中央環境審議会水環境部会 水生生物保全環境基準類型指定専門委員会(第3回) 議事録

日時

平成17年9月12日開催

場所

環境省環境管理局水環境部企画課

開会

議事

(1)

水生生物保全環境基準に係る類型あてはめの考え方について

(2)

検討対象水域の状況について

(3)

その他

閉会

配布資料

資料 1 水生生物保全環境基準類型指定専門委員会名簿
資料 2 中央環境審議会水環境部会水生生物保全環境基準類型指定専門委員会(第2回)議事録(案)(委員限り)
資料 3 主な魚介類の淡水域における水域区分の分類及び生息に関する情報について(案)
資料 4 自然的原因について(藤田委員提出資料)
資料 5 亜鉛の分布について
資料 6 水生生物の保全に係る水質環境基準の類型指定について(構成及び取りまとめ方針(素案))
資料 7 検討対象水域の状況について
参考資料1 淡水魚類のグルーピング(「水生生物の保全に係る水質目標について(報告)」(平成14年8月、水生生物保全水質検討会)から抜粋)

午後2時58分 開会

○紀村水環境管理課長 ただいまから中央環境審議会水環境部会第3回水生生物保全環境基準類型指定専門委員会を開会いたします。
 本日は、委員9名中7名の方のご出席をいただいております。
 議事に先だちまして、この夏に事務局の方で異動がございましたので、報告させていただきます。8月2日付で水環境部長が前任の甲村から坪香に替わりました。

○坪香水環境部長 坪香でございます。よろしくお願いします。

○紀村水環境管理課長 私、水環境部の水環境管理課長兼企画課長をやっております紀村でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、議事に先だちまして、坪香水環境部長よりごあいさつを申し上げます。

○坪香水環境部長 今、ご紹介ありましたように8月2日付で水環境部長に就任いたしました坪香でございます。本日はまことにお忙しい中ご参集いただきましてありがとうございます。
 水生生物保全環境基準類型指定専門委員会、本日3回目でございます。平成15年11月に水生生物の保全に係る水質環境基準が告示されました。これを受けまして、環境省から中央環境審議会にその類型指定について諮問いたしましたところ、審議会から水環境部会に付議されまして、本専門委員会で検討していただいているところでございます。
 本日の会議でございますが、今までいただいたご意見を踏まえまして、事務局で資料を準備しておりますので、類型指定に関する基本的な考え方、並びに、類型指定にあたっての把握すべき情報の取りまとめ方針について忌憚のないご意見をお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○紀村水環境管理課長 続きまして、お手元にございます配付資料の確認をさせていただきます。
 大量に資料を配っておりますけれども、「議事次第」をご覧いただけますでしょうか。配付資料1から7、それから、参考1とございますが、資料1は「水生生物保全環境基準類型指定専門委員会名簿」、資料2は「中央環境審議会水環境部会水生生物保全環境基準類型指定専門委員会(第2回)議事録(案)」、資料3は「主な魚介類の淡水域における水域区分の分類及び生息に関する情報について(案)」、資料4は「自然的原因について(藤田委員提出資料)」、資料5は「亜鉛の分布について」、資料6は「水生生物の保全に係る水質環境基準の類型指定について(構成及び取りまとめ方針(素案))」、資料7は、「検討対象水域の状況について」、参考1として、「淡水魚類のグルーピング(「水生生物保全に係る水質目標について(報告)」(平成14年8月、水生生物保全水質検討会)から抜粋)がございます。また、「水生生物の保全に係る水質環境基準について」の参考資料ということで、閲覧用でファイルをご用意しております。
 それでは、恐縮でございますが、これ以降の進行は須藤委員長にお願いいたします。よろしくお願いいたします。

○須藤委員長 かしこまりました。
 本日は大変ご多用の中を、また暑い中を委員の先生方、事務局の皆様には、お集まりいただきましてまことにありがとうございます。また、本日もこの専門委員会にたくさんの方の傍聴をいただきまして、どうもありがとうございます。
 それでは、まず本日の議事でございますが、本日はその他まで含めて3題用意してございます。最初は水生生物保全環境基準に係る類型あてはめの考え方について、2番目が検討対象水域の状況についてということでございます。
 ただいまから4時までということで会議を開催いたしますが、本日は、先ほどご紹介がありましたように、盛りだくさんの資料を用意してございます。場合によっては20分ないし30分ぐらいは超過する可能性がございますので、その節はどうぞお許しをいただきたいと思います。
 それでは、早速に議事に入りたいと思いますが、その前に資料2に前回議事録が準備されております。本資料は各委員にご確認をいただいた後、事務局が修正し、再度、各委員に送付されている資料でございますので、この場で前回議事録としたいと思います。いかがでございましょうか、よろしゅうございましょうか。
 特にご異論がございませんので、本議事録を前回議事録としますので、事務局においては公開の手続きを取ってください。お願いいたします。
 それでは、議事を進めさせていただきます。本日は3回目の専門委員会となりますが、まず前回の宿題や指摘事項に関して検討していただくことになります。最初は前回の資料でいろいろご指摘のございました魚介類の冷水性、温水性の分類表についてであります。
 資料について事務局から説明願います。松田補佐、資料3を使ってご説明ください。

○松田課長補佐 それでは、事務局から資料のご説明をさせていただきます。資料3をご用意ください。A4横の資料でございます。前回は生物A、生物Bについてどういう魚が対応するかという表をご提示させていただきましたが、もう少し詳細に内容を整理したものでして、これを踏まえていろいろご意見をいただければと思います。
 簡単に表のご説明を申し上げますと、一番左の列が類型ということで、生物A、生物Bの該当を示しています。
 それから、右に「和名(分類1)」というのが大まかに分けた魚類の種類の名前でございます。「学名」、「科名」とありまして、次は「生態的分類」でございます。回遊性があるものがかなりあるのですが、そういうものは回遊性、川を遡るようなものについては遡河回遊という形になっております。アユ等はまた別に、両側回遊性というような分類になっております。回遊性のないものは、例えば純淡水性といった名前になっておりますので、ごらんいただければと思います。
 和名につきましては、さらにそれを「和名(分類2)」として詳細に分けております。アマゴ・サツキマスを例にとりますと、アマゴにつきましては、「型」としては、河川にずっと残るという意味で、例えば河川残留型という名称をあてはめております。サツキマスにつきましては、一度海に降りるというような表現になるかと思うのですが、そういった意味で降海型。一部は湖の場合もあるということで、湖の場合と両方の記載になっております。
 その次が「主な生息域」として、アマゴであれば渓流域、サツキマスであれば上流域から海、さらに上流へという移動をする。その状況の詳細は「移動・回遊の概要」に記載がございます。
 それから、「主な産卵場所・条件等」という項目では、一般的に言われている産卵場所とか条件を記載してあります。
 さらに右側にいきますと「分布」がありまして、いろいろな一般的な図鑑に載っているものでございます。
 「放流状況」については、余り明確ではないのですが、そういう情報があるものについては、全部「あり」というような書き方になっております。
 最後が「適水温等の情報」ということで、今回、冷水、温水という分類ということがありますので、温度について書かれた記載があればできるだけ幅広く引用しております。ここで、「全般」と書いてありますのは、特に成魚とか孵化とか、そういう条件が特に記載のないものです。その下にあるのは孵化最適水温など文献の表現をそのまま記載しております。
 列の説明については以上でありまして、あとは1ページから4ページの半ばまでが前回の表でご提示いたしました生物Aについての改めての整理でございます。
 4ページからは生物Bについて整理してございます。
 6ページをご覧いただきますと、1つ訂正がございまして、ヨシノボリ類というのが6ページの一番上に載っております。この学名が、Rhinogobiusとありまして、その下にsp.とあるのはspp.に修正いたします。複数種を示す場合にこういう表記になるということであります。
 あとは、最後の7ページに出典等が書いてありまして、基本的には一番下の参考文献とありますところの図鑑などを参考にしております。
 こういうものを参照して整理したのですが、間違いあるいは分類の考え方などいろいろなご意見があると思いますので、全般的にご意見をいただければと思っております。
 以上でございます。

○須藤委員長 松田補佐、簡潔にご説明いただきましてありがとうございました。
 それでは、ただいまのご説明、冷水性か温水性かという分類表についてのご質問、ご意見ございましたら、どうぞお願いいたします。
 高橋委員どうぞ。

○高橋委員 最初のアマゴ・サツキマスの場合、その次のヤマメ・サクラマス、イワナ・アメマスなどもそうですけれども、これは1つの種、さらには1つの個体群の中に河川残留型と降海型が生息するわけです。ですから、1つの個体群の中の生活史多型なのです。それと比べて例えば生物Aの最後の4ページのカジカなどの場合には、ここに学名は1種しか書いてありませんが、ずっとカジカは1種だと思われていたんですけれども、ここにありますように河川型と降海型、これは別種であります。大きな卵を産んで、卵から生まれてからずっと川で生活できるタイプの河川の上流域にすむカジカと、小さい卵を産んで、生まれた子どもは海まで流されていってしまって、海で少し大きくなってから川に戻ってくる、そういうタイプの回遊性のカジカと、さらには中卵型というのまである。それらが別種であると言われてきています。これはアマゴ・サツキマスの場合と同じような表現になっていますけれども、中身は違うものだということを確認してください。
 それから、同じようなことが言えますのは、生物Bの6ページのヨシノボリ類ですね。カワヨシノボリとそれ以外のヨシノボリに分けて書いてありますが、カワヨシノボリというのは、先ほどのカジカと同じように大きな卵を産んで、一生川で生活するタイプで、河川の上流域から枝谷とか、アマゴやタカハヤなんかの生息するようなところにもいるようなヨシノボリです。
 それに対して、その下にたくさん名前が書いてありますのは、両側回遊性の、やはり小さい卵で生まれてくるので、海まで流れていって、海で少し大きくなって上ってくる、そういうヨシノボリです。これはどちらかというと、先ほどの小卵型のカジカもそうですが、下流域から中流域にかけて生息するタイプのヨシノボリです。比較的近年爆発的にというか、非常に多岐に分化して、ちょっと見には同じように見えるけれども、別種である。十数種類に分かれているというヨシノボリです。
 ここに「河口域・ゴクラクハゼ」とありますが、ゴクラクハゼは普通ヨシノボリ類には入れません。もしかしたら別属にした方がいいのではないかとも言われているので、含めない方がいいのではないかと思いました。そうなってきますと、冷水性、温水性ということや、生息域で生物AかBとか分けるところでちょっと問題になろうかと思います。
 それと、調査をして種のリストを上げるときに正確に同定されないケースも出てくるという、魚の側の方の問題と人間の側の問題があると思います。実際に資料を見ますと、カワヨシノボリはダム湖なんかにはすみませんから、ダム湖からカワヨシノボリというのが書いてあるところもあったので、早明浦ダムだったかな、ちょっと覚えていませんけれども、その辺に見られるように同定ミスというのもしばしばあるように思います。

○須藤委員長 ありがとうございます。
 今のような河川残留型、降海型が違う種であるということを記載するのは、この場合は例えばそういうことがあるということを備考欄なり何かに書くということでよろしいんですか。それとも、ここに分けて書いたらかえって煩雑というか、これを使う目的からしていかがでしょうか。

○高橋委員 カジカの場合には、水産上の重要種であるのかなと思いますので、リストから外さない方がいいと思います。

○須藤委員長 カジカはそうですね。

○高橋委員 ざっと見た場合にはカジカの大卵型、河川型の方を取り上げている場合が多いように思います。ですから、生物Aに入れてカジカの河川型というふうにしておけばいいかなと。

○須藤委員長 こういうものですから、この場で検討するのは国あてはめの水域をやっていただきますけれども、あとほかの全国の河川等の場合には、自治体の方にこのあてはめの仕方を一つのモデルにして類型あてはめをやっていただくので、さっきの同定のミスというのはほかの生物についても多分考えられるとは思いますし、それは非常に重要な問題なんだけれども、そこは注意をしていただくということで、よろしいでしょうか。ご指摘のカジカは消さないでそのままにして、今のヨシノボリのような問題になるところは、例えば和名の部分を消しておくとか、そういうことでよろしいですか。

○高橋委員 ヨシノボリ類をリストに含めるかどうかでしょうか、問題は。

○須藤委員長 ええ、それもそうです。それと同時に、ここに和名の(分類2)というのに例を挙げていますよね。そこに誤解を招く可能性もありますよね。ヨシノボリというのは挙げないといけないんでしょうね、挙げない方がいいんですか。この辺になってくると、ご専門の先生にちゃんと伺っておかないといけないので。同定のミスは専門家にお願いするというのは当然大事なことだと思いますけれども、ここのリストが間違っていたのではまずはいけないわけですから。

○高橋委員 そうですね、ここの(分類2)のところに種名を書いておくのは問題ないと思います。

○須藤委員長 問題ないですか。あとはどこが。じゃ、これはこれでよろしいですか。

○高橋委員 同定はとても簡単な方法があるので、それを書いておくとか。カワヨシノボリは実際は、冷水域にすんでいるんです。それをどうするか。

○須藤委員長 実際にはカワヨシノボリは冷水域なんですね。

○高橋委員 カワヨシノボリの方は。ただ、冷水域にすんでいるというのは、現象的にそうなので、分布が水温によって一義的に決められているわけでもないし、それが化学物質に対する感受性と関係があるということはだれも言っていないので、そこを精緻に分けてみたところで余り意味がないような気もするので、ヨシノボリはもうやめておこうかという。

○須藤委員長 やめておこうかというのは、ここ全部をですか。

○高橋委員 ええ、リストに入れないでおいたらそういうややこしいことは考えなくて済むと思います。

○須藤委員長 ただ、この魚は頻繁に出てくるんですよね。

○高橋委員 はい、そういう問題はありますね。

○須藤委員長 だから、よけい迷いますよね、多分ね。調査する立場の人からすれば。その辺の問題が残る。切っちゃうのはちょっと不安だからとか、同定のミスが起こりやすいとか、あるいは、今のようにAになったりBになったりするのもいるということで、両方挙げるのも変ですからね。その辺の問題は残されているような気がするんですけどね。
 先生のご意見は削除した方がすっきりするということでしょうか、種によってはどっちにも入るからということでよろしいでしょうか。

○高橋委員 このヨシノボリ類を入れないと判定に困るというようなこともないと思います。

○須藤委員長 最低限それは指標種になりにくいということになればそれでいいんですよね。ただ、いろいろな水域で調べるとこの種は出てくるよね。それで挙げているんだと。
 今の意見でどうですか、お答えください。

○松田課長補佐 いろいろなところで多分出てくるのだとは思うのですけれども、あとは表の中でどういう扱いをするかというのは、確かに2つに分かれているという意味で複雑になるというか、そういうことは確かにあるとは思います。あるいは、このあとで具体的な河川が出てきますので、そこを見ながら考えてみればいいかと思います。

○須藤委員長 そうですね。じゃ、とりあえず今のような問題があるので、そういう種があるということをまず確認させていただいて、場合によっては煩雑になるのでヨシノボリ類は削除するということもあり得るということで進めましょうか。そうしないと次の議題にいけませんので。

○高橋委員 また違った点なんですけれども、フナが2種挙げられています。このほかにもフナはキンブナとかニゴロブナとかいろいろ地方によって違うフナがあるのですけれども、これはフナspp.と、フナとしていいのではないかという気がするんですが、どうでしょうか。

○須藤委員長 別にギンだのつけなくて、フナと言うだけで、いろいろなフナを含めてフナとして記載するということでよろしいでしょうか。

○高橋委員 はい。

○須藤委員長 ほかのフナも同じようなところに生息するのであれば、フナとして一括というのでもいいですよね。
 花里先生は意見ありますか、今のところで。フナはいいですか。

○花里委員 はい。

○須藤委員長 高橋委員のご意見に従って、そこはとりあえずフナということでよろしいでしょうか。
 それでは、花里委員、別の意見ですね。はい、どうぞお願いします。

○花里委員 よろしいですか。いろいろ悩ましくて私自身もはっきりとした回答がわからないんですけれども、例えばワカサギの場合は適温域は0℃から30℃と。霞ヶ浦のような30℃を超えるようなところでもいます。ただし、産卵なんかは割と低温のときに行います。ところが、アユの場合は10℃以上が適水温で生物Aと。また、一方シラウオは5℃から20℃ということで、そういうことを考えると、なぜAなのかBなのかという区別がなかなか悩ましいものがあるんですが、余りそういうことを言っていてもしようがないと思うんですね。
 ただし、生物のAとBと分けるというのは、基本的にAは冷水性で、大体上流だから水質がいいところという意味ですよね。

○須藤委員長 そうです。

○花里委員 Bは比較的汚いところでも大丈夫だと。そういう見方で考えると、特に水温で決めるというよりは、割りときれいなところにすんでいるものはAにしましょうというようなやり方でいいと思うんですね。
 そうなるとまた悩ましいのは、ワカサギの場合はとんでもなく富栄養化しているところでも平気なわけですよ。ところが、最近、私の学生がワカサギの仔魚を使って毒性試験をしたら割と感受性が高いんですね。もしかしたらニジマスよりも高いかもしれないぐらい。それで考えるとかなり毒性に関しては弱いから、きれいなところでないといられないかもしれない。そうだとすると生物Aでいいんですけれども、それを言い出すと、例えば生物Bのところにエビ類が入っていますよね。確かに富栄養化するとエビはいいんですけれども、例えばスジエビとかヌカエビなんていうのは毒物にはかなり敏感です。
 普通は甲殻類は魚よりも100倍ぐらいは感受性が高いですから。それを考えてしまうと、魚と同列でBにしちゃっていいのかというところで、汚染の問題を考えたときに水質汚濁と化学物質汚染とでは全然、生き物の感受性が違うので、そういう適正な環境を基準に分けるにあたっても、何を問題にするかによって分類の仕方が変わってきてしまうので、これをどう考えたらいいのかというのが私自身悩んでいるところです。

○須藤委員長 わかりました。温度だけではなくて、化学物質だの有機物だのDOだのさまざまなものとの関係があるわけですよね、当然。けれども、化学物質に意外に弱いというのもあるし、汚水性と言われても弱いのもあるということもあれば、それは当然そういう問題も考えなくちゃいけないんだけれども。それで、花里委員は悩んでいるということで、これをどうしろということでは、今のところないのですか。

○花里委員 今のところは一応冷水性と温水性という言い方をしているんだけれども、これは適当な水質の基準ですから、余り温度にこだわらずに、割ときれいなところじゃないとだめとか、多少汚くても生息可能であるといった考え方。

○須藤委員長 清水性か、多少、弱汚濁性かというぐらいがいいんでしょう。

○花里委員 はい。

○須藤委員長 そうでしょう。

○花里委員 そういうところを基準で。言い方はAとB、それから、冷水性、温水性でいいんですけれども、それを基準に分けた方がいいんじゃないか、そういうふうに考えた方がいいんじゃないかとは思います。ただし、それを考えたときにまた新たな問題があって、これについてはどうしたらいいのか皆さんの意見を伺いたいということです。

○須藤委員長 要するに弱汚濁性であっても、例えば重金属だとかほかの化学物質に弱いとか、そういうことまでいっちゃうと矛盾があるよと、そういう意味ですよね。

○花里委員 はい、そうです。

○須藤委員長 ですから、全部を満たすというわけにはなかなか今のは難しいですよね。最後に「えい、やあ」というわけにもいかないんだけれども、今のヨシノボリの例もありますから、一応そういう問題があるということを確認した上で前に進めていただいて、やっぱりおかしいじゃないかということでここへ戻るというようなことにしないと、ここの一般論だけでやっているといろいろな考え方が出てくるし、科学的な知見を並べていけば相矛盾することが出てくるだろうと思いますので、とりあえずはそういうことがあるということを、特に生物の強い先生に確認していただいた上で分類を考えていったらいかがかと思いますが。
 ここで決定ということではなくて、このくらいのところでいいけれども、矛盾を随分持っている問題やら、今のような片方で立てれば上流域になって、片方で立てれば下流域になったりというようなことになるので、その辺の部分のところは温度だけではどうも決まらないというような部分がありますということを専門の先生からご指摘をいただきました。ということで、今修正することは難しいので、事務局でさらに検討はしていただくけれども、前に進んで、その上で修正するときには、これが最後ではございませんので、修正をしたらいかがでしょうか。
 次は、藤田先生から自然的原因というようなことでいろいろご質問なりご意見をいただきました。続く資料は、藤田先生から自然的原因に関する資料を提出いただいております。その後、事務局からもご説明いただきますが、藤田先生からまずご説明をお願いいたします。

○藤田委員 私の専門はリサイクルとか環境浄化です。「自然的要因が大切ですよ」といわれていますが、実際に川の岩石から、一体どのぐらいの、最近基準となりました亜鉛を溶出するのかというデータは余りなかったので、夏休みに自分で砕いて実験してみました。ご説明いたします。
 生活環境の保全に関する環境基準で、亜鉛はこちらのパンフレットにもありますが、河川では0.03ppm以下です。ここで亜鉛を規制する場所は自然的要因からの溶出を考慮して考える必要がありまして、過去の水生生物関係の委員会を拝見しましたけれども、基本的な留意事項というのがあり、この資料の前書きでも書いております。
 そこで、亜鉛が地層から自然的要因で溶出してくる場合に、日本の代表的な岩石はどの程度亜鉛を含んでいて、さらにそれがどの程度溶出してくるかを確かめる必要があると思います。表に書いてありますように、8種類の代表的な岩石をもらいまして溶出試験を試みました。今までデータがないので実験して得た結果です。岩石を土壌の溶出試験と同じように2mm以下に粉砕しまして、粉と水を一定比率に混合して、水に懸濁させます。そして6時間振とうして、濾過して亜鉛の溶出量を測定しました。
 下の表をご覧ください。左側の列に各種岩石名を記載しております。2列目に亜鉛の溶出量、それから3列目に参考として鉄の溶出量も書いています。一番右側の列が岩石構成成分として含まれております亜鉛、鉄、シリカを分析した結果です。岩石構成成分から、亜鉛はどの岩石に多いかと言いますと、凝灰岩と花崗岩に100ppmから300ppm程度、岩石、砂自体に含まれています。
 これを溶出試験しますと、亜鉛は特に花崗岩から、表の下から3番目に書いてありますように0.42ppm溶出しました。ただ、この量は極めて微細なコロイドも含んでおり、花崗岩は各種ありますから、溶出濃度は産地による差があると思います。凝灰岩からは0.005ppm溶出しました。亜鉛は岩石中の炭酸亜鉛などから溶出すると考えられます。例えば天然の炭酸亜鉛では25℃において100ppm溶解します。
 よって、河川では岩石や砂がこすれあって自然に亜鉛が溶出している場合もありますので、亜鉛が多く溶出する自然的要因の場合には、昔から生物が生息していますので、その場所は水生生物のための環境基準からは除外された方がよろしいかと思います。無理に浄化しようとしますと、かえってエネルギーを消費して浄化で二酸化炭素を排出することになります。
 さらに、環境省から用意してくださいました資料5には亜鉛の地球化学図がありますけれども、色がついたところがございますように、日本には多くの亜鉛を含んだ地層があります。亜鉛もわずかに存在する環境中で水生生物が昔から生きてきたのですから、自然的要因を十分考慮する必要があるかと思います。この地層中の亜鉛がすべて水に溶けるということではなくて、水に希釈されることになります。日本には亜鉛を多く含む地層がたくさんありますので、人が生活活動を行っている付近の採岩場分布とを分けて亜鉛濃度を考えることが必要と思います。
 以上でございます。

○須藤委員長 どうもご説明いただきましてありがとうございました。先生自ら実験をやっていただきましたそうで、どうもありがとうございます。
 それでは、続いて事務局からご説明をお願いします。

○松田課長補佐 今、藤田先生からご紹介がありましたけれども、さらに補足的に何か資料がないかと思って探しておりましたら、こういう日本の地球化学図というのがありましたので、これも参考の一つになるかなと思いまして、添付いたしました。
 概要としては、試料は河川の堆積物を使っていて、それを流域個々にあてはめて解析して地質を推定したものです。河川堆積物というのが上流の地質の影響を調べる上で重要なものだということのようでございます。
 1ページ目は日本の全国的なものですね。
 2ページ以降に、東北、関東、東海、近畿、四国と、今回の対象の河川・湖沼の地域のあたりをピックアップして載せております。
 4ページ目は、分析方法が若干違うものもやっているようでして、それもあわせて載せております。
 1ページ目に戻っていただきますと、地球化学図にありました注意点としましては、試料採取密度が10km×10kmで1試料ということに留意しなくてはいけないと。それから、大都市の市街地では試料採取は避けているということと、値の変動は通常1/2~2倍程度、場合によってはさらに大きい。それから、最大値と最小値の表示は補完しているということがあって、実際の値とは異なる。そういう注意書きがございました。
 後ほどの議論などでも参考になるのではないかと思います。以上です。

○須藤委員長 どうも簡潔にご説明いただきましてありがとうございました。
 それでは、ただいまの資料と、藤田先生のご説明の資料4、松田補佐のご説明の資料5、あわせてご質問、ご意見ございますでしょうか。
 自然的要因、岩石等に亜鉛がありますよと、溶出もしますよというご説明でございます。よろしいですか。
 それでは、この問題については、藤田先生には自らお調べいただきましたし、松田補佐の方は亜鉛の分布を地球化学図から取っていただきまして、自然界にかなり広範囲に亜鉛があるということは我々が類型指定していく上で考慮しなくてはいけない要素であるということの理解のために整理していただいたと思います。
 それでは、あてはめの考え方の取りまとめ方は前回までの議論もしていますが、これからもその方法等の素案について、事務局から検討した資料についてご説明をお願いしたいと思います。

○松田課長補佐 それでは、続きまして資料6のご説明をさせていただきたいと思います。水生生物の保全に係る水質環境基準の類型指定について(構成及び取りまとめ方針(素案))ということですが、そろそろどういった取りまとめの方向をするのかという話もあわせて議論していった方がいいのではないかと思いまして、全体を記載してみたものでございます。
 1ページ目から順にご説明いたします。まずは、今回初めての類型指定の検討ということですので、基本的な考え方の部分を整理しまして、その後に個別にあてはめる水域について掲載するという構成を考えております。まず、「1.はじめに」ということで、経緯あるいは取りまとめなりの記載を行って、「2.水域類型指定の基本的事項について」書くというような構成であります。
 (1)類型指定の必要性の判断についてでは、特にここで記載しておくべきこととしましては、1つは類型指定の必要性の判断という部分について、答申あるいはその部会以降に設けられた小委員会で議論された内容、類型指定の重要事項について、そういった内容を整理して記載しておくといいのではないかと考えます。それで、類型指定を行うべき水域とか、優先して行うべき水域、あるいは、生息しないことが確認される水域とか、そういうものの扱い。それから、既存のBOD、CODで生活環境項目で水産を利水目的としない類型が指定されている水域の扱い。それから、自然的原因により基準値を超えて検出されると判断される場合の扱いというようなことです。
 それから、関連して類型指定を行う水域の区分の扱いということでございます。基本的にはこれらは答申あるいは先ほどの部会決定の内容を整理して書くということでありますが、以降の議論でさらに追加的なものがあればさらに書くというようなことかと思います。内容としては、1回、2回でご説明してきた内容になるかと思います。
 (2)類型指定を行うために必要な情報の把握については、生物の生息状況あるいは水温とかいろいろな議論があるのですが、そのあたりを明確にここで基本的な方向を記載した方がいいのではないかという内容でございます。
 2ページに(参考)がございますが、これは前回第2回の資料4で(素案)というようなことで記載した内容でございます。ここの中で類型指定の状況とか、水質汚濁の状況、それから、魚介類の生息状況、水温の情報、さらに河床材料の情報、そういったことが答申の内容をベースに整理してあります。これも当然ながら具体の水域の検討を踏まえた上で記載というようなことかと思います。
 (3)では、その他留意すべき事項というものを記載する必要が出てくるのではないかと思っております。この内容についてはさらにご議論いただきたいと考えておりますが、例えばということで挙げさせていただいたものの中には、今回の資料3の魚介類の分類の情報など、あるいは、専門委員会の第1回で示しておりました環境基準の運用に関する事項で評価方法など、当然、環境基準の告示とか処理基準に記載されている部分が大半なんですが、そういったものを踏まえつつ必要なものは書くということになろうかと思います。例として最後に書きましたのは類型指定の適宜見直しに対応するために必要な事項ということで、今回把握すべき情報というものが該当すると思うんですが、基本的には水質の常時監視もあろうかと思いますけれども、水生生物の生息状況なども重要になってこようと、そんな意識の下に挙げさせていただいています。
 続いて、3ページ以降が個別の、3.国のあてはめ水域における水域類型の指定についてという部分でありまして、(1)水域の概況、(2)水質、これは亜鉛の水質も含めてでございます。それから(3)水温、(4)河川構造等として河床材料のほかに、前回のご指摘も踏まえまして、漁業とか河川構造物、その他関連情報というようなことを挙げさせていただいております。
 (5)魚介類としまして、温水性と冷水性それぞれで生息していると考えられる範囲を記載する。さらに、追加の情報として例えば過去の情報といったものを記載する。
 (6)産卵場及び幼稚仔の生息の場では、特別域の情報を記載する。
 (7)適当と考えられる水域類型でございますが、以上を踏まえて、適当と考えられる水域類型を記載するという構成になるのではないかと思います。これも今後のご検討かと思いますが、(論点例)と書きましたけれども、温水性と冷水性を調査結果からどういうふうに生息範囲を考えるか、水温等の環境条件から推測しうる温水性及び冷水性の魚類との関係をどう整理するか。あとは特別域情報をどの程度まで考えて特別域とするか、特別地域情報と言いますか、産卵場等の情報を整理する。あとは基準項目の水質ということで亜鉛のデータを整理する。今回は亜鉛しか基準はないのですが、その亜鉛の水質の状況もここで考えなくてはいけないという部分が出てこようと思います。
 4.おわりにで、報告書の取りまとめを行うような内容で想定しております。
 基本的な部分は以上でございます。

○須藤委員長 どうもありがとうございました。
 この問題は先ほどの問題ともかかわりがありますが、前回もこの問題、議論をいたしましたけれども、文章として基本的事項ということでまとめていただき、さらに国のあてはめの水域においてまとめた例というのも記載していただいております。
 ただいまの資料6のところのご説明の範囲内で何かご意見、ご質問ございますでしょうか。特にこういうことでまとめるということでいいでしょうか。
 花里委員、どうぞ。

○花里委員 先ほど申し上げましたけれども、ここで特に必要な情報の把握みたいなところで、先ほど私が申し上げたような、例えばこの魚は化学物質には弱いとか、水質汚濁には弱い、そういったことをここに入れればいいんじゃないかと思います。

○須藤委員長 そうするとわかるわけですかね。

○花里委員 そうですね。そうしていただければと思います。

○須藤委員長 それから、分類が丁寧にできていれば、先ほどの高橋委員のお話もこういうところで出てくるのかもしれませんね、必要な情報という中で。そこがいかに丁寧にできるかどうかということで最終的にはできるわけですが、それだけの調査がまた必要であるということになるのかもしれません。特に自治体の研究機関ですと、この辺のところになってくると少し慣れてないかなという気がしなくはないんですが、とにかく国がやっていく場合は何とかいけるのではないかなという気はいたします。
 ということで、とりあえずは、今ご注意もいただきましたが、こういう方向で検討をするということでよろしゅうございましょうか。幾つか議論をいただきましたので、特に(2)のところは重点的に情報の把握に努めるということにさせていただきたいと思います。
 それでは、ここに書いてあるようなことでよろしいですか。国のあてはめの水域における水域類型の指定についてということで、これだけの項目、関連情報もここには出てくるんですが、特に幼稚仔の生息の場、産卵場には注意が必要であるという説明をさっきいただいたんですけれども、これもこんなところでよろしいですか。
 とりあえずまとめていただいたので、こういう形でとりあえずは改訂をして進めていくということにさせていただきますが、最終決定ではございませんので、またやってみて対象水域の状況なんかを検討し、必要であれば前の議論へ戻り、そこで改めればいいと思います。試行錯誤も多少必要なので、議題の2に移らせていただいて、検討対象水域の状況についてということで、ここでは具体的な水域において把握しておくべき情報と、その整理の方針についてご検討をいただきたいと考えているわけです。
 前回の指摘事項も踏まえまして、前回の検討状況について、魚介類の生息状況等の基礎的な情報を改めて整理をしていただきました。まずは事務局からご説明をいただきたいと思います。大和川まででいったん区切っていただきたいと思いますので、北上川、多摩川、大和川ですか、これについて連続してご説明をいただきたいと思います。

○松田課長補佐 それでは、個別の水域に入らせていただきたいと思います。資料6と資料7あわせてごらんになっていただくといいのではないかと思います。ちょっと見にくい部分があるかもしれませんが、ご容赦いただければと思います。
 資料6は5ページ目をごらんいただければと思います。まず北上川ということで、資料7の方は資料7-1をごらんください。文章の方では水域の概況ということで書いてございますが、前回ご説明した内容も含んでおりますので、そういったところは簡単に飛ばしてご説明をさせていただきます。
 資料7-1の方は1ページ目をごらんいただきますと、類型指定の状況ということになっております。上流だけがAA類型で、あとはA類型という状況でございます。
 水質汚濁の状況についても、前回ご説明したとおりでございまして、概ね達成の状況かと思います。四十四田ダムについては若干高いところもあろうかと思います。
 次の亜鉛の水質の状況、資料7-1の4ページです。これは亜鉛の水質の状況を示しておりまして、今回全体的に測られているものを整理したものでして、本川の部分と支流の部分を挙げております。北上川の場合ですと、本川は7地点ありまして、3年間すべて0.01程度、あるいはそれ以下でありました。
 支川の方も概ね0.01mg/L以下ですが、一部、図でいきますと左の真ん中あたりに、小鬼ケ瀬川(こおにがせがわ)の天子森(てんこもり)ですが、亜鉛が0.11ということで高いということであります。過去にも高いようでして、これは平成16年のデータです。これは上流に土畑鉱山という鉱山があるようでして、その影響なのではないかと思われます。ただし、下流にいきますと、これは支川なんですが、大体0.01というような低い値になっているということであります。その他、14年度に若干高かったところもあるのですが、16年度には低い値になっていると、そういう状況であります。
 比較的水質データはあるのですが、補完するデータとして、排出量総合調査という環境省で行っている調査で、7年から14年まで年間排出量が大きいものはどのぐらいあるかというところで見ますと、1000kgを超えるものが2つあるというような状況でありました。
 あと、資料7-1の5ページで河川を縦断的に見たときの水質変化をざっと見ております。北上川につきましては、一番最上流はBODが達成できないという状況にある。それから特徴的なのはpHですが、過去、鉱山の影響があったころには一部区間はpHが低い状況にあったということであります。
 それから、6ページにまいりますと、溶存酸素、それから亜鉛について載せてございます。
 水質については以上でございまして、続けますと、水温の情報が、資料6でいくと6ページに記載してございます。資料7-1では8ページですね。これもまた河川の縦断図を載せております。最高水温でいきますと、概ね20℃から25℃程度で、下流に向かって徐々に上がっているようなイメージだと思います。ダムでは上層部のデータですが、高いという状況にあります。その次には流量の情報を載せております。これは流量年表から取ってきたデータでして、これも河川の状況を考える上の基礎資料になるのではないかということで載せております。
 続いて、河川構造ということで、河床材料、資料7-1の9ページに図がありますが、これは前回と同様でございます。
 次の10ページは主な河川横断工作物ということで、国土交通省の資料をもとに環境省で作成したものであります。北上川についてはそれほど多くはないようですが、下流、中流の工作物に魚道があるけれども、最上流の方では若干魚道がないという状況のようです。
 その他関連情報ということで、前回ご意見のありました下水道の放流も、温排水という影響があるのではないかということで、資料7-1の11ページに下水道統計にございます下水処理場を記載してございます。下の方の表は文字が小さくて恐縮ですが、水温とか放流量が載せてございます。比較的大きなものとしては排水量、1秒当たり1.9?というようなものがあるようです。
 続いて、資料7-1の12ページは、国の直轄区間だけでありますが、これも前回ご指摘あった河川の勾配の図面でございます。これをどうやって文章上表現するかがちょっとわからない部分もありますので、ご意見をいただければと思っております。
 続きまして、魚介類の情報でございます。資料7-1の方は13ページになります。これは前回お渡しした資料そのままでして、河川水辺の国勢調査のデータ、12年度、13年度のデータを載せております。
 次の資料7-1の14ページが出現状況を表にあらわしたものでして、基本的にはこの13ページの図を表に置き換えたというふうにごらんいただければいいかと思います。ただ、追加情報として、14ページでは対象外ということで、先ほどの資料3に含まれていない魚介類も示しております。魚介類情報は、資料7-1については15、16、17ページまでございます。
 資料7-1の17ページを簡単に説明させていただきます。これは北上川に関する知見を持っておられる学識者、あるいは、漁業関係者などに対するヒアリング結果で、最終的にはもう一度フィードバックする必要があるかと思いますが、その整理案ということになっております。魚介類の生息に関するもの、再生産、放流、河川環境、あるいは過去の情報といったところでご意見をいただいております。この辺の内容は適宜文章の方に取り込んでおります。
 資料を行ったり来たりで恐縮ですが、資料6の6ページから温水性の魚介類について、どういう状況かということを記載してみたものであります。細かいところは個別の資料をごらんいただきたいと思うのですが、温水性と分類された魚類を見ますと、各調査あるいはアンケートを見ますと、大体ここに記載されているように上流の四十四田ダムから最下流の北上大橋まで温水性の魚介類が何らか確認されているということであります。ヒアリングでも概ね妥当であろうとされています。
 資料6の7ページが冷水性の魚介類ということで、資料から見ますと温水性はある意味全般的に見られるのですが、冷水性はどうかと言いますと、北上川でいけば上流から中流の大曲橋までで冷水性と分類された魚介類が確認されております。中流域ではアユが確認されております。冷水性でアユ以外の魚種につきましては、北上川の上流域の紫波橋というところから上流で確認されているという状況でございました。
 こういった情報は調査内容によってやはりバラツキがあるようでして、アンケートであれば上流域の南大橋という地点から上流で見られるということであります。ヒアリングによれば、本川ではアユの放流があるということと、支流ではヤマメ、イワナの放流、ヤマメは河床材料等から見ると、本川での再生産は困難ではないかというようなご意見があったということであります。冷水性については、これらの情報を見ながら水温の情報とか、河川の構造とか、そういったところを考えあわせるというような今のところの想定はございます。
 [3]その他関連情報でありますが、これは漁業権の内容などを書いております。北上川は、先ほどありましたように、この下にもちょっと書いてありますが、松尾鉱山がございまして、そこの排水の影響で強い酸性になっていたのですが、中和処理施設ができたあたりから魚は戻ってきているという状況のようでございます。その結果として、酸性の強かったところは漁業権もいまだに設定されていないという状況であります。
 (6)産卵場及び幼稚仔の生息の場ということですが、水産資源保護法という法律に基づく保護水面の設定はないということです。ヒアリングによると、本川での再生産は、冷水性の魚介類、ヤマメ、イワナですか、アメマスと書いてありますね、それについては再生産は困難だということであります。
 以上、基本的な情報としてはこういう方向性として肉付け整理するといいのではないかという素案でございます。先ほどのご意見もいろいろありますので、またご議論いただければと思います。

○須藤委員長 あと2つの河川について続けてご説明ください。

○松田課長補佐 はい。続いて、多摩川に入ります。
 資料6では8ページが多摩川でございます。同様に、文章上表現してありまして、新しい情報としては、資料7-2の4ページで亜鉛の水質の状況を整理しております。本川では上流6地点、中・下流3地点で0.01未満から0.02程度まである地点もあると、そんな状況です。データは基準値以下ではあるということであります。支流についてもデータは基準値以下の状況であります。多摩川水系の亜鉛の排出量の大きなものとしては、1000kgを超えるようなものは5つの事業場があるということであります。このうちの幾つかは、下水処理場が多く報告されております。
 あとは水温でございますが、資料7-2でいきますと、飛ばしていただいて8ページをごらんいただきますと、水温の縦断図がございます。ダムは上層部のデータですので高くなるのですが、それ以外を見ますと、若干特徴的なものが見られます。これは前回もご意見があったのですが、1つは永田橋から拝島原水補給点というあたりで最高水温がかなり上昇しているということと、最低水温は拝島橋から日野橋といったあたりで上がっているということが見られます。平均最高水温は全般的に20℃弱から28℃程度までになっているということであります。ダムは別途検討になろうかと思いますが、記載のような状況であります。
 続いて、河川構造等で、河床材料は前回お示ししたとおりです。
 流量につきましては2点ほどしかデータは得られなかったのですが、上流部では、平水量で見ると13m3/s程度、低水量でいくと10m3/s程度というようなことであります。
 河川構造物は資料7-2の10ページにございますが、大きなものは小河内ダムがありますが、あとはいろいろな堰等もあるという状況であります。
 資料7-2の11ページが、下水処理場の立地状況であります。水温との関連ということも若干関連づけられるかどうかといったことかと思います。
 魚介類の情報につきましては、温水性については、13ページですが、これは最新の情報がいろいろ得られましたので、若干更新されております。東京都の情報は平成15年度、13年度と新しいものが得られております。やはり温水性については、上流から下流まで温水性に分類された魚類が生息しているという状況であります。
 冷水性につきましては、比較的下流まで何らかのものが確認されており、その場合、アユがたいていは確認されています。今回も中流域でアユが確認されています。それ以外につきましては、例えばニジマスはあるポイントで、浅川合流点のあたりから上流で比較的多いとか、カジカ、ヤマメというのは、この図でいくと羽村市宮ノ下運動公園付近及び上流で確認されているとか、そういったことが分かります。
 それから、17ページがアンケート情報ですが、それによると拝島橋あたりからヤマメとかニジマスとか、冷水性でアユ以外のものも見られているということであります。そんな状況ですので、拝島橋とか、あるいはその上流の方に幾つかあるかと思うのですが、羽村堰とか、そういう幾つかのポイントが出てくるのではないかと思います。
 小河内ダムについてはさらに新しいデータを入手中でございます。国勢調査等では得られていなかったのですが、いろいろな生息しているものは当然ながらいるということであります。ここでは1957年から81年の情報ですが、最近のものも出てきておりますので、また追加させていただきたいと思います。
 その他関連情報では、多摩川については過去の情報が比較的豊富でございまして、東京都でヒアリングをした調査結果を環境省で整理したものですが、それが図7-2の20ページになります。これをどう読むかですが、減っているものと増えているものという魚種をこの図は示しております。
 21ページが、東京都水産試験場の調査の1973年とか74年あたりのもの、さらに昔にやられた調査もあわせて記載されておりまして、これもひとつ参考になるかと思います。これですと、先ほどのポイントに加えて永田橋とか、あるいは、やはり羽村堰の上の多摩川橋とか、そういったポイントから上流で幾つかの冷水性と分類される魚が確認されるということがございました。
 資料6の11ページにまいりまして、産卵場と幼稚仔の生息の場。これについては、法に基づく保護水面の設定はございませんが、ヒアリングでは例えばアユの産卵場所は二子玉川上流あたり、といった情報が得られました。また、ウグイやカジカ、ヤマメについては、漁協が産卵床を保全していたり保全計画をつくろうとしていたりというところがあります。例えば拝島橋から羽村堰の区間は秋川漁協、さらに上流の奥多摩漁協の計画なりがあるということであります。
 ざっと進みますので急ぎで恐縮ですが、次は大和川にまいりたいと思います。
 大和川も同様に整理しておりまして、資料7-3の大和川の資料の3ページです。こちらは亜鉛の検出状況で、ちょっとこれは掲載し過ぎたかもしれませんが、支流の部分の水質データがかなり豊富であります。いずれにしましても、本川の測定データ9地点では概ね基準値未満のものがほとんどです。中流域の1点で、太子橋というところがございまして、こちらでは13年度に超過したデータがございます。それが資料6の12ページに載っております0.034でございます。ただ、14年度、15年度では基準値未満であります。
 それから、支流は非常に広範に測られているのですが、一部、下流の方で幾つか超過している地点があります。例えば大和川合流直前という地点では0.064というのがありますが、大和川本川合流後では0.02程度になっています。また、大和川流域での亜鉛の排出状況としては、年間1000kgを超える大きな事業所が2つほどあるというデータがございました。
 続きまして水温の情報でございます。これも資料7-3の7ページに上流から下流まで縦断的に整理しておりますが、上流を除けば横ばいのように見られました。
 続きまして、河川構造等でございます。
 補足ですが、流量については、先ほど見た河川より流量は小さい傾向にあるようです。4m3/sとか、7から8m3/sとか、そういった値です。これは低水量の値でございます。
 それから、大和川についても河川構造物を調べておりまして、9ページの資料7-3に載っておりますが、上流の方で非常に多くの堰があるということであります。下流の方にはそれほどにはないということです。
 関連情報としては、やはり下水道の配置の状況も調べております。それと河川勾配の図面が11ページ、12ページに載せてございます。
 資料6の13ページの続きですが、魚介類の生息状況でございます。温水性の魚介類については河川水辺の国勢調査から、初瀬ダムよりもさらに上流から河口付近まで温水性の魚介類に分類されるものが確認されています。ヒアリングでも概ね妥当であろうという内容になっております。冷水性に分類されるものとしましては、アマゴ、アユ両方確認されています。アマゴについては初瀬ダムより上流で見られたということであります。漁協についても同じような意見になっておりますが、ヒアリング結果を見ますと、アマゴは放流されたものがあるということであります。この河川については漁業権は奈良県側のみに設定されているということであります。
 保護水面の情報も特にないということと、産卵の情報としては大和川の河床は砂礫主体ということで、オイカワ、カワムツといったものには産卵適地になっている。それから、河口部ではカレイ等の産卵場になっていると、そんな状況がございます。
 駆け足ですが、3河川については以上でございます。

○須藤委員長 どうも簡潔にご説明いただきましてありがとうございました。
 ただいまは、対象水域になっている北上川、多摩川、大和川の3河川について、前回もご説明いただいたんですが、さらにいろいろな情報を含めまして、資料を加えましてご説明いただきました。
 松田補佐、この3河川とも先ほどの方針に従って抜けているものはほとんどないと考えていいんですか。大体入っているんですかね。

○松田課長補佐 そうですね、大体入っております。前回に比べて充実しています。

○須藤委員長 一応入っていると。

○松田課長補佐 項目としては。

○須藤委員長 項目としては入っているということですね。さらに情報をと言われても困る部分もあるわけですね。

○松田課長補佐 そうですね。

○須藤委員長 当たってはみるけれども、調べられる範囲でここは入れてくださっているわけですね。

○松田課長補佐 はい。

○須藤委員長 そうですね。わかりました。
 ということで、どうしましょうか。河川ごとに議論した方がよろしいですかね。共通しているものがあれば一緒でもよろしいんですが、まず北上川について何かご質問、ご意見ございますでしょうか。
 どうぞ、花里委員。

○花里委員 資料7-1の13ページの魚の分布ですけれども、ダム湖の魚はここには入っていないんですか。それとも、ダム湖は川と変わらないから、それに一緒になっているんでしょうか。

○松田課長補佐 入っております。四十四田ダムについては図にあわせております。
アメマス、ワカサギというのが入っているところは四十四田ダムのダムサイトのあたりのデータです。

○須藤委員長 ダムサイトなんですね。

○花里委員 わかりました。そうすると、このダムに関しては、川ではなくて湖の類型をあてはめしているわけですね。

○松田課長補佐 はい。既存の類型あてはめで湖沼あてはめになっておりますので、基本的にはそういう扱いになろうかと思います。

○花里委員 例えば、北上川でなくても、ほかのところでやるにあたっても、小さくてもダム湖があると、同じようにそこは湖沼あてはめで、ダム湖はダム湖で魚類を調べるということになるんでしょうか。

○須藤委員長 それは小さいダムということなんで。いいですか、今ので。

○松田課長補佐 類型指定でダムが湖沼あてはめになっている場合です。

○須藤委員長 ですから、余り滞留時間の長くないようなやつだったら河川のままの類型もたくさんあるわけですね。それは河川としての扱いということで、従来の類型あてはめの考え方でそのままいくわけでいいんですか、そこは。

○松田課長補佐 はい、基本的にそういうふうに考えております。

○須藤委員長 それで具合が悪いというんでしたら、花里委員、そこはおっしゃってくださって構わないんですが、今までの類型あてはめの考え方で湖沼か河川かというのをやっていると、こういうことです。

○花里委員 はい、わかりました。

○須藤委員長 ほかはいかがでございましょう。まず北上川で伺っていますが、ほかのことで、共通的にとおっしゃればそれでも結構です。その方がいいですかね。北上川、多摩川、大和川とありましたので、共通の部分でも結構でございます。
 田中委員、どうぞ。

○田中委員 例えば北上川にしても多摩川にしても、シャケとかアユとかって移動していますよね。それで、例えば北上川でシャケ、生息の確認状況というところで整理していただいた絵の中では中流から上流側に当然シャケが見つかっていると。じゃ、そのシャケはどこから来るかというと、文章の中にあったように河口から来るわけですよね。そうすると、そういう部分の類型あるいは生息というのをどう考えるかは結構重要だと思うんですよね。
 非常にシビアに考えると、通過のコリドー的なものとしての位置づけをしておかないといけないし、いやそうは言ってもそれは一時期の産卵のごく限られた時期にしか通らないから、余りそこは生息として考えなくていいんだと、むしろこういうところというのは、例えばシャケの産卵の場としてのフィールドがあるので重要と考えるのか。この辺は何か考え方が今整理されているんでしょうか。これはデータはデータなんですけれども。

○須藤委員長 どうぞ。

○松田課長補佐 そうですね、答申などの段階でそれほど細かいところまでは、厳密にはないと思います。あとは、こういう情報を見ながらということと、一応参考までに調査の時期はできるだけ載せるようにはしたんですけれども、当然ここの情報プラスその河川の構造的なというか、先ほどいろいろ水温はという話も出たんですが、水温を一つの手がかりにしつつ検討していくのではないかということじゃないかと思っております。

○田中委員 同じようなことがアユの情報についても、今言われたことに非常に関係してくると思うんですけれども、多摩川も先ほどからのを整理していただくと、前回の説明があったように、羽村堰の上流側と下流側で構造的にどうも違っていて、アユは確かに見つかっているんだけれども、そこの水塊が冷水性で非常にセンシティブなものが集まっているかというと、必ずしもそうではないと。それから、大和川でも確かにアユが中流ぐらいでぽっと見つかっているんだけれども、ここは一般的にどう考えても恐らく冷水性というわけではないだろうと。
 そうすると、そういう一部の種が見つかっている、あるいは、その種が分類上は冷水性とは言われているけれども、先ほど花里委員も少ししゃべられていたようなセンシティビティーという面で見たときに、単純にそういう分類にはどうもいかないのかなと。そうするともう少し総合的に見たような、どういう種がどの辺に分布をしていて、河川の構造とか、今言われたような水温の構造も含めて考えていったときに、冷水性に近いようなところにいる方に分類した方がいいのか、あるいは、温水性に近い方に分類した方がいいのかというようなとらえ方の方がより現実的かという気がちょっとしたんですね。これはコメントです。

○須藤委員長 ご意見なので。それでよろしいですね、まずは。水温なら水温に限るとか、生息した魚に限るということではなくて、総合的なんだけれども、だれがそこを総合化して判断をするかということになるわけですよね。それから、サケのようにコリドーとして使っている場合は、常識的に考えれば産卵の場が一番大切だろうから、そっちで見ようとか。そういう形になって、そこを通ったからというような形だけ、そこはすべてが下流から上流まで冷水性だということでは必ずしもないんでしょうね。
 というような議論をしたんですけれども、これは厳密にそういうことをやってないんです。ですから、ここで委員にそうおっしゃっていただいた方がいいんで。検討会から、あるいは専門委員会、小委員会すべて何回もこういう会合はやってはいるんですが、こういう具体的な問題については何となく概念的、概括的な討論で済ましてきているので、具体的になるとこういう問題のところで議論になるんですね。ですから、今のようなお話はここで議論していただいてよろしいんじゃないかと思います。
 ですから、今のように水温だけに限らないで、もう少し総合的に、例えばそれはセンシティブだということがわかっているんだったら、そっちに入れるべきだとか。ただ、すべてのことについて、出てきた生物についてわかりはしませんよね。そういうことなので、一番こだわるというのは多分温度なのではないでしょうかということで、スタートからその辺は温度ということに限ってはきているわけです。
 さあ、ほかにいかがでございましょう。よろしいですかね。北上川だけではなくてよろしいです。多摩川、大和川。
 土屋委員は多摩川詳しいんですけれども、さっきの分け方、これは分け方にもあるんですよね。拝島橋か、あるいは羽村堰か、あるいはダムもある。もし何かご意見があったら、特に多摩川についてお詳しいので何か。

○土屋委員 ええ、資料はこんなんでよろしいだろうと思います。今回の亜鉛の環境基準自体がそんなに類型によって違うということではないですから、さほど神経質に考えることはないと思います。

○須藤委員長 松田補佐、これね、今、亜鉛一つだから、数値も同じだから、どこにいったって同じじゃないか、そうこだわらなくてもいいじゃないかという議論はあるんだけれども、例えばほかのことで、アンモニアでもいいし、界面活性剤でもいいし、あるいはカドミウムでもいいんですけれども、今後出てくる物質でそういうふうに決めたとしますよね。この分け方というのはそれぞれの生物について変えるわけではないんですよね。変えるんですか。
 今の基準は亜鉛1個たけだからこれでいいんですけれども、新たに検討結果が出ますね、環境基準値が、そうしたら、例えばカドミウムにしたらどういうことになるんですか、同じ分け方にするんですか。

○松田課長補佐 そうですね、これまでの議論の考え方とか、もう告示にもされていますけれども、それらの中で言えば、当然あてはめというのはあてはめであって、それに物質がいろいろ載ってくるということだと思うのです。あとは、基準の運用上新しいものが出てくれば、ある部分では自然的要因などで非常に高いというところがあれば、その部分についてはその物質の扱いをどうするかという意味で議論をする、検討をするという方向だと思います。

○須藤委員長 もう少し具体的に言うと、今の土屋委員のお話の、例えば羽村堰にしましょうか、羽村堰から上がAというか冷水域で、その下がB水域だったら、カドミウムでもそういうことにするということでいいわけですね。もし環境基準ができたら。

○松田課長補佐 そうですね。

○須藤委員長 そういうことですね。そうすると当然この基準値は変わるかもしれないね。今、亜鉛は同じですよね、0.03ということは同じですよね。
 ですから、委員、これについては余りこだわらなくていいんですけれども、違う物質になったときにはもしかしたら変わってくるかもしれない。

○土屋委員 当然、現在、多摩川はAA類型、A類型、B類型とありますからね。おのずからその辺で落ちついてくるだろうと思っているんです。

○須藤委員長 ああ、そうですか。わかりました。
 ということで、大体よさそうだと。現場をよくご存じの委員も多摩川についてはそういうふうにおっしゃっているんですね。
 谷田委員は大和川についてこの前もご指摘をいろいろいただいたんだけれども、きょうはお休みで。何もご意見はなかったですね。
 どうぞ、藤田委員。

○藤田委員 私、素人でよくわからないですけれども、亜鉛が出てきているのですが、ほかの重金属や化学物質の方がよほど悪いと思います。人間に悪いものとして、排水基準に出ています。亜鉛を取り上げる場合、生物環境ご専門の委員の皆様、亜鉛は本当に悪いのでしょうか。

○須藤委員長 これはまた本題に戻っちゃうんだけれども、せっかくのご質問だから。
 じゃ、花里委員にご質問があったから、どうですか。

○花里委員 亜鉛のことは余り承知してないんですけれども、基本的に亜鉛は必要な物質です。で、ほかの物質よりは比較的感受性が低いですね。ただ、かなり感受性の高い生き物もいて、その辺がまた問題にはなっているようです。

○藤田委員 魚はどうですか。

○花里委員 いろいろな生き物ですけどね。でも、魚は比較的感受性低いと思います。

○須藤委員長 なぜ先に亜鉛かというのは、報告書をもう一度ごらんいただいた方がいいのかもしれませんけれども、まず当方が水生生物の環境基準を取り上げるのにどういう物質がいいかということで、約80物質を検討しました。それで、毒性データをすべて紐解いて、すべてというのはそれに関係する物質を紐解いて、そして、8物質の目標値を決めました。その目標値は毒性データから見て、計算式に従って、これが目標値だと決めました。その濃度について、自然界の濃度と比較して一番超過率が高かったのが亜鉛だったということで、亜鉛の環境基準から始まったということです。

○藤田委員 自然界の濃度ですか。

○須藤委員長 自然界というのは実際の水質というか、河川とか湖沼とか海の水質の中で、水質目標値を超えているということです。いろいろな物質について目標値は毒性データから出ますよね。そこはよろしいですよね。

○藤田委員 その毒性値も虫とかそれとも魚で載っているわけですか。

○須藤委員長 それは水生生物です。魚も使ったし、カゲロウも使ったし、ミジンコも使ったし。科学的データというか、その毒性値が学会に報告されているという値です。横並びで検査したわけではありません。16万ぐらいのデータの中で載っているものということです。ここで同じ物質について同じ試験をやったわけではありません。ですから、生物の種は種々雑多と考えた方がよろしいかと思います。それで毒性データがこういう値からこういう値でというのが亜鉛の基準ですね。それを超えているのが海にしても川にしても湖にしても約1割以上超えていたと。それなので、これは環境基準をつくるべきだという議論になりました。
 その次に多かったのがフェノールとホルムアルデヒドとクロロホルムですよね。藤田委員がもしその報告書をごらんになっていないんだったら、それをごらんいただかないとちょっと誤解を招くので。なぜ亜鉛とか言われちゃうと。そういう意味で亜鉛というのを決めたわけです。

○藤田委員 わかりました。人間にとって毒性があるものと、生物関係にとって毒性があるものというのは矛盾している場合がありますね。人間にとって必要なものと、生物界にとっては必要じゃないもの。ですから、リスク評価の考え方でもその中間の値の落としどころというのを考えて。

○須藤委員長 今までの環境基準というのは人の毒性だけについてやってきたわけです。で、初めて生物についてということで、生物を守るために出てきたのが水生生物の今度の環境基準なんですね。亜鉛というのは、人に比べてどちらかというと生物に対して、特に魚よりも甲殻類のようなものに対して、あるいは、水生昆虫に対して毒性が高いということは今までのデータで明らかになった。それを守るためには環境基準を設定した方がいいということで、その値が0.03だったと。こういうことであります。
 ですから、そのときも議論になったんですが、水道の基準は、委員の方がご承知かもしれませんが、1ですよね。それは飲む水の値なんですけれども、それに比べて何で水生生物の環境基準の方が低いのか。それは水道の基準ですから、環境基準ではないんですけれども、何でそうなのかという議論は当然そのときもなされました。

○藤田委員 例えばイギリスでは非常に地層に亜鉛が少ないように、ヨーロッパの方は大分亜鉛が低いところがあると思いますけれども、日本は火山国ですので、かなり亜鉛が自然界にたくさんあるので、外国とは基準が違うかなと思っています。

○須藤委員長 ですから、人への環境基準というのは亜鉛についてはないんですよね。水道の基準は当然日本にはあるわけですが、有害性の物質としての亜鉛というのは設定されているわけではありません。これがもし人間に対して毒性があるとなれば、別の次元でやらなければいけないわけですが、それも委員ご承知のように人間にとっては不可欠、特に男性にとっては不可欠だからそれを飲むというような場合もあり得るので、それは当然薬品としても使われている。そういう議論も当然ございました。
 はい、どうぞ。

○田中委員 先ほどの話で類型化が将来的に適用されるということなので。この中で少し整理しておかないといけないのは、前回もちょっと言ったんですけれども、海か川かという議論があって、今、生物基準の方では川と海がありますよね。実態的には河口の中では海水がかなり高い区間があると。それから、そこにすんでいる生物も当然、陸水性ではなくて海水性、あるいはそれが行き来するような生物がいると。それについての情報、例えば海水がどの辺まで入っているかとか、そういう情報はここでは入っていないんですけれども、そういう情報は要らないんですか。

○須藤委員長 それは必要ですね、当然。
 どうぞ。

○松田課長補佐 水質的な塩分濃度といった情報はないですけれども、調査された魚介類の内容を見て想像がつく部分も出てくると思います。あとは、類型指定の水域の区分について、答申で整理されているものとしては、「いわゆる汽水域については、河川(淡水域)に区分されることになる。水生生物の生息という観点からは特異的環境とも考えられるが、他方、汽水域を定義する塩分濃度等が明確に規定されておらず、正確に汽水域を特定するのが困難であり、目標値を設定することができないことから、従来の取扱いに従うものとする」というような整理にはなっております。

○須藤委員長 ということは河川だということなんですよね、今の区切りで。

○松田課長補佐 そうですね、今の水域までをということですね。

○須藤委員長 そう、今のやり方は河川なんですね。

○田中委員 ただ、前回その辺は少し考えましょうという話が出ていましたよね。例えば、今の話で、確かに上流からかなり淡水性の水が入っている、河川についてはその考えは妥当なんですけれども、事実上ほとんど入らないで、ほかにバイパスされているような区間がかなりあるような川もあるんですね、河口の部分。そういうところはどういう生物がすんでいるかという情報はここの中でも不足しているところがあるんですよ。
 そういう意味では、そこの部分について情報がないから、「えい、やあ」でやりましょうというのか、情報がない中でも少し考えてみましょうというのか。この辺は結構重要なような気がするんですが。

○須藤委員長 それは当然、「えい、やあ」と、ただ川にいるような生物がいないところを川といってもしようがないんで、さっきの情報の取扱いの必要な情報の把握の一つになるんじゃないですか。塩分がどれぐらいまで、海水が遡上してくるとか、あるいは、汽水域であるのかというようなことは。当然それは多摩川もあるでしょうし。特に多摩川はありますよね、そういう部分ね。北上川もありますよね。大和川もみんなありますよね、川ですから。
 どうぞ。

○松田課長補佐 そうですね、大体河川は汽水域があるということで、吉野川もある部分までは多分そうだと思いますが、そこまでの明確なものはどうでしょうか。とりあえずいろいろな前回まで、既存の水域類型との整合を考えると、河川とされた部分までは河川としましょうというのがとりあえずの整理だったかと思います。あとは塩水湖の場合ですね。塩水湖の場合は生息状況から淡水域と海水域のいずれかを指定するというようなことも答申には書いてあります。そのあたりを何らかここで流用するのかどうかということでしょうか。

○藤田委員 従来の水利用を考えたというのは人中心の考え方ですよね、水利用と。今回それを生態について考えようというわけですから、それを従来型の流れでこういう類型になっているから、そのまま生物に使いますというのはある意味で自己矛盾しているという感じです。

○須藤委員長 そうですね。ですから、感潮域についてはちょっと考えた方がいいですね。ただ、それをまた何々域と。感潮域というのは外すとか、あるいは別の水域をまたつくり直そうというのもちょっと。さらに言えばこの環境基準値をつくり直さなくちゃいけなくなるし、それからもう1つは環境基準のこれをつくるときも、中流域をつくってくださいという意見が随分多かったんです。さっきのデータを見ていただければわかるように、真ん中ぐらいのところで、特にアユが生息する水域は中流にしてくださいというご意見を専門家の委員にいただいたんだけれども、とってもそういう情報が整理できなかったので、アユは上流に入れましょうよと、このように進んだんですね。
 ですので、とりあえずは感潮河川ですから、感潮はするんだけれども、この情報をね、「類型指定を行うために必要な情報の把握について」の中にきちっと、塩分の問題とか、どのぐらい遡上するかということは入れていただいて、場合によっては、それは海域の指定だということがあっても、それはいいのではないかと。今のようにほとんど淡水が、さっきのパイバスでどこかへいっちゃうというのであるならば、それは海ですよね、当然ね。汽水というより海ですよね。
 それから、さっきの例えば、中海とか、青森にある十三湖なんていうのは、半分ぐらいが塩分入っていますよね。ああいうようなところは汽水湖ですよね。汽水湖は同じような表現をしておかないと、湖でありますというだけ。湖沼だったら、それこそ指定湖沼で中海もあるわけだけれども、生物というのはちょっとそういうわけにいかないよね。ですから、そこは別途、どちら側にするかということは、塩分やら生息生物について汽水性の環境基準というのを今後はつくらなくちゃいけないかもしれません、次の段階は。
 ただ、今もう一回そこをやり直すというわけにいきませんので、どちらかにやるんですけれども、そこは塩分やら滞留時間やら、そんなもので考慮していくということでいかがですか、生息している生物とか。というようなことを(2)の中に。「その他留意すべき」でもいいんですが、そんなところに書いていただいたらいかがですか。
 ほかにどうぞ。
 どうぞ藤田委員。

○藤田委員 それから、海や塩分のあるところの亜鉛の環境基準が余りにも低いというのは、陸に持ってくるとちょっと難しいかなと。

○須藤委員長 陸に持ってくるとね。

○藤田委員 海は亜鉛が少ないので、そのように決めたのでしょうか。

○須藤委員長 そうではないんです。そうではなくて、すみません、手元に資料がないからあれなんですが、あそこでは海水性の生物の毒性試験で調べた結果がそうであったということで、対象にしている生物が違うんです。それなので、海に亜鉛の量が少ないとかいうことは全く考慮していないんです。ですから、毒性試験の対象生物が異なっていたということです。海にすんでいる生物と陸にすんでいる生物ですから、当然違いますね。その結果が違うということです。
 委員のご意見は、「今の川の方にそんな低い数字の環境基準を持ってきたらよろしくないのではないか」と、こういう意味ですね。もともとの原案というのは、環境基準というのは、川は川というので、どういうふうに線を引くかはともかくとして、河口域、海に入るところの部分までが河川の環境基準になっています。だから、それは川になるんですけれども、先ほどの田中委員のご意見は、「そこがほとんど海水の場合は、海域の指定にしないとおかしいんじゃないですか」というご意見なので、それは塩分がそのぐらい濃度があったらそれでもいいんじゃないですかと、そういう意味でございます。
 藤田委員はそれに対して、「その辺はやっぱり川は川だから」と、そういうご意見ですね。わかりました。この辺は、実際に水質とか塩分を見ないと、仮にと考えて言うと、いろいろな考え方ができますので、とりあえずは今のように塩分とか、すんでいる生物とか、そういうことを考えて環境基準はやるけれども、原則としては川は川ということを、小委員会の報告書にそう書いてあるものですから、そこはそれを尊重し、そう書いておいて、しかし本当に塩分が、塩素イオンが一万数千になったようなところを川なんていうのも変ですから、それはそういうときに考慮しましょうということでいかがでしょうか。ここで塩分の濃度なり、あるいは塩素イオンの濃度なりというのを書けばよろしいのではないでしょうか。
 時間も経過したんですが、あと2つがありますので、吉野川以降説明してください。吉野川と北浦ですか。そうですね、じゃ、1つの川と1つの湖について説明してください。

○松田課長補佐 はい。それでは、続きまして、文章の方が資料6の15ページになります。資料7-4の吉野川でございます。
 亜鉛の水質については3ページに載っておりまして、吉野川はほかの河川に比べるとそれほど多くないですが、比較的低い状況にあるようです。高瀬橋というところで0.01ということでありました。ここでは年間排出量が1000kgを超えるような事業所は1つあるのですが、ほかの水域に比べると少なめのようであります。
 続きまして、水温の情報は、資料7-4の方は7ページになります。上流の方は、早明浦ダムを除きますと、平均最高水温は20℃前後。ただ、早明浦ダムの上層部が24℃程度ということになっております。中・下流にまいりますと、下流に向かって徐々に水温が上昇する傾向で、24℃から28℃ぐらいということになっておりました。その下に流量の情報を記載しております。
 資料6の方は16ページをごらんいただきまして、資料7-4の方は9ページに吉野川の主な河川横断工作物がかいてあります。下流の方は魚道等があるようであります。上流の方になると幾つか、魚道のない工作物があります。その一番大きなものが早明浦ダムになるかと思います。
 同様に下水処理場の立地状況は10ページにありますが、それほど大きなものは吉野川にはないということであります。
 河川勾配の情報は12ページに載っております。急激な変化は見られないというのは言い過ぎなのかもしれません。コメントがありましたら、いただければと思います。
 魚介類の生息情報については、前回と同じ図面ですが、13ページから載っておりまして、14ページに分類表で対象外となっている魚介類も含めた整理表が載っております。上流の早明浦ダムから下流の吉野川大橋までで温水性に分類された魚介類が確認されているということであります。アンケート調査で同様の状況を示しているということであります。
 続いて、冷水性を見ますと、上流の早明浦ダムから下流の、この図でいけば高瀬橋まで、アユについては相当下流まで見られるということであります。それ以外の魚種について見ると、上流域の早明浦ダムでワカサギとかサツキマス、中流域の池田ダムではアマゴが見られています。今申し上げたのはダムに生息するものということになります。
 これを補完する意味で、漁協のアンケート調査が17ページにありますが、アマゴとかアユ、カジカ、そういったものがアンケートで答えがあったということであります。知見者へのヒアリングでいくと、大まかな分類として上流の方ではアマゴ、イワナ、ニジマス、中・下流ではアユといったイメージになるというようなご意見もありました。放流については、本川でアユ、アマゴが放流されていて、イワナは支流で放流されているという情報もございます。
 あと、産卵場とか幼稚仔の生息場については、水産資源保護法の保護水面といったものはないということであります。ヒアリングでは本川中下流とか中流でアユ、中・上流ではアマゴが再生産しているという意見がございました。
 続きまして、最後に北浦についてご説明させていただきます。資料7-5でございます。文章は資料6の18ページに記載しております。これもざっと前回ご説明した内容で、亜鉛の水質については、北浦には水質調査データがまだないということでありました。そういうことからいって、北浦を今後どういうふうに対応していくかというのは、例えば霞ヶ浦と全般をあわせてとか、そういったことはあるかもしれませんが、こういう自然湖沼のデータを整理してみるという意味で重要であると考えております。
 ほかに何か手がかりはないかということで、水道の原水として取水している部分がありまして、そこでは0.01mg/Lでありました。同様の立地条件と思われる霞ヶ浦は、霞ヶ浦データベースで若干のデータがあって、そこは定量限界値は超えなかったということです。若干定量下限値は高かったのですが、そういう情報がありました。この水系全般的にいうと、若干排出量の大きいのもあるにはありますが、それほど事業所の影響はないような印象ではあります。これは実際に水質を測ってみる必要が出てくるのかなと思います。
 水温につきましては、資料7-5でいきますと3ページになりますが、概ね全般的に同様ということで、29℃後半の最高水温までいっている場合がありました。平均が17℃、最低は5℃ということであります。
 湖沼底質は、前回と同じ情報であります。泥または砂が主体ということで、特に水辺に近い部分が砂地になっているということであります。
 魚介類の生息状況は、温水性については、これも河川水辺国勢調査と、県の内水面水産試験場のデータからしますと、分類表にあった温水性の魚類は全般的に見られるということであります。冷水性につきましては、ここではワカサギとアユが確認されているということであります。
 その他関連情報としましては、ここは産卵場とかにも関連するんですが、水産資源保護法の保護水面と霞ヶ浦北浦港区漁業調整規則の禁止区域、そういったものが設定されています。北浦については過去の情報もそれなりにございまして、文章では若干簡潔な記載としておりますが、30年前に湖岸の埋立等が行われて砂地あるいはヨシ原が減少したとあります。それともう1つあるのは、1974年に常陸利根川の完全閉鎖で淡水化が進んで、汽水魚、海産魚の多くが姿を消している状況だと、そういうような情報が得られております。
 産卵場、幼稚仔の生息の場の状況については、先ほど申し上げたように、水産資源保護法の保護水面が2カ所あるということであります。ヒアリングによりますと、再生産についてはワカサギ、シラウオの産卵場としては、先ほど申し上げました砂場の部分は適しているということであります。それから、ヨシ原等の重要な役割を果たしている場所と、それらは減少の傾向にあるというふうなことであります。
 以上でございます。

○須藤委員長 どうも簡潔にご説明いただきましてありがとうございました。
 ただいまの吉野川と北浦についてのご説明、どうぞご質問あるいはご意見をお願いいたします。
 方針は先ほどのとおりにまとめていただいております。
 松田補佐、湖沼は、代表が今の北浦なんですが、これが一つのモデルとして今やっているわけですよね。北浦といったら今じゃ一番富栄養化してアオコがいっぱい出ている湖なんですが、後でもうちょっと中栄養ぐらいのやつをやっておかなくてもいいですかね。これを代表選手としていいですか。あとはそれぞれ出てくるからいいですか。

○松田課長補佐 そうですね、国あてはめ水域というのが非常に限られてはいるんですけれども、ひとまずはこれを選定して、これから情報を集め出しているという部分もあって、段階的にならざるを得ないかというのと、あとは、性格は違いますが、一部、ダム湖も湖沼には含まれるということになっています。

○須藤委員長 先ほどの小河内ダムもそうですね。

○松田課長補佐 ええ、小河内ダムと四十四田ダムと早明浦ダムですね。

○須藤委員長 そうですか。それに入っていますね。

○松田課長補佐 はい。

○須藤委員長 琵琶湖はここですか。

○松田課長補佐 はい。琵琶湖も国のあてはめ対象になります。

○須藤委員長 これはやがて出てくるわけですね。

○松田課長補佐 ええ。

○須藤委員長 後で出てきますね。

○松田課長補佐 次の段階で。

○須藤委員長 次の段階で出てきますね。
 どうぞ田中委員、何かありますか。いいんですか。

○田中委員 今、中栄養湖という話ですけれども、私のイメージとしては富栄養湖でも中栄養湖でも大体いる魚はみんな同じかなという気がするんですが。

○須藤委員長 ほとんど同じですか。

○田中委員 結構放流しているものが多いですからね。そうすると、それはそれでまた悩みが出てくるかなという気はしますけど。

○須藤委員長 悩みが。放流しているのが対象になるからですか。

○田中委員 そうですね。コイやフナも大体かなりのところは陸地の、少なくとも過去は出ていたと思いますからね。ですから、一度はやってみた方がいいのかもしれないですけどね。

○須藤委員長 はい。やってみるというのは、もう少し栄養分の少ないというか、富栄養化していない部分をですか。

○田中委員 もしできたら、そういうところがあれば、実際汚れたところと比較してみて、魚から違いが出るかどうかというところをですね。

○須藤委員長 そうですね。全国で湖沼であてはめるのは、ここだけじゃなくて、幾つぐらいになるんだったですかね。そんなに多くはないんですね、湖沼は。これはほかの環境基準とあわせる必要があるのかないのか、それは私もよくわからないけれども、それほど多くはないんですね、湖沼の数としては。

○松田課長補佐 自然湖沼は多くないですね。ダム湖になると結構出てくるかもしれないですけれども。琵琶湖、霞ヶ浦関係です。

○須藤委員長 そうですか。いや、いいです。とりあえずきょうの議論はこの水域なので。今思い出したものですから伺ったんですが、今の吉野川と北浦で。きょうの議論はこれをやらなくてはいけませんので、余り横道にそれてもしようがありませんので。
 じゃ、どうぞお願いいたします。
 花里委員、今の問題で何かあるんですか。

○花里委員 いえ、いいです。

○須藤委員長 これでよろしいでしょうか。

○花里委員 はい、結構です。

○須藤委員長 このぐらい情報があればいいですか。
 ほかの委員いかがですか。
 じゃ、吉野川はいかがですか。これでよろしいですか。
 はい、田中委員どうぞ。

○田中委員 先ほどの件と一緒なんですけれども、明らかにこの生物種からいっても吉野川の下流は極めて海に近いところなので、塩分についての情報をここはしっかり取っておかないといけないと思いますね。

○須藤委員長 そうですね。河川は多分みんな海に、湖沼に入るものもあるけれども、海に入るのが多いから、当然、海水の遡上で、どこまでが感潮域で、どのぐらいの塩分であるかとか、そういうことについてのデータは収集をやらなくちゃいけないですよね。いいですか。何か既にあるんですか。

○松田課長補佐 塩分濃度の情報をどこまで得られるか、今のところちょっとまだわからないです。

○須藤委員長 環境測定では意外にやらないんですよね。どうだったですかね。
 これは土屋委員に聞いた方がいいですね。環境測定では塩分、やっていますか。

○土屋委員 やっているときもありますね。

○須藤委員長 やりますか。

○土屋委員 はい。

○須藤委員長 水質測定の中で、公共水域とかそういうことのときもですか。

○土屋委員 広く一般にやっているわけではないですけどね。

○須藤委員長 一般的には基準値がないからやらないですよね。そうなんですよね。それなのでデータが不十分なんですよね。でも、常識的には塩分というのは。でも、電気伝導度なんかは測ってあるんですかね。

○田中委員 国土交通省が管理されているところは意外とあるようです。

○須藤委員長 測っていますか、塩分。国土交通省ね、はい。

○松田課長補佐 情報を収集いたします。

○須藤委員長 それは電気伝導度でもある程度の推定がつくから、それは必要に応じ補完してください、換算してもいいですから。お願いします。
 はい、どうぞ。

○花里委員 ちょっと思い出しました。今回の報告では放流魚もきちんと記録されているのは大変結構だと思うんですけれども、そうすると漁業としてもここはこういうふうに使っているからということを考えるとなると、単に放流だけではなくて、例えば網生け簀みたいなもので、そこで飼育していたり、例えばシジミとか、そういったことで漁業が積極的にそこで栽培漁業というのかな、そんなようなことをしているような情報も入れておいた方がいいのかなと思いました。

○須藤委員長 そうですね、水産のところですね、養殖漁業というんですかね。海よりは活発じゃないでしょうけれども、シジミだとかコイだとかありますよね、生け簀もありますよね。ですから、そういうもののことは情報の中に入れておいてくださいということです。

○松田課長補佐 補足と言いますか、漁協にヒアリングもしておりますので、ある程度はそういったものも得られていると思います。あと、ここに書いてあるのは産卵のためのいろいろな保護をしたりといったところは得られております。
 そこは再度確認してみます。

○須藤委員長 いろいろご意見ありがとうございます。ほかに追加のご意見ございますか。
 それでは、大体予定した時間にもなりましたので、委員の方々からいろいろご意見をいただきました。どちらかというと例えば冷水性、温水性というところの取扱いについてちょっと誤解を招くようなところがあったり、両方に入るようなものがあって、片方は切った方がいいとか、あるいは、まとめた方がいいとか、いろいろご意見もいただきました。
 松田補佐、一度その辺の魚の方の扱いについては高橋委員に個別にでも、先ほどのご意見以上に何かがあった場合にはお伺いして教えていただいてください。
 ということで、先ほどのご意見は一応尊重して、フナならフナは一つにまとめた方がいいとおっしゃられて、私もそのような気もしますので、そのような取扱いをしてください。そのほか塩分の問題やら、さまざまなご意見をいたしました。それから、感潮域の取扱いをどうするか、この辺は非常に大きな問題だと思いますよね。今後にも影響いたしますので、その辺のところの整理をどうするかというようなことをぜひ事務局でも検討いただきたいと思いますし、あるいは、資料を新たに追加していただきたいと思います。
 それでは、次回では、今回の議論を踏まえまして取りまとめの構成及び方針(素案)の肉付けをしていただき、その内容について具体的なご議論をいただきたいと思います。いつもこの5つについて少しずつ増やしてはやっていたのでは、こういう問題というのはどこかである程度の割り切りをもって収拾をして、自治体等にもお願いをしなくちゃいけませんので、あるところではこんなところでというので、少し原則論だけでやって、あとは備考に書くとか、そんなような取扱いにさせていただければと思います。
 続いての議事ですが、議題としてその他がございます。事務局で何かございますでしょうか。

○松田課長補佐 特にございませんが、次回の日程につきまして、まだ決めておりませんので、改めてスケジュールを確認したいと思います。
 今回事前にできるだけ資料をお送りしようということで、数日前にはお送りできたのですが、まだ短かったかもしれませんので、今回は情報が多かったので、この後でも結構ですので、ご意見等まだ残ったものがありましたら、お寄せいただければと思います。

○須藤委員長 どうもありがとうございます。
 それほど大人数の専門委員会ではございませんし、専門家の委員ばかりでございますので、
特にご自身の一番お得意の分野で何か問題がありましたら、ぜひ松田補佐にご提供いただきたいと思います。
 それでは、次回の日程はこれから調整していただくということでございますので、委員の皆様にはどうぞよろしく日程調整にはご協力いただきたいと思います。
 なお、当委員会の運営方針で議事録を作成し公表することとなっております。後日、事務局から議事録案を作成し各委員にお送りいたしますので、ご発言内容についてご確認をいただきたいと思います。
 それでは、第3回の専門委員会はこれにて終了させていただきます。本日はどうもお疲れさまでございました。ありがとうございました。

午後4時02分 閉会