中央環境審議会 大気・騒音振動部会(第11回)議事録

1.日時  

平成28年6月7日(火)16:00~17:52

2.場所  

大手町ファーストスクエア カンファレンスRoom B

3.出席委員

    部会長  坂本 和彦

    委 員  相澤 好治   大久保規子    酒井 伸一

         崎田 裕子   高村ゆかり    町田 信夫

    臨時委員 飯田 訓正   五十嵐仁一    石濱 正男

         片谷 教孝   河上  豊    坂本 慎一

         塩路 昌宏   島  正之    鈴木 規之

         谷口 博昭   谷口 靖彦    田村 洋子

         中山 寛治   畠山 史郎    三隅 淳一

         山本 貢平   若松 伸司    渡辺  敦

4.委員以外の出席者   

環境省

  高橋 水・大気環境局長、早水 大臣官房審議官、江口 水・大気環境局総務課長

  瀧口 大気環境課長、行木 大気生活環境室長、田路 環境管理技術室長 他           

5.議題

  (1)水銀に関する水俣条約を踏まえた水銀大気排出対策の実施について

  (2)報告事項

    ・第18回日中韓三カ国環境大臣会合(TEMM18)の結果について

    ・アスベスト対策に関する行政評価・監査と熊本地震への対応について

    ・平成26年度の大気汚染の状況について

    ・平成26年度大気汚染防止法施行状況調査結果について

    ・平成26年度騒音規制法、振動規制法、悪臭防止法の施行状況調査結果について

    ・まちなかの暑さ対策「まちなかを涼しくしよう!」について

  (3)その他

6.配付資料

  委員名簿

  資料1     水銀大気排出抑制対策について(第一次報告書)

  資料2     「水銀大気排出抑制対策について(第一次報告書案)」

          に関する意見募集 (パブリックコメント)の結果について

  資料3     水銀大気排出抑制対策の今後のスケジュール(案)

  資料4     第18回日中韓三カ国環境大臣会合(TEMM18)の結果について

  資料5-1   「アスベスト対策に関する行政評価・監視」勧告と環境省の対応

  資料5-2   熊本地震におけるアスベスト対策

  資料6-1   平成26年度の大気汚染の状況について

          (一般環境大気測定局、自動車排出ガス測定局の測定結果報告) 

  資料6-2   平成26年度の大気汚染の状況について(有害大気汚染物質モニタリング調査結果報告)    

  資料7     平成26年度 大気汚染防止法 施行状況調査結果について

  資料8-1   平成26年度騒音規制法 施行状況調査結果について

  資料8-2   平成26年度振動規制法施行状況調査結果について

  資料8-3   平成26年度 悪臭防止法 施行状況調査結果について

  資料9     「まちなかを涼しくしよう!」パンフレット

  参考資料1   水銀に関する水俣条約を踏まえた水銀大気排出対策の実施について

          (平成27年12月18日諮問第427号・環水大大第1512181号)

  参考資料2   水銀に関する水俣条約を踏まえた水銀大気排出対策の実施について

          (付議・平成27年12月21日中環審第884号)

  参考資料3   水俣条約を踏まえた今後の水銀大気排出対策について(答申)

          (平成27年1月13日中央環境審議会答申)

  参考資料4   大気汚染防止法の一部を改正する法律(平成27年法律第41号)

  参考資料5   大気汚染防止法施行令等の一部を改正する政令

          (平成27年第379号)

  参考資料6   水銀に関する水俣条約(第八条抜粋)

議事

【瀧口大気環境課長】 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第11回の中央環境審議会大気・騒音振動部会を開催させていただきます。

 委員の皆様方におかれましては、ご多忙中にもかかわらず、ご出席いただきまして、大変ありがとうございます。

 また、本日の出席状況ですが、委員総数33名のうち、現時点で23名の方にご出席いただいており、定足数に達していることをご報告いたします。飯田委員、塩路委員、後ほどご出席されるご予定です。また、前回の1月6日の第10回の部会以降、所属委員の交代がございましたので紹介させていただきます。小倉滋前委員にかわりまして、一般社団法人日本鉄鋼連盟環境・エネルギー政策委員会の渡辺敦副委員長が委員に就任されました。

 次に、水・大気環境局長の高橋が遅れて参りますので、審議官の早水から一言ご挨拶をさせていただきます。

【早水大臣官房審議官】 水・大気局担当の審議官の早水でございます。今日はお忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。高橋にかわりましてご挨拶をさせていただきます。

 本日、ご審議いただきます水銀大気排出対策でございますが、これが盛り込まれました水銀に関する水俣条約につきましては、平成25年10月に、熊本、水俣で開催されました外交会議において採択をされたわけでございますけれども、その後、関係法令の整備を行いまして、我が国として今年の2月に、23番目の締約国として締結をいたしました。現在28カ国が締結を済ませております。条約の発効には50カ国の締結が必要でございますので、各国の努力によりまして一刻も早い発効が期待されるところでございます。

 条約に盛り込まれました規制のうち、大気排出規制の関係の国内担保措置につきましては、昨年6月の大気汚染防止法の改正を受けまして、規制対象となる施設の種類、規模、排出基準などを定める必要がありますことから、昨年12月に、環境大臣から中央環境審議会会長に、「水銀に関する水俣条約を踏まえた水銀大気排出対策の実施について」を諮問させていただきまして、前回のこの部会でご審議をいただいたところでございます。その後、今年の1月から4月にかけまして、この部会のもとに設置をされました大気排出基準等専門委員会におきまして、この内容につきましてご議論をいただき、パブリックコメントの手続を経て、報告書が取りまとめられたところでございます。本日は、この専門委員会報告書についてご審議をいただきまして、できましたら部会として審議会の答申案を取りまとめていただければと考えております。また、後半では、最近の大気・騒音振動行政につきまして、幾つかご報告をさせていただく予定でございます。委員の皆様におかれましては、活発なご審議をお願いいたします。

 簡単ではございますが、開会に当たってのご挨拶とさせていただきます。今日はよろしくお願いいたします。

【瀧口大気環境課長】 以降、恐縮ですが、座って説明させていただきます。

 まず、本日の会議ですが、中央環境審議会の運営方針に基づきまして公開とさせていただきます。

 また、お手元の配付資料の確認をさせていただきます。議事次第の裏に配付資料の一覧を記載しております。まず、資料1、これが、専門委員会の報告書でありまして、これが本日、ご議論いただく主な資料になります。また、この資料1に添付されまして参考資料の1から5というものがございます。これは、ページ数が多くなりますので、机上資料として委員のみの配付とさせていただいております。

 次に、この環境省におきましては、環境負荷の削減の観点から、審議会等の資料のペーパーレス化を試行しております。本日、傍聴の皆様には、前日までに環境省のホームページに掲載しました資料につきましては、お持ちのノートパソコンあるいはタブレット等の端末に保存の上、当日、ご持参いただくようペーパーレス化へのご協力をお願いしているところです。このため、今回の資料の6から8、それから参考資料の1から6につきましては、既に公開済みでもありますので、傍聴の皆様には本日は紙で配付しておりませんことをご了承いただければと思います。環境省のホームページ等をご確認いただければと思いますし、また、この会議室では無線LANが使用できるということで、そのパスワード等をこの壁に張ってありますので、そちらもご活用いただければと思います。資料の不足等がありましたら事務局にお申しつけください。また、マスコミの皆様におかれましては、恐縮ですがカメラ撮りは会議の冒頭のみということでここまでとさせていただきます。

 それでは、以降の進行につきましては、坂本部会長にお願いいたします。

【坂本部会長】 皆様、ご多忙のところ、お集まりいただきありがとうございました。今日は、第11回の大気・騒音振動部会ということでございますが、議題は、水銀に関する水俣条約を踏まえた水銀大気排出対策の実施について、これが審議事項。そして、報告事項が幾つかございます。そういった予定で今日の委員会を進めさせていただきたいと思います。

 それでは、早速ですが、議事に入らせていただきたいと思います。議題1は、水銀に関する水俣条約を踏まえた水銀大気排出対策の実施についてでございます。

 まず、事務局からこれまでの経緯を説明してください。お願いいたします。どうぞ。

【瀧口大気環境課長】 それでは、これまでの経緯についてご説明いたします。まず、水銀に関する水俣条約、この条約に規定されました水銀の大気排出規制を実施するために、昨年、大気汚染防止法の改正が行われました。これによりまして、施設の種類及び規模ごとの具体的な排出基準、測定方法並びに排出抑制に係る自主的な取組の状況の把握、評価のあり方等について定める必要が生じましたため、昨年12月18日に環境大臣から中央環境審議会に対して、「水銀に関する水俣条約を踏まえた水銀大気排出対策の実施について」ということで諮問がなされました。これが本日の参考資料1になります。この諮問は、大気・騒音振動部会に付議され、今年の1月6日に開催された前回の本部会におきまして、大気排出基準等専門委員会が設置され、この諮問について専門的なご議論をいただくことになったわけです。この専門委員会における4回の議論を経まして、報告書の案が取りまとめられまして、その報告書の案につきまして、4月28日から5月27日までパブリックコメントを募集しまして、その結果を踏まえて所要の修正を加えました。そして、取りまとめたものが本日の資料1であります。また、そのパブリックコメントをする前の第一次報告書の案につきましては、見え消し版として参考資料7として配付させていただいております。本日は、この報告書の内容についてご審議をいただくものです。

【坂本部会長】 はい。ありがとうございました。

 それでは、私が大気排出基準等専門委員会の委員長を承っておりましたので、まず、私から全般的な説明をさせていただきます。そして、その後、詳細については事務方から説明をいたします。

 まず、第一次報告書の概要について説明を差し上げますと、検討した事項としては、大きく分けて3点ございます。まず、水銀大気排出施設の種類や規模及びそれに応じた排出基準。2番目に、新たに自主的な取組が求められる要排出抑制施設の対象施設。3番目が、排ガスの水銀測定方法でございます。

 まず、水銀排出施設の種類や規模、排出基準については、水俣条約において対象として規定されている1番目が、石炭火力発電所。2番目が、産業用石炭燃焼ボイラー。3番目が、非鉄金属の製造に用いられる精錬及び焙焼の工程。4番目が、廃棄物の焼却設備。5番目が、セメントクリーンカーの製造設備の5施設でございます。これにつきまして対象規模と排出基準の検討を行いました。規制対象となる施設の種類や規模は、基本的には大気汚染防止法のばい煙発生施設にあわせた基準が適当としてございます。また、水俣条約では、各国で施設の規模等について基準を設ける場合に、各施設分類の排出量の75%以上のカバー率となることを求めていますが、報告書で提示した施設の種類、規模で75%以上のカバー率で確保していることを確認してございます。また、排出基準の検討に当たっては、平常時における平均的な排出状況を捉えた規制とすることや利用可能な最良の技術、BATに適合した排出基準とすることなど、平成27年1月の中央環境審議会からの答申内容を踏まえ、現状の排出実態を把握するために環境省が実施した実態調査結果により検討しました。施設ごとの具体的な排出基準の検討結果につきましては、後ほど報告書をご覧いただきながら事務方から説明を差し上げます。なお、本報告書で取りまとめた水銀排出施設の排出基準は、諸外国の水銀排出基準も考慮して設定しており、概ね国際的に遜色のない水準となっています。

 2点目としましては、昨年、改正された大気汚染防止法において、水銀の排出量が相当程度多い施設で、その排出を抑制することが適当である施設については、水俣条約の対象とはされていないものの、要排出抑制施設として条約対象施設に準じた自主的な排出抑制取組を求めることとされています。要排出抑制施設に該当する施設について検討した結果、本報告書では、要排出抑制施設は、水銀排出施設とされる施設種類以外の施設であって、製鉄又は製鋼の用に供する焼結炉及び電気炉が適当であるとしました。

 3点目は、排ガスの水銀測定方法についてです。まず、測定対象について検討した結果、ガス状水銀だけではなく、粒子状水銀もあわせた全水銀として測定することが適当としています。次に、測定方法については、連続測定については測定器の難点などもあり、検討の結果、バッチ測定が適当と結論づけました。また、測定頻度は、4カ月を超えない作業期間に1回以上とすることを基本とし、排ガス量が一定未満の施設については、6カ月を超えない作業期間に1回以上とすることが適当としています。測定結果については、平常時における平均的な排出状況において、排出基準の適合状況を確認することが適当であり、排出基準を上回る水銀濃度が検出された場合には、速やかに3回以上の再測定を行い、初回の測定結果を含めた計4回以上の測定結果のうち、最大値と最小値を除く全ての測定結果の平均値により評価することが適当としております。

 最後に、今後の課題として、排出実態を踏まえた更なる対応や技術の進歩等への対応、測定方法に関する継続的な検討などとして、施行後5年を目途に、必要に応じて制度の見直しを行うことが適当であるとしています。

 なお、報告書案に対するパブリックコメントは、15個人・団体の方から85件の内容が寄せられ、それらを踏まえて一部記述を修正した上で報告書として取りまとめているところでございます。

 それでは、詳細について事務局から説明をお願いいたします。

【瀧口大気環境課長】 それでは、専門委員会の報告書について説明させていただきます。資料1をご覧ください。資料1の表紙をめくっていただきまして目次がございます。第I章がこれまでの経緯。それから第II章が水銀排出規制ということで、対象の施設あるいはその排出基準の値、そういったことがまとめられております。第III章が自主的な取組の推進ということで、対象となる要排出抑制施設の種類等が記載されております。第IV章が、排ガス中の水銀測定方法。第V章が今後の課題ということで、別紙として水銀測定方法の詳細を添付しております。また、委員の皆様方には机上資料として、参考資料1-1、1-2それから参考資料2から参考資料5までを机の上に置かせていただいております。

 めくっていただきまして、1ページ、これまでの経緯でございますが、この経緯は先ほどご紹介したとおりです。

 そして2ページ目に参りまして、水銀排出施設の種類や規模、排出基準、要排出抑制施設の種類、排ガス中の水銀等の測定方法については、第一次報告書としてとりまとめていただきまして、要排出抑制施設における自主的取組の状況の把握・評価の在り方については、今後、第二次報告書として別途とりまとめていただく予定としております。

 3ページ目に進めさせていただきます。水銀排出規制ということで、まず、全般的事項のうちの水銀排出施設の分類ですが、坂本先生からもご紹介がありました水俣条約上の対象となる5分類、五つの対象施設につきましては、それぞれ現在の大気汚染防止法の「ばい煙発生施設」に該当しているものがほとんどであります。ですからこれが表1になりますけれども、水銀排出施設の分類は原則として大気汚染防止法のばい煙発生施設のうち水俣条約の対象施設に該当するものの分類を踏襲することが適当であるとされております。また、この大気汚染防止法の中では、複数の分類に該当する施設、例えばボイラーであって廃棄物焼却炉にも該当するような施設があるわけですが、こうした施設につきましては、事業の主たる目的に照らして届出をすることとされておりますので水銀排出施設においても同じ扱いとすることが適当であるとされております。また、この大気汚染防止法のばい煙発生施設としては該当しなくても、例えば廃棄物処理法でしたり、あるいはダイオキシン類対策特別措置法に該当する施設がございまして、それが水俣条約の対象施設になる場合がございます。そうした施設は幅広く拾うという観点から廃棄物処理法やダイオキシン類対策特別措置法に沿って対象としております。これは、また、後ほど具体の説明の中で触れさせていただきます。

 次に、水銀排出施設の規模の要件ですけれども、4ページ目の表1にありますように、ばい煙発生施設につきましては、それぞれ対象規模ということで裾切り基準が定められております。水俣条約の中にもそれぞれの施設分類に関しまして、それぞれの分類の排出量の75%を含む水準であればいわゆる発生源を特定するための基準、裾切り基準を設けてよいとされております。今回、ばい煙発生施設の裾切り基準を、対象施設の規模要件に適用することが適当であるとされております。これにつきましては、75%以上を満たすかどうかということを確認する必要があり、後ほど個々の施設の中で説明させていただきますが、全ての施設分類につきまして、ばい煙発生施設の裾切り基準で75%以上のカバー率は法的安定性をもってクリアするということが確認されております。

 「ただし」のところですけれども、施設規模に関わらず、水銀等を確実に扱う施設については水銀排出施設とし、水銀等を基本的に扱わない施設については対象外とすることが適当であるとされております。これにつきましても後ほど具体の施設の中で説明させていただきます。排出基準の設定でありますが、平成27年の中央環境審議会の答申におきまして、排出基準は、平常時における排出口からの水銀等の平均的な排出状況を捉えた規制とする必要があること。6ページ目に参りまして、「利用可能な最良の技術に適合」した値とする必要があること。そして、排出基準は、経済的かつ技術的考慮を払いつつ、排出源の分類ごとの排出状況について十分に調査・検討を行い、これらを勘案した上で、現実的に排出抑制が可能なレベルで定めることとするということ。また、排出基準の値については、平常時に対象施設において達成されるべき値として設定することが適当であるということが述べられております。こうした考え方を踏まえて、今回の排出基準を検討しております。

 また、水俣条約の中におきまして、利用可能な最良の技術、これをBest Available Techniques、BATと呼んでおります。また、環境のための最良の慣行、これをBest Environmental PracticesということでBEPと呼んでおりますが、これらについてBAT/BEPのガイダンス案というものを採択することになっております。このガイダンスを採択することになっているわけですが、この案につきましては、もう既に専門家グループにおいて取りまとめられたところであり、今回の排出基準の検討におきましても、このガイダンスの案を参照しつつ検討しております。

 また、「さらに」のところですが、環境省で、排出源の分類ごとに排出ガスの処理設備の導入状況、水銀等の排出状況等の実態調査を行っております。これは、資料1、報告書の参考資料2に詳細が記されているわけですが、こうした実態調査の結果、また、これを環境省法と呼んでおりますが、環境省法によらない測定方法の調査結果、こうした結果も事業者から提供していただいておりますので、そうした結果も含めて検討をしております。

 7ページ目に参りまして、繰り返しになりますが、今回の排出基準の検討に当たりましては、BAT/BEPガイダンス案等を参考にして一定の排ガス処理技術をBATと想定しまして、これらが導入されている施設の水銀濃度を実態調査等によって把握し、排出基準値の検討に用いることが適当であるということで、こうしたアプローチで排出基準の検討を進めております。さらに、諸外国の排出基準と比較した排出状況、こうしたことも考慮をしております。

 次に、1.4に参りまして、新規施設と既存施設ということで、水俣条約の中では、新規施設についてはBAT/BEPの利用を義務付けておりますけれども、既存の施設につきましては、ここにあります①から⑤という中から一つ以上の措置ということで義務付けておりまして、新規施設とは異なる扱いとされております。また、平成27年の答申におきましても、新規施設、既存施設ともに、濃度による排出限度値の規制とすることが適当とされまして、既存施設については、新規とは別の値を設けることが適当であるとされております。このため、今回の検討におきましても、既存施設については、新規とは異なる基準と設定しております。なお、条約の中で、実質的に改修をした既存施設は、水俣条約の新規施設と扱うこととしております。そして、実質的な改修については、各国が定めることということにされておりまして、今回、報告書では、この「実質的な改修」とは、施設の基本構造、面積とか形状あるいは施設本体の材質、こうしたことの変更により、施設規模が5割以上増加するような場合、水銀排出量が増加を伴う場合に限るわけですが、こうした場合には、実質的な改修がされたものとみなすとされております。さらに、既存施設におきまして、施設の大幅な改変が行われる場合には、排出基準の遵守に係る猶予期間、改変に係る期間に限るわけですが、これを設けることが適当であるとされております。

 次に、2番目の施設分類ごとの検討ということで、それぞれ対象施設ごとの検討の結果をご紹介させていただきます。まず、2.1が石炭火力発電所及び産業用石炭燃焼ボイラーでありますが、9ページ目に参りまして、条約の中では、石炭火力発電所と産業用石炭燃焼ボイラーということで区別されているわけですが、実際には、発電を目的としたような産業用の石炭燃焼ボイラーもありまして、なかなか明確に区別することが難しいということもございますし、ばい煙発生施設としても一括りの区分にしているものですから、条約の「石炭火力発電所」及び「産業用石炭燃焼ボイラー」に該当するものは、石炭を燃焼するボイラーということで一つの施設分類として扱うことが適当であるとされております。また、ボイラーには専ら石炭を燃料とする石炭の専焼ボイラーと石炭を燃料としつつ石炭以外のものも燃料とするボイラー、混焼ボイラーがあるわけですが、この混焼ボイラーの場合、燃料に占める石炭の割合、石炭比が大きく変動することが知られております。また、石炭比が低い施設でありましても、石炭専焼ボイラーと同等以上の水銀濃度が実態調査の結果検出されておりました。こうしたことから、石炭混焼ボイラーにおきましては、燃料に占める石炭比によらず規制対象とするということが適当であるとされております。この実態調査の結果によりますと、石炭混焼ボイラーの規模については、ほぼバーナーの燃焼能力が1時間当たり10万ℓ未満でありました。この規模の混焼ボイラーをここでは小型混焼ボイラーということにしております。また、石炭火力発電所ということで言いますと、石炭をガス化してガスタービンで発電する石炭ガス化複合発電、いわゆるIGCCについても含まれるわけですけれども、今回の検討におきましては、実用化されて間もない発電技術ということもありまして、現時点では規制対象とはせず、今後、排出実態を把握した上で、その施設としての追加について検討すべきであるとされております。また、施設の規模に関しましては、ばい煙発生施設と同様ということで、この裾切り基準を設けた場合に、ほぼ100%をカバーできるということが確認されております。

 次に、石炭燃焼ボイラーの排出基準の設定に関してですが、原料・燃料等の水銀含有量については比較的、日本の場合、水銀含有量が少ない傾向にあります。

 それからBATと想定する排ガス処理技術につきましては、11ページ目に参りまして、新規施設に対するBATについては、水銀の排出抑制にも効果がある「脱硝設備、除じん設備及び脱硫設備」、この3点が全て装備されたものを想定しております。既存施設に対するBATとしては、脱硝、除じん設備及び脱硫設備以外の排ガス処理設備ということで、ちょっとここはわかりにくいんですが、この3点セット以外の排ガス処理設備ということで、例えば、脱硝設備と除じん設備の組み合わせ、あるいは、除じん設備と脱硫設備の組み合わせ、こうしたものが該当します。

 水銀等の排出状況ということで12ページの表を参照いただけますでしょうか。まず、小型の混焼ボイラーを除く石炭燃焼ボイラーということで見ていただきますと、BATとしました脱硝設備、除じん設備及び脱硫設備のこの3点セットの結果とそれ以外の結果ということで分けて表記をしております。この場合、データにつきましては施設ごとの平均はとっておりませんで、それぞれのデータを独立したものとして扱っております。これを見ていただきますと、比較的この発電施設は低い値で排出が抑制されているというのがおわかりになるかと思います。表2-1-2が小型石炭混焼ボイラーの濃度ですけれども、例えば全施設の平均値を見ていただきますと、全体的に表2-1-1の専焼ボイラーや大型の混焼ボイラーよりも高めでばらつきも大きいということがおわかりになるかと思います。

 13ページ目に参りまして、こうした点を考慮しまして、排出基準の値ということで提言されておりますのが、14ページ目の表2-1-3になります。小型石炭混焼ボイラーを除くものとして、新規が8 μg/Nm2、既存が10、小型の石炭混焼ボイラーが新規が10、既存が15ということで定められております。

 2.2が非鉄金属のうち一次施設ということでまとめられています。非鉄金属の精錬及び焙焼におきましては、主として鉱石を用いる一次施設とリサイクル原料等を用いる二次施設がありますので、これら原料や工程の違いにより水銀の排出実態が大きく異なるという実態がありますため、この一次と二次ということで分けて今回、検討されております。

 15ページ目に参りまして、施設の種類及び規模に関しましては、ばい煙発生施設のとおりとすることが適当であるということで、これでほぼ排出量の100%をカバーできるということが確認されております。一方で、この精製のための溶解炉というもののうち、原料として粗銅や粗鉛、蒸留亜鉛、粗銀又は粗金を原料とするような場合には、この原料にも水銀が含まれませんし、また、実態調査の結果も水銀がほとんど出ていなかったということが確認されておりましたので、この溶解炉については規制対象外とすることが適当であるとされております。

 排出基準の設定に参りまして、原料・燃料等の水銀含有量ということで言いますと、一次施設の場合、ある程度この水銀の濃度と含有量というものもブレンドされているということがヒアリングの結果によってわかっております。

 また、16ページ目に参りまして、BATと想定する排ガス技術としましては、新規及び既存施設に対するBATは、現在の一般的な原料を使用する場合には、水銀の排出抑制にも効果がある排ガス洗浄設備及び硫酸製造設備を、高い水銀含有量を原料とする場合には、「排ガス洗浄設備及び硫酸製造設備並びに、Boliden‐Norzinkプロセス等」を想定しております。

 排出実態につきましては、17ページの表2-2-2をご参照ください。銅よりも亜鉛の方が高い排出実態ということでご確認いただけるかと思います。亜鉛の中で環境省法ですと39、あるいは環境省法以外ですと150という、ほかと比べると高い値がありましたが、この施設につきましては、粒子状の水銀がガス状の水銀を上回っていたという特殊なケースのようです。また、施設が特定されるためにここでは書いておりませんけれども、鉛や工業金は20μg/Nm2以下であることが確認されております。

 こうした点を踏まえまして、排出基準の値ということで、銅と金、それから鉛と亜鉛ということで二つのグループに分けて排出基準を設定しております。それが19ページ目になりまして、銅と金のグループにつきましては、新規が15で既存が30、鉛と亜鉛につきましては、新規が30で既存が50としております。表2-2-3、ばい煙発生施設の書きぶりにあわせておりますので、若干、読みにくいかと思いますけれども、ポイントとしては銅と金、それから鉛と亜鉛ということで分けて書いているということです。

 次、二次の方ですけれども、これは、やはりその原料に水銀含有量が高いものも含むということで、実態調査等で高い値が出ているものがございます。

 それから20ページの二つ目のパラグラフで、ばい煙発生施設とされている施設のほかに、ダイオキシン類対策特別措置法の対象施設の亜鉛の回収の用に供する焙焼炉等について、条約対象施設に該当するものがありますので、この施設についても規制対象とすることが適当であるとされております。また、裾切り基準につきましては、ばい煙発生施設等の基準を用いました場合、ほぼ100%ということで確認されております。

 排出実態についてですが、原料・燃料等の水銀含有量にかなり幅があるということでありまして、表2-3-1、これが水銀濃度の調査結果のまとめたものですけれども、これを見ていただきましても、水銀濃度の範囲にかなりの幅があるということがおわかりになるかと思います。工業金で環境省法以外で430という値が1カ所で1データということですが、これは金の鉱滓を回収している施設で、同時に銅も回収しているということで、純粋に金を回収しているという施設ではないということがわかっております。

 こうした排出実態等を考慮しまして、排出基準の値が定められております。その表につきましては、24ページの表2-3-2であります。今回、二次施設につきましては、銅と鉛、亜鉛というグループ、この三つを一つの扱いにしましたのは、例えば同一の施設におきまして複数の金属、銅と亜鉛を回収というような設備がありますから、この三つを一つのカテゴリー、それから工業金だけを別のカテゴリーということで、表2-3-2のように定めております。銅、鉛、亜鉛のグループにおいて新規が100、既存が400、工業金において新規が30、既存が50となっております。

 次、25ページ目に参りまして、廃棄物の焼却炉についてです。廃棄物焼却炉には、一般廃棄物の焼却炉、産業廃棄物の焼却炉、下水汚泥の焼却炉に大別されるわけですが、その焼却対象物の水銀含有量が大幅に異なるとは考えにくいことや実態調査の結果につきましてもそれほど大きな差が出たわけではありませんので、廃棄物焼却炉ということで一つの施設分類としております。また、水俣条約の中では「廃棄物」の定義には、「バーゼル条約」の定義を用いるということになっております。したがいまして、ばい煙発生施設であります廃棄物焼却炉や廃掃法の焼却炉及び焙焼施設に該当する施設のほかに、水銀含有再生資源の加熱処理をする炉も規制対象とすることが適当であるとされております。

 一方、廃棄物のうち、廃油に関しまして、一般の化学品を製造する施設から水銀が濃縮された廃油が排出されることは想定しにくいものですから、これは規制対象外とすることが適当であるとされております。また、施設規模に関しましては、ばい煙発生施設と同様にするということで、約98%以上をカバーできるということが確認されております。

 なお、水俣条約の対象となる廃棄物のうち、「水銀回収義務付け産業廃棄物」のほかに、「水銀含有再生資源」というものも対象になるわけですが、これらは確実に水銀を含有するものを処理するということで、別途の扱いとして裾切り基準を設けないということが適当とされております。

 27ページ目に参りまして、原料・燃料等の水銀含有量、これは、かなり幅があるという結果が出ております。今回、廃棄物焼却炉につきましては、BATと想定する排ガス処理技術につきましては、水銀回収義務付け産業廃棄物や水銀含有再生資源を取り扱う場合には、新施設に対するBATは、「バグフィルター、スクラバー及び高度な活性炭処理等」を、既存処理施設に対するBATにつきましては、「バグフィルター、スクラバー及び活性炭処理等」を想定しておりまして、それ以外の場合は28ページ目に参りまして、新規施設に対するBATは、「バグフィルター及び活性炭処理又はスクラバー及び活性炭処理」、既存施設に対するBATは、「バグフィルター又はスクラバー」を想定しております。

 水銀等の排出状況につきましては、29ページの表2-4-1、表2-4-2をご参照ください。BATの考え方に基づいて分類を分けておりますけれども、表2-4-1をご覧いただきますと、活性炭処理を組み合わせたものがそれ以外のものに比べまして全体的に排出濃度が低く、また、ばらつきも小さいということがおわかりになるかと思います。表2-4-2は、水銀含有量が多い廃棄物を扱う水銀回収施設を挙げておりますが、平均的な濃度につきましては、表2-4-1の値と比べまして高いということがおわかりになるかと思います。また、諸外国の排出基準の中では、医療廃棄物の排出基準を別に設定している例が多いということがわかりましたけれども、我が国の場合、実態調査の結果、医療廃棄物を扱う施設とそれ以外の施設とで水銀の排出状況に大きな差は見られなかったものですから、同じ分類としております。

 こうした点を踏まえまして定められました排出基準の値が30ページの表2-4-3であります。廃棄物焼却炉につきましては、新規が30、既存が50、焼却炉のうち、水銀回収義務付け産業廃棄物や水銀含有再生資源を取り扱うものは裾切り基準はなしとして新規が50、既存が100となっております。

 31ページ目に参りまして、セメントクリンカーの製造設備ということであります。これは、大気汚染防止法の中では、「窯業製品の製造の用に供する焼成炉」に該当しまして、その規模もばい煙発生施設のとおりとすることが適当であるとされております。この裾切り基準を用いますと、ほぼ100%排出量をカバーできるということが確認されております。

 また、日本の場合、セメント、石灰石や粘土等の他に、代替原料として石炭灰や汚泥等も用いられています。そうしたこともありまして、原料に占める代替原料の割合が諸外国に比較して高い傾向があるということ、また、代替原料の水銀含有量が天然原料の水銀含有量に比べても多い傾向があるということがわかっております。

 次、32ページに参りまして、新規施設に対するBATとしましては、「BAT/BEPガイダンスにおきまして水銀の排出抑制に有効とされている複数の技術」ということで想定しております。例えば、煤じんの排出抑制対策ですとか、あるいはダストシャトリングという方法が該当するわけですが、こうした複数の技術、既存施設に対するBATとしては、「水銀含有量が少ない原料・燃料等を選択する」ということでしております。水銀等の排出状況につきましては、32ページの表2-5-1をご参照ください。水銀含有量で排出実態を区分しておりますけれども、当然のことながら、石灰石の水銀含有量の割合が多い方が排出濃度も高いという結果となっております。

 33ページ、34ページということで、日本の場合、代替原料を使っているということもありまして、排出実態の中で諸外国の基準というものを上回るものもございました。そうしたことも勘案して、34ページの表2-5-2の排出基準を定めております。新規が50、既存が80ということでしておりますが、一方原料とする石灰石の水銀含有量が0.05 mg/kg以上であるものについては、既存については80ではなく140 μg/Nm2ということが提言されております。

 次に、3番の排出基準の適用に当たっての留意事項ということで、まず排出基準についての十分な周知ということですが、今回の規制は、環境中を循環する水銀の総量を削減するという水俣条約の趣旨に沿って、水銀の大気排出量をできる限り抑制することを目的としております。したがいまして、排出基準の性格やあるいは測定値の評価については、いわゆる従来の大気汚染物質の規制とは異なった取扱いが求められるということで、こうした点をよく関係者に説明しておく必要があるということ。また、今回の基準は、健康被害を防止するというよりも地球規模で環境中を循環する水銀の総量を削減するという観点から設定しておりますから、排出基準を超える水銀等が排出されたとしても直ちに地域住民の方に健康被害を生じるものではないということに留意が必要であるとされております。

 なお、健康被害という観点から、指針値が定められておりますが、これは年平均値で1m2当たり40ngというものに対しまして、実質的には現状におきましても1m2当たり4.9ngということで、この指針値を大きく下回っております。

 また、今回、BATを想定して排出基準の値が定められておりますが、規制手法としては、構造・設備規制ではありませんで、濃度規制ですので、事業者は、この濃度を遵守するために、施設の整備以外にも、原料・燃料等の選択ですとか、あるいは稼働条件の最適化等で最適な組合わせを選択できるわけです。

 諸外国の排出基準との比較ですが、専門委員会の報告書では、諸外国の基準、これは、資料1の参考資料5に添付されておりますが、これらと比べても概ね国際的に遜色のない水準であるとされております。なお、諸外国の排出基準と比較する際には、基準値だけではなく規制の対象や測定方法、基準順守の判定方法などについても考慮する必要があるとされております。

 また、3.3マテリアルフローを踏まえた水銀排出の管理ということで、環境中を循環する水銀の総量を削減するという条約の趣旨に従いますと、大気中に排出される水銀等の抑制によって水銀が水や土壌、廃棄物などにただ移行するだけでは本質的な解決策とはならないわけで、大気のみではなく水銀等のマテリアルフローを踏まえた排出量の管理が必要であるとされております。こうした点から原料・燃料等の燃焼前の時点での水銀管理が重要ということで、これは大気排出規制、そしてほかの法律、あるいは廃棄物処理法による措置、こうしたことと相俟って、水銀の総量の削減が進むということが期待されるわけです。

 37ページ目に参りまして、自主的取組の推進ということで、要排出抑制施設、これも坂本部会長の説明の中にありましたとおり、水銀の排出抑制の規制対象ではないけれども、要排出抑制施設として水銀の排出量が相当程度多い施設であって、その排出を抑制することが適当であるということで、法律の中に定められた施設です。この施設につきましては、大気排出インベントリーの結果も参考にしまして、現在の規制対象の施設のうち、産業石炭燃焼ボイラーというものが年間約0.24トンの排出になりますので、これを目安としまして、これを上回る施設は、鉄鋼製造施設のみでありました。このうち焼結炉と電気炉で鉄鋼製造施設全体の排出量の94%を占めるものですから、「要排出抑制施設」としては、「製鉄又は製鋼の用に供する焼結炉及び電気炉」とすることが適当であるとされております。なお、要排出抑制施設に関します自主的取組のフォローアップの在り方につきましては、今後、また、検討されることになります。

 38ページ目に参りまして、全ての事業者による自主的取組の推進ということで記しております。

 次、39ページ目に参りまして、第Ⅳ章水銀の測定方法ということで定めております。この測定方法について、ガス状水銀及び粒子状水銀、これを「全水銀」としておりますが、この両方を測定対象とするということにしておりまして、1-1の測定対象のところに書いております。ただし、排ガス中の全水銀に占める粒子状水銀質量比が十分に低いことが確認できた場合には、ガス状水銀のみの測定結果をもって全水銀の測定結果に変えることができることを今後検討すべきであるとして、その具体的な方法が39ページ目の最後のパラグラフのところから書いてあります。

 また、40ページ目に参りまして、測定方式につきましては、連続測定につきましては、導入あるいは維持管理にかかる事業者の負担が大きいこと、現在の測定器では粒子状水銀が測定対象外であること、こういったことから、測定方式としては、バッチ測定が適当であるとされております。

 1.3試料採取方法を書いております。時間もそれほどありませんので、駆け足で説明させていただきますと、1.3.1で、ガス状水銀の試料採取方法、1.3.2で、粒子状水銀の試料採取方法ということで、それぞれ具体的な方法を記させていただいております。

 43ページ目に参りまして、1.4分析方法ということで、ガス状水銀、それから粒子状水銀の分析方法を書いております。

 それから44ページ目に参りまして、測定結果の補正方法ということで、表3にあります石炭燃焼ボイラー、セメント製造の用に供する焼成炉、それから廃棄物焼却炉につきましては、標準酸素濃度補正方式を採用することが適当であるとされております。一方、非鉄金属関連につきましては、個別の工程や施設ごとに燃焼温度や空気比等の燃焼条件が異なりまして、排ガス中の残存酸素により評価することが困難であるということが認められることから、標準酸素濃度補正を行わないことが適当であるとされております。

 45ページ目に参りまして、測定頻度ということで、ばい煙発生施設の測定頻度も参照いたしまして、排ガス量が1時間当たり4万Nm2以上の施設にあっては、4ヶ月を超えない作業期間ごとに1回以上とし、それ未満の施設にあっては6ヶ月を超えない作業期間ごとに1回以上とすることが適当であるとされております。測定結果の確認方法ですけれども、水銀の排出規制ということで申しますと、排出抑制の管理をしている場合でも、投入物の水銀含有量によっては突発的に高濃度となる可能性もあるわけです。そういう中で46ページ目に参りまして、これまでの経緯等を踏まえると、「このため」と書いてあるところですが、今回の基準が、平常時における平均的な排出状況として達成し得る水準として設定されているということを踏まえまして、「とりわけ」のところですが、個々の水銀排出施設について、排出基準値を上回る水銀濃度が検出された場合、複数回の再測定を速やかに行い、平均的な排出状況において排出基準値を上回っているのか一時的な高濃度を検出したのかについて可能な限り早く確認することが適切であるとされております。その具体的な方法ですが、排出基準を上回る水銀濃度が検出された場合には、その施設の稼働状況を一定に保った上で、速やかに計3回以上の測定を行って、初回の測定結果を含めた計4つ以上の測定結果のうち、最大値及び最小値を除く全ての測定結果の平均値により、これを排出基準値と比べて評価することが適当であるとしております。以上が測定方法についてです。

48ページ目に参りまして、今後の課題ということで、排出実態を踏まえた更なる対応として、今回の実態調査よりも今後この法律が施行されますと、より詳細な排出実態が把握できるわけで、そうした実態に基づいたインベントリーの更新、あるいは規制の見直しということも進めるべきだということ、それから、石炭ガス化発電の追加についても検討すべきであるということが書かれております。

 また、今回の排出基準の値につきましては、BATに適合した値としておりますが、当然国内外の技術の進歩があります。また、原料や燃料等の動向もありますから、こうした点を把握して、規制対象施設や排出基準等について見直していくことが適当であるとされております。

 また、49ページ目に参りまして、測定方法に関する継続的な検討ということでは、例えば、サンプリングの方法につきまして、メインストリームサンプリング、またはサイドストリームサンプリングという方法が、今回は採用しておりませんでしたけれども、こうした方法等の一括で試料採取する方法についても、今後測定方法として取り入れることを検討すべきであるというようなこと、また、湿式吸収法以外の方法についても、本測定法との等価性が確認された場合は、取り入れるべきであるということ。さらに、粒子状水銀についての測定の省略の考え方をはじめ、この測定方法の見直し等を行うことが適当であるということが記載されております。

 また、大きな目的として、今後、地球規模での水銀削減に貢献していくべきだということがまとめられております。

 さらに、この後、排ガス中の水銀測定方法ということで、別紙として定められております。こちらの説明は省略させていただきます。

 これが専門委員会の報告書でありますが、資料2ということで、パブリックコメントの結果を示しております。参考資料7でパブリックコメント前の報告書案からの見え消し版もありますので、そちらもご参照いただければと思いますが、パブリックコメントでは、15団体・個人から合計85件のご意見をいただいております。1枚めくっていただきまして、それぞれ章、節ごとの件数ということで書いてあります。今回いただいたパブリックコメントを踏まえて、修正すべき点は修正されおります。例えば、正確さを期すために表現ぶりを修正すべきだというような意見を幾つかいただきましたので、そうした意見も今回取り入れて専門委員会で取りまとめられました。

 また、規制の考え方や枠組み、こうしたことについてのご意見も出されたわけですが、そうしたことにつきましては、実際は法改正までに決着済みのことについてもコメントをいただいていますので、これまでの経緯ですとか、あるいは報告書での説明をこのご意見に対する考え方ということで、改めて丁寧に説明されています。

 また排ガス中の水銀の測定方法につきましては、クラリフィケーションを求めるような意見を幾つかいただきました。そうした意見につきましても、できるだけ丁寧にお答えを取りまとめられたところであります。

 これが資料2のパブコメの結果でありまして、資料3は、今後のスケジュールということです。ご参照いただけますでしょうか。

 本日、中央環境審議会の大気騒音振動部会ということで、できましたら、今回の報告書ということで、第一次答申をいただければと思っております。

 この中央環境審議会の答申に基づきまして、大気汚染防止法の施行令、そして施行規則の改正の作業を進めたいと思っておりまして、これが大体8月ごろを目途に行いたいと思っております。

 この改正大気汚染防止法の施行期日は、この条約発効日から2年以内ということで、政令で定める日ということになっております。

 また今年の9月以降、後半の要排出抑制施設の自主的取組のフォローアップの在り方に関して、また専門委員会で検討していただきまして、それについてこの部会での議論を経て第二次答申ということでいただければと思っております。

 なお、このパブリックコメントの中で表現ぶりに関する意見が多く出されていたこともありまして、事務局で、もう一度報告書全体を精査しまして、追加的に、内容を変更しない箇所につきまして修正した箇所もございますので、これも合わせて見え消しということで参考資料7を参照いただければと思います。

 以上が事務局からの説明になります。

【坂本部会長】 はい、ありがとうございました。

 ただいま資料の1、2、3、それから参考資料7の見え消し版、これを使って説明をいただきました。

 それでは、ただいまの説明に関しましてご質問、ご意見等がございます方は、名札を立てていただければと思います。いかがでしょうか。

 はい、ありがとうございました。

 そういたしましたら、まず鈴木委員、お願いいたします。

【鈴木委員】 ありがとうございます。3点ほどお尋ねいたしますが、非常に小さいところは、どこだったか。非常に小さいところは1カ所ありまして、それは後に。幾何平均を求めるというところに変な記述があったんですが、今ページが発見できないので、後で申し上げます。

 基準の値につきまして、まずBAT/BEPをベースに決められるということは、日本の水銀の排出活動というのを十分考えれば、それ自体は良いと私は思いましたが、一つだけ、聞いていて何となくわからなかったところが、多くの実態調査の結果の機械的な算術平均値に比べて基準値の多くはより高いところにあると。もちろん多分施設ごとの基準ですので意味は違うんだと思いますが、今回の基準値の設定においてどの程度、計算上、想定上であったとしても、どの程度の排出削減効果が実際に期待できるのかという試算はなされたんでしょうかということがまず第1点。

 それから、もう一つは、もう少し細かいところで、測定の46ページ、測定方法の確認というところで、排出基準を上回る水銀濃度が検出された場合は、速やかに3回の再測定をして、最大値、最小値を除いてという記述がございますが、このような形で再測定を扱うことの考え方はどういうものでしょうかと、というのは、あくまで平均値をベースに規制をするということであるならば、あともう一つは、前の方にも書いてありますが、突発的に高い水銀含有量のものが混入する可能性があるというようなことが、この水銀の排出については考えられる事態でありますので、そのときに、一つの大きな値は、だからある意味、特別な値でないとも言えますし、一方で、それに対して、もう一回測ってみたときに、最大値や最小値を無条件に除くという処理というのは、どういうことを意味しているのか。

 これもさっきの質問に関係しますが、もし濃度が対数正規的に分布すると想定されているのであるならば、一発の測定値が全体の平均値を左右するということは、十分あり得ることですので、この無条件に除くという判断が一体どういうお考えに基づいているのか、ちょっとお尋ねしたいと思います。

 あと、どこかに1箇所、水銀濃度の対数値が正規分布に従わないため、幾何平均値、対数標準偏差は記載していないと書いてあるんですが、どこか1カ所に「対数値」が入っていないところがありまして、「正規分布に従わないため記載しない」と書いてあることが多分おかしいので、ちょっと場所を発見できませんが、そこは直した方がいいと思います。

 以上3点です。

【坂本部会長】 ありがとうございました。最後の点は、確認をして修正をすればよろしいですね。はい。まず質問を全員伺ってから、まとめて事務局から回答をいただきたいと思いますが、酒井委員、お願いします。

【酒井委員】  

私から、今の鈴木委員と同じ趣旨ですが、排出インベントリーとの関係で見たときに、今回の排出基準レベルの排出を想定したときには、どの程度の量になるのかという、そういう試算との比較はなされているか否か、なされているのであれば、ちょっとご紹介をいただきたいと思います。

 今回の排出規制が、排出総量に対してどの程度の効果を持ち得るのかという見通しが聞きたいという趣旨です。

 それから、同じくインベントリーとも関係しますが、N.E.ということで、排出源の有無が不明、また排出源が存在するものの未推計という項目が五つか六つ程度挙がっておろうかと思います。ここへの取組は今どうなっているのかというところをちょっとご紹介していただけませんか。

 特に、廃棄物の中間処理施設、産業廃棄物処理を除く中間処理施設云々とか、そういうような回収施設というところでのN.E.というのが存在しておりまして、ちょっとここの説明をお願いしたいということです。

【坂本部会長】 はい、ありがとうございます。高村委員お願いします。

【高村委員】 

ありがとうございます。質問といいますよりも二つ意見を申し上げたいと思っております。1点目は、報告書案の34ページのところでございます。

 排出基準の適用に当たっての留意事項のところで、特に1段落目といいましょうか、今般の規制はというところで始まるところですが、このところは非常に重要な点だと思っております。

 すなわち、これは第2段落にも関わりますけれども、今回の規制というのが地域住民、地域の健康被害を生じさせない水準に達しているからいいという、そういう考え方のものではなくて、地球規模での水銀の低減、しかも、できる限り抑制するというところが水俣条約の趣旨でもありますし、大防法の今回の趣旨でもあると思います。

 そういう意味で、この最初のところ、非常に重要だということをまず申し上げたいと思っております。

 非常に細かい点で恐縮ですが、第1段落、第2段落、同じ趣旨で書かれていると思うのですけども、文言が微妙に違っておりまして、地球規模での総量削減という条約の趣旨、それから、できる限り削減するという、これは多分両方にそれらの言葉を入れた方がいいと思っており、それぞれ片方の言葉が落ちているように思いますので、もし可能であれば、エディトリアルなレベルで修正をし、文言を合わせていただけないかということでございます。

 二つ目でありますが、37ページの自主的取組のところであります。第2次の答申を作成していただく前に、この場が意見を申しあげられる唯一の場だと思いますのでここで申しあげます。今回のいわゆる自主的取組のフォローアップというのは、これまでの、例えばVOCのフォローアップとはかなり性格が違うものではないかと思っているという点でございます。

 先ほど大事と申し上げましたけれども、一つは、今回大気排出の対象になったのは、世界的に見て排出量の多いもの、セクターを対象にしたので、日本の実態からみると、大気排出に大きく貢献をしている部門がこの要排出抑制施設に入っているという点であります。

 そういう意味で、本来であれば、日本の水銀排出の中での寄与度が相対的に小さいにもかかわらず、法規制の対象になっている事業者との公平性も考えると、やはりしっかりした、むしろ法規制の趣旨に沿った形での自主的取組の枠組みが必要ではないかと思っています。

 この点は、第2次の報告書をまとめられる際の考え方としてご検討いただきたく、意見を申しあげておきたいと思います。

 以上です。

【坂本部会長】 はい、ありがとうございました。ただいま前半の部分につきましては、文言を統一的な形で修正をするという形で対応したいと思いますが、そういうことでよろしいでしょうか。

 はい、それで、2番目のところにつきましては、今後のところでやっていただきたいと思います。

 それでは、あと崎田委員、お願いいたします。

【崎田委員】 ありがとうございます。まず、今、高村委員がご発言された二つの点、私も同じような視点を持っておりましたけれども、最初の34ページのところのこの排出基準についての十分な周知というところで、私は今回、この水銀の水俣条約というのは、非常に社会の関心も高いですので、今後いろいろ数字が出てきたときにNGOなり、市民なり、非常に関心が高いと思いますので、逆にこういう趣旨をきちんと一緒に伝えていただきながら、事業者とともにこのように削減をしているんだということを社会が一緒に認識していくように周知を徹底するというのは、大変重要なところだと思いました。

 なお、37ページ、やはり同じですが、自主的取組のところで、この制度の検討の過程で、この日本の中では、排出量は大変多いけれども、法規制の対象にはなっていないという業界の皆さんは、この状況は大変よくご承知だったと理解をしております。

 ですから、今後、自主的な取組のフォローアップを考える際にも、できるだけ社会には同じようにフォローアップされた情報が届いていくように配慮していただきながら、この制度設計を考えていただければありがたいと思っております。

 もう一つ最後に、既存施設に関しての適用の範囲のことが出ていたときに、7ページの下のところに1番~5番の中で1つ以上の措置を義務付けているとありましたけれども、例えば、そのときの基準の中でのBAT/BEP、こういうのを適用するということは最低限必要なのではないかとも思いますので、何かこの五つの項目の中で一つ以上という結論に達した過程をもう少し教えていただければ大変ありがたいと思いました。よろしくお願いいたします。

【坂本部会長】 はい、ありがとうございました。そういたしましたら、ただいまいただいた意見につきまして、事務局から、それぞれ現在の状況で説明できるものをお願いしたいと思います。

 どうぞ簡潔にお願いします。

【大久保委員】 鈴木委員、酒井委員のご発言と関連することでしたので、後から札を上げさせていただきました。46ページ、それから高村委員等がご指摘された34ページとの関係ですけれども、基本的には、できる限り抑制することを目的としている排出基準であることから、勧告措置という従来の取り扱いとは違った排出基準違反に対する措置が定められたと理解しております。その点、46ページのところで、排出基準を上回る水銀濃度が検出された場合には、関係自治体にその旨を連絡するとともに、原因究明を行い、再発防止の措置をとることが必要であるとされています。これは基本的に事業者が行うと思いますが、それに対しまして、自治体は、改正法18条の29に基づいて、勧告あるいはそれに従わない場合には命令をするということになると思います。しかし、これをどのタイミングで、どのように行うかということについては記載がありません。次の47ページで、「また~」といって、一般の測定結果の記録と立入検査に係る自治体対応が書かれているというだけにとどまっていますので、この点の考え方について、教えていただきたいと思います。【坂本部会長】 はい、ありがとうございました。

 飯田委員、簡潔にお願いします。

【飯田委員】 今回の調査の中で、環境省法に従ったものと、そうじゃないものがあるという記述があります。それで、十分に精査されているとは思うのですけども、環境省法に従っていないものについての数値からどのように排出量を読み解くかよくわかりません。要するに、酸素濃度も合わせて提出されたものであれば、これは酸素濃度にて換算した排出量で論じるべきです。換算する酸素濃度の値も定めていない、あるいは把握されていないということであれば、その旨の説明がないとインベントリー解析としての信頼性を失うような表現になっているので、その辺を確認させてください。

 以上です。

【坂本部会長】 ありがとうございました。

 そういたしましたら、事務局からお願いいたします。

【瀧口大気環境課長】 それでは、今ご質問があった点についてお答えしたいと思います。

 まず、鈴木委員、酒井委員から、今回の排出基準を適用することで、どれぐらい排出削減効果が得られるのかというご質問がありました。

 端的にお答えしますと、その試算は行っておりません。実際今回の規制によりましていわゆるこの排出量自体は活動量×排出係数で大体計算するわけですけれども、今回の規制を導入するに当たりまして、排出係数の改善というものは見込めるわけですが、活動量自体は不確定なところがありますので、今後どうなるかというところは、申し訳ありませんが、試算はしておりません。

 それから、排出量に関しまして、酒井委員からの二つ目の質問がございました。それはこの資料1の参考資料3という水銀大気排出インベントリーの1枚紙をご参照いただければと思います。

 この資料1の参考資料3、傍聴者の皆様には申し訳ありませんが、お配りしておりませんが、このインベントリーをご覧いただきますと、数字が入っている部分、それから、N.O.というNot Occurring(排出源が存在しない)の部分、N.E.という酒井先生がご指摘になられたNot Estimatedという部分で、排出源の有無が不明、または排出源は存在するものの未推計という部分があります。N.E.については、今後どのように取り組んでいくのかと、あるいは現在の取組状況ということでご質問をいただきましたけれども、今の時点ではまだこのN.E.の部分はそのままでして、今回この2014年度のインベントリーということでまとめておりますが、今後インベントリーの改善の中で、できるだけこのN.E.をなくすように努力をしていきたいと思っております。

 鈴木委員の質問に戻りまして、測定値の評価のところ、ここは大久保委員からもご質問をいただいております。それにつきましては、ページで申しますと、45ページ~46ページになるかと思います。鈴木委員からの質問が実際高い値が出たら、速やかに再測定して、一番上のものと一番下のものを除いて平均値をとるということが、どういう考え方に基づいているのかというのがご質問の趣旨だったかと思います。

 まず今回のこの排出規制というのが、平常時における平均的な排出状況ということで、それを捉えるということにしております。一方で、この測定方法自体は、バッチ測定にするという、そういう方式にしておりますから、両者の間を埋めないといけないということで、この平均的な排出状況を捉えるために一度高い値が出た場合は、速やかに複数回測定をして、それで平均的な状況を捉えるために最大値と最小値を除いて二つ以上の値の平均をとってそれをもって評価をすると。

 ですから、バッチ測定の結果を見つつ、この平均的な排出状況を捉えるようにしたと、そういう考え方に基づいているとご理解いただければと思います。

 この点に関しましては、大久保委員からの自治体との関係についてのご質問がございました。46ページのこの最後の部分になるところですが、再測定後の評価においても排出基準値を上回る水銀濃度が検出された場合には、関係自治体にその旨を連絡するとともに原因究明を行い、再発防止の措置をとることが必要であるということであります。

 ですから、この再測定後の評価においても排出基準値を上回るような場合は、いわゆるその場合が排出基準に適合しないということで、関係自治体にその旨を連絡するようにということです。

 実際に法律の中では、この46ページのこの脚注の26というところに小さい字で書いてあります。都道府県知事は、水銀排出者が排出する水銀等の排出口における水銀濃度が排出基準に適合しない水銀等を継続して大気中に排出すると認めるときは、当該水銀排出者に対し、期限を定めて云々ということで、とるべき措置等を勧告することができるということになっております。

 ですから、まず、いわゆる複数回測定して基準値を超えていたということで、さらにそれが継続して排出されていると認める場合、例えば自治体で調査に入ってそこでさらに測定する、あるいはまた事業者で測定された場合に継続して超えている、そのような場合には、この措置等が勧告できる、という取り扱いとなります。

 飯田委員からのご質問がありました、環境省法とそれ以外の方法でのデータの扱い、例えば、酸素濃度の換算、それについてご質問がありました。これにつきましては、例えば、石炭火力のところの11ページをご参照いただけますでしょうか。

 11ページ、水銀等の排出状況というところで書いてあります。水銀等の排出状況というところの実態調査結果によるというパラグラフの後半部分のまた以下というところでありまして、「また、環境省法のデータは全て標準酸素補正方式による6%酸素換算値であり、環境省法以外のデータは、ガス状水銀のみを測定したものや、酸素換算をしていないものを含まれる」ということで、実際には、酸素換算をしていないものもこちらのデータには含まれております。

 そこのところをどうするかという扱いについて、我々も悩みましたが、実際に多くのデータを見ながら議論した方がいいということで、ばらつきが出ておりますけれども、環境省法と環境省法以外のデータは一緒にはせずに、それぞれ違いがわかるようにこの表の中では書いているところです。

 最後に、条約の中での既存施設の書き振りにつきまして、早水審議官から説明があります。

【早水大臣官房審議官】 崎田委員からご指摘のあった点でございますが、水俣条約の中では、地球規模での水銀の排出を抑制するという観点から、新規施設については、BATを適用するということになりました。他方で、既存の施設につきましては、国によって実情も違う、いろんな技術的あるいは行政的な能力の違いなどもあるということがありまして、いろいろな方法を容認するという考え方で、新規と同じように、BAT、BEPというのもあるでしょうし、他方、例えばこの4番にありますように、複数汚染物質規制戦略というのは、要するに、水銀に対してあまり知識がなくても、ほかのばい煙などの規制で水銀が除去されるということもありますので、そういったことで、ほかの物質への対策も含めて大気排出対策をとることによって下げるというところも認めるというような、幾つかの考え方で既存施設については、柔軟な対応でなるべく下げるという考え方をとっているということでございます。これらを踏まえまして、この8条の第1項にこの条約、排出対策のところの考え方としては、規制措置をとることによって、ちょっと英語で言いますと、controlling and, where feasible, reducing emissionsとなっていまして、エミッションをコントロールする。フィージブルであれば、リデュースを経て削減するという考え方になっておりますので、考え方としては、まずBAT、BEP、できる限り対策をきちっととって排出を管理するというのが基本になっているということでございます。

【坂本部会長】 はい、ありがとうございました。

 ただいま説明をいただきましたけれども、よろしいでしょうか。一部まさに今日ご指摘をいただきましたけれども、34ページの排出基準についての十分な周知のところでご意見をいただきましたけれども、地球規模全体での循環する水銀の総量をできるだけ削減していくんだと、そういった形で今後の施策が進められることが非常に重要であると。その場合に、まだ今回の時点では、最終的には今後排出インベントリーを更新し、総トータルの国内における排出量がどうかというものを見ていって、そして、さらに今後の効率化、見直し等々の項目がございましたけども、その後、さらに排出削減量が総量として年々どうなっていったかということを考えていくことの重要性をご指摘いただいたと思っているところでございます。

 まず今回のこの答申において、ここにつきましては、いかがでございましょう。先ほどいただきました二つの文言修正、対数正規という形の表現の部分については、何カ所か不整合があるということで、そこについては、修正をさせていただく。そして、排出基準の十分な周知のところで、先ほどこれは高村委員、崎田委員からお話のあったところについては、整合性のあるような形で文章を修正させていただくということで、ご了解をいただければと思いますが、いかがでございましょう。よろしいでしょうか。

 はい、どうぞ。鈴木委員。

【鈴木委員】 最終的には、細かいところかもしれませんが、46ページの基準、まず排出削減効果につきましては、引き続き、インベントリーを通じて検証していただくということで、それをぜひしっかりやっていただきたいということでありますが、その基準超過の場合の話については、そうですね、これが絶対悪いということではないかもしれませんが、私が見たところ、これはある種、測定の異常値のような、何というんですかね、一種のエラーを排除するやり方であって、今回のこのデータの処理において、これが必ずしも適切であると私は正直言って思えないところがありまして、ちょっと理解しにくいと。これをやると、どうやったか必ず間違った値が出るかどうかはわかりませんが、後ろの方の再測定値を原因究明するタイミングもいつなのかというのも、これは年平均でやるんですかね、基準値の検証をよくわかりませんが。その辺とも関係しますし、ちょっとこの数字の処理の仕方がよくわからない感じがいたしますので、これは今さらどうではありますが、何がしかこれをご検討いただくことはできないでしょうか。お願いします。

【瀧口大気環境課長】 すみません。私の説明不足の点がありました。まず、46ページ目のところの最後の「具体的には、」のパラグラフのところの最後の文章で、「加えて、」というところがあります。まず、データ自体はこの基準値と比較するために最大値と最小値を除いてということですけれども、データ自体は最大値も最小値も含めて全て記録保管しておくということになります。

 ですから、基準値と比較する場合には、その最大・最小を除くわけですが、データとしては全て記録保管をしておくということであります。ですから、そのデータ、高い値をもう捨て去るというわけではないということをご理解いただければと思います。

 それから、今鈴木委員からご指摘がありましたように、年平均値かどうかということですが、今回の場合は、年平均値としての評価ではありません。ですから、バッチ測定で測定して、そこで高い値が出た場合は、再測定をして評価するという、そういう測定になりますので、年平均値の評価ではないわけです。年平均値での評価とした場合には、1年間を通してでないとその結果が出ませんから、例えば、年の途中で排ガス処理装置が壊れて水銀が高い状態が続いていたとしても、何カ月か待たないとその結果はわからないというようなことにもなりかねませんので、それぞれメリット・デメリットはあるかと思いますが、今回の評価ということでは、年平均値ということではありません。

【坂本部会長】 はい、ありがとうございました。

 いかがでしょうか。飯田委員。

【飯田委員】 今のお話は、対象施設が石炭等を連続的に焚いて、水銀等の排出量が操業の活動量に比例して出てるタイプの施設と、それからバッチ処理的な操業を行う施設で、加熱初期の段階で水銀が一気に排出して、その後は小さい値をたどるようなタイプがございます。これらを一律に論じてしまっては問題がある、そういうご指摘と思います。これは私からも同様なコメントをしておきたいと思います。

 もう1点は、私が質問した酸素濃度換算の件ですが、提出されたデータの中には、酸素濃度の値がなしで数値が提出されて、換算することができなかったデータなのか、それとも酸素濃度の値もあったけれど、換算していないデータがあったときには、どう扱って集計されたか、そういう趣旨の質問でした。

 例えば電気炉で加熱する施設では、空気を供給しなくてもできるものについては、本来もう濃度で規制すること自身おかしなことなので、排出される水銀の絶対量をマスベースで規制すべきものです。というのは、電気炉に空気を送れば排出濃度を薄くすることができるし、送らなければ濃度の高いものになっちゃうんですね。そこで燃焼炉の施設に対しては、それを酸素濃度で換算することで標準化しているわけです。今回のデータの示し方はバランスが欠けるなというイメージを受けてしまうところがあるので、これについても何か説明が必要と思います。

 ただ現状、今それを適用しようとしてもなかなか技術的にも費用対効果の面で課題がある。あるいは事業数が少なく活動量が絶対的に小さいと想定されるのであれば、今後の課題として挙げておくべきと思います。それらを書かないと論理的に欠落のある報告書になりませんかという意見です。

 以上です。長くなってすみません。

【瀧口大気環境課長】 今飯田委員からご質問のあった酸素濃度については、そもそも記録していなかったのか、あるいは記録があったけれども、換算していないのかというご質問につきましては、記録がありませんでしたので、そういうものとして扱っております。

 飯田委員のご指摘の中で、濃度規制というよりも、実際その趣旨に沿えば、排出量としてのマスとしての規制ということのご指摘がございましたが、まず、今回のこの報告書の前に、平成27年1月に中央環境審議会大気騒音振動部会のもとの小委員会で水銀の大気排出対策について答申をいただきまして、その中で、濃度規制が適当であるという結論になりましたものですから、濃度規制ということで、これまで検討を進めさせていただきましたので、そうした経緯で今回の報告書があるということでご理解をいただければと思います。

 また、先生ご指摘のように、いわゆるそうした課題は、今後の課題としてちゃんとテイクノートしてということで、この規制が今後導入されて、いろいろデータが集まってきた上で、さらに見直しをしていくべきだというのは、ご指摘のとおりかと思います。そうしたこともありまして、この49ページ目になりますけれども、今後、詳細かつ最新の排出実態を踏まえて施行5年を目途に必要に応じて測定結果の確認方法と測定方法の見直しを行うことが適当であるということでされておりますので、今飯田委員からご指摘のあったような点も含めて、実際に規制が導入されてデータも集まってまいりますから、見直しを行っていくことが適当であると考えております。

【坂本部会長】 はい、ありがとうございました。

 今幾つか文言の修正と一部説明を追加した方がいいというような部分がいただきました。

 今回、これをもちまして、できれば答申のところまで持っていきたいわけでございますけれども、もし今いただきましたご意見につきまして、座長に一任いただければ、その部分の修正いたしたものを最終的なものとさせていただければと思いますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。

 どうぞ、鈴木委員。

【鈴木委員】 文言については、一応何となく納得してないが、とりあえず了解いたしました。

 測定結果は、保存していかれるということですので、今後、それを排出、特にインベントリーの作成や排出対策の実情を踏まえるというので、ぜひ有効に活かすように進めていただくようお願いいたします。一応コメントだけいたします。

【酒井委員】 鈴木委員のご意見を支持する形での発言を一つさせていただきます。

 確かに46ページのところ、このルールがどういうような背景で、どう出てきたか、あるいはそれに対する裏づけの情報をどれだけ持ってこのルールにされたかというところは、やはり見る側からは気になる部分はあるところだろうと思います。

 そういった意味で、5年後の見直しという話をされておりますので、今後、仮に基準超過があった場合の情報の蓄積度、その解析ということは、今後丁寧にやっていただくということをぜひお願いをした上で、5年後の見直しという点を進めていただければと思います。

 ここまでのところ、この専門委員会で相当丁寧にご審議された結果としての今日のご提案ということです。全体としては、相当丁寧に審議をされてきたことはよくわかりますので、支持をしたいと思いますが、今鈴木委員の言われたところは、一つ大事なポイントかと思いますので、ぜひテイクノートいただきたいという趣旨で発言させていただきます。

【坂本部会長】 はい、ありがとうございました。

 まず、このところにつきましては、要するに、水銀の測定、定常的な状態での値を求めたいという形でやっているわけですが、現実にはデータが少ない、それからかなり変動する、そういった中で、どうするかという中で今のようなものが出る。その一方では、今回の水俣条約において求められていますものは、今後、我が日本での全体での排出量がどのように変化していくか、それを年々出していくということになっておりますので、そういった点を考えた場合には、データとしてさまざまなものをとっていく必要があって、変動が大きいものであれば、より測定回数を増やすなり、もしくはいろんな形でより誤差が狭まるような形でやっていって、全体での排出量が減る方向へ持っていく、これはこの規制的なもの以外にこの後の自主的なところも含めての話になるわけでございます。

 そういう中で、現在では、今こういったところを第1段階として今回の報告書をまとめたということでございますので、今いただきましたご意見については、今後のところで検討させていただきたいと思います。

 それから、文言につきましては、先ほど申し上げましたような形で修正をさせていただければと思います。

 それでは、今回審議いただきました報告書の取り扱いでございますけれども、先ほど、既に話がございましたけれども、今回のものを中環審の浅野会長へ報告させていただき、その上で、会長の同意を得て、中央環境審議会議事運営規則第6条第1項の規定に基づいて審議会の決議として大臣への答申手続をとらせていただく予定でございます。そういった形でやらせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

 はい、ありがとうございました。

 それでは、先ほど今後の予定につきましては、資料3で既に説明をしてございますので、そのようにさせていただきたいと思う次第でございます。

 大分予定の時間を超過してございますけれども、次の報告事項に移らせていただきたいと思います。

 事務局から順次説明をお願いいたします。

【瀧口大気環境課長】 それでは、幾つか報告させていただきたいと思います。

 まず資料4、パワーポイントの横書きの資料がございます。前回のこの大気騒音振動部会におきまして、大気汚染対策に関する国際的な連携ということで紹介をしました。その後、幾つか進展がありました、その一つに、この第18回の日中韓三カ国環境大臣会合が開かれたということがございますので、それを紹介させていただきます。

 資料4ですが、1枚めくっていただきまして、平成28年4月26、27と静岡県静岡市で3カ国の環境大臣がそろう形で議論が行われました。

 TEMM18の成果という資料を見ていただきますと、特に個別分野の主な進展というところで、2番目をご参照ください。

 大気汚染問題についてPM2.5対策が優先課題であることを確認されました。また、PM2.5の発生源に関する研究、PM2.5対策に資する技術に関する情報交換を強化することに合意をしております。

 この関連でさまざまな環境技術の技術支援に活用可能なプラットフォームというものも立ち上げることになっております。

 さらに、今後、日本の技術、知見の貢献により地域のPM2.5対策を促進していくということが今回の会合の成果として挙げられます。

 また、次のページ、3ページ目を見ていただきますと、日中・日韓でそれぞれバイ会談も開かれております。日中のバイ会談では、最初の箇条書きの部分になりますが、PM2.5などの大気汚染問題について、我が国の有する経験や技術を活かし、日中都市間連携協力などを通じた協力関係を深化していくということが合意されております。

 この関連で、6月8日、明日北京で日中の都市間連携協力のセミナーが開催されることになっております。また、日韓のバイ会談におきましては、この箇条書きの3点目になりますけれども、PM2.5に関する二国間のデータ共有等の協力を継続・進展していくということが確認されました。

 具体的には、排出源、インベントリーのデータについて研究所間でのデータ共有をスムーズにしていこうということで、合意がされております。

 以上が資料4の説明になります。

 次に、資料5-1、「アスベスト対策に関する行政評価・監視」勧告と環境省の対応をご参照ください。

 資料5-1の裏面に、総務省の報道資料の1枚紙がございます。先月13日にアスベスト対策に関する行政評価・監視ということで、飛散・ばく露防止対策を中心に、総務省から、環境省をはじめ関係各省に勧告がなされております。この詳細につきましては、この総務省の資料の一番下のところにホームページのアドレスがありますので、ここをご参照いただければこの詳細な結果報告書はご覧いただけます。

 資料5-1の表の面にまいりまして、大きく分けまして、建築物の解体等におけるアスベスト飛散・ばく露防止対策と、災害時におけるアスベスト飛散・ばく露防止対策ということで、ここに書いてありますような勧告を受けております。

 いずれにいたしましても、この勧告につきまして、環境省としては、これに対応していくということで考えております。

 例えば、この地方自治体の方への周知が必要だということに関しましては、自治体の方に通知でお知らせしたり、あるいは担当者の会議等を開いてお知らせするといったこと、あるいは先進的な取組をしている自治体の例をほかの自治体にも知っていただく、そうしたことをしていきたいと思っております。

 また、このアスベストの関連で言いますと、今般の熊本地震におきましても飛散防止対策が課題になっているわけですが、資料5-2をご参照ください。

 これまでこの災害時の対策ということで、環境省で取りまとめておりますマニュアルを紹介したり、あるいは被災建築物のアスベストの使用状況等調査等が熊本県や熊本市において行われております。また、環境省からも、日本保安用品協会を通じてメーカーのご好意で防じんマスク等を被災地にお届けしております。

 次に、資料6-1をご参照ください。

 平成26年度の大気汚染の状況についてということで、毎年報告しているものです。特に関心の高いPM2.5に関して申しますと、この資料6-1の2ページ目をご覧ください。

 (6)のところになりますけれども、環境基準達成率は、一般局で37.8%、自排局で25.8%ということで、昨年度よりは上回っております。これは気象条件等が影響しているものと思われますけれども、引き続き、PM2.5対策を進めていきたいと思っております。

 最後、資料6-2ですが、大気汚染状況についてということで、有害大気汚染物質、これは水銀も含めた有害汚染物質の測定結果をまとめたものです。

 お時間があれば、ご参照いただければと思います。

 すみません。それで、一つ訂正がございまして、この議事次第、議事次第の裏の配付資料の中に、TEMMの協議がTEMM17となっておりますけれども、実際は今回開かれたのは、TEMM18、第18回ですので、そこは修正いただければと思います。大変申し訳ありませんでした。

 次に、騒音振動関係で説明があります。

【行木大気生活環境室長】 では、続きまして、平成26年度の騒音規制法、振動規制法、悪臭防止法の施行状況についてご報告をしたいと思います。

 これは毎年度結果を公表しておりますものですので、ごく手短にご紹介したいと思います。

 まず、資料8-1が、騒音規制法の施行状況の結果でございますが、騒音に係る環境基準の達成状況といたしましては、全測定地点、3,051地点のうち、83.7%の地点で環境基準に適合していたという結果となりました。騒音に係る苦情の件数といたしましては、平成26年度、1万7,000件程度ということで、前年度に比べて393件ほど増加をしております。苦情の内訳を見ると建設作業が最も多いという結果となっておりました。

 続きまして、振動規制法、資料8-2、振動規制法の施行状況でございますけれども、振動に係る苦情の件数といたしましては、平成26年度は3,180件と、前年度に比べて170件ほど減少をしております。苦情の内訳として一番多かったものとしては、建設作業に関するものでございました。

 それから、資料8-3は、悪臭防止法に関する施行状況調査の結果でございます。悪臭に係る苦情の件数といたしましては、平成26年度は1万3,000件ほどでございまして、これは前年度に比べて656件減少しておりまして、11年連続で苦情件数は減少しているという結果となりました。苦情の内訳を見ますと、最も多い苦情の原因としましては、野外焼却となっておりました。

 非常に手短でございますが、この三つの施行状況については、詳細資料をご覧いただければと思います。

 続きまして、資料の番号を記載してございませんが、お手元にこのようなパンフレットが配られております。「まちなかを涼しくしよう!」というものでございますが、大気生活環境室では、ヒートアイランド対策も担当しておりまして、このたび、まちなかで暑いと感じる、人が感じる暑さを低減するための対策につきまして、効果とポイントをわかりやすくパンフレットにいたしましたので、ご参考にお配りをさせていただきました。

 手法もいろいろございますが、例えば、ひろげていただきますと、一番に日差しをさえぎるというものがございますけれども、人が感じる暑さは気温だけではなくて、太陽からの日射や、その周りの壁・床からの放射が効いております。まずは日差しをブロックするということが非常に効果的でして、それだけでも体感温度は5~7度低下するといったことが明らかになっております。

 そのように、例えば地面の高温化を防ぐとか、水を使って地面や壁などを冷やすとした場合に、どれぐらい低減するのかといったようなこともポイントとしてわかりやすく記しておりますので、ご参考にしていただければと思います。

 以上、簡単でございますが、報告させていただきました。

【坂本部会長】 はい、ありがとうございました。

 ただいま資料を大分駆け足で幾つかを説明をさせていただきましたけれども、ご質問等ございます方は、名札を立てていただければと思います。いかがでしょうか。

 崎田委員、お願いいたします。

【崎田委員】 ありがとうございます。先ほど騒音の測定結果などのお話をいただきまして、騒音に関する苦情が少し増えているという数字が出てきました。この数字の増加の印象よりも社会での騒音に関する苦情が課題になるということの方が、この数字よりも少し印象が強いなという感じがして、発言をさせていただきました。

 一応このデータの公表ということでは、これでいいんですが、何かの場で、こういうこの苦情の傾向とか、この苦情にどう対応していくのがいいのかとか、そういうことが話せる場も必要なのではないかと思いました。

 なぜかと申しますと、自治体の公害調停委員をしていますが、どうもコミュニティのつき合いが徐々に薄くなってくるのと、この苦情が増えるというのもある程度相関関係があるかなと思います。近所の子どもの声がうるさいという年配の方たちのお声とか、いろいろなトラブルを見聞きすることが増えておりまして、新しい持続可能な社会に向けた課題というのも、こういうところからどう考えていくのかを少しとらえてもいいと思っております。一言だけコメントをさせていただきました。

【坂本部会長】 はい、ありがとうございました。

 そのほかいかがでしょうか。畠山委員、どうぞ。

【畠山委員】 TEMM18の資料の裏側の二国間の会談結果の中で、日中二国間会談でPM2.5などの大気汚染問題について、日中の都市間連携などを通じた協力関係を深化させるという報告がございましたけども、これは国と国だけじゃなくて、さらには日本で言えば、地方公共団体とか、そういうところにまでこの問題というのはつながっていく、つなげていくと、そういうことでしょうか。

【坂本部会長】 事務局、説明お願いいたします。

【瀧口大気環境課長】 そういうことになります。国と国とだけではなくて、今畠山委員がおっしゃったように、地方自治体間でもこの連携を強めていただくということになりまして、明日開かれるこの北京でのセミナーも、環境省からだけではなくて、地方自治体からも参加していただくと、日中の地方自治体からも参加していただくということになっております。

【坂本部会長】 はい、ありがとうございました。

 そのほか、いかがでしょうか。ご質問等ございましたら、よろしいでしょうか。

 はい、ありがとうございました。

 それでは、本日の予定された議題は終了でございますが、先ほどの審議のところで少し補足をして、後でご覧いただきたいと思いますのは、パブコメの資料2で17ページ、74番、46ページのこの測定のところについてパブコメで意見があったものに対してご意見に対する考え方という形で、こういう形で対応したということで書いてございますので、そこも後でご覧いただければと思います。

 それでは、本日予定された議題は、以上で終了でございますけども、全体を通して皆様方から何かご質問等はございますか。

 もしよろしければ、事務局等から連絡事項等ございましたら、お願いいたします。

【瀧口大気環境課長】 本日は、長時間にわたりましてご議論いただきまして、ありがとうございました。

 本日の議事録につきましては、事務局にて取りまとめを行いまして、委員の皆様にご確認いただいた後、ホームページに掲載させていただきたいと思います。

 また、本日、委員の皆様には、大変多くの資料を配付しております。もしお荷物になるようでしたら、後日郵送いたしますので、附箋などに一言書いて席に置いておいていただければ事務局で処理させていただきます。どうぞよろしくお願いします。

 本日は、どうもご審議ありがとうございました。

【坂本部会長】 それでは、本日の会議は、これで終了したいと思います。

 どうもありがとうございました。