有害大気汚染物質排出抑制専門委員会(第14回) 議事録

1.日時 

平成25年6月25日(火)10:00~11:58

2.場所

航空会館B101会議室

3.出席者

(委員長) 永田 勝也

(委員)  浦野 紘平  田邊  潔

      中杉 修身  森川  陽

(環境省) 大森大気環境課長

      片山大気環境課長補佐

      福田大気環境課専門官

4.議 題

(1)大気汚染防止法第22条の規定に基づく大気の汚染の状況の常時監視に関する事務の処理基準の改正について

(2)その他

5.配付資料

中央環境審議会大気・騒音振動部会有害大気汚染物質排出抑制専門委員会委員名簿

資料1 「大気汚染防止法第22条の規定に基づく大気の汚染の状況の常時監視に関する事務の処理基準」改正の基本的な考え方

資料2 大気汚染防止法第22条の規定に基づく大気の汚染の状況の常時監視に関する事務の処理基準(改正案)

資料3 有害大気汚染物質モニタリング地点選定ガイドライン(案)

参考資料1 大気汚染防止法第22条の規定に基づく大気の汚染の状況の常時監視に関する事務の処理基準(現行)

参考資料2 大気汚染防止法第22条の規定に基づく大気の汚染の状況の常時監視に関する事務の処理基準改正新旧対照表

参考資料3 環境省素案における見直し前後の測定地点数等の変化(委員限り)

参考資料4 平成23年度有害大気汚染物質モニタリング調査結果

6.議事

【片山大気環境課長補佐】 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第14回中央環境審議会大気・騒音振動部会有害大気汚染物質排出抑制専門委員会を開催いたします。

 委員の皆様方には、お忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございます。私、本日の司会を務めさせていただきます環境省水・大気環境局大気環境課の片山です。どうぞよろしくお願いします。

 本日は、京都大学の内山委員からご欠席との連絡を受けております。したがいまして、本日の出席状況でありますけれども、委員6名中、5名の委員の方にご出席いただいておりまして、定足数でございます過半数に達していることをご報告させていただきます。

 ここで、本日は小林局長が所用のため欠席させていただいておりますので、この専門委員会の開催に当たり、環境省水・大気環境局大気環境課の大森課長からご挨拶申し上げます。

【大森大気環境課長】 皆様、おはようございます。委員の皆様方には、大変お忙しい中、またお暑い中お集まりいただきまして、ありがとうございます。また、平素から大気環境行政の推進につきましては、大変ご尽力、ご理解をいただいておりますことを、この場を借りまして改めてお礼を申し上げます。本日、第14回の有害大気汚染物質排出抑制専門委員会の開催に当たりまして、一言ご挨拶を申し上げます。

 さて、有害大気汚染物質につきましては、平成8年の大気汚染防止法の改正により制度化がなされ、過去2期にわたり経済産業省と環境省が策定した指針に基づき、各事業者団体が自主管理計画を策定し、排出抑制に取り組んでいただいてきたところでございます。その結果、自主管理計画の排出削減目標を概ね達成し、大気環境濃度も改善したことから、その後は個別事業者の責任のもとで自主的な排出抑制に移行し、毎年、本専門委員会において排出量や環境濃度等を踏まえ、優先取組物質に係る排出抑制の取組状況についてフォローアップをしていただいたところでございます。

 一方、平成22年10月15日付の中央環境審議会の答申「今後の有害大気汚染物質対策のあり方について(第九次答申)」において、PRTRデータを活用した大気濃度シミュレーションの実施等により、モニタリングの効率化を検討するとされたことを受けまして、環境省では、この具体的な方法について検討をしてまいりました。これまでも本専門委員会におきまして個別の事例を取り上げ、モニタリング地点の見直しを検討していただいてまいりましたが、今後、PRTRデータを用いて排出量の多い発生源の周辺を適切に監視できるように測定地点を配置し直すことを目的とし、また、現状の有害大気汚染物質モニタリングの問題点にも対応する形で、有害大気汚染物質モニタリング地点選定ガイドライン(案)を作成いたしました。また、これを踏まえて、常時監視の事務処理基準の改正も今後行いたいと考えております。本日の専門委員会におきましては、これらの内容についてご審議をいただきたいというふうに考えているところでございます。

 限られた時間ではございますけれども、忌憚のないご意見、活発なご議論をいただければ幸いでございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【片山大気環境課長補佐】 引き続き、お手元の配付資料でございますけれども、議事次第に配付資料一覧を記載してございます。資料の不足等ございましたら、事務局にお申しつけいただきますようお願いします。

 なお、参考資料3の配付は委員限りとさせていただいております。また、この参考資料3は、恐れ入りますが、本委員会終了後、回収させていただきますので、よろしくお願いいたします。

 それから、誠に恐れ入りますけれども、委員名簿の訂正がございます。森川委員でございますけれども、東京工業大学名誉教授に訂正お願いします。

 それでは、これ以降の議事進行は、永田委員長にお願いいたします。

【永田委員長】 どうも皆さん、おはようございます。お忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございます。

 早速ですが、議事のほうに入らせていただきます。

 本日の議題は大きく一つでございまして、大気汚染防止法第22条の規定に基づく大気汚染の状況の常時監視に関する事務の処理基準の改正についてということでございます。ただいま課長のほうからのご挨拶にございましたように、平成22年の中環審答申でPRTRデータを活用して、モニタリングの効率化を図ることを検討するということにされておりまして、それを受けた改正案というのがまとまりましたので、それをご審議いただければというふうに思っております。

 それでは、早速ですが、事務局のほうから説明をお願いいたします。

【福田大気環境課専門官】 大気環境課の福田と申します。

 それでは、まず、議事1ですが、大気汚染防止法第22条の規定に基づく大気の汚染の状況の常時監視に関する事務の処理基準の改正についてということで、資料1にこの改正の基本的な考え方をお示ししておりますので、基本的には資料1に沿って、適宜その他の資料を参照していただく形で説明を進めたいと思います。

 資料1をご覧ください。まず、1ポツ、背景でございますけれども、有害大気汚染物質のモニタリングにつきましては、何度も申し上げておりますけれども、「大気汚染防止法第22条の規定に基づく大気の汚染の状況の常時監視に関する事務の処理基準」、これは平成13年の局長通知でございますけれども、これに基づきまして、優先取組物質を対象に地方自治体が原則主体となりまして実施してきているところでございます。

 現在、全国、約400地点でモニタリングを実施しておりまして、毎年、全国の都道府県の測定結果を環境省が取りまとめまして、大体年度末、今年は5月までずれ込みましたけれども、公表しているところでございます。有害大気汚染物質の大気中の濃度につきましては、全般的にモニタリング開始当初、平成10年度から始めておりますけれども、と比べて、全国的に減少傾向にあるところでございます。

 一方、先ほど、課長も申し上げましたけれども、平成22年10月15日付の中央環境審議会の答申「今後の有害大気汚染物質対策のあり方について(第九次答申)」におきまして、「PRTRデータを活用した大気濃度シミュレーションの実施等により、モニタリングの効率化を検討する」とされたところでございます。

 これを受けまして、平成22年度より、こちらの専門委員会の委員もお願いしております中杉先生に座長をお願いしまして、「有害大気汚染物質基礎情報等調査検討会」という検討会を開きまして、その中でPRTRデータ等を活用したモニタリングの効率化の具体的な方法について検討していただいてきたところでございます。

 今般、この検討会におきまして、PRTRデータ等を用いて排出量の多い発生源周辺を適切に監視できるよう測定地点を配置し直すことをまず第一の目的としまして、そのほかにも現状の有害大気汚染物質モニタリング、幾つか問題点がございますので、これらにも対応する形で、「有害大気汚染物質モニタリング地点選定ガイドライン(案)」ということで取りまとめていただいたところでございます。

 本日は、このガイドライン(案)、それから、ガイドラインの内容に沿いまして、常時監視の事務処理基準の改正も行おうと思いますので、この改正案、これらにつきましてご審議いただきたいというふうに考えております。事務処理基準は局長通知でありまして、改正という形で出すと。それから、それを補足するものとして、ガイドラインを課長通知なりで地方自治体に周知するということを考えております。

 背景としてはこのようなことでございます。

 それから、2ポツですが、現状の有害大気汚染物質モニタリングの問題点でございます。今回、検討会で取りまとめていただいたガイドラインの第一の目的としましては、第九次答申に書かれていることへの対応、すなわちPRTRデータを用いて排出量の多い発生源をきちんと適切に監視していくということがまずありますけれども、そのほかにも現状のモニタリング、幾つか問題点がございますので、ここで挙げております。

 まず、①ですけれども、現行の事務処理基準では、都道府県単位で、物質ごとに環境濃度レベルに応じて必要な測定地点数を確保するとされておりますけれども、都道府県単位で見た場合に、大気環境中の濃度が全く把握されていない物質が存在するということが一つ問題点としてあったところでございます。

 それから、めくっていただきまして②でございますけれども、測定地点の区分、これは現行の事務処理基準では一般環境、固定発生源周辺、沿道という3種類の分類がされておりますけれども、この分類と物質ごとの排出実態について、必ずしも整合がとれていないということがございました。これはどういうことかと申しますと、現行の事務処理基準では、物質ごとではなく測定地点ごとに一般環境、固定発生源周辺、沿道という分類をしておりますので、例えば固定発生源周辺と分類された測定地点で20物質測っていれば、その20全ての物質について固定発生源周辺という色がついてしまうと。現状、そういう評価をしているということでございます。ただ、実態はどうかといいますと、20物質測っている、その測定地点の周辺で物質Aについては発生源が周辺にあるけれども、物質Bに関しては発生源が全くないという状況は普通にあり得るわけでして、そういった実態をきちんと反映した分類ができるように、つまり物質ごとに固定発生源周辺であるか一般環境であるかというような分類をできるような仕組みにしようと。問題点としては、それが現行ではできていないということですね。②は、問題点としてそういうことがあるということでございます。

 それから、③ですけれども、これが平成22年の中環審答申で指摘された点でございますけれども、PRTRデータ等から高濃度と推定される地域において、必ずしもモニタリングが行われていないということがございます。これは、どうしてもSOxやNOxの測定局、今あるところに引っ張られてしまって、必ずしもそれぞれの物質で適切なところで測られていないという実態があるということがあったと。

 大きく、以上3点、問題点としてあったということでございます。

 それから、3ポツですけれども、モニタリング地点選定ガイドライン(案)のポイントということでまとめております。なお、資料3のほうに今回、検討会で作成していただいたモニタリング地点選定ガイドラインの案をつけておりますので、こちらもご覧いただきながら説明を聞いていただければと思います。

 2ポツで示しました三つの問題点に対応するために、新たな測定地点区分の導入、それから測定対象物質や属性付与条件の明確化、それから排出量の多い発生源の監視、それから、それらを踏まえた測定地点の配置見直しの手順等を規定したガイドライン(案)を資料3として作成しております。ガイドライン(案)のポイントとしましては、以下に示すとおりでございます。

 まず、1)でございますけれども、測定地点区分でございます。「一般環境」「固定発生源周辺」「沿道」という区分は、これは物質ごとに分類することを可能にするために、現行の「一般環境」「固定発生源周辺」「沿道」という地点区分、これは測定地点丸ごと色分けをしていたわけでございます。20物質測っていれば20物質全てについてこういう色分けになってしまっていたものを、測定地点の区分としては新たな区分として、「全国標準監視地点」、それから「地域特設監視地点」という新たな区分を導入して、現行の「一般環境」「固定発生源周辺」「沿道」という考え方は、物質ごとにこの測定地点に付与される「属性」という形で踏襲するということで考えております。これは問題点②への対応ということになるかと思います。

 資料3の36ページをご覧いただけるとわかりよいかと思うんですけれども、表4-3でございますけれども、例えば表4-3の一番上ですけれども、W市にある○○自排局という測定地点ですが、現行の区分では沿道の測定地点という、これだけの区分でございましたけれども、例えば今回のガイドラインに沿って見直した後には、地点区分としては地域特設監視地点になり、これにプラスとして、属性としてベンゼンの固定発生源周辺であり、かつ沿道であると、こういうような属性が付与されると。こういうような形で考えております。

 それから、資料1に戻りまして、2)でございますけれども、測定対象物質でございますが、「全国標準監視地点」においては、測定可能な全ての優先取組物質を測定することとする一方、「地域特設監視地点」においては、周辺の発生源の状況を踏まえまして、必要最低限の物質のみ測定すればよいということにしております。これは、一つは問題点①への対応ですね。都道府県によっては全く測っていない物質があったところを、最低限「全国標準監視地点」では全部測ってくださいと。ただ、「地域特設監視地点」では、周りの発生源の状況を踏まえて検出され得る物質だけ最低限測ればよいですよと、メリハリをつけた形にしております。

 それから、3)でございますけれども、測定地点数でございます。「全国標準監視地点」につきましては、現行の事務処理基準における「全国的視点から必要な測定地点数の算定」の考え方を踏襲することとしております。現行の事務処理基準では、物質ごとに環境濃度が高い物質であれば、例えば調整係数1を掛けて、濃度が低くなれば2分の1、3分の1と少ない地点数でいいというような調整をしているんですけれども、今回、「全国標準監視地点」では全部測ることにしましたので、じゃあ、この濃度レベルの調整係数をどこにするかという話ですけれども、これは2分の1で環境濃度レベル「中」、これは環境基準の3割から7割ぐらいのレベルのときに「中」としておりますけれども、これに相当する調整係数として2分の1を掛けて算出するということで規定しております。それから、「地域特設監視地点」につきましては、現行の事務処理基準における「地域的視点から必要な測定地点数の算定」の考え方を踏襲することとしております。これで現状の測定地点数の水準は確保したいというふうに考えております。後ほど、見直し前後の測定地点数、どう変化するかというような話もさせていただきたいと思っております。

 それから、めくっていただきまして、4)でございますけれども、属性付与条件でございます。現行の事務処理基準では、「固定発生源周辺」と分類する基準、「沿道」と分類する基準、これがあまり明確化されてはっきり事務処理基準に書いていないということがございますので、これはある程度、基準を明確化しようということで、物質ごとの排出量、それから距離等の条件を明確化しております。これは問題点②への対応ということになろうかと思いますが、具体的には、固定発生源周辺という属性を付与する条件としまして、まず、排出量の条件としましては、発生源から1kmの地点で、環境基準等、指針等もございますので、等の10分の1を超える可能性がある場合、そういった排出量のある発生源が、今度、距離の条件ですけれども、測定地点の5km以内にある場合に、その測定地点に、その物質に関して固定発生源周辺であるという属性を付与するということにしております。それから、沿道につきましては、排出量の基準は設けずに距離のみ、道路端から20m以内に測定地点があれば、沿道の属性を付与するということにしております。これはガイドライン、資料3の例えば10ページですかね。表2-4を見ていただければと思いますけれども、一定の仮定を置いて、METI-LISのモデルで計算をした場合に発生源の中心から1kmの地点で、環境基準等の10分の1を超える排出量というのを物質ごとに目安として示したものでございます。PRTRのデータから、この排出量を超える発生源が測定地点の5km以内にある場合には、固定発生源周辺という属性をつけてくださいというようなことにしております。

 それから、資料1に戻っていただきまして、5)でございますけれども、これが今回の一番の肝になるかと思うんですけれども、高排出量発生源周辺の監視ということでございます。これもさっきの属性付与条件のときと同じですけれども、PRTRデータ、それから、今度、道路交通センサスデータ、これらを用いてモデル計算を行いまして、環境基準値等と比較して一定以上の濃度になると推計される場合には、既存の測定地点の移設又は測定地点の新設により当該発生源をカバーすることと規定しております。これは問題点③への対応ということになります。具体的には、固定発生源については、発生源から1kmの地点で環境基準値等の2分の1を超える可能性がある場合には、原則2km以内、最大5km以内の地点に測定地点を新設、または他から移設してきて、その発生源をカバーするというようなことにしております。それから、幹線道路につきましても同様に、道路端において環境基準値等の2分の1を超える可能性がある場合には、原則道路端から20m以内に測定地点を新設もしくは移設して、その発生源である道路を監視するというような規定にしております。資料3で言いますと、例えば22ページ、23ページ辺りですかね。22ページの表3-1、これは測定地点を移設もしくは新設してでも監視していただきたい発生源の基準ということで、これも同じMETI-LISのモデル計算で一定の仮定を置いて計算したときに、1km地点で環境基準の2分の1を超える濃度になる可能性のある排出量ということになりますけれども、PRTRのデータから見て、この量を超える場合には、その発生源をカバーすべく測定地点を新設もしくは移設してくださいという規定にしております。道路についても同様でございます。道路については、23ページ、表3-2ですね。環境基準があるのが沿道6物質の中では2物質だけですので、ベンゼンとブタジエンだけになりますけれども、ただ、道路の場合はPRTRから排出量を把握するということはできませんので、じゃあ、この排出量を超えるかどうかというのをどう判断するかというと、これは道路交通センサス、国交省の公表しているデータになりますけれども、このデータを用いて判断するということになります。24ページをご覧いただければと思うんですけれども、道路交通センサスでどういう情報が得られるかといいますと、旅行速度、それから交通量がわかります。こちら24ページのこの表ですけれども、横に旅行速度、縦に交通量をとっていまして、どれぐらいの交通量でどれぐらいの旅行速度のときにどれぐらいの排出量になるか、これも車種構成とかざくっと仮定を置いたものですので、厳密な計算をするとそれぞれ変わってくるんでしょうけれども、この範囲にある場合は、環境基準値の2分の1を超える可能性があるので、測定地点を新設もしくは移設してカバーしてくださいというような規定、この表はあくまで目安ですけれども、そういうような規定にしてございます。

 それから、資料1に戻っていただきますと、6)でございますけれども、これまでご説明した1)から5)を踏まえて、じゃあ今回のガイドラインに沿うように配置を見直す、定義を見直すとしたらどういう手順になるかというようなことを説明いたしますと、資料3のほうでは26ページをあわせてご覧いただければと思いますが、大原則といたしましては、既存の測定地点数の水準を確保する、それから、既存の測定地点を最大限活用するということが大原則でございます。その原則のもと、以下の手順で配置を見直すということになるかと思います。まず、①ですけれども、地域的なバランス、それから人口分布等を勘案し、既存測定地点のうち、「全国標準監視地点」とする測定地点を選定し、残りの既存測定地点を「地域特設監視地点」という形で定義し直します。地点数は、先ほどの3)のところで説明しておりますけれども、全国標準監視地点、これだけというのがありますので、その数をとりあえず地域的なバランスを見て既存の地点の中から選ぶと。残りは地域特設という形でとりあえず置くと。②でございますけれども、周辺の固定発生源や幹線道路の状況をPRTR等のデータから把握しまして、各測定地点に物質ごとに属性を付与するという作業になります。それから、③ですけれども、①②は既存の測定地点の定義のし直しですけれども、③は、既存の測定地点で排出量の多い発生源をきちんとカバーできていない場合には、既存の測定地点を移設してくる、もしくは新設することで対応するというような形。これで一応、今回のガイドライン(案)に沿った配置の見直し、定義のし直しが完了するという流れになります。

 それで、このガイドライン(案)に基づいて見直してみたらどうなるかというのを、環境省において各都道府県ごとにちょっとやってみたものがございます。参考資料の3になりますね。これは委員限りの資料ですので、ちょっと傍聴席にはお配りしてないんですけれども、参考資料の3が環境省でこのガイドラインに沿って、各都道府県ごとに見直し作業をしてみたところ、どうなったかというものでございます。まず、表1ですけれども、都道府県ごとに環境省の更新案と平成22年度の実績を比較しております。都道府県ごとに少しでこぼこはあるんですけれども、全体で見ますと、一番下の行ですね、合計というところを見ていただければと思うんですけれども、平成22年度の実績では463地点で測っていたところ、更新案では、最大485、ミニマムだと452、これがどういう意味かといいますと、一般環境という属性が付された地域特設監視地点については、ガイドライン上、必ずしも測らなくていいということになっていますので、これを全部、例えば自治体さんの判断で廃止した場合にはミニマムの452、全部残せば485という幅があることになります。463に対して最大プラス22、ミニマムでマイナス11ということで、大体現行の測定地点の水準を保てるような形になっております。

 それから、表2と表3ですけれども、今度は物質ごとに見るとどうなるかというのが表2と表3でございます。表3のほうから見ていただくといいのかもしれないんですけれども、表3は、測定地点の属性を再定義したときに、物質ごとに見て、それぞれの属性が付与された測定地点がどれだけ減ったか増えたかということでございます。これは、固定発生源周辺については全般的に減っています。これはなぜかというと、現行では、例えば固定発生源周辺という測定地点区分にすれば、そこで20物質測っていれば全部、固定発生源周辺という色づけをしております。確かに物質Aについては固定発生源周辺かもしれないけれども、物質B・Cについては、発生源が全く周りにないという状況があり得たわけで、そういう意味では減るというのは当然かと思います。

 それから、表2のほうに戻りますと、これは平均の濃度の変化を見た形になります。これ顕著なのは、やっぱり固定発生源周辺ですね。全般的に見直しの前後で平均濃度は上がるということになります。これも当然といえば当然ですけれども、一つは属性のつけ方ですね。実際に固定発生源が周りにあるところのみ固定発生源周辺という属性を付与していますので平均濃度が上がるというのが一つと、あと、高排出量の発生源をカバーするために新設もしくは移設するので、その2点を理由として上がるということになるかと思います。

 それから、参考までに見ていただければと思いますが、表4、表5では、延べの物質数がどうなるか。測定地点数だけではなくて、物質数、測定地点数掛ける物質数の総和ですね、これがどう変化するかというのを都道府県別に見ていますけれども、見直し前だと6,407、見直し後だと、表5に行っていただいて6,197から6,545、これも幅があるのはなぜかというと、一般環境という属性を持つ地域特設監視地点は自治体の裁量で廃止可能ですので、そういう意味で幅があるという形になってございます。

 それから、表6、表7が環境基準値等の2分の1を超える可能性のある排出量があり、測定地点を移設もしくは新設してカバーしてくださいという発生源がどれだけあって、そのうち既存の測定地点でカバーできているものがどれだけあって、地点移動や地点の新設で対応したものが、これはあくまで環境省素案においてですけれども、どれだけあるかというような表でございます。表6は固定発生源になりますけれども、合計で見ていただきますと、136ほど監視すべきところがあると。既存の地点で既に対応しているのが92地点、これはあくまで環境省案においてでございますけれども、地点の移動で対応したのが28事業所、それから、地点の新設で対応したものが16というような形になっております。表7のほうは道路のほうですけれども、道路端において環境基準値等の2分の1を超える可能性のある幹線道路区間が全国で95あると。既存の地点で対応できているものが18、地点移動で対応したものが18、新設で対応したものが28。それから、地方公共団体で対応とあるんですけれども、これは、道路の場合は網の目状に道路網が張りめぐらされていたりして、なかなか一義的にここで監視すべきというのがピンポイントで決まらない場合があって、これはもう自治体の判断に任せようというようなことで、残してあるものが31ということでございます。これ、実際に都道府県ごとに業者さんにも委託するような形で案をつくっていまして、地図に落としたりしたものがございますので、これ回覧させていただきますので、ちょっとすみません、一部しかございませんが、横目でにらみながら説明を聞いていただければと思います。

 参考資料3については以上でございます。

 それで、資料1に戻っていただきます。資料1、3ページに戻っていただきまして、ここまでガイドライン(案)についてご説明させていただいたわけでございますけれども、ガイドラインはあくまでガイドラインでございまして、自治体さんの事務を縛っているのは、局長通知で出しております常時監視の事務処理基準でございますので、こちらをどう変えていくかということでポイントを示したのが4ポツ、事務処理基準改正案のポイントでございます。これは資料2が改正案の事務処理基準、これ完全に反映されているので、どこがどう変わったかというのがわからないので、参考資料2で新旧対照表をおつけしておりますので、もしかしたら新旧対照のみご覧いただいたほうがわかりよいかもしれないですけれども、全体の構成を見る場合は資料2で両方にらみながらですけれども、まず、資料1で言いますと、1)測定対象物質についてですけれども、参考資料2で言いますと1ページ目から2ページ目にかけてですね。測定対象物質については、今までどおり優先取組物質を基本的には対象とするんですけれども、2ページ目の一番下、新旧対照表の一番下ですね、全国標準監視地点においては、原則として測定可能な全ての優先取組物質を測定すると。地域特設監視地点については、現行の地域的視点から必要な測定地点の考え方を踏襲するような形で書きぶりを変えております。

 それから、資料1の2)測定地点数でございますが、新旧対照表で言いますと、3ページ目以降ですが、ちょっとこれ順番が、まず定義すべきかと思うんですが、今の事務処理基準の構成から考えて、ちょっと後になってしまっているんですけれども、新しい地点区分として、「全国標準監視地点」及び「地域特設監視地点」をまずここで定義しております。2ポツの(1)で定義しておりまして、測定地点数の算定については、「全国標準監視地点」については、現行の「全国的視点から必要な測定地点数の算定」の考え方を踏襲する形ですね。これは4ページですかね。左側が現行、右側が新、基本的にはそのまま考え方を踏襲する形で、4ページの下のほうですけれども、環境濃度レベルに対応した測定地点数の調整ということで、環境濃度レベル「中」を想定して、2分の1を調整係数として掛けるような形にしております。それから、「地域特設監視地点」については、新旧対照表では6ページ目ですかね。これは現行の算定の方法、考え方を踏襲する形で書いております。

 それから、資料1で言えば、3)測定地点の選定、参考資料2で言えば8ページですかね。測定地点の選定ということで、ここでは現行の「一般環境」「固定発生源周辺」「沿道」の考え方を、測定項目ごとに分類ができるような書きぶりにしております。8ページの下のほうですが、固定発生源周辺の測定地点の選定に当たっては、有害大気汚染物質の製造、使用及び排出の状況等を勘案するが、排出の状況については、PRTRデータ及びそれに準ずる情報を踏まえ把握することを基本とすると、これをここに追記しております。それから、9ページですけれども、沿道についても道路交通センサスのデータからというのがあるんですけれども、これ既に車種別交通量、旅行速度等を勘案しと書いてあるので、ここではあえて追記していないと。9ページ、③のアですかね、書いてあるので、ここでは追記しておりません。

 あとは、項ずれ、条ずれによる修正が主で、あと最後、附則でございますけれども、一応、通知の適用時期として26年4月1日、来年度からとしておりますが、昨年秋に、地方自治体さんのほうにこの案をお示しして、ご意見を伺った際に、なかなか今、PM2.5の測定局の整備とか求められている中で有害大気、環境中の濃度が大分改善している状況で、これに追加予算を要求するということはなかなか難しいというようなお話がございまして、そういったことも踏まえまして、この通知の適用により測定地点数や各地点の測定項目数が大幅に変動する場合にあっては、3年を目途に見直しを行うことでよいということで一定の猶予期間を設けているところでございます。ただ、これ属性を振り直したりというところについては、集計の方法とリンクしてきますので、属性の振り直しだけはどこかで決めてやらないといけないと思いますけれども、測定地点を増やしたり減らしたりというのは3年ぐらい猶予を見てもいいかなというふうに考えております。

 資料1は、一応これで4ページまで説明したことになるかと思います。資料1で、あと図1、図2をつけておりますけれども、図1が現行の事務処理基準の枠組みを図解したものでございます。図2が改正後どうなるかというようなことですね。それから、図3が見直しの手順ということで、ポンチ絵のような形でお示ししております。

 議事1については、事務局からの説明は以上でございます。

【永田委員長】 どうもありがとうございました。

 中杉先生、何か最初にコメントとか。

【中杉委員】 いろいろご質問が出ればお答えしようかと思いますけれども、基本的には、現行の地点数・測定点は、地方自治体の負担を現行からあまり大きく変えないということを一つの前提にしていますので、調整係数だとか範囲だとかというところはそこら辺を勘案しております。

 それから、地域の、これは私の理解が間違っていたら環境省のほうから訂正をいただければと思いますが、地域特設監視地点の中の一般環境というのは、多く排出している事業所でやっていくと、小さな事業所がたくさん集まっているところは、監視ができなくなってしまう。それはおかしいということで、自治体の中には、例えばメッキ工場なんかはずっとまとまっているところ、集合しているところですね、そういうところについては、この枠とは別に地域監視地点として設けたというようなことがありまして、地域の特性がそれぞれあるだろうということを勘案して、その地域特設監視地点という中の一般環境というものが出てくるというふうに理解をしていただければというふうに思います。

【永田委員長】 よろしいですか。

 それじゃあ、委員の方からご質問とか、コメントをいただければと思います。よろしくお願いします。

 どうぞ、森川先生。

【森川委員】 はい。今の資料1の2ページ目の測定対象物質についての項目で、「「地域特設監視地点」において」云々というところがございますね。「においては、周辺の発生源の状況を踏まえ、必要最低限の物質のみ測定すれば良いこととする」とあります。それの変更の指針が、4ページの上から2行目以降の「「地域特設監視地点」については、現行の「地域的視点から必要な測定地点」における測定項目の考え方を踏襲する」ということを指針にするということで解釈してよろしゅうございますか。

【永田委員長】 いかがでしょうか。

【森川委員】 要は現行とあまり変えない形で進めたいということでしょうか。

【福田大気環境課専門官】 事務処理基準というのは法定受託事務の処理基準で一定程度の拘束力がございますので、あまりガチガチに書かれると困るというような話も都道府県からございましたので、事務処理基準には明確に書いてございません。ただ、ガイドラインには明確にというか目安として排出量の基準、それから距離の基準というのを設けております。具体的には、METI-LISのモデル式で発生源から1kmの地点で環境基準値等の10分の1を超える場合であって、5km以内にある場合には、発生源周辺という属性を付与してくださいというような規定にしております。これはガイドラインには目安として書いてありまして、これは別途、合わせて課長通知として発出したいというふうに考えております。

【森川委員】 わかりました。結構かと思います。

【永田委員長】 ちょっと今のところに絡んで、この「必要最低限」という言葉はこっちも共通で入っているんですかね、ガイドラインのほうは、こういう表現で。必要最低限って書く必要はあるのかなと。

【森川委員】 その辺の指針がどうなっているのかなというのが、ちょっと。

【永田委員長】 ちょっと。のみを測定すればよいという言い方で、少し含みを持たせているのかもしれないですけど。ここの文章はどこから、何ページぐらいから、ガイドラインですか。測定対象物質という。

【福田大気環境課専門官】 資料3のガイドラインの9ページ目でございますかね。地域特設監視地点の測定対象物質でございますけれども、測定する目的やこれまでの継続性等を勘案して地方公共団体において選定する。ただし、固定発生源周辺においては当該事業所等から一定量以上排出される物質、沿道においては自動車からの排出が予想される物質(アセトアルデヒド、トルエン、ブタジエン、ベンゼン、ベンゾ[a]ピレン、ホルムアルデヒド等)について、必ず測定を行う。

【永田委員長】 ちょっと何かあれですよね、「必要最低限」という言葉はこっちには入っていないんですよね。

【福田大気環境課専門官】 そうですね。

【永田委員長】 ちょっと何となく消極的な印象を受けちゃうから、ここはあれかな。必要最低限と言わなくたっていいんですよね。

【福田大気環境課専門官】 これだけは必ず測定していただいて、それ以上は自治体の判断でやってくださいというような書きぶりにしていますね。

【永田委員長】 だから、物質のみ測定すればよいという言い方があれなんですかね。

【福田大気環境課専門官】 そうですね、ちょっと消極的かもしれません、ここは。

【永田委員長】 ええ。物質の……。ちょっとここは修文を後でさせていただくと。

 どうぞ。

【浦野委員】 この測定地点というかモニタリング地点の問題も大分前から環境省もいろいろ努力したり、調査したりして、私もいろいろ関わったことがやっと大幅に、概念として大幅に変えたということはすごく進歩だと思いますので非常に高く評価したいと思います。やはり自治体の負担というのも配慮しなきゃいけないということで、いろいろその制限があるわけですけれども、それは十分承知した上で、固定発生源周辺、要するに健康項目の基準とか指針というのは基本的に全国どこでも守らなきゃいけないというものですので、発生源周辺の住民も守らなきゃいかんわけです。そういう視点で見たときに、測定地点をどこに置くかというのは非常に重要です。その中の考え方で、固定発生源のところで原則2km以内、最低でも5km以内というのは、自治体の事情でやむを得ないとは思うんですけれども、例えばガイドラインの15ページに距離と濃度の予測線図が各モデルによって描かれているわけです。モデルによって随分桁違いの数字が出ていて嫌なんですけれども、ただ、相対値はみんな似ているんですね。これをもっと大きく拡大して、縦軸にちゃんと目盛りを入れていただいて、そうすると、測定地点が例えば500mのところにあったときと、2kmにあったときと、5kmにあったときで、大体何分の1になるかということが考えられる。500mのときに比べて2kmのところは7分の1ぐらい、それから、5kmのところは30分の1から40分の1になってしまう。そうすると、どこで測定したかで全然違ってくる。測定地点を無理やり変えろとは言わないんですが、この図をもうちょっと大きくして使えるようにしていただきたい。それで22ページにその距離のことが書いてあるわけですけど、ここにぜひ文章を少し追加していただきたい。どういうふうに書くかは別として、決めた測定地点と発生源との距離から、測定地点より発生源に近い場所での濃度を概算していただいて、そこの住民の安全性についても配慮して発生源の指導・助言をすることが望ましいと、そのぐらいのことは書いていただきたい。そうしないと、何十分の1も小さいところで、近いところは何十倍ありますということになる。それで本当にいいんですか。本当は近いところで測定するのが筋だけど、自治体の事情もおありだろうから、それを配慮して、実は5kmではかったが、近いところだったら10倍ぐらいになるかもしれないと。そこに結構住民がいるとしたら、それも配慮して対策を考えて頂きたい。国が集計するときはもう細かいことはできませんけれども、自治体はその辺はわかるはずなので、それを配慮して発生源の指導・助言をするというふうな文章を入れていただきたい。この図は非常に大事な図なので、数字はとにかくとして距離による比率はみんな似たり寄ったりになっていますので、大きな距離減衰は分かる。そのことを配慮してやっていただきたい。

【永田委員長】 どうぞ。

【中杉委員】 最初に議論したとき、検討したときに、発生源事業所の周辺の距離は1kmというのを原則でやろうという議論はしていたんですが、1kmにしてしまうと、測定地点の数がべらぼうに多くなってしまうということになりました。このため、そういう意味では実質的に2kmが原則でというところでようやく押さえて、それでも大変なんで5km以内という、これを超えちゃいけないよということにしたというのが実態です。

 それから、もう一つは、近場が問題だという話はもう一つ確かに重要な話としてあるんで、それをどうするかというのは非常に悩ましいことなんですけども、これを行政が全でやれる話ではない話なんですね。そういう意味でいくと、事業者のほうで自らのところで出しているものがどのぐらいで、それがどのぐらいの周りの濃度になっているかということはちゃんと周りの住民なりに、ある人は対応していただく必要があるんだろうと。そこら辺を全部自治体が行う話ではないんだろうというふうに私は考えていますが、そこら辺をどうするか。確かに浦野先生が前から言われているように私も気になっているところですけども、事業所の周辺というのが本当に守れているかどうか。今、全国調査結果で基準を超えているのはほとんどなく、参考資料4にありますけども、ほとんど項目はオーケーなわけですけども、逆に言うと大部分の項目は基準を超えている地点がないわけではないという実態です。そこら辺を自治体が逆にそういうふうに言って公表してしまって、そのときにどういうふうになってくるかという話になってくるんで、そこら辺のところは非常に難しい話だろうというふうに思いますけど。

【永田委員長】 どうぞ。

【浦野委員】 私は、このガイドはあくまでも主として自治体向けのガイドですので、事業者がどうこうしたということは際関係ない。事業者はPRTRは報告しているはずなんだけれども、実は報告していない事業者が同数くらいあります。義務があるのにしていないところが、私どもの実態調査で。ですから、PRTRだけを頼りにしなくて、ほかのものも使いなさいと書いてある。地元はかなり把握しているので、それも踏まえてやるということになっています。ですからPRTRは非常に重要ですけど、報告したらもう責任がないように思っている人もまだかなり多いので、事業者はとにかくとして、自治体が、自分の測定しているところがどういう意味があるのか。もっと距離が近いところでは測定はできないとしても、問題がありそうだということを一応推定して、発生源の事業所に助言とか指導をしていただきたいということはぜひ書いていただきたい。測定地点を動かせといって、つくれといってもいろいろ制限があるので、それは無理は言わないけれども、測定地点というのは、発生源がどこにあるかといって決めるわけですから、発生源がどこにあるかわかっているわけです、一応届け出上のものとか自治体調査でね。そうした場合に、測定地点との距離の関係をちゃんと考えていただいて、測定できないにしても、ここはもうちょっと減らしてもらったほうがいいと、あるいは自主的にやってくださいという指導でも助言でもやるように書いていただきたいという趣旨です。

【永田委員長】 よろしいですか。

【中杉委員】 そこら辺のところ、ここに書いてもいいんですけれども、もう一つは、大防法の中でやる話なのか、化管法の中でやる話なのかという問題も一つあるんですね。排出事業所が大きいところはそういうことも勘案してやりなさいよという、そこら辺のところをどういうふうにうまく整理をするか。当然そういうふうなことは書き込むか書き込まないかは別にして、自治体に対しては指導していただく必要があるということは、通知をしていただくことは必要だろうというふうに思いますけど。

【永田委員長】 どうぞ。

【田邊委員】 今の議論に関係するんですけれども、法律の所管云々の以前に、データを見て解釈しなければいけませんよね。その解釈においては距離を十分勘案して、発生源近傍の健康影響も考察しなければいけないということは、モニタリングの範囲内だと思いますので、それはやはり書いてもいいんじゃないかと思います。もう一つ、そういう観点でいきますと、2分の1の寄与は、発生源、工場の周辺ですと検出されるものが一般環境にないことが多いのでいいんですけれども、沿道の場合は結構バックグラウンドがありますので、道路が2分の1なくても環境基準を超えてしまうケースがあります。そういうことをどういうふうにこの中に読み込むかちょっとわからなかったんですけれども、バックグラウンドも考慮して環境基準を超えそうな場合は、沿道の場合は監視地点に選ぶという考え方もあり得るので、それもどこかに注で書いておいたほうがいいのかなという気がします。

【永田委員長】 今のバックグラウンドの話はどうですか、ここにもバックグラウンドの濃度の考慮が載って……。

【中杉委員】 基本的にベンゼンとかホルムアルデヒドとか、自動車由来の物質は全部バックグラウンドが絡むわけですね。それを絡めて2分の1の議論をするのかどうかというのは非常に難しい話で、当然そういう議論はあるんでしょうけれども、それは発生源なのか沿道なのかという話も絡んできてしまうんで、ちょっとそこら辺のところまでは考えていないという、一応切り離した形で整理しています。多分これでもかなりもっと本当はやりたいところなんだけど、現状として考えると、これが精一杯であるということですので、そういうことは何かメンションしておいてもいいのかもしれませんけども、具体的にそれを算定してまでやるということになると、また大変になる。環境省が案をつくって示して自治体のほうで参考にしてもらうというところまでやれれば可能かと思いますけど。

【浦野委員】 多分今のお話は、一応、沿道だと。道路から20m以内、道路端から20m以内だと。それを道路沿道と全部一律に行くのか、そこにバックグラウンドとかで周辺の固定発生源があって上乗せされているとした場合、そこを固定発生源とみなすことも自治体の判断で決めてもらうことが一部書いてあれば、バックグラウンドがある程度高いということは周辺に発生源があるわけだと思うんですね。バックグラウンドという言い方はちょっと問題ですけど、自動車が仮にないとしてもある程度の濃度になっているということの判断は自治体に任せると。もう一律20m以内は沿道だとせず、多少例外的なものは自治体判断に任せるようにしておいたほうが無難かもしれないです。

【中杉委員】 そういう意味では、先ほど言いました地域特設地点という中の一般環境というのは、そこら辺の裁量は、自治体が、ここはこういう理由でやりたいというものについては、どうぞおやりくださいということで初めはすぱっと切っていたんですけども、おかしいじゃないかと。選び方からいえば一般環境というのはあり得ないということであったんですが、自治体の人に来て話をしてもらったら、こういうケースがあるということで、それは自治体の裁量である程度選べるようにしましょうということで、現行も自治体がそれを選んでいるところはありますので、それはそれで構わないというふうな形にしてあります。そこら辺を少し書き込むかどうかですけどね。

【浦野委員】 ただ、多分2分の1というのに多少こだわるんです。その辺の解釈もね。

【田邊委員】 そこまで定量的なつもりで言ったんではなくて、2分の1と言ってしまった場合に、沿道の場合にはそういうことがあるので、配慮してくださいというようなつもりで申し上げました。

 もう一つ、今、ちょうど中杉委員が地域特設地点の一般環境の話をされたので、ちょっと気になっていたんですが、この資料1の2ページの3ポツの1)だけ見ますと、一般環境という分類がずっと生きているような印象を受けるんですけれども、多分、今回の考え方は、全国的に全物質を測定する測定局が、既にそれが一般環境のイメージを引き取っていて、そこに必要に応じて発生源とか沿道という属性がつけられる。要するに全物質を測定しているところが一般環境だというのと、全国測定局だというのは何かオーバーラップしているような感じがしていて、多分、一般環境という概念は既に何か独立して存在しないような気がして拝見していたので、そこの整理をお聞かせください。

【中杉委員】 それは全国標準監視地点というのは、一般環境、いわゆる固定発生源のそばでないものだけを選んでやるということでいいのかという話があって、日本全体の状況を把握していく必要があります。それから、全国監視地点というのは、日本全体の状況がどう変化しているかということを監視していきましょうという視点なんで、その中には沿道も入って、それから固定発生源の周辺も入って、そういうものも入るんだということで、それ以外に沿道でない、固定発生源でないところもやっぱり測りましょう、そういう意味で一般環境ですよという整理をしています。ですから、必ずしも重なるものではないというふうな理解をして整理している。

【永田委員長】 そうですか。若干、何となくここも……

【中杉委員】 要は全国監視地点の中に固定発生源の周辺も全国監視という意味で入っていると。

【福田大気環境課専門官】 資料3の36ページをご覧いただくといいと思うんですけれども、全国標準と地域特設という分け方と属性の付与とは完全に独立したものでございまして、例えばX市の△△測定地点については、全国標準監視地点であり、なので全物質測らなければいけないんですけれども、かつ属性としてはジクロロメタンの固定発生源周辺であり、かつ沿道であるというようなことがあるわけでございます。表4-4が発生源情報ですね。固定発生源周辺の属性がついている物質、それから、沿道であれば沿道6物質に○をつけています。測らなければいけない物質数というのは表4-5ですね、37ページ、それぞれの地点でこれだけ測ると、こういうような整理になっております。

 それから、先ほどちょっと、別の話をして申し訳ないんですけど、田邊委員からご指摘あった沿道の話でございますけれども、資料3の23ページ、補足的な対応ということで、「都市部における測定地点の効率的な配置については、複雑な道路網、高架等の道路構造、住居の立地状況及び環境保全措置の実施状況等の地域の実情を踏まえ、決定することとする」としていますので、必ずしも定量的にガチガチのものではなくて、ある程度、地域の実情を踏まえて自治体の裁量で決定できるような書きぶりにしております。

【永田委員長】 二つほどこれの訂正の話がされたかと思うんですけど、最初のほうのあれでしょうかね、22ページ辺りに書き込む話で、測定値の解釈として、その発生源が内側にあるところで居住されているような住民に対する配慮の話、それは対策としてどうこうという話じゃなくて、そういうことがあるんですよと。そういう意味じゃ、これよりも高いところに住んでいらっしゃる方もいらっしゃるんだという形での書き方になってくるのかな。そういう視点でいいでしょうかね。たしかどこかに敷地境界でどうのこうのって、事業者サイドではかっていることもあるんでとかいう書き方が何かどこかに文章としてあったなという気がして、こっちだったか、こっちですよね。あるいは、あれかな、非常にこのガイドラインとして重要だなと思っているのは、Q&Aというのをくっつけていただきましたよね。ほかだったかな、どこかちょっと読んでいたらそんな話もあったなと思って。その話は抜きにしても、何か今のような話は書き込ませていただくと。

【福田大気環境課専門官】 公表データはもう実測値を出すしかないと思うんですけれども、データの解釈としてモデル計算でやったときに、このぐらいの距離だとこうなるという評価の仕方はもちろんあると思いますので、それをどこかに一言書くことは可能だとは思います。

【永田委員長】 そうですね。

【浦野委員】 ぜひ15ページの図を大きくして使えるようにしてください。

【永田委員長】 ただ、これってどうなんですかね。これは、もし……

【浦野委員】 一応、工場からの拡散で推計している。

【永田委員長】 それはそうなんですけどね。

【浦野委員】 比率が上がったときに。

【永田委員長】 発生源の高さとか、そういうやつって、ここではどういう扱いになっているんですか。

【浦野委員】 今回の有害大気汚染物質は高さが低いところで出るので。

【永田委員長】 してないね。ただ、中にはそういうものも存在しているわけですね。

【浦野委員】 そうですね。

【永田委員長】 だから、ちょっとそういう意味じゃ、これを使えという話はなかなかあれでできないなというふうには思っているんで。

【浦野委員】 参考にはかなりなると思います。

【永田委員長】 ええ。もうちょっと大きくはしたほうがいいかなというふうに思っていますが。

【森川委員】 その比率で表現するのもいいかもしれないですね。

【浦野委員】 この幾つもの図があるんだけど、基準点に対する比率で出すと、もう少し一致してきます。

【永田委員長】 ああ、そうね。

【森川委員】 ある範囲に入ってくるということですよね。

【浦野委員】 距離とね、距離減衰でね。大体かなり近いところになっている。拡大して比率を見てみると、500mと2km、5kmとの比いうと大体似たような傾向になるんですね。だから、さっき田邊委員からありましたけど、測定値をただ測定して、どこかに届けるというだけじゃなくて、自治体が測定値の意味を理解して、地域の安全を守れるようにしてくださいということが重要です。そのときに、測定地点の発生源からの距離というのをちゃんと配慮して、測定値の意味を理解してもらうということは大事なので。

【永田委員長】 それから、さっきのバックグラウンドの話というのは、やっぱり同じ22ページ辺りのところであれですか、2分の1とかという書き方がいろいろ出てくる。これはモデル計算でこういう排出量が想定されるような地域というか地点というかな、地域で考えていますよという話ですよね。

【福田大気環境課専門官】 はい。あくまでも、これ目安の量としてお示ししていますので、これに相当、例えば中小の事業所がいっぱい集まっているような、密集しているような工業地帯では、PRTRで個別に見た場合には基準値を超えてないけれども、複合的な影響でかなり高濃度になり得るということはありますので、その辺は、この目安で出している排出量と同等程度の排出が見込まれる場合は、自治体の判断で同じ扱いにしていいですよということはガイドラインに書いておりますので、それは自治体の裁量をある程度認めていく形にはなります。沿道についても同様です。必ずしも独立して1本通っているわけじゃなくて、重なっていたりしますので。

【中杉委員】 そのときに固定発生源が集合してということだけではなくて、道路沿道と重なったりというようなことも入れておいたほうがいいかもしれない。そうすると、いわゆるバックグラウンド的な話が入ってきて。

【田邊委員】 全般的に濃度が高くなるような可能性のある地域は注意をしてくださいというような意味なんですね。

【浦野委員】 特に、個別の物質でトリクロロエチレン、テトラクロロエチレンなんか測定地点が5個ぐらいになっちゃうみたいですけど、PRTRの届け出対象より小さい事業所がかなり使っているんですね。大きなところはもう塩素系溶剤をフェーズアウトしちゃって、中小の下請に出しちゃっているという感じがある。そういうところは結構まとまってあったり、量がかなり出ていても届け出義務がない。けれども、周辺は結構汚染しているというのが実は結構ある。その辺は自治体がある程度把握できているはずなんで、その辺も配慮される書き方をしてほしい。PRTRだけですと中小が集まっているところが出てこなくなってしまうので。多分それなりに書いてあると思うんですけど、まあ、念のため。

【福田大気環境課専門官】 例えば中小の話ですと、10ページのbなんかで、複数の小発生源が混在する地域で、一定量以上の排出があるかどうかというのは、表2-4で数字は示していますけれども、これと同等の排出があるということが一定の根拠を持って言える場合には同等の扱いをしていいというようなことを書いています。一定の根拠というのは表2-5で例えば書いてありますけれども、過去の測定結果ですとか、特定の業種の事業所が多いという情報、それから大防法上の届出の情報とか、そういったことを踏まえて一定の根拠がある場合は同様の扱いをしていいですよということを書いています。

【浦野委員】 基本的にPRTRで大量に出しているところというのは大手さんが多くて、それなりに対応をとって、除去対策とか分解とかいろいろ対応をとったり、敷地境界ではかったり、いろいろしています。むしろ中小のところがその地域を高濃度にしているケースって結構多いんですね。ですから、測定値だとか届け出という以外に、業種によって、例えば金属表面処理とか、幾つかの印刷とか塗装とか、VOCやその他の有害物を出す可能性の高い業種というのがあるわけで、そういうところが、中小企業がたくさん集まっているところというのは自治体はある程度把握できるので、有害大気汚染物質を出す可能性のある業種がある程度集まっているようなところも配慮してほしい。PRTRを根拠にと言うと、そこらが抜けちゃう可能性があるので、何かそういう関連の業種が集合しているところみたいな表現がどこかに入っているといいと思うんですね。

【永田委員長】 わかりました。バックグラウンドの話、今のような群小発生源の話、この辺のところの書き方を少し。

【浦野委員】 どこまで実際はやってくれるかわかりませんけど、一応配慮の中に入れておいていただきたい。

【永田委員長】 はい。

 それで、何か業種の話ってどこかに……。

【福田大気環境課専門官】 一応、一番後ろの参考2ですね。物質ごとに、どういう用途でどういう業種で使われているかというのを参考情報でつけていますので、自治体さんはもちろん把握されているとは思うんですけれども、あくまで、こういうのを参考にして、こういう業種が集まっているところ、すみません、39ページ以降ですね。

【永田委員長】 参考資料の2ね、じゃないのか。資料3の参考2か。

【福田大気環境課専門官】 すみません、失礼しました。資料3の参考2、資料3の39ページ以降でございます。物質ごとに、例えばこういう業種でよく使われているとか、そういった情報を。

【永田委員長】 そうですね。

【浦野委員】 これも、特に中小のところでね。これもPRTRは重要視するのはいいんだけど、PRTRばかり目立つと、それ以外の小さいところは全部配慮から欠けちゃうみたいな感じなので心配です。PRTRを活用するのは大いに結構なんだけど、それだけでは見えないところがたくさんある。

【福田大気環境課専門官】 すそ切り以下でどれぐらいあるかみたいな情報も一応書いてはありますので。

【片山大気環境課長補佐】 今の件ですけれども、これ、今の資料3の11ページのほうの表2-5に、今、浦野委員がおっしゃられたような特定の業種の事務所が多いといったようなところにつきましては、自治体のほうの判断でその辺を固定発生源という形で整理できましょうといったようなことはちょっと記載させていただいております。

【永田委員長】 これ、表の2-5の引用はどこかあれですか、本文中ではどこに入っているのかな。今のbのところに入っているのね。

【片山大気環境課長補佐】 これはbのところに入っています。

【永田委員長】 bのところね。複数の小発生源と住居等が混在する、ここに入って。よろしいでしょうかね。文章としての表現はここの中には入っていないけど、こっち側には業種の話が出てくる。それで、さっきの参考資料みたいなやつにそういう話も書いてありますよということは、別にここでは表現はされてないのか。

【福田大気環境課専門官】 その表の2-5の一番下にですね。

【永田委員長】 一番下に入っているのか。

【福田大気環境課専門官】 参考2にこういう情報もありますので、これを参考にして判断してくださいということが書いてあります。

【永田委員長】 という格好になっているんですよ、いいですか。

【浦野委員】 わかりました。

【森川委員】 よろしいですか。

【永田委員長】 どうぞ。

【森川委員】 今の議論はちょっと、発生源ということじゃなくて、今度は測定値のほうから見たときに、属性を付与するのに三つあるということなんですけど、一つの物質に一つの属性というふうには限らない。固定発生源でもあり、一般環境のもの、バックグラウンドなんかそうなりますよね。そういうことも可能だって考えていいんですか。考えないほうがいいんですか。というのは、多分そういう属性によっていろんな対策が立てられていくという面があるだろうと思うんですけどね。

【永田委員長】 ある意味、測定地点で測定している物質について、それが固定発生源でもあり、一般環境でありということはないんですよね。

【森川委員】 それはないと。

【中杉委員】 少なくとも一般環境は別です。一般環境は固定発生源でなくて、沿道でないものを一般環境、特定の発生源の影響を受けないところを一般環境というふうに考えていますから、その重なりはありません。ただ、沿道と固定発生源については、そういう重なりは十分あり得ます。

【永田委員長】 ただ、そこを両方とれますよということはおかしいと思うんですよね。

【中杉委員】 ですから、固定発生源のほうで。

【永田委員長】 ただ、それがさっきのお話に関わってきちゃうんですよね。

【森川委員】 バックグラウンドの話。

【田邊委員】 そうですよね。

【永田委員長】 バックグラウンドの話で、固定発生源があって、ただこれ沿道の中に距離的には入っていて、排出量もそうなってといったときに、沿道の扱いになっているけど、バックグラウンドとして固定発生源の影響もかなり受けていますということにはなるんで、そういうときに何か、そういう意味じゃ、そういう場合もありますよという書き方になるんで、だから属性を両方につけちゃうということはないんでしょう。

【浦野委員】 ないです。どっちかです。

【森川委員】 それをやめておこうということで。

【浦野委員】 一応、国が集計するときに二重カウントはできないので、どちらかに決めてもらうと。どっちの寄与が大きいと見るかは自治体なり国なりの測定地点の特性を見て、その物質を見て判断していただくということしかないですよね。誰かに決めてもらわないと。寄与率の大きいほうに決めてもらうと。

【森川委員】 たしかホルムアルデヒドなんかは減らなかったですよね、ずっとね。

【浦野委員】 それはしようがない。ただ、自治体が実際対策を考えるときには、測定値の意味とか周辺も考えて対策を考えていただくけれども、どれかに入れておかないと二重カウントはやっぱりできないと思う。

【森川委員】 苦しいところですね。

【中杉委員】 そこはそのぐらい、どうしても仕方がないのかなと。今までは固定発生源と言って、固定発生源でないものを集計していたのが問題の根幹でしたので。

【浦野委員】 従来の考え方よりすごく改善された。

【中杉委員】 一番大きな眼目でしたね。

【永田委員長】 よろしいですかね。

 ほか、いかがでしょうか。

 ちょっと細かい話であれなんですけど、今の資料1って、これはあんまり修文したりする必要はない資料だというふうに解釈していていいんですかね。ちょっとそういう意味で、さっきの必要最低限の話もありましたし、それから、3ページ目の一番上の「排出量、距離等」と書いてあるんだけど、行政の文章で「等」と入れるときには何かほかにもあるんだろうという話になるわけだけど、ここでは距離と排出量だけだよね。「等」は要らないということでいいんですか。

【福田大気環境課専門官】 そうですね。条件を明確にしているのは排出量と距離だけですね。そのほかの条件も勘案しということはありますけれども、条件を明確にしたのは排出量と距離だけですね。だから、「等」は要らないです。

【永田委員長】 要らないということですね。

【福田大気環境課専門官】 資料1の位置づけですけれども、これはあくまでも今回の専門委員会の説明資料ということで、ただ、公表はしますので、問題があればご指摘いただければと思います。資料として公表しますので。

【永田委員長】 わかりました。それから、さっきのご説明の中で、こういう格好で対応していくと濃度としては上がっていきますよと、固定発生源の特に近傍のところね。そのときにはかってきた話との接続性といいますかね、この辺の説明の仕方、これは、ですから今ここでどうこうというわけじゃないんですが、いずれ、また年度で集計していったりなんかしたときに、何か急に上がっちゃったねという話が出てきたり、あるいは対応がさっきの話で少しずれてくると、徐々にその影響が出てくるという可能性もあるわけで、何かその辺のところをきちっと見ていかなくちゃいけないし、コメントを加えていかなくちゃいけないんじゃないかなと思いますので、これをちょっと。

【福田大気環境課専門官】 そこら辺は、経年変化につきましては、これまでもですけれども、継続測定地点といいまして、過去10年間ずっと同じ地点で同じ物質で測ってきているデータだけ抽出してきて、その推移を見て評価するということをしていますので、今回も少し移動はありますけれども、大きくは変化、増えたり減ったりしませんので、過去10年間継続して測ってきている地点の推移を見て評価するということはできると思います。

【永田委員長】 そうですね。それと抱き合わせて、例えば固定発生源の周辺だったら日本全体として見るとどうなっているんだとかというような議論のときには、またこっち側の新しい条件の話を使っていくという格好でね。

【福田大気環境課専門官】 そうですね。

【永田委員長】 そこのところは少し使い分けをきちっとしておくほうがいいかな。

【中杉委員】 固定発生源の場合は基本的に、今、新しいので抜き出していけば継続調査というのはできますけれども、ただ、現在、固定発生源となっている事業所が過去に測定したときにはなかったという話になるとまた切れてしまう。それはどうしても不連続は出てきます。それは仕方がない、今から戻ってそこまでチェックしてという話はなかなか難しいんで、そういうふうなことはありますけどというのは、結果として解釈していく中でコメントを加えていくしかないんだろうというふうに思いますけどね。

【浦野委員】 説明をわかりやすく丁寧にしていただくということは必要ですよね。特に測定地点を移動してもいいと書いてありますから、その移動していくこととか、あるいは業者さんがもう、ある物質を出さなくなったとか、対策をとったとかを含めて。そういうときは、そこの測定地点をやめてもいいとか書いてあります。やっぱり変化するものだということを前提にして測定値を上手に、説明してほしいですね。個別に見たときには、そういう問題があるということはわかりやすく説明しておく必要がありますね。

【中杉委員】 測定地点を変更するときも、どのぐらいで移行するかって、移行の仕方についても記載をしてあるはずですよね。

【浦野委員】 それはわかりやすく説明していただければいいと思うんですけど、あんまり詳し過ぎてもよくわからなくなってしまう。細かいことは、また個別は個別で情報として、全体を見るときに誤解のないようにしっかりする。

【田邊委員】 ただ、この分類変更をしたら平均値が上がりましたという資料ですがこういうものを一度きちんと出して、説明をしていただくほうが皆さんわかりやすいと思います。元は同じ測定局ですけども、集計の仕方を変えるとこうでしたよということを一度言っておいていただけるとよい。今までの公表データで単純に平均していましたから、突然高くなったらびっくりするので。

【浦野委員】 だから、この参考資料3は委員限りで回収するという話で、いろいろ問題のある部分もあると思うんですけれども、この中である程度出せるような形のものはやっぱり公表していく工夫していただきたいと思います。ただ、個別の県でどうこうというのは県の事情もおありだとは思っているんですけど、例えば物質ごとの集計の仕方でこう変わりましたなんていうのは、ある程度出してもいい気がしますね。その辺判断して、参考資料3の中で出せるものは出していく、あるいは解説文をうまくつけて説明していくことはいいことだと思います。

【永田委員長】 あと、いかがでしょうか。

【田邊委員】 ちょっと。もしかすると、多少、夢、希望に近い話なんですけれども、今回こうやって新しいやり方で、もう選び方を論理的にできるようにしましたと。ただ、そちらの分厚い資料を見せていただいて、そういうものがだんだん一般に使えるとか、もう少し精度の高い推定をして、どこまで精度の高い推定をする必要があるかわかりませんけれども、測定局を選ぶ際に、誰でも使えるぐらいのことをいずれ目指したいなという思いがちょっとございます。というのは、今ですと、もうこちらで計算してみて、こういうふうな予測ができるので測定局を移したらどうですかというような形にどうしてもならざるを得ないんですけれども、そういう推定自体をやろうと思えばできるように、そのツールという形で一般化していくというようなことも将来ですけど、考えられないかなと。ちょっと時間はかかるかもしれませんけれども、ぜひ将来の課題としてご検討いただければと。

【永田委員長】 どうもありがとうございました。なかなかあれかもしれないけど。

【浦野委員】 PRTR物質について、例えば個別の物質について、どこの発生源で、周辺濃度がどうというのは簡単な、いろいろシミュレーションでもう公開されているのがありますよね。そういうものはここでは一切触れないんですかね。一応、NITEとか環境省もそうですけど、幾つかモデル計算して、地図上で濃度分布が出ているのがありますよね。そういう類いは全く触れなくていいんですかね。毎年、毎年更新してくれて、いつまで続くかというのはわからないのです。

【中杉委員】 それやっているのは幾つかありますけども、必ずしも測定のほうが正しいのか、モデルのほうが正しいのか、かなり範囲が高いものがあるので。

【浦野委員】 私の言いたいのは、測定地点の選定だとか、あるいは移動して今度はこっちをはかるとかいうときには、そういうものを頼りにせざるを得ないですよね。ある程度発生源があって、量を多く出して、周辺が高くなるという判断をどこかでするわけです。そういうときには参考になる。別にぜひということじゃないんですけど、田邊先生から一般化という話もあって、モデル計算とかね。そういうのにはいろんなトライがあるので。触れなきゃ触れないで、割り切っていいんですけど。

【福田大気環境課専門官】 PRTRのデータで単純に判断できるように、すごくシンプルにできるようにという意味でこういうような形にしましたけれども、もちろんNITEなりの1キロメッシュとか5キロメッシュで濃度のモデル計算をしてというのはあると思いますので、そういったものももちろん参考にしていただいて、自治体の判断でやっていただく分には、それは結構だとは思います。今回のは、あくまで自治体の判断を手助けするための目安として、PRTRですごく単純な仮定を置いて計算すると、これぐらいの排出量で2分の1を超えますよという目安としてお示ししているということです。

【永田委員長】 今のお話を聞いていて、このQ&Aのところに何かちょっとそういうものを書いて、その情報として紹介するぐらいの格好だったらできないのかなというふうには思っていたんです。

【浦野委員】 国立環境研究所でそれなりにやっているし、いろいろやっているから、そういう例もありますぐらいのことは出してもいいかもしれない。

【福田大気環境課専門官】 参考情報としてQ&Aで例えばおつけするということは十分できると思いますので、検討したいと思います。

【田邊委員】 その場合、自動車排出については、JATOPとか別の排出推計がたしか公開されていたか、される予定かだったと思います。こういう線分で試算をするというのではなくて、たしかメッシュの情報があったと思うので、紹介してもいいかと思います。

【浦野委員】 それを使えということじゃなくて、参考情報ですね。

【永田委員長】 そうそう。ですから、本体のほうには触れていないから、できればこっちのQ&Aではこういう、それと同等のものだとしたらどんどん使ったほうがいいかもしれないんで、あるいはもうちょっとね。だったら、そこをこっちに書いておけば、それで済むかなと思う。

【福田大気環境課専門官】 はい。じゃあ、ぜひガイドラインのほうに情報として入れさせていただきたいと思います。

【永田委員長】 あと、いかがでしょうか。

 このQ&Aってかなり微妙な表現もうまくされているのかなと思って、49ページに、上のほうのクエスチョン4のところで、三つほどの●、四つありますけど、三つ目の●のところで、「その懸念が特定の工場だけに起因することが明らかな場合、モニタリングとは別の方法で対策を講ずることで」という、モニタリングとは別の、このモニタリングも何か対策の中には入っちゃっているような印象を受けるんだけど、何かちょっとここ違和感を覚えるなと思って。

【福田大気環境課専門官】 ちょっと表現が適切でなかったかもしれませんけれども、大防法22条に基づく常時監視ではなくて、例えば個別の事業者さんとの協定に基づく敷地境界での測定とか構内での測定とか、そういったこともあると思いますので、常時監視というのはもう通年で毎月、年12回測るわけですけれども、そういったものではなくて、例えば単発で敷地境界で測ってみるとか、固定発生源が明らかな場合はですね、そういうこともできますので、そういったことを想定して書いています。ちょっと表現が適切でないところがありますので、修正はさせていただきます。

【永田委員長】 それから、これちょっと確認なんですけど、51ページの一番上の11番かな。これの●の2行目のところに「やむを得ない場合には」って、これはやむを得ない場合という言葉だったんでしたっけ。もうちょっとやわらかかったかなという気がしたんですけど、測定地点を移動させる話で。年度ごと。

【福田大気環境課専門官】 できれば継続して測っていただきたいというところはありますけれども、今の事務処理基準でも隔年とか3年ごとで測ってもいいようなことになっていますので、ここもじゃあちょっと表現は。

【永田委員長】 いや、言葉としてね。これだとかなりあれですよね、本当はやってほしくないんだというニュアンスなんだけど、地方自治体の事情によっては、測定地点はこれ以上、いろいろな形で増やせないという中では……

【福田大気環境課専門官】 選択肢としてはあり得ますので。

【永田委員長】 あり得るんで、ちょっとあんまり否定的な形で書いておかないほうがいいかなという気がしています。

【福田大気環境課専門官】 はい。

【中杉委員】 それをやっちゃうと、そこを要約してやると、そちらのほうに走りかねないなという懸念があります。

【永田委員長】 いや、ただ、本文中でどう書いてあったかということも含めて、ちょっとこの辺見ておいていただいたほうがいいかもしれません。

【浦野委員】 固定発生源でこういうふうに思って測定してみたけれども、1年間、2年間やってみて、思ったほど濃度が高くない場合には別のところに移すということは当然あり得るわけですよね、より効果的なところに測定地点を移すと。だから、それはそれでむしろいいことなのでやむを得ないという表現 はどうでしょうか。もうちょっと前向きの表現はできませんか。やたらと動かしていいという意味じゃないですけど、有効な測定地点に移動することもあり得るというようなことは表現してもいいと思いますね。

【大森大気環境課長】 必要に応じてとか条件に応じてとか勘案しとか、そんなふうに。

【浦野委員】 その辺、表現を。

【大森大気環境課長】 はい。

【永田委員長】 よろしいでしょうか。

 それでは、基本的な方向性につきましては、この改正案、ご了承いただけるのかなというふうに思いますので、先ほどからちょっと話題になっていた部分の文言、これについてはちょっと私と事務局のほうにご一任いただきまして、修正のほうを考えさせていただくと。よろしくお願いします。

 それでは、続きまして、議題の二つ目、その他ということで、何か事務局のほうからありましたらお願いします。

【片山大気環境課長補佐】 それでは、次ですけれども、報告事項でございますけれども、平成23年度の有害大気汚染物質モニタリング調査結果について、先日、報道発表を行いましたので、簡単に概要をご説明いたします。参考資料をもとにご説明いたします。参考資料の4をご覧ください。報道発表資料につきましては、ホームページのほうに掲載しておりますので今回は割愛させていただいております。詳細は後ほど見ていただければというふうに思います。

 それでは、大気汚染防止法に基づいて、国と地方公共団体では有害大気汚染物質の大気環境モニタリングを実施してございます。モニタリングの対象物質でございますけれども、現在は優先取組物質23物質あるうちの21物質を対象としてございます。平成23年度までは優先取組物質の見直し前、22物質のうちの19物質について対象としておりました。

 まず、(1)といたしまして、継続測定地点における大気環境濃度の推移でありますけれども、めくっていただきまして、図1に平成14年度から平成23年度まで月1回以上、継続してモニタリングを実施している地点の結果について整理してございます。物質によって継続測定地点数は異なりますけれども、平成23年度までの10年間、継続的に実施した地点の結果でございます。全体的には改善傾向、または一部の物質では横ばいの傾向にあろうかといったようなところであります。

 次に、(2)では、環境基準等の超過地点数の推移について整理しております。平成10年度から平成23年度まで月1回以上、モニタリングを実施している全ての地点について整理しているものが表1、それから表2になります。表1では、優先取組物質のうち環境基準が定められている4物質、また、表2では、優先取組物質のうち指針値が定められている8物質を整理してございます。平成23年度の結果について見てみますと、ベンゼンで2地点、それから、1,2-ジクロロエタンで3地点、ヒ素及びその化合物で5地点と、合計3物質、10地点において環境基準または指針値の超過が見られております。これは平成22年度のヒ素及びその化合物の1物質3地点に比べ、超過地点数が増加したという結果になってございます。

 以上がモニタリング調査結果の整理でありまして、それから、2では、環境基準等を超過した地域における対策の現状であります。最後、表3に、平成23年度に環境基準等を超過した地域における対策の現状を関係自治体に聞き取りを実施いたしまして、その概要を整理しております。まず、ベンゼンですが、千葉県の市原市で2地点あります。平成23年度の測定結果は、年平均値で環境基準の3μg/m3に対して、それぞれ3.3μg/m3、5.7でありました。対策の現状でありますが、千葉県と市原市は、環境基準を超過するおそれが判明した2月に測定地点周辺に立地する47事業所へ聞き取り調査を実施するとともに、3月には、2回にわたり測定地点及びその周辺の計6地点において大気濃度を測定し、原因の分析を行いましたが、発生源の特定には至らなかったということであります。また、環境基準を超過するおそれが判明したことから、測定地点周辺に立地する事業所に対して、千葉県環境保全協議会を通じて測定値の情報提供をするとともに、有害大気汚染物質の排出抑制対策及び排出状況の再点検を指導したということであります。

 次に、1,2-ジクロロエタンであります。1地点目がベンゼンと同じ市原市です。平成23年度の測定結果は、年平均値で指針値の1.6μg/m3に対して、2.6μg/m3でありました。対策の現状でありますが、これについてはベンゼンと同様であります。

 2点目は、岡山県の倉敷市であります。平成23年度の年平均値で3.5μg/m3でありました。対策の現状でありますが、倉敷市は、平成23年8月の測定値が高濃度であることが判明次第、周辺企業の主要7社に対して調査報告を求めたところ、モニタリング調査実施日に当該事業所において1,2-ジクロロエタンのタンク内洗浄作業を実施しており、風向等からも測定結果への影響があると推測されたことから、同事業所に対して立入調査を実施したということであります。そして、市は、当該事業所に対して、有害大気汚染物質を扱う際には排出を低減させる対策を行うよう指導するとともに、今後において同様の作業が行われる場合には、対策を検討するよう指示したということであります。

 3点目は、大分県の杵築市であります。平成23年度の年平均値で2.7μg/m3でありました。対策の現状としては、大分県は、高濃度検出に影響したと考えられた事業所に対して、大分県生活環境の保全等に関する条例に基づいて、代替品の導入を検討するなど排出量の削減に努めるよう指導したということであります。

 次に、ヒ素及びその化合物であります。5地点全てが福島県のいわき市であります。平成23年度の測定結果は、年平均値で指針値の6ng/m3に対して、それぞれ6.9ng/m3、18、それから34、16、8.2でありました。対策の現状でありますが、福島県生活環境の保全等に関する条例で、排出基準1mg/m3が設けられております。いわき市は、ヒ素及びその化合物の指針値設定前から、高濃度検出に影響したと考えられた事業所に対して、公害防止協定に基づき排出ガス中の自主測定結果の報告を求め、排出基準の超過がないことを確認するとともに、市内大気中の測定結果の情報提供や排出削減に係る意見交換を行ったところ、平成22年6月に当該事業所からいわき市に削減計画が提出されたということであります。そして、当該事業者は、削減計画に基づいて平成22年10月より順次、路上清掃車の導入、鉱石運搬車のタイヤ洗浄設備の導入、ばい煙対策としての湿式電気集じん機等の取りつけなど排出抑制対策を実施しているということであります。また、事業者は、平成23年8月の環境省による現地ヒアリング以降、排出抑制対策の前倒しを実施し、平成29年度にかけて対策を行う計画を、平成25年度までに終了する計画にしたというところでございます。

 以上が、環境基準等を超過した地域における対策の現状であります。

 これで参考資料4の説明を終わります。

【永田委員長】 どうもありがとうございました。

 いかがでしょうか、何かご意見等。

【中杉委員】 ベンゼンとか1,2-ジクロロエタンで、岡山のときは23年8月の値が高いということですけれども、ほかの市原の例だとか杵築の例というのは、これも年平均ではこういう値だけど、恐らくは高い月がぽんとあって、それで年平均が高くなっているという傾向じゃないのかなと思うので、そこら辺はどうなっているんでしょうかね。ちょっとそういうふうな形の見方をして、倉敷の対応というのはなかなか適切な対応かなというふうに思うんですけど、ちょっとそんな形の整理をして解析をしていく必要があるんじゃないかと。

 それから、過去の平成21年度はどんな状況だったのかというか、全体としては上がっている傾向なのか、それとも横ばいで変動している中で、たまたま3の上に行った、下に行ったの話なのかというところも一つ問題だと。

 それから、いわきの場合は、多分、業種としては非鉄金属精錬ではないかというふうに思われるんですけれども、ほかのような事業所がたくさん日本全国にあって、例えばニッケルなんか過去に指針値が超えているものがあって、それが大分下がってきている傾向があるんですけども、この事業所は過去のニッケルなどについてはどういうふうになっているのかなというのは、そういうところも見ていく必要があるんじゃないかと。ほかの事業所と比べて、ここが特別なのか。ほかは、例えば八戸の事業所などは対応がなされ、八戸の濃度というのは結構ニッケルなんか下がってきて、それに合わせて多分ヒ素も下がってきていると思われるんですけど、ここだけ下がっていないで、こういう状況にあるのかどうかというようなことも少し見ていく必要があるのかなというふうに思います。

【永田委員長】 どうもありがとうございます。

 何かありますか、コメント。

【片山大気環境課長補佐】 それでは、1点目でございますけれども、各月の測定で基準値を超えているところをちょっと見てみますと、まず、ベンゼンの千葉県の市原市でございますけれども、1地点目は平均が3.3でございますけれども、超えている月が六月超えて、全体的には平均を超えていると、基準値を超えているというところでございます。もう一地点が五月ですか、それで平均値を超えていると。やっぱり月によって高いところが結構ありまして、それで全体的に平均を超えているといったようなところがベンゼンでございます。それから、1,2-ジクロロエタンですけれども、市原市につきましては二月が超えていまして、特に9月が大幅に超えているというところで、これで全体の平均値が上がっているというふうなところでございました。それから、倉敷市につきましては、こちらも2回ですね。やっぱり8月が一番大きかったというところでございました。それから、大分県の杵築市につきましては、全体で8回ですかね、八月超えているというようなことで、平均値が2.7という形になってございます。それから、ヒ素とその化合物、いわき市でございますけれども、やはり全体的に見て、この地域、半数近くの月が超えているというようなところでございます。

 まず1地点目が……

【永田委員長】 細かい話はいいかもしれません。

【片山大気環境課長補佐】 いいですか。そういったところでございます。

【永田委員長】 今の中杉先生のお話の中では、これまでの測定状況等も踏まえて、従来も高濃度でこういう指針を超えそうなときがあったら早目に手を打ったほうがいいですよと。そういうことを、これそれぞれは、それぞれの地方自治体が対策を打ってくれているので、そっちにお任せするということになるのかもしれません。ただ、これを多くしていただいた上では、そういうコメントを、あるいはこういう地方自治体に返す、そういうことが必要なのかなというふうに思いますし、それから最後のお話のところは、今これ福島県の話は対策過程にあるというふうに解釈していいんですよね。その辺のところが十分効果が出てくるような状態で実施してもらいたいのと、もう少し早目に対応していってもらうような流れというのを考えてほしいということになるんでしょうかね。ちょっともう少し、この実績を踏まえた上での対応という形にはなってないんですよね、まだね。

【片山大気環境課長補佐】 まだそうですね。

【永田委員長】 ですから、そういう意味では、相変わらず23年度もこういう状態が続いている。その前年度から対策が始まっているんですかね、そういう状態でもこういう状態ですよということを言わなくちゃいけない。

【片山大気環境課長補佐】 それから、ちょっとまた補足いたしますけれども、先ほどありました21年度の、じゃあ平均値がどうだかというところでございますけれども、千葉県の市原市につきましては、1地点目が21年度の平均値は2.0でございました。2地点目が1.8でございました。そっちはベンゼンですね。それから、1,2-ジクロロエタンにつきましては、市原市が21年度は1.7ということでございました。それから、岡山県倉敷市は3.4ということで、この両方とも指針値を超えてございました。

 それから、いわき市のヒ素につきましてですけれども、23年度のPRTRデータの届け出排出量につきまして見ますと、23年度は950kgの事業所からの排出がございました。それは平成22年度は2,400kgでございましたけれども、約半分以下に23年度は下がっているといったような状況でございます。ただ、濃度的にはそんなに下がっていないというようなところでございます。それから、21年度のPRTRデータの排出量は2,100kgといったところでございました。

 以上でございます。

【福田大気環境課専門官】 補足させていただきますけれども、岡山については突発的なものの影響で高くなったということですけれども、千葉なんかは特定の発生源の影響ということは、ちょっとまだ言えないということがございますので、千葉県さん、市原市さんのほうと地元の業界の協議会、地元の事業者さんとのほうできちんと情報共有していただいて適切に対応していただきたいというふうに考えております。いわき市については、これは過去からずっと環境省のほうでもいわき市さんと、それからこの事業者さんと話をさせていただいておりまして、23年には直接、環境省の職員が現地まで赴いて、どういった対策ができるかというところを話し合っておりまして、こういう計画でやりますというような計画も出していただいておりまして、まだ、その計画の過程ではありますけれども、順調に減ってきてはいるというふうに認識しております。

【永田委員長】 どうぞ。

【浦野委員】 これはこれで私は報告というか、いいと思うんですけれども、基本的には、その発生源が多分あって、それの測定地点と気象条件によって当然、濃度がいろいろ変わる。基準値、指針値は基本的には年間平均値ですから、これでいいと思うんですけれども、やはり最大値が基準値を大幅に上回っているとかというようなところは当然あるわけで、そういうところは年平均がぎりぎりか、あるいは以下だとしても、やっぱり最大値がたびたび超えているような場合は要注意だと思うんですね。ですから、その辺のこと、あるいは測定地点が若干さっきのより離れていると、近かったらもっと高く出るかもしれないということもあり得る。これはあくまでも現在測定しているところで見つかった事例にすぎないので、せっかく今度新しい指針が出ますので、そういうことも含めて、基準超える回数がかなり多いとか、あるいは最大値が非常に高いとか、あるいは測定地点との関係を考えたらもうちょっと高くなる可能性もあるというようなことを配慮して、今後、対策を検討するのがいいと思うんです。また、こういうものを出すときに、先ほど中杉委員も言われましたが、同じ業種あるいは同じような地域でほかのものがどうなっているかというようなことも配慮して物を考えるのがいいので、その辺、今後、大気環境をよりよくするためにどういうことを配慮する必要があるというのは何かしらどこかで示していただくのがいいかなというふうに思いますね。

【永田委員長】 わかりました。測定データの分析等もベースにしながらでしょうかね。それから、年度の経過をそれに合わせて見ていくという流れの中でどう対応していったらいいかということを少し環境省のほうでも検討していただいて、それをサジェスチョンに使っていただくということでしょうね。よろしいでしょうか。

 それでは、以上で今日の審議内容あるいはご報告内容は終わりでございますので、あと事務局のほうにお返しいたします。

【片山大気環境課長補佐】 本日は、長時間にわたってご審議、ありがとうございました。事務処理基準の改正については、本日いただいたご意見を踏まえ、委員長と相談の上、修正し、7月に予定されております大気・騒音振動部会、これに報告させていただきます。その後、7月中を目途に地方自治体に通知させていただきます。

 また、本日の議事録については、各委員にご確認いただいた上で公開することとさせていただきます。

 以上で、本日の議事を終了したいと思います。どうもありがとうございました。