自動車排出ガス総合対策小委員会(第10回) 議事録

1.日時

平成28年12月27日(火)15:00~17:00

2.場所

環境省 第2・第3会議室(中央合同庁舎5号館19階)

3.出席者 

(委員長)  飯田 訓正

(委員)   浅野 直人    小林 雅文

       遠藤 啓二    草鹿  仁

       竹間 雅人    千田  敏

       横田 久司

(環境省)  髙橋水・大気環境局長

       早水大臣官房審議官

       江口総務課長

       瀧口自動車環境対策課長

       眼目自動車環境対策課長補佐

       定自動車環境対策課長補佐

       三上環境専門調査員

4.議題

(1)自動車NOx・PM総量削減基本方針に係る中間目標達成状況、施策の進捗状況及び

   今後の取組みについて

(2)平成32年度目標(環境基準確保目標)の評価手法について

(3)その他

5.配付資料

 

  資料1   自動車排出ガス総合対策小委員会 委員名簿

  資料2   自動車排出窒素酸化物及び自動車排出粒子状物質の総量の削減に関する基本方針の

        中間レビュー(案)

  資料3   自動車NOx・PM総量削減基本方針の中間目標達成状況、施策の進捗状況及び

        今後の取組みについて

  資料4   平成32年度目標(環境基準確保目標)の評価手法について

  資料5   中間レビューに係る今後のスケジュール(案)

  参考資料1 自動車NOx・PM総量削減基本方針(平成23年3月25日閣議決定)

  参考資料2 自動車排出窒素酸化物及び自動車排出粒子状物質の総量の削減に関する基本方針の

        中間レビュー参考資料

6.議事

【眼目自動車環境対策課課長補佐】 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第10回中央環境審議会大気・騒音振動部会自動車排出ガス総合対策小委員会を開会いたします。

 私は、司会を行います自動車環境対策課の眼目と申します。よろしくお願いします。

 本日の委員の皆様のご出席の状況でございますが、石田委員、織委員、村木委員、丸山委員におかれましては、本日ご欠席のご連絡をいただいております。

 8名の委員の方にご出席いただいているところでございます。

 本日の会議は、中央環境審議会の運営方針に基づき公開とさせていただきます。

 次に、本日の資料について確認させていただきます。

 まず、議事次第でございます。議事次第の同じ紙の下のほうに資料の一覧が書いてございます。

 資料1に、現在の委員名簿でございます。

 それから、資料2でございますが、自動車NOx・PM総量削減基本方針の中間レビュー(案)でございます。

 資料3はパワーポイントでございますけれども、資料3につきましては、基本方針の中間目標達成状況、施策の進捗状況及び今後の取組みについてという資料でございます。

 それから、資料4でございます。資料4は、平成32年度目標(環境基準確保目標)の評価手法についてでございます。

 それから、資料5でございます。資料5は一枚紙でございます。中間レビューに係る今後のスケジュール(案)でございます。

 それから、参考資料1、2をつけてございます。

 参考資料2のほうは、クリップどめの資料でございます。

 資料は以上でございますが、もし配付もれ等がございましたら、事務局までお申しつけください。よろしいでしょうか。

 それでは、議事に移りたいと思います。

 以降の進行につきましては、委員長にお願いいたします。

【飯田委員長】 進行役をやらせていただきます。慶應大学の飯田でございます。

 皆様におかれましては、ご多忙のところをお集まりいただきまして、ありがとうございます。

 第10回大気・騒音振動部会、自動車排出ガス総合対策小委員会の議事に入らせていただきます。

 本日は、昨年の11月から議論を進めてまいりました自動車NOx・PM総量削減基本方針の中間レビュー(案)を、皆様にお諮りして検討させていただきたいと思います。

 議題は二つございまして、お手元の議題に沿って進めさせていただきます。

 まずは、最初の1でございます。自動車NOx・PM総量削減基本方針の中間目標達成状況、施策の進捗状況及び今後の取組みについて、事務局より説明をお願いいたします。

 それから、中間レビュー(案)の説明の際には、今後想定されるスケジュールについてもあわせてご確認いただければと思いますので、事務局から、その説明もお願いいたします。よろしくお願いします。

【瀧口自動車環境対策課長】 自動車環境対策課長の瀧口です。どうぞよろしくお願いします。

 それでは座って説明させていただきます。

 まずは、お手元の資料2をご覧いただけますでしょうか。

 自動車排出窒素酸化物及び自動車排出粒子状物質の総量の削減に関する基本方針の中間レビュー(平成28年度)ということで、本日は、この中間レビューの案についてご議論いただいて、パブリックコメントにかけるものをおまとめいただきたいというのが会議の趣旨でございます。

 全体のスケジュールをご説明させていただきます。資料5をご覧ください。

 本日、この第10回の小委員会で、この中間レビュー(案)についてご審議をいただきまして、本日いただいたご意見、そして一部、平成27年度のデータ等速報値の部分がありますので、そうしたところを確定して、1月中にはこの中間レビュー(案)についてパブリックコメントにかけ、約1カ月のパブリックコメントを経て、3月に第11回の小委員会を行いまして、このパブリックコメントも踏まえて、この中間レビューの最終案を審議いただいた後、取りまとめということでお願いできればと思っています。

 また、来年の5月以降に中央環境審議会の大気・騒音振動部会の開催が予定されておりますので、その部会のほうにこの取りまとめについて報告ということで予定を考えております。

 それで、資料2に戻っていただけますでしょうか。

 この中間レビューの案ですけれども、1枚めくっていただきますと、この中間レビューの案、全体で20ページですが、その目次が書いてございます。

 目次1から5までございますけれども、1番が自動車NOx・PM対策の経緯及び中間レビューについて、2が中間目標の達成状況、3が基本方針に係る施策の進捗状況、4が基本方針に係る施策の今後の取組み、そして、5が平成32年度目標の評価手法についてということで、五つの章からなっておるわけですが、本日、最初の議題で、この1から4の部分をご説明いただき、また審議をいただいて、次の後半の議題で平成32年度目標の評価手法について議論をいただくというふうにしていただければと思っております。

 それでは、前半の中間目標の達成状況、評価、施策の進捗状況等でございますが、この文章は、この1ページ以降に続くわけですけれども、コンパクトに説明させていただくということで、資料3のほうに、このレビューの文章をパワーポイントの形にしたものがありますので、こちらで説明させていただきたいと思います。

 1ページ、このタイトル、そして項目ということで、先ほどの目次とほぼ沿った内容に資料がなっております。

 めくっていただきまして、3ページのところをご覧いただけますでしょうか。

 この中間レビューの位置づけですけれども、自動車NOx・PM法につきましては、政府が対策地域の総量削減基本方針を定め、関係の都府県は、その方針に基づき総量削減計画を策定、推進することにしております。

 今、画面にも映っておりますが、お手元の資料、あるいは画面のほうをご参照いただければと思います。

 現在の基本方針は平成23年3月に定められたものですが、その中で、平成27年度の中間目標として、対策地域内の全ての常時監視測定局で環境基準を達成する。そして、平成32年度の最終目標で、対策地域内における環境基準の確保を常時監視測定局だけではなくて、地域内全体での環境基準の確保をということにしておりまして、その進捗状況の把握・評価に努め、進行管理を実施するということが記載されております。

 そして、その後、平成24年11月には中央環境審議会で答申をいただきまして、その中で中間目標年度、これは平成27年度になるわけですが、その評価とその後の取組みについて検討すると、こういう流れで、本日、この中間レビューの案をご議論いただくことになったわけです。

 まず、中間目標の達成状況ですけれども、次のページ、5ページをご覧いただけますでしょうか。

 これは、先生方もご承知かと思いますが、この窒素酸化物、あるいは粒子状物質、その達成状況は、それぞれ二酸化窒素、浮遊粒子状物質の環境基準の達成率で評価をするということになっておりまして、NO2のほうは年間98%値、浮遊粒子状物質SPMのほうは2%除外値で環境基準達成の評価を行うわけですが、SPMのほうは、この2%除外値のほかに「ただし」ということで、1日平均値が環境基準を超える日が2日以上連続した場合には、環境基準は達成できなかったという、そうした長期的な評価にしております。

 それで、環境基準の達成状況ですけれども、6ページをご覧いただけますでしょうか。

 この達成状況は、これは平成27年度の状況ですが、一般環境の測定局、それから自動車排出ガスの測定局がございますが、一般環境測定局は、この対策地域内、首都圏、愛知、三重、大阪、兵庫、全ての測定局でNO2、SPMの環境基準を達成しております。

 自動車排出ガス測定局につきまして、首都圏で1カ所、NO2を達成できない、環境基準を達成できないところがございました。これは環七通り松原橋測定局という、東京都の大田区のところです。

 また、SPMのほうは大阪・兵庫のほうで1カ所、これも達成できないところがございました。これは大阪府、堺の湾岸局ということであります。

 ちなみに、この大阪・兵庫のほうで達成できなかった1測定局は、2%除外値のほうは達成しておりましたけれども、日平均値が2日連続して基準を超過したということで達成できなかったという評価になっております。

 次のページ、7ページ目。

 平成23年度以降の環境基準達成率の推移がございますが、NO2が約99%以上で推移しているのに比べまして、SPMがやや不安定な動きをしております。特に、平成23年度を見ていただきますと達成率が80%を切っておりまして、これも先ほど申しました2日以上連続して日平均値が基準値が超えていたということで、非達成という評価になったものですが、特に平成23年度は、平成23年5月に大規模な黄砂の影響がございまして、全国的に達成率が悪かったという、そうした事情もございます。

 常時監視測定局における達成状況ということで、その推移をもう少し詳しく見てみますと、NO2の98%値ですが、8ページをご覧いただけますでしょうか。

 それぞれ平均値、それから標準偏差、最大値、最小値ということで、この測定局の平均値は緩やかな低下傾向にあり、この最大値の棒のところが0.06を超えている部分があるというところもおわかりになるかと思います。

 次に、9ページ目ですけれども、こちらはSPMの2%除外値、この推移ですけれども、これは継続的に最大値においても環境基準値を下回っているというのがこのグラフからおわかりになるかと思います。

 それで、特に、このNO2につきまして、環境基準の達成が安定しないところ、この23年から27年度の間に2カ年以上、この基準が非達成になったことがある局ということで、三つの局につきまして、その推移をまとめてみたものが10ページのグラフでございます。

 環状七号の上馬、そして、平成27年度においても達成できませんでした環状七号の松原橋、そして、神奈川県の池上新田公園前の、NO2の年平均値の推移を表しておりますが、横軸が近傍の幹線道路の自動車NOxの排出強度、縦軸がNO2の年平均値ということで、まず、環状七号の上馬と池上新田、青と黄緑の推移を見ていただきますと、若干、平成22年から23年にかけまして右側にふれて、あと、自動車NOx排出強度の低下に伴いまして年平均値も低下しているというのが傾向としておわかりになるかと思います。

 環状七号松原橋ですけれども、平成22、23、24とあって、25、26と一旦下がって、また27でNO2年平均値が上がっていますけれども、これは平成25年度と平成26年度に隣接する橋の架け替え工事があったということで、数十メートル測定局を移動せざるを得なかったという状況がございまして、このようなイレギュラーな動きになっておりますが、23、24、27ということで比べると、この低下傾向というのはある程度把握できるという、そういう状況になってございます。

 11ページ目をご覧いただけますでしょうか。

 SPMのほう、これも先ほど申しましたように、平成23年度は黄砂の影響等で達成率が悪かったわけですが、これは一般局、自排局とも、全国、それから対策地域内での推移を見たものですけれども、全国と対策地域内での動きが、それほど差がないというのがこの11ページのグラフでおわかりになるんじゃないかと思います。

 対策地域内の環境基準を達成できなかったところの原因等を分析しますと、主な要因は、黄砂、光学現象、あるいは気象条件に伴う広域的な要因と考えられましたので、このSPMの近年の非達成の主な要因は、自動車排出源に起因するものではないというふうに考えられます。

 こうした現状、そして分析を経まして、その評価ですが、二酸化窒素につきましては、中間目標、全常時監視測定局での達成ということは、平成27年度に1局において非達成、できなかったものですから、中間目標は達成できませんでしたけれども、平成23年度から27年度までの間に非達成となった局においては、排出量削減に伴う濃度の低下傾向が見られることから、総量削減施策による効果は現れているというふうに考えております。

 また、浮遊粒子状物質のほうは、こちらも中間目標、全局での達成、これは1局において非達成でしたから、これも達成できなかったわけですが、その主な要因は、自動車排出発生源に起因するというよりは、黄砂あるいは光化学現象、気象条件等の広域的な要因というふうに考えられるものですから、また、2%除外値については十分下回っているということで、総量削減施策の目的は達成しているというふうに評価できるのではないかとしております。

 次に13ページ目にまいりまして、これまでは平成27年度の中間目標の評価ということでしたが、それでは最終年度目標の平成32年度はどうなのかということにつきまして、大気汚染物質の数値シミュレーションモデルを用いまして、NO2の98%値とSPMの2%除外値を推計してみました。

 この濃度予測の流れが13ページ目にあるものでして、この将来の発生源のところにつきましては単純将来条件、すなわちここに書いてありますような交通量、排出ガス規制適合車比率、次世代車の普及状況等の推移が、現在のトレンドがそのまま単純に伸びるという前提のもとで推計しております。

 その結果ですけれども、14ページをご覧ください。

 NO2に関しましては、常時監視測定局では一般局、自排局、全ての局で環境基準を達成できるという推計になっております。

 またさらに、もう少し詳しく、主な幹線道路の交差点の近傍地点で推計してみましたところ、それぞれ、首都圏ですと1,447地点、他に愛知、三重、大阪、兵庫で評価しましたところ、首都圏におきまして13地点で環境基準値超過する地点が出てまいりました。ただし、これは先ほど申しましたように、単純将来の条件を入れて推計したものですので、各自治体で定めておられる総量削減計画の目標の達成、これから目標を達成されることで、総量削減施策が行われることで、全ての地点で環境基準値以下になるというふうに考えられております。

 その点が、この14ページの下の表の、備考のところで書いてあるところでございます。

 次のページ、15ページをご覧ください。

 SPMのほうは、こちらはこのシミュレーションを行いましたところ、常時監視測定局、それから主な幹線道路の交差点の近傍地点とも環境基準を達成するという推計結果となっております。

 この結果を踏まえまして、16ページのところになりますが、NO2の年間98%値、今申しましたような結果でしたけれども、現在の総量削減計画に基づく取組みの継続により、環境基準値以下になると考えられます。

 また、SPMの年間2%除外値については、これも環境基準値以下というふうに推計されるということで、現在の総量削減計画に基づく取組みの継続により、平成32年度において、全ての常時監視測定局、そして主要な幹線道路の交差点の近傍地点において、環境基準を達成する見込みが高いというふうに考えております。

 ただし、これはあくまで推計結果でございますので、交通需要あるいは新しい排ガス規制の適合車への移行等、こうしたものが順調に進むか、そうしたことを最新の状況を十分に注視していく必要があるというふうに考えております。

 それで、次に17ページにまいりまして、施策の進捗状況ということでご説明をしたいと思います。

 18ページをご覧いただけますでしょうか。

 まず、平成27年度までが実績で、目標と書いてありますが、それぞれ関係する8都府県の自動車NOx排出量の推移を積み上げたものですけれども、平成25、26、27と減ってきておりまして、対策地域総計では平成27年度目標を下回る、達成するという結果になっております。

 一方、中には平成27年度目標を達成できなかった自治体もあるわけですが、全体では目標を達成しているということで、さらにこの平成32年度目標の達成に向けて、今後、この後で説明します施策が講じられるということになります。

 次の19ページのほう、これはSPMのほうの排出量の推移ですけれども、こちらは全ての自治体におきまして平成27年度の目標を達成しておりまして、平成27年度において既に平成32年度の目標を達成している状況にございます。

 それで、実際に、このNOx・PMの排出量が、どの車種が効いているのかということですが、20ページをご覧いただけますでしょうか。

 21年度から27年度の変化の内訳を示したものですけれども、この9割以上がNOx・PMとも普通貨物車からの排出ですので、全体の数字には普通貨物車の削減というのが大きく効いているわけですけれども、小型貨物車、バス、乗用車も、それぞれ削減が進んでいるというのがおわかりになるかというふうに思います。

 21ページ目をご覧いただけますでしょうか。

 この後、実際どれぐらいそれぞれの施策が効いているかということを見るために、排出削減効果ということで試算しておりますが、この考え方は、21ページにございますように、自動車走行量に排出係数をかけて、年間の排出量が出るわけです。ですから、それぞれ、例えば交通流対策等で自動車走行量が減れば①のファクターに効いてきて、単体対策で排出係数が改善されれば、これは②のファクターに効いてくるということになります。

 22ページに、平成21年度から27年度にかけて、走行量、それからNOx・PMの排出係数の変化を書いております。走行量は、全体で2.6%減、NOxの排出係数は25.3%減、PMの排出係数は57.8%減ということで、走行量はほぼ横ばいといっていいかと思いますが、排出係数の改善、特に、自動車単体対策、新しい排出規制適合車への代替によりまして、排出量が減少しているということがわかるかと思います。

 23ページをご覧いただきますと、特定事業者における取組みの状況を分析してみました。

 特定事業者というのは、23ページ目の右側に書いてあります1都府県内で30台以上保有している事業者でして、NOx・PM対策として、事業者使用管理計画の作成と、知事への提出、毎年度の取組み状況の報告が義務づけられているわけですが、この特定事業者のうち、運送事業者以外のNOx排出量ですけれども、これは23ページ目の上のグラフですが、平均低減率が年9.3%でありまして、対策地域全体では6.1%減ですから、特定事業者の運送事業者以外では、これを上回る低減率だということがわかります。

 また、特定事業者のうち運送事業者ですけれども、これは、このデータが取れました中部運輸局を代表にしておりますけれども、これも平均低減率が8.1%で、対策地域全体での6.1%を上回る低減率であったということがわかりました。

 24ページのほうは、同じ分析をPMについても行っております。

 これも、それぞれ特定事業者のうち、運送事業者以外、それから運送事業者、それぞれ対策地域全体での低減率を上回る低減率ということで、データが出ております。

 次に25ページ目にまいりまして、それぞれ各種の自動車排出ガス対策施策ですけれども、関係省庁及び都府県の施策情報を、以下の7種類の施策に分類してまとめてみました。

 26ページは、そのうち自動車単体対策の強化ということで見ておりますが、平成27年度に向けて、ポスト新長期というところ、いわゆる、新しい排出ガス規定適合車の比率が上昇しているということが、このグラフからおわかりになるかと思います。

 ただし、貨物車、バスの平均使用年数は長くなる傾向にあるということで、この点は注視が必要かなというふうに考えております。

 27ページ目にまいりまして、車種規制の実施ということで、それぞれ自動車NOx・PM法に基づく排出基準適合率ということで、その推移でこの適合率が上昇しているというのがおわかりになるかと思います。

 このうち、それまでは各車種に猶予期間がありましたけれども、平成27年度にはそうした猶予期間も終了しておりまして、100%に近い値になっております。

 実質的には100%なんですが、この保有車の中には車検登録を継続していないような車両も含まれておりますので、その分を考慮すると、実質的には100%に届いているというふうに捉えてよいようです。

 これが対策地域内ですが、対策地域外におきましても、28ページにご覧いただけますように、8都府県内の対策地域外でも、この基準適合車の比率が増えているというのがおわかりになるかと思います。

 29ページをご覧いただけますでしょうか。

 車種規制の実施に関連しまして、対策地域外からの流入がどの程度かということで、この29ページの図は普通貨物車の首都圏について表したものですが、特に、この図の見方ですけれども、青い丸、対策地域内適合車及び車種規制対象外というのは、使用の本拠地、車庫が対策地域内にあって、そのうちの適合車及び車種規制対象外の車の比率を示したものですが、平成27年度には、こうした対策地域内の適合車及び車種規制対象外の車が、首都圏を走っている普通貨物車の80.2%でございました。

 それで、このグラフで注意して見ていただきたいのがバツ印の点線でして、対策地域外から流入してくる非適合車の割合ですけれども、これが平成14年度の16.6%から一貫して低減、減少傾向にございまして、最新の平成27年度では2.0%ということになっております。愛知・三重が4.4、大阪・兵庫が1.9という、こういう結果が出ております。

 それから、次世代車の普及促進ですけれども、30ページのところで、ハイブリッド車が比率としては大きいものですからグラフを分けております。

 ハイブリッド車が保有車中の比率の12%を超えるぐらいまで現在は増えております。

 一方、電気自動車、プラグインハイブリッド車も、比率としてはまだ小さいですけれども、ここ数年の伸びが、かなり急に伸びているというのがおわかりになるかと思います。

 一方、天然ガス自動車は減少傾向にございます。

 31ページですが、エコドライブの普及促進ということで、ここにあります関係省庁連絡会における連携施策に展開、周知啓発、条例によるアイドリングの禁止、また燃費値を指標としたPDCAの仕組みで事業者における継続的な取組みを支援する制度というのも自治体のほうで設けられたりしておりますが、約2割の燃費改善効果を報告されております。

 また、交通需要の調整・低減、交通流対策ということで、32ページ目にまとめておりますが、例えば交通需要の調整・低減ですと、総合物流施策大綱による取組みですとか、グリーン物流のパートナーシップ会議における取組み情報の共有など、交通流対策ということですとITSによる交通流円滑化、道路ネットワーク整備、道路の改良や踏切状況等のボトルネック対策ということで挙げております。

 33ページが局地汚染対策ということで、1番、2番ということで、川崎の例で、地域の関係主体による協議会の取組みですとか、条例による取組み、あるいは情報提供ということで、メールによる高濃度情報の提供や迂回の呼びかけ、高濃度になりやすい冬期に迂回や自動車利用抑制を呼びかけるキャンペーン、また、道路の運用に関する取組み、こうしたものも施策として実施されております。

 こうした施策の効果ということで、これも先ほど申しましたような式で削減量を計算してみましたところ、35ページをご覧いただけますでしょうか。

 この中では、この集計を行った5府県、千葉、神奈川、愛知、三重、大阪で、それぞれどれぐらい施策が効いているかということで、見ていただきますとわかりますように、青い部分、自動車単体対策車種規制の推進の削減効果が大きいというのがわかるかと思います。この数字を見ますと、上の78.1%というのは、これは正しいんですが、下が80%を切っておりますが、PMのほうは84.4%となっておりますので、これは今、確認します。

 36ページですが、その他の削減施策効果ということで、エコドライブにつきましてはNOxが約3割から5割、PMが約4割の削減効果があるというような事例も公表されております。

 また、交通需要の調整・低減対策、交通流対策ということでは、なかなかこれは地域全体で削減効果を算定するというのは困難なんですけれども、これは自動車走行量ですとか輸送量というのが景気動向の影響を受けるためですが、それぞれ取組み別に試算すれば、削減効果があるということは確認されております。

 その下の例が、参考資料2のほうに記載されております。

 こうした施策を講じていくことで、平成32年度に向けてどうなるかというのが、この37ページのグラフで表したものでございます。

 平成27年度までの実績、そして、平成32年度の排出量の推計値と、それから32年度の目標ということで、左の図で棒グラフを表しております。こうした施策で計算しますと、平成32年度の排出量の推計値は、この32年度の目標を達成するという見込みになっておりまして、その排出削減の内訳ですけれども、かたい計算がしやすいということもございますが、ほとんどが単体対策・次世代自動車の普及というところが効いているというのがおわかりになるかと思います。

 37ページがNOxのほうですが、38ページ、PMのほうも、これは既に、平成27年度で32年度の排出量の目標を達成しておりますので、またさらに、ここから深掘りして削減されていくという見通しだということでございます。

 最後に、今後の取組みということで、40ページをご覧いただけますでしょうか。

 自動車NOx・PM総量削減施策ということで、引き続き、関係指標を把握しつつ、総量削減目標が達成できるよう、必要な措置を講じていくこととしています。

 また、削減効果の大きな自動車単体対策・次世代自動車の普及については、車両の更新や市場投入に関する動きを注視しつつ、適切な施策を講じてまいります。

 エコドライブ、これは先ほどもご紹介しましたように、大きな削減効果が期待できるものですから、認証制度や支援システム等を活用した具体的な取組みの展開が望まれるところです。

 また、交通流対策ということで、交通流対策、それからモーダルシフト、物流効率化、こうしたものについても取組みとして重要ですし、ITSは政府の取組みの成果の活用に向け情報収集・検討をしていくという方針にしております。

 また、41ページ目ですが、この後の議題でご紹介しますが、環境基準の確保の目標の評価手法の数値計算手法により将来推計を行いまして、目標年度までに対策を要する交差点付近の地区を絞り込んで、必要な対策を講じていくということにしております。

 特に、交通が集中する幹線道路、交差点付近等における対策につきましては、単体対策の効果を勘案した上で。その地区の状況に応じた対策の必要性を検討していくということにしております。

 その検討に際しましては、構造物等の影響を反映し、発生源の状況が変化した場合の濃度推計も可能な数値計算手法によりまして具体的な改善効果の検討ができる可能性がありますので、そうした活用についても情報収集してまいります。

 さらに、対策について、既存の取組情報やITSの開発検討事例等も参考として、地域の関係主体と情報共有を図りつつ、連携して検討していきたいというふうに考えております。

 また、その他の自動車排出ガス対策に関する課題ということで、大きく二つに分けております。

 温室効果ガスにつきましては、自動車NOx・PM対策とCO2削減というのが、コ・ベネフィットと申しますか、それぞれNOx・PM対策を行うことで燃費が改善され、CO2も減るという例が多いものですから、連携を図り有効な施策を講じていくということにしております。

 また、今回、PMの評価ということで、NOx・PM法のもとで行っておりますが、微小粒子状物質(PM2.5)、それから、光化学オキシダントにつきましては、これは中環審の別の専門委員会で中間取りまとめをいただいたところですが、自動車NOx・PM対策の確実な実施等の課題への取組みを図る、それがPM2.5対策にも貢献するということですし、また、自動車排ガスの専門委員会において検討されているように、筒内の直接噴射ガソリンエンジン搭載車のPM規制の導入に向けた検討等を行うことが必要というふうにしております。

 以上、かなり駆け足の部分もございましたけれども、この中間レビューの案の前半部分について、ご説明させていただきました。

【定自動車環境対策課課長補佐】 申し訳ありません。35枚目のグラフの下で、自動車PMに関するグラフですけれども、今、手元と、それから別の場所にデータがありますもので、ただ、五つの府県から、これに関しては速報値をいただいておりまして、後ろの参考資料のほうにも、その府県ごとの寄与率、パーセンテージのデータをいただいているんですけれども、PMに関して、単体対策の寄与度が一番低いところでも70.1%、高いところでは98.2%といったところでして、恐らく、グラフの絵のほうが違っていて、数字のほうが正しいと思われますが、ここは正確な数字をまた調べさせていただいて、正しい資料というのをご報告させていただきたいと思います。

 申し訳ございません。

【飯田委員長】 ご説明をありがとうございました。

 それでは、ただいま説明いただきました中間目標達成状況、それから施策の進捗状況、及び今後の取組みについて、ご意見をお願いいたします。

 浅野先生、どうぞ。

【浅野委員】 全体としては報告に書かれている内容は十分理解できますので、レビューの結果がこういうものだということはこれでよろしいのかと思います。

 ちょっとだけ気になるのは、今問題になった35ページの、このグラフです。各県のを見るとかなりばらつきがあるようですね。

 平均してしまうと、こういうふうになるんだということはわかるのですが、各県ごとを見るとかなりのばらつきがあります。

 何となく信頼性が薄いような気もするのですが、この辺は精査しておかなくてはいかんのではないでしょうか。県によってこんなに違うはずがないと思ったりもするのですね。どういう計算をしたらこんなになるのでしょうか。

 それから、最終的に35ページのような表が出てくると、結局は、単体対策と次世代自動車をやればいいじゃないと、ほかのことやらなくていいじゃないかということになりかねませんね。

 温暖化の対策では、しょっちゅうその議論が出てきて、意味ないことはやめろとか盛んに言われて苦慮しているわけですけれども、でも、これまで一生懸命やってきたことが無意味だったというのではおもしろくないわけですから、これも気になります。

 やはり、定量化できないので出てこないというのが真相ではないかなという気がするんですが、この辺は、もうちょっと丁寧に扱っておかないといけないのではないか。この問題はこれでもういいのですけれども、今後、似たような話をするときに、政策の方向が曲がってしまったら困るなと思いますが、いかがでしょうか。

【定自動車環境対策課課長補佐】 そうしましたら、1点目のご指摘、府県ごとの算出にばらつきがあるという点ですけれども、先生がご覧いただいております資料は、参考資料2の目録3-4、資料の2ページ目にはNOxについて、3ページ目の上のほうには自動車PMに関して、各施策の寄与度ということで計算を乗せていますけれども、府県ごとに排出量の算定をやっております。

 その算定の課程の中で、基本的には地域の走行量に排出係数をかけて出すということですけれども、府県ごとに経年的にやっている基本的な計算方法はこれなんですけれども、そこの計算の過程で、例えば次世代車(の普及促進施策の削減効果)についても、実は府県ごとにずっと計算してきている方法があるので、「次世代車等」と凡例に書いていますが、府県によってはここに、例えば超低燃費車といったものも含めて、府県ごとの施策の進行管理に役立てるようにということで計算をやってきています。かなり精緻な計算で労力もかかるものですから、府県ごとの政策目標に合うようにアレンジをしてデータをやっている中で、その過程でこういった指標値を取り出すように、今回調整しました。ですので、基本的な考え方は統一されておりますが、細かいところのやり方まで全て同じというわけではないところが、この違いに出てきているかと考えられます。

 ただ、通常、こういった排出量の算定は、大体約1年間かけてやるわけですが、このレビューに間に合わせるために、今、現状は速報値ということで報告をいただいています。この後、また数字の確定に向けて各府県で作業をやります。その過程でも、その違いの要因に関しては情報を集めて、我々としても中身については考えていきたいと思います。

 それから、2点目にご指摘の排出削減効果に関しまして、単体対策が大きく寄与しており、それ以外の施策の効果についてどう考えるかといったことですけれども、基本的に、地域の自動車からの排出量の算定の方法というのが、地域の走行量かける排出係数という算定の考え方をとってございますので、この考え方からいきますと、どうしても、なかなか算定が難しいものに、エコドライブの推進が大きな項目としてあります。それから、交通流対策ですとか交通需要に関しましては、施策が成功すれば地域の走行量が減るという指標に現れるはずではあるのですが、実際には、走行量というのはいろんな景気動向の影響も受けるということは否めない事実です。そこは、走行量の変化に対して、施策の効果分と、景気動向の寄与はどう分離したらいいのかといったことは、情報があるかどうかというのは我々もいろいろ探したんですけれども、なかなか難しいところがございました。

 ただ、それが計算できないからといって施策の重要性が否定されては困りますので、それらの交通流対策ですとか、それからエコドライブに関しましてNOx・PMの削減効果がどれだけあるかということをいろいろ調査した事例がありましたので、それは今回、いろいろと収集を行ったところでございます。

 ですので、地域全体の削減量としては計算しがたいものであるけれども、例えばエコドライブに関しましては、参考資料2の目録として、3-5のところでさまざまな情報を集めたわけですけれども、3-5の、例えば3ページでは、一つの車を走らせて、そのときに排出される排ガス量を直接計測する。それでエコドライブをやった場合とやってない場合で幾つか把握の事例がございました。これらは少し古いデータですけれども、新しい車に関しても、いろいろと走行時の排ガス試験というのは順次やってきております。例えば、目録3-5の6ページですとか7ページ辺りにも、いろんな最近の走行試験の結果を載せておりますが、加速度が緩やかになれば排出も改善されるというような傾向はあるだろうと見てとれます。そういったところから、やはり取り組めば改善効果はあると考えられます。

 ただ、世間の人がどのくらい取り組んでいるかというのは、データとして取り出すのは難しいのですけれども、やれば効果は出ると考えられます。したがって、例えば地域全体の削減量への寄与は計算できないけれども、ある限られた地域での環境改善を目指す場合には、こういった取組に適切に取り組んで効果が出れば、環境濃度改善効果は出得ると考えられるということで、引き続き施策としての重要性はあるというように考えてございます。

【浅野委員】 難しいことはもう十分わかっているので、要は出し方だろうと思うんです。

 これは、太陽光発電も同じで、一般家庭の場合は余剰電力だけ売りますから、太陽光発電でどのくらい、その過程で太陽光発電の発電量に頼っているかというのが全く把握できていないですね。

 要するに、購入量が減ったから、これで節電になりましたと、こういう言い方をしているけど、そこは今のところ把握のしようがない。それと同じことでしょう。

 エコドライブも結果が出てくるわけです。もしやらなかったらこのぐらいのはずなのが、このぐらいですと。でも、最初の前提のところが、もう、「えいや」でやる以外ないわけで、でも、場合によっては、そうやって示してみるのも一つの方法かもしれません。

 みんながエコドライブをしなかったとしたら、このぐらいの燃料を食っているはずだ、こんなものだろうと、走行量との比較でこんなもんだとかいう。でも、しようがないかな。

 どこかで説明をきちっとしておく必要があるのだろうと思います。実際に、私もエコドライブをやってもらって、自分で、我が目で確かめて、こんなに効果があるというのは確認できていますから効果があることには何も疑いの余地がないのですが、こういう形での報告になるときに効果が可視的に出てこないのは困りますね。

【瀧口自動車環境対策課長】 先生のご指摘はごもっともですので、我々も、その点に気をつけて、この文章等を書いておるつもりではございますが、もう一度点検してみたいと思います。

【飯田委員長】 ほかにいかがでしょうか。

 草鹿先生、どうぞ。

【草鹿専門委員】 30ページなんですけれども、次世代自動車の排出ガス対策ということで、冒頭の、このパワーポイントの資料を見ると、NOx・PMに関するエミッションということなんですけれども、通常、乗用車を考えた場合は、電気自動車あるいはプラグインハイブリッド自動車、ハイブリッド自動車というのは、燃費対策としては非常に効果が、まず頭に浮かぶと思うんですけれども、NOx・PMの排出係数というのをどういう形で算定していったのかというのが1点と、それから、今度は商用車なんかを考えた場合は、ハイブリッド車とかディーゼル代替の天然ガスエンジンの車両というのがあると思うんですけれども、この場合は、確かにNOx・PMというのは明確な排出量の削減というのは可能性があると思うんですけれども、それが、どういう形で今回見積もったかということと、あと、乗用車の電気自動車なんかは、台数はそんなに多くないんですけれども、排出原単位をどういうふうに決めたかという3点です。

 いかがですか。ちょっとタフな質問ですみません。

【定自動車環境対策課課長補佐】 そうしましたら、排出量の算定、削減効果の算定において、どういうふうに排出係数の情報収集をしてやっているかということですけれども、基本的には排出ガス規制適合の区分別に排出係数、これらの最も新しい情報、環境省でも経年的にそういう走行試験の結果などを踏まえて排出係数、排出源単位というのは把握してございますので、できるだけ新しい情報を採用して排出量というのは算出する。

 その課程の中で、次世代自動車についてもできるだけ新しい情報ということで収集しているということで、具体的に、どういう係数、どういう出典かというのは手元に今全部ありませんが、来歴ははっきりしたデータで、できるだけ新しい知見を反映するということを基本的な考え方として算定してございます。商用車についても同じでございます。

 あとは、削減効果、減った分というのをどういうふうに計算するかというところですけれども、ここは地域の幹線道路を走る車について交通量調査を行っており、大型車、小型車ですとか、それからそれぞれの規制適合車別の走行比率といったデータを経年的に把握してございます。

 そこから、その地域において走る車の排出係数も、排出ガス規制適合区分別の(排出原単位の)データを使って計算を行っておりますけれども、交通量調査における走行比率のデータから、次世代車が増えてきたことによって排出係数が下がった分というのは次世代車の普及による削減効果に寄与するというのが基本的な考え方で削減効果というものを計算しているということでございます。

【草鹿専門委員】 どうもありがとうございました。

 あと、電気はどうですか。電気はなかなか難しいとは思うんですけれども、何か基準年度があって、そこの電力構成比か何かで計算されているわけですか。

【定自動車環境対策課課長補佐】 基本的にはテールパイプで見ます。

【草鹿専門委員】 出ないですよね。電気はテールパイプから出ない。

【定自動車環境対策課課長補佐】 基本的には走行時には出ないという考え方です。

【草鹿専門委員】 そこはもうゼロにしているわけですね。

【定自動車環境対策課課長補佐】 そこはゼロです。

【草鹿専門委員】 局所的な地域ですからね。わかりました、どうもありがとうございます。

【飯田委員長】 ほかにご質問、ご意見はございませんか。

 横田委員、どうぞ。

【横田専門委員】 質問なんですけど、スライド23、24にありますけど、グラフが、運送事業者以外は8都府県ですけれども、下の運送事業者は中部運輸局でまとめ方が違うんですけど、これはどんな状況なんでしょうか。

【定自動車環境対策課課長補佐】 申し訳ありません。基本的に、制度的には対策地域が三大都市圏で設定されていますけれども、運送事業者におきましては、この実績の報告先というのは国土交通省で、運送事業者以外に関してはそれぞれの都府県に報告するということで、データの集約をする機関が違うということがございます。

 対策地域内には関東と中部とそれから近畿と三つの運輸局があって、それぞれデータをまとめておりますけれども、この(中間レビューの)取りまとめの時期にあわせて経年的なデータをきっちりまとめるに当たって、作業の進捗度の関係から、中部運輸局について経年的な変化がきっちり見られるような形でデータが集まったということで、傾向としてはこれでご確認いただければと思いまして、これで提示させていただきました。作業の進捗の関係でございます。

【横田専門委員】 ありがとうございました。

【飯田委員長】 ありがとうございました。

 特に現時点でほかにないようでしたら、また最後の報告事項の後に質問していただきたいと思います。

 それでは、浅野委員からご指摘がございましたデータの件に関しましては、が、速報性を優先してサムアップしている事情もございますので、これは事務局の回答のとおり、もう一度精査して、全体の平均値の資料と、ここの部分の整合性については確認をさせていただくということにします。

 日本におけるエコドライブの取り組みは、運送事業者さんの取り組みが先行し、生活者サイドの包括的な取り組み、「エコドライブ活動」については、まだこれからという状況です。これからは、IT技術やクラウド情報ネットワークを活用したエコドライブ活動が期待されています。

 エコドライブ活動とは、エコドライブで無駄な走行を無くす、省エネ車に買い替える、車両が本来の省エネ性を発揮するように正しく運転する、生活者一人ひとりが実践するさまざまな行動を意味します。しかし、エコドライブによる大気環境インパクトの消滅効果については、数値で表し難いところがございます。

それから、草鹿先生のお話については、電気自動車は沿道でのNOx・PMの排出はないということで集計されていると思われます。本来はwell to wheelというLCA的な視点から集計すべきものと思われますが、今回の集計には入れていないと思います。ただ、地方自治体さんによっては例外があるかもしれませんが、そこは確認するようにいたします。

 そういうことで、速報値の精査については、引き続き事務局のほうには最終版でブラッシュアップをお願いすることにします。

では、続いて次の議題2、平成32年度目標環境基準確保目標の評価手法について、ご説明およびご検討をお願いしたいと思います。

 では、中間レビュー(案)の最終章のご説明をお願いいたします。

【定自動車環境対策課課長補佐】 自動車環境対策課の定でございます。

 ご説明させていただきます。

 資料4のほうをご覧いただければと思います。

 中間レビューで、もう一つの課題でございます基本方針の平成32年度目標(環境基準確保目標)の評価手法について、手法の案を取りまとめましたので、ご説明いたします。

 項目ですけれども、最初に、この手法の前提となる基本的な事項について、1の目標から、4の適用範囲まで、整理をいたします。

 その上で、5番のところで、具体的な評価の手順、手法について、ご説明いたします。

 まず、環境基準確保の目標でございますけれども、このNOx・PM総量削減基本方針におきまして、平成32年度目標は、対策地域において、二酸化窒素及び浮遊粒子状物質にかかる環境基準、大気環境基準を確保すると定められております。

 次に、環境基準確保の考え方でございますけれども、現在の基本方針を定めるに先立って、平成23年1月に取りまとめられた中間報告、中央環境審議会、この小委員会で取りまとめいただいた中間報告におきまして、こちらに書いてありますとおり、測定局において継続的・安定的に基準を達成していることに加えて、汚染の広がりも考慮して、対策地域全体として環境基準が達成されていることが必要と、こういった形でまとめられてございます。

 これにしたがいまして、環境基準確保は、①にあるとおり、常時監視測定局における継続的・安定的な基準の達成、それから、②の常時監視測定局がない場所においても汚染の広がりを考慮して評価する。これら二つの要素を含んでいるものというふうに整理いたしました。

 次に、環境基準確保評価の対象項目でございますけれども、総量削減基本方針の目標は、これまで測定局の基準達成を目標とする場合においても、長期的評価による評価が基本となってございましたので、評価する対象項目としては、NO2は年間98%値、SPMについては年間2%除外値ということといたしました。

 SPMにつきましては、日平均値が基準値を超える日が2日以上連続した場合に基準不適合と判断する方法がございますけれども、この評価については予測の難しさであるとか、あるいはまた、主としては自動車発生源以外の広域的な要因で発生することが多いということもありますので、これについては、評価は実施しないということと整理いたしました。

 次に、環境基準確保評価の、手法の適用範囲でございますけれども、この適用範囲につきましては、これまで環境基準の適用範囲及びそのモニタリング方法について、整理されたものを参照いたしまして、同じような考え方で整理することといたしました。

 モニタリングについては、(1)にございますとおり、道路沿いの環境について常時監視を行う自排局につきましては、その設置位置についてガイドラインが定められておりますので、その考え方に沿って、道路端から外側の範囲を評価の適用範囲にするということといたしました。

 それから、環境基準適用範囲については、通知で、「工業専用地域、車道その他の一般公衆が通常生活していない地域又は場所」には適用しないというふうにされてございますので、こういった環境基準が適用されていない範囲については、評価手法の適用対象から外すということといたしました。

 以上の整理を行ったうえで、評価手法の案を整理いたしました。

 項目については、ご覧のとおりでございます。

 8枚目でございますけれども、まず、評価手法の指針でございます。

 大きな枠組みでございますけれども、ここの図にありますとおり、常時監視測定局の継続的・安定的な達成と、それから対策地域全体における面的な評価、この両方をあわせて環境基準確保の評価を行うことと考えてございます。

 その評価のために、常時監視測定局の測定に加えまして、簡易測定などの測定及び数値計算手法を組み合わせて評価することといたします。

 その評価に用いる手法の一つ目として、数値計算手法でございますけれども、一昨年度からさまざまな手法の適用性につきまして、専門家のご意見も伺いながら検討してまいりました。

 この評価における数値計算手法に求められる主な要件としましては、ここに主に3点まとめてございます。

 まずは、環境基準値と比較が可能な年間の値、NO2であれば98%値、SPMであれば2%除外値、そういった値を推計できる手法であるということ、それから、評価対象としては対策地域全体でございますので、こういった地域全体にわたって適用可能な手法であることが要件になると考えられます。

 この中には、今後、こういった手法は国ですとか自治体で取り扱っていくことになりますけれども、技術的あるいは労力的な観点からもこういった対策地域全体できっちり運用できるかといったことも検討してまいりました。

 それから、3点目として施策の効果の評価、それから、今後の取り組みの検討のために、各種の発生源の影響割合について情報が得られるような手法であることが要件になると考えられます。

 主には、こういった要件が求められるのではないかというふうに考えました。

 これらの要件を満たす手法としては、矢印の下に書いてございますが、これまでに窒素酸化物の総量規制マニュアルなどとして整理されてきております拡散計算による濃度予測手法が適切というふうに考えられました。

 ここでは、これをNOxマニュアル等に準じたモデルというふうに呼ぶことといたします。

 次に10枚目ですけれども、ただ、このNOxマニュアルに準じたモデルは拡散計算を基本としてございますので、例えば、個別の、道路沿いの構造物などによって高濃度が生じるといったような、そういった状況については考慮することがなかなか難しいといった特徴がございます。

 したがいまして、高濃度となる地区を極力見落とすことがないように改良を加えました。

 改良の一つ目につきましては、まず、信号付近において自動車が常に停止・発進・加速いたします。そのことによる排出量が増加という現象が起こっておりますので、この排出量の増加パターンを計算に反映させるということといたしました。

 2点目につきましては、対策地域内の全ての幹線道路を対象に、道路端から50mまでの間に、10mメッシュごとに計算を行う地点を配置いたしまして、高い濃度が生じる範囲というのを確実に補足できるようにいたしました。

 それから、3点目ですけれども、このモデルで濃度を計算する際には、拡散計算の計算値に補正値を加算する必要がございますけれども、この補正を行う値につきまして、計算対象地域の測定局の実測値から算定される補正の値、補正値を参照いたしまして、その中で、より大きめの値を加算いたしまして濃度を算出して、その値と判定基準値を比較するということにいたしました。

 このように、厳しい条件で算定した濃度の値が環境基準の値を下回っていれば、仮に高い濃度を生じさせるような地域的な条件があったとしても、高い確率で環境基準の値を下回るというふうに言えるのではないかというように考えました。

 次に、評価に用いるもう一つの手法として、測定方法について整理いたしました。

 実際の濃度状況をより正確に把握するためには、先ほどの数値計算手法だけではなくて、測定手法もあわせて適用する必要があると考えてございます。

 まず、測定に関しましては、最も正確な値を把握できるのは公定法、常時監視測定局の方法でございますけれども、これは簡単に増設とか移設といったことができません。

 そこで、公定法との精度が確認されたほかの方法も適用できるものといたしまして、その中でNO2につきましては、比較的容易に測定地点を設定することのできる簡易測定手法、この右側の写真ですけれども、電柱などに、こういったような測定のための機材を設置して、測定できるわけですけれども、こういった簡易測定手法が適用できるものと整理いたしました。

 この測定を行う場合に、道路沿いの環境をより正確に把握するためには、測定位置や回数について一定の方法で行うことが必要と考えられます。

 測定位置につきましては、自排局、常時監視測定局の設置位置についてのマニュアルの考え方に準拠いたしまして、道路端から原則として10m以内とすること、それから、簡易測定というのは、年間に何回か測定を行うわけですけれども、年間の98%値などを、より正確に把握するためには、少なくとも年4回以上で、各回とも1週間以上の測定が必要であろうということを整理いたしました。

 次に、13枚目ですけれども、以上のような手法を整理しました上で、評価手法、実際の評価の手順につきまして、次のように整理いたしました。

 まず、評価の一つの要素として、常時監視測定局の継続的・安定的な達成について、①にありますとおり、測定データについては、経年的な推移から環境基準値を超過する可能性が十分に低いと考えられるかどうかということをまず見ることとします。

 それから、今後の濃度の変動に影響をおよぼす要因としましては、②にありますとおり、近接する道路における自動車からの排出量が経年的にどのような変動の傾向にあるかということもあわせて情報を集めて、これらの情報に基づいて判断することが必要というふうに整理をいたしました。

 次に14枚目でございますが、対策地域全体における面的評価でございます。

 常時監視測定局がない場所も含めて、対策地域全体における面的評価を行うというところでございますけれども、これについては、まず、先ほどご説明しました数値計算手法によって幹線道路の両側50mの範囲で、10mメッシュで設定いたしました計算点において、計算点ごとの推計値を算出いたします。

 次に、この画面の右の図にありますとおり、幹線道路の交差点の周辺と、それ以外の幹線道路沿道の範囲ごとに、評価をする範囲を設定いたしまして、その範囲ごとに算出した推計値と判定基準値、ここでは環境基準値を使いますけれども、これと比較いたしまして、基準値を超える推計値が出た範囲はどこかということを特定してまいります。

 この評価を、ここでは面的評価というように呼びます。

 これらの推計データというのは、対策地域全体では非常に膨大な数に上ってくるということと、それから、ある地点での推計結果については、その周辺の地点でもその結果に近い環境条件にある可能性が考えられるということから、ある程度の範囲ごとに評価結果をまとめることが必要というように考えたものでございます。

 交差点につきましては、常に自動車の発進や加速が起きている地点でございますので、排出ガス量も多くなるので、そういったような交差点ごとの状況が明らかになるように、こういった範囲を設定して評価の結果をまとめる必要があるというふうに考えました。

 ただし、ここで注意すべきは、算出した推計値というのは、先ほどご説明した改良点のとおり、実際の実測値から得られる補正値の平均的なレベルよりも大きな補正値を加算した値でございますので、実際の環境濃度はこの推計値よりも低くなっている可能性が高いといったような性格の数値となります。

 したがいまして、この推計値が基準値を超えている評価範囲におきましては、実際の環境濃度を把握するための測定を行うということとします。

 これが、この図の上から三つ目のボックスで示している内容です。

 最後に、この測定結果を踏まえて、評価範囲ごとの面的評価の再判定を行います。

 例えば、面的評価においては、推計値がまず判定基準値を上回っていたけれども、測定を行った結果、判定基準値を下回っていたということであれば、その評価範囲においては実際の環境濃度は判定基準値を下回っているということで、面的評価は適合というふうに判断することができるのではないかと考えてございます。

 こういったような評価を、対策地域内の幹線道路全てについて評価することを考えてございます。

 次に15ページ目ですけれども、以上の評価の手順を踏まえて、ここでは、①にありますとおり、常時監視測定局における継続的・安定的な基準達成の状況と、それから対策地域全体における面的な評価結果、これをもとに、対策地域全体における環境基準確保を評価することといたします。

 ただしここで、②にございますとおり、環境基準の維持について考察していく必要があると考えてございます。

 これは、平成22年度に取りまとめた中間報告におきまして、環境基準の確保については、その状況が維持されていることが含まれているということにも留意する必要があると述べられていることを受けたものでございます。

 これについては、常時監視測定局のない場所も含む対策地域全体について考察が必要と考えられますけれども、数値計算を行う際には、対策地域全体の幹線道路について、自動車からの排出量、その排出量を算定するための走行量ですとか、排出ガス基準達成比率、達成車の比率や推移といったデータが集まりますので、これらのデータの推移の傾向を見ることで、確保の状況の維持ということについても考察することが可能であり、そういった考察も必要であるというように考えてございます。

 最後に、この評価手法における留意事項として主なもの二つを取りまとめてございます。

 一つは、環境基準確保と評価された場合でも、その後に公定法に基づく測定を実際にやった場合には、基準値を超過する測定結果が把握される可能性というのは、否定できないと言わざるを得ないと考えています。

 その場合には、当該環境基準値超過の要因、あるいは濃度の広がりなどを解析した上で、合理的な行政対応を検討することが必要というふうに考えられます。

 留意事項の2点目といたしましては、この評価書案で整理いたしましたNOxマニュアル等に準じたモデルというものは、数値計算で出てくる値は、高濃度となり得る地点を極力見落とさないように、大きめの補正値を加算したものであり、あえて高めの数値を計算するようにしているということでございます。

 議題1のほうで、将来濃度推計を行った結果をご説明しておりますけれども、そちらの推計とは目的が違いますので、算出される推計値の意味合いも異なるということに留意をする必要があると考えてございます。

 最後に、これは参考でございますけれども、この手法が、今回のレビューの取りまとめによって確立したあとの、平成32年度の目標の達成に向けての進め方について、現在の想定をご説明いたします。

 まず、平成29年度には、この手法で整理されました数値計算の手法を使いまして、平成32年度時点の排出量における推計値を計算いたしまして、その計算結果をもとに、環境基準の確保に向けて、対策を必要とする交差点付近などの地区等がないかどうかといったことの確認、絞り込みというのを行う必要があると考えてございます。

 仮に基準を超える推計値となる地区があった場合には、基準の確保に向けて、まずは地域の総量削減の施策によってどの程度濃度改善が進むかということを検討いたしますけれども、それ以上に、何らかの対策が必要となれば、目標年度の平成32年度までその地区に対応した対策というのを実施していく必要があると考えてございます。

 また、最終的には平成32年度の環境基準の確保の状況を評価する必要がございますけれども、この評価手法では、最終段階では測定、簡易測定でも年間4回の測定を行って最終的な評価結果を得るということになってございますので、平成32年度にはその評価のための測定を行う必要がございます。

 したがって、平成31年度には、この評価のための数値計算を実施しまして、測定を行う対象となる交差点付近などというのを特定するということが必要かと考えています。

 最終的には、平成33年度の前半には、測定結果、それから数値計算結果とあわせて、対策地域の環境基準確保の状況について評価結果を取りまとめるといったような流れを想定してございます。

 ご説明は以上でございます。

【飯田委員長】 ご説明ありがとうございました。

 ただいまのご説明は、中間レビュー(案)の第5章にかかわる部分でございます。先ほどの議題1で議論した部分を含めてでも結構ですので、委員の皆様からご意見を頂戴したいと思います。

【浅野委員】 ものすごく難しい問題をつくってしまったので、この回答に至るまでに苦労されたのがよくわかる。難しい問題をつくった者としての責任を感じておるわけです。

 事前に説明を聞いたときには、なるほどと思って、これでいいのかなと思って聞いていたのですが、今日改めて見ていて、ちょっとだけ気になるのは、SPMについてでして、参考資料のほうの2-2を見ると、光化学反応による二次生成のために、年によってはオーバーしたところがありますという説明が出てくるのです。

 それで、これは、もちろん自動車起因とは限らないので、いろいろとあるので、そういう話だというふうに割り切っていく以外にないと思うのですけども、簡易測定しか方法がないので、NOxについては簡易測定でやりますというので、これはいいのですが、ひょっとして、これでSPMについてちゃんとできるのかと聞かれたときに、どう答えるかです。

 これはなかなか難しいと思うし、別の検討会のほうで全般的にこの話についてはやっていますので、それも見ないといけないだろうという答えだろうと思うのです。そのくらいの答えを用意しておかないと、在来のやり方だけでSPMをきちんと把握することはほとんど不可能に近いのではないか。

 正直にいえば、このやり方の中では多少、この部分は粗っぽくてもしょうがないということなのだろうと思って聞いていたのです。そういう理解でいいですか。

【定自動車環境対策課課長補佐】 実は、この手法の検討に当たりまして、実際にも数値計算などをやってみると、どのくらいの数字が出てくるのかといったことは、一部の交通量の多い道路区間などで試算をいろいろと行っております。

 SPMにつきましては、この方法で計算をしていっても平成32年度時点の排出量を想定したときには、2%除外値は十分、環境基準を下回るという結果になるので、状況としては、簡易測定を新たにやらなければというような状況にはほぼならないのではないかと思います。

 それは、議題1でもご説明した将来濃度推計でも、SPMは将来濃度推計の結果が2%除外値に関しては低い値で出ているということも符合いたしますので、現状ではそういった想定で考えてございますけれども、関連の情報については引き続き注意をしてやってまいります。来年度から対策地域全体で計算を適用しようと思っておりますので、関連の情報については、注意して収集しながらやっていきたいと考えてございます。

 SPMに関しては、検討の中では、例えば、常時監視測定局では365日やるわけですけれども、簡易的に設置できる機械を年に何回か置いて、その1週間値を幾つか集めれば、年間の数字(2%除外値)も推計できるかもしれないといったようなことは、検討の過程では話に挙がってきていますけれども、まだ、実際に適用する可能性が低いということもあって、技術的に検討をまだ深めてはございません。

【飯田委員長】 浅野先生、よろしゅうございますか。

 他にご質問をどうぞ。

 遠藤委員。

【遠藤専門委員】 これから32年に向けてやるということで、大変なんですけれども、東京はちょうどオリンピックにぶつかるということもありまして、かなり道路条件も変わるということになると、この11、12で出ている簡易測定をつけた場合なんですけれども、今、ちょうど知事が無電柱化というのを促進しているので、この辺との絡み合いで、いざ実際に、最初にやっていたときはあって、3年後にはなくなっちゃっていて、つける場所がないとか、場所によってはかなりそういった影響もあるので、この辺のことや何かも想定してやっておかないと、非常に難しいのではないかなと。

 特に、交差点とかそういうものは、なるべくなくそうという方向も出ているということも聞いておりますので、そういったことも含めて、感じとしてありましたので、よろしくお願いします。

【定自動車環境対策課課長補佐】 ここでお示しした写真は街灯なんですけど、電柱、街灯といったパターンも多いのですけれども、場所によっては、そういったものものない場所では、いろんな支持物、実際には、3m程度地上から離れていればいいので、本当に支えるものがなければ、いろいろと調整した上で支柱を立てるといったこともできないわけではございません。

 現状でも、簡易測定はあちこちでやってございます。何らかの対応を工夫してやっていけるものがあるかと考えてございますが、ご指摘の点は念頭においてやっていきたいと考えてございます。

【飯田委員長】 資料の書きぶりの中で、面的調査をするために、対象とする道路あるいは交差点からのNOx排出量を計算して、その後の拡散により周辺の50mを想定した領域の濃度分布を推算する手法を取っています。その際に、実際よりは大きめと思われる拡散係数を用いています。これは、推算濃度を高めに計算することで安全率を考慮しているということですね。説明としては、「拡散係数で補正はせずに、計算された濃度をきちんと見ていく」という説明の仕方もあるかなと思いますが、その点についてコメントいただければと思います。

【横田専門委員】 この計算に用いているNOxマニュアルに準じたモデルという表現ですけれども、現時点で、交差点周辺等の局地的な汚染を表現できるようなモデルというのはなかなか存在していないというのが事実で、NOxマニュアルに準じたモデルというのは、かなり古典的なもので、それで、それを使わざるを得ないという状況がありまして、現実では、交差点周辺とか、あるいは道路周辺で濃度が高くなるだろうというのは当然のことですので、それを逃さないようなことを考えたわけです。

 それには、少しばらつきを考慮して補正値を加えるということで、全地点の評価が、ある程度過大気味でありますけれども、大きめの補正値を加えて評価をして、現実には測定もプラスして評価するということになると思いますので、そういう方向で補正値を使うということを回答したわけです。

【飯田委員長】 ありがとうございました。

 その種の説明を記載していただければ問題ないというふうに考えております。

 他にご質問がございましたらお願いいたします。

 先ほど、浅野委員からご指摘をいただいたSPMの件ですので、これについては、最初の議題1のときにご説明いただいたパワーポイントの11ページ目で、資料3の11ページです。

 ここで、下に矢印を入れていただいている最下行ですが、SPMの近年の環境基準非達成の主な要因は、自動車発生源に起因するものではないというふうに言い切っております。自動車以外の要因、すなわち、ほかの移流成分とか越境汚染に主な要因がシフトしていると言い切っています。

 先ほど浅野委員から、SPMはどんな書きぶりにしますか、また、SPMの簡易測定はやらなくていいんですね、という発言がございました。今回の中間レビューでは、これを宣言していいか、そのエビデンスはどこにあるかという点について確認しておきたいなと思いますが、いかがでしょうか。

 NOxについては、面的評価の対象としますが、SPMはやらなくてもいいですかということです。

 事務局からは、ディーゼル車にDPFが付いて、微粒子の排出量は100分の1以下になり、PM2.5やSPMも、大気サンプリングした寄与度を見ても、数%というように寄与率が小さくなっている事実がございます。

【浅野委員】 そもそも、32年度の目標というのを掲げたときのいきさつは、時間が経つとだんだん忘れられてしまうのですが、少なくとも測定点で測っていて全然問題ありませんということで、全ての場所も大丈夫ですと言えるかなという話から始まったのです。

 それはやっぱり無理じゃないのということがきっかけになって、どうせやるなら、そこまで広げようと言って広げたわけですが、しかし、完全に100%達成できるということをいっているかどうかの問題と、それから、もともとこれは自動車のNOx・PM法を前提にした話をしているので、一般環境の政策全体の話をしているわけじゃないですね。

 だから、当方の役割分担として、これは少なくとも寄与度がゼロになるというところまで来れば、それでいいはずだということを、もう一遍確認しておかないと、ちまたの誤解を受ける可能性があるかもしれないので、もう一回、あのときに何でこういうことを言ったのかというのは、議事録を見ていただければたしかなことが書いてあるはずですから、それを確認しておくことも必要かもしれません。

 とにかく、何が何でも自動車起因以外の全ての面において100%達成するということを自動車NOx・PM法が引き受けなければならない理屈はないわけです。

 ですから、そこら辺の誤解がないようにということを、この際、確認しておかれると、多分、何年後かにかなり楽になるだろうと思います。

【飯田委員長】 ご意見をありがとうございました。参考にさせていただきたいと思います。

 ほかにご質問はございませんでしょうか。

(な し)

【飯田委員長】 特にないようですので、先ほどの議題1の議論も含めまして、本日いただいたご指摘を事務局にてレビューして、中間レビュー(案)に反映いたします。また、速報値等のブラッシュアップを行います。最終的な案の確認については委員長・飯田および事務局に一任いただきたいと思います。

 ただし委員への照会が必要と思われる事項が生じた場合には、メール等にてご照会させていただくという方法をとらせていただきたいと思いますが、ご承認いただけますでしょうか。

(異 議 な し)

【飯田委員長】 ありがとうございます。

 それでは、この案及び本日のご指摘を含めて、事務局において中間レビュー(案)の取りまとめ作業を行っていただきたいと思います。

 それから、最後に3.その他に進みたいと思います。議題1と2を含めまして、全体にわたって何かご質問やご意見がございましたら、お願いいたします。

 遠藤委員、どうぞ。

【遠藤専門委員】 今日は最終的にいろいろとお話をいただきまして、まとめるのに大変だと思いますが、ありがとうございました。

 中環審の車に関しては、先ほど言われて一番大きかったのは、単体規制を含めて、いろいろと施策を練った結果であるということなんですが、若干ばらつきがあってということで、浅野委員からのご指摘があったように、多分、私が考える理由は、NOx・PM対策地域内では若干の補助金をつけて車の買い換え促進は進んでいるんですが、地方に行くと、それほどの効果が上がっていないという部分も、どうしても出てしまう。

 というのは、今は、かなり車両価格も上がっているということと、トラックが、一番、ディーゼルの中では排出量が多いということでもありますので、この辺をどういうふうにするかということだと思うのですが、そのときに、新車を購入するのは都市圏が多いということで、地方にわたっては、それほど買い換えができない。

 ご存じのように、かなり運賃も下がっておりますし、それから燃料価格も上がっているということと、それから少子高齢化で人がいないという、さまざまな要因を含んでおるのですが、非常に、そういった意味で厳しい状況にある運送事業者ということで、なかなか新車を購入できないというのは、東京以上に地方の方たちが多いのではないか。

 その中で対応するときに、それなりの方法、いかに政策でやっていくかといった部分を、古い車をいかに減らしていくかということだと思うんです。

 域内での車は、そういったかなり古い車がいるんですが、東京だとか、そういう対策地域内に入ってくるのは、比較的、条例なんかもありますので、DPFがついて、なくなっている部分もあるんですが、非常にそういった意味で、政策的にもうちょっと地方の車までいくような形の新車購入をできるような対策をする必要があるのかなと。

 それには、東京の車がいかにやっていくべきか。

 例えば、今、1,000万のトラックがあったとしても、実質、割り当てといって、地方の車が、果たして、地方の事業者が、中小企業の事業者から購入できるかというと、非常に厳しいということもありますので、そういった観点から行くと、そういった対策が必要かなと。

 そうすることによって、そういった単体規制を含めての施策がじんわりいくのではないかというふうに感じます。

 あと、もう一つはエコドライブの話なんですが、以前にも東京都トラック協会の中で、グリーンエコプロジェクトというのをやりましたけれども、これはご存じのように1年間のデータを、1台1台を燃料満タン法で取っている数字ですから、非常に精度の高い精緻なものですから、これを評価として、東京都さんが今日おられますけれども、比較的、自分のところだから言わなかったのだと思いますけれども、貨物輸送評価制度というすばらしいものをつくっていただいていますので、そういうものと上手く調整しながら、そういうデータをもとにやると、ある程度エコドライブでの数値というのが、どのくらいの効果があるのか、また、それにある程度係数をかけるということによって、全体でエコドライブの評価というのがトラックに関してはできると思いますし、今は乗用車でも、かなりメーカーさんがいろんなOBDなんかを持って数値を取っていますので、極端な話、燃料を入れて、さらにGPSで追っかければ、乗用車の場合はみんなついていますので、そういったものを調整すれば、今後としてはそういうデータを適用されれば、かなり精度が高い数字でエコドライブをやっている、やっていないので、できるのではないかというふうに思います。

 私のほうから、余計なお話ですが、以上でございます。

【飯田委員長】 ご意見をありがとうございました。

 東京都さんからお願いします。

【千田専門委員】 せっかくエコドライブについてご紹介いただきましたので、東京都の千田から一言、申し上げさせていただきたいと思います。

 ご存じのとおり、今、遠藤委員からもお話がありましたけれども、東京都では、東京都トラック協会と連携いたしましてエコドライブの取り組みを進めているところでございます。

 トラック協会さんのほうは、もう10年くらいグリーンエコプロジェクトをされておりますけれども、東京都の貨物輸送評価制度は今年度で5年目を迎えたところでございます。

 一つの区切りになるかと思ってございまして、来年度に、これまでの成果をきちんと検証しようと考えてございますので、ここのエコドライブの、先ほど施策の効果につきまして、いろいろとご議論があったかとは思うんですけれども、一定の、何かしら新しい知見が出せればと考えてございますので、今後の委員会でご報告できたらと思っております。

 以上でございます。

【飯田委員長】 ありがとうございました。

 他に何かございますか。

 では、長い時間、ご審議あるいはコメントをいただきまして、ありがとうございました。これにて今日の議事を終了いたします。委員の皆様には、厚く御礼申し上げます。

 では、あとは、事務局のほうにお返しします。

【瀧口自動車環境対策課長】 それでは、本日ご議論いただきました中間レビュー(案)につきましては、このレビュー(案)の編集作業を事務局において行いまして、内容を委員長にご確認いただいた上で、パブリックコメントを行うということで、進めさせていただきたいと思います。

 スケジュールは、先ほどご紹介したとおりであります。よろしくお願いします。

【眼目自動車環境対策課課長補佐】 本日は、ご議論、ご審議いただきまして、まことにありがとうございました。

 本日の議事録につきましては、事務局にて案を作成し、委員の先生方にご確認いただいた後、環境省のホームページで公表する予定としておりますので、よろしくお願いいたします。

 お手元の資料につきましては、若干量もありますので、郵送をご希望の場合は、封筒にお名前をお書きいただければ、事務局より郵送させていただきます。

 次回は、先ほどご説明のとおり、3月ごろの開催予定でございます。

 改めて日程調整をさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 これにて、本日の会議は終了となります。どうもありがとうございました。