大気・騒音振動部会(第16回) 議事録

1.日時

令和4年1月12日(水)10:03~12:16

2.場所

WEB会議

3.出席者

(部会長)

大原 利眞

(委員) 

大久保 規子

大塚  直

酒井 伸一

崎田 裕子

勢一 智子

高村ゆかり

山神真紀子

(臨時委員)

飯田 訓正

石田 東生

上野佳奈子

鵜野伊津志

大河内 巌

片谷 教孝

加藤 博和

金子 成彦

紀ノ岡 幸次

染谷 喜幸

清谷 伸吾

坂本 一朗

坂本 慎一

島  正之

鈴木 規之

高岡 昌輝

武林  亨

田邊  潔

谷口 靖彦

津江 光洋

林 由香里

森下 達哉

矢野  隆

(外部有識者)  小野間史樹星空公団設立代表

         大聖 泰弘早稲田大学名誉教授

         大上 慧太国土交通省総合政策局環境政策課自然環境活用係長

         辻野 恒一国土交通省都市局公園緑地・景観課国際緑地環境対策官

         山本 浩之国土交通省道路局環境安全・防災課課長補佐

         松井康太朗国土交通省住宅局参事官(建築企画担当)付係長

         伊藤 史雄国土交通省自動車局安全・環境基準課環境基準室長

         池田友紀子気象庁大気海洋部気候情報課気候情報調整官

(環境省)    松澤水・大気環境局長

         森光大臣官房審議官

         飯田総務課長兼自動車環境対策課長

         長坂大気環境課長兼大気生活環境室長

         鈴木環境管理技術室長

         鈴木大気生活環境室企画官

         山崎大気環境課長補佐

         笹原総務課長補佐

4.議題

  (1)第五次環境基本計画の点検について

  (2)今後の大気環境行政のあり方について

     (光化学オキシダント対策ワーキングプラン)

  (3)報告事項

     ・WHO global air quality guidelines について

     ・EV等への補助金について

     ・騒音規制法施行令及び振動規制法施行令の一部改正について

     ・令和元年度(平成31年度)騒音規制法の施行状況調査結果について

     ・令和元年度(平成31年度)振動規制法の施行状況調査結果について

     ・令和元年度(平成31年度)悪臭防止法の施行状況調査結果について

  (4)その他

5.配付資料

資料1-1   今後の大気環境行政のあり方に関する意見

資料1-2   デジタルカメラを用いた星空観察の推進

資料1-3   国土交通省におけるヒートアイランド対策

資料2-1   気候変動対策・大気環境改善のための光化学オキシダント総合対策について

資料2-2   今後の大気環境行政のあり方の取りまとめに向けて(メモ)

資料3     WHO global air quality guidelinesの公表について

資料4     EV等への補助金について

資料5-1   騒音規制法施行令及び振動規制法施行令の一部を改正する政令(概要)

資料5-2   令和元年度(平成31年度)騒音規制法等施行状況調査の結果について

資料5-3   令和元年度(平成31年度)振動規制法等施行状況調査の結果について

資料5-4   令和元年度(平成31年度)悪臭防止法等施行状況調査の結果について

参考資料1   中央環境審議会大気・騒音振動部会委員名簿

参考資料2   中央環境審議会関係法令等

参考資料3   第15回部会資料_中央環境審議会による第五次環境基本計画の点検の進め方について(案)

6.議事

【山崎大気環境課長補佐】 それでは、定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会第16回大気・騒音振動部会を開会いたします。

 本日は、新型コロナウイルス感染予防対策の観点から、WEB会議での開催とさせていただいております。会議中、音声が聞き取りにくい等、不具合がございましたら、事務局までお電話、もしくはWEB会議のチャット機能にてお知らせください。

 なお、本日の会議は、中央環境審議会運営方針に基づき、公開とさせていただいており、環境省の動画チャンネルのサブチャンネルでライブ配信を行っておるところでございます。

 WEB会議の開催に当たりましては、通信環境の負荷低減の観点から、ライブカメラの映像は、冒頭、局長及び部会長のみとし、議事以降につきましては音声のみの中継といたします。あらかじめご了承くださいますようお願いいたします。このため、カメラ機能はオフにしてくださいますよう、お願いいたします。

 議事中、マイク機能は部会長及び発言者以外はミュートに設定させていただいております。

 また、ご発言の際は、挙手ボタンは使用せず直接お話しをいただきますようお願いいたします。議事録作成の関係上、まずお名前を言っていただき、委員長からお呼びした方から順にご発言くださいますようお願いいたします。

 まず、今回新たに就任いただいた委員のご紹介をさせていただきます。

 一般社団法人日本自動車工業会、環境技術・政策委員会副委員長の一政委員でございます。

 なお、一政委員からは本日ご欠席のご連絡をいただいており、お名前のご紹介のみとなります。

 続きまして、本日の委員のご出席状況でございますが、所属委員34名中31名の委員にご出席いただいており、定足数であります過半数を満たしている旨、お伝えいたします。

 なお、片谷委員は、所用により遅れてご参加いただく旨、伺っております。

 それでは、ここで水・大気環境局長の松澤よりご挨拶を申し上げます。松澤局長、よろしくお願いいたします。

【松澤水・大気環境局長】 おはようございます。

 部会の委員の先生方におかれましては、ご多用の中ご出席を賜り、ありがとうございます。例によって、部会長には本日環境省にお越しいただいております。感染症対策ということで、WEB開催ということでございますが、もしご不便をおかけした際には申し訳ないと思いますけども、よろしくお願いいたします。

 本日、第五次環境基本計画の点検及び今後の大気環境行政のあり方について、ご意見を賜る予定でございます。環境基本計画の点検に関しましては、前回及び本日実施するヒアリング、この中では長年にわたりまして自動車排ガス対策の行政をご指導賜りました大聖先生はじめ、星空公団の方、国土交通省の方からのヒアリングというふうになっておりますけれども、このヒアリングの結果、それから委員の方々のご意見を踏まえて、点検に関する報告書案を取りまとめると、こういう運びを考えております。

 もう一つの、今後の大気環境行政のあり方については、内容としては、二つの項目がございまして、これについて、本日ご意見をいただきたいと考えております。

 1点目は、光化学オキシダント対策ワーキングプランというものでございます。ワーキングプランは、まずデータ、あるいは知見を整理して、これまでの対策効果をきちんと押さえた上でオキシダントの生成機構を精緻化したりした上で、次なる有効な対策を検討していこうと、こういった、環境省としての、この作業、仕事の仕方についての方針を示すという性格のものでございます。

 これまで委員の皆様からご意見をいただいておりますので、それを受けて修正した案を本日用意させていただきました。この案についてご議論いただいて、今後、ワーキングプランを基にいろいろな施策の立案につなげていきたいというふうに考えております。どうぞよろしくお願いいたします。

 もう一つは、今後の大気環境行政のあり方全般に関するものでございます。これまでの部会でもご意見がございましたけれども、私どもとしましても、気候変動への対応とウイン・ウインのものにしていくという、そういう一つの軸というのがあると思いますし、またデジタル化という社会全体の方向、そういう軸があるのではないかというふうに考えておりますけれども、ぜひ大きな方向性ですとか、行政の羅針盤となるような大局的なご意見を頂戴できればというふうに思っております。

 本日は、どうぞよろしくお願いいたします。

【山崎大気環境課長補佐】 それでは、カメラ映像はここまでといたしまして、これ以降は音声と資料映像のみとさせていただきます。

 続きまして、資料の確認でございます。事前にメールでご案内しておりましたとおり、議事次第のほか、委員名簿、資料の1から5、そして参考資料1から3という構成になっております。

 なお、本日は事務局が画面上に資料を掲載し、進行させていただきますので、ご案内の資料は必要に応じてお手元でご参照いただきますよう、お願いいたします。

 それでは、議事に移ります。ここからの議事進行につきましては、大原部会長にお願いいたします。部会長、よろしくお願いいたします。

【大原部会長】 はい。皆様おはようございます。部会長を務めております大原でございます。本日もよろしくお願いいたします。

 それでは、早速議事に入ります。本日の議題は審議事項が2件、報告事項が6件で、結構ボリュームがございます。審議事項、報告事項ともに数多くございますので、迅速な審議にご協力いただきますよう、よろしくお願いいたします。

 まずは議題の1番目、「第五次環境基本計画の点検」について審議いたします。本日の資料のうち、参考資料の3、これは前回の部会でご説明いただいたものでありますが、こちらに環境基本計画の点検の考え方が記載されておりますので、まずは、このおさらいを兼ねて事務局から簡単にご紹介いただきたいと思います。

 よろしくお願いいたします。

【山崎大気環境課長補佐】 それでは、参考資料3を用いて説明させていただきます。ページといたしましては4ページ目、5ページ目を中心にご覧いただければと思います。

 まず、この環境基本計画の点検と今回のヒアリングの位置づけについて簡単にご紹介いたします。この環境基本計画の点検につきましては、そのフォローアップのためにPDCAサイクルを回すというような仕組みの一環として実施しているものでございまして、環境基本計画の中で特に、大気環境に関係する部分といたしましては、重点戦略として大きく分けて、「良好な大気環境の確保」、「快適な感覚環境の創出」、「ヒートアイランド対策」が挙げられております。これらの分野の中から、それぞれ、前回は環境省内の関係部局から、そして今回は環境省以外の関係者からのヒアリングをするということになっておりまして、本日は星空、自動車環境を中心とした大気環境対策、そしてヒートアイランド対策のお話をご紹介していただく予定です。

 今後の進め方ですが、この参考資料3の6ページ目に書いてあります別紙の1、こちらのほうが政策評価シート形になっておりまして、本日の意見交換を含め、ヒアリングの結果等も踏まえつつ、環境省内でシートを作成し、今後、報告書として取りまとめるというような流れになっていく予定でございます。

 次回の部会については、日程のほうは未定ですけれども、年度明けに実施したいというふうに考えておるところでございまして、次回、環境基本計画の点検の報告書についてご審議いただければと考えておるところでございます。

 以上、簡単ではございますけれども、環境基本計画の点検と、そして本日のヒアリングの関係について、簡単におさらいを兼ねて紹介させていただきました。

 以上でございます。

【大原部会長】 はい。ありがとうございました。

 それでは、大気・騒音振動部会が点検を担当しております「良好な大気環境の確保」、「快適な感覚環境の創出」、「ヒートアイランド対策」の各重点戦略に関係するところで、早稲田大学の大聖先生、それから星空公団の小野間先生、さらには国土交通省の担当課からご発表いただきまして、次の環境基本計画に向けた課題などについて議論できればと思います。

 それでは、恐縮ですが、まずは大聖先生、10分間程度でご発表をお願いできますでしょうか。よろしくお願いいたします。

【大聖早稲田大学名誉教授】

 はい。皆さんおはようございます。このたびは、このような場で意見を述べさせていただきます機会を頂戴しまして、大変ありがとうございます。私は長年、自動車の排出ガス規制ですとか、燃費基準の策定に関わってまいりましたので、そのような立場から、私なりのご意見を述べさせていただきたいと思います。

 このようなタイトルでお話しさせていただきます。

 次のスライド、お願いします。まず、これまでの自動車排出ガス対策について振り返ってみたいと思います。これまで数次にわたりまして自動車排出ガス規制の強化が行われてまいりました。これによって、全体としては、大気中のNOx、それから粒子状物質、VOCの改善が大きく進んだものと考えております。また、これらの規制は世界的にも最も厳しい単体規制ということで、世界をリードしてきたわけです。また、それと並行して、排出ガスの試験法の国際基準調和にも積極的に関わってきた実績があると考えております。

 それから、自動車の排出ガスの単体規制のみでは環境基準の保全が不十分な特定地域、これは大都市が中心ですけれども、そういった地域を対象にした特別措置法があります。これは自動車NOx・PM法と言っておりますけども、ディーゼル車の車種規制等によって一定の成果を上げてきております。具体的には、軽油の低硫黄化等の取組によって、DPF、ディーゼル微粒子フィルターですけれども、そういったものの対策装置の取付けが可能になり、大幅なPMの低減が可能となっています。それによって、車種の転換が大きく進展しましたが、これには、もちろん国土交通省のほうでも連携されたという経緯があります。また、これと並行して、東京都で「ディーゼルNO作戦」という取組も行われまして相乗的な効果をもたらしたものと考えております。

 さらに、自動車用の燃料性状が排出ガスの特性に大きく影響することから、その影響調査と対策ということで、長年にわたってJCAPⅠ・Ⅱ、それからJATOP、さらにはJ-MAPという形で、石油連盟と自動車工業会が連携して取り組みました。また私どものような中立の研究者が加わって、燃料性状の影響をいろいろと検討してまいりました。ガソリンの低ベンゼン化ですとか、先ほど申し上げました燃料の低硫黄化、それからバイオ燃料の規定ですね、これはエタノールやバイオディーゼルですけれども、こういった燃料を対象としました。それから石油の有効利用、特に重質燃料が余っている状況にあって、それを分解することで、ガソリンですとか軽油に手用して利用するというものですね。それが排出ガスにどのような影響を及ぼすかということも評価してまいりました。

 また、さらにこれと並行して、大気環境シミュレーションモデルが構築されまして、排出ガス対策の強化とか燃料性状の変化に伴って、将来、大気環境がどういうふう改善するかあるいは影響を受けるかということを予測する数値計算モデルが開発され、これがいろいろと使われてきております。

 次のスライド、お願いいたします。そこで、これらの取組を踏まえて、今後の対策のあり方に関して述べたいと思います。具体的には、1年半ぐらい前になりますけれども、自動車排出ガス対策のあり方、これスライドでは「今度」と書いてありますが「今後」ですね、そのあり方、十四次答申と言っておりますけれども、それで指摘された事項の解決を目指すということが、具体的な課題になっています。排気中の微小粒子状物質の数を規制するというもので、その計測する粒径をさらに細かくして、呼気系への影響を抑えるもので、このような計測が可能となり規制が強化されております。

 それから、タイヤですとかブレーキの粉じんに係る課題、さらには特殊自動車の排出ガス規制の強化についても検討されることになっております。

 その他の課題として、三つほど挙げておきたいと思います。一つは、最近、法定走行では把握できない実路走行における排出ガス特性が重要になってきておりまして、それによって排出ガス規制を実施することになっております。Real Driving Emissionsと言っております。気温の変化ですとか実際の渋滞、高速走行といったものも加味したものが、このテストに含まれております。

 それから、最近懸念されておりますが、ディーゼル重量車においてNOx還元触媒が早期に劣化するとか、あるいは不適切な制御によってNOx、それからN2O、アンモニアの排出が確認されております。

 その原因究明と耐久性の評価については、自動車メーカーの積極的な協力を得て、改善を図ること必要があります。それから車載式の故障診断装置が導入されておりますので、それをさらに高度化して、こういった課題を乗り越えていただきたい。これは、国土交通省にとっても共通の課題であると思っております。

 既にEUでは、アンモニアやメタンの規制が行われておりますけれども、N2O、これは温暖化物質でありますが、それの検討も進められているということで、日本もこれらの規制の検討が必要であろうと思っております。

 それから、さらに申し上げますと、2050年のカーボンニュートラルに向けて、これから温暖化の対策の強化というのがより強調されると思いますけれども、それを前にして、それまでにといいますか、2030年をめどにして、排出ガスに関わる単体規制と、それから自動車NOx・PM法の達成・収束、さらには使用過程車に関わるこれまで申し上げたような課題を克服することが強く望まれていると思っております。

 ただ、2030年を越えて、光化学オキシダントの課題は残ると思っておりますけれども、これについては、また別に、この後ご説明があるようですので、省略したいと思います。

 次のスライド、。お願い致します。データベースの構築とモデリングの活用ということを強調しておきたいと思います。政府、地方自治体、それからいろんな研究機関がありますけれども、そういった間で、内外の大気環境の関連する知見、それから情報の共有化をぜひ図っていただきたい。そのためデジタルトランスフォーメーションを推進して、行政事務の効率化を図り、閲覧性に配慮した大気関連のデータベースを構築して、それを研究者にとってアクセス可能なような状況にしていただきたいと思っております。それによって、政策の提案や立案とか、関連研究に役立つような利用の促進を図られるということですね。

 それから、よく海外の知人から問合せがあるわけですけれども、日本の取組の状況をもっと詳しく知りたいということで、やはり英語での情報発信が、ともすると不十分な面がありまして、そういったところもぜひ改善していただきたい。また、海外政府や海外の研究機関との情報交換、交流も一層推進して、政策のガラパゴス化を防いでいただきたいと思っております。

 それから、先ほどちょっと触れましたけれども、大気環境シミュレーションモデルの改善と将来予測へのオープンな活用、これは、一つはEvidence-Based Policy Makingにもつながると思いますけれども、各測定局でモニタリングをやっておりますが、そういった状況の監視、それからその状況の推移を把握する。また、それを使ったモデルの定量性を検証する。そういう改善が必要だと思っております。

 また、その際には、固定発生源のインベントリデータもぜひとっていただいて、それを活用する必要があると思っております。

 こういったモデルを利用することが、大気改善と温暖化対策の両面で有用ではないかなと思っております。例えば、エコカー減税ですとかクリーンエネルギー車の購入補助、電動車の導入ですとかCASEやMaaSの事業の効果、スマートシティですとか、鉄道へのモーダルシフト、それから今後、合成燃料の開発が進められると思いますけれども、そういった取組の効果や影響ですとか、あるいは第六次エネルギー基本計画における再生可能な電力の導入に伴う環境の変化、そういったことの把握にもぜひモデルを活用していただきたい。それから、光化学オキシダントに関しましては後でご説明があると思っております。

 こういったモデリングの活用に伴う人材の育成、それから組織の維持もぜひ必要だと思っております。

 次のスライド、お願いいたします。行政組織と研究者間のネットワークをぜひ構築し、強化して頂きたい。もう既にそういったものはできている部分もありますけれども、さらにそれを発展させて、大気環境と地球環境の改善に資するようなコベネフィットをもたらすような省庁間の有機的な連携を進めていただきたいと思います。

 特に環境省、国土交通省、経済産業省の参加を含めて、以下のような組織がありますけれども、これらの学会ですとか研究機関では非常に専門性の高い研究者の方々がいろいろ、複数の機関にまたがって活動しておられるます。そういった機関や研究者の知見を集約して、連携をとっていただきたい。例えば、環境研究総合推進費などの利用を拡大していただきたいと考えております。

 それから、越境汚染の問題ですね。PM2.5ですとか光化学オキシダントの問題の解決、対策ということもあります。近隣諸国とのネットワークも既に一部構築されていると承知しておりますけれども、さらにそれを強固にしていただきたいと思っております。ここでも大気環境モデルが役に立ちます。

 大気環境改善とともに、温暖化対策に関わる新興国への技術ですとか政策両面での支援を通じて国際貢献を果たしていただいて、戦略的なJCM、これはカーボンに関わる2国間のクレジットの推進ですね。こういったものを目指していただければと思っております。

 以上、私見を含めて意見を述べさせていただきましたけれども、今後の参考にしていただければ大変幸いでございます。ご清聴ありがとうございました。

 以上でございます。

【大原部会長】 大聖先生、ありがとうございました。

 自動車対策中心に、それ以外も含めまして、包括的に、今後の大気環境行政のあり方に関するご意見を伺いました。ありがとうございました。

 それでは、ただいまの大聖先生のご発表に関しまして、ご意見、ご質問等がありましたら、皆様からお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。何かございますでしょうか。

 それでは、私から大聖先生に一つだけお伺いしたいと思いますけれども、今ご説明いただいた中で、大気環境の改善と温暖化対策、これを両にらみで進めていくということ、これは極めて重要でありますし、それから一部触れられておりましたが、組織・人材の育成と確保、これも極めて重要な課題ではないかと個人的には思っているところであります。

 さらには、省庁間の連携も当然、とりわけ気候変動対策等を進めていく上で重要だと思いますが、追加のご発言、あるいはコメント等がございましたら大聖先生にお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

【大聖早稲田大学名誉教授】 繰り返しになりますけれども、今ご指摘があったように、人材の育成、研究者の育成、それから研究者の成果を行政に生かすような取組、そういったものを、もう少し具体的な連携という形で推進していただくと、政策立案の効率化、それから研究者の関心もそちらのほうに集中することができるのではないかなというふうに思っております。

 それから、光化学オキシダントの課題は、やはり2030年以降も残ると思いますので、ぜひそれを解決の方向へ導いていただきたいのと、こういったモデルというのは、新興国でやはり大気汚染、大都市で非常にまだ改善が必要とされておりますので、そういったところに支援の形で適用するというようなこととか、あとは電動車の導入などによる大気改善の方向性ですね、そういったものをシミュレーションによって将来予測するということも重要で、そういった支援を通じて、国際貢献をぜひ進めていただければというふうに思っております。

 以上です。

【大原部会長】 はい。ありがとうございました。

 大聖先生、ありがとうございます。

 それでは、続きまして、どうぞ。

【山崎大気環境課長補佐】 すみません、一言よろしいでしょうか。大気環境課の山崎です。

 大聖先生、ご説明ありがとうございました。

 実は私、今、水・大気環境国際協力推進室長も兼務しておりまして、先生の発表の最後にありました大気環境改善とともに温暖化対策に関わる支援、そしてそれをJCMにつなげていくというようなお話の部分、実はこれ、まさに今取り組んでおるところでございまして、これまでもコベネフィット事業ということで、大気環境の改善とCO2削減の両立を目指して、モンゴルとか中国とかでコベネフィット事業の支援を実施してまいりました。

 環境省の方針として、コベネフィット事業はJCMにつなげていくという方針で考えてますので、これを視野に、これまでうまくいった事例の水平展開、つまり他の国にもさらに展開していきたいと考えております。ですから、本日、先生のほうから今後の対策のあり方ということで、このようなビジョンを示していただき、今まで歩んできた道が間違っていなかったということで、非常に心強く感じておるところでございます。ありがとうございます。

 引き続き、この分野、コベネフィット事業の推進に向けて取り組んでまいりたいと思います。

 以上、意思表明でございました。ありがとうございます。

【大聖早稲田大学名誉教授】 ありがとうございます。ぜひお進めいただきたいと思います。ありがとうございました。

【大原部会長】 はい。ありがとうございました。

 それでは、続きまして、星空公団の小野間先生、ご発表をお願いできますでしょうか。

 よろしくお願いいたします。

 【小野間星空公団設立代表】 はい。よろしくお願いいたします。星空公団の小野間と申します。

 本日は、デジタルカメラを用いた星空観察の推進というタイトルで、民間で行っています大気観察、星空観察のご紹介をさせていただきたいというふうに思っております。

 次、お願いいたします。まず、星空公団のご紹介をさせていただきたいと思います。ここに書かれていますように、設立目的としましては、都市部を中心に失われつつある良好な星空環境の供給ということで、研究者であるとか、私もそうなんですけども、会社員などで構成された民間団体でございます。

 次、お願いします。ご承知の方もいらっしゃるかと思いますけれども、最初に「光害」についてご説明させていただきたいと思います。光害とは、人間活動に伴う照明の上方放射が大気中の水蒸気であるとかエアロゾルに散乱されて自然光以上に夜空が明るくなることを指しております。特に、1970年以降、環境権の一つとして「光害(ひかりがい)」という認識が広まっております。

 この光害というのは大気の影響を受けるため、夜空の明るさというのは日々変化しているということから、継続的な測定であるとか観察というのが必要になっております。また近年、星空の地域資源としての価値が見直されているということから、地域に焦点を当てた継続的な調査というのも必要になってきております。この光害という言葉ですけれども、1972年に当時の環境庁長官である大石さんがコメントいただいたというところがスタートであるということまで分かっております。

 次、お願いいたします。星空に対する影響というのをちょっとここでご紹介しておこうかと思います。左上が北海道で撮影された写真、右下が東京湾で撮影した写真になります。どちらも星の明るさ自身は外から来ているものですので一緒なんですけども、その後ろの背景の明るさが変わっております。これを夜空の明るさと呼んでおり、これが大気の指標として、我々としては使用しております。

 次、お願いいたします。日本における星空観察の歴史というところをここに整理しましたので、ご紹介したいというふうに思います。1986年、当時の環境庁が大気保全の観点から観察コンテストを実施し、まずは「あおぞらの街」ということで選定を行っております。これは、昼間の観察で、大気が、どこまで遠くが見えるかということを市民に参加して観察していただくという、このような取組でした。それに対して1987年、翌年になりますけども、星空観察を通じて「星空の街」コンテストを実施したというのが日本における星空観察のスタートになります。

 この二つのコンテストを踏まえて、翌年の1988年、環境庁が全国星空継続観察ということで事業をスタートしております。2012年までに、延べ1万6,000グループを超えるグループが参加しております。

 この環境庁の取組を受けまして、例えば、長野市であるとか、多治見市、静岡市、浜松市等で環境保護条例の策定のためにこういった調査というのが全国に広まっておりました。

 一方、残念なことに、2010年、行政刷新会議の提言を受けて、全国星空継続観察というところが事業中止になっております。翌年2011年から2年間に関しては、環境省と呼びかけ人により調査を引き続き行っていたものの、2013年からは事業自身が休止となっております。

 この休止を受け、我々、星空公団という民間団体が独自に呼びかけて継続的な調査を引き続き行ってきたというところが、我々と環境省さんの取組の発端になります。

 もともと昔、1988年からの事業ですと、当時はフィルムカメラを使って測定を行っていましたけれども、コスト低減、それから、取り組みやすいということで、デジタルカメラに移行して事業を行っております。

 ご案内のとおり、2018年からは、環境省によって星空観察事業というのが再開されている、こういうふうな歴史となっております。

 次、お願いいたします。30年にわたる継続観察ということで、これは横軸が昭和63年、環境庁の事業が開始されていたときから一番右が令和2年ということで、昨年度までの軸になっております。縦軸が夜空の明るさを表しておりまして、上に行けば行くほど明るく、下に行けば行くほど暗いということを示しております。全国で代表的な場所6地点を選出しまして、30年にわたって継続的な調査を行っております。

 上のほう、都市部ですと、例えば照明の改善であるとか大気環境の改善というところで、だんだんだんだん夜空の明るさが暗くなっていく、改善していく傾向が見られます。一方で、郊外と書いてありますけれども、下にある何か所かにおいては、開発であるとか照明環境が増えたというところで明るくなっているという、こういった傾向が見られております。

 こういった傾向は、単年度ですと、例えば大気状況によって変わりますので、継続的な観察が必要だというふうに我々としては考えております。

 次、お願いいたします。この星空観察のポイントとして我々が考えているものが四つありますので、そこをご紹介したいというふうに思います。一つ目が、住民に環境保全の意識を持ってもらい行動を促す必要があると思っております。こういったことから、市民参加型の調査イベントとして実施すべきだというふうに考えております。

 二つ目が、多くの方が参加できる仕組みづくりということで、市民参加型にするに当たり、専用の機械ではなく身近にあるデジタルカメラを使って参加してもらう仕組みというのを我々としては構築しています。

 三つ目が、夜空の明るさは日々変化するということで、数年にわたる継続的な調査を呼びかけていく必要があるのだろうなというふうに考えております。

 四つ目が、環境保全のみならず、特に、ここ数年なんですけれども、星空を地域資源として活用できる仕掛けが必要なのだろうというふうに考えており、これらについては継続的に検討が必要であるというふうに考えております。

 この四つについて、以降でご紹介したいというふうに思います。次、お願いいたします。まず、市民参加型の調査というところで、市民科学としての星空観察というふうに、我々としては捉えております。ICTの発達に伴って、特に市民が学術データに簡単にアクセスできるような時代になっております。特に「光害」については市民が実際に直面する問題であり、市民科学としての親和性がよいというふうに考えております。

 1988年から環境庁が開始した全国星空継続観察においても「大気保全に関する理解を一層深め、さらに環境保全に対して住民自ら参加し、行動する契機となり、環境教育実践の場となることが期待」ということで、参加して、市民が自分自身の問題として捉えてもらえるような仕組みというのが必要であるというふうに我々としては考えております。

 よって、データ収集の段階から市民が参加できる観察方法が必要である。かつ精度を担保するために、参加しやすいデジカメによる調査というのを実施しております。

 次、お願いいたします。参加しやすい調査方法として、今、世界で使われている方法としては、大きく分けて三つございます。一番左にあるデジタルカメラを使った方法、真ん中にある肉眼による観察、それから専用の機械を使うという、この三つの方法がございます。これらのうち、特に、我々としては、一番左のデジタル一眼カメラというのを活用した調査方法を提案しております。これは、比較的精度がいいこと、それから、写真撮影するだけで夜空の明るさが測定できること、それから、特に、日本独自とはなるかと思いますけども、日本のカメラの生産量、それから市場の広さから考えて、デジタル一眼カメラを日本では使用するのがいいだろうというふうに考えて、これらを使った調査方法を展開しております。

 次、お願いいたします。夜空の明るさは日々変化するということで、これは調査例をご紹介しております。これは大分古くて、2011年のデータなんですけれども、横軸が時間で縦軸が明るさになります。やはり、当時の2011年3月11日の節電の効果により40%減少していることが見られたことや、例えばお正月は暗いといった、このような人間活動が日々変化している原因でございます。こういったことから、継続的にモニターしていく必要があるというふうに我々としては考えております。

 次、お願いいたします。また、地域資源ということで、星空保護区のお話にちょっと触れさせていただきたいと思います。日本初の星空保護区の認定候補地としてPRを始めた石垣島の例なんですけれども、この保護区の認定によって、経済効果として1億円程度を見込んでおります。この動きというのは、東京都神津島であるとか、井原市美星町とか、全国に広まっております。こういった活用というのもできるのではないかというふうに考えております。

 最後になります。次のページをお願いいたします。最後になりますけれども、星空観察におけるSDGsということで、持続可能な開発のための教育というところで、星空観察というのはよくマッチするというふうに我々としては考えております。特に、星空観察において約40%の団体が光害に関した話題を取り上げており、こういった取組と調和がとれるというふうに考えております。

 私からのご説明は以上になります。ありがとうございました。

【大原部会長】 ありがとうございました。小野間先生、非常に興味深いご発表ありがとうございます。

 それでは、ただいまの小野間先生のご発表に関して、ご意見、ご質問等をお願いいたします。皆様、いかがでしょうか。

【崎田委員】 崎田ですが、よろしいでしょうか。

【大原部会長】 はい。崎田委員、お願いいたします。

【崎田委員】 はい。ありがとうございます。

 今、星空観察を継続的に、こういうふうにやっておられる細かいお話を伺いまして、大変新鮮かつ感銘を受けました。そして、後半で、今後、環境保全のみならず、環境保全とともに星空を地域資源として活用できる仕掛けが必要というふうにご提案されています。

 それで、具体的なものとして、その後半の10ページのところに、今、星空保護区とかいろんな動きがあるというお話がありました。こういうことを広めるときに、例えばその自治体が条例を制定してやるというような動きもあるのかどうか、あるいは、こういう動きを広めるために、どういうふうに、より動いたらいいか、何かご提言があれば伺えればというふうに思いました。

 よろしくお願いいたします。

【大原部会長】 崎田委員、ありがとうございます。

 小野間先生、お願いいたします。

【小野間星空公団設立代表】 はい。ありがとうございます。4ページ目に資料としては載せてございますけども、条例を制定するためにというのは2000年頃に多く見られました。多治見市、静岡市、浜松市という3例なんですけども、こういった取組がこの後広まらなかったということから、やはり、どちらかというと、条例よりも、観光であるとか資源として捉えていただくということで、そういった方向性のほうがいいのかなというふうに思っております。

 そういう意味で言うと、星空保護区のようなところで、認定をしてもらうためには、ある程度、大気環境がきれいであるということが求められておりますので、そういったPRであるとか、例えば、星空観察の結果によって地域の市民が、例えば我々のまちってこんな資源があったんだということを気づいてもらえるケースもありますので、例えば、環境省で行った観察の結果を公表するやり方というのは、もう少し工夫が必要かなというふうに我々としては考えております。

【大原部会長】 はい。ありがとうございました。

 続きまして、大塚委員、挙手されておられますか。

【大塚委員】 はい。どうもありがとうございます。

 簡単ですけども、私もこの10ページのところですけれども、観光資源としてこれを用いるというのも非常にユニークで大変いいことだと思っておりますが、認定をされた後、この星空保護区に認定された後、近くに明るい光を放つような建物が建つようなときに、何か対応する方法はお考えになっているのかとか、あるいは、場合によっては、それによって保護区の認定を取り消すというようなことも出てくるのかもしれませんが、その辺に関しては、どのような対応をされているか教えていただけますか。

【小野間星空公団設立代表】 はい。星空保護区としては、まず毎年の継続的な測定が義務づけられております。その結果、もともとの基準を満たさない場合は認定が取消しとなるということから、継続的な対策が必要だと思っております。

 当然、照明がないと生活できないというところもございますので、例えば上方光束がないような照明に変えていくとか、そういった対策が実際にはなされております。

【大塚委員】 ありがとうございました。

【大原部会長】 はい。ありがとうございました。

 もう一つぐらい、ご意見等はいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

 それでは、小野間先生、ありがとうございました。

 それでは、続きまして、国土交通省のご担当課からご発表をお願いいたします。よろしくお願いいたします。

【大上国土交通省総合政策局環境政策課自然環境活用係長】 はい。ありがとうございます。国土交通省総合政策局環境政策課の大上と申します。

 本来は、課長補佐の和田からご説明をさし上げるところ、急遽都合が悪くなりましたので、私より発表させていただきます。よろしくお願いいたします。

 本日は国土交通省におけるヒートアイランド対策の概要についてご説明いたします。

 次のページをお願いいたします。国土交通省におきましては、平成25年5月に策定されました「ヒートアイランド対策大綱」に基づき、各種ヒートアイランド対策に関する施策を実施しているところでございます。内容につきましては、人工排熱の低減、地表面被覆の改善、都市形態の改善、ライフスタイルの改善、人の健康への影響等を軽減する適応策の推進、観測・監視体制の強化及び調査研究、主にこちらの六つの柱で取り組んでいるところでございます。

 本日は、この中から、人工排熱の低減、地表面被覆の改善、都市形態の改善、観測・監視体制の強化についてご説明をいたします。

 次のページをお願いいたします。まず、人工排熱の低減についてです。こちらは人間活動から排出される人工排熱の低減のため、住宅・建築物の省エネルギー化を推進するほか、自動車からの排熱減少に資する次世代自動車の普及拡大、下水熱の有効利用の推進等に取り組んでおります。

 省エネルギー性能の優れた住宅・建築物の普及促進につきましては、省エネ性能の評価・表示、省エネ性能に優れた住宅・建築物への支援、供給体制の整備等に取り組んでおります。

 次に、次世代自動車の普及促進につきましては、自動車の燃費の改善や次世代自動車の導入支援などを行っているところでございます。

 また、下水熱の利用につきましては、下水道資源の有効利用に向けた計画策定から施設整備までの一体的な支援の実施や下水熱利用マニュアルの改定等を行っておるところでございます。

 次のページをお願いいたします。次に、地表面被覆の改善の取組についてです。こちらは民間建築物等の敷地内緑化や都市公園の整備、道路の緑化、また路面の温度上昇の抑制機能を有しております遮熱性舗装や保水性舗装、また雨水利用施設の設置等を行っているところでございます。また、都市形態の改善につきましては、河川と公園との一体的な再整備や緑地の保全等による水と緑のネットワークの形成等にも取り組んでいるところでございます。

 次のページ、お願いいたします。最後に、観測・監視体制の強化及び調査研究の推進についてです。こちらは気象庁を中心に取り組んでおりますが、ヒートアイランド対策大綱に基づき、全国各都市における過去の気温等の長期的な変化傾向など、ヒートアイランド現象の観測・監視及び要因分析に関する情報を気象庁ホームページに公表するなど、取組を行っているところでございます。

 以上、雑駁ではございますが、国土交通省からの説明となります。よろしくお願いいたします。

【大原部会長】 ありがとうございました。非常にコンパクトにご説明いただきまして、ありがとうございます。

 それでは、ただいまの国土交通省のご発表に関しまして、ご意見、ご質問等がありましたらお願いいたします。いかがでしょうか。

【大久保委員】 大久保ですけれども、よろしいでしょうか。

【大原部会長】 はい。大久保委員、お願いいたします。

【大久保委員】 ありがとうございます。

 路面対策の話がございましたけれども、路面対策と、それから路面騒音、ヒートアイランド効果を抑える効果とともに、路面騒音を抑える効果が相乗的にあるのかどうか。大気汚染とカーボンニュートラルの政策統合とともに、騒音対策の統合ということも大変重要かと思いますので、その効果についてお伺いできればと思います。

【大上環境政策課自然環境活用係長】 ありがとうございます。

 バックネットでいらっしゃいます道路局の方、何かご回答できることがございましたらお願いいたします。

【山本国土交通省道路局環境安全・防災課課長補佐】

 ご質問いただきました路面のヒートアイランド対策プラス騒音の効果はどうかということですが、こちらは資料に示していただいています遮熱性舗装、あるいは保水性舗装につきましても、走行時の騒音を吸収する効果はどちらもあります。定量的な効果がどうかというところはありますが、こういった遮熱性や保水性舗装を進めていく中で、騒音対策も併せて進めていければと思っているところでございます。

【大久保委員】 ありがとうございます。

【大原部会長】 はい。ありがとうございました。

 もう一つぐらい、ご質問等いかがでしょうか。

【崎田委員】 すみません。崎田ですけれども。

【石田委員】 筑波大の石田ですけれど、よろしゅうございますか。

【大原部会長】 それでは順番に。まずは石田委員、お願いいたします。

【石田委員】 今、ページ、投影されている水と緑のネットワーク形成なんですけれど、これはグリーンインフラとおっしゃっておられて、非常に大事なものなんですが、残念ながら、今、国交省でできる大部分のものを、公物管理権限に基づく、公園とか河川とか、一部道路敷内のものだけなんですね。これをもっと広く広げていくということが、このグリーンインフラの価値をさらに高める上で重要だと思います。そういう観点から、今回もこういう連携をしようということですから、こういう連携の場がさらに広がる、環境省だけじゃなくて農林水産省とも連携していただくということが重要だと思いますので、よろしくお願いいたします。

【大原部会長】 重要なご指摘をいただき、ありがとうございました。もし国土交通省、あるいは環境省からレスポンスがありましたらお願いします。いかがでしょうか。では、環境省からお願いいたします。

【鈴木大気生活環境室企画官】 環境省大気生活環境室でございます。ご意見ありがとうございます。

 ご指摘のとおり、農水省なども含め、公物管理以外の部分でも緑を増やしていくことは大事なことだと思ってございます。国交省からご発表のあった資料の1ページ目にヒートアイランド対策推進会議とあり、国交省、環境省、ほか5省庁と書かれてございますけども、この5省庁の中には、ご指摘の農林水産省、経済産業省、文部科学省、警察庁などに入っていただいており、引き続きこういった各省連携の下でヒートアイランド対策を進めていきたいと思ってございます。ありがとうございます。

 以上です。

【大原部会長】 はい。ありがとうございました。

 崎田委員、いかがでしょうか。お待たせしました。

【崎田委員】 すみません。崎田です。申し訳ありません。

 私も、この緑化や水の活用の地表面被覆のところのページなんですけれども、実は、この前の東京2020大会のときに、国道と、東京都の都道と、遮熱性舗装をかなり広げていただいたというふうに記憶しています。今後もこういうのを広げていただくに当たって、その効果とか、そういうのもぜひ発信をしていただくことで、いろいろな自治体も広がっていくのかなというふうに思いました。

 あと、そのときに、街路樹の木陰を大きくするための剪定を工夫するとかいろいろあったように思いますので、今後そういうような工夫なども、ぜひ広めていただければありがたいなというふうに思いました。

 よろしくお願いいたします。

【大原部会長】 はい。崎田委員、ありがとうございました。

 環境省あるいは国土交通省から、もしレスポンスがあれば、では環境省、お願いいたします。

【鈴木大気生活環境室企画官】 環境省大気生活環境室でございます。どうもありがとうございます。環境省では「まちなかの暑さ対策ガイドライン」として、ヒートアイランド対策や街なかの暑さの緩和に資する様々な技術について分かりやすくまとめたガイドラインを作っており、自治体や事業者の方々にご活用いただいているところでございます。引き続き新しい内容も盛り込んで改定していきながら広めていき、様々な場所で効率的な対策が進められていくようにしていきたいと思っております。ありがとうございます。

 以上です。

【大原部会長】 はい。ありがとうございました。

 大塚委員、挙手されておられますか。いかがでしょうか。

【大塚委員】 はい。すみません。一言だけすみません。

 環境省の中で、保健部のほうで熱中症対策の検討も随分されていると思いますけど、当然これと連携してやっていらっしゃると思いますけど、一言ちょっと教えていただければと思いました。恐れ入ります。

【鈴木大気生活環境室企画官】 環境省大気生活環境室でございます。

 熱中症対策については、環境省内で特別にチームを作っており、環境保健部と、それから私ども大気生活環境室のメンバーも主に入っておりまして、協働して進めております。このような体制の下、例えば、従前からヒートアイランド対策の一環としてやっておりましたWBGT測定を基に、気象庁とも連携して熱中症警戒アラートを発表するなど、新しい取組も進めているところでございます。

 昨年はここ数年の中ではそれほど暑くなかったということで、熱中症搬送者の数も減っておりますが、長期間で見ますと、以前よりもかなり増えておりますので、引き続き力を入れて対策をしていきたいと考えております。

 以上でございます。

【大塚委員】 ありがとうございました。

【大原部会長】 非常に活発なご議論をいただきまして、ありがとうございます。

 残念ながら、時間が限られておりますので、この点につきましては以上とさせていただきたいと思います。国土交通省のご担当者の方、ありがとうございました。

【大上環境政策課自然環境活用係長】 ありがとうございました。

【大原部会長】 ありがとうございました。

それでは、その他、環境基本計画の点検に関して、皆様からご意見がありましたらお願いいたしますが、いかがでしょうか。

【大塚委員】 すみません。大塚ですけど、よろしいですか。

【大原部会長】 はい。よろしくお願いします。

【大塚委員】 大聖先生のときにちょっと聞き損なっちゃったので、すみませんが、ちょっと気になっているのは、やはり、特に、メーカーさんとかは、もう温暖化対策のほうが大変なことになっているので、例えばNOxとか、そういうことに関して、さらに技術開発を進めて対応していくというような発想がちょっと乏しくなる可能性もあると思うんですけども、もちろん温暖化対策と一緒にやっていっていただけるものは、やっていただければありがたいんですけど、その辺に関しては、大聖先生は何か、もしお考えがあれば教えていただきたいと思います。ちゃんと2030年までにきっちりやらなくちゃいけないとさっきおっしゃったんですけど、そこは具体的に、例えばどういうことをお考えになっていらっしゃるか、教えていただけますでしょうか。

【大聖早稲田大学名誉教授】 大聖です。ご質問ありがとうございます。

 これは、一つはRDEという、ここにありますReal Driving Emissionというものにも重点を置いて、実際の道路を走ったときに、車載した計測器でもってテールパイプから出てくる排ガスを分析するというもので、それによっても規制を行うということが進められています。それに対応する技術は、もう手の内にあると思っていまして、もう2030年以内には対応できると、十分対応できると思っております。これによって実際の車がまちを走る状況でのエミッションというのもさらに抑制されるのではないかなと思っております。

 以上です。

【大塚委員】 はい。ありがとうございました。どうもお元気そうで、ありがとうございます。

【大聖早稲田大学名誉教授】 ありがとうございます。先生もお元気そうで。

【大原部会長】 どうもありがとうございました。非常に活発にご議論いただきまして、ありがとうございます。

 それでは、事務局から今後の進め方についてご説明をお願いしたいと思います。

【山崎大気環境課長補佐】 本日はヒアリングということで、大聖先生、そして小野間先生、そして国交省の大上様、プレゼンのほうをありがとうございました。また、活発なご意見いただきまして、ありがとうございました。

 今後は事務局のほうで、これまで審議していただいた結果とか取組等を整理し、施策シートを取りまとめて、報告書案を次回のこの部会のほうでお示ししたいというふうに考えておりますので、それに向けて我々のほうも準備を進めてまいりますので、次回の会議でも、ぜひ活発なご議論、ご意見をお願いしたいと思います。

 よろしくお願いします。

【大原部会長】 はい。ありがとうございます。取りまとめ、よろしくお願いいたします。

 それでは、議題の1は終了いたします。大聖先生、小野間先生、そして国土交通省の皆様、お忙しい中ご対応いただきまして、非常にありがとうございました。

 大聖先生、小野間先生、国土交通省の皆様には、ここで退出していただいても結構ですので、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。

 それでは、議題(2)の「今後の大気環境行政のあり方」について審議いただきたいと思います。

 まずは資料の2-1につきまして、事務局からご説明をお願いいたします。

【長坂大気環境課長兼大気生活環境室長】 大気環境課長をしております長坂と申します。

 それでは、資料の2-1、投影されてございますので、こちらのご説明をさせていただきます。

 気候変動対策・大気環境改善のための光化学オキシダント総合対策について、副題として光化学オキシダント対策ワーキングプラン(案)というものでございまして、こちらの資料は、前回の第15回の大気・騒音振動部会におきまして一度ご説明をさせていただいて、ご意見をいただいたものに加えまして、さらに11月に開催されました部会の下にあります微小粒子状物質等専門委員会においても専門家の方々からご意見をいただきまして、そういったものも踏まえた上で事務局の手直しを入れて、この資料を作成してございます。

 そういうことで、前回の部会資料から修正した点を中心にご説明をさせていただきます。

 まず、1の背景については修正を特にしてございませんので、ご覧いただければと思います。また、2の大気環境の現状につきましても、これは現状そのままご紹介させていただいておりますので、修正をしてございません。

 そして、3番に行きまして、これまでの検討状況及び課題のところでございますが、3.1環境基準の設定状況の部分で、一番最後の文章を少し変えてございます。その後ろにも関係してございますが、一番最後に、「1.背景で示したとおり、植物への影響、気候変動への影響を勘案した環境基準の設定・再評価に向けた知見の整理と検討が必要である」という記述、記載をしてございます。これは、前回は「知見の整理が必要である」とだけしてございましたが、環境基準の設定・再評価について、知見の整理だけずっとしていていいのかというようなご意見を幾つかいただいたことを踏まえまして、より少し踏み出した内容となってございます。

 次に、3.2と3.3につきましては、こちらは、内容は特に修正はしてございません。

 続きまして、3.4でございます。光化学オキシダントの削減対策とその効果の検証の部分ですが、こちらについて、少し記載を厚くさせていただきました。前駆物質であるNOx、VOCの対策ということを主に書いているんですが、NOxについての記述がちょっと少なかったものですから、しっかり書き込ませていただきまして、2行目のところ、「NOxは、各種発生源からの対策効果により大気中濃度は減少傾向が継続しており」というところを追加させていただいて、「VOC排出量も平成12年と比べて50%以上減っている」と、こういった事実関係を記述してございます。

 その後、こちらも追加して書かせていただきました。「平成29年3月には、環境省光化学オキシダント調査検討会から「平成18年度以降のVOC排出抑制対策の効果として、関東地域における光化学オキシダント濃度の日最高8時間値の98パーセンタイル値が減少した」と報告されている」という記述を追加してございます。これは後ろのほうで、皆さんご承知のとおり、光化学オキシダントの環境基準達成状況は毎年ほぼ0%という状況ではございますが、VOCの対策効果が全く効いていないということでもなく、こういった高濃度部分について、98パーセンタイル値が減少したという、そういった報告もございますので、そういった事実を記述させていただきました。

 いずれにしても、この「一方、光化学オキシダントは高い濃度レベルで推移しており」という事実がございますので、こちらも記述した上で、「環境基準達成状況は依然として著しく低い」という状況を書かせていただきました。

 その次の段で、これも記述をちょっと厚くしたものでございますが、発生源対策としては「NOxでは事業場や自動車等からの排出削減、VOCでは事業者からの排出削減のほか」という、これまでの取組を記述させていただきました。

 そして、最後の部分ですね。「従来の取組を継続するとともに、より効果的な対策の検討が必要である」ということで、示させていただいております。3.4は、そういう意味で記述を大分厚くさせていただいたというものでございます。

 そして、4の今後の取組事項でございますが、これは全体的に、前回の資料では①のア、イ、②のア、イ、ウ、③のア、イ、ウ、これ自身は、項目自体は一緒ですが、これについて一通り、文章を分かりやすく追加させていただいております。その中で一番大きく変更させていただいたのが、3の①の「環境基準の設定・再評価に向けた検討」とさせていただきました。前回は「検討に向けた知見の整理」となっていましたが、こちらについて少し前向きな表現というか、検討をさせていただくという内容にしてございます。

 アの部分ですが、「植物影響に関する知見の整理及び環境基準の設定に向けた検討」という、設定に向けた検討と書かせていただいております。

 また、イにつきましても、「人健康影響に関する知見の整理及び環境基準の再評価に向けた検討」ということで修正をさせていただきました。

 ②の気候変動に着目した科学的検討については、ア、イ、ウとも項目は、記載ぶりは一緒でございまして、そちらに内容を少し文章として補足させていただきました。

 ③の「光化学オキシダント濃度低減に向けた『新たな』」というのをちょっと加えさせていただいていますが、対策の検討ということで、こちらも項目としては、基本的にはアとイとウと、どれも同じ項目ではございます。

 変えたところとしては、これは、文章は全て追加したものでございますが、ウの部分は特に、2050年カーボンニュートラルに向けた社会経済変化や新たな環境技術の導入、環境対策の進展、東アジアの大気環境変化等を考慮し、上記①から③イの成果、全ての成果を踏まえて、光化学オキシダント対策に必要な取組を検討して、PM2.5対策も含めた総合的な排出シナリオを策定するということで、その排出シナリオを策定する上で様々なシミュレーション等の活用も踏まえながら、しっかりとやってほしいという、微小粒子状物質等専門委員会のコメントなども踏まえまして、こういった記述をさせていただきました。

 そして、最後になりますが、5.今後のスケジュールにつきましては、こちらについては、前回はこういったスケジュールはお示ししてございませんで、次の部会でどうするみたいなことを書いてあったんですが、今説明した、項目ごとに、より詳細なスケジュール感をイメージできるようなものを、前回、大原部会長からも俯瞰的なスケジュールが必要とご指摘いただいたところもございまして、このように整理してございます。

 ①の環境基準関係については、ざっくり言いますと、令和4年度に知見の整理をし、令和5年度には設定に向けた検討・再評価に向けた検討を行っていきたいということ。

 ②の光化学オキシダントによる植物吸収阻害定量評価につきましては、令和4年度で知見の整理を中心としたもの、知見整理と定量評価を何らかの形でしていきたい。

 その下の、温室効果ガスとしてのオキシダントの寄与調査についても、令和4年、5年度ということで、やっていければと思っています。

 また、国際機関との連携については、これは、基本的には常に情報交換をしながら連携を続けてまいりたい。

 ③のシミュレーションのモデルの精緻化につきましても、これは常に継続してやっていることでございますので、少しずつ精緻化に向けた取組を続けてまいりたいと。

③の、イの過去の対策効果の検証については、令和4年度に何らかの形で検証をしてまいりたいと。

 それを踏まえまして、最後のウ、シナリオ策定については、上の令和4年度の全部の知見を集めた上で、令和5年度から検討していきたいと、このような俯瞰的なスケジュールをご用意させていただきました。

 説明は以上でございます。

【大原部会長】 ご説明いただきまして、ありがとうございます。

 今、ご説明いただきましたように、前回の部会、それから、その後の専門委員会でのご議論、その結果を踏まえまして、事務局でブラッシュアップしていただいたものであります。個人的には、とりわけ環境基準の設定、それから再評価、この記述が明記されたということ、かなりの踏み込んだ内容になっていると感じているところでございます。

 それでは、本件につきまして、委員の皆様からご意見を伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。10分程度、時間をいただいております。活発なご議論をよろしくお願いします。

 電事連の方、挙手されておられますでしょうか。

【紀ノ岡委員】 はい。紀ノ岡でございます。

【大原部会長】 よろしくお願いします。

【紀ノ岡委員】 はい。ご指名ありがとうございます。電気事業連合会の紀ノ岡でございます。

ただいまのご説明、ありがとうございます。私から、幾つかご意見を差し上げたいと思います。

 まず、資料2-1の4ページ、今まさにご説明がございましたスケジュールでございますが、この表の中における③アですね、生成機構の解明、あるいはシミュレーションモデルの精緻化と、それからイの過去の対策効果の検証、それからウの光化学オキシダント対策の検討・削減シナリオの策定、これが同時並行的に進められるというような書き方になっていると思います。

 ただ、しかしながら、このイの過去の対策効果の検証、これは、やはりシミュレーションモデルの精緻化が非常に重要だというふうに考えてございます。

 したがいまして、また、これはまさに資料の3ページに、シミュレーションを活用して検証すると記載されているとおりでございまして、つまりは、これシミュレーションがしっかりしたものでなければ、きちんとした検証も当然できないということであろうというふうに思います。

 したがいまして、アに示されたシミュレーションモデルの精緻化、これをまずはしっかりやった上で、スケジュールを考えるべきではないかなというふうに思います。

 もちろん、これは、完全に精緻化を完了するまで何もしないというわけでは、これ当然ないとは思いますけれども、これ当然、このシミュレーション結果が出た時点で、やはり、その結果を、その検証にもう一度フィードバックするということが非常に重要なんだろうと思います。そうでなければ、単に同時並行的に進めるということでは、何のためにシミュレーションを精緻化する努力を続けるのかということにもなりますので、同時並行的に進めるというなら進めるでも構わないと思いますけれども、きちんとしたシミュレーションの精緻化、こういうことをやった上で、そのメカニズムの解明、この知見をやはりフィードバックするということを、しっかりやっていただきたいというふうに思います。

 この点につきましては、11月の微粒子の専門委員会でもご議論のあったところでございます。事務局からは、やはり、まずは現時点の知見に基づいた効果の検証というのを進めていくにしても、やはり新たな知見をきちっと踏まえて、検証成果にリバイスをかけていくということをご説明いただいておりますので、そこのところをしっかりお願いしたいと思います。

 加えまして、やはり、これまでの対策についての効果を検証するときに、もちろん全く、ある程度、成果があったということが、先ほどのご説明でもありましたけれども、成果があるから何でもやるということでは、それは、じゃあ何でもやればいいということしかならないので、それだけの成果を出すにはコストがかかると、つまり費用対効果、ここをしっかりと、過去の検証をする上では、よくよく踏まえていただきたいというふうに思います。

 それから、ウに示されました今後の対策の検討、オキシダント対策のシナリオ策定ですけれども、これも同じように、この資料の中に「上記①から③イの成果も踏まえて」と、こう記載されておりますので、こういう、先ほど申し上げた部分と同じですけれども、ここのモデルの精緻化であったりメカニズムの解明ということをしっかりと踏まえて行っていただきたいということでございます。

 以上、まとめで言いますと、やはり今後の対策を検討する上では、予防原則の考えではなくて、あくまで環境基準の達成率、あるいは科学的根拠に基づいた、そして繰り返しになりますが費用対効果の観点、これを踏まえながら検討を行っていただきますよう、お願いします。

 つまり、知見の整理だけじゃなくて、対策の検討に踏み込んだということ自体は結構かと思いますけれども、根拠のない対策ということは、やはり慎重であるべきだというふうに考えますので、よろしくお願いします。

 以上です。

【大原部会長】 ご意見いただき、ありがとうございました。

基本的に、この資料2-1につきましては、ご異論はないけれども、これを具体的に進めていく上では、様々な配慮・考慮が必要だというように私は捉えました。もし環境省からレスポンスがありましたら、お願いいたします。いかがでしょうか。

【長坂大気環境課長兼大気生活環境室長】 大気環境課の長坂でございます。

 ご指摘、ごもっともなところが多々あるかと考えてございます。

 シミュレーションモデルを踏まえた過去の対策効果の検証という、そして、それをフィードバックしてやっていくと、おっしゃるとおりと考えてございまして、ただシミュレーションモデルの精緻化自体は不断に行われていくものだと考えてございます。

 その現時点でのシミュレーションモデルを用いた対策効果の検証というものを行い、それを、またシミュレーションモデルの精緻化が進めば、またさらにそれを踏まえた対策効果の検証ということを引き続きやっていくことが必要かと考えてございますので、委員のご指摘を踏まえて、そういった不断の検証を行いながら、対策効果の検証をし、そして、もちろんリーズナブルな対策というものも考えていきたいと考えているところでございます。

 以上です。

【大原部会長】 ありがとうございました。紀ノ岡委員、貴重なご意見をいただき、ありがとうございました。

 ほかに3名の方からの挙手、4名になりました。挙げられておりますので、順番にお願いしたいと思います。

 まずは、最初に手を挙げられた片谷委員、お願いいたします。

【片谷委員】 片谷でございます。

まず、今、部会長がおっしゃいました環境基準の設定、環境基準の再評価に向けて検討されるということが、こういう資料に書かれたということは、大変大きな前進であるというふうに私も思っておりまして、もう40年ぐらい前になりますけれども、やはり、環境基準に対する若干の疑問を持った記憶がございまして、それ以来、私、最近はあまり自分でそういうことをやっておりませんけれども、シミュレーションモデルの改良もどんどん進んできて、恐らく、この後、鵜野委員が触れられるかと思いますけれども、そういったことを駆使して、こういう検討を進められるということは、非常に大きな前進が期待できますので、それをぜひ進めていただきたいということを申し上げて、部会長のご発言に大いに同意するということを申し上げたくて挙手をさせていただきました。

以上でございます。

【大原部会長】 片谷委員、ありがとうございました。

 では、引き続きまして、鈴木委員、お願いいたします。

【鈴木委員】 鈴木でございます。ありがとうございます。

 環境基準の設定、再評価に向けて検討を進められるということ、これは部会長もおっしゃいましたが、非常に重要なことかと思っております。よろしくお願いいたします。

 その上で、書いてもあるんですけれども、必ずしも私の専門からして、光化学オキシダント自体に対するものというよりは、一般的なコメントというか意見になりますが、もう一つ、気候変動に着目した科学的検討というようなことも触れられております。

 多分、環境基準自体は、挙げられたように、ア、イのような項目でしっかり評価することが最も重要だと思いますけども、環境問題におきまして、地球環境における対象の管理という観点が、今後ますます重要になると思いますので、ぜひ、別の場でそういう経験を私もしたものですから、ぜひ、ここであれば気候変動に着目した科学的検討ということも、環境基準の設定、再評価において、総合的に考慮できるような取組というものを積極的に進めていただければと思います。

 以上です。

【大原部会長】 鈴木委員、貴重なご意見をいただき、ありがとうございました。

 環境省から、ご意見等、よろしいですか。ありがとうございました。

 それでは、続きまして鵜野委員、お願いいたします。

【鵜野委員】 鵜野でございます。

 今回の資料は、前回よりも非常に踏み込んだ内容になっていることは非常に評価できると思います。

 先ほどからモデルの精緻化というのが何度も出てくるんですけど、化学輸送モデルはもう30年以上前から開発されていて、最新の知見が大分入っているんですね。モデルの精緻化で、多分、今まで注目されてこなかったのは、気候変化、特に温暖化したときにその大気汚染物質がどうなのかとか、どういうふうに広まるかというところが明確に入ってこなかった。もう少し見直す必要があるということ。

 そのほかに、その温暖化した場合にエミッションがどうなるか。あと、全球的な境界条件、アジアスケールの境界条件がどうなるのかというところが多分、見直す必要があったんじゃないかと思います。

 先ほど、モデルの結果が、平成18年頃を中心に行われているという話があったんですが、アジア域の排出量の変化というのは2010年以降に急激に変わっていますから、そのモデルの精緻化、見直しのときには、その2010年以降の変化にも着目した過去の再現まで行けるかというところを注意したほうがいいと思います。

 あと、環境基準の再設定、見直しということがあったんですけど、その基準の見直しのモデルの評価を対象にしたらよろしいんじゃないかと思います。

 以上です。

【大原部会長】 シミュレーションモデルのお立場からの貴重なご意見、ありがとうございました。

それでは、引き続きまして、山神委員、お願いできますでしょうか。

【山神委員】 山神です。よろしくお願いいたします。

 シミュレーションモデルの精緻化と対策ということなんですけれども、3ページの上のほうで、平成29年の報告で、VOC排出抑制対策の効果として関東地域の値が下がったという結果がありますけど、これは、関東はVOC律速だということなのかなというふうに考えたんですけど、地域によっては、NOx律速の地域もあればVOC律速の地域もあるんだろうと思うんですけれども、地方自治体では、光化学オキシダントが高濃度になったときには、光化学スモッグ注意報ですとか警報とかを出すということになるんですが、具体的には協力工場にNOxの排出量抑制をお願いするというようなことになるんですけれども、地域によってはVOCを下げたほうが高濃度を抑えられるという地域もあるのかなというふうに考えると、こういったモデルの結果を、具体的な、自治体が、そういった高濃度の注意報や警報が出たときのとるべき行動としてどっちがいいのかというような、具体的な行動としてどうしたらいいのかという対策も示していただければなというふうに考えております。

 以上です。

【大原部会長】 山神委員、ありがとうございました。自治体のお立場から、注意報、あるいは警報等の発令時の、いわゆる排出抑制策、これについて検討が必要ではないかと、そういうご意見だったと思います。ありがとうございました。

 環境省から、よろしいですか。

【長坂大気環境課長兼大気生活環境室長】 大気環境課の長坂でございます。

 ご意見、ありがとうございました。

 現状では、まだそこまで解明ができていないというところでございまして、今、光化学オキシダント注意報が出るという状況では、やはり固定発生源からのNOxの排出抑制の協力を依頼するということで、やらざるを得ないのかなとも思っていますが、よりその解明がされて、VOC律速だというところがあれば、またそれに応じた対策を考える必要があろうかと思っております。

 以上です。

【大原部会長】 ありがとうございました。

 片谷委員は再挙手でしょうか。先ほどの手がまだ残っているということでしょうか。

【片谷委員】 失礼しました。

【大原部会長】 ありがとうございます。

 私からも1点提案なんですけれども、環境基準の再評価につきましては、皆様からポジティブなご意見をいただいたところであります。

 今回、ワーキングプランに具体的なスケジュールも書き込んでいただいております。今後の進め方ということになりますが、環境基準の再評価に向けた知見の取りまとめについては公開の場で議論を進めるべきと考えますがいかがでしょうか。事務局から、ご回答をお願いできればと思います。

【笹原総務課長補佐】 水・大気環境局総務課環境基準係の笹原でございます。

 大原座長、ご指摘ありがとうございます。

 それにつきましては、水・大気環境局長諮問の検討会を設置いたしまして、植物、人健康、それぞれについて公開で開催し、知見の取りまとめを精力的に進めたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。

【大原部会長】 ありがとうございました。

 この議題全体を通しまして、何かご意見等、追加でありましたら、お願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(なし)

【大原部会長】 それでは、基本的には、この資料を大筋でお認めいただいたと理解しておりますが、幾つか重要なご指摘もいただいておりますので、内容の修正等につきましては私、部会長に一任とさせていただきたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。

(異議なし)

【大原部会長】 ありがとうございます。

 では、本件につきましては、部会長預かりとさせていただきます。

 最後に、事務局から何かございますでしょうか。

【長坂大気環境課長兼大気生活環境室長】 委員の皆様方、貴重なご意見をいただきまして、どうもありがとうございました。ご意見を踏まえまして修正した後に、環境省ホームページにおいて、このワーキングプランを公表させていただきたいと思います。

 また、具体的な施策についても引き続き検討を進めてまいりますので、よろしくお願いいたします。

 以上です。

【大原部会長】 ありがとうございました。

 続きまして、資料の2-2についてであります。

 議事に入る前に、私から若干、経緯をご説明させていただきたいと思います。

 前回の部会におきまして、私が作成した非常に稚拙な概念図、これらも提示させていただきながら、カーボンニュートラル2050を見据えた「今後の大気環境行政のあり方」について、委員の皆様からご意見をいただいたところであります。

 それを、本部会としまして、具体的な施策の方向性を議論し取りまとめを行うのがよいのではないかと、私から事務局に提案をさせていただいたところでございます。

 本日は、事務局に論点メモを作成していただきましたので、これらを基に、取りまとめに向けてご意見をいただきたいと考えております。

 それでは、事務局からご説明をお願いいたします。

【長坂大気環境課長兼大気生活環境室長】 大気環境課の長坂です。

 資料2-2に基づいて、ご説明をさせていただきます。

 メモですが、まず、1.施策の取りまとめについてと書いてございます。趣旨が書いてございます。

 現在、我が国の大気環境ですが、PM2.5等の環境基準達成率はほぼ100%でございますが、光化学オキシダントにつきましては、多様な発生源、複雑な生成機構等々から、その達成率は極めて低い状況でございます。

 他方で、将来に向けては、2050カーボンニュートラルに向けた再生可能エネルギーや電動車等の普及により、発生源や排出物質が大きく変化して、気候変動による影響と相まって大気環境の質的な変化が大きく変化するということが予測されます。

こうした背景から、前回の部会におきまして、今後の大気環境行政のあり方についてという資料をご用意させていただきまして、委員からご意見を伺ってございます。

これを踏まえまして、環境省としては、部会におきまして、大気環境行政における施策や、その進め方に関する大きな方向性を取りまとめていただきたいという趣旨でございます。

この前段でやりました光化学オキシダントのワーキングプランにつきましては大分詳細な内容でございましたが、こちらについては大きな方向性をご議論いただきたいということでございます。

2.取りまとめに盛り込むべきポイント(案)としてございまして、こちらは前回の資料、今後の大気環境行政のあり方についてに基づきまして、少し項目を整理させていただきましたので、これを基に方向性について議論していただきたいということで、まとめました。

まず、大気環境の現状及び今後の課題でございまして、まず現状を書きまして、それがありますと。

それから、気候変動やカーボンニュートラルに向けた取組による大気の質的な変動というのがあります。

SLCFsをはじめとした気候変動対策と大気汚染対策との関係がございます。

光化学オキシダント対策の推進と、こちらについては今、詳細なものをご用意させていただいたところでございます。

それから、大気汚染対策をめぐる国際的な動向について、これを把握しながら進めていく必要があると考えます。

そして、課題を踏まえた主要な施策の方向性ということで、今は四つの大きな柱で整理をしてみました。

①番目は、2050カーボンニュートラルを見据えた大気環境行政の新たな展開ということで、このカーボンニュートラルに伴う大気環境の変化に関する将来シナリオの検討。

それから、気候変動とのコベネフィット・コンフリクトを考慮したウイン・ウインを目指す大気汚染対策を推進してまいりたいと。

そして、国際連携の強化という、こういった方向性についてでございます。

それから、②につきましては、これは自動車排出ガス対策などの今後の移動発生源対策、これは引き続き、発生源対策は継続の必要があるかと思いますが、新たな対策の方向性というものを打ち出せるかどうかということ。

それから、国際連携や基準の調和による自動車環境技術の充実及び開発の効率化ということで、自動車につきましては、国際連携というものを常に念頭に置いてやってございますので、その方向性についてということでございます。

③が、今後の固定発生源等の対策ということでございまして、移動発生源も含まれるかもしれませんが、大気環境の改善の状況というのは、このデジタル化に応じた規制のあり方や方向性というものは考えていく必要があろうかということ。

それから、発生源対策については、必要なものは当然継続し、そして新たな対策の方向性はどうかということでございます。

④番目として、環境管理体制の充実及び効率化でございまして、また、デジタル化が出てきますが、これの新技術を活用して、簡易測定や衛星観測を含めた新たな監視システムというものを構想できるかという内容でございます。

次のページに行きますが、項目としては、さらにシミュレーションモデルやインベントリ等の基礎的ツールの整備、そして、それに関する人材育成。

一番最後のところですが、大気汚染物質に係る人健康影響の観点からの環境目標値の設定・再評価、生活環境影響の観点からの環境基準の設定のあり方の検討・設定、こういったものを進めていくと。こちらについては、少し具体的な話が今はあるということでございます。

全ての項目について、詳細な部分があるわけではございませんが、方向性としてどうかというところについて、大きな意見をいただきたいということでございます。

3.で、取りまとめのスケジュールと書いてございますが、今回の議論も踏まえまして、事務局において素案を作成いたしまして、素案について各委員からご意見をいただきながら修正して、次回の部会におきまして、最終的な取りまとめ案を議論していただきたいと考えているところでございます。

説明は以上でございます。

【大原部会長】 ありがとうございました。

 本件につきまして、これから委員の皆様からご意見を伺いたいと思いますが、最初に、本日ご欠席の上田委員からご意見を頂戴しておりますので、いただいたメールの文面をそのまま読み上げさせていただきたいと思います。

 2の取りまとめに盛り込むべきポイント(案)の一つ目、大気環境の現状及び今後の課題について。概ね異存ございませんが、近年、大気中の超微小粒子、粒形が100nm以下やマイクロプラスチックについての懸念が出てきています。これらについて、まだ大気中動態が分かっていない部分が多く、かつ従来からモニタリングされている大気汚染物質とは異なる分布をしている可能性があります。

 また、超微小粒子は呼吸器だけでなく、全身の臓器への健康影響が海外の研究で報告されておりますし、マイクロプラスチックの健康影響については、十分には分かっていません。

 科学技術の進歩により新たに発生するようになった(あるいは認識されるようになった)大気汚染の現状把握や、その影響についても、課題として挙げていただきたく存じます。

 以上であります。

 それでは、皆様から、大きめのご意見をいただければと思います。いかがでしょうか。よろしくお願いいたします。

 高村委員、お願いいたします。

【高村委員】 ありがとうございます。大原先生、聞こえますでしょうか。

【大原部会長】 はい、大丈夫です。

【高村委員】 ありがとうございます。

 今、ご紹介いただきました今後の大気環境行政のあり方の取りまとめに向けて、大きな方向性について賛同いたします。

 検討いただきたい、あるいは、ぜひ盛り込むことを検討いただきたい点を申し上げたいというふうに思っております。

 一つは、やはり、本日の前半の議論でもそうですけれども、大気環境の保全と、あるいは、それを促進する大気環境行政というのが、まさに大気の質の問題だけではなくて、当然それ、ただ由来する、それによる国民や住民の健康にも直結しますし、自然や生態系の保護についてもしかりだと思います。その重要性について、まずしっかり書き込んでいただきたいというのが1点目です。

 二つ目は、大聖先生のご報告、それから、ほかの委員からもございましたけれども、この中にも気候変動と大気の相乗効果、ウイン・ウインの関係について書かれているかと思います。これは非常に重要だと思いますが、1点目に申し上げましたように、これは気候変動と大気だけではない、当然、大気とその健康、国民の保健の問題であり、自然との関係もございますので、こうした、やはり問題感の相乗効果をいかに高めるかという視点というものを盛り込んでいただけるとありがたいと思います。

 3点目でありますけれども、2050年カーボンニュートラルに向けて、それが大気の質にどう影響するか、どういうインパクトがあるかと、これはぜひやっていただきたいというふうに思っております。

 あわせて、できましたら、30年、あるいは35年といった、もう少し短いスパンでの、この大気質へのインパクトということについても、しっかり検討いただけないかというふうに思っております。

 といいますのは、自動車の電動化に関しても、国の気候変動対策として、しっかり35年までに、乗用車の新車販売で電動車100%ということを書いているかと思います。

 エネルギー基本計画の中でも、脱炭素に向けたエネルギー転換を図るというのは大気質に与える影響もあると思っていまして、大気質の改善にどれだけこうした気候変動対策がインパクトがあるのかというのを、やはりしっかり示すということが重要ではないかと思います。

 これは逆もしかりなんですが、先ほど、対策のコストの点がございましたが、同時に、やはり対策をとることでのベネフィットというものをしっかり見える形にするということが重要ではないかというふうに思っております。

 以上です。

【大原部会長】 高村委員、非常に重要なご意見をいただきありがとうございました。私も全面的に賛成でありまして、ぜひ事務局には今のご意見を踏まえましてブラッシュアップしていただければと思います。どうもありがとうございました。

 それでは、引き続きまして、鈴木委員、お願いいたします。

【鈴木委員】 ありがとうございます。鈴木でございます。

 先ほど、今、高村先生のご意見と同じようなことでありますけれども、気候変動とのコベネフィット・コンフリクトと書いてございますが、これは多分、コベネフィット・コンフリクトとウイン・ウインを目指すべき相手は気候変動だけではないと私は思いますので、私自身は今日お話を伺った限りでも、私より担当に近い分野に、これ、みんな関係するなと思うようなことも多々ございました。気候変動だけではなく、より広い様々な環境問題とのコベネフィット・コンフリクトを考慮して、大気汚染対策というような考え方を積極的にとっていただくのがよいのかと思いました。

 以上です。

【大原部会長】 鈴木委員、ありがとうございました。大所高所に立ったご意見、ありがとうございます。

それでは、引き続きまして、勢一委員、お願いできますでしょうか。

【勢一委員】

 ありがとうございます。西南学院大学の勢一です。

 私も全体的な方向については賛同いたします。また、高村委員、ほかの委員と重複する部分がありますけれども、重要かと思いますので、重ねて2点ほど意見を申し上げたいと思います。

 1点目は、大気環境として考えられる範囲が大幅に広がってきているところを踏まえる必要があろうかと思います。典型的なのは気候変動のカーボンニュートラルという要請があります。これは既にご指摘があったところです。

 また、本日ヒアリングでご教示いただきました例えば星空のこと、これは地域資源で地域の観光や地方創生に資するという意味で、地方施策ともリンクすることになりますし、また、光害のご説明もありましたが、これは、明る過ぎる照明などの影響が人体のみならず生物にも及ぶというような観点、こちらのほうは、生態系の保全をどのように考えていくかという論点。さらには、生物多様性保全の必要性というところにも関わってくる部分になろうかと思います。

 こうした点を見ますと、環境省内での政策統合、連携を一層強化していくことが、大気環境の広がりに対応していくための政策になろうかと思います。

 また、ヒートアイランドの件も今回出ましたけれども、ヒートアイランドの対応や、グリーンインフラというような観点、これにつきましても、生物多様性の保全とも関わってきておりまして、30by30やOECMの要請という点で環境省内の連携も必要です。加えて、関係省庁との連携、国交省や農水省を含む連携、政策統合がやはり重要になってくると思います。こうした政策組織体制についても、ぜひ言及をお願いできればと思います。以上が1点目です。

 もう一点は、デジタル化の点も強調していく必要があろうかと思います。

 特に、制度の運用という観点におきましては、現行の法令で定められている届出や報告義務については、データをリンクすることで、リアルタイムで共有するようなことは可能になりますので、そうした場合には、現行の行政手続のあり方全般についてデジタル化ベースに見直しが必要になろうかと思います。

 こういう観点を踏まえて、可能な限り簡略化、効率化を進めていくことも、環境行政全般にとって重要な点だと思いますので、こちらのほうも少し重要視して書いていただければと思います。

 以上です。

【大原部会長】 勢一委員、貴重なご意見をいただき、ありがとうございました。

 それでは、引き続きまして、崎田委員、お願いいたします。

【崎田委員】 崎田です。ありがとうございます。

 既にいろいろ大事なご意見がありまして、気候変動対策と大気のインパクトとか、今、お話がありました大気環境と地方創生とか、非常にそういう広がりの中で、しっかりと柔軟に広げて連携しながら取り組んでいただきたいというふうに、私も強く思いました。

 1点、新しいことなんですけれども、大気環境の中に放射性物質のことも、事故の後のいろいろな制度の改正の中で環境行政の中に入ってきたと思うんですけれども、そういう意味の、いわゆる放射性物質に対する扱いというのも、少しきちんと取り組んでいただければうれしいなというふうに思いました。

 特に、私はリスクコミュニケーションなどをやっているんですけれども、やはり今まで、日本の中で放射性物質に関して、普段のいろいろな話の中に出てこなかったということがありますので、もう少し放射性物質に関して、きちんと社会が考えながら、的確にその状況を考える、そして、現在の福島の状況などもきちんと捉えるという、そういうような冷静さも必要なのではないかというふうに思っております。うまく、そういうところも入れ込んでいただければ、ありがたいかなというふうに思いました。よろしくお願いいたします。

【大原部会長】 崎田委員、ありがとうございました。

 福島事故から間もなく11年経過しようとしている中で、やや個人的には風化傾向が見られるなと思う中で、放射性物質の問題に環境省、あるいは、水・大気環境局として、どう関わっていく必要があるのかということを、現時点で改めて考え直してみることも大事であろうと思います。そのような検討も、ぜひさせていただければと思ったところでございます。ありがとうございました。

 それでは、大久保委員、お願いいたします。

【大久保委員】 私も、今まで出た各委員のご意見に、全面的に賛成いたします。

その上で、その他の問題といたしまして、デジタル化に関しましては、大聖先生からご報告にもありましたように、どのようにデータを統合して、それをオープンデータ化していくかという問題があるかと思います。

先ほど、名古屋市の委員からもお話がありましたように、各種のデータを地域の環境行政あるいは市民が活用していけるようにするためには、海外では既に、それぞれの関連データを統合して公開していく方向性が進んでおりまして、例えば、PRTR情報との統合を含めてオープンデータ化を進めていくということが盛んに行われておりますので、各省庁間のデータの調和も含めまして、オープンデータ化というキーワードも一つ考えていただければと思います。

以上です。

【大原部会長】 ありがとうございました。貴重なキーワードをいただきまして、ありがとうございました。

 それでは、引き続きまして、島委員、お願いいたします。

【島委員】 島でございます。一言、発言させていただきます。

 既に多くの委員からご発言があるとおり、この文書にある、気候変動と大気汚染との関連を考慮して検討していくというのは非常に大切なことであると思いますので、全体の方向性としては私も全く異論はございません。

 一つ気になりましたのは、この文書の冒頭に、PM2.5や二酸化窒素などの環境基準達成率がほぼ100%になっているということで、これは、PM2.5が100%と言えるかどうかはともかくとして、改善していることは確かではございますけれども、この後でもご紹介があるようですが、昨年の9月にWHOが大気質ガイドラインを改定して、非常に厳しい値が提案されています。

 そういうことを踏まえますと、我が国におけるPM2.5などの大気環境が既に解決したとも理解されるような評価が正しいのかどうか、この辺りについては、もっと慎重に検討すべきではないかなというふうに考えます。

 そのため、今後、気候変動との関係で、大気質について、先ほど超微粒子やマイクロプラスチックなどの新しい課題についてもご紹介がありました。こうした点も非常に重要でございますが、国際的な動向も踏まえながら、総合的に大気環境について検討していくことが、より重要であろうというふうに思います。

 以上でございます。

【大原部会長】 島委員、ありがとうございました。大気環境の現状につきまして、もう少し慎重なといいますか、幅広い検討が必要ではないかというご趣旨のご発言だと理解いたしました。ありがとうございました。

 それでは、あと2人、手を挙げていただいております。

 まず、大塚委員、お願いできますでしょうか。

【大塚委員】 ありがとうございます。デジタル化との関係で、ちょっと一言申し上げたいと思います。

勢一委員と大久保委員が言われたこととも関係しますけれども、私もヨーロッパの動きなどを見ながら、今回、デジタル化によって環境関連情報が一定の規律の下でパブリックドメイン化するという、オープンアクセス化をするということを、既に七、八年前から行い始めていますので、日本もそこをぜひ参照しながらやっていただけるとありがたいと思います。

ここのペーパーに書いてある話は、特に規制との関係でデジタル化を踏まえた規制というのが上がっていて、排出データの遠隔伝送システムなんかもドイツでもやっていますので、こういうのを参考にして規制をしていただくといいと思いますし、さらに今のオープンデータ化をして、環境情報がすぐに誰でも見られるようにしていくということが、非常に重要になってくると思います。

ちなみに、システム導入に係る費用が、ドイツでは事業者さんが払うことになっていますが、ちょっとその辺は日本でまた検討していくことになると思いますけれども、ちょっとそこはなかなか難しいのかもしれませんが、これも原因者負担原則でドイツでは事業者さんが払うことになっていますけれども、そこはともかくとして、この種のものを、環境情報を収集して統合して提供していくというのは、ちょっと日本は若干弱いんですよね。というのは、環境法が非常に発展したのが、公害に関しても80年代までが結構発展したので、ちょっと時期的に少し早かったので、そのデータを公表して皆さんに分かるようにしていくということがちょっと法制的に弱いので、大気だけの問題ではないんですけども、その辺を踏まえて対応していただけると大変ありがたいと思います。

以上でございます。

【大原部会長】 大塚委員、ありがとうございました。

それでは、あと3名の方に挙手いただいております。時間が限られておりますので、3名の方にご発言いただきますが、もし、ほかにご発言を希望される方がいらっしゃいましたら、至急、挙手をお願いしたいと思います。

 それでは、まず、金子委員、お願いいたします。金子委員、どうぞ。

【金子委員】 金子です。聞こえますでしょうか。

【大原部会長】 大丈夫です。お願いいたします。

【金子委員】 私は自動車の車外音に関係している者であります。それで、このメモを拝見して、デジタル化とシミュレーションモデルというような話が書いてありまして、ここに関して1点だけコメントをさせていただきます。

 自動車騒音の予測についても、効果予測のほうですけれども、シミュレーションを使うことが結構あるんですけれども、ここで私が前から気になっているのが、モデルが作られた時代というのは結構古くて、現状とはちょっと違っているということと、それから、中で扱われているデータが、やはり10年ぐらい前のものと今のものとが混在しているというようなことがあって、悩ましい感じがしています。

 したがいまして、ぜひ、このシミュレーションの話になったときには、モデルの更新とかデータの更新、それから、年代をそろえるとか、こういうことに十分気をつけていただきたいと思います。

 もちろん、オープンデータ化して使えるものは使えるというのは、費用対効果の問題で大変大事な話なので、これはぜひ、もっと強調して進めていただきたいと思います。

 それから、もう一つは、気候変動対策との関連性においては、全体像と個別の規制との関連性というのが極めて複雑に絡んでいますので、その辺をもう少し可視化できるようなことを全体としてやっていただければ幸いです。

 以上です。

【大原部会長】 ありがとうございました。

 それでは、お待たせしました。酒井委員、お願いいたします。

【酒井委員】 京都高度技術研究所の酒井でございます。若干、後出し的な挙手で申し訳ございません。2点、あまりご意見のなかったところをちょっと申し上げておきます。

 一つは、古くて新しい問題なんですが、残留性の化学物質との関係については、ぜひ忘れずに視野に入れていただきたいというふうに思います。先ほど上田先生、島先生のほうから、超微小粒子あるいはマイクロプラスチックの影響といったところのご指摘がございましたが、その関連での可塑剤の関係、あるいは残留性の有機汚染物質としての新たな取組の必要性、国際的にもずっと言われておりますので、その辺りで今後取り組んでいただいて、少なくとも、しっかりとモニタリングを続けるというところの課題もあろうかと思います。

 それから、カーボンニュートラルとの関係で多く指摘をされておりまして、ウイン・ウイン対策を中心にという方向、ここは全く異論ございません。ぜひ幅広い専門家の目で、そのカーボンニュートラルアクションと大気汚染物質との関係のトレードオフがないかということに関して、可能な限り洗い出しをした上で、今後、どういう方法が必要かということを検討していくという視点も大事だというふうに思っております。

 以上でございます。

【大原部会長】 酒井委員、ありがとうございました。

 それでは最後に、お待たせしました。田邊委員、お願いいたします。

【田邊委員】 ありがとうございます。今ちょっと出たトレードオフに関してなんですが、移動発生源対策として新たな対策というふうに書かれているんですが、テールパイプ以外の発生源対策のことかなとちょっと思ったんですが、トレードオフといいますと、走行時の直接排出で減って、発電時の排出に置き換わっていくといった点も考慮する必要があるのかなというふうに思います。

 以上です。

【大原部会長】 田邊委員、ありがとうございました。ライフサイクルアセスメント的な思考が必要だと理解いたしました。ありがとうございます。

 非常に熱心なご議論をいただき、ありがとうございました。「今後の大気環境行政のあり方の取りまとめ」につきましては、いただいたご意見を踏まえまして、事務局において引き続き検討していただきます。

本件について、事務局から何かございますでしょうか。

【長坂大気環境課長兼大気生活環境室長】 本日はご議論いただき、ありがとうございました。本日いただいたご意見を踏まえまして、今後、事務局において取りまとめの素案を作成いたしまして、適宜ご意見を伺うなど修正をした上で、次回の部会で最終的な取りまとめ案をご議論いただきたいと考えているところでございます。引き続きよろしくお願いいたします。

【大原部会長】 ありがとうございました。既に時刻が12時近くに来ておりますけれども、報告事項があと少しございます。大変申し訳ございませんけれども、10分間ほど延長させていただきまして、議題の3に移らせていただきたいと思います。

 報告事項が6点ございます。時間が押し迫っていて恐縮ですが、まとめて事務局から説明していただいた後、質疑応答とさせていただきます。

 それでは、事務局からご説明をお願いいたします。

【笹原総務課長補佐】 水・大気環境局総務課環境基準係の笹原でございます。

 資料3に基づいて、WHO global air quality guidelinesの公表について、ご説明をいたします。

 2ページをお願いいたします。

 概要でございます。

 WHOは、大気環境に関するガイドラインとして、令和3年9月に「WHO global air quality guidelines(AQG)」を公表いたしました。

このガイドラインでは、達成すべき最終目標として、各大気汚染物質に係るAQG levelを示しております。

AQG levelにつきましては、ガイドライン勧告の一種であり、各国政府が環境基準等へ採用する際には、それぞれの地域の状況を考慮して検討する必要があるとしているものでございます。

数値につきましては、下の表にお示しをしているとおりでございます。

3ページをお願いいたします。

今後の予定でございます。環境省では、引き続き国内外における科学的知見の集積に努めるとともに、今般WHOが公表したガイドラインで採用した知見や考え方を確認し、必要に応じて環境基準の再評価を検討していくこととさせていただきたいと思います。

以上です。

【大原部会長】 ありがとうございました。

 続きまして、お願いいたします。

【飯田総務課長兼自動車環境対策課長】 自動車環境対策課長の飯田でございます。

 私から、資料4に基づきまして、環境省が実施してございますEV等への補助金についてのうち、主なものをご紹介したいと思います。

 自動車に関しましては、政府におきまして、2035年、新車販売に占める電動車の割合100%という目標の実現を目指しておりますけれども、環境省におきましては、特にゼロカーボン・ドライブというコンセプトの下に施策を実施しております。ゼロカーボン・ドライブといいますのは、再エネ電力を活用することによってEV等の走行時における脱炭素化を実現するというものでございまして、令和2年度の補正予算では、環境省として初めて乗用車補助金を導入いたしまして、再エネとセットでEV等を購入する場合に、最大80万円という補助額を設定しております。

 この補助事業につきましては、昨年11月時点で既に申請受付を終了しておりまして、8,600件超の申請件数を数えております。

 ちなみに、2021年の1月~11月までの電動車の新車販売台数は4万1,000台ということで前年同期比1.6倍という伸びを示しておりますので、このデータから見ますと、環境省補助事業は電動車の普及に大きな効果があったというふうに考えております。

 ちなみに、昨年末に取りまとめられた令和3年度補正予算におきましても、このゼロカーボン・ドライブのコンセプトの下で、さらに事業目的を重点化いたしまして、公用車・社用車での率先導入、さらにそれをカーシェアによって地域住民の方にお使いいただく、更には、災害時に電力供給拠点として活用していくというような重点化を図りまして、補助額を最大100万円に増額しているところでございます。

 ご案内のとおり、カーシェア事業につきましては、近年急速に伸びを示しておりまして、この領域でEV等をしっかり導入していくことは重要でありますし、あるいは、地域においてはガソリンスタンドの数が減少傾向にございまして、これを補う形でEV等を導入していくこと、そういう社会的なニーズもあるということが本事業の背景になってございます。

 この事業は補正予算事業でございますけれども、令和4年度予算案で計上されております地域脱炭素移行・再エネ推進交付金のメニューとしても盛り込んでおりまして、補正予算事業と合わせて、その後も継続的に脱炭素先行地域等で実施していく予定でございます。

 最後のページは、本事業のいわゆる先行的な事例として取り上げさせていただいておりますけど、小田原市の事例でございまして、これは平時のエネマネなどもやっている非常に先進的な事例でございます。こうした事例を、今回の補助事業を使いながら、しっかり水平展開していきたいというふうに考えております。

 以上です。

【大原部会長】 ありがとうございました。

 それでは、続きまして、騒音、振動、悪臭関係のご説明をお願いいたします。

【鈴木大気生活環境室企画官】 資料5-1から5-4まで続けてご説明させていただきます。大気生活環境室でございます。

 まず資料5-1、騒音規制法及び振動規制法に基づく特定施設(コンプレッサー)の見直し検討について(進捗報告)でございます。

 前回の部会でご報告させていただきましたように、規制改革要望を受けまして、本日もご出席いただいています矢野隆委員を座長とする有識者検討会、坂本委員、森下委員にもご参画いただき、規制対象の見直しについて検討を進めていただいているところでございます。

 1ページ目の下の囲みにございます9月の中間取りまとめを受けまして、今後、具体的にどういうものを対象外にするかという整理を進めていくとともに、政令改正、環境大臣が指定するものを除外するというまずは仕組みづくり、この作業を並行して進めていくというご報告を前回の部会でさせていただいたところでございます。

 これについて、2ページ目の2.にございますように、年末に騒音規制法、振動規制法の政令改正を行いまして、まずは生じる騒音・振動の大きさが一定以下のものについて環境大臣が指定することでもって規制対象から外す枠組みを作ったというのが今回のご報告でございます。

 3.今後の予定にございますように、具体にどういうものを規制対象から外すのか、環境大臣が指定するのかといった要件については、引き続き有識者検討会のご助言をいただきながら慎重に見極めていき、年度内目途で整理する予定でございます。

 続きまして、資料5-2以下でございます。

 資料5-2が騒音規制法、資料5-3が振動規制法、資料5-4が悪臭防止法、それぞれの施行状況調査でございます。都道府県からご報告いただき、令和元年度の状況について取りまとめたものでございます。

 これらの資料は、昨年3月に取りまとめましたもので、本来であれば前回の部会でご報告させていただけばよかったのですが、遅くなり申し訳ございません。また今年度末に令和2年度の状況を取りまとめる予定でございますので、次回の部会で、そちらのご説明を改めてさせていただくこととし、今回は御説明を割愛させていただければと考えてございます。

 駆け足となり申し訳ございませんが、以上でございます。

【大原部会長】 非常にコンパクトにご説明いただき、ありがとうございます。

 ただいまの説明につきまして、ご質問がありましたら、よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。

 坂本慎一委員、お願いいたします。

【坂本(慎)委員】 東大の坂本です。聞こえますでしょうか。意見を述べさせていただきます。

【大原部会長】 大丈夫です。お願いいたします。

【坂本(慎)委員】 検討会に参加している関係で、一言、意見を述べさせていただきます。

 まず、古くなった振動規制法の見直しに着手されたことに関しましては、まず敬意を表したいと思います。

 ただ、今年度の検討会では、これまで調査結果のデータ、最新のデータがまだ示されておらず、次回に具体的な検討を行うというふうに認識しているんですけども、この段階で省令の改正が既に行われたということで、少し私は驚いております。

 規制緩和については、設置者や行政の省力化にメリットが大きいことは理解しているんですけども、その一方で、生活環境に悪影響が出ることがないようという意味で、十分注意を払いながら決めていく必要があろうかというふうに考えております。

 この点に関して、最新のデータに基づいて技術的な検討が十分に行われるように、検討会を進めていただくように、お願いをしたいというふうに思っております。

 資料を拝見しまして、スケジュール、急いでいるような気がいたしましたので、技術的な検討は十分必要であるということをお願いしたいと思います。

 意見として、以上です。

【大原部会長】 坂本委員、ありがとうございました。

 それでは、環境省から手短にお願いいたします。

【鈴木大気生活環境室企画官】 大気生活環境室、鈴木です。

 ご意見ありがとうございます。また、政令改正のスケジュールについては、ご説明が十分でないところがございまして、申し訳ございませんでした。

 坂本委員もおっしゃっていただいたように、次回検討会で、現在行っております実測調査の結果等もご覧いただきながら、じっくりご議論いただき、結論を出せればと思っているところでございます。また検討会に向けてご相談させていただければと思います。ありがとうございます。

【大原部会長】 ご意見いただきありがとうございました。

 それでは崎田委員、お願いできますでしょうか。

【崎田委員】 ありがとうございます。私は資料4について一言、電気自動車などへの補助金についての資料なんですが、拝見して、家庭用のいわゆる小型自動車の印象が強いんですが、今やはりトラックとか、そういうものへの燃料電池自動車の導入というのが大変重要になってきていると思いますので、そういうことへの補助とか、そういうことも分かりやすく発信していただければありがたいですし、いわゆる水素ステーションとか、充電ステーションとか、そういう設備に関しても広げていかなければいけないところですので、そういう全体感に対して支えていただければありがたいなというふうに思いました。よろしくお願いいたします。

【大原部会長】 崎田委員、ありがとうございました。

 環境省から手短に。

【飯田総務課長兼自動車環境対策課長】 一言だけ。

 崎田委員、コメントありがとうございます。おっしゃるような視点の補助事業も別途やってございますので、引き続き、その対外発信をしっかりとやっていきたいと思います。ありがとうございます。

【大原部会長】 ありがとうございます。

 引き続きまして、大久保委員、お願いいたします。

【大久保委員】 ありがとうございます。2点ございまして、1点目が、先ほどのWHOのガイドラインについて、私も島委員と同様に、大変重要と考えております。環境省は、またこれから対応するというコメントでございましたが、ぜひ、先ほどの今後の方向性においても、記述をお願いいただければと思います。

 その上で、このWHOの基準がμg/㎥で、日本がppmで表が出ておりまして、理系の先生方にとっては全く苦もないことなんだと思いますが、私は、これはppm換算にするとどうなるのかなというふうに、ちょっと時間がかかってしまいますので、市民の方々にも分かりやすく、資料を作る際にはちょっと追記をしていただけると大変ありがたいなと思います。

 2点目は、騒音に関しましては、新たな紛争も含めまして、様々な紛争が生じているところであると思いますので、先ほどのように、古くなった規制の見直しということは大変重要であると思いますが、同時に、新たに規制の対象に加えるものがないかという観点からの検討も、されているとは思いますけれども、継続的に、ぜひお願いしたいところでございます。

 以上です。

【大原部会長】 ありがとうございました。

 それでは、引き続きまして、田邊委員、お願いできますか。

【田邊委員】 ありがとうございます。再生可能エネルギーとEVの普及についてですが、個人的な経験事例かもしれないのですが、自動車メーカーや販売店と、太陽光パネル周辺機器のメーカー、それから充電設備や蓄電池のメーカー、施工業者といったところの連携があまりとられていなくて、これらがセットでの普及の障害になっているように感じています。

 例えば、ディーラーにいくと、EVと一緒に充電設備や発電設備や施工まで関わってくれるといったような利便性を向上させることも、こういった普及の促進に役立つかと思いますので、補助金もいいのですが、実際に設備をつけようとするとすごい大変なので、こういった点も考慮に入れてほしいと思います。

 以上です。

【大原部会長】 ありがとうございました。

 それでは、質問のみならず、ご意見をお願いしたいと思いますが、とりわけWHOのglobal air quality guidelines関係につきまして、非常に重要な資料がWHOから発出されたなという印象を持っておりますけれども、これに対するコメントを、もし、ご参加の委員からいただけると幸いですが、いかがでしょうか。

田邊委員は先ほどの挙手でしょうか。

【田邊委員】 いえ、ガイドラインについてです。

【大原部会長】 そうですか。失礼しました。どうぞ。

【田邊委員】 WHOのガイドラインは、これまでの欧州でのガイドラインも含めて、いつもなかなか理想的な数字を出されているケースが多いのですが、それを、根拠を見直して、反映できるものは反映するというのは非常にいい考え方だと思います。

 と申しますのも、今回のWHOの出している数字は、日本の基準がターゲットの何番に当てはまるかというのを見てみると、みんなかなりWHOのほうが厳しくなっていて、それに十分な根拠があるのであれば、考え直さなきゃいけないものも出てくるのではないかというふうに感じています。

 以上です。

【大原部会長】 田邊委員、ありがとうございました。

 島委員、お願いいたします。

【島委員】 島です。

今、田邊委員からもご発言がありましたとおり、WHOのガイドラインというのは、かなり理想的ともいえる数値を勧告として発表しているものであって、この数値をそのまま日本の環境基準に適用するのは適切ではないというのは、私もそのように思います。

この数値を見ますと、PM2.5の年間平均値が5μg/㎥以下といったような、日本の環境基準よりも3倍厳しい値が提案されているわけであります。

しかし、こういうふうに国際的な機関が数値を発表しているという事実は重く受け止めて、日本の環境基準が現状どおりで適切であるのかどうか、PM2.5だけではなく、二酸化窒素についても、現在の環境基準が改定されてから、もう数十年たっているわけですので、環境基準の性格からいっても、新しい知見を踏まえて見直すことが必要であるというふうに思います。

今回、WHOからこういうガイドラインが発表されたのを機に、先ほども発言させていただきましたが、日本の大気環境に係る環境基準等について、総合的な見直しを進めていく時期ではないかなというふうに考えます。

以上でございます。

【大原部会長】 ありがとうございました。WHOの新しいガイドラインに対する見方といいますか、考え方をご説明いただき、ありがとうございました。

 もし、環境省からご発言がありましたら、手短にお願いいたします。

【笹原総務課長補佐】 先生方、ご指摘ありがとうございます。

 各種、先ほどの資料で、光化学オキシダントの知見取りまとめに着手するということでご紹介させていただきましたけれども、その他の物質についても各種、調査、研究等も並行して進めており、また知見の収集も並行して進めておりますので、優先順位をつけながら対応を進めてまいりたいと思います。ありがとうございます。

【大原部会長】 ありがとうございました。議題3につきましても、活発なご議論をいただきまして、どうもありがとうございました。

それでは、議題の3をこれで終わらせていただきます。

全体を通しまして、何かございますでしょうか。ご発言等がありましたら、お願いいたします。よろしいでしょうか。

(なし)

【大原部会長】 ないようでしたら、以上をもちまして、第16回大気・騒音振動部会の議事を終了いたします。事務局にお返しいたしますので、連絡事項等があればお願いいたします。時間が超過し、申し訳ございませんでした。

【山崎大気環境課長補佐】 大気環境課の山崎です。

 本日は、活発なご審議をいただき、ありがとうございました。

 議事録につきましては、事務局のほうで案を作成し、委員の皆様にご確認いただいた後、ホームページで公表する予定となっております。皆様のところに案が届きましたら、確認のご協力のほど、よろしくお願いいたします。

 それでは、これをもちまして、本日の部会を終了いたします。

 ありがとうございました。