中央環境審議会 水環境部会 総量規制基準専門委員会(第5回) 議事録

1.開会

2.議題

  1. (1) 水質に係る化学的酸素要求量、窒素含有量及びりん含有量の総量規制基準の設定方法について
  2. (2) その他

3.閉会

配付資料一覧

資料1  総量規制基準専門委員会委員名簿
資料2  「水質に係る化学的酸素要求量、窒素含有量及びりん含有量の総量規制基準の設定方法について」(中央環境審議会水環境部会総量規制基準専門委員会報告案)に対する意見募集結果について
資料3  「水質に係る化学的酸素要求量、窒素含有量及びりん含有量の総量規制基準の設定方法について」(総量規制基準専門委員会報告案)

総量規制基準専門委員会委員名簿

委員長 岡田 光正 元 広島大学大学院工学研究科教授
委員 河村 清史 埼玉大学大学院理工学研究科教授
木幡 邦男 国立環境研究所水土壌圏環境研究領域長
田中 康男 (独)農業・食品産業技術総合研究機構畜産草地研究所
浄化システム研究チームチーム長
中田 薫 (独)水産総合研究センター中央水産研究所
海洋生産部部長
平沢 泉 早稲田大学理工学術院応用化学専攻教授
古米 弘明 東京大学大学院工学系研究科教授
細見 正明 東京農工大学大学院共生科学技術研究院教授
堀江 信之 国土交通省国土技術政策総合研究所下水道研究部長
松田 治 広島大学名誉教授

午前10時00分 開会

○室石閉鎖性海域対策室長 本日、師走のお忙しい中お集まりいただきまして大変ありがとうございます。
 定刻になりましたので、第5回の総量規制基準専門委員会を開催いたします。
 本日のご出欠の状況でございますが、河村委員からご欠席というご連絡をいただいております。その他の委員の方々は既におそろいになっております。
 それでは、まず資料の確認をいたします。
 議事次第の下半分に配付資料一覧というのがございますが、資料1が総量規制基準専門委員会名簿、資料2が「水質に係る化学的酸素要求量、窒素含有量及びりん含有量の総量規制基準の設定方法について」に対する意見募集結果について、資料3が「水質に係る化学的酸素要求量、窒素含有量及びりん含有量の総量規制基準の設定方法について」ですが、資料3は、C値の一覧表になっております別表の1、2、3が後ろにくっつく形で、全体、セットとして資料3ということになっておりますので、その後に別表1と2と3がついておりますことをご確認ください。
 もし資料の不足等ございましたら、事務局までお申しつけくださるようお願いいたします。
 それでは、この後の議事進行については岡田委員長にお願いいたします。

○岡田委員長 かしこまりました。
 おはようございます。年末のお忙しいところをお集まりいただきましてありがとうございました。
 それでは、早速議題1に入りたいと思います。「水質に係る化学的酸素要求量、窒素含有量及びりん含有量の総量規制基準の設定方法について」についてパブリックコメントの手続がなされたところでございます。その実施状況と結果について、事務局からまずご説明をお願いいたします。

○橋本室長補佐 事務局の橋本でございます。よろしくお願いいたします。
 それでは、パブリックコメントの実施状況につきましての説明をさせていただきます。
 パブリックコメントでは、本専門委員会の報告の取りまとめ案に対する意見を募集してございます。
 パブリックコメントに供しました報告案につきましては、前回の委員会でご確認をいただいたところでございますが、委員会でのご指摘を踏まえまして、前回の委員会でお示ししました案から若干改めた箇所がございますので、まずそちらの方を説明させていただきたいと思います。
 ちょっと資料の順番が前後いたしますけれども、資料3をご覧いただけますでしょうか。こちらが専門委員会報告案ということでございますけれども、1枚おめくりをいただきまして目次がございます。目次の上のところに青字でちょっとコメントをつけておるのですけれども、前回、委員会後、パブリックコメントまでの間で変更した箇所につきましては破線を付しております。その部分についてご紹介をさせていただきます。
 まず、1ページでございますけれども、「総量規制基準の位置付け」の真ん中辺りでございますが、「第7次水質総量削減の在り方について」というところに破線を付しております。これは、前回の資料では、このタイトルの中に(答申)というふうにつけておったのですけれども、そこを表記としては除いたという修正でございます。
 それから、2ページにまいりまして上から4行目の部分でございます。「処理技術動向」という部分でございますけれども、前回の委員会でのご指摘で、「最新の処理技術動向」と「最新の」という言葉をもともとつけておったのですけれども、最新のものに限らず、広く処理技術動向を考慮するということで「最新の」という言葉をとってございます。
 それから、3ページは特に変更箇所はございません。
 4ページでございます。4ページの「<3> 総量規制基準の設定方法を定めるに当たって考慮すべき事項」の2行目でございますけれども、こちらも先ほどと同様に「最新の処理技術動向」というところで「最新の」という言葉を削除しております。
 それから、続きまして5ページの「3 C値の範囲の検討」、こちらの1行目、最初の部分でございますけれども、こちらも同様に「最新の」という言葉をとってございます。
 それから、6ページにまいりまして、真ん中よりやや上の部分でございますが、[3]の記述のところの2行目、なお書きの部分です。「なお、区分232(いずれにも分類されないもの)」という部分でございますが、こちらは前回の案では「区分232「その他」」というふうに書いてございましたが、そちらの方をより告示の表記に近い適切な表現に改めたということでございます。
 それから、次、8ページでございます。8ページのところは、時期区分についての表現につきまして前回ご議論いただいたところでございます。
 パブリックコメントにおきましては、(1)の本日の資料では2行目から3行目にかけての部分になりますけれども、「排水の実態や処理技術の状況等を考慮した上で順次見直していき、Ci、Cjと同値としていく」という表現でございましたが、前回のご議論を受けましてパブリックコメントでは「排水の実態や処理技術の状況等を考慮した上で、Ci又はCjと同値となるように順次見直していく」という表現に改めた上で、パブリックコメントを実施してございます。
 ここで、二重線を付した部分がございますけれども、こちらの方はパブリックコメントを実施してその結果を踏まえた修正の箇所でございまして、こちらについては後ほどまた改めて説明をさせていただきます。
 それから、10ページにまいりまして「1 東京湾等について」の「(1)設定の趣旨」のところの3行目でございます。ここの部分、下線がちょっと抜けてございますが、3行目のところ、「実績を踏まえ、処理技術動向も考慮しつつ」という、ここについても「最新の」という言葉を削除しております。
 それから、(2)の部分、下から2行目でございます。「汚水の再生利用等により」という部分でございますけれども、こちらは「汚水のリサイクルにより」というふうな表現をしてございましたが、汚水をそのまま使うというふうな形にもとられるということで、表現を「汚水の再生利用等」という形に訂正してパブリックコメントを実施しております。
 あと、別表1から3については特に修正は行ってございませんけれども、前回の委員会でのご指摘を受けまして、今回の検討により、第6次の設定から見直した業種等区分のみを抽出いたしました一覧表というのを参考資料として示して、パブリックコメントの手続を実施したところでございます。
 パブリックコメントの手続でございますが、11月30日から12月13日までの2週間、実施をいたしました。
 その結果といたしまして、メールで19通、ファクスで1通、合わせて計20通の提出がございまして、1通で複数の意見というのが出されている場合もございますので、延べの意見総数というのは49件となってございます。
 実施状況については以上でございます。

○室石閉鎖性海域対策室長 それでは、引き続きまして、それぞれの意見に対する本委員会の見解を示さなければいけませんが、その案を資料2にまとめております。これを説明いたします。
 提出されました意見については、ほぼ原文どおり掲載しておりますのでちょっと長目になっておりますけれども、全く同じような内容の意見があった場合は、事務局において整理をしております。それで、先ほど説明しましたように20通で49件でございますけれども、整理番号を冒頭に振っておりますが、同じ内容を整理しまして、最終的には、23種類の意見があったというふうに整理させていただきました。
 それでは、1ページ目から説明をいたしますが、ちょっとその前に、12月10日の水環境部会におきまして鈴木委員からご意見がございましたことをご報告いたします。
 意見といたしましては、産業界の中でのご意見として、自治体でのC値の改定についてと、それから生活系などの陸域対策が重要であるということ、それから藻場・干潟の保全・再生などの海域対策も重要であるといった3点についてご意見がありましたことを報告させていただきます。
 今回のパブリックコメントでのご意見とそれぞれ重なっておりますので、特段、鈴木委員のご意見について特出ししてご議論いただく必要はないかと思っておりますが、あわせて参考としていただいて、パブリックコメントについてお考えいただければというふうに思います。
 では、最初の番号1のところですが、ここから3つ、ほぼ同じ内容でございまして、私どもは規制のご検討をしていただいておるわけでございますけれども、それ以外の生活排水対策であるとか、いろいろなその他の対策が非常に大事であるということのご意見になっております。
 ということなので、見解(案)といたしましては、「ご指摘の箇所については、平成22年3月の中央環境審議会答申「在り方答申」の内容を引用しているところであって、当該箇所を踏まえて、環境省と関係省庁が連携し、第7次水質総量削減に適切に取り組んでいくものと考えます」、こういったような見解(案)を示せばよろしいのではないかというふうに考えました。
 見解(案)は同じになりますが、2番目のところが、「事業場」以外の「生活系」「農業」「養殖業」などの対策の進捗数値化、報告、フォローをすべきというご意見、それから3番目といたしまして、干潟・藻場の保全・再生、底質環境の改善等の施策を着実に実施すべき、こういうご意見でございました。
 3ページ目のところは、報告案の該当ページの順番に沿って意見を順々に整理しておりますので、この<2>章の1番、2番とか、<3>章、<4>章の1番、2番については、特にパブリックコメントでご意見が出なかったということでございます。
 4ページ目をご覧ください。整理番号4番、それから5番とほぼ同じ意見ということでまとめておりますけれども、「現状よりも悪化させないという趣旨であることから、国が現状の設定値を変更する必要はないと考える。」、それから、「国の定める範囲以下に設定している都府県の上限値まで国の範囲(の上限)を下げる必要はない」ということで、C値改定の必要はないというご意見でございます。
 これに対しましては、「在り方答申において、東京湾等についてはさらに水環境の改善を進める必要があり、指定地域内事業場に係る負荷量に関しては、処理技術動向も考慮しつつ、これまでの取組が継続されていく必要があるとされたところであり、本委員会では、この在り方答申を踏まえて、現状より悪化させない等の観点から検討対象業種等を抽出し、実態を勘案して、見直し案を作成したところです。」というご意見ではいかがかと思っております。
 それから、6番、7番でございますが、これも同種の意見ということでくくらせていただいておりますが、「水濁法の第29条で、地方公共団体が条例で必要な規制を定めることを妨げるものではないと規定されておりますが、今般の見直しの実施に当たっては通知等で各自治体の解釈や運用に食い違いがないよう工夫すべき」、それから、次の7番のご意見が「C0の上限値を、都府県が定めたC0値のうちの最大限まで引き下げる」ことについては、見かけ上、規制強化と受け取られるということで、都府県によってはさらなる規制強化が必要と解されることも懸念されるために、10ページのそういった記載の考え方を十分に周知いただきたいというご意見です。
 これに対する見解(案)ですが、「今回の見直しは、在り方答申を踏まえ、現状より悪化させない等の観点から行うものです。各都府県では、環境大臣が総量規制基準のC値の範囲を定めた後、その範囲内で各都府県で適用するC値を設定することとなります(このC値は水濁法に基づき定められているものなので、上乗せというものではないということです)が、その際、在り方答申や本報告書案の趣旨に十分留意し、かつ、各事業場の実態を十分把握した上で、適切なC値の設定が行われるように、第<6>章として「都府県が総量規制基準を定める際の留意事項」について記載したところです。なお、環境省が、今後、第7次水質総量削減に必要な手続を進めていく中で、各都府県に対し、本検討結果の趣旨等について、適宜、周知を行うものと考えます。」としております。
 次に、8番ですが、時期区分についてのご意見でございます。
 時期区分の文章については、次回の在り方委員会で検討すべきではないかということで、「〈理由〉」の下から3行目から4行目にございますが、26年度以降の在り方を議論するときにやるべき内容ということで、今回はしなくてよいのではないかというご意見だったわけでございまして、既に専門委員会では議論しておるわけでございますので、そういう意味では議論済みになってしまっているところなんですが、それで今回こういったご意見が出たことも踏まえながらなんですけれども、改めて資料3の専門委員会報告案、先ほど途中まで説明しておりますが、8ページから9ページにかけての時期区分のところをちょっと開いていただきたいと思います。
 そこで、もう一度、前回あるいは前々回での時期区分のご議論が正確に反映されているかどうかというのを事務局でちょっと検討いたしたのですが、まず8ページの第<5>の「総量規制基準の設定方法」という一番大きな見出しの後に2行ございますが、「<4>における検討を踏まえ、第7次総量規制基準の設定方法を、以下のとおりとすることが適当である」ということなので、第7次について書いてありますよというふうにまず規定しているわけですね。
 という形になっている中で、パブコメにかけた文章でありますと「Ci又はCjと同値となるように、順次見直していく」という文章でございましたので、その第7次における部分、それから第8次以降というのがあるかどうかはまず議論しなければいけないとは思いますけれども、それ以降の時間的なずれのある部分というのをちょっと一緒くたにして書き過ぎていたということで、誤解が生じるおそれがあるのではないかというふうに思いまして、まず第7次の設定方法の中では、時期区分は変更しないというのをまずはっきり言った上で「ただし」という形で、Ci、Cjと同値となるようにやっていく。そのやっていくのは、今次、つまり第7次を含めて順次見直していくということで、第7次を含めて、それ以降の時間も少しわかるようにしながら記述してみたということでございます。
 それから、大阪湾を除く瀬戸内海の部分、9ページの方でございますけれども、文章的には、2の(1)の時期区分は、東京湾等と同様とするということで、趣旨は同じである、つまりこれについては、時期区分という形式に関する委員会でのご議論でございますので、それについては同様であるというふうに言った上で、(3)の「C値の範囲」の3行目にありますように、「<5>2(1)の趣旨による検討も行った上で」、今回、大阪湾を除く瀬戸内海については第6次のままとして変更は行わないことにしたということで、より明確になるように文章を加えさせていただいたという変更をいたしております。
 ということで、意見8に対する委員会の見解(案)といたしましては、まず「時期区分」については、総量規制基準の制度の一部をなす事項でありますので、本委員会での検討対象範囲であるということを言いました上で、ご指摘を踏まえて、本検討結果の趣旨がより明確になるように記述を修正しました。
 「なお、環境省が、今後、第7次水質総量削減に必要な手続を進めていく中で、適宜、周知を行うものと考えます」という文章をさらに加えております。
 それから、9番目の意見ですが、CODのC0について、こういうふうに時期区分のことを言っておりますけれども、特定事業場からの汚濁負荷は既に相当に削減が進んでおるので、これ以上のC0値の見直しは不要であるというご意見ですが、これに対しては、CODのC0値については、今回の見直しにおいても、既に一部業種等区分において、Ci等と同値となるように見直しを行っているところです。時期区分については、長年にわたるいろいろな進展がありまして、以前より排水水質が確実に向上してきているということから、現状より悪化させない観点から、排水実態や処理技術の状況等を考慮して、適切な設定が行われるよう、引き続き検討が必要と考えますという意見にしております。
 それから、6ページ、番号10のご意見ですが、やはり時期区分の関係になりますけれども、特定施設、処理施設の能力変更を伴わない更新については、現状ではC値、Q値、L値を従前のままの数値が付与されている状況であり、引き続き同様の措置をお願いしたい。また、もし答申案にあるように更新時の取り扱いについて検討を実施する場合においては、特定事業場における運用等を十分考慮して検討願いたいという部分ですが、見解(案)としては、「時期区分における特定施設または処理施設更新時の取り扱いについては、今後検討していくとしたところであり、検討の際には、ご指摘の内容について十分参考にさせていただきます」というふうにしております。
 それから、7ページの意見11からですけれども、ここは、11、12、13、14と同種の意見でございましたので、4つまとめて見解(案)をつくらせていただいております。
 意見については、いずれも、各自治体が、例えば上乗せのような設定をする必要はないであるとか、あるいはその自治体がいろいろと強化をしたりしないようにとか、過剰な規制強化がされないようにといったような自治体における取り扱いについてのご意見でございます。
 見解(案)ですが、今回の見直しは、在り方答申を踏まえ、現状より悪化させない等の観点から行うものです。総量規制においては、環境大臣がC値の範囲を定めた後に、その範囲内でC値を設定しますので、上乗せということではないということですけれども、今後、各都府県でC値を設定する際には、あり方答申や本報告書案の趣旨に十分留意し、かつ、各事業場の実態を十分把握した上で、適切なC値の設定が行われるよう、<6>章として「都府県が総量規制基準を定める際の留意事項」について記載したところです。なお、環境省が、今後、7次の必要な手続を進めていく中で、各都府県に対し、本検討結果の趣旨等について、適宜、周知を行うものと考えます、ということにしております。
 それから、9ページの意見15でございますが、これも似ているような感じですけれども、同一海域に対する負荷量削減は、関係都府県が同じ考えのもとに包括的に進めるべき課題である。したがって、都府県の考え方にばらつきが生じないよう、国がその妥当性を評価して指導していただきたいということですが、委員会の見解(案)ですが、総量規制基準設定においては、各関係都府県に共通で適用するC値の範囲を環境大臣が定めることとなっており、都府県間で極端なばらつきが生じないように制度上なっている。ただし、このC値の範囲は、在り方答申を踏まえて、海域の状況に応じて、東京湾・伊勢湾・大阪湾と、大阪湾を除く瀬戸内海の両者においては差異が生じ得るものとして設定されているということが合理的と考えていますという見解(案)です。
 それから、16番ですが、これは、C値を逆に上げていく措置が必要ではないか、特に瀬戸内海では上げていく措置が必要ではないかというご意見ですが、これに対しましては、方向性を既にご議論いただいている在り方答申において、大阪湾を除く瀬戸内海については、「生活排水対策を進めるとともに、従来の工場・事業場の排水対策等、各種施策を継続して実施していく」とされておることから、本委員会においては、C値の範囲は第6次のままとして変更は行わないというふうにしたところですという見解(案)にしております。
 それから、17番ですが、本報告案では、大阪湾を除く瀬戸内海については「C値の範囲を変更しないこと」として、都府県が行う「総量規制基準の設定については、このことに十分留意する必要がある」と書かれているが、この表現ではあいまいである。したがって、都府県が行う「総量規制基準の設定については、現在の総量規制基準を強化しない」というように記載していただきたいということですが、ちょっと制度的な部分ですので、「総量規制基準については、水質汚濁防止法に基づき環境大臣が定める範囲内で都府県知事がC値を設定することとなっているところであり、ご提示の修正案のような記載は困難と考えます。本委員会としては、今後、各都府県でC値を設定する際には、あり方答申や本報告書案の趣旨に十分留意し、かつ、各事業場の実態を十分把握した上で、適切なC値の設定が行われるよう、<6>章として「都府県が総量規制基準を定める際の留意事項」について記載したところです」というふうにしております。
 それから、18番ですが、窒素・りんについては、全窒素・全りんでの評価を行っているが、これらについて無機態及び有機態といった窒素形態別での評価も必要ではないかということで、大変有意義なご意見だというふうに考えますけれども、もともと現在の規制というものが環境基準を満たすための規制となっているという形でございますので、その流れで役目を果たす専門委員会としては、本委員会は総量規制基準の設定方法について検討を行っているものであり、ご意見は本委員会の所掌外となりますというような見解(案)としてはどうかというふうに考えました。
 それから、意見の19番ですが、「水量」の規制を自治体単位で定められることのないよう指導をお願いしたいということですが、総量規制基準というのは、指定地域内事業場からの汚濁負荷量について規制基準を設定するものであり、水量自体を規制するものではありませんという見解(案)としております。
 それから、20番ですが、「景気回復による水量の増加」といった要素も追記を願いたいというご意見ですけれども、「総量規制基準の算定において、水量は各事業場からの届出最大排水量を用いることとなっており、景気回復等による水量の増加も見込んだものと考えます。その上で、今後、各都府県がC値を設定するに当たっては、その見直しが排出負荷量として遵守可能かどうかという観点から検討を行うことが適当であると考え、本報告書案では、各事業場の実態を十分把握した上で、適切なC値の設定が行われるよう、<6>として「都府県が総量規制基準を定める際の留意事項」について記載したところです」というふうにしております。
 それから、21番ですが、173項の備考(2)、それから180項の備考のCn0上限値について、該当事業所の水質実態及び排出負荷量実態を考慮の上、生産変動への対応等も考慮して、現状維持としていただきたいというご意見ですが、これは、窒素の部分におきまして、高炉製鉄業のステンレス硝酸酸洗工程を有するものと、それから冷間圧延業でステンレス硝酸酸洗工程を有するものについてのご意見でございまして、委員会のご議論でご記憶かとは思いますけれども、C0の上限、高炉のステンレス硝酸酸洗工程を有するものは100というものを65にする。それから、冷間圧延業のステンレス硝酸酸洗工程を有するものは100というものを70にするというような趣旨の改定案を設けておりました。
 これについては、私どもにおいて、当該業種の業界、それから当該事業場にお詳しい方とよく話し合いをいたしまして、水質データ等の詳細な提供を受けた上でさまざまな検討をいたしましたので、それについて、その見解(案)として書かせていただければということで書いております。
 読み上げますと、「173項の備考(2)、180項の備考について、実際の事業場における水質の実態に関し、事業者から工程別に詳細な水質データ提供を受け、また、事業場におけるこれまでの水処理工程の改善経緯も聴取し、改めて当該業種等区分におけるC値範囲案の妥当性を検討した結果、本来的に窒素負荷の高い硝酸酸洗工程を有すること、同工程を有する事業所は他の業種等区分を含む複数の工程を有すること、現状でも総量規制基準を遵守するために製造を制限しなければならない日がある実態であり、将来的な生産量変動への対応が既に困難な状況にあること等も勘案し、当該業種等区分に係るC値範囲については、第6次のまま見直さないこととしました」ということで、その2つについてはもとどおり100という値でいかせていただければというふうに思っております。
 それから、12ページ、最後ですが、番号22と23がありますけれども、番号22については、「現在の広い海域を対象とした総量規制制度は役割を終了したと考えられる。5年後の見直しに向けて、現在の制度を発展的に解消して、課題の残る地域において、地域に密着し、地域の特性を生かした、より機動的に環境対策を推進できる体制づくりを検討すべき」というご意見でございます。
 見解(案)ですが、在り方答申では、陸域からの負荷削減が直ちに水質に反映されない原因は、底質に蓄積された栄養塩の影響が大きく、これまでの負荷削減により底質の状況は改善に向かい、これからは水質も改善されていくとしており、平成26年度を目標年度として、第7次水質総量削減を実施することが適当との考え方が示されたところですということで、第7次をやることはありきとなったという上で、第7次水質総量削減期間中は、その効果を的確に把握・分析し、5年後の見直し内容に生かしていくことが重要と考えており、ご意見の内容についても参考にさせていただきますという見解(案)としております。
 それから、23番、最後ですが、総量規制基準は、閉鎖性水域の水質保全の点から、汚濁負荷総量の中での規制部分を規定することになるけれども、今回の議論は「非悪化」の点から検討されたと考える。しかしながら、多様な要素により構築されている海域環境では、過去6次にわたる規制の中で種々の弊害も認められてきており、今後は、生活系やその他系の改善、干潟整備など、関係官庁を指導するとともに、進捗・結果を総合的に評価して、ちゃんとしたPDCAサイクルを回す仕組みを構築されることを要望するということで、見解(案)として、在り方答申におけるご指摘の事項を踏まえて、環境省と関係省庁が連携し、第7次水質総量削減に適切に取り組んでいくものと考えますという、委員会としての見解(案)としてはこういう形かなということで書かせていただきました。
 以上、説明でございます。

○岡田委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまのご説明のうち、まず今ご説明いただきました資料2、パブリックコメントに対する本委員会の見解(案)について、何かご質問、ご意見等がございましたらお願いいたします。

○松田委員 どうも取りまとめをありがとうございました。
 10ページの番号18の意見に対するこの見解ですけれども、先ほど室石室長からもお話がありましたように、この意見は、ある意味、非常に有意義なというお話がありましたけれども、近年の研究成果からしても検討されるべき内容だと思います。
 ただし、この見解にありますように、もちろんこの委員会の所掌範囲ではないんですけれども、ですからこの見解は正しいのですが、この見解がそのままコメントとして書かれるのかどうかちょっと私はわかりませんけれども、やはり同じ閉鎖性海域対策室の所掌の中で、私の知っている範囲でも、別途、今後の瀬戸内海の水環境の在り方懇談会ですかね、いわゆる瀬戸懇の中ではこういったことがまさに検討されていますので、そのあたりのことは、ただし、何か別途こういうところで検討しているというようなことがあってもいいのではないかと思うのですが、それは無理なんですかね。

○室石閉鎖性海域対策室長 専門委員会の見解としては、絞って書けばこういうものになると思うのですが、特に制限があるというわけではないと思いますので、そういった……ただ委員会の言い方になりますので、環境省ではこういうものもやっているというふうに聞いておりますというような形で記述をさせていただければと思います。

○松田委員 ありがとうございました。
 あと、ほぼ同じ趣旨なんですが、最後の12ページの22と23番も、これ、意見の方は、ある意味、かなり、制度全般について、そういう意味ではこの委員会の所掌よりも広い範囲の意見を言っているのですけれども、内容的にはかなり私自身は、建設的部分が入っているというか、建設的な意見だと思います。
 それに対して答えの方は、どちらかというと、やはりこの業務所掌範囲の中で答えているので、ちょっと意見と見解、回答が食い違うという感じになるのですけれども、22番の方は、特に、5年後の見直しについて参考にしていくということでそれなりにいいかと思いますが、23番の方は全く第7次の範囲だけで言っているんですけれども、23番の内容なんかは、既に第6次の在り方のときから内容的には入ってきているような内容なので、何かそのあたりのことも、さっきと同じような趣旨で少し、全体としては取り組んでいるのだけれども、この委員会の厳密な意味での所掌ではちょっと違うというか、何かそういう書き方にできないのかなと思うのですけれども、ご検討いただければと思います。

○室石閉鎖性海域対策室長 検討させていただきます。

○岡田委員長 よろしいですね。もう少し親切というか、そうですね。

○松田委員 これは書いていくとばっさり切られてしまったみたいな感じにちょっとなりかねない。

○岡田委員長 はい。多分、事務局は、やはりこの委員会としてと、松田先生もおっしゃったように、委員会としての、ぎりぎりというか、範囲で書いているからどうしてもこうなるのですが、もう少し親切につけ加えてくださいという趣旨ですので、これはよろしいですね。

○室石閉鎖性海域対策室長 はい。

○岡田委員長 では、ご指摘のようにさせていただきます。ありがとうございました。
 他にございますか。

○細見委員 11ページのこの見直しに対して、第6次のものに戻したというこの点なんですけれども、少しちょっとまだ理解しにくいというか、具体的に、いろいろな考慮をすると難しいという、この委員会としてですね。申し出があったからこうだったのか、ここの部分は少し具体的に、私もあまりこの水質データはよく覚えていないんですけれども、かなり現状でも難しいというのが反映された結果、こうなったのか、もうちょっとだけ説明をお願いできますでしょうか。

○室石閉鎖性海域対策室長 私どもが前回までに検討していた手法といたしましては、府県を通じて得たデータ、つまり事業所が都府県に報告したデータをさらに経由していただいているという範囲のデータで検討してきたということなんですけれども、今回、事業所の方と直接お話をさせていただいたり、業界の方とお話をさせていただいた結果、実際はもっと事業場内のいろいろな場所で測っているということで、そういったデータもお示しいただけたということと、それからここの内容にありますように、他の業種区分を含む複数の工程を有するものであったということで、つまりこの2つの区分の他にも、確か8種類ぐらいだったと思いますけれども、他の工程もたくさん持っておりまして、それをトータルで、全体として総量の規制が適合するように、うまくやりくりしながら運営していたという実態を持つ事業所であったということもよくわかりましたので、そういう点で、当該業種だけを考えて対応案をつくっておったのですが、そういった実務的な実態も踏まえた上で、ここにありますように、実際かなり苦しい運転もされているというような業務のデータも見せていただけたということから、個々、一つ一つを考えると、だからといってという部分もあるのですが、全部総合して踏まえて考えると、これはやはりちょっと無理があるのではないかというふうに考えたというものでございます。

○細見委員 それは、パブリックコメントの期間中に詳細なデータが提供されて、それをよく見ると、県から報告されたデータよりはもっと実態がよくわかるようなデータで、なかなか当初考えていた規制どおりにやるというのも難しそうだという判断があった。

○室石閉鎖性海域対策室長 はい。

○細見委員 ということは、もしも他の業種でもこのパブリックコメントの間でこういう要望があった場合には応えていくというのがこの趣旨なんでしょうか。ちょっと専門委員会としてパブリックコメントに対しては応えていくということでしょうか。

○室石閉鎖性海域対策室長 実を言うと、第6次のときも、パブコメ期間中に意見の出た業種について見直しをしているという実績もございました。第6次でも、パブコメ案を全く変えずにやったのではなくて、パブコメで出てきた意見を踏まえて、幾つかの業種については、見直しをやめたりとか、そういうのをやっておりましたので、そういった前例も踏まえて、同じような対応をしたということです。

○細見委員 はい、わかりました。

○岡田委員長 では、よろしいですね。ありがとうございました。
 他にございますか。

○木幡委員 先ほどの松田先生の意見と同じようなところなんですけれども、1番目と、それから16番目ですかね、これも似たような意見で、この委員会でも結構話題になったと思うのですが、昨年だけではないのではないかという今後の在り方について意見がありました。
 それについては、委員会でも、今の環境省での取組について説明を受けた上で検討しているのだと思いますので、もしできたら、1番のところに少しそれを付記、お願いできないかなと思うのですが。

○岡田委員長 では、今の取組状況、要はその削減だけではない。その可能性があるというか、検討しているということを……

○木幡委員 検討しましたという……

○岡田委員長 検討しましたということをつけ加えるということでよろしいですね。
 では、今ご意見をいただいたのが、1番と―まだ関係がありますか。では、どうぞ。失礼。

○田中委員 書面ですでに提出していますが、今のご意見と全く同じで、1番目については、23とは切り離した上で、何らかの削減も含めて広く検討をしているというニュアンスの補足説明を加えてもよいのではないかと思います。原案ですと、とにかく削減のみを考えている、そんな感じを受けますので、もっと広く考えているということが伝わるような説明があっていいのかなということを感じます。それは書面でも出しております。

○岡田委員長 ありがとうございました。
 他によろしいですか。
 それでは、今ご意見があった1番のところ、それから16番、あとは18番、23番になりますかね、よろしいですか、そこのところについては、他の委員会で、例えば検討しているとか検討中であるということで、もう少し親切なコメントをつけるということでよろしいでしょうか。
 この内容については、では事務局と私にご一任いただくということでよろしいでしょうか。

○田中委員 お願いします。

○岡田委員長 ありがとうございます。
 では、そういう形で、この部分については、回答案、見解(案)をもう少し追加するということで進ませていただきたいというふうに思います。
 ありがとうございました。
 他にございますか。いいですね。
 それでは、本委員会の報告案がございます。資料3について、事務局からパブリックコメントを踏まえた修正案についても説明がありました。この全体を通じてご意見がございましたらお願いしたいと思います。
 どうぞ。

○平沢委員 全体というか、一部なんですけれども、今の議論も関係しているのですが、時期区分、設定方法でしたか……

○岡田委員長 8番ですね、8ページ。

○平沢委員 8ページのところの表現なんですが、「Ci又はCjと同値となるように、今次を含め順次見直していく」という表現なんですが、イントロにもございますように、現状非悪化という点、それからNPの管理の在り方などに関し研究するとの表現がございます。
 それからあと、このC値の範囲というところもあるのですが、これは「<5>2(1)の趣旨による検討を行った上で」という表現がございますので、「順次、見直しを検討する」の方が私はいいような気がしますが、いかがでございましょうか。見直すというと、確実に見直すことになるので……

○岡田委員長 これはそういう趣旨ですよね、確か、もともと。

○室石閉鎖性海域対策室長 はい、今までも続けてきたということと、それから先ほどご説明しましたように、第7次の設定方法として「順次見直していく」というふうにだけ書くと、第7次の5年間の期間中に、今の検討以外にさらにやっていくというふうに聞こえないかと。
 つまり、第7次の設定方法として順次見直していくと言ったときに、例えば3年後にもう一回、残りの2年間に適用するために何かもう一回やるのではないかという誤解がありそうなので、第7次でやったし、それ以降もやっていきますよというような意味で、ちょっとこういうふうに工夫して書いてみたということなんですけれども。
 それと、あとは、見直していくということについては、一応、既定的な路線としてご議論いただいていたのではないかというふうに思うのですが、つまり時期区分をどうするかは、今回、変更しないとはっきりしたわけですけれども、CiとCjについて、実態を踏まえた上で、似たような値になっていくという方向性については大体ご賛同いただけていたのではないかなと思うのですが。

○平沢委員 これですと、いきなり見直すという感じがやはり強いので、例えば表現も、実態を踏まえてひょっとして見直さないケースもあるのかなというのもあるし、それから行き方がどういうふうに下がっていくのかね。最終的に一番低いところに行くのかとか、いきなり飛ぶのかとか、いろいろあると思うんですよね。だから、ちょっとその辺をうまく書いてほしいなと思ったのですが、細かい話で。

○岡田委員長 いや、細かくないですよ。
 どうぞ、ご意見として、どういうふうに直すか。今の先生のご意見は「今次を含め順次見直しを検討していく」と、こういうことですか。

○平沢委員 そうです。

○岡田委員長 というご意見ですが、他にございますでしょうか。
 この「今次を含め」というのは若干わかりにくいんですけれどもね。

○平沢委員 わかりにくいですよね、確かに。それもあります。

○室石閉鎖性海域対策室長 委員会の委員の方々からということで、そういうことであれば、もちろんこちらとしては固執するものではありませんので「同値となるように順次見直しを検討していく」という文章で誤解がないということであればそういうふうに……

○岡田委員長 「今次を含め」の意味をもう一度ご説明いただけますか。

○室石閉鎖性海域対策室長 「今次を含め」というのは、今回のC値の改定案自体がそういった趣旨を含んだものとなっているということでございますので、それで「第7次について以下のとおりとすることが適当である」というふうに一番頭書きに書いてありますので、第7次は同値となるようにもう見直した。その上で、それ以降、さらにある。
 そうでないと、第7次の期間中に順次やっていくように読めてしまうという、そういうふうに思ったのですが、ちょっと考え過ぎでしょうか。

○細見委員 この第7次、今次においても、この「Ci又はCj」というのが考慮されて、どちらかというと厳しくなっている方向にもう既に一応この流れでは来ているわけなので、今次を含め、ただスピードとか、そういう点に関しては、今、平沢先生がおっしゃるように、すぐにやるとかという、一挙にやってしまうというわけではなくて、ただ近づけていくように今回は一応やったところ、今回の案が、少し東京湾等についてはクレームが示されていますので、私は、もしも検討するというと、今次は少なくともやってしまっているので、若干ながらもですね。「となるように順次、見直しを検討していく」というと、ちょっとそこの、第7次も少しやっているという表現が……

○岡田委員長 なくなりますね。

○細見委員 なくなってしまうかなと思うんですね。

○室石閉鎖性海域対策室長 ちょっとご提案でございますけれども、そこで文章をちょっと1回切って「ただし、」の後で「Ci又はCjと同値となるように見直す。」というふうに書いた上で、その後に、ちょっと接続詞はわかりませんけれども、「その後も順次、見直しを検討していく。」ということで、分けて書いたらいかがでしょうか。
 第7次については、同値となるようにもうやったわけですから、なるように見直すということで1回切った上で、その後については順次、見直しを検討していくというふうに分けてしまってはいかがか。

○岡田委員長 他に知恵はございますかね、趣旨はわかったと思うのですが。
 既に今次で見直した分もあるけれども、今後も見直していくということですよね。見直しを検討していくということですね。

○室石閉鎖性海域対策室長 はい。

○岡田委員長 だから、今次と今後のところが、今後は「検討していく」でいいのだけれども、今次はもう既に終わっていますので。
 この進め方については今後検討するではいけないんだね、もうやっているんですからね。
 では、今、事務局、室石さんがおっしゃったのは「なるように」……

○室石閉鎖性海域対策室長 見直すと、7次の話は一旦切った上で「また」とかいう形でしょうか、「また、今後も、順次、見直しを検討していく」。

○岡田委員長 そうしましょうか、その方が明確―ご意見、どうぞ。

○古米委員 改めてこの8ページのところを見ると、<4>における検討を踏まえて、第7次の設定方法を以下のとおりにすることだというにも関わらず、また検討するというような言葉を使って書くのがいいのかどうかなと改めて思います。今後も順次検討、見直しをするのだという必要性があった上で、今回はこのように決めたという表現の方がいいとするならば、<4>の方の時期区分の検討のところに、こういったC0とCi・Cjの関係の検討があって、今回は、その一部業種についてそのように見直すという文章を入れる。ここに、今後もやりますよということを書くのではなくて、第7次はどうやったかとだけ書いておく。順次見直しを書くべきところは、今後やりますよということや長期的な視点に関することから、<4>という……

○岡田委員長 <4>というのはどこでしょうか。

○古米委員 総量規制基準の設定方法の検討、4ページの1の「時期区分の検討」というところにこの類似の基本的な考え方を示して、もう第7次も少しそれを取り入れたし、今後もこういうことを考えるべきだという方が8ページに書くよりはいいのではないかなと今思いますけれども、それではまずいんでしょうか。

○岡田委員長 文章構成上それでも大丈夫ですかね。

○室石閉鎖性海域対策室長 <4>のところは、結論めいたところは一切書いていない部分になっていて、手法だけが書かれているんですね。ですから、そういう意味ではちょっと書きづらいのかなと。どうしようもなければ、<7>節というのをつくって、「その他」とかいうふうにして、一番最後に言ってしまうとかですかね。

○中田委員 その方がはっきりする。

○岡田委員長 <7>節というのは……

○室石閉鎖性海域対策室長 つまり、本当に一番最後になってしまいますけれども……

○岡田委員長 一番最後ですね。

○室石閉鎖性海域対策室長 一番最後に「その他」みたいなものをつくって、ちょっとすみません、何か役人的なやり方であまりきれいではないですが……

○岡田委員長 それもあまり格好よくないですね。
 どうしましょうか。では、2つに分けましょうか、やはり。

○室石閉鎖性海域対策室長 事務局としてはそれでもいいかなと思いますが……

○岡田委員長 そうすると、もう一度、ではちょっと確認していただけますか。

○室石閉鎖性海域対策室長 「Ci又はCjと同値となるように見直す。また、今後も順次、見直しを検討していく」。

○木幡委員 よろしいですか。

○岡田委員長 どうぞ。

○木幡委員 今、事務局がお示しになった案が、表現上というか、文章としては非常にわかりやすいのですが、論理的にはやはり「7次をこうします」と言った後で、またそれ以降が出てくるのは少し気持ちが悪いんですよね。
 だから、もし可能であれば、考慮した上で、順次、見直しの必要性が示される、その中の一部について今回実施したというようなふうになるんですかね。
 あるいは、長期的な検討が必要ということが示されて、その中で今回これを実施したと、「一部」と書くか「緊急なもの」と書くか何と書くかわかりませんが。

○岡田委員長 そうすると、ここは、最初、「Ci又はCjと同値になるよう見直す」というのが第7次の結論であって、あと次の今後検討していく話は別の部分であると。それについては、そういうことだったら、古米先生がおっしゃったように、<4>のところに入っても、検討する内容だからいいのでは、だめですか、検討した状況を示す話ですから。ちょっとおかしいですか。

○室石閉鎖性海域対策室長 いや、それであれば、<5>で書いてもいいのかもしれない。

○岡田委員長 Vってどこですか。

○室石閉鎖性海域対策室長 つまり、<5>の1の……

○岡田委員長 私はここで書いてもいいかなとも思うのですが、いいですか。

○木幡委員 ちょっと前書き的に書けばいいので……

○室石閉鎖性海域対策室長 つまり、ここは結論だけを書いているんですけれども、その結論がなぜ出たかというような、つまりただし書き、「ただし」というそこの「CODのC0について」と「ただし」の間に、要するに、今後こうしていくという大きな結論が出た上で、第7次は見直すというふうにするというか、考え方をここにも入れてしまうという、<4>はあくまで手法を書いているので、こんなやり方で検討しましたということが書かれているので、やはり今のように長期的なスパンで見直しをしていく、検討していくという結論が一応出たということはやはり<5>で書く。
 それは、でも考え方なので、その長期的な考え方を踏まえた上で、第7次としてはこうするというふうな書き方をしてはいかがかなと。

○岡田委員長 いいですか。

○細見委員 はい。私もそれでいいと思います。

○岡田委員長 はい、了解。

○細見委員 というのは、その8ページの「なお、」という文章も、これから検討していくという文章が入っていますので、やはり両方、だから見直すというのはもう一旦切って、検討していく内容というのは、更新した場合と、それからあとの同値になるようなスピードだとか範囲だとか、そういうものはあと検討していきましょうという意味では、「なお、」という以降に書いたらどうでしょうかね。

○岡田委員長 そうですね。わかりました。では、原案としては「Ci又はCjと同値となるように見直す。」というのがあって、これで切って「なお、」のところに、どう入れましょうか、今のCi……これ、同じことですね、本当は。ここに入っていますね、内容が実は。切ればそれで終わりですね、事実上、意味としては。いいですか。とってしまえばいいわけです。
 一番最初にご意見をいただいた平沢先生、いいですか、それで。

○平沢委員 結構ですよ。

○岡田委員長 では、そうしましょう、非常に簡単ですから。
 いいですか。

○室石閉鎖性海域対策室長 ちょっともう一度、文章確認をさせていただきたいのですが、とってしまうということは、つまり「Ci又はCjと同値となるように見直す。」というところで切って、それで「なお」書きの方で……

○岡田委員長 今後、順次、検討していくとか……

○室石閉鎖性海域対策室長 というのを書いて、それから「なお、」のもう一つの話も書く。

○岡田委員長 いえいえ。「Ci又はCjと同値となるように見直す。」で切りますね。「なお、特定施設又は処理施設を更新した場合の適切な取扱いについて、今後、順次、見直しを検討していく。」これで内容は入っているかと思うのですが。
 ああ、そうか、更新しない場合がだめか。残念、失礼。すみません。では、あと入れるしかないか。

○松田委員 細見先生のご意見でいいんじゃないですか。

○岡田委員長 はい、どうぞ。

○松田委員 「なお、」以下に2つを入れるということで……

○岡田委員長 2つ入れる。では、そうしましょう。

○室石閉鎖性海域対策室長 「なお」のところに、では2つ入れるということで、わかりました。

○岡田委員長 はい。ちょっとしつこいかなと思った。
 わかりました。しつこいけれども、ではそうしましょう。

○室石閉鎖性海域対策室長 ちょっと「てにをは」は許していただいて、「順次見直しを検討していく」という文章をなお書きのところに1つ追加してということで。

○岡田委員長 ありがとうございました。では、そういうことにさせていただきます。
 他にございますか。
 では、今の細かい「てにをは」については、事務局と委員長にご一任いただくということでよろしいでしょうか。ちょっと文章が2つ続くのは何ですが、その方が正確だと思いますのでそれで進めさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
 他にございますでしょうか。
 どうぞ。

○古米委員 つまらないことですけれども、この資料の中で表とか図はとても大事なので、それがどこで引用されているのかを明示してはと思います。たまたま今確認していたのですが、5ページ目に出ている表の2の「見直し検討を行う業種等の区分の抽出」というのは、きっと5ページ目のアの「見直し検討を行う業種等の区分の抽出」の文章の中で引用されるものだと思うのですが、「表2」という文字が本文にないので、これまでの…というところに「表2」が入るといいのかなと思いました。

○岡田委員長 おっしゃるとおりです。

○室石閉鎖性海域対策室長 申し訳ありません、ちょっと。入れるようにいたします。

○岡田委員長 おっしゃるとおりです。ありがとうございます。そうしましょう。
 それと、この9ページの文章のところに「C値の範囲」、そのブルーになっているところのこの「V2」というのは何ですか。<5>の2か、ああ。

○室石閉鎖性海域対策室長 ここはちょっと構造が複雑になっているのですが、大阪湾を除く瀬戸内海について、時期区分の話として、まず東京湾と同様とするということで、一応、事務局として、C値も、全部、瀬戸内海については出させていただいておりましたですね、第3回までというか。ということで、一応やったことはやったと。

○岡田委員長 いや、すみません、失礼しました。この「V2」は「<5>の2」ですね。私の単なる読み間違いです。

○室石閉鎖性海域対策室長 はい、そうです。<5>の2の(1)ということです。

○岡田委員長 <5>の2の(1)ですね。要するに、この同じ段落の単なる上のことですね。

○室石閉鎖性海域対策室長 そうなんです。2の(1)の方がよろしいですか、同じ段落なので。

○岡田委員長 私の普通のセンスだったら「(1)の趣旨による検討」で十分わかるかなと、同じその節、すみません、段落の範囲なので。

○室石閉鎖性海域対策室長 2番の中の、全部覆われていますので……

○岡田委員長 他のところを引用するのだったらともかく。いいですか。では、「<5>2」をとってください。
 他にございますか。これだけではなくて、全体を通じて何かございましたらお願いいたします。
 特にないようでしたら、今いただいたご意見に従いまして、まず8ページのところ、さんざんご議論いただいたところは、2つに分けて「なお、」以下のところに「順次、見直していく」という文章をもう一度入れる。「見直しを検討していく」という文章を入れる。
 ちょっと文章の「てにをは」の部分については、事務局と委員長にご一任いただく。それから、9ページの「<5>2」のところは削除するということがいただいた意見でございます。失礼、あと一つ、古米先生からいただいた表2の話、引用箇所を明記する、この3つでございますが、よろしいですか。
 ありがとうございました。それでは、そういう形で修正させていただいたものを最終案とさせていただきます。
 この後でございますけれども、本日ご確認いただきました専門委員会報告については、次回の水環境部会で報告させていただくという手続になります。その水環境部会でご了承いただきますと、環境大臣の諮問に対する答申ということになります。
 よろしいでしょうか。ありがとうございました。
 それでは、今後の予定も含めまして、事務局から、その他として何かございますでしょうか。

○室石閉鎖性海域対策室長 2点ございまして、いつものごとくですが、本日の議事録につきましては、速記がまとまり次第お送りさせていただきますので、ご確認のほどお願いいたします。その後、環境省のホームページにて公開をいたす予定でございます。
 それから、2点目は、パブリックコメントの実施結果の公表についてですが、本日ご確認いただきましたパブリックコメントに対する委員会意見、委員会の見解につきましては、これも、同様、後日、環境省のウエブサイトにて公表させていただくという段取りとなっております。
 それでは、最後でございますが、水環境担当審議官の関の方から一言ごあいさつをさせていただきます。

○関水環境担当審議官 熱心なご議論を大変ありがとうございました。
 今日の専門委員会で、第7次水質総量削減における総量規制基準の設定方法に関する専門委員会の報告を、無事取りまとめることができました。
 今年の6月から5回にわたりまして専門委員会のご議論をいただきました中で、多くの助言をいただき、今日に至ることができたことに対しまして、岡田委員長をはじめ、専門委員会の委員の皆様、関係都府県、関係省庁などのご協力に対して厚く感謝申し上げます。
 この委員会の検討結果につきましては、委員長の方からご紹介がございましたように、来年早々に予定されております中環審の水環境部会で報告をいただいてご議論いただいた後、中央環境審議会として環境大臣へご答申いただければありがたいと考えております。
 答申をいただきました後、私どもの方で、第7次水質総量削減に係る手続を進めてまいることになります。その際には、この委員会で、半年間、熱心にご議論いただきましたこと、成果を生かしまして、よりよいものになるように努力してまいりたいと考えております。
 大変ありがとうございました。

○室石閉鎖性海域対策室長 それでは、ここで委員長に進行をお返しいたします。

○岡田委員長 最後の機会でございますので、私の方からも、委員の皆様方に、大変熱心なご議論をいただき、委員長が「どうしましょうか」と言うときにいろいろお手伝いいただいたことを本当に深く感謝いたします。本当にありがとうございました。
 それでは、以上をもちまして、第5回の総量規制基準専門委員会を閉会というふうにさせていただきます。どうもありがとうございました。

午前11時06分 閉会