤字で書いたところでありますが、高水温耐性を持ったノリ育種素材の開発。具体的には24度以上で2週間以上生育可能な素材の開発を現在取り組んでいるところであります。

 以上であります。

○岡田委員長 どうもありがとうございました。

 それでは、ただいまのご説明に関しましてご質問等をお願いいたします。どなたかございませんか。

○細川委員 干潟についていろいろ藻場・干潟ビジョンを4ページでご説明いただいたのですけれども、このビジョンというのは2ページの長期計画とうどういう関係にあるのですか。長期計画のことをビジョンと呼んでいるのですか。

○水産庁河野計画官 長期計画の中に具体的に実施の目標等事業量を定めております。その事業量におきまして藻場・干潟の整備量で規定しているというような関係でございます。それで、藻場・干潟ビジョンにつきましては整備をするときの基本的な考え方を示したものということになってございます。

○細川委員 長期計画は法に基づく行政の計画で、予算規模とか箇所とかそんなこともできるだけ書くようにしているものですということで、ビジョンというのはその考え方をまとめたものですという、そういう理解でいいですか。

○水産庁河野計画官 計画のほうには予算規模までは載せてはないのですが、事業量としまして今後5年間で何haの藻場・干潟を整備していくというようなことは書いておりまして、藻場・干潟ビジョンにつきましてはご指摘のとおりでございます。

○細川委員 わかりました。すばらしいです。

○岡田委員長 ありがとうございました。

 ほかによろしいですか。

 それでは、どうもありがとうございました。

 続きまして、国土交通省よりご説明をお願いいたします。

○国土交通省馬場課長補佐 それでは、資料3-4に沿って国土交通省の施策をご説明させていただきます。

 瀬戸内海の環境保全に資する取組といたしまして、当省は5つの切り口、港湾、海岸、河川、下水道、都市というものから推進しておるところでございます。

 資料2ページをごらんいただきまして、まず港湾関係の主要な環境に関するプロジェクトについてですが。海の再生プロジェクトにつきましては、東京湾、大阪湾などの閉鎖性海域の水質改善のために関係省庁、関係地方公共団体等が連携いたしまして、各湾に水質環境改善のための行動計画を策定し、総合的な施策を推進しております。

 次のページをごらんいただきまして、大阪湾ですけれども、瀬戸内海におきましては大阪湾、広島湾においてそれぞれ大阪湾再生行動計画、広島湾再生行動計画が策定されております。大阪湾におきましては平成15年7月に関係機関が協力・連携して環境再生に取り組むための大阪湾再生推進会議を設置いたしまして、大阪湾再生行動計画を策定しております。平成26年5月には第2期計画が策定されているところです。再生行動計画では森・川・里・都市・海などのネットワークを通じて、美しく親しみやすい豊かな魚庭(なにわ)の海を回復し、市民が誇り得る大阪湾を創出することを目標に環境改善に向けた取組を推進しております。

 次のページに移りまして、広島湾のほうでは平成18年3月に広島湾再生推進会議を設置し、広島湾再生行動計画を策定しております。平成28年度中に第2期計画の策定が予定されているところです。広島湾の再生行動計画におきましては、森・川・海の健やかな繋がりを行かし、恵み豊かで美しく親しみやすい広島湾を保全・再生し、次世代へ継承することを目標に環境改善に向けた取組を推進しているところです。

 続きまして、5ページ目です。港湾に関する個別具体の取組事例みについてご説明差し上げます。一つ目は、浚渫土砂等を活用した海域環境の改善に関する取組になります。広島県の尾道糸崎港の航路・泊地整備から発生する浚渫土砂を有効活用しまして、平成22年度から高尾地区で干潟造成を実施しており、これまでに約19haの干潟を造成いたしました。干潟の整備により、生物生息機能ですとか水質浄化機能、それから生物生産機能の向上を目指しているところでございます。

 6ページに移りまして、別のまた浚渫土砂を活用した取組事例になるのですが、大阪湾内の阪南港2区沖の深掘り跡の窪地におきまして浚渫土砂を活用し、これまでに350万立法メートルの埋戻しを行ったところでございます。この埋戻しによりまして水深が浅くなったために夏季に発生する貧酸素水塊の層が薄くなるなど改善効果が確認されつつあるところでございます。引き続き埋戻しとモニタリングを実施する予定になっております。

 次に7ページなのですけれども、2つ目の個別の取組といたしまして、生物共生型護岸の実証実験についてでございます。堺泉北港、堺2区におきましては、生物共生型港湾構造物の整備といたしまして実証実験を実施しておるところです。主な事業といたしまして、護岸の前面に干潟、岩礁・漁礁ブロックを約120m整備しモニタリングを実施中でございます。干潟部分でゴカイ類の種類の数の増加ですとか、イシガレイ等の稚魚が多数確認されておりまして、幼稚魚の生息場として機能していると考えられます。

 8ページに移ります。3つ目の個別取組なのですけれども、油流出事故対策についてでございます。船舶航行の安全を確保し、また海域環境の保全を図るために、瀬戸内海に海洋環境整備船を8隻配備しておりまして、海面に漂流する流木等のごみですとか、船舶等から流出した油の回収を実施しております。

 9ページをごらんいただきますと、4つ目ですけれども、瀬戸内海総合水質調査及びデータ配信に関する取組です。瀬戸内海におきましては海面清掃船ですとか海面清掃兼油回収船によりまして水質調査を年4回実施しております。また、こうしたデータの有効活用が図られるようにホームページにおいて情報の発信・共有化を実施しておりまして、研究機関、学校、企業様が各種調査・研究の検討を行う際の基礎データとして利用可能となっているところでございます。

 10ページへ移りまして、瀬戸内海の環境保全再生に資する普及・啓発への取組につきましては、先ほどご説明した海の再生プロジェクトの各湾における施策の情報共有・配信、市民の皆様との連携・協働の推進などを目的といたしまして、平成18年度から海の再生全国会議というものを開催しております。昨年3月には広島市におきまして、みんなで考えよう恵み豊かな海の再生をテーマに、第10回海の再生全国会議を開催いたしました。

 また、みなとの良好な自然環境を活かし、児童や親子を対象にNPO等と連携して自然体験プログラムを実施しておりまして、平成27年度が神戸市、松山市、周南市などで生き物調査など体験型の活動が行われました。

 以上が港湾における取組のご説明でございます。

 続きまして、12ページ、海岸関係の取組についてのご説明でございます。海岸における良好な景観や動植物の生息・生育環境を維持、回復するとともに、安全で快適な海浜の利用を増進するための海岸保全施設整備等を実施しております。具体的には消波ブロックを沖合の離岸堤に転用した砂浜の再生ですとか、養浜による海岸環境の改善、地域との協働作業による海辺再生などの取組を行っております。兵庫県の東播海岸においては養浜によって回復した砂浜でアカウミガメの産卵が確認されております。

 14ページに移りまして、河川関係の取組についてご説明いたします。瀬戸内海に関連した河川の直接浄化の取組といたしましては、岡山県の百間川及び愛媛県の石手川の事例がございます。具体的な取組の詳細は次ページ以降でご説明しますので、15ページをごらんください。

 まず、百間川の事例でございますが、計5カ所の直接浄化施設が設置されております。さまざまな浄化方式がございまして、自然素材を加工した充填剤を組み合わせることにより、微生物の力を主とした水質浄化を行う四万十川方式、礫の間に付着した微生物が水をきれいにする礫間接触酸化方式、礫間接触酸化方式に植生浄化方式を組み合わせたものなどにより直接浄化を実施しております。

 16ページに移りまして、続いて愛媛県の石手川の事例でございます。支川の小野川におきましては、礫を用いた礫間接触酸化方式による浄化施設を設置しておりまして、直接浄化を実施しているところでございます。

 続きまして、17ページをごらんいただけますでしょうか。市民の方との協働による河川環境管理に関する取組でございます。具体的には、河川管理者と地方自治体、市民団体等との連携によりまして、河川に放置されているごみ清掃などのクリーンアップ活動を実施しております。平成26年度の実績ですが、瀬戸内海流入河川、直接管理区間における清掃活動の実績でございますが、参加者約12万5,000人によりまして約200tのごみを回収いたしました。こちらに掲載の写真は、太田川水系でのクリーン太田川実行委員会主催により実施した際のものでございます。今年度は約2万人の方が参加されたということでございます。

 18ページに移りまして、多自然川づくりの取組についてのご説明です。多自然川づくりは何かということですけれども、河川全体の自然の営みを視野に入れまして、地域の暮らしや歴史・文化などの調和に配慮しながら、河川が本来有している生物の生息・生育、繁殖環境及び多様な河川景観を保全・創出するために、河川管理を行うことを言っております。具体の実施事例といたしましては、広島県の太田川水系古川における取組がございます。こちらにビフォア、アフターを掲載しておりますが、散策路を設けたり生物も棲みやすい環境とするような整備が行われております。

 19ページでございます。河床の汚泥の除去の取組でございます。河床の汚泥の除去につきましては、底質ダイオキシン類対策の1事例といたしまして、ダイオキシン類を高濃度に含んだ底質の存在が確認されました大阪府神崎川等において、河川管理者である大阪府が浚渫除去を行っております。国も事業への財政支援を実施しておりまして、事業期間は平成32年度までを予定しております。

 以上が河川関係の取組についてのご説明でございます。

 続いて、下水道関係の取組についてでございます。21ページをごらんください。下水道の整備につきましては、全国的な取組ではございますが、未普及地域の早期解消に向けまして、早期かつ低コストな整備を推進しております。具体的には、国土交通省、農水省、環境省の3省が合同で都道府県構想策定マニュアルというものを策定いたしまして、下水道、農業集落排水施設、浄化槽等の汚水処理施設のベストミックスの下に、汚水処理施設の早期解消に向けた取組を推進しているところでございます。

 また、取組の一つといたしまして、下水道クイックプロジェクト、これは地域の実情に応じた機動的な整備が可能となる整備手法を検証し、それを手引書として公表しているものなのですけれども、瀬戸内海関係地域の11府県、33市町でも活用されているところでございます。

 22ページに移りまして、下水高度処理の推進でございます。水環境の改善に向けて、必要な地域において、窒素及びリンの除去性能を高めた高度処理というものを推進しております。平成27年には既存施設を活用した段階的高度処理の普及ガイドラインを策定いたしまして、高度処理の導入を進めているところでございます。高度処理実施率ですが、全国平均が約46%、それに対しまして瀬戸内海関係府県では約55%となっているところでございます。

 23ページに移りまして、下水処理水の再利用でございます。健全な水循環機能の維持・回復や渇水対策として、下水処理水の再利用を推進しております。具体的には、せせらぎ水路や農業用水への利用など、多様な事業に対して新世代下水道支援事業制度により支援を行っているところです。瀬戸内海関係地域では香川県多度津町の実施事例がございます。

 24ページに移りまして、栄養塩類に着目した下水処理場における季節別運転管理についてです。栄養塩のバランスを適切に保つことで豊かな海を再生し、生物の多様性を保全することを目的といたしまして、下水放流水に含まれる栄養塩の能動的管理のための季節別の運転管理を実施しております。国土交通省では平成27年9月に下水放流水に含まれる栄養塩類の能動的管理のための運転方法に係る手順書を作成しておりまして、能動的な管理の普及を促進しているところでございます。また、下水処理水放流先の養殖業等に配慮するなど、地域のニーズに応じて季節ごとに水質を能動的に管理しております。

 以上が、下水道関係の取組でございます。

 最後になりますが、26ページ、都市関係の取組でございます。全国的なレベルの説明になりますが、都市における貴重な緑とオープンスペースを提供するとともに、ここに掲げております1)から4)のような役割を果たす都市公園の整備を推進しております。都市における枢要な自然的環境となる緑地におきまして、建築行為などの一定の行為を許可制とすることにより、緑地を保全しております。瀬戸内海関係府県での実施事例といたしましては、右側に府県別の都市公園面積がございますけれども、増加傾向で推移しているところです。地域活性化や良好な都市環境の形成を図るため、岡山県岡山市において西大寺緑化公園を、取調べの防災性の向上を図るために山口県山口市の維新百年記念公園を整備しております。府県別の特別緑地保全地区の指定面積につきましては、近年は横ばいで推移しているところです。

 以上で、国土交通省の施策について説明を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○岡田委員長 どうもありがとうございました。

 それでは、ご質問等がございましたら。どうぞ。

○足利委員 ありがとうございました。今24ページのところで、栄養塩類に着目した下水処理場における季節別の運転管理という部分ご説明いただいたのですけれども、ずっとこの瀬戸内海の問題の中ではいつも話題になる問題なのですけれども。これはこの施策の中には効果の測定のようなもの、窒素のコントロールを下水処理場でした後の実際にその海域がどういう影響が出ているとか、例えば水産物に対してプラスの影響が出たとか、そういう効果の測定のようなものまで含まれているのでしょうか。

○国土交通省岩井課長補佐 国土交通省下水道部の岩井と申します。

 季節別運転につきましては、効果の測定という点におきますいろいろな影響があるということもありますし、そこまで具体的には検討が進められてはいない状況です。ただ、豊かな海という理念が瀬戸内海法で位置付けられていましたので、そういう理念を踏まえて今こういった取組が各地で進んできていますし、そういった取組を進めるよう手順書などを国土交通省で整備していきたいというような状況です。

○足利委員 では、今後もそれは特に国土交通省さんに限ったことではないのですけれども、今後もそういったものも効果のようなものというのはどこかの省庁さんで調べていくというようなことは予定としてないのでしょうか。

○農林水産技術会議事務局南研究専門官 水産庁ですけれども、水産庁のほうの先ほど説明した中の栄養塩供給のほうの事業が農水のやつの5ページに載っているのですけれども、その中で兵庫県の二見の下水処理場の緩和運転されたときの影響というのをどのぐらい栄養塩が上がるのか、どのぐらい効果が持続するのか、これが周りの生物にどういう影響を与えるのかという検証はうちのほうで見ております。

○鷲尾委員 これをやっていた当事者でもあるのですけれども、兵庫県の水産技術センターのほうがずっとモニターしておりまして、そんなに劇的な効果というほどではないですけれども、じわじわと効果が見られつつありますし、悪影響のほうもさほど見えていないという、そういうモニターし続けているということはご理解いただけたらと思います。

○岡田委員長 ありがとうございました。

 では、高村先生、どうぞ。

○高村委員 私も同じような質問をしようとはしていたのですけれども。個別の事業というのは説明していただいてわかったのですけれども、その動機づけというか、動機づけとその事業をした効果の検証みたいなものまでつなげて、その地域の自然の瀬戸内海の豊かな海の実現にどういうふうに役に立ったかというふうなこともやはり考えていただくような形で、各省連携でつないでいっていただかないとこれ地域の問題の解決にならないので、そこのところをよろしくお願いします。

 それとあと、河川の直接浄化の説明があったのですが、私の理解では河川の水質はかなりよくなってきて、むしろ多自然川づくりのほうに国交省のほうも少し力を入れていただいているようなのですけれども。ここでご説明された14ページの直接浄化の取組というのはどういう動機というか、何をもってこういうふうな施策をやることになっているのかをちょっと教えていただきたいのですけれども。

○岡田委員長 どうぞ。

○国土交通省吉村係長 それでは、河川の関係のご回答のほうをさせていただきます。河川の直接浄化につきましては、まさに高村委員のほうからご指摘ありましたように、河川の水質というのは全国的に非常によくなってきているような状況にございます。今回事例で挙げさせていただいた例えば百間川につきましては、いわゆる放水路でございまして、平時なかなか水が流れないということで結構水質が悪くて困っていたというふうなところでございまして、そこの部分について直接浄化ということで過去少し前、平成15年ぐらいになるのですけれども、事業を行ったというふうな経緯でございます。

 そういう意味では河川の直接浄化というものは全国津々浦々やっているわけではございませんで、やはり個々で見たときに河川のほうでも少し対応が必要だというふうなところに限定して事業としては行っている形になってございます。例えば同じ瀬戸内であれば大阪の大和川であるとか、あちらも非常に水質が悪いようなところでございまして、過去このような直接浄化施設いろいろつくっているのですけれども。やはり河川側としましては流域の対策としていろいろ下水道とか整備を行ってきている中で、それでもやはり少しおのおのの地域の事情があって事業として必要な部分についてこのような直接浄化のような事業もやってきているというようなのが実態でございます。

○岡田委員長 ありがとうございました。よろしいですか。

 ほかにございますか。どうぞ、山田先生のほうから。

○山田委員 高村先生が言われたことと大体同じなのですけれども、もう少し具体的に教えてください。それは、5ページの例えば干潟の造成のところなのですけれども、この事業は平成22年度から始められたということで、5か年ぐらいたったら恐らく順応的管理の手法を用いて何かフォローアップをされていると思うのですけれども、そういうふうなことをなさっているのか、なさっていらっしゃると思うのですけれども、それをマニュアル化するのか。あるいはそれの各省との連携、こういうふうによかったので各省で連携して何か新しい事業ができるとか、そういうふうなところまで進めることはお考えなのでしょうか。

○国土交通省滝川専門官 国土交通省港湾局の滝川と申します。

 ご質問の尾道糸崎港の干潟だけではないのですけれども、これまでも港湾局としては浚渫土砂、こちらを活用しまして干潟等の造成をしております。基本的には干潟において、そこにある生物の例えば種類の数であるとかそういったもののモニタリング等についてはしております。これについてはそういう事業間ではモニタリング手法の共有というのはしておるところではございますけれども、また関係省庁との連携についてはご説明をさせていただいた全国海の再生プロジェクトの中で全国海の再生会議を開きまして、これは関係省庁、農林水産省さんであったりとか、もちろん下水道部局であったりとか、そういったものも参加しておりますので、そういったところで共有させていただいていると、そういうことでございます。

○山田委員 ありがとうございます。それで、共有のところまではわかったのですけれども、あと順応的管理で、それを見直して改善すべきところは改善していったほうがいいと思うのですよね、まだまだ新しい試みなので。そういうふうなことはなさってらっしゃるのでしょうか。

○国土交通省滝川専門官 順応的管理と言いますと、その干潟の管理ということですかね。

○山田委員 すべて土木事業に関しては順応的管理が必要だと思っています。やはりつくりっ放しではなくて、ある一定期間たてば見直して、どこがどう悪かったからどういうふうに改善していったらいいということをいろいろな専門的な立場からあるいは事業の立場から、いろいろな立場から見直す必要があると思うのですけれども、そういう試みはなさってらっしゃるし、国土交通省さんだからマニュアル化されていると思うのですけれども、いかがでしょうか。

○国土交通省滝川専門官 すみません、ちょっと現時点でデータがないので、マニュアルの存在についてはちょっと把握していないのですけれども。管理、浚渫土砂を有効利用して干潟をつくるというところまではやっておりまして、もちろんモニタリングをしておるのですけれども。干潟をより改善しようというそのものの事業ということはしていないと言いますか。もちろんご指摘があればその改善の取組というのはするのだとは思いますけれども、現時点で干潟そのものの効果を高めようとする形で港湾局として干潟自体をいじるということは現時点ではちょっと思い当たるところはございません。

○山田委員 わかりました。浚渫土砂の有効活用というところは非常にいいことだと思います。ぜひそれは推進されてほしいと思います。ただ、その後のフォローアップですね、つくり上げた干潟がどうなっていくのか、今後どういう運命をたどっていくのかをぜひたどっていってもらいたい、あと、改善していっていただきたいと思っています。

○岡田委員長 よろしいですか。

 どうぞ、先生。

○鷲尾委員 今の関連で言いますと、浚渫土砂というのは非常にシルト分が多いと思うのです。ですから、通常の干潟とは随分性質の違うものになると思いますので、ぜひ追跡調査のほうをお願いしたいと思います。

 別件になりますけれども、大阪湾再生プロジェクトあるいは広島湾再生プロジェクトのところで推進会議が設けられております。このような形が今後瀬戸法に言う湾灘協議会の一つのモデルになってくるのではないかと思うのですけれども。この推進会議の推進体制を見せていただきますと、これは省庁のいろいろな局が集まってやっておるのですが、これの民間の海域利用者あるいは市民の参画というのはこの会議の中では何かあるのでしょうか。

○国土交通省滝川専門官 こちらの全国海の再生プロジェクトということで4大湾と言いますか3大湾プラス広島湾でやっておるところでございますけれども、現時点で大阪湾と広島湾については官民が参加するスキームとして、もちろんNPOとの連携等々はしておるのですけれども、スキームとしては形づくられたものはなくて、どちらかというと東京湾のほうでは東京湾再生官民連携フォーラムというものがございまして、平成25年に立ち上がりましたけれども、やはり行政だけの力では限界があるであろうということで、官民連携のスキームというものをつくったところでございます。そういった東京湾のスキームを今後大阪とか広島のほうにも拡大できるかというふうには考えております。

○岡田委員長 ありがとうございました。

 まだあるかもしれませんが、若干時間が押していますので、次の議題に進めさせていただきたいと思います。よろしいですか。どうぞ。

○長屋委員 瀬戸内海特別措置法の改正の中で幾つかの過程があったと思っているのですが。今鷲尾委員からもありました、やはり湾灘協議会、今後これが機能していくようにぜひなってもらいたいと思っているのですが。きょうご発表いただいた各省庁の取組の中で、将来的にこの湾灘協議会ですね、こことどういうふうに連携をとっていくという考え方かということ。それから、今お話ありました順応的な管理ですね。やはりいろいろこのような取組を進めている中で、これだけ大きな瀬戸内海全体の環境をどうしていくかという問題です。それぞれ各省取り組まれたことが、やはりその効果を見ながら途中で修正をしていく、こういう考え方をぜひ持ってこの瀬戸内海特別措置法の改正、内容の趣旨を踏まえた取組をぜひまた今後この機会でよろしいですから、ご説明をいただければというふうに思います。

 以上です。

○岡田委員長 ありがとうございました。今のコメントはよろしいですね。各省庁でよろしくご検討のほどをお願いいたします。ありがとうございました。

 それでは、次の議題に移らせていただきます。次は、きれいで豊かな海の確保に向けた検討についてということになっています。事務局からご説明をお願いいたします。

○根木閉鎖性海域対策室長 資料4をごらんください。きれで豊かな海の確保に向けた検討の進め方について(案)でございます。

 1、背景でありますが、瀬戸内海の環境保全については、昭和48年に法律も制定されまして対策が進められてきたと。一定の水質改善等の成果が見られるものの、依然として生物多様性・生物生産性の確保に係る課題が残っていると。また、湾・灘ごと、季節ごとの課題にきめ細やかに対応する必要性も指摘されているということであります。

 そのような中で、平成27年2月に瀬戸内海環境保全基本計画の変更が閣議決定されたと。また、同年10月には瀬戸内海環境保全特別措置法が改正、施行されたということであります。瀬戸内海を豊かな海とする基本理念が盛り込まれたということでございます。

 この際に、栄養塩の多寡と漁獲量等の関係について、それを指摘する意見がある一方で、その法改正における議論に当たっても結論を得るに至らなかったと、その関係については明らかにならなかったということでございます。このため、その改正法の附則が盛り込まれておりまして、政府は、瀬戸内海における栄養塩類の減少、実態の調査、水産資源に与える影響に係る研究、栄養塩類の適切な管理に関する調査及び研究に努めると、その成果を踏まえて改正法の施行後5年を目途として、瀬戸内海における栄養塩類の管理の在り方について検討を加え、必要があると認めるときはその結果に基づいて所要の措置を講ずると、このように附則で位置付けられております。

 このことを踏まえて、「きれいで豊かな海」の確保に向けまして、本委員会において必要な検討を行うこととしたいということであります。

 2番目、本委員会における主な検討内容でございますが。瀬戸内海においては、今申し上げたとおり、海域ごとの実情に応じた取組を進める必要があるということであります。一方、水環境と生物多様性・生物生産性の関係など、環境保全の基本的な考え方は多くの湾・灘に共通するものであると、これらの検討・評価は地域における施策の検討においても有用であると考えられるということであります。このため、本委員会においては、湾・灘ごとの課題を細かい点も含め網羅的に検討するということではなく、瀬戸内海における環境保全の基本的な考え方ですとか、施策の方向性について検討を行うこととすることでいかがかということであります。

 ページをおめくりいただきまして、3番の検討の基本的な方向性でありますが。きれいで豊かな海の確保を検討するに当たり、その背景のところでも述べたとおり、論点の部分でわかっていない部分ですとか、関係者の間でも意見が分かれる部分もあると認識しております。このため、データに基づいて客観的、科学的な知見に基づきまして、①瀬戸内海における水環境の変化状況等の評価、②水環境等を取り巻く課題の抽出及びその原因の評価、これを行った上で、必要な検討を進めていくことでいかがかということであります。

 その環境保全の基本的な考え方ですとか施策の方向性の議論をするためには、必要に応じて湾・灘ごとの課題も踏まえて検討を行うこととすることでいかがかということでございます。

 4番、検討スケジュールでありますが、その改正法が法施行後5年を目途として検討を加えるとされておりますし、基本計画において概ね5年ごとに施策の進捗状況の点検等を行うとされております。これを踏まえますと、平成32年度を目途にきれいで豊かな海の確保に関するとりまとめを行うことではいかがかということでございます。

 下の図を見ていただきますと、水色のバーで水環境の変化状況、経年変化などの分析・評価というものを行っていく必要があるだろうと。また、底質、ベントスの調査は、先ほども少し説明申し上げましたが、3か年で四百数十ポイントのモニタリングをする予定でございます。確保データの比較も行う予定でございます。また、先ほど少し申し上げました藻場・干潟分布状況調査、この3つは先ほど申し上げました①の瀬戸内海における水環境の変化状況等の評価に該当する部分かと思います。

 また、②に該当する水環境等を取り巻く課題の抽出及び原因の評価と、黄色いバーの部分も検討を進めていくことでいかがかと。また、気候変動の話なども随時この委員会のほうにインプットしていくことはいかがかということであります。

 また、その一番下のピンクのバーのところが重要でございまして、関係省庁、関係府県、そしてその関係の教育研究機関からきれいで豊かな海の確保に関する各種インプットをしていただくことが重要であると。ここ30年のところに成果活用と書いていますが、随時インプットいただくことではいかがかという趣旨でございます。

 次のページ、3ページできょうのこの後の検討の資料を用意しておりますので、少し説明しますと。①としての水環境の変化状況等の分析・評価、その底質・底生生物の調査については資料5で、そして水環境等を取り巻く課題の抽出及び原因の評価については資料6のほうで説明をさせていただき、ご意見等をいただきたいと考えております。

 最後に、冒頭も少し申し上げましたが、資料として一番最後についております1枚紙で、本日ご欠席の秋山委員より、その検討の体制等についてご意見をいただいております。検討の体制につきましては委員長とも相談しつつ考えていきたいと思います。

 以上であります。

○岡田委員長 ありがとうございました。

 それでは、ただいまのご説明に関しましてご質問もしくはご意見がございましたらお願いいたします。

○高村委員 最終的には豊かな海が実現できているかどうかというふうなことで、それの指標で、これ水環境と底質・底生生物と、あと藻場・干潟の分布なのですけれども。プランクトンとか実際の漁獲ですね、それはやらなくてよろしいのでしょうか。

○根木閉鎖性海域対策室長 プランクトンについても、魚類についても扱っていくべきだと思っております。そのあたりきょうの資料でも取り扱う部分、また今後取り扱っていく部分があると思いますが、少し言葉で魚類とかまで書いておりませんが、水環境の一部だというふうにも思いますし、そのあたりも取り扱っていく必要があると思います。

○岡田委員長 ありがとうございました。よろしいですか。

 ほかにございますか。どうぞ。

○鷲尾委員 そういう意味ではこれまでの瀬戸内海のさまざまな調査をもう一度見直して、今の実態に合わせた調査ということに的を絞り直す段階でもあると思うのです。例えば指標としてCODというのが使われてきたのですけれども、瀬戸内海ではなかなか達成されない数字の指標の一つではあります。しかし、実態として瀬戸内海の多くの海域がきれいになってきた中であの指標がなかなか達成されない。あるいは窒素やリンというものであれば、現状の課題にかなり結び付いてくるということがありますので。そういう意味で従来の指標というもので、有効であったかどうかということの検証もどこかで入ってきてもいいのではないかというふうに思います。

 それともう1点、藻場・干潟というのが非常に大切ですから分析要素として取り上げていただいてありがたいと思うのですが、もう一つ、海底の砂場合、これ底質調査等で言えば、要は粒径分布があって酸素が行き渡っていて健全だということだけで終わってしまうのですけれども、この砂場というのはいろいろな魚の産卵場であったり、イカナゴの隠れ場であったり、あるいは海水の浄化機能があったりと、非常に海の中では重要な役目を占めております。そういうものを取り上げて評価し直すということが生物生産、またひいては漁業生産につながる非常に大きな要素になってくると思います。先ほど国交省さんからのご説明でもあったのですけれども、総合的な土砂管理、砂をどう循環させていくのかということともつながってくるので、ぜひ今後この計画を進めていく中で、海底の砂場の評価についてもぜひご検討いただけたらありがたいと思います。

○根木閉鎖性海域対策室長 いろいろご意見をいただきながら多角的に議論が進められればと思っています。モニタリングが定期的にできるものと、その定期的なデータまではとりにくいものとか、そこはいろいろあると思いますが、できる限りの資料を関係者で持ち寄って議論を進めていくということかと思います。

○岡田委員長 どうぞ。

○長屋委員 プランクトンとそれからいわば魚類関係をもう一つの指標として取り上げていただく、大変ありがたい話だと思っております。ぜひ、相当困難な問題であることは理解をしてございますけれども、ぜひそこはしっかりとお願いしたいと思います。

 やはりそういう中で、結果的にどういうことが起こっているかということについてのいろいろな要因分析やなんかもしながらそれをどう分析していくか、こういうためにもきょう秋山委員から出されておりますそういうやはり専門的な地域の実情をしっかり知っている方々、こういう方々をこの委員会の前段出るようなワーキンググループやなんかを設けた中でもしっかりとしたそういう議論というものをぜひやっていただきたいと思っております。

 そして、先ほどございましたように、そういうふうな魚類だとかプランクトン、そういうものの指標やなんかの分析も通じて、結果的には数値として今押さえられている窒素とリン、そういう総量規制、こういうものの在り方についての検討にもここは反映されるのかどうかということについてお話をいただければと思います。

○根木閉鎖性海域対策室長 まず、いろいろなご指摘もいただきながら検討を進めていくことが大事と考えております。それで、検討の基本的な方向性、この2ページのところで申し上げましたが、いろいろな検討の方向性あり得ると思いますが、まず大事だと思っておりますのが、いろいろな問題点は何か、その原因は何か、どういうデータに基づいてそういうことが言えるのかといったあたりが必ずしも法改正のときもそこは結論が出ていないという認識でおりますが、そこは必ずしも明確になっていないというところがあるかと思っています。いろいろな意見は並行していただきながらと思いますが、客観的、科学的にこの①、②で記載させていただいた点、水環境の変化状況はどうなのかという評価をしっかりすると。その問題点は何で、課題は何で、その原因は何なのかというところをしっかり見定めるというところが大事ではないかと思っております。

○岡田委員長 ありがとうございました。

 ほかによろしいですか。どうぞ。

○上田委員 ここの大きな重要なポイントとして、底質と底生動物というのが上がっていると思います。これ別の委員会でもそうだったのですけれども、これ底質とかいうのはそう簡単には変化しないのですよね。例えば50年100年でも余り大きな変化がないというような、なかなか難しい部分になると思うのですけれども。最終的に長期的トレンドを求めつつ総合検討していくというときに、過去のデータがないとか調査地点が違うとか、さまざまな理由によって結局長期的トレンドが出ないということが往々にしてあります。そこら辺のところの考え方というのはどういうふうに検討していかれるおつもりかというのをお伺いしたいのですけれども。

○根木閉鎖性海域対策室長 底質と底生生物はこの後資料5のほうで少し具体的にご議論いただければありがたいと思っております。例えば底質について、この瀬戸内海においては1980年代、90年代、2000年代、そして今回と、概ね10年~15年おきにとられたデータがありますので、一定の評価がいただけるものなのかどうなのか、この後の資料のほうでご意見いただければ幸いでございます。

○岡田委員長 ありがとうございました。では、後のほうでよろしく議論をお願いいたします。

 ほかによろしいですか。どうぞ。

○細川委員 室長さんが多角的に議論するというお答えをするたびにちょっと心配になってくるのですが。多角的に議論して絞り込むというのをこの3年なり5年なりのどこかでやらないといけないと思っています。それはいつごろやるのだろうかというのと、そのときの絞り込む作戦と言うとちょっと生々しいのですが、絞り込むスタンスみたいなものがどういうところにあるのかというのは、初めにこんな方向というのをもうちょっと言っておいたほうがいいのではないかと思うのです。1ページの検討の進め方についての背景についてご説明あるところには、栄養塩類の多寡と漁獲量等の関係についてというのが一つ課題としてここら辺の議論が整理されていないままに特措法というか瀬戸内海の対応をとにかくやりましょうというふうにきているので、そこの見直しをしましょうと一つの課題が明示的に書かれているので、こういう課題にどうやって絞り込んでいくのかということを片方で考えながらこの3年なり4年なりの。この図4-1の表でいくと、4年目に総合検討というところがあるので、そこぐらいまでの間にどうやってこういう議論に落とし込んでいく、あるいは絞り込んでいくのかというのを片方でどなたかが考えていただくとありがたいなと思います。お立場上多角的に議論するのですというふうにおっしゃられているのですが、それはよくわかるのですが、どこか別のところで、そうは言ってもこんなふうに絞り込むことになるのかなというイメージをお持ちになったほうがいいのではないかと思います。余計なことをしゃべりました。

○根木閉鎖性海域対策室長 アドバイスありがとうございます。例えばこの2ページの検討スケジュールについて、その模式図では30年度総合検討と書いてありますが、そこは知見が深まっていくのにつれて検討のほうも進めていくということで、これはポンチ絵としてこうなっておりますが、そこはまずそういうことだと思っておりまして、随時検討を進めていくということが必要かなと思っております。

 また、ご意見に対するお答えになっているかどうかというところはありますが、少し先ほど申し上げた話なのですけれども、やはり今一度何が問題になっているのかと、その問題の原因は何かというところを見定めていくというところが大事だと考えておりまして、その問題点がクリアになってきて、その原因がクリアになれば、そこに手を打っていくということだと思いますので、そこのところが今おっしゃられたところの基本的な考え方ということになるのかなと思っております。アドバイスを皆様にいただきながら、この小委員会の場を中心に検討を進めていくということかなと思っております。

○岡田委員長 ありがとうございました。よろしいですか。

 それでは、ただいま事務局のほうから今後の進め方についてご説明がありました。また、それにつきまして多くのご意見、例えば魚、プランクトンについてきちんと対応する、水質量についても今までのものを見直す、さらには今後の専門的な検討をどういうふうに進めるか、それから、具体的なターゲットをどうやって絞っていくかというようなたくさんのご助言をいただきましたが、基本的には本日ご説明いただいたような方向性でお進めいただくということでよろしいでしょうか。

 はい、ありがとうございます。それでは、今ご説明いただいた内容といただいたご意見に従って進めていくということでご確認いただいたということにさせていただきたいと思います。

 どうもありがとうございました。

 それでは次に、資料5について事務局からご説明をお願いいたします。時間が、すみません、若干押しているので、簡潔によろしくお願いします。

○坂口室長補佐 今根木のほうから紹介いたしました本委員会における報告・確認事項になります。きれいで豊かな海の確保に向けた検討に当たっては、水質、底質、底生生物等の状況についてまず客観的な評価を行い、基礎的知見を整理していく必要があることから、本日の小委ではこれらのデータについて現在どのような調査解析を進めているかということを、平成27年度末の状況になりますけれども、報告させていただきたいと考えております。この調査は引き続き28、29年度も継続しますので、今後の進捗を踏まえ、また追加的なご報告はさせていただきたいと考えているところでございます。

 資料の構成でございますけれども、1.として水質の変化状況、2.が底質の変化状況、3.が底生生物の変化状況となっております。

 2ページをお願いします。水質の変化状況については、広域総合水質調査、公共用水域水質測定調査、浅海底線調査等の結果に基づき、12湾・灘ごとの水質変化状況を整理しております。調査地点数は3ページに、広域総合水質調査が103地点、公共用水域水質測定調査が301地点、浅海底線調査が249地点という形で、4ページから7ページにそれぞれの地点の図面が載っております。若干公共用水域水質測定調査は沿岸部、岸寄りに測点が配置されています。

 7ページでございますが、調査項目でございます。水質、透明度、DO、COD、T-N、T-Pといった栄養塩類、無機態の栄養塩等の水質項目について、どの調査で実施されているかを整理してございます。

 9ページでございますが、表5-4に各調査の調査頻度、調査時期を記載しております。

 それでは、18ページのほうから結果を簡単にご説明させていただきます。また、97ページのほうに全体のまとめというのもございますので、後ほどご紹介したいと考えております。

 まず紀伊水道のCODを例にご説明します。紀伊水道のCODは広域総合水質調査結果では全体的に大きな変化は見られませんが、公共用水域水質調査測定結果はやや上昇傾向が見られます。下の水平分布図を見ていただくと、紀伊水道の北部と東側、あと西部の海域も若干昭和57年~59年度の平均と近年平成21年~24年度の平均というところで差が上昇傾向にあるという結果が得られております。

 次に、18ページをご確認ください。大阪湾のCODになります。広域総合水質調査の結果はやや低下傾向が見られます。公共用水域水質測定結果は全体的に大きな変化は見られていません。水平分布図を見ていただくと、大阪湾の湾奥部でかなりCODが減少しているのが見てとれます。また、全体的にも関西空港にかけた東側の値が減少しております。

 97ページのほうを一度ご確認いただきますと、こちらのまとめに今ご紹介したようなCOD等の水質項目ごとに各湾の状況というのをまとめてございます。今ご紹介したのは上の2つの紀伊水道、大阪湾でございますが。全体的にCODを瀬戸内海の湾・灘ごとに見ていきますと、大阪湾ではやや低下傾向、紀伊水道、備讃瀬戸、備後灘、燧灘、安芸灘、広島湾、周防灘では上昇もしくはやや上昇傾向。播磨灘、伊予灘、豊後水道、響灘といったところでは大きな上昇低下は見られず、横ばいといったような大きな傾向が見られます。

 続きまして、窒素のほうについても少しご紹介させていただきます。22ページをご確認ください。広域総合水質調査による大阪湾の全窒素の推移については低下傾向と。DINの推移についても広域総合と浅海底線調査ともに低下傾向が見られておりますが、DINのほうは平成7年度ごろまでは広域総合水質調査結果のほうが特に濃度レベルが高く、低下の程度も大きくなっています。

 29ページをご確認いただきますと、播磨灘の窒素の傾向になります。広域総合水質調査結果による全窒素DINの推移については、昭和58年、59年度ごろから上昇した後に、平成8年、9年ごろから低下し、近年の濃度レベルは昭和58年、59年ごろと同等程度になっています。

 また、浅海底線調査によるDINの推移については、昭和49年~昭和58年ぐらいまで一度低下した後に、その後上昇し、同じように平成に入ってから低下をしているというような傾向が見られます。

 続きまして、36ページをご確認ください。こちらが播磨灘に隣接する備讃瀬戸の状況でございます。こちらも昭和57年から上昇傾向が見られ、若干横ばいに転じた後、平成18年から濃度が減少し、現在は昭和57年ごろと同等程度の全窒素、DINの濃度になっていることが見られております。

 こういった点につきまして、まとめの98ページから各湾・灘についてそれぞれまとめさせていただいているところでございます。細かい説明は割愛させていただきますけれども、全体としては紀伊水道、播磨灘、備讃瀬戸では昭和58年ごろから上昇傾向が見られると。平成に入って低下が見られ、近年の濃度のレベルは昭和58年、59年ごろと同等程度と見られます。大阪湾、周防灘では低下傾向が見られます。ただ、大阪湾のほうはかなり値が大きいので、同じ低下傾向といっても違った意味を持つかというふうには考えております。また、備後灘、燧灘、安芸灘、広島湾、響灘、豊後水道等では窒素については上昇、低下を繰り返していると。横ばいの状況ということでございます。

 こういった形で水質について整理をさせていただいているところでございます。時間の関係から他の項目についてはざっと全体的な傾向を99ページ以降のまとめの傾向を説明させていただきます。

 T-Pにつきましては、広域総合水質調査で見ると、紀伊水道、播磨灘、備讃瀬戸、安芸灘、広島湾などでは一度上昇し、その後低下した後に横ばいになっています。備後灘、燧灘、周防灘では上昇と低下を繰り返しつつ全体的に大きな変化は見られていません。大阪湾、伊予灘、豊後水道、響灘は低下傾向にあるが、大阪湾は他の湾・灘と比べ濃度が異なり減少幅も非常に大きいという結果でございます。

 101ページになりますけれども、DOについてはほとんどの海域で大きな変化はございませんでした。ただ、102ページの備後灘、燧灘においては浅海底線調査の下層のほうで若干昭和47年、51年度ごろに低下した後に、昭和63年度ごろに上昇し、あとはほかの調査と同じような値で横ばいになっているという状況が見られました。

 続きまして、102ページの下のクロロフィルaについても簡単にご報告させていただきます。クロロフィルaについても幾つかの傾向がございまして、紀伊水道、備後灘、燧灘、安芸灘、伊予灘、響灘では上昇、低下を繰り返しつつ概ね横ばいで推移しています。大阪湾、広島湾は昭和50年代後半に一度上昇が見られると。その後低下した後に上昇、低下を繰り返しています。播磨灘と備讃瀬戸は横ばいに推移した後、平成10年台初頭に増加し、その後低下をしています。その後、横ばいもしくは上昇と低下を繰り返しているという状況でございます。

 水温につきましては、ほとんどの海域で上昇傾向というのが見られています。こういった形でグラフの状況を現時点では上下の傾向等は見た目で判断しているところですが、今年度以降、統計的な解析も加えまして、改めてこういった水質項目について何年から上昇傾向にあるのかとか、そういった傾向の評価を再度行っているところでございます。また、今後この変化に対して他の底生生物や底質との関係性についても考察を加えていきたいというふうに考えております。

 水質については以上でございます。

 続きまして、底質の変化についてご説明させていただきます。底質調査は昭和56年~60年、平成3年~6年、平成13年~16年の3回実施しております。過年度の調査結果との整合性に留意しつつ、第4回調査を平成27年度から開始しており、下の図に示します東部海域について平成27年に調査を実施しました。今回はこの27年度に実施した紀伊水道、大阪湾、播磨灘、備讃瀬戸について、第1回~第4回の調査結果をもとに底質の変化傾向を整理しています。調査地点は155地点で、平成27年7月18日~29日に調査を実施しております。

 次のページ、106ページですけれども、スミス・マッキンタイヤ型の採泥器で3回採泥し、船上観察を行い、性状等を確認した上で、船上で混合しております。底質の分析項目は主な項目は泥温、酸化還元電位、粒度組成、強熱減量、COD、TOC等、あと栄養塩類でございます。

 109ページを見ていただきますと、底質分析の方法が第1回~3回と第4回で若干泥分率、COD、T-P、T-Sについて違いがございます。このため、COD、T-P、T-Sについては過年度調査で用いられてきた分析方法でも分析を行い、分析方法の違いによる分析値の差について確認をしてございます。T-Pについては第4回と第3回の方法で大きな差は見られないという状況です。

 それでは、結果について報告させていただきます。

 110ページ以降が結果となっておりますが、110ページ~119ページまでは第4回調査の結果でございます。120ページからが過去の調査との比較になりますので、ここからちょっとご紹介させていただきます。

 120ページのほうをご確認ください。第1回調査~第4回調査の水平分布の比較を示しております。COD、T-P、硫化物に関しては第4回と調査方法が異なるため単純には比較できないため、今回は説明は割愛させていただきたいと考えております。

 それでは、121ページ、泥分率でございますが、ほとんどの海域で第1回~第4回で大きな変化はありませんでしたが、紀伊水道の北部でやや上層傾向がございます。

 122ページですが、第1回調査~第4回調査で大阪湾の湾奥部で、こちら泥分率を90%以上の値をさらに細分化して図示したものです。大阪湾の湾奥部でやや低下傾向。また、第2回~第3回の間に紀伊水道の東部に増加しているエリアというのが見られています。

 123ページの強熱減量でございます。第1回、第4回では全体的に低下しており、第3回、第4回でも多くの海域で低下していますが、一部大阪湾の淡路島沖、備讃瀬戸北西では第3回調査と4回調査の間で増加が見られるところもあります。

 続きまして、125ページに移らせていただきます。全有機炭素、TOCは第1回~第4回にかけて徐々に減少傾向が見られています。

 続きまして、126ページ、T-Nですが、こちらもTOCと似たような傾向がございまして、第1回~第4回にかけて徐々に減少傾向が見られています。T-Pにつきましては大阪湾と播磨灘、紀伊水道、備讃瀬戸北西部でやや第1回調査と比較すると徐々に値が高くなっています。

 次に、129ページです。こういった調査結果について湾・灘ごとにどういった変化が見られるかを検討するために、各湾・灘について分析した結果が入っております。

 131ページをご確認ください。紀伊水道の経年変化です。紀伊水道では泥分率、強熱減量、TOC、T-Nの4項目について見てみると、泥分率の上昇が顕著となっています。他の項目については概ね横ばい、TOCが若干減少しているかなというところです。

 続きまして、大阪湾の経年変化、133ページでございます。大阪湾はTOCとT-Nが低下をしているというような結果が見てとれます。

 続きまして、播磨灘の経年変化でございますが、135ページ。播磨灘では泥分率は横ばいで、強熱減量、TOC、T-Nは低下傾向です。

 続きまして、備讃瀬戸の経年変化です。137ページ、備讃瀬戸では各項目とも横ばいで全体的には変化が見られていません。

 139ページにこれまで説明した内容について、特に過去の調査の比較ということで紀伊水道では例えば他の海域と比較して泥分率の上昇が顕著にみられました。一方で、強熱減量、TOCは横ばいかやや低下傾向。大阪湾では泥分率と強熱減量は横ばいであり、TOCとT-Nは低下傾向でした。播磨灘では泥分率は横ばいで、強熱減量、TOC、T-Nは低下傾向となっています。備讃瀬戸では全体的に4項目とも変化が小さいといった形でまとめさせていただいております。

 底質については以上でございます。

 続きまして、底生生物の変化について説明させていただきます。

 底生生物についても底質と同様に同じ海域で調査を実施しておりまして、調査地点も調査日も同様でございます。

 141ページにございますが、スミス・マッキンタイヤ型の採泥器を用いて海底表層土を2回採泥して、1ミリのふるい上に残った生物を採取して試料にしております。

 それでは、結果のほうについてご説明させていただきます。

 底生生物調査につきましては、種類数、個体数、有機汚濁指標種について過去の調査の比較や底生生物と底質項目の相関関係について分析をしております。

 結果は142ページから今回の結果がございまして、145ページから分析結果を示させていただいております。145ページのほうをご確認ください。過去の調査結果との比較ということで、種類数、個体数、有機汚濁指標種などについて比較を行っております。基本統計量は表5-13、146ページのほうに掲載させていただいております。紀伊水道では種類数は第4回調査が一番多く、個体数は第3回調査が一番多いという調査間で第3回がやや大きいような値が場所によって見られております。

 それでは、148ページをご確認ください。紀伊水道の底生生物の種類数になります。種類数の平均は先ほど申し上げたように、第4回にかけて増加していますが、第2回と第4回が似たような分布をとっています。

 続きまして、紀伊水道の底生生物個体数の分布でございます。個体数は第2回と第4回は同等程度です。先ほど申し上げたように、第3回調査で松茂町沖で個体数の大きな急増といった現象が見られました。

 続きまして、151ページ、152ページをご確認ください。紀伊水道の底生生物汚濁指標種の個体数でございます。第2回調査においては個体数少ないですけれども、全体的に汚濁指標種というのが確認されていますが、第4回調査では限られた地点のみで確認されるということで、多くの地点で汚濁指標種が見られないという状況に変化しておりました。

 続きまして、大阪湾の過去との比較についてご説明させていただきたいと思います。160ページをご確認ください。大阪湾の底生生物の基本統計量ということで、種類数、個体数の地点平均は第4回調査が種類数、個体数とも一番高いという結果が得られております。

 続きまして、164ページをご確認ください。底生生物の個体数は第3回~第4回で湾の北側と東側を中心に大きく増加が見られております。特に過去個体数がゼロもしくは非常に少なかった地点での増加が見られ、底質、水質環境等の変化に伴って生息環境が改善し、汚濁指標種が徐々に出てきているという状況かというふうに考えております。

 続きまして、166ページでございます。今説明した底生生物の個体数でございますけれども、そのうちの汚濁指標種の個体数の状況でございます。湾の北側、東側ではシノブハネエラスピオが優占していると。淡路島の洲本沖ではシズクガイが優占している状況が見られます。

 続きまして、播磨灘についてもご紹介させていただきます。

 177ページをご確認ください。播磨灘の底生生物の種類数でございますが、種類数は第1回~第4回にかけて全体的に増加傾向が見られます。

 続いて、178ページ、底生生物の個体数でございます。個体数は岡山県の岡山市から備前市にかけて、また姫路など北部で増加傾向が見られています。第3回までは非常に個体数が少なかった北部で個体数の増加が見られます。

 180ページをご確認ください。播磨灘の先ほどの北部の汚濁指標種の個体数の状況でございます。北部の汚濁指標種はシズクガイが優占しており、この海域というのは先ほど申し上げたように第1回、第2回ではそもそもの底生生物の個体数が非常に少なかった海域でございまして、大阪湾と同様に、まず汚濁指標種がこの海域環境の変化にあわせて生息してきているという状況かというふうに考えております。

 続きまして、181ページ、182ページのほうをご確認ください。こういった底生生物と底質との関係につきましては、各項目間の関係も表のほうに整理をさせていただいております。播磨灘を例にご説明させていただきますけれども、底生生物の種類数は底質の砂の含有量で正の相関、種類数と泥分率、強熱減量、COD、TOC、T-P、T-N、硫化物で負の相関が見られております。個体数は種類数と概ね同様の相関関係が見られております。この関係の図につきましては183ページのほう、播磨灘の底生生物の調査項目と底質分析項目との相関関係ということで表に整理させていただいております。先ほどご説明したとおり、種類数と砂の含有量に正の相関、泥分率、強熱減量、COD、T-P、T-N、TOCで種類数、個体数と負の相関というのが見られておるところでございます。

 続きまして、190ページをご確認ください。備讃瀬戸の底生生物の種類数についてご紹介させていただきます。備讃瀬戸の種類数は第2回と比べ水島港沖西側で増加傾向が見られます。

 また、192ページの底生生物の個体数は第3回の調査が最も多く、多度津沖が多くなっておりますが、このエリアは第1回、第2回、第3回とも個体数がやや多い傾向にございました。

 こういった底生生物の状況につきまして、198ページのまとめのほうに各湾・灘ごとに、紀伊水道、大阪湾、播磨灘、備讃瀬戸という形でとりまとめさせていただき、記載をさせていただいているところです。

 まとめの内容につきましては今ご説明させていただいた内容となっております。以上でございます。

○岡田委員長 ありがとうございました。

 それでは、ただいまのご説明に関しまして、ご質問、ご意見等がございましたら。どうぞ。

○上田委員 私もずっと底生生物を見てきたのですけれども、汚濁指標種というふうにしていますけれども、例えばシズクガイも汚濁指標種で、シノブハネエラスピオも汚濁指標種というのですけれども、この汚濁指標種としてのクラスというかそういうのがある気がするのですね。解析の仕方が指標生物という観点でやっているというのと、あとはその解析で相関を見ているのですけれども、結局泥分率が高いところはイグニッションロスも高くなるしCODも高くなるしT-PもT-NもTOCも高くなるのですよね。ということは、やはりそこの海底の底泥の状態がすべてをある程度というか、圧倒的な率で反映しているような気がするのですよね。そういう底泥のところに出てくるものを汚濁指標種というふうに見たような解析結果というかそういう方向の解析結果になっているような気がするのですけれども、それで変化というのが果たして本当に見えるのだろうかというふうにちょっと今お話を聞きながら私としては思ったのですけれども。

 ちょっと今後の解析になると思うのですけれども、何かほかにアイデアはないですか。

○岡田委員長 では、事務局のほうで今までの意図を。

○坂口室長補佐 今回の調査ではまずちょっと説明を省きましたけれども、チヨノハナガイ、シズクガイ、カタマガリギボシイソメ、フクロハネエラスピオ、シノブハネエラスピオ、エーレルスシスピオの6種類というのを有機汚濁指標種という形でまずは解析をさせていただいております。底質の長期変化と各項目について解析をするという趣旨でやっておりますので、汚濁指標種が出るような場所がどう変化したかとかそういったところを見ていくという意図で見てきたところでございますが。ご指摘も踏まえまして今後の解析にどういうものを用いたらいいかというところは再度検討させていただきたいと思います。

○岡田委員長 よろしくお願いします。

 ほかにございますか。どうぞ。

○高村委員 瀬戸内海はきれいになってきていると、それでT-N、T-Pはちょっとデータよくわからなかったですが、減っているので、汚濁指標種を使うというようなことはもうやめて、生産量を反映するような値、生き物ですね。これ種数というのは生物多様性を反映するのでそれでいいと思うのですが、個体数というのはバイオマスとはちょっと違うのですね。だから、すごく小さいサイズの、私海のベントスのほうはあまりよく知らないので言えないのですけれども、すごいでっかいものがドンといるのと小さいのがいるのも個体としては1なのだけれども、バイオマスとしては全然違うけれども、それを魚が食べた場合に生物生産量はどうなるかというと、でっかいのを食べたら魚はよく育つわけですよね。

 だから、そういうふうな何を指標にするかというのはもうちょっと考えて、もう汚濁というのは大体局所的に大阪湾の端とか、湾口部は相変わらず見ていけばいいとは思うのですが、全体のやはり豊かな海を実現するというのは漁獲量なりのデータを見ていくというふうなことが指標になるのではないかなと思うのですが。

○坂口室長補佐 ありがとうございます。今回はこれまで調査結果があるものをまず見てみようということで、水質の変化、底生生物の変化、底質の変化というところを解析させていただいたところでございますけれども、ご指摘を踏まえまして、水産資源だったり、ちょっと生物多様性というのをどういう見方をするかというのはちょっとまだ頭にありませんけれども、どういった形で海域環境を評価していくべきかというところは、これ以外にも検討していきたいというふうに考えています。

○柳委員 今の上田さんの話ですけれども、相関で種類数とか個体数が砂分、泥分と逆フレームなという話されましたよね。そういう結果になっていますけれども、だから彼女が言ったのは泥分で決まっているのではないかと言ったけれども、これ底質の変化を見たら泥分そのものは2回、3回、4回で変わってないですよね、ほとんど。増えたところもあるし。そうすると、この結果とベントスが種類数、個体数が増えたというのは相関関係とは整合性がないのではないか。

○坂口室長補佐 そこは再度確認させていただいて、整理したいと思います。

○柳委員 確かにこれ今高村さんが言ったように、環境はよくなっている感じなのですね、種類数、個体数が増えて。汚濁指標種はどうか分からないですが。今までいなかったところにだんだん増えてきたのだから悪くはなっていないと思うのですけれども、それが底質の性状ということでベントスの生息環境、ハビタットは関係しないというのは聞いていてよくわからないです。私知りたいけれども、わからないので、ぜひ頑張ってください。

○岡田委員長 それでは、ベントスと底質の解析につきましては今幾つかご意見いただきましたけれども、それを参考に事務局のほうで再度、始めたばっかりですからこれからさらにいろいろな解析方法を検討されると思いますけれども、参考にしていただいて、よりよい解析になるようにお進めいただければというふうに思います。

 ほかのご質問ございますでしょうか。どうぞ。

○鷲尾委員 今のことなのですけれども、海の底で何が起こっているかというのをやはり物語としてとらえないといけないと思うのです。貧酸素水塊ができて無酸素状態になれば生物ほとんどいないです、ベントスというのは。そこまで強度に汚濁が進んだところという状況から、回復してくる過程でようやく指標生物が出てくるわけです。その後徐々に改善されるにつれてさらに種類数はふえてくるのですけれども、浄化が進みすぎて泥地から砂地にまで変わってしまうと、今度また生物いなくなるのです、ナメクジウオしかおらんようになってします。そういう意味でこれはかなり汚濁から強汚濁の範囲内での指標にはなるかもしれませんけれども、今後白砂青松の瀬戸内海になってくるとまた違う物差しになってくると思いますので、海の底の状況がやはり貧酸素水塊の広がりというのと非常に関係しておりますので、ぜひそこを解析に加えていただけたらと思います。すみません。

○岡田委員長 ありがとうございました。

 それでは、まだあるかもしれませんが。では、手短にお願いします。

○山田委員 すみません。ここ非常にいい相関が出ているのですけれども、例えば183ページで、危険率が1%とか出ているのですけれども、これは第2回目だけの、全比較、試料数というのは第2回目だけ、第3回目だけ、第4回目だけで、第2回目から3回目4回目全部ひっくるめた比較ではないですよね。そこがやはり何となく釈然としないところの原因だと思います。

 あともう一つ、パラメータなのですけれども、検討項目なのですけれども、これだけ資料がたくさんになると非常に生物多様性であるとか気候変動にいい資料だと思います。今言っていただいたように、DOとの関係、あるいは水温との関係もパラメータとして含めていただけたらと思っています。

○岡田委員長 ありがとうございました。よろしいですね。今のご注意も。

 それでは、まだあるかもしれませんが、あと一つ、資料6がありますので、資料6をご説明いただいてからご質問等を再度いただきたいと思います。では、資料6のご説明を、事務局申す手短にできませんか。よろしくお願いします。

○坂口室長補佐 資料6では湾・灘ごとの水環境を取り巻く課題ということで、湾・灘ごとの実情に応じた方策の検討を進めるに当たって、関係府県等のご意見も伺いつつ、湾・灘ごとに着目する観点を設定した上で、その観点に係る各種データの整理を行うこととしております。今回は紀伊水道、大阪湾、播磨灘、備讃瀬戸について整理を行いました。

 湾・灘ごとに着目する観点はこの表6-1のとおりで、本日は一例といたしまして大阪湾の湾内における水質の傾向の違いについてというものと、播磨灘のノリ養殖を取り巻く環境の変化についてご紹介させていただければと思います。

 20ページをご確認ください。大阪湾の湾内の水質の状況ということで、今回大阪湾が湾内で水質の環境の状況が異なっているという点に着目しまして、大阪湾を湾奥、湾央、湾口の3つに区分し、各海域内における水質等の状況を整理してございます。広域総合水質調査、公共用水域水質調査及び浅海底線調査を用いて大阪湾における上層の水質濃度の推移を整理しました。

 湾奥、湾央、湾口の区分につきましては、瀬戸内海の環境保全に関する大阪府計画におけるゾーニングを参考に、21ページの6-19の図のとおりに区分しております。各調査の調査地点は6-20のとおりとしております。

 22ページをご確認ください。広域総合水質調査のCOD、T-N、T-Pの変化、23ページがDIN、DIPの変化でございます。広域総合水質調査の結果では水温を除きCOD、T-N、T-Pなど各項目で、湾奥部で明確な低下が見られています。湾央、湾口では逆にCOD、T-Pは横ばいで、T-Nもやや減少という形で、湾奥と湾口、湾央で異なる傾向が見られております。

 水温に関しましては24ページですが、全海域区分で同様の傾向がみられました。

 公共用水域の結果でございますが、25ページでございます。CODは先ほどと異なりいずれも横ばいで、T-Nはいずれも減少傾向、T-Pもいずれも減少していますが、湾奥から湾口にかけて低下の程度はやや小さくなっていることがわかります。

 続きまして、26ページをご確認ください。DIN、DIPは変動がありますが、全体的には湾奥のほうが低下傾向が大きいという状況でございます。

 続きまして、28ページでございますが、海域ごとに広域総合データ、公共用水域データ及び浅海底線データによるCOD、窒素、リン、それぞれの項目の推移を記してございます。

 その整理したグラフが30ページ以降になっております。多くの水質項目で湾奥で広域総合水質調査の結果がやや高い値、例えば30ページのCODを見ていただくと、やや昭和57年から平成元年ぐらいにかけて高い値を示しており、ずっと横に上の列を見ていただくと、それぞれ湾奥部が広域総合水質調査がやや高いという傾向を示しております。一方で、2段目、3段目の湾央、湾口部では両方の調査とも同程度の値で推移しております。浅海底線調査と広域総合を比較した場合も同様に、湾奥のほうでやや高い値が見られるという状況でございました。

 これらの調査結果につきまして、49ページのほうにまとめております。湾内における水質の傾向の違いについてと。2ポツ目でございますが、大阪湾内の海域ごとの湾奥、湾央、湾口ごとの窒素及びリンの濃度は湾奥では低下傾向が明確に見られると。一方、湾口では湾奥に比べてその低下の程度は総じて小さくなるなど、各海域でその傾向は異なっていると。そのような傾向はDINやDIP、クロロフィルaでも同様に見られるというような形で状況をまとめてございます。

 続きまして、2つ目のノリ養殖に関する点について、次の51ページのほうをご確認ください。播磨灘においてノリ養殖を取り巻く環境の変化を把握する上で重要な冬季の栄養塩濃度や植物プランクトン等に着目し、広域総合データ及び浅海底線データ等について整理を行いました。

 ノリの生産状況の変化でございますが、兵庫県の養殖ノリの生産枚数は平成5年まで増加、平成10年ごろから減少傾向が見られた。近年では平成23年、26年に前年度より増加するといった傾向が見られています。

 ノリ養殖の環境の変化を把握する上で重要な冬季の栄養塩濃度の水環境に関するデータを整理しまして、52ページのほうをご確認いただきますと。冬季のDINの濃度は一番上でございますが、昭和48年から58年にかけて低下し、昭和58年から59年度ごろから上昇した後に、平成3年から9年ごろから低下し、近年の濃度レベルは昭和58年から59年程度と同程度という形になっていることがわかりました。クロロフィルaの濃度は、昭和57年度ごろから低下した後、昭和62年から上昇、水温については昭和60年ごろから上昇し、近年の水温は昭和60年ごろと比べるとやや1~1.5度程度高いという状況でございます。

 また、赤潮の発生件数は、平成13年ごろからは毎年のように発生しているという状況が確認されています。

 続きまして、54ページをご確認ください。大型の珪藻類についてということで、ノリの色落ち現象はノリの生長に必要な栄養塩類不足というのが指摘されておりますが、近年瀬戸内海では栄養塩類の消費量の多い大型珪藻類が冬季に大量発生することにより栄養塩類の減少が起こっているとの指摘がございます。

 表6-2に瀬戸内海における赤潮による色落ち被害の発生状況について整理しております。この表を見ていただきますと、平成13年度以降、Eucampiaを主構成種とする赤潮とそれに伴うノリの色落ち被害が多く発生していることがわかります。

 55ページにも播磨灘上層における1~4月の月別植物プランクトンの組成の長期変化を示しておりますが、やはり各月のいずれも近年はEucampiaの割合が増加する傾向が見られております。

 続きまして、57ページは広域総合水質調査による植物プランクトン調査の結果ですけれども、こちらも平成8年度ごろからEucampiaの割合が増加する、この赤い棒グラフでございますが、そういった傾向が見られております。また、Eucampia等の珪藻類に係るこれまでの知見も併せて整理をさせていただいておるところでございます。57ページの四角の中にこれまでの知見、播磨灘ではEucampiaの大型珪藻類が大量発生の可能な時期は鉛直混合期、10月~4月に限定されると、この時期がノリの養殖期と重なるため、栄養塩類の競合が起きていると。この珪藻類の大量発生は結果的にノリに色落ちを及ぼすと。

 また、近年水温が上昇傾向にあり、低水温期における水温の上昇がEucampiaの増殖にとって有利な環境変動であると考えられると。また、栄養塩が枯渇するまでEucampiaは増殖することが可能ということで、栄養塩レベルが低下した海域では、他種との競合に有利となる可能性があるといった知見、先ほどご指摘いただきました知見も含めて整理をさせていただきました。

 この内容につきまして、66ページのまとめのほうに整理をさせていただいております。内容は今ご紹介したとおりですけれども、こういったことを踏まえまして、栄養塩類や水温、Eucampia等の大型珪藻類の先ほど申し上げました遷移といった部分についても確認していくということで調査を現在進めているところでございます。

 ご紹介は以上になります。

○岡田委員長 ありがとうございました。

 それでは、ただいまの資料6につきましてご質問ご意見等がございましたらお願いいたします。よろしいですか。資料5のほうも含めて。どうぞ。

○内藤委員 資料6の54ページですけれども、平成25年度までの資料になっております。近年のこの切れている26年~28年ぐらいではこのEucampia zodiacusが発生しているにもかかわらずノリの色落ちが余り見られないというような状況も出てきておりますので、こういったところも、66ページにまとめられているようにノリの養殖に関する取り巻く環境というのはEucampiaだけではなくて栄養塩類等の水質、あるいはここで挙げていただいていないような環境についてもまた精査していただいて、近年の状況をもう少し把握していただいて、ノリの養殖に関する環境の分析に努めていただきたいなというふうに思います。コメントです。

○岡田委員長 ありがとうございます。今のコメントよろしいですね、事務局。ありがとうございました。

 ほかに。

○柳委員 30~31ページは、広域総合と公共用水域で広域総合のほうが値が高いという話ですよね。

○坂口室長補佐 これは恐らく21ページの調査地点の配置を見ていただきますと……

○柳委員 広域総合のほうが沿岸により近いところも。

○坂口室長補佐 広域総合は基本的には万遍なく設定するのですが、大阪湾に関しましては湾奥のしかもかなり奥にしか調査地点が配置されていないので、その部分が効いているものというふうに考えます。

○柳委員 だから言いたいのは、こんな図つくって意味ないのではないか。見る人が誤解するだけ。

○坂口室長補佐 わかりました。

○根木閉鎖性海域対策室長 少しこれまでいただいたところで意見というか、いろいろな調査があるので、そういった調査を一回並べてみたらどうだというようなそういうご指摘を過去の類似の議論でいただいたことがありまして、それでまずやってみたと。ただ、これが最終形ということでは思っておりませんで、また本日も意見いただきながら、少しこのデータを統合していくとかそういったことを今後ご意見いただきながら進めていきたいという趣旨であります。そういった意味で少し途中の作業のものかもしれませんが、まずこの時点でアドバイスいただきたかったという趣旨でございます。

○岡田委員長 ありがとうございました。いいですか。結局これは最終的にはどうされる、ほかの海域も含めてさまざまな調査があって、それはどうやってまとめるのか、そもそも平均とは何かと余りややこしいことを言い出すとキリないことはわかっていますが、何か今までの環境省なりほかの省庁なりのある種のこういう統合の仕方の方針みたいなのはあるのですか。これ3つ違う調査だからこうなりましたというと、やはり柳先生おっしゃるようになかなかわかりにくいし、全部まとめてやればいいかなとも思うけれども、本当にそれでいいかどうかも私もよくわからないので、何かその辺今までの知見ありますか。

○根木閉鎖性海域対策室長 今までの知見というよりも、まさに今申し上げたことかもしれないのですが、少しいろいろな調査があるので、調査によってまた結果も違って見えるのではないかというところが関係者の方の意見の総意というところでもあるのではないかと、そんなご指摘もありましたので、まず今回のものでは複数の調査を並べてみたと。それで、今後このデータを一緒に取り扱っていくことができるかとか、そんなあたりももしよろしければ少し検討してみたいなと。また一歩進めたものを皆さんに見ていただいて、なるべく関係の方が共通の認識を持てるようなところでご議論いただきたいと思っていますので、随時アドバイスをいただければありがたいと思っています。

○岡田委員長 ありがとうございました。事務局の趣旨よくわかりました。

 ほかにございますか。どうぞ。

○細川委員 今のような方針であれば、一つつくっていただきたいのは、資料4の1ページ目の栄養塩類の多寡と漁獲量等の関係については議論が分かれているというふうに書かれているので、この議論が分かれるもとになったグラフというものをつくって見せていただきたいと。

○岡田委員長 いいですね。

○根木閉鎖性海域対策室長 検討させていただきます。

○岡田委員長 ありがとうございます。

 ほかにございますか。どうぞ。

○池委員 この播磨灘のデータなんていうのは、今までは水をきれいに、だけだったのに対して豊かに使おうという中での明確なデータの一つで、非常にいいまとめ方かと思います。大阪湾のほうは逆に水質がまだ悪いという部分の指摘があったようなところではあるのですけれども。逆に大阪湾などでも水質の問題だけではなくて、使い方という養殖だけではないですけれども、使い方という中でどういう問題があるかという、やはり人との関わり、人の豊かさとの関わりでまとめていただけるようなところを各湾・灘ごとに出てくると非常にいいかなというぐあいに思った次第です。

 それから、将来それを考えていくというのがこの次の検討の進め方の中で重要なのですけれども、温暖化で水温が上がってくるとか、非常に複雑であるというのと、もう一つは人の活動も人口が非常に減ってくるとか産業構造が少し変わってきているのでそれも変わってくるというところが出てくるかと思いますので、そういう視点も少し含めていかないと、せっかくの分析が将来につながらないかなというところがありますので、そういうのも含めて検討のほうに入っていただいてはいかがかなと思います。

○岡田委員長 今のご指摘もよろしいですね。ありがとうございました。

 どうぞ。

○高村委員 やはりきれいで豊かな海の確保という、豊かな海というのは魚類生産とか漁業というのが直接非常に関係していると思うので、農水省の説明ございましたけれども、農水省関係の研究所でここを場にして研究されている方とかモニタリングされている方とかそういうふうなデータとかもやはり出していただいて、総合的に考えられるようにしていただければなと思います。

○岡田委員長 よろしいですね。

○坂口室長補佐 水産庁さんともご相談させていただきながら検討させてもらいます。

○岡田委員長 ありがとうございます。

 ほかに。どうぞ。

○足利委員 今の資料5、6に直接ではないのですけれども、もちろん漁業生産の部分はとても大事なのですけれども、この資料4のところに生物多様性と生物生産性の関係というところがあるのですけれども、生物多様性の観点では瀬戸内海にもまだ希少種ですね、例えばウミガメであったりカブトガニだったりアオミズというような希少種もおりますし、あと渡り鳥のガンカモ類、それからシギチドリ類などの飛来地という意味での干潟も非常に重要で、その辺の視点が今ないのですね。できれば環境省さん、モニタリング1000でこういった渡り鳥の状況などもお調べになっていらっしゃると思いますので、新たに調査をしてくださいということではなくて、そういった手持ちの資料などもこういう資料としてまた加味していただけるといいかなと思います。

○岡田委員長 ありがとうございました。今のご指摘もよろしいですね、自然環境局でたしか持っているはずですので。よろしくお願いいたします。

 ほかに、先生どうぞ。

○鷲尾委員 先ほどの漁獲量等との関係も考えるというのは非常に難しい面がございます。漁獲量あるいは漁獲高というのはやはり経済活動ですので、そのときの相場がどうか、あるいは他産地との競合状況、そういうものが影響してまいりますので、そういう意味では水質を図るような科学分析に出てくるデータだけではなく、そういう聞き取り調査も含めた社会学的、人文学的なアプローチのデータというのも必要になってくるのではないかと思います。

 だから、科学的な根拠に基づく管理というのは言われるわけですけれども、数値データだけにこだわっているとちょっと見えなくなってしまうものがあるのではないかという危惧はあります。

○岡田委員長 ありがとうございました。よろしいですね。

 どうぞ。

○早水大臣官房審議官 今の関連ですけれども、要するに漁獲高というのは経済活動の強度によって変わってくる客観的な数値ではないという点もありまして、水質は測定した結果ですけれども、魚の例えば量に当たるものですね、水がきれいなったあるいは汚くなったことによって実際に魚の量あるいは底生生物の量がどう変わるかということについて、底生生物もベントスとかでしたら大丈夫かもしれませんが、特にそういう魚介類に当たるものの、科学的な客観的な量というのをどうやって見ていくかというのはなかなか難しい点もあると思いますので、そこはちょっとまたいろいろご相談もしながらいい指標を使っていきたい、見つけていきたいと思っております。

○岡田委員長 ありがとうございました。よろしいですか。

 ほかにございませんでしょうか。

 それでは、そろそろ予定の時間になりました。本日はきれいで豊かな海の確保に向けた検討ということでご審議いただき、今までたくさんのご意見をいただいたことを深く感謝いたします。今後も継続的に検討を進めるという必要がありますので、本日いただいたご意見を踏まえて事務局で検討をお続けいただければというふうに思います。

 議題については本日以上でございますが、全体を通じて何かご注意があれば最後に承りたいと思いますが、よろしいですか。

 はい。それでは、事務局から何か連絡事項がございますでしょうか。

○伊庭審査係長 本日の議事録についてでございますが、委員の皆様には速記がまとまり次第お送りさせていただきますので、ご確認をお願いいたします。また、ご確認いただいたものを環境省のウェブサイトで公開いたします。

 最後になりますが、水・大気環境局長の高橋よりご挨拶を申し上げます。

○高橋水・大気環境局長 閉会に当たりまして一言ご挨拶を申し上げます。

 きょうの委員会は先般の法律の改正、基本計画が変更されてから2回目ということになりますけれども、長時間にわたりまして非常に活発なご意見、示唆に富むご指摘をいただきましてまことにありがとうございました。

 また、きょうの委員会の前半では関係省庁の皆さんから施策の実施状況を説明していただきました。ご協力に改めて感謝申し上げます。

 いま大分議論が白熱いたしましたけれども、このきれいで豊かな海の確保に向けた検討、大変難しいですけれども、大変重要な課題だと思っております。今回お示ししたデータはまだ解析が始まったばかりでございますので、本日いただいたご意見、またさらには地元で現場で深く研究・調査されている方のご指摘などもいただきながら、なおかつある程度の時間でそれなりのまとめをしなければならないということで、戦略も考えながら進めていかなければいけないというふうに感じました。また引き続きご指導ご指摘をいただければと思います。

 また、前半の取組状況につきましてもこの基本計画では概ね5年ごとに施策の進捗状況を点検ということになっておりますので、引き続きこの委員会で関係省庁の施策についてのご確認もいただければと思っております。私どもといたしましても引き続き関係省庁、関係府県とよく連携をとって取り組んでまいりたいと思いますので、引き続きこの委員会におきまして、また委員会以外の場でも先生方のさまざまなご指摘、ご協力、ご指導をいただければと思いますので、今後ともよろしくお願いします。

 きょうはありがとうございました。

○根木閉鎖性海域対策室長 本日時間の都合で資料について全部説明できていないところがありまして、例えば資料6は7つほどトピックがありましたが、そのうち2つだけ説明させていただいたような状況でありますので、大変皆様恐縮でございますが、もしよろしければお目を通していただいて、気になる点があれば事務局、環境省までアドバイスいただければ幸いでございます。どうぞよろしくお願いします。

○伊庭審査係長 ありがとうございました。

 それでは、委員長に進行をお返しいたします。

○岡田委員長 それでは、以上をもちまして、第9回の小委員会を閉会とさせていただきます。

 本日はどうも本当にありがとうございました。

午後4時25分 閉会