中央環境審議会 水環境部会 水生生物保全環境基準類型指定専門委員会(第29回) 議事録

議事録

平成26年3月14日(金)
午後0時57分 開会

○松浦専門官 少し早いですが、皆さんおそろいでございますので、中央環境審議会水環境部会第29回水生生物保全環境基準類型指定専門委員会を開会いたします。
 委員の皆様にはご多忙中にもかかわらずご参集賜りまして、誠にありがとうございます。本日は、委員総数9名中6名のご出席をいただいております。
 それでは、議事に先立ちまして、お手元の配付資料について確認させていただきます。
 議事次第にございますけれども資料1から6、そして、資料6の補足資料、そして、資料7という形でお配りしてございます。
 また、参考情報として、一枚紙を、委員限り資料として机の上に用意させてもらっております。
 その他、資料で不足等ございましたら、随時、事務局までお申しつけください。
 それでは、これ以後の進行は須藤委員長にお願いいたします。よろしくお願いいたします。

○須藤委員長 かしこまりました。皆さん、こんにちは。また、関係者の皆様もご列席いただきまして、どうもありがとうございます。
 この会議は、第29回ということで、連続して、最終的には47の環境省があてはめすべき水域をやることになっておりまして、もう最終に近くはなってきておりますが、まだ幾つか残っているということで、本日お集まりをいただきました。どうぞよろしく、前回に引き続いてお願いをしたいと思います。
 それでは、順番に参ります。
 議題(1)前回指摘事項とその対応についてでございますが、議事に入ることになるわけですが、その前に、資料2に前回議事録(案)が準備されております。本資料は、委員の先生方にご確認いただいた後、事務局で修正し、再度、各委員の先生方に送付されている資料でございますので、この場で確認をしたいと思います。
 議事録は、このとおりでよろしゅうございましょうか。特にご異議がなければ、事務局で公開の手続をとっていただきたいと思います。よろしいですね。

(異議なし)

○須藤委員長 それでは、専門官のほうでどうぞ議事録公開の手続をとっていただくようお願いをしたいと思います。

○松浦専門官 はい、了解しました。

○須藤委員長 それでは、あとは議事でございますが、先ほどお話がございましたように資料が7までありますが、それを使って、四つの議事に分かれております。
 最初に前回指摘事項とその対応についてでございますが、事務局からご説明願います。

○松浦専門官 はい。それでは、資料3のほうをご覧ください。こちらは、前回指摘事項と対応を簡単にまとめたものです。
 まず、類型指定を行うため必要な情報の整理についてということで、これは、前回、資料4としておつけしたものでございますが、その中に「瀬戸内海における海砂利採取とその環境への影響」という図がありましたが、その基となる海図データについて、精度が判るよう調査時期を示すという話がございました。これについて、その作成元に問い合わせたんですけれども、詳しいことは不明でありました。よって、本文には記載しないとして、これはパブリックコメントの前に、これについて委員の先生方にメールでこの対応を伺っているところではございます。
 その次に、「播磨灘北西部の兵庫県側には実際には藻場・干潟が存在すると思われる。また、備讃瀬戸における底質の分布状況図については『日本全国沿岸海洋誌』の情報と異なる部分がある」と。これにつきましては、自治体のオブザーバーからのご意見でございました。これにつきまして、まず、播磨灘北西部について、兵庫県側の藻場・干潟情報については、当初、平成5年の調査に基づいた資料作成を行ったんですけれども、そこに兵庫県の情報がないということから、その情報が抜け落ちておりました。平成4年に調査したデータというのがまた別途ありまして、そちらの情報を追加整理しまして、兵庫県側の特別域を修正しております。また、備讃瀬戸について、底質の情報を「瀬戸内海における海砂利採取とその環境への影響」の図から整理していたものでございましたが、そのほかの海域でも使用している「日本全国沿岸海洋誌」にも部分的にこの水域の情報が含まれておりまして、こちらは海図データではなく、より精度の高い情報であるということから、その情報を上書きで使用して特別域の範囲を修正しております。これについても、パブリックコメントの前に委員の先生方には意見を伺って、確認をさせて頂いているところでございます。
 その他として、類型指定水域について、瀬戸内海で指定されていない水域の扱いはいかにということで、部分的にCOD等の類型指定がされていない水域があったかと思いますが、そういった水域については、今後、関係自治体と調整を図ってまいりたいと考えております。
 なおですが、そのような当該水域について、現在、環境省にて水質調査を実施しております。ということで、瀬戸内海の水質の状況の把握に努めております。
 以上でございます。

○須藤委員長 どうも、簡潔にご説明いただきまして、ありがとうございました。
 前回の指摘事項は、概ね先生方のご指摘に従って、以上のような修正をしたわけでございます。
 ただいまのご説明に何かご質問はございますでしょうか。よろしゅうございましょうか。

(なし)

○須藤委員長 それでは、このとおりの対応をやった上で、報告案の中に盛り込んであると、こういうことになっているわけでございます。
 それでは、続いて、パブリックコメントの結果とその対応についてということで、ご説明願います。議題(2)になりますが、これについてご説明ください。

○松浦専門官 はい。そうしましたら、まず資料4のほうをご覧ください。先ほどの前回指摘事項とその対応案のところで修正したものをパブリックコメントに出しております。期間は平成26年2月4日から26年3月5日ということで、結果としまして、自治体のほうから1件来ております。
 その裏面には、別紙として簡単にまとめておりますが、詳しい内容について、資料5に用意させていただいております。
 こちら、「パブリックコメントへの対応(案)」ということで、まずパブリックコメントの意見内容としまして、備讃瀬戸水域の岡山県西部沿岸水域の沖ということで、ちょっと1枚めくっていただきますと、ずっと書いてあるのがありますが、今ちょっと塗り潰してございますが、この赤丸で囲んだ部分のことを言っております。そちら、パブリックコメントのときはここが一般域ということで案として指定されていたということで、そこにつきましては、一括して特A類型としていただきたいというような意見がございました。
 理由としましては、細長い帯状のA類型、特A類型の水域の境界付近に関係する環境基準点があるんですけれども、この案だと、県における水環境管理に混乱が生じるおそれがあるということ。
 あともう一つ、意見としましては、そこの水域について、10メートル以浅の浅場がほとんどで、底生生物の豊富な海域であると。そういうことを考慮しても、特A類型とすべきではないかというような意見でございました。
 1枚目の裏側ですが、そうしまして、こちらのほうで再度、状況の整理及び対応(案)を考えたところでございます。
 備讃瀬戸水域における岡山県西部沿岸から沖寄りの水域については、以下の情報があります。
 まず、底生生物の豊富な海域であると。これは環境省「瀬戸内海環境情報基本調査」というものがございますが、それの情報を3ページ目に、ちょっとページ番号を打っていないので申し訳ないんですけれども、つけております。こういったように、岡山県の西寄りですね、その辺の海域について、マクロベントスの個体数、種類数を示した図ですけれども、個数、種数とも豊富なものであると。
 もう一つ目が、底引き網漁業の主要漁場であるということで、このマクロベントスの――紙を1枚めくっていただきますと、こちらは「岡山県の漁業」という情報がありまして、こちらによりますと「備讃瀬戸付近水域の小型機船底引き網漁業図」ということで、これも左のほうの場所になるんですけれども、主要漁場として示されているところでございます。
 また、こちらは資料をご用意していませんが、底引き網の目合い制限等による小さな魚の保護等も実施されているということ。また、漁場の保護のため、県や町、漁協により海底ゴミの回収の取組を行っているということ。これは新聞記事ということで、委員限りとして机の上に置かせていただきました新聞記事、このようにこの水域を中心に海底ゴミ回収というような、漁場を守るという観点で、こういった取組を熱心にされているところであるというところです。
 次に、岡山県の水質測定点が水深5メートルライン近辺に存在し、水域の代表点としづらいと。こちらは、今の資料5の最後から2ページ目ですけれども、「備讃瀬戸水域における海域生物A、海域生物特Aの類型指定(案)と公共用水域の測定地点配置状況」ということで、この図案はパブリックコメント時のものですけれども、そして、このオレンジの点が、現在、全亜鉛をはかっている測定地点をプロットしたものです。このとおり、今、境界線上に2点あるかと思います。ここの沿岸と一般域の境界線上で2点ございますが、このとおり、岡山県としては測定・評価するときに、混乱が生じるという懸念があるということでございます。
 以上の点を総合的に勘案しまして、このルールとしては、まず、例えば、保護水面に値するものであるかというところが一番主眼になりますが、今回の場合、そこまで魚をとってはいけない地域というふうに定められたものではないので、それには該当しないというふうに考えますが、また一方で、ある程度飛び地とか、そういうところは一括して指定することになっています。管理の観点から一括して指定するという考えもございますので、特別に挟まれた細長い水域でもありますし、管理上の煩雑さを防ぐということから、今、資料5の2ページ目にあるように、まとめて特別域とするということにしたいと考えてございます。
 説明は以上でございます。

○須藤委員長 どうも、簡潔にご説明いただきまして、ありがとうございました。
 ただいまの前回の対応(案)を受けて、新たに特別域を広げたということになるんですよね、

○松浦専門官 はい。

○須藤委員長 ということになるわけですが、何かご意見ございますでしょうか。
 それから、私が先に質問するのは変なんですが、これは、当然、関係県は了解をされているわけですよね。

○松浦専門官 こちらは、岡山県の……

○須藤委員長 からの質問だから、当然済んでいるんですよね。

○松浦専門官 はい。

○須藤委員長 県のお申し出で……

○松浦専門官 県として……

○須藤委員長 県の希望に沿ったということですね。

○松浦専門官 はい。そのようにしたいという思いがあります。

○須藤委員長 はい。ありがとうございます。
 ということでございます。何かご意見ございますでしょうか。
 どうぞ、藤田先生。

○藤田委員 水質以外にも、固形廃棄物もやはり水を汚すので、これは環境省として何か、例えば、漁船が持ってきたものは、県でもって処理するとか、何か法律はつくれないものでしょうか。

○須藤委員長 どうぞ。それは……

○松浦専門官 海底ごみの話ですか。

○藤田委員 そうですね。というか、漁船が……

○須藤委員長 ここに載っている話でいいんですか、先生。

○藤田委員 ええ、そうですね。

○須藤委員長 じゃあ、課長から、関連項目。

○宮崎課長 私ども水環境本課の仕事ではないんですけれども、海洋環境室というのが水環境課にはございまして、そこには漂流・漂着ごみに対応すべく、地方公共団体に対して基金として100億円確保しまして、それを各自治体の基金に支出して、各自治体で漂着したごみを処分する費用に充てていただくという制度を行っております。今、問題になっていますのは、海底のごみを、じゃあ、どこまで対象とすべきかという議論に、実は国会議員の先生方からも要望は出ているんですけれども……

○藤田委員 網に引っかかりますね。

○宮崎課長 はい。もともと漂流・漂着ごみということで法律もできまして、その対応ということで基金が動き始めておりますので、海底ごみまでは視野には入っていなかったんですけれども、そこはもう少しやってはどうかという意見も実際に出てきまして、お金の使い方で対応できないのかとかいうことを、今、検討しているところです。

○藤田委員 焼却炉に入れますと、塩分が入っており炉を傷めますから、洗うことですよね。

○宮崎課長 洗うということは、書いてあったかどうか私も定かではないですけれども、ごみの処分の費用が、拾ってきた漁業の人たちにかかるというのも酷な話ですし、あと、もともと漂着していたものはその基金制度で対応することにしましたので、なるべくそういう漁業者の負担が少なくなるようなことで対応できないかなということを検討しているという状況です。

○藤田委員 わかりました。

○須藤委員長 今までは海底ごみまでは含んでいなかったんですよね。

○宮崎課長 含んでいないです。

○須藤委員長 含んでいないんです。そういう法律案もできていますが、そのやり方は、今、先生がいろいろおっしゃったように、洗浄するとか、そういうことはあるんでしょうけども、どれだけきめ細かくその辺が対応しているのかは、まだ、今日の守備範囲じゃないものだからお答えは十分じゃないかもしれませんけど、水環境課の中に担当もありますので、一度、先生からご意見をいただければ、また対応させるようにいたします。
 ほかはいかがでしょうか。

○田中委員 ちょっと確認なんですが。

○須藤委員長 はい。では、田中先生。

○田中委員 ご提案はもっともだと思うので、結構だと思うんですが、何でこれがそうなっていなかったんですか。底質側の材料の問題。

○松浦専門官 はい。もともと一番当初検討したときに、「海砂利採取とその影響」という海図をもとにした地質情報を使っていました。それは泥質の部分が今より広くなっていまして、ちょっと、図でいうとなかなかわかりづらいのですが、要は、この細長い水域が細長くなく、もうちょっと広がりがあったということです。

○須藤委員長 膨らんでいたんですね。

○松浦専門官 で、前回それだったんですが、そのときにオブザーバーの方の意見で、「日本全国沿岸海洋誌」というものにここの海域の情報が部分的にあるというご指摘を受けまして、それで書き直したら、このように細長い水域になったというところです。それがパブリックコメント案なんですが、そのときに中抜けの部分のところまでは議論が十分ではないというところもありまして、地質情報だけで線を引いた形に、結果的になってしまったというところです。

○須藤委員長 どうぞ。

○田中委員 ということは、その反省に立って、今度は逆に、これ、国がやっているものを見習っている公共団体の指定のときに、こういう例もあるので、あまり単純にやらないようにというような何か通達なり、連絡みたいなやつは要らないのかというのが1点と、もう既に決めているところで似たようなことが起こっている可能性がありますよね。その辺はあまり考えなくていいんですかね。

○松浦専門官 まず1点目は、注意して調整を図りたいと思います。そして、今現在どうかという話で、今現在、自治体で既に指定した海域というのはないです。

○田中委員 いやいや、今のは、国が今までの議論で定めた中で、根拠にしているものは、今までそれをベースにしてやっているわけですよね。ということは、指摘が今回あったから初めて気がついたんだけども、ほかに類似な例がないのか。それは、まあ、言ってきたらば考えるということ。

○松浦専門官 東京湾、伊勢湾、大阪湾においては、概ねその沿岸域に特別域が貼りついた形になっていますので、そういった中抜けというところはないです。

○田中委員 ない。

○須藤委員長 なかったんですね。

○松浦専門官 瀬戸内海はやはり地形が入り組んでいるという特殊な状況で、今回がそういうケースが多く出てきていると。

○田中委員 初めて出てきたと。

○松浦専門官 はい。

○須藤委員長 それと、今度は、これを受けて地方自治体がやりますから、今度の情報は、当然、沿岸各自治体には参ります。
 そのほかによろしいでしょうか。

(なし)

○須藤委員長 それでは、どうもありがとうございました。これはこのようにお認めをいただきたいと思います。このほうが当然合理的でございますから、そのようにやらせていただきたいと思います。
 それでは、続いて、議題(3)に入りますが、水生生物の保全に係る水質環境基準の類型指定について(第7次報告案)。ただいまのパブリックコメント等を経て修正したものでございますが、これについてご説明を願います。

○松浦専門官 はい。そうしましたら、資料6のほうをご覧ください。

 こちら、水部会答申(案)ということで作成させていただいたものです。こちら、前回と違いますのは、先ほどの備讃瀬戸の水域の指定図ですね、ページにして7ページ目になります。前回は細長い水域が残っておったんですけれども、そこを一括して特別域とするということと。あと、浅場の表現も、前回は岡山県西部沿岸水域の浅場ということで入れておったんですけれども、一括した水域になるということで、南西部から東部にかけての浅場ということで一緒にしております。
 その他としまして、別紙のほうですが、各水域でLASとノニルフェノールの測定を前回行っておるんですけれども、前回の資料にはその最終結果が入っておりませんでした。

○須藤委員長 これはなかったですね。

○松浦専門官 その最終結果を加えた形になっておりますが、最終結果は全て未検出、下限値未満だったので、状況については変わりません。
 以上でございます。こちらでよろしければ、7次報告案とさせていただきたいというふうに考えております。

○須藤委員長 はい。ありがとうございました。これは前回までに大体議論して、今、修正の部分を加えて、それが我々の仕事である第7次報告案としてまとめられたと、こういうことでございます。何かさらにつけ加えるべき点、あるいはご意見ございますでしょうか。
 これはもう、本当に何回もやったことでもございますし、今のような修正もあったわけでございますので。

 どうぞ、松田先生。

○松田委員 内容についてじゃないんですが、ここでこの報告書案がまとまると、今後の手続論というか、どういうプロセスでいつごろオーソライズされるというか、その辺り、前にもお話があったかもしれませんが、ちょっとご紹介を。

○須藤委員長 ああ、告示の。それじゃ、今後の、これが認められたら、どういうふうな順番で類型指定が決定されるのかということになりますね。

○松浦専門官 今の資料6の最後をご覧ください。ここに各答申の経過を書かせていただきまして、現在、7次答申につきましては、平成26年3月14日、本日の専門委員会で答申案として仮に確定されたとしまして、そうしますと、7次答申として、まず水環境部会でそれを報告するという流れになります。現在のところ、水環境部会の開催日時はまだ確定しておりませんので、具体的にいつということはないですが、今日、報告案としていただければ、もう、すぐにでも水環境部会に報告できて、そして告示という流れになるということでございます。

○須藤委員長 松田先生、そんなところでよろしいでしょうか。

○松田委員 はい、わかりました。

○須藤委員長 ですから、それほど遠くはないですよね。スケジュールが決まってはいないけども、数カ月以内ですよね。来年早々ぐらいかな。
 どうぞ。じゃあ、課長のほうから。

○宮崎課長 確かにまだ決まっていないんですけれども、今、いろいろな諮問に対する審議が並行して動いているものですから、まとまれば部会の開催をお願いしたいというふうに思っております。それとあわせて、瀬戸内海の計画についても審議が必要になりますので、それが準備できた段階で部会をお願いしたいと思っていますので、あるいはそのときに、これは報告ができるかもしれません。別途、水環境課でやっております環境基準を設定する専門委員会は多少遅れておりますので、それにはちょっと間に合わないので、夏ぐらいに何とかできればなという、そんなことで思っております。

○松田委員 ありがとうございます。ちょっとそのことを伺って、今、同時並行的にいろいろな検討が関係があるから……

○須藤委員長 先生は、特に、瀬戸内でいっぱいお仕事をやっておられるから……

○松田委員 そうですね。

○須藤委員長 瀬戸内のほうの部会の話も――それは一緒になるんですよね。だそうですので。そうすると、ちょうどこれは瀬戸内の話ですから、よろしいんじゃないでしょうかね。よろしいでしょうか。

○松田委員 はい。

○須藤委員長 それでは、ただいまの第7次報告案としてお認め――ここで言えば報告ですよね、第7次報告を取りまとめて、水環境部会に報告するということを決めさせていただけばよろしいのかと思います。
 本日の主要な議題はこれだけなんですが、事前に、私、事務局と相談しまして、先生方がお忙しい中に集まっていただいて、次の話を進めたほうがいいでしょうということを松浦専門官にお願いしておきました。そして、議題の(4)がそういうことなんですが、次の新たな、周防灘まで含めまして、水質環境基準の類型指定を――これ、瀬戸内としては最後になるわけですね。

○松浦専門官 はい。

○須藤委員長 その最後の部分を、概略だけ、こういうことを議論していきたい、今、一体何が問題かということぐらいは委員の先生方と、時間があるので、少し丁寧にご説明くださいということをお願いしておきました。
 それじゃ、お願いいたします。

○松浦専門官 はい。そうしましたら、資料7と別紙のほうですね、これは一体物ですけれども、ご覧ください。
 資料7の一枚紙のほうを裏返していただきますと、瀬戸内海の国が類型指定する水域の概要図が描かれておりまして、大阪湾からずっとやってきまして、残りが燧灘北西部と広島湾西部と響灘及び周防灘というところでございます。あと、瀬戸内海については3海域ですね。あと、有明海というのがまた別途ありますけれども……

○須藤委員長 残っていますね。

○松浦専門官 はい。そうしまして、予定としましては、次年度にこの瀬戸内海の残りの3海域をご審議いただきたいというふうに考えているところでございます。
 今、そこについてどのように進めるかというのが、資料7の表紙に戻っていただきまして、こちらの、去年の専門委員会で、瀬戸内海についてはこのような進め方をしますという形でご了承いただいた内容になっております。要するに、瀬戸内海は複雑な部分がありますので、ある程度可能な範囲で一括して指定すると。大きく言えば、そういうことでございます。
 参考まで、別紙で、現在、その海域についての状況をご覧いただければと思います。
 まず、燧灘北西部。めくっていただきまして2ページ目ですね。これは地質図です。これも「日本全国沿岸海洋誌」から作成したものです。そして、3ページ目には保護水面の状況、4ページ目には夏季底層DOの分布、こちらは3未満になるところはないと。また、産卵場及び幼稚仔の生育場として考えられる水域を、5ページに浅場・藻場・干潟を重ねた図、それらを総合しまして、6ページのほうに産卵場及び幼稚仔の生育場として好適と考えられる水域として濃い色で整理してございます。これはもう今の情報だけを重ねたものでして、これの一括の仕方についてご議論していただくことになるかなというふうに考えているところでございます。
 続きまして、広島湾西部は7ページ目からになりまして、地質図が7ページ。そして、8ページには保護水面の概要。9ページにはDOの分布。こちらも3未満のところはないと。そして、10ページが好適な場の重ね合わせた図と。そして、11ページは、それに基づいて好適な水域を描いたものですが、こちらは底質の状況によって特別域のところは狭くなっているというような状況です。
 続いて、響灘及び周防灘ですが、12ページからです。こちらも地質図、粘土質があります。13ページは保護水面の概要、14ページも保護水面ですね。15ページがDOの分布状況、こちらは部分的に3未満のところはあります。そして、16ページは好適な場を重ね合わせた図、そして、17ページが好適な場とDO分布の状況を重ねて描いた好適な水域となっております。
 簡単ですが、ご説明は以上です。

○須藤委員長 ありがとうございました。環境状況、例えば、底質やら、あるいはDOやら、今、入手できる資料を次回から始められる当方の専門委員会での予備的な情報として与えていただきました。
 先生方にとって、こういうものがまだ欲しいとか、こういうものはどうなっているのかというようなことがあれば、今の時期でございますので、まだ準備もしていただけますので、ぜひご発言をいただきたいと思います、お願いがございましたら。ここに書いてあることでも結構です、ご質問があれば。
 どうぞ、はい。

○田中委員 どうもありがとうございます。海のなかなかない情報の中で整理を今までやってきて、先ほどのああいうパブコメのところで、細かいローカルないろんな情報が出てくると思うんですけども。例えば、水質のほうのこういうDOのデータなんかはありますよね。

○須藤委員長 うん。それとか、CODもありますよね。

○田中委員 そうですよね。結局これもプロットの仕方によって、どこまでが正しいデータかというのがかなり刷り込まれちゃうおそれがあるんですが、例えば、この中の9ページ目、さっき説明いただいた9ページ目の広島のデータがあるんですよね。

○須藤委員長 広島。

○田中委員 広島。平成21年の夏季の底質DOとあって、はかっているのはこの黒丸のポイントですよね。5.9ぐらいまではわかるんですが、その後ろに4.0から5.0という、こういうブロックが出てくるんですよ。これ、見ても、点がないんですよね。境界条件を何か与えているんだろうと思うんですけども、この辺はどういうふうに作業の指示をされているんですか。

○須藤委員長 点がないのに線が引いてあるけど、どこですかと。

○松浦専門官 こちらは、白塗りの部分に2.5というものが――図の上部にですね。

○木幡委員 広島の中ですね。

○田中委員 ああ。これ、島じゃなくて。そうか、島じゃなくて、これは無酸素水域の、何か点があるんですね。

○松浦専門官 そうですね。

○木幡委員 県指定じゃないですか。

○田中委員 ああ、県指定。県指定だからということですか。

○松浦専門官 はい。県の水域ですね。

○須藤委員長 県の指定だから、県がやっているわけですね、ここは。

○田中委員 で。

○松浦専門官 つまり、水域は別なんですけれども、このDOの調査自体は満遍なくやっておりまして、要は、そのときに、ここの広島県寄りの水域が2.5で、当該水域の一番北寄りといいますか、そこが5.9だったと。そこを、何というか、比例配分というか、それでやったら、こういう図になったというところであります。

○田中委員 だけど、その情報は、知られている事務方の方はわかるけども、こういう情報を一般に出しても、何でこういう線を引かれているのか全然わからないですよね。

○松浦専門官 そうですね。

○田中委員 それは、今言われたような点は、県の外だから、このエリアのところにはないので――県というか県担当のところだから。というような情報も含めて見せるべきですよね。
 それから、あともう1点は、これは平成21年度の絵ですよね。

○須藤委員長 そうです。

○田中委員 ほかの年も含めた評価というのは、今までどうしたんでしたっけ。スナップショットのある年だけ、こういう絵を描いているんでしたっけ。

○松浦専門官 この3水域については、まだそこの精査はしておりませんが、先ほどの水域については、先ほどの3水域については――ちょっとすみません、今ははっきりしませんが、あと21年から3年後ぐらいまでのデータがありましたので、その中で見比べて一番低い状況になっている図をチョイスしております。

○田中委員 その考え方は統一していたんでしたっけ。一番悪い情報で引くべきなのか、一番いいときの情報で引くべきなのか。要するに、安全サイドから見たら、普通は確かに最悪のときなんだけども……

○須藤委員長 特に、DOなんかはそうだよね。

○田中委員 状況がよくなってきたら、生物はここに戻る可能性があるんですよね。そういう意味では、今言われたような、悪いほうをベースにしたラインでいいんですかね。

○松浦専門官 これまで、そのように東京湾から整理されてきたというのはありまして、それを踏襲している形ではあります。

○田中委員 それは、そのときの議論として、流況の――都市による水質の変化をどういうときに本当にラインを引くべきかというのは、きちんと議論しましたっけ。あまり、私は今、その前の研究、今のやつでちょっと逆に疑問に思ったんですけど、議論しましたっけ。

○須藤委員長 いや、特にどういうときを基準として線を引きましょうという議論はしていないんだけれども、安全サイドで見て、例えば、DOで言うならば、夏のときの低いところで線を引きましょうということで、東京湾なんかは酸素のないところに線を引いたわけですよね。これ、冬で引いたら、また随分変わってきますよね。

○田中委員 変わりますよね。

○須藤委員長 ええ、当然変わってきます。なので、生物を見るわけですから、やはり一番低いところを見ておこうというような、暗黙じゃないけど議論したと思いますよ、その辺ぐらいまでは。
 木幡先生は、どう。そういう、これには加わっていなかった。最初のほうは加わっていましたね。

○木幡委員 一番最初はいないです。

○須藤委員長 最初はいらっしゃらなかったね。なので――それと、今、田中先生がおっしゃったんだけど、連続したデータというのはそんなにないんですよね。

○田中委員 ないですよね。

○須藤委員長 それなので、例えば、23年なら23年度を見て、さっき大ざっぱにやってしまっているわけですが、そういうことが多かったので、連続して、ずっとね。CODなんかは毎年やっていますので、それはとれているわけですが、DOは義務ではなかったので、それほどのたくさんのデータはそろっていません。

○田中委員 うん。ただ、今のDO設定の中でも議論がされていて、結構微妙なところでラインを、今、引く話が出ているんですよね。この今の場合は、DOが低いところは、どちらかというと、もう生物がいないから……

○須藤委員長 そうそう、いないから。

○田中委員 引きませんという側の議論ですよね。ところが、そこのエリアに、ひょっとすると、ある環境条件のいいときはDOがちょっと上がるんですよね。

○須藤委員長 もちろん上がります。

○田中委員 だから、そうすると、本当に今の、今まで決めてきたこの考え方でいいのかどうかは、逆にちょっと疑問に思うところがあるんですけど。まあ、突然変えるわけにいかないかもしれないけども、どちらかというと、これからさらによくなっていく環境にあるような気もするので。特に、DOの対策は、今、一生懸命やろうとしているわけだから。そうすると、今回、今までのルールでやったとして――統一上いいのかもしれないけど、その考え方でいいのかもしれないけど、今後はDOの状況によって、定期的な何かそのエリアの見直し――もしそれがネックになっているようなエリアがあるんであれば、区域の見直しということを定期的にやっていく必要はないですか。

○須藤委員長 ということは、先生おっしゃるのは、類型の当てはめの変更ですよね。

○田中委員 はい。

○須藤委員長 それは、環境が変化したり、あるいはそういう状況に応じて、そもそもの前提として、類型の当てはめは見直し、変更する可能性があるというふうになっているはずですので、それは先生がおっしゃるとおりなんですが、ただ、どういうときに変更するかというところまでは、まだやっていません。

○田中委員 だから、特に今、底層DOの基準を決めようとして、いい方向に持っていこうとしているわけですから……

○須藤委員長 よくなったら変えていいんじゃないですか。

○田中委員 ええ。だから、そういうことをある程度意識して、何か今後の見直しという意味で、そういう方向のことを、特にDOがネックになって指定されていないとかというところが出ているんであれば、そこはどこかできちんと残しておかないと、多分忘れちゃうと思います。

○松浦専門官 はい。

○須藤委員長 それは、ですから、初めの議論のときから、今のように、特に特別域については、新たな情報が見つかったら、あるいは先生がおっしゃるように、浄化が進んでDOが上がったらとは言いませんでしたが、そういう状況の変化があったら、類型を例えば特別域にするとか、逆に特別域を一般域にするとか、それはそういう前提でこの話は進んでおります。

 ということで、専門官、よろしいですね。

○松浦専門官 はい。そのとおりでございます。

○須藤委員長 それじゃ、ほかにいかがでしょうか。

○松田委員 今の……

○須藤委員長 どうぞ、松田先生。

○松田委員 私も、今の田中先生の意見は、要は、この現状を追認した形で線引きすると、もともとずっと理想的な環境だったらいいけど、かなり悪化していて、これから瀬戸内海のほうをよくしようというときには、必ずしも十分じゃないことが起きるというお考えですよね。

○田中委員 そういうことです。

○松田委員 だから、今はちょっとDOは悪いんだけど、昔はもっとよくて、これから回復させたいというドライブをかけるには、場合によっては、今は理想的でないけど、少し上のランクとか、そういうこともあり得るということですよね。

○田中委員 だから、それは今までの公平性からいって、急にここでルールを変えるわけにいかないので……

○松田委員 そうです、もちろん。

○田中委員 ただし、行政の場合は、どうしてもそのまま走っちゃう傾向があるから、これまでよりは、より行政的にいろいろなPDCAサイクルを回す方向に今行っているわけですから。

○須藤委員長 そうです、そうです。

○田中委員 その中で、当然、このDOの問題は、ほかの検討でされているようないい方向へ持っていこうということで議論されているはずですから、そこのドライビングフォースも考慮した今後見直しというのを定期的に、ある程度定期的にやるべきではないかと、そういうことだろうと思うんですよ。

○松田委員 ええ。特に、瀬戸内海の場合は、ご承知のように、今、瀬戸内法に基づく瀬戸内海環境保全基本計画というのを別に、閉鎖性海域対策室で検討しつつあって、それはかなりやはりもっと貧酸素を改善したり、藻場・干潟をつくったりと、現行の今生きている基本計画は、2000年のが最新なんですけど、それからもう14年ぐらいたっていますので、ある意味でかなり大きな方向転換があり得るわけですね。この夏ぐらいというふうに予定されているようですけれども。そうすると、先ほど宮崎課長から、ちょうど同時並行でいろんな検討が進んでいるのでということもありましたので、その辺りもお互いに少し情報を交換しながら検討されるのがいいのかなというふうに思います。

○木幡委員 よろしいですか。

○須藤委員長 どうぞ。

○木幡委員 お二人の先生のご意見に全く同感で、現状が悪いから放っておいていいという議論には多分ならないんだと思うんですが……

○須藤委員長 放っておくわけじゃないですよね。

○木幡委員 今の資料の別紙のほうの、1つだけ気になったので、コメントさせてもらいますけど、11ページかな――いや、周防灘のところ、15ページですね。それで、周防灘のこのところは浅くて、結構もうずっと最近悪いんですけども……

○須藤委員長 そうそう、悪いんです。

○木幡委員 僕の記憶では、一昔――僕の言う昔だから、もう二、三十年前かもしれない。もっと前かもしれないけど、この辺はそんなに悪くなくて、結構ベントスがいて、それなりの水産資源もあったように思うんですよね。だんだんだんだん悪くなっちゃって……

○須藤委員長 そうです。

○木幡委員 今こんななので、ちょっとだけ気になったんです。だから、これ、悪いからここは外すとか、そういう議論になったときに、3以下ですよね。ちょっとだけ気になって、昔の状況というのもある程度斟酌していただきたい、考慮していただきたいなという気がしたんですけども。

○須藤委員長 そうなんですよ。私もこれを見たときに、これはまずいなと思いました。周防灘って、昔はそれこそ……

○木幡委員 先生も大分昔ですね。

○須藤委員長 昔、大分昔なんですが、きれいな水域だったんですよね。それが最も今はDOが低い。

○木幡委員 貝なんかも随分いたんですよね。

○須藤委員長 そうです、そうです。それなんで……

○木幡委員 今はいないですけどもね。

○須藤委員長 ただ、先生ね、その昔の目標に近づけるために、例えば、ここを特別域にして、DOが例えば4でも5でも6でも目指すということにしちゃうと、今度は環境基準を達成しないとか、そういうことになるのでね……

○木幡委員 そうですね、別の問題が。

○須藤委員長 今のところでスタートして、目指す方向を何か決めておかないと。

○木幡委員 そうですね。そのときに、資料として、昔の情報があるというのが大事なんだと思うんですよね。

○須藤委員長 そうそう、そうですね。これは本当にびっくりしますよね。本当に二、三十年前はこんなじゃないですもんね。ということがあるので。まあ、しかし、今の松浦専門官のお仕事としては、現状追認でやっていかないと、直ちに達成じゃなくて、5年後に達成なり、何とかという言葉にしなくちゃいけなくなりますよね。それではまずいんですね。これは、DOをここでやっているわけじゃないからいいんですけれども、今の進行、議論をしているDOを、今度、類型当てはめをするんですよね。そのときが大きな議論になるんじゃないでしょうかね。ここは水生生物の話ですから、特別域にするか一般域にするかだけの問題なので、DOがこんなだったら特別域になりにくいですよね。と思いますので、生物が昔たくさんいたんだから、ここは特別域にしましょうというのも少し酷かなという気もしなくはないですよね。
 ほかの先生、いかがでしょうか。
 山室先生、どうぞ。

○山室委員 この別紙の2ページですね、この燧灘の北西部だけが底質の分布状況に使っているカテゴリーがほかと違っているようなんですけれども、同じ資料を使っていらっしゃいますね、「日本全国沿岸海洋誌」。

○須藤委員長 何とかかんとかというやつね。はい。それは専門官のほうでお答えください。

○松浦専門官 この辺りの資料の精査がまだ完全ではないところがございますので、ご指摘を踏まえて確認してまいりたいと思います。

○須藤委員長 どうぞ、ご意見があったらおっしゃってください。

○山室委員 はい。下にその注というのがあって、例えば、砂はこうだというふうに書いてあるんですけれども、その凡例のところにある粗粒砂とか泥質堆積物というものの説明が、だから対応していないんです、このページだけ。

○松浦専門官 はい。

○山室委員 なので、そこの辺りから。

○松浦専門官 確認します。はい。

○須藤委員長 どうぞ、今のようなご質問。まだ、今日決定するわけじゃございませんので。
 藤田先生、どうぞ。

○藤田委員 別紙の10ページですけども、長島西南沖で全亜鉛が増えていますね。基準値よりも高くなっていますが、この辺は粘土質なので、分析のときにそれも一緒に巻き込んで取ったということがあるかもしれませんけども、過去のデータというのはどうでしょうか。昔から、全亜鉛濃度は、ここは高かったのでしょうか。

○松浦専門官 公共用水域の測定結果がつけてあるんですけれども、そちらでは基準値は超えていないです。

○須藤委員長 何ページ。

○松浦専門官 別紙の、分厚いこの資料6の別紙の播磨灘北西部です。播磨灘北西部の全亜鉛について8ページに示しておりまして、これは岡山県のほうで年間を通して実施されている状況を示してございます。

○須藤委員長 これは超えていないですね。

○藤田委員 そうすると、たまたま何か海が荒れたときに測定したとか。最近はでしょうか。25年11月ですね。去年の冬ですけども、何か原因があったのでしょうかね、これ。

○松浦専門官 具体的に原因の把握はちょっとできなかったんですけれども、たまたまではないかなとは思う程度でございますが……

○藤田委員 たまたまシルトも測定したのかもしれない。

○松浦専門官 考えとしては、こちらの、年間を通して3年度間やっているデータがありますので、こちらのほうが確からしいと思いますので、この水域の水質達成状況は直ちに達成で適切ではないかというふうに考えたと……

○藤田委員 問題ないということですね。

○松浦専門官 はい。

○藤田委員 生物Aのところですよね。生物特Aじゃないですよね、ここは。

○須藤委員長 特じゃないですよね。
 ほかはいかがでしょうか。
 じゃあ、どうぞ、松田先生。

○松田委員 いいですか。これからやる3海域のほうの別紙の15ページですけれども、先ほどお話のあった周防灘について、先ほど須藤先生や木幡さんからありましたように、周防灘は……

○須藤委員長 周防灘。はい。

○松田委員 非常に浅くて、一昔前は非常に底生生物が豊かというか、ベントスなんかがたくさんいて、二枚貝、アサリなんかもたくさん、瀬戸内海の中でも一番とれたところですし、例えば、県別の漁獲量なんかは、山口県のアサリの量とかはすごかったんですが、今はそれは、ほとんどもうとれなくなっているんですが。ただ、周防灘って物すごく浅いんですよね。
 それで、今、田中先生からお話がありましたように、透明度と底層DOの基準を今検討されているわけですよね。それがどういうふうに決まるか私は存じ上げませんけれども、決まってくると、そういう、場合によっては、ここの底層DOや透明度をどうしましょうというアクションが起こる可能性がありますよね。それで、周防灘は非常に浅いので、今、瀬戸内海全体に水質は少し改善傾向にありますので、透明度もちょっと高くなっているんですよね。ということは、光が、簡単に言うと、底まで届いちゃうといいますか。そうすると、この海の底の表面にいる付着藻類といいますか微細藻類が光合成で酸素を出しますので、底層貧酸素が場所によっては改善傾向にあるような研究もあるんですよね。
 ですから、この次の類型指定の作業は、多分もう少し先のことになると思うんですが、そういう意味では、周防灘の底層DOについては、少しそういうやや長期的な変化とか、あるいはその変化を生み出す別なほうの透明度やDOの基準化ということも、少しやっぱり視野に入れて検討したほうがいいんじゃないかなという気がするんです。

○須藤委員長 田中先生もそれでいいんですね。

○田中委員 うん。逆に、前回の会議のところでは、底層DOの設定のときに、こちらとの整合を図ることというような議論が出ているんですよね。

○須藤委員長 こちらというのは水生生物ですか。

○田中委員 ええ。今の場合、どっちが主導権をとるか。本当は両方考えないといけないんですけど、お互いに……

○松田委員 卵かどっちかという……

○田中委員 なんですよ。

○須藤委員長 でも、まあ、生き物が生きていないといかんから。

○田中委員 だから、そういう視点をね、今、先生が言われるような視点をやっぱり、回復しつつあるのか、ちょっとよくわからないんですけれども、そういうところはやっぱり、きちんと、そのエリア、エリアでちょっと見ていかないと、何かお互い無責任になっちゃうんじゃないかなと思うんですよね。

○須藤委員長 お互いに譲り合ってはいけないですね、それは。そうですか。

○木幡委員 細かい点でよろしいですかね。

○須藤委員長 どうぞ。

○木幡委員 非常に細かい点で申し訳ないんだけども、DOで7.5――夏場の底で7.5というと、多分先生方もよくご存じだと思いますけれども、夏場の水温で考えたら、ほぼ飽和なんですよね。

○須藤委員長 飽和ですね、そうです。

○木幡委員 下層で飽和というのは、鉛直的によくまざって、流速が非常に速いのでよくまざっているという認識なのかどうか、その辺を、もしできたら、1枚でも2枚でもいいので、鉛直の分布図ですよね、ちょっと見せていただきたいなと思うんですけれども。

○須藤委員長 この周防灘のですね。

○木幡委員 「そこ」だけではなくて、底というか、ボトムだけではなくて。

○須藤委員長 そうですね。そういうデータがとれるかどうかは、これからはかりに行けば別ですけど、過去にそういうデータが……

○木幡委員 いや、どこかにあるんじゃないですかね。

○須藤委員長 いや、木幡先生がはかってあれば、それを提供していただければいいんだけども……

○木幡委員 播磨灘はありますけれども。

○須藤委員長 播磨灘。播磨灘でもいいんじゃないですか。周防灘……

○木幡委員 播磨は、だって、底はDOがないから。

○須藤委員長 播磨灘はないでしょ。特に、夏なんかはないですよね。ですから、バーティカルというか縦型のDOの分布というのは――それはDOのほうの委員会で出ているんじゃないかな。ここにはDOの委員会の先生はいないですね。

○木幡委員 少なくとも表層はありますよね。

○須藤委員長 当然、逆でしょう、今度。逆に、たくさんなっちゃうでしょ。

○木幡委員 余分なことを言いましたけど。

○須藤委員長 いやいやいや、これは相互に関係している問題だから、お互いに譲り合って……

○田中委員 そうそうそう。調整が必要。

○須藤委員長 調整が必要ですよね。生物のほうに任せると言われても困るんだけども。私のほうは、DOでしっかりやっておいてくれりゃ、そっちに合わせると言ってもいいんですけど。
 ほかの委員の先生。どうぞ、山室先生。

○山室委員 もしかしたら松田先生はご存じかもしれないんですけれども、周防灘の水産資源法の保護水面のところでハマグリが保護対象になっているんですが、これは天然でここで生息しているんですか。

○松田委員 もともとはそうだと思いますけどね。今はもうほとんど漁獲量がないと思います。

○山室委員 ですよね。だから、もしもいるんだったら確かに保護しなきゃいけないと思うんですが、まだやっているとしたら、これ、まいている可能性があって、そういうところも保護しなきゃいけないのかなというのをちょっと考えました。

○木幡委員 杵築湾にはいるんですよね。ちょっと奥まったところですけどね。

○須藤委員長 そうですか。

○松田委員 何ページですか。

○須藤委員長 放流するところです。

○山室委員 13ページです。

○木幡委員 いや、天然でいますよ、杵築湾は。だから、こっちのほうは知らないな。

○須藤委員長 えっ。

○木幡委員 あれっ。13ページの図ですよね。

○山室委員 はい、そうです。

○須藤委員長 あ、これか。ハマグリ。これは放流というか、それを、養殖じゃないけど、放流したやつということと、結果としては――アユのときにも議論していましたよね。アユを放流して、それを守るのかとかという議論があったんじゃなかったですか。でも、それは守るべきだということだったような気もしなくはないんだけども、結局いなくなっちゃうから、放流するわけですよね。川では、アユのときに、たしか、それが問題になりましたよね。そうなんですね。だから、貝の場合はどういうふうに理解したらいいですか。

○山室委員 これが「アサリ」と書いてあったら、さっと見過ごしたところなんですが。

○須藤委員長 ハマグリだから。ハマグリね。
 これ、本来はいたんでしょ。先生、そうですよね。

○松田委員 と思いますけれどもね。

○木幡委員 昔はいた。

○須藤委員長 いたんですよね、多分。

○木幡委員 昔って、どのぐらい昔か、よくわからない。

○須藤委員長 昔というのは、私どもが一生懸命やっているころというのは――私を例に挙げちゃいけないんだけど、二、三十年前ですよね。もうちょっと前。四、五十年前。調べてください、そうしたら。それが、いつハマグリがそういうことで生息していたかどうかというのは、それはデータに載っているでしょう。
 ほかはよろしいでしょうか。特に、あれでしょうか、松浦専門官のほうとしては、いっぱい資料をまだ全部見てはいただいていないんだけども、説明する分としてはこれでおしまいですか。

○松浦専門官 はい。本日ご用意しているのは。

○須藤委員長 本日はね。それから、あなたのほうも、そんなに一々説明できるほどお勉強してくださいと言っていないので……

○松浦専門官 はい。申し訳ございません。

○須藤委員長 私のほうからも、概略だけ皆さんが理解して、質問を受けて、それを次回までにできるようにしてくださいと。

○松浦専門官 はい。本日のご意見を受けまして、検討に……

○須藤委員長 というふうにしてくださいとお願いしておいたので、今――はい、どうぞ、お願いのほうはしていただいたほうがいいです。

○木幡委員 お願いのほうで。
 一番初めに田中委員からもありましたけれども、最終段階で自治体からパブリックコメントで出てくるというのは何か妙な話なので、よくここで議論されていましたけども、時々の段階ごとに自治体との連携をとるように、ぜひお願いして。正直言って、みっともないですよね。

○須藤委員長 本当は国と県が一体にこういうのはやらなくちゃいけないですよね。

○木幡委員 一体というか、連携をとりながらやったほうが多分いいなと思います。境界の問題とかは、どういうふうに設定するかとかいうところもありますので、今後進めるときにはぜひよろしくお願いいたしたいと思います。

○松浦専門官 はい。

○須藤委員長 ですから、今度はどこになるんだ。関係県は山口県と大分県と福岡県と、それから、どこになるんですか。

松田委員 広島。

○木幡委員 広島も入りますね。

○須藤委員長 広島も入るよね。

○松浦専門官 あと、愛媛も入ります。

○須藤委員長 多いな。それだけ全部といったら、大変かな。でも、関係県だから。

○松浦専門官 はい。調整を図りたいと思います。

○須藤委員長 調整を図って。この間もいい発言をしてくれましたものね。

○松浦専門官 はい。

○須藤委員長 広島だったですか。岡山だったですね。

○松浦専門官 岡山です。はい。

○須藤委員長 岡山ですね。なので……

○木幡委員 兵庫も入っていた。赤穂の話じゃないの。赤穂だから、兵庫。

○須藤委員長 兵庫。

○木幡委員 赤穂の浜ですよね、たしかね。

○須藤委員長 この間の発言は岡山だよね。

○松浦専門官 代表して、岡山県さんが発言されたようです。

○須藤委員長 うん。発言したので、さっきのような修正になったんですね。ので、やっぱり自治体の担当者にはおいでいただいたほうがいいかなという気がします。
 そのほか、何かございませんでしょうか。

(なし)

○須藤委員長 じゃあ、松浦専門官のほうも、新たなご説明は、今いろいろ先生方のご要望がありましたので、できるところはできるし、できないところはできないので、データのないのもできないわけですが、ないのはないということをおっしゃっていただければいいわけでございますので、本日いただいた意見を踏まえて、新たな資料を作成していただきたいと思います。
 それでは、少し時間は早うございますが、本日の専門委員会の議論はこの場で終了させていただきますが、あと事務局のほうで、多分課長からのご挨拶もあると思いますので、司会のほうは松浦専門官にお返しをいたします。

○松浦専門官 はい。長時間にわたり、熱心なご議論、ありがとうございました。
 今後の予定でございますけれども、先ほどお話しさせていただいたとおり、こちら、本日、審議いただいた案を、(案)をとりまして、水部会報告とさせていただきますということです。
 最後になりますが、本年度最後ということですので、当課、宮崎課長のほうからご挨拶申し上げます。

○宮崎課長 いつもながらではありますけれども、大変活発なご議論、ありがとうございました。本日の議論で、この専門委員会報告、第7次ということでおまとめいただきまして、大変ありがとうございます。
 ただ、今日ご議論ありましたようにまだまだ詰めるべき課題がありますし、あと、先ほど申しましたように並行して動いているものがありますので、それとの関係はもう少し配慮しながら、これからの議論を進めさせていただきたいと思います。また、今後とも国指定の海域がまだ残っておりますので、先生方には引き続きよろしくお願いしたいと思います。本日はどうもありがとうございました。

○須藤委員長 それでは、私からもどうもありがとうございました。どうもお疲れさまでございました。以上をもって、第29回の専門委員会を終了させていただきます。ありがとうございました。

午後1時59分 閉会