中央環境審議会水環境部会(第14回)議事録

日時

平成17年5月16日 開催

場所

環境省環境管理局水環境部企画課

開会

環境省水環境部長あいさつ

議事録の確認

議題

(1) 第6次水質総量規制の在り方について
(2) 総量規制基準の設定方法について
(3) 報告事項

[1]
水質汚濁防止の徹底について
[2]
都道府県水質測定計画における公共用水域及び地下水の水質測定地点数等の推移について
[3]
水生生物関係の専門委員の変更について
[4]
JIS改正に伴う水質ダイオキシン類測定方法の改正について
[5]
こどもホタレンジャーの表彰について
[6] 「 快水浴場 ( かいすいよくじょう ) 」の選定について

(4)その他

閉会

配布資料

 資料1 中央環境審議会水環境部会委員名簿
 資料2 中央環境審議会水環境部会(第13回)議事要旨
 資料3 中央環境審議会水環境部会(第13回)議事録(案)(委員限り)
 資料4-1 第6次水質総量規制の在り方の検討の経緯
 資料4-2 「第6次水質総量規制の在り方について」(総量規制専門委員会報告)
 資料4-3 「第6次水質総量規制の在り方について」(総量規制専門委員会報告案)に係る中央環境審議会瀬戸内海部会における意見等について
 資料4-4 「第6次水質総量規制の在り方について」(総量規制専門委員会報告案)に対する意見募集結果について
 資料5 「総量規制基準の設定方法について」(諮問及び付議)
 資料6 中央環境審議会水環境部会の専門委員会の設置について
 資料7 水質汚濁防止の徹底について
 資料8 都道府県水質測定計画における公共用水域及び地下水の水質測定地点数等の推移について
 資料9-1 水生生物保全環境基準専門委員会委員名簿
 資料9-2 水生生物保全排水規制等専門委員会委員名簿
 資料10 JIS改正に伴う水質ダイオキシン類常時監視測定方法の改正について
 資料11 こどもホタレンジャーの表彰について
 資料12 「 快水浴場 ( かいすいよくじょう ) 」の選定について

議事

午後 2時31分 開会

【坂川室長】 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第14回中央環境審議会水環境部会を開会いたします。  本日は、委員総数33名中23名の委員の方に御出席いただく予定でございまして、今現在20名の委員の先生方に御出席いただいておりますので、部会開催の定足数を満たしております。  なお、本日の水環境部会には、中央環境審議会の鈴木基之会長の御出席をいただいております。また、本日の会議は中央環境審議会の運営方針に基づきまして公開としておりますことを御報告いたします。  まず、会議に先立ちまして、環境省水環境部長の甲村からごあいさつを申し上げます。

【甲村部長】 甲村でございます。  今日は、第14回の中央環境審議会水環境部会を開催いたしましたところ、委員の皆様方にはお忙しいときにもかかわりませずお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。また、日ごろから水環境行政、あるいは環境行政全般につきまして、いろいろ御指導を賜っておりますことに改めて感謝を申し上げます。  今日の部会の議題でございますけれども、第6次水質総量規制の在り方についてということでございます。東京湾、伊勢湾、瀬戸内海つきましての水質総量規制、昭和54年から今まで5次にわたり行ってきておりますが、その5次が平成16年度で終了いたしますので、第6次の水質総量規制の在り方につきまして、平成16年2月に環境大臣から中央環境審議会あてに諮問がございまして、水環境部会の中で総量規制専門委員会というのを設置していただきまして、今まで9回にわたり御審議をいただいております。その間、パブリックコメント等もいたしておりますし、また関係する瀬戸内海部会でも御審議をいただいております。今日は、その結果を御報告させていただきまして、部会で御審議をいただきまして、できましたら答申までいただければというふうに考えております。  あと、それに引き続きまして、もし答申がいただけるようでございましたら、引き続きまして具体的な総量規制基準の設定方法について御審議いただくということとしております。  あと、それ以外に報告事項といたしまして何点かございます。1点は、水質汚濁防止の徹底についてという文書を、今年に入ってから2回にわたりまして水環境部長名で各都道府県、政令市に向けて出しております。御存じのように、JFEスチールの千葉工場で違法な排水があったということを受けて、各自治体あてに水質汚濁防止の徹底についてということを指導しておりますので、それについての御報告。  あと、もう1点は、前回の水環境部会で、三位一体等の関係で各自治体が行っている水質測定計画の地点数などの項目がどのように変わったのかというようなことにつきまして御質問がございましたので、それにつきまして調べた結果を御報告いたしたいと思います。  そのほか、水生生物関係の専門委員の変更、あるいはJIS改正に伴うダイオキシン類測定方法の改正について等の報告も行いますし、あと最後の2点は、ちょっと目新しい項目といたしまして、水環境の改善につきましてもっと子供たち、あるいは一般の方に興味を持っていただいて自主的に活動していただくと。その1つのツールとして、1つはこどもホタレンジャーというのを昨年募集いたしまして、この年度末に優秀な作品を表彰しております。それの御報告。  もう一つ、従来、水浴場88選ということで、きれいな水浴場、あるいは楽しめる水浴場を募集して選定しておったわけですが、今回、新たにちょっと名前も快水浴場―快水浴の快は、海じゃなくて快いという字を引っかけておりますけれども、そのような形で新しくそういう海に限らず川も含めて新たな観点からそういうのを募集して、それに伴って皆様方で自主的に行動していただいて、水質をよくしていこうという取り組みを行っておりますので、その辺も御報告いたしたいと思います。  たくさん議題がございますが、よろしく御審議のほどお願いします。ありがとうございます。

【坂川室長】 それでは、お手元の配付資料につきまして御確認をお願いいたします。  資料の一番上に議事次第の1枚紙がございますけれども、この紙の裏に配付資料一覧が書かれております。本日、大変たくさん資料がございまして、資料1から資料12まであります。また、一番後ろに資料の番号がついていないのがありますが、本日御欠席の佐藤委員から総量規制専門委員会報告に関します意見書が出されておりますので、本日の資料にはこの資料も含まれております。もし不足している資料がありましたら、事務局までお申しつけくださるようよろしくお願いいたします。  それから、本日は委員の先生方の前にマイクが置かれておりますが、今現在スイッチはオフになっておりますので、発言の際にはスイッチをオンにしていただきまして、その上で御発言いただきますようよろしくお願いいたします。  それでは、これ以降の会議の進行は須藤部会長よろしくお願いします。

【須藤部会長】 かしこまりました。それでは、ただいまから第14回中央環境審議会水環境部会を開催させていただきます。  委員の先生方及び事務局の皆さんには、大変御多用の中をお繰り合わせお集まりいただきまして、どうもありがとうございます。また、傍聴者の皆さんも多勢本日もお出かけいただきましたことをお礼申し上げます。  先ほど、事務局から御紹介がございましたように、本日は鈴木会長じきじきに御出席をいただくということでございまして、かねてから会長とお話を進めておりまして、特に数ある、まあ12あるんでしょうか、中でも水環境部会には御出席くださるという話をいただいて、大変私どもとしましては光栄に思っておるわけでございまして、先ほど部長からお話がございましたように、もし答申案がまとまればこの場で直接にこれも鈴木会長にお渡しができるということに相成ったわけでございます。どうぞ御協力のほどよろしくお願いを申し上げます。  それでは、まず第13回の水環境部会の議事録を確認したいと思います。議事録につきましては、資料3として準備されております。本資料は、委員の先生方に御確認をいただいた後、事務局で修正し、再度、各委員の先生方に送付されている資料でございますので、中央環境審議会水環境部会及び専門委員会の運営方針について2(1)に基づく御了承をいただいたものとしてこの場で前回議事録としたいと思いますが、いかがでございましょうか。よろしゅうございましょうか。  特に御異議がございませんので、この場で前回の議事録としたいと思います。それでは、事務局は議事録の公開の手続を進めてください。お願いいたします。  それでは、本日の議事は、先ほど甲村部長からお話がございましたように、総量規制関係の議題が2題、それから報告事項7件ございます。最初に、(1)第6次水質総量規制の在り方についてという議題に入りたいと思います。  本日の議題は、ただいま申し上げましたように、全部で合計8題ございます。平成16年2月26日付で環境大臣から諮問がなされ、これまで岡田先生を委員長とする総量規制専門委員会において検討が行われてまいりました。本日は、この専門委員会報告を審議いたしまして、水環境部会として答申案を取りまとめたいと思います。  それでは、まず第6次水質総量規制の在り方の検討経緯を事務局から最初に説明ください。お願いいたします。

【坂川室長】 私、閉鎖性海域対策室長の坂川でございます。よろしくお願いいたします。  資料4-1をご覧いただきたいと思います。  第6次水質総量規制の在り方の検討の経緯でございますけれども、昨年2月26日に第6次水質総量規制の在り方について諮問をさせていただきました。これは、現在の第5次総量規制が平成16年度を目標年度としておりますので、第5次以降の第6次に関しましての検討をこの時点から始めたわけでございます。その後、4月から総量規制専門委員会での御検討を開始したわけでございまして、現在まで9回開催しております。3月に開催されました第8回のときに、報告案というものをまとめまして、これに関しまして4月4日から一般に公開いたしまして、パブリックコメントを募集いたしました。  それから、この総量規制は東京湾、伊勢湾、瀬戸内海を対象としておりますので、中央環境審議会の瀬戸内海部会にも4月15日に報告案を御説明いたしまして、そこで御意見をいただきました。そして、これらの意見を踏まえまして4月25日に第9回、最後の総量規制専門委員会を開催しまして報告を取りまとめたところでございます。そこで、本日は後ほどこの報告に関しまして、この場で御説明させていただきたいと考えております。  検討の経緯は、以上でございます。

【須藤部会長】 経緯ではございますが、何か委員の皆様から御質問ございますでしょうか。資料4-1でございます。よろしゅうございましょうか。  それでは、続いて議事を進行する中で、もし御質問があればいただくということにさせていただきます。  総量規制専門委員会が取りまとめた第6次水質総量規制の在り方に関する報告について、総量規制専門委員会の委員長である岡田先生から概要を説明いただき、その後に事務局から専門委員会報告及び瀬戸内海部会を前に開催をしているんですが、その瀬戸内海部会でいただいた御意見と、さらにパブリックコメントも集計されております。その結果について、御説明をつけ加えていただきたいと思います。  それでは、最初に岡田先生からどうぞよろしくお願いいたします。

【岡田委員】 総量規制専門委員会の委員長を仰せつかりました岡田でございます。  それでは、お手元の資料の4-2に従いまして、御説明をさせていただきます。表紙の次の紙に目次がございます。目次をご覧ください。当専門委員会におきましては、今までの総量規制の効果を評価するという目的で総量規制の実施状況、それから次に指定水域における水環境の状況をレビューするということを行いました。  さらに、その3番目にございますように、水質汚濁のメカニズムについても検討を加えた上、それらを踏まえて最後の第6次水質総量規制の在り方についてという検討をさせていただきました。  次のページ、1、2と、今申し上げました実施状況、水環境の状況等が書かれております。その辺は、若干飛ばさせていただきまして、7ページの下からが水質汚濁のメカニズムというものがまとめられております。そのメカニズムに関しましては、陸域からの汚濁負荷のみではなく、植物プランクトンによる内部生産、それから底泥からの溶出、干潟における浄化、それから漁獲による海域からの窒素、燐の回収。それから、流入河川の水量変化、さらには太平洋の方の外海の濃度変化についての影響も検討をさせていただきました。  さらに、東京湾を対象にいたしまして、水質予測のシミュレーションを行いまして、汚濁負荷削減対策、それから干潟の再生というようなことを行った場合に、どういう水質改善効果があるか、もちろん結果的には水質改善効果があるという結果を得ております。  それに基づきまして、10ページからが第6次水質総量規制の在り方というお答えになるところでございます。まず、水質改善の必要性に関しましては、当然のことながら環境基準の達成率というものが重要な指標になります。ただ、それだけではなく、専門委員会におきましては東京湾、伊勢湾、大阪湾等で夏場に底層で貧酸素水塊が発生するとそれによって、生物が生息しにくい環境になっているというような環境基準そのもの以外の問題についても着目しました。その上で、対策の在り方を検討したわけでございますが、今回は特にそれぞれの海域、東京湾、伊勢湾、大阪湾、大阪湾は瀬戸内海に入るわけですが、瀬戸内海、それぞれの海域の水環境の状況を踏まえまして、対策の在り方が海域によって異なることもあり得る、すべて一律に同じではないという前提で検討を進めさせていただきました。  その結果、東京湾、伊勢湾、大阪湾、この辺のところが10ページになっているところでございますが、東京湾、大阪湾、伊勢湾におきましては、今までやってきております総量規制によって水質の改善が見られるものの、まだ十分ではない。また、環境基準も達成されておらず、夏場には大規模な貧酸素水塊がまだ発生するということで、生物にとっても生息しにくい環境になっているという認識に至りました。  したがいまして、このような水環境は改善する必要があるということで、そのためには汚濁負荷の削減、それから干潟の再生などの対策を進める必要があるというふうにいたしました。大阪湾を除く瀬戸内海、これにつきましては10ページの最後の段落から記述させていただいておりますが、大阪湾を除く瀬戸内海におきましては、窒素、燐の環境基準がほぼ達成されるに至っております。したがいまして、窒素、燐につきましては、望ましい濃度レベルにあるというふうに言えます。  CODに関する環境基準達成率は、十分に達成されているというふうには言えません。残念ながらそういう状態ですが、東京湾、伊勢湾と比較して濃度が低いレベルに維持されてきておりますし、貧酸素水塊の発生も少ないということが明らかになっております。  したがいまして、大阪湾を除く瀬戸内海に関しましては、現在の水質が悪化しないように必要な対策を講じるということが必要であると同時に、目標とすべき水質についてもさらに検討を加えることが適切であるという結論にさせていただきました。  今後の対策に関しましては、東京湾、伊勢湾、大阪湾につきましては、当然のことながらさらに汚濁負荷を削減することが必要である。当然、その中では下水道の整備などの生活排水対策、それから工場排水対策等を強化していく必要がございます。これに対して、大阪湾を除く瀬戸内海という海域におきましては、汚濁負荷が増加しないように生活排水対策を引き続き進める。同時に、工場排水に関しましては、従来の対策を継続するということが適当というふうに考えました。  最後に、専門委員会におけるさまざまな議論の中で、今後の課題についても幾つかまとめさせていただいております。それが13ページに列記されております。まず、(1)に書いてございますように、目標とすべき水質の検討ということがございます。これは、排水処理の対策が進んだことにより、海水中の有機物の性状が変化してきている可能性がある。すなわち、生分解による酸素消費が少ない有機物に変化している可能性があるということで、このことに関する知見をさらに充実させ、目標とすべき水質レベルを改めて検討すべきであるという議論の結果になりました。  この点は、今後、水環境を考える上で極めて重要なことであるということで、総量規制専門委員会としましても、環境省にはぜひとも積極的に今後取り組んでいただきたいというふうに考えております。  以上が、専門委員会報告の主要な部分でございます。詳細につきましては、事務局から御説明をしていただければと思います。  以上です。

【須藤部会長】 岡田先生、どうも簡潔に御説明いただきましてありがとうございました。  それでは、続いて事務局の方から先ほど申し上げた点について御説明を加えていただくとともに、今の岡田先生の部分についての詳細をお願いしたいと思います。

【坂川室長】 それでは、ただいまの資料4-2の専門委員会報告についてでございますが、まず一番最初に最後のページ、44ページをご覧いただきたいと思います。これは、諮問のときにも御説明させていただきましたが、再度、念のためということで御説明させていただきます。  総量規制は、対象水域が東京湾、伊勢湾、瀬戸内海と、この3つの海でございまして、対象項目がCODと窒素と燐ということになっております。そして、国が総量削減基本方針を定めまして、各都府県が総量削減計画を定めるという仕組みになっております。  具体的な対策は、大きく分けて3つございまして、左側からまず事業の実施ということで、主として生活排水対策でございますが、下水道、浄化槽等を整備すると。また、処理の高度化を図る。また、真ん中のところは、総量規制基準による規制ということで、日平均排水量が50立方メートル以上の特定事業場に対しまして、それぞれの事業場における負荷量、排水濃度掛ける排水量ということで規制値を設けているわけです。そして、一番右側が総量規制基準の対象とならない小規模な事業場でありますとか、農業、畜産農業、一般家庭等に対する削減指導もあるわけです。  また、表の7ですが、今までの経緯でございますけれども、昭和54年からこの制度が始まっています。当時は、目標年度が昭和59年度でありました。これが5年ごとに目標年度を設定して、今まで第5次まで総量規制が実施されてきております。また、一番右側にありますように、当初はCODだけで実施してまいりましたが、現在の第5次からは窒素、燐を加えて総量規制の対象としているわけです。  このような経緯で来ておりますが、水質総量規制の実施状況でございます。このあたりは、文章中に説明が書いてありますが、図表をご覧いただいた方がわかりやすいと思いますので、14ページをお開きいただきたいと思います。14ページから図表が提示されております。  まず、最初の図の1は、汚濁負荷量の推移と削減目標量です。一番上がCOD、真ん中が窒素、一番下が燐というふうに並んでおりまして、東京湾、伊勢湾、瀬戸内海の別に5年ごとにどのように汚濁負荷量が削減されてきたのかということを図であらわしたものです。  ご覧いただきますように、CODに関しましては、東京湾、伊勢湾、瀬戸内海とも着実に削減されてきております。ここでちょっと色分けしておりますけれども、一番下の白い部分が生活系の汚濁負荷、真ん中の少し色がついているところが産業系、そして濃い色の部分がその他系です。その他系と申しますのは、農地でありますとか山林、また市街地などの表面の負荷というものを足し合わせたものです。  また、平成16年度は、第5次総量規制における目標値としてここに掲げております。現在16年度の負荷量、実績値を整理中でございますけれども、ほぼこの削減目標量を達成できるという見通しにあります。正確な数字は、またまとまり次第御報告したいと思っております。また窒素、燐に関しましても、総量規制の対象にいたしましたのは第5次からでありますけれども、それ以前から各都府県などで削減指導が行われてきておりますので、このような形で負荷量が削減してきたということでございます。  15ページからは、少し負荷量の内訳を詳しくしておりまして、生活系の中に下水処理水が占める割合でありますとか、また浄化槽が占める割合、また雑排水、これは下水道でも浄化槽でも処理されずにそのまま未処理で放流されるという部分の雑排水でございます。  また、産業系に関しましても、総量規制基準の対象となります指定地域内事業場、また下水道に取り込まれる部分、そのほか小規模、未規制の部分に分けて図にあらわしたものです。また、ちょっと申し忘れましたが、下水処理場に関しましても総量規制基準の対象になっておりますし、浄化槽に関しましても規模の大きなもの、201人以上のものについては総量規制基準の対象になっています。  それから、少し飛びまして22ページをご覧いただきたいと思います。  ここからは、各海域の濃度がどのようになってきているのかということをあらわしたものです。図の8が、海域別のCODの推移です。ここでは東京湾、それから伊勢湾を伊勢湾と三河湾の2つに分けています。また、大阪湾と大阪湾を除く瀬戸内海、そのように海域を分割いたしまして、また各5年ごとの平均水質を図にあらわしたものです。毎年測っておりますけれども、毎年のものですと少し変動がありますので、むしろ5年ごとにまとめた方がわかりやすいのでないかということで、このように5年ごとの平均値としてあらわしたものです。  これをご覧いただきますと、東京湾が一番上の黒い三角であります。昭和56年前後から比較いたしますと、近年は濃度が少し下がってきているという状況にあります。また、白い三角が大阪湾でございまして、こちらも濃度が低下している傾向にあります。また、伊勢湾、三河湾に関しましては、さほど傾向ははっきりしないということです。  瀬戸内海については、黒い四角でありますが、かなり低い濃度レベルではありますけれども、大体横ばいにあるということです。それから、一番下の白いひし形のところは、太平洋沿岸62地点平均とありますけれども、これは日本の太平洋沿岸の地点の中で閉鎖性海域を除いたものでありまして、陸域の影響が少ないと見られる部分です。ご覧のように、最近少し、わずかではありますが、濃度が上がってきているというような傾向が見受けられます。  この原因が何であるのか、そこは定かではないわけでありますけれども、外海の濃度が上がってきているのであれば、これが閉鎖性海域の濃度に影響している可能性があるということから、次の23ページの図の9をご覧いただきたいと思いますけれども、ここで補正CODというものをあらわしております。この補正CODは、先ほどの外海の濃度の上昇部分を差し引いて見たものでありまして、このようにいたしますと、瀬戸内海に関しましても、近年わずかではありますが改善傾向も見られるというような結果になっています。  また、図の10は窒素、それから図の11は燐濃度の推移を見てみたものでありまして、傾向といたしましてはCODと似たように傾向になっております。ここまでが水質濃度の推移であります。  次に、25ページの図の14をご覧いただきたいと思います。  ここからは、環境基準達成率の推移です。まず、CODの環境基準達成率ですが、この図でご覧いただくように、なかなか環境基準達成率が向上しないという結果になっています。COD濃度で見ますと、東京湾、大阪湾などでは改善してきているのですが、まだ環境基準を達成するには至っていないということです。  それから、図の15が窒素、燐の環境基準達成率であります。こちらの方は、一番上の黒い四角、瀬戸内海のところをご覧いただきますと、平成10年には80%程度でありましたけれども、平成15年には97%ぐらいまで達成率が上がってきておりまして、環境基準の達成率が向上しているという傾向にあります。  また、白い三角が大阪湾です。大阪湾は、平成15年度に100%まで達成いたしました。水域は3つあるわけですが、そのすべての水域が達成したということです。しかし、平成16現在、速報値をもとに考えますと100%ではなくて、また67%まで下がるという見込みになっております。これが環境基準の達成率の推移です。  そして次に、27ページの図の18をご覧ください。こちらは赤潮の発生状況です。まず、東京湾と伊勢湾は、伊勢湾に関しましては、長期的に見ますと少し減ってきている。東京湾は、ほぼ横ばいという傾向にあります。  また、28ページのまず下の図の20からご覧いただきたいと思います。これは、瀬戸内海における赤潮の発生状況です。昭和50年前後に非常にたくさん赤潮が発生しておりましたが、最近はそれに比較しますと少なくなっているという状況です。また、赤潮によります漁業被害の件数に関しましても、以前に比べると少なくなってきています。  また、図の19は瀬戸内海の中でどういう場所で赤潮が発生しているのかという図でございます。全般的に発生しておりますが、延べ面積で見ますと、特に大阪湾において赤潮が多く発生しているということがわかります。  続きまして、先ほど岡田委員長からもちょっとお話がありましたが、貧酸素水塊の発生状況です。図の21が東京湾における底層の溶存酸素、DOの分布図であります。3月6日から11月5日までの図を並べたものでありまして、この図では赤い色は溶存酸素濃度が高いと、問題ないと。しかし、青いところで溶存酸素濃度が非常に低くなっておりまして、生物が生息しにくいという状況です。水色のところは、もう2㎎/?程度ですから、普通の生物は3㎎/?ぐらいになりますと、それを下回りますと影響があるということでありますので、この水色の部分ではそういう状況になっていると。また、濃い青はもっと低くて1㎎/?を下回るようなところでありまして、ほとんど生物が生息できないような状況になっております。特に、夏場に貧酸素水塊が発生しているという状況です。  また、図の22は伊勢湾でありまして、こちらも低い溶存酸素濃度が夏場を中心に見られるところです。  また、31ページは大阪湾であります。こちらは、酸素飽和度で示しておりますけれども、薄いハッチが酸素飽和度40%以下、濃いハッチが10%以下というところでありまして、大阪湾でも貧酸素水塊がかなり発生しています。こういう状況にあるわけです。  そして、32ページは東京湾で底生生物を調べたときの調査結果をまとめたものです。上の図の24が、生物の個体数と種類数をあらわしたものでありまして、それぞれの数字の左側が個体数、右側が種類数ということになっております。8月のところをご覧いただきますと、東京湾では湾の中央部といいましょうか、奥の方ではほとんど生物がいないという状況になっています。岸に近いところでは生物がいるんですが、沖合の方に行くと余りいないという結果になっているところです。  それから、34ページをご覧いただきたいと思います。  これは、汚濁負荷量と水質がどのように変化してきたのかということを示したものでありまして、34ページの上の方の図をまず御説明いたしますと、横軸が水域面積当たりのCOD負荷量です。例えば、単に汚濁負荷量を比べますと、瀬戸内海は非常に大きいのですが、ただ、瀬戸内海の場合には水域面積も大きいと、海も広いということでありますので、これをまず各海の水域面積当たりの負荷量を計算してみたものです。それが、横軸になっています。そして、縦軸がCODの平均的な濃度です。これが5年ごとにどのように変化してきたのかということを示しています。東京湾で見ますと、まず一番右上の赤いところがスタートでありまして、そこから5年ごとに左下の方に移動してきているということがわかります。大阪湾についても同様です。伊勢湾、三河湾は、ちょっと傾向がはっきりしておりません。この図を先ほどの外海の濃度を補正した補正CODで見ますと、下の図のようになるわけであります。  そして、35ページは窒素と燐について同じような作業をしてみたものでありまして、CODと少し形は違いますが、傾向としては似たような傾向にあります。このような、水環境の状況と汚濁負荷量の削減状況になります。  そこで、次にこの専門委員会で検討いたしましたのが水質汚濁のメカニズムであります。この7ページをご覧いただきたいと思います。7ページからが水質汚濁のメカニズムについての検討結果です。  まず、8ページの汚濁負荷でありますが、先ほどの図でご覧いただきましたように、汚濁負荷量の削減幅が大きい海域では、水質濃度の低下傾向が明確に見られるということになっています。また、(3)の有機物の内部生産でありますが、窒素、燐が主要な原因でありますが、富栄養化いたしますと植物プランクトンが発生いたしまして、CODが海の中で生産されるということになります。  そこで、この内部生産の割合がどの程度かということを試算いたしましたところ、ΔCOD法で計算いたしますと、指定水域のCODに対する内部生産の寄与率は、東京湾、伊勢湾で4割程度、瀬戸内海で3割程度となっています。また、東京湾でのシミュレーション結果によりますと、COD現存量に対する内部生産量の比率が48%という計算結果になりました。  次に、(4)のところが底泥からの溶出であります。海の底にたまっております底泥から窒素と燐が海水中に溶出してきているということが知られております。これがどの程度の量なのかということも計算をしてみたものでありまして、東京湾の例では窒素が1日当たり14トン、燐が1日当たり4トンとなっております。これは、陸域から流入する汚濁負荷量に対しまして割合を計算すると5%と17%ということです。  それから、次の9ページに移りまして、干潟における水質浄化、干潟は生物の生息空間になっておるわけでありますが、そこでいろいろな形で浄化が行われています。シミュレーションでは、そのうち二枚貝に取り込まれる有機物、窒素と燐の量を計算いたしまして、それぞれ1日当たり64トン、19トン、2トンという計算結果になりました。  また、(6)は漁獲によりまして海域から窒素、燐が回収されている、結果的にそのようになっているということですので、その量も計算したわけでございます。これは、海域によって少し変わりますが、汚濁負荷量に対しまして数%から15%程度、15%というのは瀬戸内海でありますけれども、そのぐらいの回収があるということです。  また、閉鎖性海域に対しましては、流入河川も影響しておりまして、東京湾、伊勢湾、大阪湾のように、海域容量に対する淡水流入量の比率が大きい海域においては、淡水流入量が増加した時期に水域のCODが低下する傾向が見られたところです。  また、最後(8)のところですが、外海のCODが上昇してきております。これも指定水域のCODに影響を与えているということが考えられました。  次に、3-2のところはシミュレーションでございまして、これは図でご覧いただいた方がいいかと思います。40ページをご覧ください。  東京湾を対象にいたしまして、水質予測シミュレーションを行いました。40ページは、CODについてでございますが、上の(1)の図は平成11年度の現況を再現した結果であります。CODの濃度レベルを色分けして示しています。青いところは、濃度が低いきれいなところでありまして、それが緑、黄色、赤になるにつれてCOD濃度が高くなっている、汚濁が進んでいるということを図にあらわしたものです。  これに対しまして、左下の(2)は、汚濁負荷量を30%削減した場合にどの程度水質が改善されるかということを計算した結果でありまして、湾の中央部に水色の部分が大分広がってきております。そして、緑や赤、黄色の部分が少なくなっておりますので、その部分水質が改善されるという結果になったわけです。  そして、右側の(3)は、それに加えて干潟を再生した場合、計算の際には2,700ヘクタールという干潟を仮定しておりますが、干潟を再生した場合に、若干ではありますが、さらに水質が改善されるという結果になっています。  次、41ページが窒素、そして42ページが燐について同じような計算をしたわけであります。そういたしますと、窒素、燐に関しましても、水質が改善されるという結果になりました。  また、43ページは貧酸素水塊、底層の夏場の8月のものをここであらわしていますが、8月の貧酸素水塊がどのように変わるかということです。上の図でご覧いただきますと、赤いところが非常に溶存酸素濃度が低いところでありますけれども、非常に溶存酸素が低い赤いところが少し減るというような結果になっておりまして、貧酸素水塊に対しましても一定の効果があるという結果になりました。このような検討結果を踏まえまして、対策の在り方を御検討いただいたわけです。  10ページをご覧いただきたいと思います。  先ほど、岡田委員長からも御説明がありましたように、東京湾、伊勢湾、大阪湾においては、さらに水環境改善を進める必要があるということです。それに対しまして、10ページの一番下にありますように、大阪湾を除く瀬戸内海に関しましては、窒素、燐の環境基準はほぼ達成された。また、CODは環境基準の達成率はまだ十分とは言えないのですが、濃度レベルが低い状態であると。また、貧酸素水塊に関しましては、一部の限られた水域での発生にとどまっているということです。  ここで、11ページにまいりますが、このような大阪湾を除く瀬戸内海に関しましては、現在の水質が悪化しないように必要な対策を講じつつ、目標とすべき水質を検討することが適切であるという結論になったわけであります。  また、対策の在り方が4-2から書かれておりますが、汚濁負荷削減対策といたしましては、東京湾、伊勢湾、大阪湾においては生活系、それから産業系、その他系それぞれで対策を講じていくということになっておりまして、生活系に関しましては下水道、浄化槽、農業集落排水施設等の整備を進めるとともに、高度処理化を図る。指定地域内事業場に関しましては、今までの総量規制で行ってまいりました削減対策を踏まえつつ、また最新の処理技術動向を考慮しつつ、総量規制基準を設定するということになっています。また、小規模事業場、未規制事業場に関しましても、都府県の上乗せ排水基準、または削減指導等を進める。農業につきましても、環境保全型農業を推進する。また、畜産農業に関しましても、家畜排せつ物の適正処理を推進する。魚類養殖に関しましては、魚類養殖による負荷を低減するということです。また、合流式下水道に関しましては、雨が大量に降った場合に、未処理のものが越流するという問題がございますので、その合流式下水道についても改善を図っていくということです。  また、(2)のちょっと上に書いていますが、大阪湾を除く瀬戸内海に関しましては、生活排水対策を進めるとともに、従来の工場・事業場の排水対策等、各種施策を継続して実施していく必要があるということになりました。  ここまでが汚濁負荷削減対策でして、そのほか干潟の保全・再生、それから底泥からの溶出の問題もありますので、底泥の除去等の底質改善対策を進めるということの必要性も指摘されております。  また、目標年度でございますが、総量規制は今まで5年ごとに目標年度を設定いたしまして、その間の状況の変化、また汚濁負荷量の削減状況、処理技術の動向等を反映しながら、段階的に実効性を確保しながら実施してきたところであります。第6次に関しましても、5年後の21年度を目標年度とするということが適当であるとされております。  最後に、今後の課題でありますが、(1)に目標とすべき水質の検討ということでございまして、有機物の性状の変化の可能性も踏まえて、指定水域の目標とすべき水質とその評価方法について検討を行う必要があるということです。  また(2)は、それ以外にもさまざまな課題がございまして、外海との海水交換に伴う栄養塩類の流出入、また沿岸域の地形改変、このようなものがどういう影響を及ぼしているかということに関して調査・研究を推進する必要があるということと、また、より効果的な対策の在り方についても検討を行う必要があるということであります。  また、(3)にあります情報発信、普及・啓発の必要性も指摘いただいたところでございます。このような課題が整理されております。  以上が、総量規制専門委員会の概要でございます。  続きまして、資料4-3をご覧いただきたいと思います。  これは、先日開催されました瀬戸内海部会にもこの専門委員会報告を御説明いたしまして、その際にいただいた御意見をまとめたものです。まず、1番でございますが、番号が振ってありますけれども、1番は対策の在り方のところの順番が逆の方がよいのではないかとか、また生物による水質の浄化も重要なので、生物の活用の考え方を入れていただきたいという御意見もありましたけれども、(1)についてはやはり汚濁負荷の削減というものがまだまだ重要であるということから、原文のとおりでございます。これは、総量規制専門委員会で御検討いただいた結果でございます。また、生物による水質の浄化も十分に書いてあるのではないかということです。  また、3番でありますが、瀬戸内海に関しましては一部貧酸素水塊が発生している海域もございまして、そのうちの一つが燧灘でございます。ここでは、物理的な成層が強いことが影響しているということなのですけれども、人為的要因によって貧酸素が起こっていないのか、さらに検討する余地があるという御意見をいただきました。これに伴いまして、一部その右側にありますように専門委員会報告を修正いたしまして、貧酸素水塊の発生が報告されている水域に関しても引き続き検討していく必要があるというふうに修正をしたところです。  それから、次の裏のページでありますが、そのほか幾つかの御意見をいただいております。例えば、瀬戸内海は面源負荷が非常に多い、あるいは発生負荷量の見積もりが少し低いのでないかという御意見とか、干潟による水質改善効果は余り大きくはないけれども、干潟そのものに意味があるという御意見。  また、6番でありますが、もし総量規制がなかったならば負荷量の推移が右上がりになっていた可能性がありまして、総量規制は重要なツールであるという御意見。また、瀬戸内海を評価するに当たって、さらに地域ごとに見ていくことが必要であるという御意見。また、CODの中身が変わってきているのではないかということに関しまして、生物への影響という観点からの検討が必要。また、それぞれの海域ごとに生物指標についてのモニタリングが重要ではないか。また生物、漁業にとってDO、溶存酸素が重要な指標なんですが、また下水処理での塩素処理に関しても紫外線処理を進めていただきたいという御意見もありました。また、現在のCOD環境基準について、C類型の8という数字は高過ぎるのではないか。A類型の基準点がもう少し沖の方でもよいのではないか。また最後、普及・啓発に関しまして、わかりすい普及・啓発が必要であるということで、わかりやすい指標設定をすることが必要であるというような意見もありました。これが、瀬戸内海部会における御意見の概要です。  それから、資料4-4がパブリックコメントで寄せられた意見をまとめたものです。意見は、全部で12人の方から御意見をいただきまして、お一人でたくさんの御意見をいただいた場合もありますので、意見の総数といたしましては48件ということになります。水質総量規制の実施状況から報告書の方も全般にわたりまして御指摘なり御意見をいただいたところでございます。これに関しましては、細かな御説明は省略させていただきます。

【須藤部会長】 どうも御説明ありがとうございました。  それでは、ただいまの岡田先生の在り方に関する説明と、それからデータに基づいた事務局の御説明、それからパブリックコメント、それから瀬戸内海の質疑応答の結果等の御説明をいただきましたので、ただいまから先生方の御質問やら御意見を伺いたいと思います。どうぞお願いいたします。  どうぞ、岸委員、お願いいたします。

【岸委員】 質問なんですが、資料4-2の26ページの環境基準達成率という図があります。それでここで先ほども御説明いただきましたが、大阪湾というのが物すごい何か上へ行ったり下へ行ったり、またことしも60%ぐらいになる。これは何でなんですか。ほかのはそうじゃないですよ。

【須藤部会長】 それでは、それは事務局の方がよろしいね。  どうぞ、お願いします。

【坂川室長】 大阪湾の場合、水域が3つあります。その3つが1つずつ環境基準を達成したかどうかということを毎年判定しているわけでありまして、3つのうち1つが達成されると33%、2つが達成されると67%、3つ全部達成されると100%ということになりまして、全部達成されないとゼロ%になるのですが、この4段階のうちのいずれかになるわけです。  大阪湾の場合は、どこの水域も環境基準ぎりぎりのところという状況でございまして、その年少しよくなると達成し、また少し悪くなると達成しなくなるということなのものですから、他の海域に比較しまして大変変動が大きいということになっています。

【岸委員】 ありがとうございます。

【須藤部会長】 どうもありがとうございます。  説明のときに、少しつけ加えていただかないと、今のような話は重要だと思います。行ったり来たりするのが、そんなに悪くなったり、そんなによくなったりというふうな印象を受けると思いますので、お願いをいたします。  それでは、ほかにいかかでございましょうか。よろしゅうございましょうか。  田中委員どうぞ、お願いいたします。

【田中委員】 総量規制に関しては、第5次まで終わったんですよね。

【須藤部会長】 そうです。

【田中委員】 今回が第6次ということは、過去25年経過しているわけですよね。この環境基準達成推移等を見ますと、25年間のデータがあるということですね。これを見まして、第6次も同じような形でいったとして、これが急によくなるということは決してないですよね。ということで、第6次の在り方の中に、これまでの第5次と比較して何か新しい考え方、そういうものが入っているのかどうか、その辺をちょっと聞かせてください。

【須藤部会長】 これは、概念的な、基本的なところもありますので、岡田先生からもし何かあれば。

【岡田委員】 一番の違いは、護送船団というか、どこも同じだと。要は、東京湾、伊勢湾、大阪湾、瀬戸内海、すべて同じであるという考えをやめたというところが一番大きなところでございます。その理由は、先ほどもちょっと御説明申し上げましたように、瀬戸内海においては環境基準の達成率がかなりよくなってきていると。にもかかわらず、今までのように東京湾、伊勢湾等と同じように規制をさらに厳しくするのは難しいだろう。というか、難しいというのは適切ではないですね。そういう必要は必ずしもない、こういう考えが多分一番大きな違いだと思います。

【須藤部会長】 確かに、第5回まではすべて同じにやりましたよね。それが、今のような違いを設けたというんですか、次もし例えば伊勢湾が少しよくなって目標に―瀬戸内海も必ずしも100%になっているわけではございませんよね。それでも、以前の対策を継続してやろうというようなことですので、随分その違いはあるのではないでしょうか。  どうぞ、ほかによろしゅうございましょうか。  それでは、池田委員どうぞ、お願いいたします。

【池田委員】 やはり瀬戸内海の件なんですが、25ページの図の14を拝見しますと、CODに関してはややこの10年間ぐらい達成率が少し下がっているのではないかというように見えないでもないですね。そうしますと、前のところでいろいろ書いているんですが、大体瀬戸内海でこのままの状況を維持しようと、特段の対策はよろしいのではないかということなんですが、これはどのように見ればよろしいのか。あるいは、その後で基準の見直しというのが少し今度検討すべきだということも書かれておるんですが、そのあたりの関係もしおわかりになれば教えていただきたいと思います。

【須藤部会長】 ありがとうございます。  それでは、事務局どうぞ、お願いいたします。

【坂川室長】 今の御指摘の25ページの図をご覧いただきますと、確かに特に瀬戸内海に関しまして、少しCODの環境基準達成率が近年落ちてきているように見受けられるということでありまして、この点に関しましては、先ほどちょっと御説明いたしましたけれども、外海の濃度が少し上がってきているということも影響しているのではないかという議論がありました。  また、今の御指摘の中で、今後の目標とすべき水質レベルについての検討という課題があるわけでございまして、まさに瀬戸内海の場合にはそこのところをもう一度よく検討をするということでありまして、CODに関しましては少なくとも現在の濃度が悪化することはないようにしていかなければいけないということでありますから、対策をやめるというわけではなくて引き続きやっていくわけでありますけれども、他の海域と比較しますと、それを強化するという必要性は必ずしもないのではないか、このような結果になったわけです。

【須藤部会長】 継続するというのは、第5次と同じことはずっと続けるという意味であって、何もやらないわけではないですよね。それから、先ほどのほかの3つについてはさらに強化をする、そういう理解をしておかないといけませんよね。そうしないと、何ももう瀬戸内海はやらないのというふうに受け取られては困るので、そこの説明はひとつどうぞよろしく。やっていられる方はそういうふうに受け取れるんですけれども、ちょっと伺うとそんな感じもしなくはありませんので、誤解のないようにお願いをいたします。  どうぞ。

【池田委員】 今、外部的な条件が少し変化しているのでないかという御説明があったのですが、ここでは太平洋岸の濃度について記述されていますね。これは、それ以外の例えば日本海側とか、あるいは東シナ海とか、そのあたりについては何か知見はおありになるんですか。

【坂川室長】 この専門委員会におきましては、これらの湾が主として太平洋側にあるものですから、このようなデータをお出しいたしましたけれども、事務局の方で念のため九州の西の方とか、あと日本海側、こちらの方も調べてみましたところ、やはり程度の差はちょっとあるんですが、同じように上昇しているというような傾向はあるようです。

【池田委員】 どうもありがとうございます。

【須藤部会長】 有明海のときの議論の中にもそういう問題が出ていましたね。外海のということがありましたので。たしか、私の記憶するところですと、渡辺先生がそちらの方の研究をされていた、ただどのぐらい上がっているかとかというのはよくわかりませんけれども、そういう御研究もたしかされていると思います。  ほかに。岸委員、どうぞ。

【岸委員】 今回もまたこの表などを見て、生活雑排水が大変だなということは思うんですが、ですから余り企業を責めるというよりは、生活雑排水の方がもっと厳しくしなくちゃいけないんじゃないかと思うんですが、44ページの図36に総量規制基準による規制というので、1日の平均排水量が50立方メートル以上の特定事業場が対象という、50立方メートル以上という数字がどこから出ているのか、私なんかは素人でよくわからないんですが、これはもうずっとこれで来ているのか、ちょっと教えてください。

【須藤部会長】 これも事務局の方から。

【坂川室長】 この50立方メートルに関しましては、結論から言いますとずっとこれで来ているということでありまして、やはり総量規制基準を適用いたしますと、濃度と排水量をきちっと測定をして記録をする義務というものとか、そういうようないろいろな義務がかかってまいりますし、また細かなことを行政側に届け出もいただかなければいけないということになりますので、やはりそこは1つは効率的な考え方ということで、汚濁負荷量の特に多いところを規制基準の対象にするということから、50立方メートルという数字を設けたものでございます。こうすることによって、産業系の汚濁負荷のかなりの割合、大体7割ぐらいは対象になるというようなことになっておりますので、そのようなことで細かなところ、要するに少ないところは外して、それ以外のところを総量規制基準を適用しているということにしております。

【須藤部会長】 よろしゅうございますか。  それでは、ほかに。  それでは、どうぞ、宮原委員。

【宮原委員】 東京湾、伊勢湾、瀬戸内海等がきれいになってきているという実感はあるんですが、昨年、台風が10個も来たということで、ノリの生産が95億枚まで回復したわけなんですよ。ところが冬場に赤潮が出たりした関係で、色落ちが相当あって品質が余りよくなかったということが言えるものですから、やはり東京湾、伊勢湾、瀬戸内海において窒素と燐の関係が相当変化が来ているのでないのかなという気がしておりますので、今後の課題のところでそういったこともひとつ取り組んでいただきたいというお願いでございます。

【須藤部会長】 どうもありがとうございました。  それでは、今後の検討課題として、総量規制については後でまた御審議いただきますが、今後も審議を続けますので、その中で取り上げさせていただきます。  よろしゅうございましょうか。それでは、あと佐藤委員から意見書をいただいているんですが、事前に拝見させていただいたのによれば、これもそれぞれの湾等について詳細にわたる検討をしてほしいというような御意見でございますので、次の検討の中に取り込める話題かなというふうに思いますので、事務局それでよろしいですか。コメントということで、これをいただいているので、何かもし御意見があればどうぞ。

【坂川室長】 この御意見の中で、一番最後のところで水域別の検討の場というような御意見もあります。今後は、環境省におきまして、目標とすべき水質の検討という課題をいただいておりますので、この検討課題に取り組んでいかなければいけないわけでありますが、そういう課題を進めていく中で、水域ごとに検討するということの必要性が出てくるというふうに思いますので、そのような際にはさまざまな関係者の御意見もいただきながら検討を進めていきたいと思っております。

【須藤部会長】 ありがとうございました。  それでは、鈴木会長、何か総合的に御指導いただくことがございますでしょうか。  どうぞ。

【鈴木会長】 大変緻密に、また精力的におまとめいただいたと思います。この総量規制の問題というのは、やはり従来型の環境基準、あるいは排水基準、こういうものをどういうふうに考えていくかというときに、一つのきっかけになる問題であろうと思います。今後、ぜひこの水環境部会で、本当に水環境というのはどういうものなのかというようなことを根本的にお考えいただく上で、一つの出発点としてすばらしい答申になっているのではないかと考えております。  この報告は報告といたしまして、先ほどもいろいろ御質問がありましたように、いろいろ一般に広報していくときにわかりにくいところを、何か環境省の方でぜひパンフレットその他、ホームページその他で少し、例えば先ほどの50トン/日というのは、例えば水質汚濁防止法の流れから来ているんでしょうが、それが一体どれくらいをカバーしているのか、それ以外のところは一体それではどういうふうに追いかけていくのかは、若干きめの細かい説明などを加えていただくと、報告書はもちろんこれで結構なんですが、一般の方々にも非常に役に立つものになるのではないかと思います。  どうも、委員の先生方、本当に精力的におやりいただいて、私としては感謝を申し上げたいと思います。

【須藤部会長】 どうもありがとうございました。  それでは、先ほど気がつきませんで、失礼しました。眞柄委員、最後に。いいですか、どうぞ、御遠慮なく。よろしいですか。申しわけございません。それでは、次の議題のときにでもお願いをいたします。  それでは、ただいまの鈴木会長の御意見でもございましたんですが、先ほど冒頭に申し上げましたように、一応これはお認めをいただくということでございまして、特にいろいろ御意見をいただきましたが、今後の検討課題ということでございますので、会議終了後に文書で鈴木会長に正式に御報告をいたしたいと存じております。鈴木会長から環境大臣に答申をしていただきますよう、ぜひお願いをいたします。よろしくどうぞお願いをいたします。  ということで、初めて水環境部会で答申ができたということは、大変私としても意義のある総量規制の専門委員会の報告であったし、それをここでお認めいただいたことは記憶に残る議題であったというふうに思います。  それでは、先ほどのお話ございましたように、もう一つ審議事項がございます。総量規制基準の設定方法について、これは資料5のとおり本日付で環境大臣から諮問がなされ、水環境部会に付議されたところでございます。事務局から諮問文を読み上げていたたぎ、その趣旨について御説明ください。  それでは、坂川室長お願いします。

【坂川室長】 それでは、資料5をご覧いただきたいと思います。  これは、本日付で環境大臣から中央環境審議会会長に諮問させていただいた文書のコピーでございます。表題は、水質に係る化学的酸素要求量、窒素含有量及び燐含有量の総量規制基準の設定方法についてでございます。  環境基本法第41条第2項第2号の規定に基づき、水質に係る化学的酸素要求量、窒素含有量及び燐含有量の総量規制基準の設定方法について、貴審議会の意見を求める。  諮問理由。水質総量規制は、人口及び産業が集中し、汚濁が著しい広域的な閉鎖性海域の水質改善を図るため、水質汚濁防止法等に基づき設けられた制度であり、東京湾、伊勢湾及び瀬戸内海を対象として化学的酸素要求量(COD)、窒素含有量及び燐含有量を対象項目とした第5次水質総量規制を実施してきたところである。  今回の諮問は、次期水質総量規制基準の設定方法について、貴審議会の意見を求めるものである。  これが諮問でございます。先ほど御審議いただきましたように、第6次総量規制の在り方に関しましては答申をいただいたわけでございますけれども、その答申の考え方を踏まえまして、要は具体的にどのような総量規制基準を設定すればよいのかということについて、引き続き御検討をいただきたいという内容でございます。また、裏のページには、審議会会長から水環境部会部会長あてに、この件に関しましては水環境部会に付議するという文書をいただいておりますので、ご覧いただきたいと思います。  というわけでございまして、水環境部会におきまして、水質総量規制基準の御検討をぜひお願いしたいと思っております。  それから、資料6をご覧いただきたいと思います。  資料6は、この水環境部会に設置されています専門委員会の設置についてのものでございます。これは、今回特に改正するというわけではございませんで、既に決定されているものそのもののコピーでございます。この中の4番に、総量規制専門委員会においては水質総量規制に関する専門的事項を調査するとなっておりまして、今まで第6次水質総量規制の在り方について御検討をいただいたのでございますけれども、この総量規制基準に関しましても、総量規制専門委員会で御検討をいただくということにしてはいかがかというふうに考えておりますので、その点についても御検討をお願いしたいと思います。  以上です。

【須藤部会長】 どうも御説明ありがとうございました。  ただいまの今後の詰め方になるわけですが、何か御質問なり御意見なりございますでしょうか。  従来は、総量規制の在り方と基準値とを別の専門委員会で5次までたしかやったと記憶していますが、大体、趣旨としては同じことをやるわけで、より具体的なことを今後していただくわけですので、このままで総量規制専門委員会ということでお願いしてはどうかという案でございます。よろしゅうございましょうか。  それでは、特に御異議がないと思いますので、引き続き総量規制……  松尾先生、すみません、どうも気がつきませんで。

【松尾委員】 専門委員会については原案でいいと思うんですが、次期水質総量規制基準の設定方法というとことで意見を言わせていただきたい。ぜひ今回は小規模の事業所、先ほどもご指摘のあった50トン未満の小規模な事業所の問題をどうするかについても、触れていただきたいと思います。従来全然触れないで5次まで来ているわけですが、ここでもうあと一段何とかしなければいけないということであれば、総量規制を実質的に動かすならば、やはりそこへ踏み込んで行くことが必要だと思われます。従来と同じパターンでやると、さっきの田中先生の意見ではないけれども、もう一つパンチがきかないが可能性ありますよね。それは、いろいろな意見が出ると思うんですが、とにかくちょっと一歩踏み込むことを検討していただけたら非常にありがたいと思います。

【須藤部会長】 ありがとうございます。  どうぞ、眞柄先生。

【眞柄委員】 5次までやり方と大分変わってきているので、今回の在り方についての4-2の対策の在り方の(1)と(2)、目標年度の(3)は結構なんですが、少なくともこの4-2の対策の在り方の(1)と(2)は、この次の設定方法についてというところで必ず御議論されると理解してよろしいんでしょうか。

【須藤部会長】 これは、岡田委員どうぞ。そうですね。

【眞柄委員】 そのときに、従来は例えば東京湾で削減負荷量を何%にする、そのときに業種ごとに上限と下限を基準にするのが総量規制の排水基準何たら委員会の仕事だったんですよね。

【須藤部会長】 はい、そうです。

【眞柄委員】 今の話は、それよりもさらに大きくなるという理解でよろしいんですね。

【須藤部会長】 それは中心だけれども。  どうぞ、お願いします。

【坂川室長】 環境省から諮問いたしましたのは、総量規制基準ということでありますので、総量規制基準のC値の上限値と、下限値の幅を各業種ごとに決めていく。その幅ごとに、各都府県が具体的な数値を決めて総量規制基準とすると、こういうことを今までやってまいりました。  今回、私どもが諮問いたしましたのは、まさにそのことを申し上げているわけでありまして、そういうことで御検討をお願いしたい。ただ、議論の範囲としてはそれ以外についても、また専門委員会でいろいろ御指摘をいただければ事務局としてもまた検討していきたいと思っております。

【須藤部会長】 ということは、先ほどの松尾先生の50トン以下だとか、小規模の問題のあるべき姿みたいなものも当然関連はしてくるからというふうに私は理解をしたんだけれども、それでよろしいですね。眞柄先生の方も同じですね。ですけれども、中心になるのはあくまでもC値というようなことのようです。  眞柄先生どうぞ、続いてやってください。どうぞお願いします。

【眞柄委員】 それは、岡田委員長に答えていただく方が僕は適切だと思うし、彼がTORもらっているんだから。ただ、5次まで関係してきた人間からすると、例えば12ページのところで最新の処理技術動向を考慮してというところがあって、それはC値の厳しい方には反映されるんだけれども、従来、緩い方には反映されてこなかったですよね。

【須藤部会長】 そうです。

【眞柄委員】 それにコミットしようとすると、この後ろの方の農業だとか魚類養殖だとか干潟のことだとか、それがどれぐらいアカウントされているときには高めの数字でいいとか、低いとかということを議論していただかないと、今回、対策の在り方でなかなかいい報告と答申が出たなという後の肉付けで、何か肩透かしを食わされるような感じがするので、岡田委員長にきっちりお答えをしていただきたい。

【岡田委員】 ここでなかなかお答えするのは難しいところがあるかと思いますが、私個人的には松尾先生、眞柄先生おっしゃるようなことの検討はまず絶対すべきだと思います。もし、できないならば、なぜできないかくらいの説明は、今後やはりこの手の委員会では必要だろうというふうに考えております。そういう意味で、全く無視して従来の50トン以上でC値だけを議論するというのは、多分、我々の委員会でも委員からクレームがつくだろうと私自身思っております。

【眞柄委員】 ありがとうございます。

【須藤部会長】 ということで、松尾先生、眞柄先生、もう少し期待をしてみて、応援をしてあげてください。岡田委員長みずからそうおっしゃってくださっていますから、期待しましょう。ということで、原案どおりというふうにやらせていただきたいと思います。  それでは、岡田委員長どうぞ、さらに委員長として総量規制専門委員会において検討を進めていただきまして、その結果を随時、水環境部会に御報告をいただきたいと、こういうふうに思いますので、よろしく御配慮をお願いいたします。  それでは、どうもありがとうございました。次に、事務局からの報告事項に入らせていただきます。  冒頭に申し上げましたように、報告事項6件ございますが、資料に基づきまして事務局からまとめて御説明いただき、後ほど質疑の時間をとることにさせていただきます。  報告者どうぞ、余り時間もございませんので、適切に要領よく御説明をいただきたいと思います。それでは、順番に太田水環境管理課長からどうぞ。

【太田課長】 それでは、御説明させていただきます。  資料7をご覧いただきたいと思います。  冒頭、甲村部長の話にもございましたように、今年の2月でございますが、JFEスチール(株)東日本製鉄所(千葉地区)、いわゆる千葉工場でございますが、ここから排水基準を超える排水が出されていたということで、ただ問題は単に排水を出していたことではなくて、排水測定のデータにつきまして、ここには過去数年と書いてありますが、実際には十数年あったのではないかと言われております。確認したのは数年でございますが、書きかえていたといったことが判明をいたしました。この旨、2月3日に同社と千葉県、千葉市より公表をされたところでございます。  内容は、そこにありますように3点ほどにわたっておりますが、1番目はpHに関するアルカリ水の排水基準違反。2番目が、先に申し上げましたデータの書きかえの問題でございます。具体的には、シアン等かなり多項目の物質に渡りまして書きかえが行われておりました。基準値を超えた数字につきまして、ほとんど全て基準値以内に書き直していたというものでございます。具体的には、シアンにつきましては、3カ年間で見ますとほぼ測定データの3分の1くらいを書きかえているというような状態もございました。  なお、あわせまして、協定が千葉市、千葉県と同社で行われていましたが、この協定に基づきまして排水口以外の工程排水についての数字も決められてございますが、こちらの数字につきましても同様に書きかえが行われていたというものでございます。  さらに、3点目でございますが、排水の量等が実際と大分食い違っているというようなこともそのとき判明いたしました。  このような事案が発覚いたしましたので、当然のことながら水質汚濁防止法等による措置、これは千葉市に規制権限がございますので、千葉市の方から水質汚濁防止法に基づきまして適切に行政措置を講じています。改善命令等の措置を講じておるところでございますが、この結果を踏まえまして、このようなことが起きるということが非常に問題でございますので、私どもの方から全国の自治体に対しまして通知を行っております。  具体的には、その次のページ、2ページ目にございますが、これは事件の発覚直後、2月3日に発覚してございますので、2月4日時点で、したがって内容はございませんが、こういうような事件が起きたので、今後の排水監視等を一層徹底してくださいという通知を出させていただきました。もちろん、JFEのデータ等も合わせて都道府県には送付してございます。  また、3月18日でございますが、この直前に千葉市の方で3月16日に水質汚濁防止法に基づく改善命令等を発令いたしました。一応、第一陣の調査結果が出まして、命令を発令したということですので、その内容を踏まえまして、18日付で全国の自治体に部長名で通知をさせていただきました。  具体的には、千葉市の内容を踏まえまして、監視測定等に当たっての留意点を記してございます。一番最後のページを見ていただくと、そこの上に5点ほど点が打ってございまして、5項目でございますが、具体的には、例えば特定事業場における測定結果が事業場内の複数の者のチェックを受ける体制になっているか否か。JFEの説明によりますと、JFEの測定結果、1人の水質測定の担当者がすべてやっていて、その者がすべて書きかえし、上司等は何も見ていなかったという説明がなされております。そういうことを踏まえまして、こういう体制に関して指導しました。あと、測定が採水したままで測定結果が出るのが1カ月後先だったりとか、そういうようなすぐ現場にフィードバックする体制ができていなかった。あと、それから立入関係でございますけれども、採水等はやっていたのですが、自社測定の方の原簿まで確認するというようなことまではやっていなかったというようなことがございました。  したがって、そういうようなことを踏まえまして、そういうところに注意をしていただくような通知を出させていただいたものでございます。  なお、下の方に2がございますが、これはもう一つの高アルカリ水の方でございますが、これは鉄工所等の特有の事例で、過去ほかにも事例がございましたので、注意点をあわせて書かせていただいたものでございます。  簡単ではございますが、以上でございます。

【須藤部会長】 どうもありがとうございます。  それでは、志々目室長どうぞ、お願いします。

【志々目室長】 それでは、引き続きまして資料8で御説明をさせていただきます。  これは、前回この部会の方で御指摘いただきました三位一体の関係で、都道府県における公共用水域と地下水のモニタリングの地点数等がどう推移しているかという資料をまとめたものでございます。ローマ数字Ⅰのところが公共用水域でございまして、後ろの方に地下水を載せてございますので、簡潔に御説明をいたします。  最初、「1.」の現状でございますが、環境基準の健康項目については、約三千数百カ所程度で測定がなされておりまして、生活環境項目については一部の物質を除き6,000から9,000カ所程度で測定されているといったような現状を書いてございます。  次に「2.」の推移のところでございますが、15年度、16年度と17年度の3カ年にわたっての測定計画上の数値を整理したものでございます。この後ろの方にA3の資料がありますが、これにつきましては測定項目ごとの推移、都道府県ごとにまとめた推移に関する資料であり、都道府県ごとのものは7ページ以降になっております。この中で、1ページで御説明をいたしますが、最初に全項目で見た場合でございます。これは健康項目、生活環境項目、要監視項目、特殊項目の合計でございますが、地点数で見ると、15年度から17年度にかけて2%の増加になっています。検体数、これは測定頻度を加味したものでございますが、これで見ると1%の減少ということになってございます。  なお、ここで地点数は環境基準項目ごとに測定されている地点数を全部足した延べの数になっておりますので、御留意いただきたいと思います。  一方、この中で新規項目として、例えば平成15年の11月から追加されております水生生物の環境基準であります全亜鉛でありますとか、16年の3月から追加されております要監視項目の塩化ビニルモノマー等を除いたもので見てまいりますと、すなわち従来の項目ということでございますが、地点数は1%の減少、検体数は3%の減少ということでございます。また、傾向としては16年度から17年度にかけて補助金がなくなったタイミングで減少の程度が大きくなっております。いずれも、1地点当たりの検体数はほとんどの県で減少しているというような傾向にあります。  あと(2)、(3)につきましては、健康項目と生活環境項目について書いておりますが、健康項目については地点数、検体数いずれも2%、7%と減少しております。また、生活環境項目は、全体で見ますと地点数が3%の増加、検体数が1%の増加でございますが、先ほど申し上げましたような全亜鉛を除く従来の項目で見ますと、これにつきましても1%地点数が減少し、検体数が2%減少している状況になってございます。  以下、2ページのところに要監視項目、特殊項目書について書いてございますが、ここは割愛をさせていただきたいと思います。  あと、何枚かおめくりいただきまして、後ろから2枚目のところに地下水質の測定地点数の推移を書かせていただいております。地下水につきましては、調査の種類が公共用水域と若干違っておりまして、幾つかのカテゴリーがございます。地域全体の地下水質の概況を把握するための概況調査と一度汚染が確認されたようなところにおきまして、その汚染範囲等を年度を追って確認していく定期モニタリング調査がございます。この2つの調査につきまして15年から17年の3年間におきまして、どういう推移を示しているか図で示しております。  一番上のひし形のグラフ、これは概況調査でございますが、15年から17年にかけて単純に減少してきています。この2年で約1割ぐらい減少しております。また、汚染源を追跡調査する定期モニタリングにつきましては、15年度から16年度では井戸の本数が増えておりますが、16年度から17年度で減少傾向している実態となっております。  大変、雑駁でございますが、以上で御説明を終わらせていただきます。

【須藤部会長】 どうもありがとうございました。  それでは、谷課長、続いて一括でお願いいたします。

【谷課長】 資料の9-1をご覧ください。  中央環境審議会水環境部会の水生生物保全環境基準専門委員会委員の名簿でございます。委員の異動につきまして、御報告をさせていただきます。  まず、下から4番目、酒井委員が新しくお入りいただきました。これは、同じ国土技術政策総合研究所から、これまで高橋委員においでいただいておりましたのがおかわりになったということでございます。また、下から2人目、大阪府立大学大学院の谷田教授に新しくお入りいただきました。  9-1は、以上でございます。  次に、資料9-2をご覧ください。こちらは、同じ中央環境審議会水環境部会の水生生物保全の排水の規制の方の専門委員会の委員名簿でございます。こちらも、先ほどと同じですが、上から5人目、専門委員で国土技術政策総合研究所の酒井委員に、これも先ほどと同じでございます高橋委員からの交代でございます。お入りいただきました。  以上、委員の交代の御報告でございます。  引き続きまして、資料の10の御説明をさせていただきます。  資料の10は、JISの改正に伴います水質ダイオキシン類の測定方法の改正でございます。こちらにつきましては、告示そのものの改正ではございません。JISの測定方法が変わりまして、告示はこのJISを引いておりますので、告示はそのままでございますが、測定方法がJISの改正に伴って自動的に変わるということの御報告でございます。  背景でございますが、こちら法律、政令、省令、告示と引いてございます。御存じのとおり、ダイオキシン特措法で環境基準、排出基準が定められることとなっておりまして、(2)が排水基準の施行令で、(3)の施行規則の第2条の2のところで、こちらは排出水の測定でございますが、日本工業規格、これはJISでございます。JISのK0312によることということでJISを引いております。  また、環境基準の方でございますが、これが(4)の告示でございますけれども、ページをめくって裏にいっていただきますと、この裏に環境基準の告示の別表がございます。その中の水質の部分が、やはり先ほどの排水の基準と同じ日本工業規格のK0312を引いてきているということでございます。このJISのK0312が改正されてまいりまして、ちょっと後ほど内容を御説明をさせていただきますが、3.で経緯をご覧いただきますと、平成15年度からいろいろ検討が行われまして、このたび平成17年3月11日に委員会で審議・承認されたわけでございます。ちなみに、この委員会の審議の中にも環境省は何人か委員となって入っておりまして、参画をさせていただいております。今後、6月20日に改正JISの公示が行われる予定でございます。  なお、今回の御説明は水質でございますが、底質、土壌につきましてもマニュアルがございまして、今後、今回のJIS改正を踏まえまして、改正の必要性について検討を行う予定となっております。  もう一つめくっていただきますと、横長になりまして新旧対照表がございます。大変、技術的な細かいことでございますので、3つほど代表的な例と申しますか、例を挙げて御説明をさせていただきたいと思います。  まず、2ページ目でございます。2ページ目をあけていただきますと、3.で定義がございます。右が旧で左が新でございます。これまでダイオキシン類ということでダイオキシン類とコプラナーPCB、u)のところでございます。こういう書き方になっておりました。コプラナーPCBの中にジオルト体というのが入っておりましたんですけれども、これはWHOの議論の中でこのジオルト体については毒性がないということで削除されたわけでございますので、今回それにあわせましてジオルト体を削除いたしました。それと同様に、同時にISOの方に合わせましてコプラナーPCBを、タイトルの方ではダイオキシン様PCBとしました。ダイオキシン様PCBで(DL-PCB)という書き方になっておりますが、日本国内ではこれはコプラナーPCBという位置づけで言っているものと全く同じでございます。このような名称、定義の変更というのが今回の変更点の3つ例を挙げるとすると第1でございます。  第2が、技術的なことをちょっとより詳細に書き加えたという分でございます。こちらはその下3ページの5.2.3の採取操作のところをご覧くださいませ。右側のところにはございませんでしたが、左側には残留塩素が存在する場合にはこのようにすべきというような、チオ硫酸ナトリウム五水和物を加えるとございます。これは、残留塩素のみではございませんで、例えば鉱物油などの油分が多い場合にはどうするとか、幾つかの項目がこのような形でつけ加えられております。操作をつけ加えた。これが例の2番目でございます。  例の3番目でございますが、4ページをご覧ください。  4ページの6.1、試料の前処理の概要のところでございます。こちらでは、右側では操作の中身でアルミナカラムクロマトグラフ操作を行うと書いてございますけれども、左側はそのオプションがふえているということでございます。アルミナカラムクロマトグラフのほかにも高速液体クロマトですとか、幾つかのオプションを今回技術的な進展に伴ってふやしているということでございます。これもここだけではございませんで、ほかにも抽出法、その他幾つかのところでオプションをふやし、場合によってはそのオプションが適正であるかどうかについての試すテスト方法についても書いてございます。  全体ちょっと長いので、以上3つの点を例として挙げさせていただきました。いずれの点も最近の技術の進歩、あるいは国際的な検討の状況に合わせた改正でございまして、これを環境基準の測定、あるいは排水基準の測定に用いるということが適切であるという判断をしております。したがいまして、私どもの告示も変えることなく、そのままこの日本工業規格K0312によるということで継続するという判断をしております。  以上が、資料の10の御説明でございます。  次に、資料の11の御説明をさせていただきます。  資料の11、こどもホタレンジャーの表彰でございます。このこどもホタレンジャーの1.にちょっとございますけれども、定義はホタルという言葉とパークレンジャーなどございます自然を守るレンジャーをつなげてこどもホタレンジャーという名前がつきました。そもそもが、環境省の小池環境大臣が前の文部大臣と閣議の後、お話をされて、もっといろいろな子供たちに自然のこと、環境のことを実際に触れてわかってほしいというふうな話で始まったお話でございます。ちょうど「ほたるの星」という映画が昨年上映されまして、例えばそういったものをきっかけにして楽しく実際の自然に触れながら環境をよくする、水環境を守る活動をもっとしてもらいたいということで大臣の発案で行われました。平成17年3月30日に表彰式が行われまして、この下に表彰の写真が載っておりますけれども、環境大臣賞、以下幾つかの団体が表彰されました。  ちょっと1つめくっていただきますと、そのときの発表会の写真がございます。この建物の会場ではあったんですけれども、本当に楽しい元気いっぱいの御発表でございました。受賞団体の審査のところにございますが、環境大臣賞を受けた法吉こどもエコクラブは、島根のエコクラブなんです。ここは先生の指導というよりも子供たちの自主的な活動ということで、みんな本当に緊張しまくりながら一生懸命報告をしてくれました。  松崎中学校の方は、台風の被害を受けたところを生徒の手で復元しながら、ホタル水路をつくられました。地元の地域の方々も御一緒になって水路づくりからいろいろな学習をして、やはり小学校の生徒と比べるとお兄さんたちだなという感じがいたしました。  幕山子どもホタル団は、いろいろなキャラクターのシールを使ったり、本当に楽しく感動のあるレポートを送ってくださいました。後ろの方ですけれども、広川町の津木中学校、ここはとてもまじめな水環境の調査でございます。  高梁市の福地小学校は、ごみ拾いから水質検査から、学校が本当にいろいろな子供たちの活動を推進してくれているという感じでした。  古賀市の小野小学校は、4年生のみんながいろいろなグループごとに分かれて発表していただいた、こういう大変元気のいい発表でございました。  今、わかりやすいホームページを構築中でございます。各グループから出てきた発表の資料は既にホームページに載せているところでございます。今年度も恐らく引き続き募集することにしたいと思っておりまして、今準備をしているところでございます。  資料の12でございますけれども、こちらは快水浴場の選定についてのお知らせです。これも、水辺についていろいろな方に触れていただきたいという広報の一環でございます。これまで快適水浴場ということで55選、88選と行ってまいりましたんですけれども、今後、新たな考え方で選定を行うことといたしまして、さまざまな先生方に御意見をちょうだいしながら、今回基本的な考え方を発表することにしたわけでございます。  今後のスケジュール、2.をちょっとご覧いただきたいんですけれども、これまでと違うことの一つでスケジュールがございます。これまでは、いきなり募集をして選定をして発表をいたしました。今回は、まずこの4月に基本的な考え方を発表いたしまして、一夏そのまま置いておきまして、この10月、11月から選定を公募いたしまして、来年の今ごろ選定をしていただいて発表をするというスケジュールになっております。これは選定の考え方を多くの方に認識していただいて、さまざまな水域でよりよい快水浴場をつくるための活動をしていただけたら大変いいのではないかということを期待して、このようなスケジュールにしたわけでございます。  3番目にございますが、選定の対象となる水辺で、ここも新たに3つのカテゴリーを設けました。これまではカテゴリーはございませんで、ほとんどが海水浴場ですが、琵琶湖など、淡水域での水浴も対象とするということだったんですけれども、今回、快水浴場、島、湖沼・河川の水浴場という3つのカテゴリーに分けております。この理由なんでございますが、ちょっとこの後、細かい話―ちょっと1つめくっていただきまして、基本的考え方の1ページ目をご覧いただきたいと思います。  この1の2.に対象とございまして、(1)、(2)、(3)とございます。海水浴場と島では概念としては同じなんでございますが、これまでは1つでございましたので、利用人数がおおむね年間1万人以上ということで、比較的都市に近く便利で、利用客の多いところだけを対象としてまいりました。けれども、環境全体を考えますと、都市からは遠いけれどもすばらしい自然があって、そういうところについてもっと都市住民も含め、日本人全体が認識し大切にしていくことが望ましいのではないかという考え方から、島という別のカテゴリーを設けました。ここは、利用人数はもっと少なくてもいいけれども、もうことしの夏など一つのシーズンでAAが2回以上、水質についてはよりよいものであってほしいという考え方でございます。  また、(3)で快水浴場という名前ではありますが、快い水浴場ですので湖沼・河川も対象ですよということをはっきりここで書いているわけでございます。  ちょっともう一つお開きいただきますと、ここで評価軸がございます。これも新しく5つの評価軸を設けまして、それぞれなるべくわかりやすいやわらかな言葉でタイトルをつけてみました。(1)が美しい水辺、ここでは従来からの水質のほかに自然景観ですとか自然現象、自然の話を書いてございます。  (2)が清らかな水辺で、これは環境配慮と取り組みを書いてございます。水質向上のためのいろいろな取り組みもございますが、やはり大きな環境政策の一環としてとらえたいという観点から3R、ごみの減量のリデュース、リユース、リサイクル、あるいは地球温暖化関係の新エネルギー、省エネルギーなどこういったもの、あるいは騒音についての対策なども行っていればポイントが高いという形で考えました。  (3)が、安らげる水辺(安心・安全)でございます。水底の地形もございますけれども、これも御検討いただいた先生方の御議論でございました、津波、高波などを初めとする災害の対策も重要ではないかということ、ライフセーバーのことなどをここで規定してございます。  (4)が、これは従来、結構重視されてきました利便性を優しい水辺と書いてみました。更衣室、シャワー、トイレなど、これは従来から入っておりましたものですけれども、バリアフリーのことも書いてございます。アクセスですが、こちらは従来比較的大きな駐車場とか書いてございましたが、やはり地球環境の対策なども踏まえて、公共交通機関で書いてございます。例えば、島で駐車場は全然ありませんというところでも、船の便があればそれでよいのではないかという考え方でございます。  3ページ目ですけれども、最後これがほとんど今回新しく書かれた文章の部分でございますが、豊かな水辺ということで、水と人とのかかわりを書いてございます。①が動植物なんですが、二通りございます。1つは、特色ある動植物ということで、例えば珊瑚礁ですとかハマユウの自然群落とかあるかもしれません。でもそれだけではなく、かつて身近だった生き物との触れ合い、例えばヤドカリとかカエルとか、昔は当たり前だったものに触れたことのない子供たちが多い。これをもっといろいろ認識をしていただきたいということがございます。  あと、特色ある歴史・文化も含む水辺を生かしたコミュニティーづくり、生態系の保全活動、環境教育、エコツーリズム、これも最近の環境政策で大変大切な部分でございます。  評価発表のイメージでございますけれども、総合順位もありますが、あとカテゴリーごとにも星で表示をする。あるいは、カテゴリーごとにも第1位を選定するということで話題性を持たせ、よりよい水環境についての認識を、環境政策に関心がこれまでなかった人の間にも広めていけることができれば大変いいことではないかというふうに考えております。  以上でございます。

【須藤部会長】 どうも御説明ありがとうございました。  それでは、ただいまの太田課長、志々目室長、谷課長、それぞれ6件について御説明をいただきました。どうぞ、御質問。  どうぞ、大塚委員から。

【大塚委員】 資料7と8について、質問と意見をさせていただきたいと思います。  資料7に関して、基本的なことで恐縮ですが、この事件が発覚したきっかけは何だったかということをちょっと教えていただきたいと思います。それは、質問で非常に基本的なことで恐れ入ります。  それから、それに関連して、資料8とも関連するんですけれども、どうしてもこういう排出基準等についての問題というのは、事業者さんに対する信頼を基礎としていますので、それがもし裏切られてしまった場合にどうなるかということとの関係では、モニタリングというのは極めて重要なわけですけれども、現在、資料の8を見るとそれほど減っているということではないので、特にどうってことはないのかもしれませんが、今後こういう測定の地点数とかが減っていかないようにということが一般的には要請されるのではないかということを考えておりますので、意見として申し上げさせていただきたいと思います。  以上です。

【須藤部会長】 どうもありがとうございます。  それでは、これは太田課長。

【太田課長】 JFEの事故の発覚のきっかけでございますが、3点違反がございました。そのうちの一番最初の高濃度アルカリ水が外に白濁水として流れ出まして、それをきっかけで海上保安庁が調査に入りました。これを踏まえて、会社側の方で、調査を受けたものですから自主的に社内の測定データ等の点検を開始した。その点検を開始したところ、書きかえがあったということが判明して、それを千葉県、千葉市の方に報告があったといういきさつでございます。

【須藤部会長】 ありがとうございます。  それから、モニタリングの問題どうぞ、志々目室長。

【志々目室長】 大塚先生より御指摘いただきました着実にモニタリングを継続していく必要性につきましては、前回も御説明いたしましたように、私どもも大変重要な課題だと認識しております。実は先月の4月でございますが、公共用水域と地下水について、モニタリングの在り方に関する検討会というものを別途設置いたしまして、この中でモニタリングを着実に実施するとともに、効率的に実施するためのポイントについて5月まで御審議いただきましてまとめる予定にいたしております。これについては、その結果を関係の通知等でお知らせする予定にしておりますので、先生、御指摘のような点が着実に確保できるように努めていきたいと思っております。

【須藤部会長】 今の関連であれですか、先ほどやや減少はしているんですけれども、それでほとんど問題がないと認識をされているんですか。そうではないんでしょうか、どちらでしょうか。

【志々目室長】 今、須藤部会長の方から御指摘いただいた点でございますが、実は16年度でこの補助金がなくなったところでございますけれども、各都道府県では当然補助金があることを前提に平成17年度の計画を作ってこられていますので、正直言いますと本年度、18年度に向けての計画作りをしっかりと見ていくということが重要と考えております。このため6月ぐらいまでに先ほど申し上げた通知等を整理していきたいと思っております。

【須藤部会長】 ありがとうございます。  それでは、ほかに。  それでは、田中委員、どうぞ。

【田中委員】 今の関連ですけれども、これは小泉内閣の三位一体改革に伴って、要するに水質測定の予算が地方自治体に移された。そうした動きとこの減少というのを見ると、その政策の過程でこういう減少が起きているというふうにとらえていいんでしょうか。

【須藤部会長】 どうぞ。

【志々目室長】 今、田中委員の御指摘の減少の理由でございますが、詳細に各都道府県に確認いたしておりませんが、1つは先ほども申し上げましたように、新規の環境基準項目や要監視項目が増えたことによってそちらに資源を重点配分したところもあるのではないかと思っております。この評価については引き続き検討させていただきたいと思います。

【須藤部会長】 どうぞ。

【田中委員】 いずれにしろ、この水質測定関係のものが地方自治体の予算の中にこれからは含まれていく。測定地点数とか検体数というのは、これから総量規制とかいろいろ見ていく場合に精度にかかわってくる問題ですから、現在の状態が維持できるような担保をどういうふうにつくるか。それが今、志々目室長さんの方からお話があったんだと思うんですけれども、これは今後十分しっかりとやっていかないと精度的にかかわってくる問題ですから、よろしくお願いしたいと思います。

【須藤部会長】 ありがとうございます。  大久保委員どうぞ、お願いします。

【大久保委員】 同じ資料8ですけれども、確かに平均として見ますとそれほど今年度より減っているようには見えないわけです。前回の質問のときも、大変重要な問題なので測定回数の減少は効率化等で対応できる範囲内にとどめたいということだったと思います。けれども、この都道府県別の表を見ますと、例えば鹿児島県をはじめといたしまして、効率化で対応した範囲内であるとは到底思えないような都道府県が出てきているように思います。この調査結果を環境省としてはどのように分析され、またどのように対応しようとされているのかというところをお聞かせ下さい。

【須藤部会長】 それではどうぞ、お答えください。

【志々目室長】 今、御指摘いただきました都道府県ごとに見た場合にどうかという点でございます。この点につきましては先ほど申し上げました検討会の中でも、都道府県ごとのばらつきを踏まえて、国全体のあるべきモニタリングをどのように確立していくかということについて非常に重要な課題として取り上げていただいております。また、先ほど説明しませんでしたが、実は環境省の政策評価に関する指標、目標等を設定している分野がありますが、モニタリングの分野についても日本全体のモニタリングの水準を示す指標等の設定について、現在検討しております。先生御指摘のような各県ごとの状況もちゃんとチェックできるような体制を整えていきたいと思っております。

【須藤部会長】 眞柄委員、どうぞ。

【眞柄委員】 まず、資料自体の確認ですが、これは国直轄で、例えば河川局がやっておられるような監視計画の数は入っているのか入っていないのか、まずそれを教えてください。

【志々目室長】 御指摘のモニタリングにつきましては、水質汚濁防止法に基づくものでございまして、結果から言うと入っております。都道府県知事が各国の関係機関とも調整した上でつくるということになっておりますので、入っておる数字であります。

【眞柄委員】 そうすると、今の志々目さんのモニタリング計画の中で、必ずしも都道府県に補助金がなくなったものだけじゃなくて、国の事業として残っている部分もあるので、それに対しての評価を検討会でなされるのかどうなのかということと、それから数字には出てきていませんが、水道事業体は河川なり湖沼なり地下水の、もちろん環境基準項目とすべて一致しているわけではありませんが、現実の問題として測定をしているわけで、そういうものと要するに国全体として環境監視をどういう体制でいくのがしかるべきかという御検討もしていただいているという理解でよろしいですか。

【志々目室長】 眞柄委員の御指摘でございますが、国だけで見た場合と地方単独のもので見た場合についても内々検討をしておりますが、また必要に応じてそういうところも御紹介していきたいと思っております。先ほども申し上げましたように、来年度の測定計画に間に合わせるためにも短期間で検討しておりますので、今回とりあえず2回の検討会の中で必要最小限度のご審議いただいております。ただこれで終わるわけでございませんので、ご指摘の点もしっかりと押さえていきたいというふうに考えております。  あと、2点目の例えば水道事業体等他の分野で実施している測定とのリンケージといいましょうか、国全体としてどうしていくかという問題でございます。これも現在、例えば水道を所管している省庁と私どもが連携してモニタリングの結果等を評価するような作業もやっているところでございまして、連携を継続していきたいと思います。ただし、水道事業者のモニタリングと公共用水域のモニタリングにつきましては、制度上位置づけが違いますので、その辺に留意して十分連携を図っていきたいと考えております。

【眞柄委員】 よろしいですか。

【須藤部会長】 はい。

【眞柄委員】 これに類する話は、健全な水循環の関係の省庁会議で、いわゆる水環境をどう評価するかというところで、現実には言葉が入ったわけです。それが具体的にその後全く進行していない1つの具体的な例だと思うんですよ。そういう意味で、環境省で大変御苦労されているということはよく承知していますけれども、ぜひ健全な水循環の枠組みはまだ残っているというふうに思っていますので、そこの中でぜひ御議論をしていただいて、国民に水環境がどういう姿であるかということを、田中委員がおっしゃられたように、より具体的にわかるような工夫を、御議論をしていただきたいと思います。お願いします。

【須藤部会長】 ありがとうございます。  ぜひ事務局の方、今の提案は考慮して進めていただきたいと思います。  ほかにいかかでございましょうか。まだちょっと時間的に余裕がありますので、それでは特にこの6つの報告事項以外で、日ごろから水環境について、今、眞柄先生からも、これはモニタリングのところであったわけですけれども、何かぜひこういうことを検討してほしいというようなこともありましたらどうぞ、二、三御意見を承りたいと思います。  よろしいですか。どうぞ、池田委員。

【池田委員】 1つはお礼なんですが、昨年だったでしょうか、河川水質の今までベストテンとワーストテンというのが新聞等で発表されていたんですが、改善率のベストテンも発表していただきたいということを申し上げたら早速やっていただきましてありがとうございました。あるところから、早速そのデータ等が出て大変感謝をしておりました。そういうインセンティブか働くような格好でこれからもお願いしたいと思います。  それから、もう1点最近気になるんですが、この間テレビでNHKでもやっていたと思いますが、水道の料金が高いので地下水に転換をするというものが出ておりました。従来、地下水をくみ上げると地盤沈下を起こすので、それを表流水に転換をしていったという経緯があったと思うんですが、それが経済的な面で昔戻りをひょっとするとまたこれから起こすのではないかという危惧がございます。  それからもう一つは、地下を熱をためる場所に使いたいというのが建築物等で出始めていまして、地下の熱汚染の問題がこれからひょっとすると起こるかもしれないという気がします。それらについて、今後やはり検討しておく必要があるのではないかなと思います。  以上です。

【須藤部会長】 どうもありがとうございます。  そのほかございますか。それでは、田中委員と宮原委員、それから中野委員、一応その三方で。

【田中委員】 今、池田委員の発言に関連するんですけれども、地下水のモニタリングについても、今、環境省さんの方が来年度以降の担保をどうするかということをやっていらっしゃると思うんですけれども、この水質の方は一応環境基準というものがありまして、法的根拠がある程度あるんですね。  ところが、地盤沈下に絡む地下水に関しては環境基準がないというのが非常に大きな問題でして、それを国の予算ではなくて地方自治体に予算を移したときに、何を根拠として地方自治体は地下水のモニタリングの予算をとるかというのが大きな問題として上がってきている。その辺のところをこれまでは地盤沈下部会という名前で呼ばれていたこの水環境部会において、地盤沈下に関しては多分ここが扱うのではないかと思うんですけれども、ぜひその辺のところを難しい問題が考えられると思いますが、ある意味では早急に動かないと、先ほど言ったような地下水に関するビジネスがもう始まってきている。これは、大きな流れでして、それも法的にきちっと規制することが非常に限られている、地下水に関してですね。ですから、ビジネスが入り込む余地があるのではないか。その辺のところも含めて地盤沈下の問題に係る地下水規制の問題を早急にここで検討していただきたい。

【須藤部会長】 どうもありがとうございます。  それでは、宮原委員、最後に中野委員ということにさせてください。よろしくお願いします。

【宮原委員】 河川の話が出たので申し上げたいんですけれども、我々、漁師が山に木を植えるという運動を全国的に展開しておるんですけれども、せっかく山に木を植えても豊かな水が海に届かない、つまりダムがあったり農業取水があったり、いろいろな取水があるわけでございまして、せっかくそういう天然の豊かな水が海に注ぎ込まれることがこの水環境をよくすることにつながると思いますので、こういった観点から河川行政とうまく連携をとって海の水質改善につながるような施策を講じていただきたいと、こういう検討をしていただきたいとお願い申し上げます。

【須藤部会長】 ありがとうございます。  それでは、中野委員。

【中野委員】 すみません、今、地下水のお話が出ていたんですけれども、私も地元の地下水の委員会に入っているんです。でも、だんだん予算が少なくなってきて、今までの何回かするのがだんだん回数が減ってきたというのが現状でございますので、やっぱり環境の面からもいろいろな予算は大切だと思いますけれども、できるだけまた国の方も支援をしていただけたらなと思います。  そしてもう1点、今、谷課長がお話になりました快水浴場の件ですけれども、これは大変今までの環境庁の趣と違いまして優しいきれいな言葉で、国民へも、身近に感じられて、そして自分たちの地域を再認識する大変よい機会だと思いますし、環境教育からもぜひともこういうことを地域に広げたいなと、そのように思っておりますし、御支援よろしくお願いします。

【須藤部会長】 もう1人追加で、薗田委員どうぞ、お願いします。

【薗田委員】 実は、環境報告書を作成する仕事をしています。今回JFEスチール 社の件があったんですけれども、それぞれ発行されている企業さんの名誉にかけてちょっと一言申し上げたいと思います。環境報告書は、今1,000社ぐらい出されているんですけれども、こうしたデータの捏造とか、虚偽の記述に関しては基本的に企業では、そういうことがないようにと非常に厳しい内部監査、あるいは外部の監査を入れてやっていらっしゃるところがほとんどです。1,000社のうちほんの数件ぐらいはあるかもしれませんが、すべてがそうではないという形でぜひ見ていただければと思います。実際には何百万とか、何千万とかけて実は報告書を作成する企業としては、その中で1つでも間違ったデータがあるとやはり企業の信頼にかかわってくるので、データの取り扱いについてはどの企業も非常にきちんとやっていらっしゃるということが前提になっています。  あともう1点先ほど総量規制の問題でやはり50立方メートル以上の特定事業所のみが対象ということだったんですが、例えばいろいろな企業のグループ会社で子会社になってきますと、大きいところでしたら年間で1万8,250立方メートル以上になるので当てはまりますが、小さいところになりますと、それ以下でかなり網の目をくぐり抜けてしまうというケースがあるかと思います。今回は、やはり7割以上ができればいいという話ではなく、100%でやっていくということが基本になってくるのではないかと思います。1点、非常にベストプラクティス的でいい例を御紹介しますと、「おーいお茶」というのを出しているお茶のメーカー会社ですが今トレーサビリティーを非常に熱心にやっていらっしゃいまして、報告書の中でも紹介しています。契約栽培をしているところには、多くの小規模のお茶園があります。そういうところは、 当然50立方メートル以下になってくるんですが、そこに対してやはり安全性の問題で原材料の中に農薬等とか化学肥料が余り含まれないように厳しい指導をされています。そうした取り組みがやはり企業価値を上げることにもつながり、お茶園の方にも公表です。メーカーからきちんと指導されることで、自分たちがつくったものの付加価値を高く上げていくことができます。もちろん、農薬と化学肥料も非常に高いものですから、コスト的にも下がってくるというメリットもあり、非常にいい循環型農法についての流れが出てきていると思います。こうした例からも大手の企業からサプライチェーンマネジメント、いわゆるグリーン調達、あるいはさっきのCSR調達という形の指導をしていただくように進めていくという方法も効果的なのではないかと考えておりますので、ぜひよろしくお願いします。  今日、そのお茶会社の報告書は何冊か持ってきておりますので、もし御興味ある方はご覧になってください。ありがとうございます。

【須藤部会長】 どうも御意見ありがとうございます。  それでは、大体予定した時間がまいりましたんですが、今いろいろ地下水の問題を初め、さまざまな御意見をいただきました。特に、地下水と地盤沈下の問題等、今事務局にお答えをいただこうかとも思いますが、多分準備をされていないと思いますので、少し勉強の時間を与えてください。では最後に、まとめは水環境部長にやっていただきますが、ということで受けとめていただいたと思いますので、では、水環境部長どうぞお願いします。

【甲村部長】 まず、皆さん御存じでしょうけれども、いわゆる国の補助金がなくなった分の8割は自治体にいっているということです。その8割の根拠としては、地方自治体がそういう国との面倒な手続とかをやめれば、それだけ合理化して従来やっていた分はできるとおっしゃっているので、今、我々がやろうとしているのは先ほどの公共用水域の水質、それから地下水の水質、それから今回説明しませんでしたけれども、地盤沈下と地下水観測につきましては、ちょっと法定受託事務と自治事務という性格の違いはあるんですけれども、従来、各自治体がやっておった観測の回数なり項目をどのような形で担保してやっていただくかというのをまずはとりあえずつくろうというふうにしております。眞柄先生からお話があった他の事業体とのデータの関連をどうするのかとか、その辺をもう少しかけてと考えております。  それからあと、山からの栄養塩の連続の話だとか、それからいわゆる未規制の事業場、これは総量規制だけではなくて水質汚濁行政全般にかかわる問題でございまして、要は昔はとりあえず50立米以上の事業場、それからまた地域によっては各自治体ですそ下げということで30とか10とかということで濃度規制を行っておって、それが今も続いているわけですけれども、それをこのまま現状のまま続けていいのかどうかという問題と関係してきまして、昔は生活排水の処理率が非常に低うございましたから、小規模な事業場も処理せずに出してもいいだろうというような全体の合意があったかと思いますけれども、だんだん生活排水の処理率も上がってきておりますから、そういう未規制なり小規模事業場の処理をどうするかというような話は、水環境行政全般との関係の中で考えていかなければならない問題だと思っておりますので、また御指導方よろしくお願いいたします。

【須藤部会長】 どうもまとめていただきまして、ありがとうございました。  それでは、その他何か。  田中委員、どうぞ。

【田中委員】 地下水のモニタリングに関しては、部長さんおっしゃっているとおりで、そこまではいいんです。その先なんですよね。その先へいったときに、水質は先ほど言ったように水質基準があるわけですね。ですから、これは法的にな規則がある。ところが、地下水に関してはそれがない。そこのところをしっかり考えてやっていかないといけないのではないかというのが、先ほど私がお願いした件です。

【甲村部長】 地下水の法的な問題、ずっと昔から議論がある中で、すぐに結論が出る問題ではないかと思いますけれども、私はNHKのBSの放送を見ておりますので、くみ上げる問題と、あと一部としては逆に東京下町では上昇の問題もあると、両面から地下水位の管理をだれがどうするかというのを考えていかなければならないと思っております。

【須藤部会長】 志々目室長何か、今後こう検討しますということがあれば。

【志々目室長】 今、甲村部長の方から申し上げたとおりでございますが、水位が上昇している話も、また違う分野での取水の増加というような話につきましても、どちらにしても今部長が申し上げました管理をしっかりするというところの重要性は変わりないところでございます。地下水位、あるいは地盤沈下の問題を国が一律の基準でやれるかどうかということも過去の経緯も見つつ、検討しておりまして、やはり各地域ごとにある程度モデル的にやっていく部分が必要ではないかと考えております。昨年度から地下水の水位等を適切に管理するための技術的な手法等について、大阪地域においてモデル的に実施しております。こういった事例を増やしつつ、また、こういう問題は私ども環境省だけではなくて、幅広い関係省庁と関係の皆様方がいらっしゃいますので、関係者が協力しつつ検討されるべきものと思っております。

【須藤部会長】 それでは、ありがとうございました。  最後に、それでは事務局から連絡事項お願いいたします。特にございませんか。  それでは、大変本日は御熱心な討論をいただきましたことをお礼申し上げます。そして、これをもちまして本日の議事すべて終了させていただきました。  どうも本日はお疲れさまでございました。

午後 4時45分 閉会