環境基準健康項目専門委員会(第18回)議事録

日時等

日時:令和2年3月31日(火)15:00~17:00

※ Web会議により実施

議事録

令和2年3月31日(火)15:00 開会

○小林係長 それでは定刻となりましたので、中央環境審議会水環境部会第18回環境基準健康項目専門委員会を開会いたします。委員の皆様方には、ご多忙のところご参集いただきまして誠にありがとうございます。

本日は、昨今の情勢を鑑みて、WEB上での会議とさせていただきました。委員の皆様方には、ご不便をおかけいたしますが、何とぞご協力の程よろしくお願いいたします。

本日は、委員総数10名中7名のご出席が予定されており、ただいまのところ7名のご出席をいただいておりますので、すでに専門委員会開催の定足数を満たしておりますことご報告いたします。

それでは、議事に先立ちまして、環境省水・大気環境局長の小野よりご挨拶申し上げます。

○小野局長 委員の先生方、本日はご多忙のところ本専門委員会にご参加いただきまして、誠にありがとうございます。また日頃より水環境行政の推進につきまして、格別のご指導をいただいていることに対し御礼を申し上げたいと思います。

本日は、新型コロナウイルスの感染の拡大と言うことでございまして、WEB会議ということで、まだ慣れないところではございますが、もしかすると今後はこういう形式の方が標準的なものになるかもしれないと考えております。ぜひご協力をお願いしたいと思います。

環境省におきましては、平成14年8月15日に、中央環境審議会に水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準等の見直しについて諮問を行いまして、これまでこの諮問に基づきまして、計17回の審議が行われ、第4次の答申までをいただいております。

今回でございますが、現在、要調査項目になっておりますPFOS及びPFOAについて、その位置づけや目標値について最新の国内外における動向や、水環境中における検出状況等を踏まえまして、ご審議をいただきたいと考えております。もし可能であれば、本日その結論を出していただければと考えているところでございます。

WEBということで、若干議論が少し難しいかもしれませんが、ぜひ活発なご議論をお願いできればと思います。以上、よろしくお願いいたします。

○小林係長 ありがとうございました。環境基準健康項目専門委員会につきましては、5年ぶりの開催となりますので、改めて、委員のご紹介をさせていただきます。お送りした委員名簿の順にご紹介させていただきます。なお、本日はWEB上での開催となりますので、お名前のご紹介のみとさせていただきます。

はじめに、国立研究開発法人国立環境研究所 名誉研究員の白石委員長でございます。続きまして、国立保健医療科学院生活環境部 上席主任研究官の浅見委員でございます。続きまして、放送大学 理事・副学長の岡田委員でございます。続きまして、京都大学 名誉教授の内山委員でございます。続きまして、元 東京都環境科学研究所の佐々木委員でございます。続きまして、国立医薬品食品衛生研究所 安全性生物試験研究センター 安全性予測評価部長の広瀬委員です。続きまして、公益財団法人日本植物調節剤研究協会研究所 技術顧問の與語委員です。

なお、本日は、大塚委員、長谷川委員、平沢委員につきましては、ご欠席と伺っております。続きまして、環境省側の紹介をさせていただきます。水・大気環境局長の小野でございます。続きまして、水・大気環境局総務課長の関谷でございます。続きまして、水・大気環境局水環境課長の筒井でございます。続きまして、課長補佐の伊藤でございます。続きまして、課長補佐の新保でございます。続きまして、環境専門員の能登でございます。私、係長の小林です。続きまして、水・大気環境局地下水・地盤環境室長の堀上でございます。続きまして、環境専門員の佐藤でございます。

○小林係長 以上になります。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

続きまして、資料の確認に移ります。資料は議事次第に記載の通り、議事次第、委員名簿、資料1、資料2、参考資料1、参考資料2を事前にメールにてお送りしております。もし、不足等ございましたら、改めてメールでお送りいたしますので、お申し出ください。なお、本日は画面上のスライドにて進行させていただきますので、適時お手元にご用意いただいた資料をご参照いただきますようお願いいたします。

それでは、以降の進行は白石座長にお願いいたします。

○白石委員長 はい、白石です。ご指名ですので、進行役をやらせていただきます。第18回の環境基準健康項目専門委員会ということですが、私この専門委員会出席するのは初めてということでございますので、進行に不慣れではございますがよろしくお願いいたします。

初めてということで少し過去の審議の状況を見ましたけども、平成22年から環境情報の整理とか、平成26年には要調査項目への位置づけ等が審議をされておりました。もう少し情報が整理されたということで、審議を深めようということとなっております。

それでは、最初の議事ですが、PFOS及びPFOAにおける水環境に係る目標値等の検討について説明をお願いしたいと思います。では、事務局から説明をお願いします。

○伊藤課長補佐 改めまして、水環境課の伊藤でございます。先生方、今日はどうぞよろしくお願いいたします。もし途中でも音声不具合等発生しましたら、手を上げていただいたり、何かチャットでいただいたり、お知らせいただければと思います。

本日ですけれども、資料2という形でお示ししている答申案、第5次報告案をご議論いただきたいと思っているわけですけれども、先生方には事前に配布もさせていただいておるので見ておられる方もいらっしゃるかなと思いますけれども、こういったWEB会議でもございますので、パワーポイントを画面上に映しているところで、特にご議論いただきたいポイントをまずお示しして、ご議論いただければと思っております。それでは、説明させていただきます。

まずは4ページでございます。本日PFOS・PFOAの目標値等の検討をお願いしたいと思っているわけですけれども、まずはその何らかの目安となる値の設定についてご議論いただきたいと思っておりまして、ここには背景と経緯を簡単にまとめております。まずは2014年になりますけれども、PFOS・PFOAについては、要調査項目いわゆる環境リスクに関する知見の集積が必要ということで、その項目として環境省で位置づけて、知見の集積を図ってきたという経緯がございます。また、2009年には、PFOS自体がいわゆるPOPs条約の中で、製造・使用あるいは輸出量の制限となる付属書Bというものに掲載が決定されて、化審法でも一特に指定されているというところであります。また、PFOAについては、昨年でありますけれども、第9回の締約国会議で付属書Aへの追加が決定されていまして、化審法でもそれが検討されているというところでございます。世界的にはですね、飲料水中のいわゆる基準値相当の値は設定されていないという状況ですけれども、次のページに参りますと、その背景としてWHOの方ではですね、耐容一日摂取量、TDIですけれども、設定されていないと。ただ、各国・各機関では、飲料水自体の目標値設定の動きがあり、厚生労働省においても、いわゆる水質管理の位置づけを適切に行うという観点から、昨今、暫定目標値として50ng/Lという値を設定して、この4月1日から適用予定という状況です。それから、検出状況に参りますと、公共用水域であるとか地下水からの検出が確認されています。都道府県が独自にやっている調査でも、検出がされているという状況でございます。

このような状況の中で、人の健康被害に係るリスクの未然防止のために、水環境の基準の体系上においても何らかの目安の値を設定することとしたいというところで、本日ご提案、審議いただくということにさせていただいております。こちら、概念図でございますが、そういった目安値の設定の中で、特に大きくは2つご審議をいただきたいと思いますけれども、1つは目安の値として、水環境について50ng/Lという値の設定についてご審議いただきたいということ、それから、先ほども申し上げましたけれども、今PFOS・PFOAについては下の方になりますけれども、要調査項目でいわゆる知見の集積を図っているというところですけれども、この位置づけについてですね、我々環境省に加えて都道府県というところも併せて、いわゆる調査の実施に努めて、水環境の管理に活用している要監視項目というところに格上げてはどうかというところをご審議いただきたいと思っております。中身に入らせていただきますけれども、いわゆる値の設定というところに関しましては、これまでの水環境に係る目標値設定の考え方に従いまして、真ん中にあるいわゆる分母分子の関係ですけれども、1日あたりの摂取量を分母にとって、TDIと体重、それから水の飲用の寄与率というところを掛け合わせで値を設定してはどうかと考えております。下のところにありますけれども、TDIにつきましては、各国・各機関が近年行った毒性評価の中で妥当と考えられるものの中で最も低い値を採用したと思っておりまして、厚生労働省の水道水の暫定目標値にも用いられておりますけれども、いわゆるPFOSについては、オーストラリア、ニュージーランドの食品安全機構と、アメリカEPA、それからPFOAについても米国EPAで用いている、20という数字を用いたらどうかと思っております。1日あたりの摂取量と体重については、これまでの水環境に用いている値をそのまま用いてはどうかと思っておりまして、ポイントとなります寄与率につきましては、上の箱になりますけども、いわゆる食品群あるいは生物からの検出事例も報告されてますので、必ずしも自らの摂取が主要な暴露経路であるという根拠は今のところないのではないかということで、こちらも従前の考え方に従いますと、適切な情報が十分得られていない状況ですので、10%という値を設定してはどうかと考えておりまして、提案させていただいております。で、もう1つ大事なポイントといたしまして、PFOSとPFOAのいわゆる合計値、合算値という扱いでいかがかなというところをこのパワーポイントに示しております。参考にしているのは、米国の考え方などですけれども、PFOS・PFOAの類似のですね、発達影響に基づいて米国が算出しているという、あるいは、飲料水中にPFOS・PFOAが同時に見られているとういことで、米国では70という値を生涯健康勧告値という形で設定してますけども、こちらは、米国でも安全側の観点から合計値、合算値としての値を導出しているという風に承知しています。厚生労働省もこの考え方を引用しておりますし、1番下ですけれども、水環境中においてもPFOS・PFOAで異なる挙動を示すといった根拠が今のところないという状況でございますので、我々としても合計値という形でここに事務局として提案させていただいております。

それから、駆け足で恐縮ですけれども、2点目のポイントといたしまして、位置づけの変更についてもご議論いただきたいと思っております。要調査項目から、要監視項目への引き上げというところをご検討いただければと思っておりますけれども、お示ししているのは平成26年に出している、いわゆる水質汚濁に係るいわゆる環境基準等の見直しについての第4次答申という形になります。ここでは、いわゆるその要監視項目の設定の考え方の中で、毒性情報等に基づいて得られるその健康保護の観点から考えるというポイントと、それから、我が国の水環境中での検出状況などを踏まえるというところが明示されております。PFOS・PFOAについて、改めて簡単に整理させていただいておりますが、繰り返しになりますけれども、知見については、WHOではTDIがない状況ですが、各国・各機関においてはある程度知見が集積しつつあり、有害性毒性評価値の知見などもあるという状況です。それから、検出状況ですけれども、国内外などの法規制等を受けまして、国内における発生源は、限定されているものと考えられますけれども、公共用水域あるいは地下水からの検出が確認されているという状況でございます。で、ご提案ですけれども、水環境中における検出状況については、引き続き注視をする必要があるということで、要監視項目に位置づけてはどうかとご提案させていただければということでございます。で、その中で、今回どのような形でこのPFOS・PFOAを目安の値、目標値として設定するかというところも提案させていただいております。ちょっと箱の中、繰り返しになりますけれども、WHOの中では、いわゆるガイドライン値設定の参考にしている、採用している方法ですけれども、今のところ現時点で、ガイドライン値は定められていないという状況です。また、近年各国・各機関において目標値等の設定が行われているという状況ですけれども、各国の評価については、まだばらつきもあるという状況ですので、こちらにご提案させていただいているのは、このような状況の中でいわゆる指針値(暫定)という形でご提案をいたしております。ポイントとなるのは、WHOでガイドライン値がないという中ではありますけれども、指針値という位置づけに暫定というものを置いて、水環境基準の体系の中で位置づけていただくのはどうかなと言うところがおポイントでございます。以上でございます。

○白石委員長 はい、では、ただいまの説明に対しまして、ご質問・ご意見を受けたいと思います。何かご意見があれば、挙手あるいはマイクをオンにしていただければ。WEB会議なので、少し発言しにくいと思いますので、順番を追ってご意見を伺いたいと思いますけれども、まず目標値についてですが、PFOS及びPFOAについて目標値を設定することについてご意見がある方お願いします。新たな知見が集積してきたというところで、国内外での動向を踏まえ、改めて目標値を設定するということです。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。

○與語委員 よろしいでしょうか。

○白石委員長 はいどうぞ。すいません、お名前をまず。

○與語委員 すみません。與語です。質問なんですが、お送りいただいた補足資料の4ページ目に3ポツ以下の取扱方針案というのがあるんですが、これをずっと見ていくと、PFOSとかPFOAっていうのは、いろんな関連物質なんかもあるんですが、ここではどういう風に具体的に特定してやっていくのかを説明していただけると助かるんですけども。

○白石委員長 はい、これは、事務局からでよろしいですか。はい、お願いします。

○小林係長 それでは、事務局の方からお答えさせていただきます。ご質問の件につきましては、PFOS及びPFOAの特定ということについてなんですけれども、こちらはつまり、調査時の分析上での特定ということでよろしかったでしょうか。

○與語委員 はい、多分いろんな形があるので、どっかにたとえば標準化するとか、何か分からないですけど、分析上こういう風にしてまとめるとか、何かあればお願いします。

○小林係長 かしこまりました。その件についてですけれども、資料2の方の答申案の方でも「4.分析方法」というところで記載はさせていただいておりますが、今、分析方法については別途環境省の方で各委員の先生方のご意見をお聞きしながら内容の見直し等を行っているところでございます。こちらにつきましては、改めて公表という形を取らせていただければと思っているところでございます。その中で、現時点の検討状況としてお伝えさせていただくところといたしましては、PFOS及びPFOAにつきましては、その中に直鎖、側鎖それぞれ物質がございますが、そちら両方とも定量して測り、PFOSについて直鎖、側鎖の合計、PFOAについて直鎖、側鎖の合計で今回この50ng/Lの値について評価しようと考えているところです。

○白石委員長 はい、與語先生、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。

○與語委員 それも含めてですけれども、各国の基準とかを見ていると、PFOAとかPFOSの関連物質とかいろいろなことが書いているので、それらも今の話でいくとまとめていくということになるんでしょうか。

○小林係長 今回目標値として特定させていただくのは、あくまでPFOS及びPFOAの酸としてということになっております。なので、今おっしゃっていただいた関連物質等については、今回の目標値の設定の対象物資としては含まれておりません。今後、必要に応じて国際的な情報等も踏まえながら、他の物質についても知見の集積に努めていきたいと考えております。

○與語委員 はい、了解しました。

○白石委員長 はい、ありがとうございました。他に、ご意見・ご質問をお願いいたします。よろしいでしょうか。化審法なんかでは、PFOAはいろんな関連物質ございますので、酸ばかりでなくて、前駆体まで含めていますが、今回ここで決めるのは酸の形であるものということで、ご理解いただけましたでしょうか。よろしいでしょうか。他、ご意見ございますでしょうか。では、目標値を設定するということについては、ご了解いただけたということでよろしいでしょうか。はい、ありがとうございます。

では、毒性の方に話を移したいと思いますが、スライドでいうと7ページ目ですかね。TDIとして、20ng/ kg/dayを採用したいということですけれども、これについてご意見のある委員の方いらっしゃいますでしょうか。これは水道の方で検討、あるいはこの前の検討会の方でもすでに検討されているという風に伺っておりますので、もしも検討会での状況について補足等がありましたらお願いしたいと思います。いかがでしょうか。

○広瀬委員 検討会でも説明しましたが、TDIにつきましては、水道の方で水質管理を行うための暫定目標値というのを決めた値、そのときの考え方がもとになるという風に考えています。PFOS、PFOAについては、10年以上にわたって様々な機関による評価がなされています。古くは生物試験、NOAEL等をもとに寄与するといったやり方でしたけれども、最近、この5年間位は、人と動物で体内状態が結構違うという性質がありますので、体内状態をPBPKモデルで補正するという比較的新しい手法でTDIを設定すると、そういった考え方で行っているという傾向になっております。そういった傾向の中で、国の評価機関レベルで最も低い安全側と言うことですね。実際このPFOS、PFOAの評価について、けっこう色々な情報がありまして、すべての評価機関でとりまとめに時間にかかっているわけで、我が国でも時間をかければいいんでしょうけども、時間的に余裕がないということで暫定的な考え方をとる、という考え方から各国で最も安全側を見ている値、それが米国の環境保護庁EPAとかであると。これが一番厳しめに評価しているといったこともあります。それで、その値がPFOS及びPFOAともに20 ng/kg/dayが設定されている。これが適当であるということで目標値を設定したところです。毒性の評価は、実はもっと厳しい評価をしているところも米国の各州でありますし、さらには、最近はヨーロッパのEFSAという食品安全機構で評価した値はかなり低い値ということで、その毒性学的根拠というのにまだ国際的な合意が得られているような指標ではないなど、そういったことを考慮して、国際的評価機関でも、国レベルで最も安全側に評価しているという観点から米国EPAの値が妥当であるということで採用しています。以上です。

○白石委員長 ありがとうございます。毒性学的な見地から20 ng/kg/dayは妥当であるというご説明でありましたけれども、他の委員の方で何か補足の説明あるいはご意見があったらお願いします。

○内山委員 内山ですが、よろしいでしょうか。

○白石委員長 はい、お願いします。

○内山委員 ちょうど広瀬先生がご発言になったので伺いたいんですけれども、日本はここに書いてあるようにWHOに従ってこの式でやっているわけですが、米国のEPAで今回70と出したときには、水の飲用に関する寄与率が20%で、それで1年あたりの摂取量というのを直接水を飲むということだけではなくて、直接と間接と併せてというような感じで出されているというように読み取れたのですが、これはもちろんWHOの式を日本はずっと取り入れているので今回は特に問題ということではないんですが、ここではそういう、もとからそういうような考え方でやっていたと考えてよろしいのでしょうか。勉強のためにお聞きしたいと思ったのですが。

○広瀬委員 EPAの式は申し訳ありません、その、直接の水以外の寄与率というところで20%ということについて、ちょっと私もどうしてデフォルトが20%というところは承知していないんですけれども、WHOは寄与率20%で、現在デフォルトとなっています。日本では現在デフォルトを10%という式になっています。

○白石委員長 そうですね。デフォルトとして10%、それから1日の飲水量2L。これはずっと日本もやってこられたと思うので、それに関しては全然問題ないと思うんですが。

○広瀬委員 米国は今回2Lではなく体重当たりの飲水量という換算でやっています。だから、2Lという値を完全には使っていない。

○内山委員 使っていないのですね。特にわざわざことわっているというのは、動物実験が経世代的な影響ということに関わっていると考えてよろしいのですか。

○広瀬委員 そうだと思います。

○内山委員 ありがとうございます。

○白石委員長 ありがとうございます。EPAは少し違った計算方法で70という値をだしているそうですけれども、これまでに日本のやり方で行っていくということに関してはよろしいでしょうか、内山先生。

○内山委員 これは、特に今回問題にするというわけでなくて、広瀬先生にちょうどご発言いただいたので、私から特に異議があるとういわけではございません。

○白石委員長 ありがとうございます。他の委員の方でご質問、ご意見ありましたらお願いします。

○與語委員 與語ですけれども、よろしいでしょうか。

○白石委員長 はいどうぞ。

○與語委員 これも異議でなく質問なんですけれども、先ほど広瀬先生が説明されていた中で、各国の条件を見ると、EFSAだけ大きく根拠が違うように思うんですが、これは何か理由があるんですかね。

○広瀬委員  EFSAの場合は、コレステロールの増加とか抗体の覚醒とか、そういった疫学的なデータが相関しているという、これを持ってして、そこから計算すると、かなり値が低くなったということがあります。ただ、この疫学のデータについて、最近いくつか新しく報告されているんですけれども、まだその毒性学的な基準設定というところで正しいかどうかというコンセンサスという意味では、必ずしも各国の専門家でまとめ切れているという状況ではないということもあってですね、そういった疫学データを駆使して、そういった値を設定したという状況だと思います。

○與語委員 ありがとうございました。

○白石委員長 はい、ありがとうございます。他いかがでしょう。

○浅見委員 すみません、国立保健医療科学院の浅見ですけれども。

○白石委員長 はい、お願いします。

○浅見委員 先ほども広瀬先生からご説明いただきました。ありがとうございました。水道の方で同様にこちらの50ng/L決めたときにパブリックコメントをしておるんですけれども、パブリックコメントで専門家の方からご質問いただいておりますので、一応その補足もさせていただければと思うんですけれども、今回の授乳期の摂取によって、次世代の方で体重減少があったというところをポイントにしているので、これは2Lの通常の人の飲水量を使うのが適当ではないのではないかというご指摘がありまして、水道課の方でも相談して調べましたところ、日本人の一般的な平均的な飲水量は1L程度なんですけれども、それに比べれば十分余裕あるということと、アメリカでも平均的な授乳期のお母さんの摂取量ということでは2L程度ということでしたので、あまり細かくパブリックコメントのところでは答えてはいないんですけれども、その辺の情報は踏まえた上で今回の値が十分安全なんではないかということで提案に至ったような次第であります。

先ほど白井先生から目標値というようなご表現があったんですけれども、今回のは、暫定の指針値というような扱いになるのでしょうか。目標値と指針値の用語の使い分けが分からないところがありましたので、可能であれば教えていただければと思いました。

○白石委員長 じゃあ、これは事務局からお願いします。

○伊藤課長補佐 事務局でございますけれども、何らかの目安の値ということで目標値という形の用語を用いておるんですけれど、実際その水環境の体系の中でどういう名称で位置づけていただくかというところでは、「指針値(暫定)」が正確な表現になります。分かりにくくて大変恐縮ですけれども、今回ご議論いただいて了承いただければ、いわゆる要監視項目という中で「指針値(暫定)」として位置づけさせていただくというご提案でございます。以上です。

○浅見委員 はい。これは、これまでの表現ということで理解したんですけれども、水道の方では目標値というところの代わりに、多分、評価値という言い方をしているのかなと思いましたので、そういうものなのかなということで理解いたしました。

ちょっと補足なんですけれども、寄与率のところで10%といいますのは、余裕を持ってというか、今までも同じように水道の方ではなるべく低い値で今回は暫定的な値であることもあって10%でいこうということになったんですけれども、他にも食品ですとか大気とかのデータも分かる限りで拝見している限りでは、食品の摂取量もかなり減ってきているようですし、大気の方でも昔ちょっと高いところがあったようなんですけれども、今ではだいぶ減っているということで十分余裕があるんではないかというふうに考えたうえで割当率としては、水道では割当率という考え方で10%を水道に割り当てようということで考えましたので、それとも整合しているのかなという風に思っています。以上です。

○白石委員長 はい、ありがとうございました。他いかがでしょうか。よろしいでしょうか。

○佐々木委員 佐々木です。よろしいでしょうか。

○白石委員長 はい、佐々木先生。お願いします。

○佐々木委員 今までお聞きして、PFOS、PFOAは他の物質への転換が進んで濃度は下がってきているわけですけれども、一応難分解性ですので、浄水場での処理が望めない化学物質ですから、水道水の管理の暫定目標値と整合するというのは非常に適切かなという風に考えております。その際ですね、評価にあたっては、今、環境省の方でも別途ご検討いただいているようですけれども、精度の高い分析法で何を評価するか、先ほど直鎖体と側鎖の合計値というようなお話もありましたので、その辺をしっかりと決めていただければと思います。以上です。

○白石委員長 はい、ありがとうございました。他にご意見ございますでしょうか。TDI、寄与率10%、それぞれ妥当であるというご意見を伺ったと思いますが。ただ、EPAの決め方については少し勉強が必要かなという風な印象を受けましたので。

○伊藤課長補佐 事務局でもEPAの方、調べられる範囲で調べたいと思います。

○白石委員長 はい。今後の寄与率の設定にも関わるかもしれませんので、そこのところ勉強していただくということでよろしくお願いしたいと思います。他いかがでしょうか。よろしいでしょうか。このスライドでは特に問題が無いようですので、それでは50ng/Lという目標値案となってますけども、これについて他になければこの目標値案をまずはお認めいただいたとさせていただきたいと思います。よろしいでしょうか。

次にこの50ng/Lという目標値案ですけれども、PFOS、PFOA と合算することについてご意見ございますでしょうか。よろしいでしょうか。合算の考え方については、このような考え方でよろしいでしょうか。類似の発達影響に基づいて算出されており、同時に検出されるということで合算値をもって評価するということですが。

○広瀬委員 よろしいでしょうか。

○白石委員長 はい、どうぞ。

○広瀬委員 広瀬です。

○白石委員長 はい、お願いします。

○広瀬委員 存在という観点から合算と言う観点について、私は特に意見というか、コメントはないんですけれども、構造もよく似ているということもありますけれども、例えば動物実験で影響を見たときには、同じ重合体を介した反応であろうと、これは人への階層性という観点から疑問があるということですけれども、少なくとも同じ生体分子と反応するということ、あるいはTDIの根拠となった次世代への影響という観点から、両物質には同様の影響が認められるということから、また、同じ挙動を示すといったところをもって合算とするということについては毒性学的には妥当ではないかと考えております。以上です。

○白石委員長 はい、ありがとうございます。 妥当であろうというご意見ですが、他の委員の方いかがでしょうか。よろしいでしょうか。では、PFOS、PFOAの合計値として50ng/Lを設定するということにさせていただきたいと思いますが、いかがでしょう。それではお認めいただいたものとさせていただきます。

次に要監視項目に位置付けることについてでございます。今は、要調査項目ですが、これを要監視項目に位置付けるということでございます。スライドにありますけれども、このような考え方でそうしたいということですが、いかがでしょう。

○浅見委員 すみません。浅見ですけれども。

○白石委員長 はい、よろしくお願いします。

○浅見委員 ちなみにちょっとお伺いしたいんですけれども、要調査項目の場合と要監視項目の場合とで、集まるデータの点数ですとか精度とか頻度とかといったもので何か違いがあるようであれば、その辺のご紹介をいただけるとありがたいんですけれども。

○白石委員長 はい。これは事務局の方からお願いします。

○小林係長 それでは、事務局からご回答させていただきます。要調査項目から要監視項目の位置付けの変更で大きく変わる点として、今スライドの方に映させていただいております。要調査項目はあくまで環境省が水環境中の調査の実施等により知見の収集を実施するということを記載しておりますが、要監視項目におきましては、国だけでなく各都道府県が水環境中の調査の実施に努め、水環境の管理に活用ということになりますので、要監視項目に位置付けることによって各都道府県において調査が推進されていくことが予想されております。ただし、要監視項目は、調査義務というわけでなくあくまで各都道府県任意で調査が実施されますので、要監視項目の位置づけによって具体的にどの程度の地点数になるかということは、今の時点ではちょっと分かりかねますが、要監視項目に位置付けを格上げすることで監視強化は十分に果たせるのではないかと考えております。

○白石委員長 浅見先生よろしいでしょうか。

○浅見委員 はい。ありがとうございます。できれば都道府県さんとかが測定できるように予算を回していただくとか、何かスキームを考えていただけるとデータがちゃんと集まってくるかなと思いました。よろしくお願いします。

○白石委員長 ありがとうございます。他にご意見をお願いします。ご質問でも結構です。よろしいでしょうか。要監視項目に位置付けてモニタリングを強化するということになろうかと思いますが。特にご異議がございませんようですので、要監視項目に位置付けるとさせていただきたいと思います。

次に、先ほどスライドが出ていましたけれども、また言葉が少し目標値だったり指針値だったりしていますが、これを「指針値(暫定)」という項目にしたいということでございます。ここについてご意見をお願いしたいと思いますが。理由はこの四角囲みに書いてあるとおりということになります。水道の方も暫定ということになっていますが、こちらの方も水環境基準体系上は「指針値(暫定)」にしたいということでございます。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。特段ご意見がないようでしたらお認めいただいたということにさせていただきたいと思いますが。あまり会議を長々としているのもあれですので、議題はこれがメインですので、他に何かございましたらお願いしたいと思いますが。

○與語委員 與語ですけれども。

○白石委員長 はい。與語先生、どうぞ。

○與語委員 お送りいただいた資料で質問してよろしいでしょうか?

○白石委員長 はい。お願いします。

○與語委員 補足資料の方でお願いしたいのですが、13ページ目に付表7というのがあるのですが「PFOSに係る主な用途・排出源業種」がありますが、平成21年以降の情報はないとか、使われていないのかというのは何か分かるのでしょうか。

○小林係長 それでは、事務局の方からお答えさせていただきます。平成21年以降の情報はないということになります。その理由につきましては、POPs条約で付属書Bに指定され、その後化審法の第一種特定化学物質に指定されたということをもち、この調査自体がここで終了になっているということがございます。基本的にここに記載されている用途についても特例の用途以外は使用が禁止になりますのでこちらの調査についてもこれ以降調べられていないという状況でございます。

○與語委員 ありがとうございます。よく分かりました。それと、もう1つ質問してもよろしいでしょうか。

○白石委員長 はい。お願いします。

○與語委員  17ページ目になるんですけれども、付表10があって、ここに欧米の情報が沢山並んでいるんですけれども、こういう情報でアジアの情報というのはあるのでしょうか。

○小林係長 事務局よりお答えさせていただきます。今回、資料収集の中でアジア各国に関する製造・使用等に関する、規制情報に関する情報は確認できておりません。その理由として、特にPOPs条約の加盟国でない国においては一部まだPFOS、PFOA等が使用されているということもお聞きしています。そのため、アジア各国においてこのような規制状況がないのではないかと、今現時点の情報からではそのようにお伝えさせていただければと思います。

○與語委員 ありがとうございます。あともう1つだけ質問していいでしょうか。

○白石委員長 はい。お願いします。

○與語委員 同じ資料のP25なんですけれども、下から5行目のところに、「各国・機関の有害性評価値のレビューの結果(P28,別紙5)」というのがあって、これはどこからか送られてきたりするのでしょうか。

○小林係長 事務局よりご説明させていただきます。こちら、P25の資料は1番上に記載させていただいているとおり、厚生科学審議会生活環境水道部会資料から転用させていただいたものになります。なので、厚生科学審議会生活環境水道部会資料には、P28の別紙5という該当ページがございますので、お手数をおかけしますがそちらにおいて資料のご確認をいただければと思います。ここはあくまで転用という形で、こういう記載をそのまま残させていただいておりました。

○與語委員 ありがとうございます。

○白石委員長 はい、ありがとうございます。他の委員の方いかがでしょうか。はい、浅見先生お願いします。

○浅見委員 はい、ありがとうございます。いまの資料2のP28に「国内におけるPFOS及びPFOAの検出状況」というのがございまして、ここにはこれまで環境省によって要調査項目の状況調査で出てきたものということで整理をされているのですけれども、2016年度に関しては、測定地点数が48件、検出地点数が48件で指標値の超過の状況は0となっているのですが、各県さんで調査をされているもうちょっとピンポイントでホットスポットに近いようなところを調査されているものですと、検出でもっと高いところというのもあるというのが、後ろに出典で並んでいるところの中にはあるのかなという風に思っております。そういった状況を全体で整理をいただいたりですとか、環境省さんで今後どのように調査をまとめられて、必要に応じて対策とかをどのような形でやっていかれるようなご予定なのかというのをできる範囲でいいので教えていただければありがたいと思います。

○伊藤課長補佐 事務局でございますけれども、おっしゃっていただいたとおり、今、全国調査を本年度業務で実施しており、追って調査結果の公表を考えております。それを踏まえて、現時点で今後の予定というのは具体的にはなかなか難しい部分もありますけれども、我々としても調査結果を踏まえ、しっかり考えてお示ししたいと思っております。厚生労働省の方でも4月1日の適用に向けて通知を出されたということで、その中ではいわゆる飲用指導というようなところも厚生労働省としてもお出ししています。なので、我々としては、厚生労働省はじめ関係省庁と連携しながら、必要に応じて対策を講じていただくようなことをお示ししていきたいと思います。以上です。

○白石委員長 ありがとうございました。よろしいでしょうか。

○浅見委員 今後もデータ収集して対応されるということでお伺いしました。まだ、消火剤とかでは使われている箇所もあるのかと思いますので、今後ともモニタリングと対策をしっかりと取り組んでいただけるようにお願いしたいと思います。以上です。

○白石委員長 はい。ありがとうございました。他はいかがでしょうか。特に資料2につきましては部会の報告になりますので、何かお気づきの点があれば今の段階で言っていただけるとありがたいです。補足資料を基に作成されております「水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準等の見直しについて(第五次報告)(案)」となっております。この形で報告したいと思います。いかがでしょうか。

○小林係長 それでは一部、事務局よりご報告させていただきます。本日ご欠席の早稲田大学大学院法務研究科教授の大塚委員より、本専門委員会の開催にあたり事前にご意見をいただいておりますので、この場をお借りして事務局よりご紹介させていただきます。「PFOS、PFOAについて要監視項目として合計値として指針値(暫定)50ng/Lとすることに賛成いたします。」というご意見をいただいています。ただし、「調査に関して、測定地点数が全国で50地点程度となっておりまして、今後調査地点数の増加が必要である」とのご意見をいただいておりますのでこの場を借りましてご紹介させていただきました。

○白石委員長 はい。ありがとうございました。他ご意見ございませんでしょうか。資料2に関し、細かい点ですが修正が必要な部分がありますので、そこはお願いしたいと思います。他はいかがですか。ご質問でも結構です。特に資料2のところでお気づきの点あれば大歓迎なんですけれどもよろしいですか。今なければ、後で、後日でもよろしいですので事務局の方にこの点修正した方が良いというご意見あればお願いします。1週間をめどに、この資料2につきましては修正可能でございますのでお願いしたいと思います。よろしくお願いします。第五次報告案の修正については、委員長に一任させていただくことでよろしいでしょうか。ご意見を伺った後に、それを修正後、水環境部会に報告したいと思います。よろしいでしょうか。ありがとうございます。

では最後になりますが、全体を通して何かご意見はよろしいでしょうか。

○佐々木委員 よろしいでしょうか。

○白石委員長 はい、どうぞ。

○佐々木委員 今日はPFOS、PFOAの関係なんですけれども、全体的には水環境中で濃度は色々な対策で減少していると思われます。けれども、その原因の1つとして事業者の方で骨格炭素数の異なる有機フッ素化合物への転換を進めていることというのがあると思います。それで、PFOS、PFOAと同時分析できる有機フッ素化合物を調査するということは、比較的負担も少なくて、今後の環境を考える上で有用な情報が得られると思いますので環境省としても少しお考えいただけばと思っております。以上です。

○白石委員長 はい。ありがとうございました。分析も課題ですのでその中で検討していただければよろしいと思います。よろしくお願いします。他いかがでしょうか。フッ素系ばかりじゃなくて、他にも何か問題になるものあれば、5年ぶりといわずにもう少しやっても良いのではないかと思います。もしもそういった機会があれば皆さんにご協力願うことになると思いますのでよろしくお願いします。では、他にご意見ないようでしたら、最後にその他事務局よりご連絡がありますでしょうか。

○筒井課長 水環境課長の筒井でございます。本日、先生方ご多忙のところを本専門委員会にご参加いただきまして誠にありがとうございました。本日、ご審議いただきました結果につきましては、また1週間以内に色々この報告書につきましては、ご意見などあればいただければと思っております。その後、いただいたご意見を委員長と相談したうえで、PFOS、PFOAを要監視項目に位置づけたうえで、指針値(暫定)として50ng/Lに設定するということで第五次報告として取りまとめていきたいと思っております。本日、委員の皆様方に熱心にご議論いただいたこと誠にありがとうございます。

また、取りまとめに向けたさらなる今後のプロセスとしましては、可能な限り速やかに、今後報告がまとまり次第、パブリックコメントを実施したいと思っております。そのうえで、その後に開催いたします中央環境審議会水環境部会において、白石委員長からご報告をいただくことを想定しております。

今後とも引き続き本委員会、それから環境省水環境施策へのご協力をいただきますようよろしくお願いいたします。本日はありがとうございました。

○白石委員長 ただいまのご説明につきまして、ご質問ありましたらお願いします。ないですかね。ないようでしたら、本日の議事はこれで全てとなりますので、進行を事務局にお返します。

○小林係長 本日はご議論いただきありがとうございました。本日の議事録につきましては速報版として事務局にて議事概要を作成し、近日中に環境省ホームページで公表する予定です。議事録につきましては、事務局で案を作成し、その後、先生方にご確認をお願いしますのでご協力をよろしくお願いいたします。事務局からの連絡事項は以上になります。

○白石委員長 それでは以上をもちまして、第18回環境基準健康項目専門委員会を終了します。委員の皆様には熱心にご討議いただき、またご協力いただきまして大変ありがとうございました。閉会いたします。ありがとうございました。

17:00 閉会